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第4回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会議事録
労働基準局安全衛生部安全課
日時
令和8年2月16日(月)16:00~19:00
場所
厚生労働省17階専用第21会議室(オンライン併用開催)
議題
- (1)有識者ヒアリング(荷役機械、農業機械、林業機械関係)
- (2)その他
議事
○主任中央産業安全専門官 会議の開催に先立ち、御案内いたします。本日は対面とオンラインのハイブリッド開催とし、16時から19時までの最大3時間程度を予定しております。オンラインで御参加の構成員は御発言がある場合、zoomの挙手ボタンを押していただくか、御発言の旨をチャットに書き込んでいただき、それ以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。資料が見にくい場合があるかもしれませんので、お手元にタブレットを用意しております。画面がそのまま投影されるものです。
次に、配布資料の確認をいたします。議事次第があり、資料1「ヒアリング結果について(クレーン・港湾荷役機械関係)」、資料2「ヒアリング結果等を踏まえた論点ごとに検討すべき事項について」、資料3「ヒアリングについて」、資料4一般社団法人日本産業車両協会様の資料、資料5、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構様の資料、資料6、国立研究開発法人森林研究・整備機構様の資料となっております。各資料について不足などがありましたら、事務局にお伝えいただきますようお願いいたします。
それでは定刻となりましたので、ただいまから「第4回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を開催いたします。本日は清水構成員、石川構成員、オブザーバーの国土交通省大臣官房、国土交通省港湾局、農林水産省、林野庁がWeb参加となっております。また、今回は荷役機械、農業機械、林業機械関係の有識者へのヒアリングということで、荷役機械に関しては一般社団法人日本産業車両協会から、田中様と高瀬様に御出席いただいております。
また、一般社団法人日本産業車両協会からの説明に関連して、荷役機械ユーザー事業者の御担当者様に、Webで出席いただいております。農業機械に関しては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構から紺屋様と、Webで八谷様に、林業機械に関しては、国立研究開発法人森林研究・整備機構から中澤様に御出席いただいております。
カメラ撮影などはここまでといたしますので、御協力をお願いいたします。この後の議事進行については齋藤座長、よろしくお願いいたします。
○齋藤座長 労働安全衛生総合研究所の齋藤です。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございました。ヒアリングも3回目ということで、本日は荷役機械、農業機械、林業機械という3分野のそれぞれの状況を聞かせていただくということで、少し長丁場になりますけれども、何とぞよろしくお願いします。
最初に、前回のクレーン・港湾荷役関係機械のヒアリングの結果をまとめたものを資料1で、ヒアリング結果等をまとめて論点ごとに検討すべき事項を資料2で、ヒアリングについて資料3で、事務局から御説明いただきたいと思います。お願いします。
○技術審査官 事務局です。資料1から資料3までを、まとめて説明します。まず資料1についてです。前回、第3回検討会のヒアリング結果についての概要をまとめたもので、クレーンと港湾荷役機械関係のヒアリング結果です。1ページがヒアリング事項について、いつもどおりまとめているものです。2ページを御覧ください。まずはじめにヒアリング結果(無人運転機械の開発・普及状況)についてです。タワークレーンについては各社が遠隔運転の試験実施をしているところです。その中でも玉掛け作業は自動化が難しく、人が行うという状況です。運転者の視野の確保、通信の遅延や遮断などの技術的課題に対応するための要求事項として、安全確保ガイドラインを業界団体の方で取りまとめているということです。また、遠隔運転計画案なども作成しているという話です。
それから、3つ目のポツです。港湾荷役の部分に関しては、自動化コンテナターミナルが海外で約100か所、日本でも名古屋港で設置して取組が行われているところです。吊り荷のコンテナが標準化されていることになり、クレーンの遠隔操作や自動運転、水平搬送機器の自動運転の導入が進んでいるという状況です。
続いて3ページです。「無人運転機械が使用され、又は想定されている作業」です。タワークレーンに関しては1つ目のポツにあるように、遠隔運転卓によるタワークレーンの揚重作業を想定しています。2つ目のポツですが、遠隔運転・遠隔操作のほかに半自動運転、3ポツにある完全自動運転についても想定し検討されているところです。3つ目のポツは港湾荷役の関係です。自動化ターミナルではコンテナを船から積み下ろす作業、ヤードで荷役をする作業、コンテナを搬送し積み上げる作業、水平搬送する作業を遠隔や自動で操作しています。
続いて4ページです。「無人運転機械の制御方式や技術水準」についてです。1つ目のポツがタワークレーンの関係です。遠隔運転に関しては有線通信によるカメラ映像や計器データ、無線通信による合図者の音声に基づいて、タワークレーンを操作します。現地の玉掛合図者は、無線マイクと非常停止装置を装着した状態で作業を行っています。
3つ目のポツが港湾荷役の関係です。自動化コンテナターミナルではコンテナの高さや積み上げ形状などのプロファイル機能、目標に到達する直前に減速し、オペレーターに制御が移り安全に着地させる機能や、風速計に基づき自動シャットダウンする機能を導入しています。
5ページが「無人運転機械に関する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況や動向」です。1つ目のポツです。クレーンの遠隔運転に関して、これに特化した国際規格はありませんが、先ほど遠隔運転における技術的要求事項を申し上げましたが、日本クレーン協会規格として取りまとめています。3つ目のポツの関係ですけれども、ISO 13849、IEC 61508が定める機能安全、IEC 62443が定める通信セキュリティ等が前提として重要だということです。最後のポツの港湾荷役については、国土交通省が「遠隔操作RTGの安全確保のためのモデル運用規程」を策定し、これに従って運用しているという状況です。
続いて、6ページの「労働災害防止の観点から必要と考える措置」です。はじめに、他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止等という観点です。タワークレーンに関しては、まず操作卓にどのノッチが入っているか認識できる3色表示灯を設置しています。運転者以外の現地の合図者が停止ボタンを装着し、別系統の非常停止ボタンを操作卓に設置するなどによって、リスクの低減を図っているということです。
2つ目のポツです。自動運転の場合には、こちらは検討しているという話のようですが、他の機械との衝突防止対策(衝突防止システムの二重化)とか、通信途絶時のフェイルセーフ、周辺作業者への接触防止対策、物理的隔離と電子フェンス、自動荷振れ抑制機能が重要ではないかということです。このような機器が存在しない場合は、運用・体制面での措置として地上監視員の配置と緊急停止権限や、気象センサーとの連動が重要になるのではないかということです。併せてタワークレーンの関係ですけれども、「視覚の死角」の解消ということで、通信遅延の管理が非常に重要ということでした。
続いて7ページの「運転操作性の確保」という観点からいきますと、使用しているモニターについて、故障で操作を誤らないように、予備のモニターを操作室に常設する。また、モニター交換終了まで遠隔操作を中止することによって、リスクを低減します。
自動運転においては有資格者、機上操作経験、ITスキルを有する者が操作することが重要、また、AR(拡張現実)を用いたガイダンスが有効ではないかというところです。
3つ目のポツです。超低遅延・高精細フィードバック、触覚技術が非常に有効ではないかというところです。故障時の操作誤りを防ぐための仕組みであったり、運転支援、拡張現実、触覚技術等の活用による安全確保が有効になるのではないかという話でした。
8ページが「停止時・トラブル時の安全確保」という観点です。1つ目のポツです。非常停止装置の故障による危険がないよう、分離した安全ユニットを中継したシステムへの非常停止ボタン設置とか、非常停止時における運転者の搭乗運転での荷の安全な場所への揚重が重要です。また、制御システムについては機能安全で対応することが重要ではないかということでした。
3つ目のポツです。システムとして遠隔復旧と自動危険回避の設置ということで、安全姿勢保持ロジックや多角的な「遠隔診断」システムが重要ではないかということです。それから、こういう緊急時における現地対応の代替措置ということで、「特定監視員」を任命したらその者への権限移譲、あるいは緊急時の「物理的ロックアウト・タグアウト」の手順、サービスマン・有資格者の位置付け規定が重要ではないかということです。
9ページが「運転者(操作者)に求められる技能の確保」です。システムの安全、機能喪失に対しての対応といった観点から、新たな制度が必要ではないかという話がありました。
2つ目のポツです。2次元モニターの映像で距離を把握し操作するためのデジタル・空間認識能力や通信遅延への適応、ネットワーク異常を判断するという観点からのITリテラシーが追加で必要ではないかと。また、体制として社内又は業界団体で教育プログラムを設けることが有効ではないかという話がありました。
続いて10ページです。(無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容について)ということで、4点ほど挙げております。まずハードウェアの条件として、既存の回路に介入・遮断できる制御インターフェースが重要ではないかと。安全装置のメカニカルなバックアップ、混線しない通信インフラの排他性という観点です。2つ目として、使用環境の制限(空間的条件)ということで、立入禁止区域の物理的隔離という話や、非常停止のための通信遅延の閾値などの設定も必要ではないかというところです。
3つ目として、オペレーションの仕様制限ということで、「人」が最終介入するという最終介入権の確保や、荷の形状・重量等を限定するという、対象物の特定という観点が必要ではないかというところでした。4ポツとしては機能安全に関する前提条件ということで、(パフォーマンスレベル)の設定、サイバー攻撃に対するセキュリティという観点が重要ではないかという話がありました。
最後が11ページです。(その他、労働安全衛生法令に対するニーズや課題等について)です。2つ目のポツにありますが、ボイラーの自動制御装置に倣った機能安全基準適合の認定制度も有効ではないか、機械・システムの要件だけではなく、人あるいは管理といった要件も含めた、クレーン作業全体の安全評価を行う必要があるのではないかと。それから、3つ目のポツです。遠隔操作・自動運転のための自動停止等の仕組みについては、ソフトウェア的に実装済みですけれども、ハードウェア的に満足する機器というのが、現在の市場に十分に提供されていないということも踏まえ、適合機器がない場合には、ソフトウェア的な制御と運用的・人的な代替措置を組み合わせ、同等以上の安全性を担保する柔軟な評価制度を求めるという話です。労働安全衛生法令について、「性能規定」への転換が必要だという御意見もいただいたところです。以上が前回のヒアリング結果についてということで、資料1の話です。
続いて、資料2です。こちらは前回の検討会でも、その前の第2回の検討会で行ったヒアリング等を踏まえ、論点ごとに検討すべき事項について資料をお出ししておりましたが、そちらに今回、前回の第3回の検討会でのヒアリング結果も踏まえて追加した、今後論点ごとに検討すべき事項についての資料です。本日、この資料については特に議論しませんけれども、記載事項について御質問や追記すべき点など、委員の皆様のほうで何かありましたら、後日、事務局まで御連絡を頂ければと思います。今後の検討会ではこちらをベースにして、具体的な議論に入っていくということを考えております。
