2026年3月5日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
令和8年3月5日(木)18:00~
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
出席者
- 出席委員(21名)五十音順
-
- 赤羽悟美
- 阿古潤哉
- 石川欽也
- 大谷壽一
- 大森哲朗
- 川上純一
- 小玉美智子
- 佐藤雄一郎
- ○佐藤陽治
- 柴田大朗
- 外園千恵
- 髙橋悟
- 田﨑嘉一
- 野津寛大
- 長谷川俊史
- 堀恵
- 前田愼
- 松野智宣
- 宮川政昭
- ◎森保道
- 矢野育子
(注)◎部会長 ○部会長代理
- 欠席委員(2名)五十音順
-
- 佐藤直樹
- 吉崎麻子
行政機関出席者-
- 宮本直樹 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 紀平哲也 (医薬局医薬品審査管理課長)
- 安川孝志 (医薬安全対策課長) 他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは、「薬事審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本会議はペーパーレスでの開催といたします。会場で御参加いただいている委員におかれましては、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくこととなります。操作等で御不明点等がございましたら、適宜、事務局までお知らせください。本日の会議における委員の出席についてです。
佐藤直樹委員、吉崎委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、川上委員、髙橋委員の御参加が遅れているようです。本日は、現在のところ、当部会委員数23名のうち19名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度御協力を賜り、誠にありがとうございます。それでは、森部会長、以降の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~No.20を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料No.20に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。議題1「イフェクサー」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題2「ルセフィ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題3「ドジョルビ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題4「ジョエンジャ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題5「アムベルビスト」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。議題6「アフリベルセプトBS」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。議題7「希少疾病医薬品の指定の可否」:退室委員:阿古委員、議決に参加しない委員:石川委員、外園委員、前田委員、矢野委員。議題8「再審査期間の延長」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。今の事務局からの御説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項8議題、報告事項4議題、その他事項4議題となっております。
それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項議題1につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品イフェクサーSRカプセル37.5mg、同SRカプセル75mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構から御説明いたします。
審査報告書を御覧ください。はじめに、審査報告書の一番下、全21ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、ベンラファキシン塩酸塩を有効成分とするSNRIであり、本邦では、「うつ病・うつ状態」に対して承認されています。今般、全般不安症患者を対象とした国内臨床試験において、本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では全般不安症に対して、米国で1999年3月に承認され、2025年11月現在、米国及び欧州を含む84の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている4名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、通し番号で6ページの表3を御覧ください。全般不安症患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「ベースラインから8週時までのHAM-A合計点の変化量について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。また、通し番号で9ページの表8を御覧ください。副次評価項目の結果を載せております。先ほど御説明した主要評価項目において、プラセボ群と本剤群の群間差が試験計画時に想定した群間差よりやや小さかったものの、副次評価項目に設定された各評価項目について、いずれもプラセボ群と比較して本剤群で改善する傾向が認められたこと等を踏まえると、全般不安症患者に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて、通し番号で9ページの表9を御覧ください。主な患者背景別の「ベースラインから8週時までのHAM-A合計点の変化量」について、女性ではプラセボ群と本剤群で差が認められませんでした。明確には結論付けられませんが、女性においてプラセボ反応性が大きい可能性が考えられ、女性においても本剤投与によりHAM-A合計点の減少傾向が認められていること等から本剤の有効性は期待できると判断し、当該判断については専門協議においても専門委員に支持されました。
次に、安全性について、通し番号で11~15ページ、「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。国内第III相試験の有害事象の発現状況について、プラセボ群と比較して本剤群で臨床的に特段問題となる有害事象の発現は認められていないこと、うつ病・うつ状態の患者を対象とした臨床試験における有害事象の発現状況と比較して、臨床的に問題となるような作用は認められていないこと等を確認しました。したがって、本剤を使用する場合には、本剤の添付文書において既になされている注意喚起に準じて使用されることを前提とすれば、全般不安症患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
本剤は、本申請は、新効能医薬品であることから、再審査期間は4年とすることが適切と判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
御審議、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。それでは、精神科領域の御専門の大森委員から御発言がございましたらお願いいたします。
○大森委員 このベンラファキシンという薬自体は、うつ病で10年の歴史が既に日本国内でもありますし、国外でもGAD(全般性不安障害)への適応は多数の国で取っているので、特に問題ないかなと思います。一つだけ、ちょっと分からない点を質問したいところがあるのですが、成績の所で、2023年5月8日以前と以後に分けている項目が、性別とうつ病の併存の項目の後にあるのですけれども、これはどういう事情なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただいたのは、通し番号で9ページの表9の結果であると理解しております。今回は2023年5月8日前後での比較をしたのですけれども、こちらはCOVID-19がメンタルヘルスに大きな影響を与えるとの報告があるため、その影響を評価するために、治験登録時期が5類感染症移行前後での評価をしました。
○大森委員 それで、両方とも特別大きな違いはなかった。
○医薬品医療機器総合機構 はい。御理解のとおりです。
○大森委員 この前後で違いはなかったということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。先生の御理解のとおりです。
○大森委員 分かりました。あと特に問題は、私は感じておりません。
○森部会長 ありがとうございました。これは、機構の方に確認ですけれども、今、我が国では、全般不安症に関する診療ガイドラインや治療指針はありますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現時点では、学会から出されている診療指針はございません。関連学会の動向を申請者に確認したところ、現在作成中ということで回答を得ております。
○森部会長 分かりました。ありがとうございます。従来、治療選択肢としてはSSRIやSNRIなどの利用があり、ベンゾジアゼピンも使われているという状況で、どのように使い分けしていくのかという目安については、今後学会を中心にガイドラインを作成していただくという方向で理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。先生の御理解のとおりです。
○森部会長 この件につきまして、大森委員から御発言はございますか。
○大森委員 私の理解も今の機構からの説明どおりです。不安障害の中で、パニック障害、強迫性障害あるいは社交不安障害などは、既にガイドラインができているのですけれども、全般性不安障害は、まだ、ないのですね。恐らくこの病気の概念自体が十分浸透していなかったという事情が私の推測ではあります。それで、なかなか治験もうまく進まなかったりして、ガイドラインの作成も遅れているという事情だと思いますので、今後、ガイドラインができて、この病気についても広く知られるようになっていくと思っております。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移ります。議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ルセフィ錠2.5mg、同錠5mg、同ODフィルム2.5mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料については、資料No.2「ルセフィ錠2.5mg他」の審査報告書を御覧ください。
ルセフィ錠については、ルセオグリフロジン水和物を有効成分とするSGLT2阻害薬であり、本邦では2014年3月に成人を対象に「2型糖尿病」の効能・効果にて承認されており、2022年2月にはルセフィODフィルム2.5mgが剤形追加されております。小児の2型糖尿病患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づき、今般、「ルセフィ錠2.5mg他」の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。2025年3月現在、本剤は2型糖尿病に係る効能・効果として7か国で承認されており、小児の2型糖尿病に対する用法・用量が承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示しております専門委員を指名しております。
本剤の有効性及び安全性について、臨床成績、臨床試験の成績を中心に説明いたします。まず有効性に関して、審査報告書通し番号9ページ、表6を御覧ください。
食事、運動療法で十分な血糖マネジメントが得られていない10歳以上18歳未満の2型糖尿病患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「本剤群におけるベースラインから投与12週時までのHbA1cの変化量」は-1.45%であり、また両側95%信頼区間の上限値は事前に設定された評価基準の0.00%を下回りました。次に、9ページ、表7を御覧ください。主な副次評価項目に設定されたプラセボ群とのHbA1cの変化量の群間比較について、プラセボ群に比べて本剤群で2型糖尿病に対する改善効果が高い傾向が認められており、小児の2型糖尿病患者に対する本剤の臨床的意義のある有効性が示されたと判断いたしました。
続いて安全性に関して、11~12ページ表9及び表10を御覧ください。国内第III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、成人の2型糖尿病患者を対象とした試験と比較して、臨床的に問題となる傾向は認められませんでした。また、SGLT2阻害薬である本剤の既知のリスクである、低血糖、尿路感染症、生殖器感染症、頻尿、多尿及びケトン体増加についても、小児の2型糖尿病患者に本剤を投与した場合の安全性プロファイルは、成人と概ね同様であると考えられたことから、成人と同様の注意喚起を行うことで小児の2型糖尿病患者における本剤の安全性は管理可能であり、得られる有効性を考慮すれば臨床的に許容可能と判断いたしました。
以上、機構の審査の結果、小児の2型糖尿病患者に対する本剤の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と考えられたことから、承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。なお、本剤は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断いたしました。薬事審議会では、報告を予定しております。
なお、森部会長より、臨床試験においてフルニエ壊疽の発現が認められていることに関して、事前に御指摘を頂いておりますので、回答させていただきます。本剤を含めたSGLT2阻害薬では、性器感染症であるフルニエ壊疽が既知の事象として知られておりますが、本剤の小児を対象とした国内第III相試験において、フルニエ壊疽が48例中1例認められました。まず、当該1例の詳細な経過についてお伝えさせていただきます。こちらの症例については、13歳の女性であり、本剤投与86日後に外陰部の痛みが出現し、翌日に医療機関を受診して、クロトリマゾール、抗真菌剤の投与が行われるも、症状が悪化して、本剤の投与が中止されました。その後、皮膚科で入院し、切開による外科的処置及び一般病棟での入院管理下で、スルバシリンの静注投与が行われて、切開創は段差を残さず閉創して、フルニエ壊疽発症から13日後に回復いたしました。
続いて、SGLT2阻害薬であるダパグリフロジンとエンパグリフロジンについて、2023年より米国、欧州にて既に小児の2型糖尿病に対する適応追加がなされておりますが、そのダパグリフロジンとエンパグリフロジンにおける海外の小児の副作用報告の状況についてお伝えいたします。年齢や報告年数は明らかではない報告が含まれているのですが、そのような報告については集計には含めておりませんが、米国、欧州での小児の2型糖尿病に対する適応が追加された2023年以降、18歳未満の小児でフルニエ壊疽が発現したとの報告は、機構にはありませんでした。以上を踏まえると、国内外の臨床試験や市販後の情報からは、小児におけるフルニエ壊疽のリスクが成人に比べて明らかに高くなるという傾向は示されていないと考えますが、成人と同様に十分な注意喚起と対策が必要であると考えております。
続いて、添付文書とRMPの対応についてお伝えいたします。添付文書においては、8項の「重要な基本的注意」、11.1項の「重大な副作用」で、継続してフルニエ壊疽に関する注意喚起を行っております。さらに、17.1.4項の「臨床成績」の項に、今回の小児の国内第III相試験においてフルニエ壊疽が発現したことを追記いたします。また、RMPにおいては、重要な特定されたリスクに性器感染症が設定されておりますが、その設定理由においても、今回の小児の国内第III相試験におけるフルニエ壊疽の発現状況を追記いたします。さらに、作成予定のRMPに基づく資材を用いて、フルニエ壊疽の初期症状も含めて小児にとって分かりやすい内容をもって十分な情報提供を行い、フルニエ壊疽に関するリスクを最小化するように対応いたします。
機構からの説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問や御意見はありますか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 情報、ありがとうございます。ルセフィ錠2.5mg、それからODフィルム2.5mgがありますが、臨床試験でのODフィルムと錠剤の割合をおしえてください。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。御質問いただき、ありがとうございます。今回の小児による臨床試験においては、錠剤のみ使用できるという規定になっており、フィルムについては使用はありません。
○宮川委員 ODフィルムについて投与症例がないのにも関わらず、ODフィルムがここに記載されているのですが、このようなことでよろしいのでしょうか。それから、当初フィルムを2.5mg使っていても、増量で5mgにする場合には錠剤に変更するという認識であったのでしょうか。そういう症例は、どのぐらいあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 フィルムについては、臨床試験では使用はありませんが、既に錠剤とフィルムについては生物学的同等性が示され、フィルムが剤形追加されておりますので、問題ないと考えております。
○宮川委員 成人においては同等ですが、小児における同等性は示されていないのですが、これに対して機構はどのようにお考えでしょうか。証明されているという理解でしょうか、されていないという理解でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。特に、今回、適応追加になる対象については10歳以上と、ある程度成長している集団であることもあり、本剤の吸収や代謝等の過程については、基本的には成人と同程度であろうと考えておりますので、成人で認められた生物学的同等性というものは、今回の小児の患者さんにおいても当てはめることができるだろうと考えています。
○宮川委員 分かりました。考えているだけで、証明自体はされていないということでよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 実際に小児患者さんにおいては、生物学的同等性は、証明はされていません。
○宮川委員 ですから、小児に対しての症例はないのですねと聞いているのです。ないかあるかだけお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 ございません。
○宮川委員 ありがとうございます。それを類推して、本剤を承認できるかどうかという判断を私たちに求められていると思います。
それから、もう一つお聞きしたいのですが、24/31の所の最後のパラグラフです。
成人と異なり小児では部活などいろいろなことがあって、水分摂取も含めて様々な状況を考えなければならないわけですが、そのような部活等を行うお子さんたちがどのぐらいの割合いたのかということは収集されていないと書いてあるのです。多様であるということはここに書いてあるわけですが、そのようなお子さんたちに対する配慮というのは、今後どのようにしたらいいのでしょうか。添付文書に記載するのか、それともいろいろな資材への記載をもって対応するのか。仮に資材であれば、どのような注意点・観点を載せていけばいいのか、それに関して機構はどのようにお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。部活等の小児の活動状況について、今回、この審査報告に書かせていただいた経緯としては、増量の効果が認められるかどうかという観点です。宮川委員の御質問の意図についてお伺いさせていただきたいのですが、こちらの部活等による血糖管理や小児特有の何かそういうところに気を付けるべきかとか、そういうことに対してということですか。
