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第1回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会議事録
労働基準局安全衛生部労働衛生課
日時
令和8年4月24日(水)15:00~
場所
中央合同庁舎5号館専用第21会議室
議題
(1)労働者の健康を取り巻く状況について
(2)本検討会の議論の進め方について
(3)その他
(2)本検討会の議論の進め方について
(3)その他
議事
○藤井産業保健室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第1回「事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき誠にありがとうございます。本検討会は、資料及び議事録は原則公開といたします。議事に入ります前に、本来でしたら構成員の皆様の御紹介をさせていただくところですが、時間の関係もございますので、資料1の要綱にお付けしている構成員名簿の配布をもって紹介に代えさせていただきます。
また、事務局の他、オブザーバーとして、省内関係部局の「医政局歯科保健課」、「健康・生活衛生局がん・疾病対策課」、「健康・生活衛生局健康課」、「保険局保険課」も参加されております。
本日の構成員の皆様の出欠状況ですが、大須賀構成員からは欠席の御連絡をいただいています。森構成員におかれましては、所用により遅れてオンラインで御参加される御予定と伺っています。亀澤構成員におかれましては、オンラインで御参加され、所用により途中退席の御予定と伺っております。また、清田構成員、古井構成員、武藤構成員はオンラインで御参加されています。
続きまして、御発言の仕方などです。会場にいらっしゃる構成員の皆様はお一人ずつマイクを御用意していますので、御発言いただく場合はマイクのスイッチをオンにしていただいて御発言いただき、その後、オフにしていただきますようお願いします。オンラインで御参加いただいている構成員の皆様は、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いします。
それでは、開催に当たりまして、安全衛生部長の安井より御挨拶申し上げます。
○安井安全衛生部長 安全衛生部長の安井でございます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。また、日頃から労働安全衛生行政につきまして、御理解、御支援いただいておりますことを厚く御礼申し上げます。
さて、高年齢労働者の増加、急速な技術革新の進展など、社会・経済の状況の変化を踏まえまして、政府といたしましては、がん検診の推進などを通じた「攻めの予防医療」というのを進めているところでございます。これによりまして健康寿命の延伸を図り、社会保障の担い手の拡大に取り組むということでございます。
労働者につきましては、労働安全衛生法第69条の「健康保持増進措置」の努力義務の枠組みを活用いたしまして、事業場における疾病の早期発見、早期治療の取組の強化を図るとともに、疾病の治療が必要な労働者が離職せずに働き続けられるよう、治療と就業の両立支援につなげていく必要がございます。こうした一連の流れを円滑に進めていくため、労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づく「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP指針)」の在り方などを検討するために、皆様に御参集いただきました。お集まりいただきました皆様方におかれましては、それぞれの観点から、あるいはそれぞれのお立場から、活発に御議論、忌憚のない御意見をいただければと考えてございます。簡単ですが、以上をもちまして挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○藤井産業保健室長補佐 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第、資料1、資料2、資料3、参考資料1~3となっています。この後、議事に沿いまして画面共有にて御覧いただけますが、不足がございましたら事務局よりお送りしますので、コメント又は御発言にてお申し付けください。報道関係者の皆様、カメラ撮影はここまでとしていただきますようお願い申し上げます。
それでは、この検討会は資料1の開催要綱に基づいて開催させていただきます。これから座長の選出を行います。事務局案といたしましては、髙田構成員を推薦したいと思いますけれども、皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○藤井産業保健室長補佐 ありがとうございます。それでは、以降の進行を髙田座長にお願いいたします。
○髙田座長 着座のまま失礼いたします。ただいま、座長として御指名をいただきました聖マリアンナ医科大学の髙田と申します。改めまして、この度はどうぞよろしくお願いいたします。また、私が何かあったときの座長代理につきましては森構成員にお願いしたいと思います。後ほど事務局のほうで必要な調整をお願いたします。また、この検討会におきましては、皆様の御知見をお借りしながら、最新の医学的知見、社会情勢の変化等を踏まえた議論が行えればと考えております。皆様、活発な議論をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事に入ります。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。まず、事務局より「議事(1)」について説明をお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 産業保健支援室長の樋口から、議事(1)について御説明させていただきます。資料は資料1、資料2となります。
資料1の「目的」の所で、先ほど部長の挨拶でもお話させていただきましたが、「攻めの予防医療」等の状況を踏まえつつ、その促進に向けた取組を進めるということで、この攻めの予防医療、それから現状の取組等について資料2でまとめています。こちらについて皆さんの共通認識としていただくために説明させていただき、議事(1)のほうで確認等をいただければと思います。
資料2が、これから説明する「労働者の健康を取り巻く状況について」ということで資料をまとめています。まず、「労働者の健康に関する制度等」ということで2ページ目にございます。こちらについては、多くの先生方がこの前の一般健康診断の検討会で御議論いただいておりますので復習となりますけれども、まずは日本の健診(検診)制度の概要ということで、我々が今、ターゲットにしているのが真ん中の赤で囲っている労働安全衛生法です。こちらについては、働き始めてから働き終わるまで全ての年代において健康診断が義務付けられている制度です。こちらの健診結果の情報につきましては、真ん中辺りにあります高齢者医療確保法(高確法)に基づいて、保険者の求めに応じて提供し、後ほど御説明しますけれども保険者のデータヘルス等にも活用されます。
労働安全衛生法の義務につきましては、次の4ページにある定期健康診断の健診項目を、今、実施いただいているところです。こちらにつきましては先の検討会でも御議論いただきましたが、令和9年4月1日から血清クレアチニンが追加になり、併せて喀痰検査が削除になる変更が行われます。いずれにせよ、こういった項目を健診していただいているところです。
5ページです。こちらも先の検討会で御議論させていただきましたが、労働安全衛生法の義務としての健診項目につきましては、ここに掲げた就業上の関係も含めた8つの視点から整理し、こうした要件を満たすものを対象にしているところです。そういった健診を行った後については、次の6ページですが、労働安全衛生法上の目的であるところの、その方が仕事を続けていいかどうか、医師の意見を聴きながら事後措置を行うことを目的として実施しているもので、その結果を踏まえた保健指導等を努力義務としてやっていただいているものです。ここまでが、いわゆる労働安全衛生法の罰則がかかった義務としてやっていただいている健診の説明です。
次に、資料1の開催要綱の目的にも書きましたけれども、努力義務としての労働者の健康増進として7ページに資料を付けています。真ん中の点線の囲みにあります労働安全衛生法第六十九条で、「事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他の労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。」として、努力義務がかけられています。その具体的な進め方については、第七十条の二で、「厚生労働大臣は、第六十九条第一項の事業者が講ずべき健康の保持増進のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。」とし、上のほうに表題を書いていますけれども、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(「THP指針」)が、今、公示されているということです。真ん中の所に「事業場における取組の流れ」と書いていますが、計画的に実施するということで、体制を作った後に計画を立て、PDCAでその計画を回していくのが指針の骨格です。具体的な実施内容を下に書いていますが、労働者の健康状態の把握をし、その結果に応じて必要な健康指導を実施していくことを指針に書いているところです。
制度上は、今お話したようなことで、この具体的な進め方として参考資料2に指針の事例紹介の手引きも付けています。資料2の8ページにその例を幾つか載せていますが、今のTHP指針の中では大きく3つのテーマを取り扱っていて、メタボリックシンドロームへの対応、メンタルヘルス対策、加齢による能力低下に伴う対応、主にこの3つのことを挙げています。その例として、今、挙げているのがスポーツクラブを活用した運動意識の向上ですが、こちらについては会社の中でメタボリックシンドローム該当の方が多いということで、健康測定の機会をスポーツジムと契約して提供し、運動のきっかけにしていただく取組事例を手引きで御紹介しています。もう一つ、9ページで御紹介している例でメンタルヘルスケアに係る取組事例ですが、事業者自らそういったメンタルヘルスマネジメントに係る教育などもしながら、会社全体でそういった健康意識の向上を深めていく、併せて、ウォーキングチャレンジなども行って心身共に取組を進めている事例も御紹介しているところです。
10ページを御覧ください。THP指針の取組の実施状況として、令和3年の労働安全衛生調査(実態調査)の結果を資料として付けています。事業場規模別が左下に出ていますが、全体としては実施率が6割という状況です。その内訳が右側で、これは複数回答で幾つマルをしてもいいのですが、結果として多くの事業場ではメンタルヘルスケア対策を中心にやり、その他運動指導もやっていることが見て取れる状況です。
11ページを御覧ください。こういった制度上の背景の中で、冒頭、部長からもお話させていただきましたが、「攻めの予防医療」を今政府全体で進めようとしているところです。高市総理の施政方針演説(2月20日)を掲載していますが、健康経営に取り組む地域企業への支援、がん検診・歯科健診の推進を通じ、「攻めの予防医療」を進めていくことが掲げられています。これを受けて厚生労働大臣の所信挨拶では、ここに書いているとおり、がん検診、歯科健診、女性の健康課題への対応に取り組むことを述べているところです。
こういった状況を踏まえて、現状の職域におけるがん検診、女性の健康課題、歯科健診等の取組を次のページから紹介していますので、それぞれの項目について説明させていただこうと思います。
13ページ、がん検診です。こちらについては、「職場の健康診断実施強化月間」を毎年9月に事業場の皆様にお願いしていて、この期間に健康診断をやっているかどうかのチェック等も含めて、やっていきましょうという声掛けをしています。その中で、健康診断以外の産業保健に関する取組の周知・啓発の御依頼として書いていますように、がん検診の受診勧奨であったり、小さくて申し訳ないですが、女性のがん関係のリーフレットを配布いただいたり、あるいは、がん対策推進企業アクションとして情報発信のアクションの参加を呼び掛けたり、こういったことを職域として進めています。
厚生労働省全体の取組を14ページ、15ページに掲載しています。こちらについて自治体ということで、主体は市区町村と書いていますが、個別の受診勧奨、再検査の勧奨等を実施することは効果が大きいとして、黄色い真ん中の囲みにありますように個別の受診勧奨や精密検査等の勧奨をし、受診しやすいように女性のがんの関係のクーポン券の配布をするとともに、精密検査の受診勧奨なども補助率1/2でやっていただいています。
15ページです。こういった取組を通じて、第4期がん対策推進基本計画においては、「がん検診受診率60%」、「精密検査受診率90%」という目標に向けた取組として、現状、がん検診受診率については全国で43~53%、市区町村が実施するがん検診における精密検査受診率は70~90%と書いていますが、これを先ほど述べた数値にもっていくということで、令和10年度をめどにこういった目標を立てて取り組んでいます。「実施すること」として、計画に基づいて、先ほどの個別の勧奨のほかにメディアとのコラボや、精密検査の重要性を普及する資材の開発などもやっています。その中で、自治体が進めているがん検診の受診機会について、次の16ページにありますけれども、この5つのがんについて実施方法を定めて進めているという紹介になります。
17ページで、がん検診の受診状況として、国民生活基礎調査で国民一人ひとりの受診の状況を伺った結果です。胃がん、肺がん、大腸がんについては上のグラフになりますが、赤い所が勤め先で受けたもので、いろいろな受診機会が提供されていますけれども、勤め先で受けているケースが多い。女性の関係のがんにつきましては、自治体の機会を利用した、あるいは勤め先の機会を利用したが30%、40%と、胃がんや肺がんよりは職域と自治体で分散している状況のデータが出ているところです。
18ページです。先ほどは国民一人ひとりの調査でしたけれども、今度は事業場に対してがん検診をやっているかを平成24年に調べていて、十何年前のデータになりますが、労働者健康状況調査の結果をお示ししています。当時の状況ですが、事業場規模として中小企業は30%、大企業では70%、80%の実施率でした。がんの種類別実施率は右のような状況であったということです。
19ページは保険者を対象としたアンケート調査ですので、そういった目で見る必要はありますけれども、保険者のアンケート調査の結果からすると、いずれのがん検診についても保険者単体、あるいは事業主と共同で実施している保険者が多い。色が分かれていますが、青色の所は保険者単独で実施したもの、赤い所が事業主単独で実施したもの、保険者と事業主が共同で実施したものが薄緑色です。こういったことで、今、お話したような状況が見て取れるところがございます。ここまではがん検診の実施状況です。