1ページですが、論点ごとということで、それぞれ1回目の検討会で出した論点をベースとして、それぞれの観点から今後、どういったことについて具体的に検討が必要かということをまとめているものです。赤字の所が前回、第3回の検討会を踏まえて追記した事項となっております。まず1つ目が「他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止」という観点です。3つ目のマルですが、特に遠隔運転において通信途絶等の故障の場合、運転者以外の現場の合図者等の非常停止による事故防止措置について、どのように実現するかという観点が必要かと考えております。
2ページに行って、「運転操作性の確保」という観点で見たときに、先ほどの話にもありましたが、実機の運転席での操作と、同等以上の視界という観点も必要ではないかというところで、検討すべき事項の1つとして入れています。2つ目のポツですが、運転支援、拡張現実(AR)等を活用することにより、安全を確保することが有効ではないかという話がありましたので付け足しています。
3つ目のポツですが、モニター等を使用している場合、そもそもモニター等の故障に備えた対応について、故障時の操作誤りという観点から、どのように防ぐかという観点を入れております。それから「停止時・トラブル時の安全確保」という論点です。最後のポツに1つ追記している、トラブルが起きたときの現地対応者という話もあったかと思います。遠隔運転のトラブル時に復旧作業を行う者について、どのような要件や権限が必要になるだろうかというところを追記しています。
続いて3ページです。「運転者(操作者)に求められる技能の確保」ということで、その教育の体制という話も少し出ておりました。業界団体の活用という話もあったところですけれども、教育の体制をどのように整備するかというところを入れております。
それから、無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容では、前回のヒアリングでいくつか出てきたところがありますので、追加で書かせていただいております。既存の回路に介入・遮断できるインターフェース、安全装置のメカニカルなバックアップ等のハードウェアの制限について、どのように考えるか。環境の関係での要件では、立入禁止区域の隔離等の使用環境、荷の限定と運用の制限、パフォーマンスレベル、機能安全の関係での設定等の設計思想の制限について、どのように考えるかというところを入れております。
4ページ、「無人運転機械に関する労働安全衛生法令に対するニーズや課題等」です。2つ目のポツですが、クレーンの議論では、遠隔運転に対する安全確保の技術基準及び基準適合評価の認証の仕組みも、一定出てきたところで、そちらを記載しております。また機械・システムの要件だけではなく、人・管理も含めた作業全体の安全評価を行う認証制度が有効ではないかと。特に機能安全認証を受けたハードウェアが流通していない場合、代替措置を組み合わせて安全性を担保することができるなど、柔軟なものにしてほしいという話も、先ほどお話したとおりですので追記しています。前回のヒアリングを踏まえ、今後、この検討会の中で議論する、検討すべき事項についてまとめたものが以上の資料2です。
続いて資料3です。こちらは本日のヒアリングについてということで、基本的に毎回お出ししている資料と一緒です。ヒアリング事項を改めて、こちらのほうに項目として書かせていただいております。本日ヒアリングさせていただく関係機関等の皆様方におかれましては、資料4以降にありますが、基本的にこちらの項目に沿った形で御説明いただければと考えているところです。本日は荷役機械、農業機械、林業機械を対象にということです。これからヒアリングのほうをよろしくお願いしたいと思います。以上です
○齋藤座長 ありがとうございました。前回のクレーン・港湾荷役機械のヒアリングについて説明がありました。ガントリークレーンは、かなり半自動と言いますか、遠隔操縦の自動化も相当進んでいる分野であるかなと強く印象を受けました。国土交通省でも、こういうガイドランイ等を出しているということで話を聞きました。一方タワークレーンは、遠隔操作、オペーレータの作業環境の改善のために非常に遠隔は重要な分野だと思いますが、玉掛け等での作業者混在もあり、なかなか難しさがあるというころを聞かせていただき、こちらもガイドライン等を作ってやっていくというお話でした。一番は、オペレーターの能力として、既存の機械の資格者であるとともに、実機の操作経験に加え更にITスキルが必要なのではないかという話は、私は一番興味深く聞かせてもらった点でした。ありがとうございました。
それでは、本日の分野に移っていきたいと思います。まずは、荷役機械関係ということで、日本産業車両協会様からまず15分程度御説明を頂き、その後関連する話題として、荷役機械のユーザー様からWebですが15分程度で説明を頂くということでよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
○日本産業車両協会 承知いたしました。日本産業車両協会です。本日は、機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会におきまして、議題では荷役機械と書かれておりますが、この後はJISの定義に沿って産業車両という言葉を使わせていただきますが産業車両、そしてその自動化を実現いたしました無人搬送車についてお話させていただく機会を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。これから資料に沿って、また先ほど御提示いただいたヒアリング事項に沿ってお話させていただきますが、私、専務理事を務めております高瀬と、無人搬送車システム委員会の委員長をお務めいただいております三菱ロジスネクストの田中様の2名で説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
次のスライドです。こちらは、今日お話させていただく内容です。0.と付けましたが、こちらのイントロの部分で定義と自動化の実現状況を簡単に御説明した後、先ほどのヒアリング事項に沿ってお話をさせていただきます。0.から4.までを私、高瀬から、5.6.を田中委員長、そしてもう一度7.につきまして私、高瀬がお話いたしまします。
次のスライド、イントロの部分です。まず、産業車両の定義と自動化の実現状況で、JIS規格に規定されています定義に沿って御説明いたします。一番上にありますが、JISのZ0111「物流用語」という規格の中で産業車両の定義がなされております。御覧いただくと分かりますとおり、一定の作業現場において、各種の荷役作業に使用する車両となっております。例示といたしましてフォークリフト、無人搬送車といったものが挙げられております。
もう少しかみ砕いて申し上げますと、産業車両というのは、工場や倉庫、あるいは物流施設、一部港湾等もありますが、こうした構内において物の運搬や荷役を行うための専用車両ということになるかと思います。こちらのスライドの下の部分が、この自走式産業車両の用語規格JISのD6201に基づき、どういう種類があるかということで掲げております。フォークリフト等幾つか書かせていただいておりますが、御覧いただくと分かるとおり、既にほとんど自動化、無人化が実現をしている製品です。その中でも遠隔操作式に関しましては、一部フォークリフトで近年実証等をされているケースがありますが、もともと自律、完全自動で実現した製品ですので、遠隔操作については、まだ極めて数は少ない、ないしは実証中というところかと思います。その中の一番下に赤字で無人搬送車と書かせていただきましたが、いわゆる産業車両の自動化車両を全てこの無人搬送車という中に入れて、安全規格等を含めて定義をさせていただいているものです。
次のスライドです。こちらで、先ほどの、もう一度JISのZ0111物流用語の中に「無人搬送車」の中にどう定義されているかと言いますと、産業車両の定義に、自動という言葉を足したようなもので、先ほど申し上げたとおり赤で書きました広義には、無人けん引車及び無人フォークリフト、そして無人搬送台車を全て含めて無人搬送車という言い方をさせていただいております。
最後に、下のほうに「無人搬送車システムに関する用語」ということでJISのD6801無人搬車システムそのものに対する定義です。こちらは、基本的には産業車両の定義と機能的には同じですが、自動化という言葉を足していることと、最後に安全規格の範囲を明確にする意味で、道路交通法に定められた道路では使用しないものという一文を加え、いわゆる配送ロボットといった機械と区別をしているところです。
次のスライドです。ここからは、ヒアリング項目に沿ってお話いたします。まずは、「無人搬送車」の開発・普及の状況です。こちらが、日本で無人搬送車という歴史を簡単に述べたものです。無人搬送車、こちらに写真を提示しておりますが、けん引タイプということで、後ろに荷物を積んだ台車を自動でけん引して走る車両です。こちらは、1965年に日本で初めて導入されております。床面に埋め込んだ電磁誘導線に沿って走行するもので、自動走行するものです。下が、無人フォークリフトです。こちらは、1971年に日本で初めて導入されました。この段階で、既に走行、操舵、リフト操作、荷役、こちらも全て完全自動化を既に実現しているもので、御覧いただきますとおり無人搬送車は日本におきまして、既に50年以上前から実用化されていた製品です。
次をお願いします。この後、統計に基づき普及状況をお話させていただきます。そちらの中で触れております種類別のものをJISから定義しております。積載形、けん引形、フォークリフト形と大きく分けております。基本的には先ほどJISの産業車両の用語の定義で書きましたとおり、構内運搬車と構内けん引車とフォークリフトそれぞれ自動化されたものがこの3つですが、有人式と若干異なる部分としては、運搬車に当たる積載形につきましては、アマゾンの倉庫等で有名になりましたが、荷物を乗せた棚を乗せて運ぶ、こちらについては有人タイプには存在しておりません。またけん引形でも、この絵にありますとおり、カゴないし下に潜り込んで運ぶものがありますが、こちらも有人式では存在しておりません。
次の資料をお願いします。こちらが今申し上げました3つの製品区分に基づいて、少し見づらくて恐縮ですが私どもの協会の会員からの御報告に基づく1992年以降の納入実績です。左側の目盛りが納入のシステムの件数、このグラフの左半分ぐらい2006年ぐらいまでは大体毎年400システムから600システムということで安定しておりましたが、急激に2007年、2008年に増えておりますのが、いわゆる自動車工場でかなりまとまって導入されたことがあり、このため数がかなり多くなっております。ただ、ちょうどリーマンショックにも重なり、その後また大きく落ち込んだ後、2000年代半ば、2015年ぐらいから回復に転じてきているというのが状況です。コロナ禍も若干落ち込みが見られましたが、これは納入の際に、やはりお客様の所の現場の訪問をしたり、作業内容の細かな打合せをするというときに、やはりコロナ禍ではなかなかできないということもありましたので、こういったことも影響しているかと考えております。直近2023年、2024年は回復しており、右目盛りが台数ですが、おおむね毎年2500台以上は導入をされております。下の色分けが見づらくて恐縮ですが、オレンジ色の積載形、グレーのけん引形が多くなっており、無人フォークリフトはまだ年間せいぜい100何台という程度の状況です。
次をお願いいたします。こちらが、私どもの会員企業の中で無人搬送車を製造・販売している企業30社をリストアップしたものです。最後のほうに、会員以外でこちらが承知しているメーカーさんも少し書き足しております。多様な企業さんが参入されており、御覧のとおり幅広いバックグラウンドを持った様々な業種に属する企業がこの分野で参入されていらっしゃって、これはベンチャー系も多く見られますが、特にベンチャー系におかれましては、最近いわゆる搬送ロボット、いわゆる産業用の搬送ロボットと境界が少し曖昧になってきているのも1つの特徴と言えるかと思います。