○宮川委員 有効性ではなくて、安全性についてどのように考えればいいのでしょうかということです。意図はそれです。そのように書いてあるじゃないですか。「不遵守が認められた一方で」と書いてあるわけですが、そのような安全性に対する所に関してはどのように機構は解釈したのかということをお聞きしたわけです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。今回の記載した不遵守に関しては、食事・運動療法の不遵守ということになりますので、基本的には影響してくる点については有効性になるだろうというように考えています。一方で、ただいま御指摘いただいたとおり、小児の患者さんは様々な状況におかれると思います。今回のSGLT2阻害薬に関して、知られているリスクは幾つかありますが、例えば脱水やケトン体に関するリスク、そういった点については重要だと考えていますので、RMPの資材に基づく資材を用いて適切に注意喚起、情報提供をしていくことを考えています。
この点について、臨床試験での発現状況を確認しますと、症例数は限られているところはあるのですが、基本的には成人の患者さんでの臨床試験の成績と大きく変わる結果は得られていません。
○宮川委員 ありがとうございます。メトホルミンを使っていた方には上乗せした症例もあるわけですが、そのことと、本剤のみを使った場合の水分の負荷というものも十分に検討していかなければいけない点が抜けていて、臨床試験の結果に付記されていないですよね。そこに関しては、どのように考えるのかということが非常に重要なことだろうと思います。成長期のお子さんたちに対する問題としては非常に大きな点だろうと思います。親御さんがどのように管理するのか、それから医師がどのように管理するのか、一日の水分量はどうなるのか。特に日本においては、この頃、気温も高くなって非常に問題が顕在化しています。例えば、普通に過ごされているお子さんであっても、熱中症になっている中で、部活等を含めて、そのような記載がないということで、これをどのように取り扱ったらいいのかということは非常に重要なことになってくるのだろうと思います。それに対しては、医師が単に責任を取るという形だけでは、なかなかうまくいかないと思います。こういう観点が、臨床試験の中に盛り込まれていないということは、特に小児において問題ではないかと思います。SGLT2阻害薬に関しては、外気温による脱水など、そういうところに配慮しなければいけないということも含めて、企業側に機構が一定の注文を付けておくことは非常に重要なことかと思ったので、指摘させていただきました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 企業に、そのように伝えさせていただきます。御指摘いただき、ありがとうございます。
○森部会長 機構の方に、この件で一つ質問があります。臨床試験の実施のときに、被験者の方の水分摂取はどのように規定されていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 少々お時間頂けますか。
○森部会長 具体的には、学校などの課外活動も含めて、自由に飲水ができるように認められていたのか、の点です。特に学校ですと、例えばジュースや水とかお茶を持ち込んで良い場合といけない場合があるかもしれませんが、被験者については、そういうことを認める形で運用していたかということについて確認したいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。試験の規定としては、投与初期に水分の脱水などが起こり得る可能性があることから、投与初期は適度な水分補給を行うことということが被験者の管理という旨の規定はございます。
○森部会長 実際に患者さんが服用なさる際には、保護者の方も含めて、十分な情報提供を頂くということと、若しくは学校にも理解を求めるということも必要になってまいります。
○宮川委員 宮川です。今、部会長がおっしゃったように、小児の場合、学校生活の中で、様々に水分補給は、制限されていることがあるのです。ですから、従来のメトホルミンのような薬物とは違って、本剤は日中、例えば、成人であっても、ペットボトルを持参して午前中1本近く、午後にはそれと同等、若しくは少なくなってもいいけれども、十分に飲水するように、という指導をしなければならないわけですが、特に小児の場合には非常に気を付けなければいけません。繰り返しますが、教室等を含めて室温管理ができていない学校や施設等もあるわけですから、そのような所でもしっかりと対応できる建て付けができるようにしなければいけない一方で、この臨床試験のデザインがラフではないかと思います。今、部会長の御質問にお答えいただきましたが、そういうところがしっかりなされていないと考えます。どのぐらいの飲水量であったかの確認は当然必要な項目であろうかと思いますので、このような中身が明らかにならないのは少し問題があるか思いましたので、改めて何度もお伺いした次第です。
○森部会長 では、具体的な御助言も含めて、小児領域の専門の委員の先生方に御意見を伺ってみたいと思います。
では、野津先生から御意見伺ってよろしいでしょうか。
○野津委員 御指名ありがとうございます。神戸大学小児科学の野津と申します。まず、多尿になって脱水になりやすいということに関しては、私も非常に同意するところです。私は腎臓を専門にしているのですが、腎臓もやはり脱水が非常に怖いと。特に、移植後の腎臓、腎移植後の患者さんは脱水が非常に怖いですが、水分をしっかりと摂れということを徹底的に指導することで、脱水は防ぐことができます。
ですので、このお薬を内服するときは、もう脱水だけは絶対に駄目だということを徹底的に指導することによって、そのリスクは防ぐことができますので、やはりそこの注意喚起はしっかりしていただきたいと思いました。
それから、フルニエ壊疽の話が私にとっては非常に驚きです。私は腎臓を専門にしているものですから、製剤は違うのですが、ダパグリフロジンは結構飲ませることがあります。18歳以下には適応がないので、本当に限られた症例のみなのですが、それでも飲ませております。フルニエ壊疽の話は、私は実は恥ずかしながら今まで存じ上げませんでした。特に小児科においては、フルニエ壊疽という病名自体ほとんど知らなくて、これだけ重篤な副作用を小児科医がみている限りは、見逃す可能性があります。今回の症例も、多分、最初はカンジダ、真菌症だということで、抗真菌薬が投与されたと。治療が遅れたら、命に関わる病気ですので、これは本当にかなりの注意喚起が必要なのではないかと強く思います。私たち小児科医が、この女の子に陰部が痒いとか痛いとか言われても、なかなか、そこに、すぐにフルニエ壊疽を疑うとはまずなりませんので。それから、やはり会陰部の視診には私は非常にためらわれるところがあります、特に思春期の女の子に対しては。ですので、これは結構見逃してしまう可能性があって、非常にまれな合併症であるということは存じ上げているのですが、ただ、小児科でフルニエ壊疽を起こすなどということは、まずないと。私が「医中誌」でフルニエ壊疽、小児で調べると、10数例しか出てこないのです。ですので、小児科医がこれを診断するのは本当に難しくて、これを発症したら命に関わる病気ですので、ここの注意喚起は本当に重要だと思っております。ですので、今、添付文書を読ませていただいても、小児科医は人ごとのようにしか思えないような記載だと思っており、この点の注意喚起をいかにするかということは、小児への適応拡大においては非常に重要だと思いました。何とか、ここをしっかりと注意喚起していただける体制を整えていただきましたら幸いです。以上です。
○森部会長 御意見ありがとうございました。機構から御回答はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。まずは水分の所に関して、あとフルニエ壊疽に関しては十分に承知させていただきました。
今回、追加の医薬品安全性監視活動であるRMPに基づく資材を作成予定ですので、そちらについて、小児に関しては特に水分の摂取、そしてフルニエ壊疽に関しても、こちらの初期症状も含めまして、小児にとっても分かりやすい内容をもって十分に情報提供させていただきたいと思います。リスクを最小化する方針で検討しています。そちらで御理解いただきたいと思います。
○野津委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○森部会長 それでは続きまして、長谷川委員から御発言賜ります。
○長谷川委員 ありがとうございます。今、野津先生からもお話がありましたように、私もフルニエ壊疽というものは今回初めてお伺いした次第です。当然、医師になって30年以上経ちますが、まだ経験はありませんので、是非、注意喚起をお願いした方がよろしいかなと考えた次第です。
それから、水分に関しては、恐らく今時ですので、夏場の熱中症予防のために多分多くは体育のときなども水分補給を学校側もかなり力を入れてされているので、制限などは余りないかなと思いますので、特にこの内服中の子には注意していただくように、学校側との情報共有が大事なのかなと思っていますので、そのように内服している子供さんには情報共有しながら、注意すべきことを共有していただくとよいのかなと思っています。以上です。ありがとうございました。
○森部会長 長谷川委員、ありがとうございました。小児は「小さな大人」ではないとよく言われているのですが、小児特有の様々な発達段階での特徴があります。産婦人科御専門の小玉委員にも御意見を伺ってみたいと思います。
小玉委員、御発言をお願いいたします。
○小玉委員 大阪大学の小玉です。私自身も実はフルニエ壊疽は見たことありませんで、今回のことで少し調べさせていただきました。一方で思春期の女児ですが、やはり婦人科を受診されるきっかけというのが、腟炎や外陰炎ということはよくあります。一方で、このように重篤な疾患になるということは、私自身も経験がこれまでありませんでした。思春期の女児というのは、やはりまだエストロゲンが低いと、思春期前のお子さんですね。そうしますと、腟粘膜も薄いという問題がありますし、また陰唇の発達もまだ未発達の状況なので、簡単に腟の中まで炎症が進展するということもあります。また、一方で、年齢的に未熟だということで、セルフケアとして外陰周辺の清潔保持というところで少し難しい点があることもあります。また、かゆいからということで、かなりこすってしまうということで炎症をより増悪させてしまうようなこともあります。特に思春期のお子さんが外陰炎になった場合、少し心配なのは、大きい病院に受診というよりは、やはり近くのクリニックに受診されることが非常に多いという特徴もあります。そういった意味で、やはり今回のこの重篤な壊疽に陥るかもしれないということを、広く注意喚起しておくということは重要ではないかと考えました。以上です。
○森部会長 小玉委員、大変貴重な御発言どうもありがとうございました。そうしますと、今の三人の委員の先生方の御発言などを十分考慮した上で、企業の方に資材を御作成いただきたいということになります。御本人並びに保護者の方に向けて、安全な適正使用に関する資材を御作成いただくということが、まずは必須かと思います。
添付文書についても、現在、成人向けベースの添付文書になっていますが、小児に向けて、もう少しきめ細やかな配慮、特に診療なさる先生方に向けてフルニエ壊疽の注意喚起が必要です。成人の糖尿病を診療する先生方はフルニエ壊疽については見聞きされ、実際に経験されている医師も多いかと思いますが、小児の領域では非常に珍しく、御経験がないということを伺いました。その上でなおさらですが、フルニエ壊疽に関する注意喚起をしておくということが重要だと考える次第です。この点について、機構から御提案等はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、添付文書においては、この8項の「重要な基本的な注意」、11項の「重大な副作用」の項に、既にフルニエ壊疽を記載している状況です。
ただ、今、頂いたとおり、こちらのフルニエ壊疽については稀な事象である、一方で重大な副作用に至るという事象であり、さらに小児においては特に気を付けておかないといけない事象ですので、こちらの周知徹底という所に関しては、追加の資材の所で徹底して情報提供していただくことで、企業に伝達させていただきたいと思います。
○森部会長 ありがとうございました。冒頭の御説明で臨床成績の所、17.1.4にフルニエ壊疽の発症があったことについて、追記いただくということでしたが、その部分を添付文書の他の箇所でも参照していただくということが何箇所かあるかと思いますので、具体的には8.4項など、それから副作用に関する項目の所についても、引用いただいて、その17.1.4の項目の内容を参照いただくという形にしてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましたとおり、参照させていただきます。ありがとうございます。
○森部会長 もし委員の先生方から、それでもまだ不十分だということであれば、もう少し分かりやすく小児についての注意喚起という項目を立てていただいた上で記載するということも候補になりますが、その点はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 今、部会長からありましたように、フルニエ壊疽というその言葉自体が普及していませんので、8.4の所に括弧して書いてありますが、独立した記述が本来からするとあった方が、実際に症例が出てしまっているので、注意喚起ということでこの言葉自体を独立させて記載した方が安全性が高まるのではないのかなと推察するのですが、いかがでしょうか。
○森部会長 御指摘ありがとうございます。機構からいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、11.1.の2項に関しましては、独立して記載をするように検討させていただきたいと思います。
○森部会長 具体的な御提案を頂きありがとうございました。その点に加えて、先ほどルセフィの剤形、錠剤とフィルムに関して、フィルムの適正な服用について資材で十分提供いただきたいということがあります。成人では、適正に御使用いただけると思いますが、小児の場合ではフィルム剤という薬剤自体、余り見慣れないということもあり、上手に適正に使っていただくことについて、保護者の監督が必要と判断しています。決して誤ってほかのお子さんが服用したりしないようにしなければいけませんので、面白がってそういったことがないように、十分注意喚起しなければいけないということを御理解いただきたいと思います。宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、部会長が適切に御指摘されたように、つまり普通のOD錠の剤形ではないわけです。フィルムであるということは、口腔内に入れて唾液で溶かしていくというODという形で同じなのですが、小児用薬の中においては余りそういう剤形はないものですので、その所の注意喚起は非常に重要だということを、是非、御理解いただきたいと思っています。今、森部会長がおっしゃったとおりなので、是非とも注意喚起をお願いします。機構にいつもお願いしているのは、これが臨床現場に実装されたときにどうなのかということを配慮していただきながら、こういうものを作っていただくということが非常に重要で、先ほどのフルニエ壊疽に関しても同じなので、実装されたときに世の中にどのようないろいろなインパクトを与えるのかということも、よくよく配慮しながら、注意喚起などの御説明や、企業とのやり取りをしていただきたく、よろしくお願いいたします。
○森部会長 宮川委員、ありがとうございました。今回、海外では、本剤の類薬であるエンパグリフロジン、それからダパグリフロジンが小児適応の拡大をされている、2023年からということで、機構の方には御無理申し上げて急いで安全情報を調べていただきました。幸い今のところ、フルニエ壊疽の報告は機構で確認されていないと承ったところですが、本邦も含めまして、この問題はしっかりと小児の中で安全に使用されているかということについて、現状を調査していく必要は高いと思います。現状、RMPの項目では性器感染という項目で挙げていただいているところですが、フルニエ壊疽ということも明確に分かるような形で、RMPの再構築の検討も頂ければということも考えています。この点については、先ほど機構から背景についての説明で加わっているということを伺っていますが、やはり今日、実際に委員の先生方から御意見を伺いまして、我々が想像していた以上に、小児領域の先生方にこの疾患が知られていないということが分かりましたので、今一度、しっかりとRMPに加えていただくということで、発売後の安全性監視についても尽くしていただきたいと考えているところです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。RMPについても、現在、性器感染との項目で書いていますが、先ほどの「重大な副作用」でも別個でフルニエ壊疽については記載させていただくということですので、RMPについても、フルニエ壊疽に関しては独立した重要な特定されたリスクとして挙げさせていただくことで検討したいと思います。
○森部会長 御対応ありがとうございます。そのほか先生方から御意見、御質問はありませんか。
赤羽委員、お願いいたします。
○赤羽委員 確認なのですが、小児科の先生方が今までそういう症例を御覧になったことがないということで、先ほど部会長も一言おっしゃいましたが、何か小児科の先生方にしっかり目に止まるような形の記載の仕方を工夫していただけるといいのかなと思いました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。今回、御指摘いただいたことを踏まえて、重大な副作用とRMPの重要な特定されたリスクについて独立して記載することということで検討させていただきます。そちらについては大きな変更として、実際に小児科の先生にもきちんと情報提供できるように、企業にも伝達させていただきます。ありがとうございます。
○森部会長 先生方からほかに御発言、御意見はありませんか。堀委員、お願いいたします。
○堀委員 ありがとうございます。先ほど保護者向け、または患者向けの資材をお作りになるとおっしゃったのですが、やはり今回のお話を聞いていますと、10歳以上の特に小児に特化した資材を作っていただけたらと思いました。その中で、特に保護者の方へという欄を作っていただいて、先ほどのフルニエ壊疽というようなことも、多分、保護者の方はお分かりになっていないかと思うので、女子とその保護者にむけて、その症状に関しても、どういう状態かということを、その経過に添いながらお子さんとともに保護者も確認をしていくような、そういう資材を是非、作っていただければと思いました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきまして、ありがとうございます。今回のRMP資材についても、患者向けの文書と保護者向けの文書を別で書く方針であり、お子様の方に関しては分かりやすい表現で、初期症状に気付きやすいということと、あと保護者の方にはしっかりとこのリスクについて分かるということで、相互にきちんと連絡が取れるなど、そういった形で情報提供できるようにということでさせていただきたいと思います。
○堀委員 ありがとうございます。
○森部会長 委員の先生方に確認でお伺いしたいのですが、今の堀委員の御発言を受けまして、資材を作るときに年齢によって分けた方がいいのかということについては、どなたか御助言いただけないでしょうか。野津委員や長谷川委員から御発言いただけますか。いかがでしょうか。
○野津委員 御指名ありがとうございます。野津です。今回は女の子が発症したと、もともとフルニエ壊疽は男性の方が多くて、今回の件で調べさせていただいたのですが、小児においても基本的には男の子の方が多い、女の子の方が少ないということは、小児においても同等だということは記載されていました。男の子だったら、私たち男性医師は結構すぐに見れるのですが、女の子が会陰部がかゆい、会陰部が痛いと言われてもなかなか見れない、そうするとそれに対して適切な診断ができない。例えもし見たとしても、それがフルニエ壊疽を診断する自信は私たちにはとてもありません。皮膚科や婦人科の先生方に見ていただくということになると思います。やはり成人の内科の先生方と、小児科の先生方で、このフルニエ壊疽の診断の的確性は大きく異なると思います。私たちも見たことがないので、これを正確に診断できるとはとても自信がない。見落とすと、治療開始が遅れると、命にかかわるし、ある程度適切にできたとしても、その会陰部に見た目上の後遺症が残ってしまう。もしかしたら形成的にまた修復できるのかもしれませんが、思春期の女の子にとって相当大きな心のダメージが残ってしまうのではないかと心配になるのです。