次は女性特有の健康課題への支援です。21ページは、先の一般健康診断の検討会でも御議論いただいて御存じの方も多いと思いますが、職域においては、問診の機会を利用した女性の健康課題で困っていることがあるか呼び掛けをしていき、そこで困っている方には健診機関の健診医から、専門医への受診勧奨や情報提供を促していく流れです。そういったことで専門医への受診を終えた方が必要に応じて会社に御相談して、会社のほうではそういった相談対応をしていくことを進めていくようにしています。この問診票の追加も来週ぐらいに通知等を出すということで、今、準備をしているところですが、先行して22ページにマニュアルが既に公開されていて、先ほど言った流れを進めるための健診機関向けのマニュアル、事業場向けのマニュアルを公開しているところです。
これが職域での取組ですが、政府全体としては、23ページにありますように情報発信をしながら必要な健診・検診を受けていただき、必要な方への治療につなげていく左から右への流れで、それぞれのパーツでの情報発信や、先ほどの健診機関の問診なども含めた健診や治療を進めている状況です。真ん中辺りにあります「女性の健康総合センター」が設置されていて、こちらが指令塔として情報発信の強化や、いろいろな提供、それから研究事業なども今進めている状況です。
25ページからが歯科検診の御案内になりますが、こちらも先の一般健康診断、労働安全衛生の建議の中で御議論いただいていますので、皆さん御存じの部分が多いと思います。こちらについても一般健康診断問診票を活用して、資料の左側にあるような、食事をかんで食べる時の状態が悪い等々のことがあったときには、右側の受診勧奨のチラシを健診機関のほうでお配りいただき、こういった受診勧奨をやっている状況です。
26ページです。併せて、THP指針の中でも口腔保健というのがあり、具体的な事例として、ここにありますように定期的な歯科健診を通じた歯と口の健康づくりを掲げています。歯科健診を年2回実施いただいている事例なども手引きで御紹介しているところです。
27ページです。今、職域の話をしたところですが、職域も含めた国民全体ということで、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)環境整備事業です。こちらについてはより簡単に歯科のチェックができるようにモデル事業等を進めていたのがこれまでのところです。こういったモデル事業を通じて、右側の黄色い箱に書いている、事業所では「簡易な歯科検査」が、こういった歯科健診の普及には有効で実施可能性が高いという結論です。そういった簡易な検査等については、一般健康診断等の機会を利用することが効果的との検証結果が出たということで、28ページにありますが、こういった簡易な口腔スクリーニングを用いた歯科健診と受診勧奨を行うパイロット事業を、令和7年度補正予算により進めているところです。こういったものを含めて歯科の受診勧奨の支援をやっている状況です。
ここまでが「攻めの予防医療」ということで、特に着目している3つの健診等について御説明したところですが、30ページ以降は、その他、職域で御案内しているものということで参考に付けています。冒頭でお話させていただきましたが、毎年9月に「職場の健康診断実施強化月間」をお願いしていて、これが去年のチラシになります。定期健康診断をしっかりやりましょう、法定健康診断をやりましょうというのと併せて、それ以外のものとして右側にありますように、THP指針や、先ほどのがん検査、女性の健康課題、あるいは口腔指導をお願いしているところです。
それ以外として31ページです。女性の健康課題の一部でもある骨粗鬆症ですが、転倒防止のリーフレットと併せて、こういった骨粗鬆症の検査なども御案内しているところです。
32ページは、先の一般健康診断の検討会でも御議論いただきましたが、眼底検査の受診勧奨も併せてお願いしています。こういった転倒防止の文脈の中でお願いしているところです。
次の34ページからは視点を変えて、保険者との連携です。保健事業のほうではコラボヘルスということで、保険者と事業主が積極的に連携し、労働者の健康保持のために頑張ろうということでコラボヘルスガイドラインを示しています。今のTHP指針の中でも、冒頭にお話した高確法に基づくデータを保険者に提供するということで、こういったデータヘルス連携の一助の文章なども記載されているところです。
こういったデータを活用したデータヘルス計画が、次の35ページに掲げられています。こういったデータを通じて、加入者の健康課題に応じ、データに基づいた保健事業を進めるということで、データヘルス計画を各保険者に作っていただいています。その作り方の支援等を政府のほうでやっている状況です。
次の36ページからになりますが、こういったデータヘルス計画に基づく保健事業の例を幾つか御紹介しています。こちらは関東ITソフトウェア健康保険組合様の取組ですが、生活習慣病対策事業の中で若年者の生活習慣病対策として、こういったスポーツジムの無料利用提供などをしている事例です。
機缶健康保険組合様の例を37ページに付けていますが、こちらについては健康のポータルサイトの御案内でのオンラインを使った情報発信、アプリを使った情報発信や、女性のがんに関する検診の補助などもやっているという御案内をしています。
38ページは、皆さんよく御存じかと思いますが、協会けんぽ様でも生活習慣病予防ということで5大がんの費用補助などもやっています。また、人間ドック健診の費用補助などもやっているということで資料を提供いただき、例として御案内させていただいています。
THP指針の手引きにも、こういった保険者との連携の事例を39ページに載せています。保険者との連携としてデータを共有し、こういった保健事業と一緒にやりながら、真ん中にありますように喫煙対策などもやっている事例として御紹介しています。こういったものも御紹介しながら、今THP指針を進めている状況です。
冒頭にあったがん検診等を進める中で、実際にがんが見つかった場合の対応として、41ページからありますが、実際に見つかった場合でも、治療と就業の両立支援として、治療を進めながら仕事を続けることができる仕組みがあり、42ページにありますように先般の労推法の改正で努力義務化されました。こういった環境がある中で、がん検診を安心して受けていただくことも見据えながら、健康増進をどう進めていくかが今回のテーマということで、まずはこの背景事業を御説明させていただきました。この資料の内容について御質問等があればお願いしたいと思います。資料の説明は以上となります。
○髙田座長 御説明、ありがとうございました。ただいま資料2に基づき、「労働者の健康を取り巻く状況について」ということで、労働者の健康に関する制度等、がん検診、職場における女性への健康支援、歯科検診、職域で推奨しているその他健診等、保険者との連携、最後に仕事と治療の両立支援についておまとめいただきました。この資料について御質問等がありましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。まず会場の委員から何かありますか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員で御発言を御希望の委員はいらっしゃいますか。特に挙手されている委員はいらっしゃらないということで、事務局はよろしいでしょうか。では、こちらの資料については特に御質問はないということで、先に進めさせていただきたいと思います。
次に、議事の(2)の説明をお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 それでは、これから皆さんに御議論をいただくということで、資料3を準備させていただきました。この検討会の設置目的にも書いておりますように、健康増進をどう進めるか、まず次の論点を中心に御議論いただければということで、論点を掲げたペーパーを用意させていただきました。「現状」は、先ほど資料で御説明したとおりなので割愛いたします。
真ん中に薄い青色で書いている所ですけれども、「上記を踏まえ、労働安全衛生法等の枠組みを活用し、『攻めの予防医療』を推進するにはどのようなことが考えられるか」ということで、4つの○の論点を準備しております。
1つ目の論点は、「健康保持増進措置の位置付け」です。必ずしも業務起因性等が認められない、いわゆる私病ということになりますけれども、疾病予防に係る取組の推進の在り方についてどう考えるかです。こちらについては既に開催要綱で、こういった健康増進を進める中で健康増進法の枠組みを活用し、「攻めの予防医療」を進めていきたいということを掲げておりますが、まずは「攻めの予防医療」等を、健康増進の枠組みの中で進めるといったことについて、改めて御議論いただければというのが1つ目の論点です。
2つ目の論点が「健康保持増進措置の対象」です。予防の対象として、現行の指針の中では、先ほどもお話したように、メタボリックシンドローム、メンタルヘルス、加齢に伴う筋力や認知機能の低下等をターゲットとして構成しておりますけれども、これだけでよいかということで、「攻めの予防医療」で掲げている、がん、歯周疾患、女性特有の健康課題を入れることについてどう考えるかを御議論いただければということでお願いしています。
3つ目の○が実際の進め方です。保険者との連携等の方策を通じた取組の強化等ということで、「攻めの予防医療」を進めるに当たってどうすればよいか、今度は5つの黒ポツのテーマを挙げております。1つ目のポツは、労働者の参画を促すためにどのような方策が考えられるか、また、労働者自身がさらに取り組むべきことは無いかということで、例えばがん検診の受診あるいは精密検査の受診について、勧奨を受けた労働者がそういったものを受診すると、一定の労働者の行動変容が必要になりますので、そういったことをどう進めるか、アイディアや御助言をいただければということで挙げております。
2つ目のポツが、事業者と保険者との連携を一層強化するべきではないかということです。先ほど御紹介したとおり、保険者のほうでも保険事業ということで、がん検診等を支援されているケースも多々あります。こういったものの活用なども、どうすべきか御議論いただければと思います。また、この連携の効果を上げる方策として、どのような働き掛けがあるかというのを書いております。例えば総合健保さんなどだと、同一業界の方がたくさん加盟されておりますので、もしかしたら業界ならではの取組ということで、保険者との連携などもあるのではということで書いています。
3つ目のポツが取組の効率的・効果的な手法として、情報通信技術の活用をどうするかということです。先ほどの保健事業のほうでも、アプリやオンラインを通じた情報発信のサービスの提供など、民間サービス等々が出てきておりますので、お忙しい労働者はこういったものを活用することもあるのではないかということで、論点として挙げております。
4つ目のポツは、これまで保険者等々のお話をさせていただきましたけれども、小規模事業場においては継続的に取り組めるような地域の関係機関、自治体であったり、我々で言うと地産保さんであったり、そういったものの活用もあるのではないかということで、支援体制づくりとして論点を挙げさせていただいております。
5つ目のポツの論点は、実際に「攻めの予防医療」等の取組を実施すると決まった後になるとは思いますけれども、その実施状況がどうなっていくかを将来的に把握していく必要があるのではないかということで、論点として挙げております。では、実際に把握することになった場合に、どういうように把握するのが効果的なのか。先ほども御紹介したように、自治体であったり、保険者の支援であったり、事業者自らがやっていることだったり、いろいろな所で分散してがん検診等実施いる中で、職域での実施状況をどう把握するかというところも御議論いただければということで、論点を挙げさせていただいております。
最後の○が仕事と治療の両立支援です。先ほどの資料説明の中にもあったように、がん検診を進める中で実際に見つかった場合に、両立支援という仕組みの中で、仕事を続けながら治療もできるということで、そうした環境の中で安心してがん検診を進めることができるような状況ができてきましたが、そういった両立支援を「攻めの予防医療」の推進と併せて進めることについて、何か御意見があればということで、最後の論点として加えています。
次のページで、今後のスケジュールの話を用意させていただいています。こちらの論点については、今回と次回の2回にわたって御議論いただければと思います。今回は先ほど資料2で御説明させていただいた、主に政府等の取組を踏まえた御議論をいただければと考えております。次回は、事業者等の取り組み事例ということで、今予定しているのはがんの中小企業の取組事例と、女性の健康課題の取組事例を企業のほうから御説明いただくとともに、保健事業の事例も少し御紹介できればと思います。それから、検診・健診の提供サイドのほうから、がん検診の実施状況などのデータも出せればということも検討しております。そういったヒアリングを通じて、再度、先ほどの論点について御議論いただければと思います。
そういった2回を通じた論点の中で御意見を出していただいて、第3回、第4回では、それらの御意見を踏まえて、実際にどうするかといった具体を御議論させていただければと考えております。それ以降どう進めるかは4回目の様子を見ながらですけれども、4回目までは一応こういった形で議論を進めさせていただきたいと考えているところです。資料3の説明については以上です。御議論をよろしくお願いします。
○髙田座長 御説明、ありがとうございました。ただいま事務局から、論点案と今後のスケジュールについての御説明をいただきました。資料3のほうに論点が示されておりますけれども、いずれの論点についてでも結構ですので、これから構成員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。まず、会場に御参加されている構成員から御発言をお願いできればと思います。いかがでしょうか。それでは立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 発言の機会をありがとうございます。東海大の立道と申します。私自身はがん検診を含め、職域のがん対策を専門にやってまいりました。特に「がん対策推進企業アクション」のアドバイザリーボードメンバーとしての活動と、令和5~7年の厚労科研の「職域における科学的根拠に基づくがん検診の社会実装に関する研究」の研究代表者として、そして過去には「職域におけるがん検診に関するマニュアル」の策定の構成員として活動してまいりました。
