第4回労働市場改革分科会 議事録

1.日時

令和8年5月27日(水)8:00~9:30

2.場所

厚生労働省 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号17階公園側)

3.出席者

構成員
上野 賢一郎 厚生労働大臣(分科会長)
長坂 康正  厚生労働副大臣(分科会長代理)
神谷 政幸  厚生労働大臣政務官(分科会長代理)
石﨑由希子  横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授
伊藤 仁   日本商工会議所 専務理事
片岡 剛士  PwC コンサルティング合同会社 上席執行役員、チーフエコノミスト
近藤 絢子  東京大学社会科学研究所 教授
坂本 貴志  株式会社インディードリクルートパートナーズリクルートワークス研究所 研究員
神保 政史  日本労働組合総連合会 事務局長
中根 弓佳  サイボウズ株式会社 執行役員、人事本部長
藤原 清明  日本経済団体連合会 専務理事
水島 郁子  大阪大学大学院高等司法研究科 教授
室賀 貴穂  九州大学大学院経済学研究院 准教授

事務局
山田厚生労働審議官
青山大臣官房総括審議官
岸本労働基準局長
村山職業安定局長
宮本人材開発統括官
大隈大臣官房審議官
河野政策立案・総括審議官
岡政策統括官付参事官(総合政策統括担当)

内閣官房日本成長戦略本部事務局 坂本次長
内閣府規制改革推進室次長 菱山次長
文部科学省 橋爪大臣官房審議官(総合教育政策局担当)
経済産業省 竹田大臣官房審議官(経済産業政策局担当)
国土交通省 平嶋大臣官房審議官(不動産建設・経済)
国土交通省 木村大臣官房審議官(物流・自動車)

4.議題

日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ(案)について

5.議事

○山田厚生労働審議官 定刻より少し早いですが、全ての方がおそろいになりましたので、ただいまから第4回「日本成長戦略会議労働市場改革分科会」を開催いたします。
 皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。本日、議事進行を務めます厚生労働審議官の山田です。よろしくお願いします。
 それでは、分科会の開会に際しまして、上野賢一郎厚生労働大臣から挨拶をいただきます。
○上野厚生労働大臣 皆さん、おはようございます。本日は、早朝からお集まりをいただきましてありがとうございます。
 日頃から当分科会の活動、その他、厚労行政に際しましては大変な御支援、また、御協力をいただいておりまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
 本分科会におきましては、これまで3回にわたって構成員の皆様から、リ・スキリング支援や労働生産性の向上、希望に応じた円滑な労働移動の促進、労働時間法制等に係る政策対応を含む多様な人材の労働参加の促進、企業の人材マネジメントへの支援などにつきまして、実りある御議論をいただいてまいりました。皆様からいただきました御意見、これまでの議論の内容については事務方から報告を受けているところであります。
 本日は、これまで委員の皆様からいただきました御意見を踏まえて作成をした本分科会のとりまとめ(案)を提示させていただきたいと考えています。労働市場改革を進めていくため、委員の皆様におかれましては本案について忌憚のない御意見を賜れればと思います。本日も闊達な御議論をお願いいたします。
 簡単ですが、御挨拶とさせていただきたいと思います。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
 上野大臣、長坂副大臣は、他の公務のため途中退席となっております。
 カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いします。
(報道関係者退室)
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります前に、本日の分科会について事務的な御連絡を申し上げます。
○岡政策統括官付参事官 本日の資料は、お手元のタブレットで御覧いただけます。操作方法に不明な点がある場合は、事務局にお申し付けください。
 オンライン参加の委員の皆様におかれましては、原則としてカメラはオン、マイクはミュートとしてください。御発言の際は、挙手ボタンを押していただき、指名があるまではお待ちください。指名後、ミュートを解除して御発言ください。機器等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせいただくか、事前に事務局からお送りしております電話番号まで御連絡をいただけますと幸いでございます。
 本日、山田委員は所用により御欠席、近藤委員は所用により途中からの御出席となっております。
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります。
 本日の議題は「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ(案)について」となっております。
 資料1の「日本成長戦略会議 労働市場改革分科会 とりまとめ(案)」について、まずは事務局から御説明をいたします。
○河野政策立案総括審議官 政策立案総括審議官の河野でございます。とりまとめ(案)について御説明を申し上げます。
 1ページを御覧ください。
 冒頭、労働市場をめぐる現状や課題等について概観を記載いたしております。
 4つ目の○で、労働力がより希少になる中でも、我が国の労働供給力強化を実現していくためには、17の戦略分野等の成長分野における人的資本投資の促進や成長分野への円滑な労働移動といった労働生産性の向上に向けた取組を進めていくとともに、女性、高齢者をはじめとした、多様な人材の労働参加の促進など、労働市場全体の供給力強化に向けた改革を進めていく必要がある。
 また、社会インフラの提供体制の確保に向けて、その担い手である中小企業・小規模事業者の活力の維持・強化や必要となる人材の不足を解消する必要があり、AIの活用も含めた省力化や、効率的な業務分担等の推進、他職種との遜色のない処遇改善の継続的な実施、働く環境の基盤整備、多様な人材の参入促進等が求められる。
 併せて、以上のような取組の推進のためには、経営改善に関わる取組とも整合性を持って進めること、人材マネジメントの見直しを行うことも必要。労働力供給制約下では、こうした経営戦略と人材戦略の連携強化がより一層重要となってきており、特に我が国の大宗を占め、人材の育成・確保に課題を抱える中小企業におけるこれらの連携を強化していくことが求められる。
 2ページにお進みください。
 第1回で御議論いただき整理しました論点を集約して記載をしてございます。
 3ページ以降に、労働市場改革の方向性についてとりまとめております。
 全体について申し上げますと、先ほど大臣のコメントの中にもございましたけれども、処遇向上に向けたリ・スキリング支援や労働生産性の向上、労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進、多様な人材の労働参加の推進に取り組むとともに、これらの改革が各企業で実現されるよう、中小企業をはじめとした企業の人材マネジメントの支援を進めるとしてとりまとめてございます。
 1つ目の柱で「処遇向上に向けたリ・スキリング支援や労働生産性の向上」です。「(1)戦略的なリ・スキリングの推進等」、6ページ以降に「(2)社会インフラ関連分野の労働生産性の向上、担い手の確保」の2つにとりまとめております。
 なお、以降、○で現状と課題、主な意見、●で対応の方向性、で構成をいたしております。
 「(1)戦略的なリ・スキリングの推進等」です。最初の2つの○で現状と課題を整理いたしております。