本当に稀な合併症であることは重々承知しているのですが、今回の治験の人数で、これが起こったということは本当に重大な事実だと思います。これは小児科医が見過ごして命に関わることだったら、本当にこれはえらいことになるので、やはり小児科医向けに、こういう合併症が起こり得るということは本当に注意喚起がすごく必要だなと感じています。すみません、うまく伝えられているかどうか分かりませんが、以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。本日、フルニエ壊疽を中心として、特に小児の患者さんに適用する場合に関して、注意すべき点を適切に十分に注意喚起すべきという御意見を頂きました。基本的には、先ほど御説明したような添付文書での注意喚起、小児向けの資材ということを考えていたのですが、それに追加して医療従事者向けにも十分な注意喚起をするということ、情報提供をするということを企業とも検討していきたいと思います。また、御参考までにですが、本剤の小児適応がなされた場合には、市販直後調査として、本剤のリスクを適切に医療現場に情報提供するということになりますので、その際にも十分な情報提供をするように企業に伝達したいと思います。
○野津委員 小児科医にうまく伝わるように、是非ともよろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 承知しました。
○森部会長 野津委員、一つ教えてください。小児科の学会や小児科の先生方の医会などに御相談をさせていただいて、適正使用に関する御助言を頂くという方向性は可能なのでしょうか。
○野津委員 このフルニエ壊疽は私も調べさせていただいて、私たちは結構、糖尿病をたくさん見ているのですが、やはり糖尿病患者さんで発症頻度が高いということは書いてあるのですが、私たち神戸大学の代謝内分泌グループの者にフルニエ壊疽を知っているかと聞いたら、ほとんど知らなかった、それが現実だと思うのです。
ですので、やはり、糖尿病領域やSGLT2阻害薬を使う領域においては、このフルニエ壊疽という合併症があるということは注意喚起が必要で、例えば私の属している小児腎臓学会においては、CKDに対して、SGLT2阻害薬を使うのですが、それは私たちもメーリングリストで注意喚起をすることは可能です。それが例えば代謝内分泌領域においても、それは可能だと思いますし、そういうところでしっかりと注意喚起することは重要ではないかなとは思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。SGLT2阻害薬に関しては、学会からもレコメンデーションが発出されていますので、企業を通じて、そのようなところからもアプローチが可能かという点についても、検討させていただきたいと思います。
○野津委員 ありがとうございます。
○森部会長 長谷川委員は追加で御発言はありませんか。
○長谷川委員 ありがとうございます。特にはないのですが、やはり非常にビジュアル的にインパクトがあるので、そういったことを情報提供のときにしっかり小児科医、特に処方される先生、内分泌、ひょっとしたらプライマリーの各科病院の先生方、クリニックの先生方も処方される可能性があるかもしれませんので、そういったところにきちんとそういった写真で情報提供していただくことでよろしいかと思いました。以上です。
○森部会長 御発言ありがとうございました。佐藤陽治委員、お願いいたします。
○佐藤(陽)部会長代理 佐藤陽治ですが、確認なのですが、口腔内崩壊フィルム剤について、添付文書が錠剤と何か違う所はありますか。資料ではちょっと見受けられなかったのですが、添付文書の中で何か書きぶりが違うなど、そういったところはどの辺になりますか。基本的には同じですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。錠剤とODで分かれて添付文書はありますが、基本的には書かれている内容は同一です。
○佐藤(陽)部会長代理 用法など、そういったところは何か特記してあったりするのですか。
○医薬品医療機器総合機構 今のところ、こちらについて記載分けはしていません。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 先生方には詳細に御検討いただきましたが、そのほか御意見はありませんか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただいてよろしいですか。では、議題2について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
では、続きまして議題3に移らせていただきます。議題3について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題3、資料No.3、医薬品ドジョルビ内用液100%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。審査報告書の通し番号の5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。
長鎖脂肪酸代謝異常症(以下、「LC-FAOD」)は、長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への輸送に関する酵素、又は長鎖脂肪酸のβ酸化に必要なミトコンドリアの酵素の遺伝子変異に起因する遺伝性疾患です。本疾患では、長鎖脂肪酸のβ酸化が障害されることで、TCAサイクルの機能が低下し、横紋筋融解症、低血糖症、心筋症等の臨床症状を呈します。現在、LC-FAODに係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、LC-FAODに対する新たな治療法が望まれています。
本剤は、奇数鎖の中鎖脂肪酸であるヘプタン酸3分子がグリセリンと結合した構造を有する薬剤であり、経口投与後にヘプタン酸とグリセリンに代謝されます。さらにヘプタン酸はアセチルCoA及びプロピオニルCoAに、プロピオニルCoAはスクシニルCoAに代謝されます。アセチルCoAはTCAサイクルの基質として、スクシニルCoAはTCAサイクルの中間体として機能することから、本剤投与によりこれらが補充されることで、LC-FAODにおける脂肪酸代謝の改善やエネルギー産生の向上が期待されます。
今般、申請者は、LC-FAOD患者を対象とした海外臨床試験等の成績に基づき、本邦における製造販売承認申請に至りました。海外において本剤は、2020年6月に米国で承認されて以降、2025年12月時点で五つの国又は地域で承認されています。なお、本剤は条件付き承認制度の適用対象とされており、令和7年11月の当部会において報告させていただいております。また、本剤は、希少疾病用医薬品に指定されています。本品目の専門協議では、資料No.19に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。
それでは本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性については、26ページの表10を御覧ください。外国人LC-FAOD患者を対象に、非盲検単群試験である海外第II相試験のCL201試験が実施されました。
主な評価項目である主要臨床イベントの年換算イベント発現率及び年換算イベント発現日数について、本剤投与前78週間と比較して、本剤投与開始後78週間ではいずれも低下又は減少する傾向が認められました。続いて、20ページ表23を御覧ください。外国人LC-FAOD患者を対象に、非盲検単群試験である海外第II相試験のCL202試験が実施されました。CL202試験は、前述のCL201試験から移行した患者を組み入れたCL201移行コホート、本剤の投与経験がない患者を組み入れた本剤未投与コホート、その他の機会で本剤の投与経験を有する患者を組み入れたIST/その他コホートから構成されました。主な評価項目であるCL201移行コホート及び本剤未投与コホートの、主要臨床イベントの年換算イベント発現率及び年換算イベント発現日数について、本剤投与前と比較して本剤投与開始後で、いずれも低下又は減少する傾向が認められました。以上の結果から、本剤のLC-FAODに対する一定の有効性は期待できると判断いたしました。
安全性について、40ページの表31を御覧ください。CL201試験及びCL202試験では、重篤な有害事象が一定の割合で認められたものの、その多くは原疾患に起因する事象である横紋筋融解症又は急性感染性疾患によるものでした。また、重篤な副作用も認められたものの、補液の投与や本剤の休薬等により、転帰はいずれも回復でした。長期投与時の安全性についても臨床的に問題となる傾向は認められませんでした。以上より、本剤のLC-FAODに対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
本剤は条件付き承認制度の適用品目であることに関して、44ページの表36を御覧ください。現在、国際共同第III相試験であるCL302試験が実施中であり、同試験に日本からも参加していることから、同試験を適切に実施し、同試験の成績が得られた際には当該試験成績を速やかに提出するとともに、医療現場に適切に情報提供することを承認条件とすることが適切と判断しました。
以上の検討の結果、「長鎖脂肪酸代謝異常症」を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。堀委員、どうぞお願いします。
○堀委員 今回、当該薬は患者年齢が新生児から使えるというように理解いたしました。つきましては、経口液剤が入っているボトル製剤について、1点確認させていただきます。やはり乳児や幼児が服用するということで、チャイルドロックがなされているかどうか非常に心配でしたので、御質問させていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 御質問、ありがとうございます。こちらは蓋にチャイルドロック機能が付いている製剤です。
○堀委員 分かりました。では、開けるのがかなり硬いということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 押して開けるタイプかと思います。
○堀委員 ちょうど500mLということで、ペットボトルと同じようなサイズですし、幼児の場合はなかなか文字が読めなかったりすると、普通のジュースと同じように思ってしまうリスクがあり、液剤が薬とは理解し難いかと思ったので、確認させていただきました。分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 写真については、資料に添付のとおりです。そのほかの先生方、御質問や御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。議題3について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、議題4に移らせていただきます。議題4について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題4、資料No.4、医薬品ジョエンジャ錠10mg、同錠30mg、同錠70mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料No.4「ジョエンジャ錠10mg他」の審査報告書を御覧ください。
活性化PI3Kδ症候群(以下、APDS)という疾患は、PI3Kδをコードする遺伝子の変異により、PI3Kδシグナル伝達が過剰に活性化することでリンパ球(B細胞やT細胞等)の発生や分化等に異常を来す免疫不全症です。
現在、本邦において、APDSに係る効能・効果で承認された薬剤はありません。本薬、レニオリシブリン酸塩は、PI3Kに結合し、PI3K活性を阻害することにより、ホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸の産生を阻害し、B細胞及びT細胞の活性化、増殖及びサイトカイン産生を阻害することで、APDSに対する有効性を示すことが期待されます。APDS患者を対象とした臨床試験の成績に基づき、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2026年3月現在、APDSに係る効能・効果で米国、英国、オーストラリア及びイスラエルで承認されていますが、12歳未満の小児の用法・用量について、承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示す専門委員を指名しております。
本薬の有効性・安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。12歳以上については、海外第II/III相の2201試験及び国内第III相LE4301試験の成績、12歳未満については、2201試験の成績を参考に国際共同第III相のLE3301試験の成績に基づき、本薬の有効性及び安全性を評価いたしました。
12歳以上における有効性に関しては、審査報告書の通し番号81ページ、表76を御覧ください。
12歳以上のAPDS患者を対象とした海外第II/III相2201試験の第III相パートの主要評価項目である「log10変換した12週時の標的リンパ節病変の2方向積和(以下、SPD)のベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」のいずれにおいても本薬群とプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められました。次に、同81ページの表77を御覧ください。12歳以上の日本人APDS患者を対象とした国内第III相LE4301試験の主要評価項目である「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」について、2201試験の第III相パートと同様の傾向が認められました。
12歳未満における有効性に関しては、審査報告書の通し番号82ページ、表78を御覧ください。
12歳未満のAPDS患者を対象とした国際共同第III相LE3301試験の主要評価項目の一つである「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」において2201試験第III相パートの結果と同様の傾向が認められ、もう一つの主要評価項目である「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」においても2201試験第III相パートと同様に、ナイーブB細胞の割合がベースラインから増加する傾向が認められました。また、日本人集団における結果については、同82ページの表80を御覧ください。日本人症例数は限られるものの、全体集団と同様の結果が認められました。
以上より、12歳以上及び12歳未満のAPDS患者に対する本薬の一定の有効性が示されたと判断いたしました。
安全性に関して、審査報告書の通し番号68~70ページ、表65~表68を御覧ください。各試験における有害事象等の発現状況については、臨床的に問題となるような傾向は認められませんでした。また、審査報告書の通し番号73~74ページを御覧ください。本薬の非臨床試験で認められた事象又は他のPI3Kδ阻害剤の投与に関連して認められている事象を中心に検討を行いました。好中球減少症については、本薬の臨床試験において重篤な有害事象として発熱性好中球減少が認められており、好中球数減少の副作用が複数例で認められているといったことなどを踏まえると、本薬の投与による好中球減少症のリスクについては、医療現場に適切に注意喚起する必要があると判断いたしました。
以上、機構での審査の結果、12歳以上及び12歳未満のAPDS患者に対する本薬の一定の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件及び一定数の症例データが蓄積されるまで、全症例を対象とした製造販売後調査を行う旨の承認条件を付した上で承認して差し支えないというように判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
なお、事前に森部会長より、2201試験の臨床検査値の結果として、好中球数の減少が認められた治験参加者が一定数いることは、添付文書で情報提供することが望ましいのではないかという御意見を頂いております。こちらの御意見を踏まえ、添付文書の「17.臨床成績」の項において、臨床試験で好中球数の減少が認められた治験参加者の例数及び割合については情報提供させていただきます。
機構からの説明は以上です。御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、ありがとうございました。21例中7例に軽度から中等度の好中球数の減少があったということで、33%になります。そちらについての記載ということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。御理解のとおり、臨床検査値として好中球数の減少が認められた治験参加者の割合については、添付文書に記載させていただきます。
○森部会長 御対応、ありがとうございます。その他、先生方から御意見はございますか。免疫不全症が背景にある疾患の治療薬で、好中球数減少の副作用が潜在的にはリスクになり得るということ、FNという好中球減少による発熱の症例も実際にあったことから、この点は注意喚起が良いと思いました。御回答を頂きありがとうございます。ほかに先生方から御発言、御意見はありますか。柴田委員、今回の試験は小児の12歳未満の症例では、表78の成績ということで有効性が検討されていますが、この方法についてはいかがでしょうか。
○柴田委員 こちらはエビデンスのレベルとして不十分なところはありますけれども、このような対象疾患に対して現時点で得られるデータとしては、しっかりとした分析がされていますので、こちらで有効性を評価されることについては異存ありません。
○森部会長 御意見、ありがとうございました。そのほかの先生方から御意見、御発言はありますか。よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。
議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題5及び議題8に移らせていただきます。議題5と8については関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思っております。では議題5について、機構から説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、アムベルビスト静注について機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全48ページの通し番号で5ページを御覧ください。本剤は、環状構造の非イオン性ガドリニウムキレートを1分子中に四つ有する細胞外液性の環状型ガドリニウム造影剤(以下、「mGBCA」)と申し上げます)です。既承認のmGBCAの40%のGd用量で同程度の診断能が得られるMRI検査用造影剤として開発され、今般、国際共同臨床試験成績等に基づき、「磁気共鳴コンピューター断層撮影における下記造影:脳・脊髄造影及び躯幹部・四肢造影」を効能・効果として製造販売承認申請されました。なお、本剤は、2026年2月現在、欧米において承認審査中です。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、29ページの表24を御覧ください。中枢神経系(以下、「CNS」)病変を有する又は有することが疑われる成人患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目とされた三つの描出パラメータ、「造影効果」、「辺縁明瞭度」及び「内部構造」のいずれについても、本剤と対象薬のスコアの差の95%信頼区間の上限は非劣性マージンとされた0.35を下回り、既承認のmGBCAに対する本剤の非劣性が示されました。また、31ページの表27を御覧ください。CNS以外の身体領域に病変を有する又は有することが疑われる成人患者を対象とした国際共同第III相試験においても、同様に既承認のmGBCAに対する本剤の非劣性が示されました。また、小児患者を対象とした国際共同第I/III相試験において、探索的に検討した描出パラメータ等の結果から、小児患者における本剤の描出能が示唆されております。
