2026年3月6日 薬事審議会 血液事業部会 議事録

日時

令和8年3月6日(金)16:00~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(19名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)
  •  松嶋麻子

日本赤十字社 血液事業本部
行政機関出席者
  •  岩崎容子(血液対策課長) 他

議事

○岩崎血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから「薬事審議会令和7年度第3回血液事業部会」を開催いたします。
 本日は、お忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度は御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。また、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
 初めに、委員の交代がありましたので御紹介いたします。三谷部会長が退任され、新たに小林江梨子委員、松本雅則委員が御就任されています。なお、薬事審議会令第6条第3項に基づきまして、新たに松本雅則委員が委員の互選により部会長に選出されていますので御報告申し上げます。また、部会長代理につきましては、事前に松本部会長にお伺いしたところ、引き続き、田野﨑委員を御指名されましたので、よろしくお願いいたします。それでは、小林委員、松本雅則委員より一言、御挨拶を頂きます。小林委員、お願いします。
○小林委員 城西国際大学の小林です。よろしくお願いいたします。
○松本雅則委員 奈良医大の松本と申します。去年の6月に、私は、日本輸血・細胞治療学会の理事長に選出されましたので、この部会に御推薦いただいたものと思っております。また、部会長にも御推挙いただきまして非常に大きなお役目ですけれども、皆さんの御協力を得ながら進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○岩崎血液対策課長 ありがとうございます。次に委員の出欠状況です。松嶋委員からは遅れて参加する旨の御連絡を頂いております。本日の部会は、現時点で委員20名中19名に出席を頂き、定足数に達していますので、薬事審議会令第8条により本部会が成立しましたことを御報告申し上げます。また、本日は、日本赤十字社血液事業部から、谷血液事業経営会議委員兼中央血液研究所長、藤田副本部長兼経営企画部長、早坂経営企画部次長、後藤技術部次長にお越しいただいております。なお、佐藤審議官ですが、本日は公務のため遅れての参加を予定しております。よろしくお願いいたします。
○金子課長補佐 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。また、「薬事審議会審議参加規程」に基づきまして各委員の利益相反の確認を行いましたところ、伊藤委員、堺田委員、瀬尾委員、髙橋委員、松下委員、松本剛史委員、松本雅則委員より、関連企業からの一定額の寄附金・契約金などの受取の申告を頂きましたので御報告いたします。
 議題1に関しまして、松下委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、または50万円以下の受取であることから特段の措置はございません。
 また、議題2に関しまして、伊藤委員、堺田委員、瀬尾委員、髙橋委員、松下委員、松本剛史委員、松本雅則委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、または50万円以下の受取であることから特段の措置はございません。これらの申告につきましては、ホームページで公開をさせていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に、「1 議事次第」から「12 参考資料4」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けをお願いします。
 最後に、審議中の御意見、御質問の方法について御説明をさせていただきます。まず、会場にお越しになっている委員におかれましては、挙手をしていただき、部会長から指名されましたら、卓上のマイクをオンにして御発言をお願いいたします。また、オンラインで御参加いただいている委員におかれましては、「挙手」ボタンを押していただき、部会長から順に発言者を御指名していただきますので、マイクをオンにして御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
それでは、間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。この後の進行につきましては、松本部会長にお願いいたします。
○松本部会長 それでは、議題に入りたいと思います。まず、議題1は「令和8年度の献血の受入れに関する計画(案)について(諮問)」です。本日は、令和8年度の計画案について、2月10日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、本部会で審議したいと思います。それでは、事務局より資料の説明をお願いします。
○金子課長補佐 初めに、事務局から概略について説明し、その後に、日本赤十字社から内容について御説明を頂きます。
 本計画は、いわゆる「献血受入計画」と呼ばれるものです。血液法第11条に定められておりまして、採血事業者である日本赤十字社は、血液法に定める基本方針や厚生労働省が定める献血推進計画に基づき、翌年度の献血により受け入れる血液の目標量、目標量を確保するために必要な措置、その他献血の受入れに関する重要事項について計画を作成して、厚生労働大臣の認可を受けなければならないとされています。また、認可に当たりましては薬事審議会の意見を聴くとされていまして、血液事業部会での審議となっています。また、作成に当たり都道府県の区域を単位として計画を作成するため、各都道府県の意見を聴かなければならないとされています。それでは、資料の方を御覧ください。
 表紙の次の1ページに、厚生労働大臣から審議会の会長宛の諮問書の写しが添付されています。2ページが日本赤十字社から厚生労働大臣宛に計画を提出する旨の文書、3ページからが献血受入計画の内容になっています。こちらの内容は昨年12月の第2回部会で御審議いただきました厚生労働省の献血推進計画に沿った内容となっています。
 令和8年度に献血により受け入れる血液の目標量につきましては、献血推進計画と同様に、合計224万リットルとしています。令和6年度の実績が224万リットルですので、確保可能な目標量と考えています。また、これまでの厚生労働科学研究により、初回献血の年度にもう1回献血を実施すると献血の継続率が高いことが明らかになったため、献血推進計画には本研究結果を踏まえた取組を記載しましたが、献血受入計画の方にも、同様に記載されています。
 なお、9ページに、輸血用血液製剤や原料血漿を確保するために必要な都道府県別の血液量、10~11ページには、献血により受け入れる血液の都道府県別の目標量が示されています。
