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第11回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ、第8回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ、第4回小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ合同開催(議事録)
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
日時
令和8年5月28日(木)14:00~17:00
議題
- (1)がん診療連携拠点病院等の指定要件、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件、小児がん拠点病院等の指定要件について
- (2)その他
議事
○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第11回がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」「第8回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」「第4回小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、健康・生活衛生局がん・疾病対策課の北國でございます。
本ワーキンググループはYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」及び「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の構成員の皆様につきましては、全員御出席と伺っております。
また「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」につきましては、坂田構成員、中島構成員より、欠席との御連絡をいただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、資料1から11、参考資料1から7までがございますので御確認下さい。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
本日の議題としては「(1)がん診療連携拠点病院等の指定要件、小児がん拠点病院等の指定要件、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について」。
「(2)その他」を予定しております。
今回のワーキンググループでは、一般社団法人全国がん患者団体連合会より天野慎介参考人、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会より藤澤大介参考人、一般社団法人日本血液学会より前田高宏参考人、一般社団法人日本癌治療学会より調憲構成員、公益社団法人日本臨床腫瘍学会より武藤学参考人、一般社団法人日本病理学会より佐々木毅構成員、特定非営利活動法人日本緩和医療学会より所昭宏構成員、公益社団法人日本放射線腫瘍学会より大野達也構成員、一般社団法人日本小児血液・がん学会より加藤元博構成員、公益財団法人がんの子どもを守る会より増子孝徳参考人に御発表をいただきます。
御挨拶につきましては、それぞれの御発表のタイミングでお願いできればと存じます。
また、今回は、3ワーキンググループの合同開催となっております。ここで、それぞれのワーキンググループの座長である、土岐祐一郎座長、瀬戸泰之座長、松本公一座長より、一言ずつ御挨拶をいただけたらと存じます。
まず「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、土岐祐一郎座長、一言御挨拶をお願いします。
○土岐座長 がん診療連携拠点病院、いわゆる成人拠点の指定要件に関するワーキングの座長をしております、土岐でございます。本日は、よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
続きまして「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、瀬戸泰之座長、一言御挨拶をお願いします。
○瀬戸座長 皆さん、こんにちは。
今日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の座長をしております、瀬戸泰之でございます。
がんゲノム医療は、皆さん御承知のように、かなり広まってきているとはいえ、まだ様々な課題があって、適切、的確に患者さんにお届けするためのワーキンググループだと認識しておりますので、今日は皆様方の御意見を拝聴させていただいて、今後の参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 ありがとうございました。
最後に「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、松本公一座長、一言御挨拶をお願いします。
○松本座長 ありがとうございます。
「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の座長を務めております、国立成育医療研究センターの松本でございます。
小児がん拠点病院事業は13年になりまして、いち早く集約化、均てん化を進めているところでございます。
私たちは、小児がん患者さん及び家族の皆様の目線に立って、この節目に少しアグレッシブな改革を考えております。どうぞ活発な御討議のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○事務局 ありがとうございました。
本日の司会進行については、3ワーキンググループの親会に当たります「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の座長でもある、土岐構成員にお願いできればと思いますが、構成員の皆様方、いかがでしょうか。
(構成員首肯)
○事務局 ありがとうございます。
それでは、この後の進行は、土岐座長にお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございます。
本日は、非常に多数の関係団体を代表する先生方の御発表を予定しておりますので、全体の「がん診療提供体制のあり方の検討会」においても、非常に重要な会議であると位置づけております。
それでは、早速でございますけれども、議題の1「がん診療連携拠点病院等の指定要件、小児がん拠点病院等の指定要件、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について」に入りたいと思います。
まずは、資料1のほうを、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、1枚おめくりいただきまして、こちらにお示ししておりますのが、成人・小児・ゲノムの拠点病院等の整備指針見直しの今後のスケジュールで、第20回のがん診療提供体制の在り方に関する検討会でお示ししたものでございます。
令和8年度に、成人・小児・ゲノムの整備指針改定を行い、また、その整備指示に基づいて指定の検討会を実施するというところで、御承認いただいております。
次のスライドをお願いします。
こちらは、成人の整備指針における今後のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらにお示ししますのが、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備指針の改定のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらは、小児がん拠点病院等の整備指針改定の今後のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらにお示ししておりますのが、本合同ワーキンググループにおけるタイムスケジュールになっております。このタイムスケジュールで進めさせていけいただければと存じます。
以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、関係団体の皆様から発表をいただきたいと思いますが、すみません、その前に、私、先ほど「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の座長としてコメントをすることを忘れておりましたが、今、この親委員会のほうでは、集約化と均てん化、特に人口減少、高齢化に従って、集約化の問題を大きく考えております。
ですので、今後、拠点病院の整備の指針におきましても、その辺りを踏まえた建設的な御意見を頂戴したいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、皆様から発表を頂戴するのですが、質疑に時間を取りたいので、各団体最大5分ということで、時間厳守でよろしくお願いいたします。
発表順につきましては、会議の進行状況や通信トラブル等によって前後する場合がございますので御了承ください。
続いて、発表の皆様へのお願いです。ヒアリング資料の画面投影及びページ送りは、事務局のほうで対応しますので、スライドを進める際には、口頭で次をお願いしますとお願いいたします。
また、画面上にタイマーが表示されますので、時間内の進行に御協力をよろしくお願いいたします。
また、質疑につきましては、2つから3つの団体の発表が終わった後に、時間を設けて質問をお受けしたいと思っております。ただ、本日、時間が限られておりますので、全ての御質問を受ける時間がない場合も想定されております。その場合は、御質問は後日メールのほうに送っていただきましたら、事務局を通じて、関係団体に確認の上、後日、回答をさせていただきたいと思います。
質問は、原則は構成員の方のみを想定しております。もし、参考人からございましたら、その都度、もしございましたら、特別ということで、一度こちらに了解を得るようによろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず、一般社団法人全国がん患者団体連合会から、天野参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○天野参考人 全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介でございます。本日は、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
お時間が限られていますので、早速、プレゼンのほうに入らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
資料の2ページを御覧いただければと思います。
全国がん患者団体連合会は、加盟団体は51団体、会員総数は、およそ2万人を有する患者団体の連合組織でございます。
資料の3ページを御覧ください。
私も構成員を務めておりますが、がん診療提供体制の在り方に関する検討会では、均てん化・集約化に関する取りまとめが公開されたところです。
資料の4ページを御覧ください。
こちらで放射線療法、薬物療法、緩和ケアは、さらなる検討が必要と考えております。緩和ケアについては、本日、緩和医療学会より御意見がいただけるものと存じます。
資料の5ページを御覧ください。
放射線療法を受ける患者は、連日、このように外来を受診する必要があり、非常に負担が大きいものがございます。
資料の6ページを御覧ください。
東北大学病院では、MRリニアックにより週1回の照射を2回のみ行う新たな治療の開発が進んでいます。遠隔地から高度な放射線治療を受ける患者の負担軽減に資する新たな治療の導入に対しては、国あるいは都道府県が支援を行う必要があると考えております。
資料の7ページを御覧ください。
こちらにありますように、新たな作用機序の治療薬は、治療成績の大きな向上をもたらす一方で、支持療法も高度化、多様化しておりまして、医療安全の観点からも多職種連携によるチームアプローチが必須となっていると考えます。
がん薬物療法に関する専門資格を有する薬剤師や看護師については、必須要件とすることが必要と考えます。
また、チーム医療推進の観点からは、栄養サポートに関わる医療職やアピアランス研修受講者の配置についても、拠点病院の要件とすることが必要と考えております。
資料の8ページを御覧ください。
拠点病院を対象に学会が行ったこちらの調査では、BRACAnalysis検査を行うことはできるものの、遺伝カウンセリングなど、検査後のフォローを適切に行うことができていない状況がありまして、検査後のフォローを適切に行うために、オンラインでの対応も含め、指定要件のさらなる検討が必要と考えております。
資料の9ページを御覧ください。
沖縄県では、患者と付添人が当該医療機関を受診する場合に要する交通費や宿泊費の助成を行っている市町村に対して、費用の一部を補助する離島患者等通院費支援事業、補助金事業を実施しています。
ほかの都道府県でも、このような取組が行われるよう、事例の情報提供を行っていただく必要があると考えます。
資料の10ページを御覧ください。
今後一定の集約化が進むことから、都道府県がん診療連携拠点病院では、オンラインでのセカンドオピニオンを受け付けることができる体制を必須要件としてはどうかと考えております。また、医療者負担軽減の観点からも、ICTやAIの利活用の推進が重要と考えております。
資料の11ページを御覧ください。
こちらは、厚生労働省研究班のAYA世代を対象とした調査でも、経済的な相談は多数ございまして、高額療養費の見直しに伴いまして、特に経済的な負担は、さらに今後増えることが予想されると考えております。
続いて、資料12ページへ進んでいただいて、こちらは、13ページから14ページまで順に送っていただければと思いますが、静岡がんセンターの事例となっております。
こちらでは、医師の診察の前に、初診説明ビデオを患者に視聴させることにより、相談支援体制を患者にあらかじめ説明し、看護師が普通のスクリーニングを行っています。
がん患者とその家族が、必ず一度は、がん相談支援センターを訪問することができる体制の整備と、がん相談支援センターに看護師を配置することについては、必須要件としてはどうかと考えております。
最後、資料の15ページを御覧いただければと思います。
患者団体等の参画については、都道府県がん診療連携協議会への主体的な参画や医療機関との連携が、残念ながらいまだ不十分と考えております。
地域の患者や住民の理解が必要ですので、都道府県がん診療連携協議会の審議内容については公開としていただければと考えております。
また、院内がん登録の利活用が技術的に困難でできない都道府県もあると伺っておりますので、マニュアルの作成、あるいは技術的助言を求めることができる研究者等の紹介を早期に検討いただきたいと考えております。
私からは以上となります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。
○土岐座長 天野参考人、患者団体を代表して御発表をありがとうございました。後ほど質疑を受けたいと思います。
それでは、次に、都道府県の協議会を代表しまして、藤澤参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○藤澤参考人 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会、いわゆる国協議会の事務局長といたしまして、国立がん研究センターの藤澤から報告いたします。
国協議会には、3つの部会と「2040年問題を見据えたがん医療の均てん化・集約化のタスクフォース」がございます。それぞれの視点から、拠点病院が感じている現状と課題と提言をお話しします。
最初のページには、3部会とタスクフォースに共通する事項を挙げております。
第1は人員配置の問題です。多くの病院で人員不足が課題となっております。患者数が多い病院では、整備指針で規定された基準では十分と言えないことがあります。逆に人口が少ない地域などでは、人材確保が困難なことがございます。
そのため、期待される方向性として、病院全体、地域全体でがん対策に取り組む体制づくりが重要と考えます。地域の人材状況を把握できる体制を整備していただくとともに、また、画一的でない、地域や施設特性に応じた段階的な人員配置基準を検討いただくことを提言いたします。
第2に、病院の中での活動の局在化を減らす方向性を提言いたします。情報提供、緩和ケア、研修などは、本来、病院全体で取り組む事項です。病院管理者の理解のもとで、病院全体で取り組むことを整備指針に明示いただくことを期待いたします。また、がん登録データなどを活用したPDCAサイクルの推進の重要性を提言いたします。
第3は、地域に開かれたがん対策です。見える化されたデータに基づいて、拠点病院、行政、地域関係者が、より一層協働できる体制が重要と考えます。また、研修などを共同で実施することが、人員不足の解決の一助になると考えますので、御検討をお願いいたします。
次のスライドをお願いします。
こちらは、均てん化・集約化のタスクフォースからの提言です。
第1に、均てん化・集約化の議論には、都道府県協議会における行政の主体的関与、及び、地域の関係団体の協力が不可欠と考えます。
第2に、データの整備とデータを活用・分析できる職員の配置が必要と考えます。必要なデータの詳細は資料を御覧ください。
第3は、高度医療提供体制に関する問題であり、情報の把握と共有が重要と考えます。放射線療法には様々な機能と適応がありますので、それぞれに関する情報が必要と考えます。また、均てん化・集約化の議論には、関連する法規や施設基準なども併せて御考慮いただきたいと思います。
第4に、地域の人材に関するデータが見える化されることを望みます。高度医療や医療機器が充実した施設には人員が集まりやすいなど、人材確保と医療設備の配置との関係も御考慮いただきたいです。
第5に、住民への十分な説明を国や自治体から行っていただくことを望みます。また、集約化に伴う通院負担などへの考慮も期待いたします。
次のページをお願いいたします。ページ3は、院内がん登録に関する提言です。
院内がん登録の活動状況は、都道府県によって大きな差がございます。
そのため、第1に、安定的持続可能な業務のために必要な人的配慮を、整備指針に盛り込んでいただくことを期待いたします。
第2に、院内がん情報の利活用を推進するために実施すべき事項を指針に明示いただくことを期待いたします。
第3に、行政と拠点病院とが協力して、その地域や県で十分に研修を実施できるよう、指定要件を御検討いただくことを要望いたします。
次の資料をお願いいたします。
こちらは、情報提供・相談支援部会からの提言です。
第1は、整備指針の理解の推進です。がん相談支援センターは、認知度が十分でなかったり、病院の不採算部門として扱われたりして、相談員が苦慮することがしばしば報告されております。
拠点病院やがん相談支援センターは、本来、二次医療圏の全ての患者さん、御家族、市民を支えるものであり、自分の病院のためだけではなく、地域のためにあるという認識を、病院管理者と全職員の中で理解されることを推進する必要があると考えます。
第2は、地域における体制強化です。地域の関係者を巻き込み、都道府県と都道府県協議会とが協働して体制を構築する必要があると考えます。
第3に、相談支援センターの体制強化です。昨今、一人暮らしの方やゲノム医療の発展など、相談支援に求められる事項は複雑、高度化しており、相談員の配置を強化し、多職種が連携できる体制や、情報が閲覧しやすい環境整備が不可欠と考えます。
最後のスライド、次をお願いいたします。
こちらは、緩和部会からの提言でございます。
第1の問題が、緩和ケアセンターに責任や業務が集中し過ぎている問題でございます。
昨今、非がんの緩和ケアや在宅緩和ケアなど、緩和ケアに求められる内容はますます増加しております。研修も負担となっております。
その対策の根幹として、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアの役割の整理を提言いたします。すなわち、緩和ケアは、がん診療に携わる全ての医療従事者が提供すること、そして、基本的緩和ケアで対応が難しい場合に専門的緩和ケアにつなぐ、ということを指針に明示いただきたいと思います。
第2、第3は、前項に関連して、専門的緩和ケア、基本的緩和ケアの推進の方向性を書かせていただきました。
第4は、地域における緩和ケアの提供体制の一層の充実です。拠点病院が、遠隔医療や症例相談を通じて、地域の緩和医療体制を支援することが望ましい旨を、整備指針に記載いただくことを期待いたします。
また、都道府県協議会の役割は大きく、拠点病院と行政が一体となった地域緩和ケアの推進を明示いただくことを期待いたします。
以上、よろしくお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、発表いただきました、一般社団法人全国がん患者団体連合会、そして、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の2つの発表につきまして、御質問等ございましたら、構成員の先生からお受けしたいと思います。
まず、村本構成員、どうぞ。
○村本構成員 ありがとうございます。村本です。
都道府県拠点病院連絡協議会の藤澤参考人に1点質問をいたします。
都道府県協議会は、現在の指定要件においても重要な役割を担っています。その中で、都道府県間の連携については、隣接する都道府県の医療機関の利用や、都道府県をまたいだ人材派遣等、実務面での連携は実際にあるとお聞きしていますが、2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化や患者・国民への成果還元に向けた、がん登録情報の利活用の推進等の大きな課題に関し、都道府県間で進展度のばらつきも一部既に指摘されています。
指定要件の都道府県協議会の役割の中に、必要に応じて、他の都道府県協議会と連携調整を行うことを盛り込んだ上で、運用面において都道府県拠点病院連絡協議会の場においても、こうした大きな課題の解決に向けて働きかけをいただいてはどうかと思うのですが、見解をお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 いかがでしょうか。
○藤澤参考人 村本様、御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、県をまたいだ患者様の移動や、また、医療従事者の移動がございますので、各県にとどまらない活動は非常に重要と考えます。したがいまして、御提案のように、都道府県協議会が必要に応じて、他県と協働、連携することは重要な点と考えます。
国協議会では、現時点でも都道府県の好事例の共有などをしておりますので、そういった取組を一層推進したいと考えております。
○土岐座長 ありがとうございます。
続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 よろしくお願いいたします。国協議会の藤澤参考人に御質問でございます。
今、たくさんのことをおっしゃってくださいましたけれども、今回の集約化を進めていくに当たっては、一方で、地域における活動ということ、地域全体でのがん医療の推進ということも、拠点病院の仕事として非常に重要なことになってくるのだと思います。
実は、現在の整備指針の中にも、都道府県全体のことを考えるという項目というのは、実際あるのですけれども、この数年間を見ますと、なかなかそれが進んでいるようには思えないような現状があります。
そこを国の協議会として、例えば、この整備指針に書くことになるのかどうか分からないのですけれども、あまりぼんやりした書き方、ぼんやりという言い方が悪いかもしれませんけれども、総論的な書き方をするだけではなくて、具体的な活動ということも含めて、しっかりした整備指針にしないと、なかなか進んでいかないのではないかという危惧を持っております。
特に、今回、この整備指針の改定が3年ごとになったからでありますけれども、やることの優先順位をつけた整備指針、指定要件を作っていって、各都道府県の地域全体のがん医療を推進する、それを各連携協議会がリーダーシップを取れるような項目を作っていただければと思っておりますので、これは、全員で話すことではございますけれども、国協議会としての御意見もいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 なかなか、これは都道府県協議会だけでは難しいかもしれませんけれども、もし、藤澤構成員、コメントがございましたらいかがでしょうか。
○藤澤参考人 ありがとうございます。
御指摘いただいた内容に関する国協議会の役割も重要と考えております。現在の整備指針では、国協議会の機能などは、国立がん研究センターの役割の項目の1つに位置づけられておりますが、国協議会の位置づけをより明確化していただくことが、活動の推進にも役立つと考えます。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、辻本構成員、どうぞ。
○辻本構成員 ありがとうございます。天野参考人に2点質問です。
51の患者団体、約2万人の患者を束ねておられ、また、多方面で御活動をされているお立場から御意見を伺いたいと思います。
まず1点目、がんゲノム医療の体制整備が進められていますが、地域によって差があるように感じております。がんゲノム医療提供体制の集約化と均てん化について、現状どのように認識されているのか、御見解を伺いたいと思います。
もう一点は、資料の15ページになります。
PPIが広がる一方で、患者が委員として参加していても、意見が十分に反映されにくい場面があるように感じております。患者の声を実際の制度や運営に生かすために、どのような工夫が必要だとお考えでしょうか。
○天野参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
まず、1点目のゲノム医療の均てん化についてでございますが、先ほど申し上げましたように、いわゆる検査後のフォローアップということに関して申し上げますと、特に遺伝カウンセリング等においては、私が示した資料では、少し前の調査に当たるのですけれども、やはりまだ、なかなかそういった遺伝カウンセリング等の検査後のフォローということが十分できていない状況があると思います。この部分については、さらなる均てん化が必要だと考えております。
また、薬剤到達率ということに関して申し上げますと、やはり東京の、いわゆるフェーズ1とかの治験等を行っているような施設にアクセスが可能な患者さんについては、やはり薬剤到達率は、ほかの地域と比べて比較的高い状況が、いまだに残っていると聞いておりますので、こういった薬剤到達率を高めるための様々な取組、これは拠点病院の要件だけにとどまらないと思いますが、そういったことを進めることが、均てん化という点においては重要だと考えます。
また、最後の私の説明した資料15ページのPPIについてということでございますが、幾つかあるかと思うのですが、まず、いわゆる都道府県がん診療連携協議会に、今回私のほうからも患者の参画を必須としていただきたいということを、がん診療連携提供体制在り方検討会でも申し上げさせていただきましたが、ただ、形式的に入れるだけでは、なかなか患者さんが発言することは難しいと考えています。例えば、患者さんが1人で、医療者の委員が19人みたいな場で発言するというのは、かなり大変だと思うのです。逆の立場であれば、それが非常に大変だと、よくお分かりいただけると思うのですけれども、ですので、そういったことについては、やはり患者委員に対しては、ある程度、座長等から発言を促すということがあるかと思いますが、もっと大きな話で言いますと、まず、都道府県がん診療連携協議会は、現状、議事の内容が非公開となっている協議会がかなりあると聞いております。
こちらの協議会だけで議論して、その結論を後で出しても、後で大騒ぎになって、ひっくり返されるということが、私も幾つかの都道府県がん診療連携協議会の委員として関わっていますが、そういったことが起きているので、やはり患者や住民の理解を得ていただくことは必須だと考えますので、しっかり公開して行っていただくことが、患者市民参画の観点からも重要だと考えます。
以上です。
○辻本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 ありがとうございます。
私からも天野参考人に1つ質問をさせていただければと思います。
患者さんと御家族の声を都道府県がん診療連携協議会等の協議の場に反映していくこと、私も非常に重要であると考えています。
一方で、都道府県が、患者支援団体等とどの程度つながりを持っていて、また、さらに多様な意見を把握できているのかについては、現状、地域差もあるのではないかと懸念しております。
また、協議会に患者代表さんが参画する場合には、その代表性や継続性の担保も課題になるのではないかと感じております。
それは、がん相談支援センターと患者団体さんとの連携においても、今後議論し、連相互の連携体制を整備していかなくてはいけない点かと思います。そういった観点から、全国がん患者団体連合会のお立場として、都道府県拠点病院、また、がん相談支援センター、患者会が継続的につながるネットワークとして、どのような仕組みが望ましいとお考えなのか、また、今後、指定要件の議論に対して、参考となるような何か好事例があれば御教示いただければと思いました。
以上です。
○天野参考人 御質問いただきましてありがとうございます。
なかなか難しい質問でございますが、ただ、いわゆる患者団体の参画ということに関しては、私は、先ほど申し上げたように必須と考えております。
というのは、やはり拠点病院の均てん化あるいは集約化は、ときに痛みを伴うものですし、これが、全ての方が納得できる、正解だというものはございませんので、患者さん、あるいは地域の住民の方が理解していただく、あるいは納得していただくことが、必須のプロセスだと思うので、それを何とかして進めていただきたいというのが、大前提だということを改めて申し上げます。
その上で、どういった方々が関わるのが重要かということなのですけれども、まず、患者団体と都道府県庁、あるいはがん診療連携協議会の事務局とのつながりが希薄だという場合には、今まさに坂本様がおっしゃっていただいたように、地域の拠点病院の患者団体については、がん相談支援センターが情報を持っていることが多いですので、その点については、がん相談支援センターに対してヒアリングを行っていただくということが1つ考えられるかと思いますし、また一部の都道府県では患者委員の公選制ですね、公に募集して、それを都道府県庁で選考して任命するということもやっている県もありますので、そういった形で、多様な意見をできるだけ反映していただきたいと考えているところでございます。
また、好事例ということに関して言いますと、なかなか難しいのですけれども、ただ、いわゆる相談支援センターと、地域の患者会とのつながりということでいうと、今日構成員としも参加されている、増田先生が勤められている沖縄県が、沖縄県のがんセンターや、地域統括相談支援センターを介して患者団体との連携を深めているという事例がございますので、そういった事例についても、共有していただけると、ほかの都道府県の参考になるかと感じました。
私からは以上です。
○坂本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、平沢構成員、どうぞ。
○平沢構成員 岡山大学の平沢です。天野参考人にお尋ねしたいと思います。
天野参考人より、遺伝性腫瘍症候群診療の体制の整備の必要性、それからオンライン診療の重要性について御指摘をいただきました。
実は、令和4年度の診療報酬改定で、いわゆる遠隔連携遺伝カウンセリングという形で保険適用になったのですが、これは、今に至るまで難病限定となっています。また、令和8年度診療報酬改定で、ここは認められなかったという現状があります。
また、遺伝科、ゲノム科などの名称の標榜診療科というのが、まだ進んでないという状況で、窓口が分かりにくいというのもあると思います。
腫瘍領域で、遠隔連携遺伝カウンセリングの難病限定の解除、それから、遺伝・ゲノム科などの標榜診療科化が進めば、医療者も、患者さんや家族にとっても、がん医療の均てん化・集約化の観点からも非常によいと思うのですが、その辺、御意見をいただければと思います。
○天野参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
今、平沢構成員が御指摘いただいた点は、まさに、いわゆるゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループという会議が厚生労働省で別途ございまして、そちらでも複数の構成員から指摘のあった問題点だと思います。
まず、ゲノム医療に関する標榜診療科の問題も、複数の医療者の構成員から必要性が言われていたので、患者の立場からも、そういった診療科があれば、大変助かると思っております。
また、いわゆる遺伝カウンセリングの体制が後れているということに関しては、もちろん、ICTを活用する形で遠隔診療という形で対応いただくことも可能だとは思うのですが、ただ、やはりこの体制整備というのは、まだまだ後れていると感じております。
実は、先ほど申し上げたワーキンググループで、東京大学医科学研究所の武藤先生と患者団体が共同で調査したアンケート調査を公開させていただいたのですが、患者さんがゲノム医療に関わる不適切な取扱い、あるいは場合によっては差別的な取扱いを受けた対象は、残念ながら一番多いのは医療者ということになっております。ですので、広く医療者の方に、広く浅くゲノム医療について教育していただく、研修をしていただくということも重要ですが、やはり、いわゆる適切な遺伝カウンセリングが実施できるような診療報酬上の手当であるとか、あるいは体制整備は必須だと考えております。
私からは以上です。
○平沢構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、全国がん患者団体連合会、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会については、以上としたいと思います。
天野参考人、藤澤参考人におかれましては、ここで退出していただきますようによろしくお願いいたします。退出後は、YouTubeから御視聴いただければと思います。よろしくお願いいたします。
(天野参考人、藤澤参考人 退出)
○土岐座長 それでは、続きまして、次の団体の発表に移りたいと思います。
一般社団法人日本血液学会から前田参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○前田参考人 よろしくお願いします。
九州大学の前田と申します。私は、日本血液学会のゲノム医療委員会で副委員長をしております。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からは「造血器腫瘍臨床におけるがんゲノム医療の均てん化に向けて」という形で、固形がんと照らし合わせて、お話しさせていただけたらと思います。よろしくお願いします。
次のスライドをお願いします。
まず、造血器腫瘍臨床におけるパネル検査の意義をお話ししたいと思います。固形がんでは、その使用目的が、分子標的薬の適応決定にあるのに対しまして、造血器腫瘍においては、診断、予後予測、治療薬選択と、この3つの意味合いでゲノムプロファイリングが重要になります。
特に予後予測という観点は、造血器腫瘍分野がユニークだと思います。といいますのも、私たちの分野では、一部の疾患に対して、造血幹細胞移植という、場合によっては唯一治癒が望める治療のオプションがあります。
それに対して、初発時のゲノム情報というものが、患者の予後を規定しますので、その情報に基づいて移植の適用を決めるということが非常に重要です。
ですから、診断時にパネル検査を実施することで、より適切な治療法の選択が可能になります。
次のスライドをお願いします。
予後予測につきまして、急性骨髄性白血病(AML)を例にお話ししたいと思います。
こちらにお示ししておりますのは、様々な遺伝子異常のバックグラウンドを持ったAMLの生存率を示しています。例えば、ここにお示ししているように、MECOMの遺伝子異常を持ったAMLというのは非常に予後が悪いことが分かっております。
