- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 労働基準局が実施する検討会等 >
- 事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会 >
- 第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会議事録
第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会議事録
労働基準局安全衛生部労働衛生課
日時
令和8年6月1日(月)14:00~
場所
中央合同庁舎5号館専用第23~24会議室
議題
(1)労働者の健康保持増進等に向けた取り組み事例等について
(2)論点についての意見交換
(3)その他
(2)論点についての意見交換
(3)その他
議事
○藤井産業保健支援室長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまより「第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき誠にありがとうございます。本検討会は、資料及び議事録は原則公開とします。
本日の出欠状況ですが、清田構成員はオンラインで御参加されています。また、鈴木構成員におかれましては15時30分頃に途中退席の御予定と伺っております。
続いて事務局ですが、大変恐縮ですが安全衛生部長の安井、産業保健支援室長の樋口が公務のため、少し遅れての参加を予定しています。また、労働衛生課長の諸冨ですが、公務のため途中で退席する予定ですので、御承知おきいただければ幸いです。
続きまして、構成員の皆様に御発言の仕方について御説明させていただきます。会場の構成員の皆様におかれましては、お手元にお一人1台マイクを御用意していますので、御発言の際は、座長の指名を受けてから、スイッチをオンにしていただいて御発言をお願いいたします。御発言終了後はスイッチをオフにしていただくようお願いいたします。また、オンラインで御参加いただいている構成員の皆様については、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1~5、参考資料の1-1、1-2、参考資料2となっています。この後、議事に沿って画面共有にて御覧いただきますが、不足等がありましたら事務局よりお送りしますので、コメント又は御発言にてお申し出ください。
報道関係者の方におかれましては、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事進行については髙田座長にお願いいたします。
○髙田座長 皆様、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは本日の1つ目の議題、「労働者の健康保持増進等に向けた取り組み事例等について」になります。こちらについて、まず事務局から説明をお願いいたします。
○藤井産業保健支援室長補佐 本議題においては、お四方からそれぞれの事業場、団体等における取組についてヒアリングを行わせていただきます。ヒアリングについては、それぞれ5分程度で取組を御発表いただいて、その後、10分程度の質疑を予定しています。一団体様、15分程度を想定しています。また、御発表いただく際は、そちらのヒアリング発表者席に、お移りいただいて御発表いただいて御質疑を受けていただきます。終われば、その後、お席にお戻りいただければ幸いです。その後は御退席いただいても構いません。最後の亀澤構成員におかれましては、自席で御発表いただければ幸いです。
資料番号は先ほど申し上げたとおり、それぞれ御発表していただく順に、1、2、3、4となっていますので御承知おきください。また、Web上の発表資料の資料送りについては、事務局で対応させていただきますので、大変恐縮ですが発表の中で「次へ」等とおっしゃっていただければ幸いです。説明は以上です。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。それでは、事務局の御説明にありましたとおり、最初のヒアリングに入りたいと思います。
本日は、関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤様にお越しいただいています。本日はお時間を頂きましてありがとうございます。御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 ただいま御紹介いただきました関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤と申します。まず資料の1ページですが、健康保険組合は協会けんぽに代わって、健康保険法による事業を国に代わって実施しているところです。その中で疾病予防事業については法令で実施が義務付けられていますので、そちらを中心に御説明させていただきたいと思います。
今、プロフィールを映していただいていますが、SAJという団体を基礎にしまして、昭和61年4月に設立して、今年で40年目を迎えています。この間、IT業界は、皆様も御承知のとおり飛躍的な発展を遂げてきました。これを基礎として、適用事業所数のスタートは83事業所で始まったのですが、令和8年3月末日現在は約7,500社、被保険者数が約71万人、被扶養者と合わせて加入者の総数が約103万人という規模になっています。
保険料率は、今9.27%です。全国の健康保険組合の平均が9.8%ぐらいですので、それよりは若干低めで設定をしています。ただ、健康保険組合全体に言えるのですが、医療費の関係や保険給付が、高齢化も相まって年々膨らんでいます。どこも厳しい舵取りを求められているというような現状にあります。
今やっています業務が健康管理業務です。健康保険組合ですので、健診業務が一丁目一番地、基本、中心になっています。その中で人間ドック、巡回婦人健診など、事業場、勤め方によって健診を受けやすい環境、こういったものの整備に尽力しています。平成20年4月から特定健診、特定保健指導が義務付けられました。そういった制度の転換期を境に、それまでは職員3名で健診業務を回していたのですが、いろいろな疾病予防事業、歯科健診、あらゆるがん健診、こういったものをどんどん組み入れています。特に糖尿病や高血圧の生活習慣病に起因する重症化予防事業に力を入れています。今、スタッフは大体17名、3名から17名まで増やして体制を作って、こちらの疾病予防事業に当たっています。
その中で、まず若年層の生活習慣病対策をやっています。対象は39歳以下です。令和6年度実績で259人が参加しています。これは集合型で、私どもの施設に一旦、お集まりいただいて、その中でいわゆるヒアリングを重ねて最初の進め方を決めていきます。都内のスポーツセンター、スポーツ施設に割り振りまして専用のトレーニングメニューを作ります。もちろん誰でも対象になるということではありません。一番下の検査値という所の閾値に当てはまった人に案内を出しているということです。
こちらの事業なのですが、都内のスポーツジムに一定期間通います。通った後に、もう一度集まっていただいて、開始前と終了後の様々な数値の変化を取っていきます。それを医師に評価していただいて、これでPDCAのようなサイクルを回していくということで、これは毎年実施している事業です。
次に、がん予防対策です。特に女性の健診、がんについては胃がんから肺、あと大腸、こういったものは全て健診の中に取り込んで実施しています。近年は特に胃内視鏡検査に移行して、そちらを集中的に実施できるように胃内視鏡検査、または大腸内視鏡検査もできる病院の選定に力を入れています。また、女性が受けやすいように、乳がん検診、乳腺超音波とマンモグラフィ、それと子宮頸がん、これについては予算の許す限り、どこに行ってもみんな1,000円で受けられるという取組を進めて受診率を上げています。特にマンモグラフィですが、40歳未満と40歳以上で分けています。40歳未満ではマンモグラフィをやっても、初期の効果的な効果は得られないという所見がありますので、こういったところについては、利用料金で差を付けているということです。また、巡回で特にこれは被扶養者、家族をスコープして実施していますが、全国巡回でできるような健診も実施しています。こちらは無料でやっています。
7ページです。がん予防対策としてポータルサイト、Pep Upというサービスを使っていますが、こちらに登録していただいて、情報発信なり、知見なり、知識を深めるためのいろいろなプログラムを用意して実施しています。開催結果については「女性の健康」「乳がん」「たばこ」というものについて、昨年度は実施しています。今年も同様にカテゴリーは変えて、効果的な施策を実施したいと考えています。
8ページです。がん予防対策で教育です。こちらについては、リーフレットやレストランなどに貼るようなポスターを作っています。喫煙率の経年での推移ですが、若干の改善が毎年見られるところです。
最後ですが、9ページです。歯科健診事業です。歯科健診事業は、まだ取り組んで10年たっていないのですが、今、こちらで会場をセットして都内の2か所で実施する健診と、各地方の政令指定都市で年に1回受診するというもの、それと事業所や会社に歯科健診事業会場を設置してもらって、そこに歯科健診のできる医師と衛生士の部隊を送り込んで、会社で歯科健診ができるというような3つの体制で実施しています。
実施を始めた当初はとてもよかったのですが、間にコロナを挟んだ瞬間にほぼほぼ実施できなくなりました。今はコロナ禍が明けて、正常化を目指して進めているという体制です。歯科健診については、歯に自信ある方だけが健診を受診するという傾向がどうもあるみたいですので、そうではなくて、満遍なくどなたにも受けていただけるような歯科健診の実施というものをこれからも目指していきたいと考えています。発表は以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。ただいま資料1に基づきまして、保健事業に関する取組について御紹介いただきました。ただいまの御発表に関して、御質問や御意見のある構成員はいらっしゃいますか。いかがでしょうか。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 御発表ありがとうございました。関東ITソフトウェア健保様の歯科健診の内容についてお伺いさせていただきます。歯科健診は比較的標準化が十分ではない領域で、機関によって違う検査がされたりするのですが、各機関に、検査項目や方法などについて、どのぐらい具体的に依頼をされているのでしょうか。教えていただければと思います。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、かなり詳しく作って、こういった内容でお願いしますとお伝えしています。今、委託先の事業者が4つあるのですが、全て同じ標準でこれでやってくださいというものを示しています。それの作成方法は、私どもが歯科健診を始めるとき、7、8年前はまだやっていませんでしたので、進んでいる健康保険組合、単一の大手の所から、どうやっているのかというヒアリングをして、実際にそこで使っている健診のものの項目に沿った形で、同様に作ってこれでやってくださいという条件で委託しています。
○森構成員 歯牙の状態と歯周の状態を基本的に全部チェックする、そのような内容を依頼しているということですか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 もちろんです。
○森構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございます。4ページの若年層の生活習慣病対策について、生活習慣予防プログラムの参加者259名は生活習慣病のリスク者を対象としていると思いますが、その参加率について、教えていただければと思います。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 参加率は大体、どの回も20%前後になります。検査値の閾値を見ていただきますと、要治療になるような方は選んでいないのです。これはちょっと改善しないといけないのではないかという、閾値の中で選んでいますので、いわゆる重症化予防とは違う、これから重症化に進めさせないための対象者を選んでいるという感じになります。
○髙田座長 よろしいでしょうか。続きまして、大須賀構成員、お願いいたします。
○大須賀構成員 eラーニングで女性の健康をたくさん受けられているというのは非常に良い取組かと思いますが、私の質問は、4-1のがん予防対策で、子宮頸がん検診プラス、その後、括弧して経膣超音波と書いてあります。この括弧の意味が、もし分かりましたら、きちんとやられているのであればよろしいのですが、どの程度しっかりされている超音波検査なのかなということが気になりました。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 経膣超音波は御承知のとおり、婦人科検査の問診に当たるような重要なファクターだと考えています。ですが、今、契約健診機関が全国に180以上あるのですが、全てに実施をしてくれるかどうかを聞いたところ、やはり導入に時間も掛かりますので、なかなか入れてくれない所もあったのですが、今はほぼこれをセットで、一部どうしてもできないという健診機関もありますので、料金もきちんと決めていますので必ずやっていただいています。
○髙田座長 よろしいでしょうか。その他いかがでしょうか。それでは、亀澤構成員、お願いいたします。
○亀澤構成員 ありがとうございました。2番の健康管理業務の所で、事業者健診や特定健康診査など様々な健康診断をやっていらっしゃるということです。ここを請け負っているのが「直営健診センター」以外に「契約健診機関」と書かれていますが、この契約健診機関を選ばれるときに、何か基準のようなものは決めておられますか。お願いいたします。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 最近は、例えば都内や政令指定都市、大阪など、大きな所については健診機関は御承知のとおりたくさんあります。その中でも今、私どもで喫緊で欲しいのは、やはり内視鏡検査ができる所です。それと婦人科検査がきちんと経膣超音波もあって、充実しているという所を都内、政令指定都市では選ぶようにしています。
ただ、地方については、なかなか選べないのです。数が少ないことと、地域の方、国保や協会けんぽの方の対応をするので手いっぱいで、なかなか受けづらいという環境がありますので、余り地方については選り好みができないので、ちょっと妥協して契約するという場合もあります。
○亀澤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○髙田座長 そうしましたら、武藤構成員、お願いいたします。
○武藤構成員 ありがとうございます。日本人間ドック・予防医療学会の武藤です。1点、ちょっと伺いたいのですが、特にがん検診なのですが、がん検診を受けた後に、その結果、がんであったとかなかったとか、そういった結果の把握はされていますか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、しています。
○武藤構成員 情報はどこから手に入れていますか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 健診機関から全部来ますし、その場合は必ず病院の紹介をしている形です。
○武藤構成員 では、基本的には健診機関から結果をもらっていると。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、健診機関と、もう1つは郵送の血液検査です。デメカルでピロリ菌をやっていますが、そこも普通の送りっぱなしではなくて、きちんと判定区分がありますので、それに少しでも引っ掛かった人についてはメールなり、電話なりで必ずフォローアップ、サポートをして病院を受診するように促しています。
○武藤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。お時間になりましたが、どうしてもという方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
それでは、大変お忙しい中、御発表いただきましてありがとうございました。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 ありがとうございました。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思いますので、御準備をお願いいたします。
続きまして、ワシオ商会の鷲尾様にお越しいただいています。本日はお時間を頂きましてありがとうございます。御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○ワシオ商会 鷲尾様 よろしくお願いいたします。福島県から参りました有限会社ワシオ商会の鷲尾と申します。本日は、弊社の取組について少し御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。弊社の簡単な紹介です。21名程度の小さな中小企業でございます。昭和46年に創業し、現在は福島県内の3拠点で活動をしており、工事用品の販売を業務としております。
次のページです。弊社は福島県内で様々な受賞歴があり、ここに記載したとおり、ふくしま健康経営優良法人の最高賞を令和4年に頂いており、中小企業部門の「ブライト500」を今年度も認定いただき、6年連続で頂いております。
次のページです。ここから弊社の取組を少し御紹介いたします。まず、弊社で一番力を入れているのが健康診断です。通常、もちろん皆さんは健康診断をされると思うのですが、その後の二次検診についても、しっかり把握するようにしております。その内容として、まず、定期健診時に、オプションのがん検診を付けられるものはできるだけ付けております。それを全て会社負担で毎年実施しております。昨年度は、福島県の「職場のがん検診補助金」が初めて導入され、上限4万円ではありますが、そちらを受給させていただきました。
要治療・要再検査の二次検診が必要な者には必ず受診を促します。右側に細かく書いてあるのですが、弊社独自の用紙を発行し、お医者さんに意見を記入していただきます。この意見書は労働安全衛生法第66条の4及び5の法令に遵守しております。二次検診が不要な要経過観察者には、協会けんぽ様の御協力の下、毎年、保健師さんを派遣していただき、面談を実施しております。それにより、自分の健康のバロメーターをしっかり見ていただいて、来年に活かしていただくという取組をしております。
次のページです。弊社は禁煙対策にも力を入れており、敷地内禁煙はもちろんですが、喫煙者もゼロではありませんので、頑張って禁煙した者に関しては「禁煙賞」を授与したり、禁煙外来や禁煙グッズの費用を会社で負担しており、喫煙者には受動喫煙に関する講習会を行ったり、定期的に情報提供をしたりと根気強く行っております。
次のページです。小さな会社なものですから、社員食堂というものがありませんので、「置き型の社食」というものを導入しております。最近では結構周知されてきていますが、弊社は令和3年に導入し、もう5年になります。小さい会社ですので、大規模な社員食堂は作れませんので、これを3拠点の全てに同じものを導入して満足度向上をはかっております。
7ページ目です。今年、福島県会津若松の保健所さんに協力いただき、「歯周病リスク検査」というのを初めて導入いたしました。こちらは写真のとおり、歯周病のリスクを唾液で陽性か陰性かを測る検査なのですが、先ほどの発表にもありましたが、歯科検診に関しては、意識の高い人だけが歯科検診に行くというような流れだと思うのですが、弊社で初めてこちらを実施したところ、やはり、歯科検診を避けていた層が、もう有無を言わさず行かなければならない雰囲気で、陽性の疑いがある人には、必ず葉書がその場で発行され、それをお医者さんに提出をして戻してもらう、そこまでを一連の流れとして実施したところ、陽性の者は、みんな歯科検診に行きました。そして、一度も行ったことがないという者もいて、ほとんどの方から、結果としてはよかったという言葉を頂きました。行ったことがなかったし、時間もないし、その分の費用まで会社で負担したので、労働時間として歯科検診に行っていただいたので、その辺りもよかった点であり、歯科検診に対して意識が高まりました。
右側は「減らしおセミナー」という減塩のセミナーも初めて行ったのですが、こちらもやはり、やるのとやらないのでは意識が全く違うという結果になりました。後からアンケートを取ったのですが、何も考えずにラーメンの汁を全部飲み干していた社員から「汁は残すようにしました」という言葉も頂いたりしていますので、やるのとやらないのとでは全然意識が変わるものだなと思いました。
