第137回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和8年4月20日(月)13:00~

場所

オンライン・対面による開催(中央合同庁舎第5号館 専用第14会議室(12階)東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○山川分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから「第137回労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催します。委員の皆様方、お忙しいところ御参加を頂きましてありがとうございます。
 議事に先立ちまして、今年度から障害者雇用分科会の委員に新たに就任された方を御紹介します。一言御挨拶をお願いいたします。まず、労働者代表委員について、全日本労働組合総連合会副事務局長の冨髙裕子委員が退任されて、同総合政策推進局局長の菅村裕子委員が就任されました。 
 
○菅村委員 日本労働組合総連合会の菅村と申します。積極的に議論に参画していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○山川分科会長 よろしくお願いいたします。また、使用者代表委員について、株式会社日立製作所人財統括本部人事勤労本部長兼エンプロイーリレーション部長の松永恭興委員が退任されまして、株式会社日立ゆうあんどあい代表取締役社長の大岩一郎委員が就任されています。
 
○大岩委員 日立製作所の特例子会社の日立ゆうあんどあいの大岩と申します。どうぞよろしくお願いいたします。使用者側ということで、雇用の実態に則した意見を積極的に述べていきたいと思います。是非、よろしくお願いいたします。
 
○山川分科会長 よろしくお願いいたします。そのほか、事務局の職業安定局にも異動がありましたので御紹介します。盛谷高齢・障害者雇用開発審議官、林主任障害者雇用専門官、久保村障害者雇用促進研究官です。新たに就任された委員、また引き続き御就任いただいている委員の皆様におかれましても、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は新銀委員が御欠席となります。新銀委員の代理として、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長の小幡恭弘様に御出席いただいています。よろしくお願いいたします。
 会場には大井委員、影山委員、倉知委員、菅村委員、大喜多委員、河崎委員、神成委員、佐藤委員、大岩委員、田中伸明委員がお越しです。それ以外の委員の皆様はオンラインのご参加となりますが、新田委員は途中からオンラインで参加されます。
 本日の分科会は、ZOOMによるオンラインでの開催と会場からの参加の両方になっています。開催に当たりまして事務局から説明があります。
 
○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日も多くの委員にZOOMを使ったオンライン参加を頂いています。開催に当たりまして、簡単ですがオンラインについて操作方法のポイントを御説明します。本日、分科会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、分科会長の許可があった後にマイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。ZOOMの操作方法については、事前にお送りしましたマニュアルを御参照ください。会議進行中、トラブルがありましたら事前にメールでお送りしている電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
 
○山川分科会長 それでは議事に入ります。カメラの頭撮りはここまでとなっています。
 本日の議題は、議題1が今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(令和6年度~)の報告書について(報告)。議題2が今後の検討スケジュール及び議題について(案)です。議題3が関係団体からのヒアリングで、一般社団法人障害雇用企業支援協会、公益社団法人全国障害者雇用事業所協会のお二方様にお越しいただいています。よろしくお願いいたします。
 では、まず議題1と2について事務局から説明をお願いいたします。
 