 それでは、日本赤十字社から、内容について御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社早坂経営企画部次長 日本赤十字社の早坂でございます。私の方から、令和8年度の献血の受入れに関する計画(案)につきまして説明させていただきます。本計画案につきましては、20ページですが、国の「令和8年度の献血の推進に関する計画」に基づき作成させていただいています。また、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律及び同施行規則に基づき、各都道府県と協議して献血の受入計画と血液の目標量を確保するために必要な措置に関する事項及びその他の受入れに関する重要事項を定めたものとなります。
 13ページの別紙4の部分に、各都道府県血液センターにおける主な取組が記載されていますので、後ほど御確認いただければと思います。
 3ページにお戻りいただきまして、第1の「令和8年度に献血により受け入れる血液の目標量」については、全血献血で134万リットル、成分献血は血漿成分献血が60万リットル、血小板成分献血が30万リットルで、先ほど国の方から御説明がありましたとおり、合計224万リットルとなります。この計画につきましては、9ページの別紙1の「令和8年度都道府県別必要量」、さらに10ページの別紙2-1「令和8年度に献血により受け入れる血液の目標量」にお示ししております。また、3ページの 第2の「献血をする者の募集その他の第1の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」については、1の献血受入体制について、安全かつ安心な献血の受入環境を保持するなど、継続した献血協力につながるよう、環境の整備を行ってまいります。
 次に、2の献血受入のための施策については、(1)普及啓発活動の実施、アの国民全般を対象とした普及啓発、その中に(ア)全国的なキャンペーン等の実施、(イ)企業等への献血推進対策、(ウ)複数回献血の推進に努めてまいります。
 イの若年層を対象とした普及啓発については、(ア)普及啓発資材の作成及び活用、(イ)効果的な広報手段等を活用した取組、(ウ)献血セミナーの実施など学校等への献血の普及啓発、その中にマル1小学生、中学生を対象とした対策、マル2高校生を対象とした対策、マル3大学生を対象とした対策、更には、ウとして、幼少期の子供とその親を対象とした普及啓発など、献血セミナーを含めて啓発に取り組んでまいります。また、(2)の採血所の環境整備等として、アの献血者が安心して献血できる環境の整備、イの献血者の利便性の向上、その中に、(ア)常設献血受入施設における対応、(イ)移動採血車における対応、(ウ)献血予約の推進、(エ)献血Web会員サービス「ラブラッド」の利用促進としています。
 第3の「その他献血の受入れに関する重要事項」としては、1の献血の受入れに際し、考慮すべき事項の中に、(1)健康管理サービスの実施、(2)血液製剤の安全性を向上させるための対策、(3)まれな血液型の血液の確保、(4)献血者の意思を尊重した採血の実施としております。また、2の輸血用血液製剤の在庫管理と不足時の的確な対応、更には、3の災害時等における危機管理、4の効率的な原料血漿の確保、5の献血受入施策の分析と評価としています。
 このような内容を含めまして、令和8年度の献血受入計画(案)としています。説明は以上です。
○松本部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について御意見、御質問などございませんか。よろしいですか。私の意見ですけれど、日本赤十字社は一生懸命やっていただいているので、網羅的に書いていただいているのは構わないと思いますけれど、なかなかこれは難しい。特に若年者をどうしていくかというのは非常に難しいと思うのですが、何か新たなこと、取組として目新しいことはあるのでしょうか。私は聞きながら、答えはないのかなと思うのですけれども。
○日本赤十字社早坂経営企画部次長 ありがとうございます。おっしゃるとおり若年層が非常に難しいことと、今までいろいろなことを行っていますけれども、今後は、特に若年層はテレビを見ないということがいろいろな資料でうたわれています。私どもも、テレビCMなど、いろいろ作って広報を行っていますが、若年層に関してはSNSに特化した内容で、小学生から大学生、また社会人の20歳前半ぐらいを対象として、SNSに集中的に献血の普及啓発を図ろうと考えています。小学生から献血というものをできるだけ知っていただいて、然るべき年齢になりましたら御協力いただくと、そういう施策を今後は取り入れていこうというところです。
○松本部会長 ありがとうございます。なかなか難しい。中学生、高校生ぐらいから、どういうふうに動機づけしていくかというのが非常に難しいところだと思いますけれども、そこをやらないと、今、40代、50代、60代も結構献血してくださっていますけれども、その辺りはリタイアしていきますので、どうしていくかということになっていきます。是非、よろしくお願いいたします。ほかに何か皆さんの方から、先生、どうぞ。
○宮川委員 日本医師会の宮川でございます。今、部会長からお話がありましたけれども、具体的なものが見えないというご指摘と思います。5ページのマル3に大学生を対象とした対策とあり、その一番下のパラグラフの中で、「特に将来の医療の担い手となる医療・薬学系の学生等に対して」と書いていて、最後に「理解を深めてもらうための取組を行う」とあります。以前からお話ししているのですが、そういうところは、どうやって大学を含めてアプローチしていくのかということが必要と思います。全国医学部長病院長会議、AJMCと言いますけれども、そこに対して申入れをしたり要望を出したり、そういうところの活動を具体的にしていただけると有り難い。
 そうすると、はたちの献血キャンペーンをやっているときに学生は20歳になるわけですから、薬学系だけでなく看護系も、将来、医師、薬剤師、看護師、そういう国家認定されて「師」とされる人たちが20歳のときに、献血というものの実際の取組を自らすることが非常に重要ですので、是非ともそういう具体的な申入れをしていただきたいと思います。相手が分かっているわけですから、そこに対して明確な取組をしていただくことが望ましいのではないかと思って、発言させていただきました。以上です。
○松本部会長 ありがとうございます。何かコメントされますか。
○日本赤十字社早坂経営企画部次長 ありがとうございます。宮川先生の計らいもありまして、医療系の学校への通知も出していただいていますので、確かに大学生が献血する場合に献血バスの受入れは協力いただきやすいのですが、学生さんに呼び掛けをしても当日はどれくらい来ていただけるか分からないという状況もございます。今後は、更に学校側への働きかけを国とも連携して高めて、学校当局の理解もいただきながら、より一層の働きかけを高めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○宮川委員 医学部の学生向けカリキュラムには公衆衛生として、いろいろな施設の見学に行ったり、そういうのがあるわけです。そのカリキュラムの中に入れていただくとか、そういう具体的なことを考えていただくことが非常に重要なことかと思います。ただ、話しかけるとか、お願いをするというだけではなく、具体的にそういうところも考えながら、日赤の方からもっと具体的に踏み込んだ活動が必要ではないかと思ったので発言させていただきました。以上です。