次のページを御覧ください。ほかにも様々な取組をしており、全部を説明すると長くなってしまうので、例えば、肩こり腰痛などの不調者へは、提携している整体院のチケットを月1枚発行し、重症化予防に努めております。インフルエンザの予防接種費用は会社負担としており、先ほど申し上げたとおり、各種がん検診費用も負担しております。特別休暇も充実させており、不妊治療休暇、配偶者出産休暇に関して、不妊治療休暇は男性社員も取得しております。
次のページです。ここで、感じる効果ということで、黄色の所についてだけ申し上げます。求人していなくても「ぜひ会ってほしい人がいる」と従業員が知り合いを紹介してくれたり、または、求人票でも取組を紹介していますので、実際に、その内容で応募を決めた求職者が増えております。知名度の少ない、21名程度の小さな田舎企業ですので、小さい会社が注目されることによって、従業員のモチベーション向上につながっているのかなと思います。
最後に、10ページ目です。福島県の健康づくり推進奨励金というものが始まったので、こちらも活用させていただいております。このように、やはり何かがないと中小企業は動かないと思いますので、これはすごく大切なことだなと思います。以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○髙田座長 御発表ありがとうございました。ただいま資料2に基づいて、取組について御説明いただきました。ちょっと時間が押しておりますけれども、御質問がありましたら、構成員の皆様、お願いいたします。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 すばらしい活動をありがとうございます。これは、やはり、いきなり始まったというよりは、ここまでに至る、それ以前の前奏曲というか、きっかけみたいなものがあるのではないかと思うのですが。恐らく、もっと前から、何か取組があるのではないかと思うのですが、それはどういうきっかけで始まったのかを教えていただければ幸いです。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。弊社はもう20年以上前から、「健康経営」という言葉が周知される前からこのような取組は行っておりました。ただ、歯周病リスクや減塩セミナーまでは行っておりませんが、健診の結果を把握して、二次検診を促したり、禁煙に関しては、もう20年以上前から行っているところでございます。きっかけと言いますか、やはり、小さな企業ですので、一人一人、休まれては困るというのが本音でございまして、健康を保ってほしいというところが一番の狙いでございます。
○岡村構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、先に立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 今、岡村構成員と同じことを聞こうと思っていたのですが、もう一点、私のほうから聞きたいことがあります。色々な健康施策の中で、多分色々な項目がある中で、今回、これらの項目を選ぶに当たり、どのような視点でこれらの項目を選ぶに至ったのでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。従業員一人一人を見ながら、毎年、何かしら増えているという感じです。この人に対してはこういうことを行ったほうがいいのではないか、腰が痛い人が多いからこうしたほうがいいのではないかということで、一人一人見ながら増えています。
○立石構成員 どうもありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ワシオ商会様の発表で、経営者として現時点で感じる効果の話を伺いましたが、中小企業でも健康経営によって成功している全国の企業さんと共通なことが上がってきていると感じました。約20年前に今でいう健康経営を始めて、その後健康経営優良法人に認定され、さらにブライト500に入ったという過程の中で、先ほどお聞きした経営者として感じる成果は、大体どのくらいのときから経営者としては実感し始めたと理解したらよろしいでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。3ページ目の受賞歴、認定歴の所なのですが、やはり、注目されるようになってからです。はっきり、ここが変わりました。県知事賞を頂いて注目されるようになってからですね。
○森構成員 外からのフィードバックというのが、内部で理解されるにはとても重要だったということですね。
○ワシオ商会 鷲尾様 そうです。
○森構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 すばらしい発表をありがとうございました。1点、お聞きしたいのですけれども、医師に意見を求めるという所があったのですが、この「医師」というのは、地産保といったところを御利用なのでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 地産保さんではなくて、各個人がかかりつけ医にお願いしております。
○立道構成員 かかりつけの先生から、この意見を全部。
○ワシオ商会 鷲尾様 はい。
○立道構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日はお忙しい中、御発表いただきましてありがとうございました。
○ワシオ商会 鷲尾様 本日はありがとうございました。失礼いたします。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りますので、御準備をお願いいたします。
続いて、本田技研工業株式会社の髙橋様にお越しいただいております。本日は、お時間を頂きましてありがとうございます。準備ができましたらお願いいたします。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 本田技研工業の安全健康推進室の髙橋です。本日はよろしくお願いします。本日は、トヨタ・日産・ホンダの自動車業界の保健職の学びの場の中で、私たちのホンダの中の活動が深化促進できたことについて、発表したいと思います。
1ページに行きます。私も看護職として産業保健職の一員として働いておりますが、日々の激しい世界情勢の中で、自社の健康課題ということを現場を見ながらどう進めていくのかということの難しさを感じながら、自社内で悩みながら活動してきました。2024年から、トヨタ・日産・ホンダという3社が集まって産業保健職の中でディスカッションする場が出来ました。その中で話してみますと、実際、私たちだけではなく、メンタルヘルス、女性の健康課題、男性更年期など、悩んでいるものは一緒だということが分かりました。他社でどういう好事例があるのかを聞きながら、自分たちの活動に反映させることができてきました。自動車業界の中では競争の立場ではありますが、同じ産業保健職としては、共に作っていくという、人のために働く専門職として、こうしたディスカッションはとても友好的となっています。去年の活動の実際ということで、そちらの活動を共有したいと思います。
2ページ、今日は、その中から女性の健康支援ということで、活動の内容になります。女性が能力を最大限発揮できる企業風土ということを私たちは目指しております。平成24年より、「知る」・「理解する」・「体験する」の基盤づくりから、「行動する」・「実践する」・「対処する」、そして「定着にもっていく」というロードマップを掲げて活動してきております。
3ページ、生産現場もありますし、研究領域も様々ある中で、どのような情報をどのタイミングで活動していくかをすごく悩みながら進めてきたのですが、キーワードとして、女性本人、そして管理監督者への様々な発信をすることで実践を広げてきました。その中で、トヨタさんの取組にありました生理痛体験、こちらを管理監督者に広げていくことで、自分事として捉えていただくことを実践してきました。また、もともと男性職場の業界ですので、女性の取組と併せて男性更年期を話題にすることなどで、同じ仲間としてどのような健康課題があるかを知ってもらいながら活動を広げてきました。
4ページ、「理解する」という側面については、女性対策がなぜ必要なのかというところからスタートして、具体的なテーマを用意したeラーニングを進めています。何となくの知識から、結果として、「理解し、行動できる」、「大体理解できた」というところで、右下にあります理解度90%台の回答が得られました。
5ページ、こちらは、「理解する」の中で、がん検診にフォーカスしますと、弊社では、ホンダ健保に加入する方を対象に、嘱託、期間従業員も含む従業員のがん検診の実施制度があります。eラーニングのアンケートになりますが、定期的な受診はおおよそ左上にあります受診率の半分の半数が現実的でした。その後、eラーニングを行って、近いうちに受診をしたいという方が20%台に増えており、こちらで知識を得て行動するという行動変容が結び付いたのではないかと感じています。
6ページ、乳がん、子宮がんの実際のホンダ健保加入者の状況ですが、陽性者は3桁の数になります。こちらに関しては、早期発見、治療の観点から、がん検診、受診促進の施策として、節目の年に自分で検査のオプションを付けられる選択制の節目健診を実施しております。50歳、55歳から年齢を拡大し、40歳から5歳刻みの対象拡大を実施しております。そのほか、被扶養配偶者に節目健診を新たに導入したりとか、がん検診を無料化したり、重症化予防を目的としたマネジメント層の関与による精密検査の受診勧奨などを現在行っております。これは健保と会社がコラボして、制度をきちんと設定することで、がん検診を受けやすい状況にすることも含めて受診率アップに取り組んでおります。
7ページ、「体験する」の所では、eラーニングだけではなく、ケーススタディとしてロールプレイングを実際に集合型研修で行っています。こちらになりますと、実際得た知識を実践できるように、人の言葉で説明できるような形で実践しております。こういう、一緒に働く仲間への配慮ができる企業風土を作っていきたいと考えていますので、3社で交流した結果、私たちのこのような活動の広がりを感じてきましたので、引き続き実践していきたいと思います。発表は以上になります。
○髙田座長 御発表ありがとうございました。ただいま、資料3に基づきまして、特に女性の健康課題を中心に御発表いただきました。ただいまの御発表につきまして、御質問、御意見のある構成員はお願いします。いかがでしょうか。大須賀構成員、お願いします。
○大須賀構成員 女性の健康課題について非常によく取り組まれているということで見ておりました。その中で、eラーニングが非常によくされているということで、これは男女両方にされているかと思うのですが、Nの数の男性と女性の比率がちょっと分からなかったのと、男性従業員がeラーニングを受けて、そして理解度が深まっている事実が、女性社員にフィードバックされているかどうかをお伺いしたいのです。というのは、女性社員が会社において、やはり男性が同じ会社で理解していると思うと安心感が増すかと思うのですが、その辺はどのような感じになっているのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 岡山様 弊社で言うと、母数が40,000人ぐらいいまして、この資料は女性だけです。このときは女性だけで実施しましたが、その後に、男性従業員も含めて展開しましたので、人数としては4,000人ぐらいが女性、3万6,000人ぐらいが男性です。管理職に関しては、これと、管理職は特別なマネジメント向けのをやっていますので、そこは6,000人です。そういうものを踏まえて、職場の活性度とかエンゲージメントスコアで、刈取りをします。女性の受止めと男性の受止めを。
○大須賀構成員 ありがとうございます。男性のほうもしっかりと進めていかれるということで安心しました。
○本田技研工業株式会社 岡山様 どうしても、やはり女性だけとなってしまうと不公平ですし、男性が正しく理解する必要もありますので、男性も女性も問わず展開をしていきます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほか、古井構成員、お願いします。
○古井構成員 貴重なお話ありがとうございました。大須賀先生もおっしゃったのですが、eラーニングで理解をするという構造と、それから理解をしたかという効果測定がすごくマッチしていて、理解度が高いのが非常に出ていると思いました。その中で、ちょっと聞き漏れかもしれないのですが、がん検診の結果の所で、「今日をきっかけに近いうちに受診する」という方のその後のフォローというか、受診の確認みたいなことはされていますでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 実際のところ、受診をしたかどうかということは、具体的には刈取りはできていない状態ではあります。
○古井構成員 分かりました。ありがとうございます。
○本田技研工業株式会社 岡山様 補足しますと、健康診断はその年の上期に実施しますので、今年度の上期で刈取りをします。
○古井構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 すみません、議事録を作成する際に必要になりますので、お名前を名乗ってください。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ホンダの健保の岡山と申します。もともと、3月まで担当していましたので同席しています。
○髙田座長 ありがとうございます。その他にいかがでしょうか。まず、立道構成員、お願いします。
○立道構成員 がん検診を企画する場合は、国が指針を出しているのですが、そういうものはどのぐらい意識されているものなのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 やはり国の施策というところはベースにあると思いますので、そちらを参考にしながら、産業医の先生も含めて制度の制定には意識してやっていっていると思います。
○髙田座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、松岡構成員、お願いします。
○松岡構成員 医師会の松岡です。スライド2についてお聞きしたいです。もともと3社のテーマということで、今回、課題として女性の健康課題と男性更年期が上がったわけですが、例えば、女性が少ないことや、諦めてしまったり等、様々な問題を抱えて、今回このように取り組まれたというイメージを持ったのですが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 そうですね。生産現場ですとライン従業員の方もいて、女性の比率は少ないものの、その女性がラインから抜けることは生産に影響をして、余計に女性からの訴えもしにくいという現場の声もありますし、逆に、研究層からいくと、どうしても男性職場が強い色なので、そこで、やはり自分の体調の訴えはしづらいという現場の声がありまして、そこは共通した女性の課題ということで話題になっております。
○松岡構成員 それでは、スライド3で、2024年度から2027年度にかけて取組を計画的に実施いただいておりますが、最終的な目標として、「定着する」・「維持・改善する」と読み取れます。定着の目標というのは、女性が定着する、働き続けることができることを目標にしているというイメージでよいですか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 そうですね。最後はそういった職場環境になればいいなというところはありますが、やはり周りの、働いている管理監督者自身がきちんと理解して、双方にうまく職場環境が作れればというところが、「定着する」という企業風土のところが最後の目標だと思います。
○松岡構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そうしましたら、立石構成員、お願いします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。興味深い発表をありがとうございました。このような情報を皆さんで共有しながら施策を決めるときに、例えば、つい最近まであった日本産業衛生学会のような所も、最近のトピックスみたいなものが非常によく取り上げられるのではないかと思います。そのような一般的に取り上げられているものではなくて、3社合同でやったということは、やはり自動車業界特有のリスクのようなことをある程度評価しながら、優先順位を立てていくときの情報共有の1つの場と。先ほどのワシオ商会さんのときと、ちょっと共通する課題なのですが、どのような項目を従業員に提供するのが一番いいのかということをみんなで議論しながらやっていくと、そのような趣旨で、この3社合同みたいなものをやっていたと理解したのですが、その理解でよろしいのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ありがとうございます。発案したのは私なので、簡単に言いますと、看護職の皆さんは、専門職で、自分のことはとてもよく頑張るのです。でも、社会動向に対する視野とか、企業という観点では少し弱かったので、私が上司になったときに、そういった成長支援をしようと思ったのです。ですので、トヨタとか日産とかホンダという、自動車業界の中では、規模が大体同じ会社に向けて勉強会をしたというのが本音です。ですので、もともとこういったテーマを作りましたが、やはり他社との交流を通じて自分を磨く、磨いた結果、従業員に還元するのが大事だと思いますので、そういうことで取組を始めました。
○立石構成員 承知しました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。時間が押していますが、亀澤構成員、お願いします。
○亀澤構成員 申し訳ありません、亀澤です。御発表ありがとうございました。6ページの資料の関係です。こちらに女性のがん検診のことが書いてあるのですが、2行目の所に、「女性比率の高い被扶養配偶者に導入」ということも書かれていて、下のほうの「婦人科の健診を単独で受診できるように契約期間拡大」と書いてあるのですが、それは、女性従業員だけではなくて配偶者のことも意識されているということでよろしいでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 はい。御認識のとおりです。
○亀澤構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほか、この時点でどうしても聞いておきたいことはありますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、本日はお忙しい中、ありがとうございました。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ありがとうございました。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 ありがとうございました。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思います。
続きまして、構成員の亀澤様、御発表をお願いします。
○亀澤構成員 全衛連の亀澤です。発表の機会を頂きましてありがとうございます。ここでは、こちらに書いておりますように、主として職域を対象にして健診機関が実施しているがん検診の実態について、データに基づいて御説明をし、最後に、ごく簡単ですが、歯科健診について触れたいと思います。
次のシートをお願いいたします。全衛連の概要です。会員機関は、本日現在で全国に116機関があり、健診を実施している施設は総数で182施設あります。この会員機関全体で実施している1年間の健診実施総数は御覧のとおりです。職域に関しては、全国の事業場で行われている職域健診の相当数をカバーしていると考えておりますので、この全衛連で把握しているデータを分析すれば、全国の事業場での健診に関する状況がおよそ把握できるのではないかと考えております。
次、お願いいたします。全衛連では、毎年、会員機関の健診実績を調査しております。左上の囲みにありますのが、職域と住民に分けたがん検診の実施件数です。職域のがん検診は、協会けんぽの生活習慣病予防健診、それから事業者で行われている人間ドックの受診者数を合計したものとなっております。緑色が職域及び住民の合計数、その下の青色が職域、赤色が住民です。2024年度が最新データですが、傾向は右に記載しておりますとおり、職域は増加傾向となっております。