○河村障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長です。まず議題1について、資料に基づきまして御説明します。議題1については、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告書についてということで、こちらの研究会はこの本審議会の前段の検討の場として置かれてきたものです。2月の上旬に報告書を取りまとめています。この報告書の関連資料は資料1-1から1-3になっています。資料1-1が報告書の本文ですが、資料1-2が報告書の本文の中で、特に今後こちらの審議会で制度的な検討を深めていただきたい論点にを抜粋をしたものです。私からは、この資料1-2に基づいて御説明をします。資料1-3は、各回の研究会の議論の際に出してきた参考資料ですので、お時間があるときに御参照いただければと思います。
 それでは、お手元に資料1-2を御用意いただいて、こちらに基づいて御説明をさせていただければと思います。右下にページ番号を振っていますが、2ページ、まず論点の1つ目として「障害者雇用の質について」です。上の括弧書きの所に制度的対応○1として、「質」のガイドライン等の創設とあります。枠囲みの中に、事務局として研究会で御提案した方向性が書かれています。まず、障害者雇用の「質」として特に重視されるべき要素として、1)能力発揮の十分な促進、2)能力発揮の成果の事業活動への十分な活用、3)適正な雇用管理、4)発揮した能力に対する正当な評価とその反映、5)に雇用の安定ということで、5点お示ししています。こうした「質」として重視すべき中心的な要素について、法令において明示していってはどうかということで出しています。
 これらに対して、冒頭の1つ目の○に、こうした方向で検討を深めていくべきという御意見等々を書かせていただいた上で、上から4つ目の○ですが、こうした「質」として重視すべき要素については、具体的に丁寧に議論することが必要であり、特に事業所規模によって可能な取組が異なるので、中小企業の実態を踏まえた検討が必要である。また、これを法令上に明示するということになると、一定の高いハードルを示すことになって、事業主の萎縮につながりかねないという点も含めて、慎重に検討すべきであるという御意見を研究会段階でお話いただいています。最後の○ですが、法令上の規定の仕方として様々な選択肢を取り得るので、事業主の萎縮につながらないような形で、どのように規定できるかを含めて検討すべきということで報告書をまとめているところです。
 また、3ページの中段の制度的対応○2の所ですが、「質」の向上に向けた事業主の認定制度を拡大していく、認定に対するインセンティブの在り方を検討していくという点です。枠囲みの中の1ポツ目です。現行、「もにす認定制度」という中小企業の対象の認定制度がありますが、企業規模にかかわらず取組を促進するという観点から、大企業も含めて全ての企業を新たに認定制度の対象とした上で、認定基準を改めて見直していってはどうか。2つ目のポツは、認定基準の検討の際には、障害のある方御自身に対する満足度やワーク・エンゲージメントについて勘案するという点と、「質」の中心的な要素については達成を必須とする。そして、データ等の客観的指標を組み合わせる。こういった観点で検討してはどうかということです。3つ目のポツですが、認定に対するインセンティブの在り方として、調整金・報奨金等において、一定の配慮を行ってはどうかということを研究会段階でお示しをしているところです。
 これらについて、おおむね意見の一致があった上で、4ページです。こうした認定に対するインセンティブ設計についてですが、上から2つ目の○後段です。とりわけ企業としては、やはり法定雇用率の達成に懸命に取り組んでいるところであって、そういった金銭的なインセンティブというよりは、実雇用率に算定することによるインセンティブが必要であるという御意見も研究会で出されています。これに対して、2つ目の○の前段ですが、「量」の概念である雇用率に「質」の評価を反映させるということが適切ではないという点や、「質」の評価の反映によって雇用の「量」がトレードオフになるような仕組みであってはならないという御意見も出されています。最後の○ですが、今後の検討を深める際に、こうした点を十分に踏まえて議論を進めていく必要があるとされているところです。
 続きまして、5ページが論点の2ポツです。いわゆる「障害者雇用ビジネス」についてですが、5ページの上段の所の制度的対応○1として、利用企業による報告を書いています。枠囲みの中ですが、いわゆる6.1報告の中で「障害者雇用ビジネス」を利用している場合に、一定項目の報告を求めることにより、行政庁で網羅的に把握可能として、必要な指導監督を行い得るようにしてはどうかという点です。一定の項目の例示として、枠囲みの一番下の行ですが、どういった場所で、どのようなビジネス事業者さんで、障害のある方が従事している業務内容はどのようなもので、利用予定期間はどうであるかというような情報を記載しています。
 これらについて、この方向で検討を深めるべきという御意見もあった上で、3つ目の○です。報告の義務を課すということになりますと、前提となる定義について、現時点では必ずしも明確とは言えないという点。また、その利用企業としての事務負担及び心理的負担を考慮して慎重に検討すべきという御意見も出していただいているところです。
 最後の○ですが、こうした点も十分に踏まえて、より明確な定義付けに向けた検討を行うということと、利用企業側のこうした心理的負担等も併せて考慮しながら議論を進めていくことが必要であるとまとめられているところです。
 続きまして、6ページは、いわゆる「障害者雇用ビジネス」に係る対応の制度的対応〇2です。「障害者雇用ビジネス」及び利用企業の望ましい在り方に向けたガイドラインの創設として、枠囲みの中ですが、まず1つ目の黒い四角の所です。研究会の報告書の中で3点、こうした「障害者雇用ビジネス」の課題を挙げています。1点目は、その業務の場所や就業場所が離れていることに伴うインクルージョンの面の課題や、そこから派生する雇用責任がどうしても薄くなってしまうという課題。2点目は不適切、不十分な雇用管理になりうるという雇用管理上の課題。また、3点目に障害のある方の能力発揮の成果が利用企業の事業活動に十分に活用されていかない中で、コスト感の高まりがあるという点を挙げています。
 こうした課題の是正に向けて、障害者雇用ビジネス業界向けに、まず、黒ポツの1点目ですが、障害者雇用に精通した一定の資格者を配置する。あるいは従事するスタッフに対する教育訓練をしっかりと行うというような点を書いた上で、黒ポツの2点目ですが、利用企業に対する支援メニューの方向性として、障害のある方の就業を通じた成果物が、利用企業自身の事業活動で有為に活用されていく方向性で提案・支援等を行うということ。更に、こうしたガイドラインに沿った運営を行っているかどうかを、定期的に情報開示を行っていくという点を記載しています。
 2つ目の黒い四角です。一方で、利用企業に対してはガイドラインにおいて、以下を示してはどうかということで、1つ目の黒ポツです。「障害者雇用ビジネス」を利用するのであれば、ガイドラインに沿った運用を行う事業所を利用することが望まれる。沿っていない事業者の利用は望ましくないという旨を記載してはどうかという点となっています。
 これらについては、7ページですが、こうした方向性で更に検討を深めるべきという御意見があった上で、2つ目の○です。「障害者雇用ビジネス」の定義及び範囲が必ずしも現段階で明確となっていないという点も踏まえて、慎重に検討すべきという御意見もあった上で、一番下の○です。今後、検討を深める際には、こうした意見も十分に踏まえて定義や問題があると判断される本質的要素の検討をしっかり行って議論を進めていくことが重要だとされているところです。
 続きまして、8ページです。手帳を所持していない難病の方の位置付けになります。この問題の背景としては、難病にり患された方が様々な身体機能の障害が発生するわけですが、身体障害者手帳の交付対象の範囲の問題から、身体機能の障害が発生していても手帳が交付される方と、されない方がいらっしゃるという問題が前段にあった上で、四角の囲みの中の1つ目の黒ポツです。こうした手帳が得られない難病患者の方については、御本人の申請で、医師の意見書等も勘案をして、個別の就労困難性の判定を行って、一定水準にある場合は、実雇用率において一定の算定を可能とする。雇用した場合には雇用率に算定ができるということを行う。その上で、施行状況を注意深く見ながら、さらに雇用義務の在り方を検討していく。雇用義務の在り方となると、雇用義務が発生するということは全国の法定雇用率の算定式にも計上していくということになりますが、それは施行状況を注意深く見た上で更に検討をするということでお示しをしています。2ポツ目、こうした判定基準の検討については、更なる調査研究や専門家の知見を交えた検討等を経て、対象範囲の明確性、公正性、一律性という、従来この障害者雇用率の算定において重視してきたものが確保できるような内容としていくということを記載しています。3つ目の黒ポツですが、まず現に困難に直面している方を優先的に判定をする等の円滑・着実な施行体制の検討も併せて必要であるということを記載しています。
 その上で、下の四角囲みの所ですが、「基本的な考え方」として、取り分け3ポツ目です。今回検討する「個別判定」は難病による「身体機能の障害」が身体障害者福祉法の交付対象範囲を決めている別表に該当しないということによって手帳交付が得られない場合であっても、手帳所持者と同等以上に就労困難性を有する者がいるということを踏まえて、就労困難性が手帳所持者と同等以上と考えられる者を個別に判定する仕組みとして検討を行うものであり、従来の「対象範囲の明確性」、「一律性」、「公正性」を十分に意識した上で制度設計を行うという考え方を記載しています。
 さらに、9ページの個別判定の方法の粗いイメージとして、研究会の段階では、案3を有力だとお考えになる構成員の方が多かったところです。案3の場合は、個別判定の方法として難病の医療費助成の重症度判定を一定のベースとした上で、さらに支援職によるアセスメントの情報、易疲労性や痛み、免疫力低下等々を組み合わせて、それらを材料として、国が設置する審査委員会において合議を経て、判定をしてはどうかというような枠組みをイメージとして示しています。これらについては、9ページの1つ目の○ですが、こうした論点については平成24年当時から10年以上にわたり引き続きの検討事項であって、今回はその方向性を示して具体的な制度設計に入る時期にきているという認識の下で、この方向性で検討を進めるべきであるという御意見を頂いているところです。
 一方で、10ページの上から2つ目の○ですが、法定雇用率が引き上がっていく現状の中で、将来的な雇用義務の在り方につながり得る本論点については、就労困難性の個別判定の難易度が高いと想定される中で、現時点で具体的な判定基準等の仕組みが明らかではない。そういったことから、個別判定制度を設けることの是非が現時点においては判断ができず、引き続き慎重な検討が必要であるという御意見も頂戴してきたところです。
 最後の○ですが、こうした御意見も十分に踏まえて、就労困難性の個別判定のための基準等の仕組みについて、更なる調査研究等を併せて進めながら、引き続き丁寧に議論を進めていくとまとめられているところです。
 続きまして、11ページです。手帳を所持していない精神・発達障害者の方の位置付けの関係です。こちらの論点については、上の四角囲みの所ですが、精神障害者手帳の対象範囲が大変網羅的になっていまして、国際的な診断基準等で精神・発達障害とされる方で一定の水準にある方は皆、判定をされるという手帳の範囲の網羅性、また、その判定内容は日常生活における制限の状態を直接見ていますので、例えば医療証のように医療の内容を見ているものと、手帳とは違うということ等を踏まえると、手帳のない方について別途の基準を用いて雇用率の対象とする必要性・合理性は高いとは言えないのではないかということで、現行の仕組みを維持するのではないかという方向性の上で、合理的配慮の推進等を更に進めるのではないかという点を枠内に記載しています。この論点に関しては、この方向性で概ね意見の一致を頂いているところです。
 その下半分の所です。精神の手帳には2年の更新期限が設けられていますが、この手帳の更新ができなかった場合の取扱いについてです。枠囲みの所ですが、こうした手帳の更新が得られなかった場合であっても、当該労働者の方が引き続き雇用されていて、今後も雇用される見込みであると判断できる場合は、一定期間、例えば1年間程度、雇用率制度等の取扱いを検討するとしてはどうかとさせていただいています。この点についても、おおむね意見の一致を頂いた上で、「一定期間」について、期間はどうあるべきかについて議論を更に進めていく必要があるとされています。
 続きまして、12ページからは、就労継続支援A型事業所に対する様々な論点です。論点の1点目は、12ページの前段で、まず就労A型事業所について、雇用率制度の対象としていくべきかどうか。現行は対象とされているものですが、それをどうするかということです。論点の2点目としては、納付金制度の対象とすべきか。こちらも現行は対象になっているところですが、どうしていくべきか。さらに、13ページの論点の3点目です。その他、事業協同組合等算定特例制度、これは中小企業が組合を作り、その中で雇用率を通算する仕組みですが、そうしたところにおけるA型事業所の位置付けをどう考えていくかという点です。これらについては非常に多岐にわたる御意見を頂きました。その上で、13ページの下の辺りですが、A型事業所が果たすべき役割について、雇用と福祉両面から丁寧に議論を行った上で、こうした論点の在り方について議論を進めていくことが必要だとされています。この点については、後ほど、資料2の今後の進め方の所で少し触れさせていただきたいと思います。
 続きまして、14ページが別の論点です。精神障害者の「重度」区分を設けるかどうかという点です。また、精神障害の方の短時間の算定特例についてどうするかという点です。まず、4.の「重度」区分を設けるかどうかの議論ですが、精神の手帳の等級と就労困難性が必ずしも比例しないという状況等もあります。○の3つ目の所ですが、「重度」区分を設けることは適当とは言えないということで、現行制度の運用を維持するという方向性で、おおむね意見の一致を頂いてきたところです。
 続きまして、5.の短時間労働者の特例の関係です。精神の方の週20時間以上30時間未満の労働者の方については、短時間ではありますが、0.5カウントとせずに1人で1カウントするという特例が置かれています。こちらの特例については、○の1つ目の最後の辺りですが、制度開始後まだ日が浅く、この政策効果が十分に見定められない状況でもあるので、現時点での恒久化の判断は慎重であるべきだという御意見を頂いています。ただ、一定の効果が上がっていますので、当分の間、特例としては継続をするということで、おおむね意見の一致を頂いているところです。
 最後に、15ページは納付金の納付義務の適用範囲の拡大という論点です。現行は100人以下の事業主に対しては、納付金の納付義務が免除されている構造です。○の2つ目辺りですが、多くの方から100人以下の事業主に対してもこの納付義務の適用拡大を通じて、雇用義務の意識を強化して、中小企業が、とりわけ特例子会社等のない地域において、重要な職場であるということからも、企業の背中を押して、働く場を増やしていくべきだという御意見。また、段階的に進めるという点や、企業支援をセットで重点的に行う必要があるという御意見等を頂いています。
 一方で、○の3つ目の所です。最低賃金の大幅な引上げ等で厳しい経営環境に中小企業が置かれているということと、この間の中小企業特有の雇用の難しさの問題もあるということから、まずは十分な支援を行って中小企業における雇用の進展を確認した後に、改めて検討するべきである等の御意見も多数頂いているところです。
 一番最後の○ですが、今後、検討を深めていく際にこうした意見を十分に踏まえた上で、一番最後の行ですが、中小企業に対する企業支援機能を一層強化をする具体的方法を併せて検討するということが必要だとされているところです。
 今後、事務局においては、この報告書で触れられた様々な御意見、あるいは方向性について更に深めた上で、各会議の資料で御提案を申し上げたいと思っています。
 続きまして、議題2の今後の検討スケジュールと議題です。資料2をお手元に御用意いただければと思います。まず、本日が4月20日で、早速、関係団体の皆様からヒアリングを行わせていただきます。次回、5月27日ですが、5月もヒアリングの2回目ということで、こちらに記載の3団体の方々から御意見を伺う場を設けさせていただきたいと思います。その上で、6月以降の各会議において、各議題についての検討ということで、先ほど触れさせていただいた点について順次検討を進めていきたいと思っています。下から2つ目の黒ポツに、「就労継続支援A型事業所の位置付け」とありますが、こちらの論点については、先ほどの報告書でも雇用と福祉の両面からの検討が必要とされたことを踏まえまして、一番下の※ですが、雇用福祉横断検討会を立ち上げる方向で現在、検討・調整をさせていただいています。この辺りについては、進捗等々を御報告させていただければと思っているところです。私からの説明は以上です。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。議題の1と2について、一括して説明をしていただきました。では、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見等がありましたら、会場にいらっしゃる委員の皆様は挙手を、オンラインでの御参加の方々は「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、私が指名させていただいた後に、お名前をおっしゃって、御意見を頂くようにお願いいたします。御質問、御意見等はございますか。それでは、影山委員、お願いします。
 
