2026年2月27日 第1回目安制度の在り方に関する全員協議会 議事録

日時

令和8年2月27日(金)15:15~16:27

場所

厚生労働省 専用第14会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館12階)

出席者

公益代表委員
 藤村会長、戎野委員、権丈委員、小西委員、首藤委員、松浦委員
労働者代表委員
 伊藤委員、熊谷委員、永井委員、仁平委員、平野委員、水崎委員
使用者代表委員
 大下委員、佐久間委員、志賀委員、土井委員、新田委員、堀内委員
事務局
 岸本労働基準局長、松本大臣官房審議官、
 野澤賃金課長、伊㔟主任中央賃金指導官、大野調査官、
 南條賃金課長補佐、八木賃金課長補佐、上条副主任中央賃金指導官

議題

  1. (1)目安制度の在り方に関する全員協議会の今後の進め方について
  2. (2)令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点について
  3. (3)その他

議事

○藤村会長
 ただ今から第1回目安制度の在り方に関する全員協議会を開催いたします。先ほどの第72回中央最低賃金審議会において、目安制度の在り方に関する全員協議会が設けられました。まず、本日以降の全員協議会の公開について、ご相談したいと思います。
 協議会の公開については、令和5年4月6日に中央最低賃金審議会で了承されました、目安制度の在り方に関する全員協議会報告において、「議論の透明性の確保と率直な意見交換を阻害しないという2つの観点を踏まえ、公労使三者が集まって議論を行う部分については、公開することが適当」とされたところでございます。これを踏まえまして、議事は公開するということでどうかと思っておりますが、委員の皆様いかがでしょうか。

  (異議なし)

 ありがとうございます。では、本協議会は、公開といたします。
 それでは、議事に移ります。
 まずは、議題1「目安制度の在り方に関する全員協議会の今後の進め方について」です。
 事務局から説明いただき、議論をしたいと思います。事務局お願いします。

○八木賃金課長補佐
 事務局でございます。資料No.1をご覧ください。先ほど、中央最低賃金審議会の本審におきまして、この全員協議会に目安制度の在り方の検討を付託いただいたところでございます。第1回目ということになりますが、本日は資料に上げておりますとおり、検討事項及び今後の進め方というところで御議論をいただきたいと考えております。全体の進め方は先ほどご説明したところでございますが、労使の御意見により令和8年度の目安審議までに一定の考え方の整理が必要と考えられるものについては、令和8年度の目安審議までのとりまとめを目指したいと考えておりますが、全体につきましては、議論の進捗にもよりますが、この資料に書いてありますとおり令和9年度中をめどに取りまとめを目指したいと考えております。事務局からは以上でございます。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。この資料につきまして、御意見、御質問あればお出しいただきたいと思います。

  (意見なし)

 よろしいですかね。では、この進め方でこれから議論していきたいと思います。
 それでは、議題2に入ります。「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点について」でございます。
 これをまず事務局から説明いただきまして、その後議論したいと思います。お願いします。