次のシートをお願いいたします。がん種別に分けた経年変化となっております。左上が職域の経年変化です。がん種別のがん検診の内容ですが、冒頭に御説明したように、この資料のがん検診のデータは協会けんぽの生活習慣病予防健診、それから、人間ドックからとしておりますので、そこで行われているがん検診が含まれております。胃がん検査は胃X線検査と内視鏡検査、大腸がん検査は便潜血検査、肺がん検査は胸部X線検査、子宮がん検査と記載しておりますのは子宮頸がん検査で細胞診、そして、乳がん検査はマンモグラフィと超音波検査となっております。
この棒グラフでみますと、職域では、胃がん検診以外は増加基調となっております。職域で増加している背景をどう考えるかですが、ここでは胸部検診しかデータがありませんが、そちらを見てまいりますと、40歳以上の胸部X線検査の受診者の平均年齢をみますと、2022年度から2024年度にかけて男女ともに上昇しております。がん検診の受診年齢についてデータがありませんのではっきりしたことは言えませんが、このデータから、働く人の高齢化を背景として、このような方々が職域において、がん検診を受診されているのではないかと推察しております。
次のシートをお願いいたします。今までの御説明は全衛連の会員機関のデータを基にした分析でした。これ以降はデータの元が違います。全衛連では、会員ではない健診機関も対象とし、健診技術のボトムアップを目的とした精度管理調査事業を5分野の検査を対象に行っております。このうち、画像系の3分野について御説明したいと思います。
健診機関が事業者や保険者から健診を受託する際の条件として、外部機関の行う精度管理調査に参加し、良好な成績を修めていることを求められるケースが多く、会員機関でない所も含めて多くの健診機関が全衛連の行う精度管理調査事業に参加しておられます。
具体的な評価方法ですが、健診施設で撮影された画像、それから、健診システム管理状況の報告などの書類を御提出いただき、専門家による審査が実施されて評価される仕組みです。また、評価するだけで終わりではなく、今後の健診技術の改善につながるように専門家によるアドバイスも行われています。
次のシートをお願いいたします。評価項目を具体的に示したものがこのシートです。提出された画像を評価するほか、星印を付けておりますが、その星印を付けた項目のように、肺がん検診チェックリスト、それから胃がん検診チェックリストの項目に準じて、要精検率や、精密検査の受診者把握率についても評価をしております。次のシートは、説明を飛ばしたいと思いますが、精度管理結果の通知書です。
次のシートをお願いいたします。この精度管理調査において提出された書類を分析した結果を基にして、精密検査受診者を施設がどの程度把握しているかということを見てみたいと思います。一般的に、各健診機関はがん検診を実施した後、精密検査が必要な人には受診可能な検査機関の紹介、それから紹介状を発行し、精密検査受診後に、最初に検診を実施した機関に対して結果報告書が提供される仕組みを運用しておりますが、このような方法によって、精密検査受診者の把握に努めている施設は、ここにありますとおり、肺がん検診、胃がん検診では、それぞれ8割弱という状況です。
そして、その右側に書いておりますが、健診機関で把握している精密検査受診状況は4割から5割という状況となっております。大変恐縮です。表に誤りがあり、精密検査受診者の数字、今、会場で御覧いただいている方々は正しい数字になっていると思います。胃がん検診のところが、事前に公開していただいた数字では、3万3,842人でしたが、今、御覧のとおり3万3,684人が正しい数字です。それから、その下の腹部超音波検診についても、事前に公開した資料が6万4,231人でしたが、今、御覧いただいているとおり、6万4,036人が正しい数字となっております。次の9ページに同様の欄がございますが、この9ページの数値が正しい状況です。申し訳ございません。
また、5大がんには含まれておりませんが、参考資料として御提示しておりますが、腹部超音波検診については把握に努めている施設の割合が御覧のとおり9割を超えております。これは把握に努めるよう日本人間ドック・予防医療学会で指導されていると伺っており、このような御指導の成果ではないかと推察しております。
次のシートをお願いいたします。精密検査の把握に努めている施設を御覧いただきましたが、そちらが要精密検査の人のうち精密検査受診の有無をどの程度把握しているかについて分類して示したグラフになっております。把握に努めていると言っても、7割未満の人しか受診の有無を把握できていないところが多いことが分かります。健診機関にとって受診の有無の把握、受診を勧奨することはマンパワーの問題もあり、この問題を解決するには工夫が必要であると考えております。
次のシートをお願いいたします。まとめです。まとめは御覧のとおりです。ここではデータをお示しできておりませんが、男性に比べて女性は、精密検査受診率が比較的高い、その結果、がん発見率も高いという報告もございます。精密検査受診率を高めるためには、健診実施者である事業者や保険者から、健診受診時に精密検査受診の重要性をお伝えいただくことも重要ではないかと考えております。
最後のシートです。次のシートをお願いいたします。歯科健診の実施状況です。これは歯科医師、歯科衛生士による虫歯検査と歯周病検査を実施しているものをまとめたものです。推移ですが、若干、増加傾向にあるかと。先ほどお話がありましたように、コロナの時期には少し減りましたが、その後は増えているようです。このほかにも簡易検査に関心を持っている会員機関も一定程度あるという状況です。説明は以上です。ありがとうございました。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。ただいま、全衛連で行っておりますがん検診の実績推移、それから、精度管理調査、歯科健診の実施状況について御発表いただきました。この御発表について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 発表ありがとうございます。標準化について、ほかの機関のほうまでやっておられるということで、非常に感銘を受けて聞いていたのですが、特に、胸部レントゲンと胃のX線は、市町村の場合は健康増進法の推奨項目なので標準化のマニュアルがバチッとありますよね。職域の場合は割とそこが努力義務的になっていたりするのですが、例えば、標準化を受ける所の機関で、市町村健診の多い所とそうではない所とで標準化にばらつきがあるとか、逆に、そのような所は応募してこないのかもしれませんが、市町村健診をやっているほうが法的な裏付けになる標準化が課されているという状態になっているので、そこのところで違いがあるかどうかを教えてください。
○亀澤構成員 ありがとうございます。そこまで詳しいデータはないのですが、参加している機関、それから全衛連の会員機関においても、住民健診に非常に強いというような所も参加しております。
○岡村構成員 恐らく、その辺で違いが出てくるのかなと思っています。職域だけで特化すると、その辺の縛りが非常に緩くなり、極論をすると、何か、国の推奨ではない検査をしたということで、問題になってしまうので、それの違いが出てくるのかなと思ってお聞きしていました。
○亀澤構成員 先ほど御説明したように、星印のところを入れておりますので、そこは十分認識していると理解しております。
○岡村構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかに、いかがでしょうか。古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございました。4ページ目のがん検診の実施実績が増えている背景で1つ、働き盛り世代の平均年齢というのがすごく面白いなというのと、先ほど、ワシオさんからもお話があったのですが、私も都道府県の健康経営の評価・認定委員をやっていると、年々すごく、特に中小企業さんで、がん検診を取り入れる所が増えております。お話に合った増加の背景として、大企業と中小企業の割合とか、その違いなどはあったりしますか。
○亀澤構成員 ありがとうございます。何件実施しているかということは御報告いただいていますが、健診を受託している事業場の規模については把握をしておりません。
○古井構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、亀澤構成員、御発表いただきましてありがとうございました。これで、ヒアリングは以上となります。それでは、続いて議事(2)に移ります。事務局から資料の説明をお願いいたします。
〇樋口産業保健支援室長 それでは、議題(2)に関して事務局より資料の御説明をいたします。お手元の資料5を御覧ください。今回、議題(2)では、前回の論点について、今までのヒアリングを踏まえながら御議論いただきたいと考えております。資料5をご覧いただくと、前回の論点について、改めて掲載しております。第1回の各委員からの御意見について、それぞれ太字で、関連のところにまとめています。
それから、前回の御議論のところで、がん検診を正しい理解の下で教育を受けながら受診したほうがいいという論点、それから地域職域連携についても参考になるという御意見がございましたので、参考資料1-1、参考資料1-2については、がん検診の教育関係の資料を付けております。それから参考資料2については、地域職域連携の資料を付けております。それぞれの資料説明は割愛いたしますが、この議題(2)の議論において参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。資料の説明は以上です。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。そうしましたら、事務局より資料5に論点を示していただいておりますが、いずれの論点についてでも結構ですので、本日のヒアリングのことも踏まえて構成員から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございます。がんの予防について発言いたします。がん検診を受けない理由として、「受ける時間がないこと」や「費用がかかること」などが挙げられます。今回、プレゼンいただいた中にも、受診費用の補助につながる公的な補助金や助成金などを活用したという説明もありました。がん検診の受診率向上のためには、がん検診の受診に対応できる有給休暇制度の導入やその受診費用の補助に加えて、検診の意義、労働者自身にとっての必要性に関する理解向上に向けた教育や周知といった様々な取組が必要だと思います。
労働者自身の健康のため、がん健診受診に対するプライオリティを高める教育の一層の強化とともに、企業によるがん検診の受診に向けた環境整備なども、がん検診受診の動機付けになると考えます。
一方で、自身の健康にもともと無関心な労働者にとっては、疾病など具体的な自覚がない限り、周囲からどんなに検診を推奨されても、受診する行動には結びつけることが難しいと思います。そこで、がん検診を指針に追加するこのタイミングで、THPの一次予防として、健康保持増進に関心のない層に対しても、さらなる取組の強化が求められるのではないかと思います。また、今後の高齢化を見据え、若年の頃からの健康保持の意識の向上や健康に向けた行動の習慣化について、がんの予防の観点からも指針においてこれまで以上に推進することも考えられるのではないかと考えます。
最後に、コラボヘルスについて発言いたします。本日、ワシオ商会さんのプレゼンで協会けんぽと協力した事例がありましたが、協会けんぽには、中小企業の労働者を中心に日本全国で4,000万人近い方が加入しております。一次予防である「がんに関する啓発」や「がん検診の受診率向上」に向けては、協会けんぽのより一層の取組も必要ではないかと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局から今の件について、よろしいでしょうか。ありがとうございます。その他いかがでしょうか。大須賀構成員、お願いいたします。
○大須賀構成員 私は女性の健康について発言いたします。女性の健康問題というのは従来、女性は様々な女性特有の健康問題に対して我慢をするということが当たり前になっていると。その我慢から解放されることによってパフォーマンスも上がりますし、本人の健康も増進できることになります。ただ、なぜ女性が我慢から解放されないかというのは、1つは知識がないことが多く、先ほどのホンダさんのeラーニングのお話にもありましたように、やはり会社等で知識を共有していき、普及していただくことは非常に重要です。
もう一点は、ワシオ商会さんのほうで、男性も不妊休暇を取るという話があったのですが、恐らく女性の健康問題や不妊症といった、こういった問題というのは、職場で相談しにくいと従来から言われております。むしろ、非常に小さい企業であれば、直接、社長さんに言ってOKというようなことができるのかもしれませんが、比較的大きな企業になりますと、その職場において誰に相談すればいいか分からない、言っていいかどうかも分からない、男性の理解が得られているかどうかも分からないといった問題があります。ですから、職域において女性の健康問題を、どこにおいても相談しやすい体制というのが非常に重要なのではないかと考えております。その辺の整備が何らかの方法でできれば、健康増進につながるのではないかと考えております。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局はよろしいですか。続いて、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 がん検診について、ひとつ発言をさせていただきます。今後、事業者ががん検診を導入するときに、どこまでが責任なのかという議論をさせていただければと思います。というのは、地域保健でのがん検診は、実施主体である自治体が責任を持ってがん検診を受けさせて、また検診項目も対策型検診としてガイドラインに基づいて行って勧奨し、最終的に結果がどうだったのかという精度管理までを行うというのが基本になっています。事業者が行う場合には、外部に委託をして、最終的な結果まで実施責任者である事業者が全ての情報を収集して精度管理を自治体のように行うのは様々な理由で無理だと思います。とはいっても、事業者ががん検診を行う実施主体である以上、例えば、委託先の機関が適切なレベルにあることを確認するとか、受診勧奨をどのようにやるのかなど、事業者としてどこまでの責任や役割を持ってもらうか、がん検診を行うときには考えていただくことをセットで勧奨することが必要と思っています。住民検診そのものの内容をそのまま事業場に持っていくのは無理なので、そのような全体像の中で検診内容にプラスアルファの議論ができるといいかなと思っています。以上です。
○髙田座長 重要な御指摘ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。亀澤構成員、お願いします。
○亀澤構成員 ありがとうございます。今の森先生のお話にも関連するのですが、先ほど御説明しましたように、健診機関でも把握率が9割を超えている所、まだまだな所、できていない所、いろいろあります。私ども全衛連では、精度管理調査をきっかけに、きちんと把握するようにと周知しておりますし、ほかの学会でも指導されているということですので、きちんと把握できる機関を推奨していくということはとても大事かと思いました。
それに関連して、先ほど最後に申し上げたことでもありますが、実施者側である事業者側や保険者側の方々から受診者に対して、必要であればちゃんと精密検査を受診することはとても大事だということを言っていただくことがとても大事なことではないかと感じております。
先ほどの、健診機関がフォローアップするということですが、それについては3か月に1回葉書を出すとか、電話をするということに力を入れて把握率の向上に努めてますので、そういうところについてもコストがあるということを実施側の方々にも御理解いただけたらと思いました。
もう1つ、女性の健康問題の話で、先ほど大須賀先生からお話がありましたが、この度の女性の問診項目が追加されたことにつきまして、全衛連から他の団体の方々にお声掛けをして、立石先生にも御説明いただく説明会を開催しました。そうしましたら、健診機関は、実際に事業場に対して、これから問診項目を活用していく側ではあるのですが、健診機関においても多くの女性が働いていますので、自分たちも事業場の1つとして取組を進めていかなければいけないということが、専門家の話を聞いてよく分かって、そういう大事さを男性もよく知る必要があるのだなということに気が付いたという話を聞きました。分かりやすいツールを使って情報提供することがとても大事ではないかと感じました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。鈴木構成員、お願いします。
○鈴木構成員 経団連の鈴木です。御指名ありがとうございます。本日のヒアリングで感じたところも含めて3点申し上げます。
1点目は、医療保険者や地方公共団体との連携です。前回もその重要性について発言させていただきました。本日、ワシオ商会様、関東ITソフトウェア健康保険組合様、ホンダ様から、連携して取り組まれているというお話がありました。森先生からの、事業場がどこまで責任を負うかという御指摘は大変重要な論点かと思います。画一的にどこまでと明確化できるかどうかの知見は持ち合わせていないのですが、事業場の規模によっても異なりますし、特に自治体検診の話も含めると状況が異なると思いますので、実施主体が役割や責任を丸抱えすることになるわけではないというメッセージを打ち出すことが重要ではないかと改めて感じたところです。
2点目は、本日も構成員の皆様から御指摘のあった労働者の教育です。労働者の気付きや行動変容に関しては、ホンダ様から貴重なお話をお聞きしたところです。例えば、がん検診で言いますと、立道構成員が代表を務められている「職域における科学的根拠に基づくがん検診の社会実装に関する研究」の成果として、参考資料1-1にあるマニュアルの解説動画や、がん検診を受診する労働者への教育動画を掲載したウェブサイトなど様々なツールがあると承知しています。
労働者への教育については、どのようなツールが、どのような行動変容につながるのか、一度、検討が必要な気がしています。大企業であれば、労働者の理解度が進んでいる会社もあり、女性特有の健康課題についての理解を深める動画からスタートすることもあり得ると思います。他方、そもそも健診や検診について理解が十分でない小規模事業者や、あるいは労働者、管理監督者に対して、理解の段階に応じた教育ツールが考えられないか。つまり、ある段階に到達したら、別の内容に飛ぶイメージです。ホンダ様からeラーニングを通じた行動変容についてお話がありましたが、eラーニングと言ってもいろいろなやり方や形態があると思います。どのようなものが労働者に刺さるのかとか、そうしたところを改めて検討するきっかけにしてはどうかと思ったところです。
3点目は、地方における体制の整備です。先ほど関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤様から、地方では国保や協会けんぽの検診対応で手一杯という御指摘がありました。経団連は大企業の参加も多い組織ですが、一部の地域・地方においては、がん検診を受診できる医療機関へのアクセスに苦慮しているという声を頂いております。
がん検診、精密検診の受診率を高めるために、どこで働いているか、どこに住んでいるかにかかわらず、医療資源にアクセスできる環境づくりは大変重要です。地方におけるがん検診の提供体制を整備することが重要ですし、そのために、例えば医療機関等による調査の実施を含めた実態の把握も今後の検討課題になり得ると思う次第です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。続きまして、岡村構成員、お願いします。
○岡村構成員 この件については、例えば、被扶養者であるとか、パートタイマーのところが、結局、市町村と企業でやっているところの隙間に落ちないようにというのが一番大事で、一番問題なのは、どちらかがやっているだろうと思って、そこのところが飛んでしまうのが一番怖いところなので、先ほどの責任問題もそうですが、ここまでは責任を持って、ここまでは市町村なのだよというところをある程度明確にしておかないと問題点が出るだろうというのが1つです。
やはり基本は、本人の所属意識からすると、会社の単独健保で、会社名と同じ健保だったら、そこの所属意識が個人はありますよね。市町村の人は、そこの市町村に住んでいるという意識はあるのですが、例えば、職種団体保険者であるとか、協会けんぽになると、被保険者がそこに所属しているという意識が多分ほとんどないだろうと思います。特に、保険証がなくなるので、そもそも何に加入しているのかを知らせることさえ協会けんぽは難しくなっているので、それで全員入るアプリを作ったりして、いろいろ努力はしているところがあります。まず、被保険者の所属意識がどこにあるかを踏まえた上で対策を立てないといけないのではないかというのが、一番そこが気になるところです。制度面では、もちろん会社と健保は別ですよとか、市町村の事業とは別ですよというのは制度上はそうですが、個人は検診を受けて悪くなったら医療機関にかかるということしか普通は考えていないだろうと思いますので、そこを分かりやすく整理できるかどうかというのが一番のポイントになると思います。