次の資料をお願いします。こちらは、ヒアリング項目2つ目、使用状況です。用途としましては先ほど定義で申し上げましたとおり、構内における荷役運搬作業ということですが、それを無人搬送車が自動化、自律化を実現したものです。具体例で申し上げますと、工場で申しますと生産ラインに組立用の部品を保管場所、倉庫等から自動で搬送してラインに供給する。あるいは、倉庫に届けられた荷物をトラックから自動で荷卸しをし、それを今度搬送台車のほうで庫内ないしは工場に搬送する、又はその逆のケースがあります。この下の表は、私どもの会員に対する調査で2022年から2024年の3年間の業種別の納入実績をまとめたものです。御覧いただきますと分かりますとおり、製造業務系、特に自動車製造業務系が多くなっており、第3次産業ということで申し上げますと、5番目に運輸・倉庫業が入っております。業種は様々ですが、基本的にはどちらでも、いわゆる構内での荷役、搬送の利用をしていただいており、省人化、自動化に活用いただいているものです。
次をお願いいたします。ヒアリング事項の3つ目、制御方式や技術水準という中で1つ、自動走行方式に基づく種類、こちらもJISの定義に沿って簡単に書かせていただいたものです。大きく言いますと経路誘導式、自律移動式、追従式と3つあります。追従式は、自律移動式の1種と考えられますので、大きく言うと経路誘導式と自律移動式かと思います。経路誘導式は、床面に磁気棒や磁気マーカーを埋め込む、あるいは磁気テープを床に貼り付けて磁気センサーで検知して自動走行するものです。この磁気テープを貼り付けるものが一番多くなっております。この磁気テープやマーカーに対しまして、現在プラスマイナス10ミリ未満の高い精度を持って走行・停止も行われているという水準に達っしております。
2つ目の自律移動式は、先ほどのようにテープを床面に貼り付けるといったことは必要なく、カメラやライダーを用いたSLAM式が増えております。また車両単体ではなく、複数台数を走らせますので、それに群制御という形で全体をまとめて制御されているものも多くなっております。またSLAM式のほかに、レーザ誘導方式ということで反射板を設置し、こちらとの距離を測りながら自走位置を検出して走るということで、こちらもプラスマイナス10ミリ程度の精度で運用しております。
次をお願いいたします。今の絵で補足しているもので、同じように経路誘導式、自律移動式、それにガイドレスと自律走行と書いておりますが、右の2つは基本的には同じかと思いますが、障害物の避け方の部分で少し経路変更ないしは避けていくのに差がありますということを書かせていただいたものです。また最近ですと、この経路誘導式と自律移動の2つを合わせ持ったハイブリットタイプのものも出ており、必要とされる走行経路の精度や走行エリアの自由度等の違いから、1台の車両にこの経路誘動と自律移動の両機能を合わせ持って、それぞれの機能を生かして自動走行をしているというものも出てきております。
次のスライドをお願いいたします。ヒアリング項目の4つ目、「無人搬送車」に関する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況です。細かいので簡単に申し上げますと、私どもの協会では1982年に無人搬送車システム委員会を立ち上げ、その後経済産業省の工業技術院から依託を受け標準化の作業に着手し、まず協会規格を作り、それをベースに、資料の一番上の1990年に「無人搬送車類の用語」と「無人搬送車の安全基準」を発行いたしました。その後94年に改正と合わせて、設計通則等の関連規格も拡充をさせたものです。この後技術の進歩等に沿って、改正を繰り返してまいりましたが、2022年に大改正がありました。そちらの理由といたしましては下に青で書いておりますが、国際規格の無人搬送車の国際安全規格がようやくでき、ISO 3691-4が2020年に発行されました。これに合わせる形で、2022年にJISの大改正をし、その際一部の既存のJIS規格の廃止を行ったものです。こちらの国際規格ですが、2023年に欧州機械指令への適合のための改正を行った後、現在サードエディションの改正作業を進めており、私ども日本からも代表を派遣して審議に参加をしているところで、現状、いつ発行というのがはっきりしておりませんが、恐らく2027年半ばぐらいではないかということで、残念ながら欧州の機械規則の発行には間に合わない状況になっております。
次をお願いします。先ほど遠隔操作のお話もありましたが、無人搬送車の安全規格におきましては、遠隔操作を含めておりません。どこにあるかと言いますと、有人式産業車両の安全規格ISO 3691-1ないしはJIS-D6001-1といったところで、いわゆる外からの操作ということで遠隔について触れられております。有人の一つのバージョンという位置付けになっているところです。
次をお願いします。もう1点の留意点としましては、先ほど無人搬送車と産業用搬送ロボットの境界が曖昧になっていると申し上げましたが、実際ISOの審議の場でも同じような状況があり、ISO/TC110(産業車両)とISO/TC299(ロボティクス)との間で若干スコープ、規格の対象範囲の重複の懸念があり協議が行われているところで、1月末にアメリカで協議がありましたが、まだ決定に至っていない状況で、これからまだ行われるところです。
次をお願いします。もう1点です。こちらはJIS規格JIS D6802の無人搬送車システム安全規格の項目で、この後詳細を田中委員長からお話いただきますが、こういった形で要求事項が定められており、具体的には制御システムの安全関連部の中で、ほかにありますブレーキ、速度制御、安定度、停止など、パフォーマンスレベルを定めて最低満たすべき要求として掲げられている立て付けになっている規格です。ここまで駆け足でしたが、ヒアリング項目についてお話いたしました。ここから、具体的に安全の中身につきまして田中委員長からお話を頂きますのでよろしくお願いいたします。
○日本産業車両協会 ここから田中が説明いたします。よろしくお願いいたします。まず、無人搬送車の使用におきまして、想定されますリスクの一覧というものが、JIS D6802の附属書Bのほうの「重要危険源の一覧」としまして掲載されております。以下のような内容ですが、この中で車両に轢かれるなど書かれていますように、機械的危険源に対しまして、規格に規定された具体的な措置について、次のスライドで説明いたします。次のページをお願いします。
(1)で、他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止ということで、現行のJIS/ISOでは、人への検知というのが要求されております。ただ、他の機械等の検知については記載されておりません。以下の要求事項は、全て人検知システムに対しての定義とされております。
まず、電気的検知保護設備、いわゆるESPE、こちらはバーチャルバンパとか仮想バンパともいわれております。次に圧力検知保護装置、こちらはメカニカルバンパです。バンパセンサーやバンパスイッチなどといわれております。他に自動の再始動の防止、ブレーキシステム、速度制御、経路内の人検出などが想定されております。次のページをお願いします。
このページは、前ページで説明しました要求事項をJISから引用したものになります。ここには記載されておりませんが、人検知を保障するための試験法案とか、制御システムのパフォーマンスレベルの妥当性確認、検証についてもJISで規定はされております。次のページをお願いします。
こちらは2つ目です。運転操作性の確保につきまして、無人搬送車は、自律送行・自動荷役のために、運転操作性に関する規定というものが、安全規格には存在しておりません。こちらについては遠隔操作についても同様です。停止時のトラブル等の安全確認については、規定はされております。例えばブレーキシステムについては、速度制御、操舵制御の故障によって行われなかったときには、自動的に起動する等、非常停止につきましては、JIS B9703に則った設計原則に適合した非常停止機器を装備しなければならないといったような規定がございます。
あと、4つ目の運転者に求められる技能の確保については、こちらは(2)と同じ理由で、規格上の要件としてはございません。メーカーとしましては、異常時の復旧操作というのもございますので、システムの引き渡し、お客様に引き渡しするときに、取扱説明とか教育のほうを行っております。次のページをお願いします。
ここまで説明いたしました「無人搬送車」の使用による労災防止の観点から、具体的な措置をまとめたものが以下になります。具体的に言いますと、ISO/JISで定められています無人搬送車に関する安全要求事項については、対人の検知を要求されています。対物の検知については要求されておりません。運転操作性の確保につきましては、安全の自動化を前提としておりますので、遠隔操作につきましても要求はされておりません。ただし、車両の自動運転の安全性につきましては、ブレーキや速度制御、操舵などに関しまして、必要な要求がございます。
右下に行っていただきまして、産業車両におきましては、今、申しました完全自動運転、荷役作業というものが実現しておりまして、市場導入もされてきております。安全確保や防止措置につきましては、遠隔操作は対象外としておりまして、4象限での検討は行っておりません。次のページをお願いします。
こちらは補足になります。2022年に改正されましたJISは、旧JISに規定されておりました製造業者及び使用者が互いに協議して、現場における安全を確保するといった運用とか思想、こちらのほうが削除されております。日本産業車両協会としましては、国内では旧JISに基づいて、製造業者と使用者の相互理解による運用が長く一般的に行われてきておりましたので、こちらのほうを復活させまして、日本産業車両協会規格ということで、ガイドラインとして継承をしております。今後このガイドラインも、どう活かしていくかについては、現在進行中のISO 3691-4の改正に伴いまして、JIS改正を併せて委員会で取り組んでまいりたいと思っております。次のページをお願いします。
こちらは今、申し上げましたガイドラインの一例になります。これらの協会規格との整合性は、法的な義務ではないのですが、導入現場の安全確保のため、お客様と協議を行う場合の1つとして、推奨要件としております。私からの説明は以上で高瀬さんのほうに返したいと思います。
○日本産業車両協会 ありがとうございました。再び高瀬から最後のスライドの御説明でございます。こちらもディスカッションいただきました、この検討会で御検討に関するお願いの部分のものでございます。無人搬送車につきましては御説明させていただきましたとおり、長年にわたりまして工場や倉庫などの構内における搬送作業の省人化・自動化に貢献をいたしまして、生産性の向上にも効果を発揮してきたと考えております。1990年にはJISの安全規格も発行されまして、2020年にはISOの安全規格も発行されてございます。現在はJISも、このISOに準拠して改正を行いまして、世界的に統一された安全規格が確実に運用されている状況かと思います。
また、2025年の厚生労働省の労働災害統計の起因物として、新たに無人搬送車数の追加を頂いてございますけれども、2025年1年間の速報値では、「無人搬送車」に起因する死亡災害の発生は、していないというところでございます。
こういったことを考えまして、産業車両におきます無人搬送車は、機械の無人運転に際しましては、他の建設機械や農業機械とは若干異なる歴史、あるいは実績というものがあるのかなというように考えてございますので、ただ、こちらが先ほど御紹介しました既存の規格、あるいは施策、そういった成果に基づいて、一定の安全確保がなされてきたとは考えてございますが、そういった部分で御配慮いただければと考えているところでございます。
また、一方では規格の整備というのが進んでおりますけれども、無人搬送車は労働安全衛生法の関係法の中では、まだ明確に位置付けが出ていないという製品でございますので、規格と整合した形で、法的な位置付けの明確化というものについても御検討いただければ有り難いというように考えてございます。産業車両協会からの説明は以上となります。御清聴いただきまして、大変どうもありがとうございました。