○日本赤十字社早坂経営企画部次長 ありがとうございます。
○松本部会長 堺田先生、どうぞ。
○堺田委員 千葉大学の堺田です。私も、より若年の頃から親しんでいただくような環境づくりが非常に重要ではないかと考えています。この中で、日赤の献血ルームの見学などをお引き受けいただくと、非常に動機づけになるのではないかと考えていますが、その点についてはいかがでしょうか。
○日本赤十字社早坂経営企画部次長 ありがとうございます。献血ルームはおっしゃるとおり、いろいろな形で受け入れていますし、特に最近作っている献血ルームは、打ち合わせ、会議ができるようなスペースもある程度用意していますので、そこで子ども会の集まり、町内会などのいろいろな会合をしてください、使っていいですよと、地元の方にも、今、アピールを高めています。今後は、より一層そのようなことを図りながら地域に根差した、献血ルームになっていくように努めてまいります。
○堺田委員 ありがとうございます。当学も医学系の学生教育の場面で、ベッドサイドの実習の際に、献血ルームに定期的に見学に行かせていただいています。献血ルーム見学の際に、献血したことのない学生の多くが初めて献血するきっかけとなっており、是非、御協力いただけると有り難く思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤委員 よろしいでしょうか。
○松本部会長 どうぞ、先生
○伊藤委員 横浜市立大学の小児科の伊藤です。小児科医として、学校教育と医療とが、分離されてしまっているところに問題があると考えています。本来であれば、厚労省と文科省とこども家庭庁などが協力して、小学校、中学校、高校の授業で、輸血や薬やワクチンを何の目的で作っているかという健康教育を、小学生から始めることが良いと思います。このような取り組みが、将来成人になった際のヘルスリテラシーの醸成の上で非常に重要だと思います。昨今、ワクチン忌避などの問題もありますし、正しい医療情報を基に国民が行動できるよう、小学校から献血について教えるようにして欲しいものです。省庁間の取組が必要だと思いますが、日本の学校教育において、一般教養に加え、社会的常識や世の中がどのように成り立っているのかを。子どもたちがもう少し学んだほうが、よいかなと思っています。
○松本部会長 非常に建設的な御意見だと思うので、是非、御検討いただいて、なかなか日赤だけでやれることではないと思うので、厚労省の方も御検討いただきたいと思います。ほかにございませんでしょうか。小林先生、よろしくお願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。小林です。私は薬学部ですけれども、薬学部の学生でも献血をしたことがない学生がおります。臨床系の実習に出る前に、是非、そういう取組があれば取り入れていくようなことをするべきだと思っています。薬学部にも薬学部長会議というのがありますので、是非、日赤の方で、そのような取組をしていただいて、そういう情報提供をしていただけますと、各学部の方に取り入れられると思いますので、是非、お願いしたいと思います。
○松本部会長 ありがとうございます。続きまして、佐々木先生、よろしくお願いいたします。
○佐々木委員 東京大学教育学研究科の佐々木です。医学・医療系の学生へのアプローチというのも大事だと思いますが、教育系の学生・学部へのアプローチというのも大事だと思います。
ひとつは、その学生たちが協力してくれるということもありますけれども、この人たちはかなりの割合で、将来は教員になりますので、そうすると直接、子供たちに教える立場になります。将来の教員になる人たちに意識を高めていただくことは非常に役に立つのではないかと思います。その中には、養護教諭養成コースの人もいますし、保健体育の教員になる人もいます。それと生物を含めた理科を教える人たちもいますので、そういった所に重点的に働きかけていただくのも、今後、一つ目標として入れていただけるといいのかなと思いました。以上です。
○松本部会長 非常に重要な御意見を頂いたと思いますので、是非、御検討いただけましたら幸いです。ほかには、よろしいでしょうか。それでは議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。なお、松下委員は議決に加われません。当部会としては、令和8年度献血受入計画(案)について適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、異議なしとさせていただきます。本件につきましては、薬事審議会における確認事項に基づき、当部会の議決をもって令和8年度献血受入計画(案)について適当であると認め、薬事審議会に報告することといたします。なお、その他の取扱いにつきましては、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。続いて、議題2に入りたいと思います。議題2は、「令和8年度需給計画(案)について(諮問)」です。委員の皆様には、昨年12月の部会において本計画案について御議論いただきました。今回は、その際に空欄となっていた原料血漿の標準価格も含めた最終案について、本部会で審議したいと思います。では、事務局から資料について御説明をお願いいたします。
○山本需給専門官 事務局です。議題2について御説明します。議題2は「令和8年度需給計画(案)について」です。令和8年度の需給計画(案)に関しては、昨年12月に開催された血液事業部会で原料血漿の標準価格を除く部分について御審議いただきましたが、今回は原料血漿の標準価格も含めた最終案になります。資料2の1ページが諮問書、2ページから6ページが需給計画(案)の本体です。需給計画は、第26条の規定に基づきまして、翌年度の血液製剤の安定供給に関する計画を策定するものです。計画の内容は、令和7年度の需給計画と同様としており、原料血漿の配分量や供給見込量などの数値を、令和8年度の計画値に置き換えています。
 3ページですが、こちらは血液法第26条第2項に規定されています本計画で定めることとされています各事項についてです。第1は、令和8年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量、いわゆる需要見込量です。また第2は、製造輸入目標量です。第4は、国内原料血漿による製造目標量です。また、第5の2の輸出量を定めることとなっています。これらについては、6ページの別表に記載されている(ア)~(エ)の数値となります。これらの需要見込や目標量に関しては、血液法に基づき製造販売業者から報告される届出や近年の供給実績を基に、医療需要に対して過不足が生じることがなく、安定的に供給されるよう算出したものです。
 6ページの別表では、「令和7年度末在庫量(見込)」の報告を参考としていただいています。「令和7年度末在庫量(見込)」に、(イ)の「製造・輸入目標量」の合計を加え、そこから(エ)の「輸出量」を引いたものが一番右端の「供給可能量」となっています。この供給可能量が(ア)の「需要見込」と同等以上であれば、安定供給が可能になることになります。供給可能量と(ア)の需要見込を比較したところ、全ての製剤において供給可能量が需要見込を上回っている、あるいは同等となっていますので、令和8年度は全ての製剤が安定的に供給されると考えています。