これらの結果から、小児患者を含め、MRIにおける脳・脊髄及び躯幹部・四肢の造影に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
安全性について、37ページ、7.R.2項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象は、腎性全身性線維症(NSF)、脳内及び脳以外の臓器・組織におけるGdの残存、並びにアナフィラキシーです。本剤投与に当たっては、これらの事象の発現に注意する必要があるものの、既承認のmGBCAと比較して新たな安全性上の懸念は認められていないことから、本剤の安全性は許容可能であると判断しました。また、以上の安全性プロファイルを踏まえ、本剤について承認後直ちに製造販売後調査を実施する必要はなく、市販直後調査並びに通常の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動による安全性情報の収集及び提供を通じて、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断しました。以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。続きまして、議題8について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題8、資料No.8、再審査期間の延長の可否について御説明いたします。医薬品の再審査期間につきましては、小児の用量設定等のための臨床試験を計画する場合で、必要があると認められる場合には、個別に部会に諮った上で、再審査期間を延長しております。本部会で御審議いただくアムベルビストの磁気共鳴コンピューター断層撮影における脳・脊髄造影及び躯幹部・四肢造影については、先ほど御説明があったとおりですが、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を初回承認より2年延長し、10年間とすることが適切と判断しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。特段ありませんでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、外園委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。
まず、議題5につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題8につきまして、延長を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、審議事項の議題6と報告事項の議題1に移らせていただきます。審議事項の議題6と報告事項議題1は、関連する議題ですので、まとめて御審議いただくこととなっております。審議事項議題6及び報告事項議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、審議事項議題6と報告事項議題1について御説明いたします。
まず、報告事項です。資料10の審査報告書を御覧ください。本剤は、ヒトIgG1のFcドメインにヒトVEGF受容体の細胞外ドメインを結合させた組換え融合タンパク質であるアフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続4]を有効成分とする製剤であり、アイリーア硝子体内注射液40mg/mL及びアイリーア硝子体内注射用キット40mg/mLを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として、セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン株式会社より製造販売承認申請がなされました。
3/27ページをお開きください。本剤の効能・効果は、先行バイオ医薬品と同様に加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管及び糖尿病黄斑浮腫に関するものとなっております。なお、先行バイオ医薬品が有する効能・効果のうち血管新生緑内障及び未熟児網膜症については、再審査期間及び特許の関係から今回の申請対象には含まれておりません。用法・用量については、いずれも先行バイオ医薬品と同様です。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤とアイリーアの同等性/同質性が確認されたことから、本剤をアイリーアのバイオ後続品として承認して差し支えないと判断をしております。
本剤の毒薬・劇薬の指定の要否については、先行バイオ医薬品アイリーアは、原体・製剤ともに「劇薬」に指定されていることから、アイリーアと同等/同質である本剤についても原体・製剤ともに「劇薬」とすることが適当と考えております。
また、本剤はチャイニーズハムスター由来の細胞を用いて製造されることから、「生物由来製品」とすることが適当と考えております。生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否及び毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問がありましたらお願いいたします。特段、ありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、外園委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、審議事項議題6につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。また、報告事項議題1につきましては御確認いただいたものとさせていただきます。
続きまして、議題7に移ります。阿古委員におかれましては、薬事審議会審議参加規定第5条に基づき、議題7の審議の間、会議室から一旦、御退室いただきまして、御待機いただくこととなっております。お願いいたします。
○事務局 それでは、議題7、希少疾病医薬品として指定することの可否について、御説明いたします。今回、御審議いただく品目の一覧は資料No.7-1のとおりです。
資料No.7-2から順を追って説明いたします。
まず、資料No.7-2、一酸化窒素。申請者はMallinckrodt Manufacturing LLC、予定効能・効果は「肺動脈性肺高血圧症(以下、PAH)又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(以下、CTEPH)に伴う右心不全の改善」で、当該疾患は指定難病に指定されております。いずれも肺動脈圧や肺血管抵抗が増大する疾患であり、疾患の進行により右心不全を引き起こす、予後不良な疾患です。いずれの患者も、本邦の既承認薬による治療を行ったとしても急性増悪し、右心不全を生じることがあり、右心不全の急性期治療として利尿薬及び強心薬が使用されるものの、既存治療としては充足していません。本剤は吸入剤であり、選択的に肺動脈を拡張するため、体血圧への影響が少なく、循環動態が不安定な当該疾患の患者に対する新たな治療選択肢となることが期待されます。
開発の可能性について、重度の右心不全を有するPAH又はCTEPH患者を対象とした国内試験において有効性が確認され、安全性について明らかな懸念は示唆されておらず、当該試験成績等に基づき、承認事項一部変更承認申請が予定されております。
続きまして、資料No.7-3、Aficamten。申請者はバイエル薬品株式会社、予定効能・効果は「閉塞性肥大型心筋症」で、当該疾患は指定難病に指定されており、本指定は小児開発を対象としたものです。
肥大型心筋症は左室流出路の狭窄の程度により閉塞性肥大型心筋症と非閉塞性肥大型心筋症に大別されます。本邦では、症候性の閉塞性肥大型心筋症患者に対して自覚症状の改善を目的としてβ遮断薬やカルシウム拮抗薬の投与が推奨されており、それらの投与により十分な運動耐容能や自覚症状の改善が認められない患者に対してマバカムテンが承認されておりますが、小児患者に対する用法・用量が承認されている薬剤はありません。本剤は心筋ミオシンに対するアロステリック阻害剤であり、当該疾患患者での心筋の過剰収縮を抑制することで、運動耐容能や自覚症状の改善に寄与することが考えられます。開発の可能性については、6歳以上、18歳未満の患者を対象とした国際共同第II/III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-4、同じくAficamten。申請者は同じくバイエル薬品株式会社で、予定効能・効果は「非閉塞性肥大型心筋症」で、当該疾患は指定難病に指定されております。
本邦では、症候群性の非閉塞性肥大型心筋症患者に対して自覚症状の改善を目的としたβ遮断薬やカルシウム拮抗薬等による薬物療法が推奨されておりますが、当該疾患に係る適応を有する既承認薬はありません。非閉塞性肥大型心筋症患者における心筋の過剰収縮を抑制することで、本剤については運動耐容能や自覚症状の改善に寄与することが期待されており、開発の可能性については国際共同第III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-5、serabelisib。申請者は科研製薬株式会社、予定効能・効果は「難治性脈管奇形」です。本邦における患者数は約34,000人と推測されます。外科的切除や硬化療法による治療が困難な難治性脈管奇形では、致死的な経過をたどる可能性のある、頚胸部への浸潤による呼吸障害、重篤な出血傾向等を伴う場合があります。本邦においては、シロリムスが難治性脈管奇形の効能・効果で承認を取得しているものの、間質性肺疾患や免疫抑制作用による感染症等の安全性の課題があります。本剤は、PI3Kαを選択的に阻害する低分子化合物であり、国内第III相試験において有効性が示唆されております。現在、国内第III相長期投与試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-6、イプタコパン塩酸塩水和物。申請者はノバルティスファーマ株式会社、予定効能・効果は「一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎」です。当該疾患は、指定難病である一次性膜性増殖性糸球体腎炎のサブタイプの一つです。当該疾患は、無症候性の蛋白尿や血尿から急速進行性糸球体腎炎等の幅広い臨床症状を呈しますが、多くの患者でネフローゼ症候群となり、約30%~50%の患者が10年以内に末期腎不全に至るとされております。現在、本邦において当該疾患にかかる効能・効果で承認されている治療薬はありません。Managed Access Programにおいて、患者3例に本剤が投与された結果が報告されており、いずれも尿蛋白の減少及びeGFRの改善又は安定化が認められており、現在、国際共同第III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-7、ボソリチド。申請者はBioMarin Pharmaceutical Japan株式会社、予定効能・効果は「骨端線閉鎖を伴わない軟骨低形成症」です。
本邦における0~19歳の有病者数は338人との報告があり、対象患者数は5万人を超えないと考えられます。当該疾患は、近位部優位な四肢の短縮と低身長を特徴とする疾患であり、てんかん等の神経疾患や認知機能障害等が認められる場合があります。本邦では、遺伝子組換えヒト成長ホルモンが、骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症による低身長の治療薬として承認されておりますが、身長の改善は僅かであると報告されております。本剤は、海外医師主導試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験等が実施中です。
続きまして、資料No.7-8、ミリキズマブ(遺伝子組換え)。申請者は日本イーライリリー株式会社、予定効能・効果は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」で、本剤については、小児に係る指定に関する申請です。こちらの疾患は指定難病に指定されております。
潰瘍性大腸炎について、小児では成人より短期間で全大腸炎型に進展しやすく、重症化しやすい特徴があります。
本邦では、小児の潰瘍性大腸炎に対してはインフリキシマブ等が用いられますが、既存治療で効果不十分な中等症から重症の小児の潰瘍性大腸炎患者においては、成人に比べて治療選択肢が限られていることから、異なる作用機序を持つ新たな治療選択肢が必要とされております。本剤については、国際共同第II相試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.7-9、ラブリズマブ(遺伝子組換え)。申請者はアレクシオンファーマ合同会社、予定効能・効果は「腎移植時の移植片機能発現遅延の抑制」です。腎移植が実施される全患者が本剤の投与対象となる場合でも、年間約2,000名と推定されることから、5万人未満と考えられます。移植片機能発現遅延は通常、腎移植後七日以内の早期に発症し、透析療法を必要とする急性腎障害と定義をされております。現在、腎移植時の移植片機能発現遅遠の抑制に係る効能・効果で承認された薬剤はありません。本剤については、海外第II相試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。特段ありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、石川委員、外園委員、前田委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、議題7につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可として薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーに待機されていらっしゃる阿古委員をお呼びいただけますでしょうか。
○事務局 それでは、報告事項について御説明いたします。今回の報告事項議題について、一覧は資料No.9のとおりです。
議題2から説明いたします。まず、議題2、資料No.11、医薬品アイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mL、同8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mLの製造販売承認事項一部変更承認について、バイエル薬品株式会社より、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に係る効能・効果及び用法・用量の追加に関する申請がありました。機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断をしております。
続きまして、議題3、資料No.12、医薬品の承認条件についてです。シグニフォーLAR筋注用キット10mg、同筋注用キット20mg、同筋注用キット30mg、同筋注用キット40mgについては、「クッシング病(外科的措置で効果不十分又は施行が困難な場合)」の効能・効果について、全例調査に係る承認条件が付されておりました。
この度、製造販売業者であるレコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社から、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構における評価の結果、全例調査に係る承認条件は対応されたものと判断しております。
続きまして、議題4、医療用医薬品の再審査結果についてです。資料13-1、シグニフォーLAR筋注用キット20mg、同40mg、同60mgについて、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社より、各疾患における成長ホルモン、IGF-1(ソマトメジンC)の分泌過剰状態及び諸症状の改善、「先端巨大症」、「下垂体性巨人症」、外科的措置で効果不十分又は施行が困難な場合に係る効能・効果について再審査の申請がありました。また、資料No.13-2、サデルガカプセル100mgについて、サノフィ株式会社より、ゴーシェ病の諸症状、貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状の改善に係る効能・効果について再審査の申請がありました。いずれについても機構において確認しまして、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断をしております。
その他の議題1に移ります。資料No.14、最適使用推進ガイドラインの対象となる医薬品の選定についてです。ビエプチ点滴静注100mgについて、ルンドベック・ジャパン株式会社より片頭痛発作の発症抑制に係る効能・効果での申請がありまして、こちらについて、最適使用推進ガイドラインの作成対象とすることが適切と判断をしております。
続きまして、資料No.15、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の評価報告についてです。資料No.15の1ページを御覧ください。一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会より、メトトレキサートについて、「同種造血細胞移植時の移植片体宿主病の抑制」に係る適応拡大が要望されました。第52回の検討会議において、医療上の必要性に関して該当ありと評価をされまして、3.の公知申請の説明に飛びますが、国内外の教科書、診療ガイドライン、公表文献等を踏まえまして、有用性は、医学薬学上公知であると判断をしております。2ページを御覧ください。効能・効果については「造血幹細胞移植時の移植片対宿主病の抑制」とすることが適切と判断をしており、用法・用量、用法・用量に関連する注意については、2ページの下部に記載のとおりとすることが適切と判断しております。
続きまして、資料No.16、バイオ後続品等における最適使用推進ガイドラインの取扱いについて御説明いたします。最適使用推進ガイドラインについては先行の医薬品が承認される際に作成しておりますが、バイオ後続品が同効能で承認をされる際にも、バイオ後続品に対しては先行品の承認時に作成した最適使用推進ガイドラインを適用することとしております。こちらについては、令和8年2月に事務連絡として発出しております。
最後、議題4その他、資料No.17です。再生医療等製品と併用するタクロリムスについてです。別の部会の話にはなりますが、先月の薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会において、再生医療等製品アムシェプリの承認の可否について議論され、承認を可と判断をされております。こちらについては、iPS細胞由来の細胞移植でして、免疫抑制剤であるタクロリムスを併用することとなっております。
つきましては、タクロリムスについて2ポツに書いている細胞移植に伴う免疫反応の抑制に係る効能・効果について承認申請をされ、こちらの効能において製造販売承認することが適当と判断しております。説明は以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。特段ありませんでしょうか。
それでは、報告事項議題2~4及びその他事項議題1~4につきましては御確認いただいたものとさせていただきます。
本日の議題は以上ですが、事務局から報告はありますでしょうか。
○医薬品審査管理課長 審査管理課長です。本日も長時間の御議論、ありがとうございました。
この医薬品第一部会につきましては、本日が今年度最後の開催となります。委員のうち、赤羽委員におかれましては今回で委員の任期を迎えられ、御退任となります。赤羽委員より、一言、御挨拶を頂ければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○赤羽委員 ありがとうございます。東邦大学の赤羽でございます。2017年から、非常に長い期間にわたり大変お世話になりました。私自身も一生懸命お役に立とうと思って頑張ってはいたのですけれども、お役に立てたことの何倍も、ここで機構の方々とか先生方の真摯な御議論を拝聴しながら、すごくたくさんのことを学ばせていただきました。今後ですけれども、また引き続き患者さんに有効なお薬をお届けできるように、ちょっと違う立場から尽力してまいりたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございました。