○影山委員 横浜市大の影山です。よろしくお願いいたします。2点あります。1点目の論点は雇用ビジネスについて、もう1つは認定制度についてです。まず、雇用ビジネスについて、今日の御報告を拝見いたしましたが、定義の整理ができていないのではないかという気がいたします。定義は、一定の書式があり、一文で「雇用ビジネスとは、障害者を有為な職業人として扱わない前提で企業の本来業務の事業場とは別の場所に就労場所や業務を用意し、障害者の紹介や雇用管理の代行を行うこともあるビジネススキームを言う」といった形や、主文と要素列記の形式で「雇用ビジネスとは次の要件を満たすビジネススキームを言う」といった形で表現していただくと定義であることが分かりやすいと思います。
今日の御説明にもあったように、雇用ビジネスが活用される背景には、法定雇用率が上がる中で、なかなか障害者の方を雇用するための仕事が切り出せない、対応ができない、そういう事情があると思われます。そうすると雇用ビジネスの活用ということにもなってくる可能性があります。つまり、受入れが難しい、対応ができない、やっていただく仕事がないとなると、なるべくコストを抑えたい、社内で受け入れる負担を軽減したい、特例子会社の設置負担も回避したい、健常の社員にマイナスの影響を与える可能性があるので、なるべく本社では受け入れたくない。こういうことで、雇用ビジネスの活用につながっている可能性があって、ここが、本質的な点ではないかなという気がします。
 つまり、雇用ビジネスというのは、障害者を有為な職業人として扱わないことを前提としたビジネススキームである、若しくは、扱うということを想定していないサービスであるというのが根底にあるような気がします。そうすると、雇用管理をするようなコストを避けたい、そういうことにもなってくると思うのです。言い換えれば、有為な職業人に対して雇用管理をしないということは、通常は考えにくいです。また、本社から切り離すことを無条件にダメとしてしまうと問題が生じます。企業によっては事業部署やスペースの関係で企業の建物から離れた所に別の部署があるということはあり得るわけです。更に言うと、これをテレワークと解釈しますと、今日の資料の6ページに、指導の方向性が出ておりますが、「自社の就業場所へ障害者雇用を移行させていくことが望ましい」と書かれておりますが、一方で、通勤しにくい障害者の方がいらっしゃいます。そうすると、そういう方も遠く離れた本社オフィスに行きなさいという、そちらが正しいことになってしまいますので、テレワークを否定していくような印象を持ちます。
 例えば、福岡県の事業で、委託事業から補助事業になったと思うのですが、「こといろ」という事業があります。博多駅のすぐそばにテレワーク用のスペースを置いて、そこでブースを貸し出して、障害者の方を雇用した企業が、そのブースを借りて使えるようにする、こうした事業もあります。そうすると、それが駄目だということになりかねないわけです。特性に配慮したテレワークがありうると考えると、有意な職業人として扱っていないという付帯条件なしに無条件にダメな要件として定義に盛り込むのは好ましくないような気がします。しかも、テレワークというのは首都圏における企業と地方における障害者を結び付ける要素を持っているような気がいたします。
 つまり、首都圏では、障害者の労働市場が逼迫してきています。他方、地方では、一般就労したくてもできない障害のある方がいらっしゃいます。そこで、首都圏の企業が地方で一定の事業を展開して、地方の障害者の方を雇用し、働いていただく。こういうことをやると、地方での雇用も発生していくわけです。さらに、支援員の方も雇用したり、これが一定の産業になっていくのであれば、健常者の雇用も生み出していくというような地域活性化の効果も持つような気がいたします。そういった意味では、テレワークという方向性もあるかなと思います。
 このような指摘をしますのは、雇用ビジネス事業者や障害のある方へのダメージを最小限に抑える方策を考える必要があると考えるからです。今後雇用ビジネスを展開できなくなると、雇用ビジネス事業者が倒産したり、他の一般就労や福祉事業所への移行がスムーズに行えなかったりする場合、障害者の方の就労先が無くなる可能性もあります。かといって雇用ビジネスを一部でも認めることは問題外です。これまでのノウハウを生かして問題のないテレワーク支援といったビジネススキームに転換できるのであれば、障害者の就労先の確保や雇用ビジネス事業者の経営悪化の回避にもつながると思います。そのためにも何がダメかの定義は重要となってきます。
 このためには、雇用ビジネスを利用している企業が障害者の方を有為な職業人として活用していくようなアドバイスを得られるというようにしていく。一方で、雇用ビジネス事業者は、有為な職業人として活躍していただくということを前提に、地方と首都圏の企業を結び付けるとか、こういったことも視野に入れて問題のないビジネススキームに転換していただくための指導をしていくということが必要なのではないかと思います。
 その際に、有為な職業人であるようにしているということを、どのように確認していくかということがポイントになってくるかと思います。この点に関してなのですが、例えば障害者の方が働いている部門が事業戦略上の部門であるということがきちんと説明できればいいと思います。例えば雇用ビジネスを想定すると、農園を使っているとすると、農園の活用がいかなる事業戦略であるかが説明できればいいのです。例えば収支報告書を出していただくということもあります。もちろん黒字でなくてもいいのですが、多額の資金を投入していて収入が0ということは事業戦略上あり得ません。ただ、「定款で農業やるなんていうことは、うちは書いていない。だから、そこは収益部門だとは考えていない」といった定款に書いていないが、障害者の方が作ったものを健常者の社員に配布すると、健常者の社員のモチベーションとか会社求心力が上がる、だから、やっていますという説明はあり得ます。また、お客様の評価が上がるということもあり得るのですが、そのためのデータを出していただければいいのではないかなと思います。
 つまり、企業は従業員満足度調査や顧客満足度調査を行っています。この中に、例えば農園を活用する事業をどう思いますかという質問項目と、モチベーションや会社求心力の項目があって、また、NPSの質問項目があって、これに関してクロス集計だと少し単純すぎるような気がいたしますが、Excelを使えば統計分析がきちんとできるわけです。例えばアドインで組み込んで、データ分析のところで、アイコンをクリックすれば、回帰分析とか、検定や相関分析ができるのです。こういったものがきちんと出てくれば、戦略的な部門として同様に障害者の方が活躍しているなというようなことを説明していただけるのではないかなと思います。このようなデータを出していただくことは、雇用して社内の部署に配属した障害者に仕事を与えない状態で放置するケースにもメスを入れることができると思います。
 このようなことを障害者雇用の分野で求めるというのは、おかしいとか奇異ということはないと思います。なぜならば、先ほど少し出ていた「もにす認定制度」なのですが、「もにす認定制度」には、仕事づくりの項目があって、障害者の方にきちんとお仕事を切り出しているかどうかということをチェックする項目があるのですね。さらに、テレワークを進めているかどうか、キャリアプランを作って雇用管理を進めているかどうかという項目も含まれているわけです。したがって、別に奇異なことではないと思います。
 今、認定の話に少し触れましたので、最後に認定制度について少し御意見を申し上げたいと思います。以前、「もにす認定制度」をベースにするとよいのではないかという意見も申し上げましたが、今のように、「もにす認定制度」というのは「質」の議論に関わる項目が結構あるわけなのです。そうすると、「もにす認定制度」をとっている中小企業は、今は70社弱だと思うのですが、こういった企業は、そのまま申請すれば「もにす認定制度」から新制度の認定に移行できるのだったら企業にとっても、労働局にとっても審査の負担はそんなに大きくないと思います。しかも、労働局にとっては、「もにす認定制度」を運用してきていますから、審査のノウハウというのはあるわけなのです。その意味でも担当部署の負担は少ないと思います。
 最後に、先ほど「実雇用率の算定で考慮する」ということに関して、少し疑問を呈するような御意見が出ていたというところが掲載されておりましたが、私も「実雇用率の算定で考慮する」ことには反対です。要するに制度が複雑になるということと、そもそも認定制度の正当性が失われるということで反対です。なぜかというと、認定をお取りになるというのは、基本的に法定雇用率をクリアしているということが大前提として必要になってくると思います、そうではない制度をお作りになった場合は該当しないのですが。法定雇用率をクリアした上で新しい認定を取ったとします。その上で、実雇用率が例えば2.7%になっているのだけれども、2.5%でいいですよというような軽減措置が図られた場合、認定を取った段階で2.7%になってしまっているので、軽減措置の恩恵に浴することが難しくなってくるのですね、有名無実の軽減措置になります。
 さらに、この軽減措置を適用して、2.7%から2.5%にしてしまうということは、障害のある方を解雇するということにもなりかねないと思います。そうすると、雇用促進法の精神に反するように思いますし、社会的コンセンサスが得られないと思います。それよりも、より効果的な雇用を進められるようなアドバイスを受けられたり、助成を受けることができるといった優遇措置を図っていったほうがよろしいのではないかと思います。以上です。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。それでは、オンライン上で御参加の新銀委員の代理の小幡様、お願いいたします。
 