○八木賃金課長補佐
 事務局でございます。お配りしております資料No.2及び資料No.3について、まとめて御説明をさせていただきたいと思います。
 まずは、資料No.2をご説明します。ご確認ください。
 まず、1ページは目次を掲載しております。
 続きまして、2ページになりますが、令和7年度地域別最低賃金の審議結果の概要をまとめております。繰り返しとなる部分がございますが、令和7年度につきましては、6.3%、66円の引上げとなっており、過去最高の引上げ額となり、はじめて全ての都道府県で1,000円を超えているところです。また、目安超えは昨年度は27県であったのに対して、今年度は39道府県となっており、目安より10円以上の引上げについては、昨年度は徳島県のみでございましたが、今年度は11県となっております。
 続いて3ページご覧ください。こちらには、各都道府県の最低賃金額や、引上げ率・額、目安との差額、発効日を一覧として、まとめております。赤でハイライトしている部分は、目安+10円以上又は3月発効、黄色ハイライトは目安から1~9円の引上げ又は1月1日発効、青ハイライトはランク間の逆転が生じているところとなっております。
 続いて4ページになります。近隣県との競争意識について概要を掲載しております。最低賃金につきましては、法定3要素に基づく審議が原則となっていますが、近年、例えば、都道府県知事から「最低賃金の動向は、近年、地域間の上積み競争が過熱するなど、制度の本質とかけ離れた実態が見られる」等と議会で御発言があるなど、近隣県や同じランク内での競争意識の下で、高い引上げ額となったのではないか、との指摘がなされています。
 また、最下位の状況になりますが、令和5年度の審議では、岩手県が早い段階で目安額通りの引上げで結審した結果、最終的に全国最下位となっております。令和6年度は、岩手県は8月末日まで審議がずれ込み、早い段階で結審していた秋田県が最下位となっております。令和7年度につきましては、Cランク県を中心に、近隣の同ランク県の答申が出た後で審議を行うために、審議日程を後ろ倒しにする動きが一部で見られております。
 続きまして、5ページご覧ください。5ページから6ページにかけまして、発効日についての法律の規定等をまとめております。最低賃金法上の規定や、過去の目安全協での議論や令和7年度の公益委員見解の該当部分の抜粋をして掲載させていただいております。
 6ページですが、令和7年度中央最低賃金審議会の公益委員見解では、「最賃法第14条第2項において、発効日は各地方最低賃金審議会の公労使の委員間で議論して決定できるとされていることを踏まえ、引上げ額とともに発効日についても十分に議論を行うよう要望する」との文言が初めて盛り込まれているところでございます。
 続きまして、7ページになります。ここからは発効日に関する内容となっております。発効日の状況と地方からの要望についてこのページではまとめております。令和7年度の状況としては、10月中の発効は20都道府県になっており、27府県は11月以降の発効となっております。特に1月以降の発効となったのが、6県ありまして、うち2県は3月となっております。
 例えば、発効日の在り方や、決定する際の留意点などについて、中央最低賃金審議会において一定の方針や考え方について示してほしいなど、複数の県から、発効日に関する要望が、資料に記載のとおり出されているところでございます。
 8ページになりますが、EU指令について概要をまとめております。EU指令につきましては、最低賃金の水準の適正さを評価するための参照指標を用いることとされまして、例として、賃金の中央値の60%、平均値の50%などがあげられておりますが、令和7年度中央最低賃金審議会の公益委員見解において、EU指令の取扱いについては今後の検討課題である、とされているところでございます。
 続いて、9ページになりますが、労働者の賃金の平均値・中央値に占める最低賃金の割合について掲載しております。「賃金総額」の考え方につきましては、様々ありますが、割合については資料に記載のとおりとなっております。
 10ページにつきましては、OECDが公表しているフルタイム労働者の賃金の平均値・中央値に占める最低賃金の国際比較となっております。平均値・中央値いずれで見ても、イギリス・ドイツ・フランス・韓国よりも低い水準となっております。
 11ページご覧ください。こちらは、フルタイム労働者の賃金の中央値に占める最低賃金の割合を時系列で示したものになっております。フランス・アメリカ・韓国は横ばい又は低下傾向である一方、イギリス・ドイツ・日本は上昇傾向となっております。
 最終ページ、12ページにつきましては、参考となりますが、諸外国の最低賃金制度の概要をまとめさせていただいております。
 資料No.2の説明は以上となります。
 資料No.3をご覧ください。本日御議論いただくにあたりまして、事務局の方で論点を準備をさせていただいております。資料No.3について、御説明をさせていただければと思います。5つ、論点として上げさせていただいております。
 1つ目は、「近隣県等との過度な競争意識や最下位争いによる目安を大幅に上回る高い引上げの指摘について」としております。令和7年度の振り返りということで論点として少し詳細に設定しておりますが、1つ目の論点として、「令和7年度地方最低賃金審議会の審議に関し、近隣県等との過度な競争意識や最下位争いによって目安を大幅に上回る高い引上げが行われたのではないか、等の疑義がメディア等から呈されていることについて、どのように考えるか。」、二つ目の論点として、「来年度の中央・地方最低賃金審議会の調査審議に際してどのような対応が望ましいか。」と2つ設定させていただいております。
 2つ目は、「ランク制度の在り方について」です。論点として広く設定しておりますが、今年度の審議において、特にCランク県で高い引上げ額となったことなども踏まえた上で、「現状のランク区分についてどのように考えるか。」と論点を設定させていただいております。
 3つ目は、「発効日について」になります。こちらも令和7年度の振り返りということで論点として少し詳細に設定しておりますが、1つ目の論点として、「令和7年度は11月以降の発効が27府県と過半数となり、令和7年10月1日~令和8年3月31日まで発効日に大きなバラつきが生じたことについてどのように考えるか。」、2つ目として、「発効日の「合理的な範囲」はあり得るか。あり得るとした場合、その考え方について。」、1つ目と同じ論点になりますが、「来年度の中央・地方最低賃金審議会の調査審議に際してどのような対応が望ましいか。」と以上3つを設定させていただいております。
 4つ目は、「EU指令について」となります。論点として広く設定しておりますが、「EU指令の取扱いについてどのように考えるか。」と設定させていただいております。
 最後に「その他」というところで幅広く設定させていただいております。
 資料No.3の説明は以上となります。

○藤村会長
 はい、ありがとうございました。今、事務局から説明いただきました、特に資料No.3について、これからこういう論点で議論していきたいということになります。どういうふうに議論をするかですが、一気にこの論点全部というわけにもいかないので、まずは資料No.3で示していただいた最初の点「近隣県等との過度な競争意識や最下位争いによる目安を大幅に上回る高い引上げついて」という論点と、これに関連いたしますが「ランク制度の在り方」につきまして、まず御議論いただきまして、その後に、それぞれ時間を区切ってその他の論点を議論していきたいと思います。
 では、まず「近隣県等との過度な競争意識や最下位争いによる目安を大幅に上回る高い引上げの指摘について」、それから「ランク制度の在り方について」という論点それぞれに御意見、御質問をいただきたいと思います。
 佐久間さんどうぞ。

○佐久間委員
 ありがとうございます。近隣県との過度な競争意識や高い引上げについての考え方についてですけれども、令和7年度の地域別最低賃金審議会の審議過程を見ても、近隣県との水準比較や順位意識が過度に意識されていることによって、その地域の支払能力や労働生産性の実態が十分に反映されていない、というと申し訳ないのですが、そういう引上げが行われているのではないかと懸念される地域の事例もあるのではないかと思います。特に、製造業とかサービス業の構成比、要は産業構造の関係ですけれども、中小企業と小規模事業者の割合、それから労働生産性の水準、価格転嫁の審議状況といった基礎的な経済状況と大きく異なるにもかかわらず、近隣県より最低賃金が低い水準は避けるべきといった、賃金水準のみを根拠として引上げ額が決定される、その影響というのは地域経済に雇用の調整とか労働時間の短縮等の深刻な影というか影響を及ぼすのではないかと思います。具体的には、例えば人件費の上昇を価格に転嫁できない中小企業においては採用を抑制するとか雇用の調整が生じる、または非正規職員や短時間労働者の就業機会が縮小されるといった、こういう影響が出てくるのではないかと思います。とはいえ、全国で最下位になりたくないという意識を持っている県も多いと思います。最低賃金制度は地域間の水準の競争とか、順位付けを目的とするのではなく、各地域の経済実態に即した支払いが行われるよう雇用の維持とか労働者の生活の安定を図るという役割があると思います。このため、今後の地域の最低賃金審議会においては、近隣県との単純な金額比較や順位意識を過度に依拠することは避けること、地域の産業構造や中小企業の経営実態、労働生産性の多角的な指標をより重視をしていただいて、これから議論をします発効日の設定を含めて、地域経済の影響を総合的に判断していただく、これまで以上に重視してもらいたい、と私は考えます。一般論かもしれませんけれども、地域また、最低になりたくないという意識というのが各県であると思いますけれども、やはりここのところは押さえていただくということを委員の皆様方に考えていただきたいなと思っております。以上です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。最低賃金の報道が出るたびに、「最高は東京です、最低はここです」というこれがやはり影響しているんでしょうね。
 はい、仁平さん、どうぞ。