一方で、PML::RARαですとか、CBFβの融合遺伝子を持ったAMLというのは、比較的予後がよいとされています。移植治療というのは、治癒が望める一方で、移植に関連した非再発死亡率、これは感染症ですとか、造血器障害とか、GVHDなどがありますけれども、そちらが大体10から15%にありますので、一定のリスクを伴った治療になります。
ですので、どの患者さんに、どのタイミングで移植をすべきかということを決めることが非常に重要になります。
その上で、こういったゲノムのプロファイリングに基づいて、予後予測を行って移植の適応を決定するということが非常に大事になります。
次のスライドをお願いします。
ところが、現行のがんゲノム医療の提供体制に関してですけれども、特に造血幹細胞移植という観点から考えますと、右側のパイチャートを見ていただきたいと思うのですけれども、これは、日本造血・免疫細胞療法学会の認証認定を受けた193施設、言ってみれば、移植治療の中核をなす病院になります。
この中で、赤で示した施設、24施設になりますけれども、こちらにおいては、現行のゲノム医療提供体制でパネル検査ができないという実情がございます。
ですので、これは移植を1つの例として取っておりますけれども、本邦の造血器腫瘍臨床診療の実態に即したゲノム医療提供体制の構築というものが非常に重要だと思います。
次のスライドをお願いします。
ここで1つの例として、群馬県の例をお示ししたいと思います。
群馬県内で令和5年に行われた同種造血幹細胞移植28件のうち、21件が群馬県済生会前橋病院で行われています。
ところが、群馬県済生会前橋病院は、現行の体制では、パネル検査の提出ができません。移植適応のある白血病疑いの患者さんが、ほぼ全例、済生会の前橋病院に紹介されているのですけれども、済生会前橋病院では、パネル検査のためだけに近隣の大学病院に転院させるとか、あるいは検査なしで治療をおこなうということが実態としてございます。
これは、群馬県の例をお示ししたものですけれども、実は、こういった同様の構造は、前橋の保健医療圏に限らず、全国の複数の医療圏で認められています。
それでは、次のスライドをお願いします。
このような背景を考えまして、私どもといたしましては、移植適応判断に直結する造血器腫瘍のパネル検査というものは、固形がんとは異なる施設条件の設定が必要と考えます。
すなわち、現行のがんゲノム医療提供体制に加えて、同種造血幹細胞移植を実施する施設におけるパネル検査の提出を可能とする体制構築が望ましいと考えます。
一方で、やはりゲノムプロファイリングですので、質の高いゲノム医療を担保するためにも条件が必要だと考えます。ここに書いたような条件を1つの要件とすることが必要かと思います。
以上となります。御清聴どうもありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、後ほど質問をお受けしたいと思います。
次の団体は、一般社団法人日本癌治療学会から調構成員、発表のほうをよろしくお願いいたします。
○調構成員 ありがとうございます。
それでは、癌治療学会の調でございます。手術に関する指定要件について御報告したいと思います。
スライドをお願いいたします。
スライドは、がんの診療提供体制のあり方に関する検討会で示されました領域別の集約化・均てん化の対象術式を示しております。各診療科で高度な技術を要し、やはり比較的頻度の低くない手術は、特に集約化すべきという議論であったと思います。
次をお願いします。
ここで、がんの高度な手術の集約化を支持する3つの要因を挙げております。
まず、医療の質の向上です。手術数の多いハイボリュームセンターにおける高度ながんの手術の術後死亡の減少が、全国規模のデータから示されております。
したがって、集約化によって実働成績の向上が期待されます。また、医療提供側の因子でございます。日本消化器外科学会の試算では、2040年には65歳以下の消化器外科医は約40%減少すると試算されております。
一方で、がんの手術は約5%の減少ということになっておりますので、このままでは、消化器外科医1人当たり1.6倍の手術が必要だということになります。
また、消化器外科医の長時間労働が問題とされておりまして、働き方改革を同時に推進していかなければなりません。このままの体制では、がんの手術の待機期間の延長が起こるなどが危惧されると思います。
また、医療需要に関しては、特に地方都市、そして、過疎地域で減少する可能性があると思います。
次をお願いいたします。
今後の医療需要の変化を示しております。スライドに向かって左のグラフは、日本全体の手術需要の推移でございます。
2040年には約5%の減少、そして、スライド中央の箱ひげ図は、2040年におけるがんの罹患数、向かって右は、がんの手術数を検討しています。
がんの罹患数、手術数ともに大都市では増加、地方都市では減少、そして、過疎地域、人口減少地域では大幅に減少することが予測されます。
さらに外科医の減少も考慮いたしますと、医療提供体制の再構築は避けられないのではないかと考えております。
次をお願いいたします。
がんの手術の集約化に関して具体的に考えてみました。診療実績における相対的指定要件であるカバー率、このことは、主に手術件数の少ない人口減少地域の医療機関に適応されております。
悪性腫瘍の手術の400例ということを満たしてはいないのですけれども、カバー率を満たすことで、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関は13施設ということになります。
過疎地域では、今後、さらなる手術需要の減少が予測されています。集約化の状況と、外科医数の減少スピード、これを踏まえて、令和11年度の整備指数改定においては、手術件数に係る絶対数基準の引上げ、あるいは手術件数の定義の見直しを含め、より厳格な手術件数要件について検討することも必要かと考えております。
具体的には、現状の悪性腫瘍の手術件数には、内視鏡的な切除も含まれているということがございまして、今後、全身麻酔下の手術を定義するということもあるかと思われます。
次をお願いいたします。
以上、手術療法に関する指定要件のまとめでございます。
手術の質に関しましては、消化器外科、婦人科、泌尿器科において高度な技術を要する手術は、施設の規模が大きいほど、その成績が良好な傾向を認めることが各学会のnationwideのデータで示されています。
医療提供側においては、消化器外科医の大幅な減少から、2040年には、医師当たり1.6倍の手術を執刀する必要があると考えられます。
今後は、今回の診療報酬改定における診療科偏在対策の効果、あるいは学会等の自助努力による医師数の変化を注視していく必要があると思われます。
また、さらに医師の働き方改革を進めていく上で、外科医と手術症例数の一定の集約化は避けられないと考えております。
また、医療需要に関しましては、手術療法の需要予測は、地域別に大きく異なります。人口減少、過疎地域、そういったところでは、大幅な需要の減少が予測されています。がんの手術400例未満で、カバー率によって指定されている医療機関の多くは、今後も手術の需要が減少する人口減少地域に存在すると考えられます。
がんの手術400例以上という絶対要件を指定要件とすることは容認されるのではないかと考えております。
適応された地域に関しては、近隣のがん医療圏との調整あるいは再編を含め検討すべきと思われますが、患者さんのアクセシビリティの確保あるいはがんの術後のフォローアップ体制等については十分な配慮が必要ではないかと考えております。
今後の医療提供側や、あるいは医療需要の変化によっては、さらなる集約化も考慮していく必要があるのではないかと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、さらに引き続きまして、次の団体に移りたいと思います。
公益社団法人日本臨床腫瘍学会から武藤参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○武藤参考人 よろしくお願いします。
私は、日本臨床腫瘍学会から代表してお話しさせていただきますけれども、薬物療法に関わるものがメインですが、薬物療法も多岐にわたりますので、ゲノム医療を軸としてお話ししたいと思います。私は、この3学会のゲノム医療推進タスクフォース/ワーキングループの座長をしておりますし、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会とも連携をして、質を確保したがんゲノム医療提供体制の拡大に関する提案をしたいと思います。
次をお願いいたします。
これは、3月13日に行われた、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループで、厚生労働省から示された見直し後の体制になります。これについては割愛いたします。次をお願いいたします。
これを踏まえて、質を確保したがんゲノム医療実施施設の拡大を目指すための課題整理と解決策ですけれども、左端にありますように、がんゲノム提供医療機関が、がん診療連携拠点病院の3分の2にとどまっております。
がんゲノム医療は、標準治療の1つであり、がん診療連携拠点病院の全てにおいて、がんゲノム医療を実施することを求めたらどうかということでございます。
一方で、がんゲノム医療提供医療機関は、がん診療連携拠点病院等に限定されておりますので、そうではない医療機関でも、先ほど前田先生からお話がありましたように、非がん診療連絡拠点病院でも質の高いがん医療をしておりますので、そこでも一定の基準を満たせば指定が可能となるように、見直しをしてはどうかと思います。
あと、がん診療連携拠点病院には求められていない遺伝カウンセリング体制の整備が求められておりますので、遺伝カウンセリング実績は、施設としての実績を満たさない場合でも、当該専門家の経験も評価対象としてはどうかということを提案したいと思います。
また、がんゲノム医療中核拠点病院が国のがんゲノム医療及び医療開発を牽引できるよう、環境を整える必要がありますので、エキスパートパネルを主導できる人材の育成、そして、遺伝カウンセリング等を行う専門家の確保と育成を求めたらどうかと考えております。
次をお願いいたします。
具体的に、大阪の事例を申し上げます。
JCHO大阪病院は、大阪南にある地域がん診療拠点病院と同じぐらいのがん登録数になりますが、二次医療圏として多くのがん患者さんを診ていますけれども、現行の整備指針では、がん診療連携拠点病院ではないために、ゲノム医療の指定病院に申請できないということになります。
同様の構造は大阪に限らず、全国の大都市の医療圏でも認められることだと思います。
また一方で、別な意味での課題があると認識しております。そこについては、今日は割愛いたします。次をお願いいたします。
提案としましては、質の高いゲノム医療を確保できること、がん診療実績に応じて申請を可能としてはどうかということです。すなわち、がん診療連携拠点病院でなくても申請できることを検討してはどうかと思います。
さらに、遺伝カウンセリングに関しましても、非常勤でも構わないということは、どこにも明記されておりませんので、常勤ではなくても非常勤でもよいということは、通知として出していただきたいと思います。
あとは、遺伝カウンセリング等の実績におきましても、現行の施設基準を満たさない場合でも、以下にありますように、遺伝カウンセリングを3年以上かつ20例以上、もしくは過去に遺伝性腫瘍に関する遺伝カウンセリングを3年以上かつ5例以上というような施設ではなく、人に経験値を求めてはどうかということを提案したいと思います。
次をお願いいたします。
がん診療連携拠点病院の構造は、このようになっておりまして、都道府県のがん診療拠点病院のほかに、地域のがん診療連携拠点病院、これが非常に多いわけですけれども、また、一部の基準を満たさない場合には、地域がん診療拠点病院として、都道府県のがん診療連携拠点病院と連携して、がん診療を推進するということが認められております。
次をお願いいたします。
その上で、都道府県がん診療連携拠点病院要件としましては、このゲノム医療の普及に向けた取組状況を追記するということもきちんと書いてはどうかと思います。
また、診療機能としましても、真ん中にありますように、手術とか放射線、緩和医療と書かれているのですけれども、ゲノム医療を提供する体制を追加することを認めてはどうかと思います。
また、下にありますように、がんゲノム医療の専門家に関する記載も追記してはどうかと考えております。
次をお願いします。
次は、地域がん診療病院の要件としましても、がんゲノム医療を提供する体制を追加して、ゲノム医療を推進するようにしてはどうかということを提案したいと思います。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの日本血液学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会の発表に対しまして、御質問がございましたらお受けしたいと思います。よろしくお願いします。
土原構成員、どうぞ。
○土原構成員 前田参考人にお尋ねをいたします。
血液の領域におけるがん検査ができないというのは、非常に緊急の課題があると私も認識をしております。
一方で、私としては将来のことを考えますと、やはり、そういった核となるような病院が単独で存在をするというよりも、やはり、何らかの形でがん診療における質の担保といったところを総合的に高めていくべきではないかという考えもございます。
現行、がんの診療拠点病院になっていない、該当するような血液の専門の病院というのは、現在のルールでがんの診療拠点になれない何か要因というのは存在するのでしょうか。
○前田参考人 土原先生、どうもありがとうございます。
なれない要因というのは、先ほど武藤先生からお話がありましたように、やはり診療圏の問題だと思います。ですから、連携病院への申込み、その要件を満たしていないということになります。それでよろしかったでしょうか。
○土原構成員 はい、詳細はまた改めてと思いますけれども、そういったところの不均衡といったところも、何らかの形でジャッジをされていく仕組みがあるといいのかと考えました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 東京大学統合ゲノム学の織田でございます。
前田参考人に1点、あと、武藤参考人に1点御質問をさせていただければと思います。
前田参考人にお聞きしたいのですけれども、こちらは、遺伝医学に基づく、遺伝カウンセリングに関する専門的な知識及び技能を有する者、非常勤を含むが配置されていること、これが造血器における拡充で、要件として御記載をいただいているところかと思います。
この専門家の対応ですけれども、これは造血器のパネルのgermline findingsに、しっかりと対応できる方というイメージでおられるのか、あとは先ほどの天野参考人からもありましたように、BRACAnalysisのようなHBOC診療の連携が十分にできていないような施設もありますので、一般的な遺伝性腫瘍症候群への対応というところを考えているのか、1点、まず、そちらを教えていただければと思います。
○前田参考人 どうもありがとうございます。
一般的な対応としては、その他の遺伝性の疾患との対応と全く同じだと思うのですけれども、一方で、造血器の遺伝性の腫瘍というのは、やはりまだ知られていないことも多いですし、カウンセラーの先生方もなかなか知識が追いつかないという部分も多いかなと思います。
ですので、全体としての底上げというものが必要になってくると思うのですけれども、それと同時に、やはりオンラインでのカウンセリングのシステムですとか、そういった形で補助するようなシステムというのが、どうしても必要になってくるのではないかなと思います。
以上です。
○織田構成員 ありがとうございます。
あと、もう一点、武藤参考人に少し御意見を伺いたいと思います。
最後のがんゲノム医療の専門家に関する記載を追加ということを御記載いただいているかと思います。遺伝カウンセリングに関しては、何件とカウントしやすいわけですけれども、がんゲノム医療の専門家に関しては、どういった要件、実績があれば、専門家として認められるのか、具体的なイメージというか、記載の内容を教えていただければと思います。
○武藤参考人 織田先生、ありがとうございます。大変重要な点だと思います。
がんゲノム医療を推進する専門家というと、多分たくさんのいろいろな業務があると思うのですけれども、恐らくエキスパートパネルを主導できるような専門家の育成というのは急務だと思います。エキスパートパネルを主導できる人材を多く輩出できれば、各医療機関でエキスパートパネルが実施可能になるわけなので、そうするとエキスパートパネルが自立する病院が増えるわけですね、中核拠点への負担を軽減するので、例えばエキスパートパネルを主導的に実施した数とか、そういうものを要件にしてもよいかと思いますが、今回は考え方だけなので、一応こういう提示にしました。一案として、そんな感じだと思います。
○織田構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、西垣構成員、どうぞ。
○西垣構成員 武藤参考人にお伺いしたく存じます。2点ございます。
1点ですけれども、まず、今回3学会合同のタスクフォースとして御提案いただいておりますけれども、その中で、人類遺伝学会と遺伝カウンセリング学会による質を確保したと御発表いただいております。具体的に、この3学会のタスクフォースと遺伝関連の2学会の中で、どのような連携体制を取るというイメージがおありなのかというのをお伺いしたいのが、まず1点です。
2点目ですけれども、人材の部分で遺伝カウンセリング等を行う部門への紹介をする者という御記載をいただいておりますけれども、これは、具体的にどのような役割を持って、どのようなスキルセットを有する人間を想定しているのかということと、このような方の養成について触れていただいておりますけれども、そもそも遺伝カウンセリング、遺伝診療を専門にするものの人材育成という点に関しての御記載はなかったように思うのですけれども、その点について、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○武藤参考人 ありがとうございます。
すみません、1点目は何でしたか、2点目を聞いていて忘れてしまいました。
○西垣構成員 1点目は、ごめんなさい、長くて、3学会のタスクフォースとして出していただいているところなのですが、そこに遺伝関連の2学会の質を確保したというところです。
○武藤参考人 ありがとうございます。
がんゲノム医療の遺伝子パネル検査の主たる目的は、薬剤の提供と、治験等で薬剤開発がメインだと思うのですが、先生も御専門とされている遺伝カウンセリングに関して、遺伝性腫瘍とか、そういうところの二次予防とか、そういうことも含めて対応する必要があるので、やはり両輪で動いていく必要があると思います。そういう意味で、非常によい連携体制ができていると考えます。
それで、3学会の前のガイダンスを出したときも、人類遺伝学会、遺伝カウンセリング学会と連携しておりましたが、しばらく間が空いていたので、あらためて5学会の連携として今回新たにまた体制をきちんと整備して、意見交換をしているという状況になります。
人材の育成に関しましては、一緒に連携してきましたけれども、資格を厚労省は求めているわけではなく、専門家という立場での経験値なり、そういう実績ベースで評価したらどうかということなので、先生がおっしゃるように臨床遺伝専門医とか、認定遺伝カウンセラーの育成が急務でありますけれども、育成するカリキュラム、大学院のカリキュラムとか、そういうところもなかなか、今、整備されておりませんので、現場レベルで連携して、専門家と称する、資格はなくても専門家として動ける人を育成していく必要あるのではないかなと思います。
また、先ほどの議論にありましたように、この遺伝に関して、診療科としてまだ認められていないと、国のほうとしては、遺伝カウンセリングをきちんとやりましょうと訴えている一方で、診療科として標榜できないというのは、体制としては非常に大きな弱点だと思いますので、やはりより所となる診療科がきちんとなければ、先生がおっしゃるように、どこに紹介すればいいのだということになってしまいますので、やはりここに関しては、標榜科の検討委員会等で、別途議論をいただきまして、やはり本丸となる遺伝科という診療科を認めていただいた上で、ちゃんと連携できるようにすればいいのかなと思います。その中で人材育成も進めていくのがよいと思っております。
○西垣構成員 承知しました。
ということは、まずは、遺伝カウンセリング等を行う部門がしっかりあるということが本丸で、そういうものがあるときに、そこに紹介をするような、ブリッジになるようなものを育成していくということでいいですか。
○武藤参考人 はい、そうです。中核拠点病院等の指定要件には、ちゃんとその部門を設置することとなっておりますので、そこについては、新たに追加したわけではなくて、それについては、もう既にある要件だと思います。
○西垣構成員 はい、承知しました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、辻本構成員、どうぞ。
○辻本構成員 武藤参考人に質問させてください。
今のお話もありましたけれども、遺伝カウンセリングを担う専門職が限られている状況だと思いますが、地域によっては、体制整備が、なかなか難しい状況にあると思います。その中で、どのような工夫や仕組みが必要であるとお考えかお伺いしたいと思います。
追加でもう一点なのですけれども、標準治療終了前のがんゲノムプロファイリング検査については、患者にとって望まれる検査である一方で、4月1日現在の先進医療A実施施設は3施設にとどまっています。以前、厚労省の方からは、手挙げがあり、要件を満たしていれば、順次承認していく方向性や、将来的な保険収載について伺いました。現時点で広がりが進んでない背景には、どのような課題があるとお考えなのでしょうか。先進医療が受けられる患者は限られており、生命保険文化センターの調査では、民間保険の先進医療特約の加入率は全体で54%、さらに世帯年収200万以下だと35.2%にとどまっています。地域差に加え、経済的な面からも格差が広がる懸念があると思うのですが、この点について、武藤先生は、どのようにお考えになられているかお伺いしたいと思います。可能であれば、厚労省の方からも、いつまでにどの程度進める予定があるのか、御意見をお聞かせいただけますでしょうか。
○武藤参考人 1点目というのは、遺伝カウンセリングの人材育成でしたか。
○辻本構成員 はい、地域では、なかなか難しいのではないかというところです。
○武藤参考人 おっしゃるとおりで、具体的に専門家としては認定遺伝カウンセラーさんになると思いますが、認定遺伝カウンセラーさんの多くが、がんゲノム医療をメインとしてやっているのではなくて、やはり、他の難病とか、出生前診断とか、そちらのほうがメインになっていて、がんを主にやる遺伝カウンセリングさんは、そんなに多くないと思います。
ただ一方で、がんゲノム医療が普及してきた上で、認定遺伝カウンセラーさんも、こういう業務に携わってくだっていますので、そういう意味で、がんに特化したような遺伝カウンセラー、専門家というのを育成するのは必要かなと思っています。
今回の議論とは別なのですけれども、私は、がんプロの事業のほうも担当しておりまして、がんプロの中で、こういう人材を育成していかなければならないのではないかという検討もしておりまして、いろいろなところと連携しながら、認定カウンセラーの資格ではなく専門家という立場で、きちんと実臨床で動ける人を育成していく必要があると思っています。
また、指定要件の中には、その施設の中に遺伝の専門家を配置しなくてはいけないという状況になっていて、これは非常勤でも構わなくなっているのですけれども、遠隔連携遺伝カウンセリングというのは、がんでは認められていないというものも、先ほど平沢先生からもコメントがあったと思うのですが、難病指定だけではなく、がんに関しても遠隔連携遺伝カウンセリングがちゃんと加算できるようにするべきだと思いますし、人材が限られている中で、有機的に遺伝カウンセリングがどのように質を担保した上でできるかということは、喫緊の課題だと思いますので、そこについては関連学会等と、あと、この事業を含めて、人材育成をどうするかということは真剣に考えていきたいと思っております。
あと、標準治療開始前の先進医療Aに関しましては、現行の診療報酬算定要件の中でも標準治療開始の前に使う、その後、速やかにエキスパートパネルを開催して、結果説明をすれば、現行の体制でも実施できているわけです。多くの医療機関で、そういうことを検討されている病院もありますし、また、なかなか医療機関の負担が大きいところで実施できない医療機関もあると聞いております。
先進医療Aをするにしても、現行の枠組みの中でもできているという現状の中で、患者さんに56万円の経済的負担をかける必要があるのかということも、今、各医療機関は考えているのではないかと思っています。先進医療Aが普及しないのは、そういうことなのかなと思いまして、やはり標準治療開始前に実施できるように、制度的な見直しを早急にしていただきたいと思っております。
○土岐座長 ありがとうございます。
事務局からも追加をよろしくお願いいたします。
○がん疾病対策課長 事務局のがん疾病対策課長の鶴田です。
御質問としては、先進医療Aについて、どのように普及していくのかということで御質問をいただいたと思っております。
今のやり取りの中にもありましたけれども、先進Aについては、今年の1月から先進Aが始まっていますので、4月1日時点では、3医療機関が先進Aの届出がされていて、また、ほかの病院でも先進Aを取り組もうとしている医療機関があるとは聞いております。
我々としては、先進Aに取り組んでいただく医療機関を増やすことが重要だと思っておりますので、しっかりと普及が進むように取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
私は今、各論についての質問というよりも、我々拠点病院で働いている人間からの要望という形で、お話をさせていただければと思います。
今後、集約化を進めていくといいましても、がん種によって違うし、モダリティーによっても違うし、その掛け算をすると、どこでどのように進めていけばいいかというのは、多分各県で悩んでいると思います。8月の厚労省の通知の中で、がんのデータをベースにして各県で話し合って進めようということで、それは当然のことなのだと思うのですけれども、やはり何らかの大きな道筋がないと、各県でばらばらのことをやっていく、しかも、例えば、放射線で考えていく、手術で考えていくとなっていっても、全国ばらばらのもので集約化が進んでいくということになると、全国一律のがんの医療が進んでいくのかという不安も持っております。
したがいまして、ここで発言させていただきたいのは、臨床腫瘍学会、今日はゲノムの話でございましたけれども、臨床腫瘍学会であったり、癌治療学会であったり、後で話していただけると思いますが、放射線腫瘍学会であったり、そういう大きなモダリティーの学会が何らかの共通の話題を持って議論をしていただいて、これは少し難しい話で、今、答えろと言っても難しいことなのかもしれませんが、それぞれが活動をするのではなくて、やはり全部が共通の認識を持って何らかの情報発信なり、人材育成なり、がんの集約化の進め方なりのサンプルを示すとか、そういうこともやっていただければ、各都道府県の参考になって進み始めることができるのではないかと思っております。
もちろん、そこでは、学会がやることと言うと、人材育成であったり、全国への情報発信であったりということになったりするのだと思いますけれども、例えば、コロナであったような癌治療学会・癌学会・臨床腫瘍学会3学会共同の発信みたいなことも、このがんの集約化、また均てん化も考えながらの集約化について、何らかのコメントを出していただくとか、活動をしていただくような認識を持っていただければ、今後、我々拠点病院についてもすごく助かるのではないかと思いますし、それに基づいて、何らかの整備指針の改定までに進んでいければいいのかなと思っております。
少し漠とした意見ではございますけれども、これは要望でございます。
以上です。
○土岐座長 藤先生、貴重な御意見として、ぜひ学会等でも考えていきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、東構成員、どうぞ。
○東構成員 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。東京大学公衆衛生学分野の東と申します。
前田参考人にお話をお伺いしたいのですが、群馬県の貴重な事例ということで御紹介をいただきまして、大変勉強になりました。恐らくこういった事態というのが、現行の国の指定ということと、実際の体制ということが乖離しているという事例はたくさんあるのではないかと予想しておりまして、ただ、そこでどのようにやっていくのかということについては、かなり難しいなと感想として思っております。
最後に、造血器腫瘍の臨床における、がんゲノムの医療の条件ということを御提案いただいて、なるほど、こういうのがあるのかなと思ったのですが、一方で、こういったことというのは、かなり個別性の高い話にだんだんなってきてしまうので、一律、これで認められるというのを設定するというのが、個別の臨床の分野というか、疾患分野によるのではないかというところが危惧されるところです。
ただ、個別のところに、きめ細かく設定、研修施設とか、認定施設というのを設定されているのは、学会なのではないかと、私は勝手に想像しているのですけれども、これは、御提案いただいた要件というのは、学会の認定の要件というのと、何かリンクをしているものなのか、それとも今回は別に考えられたものかという、その辺のことを教えていただけるとありがたいなと思いました。
○前田参考人 御質問どうもありがとうございます。
先生おっしゃるように、今回、私は、もちろん造血器に関してお話しさせていただいているのですけれども、これを全部のがんという形で同じように考えていくと、なかなか統一した基準みたいのを設けるのは難しいかなと思います。
今回、私が例としてお話しさせていただきましたのは、移植をまず一番分かりやすい例としてお話し差し上げたのですが、移植に関しましては、日本の移植の学会のほうで認定施設というものがあります。この移植の認定施設というのは、言ってみれば、日本の造血幹細胞移植の中心をなしている認定施設になります。その認定施設であっても、ゲノムパネルができないということで、例を出させていただきました。
ですから、この認定施設でないとパネル検査ができないという意味ではなくて、必要最低限の1つの基準として、学会が認定している、移植を盛んに行っている施設でも、現状ではできないということで、例としてお話しさせていただきました。
あと、追加で少しお話をさせていただきますと、やはり、学会としましても、こういったゲノム医療に関する知識をより強めていこうということで、専門医の試験ですとか、そういったものに関しても、学会として、これは移植学会もそうだと思うのですけれども、こういったゲノム医療に関する教育を高めていこうということは、学会全体として考えております。
以上です。
○東構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 吉野構成員、どうぞ。
○吉野構成員 私は、日本臨床腫瘍学会の理事長の立場で、一言コメントをさせていただきます。
がん薬物療法は、今、がんの中でも非常に中心的な役割を果たしていて、今日、武藤参考人のほうからは、がんゲノム医療というところに特化してお話をいただきました。もちろん、がんゲノム医療は、がん薬物療法の中心的役割を示しますが、その上には、もっと幅広いがん薬物療法がございます。
今、行われているがん薬物療法というのは、チーム医療で、特に看護師さん、薬剤師さんの力も非常に大きく、がん薬物療法看護認定看護師や、がん薬物療法認定薬剤師の方々というのもいますので、そういう方々も要件の中に組み込むということも、1つ重要なファクターではないかということで、臨床腫瘍学会理事長として、コメントを追加させていただきます。
以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
非常にチーム医療ということで、重要なポイントの御指摘をありがとうございました。
それでは、続きまして、松本構成員、どうぞ
○松本座長 ありがとうございます。
私は、小児がんの立場から前田構成員のお話に少しコメントをさせていただければと思います。
前田構成員がお話しされたように、造血器腫瘍のパネル検査は、固形がんとは異なる施設要件の設定が必要というのは、私ども小児がんを専門にしている者に対しては、本当にありがたいお話だと思います。
実際に、今、小児がんの連携病院類型1-Aは、がんゲノム医療連携病院になれるのですけれども、類型1-B施設はがんゲノム医療連携病院になれません。
パネル検査で今一番困っているのは、恐らく小児がん連携病院類型1-Bの小児病院だと思います。大学病院では成人のスキームでパネル検査が提出できるのですが、類型1-Bの小児病院がどうしても検査が出せないという状況になっていると思います。前田構成員からお話のありましたDPC急性白血病症例数上位200施設の中には、小児病院が幾つか入っている、この赤いところに、もしかしたら、小児病院が幾つか入っているのではないかと思います。それから、この24の施設の中にも、小児病院は幾つか入っていると思いますが、やはりパネル検査を提出できない可能性というのが、問題になっております。以上、コメントさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○土岐座長 大変重要なポイント、やはり小児とがんというのが1つのラインにきれいに乗っかるかというと、非常に難しい問題を含んでいますので、もしかすると、2つのラインをうまく組み合わせていかないといけないのかもしれないと感じました。ありがとうございます。
私から1点、手術のことに関してなのですけれども、調構成員にお伺いしたいのですけれども、がんの集約化の多分一番トップを切っていくのは手術だと思うのですけれども、先ほどの、いわゆるアクセス以外に、フォローアップとか、エマージェンシーとか、そういう問題が出てくると思います。それを地元の救急車で、どこか救急病院へ行ってくださいと、いわゆる十分な手術の情報なしに、地元の救急車に乗っていくというのは、やはり非常に危険な気がするのです。やはり集約化が進む以上は、きっちり安全性を確保できるように、いわゆる集約化しても安全性を確保するように、今後どういうことを考えていけば、その辺りが達成できるのか、ぜひ先生から御意見をお伺いしたいと思います。
○調構成員 ありがとうございます。
やはり今の急性期病院が、2つに分かれていく部分があるのではないかなと思っています。いわゆる高度急性期と、そして、もう一つが、いわゆる急性期、地域に対する急性期みたいな、そのイメージが分かれていくのかなという気がしています。
ですから、診療拠点病院がどこに位置するのかなど、いろいろ変わってくるとは思いますけれども、その地域の救急、あるいは中程度、低難度、そういった手術を中心に行っていく病院というのも必要になっていくと思いますので、そういうところをきちんと地域地域で連携しながら整理していくことが必要かと思います。
今回の2科の加算に関しましても、かなりそういった要件が入っているのですね。施設要件として、地域の集約化であったり、あるいは連携に関する、がんの手術のフォローアップなども、術前に患者さんに説明しなさいなどということも入っていたりして、かなりそういうことを意識された加算の中なのかなと思っております。
ですから、先生がおっしゃるように、やはりがんの救急であったり、そういったことが患者さんにとって、あるいは術後の抗がん剤といったもの、そういった治療がちゃんとできないというのは非常に問題になりますので、きちんとそういったところの機能分化や分担をしていく必要は、非常に重要になってくる点かなと思っております。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかに御質問はよろしいでしょうか。
それでは、これにつきましては、一旦ここで閉めさせていただきまして、次に、少し休憩を置いて、すみません、次の方の準備がございますので、予定どおりの進行でいきたいと思いますので、15時35分に戻っていただいて、36分から次の病理学会から御発表を続けたいと思います。