○髙田座長 重要な御指摘ありがとうございます。続きまして、武藤構成員、お願いします。
○武藤構成員 ありがとうございます。先ほど来、亀澤構成員も繰り返しお話されておりますが、精検受診率の把握ですが、精度管理として我々検診施設として、検診の結果の把握には努めているのですが、実際の現場では、最終的に医療機関側から、例えば、悪性なのか、悪性ではないのか、あとは進行なのか、早期なのか、あるいはステージングとか、そういったところまでの結果が得られないことが多くて、かなり苦慮しているところです。割と住民検診のほうは様式が整っていまして、それにきちんと書いていただけることが多いのですが、職域の場合はそれがないものですから、十分な結果が得られなくて困っていることが多いものですから、その辺を、国としてある程度出していただけると助かるかと思います。
もう一点は、先ほどワシオ商会様から非常に良い取組が発表されまして、中小企業における好事例ということで、今回の攻めの予防医療に本当に合致しているような事例かと思います。単に保健事業に取り組むだけではなくて、従業員が元気になって、雇用率が上がるということで合致している内容です。今回、こういった形で公表されているとは思いますが、こういった好事例、良い事例を出していただけると参考になるかと思いました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、古井構成員、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。今、スライドに出していただいている所で、森先生が先ほどコメントされた所がやはりすごく重要だなと感じています。がん検診はもちろんすごく良いことですが、何となく、がん検診をやりさえすればいいという理解になってしまうと、中小企業さんを含めて難しいのではないかと思っています。やはり技術的に、4ページの個人情報の取扱いとか、そもそも話のあったがん検診の意義を正しく理解して、その上で、もしやる場合には、目的をちゃんと社員に明示して社員の理解を得た上で、労働生産性とか、社員のウエルビーングに期するためにという、そこまでやる必要がありますので、一律的にやればいいというのではなくて、やる意義とか、やる場合にどういう手順やプロセスが必要かということを少し丁寧に、議論もそうですが、指針なりに書き込んだほうがいいのではないかという意見です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。及川構成員、お願いします。
○及川構成員 及川です。攻めの予防医療ということですので、攻めの予防ということについて、企業としての評価を頂けることも必要だと思いますし、やっている個々の従業員として、あるいは上司が評価するとか、人に対する評価もあるのだと思います。しっかりと必要だという教育をするとともに、そういうことをやっている企業が、例えば、攻めの予防をしている企業として金融機関から評価をされるとかということも必要だと思います。今、中小企業の賃上げ問題が重要になっていますが、賃上げ問題をするときに、賃金表や、賃金表に合わせて人事評価ということが中小企業でも進んでいます。そういった中の評価に、攻めの予防の中で、しっかり検査のフォローアップを実施しているかどうかという意識付け、あるいはしたかどうかという評価もあるのだと思います。
やはり、形だけ攻めの予防をして進めると、地域性や規模間に、この攻めの予防医療についての格差が生じてしまうことを危惧していますので、やはり、現場サイドの準備をしっかりすることが重要ではないかと考えております。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。先ほど来から何度もお話をしていますが、これは通達等で出された場合において、各企業がしっかりと頑張ったことが、それなりに成果が出やすいような、そのような文書になっていることが大事ではないかと思っています。
具体的には、こういうものが、ある程度エビデンスがあるということが明確に分かっているのですよみたいなものが、通達なのか、本文なのか、若しくはアペンディックスみたいなものなのか、そういうところに記載されていて、効率の良い選択を、まず最初に考えていただいて、その上で、当然それ以外のものを選択していただいてもいいのですが、何が効率が良いというふうに全般的には言われているのかということを少し分かりやすい形でイメージすることが大事であるということと、本日議論されたような、例えばワシオ商会さんのような、ナラティブな情報も非常に重要な情報だと思います。つまり、従業員がこれだけハッピーになったとか、これだけ定着につながるようなことになったとか、新しい求人につながるようになったみたいな、そのようなことも、ある種企業の側からすると成果なのだと思っています。私たち医療職の成果と言うと、どうしてもがん検診を受けっぱなしになって、精密検査には行っていない人みたいなエビデンスの方向ばかりに着目してしまいますが、やはり事業所の中で行うものに関しては、事業者にとってメリットがあること、労働者にとってメリットがあることというような視点で整理されることが大事だと思いますので、生の声というような、このような対策を行うと、こういう良い成果があったものも併せて記載されることによって、事業者が一歩進めてみようかというモチベーションにつながるのではないかと思ったところです。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、立道構成員、お願いします。
○立道構成員 どうもありがとうございます。先ほどから、本検討会は攻めの予防医療ということですが、攻めの予防と言うと、日本はとかく、健診や検診がオリエンテッドになるという傾向があって、健診や検診を実施することが目的化しているというか、目標化してしまっている部分がありますので、前回、第1回目で発言させていただいたように、やはりリテラシーを上げて、労働者の方に健康意識を持っていただくことが一番重要かと思っています。それがあって初めて、がん検診も受診した後、精密検査も受けてくださるということになりますので、その辺のところをもう一度強調したいと思います。
さらに、検診をサービスという形で捉えられると、例えば、がん検診を若年者の方からすることが、より良いサービスなのではないかということで、例えば30歳からがん検診を始めるとか、そのようなことが職域では起こっています。実はその場合には偽陽性という不利益を多く被ってしまうことがあります。検診を企画する段階においては、今、立石構成員がおっしゃられたように、やはりエビデンスがしっかりあるということを明確にした上で、その効果が期待できるものに関して実施するということは明確に指針に載せていただきたいと思います。
あと、岡村構成員がおっしゃられたのですが、どのレベル、どの範囲が地域で、どのレベルが会社で関与すべきかというのは非常に重要な課題です。今、職域のがん検診マニュアルを分かりやすくすることを検討しているところですが、職域というのは一体どこまでのことを指すのか、その定義はすごく難しいところがあります。その辺のところも議論が必要になるかと思っています。私からは以上です。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、松岡構成員、お願いします。
○松岡構成員 日本医師会の松岡です。本当に今日は皆様の意見を聞きながら、すごく考えさせられることの多い検討会だと思いました。先ほどのお話の中で、鈴木構成員、岡村構成員がおっしゃっていたお話に近いですが、大企業と中小企業ではできることと、そうではないことが違うということ。そして、職域と地域での健診のところで、どちらが責任を持つのかが、論点ともなりうる。本日の会議は職域の先生方が多く、地域の現状がどうなっているかは見えないというイメージを持っておりました。1つ、地域で私たち医師会は住民健診をほとんど請け負っております。特定健診から、がん検診についても請け負っており、その中で肺がん検診、胃がん検診等、もちろん婦人科の健診も行っている状況です。そして、医師会と市町村が一緒になって精度管理を行い、レントゲンも内視鏡も二次読影を行っている所がほとんどとなっております。
ただ、そのような中で、がん検診については、住民が受ける権利を持っている状態です。ただ、住民が受ける権利を持っていることを、働いている方たちは余り御存じないということがあり、職域だからすべて事業者がやるのか、そうではなくて、今あるものを活用していくのか。それで結局、どちらつかずの方が出てきてしまうということを不安に思った次第です。
住民健診については、先ほど精度管理の話もありましたけれども、チェック機構が多く存在し、精密検査を受けたら、市町村に報告するというように、すでに一定の組織になっております。そのため、住民健診についてはデータをとりやすいのではないか、そのようなものが職域で応用できるものも多々あるのでは、という印象を持ちました。
あと、がん教育については、様々なことについて正しい情報をお渡しする必要があると思いますが、現在、がん教育が子供たちの間で実施され始め、様々な健康教育を、小学校、中学校、高校と徐々に、そのレベルに応じて教育されている現状があります。本来はそこでリテラシーを養うことを基本として考えるかと思います。今、子供たちに対して、そのような要望がとても大きいため、基礎は子供時代で養い、大人のほうでも健康教育を行うという大きな面で見たほうがよいかと思いました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 度々すみません。今、松岡構成員がおっしゃられたように、住民のがん検診は、基本的に精度管理もしっかりされているということで、無理に職域で実施するということではなくて、実際にがん検診の案内が届いている自治体の場合でも、我々の調査では、届いているのを知らないというか、無視されているという事実があります。逆に、それが届いているのなら、そちらを受けてくださいということも十二分にあり得ることです。何もかも全部職域でやるというのではなくて、行政サービスもしっかりと利用するということも重要なので、その辺のインフォメーションも、しっかりと与えていく必要があるのではないかと思っています。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 追加させていただければと思います。産業医大の立石でございます。今、攻めの予防医療ということで、二次健診的な要素も少し包含したような内容で、THPの指針の改訂の議論が進んでいるかと思います。
二次予防のところまで進んでくるとなると、例えば今般、女性の健康問題のことが取り上げられたりということがありました。そうなってくると、今まで表在化しなかった潜在化していたような健康問題というのが、どうしても事業者の目の前に顕在化してくるようなことが存在してくるのではないかと思います。
その場合において、やはり顕在化して、そのまま放置するということはよろしくないわけで、基本的には、やはり出てきた問題に関してインクルージョンしていくと。すなわち、両立支援的な視点というような問題が起こったとしても、そもそもそういう人たちも、会社の中で仲間として包含していきながら、健康増進全般を進めていくというのも、二次予防だけではなくて両立支援的な要素も少し含んだような通達文みたいな形にしていかないと。見付けたけれども、いや、あなた、見付けてちょっと就業能力がないからみたいな、そういうような問題になることは、やはり一番恐れなければいけないことだと思います。そこまで少し書き込めるような要素があるのであれば、書き込んでいただきたいというように、議論を聞きながら少し思っていたところがありましたので。忘れていたので、追加で発言させていただきました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ここまで議論があった、がん検診の場合、全国で一定の内容や質で受検できる体制はある程度整っていると思います。一方で、今日の発表の中で複数の提示があった歯科検診について、仮に歯科検診をTHPなどで推奨したときに、そもそも全国事業場がどのぐらい歯科検診を受けられるのか、その供給側が整っているのかについて、私は情報がないのですが、分かっているのでしょうか。自治体で実施されている健診は、歯科医院を受診されるのが基本だと思いますけれども、事業場側のニーズとしては、事業場に来てやってほしいということがあります。法定の項目ではないので、項目については有効性に関するエビデンスがあれば選択肢はたくさんあってもいいのですが、供給側がどのぐらい提供できるのかは、推奨する以上知っておかないと無責任になるのではないかなという気がします。もうすでにデータがあるのかもしれませんが、その辺りも一度確認が必要かなと思っている次第です。
○髙田座長 ありがとうございます。重要な御指摘ですが、事務局、何かございますか。
○樋口産業保健支援室長 今、御指摘の点のデータが出せるかどうか、分かりませんけれども、宿題ということで承りたいと思います。ありがとうございます。
○髙田座長 そのほかはいかがですか。オンライン参加の清田構成員は、特によろしいでしょうか。
○清田構成員 日商の清田でございます。発言をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○髙田座長 今、聞こえております。お願いいたします。
○清田構成員 前回と繰り返しになってしまうのですが、本件につきましては、あくまで指針の議論をしている中において、いかに自主的な取組を促していくかという視点が重要だと思っております。しなければいけないことの制約を高めていくと、かえってその取組が躊躇されてしまうのではないかと、聞いていて感じたところでございます。取組が必要であること、それから、取り組んだ成果がどういうものであるかというところを丁寧に説明していくことが最も重要だと思います。
加えまして、地方や、中小企業の視点での御意見を皆様が出されておりました。その点におきまして、どのような支援が必要なのか、リソースの少ない中小企業でも、できる体制というのがどういうものなのかということも含めて議論ができればと思っております。私からは以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがですか。安井部長、お願いいたします。
○安井安全衛生部長 御意見を頂きたいところがあるのですが。例えば、全衛連の出された資料の中で、職域の検診については、実施人数については伸びていて、住民検診については減少しているというデータが、3ページにあります。これは全国的に、かなりそういう状況にあるようで、これは、女性の就業率の向上などもあって、そのような傾向があるので、そういう意味では、職域で頑張ってくださいという議論の流れもあるのですけれども、日本全体で見ると、要するに、職域を増やしても、その分、自治体が減ってしまうと、トータルでは増えないので、トータルで日本全体の受診率を上げていくために、何か御示唆があれば頂きたいのです。
○髙田座長 いかがでしょうか。がん検診になりますと、立道構成員になると思いますが、まず、いかがですか。
○立道構成員 繰り返しになりますけれども、受診率を上げることが、果たしてそれでアウトカムにつながっていくかというと、今の職域のがん検診は精度管理も行われていない状況で、受診率だけを上げても、精密検査受診率が高い状態で受診率を上げていかないとアウトカムが得られません。従って、まずは仕組み作りをした上で、受診を促していく必要があると思います。
もう一点は、やはり御本人が、がん検診を、なぜ受けなければいけないのか、あるいは、受ける必要があるのかということを理解していることが重要であり、がん検診というのは、非常に肉体的にも精神的にも負担になります。例えば陽性になった場合は、がんの疑いがあるということで心理的なストレスが掛かるものですので、それはしっかりとした、先ほどの情報提供というのか、教育を通じて、がん検診の意義を理解した上で受診していただくことが必要なので、まずは、理解を上げないと、受診率も上がらないし、精密検査受診率も上がらないと思います。
検診を専門としている立場から見ていると、がんの年齢調整死亡率は下がっているのです。なぜ下がったかというと、胃がんと肝がんの、いわゆる感染症のがんは下がっているのですけれども、大腸がんとか乳がんは、どちらかというと、がん検診で救えるものに関して言うと、横ばいなのです。世界では、がん検診がしっかりと機能している国は下がっていて、日本のがん検診がうまくワークしていないことは世界的に言われていることなのです。その辺のところも、実は情報提供がしっかりなされていないことが課題ではないかと専門家では捉えているところです。結論からいくと、やはり情報提供がしっかりなされて、御本人が納得した上で、がん検診を受けていただくことが大事であると考えます。
○髙田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○安井安全衛生部長 ありがとうございます。それに関連するというか、今、自治体のほうが例えば精度管理がしっかりされているとか、そういう御発言もありましたけれども、例えば職域で検診を実施するだけではなくて、職域において自治体の検診を受けるように促していく戦略というのはいかがでしょうか。
○髙田座長 こちらも、立道構成員。
○立道構成員 基本的に我々は、まず、どちらを推奨するのかを決めた上で、職域で精度管理までできないのであれば、自治体のほうに促していくということも必要であると、先ほど発言させていただいた文脈の中で、そのように考えております。
○髙田座長 ありがとうございます。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 ひとつ、ややこしいのは、要するに、特定健診が保険者単位になっているので、それは会社とか、保険者で受ける感じになり、それに定期健康診断がくっついているから、胸部のレントゲンはそちらでやってしまうのです。だから、社員の方は、それの区別がつかないので、他のがん検診もその類いだろうと、恐らくつながっている感じがあるのです。制度としては違うのですが、一般には、そこがほとんど訳が分からないということが多分、正直な理屈だろうと思います。
それから、もし、市町村のほうでということになると、それこそ、職務専念義務免除か、年休か、何かをあげないと、職場を離れても大丈夫かというところが非常に必要になってきますので、そうしたら多分、受けなくなるというか、職場で受けられないので、要は、同調圧力で受けるので、そこが外れてしまうと、かなり意識の高い人しか行かなくなってしまうだろうと。年休を取ってまで市町村の健診に行くのは、よほどの人ですので、そういう方は自分でもきちんとやっているだろうなということに恐らくなってしまうだろうと思います。
○髙田座長 受けやすい機会というのも重要になってくると思います。
○岡村構成員 やはり制度がややこしいということですね。特定健診と定期健康診断と、がん検診が、受ける側からすれば、別に知ったことではないと、制度が違うということは。
○髙田座長 松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 松岡です。皆様が受診するか、受診しないかについて、お金の問題がかなり大きいと思います。職域で受ける検診は、ほとんど人間ドックが多いかと思っているのですが、全部の項目をを丸めた健診となるので、そのお金の費用負担をしなければならないという観点に加え、先ほど武藤先生にも、少しお話したのですが、今のように経済状況が悪くなってくると、お金の掛かるものは受けなくなっていきます。市町村では、がん検診だけであれば、ある程度はお金を抑えられるかという印象がございます。そこの補助的な内容によっても、受けるきっかけの1つになるのかと感じます。
○髙田座長 ありがとうございます。武藤構成員、追加はよろしいですか。
○武藤構成員 同じことなので。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。部長、何かございますか。よろしいですか。そのほか、全体的なことで発言しておいたほうがよろしいことなど、ございませんか。よろしいでしょうか。いろいろ貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。