○事務局 次回の部会の御案内ですが、令和8年4月24日(金)午後2時から開催をさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 まずは、赤羽委員の長きにわたります御貢献に厚く御礼申し上げたいと思います。本当に長らくありがとうございました。
それでは、本日の審議は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
佐藤直樹委員、吉崎委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、川上委員、髙橋委員の御参加が遅れているようです。本日は、現在のところ、当部会委員数23名のうち19名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度御協力を賜り、誠にありがとうございます。それでは、森部会長、以降の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~No.20を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料No.20に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。議題1「イフェクサー」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題2「ルセフィ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題3「ドジョルビ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題4「ジョエンジャ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題5「アムベルビスト」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。議題6「アフリベルセプトBS」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。議題7「希少疾病医薬品の指定の可否」:退室委員:阿古委員、議決に参加しない委員:石川委員、外園委員、前田委員、矢野委員。議題8「再審査期間の延長」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員、外園委員、矢野委員。以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。今の事務局からの御説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項8議題、報告事項4議題、その他事項4議題となっております。
それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項議題1につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品イフェクサーSRカプセル37.5mg、同SRカプセル75mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構から御説明いたします。
審査報告書を御覧ください。はじめに、審査報告書の一番下、全21ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、ベンラファキシン塩酸塩を有効成分とするSNRIであり、本邦では、「うつ病・うつ状態」に対して承認されています。今般、全般不安症患者を対象とした国内臨床試験において、本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では全般不安症に対して、米国で1999年3月に承認され、2025年11月現在、米国及び欧州を含む84の国又は地域で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている4名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、通し番号で6ページの表3を御覧ください。全般不安症患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「ベースラインから8週時までのHAM-A合計点の変化量について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。また、通し番号で9ページの表8を御覧ください。副次評価項目の結果を載せております。先ほど御説明した主要評価項目において、プラセボ群と本剤群の群間差が試験計画時に想定した群間差よりやや小さかったものの、副次評価項目に設定された各評価項目について、いずれもプラセボ群と比較して本剤群で改善する傾向が認められたこと等を踏まえると、全般不安症患者に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて、通し番号で9ページの表9を御覧ください。主な患者背景別の「ベースラインから8週時までのHAM-A合計点の変化量」について、女性ではプラセボ群と本剤群で差が認められませんでした。明確には結論付けられませんが、女性においてプラセボ反応性が大きい可能性が考えられ、女性においても本剤投与によりHAM-A合計点の減少傾向が認められていること等から本剤の有効性は期待できると判断し、当該判断については専門協議においても専門委員に支持されました。
次に、安全性について、通し番号で11~15ページ、「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。国内第III相試験の有害事象の発現状況について、プラセボ群と比較して本剤群で臨床的に特段問題となる有害事象の発現は認められていないこと、うつ病・うつ状態の患者を対象とした臨床試験における有害事象の発現状況と比較して、臨床的に問題となるような作用は認められていないこと等を確認しました。したがって、本剤を使用する場合には、本剤の添付文書において既になされている注意喚起に準じて使用されることを前提とすれば、全般不安症患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
本剤は、本申請は、新効能医薬品であることから、再審査期間は4年とすることが適切と判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
御審議、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。それでは、精神科領域の御専門の大森委員から御発言がございましたらお願いいたします。
○大森委員 このベンラファキシンという薬自体は、うつ病で10年の歴史が既に日本国内でもありますし、国外でもGAD(全般性不安障害)への適応は多数の国で取っているので、特に問題ないかなと思います。一つだけ、ちょっと分からない点を質問したいところがあるのですが、成績の所で、2023年5月8日以前と以後に分けている項目が、性別とうつ病の併存の項目の後にあるのですけれども、これはどういう事情なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただいたのは、通し番号で9ページの表9の結果であると理解しております。今回は2023年5月8日前後での比較をしたのですけれども、こちらはCOVID-19がメンタルヘルスに大きな影響を与えるとの報告があるため、その影響を評価するために、治験登録時期が5類感染症移行前後での評価をしました。
○大森委員 それで、両方とも特別大きな違いはなかった。
○医薬品医療機器総合機構 はい。御理解のとおりです。
○大森委員 この前後で違いはなかったということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。先生の御理解のとおりです。
○大森委員 分かりました。あと特に問題は、私は感じておりません。
○森部会長 ありがとうございました。これは、機構の方に確認ですけれども、今、我が国では、全般不安症に関する診療ガイドラインや治療指針はありますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現時点では、学会から出されている診療指針はございません。関連学会の動向を申請者に確認したところ、現在作成中ということで回答を得ております。
○森部会長 分かりました。ありがとうございます。従来、治療選択肢としてはSSRIやSNRIなどの利用があり、ベンゾジアゼピンも使われているという状況で、どのように使い分けしていくのかという目安については、今後学会を中心にガイドラインを作成していただくという方向で理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。先生の御理解のとおりです。
○森部会長 この件につきまして、大森委員から御発言はございますか。
○大森委員 私の理解も今の機構からの説明どおりです。不安障害の中で、パニック障害、強迫性障害あるいは社交不安障害などは、既にガイドラインができているのですけれども、全般性不安障害は、まだ、ないのですね。恐らくこの病気の概念自体が十分浸透していなかったという事情が私の推測ではあります。それで、なかなか治験もうまく進まなかったりして、ガイドラインの作成も遅れているという事情だと思いますので、今後、ガイドラインができて、この病気についても広く知られるようになっていくと思っております。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移ります。議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ルセフィ錠2.5mg、同錠5mg、同ODフィルム2.5mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料については、資料No.2「ルセフィ錠2.5mg他」の審査報告書を御覧ください。
ルセフィ錠については、ルセオグリフロジン水和物を有効成分とするSGLT2阻害薬であり、本邦では2014年3月に成人を対象に「2型糖尿病」の効能・効果にて承認されており、2022年2月にはルセフィODフィルム2.5mgが剤形追加されております。小児の2型糖尿病患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づき、今般、「ルセフィ錠2.5mg他」の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。2025年3月現在、本剤は2型糖尿病に係る効能・効果として7か国で承認されており、小児の2型糖尿病に対する用法・用量が承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示しております専門委員を指名しております。
本剤の有効性及び安全性について、臨床成績、臨床試験の成績を中心に説明いたします。まず有効性に関して、審査報告書通し番号9ページ、表6を御覧ください。
食事、運動療法で十分な血糖マネジメントが得られていない10歳以上18歳未満の2型糖尿病患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「本剤群におけるベースラインから投与12週時までのHbA1cの変化量」は-1.45%であり、また両側95%信頼区間の上限値は事前に設定された評価基準の0.00%を下回りました。次に、9ページ、表7を御覧ください。主な副次評価項目に設定されたプラセボ群とのHbA1cの変化量の群間比較について、プラセボ群に比べて本剤群で2型糖尿病に対する改善効果が高い傾向が認められており、小児の2型糖尿病患者に対する本剤の臨床的意義のある有効性が示されたと判断いたしました。
続いて安全性に関して、11~12ページ表9及び表10を御覧ください。国内第III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、成人の2型糖尿病患者を対象とした試験と比較して、臨床的に問題となる傾向は認められませんでした。また、SGLT2阻害薬である本剤の既知のリスクである、低血糖、尿路感染症、生殖器感染症、頻尿、多尿及びケトン体増加についても、小児の2型糖尿病患者に本剤を投与した場合の安全性プロファイルは、成人と概ね同様であると考えられたことから、成人と同様の注意喚起を行うことで小児の2型糖尿病患者における本剤の安全性は管理可能であり、得られる有効性を考慮すれば臨床的に許容可能と判断いたしました。
以上、機構の審査の結果、小児の2型糖尿病患者に対する本剤の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と考えられたことから、承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。なお、本剤は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断いたしました。薬事審議会では、報告を予定しております。
なお、森部会長より、臨床試験においてフルニエ壊疽の発現が認められていることに関して、事前に御指摘を頂いておりますので、回答させていただきます。本剤を含めたSGLT2阻害薬では、性器感染症であるフルニエ壊疽が既知の事象として知られておりますが、本剤の小児を対象とした国内第III相試験において、フルニエ壊疽が48例中1例認められました。まず、当該1例の詳細な経過についてお伝えさせていただきます。こちらの症例については、13歳の女性であり、本剤投与86日後に外陰部の痛みが出現し、翌日に医療機関を受診して、クロトリマゾール、抗真菌剤の投与が行われるも、症状が悪化して、本剤の投与が中止されました。その後、皮膚科で入院し、切開による外科的処置及び一般病棟での入院管理下で、スルバシリンの静注投与が行われて、切開創は段差を残さず閉創して、フルニエ壊疽発症から13日後に回復いたしました。
続いて、SGLT2阻害薬であるダパグリフロジンとエンパグリフロジンについて、2023年より米国、欧州にて既に小児の2型糖尿病に対する適応追加がなされておりますが、そのダパグリフロジンとエンパグリフロジンにおける海外の小児の副作用報告の状況についてお伝えいたします。年齢や報告年数は明らかではない報告が含まれているのですが、そのような報告については集計には含めておりませんが、米国、欧州での小児の2型糖尿病に対する適応が追加された2023年以降、18歳未満の小児でフルニエ壊疽が発現したとの報告は、機構にはありませんでした。以上を踏まえると、国内外の臨床試験や市販後の情報からは、小児におけるフルニエ壊疽のリスクが成人に比べて明らかに高くなるという傾向は示されていないと考えますが、成人と同様に十分な注意喚起と対策が必要であると考えております。
続いて、添付文書とRMPの対応についてお伝えいたします。添付文書においては、8項の「重要な基本的注意」、11.1項の「重大な副作用」で、継続してフルニエ壊疽に関する注意喚起を行っております。さらに、17.1.4項の「臨床成績」の項に、今回の小児の国内第III相試験においてフルニエ壊疽が発現したことを追記いたします。また、RMPにおいては、重要な特定されたリスクに性器感染症が設定されておりますが、その設定理由においても、今回の小児の国内第III相試験におけるフルニエ壊疽の発現状況を追記いたします。さらに、作成予定のRMPに基づく資材を用いて、フルニエ壊疽の初期症状も含めて小児にとって分かりやすい内容をもって十分な情報提供を行い、フルニエ壊疽に関するリスクを最小化するように対応いたします。
機構からの説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問や御意見はありますか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 情報、ありがとうございます。ルセフィ錠2.5mg、それからODフィルム2.5mgがありますが、臨床試験でのODフィルムと錠剤の割合をおしえてください。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。御質問いただき、ありがとうございます。今回の小児による臨床試験においては、錠剤のみ使用できるという規定になっており、フィルムについては使用はありません。
○宮川委員 ODフィルムについて投与症例がないのにも関わらず、ODフィルムがここに記載されているのですが、このようなことでよろしいのでしょうか。それから、当初フィルムを2.5mg使っていても、増量で5mgにする場合には錠剤に変更するという認識であったのでしょうか。そういう症例は、どのぐらいあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 フィルムについては、臨床試験では使用はありませんが、既に錠剤とフィルムについては生物学的同等性が示され、フィルムが剤形追加されておりますので、問題ないと考えております。
○宮川委員 成人においては同等ですが、小児における同等性は示されていないのですが、これに対して機構はどのようにお考えでしょうか。証明されているという理解でしょうか、されていないという理解でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。特に、今回、適応追加になる対象については10歳以上と、ある程度成長している集団であることもあり、本剤の吸収や代謝等の過程については、基本的には成人と同程度であろうと考えておりますので、成人で認められた生物学的同等性というものは、今回の小児の患者さんにおいても当てはめることができるだろうと考えています。
○宮川委員 分かりました。考えているだけで、証明自体はされていないということでよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 実際に小児患者さんにおいては、生物学的同等性は、証明はされていません。
○宮川委員 ですから、小児に対しての症例はないのですねと聞いているのです。ないかあるかだけお答えください。
○医薬品医療機器総合機構 ございません。
○宮川委員 ありがとうございます。それを類推して、本剤を承認できるかどうかという判断を私たちに求められていると思います。
それから、もう一つお聞きしたいのですが、24/31の所の最後のパラグラフです。
成人と異なり小児では部活などいろいろなことがあって、水分摂取も含めて様々な状況を考えなければならないわけですが、そのような部活等を行うお子さんたちがどのぐらいの割合いたのかということは収集されていないと書いてあるのです。多様であるということはここに書いてあるわけですが、そのようなお子さんたちに対する配慮というのは、今後どのようにしたらいいのでしょうか。添付文書に記載するのか、それともいろいろな資材への記載をもって対応するのか。仮に資材であれば、どのような注意点・観点を載せていけばいいのか、それに関して機構はどのようにお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。部活等の小児の活動状況について、今回、この審査報告に書かせていただいた経緯としては、増量の効果が認められるかどうかという観点です。宮川委員の御質問の意図についてお伺いさせていただきたいのですが、こちらの部活等による血糖管理や小児特有の何かそういうところに気を付けるべきかとか、そういうことに対してということですか。
○宮川委員 有効性ではなくて、安全性についてどのように考えればいいのでしょうかということです。意図はそれです。そのように書いてあるじゃないですか。「不遵守が認められた一方で」と書いてあるわけですが、そのような安全性に対する所に関してはどのように機構は解釈したのかということをお聞きしたわけです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。今回の記載した不遵守に関しては、食事・運動療法の不遵守ということになりますので、基本的には影響してくる点については有効性になるだろうというように考えています。一方で、ただいま御指摘いただいたとおり、小児の患者さんは様々な状況におかれると思います。今回のSGLT2阻害薬に関して、知られているリスクは幾つかありますが、例えば脱水やケトン体に関するリスク、そういった点については重要だと考えていますので、RMPの資材に基づく資材を用いて適切に注意喚起、情報提供をしていくことを考えています。