それでは、皆様、一旦休憩ということでよろしくお願いいたします。
(休憩)
○事務局 それでは、時間になりましたので、ワーキンググループを再開いたします。
進行を土岐構成員にお返しさせていただきます。
○土岐座長 それでは、次の団体の発表に移りたいと思います。
一般社団法人日本病理学会から、佐々木構成員、よろしくお願いいたします。
○佐々木構成員 本日は、このような機会を与えてくださいまして、ありがとうございました。日本病院学会の常任理事、医療業務委員長、また、希少がん病理診断支援検討委員長を務めております、佐々木毅と申します。
スライドをお願いします。
病理専門医の分布を示した図になります。関東支部に、全体の37.1%という専門医が集中しております。逆に、この括弧内が前年度との比較ですけれども、東北支部が11名昨年よりも専門医が減っているというようなデータとなっております。
次のスライドをお願いします。
全国の病院数に対する常勤病理医の勤務状況です。この黄色枠に書いていますように、400床以上の一般病院、645病院中、常勤病理医が勤務している病院が502、逆に言うと100以上の病院で常勤病理医が確保できていないというデータになります。
次のスライドをお願いします。
実際に常勤病理医が確保できている医療機関でも、1人しか常勤の病理医が確保できていないという病院が38.3%を占めておりまして、括弧内が昨年までの割合ですが、増えてきているという現状でございます。
次のスライドをお願いします。
一方、病理医の数、少ないと言われていますけれども、病理専門医を目指す専攻医の数になります。病理専門医は黄色に書いてありますように、専攻医3年目、3年間の研修後に、4年目に専門試験を受験するというものになりますが、専攻医の数はゼロ名もしくは1名というところは、今後3年間の間に、病理医が全く出ない、もしくは1名ぐらいしか出てこない都道府県になるということになります。
また、右端の白抜きの部分ですが、専門医機構に登録している病理医専攻医の数、2018年からどんどん減っているような状況で、2025年度、久しぶりに100名に回復したのですが、また今年度20%以上の減で91名という状況になっているというデータになります。
次のスライドをお願いします。
一方で、診療の現場でどうなっているかというと、この表は2017年から2024年までの病院の件数を表したものです。
黄色の部分が2017年と2024年の比較ですが、全体的に増えています。中でも免疫染色の件数が増えていて、例えば、この中では、HER2たんぱくのような分子標的治療薬の、いわゆるコンパニオン診断というものが非常に件数が増えてきているというものです。新たな分子標的治療薬が見つかると、その分子標的治療薬の適否に関して、病理のコンパニオン診断薬というもので病理が評価するということになっていて、業務量は、実際にはかなり増えているという状況になっています。
次のスライドをお願いいたします。
現在、これまで、がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会等において、常勤病理医不在により要件が未充足となって、地域がん診療連携拠点病院から地域がん診療病院に類型変更となった医療機関が複数存在しました。
これについて、構成員から、以下のようにバーチャル連携とか、遠隔病理診断を用いた支援について言及をいただいております。
次をお願いします。
ただ、これらにも課題がありまして、まずは、ネットワークを用いたバーチャル連携ですが、これは、そもそも病理のデジタルスライドをつくるためのバーチャルスライドスキャナーというスキャナーが非常に高額です。これは委託元の医療機関で用意する必要がありますが、大体サーバーも入れて3000~9000万円の投資が必要と。
それで、質についての言及がありましたが、実際には、クラスIIという薬事承認を受けたスキャナーを使えば、十分にそれで病理診断ができるという質の担保はできております。インフラ整備に数千万円の初期投資がかかるということが課題です。
一方で、通常の遠隔病理診断、例えばスライドガラスを送るということに関しましても、下にありますように、ガラス標本の送付に関しては、搬送業者が限られるなどの課題があります。
また、1つ目のポツにありますように、働き方改革で、今後、他病院の支援が非常に難しくなっているという現状もございます。
それで、正しい病理診断のためには、十分な診療情報の提供が前提ということも課題でございます。
次のスライドをお願いします。
病理の均てん化として提案させていただきましたが、がん診療を主に行っている医療機関に求められる要件としましては、まず、病理検体の切り出しが行えることということになります。今、検査技師へのタスクシフトで切り出しができるようになっていますが、病理医でないとできない切り出しというのがございます。
また、病院の診療情報システムへのアクセスが保たれていないと、質の高い病理診断ができません。また、病理医と臨床医の対話は非常に重要だと思っていて、こういう環境を整備することが課題だと思っています。
また、予定外の術中迅速診断、これにも対応できる必要があると考えていますし、また、病理解剖を行う体制の確保というのも課題かと考えています。
次のスライドをお願いします。
このがんゲノム医療というお話が武藤先生とかからもございましたけれども、その病理の体制ということを提案させていただきました。
現在、病理学会では、分子病理専門医という認定制度を開始して6年目ということになります。
病理専門医を取得した病理医が試験を受けて、分子病理に精通した病理医として認定するというもので、現在895名の分子病理専門医を認定している状況ということになります。
以上です。御清聴ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、特定営利活動法人日本緩和医療学会から、所構成員、よろしくお願いします。
○所構成員 よろしくお願いいたします。では、始めさせていただきます。
日本緩和医療学会の理事、事務局長を務めております、近畿中央呼吸器センターの所と申します。
日本緩和医療学会は、多職種からなる約1万2000人で構成されました学術団体でございます。今回、この指定要件検討ワーキングで御提案の機会をいただきまして、ありがとうございます。学会内で検討しました内容について、緩和ケアを中心に御提案をさせていただきたいと思います。
次のスライドをお願いいたします。
提案全体の構成でございますけれども、診療機能、専門的人材配置、相談支援に関して、大きく3つでございます。
赤字の案に関しましては改定、青字の案につきましては現行維持の内容を提案させていただきます。
次をお願いいたします。
診療機能の提案でございますけれども、地域がん診療拠点病院の緩和ケアのところでございます。
案1、苦痛のスクリーニングの運用とリンクナースと役割の明確化についての御提案です。
各部署で適切な苦痛の評価を行い、緩和ケアの提供体制についての緩和ケアチームでの情報を集約するため、がん治療を行う病棟や外来部門には、緩和ケアチームと各部署をつなぐ役割を担うリンクナースなどを配置することということで、下線部を追記しております。
提案の理由としましては、リンクナースの役割は、基本的緩和ケアの推進が基点になります。そのために各部署で行うということは非常に重要であるため追記いたしました。
加えて、リンクナースの配置が進んでおるため、必須化を提案させていただきます。
続きまして、案2でございます。
ACP・意思決定支援ツールの活用でございます。
これに関しましては、現在の指定要件の中の意思決定体制の整備のところの以下のところで追記としまして、なお、その際は関連するガイドラインで推奨されている意思決定支援に関する支援ツールを活用することが望ましいと提案いたします。
これに関しましては、がん医療における患者、医療者のコミュニケーションガイドライン2022というのがございます。この中で、意思決定支援に関するツールとしての質問促進リストや意思決定ガイドラインを用いることが、強く推奨されているためでございます。詳細は割愛いたします。次をお願いいたします。
診療従事者の提案に関する部分でございます。
その中で精神症状を担当する医師の専門資格に関してでございます。
現在は、上記の提案の上段のところに書かれていますけれども、当該医師は精神腫瘍学に関する専門資格を有することが望ましいと追記を提案いたします。
その理由は、がん患者さんの自殺対策など、精神症状緩和担当医師に求められる精神腫瘍学的専門介入の必要水準が高まっております。
一方、地域によっては、これらの医師を確保することが困難であったり、また、がん診療における役割を十分理解していない精神科医、心療内科の医師もいることもございます。
このため、必要要求水準を適用するため、当該医師においては精神腫瘍学に関する専門資格を有することが望ましいと提案させていただきます。
次をお願いいたします。
案4です。医師以外の従事者として管理栄養士の先生方の参画を求めたいと思います。
管理栄養士1名以上の配置、それから、がん患者の栄養に関する専門的資格を有することが望ましく、他部署との兼任を可とし、当該栄養士は、栄養サポートチームと連携して活動することということで、要件の追加を御提案いたします。
その理由としましては、がん患者さんの栄養管理、食の苦悩、苦痛は身体症状緩和、精神症状緩和と関連して、緩和ケアチーム構成員や栄養サポートチームとの協働が必要なためでございます。
次をお願いいたします。
案5から8は、現行の配置要件の維持でございます。詳細は割愛いたします。
次をお願いいたします。
相談支援の提案に関して、サロン、ピアサポートの活用に関しまして、ピアサポートの病院運営・活用に関する研修を受けることが望ましいと挙げさせていただきました。
これにつきましては、スキルアップ、燃え尽き、スーパーバイズ、緊急対応などの連携が求められますため、現在行われています厚労省委託事業のがん総合相談に携わる者に対する研修事業においての内容を、ぜひ地域拠点病院相談支援センターの業務に携わる者に御受講いただければと思います。
次をお願いいたします。
最後に、都道府県がん診療拠点病院の診療機能強化に向けたお話でございます。
案10は、緩和ケアセンターにおいて、ICTを活用した地域連携です。
都道府県のがん診療連携拠点病院の緩和ケアセンターにおいては、病院内のみならず、当該都道府県内全体としての身体症状、精神症状緩和、地域連携に関わる困難事例の対応として、D to P with D or Nによる遠隔診療を行い、実施に当たっては、ICTの利活用をお願いしたいと思います。
案11は、緩和ケアセンターの専任薬剤師です。
これに関しましても、緩和ケアセンターの機能強化として、専任の役割と、それから、がん薬物療法または緩和薬物療法の専門資格を有する方を御提案し、案10とのリンクをしたいと思います。
最後に、案12でございますけれども、緩和ケアチームに協力する公認心理師の1名以上の配置に関するものです。
がん医療分野、中間報告においても、がん患者さんの精神・心理的なニーズへの対応が課題として明示されております。
精神担当の医師や看護師の協働的、効率的な緩和ケアの提供や案10との機能連携ということが必要になります。
現在の都道府県がん診療拠点病院の充足率は84%ということで、兼任ではありますけれども、実施可能性が高いということで御提案させていただきます。
以上でございます。御清聴ありがとうございます。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、公益社団法人日本放射線腫瘍学会から、大野構成員、よろしくお願いいたします。
○大野構成員 日本放射線腫瘍学会の大野です。本日は、よろしくお願いいたします。
私のほうからは、初めに、放射線療法を取り巻く背景を簡潔に説明した後、整備指針に関する放射線療法に関する提案を述べさせていただきます。
次をお願いします。
こちらは、昨年、厚生労働省から公表された、がん患者における三大療法の需要推計です。緑色で示す放射線療法は、2040年に24%需要が増大すると予測されています。
このような背景のもと、安全・安心な放射線治療を持続的に提供できる体制整備が重要になると考えております。
次をお願いします。
こちらの表では、放射線療法の様々な治療法について、都道府県での集約化検討が必要なもの、がん医療圏または複数のがん医療圏単位での集約化検討が必要なものなどを整理しています。
次をお願いいたします。
成人の整備指針では「望ましい(*)」と定める要件については、次期改定で必須要件化を念頭に置くとの記載がありますが、現時点では確定しておりません。
そこで本発表では、アスタリスクの有無にかかわらず、「望ましい」要件が将来的に必須化される可能性を想定して意見を述べさせていただきます。
次をお願いします。
地域がん診療連携拠点病院の指定要件では、強度変調放射線治療、いわゆるIMRTと外来での核医学治療を提供することが望ましいとされています。
IMRTについては、この度の診療報酬改定で、従来の医師2名体制に加え、医師1名体制でも実施可能な条件が示されました。
本来、各拠点病院でIMRTが提供可能であることが望ましいと考えておりますが、「がん医療圏当たり1施設まで」という制約もあり、現時点では、なお全拠点病院での提供は困難と考えております。
核医学治療については、外来での治療に加え、特別措置病室を用いた治療を追記することを提案いたします。
次をお願いいたします。
診療放射線技師の配置については、現状の充足率が高いことを踏まえ、現行の「施設に2人以上」から、「外部照射装置1台につき2人以上」へ変更することが妥当と考えています。
専門資格については、取得率がなお十分とは言えない状況であることから、望ましいにアスタリスクをつけてはどうかと考えております。
次をお願いします。
次は、医学物理士等の専門技術者の配置についてです。
現行の要件に加え、「当該専門資格を有する者を配置できない場合は、都道府県拠点病院等の連携により、当該業務の質を担保する体制を整備すること」を追加することが望ましいと考えております。
次をお願いいたします。
これに関して、都道府県がん診療連携拠点病院に対し、新たな役割を明確化することを提案いたします。
具体的には、地域がん診療連携拠点病院等からの求めに応じ、照射計画立案に係る医師支援や、機器精度管理、照射計画検証などについて、専門的知識を有する技術者等による支援の体制整備をすることです。地域全体で放射線治療の質を担保する仕組みが必要と考えています。
次をお願いします。
複数診療科による治療選択肢がある場合の受診体制については、実効性を高めるため、運用方法をより具体的に明確化する必要があります。
そのため、「受診手順を明確化し、説明同意文書への記載、診療録への記録及びホームページ等による周知を行うことが望ましい」との文言追加を提案いたします。
次をお願いします。
緩和的放射線治療については、単に実施体制を公表するだけでなく、連携窓口や紹介手順なども含めて明示することを提案いたします。
患者さんあるいは地域医療機関にとって、アクセスしやすい体制整備が重要と考えています。
次をお願いします。
画像下治療、いわゆるIVRについては、緩和的IVRを実施可能な体制を整備すること、また、困難な場合には連携体制を分かりやすく公表することを提案いたします。
次をお願いします。
小児がん拠点病院については、これまで放射線療法に関する機器の設置が必須要件となっていました。これについては、自施設の設置を必須とせず、他医療機関との連携でも対応可能とする方向への見直しを提案いたします。
日本放射線腫瘍学会からは以上となります。ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、今、3つの団体から発表をいただきました。一般社団法人日本病理学会、特定非営利活動法人日本緩和医療学会、公益社団法人日本放射線腫瘍学会でございます。
御質問がある方は、ぜひ挙手のほうをよろしくお願いします。
増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 琉球大学病院がんセンターの増田です。日本放射線腫瘍学会、大野参考人に質問と要望です。
厚生労働省がん診療提供体制のあり方に関する検討会では、昨年8月1日付で、2040年を見据えた、がん医療提供体制の均てん化・集約化に関する取りまとめ及び参考資料が公表されています。
その参考資料の47ページでは、放射線療法に関する提供体制の課題、対応として2つ、日本における放射線治療施設当たりの年間新規放線治療患者数や、放射線治療患者数と収益性の関係が示されています。
今日の御発表では出ていませんが、この資料は、今後も厚生労働省の検討会やワーキング資料において繰り返し提示されており、この放射線治療における均てん化と集約化を検討する上で、極めて重要な基礎資料になっていると認識しています。
一方で、この資料の根拠として引用されているのは、全国放射線治療施設の2019年定期構造調査報告であり、既に7年程度が経過しております。
そこで質問です。日本放射線腫瘍学会として、これのデータや分析について、今後アップデートを行う予定はあるのでしょうか。
また、要望です。今後、本ワーキンググループにおいて、放射線治療の均てん化と集約化を指定要件との絡みで検討することがあります。より実効性のある形で議論していくためにも、可能であれば、次回以降のワーキンググループまでに、最新データを用いたアップデート版の資料を御提示していただけると、大変有意義なことではないかと考えます。御検討をよろしくお願いいたします。
○大野構成員 御質問ありがとうございました。
課題として、患者数並びに収益性のバランスをいかに取るか、これは患者さんのアクセスも含めてですけれど、それは確かに課題として認識しております。
日本の放射線治療の状況を国際的に比較しますと、人口当たりの放射線治療装置台数は、世界平均並みなのですけれども、施設の数が多くて1施設当たりの患者数が少ないということが特色としてあります。
したがって、1施設当たりで200例以下というような施設がかなりあって、そういった施設では収益の面でも、いろいろと課題を抱えているということであります。
こちらについては、学会のほうでも定期的に構造調査等を進めておりますので、新しいデータについては、確認でき次第、こちらのワーキンググループにも共有したいと思います。
また、厚生労働省の科学研究費、大西班においても、そのようなアップデートについて調査等を行っておりますので、こちらで利用できるものについては、最新のデータを共有していきたいと考えております。
○増田構成員 ありがとうございます。
ぜひよろしくお願いいたします。
○土岐座長 それでは、続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
日本病理学会と緩和医療学会の佐々木構成員、所構成員に質問をしたいと思います。
まず、病理学会でございますが、私、今、この拠点病院の指定の検討会の座長をしておりまして、実際、御提示いただいたように、病理医がいないので拠点病院になれないということで、実際に、そこに他に拠点病院がなければ地域がん診療病院に類型を変更すればいいですけれども、そこに他に拠点病院がほかにある場合は、拠点病院から辞退するというような事態が起こってきております。特に東北でそういうことも起こってきているのですけれども、これに関しては、病理学会として、どうにかしろとかということでは全然ないのですが、今後これをどうしていったらいいのか、厳しい条件を指定要件にするというのは当然のことなのだとは思うのですけれども、それをそのままにしておくと、今後ますます拠点が拠点でなくなるという事態が来ているのかと思いますので、学会としての御検討というか、御意見をいただければと思います。
それから、緩和医療学会につきましては、今回は示されておられませんけれども、令和4年に出た整備指針の改定に関わった者として質問があります。令和4年改定の現行の整備指針における緩和ケアの提供体制について、緩和ケアチームというのを、以前の平成31年の指定要件では一番先頭にあったところから、現行のものでは3番目に変えました。というのは、基本的緩和ケアをするのがまず第1だと、がんに関わる全ての職員が、緩和ケアについての基礎的な基本的な緩和ケアの実力を上げていくべきなのではないかということで書かせていただいたのですけれども、これに関して、緩和ケア学会として、どのようなイメージを持っておられるかというのをお聞きできればと思います。
といいますのは、こういう整備指針に改定して、もう何年もたつのですけれども、いまだに緩和ケアチームに全部丸投げで、緩和ケアチームが疲弊していてたまらないという声もあちこちから聞いているということで、そこは、やはり基礎的な緩和ケアのレベルアップをするためには、例えば、今度の整備指針で書きぶりを変えないといけないのか、もしくはもっと別の方法があるのかということで、御意見をいただければと思います。
以上です。
○土岐座長 それでは、続きまして、村本構成員、よろしくお願いします。
今、回答は行けますかね、緩和のほうは。
○藤構成員 できれば、病理学会と、緩和医療学会のコメントをいただければありがたいと思います。
○土岐座長 すみません、先に病理のほうからよろしくお願いします。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
病理学会としましては、やはり多様な勤務形態というのはありかなと思っています。
例えば、先生のお話にもありましたように、東北地方などは、やはり病理医の数が非常に少ないと。
そういうところで、工数の問題もありますが、非常勤病理医もままならないというところもありますが、こういうところは、やはり、例えばバーチャルを活用した、いわゆるバーチャル連携で、デジタル画像などできっちりと診断できるとか、病理医に対する情報提供が十分ちゃんと行えて、その中で病理診断が提供できるなどの要件を満たせば、私は、病理学会としては対応可能かなと思っています。
その際に、例えば、今、国が先ほどバーチャルスライドのスキャナーというのは、非常に高額だというお話をしましたが、現在、実は補助金制度が走っています。この補助金制度は、各都道府県の病院局から、年に大体1施設、各都道府県で認められているものなのですが、これは、均等に1施設である必要ないのではないかなと思っていまして、そういうところとも連携しながら、例えば、東北地方のように、いわゆる交通網が発達していなくて、非常勤も送れないようなところは、例えば首都圏にあるような医療機関とバーチャル連携をする際に、東北地方の場合には、1件当たり1つの施設ではなくて、複数の施設にして、そういう枠を広げて、いわゆるインフラの整備ができるような体制を整えて、その上で十分な診療情報を病理に提供していただけるとか、予測しなかった術中迅速に対応できるようにするとか、そういう各方面との、いろいろな課題があるかと思うのですが、それをクリアできれば、私は要件緩和ということで、ただし質の担保だけはしっかりお願いしますということで対応できるかなと思っております。
以上です。
○土岐座長 少し関連しまして、瀬戸構成員からも御質問を頂戴したいと思います。
○瀬戸座長 すみません、少し関連しているので横から入って申し訳ないです。
佐々木先生、すみません、先生のスライドの10枚目の右下のほうに、がんゲノム医療連携病院は、常勤の病理医師を配置とあって、病理医の常勤の要件のため、がんゲノム医療が提供できない医療機関あるという記載が上のほうにあって、これは、実際に何施設ぐらいあるか、先生は把握していますか。
○佐々木構成員 実際には、がんゲノム医療中核拠点病院と、がんゲノム医療拠点病院の中に、常勤のがん遺伝子パネル検査の知識及び技能を有していない、常勤の病理医が配置できていないところが1施設あります。
エキスパート実施可能な、がんゲノム医療連携病院には、全てこのような常勤病理医が配置できています。ただ、がんゲノム医療連携病院になると、実際には入ってきていないところが、まだ半分ぐらいと認識しております。
○瀬戸座長 そうすると、結構あるということですかね。
○佐々木構成員 はい、現在は、まだかなり、895人のうち、この病院に勤務していない病理医もまだかなりおりますので、がんゲノム医療連携病院に全て常勤の医師が配置できていないというところもあります。
ただ、分子病理専門医ということに限定して言うと、そういう状況なのですが、がんゲノム医療連携病院に関しては常勤の病理医がほとんど勤務しているという認識をしております。具体的な施設数に関しましては、ちょっと把握はしておりませんが。
○瀬戸座長 横から、すみません。
○土岐座長 それでは、続きまして、村本構成員、どうぞ。
○村本構成員 ありがとうございます。村本です。日本緩和医療学会の所構成員に1点質問を申し上げます。
案4にあります管理栄養士に関する望ましい条件への追加は、治療に向き合う患者の体力維持向上の面で、患者側として歓迎すべきことと受け止めております。
これに関連しまして、患者の体力維持向上の上での栄養というのは、治療に向き合う一側面というよりも、言わば、土台のようなものでもあり、管理栄養士のみならず、医師を含めて十分に認識いただきたいと思います。
この栄養面の重要性に関する医療者全体の理解浸透に関し、指定要件に照らして、あるいはその他の観点を含めて御見解があれば、ぜひお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 よろしくお願いします。
○所構成員 ありがとうございます。
まずは、村本さんからの御質問でございます。案4、管理栄養士さんのことですけれども、現在の指定要件のところには、1つ項目を設けて管理栄養士さんの配置に関することというのは十分記載がございません。
一方、緩和ケア診療加算においても個別栄養管理加算が、今、保険診療で認められるように、がん患者さんの栄養管理や食の苦悩苦痛に関しては、非常に進んできておりますし、学術的な成果も出てきておるところでございますので、緩和ケアチームと栄養サポートチーム、NSTとの実際的、実効的な連携をするために、今回栄養士さんの配置ということを御提案させていただきましたし、基本的な医療の中での栄養管理としても十分必要と感じております。
それから、先ほど藤先生から御質問がございました、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアに関する御質問を併せて御回答させていただきます。
日本緩和医療学会で集計しております緩和ケアチーム登録のデータによりますと、その病院でがん患者さんが退院した数のうち緩和ケアチームに依頼された率というデータを持っておりますけれども、約500施設ほどのデータでカバー率5%ぐらいというのが平均値でございます。
ハイボリュームのセンターのところは、15%とか20%のカバー率でございますので、非常に病院差、それから地域差によって、このカバー率がございます。
もう一方、基本的緩和ケアは、がん医療の中での土台をなすものでありますし、基本的緩和ケアを推進するにおいて、緩和ケア研修会の受講修了者が、現在、約20万人おります。医師は必須になっておりますし、看護師さんたちもたくさん受けております。
それから、先ほどのリンクナースやスクリーニングのところは、基本的緩和ケアを推進したり、起点、それが起こっていって、把握して、実際の専門的チームにつながっていくためには非常に重要ですので、この基本的緩和ケアと専門的緩和ケアのバランスを各病院の診療機能とか、診療のスタッフの状況等を鑑みながら整備していくことが望ましいのではないかと考えております。
2つ合わせて御回答をさせていただきました。ありがとうございます。
○土岐座長 すみません、失礼しました。藤先生、今のでよろしいですか。
○藤構成員 ありがとうございます。結構でございます。
○土岐座長 失礼いたしました。
それでは、質問に戻りたいと思います。
米田構成員、どうぞ。
○米田構成員 ありがとうございます。血液・がん学会の理事長の米田でございます。
佐々木先生に御質問なのですけれども、小児がんにおいて、病理診断は非常に重要なパートを占めております。
ただ、小児がんに関しては、希少がんと言ってもいいと思うのですが、スペシャリストの方が、以前、小田理事長に伺ったときにはコンサルタントと名乗れる小児病理のエキスパートが全国に10名いらっしゃらないという状況かと伺っております。
小児がんの拠点病院には、やはり、できれば小児がんを専門とする病理の先生がいらしていただきたいのですが、先ほど御提示いただいたバーチャルに関して、小児がんとか希少がんにおいて、これから利用を進めていかれるという方針でしょうか?その辺を伺えたらなと思いまして質問いたしました。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
バーチャル、いわゆるデジタル画像による病理診断なのですが、やはり希少がん分野では、まだまだ課題が非常に多うございます。ガラス標本のクオリティーに、要はデジタル画像が完全に追いついているかというと、まだまだ追いついていないような状況にあります。
その中で、やはり希少がんの病理診断は、HE染色のいわゆるバーチャルによる診断のみではなく、発現しているたんぱく等も、やはり参考資料、我々の診断の資料として非常に重要になってくるという意味では、完全にバーチャルに移行するということに関しては、小児仕様を含め、いわゆる基礎がん領域では、まだまだ課題が非常にたくさんあるということを認識しております。
○米田構成員 ありがとうございます。
私たちの近くで頑張ってくださっている小児病理の先生方は本当にお忙しくて、後継者の育成ということについても、なかなか難しい問題を抱えていらっしゃいますので、ぜひ、病理学会のほうも応援していただけたらなと思っております。
○佐々木構成員 ありがとうございます。現在、実は、がん疾病対策課のほうから中心になって、希少がん診断のための病理育成事業という国庫補助金を毎年いただいております。
その中で、やはり希少領域に関する若手病理のリクルートというのが課題で、それに関しましては交流会も含め、エキスパートの先生方との意見交換や、実際に若手の先生方のリクルートという活動もさせていただいていますので、補助金を利用させていただいて、そちらのほうは、病理学会の課題として取り組んでいきたいと思っております。
○米田構成員 ありがとうございました。
ぜひ、進めていただけたらと思います。ありがとうございました。
○土岐座長 それでは、続きまして、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 東京大学の織田でございます。病理学会の佐々木構成員に質問をさせてください。特にゲノム医療との関連性というところでお聞きしたいと思います。
分子病理専門医の数が増えてきているというところや、パスロジカルシークエンスの重要性といったところが、今、非常に注目されているところかと思います。
一方で、このスライドの6枚目にありましたとおり、病理医の不足、そして仕事量の増加というところが課題になっていると理解いたしました。
特に免疫染色の件数あるいはHER2のたんぱくの検査件数など、こういった検査の急増が課題になるわけですけれども、こういったところこそ、研究力の開発であったり、各診療科の先生方と病理の先生方と一緒に研究していく上で重要になるかと思います。
ただ、あまりにもオーバーワークになってしまうために、免疫染色は、どんどん外注、外出しになってしまって、中で実際に研究を一緒にやろうというモチベーションがしぼんでしまわないか、忙しい病理の先生方が、研究に割ける時間がなくなるのではないかというところを少し心配しています。
パソロジカルシークエンスという形で、日本から病理学的に、あるいはゲノム学的に研究を推進していく上で、人材確保に懸念がないかどうかという点を教えていただきたいと思います。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
まさに先生のおっしゃるところが、本当に病理学会の課題として重要な認識を持っております。
実際に、こういう研修に関して、どのように学会として取り組んでいくかというところを、例えば海外の施設と連携して、そこに研修するための病理医の人材育成も含めて派遣する等も、現在検討しておりますが、何せ、もともと病理医の数が少なくて、さらに業務が増えているという中で、いろいろな研究業務をやる時間がなくなっているとか、余裕がなくなっているとか、いわゆるゲノム医療に関して精通した病理医の育成に力を割くということができていないというのがまさに病理の課題、病理学会の課題でもありますので、今後も検討は続けていき、実際に海外の施設等と連携して、実習などに人員を派遣していくという計画もありますので、それを生かしつつ、ぜひ進めていければと思っております。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
続きまして、坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 ありがとうございます。
私からは、緩和医療学会の所構成員に御質問をさせていただければと思います。
所構成員から、患者サロン・ピアサポーターの活用について御提案いただいたかと思います。相談支援センターの職員がピアサポートの病院運営ですとか、活用に関する研修を受けるということについては、私も相談支援センターの一員として非常にその趣旨には賛同いたします。
一方、今回の提案は、ピアサポートの活用に当たっては、各都道府県で養成講座を終えたピアサポーターさんの活動機会の調整、県内での活動状況の把握、病院とのマッチング、継続的なフォローアップ等も非常に重要だと常々感じております。
しかし、各拠点病院の相談支援センターが個別に担っていくことは、現状の運用上、活動機会やマッチングに偏りが生じる可能性に加え、臨床現場の業務量の面からも厳しいのではないかと感じているところです。
そういう意味では、そこのニーズマッチングや開催場所・時期
等の調整を、例えば都道府県がん診療連携協議会等が関与し、県内全体の仕組みとして整理していくということも、1つ考慮していくことができるのではないなかと思います。その観点で、例えば緩和医療学会として今回御提案された立場からお考え等がありましたら、教えていただければと思いました。
○所構成員 御質問ありがとうございます。
相談支援センターの業務が多岐にわたって御多忙ということは認識しておりますので、今の御提案の内容については、やはり十分検討しないといけないかなと理解しております。
大阪におりますので、大阪府では、今、坂本さんがおっしゃったように、各病院に派遣するマッチングのような形のパイロット事業というのをやっているのですけれども、都道府県と連携しながら、そうしたところの調整といったところも、1つオプションかなと考えておりますので、この辺りは、制度設計においては、十分、現実適用できるような形を考えたいと思います。
○坂本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
私から1点、放射線の大野構成員に質問なのですけれども、今回カバー率での脱落というか、拠点から外れるところが、恐らく手術よりも多いと、三十幾つでしたかね、前回のワーキングでそういう話があったと思いますけれども、そちらがどのように連携というか、フォローしていくことが可能なのかということが1点です。
あとは、外科の場合は、もともと人数が減っているので、恐らく、それらが復活することは難しいと思うのですけれども、放射線の場合は、例えば、もし専門医とかが増えれば、また戻ることがあるのか、もしくは基本的には、やはり集約化がどんどん進んでいくのか、どのようにお考えでしょうか。
○大野構成員 ありがとうございます。
まず、1点目のカバー率等の要件でがん診療連携拠点病院の指定から外れた場合のフォロー体制ですけれども、放射線治療の提供体制は、拠点病院の指定以外に、採算性や人員確保の問題等で影響を受けます。
例えば、都市部で複数の施設が診療を提供している地域と、地方で限られた施設が診療を担っている地域とでは、治療が提供出来なくなった場合の患者さんの通院負担は大きく異なると思います。一方、地域がん診療病院として等、引き続き治療が提供出来る場合には、患者アクセスへの影響は限定的と考えられます。
特に放射線治療は、治療装置のある病院に患者さんが移動して受けなければならないので、アクセスを考慮した提供体制というのは、重要な課題だと考えております。
国内の放射線治療施設のIMRT提供体制がどのように変化するかについては、今後学会でも調査していく予定となっております。
その上で、我々の取組としましても、例えば先ほど前立腺がんで2回通うというお話もありましたけれども、同じ効果であれば照射回数が少なくて済むようなプロトコールを開発し、エビデンス創出と普及を図るという努力もしているところです。