○新銀委員代理小幡様 全国精神保健福祉会連合会の小幡です。代理出席にもかかわらず、発言の機会を頂きましてありがとうございます。今回示された方向性については、新銀委員も日頃から議論に加わり、大きな方向性は一緒という立場でおります。ただ、現在の制度は、やはり雇用率の達成という側面がどうしても意識され、障害のある人の雇用が結果として手段になってしまっているように見えてしまう点が否めないなと感じています。
 本来、議論いただいているように、1人の労働者として障害を持っている方が、能力発揮や継続的な就労をどのように支えていくのかという視点を、今一度重要点として据えていただきたいと思っています。取り分け精神障害者については、障害者手帳の有無や働きづらさの支援ということで、今回、論点にも幾つか挙げていただいております。先ほどの安定的な就労雇用というところでいいますと、障害者手帳を所持の状況が一度外れたときの対応等がありました。これについても、短時間労働も含めてですが、今の働いている環境をできるだけ持続可能な条件を継続してほしい。できれば特例ということではなく、安定的な労働形態として位置付けていくということの議論を、今後、私たちの立場でもしていきたいと思っています。
 そういった意味では、職場内の取組だけではなくて、実はこの後、検討される準備があるとお聞きしております、障害福祉サービスとの連携も含めたところでの就労の在り方も出てくるかと思います。そちらの進行状況とも併せて、雇用分科会での議論がまとまっていくことに期待したいと思っています。最初に述べました、雇用率や制度区分という枠にとどまらず、障害のある人を労働者として、どう支えるのかという点からの御議論を、皆さんは百も承知でやっているところだと思います。引き続き、福祉分野も含めた議論も併せて、今後もお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。ほかにございますか。では、菅村委員、お願いいたします。
 
○菅村委員 連合の菅村です。事務局より御説明いただいた制度的対応検討の方向性については、この間の研究会における議論を整理いただいたものと認識をしております、それらについては今後の分科会で議論を行っていくと理解しております。その上で、雇用の量と質の両面をどのように高めていくのか、本分科会で、実効性のある方策の検討を深めてまいりたいと考えております。
 特に、雇用の質の向上とその担保につきましては、現場の実態や生じる影響などを勘案しつつ、質を向上する上で重視すべき要素を明確化し、質を評価する仕組みの整備や、いわゆる障害者雇用ビジネスの適正化など、質の高い雇用の実現に向けて具体的な取組が進むよう議論に臨んでまいりたいと考えております。以上です。
 
○山川分科会長 ありがとうございます。ほかにございますか。有益な御意見を大変ありがとうございました。では、議題2については以上とさせていただきたいと思います。
 次に、議題3に移ります。冒頭にお話いたしましたとおり、本日は、関係団体2団体から、先ほど説明のありました今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会報告書につきまして、御意見、お考え等をお聞きいたしたいと思います。まず、事務局から、本日のヒアリングの流れについて御説明をお願いします。
 
○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局です。本日の関係団体ヒアリングについて御説明いたします。議題1で御説明いたしましたとおり、令和6年12月に開始し、本年2月6日にとりまとめられました「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会 報告書」につきまして、関係団体の皆様にヒアリングを行い、幅広く御意見を頂戴したいと考えております。具体的には、資料3の「ヒアリング項目」につきまして、本日御意見を伺いたいと思います。本日は2団体にヒアリングをさせていただきます。各団体のお名前については、議事次第を御覧ください。ヒアリングは各団体、質疑応答を含めて約20~30分程度を予定しております。冒頭の10分間で団体から御説明いただきまして、その後の10~20分程度に委員の皆様から御意見、御質問を頂く形で進めていきます。各団体からの発表・質疑が終わりましたら、最後に全体を踏まえた質議応答を実施します。各団体の皆様は、御提出いただいた発表様式に沿って御発表いただければと思います。
 なお、各団体にお願いしたいことですが、発表後の意見交換の時間を十分に確保し、より良い議論にしたいと考えておりますので、御説明時間が10分を経過した時点でベルを1回鳴らします。12分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合、速やかに意見をまとめていただきますようよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○山川分科会長 それでは、まず「一般社団法人障害者雇用企業支援協会」様から御説明をお願いいたします。
 