 4ページに戻っていただいて、血液製剤の製造販売業者等に配分する原料血漿の見込量を定めています。武田薬品、血液製剤機構、KMバイオロジクス社に合計123万リットルを、供給する見込みです。以上が12月の部会において御審議いただいた部分になります。
 今回、12月の部会で御審議いただいたものから、4ページに、原料血漿の標準価格を記載しています。下線部分に記載しています原料血漿の種類ごとの標準価格については、凝固因子製剤用が1リットル当たり12,320円、その他の分画用が11,290円としており、令和7年度から、それぞれ110円増額しています。
 標準価格の考え方については、7ページを御覧ください。標準価格の算定の基本的な考え方は、これまでの考え方と同様です。血漿成分採血については、献血全般に共通する事項とサービスに係る経費を除いて、必要な経費を積算しています。全血採血及び血小板成分採血については、これは輸血用血液製剤の製造が主たる目的であることから原料血漿の確保に係る費用としては一部に限定して積算しています。その上で、血液法の基本方針やタスクフォースの提言及び日本赤十字社や製薬企業の収支状況等を勘案し、決定することとしています。
 採血区分別の原料血漿確保に係る費用については、9ページの「参考1」の表を御参照ください。積算する費用については、採血から原料血漿を製造・保管するまでに必要な「材料費」と「人件費」、原料血漿の凍結・一時保管費用等に要する「経費」、及び原料血漿の輸送・貯留保管経費といった「管理供給費」で構成されています。採血別種ごとに積算する費用は、表のとおりとなっていますが、血漿成分採血については、全血及び血小板成分献血と積算に差異があります。人件費は、原料血漿の凍結・一時保管に係る製造職員のほかに、実際に検診や採血や検査などに係る医師、看護師、検査職員、事務職員の人件費、また、経費については、原料血漿の凍結・一時保管経費のほかに、成分献血登録者に対する依頼経費、あるいは献血者に対する処遇費、検査機器等の保守関連経費などを積算しています。
 7ページに戻ります。原料血漿の標準価格については、これまでと同様に、まずは凝固因子製剤用の原料血漿について経費の積算を行っています。
確保目標量を124万リットルとして、全血採血や血小板成分採血などの採血区分ごとに原料血漿の確保から供給までに必要な経費を積み上げ、1リットル当たりの単価を算出しています。これらの具体的な数値は13ページを御参照ください。
 13ページ、この積み上げに用いる経費については、基本的に日本赤十字社の令和6年度実績の数値を用いています。人件費については、人事院が実施しています直近の職種別民間給与実態調査により算出しています。中ほどに、「合計(1リットル当たり単価)マル1」と書いてある部分、採血区分ごとの1リットル当たりの単価に、「原料血漿確保見込量マル2」を乗じて採血方法別の確保費用を算出します。採血方法別に算出した費用を全部の採血方法で合計した「総計マル3」157億2,000万を「原料血漿確保目標量マル4」124万リットルで割り返し、そちらに10%の消費税率を掛けて1リットル当たりの「凝固因子製剤用価格」13,950円を算出しています。こちらは、令和7年度と比較して、1リットル当たり230円の増となっています。その他の分画用については、従来と同様に、凝固因子製剤用の価格増減率を用いて、比例計算で算出した結果、12,850円となっています。令和7年度と比較して、1リットル当たり220円の増となっています。
 こちらの原料血漿価格については、10ページと11ページの「参考2」でお示ししています、血液法の基本方針や2の血漿分画製剤の供給の在り方に関する検討会最終報告書、また、ワクチン血液製剤産業タスクフォース顧問からの提言において、原料血漿価格の低減について求められています。これら原料血漿価格に対する御指摘、御意見を踏まえつつ、日本赤十字社や血液製剤の製造販売業者の収支状況等を勘案しまして、今般、令和8年度の標準価格を、8ページに記載のとおり、凝固因子製剤用については、12,320円、その他分画製剤用については11,290円と定めています。
 先ほど13ページでお示しした原価計算方式に基づく価格の積算と、こちらの需給計画で定める標準価格とに差が生じていますが、先ほど申し上げました血液法の基本方針などの原料血漿価格に対する議論等を踏まえ、日本赤十字社や血液製剤の製造販売業者の収支状況等を勘案して持続可能な血液事業の制度設計を前提に金額を設定しています。以上が資料2の説明です。よろしくお願いいたします。 
○松本部会長 それで、ただいまの御説明について、御意見、御質問などはありませんか。久しぶりに原料血漿の価格が上がるということですね。これに関しては、私もいいことなのか悪いことなのか、あまりよく分かりませんが、上がっていないというのも、これだけ物価が上がっている状況でおかしいですし、また上がると、製薬会社は厳しいのかなと思います。なかなかそこのバランスが難しいところかなと、私も聞いていて思ったのですが、皆様から何か御意見、御質問はありませんか。よろしいですか。
 一つ、需給見込について聞いておきたいのは、これだけ何か紛争が長引きそうなときになると、アルブミンや免疫グロブリンがいつも不安定な感じがするのですが、海外からの輸入が止まってしまうということも十分考えられると思いますが、これを今、見せてもらうと、年度末には在庫があるので、すぐにどうのこうのというということではないのだと思いますが、何かその辺りは手を考えていらっしゃいますか。なかなか難しい質問かもしれなないのですが。
○山本需給専門官 事務局です。こちら免疫グロブリンに関しては、近年、需要が非常に伸びている状況です。そういった中で、国内の製造販売業者さん、メーカーの方は施設の老朽化があり、なかなか製造能力が上限に達しているという状況です。短期的には、我々は安定供給が重要と、患者さんにしっかりその製剤を届けることが重要と考えていますので、そこは輸入しているメーカーさんで非常に御尽力いただいて、しっかりとした量を輸入することができているというところです。そこは輸入しているメーカーさんの御尽力に非常に感謝申し上げたいと思っています。
 他方、血液法では、国内での献血血液を原料とすることが求められています。
我々は、短期的には安定供給を重視して、患者さんの治療が何よりも大切と考えていますが、他方で国内自給、中長期的にはしっかりと国内の血液を使って製剤を作れるような体制を求めていきたいと言いますか、整備していきたいと考えています。 
○松本部会長 ありがとうございます。なかなか難しい問題で、臨床の現場としては、欠品するというか、これは作れませんというのがすぐ来てしまって、どうするのかと、臨床の現場の先生方にどう説明するのかということがよくあるので、是非、そういった事態になりそうであれば早めに言っていただいて、こちらとしても対処できるようにしていただきたいと思っています。皆様から特にありませんか。