それから、2点目の専門医等人材については、現在、放射線治療専門医が約1,500人ほどおりますけれども、年間約50人ほどずつ増えております。ですから、急に増えることはないのですけれども、着実に増えているという状況でございます。こうした専門医を適切に育成、配置しながら提供体制の充実を図ることも、学会としては非常に大事だと考えております。
○土岐座長 もう一点、どうぞ、瀬戸先生。
○瀬戸座長 すみません、大野先生に、ゲノムではないのですけれども、質問をしていいですか、すみません。
先生のスライドの7枚目なのですけれども、恐らく物理士の配置のことに関して記載していただいているのですけれども、実際物理士は非常に重要な役割を、僕がいるところでも担っていて、その重要性も十分認識していて、先生の学会では、物理士が増えているとか、減っているとか、そこら辺は把握されているのかというのが1点ということと、それから、この記載で言うと、都道府県拠点病院との連携により当該業務の質を担保する体制を整備することということになると、物理士がいなくてもいいと、裏を返せばですね、そうすると、ある意味、集約化の方向には行っていないのではないかという気もしないでもないので、その辺はどうでしょうか。
○大野構成員 ありがとうございます。
まず、医学物理士については、国家資格ではありませんが、医学物理士認定機構が認定しております。これも約1,500人を超えたところとなりますけれども、着実に増えております。
また、その上位資格として治療専門医学物理士という認定もございます。
これらの人材は、特に放射線治療における品質保証、品質管理業務を担う中心的な役割を果たしているのですけれども、先ほどのスライドにありましたように、約2割の施設では、必ずしも専門資格を有する人材が配置されていない状況があります。一方で、医学物理士の資格を持っていなくても、十分な知識や経験を有する診療放射線技師が、その役割を担っているような病院もあり、資格保有者の配置のみでは実際の業務体制を評価できない面があります。
現状は、医学物理士が配置されていない施設が一定数存在しており、そのような施設では都道府県がん診療連携拠点病院等との連携により、治療の質を担保する体制を確保することが現実的と考えているところです。
しかし、将来的には、放射線治療の安全性と質の向上の観点から、すべての施設に医学物理士が配置されることが望ましいと考えております。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、ここで発表は、次に移りたいと思います。
次は、一般社団法人日本小児血液・がん学会、こちらから加藤構成員、よろしくお願いします。
○加藤構成員 よろしくお願いいたします。
小児がん拠点病院等の整備指針に関する要件につきまして、日本小児血液・がん学会宛てに御依頼をいただきましたので、副理事長であり、かつ小児がん拠点病院等のワーキング構成員でもある加藤から御意見を申し上げます。
次をお願いいたします。
今回は合同ワーキングとのことですので、まず3月26日に開催されたワーキングで議論された、小児がん拠点病院等に求められる役割を改めて共有いたします。
会議の冒頭で松本先生からもコメントがございましたが、小児がん拠点病院等が設置され、集約化、均てん化に貢献してまいりました。
その中で小児がん診療に残された課題は、高度化した診療への対応だけでなく、小児がんにおいて特に問題となるドラッグ・ラグ/ロスなどを含めた治療開発や、進歩する技術を活用した診断技術開発と考えられます。
また、小児がん医療の集約化を担う施設として小児がん連携病院が指定されておりますが、各都道府県においての位置づけが明確でないという課題がございました。そこで今回、都道府県小児がん拠点病院の設置が提案されております。
その一方で、少子化が進んでおり、必然的に小児がんの発症数も減少していくことが想定されます。
そのような背景を踏まえ、小児がん拠点病院等に求められる役割と主な指定要件が、このスライドのように議論されました。
なお、このワーキングで選出された参考資料につきましては、本資料の後半につけております。
次のスライドをお願いいたします。
そこで、小児がん拠点病院等における指定要件を議論するために、まずは現行の小児がん拠点病院等における指定要件の概要をお示しいたします。これを土台として新たな役割等を基に、指定要件等を提案いたします。
次のスライドをお願いいたします。
まず、小児がん拠点病院に求められる要件の概要を提案いたします。これまで求められていた役割に加え、ゲノム医療や細胞治療などの施設認定に相当する体制に言及しております。
また、小児がん拠点病院の役割が、治療開発、診断技術開発が中心になる議論がなされたことを申し上げましたが、少子化による小児がん患者数の減少も見込み、質を担保する最低限の診療実績を求めた上で、症例数だけでなく、治療開発、診断技術開発に向けた質と体制で評価することが望ましいと個人的には考えております。
次のスライドをお願いいたします。
人材開発につきましても、治療開発や診断技術開発などの人材育成についても触れております。
また、臨床研究等においては、治療開発等に向けた体制や実績について記載しております。
次のスライドをお願いいたします。
小児がん中央機関におきましては、小児がんの診療の質の向上に向けた基盤となる診療支援、研究支援の基盤となることが求められます。そのための要件を求め、これを役割として果たしていく体制が求められます。
次のスライドをお願いします。
都道府県小児がん拠点病院におきましては、都道府県における小児がん医療支援の中心となることを求めるため、全ての小児がんに対し、多施設連携も含めて標準的な治療を適切に提供しつつ、人材育成も担うための体制を要件として提案いたします。
次のスライドをお願いいたします。
連携病院におきましては、小児がんに対して標準治療を適切に提供することもしくは特殊な設備等を必要とする治療など、施設のそれぞれの特性を生かした、小児がん診療を提供することを求める要件としています。
こちらも、やはり症例数による診療実績もございますが、質での指定要件を決定していくことが望ましいと考えております。
少子化において集約化は必要な流れかもしれませんが、患者、家族にとって過度の負担にならないよう、診療の質を維持した上で、適切な施設配置になるような診療体制が望ましいと思います。
なお、小児がん拠点病院、都道府県小児がん拠点病院、小児がん連携病院の全体を通して、小児がん診療を行うために望ましい支援体制や環境整備についても求めることが望まれますので、その点につきまして、要件に適切に記載することで加算などにもつながり、施設としての体制の整備に向けた後押しになることを期待いたします。
今回時間も限られておりますので、あくまでも要件は概要として提案をしておりまして、全ての記載を網羅しておりません。小児がん拠点病院等の指定要件を通じた目指すべき小児がん診療体制を今後のワーキンググループ等で議論し、具体的な要件として設定していくものと認識しております。
私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、公益財団法人がんの子どもを守る会から、増子参考人、よろしくお願いします。
○増子参考人 公益財団法人がんの子どもを守る会の増子でございます。
スライド2枚目をお願いいたします。
当会は1968年の設立以来、小児がんに関しまして、患者や家族を対象とした相談、経済的な支援事業、治療研究促進のための助成事業などを行っておりまして、親御さんを中心に全国に約1,500名の会員がおります。本日は、このような立場から小児がん拠点病院等の見直しの方向性につきまして、意見を申し上げたいと思います。
まず、スライドの4枚目をお願いします。
まず、都道府県、小児がん拠点病院につきましては、標準的な治療を提供し得る施設が全ての都道府県に1か所以上指定されること自体は望ましい方向性でございます。
他方、地域差から不可避な症例数の違いなどに起因して、医療の質に違いが生ずることのないようにしてほしいというのは、私たちの切実な願いでございます。
療養環境、相談体制、長期フォローアップを受診できる医療機関、当該都道府県小児がん拠点病院のアクセス面での負担におきましても、地域差が生じないことを願っております。
スライドは、この次のものをお願いします。
また、都道府県ごとに指定されることによりまして、かえって、当該都道府県をまたいでの受診が制限されるのではないかということを心配しております。
生活の本拠の場所によりましては、当該都道府県の拠点病院が必ずしも通いやすいとは限りませんので、柔軟な対応が求められると考えております。
次に、小児がん連携医療機関につきましては、スライドは、1つ飛ばして6枚目をお願いいたし。
小児がん連携医療機関につきましては、身近な場所で最適な治療を受けられることが期待されます。
その際、在宅医療との連携も進めてほしいと考えております。質の高い療養におきまして在宅医療は欠かせないものでございますが、現状では在宅医療の担い手が不足していることもあって、必ずしも患者の希望がかなわないという現状がございます。
また、小児がん医療の連携体制から外れてしまいますと、必要な情報が受診する患者及び家族に届きづらいという実情がございまして、現行の小児がん連携病院ではないけれども、現に小児がんの治療をしている医療機関、そうした医療機関との連携も必要であると考えております。
続きまして、スライドは1つ飛ばして8枚目をお願いいたします。
3つ目は、小児がん拠点病院についてでございます。集約によって、現行の小児がん拠点病院の数よりも少なくなることが見込まれます。また、ブロックごとの指定はしないともなされております。
そういたしますと、小児がん拠点病院が、今までよりも、患者の生活の本拠から遠くなることが増えるということが想定されます。その負担を抑えるためには、宿泊施設や家族支援の整備といったものが不可欠になると考えております。
それから、都道府県小児がん拠点病院が設けられる方向性とのセットではあるとはいえ、小児がん拠点病院の集約化が、地方で小児がん治療に取り組もうとする医師の減少を来しはしないかという強い不安の声が、特に地方の会員から届いております。このことは率直にお伝えをしておきたいと思います。
スライドの9枚目をお願いいたします。
見直しの方向性に関する意見とは別のこととなりますけれども、小児がん医療提供体制や療養環境につきまして、患者及び家族の声が私どもに寄せられておりますので、資料の9枚目に御紹介した次第でございます。
小児がん医療において、療養環境は診療と並びたち、患者である子供の成長、発達を支える上で、いずれも不可欠なものと考えております。見直しにおけるいずれの類型におきましても、療養環境に係る要件を充実し、一層整備することが必要であると、このように考えております。
以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、発表をいただきました、日本小児血液・がん学会、公益財団法人がんの子どもを守る会の内容につきまして、御質問をお受けしたいと思います。
菱木構成員、どうぞ。
○菱木構成員 ありがとうございます。千葉大学小児外科の菱木と申します。
私は、がんゲノムのほうの構成員になっておりまして、小児がん拠点に関しては、構成員ではございませんので、若干客観的な立場から、まず、加藤先生に質問をさせていただきたいのですけれども、質問というよりは、加藤先生の取組については、個人的にも聞かせていただいておりまして、これが、かなり輪郭がはっきりしてきたというところで、方向性としてはすごくよいと思いました。
一方、オランダのケースを御紹介していただきまして、あそこの国では、1つの拠点に全ての小児がん患者を集約するというところなのですけれども、そうした場合に、そこの集約化されたところの施設に、十分な資源と、それは財源も含め、それから人的な資源も集約するということが併せて行われないと、少しバランスが悪いのかなと考えました。
特に、現在の小児がん拠点病院を眺めますと、非常に血液腫瘍というのは、化学療法部門は強いのだけれども、外科療法が必ずしもそこについてきていないとか、逆に外科療法が非常に強いのだけれども、ほかはそうでもないというところがありまして、それを総合的な診療能力を持った、そして、さらに研究も推進できるような拠点病院をつくっていくということだと思うのですけれども、そこの人員配置にどのぐらいワーキンググループあるいは制度として介入する方向を考えておられるのかということについて、質問をさせていただきます。
○加藤構成員 ありがとうございます。
どの程度さらに集約化を進めるのかということの、まず、議論はとても大事だと思っております。
先ほど、がんの子どもを守る会からの御発表にもありましたとおり、例えば集約は、もちろんいいことかもしれません、効率化という点では、ただ、過度の集約を進め過ぎると、結局御家族、患者さんにとって移動の負担を強いることにもなってしまいますので、オランダという地域の広さとか、交通アクセスのことが、そのまま日本に外挿できない可能性があるのではないかと思っております。その点で、どこまで集約化を進めるかは、また別途議論が必要だと思います。
ただ、一方で、菱木先生の御指摘は、集約化として患者だけ頑張って集めても、医療者を集めなければ、やはりそこの負担が過度に増してしまって、結果的に診療の質を提供できないということなのだと認識しました。その点は非常に大事だと思っております。
やはり拠点として指定を受けるからには、人もしっかりと集めて、さらにその教育までを含めて、そこに集約して行えるような体制があるべきだと思います。
ただ、やはり過度の集約化がいろいろなことで無理を生じる可能性はあると思いますので、これまでの小児がん拠点病院との施策において、一定割合の集約はできたのではないかと個人的には考えております。
その質を維持しつつ、それを今後きちんと広めるために都道府県小児がん拠点病院でしっかりと標準治療を適切にできる施設を、地域ごとにきちんとつくっていくべきだとは考えております。
それにおいて、やはり小児科医だけではなく、先生方も含めた小児外科医の質の維持も大事だと思います。ただ、一方で、小児外科の先生たちの数が限られていることもございますし、患者数の減少に伴って手術経験というのも限られていると思いますので、その点、やはり小児がん拠点病院、都道府県小児がん拠点病院においても、ある程度の得意、不得意が出てしまうのはやむを得ないかなと思います。むしろ、ここに関しては、これが得意なので、しっかり患者連携をしよう、施設間連携をしようという形で、柔軟な施設間連携ができることのほうが、日本の現状に合っているのではないかと個人的には思っております。
ただ、本当にそれがベストかは分かりませんので、ぜひ関係の方々からいろいろな御意見をいただきながら、あるべき小児がん診療の提供の体制を日本でどのようにすべきかという議論が継続される必要があると思っています。
○菱木構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 松本構成員より、御質問をどうぞ。
○松本座長 ありがとうございます。
私のほうからは、加藤構成員、そして、増子構成員にそれぞれ御質問をさせていただければと思います。
まず、加藤構成員に関してですが、日本の小児がん医療は、JCCGという研究グループ、そして小児血液がん学会という学会、そして、この拠点病院・連携病院という実働部隊という、この3つの組織が三位一体となってきちんと活動していると考えております。
それで、質問としては2つございます。
1つは、拠点病院の年間新規症例数、拠点病院というのは、都道府県の拠点病院ですね、上位規格としての拠点病院ではなくて、都道府県の拠点病院において、年間の新規症例数が一定数のということになっておりますが、昨今やはり少子化が進んでおりますので、何人というものを都道府県の拠点病院が満たすというのはなかなか難しいと思うのです。
そこで、私としては、例えば、その県に発症する小児がんの患者さんの3分の2をカバーするとか、何かそういう別の要件があるといいのかなと思いましたが、その点に関して、学会として何か御意見がございますかということが1点です。
もう一点は、先生のほうから人材育成というお話がございました。集約化で非常に難しくなっているとは思うのですけれども、私は、例えば、都道府県の拠点病院で、なかなか患者さんを診ることが難しいような病院というのは、例えば今回新しく設定される拠点病院のようなハイボリュームセンターで研修ができるようなシステム、あるいは、そういうものを義務づけるような指定要件、そういうものがあればいいのかなと考えますが、学会として、何かその辺り御展望はございますでしょうか。
○加藤構成員 ありがとうございます。
学会として、まだコンセンサスが取れているわけではございませんので、また、持ち帰っていろいろな議論が必要だと思っていますが、まずは、副理事長としての私の立場で申し上げさせてください。
まず、前半の都道府県の小児がん拠点病院の診療実績のことに関しては、松本先生の御意見のとおりだと思います。やはり施設において子供の数が減っている以上、地域においては、都道府県の中でもあまり多い数を設定すると、それに対する診療実績は困難ということがあると思います。
要は、都道府県においては、小児がんを診なくていいかというと、そういうわけではなく、では、全員東京に集約するかというと、そういうわけにはいきません。先ほど、がんの子どもを守る会の方からも申し上げましたとおり、どのような形がそれぞれベストなのかということは、やはりそれぞれの患者さんごとにあるべきだと思います。
そういう意味で、やはり、少子化が進んだ、特に地方においては、それでもその県の、やはり都道府県の小児なりを支えるという施設がきちんとあれば、そこはきちんと質が担保できた上で、数がなくても、やはりきちんと拠点病院として指定するほうが妥当ではないかと思います。
その意味で、その都道府県の中で発生する小児がんの中の一定割合をきちんと診ているのだと、その中の核になっているのだという事実があれば、僕はよいと思いますので、それが果たして3分の2がいいのか、半分がよいのかということは、やはり、都道府県の県境の移動も含めた実情に応じた数字設定が望ましいのではないかと思います。松本先生の御意見に私自身も賛成です。
もう一つ、研修体制に関しても御質問をいただきました。これもまた御指摘のとおり、少子化で症例数が少なくなることもありますので、同じように地方では研修が困難になる可能性も危惧されます。これもやはり、先ほどまでの議論にありましたとおり、それでも、やはりきちんと標準治療を提供できる人材が各地方にいるべきだと思いますので、拠点病院等で積極的に受け入れて、人を循環させて人材育成が効率にできる体制が望ましいと思います。
さらには、個人的にもう少し踏み込んで申し上げますと、難しい面があることも承知しておりますが、医師以外の看護師さんなどの人材に関しても、病院間で交流して育成が効率的になると思いますので、そのようなことを指定要件等に盛り込む形で、後押しができるととてもよいのではないかと考えています。
以上です。
○松本座長 ありがとうございました。
本当に人材育成等をきちんと考えていかなければならないので、ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、増子構成員のほうに少し御質問をさせていただければと思います。
増子構成員のほうから、相談支援体制の地域格差ということをなくしたほうがいいというお話をいただきました。
現在、小児がん拠点病院、小児がん中央機関といたしまして、小児がんの相談員というものを、今、この10年間でおよそ600名近く育成することができました。もちろん、看護師とソーシャルワーカーが半分ぐらいずついらっしゃって、数はいるのですけれども、なかなか機能という面においては、まだまだ問題があるかなと考えています。
さらに、国立がん研究センターのほうからの患者体験調査でも、その小児がんの相談員に対する認知が少ないということがありました。
私としては、ぜひ、小児がんの相談員は、成人のノウハウが利用できるような成人と小児の連携を進めていくべきとも考えております。あるいは相談支援は、もっと中央化してウェブ活用もできるようなシステムがあってもいいのかなと思います。増子構成員にお伺いしたいのは、この相談支援体制というものを小児がん拠点病院の要件として入れる場合に、どのような要件が望ましいとお考えでしょうか、お聞かせいただければと思います。
○増子参考人 ありがとうございます。
まず、現状として、今の松本座長の御質問の中にも出ておりましたけれども、なかなか認知されていないと、それは相談員の方の側にもあるだろうし、患者家族の側にもあるかもしれません。
実情としては、私どもが把握し得るのは、私どものほうから相談事業を行う上で、各医療機関の相談員の方にお話を伺ったりということがあるのですけれども、その際に、個人情報の取扱いとか、そういう話は別にして、なかなか事案を把握されていないということで、なかなか連携が難しいという事例を多く当会では経験をしているということでございまして、そんなことから今回申し上げた次第でございます。
それで要件ということになると、そこは、なかなか申し上げづらい部分はありますけれども、やはり、相談支援というのは、相当に専門的な業務だろうと思うのです。ですから、その専門業務に見合った資格、待遇というものが想定されるべきであって、要件もそれに沿うようなもの、そういったものを考えていく必要があるのだろうと。抽象的なことになりますけれども、やはり大事なことですので、優先度は結構高いものだと、このように理解をしております。
以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、米田構成員、どうぞ。
○米田構成員 ありがとうございます。
加藤先生の御発表については、私、同じ学会の立場なので、質問とかではないのですけれども、1つ、これも個人的な意見として聞いていただきたいのですが、小児がん拠点病院を全ての小児がん拠点病院にオールラウンダーを求めるというのは、やはり人材の配置としては無理があると、限界に来ているのではないかと考えています。
特に、先ほど菱木先生から御指摘があったように、外科治療に関しては、やはり外科医の経験値あるいはチームの経験値が非常に重要になってまいりますので、例えば、脳腫瘍が得意な小児がん拠点病院であるとか、あるいは骨軟部腫瘍が得意な小児がん拠点病院というのが存在してもいいのではないかと、これは個人的に考えています。これによって特定の領域の人材育成が、より円滑に行えるのではないかなと考えています。
あとは、増子参考人に御質問なのですけれども、療養環境ということを考えた場合、小児特有の療養支援を担当する専門職というのがございます。この辺り、守る会のほうでどのようなニーズを持っていらっしゃるかということをお聞かせ願えたらと思っております。
○増子参考人 ありがとうございます。
恐らく、今、米田先生が御指摘になられた療養支援を担当する専門職というものの、小児がんの患者さん、その家族というのは最大のお客さんというか、ユーザーであるグループだと思うのです。しかし、一方で、小児がんの患者家族の間に、それが広く知られているかというと、かなり知られていないと言っていいと思います。それは、専門家の方たちもあまりこちらにアプローチしてこないということもあるのだと思うのです。宣伝が足りないと思います。
ですので、なかなか会として、そのことを取りまとめる機会がなかなかないのですけれども、しかし、先ほど申し上げたように、非常に大事な役割を持った職種であると。ですから、この小児がん拠点病院が最初にでき上がったときに、それを想定した要件が入っていたかと思いますけれども、その後、表現が二転、三転はしているようですけれども、今なおというか、ますますそこが必要になってきていると。それで、徐々にではありますけれども、そうした職種の方も増えてきているわけですので、どこかで質的な転換が訪れるのではないかと、そのように期待をしているところでございます。
○米田構成員 ありがとうございます。
この資格は、日本の国内で取れない資格もあり、いろいろな資格がまだ混在している段階ですので、これをできるだけ早く統一したものとして、日本の中で取得して、能力を持った方を正しく認定していくこと、そして、それを養成していくということは、これからも必要かと思いまして、質問させていただきました。ありがとうございました。
私からは以上です。
○土岐座長 それでは、続きまして、松岡構成員、どうぞ。
○松岡構成員 ありがとうございました。
日本小児がん看護学会で理事長をしています、三重大学の松岡です。今日は、ありがとうございました。
前半のところで、緩和医療のこともあったので、その点も含めて小児がん拠点病院のことについて、加藤先生にお尋ねします。
多分、今回抜粋だということではあったと思うのですけれども、ワーキングの中でも折に触れお伝えしていますが、治す反面、小児がんはまだ治らない子供たちもいたりする場合に、今回、要件の中に緩和ケア、緩和医療という言葉を見つけることができなかったのですが、その辺りのことについて、どのように考えていけばいいか、または、それがやはりすごく重要な点ではないかと思うので、その辺がどうなのかということをお尋ねしたいのが1つ。
あと、増子さんにお尋ねしたいのは、在宅医療の推進ということで書いくださっていましたが、今の緩和医療のことにも多分つながると思うのですけれども、拠点病院がすべき在宅は、多分送り出す、もしくは転院するときのこととか、それが本当に可能かどうかということを考えますと、そういうセンターがあるかとか、そういう役割機能があるかということとか、それが緩和ケアチームとどう連携しているかということも重要かなと思うので、どのような役割を拠点病院に求めておられるかというのをもう少し教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○加藤構成員 それでは、すみません、加藤のほうから、まず、お返事いたします。
緩和ケアに関しては、松岡先生のおっしゃるとおりで、小児がん診療の中、小児がんに限らないですけれども、がん診療の中の一部だと考えております。決して今回、中に書かなかったのは、緩和ケアを軽視しているわけでは、もちろん全くなくて、がんの治療、特に終末期医療に限らず、がん診療全体の中で緩和ケア自体の体制は大事だと思っております。
今回、もう御理解いただいているとおり、発表に充てられた時間も含めて概要として提案しておりますので、実際に具体的なものでは、小児がんに対する緩和ケアのあるべき体制がどのような形で規定すればいいのか、現行の要件も見ながら、今後ぜひワーキングの中で具体的に議論をしていければと思っております。
以上です。
○土岐座長 増子参考人、どうぞ。
○増子参考人 増子でございます。
在宅医療との連携の関係で、拠点病院の役割という観点からの御質問だったと思います。いろいろあろうかと思いますけれども、当面不足をしているのは、やはり在宅医療を担う医療者が少ないということ自体もあるのですけれども、その情報もなかなか伝わらないという部分がございます。
ですから、拠点病院に求められるところとしては、少なくとも域内の、例えば長期フォローアップをできる医療機関の情報を集約しておく、それに従って、連携というか、移行の手伝いをする、そういった機能が求められるのではないかと。やはり医療機関は、一般的にどこそこに行ってくださいみたいにおっしゃっていただいて、後は全部患者さんが説明するみたいなところが、どうしてもあるわけなのですけれども、やはり連携と考えたときには、その辺の気配りもしていただけるような体制があると、言いたいことばっかり言って申し訳ありませんが、患者は大変助かるということだと思います。
以上でございます。
○松岡構成員 ありがとうございました。
多分、そういうところの質がすごく求められるのかなと思って、すみません、あえて質問をさせていただきました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、所構成員、どうぞ。
○所構成員 ありがとうございます。
今の御議論と少し関係しているところですけれども、私ども小児がんの緩和ケアチームの登録のデータを持っておりまして、成人と大きく異なるのは、依頼項目で家族ケアと精神症状というのが上位に来ます。また、転機が外来フォローというのが多くなりますので、外来でサポートできる体制と、その医療スタッフ、それから他機関との連携といったところが、やはり成人と大きく異なるところですので、その辺りを、ぜひ今後も小児がんのほうでは、緩和ケアとしてはサポートできればなと思います。コメントでございます。
以上です。
○土岐座長 貴重な御意見をありがとうございました。
それでは、続きまして、増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 小児がんイコールではないのですが、視点として出てこなかったものですから、親御さんががんになった子供の支援という視点が、成人にも小児がんにも抜けていまして、そこについて、少しそれぞれのワーキングで議論を深めたり、もう一つは、各それぞれの学会のほうで御議論していただくのがいいかなと思います。
例えば、御自身ががんに罹患したことをどのようにお子さんに伝えるのかに始まって、多くの問題が含まれているにもかかわらず、ここのところが、完全に隙間で落ちているのではないかと考えております。
がんの親を持つ子供たちや、実際にがん治療と子育てを両立している人ですとか、その御家族の、そういったところをサポートすることが、やはり、拠点病院には求められるかと思いますので、その点につきまして、もし、今日御参加の参考人の皆様ないしは学会の構成員の皆様でも構いませんが、何かあればということと、それは、ぜひ成人のほう及び小児のほうにも、そういう視点を書き込んだほうがいいのかなと考えております。
以上です。
○土岐座長 これは、事務局ですかね、あまり今までなかった御意見ですが。
○事務局 事務局でございます。
今後のワーキングを含め、検討してまいりたいと思っております。
○土岐座長 増田先生、大変新しい視点からの問題でございますので、また、新しい問題として検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○増田構成員 よろしくお願いします。
○土岐座長 それでは、続きまして、山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 ありがとうございます。小児脳腫瘍の会の山崎でございます。
時間もないものですから、簡単に加藤構成員に質問といいますか、お願いがございます。
今回提示いただきました概要につきましては、あくまでも概要というところですので、これから様々議論が重ねられて、いろいろ言葉が入っていくのかなと思います。
先ほどから緩和ケアのことですとか、在宅療養の話がありましたけれども、やはり妊孕性温存のことに関しても少し触れていただきたいというところがございます。
あとは、やはり脳腫瘍ですとか、網膜芽細胞腫といった本当に高度な治療が必要な、専門性を要する疾患につきましては、拠点病院とかに入ってこないと、やはり情報が伝わってこなくなりますので、ここが漏れないように、今の状況でも患者家族は、いわゆる拠点病院が何なのか、連携病院が何なのかというところの理解が追いついていないところがありますので、この先、また再編されるというところで、情報の混乱が生じるのではないかという心配がございますので、この辺りをきちんと整理していただけたらなというお願いでございます。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 これは、加藤構成員になるのですかね、いかがですか。
○加藤構成員 御指摘は、全くおっしゃるとおりだと思います。情報に関してどうするかというのは非常に大事な観点で、妊孕性も大事なのは、もちろん言うまでもなくて、おっしゃるとおりだと思います。
それで、情報を患者さんにきちんと届けられるように、一人一人の患者さんに届けられるようにというのは非常に大事で、その点で、きちんと都道府県小児がん拠点病院が、それぞれの地域にある小児がん連携病院をしっかりとサポートする形で、どの病院にあったとしても、拠点病院であったとしても、拠点病院ではなかったとしても、小児がんの患者さんたちに、きちんと必要な診療と支援の情報が届けられるような体制を、指定要件を通じてつくることができると、とてもよいと考えております。ありがとうございます。
○山崎構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございました。
続きまして、谷田部構成員、どうぞ。
○谷田部構成員 加藤先生にお伺いしたいのですけれども、先ほどもお話があったとおり、病理医の不足、特に小児がん領域の病理医の不足については、お知らせがあったとおりです。
しかしながら、小児がんは診断が難しく、診断がつかないために治療開始が遅れるなどの案件も聞いております。小児がんの診断について、病理医の不足を補填するような体制など何かお考えを、小児がん拠点病院の中に入れるようなお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○加藤構成員 ありがとうございます。
まず、病理診断が小児がんの診療の出発点であることは、まさに先生のおっしゃるとおりだと思います。特に様々のゲノム診断も含めまして、診療の技術が難しくなってきておりますので、それらをきちんと全国の小児がんの患者さんに届けられるような体制を議論することは極めて重要性が高いと思っております。そのために病理の先生方との連携は非常に重要ですので、ぜひ御支援をよろしくお願いいたします。
実際にどのように要件を組み込んでいくかは、非常に難しいところで、私自身も今回の提案を考えながら悩みました。例えば、小児がんに関して習熟した病理医が常勤でいないといけないとなると、実際に手挙げができる病院がほとんどなくなってしまうのではないかなということも懸念します。
そのような意味では、まず、1つは施設間連携と、あとは、やはり中央機関による基盤整備なのではないかと考えております。
ですので、先ほどデジタルスキャナーの話もございましたが、そのような形で施設間連携と、中央機関による下支えをもって、全国の小児がん患者さんたちがきちんと適切な診断を受けるような体制づくりを、要件を通じてメッセージが出せればいいと思っておりますし、もちろん私だけではなく、先生方も含めて、学会でもそのような活動を目指すことができればとてもよいと思っております。
以上です。
○谷田部構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、石井構成員、どうぞ。
○石井構成員 発言の機会をいただき、ありがとうございます。国立がん研究センターの石井と申します。
加藤構成員に1点、お伺いです。
各指標のところ、病院の要件のところで、医療の質というところを御記載いただいていると思うのですが、小児がんに関しては、もちろん希少、数が少ないということもありますし、血液腫瘍や固形腫瘍と様々あるということでしたり、あとはフォローアップ、長期フォローアップの問題であったりというところで、個別の診療の質というのが、なかなか立てづらいと、ないしは、それが非常に多岐にわたってしまうというのが難しいところなのかなと感じました。
一方で、小児がん特有の、例えば、御家族のケアだったりとか、ないしは連携の体制だったりというところも、医療の質という意味では重要なのかなと思っていたのですが、何か先生方、学会として今の時点で、大まかでももちろんなのですが、何か想定しておられるような医療の質のようなものがあれば教えていただきたいなと思いました。
以上です。
○加藤構成員 ありがとうございます。
学会でというよりは、厚労科研の松本班等で、いわゆる小児がんに関するQI等が調査されております。それは、1つの指標になるのではないかと考えております。また、全体に学会等でも、例えば、どのような形で施設認定を行うかということに関しての議論が行われておりますので、学会の施設認定ですとか、小児がんのQI等を評価しながら、診療の質をどう考えるかという、ある意味難しい御審議に今後なっていくのかなと思いました。ひたすらたくさん数だけを見ればいいというのが、評価としては、実は公平で分かりやすいのですが、少子化と、あと、この地域のいろいろなバランスを考えますと、それが果たして小児がん医療において最適の質だとは、必ずしも考えにくい部分もありますので、質をどのように評価するのか、ぜひ、先生方のお知恵も拝借しながら、評価の方法を考えさせてください。ありがとうございます。