 3つ目の○以降、いただいた主な意見を記載しております。国や地域において、産業政策と連携しながら、将来の社会や就業構造からバックキャストし、労働需要の高まりが想定される17の戦略分野等の成長分野等において、必要となるスキルや人材像を明らかにした上で、中長期的な目線で取り組んでいくことが重要。
 一番下の○でございますが、正社員に比べて企業による人材投資の機会に恵まれていない非正規雇用労働者に対して、公的機関が連携しながら支援体制を強化することが重要。
 4ページでございますが、非正規雇用労働者等に対しても、生活支援と職業訓練を受け、よりよい処遇の仕事への移動や再就職の実現をより一層支援していくべきといった御意見をいただきました。
 以上を踏まえた今後の具体的な対応について、●でまとめてございます。
 まず、戦略的なリ・スキリングを推進していくため、最初の2つは、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省と、業所管省庁や業界団体が連携した新たな取組でございます。17の戦略分野や、建設や医療・介護・障害福祉をはじめとした社会インフラ関連分野等の業所管省庁や業界団体などによる人材育成等の取組と、文部科学省、厚生労働省、経済産業省による支援策との有機的な連携を図ることにより、スキルの標準化・可視化から、プログラム開発・提供までを一気通貫で支援する取組を強力に進め、社内外の労働移動・処遇向上につなげる必要がある。
 2つ目の●の下から5行目を御覧いただきまして、教育訓練プログラムについて、所管する大臣が認定する制度を創設した場合、所管省庁と厚生労働省が連携して精査した上で、専門実践・特定一般教育訓練給付の対象とすることを検討する必要がある。
 5ページにお進みください。
 17の戦略分野等の投資のボトルネックにならないよう、建設分野における取組について盛り込んでおります。担い手の確保に向けた処遇改善、建設技能者の労働生産性の向上や、キャリアに応じた技能の向上や賃金の支払いにつなげていくため、DX推進や資格取得、建設キャリアアップシステムの普及促進のための支援について検討する必要がある。
 次は、リ・スキリング機会へのアクセス向上に向け、2つ目の●、中小企業が抱える人材育成の課題を解決するため、全国の生産性向上人材育成支援センター等における個別企業におけるオーダーメード型の伴走支援やよろず支援拠点等と連携した経営者等に対する支援の強化、産業・地域単位で複数企業が共同で行う訓練の促進が必要。
 最後の●を御覧いただきまして、雇用保険を受給できない非正規雇用労働者等に対するリ・スキリングを促進するため、職業訓練の受講に向けた支援の在り方について検討する必要がある。
 6ページにお進みください。
 次は、1つ目の柱の「(2)社会インフラ関連分野の労働生産性の向上、担い手の確保」についてです。
 最初の2つで、現状と課題を整理してございます。
 3つ目の○以降で、いただいた主な御意見を記載してございます。労働力供給制約下においても、将来にわたって必要な社会サービスを確保するために、社会を支える社会インフラ関連職の安定的な確保や生産性の向上に取り組むことは、国民の安心・安全を確保する観点から極めて重要な課題であること。
 4つ目の○、引き続き、適切な価格転嫁・取引適正化や処遇改善に向けた取組を進めるとともに、1つ目のポツ、労働生産性向上に向けた人材や設備投資等への支援を、政府として複数年度にわたって継続的に進めるとともに、労働生産性の向上を通じて、現場の負担の軽減や職場環境の改善を実現していくことにより、離職の防止やこれらの分野への労働移動を促していくべき。2つ目のポツ、現場の労働生産性向上に向け、いわゆる「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の育成について、さらなる取組を進めていくべき。一番下のポツでございますが、こうした分野の人材確保は、市場メカニズムに任せるだけでは不十分であり、ハローワークの取組をさらに強化するとともに、公的機関と民間の人材サービスとの連携を含め、人材確保に向けた取組を進めていくことが重要といった御意見をいただきました。
 7ページにお進みください。
 以上を踏まえまして、今後の具体的な対応として、1つ目の●、社会インフラ関連分野の労働生産性向上やいわゆる「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の育成・確保に向けて、労働生産性向上のための設備投資などの関連施策と連携しつつ、必要なスキルの見える化や実効性のある教育訓練プログラムの開発、訓練受講のための支援、専門学校の教育の高度化支援を図る必要がある。
 その次の3つは、医療分野、介護・障害福祉分野、物流分野等におけるそれぞれの生産性向上、人材育成に向けて推進する取組をまとめてございます。
 次は、地域で必要となるサービスの担い手の確保に向けた取組として、全てのハローワークにおいて、医療機関や介護施設等を訪問して、求人条件の見直しのアドバイスを行うなど、医療・福祉等の分野の社会インフラ関連職の人材確保を最重点事項と位置づけて取り組むこと。
 8ページにお進みいただきまして、1番目の●、民間職業紹介については、手数料率等の実績を確認できるサイト等により「見える化」に取り組む必要がある。
 9ページにお進みください。
 2番目の柱で「労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進」についてです。
 最初の3つの○で現状と課題を整理し、次のところにいただいた主な御意見を整理してございます。雇用保険制度について、失業時等の生活保障や失業予防・雇用継続といった観点や、労働移動を希望する働き手の早期再就職を後押しする仕組みへと見直していくといった観点から、在り方を検討すべき。「労働市場の見える化」について、より高度で、より分かりやすいものへと改善を進めていくべき。また、この取組と併せて、情報の受け手である労働者へのワークルール教育の推進が必要ではないか。地域コミュニティーやインフラを支え、地域に貢献している企業の人手不足を助長することのないようにするためにも、特に中小企業の人材確保に大きな役割を果たしているハローワークにおけるAI、デジタル技術の活用やマッチング機能のさらなる強化を図るべき。最後のポツでございますが、外部労働市場の活性化に向けた取組と併せて、内部労働市場の活性化に向けた企業内部での人材育成や新事業展開への支援も進めていくべきといった御意見をいただきました。
 10ページにお進みください。
 以上を踏まえまして、今後の具体的な取組として、労働移動を希望する労働者のニーズを踏まえ、失業中の生活保障など労働者の生活と雇用の安定といった制度の役割を維持した上で、労働力がより希少になる中での雇用保険制度における対応の在り方について、令和8年末を目途に結論が得られるよう引き続き労働政策審議会において検討する必要がある。
 また、労働者の希望に応じた円滑な労働移動の実現に向けたマッチング機能強化といたしまして、17の戦略分野等の成長分野への労働移動を円滑化するため、スキルの情報、スキルにひもづいた多様な教育訓練プログラムと職業に関する情報といったデータ連携を強化する。また、労働に関する情報を一元的に提供する総合的データプラットフォーム「みんなの労働ナビ」について、その利便性向上のため、各種支援制度の申請画面への遷移やAI機能の装備について検討する。
 最後の●のところですが、ハローワークにおいて、きめ細かな就職支援、人手不足が深刻な求人企業に対する個別の取組などによりマッチング機能を強化する必要がある。また、民間雇用仲介事業者については、人材サービス総合サイトの活用促進等により適切な事業者を選択する環境づくりを進める。
 11ページにお進みください。
 3番目の柱で「多様な人材の労働参加の推進」についてです。
 11ページから12ページの中ほどにかけて、現状と課題を整理してございます。