○齋藤座長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関連しまして、今度は無人フォークのユーザーの立場から、お話を頂きたいと思うのですが、Webでつながっていますか。御発言いただけますか。
○荷役機械ユーザー それでは自動化における事例の紹介ということで、説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
ユーザー企業として「機械の無人運転における安全確保に関する専門家検討会」というところで、御報告をさせていただきます。次のページをよろしくお願いします。
本日のアジェンダといたしましては、事前にヒアリングシートを頂いておりましたので、その内容を基に資料を作成しておりますので、内容で御説明をさせていただきます。次、お願いします。現在、当社に導入している無人フォークリフトになりますけれども、メーカーは株式会社豊田自動織機様のものになります。操作方式はリーチタイプのフォークリフトになります。今回は操縦席も設けておりますので、スイッチ1つで有人モードと無人モードが切り替えられるようなフォークリフトになります。
誘導方式は、SLAM方式になります。先ほども御説明ありましたけれども、特に磁気棒であったり、ARマーカー等インフラ整備が必要ないもの、この機台のみで運転が開始できるものになります。
定格荷重といたしましては、1.1tになります。これが弊社で取り扱っている荷の最大荷重が1.1tになりますので、それに合わせて定格1.1tのものを導入しております。次のスライドをお願いいたします。
先ほどの無人フォークリフトの導入現場になりますけれども、こちらが弊社の製品自動走行を、今、投影させていただいていまして、今回はトラックへの積込みに自動フォークリフトを使用しておりますので、その積込みバースに導入しております。バースが幾つかあるのですけれども、この4番バースにフォークリフトを導入しております。右側が、その積込みバースのエリア図面になるのですけれども、無人フォークの稼働エリアを黄色い枠で表示しております。この下側に、製品払い出し用のコンベアがございますので、その両脇に無人フォークリフトが1台ずつ待機している形になります。御覧いただいたとおり、周りの作業ともかなり近いエリアにはなりますので、当然、柵といった何か物理的にこのエリアを区切るようなものは設けていない現場になります。作業中は、作業者が待機いただけるように、柱の傍に待機場所というものを設けております。次のスライドをお願いします。
ここの現場で、10tウイング車への積込み作業に無人フォークリフトを使用しております。作業の流れになりますが、従来でいいますと、トラックが入場して積込み準備ですね。ウイングの羽根を開けたりという作業を行った後、積込と養生作業をするのですけれども、従来であれば、このような形でドライバーの方が荷台の上に乗って、フォークマンと連携しながら積込みと養生作業、緩衝材等を挟んだり、そういった作業を併行して行うような作業になっておりました。
今回は無人フォークリフトというところもありますので、この稼働エリア内に作業者を立ち入らせたくないというところがありますので、従来のような、ドライバーの方が荷台に乗ってする作業というのができなくなりますので、今回は入場して、積込み準備を行った後は、先ほどのレイアウトにあった待機場所で、ドライバーの方は待機いただいて、その間に無人フォークが、自動積込みを行った後に、積荷の間に差し込むような形で養生作業を行う業務プロセスに変更しております。
今回は自動倉庫からそのまま荷物が出てきますので、基本的にトラックを着床させた際には、既に積荷がそろえられた状態になりますので、特に待ち時間なく無人フォークが積込みを開始することができます。ポイントといたしましては、従来のようなフォークマンの方が不要になるという点と、あとは荷物の待ち時間もございませんので、ドライバーの負荷の軽減といったところで、この自動フォークリフトが活用されています。次のスライドをお願いします。
メーカーに改修を依頼した箇所の御説明をさせていただきます。今回、メーカーに1点だけ改修を依頼しております。それがAGFの遠隔停止になります。先ほど御説明ありましたけれども、JIS D6802では、こういった無人搬送車本体への非常停止ボタンであったり非常停止機能の設置が規格されております。今回も自動フォークリフトの非常停止ボタンに限りますけれども、背面とサイドに1個ずつ設置されているような状態になります。
ただ、当社の安全設計の考え方では、危険源と人の接触を回避できるように対策をすることというように規定をされています。今回は危険源というところは自動フォークリフト本体になります。なので、現状のJISに基づいた設計では、非常停止を掛けるには、稼働中のAGFに接触しなければならないというところになりますので、ここがちょっと、当社の安全規定に適用しないというところになりますので、今回はそのようにお願いいたしまして、この制御盤に停止ボタンというものを新しく設置いただきました。ボタンを押すことで自動フォークリフトが2台とも停止するような形になりますので、遠隔でAGFを操作できるような機能を、今回は追加させていただいております。次のページをお願いします。
その他の管理的対策といいますか、具体的に行った措置の事例を、ここに投影させていただいています。まず1つが、稼働エリアのライン引きですね。これが稼働ラインを引くことで、作業者の侵入防止喚起をというところと、あとは無人フォークリフトにどのぐらいに近付けば、停止するのかというところが、設備だけでは分かりにくいというところもありますので、大体これ以上近付いたら止まるというような、検知範囲の確認を兼ねて、ライン引きを行っております。
続きまして、自動フォークリフト稼働中の作業者の待機場所の新設ですね。これも先ほどのライン引きと同じように、稼働エリアへの侵入防止という意味も含めて、二重化ということで、待機場所を設けております。
あともう一点、今回はフォークリフトを稼働させる際に、ドライバーの方から作業合図というものを発報いただくのですけれども、そのようなところも、この待機場所に設置することで、基本的にここにいるのみで、全ての作業を完結するというところから、オペレーションの効率化も図っております。
続きまして、バース予約システムと連携した運転開始発報というところで、今回、この自動倉庫では、バース予約システムというものを導入しております。何かというと、ドライバーの方が何時に、どのバースに行ったらいいかというのをあらかじめ予約することによって、待機時間というものを大幅に削減することができるようなシステムになるのですけれども、このシステムも今回、自動フォークリフトと連携しておりますので、例えば自動フォークリフトに、今から何枚積むであったり、作業の時間ですね、開始時間等も、このシステムからのボタンを押すのみで連携できるようになりますので、本来であれば、自動フォークリフトの制御盤に、トラックへ何枚積み込むという情報をポチポチと入力する作業が発生するのですけれども、ワンタッチで運転開始できるというところから、操作性を向上させております。
また、重ね重ねにはなりますけれども、やはり自動フォークリフトに、なるべく近付いてほしくないというところもありますので、これがあれば、タブレット1つで遠隔からでも運転開始ができますので、そういった意味から、今回はバース予約システムと自動フォークリフトを連携させております。
それから最後になりますけれども、メーカーによる作業者教育というところで、これは実際にメーカーの方を講師にお招きして、具体的にどういう安全機能が搭載されているかであったり、作業上の注意点は何かというところを、メーカーの方からしっかり教育いただくというところで、現場作業者に注意事項を周知するという目的で、今回は行っております。
簡単ではありますけれども、ユーザー側からの報告は以上とさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。
○齋藤座長 大変ありがとうございました。それでは、今の産車協さん、荷役機械ユーザーさんからの説明、プレゼンに対して御意見や御質問等がありましたら挙手をお願いします。では、畑さん、どうぞ。
○畑構成員 御説明どうもありがとうございました。2点ほどあります。1点は今はっきりしたのですが、一応、規格上は非常停止を無人車に設置することになっていますよね、それだと、今、御説明がありましたように、もう車自体が危険源になっているから、遠隔というのは必ず必要になるかと思うのですが、この辺りの普及というのは考えられているのかがまず1点目です。
もう一点は、人検知というのが要求事項としてありますが、検知機能のパフォーマンスレベルはここに書かれていますが、安全距離、隔離距離といった観点はどのような設計をされているのかと。例えば、機械設備であればISO 13856といった規格で決められている計算上で隔離距離を決めているのですが、その点、ちょっとお話いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○齋藤座長 産車協さん、よろしいですか。
○日本産業車両協会 非常停止については、遠隔というものが、まだ安全規格上担保されていないので、例えば、通信が途絶えたりしたときにどうするのかといった安全確保に、どれだけのものが今世の中にあるのかというのがありまして、メーカー側としては、まだそこまで推奨はしていないですが付けており、メーカーの担保としてお客さんに提供したりしております。
○齋藤座長 人検知についてもいいですか。
○日本産業車両協会 今の御質問、基本的に人検知は有しておりますので、当然、動いている所にボタンを押そうと近付いて行けば止まってしまいますので、本当にもう非常停止ボタンは緊急的措置なのかなということで、恐らく、非常停止ボタンを車外に付けるという規格の立て付けになっていないということなのかと思います。そして、人検知手段の要求事項に関しては、それぞれ先ほど申し上げましたが、パフォーマンスレベルレベルが決まっており、試験方法も決まっておりますので、何ミリとまで書いてあったかあれですが、要件を決めて、しっかりと、人が接近した場合は直接当たる前に停止するような要求になっているということです。
○畑構成員 AOPDやAOPDDRというものを使っていますよね、光や反射で。それだと、ぶつかってからではなく、ぶつかる前に止める、要するに、危険源を車自体の危険源として想定した距離を取るというのが基本だと思うのですけれど。その辺りはどうですかね。
○日本産業車両協会 機械自体として、その周囲を全部検知しながら走りますので、リスクを認知した瞬間に止まるということです。
○畑構成員 分かりました。基本的に設定されているということですね。
○日本産業車両協会 そうですね。もともと、それがデフォルトということですね。
○畑構成員 あと、非常停止に関して、パフォーマンスレベルDぐらいも無線のやつなので出ると思うのですが、その辺り、また調べられたらいかがかと思います。
○日本産業車両協会 非常停止機能の制御部分のパフォーマンスレベルとして、 Dを要求されております。これについては、人による意図的停止、非常停止及びブレーキ全ての動作を停止するということが非常停止機能には求められているというものです。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに。それでは、中村さん。
○中村構成員 職業大の中村です。非常に分かりやすい説明でした。私のほうからも、畑さんとちょっと関係している所で教えていただきたいのですが。非常停止ボタンを押した際の停止の状況というのは、エンストするのか、それともブレーキなのかというところ、2点目は、非常停止ボタンを切ったときに再起動しますよね、例えば、普通の機械であったら再起動ということで原点復帰して動かすといった形になると思うのですが、その辺りのメカニズムはどうなっているのですかね。
○日本産業車両協会 非常停止は、電源ダウンといったことは一切しておりません。電磁ブレーキで強制的に止めにいっているといった状況です。
○中村構成員 はい。
○日本産業車両協会 一般的には、スタッカークレーンといったものだと、主電源を落とすといったものもありますが、AGVの場合は、そうではなくて、電磁ブレーキをドンッと掛けるといった制御にしております。