○石井構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
増子参考人におかれましては、退室をよろしくお願いいたします。
(増子参考人 退室)
○土岐座長 皆様、長時間にわたり、ありがとうございました。これで全10団体からの発表が終わりました。
それでは、進行のほうを事務局のほうにお戻ししたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
構成員の皆様方、また、御発表いただきました参考人の皆様、円滑な進行、誠にありがとうございます。
次回以降のワーキンググループの日程につきましては、追って御連絡のほうをさせていただきます。御協力を改めて感謝申し上げます。
それでは、本日は、これをもちまして本ワーキンググループを終了いたします。先生方、誠にありがとうございました。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めます、健康・生活衛生局がん・疾病対策課の北國でございます。
本ワーキンググループはYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」及び「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の構成員の皆様につきましては、全員御出席と伺っております。
また「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」につきましては、坂田構成員、中島構成員より、欠席との御連絡をいただいております。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
議事次第、資料1から11、参考資料1から7までがございますので御確認下さい。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
本日の議題としては「(1)がん診療連携拠点病院等の指定要件、小児がん拠点病院等の指定要件、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について」。
「(2)その他」を予定しております。
今回のワーキンググループでは、一般社団法人全国がん患者団体連合会より天野慎介参考人、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会より藤澤大介参考人、一般社団法人日本血液学会より前田高宏参考人、一般社団法人日本癌治療学会より調憲構成員、公益社団法人日本臨床腫瘍学会より武藤学参考人、一般社団法人日本病理学会より佐々木毅構成員、特定非営利活動法人日本緩和医療学会より所昭宏構成員、公益社団法人日本放射線腫瘍学会より大野達也構成員、一般社団法人日本小児血液・がん学会より加藤元博構成員、公益財団法人がんの子どもを守る会より増子孝徳参考人に御発表をいただきます。
御挨拶につきましては、それぞれの御発表のタイミングでお願いできればと存じます。
また、今回は、3ワーキンググループの合同開催となっております。ここで、それぞれのワーキンググループの座長である、土岐祐一郎座長、瀬戸泰之座長、松本公一座長より、一言ずつ御挨拶をいただけたらと存じます。
まず「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、土岐祐一郎座長、一言御挨拶をお願いします。
○土岐座長 がん診療連携拠点病院、いわゆる成人拠点の指定要件に関するワーキングの座長をしております、土岐でございます。本日は、よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
続きまして「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、瀬戸泰之座長、一言御挨拶をお願いします。
○瀬戸座長 皆さん、こんにちは。
今日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の座長をしております、瀬戸泰之でございます。
がんゲノム医療は、皆さん御承知のように、かなり広まってきているとはいえ、まだ様々な課題があって、適切、的確に患者さんにお届けするためのワーキンググループだと認識しておりますので、今日は皆様方の御意見を拝聴させていただいて、今後の参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 ありがとうございました。
最後に「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」より、松本公一座長、一言御挨拶をお願いします。
○松本座長 ありがとうございます。
「小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の座長を務めております、国立成育医療研究センターの松本でございます。
小児がん拠点病院事業は13年になりまして、いち早く集約化、均てん化を進めているところでございます。
私たちは、小児がん患者さん及び家族の皆様の目線に立って、この節目に少しアグレッシブな改革を考えております。どうぞ活発な御討議のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○事務局 ありがとうございました。
本日の司会進行については、3ワーキンググループの親会に当たります「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の座長でもある、土岐構成員にお願いできればと思いますが、構成員の皆様方、いかがでしょうか。
(構成員首肯)
○事務局 ありがとうございます。
それでは、この後の進行は、土岐座長にお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございます。
本日は、非常に多数の関係団体を代表する先生方の御発表を予定しておりますので、全体の「がん診療提供体制のあり方の検討会」においても、非常に重要な会議であると位置づけております。
それでは、早速でございますけれども、議題の1「がん診療連携拠点病院等の指定要件、小児がん拠点病院等の指定要件、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について」に入りたいと思います。
まずは、資料1のほうを、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、1枚おめくりいただきまして、こちらにお示ししておりますのが、成人・小児・ゲノムの拠点病院等の整備指針見直しの今後のスケジュールで、第20回のがん診療提供体制の在り方に関する検討会でお示ししたものでございます。
令和8年度に、成人・小児・ゲノムの整備指針改定を行い、また、その整備指示に基づいて指定の検討会を実施するというところで、御承認いただいております。
次のスライドをお願いします。
こちらは、成人の整備指針における今後のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらにお示ししますのが、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備指針の改定のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらは、小児がん拠点病院等の整備指針改定の今後のスケジュールになっております。
次のスライドをお願いします。
こちらにお示ししておりますのが、本合同ワーキンググループにおけるタイムスケジュールになっております。このタイムスケジュールで進めさせていけいただければと存じます。
以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、関係団体の皆様から発表をいただきたいと思いますが、すみません、その前に、私、先ほど「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の座長としてコメントをすることを忘れておりましたが、今、この親委員会のほうでは、集約化と均てん化、特に人口減少、高齢化に従って、集約化の問題を大きく考えております。
ですので、今後、拠点病院の整備の指針におきましても、その辺りを踏まえた建設的な御意見を頂戴したいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、皆様から発表を頂戴するのですが、質疑に時間を取りたいので、各団体最大5分ということで、時間厳守でよろしくお願いいたします。
発表順につきましては、会議の進行状況や通信トラブル等によって前後する場合がございますので御了承ください。
続いて、発表の皆様へのお願いです。ヒアリング資料の画面投影及びページ送りは、事務局のほうで対応しますので、スライドを進める際には、口頭で次をお願いしますとお願いいたします。
また、画面上にタイマーが表示されますので、時間内の進行に御協力をよろしくお願いいたします。
また、質疑につきましては、2つから3つの団体の発表が終わった後に、時間を設けて質問をお受けしたいと思っております。ただ、本日、時間が限られておりますので、全ての御質問を受ける時間がない場合も想定されております。その場合は、御質問は後日メールのほうに送っていただきましたら、事務局を通じて、関係団体に確認の上、後日、回答をさせていただきたいと思います。
質問は、原則は構成員の方のみを想定しております。もし、参考人からございましたら、その都度、もしございましたら、特別ということで、一度こちらに了解を得るようによろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず、一般社団法人全国がん患者団体連合会から、天野参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○天野参考人 全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介でございます。本日は、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
お時間が限られていますので、早速、プレゼンのほうに入らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
資料の2ページを御覧いただければと思います。
全国がん患者団体連合会は、加盟団体は51団体、会員総数は、およそ2万人を有する患者団体の連合組織でございます。
資料の3ページを御覧ください。
私も構成員を務めておりますが、がん診療提供体制の在り方に関する検討会では、均てん化・集約化に関する取りまとめが公開されたところです。
資料の4ページを御覧ください。
こちらで放射線療法、薬物療法、緩和ケアは、さらなる検討が必要と考えております。緩和ケアについては、本日、緩和医療学会より御意見がいただけるものと存じます。
資料の5ページを御覧ください。
放射線療法を受ける患者は、連日、このように外来を受診する必要があり、非常に負担が大きいものがございます。
資料の6ページを御覧ください。
東北大学病院では、MRリニアックにより週1回の照射を2回のみ行う新たな治療の開発が進んでいます。遠隔地から高度な放射線治療を受ける患者の負担軽減に資する新たな治療の導入に対しては、国あるいは都道府県が支援を行う必要があると考えております。
資料の7ページを御覧ください。
こちらにありますように、新たな作用機序の治療薬は、治療成績の大きな向上をもたらす一方で、支持療法も高度化、多様化しておりまして、医療安全の観点からも多職種連携によるチームアプローチが必須となっていると考えます。
がん薬物療法に関する専門資格を有する薬剤師や看護師については、必須要件とすることが必要と考えます。
また、チーム医療推進の観点からは、栄養サポートに関わる医療職やアピアランス研修受講者の配置についても、拠点病院の要件とすることが必要と考えております。
資料の8ページを御覧ください。
拠点病院を対象に学会が行ったこちらの調査では、BRACAnalysis検査を行うことはできるものの、遺伝カウンセリングなど、検査後のフォローを適切に行うことができていない状況がありまして、検査後のフォローを適切に行うために、オンラインでの対応も含め、指定要件のさらなる検討が必要と考えております。
資料の9ページを御覧ください。
沖縄県では、患者と付添人が当該医療機関を受診する場合に要する交通費や宿泊費の助成を行っている市町村に対して、費用の一部を補助する離島患者等通院費支援事業、補助金事業を実施しています。
ほかの都道府県でも、このような取組が行われるよう、事例の情報提供を行っていただく必要があると考えます。
資料の10ページを御覧ください。
今後一定の集約化が進むことから、都道府県がん診療連携拠点病院では、オンラインでのセカンドオピニオンを受け付けることができる体制を必須要件としてはどうかと考えております。また、医療者負担軽減の観点からも、ICTやAIの利活用の推進が重要と考えております。
資料の11ページを御覧ください。
こちらは、厚生労働省研究班のAYA世代を対象とした調査でも、経済的な相談は多数ございまして、高額療養費の見直しに伴いまして、特に経済的な負担は、さらに今後増えることが予想されると考えております。
続いて、資料12ページへ進んでいただいて、こちらは、13ページから14ページまで順に送っていただければと思いますが、静岡がんセンターの事例となっております。
こちらでは、医師の診察の前に、初診説明ビデオを患者に視聴させることにより、相談支援体制を患者にあらかじめ説明し、看護師が普通のスクリーニングを行っています。
がん患者とその家族が、必ず一度は、がん相談支援センターを訪問することができる体制の整備と、がん相談支援センターに看護師を配置することについては、必須要件としてはどうかと考えております。
最後、資料の15ページを御覧いただければと思います。
患者団体等の参画については、都道府県がん診療連携協議会への主体的な参画や医療機関との連携が、残念ながらいまだ不十分と考えております。
地域の患者や住民の理解が必要ですので、都道府県がん診療連携協議会の審議内容については公開としていただければと考えております。
また、院内がん登録の利活用が技術的に困難でできない都道府県もあると伺っておりますので、マニュアルの作成、あるいは技術的助言を求めることができる研究者等の紹介を早期に検討いただきたいと考えております。
私からは以上となります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。
○土岐座長 天野参考人、患者団体を代表して御発表をありがとうございました。後ほど質疑を受けたいと思います。
それでは、次に、都道府県の協議会を代表しまして、藤澤参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○藤澤参考人 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会、いわゆる国協議会の事務局長といたしまして、国立がん研究センターの藤澤から報告いたします。
国協議会には、3つの部会と「2040年問題を見据えたがん医療の均てん化・集約化のタスクフォース」がございます。それぞれの視点から、拠点病院が感じている現状と課題と提言をお話しします。
最初のページには、3部会とタスクフォースに共通する事項を挙げております。
第1は人員配置の問題です。多くの病院で人員不足が課題となっております。患者数が多い病院では、整備指針で規定された基準では十分と言えないことがあります。逆に人口が少ない地域などでは、人材確保が困難なことがございます。
そのため、期待される方向性として、病院全体、地域全体でがん対策に取り組む体制づくりが重要と考えます。地域の人材状況を把握できる体制を整備していただくとともに、また、画一的でない、地域や施設特性に応じた段階的な人員配置基準を検討いただくことを提言いたします。
第2に、病院の中での活動の局在化を減らす方向性を提言いたします。情報提供、緩和ケア、研修などは、本来、病院全体で取り組む事項です。病院管理者の理解のもとで、病院全体で取り組むことを整備指針に明示いただくことを期待いたします。また、がん登録データなどを活用したPDCAサイクルの推進の重要性を提言いたします。
第3は、地域に開かれたがん対策です。見える化されたデータに基づいて、拠点病院、行政、地域関係者が、より一層協働できる体制が重要と考えます。また、研修などを共同で実施することが、人員不足の解決の一助になると考えますので、御検討をお願いいたします。
次のスライドをお願いします。
こちらは、均てん化・集約化のタスクフォースからの提言です。
第1に、均てん化・集約化の議論には、都道府県協議会における行政の主体的関与、及び、地域の関係団体の協力が不可欠と考えます。
第2に、データの整備とデータを活用・分析できる職員の配置が必要と考えます。必要なデータの詳細は資料を御覧ください。
第3は、高度医療提供体制に関する問題であり、情報の把握と共有が重要と考えます。放射線療法には様々な機能と適応がありますので、それぞれに関する情報が必要と考えます。また、均てん化・集約化の議論には、関連する法規や施設基準なども併せて御考慮いただきたいと思います。
第4に、地域の人材に関するデータが見える化されることを望みます。高度医療や医療機器が充実した施設には人員が集まりやすいなど、人材確保と医療設備の配置との関係も御考慮いただきたいです。
第5に、住民への十分な説明を国や自治体から行っていただくことを望みます。また、集約化に伴う通院負担などへの考慮も期待いたします。
次のページをお願いいたします。ページ3は、院内がん登録に関する提言です。
院内がん登録の活動状況は、都道府県によって大きな差がございます。
そのため、第1に、安定的持続可能な業務のために必要な人的配慮を、整備指針に盛り込んでいただくことを期待いたします。
第2に、院内がん情報の利活用を推進するために実施すべき事項を指針に明示いただくことを期待いたします。
第3に、行政と拠点病院とが協力して、その地域や県で十分に研修を実施できるよう、指定要件を御検討いただくことを要望いたします。
次の資料をお願いいたします。
こちらは、情報提供・相談支援部会からの提言です。
第1は、整備指針の理解の推進です。がん相談支援センターは、認知度が十分でなかったり、病院の不採算部門として扱われたりして、相談員が苦慮することがしばしば報告されております。
拠点病院やがん相談支援センターは、本来、二次医療圏の全ての患者さん、御家族、市民を支えるものであり、自分の病院のためだけではなく、地域のためにあるという認識を、病院管理者と全職員の中で理解されることを推進する必要があると考えます。
第2は、地域における体制強化です。地域の関係者を巻き込み、都道府県と都道府県協議会とが協働して体制を構築する必要があると考えます。
第3に、相談支援センターの体制強化です。昨今、一人暮らしの方やゲノム医療の発展など、相談支援に求められる事項は複雑、高度化しており、相談員の配置を強化し、多職種が連携できる体制や、情報が閲覧しやすい環境整備が不可欠と考えます。
最後のスライド、次をお願いいたします。
こちらは、緩和部会からの提言でございます。
第1の問題が、緩和ケアセンターに責任や業務が集中し過ぎている問題でございます。
昨今、非がんの緩和ケアや在宅緩和ケアなど、緩和ケアに求められる内容はますます増加しております。研修も負担となっております。
その対策の根幹として、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアの役割の整理を提言いたします。すなわち、緩和ケアは、がん診療に携わる全ての医療従事者が提供すること、そして、基本的緩和ケアで対応が難しい場合に専門的緩和ケアにつなぐ、ということを指針に明示いただきたいと思います。
第2、第3は、前項に関連して、専門的緩和ケア、基本的緩和ケアの推進の方向性を書かせていただきました。
第4は、地域における緩和ケアの提供体制の一層の充実です。拠点病院が、遠隔医療や症例相談を通じて、地域の緩和医療体制を支援することが望ましい旨を、整備指針に記載いただくことを期待いたします。
また、都道府県協議会の役割は大きく、拠点病院と行政が一体となった地域緩和ケアの推進を明示いただくことを期待いたします。
以上、よろしくお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、発表いただきました、一般社団法人全国がん患者団体連合会、そして、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の2つの発表につきまして、御質問等ございましたら、構成員の先生からお受けしたいと思います。
まず、村本構成員、どうぞ。
○村本構成員 ありがとうございます。村本です。
都道府県拠点病院連絡協議会の藤澤参考人に1点質問をいたします。
都道府県協議会は、現在の指定要件においても重要な役割を担っています。その中で、都道府県間の連携については、隣接する都道府県の医療機関の利用や、都道府県をまたいだ人材派遣等、実務面での連携は実際にあるとお聞きしていますが、2040年を見据えたがん医療提供体制の均てん化・集約化や患者・国民への成果還元に向けた、がん登録情報の利活用の推進等の大きな課題に関し、都道府県間で進展度のばらつきも一部既に指摘されています。
指定要件の都道府県協議会の役割の中に、必要に応じて、他の都道府県協議会と連携調整を行うことを盛り込んだ上で、運用面において都道府県拠点病院連絡協議会の場においても、こうした大きな課題の解決に向けて働きかけをいただいてはどうかと思うのですが、見解をお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 いかがでしょうか。
○藤澤参考人 村本様、御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、県をまたいだ患者様の移動や、また、医療従事者の移動がございますので、各県にとどまらない活動は非常に重要と考えます。したがいまして、御提案のように、都道府県協議会が必要に応じて、他県と協働、連携することは重要な点と考えます。
国協議会では、現時点でも都道府県の好事例の共有などをしておりますので、そういった取組を一層推進したいと考えております。
○土岐座長 ありがとうございます。
続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 よろしくお願いいたします。国協議会の藤澤参考人に御質問でございます。
今、たくさんのことをおっしゃってくださいましたけれども、今回の集約化を進めていくに当たっては、一方で、地域における活動ということ、地域全体でのがん医療の推進ということも、拠点病院の仕事として非常に重要なことになってくるのだと思います。
実は、現在の整備指針の中にも、都道府県全体のことを考えるという項目というのは、実際あるのですけれども、この数年間を見ますと、なかなかそれが進んでいるようには思えないような現状があります。
そこを国の協議会として、例えば、この整備指針に書くことになるのかどうか分からないのですけれども、あまりぼんやりした書き方、ぼんやりという言い方が悪いかもしれませんけれども、総論的な書き方をするだけではなくて、具体的な活動ということも含めて、しっかりした整備指針にしないと、なかなか進んでいかないのではないかという危惧を持っております。
特に、今回、この整備指針の改定が3年ごとになったからでありますけれども、やることの優先順位をつけた整備指針、指定要件を作っていって、各都道府県の地域全体のがん医療を推進する、それを各連携協議会がリーダーシップを取れるような項目を作っていただければと思っておりますので、これは、全員で話すことではございますけれども、国協議会としての御意見もいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 なかなか、これは都道府県協議会だけでは難しいかもしれませんけれども、もし、藤澤構成員、コメントがございましたらいかがでしょうか。
○藤澤参考人 ありがとうございます。
御指摘いただいた内容に関する国協議会の役割も重要と考えております。現在の整備指針では、国協議会の機能などは、国立がん研究センターの役割の項目の1つに位置づけられておりますが、国協議会の位置づけをより明確化していただくことが、活動の推進にも役立つと考えます。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、辻本構成員、どうぞ。
○辻本構成員 ありがとうございます。天野参考人に2点質問です。
51の患者団体、約2万人の患者を束ねておられ、また、多方面で御活動をされているお立場から御意見を伺いたいと思います。
まず1点目、がんゲノム医療の体制整備が進められていますが、地域によって差があるように感じております。がんゲノム医療提供体制の集約化と均てん化について、現状どのように認識されているのか、御見解を伺いたいと思います。
もう一点は、資料の15ページになります。
PPIが広がる一方で、患者が委員として参加していても、意見が十分に反映されにくい場面があるように感じております。患者の声を実際の制度や運営に生かすために、どのような工夫が必要だとお考えでしょうか。
○天野参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
まず、1点目のゲノム医療の均てん化についてでございますが、先ほど申し上げましたように、いわゆる検査後のフォローアップということに関して申し上げますと、特に遺伝カウンセリング等においては、私が示した資料では、少し前の調査に当たるのですけれども、やはりまだ、なかなかそういった遺伝カウンセリング等の検査後のフォローということが十分できていない状況があると思います。この部分については、さらなる均てん化が必要だと考えております。
また、薬剤到達率ということに関して申し上げますと、やはり東京の、いわゆるフェーズ1とかの治験等を行っているような施設にアクセスが可能な患者さんについては、やはり薬剤到達率は、ほかの地域と比べて比較的高い状況が、いまだに残っていると聞いておりますので、こういった薬剤到達率を高めるための様々な取組、これは拠点病院の要件だけにとどまらないと思いますが、そういったことを進めることが、均てん化という点においては重要だと考えます。
また、最後の私の説明した資料15ページのPPIについてということでございますが、幾つかあるかと思うのですが、まず、いわゆる都道府県がん診療連携協議会に、今回私のほうからも患者の参画を必須としていただきたいということを、がん診療連携提供体制在り方検討会でも申し上げさせていただきましたが、ただ、形式的に入れるだけでは、なかなか患者さんが発言することは難しいと考えています。例えば、患者さんが1人で、医療者の委員が19人みたいな場で発言するというのは、かなり大変だと思うのです。逆の立場であれば、それが非常に大変だと、よくお分かりいただけると思うのですけれども、ですので、そういったことについては、やはり患者委員に対しては、ある程度、座長等から発言を促すということがあるかと思いますが、もっと大きな話で言いますと、まず、都道府県がん診療連携協議会は、現状、議事の内容が非公開となっている協議会がかなりあると聞いております。
こちらの協議会だけで議論して、その結論を後で出しても、後で大騒ぎになって、ひっくり返されるということが、私も幾つかの都道府県がん診療連携協議会の委員として関わっていますが、そういったことが起きているので、やはり患者や住民の理解を得ていただくことは必須だと考えますので、しっかり公開して行っていただくことが、患者市民参画の観点からも重要だと考えます。
以上です。
○辻本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 ありがとうございます。
私からも天野参考人に1つ質問をさせていただければと思います。
患者さんと御家族の声を都道府県がん診療連携協議会等の協議の場に反映していくこと、私も非常に重要であると考えています。
一方で、都道府県が、患者支援団体等とどの程度つながりを持っていて、また、さらに多様な意見を把握できているのかについては、現状、地域差もあるのではないかと懸念しております。
また、協議会に患者代表さんが参画する場合には、その代表性や継続性の担保も課題になるのではないかと感じております。
それは、がん相談支援センターと患者団体さんとの連携においても、今後議論し、連相互の連携体制を整備していかなくてはいけない点かと思います。そういった観点から、全国がん患者団体連合会のお立場として、都道府県拠点病院、また、がん相談支援センター、患者会が継続的につながるネットワークとして、どのような仕組みが望ましいとお考えなのか、また、今後、指定要件の議論に対して、参考となるような何か好事例があれば御教示いただければと思いました。
以上です。
○天野参考人 御質問いただきましてありがとうございます。
なかなか難しい質問でございますが、ただ、いわゆる患者団体の参画ということに関しては、私は、先ほど申し上げたように必須と考えております。
というのは、やはり拠点病院の均てん化あるいは集約化は、ときに痛みを伴うものですし、これが、全ての方が納得できる、正解だというものはございませんので、患者さん、あるいは地域の住民の方が理解していただく、あるいは納得していただくことが、必須のプロセスだと思うので、それを何とかして進めていただきたいというのが、大前提だということを改めて申し上げます。
その上で、どういった方々が関わるのが重要かということなのですけれども、まず、患者団体と都道府県庁、あるいはがん診療連携協議会の事務局とのつながりが希薄だという場合には、今まさに坂本様がおっしゃっていただいたように、地域の拠点病院の患者団体については、がん相談支援センターが情報を持っていることが多いですので、その点については、がん相談支援センターに対してヒアリングを行っていただくということが1つ考えられるかと思いますし、また一部の都道府県では患者委員の公選制ですね、公に募集して、それを都道府県庁で選考して任命するということもやっている県もありますので、そういった形で、多様な意見をできるだけ反映していただきたいと考えているところでございます。
また、好事例ということに関して言いますと、なかなか難しいのですけれども、ただ、いわゆる相談支援センターと、地域の患者会とのつながりということでいうと、今日構成員としも参加されている、増田先生が勤められている沖縄県が、沖縄県のがんセンターや、地域統括相談支援センターを介して患者団体との連携を深めているという事例がございますので、そういった事例についても、共有していただけると、ほかの都道府県の参考になるかと感じました。
私からは以上です。
○坂本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、平沢構成員、どうぞ。
○平沢構成員 岡山大学の平沢です。天野参考人にお尋ねしたいと思います。
天野参考人より、遺伝性腫瘍症候群診療の体制の整備の必要性、それからオンライン診療の重要性について御指摘をいただきました。
実は、令和4年度の診療報酬改定で、いわゆる遠隔連携遺伝カウンセリングという形で保険適用になったのですが、これは、今に至るまで難病限定となっています。また、令和8年度診療報酬改定で、ここは認められなかったという現状があります。
また、遺伝科、ゲノム科などの名称の標榜診療科というのが、まだ進んでないという状況で、窓口が分かりにくいというのもあると思います。
腫瘍領域で、遠隔連携遺伝カウンセリングの難病限定の解除、それから、遺伝・ゲノム科などの標榜診療科化が進めば、医療者も、患者さんや家族にとっても、がん医療の均てん化・集約化の観点からも非常によいと思うのですが、その辺、御意見をいただければと思います。
○天野参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
今、平沢構成員が御指摘いただいた点は、まさに、いわゆるゲノム医療推進法に基づく基本計画の検討に係るワーキンググループという会議が厚生労働省で別途ございまして、そちらでも複数の構成員から指摘のあった問題点だと思います。
まず、ゲノム医療に関する標榜診療科の問題も、複数の医療者の構成員から必要性が言われていたので、患者の立場からも、そういった診療科があれば、大変助かると思っております。
また、いわゆる遺伝カウンセリングの体制が後れているということに関しては、もちろん、ICTを活用する形で遠隔診療という形で対応いただくことも可能だとは思うのですが、ただ、やはりこの体制整備というのは、まだまだ後れていると感じております。
実は、先ほど申し上げたワーキンググループで、東京大学医科学研究所の武藤先生と患者団体が共同で調査したアンケート調査を公開させていただいたのですが、患者さんがゲノム医療に関わる不適切な取扱い、あるいは場合によっては差別的な取扱いを受けた対象は、残念ながら一番多いのは医療者ということになっております。ですので、広く医療者の方に、広く浅くゲノム医療について教育していただく、研修をしていただくということも重要ですが、やはり、いわゆる適切な遺伝カウンセリングが実施できるような診療報酬上の手当であるとか、あるいは体制整備は必須だと考えております。
私からは以上です。
○平沢構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、全国がん患者団体連合会、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会については、以上としたいと思います。
天野参考人、藤澤参考人におかれましては、ここで退出していただきますようによろしくお願いいたします。退出後は、YouTubeから御視聴いただければと思います。よろしくお願いいたします。
(天野参考人、藤澤参考人 退出)
○土岐座長 それでは、続きまして、次の団体の発表に移りたいと思います。
一般社団法人日本血液学会から前田参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○前田参考人 よろしくお願いします。
九州大学の前田と申します。私は、日本血液学会のゲノム医療委員会で副委員長をしております。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私からは「造血器腫瘍臨床におけるがんゲノム医療の均てん化に向けて」という形で、固形がんと照らし合わせて、お話しさせていただけたらと思います。よろしくお願いします。
次のスライドをお願いします。
まず、造血器腫瘍臨床におけるパネル検査の意義をお話ししたいと思います。固形がんでは、その使用目的が、分子標的薬の適応決定にあるのに対しまして、造血器腫瘍においては、診断、予後予測、治療薬選択と、この3つの意味合いでゲノムプロファイリングが重要になります。
特に予後予測という観点は、造血器腫瘍分野がユニークだと思います。といいますのも、私たちの分野では、一部の疾患に対して、造血幹細胞移植という、場合によっては唯一治癒が望める治療のオプションがあります。
それに対して、初発時のゲノム情報というものが、患者の予後を規定しますので、その情報に基づいて移植の適用を決めるということが非常に重要です。
ですから、診断時にパネル検査を実施することで、より適切な治療法の選択が可能になります。
次のスライドをお願いします。
予後予測につきまして、急性骨髄性白血病(AML)を例にお話ししたいと思います。
こちらにお示ししておりますのは、様々な遺伝子異常のバックグラウンドを持ったAMLの生存率を示しています。例えば、ここにお示ししているように、MECOMの遺伝子異常を持ったAMLというのは非常に予後が悪いことが分かっております。
一方で、PML::RARαですとか、CBFβの融合遺伝子を持ったAMLというのは、比較的予後がよいとされています。移植治療というのは、治癒が望める一方で、移植に関連した非再発死亡率、これは感染症ですとか、造血器障害とか、GVHDなどがありますけれども、そちらが大体10から15%にありますので、一定のリスクを伴った治療になります。
ですので、どの患者さんに、どのタイミングで移植をすべきかということを決めることが非常に重要になります。
その上で、こういったゲノムのプロファイリングに基づいて、予後予測を行って移植の適応を決定するということが非常に大事になります。