○仁平委員
 はい、まずもって、夏の目安の審議の前に全協をこういう場をもって結果の課題を深掘りできることは非常にありがたい話だなと思って、こういう場を持てたこと自体に感謝を申し上げたいと思っております。
 私の方から、いくつかの県から聞いた話になるんですけれども、ランクの見直しの際に使った、ここの中にも添付していただいておりますけれども、総合指数の指標等も使って、「全国の中で、じゃあうちの県の位置はどこなのか」といった議論が行われたという話も伺っているところでございます。現在、中賃の示し方としては、ランクごとに上げ幅の目安を示しているわけでございますが、この総合指数の資料を活用した水準の比較ということについても、私は3要素のデータに基づく議論の範囲なのではないかと考えております。日本全体で自分の県の位置付けを考慮した結果として、目安額に上積みを上乗せするということは十分あり得る話だと思いますし、先ほど中賃の中で山田厚労審からございましたけれども、地方の去年の夏の審議結果は、公労使の真摯な議論に基づくものであるという趣旨のご挨拶もあったと思いますが、我々労側も同じ認識でございます。そういう意味では、結果の上げ幅の数字だけを捉えて高すぎると、こういった批判があるのだとすれば、いかがなものなのかなと思っております。もちろん、審議会としてなぜそうした判断に至ったのかということについては、きちんと理屈を説明することも当然大事なことだと思っております。
 そこでひとつ、事務局にご要望があるのですが、私もこういうことで各県の審議状況を全部詳細に承知しているわけではないものですから、この資料No.2の3ページに一覧表が出てございますけれども、目安を特に大きく上回った県について、どのような特徴があるのかということについては、ぜひ各県ごとにまとめて示していただけるとありがたいと考えておりますので、1点要望しておきたいと思います。以上です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。事務局としては調べていただけるということですね。

○野澤賃金課長
 はい、承知いたしました。調べて、共有したいと思います。

○藤村会長
 はい、分かりました。では、新田さんどうぞ。

○新田委員
 まずはこのような場を設定していただいたことに感謝申し上げます。
 私からは、資料の3ページの地賃の審議結果というところで、口頭ではご紹介がありましたが、全会一致とか結審状況が入っていないので、それを入れていただきたいということを要望いたします。加えて、先ほど山田厚労審からお話ありましたが、今年度の地方審議において退席のあった地域が6県に増えたというところに問題意識を持っています。その6県について、なかなか難しいとは承知しておりますが、どういう経緯でそうなったのかという資料を次回以降ぜひご用意いただけると大変ありがたいと思っております。
 また、中身の話の前に1点、確認ですけれども、進め方について、論点が色々示されている中、検討期間について「令和8年の目安審議までに一定の考え方の整理が必要と考えられるものは」というくだりがあります。これは、目安審議までには整理が必要だという論点と、これは相当時間がかかるというものが混ざっていると私には見えているのですけど、この点も含めて議論をしていくという理解でよいのか、それともどこかの時点でこれは来年度の目安審議までに一定の考え方を整理する必要がある論点だということを先に整理した上で議論をしていくのか、確認をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○藤村会長
 はい、分かりました。事務局として何か案はございますか。

○野澤賃金課長
 ありがとうございます。令和7年度審議では目安額を大幅に上回る県が非常に多く、報道等で、最下位を回避するための争いが生じているのではないか、といった指摘もありました。また、発効日のばらつきも例年にない結果だったと考えています。したがって、少なくともこの2点につきましては、8年度の目安審議の前に、可能であれば何らかの方向性なり意見の整理なりをさせていただければと思っております。ただ、これは事務局としての考えでございますので、労使の委員の皆様の御意見を聞いた上で今後の進め方も考えていきたいと思っています。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。目安の全員協議会というのはまさに目安の在り方をみんなで議論しましょうという場ですから、今年度の令和7年の審議結果、結審の状況を受けて8年度はちょっとここは注意しておかなきゃいけないという点をこの場で皆さんで合意ができればそれについて特に集中して議論するという進め方になるかと思います。
 今、課長からありましたように、やはり目安を大幅に上回るような引上げになったということと、それから発効日については、令和8年度の審議までには何らかの我々としての考え方を出しておいた方が良いようにも思っています。ただそれは、明確に出せるかどうかは議論の結果になると思いますので、そこはやってみなければ分からないというところですかね。新田さん良いですか。

○新田委員
 はい、ありがとうございます。進め方は、藤村会長がおっしゃったとおりでよろしいかと思います。先ほど申し上げた資料の件についても、次回ぜひ提出いただくようお願いいたします。

○野澤賃金課長
 資料は整理して提出させていただきたいと思います。

○藤村会長
 論点の最初の部分については、いかがでしょうか。実際にどういう形で決まったかという詳しい資料を見た上で、さらに議論をしていくということが良いかなと私も思っております。じゃあ、最初の点についてはよろしいですかね。今日の時点では要望が出たということ、それから進め方についての御意見があったということで受け止めておきたいと思います。
 では、次に「発効日について」の御意見をいただきたいと思います。伊藤さんどうぞ。