○中村構成員 再起動はどういう形になるのでしょうか、非常停止ボタンを押して電磁ブレーキが止まっていますよね、それで、再起動をする際に、例えば、非常停止ボタンを切った段階でそのまま動いてしまうのかといった、そういう。
○日本産業車両協会 いや、それは一応決められておりまして、必ず車の近くまで行って再起動をすると、非常停止ボタンを押せば、リセットして、起動ボタンを押してスタートするということになっております。
○中村構成員 そうすると、これはもう人が行うことになりますので、そのときに人が介在している場合は、例えば、ほかの複数台数を動かしていたり、何かしていた場合はどうなるのですかね、ほかの機は止まっているということでよろしいのでしょうかね。
○日本産業車両協会 それも、そうですね、場合にもよりますね。
○日本産業車両協会 基本、群管理ですので。
○中村構成員 なるほど。分かりました。ありがとうございました。
○齋藤座長 ほかに。では、櫛引さん。
○櫛引構成員 JQKの櫛引です。御説明ありがとうございました。お話の中で、ISO 3691-4あるいはJIS D6802といった規格が挙げられておりますが、実際、どのくらいの適合性といいますか、各機体について、どのくらいの規格が満足、満たされているのかをお聞かせいただければと思います。
○日本産業車両協会 全製品がなっているかどうかですか。
○櫛引構成員 そうですね、要求事項に対して、メーカーは、機体としてどういった対応をされているのか、されていないのかというようなところです。
○日本産業車両協会 基本的には、この規格自体が大きさや速度などを全く考慮せず1本の規格ですので、正直申しまして、非常に、廉価で速度が出なくて軽いものなどは、正直まだ満たせていない、特に中国製の製品などが入ってきていますから、その辺は、ちょっと適合できていないものもあるのではないかというようには考えております。
○櫛引構成員 日本製は、大体満足しているといった認識になりますか。
○日本産業車両協会 そうですね、基本的には、やはり対応が難しいので、100%いけているかですけれど、今、適合に合わせていただいていますが、何分、何と言いますか、スタンダード品がない商品なものですから、お客様の使用条件によって、荷物の大きさや場所が変わると車体のサイズや仕様が変わってきますので、それによって都度、適合について設計段階から検討しないといけない機もあったりするので、それが少し難しいところかと思います。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 次、清水さん。聞こえますか。よろしくお願いします。
○清水構成員 御説明ありがとうございました。2点、御質問があるのですが。無人搬送車に非接触のセンサーと非接触のバンパーが付いていると思うのですが、全ての機種に階層のインターロックが付いているのかどうかということと、もし、その非接触センサーと安全の接触センサーで無人搬送車を止める場合の、それぞれの中止のカテゴリはどうなっているのかを教えていただきたいのですけれども。
○日本産業車両協会 非接職のバンパーと普通のメカニカルバンパーのどちらかは必ず付いております。
○清水構成員 両方付いていることはないのですか。
○日本産業車両協会 それもございます。安全カテゴリで担保されているものであれば、非接触だけで動かすこともあります。
○清水構成員 そうすると、非接触のセンサーは停止するわけではなくて、例えばスピードを緩めるだけといったものですか。
○日本産業車両協会 いや、違います。非接触の場合はスピードを緩めて停止までさせます。
○清水構成員 その場合は、制御カテゴリとしては幾つになっているのですか。
○日本産業車両協会 これは3。安全カテゴリですか。
○清水構成員 はい。
○日本産業車両協会 パフォーマンスレベルでいきますと、人検知システム自体はC、ちょっと細かく分けておりますが、C又はDでございます。
○清水構成員 そうすると、停止はしていますが、電源を切っているわけではないという。
○日本産業車両協会 そうですね、電源は切ってはおりません。
○清水構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では、中坊さん。
○中坊構成員 産総研の中坊です。リスクの中に「車体が転落する」というのは入っているのですか。床面を検知するセンサーみたいなものは規定に入っていたりしますか。お分かりだとは思うのですが、SLAM形式などになってきた場合に、非常に大きな段差がある所で、大きな機体がそのまま転落して落ちていって下にいる人をということもあり得るかなと思うのです。環境側で通常そういった環境では使わないのだとは思うのですけれども、今後もずっとそういう環境では絶対使わないかどうかということについて、ちょっと保証はできないのかなと思いましての御質問でした。
○日本産業車両協会 今おっしゃられているのは、ナビゲーションではなくて、床面の段差や凹凸などを見ながら、走れるかどうかの安全を確認しながら走っていますかということですか。
○中坊構成員 そういうことですね。そのまま突っ込んでいくと、車体が転落して落ちて、もう引っくり返るといったことが、自分で分かって走っているのかということです。
○日本産業車両協会 この無人搬送車は、そういう仕様というものではお客様にはお伝えしておりません。これは条件として、そういった段差や崖、急な突起物といった所がない所を走るという条件で提案はしております。
○中坊構成員 先ほどのリフトなどになってくると、バースだと、そこには段差があるわけですよね、トラックであれば大丈夫でしょうけれど。そういうのはまだ問題になるほどのリスクではないのですかね。
○日本産業車両協会 いや、メーカー側としては、段差の最大値を規定して、ここまでのものだと走れますといったことを提案しております。
○中坊構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 では、山下さん、お願いします。
○山下構成員 人検知のミューティングについて御説明がありましたが、その中で、例えば、どういう運用設計にしているのか、どう可視化しているのか、ログを取っているかなど、その辺りの運用というのはどういうようになっているのでしょうか。
○日本産業車両協会 人検出手段のミューティングについては、JISの規定上では、特定の移載や搬送条件において、こういったミューティングが必要になる場合があるということを前提とし、その人検知手段は、人が存在しないことを保証するために、例えば対象物や移載ステーションあるいは構造物、建物など180mm未満まで接近してからミュートしなければいけないということで、あと、ミューティングは、速度が,0.3m/S未満のときだけ認められるという規定になっています。
○山下構成員 今、ミューティング状態にあるかどうかというのは、どこかにランプか何かで表示するといったことがされているということですか。
○日本産業車両協会 メーカーサイドで、ミューティングしている状況であるときはフラッシャーランプなど点滅の仕方を変えたりということはしております。
○山下構成員 分かりました。関連して、もう1つよろしいですか。同じように、運転モードについても幾つかのモードがあるわけですけれども、そのモードがどういうモードにあるかということをしっかり可視化されているのかどうか、モード制御を間違えないようにするにはどうするか、この辺りはいかがでしょうか。
○日本産業車両協会 全ての会員様がされているかはちょっと分からないのですけれども、旋回、荷役、非常停止、異常といったときは、ランプの仕方を変えたりしております。
○山下構成員 分かりました。ありがとうございます。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。聞き漏らしていたらすみません。一番重い無人搬送車は何トンですか。
○日本産業車両協会 一番大きいのははっきりしておりまして、前回、港湾の荷役機械の中で、名古屋のコンテナ用のAGVの御紹介で、あれが一番、国内では突出して大きいものかと。あれは本当に隔離されたエリアだと思うので、例外的だと思いますが。
大きさで言えばそれぐらいです。
○永谷構成員 なるほど。
○日本産業車両協会 今、一番多いのは、大体、せいぜい1t、それぐらいが一番多いかと思いますが。
○永谷構成員 1t。お伺いしたかったのは、その重さによって危険が随分変わってくるので、このくらい重いとこうしたほうがいいなど、何かしらの、基準があるのだとしたら教えてください。
○日本産業車両協会 具体的には、各社さんがお客様に納入する場合に決めていらっしゃると思うのですけれども。基本的には、JISでもリスクアセスメントをやった上で仕様を決めてくださいとありまして。実は、先ほど申し上げたISOが大きさや速度などは全く考慮しなくて、一本の要件なものですから、その辺、ちょっと日本はリスクアセスメントを前提としたやり方にしているということと、あと、改正中の361-4のサードエディションはその辺も加味して、まだ議論は途中で分かりませんが、その辺も検討範囲には入っているということだけ申し上げたいと思います。
○永谷構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では犬塚さん。
○犬塚構成員 港湾空港技術研究所の犬塚です。御発表ありがとうございました。お伺いしたいのが、無人搬送機というのは非常に高い位置精度の制御が求められると思いまして、経路誘導方式は、確か±10mm以内の精度で誘導していると伺いました。先ほど、重さ1tぐらいと聞いて、そんなに影響はないと思うのですけれど。例えば、それほど正確な経路をずっと同じ経路をひたすら通ることによって、アスファルト敷だったりすると、何か、路盤がへこんだりといったことは発生しないのかなと。あと、そういう高い位置精度をずっと維持することができるのか、あるいは何か、毎日点検をやらないと、ちょっと変な方向に行ってしまったりするのかなど、何かそういう、メンテナンスに関してもお伺いできればと思います。
○日本産業車両協会 1つ、先ほどのリスクアセスメントという言い方とは違うかもしれません。基本的には、スタンダードな製品ではなくて、全てお客様仕様的な要素がありますので、導入時に床面の強度と、あと、例えば、ここの床であれば最大重量はどのくらいというのは決めてやられていると思いますので、床面がひずんで止まったなどという事例は余り聞いたことはありません。
○齋藤座長 私からもよろしいですか。ユーザー事業者様にちょっとお伺いしたいことがありまして、この障害物センサー検知範囲を明確にする、作業者、周りにいる人に分かるようにするというのはあれなのですけれども、先ほど産車協さんからも説明がありましたが、JISでは、立ち止まっている人は検知して停止するけれども、人が車両に向かってくることまでは考えていないという規定でやっている。簡単に言うと、走っていけばぶつかるのですけれども、実際に導入される上ではそういったところまで考えてこの作業者教育というのを組まれているのでしょうか。ほかにもいろいろあると思いますが、こういった危険みたいなことを、フォークのメーカーさんから危険情報として教えてもらっていたのでしょうか。
○荷役機械ユーザー 御質問ありがとうございます。まず、おっしゃるとおりです。そういった無人搬送車に向かっていく急な飛び出しであったり、意図的な接近というところに対してはぶつかってしまうというところがあります。なので、そういった点を踏まえて作業者教育はしっかり行っており、また、その他関係者の方にも、そういった作業者の意図的な接近は検知しきれないというところは説明した上での作業者教育になります。
○齋藤座長 ありがとうございました。もう一点なのですが、非常停止に関連して、荷を積んだ状態で走っているときに、非常停止させるという場面があると思うのですけれど、荷を積んだ状態で走っていて、急停止すると荷ずれが起きたり、落ちたりといった危険みたいなこと、そういったところで、停止そのものが危険であるといったことも教育に含まれているのでしょうか。