まず平成30年に、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」が出された背景ですけれども、今、資料にあったように、職域において提供されるがん検診は相当にあるのですが、それがどのような科学的根拠に基づいて実施されているかということと、さらに、要精検者に対する精検受診勧奨がされ、その後のがんの発見が期待どおりであるかという、いわゆる一連の精度管理がほぼなされていない状況にありました。「職域におけるがん検診マニュアル」は、当初ガイドラインという位置付けで出される予定だったのですが、法的根拠がないということで、マニュアルという形で出されたわけです。これに基づいて、基本的に職場におけるがん検診の推進がされることが期待されたわけですけれども、実際、このマニュアル自体の認知度が低く、精度管理も行われていないということで、先ほどの令和5年~7年の厚労科研においての実態把握と普及啓発を行ってまいりました。やはりマニュアル自体の普及率が低いということと、精度管理がほぼ行われていないということが認められました。
「がん対策推進企業アクション」の活動の中で特に重要なことは、制度の問題だけではなく、がん検診あるいはがんそのものにおいての、労働者の知識と言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、それ自体が低いということです。69条に「健康教育」という部分があって、正にそれが一番重要で、がん教育が働く世代にはほとんどなされていないというところが非常に大きな問題であり、がん教育を行うことによって、がん検診自体が、どのような意味をもち要精密検査と判定された場合に、精密検査を必ず受ける認識がされていないと、ただ受診率を上げても、結局は要精密検査になった方の精検受診率が上がってきません。従って、まずは健康教育の中にがん教育というものを取り入れて、しっかりと情報提供をした上で、制度設計を行っていく必要があるのだろうという意見を背景に持っています。
以上の理由から、受診率等々を上げるという議論も必要ですけれども、やはり職場におけるがん教育を推進していくことが一丁目一番地だろうと思っています。すでに小中高学校といった学校教育の中にがん教育を取り入れているということがありますが、ただ残念ながら、社会に出た労働者の方にはがん教育の機会が均等に与えられていないという部分がありますので、まずはがん検診を含めた「がん教育」を啓発していくことが、この69条の冒頭で求められる健康教育という部分には合致するところかと思っています。
○髙田座長 御発言、ありがとうございました。事務局は特によろしいでしょうか。亀澤構成員、御発言を御希望と思いますので、よろしくお願いいたします。
○亀澤構成員 ありがとうございました。発言の機会をいただきまして御礼申し上げます。全衛連の亀澤でございます。私どもは健診機関を会員とする団体でして、そのことから申し上げたいと思います。今、立道先生から職域のがん検診の状況について少しお話がありました。私どもの会員の状況も見ておりますと、職域がん検診は約1,800万人を対象に実施しております。その中でも先ほどお話のあった職域がん検診マニュアルを参考にして実施していると認識しており、その辺りの状況については、第2回に機会をいただけるのであれば、御説明させていただけたらと思っております。職域がん検診のほかにも、会員では歯科健診なども実施している所がありますので、併せて実情を御報告できたらと考えます。
また、施策の効果測定は本当に重要なことだと考えております。健診機関の実施状況から吸い上げていくというのも、1つの方法かと思いました。以上、発言させていただきました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局はよろしいですか。そのほかにいかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございました。私からも何点か発言させていただければと思います。まず、資料3の2ページにある○の2つ目についてです。「がん、歯周疾患、女性特有の健康課題等について、どう考えるか。」という点について、この「等」には何が含まれるのかという点が気になるところです。これらの項目の追加については、厚労省の他部局による施策及びコラボヘルスなどとの相乗効果にもつながることから、重要であり賛成でございます。
その上で、現行のTHP指針の構成は、一次予防、二次予防、三次予防という構成になっていますが、資料2の「攻めの予防医療」に関して、「がん検診の受診率の向上」のみを、指針に追加するとすれば、違和感があります。先ほどの立道先生のお話にもありましたが、受診率の向上には、その前段として教育なども重要であり、その点を含めて、一次予防についてもっと推進していくべきではないかと考えております。
がん研究振興財団の「がんの統計2025」を見ると、年齢調整の死亡率は低減している一方、年齢調整のり患率は横ばいになっています。そうしたことも踏まえ、横ばいのり患率を低減させるためにも、一次予防の更なる充実を推進することが、「攻めの予防医療」においても重要ではないかと思います。ロコモにおける生活習慣や生活環境の改善など、一次予防について指針の中に記載もあるところですが、それだけではなく、がんのり患低減につながる知識を付与、例えば、ワクチン接種や除菌なども含めて、り患率の低下に結び付くような正しい知識を得ることができるよう教育を実施すること、また、その教育に基づいて、日常生活で心がけるべき点なども含めて、がんのリスク低減を目指すというところについて、詳しく指針に追記いただきたいと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。こちらについては、事務局からお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 ありがとうございます。立道先生からもそうですけれども、今の論点でお話されたとおり、この指針上の健康保持増進については、一次予防、二次予防というのはもちろん踏まえております。今はメタボ対策の一次予防ということで、参考資料1の指針本体の6ページを御覧いただければと思いますが、一次予防の内容については、いわゆる食生活の栄養指導や、睡眠、喫煙、飲酒等の健康的な生活に向けての保健指導などが含まれておりますので、「攻めの予防医療」のがん検診等を進めるに当たって、そういった教育や予防に向けた保健指導は入り得ると思います。
1点、事務局から、立道先生などにも御発言いただければと思いますけれども、職域でやるがん予防というのが、実際にどういったものが効果的なのかというのを少し御議論いただければと思います。私のほうの理解ですと、今、政府として国民の皆さんに推奨しているのが、禁煙、飲酒、食生活、感染症対策というふうにお願いしています。基本的には私病ですので、労働者も国民も同じということですけれども、殊更働く世代に対して、どういった職域で特に進めるのがいいものがあるとか、実際にどういうものを書き込んでいくのかというところは、少し御意見をいただきながら、それがいろいろな事情でできることなのかできないことなのかも含めて、議論になるかと考えているところです。
○髙田座長 ありがとうございます。この件について何か構成員の方で御発言等はありますか。立道先生、お願いします。
○立道構成員 先ほど、がん教育の話をしたのですけれども、一次予防のエビデンスに関しては、国立がん研究センターには「科学的根拠に基づくがん予防法」というのが出されていますし、各食品や行動ががんのリスクや予防に対してどの程度のエビデンスがあるのかを明示したエビデンステーブルや寄与率といったリスク評価というのが出されているので、それを参考にしていただければと思います。
2点目として、がん教育のもう1つの重要な点は、がん検診に対しての教育です。検診というのは利益もある一方で、不利益も生じます。利益のみが強調され不利益があるという認識がないことによって、様々な検査が実施されている。つまり科学的根拠がないような検査が職域では相当に行われているという問題点があるということです。又、自分が何の検査を受けたか分からないことから、要精密検査と言われても精検受診率が上がってこない。便潜血の精検受診率は現在では50%にとどまっています。便潜血自体が大腸がん検診だと認識していない労働者も半分ぐらいいらっしゃることから精密検査につながっていかないということもあるので、検診を受ける前に自分が何の検診を受けて、要精査の判定になった場合には、どのような意味があるのかという教育も必要です。先ほどの教育という内容には一次予防だけでなく、二次予防、三次予防につながる教育が必要であるという認識で発言させていただきました。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。及川構成員、お願いします。
○及川構成員 論点について、主に中小企業の立場からの意見です。健康保持の増進について、仕事との両立、人手不足の中で事業を継続していくというところで、治療と仕事の両立は大変重要だと考えています。そういう科学変化ということも踏まえると、このがんというものを対象にするということは理解できます。また、働く場で女性の活躍が中小企業でも大変増えていますので、女性特有の健康課題も時代の要請で新たに加わるということについて理解をしています。歯周疾患のほうは、学校ではよくやられるのですが、社会人になるとなかなかという話があります。やはり歯は健康の基本だと認識していますので、がんと歯周疾患、女性特有の健康課題、この3つの対象について加わるということの理解はします。まずは、ここからこの3つを加えるということで、私はよろしいのかと考えています。
それから、「攻めの予防医療」ですが、やはり中小企業では知識や教育のところは足らないことが多いと思いますので、一次予防のプレ段階をしっかりやるということが、この攻めの予防教育ではないかと考えているところです。周りを見ても、次の精密検査のためにやっていることでもあるのですが、そこのところがなかなかいかないということは、一次予防のもっと前にやることを深掘りして、丁寧に施策を展開することが必要だと思っています。
それから、論点の中で、事業者と保険者との連携の一層強化というところは、中小企業の経営支援がない中で、このような連携をしていくことは重要だと思いますし、それを推進していただきたいとは思っています。連携による効果を上げるということになりますと、やはり言語化や見える化など、平たく言うと協定をして、こういうことで頑張る宣言をする、ホームページで宣伝をする、PRをするということが必要ではないかと思っています。特に中小企業は小さい事業所が多いので、複数になって加入するというところの連携が不十分だと感じていますので、強化をしていただきたいと思っています。
それから、下から4番目の、小規模事業者においても継続して取り組めるよう、地域の連携というのは、正しくこの支援体制づくりをこの機会にしっかりPR、施策、普及しておくことが必要だと考えています。と申しますのは、小規模事業者というのは地域にいますので、地域とともに仕事をやっていますから、地域とこの事業というのは切り離せない、ニアリーイコールという関係です。ここの地域と事業者の所の接点が今まで十分であったかということを考えますと、そうではないのではないかと考えております。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、特によろしいですね。そのほか、松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 日本医師会の松岡です。よろしくお願いします。まず、「がん・女性・歯科」の3つの御提案の所からお話させていただきます。女性の健康課題については、先般、皆様で議論を重ね、ようやく事業者向けマニュアル等が完成し、まさにこれから普及を図る段階です。この流れのまま進めていくことが、攻めの予防医療につながるのではないかと考えております。
また歯科検診についても、今回厚労省のモデル事業の提案を幾つかしていただいて、粛々と進められています。その効果等を検証しながら継続していただければよいのかという印象を持っていますので、これを入れることもいいと思っております。
がんについては、先ほど一次医療のところのお話をいただきましたが、全体へのアプローチとして、とても大事な1つの観点だと思っております。一方で、検診率については、市町村と職域という一部分の情報が提示されていますが、それ以外に、人間ドックなど、自分で職域にも市町村にも関わらないところで検診を行っている方が潜在的にいらっしゃるということです。実際問題、どのぐらいの方たちが受検をされているのかということの全体像がなかなか見えないところだと思います。全体像を把握するのはかなり難しいことだと思いますが、先ほど紹介されたデータヘルスやコラボで何かできないか等、今後の課題として、視野に入れておくことが大事かと思っております。その中で、どのように予防を進めていくのかが大事になるかと思っています。
一方、市町村などでも今回の取組を多く行っていただいているというデータがあります。実際、市町村で行っている場合には、がん教育はもちろん、ハイリスクアプローチとして各個別の声掛けも非常に大事です。例えば便潜血陽性の検診結果が来たときに、もう1回受診をしていただいて、医師から「大腸がんの精密検査を受けてください」と声掛けをするようにと、市町村から強く言われております。実際そのようにして、1人でも多くの人にアプローチをしています。また、そのときにすぐ大腸がんにつながる危険があることも含めて、注意喚起のチラシなどをお渡ししている状況です。このように、全体的なアプローチと、可能であれば個別のアプローチも視野に入れたいですが、この中で企業が個別の情報をどのように手に入れて、それに対して企業がどこまでアプローチするかが一つの問題だと思います。本人が自分の個人的なデータを企業に渡すかどうか、それで企業から本人にどのように言っていただくのかという個人への配慮、両方とも課題になると思いますので、整理すべきと考えます。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、何かありますか。
○樋口産業保健支援室長 個人情報の取扱いについては、今の指針上も一定整理をさせていただいておりますし、どういう形にしろ、そこは事務局でも整理しながら整えていきたいと考えています。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。発言の機会をありがとうございます。私からは1点あります。まず、今回の健康保持増進の指針に関して、基本的には企業の努力義務というような点から考えて、やれる企業がやっていくというようなところで考えたときに、結構一生懸命やってくださっている企業などもたくさんあります。ただ、一生懸命やっているのですが、やっている方向性が、それをやっても、データが今まで過去に出ているようなものがある、いわゆるエビデンスがあるかというような視点において、エビデンスと少し離れた所で、むしろ逆効果になってしまうようなものも散見されるのではないかと思います。ですので、今回、指針にある程度少し手を入れるということを考えたときに、1つは、エビデンスとして明確にあるというようなものに関しては、ある程度お示しできるようなものに関してはお示しする。あとはエビデンスでなくても、こういうものはあったほうがいいという、何となくコンセンサスとして得られているようなものもあるので、そのようなエビデンスのレベルなのかコンセンサスのレベルなのか、いわゆるお薦め度、推奨度みたいなものを幾つか提示したほうが、むしろ企業にとっては少しやりやすいのではないかと。それは、指針なのか、手引きなのかは分からないですが、内容的に手引きになるのかもしれませんが、基本的なプログラムとしてお薦めできるようなものがあったほうが、より浸透しやすいのではないかと思ったので、発言させていただきました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。それでは、岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 慶應大学の岡村と申します。連携の部分についてなのですが、どうしても同じ会社と、そこの健保みたいなところがクローズアップされるのですが、やはり健保の形態が、組合で複数事業所が入っているとか、あと協会けんぽみたいなものもあるので、形態によって連携の取り方や評価の仕方が多分全く違ってきますので、そこに合わせたものを出していかないといけないというのがまず1点です。