○伊藤委員
 ありがとうございます。発効日の遅れによる賃金引上げの影響について、一つ述べさせていただきたいと思います。すでに公表されております連合や厚生労働省の調査結果からみると、労働組合の有無によって、賃上げ水準や賃上げの実施率には大きな違いがあるということが分かっております。また、パート等の労働者の賃金引上げは地域別最低賃金の引上げに連動しているという傾向が表れておりますので、それは見て取れるところでございます。昨今は物価高が続いておりまして、最賃近傍で働く方の生活はとりわけ厳しい状況の中で、やはり労側といたしましては、これまでも主張させていただいたとおり、賃上げ結果を世の中全体にいち早く波及させるために最低賃金の早期発効がまず重要だと考えております。これは、我々のまず大前提でございます。具体的なお話をしますと、2025年度の各都道府県の最低賃金の発効状況をみさせていただきますと、隣り合った県同士で発効日に5ヶ月以上の差がある地域もございます。東北中心に、あるいは北関東中心に、そんなところがあるわけでございますが、パート等の時給が最低賃金の影響をもし強く受けるのであれば、その間に時給で70円近い差が生じていることになりますので、そうしたところの状況を見ていく必要があるのかなと。そこでまず1つ目としては、最低賃金の発効日が時給の引上げの時期に影響があったのかどうかということを、何らかのデータがあるのではないかと、見ていく必要があるのではないかと。もうひとつは、それによって、隣県同士の人口流出が発生しているのかどうかと。この2点については少し見ておく必要があるのではないかと考えております。この実態について、ぜひ検証をできればと考えております。ちなみにではございますが、連合が民間のビッグデータを使って調べたところ、九州を例にお話しさせていただきますと、11月末までに発効した県、順番に言うと、鹿児島、福岡、宮崎、佐賀ですかね、ここにおきましては当然11月末までに出しておりますので、11月末までに時給が引き上げられておりますが、一方で、12月、1月発効も含めてでございますが、その3県、長崎、熊本、大分は11月末段階では時給の引上げが見られていないということでございますので、そうしたことからもこの最低賃金の発効日の違いが時給に強い影響を与えておりますので、労働者の所得向上を遅らせる原因になっているのだろうと考えております。現在春闘交渉を迎えておりますけれども、我が国経済の持続的な発展に向けて、実質賃金を安定的に確保できる賃上げの実施が非常に重要だという認識は社会的責務として政労使で共有されていることだと思っております。我々交渉をしておりますが、回答が出されれば4月以降賃上げ後の賃金が支給されることになりますので、そうすればまさに1年遅れになってしまうという実態を見ると、最低賃金法の趣旨を踏まえるならば、やはりここは早期発効によって最低賃金近傍で働く方の賃金を一刻も早く引き上げていくような措置、対策が必要ではないかと考えております。私からは以上です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。伊藤さんの趣旨としては、実際に募集賃金がどういう影響を受けているかを事務局で調べて次回の会議に出してほしいということですかね。大丈夫ですか。

○野澤賃金課長
 承知いたしました。事務局の方で整理をさせていただきたいと思います。

○藤村会長
 はい。どうぞ、大下さん。

○大下委員
 はい、ありがとうございます。率直に申し上げて、中賃が終わった時点の想定を遙かに上回る形で発効日のばらつきが出たと思っております。企業側の立場からすると、十分な準備期間の確保、年末の就業調整の抑制といった面で、一定の意義はあったと思いますが、先ほど、伊藤委員がおっしゃったような部分もあると思っております。最賃そのものの趣旨を考えた場合、発効日がこれだけばらついたことをどう考えるのか。加えて、地賃の委員を務めている商工会議所関係者から、「最低賃金の引上げ幅を決めるときに、発効日が交渉材料となっている」との声を聞いておりますが、これが事実であるならば、発効日の意義や、地賃の審議の進め方の点について、よく議論をした方が良いと思っております。どの地域において、どのような形でこうした状況が起きたのか、事務局から資料をご提示いただけるとありがたいと思っております。私からは以上です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。事務局いかがですか。

○野澤賃金課長
 ありがとうございます。労働局からも情報収集し、事務局で整理をさせていただきたいと思います。

○藤村会長
 はい、先ほどご紹介いただいた資料2の7ページですね。発効日について、地方最低賃金審議会から要望が出ているというのが5つの県についてまとめていただいております。それぞれが決めて良いよといわれても困るんだよねという、そんな感じのご意見かと思いますので、中央としてはこうしなければいけないというのはなかなか言いづらいので、こういう方向で考えて欲しいというその辺のメッセージは出していく必要があるだろうとしております。
 その他いかがですか。どうぞ。永井さん。

○永井委員
 はい、ありがとうございます。私からは発効日の就労調整のところにつきまして、意見ということになりますが発言をさせていただきたいと思います。公益見解の中にも出ておりますけども、就労調整を理由に最賃の発効日を遅らせるということについては本末転倒といいますか、いかがなものかなと思っております。労側がかねてから主張して参りましたとおり、社会保険や税の正確な理解のもとで、今で言えば給付付き税額控除等を含めた抜本的な制度の改正により、就労の壁自体を修正していくことが本筋なのではないかと考えております。年末の人手不足が課題ということが、話が出て参りますが、であれば10月発効を念頭に9月以前に時給を引き上げることで人員を確保し、10月~12月の3ヶ月間ぐらいのシフト編成を行って、計画的な要員配置を行うなども考えられますし、既にそういった対応を行っている企業もあるというふうに認識をしております。連合の調査では、就労調整をしているパートなどの労働者は2割程度ということで、残り8割は早期発効を期待していると思います。また、就労調整の比率はCランク県の方が低く、Aランク県では就労調整の比率が高いのは、高収入者の配偶者が多いということを示唆しているものではないかと認識しております。セーフティネットとしての最賃が対象とすべきは、就業調整をせずに働く方であります。水準が低い県で、より発効日が遅いと言うことは、働く者の生活をより厳しいものにしているのではないかと言わざるを得ないと思いますので、重ねてにはなりますが、就業調整を理由に発効日を遅らせるというのはいかがかと申し上げておきたいと思います。以上です。