○障害者雇用企業支援協会澁谷氏 障害者雇用企業支援協会の澁谷です。お手元の資料に従って御説明したいと思います。まず、前段は省きまして、5ページを見ていただけますでしょうか。障害者雇用の「質」についてということで、障害者雇用の「質」の規定及び「質」の向上に向けた事業主の認定制度の創設・拡大等についてお話させていただきます。まず、障害雇用の「質」の規定については、事務局より示されている5項目はいずれも重要と捉えておりますけれども、更に加えて、以下の3つの点について検討していただければと思います。1つは、企業グループとして共有する「障害者雇用に取り組む基本方針」が明確にされているかということです。いわゆる企業方針としての障害者雇用をどう考えているかを明確にしていただきたいと思います。
 2つ目としては、障害を有する従業員、障害者自身による自らの「勤労の質」への評価も項目に追加していただきたいと思います。
 3つ目は、「雇用の質」を結果として評価するものとして、「長期継続雇用の実現状況」、いわゆる定着がよく進んでいるという観点で御理解を願えたらと思います。
 次に、障害者雇用の「質」に関するガイドラインに関してですが、以下に示しましたように、障害者雇用の「質」については、ガイドラインとして示すことに留めず、企業を評価する際の指標として社会全体で共有し得るものという位置付けができないかと考えております。その下ですが、ガイドラインあるいは指標というものは、あくまで企業として進むべき道を示すもので、義務や罰則のようなものを伴う性格のものではないほうがいいのではないかと思っております。
 6ページをお願いいたします。ガイドラインや指標を導入する際には、その前段階として、公務部門で導入されている「障害者活躍推進計画」を民間にも導入し、障害者雇用の意識を醸成するというプロセスも有効ではないかと思います。
 次に、「質」の向上に向けた事業主の認定制度の創設・拡大等についてです。上の黒丸ですが、新たな認定制度の導入は、「質」の向上に資するものとなることが期待され、早期に実現されることを希望します。
 次に、認定をベースとした「表彰制度」の創設・充実を図り、それにより、特例子会社だと親会社、あるいは企業グループがビジネス上のアドバンテージを得られるような優遇策を併置するといったことも考えてはどうかと思っております。
 7ページをお願いいたします。いわゆる「障害者雇用ビジネス」に係る利用企業の報告義務やガイドラインの創設・その位置づけについてです。障害者雇用ビジネスに関しての当協会の捉え方ですけれども、アンダーラインの所ですが、障害者雇用促進法第5条に示されている理念に照らせば、「障害者雇用ビジネス」が障害者雇用において適切な形態とは言えず、以下のように多くの問題点を孕んでいると考えております。下のアンダーラインですが、障害者雇用ビジネスを利用することは、企業が負う義務を軽視し、責任を放棄しているというように考えております。その下の小さい字ですが、利用する企業の中には、あと一歩、どうしても法定雇用率に届かないということで、やむなく選択したという例も聞いていますけれども、やはり法の理念に反しているという疑いは拭えないということで、その利用実態では法改正で課せられた義務を果たせていないと言わざるを得ないと考えております。
 また、その下の小さい字ですが、障害者雇用ビジネスの利用というのは、事業の遂行上のリスクとなり得る。これは『ビジネスと人権』の観点からですが、そういうリスクとなり得ることも企業側が理解すべきではないかと思います。
 8ページをお願いいたします。一番上ですが、急速な拡大の背景にあるものとして、この問題の背景には、近年の障害者法定雇用率が急激に上がっていることへの対応ということで、先ほどのようなことも出てきているのではないかと考えております。
 9ページをお願いいたします。上から4行目辺りです。自らは雇用する障害者の「職業能力の開発・向上」に適切に努めている、という話が出るかもしれませんけれども、やはり実態を見ると、その事業自体は「教育訓練」の範疇というように捉えられるのではないかと思います。その構図は「就労移行支援事業」に程近いと考えます。いわゆる給与を与えながら行われる教育訓練事業と捉えるようなことが必要ではないかと。そうなると、「障害者雇用ビジネス」のそのような性格を見ますと、「利用年限」をやはり限るべきではないかと。就労移行支援事業は「2年」という期限がありますけれども、そうしたことを参考にすべきではないかと考えます。
 次に、利用企業の報告義務です。障害者雇用状況報告においては、61報告ということがありましたけれども、障害者雇用ビジネスの利用企業に一定の報告義務を課すことは非常に大きな意味があり、重要だと思います。ただ、その中身としては、先ほどの資料にはありませんでしたけれども、障害者雇用ビジネスを利用している障害者の雇用人数を、障害の種別と言いますか、特例子会社が通常報告するような形で、もう少し詳しく報告することが必要ではないかと思っております。
 10ページ、「ガイドラインの創設・その位置づけ」に関してです。ガイドラインの創設が「障害者雇用ビジネス」の徒な拡大を抑止するということには有効であるというように期待をしております。それから一番下のアンダーラインの所ですが、「ガイドラインの策定」という対症療法によって、その現象を管理するという発想にとどまることなく、障害者雇用の理念に照らして、より高い見地から我が国として目指すべき障害者雇用の在り方を検討していってはどうかと考えます。
 11ページをお願いいたします。「Ⅱ 障害者雇用率制度等の在り方について」です。まず、手帳を所持していない難病患者のうち、就労困難性のある個別判定制度の創設及び雇用率算定についてです。ここは、説明にもありましたけれども、対象範囲が明確であって、公正性並びに一律性が担保されることが大切なのではないかと思います。また、就労困難性のある個別判定制度の創設及び実雇用率算定については、企業を含めた関係者が納得できるプロセスの確立が必要であり、引き続き慎重な検討が必要と考えております。その下の黒丸ですが、就労困難性を個別判定し、それにより実雇用をカウントすることを、公正性や一律性を侵すことなく実施することの難易度は相当高いのではないかと捉えております。
 12ページの2段落目ですが、難病の就労困難者が適切に判断される制度が確立するまでは、実雇用率にカウントするのとは別の方策を講じて、手帳を所持していない難病患者の就労促進を図ることができないかと、そういうことも検討してはどうかと考えております。
 13ページ、4.の精神障害者保健福祉手帳の有効期間を徒過した場合の取扱い、精神障害者の重度区分、短時間算定特例についてです。まず、有効期間を徒過した場合、当協会としましては、精神障害者保健福祉手帳の更新ができなかった場合も、「一定期間」実雇用率を算定できる取扱いを強く希望したいと思います。その理由は、手帳を更新できなかった場合も、障害者を雇用している企業は、それを理由に当該従業員を解雇することにはならないと捉えております。その企業はどうするかというと、結局は、それまでやってきた方の支援とか、そういうものを継続したまま雇用することになります。企業にとっては何ら変化がないということですので、引き続き雇用率にカウントしていただきたい。その「一定期間」ですが、2年程度が適当ではないかと思います。その理由としては、当該従業員が「障害者」として取扱うことができなくなった後の対応について、一定の期間を頂かないと対応ができないということです。
 14ページは、精神障害者の重度区分についてです。重度区分を精神障害者に設けるという考え方には賛同できません。その理由として、精神障害者は体調が不安定なケースが少なくなく、判定が行われる時期によって判定結果そのものが不安定とならざるを得ない、これが1つの理由です。
 次に、短時間算定特例については、研究会のほうでも申し上げましたけれども、短時間就労者である精神障害者を「1カウント」ということの恒久化をお願いしたいということです。
 次に、15ページは、A型事業所の件に関してです。就労継続支援A型事業所やその利用者の位置付けについて、A型の就労者は「通常の事業所に雇用されることが困難」であると位置付けられており、かつ、またA型事業の経営自体が福祉からの給付に頼って成り立っていることを踏まえて、法定雇用率の算定式上、分子の「就労者」からA型利用者を外す。2つ目の黒丸ですが、実雇用率のカウントにおいても除外する。3つ目の黒丸ですが、納付金制度における調整金・報奨金の支給は対象外とする。ただし、その下のアンダーラインの所ですが、A型事業者が受給していた調整金・報奨金に代わる何らかの財政的な措置を講じることも不可欠だと思います。というのは、それに伴って解雇障害者が大量に出ることを避けるべきではないかということです。それから、その下ですが、事業協同組合等算定特例等については、不適切な利用を取り締まる対応が急務だと考えております。
 次に、16ページは、障害者雇用納付金のことです。100人以下へということですが、納付金の義務を100人以下の企業へ拡大する取扱いは、やはり不可避と考えます。その理由は、意識を障害者雇用を免れ得ない経営上の課題として経営者の意識に顕在化させることが必要かと思います。ただ、やり方そのものは、規模の小さい企業における負担等を考慮して、納付金額自体の減額措置とか、そういう対応策を打つべきだと考えております。以上です。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。時間の制約がありまして大変申し訳ございません。ただいまの発表について、質疑に移りたいと思います。御質問等のある方は挙手等をお願いします。御発言の際にはお名前を言っていただいてから御発言されるようにお願いいたします。御質問等はございますでしょうか。河崎委員、お願いします。
 
○河崎委員 御説明ありがとうございました。労働側委員の河崎と申します。5ページの、御説明いただきました障害者雇用の「質」の規定について、もう少し詳しく教えていただければと思っております。まず、黒丸の1つ目、「障害者雇用に取組む方針」が明確化されていることを、「要素」として取り込んでいただきたいという記載があります。その下に、「経営領域やステークホルダーとの関係性などを踏まえた広い視点から「質」の要素を吟味する必要があるものと考える。」との記載がありますが、この部分について、望ましい項目や具体例がありましたら教えていただきたいというのが1つ目です。
 あと、黒丸の3つ目になりますが、「長期継続雇用の実現状況」につきまして、「雇用の安定」は「雇用の質」を評価する上で重要であると考えております。こちらにつきましても、長期継続雇用のイメージがあれば教えていただければと思います。2点、よろしくお願いいたします。
 
○障害者雇用企業支援協会澁谷氏 ありがとうございます。まず、1つ目の、障害者雇用の取組の方針の所ですが、望ましい項目、これは多分、その企業の業種と言いますか、それによって変わるかと思うのですけれども、あえてここで言うとすれば、いわゆる社員というのは非常に貴重な資源と言われている企業が多いかと思います。そのためにいろいろな取組をされている。障害者がその社員の中の一員であるということを明確に出すことと、それから世界的に、いわゆる大企業で海外をいろいろ活動されている企業になりますと、人権という観点からいろいろな要求項目が出ているかと思います。そういうことに、やはり障害者も含めてきちんと取り組んでいることが言える項目があればということで、具体的に、この項目だと言うことはなかなか申し上げにくいのですけれども、いろいろ不勉強もございます。
 それから3つ目の所ですけれども、これもいろいろ考え方があるので、我々団体の中でもきちんとした、例えば年数とか、そういうことが出ているわけではないのですけれども、一般的には5年であったり、10年であったり、そういうところの年数が出てくるかと思います。ただ、私どもも障害者雇用をしていますけれども、5年継続して雇用するのと、10年継続して雇用するのでは中身が大分変わってくるということで、その辺の年数についても、もっと詳しくいろいろなところの議論が必要かと思います。以上でよろしいでしょうか。
 
○山川分科会長 ほかにございますか。大喜多委員、お願いします。
 
○大喜多委員 ありがとうございます。サービス連合の大喜多と申します。よろしくお願いいたします。まず、御説明ありがとうございました。私からは同じ箇所にはなるのですが、障害を有する従業員自身による自らの就労の姿勢の評価の所ですが、この評価内容や項目がどういったものが考えられるのか、イメージがあれば教えていただきたいというのが1点です。
 あと、もう1つが、雇用の質が高い企業に対してのアドバンテージ、こちらも優遇策やインセンティブなど、何かお考えがあればお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○障害者雇用企業支援協会澁谷氏 1つ目の、障害者自身による就労の質ですけれども、実は私の会社も、「もにす認定」を受けております。その中で、社員の満足度調査という項目も含まれています。ただ、これがなかなか難しく、いわゆる希望的な話ばかりが出てきて、本当にそれが就労に対する質に関係するような満足が出てくるかというと、全てが全て、そのまま鵜呑みというわけにはいかないというような現実的な問題もございますので、これもなかなか簡単にはお答えできないのですけれども、そうした情報も集めながら、どういう項目で評価するかということも、この中では検討していくべきだと思っております。簡単にはいかないとは思っております。
 すみません、もう1つのご質問はどういったものでしたでしょうか。
 