 2つ目の○のところを御覧いただきまして、生産年齢人口の減少が続く中でも、リーマンショック以降の労働投入量は、女性や高齢者を中心とした就業者数の増加により維持されてきた。女性や高齢者については、既にこれまでの取組を通じて就業率が高まっていることを念頭に置きつつも、労働力供給制約下での我が国の経済成長の実現に向けて、さらなる労働参加を促進していく必要がある。
 3つ目の○でございますが、国内には、就業意欲はあるが求職活動を行っていない無業者や育児・介護等一定の制約を理由に非正規雇用を選択している労働者が約700万人存在していると考えられるほか、一定限度内で労働時間を増やしたいとする労働者も1割程度存在しており、労働力供給余地を生かし労働参加を進展させるシナリオでは、2040年においても2022年の総労働時間をほぼ維持できると推計されています。
 4つ目の○で、生産年齢人口減少に伴う労働力供給制約が進む中、長時間労働が可能な一部の者に依存する働き方では、持続的な成長は見込めない。女性や高齢者、さらには自身の創造的な能力を発揮したい者など、多様な事情や希望を持つ誰もが働きやすい労働環境を整備し、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方を実現できるようにしていくことが不可欠。また、次のパラグラフですが、非正規雇用労働者の処遇改善、就業意欲を持つ無業者に対するきめ細かな支援、正規雇用での就業希望を持つ労働者に対する正社員転換の推進なども労働参加の促進の観点から重要。加えて、さらなる労働参加の促進に当たっては、その能力が最大限発揮されるよう、雇用の質の向上を図ることが重要。
 11ページの最後の○ですが、労働時間に関する制度・運用については、罰則つきの上限規制が適用された「働き方改革関連法」の施行から約7年が経過し、週60時間以上働く労働者の割合が低下するなどの成果も見られる一方、一部には「働き方改革」のメッセージが必ずしも正確に受け止められていなかったのではないかとの指摘も見られる。
 12ページでございます。
 「働き方改革」の今日的な意義は、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスの確保の観点から長時間労働の是正を図るとともに、労働生産性向上を促し、併せて多様な労働者の労働参加を可能とすることを通じて労働力希少社会において持続的な労働供給の確保につなげるものである。
 次の○は、厚生労働省で行いました「働き方改革関連法施行後5年の総点検」について、その結果を記載してございます。
 3番目の柱の「多様な人材の労働参加の推進」につきましては「(1)柔軟で多様な働き方の実現に向けた労働時間法制等」と、15ページ以降で「(2)更なる労働参加の促進やスキルと能力を十分に発揮できる環境の整備」の2つに分けて、委員の皆様からいただいた御意見と、それらを踏まえた今後の対応の方向性についてとりまとめてございます。
 (1)の2番目の○、時間外労働の上限規制についてです。時間外労働の上限規制については、業種・業態や規模によって対応が厳しい、月45時間・年6回までの上限規制の一部例外措置が必要であるとの意見がありました。また、ヒアリングでは、もっと働きたいのに働けない従業員がいる、都市と地方で温度差がある、労使協議の機会設定や労働時間管理の負担が大きいとの意見がありました。
 他方で、労働者の健康確保や生活時間保障を基本とすべきであり、長時間労働が助長されるような働き方は結果的に多様な人材の労働参加の妨げになる等の観点から、上限規制を緩和すべきでないとの多くの意見がありました。
 次は、裁量労働制についてです。裁量労働制は、柔軟で自律的な働き方を可能にする、ワーク・ライフ・バランスに資する面もある等の観点から、適正に運用されれば労使双方にとってよい制度であるとして、制度の濫用防止策とセットで拡充の議論を進めるべき、実際の裁量の程度や業務量によって長時間労働となる確率等に影響があり、まずは2024年度改正後の状況把握が必要、適正に運用されるためにどうあるべきか労働政策審議会で慎重に議論を深めるべきとの意見があった。
 13ページでございます。
 他方で、長時間労働になりやすく、裁量や適切な処遇が必ずしも確保されていない実態がある中で、制度拡充を行うべきではなく、2024年度改正を踏まえた厳格な導入手続や定期的なモニタリングなどの適正運用を徹底すべき、柔軟で多様な働き方はフレックスタイム制度など現行制度の活用によっても可能であるとの意見がありました。
 次は、変形労働時間制についてです。天候の変化や取引先との関係等によって繁忙が大きく左右されることに十分対応できず「30日前」要件の短縮等の見直しを検討すべき、現場の実情に合わせた柔軟な設計の検討が必要であるが、労働者の予見可能性や健康確保が最優先であり、その客観的要件を明確化するなど限定的であることを前提に議論すべきとの意見がありました。
 他方、原則の法定労働時間を超過することも可能となる例外的な制度であり、労働者保護の観点から様々な要件が課されている趣旨を踏まえれば、長時間労働の常態化や生活時間設計を損なう要件緩和などは行うべきでないとの意見がありました。
 勤務間インターバル制度の義務化や長期の連続勤務の制限などについて、例外措置や代償措置も含め検討を進めるべき、つながらない権利の導入も検討すべきとの意見がありました。
 勤務間インターバル制度について、各社の実態に応じた柔軟な制度設計が可能となる方向で検討することが重要であるとの意見がありました。
 副業・兼業については、自己の判断で行うものであり、割増賃金の通算管理を見直すべきとの意見、割増賃金規制も含めた労働時間の通算規定の堅持が必要等の意見がありました。
 フレックスタイム制は、労働者の働きやすさや働きがいを高めるために有用であり、フレックスタイム制と通常勤務日の組合せを可能とするべきとの意見がありました。
 14ページです。
 事業主や労働者が置かれている個別の事情に合った支援を、労働基準監督署と働き方改革推進支援センターが連携して実施することについては、よろず支援拠点や商工会議所を含めて連携することは有効な方策。時間外労働を推奨する方向での制度・運用の見直しを行うべきではないとの意見がありました。
 労働基準監督署における指導につきましては、指導が画一的・硬直的なものとなっている。法制度の違反という観点での指導とすべき。労働者の命と健康を守るための最低基準である労働基準法の趣旨を踏まえた厳格な対応を堅持するべきとの意見がありました。
 ●のところです。労働時間法制等に係る政策対応の在り方については、労働政策審議会でも議論されてきたとおり、柔軟で多様な働き方の推進の観点や労働者の一層の健康確保の観点から様々な論点が存在している。
 本分科会の議論では、いずれも簡単に結論が得られるものではないが、日本成長戦略会議で取り上げた趣旨も踏まえ、労働参加率や労働生産性向上の必要性に鑑み、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスを前提とするとの認識を共有しつつ、柔軟で多様な働き方を含む労働時間法制等に係る政策対応については、夏以降の労働政策審議会において、議論を行う必要がある。時間外労働の実態と上限規制との間に「隙間」がある中で、上限規制は過労死認定ラインであり、上限規制を維持し、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスの確保の観点から長時間労働の是正を図るとともに、労働生産性向上を促し、併せて多様な人材の労働参加を可能とすることが重要。裁量労働制については、適正に運用されれば労働者にとってもよい制度であるが、長時間労働になる、裁量や適切な処遇が確保されていない実態があることが指摘されている。現場の実態や労使双方の立場を十分に踏まえて、健康確保、長時間労働防止、適切な処遇の確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方について、見直しの検討を行う必要がある。変形労働時間制については、他律的な要因に十分対応できていない現場の実態や、労働者の生活時間や予見可能性の確保にも留意しつつ検討を進める必要がある。労働者の健康確保や生活時間の確保が重要であり、これらは多様な人材の労働参加に当たっても重要であることから、連続勤務規制や勤務間インターバル制度の法的な位置づけ、「つながらない権利」の在り方、副業・兼業に当たっての健康確保、テレワークの活用促進などについて、現場の実態や労使双方の立場を踏まえて、検討を進める必要がある。