○藤村会長
 はい、わかりました。ありがとうございます。その他ご意見いかがでしょうか。新田さんどうぞ。

○新田委員
 先月まで各地方を行脚して、賃金引上げの積極的な検討等を呼びかけてまいりました。そうした中で、今年度の最低賃金審議会に対しての様々な思いを実際に聞いてきました。その際、発効日については何らかの目安的なものを示してもらえないかという意見が非常に多かったというのが実態としてあります。この件に関して、(最低賃金法)14条2項にあるとおり、法定発効と指定日発効がある中で、指定日発効をもちろん否定するものではないと思っていますが、先ほど藤村会長もおっしゃったとおり、何かしらの方針を出すことの難しさを感じています。合理的な範囲というものがありうるのかということについて、どういう表現ができるのかというところから議論しなければいけないかなと思っています。また、今し方、大下委員からお話がありましたが、私も昨年、目安小委員会報告がまとまったときに発効日がここまでばらつくとは正直思っていませんでした。それぞれ見解や意見の相違があるとは思いますが、最低賃金引上げに対しての負担感と言うのは想像以上に地方で強く出てきていて、それが残念ながら中小企業における賃上げ疲れというような表現や、防衛的な賃上げという表現で定着しつつある中で、ここの部分についても、どういうふうに表現するかということと、中小企業も含めた賃金引上げの力強いモメンタム、勢いをどうやってさらに定着させていくのかというところのバランスをとる必要が非常にあると感じました。その際に、引上げの額と共に発効日も非常に重要なファクターになってきていると承知しています。永井委員から、就業調整というご指摘がありましたが、もちろん我々としても就業調整が発生するから(発効日を法定よりも)遅らせるということを一つの要因として指摘はさせていただきましたが、就業調整が生じるからということだけで発言した訳ではありません。加えて、発効日がズレたからといって、実際にはその日までに賃金を引き上げておかないといけないという話であります。どういう段階・時点で引き上げているのかという実態の調査があると良いなと思っています。先ほどの伊藤委員の発言にも関係するかもしれませんけど、なかなか難しいとは思うのですが、発効日が変わったことによって、各企業の賃金引上げの動向に何か変化が生じているのか、そういった何かしらのデータが次回以降出せるようであれば、是非ご提供いただけると、何かしら合理的な範囲のイメージができてくるのかなとも思います。やや無理筋を言っている気がしていますが、ご検討いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

○藤村会長
 はい、わかりました。どうぞ、土井さん。

○土井委員
 はい、ありがとうございます。私からも発効日について一言申し上げさせていただきたいと思います。発効日について、色々な考え方があるいと思いますし、私も中賃で答申がでたときにここまでばらつきが出るということは予想はしていなかったというところではございます。中賃の小委員会報告については、以前からも発効日については、地賃の方で議論をしていただきたいという旨は書いてあったわけですが、今回、特に十分にという表現を入れたことにより、地賃での議論が加速した面もあるのかなと思いますし、一方で、引上げ額が目安よりもかなり高かった県では、ある意味交渉材料になったというのもあるのかなと思っておりますので、この辺については、事務局の方でまとめていただきたいと思っております。ただ、我々使用者側からは、先ほど新田委員からも話がありましたように、就業調整だけではなくて、むしろ大きな要因というのは、支払原資の確保でありますとか、給与等の規定等の改正であるとか、そういった最賃の引上げに伴う準備の期間がどれだけ確保できるのかというところでございます。すこし前までは、中賃で目安が示されて、地賃でのプラス幅もそれほど大きくなかったので、事業者もある程度予見性があったのかなと思います。ただ、プラス10円以上というのがこれだけ多くなってくると、事業者としてはどこの段階でいくらにすればいいのかといったところを予想するというのは難しく、地賃の結審が出るまでわからないのかなと思っております。
そのような状況踏まえて、事業者にとってどれだけ準備期間が必要なのかといった点については、令和8年度以降も地賃で十分に議論をいただきたいと思いますし、我々使用者側としても、こういうことがあるから、これだけの準備期間が必要なのではないかといった主張を地賃でしていくべきであろうということだと思っております。いずれにしろ、平成26年以降で最低賃金見ますと、44%も上がっていると。それの準備期間というのが、法定発効の期間だけでいいのかという点は、個人的には、甚だ疑問に思っております。しっかりと、どれだけ準備期間が必要なのかということを地賃で話し合っていただく。そのために、藤村先生からおっしゃっていただいたようになかなかこうしなさいということは難しいですけど、地賃での議論を活性化させるようなヒントは、中賃として示していくべきなのかなと思っております。以上でございます。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。発効日が送れたことによる影響というのは、いろんな形で出ているとは思いますが、それを客観的なデータで裏付けていく。これはこれで難しいとは思います。私がおります、労働政策研究研修機構に賃金課から調査依頼が来ておりまして、ちょうど今やってる最中かな。そろそろ終わる。その結果もひとつの参考になるように思います。今年、今回の調査の調査票の中に、発効日が遅れたことによって、経営にどういう影響がでているかという、そういう質問項目を入れましたので、その結果が出てきて、それを見ながらまた議論ができればなと。そういうふうに思っています。そんなすぐには出ないですね。結果は多分5月くらいかな。そんなふうに思ってはいますが。
 はい、その他。水崎さんどうぞ。

○水崎委員
 はい、ありがとうございます。今おっしゃったですね、土井委員から、準備期間の話が出ましたので、少し、労側としても意見をさせていただきたいなと思うんですけれども。おっしゃるようにですね、地賃の見直しとか。あるいは助成金とか補助金とか、そういうのを申請するかしないかの判断を一定期間設けなきゃいけないとか。あるいはおっしゃっていた、原資をやっぱ一番大事だと思っている。準備する期間というのは、一定必要だというのは我々労働側も理解はしております。ただですね、他方、昨年令和7年度の結果を見てみると、70数円上がっていて、非常に高い金額で上がったところも、10月4日とかですね。比較的早めの発効日を出しているところもあるということなので、どのぐらいの期間必要なのかというのは、使用者側の皆さん、是非ヒアリングをいただきたいなというふうに思いますし、できている方からは、早い発効日を設定したところからすれば、なんでそんなに準備にかかるのかなとかですね、あるいは、早くできるためにはどうしてるんですかという。そういったところも是非調査をしていただきたいなというふうに思います。あともう一点ですけれど、将来の予測可能性を高めるっていう観点からすれば、中期的にはですね、最賃はどれくらいの水準であるのか、それまでも中賃の議論の中でも目標をどうするのかみたいな話は出てたかもしれませんけれど、そういうのを検討材料にすることも、一つかなというふうに思いますので、今後の全協の検討課題の一つかなというふうに思いますので、議論をさせていただきたいなというふうに思います。以上です。