それから連携のもう一つは、先ほど及川構成員も言われていましたが、やはり地域との連携があります。これは、実は歯の検診にしても、がん検診にしても、市町村の事業ではやっていますし、市民であれば皆受ける権利はあるわけなのですが、受けやすい機会を提供できているかどうか。逆に市町村側ですと、せっかく休日に検診しても誰も来ないからやめるかみたいな話になってきていて、そこの連携がとれていないので、そちらからも連携をとっていくことも非常に大事で、労働の中だけで完結しないほうが、健康づくりの場合はよろしいだろうと考えています。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。そうしましたら、お待たせしておりますオンライン参加の清田構成員、お願いいたします。
○清田構成員 日商の清田です。御説明等ありがとうございます。まず全般的な考えについて述べさせていただいた後、個別論点について触れたいと思います。まず、「攻めの予防医療」を進めて、労働者の健康確保に取り組むということは、労働者の継続的な活躍につながるだけでなく、社会保障制度や財政の維持の面からも重要ということは十分理解をしています。他方で、中小企業において、人手不足、昨今のコスト上昇といった様々な経営課題に日々追われている中で、健康の保持増進の取組は、意欲ある事業者の主体性に基づいて進めていくところが基本だと思っております。その上で、一律的な取組を求めることについては慎重であるべきだと考えております。政府や自治体においては、こうした事業者の後押しとなるような施策や環境整備、また取組を促すような相応のインセンティブのような仕組みづくりを是非検討いただきたいと思っております。
こうした考え方にのっとり、まず健康保持増進措置の位置付けの点についてなのですが、この点は今申し上げたとおり、やはり意欲ある事業者の主体性に基づいて進めるべきであり、業務起因性が必ずしも認められないような疾病予防については、本来は、国、自治体が主体となって推進するべきだと思います。事業者での取組を進めるという点においては、安衛法に基づく一般健康診断の延長線上にスムーズに行えるような仕組みづくりや、費用負担に係る支援、また事業者が自主的に取り組みやすくなるような支援を御検討いただきたいと思っております。
続いて健康保持増進措置の対象についてです。例示をいただいておりますが、個人の特性や多様な事業実態を踏まえると、多種多様ある疾病に対して、明確に根拠をもって位置付けていくのは難しい面もあると思っております。各事業所の実態に即した対応を促していくという視点においても、具体的に指針の中で取り上げていくことについては、一定程度慎重であるべきだと考えております。
最後に、保険者との連携の観点からです。保険者との連携について、事業者が負担なく健康増進措置に取り組むに当たって、実態として、がん検診の実態を19ページで記していただいておりますが、保険者との連携は非常に有効であると理解をしております。保険者や健診機関と連携を進めていく点は賛成であり、事業者が負担なく取り組める環境づくりについて、是非御検討いただきたいと思っております。私からは以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、特によろしいですね。古井構成員、その後、鈴木構成員、お願いいたします。
○古井構成員 私からは、3点コメントいたします。1点目は、小規模事業所での実効性についてです。これは立石先生からもコメントがありましたが、小規模事業所がもしやろうとしたときに、できるような支援というのは不可欠だと思っています。外部支援の利用法や、指針と一緒にマニュアルやツールを一体的に示すとか、先生がおっしゃったように、難しいかもしれませんが、少し優先順位を含めて示すことも考えたほうがいいかと感じました。
一方で、本当に一部だと思うのですが、20人、30人の小規模事業所なので、やり始めるととても浸透しやすいという事例も全国にはあります。今、日商さんから言われたように、全部をやるというのは難しいと思うのですが、やりたい、やろうとしたときに、やりやすいような支援になるような配慮が必要かと思っています。
それから、岡村先生からもありましたが、保険者と一口に言いましても、協会さんはもちろん一番大きいのですが、総合健保でも全く環境や人員配置も違いますので、コラボヘルスはもちろん大事だと思っていますが、事業所と同じように保険者も実は相似的な格差があることにも留意する必要があると思っています。
2点目は、健康経営の文脈です。これもこの間の「攻めの予防医療」の官邸会議でも申し上げたのですが、やはり自治体の支援はとても有用だと感じています。全国的には、地域企業、特に地域の中小企業に関しては、都道府県庁が今はかなり支援をしています。特に、そこに地域の商工会議所様が寄り添っているのが有用的であると認識をしております。例えば福島県ですと、厚労省の健康増進計画の、いわゆるKPIを中小企業の健康経営のKPIとして使っており、県庁、自治体と中小企業の取組が、がん検診を含めて一体的に進んでいるということも留意すべきかと思います。
最後の3点目は、先ほど先生方からもありましたが、既存の取組の意義や一次予防というのは、私も改めて強調してもいいのかと思っています。今、協会さんもそうですが、多くの健保組合などで人間ドックの助成が入っています。この中にせっかく便潜血や胃がん検診など、がん検診の要素が入っているのですが、この間、被用者保険で実証研究をやったときに、加入者の約2割から3割しかそのことが分かっていないという、ちょっと衝撃的な結果がありました。親の心子知らずのようにならないように、今回のTHP指針の改正が、その意義とか、そもそもの一次予防の重要性をしっかりと伝えていくことが、まず大事なのかと感じています。以上です。ありがとうございます。
○髙田座長 御発言ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 御指名ありがとうございます。経団連の鈴木です。経団連は、健康経営の理念に賛同しており、先月16日には岡村構成員をお招きして「健康経営セミナー」を開催するなど、会員企業・団体への周知・啓発を通じて、法を上回る形での企業の自主的・主体的な取組を後押ししているところです。
昨今の状況変化や、企業、労働者の関心の高まりから、今回、職域において特にがん、歯科、女性特有の健康課題を取り上げて議論することには賛成の立場です。その上で、THP指針に基づく健康保持増進措置の実施主体が事業者であることは理解しているところですが、企業単独で行うという点が強調されすぎると、産業や企業規模による取組状況に違いが出てしまいかねないことも念頭に議論していく必要もあると思います。
もとより、現行のTHP指針は、事業場内の産業保健スタッフ等に加えて、医療保険者や公的機関等の事業場外資源の積極的な活用も念頭に置いており、この視点は堅持していくことが肝要です。私傷病の予防に関しては、医療保険者や行政機関が役割を担う領域は大きいと思っております。
それから、「職域」という言葉について、間違っていたら御指摘いただきたいのですが、職域イコール事業者というような捉え方があるかもしれませんが、先ほど、事務局から御提示いただいた資料に記載のように、大企業においても保険者との協働・連携を通じて取り組んでいるケースは多いと認識しております。がん検診で考えてみた場合でも、検診教育や受診勧奨、データ管理といった様々な作業・役割がありますが、企業単独で実施しているケースもあれば、保険者とコラボレーションしているケースもあると思います。多様な形で取組が進んでいる実態を踏まえた形で、事業者としてどのような取組ができるのか、医療保険者や行政機関、自治体というお話もありましたが、これらの連携を如何に進めていけば良いのか、多様な連携の仕方についても視野に入れた検討が必要ではないかと思う次第です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、いかがでしょうか。
○樋口産業保健支援室長 御質問があった職域の定義というか、意味合いですが、通常この労働行政のところでやっている労使だけでは、多分、このがん検診など難しい部分はあるのだろうと思っております。その点も含めて、多分、検討会の後半ですが、こういったいろいろな方がいろいろな連携をしてやっていく中で、では、職域の実態を把握してどう進めるのかというところが、やはり論点になるのかと考えております。少し普段と違うニュアンスで捉えているというのは、確かにおっしゃるとおりですし、連携が大事だということで幾つか論点を上げさせていただいておりますので、ここのパズルがうまくかみ合うようなアウトプットが出ればいいとは考えているところです。御意見ありがとうございました。
○髙田座長 鈴木構成員、いかがでしょうか。
○鈴木構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 そのほか、オンライン参加の構成員で武藤構成員、お願いいたします。
○武藤構成員 日本人間ドック予防医療学会の武藤です。私どもの学会の精検受診に対する取組について御紹介させていただきたいと思います。我々の学会では健診施設機能評価制度というものがあります。その中には、がん検診で精密検査になった場合は受診勧奨をしっかり行うということが、もちろん要件になっております。また、例えば、がんの疑いが強い場合には早急に受診するように勧めるような取組が行われているということも要件になっております。また、精検受診率の把握も、この機能評価の要件になっております。そういった形で、精検受診に対する取組を進めているところです。小規模事業所で、この辺りの精検受診の把握はなかなか難しいかもしれませんので、我々健診施設も協力できるところは協力させていただきたいと思っております。
ただ、1点、精検受診をしたときの把握というのは、自治体の対策型検診でしたら比較的そこに人もお金も掛けて取っているところがあると思いますが、職域の場合は、受診した後の最終的な診断結果がなかなか得にくいところがあって、受診したまでは分かるのだけれども、その後の最終的な診断が分かりにくいというところがあり、医療機関から最終的な診断を提供いただけることが多いのですが、受診しただけで終わったということがかなり多く、その先の精検結果の把握ができやすいような体制を整えていただけると有り難いと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいですか。そうしましたら、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 よろしくお願いします。遅れて参加で申し訳ありません。自己紹介的なのですが、私は産業医科大学を3月末で定年退職して、今は産業医科大学名誉教授という立場で参加させていただいております。THP指針の見直しについては、2020年に、このときは検討会ではなく委託事業で委員会を作って検討して、手引きまで作られましたが、その際の委員会では座長をさせていただいたので、その当時何を議論したかというのは、よく記憶をしております。現行のTHP指針は、もともとのTHP指針が健康測定を前提として、健康度を個別に測定をして個別に必要な指導をするというインディヴィジュアルアプローチであったものから、ポピューレーションアプローチも含めて柔軟な対応をするとなった内容になりました。先ほども御指摘がありましたように、地域の資源をしっかり使って柔軟にやっていこうというのが現行のTHP指針という理解でおります。
今回、3つの項目を、どちらかというと健康診断、健康測定という健康度の評価に加えるということは、入り口としては妥当だと思っています。当然、それが有効に機能するためには、やはりその後や、例えばがん検診ひとつについても、がんの予防などが、ただ単に個別の検診対応だけではなく、全体的な取り組みが行われていて、その中に今回のテーマのような評価が位置づけられるような健康保持増進がされるような進め方になるといいなと思っています。
また、指針自体にはなかなか書き込めないということについては、前回もそういった議論があってかなり具体的な事例も入れた手引きを作成しておりますが、今回も検討することが妥当と考えます。先ほど立石構成員からもありましたように、趣旨や事業場での実行において課題になることなど、今回も手引きのようなものが併せて作られると、中小企業も含めて、より浸透しやすくなるのではないかと考えます。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。前回の見直しのときの経緯も含めて御説明いただき、大変参考になりました。事務局、よろしいでしょうか。そのほか、いかがでしょうか。松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 松岡です。先ほど、鈴木構成員からお話が出ていた地域と職域の話ですが、恐らく、地域職域連携会議が既に立ち上り、各二次医療圏に、地さんぽ、市町村を含めた連携会議の会議体が出ていたと思います。恐らく、もう5、6年以上は経っている会議ですので、そこでの取組の中で何があったか、好事例などがあれば、そのようなデータも、是非、今後出していただければと感じました。
○髙田座長 貴重な御意見ありがとうございます。事務局、お願いします。
○樋口産業保健支援室長 ちょっと当たってみないと分かりませんが、もしあれば次回か次々回、出したいと思います。
○髙田座長 そのほか、いかがでしょうか。一通り、皆様御発言いただいておりますが、そのほか追加での御発言はよろしいでしょうか。様々な御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございます。事務局からのスケジュールの説明もありましたが、本日御議論いただいた論点については、ヒアリングを踏まえて、次回も引き続き議論を進めていくということですので、よろしくお願いいたします。本日の議題は、以上にて終了となります。それでは、事務局にお返しいたします。