 15ページにお進みいただきまして、運用についてです。
 時間外労働の実態を踏まえた、36協定の締結や柔軟な労働時間制の活用について、よろず支援拠点等との連携を強化しつつ「働き方改革推進支援センター」や労働基準監督署による相談支援の充実を速やかに実施するとともに、必要な体制整備については2027年度以降も着実に実施を図る必要がある。労働基準監督署において、重大・悪質な事案に対しては厳正に対応しつつ、労働時間や労働者の健康確保措置に関する労使の合意に沿った指導が行われるよう速やかに見直す必要がある。
 さらに、運輸業における荷主対策、建設業における適正な工期の確保など、業種・業態の特性に応じた働き方改革推進の取組について、業所管官庁との連携を着実に進める必要がある。
 労働時間法制については以上でございます。
 次は「多様な人材の労働参加の推進」の「(2)更なる労働参加の促進やスキルと能力を十分に発揮できる環境の整備」についてです。
 労働力供給制約が厳しさを増していくことが見込まれている中で女性、高齢者をはじめとしたさらなる労働参加を促進していく上では、社会全体として長時間労働が可能な労働者に依存した働き方から脱却し、長時間労働の是正に取り組むとともに、両立支援制度を柔軟で多様な勤務制度の整備に取り組む必要があることについて、意見が一致いたしました。
 その上で、特に女性の労働参加を促進していくため、家事・育児負担の軽減が重要であり、男性の家事・育児への参加の促進や、企業に対するコンサルティング支援の強化等を進めていく必要がある。高齢者の労働参加の促進に向けて、フルタイム勤務と比較して労働負荷が低く、かつ地域に根差した「小さな仕事」で働くことが現実的である場合もあることを踏まえながら進めていくべきではないかといった意見がありました。
 16ページにお進みください。
 また、自らの能力を最大限発揮して活躍できるよう、非正規雇用労働者の待遇の改善に向けた、いわゆる「同一労働同一賃金」の徹底や、正社員転換の促進に引き続き取り組むべきである。障害者雇用については、能力や適性を生かし、企業・社会で活躍する主体であるとの認識の共有・醸成を図り、雇用の「質」の向上に関する法令等を整備するとともに、質の高い雇用を実現する事業者へのインセンティブ措置等に取り組む必要がある。事業主の責務として「職業能力の開発及び向上」が含まれることの周知等が重要。雇用率制度の対象とならない障害者を含めた就労促進も進めていく必要がある。能力開発やキャリア形成を処遇の改善につなげるため、政府による支援策を強化する必要があるとの意見がございました。
 以上を踏まえた、今後の具体的な取組でございます。
 多様な働き方の実現を通じた労働参加を促進するため、女性、高齢者をはじめとした多様な人材のさらなる労働参加の促進には、社会全体として長時間労働が可能な労働者に依存した働き方からの脱却が不可欠であり、商慣行の是正等を含む長時間労働の是正に引き続き取り組む必要がある。
 3つ目の●、4行目でございますが、社会的機運醸成による「共働き・共育て」を推進する必要がある。
 最後の●のところ、女性活躍を加速化するため、企業向けアウトリーチ・伴走型支援を行う必要がある。
 17ページにお進みいただきまして、2つ目の●、高齢者の労働参加促進のため、ハローワークにおける地域ニーズに応じたきめ細やかなマッチングの推進。シルバー人材センターにおける多様なニーズや健康状態に応じた就業機会の提供等に取り組む必要がある。
 さらに、一人一人がスキルと能力を十分に発揮できる環境を整備するため「同一労働同一賃金」のさらなる遵守徹底に向けて、改正されたガイドラインの周知徹底とともに、都道府県労働局による報告徴収等を通じ、現場における履行確保に取り組む必要がある。
 障害者雇用の「質」の向上に向け、ガイドラインの策定、優良認定制度の大企業への拡大、手帳を所持しない難病患者の就労促進を含め、雇用率制度等の在り方について検討を行う必要がある。
 18ページにお進みください。
 以上のとおり、労働力供給制約下において、人的資本投資の促進やさらなる労働参加の促進といった供給力強化に向けた労働市場改革を進めていく必要がありますが、こうした改革は、単に法制度や施策を変更するだけで実現するものではなく、各企業において、労使の話合いにより、経営戦略に連動した人材戦略の策定と実践、人材活用、能力開発、多様な人材が定着し、安心して働ける職場づくりといった人材マネジメントが進められていくことを通じて実現するものである。
 一方で、規模の小さい企業ほど、人材確保等の方針を定めていない、将来必要となる人材を想定した能力開発を実施していない、中小企業が最も重視する経営課題は「人材確保」となってございます。労働力供給制約下で、希少化する人材の一層の能力発揮、多様な人材の活躍を可能にするといった取組がこれまで以上に必要となることも考えられ、特に中小企業をはじめ、企業の人材マネジメント支援に取り組んでいく必要がある。
 こうした企業における人材マネジメントへの支援については、人材戦略上の課題を抱える中小企業に対して、個々の企業が抱える課題に応じた効果的な支援を行う上では、経営課題への対応と一体となって取り組むことが重要で、関係機関がそれぞれの役割分担を明らかにした上で連携しながらその機能を強化し、プッシュ型の伴走支援を行っていくことが必要ではないか。労働生産性の向上に向けて企業の組織・人事戦略上の課題を抱える経営者等に対する支援が重要であり、こうした経営者等とコンサルタントの支援も考えられるのではないか。支援を行うに当たっては、特に成長を志向し、地域を牽引するような優れた経営を行う企業や、地域のコミュニティーや医療・福祉といった地域の社会インフラを支える企業などに対して重点的な支援を行っていくべきではないかといった御意見がございました。
 19ページにお進みください。
 以上を踏まえまして、働き方改革推進支援センターを中心として、よろず支援拠点等との相互連携を強化することにより、労務相談のみならず、経営課題の相談にも対応できる新たなネットワークを構築し、中小企業・小規模事業者に対して総合的な支援を実施する必要がある。
 また、JEEDが運営する生産性向上人材育成支援センター、ハローワーク等におきまして、人材育成や人材確保、職場定着等を支援する個別の支援策を充実させる必要がある。
 私からの説明は以上です。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
 それでは、とりまとめ(案)について、委員の皆様から御意見、御質問を承りたいと思います。
 御意見、御質問のある方は、御自身の名前の札を立てていただきますようにお願いいたします。オンラインにて御出席の方で、御意見のある方は、挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。まずは会場の皆様に御発言いただき、次にオンラインの皆様に移ってまいりたいと思います。時間が限られておりますので、皆様からの御意見の機会を確保するため、お一人につき3分程度、簡潔に御発言いただければと思います。
 では、神保委員、お願いします。
○神保委員 おはようございます。私からは、議論のとりまとめに当たりまして、労働時間制度及びリ・スキリング関係について、意見を申し上げます。
 まず、労働時間制度について、とりまとめ(案)の14ページで「労働政策審議会において、議論を行う必要がある」と結論づけられたことは、ILOの三者構成原則に沿ったものであると受け止めております。
 その上で、働き方改革から約7年が経過しましたけれども、今なお過労死はなくなるどころか、健康被害は増加の一途をたどり、長時間・過重労働や連続勤務などによる心身の不調を訴える者も後を絶たないというのが現場の実態です。