○藤村会長
 クリアされて、さあ、次はどこを目指すんだというのは必ずしも明確ではない。この次のテーマになりますが、EU指令を参考にしながらという。まあこんな議論をしております。これも目安全協で話し合うテーマですね。これからまた、議論に取り組んでいきたいと思います。大下さんどうぞ。

○大下委員
 一つ目の論点でお話をしておくべきだったと思いますが、発効日が交渉材料になった理由として、今回、中央から地賃へ発効日について議論をするよう伝えた点に加え、ここ数年で、最低賃金額が相当引き上がっているという点があります。この点には、地域の実態を踏まえて議論をするのではなく、隣県との競争になっているという側面がございます。こうした状況を地賃の委員に申し上げると、地域の実態を把握するデータが十分無いという指摘を必ず受けます。従前から厚生労働省ともお話をしておりますが、毎年、中賃で多くの資料をいただいておりますが、そのすべてが都道府県別のデータとして提供されるわけではないと聞いております。中賃で提供いただくデータのうち、都道府県別のデータがないものについて、時間をかけて整理すれば出すことのできるデータはあるのか、あるいは新たに調査を行わなければ出せないのか、また、地方での審議に資するデータが今どの程度あり、この先どの程度整備できる可能性があるのか、今回の目安全協の最終回において、地方に何らかの方向性を示す際、前述の事項に関する資料を出していただけるとありがたいと思います。全ての地域に言える事ではないとは思いますが、地賃委員と意見交換をすると、データが無く、公益の先生は目安にいくら乗せるのかというところから審議が行われ、議論にならないという声もございます。県内で行われた調査を指定し、提出を求める地賃委員もいるようですが、それができる県ばかりではありません。この目安全協の場が、少し先を見据えた議論を行う場であることを考えると、地賃で審議するためのデータをどれくらい整備することが可能なのか、見通しや議論できる材料を提示いただけるとありがたく思います。

○藤村会長
 都道府県別にとれるデータについては、これまでもできるだけお出ししてきたんですが、
それで全て議論が尽くせるかというとそうでもないところがあると。ただ、データを作るって大変なんですよね。時間と労力とかかるし。

○新田委員
 おっしゃるとおり、支払能力のデータについては、我々や地賃の委員もしっかり論証したいのですけど、なかなかこれ、というデータを出すのは難しいかなと思います。ただ、どんなデータが出せる可能性があるのかというところは議論していけるといいのかなとは思っております。

○藤村会長
 はい、わかりました。
 その他いかがでしょうか。佐久間さん。

○佐久間委員
 はい、ありがとうございます。すみません、発効日の関係やっぱり出てくるんですけども、私としてはですね、令和7年度の発効日について、地域の最低賃金審議会において協議することというのがですね、明確に位置付けられて、そして取り組んだということは、やっぱり重要な進展なのではないかなというふうに思います。実際、資金繰りの関係とかが関わってくるような準備の状況、それによってですね、例えば1月なり3月に遅れてというか時期をずらしてやってきたことが今年一回限りのものになってしまって、また次年度の交渉によって、また10月発効ということに戻ってしまうと、労使相互にとっても実際支払の準備期間の関係とか、あとはもちろん資金繰りもそうなんですけど、労働者側でも就業調整等が発生して、結果として実収入が伸びないということがあります。私もそうだったんですけども、地域の方からですね、こういう問題については中央である程度決めて欲しいという意見もやっぱりありました。その中でも、中央において方向性ということが示されるということは必要なのではないかなと。これはこれからの議論ですけども、例えばですね、実際に3月に決定した県というのは、すぐ次の年度において、10月に発効になってしまう、そのときにですね、春闘が始まってるわけですけども、大企業の影響はですね、賃金水準によって、あとは地域の企業とか、同業種の企業との関係で自分がどれだけ上げていかないといけないのか。また、その場合は始まるのが5月の連休明けからいろんなところの総会を開催する時期、要は6月くらいになって、それでこれくらい上げていこうってことを検討するという中で、実際7月以降に上げていこうというところが15%くらいいるわけなんですね。そうなると、また10月発効になってしまうとすぐまたこれで準備しなきゃいけない。これでやっていくとですね、事業者側も非常に流動的になって困るなという影響はありますので、方向性というのは一つ出してあげる。何月くらいが良いんじゃないかなというところもまで踏み込んでいければ本当は良いと思うんですけども、そこまでいけるかどうかわかりませんけども。そういう意見を申し上げたいというふうに思っています。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。全員協議会だから公益も話していいんですよ。じゃあ権丈さん、どうぞ。