○荷役機械ユーザー 御質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、荷役中の急停止による荷崩れというリスクは、当然、導入の際に検討し、実際に、弊社の荷を使用して複数回テストを行いました。特に重たい荷物、軽い荷物、荷姿の乱れているものであったりで複数回急停止をさせてみて、そこで、実際に荷崩れが起きなかったというところを参考として荷崩れによる災害は起こりづらいというところを確認した上で、作業者教育でも、荷役中の荷崩れのリスクについては教育を行っているというところです。
○齋藤座長 ありがとうございました。正に、メーカーさんのほうから、実際に使われる側でも重要な安全の情報のコミュニケーションというのはしっかり取って、きちんと管理、マネージメントされているのかなと思いました。ありがとうございました。
○荷役機械ユーザー ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では、そろそろ時間になりましたので、荷役、運搬機械に関してはこれで。大変参考になる御説明をありがとうございました。
続いて、農業機械のほうで、国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構、農研機構様、よろしくお願いします。
○国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 よろしくお願いいたします。スライドは写っていますね。では、農業機械の無人運転における安全確保等について、農研機構、農業機械研究部門の八谷と私、紺屋から御説明いたします。よろしくお願いいたします。次、お願いします。
まず、はじめに、私、紺屋よりロボット農機の普及、作業内容、ガイドライン、検査等の現状について御説明いたします。次、お願いします。こちらは、農業従事者数の推移を表したグラフです。見てお分かりになりますとおり、近年、農業者数の急速な減少が進んでおり、個人農家を含む持続的な農業生産基盤の維持のためにロボット化・自動化による生産性の大幅な向上が不可欠とされているのが現状です。次、お願いします。
こちらは、農業分野における制御方式・技術水準ごとの無人運転機械の開発・普及状況の御説明です。まず、一番左側の図、こちらは正確にいいますと無人の機械ではないのですが、関連する技術ということで、1つ目はGNSSガイダンス/自動操舵システムです。こちらは、人が農業機械に乗車した状態で自動操舵をする自動化となります。既に、北海道等を中心にかなり大きく普及は進んでいる状況です。真ん中の2つ目が、これは無人です。目視監視型ロボット農機と我々は呼んでおりますが、こちらは、ほ場内の作業に限定した無人状態での自動運転であり、使用者はほ場の近く、近傍で、目視で監視する運用となります。トラクター、田植機、コンバインについても既にメーカーから市販されております。そして、一番右側が、遠隔監視型ロボット農機と我々は呼んでおりますが、こちらは遠隔監視下でほ場間移動を含む無人状態での自動運転をさせる運用ですが、現在、研究開発段階となります。次、お願いします。
無人運転機械が使用され、又は想定される作業ですが、こちらの資料は農林水産省の「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」からの抜粋ですが、このガイドラインの中で定めている、対象とする具体的な農業機械としては、この写真にもありますように、トラクター、茶園管理機械、あとは田植機、草刈機、小型汎用台車、収穫機であるコンバイン、こういったものが先ほど申し上げました目視監視により使用するロボットの農機として想定されています。加えてこのガイドラインで、遠隔監視によるロボット農機として、トラクター、茶園管理機械を範疇としています。次、お願いします。
国際規格・国内規格、各国の規制等の状況についてですが、我々、農業機械研究部門は、農業機械に関する研究や開発、検査等を実施していますが、ロボット農機の安全性に関する研究としては、一番上の段、2015年頃から継続して取り組んでいるところです。あと、第三者認証機関として検査を実施していますが、ロボット・自動化農機の検査を2018年頃から開始しております。農業機械に関する国際機格としては、ロボット農機の安全性に関する規格であるISO 18497という規格が2018年に発行されており、2024年には、その改訂版が発行されております。一番下のガイドラインは、先ほどの農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドラインになりますが、最初は平成29年に策定され、その後も改正が加えられ、現状に至っているという状況です。次、お願いします。
ガイドラインの具体的な内容です。ロボット農機を製造、販売、導入、使用するに当たっての製造者導入主体、使用者の方が具体的にどのような主な役割や遵守すべき事項がこのガイドラインには記載されています。内容量が多いので全部は御説明しませんが、リスクアセスメントをしっかりしましょう。教育をきちんと受けましょう。そのようなことが求められているというガイドラインとなります。次、お願いします。
続いて、我々、農業機械研究部門で実施しております検査について御紹介いたします。まず、ガイドラインはリスクアセスメントを基本として保護方策によりロボット農機のリスクを低減することを求めております。我々が実施しておりますロボット・自動化農機検査は、メーカーさんが製造したロボット・自動化農機に対して、必要な安全機能が装備されていて、きちんと機能するかどうかを、実機を用いて検査しております。ロボット農機検査の対象は、先ほど御説明しましたように目視監視型ロボット農機として、ここに書いてありますトラクター、田植機で、すみません。資料の誤記でこの乾燥機というのが別の枠立てで検査をするもので、このロボット農機検査からは削除で、修正をお願いいたします。改めまして現状はロボット農機検査の対象はトラクター、田植機、コンバイン、これが目視監視型ロボット農機です。自動化農機検査も実施しているのですが、これは最初に御説明したアシストや、GNSSガイダンス、そういったものの付いた機械に対しても検査をやっていますということになります。次、お願いします。
ここからはロボット農機検査について御説明を続けます。この検査は、ここに書いてありますように、使用者がほ場内やほ場周辺から監視しながら無人でほ場内を自動運転させる農用トラクター、田植機、コンバインを対象としています。なお、我々の検査では公道走行は除いています。次、お願いします。
こちらはトラクターに関わるロボット・自動化農機検査の具体的な実施方法と基準を定めたもので、このように、多くの項目は設定しており、内容はまた後ほど目を通していただきたいのですが、このうち、主要な検査についてはこの後に御説明いたします。次、お願いします。
ロボット農機の制限仕様と検証方法です。先ほどの農水省のガイドラインでは、製造者等に定められた目的、場所においてのみ自動走行させて下さいということが求められております。我々の検査において具体的な検査方法は、この図の左側にありますように、作業領域を設定し、その作業領域内でのみ自動運転が可能であることを確認します。例えば、その作業領域を逸脱をするようなことがあれば自動停止の有無を実際の実機を用いて確認しているということです。次、お願いします。
周辺作業者への接触防止の点からいきますと、我々の検査では、人・障害物検出機能確認試験を実施しております。このイメージですが、ロボット農機の進行方向、前進するとき、後進するとき、まず、警告領域と危険領域を設定し、一番右側にあるような検出体をロボット農機の進行方向に設置します。設置する位置はこの図の真ん中にあるように、機体の中心であったり、左右であったり、ここに1か所ずつ設置するのですが、設置した検出体に対してロボット農機が接近して、まず警告領域に試験障害物が侵入したら警告を発すること。そして、さらに近付いて危険領域に侵入したら、ロボット農機は自動停止することを検査では基準として定めております。次、お願いします。
これは動画です。流していただいてもよろしいでしょうか。音は入っていないのですが、我々の検査としてはこのような感じで検出体に対して自動運転状態のトラクターを接近させて、本当はここで音が入っていたら警告領域に入ったということで警告音が発生しています。最終的にはトラクターの停止とロータリーの停止を確認し、停止時のトラクターと検出体の距離を測定しています。我々の検査としては接触しないことという基準で、特に何mで停止すること。何秒以内で停止することとまでは定めておりません。次、お願いします。
そのほかの検査内容です。こちらは遠遠隔操作装置、いわゆるリモコンです。このリモコンで自動運転の開始、自動運転の停止をするのですが、例えば、自動運転開始の操作は誤操作防止機能が設けられているか。要するには、簡単に触れただけでは自動運転が開始できないように、例えば、2つのボタンを一緒に押す、1つのボタンを長押ししないと自動運転が開始できないような、そういった誤操作防止機能が付けられているかを確認します。停止操作をしたときに確実に停止するか。また、ロボット農機とリモコンは常時相互通信している必要を求めているため、通信が遮断した際にはロボット農機側が停止するかどうかを確認しております。次、お願いします。
停止時・トラブル時の安全確保についてです。ガイドラインでは、自動走行が停止した場合は再開前に停止原因の解消及び周囲の安全確認を求めております。検査においては、先ほど御説明した遠隔操作装置の誤操作防止機能、あとは、自動モード、手動モードというのを必ず本機側で切り替えるようにしており、手動モードに入っているときは、自動運転は絶対できないことを確認しております。ただ、エンジンを始動した直後に、例えば、スイッチが自動モードに入ったとしても自動運転はできないことを求めています。更にそのほかのシステム障害が発生しているときは自動運転ができないということを求めております。次、お願いします。
こちらは、正常に自動運転しているのか。今から自動運転開始が可能なのかどうか。自動運転が今は開始できない。何か異常が発生していのかどうかということが分かる状態表示灯を監視者が必ず見える位置に取り付けられているかを確認する検査についてです。次、お願いします。
使用者に求められる技能の確保についてです。ガイドラインは、製造者等は、販売者等と連携し、導入主体や使用者に対して、ロボット農機の安全使用の訓練を行うことを求めています。さらに、業界団体である日本農業機械工業会では「ロボット農機の安全性確保のための指導者養成並びに使用者訓練ガイドライン」という具体的なガイドラインを独自に作成しており、内容はここに書いてありますように、使用者の条件、使用者訓練の内容、使用者の育成について定めております。次、お願いします。
ロボット農機に関する安全衛生法に対する課題についてです。まず、ここに書いておりますとおり、農業そのものの労働安全衛生環境に関しては、2022年の時点では農業経営体の85%が雇用を行っていないといった状態です。そういった法人経営がもし行われたとしても安全管理には課題が多いのが現状です。さらに、無人運転ではなく、労働安全衛生法令における有人運転を行う車両系農業機械の安全対策が現状検討されており、厚生労働省の下「農業機械の安全対策に関する検討会」が進められています。これは有人の農業機械に関してですが、まだ、そういった段階であり、こちらについての議論を進めなくてはならないと考えられます。とはいうものの、農業機械における死亡事故の約4割は「機械の転倒・転落」に起因するものですので、こういったロボット農機がすることにより、そもそも人が乗らなくなれば、重大事故の大幅な低減が期待できると考えている次第です。次、お願いします。
私からは最後です。ロボット農機の使用環境に関してです。この下の写真で示しますように、実は、いろいろな使用環境が農業分野にはあり、ほ場や周辺環境の立地条件は極めて多様です。農業機械が稼働する農村地域は、都市地域と比べて人が少ない環境である一方、ほ場や農道は農業者や地域住民の生活地域の一部であり、第三者の介在を完全に排除することは困難な状況です。付加価値と生産性を両立させた農業の実現のためにはロボットと人の協働が有効であることは、もちろん挙げられており、ここに書いてありますように、人とロボットの空間的共存を考慮した安全対策を、今後構築していかなければいけないということです。求めることは最後に書いたとおり、政策官庁、ユーザー、メーカーの緊密な連携の下、各産業・地域の実態に応じた安全衛生法令の検討が必要と考えているところです。私からは以上です。