○樋口産業保健支援室長 皆さん、活発な御議論ありがとうございました。次回の検討会の日程については、事務局から改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。それでは、本日はこれにて閉会といたします。お忙しい中、御参集いただき、ありがとうございました。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき誠にありがとうございます。本検討会は、資料及び議事録は原則公開といたします。議事に入ります前に、本来でしたら構成員の皆様の御紹介をさせていただくところですが、時間の関係もございますので、資料1の要綱にお付けしている構成員名簿の配布をもって紹介に代えさせていただきます。
また、事務局の他、オブザーバーとして、省内関係部局の「医政局歯科保健課」、「健康・生活衛生局がん・疾病対策課」、「健康・生活衛生局健康課」、「保険局保険課」も参加されております。
本日の構成員の皆様の出欠状況ですが、大須賀構成員からは欠席の御連絡をいただいています。森構成員におかれましては、所用により遅れてオンラインで御参加される御予定と伺っています。亀澤構成員におかれましては、オンラインで御参加され、所用により途中退席の御予定と伺っております。また、清田構成員、古井構成員、武藤構成員はオンラインで御参加されています。
続きまして、御発言の仕方などです。会場にいらっしゃる構成員の皆様はお一人ずつマイクを御用意していますので、御発言いただく場合はマイクのスイッチをオンにしていただいて御発言いただき、その後、オフにしていただきますようお願いします。オンラインで御参加いただいている構成員の皆様は、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いします。
それでは、開催に当たりまして、安全衛生部長の安井より御挨拶申し上げます。
○安井安全衛生部長 安全衛生部長の安井でございます。本日はお忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。また、日頃から労働安全衛生行政につきまして、御理解、御支援いただいておりますことを厚く御礼申し上げます。
さて、高年齢労働者の増加、急速な技術革新の進展など、社会・経済の状況の変化を踏まえまして、政府といたしましては、がん検診の推進などを通じた「攻めの予防医療」というのを進めているところでございます。これによりまして健康寿命の延伸を図り、社会保障の担い手の拡大に取り組むということでございます。
労働者につきましては、労働安全衛生法第69条の「健康保持増進措置」の努力義務の枠組みを活用いたしまして、事業場における疾病の早期発見、早期治療の取組の強化を図るとともに、疾病の治療が必要な労働者が離職せずに働き続けられるよう、治療と就業の両立支援につなげていく必要がございます。こうした一連の流れを円滑に進めていくため、労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づく「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP指針)」の在り方などを検討するために、皆様に御参集いただきました。お集まりいただきました皆様方におかれましては、それぞれの観点から、あるいはそれぞれのお立場から、活発に御議論、忌憚のない御意見をいただければと考えてございます。簡単ですが、以上をもちまして挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○藤井産業保健室長補佐 続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第、資料1、資料2、資料3、参考資料1~3となっています。この後、議事に沿いまして画面共有にて御覧いただけますが、不足がございましたら事務局よりお送りしますので、コメント又は御発言にてお申し付けください。報道関係者の皆様、カメラ撮影はここまでとしていただきますようお願い申し上げます。
それでは、この検討会は資料1の開催要綱に基づいて開催させていただきます。これから座長の選出を行います。事務局案といたしましては、髙田構成員を推薦したいと思いますけれども、皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○藤井産業保健室長補佐 ありがとうございます。それでは、以降の進行を髙田座長にお願いいたします。
○髙田座長 着座のまま失礼いたします。ただいま、座長として御指名をいただきました聖マリアンナ医科大学の髙田と申します。改めまして、この度はどうぞよろしくお願いいたします。また、私が何かあったときの座長代理につきましては森構成員にお願いしたいと思います。後ほど事務局のほうで必要な調整をお願いたします。また、この検討会におきましては、皆様の御知見をお借りしながら、最新の医学的知見、社会情勢の変化等を踏まえた議論が行えればと考えております。皆様、活発な議論をどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事に入ります。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。まず、事務局より「議事(1)」について説明をお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 産業保健支援室長の樋口から、議事(1)について御説明させていただきます。資料は資料1、資料2となります。
資料1の「目的」の所で、先ほど部長の挨拶でもお話させていただきましたが、「攻めの予防医療」等の状況を踏まえつつ、その促進に向けた取組を進めるということで、この攻めの予防医療、それから現状の取組等について資料2でまとめています。こちらについて皆さんの共通認識としていただくために説明させていただき、議事(1)のほうで確認等をいただければと思います。
資料2が、これから説明する「労働者の健康を取り巻く状況について」ということで資料をまとめています。まず、「労働者の健康に関する制度等」ということで2ページ目にございます。こちらについては、多くの先生方がこの前の一般健康診断の検討会で御議論いただいておりますので復習となりますけれども、まずは日本の健診(検診)制度の概要ということで、我々が今、ターゲットにしているのが真ん中の赤で囲っている労働安全衛生法です。こちらについては、働き始めてから働き終わるまで全ての年代において健康診断が義務付けられている制度です。こちらの健診結果の情報につきましては、真ん中辺りにあります高齢者医療確保法(高確法)に基づいて、保険者の求めに応じて提供し、後ほど御説明しますけれども保険者のデータヘルス等にも活用されます。
労働安全衛生法の義務につきましては、次の4ページにある定期健康診断の健診項目を、今、実施いただいているところです。こちらにつきましては先の検討会でも御議論いただきましたが、令和9年4月1日から血清クレアチニンが追加になり、併せて喀痰検査が削除になる変更が行われます。いずれにせよ、こういった項目を健診していただいているところです。
5ページです。こちらも先の検討会で御議論させていただきましたが、労働安全衛生法の義務としての健診項目につきましては、ここに掲げた就業上の関係も含めた8つの視点から整理し、こうした要件を満たすものを対象にしているところです。そういった健診を行った後については、次の6ページですが、労働安全衛生法上の目的であるところの、その方が仕事を続けていいかどうか、医師の意見を聴きながら事後措置を行うことを目的として実施しているもので、その結果を踏まえた保健指導等を努力義務としてやっていただいているものです。ここまでが、いわゆる労働安全衛生法の罰則がかかった義務としてやっていただいている健診の説明です。
次に、資料1の開催要綱の目的にも書きましたけれども、努力義務としての労働者の健康増進として7ページに資料を付けています。真ん中の点線の囲みにあります労働安全衛生法第六十九条で、「事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他の労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。」として、努力義務がかけられています。その具体的な進め方については、第七十条の二で、「厚生労働大臣は、第六十九条第一項の事業者が講ずべき健康の保持増進のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。」とし、上のほうに表題を書いていますけれども、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(「THP指針」)が、今、公示されているということです。真ん中の所に「事業場における取組の流れ」と書いていますが、計画的に実施するということで、体制を作った後に計画を立て、PDCAでその計画を回していくのが指針の骨格です。具体的な実施内容を下に書いていますが、労働者の健康状態の把握をし、その結果に応じて必要な健康指導を実施していくことを指針に書いているところです。
制度上は、今お話したようなことで、この具体的な進め方として参考資料2に指針の事例紹介の手引きも付けています。資料2の8ページにその例を幾つか載せていますが、今のTHP指針の中では大きく3つのテーマを取り扱っていて、メタボリックシンドロームへの対応、メンタルヘルス対策、加齢による能力低下に伴う対応、主にこの3つのことを挙げています。その例として、今、挙げているのがスポーツクラブを活用した運動意識の向上ですが、こちらについては会社の中でメタボリックシンドローム該当の方が多いということで、健康測定の機会をスポーツジムと契約して提供し、運動のきっかけにしていただく取組事例を手引きで御紹介しています。もう一つ、9ページで御紹介している例でメンタルヘルスケアに係る取組事例ですが、事業者自らそういったメンタルヘルスマネジメントに係る教育などもしながら、会社全体でそういった健康意識の向上を深めていく、併せて、ウォーキングチャレンジなども行って心身共に取組を進めている事例も御紹介しているところです。
10ページを御覧ください。THP指針の取組の実施状況として、令和3年の労働安全衛生調査(実態調査)の結果を資料として付けています。事業場規模別が左下に出ていますが、全体としては実施率が6割という状況です。その内訳が右側で、これは複数回答で幾つマルをしてもいいのですが、結果として多くの事業場ではメンタルヘルスケア対策を中心にやり、その他運動指導もやっていることが見て取れる状況です。
11ページを御覧ください。こういった制度上の背景の中で、冒頭、部長からもお話させていただきましたが、「攻めの予防医療」を今政府全体で進めようとしているところです。高市総理の施政方針演説(2月20日)を掲載していますが、健康経営に取り組む地域企業への支援、がん検診・歯科健診の推進を通じ、「攻めの予防医療」を進めていくことが掲げられています。これを受けて厚生労働大臣の所信挨拶では、ここに書いているとおり、がん検診、歯科健診、女性の健康課題への対応に取り組むことを述べているところです。
こういった状況を踏まえて、現状の職域におけるがん検診、女性の健康課題、歯科健診等の取組を次のページから紹介していますので、それぞれの項目について説明させていただこうと思います。
13ページ、がん検診です。こちらについては、「職場の健康診断実施強化月間」を毎年9月に事業場の皆様にお願いしていて、この期間に健康診断をやっているかどうかのチェック等も含めて、やっていきましょうという声掛けをしています。その中で、健康診断以外の産業保健に関する取組の周知・啓発の御依頼として書いていますように、がん検診の受診勧奨であったり、小さくて申し訳ないですが、女性のがん関係のリーフレットを配布いただいたり、あるいは、がん対策推進企業アクションとして情報発信のアクションの参加を呼び掛けたり、こういったことを職域として進めています。
厚生労働省全体の取組を14ページ、15ページに掲載しています。こちらについて自治体ということで、主体は市区町村と書いていますが、個別の受診勧奨、再検査の勧奨等を実施することは効果が大きいとして、黄色い真ん中の囲みにありますように個別の受診勧奨や精密検査等の勧奨をし、受診しやすいように女性のがんの関係のクーポン券の配布をするとともに、精密検査の受診勧奨なども補助率1/2でやっていただいています。
15ページです。こういった取組を通じて、第4期がん対策推進基本計画においては、「がん検診受診率60%」、「精密検査受診率90%」という目標に向けた取組として、現状、がん検診受診率については全国で43~53%、市区町村が実施するがん検診における精密検査受診率は70~90%と書いていますが、これを先ほど述べた数値にもっていくということで、令和10年度をめどにこういった目標を立てて取り組んでいます。「実施すること」として、計画に基づいて、先ほどの個別の勧奨のほかにメディアとのコラボや、精密検査の重要性を普及する資材の開発などもやっています。その中で、自治体が進めているがん検診の受診機会について、次の16ページにありますけれども、この5つのがんについて実施方法を定めて進めているという紹介になります。
17ページで、がん検診の受診状況として、国民生活基礎調査で国民一人ひとりの受診の状況を伺った結果です。胃がん、肺がん、大腸がんについては上のグラフになりますが、赤い所が勤め先で受けたもので、いろいろな受診機会が提供されていますけれども、勤め先で受けているケースが多い。女性の関係のがんにつきましては、自治体の機会を利用した、あるいは勤め先の機会を利用したが30%、40%と、胃がんや肺がんよりは職域と自治体で分散している状況のデータが出ているところです。
18ページです。先ほどは国民一人ひとりの調査でしたけれども、今度は事業場に対してがん検診をやっているかを平成24年に調べていて、十何年前のデータになりますが、労働者健康状況調査の結果をお示ししています。当時の状況ですが、事業場規模として中小企業は30%、大企業では70%、80%の実施率でした。がんの種類別実施率は右のような状況であったということです。
19ページは保険者を対象としたアンケート調査ですので、そういった目で見る必要はありますけれども、保険者のアンケート調査の結果からすると、いずれのがん検診についても保険者単体、あるいは事業主と共同で実施している保険者が多い。色が分かれていますが、青色の所は保険者単独で実施したもの、赤い所が事業主単独で実施したもの、保険者と事業主が共同で実施したものが薄緑色です。こういったことで、今、お話したような状況が見て取れるところがございます。ここまではがん検診の実施状況です。