そうしましたら、本日の議題は以上で終了いたします。ヒアリング、それから本日、頂いた構成員の意見も踏まえまして、次回の検討会においては、御意見を踏まえた対応案を御議論いただきたいと思いますので、事務局のほうで準備をよろしくお願いいたします。それでは、事務局にお返しいたします。
○藤井産業保健支援室長補佐 ありがとうございます。次回の検討会の日程については、事務局から改めて御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。それでは、これで、本日は閉会といたします。どうもありがとうございました。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき誠にありがとうございます。本検討会は、資料及び議事録は原則公開とします。
本日の出欠状況ですが、清田構成員はオンラインで御参加されています。また、鈴木構成員におかれましては15時30分頃に途中退席の御予定と伺っております。
続いて事務局ですが、大変恐縮ですが安全衛生部長の安井、産業保健支援室長の樋口が公務のため、少し遅れての参加を予定しています。また、労働衛生課長の諸冨ですが、公務のため途中で退席する予定ですので、御承知おきいただければ幸いです。
続きまして、構成員の皆様に御発言の仕方について御説明させていただきます。会場の構成員の皆様におかれましては、お手元にお一人1台マイクを御用意していますので、御発言の際は、座長の指名を受けてから、スイッチをオンにしていただいて御発言をお願いいたします。御発言終了後はスイッチをオフにしていただくようお願いいたします。また、オンラインで御参加いただいている構成員の皆様については、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1~5、参考資料の1-1、1-2、参考資料2となっています。この後、議事に沿って画面共有にて御覧いただきますが、不足等がありましたら事務局よりお送りしますので、コメント又は御発言にてお申し出ください。
報道関係者の方におかれましては、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事進行については髙田座長にお願いいたします。
○髙田座長 皆様、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは本日の1つ目の議題、「労働者の健康保持増進等に向けた取り組み事例等について」になります。こちらについて、まず事務局から説明をお願いいたします。
○藤井産業保健支援室長補佐 本議題においては、お四方からそれぞれの事業場、団体等における取組についてヒアリングを行わせていただきます。ヒアリングについては、それぞれ5分程度で取組を御発表いただいて、その後、10分程度の質疑を予定しています。一団体様、15分程度を想定しています。また、御発表いただく際は、そちらのヒアリング発表者席に、お移りいただいて御発表いただいて御質疑を受けていただきます。終われば、その後、お席にお戻りいただければ幸いです。その後は御退席いただいても構いません。最後の亀澤構成員におかれましては、自席で御発表いただければ幸いです。
資料番号は先ほど申し上げたとおり、それぞれ御発表していただく順に、1、2、3、4となっていますので御承知おきください。また、Web上の発表資料の資料送りについては、事務局で対応させていただきますので、大変恐縮ですが発表の中で「次へ」等とおっしゃっていただければ幸いです。説明は以上です。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。それでは、事務局の御説明にありましたとおり、最初のヒアリングに入りたいと思います。
本日は、関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤様にお越しいただいています。本日はお時間を頂きましてありがとうございます。御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 ただいま御紹介いただきました関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤と申します。まず資料の1ページですが、健康保険組合は協会けんぽに代わって、健康保険法による事業を国に代わって実施しているところです。その中で疾病予防事業については法令で実施が義務付けられていますので、そちらを中心に御説明させていただきたいと思います。
今、プロフィールを映していただいていますが、SAJという団体を基礎にしまして、昭和61年4月に設立して、今年で40年目を迎えています。この間、IT業界は、皆様も御承知のとおり飛躍的な発展を遂げてきました。これを基礎として、適用事業所数のスタートは83事業所で始まったのですが、令和8年3月末日現在は約7,500社、被保険者数が約71万人、被扶養者と合わせて加入者の総数が約103万人という規模になっています。
保険料率は、今9.27%です。全国の健康保険組合の平均が9.8%ぐらいですので、それよりは若干低めで設定をしています。ただ、健康保険組合全体に言えるのですが、医療費の関係や保険給付が、高齢化も相まって年々膨らんでいます。どこも厳しい舵取りを求められているというような現状にあります。
今やっています業務が健康管理業務です。健康保険組合ですので、健診業務が一丁目一番地、基本、中心になっています。その中で人間ドック、巡回婦人健診など、事業場、勤め方によって健診を受けやすい環境、こういったものの整備に尽力しています。平成20年4月から特定健診、特定保健指導が義務付けられました。そういった制度の転換期を境に、それまでは職員3名で健診業務を回していたのですが、いろいろな疾病予防事業、歯科健診、あらゆるがん健診、こういったものをどんどん組み入れています。特に糖尿病や高血圧の生活習慣病に起因する重症化予防事業に力を入れています。今、スタッフは大体17名、3名から17名まで増やして体制を作って、こちらの疾病予防事業に当たっています。
その中で、まず若年層の生活習慣病対策をやっています。対象は39歳以下です。令和6年度実績で259人が参加しています。これは集合型で、私どもの施設に一旦、お集まりいただいて、その中でいわゆるヒアリングを重ねて最初の進め方を決めていきます。都内のスポーツセンター、スポーツ施設に割り振りまして専用のトレーニングメニューを作ります。もちろん誰でも対象になるということではありません。一番下の検査値という所の閾値に当てはまった人に案内を出しているということです。
こちらの事業なのですが、都内のスポーツジムに一定期間通います。通った後に、もう一度集まっていただいて、開始前と終了後の様々な数値の変化を取っていきます。それを医師に評価していただいて、これでPDCAのようなサイクルを回していくということで、これは毎年実施している事業です。
次に、がん予防対策です。特に女性の健診、がんについては胃がんから肺、あと大腸、こういったものは全て健診の中に取り込んで実施しています。近年は特に胃内視鏡検査に移行して、そちらを集中的に実施できるように胃内視鏡検査、または大腸内視鏡検査もできる病院の選定に力を入れています。また、女性が受けやすいように、乳がん検診、乳腺超音波とマンモグラフィ、それと子宮頸がん、これについては予算の許す限り、どこに行ってもみんな1,000円で受けられるという取組を進めて受診率を上げています。特にマンモグラフィですが、40歳未満と40歳以上で分けています。40歳未満ではマンモグラフィをやっても、初期の効果的な効果は得られないという所見がありますので、こういったところについては、利用料金で差を付けているということです。また、巡回で特にこれは被扶養者、家族をスコープして実施していますが、全国巡回でできるような健診も実施しています。こちらは無料でやっています。
7ページです。がん予防対策としてポータルサイト、Pep Upというサービスを使っていますが、こちらに登録していただいて、情報発信なり、知見なり、知識を深めるためのいろいろなプログラムを用意して実施しています。開催結果については「女性の健康」「乳がん」「たばこ」というものについて、昨年度は実施しています。今年も同様にカテゴリーは変えて、効果的な施策を実施したいと考えています。
8ページです。がん予防対策で教育です。こちらについては、リーフレットやレストランなどに貼るようなポスターを作っています。喫煙率の経年での推移ですが、若干の改善が毎年見られるところです。
最後ですが、9ページです。歯科健診事業です。歯科健診事業は、まだ取り組んで10年たっていないのですが、今、こちらで会場をセットして都内の2か所で実施する健診と、各地方の政令指定都市で年に1回受診するというもの、それと事業所や会社に歯科健診事業会場を設置してもらって、そこに歯科健診のできる医師と衛生士の部隊を送り込んで、会社で歯科健診ができるというような3つの体制で実施しています。
実施を始めた当初はとてもよかったのですが、間にコロナを挟んだ瞬間にほぼほぼ実施できなくなりました。今はコロナ禍が明けて、正常化を目指して進めているという体制です。歯科健診については、歯に自信ある方だけが健診を受診するという傾向がどうもあるみたいですので、そうではなくて、満遍なくどなたにも受けていただけるような歯科健診の実施というものをこれからも目指していきたいと考えています。発表は以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。ただいま資料1に基づきまして、保健事業に関する取組について御紹介いただきました。ただいまの御発表に関して、御質問や御意見のある構成員はいらっしゃいますか。いかがでしょうか。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 御発表ありがとうございました。関東ITソフトウェア健保様の歯科健診の内容についてお伺いさせていただきます。歯科健診は比較的標準化が十分ではない領域で、機関によって違う検査がされたりするのですが、各機関に、検査項目や方法などについて、どのぐらい具体的に依頼をされているのでしょうか。教えていただければと思います。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、かなり詳しく作って、こういった内容でお願いしますとお伝えしています。今、委託先の事業者が4つあるのですが、全て同じ標準でこれでやってくださいというものを示しています。それの作成方法は、私どもが歯科健診を始めるとき、7、8年前はまだやっていませんでしたので、進んでいる健康保険組合、単一の大手の所から、どうやっているのかというヒアリングをして、実際にそこで使っている健診のものの項目に沿った形で、同様に作ってこれでやってくださいという条件で委託しています。
○森構成員 歯牙の状態と歯周の状態を基本的に全部チェックする、そのような内容を依頼しているということですか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 もちろんです。
○森構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございます。4ページの若年層の生活習慣病対策について、生活習慣予防プログラムの参加者259名は生活習慣病のリスク者を対象としていると思いますが、その参加率について、教えていただければと思います。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 参加率は大体、どの回も20%前後になります。検査値の閾値を見ていただきますと、要治療になるような方は選んでいないのです。これはちょっと改善しないといけないのではないかという、閾値の中で選んでいますので、いわゆる重症化予防とは違う、これから重症化に進めさせないための対象者を選んでいるという感じになります。
○髙田座長 よろしいでしょうか。続きまして、大須賀構成員、お願いいたします。
○大須賀構成員 eラーニングで女性の健康をたくさん受けられているというのは非常に良い取組かと思いますが、私の質問は、4-1のがん予防対策で、子宮頸がん検診プラス、その後、括弧して経膣超音波と書いてあります。この括弧の意味が、もし分かりましたら、きちんとやられているのであればよろしいのですが、どの程度しっかりされている超音波検査なのかなということが気になりました。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 経膣超音波は御承知のとおり、婦人科検査の問診に当たるような重要なファクターだと考えています。ですが、今、契約健診機関が全国に180以上あるのですが、全てに実施をしてくれるかどうかを聞いたところ、やはり導入に時間も掛かりますので、なかなか入れてくれない所もあったのですが、今はほぼこれをセットで、一部どうしてもできないという健診機関もありますので、料金もきちんと決めていますので必ずやっていただいています。
○髙田座長 よろしいでしょうか。その他いかがでしょうか。それでは、亀澤構成員、お願いいたします。
○亀澤構成員 ありがとうございました。2番の健康管理業務の所で、事業者健診や特定健康診査など様々な健康診断をやっていらっしゃるということです。ここを請け負っているのが「直営健診センター」以外に「契約健診機関」と書かれていますが、この契約健診機関を選ばれるときに、何か基準のようなものは決めておられますか。お願いいたします。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 最近は、例えば都内や政令指定都市、大阪など、大きな所については健診機関は御承知のとおりたくさんあります。その中でも今、私どもで喫緊で欲しいのは、やはり内視鏡検査ができる所です。それと婦人科検査がきちんと経膣超音波もあって、充実しているという所を都内、政令指定都市では選ぶようにしています。
ただ、地方については、なかなか選べないのです。数が少ないことと、地域の方、国保や協会けんぽの方の対応をするので手いっぱいで、なかなか受けづらいという環境がありますので、余り地方については選り好みができないので、ちょっと妥協して契約するという場合もあります。
○亀澤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○髙田座長 そうしましたら、武藤構成員、お願いいたします。
○武藤構成員 ありがとうございます。日本人間ドック・予防医療学会の武藤です。1点、ちょっと伺いたいのですが、特にがん検診なのですが、がん検診を受けた後に、その結果、がんであったとかなかったとか、そういった結果の把握はされていますか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、しています。
○武藤構成員 情報はどこから手に入れていますか。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 健診機関から全部来ますし、その場合は必ず病院の紹介をしている形です。
○武藤構成員 では、基本的には健診機関から結果をもらっていると。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 はい、健診機関と、もう1つは郵送の血液検査です。デメカルでピロリ菌をやっていますが、そこも普通の送りっぱなしではなくて、きちんと判定区分がありますので、それに少しでも引っ掛かった人についてはメールなり、電話なりで必ずフォローアップ、サポートをして病院を受診するように促しています。
○武藤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。お時間になりましたが、どうしてもという方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
それでは、大変お忙しい中、御発表いただきましてありがとうございました。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 ありがとうございました。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思いますので、御準備をお願いいたします。
続きまして、ワシオ商会の鷲尾様にお越しいただいています。本日はお時間を頂きましてありがとうございます。御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○ワシオ商会 鷲尾様 よろしくお願いいたします。福島県から参りました有限会社ワシオ商会の鷲尾と申します。本日は、弊社の取組について少し御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。弊社の簡単な紹介です。21名程度の小さな中小企業でございます。昭和46年に創業し、現在は福島県内の3拠点で活動をしており、工事用品の販売を業務としております。
次のページです。弊社は福島県内で様々な受賞歴があり、ここに記載したとおり、ふくしま健康経営優良法人の最高賞を令和4年に頂いており、中小企業部門の「ブライト500」を今年度も認定いただき、6年連続で頂いております。
次のページです。ここから弊社の取組を少し御紹介いたします。まず、弊社で一番力を入れているのが健康診断です。通常、もちろん皆さんは健康診断をされると思うのですが、その後の二次検診についても、しっかり把握するようにしております。その内容として、まず、定期健診時に、オプションのがん検診を付けられるものはできるだけ付けております。それを全て会社負担で毎年実施しております。昨年度は、福島県の「職場のがん検診補助金」が初めて導入され、上限4万円ではありますが、そちらを受給させていただきました。
要治療・要再検査の二次検診が必要な者には必ず受診を促します。右側に細かく書いてあるのですが、弊社独自の用紙を発行し、お医者さんに意見を記入していただきます。この意見書は労働安全衛生法第66条の4及び5の法令に遵守しております。二次検診が不要な要経過観察者には、協会けんぽ様の御協力の下、毎年、保健師さんを派遣していただき、面談を実施しております。それにより、自分の健康のバロメーターをしっかり見ていただいて、来年に活かしていただくという取組をしております。
次のページです。弊社は禁煙対策にも力を入れており、敷地内禁煙はもちろんですが、喫煙者もゼロではありませんので、頑張って禁煙した者に関しては「禁煙賞」を授与したり、禁煙外来や禁煙グッズの費用を会社で負担しており、喫煙者には受動喫煙に関する講習会を行ったり、定期的に情報提供をしたりと根気強く行っております。
次のページです。小さな会社なものですから、社員食堂というものがありませんので、「置き型の社食」というものを導入しております。最近では結構周知されてきていますが、弊社は令和3年に導入し、もう5年になります。小さい会社ですので、大規模な社員食堂は作れませんので、これを3拠点の全てに同じものを導入して満足度向上をはかっております。
7ページ目です。今年、福島県会津若松の保健所さんに協力いただき、「歯周病リスク検査」というのを初めて導入いたしました。こちらは写真のとおり、歯周病のリスクを唾液で陽性か陰性かを測る検査なのですが、先ほどの発表にもありましたが、歯科検診に関しては、意識の高い人だけが歯科検診に行くというような流れだと思うのですが、弊社で初めてこちらを実施したところ、やはり、歯科検診を避けていた層が、もう有無を言わさず行かなければならない雰囲気で、陽性の疑いがある人には、必ず葉書がその場で発行され、それをお医者さんに提出をして戻してもらう、そこまでを一連の流れとして実施したところ、陽性の者は、みんな歯科検診に行きました。そして、一度も行ったことがないという者もいて、ほとんどの方から、結果としてはよかったという言葉を頂きました。行ったことがなかったし、時間もないし、その分の費用まで会社で負担したので、労働時間として歯科検診に行っていただいたので、その辺りもよかった点であり、歯科検診に対して意識が高まりました。
右側は「減らしおセミナー」という減塩のセミナーも初めて行ったのですが、こちらもやはり、やるのとやらないのでは意識が全く違うという結果になりました。後からアンケートを取ったのですが、何も考えずにラーメンの汁を全部飲み干していた社員から「汁は残すようにしました」という言葉も頂いたりしていますので、やるのとやらないのとでは全然意識が変わるものだなと思いました。
次のページを御覧ください。ほかにも様々な取組をしており、全部を説明すると長くなってしまうので、例えば、肩こり腰痛などの不調者へは、提携している整体院のチケットを月1枚発行し、重症化予防に努めております。インフルエンザの予防接種費用は会社負担としており、先ほど申し上げたとおり、各種がん検診費用も負担しております。特別休暇も充実させており、不妊治療休暇、配偶者出産休暇に関して、不妊治療休暇は男性社員も取得しております。