ここからは、オンラインでつながっている八谷に説明を引き継ぎたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農研機構の八谷と申します。今、紺屋から一通り御説明があったのは、2018年までに農機メーカー3社が市販した有人監視型あるいは目視監視型と呼ばれるロボット農機の、特に、検査体制のお話でした。一方で、私どもが研究開発、また、実証を進めておりますのは、今、ここに記載されていますように、“遠隔監視”型ロボット農機です。参考ということで、2枚ほどのスライドで少し御説明したいと思います。この遠隔監視型ロボット農機ですが、右側にお示しておりますように、遠隔監視者、これはあくまでも所在にかかわらず一台の監視端末で、私どもとしてはタブレットとしておりますが、一台のタブレットを使って、複数台のロボット農機を運用可能とするということです。
ロボット農機は、格納庫からロボット作業エリアまでの公道走行を視野に入れているわけですが、公道は一般交通参加者との混在交通を前提として、障害物を検知して接触しないよう迂回経路生成機能を実装しているといったことになります。この度の専門家検討会においては、一般道を走行することに関しては、主として警察庁、国交省の担当となりますし、検討会の範疇外となろうかと思いますので、その点に関しては割愛させていただきたいと思います。
このタイトルにお示ししておりますように、この無人の農機が使用されている作業としては様々あります。対象としている機械はまずトラクターですが、トラクターにいろいろな作業機を付けることによって、例えば、稲作の場合ですと、田んぼを耕したり、平らにしたり、さらに、種や肥料を撒くことと併せて田んぼとはまた別に、その脇にある農道の草刈りといったようなことも想定する作業となります。また、畑作においては、作物ごとでまちまちですが、今、この絵の下に示しておりますのが馬鈴薯の場合ですので、御覧いただければと思います。次のスライドをお願いします。
それで、この“遠隔監視”型ロボット農機が格納庫を出て、一般道を通ってロボットの作業エリアに入って作業するわけですが、今、こちらでお示ししましたように、絵の向こう側にある格納庫と思っていただけたらよろしいかと思います。ゾーン30と書いてありますが、公道を走ってきてロボットの作業エリアに入ってくるといった想定をしております。一般道とこのロボット作業エリアの間においては、基本、入ってしまえば、あとは農道とほ場で構成されたエリアになりますが、その農道については2018年度末に警察庁と農水省が協議をし、農道においては、通行止めにしても一般の地域住民に対してほぼ支障を来さないという判断がなされれば、通行止め措置をすることができます。そうした通行止めをした絵をお示ししているわけですが、このように通行止めをすることにより、このエリア内の農道は道路性が排除されることになります。
結果、あくまでも事業者による通行止めなので強制力はありませんが、このように通行止めをすることにより、ロボットが縦横無尽に農道を走行し、ほ場内で作業することが可能となるというイメージでおります。このエリアにおいては、絵の2.にお示ししておりますが、私どもとしては、大体、このエリアは50~100haを想定しております。このエリア内での極力安全かつ効率的に農作業ができるようにということで、この通行止めによって閉鎖環境にするわけですが、この通行止めについては、その農道の管理者は市町村の農政課になろうかと思います。
そちらの農道担当者の判断で通行止めすることができるということで、こうした閉鎖環境を作ることにより、本日の検討会が始まる際に、口頭で御説明のあったスライドにも記載されておりましたが、機械側の安全に向けた対策というものが、当然、必要になりますが、併せて、今、お示ししておりますように、一般の交通参加者が立入禁止措置によって対策を講じるという考え方を、今後、調整する必要があろうかと考えております。雑駁ですが以上です。
○齋藤座長 大変ありがとうございました。それでは、今のロボット農機の御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、挙手を。では、比留川さん、お願いします。
○比留川構成員 産総研の比留川と申します。2つお聞きしたいのですけれども、1つ目は、検査という言葉を使われていましたけれども、多分、もともとはガイドラインで労安法などの影響もないと思うので、これ、任意か強制かというと、任意ですよね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 はい、任意です。
○比留川構成員 ありがとうございます。それから、もう1つ、遠隔監視型と呼んでおられたと思うのですけれども、宅配便でやっている自動走行型というものは遠隔操作型という位置付けになっていて、運転しているのはあくまで人なのですよね。要するに法律上は人が操作していて、自動運転機能がちょっと支援に付いてますよという製品にしているのですけれども、この遠隔監視型というのは、すごく曖昧な感じがするのですけれども、これを動かしているのは、ソフトウェアなのか、人なのか、どちらなのですか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 我々、ガイドラインの中ではもう少し大きなくくりで想定していて、基本的には、ロボットの動きは自律で自動運転します。それに対して、遠隔で監視者がじっと常時監視するタイプの監視方法であったり、あとは、ずっと監視しなくても、何かアラート、エラーが発生したときにきちんと通知が来て、監視者が、その通知情報を見て、どうなったのだなというのが見えるような、そういう2つの監視の仕方を想定しています。その操縦的な意味でいいますと、停止とスタート、自動運転開始と自動停止はできるのですが、基本的に、操縦である操舵を切ったりなど、そういうことは中には含まれていないという整理としています。
○比留川構成員 ということは、例えば運用中に何か事故があった場合というのは、機械の責任ですか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 農水ガイドライン検討会の中でも、責任の所在については議論中となります。人が主に監視しているようなシステム運用をしているときは人の責任となりますし、システム側での監視であれば、システム側の責任というような位置付けかなというところです。繰り返しますが、明確に整理できていない状況で議論中のところです。
○比留川構成員 ありがとうございました。
○齋藤座長 ほかにございませんか。Webで、清水さん、お願いします。
○清水構成員 労働安全衛生総合研究所の清水と言います。質問があります。農業条件、作業環境というのは、工場内と違って第三者が近くにいるということで、今、規制をするということで、立入禁止措置をするというお話があったのですけれども、第三者は立入禁止の措置をできるのですけれども、関係者は作業の中に、エリアの中にいるのではないかなと思うのです。それで、私が聞きたいのは、例えば作業として、草刈りということが1つあったと思うのですけれども、草刈りをする場合、草だと刈ってほしいのですけれども、そこに人がいる場合は止まってほしいということになると思うのですが、そういった場合の人と草というか、ものの識別をするようなセンサーが搭載されているのかどうかということと、もしできないのであれば、例えば作業中は関係者も作業エリアに入らないというようなルールで作業を行っているのかということをお聞きしたいのですが、よろしくお願いします。
○農業・食品産業技術総合研究機構 ありがとうございます。目視監視型の草刈りロボットに関して言いますと、まず、センサーの性能として、恐らく、人と草を明確に見分けてする技術は、まだ、完全に確立はされてはいないというのが現状だと思います。なので、基本的には、目視監視型のロボット農機というのは、必ず監視者が近くにいるということが前提ですので、そもそも草刈機でしたら、石跳ねなどそういうものに対して、その監視者もある程度離れないといけないですし、あとは、近くに来た人に、今ここで草刈りロボットを動かしているから近くに入らないでくださいと、その監視者自体が注意喚起するかなど、現状はそういった運用で想定しています。
○清水構成員 そうすると、自動化と言いながらも、やはりルールとのセットというか、更に人が付いている現状ですね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 もちろん、そうですね、はい。
○清水構成員 どうもありがとうございます。理解できました。
○齋藤座長 畑さん、どうぞ。
○畑構成員 長岡技大の畑です。御説明ありがとうございます。農業機械、これは自動運転ですよね。これを遠隔でやっているときに、おかしいときに、非常で止めたいというときには、遠隔で止めることになりますね、近づいて止めることはできませんから。
○農業・食品産業技術総合研究機構 今、研究開発段階の遠隔監視型ロボット農機の話ですね。
○畑構成員 聞きたいのは、止める機能はあるのですか、外部の監視者から。
○農業・食品産業技術総合研究機構 これは、今、各大学や研究機関、メーカーによって、多分、方式は定められてはいないのですが、基本的には、遠隔で非常停止する機能は想定されていると思います。
○畑構成員 そうですか。あと一点、人検知というのが、1つ目的としてあるのですけれども、この資料の中に、信頼性というか、パフォーマンスレベル的なところの説明がなかったと思うのですが、その辺りは、今、どのような状況なのでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 我々は、検査内だけにおいては、実は、正直なところ、具体的にそのパフォーマンスレベルはこれ以上でとかいう設定はしていません。基本的に、ISO 18497というロボット農機の安全性の規格に関しては、その中で、こういった別のパフォーマンスレベルをきちんとリスクアセスメントして決めなさいということに従って、メーカーさんはやっているものだということを信じております。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに、櫛引さん。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。では、シンプルにお聞きしたいと思います。規格の御紹介がありましたが、ガイドラインとこの国際標準の関係、位置付け、この辺を少し御紹介いただけますでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 大体、ほぼほぼ同じぐらいの時期にどちらも発効されているということで、ガイドラインを作る事業にも、私も参画しておりましたので、なるべくこういった国際規格と齟齬がないように、ISO 18497と国内の農水省のガイドラインの内容が齟齬がないように合わせるような作業を、ガイドラインを作る事業では取り組んできていますというところですかね。
○櫛引構成員 ありがとうございます。では、内容としては、大体同じようになっていると言えますか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうですね、ガイドラインは様々なロボット農機に対して、包括的というか、広く捉えられるように広く書かれていますけれども、どちらかというと、規格のほうがもう少し細かいことは設定されているというような感じです。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 永谷さん、どうぞ。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。ちょっと、私自身、最後のほうの説明で、若干混乱しているのですけれども、最後に人が入れないようにするというのは、今後の話であって、今は、人が入ってきたら止めるというようなところが議論になると思っていいのでしょうか?