次は女性特有の健康課題への支援です。21ページは、先の一般健康診断の検討会でも御議論いただいて御存じの方も多いと思いますが、職域においては、問診の機会を利用した女性の健康課題で困っていることがあるか呼び掛けをしていき、そこで困っている方には健診機関の健診医から、専門医への受診勧奨や情報提供を促していく流れです。そういったことで専門医への受診を終えた方が必要に応じて会社に御相談して、会社のほうではそういった相談対応をしていくことを進めていくようにしています。この問診票の追加も来週ぐらいに通知等を出すということで、今、準備をしているところですが、先行して22ページにマニュアルが既に公開されていて、先ほど言った流れを進めるための健診機関向けのマニュアル、事業場向けのマニュアルを公開しているところです。
これが職域での取組ですが、政府全体としては、23ページにありますように情報発信をしながら必要な健診・検診を受けていただき、必要な方への治療につなげていく左から右への流れで、それぞれのパーツでの情報発信や、先ほどの健診機関の問診なども含めた健診や治療を進めている状況です。真ん中辺りにあります「女性の健康総合センター」が設置されていて、こちらが指令塔として情報発信の強化や、いろいろな提供、それから研究事業なども今進めている状況です。
25ページからが歯科検診の御案内になりますが、こちらも先の一般健康診断、労働安全衛生の建議の中で御議論いただいていますので、皆さん御存じの部分が多いと思います。こちらについても一般健康診断問診票を活用して、資料の左側にあるような、食事をかんで食べる時の状態が悪い等々のことがあったときには、右側の受診勧奨のチラシを健診機関のほうでお配りいただき、こういった受診勧奨をやっている状況です。
26ページです。併せて、THP指針の中でも口腔保健というのがあり、具体的な事例として、ここにありますように定期的な歯科健診を通じた歯と口の健康づくりを掲げています。歯科健診を年2回実施いただいている事例なども手引きで御紹介しているところです。
27ページです。今、職域の話をしたところですが、職域も含めた国民全体ということで、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)環境整備事業です。こちらについてはより簡単に歯科のチェックができるようにモデル事業等を進めていたのがこれまでのところです。こういったモデル事業を通じて、右側の黄色い箱に書いている、事業所では「簡易な歯科検査」が、こういった歯科健診の普及には有効で実施可能性が高いという結論です。そういった簡易な検査等については、一般健康診断等の機会を利用することが効果的との検証結果が出たということで、28ページにありますが、こういった簡易な口腔スクリーニングを用いた歯科健診と受診勧奨を行うパイロット事業を、令和7年度補正予算により進めているところです。こういったものを含めて歯科の受診勧奨の支援をやっている状況です。
ここまでが「攻めの予防医療」ということで、特に着目している3つの健診等について御説明したところですが、30ページ以降は、その他、職域で御案内しているものということで参考に付けています。冒頭でお話させていただきましたが、毎年9月に「職場の健康診断実施強化月間」をお願いしていて、これが去年のチラシになります。定期健康診断をしっかりやりましょう、法定健康診断をやりましょうというのと併せて、それ以外のものとして右側にありますように、THP指針や、先ほどのがん検査、女性の健康課題、あるいは口腔指導をお願いしているところです。
それ以外として31ページです。女性の健康課題の一部でもある骨粗鬆症ですが、転倒防止のリーフレットと併せて、こういった骨粗鬆症の検査なども御案内しているところです。
32ページは、先の一般健康診断の検討会でも御議論いただきましたが、眼底検査の受診勧奨も併せてお願いしています。こういった転倒防止の文脈の中でお願いしているところです。
次の34ページからは視点を変えて、保険者との連携です。保健事業のほうではコラボヘルスということで、保険者と事業主が積極的に連携し、労働者の健康保持のために頑張ろうということでコラボヘルスガイドラインを示しています。今のTHP指針の中でも、冒頭にお話した高確法に基づくデータを保険者に提供するということで、こういったデータヘルス連携の一助の文章なども記載されているところです。
こういったデータを活用したデータヘルス計画が、次の35ページに掲げられています。こういったデータを通じて、加入者の健康課題に応じ、データに基づいた保健事業を進めるということで、データヘルス計画を各保険者に作っていただいています。その作り方の支援等を政府のほうでやっている状況です。
次の36ページからになりますが、こういったデータヘルス計画に基づく保健事業の例を幾つか御紹介しています。こちらは関東ITソフトウェア健康保険組合様の取組ですが、生活習慣病対策事業の中で若年者の生活習慣病対策として、こういったスポーツジムの無料利用提供などをしている事例です。
機缶健康保険組合様の例を37ページに付けていますが、こちらについては健康のポータルサイトの御案内でのオンラインを使った情報発信、アプリを使った情報発信や、女性のがんに関する検診の補助などもやっているという御案内をしています。
38ページは、皆さんよく御存じかと思いますが、協会けんぽ様でも生活習慣病予防ということで5大がんの費用補助などもやっています。また、人間ドック健診の費用補助などもやっているということで資料を提供いただき、例として御案内させていただいています。
THP指針の手引きにも、こういった保険者との連携の事例を39ページに載せています。保険者との連携としてデータを共有し、こういった保健事業と一緒にやりながら、真ん中にありますように喫煙対策などもやっている事例として御紹介しています。こういったものも御紹介しながら、今THP指針を進めている状況です。
冒頭にあったがん検診等を進める中で、実際にがんが見つかった場合の対応として、41ページからありますが、実際に見つかった場合でも、治療と就業の両立支援として、治療を進めながら仕事を続けることができる仕組みがあり、42ページにありますように先般の労推法の改正で努力義務化されました。こういった環境がある中で、がん検診を安心して受けていただくことも見据えながら、健康増進をどう進めていくかが今回のテーマということで、まずはこの背景事業を御説明させていただきました。この資料の内容について御質問等があればお願いしたいと思います。資料の説明は以上となります。
○髙田座長 御説明、ありがとうございました。ただいま資料2に基づき、「労働者の健康を取り巻く状況について」ということで、労働者の健康に関する制度等、がん検診、職場における女性への健康支援、歯科検診、職域で推奨しているその他健診等、保険者との連携、最後に仕事と治療の両立支援についておまとめいただきました。この資料について御質問等がありましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。まず会場の委員から何かありますか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員で御発言を御希望の委員はいらっしゃいますか。特に挙手されている委員はいらっしゃらないということで、事務局はよろしいでしょうか。では、こちらの資料については特に御質問はないということで、先に進めさせていただきたいと思います。
次に、議事の(2)の説明をお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 それでは、これから皆さんに御議論をいただくということで、資料3を準備させていただきました。この検討会の設置目的にも書いておりますように、健康増進をどう進めるか、まず次の論点を中心に御議論いただければということで、論点を掲げたペーパーを用意させていただきました。「現状」は、先ほど資料で御説明したとおりなので割愛いたします。
真ん中に薄い青色で書いている所ですけれども、「上記を踏まえ、労働安全衛生法等の枠組みを活用し、『攻めの予防医療』を推進するにはどのようなことが考えられるか」ということで、4つの○の論点を準備しております。
1つ目の論点は、「健康保持増進措置の位置付け」です。必ずしも業務起因性等が認められない、いわゆる私病ということになりますけれども、疾病予防に係る取組の推進の在り方についてどう考えるかです。こちらについては既に開催要綱で、こういった健康増進を進める中で健康増進法の枠組みを活用し、「攻めの予防医療」を進めていきたいということを掲げておりますが、まずは「攻めの予防医療」等を、健康増進の枠組みの中で進めるといったことについて、改めて御議論いただければというのが1つ目の論点です。
2つ目の論点が「健康保持増進措置の対象」です。予防の対象として、現行の指針の中では、先ほどもお話したように、メタボリックシンドローム、メンタルヘルス、加齢に伴う筋力や認知機能の低下等をターゲットとして構成しておりますけれども、これだけでよいかということで、「攻めの予防医療」で掲げている、がん、歯周疾患、女性特有の健康課題を入れることについてどう考えるかを御議論いただければということでお願いしています。
3つ目の○が実際の進め方です。保険者との連携等の方策を通じた取組の強化等ということで、「攻めの予防医療」を進めるに当たってどうすればよいか、今度は5つの黒ポツのテーマを挙げております。1つ目のポツは、労働者の参画を促すためにどのような方策が考えられるか、また、労働者自身がさらに取り組むべきことは無いかということで、例えばがん検診の受診あるいは精密検査の受診について、勧奨を受けた労働者がそういったものを受診すると、一定の労働者の行動変容が必要になりますので、そういったことをどう進めるか、アイディアや御助言をいただければということで挙げております。
2つ目のポツが、事業者と保険者との連携を一層強化するべきではないかということです。先ほど御紹介したとおり、保険者のほうでも保険事業ということで、がん検診等を支援されているケースも多々あります。こういったものの活用なども、どうすべきか御議論いただければと思います。また、この連携の効果を上げる方策として、どのような働き掛けがあるかというのを書いております。例えば総合健保さんなどだと、同一業界の方がたくさん加盟されておりますので、もしかしたら業界ならではの取組ということで、保険者との連携などもあるのではということで書いています。
3つ目のポツが取組の効率的・効果的な手法として、情報通信技術の活用をどうするかということです。先ほどの保健事業のほうでも、アプリやオンラインを通じた情報発信のサービスの提供など、民間サービス等々が出てきておりますので、お忙しい労働者はこういったものを活用することもあるのではないかということで、論点として挙げております。
4つ目のポツは、これまで保険者等々のお話をさせていただきましたけれども、小規模事業場においては継続的に取り組めるような地域の関係機関、自治体であったり、我々で言うと地産保さんであったり、そういったものの活用もあるのではないかということで、支援体制づくりとして論点を挙げさせていただいております。
5つ目のポツの論点は、実際に「攻めの予防医療」等の取組を実施すると決まった後になるとは思いますけれども、その実施状況がどうなっていくかを将来的に把握していく必要があるのではないかということで、論点として挙げております。では、実際に把握することになった場合に、どういうように把握するのが効果的なのか。先ほども御紹介したように、自治体であったり、保険者の支援であったり、事業者自らがやっていることだったり、いろいろな所で分散してがん検診等実施いる中で、職域での実施状況をどう把握するかというところも御議論いただければということで、論点を挙げさせていただいております。
最後の○が仕事と治療の両立支援です。先ほどの資料説明の中にもあったように、がん検診を進める中で実際に見つかった場合に、両立支援という仕組みの中で、仕事を続けながら治療もできるということで、そうした環境の中で安心してがん検診を進めることができるような状況ができてきましたが、そういった両立支援を「攻めの予防医療」の推進と併せて進めることについて、何か御意見があればということで、最後の論点として加えています。
次のページで、今後のスケジュールの話を用意させていただいています。こちらの論点については、今回と次回の2回にわたって御議論いただければと思います。今回は先ほど資料2で御説明させていただいた、主に政府等の取組を踏まえた御議論をいただければと考えております。次回は、事業者等の取り組み事例ということで、今予定しているのはがんの中小企業の取組事例と、女性の健康課題の取組事例を企業のほうから御説明いただくとともに、保健事業の事例も少し御紹介できればと思います。それから、検診・健診の提供サイドのほうから、がん検診の実施状況などのデータも出せればということも検討しております。そういったヒアリングを通じて、再度、先ほどの論点について御議論いただければと思います。
そういった2回を通じた論点の中で御意見を出していただいて、第3回、第4回では、それらの御意見を踏まえて、実際にどうするかといった具体を御議論させていただければと考えております。それ以降どう進めるかは4回目の様子を見ながらですけれども、4回目までは一応こういった形で議論を進めさせていただきたいと考えているところです。資料3の説明については以上です。御議論をよろしくお願いします。
○髙田座長 御説明、ありがとうございました。ただいま事務局から、論点案と今後のスケジュールについての御説明をいただきました。資料3のほうに論点が示されておりますけれども、いずれの論点についてでも結構ですので、これから構成員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。まず、会場に御参加されている構成員から御発言をお願いできればと思います。いかがでしょうか。それでは立道構成員、お願いいたします。
○立道構成員 発言の機会をありがとうございます。東海大の立道と申します。私自身はがん検診を含め、職域のがん対策を専門にやってまいりました。特に「がん対策推進企業アクション」のアドバイザリーボードメンバーとしての活動と、令和5~7年の厚労科研の「職域における科学的根拠に基づくがん検診の社会実装に関する研究」の研究代表者として、そして過去には「職域におけるがん検診に関するマニュアル」の策定の構成員として活動してまいりました。
まず平成30年に、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」が出された背景ですけれども、今、資料にあったように、職域において提供されるがん検診は相当にあるのですが、それがどのような科学的根拠に基づいて実施されているかということと、さらに、要精検者に対する精検受診勧奨がされ、その後のがんの発見が期待どおりであるかという、いわゆる一連の精度管理がほぼなされていない状況にありました。「職域におけるがん検診マニュアル」は、当初ガイドラインという位置付けで出される予定だったのですが、法的根拠がないということで、マニュアルという形で出されたわけです。これに基づいて、基本的に職場におけるがん検診の推進がされることが期待されたわけですけれども、実際、このマニュアル自体の認知度が低く、精度管理も行われていないということで、先ほどの令和5年~7年の厚労科研においての実態把握と普及啓発を行ってまいりました。やはりマニュアル自体の普及率が低いということと、精度管理がほぼ行われていないということが認められました。