○大喜多委員 雇用の質が高い企業に対してのインセンティブは何なのかとか、そういうことです。
 
○障害者雇用企業支援協会澁谷氏 これは正直申しまして、障害者雇用をやっている特例子会社ですと、雇用率という数字が非常に重要ですので、そういう意味で言えば雇用率への何らかのインセンティブというのを考えたいところではあるのですが、先ほど説明にもいろいろ、委員の先生からのお話もございましたけれども、それはちょっと本質から外れているのではないかという意見も、確かにそうかなと思います。ただ、インセンティブの意味で言えば、例えばですけれども、女性活躍であったり、その他いろいろございます、あるいは投資家に対するいろいろな情報提供であったり、そういう形での障害者雇用については、そういう形で何らかの制度のようなことをやれば、特に私どもの親会社は、割とそういうことには弱いというと失礼ですけれども、気にしているところがございます。ですから、そういうことに何か評価してもらえる項目というものが、何か障害者雇用という観点からできないかと思っております。
 
○大喜多委員 ありがとうございます。両方とも、労働者と企業ともに大きな影響を及ぼすような項目になってくるのかなと感じますので、是非ともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 
○山川分科会長 ほかにいかがでしょうか。なければ私から、今のお話にも若干関係するのですが、頂いた資料の5ページの、障害者雇用に取り組む方針が明確化されていることを質の要素に盛り込むということでは、どのような形での明確化をイメージされているのか。1つは、その企業内での明確化と、いわば一般社会と言いますか、企業外への明確化という2つがありまして、お話に出たように、女性活躍推進法では両方になっていて、かつ、SDGs関係は有価証券報告書にも書くようになっていて、その辺りのイメージと、それから現実に、既にそういう形で社会的に公表されている例もあるかどうかと、その辺りについてお伺いできますか。
 
○障害者雇用企業支援協会澁谷氏 ありがとうございます。我々の中でもいろいろ議論はしているのですけれども、最終的にこうだというようなまとまったものがあるわけではございません。まだ意見を出し合っているような状況でございます。
 その中の幾つかということで言いますと、まずは、各企業はホームページで企業の方針というのを出されているかと思います。そういうところに、まずは入れると。そういうところに出すと、やはり企業としては守らないわけにはいかないわけですから。割といろいろな企業でも、企業理念とか、そういうのを社員向けに発信されているところもあるかと思います。そういう意味では、両方が必要であって、1つの社内向けについては、社内の障害者雇用に対する考え方、これを社員に徹底するということに有効ではないかと思いますし、社外に出すということは、それを守ろうという意味で、社員みんなが、それを意識することにつながるのではないかと思います。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。ほかにございますか。それでは、大変ありがとうございました。
 続きまして、「公益社団法人全国障害者雇用事業所協会」様から、同じような形で御説明をお願いいたします。
 
○全国障害者雇用事業所協会加藤(勇)氏 全障協の加藤と申します。本日は、このような機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。まず最初に、我々の団体がどのような団体かをお知らせします。今、会員が350社ぐらいおります。北は北海道から南は沖縄まであり、その企業の形態は一般企業が約45%、特例子会社が46%、そしてA型事業所が4%、あとは、その他の会員になっており、大企業の特例子会社から中小企業、特に20人以下の小規模事業所の会員さんがたくさんおられるということです。その中で、全体の労働者としては、6万8,000人ぐらいおり、全体の障害者雇用が1万3,600人ぐらいおります。
 障害別に見ますと、身体障害の方が約31%、知的障害の方が48%、そして精神障害の方が22%という構成になっております。職業としては、クリーニング業や印刷・製本、それから園芸、機械、マッサージ、いろいろな産業界、実際に労働者の人が勤めているいろいろな産業界で、障害者を雇用している事業所が我々の集まりだということを踏まえて御説明をいたします。説明は湯浅からいたします。
 
○全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 今の説明を踏まえましてお話いたします。提出いたしました回答書は、一応6項目という形で、これに沿う形で説明をいたします。まず、第1に障害者雇用の「質」についてです。障害者が自ら組織に貢献しているという実感ややりがいを持って働けるというのは、能力発揮や職場定着に直結する極めて重要な要素です。これは障害者に限らず職場全体の生産性、モチベーションの向上につながるものであり、質の向上に向ける取組は強く推進すべきだと当団体は考えます。一方で、中小企業においては、企業規模や体制によって取り得る手段が大きく異なります。特に、雇用義務が1人に満たない40名程度の企業や、これから雇用を始める企業にとっては、過度に高い基準が参入障壁とならないかという懸念の意見もあります。従いまして、ガイドラインや認定制度については、企業規模ごとの実情に配慮した段階的かつ柔軟な制度設計とすることが必要であり、質の定義の法令への明記についても慎重な検討が求められると思います。
 2番目、いわゆる「障害者雇用ビジネス」です。雇用率達成のみを目的とした利用や、障害者が能力を発揮する機会が十分に与えられない形態というのは、雇用の質の向上を阻害するものとして強い懸念を持っています。本来は、企業自らが職場において障害者の能力発揮の場を提供し、育成していくということが基本であると思います。
 ただし、現状は1万人を越える方々が、障害者雇用ビジネスで雇用されており、急激な規制は雇用の現場の不安定を招く可能性もあります。このため、当面はガイドラインの策定とともに、利用企業による定期的な情報開示、それから行政による実地確認という牽制効果のある仕組みの構築が必要と考えております。また、利用実態の把握を強化するために、6月の雇用状況報告においては、単なる利用の有無だけではなく、対象となる障害者数の報告も求めるべきと考えます。この点は、SACECさんと全く同じでございます。
 第3に、手帳を所持していない難病患者の取扱いです。障害者雇用促進法の理念を考えれば、手帳の有無に関わらず就労困難性のある方については、一定の配慮が必要です。そのため、個別に難病の方の就労困難性を評価する制度や尺度を構築した上で、実雇用率への算定を可能とする方向、これはこの方向性が妥当とは考えます。ただし、この評価は非常に専門性が高いので難易度も高いため、慎重な制度設計が不可欠と考えます。JEEDも含む複数分野の専門家による評価体制を整備して、まず対象を限定して施行しながら段階的に拡大していく。一気に広げるのではなく、徐々にということが好ましいのではないかと考えています。
 第4、精神障害者に対する制度運営についてです。この点はSACECさんとほとんど同じです。手帳更新が遅れた場合にあっても、様々な事情から雇用継続の観点で従前の支援体制を維持する必要があると判断されるケースが多々あります。そのため、一定期間は引き続き雇用率に算定できる仕組みは必須と考えます。また、精神障害者については、見かけ以上に雇用管理の人的な負担が多いという側面があります。それが、適切に評価されることが望まれます。
 一方、「重度」区分の導入に関しては、就労困難性が個人の特性や、職場の環境により大きく変動するという特性があるため、その判定は慎重であるべきと考えます。これらを考慮すると、当面の対応としては、柔軟な働き方を支えるという観点から短時間労働者の算定特例を恒久化するということが有効ではないかと考えています。
 第5、就労継続支援A型の位置付けです。A型事業所は、公費による支援が前提となっており、一般企業と同列に扱うことは、制度上で大変違和感があります。このため、法定雇用率の算定対象からは除外する方向で検討というのはやむを得ないと考えます。一方で、A型事業所は、地域における働く場の受け皿や、社会に出るための人材育成機関としての重要な役割も果しています。その存続は不可欠であります。制度見直しに当たっては障害者の就労全般の事業運営の影響も踏まえた慎重な対応が必要と考えています。
 一方、LLP、事業協同組合等の特例制度においては、A型事業所が参入しますと、実質的に雇用ビジネスと同様の問題が発生する可能性がありますし、今、大変広がっています。そのため、直接雇用条件の強化や、関与度チェックの厳格化などの制度の見直しが必要と考えています。
 最後に、納付金制度の拡大と中小企業支援についてです。中小企業は、地域における重要な雇用の場であり、障害者雇用の担い手としての役割は、今後、更に重要となります。そのため、100名以下の企業への納付金制度の拡大は必然であると考えています。ただし、その実施に当たっては、以下の点が重要です。
 まず、経営負担への配慮として、十分な周知期間、段階的な適用、一定期間の納付金の減免措置など、激変緩和措置を講じることは不可欠です。次に、支援体制の地域格差への対応です。地方では、都市部と異なり支援機関へのアクセスが距離的に大変困難な場合が物理的にあるため、出張所や農家さんなどのWebの活用など柔軟な体制整備が求められます。さらに、人材確保の問題も重要です。特別支援学校から中小企業への就職率が大変低いという現状を踏まえると、教育段階から一般就労への理解促進と、中小企業の職場実習の拡充が必要ではないかと考えています。
 最後に、ノウハウ不足の対応として、実績のある中小企業の知見を横展開していくことが有効であると考えますので、障害者雇用の実績がある当協会会員企業としても、積極的に貢献していきたいという意向があります。よろしくお願いいたします。
 以上、6点でございますが、質の向上と、中小企業への雇用の裾野の拡大、これを両立させる制度設計が重要と思っています。過度な規制によって雇用の機会を狭めることなく、実効性のある支援と、適切な評価の仕組みを構築することが必要ではないかと考えています。御清聴ありがとうございました。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。ただいまの話につきまして質疑、応答を行いたいと思います。御質問等ございますか。神成委員、お願いします。
 