○権丈委員
 それでは、公益委員もよろしいということでしたので、発言させていただきます。お伺いしておりますと、やはり労使双方とも、今回の発効日のばらつきが予想以上に大きかったということで、何らかの一定の方向性を示す必要があるのではないのかという認識を共有されているのかなというふうに感じておりました。また、今回は、発効日そのものが交渉変数、あるいは交渉材料として機能していた側面もあったのではないかと思います。最低賃金の引上げが従来よりも名目で非常に高くなっておりますので、社会的関心も一層高まり、「最下位にならないこと」を意識した様相が顕著になっているという認識です。強い表現ではありますが、「チキンレース」と比喩されるような状況もあったのではないかと思います。
 問題は、その「レース」の在り方にあるように思います。先ほどから、発効日を遅らせることの意味合いについて、労使双方からご指摘がありましたけれども、例えば、最低賃金額としては最下位を回避しつつ、企業側にとっては準備期間を確保し、実質的な負担を抑えることができるという面があります。そうした意味で、発効日が交渉材料、あるいは政策変数として扱われていたということなのだろうと思います。
 以前の慣行であった10月初旬発効が、2025年度には大きく後ろ倒しになったことで、名目の引上げ額と、実際の発効時期を踏まえた実効的な引上げ額との乖離が目立つ結果になったといえるかと思います。例えば発効日が3月31日と最も遅かった県では、Cランクの目安に16円を上乗せし、80円引上げの1031円となりました。しかし、10月1日発効と比べると半年の遅れとなるため、年度ベースで見た実効的な引上げ幅を試算しますと、約40円にとどまります。
 また、2025年度は、47都道府県のうち10月発効が20県に過ぎず、実際の発効時期を踏まえた実効的な引上げ額を試算しますと、目安額を1円以上下回った県が、25府県に及んでおります。こうした状況については、一つの共通認識として持っておく必要があるのではないかと思っております。
 それから、関連する点として申し上げますと、最低賃金の影響を評価するに当たって、近年インフレ率がかなり高くなっておりますので、物価調整後の実質引上げ額という観点も重要かと考えております。物価上昇が2022年下半期あたりから大きくなっておりますので、近年は4パーセントを超える名目引上げが続いてきている一方で、実質ベースで見ると、小幅な改善にとどまるケースも増えております。場合によっては、それ以前の3パーセント程度の名目引上げ時よりも、実質的な改善幅が小さくなるということも生じているのではないかと思います。
 もちろん、物価上昇をどのように評価していくかという点はありますが、物価上昇が続く局面では、名目の引上げがそのまま実質賃金の改善につながらず、さらに発効日の遅延が加わることで、実効的な改善幅が一層縮小するという点も、今後念頭に置いておく必要があるのではないかと思います。
 令和7年度の経験は、制度の成熟過程における一つの節目として、今後の制度設計に向けた示唆を与えているように思います。今回、このように皆さまで議論する場が設けられていることは、大変貴重な機会であり、感謝申し上げたいと思っております。
 最低賃金制度を、持続性と実効性を備えた仕組みへと育てていくためには、制度の目的である生活の安定と公正な競争がどこまで達成されているのか、丁寧に検証していくことが必要になると考えております。今後、皆さまからのご指摘も踏まえて、事務局やJILPTからも調査結果をお出しいただけるとのことですので、そうした内容も踏まえながら議論を進めてまいりたいと考えております。

○藤村会長
 はい、どうもありがとうございました。その他、発効日について、いかがですか。どうぞ、戎野さん。

○戎野委員
 私自身も、今回の発効日については、想像を超えてきた結果でした。そのため、なんでこういう結果が出てきたのかということを疑問に思い、それを明らかにした上で次回の審議にするべきだと思っておりました。そのため、まさしくこういう機会に、なぜこういう結果が生まれたのかという背景と、またその結果による影響というものをしっかりと見極めるということは重要だと思います。地賃の方もおそらく他県の状況をみて、なぜあんな発効日になったのだろうかということは、これまでの金額についての疑問のみならず、今回はうまれているのではないかと思います。他県をみて自らの金額を色々決めることの影響についてのお話が先ほどありましたが、それと同様に、今度このままですと、発効日についても、隣の県はどこまで遅いのかというようなことに、つまり他県との競争の一つに発効日がなるのではないかと思います。そのため、なぜこういう結果になったのかという背景とその影響を明らかにすることが必要だと思います。建設的な労使の協議による合理的な結果であったということならば、それはそれで良いと思うんですけども、おそらく地賃によっては色々なところがあって、退席というところも見られるので、ちょっと改善すべきところもあったのではないかなと思うところもあります。そして、今回の発効日については、我々のみならず、非常に世間的にも注目されているではないかと思うんです。先ほど近県でも数ヶ月の違いがあり、場合によっては半年くらい違うわけです。そうすると、なぜ私のある勤務先の最賃はまだあがらないのかというような、いわゆる単純にそういった疑問が出てくるでしょうし、経営側も、そんなに遅くできるのであればもうちょっと準備期間欲しかったなというようなことになってくると思います。いわゆる社会的な認識においてもなんでこうなったのか、今後どうなるのかということの思いが高まるのではないかということを心配しています。したがって、地賃での審議の混乱を避け、また、社会的な認識においても大きな期待を担っている最賃に対して、安心できる制度にすることが求められていて、この役割が今回の会議のなかにあるのではないかと思いました。したがって、先程来労使の委員または公益の意見にもありましたように、明らかに、今回の結果については想定を超えていたところがあるので、地域でどんな実態があったのか、そしてどのような影響が出ているのかを明らかにし、その上で建設的な労使協議による合理的結論にいたっていけるような指針が出せたら良いのではないかと思う次第です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。その他何かございますか。首藤さん、どうぞ。

○首藤委員
 はい、皆様の意見とそんなに変わらないのでどうしようかなと思っていたんですけども一つだけ。労使ともに同じ見解だと思うんですけど、やはり発効日のばらつきに対しては、私も大きく問題があるのではないかと思っています。制度の安定性や信頼性というところが揺らいでいるふうに感じますし、使用者側からもご発言ありましたけども、予見可能性というところについても非常に重要だと思っておりまして、そういったところが揺らいでいるので、今回の論点の案にも書かれている「合理的な範囲」というものについて、検討する必要があるんじゃないかというふうに思っています。もちろん地賃での労使の建設的な議論というのも当然重要なんですけれども、その議論の基盤となるものを何かお示しできると良いのではないかと思っています。先程来一覧を見ていても、かなり大きな引上げをしながらも10月中に発効している場合と、3月になっている場合があるわけですけども、両者でどういった違いが現場で起きているのかというのをぜひ把握したいなというふうに思っているところです。よろしくお願いします。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。どうぞ、松浦さん。