 前回も申し上げましたけれども、そもそも「働き方改革」は、長時間労働に依存した企業文化を見直し、いかに生産性を高めながら労働時間を減らしていくのかについて、労使で議論し、解決策を見いだすことに重きを置いたものであると認識をしているところです。
 本分科会では、第1回より多くの委員から、「多様な人材のさらなる労働参加を図るためには長時間労働に依存した働き方からの脱却が必要」、「リ・スキリング時間を確保する観点でも長時間労働の是正が重要」、さらには「長時間労働や転勤を前提とした雇用慣行の見直しが必要」といった御指摘があり、「働き方改革」のさらなる定着と促進の必要性には一定のコンセンサスがあったものと受け止めております。
 にもかかわらず、とりまとめ(案)において、裁量労働制や変形労働時間制について緩和を示唆する内容が盛り込まれていることは長時間労働を招きかねないものであり、働く者の立場からは懸念があると言わざるを得ません。
 また、労働時間の運用面の見直しにも言及がありますが、法律の範囲内だからといって労働時間を増やすような見直しを行うべきではありませんし、労働者の命と健康を守る砦である労働基準監督署における指導監督は厳格に行うことが必要不可欠であると考えているところでございます。
 誰もが健康で豊かな生活時間を確保できる労働時間制度を確立することが急務かつ重要です。そうした観点に立てば、今後の労政審の議論においては裁量労働制の拡充などの規制緩和ではなく、連続勤務規制の導入や、勤務間インターバル制度の義務化、「つながらない権利」の立法化などの検討こそ深めるべきであることは強調しておきたいと思います。
 次に、リ・スキリングの推進などについてです。とりまとめ(案)で示されたマッチング機能の強化やリ・スキリングを含む能力開発の推進は、労働移動の有無にかかわらず重要であると受け止めておりますが、そもそも、労働移動は労働者自ら希望して行うものであり、移動先の魅力ある賃金・労働条件、あるいは雇用の安定の実現こそ取り組まなければならないことだと思っております。長時間労働ありきの企業は現に労働者から選ばれなくなっておりますし、そうした観点での労働市場を通じた取組も重要であると思います。
 また、雇用保険制度は労働者の生活や雇用の安定という制度本来の役割を維持・強化すべきであると考えております。
 さらに「同一労働同一賃金」の遵守徹底など、パート・有期・派遣労働者の待遇改善、障害者雇用の質の向上に向けた見直しなど、全ての働く者が安心・安全に就労できる環境整備を進めていく必要があることを改めて申し上げておきます。
 私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 そのほか、御意見ありますでしょうか。
 そうしましたら、片岡委員、お願いします。
○片岡委員 御説明ありがとうございました。事務局の方からとりまとめをいただきまして、非常にいろいろな観点からいろいろな委員の方の意見をまとめていただいてよかったかなと思います。
 やはり今回の議論ということで、何のために議論しているかという話をまず申し上げたいと思うのですが、日本成長戦略会議の中で投資を促進するというところを起点としながら、そのために必要な労働市場改革といったものはどういうものがあるのかという話で、ある意味、投資を促進する、ないしは成長分野をよりアクセラレートしていくためにどういう労働市場が必要なのか。こういう観点でのお話だったのかなと理解しています。
 そういう意味においては、参加率を高め、働きたい人が働けるような環境をつくっていくということが絶対的に必要であると思います。いろいろな立場があるかと思いますけれども、基本的に働きたい方が働けるような環境をいかに整備していくのかというのは、今後の労働力の低下、頭数を含めた、そうしたところを考える上においては非常に必須であるかなと思っています。
 1点、事務局の方に御質問したいと思うのですけれども、今回とりまとめをしたお話というものがどういう形で成長戦略の中で生かされるのかというところについて、この辺りを教えていただければと思います。
 以上です。
○山田厚生労働審議官 そうしましたら、今の片岡委員からの御質問に対して、お願いします。
○河野政策立案総括審議官 政府全体で成長戦略が今後とりまとめられていくと承知をしておりますけれども、この分科会のとりまとめのエッセンスが盛り込まれていくというように思っておりまして、そのように調整をしてまいりたいと思ってございます。
○片岡委員 この辺りは、どういう話がエッセンスとして成長戦略に何が入っていくのかというところは、何か現状で決まっていることとかお考えになっていることはあるのでしょうか。
○河野政策立案総括審議官 この分科会のとりまとめに関しましては、冒頭御説明しましたように、現状・課題の認識と、皆様からいただいた御意見と、●で対応の方向性のようなものを整理いたしております。特に重要なのは対応の方向性のところだと思いますが、その部分を中心に、ただし、分量としては非常に多いですので、エッセンスが入っていくということかと思います。
○片岡委員 分かりました。
○山田厚生労働審議官 伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 日本商工会議所の伊藤でございます。今回、とりまとめ(案)を拝見しまして、中小企業・小規模事業者の労働分野における課題、とりわけ支援の部分についてはいろいろ目配りをして記載していただいていることにつきまして、まずは御礼を申し上げたいと思います。こうした中小企業の支援に係る論点につきましては、本とりまとめ(案)をもとに、さらに議論を深めていきたいと思います。
 とりまとめ(案)の労働規制、特に労働時間法制について意見を申し上げます。本文に記載がありますように、今後、労働政策審議会で議論していくという方向性については異論はございませんが、この労政審での議論に今回成長戦略会議の下に設置された労働市場改革分科会で議論された内容が、どういった形で反映されるのかという点について関心があります。その観点から申し上げますと、とりまとめ(案)の14ページにて、今後のおっしゃった対応の方向性を●でご記載いただいております。我々商工会議所は小規模事業者、あるいは地方の実態についてこの場で御紹介をいたしまして、また第3回の分科会においては他の中小団体からも同様の声が上がっていたと承知しておりますが、体制が整っている大企業と異なり、小規模事業者は非常に少人数で経営しているのが実態でございます。アンケート等を実施いたしますと、この働き方見直しの一連のプロセスについては、経営者が詳細を理解されていないという部分もあるものとは思いますが、やはり見直してほしいという声は引き続き多くございます。
 そうした中で、我々も中小企業・小規模事業者の実態を可能な限り把握したいと考えており、今回調査した結果を資料2として配付しておりますが、こうしたいわゆる現場、すなわちより小規模な企業でどういう規制がどのように影響しているのかということについての把握がより重要でございます。加えまして、今後人手不足はとりわけ地方において、さらに深刻な状況となるものと想定されます。そのような状況下において、とりまとめ(案)の14ページ、特に●の1つ目のポツにつきましては、「時間外労働の実態との間に『隙間』がある中で、上限規制は」という記載がございまして、これは維持するということが重要であるという方向性が掲げられております。私どもとしては、これまで申し上げました現下のこうした状況を踏まえますと、実態はそうであるのか、維持するという方向性でよいのかについて、疑問を引き続き抱いております。その点踏まえまして、今回のとりまとめということで我々も同意するか否かという意味で申し上げれば、いかがなものかということを発言させていただきたいと思います。
 先ほど申し上げました通り、今回資料2として配布いたしましたように、我々も全国に調査を実施し、25日に公表いたしました。資料2の3ページですけれども、平均的に申し上げますと、平均的な労働時間としては上限規制の範囲内で概ね対応できているということでございますが、人員が少ない中小企業では特定の分野とか専門の分野についての業務負荷が大きく、特定の正社員で業務時間が長くなっているという現状がございます。