この点について、臨床試験での発現状況を確認しますと、症例数は限られているところはあるのですが、基本的には成人の患者さんでの臨床試験の成績と大きく変わる結果は得られていません。
○宮川委員 ありがとうございます。メトホルミンを使っていた方には上乗せした症例もあるわけですが、そのことと、本剤のみを使った場合の水分の負荷というものも十分に検討していかなければいけない点が抜けていて、臨床試験の結果に付記されていないですよね。そこに関しては、どのように考えるのかということが非常に重要なことだろうと思います。成長期のお子さんたちに対する問題としては非常に大きな点だろうと思います。親御さんがどのように管理するのか、それから医師がどのように管理するのか、一日の水分量はどうなるのか。特に日本においては、この頃、気温も高くなって非常に問題が顕在化しています。例えば、普通に過ごされているお子さんであっても、熱中症になっている中で、部活等を含めて、そのような記載がないということで、これをどのように取り扱ったらいいのかということは非常に重要なことになってくるのだろうと思います。それに対しては、医師が単に責任を取るという形だけでは、なかなかうまくいかないと思います。こういう観点が、臨床試験の中に盛り込まれていないということは、特に小児において問題ではないかと思います。SGLT2阻害薬に関しては、外気温による脱水など、そういうところに配慮しなければいけないということも含めて、企業側に機構が一定の注文を付けておくことは非常に重要なことかと思ったので、指摘させていただきました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 企業に、そのように伝えさせていただきます。御指摘いただき、ありがとうございます。
○森部会長 機構の方に、この件で一つ質問があります。臨床試験の実施のときに、被験者の方の水分摂取はどのように規定されていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 少々お時間頂けますか。
○森部会長 具体的には、学校などの課外活動も含めて、自由に飲水ができるように認められていたのか、の点です。特に学校ですと、例えばジュースや水とかお茶を持ち込んで良い場合といけない場合があるかもしれませんが、被験者については、そういうことを認める形で運用していたかということについて確認したいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。試験の規定としては、投与初期に水分の脱水などが起こり得る可能性があることから、投与初期は適度な水分補給を行うことということが被験者の管理という旨の規定はございます。
○森部会長 実際に患者さんが服用なさる際には、保護者の方も含めて、十分な情報提供を頂くということと、若しくは学校にも理解を求めるということも必要になってまいります。
○宮川委員 宮川です。今、部会長がおっしゃったように、小児の場合、学校生活の中で、様々に水分補給は、制限されていることがあるのです。ですから、従来のメトホルミンのような薬物とは違って、本剤は日中、例えば、成人であっても、ペットボトルを持参して午前中1本近く、午後にはそれと同等、若しくは少なくなってもいいけれども、十分に飲水するように、という指導をしなければならないわけですが、特に小児の場合には非常に気を付けなければいけません。繰り返しますが、教室等を含めて室温管理ができていない学校や施設等もあるわけですから、そのような所でもしっかりと対応できる建て付けができるようにしなければいけない一方で、この臨床試験のデザインがラフではないかと思います。今、部会長の御質問にお答えいただきましたが、そういうところがしっかりなされていないと考えます。どのぐらいの飲水量であったかの確認は当然必要な項目であろうかと思いますので、このような中身が明らかにならないのは少し問題があるか思いましたので、改めて何度もお伺いした次第です。
○森部会長 では、具体的な御助言も含めて、小児領域の専門の委員の先生方に御意見を伺ってみたいと思います。
では、野津先生から御意見伺ってよろしいでしょうか。
○野津委員 御指名ありがとうございます。神戸大学小児科学の野津と申します。まず、多尿になって脱水になりやすいということに関しては、私も非常に同意するところです。私は腎臓を専門にしているのですが、腎臓もやはり脱水が非常に怖いと。特に、移植後の腎臓、腎移植後の患者さんは脱水が非常に怖いですが、水分をしっかりと摂れということを徹底的に指導することで、脱水は防ぐことができます。
ですので、このお薬を内服するときは、もう脱水だけは絶対に駄目だということを徹底的に指導することによって、そのリスクは防ぐことができますので、やはりそこの注意喚起はしっかりしていただきたいと思いました。
それから、フルニエ壊疽の話が私にとっては非常に驚きです。私は腎臓を専門にしているものですから、製剤は違うのですが、ダパグリフロジンは結構飲ませることがあります。18歳以下には適応がないので、本当に限られた症例のみなのですが、それでも飲ませております。フルニエ壊疽の話は、私は実は恥ずかしながら今まで存じ上げませんでした。特に小児科においては、フルニエ壊疽という病名自体ほとんど知らなくて、これだけ重篤な副作用を小児科医がみている限りは、見逃す可能性があります。今回の症例も、多分、最初はカンジダ、真菌症だということで、抗真菌薬が投与されたと。治療が遅れたら、命に関わる病気ですので、これは本当にかなりの注意喚起が必要なのではないかと強く思います。私たち小児科医が、この女の子に陰部が痒いとか痛いとか言われても、なかなか、そこに、すぐにフルニエ壊疽を疑うとはまずなりませんので。それから、やはり会陰部の視診には私は非常にためらわれるところがあります、特に思春期の女の子に対しては。ですので、これは結構見逃してしまう可能性があって、非常にまれな合併症であるということは存じ上げているのですが、ただ、小児科でフルニエ壊疽を起こすなどということは、まずないと。私が「医中誌」でフルニエ壊疽、小児で調べると、10数例しか出てこないのです。ですので、小児科医がこれを診断するのは本当に難しくて、これを発症したら命に関わる病気ですので、ここの注意喚起は本当に重要だと思っております。ですので、今、添付文書を読ませていただいても、小児科医は人ごとのようにしか思えないような記載だと思っており、この点の注意喚起をいかにするかということは、小児への適応拡大においては非常に重要だと思いました。何とか、ここをしっかりと注意喚起していただける体制を整えていただきましたら幸いです。以上です。
○森部会長 御意見ありがとうございました。機構から御回答はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。まずは水分の所に関して、あとフルニエ壊疽に関しては十分に承知させていただきました。
今回、追加の医薬品安全性監視活動であるRMPに基づく資材を作成予定ですので、そちらについて、小児に関しては特に水分の摂取、そしてフルニエ壊疽に関しても、こちらの初期症状も含めまして、小児にとっても分かりやすい内容をもって十分に情報提供させていただきたいと思います。リスクを最小化する方針で検討しています。そちらで御理解いただきたいと思います。
○野津委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○森部会長 それでは続きまして、長谷川委員から御発言賜ります。
○長谷川委員 ありがとうございます。今、野津先生からもお話がありましたように、私もフルニエ壊疽というものは今回初めてお伺いした次第です。当然、医師になって30年以上経ちますが、まだ経験はありませんので、是非、注意喚起をお願いした方がよろしいかなと考えた次第です。
それから、水分に関しては、恐らく今時ですので、夏場の熱中症予防のために多分多くは体育のときなども水分補給を学校側もかなり力を入れてされているので、制限などは余りないかなと思いますので、特にこの内服中の子には注意していただくように、学校側との情報共有が大事なのかなと思っていますので、そのように内服している子供さんには情報共有しながら、注意すべきことを共有していただくとよいのかなと思っています。以上です。ありがとうございました。
○森部会長 長谷川委員、ありがとうございました。小児は「小さな大人」ではないとよく言われているのですが、小児特有の様々な発達段階での特徴があります。産婦人科御専門の小玉委員にも御意見を伺ってみたいと思います。
小玉委員、御発言をお願いいたします。
○小玉委員 大阪大学の小玉です。私自身も実はフルニエ壊疽は見たことありませんで、今回のことで少し調べさせていただきました。一方で思春期の女児ですが、やはり婦人科を受診されるきっかけというのが、腟炎や外陰炎ということはよくあります。一方で、このように重篤な疾患になるということは、私自身も経験がこれまでありませんでした。思春期の女児というのは、やはりまだエストロゲンが低いと、思春期前のお子さんですね。そうしますと、腟粘膜も薄いという問題がありますし、また陰唇の発達もまだ未発達の状況なので、簡単に腟の中まで炎症が進展するということもあります。また、一方で、年齢的に未熟だということで、セルフケアとして外陰周辺の清潔保持というところで少し難しい点があることもあります。また、かゆいからということで、かなりこすってしまうということで炎症をより増悪させてしまうようなこともあります。特に思春期のお子さんが外陰炎になった場合、少し心配なのは、大きい病院に受診というよりは、やはり近くのクリニックに受診されることが非常に多いという特徴もあります。そういった意味で、やはり今回のこの重篤な壊疽に陥るかもしれないということを、広く注意喚起しておくということは重要ではないかと考えました。以上です。
○森部会長 小玉委員、大変貴重な御発言どうもありがとうございました。そうしますと、今の三人の委員の先生方の御発言などを十分考慮した上で、企業の方に資材を御作成いただきたいということになります。御本人並びに保護者の方に向けて、安全な適正使用に関する資材を御作成いただくということが、まずは必須かと思います。
添付文書についても、現在、成人向けベースの添付文書になっていますが、小児に向けて、もう少しきめ細やかな配慮、特に診療なさる先生方に向けてフルニエ壊疽の注意喚起が必要です。成人の糖尿病を診療する先生方はフルニエ壊疽については見聞きされ、実際に経験されている医師も多いかと思いますが、小児の領域では非常に珍しく、御経験がないということを伺いました。その上でなおさらですが、フルニエ壊疽に関する注意喚起をしておくということが重要だと考える次第です。この点について、機構から御提案等はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、添付文書においては、この8項の「重要な基本的な注意」、11項の「重大な副作用」の項に、既にフルニエ壊疽を記載している状況です。
ただ、今、頂いたとおり、こちらのフルニエ壊疽については稀な事象である、一方で重大な副作用に至るという事象であり、さらに小児においては特に気を付けておかないといけない事象ですので、こちらの周知徹底という所に関しては、追加の資材の所で徹底して情報提供していただくことで、企業に伝達させていただきたいと思います。
○森部会長 ありがとうございました。冒頭の御説明で臨床成績の所、17.1.4にフルニエ壊疽の発症があったことについて、追記いただくということでしたが、その部分を添付文書の他の箇所でも参照していただくということが何箇所かあるかと思いますので、具体的には8.4項など、それから副作用に関する項目の所についても、引用いただいて、その17.1.4の項目の内容を参照いただくという形にしてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましたとおり、参照させていただきます。ありがとうございます。
○森部会長 もし委員の先生方から、それでもまだ不十分だということであれば、もう少し分かりやすく小児についての注意喚起という項目を立てていただいた上で記載するということも候補になりますが、その点はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 今、部会長からありましたように、フルニエ壊疽というその言葉自体が普及していませんので、8.4の所に括弧して書いてありますが、独立した記述が本来からするとあった方が、実際に症例が出てしまっているので、注意喚起ということでこの言葉自体を独立させて記載した方が安全性が高まるのではないのかなと推察するのですが、いかがでしょうか。
○森部会長 御指摘ありがとうございます。機構からいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。おっしゃっていただいたとおり、11.1.の2項に関しましては、独立して記載をするように検討させていただきたいと思います。
○森部会長 具体的な御提案を頂きありがとうございました。その点に加えて、先ほどルセフィの剤形、錠剤とフィルムに関して、フィルムの適正な服用について資材で十分提供いただきたいということがあります。成人では、適正に御使用いただけると思いますが、小児の場合ではフィルム剤という薬剤自体、余り見慣れないということもあり、上手に適正に使っていただくことについて、保護者の監督が必要と判断しています。決して誤ってほかのお子さんが服用したりしないようにしなければいけませんので、面白がってそういったことがないように、十分注意喚起しなければいけないということを御理解いただきたいと思います。宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今、部会長が適切に御指摘されたように、つまり普通のOD錠の剤形ではないわけです。フィルムであるということは、口腔内に入れて唾液で溶かしていくというODという形で同じなのですが、小児用薬の中においては余りそういう剤形はないものですので、その所の注意喚起は非常に重要だということを、是非、御理解いただきたいと思っています。今、森部会長がおっしゃったとおりなので、是非とも注意喚起をお願いします。機構にいつもお願いしているのは、これが臨床現場に実装されたときにどうなのかということを配慮していただきながら、こういうものを作っていただくということが非常に重要で、先ほどのフルニエ壊疽に関しても同じなので、実装されたときに世の中にどのようないろいろなインパクトを与えるのかということも、よくよく配慮しながら、注意喚起などの御説明や、企業とのやり取りをしていただきたく、よろしくお願いいたします。
○森部会長 宮川委員、ありがとうございました。今回、海外では、本剤の類薬であるエンパグリフロジン、それからダパグリフロジンが小児適応の拡大をされている、2023年からということで、機構の方には御無理申し上げて急いで安全情報を調べていただきました。幸い今のところ、フルニエ壊疽の報告は機構で確認されていないと承ったところですが、本邦も含めまして、この問題はしっかりと小児の中で安全に使用されているかということについて、現状を調査していく必要は高いと思います。現状、RMPの項目では性器感染という項目で挙げていただいているところですが、フルニエ壊疽ということも明確に分かるような形で、RMPの再構築の検討も頂ければということも考えています。この点については、先ほど機構から背景についての説明で加わっているということを伺っていますが、やはり今日、実際に委員の先生方から御意見を伺いまして、我々が想像していた以上に、小児領域の先生方にこの疾患が知られていないということが分かりましたので、今一度、しっかりとRMPに加えていただくということで、発売後の安全性監視についても尽くしていただきたいと考えているところです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。RMPについても、現在、性器感染との項目で書いていますが、先ほどの「重大な副作用」でも別個でフルニエ壊疽については記載させていただくということですので、RMPについても、フルニエ壊疽に関しては独立した重要な特定されたリスクとして挙げさせていただくことで検討したいと思います。
○森部会長 御対応ありがとうございます。そのほか先生方から御意見、御質問はありませんか。
赤羽委員、お願いいたします。
○赤羽委員 確認なのですが、小児科の先生方が今までそういう症例を御覧になったことがないということで、先ほど部会長も一言おっしゃいましたが、何か小児科の先生方にしっかり目に止まるような形の記載の仕方を工夫していただけるといいのかなと思いました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。今回、御指摘いただいたことを踏まえて、重大な副作用とRMPの重要な特定されたリスクについて独立して記載することということで検討させていただきます。そちらについては大きな変更として、実際に小児科の先生にもきちんと情報提供できるように、企業にも伝達させていただきます。ありがとうございます。
○森部会長 先生方からほかに御発言、御意見はありませんか。堀委員、お願いいたします。
○堀委員 ありがとうございます。先ほど保護者向け、または患者向けの資材をお作りになるとおっしゃったのですが、やはり今回のお話を聞いていますと、10歳以上の特に小児に特化した資材を作っていただけたらと思いました。その中で、特に保護者の方へという欄を作っていただいて、先ほどのフルニエ壊疽というようなことも、多分、保護者の方はお分かりになっていないかと思うので、女子とその保護者にむけて、その症状に関しても、どういう状態かということを、その経過に添いながらお子さんとともに保護者も確認をしていくような、そういう資材を是非、作っていただければと思いました。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきまして、ありがとうございます。今回のRMP資材についても、患者向けの文書と保護者向けの文書を別で書く方針であり、お子様の方に関しては分かりやすい表現で、初期症状に気付きやすいということと、あと保護者の方にはしっかりとこのリスクについて分かるということで、相互にきちんと連絡が取れるなど、そういった形で情報提供できるようにということでさせていただきたいと思います。
○堀委員 ありがとうございます。
○森部会長 委員の先生方に確認でお伺いしたいのですが、今の堀委員の御発言を受けまして、資材を作るときに年齢によって分けた方がいいのかということについては、どなたか御助言いただけないでしょうか。野津委員や長谷川委員から御発言いただけますか。いかがでしょうか。
○野津委員 御指名ありがとうございます。野津です。今回は女の子が発症したと、もともとフルニエ壊疽は男性の方が多くて、今回の件で調べさせていただいたのですが、小児においても基本的には男の子の方が多い、女の子の方が少ないということは、小児においても同等だということは記載されていました。男の子だったら、私たち男性医師は結構すぐに見れるのですが、女の子が会陰部がかゆい、会陰部が痛いと言われてもなかなか見れない、そうするとそれに対して適切な診断ができない。例えもし見たとしても、それがフルニエ壊疽を診断する自信は私たちにはとてもありません。皮膚科や婦人科の先生方に見ていただくということになると思います。やはり成人の内科の先生方と、小児科の先生方で、このフルニエ壊疽の診断の的確性は大きく異なると思います。私たちも見たことがないので、これを正確に診断できるとはとても自信がない。見落とすと、治療開始が遅れると、命にかかわるし、ある程度適切にできたとしても、その会陰部に見た目上の後遺症が残ってしまう。もしかしたら形成的にまた修復できるのかもしれませんが、思春期の女の子にとって相当大きな心のダメージが残ってしまうのではないかと心配になるのです。
本当に稀な合併症であることは重々承知しているのですが、今回の治験の人数で、これが起こったということは本当に重大な事実だと思います。これは小児科医が見過ごして命に関わることだったら、本当にこれはえらいことになるので、やはり小児科医向けに、こういう合併症が起こり得るということは本当に注意喚起がすごく必要だなと感じています。すみません、うまく伝えられているかどうか分かりませんが、以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。本日、フルニエ壊疽を中心として、特に小児の患者さんに適用する場合に関して、注意すべき点を適切に十分に注意喚起すべきという御意見を頂きました。基本的には、先ほど御説明したような添付文書での注意喚起、小児向けの資材ということを考えていたのですが、それに追加して医療従事者向けにも十分な注意喚起をするということ、情報提供をするということを企業とも検討していきたいと思います。また、御参考までにですが、本剤の小児適応がなされた場合には、市販直後調査として、本剤のリスクを適切に医療現場に情報提供するということになりますので、その際にも十分な情報提供をするように企業に伝達したいと思います。