「がん対策推進企業アクション」の活動の中で特に重要なことは、制度の問題だけではなく、がん検診あるいはがんそのものにおいての、労働者の知識と言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、それ自体が低いということです。69条に「健康教育」という部分があって、正にそれが一番重要で、がん教育が働く世代にはほとんどなされていないというところが非常に大きな問題であり、がん教育を行うことによって、がん検診自体が、どのような意味をもち要精密検査と判定された場合に、精密検査を必ず受ける認識がされていないと、ただ受診率を上げても、結局は要精密検査になった方の精検受診率が上がってきません。従って、まずは健康教育の中にがん教育というものを取り入れて、しっかりと情報提供をした上で、制度設計を行っていく必要があるのだろうという意見を背景に持っています。
以上の理由から、受診率等々を上げるという議論も必要ですけれども、やはり職場におけるがん教育を推進していくことが一丁目一番地だろうと思っています。すでに小中高学校といった学校教育の中にがん教育を取り入れているということがありますが、ただ残念ながら、社会に出た労働者の方にはがん教育の機会が均等に与えられていないという部分がありますので、まずはがん検診を含めた「がん教育」を啓発していくことが、この69条の冒頭で求められる健康教育という部分には合致するところかと思っています。
○髙田座長 御発言、ありがとうございました。事務局は特によろしいでしょうか。亀澤構成員、御発言を御希望と思いますので、よろしくお願いいたします。
○亀澤構成員 ありがとうございました。発言の機会をいただきまして御礼申し上げます。全衛連の亀澤でございます。私どもは健診機関を会員とする団体でして、そのことから申し上げたいと思います。今、立道先生から職域のがん検診の状況について少しお話がありました。私どもの会員の状況も見ておりますと、職域がん検診は約1,800万人を対象に実施しております。その中でも先ほどお話のあった職域がん検診マニュアルを参考にして実施していると認識しており、その辺りの状況については、第2回に機会をいただけるのであれば、御説明させていただけたらと思っております。職域がん検診のほかにも、会員では歯科健診なども実施している所がありますので、併せて実情を御報告できたらと考えます。
また、施策の効果測定は本当に重要なことだと考えております。健診機関の実施状況から吸い上げていくというのも、1つの方法かと思いました。以上、発言させていただきました。ありがとうございます。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局はよろしいですか。そのほかにいかがでしょうか。漆原構成員、お願いいたします。
○漆原構成員 御説明ありがとうございました。私からも何点か発言させていただければと思います。まず、資料3の2ページにある○の2つ目についてです。「がん、歯周疾患、女性特有の健康課題等について、どう考えるか。」という点について、この「等」には何が含まれるのかという点が気になるところです。これらの項目の追加については、厚労省の他部局による施策及びコラボヘルスなどとの相乗効果にもつながることから、重要であり賛成でございます。
その上で、現行のTHP指針の構成は、一次予防、二次予防、三次予防という構成になっていますが、資料2の「攻めの予防医療」に関して、「がん検診の受診率の向上」のみを、指針に追加するとすれば、違和感があります。先ほどの立道先生のお話にもありましたが、受診率の向上には、その前段として教育なども重要であり、その点を含めて、一次予防についてもっと推進していくべきではないかと考えております。
がん研究振興財団の「がんの統計2025」を見ると、年齢調整の死亡率は低減している一方、年齢調整のり患率は横ばいになっています。そうしたことも踏まえ、横ばいのり患率を低減させるためにも、一次予防の更なる充実を推進することが、「攻めの予防医療」においても重要ではないかと思います。ロコモにおける生活習慣や生活環境の改善など、一次予防について指針の中に記載もあるところですが、それだけではなく、がんのり患低減につながる知識を付与、例えば、ワクチン接種や除菌なども含めて、り患率の低下に結び付くような正しい知識を得ることができるよう教育を実施すること、また、その教育に基づいて、日常生活で心がけるべき点なども含めて、がんのリスク低減を目指すというところについて、詳しく指針に追記いただきたいと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。こちらについては、事務局からお願いいたします。
○樋口産業保健支援室長 ありがとうございます。立道先生からもそうですけれども、今の論点でお話されたとおり、この指針上の健康保持増進については、一次予防、二次予防というのはもちろん踏まえております。今はメタボ対策の一次予防ということで、参考資料1の指針本体の6ページを御覧いただければと思いますが、一次予防の内容については、いわゆる食生活の栄養指導や、睡眠、喫煙、飲酒等の健康的な生活に向けての保健指導などが含まれておりますので、「攻めの予防医療」のがん検診等を進めるに当たって、そういった教育や予防に向けた保健指導は入り得ると思います。
1点、事務局から、立道先生などにも御発言いただければと思いますけれども、職域でやるがん予防というのが、実際にどういったものが効果的なのかというのを少し御議論いただければと思います。私のほうの理解ですと、今、政府として国民の皆さんに推奨しているのが、禁煙、飲酒、食生活、感染症対策というふうにお願いしています。基本的には私病ですので、労働者も国民も同じということですけれども、殊更働く世代に対して、どういった職域で特に進めるのがいいものがあるとか、実際にどういうものを書き込んでいくのかというところは、少し御意見をいただきながら、それがいろいろな事情でできることなのかできないことなのかも含めて、議論になるかと考えているところです。
○髙田座長 ありがとうございます。この件について何か構成員の方で御発言等はありますか。立道先生、お願いします。
○立道構成員 先ほど、がん教育の話をしたのですけれども、一次予防のエビデンスに関しては、国立がん研究センターには「科学的根拠に基づくがん予防法」というのが出されていますし、各食品や行動ががんのリスクや予防に対してどの程度のエビデンスがあるのかを明示したエビデンステーブルや寄与率といったリスク評価というのが出されているので、それを参考にしていただければと思います。
2点目として、がん教育のもう1つの重要な点は、がん検診に対しての教育です。検診というのは利益もある一方で、不利益も生じます。利益のみが強調され不利益があるという認識がないことによって、様々な検査が実施されている。つまり科学的根拠がないような検査が職域では相当に行われているという問題点があるということです。又、自分が何の検査を受けたか分からないことから、要精密検査と言われても精検受診率が上がってこない。便潜血の精検受診率は現在では50%にとどまっています。便潜血自体が大腸がん検診だと認識していない労働者も半分ぐらいいらっしゃることから精密検査につながっていかないということもあるので、検診を受ける前に自分が何の検診を受けて、要精査の判定になった場合には、どのような意味があるのかという教育も必要です。先ほどの教育という内容には一次予防だけでなく、二次予防、三次予防につながる教育が必要であるという認識で発言させていただきました。
○髙田座長 ありがとうございました。そのほかはいかがでしょうか。及川構成員、お願いします。
○及川構成員 論点について、主に中小企業の立場からの意見です。健康保持の増進について、仕事との両立、人手不足の中で事業を継続していくというところで、治療と仕事の両立は大変重要だと考えています。そういう科学変化ということも踏まえると、このがんというものを対象にするということは理解できます。また、働く場で女性の活躍が中小企業でも大変増えていますので、女性特有の健康課題も時代の要請で新たに加わるということについて理解をしています。歯周疾患のほうは、学校ではよくやられるのですが、社会人になるとなかなかという話があります。やはり歯は健康の基本だと認識していますので、がんと歯周疾患、女性特有の健康課題、この3つの対象について加わるということの理解はします。まずは、ここからこの3つを加えるということで、私はよろしいのかと考えています。
それから、「攻めの予防医療」ですが、やはり中小企業では知識や教育のところは足らないことが多いと思いますので、一次予防のプレ段階をしっかりやるということが、この攻めの予防教育ではないかと考えているところです。周りを見ても、次の精密検査のためにやっていることでもあるのですが、そこのところがなかなかいかないということは、一次予防のもっと前にやることを深掘りして、丁寧に施策を展開することが必要だと思っています。
それから、論点の中で、事業者と保険者との連携の一層強化というところは、中小企業の経営支援がない中で、このような連携をしていくことは重要だと思いますし、それを推進していただきたいとは思っています。連携による効果を上げるということになりますと、やはり言語化や見える化など、平たく言うと協定をして、こういうことで頑張る宣言をする、ホームページで宣伝をする、PRをするということが必要ではないかと思っています。特に中小企業は小さい事業所が多いので、複数になって加入するというところの連携が不十分だと感じていますので、強化をしていただきたいと思っています。
それから、下から4番目の、小規模事業者においても継続して取り組めるよう、地域の連携というのは、正しくこの支援体制づくりをこの機会にしっかりPR、施策、普及しておくことが必要だと考えています。と申しますのは、小規模事業者というのは地域にいますので、地域とともに仕事をやっていますから、地域とこの事業というのは切り離せない、ニアリーイコールという関係です。ここの地域と事業者の所の接点が今まで十分であったかということを考えますと、そうではないのではないかと考えております。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、特によろしいですね。そのほか、松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 日本医師会の松岡です。よろしくお願いします。まず、「がん・女性・歯科」の3つの御提案の所からお話させていただきます。女性の健康課題については、先般、皆様で議論を重ね、ようやく事業者向けマニュアル等が完成し、まさにこれから普及を図る段階です。この流れのまま進めていくことが、攻めの予防医療につながるのではないかと考えております。
また歯科検診についても、今回厚労省のモデル事業の提案を幾つかしていただいて、粛々と進められています。その効果等を検証しながら継続していただければよいのかという印象を持っていますので、これを入れることもいいと思っております。
がんについては、先ほど一次医療のところのお話をいただきましたが、全体へのアプローチとして、とても大事な1つの観点だと思っております。一方で、検診率については、市町村と職域という一部分の情報が提示されていますが、それ以外に、人間ドックなど、自分で職域にも市町村にも関わらないところで検診を行っている方が潜在的にいらっしゃるということです。実際問題、どのぐらいの方たちが受検をされているのかということの全体像がなかなか見えないところだと思います。全体像を把握するのはかなり難しいことだと思いますが、先ほど紹介されたデータヘルスやコラボで何かできないか等、今後の課題として、視野に入れておくことが大事かと思っております。その中で、どのように予防を進めていくのかが大事になるかと思っています。
一方、市町村などでも今回の取組を多く行っていただいているというデータがあります。実際、市町村で行っている場合には、がん教育はもちろん、ハイリスクアプローチとして各個別の声掛けも非常に大事です。例えば便潜血陽性の検診結果が来たときに、もう1回受診をしていただいて、医師から「大腸がんの精密検査を受けてください」と声掛けをするようにと、市町村から強く言われております。実際そのようにして、1人でも多くの人にアプローチをしています。また、そのときにすぐ大腸がんにつながる危険があることも含めて、注意喚起のチラシなどをお渡ししている状況です。このように、全体的なアプローチと、可能であれば個別のアプローチも視野に入れたいですが、この中で企業が個別の情報をどのように手に入れて、それに対して企業がどこまでアプローチするかが一つの問題だと思います。本人が自分の個人的なデータを企業に渡すかどうか、それで企業から本人にどのように言っていただくのかという個人への配慮、両方とも課題になると思いますので、整理すべきと考えます。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、何かありますか。
○樋口産業保健支援室長 個人情報の取扱いについては、今の指針上も一定整理をさせていただいておりますし、どういう形にしろ、そこは事務局でも整理しながら整えていきたいと考えています。
○髙田座長 ありがとうございます。立石構成員、お願いいたします。
○立石構成員 産業医科大学の立石です。発言の機会をありがとうございます。私からは1点あります。まず、今回の健康保持増進の指針に関して、基本的には企業の努力義務というような点から考えて、やれる企業がやっていくというようなところで考えたときに、結構一生懸命やってくださっている企業などもたくさんあります。ただ、一生懸命やっているのですが、やっている方向性が、それをやっても、データが今まで過去に出ているようなものがある、いわゆるエビデンスがあるかというような視点において、エビデンスと少し離れた所で、むしろ逆効果になってしまうようなものも散見されるのではないかと思います。ですので、今回、指針にある程度少し手を入れるということを考えたときに、1つは、エビデンスとして明確にあるというようなものに関しては、ある程度お示しできるようなものに関してはお示しする。あとはエビデンスでなくても、こういうものはあったほうがいいという、何となくコンセンサスとして得られているようなものもあるので、そのようなエビデンスのレベルなのかコンセンサスのレベルなのか、いわゆるお薦め度、推奨度みたいなものを幾つか提示したほうが、むしろ企業にとっては少しやりやすいのではないかと。それは、指針なのか、手引きなのかは分からないですが、内容的に手引きになるのかもしれませんが、基本的なプログラムとしてお薦めできるようなものがあったほうが、より浸透しやすいのではないかと思ったので、発言させていただきました。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。それでは、岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 慶應大学の岡村と申します。連携の部分についてなのですが、どうしても同じ会社と、そこの健保みたいなところがクローズアップされるのですが、やはり健保の形態が、組合で複数事業所が入っているとか、あと協会けんぽみたいなものもあるので、形態によって連携の取り方や評価の仕方が多分全く違ってきますので、そこに合わせたものを出していかないといけないというのがまず1点です。