 それでは、議決に入りたいと思いますが、よろしいですか。なお、伊藤委員、堺田委員、瀬尾委員、髙橋委員、松下委員、松本剛史委員は議決には加われません。また、私についても部会長ではありますが、同様の扱いとします。併せて、議決に必要とされる定足数は満たしていることを申し添えます。当部会として、令和8年度血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、異議なしと議決させていただきます。それでは、この薬事審議会における確認事項に基づき、当部会の議決をもって令和8年度の血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)(案)について適当であると認め、薬事審議会に報告することとします。なお、その他の取扱いについては、私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。事務局におかれましては、部会の意見を踏まえて、本計画の告示の手続を進めてください。
 それでは、議題3に入ります。議題3は「日本赤十字社における再発防止策等について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○金子課長補佐 昨年8月の第1回の血液事業部会において、東京都赤十字血液センターで発生した血漿製剤(FFP)の保管温度逸脱について、日本赤十字社から御報告を頂きました。その後、委託事業者による献血血液の搬送遅延や、職員による献血時の針刺し事故など、血液事業における不適切な事例が続けて起こったことから、日本赤十字社において、血液事業全般の点検と再発防止策の徹底を講じていただくこととしました。日本赤十字社の取組については、これまで血液事業部会に設けられました運営委員会に随時報告してきましたが、今回の部会でもこれまでの取組状況をまとめて報告させていただきます。
 では、日本赤十字社から資料の御説明をお願いいたします。
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。それでは、資料に沿って御説明させていただきます。2ページです。現在、日本赤十字社血液事業部においては四つの項目について、再発防止策に取り組んでいるところです。職員の意識改革、ガバナンスの強化、業務手順等の一斉点検、委託業務契約の見直しについて、今、取り組んでいるところです。
 4ページから、その詳細について御報告をします。まず、職員の意識改革です。目的としては、今般発生した事態を職員一人一人が自分事として捉え、血液事業が献血者の皆様の善意により成り立っていること、国内唯一の採血事業者及び輸血用血液製剤の製造販売事業者であることの自覚をもって日々の業務に従事することの意識醸成をするということを目的としています。
 取組事項ですが、10月30日には全国血液センター所長会議を開催しまして、血液センター所長へ職員が「基本理念」と「私たちの目標」の再確認と徹底をする。献血血液を扱う業務の責任を自覚し、業務手順を確実に遵守することの重要性を再認識するよう依頼しています。また、血液事業本部長のメッセージの配信ということで、10月、12月、それから1月に血液事業に携わる全職員に向けてメッセージを配信しています。
 今後の取組ですが、定期的に血液事業本部長メッセージ等、職員の意識改革を促す媒体を活用し、全ての血液センターにおいて、あらゆる機会を捉えて職員の意識醸成の徹底を図っていきたいと考えています。
 5ページです。ガバナンスの強化です。血液の安全性や事業への信頼性を確保するため、血液事業本部が不適切な事態を確実に把握し、迅速に対応することを目的としています。取組事項においては、まず9月に厚生労働省への報告基準を策定し、10月には血液事業における危機事象の公表基準を策定しました。
また、9月に血液事業本部に血液事業安全推進チームを発足しました。現在、再発防止策検討のために、事故が発生した血液センターの現状の実地確認を行っています。また、この安全推進チームについては、ヒヤリハット・インシデント・アクシデントに対する原因究明と再発防止策の統括管理を行っています。
また、医療安全の考え方を参考にしたリスク区分の見直し、発生した事例の分析、共有の仕組みの検討を現在行っているところです。
 また、今後の取組ですが、血液事業の中に経営会議があります。その中で不適切な事例の状況や対応状況を報告することでモニタリングをしていこうと考えています。
 続きまして、6ページは、業務手順等の一斉点検です。手順の不遵守による事例が相次いで発生しましたので、業務手順の一斉点検による再発防止を目的として実施しました。点検方法については、血液事業本部で作成しましたチェックリストに基づきまして、各血液センターにおいて点検をしました。
 点検員は客観性を担保するため他施設又は他部門の職員とし、複数名で実施しました。点検の範囲については、血液の品質や搬送に関わる業務手順及び教育訓練、上記に委託事業者が関わる場合では、業務手順又は教育訓練を点検の範囲としました。点検内容については、SOP(標準作業手順書)で規定されている内容がマニュアルに網羅されていること、マニュアルどおりに作業が実施されていること、教育訓練は対象者全てに実施されていること、マニュアルに誤解を生むような記載がないことを内容としました。次に、点検後の対応ですが、各血液センターにおいて点検の結果「否」の項目がある場合については、マニュアルの改訂及びそれに基づく教育訓練を実施しています。また、ブロック血液センターは対応状況を確認するということで、今年2月末に確認が終了しています。
 続きまして、8ページです。(1)委託業務契約の調査と見直しです。
 委託事業者の業務が適切に遂行されるよう契約内容及び仕様書の内容の統一を目的として実施しています。(2)対象となる委託業務については、採血した血液の搬送業務、輸血用血液製剤の供給業務、血液製剤の保管機器の保守業務、献血者情報を取扱う業務です。(3)契約書への記載を確認した条文等です。
 再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償、業務遂行体制、業務報告等、業務実施に必要な教育訓練を受ける必要があることの記載の有無について確認をしました。(4)調査の結果です。再委託、業務遂行体制及び業務報告等については、条文のない契約書及び業務実施に必要な教育訓練を受けることが明文化されていない仕様書が半数を占めていた状態でした。(5)今後の対応としては、1月に血液事業本部から血液センターの契約部門へ通知を発出しています。内容についてですが、契約書には、再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償について明文化した統一フォーマットを使用すること、仕様書には、献血血液の取扱いの重要性と業務実施に必要な教育訓練を受ける必要性があることを明文化することとしました。
 続きまして、10ページは、先ほど御説明しました厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準に照らした内容で、令和7年度の10月から12月の3か月分を集計した内容です。報告基準の表は、報告基準1の「廃棄・転用」の詳細です。3か月の間に発生件数として22件が発生してしまいました。この結果により、廃棄が94本、転用が93本、そのような「廃棄・転用」が残念ながら発生しました。
 項目については11項目ありますが、件数が多い部分について少し補足説明をさせていただきます。まず、2番の採血工程ですが、これは4件、発生しました。内容については、体重の基準が満たない方から400mLの採血をしてしまった。検診医師が血圧測定未実施のまま採血を行ってしまった。200mLバッグに400mL採血をしてしまった。採血時に機械の異音が発生して中止をしたという内容でした。