○野津委員 小児科医にうまく伝わるように、是非ともよろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 承知しました。
○森部会長 野津委員、一つ教えてください。小児科の学会や小児科の先生方の医会などに御相談をさせていただいて、適正使用に関する御助言を頂くという方向性は可能なのでしょうか。
○野津委員 このフルニエ壊疽は私も調べさせていただいて、私たちは結構、糖尿病をたくさん見ているのですが、やはり糖尿病患者さんで発症頻度が高いということは書いてあるのですが、私たち神戸大学の代謝内分泌グループの者にフルニエ壊疽を知っているかと聞いたら、ほとんど知らなかった、それが現実だと思うのです。
ですので、やはり、糖尿病領域やSGLT2阻害薬を使う領域においては、このフルニエ壊疽という合併症があるということは注意喚起が必要で、例えば私の属している小児腎臓学会においては、CKDに対して、SGLT2阻害薬を使うのですが、それは私たちもメーリングリストで注意喚起をすることは可能です。それが例えば代謝内分泌領域においても、それは可能だと思いますし、そういうところでしっかりと注意喚起することは重要ではないかなとは思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。SGLT2阻害薬に関しては、学会からもレコメンデーションが発出されていますので、企業を通じて、そのようなところからもアプローチが可能かという点についても、検討させていただきたいと思います。
○野津委員 ありがとうございます。
○森部会長 長谷川委員は追加で御発言はありませんか。
○長谷川委員 ありがとうございます。特にはないのですが、やはり非常にビジュアル的にインパクトがあるので、そういったことを情報提供のときにしっかり小児科医、特に処方される先生、内分泌、ひょっとしたらプライマリーの各科病院の先生方、クリニックの先生方も処方される可能性があるかもしれませんので、そういったところにきちんとそういった写真で情報提供していただくことでよろしいかと思いました。以上です。
○森部会長 御発言ありがとうございました。佐藤陽治委員、お願いいたします。
○佐藤(陽)部会長代理 佐藤陽治ですが、確認なのですが、口腔内崩壊フィルム剤について、添付文書が錠剤と何か違う所はありますか。資料ではちょっと見受けられなかったのですが、添付文書の中で何か書きぶりが違うなど、そういったところはどの辺になりますか。基本的には同じですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。錠剤とODで分かれて添付文書はありますが、基本的には書かれている内容は同一です。
○佐藤(陽)部会長代理 用法など、そういったところは何か特記してあったりするのですか。
○医薬品医療機器総合機構 今のところ、こちらについて記載分けはしていません。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 先生方には詳細に御検討いただきましたが、そのほか御意見はありませんか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただいてよろしいですか。では、議題2について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
では、続きまして議題3に移らせていただきます。議題3について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題3、資料No.3、医薬品ドジョルビ内用液100%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。審査報告書の通し番号の5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。
長鎖脂肪酸代謝異常症(以下、「LC-FAOD」)は、長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への輸送に関する酵素、又は長鎖脂肪酸のβ酸化に必要なミトコンドリアの酵素の遺伝子変異に起因する遺伝性疾患です。本疾患では、長鎖脂肪酸のβ酸化が障害されることで、TCAサイクルの機能が低下し、横紋筋融解症、低血糖症、心筋症等の臨床症状を呈します。現在、LC-FAODに係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、LC-FAODに対する新たな治療法が望まれています。
本剤は、奇数鎖の中鎖脂肪酸であるヘプタン酸3分子がグリセリンと結合した構造を有する薬剤であり、経口投与後にヘプタン酸とグリセリンに代謝されます。さらにヘプタン酸はアセチルCoA及びプロピオニルCoAに、プロピオニルCoAはスクシニルCoAに代謝されます。アセチルCoAはTCAサイクルの基質として、スクシニルCoAはTCAサイクルの中間体として機能することから、本剤投与によりこれらが補充されることで、LC-FAODにおける脂肪酸代謝の改善やエネルギー産生の向上が期待されます。
今般、申請者は、LC-FAOD患者を対象とした海外臨床試験等の成績に基づき、本邦における製造販売承認申請に至りました。海外において本剤は、2020年6月に米国で承認されて以降、2025年12月時点で五つの国又は地域で承認されています。なお、本剤は条件付き承認制度の適用対象とされており、令和7年11月の当部会において報告させていただいております。また、本剤は、希少疾病用医薬品に指定されています。本品目の専門協議では、資料No.19に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。
それでは本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性については、26ページの表10を御覧ください。外国人LC-FAOD患者を対象に、非盲検単群試験である海外第II相試験のCL201試験が実施されました。
主な評価項目である主要臨床イベントの年換算イベント発現率及び年換算イベント発現日数について、本剤投与前78週間と比較して、本剤投与開始後78週間ではいずれも低下又は減少する傾向が認められました。続いて、20ページ表23を御覧ください。外国人LC-FAOD患者を対象に、非盲検単群試験である海外第II相試験のCL202試験が実施されました。CL202試験は、前述のCL201試験から移行した患者を組み入れたCL201移行コホート、本剤の投与経験がない患者を組み入れた本剤未投与コホート、その他の機会で本剤の投与経験を有する患者を組み入れたIST/その他コホートから構成されました。主な評価項目であるCL201移行コホート及び本剤未投与コホートの、主要臨床イベントの年換算イベント発現率及び年換算イベント発現日数について、本剤投与前と比較して本剤投与開始後で、いずれも低下又は減少する傾向が認められました。以上の結果から、本剤のLC-FAODに対する一定の有効性は期待できると判断いたしました。
安全性について、40ページの表31を御覧ください。CL201試験及びCL202試験では、重篤な有害事象が一定の割合で認められたものの、その多くは原疾患に起因する事象である横紋筋融解症又は急性感染性疾患によるものでした。また、重篤な副作用も認められたものの、補液の投与や本剤の休薬等により、転帰はいずれも回復でした。長期投与時の安全性についても臨床的に問題となる傾向は認められませんでした。以上より、本剤のLC-FAODに対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
本剤は条件付き承認制度の適用品目であることに関して、44ページの表36を御覧ください。現在、国際共同第III相試験であるCL302試験が実施中であり、同試験に日本からも参加していることから、同試験を適切に実施し、同試験の成績が得られた際には当該試験成績を速やかに提出するとともに、医療現場に適切に情報提供することを承認条件とすることが適切と判断しました。
以上の検討の結果、「長鎖脂肪酸代謝異常症」を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。堀委員、どうぞお願いします。
○堀委員 今回、当該薬は患者年齢が新生児から使えるというように理解いたしました。つきましては、経口液剤が入っているボトル製剤について、1点確認させていただきます。やはり乳児や幼児が服用するということで、チャイルドロックがなされているかどうか非常に心配でしたので、御質問させていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 御質問、ありがとうございます。こちらは蓋にチャイルドロック機能が付いている製剤です。
○堀委員 分かりました。では、開けるのがかなり硬いということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 押して開けるタイプかと思います。
○堀委員 ちょうど500mLということで、ペットボトルと同じようなサイズですし、幼児の場合はなかなか文字が読めなかったりすると、普通のジュースと同じように思ってしまうリスクがあり、液剤が薬とは理解し難いかと思ったので、確認させていただきました。分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 写真については、資料に添付のとおりです。そのほかの先生方、御質問や御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。議題3について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、議題4に移らせていただきます。議題4について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題4、資料No.4、医薬品ジョエンジャ錠10mg、同錠30mg、同錠70mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料No.4「ジョエンジャ錠10mg他」の審査報告書を御覧ください。
活性化PI3Kδ症候群(以下、APDS)という疾患は、PI3Kδをコードする遺伝子の変異により、PI3Kδシグナル伝達が過剰に活性化することでリンパ球(B細胞やT細胞等)の発生や分化等に異常を来す免疫不全症です。
現在、本邦において、APDSに係る効能・効果で承認された薬剤はありません。本薬、レニオリシブリン酸塩は、PI3Kに結合し、PI3K活性を阻害することにより、ホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸の産生を阻害し、B細胞及びT細胞の活性化、増殖及びサイトカイン産生を阻害することで、APDSに対する有効性を示すことが期待されます。APDS患者を対象とした臨床試験の成績に基づき、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2026年3月現在、APDSに係る効能・効果で米国、英国、オーストラリア及びイスラエルで承認されていますが、12歳未満の小児の用法・用量について、承認されている国又は地域はありません。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示す専門委員を指名しております。
本薬の有効性・安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。12歳以上については、海外第II/III相の2201試験及び国内第III相LE4301試験の成績、12歳未満については、2201試験の成績を参考に国際共同第III相のLE3301試験の成績に基づき、本薬の有効性及び安全性を評価いたしました。
12歳以上における有効性に関しては、審査報告書の通し番号81ページ、表76を御覧ください。
12歳以上のAPDS患者を対象とした海外第II/III相2201試験の第III相パートの主要評価項目である「log10変換した12週時の標的リンパ節病変の2方向積和(以下、SPD)のベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」のいずれにおいても本薬群とプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められました。次に、同81ページの表77を御覧ください。12歳以上の日本人APDS患者を対象とした国内第III相LE4301試験の主要評価項目である「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」及び「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」について、2201試験の第III相パートと同様の傾向が認められました。
12歳未満における有効性に関しては、審査報告書の通し番号82ページ、表78を御覧ください。
12歳未満のAPDS患者を対象とした国際共同第III相LE3301試験の主要評価項目の一つである「12週時の標的リンパ節病変のSPDのベースラインからの変化量」において2201試験第III相パートの結果と同様の傾向が認められ、もう一つの主要評価項目である「12週時の総B細胞に対するナイーブB細胞の割合のベースラインからの変化量」においても2201試験第III相パートと同様に、ナイーブB細胞の割合がベースラインから増加する傾向が認められました。また、日本人集団における結果については、同82ページの表80を御覧ください。日本人症例数は限られるものの、全体集団と同様の結果が認められました。
以上より、12歳以上及び12歳未満のAPDS患者に対する本薬の一定の有効性が示されたと判断いたしました。
安全性に関して、審査報告書の通し番号68~70ページ、表65~表68を御覧ください。各試験における有害事象等の発現状況については、臨床的に問題となるような傾向は認められませんでした。また、審査報告書の通し番号73~74ページを御覧ください。本薬の非臨床試験で認められた事象又は他のPI3Kδ阻害剤の投与に関連して認められている事象を中心に検討を行いました。好中球減少症については、本薬の臨床試験において重篤な有害事象として発熱性好中球減少が認められており、好中球数減少の副作用が複数例で認められているといったことなどを踏まえると、本薬の投与による好中球減少症のリスクについては、医療現場に適切に注意喚起する必要があると判断いたしました。
以上、機構での審査の結果、12歳以上及び12歳未満のAPDS患者に対する本薬の一定の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件及び一定数の症例データが蓄積されるまで、全症例を対象とした製造販売後調査を行う旨の承認条件を付した上で承認して差し支えないというように判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
なお、事前に森部会長より、2201試験の臨床検査値の結果として、好中球数の減少が認められた治験参加者が一定数いることは、添付文書で情報提供することが望ましいのではないかという御意見を頂いております。こちらの御意見を踏まえ、添付文書の「17.臨床成績」の項において、臨床試験で好中球数の減少が認められた治験参加者の例数及び割合については情報提供させていただきます。
機構からの説明は以上です。御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、ありがとうございました。21例中7例に軽度から中等度の好中球数の減少があったということで、33%になります。そちらについての記載ということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。御理解のとおり、臨床検査値として好中球数の減少が認められた治験参加者の割合については、添付文書に記載させていただきます。
○森部会長 御対応、ありがとうございます。その他、先生方から御意見はございますか。免疫不全症が背景にある疾患の治療薬で、好中球数減少の副作用が潜在的にはリスクになり得るということ、FNという好中球減少による発熱の症例も実際にあったことから、この点は注意喚起が良いと思いました。御回答を頂きありがとうございます。ほかに先生方から御発言、御意見はありますか。柴田委員、今回の試験は小児の12歳未満の症例では、表78の成績ということで有効性が検討されていますが、この方法についてはいかがでしょうか。
○柴田委員 こちらはエビデンスのレベルとして不十分なところはありますけれども、このような対象疾患に対して現時点で得られるデータとしては、しっかりとした分析がされていますので、こちらで有効性を評価されることについては異存ありません。
○森部会長 御意見、ありがとうございました。そのほかの先生方から御意見、御発言はありますか。よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。
議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題5及び議題8に移らせていただきます。議題5と8については関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思っております。では議題5について、機構から説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、アムベルビスト静注について機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全48ページの通し番号で5ページを御覧ください。本剤は、環状構造の非イオン性ガドリニウムキレートを1分子中に四つ有する細胞外液性の環状型ガドリニウム造影剤(以下、「mGBCA」)と申し上げます)です。既承認のmGBCAの40%のGd用量で同程度の診断能が得られるMRI検査用造影剤として開発され、今般、国際共同臨床試験成績等に基づき、「磁気共鳴コンピューター断層撮影における下記造影:脳・脊髄造影及び躯幹部・四肢造影」を効能・効果として製造販売承認申請されました。なお、本剤は、2026年2月現在、欧米において承認審査中です。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、29ページの表24を御覧ください。中枢神経系(以下、「CNS」)病変を有する又は有することが疑われる成人患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目とされた三つの描出パラメータ、「造影効果」、「辺縁明瞭度」及び「内部構造」のいずれについても、本剤と対象薬のスコアの差の95%信頼区間の上限は非劣性マージンとされた0.35を下回り、既承認のmGBCAに対する本剤の非劣性が示されました。また、31ページの表27を御覧ください。CNS以外の身体領域に病変を有する又は有することが疑われる成人患者を対象とした国際共同第III相試験においても、同様に既承認のmGBCAに対する本剤の非劣性が示されました。また、小児患者を対象とした国際共同第I/III相試験において、探索的に検討した描出パラメータ等の結果から、小児患者における本剤の描出能が示唆されております。
これらの結果から、小児患者を含め、MRIにおける脳・脊髄及び躯幹部・四肢の造影に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