次のスライドをお願いします。
ところが、現行のがんゲノム医療の提供体制に関してですけれども、特に造血幹細胞移植という観点から考えますと、右側のパイチャートを見ていただきたいと思うのですけれども、これは、日本造血・免疫細胞療法学会の認証認定を受けた193施設、言ってみれば、移植治療の中核をなす病院になります。
この中で、赤で示した施設、24施設になりますけれども、こちらにおいては、現行のゲノム医療提供体制でパネル検査ができないという実情がございます。
ですので、これは移植を1つの例として取っておりますけれども、本邦の造血器腫瘍臨床診療の実態に即したゲノム医療提供体制の構築というものが非常に重要だと思います。
次のスライドをお願いします。
ここで1つの例として、群馬県の例をお示ししたいと思います。
群馬県内で令和5年に行われた同種造血幹細胞移植28件のうち、21件が群馬県済生会前橋病院で行われています。
ところが、群馬県済生会前橋病院は、現行の体制では、パネル検査の提出ができません。移植適応のある白血病疑いの患者さんが、ほぼ全例、済生会の前橋病院に紹介されているのですけれども、済生会前橋病院では、パネル検査のためだけに近隣の大学病院に転院させるとか、あるいは検査なしで治療をおこなうということが実態としてございます。
これは、群馬県の例をお示ししたものですけれども、実は、こういった同様の構造は、前橋の保健医療圏に限らず、全国の複数の医療圏で認められています。
それでは、次のスライドをお願いします。
このような背景を考えまして、私どもといたしましては、移植適応判断に直結する造血器腫瘍のパネル検査というものは、固形がんとは異なる施設条件の設定が必要と考えます。
すなわち、現行のがんゲノム医療提供体制に加えて、同種造血幹細胞移植を実施する施設におけるパネル検査の提出を可能とする体制構築が望ましいと考えます。
一方で、やはりゲノムプロファイリングですので、質の高いゲノム医療を担保するためにも条件が必要だと考えます。ここに書いたような条件を1つの要件とすることが必要かと思います。
以上となります。御清聴どうもありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、後ほど質問をお受けしたいと思います。
次の団体は、一般社団法人日本癌治療学会から調構成員、発表のほうをよろしくお願いいたします。
○調構成員 ありがとうございます。
それでは、癌治療学会の調でございます。手術に関する指定要件について御報告したいと思います。
スライドをお願いいたします。
スライドは、がんの診療提供体制のあり方に関する検討会で示されました領域別の集約化・均てん化の対象術式を示しております。各診療科で高度な技術を要し、やはり比較的頻度の低くない手術は、特に集約化すべきという議論であったと思います。
次をお願いします。
ここで、がんの高度な手術の集約化を支持する3つの要因を挙げております。
まず、医療の質の向上です。手術数の多いハイボリュームセンターにおける高度ながんの手術の術後死亡の減少が、全国規模のデータから示されております。
したがって、集約化によって実働成績の向上が期待されます。また、医療提供側の因子でございます。日本消化器外科学会の試算では、2040年には65歳以下の消化器外科医は約40%減少すると試算されております。
一方で、がんの手術は約5%の減少ということになっておりますので、このままでは、消化器外科医1人当たり1.6倍の手術が必要だということになります。
また、消化器外科医の長時間労働が問題とされておりまして、働き方改革を同時に推進していかなければなりません。このままの体制では、がんの手術の待機期間の延長が起こるなどが危惧されると思います。
また、医療需要に関しては、特に地方都市、そして、過疎地域で減少する可能性があると思います。
次をお願いいたします。
今後の医療需要の変化を示しております。スライドに向かって左のグラフは、日本全体の手術需要の推移でございます。
2040年には約5%の減少、そして、スライド中央の箱ひげ図は、2040年におけるがんの罹患数、向かって右は、がんの手術数を検討しています。
がんの罹患数、手術数ともに大都市では増加、地方都市では減少、そして、過疎地域、人口減少地域では大幅に減少することが予測されます。
さらに外科医の減少も考慮いたしますと、医療提供体制の再構築は避けられないのではないかと考えております。
次をお願いいたします。
がんの手術の集約化に関して具体的に考えてみました。診療実績における相対的指定要件であるカバー率、このことは、主に手術件数の少ない人口減少地域の医療機関に適応されております。
悪性腫瘍の手術の400例ということを満たしてはいないのですけれども、カバー率を満たすことで、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けている医療機関は13施設ということになります。
過疎地域では、今後、さらなる手術需要の減少が予測されています。集約化の状況と、外科医数の減少スピード、これを踏まえて、令和11年度の整備指数改定においては、手術件数に係る絶対数基準の引上げ、あるいは手術件数の定義の見直しを含め、より厳格な手術件数要件について検討することも必要かと考えております。
具体的には、現状の悪性腫瘍の手術件数には、内視鏡的な切除も含まれているということがございまして、今後、全身麻酔下の手術を定義するということもあるかと思われます。
次をお願いいたします。
以上、手術療法に関する指定要件のまとめでございます。
手術の質に関しましては、消化器外科、婦人科、泌尿器科において高度な技術を要する手術は、施設の規模が大きいほど、その成績が良好な傾向を認めることが各学会のnationwideのデータで示されています。
医療提供側においては、消化器外科医の大幅な減少から、2040年には、医師当たり1.6倍の手術を執刀する必要があると考えられます。
今後は、今回の診療報酬改定における診療科偏在対策の効果、あるいは学会等の自助努力による医師数の変化を注視していく必要があると思われます。
また、さらに医師の働き方改革を進めていく上で、外科医と手術症例数の一定の集約化は避けられないと考えております。
また、医療需要に関しましては、手術療法の需要予測は、地域別に大きく異なります。人口減少、過疎地域、そういったところでは、大幅な需要の減少が予測されています。がんの手術400例未満で、カバー率によって指定されている医療機関の多くは、今後も手術の需要が減少する人口減少地域に存在すると考えられます。
がんの手術400例以上という絶対要件を指定要件とすることは容認されるのではないかと考えております。
適応された地域に関しては、近隣のがん医療圏との調整あるいは再編を含め検討すべきと思われますが、患者さんのアクセシビリティの確保あるいはがんの術後のフォローアップ体制等については十分な配慮が必要ではないかと考えております。
今後の医療提供側や、あるいは医療需要の変化によっては、さらなる集約化も考慮していく必要があるのではないかと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、さらに引き続きまして、次の団体に移りたいと思います。
公益社団法人日本臨床腫瘍学会から武藤参考人、御発表をよろしくお願いいたします。
○武藤参考人 よろしくお願いします。
私は、日本臨床腫瘍学会から代表してお話しさせていただきますけれども、薬物療法に関わるものがメインですが、薬物療法も多岐にわたりますので、ゲノム医療を軸としてお話ししたいと思います。私は、この3学会のゲノム医療推進タスクフォース/ワーキングループの座長をしておりますし、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会とも連携をして、質を確保したがんゲノム医療提供体制の拡大に関する提案をしたいと思います。
次をお願いいたします。
これは、3月13日に行われた、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループで、厚生労働省から示された見直し後の体制になります。これについては割愛いたします。次をお願いいたします。
これを踏まえて、質を確保したがんゲノム医療実施施設の拡大を目指すための課題整理と解決策ですけれども、左端にありますように、がんゲノム提供医療機関が、がん診療連携拠点病院の3分の2にとどまっております。
がんゲノム医療は、標準治療の1つであり、がん診療連携拠点病院の全てにおいて、がんゲノム医療を実施することを求めたらどうかということでございます。
一方で、がんゲノム医療提供医療機関は、がん診療連携拠点病院等に限定されておりますので、そうではない医療機関でも、先ほど前田先生からお話がありましたように、非がん診療連絡拠点病院でも質の高いがん医療をしておりますので、そこでも一定の基準を満たせば指定が可能となるように、見直しをしてはどうかと思います。
あと、がん診療連携拠点病院には求められていない遺伝カウンセリング体制の整備が求められておりますので、遺伝カウンセリング実績は、施設としての実績を満たさない場合でも、当該専門家の経験も評価対象としてはどうかということを提案したいと思います。
また、がんゲノム医療中核拠点病院が国のがんゲノム医療及び医療開発を牽引できるよう、環境を整える必要がありますので、エキスパートパネルを主導できる人材の育成、そして、遺伝カウンセリング等を行う専門家の確保と育成を求めたらどうかと考えております。
次をお願いいたします。
具体的に、大阪の事例を申し上げます。
JCHO大阪病院は、大阪南にある地域がん診療拠点病院と同じぐらいのがん登録数になりますが、二次医療圏として多くのがん患者さんを診ていますけれども、現行の整備指針では、がん診療連携拠点病院ではないために、ゲノム医療の指定病院に申請できないということになります。
同様の構造は大阪に限らず、全国の大都市の医療圏でも認められることだと思います。
また一方で、別な意味での課題があると認識しております。そこについては、今日は割愛いたします。次をお願いいたします。
提案としましては、質の高いゲノム医療を確保できること、がん診療実績に応じて申請を可能としてはどうかということです。すなわち、がん診療連携拠点病院でなくても申請できることを検討してはどうかと思います。
さらに、遺伝カウンセリングに関しましても、非常勤でも構わないということは、どこにも明記されておりませんので、常勤ではなくても非常勤でもよいということは、通知として出していただきたいと思います。
あとは、遺伝カウンセリング等の実績におきましても、現行の施設基準を満たさない場合でも、以下にありますように、遺伝カウンセリングを3年以上かつ20例以上、もしくは過去に遺伝性腫瘍に関する遺伝カウンセリングを3年以上かつ5例以上というような施設ではなく、人に経験値を求めてはどうかということを提案したいと思います。
次をお願いいたします。
がん診療連携拠点病院の構造は、このようになっておりまして、都道府県のがん診療拠点病院のほかに、地域のがん診療連携拠点病院、これが非常に多いわけですけれども、また、一部の基準を満たさない場合には、地域がん診療拠点病院として、都道府県のがん診療連携拠点病院と連携して、がん診療を推進するということが認められております。
次をお願いいたします。
その上で、都道府県がん診療連携拠点病院要件としましては、このゲノム医療の普及に向けた取組状況を追記するということもきちんと書いてはどうかと思います。
また、診療機能としましても、真ん中にありますように、手術とか放射線、緩和医療と書かれているのですけれども、ゲノム医療を提供する体制を追加することを認めてはどうかと思います。
また、下にありますように、がんゲノム医療の専門家に関する記載も追記してはどうかと考えております。
次をお願いします。
次は、地域がん診療病院の要件としましても、がんゲノム医療を提供する体制を追加して、ゲノム医療を推進するようにしてはどうかということを提案したいと思います。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの日本血液学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会の発表に対しまして、御質問がございましたらお受けしたいと思います。よろしくお願いします。
土原構成員、どうぞ。
○土原構成員 前田参考人にお尋ねをいたします。
血液の領域におけるがん検査ができないというのは、非常に緊急の課題があると私も認識をしております。
一方で、私としては将来のことを考えますと、やはり、そういった核となるような病院が単独で存在をするというよりも、やはり、何らかの形でがん診療における質の担保といったところを総合的に高めていくべきではないかという考えもございます。
現行、がんの診療拠点病院になっていない、該当するような血液の専門の病院というのは、現在のルールでがんの診療拠点になれない何か要因というのは存在するのでしょうか。
○前田参考人 土原先生、どうもありがとうございます。
なれない要因というのは、先ほど武藤先生からお話がありましたように、やはり診療圏の問題だと思います。ですから、連携病院への申込み、その要件を満たしていないということになります。それでよろしかったでしょうか。
○土原構成員 はい、詳細はまた改めてと思いますけれども、そういったところの不均衡といったところも、何らかの形でジャッジをされていく仕組みがあるといいのかと考えました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 東京大学統合ゲノム学の織田でございます。
前田参考人に1点、あと、武藤参考人に1点御質問をさせていただければと思います。
前田参考人にお聞きしたいのですけれども、こちらは、遺伝医学に基づく、遺伝カウンセリングに関する専門的な知識及び技能を有する者、非常勤を含むが配置されていること、これが造血器における拡充で、要件として御記載をいただいているところかと思います。
この専門家の対応ですけれども、これは造血器のパネルのgermline findingsに、しっかりと対応できる方というイメージでおられるのか、あとは先ほどの天野参考人からもありましたように、BRACAnalysisのようなHBOC診療の連携が十分にできていないような施設もありますので、一般的な遺伝性腫瘍症候群への対応というところを考えているのか、1点、まず、そちらを教えていただければと思います。
○前田参考人 どうもありがとうございます。
一般的な対応としては、その他の遺伝性の疾患との対応と全く同じだと思うのですけれども、一方で、造血器の遺伝性の腫瘍というのは、やはりまだ知られていないことも多いですし、カウンセラーの先生方もなかなか知識が追いつかないという部分も多いかなと思います。
ですので、全体としての底上げというものが必要になってくると思うのですけれども、それと同時に、やはりオンラインでのカウンセリングのシステムですとか、そういった形で補助するようなシステムというのが、どうしても必要になってくるのではないかなと思います。
以上です。
○織田構成員 ありがとうございます。
あと、もう一点、武藤参考人に少し御意見を伺いたいと思います。
最後のがんゲノム医療の専門家に関する記載を追加ということを御記載いただいているかと思います。遺伝カウンセリングに関しては、何件とカウントしやすいわけですけれども、がんゲノム医療の専門家に関しては、どういった要件、実績があれば、専門家として認められるのか、具体的なイメージというか、記載の内容を教えていただければと思います。
○武藤参考人 織田先生、ありがとうございます。大変重要な点だと思います。
がんゲノム医療を推進する専門家というと、多分たくさんのいろいろな業務があると思うのですけれども、恐らくエキスパートパネルを主導できるような専門家の育成というのは急務だと思います。エキスパートパネルを主導できる人材を多く輩出できれば、各医療機関でエキスパートパネルが実施可能になるわけなので、そうするとエキスパートパネルが自立する病院が増えるわけですね、中核拠点への負担を軽減するので、例えばエキスパートパネルを主導的に実施した数とか、そういうものを要件にしてもよいかと思いますが、今回は考え方だけなので、一応こういう提示にしました。一案として、そんな感じだと思います。
○織田構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、西垣構成員、どうぞ。
○西垣構成員 武藤参考人にお伺いしたく存じます。2点ございます。
1点ですけれども、まず、今回3学会合同のタスクフォースとして御提案いただいておりますけれども、その中で、人類遺伝学会と遺伝カウンセリング学会による質を確保したと御発表いただいております。具体的に、この3学会のタスクフォースと遺伝関連の2学会の中で、どのような連携体制を取るというイメージがおありなのかというのをお伺いしたいのが、まず1点です。
2点目ですけれども、人材の部分で遺伝カウンセリング等を行う部門への紹介をする者という御記載をいただいておりますけれども、これは、具体的にどのような役割を持って、どのようなスキルセットを有する人間を想定しているのかということと、このような方の養成について触れていただいておりますけれども、そもそも遺伝カウンセリング、遺伝診療を専門にするものの人材育成という点に関しての御記載はなかったように思うのですけれども、その点について、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○武藤参考人 ありがとうございます。
すみません、1点目は何でしたか、2点目を聞いていて忘れてしまいました。
○西垣構成員 1点目は、ごめんなさい、長くて、3学会のタスクフォースとして出していただいているところなのですが、そこに遺伝関連の2学会の質を確保したというところです。
○武藤参考人 ありがとうございます。
がんゲノム医療の遺伝子パネル検査の主たる目的は、薬剤の提供と、治験等で薬剤開発がメインだと思うのですが、先生も御専門とされている遺伝カウンセリングに関して、遺伝性腫瘍とか、そういうところの二次予防とか、そういうことも含めて対応する必要があるので、やはり両輪で動いていく必要があると思います。そういう意味で、非常によい連携体制ができていると考えます。
それで、3学会の前のガイダンスを出したときも、人類遺伝学会、遺伝カウンセリング学会と連携しておりましたが、しばらく間が空いていたので、あらためて5学会の連携として今回新たにまた体制をきちんと整備して、意見交換をしているという状況になります。
人材の育成に関しましては、一緒に連携してきましたけれども、資格を厚労省は求めているわけではなく、専門家という立場での経験値なり、そういう実績ベースで評価したらどうかということなので、先生がおっしゃるように臨床遺伝専門医とか、認定遺伝カウンセラーの育成が急務でありますけれども、育成するカリキュラム、大学院のカリキュラムとか、そういうところもなかなか、今、整備されておりませんので、現場レベルで連携して、専門家と称する、資格はなくても専門家として動ける人を育成していく必要あるのではないかなと思います。
また、先ほどの議論にありましたように、この遺伝に関して、診療科としてまだ認められていないと、国のほうとしては、遺伝カウンセリングをきちんとやりましょうと訴えている一方で、診療科として標榜できないというのは、体制としては非常に大きな弱点だと思いますので、やはりより所となる診療科がきちんとなければ、先生がおっしゃるように、どこに紹介すればいいのだということになってしまいますので、やはりここに関しては、標榜科の検討委員会等で、別途議論をいただきまして、やはり本丸となる遺伝科という診療科を認めていただいた上で、ちゃんと連携できるようにすればいいのかなと思います。その中で人材育成も進めていくのがよいと思っております。
○西垣構成員 承知しました。
ということは、まずは、遺伝カウンセリング等を行う部門がしっかりあるということが本丸で、そういうものがあるときに、そこに紹介をするような、ブリッジになるようなものを育成していくということでいいですか。
○武藤参考人 はい、そうです。中核拠点病院等の指定要件には、ちゃんとその部門を設置することとなっておりますので、そこについては、新たに追加したわけではなくて、それについては、もう既にある要件だと思います。
○西垣構成員 はい、承知しました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、辻本構成員、どうぞ。
○辻本構成員 武藤参考人に質問させてください。
今のお話もありましたけれども、遺伝カウンセリングを担う専門職が限られている状況だと思いますが、地域によっては、体制整備が、なかなか難しい状況にあると思います。その中で、どのような工夫や仕組みが必要であるとお考えかお伺いしたいと思います。
追加でもう一点なのですけれども、標準治療終了前のがんゲノムプロファイリング検査については、患者にとって望まれる検査である一方で、4月1日現在の先進医療A実施施設は3施設にとどまっています。以前、厚労省の方からは、手挙げがあり、要件を満たしていれば、順次承認していく方向性や、将来的な保険収載について伺いました。現時点で広がりが進んでない背景には、どのような課題があるとお考えなのでしょうか。先進医療が受けられる患者は限られており、生命保険文化センターの調査では、民間保険の先進医療特約の加入率は全体で54%、さらに世帯年収200万以下だと35.2%にとどまっています。地域差に加え、経済的な面からも格差が広がる懸念があると思うのですが、この点について、武藤先生は、どのようにお考えになられているかお伺いしたいと思います。可能であれば、厚労省の方からも、いつまでにどの程度進める予定があるのか、御意見をお聞かせいただけますでしょうか。
○武藤参考人 1点目というのは、遺伝カウンセリングの人材育成でしたか。
○辻本構成員 はい、地域では、なかなか難しいのではないかというところです。
○武藤参考人 おっしゃるとおりで、具体的に専門家としては認定遺伝カウンセラーさんになると思いますが、認定遺伝カウンセラーさんの多くが、がんゲノム医療をメインとしてやっているのではなくて、やはり、他の難病とか、出生前診断とか、そちらのほうがメインになっていて、がんを主にやる遺伝カウンセリングさんは、そんなに多くないと思います。
ただ一方で、がんゲノム医療が普及してきた上で、認定遺伝カウンセラーさんも、こういう業務に携わってくだっていますので、そういう意味で、がんに特化したような遺伝カウンセラー、専門家というのを育成するのは必要かなと思っています。
今回の議論とは別なのですけれども、私は、がんプロの事業のほうも担当しておりまして、がんプロの中で、こういう人材を育成していかなければならないのではないかという検討もしておりまして、いろいろなところと連携しながら、認定カウンセラーの資格ではなく専門家という立場で、きちんと実臨床で動ける人を育成していく必要があると思っています。
また、指定要件の中には、その施設の中に遺伝の専門家を配置しなくてはいけないという状況になっていて、これは非常勤でも構わなくなっているのですけれども、遠隔連携遺伝カウンセリングというのは、がんでは認められていないというものも、先ほど平沢先生からもコメントがあったと思うのですが、難病指定だけではなく、がんに関しても遠隔連携遺伝カウンセリングがちゃんと加算できるようにするべきだと思いますし、人材が限られている中で、有機的に遺伝カウンセリングがどのように質を担保した上でできるかということは、喫緊の課題だと思いますので、そこについては関連学会等と、あと、この事業を含めて、人材育成をどうするかということは真剣に考えていきたいと思っております。
あと、標準治療開始前の先進医療Aに関しましては、現行の診療報酬算定要件の中でも標準治療開始の前に使う、その後、速やかにエキスパートパネルを開催して、結果説明をすれば、現行の体制でも実施できているわけです。多くの医療機関で、そういうことを検討されている病院もありますし、また、なかなか医療機関の負担が大きいところで実施できない医療機関もあると聞いております。
先進医療Aをするにしても、現行の枠組みの中でもできているという現状の中で、患者さんに56万円の経済的負担をかける必要があるのかということも、今、各医療機関は考えているのではないかと思っています。先進医療Aが普及しないのは、そういうことなのかなと思いまして、やはり標準治療開始前に実施できるように、制度的な見直しを早急にしていただきたいと思っております。
○土岐座長 ありがとうございます。
事務局からも追加をよろしくお願いいたします。
○がん疾病対策課長 事務局のがん疾病対策課長の鶴田です。
御質問としては、先進医療Aについて、どのように普及していくのかということで御質問をいただいたと思っております。
今のやり取りの中にもありましたけれども、先進Aについては、今年の1月から先進Aが始まっていますので、4月1日時点では、3医療機関が先進Aの届出がされていて、また、ほかの病院でも先進Aを取り組もうとしている医療機関があるとは聞いております。
我々としては、先進Aに取り組んでいただく医療機関を増やすことが重要だと思っておりますので、しっかりと普及が進むように取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
私は今、各論についての質問というよりも、我々拠点病院で働いている人間からの要望という形で、お話をさせていただければと思います。
今後、集約化を進めていくといいましても、がん種によって違うし、モダリティーによっても違うし、その掛け算をすると、どこでどのように進めていけばいいかというのは、多分各県で悩んでいると思います。8月の厚労省の通知の中で、がんのデータをベースにして各県で話し合って進めようということで、それは当然のことなのだと思うのですけれども、やはり何らかの大きな道筋がないと、各県でばらばらのことをやっていく、しかも、例えば、放射線で考えていく、手術で考えていくとなっていっても、全国ばらばらのもので集約化が進んでいくということになると、全国一律のがんの医療が進んでいくのかという不安も持っております。
したがいまして、ここで発言させていただきたいのは、臨床腫瘍学会、今日はゲノムの話でございましたけれども、臨床腫瘍学会であったり、癌治療学会であったり、後で話していただけると思いますが、放射線腫瘍学会であったり、そういう大きなモダリティーの学会が何らかの共通の話題を持って議論をしていただいて、これは少し難しい話で、今、答えろと言っても難しいことなのかもしれませんが、それぞれが活動をするのではなくて、やはり全部が共通の認識を持って何らかの情報発信なり、人材育成なり、がんの集約化の進め方なりのサンプルを示すとか、そういうこともやっていただければ、各都道府県の参考になって進み始めることができるのではないかと思っております。
もちろん、そこでは、学会がやることと言うと、人材育成であったり、全国への情報発信であったりということになったりするのだと思いますけれども、例えば、コロナであったような癌治療学会・癌学会・臨床腫瘍学会3学会共同の発信みたいなことも、このがんの集約化、また均てん化も考えながらの集約化について、何らかのコメントを出していただくとか、活動をしていただくような認識を持っていただければ、今後、我々拠点病院についてもすごく助かるのではないかと思いますし、それに基づいて、何らかの整備指針の改定までに進んでいければいいのかなと思っております。
少し漠とした意見ではございますけれども、これは要望でございます。
以上です。
○土岐座長 藤先生、貴重な御意見として、ぜひ学会等でも考えていきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、東構成員、どうぞ。
○東構成員 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。東京大学公衆衛生学分野の東と申します。
前田参考人にお話をお伺いしたいのですが、群馬県の貴重な事例ということで御紹介をいただきまして、大変勉強になりました。恐らくこういった事態というのが、現行の国の指定ということと、実際の体制ということが乖離しているという事例はたくさんあるのではないかと予想しておりまして、ただ、そこでどのようにやっていくのかということについては、かなり難しいなと感想として思っております。
最後に、造血器腫瘍の臨床における、がんゲノムの医療の条件ということを御提案いただいて、なるほど、こういうのがあるのかなと思ったのですが、一方で、こういったことというのは、かなり個別性の高い話にだんだんなってきてしまうので、一律、これで認められるというのを設定するというのが、個別の臨床の分野というか、疾患分野によるのではないかというところが危惧されるところです。
ただ、個別のところに、きめ細かく設定、研修施設とか、認定施設というのを設定されているのは、学会なのではないかと、私は勝手に想像しているのですけれども、これは、御提案いただいた要件というのは、学会の認定の要件というのと、何かリンクをしているものなのか、それとも今回は別に考えられたものかという、その辺のことを教えていただけるとありがたいなと思いました。
○前田参考人 御質問どうもありがとうございます。
先生おっしゃるように、今回、私は、もちろん造血器に関してお話しさせていただいているのですけれども、これを全部のがんという形で同じように考えていくと、なかなか統一した基準みたいのを設けるのは難しいかなと思います。
今回、私が例としてお話しさせていただきましたのは、移植をまず一番分かりやすい例としてお話し差し上げたのですが、移植に関しましては、日本の移植の学会のほうで認定施設というものがあります。この移植の認定施設というのは、言ってみれば、日本の造血幹細胞移植の中心をなしている認定施設になります。その認定施設であっても、ゲノムパネルができないということで、例を出させていただきました。
ですから、この認定施設でないとパネル検査ができないという意味ではなくて、必要最低限の1つの基準として、学会が認定している、移植を盛んに行っている施設でも、現状ではできないということで、例としてお話しさせていただきました。
あと、追加で少しお話をさせていただきますと、やはり、学会としましても、こういったゲノム医療に関する知識をより強めていこうということで、専門医の試験ですとか、そういったものに関しても、学会として、これは移植学会もそうだと思うのですけれども、こういったゲノム医療に関する教育を高めていこうということは、学会全体として考えております。
以上です。
○東構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 吉野構成員、どうぞ。
○吉野構成員 私は、日本臨床腫瘍学会の理事長の立場で、一言コメントをさせていただきます。
がん薬物療法は、今、がんの中でも非常に中心的な役割を果たしていて、今日、武藤参考人のほうからは、がんゲノム医療というところに特化してお話をいただきました。もちろん、がんゲノム医療は、がん薬物療法の中心的役割を示しますが、その上には、もっと幅広いがん薬物療法がございます。
今、行われているがん薬物療法というのは、チーム医療で、特に看護師さん、薬剤師さんの力も非常に大きく、がん薬物療法看護認定看護師や、がん薬物療法認定薬剤師の方々というのもいますので、そういう方々も要件の中に組み込むということも、1つ重要なファクターではないかということで、臨床腫瘍学会理事長として、コメントを追加させていただきます。
以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
非常にチーム医療ということで、重要なポイントの御指摘をありがとうございました。
それでは、続きまして、松本構成員、どうぞ
○松本座長 ありがとうございます。
私は、小児がんの立場から前田構成員のお話に少しコメントをさせていただければと思います。
前田構成員がお話しされたように、造血器腫瘍のパネル検査は、固形がんとは異なる施設要件の設定が必要というのは、私ども小児がんを専門にしている者に対しては、本当にありがたいお話だと思います。
実際に、今、小児がんの連携病院類型1-Aは、がんゲノム医療連携病院になれるのですけれども、類型1-B施設はがんゲノム医療連携病院になれません。
パネル検査で今一番困っているのは、恐らく小児がん連携病院類型1-Bの小児病院だと思います。大学病院では成人のスキームでパネル検査が提出できるのですが、類型1-Bの小児病院がどうしても検査が出せないという状況になっていると思います。前田構成員からお話のありましたDPC急性白血病症例数上位200施設の中には、小児病院が幾つか入っている、この赤いところに、もしかしたら、小児病院が幾つか入っているのではないかと思います。それから、この24の施設の中にも、小児病院は幾つか入っていると思いますが、やはりパネル検査を提出できない可能性というのが、問題になっております。以上、コメントさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○土岐座長 大変重要なポイント、やはり小児とがんというのが1つのラインにきれいに乗っかるかというと、非常に難しい問題を含んでいますので、もしかすると、2つのラインをうまく組み合わせていかないといけないのかもしれないと感じました。ありがとうございます。
私から1点、手術のことに関してなのですけれども、調構成員にお伺いしたいのですけれども、がんの集約化の多分一番トップを切っていくのは手術だと思うのですけれども、先ほどの、いわゆるアクセス以外に、フォローアップとか、エマージェンシーとか、そういう問題が出てくると思います。それを地元の救急車で、どこか救急病院へ行ってくださいと、いわゆる十分な手術の情報なしに、地元の救急車に乗っていくというのは、やはり非常に危険な気がするのです。やはり集約化が進む以上は、きっちり安全性を確保できるように、いわゆる集約化しても安全性を確保するように、今後どういうことを考えていけば、その辺りが達成できるのか、ぜひ先生から御意見をお伺いしたいと思います。
○調構成員 ありがとうございます。
やはり今の急性期病院が、2つに分かれていく部分があるのではないかなと思っています。いわゆる高度急性期と、そして、もう一つが、いわゆる急性期、地域に対する急性期みたいな、そのイメージが分かれていくのかなという気がしています。
ですから、診療拠点病院がどこに位置するのかなど、いろいろ変わってくるとは思いますけれども、その地域の救急、あるいは中程度、低難度、そういった手術を中心に行っていく病院というのも必要になっていくと思いますので、そういうところをきちんと地域地域で連携しながら整理していくことが必要かと思います。
今回の2科の加算に関しましても、かなりそういった要件が入っているのですね。施設要件として、地域の集約化であったり、あるいは連携に関する、がんの手術のフォローアップなども、術前に患者さんに説明しなさいなどということも入っていたりして、かなりそういうことを意識された加算の中なのかなと思っております。
ですから、先生がおっしゃるように、やはりがんの救急であったり、そういったことが患者さんにとって、あるいは術後の抗がん剤といったもの、そういった治療がちゃんとできないというのは非常に問題になりますので、きちんとそういったところの機能分化や分担をしていく必要は、非常に重要になってくる点かなと思っております。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
ほかに御質問はよろしいでしょうか。
それでは、これにつきましては、一旦ここで閉めさせていただきまして、次に、少し休憩を置いて、すみません、次の方の準備がございますので、予定どおりの進行でいきたいと思いますので、15時35分に戻っていただいて、36分から次の病理学会から御発表を続けたいと思います。
それでは、皆様、一旦休憩ということでよろしくお願いいたします。
(休憩)
○事務局 それでは、時間になりましたので、ワーキンググループを再開いたします。
進行を土岐構成員にお返しさせていただきます。
○土岐座長 それでは、次の団体の発表に移りたいと思います。
一般社団法人日本病理学会から、佐々木構成員、よろしくお願いいたします。
○佐々木構成員 本日は、このような機会を与えてくださいまして、ありがとうございました。日本病院学会の常任理事、医療業務委員長、また、希少がん病理診断支援検討委員長を務めております、佐々木毅と申します。
スライドをお願いします。