○神成委員 御説明ありがとうございます。労働側委員の神成でございます。私からは資料の4ページの5.就労継続支援A型事業所に関しまして、一般企業とA型事業所の両方が会員の中にいらっしゃるということでしたので、そこの行き来の観点を幾つか質問させていただきたいと思っています。
 先ほどの中にもありましたが、加齢や定年によって地域に戻る障害者の受入先や人材育成といった役割があるという記載がされており、そのとおりだと思います。そうした中で、加齢などによって障害の程度や状況が変化した社員さんのアセスメントや処遇の在り方などに関して、雇用の質の観点からどのようにお考えかをお伺いしてもよろしいでしょうか。
 また、2点目として、A型事業所など都道府県別の利用者数の割合を見ますと、地域によって違いがあります。そうした中で、一般就労とA型事業所の行き来につきまして、地方ブロックごとの状況などから、地域差がどの程度あるのか教えていただきたいと思います。
 最後に、2024年にA型事業所のスコア方式の見直しによって、A型事業所の閉鎖が多数発生しました。そうした中で、一般就労とA型事業所の行き来に関して、各地域での影響がどの程度あったのかも、お伺いしたいと思います。以上です。
 
○全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 中小企業の中で言いますと、一旦雇用した従業員というのは大企業に比べて事業主と、はるかに親密で濃厚な関係がございます。加齢の問題というのは確かにいろいろありますが、その中で基本的に、やはり雇用していきたいというところで、できるだけ寄り添っております。そういう意味から言うと、単なる従業員と事業主という関係を超えて、どうしたらこの人を地域に戻せるかを考えているのが実態だと思います。特に当協会は、障害者雇用については非常に歴史もございますし、また、年齢もございますが、加齢の問題というのは本当に大変で、当協会でも大変悩んでいるという話になるところが多いのですが、悩みながらも本人に寄り添った形なので、本来の雇用の姿に近いのではないかと思っております。具体的ではありませんが、そういう実態があることだけお伝えしておきます。
 それと、一般就労とA型への行き来という形ですが、先ほど言ったように、ロケーション的に、物理的に距離が多いという形で、都会地のようにすぐにA型事業所があるとか、B型事業所があるという話ではありません。横におります加藤の会社もそうですけれども、そうなりますとどうなるかというと、自分の会社の中でA型を作ったりB型を作ったりする形で、その中で従業員の雇用を続けていくという、そういう形の行き来になるわけです。先ほどの延長ですが、できるだけ適材適所で働ける場所を増やしたいということになりますと、地域の中で1つの組織のような形でも、ことによると老健施設まで含めて、雇用から老後までという形でやっていらっしゃる所もあります。後で加藤のほうにバトンタッチいたします。
 それから、先ほどの数字の話で、各地、地方でどれくらい違うかというのは、申し訳ございませんが、私どもも多角的に統計を取っていないので、お話をすることは大変難しいのですけれども、先ほどの感覚で言いますと、なかぽつセンターとか、やはり大変距離があって、なかなか来てくれないような所については、一般からA型に行くというのは多いのではないかという気がします。以上3点でございます。
 
○全国障害者雇用事業所協会加藤(勇)氏 A型の在り方とB型の在り方と一般就労の在り方というのは、我々の団体は、まず一般就労をやります。だから、雇用率はまず関係ない。雇用率もはるかに高い所にあります。中には90%ぐらいの雇用率の会社もありますし、最低でも30%ぐらいの雇用率、中小企業ですので、そういう方が多い中で、では、A型とB型はどうなってきたかといいますと、一般就労はまだ無理だけれど、まずA型を作る。そこから一般就労に向けていこうというA型もあります。逆に、一般就労では無理だねということから、A型を作る。そして、A型から、まだ無理だねという方がB型に行くというのが、中小企業のA型、B型の在り方です。A型だけやっている事業所については、なかなか難しい。最低賃金がどんどん上がっておりますので、最低賃金をクリアできない事業所は廃業する。ですから、先ほど言われたように、廃業した所も全国的にかなりたくさんありますし、A型事業所であった所がBに移る、B型に移ってしまった。実態はそういう具合に、A型ではできないからB型に移ったという所が、全国的にはたくさんある。我々全障協のA型等は、一般就労からA型の、入口のA型を作ったり、出口のA型を作ったりしておりますので、先ほどの問題が、全国的に問題があるようなことは意外とない。段階的に下から上に上がり、また上から下に降りるというようなA型があるということです。
 
○神成委員 ありがとうございました。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。あと、お一方から手が挙がっていたかと思いますが。倉知委員、お願いします。
 
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。御報告ありがとうございました。何点か、意見をお聞かせいただきたいと思ってマイクを取らせていただきました。
 1点目の雇用の質の所のガイドラインの件ですが、確かに過度に高いハードルとならないようにというのは本当に大事なことだと思っています。例えば今回のガイドラインの案が少し示されていますけれども、どの辺りが特に慎重に検討すべき点なのかというのが、もしあれば教えていただきたいというのが1点です。
 2点目ですけれども、難病の方の雇用率制度の在り方についてです。特定の難病から始めていったらどうかという、おもしろい提案を頂きました。もし、こういう難病の方から始めたらどうかという案があれば、教えていただければ有り難いと思います。
 3つ目が、有効期間を過ぎた方、手帳がなくなった方の対応の件で、就労支援対策を維持することが必要なケースがあるのかなと、私も少し思ったのですけれども、そういうケースについては引き続きという、どう判断するか、もし何か案があれば御意見を頂ければと思います。
 最後ですが、A型の取扱いのところで、今の話と捉え方が違っているのですけれども、A型の事業所というのは、通常で働く能力があるけれども、なかなか就職が困難な方と規定されていて、作業能力が低下した方がA型に移るというのは現実的には少し違うのかなという感じがしているのですけれども、それが最後の件ですね。今後、A型を外していく、計算式に含めない方向で検討すべきということで、でも、取扱いの方向も慎重に検討するという、この慎重にするところというのは、例えば激変緩和措置であるとか、そこで利用者であった方の雇用促進の支援をしっかりやるということかなと思うのですけれども、ほかに何かあれば教えていただきたいと思います。私からは以上です。
 
○全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 まず雇用の質のガイドラインで、過度に高いハードルということですけれども、これは雇用するコストが高い、中小企業では人的な資源もございませんので、人員を割かなければいけないという形につながるような表現になっていると、それを見た瞬間に、やはりこういったものはうちでは無理だという、そういう判断をしかねないという意味合いです。ですから、最低限の共通指標というのは必要だと思うのですけれども、できるだけ多様的な取組ができるような書きぶりが、大変難しいことを言って申し訳ございません、そのような形が重要なのではないかという感じがしております。具体的にというのは御勘弁ください。
 それから、難病です。特定の難病という形ですけれども、やはり、これは本当に難しい問題で、難病というのは御承知のとおり何百もございますので、その中で、どれを難病としてカウントするようにするかということですが、これは統計的にどういうものかというのが出てこないと議論が進まないと思います。難病についてはいろいろな意見ができて、当協会では決まった方向性が出ていないというのが現状です。申し訳ございません。
 それから、精神の手帳の有効期間の話ですが、基本的にいろいろあるのですけれども、やはり精神の方は、御自身で御自身のことを判断される方も多くいらっしゃいます。ですから、僕は病院に行く必要はないとか、手帳を更新する必要はないという形で、いつのまにか自分で手帳が切れているのを知らないで働いているという、そういう方もいらっしゃいます。また、お医者さんのほうに聞いても、僕は医者とは意見が違うんだという形で、しっかり働けているから必要ないんだという方もいらっしゃいますので、やはり、日頃のコンタクトを取りながら、御本人がどのように考えているかをウォッチしていく必要がございます。そういう意味から言えば、本当はそういう人こそ手帳の延長が必要で、ケアが重要なのですけれども、そこについては、そういうことがあって気づいたときに切れていたから、すぐにカウントから外すというわけではなく、2年というのがどうかは分かりませんけれども、倉知委員の言われたような形で、ある程度の期間は見させていただくのが重要ではないかと思います。
 それから、先ほどA型の取扱いで、働く能力が困難なのでA型というのは、うーんという話でした。そこが若干、A型の捉え方が違うのかなという気もします。慎重にということは、やはりいろいろな形の多様なものがA型に含まれておりますので、その機能の分析というか、どういうA型があるということを考えていかなければいけない。訓練、移行、受け皿という形で、多様な引受けを、社会での重要な障害者雇用の引受けをしているのがA型ですので、一律に外していくということではなくて、必要なものについては継続していく。若しくは、国のほうから別途、先ほどのお金ではないですけれど、何らかの助成金を出すことによって継続していく、つなげていくということが重要ではないかという意見が、会員の中から出ております。以上です。
 
○倉知委員 ありがとうございました。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。オンラインで清田委員から御発言の希望がございます。お願いします。
 