 また、これは以前からの繰り返しとなりますが、時間外労働の上限規制については、運輸業、建設業、宿泊・飲食業といった労働集約型の事業において支障が出ているという声が数多く出ております。その要因は、経営の問題というよりはむしろ天候、あるいは取引先との関係性など、企業の手の外側、すなわち他律的な事象によるものであって、自社のコントロールができない分野ということでございます。
 最近ではエッセンシャルサービスと呼んでおりますけれども、こうした企業が地域インフラを担っております。その供給力が低下し、事業が立ち行かなくなれば、該当の企業だけではなく、結果として、地域の物流や建設事業の停止、旺盛なインバウンド需要に対応できないなど、地域の産業や経済活動が制約を受ける懸念を我々は強く感じております。
 我々の調査では、約4割の企業が自社にはより働く意思のある従業員が一定数いると回答されています。また、7割超の中小企業は変形労働時間制などの要件緩和や手続の簡素化、あるいは繁閑や予期せぬ業務に対応できる柔軟な労働時間制度の実現というものを求めているという結果となりました。中小企業は経営者と従業員の関係が非常に近いことが大きな特徴です。従業人数が少ないですから、ほとんど全ての従業員と顔が見える関係であり、家庭の状況を含め、従業員個々人の様々な事情をよく知っているというのが一般的であり、従業員の健康・安全を優先するのは最も重要な課題であると経営者自身も当然認識しております。
 またその上で、従業員の雇用や生活を守るためにも事業の継続というものは大事であって、働く意思があって、特定の専門的な業務に、従業員が繁閑等を踏まえながら、柔軟に働けるような制度を望む声は数多くございます。現在もそうした制度が一部ありますけれども、制度設計を見直す時期に来ているのではないかと考えております。また、過労死ラインとなる時間外上限規制は維持しつつも、健康確保に加えて、従業員の同意も得た上で、45時間、年間6回までの上限規制というものについて、一部例外化などについての議論を実施し、見直しについて検討すべきだと思っております。
 変形労働時間制については、繰り返しになりますけれども、変更申請後の変更を可能とする措置や、労使間での30日前合意の短縮を通じ、より柔軟に活用できる制度として要件を緩和する必要があると考えております。本制度の変更はあくまで繁閑に応じた労働時間の調整を柔軟にすることが目的であり、慢性的な長時間労働を求めるものではないという点については、申し添えたいと思います。
 最後となりますが、改めて中小企業の現状とニーズ、及び地域経済の維持といった観点からしっかりと現状を把握し、具体的な制度の見直しに向けた検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、室賀委員、お願いします。
○室賀委員 今回、すばらしく、今後の方針についてしっかりとまとめてくださっていて、こういった中で今後考えていくべきこととしては、実際に現場でどう活用されていくのかを検討すべきではないかと考えております。
 現在、既に専門家による伴走支援や企業へのアウトリーチ、また、好事例を展開していくといった施策が進められているところだと存じておりますが、こうした取組を継続的に強化していくことが有効だと考えております。
 加えて、制度を整備するだけではなく、実際に安心して利用できる職場環境をつくることも不可欠です。特にハラスメント対策や、管理職を含めた制度理解の促進は、皆が働きやすい就業環境の実現において極めて重要だと考えております。また、職場での困り事について、現在、労務管理の専門家による個別相談支援等、非常に重要な支援策が提供されているものと理解しております。
 一方で、制度改正が重なっていく中で、事業主、労働者、双方にとって、制度の内容を十分に理解することが難しい場面もあるのではないかと感じています。そのため、例えば労務や人事に関する頻出の質問について、チャットボット等のAI等のテクノロジーを活用しながら簡便に確認できる仕組みを整備していくことは、制度を実際の現場に浸透させ、必要な支援につなげる上で有効ではないかと考えております。
 以上です。
○山田厚生労働審議官 藤原委員、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。まずは、上野大臣をはじめとしまして、とりまとめに御尽力いただきました厚生労働省の皆様にお礼を申し上げます。とりまとめ(案)そのものには異論はございません。
 その上で、私も片岡委員と全く同じ考えで、日本成長戦略を実現、促進していくために労働市場改革では何をしていくのかが大事だと思っております。そのような観点から3点申し上げたいと思います。
 1点目は、「戦略的なリ・スキリングの推進等」についてです。高市政権では、戦略17分野を念頭に置き、「戦略産業クラスター計画」を検討されていると伺っております。そこには広域のサプライチェーンが必要となります。産業クラスター実現のためには、県境を超えて、地域の経済界、大学、行政が連携・協力してリ・スキリングを推進し、成長産業やサプライチェーンを支える人材を育成する必要があると考えます。この点を充分に踏まえて、このリ・スキリングを進めていただきますようお願いいたします。
 2点目は、「労働者の希望に応じた円滑な労働移動の促進」についてです。労働移動は、働き手が自らの価値向上に見合った報酬を得て、新たな付加価値を創造することにつながり、日本経済全体の労働生産性向上に大きく貢献するものと思っております。円滑な労働移動を促進するためには、政府による取組と制度整備が不可欠です。中でも「労働移動推進型」の雇用セーフティーネットへの移行と、政府と民間事業者とが相互補完的に連携したマッチング機能の強化・高度化が最も必要だと考えております。既に雇用保険制度の見直しも視野に労働政策審議会で具体的な検討が始まっていると承知しております。引き続き議論を深めて、円滑な労働移動のさらなる促進が図られることを強く期待しております。
 3点目は、「裁量労働制」に関してです。強い経済を実現するためには、円滑な労働移動の促進に加えまして、柔軟で自律的な働き方を促し、個々人の労働生産性を上げていくこと。これが我が国にとって喫緊の課題だと思っております。とりまとめ(案)にありますとおり、裁量労働制は適正に運用されれば労使双方にとって良い制度だと思っています。これまで3回の議論の中で制度濫用への御懸念をいただいておりますが、懸念があることだけをもって制度を拡充するかしないかという議論に終わらせてはいけないと思っております。長時間労働防止と適切な処遇の確保の観点から、必要な濫用防止策をしっかり検討して、適用を求める労働者の声にも応えていきたいと考えております。
 今後、労働政策審議会におきまして、制度拡充の在り方や濫用防止の具体策について検討を深めることになると思いますが、この分科会でいただきました御意見を労政審の議論でも充分に役立てていくことが有益だと思っております。これから実施する予定の実態調査の結果と、適正に運用している企業の好事例などを踏まえながら、積極的に議論に貢献してまいりたいと思っております。
 以上です。
○山田厚生労働審議官 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 私からも、まずは上野大臣をはじめとする、厚生労働省の皆様、このように非常に充実したとりまとめ(案)を御作成いただきまして大変感謝申し上げておりますし、私たち委員の意見もしっかりと盛り込んでいただいたものになっていると私自身は感じております。