次のページです。ここで、感じる効果ということで、黄色の所についてだけ申し上げます。求人していなくても「ぜひ会ってほしい人がいる」と従業員が知り合いを紹介してくれたり、または、求人票でも取組を紹介していますので、実際に、その内容で応募を決めた求職者が増えております。知名度の少ない、21名程度の小さな田舎企業ですので、小さい会社が注目されることによって、従業員のモチベーション向上につながっているのかなと思います。
最後に、10ページ目です。福島県の健康づくり推進奨励金というものが始まったので、こちらも活用させていただいております。このように、やはり何かがないと中小企業は動かないと思いますので、これはすごく大切なことだなと思います。以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○髙田座長 御発表ありがとうございました。ただいま資料2に基づいて、取組について御説明いただきました。ちょっと時間が押しておりますけれども、御質問がありましたら、構成員の皆様、お願いいたします。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 すばらしい活動をありがとうございます。これは、やはり、いきなり始まったというよりは、ここまでに至る、それ以前の前奏曲というか、きっかけみたいなものがあるのではないかと思うのですが。恐らく、もっと前から、何か取組があるのではないかと思うのですが、それはどういうきっかけで始まったのかを教えていただければ幸いです。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。弊社はもう20年以上前から、「健康経営」という言葉が周知される前からこのような取組は行っておりました。ただ、歯周病リスクや減塩セミナーまでは行っておりませんが、健診の結果を把握して、二次検診を促したり、禁煙に関しては、もう20年以上前から行っているところでございます。きっかけと言いますか、やはり、小さな企業ですので、一人一人、休まれては困るというのが本音でございまして、健康を保ってほしいというところが一番の狙いでございます。
○岡村構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、先に立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 今、岡村構成員と同じことを聞こうと思っていたのですが、もう一点、私のほうから聞きたいことがあります。色々な健康施策の中で、多分色々な項目がある中で、今回、これらの項目を選ぶに当たり、どのような視点でこれらの項目を選ぶに至ったのでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。従業員一人一人を見ながら、毎年、何かしら増えているという感じです。この人に対してはこういうことを行ったほうがいいのではないか、腰が痛い人が多いからこうしたほうがいいのではないかということで、一人一人見ながら増えています。
○立石構成員 どうもありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ワシオ商会様の発表で、経営者として現時点で感じる効果の話を伺いましたが、中小企業でも健康経営によって成功している全国の企業さんと共通なことが上がってきていると感じました。約20年前に今でいう健康経営を始めて、その後健康経営優良法人に認定され、さらにブライト500に入ったという過程の中で、先ほどお聞きした経営者として感じる成果は、大体どのくらいのときから経営者としては実感し始めたと理解したらよろしいでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 ありがとうございます。3ページ目の受賞歴、認定歴の所なのですが、やはり、注目されるようになってからです。はっきり、ここが変わりました。県知事賞を頂いて注目されるようになってからですね。
○森構成員 外からのフィードバックというのが、内部で理解されるにはとても重要だったということですね。
○ワシオ商会 鷲尾様 そうです。
○森構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 すばらしい発表をありがとうございました。1点、お聞きしたいのですけれども、医師に意見を求めるという所があったのですが、この「医師」というのは、地産保といったところを御利用なのでしょうか。
○ワシオ商会 鷲尾様 地産保さんではなくて、各個人がかかりつけ医にお願いしております。
○立道構成員 かかりつけの先生から、この意見を全部。
○ワシオ商会 鷲尾様 はい。
○立道構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日はお忙しい中、御発表いただきましてありがとうございました。
○ワシオ商会 鷲尾様 本日はありがとうございました。失礼いたします。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りますので、御準備をお願いいたします。
続いて、本田技研工業株式会社の髙橋様にお越しいただいております。本日は、お時間を頂きましてありがとうございます。準備ができましたらお願いいたします。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 本田技研工業の安全健康推進室の髙橋です。本日はよろしくお願いします。本日は、トヨタ・日産・ホンダの自動車業界の保健職の学びの場の中で、私たちのホンダの中の活動が深化促進できたことについて、発表したいと思います。
1ページに行きます。私も看護職として産業保健職の一員として働いておりますが、日々の激しい世界情勢の中で、自社の健康課題ということを現場を見ながらどう進めていくのかということの難しさを感じながら、自社内で悩みながら活動してきました。2024年から、トヨタ・日産・ホンダという3社が集まって産業保健職の中でディスカッションする場が出来ました。その中で話してみますと、実際、私たちだけではなく、メンタルヘルス、女性の健康課題、男性更年期など、悩んでいるものは一緒だということが分かりました。他社でどういう好事例があるのかを聞きながら、自分たちの活動に反映させることができてきました。自動車業界の中では競争の立場ではありますが、同じ産業保健職としては、共に作っていくという、人のために働く専門職として、こうしたディスカッションはとても友好的となっています。去年の活動の実際ということで、そちらの活動を共有したいと思います。
2ページ、今日は、その中から女性の健康支援ということで、活動の内容になります。女性が能力を最大限発揮できる企業風土ということを私たちは目指しております。平成24年より、「知る」・「理解する」・「体験する」の基盤づくりから、「行動する」・「実践する」・「対処する」、そして「定着にもっていく」というロードマップを掲げて活動してきております。
3ページ、生産現場もありますし、研究領域も様々ある中で、どのような情報をどのタイミングで活動していくかをすごく悩みながら進めてきたのですが、キーワードとして、女性本人、そして管理監督者への様々な発信をすることで実践を広げてきました。その中で、トヨタさんの取組にありました生理痛体験、こちらを管理監督者に広げていくことで、自分事として捉えていただくことを実践してきました。また、もともと男性職場の業界ですので、女性の取組と併せて男性更年期を話題にすることなどで、同じ仲間としてどのような健康課題があるかを知ってもらいながら活動を広げてきました。
4ページ、「理解する」という側面については、女性対策がなぜ必要なのかというところからスタートして、具体的なテーマを用意したeラーニングを進めています。何となくの知識から、結果として、「理解し、行動できる」、「大体理解できた」というところで、右下にあります理解度90%台の回答が得られました。
5ページ、こちらは、「理解する」の中で、がん検診にフォーカスしますと、弊社では、ホンダ健保に加入する方を対象に、嘱託、期間従業員も含む従業員のがん検診の実施制度があります。eラーニングのアンケートになりますが、定期的な受診はおおよそ左上にあります受診率の半分の半数が現実的でした。その後、eラーニングを行って、近いうちに受診をしたいという方が20%台に増えており、こちらで知識を得て行動するという行動変容が結び付いたのではないかと感じています。
6ページ、乳がん、子宮がんの実際のホンダ健保加入者の状況ですが、陽性者は3桁の数になります。こちらに関しては、早期発見、治療の観点から、がん検診、受診促進の施策として、節目の年に自分で検査のオプションを付けられる選択制の節目健診を実施しております。50歳、55歳から年齢を拡大し、40歳から5歳刻みの対象拡大を実施しております。そのほか、被扶養配偶者に節目健診を新たに導入したりとか、がん検診を無料化したり、重症化予防を目的としたマネジメント層の関与による精密検査の受診勧奨などを現在行っております。これは健保と会社がコラボして、制度をきちんと設定することで、がん検診を受けやすい状況にすることも含めて受診率アップに取り組んでおります。
7ページ、「体験する」の所では、eラーニングだけではなく、ケーススタディとしてロールプレイングを実際に集合型研修で行っています。こちらになりますと、実際得た知識を実践できるように、人の言葉で説明できるような形で実践しております。こういう、一緒に働く仲間への配慮ができる企業風土を作っていきたいと考えていますので、3社で交流した結果、私たちのこのような活動の広がりを感じてきましたので、引き続き実践していきたいと思います。発表は以上になります。
○髙田座長 御発表ありがとうございました。ただいま、資料3に基づきまして、特に女性の健康課題を中心に御発表いただきました。ただいまの御発表につきまして、御質問、御意見のある構成員はお願いします。いかがでしょうか。大須賀構成員、お願いします。
○大須賀構成員 女性の健康課題について非常によく取り組まれているということで見ておりました。その中で、eラーニングが非常によくされているということで、これは男女両方にされているかと思うのですが、Nの数の男性と女性の比率がちょっと分からなかったのと、男性従業員がeラーニングを受けて、そして理解度が深まっている事実が、女性社員にフィードバックされているかどうかをお伺いしたいのです。というのは、女性社員が会社において、やはり男性が同じ会社で理解していると思うと安心感が増すかと思うのですが、その辺はどのような感じになっているのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 岡山様 弊社で言うと、母数が40,000人ぐらいいまして、この資料は女性だけです。このときは女性だけで実施しましたが、その後に、男性従業員も含めて展開しましたので、人数としては4,000人ぐらいが女性、3万6,000人ぐらいが男性です。管理職に関しては、これと、管理職は特別なマネジメント向けのをやっていますので、そこは6,000人です。そういうものを踏まえて、職場の活性度とかエンゲージメントスコアで、刈取りをします。女性の受止めと男性の受止めを。
○大須賀構成員 ありがとうございます。男性のほうもしっかりと進めていかれるということで安心しました。
○本田技研工業株式会社 岡山様 どうしても、やはり女性だけとなってしまうと不公平ですし、男性が正しく理解する必要もありますので、男性も女性も問わず展開をしていきます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほか、古井構成員、お願いします。
○古井構成員 貴重なお話ありがとうございました。大須賀先生もおっしゃったのですが、eラーニングで理解をするという構造と、それから理解をしたかという効果測定がすごくマッチしていて、理解度が高いのが非常に出ていると思いました。その中で、ちょっと聞き漏れかもしれないのですが、がん検診の結果の所で、「今日をきっかけに近いうちに受診する」という方のその後のフォローというか、受診の確認みたいなことはされていますでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 実際のところ、受診をしたかどうかということは、具体的には刈取りはできていない状態ではあります。
○古井構成員 分かりました。ありがとうございます。
○本田技研工業株式会社 岡山様 補足しますと、健康診断はその年の上期に実施しますので、今年度の上期で刈取りをします。
○古井構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 すみません、議事録を作成する際に必要になりますので、お名前を名乗ってください。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ホンダの健保の岡山と申します。もともと、3月まで担当していましたので同席しています。
○髙田座長 ありがとうございます。その他にいかがでしょうか。まず、立道構成員、お願いします。
○立道構成員 がん検診を企画する場合は、国が指針を出しているのですが、そういうものはどのぐらい意識されているものなのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 やはり国の施策というところはベースにあると思いますので、そちらを参考にしながら、産業医の先生も含めて制度の制定には意識してやっていっていると思います。
○髙田座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、松岡構成員、お願いします。
○松岡構成員 医師会の松岡です。スライド2についてお聞きしたいです。もともと3社のテーマということで、今回、課題として女性の健康課題と男性更年期が上がったわけですが、例えば、女性が少ないことや、諦めてしまったり等、様々な問題を抱えて、今回このように取り組まれたというイメージを持ったのですが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 そうですね。生産現場ですとライン従業員の方もいて、女性の比率は少ないものの、その女性がラインから抜けることは生産に影響をして、余計に女性からの訴えもしにくいという現場の声もありますし、逆に、研究層からいくと、どうしても男性職場が強い色なので、そこで、やはり自分の体調の訴えはしづらいという現場の声がありまして、そこは共通した女性の課題ということで話題になっております。
○松岡構成員 それでは、スライド3で、2024年度から2027年度にかけて取組を計画的に実施いただいておりますが、最終的な目標として、「定着する」・「維持・改善する」と読み取れます。定着の目標というのは、女性が定着する、働き続けることができることを目標にしているというイメージでよいですか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 そうですね。最後はそういった職場環境になればいいなというところはありますが、やはり周りの、働いている管理監督者自身がきちんと理解して、双方にうまく職場環境が作れればというところが、「定着する」という企業風土のところが最後の目標だと思います。
○松岡構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そうしましたら、立石構成員、お願いします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。興味深い発表をありがとうございました。このような情報を皆さんで共有しながら施策を決めるときに、例えば、つい最近まであった日本産業衛生学会のような所も、最近のトピックスみたいなものが非常によく取り上げられるのではないかと思います。そのような一般的に取り上げられているものではなくて、3社合同でやったということは、やはり自動車業界特有のリスクのようなことをある程度評価しながら、優先順位を立てていくときの情報共有の1つの場と。先ほどのワシオ商会さんのときと、ちょっと共通する課題なのですが、どのような項目を従業員に提供するのが一番いいのかということをみんなで議論しながらやっていくと、そのような趣旨で、この3社合同みたいなものをやっていたと理解したのですが、その理解でよろしいのでしょうか。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ありがとうございます。発案したのは私なので、簡単に言いますと、看護職の皆さんは、専門職で、自分のことはとてもよく頑張るのです。でも、社会動向に対する視野とか、企業という観点では少し弱かったので、私が上司になったときに、そういった成長支援をしようと思ったのです。ですので、トヨタとか日産とかホンダという、自動車業界の中では、規模が大体同じ会社に向けて勉強会をしたというのが本音です。ですので、もともとこういったテーマを作りましたが、やはり他社との交流を通じて自分を磨く、磨いた結果、従業員に還元するのが大事だと思いますので、そういうことで取組を始めました。
○立石構成員 承知しました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。時間が押していますが、亀澤構成員、お願いします。
○亀澤構成員 申し訳ありません、亀澤です。御発表ありがとうございました。6ページの資料の関係です。こちらに女性のがん検診のことが書いてあるのですが、2行目の所に、「女性比率の高い被扶養配偶者に導入」ということも書かれていて、下のほうの「婦人科の健診を単独で受診できるように契約期間拡大」と書いてあるのですが、それは、女性従業員だけではなくて配偶者のことも意識されているということでよろしいでしょうか。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 はい。御認識のとおりです。
○亀澤構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほか、この時点でどうしても聞いておきたいことはありますでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、本日はお忙しい中、ありがとうございました。
○本田技研工業株式会社 岡山様 ありがとうございました。
○本田技研工業株式会社 髙橋様 ありがとうございました。
○髙田座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思います。
続きまして、構成員の亀澤様、御発表をお願いします。
○亀澤構成員 全衛連の亀澤です。発表の機会を頂きましてありがとうございます。ここでは、こちらに書いておりますように、主として職域を対象にして健診機関が実施しているがん検診の実態について、データに基づいて御説明をし、最後に、ごく簡単ですが、歯科健診について触れたいと思います。
次のシートをお願いいたします。全衛連の概要です。会員機関は、本日現在で全国に116機関があり、健診を実施している施設は総数で182施設あります。この会員機関全体で実施している1年間の健診実施総数は御覧のとおりです。職域に関しては、全国の事業場で行われている職域健診の相当数をカバーしていると考えておりますので、この全衛連で把握しているデータを分析すれば、全国の事業場での健診に関する状況がおよそ把握できるのではないかと考えております。
次、お願いいたします。全衛連では、毎年、会員機関の健診実績を調査しております。左上の囲みにありますのが、職域と住民に分けたがん検診の実施件数です。職域のがん検診は、協会けんぽの生活習慣病予防健診、それから事業者で行われている人間ドックの受診者数を合計したものとなっております。緑色が職域及び住民の合計数、その下の青色が職域、赤色が住民です。2024年度が最新データですが、傾向は右に記載しておりますとおり、職域は増加傾向となっております。
次のシートをお願いいたします。がん種別に分けた経年変化となっております。左上が職域の経年変化です。がん種別のがん検診の内容ですが、冒頭に御説明したように、この資料のがん検診のデータは協会けんぽの生活習慣病予防健診、それから、人間ドックからとしておりますので、そこで行われているがん検診が含まれております。胃がん検査は胃X線検査と内視鏡検査、大腸がん検査は便潜血検査、肺がん検査は胸部X線検査、子宮がん検査と記載しておりますのは子宮頸がん検査で細胞診、そして、乳がん検査はマンモグラフィと超音波検査となっております。