それから連携のもう一つは、先ほど及川構成員も言われていましたが、やはり地域との連携があります。これは、実は歯の検診にしても、がん検診にしても、市町村の事業ではやっていますし、市民であれば皆受ける権利はあるわけなのですが、受けやすい機会を提供できているかどうか。逆に市町村側ですと、せっかく休日に検診しても誰も来ないからやめるかみたいな話になってきていて、そこの連携がとれていないので、そちらからも連携をとっていくことも非常に大事で、労働の中だけで完結しないほうが、健康づくりの場合はよろしいだろうと考えています。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。そうしましたら、お待たせしておりますオンライン参加の清田構成員、お願いいたします。
○清田構成員 日商の清田です。御説明等ありがとうございます。まず全般的な考えについて述べさせていただいた後、個別論点について触れたいと思います。まず、「攻めの予防医療」を進めて、労働者の健康確保に取り組むということは、労働者の継続的な活躍につながるだけでなく、社会保障制度や財政の維持の面からも重要ということは十分理解をしています。他方で、中小企業において、人手不足、昨今のコスト上昇といった様々な経営課題に日々追われている中で、健康の保持増進の取組は、意欲ある事業者の主体性に基づいて進めていくところが基本だと思っております。その上で、一律的な取組を求めることについては慎重であるべきだと考えております。政府や自治体においては、こうした事業者の後押しとなるような施策や環境整備、また取組を促すような相応のインセンティブのような仕組みづくりを是非検討いただきたいと思っております。
こうした考え方にのっとり、まず健康保持増進措置の位置付けの点についてなのですが、この点は今申し上げたとおり、やはり意欲ある事業者の主体性に基づいて進めるべきであり、業務起因性が必ずしも認められないような疾病予防については、本来は、国、自治体が主体となって推進するべきだと思います。事業者での取組を進めるという点においては、安衛法に基づく一般健康診断の延長線上にスムーズに行えるような仕組みづくりや、費用負担に係る支援、また事業者が自主的に取り組みやすくなるような支援を御検討いただきたいと思っております。
続いて健康保持増進措置の対象についてです。例示をいただいておりますが、個人の特性や多様な事業実態を踏まえると、多種多様ある疾病に対して、明確に根拠をもって位置付けていくのは難しい面もあると思っております。各事業所の実態に即した対応を促していくという視点においても、具体的に指針の中で取り上げていくことについては、一定程度慎重であるべきだと考えております。
最後に、保険者との連携の観点からです。保険者との連携について、事業者が負担なく健康増進措置に取り組むに当たって、実態として、がん検診の実態を19ページで記していただいておりますが、保険者との連携は非常に有効であると理解をしております。保険者や健診機関と連携を進めていく点は賛成であり、事業者が負担なく取り組める環境づくりについて、是非御検討いただきたいと思っております。私からは以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、特によろしいですね。古井構成員、その後、鈴木構成員、お願いいたします。
○古井構成員 私からは、3点コメントいたします。1点目は、小規模事業所での実効性についてです。これは立石先生からもコメントがありましたが、小規模事業所がもしやろうとしたときに、できるような支援というのは不可欠だと思っています。外部支援の利用法や、指針と一緒にマニュアルやツールを一体的に示すとか、先生がおっしゃったように、難しいかもしれませんが、少し優先順位を含めて示すことも考えたほうがいいかと感じました。
一方で、本当に一部だと思うのですが、20人、30人の小規模事業所なので、やり始めるととても浸透しやすいという事例も全国にはあります。今、日商さんから言われたように、全部をやるというのは難しいと思うのですが、やりたい、やろうとしたときに、やりやすいような支援になるような配慮が必要かと思っています。
それから、岡村先生からもありましたが、保険者と一口に言いましても、協会さんはもちろん一番大きいのですが、総合健保でも全く環境や人員配置も違いますので、コラボヘルスはもちろん大事だと思っていますが、事業所と同じように保険者も実は相似的な格差があることにも留意する必要があると思っています。
2点目は、健康経営の文脈です。これもこの間の「攻めの予防医療」の官邸会議でも申し上げたのですが、やはり自治体の支援はとても有用だと感じています。全国的には、地域企業、特に地域の中小企業に関しては、都道府県庁が今はかなり支援をしています。特に、そこに地域の商工会議所様が寄り添っているのが有用的であると認識をしております。例えば福島県ですと、厚労省の健康増進計画の、いわゆるKPIを中小企業の健康経営のKPIとして使っており、県庁、自治体と中小企業の取組が、がん検診を含めて一体的に進んでいるということも留意すべきかと思います。
最後の3点目は、先ほど先生方からもありましたが、既存の取組の意義や一次予防というのは、私も改めて強調してもいいのかと思っています。今、協会さんもそうですが、多くの健保組合などで人間ドックの助成が入っています。この中にせっかく便潜血や胃がん検診など、がん検診の要素が入っているのですが、この間、被用者保険で実証研究をやったときに、加入者の約2割から3割しかそのことが分かっていないという、ちょっと衝撃的な結果がありました。親の心子知らずのようにならないように、今回のTHP指針の改正が、その意義とか、そもそもの一次予防の重要性をしっかりと伝えていくことが、まず大事なのかと感じています。以上です。ありがとうございます。
○髙田座長 御発言ありがとうございました。事務局、よろしいでしょうか。鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 御指名ありがとうございます。経団連の鈴木です。経団連は、健康経営の理念に賛同しており、先月16日には岡村構成員をお招きして「健康経営セミナー」を開催するなど、会員企業・団体への周知・啓発を通じて、法を上回る形での企業の自主的・主体的な取組を後押ししているところです。
昨今の状況変化や、企業、労働者の関心の高まりから、今回、職域において特にがん、歯科、女性特有の健康課題を取り上げて議論することには賛成の立場です。その上で、THP指針に基づく健康保持増進措置の実施主体が事業者であることは理解しているところですが、企業単独で行うという点が強調されすぎると、産業や企業規模による取組状況に違いが出てしまいかねないことも念頭に議論していく必要もあると思います。
もとより、現行のTHP指針は、事業場内の産業保健スタッフ等に加えて、医療保険者や公的機関等の事業場外資源の積極的な活用も念頭に置いており、この視点は堅持していくことが肝要です。私傷病の予防に関しては、医療保険者や行政機関が役割を担う領域は大きいと思っております。
それから、「職域」という言葉について、間違っていたら御指摘いただきたいのですが、職域イコール事業者というような捉え方があるかもしれませんが、先ほど、事務局から御提示いただいた資料に記載のように、大企業においても保険者との協働・連携を通じて取り組んでいるケースは多いと認識しております。がん検診で考えてみた場合でも、検診教育や受診勧奨、データ管理といった様々な作業・役割がありますが、企業単独で実施しているケースもあれば、保険者とコラボレーションしているケースもあると思います。多様な形で取組が進んでいる実態を踏まえた形で、事業者としてどのような取組ができるのか、医療保険者や行政機関、自治体というお話もありましたが、これらの連携を如何に進めていけば良いのか、多様な連携の仕方についても視野に入れた検討が必要ではないかと思う次第です。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、いかがでしょうか。
○樋口産業保健支援室長 御質問があった職域の定義というか、意味合いですが、通常この労働行政のところでやっている労使だけでは、多分、このがん検診など難しい部分はあるのだろうと思っております。その点も含めて、多分、検討会の後半ですが、こういったいろいろな方がいろいろな連携をしてやっていく中で、では、職域の実態を把握してどう進めるのかというところが、やはり論点になるのかと考えております。少し普段と違うニュアンスで捉えているというのは、確かにおっしゃるとおりですし、連携が大事だということで幾つか論点を上げさせていただいておりますので、ここのパズルがうまくかみ合うようなアウトプットが出ればいいとは考えているところです。御意見ありがとうございました。
○髙田座長 鈴木構成員、いかがでしょうか。
○鈴木構成員 ありがとうございました。
○髙田座長 そのほか、オンライン参加の構成員で武藤構成員、お願いいたします。
○武藤構成員 日本人間ドック予防医療学会の武藤です。私どもの学会の精検受診に対する取組について御紹介させていただきたいと思います。我々の学会では健診施設機能評価制度というものがあります。その中には、がん検診で精密検査になった場合は受診勧奨をしっかり行うということが、もちろん要件になっております。また、例えば、がんの疑いが強い場合には早急に受診するように勧めるような取組が行われているということも要件になっております。また、精検受診率の把握も、この機能評価の要件になっております。そういった形で、精検受診に対する取組を進めているところです。小規模事業所で、この辺りの精検受診の把握はなかなか難しいかもしれませんので、我々健診施設も協力できるところは協力させていただきたいと思っております。
ただ、1点、精検受診をしたときの把握というのは、自治体の対策型検診でしたら比較的そこに人もお金も掛けて取っているところがあると思いますが、職域の場合は、受診した後の最終的な診断結果がなかなか得にくいところがあって、受診したまでは分かるのだけれども、その後の最終的な診断が分かりにくいというところがあり、医療機関から最終的な診断を提供いただけることが多いのですが、受診しただけで終わったということがかなり多く、その先の精検結果の把握ができやすいような体制を整えていただけると有り難いと思います。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。事務局、よろしいですか。そうしましたら、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 よろしくお願いします。遅れて参加で申し訳ありません。自己紹介的なのですが、私は産業医科大学を3月末で定年退職して、今は産業医科大学名誉教授という立場で参加させていただいております。THP指針の見直しについては、2020年に、このときは検討会ではなく委託事業で委員会を作って検討して、手引きまで作られましたが、その際の委員会では座長をさせていただいたので、その当時何を議論したかというのは、よく記憶をしております。現行のTHP指針は、もともとのTHP指針が健康測定を前提として、健康度を個別に測定をして個別に必要な指導をするというインディヴィジュアルアプローチであったものから、ポピューレーションアプローチも含めて柔軟な対応をするとなった内容になりました。先ほども御指摘がありましたように、地域の資源をしっかり使って柔軟にやっていこうというのが現行のTHP指針という理解でおります。
今回、3つの項目を、どちらかというと健康診断、健康測定という健康度の評価に加えるということは、入り口としては妥当だと思っています。当然、それが有効に機能するためには、やはりその後や、例えばがん検診ひとつについても、がんの予防などが、ただ単に個別の検診対応だけではなく、全体的な取り組みが行われていて、その中に今回のテーマのような評価が位置づけられるような健康保持増進がされるような進め方になるといいなと思っています。
また、指針自体にはなかなか書き込めないということについては、前回もそういった議論があってかなり具体的な事例も入れた手引きを作成しておりますが、今回も検討することが妥当と考えます。先ほど立石構成員からもありましたように、趣旨や事業場での実行において課題になることなど、今回も手引きのようなものが併せて作られると、中小企業も含めて、より浸透しやすくなるのではないかと考えます。以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。前回の見直しのときの経緯も含めて御説明いただき、大変参考になりました。事務局、よろしいでしょうか。そのほか、いかがでしょうか。松岡構成員、お願いいたします。
○松岡構成員 松岡です。先ほど、鈴木構成員からお話が出ていた地域と職域の話ですが、恐らく、地域職域連携会議が既に立ち上り、各二次医療圏に、地さんぽ、市町村を含めた連携会議の会議体が出ていたと思います。恐らく、もう5、6年以上は経っている会議ですので、そこでの取組の中で何があったか、好事例などがあれば、そのようなデータも、是非、今後出していただければと感じました。
○髙田座長 貴重な御意見ありがとうございます。事務局、お願いします。
○樋口産業保健支援室長 ちょっと当たってみないと分かりませんが、もしあれば次回か次々回、出したいと思います。
○髙田座長 そのほか、いかがでしょうか。一通り、皆様御発言いただいておりますが、そのほか追加での御発言はよろしいでしょうか。様々な御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございます。事務局からのスケジュールの説明もありましたが、本日御議論いただいた論点については、ヒアリングを踏まえて、次回も引き続き議論を進めていくということですので、よろしくお願いいたします。本日の議題は、以上にて終了となります。それでは、事務局にお返しいたします。
○樋口産業保健支援室長 皆さん、活発な御議論ありがとうございました。次回の検討会の日程については、事務局から改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○髙田座長 ありがとうございました。それでは、本日はこれにて閉会といたします。お忙しい中、御参集いただき、ありがとうございました。