 その上で、私からは若干の感想・コメントといったような形になりますけれども、とりまとめ(案)の文書などを拝見させていただきますと、文書の中には、例えば働き方改革のメッセージといったようなところ、これまでのところが伝わっていなかった部分もあるといったようなことですとか、あるいはそうした中で今日的な意義というところも改めて定義いただいているといったようなところで、やはりこういったところの意見なども聞いていますと、これまで長時間労働が非常に多いというものが日本の労働市場の大きな課題と言われてきたわけで、それが働き方改革の成果もあって、そういったものが非常に大きく改善してきていたというのがここ最近の大きな流れなのだと思います。
 ただ、そうした中、昨今では労働市場は非常に逼迫してきておりますし、人手不足は深刻になってきています。そういった中で、これは経済全体のことを考えますと、経済の供給能力の強化をいかに実現していくかということ。これは片岡委員からもありましたけれども、やはりそういった経済との兼ね合いの中で、これは労働者の方の健康確保ですとか、ワーク・ライフ・バランスの実現。それもしっかり実現していただきながら、どう経済成長を図っていくかということ。そういったところで、こういった厚生労働行政としても、これからのメッセージですとか今後の考え方というところをしっかり整理いただいているものだと受け止めております。
 例えば労働時間法制等は、ややもするともう少し、例えばどちらの立場で強く書いてほしいというような、これは労使を含めて考え方もあるかと思うのですけれども、こういった点に関しましては、やはり労働者の権利、企業の義務ですとか、そういったところに非常に大きく関わっていく制度ですから、そういった意味では、とりまとめ(案)の文書でもありましたけれども、簡単に結論が得られるものではないわけです。ただ、そういった中、このとりまとめ(案)の文書では、裁量労働制もそうですし、変形労働時間制もそうですけれども、しっかりと今後、労政審等で検討していくということを改めて明記していただいている。そういった形で、かなり私としては前に進めていただいたと受け止めております。
 そのほか、例えば17分野への育成、リ・スキリングの支援ですとか、あるいはアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成というようなところ、社会インフラ分野へのハローワークの機能強化ですとか、非常に新しい取組を様々入れていただいているものと捉えておりますので、こういったとりまとめは非常に有意義なものだと評価しておりますし、今後改めて、この計画を基に、成長戦略のほうもそうですし、厚生労働省のほうもしっかりと政策を前に進めていただけたらと思っております。
 私から以上となります。
○山田厚生労働審議官 オンラインの水島委員、お願いします。
○水島委員 ありがとうございます。まず、とりまとめに御尽力いただいた皆様に御礼申し上げます。とりまとめの方向性について異論はございません。
 私からは、1のリ・スキリング支援や労働生産性の向上の取組について発言させていただきます。今し方、坂本委員がお話しされたことと重複するところがありますが、御了承ください。
 戦略的なリ・スキリングの推進については、国として、どの分野に力を入れるのか、どのような人材を育成したいのか、その方針を示すことが重要と考えます。とりまとめ(案)では、戦略分野及び社会インフラ関連分野等が明記され、取組の具体的方法が示されました。大変意義があると思います。この方針に従って、ぜひ推進いただきたいと思います。
 社会インフラ関連分野の生産性の向上、担い手の確保について、第2回分科会で申し上げましたが、エッセンシャルワーカーの人材確保・育成は、雇用政策や労働市場の観点からだけでなく、社会保障の観点から極めて重要な課題です。要介護高齢者の増加は今後数十年間見込まれますので、とりわけ介護人材の確保・育成に力を入れるべきと考えます。エッセンシャルワーカーの確保・育成についての取組が明記されたことは大変意義があります。医療・福祉人材の確保に関しては、引き続き、ハローワークによるマッチング支援等の取組が期待されます。
 人材育成についてはアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成が掲げられていますが、この言葉は社会にまだ浸透しているとは言えないように思います。また、情報活用能力に特化したものと捉えられる場面もあるように思います。もちろん、情報活用能力を高めることも重要ですが、山田委員が第2回の分科会で現場オペレーションワーカーと現場コーディネーションワーカーの類型を示されたように、単一ではなく、複数の人材類型が考えられると思います。労働者の視点で見れば、これは介護分野で働く労働者のキャリアの道筋となります。労働者が積極的にこのような能力を身につけ発揮した場合には、適正に処遇される状況が確保されることも必要です。
 アドバンスト・エッセンシャルワーカーは多くの人が関心を持ちそうなよい言葉ですが、そのイメージと求めるものとの間のギャップが生じないか、また、労働者が期待する処遇が行われるのか、やや気になるところはあります。そのため、どのような人材が必要であるかの議論をさらに進め、アドバンスト・エッセンシャルワーカーの内容を深め、介護分野における人材育成や適正な処遇の在り方をより明らかにされることを期待します。
 私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
 まずはこのたび、非常に多岐にわたる論点に関しまして、非常に多様な意見が出たところ、おとりまとめをいただきましてありがとうございました。この間の事務局の方の資料等の整理を含めて、御尽力は本当にありがたく思っております。他方で事務局の皆様方が、インターバルを確保できているのかも若干心配になっているところでありまして、公務員の皆様に関してもインターバル確保努力義務があり、また、目安として11時間ということが示されているかと思いますので、そうした確保ができていないということであれば、代わりの休息等を取得できるよう、御配慮をまずはお願いしたいと思います。
 今、申し上げたこととも実は関連するのですが、私自身、インターバル規制は入れたほうがいいという主張を申し上げておりますけれども、規制を入れることだけでなく、それをどう根づかせていくかということが非常に重要ではないかと思います。そうした観点から、最初の頃から既に意見を申し上げておりますとおり、やはり労使関係の基盤がしっかりしていることというのが非常に重要ではないかと思っております。この点はインターバル規制の実効性確保という観点からもそうですし、あるいは裁量労働制の適正な運用という観点、いずれとの関係でも非常に重要であるかと思いますので、この点に関する論点につきましても、引き続き、労政審のほうでは議論を深めていただけたらと思っております。
 併せて、労働時間制度との関係で今後、実態を踏まえての議論をしていただくということを明確にお示しいただいたことも非常にありがたく思っておりますが、その際、労働時間に関係する実態だけではなく、労使関係に関する実態を踏まえた上で、また、企業規模の違いによってもいろいろな実態の違いというものもあろうかと思いますので、その辺りを踏まえながら丁寧に御議論いただけたらと思います。
 その上で、もし仮に新たな制度を入れていくというようなことになった場合にですけれども、その制度の内容だけではなくて、どういうスケジュールで、あるいはどういうステップを踏みながら入れていくのかという視点も非常に重要ではないかと思っているところであります。そうした点を踏まえながら、引き続き御議論いただけたらと思います。
 あと、とりまとめ(案)に関して、若干瑣末な意見になるかもしれませんけれども、11ページの4つ目の○のところでございます。こちらにおきまして「長時間労働が可能な一部の者に依存する働き方では、持続的な成長は見込めない」というところの後に「女性や高齢者、さらには自身の創造的な能力を発揮したい者など、多様な事情や希望を持つ誰もが働きやすい労働環境を整備し、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、柔軟で多様な働き方の実現が不可欠である」という記載があろうかと思います。ここで女性や高齢者が挙げられているのは、これまでも女性や高齢者の労働参加について議論してきたからという経過があってのことと思いますが、こうした柔軟で多様な働き方というものはもちろん、女性に限らず、男性にとっても好ましいものであり、特に家庭責任という点に関しては女性だけが担うものでもございませんので、そうした労働者にとっても、重要な制度であるということを改めて確認させていただきたいと思います。