 また、5番の保管設備ですが、こちらも3件起こっています。こちらについては、新鮮凍結血漿を取り出したときに、機器のエラーが発生し、取り出した後、本来であれば保管庫の中に入れ直すところを、低温作業台に残置してしまい、温度管理が逸脱したというものです。また、血小板製剤を出したときから落下したままの状態で保管をしてしまった。また、保管庫の扉が解放されたままで温度が上昇したという内容もありました。8番の搬送工程は4件です。蓄冷剤を入れ忘れたということや、数が不足していたという内容もありました。
 また、血液製剤が搬送容器の中に残置されたままになっていたということでした。
 また、9番の納品工程は、3件発生しています。こちらについては、血小板の有効期限を誤って、医療機関に納品してしまった。また、納品数の誤りがあったという内容でした。10番の製品の転倒・落下が4件ありました。内容としては、新鮮凍結血漿を冷蔵庫から取り出すときや移動時に落下したという内容、また、検査用の検体が落下して検査ができなくなってしまったという内容が主な内容です。
 11ページの参考1が、今説明したことに該当する基準の8項目ですが、1番の「廃棄・転用」以外に、2~8番に該当する事例はありませんでした。また、12ページは血液事業における危機事象公表基準ですが、こちらに該当する事象もありませんでした。最後、13ページの参考3ですが、こちらは先ほど御説明した10ページの表の区分の詳細です。説明は以上です。
○松本部会長 御説明ありがとうございました。ただいまの御説明について、御意見、御質問はありませんか。よろしいですか。これは抜本的なというか、人間はミスをするものなので、こうしたらいいというのは難しいと思いますが、一つ私が聞いておきたいのは、日本赤十字社を30年ぐらい外から見ていますが、人手が足りているのかというか、人手不足がこういうことを引き起こしていないかということを危惧します。医療機関もそうなのですが、コストのことがかなり言われるようになって、どこも人が足りないし、この人手不足の時代になってしまって、日本赤十字社も、私の見ている範囲でもかなり人が減っているように思いますが、その辺りはいかがでしょうか。 
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。各血液センターに配置している職員については、業務量等を計算して一定の、その業務量に換算して職員を配置しています。今、御意見がありましたとおり、業務も複雑化していたり、採血が増えたりということもありますので、少しその辺の見直しも必要だと思っていますので、そういうものも含めて対策をしていきたいと考えています。
○松本部会長 ありがとうございます。ほかに皆さんから何かコメントはありませんか。
○伊藤委員 質問です。改善のための努力をされているのはよく分かりました。委託業務契約の調査と見直しに関する9ページの調査結果ですが、委託する上で、仕様書や契約書に教育訓練がないものが半数以上あるそうですね。一般的に考えたら、かなり高度な技術を要するのに、なぜそれがなされていないのかというと、契約する業者がずっと同じだからですか。それとも入札形式でされているのですか。
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 基本的には入札形式です。実際に契約書等に、ある程度ひな型を作っていたのですが、血液センターでそのひな型を使用していないような契約や、仕様書があったということです。ただ、契約書や仕様書には教育訓練の明文化はなかったのですが、実際に教育訓練はほとんどのセンターでやっていたというのが事実ですが、契約書自体に不備があったことは否めないということです。
○伊藤委員 契約書自体にも不備があって、実際にひな型通りになされていたわけではないが、安全性や倫理性という意味では、教育訓練マニュアルなどに則って行われていたと考えていいわけですね。
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 はい。
○伊藤委員 ありがとうございます。
○松本部会長 ほかに、何か御質問、御意見はありませんか。
○堺田委員 千葉大学の堺田です。御報告ありがとうございます。昨年のこの事象に関して、幹部をはじめとする関係各所への迅速な報告とは言いがたかったのではないかと気になっておりました。緊急報告に該当する事象について、どのような事象を、どのタイミングで報告するかを明確にしていただいたことは非常に重要だと思っています。その上で、決められた連絡体制がきちんと機能するかどうかという点についても確認が必要と考えます。その点に関して、体制はいかがでしょうか。
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 今回、事例が発生したときに、厚労省への報告は非常に遅かったということがありました。それは我々も非常に反省しているところです。そういった中で、我々の中でも、どういう案件を報告するべきなのか、どのタイミングで報告するべきなのかということが、正直、社内の中でも定まっていなかったのは事実です。また、血液センターから上がってくるインシデント、アクシデントについても、担当者レベルで止めているような部分、きっちり幹部層まで上がってきていなかったという案件もありました。そういった中で、一報があったときに、どういう形で上げていくのかということが、これまで定まっていませんでしたので、例えばメールやチャットで、また電話でということがありましたので、今、本部内には、Teamsという皆さんが見られる仕組みを作りまして、その中で、血液センターから一報が上がってきたときに、そこに入れて、みんなが共有する。そして、対策を考えて、速やかに国へ報告するというような形を作っています。
○堺田委員 ありがとうございます。それをお伺いして非常に安心しました。
自然災害の事象においても、同様の運用でと、方針が確認されているということでよろしいですか。
○日本赤十字社藤田副本部長兼経営企画部長 自然災害についても、危機管理の担当が現在おりますので、同じような仕組みで対応させていただいております。
○松本部会長 ありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。それでは、日本赤十字社におかれましては、貴重な献血による血液事業を担っていただいていますので、厚生労働省と十分に連携して、再発防止策をしっかり講じていただくようお願い申し上げます。
 それでは、続いて議題4に入ります。議題4は「「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の廃止等について」です。事務局からお願いいたします。
○源課長補佐 事務局です。議題4「「血液製剤の使用指針」、「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤保管管理マニュアル」の廃止等について」です。資料4を御覧ください。厚生労働省においては、これらの指針が発出された当時、血液法において国の責務として規定している血液製剤の適正使用の推進に当たり、これを推進するための臨床現場におけるガイダンスが存在しなかったことから、両指針を作成し、それぞれがその役割の一部を担ってまいりました。