○清田委員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田です。御説明ありがとうございました。私からは、中小企業の障害者雇用についてお伺いいたします。我々の会員企業をはじめとする中小企業は、業態が多種多様であり、障害者雇用に適した業務を切り出しやすい事業者、切り出しにくい事業者様々ございます。その中で、中小企業が障害者雇用を進めていくに当たっては、企業に伴走し、障害者雇用に適した業務を共に検討するといった形の伴走型支援が重要であると考えております。
 地方も含む中小企業支援の実態として、十分に支援が行われているのか、支援の環境が整備されているのかについてお伺いしたいと存じます。地方では就労支援機関が限られており、なかぽつセンターも管轄地域が広範囲となる箇所では利用が難しいことから、出張所を設ける等の実情に配慮した体制や拡充が必要であるとの御提言を頂いているところです。なかぽつセンターが出張所等を設けることで、企業の中に入り込み、業務の切り出し支援までを行う事が可能なのかという視点を含めてお伺いできればと思います。
 もう1点は、特別支援学校卒業生の進路として、就職が3割弱にとどまっているという記載がございます。キャリア形成教育によって一般就労に対する理解促進を図ることで、企業が十分に人材を確保することができるだけの就職希望者が発生しうるのかどうか、感覚的なご質問になりますが、お伺いできればと思います。私からは以上です。
 
○全国障害者雇用事業所協会加藤(勇)氏 ありがとうございます。中小企業で、障害者雇用をしているのは、今も歴史的に50年以上障害者雇用をしている所があります。もともと厚生省には職親制度というのがありました。職親制度で、学校から地域の事業所に対して、「職親になってください。そして、面倒を見てください。」と言って、事業所は雇用ではなく、預かりが始まりました。そこから始まって、中小企業の所が多かったのです。それが、労働者が雇用の場に出てきました。ですから、もともと職親制度のときに、いろんな職種の所に障害者が勤めておられたということです。今の現状を見ますと、その制度も事実上あることはありますが、機能しておりません。そうすると、中小企業がどういうところから障害者を雇用するかというと、支援学校の先生方がそれぞれの事業所に行って、まず職場実習をお願いしますと来られます。職場実習をして、次に雇用が始まりますねということで、いろんな職種の所を学校では今もしておられるので、いろんな職種の所に、実際は障害者に向く職業だからこうだというのではなくて、いろんな職種に障害者が僅かなことですが、一人とか二人の話ですから、いろんな所に障害者がいるということです。
 今の支援学校の親御さん方が実習はするのだけど、いざ卒業してからどうするかというと、A型だったり、一般就労ではなくてB型に行かれます。なぜ、B型に行かれるかというと、B型に行けば、一般就労にしてもA型にしても、きちんとそこで能力を発揮して、きちんとそれだけの仕事をしてくださいということですが、そんなに苦労してまで働かなくても何とか面倒はみられると。親御さん方が面倒をみながらB型に行くということがあります。ですが、将来的に考えると、いずれは親亡き後になります。そうすると、今の若いうちから親離れ、子離れをして、生活の面は誰かに面倒をみてもらいますが、仕事はB型ではなく、A型事業所や一般就労の所に行くというような、子ども達の教育は多分、学校ではしておられますが、親の教育、親御さん方に、お子さんが卒業してからの長い人生、一人の障害者の人生と考えたときに、いろんなパターンがあります。ですから、こういう具合に歩みますというのが今現在見られるようになっています。
 先ほど湯浅が話したように、うちでは、放課後デイサービスを持ちながら、グループホームを持ちながら、一般就労、A型、B型、生活支援、生活介護、そしてデイサービス、老人ホーム、これは地域でないとできないのです。都会では、そんなことは必要ない。都会では、いろんなパーツがあるから、それを組み立てれば簡単に障害者の雇用であり、就労であり、いろんなことができるのです。そのようなことが、地方の障害者雇用の在り方かなと思っております。
 
○全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 1点、補足させていただきます。当協会は、全国7か所に相談員を置いており、一般企業から障害者雇用の御相談を受け付けることを、厚労省から委託されております。そこで活躍するのは、全国規模の団体ですので、全国に会員があります。その会員は、長く障害者雇用をしているので、先ほども伴走支援というお話がありましたが、そういうところから入っていただいて就労の実態を見ていただき、自分たちの所でもしてみようかという形に持っていくのが広げる方法としては一番いいのかなと思っております。先ほど、会員企業からも積極的に支援をしたいというお話がありました。やはり実態で、本当に就労しているところに行って現場を見ることでないと、頭だけで障害者雇用といっても、なかなか一歩を踏み出すことができません。ああ、なるほど、こういう形で活用しているのだと、人手不足についても、こういう活用の方法があるのだということを実態として分かっていただくためには、現場をうまく活用していただくのが非常に重要ではないかなと思いますので、そういう意味で、当協会は御協力をさしあげたいと思っております。
 2番目です。就労意欲のところですが、これも実際に就労した人間が老後、例えば加藤の所で働いていた方が老後になり、本当に幸せな人生というか、就労ができている姿を見ると、働くって大事なのだなと。また、こういう形で理解のあるところで働かせていただくと、親亡き後ではないですが、お金の面でも生活の面でも、労後の充実の面でもいろんな関係ができてきていいのだなと分かるわけです。そういうところを、先ほど親御さんの話がありましたが、これから実際にお子さんをどうしようかと思っていらっしゃる方が見て考えれば、やはり就労させて、こういう人生を歩ませたいという実例になります。それは就労意欲が湧いてくるので、そういう活用も、また必要かなと思っております。以上です。
 
○山川分科会長 清田委員、よろしいですか。
 
○清田委員 はい。
 
○山川分科会長 ありがとうございます。では、大谷委員から御発言の希望があります。
 
○大谷委員 ありがとうございます。育成会の大谷です。すみません、先ほどの言われた中で気になった点があります。私どもは親の立場ですので、そうしたときに親御さんがB型を進めているというのは逆転発想だと思うのですが。基本的に支援学校等に来ている場合や、専攻科に来ている場合は、やはり目指すところは一般就労、生活面もいろいろ考えて、A型とかを目指したいわけですが、そこでやはり振り分けられるといったらあれですが、働く場所が少ないためにB型に行かれる、また一般就労がA型に行かれるという方向性があります。ですので、親御さんが一概にB型に行け行けということはありませんので、親御さんのイメージとしたら、基本的な一般就労を目指したいと、どの親御さんも思っております。ただ、そこの場所において、本人の能力と、地域における働く場所の問題もありますので、それもやはり加味して発言をしていただきたかったなと思います。以上です。
 
○山川分科会長 ありがとうございます。何かありますか。よろしいですか。ありがとうございます。ほかに、ありますか。どうぞ。
 
○大岩委員 日立ゆうあんどあいの大岩です。いわゆる障害者雇用ビジネスについてです。やはり基本的な考え方としては、基本の理念に則って、自分の会社できちんと雇用していく、育て上げる、それが重要ですし、それを目指すべきであることが前提になります。ただ、今の実態を見ると、もう既に1万人を超えているので、では、そこに対する配慮をどのようにしていくかと考えるに当たって、事業者に定期的な情報開示を求めて、さらに行政が、それを実地に点検できる仕組みを設けるべきと説明いただきましたが、ここをもう少し具体的にどのようなことをお考えかを補足いただけると大変有り難いです。
 
○全国障害者雇用事業所協会湯浅氏 雇用ビジネスも一律ではなく、いろいろ幅が出きており、それなりに雇用管理をしている所も出ていると聞いておりますが、未だかつて、本当に単純作業で、そこに長くいても全くスキルが身に付かない。逆に言うと、言い方は悪いのですが、飼い殺しみたいな感じのところもあると思います。
 ですので、やはり最大の問題は、1万人の方が働いている内容について分析をすることが非常に重要で、今言ったような本当に、ここにずっと長くいても何ら将来のキャリアに結びつかない、御自身の能力開発にもつながらないようなものであるという判定をした事業所には厳しく指導する必要があるかと思います。やはり、少しでも成長を意識しながら、雇用企業と連携を取りながら運営している業者さんであるならば、そこをより良い方向に導いていくことが必要ではないかと私どもは思っております。一律に、だから駄目だという表現ではなく、本当に現地で指導して、見ていただいて判断する形で、労働局レベルに落としたほうがいいという気がします。以上です。
 
○大岩委員 ありがとうございました。
 
○山川分科会長 ありがとうございました。ほかに、ありますか。よろしいですか。何か追加的になければ、この辺りでヒアリングを終了したいと思います。御発表の2団体の皆様方、真摯な御検討、また有益な御意見の御発表を大変ありがとうございました。
 次回も、引き続き関係者の皆様からのヒアリングを行う予定です。日程等について、事務局から説明をお願いします。
 
○原田障害者雇用対策課長補佐 事務局です。次回の日程につきましては、令和8年5月27日を予定しておりますが、詳細につきましては、分科会長と御相談の上、皆様に御連絡いたします。以上です。
 
○山川分科会長 本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。それでは散会いたします。