この棒グラフでみますと、職域では、胃がん検診以外は増加基調となっております。職域で増加している背景をどう考えるかですが、ここでは胸部検診しかデータがありませんが、そちらを見てまいりますと、40歳以上の胸部X線検査の受診者の平均年齢をみますと、2022年度から2024年度にかけて男女ともに上昇しております。がん検診の受診年齢についてデータがありませんのではっきりしたことは言えませんが、このデータから、働く人の高齢化を背景として、このような方々が職域において、がん検診を受診されているのではないかと推察しております。
次のシートをお願いいたします。今までの御説明は全衛連の会員機関のデータを基にした分析でした。これ以降はデータの元が違います。全衛連では、会員ではない健診機関も対象とし、健診技術のボトムアップを目的とした精度管理調査事業を5分野の検査を対象に行っております。このうち、画像系の3分野について御説明したいと思います。
健診機関が事業者や保険者から健診を受託する際の条件として、外部機関の行う精度管理調査に参加し、良好な成績を修めていることを求められるケースが多く、会員機関でない所も含めて多くの健診機関が全衛連の行う精度管理調査事業に参加しておられます。
具体的な評価方法ですが、健診施設で撮影された画像、それから、健診システム管理状況の報告などの書類を御提出いただき、専門家による審査が実施されて評価される仕組みです。また、評価するだけで終わりではなく、今後の健診技術の改善につながるように専門家によるアドバイスも行われています。
次のシートをお願いいたします。評価項目を具体的に示したものがこのシートです。提出された画像を評価するほか、星印を付けておりますが、その星印を付けた項目のように、肺がん検診チェックリスト、それから胃がん検診チェックリストの項目に準じて、要精検率や、精密検査の受診者把握率についても評価をしております。次のシートは、説明を飛ばしたいと思いますが、精度管理結果の通知書です。
次のシートをお願いいたします。この精度管理調査において提出された書類を分析した結果を基にして、精密検査受診者を施設がどの程度把握しているかということを見てみたいと思います。一般的に、各健診機関はがん検診を実施した後、精密検査が必要な人には受診可能な検査機関の紹介、それから紹介状を発行し、精密検査受診後に、最初に検診を実施した機関に対して結果報告書が提供される仕組みを運用しておりますが、このような方法によって、精密検査受診者の把握に努めている施設は、ここにありますとおり、肺がん検診、胃がん検診では、それぞれ8割弱という状況です。
そして、その右側に書いておりますが、健診機関で把握している精密検査受診状況は4割から5割という状況となっております。大変恐縮です。表に誤りがあり、精密検査受診者の数字、今、会場で御覧いただいている方々は正しい数字になっていると思います。胃がん検診のところが、事前に公開していただいた数字では、3万3,842人でしたが、今、御覧のとおり3万3,684人が正しい数字です。それから、その下の腹部超音波検診についても、事前に公開した資料が6万4,231人でしたが、今、御覧いただいているとおり、6万4,036人が正しい数字となっております。次の9ページに同様の欄がございますが、この9ページの数値が正しい状況です。申し訳ございません。
また、5大がんには含まれておりませんが、参考資料として御提示しておりますが、腹部超音波検診については把握に努めている施設の割合が御覧のとおり9割を超えております。これは把握に努めるよう日本人間ドック・予防医療学会で指導されていると伺っており、このような御指導の成果ではないかと推察しております。
次のシートをお願いいたします。精密検査の把握に努めている施設を御覧いただきましたが、そちらが要精密検査の人のうち精密検査受診の有無をどの程度把握しているかについて分類して示したグラフになっております。把握に努めていると言っても、7割未満の人しか受診の有無を把握できていないところが多いことが分かります。健診機関にとって受診の有無の把握、受診を勧奨することはマンパワーの問題もあり、この問題を解決するには工夫が必要であると考えております。
次のシートをお願いいたします。まとめです。まとめは御覧のとおりです。ここではデータをお示しできておりませんが、男性に比べて女性は、精密検査受診率が比較的高い、その結果、がん発見率も高いという報告もございます。精密検査受診率を高めるためには、健診実施者である事業者や保険者から、健診受診時に精密検査受診の重要性をお伝えいただくことも重要ではないかと考えております。
最後のシートです。次のシートをお願いいたします。歯科健診の実施状況です。これは歯科医師、歯科衛生士による虫歯検査と歯周病検査を実施しているものをまとめたものです。推移ですが、若干、増加傾向にあるかと。先ほどお話がありましたように、コロナの時期には少し減りましたが、その後は増えているようです。このほかにも簡易検査に関心を持っている会員機関も一定程度あるという状況です。説明は以上です。ありがとうございました。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。ただいま、全衛連で行っておりますがん検診の実績推移、それから、精度管理調査、歯科健診の実施状況について御発表いただきました。この御発表について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 発表ありがとうございます。標準化について、ほかの機関のほうまでやっておられるということで、非常に感銘を受けて聞いていたのですが、特に、胸部レントゲンと胃のX線は、市町村の場合は健康増進法の推奨項目なので標準化のマニュアルがバチッとありますよね。職域の場合は割とそこが努力義務的になっていたりするのですが、例えば、標準化を受ける所の機関で、市町村健診の多い所とそうではない所とで標準化にばらつきがあるとか、逆に、そのような所は応募してこないのかもしれませんが、市町村健診をやっているほうが法的な裏付けになる標準化が課されているという状態になっているので、そこのところで違いがあるかどうかを教えてください。
○亀澤構成員 ありがとうございます。そこまで詳しいデータはないのですが、参加している機関、それから全衛連の会員機関においても、住民健診に非常に強いというような所も参加しております。
○岡村構成員 恐らく、その辺で違いが出てくるのかなと思っています。職域だけで特化すると、その辺の縛りが非常に緩くなり、極論をすると、何か、国の推奨ではない検査をしたということで、問題になってしまうので、それの違いが出てくるのかなと思ってお聞きしていました。
○亀澤構成員 先ほど御説明したように、星印のところを入れておりますので、そこは十分認識していると理解しております。
○岡村構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかに、いかがでしょうか。古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございました。4ページ目のがん検診の実施実績が増えている背景で1つ、働き盛り世代の平均年齢というのがすごく面白いなというのと、先ほど、ワシオさんからもお話があったのですが、私も都道府県の健康経営の評価・認定委員をやっていると、年々すごく、特に中小企業さんで、がん検診を取り入れる所が増えております。お話に合った増加の背景として、大企業と中小企業の割合とか、その違いなどはあったりしますか。
○亀澤構成員 ありがとうございます。何件実施しているかということは御報告いただいていますが、健診を受託している事業場の規模については把握をしておりません。
○古井構成員 ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございます。その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、亀澤構成員、御発表いただきましてありがとうございました。これで、ヒアリングは以上となります。それでは、続いて議事(2)に移ります。事務局から資料の説明をお願いいたします。
〇樋口産業保健支援室長 それでは、議題(2)に関して事務局より資料の御説明をいたします。お手元の資料5を御覧ください。今回、議題(2)では、前回の論点について、今までのヒアリングを踏まえながら御議論いただきたいと考えております。資料5をご覧いただくと、前回の論点について、改めて掲載しております。第1回の各委員からの御意見について、それぞれ太字で、関連のところにまとめています。
それから、前回の御議論のところで、がん検診を正しい理解の下で教育を受けながら受診したほうがいいという論点、それから地域職域連携についても参考になるという御意見がございましたので、参考資料1-1、参考資料1-2については、がん検診の教育関係の資料を付けております。それから参考資料2については、地域職域連携の資料を付けております。それぞれの資料説明は割愛いたしますが、この議題(2)の議論において参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。資料の説明は以上です。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。そうしましたら、事務局より資料5に論点を示していただいておりますが、いずれの論点についてでも結構ですので、本日のヒアリングのことも踏まえて構成員から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございます。がんの予防について発言いたします。がん検診を受けない理由として、「受ける時間がないこと」や「費用がかかること」などが挙げられます。今回、プレゼンいただいた中にも、受診費用の補助につながる公的な補助金や助成金などを活用したという説明もありました。がん検診の受診率向上のためには、がん検診の受診に対応できる有給休暇制度の導入やその受診費用の補助に加えて、検診の意義、労働者自身にとっての必要性に関する理解向上に向けた教育や周知といった様々な取組が必要だと思います。
労働者自身の健康のため、がん健診受診に対するプライオリティを高める教育の一層の強化とともに、企業によるがん検診の受診に向けた環境整備なども、がん検診受診の動機付けになると考えます。
一方で、自身の健康にもともと無関心な労働者にとっては、疾病など具体的な自覚がない限り、周囲からどんなに検診を推奨されても、受診する行動には結びつけることが難しいと思います。そこで、がん検診を指針に追加するこのタイミングで、THPの一次予防として、健康保持増進に関心のない層に対しても、さらなる取組の強化が求められるのではないかと思います。また、今後の高齢化を見据え、若年の頃からの健康保持の意識の向上や健康に向けた行動の習慣化について、がんの予防の観点からも指針においてこれまで以上に推進することも考えられるのではないかと考えます。
最後に、コラボヘルスについて発言いたします。本日、ワシオ商会さんのプレゼンで協会けんぽと協力した事例がありましたが、協会けんぽには、中小企業の労働者を中心に日本全国で4,000万人近い方が加入しております。一次予防である「がんに関する啓発」や「がん検診の受診率向上」に向けては、協会けんぽのより一層の取組も必要ではないかと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局から今の件について、よろしいでしょうか。ありがとうございます。その他いかがでしょうか。大須賀構成員、お願いいたします。
○大須賀構成員 私は女性の健康について発言いたします。女性の健康問題というのは従来、女性は様々な女性特有の健康問題に対して我慢をするということが当たり前になっていると。その我慢から解放されることによってパフォーマンスも上がりますし、本人の健康も増進できることになります。ただ、なぜ女性が我慢から解放されないかというのは、1つは知識がないことが多く、先ほどのホンダさんのeラーニングのお話にもありましたように、やはり会社等で知識を共有していき、普及していただくことは非常に重要です。
もう一点は、ワシオ商会さんのほうで、男性も不妊休暇を取るという話があったのですが、恐らく女性の健康問題や不妊症といった、こういった問題というのは、職場で相談しにくいと従来から言われております。むしろ、非常に小さい企業であれば、直接、社長さんに言ってOKというようなことができるのかもしれませんが、比較的大きな企業になりますと、その職場において誰に相談すればいいか分からない、言っていいかどうかも分からない、男性の理解が得られているかどうかも分からないといった問題があります。ですから、職域において女性の健康問題を、どこにおいても相談しやすい体制というのが非常に重要なのではないかと考えております。その辺の整備が何らかの方法でできれば、健康増進につながるのではないかと考えております。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局はよろしいですか。続いて、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 がん検診について、ひとつ発言をさせていただきます。今後、事業者ががん検診を導入するときに、どこまでが責任なのかという議論をさせていただければと思います。というのは、地域保健でのがん検診は、実施主体である自治体が責任を持ってがん検診を受けさせて、また検診項目も対策型検診としてガイドラインに基づいて行って勧奨し、最終的に結果がどうだったのかという精度管理までを行うというのが基本になっています。事業者が行う場合には、外部に委託をして、最終的な結果まで実施責任者である事業者が全ての情報を収集して精度管理を自治体のように行うのは様々な理由で無理だと思います。とはいっても、事業者ががん検診を行う実施主体である以上、例えば、委託先の機関が適切なレベルにあることを確認するとか、受診勧奨をどのようにやるのかなど、事業者としてどこまでの責任や役割を持ってもらうか、がん検診を行うときには考えていただくことをセットで勧奨することが必要と思っています。住民検診そのものの内容をそのまま事業場に持っていくのは無理なので、そのような全体像の中で検診内容にプラスアルファの議論ができるといいかなと思っています。以上です。
○髙田座長 重要な御指摘ありがとうございます。そのほかにいかがでしょうか。亀澤構成員、お願いします。
○亀澤構成員 ありがとうございます。今の森先生のお話にも関連するのですが、先ほど御説明しましたように、健診機関でも把握率が9割を超えている所、まだまだな所、できていない所、いろいろあります。私ども全衛連では、精度管理調査をきっかけに、きちんと把握するようにと周知しておりますし、ほかの学会でも指導されているということですので、きちんと把握できる機関を推奨していくということはとても大事かと思いました。
それに関連して、先ほど最後に申し上げたことでもありますが、実施者側である事業者側や保険者側の方々から受診者に対して、必要であればちゃんと精密検査を受診することはとても大事だということを言っていただくことがとても大事なことではないかと感じております。
先ほどの、健診機関がフォローアップするということですが、それについては3か月に1回葉書を出すとか、電話をするということに力を入れて把握率の向上に努めてますので、そういうところについてもコストがあるということを実施側の方々にも御理解いただけたらと思いました。
もう1つ、女性の健康問題の話で、先ほど大須賀先生からお話がありましたが、この度の女性の問診項目が追加されたことにつきまして、全衛連から他の団体の方々にお声掛けをして、立石先生にも御説明いただく説明会を開催しました。そうしましたら、健診機関は、実際に事業場に対して、これから問診項目を活用していく側ではあるのですが、健診機関においても多くの女性が働いていますので、自分たちも事業場の1つとして取組を進めていかなければいけないということが、専門家の話を聞いてよく分かって、そういう大事さを男性もよく知る必要があるのだなということに気が付いたという話を聞きました。分かりやすいツールを使って情報提供することがとても大事ではないかと感じました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。鈴木構成員、お願いします。
○鈴木構成員 経団連の鈴木です。御指名ありがとうございます。本日のヒアリングで感じたところも含めて3点申し上げます。
1点目は、医療保険者や地方公共団体との連携です。前回もその重要性について発言させていただきました。本日、ワシオ商会様、関東ITソフトウェア健康保険組合様、ホンダ様から、連携して取り組まれているというお話がありました。森先生からの、事業場がどこまで責任を負うかという御指摘は大変重要な論点かと思います。画一的にどこまでと明確化できるかどうかの知見は持ち合わせていないのですが、事業場の規模によっても異なりますし、特に自治体検診の話も含めると状況が異なると思いますので、実施主体が役割や責任を丸抱えすることになるわけではないというメッセージを打ち出すことが重要ではないかと改めて感じたところです。
2点目は、本日も構成員の皆様から御指摘のあった労働者の教育です。労働者の気付きや行動変容に関しては、ホンダ様から貴重なお話をお聞きしたところです。例えば、がん検診で言いますと、立道構成員が代表を務められている「職域における科学的根拠に基づくがん検診の社会実装に関する研究」の成果として、参考資料1-1にあるマニュアルの解説動画や、がん検診を受診する労働者への教育動画を掲載したウェブサイトなど様々なツールがあると承知しています。
労働者への教育については、どのようなツールが、どのような行動変容につながるのか、一度、検討が必要な気がしています。大企業であれば、労働者の理解度が進んでいる会社もあり、女性特有の健康課題についての理解を深める動画からスタートすることもあり得ると思います。他方、そもそも健診や検診について理解が十分でない小規模事業者や、あるいは労働者、管理監督者に対して、理解の段階に応じた教育ツールが考えられないか。つまり、ある段階に到達したら、別の内容に飛ぶイメージです。ホンダ様からeラーニングを通じた行動変容についてお話がありましたが、eラーニングと言ってもいろいろなやり方や形態があると思います。どのようなものが労働者に刺さるのかとか、そうしたところを改めて検討するきっかけにしてはどうかと思ったところです。
3点目は、地方における体制の整備です。先ほど関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤様から、地方では国保や協会けんぽの検診対応で手一杯という御指摘がありました。経団連は大企業の参加も多い組織ですが、一部の地域・地方においては、がん検診を受診できる医療機関へのアクセスに苦慮しているという声を頂いております。
がん検診、精密検診の受診率を高めるために、どこで働いているか、どこに住んでいるかにかかわらず、医療資源にアクセスできる環境づくりは大変重要です。地方におけるがん検診の提供体制を整備することが重要ですし、そのために、例えば医療機関等による調査の実施を含めた実態の把握も今後の検討課題になり得ると思う次第です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。続きまして、岡村構成員、お願いします。
○岡村構成員 この件については、例えば、被扶養者であるとか、パートタイマーのところが、結局、市町村と企業でやっているところの隙間に落ちないようにというのが一番大事で、一番問題なのは、どちらかがやっているだろうと思って、そこのところが飛んでしまうのが一番怖いところなので、先ほどの責任問題もそうですが、ここまでは責任を持って、ここまでは市町村なのだよというところをある程度明確にしておかないと問題点が出るだろうというのが1つです。
やはり基本は、本人の所属意識からすると、会社の単独健保で、会社名と同じ健保だったら、そこの所属意識が個人はありますよね。市町村の人は、そこの市町村に住んでいるという意識はあるのですが、例えば、職種団体保険者であるとか、協会けんぽになると、被保険者がそこに所属しているという意識が多分ほとんどないだろうと思います。特に、保険証がなくなるので、そもそも何に加入しているのかを知らせることさえ協会けんぽは難しくなっているので、それで全員入るアプリを作ったりして、いろいろ努力はしているところがあります。まず、被保険者の所属意識がどこにあるかを踏まえた上で対策を立てないといけないのではないかというのが、一番そこが気になるところです。制度面では、もちろん会社と健保は別ですよとか、市町村の事業とは別ですよというのは制度上はそうですが、個人は検診を受けて悪くなったら医療機関にかかるということしか普通は考えていないだろうと思いますので、そこを分かりやすく整理できるかどうかというのが一番のポイントになると思います。
○髙田座長 重要な御指摘ありがとうございます。続きまして、武藤構成員、お願いします。