○松浦委員
 私からも2点申し上げたいと思います。近隣県との過度な競争意識による最下位回避争いについては、制度的な対応がなかなか難しいかもしれませんが、冒頭佐久間委員がおっしゃったような現状に対する懸念や弊害を、中央の方から明確なメッセージとして伝える必要があるのではないかと思っています。もう一つ、発効日については、戎野委員がおっしゃっていましたが、このままだと3月1日でもいいという解釈が広がりかねないので、そうならないようにこれも丁寧なメッセージを出す必要があると思います。ただし、発効時期については、幅で示すにしても、何月と示すにしても、具体的に書いてしまうとその中の一番最後の時期に張り付くことも懸念されます。このため、月を明確に書くのは、ややリスキーなのではないかと考えております。令和7年度の公益委員見解で、引上げとともに発効日についても十分に議論を行うよう要望した意図は、大下委員がおっしゃったように、発効日を交渉材料にするのではなく、あくまでも引上げ額を決めて、それを実行できるように発効日についても議論してくださいという意図だったと思いますが、その部分について中央と地賃で解釈にズレがある可能性があります。そのズレを補正するために、見解の意図や、発効日が遅くなることによる弊害等を、言葉で丁寧に補足する必要があると思います。

○藤村会長
 はい、わかりました。その他ございませんか。新田さん、どうぞ。

○新田委員
 引上げ額とともに発効日についても十分に議論をおこなうよう要望するという文言が目安小委員会報告に盛り込まれたのは、非常に意義があると思っています。
 何事にも初回があって、初回の結果というのは予想できない部分もあるので、その結果を踏まえてどういうふうに改善していくべきなのかということを重ねてその時々でベストなものを目指していくというスタートが切れたのかなというふうに思っています。私が懸念しているのは、発効日について、せっかく各地賃においても議論するということがスタートしたのに、やっぱりこれ(発効日)について議論をすることはやめようという方向になってしまい逆戻りになってしまうことです。ただ、松浦委員からもあったように、出し方というのは非常に難しいと思っています。一方で、話し合った結果、10月1日発効というのは私は構わないと思っているんですが、藤村会長がおっしゃったように目安額がかつての数円単位のものから変わって、これだけ上がっていて、さらにそのうえに積むとなったときに、原資の確保ということを考えると、やはり相当影響が大きくなっているというのは実際にあるので、引上げ額と併せて、発効日についても各地賃の公労使の委員で意識をしながら議論するというのは非常に意義深いことだと思っています。そこは逆戻りしないように今後の議論で意識を共有しながら進められたら良いなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○藤村会長
 さあ、大体よろしいですか。どうもありがとうございました。
 では、3番目がEU指令ですね。これはひとつの考え方として出てきていて、これをどういうふうに扱うかということもこの全員協議会で議論していくことになると思います。このEU指令の扱いについてはどのようにお考えでしょうか。平野さん、どうぞ。

○平野委員
 はい、それでは夏の目安審議会でこのことを議論するっていうのは、なかなか時間もとれないので、全協の課題のひとつとして、議題としていることには賛成でございます。連合としては考え方はもう出していて、一般労働者の中央値の6割を中期的目標として、出すとして、10年かけて到達していくのが良いと、そういう考え方なんですけど、今後、審議会で議論を深めるためにも、その際の、考え方について、意見の述べさせていただきたいと思います。まず、資料No.2の9ページのところに賃金総額について、マトリックスといいますか、出ていると思うんですが、それに対して、一般労働者の所定内賃金額と特別給与額、ここだと49.4%になっていますが、そこを参考にすればいいのかなと。なぜなら、最賃近傍で働く労働者の中には、パート等の方が結構多くいますので、その中には一時金のない方もかなり今いるということが、実情です。そのため、所定内給与額には、均等待遇の中でも問題となっておりますので、その実情を踏まえてやるべきだと。なので、所定内給与額だけではなくて、特別給与も入れてやっていく。そこをみるべきではないかなということと、やっぱり賃金のばらつき等を勘案すると、OECDの比較の時にもそういうことになっているんですが、平均値よりも中央値に着目していくべきではないかなと思います。もう一点ですね、EUだと適用除外の年齢みたいなのを設定しているんですが、日本だと学生の方が学費とか生活費をバイトで稼ぎながらやっている方も多くいます。その厳しい実態を考えれば、EUやイギリスのように、減額措置をしていくっていうのは、日本の実態にはそぐわないのではないかなと考えて、以上、2点これから議論に入る前に意見として言わせていただきました。

○藤村会長
 はい、わかりました。ありがとうございます。使用者側はいかがですか。

○新田委員
 EU指令について、平均値の50%、中央値の60%という指標については十分承知をしておりますし、それについて議論していくことについては、我々としてもやぶさかではありません。ただ、いま平野委員がおっしゃったとおり、これは非常に時間をかけて議論をする必要があるなと私も思っております。具体的には、先ほどの資料No.2の9ページのところで特別給与も入れてという話がありましたけれども、やはり日本の賃金制度と諸外国の賃金制度はかなり違うというところも踏まえて慎重に考えていかなければならないと思っていますし、OECDのデータではどういう賃金が含まれて結果が出ているのかということも精査した上でないと判断できないと思っております。ここは時間をかけて議論していくことかと思っております。以上です。

○藤村会長
 はい、ありがとうございます。ある種の目標になるような話になってくるので、議論を尽くしていく必要があるというのが労使双方のご意見と思います。令和8年度の審議において無視するわけにはいかないと思うのですが、すぐにこういう指標でこういうふうに考えましょうということにはならないかなと思っております。EU指令については、引き続き少し時間をかけながら議論をしていくということで良いのではないかと思っております。
 論点としては以上なのですが、何かこの場でもうちょっと言っておきたいことありますか。よろしいですか。
 はい、では、各論点について、本日いただきました意見を踏まえて、事務局には整理をしていただき、ご用意していただけるデータについては次回までにご用意をいただくということでお願いをしたいと思います。
 それでは、次回の日程と会場について、事務局から連絡をお願いいたします。

○八木賃金課長補佐
 事務局でございます。次回につきましては、日時・場所について調整の上、追って御連絡させていただきます。

○藤村会長
 はい、どうもありがとうございました。それでは本日の全員協議会を終了いたします。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。