 発出当時は血液事業部会及び安全技術調査会などにおいて、両指針の内容についての適宜見直しと審議が行われ、必要な改定を重ねてまいりました。近年では、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会が作成した科学的根拠に基づく輸血ガイドラインを参考に、その推奨度や、エビデンスレベルを踏まえた内容を指針に取り入れてきたところで、こうした学会等の医療関係者の方々の御尽力により、医療現場において両指針の内容が浸透してきたものと認識しています。
 しかしながら、両指針は歴史的な経緯により、別々に改定されてきたため、内容の重複が散見され、相互補完性に欠ける点があること、また、改定時期が一致していないため、重複する内容についての新旧の情報が混在する場合があることなどの課題が指摘されておりました。こうした状況を踏まえて、同学会が所有する他のガイドライン等との整合を図りつつ、最新の科学的知見を迅速に反映させる観点から、学会が主体となってガイドラインの整備を進めることが合理的と考えられる状況となっておりました。
 以上の背景を踏まえ、今般、一般社団法人日本輸血・細胞治療学会の松本雅則先生を研究代表者として、令和5年度から令和7年度の3年間にわたり実施された厚生労働行政推進調査事業費「科学的エビデンス等に基づき、医療環境に応じた適切な輸血療法実施についての研究」において、両指針を統合した「輸血療法実践ガイド」が作成されましたことを御報告いたします。
 血液製剤の適正使用の推進方策に係る事項を取り扱う会議体として、別に適正使用調査会がありますが、両指針の廃止及び統合の時期の兼ね合いから、当調査会において御報告の機会を設けることができませんでした。このため、既に同調査会の委員の先生方には情報提供を行っておりますが、改めて本部会の場をお借りして御報告するものです。
 今後の指針等の運用については、本ガイドの完成に伴い、これまで臨床現場で広く利用されてきた「使用指針」と「実施指針」を廃止し、両者を統合した新たなガイダンスとして「輸血療法実践ガイド」を広く御活用いただくことを推奨いたします。なお、本ガイドは一般社団法人日本輸血・細胞治療学会のホームページ上に掲載がありますので、今後はそちらを御参照ください。
 引き続き、厚生労働省としては、学会等医療関係者の皆様に対して、本ガイドの普及・啓発の取組を進めていくとともに、血液製剤の適正使用の推進を趣旨とした厚労科研による研究や、事業の継続的な取組や成果物の確認等を通じて必要な施策の検討に努めてまいります。以上です。
○松本部会長 御説明ありがとうございました。これは私、この6年ほどずっとやってきた仕事ですが、少し補足させていただきます。
 資料4に書いていただいているように、右側に使用指針がありますが、ここで科学的根拠に基づく使用ガイドラインを、松下委員を中心にAMED研究で第2版ぐらいまで作られてきました。その6年前に「使用指針」、「実施指針」を統合したものを作ってほしいという御依頼を受けて、それであるならば、新たなガイドラインを作らないといけないだろうということで、今回、厚労班で新たなガイドラインを作って、右も左もできるだけアップデート、最新の情報を入れて科学的根拠によって作ろうと努力してまいりました。
 それプラス、どういったものが必要かということをもう一度考え直して、必要なものは日本輸血・細胞治療学会でガイドラインとして作ろうということになり、新たに作っております。輸血療法実践ガイドの資料の最後の所に、参照したガイドラインが載っております。新たに作ったものを含めて21個になっています。このようなものを参考にしながら、どこに書いてあるのかということも含めて、その前のページに、新旧対照表みたいな形で付けておりますので、よければ、また御覧になっていただいたらいいと思います。
 私自身は、厚労省が作る指針は、錦の御旗と言ったらいいのでしょうか、御墨付きをもらって非常に使いやすかったと個人的には思っているのですが、この時代、厚労省の委員会でアップデートしていくのはなかなか難しいだろうと思いますので、学会主導で、こういう「輸血療法実践ガイド」を作りまして、今後、5年をめどに改訂してくださいと。私は5年たったら多分いないと思いますので、次の方にお願いしようと思っています。引き続き、アップデートしていきたいと思っております。
 以上のような状況ですが、私の説明、ただいまの御説明について御意見、御質問等ありますか。
○髙橋委員 髙橋ですが、よろしいですか。私は法律の研究者ですので、今回の指針の話とガイドラインの推奨という措置について、医学的な内容について全く異論を差しはさむものではありません。ただ、御承知のように、血液法の第4条の2項で、特に血液製剤の適正な使用の推進等を含めて国の責務として明示しています。かつ、適正使用の推進は行政的な連携の観点も含めて、国が前面に出るべきものはあると、私は理解しています。
 そういった意味で、今回の指針の廃止とガイドラインの推奨に際し、それはそれで結構だと思いますが、国の責務がどういうふうに果たされているのかということについて、国民関係者に分かりやすく説明するような文章的なものを、どこかに残していただきたいと思っています。
 もう少し詳しく申し上げます。今日、アカウンタビリティとか透明性等、これは行政の常識として言われていることで、国の責務として書かれている施策について、国はどのようにコミットして責任を果たしているかということについて、国民及び関係者に対して分かりやすく説明する文章を明文化し、かつ、それに従って、これからもやっていきますという明確する措置を、厚労省としてお考えいただきたいと思っています。この辺について、御説明を頂戴できればと思います。よろしくお願いします。
○松本部会長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。事務局から、答えをお願いします。
○源課長補佐 事務局です。御質問ありがとうございます。当ガイド作成に係る今回の一連の処置についても厚生労働科学研究の補助金交付者の立場から、必要な関与は行っております。特に、血液製剤の適正使用の観点については、委員御指摘の国の責務の下、必要な確認をしております。今後も当ガイドの今後の更新に当たっては、引き続き、当課としてもコミットしていく所存と考えております。
○髙橋委員 その辺は、国民に分かるように、今後も説明していただくことをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○源課長補佐 学会の先生方とも連携し、このガイドに関しても、今後も引き続き検討してまいります。また、本日の御説明内容につきましては、議事録として記録させていただきます。
○松本部会長 田野﨑先生、どうぞ。
○田野﨑委員 私から、まず、今回の厚労指針をもとに、学会で松本委員長が中心となって、こういう利用しやすいガイドができたということは大変評価できるものと思っております。
 ただ、「指針」という名称が、今まではあって、これが「実践ガイド」という名称になりますと、従来、これは遵守が求められるような公的文書という位置付けが、指針のときには、私たち医療者は感じていたものですが、現在、様々な医療分野で多くのガイドラインがたくさん氾濫しておりまして、少し軽い印象を受ける可能性があるのではないかと少し懸念する次第です。