○武藤構成員 ありがとうございます。先ほど来、亀澤構成員も繰り返しお話されておりますが、精検受診率の把握ですが、精度管理として我々検診施設として、検診の結果の把握には努めているのですが、実際の現場では、最終的に医療機関側から、例えば、悪性なのか、悪性ではないのか、あとは進行なのか、早期なのか、あるいはステージングとか、そういったところまでの結果が得られないことが多くて、かなり苦慮しているところです。割と住民検診のほうは様式が整っていまして、それにきちんと書いていただけることが多いのですが、職域の場合はそれがないものですから、十分な結果が得られなくて困っていることが多いものですから、その辺を、国としてある程度出していただけると助かるかと思います。
もう一点は、先ほどワシオ商会様から非常に良い取組が発表されまして、中小企業における好事例ということで、今回の攻めの予防医療に本当に合致しているような事例かと思います。単に保健事業に取り組むだけではなくて、従業員が元気になって、雇用率が上がるということで合致している内容です。今回、こういった形で公表されているとは思いますが、こういった好事例、良い事例を出していただけると参考になるかと思いました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、古井構成員、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。今、スライドに出していただいている所で、森先生が先ほどコメントされた所がやはりすごく重要だなと感じています。がん検診はもちろんすごく良いことですが、何となく、がん検診をやりさえすればいいという理解になってしまうと、中小企業さんを含めて難しいのではないかと思っています。やはり技術的に、4ページの個人情報の取扱いとか、そもそも話のあったがん検診の意義を正しく理解して、その上で、もしやる場合には、目的をちゃんと社員に明示して社員の理解を得た上で、労働生産性とか、社員のウエルビーングに期するためにという、そこまでやる必要がありますので、一律的にやればいいというのではなくて、やる意義とか、やる場合にどういう手順やプロセスが必要かということを少し丁寧に、議論もそうですが、指針なりに書き込んだほうがいいのではないかという意見です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。及川構成員、お願いします。
○及川構成員 及川です。攻めの予防医療ということですので、攻めの予防ということについて、企業としての評価を頂けることも必要だと思いますし、やっている個々の従業員として、あるいは上司が評価するとか、人に対する評価もあるのだと思います。しっかりと必要だという教育をするとともに、そういうことをやっている企業が、例えば、攻めの予防をしている企業として金融機関から評価をされるとかということも必要だと思います。今、中小企業の賃上げ問題が重要になっていますが、賃上げ問題をするときに、賃金表や、賃金表に合わせて人事評価ということが中小企業でも進んでいます。そういった中の評価に、攻めの予防の中で、しっかり検査のフォローアップを実施しているかどうかという意識付け、あるいはしたかどうかという評価もあるのだと思います。
やはり、形だけ攻めの予防をして進めると、地域性や規模間に、この攻めの予防医療についての格差が生じてしまうことを危惧していますので、やはり、現場サイドの準備をしっかりすることが重要ではないかと考えております。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。先ほど来から何度もお話をしていますが、これは通達等で出された場合において、各企業がしっかりと頑張ったことが、それなりに成果が出やすいような、そのような文書になっていることが大事ではないかと思っています。
具体的には、こういうものが、ある程度エビデンスがあるということが明確に分かっているのですよみたいなものが、通達なのか、本文なのか、若しくはアペンディックスみたいなものなのか、そういうところに記載されていて、効率の良い選択を、まず最初に考えていただいて、その上で、当然それ以外のものを選択していただいてもいいのですが、何が効率が良いというふうに全般的には言われているのかということを少し分かりやすい形でイメージすることが大事であるということと、本日議論されたような、例えばワシオ商会さんのような、ナラティブな情報も非常に重要な情報だと思います。つまり、従業員がこれだけハッピーになったとか、これだけ定着につながるようなことになったとか、新しい求人につながるようになったみたいな、そのようなことも、ある種企業の側からすると成果なのだと思っています。私たち医療職の成果と言うと、どうしてもがん検診を受けっぱなしになって、精密検査には行っていない人みたいなエビデンスの方向ばかりに着目してしまいますが、やはり事業所の中で行うものに関しては、事業者にとってメリットがあること、労働者にとってメリットがあることというような視点で整理されることが大事だと思いますので、生の声というような、このような対策を行うと、こういう良い成果があったものも併せて記載されることによって、事業者が一歩進めてみようかというモチベーションにつながるのではないかと思ったところです。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、立道構成員、お願いします。
○立道構成員 どうもありがとうございます。先ほどから、本検討会は攻めの予防医療ということですが、攻めの予防と言うと、日本はとかく、健診や検診がオリエンテッドになるという傾向があって、健診や検診を実施することが目的化しているというか、目標化してしまっている部分がありますので、前回、第1回目で発言させていただいたように、やはりリテラシーを上げて、労働者の方に健康意識を持っていただくことが一番重要かと思っています。それがあって初めて、がん検診も受診した後、精密検査も受けてくださるということになりますので、その辺のところをもう一度強調したいと思います。
さらに、検診をサービスという形で捉えられると、例えば、がん検診を若年者の方からすることが、より良いサービスなのではないかということで、例えば30歳からがん検診を始めるとか、そのようなことが職域では起こっています。実はその場合には偽陽性という不利益を多く被ってしまうことがあります。検診を企画する段階においては、今、立石構成員がおっしゃられたように、やはりエビデンスがしっかりあるということを明確にした上で、その効果が期待できるものに関して実施するということは明確に指針に載せていただきたいと思います。
あと、岡村構成員がおっしゃられたのですが、どのレベル、どの範囲が地域で、どのレベルが会社で関与すべきかというのは非常に重要な課題です。今、職域のがん検診マニュアルを分かりやすくすることを検討しているところですが、職域というのは一体どこまでのことを指すのか、その定義はすごく難しいところがあります。その辺のところも議論が必要になるかと思っています。私からは以上です。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。続きまして、松岡構成員、お願いします。
○松岡構成員 日本医師会の松岡です。本当に今日は皆様の意見を聞きながら、すごく考えさせられることの多い検討会だと思いました。先ほどのお話の中で、鈴木構成員、岡村構成員がおっしゃっていたお話に近いですが、大企業と中小企業ではできることと、そうではないことが違うということ。そして、職域と地域での健診のところで、どちらが責任を持つのかが、論点ともなりうる。本日の会議は職域の先生方が多く、地域の現状がどうなっているかは見えないというイメージを持っておりました。1つ、地域で私たち医師会は住民健診をほとんど請け負っております。特定健診から、がん検診についても請け負っており、その中で肺がん検診、胃がん検診等、もちろん婦人科の健診も行っている状況です。そして、医師会と市町村が一緒になって精度管理を行い、レントゲンも内視鏡も二次読影を行っている所がほとんどとなっております。
ただ、そのような中で、がん検診については、住民が受ける権利を持っている状態です。ただ、住民が受ける権利を持っていることを、働いている方たちは余り御存じないということがあり、職域だからすべて事業者がやるのか、そうではなくて、今あるものを活用していくのか。それで結局、どちらつかずの方が出てきてしまうということを不安に思った次第です。
住民健診については、先ほど精度管理の話もありましたけれども、チェック機構が多く存在し、精密検査を受けたら、市町村に報告するというように、すでに一定の組織になっております。そのため、住民健診についてはデータをとりやすいのではないか、そのようなものが職域で応用できるものも多々あるのでは、という印象を持ちました。
あと、がん教育については、様々なことについて正しい情報をお渡しする必要があると思いますが、現在、がん教育が子供たちの間で実施され始め、様々な健康教育を、小学校、中学校、高校と徐々に、そのレベルに応じて教育されている現状があります。本来はそこでリテラシーを養うことを基本として考えるかと思います。今、子供たちに対して、そのような要望がとても大きいため、基礎は子供時代で養い、大人のほうでも健康教育を行うという大きな面で見たほうがよいかと思いました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 度々すみません。今、松岡構成員がおっしゃられたように、住民のがん検診は、基本的に精度管理もしっかりされているということで、無理に職域で実施するということではなくて、実際にがん検診の案内が届いている自治体の場合でも、我々の調査では、届いているのを知らないというか、無視されているという事実があります。逆に、それが届いているのなら、そちらを受けてくださいということも十二分にあり得ることです。何もかも全部職域でやるというのではなくて、行政サービスもしっかりと利用するということも重要なので、その辺のインフォメーションも、しっかりと与えていく必要があるのではないかと思っています。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 追加させていただければと思います。産業医大の立石でございます。今、攻めの予防医療ということで、二次健診的な要素も少し包含したような内容で、THPの指針の改訂の議論が進んでいるかと思います。
二次予防のところまで進んでくるとなると、例えば今般、女性の健康問題のことが取り上げられたりということがありました。そうなってくると、今まで表在化しなかった潜在化していたような健康問題というのが、どうしても事業者の目の前に顕在化してくるようなことが存在してくるのではないかと思います。
その場合において、やはり顕在化して、そのまま放置するということはよろしくないわけで、基本的には、やはり出てきた問題に関してインクルージョンしていくと。すなわち、両立支援的な視点というような問題が起こったとしても、そもそもそういう人たちも、会社の中で仲間として包含していきながら、健康増進全般を進めていくというのも、二次予防だけではなくて両立支援的な要素も少し含んだような通達文みたいな形にしていかないと。見付けたけれども、いや、あなた、見付けてちょっと就業能力がないからみたいな、そういうような問題になることは、やはり一番恐れなければいけないことだと思います。そこまで少し書き込めるような要素があるのであれば、書き込んでいただきたいというように、議論を聞きながら少し思っていたところがありましたので。忘れていたので、追加で発言させていただきました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ここまで議論があった、がん検診の場合、全国で一定の内容や質で受検できる体制はある程度整っていると思います。一方で、今日の発表の中で複数の提示があった歯科検診について、仮に歯科検診をTHPなどで推奨したときに、そもそも全国事業場がどのぐらい歯科検診を受けられるのか、その供給側が整っているのかについて、私は情報がないのですが、分かっているのでしょうか。自治体で実施されている健診は、歯科医院を受診されるのが基本だと思いますけれども、事業場側のニーズとしては、事業場に来てやってほしいということがあります。法定の項目ではないので、項目については有効性に関するエビデンスがあれば選択肢はたくさんあってもいいのですが、供給側がどのぐらい提供できるのかは、推奨する以上知っておかないと無責任になるのではないかなという気がします。もうすでにデータがあるのかもしれませんが、その辺りも一度確認が必要かなと思っている次第です。
○髙田座長 ありがとうございます。重要な御指摘ですが、事務局、何かございますか。
○樋口産業保健支援室長 今、御指摘の点のデータが出せるかどうか、分かりませんけれども、宿題ということで承りたいと思います。ありがとうございます。
○髙田座長 そのほかはいかがですか。オンライン参加の清田構成員は、特によろしいでしょうか。
○清田構成員 日商の清田でございます。発言をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○髙田座長 今、聞こえております。お願いいたします。
○清田構成員 前回と繰り返しになってしまうのですが、本件につきましては、あくまで指針の議論をしている中において、いかに自主的な取組を促していくかという視点が重要だと思っております。しなければいけないことの制約を高めていくと、かえってその取組が躊躇されてしまうのではないかと、聞いていて感じたところでございます。取組が必要であること、それから、取り組んだ成果がどういうものであるかというところを丁寧に説明していくことが最も重要だと思います。
加えまして、地方や、中小企業の視点での御意見を皆様が出されておりました。その点におきまして、どのような支援が必要なのか、リソースの少ない中小企業でも、できる体制というのがどういうものなのかということも含めて議論ができればと思っております。私からは以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがですか。安井部長、お願いいたします。
○安井安全衛生部長 御意見を頂きたいところがあるのですが。例えば、全衛連の出された資料の中で、職域の検診については、実施人数については伸びていて、住民検診については減少しているというデータが、3ページにあります。これは全国的に、かなりそういう状況にあるようで、これは、女性の就業率の向上などもあって、そのような傾向があるので、そういう意味では、職域で頑張ってくださいという議論の流れもあるのですけれども、日本全体で見ると、要するに、職域を増やしても、その分、自治体が減ってしまうと、トータルでは増えないので、トータルで日本全体の受診率を上げていくために、何か御示唆があれば頂きたいのです。
○髙田座長 いかがでしょうか。がん検診になりますと、立道構成員になると思いますが、まず、いかがですか。
○立道構成員 繰り返しになりますけれども、受診率を上げることが、果たしてそれでアウトカムにつながっていくかというと、今の職域のがん検診は精度管理も行われていない状況で、受診率だけを上げても、精密検査受診率が高い状態で受診率を上げていかないとアウトカムが得られません。従って、まずは仕組み作りをした上で、受診を促していく必要があると思います。
もう一点は、やはり御本人が、がん検診を、なぜ受けなければいけないのか、あるいは、受ける必要があるのかということを理解していることが重要であり、がん検診というのは、非常に肉体的にも精神的にも負担になります。例えば陽性になった場合は、がんの疑いがあるということで心理的なストレスが掛かるものですので、それはしっかりとした、先ほどの情報提供というのか、教育を通じて、がん検診の意義を理解した上で受診していただくことが必要なので、まずは、理解を上げないと、受診率も上がらないし、精密検査受診率も上がらないと思います。
検診を専門としている立場から見ていると、がんの年齢調整死亡率は下がっているのです。なぜ下がったかというと、胃がんと肝がんの、いわゆる感染症のがんは下がっているのですけれども、大腸がんとか乳がんは、どちらかというと、がん検診で救えるものに関して言うと、横ばいなのです。世界では、がん検診がしっかりと機能している国は下がっていて、日本のがん検診がうまくワークしていないことは世界的に言われていることなのです。その辺のところも、実は情報提供がしっかりなされていないことが課題ではないかと専門家では捉えているところです。結論からいくと、やはり情報提供がしっかりなされて、御本人が納得した上で、がん検診を受けていただくことが大事であると考えます。
○髙田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○安井安全衛生部長 ありがとうございます。それに関連するというか、今、自治体のほうが例えば精度管理がしっかりされているとか、そういう御発言もありましたけれども、例えば職域で検診を実施するだけではなくて、職域において自治体の検診を受けるように促していく戦略というのはいかがでしょうか。
○髙田座長 こちらも、立道構成員。
○立道構成員 基本的に我々は、まず、どちらを推奨するのかを決めた上で、職域で精度管理までできないのであれば、自治体のほうに促していくということも必要であると、先ほど発言させていただいた文脈の中で、そのように考えております。
○髙田座長 ありがとうございます。岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 ひとつ、ややこしいのは、要するに、特定健診が保険者単位になっているので、それは会社とか、保険者で受ける感じになり、それに定期健康診断がくっついているから、胸部のレントゲンはそちらでやってしまうのです。だから、社員の方は、それの区別がつかないので、他のがん検診もその類いだろうと、恐らくつながっている感じがあるのです。制度としては違うのですが、一般には、そこがほとんど訳が分からないということが多分、正直な理屈だろうと思います。
それから、もし、市町村のほうでということになると、それこそ、職務専念義務免除か、年休か、何かをあげないと、職場を離れても大丈夫かというところが非常に必要になってきますので、そうしたら多分、受けなくなるというか、職場で受けられないので、要は、同調圧力で受けるので、そこが外れてしまうと、かなり意識の高い人しか行かなくなってしまうだろうと。年休を取ってまで市町村の健診に行くのは、よほどの人ですので、そういう方は自分でもきちんとやっているだろうなということに恐らくなってしまうだろうと思います。
○髙田座長 受けやすい機会というのも重要になってくると思います。
○岡村構成員 やはり制度がややこしいということですね。特定健診と定期健康診断と、がん検診が、受ける側からすれば、別に知ったことではないと、制度が違うということは。
○髙田座長 松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 松岡です。皆様が受診するか、受診しないかについて、お金の問題がかなり大きいと思います。職域で受ける検診は、ほとんど人間ドックが多いかと思っているのですが、全部の項目をを丸めた健診となるので、そのお金の費用負担をしなければならないという観点に加え、先ほど武藤先生にも、少しお話したのですが、今のように経済状況が悪くなってくると、お金の掛かるものは受けなくなっていきます。市町村では、がん検診だけであれば、ある程度はお金を抑えられるかという印象がございます。そこの補助的な内容によっても、受けるきっかけの1つになるのかと感じます。
○髙田座長 ありがとうございます。武藤構成員、追加はよろしいですか。
○武藤構成員 同じことなので。
○髙田座長 ありがとうございます。そのほかはいかがですか。部長、何かございますか。よろしいですか。そのほか、全体的なことで発言しておいたほうがよろしいことなど、ございませんか。よろしいでしょうか。いろいろ貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。
そうしましたら、本日の議題は以上で終了いたします。ヒアリング、それから本日、頂いた構成員の意見も踏まえまして、次回の検討会においては、御意見を踏まえた対応案を御議論いただきたいと思いますので、事務局のほうで準備をよろしくお願いいたします。それでは、事務局にお返しいたします。
○藤井産業保健支援室長補佐 ありがとうございます。次回の検討会の日程については、事務局から改めて御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。それでは、これで、本日は閉会といたします。どうもありがとうございました。