病理専門医の分布を示した図になります。関東支部に、全体の37.1%という専門医が集中しております。逆に、この括弧内が前年度との比較ですけれども、東北支部が11名昨年よりも専門医が減っているというようなデータとなっております。
次のスライドをお願いします。
全国の病院数に対する常勤病理医の勤務状況です。この黄色枠に書いていますように、400床以上の一般病院、645病院中、常勤病理医が勤務している病院が502、逆に言うと100以上の病院で常勤病理医が確保できていないというデータになります。
次のスライドをお願いします。
実際に常勤病理医が確保できている医療機関でも、1人しか常勤の病理医が確保できていないという病院が38.3%を占めておりまして、括弧内が昨年までの割合ですが、増えてきているという現状でございます。
次のスライドをお願いします。
一方、病理医の数、少ないと言われていますけれども、病理専門医を目指す専攻医の数になります。病理専門医は黄色に書いてありますように、専攻医3年目、3年間の研修後に、4年目に専門試験を受験するというものになりますが、専攻医の数はゼロ名もしくは1名というところは、今後3年間の間に、病理医が全く出ない、もしくは1名ぐらいしか出てこない都道府県になるということになります。
また、右端の白抜きの部分ですが、専門医機構に登録している病理医専攻医の数、2018年からどんどん減っているような状況で、2025年度、久しぶりに100名に回復したのですが、また今年度20%以上の減で91名という状況になっているというデータになります。
次のスライドをお願いします。
一方で、診療の現場でどうなっているかというと、この表は2017年から2024年までの病院の件数を表したものです。
黄色の部分が2017年と2024年の比較ですが、全体的に増えています。中でも免疫染色の件数が増えていて、例えば、この中では、HER2たんぱくのような分子標的治療薬の、いわゆるコンパニオン診断というものが非常に件数が増えてきているというものです。新たな分子標的治療薬が見つかると、その分子標的治療薬の適否に関して、病理のコンパニオン診断薬というもので病理が評価するということになっていて、業務量は、実際にはかなり増えているという状況になっています。
次のスライドをお願いいたします。
現在、これまで、がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会等において、常勤病理医不在により要件が未充足となって、地域がん診療連携拠点病院から地域がん診療病院に類型変更となった医療機関が複数存在しました。
これについて、構成員から、以下のようにバーチャル連携とか、遠隔病理診断を用いた支援について言及をいただいております。
次をお願いします。
ただ、これらにも課題がありまして、まずは、ネットワークを用いたバーチャル連携ですが、これは、そもそも病理のデジタルスライドをつくるためのバーチャルスライドスキャナーというスキャナーが非常に高額です。これは委託元の医療機関で用意する必要がありますが、大体サーバーも入れて3000~9000万円の投資が必要と。
それで、質についての言及がありましたが、実際には、クラスIIという薬事承認を受けたスキャナーを使えば、十分にそれで病理診断ができるという質の担保はできております。インフラ整備に数千万円の初期投資がかかるということが課題です。
一方で、通常の遠隔病理診断、例えばスライドガラスを送るということに関しましても、下にありますように、ガラス標本の送付に関しては、搬送業者が限られるなどの課題があります。
また、1つ目のポツにありますように、働き方改革で、今後、他病院の支援が非常に難しくなっているという現状もございます。
それで、正しい病理診断のためには、十分な診療情報の提供が前提ということも課題でございます。
次のスライドをお願いします。
病理の均てん化として提案させていただきましたが、がん診療を主に行っている医療機関に求められる要件としましては、まず、病理検体の切り出しが行えることということになります。今、検査技師へのタスクシフトで切り出しができるようになっていますが、病理医でないとできない切り出しというのがございます。
また、病院の診療情報システムへのアクセスが保たれていないと、質の高い病理診断ができません。また、病理医と臨床医の対話は非常に重要だと思っていて、こういう環境を整備することが課題だと思っています。
また、予定外の術中迅速診断、これにも対応できる必要があると考えていますし、また、病理解剖を行う体制の確保というのも課題かと考えています。
次のスライドをお願いします。
このがんゲノム医療というお話が武藤先生とかからもございましたけれども、その病理の体制ということを提案させていただきました。
現在、病理学会では、分子病理専門医という認定制度を開始して6年目ということになります。
病理専門医を取得した病理医が試験を受けて、分子病理に精通した病理医として認定するというもので、現在895名の分子病理専門医を認定している状況ということになります。
以上です。御清聴ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、特定営利活動法人日本緩和医療学会から、所構成員、よろしくお願いします。
○所構成員 よろしくお願いいたします。では、始めさせていただきます。
日本緩和医療学会の理事、事務局長を務めております、近畿中央呼吸器センターの所と申します。
日本緩和医療学会は、多職種からなる約1万2000人で構成されました学術団体でございます。今回、この指定要件検討ワーキングで御提案の機会をいただきまして、ありがとうございます。学会内で検討しました内容について、緩和ケアを中心に御提案をさせていただきたいと思います。
次のスライドをお願いいたします。
提案全体の構成でございますけれども、診療機能、専門的人材配置、相談支援に関して、大きく3つでございます。
赤字の案に関しましては改定、青字の案につきましては現行維持の内容を提案させていただきます。
次をお願いいたします。
診療機能の提案でございますけれども、地域がん診療拠点病院の緩和ケアのところでございます。
案1、苦痛のスクリーニングの運用とリンクナースと役割の明確化についての御提案です。
各部署で適切な苦痛の評価を行い、緩和ケアの提供体制についての緩和ケアチームでの情報を集約するため、がん治療を行う病棟や外来部門には、緩和ケアチームと各部署をつなぐ役割を担うリンクナースなどを配置することということで、下線部を追記しております。
提案の理由としましては、リンクナースの役割は、基本的緩和ケアの推進が基点になります。そのために各部署で行うということは非常に重要であるため追記いたしました。
加えて、リンクナースの配置が進んでおるため、必須化を提案させていただきます。
続きまして、案2でございます。
ACP・意思決定支援ツールの活用でございます。
これに関しましては、現在の指定要件の中の意思決定体制の整備のところの以下のところで追記としまして、なお、その際は関連するガイドラインで推奨されている意思決定支援に関する支援ツールを活用することが望ましいと提案いたします。
これに関しましては、がん医療における患者、医療者のコミュニケーションガイドライン2022というのがございます。この中で、意思決定支援に関するツールとしての質問促進リストや意思決定ガイドラインを用いることが、強く推奨されているためでございます。詳細は割愛いたします。次をお願いいたします。
診療従事者の提案に関する部分でございます。
その中で精神症状を担当する医師の専門資格に関してでございます。
現在は、上記の提案の上段のところに書かれていますけれども、当該医師は精神腫瘍学に関する専門資格を有することが望ましいと追記を提案いたします。
その理由は、がん患者さんの自殺対策など、精神症状緩和担当医師に求められる精神腫瘍学的専門介入の必要水準が高まっております。
一方、地域によっては、これらの医師を確保することが困難であったり、また、がん診療における役割を十分理解していない精神科医、心療内科の医師もいることもございます。
このため、必要要求水準を適用するため、当該医師においては精神腫瘍学に関する専門資格を有することが望ましいと提案させていただきます。
次をお願いいたします。
案4です。医師以外の従事者として管理栄養士の先生方の参画を求めたいと思います。
管理栄養士1名以上の配置、それから、がん患者の栄養に関する専門的資格を有することが望ましく、他部署との兼任を可とし、当該栄養士は、栄養サポートチームと連携して活動することということで、要件の追加を御提案いたします。
その理由としましては、がん患者さんの栄養管理、食の苦悩、苦痛は身体症状緩和、精神症状緩和と関連して、緩和ケアチーム構成員や栄養サポートチームとの協働が必要なためでございます。
次をお願いいたします。
案5から8は、現行の配置要件の維持でございます。詳細は割愛いたします。
次をお願いいたします。
相談支援の提案に関して、サロン、ピアサポートの活用に関しまして、ピアサポートの病院運営・活用に関する研修を受けることが望ましいと挙げさせていただきました。
これにつきましては、スキルアップ、燃え尽き、スーパーバイズ、緊急対応などの連携が求められますため、現在行われています厚労省委託事業のがん総合相談に携わる者に対する研修事業においての内容を、ぜひ地域拠点病院相談支援センターの業務に携わる者に御受講いただければと思います。
次をお願いいたします。
最後に、都道府県がん診療拠点病院の診療機能強化に向けたお話でございます。
案10は、緩和ケアセンターにおいて、ICTを活用した地域連携です。
都道府県のがん診療連携拠点病院の緩和ケアセンターにおいては、病院内のみならず、当該都道府県内全体としての身体症状、精神症状緩和、地域連携に関わる困難事例の対応として、D to P with D or Nによる遠隔診療を行い、実施に当たっては、ICTの利活用をお願いしたいと思います。
案11は、緩和ケアセンターの専任薬剤師です。
これに関しましても、緩和ケアセンターの機能強化として、専任の役割と、それから、がん薬物療法または緩和薬物療法の専門資格を有する方を御提案し、案10とのリンクをしたいと思います。
最後に、案12でございますけれども、緩和ケアチームに協力する公認心理師の1名以上の配置に関するものです。
がん医療分野、中間報告においても、がん患者さんの精神・心理的なニーズへの対応が課題として明示されております。
精神担当の医師や看護師の協働的、効率的な緩和ケアの提供や案10との機能連携ということが必要になります。
現在の都道府県がん診療拠点病院の充足率は84%ということで、兼任ではありますけれども、実施可能性が高いということで御提案させていただきます。
以上でございます。御清聴ありがとうございます。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、公益社団法人日本放射線腫瘍学会から、大野構成員、よろしくお願いいたします。
○大野構成員 日本放射線腫瘍学会の大野です。本日は、よろしくお願いいたします。
私のほうからは、初めに、放射線療法を取り巻く背景を簡潔に説明した後、整備指針に関する放射線療法に関する提案を述べさせていただきます。
次をお願いします。
こちらは、昨年、厚生労働省から公表された、がん患者における三大療法の需要推計です。緑色で示す放射線療法は、2040年に24%需要が増大すると予測されています。
このような背景のもと、安全・安心な放射線治療を持続的に提供できる体制整備が重要になると考えております。
次をお願いします。
こちらの表では、放射線療法の様々な治療法について、都道府県での集約化検討が必要なもの、がん医療圏または複数のがん医療圏単位での集約化検討が必要なものなどを整理しています。
次をお願いいたします。
成人の整備指針では「望ましい(*)」と定める要件については、次期改定で必須要件化を念頭に置くとの記載がありますが、現時点では確定しておりません。
そこで本発表では、アスタリスクの有無にかかわらず、「望ましい」要件が将来的に必須化される可能性を想定して意見を述べさせていただきます。
次をお願いします。
地域がん診療連携拠点病院の指定要件では、強度変調放射線治療、いわゆるIMRTと外来での核医学治療を提供することが望ましいとされています。
IMRTについては、この度の診療報酬改定で、従来の医師2名体制に加え、医師1名体制でも実施可能な条件が示されました。
本来、各拠点病院でIMRTが提供可能であることが望ましいと考えておりますが、「がん医療圏当たり1施設まで」という制約もあり、現時点では、なお全拠点病院での提供は困難と考えております。
核医学治療については、外来での治療に加え、特別措置病室を用いた治療を追記することを提案いたします。
次をお願いいたします。
診療放射線技師の配置については、現状の充足率が高いことを踏まえ、現行の「施設に2人以上」から、「外部照射装置1台につき2人以上」へ変更することが妥当と考えています。
専門資格については、取得率がなお十分とは言えない状況であることから、望ましいにアスタリスクをつけてはどうかと考えております。
次をお願いします。
次は、医学物理士等の専門技術者の配置についてです。
現行の要件に加え、「当該専門資格を有する者を配置できない場合は、都道府県拠点病院等の連携により、当該業務の質を担保する体制を整備すること」を追加することが望ましいと考えております。
次をお願いいたします。
これに関して、都道府県がん診療連携拠点病院に対し、新たな役割を明確化することを提案いたします。
具体的には、地域がん診療連携拠点病院等からの求めに応じ、照射計画立案に係る医師支援や、機器精度管理、照射計画検証などについて、専門的知識を有する技術者等による支援の体制整備をすることです。地域全体で放射線治療の質を担保する仕組みが必要と考えています。
次をお願いします。
複数診療科による治療選択肢がある場合の受診体制については、実効性を高めるため、運用方法をより具体的に明確化する必要があります。
そのため、「受診手順を明確化し、説明同意文書への記載、診療録への記録及びホームページ等による周知を行うことが望ましい」との文言追加を提案いたします。
次をお願いします。
緩和的放射線治療については、単に実施体制を公表するだけでなく、連携窓口や紹介手順なども含めて明示することを提案いたします。
患者さんあるいは地域医療機関にとって、アクセスしやすい体制整備が重要と考えています。
次をお願いします。
画像下治療、いわゆるIVRについては、緩和的IVRを実施可能な体制を整備すること、また、困難な場合には連携体制を分かりやすく公表することを提案いたします。
次をお願いします。
小児がん拠点病院については、これまで放射線療法に関する機器の設置が必須要件となっていました。これについては、自施設の設置を必須とせず、他医療機関との連携でも対応可能とする方向への見直しを提案いたします。
日本放射線腫瘍学会からは以上となります。ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、今、3つの団体から発表をいただきました。一般社団法人日本病理学会、特定非営利活動法人日本緩和医療学会、公益社団法人日本放射線腫瘍学会でございます。
御質問がある方は、ぜひ挙手のほうをよろしくお願いします。
増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 琉球大学病院がんセンターの増田です。日本放射線腫瘍学会、大野参考人に質問と要望です。
厚生労働省がん診療提供体制のあり方に関する検討会では、昨年8月1日付で、2040年を見据えた、がん医療提供体制の均てん化・集約化に関する取りまとめ及び参考資料が公表されています。
その参考資料の47ページでは、放射線療法に関する提供体制の課題、対応として2つ、日本における放射線治療施設当たりの年間新規放線治療患者数や、放射線治療患者数と収益性の関係が示されています。
今日の御発表では出ていませんが、この資料は、今後も厚生労働省の検討会やワーキング資料において繰り返し提示されており、この放射線治療における均てん化と集約化を検討する上で、極めて重要な基礎資料になっていると認識しています。
一方で、この資料の根拠として引用されているのは、全国放射線治療施設の2019年定期構造調査報告であり、既に7年程度が経過しております。
そこで質問です。日本放射線腫瘍学会として、これのデータや分析について、今後アップデートを行う予定はあるのでしょうか。
また、要望です。今後、本ワーキンググループにおいて、放射線治療の均てん化と集約化を指定要件との絡みで検討することがあります。より実効性のある形で議論していくためにも、可能であれば、次回以降のワーキンググループまでに、最新データを用いたアップデート版の資料を御提示していただけると、大変有意義なことではないかと考えます。御検討をよろしくお願いいたします。
○大野構成員 御質問ありがとうございました。
課題として、患者数並びに収益性のバランスをいかに取るか、これは患者さんのアクセスも含めてですけれど、それは確かに課題として認識しております。
日本の放射線治療の状況を国際的に比較しますと、人口当たりの放射線治療装置台数は、世界平均並みなのですけれども、施設の数が多くて1施設当たりの患者数が少ないということが特色としてあります。
したがって、1施設当たりで200例以下というような施設がかなりあって、そういった施設では収益の面でも、いろいろと課題を抱えているということであります。
こちらについては、学会のほうでも定期的に構造調査等を進めておりますので、新しいデータについては、確認でき次第、こちらのワーキンググループにも共有したいと思います。
また、厚生労働省の科学研究費、大西班においても、そのようなアップデートについて調査等を行っておりますので、こちらで利用できるものについては、最新のデータを共有していきたいと考えております。
○増田構成員 ありがとうございます。
ぜひよろしくお願いいたします。
○土岐座長 それでは、続きまして、藤構成員、どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
日本病理学会と緩和医療学会の佐々木構成員、所構成員に質問をしたいと思います。
まず、病理学会でございますが、私、今、この拠点病院の指定の検討会の座長をしておりまして、実際、御提示いただいたように、病理医がいないので拠点病院になれないということで、実際に、そこに他に拠点病院がなければ地域がん診療病院に類型を変更すればいいですけれども、そこに他に拠点病院がほかにある場合は、拠点病院から辞退するというような事態が起こってきております。特に東北でそういうことも起こってきているのですけれども、これに関しては、病理学会として、どうにかしろとかということでは全然ないのですが、今後これをどうしていったらいいのか、厳しい条件を指定要件にするというのは当然のことなのだとは思うのですけれども、それをそのままにしておくと、今後ますます拠点が拠点でなくなるという事態が来ているのかと思いますので、学会としての御検討というか、御意見をいただければと思います。
それから、緩和医療学会につきましては、今回は示されておられませんけれども、令和4年に出た整備指針の改定に関わった者として質問があります。令和4年改定の現行の整備指針における緩和ケアの提供体制について、緩和ケアチームというのを、以前の平成31年の指定要件では一番先頭にあったところから、現行のものでは3番目に変えました。というのは、基本的緩和ケアをするのがまず第1だと、がんに関わる全ての職員が、緩和ケアについての基礎的な基本的な緩和ケアの実力を上げていくべきなのではないかということで書かせていただいたのですけれども、これに関して、緩和ケア学会として、どのようなイメージを持っておられるかというのをお聞きできればと思います。
といいますのは、こういう整備指針に改定して、もう何年もたつのですけれども、いまだに緩和ケアチームに全部丸投げで、緩和ケアチームが疲弊していてたまらないという声もあちこちから聞いているということで、そこは、やはり基礎的な緩和ケアのレベルアップをするためには、例えば、今度の整備指針で書きぶりを変えないといけないのか、もしくはもっと別の方法があるのかということで、御意見をいただければと思います。
以上です。
○土岐座長 それでは、続きまして、村本構成員、よろしくお願いします。
今、回答は行けますかね、緩和のほうは。
○藤構成員 できれば、病理学会と、緩和医療学会のコメントをいただければありがたいと思います。
○土岐座長 すみません、先に病理のほうからよろしくお願いします。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
病理学会としましては、やはり多様な勤務形態というのはありかなと思っています。
例えば、先生のお話にもありましたように、東北地方などは、やはり病理医の数が非常に少ないと。
そういうところで、工数の問題もありますが、非常勤病理医もままならないというところもありますが、こういうところは、やはり、例えばバーチャルを活用した、いわゆるバーチャル連携で、デジタル画像などできっちりと診断できるとか、病理医に対する情報提供が十分ちゃんと行えて、その中で病理診断が提供できるなどの要件を満たせば、私は、病理学会としては対応可能かなと思っています。
その際に、例えば、今、国が先ほどバーチャルスライドのスキャナーというのは、非常に高額だというお話をしましたが、現在、実は補助金制度が走っています。この補助金制度は、各都道府県の病院局から、年に大体1施設、各都道府県で認められているものなのですが、これは、均等に1施設である必要ないのではないかなと思っていまして、そういうところとも連携しながら、例えば、東北地方のように、いわゆる交通網が発達していなくて、非常勤も送れないようなところは、例えば首都圏にあるような医療機関とバーチャル連携をする際に、東北地方の場合には、1件当たり1つの施設ではなくて、複数の施設にして、そういう枠を広げて、いわゆるインフラの整備ができるような体制を整えて、その上で十分な診療情報を病理に提供していただけるとか、予測しなかった術中迅速に対応できるようにするとか、そういう各方面との、いろいろな課題があるかと思うのですが、それをクリアできれば、私は要件緩和ということで、ただし質の担保だけはしっかりお願いしますということで対応できるかなと思っております。
以上です。
○土岐座長 少し関連しまして、瀬戸構成員からも御質問を頂戴したいと思います。
○瀬戸座長 すみません、少し関連しているので横から入って申し訳ないです。
佐々木先生、すみません、先生のスライドの10枚目の右下のほうに、がんゲノム医療連携病院は、常勤の病理医師を配置とあって、病理医の常勤の要件のため、がんゲノム医療が提供できない医療機関あるという記載が上のほうにあって、これは、実際に何施設ぐらいあるか、先生は把握していますか。
○佐々木構成員 実際には、がんゲノム医療中核拠点病院と、がんゲノム医療拠点病院の中に、常勤のがん遺伝子パネル検査の知識及び技能を有していない、常勤の病理医が配置できていないところが1施設あります。
エキスパート実施可能な、がんゲノム医療連携病院には、全てこのような常勤病理医が配置できています。ただ、がんゲノム医療連携病院になると、実際には入ってきていないところが、まだ半分ぐらいと認識しております。
○瀬戸座長 そうすると、結構あるということですかね。
○佐々木構成員 はい、現在は、まだかなり、895人のうち、この病院に勤務していない病理医もまだかなりおりますので、がんゲノム医療連携病院に全て常勤の医師が配置できていないというところもあります。
ただ、分子病理専門医ということに限定して言うと、そういう状況なのですが、がんゲノム医療連携病院に関しては常勤の病理医がほとんど勤務しているという認識をしております。具体的な施設数に関しましては、ちょっと把握はしておりませんが。
○瀬戸座長 横から、すみません。
○土岐座長 それでは、続きまして、村本構成員、どうぞ。
○村本構成員 ありがとうございます。村本です。日本緩和医療学会の所構成員に1点質問を申し上げます。
案4にあります管理栄養士に関する望ましい条件への追加は、治療に向き合う患者の体力維持向上の面で、患者側として歓迎すべきことと受け止めております。
これに関連しまして、患者の体力維持向上の上での栄養というのは、治療に向き合う一側面というよりも、言わば、土台のようなものでもあり、管理栄養士のみならず、医師を含めて十分に認識いただきたいと思います。
この栄養面の重要性に関する医療者全体の理解浸透に関し、指定要件に照らして、あるいはその他の観点を含めて御見解があれば、ぜひお聞かせいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 よろしくお願いします。
○所構成員 ありがとうございます。
まずは、村本さんからの御質問でございます。案4、管理栄養士さんのことですけれども、現在の指定要件のところには、1つ項目を設けて管理栄養士さんの配置に関することというのは十分記載がございません。
一方、緩和ケア診療加算においても個別栄養管理加算が、今、保険診療で認められるように、がん患者さんの栄養管理や食の苦悩苦痛に関しては、非常に進んできておりますし、学術的な成果も出てきておるところでございますので、緩和ケアチームと栄養サポートチーム、NSTとの実際的、実効的な連携をするために、今回栄養士さんの配置ということを御提案させていただきましたし、基本的な医療の中での栄養管理としても十分必要と感じております。
それから、先ほど藤先生から御質問がございました、基本的緩和ケアと専門的緩和ケアに関する御質問を併せて御回答させていただきます。
日本緩和医療学会で集計しております緩和ケアチーム登録のデータによりますと、その病院でがん患者さんが退院した数のうち緩和ケアチームに依頼された率というデータを持っておりますけれども、約500施設ほどのデータでカバー率5%ぐらいというのが平均値でございます。
ハイボリュームのセンターのところは、15%とか20%のカバー率でございますので、非常に病院差、それから地域差によって、このカバー率がございます。
もう一方、基本的緩和ケアは、がん医療の中での土台をなすものでありますし、基本的緩和ケアを推進するにおいて、緩和ケア研修会の受講修了者が、現在、約20万人おります。医師は必須になっておりますし、看護師さんたちもたくさん受けております。
それから、先ほどのリンクナースやスクリーニングのところは、基本的緩和ケアを推進したり、起点、それが起こっていって、把握して、実際の専門的チームにつながっていくためには非常に重要ですので、この基本的緩和ケアと専門的緩和ケアのバランスを各病院の診療機能とか、診療のスタッフの状況等を鑑みながら整備していくことが望ましいのではないかと考えております。
2つ合わせて御回答をさせていただきました。ありがとうございます。
○土岐座長 すみません、失礼しました。藤先生、今のでよろしいですか。
○藤構成員 ありがとうございます。結構でございます。
○土岐座長 失礼いたしました。
それでは、質問に戻りたいと思います。
米田構成員、どうぞ。
○米田構成員 ありがとうございます。血液・がん学会の理事長の米田でございます。
佐々木先生に御質問なのですけれども、小児がんにおいて、病理診断は非常に重要なパートを占めております。
ただ、小児がんに関しては、希少がんと言ってもいいと思うのですが、スペシャリストの方が、以前、小田理事長に伺ったときにはコンサルタントと名乗れる小児病理のエキスパートが全国に10名いらっしゃらないという状況かと伺っております。
小児がんの拠点病院には、やはり、できれば小児がんを専門とする病理の先生がいらしていただきたいのですが、先ほど御提示いただいたバーチャルに関して、小児がんとか希少がんにおいて、これから利用を進めていかれるという方針でしょうか?その辺を伺えたらなと思いまして質問いたしました。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
バーチャル、いわゆるデジタル画像による病理診断なのですが、やはり希少がん分野では、まだまだ課題が非常に多うございます。ガラス標本のクオリティーに、要はデジタル画像が完全に追いついているかというと、まだまだ追いついていないような状況にあります。
その中で、やはり希少がんの病理診断は、HE染色のいわゆるバーチャルによる診断のみではなく、発現しているたんぱく等も、やはり参考資料、我々の診断の資料として非常に重要になってくるという意味では、完全にバーチャルに移行するということに関しては、小児仕様を含め、いわゆる基礎がん領域では、まだまだ課題が非常にたくさんあるということを認識しております。
○米田構成員 ありがとうございます。
私たちの近くで頑張ってくださっている小児病理の先生方は本当にお忙しくて、後継者の育成ということについても、なかなか難しい問題を抱えていらっしゃいますので、ぜひ、病理学会のほうも応援していただけたらなと思っております。
○佐々木構成員 ありがとうございます。現在、実は、がん疾病対策課のほうから中心になって、希少がん診断のための病理育成事業という国庫補助金を毎年いただいております。
その中で、やはり希少領域に関する若手病理のリクルートというのが課題で、それに関しましては交流会も含め、エキスパートの先生方との意見交換や、実際に若手の先生方のリクルートという活動もさせていただいていますので、補助金を利用させていただいて、そちらのほうは、病理学会の課題として取り組んでいきたいと思っております。
○米田構成員 ありがとうございました。
ぜひ、進めていただけたらと思います。ありがとうございました。
○土岐座長 それでは、続きまして、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 東京大学の織田でございます。病理学会の佐々木構成員に質問をさせてください。特にゲノム医療との関連性というところでお聞きしたいと思います。
分子病理専門医の数が増えてきているというところや、パスロジカルシークエンスの重要性といったところが、今、非常に注目されているところかと思います。
一方で、このスライドの6枚目にありましたとおり、病理医の不足、そして仕事量の増加というところが課題になっていると理解いたしました。
特に免疫染色の件数あるいはHER2のたんぱくの検査件数など、こういった検査の急増が課題になるわけですけれども、こういったところこそ、研究力の開発であったり、各診療科の先生方と病理の先生方と一緒に研究していく上で重要になるかと思います。
ただ、あまりにもオーバーワークになってしまうために、免疫染色は、どんどん外注、外出しになってしまって、中で実際に研究を一緒にやろうというモチベーションがしぼんでしまわないか、忙しい病理の先生方が、研究に割ける時間がなくなるのではないかというところを少し心配しています。
パソロジカルシークエンスという形で、日本から病理学的に、あるいはゲノム学的に研究を推進していく上で、人材確保に懸念がないかどうかという点を教えていただきたいと思います。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
まさに先生のおっしゃるところが、本当に病理学会の課題として重要な認識を持っております。
実際に、こういう研修に関して、どのように学会として取り組んでいくかというところを、例えば海外の施設と連携して、そこに研修するための病理医の人材育成も含めて派遣する等も、現在検討しておりますが、何せ、もともと病理医の数が少なくて、さらに業務が増えているという中で、いろいろな研究業務をやる時間がなくなっているとか、余裕がなくなっているとか、いわゆるゲノム医療に関して精通した病理医の育成に力を割くということができていないというのがまさに病理の課題、病理学会の課題でもありますので、今後も検討は続けていき、実際に海外の施設等と連携して、実習などに人員を派遣していくという計画もありますので、それを生かしつつ、ぜひ進めていければと思っております。
以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
続きまして、坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 ありがとうございます。
私からは、緩和医療学会の所構成員に御質問をさせていただければと思います。
所構成員から、患者サロン・ピアサポーターの活用について御提案いただいたかと思います。相談支援センターの職員がピアサポートの病院運営ですとか、活用に関する研修を受けるということについては、私も相談支援センターの一員として非常にその趣旨には賛同いたします。
一方、今回の提案は、ピアサポートの活用に当たっては、各都道府県で養成講座を終えたピアサポーターさんの活動機会の調整、県内での活動状況の把握、病院とのマッチング、継続的なフォローアップ等も非常に重要だと常々感じております。
しかし、各拠点病院の相談支援センターが個別に担っていくことは、現状の運用上、活動機会やマッチングに偏りが生じる可能性に加え、臨床現場の業務量の面からも厳しいのではないかと感じているところです。
そういう意味では、そこのニーズマッチングや開催場所・時期
等の調整を、例えば都道府県がん診療連携協議会等が関与し、県内全体の仕組みとして整理していくということも、1つ考慮していくことができるのではないなかと思います。その観点で、例えば緩和医療学会として今回御提案された立場からお考え等がありましたら、教えていただければと思いました。
○所構成員 御質問ありがとうございます。
相談支援センターの業務が多岐にわたって御多忙ということは認識しておりますので、今の御提案の内容については、やはり十分検討しないといけないかなと理解しております。
大阪におりますので、大阪府では、今、坂本さんがおっしゃったように、各病院に派遣するマッチングのような形のパイロット事業というのをやっているのですけれども、都道府県と連携しながら、そうしたところの調整といったところも、1つオプションかなと考えておりますので、この辺りは、制度設計においては、十分、現実適用できるような形を考えたいと思います。
○坂本構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
私から1点、放射線の大野構成員に質問なのですけれども、今回カバー率での脱落というか、拠点から外れるところが、恐らく手術よりも多いと、三十幾つでしたかね、前回のワーキングでそういう話があったと思いますけれども、そちらがどのように連携というか、フォローしていくことが可能なのかということが1点です。
あとは、外科の場合は、もともと人数が減っているので、恐らく、それらが復活することは難しいと思うのですけれども、放射線の場合は、例えば、もし専門医とかが増えれば、また戻ることがあるのか、もしくは基本的には、やはり集約化がどんどん進んでいくのか、どのようにお考えでしょうか。
○大野構成員 ありがとうございます。
まず、1点目のカバー率等の要件でがん診療連携拠点病院の指定から外れた場合のフォロー体制ですけれども、放射線治療の提供体制は、拠点病院の指定以外に、採算性や人員確保の問題等で影響を受けます。
例えば、都市部で複数の施設が診療を提供している地域と、地方で限られた施設が診療を担っている地域とでは、治療が提供出来なくなった場合の患者さんの通院負担は大きく異なると思います。一方、地域がん診療病院として等、引き続き治療が提供出来る場合には、患者アクセスへの影響は限定的と考えられます。
特に放射線治療は、治療装置のある病院に患者さんが移動して受けなければならないので、アクセスを考慮した提供体制というのは、重要な課題だと考えております。
国内の放射線治療施設のIMRT提供体制がどのように変化するかについては、今後学会でも調査していく予定となっております。
その上で、我々の取組としましても、例えば先ほど前立腺がんで2回通うというお話もありましたけれども、同じ効果であれば照射回数が少なくて済むようなプロトコールを開発し、エビデンス創出と普及を図るという努力もしているところです。
それから、2点目の専門医等人材については、現在、放射線治療専門医が約1,500人ほどおりますけれども、年間約50人ほどずつ増えております。ですから、急に増えることはないのですけれども、着実に増えているという状況でございます。こうした専門医を適切に育成、配置しながら提供体制の充実を図ることも、学会としては非常に大事だと考えております。
○土岐座長 もう一点、どうぞ、瀬戸先生。
○瀬戸座長 すみません、大野先生に、ゲノムではないのですけれども、質問をしていいですか、すみません。