 具体的には、輸血療法の実施に関する指針、血液製剤保管管理マニュアルというものが、本邦での輸血療法の実施体制に関する規定並びに血液製剤の管理についての厚労省からの日本での規定であって、科学的エビデンスにより頻回に改訂が必要になるような内容ではないのではないかと感じております。
 一方で、血液製剤の使用指針は、各種の血液製剤や輸血療法について記載されていて、今までの報告、臨床試験や何かの科学的エビデンスに基づいて更新が必要となるようなガイドラインの内容となっていて、これらは昨今、多くの医療分野で作成されているエビデンスレベルに基づくような指針と同じような位置付けになっているものかと思います。
 そういう意味で、二つは少し違うのではないかということ。それから、本邦では、輸血使用量が多いにもかかわらず、専任の輸血責任医師や輸血学会認定医がいる病院というのは、厚労省の委託事業の血液製剤使用実態調査の結果では、例えば500床以上の大きな規模の病院であっても半数程度にとどまっていて、果たして、輸血を実施する医師や看護師が、この輸血療法ガイドを適正に厚労省が主導するものであると認識してくれるかどうかが懸念されると思います。
 対策としては、これを二つに分けたまま、ここに置いておいてもいいのではないかということ、あるいは通知文などで、本当にこれから発出する本ガイドが厚労省のものであって医療監視の通知に明記するとか、非常に重いものであるということをしっかりと通達していただくというやり方になるのかと思いました。以上、コメントになります。
○松本部会長 ありがとうございます。事務局から、何かコメントはありますか。
○源課長補佐 ありがとうございます。事務局です。先生が今おっしゃっていただいたように、国のものから学会のものという位置付けにはなりますが、厚生労働省としては、今回のガイドになったとしても、引き続き、学会と一緒に、随時御相談をいただきながら、あるいはこちらも注視しながら進めたいと考えております。その中身に関しても、引き続き、学会の先生方とも協議してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○松本部会長 ほかに、何か御意見、御質問はございますか。どうぞ。
○後藤委員 はばたき福祉事業団の後藤と申します。私は患者なので、医療的なところ、実際ガイドラインの中身については余り言えないのですが、今、これまでの議論にあったとおり、やはり指針が、今回はガイドになるということで、そこの重みということが、私もこのお話を聞いたときに少し不安に思ったところです。先生方がおっしゃったように、何らかの、これは国が責任を持ってやるものであるということの保証というか、そういったものを明確に出していただきたいと強く私からもお願いしたいと思います。
 何か通知みたいな形で、このガイドは学会の作成したものではあるが、国の責任としてやっているものであると、法律に基づいてやったものであるということを、そこを明確化していただくという取組を是非行っていただきたいと思いますので、強くそこをお願いしたいと思います。
○松本部会長 事務局からいかがですか。
○源課長補佐 ありがとうございます。事務局です。先ほどおっしゃっていただいたように、今回の指針廃止にあたって、両指針の廃止及びガイドの推奨に関する通知文を発出する予定です。
○松本部会長 そこに、今おっしゃっていただいたような、もう少し踏み込んだことはなかなか書きにくいのですか。代わりになるものという言い方はなかなか難しいのですか。
○岩崎血液対策課長 事務局です。そちらの書き方は、確実に臨床現場で使用していただくように、今後、工夫してまいりたいと思いますので、本日は御意見をありがとうございます。
○松本部会長 ありがとうございます。私も、全部が変わっていくとは思っていないのですが、そういう形で通知していただけるのであれば、現場の混乱も少ないのではないかと思っておりますので、是非、輸血・細胞治療学会と連携していきながら、医療関係者の周知徹底をよろしくお願いいたします。
 それでは、議題5に入ります。部会長の私から、「運営委員会の委員の指名について」御報告いたします。説明は事務局からお願いいたします。
○金子課長補佐 事務局です。血液事業を定期的にチェックし、緊急時には迅速に対応できるように、血液事業部会のもとに運営委員会を設置しています。
メンバーは患者側の代表者、医療関係者や研究者等、血液事業に専門的知見を有する方々で構成しております。
 血液事業部会運営委員会の規程におきまして、運営委員会に所属すべき委員は、血液事業部会長が指名することとなっておりまして、指名したときには当部会に報告することになっています。今回、従来のメンバーに加えて、三谷前部会長より、堺田委員を御指名いただきました。さらに、新たに委員に御就任されました松本部会長にも加わっていただきましたので、併せて御報告させていただきます。以上です。
○松本部会長 これは報告するだけで、よろしいですね。ありがとうございました。それでは、その他、事務局から何かありますか。
○金子課長補佐 議題としては特にございません。
○松本部会長 本日の議題は以上です。委員の皆様から、何か御意見、ほかの議題等はございますか。人見先生、それでは、どうぞ。
○人見委員 ありがとうございます。北海道庁の人見です。今回、このように次年度に向けての血液の需給の計画を立てていただきましたことに、日本赤十字社と厚生労働省の御担当の方たち、そしてご審議をいただいている委員の皆様に感謝を申し上げます。我々はどちらかと言うと、受益者側を代表しておりますが、こういった取組をしていただいていることが健全な在り方なのだろうと本当に感謝を申し上げる次第です。また、次年度もよろしくお願いいたします。
○松本部会長 御意見ありがとうございました。それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。
○岩崎血液対策課長 松本部会長、ありがとうございました。次回の血液事業部会の日程は別途御連絡差し上げます。また、1点お知らせがあります。本日の血液事業部会をもちまして、松下委員が御退任されます。松下委員におかれましては、平成29年(2017年)から血液事業部会の委員として、また、令和元年(2019年)からは血液事業部会運営委員会委員として、長きにわたり血液内科、輸血医療の専門家のお立場から、その見識をお示しいただきました。松下委員から一言御挨拶いただければと思います。
○松下委員 御紹介ありがとうございました。松下です。今、御紹介にありましたように、前任の室井先生、日本輸血・細胞治療学会の元理事長から、このお仕事を引き継いで、短い時間ではありましたが、血液行政の様々な面において勉強することができました。この度、退職いたしますので、血液事業部会からは離れますが、引き続き、この部会による非常に強力な血液行政がうまく展開されていきますように祈っていきたいと思います。先生方、どうもお世話になりました。ありがとうございました。
○岩崎血液対策課長 松下委員、長い間、誠にありがとうございました。これにて、令和7年度第3回血液事業部会を終了いたします。ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

血液対策課 課長補佐 (2909)