 もう一点としましては、ここの部分は、実は様々な制約を抱える労働者の話と、より創造性を発揮して働くという2つの論点が含まれているようにも思いまして、ここで総論的に書かれている「柔軟で多様な働き方」の中身に関しては様々ありますし、そこに関して議論が分かれているということは12ページ以降でおとりまとめいただいているとおりかと思いますので、この点確認をさせていただけたらと思っております。
 最後になりますけれども、今回、この会議に参加させていただきまして、労働行政の役割という観点で、もちろん、規制違反に対して監督し取り締まるという、その役割が重要であることは言うまでもないわけですが、併せて支援という、その役割が重要であるということを改めて認識させていただいております。人材育成の点からも、柔軟な働き方の導入とか、あるいは労務管理であるとか、そうした観点からも個々の企業に対する支援というものが重要であるということを改めて確認させていただいて私の意見とさせていただければと思います。
 ありがとうございました。
○山田厚生労働審議官 そうしましたら、中根委員、お願いします。
○中根委員 ありがとうございます。上げられた資料に関しまして、この会で上がった意見について網羅的に記載をしていただいていて、全く異論ありません。内容について、私たちが向かいたい方向に向かっているかどうかというものを確認しながら進めていただければと思います。
 あとは、この17の成長戦略、そんなに時間に余裕はないのではないかと思っておりますので、スピード感を持って進めていただければと思います。とはいえ、できるリソースということも限られると思いますので、まず、できることというものをプライオリティーをつけていただきながら進められればと思います。
 最後、先ほどおっしゃっておられましたけれども、今、いいものができたと思いますけれども、これをいかにみんなで進めていくかという、まさにここが試されるのではないかと思います。省庁の皆さんもそうですけれども、自治体の皆様、そして、各地域にいらっしゃる労働基準監督署の皆様も含めて横断的に、皆様方の環境改革も進めていただきながら、これを進める皆さん自体もわくわくしながら、これをやることによって日本が成長するのだというものを自分たち自身が主体性を持っていくということが大切なことであると思っています。
 企業の中でも、制度はつくるのだけれども、なかなか理想がデリバリーされていなくて、人事が言うからということだけが伝わるケースが残念ながらあります。今回はいろいろな方々がこの制度の議論に参加をして、多様な意見がせっかく出たところですので、これを皆さんが本当にやりたいと、意欲的にこれに取り組むことによって、みんなの環境がよくなるのだ、日本が成長するのだと理想を持っていけるような形に一人一人に伝えていくというところがこれから試されるのだろうと思います。その部分をぜひよろしくお願いします。我々もできるところをできる範囲で、それぞれの持ち場で頑張っていきたいと思います。
 以上です。
○山田厚生労働審議官 オンラインの近藤委員、お願いします。
○近藤委員 遅れて参加することになりまして申し訳ございませんでした。近藤です。私もとりまとめ(案)そのものに関しては、非常にこの会議で出た様々な意見を全て取り込んでまとめていただいて本当にありがたく思っておりますので、とりまとめ(案)そのものに対する意見ということではなくて、この先、これを進めていく上でという話になります。
 既にほかの委員も繰り返しおっしゃっているところではあるのですけれども、とりわけ、この労働時間規制のところはやはり、この会議の参加者の間でもかなり立場によって意見が異なるところだったと思います。一方では、健康管理という観点から設定された上限というものは多分守ったほうがいいということは恐らく多くの方に共有されてはいると思うのですけれども、それをどこまで守るべきかみたいなところにはかなりグラデーションがあるようにも思いますし、逆に裁量労働制などを進めていくべきだというところに関しても、単にどんどん進めるべきだとか慎重になるべきだという意味だけではなくて、労務管理コストとの兼ね合いみたいな面でいくと、やはり企業規模であるとか業種であるとかによってもかなり違いがあって、様々な業種があって、様々な企業規模があって、職場環境があってというところに合わせて規制をしていかなければいけないというのはこれからとても大変なことなのかなと思っております。
 やはりそういうことを踏まえますと、安全に先回りしてがちがちに縛るというよりも、何か共通のラインというものをきちんとつくっておいて、あとは労使の話合いの場みたいなものをきちんと整備して、規定だけではなくて、話合いで解決するというところの余地みたいなものも含めた上で包括的に整備していくというような形にしていかないと恐らく、非常にグローバルに闘う大企業と、社長がいて従業員が1人いてという中小企業を完全に同じ次元で縛るというのはかなり難しいことなのかなと、何となく素人ながら拝見していて思ったところです。
 あと1点、これからの進め方ということで、やはり現場の声を聞くというお話がとても出てきていて、それ自体に対して非常に否定的なわけではないのですけれども、現場の声というものはそれぞれの立場の意見が出てきますので、現場の声だけ聞いていると絶対、最終的な結論にたどり着くまでにものすごく時間がかかるということもありますし、逆に現場の声はいかようにもどんな現場もありますので、どの現場をピックアップしてくるかによって恣意的に操作できてしまうみたいなところもありますので、もちろん、現場の声を聞いて実態を踏まえるというのも大事だと思うのですけれども、何か政策判断をする際にはもう少し現場の声以外の根拠というものを重視する。この会議はそういうたくさんの統計資料など、毎回、資料をつけていただいておりましたけれども、それがもうちょっと、この先、政治レベルの判断になっていくときでも、やはりそういった、きちんとエビデンスが積み上げられているもののほうをきちんと見た上で現場の声も参考にするというようなスタンスで、現場の声だけを優先するというようなやり方はしないでいただきたいというのが何となくの雑感でございます。
 ありがとうございました。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。出席されている全員の方から御発言いただいたかと思います。
 では、本日の御議論を踏まえて、神谷厚生労働大臣政務官から御発言をお願いしたいと思います。
○神谷厚生労働大臣政務官 構成員の皆様、本日は本分科会のとりまとめ(案)につきまして貴重な御意見を賜りまして誠にありがとうございました。
 お示しさせていただいたとりまとめ(案)につきましては、本日いただいた御意見を含め、その取扱いは分科会長である大臣に一任とさせていただく形でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○神谷厚生労働大臣政務官 ありがとうございます。では、分科会長一任とさせていただきます。
 本分科会のとりまとめの内容も踏まえまして、政府としては夏の成長戦略の策定を進めてまいりたいと存じます。
 これまで、3月より4回にわたり御議論いただきまして大変ありがとうございました。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
 以上をもちまして、本日予定していた議事は全て終了いたしました。重ねてになりますが、委員の皆様におかれましては、これまでの活発な御議論ありがとうございました。
 本日の会議は以上で終了といたします。ありがとうございました。