先生のスライドの7枚目なのですけれども、恐らく物理士の配置のことに関して記載していただいているのですけれども、実際物理士は非常に重要な役割を、僕がいるところでも担っていて、その重要性も十分認識していて、先生の学会では、物理士が増えているとか、減っているとか、そこら辺は把握されているのかというのが1点ということと、それから、この記載で言うと、都道府県拠点病院との連携により当該業務の質を担保する体制を整備することということになると、物理士がいなくてもいいと、裏を返せばですね、そうすると、ある意味、集約化の方向には行っていないのではないかという気もしないでもないので、その辺はどうでしょうか。
○大野構成員 ありがとうございます。
まず、医学物理士については、国家資格ではありませんが、医学物理士認定機構が認定しております。これも約1,500人を超えたところとなりますけれども、着実に増えております。
また、その上位資格として治療専門医学物理士という認定もございます。
これらの人材は、特に放射線治療における品質保証、品質管理業務を担う中心的な役割を果たしているのですけれども、先ほどのスライドにありましたように、約2割の施設では、必ずしも専門資格を有する人材が配置されていない状況があります。一方で、医学物理士の資格を持っていなくても、十分な知識や経験を有する診療放射線技師が、その役割を担っているような病院もあり、資格保有者の配置のみでは実際の業務体制を評価できない面があります。
現状は、医学物理士が配置されていない施設が一定数存在しており、そのような施設では都道府県がん診療連携拠点病院等との連携により、治療の質を担保する体制を確保することが現実的と考えているところです。
しかし、将来的には、放射線治療の安全性と質の向上の観点から、すべての施設に医学物理士が配置されることが望ましいと考えております。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、ここで発表は、次に移りたいと思います。
次は、一般社団法人日本小児血液・がん学会、こちらから加藤構成員、よろしくお願いします。
○加藤構成員 よろしくお願いいたします。
小児がん拠点病院等の整備指針に関する要件につきまして、日本小児血液・がん学会宛てに御依頼をいただきましたので、副理事長であり、かつ小児がん拠点病院等のワーキング構成員でもある加藤から御意見を申し上げます。
次をお願いいたします。
今回は合同ワーキングとのことですので、まず3月26日に開催されたワーキングで議論された、小児がん拠点病院等に求められる役割を改めて共有いたします。
会議の冒頭で松本先生からもコメントがございましたが、小児がん拠点病院等が設置され、集約化、均てん化に貢献してまいりました。
その中で小児がん診療に残された課題は、高度化した診療への対応だけでなく、小児がんにおいて特に問題となるドラッグ・ラグ/ロスなどを含めた治療開発や、進歩する技術を活用した診断技術開発と考えられます。
また、小児がん医療の集約化を担う施設として小児がん連携病院が指定されておりますが、各都道府県においての位置づけが明確でないという課題がございました。そこで今回、都道府県小児がん拠点病院の設置が提案されております。
その一方で、少子化が進んでおり、必然的に小児がんの発症数も減少していくことが想定されます。
そのような背景を踏まえ、小児がん拠点病院等に求められる役割と主な指定要件が、このスライドのように議論されました。
なお、このワーキングで選出された参考資料につきましては、本資料の後半につけております。
次のスライドをお願いいたします。
そこで、小児がん拠点病院等における指定要件を議論するために、まずは現行の小児がん拠点病院等における指定要件の概要をお示しいたします。これを土台として新たな役割等を基に、指定要件等を提案いたします。
次のスライドをお願いいたします。
まず、小児がん拠点病院に求められる要件の概要を提案いたします。これまで求められていた役割に加え、ゲノム医療や細胞治療などの施設認定に相当する体制に言及しております。
また、小児がん拠点病院の役割が、治療開発、診断技術開発が中心になる議論がなされたことを申し上げましたが、少子化による小児がん患者数の減少も見込み、質を担保する最低限の診療実績を求めた上で、症例数だけでなく、治療開発、診断技術開発に向けた質と体制で評価することが望ましいと個人的には考えております。
次のスライドをお願いいたします。
人材開発につきましても、治療開発や診断技術開発などの人材育成についても触れております。
また、臨床研究等においては、治療開発等に向けた体制や実績について記載しております。
次のスライドをお願いいたします。
小児がん中央機関におきましては、小児がんの診療の質の向上に向けた基盤となる診療支援、研究支援の基盤となることが求められます。そのための要件を求め、これを役割として果たしていく体制が求められます。
次のスライドをお願いします。
都道府県小児がん拠点病院におきましては、都道府県における小児がん医療支援の中心となることを求めるため、全ての小児がんに対し、多施設連携も含めて標準的な治療を適切に提供しつつ、人材育成も担うための体制を要件として提案いたします。
次のスライドをお願いいたします。
連携病院におきましては、小児がんに対して標準治療を適切に提供することもしくは特殊な設備等を必要とする治療など、施設のそれぞれの特性を生かした、小児がん診療を提供することを求める要件としています。
こちらも、やはり症例数による診療実績もございますが、質での指定要件を決定していくことが望ましいと考えております。
少子化において集約化は必要な流れかもしれませんが、患者、家族にとって過度の負担にならないよう、診療の質を維持した上で、適切な施設配置になるような診療体制が望ましいと思います。
なお、小児がん拠点病院、都道府県小児がん拠点病院、小児がん連携病院の全体を通して、小児がん診療を行うために望ましい支援体制や環境整備についても求めることが望まれますので、その点につきまして、要件に適切に記載することで加算などにもつながり、施設としての体制の整備に向けた後押しになることを期待いたします。
今回時間も限られておりますので、あくまでも要件は概要として提案をしておりまして、全ての記載を網羅しておりません。小児がん拠点病院等の指定要件を通じた目指すべき小児がん診療体制を今後のワーキンググループ等で議論し、具体的な要件として設定していくものと認識しております。
私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、公益財団法人がんの子どもを守る会から、増子参考人、よろしくお願いします。
○増子参考人 公益財団法人がんの子どもを守る会の増子でございます。
スライド2枚目をお願いいたします。
当会は1968年の設立以来、小児がんに関しまして、患者や家族を対象とした相談、経済的な支援事業、治療研究促進のための助成事業などを行っておりまして、親御さんを中心に全国に約1,500名の会員がおります。本日は、このような立場から小児がん拠点病院等の見直しの方向性につきまして、意見を申し上げたいと思います。
まず、スライドの4枚目をお願いします。
まず、都道府県、小児がん拠点病院につきましては、標準的な治療を提供し得る施設が全ての都道府県に1か所以上指定されること自体は望ましい方向性でございます。
他方、地域差から不可避な症例数の違いなどに起因して、医療の質に違いが生ずることのないようにしてほしいというのは、私たちの切実な願いでございます。
療養環境、相談体制、長期フォローアップを受診できる医療機関、当該都道府県小児がん拠点病院のアクセス面での負担におきましても、地域差が生じないことを願っております。
スライドは、この次のものをお願いします。
また、都道府県ごとに指定されることによりまして、かえって、当該都道府県をまたいでの受診が制限されるのではないかということを心配しております。
生活の本拠の場所によりましては、当該都道府県の拠点病院が必ずしも通いやすいとは限りませんので、柔軟な対応が求められると考えております。
次に、小児がん連携医療機関につきましては、スライドは、1つ飛ばして6枚目をお願いいたし。
小児がん連携医療機関につきましては、身近な場所で最適な治療を受けられることが期待されます。
その際、在宅医療との連携も進めてほしいと考えております。質の高い療養におきまして在宅医療は欠かせないものでございますが、現状では在宅医療の担い手が不足していることもあって、必ずしも患者の希望がかなわないという現状がございます。
また、小児がん医療の連携体制から外れてしまいますと、必要な情報が受診する患者及び家族に届きづらいという実情がございまして、現行の小児がん連携病院ではないけれども、現に小児がんの治療をしている医療機関、そうした医療機関との連携も必要であると考えております。
続きまして、スライドは1つ飛ばして8枚目をお願いいたします。
3つ目は、小児がん拠点病院についてでございます。集約によって、現行の小児がん拠点病院の数よりも少なくなることが見込まれます。また、ブロックごとの指定はしないともなされております。
そういたしますと、小児がん拠点病院が、今までよりも、患者の生活の本拠から遠くなることが増えるということが想定されます。その負担を抑えるためには、宿泊施設や家族支援の整備といったものが不可欠になると考えております。
それから、都道府県小児がん拠点病院が設けられる方向性とのセットではあるとはいえ、小児がん拠点病院の集約化が、地方で小児がん治療に取り組もうとする医師の減少を来しはしないかという強い不安の声が、特に地方の会員から届いております。このことは率直にお伝えをしておきたいと思います。
スライドの9枚目をお願いいたします。
見直しの方向性に関する意見とは別のこととなりますけれども、小児がん医療提供体制や療養環境につきまして、患者及び家族の声が私どもに寄せられておりますので、資料の9枚目に御紹介した次第でございます。
小児がん医療において、療養環境は診療と並びたち、患者である子供の成長、発達を支える上で、いずれも不可欠なものと考えております。見直しにおけるいずれの類型におきましても、療養環境に係る要件を充実し、一層整備することが必要であると、このように考えております。
以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
それでは、発表をいただきました、日本小児血液・がん学会、公益財団法人がんの子どもを守る会の内容につきまして、御質問をお受けしたいと思います。
菱木構成員、どうぞ。
○菱木構成員 ありがとうございます。千葉大学小児外科の菱木と申します。
私は、がんゲノムのほうの構成員になっておりまして、小児がん拠点に関しては、構成員ではございませんので、若干客観的な立場から、まず、加藤先生に質問をさせていただきたいのですけれども、質問というよりは、加藤先生の取組については、個人的にも聞かせていただいておりまして、これが、かなり輪郭がはっきりしてきたというところで、方向性としてはすごくよいと思いました。
一方、オランダのケースを御紹介していただきまして、あそこの国では、1つの拠点に全ての小児がん患者を集約するというところなのですけれども、そうした場合に、そこの集約化されたところの施設に、十分な資源と、それは財源も含め、それから人的な資源も集約するということが併せて行われないと、少しバランスが悪いのかなと考えました。
特に、現在の小児がん拠点病院を眺めますと、非常に血液腫瘍というのは、化学療法部門は強いのだけれども、外科療法が必ずしもそこについてきていないとか、逆に外科療法が非常に強いのだけれども、ほかはそうでもないというところがありまして、それを総合的な診療能力を持った、そして、さらに研究も推進できるような拠点病院をつくっていくということだと思うのですけれども、そこの人員配置にどのぐらいワーキンググループあるいは制度として介入する方向を考えておられるのかということについて、質問をさせていただきます。
○加藤構成員 ありがとうございます。
どの程度さらに集約化を進めるのかということの、まず、議論はとても大事だと思っております。
先ほど、がんの子どもを守る会からの御発表にもありましたとおり、例えば集約は、もちろんいいことかもしれません、効率化という点では、ただ、過度の集約を進め過ぎると、結局御家族、患者さんにとって移動の負担を強いることにもなってしまいますので、オランダという地域の広さとか、交通アクセスのことが、そのまま日本に外挿できない可能性があるのではないかと思っております。その点で、どこまで集約化を進めるかは、また別途議論が必要だと思います。
ただ、一方で、菱木先生の御指摘は、集約化として患者だけ頑張って集めても、医療者を集めなければ、やはりそこの負担が過度に増してしまって、結果的に診療の質を提供できないということなのだと認識しました。その点は非常に大事だと思っております。
やはり拠点として指定を受けるからには、人もしっかりと集めて、さらにその教育までを含めて、そこに集約して行えるような体制があるべきだと思います。
ただ、やはり過度の集約化がいろいろなことで無理を生じる可能性はあると思いますので、これまでの小児がん拠点病院との施策において、一定割合の集約はできたのではないかと個人的には考えております。
その質を維持しつつ、それを今後きちんと広めるために都道府県小児がん拠点病院でしっかりと標準治療を適切にできる施設を、地域ごとにきちんとつくっていくべきだとは考えております。
それにおいて、やはり小児科医だけではなく、先生方も含めた小児外科医の質の維持も大事だと思います。ただ、一方で、小児外科の先生たちの数が限られていることもございますし、患者数の減少に伴って手術経験というのも限られていると思いますので、その点、やはり小児がん拠点病院、都道府県小児がん拠点病院においても、ある程度の得意、不得意が出てしまうのはやむを得ないかなと思います。むしろ、ここに関しては、これが得意なので、しっかり患者連携をしよう、施設間連携をしようという形で、柔軟な施設間連携ができることのほうが、日本の現状に合っているのではないかと個人的には思っております。
ただ、本当にそれがベストかは分かりませんので、ぜひ関係の方々からいろいろな御意見をいただきながら、あるべき小児がん診療の提供の体制を日本でどのようにすべきかという議論が継続される必要があると思っています。
○菱木構成員 ありがとうございます。
○土岐座長 松本構成員より、御質問をどうぞ。
○松本座長 ありがとうございます。
私のほうからは、加藤構成員、そして、増子構成員にそれぞれ御質問をさせていただければと思います。
まず、加藤構成員に関してですが、日本の小児がん医療は、JCCGという研究グループ、そして小児血液がん学会という学会、そして、この拠点病院・連携病院という実働部隊という、この3つの組織が三位一体となってきちんと活動していると考えております。
それで、質問としては2つございます。
1つは、拠点病院の年間新規症例数、拠点病院というのは、都道府県の拠点病院ですね、上位規格としての拠点病院ではなくて、都道府県の拠点病院において、年間の新規症例数が一定数のということになっておりますが、昨今やはり少子化が進んでおりますので、何人というものを都道府県の拠点病院が満たすというのはなかなか難しいと思うのです。
そこで、私としては、例えば、その県に発症する小児がんの患者さんの3分の2をカバーするとか、何かそういう別の要件があるといいのかなと思いましたが、その点に関して、学会として何か御意見がございますかということが1点です。
もう一点は、先生のほうから人材育成というお話がございました。集約化で非常に難しくなっているとは思うのですけれども、私は、例えば、都道府県の拠点病院で、なかなか患者さんを診ることが難しいような病院というのは、例えば今回新しく設定される拠点病院のようなハイボリュームセンターで研修ができるようなシステム、あるいは、そういうものを義務づけるような指定要件、そういうものがあればいいのかなと考えますが、学会として、何かその辺り御展望はございますでしょうか。
○加藤構成員 ありがとうございます。
学会として、まだコンセンサスが取れているわけではございませんので、また、持ち帰っていろいろな議論が必要だと思っていますが、まずは、副理事長としての私の立場で申し上げさせてください。
まず、前半の都道府県の小児がん拠点病院の診療実績のことに関しては、松本先生の御意見のとおりだと思います。やはり施設において子供の数が減っている以上、地域においては、都道府県の中でもあまり多い数を設定すると、それに対する診療実績は困難ということがあると思います。
要は、都道府県においては、小児がんを診なくていいかというと、そういうわけではなく、では、全員東京に集約するかというと、そういうわけにはいきません。先ほど、がんの子どもを守る会の方からも申し上げましたとおり、どのような形がそれぞれベストなのかということは、やはりそれぞれの患者さんごとにあるべきだと思います。
そういう意味で、やはり、少子化が進んだ、特に地方においては、それでもその県の、やはり都道府県の小児なりを支えるという施設がきちんとあれば、そこはきちんと質が担保できた上で、数がなくても、やはりきちんと拠点病院として指定するほうが妥当ではないかと思います。
その意味で、その都道府県の中で発生する小児がんの中の一定割合をきちんと診ているのだと、その中の核になっているのだという事実があれば、僕はよいと思いますので、それが果たして3分の2がいいのか、半分がよいのかということは、やはり、都道府県の県境の移動も含めた実情に応じた数字設定が望ましいのではないかと思います。松本先生の御意見に私自身も賛成です。
もう一つ、研修体制に関しても御質問をいただきました。これもまた御指摘のとおり、少子化で症例数が少なくなることもありますので、同じように地方では研修が困難になる可能性も危惧されます。これもやはり、先ほどまでの議論にありましたとおり、それでも、やはりきちんと標準治療を提供できる人材が各地方にいるべきだと思いますので、拠点病院等で積極的に受け入れて、人を循環させて人材育成が効率にできる体制が望ましいと思います。
さらには、個人的にもう少し踏み込んで申し上げますと、難しい面があることも承知しておりますが、医師以外の看護師さんなどの人材に関しても、病院間で交流して育成が効率的になると思いますので、そのようなことを指定要件等に盛り込む形で、後押しができるととてもよいのではないかと考えています。
以上です。
○松本座長 ありがとうございました。
本当に人材育成等をきちんと考えていかなければならないので、ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、増子構成員のほうに少し御質問をさせていただければと思います。
増子構成員のほうから、相談支援体制の地域格差ということをなくしたほうがいいというお話をいただきました。
現在、小児がん拠点病院、小児がん中央機関といたしまして、小児がんの相談員というものを、今、この10年間でおよそ600名近く育成することができました。もちろん、看護師とソーシャルワーカーが半分ぐらいずついらっしゃって、数はいるのですけれども、なかなか機能という面においては、まだまだ問題があるかなと考えています。
さらに、国立がん研究センターのほうからの患者体験調査でも、その小児がんの相談員に対する認知が少ないということがありました。
私としては、ぜひ、小児がんの相談員は、成人のノウハウが利用できるような成人と小児の連携を進めていくべきとも考えております。あるいは相談支援は、もっと中央化してウェブ活用もできるようなシステムがあってもいいのかなと思います。増子構成員にお伺いしたいのは、この相談支援体制というものを小児がん拠点病院の要件として入れる場合に、どのような要件が望ましいとお考えでしょうか、お聞かせいただければと思います。
○増子参考人 ありがとうございます。
まず、現状として、今の松本座長の御質問の中にも出ておりましたけれども、なかなか認知されていないと、それは相談員の方の側にもあるだろうし、患者家族の側にもあるかもしれません。
実情としては、私どもが把握し得るのは、私どものほうから相談事業を行う上で、各医療機関の相談員の方にお話を伺ったりということがあるのですけれども、その際に、個人情報の取扱いとか、そういう話は別にして、なかなか事案を把握されていないということで、なかなか連携が難しいという事例を多く当会では経験をしているということでございまして、そんなことから今回申し上げた次第でございます。
それで要件ということになると、そこは、なかなか申し上げづらい部分はありますけれども、やはり、相談支援というのは、相当に専門的な業務だろうと思うのです。ですから、その専門業務に見合った資格、待遇というものが想定されるべきであって、要件もそれに沿うようなもの、そういったものを考えていく必要があるのだろうと。抽象的なことになりますけれども、やはり大事なことですので、優先度は結構高いものだと、このように理解をしております。
以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
○土岐座長 続きまして、米田構成員、どうぞ。
○米田構成員 ありがとうございます。
加藤先生の御発表については、私、同じ学会の立場なので、質問とかではないのですけれども、1つ、これも個人的な意見として聞いていただきたいのですが、小児がん拠点病院を全ての小児がん拠点病院にオールラウンダーを求めるというのは、やはり人材の配置としては無理があると、限界に来ているのではないかと考えています。
特に、先ほど菱木先生から御指摘があったように、外科治療に関しては、やはり外科医の経験値あるいはチームの経験値が非常に重要になってまいりますので、例えば、脳腫瘍が得意な小児がん拠点病院であるとか、あるいは骨軟部腫瘍が得意な小児がん拠点病院というのが存在してもいいのではないかと、これは個人的に考えています。これによって特定の領域の人材育成が、より円滑に行えるのではないかなと考えています。
あとは、増子参考人に御質問なのですけれども、療養環境ということを考えた場合、小児特有の療養支援を担当する専門職というのがございます。この辺り、守る会のほうでどのようなニーズを持っていらっしゃるかということをお聞かせ願えたらと思っております。
○増子参考人 ありがとうございます。
恐らく、今、米田先生が御指摘になられた療養支援を担当する専門職というものの、小児がんの患者さん、その家族というのは最大のお客さんというか、ユーザーであるグループだと思うのです。しかし、一方で、小児がんの患者家族の間に、それが広く知られているかというと、かなり知られていないと言っていいと思います。それは、専門家の方たちもあまりこちらにアプローチしてこないということもあるのだと思うのです。宣伝が足りないと思います。
ですので、なかなか会として、そのことを取りまとめる機会がなかなかないのですけれども、しかし、先ほど申し上げたように、非常に大事な役割を持った職種であると。ですから、この小児がん拠点病院が最初にでき上がったときに、それを想定した要件が入っていたかと思いますけれども、その後、表現が二転、三転はしているようですけれども、今なおというか、ますますそこが必要になってきていると。それで、徐々にではありますけれども、そうした職種の方も増えてきているわけですので、どこかで質的な転換が訪れるのではないかと、そのように期待をしているところでございます。
○米田構成員 ありがとうございます。
この資格は、日本の国内で取れない資格もあり、いろいろな資格がまだ混在している段階ですので、これをできるだけ早く統一したものとして、日本の中で取得して、能力を持った方を正しく認定していくこと、そして、それを養成していくということは、これからも必要かと思いまして、質問させていただきました。ありがとうございました。
私からは以上です。
○土岐座長 それでは、続きまして、松岡構成員、どうぞ。
○松岡構成員 ありがとうございました。
日本小児がん看護学会で理事長をしています、三重大学の松岡です。今日は、ありがとうございました。
前半のところで、緩和医療のこともあったので、その点も含めて小児がん拠点病院のことについて、加藤先生にお尋ねします。
多分、今回抜粋だということではあったと思うのですけれども、ワーキングの中でも折に触れお伝えしていますが、治す反面、小児がんはまだ治らない子供たちもいたりする場合に、今回、要件の中に緩和ケア、緩和医療という言葉を見つけることができなかったのですが、その辺りのことについて、どのように考えていけばいいか、または、それがやはりすごく重要な点ではないかと思うので、その辺がどうなのかということをお尋ねしたいのが1つ。
あと、増子さんにお尋ねしたいのは、在宅医療の推進ということで書いくださっていましたが、今の緩和医療のことにも多分つながると思うのですけれども、拠点病院がすべき在宅は、多分送り出す、もしくは転院するときのこととか、それが本当に可能かどうかということを考えますと、そういうセンターがあるかとか、そういう役割機能があるかということとか、それが緩和ケアチームとどう連携しているかということも重要かなと思うので、どのような役割を拠点病院に求めておられるかというのをもう少し教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○加藤構成員 それでは、すみません、加藤のほうから、まず、お返事いたします。
緩和ケアに関しては、松岡先生のおっしゃるとおりで、小児がん診療の中、小児がんに限らないですけれども、がん診療の中の一部だと考えております。決して今回、中に書かなかったのは、緩和ケアを軽視しているわけでは、もちろん全くなくて、がんの治療、特に終末期医療に限らず、がん診療全体の中で緩和ケア自体の体制は大事だと思っております。
今回、もう御理解いただいているとおり、発表に充てられた時間も含めて概要として提案しておりますので、実際に具体的なものでは、小児がんに対する緩和ケアのあるべき体制がどのような形で規定すればいいのか、現行の要件も見ながら、今後ぜひワーキングの中で具体的に議論をしていければと思っております。
以上です。
○土岐座長 増子参考人、どうぞ。
○増子参考人 増子でございます。
在宅医療との連携の関係で、拠点病院の役割という観点からの御質問だったと思います。いろいろあろうかと思いますけれども、当面不足をしているのは、やはり在宅医療を担う医療者が少ないということ自体もあるのですけれども、その情報もなかなか伝わらないという部分がございます。
ですから、拠点病院に求められるところとしては、少なくとも域内の、例えば長期フォローアップをできる医療機関の情報を集約しておく、それに従って、連携というか、移行の手伝いをする、そういった機能が求められるのではないかと。やはり医療機関は、一般的にどこそこに行ってくださいみたいにおっしゃっていただいて、後は全部患者さんが説明するみたいなところが、どうしてもあるわけなのですけれども、やはり連携と考えたときには、その辺の気配りもしていただけるような体制があると、言いたいことばっかり言って申し訳ありませんが、患者は大変助かるということだと思います。
以上でございます。
○松岡構成員 ありがとうございました。
多分、そういうところの質がすごく求められるのかなと思って、すみません、あえて質問をさせていただきました。ありがとうございます。
○土岐座長 続きまして、所構成員、どうぞ。
○所構成員 ありがとうございます。
今の御議論と少し関係しているところですけれども、私ども小児がんの緩和ケアチームの登録のデータを持っておりまして、成人と大きく異なるのは、依頼項目で家族ケアと精神症状というのが上位に来ます。また、転機が外来フォローというのが多くなりますので、外来でサポートできる体制と、その医療スタッフ、それから他機関との連携といったところが、やはり成人と大きく異なるところですので、その辺りを、ぜひ今後も小児がんのほうでは、緩和ケアとしてはサポートできればなと思います。コメントでございます。
以上です。
○土岐座長 貴重な御意見をありがとうございました。
それでは、続きまして、増田構成員、どうぞ。
○増田構成員 小児がんイコールではないのですが、視点として出てこなかったものですから、親御さんががんになった子供の支援という視点が、成人にも小児がんにも抜けていまして、そこについて、少しそれぞれのワーキングで議論を深めたり、もう一つは、各それぞれの学会のほうで御議論していただくのがいいかなと思います。
例えば、御自身ががんに罹患したことをどのようにお子さんに伝えるのかに始まって、多くの問題が含まれているにもかかわらず、ここのところが、完全に隙間で落ちているのではないかと考えております。
がんの親を持つ子供たちや、実際にがん治療と子育てを両立している人ですとか、その御家族の、そういったところをサポートすることが、やはり、拠点病院には求められるかと思いますので、その点につきまして、もし、今日御参加の参考人の皆様ないしは学会の構成員の皆様でも構いませんが、何かあればということと、それは、ぜひ成人のほう及び小児のほうにも、そういう視点を書き込んだほうがいいのかなと考えております。
以上です。
○土岐座長 これは、事務局ですかね、あまり今までなかった御意見ですが。
○事務局 事務局でございます。
今後のワーキングを含め、検討してまいりたいと思っております。
○土岐座長 増田先生、大変新しい視点からの問題でございますので、また、新しい問題として検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○増田構成員 よろしくお願いします。
○土岐座長 それでは、続きまして、山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 ありがとうございます。小児脳腫瘍の会の山崎でございます。
時間もないものですから、簡単に加藤構成員に質問といいますか、お願いがございます。
今回提示いただきました概要につきましては、あくまでも概要というところですので、これから様々議論が重ねられて、いろいろ言葉が入っていくのかなと思います。
先ほどから緩和ケアのことですとか、在宅療養の話がありましたけれども、やはり妊孕性温存のことに関しても少し触れていただきたいというところがございます。
あとは、やはり脳腫瘍ですとか、網膜芽細胞腫といった本当に高度な治療が必要な、専門性を要する疾患につきましては、拠点病院とかに入ってこないと、やはり情報が伝わってこなくなりますので、ここが漏れないように、今の状況でも患者家族は、いわゆる拠点病院が何なのか、連携病院が何なのかというところの理解が追いついていないところがありますので、この先、また再編されるというところで、情報の混乱が生じるのではないかという心配がございますので、この辺りをきちんと整理していただけたらなというお願いでございます。よろしくお願いいたします。
○土岐座長 これは、加藤構成員になるのですかね、いかがですか。
○加藤構成員 御指摘は、全くおっしゃるとおりだと思います。情報に関してどうするかというのは非常に大事な観点で、妊孕性も大事なのは、もちろん言うまでもなくて、おっしゃるとおりだと思います。
それで、情報を患者さんにきちんと届けられるように、一人一人の患者さんに届けられるようにというのは非常に大事で、その点で、きちんと都道府県小児がん拠点病院が、それぞれの地域にある小児がん連携病院をしっかりとサポートする形で、どの病院にあったとしても、拠点病院であったとしても、拠点病院ではなかったとしても、小児がんの患者さんたちに、きちんと必要な診療と支援の情報が届けられるような体制を、指定要件を通じてつくることができると、とてもよいと考えております。ありがとうございます。
○山崎構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○土岐座長 ありがとうございました。
続きまして、谷田部構成員、どうぞ。
○谷田部構成員 加藤先生にお伺いしたいのですけれども、先ほどもお話があったとおり、病理医の不足、特に小児がん領域の病理医の不足については、お知らせがあったとおりです。
しかしながら、小児がんは診断が難しく、診断がつかないために治療開始が遅れるなどの案件も聞いております。小児がんの診断について、病理医の不足を補填するような体制など何かお考えを、小児がん拠点病院の中に入れるようなお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○加藤構成員 ありがとうございます。
まず、病理診断が小児がんの診療の出発点であることは、まさに先生のおっしゃるとおりだと思います。特に様々のゲノム診断も含めまして、診療の技術が難しくなってきておりますので、それらをきちんと全国の小児がんの患者さんに届けられるような体制を議論することは極めて重要性が高いと思っております。そのために病理の先生方との連携は非常に重要ですので、ぜひ御支援をよろしくお願いいたします。
実際にどのように要件を組み込んでいくかは、非常に難しいところで、私自身も今回の提案を考えながら悩みました。例えば、小児がんに関して習熟した病理医が常勤でいないといけないとなると、実際に手挙げができる病院がほとんどなくなってしまうのではないかなということも懸念します。
そのような意味では、まず、1つは施設間連携と、あとは、やはり中央機関による基盤整備なのではないかと考えております。
ですので、先ほどデジタルスキャナーの話もございましたが、そのような形で施設間連携と、中央機関による下支えをもって、全国の小児がん患者さんたちがきちんと適切な診断を受けるような体制づくりを、要件を通じてメッセージが出せればいいと思っておりますし、もちろん私だけではなく、先生方も含めて、学会でもそのような活動を目指すことができればとてもよいと思っております。
以上です。
○谷田部構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ありがとうございました。
それでは、石井構成員、どうぞ。
○石井構成員 発言の機会をいただき、ありがとうございます。国立がん研究センターの石井と申します。
加藤構成員に1点、お伺いです。
各指標のところ、病院の要件のところで、医療の質というところを御記載いただいていると思うのですが、小児がんに関しては、もちろん希少、数が少ないということもありますし、血液腫瘍や固形腫瘍と様々あるということでしたり、あとはフォローアップ、長期フォローアップの問題であったりというところで、個別の診療の質というのが、なかなか立てづらいと、ないしは、それが非常に多岐にわたってしまうというのが難しいところなのかなと感じました。
一方で、小児がん特有の、例えば、御家族のケアだったりとか、ないしは連携の体制だったりというところも、医療の質という意味では重要なのかなと思っていたのですが、何か先生方、学会として今の時点で、大まかでももちろんなのですが、何か想定しておられるような医療の質のようなものがあれば教えていただきたいなと思いました。
以上です。
○加藤構成員 ありがとうございます。
学会でというよりは、厚労科研の松本班等で、いわゆる小児がんに関するQI等が調査されております。それは、1つの指標になるのではないかと考えております。また、全体に学会等でも、例えば、どのような形で施設認定を行うかということに関しての議論が行われておりますので、学会の施設認定ですとか、小児がんのQI等を評価しながら、診療の質をどう考えるかという、ある意味難しい御審議に今後なっていくのかなと思いました。ひたすらたくさん数だけを見ればいいというのが、評価としては、実は公平で分かりやすいのですが、少子化と、あと、この地域のいろいろなバランスを考えますと、それが果たして小児がん医療において最適の質だとは、必ずしも考えにくい部分もありますので、質をどのように評価するのか、ぜひ、先生方のお知恵も拝借しながら、評価の方法を考えさせてください。ありがとうございます。
○石井構成員 ありがとうございました。
○土岐座長 ほかは、よろしいでしょうか。
増子参考人におかれましては、退室をよろしくお願いいたします。
(増子参考人 退室)
○土岐座長 皆様、長時間にわたり、ありがとうございました。これで全10団体からの発表が終わりました。
それでは、進行のほうを事務局のほうにお戻ししたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
構成員の皆様方、また、御発表いただきました参考人の皆様、円滑な進行、誠にありがとうございます。
次回以降のワーキンググループの日程につきましては、追って御連絡のほうをさせていただきます。御協力を改めて感謝申し上げます。
それでは、本日は、これをもちまして本ワーキンググループを終了いたします。先生方、誠にありがとうございました。
照会先
健康・生活衛生局がん・疾病対策課
代表 03-5253-1111(内線2987)