安全性について、37ページ、7.R.2項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象は、腎性全身性線維症(NSF)、脳内及び脳以外の臓器・組織におけるGdの残存、並びにアナフィラキシーです。本剤投与に当たっては、これらの事象の発現に注意する必要があるものの、既承認のmGBCAと比較して新たな安全性上の懸念は認められていないことから、本剤の安全性は許容可能であると判断しました。また、以上の安全性プロファイルを踏まえ、本剤について承認後直ちに製造販売後調査を実施する必要はなく、市販直後調査並びに通常の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動による安全性情報の収集及び提供を通じて、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断しました。以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。続きまして、議題8について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題8、資料No.8、再審査期間の延長の可否について御説明いたします。医薬品の再審査期間につきましては、小児の用量設定等のための臨床試験を計画する場合で、必要があると認められる場合には、個別に部会に諮った上で、再審査期間を延長しております。本部会で御審議いただくアムベルビストの磁気共鳴コンピューター断層撮影における脳・脊髄造影及び躯幹部・四肢造影については、先ほど御説明があったとおりですが、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を初回承認より2年延長し、10年間とすることが適切と判断しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。特段ありませんでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、外園委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。
まず、議題5につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題8につきまして、延長を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、審議事項の議題6と報告事項の議題1に移らせていただきます。審議事項の議題6と報告事項議題1は、関連する議題ですので、まとめて御審議いただくこととなっております。審議事項議題6及び報告事項議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、審議事項議題6と報告事項議題1について御説明いたします。
まず、報告事項です。資料10の審査報告書を御覧ください。本剤は、ヒトIgG1のFcドメインにヒトVEGF受容体の細胞外ドメインを結合させた組換え融合タンパク質であるアフリベルセプト(遺伝子組換え)[アフリベルセプト後続4]を有効成分とする製剤であり、アイリーア硝子体内注射液40mg/mL及びアイリーア硝子体内注射用キット40mg/mLを先行バイオ医薬品とするバイオ後続品として、セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン株式会社より製造販売承認申請がなされました。
3/27ページをお開きください。本剤の効能・効果は、先行バイオ医薬品と同様に加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管及び糖尿病黄斑浮腫に関するものとなっております。なお、先行バイオ医薬品が有する効能・効果のうち血管新生緑内障及び未熟児網膜症については、再審査期間及び特許の関係から今回の申請対象には含まれておりません。用法・用量については、いずれも先行バイオ医薬品と同様です。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤とアイリーアの同等性/同質性が確認されたことから、本剤をアイリーアのバイオ後続品として承認して差し支えないと判断をしております。
本剤の毒薬・劇薬の指定の要否については、先行バイオ医薬品アイリーアは、原体・製剤ともに「劇薬」に指定されていることから、アイリーアと同等/同質である本剤についても原体・製剤ともに「劇薬」とすることが適当と考えております。
また、本剤はチャイニーズハムスター由来の細胞を用いて製造されることから、「生物由来製品」とすることが適当と考えております。生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否及び毒薬又は劇薬の指定の要否について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問がありましたらお願いいたします。特段、ありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、外園委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、審議事項議題6につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。また、報告事項議題1につきましては御確認いただいたものとさせていただきます。
続きまして、議題7に移ります。阿古委員におかれましては、薬事審議会審議参加規定第5条に基づき、議題7の審議の間、会議室から一旦、御退室いただきまして、御待機いただくこととなっております。お願いいたします。
──阿古委員 退室──
○森部会長 では、議題7につきまして、事務局から説明をお願いいたします。○事務局 それでは、議題7、希少疾病医薬品として指定することの可否について、御説明いたします。今回、御審議いただく品目の一覧は資料No.7-1のとおりです。
資料No.7-2から順を追って説明いたします。
まず、資料No.7-2、一酸化窒素。申請者はMallinckrodt Manufacturing LLC、予定効能・効果は「肺動脈性肺高血圧症(以下、PAH)又は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(以下、CTEPH)に伴う右心不全の改善」で、当該疾患は指定難病に指定されております。いずれも肺動脈圧や肺血管抵抗が増大する疾患であり、疾患の進行により右心不全を引き起こす、予後不良な疾患です。いずれの患者も、本邦の既承認薬による治療を行ったとしても急性増悪し、右心不全を生じることがあり、右心不全の急性期治療として利尿薬及び強心薬が使用されるものの、既存治療としては充足していません。本剤は吸入剤であり、選択的に肺動脈を拡張するため、体血圧への影響が少なく、循環動態が不安定な当該疾患の患者に対する新たな治療選択肢となることが期待されます。
開発の可能性について、重度の右心不全を有するPAH又はCTEPH患者を対象とした国内試験において有効性が確認され、安全性について明らかな懸念は示唆されておらず、当該試験成績等に基づき、承認事項一部変更承認申請が予定されております。
続きまして、資料No.7-3、Aficamten。申請者はバイエル薬品株式会社、予定効能・効果は「閉塞性肥大型心筋症」で、当該疾患は指定難病に指定されており、本指定は小児開発を対象としたものです。
肥大型心筋症は左室流出路の狭窄の程度により閉塞性肥大型心筋症と非閉塞性肥大型心筋症に大別されます。本邦では、症候性の閉塞性肥大型心筋症患者に対して自覚症状の改善を目的としてβ遮断薬やカルシウム拮抗薬の投与が推奨されており、それらの投与により十分な運動耐容能や自覚症状の改善が認められない患者に対してマバカムテンが承認されておりますが、小児患者に対する用法・用量が承認されている薬剤はありません。本剤は心筋ミオシンに対するアロステリック阻害剤であり、当該疾患患者での心筋の過剰収縮を抑制することで、運動耐容能や自覚症状の改善に寄与することが考えられます。開発の可能性については、6歳以上、18歳未満の患者を対象とした国際共同第II/III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-4、同じくAficamten。申請者は同じくバイエル薬品株式会社で、予定効能・効果は「非閉塞性肥大型心筋症」で、当該疾患は指定難病に指定されております。
本邦では、症候群性の非閉塞性肥大型心筋症患者に対して自覚症状の改善を目的としたβ遮断薬やカルシウム拮抗薬等による薬物療法が推奨されておりますが、当該疾患に係る適応を有する既承認薬はありません。非閉塞性肥大型心筋症患者における心筋の過剰収縮を抑制することで、本剤については運動耐容能や自覚症状の改善に寄与することが期待されており、開発の可能性については国際共同第III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-5、serabelisib。申請者は科研製薬株式会社、予定効能・効果は「難治性脈管奇形」です。本邦における患者数は約34,000人と推測されます。外科的切除や硬化療法による治療が困難な難治性脈管奇形では、致死的な経過をたどる可能性のある、頚胸部への浸潤による呼吸障害、重篤な出血傾向等を伴う場合があります。本邦においては、シロリムスが難治性脈管奇形の効能・効果で承認を取得しているものの、間質性肺疾患や免疫抑制作用による感染症等の安全性の課題があります。本剤は、PI3Kαを選択的に阻害する低分子化合物であり、国内第III相試験において有効性が示唆されております。現在、国内第III相長期投与試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-6、イプタコパン塩酸塩水和物。申請者はノバルティスファーマ株式会社、予定効能・効果は「一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎」です。当該疾患は、指定難病である一次性膜性増殖性糸球体腎炎のサブタイプの一つです。当該疾患は、無症候性の蛋白尿や血尿から急速進行性糸球体腎炎等の幅広い臨床症状を呈しますが、多くの患者でネフローゼ症候群となり、約30%~50%の患者が10年以内に末期腎不全に至るとされております。現在、本邦において当該疾患にかかる効能・効果で承認されている治療薬はありません。Managed Access Programにおいて、患者3例に本剤が投与された結果が報告されており、いずれも尿蛋白の減少及びeGFRの改善又は安定化が認められており、現在、国際共同第III相試験が実施中です。
続きまして、資料No.7-7、ボソリチド。申請者はBioMarin Pharmaceutical Japan株式会社、予定効能・効果は「骨端線閉鎖を伴わない軟骨低形成症」です。
本邦における0~19歳の有病者数は338人との報告があり、対象患者数は5万人を超えないと考えられます。当該疾患は、近位部優位な四肢の短縮と低身長を特徴とする疾患であり、てんかん等の神経疾患や認知機能障害等が認められる場合があります。本邦では、遺伝子組換えヒト成長ホルモンが、骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症による低身長の治療薬として承認されておりますが、身長の改善は僅かであると報告されております。本剤は、海外医師主導試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験等が実施中です。
続きまして、資料No.7-8、ミリキズマブ(遺伝子組換え)。申請者は日本イーライリリー株式会社、予定効能・効果は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」で、本剤については、小児に係る指定に関する申請です。こちらの疾患は指定難病に指定されております。
潰瘍性大腸炎について、小児では成人より短期間で全大腸炎型に進展しやすく、重症化しやすい特徴があります。
本邦では、小児の潰瘍性大腸炎に対してはインフリキシマブ等が用いられますが、既存治療で効果不十分な中等症から重症の小児の潰瘍性大腸炎患者においては、成人に比べて治療選択肢が限られていることから、異なる作用機序を持つ新たな治療選択肢が必要とされております。本剤については、国際共同第II相試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.7-9、ラブリズマブ(遺伝子組換え)。申請者はアレクシオンファーマ合同会社、予定効能・効果は「腎移植時の移植片機能発現遅延の抑制」です。腎移植が実施される全患者が本剤の投与対象となる場合でも、年間約2,000名と推定されることから、5万人未満と考えられます。移植片機能発現遅延は通常、腎移植後七日以内の早期に発症し、透析療法を必要とする急性腎障害と定義をされております。現在、腎移植時の移植片機能発現遅遠の抑制に係る効能・効果で承認された薬剤はありません。本剤については、海外第II相試験において有効性が示唆されており、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。特段ありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、石川委員、外園委員、前田委員、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、議題7につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可として薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーに待機されていらっしゃる阿古委員をお呼びいただけますでしょうか。
――阿古委員 入室――
○森部会長 続きまして、報告事項議題2~4及びその他事項議題1~4に移らせていただきます。では、報告事項の議題2~4及びその他事項議題1~4につきまして、事務局から説明をお願いいたします。○事務局 それでは、報告事項について御説明いたします。今回の報告事項議題について、一覧は資料No.9のとおりです。
議題2から説明いたします。まず、議題2、資料No.11、医薬品アイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mL、同8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mLの製造販売承認事項一部変更承認について、バイエル薬品株式会社より、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に係る効能・効果及び用法・用量の追加に関する申請がありました。機構において審査を行いまして、承認して差し支えないと判断をしております。
続きまして、議題3、資料No.12、医薬品の承認条件についてです。シグニフォーLAR筋注用キット10mg、同筋注用キット20mg、同筋注用キット30mg、同筋注用キット40mgについては、「クッシング病(外科的措置で効果不十分又は施行が困難な場合)」の効能・効果について、全例調査に係る承認条件が付されておりました。
この度、製造販売業者であるレコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社から、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構における評価の結果、全例調査に係る承認条件は対応されたものと判断しております。
続きまして、議題4、医療用医薬品の再審査結果についてです。資料13-1、シグニフォーLAR筋注用キット20mg、同40mg、同60mgについて、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社より、各疾患における成長ホルモン、IGF-1(ソマトメジンC)の分泌過剰状態及び諸症状の改善、「先端巨大症」、「下垂体性巨人症」、外科的措置で効果不十分又は施行が困難な場合に係る効能・効果について再審査の申請がありました。また、資料No.13-2、サデルガカプセル100mgについて、サノフィ株式会社より、ゴーシェ病の諸症状、貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状の改善に係る効能・効果について再審査の申請がありました。いずれについても機構において確認しまして、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断をしております。
その他の議題1に移ります。資料No.14、最適使用推進ガイドラインの対象となる医薬品の選定についてです。ビエプチ点滴静注100mgについて、ルンドベック・ジャパン株式会社より片頭痛発作の発症抑制に係る効能・効果での申請がありまして、こちらについて、最適使用推進ガイドラインの作成対象とすることが適切と判断をしております。
続きまして、資料No.15、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の評価報告についてです。資料No.15の1ページを御覧ください。一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会より、メトトレキサートについて、「同種造血細胞移植時の移植片体宿主病の抑制」に係る適応拡大が要望されました。第52回の検討会議において、医療上の必要性に関して該当ありと評価をされまして、3.の公知申請の説明に飛びますが、国内外の教科書、診療ガイドライン、公表文献等を踏まえまして、有用性は、医学薬学上公知であると判断をしております。2ページを御覧ください。効能・効果については「造血幹細胞移植時の移植片対宿主病の抑制」とすることが適切と判断をしており、用法・用量、用法・用量に関連する注意については、2ページの下部に記載のとおりとすることが適切と判断しております。
続きまして、資料No.16、バイオ後続品等における最適使用推進ガイドラインの取扱いについて御説明いたします。最適使用推進ガイドラインについては先行の医薬品が承認される際に作成しておりますが、バイオ後続品が同効能で承認をされる際にも、バイオ後続品に対しては先行品の承認時に作成した最適使用推進ガイドラインを適用することとしております。こちらについては、令和8年2月に事務連絡として発出しております。
最後、議題4その他、資料No.17です。再生医療等製品と併用するタクロリムスについてです。別の部会の話にはなりますが、先月の薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会において、再生医療等製品アムシェプリの承認の可否について議論され、承認を可と判断をされております。こちらについては、iPS細胞由来の細胞移植でして、免疫抑制剤であるタクロリムスを併用することとなっております。
つきましては、タクロリムスについて2ポツに書いている細胞移植に伴う免疫反応の抑制に係る効能・効果について承認申請をされ、こちらの効能において製造販売承認することが適当と判断しております。説明は以上です。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。特段ありませんでしょうか。
それでは、報告事項議題2~4及びその他事項議題1~4につきましては御確認いただいたものとさせていただきます。
本日の議題は以上ですが、事務局から報告はありますでしょうか。
○医薬品審査管理課長 審査管理課長です。本日も長時間の御議論、ありがとうございました。
この医薬品第一部会につきましては、本日が今年度最後の開催となります。委員のうち、赤羽委員におかれましては今回で委員の任期を迎えられ、御退任となります。赤羽委員より、一言、御挨拶を頂ければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○赤羽委員 ありがとうございます。東邦大学の赤羽でございます。2017年から、非常に長い期間にわたり大変お世話になりました。私自身も一生懸命お役に立とうと思って頑張ってはいたのですけれども、お役に立てたことの何倍も、ここで機構の方々とか先生方の真摯な御議論を拝聴しながら、すごくたくさんのことを学ばせていただきました。今後ですけれども、また引き続き患者さんに有効なお薬をお届けできるように、ちょっと違う立場から尽力してまいりたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございました。
○事務局 次回の部会の御案内ですが、令和8年4月24日(金)午後2時から開催をさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 まずは、赤羽委員の長きにわたります御貢献に厚く御礼申し上げたいと思います。本当に長らくありがとうございました。
それでは、本日の審議は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬品審査管理課 専門官 津田(内線4233)