○農業・食品産業技術総合研究機構 遠隔監視型のほうは、先ほどから申し上げていますように、もっと研究開発を進め確実にロボット農機側のシステム判断で確実に人を検出したら自動停止する必要があると考えています。
○永谷構成員 もっともっと後の話。
○農業・食品産業技術総合研究機構 実際に運用するとなったら、立入禁止のような措置をするということですが、基本、今、実際に市販されていたり、我々が検査の対象としているロボット農機は、ほ場内だけで限定して扱う、作業領域内だけで限定して扱うということになります。
○永谷構成員 その場合には、何かあった場合に責任をとるのは、そこにいる人ということですよね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうです。基本的には、目視関しに関しては人の責任と考えています。
○永谷構成員 目視監視者が責任を持って動かしているということですね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうです。目視監視型ロボット農機に関しては、目視監視者です。
○永谷構成員 分かりました。一応、そこをクリアにしたかったので、ありがとうございます。
○齋藤座長 石川さん、お願いします。
○石川構成員 大阪大学の石川です。大変興味深いガイダンス、どうもありがとうございました。やはり町中の建設機械と違って、大分、農業ならではの稼働状況などが分かって非常に興味深く、作業者と管理者が一致しているのも非常に独特な状況かなと思ったのですが、今日のお話の中で、基本的には、これも移動体といいますか、無人移動車としての安全管理の話が基本だったかと思うのですが、トラクターということで、やはり作業機部分がありますので、まず、1つお伺いしたいのは、これは、自動化されているのは基本的には移動機能だけで、その作業機の働く部分というのは従来型の機械と基本的に同じなのかということをお伺いしていいでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 基本的には同じですが、もちろんその作業機、例えばロータリー、一種の耕耘をするような作業機は、もちろん自動でPTOが回って、その作業機自体を下げれば自動で耕耘するということで、別にそこに人が介在することはありません。
○石川構成員 ありがとうございます。それで、何か異常等で停止したときに、やはり作業している最中に止まることになると思うので、ちょっと、私、状況が完全に想像できていないのですけれども、基本的には何か刃物がむき出しになったものが停止していることになりますので、停止したときに、結局、何か、例えば絡まったものを取ったりなどというときに、やはり人が近づいて何か触ったりなどということが必要になるような状況というのも起こりやすいのではないかと思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。私が何かちょっと勘違いをしていたら申し訳ないのですけれども。
○農業・食品産業技術総合研究機構 いえ、ありがとうございます。おっしゃるとおり、そういった何かが絡まってしまってそれを取らないといけないということは、どちらかと言えば、頻繁にあるような事象です。ですので、その辺は、使用者訓練の中でも、そういった危険源に近づく際は、もう、エンジンを切って、そういった作業をしてくださいというような教育をしているというところになります。
○石川構成員 ということは、エンジンを切った状態では、基本的には自動化されていようといまいと、基本的には同じトラクターのトラブルシューティングと変わらないという。
○農業・食品産業技術総合研究機構 はい、そうですね。人が普通に乗るトラクターと同じだと考えてください。
○石川構成員 ありがとうございます。
○中村構成員 簡単に1点だけ。職業大の中村です。今後の将来に向けて、非常に注目すべき内容だと思います。それで、私から1点なのですが、このシステム障害発生時には、自動運転不可能状態に移行ということなのですが、これは自動運転のみなのですか、通常運転、いわゆる自動運転ではない普通の運転も停止する仕組みなのでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 ありがとうございます。人が乗車して、普通に運転している時ということでしょうか。
○中村構成員 はい、そうです。
○農業・食品産業技術総合研究機構 それは、メーカーさんのどういったシステムで作っているかによるところで、我々が言っているのは、あくまでも自動運転に関連するようなシステムが異常を来した際は停止するというか、自動運転ができないようにしてくださいというところを求めていて、通常状態の機械に関してまでは範疇としていないということです。
○中村構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。ロボット農機分野で御説明を頂きました。大変参考になりました。ありがとうございました。
それでは、3件目で、国立研究開発法人 森林研究・整備機構様から林業分野機械ということで、よろしくお願いします。
○国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所の中澤と申します。皆様の分野のほうが非常に進んでいる状態で、大変勉強になりますが、なかなか林業の分野はまだまだ検討を始めた段階であるということで、いろいろ御容赦願えればと思います。
次、お願いします。まずは、林業の主な木材生産の流れについて説明したいと思います。林業では、チェーンソーによる、基本的には伐倒、伐採から、より土構造の簡易な道、作業道と言いますが、そこまでの木寄せ、ここまでは立木1本分なので、大体1本当たり1tか2tぐらいの重量のある材を扱うことになります。そこで、また道の上で、いわゆる造材と言われる、機械を、プロセッサーといわれる機械を使って丸太に小切って、フォワーダと呼ばれる車両系の集材車両に乗せて、いわゆるトラック付けできるような土場辺りまで集材するのが一般的な木材生産の流れです。そこから、中間土場等を経る場合もありますが、木材市場や製材工場に運ぶというのが一般的な木材の流れになります。
我々の森林域は、平均的に30度以上の急傾斜地で作業をしていることと、おおむね年間2,000mm以上の降雨があるような山間地域である。また、人が住んでいない地域ですので、いわゆる携帯電波が通じないですし、一般的な作業地は数ヘクタール以上あります。ただし、現場で作業をする人は、作業班と呼ばれますが、数人規模から多くて10人ぐらいの規模なので、いわゆる人の密度としては少ない状況になります。
次、お願いします。こちらは、いわゆる農業のほうとも他の分野とも一緒なのですが、従事者数が大幅に減少しております。ここ30年ぐらいで3分の1以下になっております。一方、労働災害ですが、多少、減ってはきているものの、年間、1,000人ぐらいの死傷災害及び年間30人程度の死亡災害がありますので、割合としますと、林業従事者の1,500人に1人が毎年亡くなっていますし、40人に1人ぐらいがけがをしている状況になっております。いわゆる千人死傷率の数値を見ますと、平均的な他産業の10倍の危険度があるという状況です。こちら林野庁としての方針ですが、死傷千人率を2030年までに半減させたいという方針があります。やはり従事者数が減っている中で、生産性の向上をしながら労働災害の低減を狙っていくということで、自動化を検討しております。
次、お願いします。実際の死亡事故の要因ですが、おおむね3分の2程度が伐倒時、木を倒すときになります。人が作業をしているがゆえのことになります。それに、2番目として、車両系集材機械のところが10%未満ぐらい。架線系集材、林業分野においては、いわゆるタワークレーンのようなものですが、それも3番目に多い状況になっております。車両系集材機械の所を見ますと、基本的には走行時に半分ぐらいの事故が起きている。架線のほうも、いわゆる荷掛時にかなり死亡事故が起きているのですが、ここはなかなか機械の自動化は難しいという中で、まだまだ研究開発段階にあります。いずれにしても、伐倒作業と集材作業に関して今、機械の自動化を狙っていることになります。
次、お願いします。あと1つ、我々は急傾斜の斜面で作業をしますので、まだまだ人による作業が多い状況になります。ここの左にあるような伐採・搬出分野までは、伐倒と供出作業はまだまだ人の手でやっている部分が多いです。もう一方、木材を生産するところ以外で、切った後植林する作業がありまして、その後の、例えば下刈りみたいなところも急斜面での作業になりますので、人手で作業をしておりますので、右にあるような労働強度で言うと、全て重労働以上というのが人手での作業になります。
次、お願いします。そういう中で、林業機械というものが定義付けられておりますが、おおむね、建設機械や農業機械に林業用というアタッチメントを付けているものを我々は林業機械としております。ここにあるように、先ほどの死亡事故の多い伐倒から木寄せのところの、いわゆるフェラーバンチャ 、スキッダと呼ばれる機械及びフォワーダという集材作業をする機械の2機種の自動化を検討しております。さらに、それ以外の人力作業の多い下刈機械の自動化を今、対象にしております。
次、お願いします。林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会としまして、R6年度から開始しております。ここにいる陣川構成員が座長で、あと私でしたりとか、あと大学、そこにいる齋藤座長も委員として参画していただいております。それ以外に、林業経営者と各種林業関係の団体、林業機械メーカーに委員として参画していただいております。オブザーバーとして林災防及び東さんにも厚労省として参画していただいております。R6年度は、まずは遠隔操作のガイドラインを作って、今年度及び来年度で自動化のガイドラインを作ろうとしているところです。
次、お願いします。繰り返しになりますが、我々は今、現状で開発、自動化のガイドラインの範疇としているのは、木を切り倒すフェラーバンチャという機械と、木材、丸太を運ぶフォワーダという機械と、草を刈る下刈りという機械になります。
次、お願いします。それぞれ無人運転機械が使用され、また想定される作業になります。フェラーバンチャ、伐倒作業、伐採作業になりますが、森林の中から木を切って、いわゆる、作業土場溜りに木寄せするフェラーバンチャとスキッダという機械の自動、合わせた作業の自動化を狙っているのが、まず1つになります。
次、お願いします。もう1つは、丸太を運ぶフォワーダという機械です。我々、丸太に小切る現場を先山と言います。丸太をある程度集積する場所を土場と言いますが、先山と土場間の木材運搬作業をフォワーダでやるのを想定しております。そこの道が大体土構造で、林業機械のみが走行、想定された作業道という道を走行します。この作業道の延長が大体今で言うと1kmぐらいの延長になります。多いときは2km、3kmになりますが、おおむね1kmぐらいを距離としては想定しております。ただ、現状で荷役作業まではまだ自動化は難しいと考えておりまして、土場と先山には何かしら木を扱う機械が要る。その間を自動化するということで、フォワーダの自動化作業を開発しているところになります。
次、お願いします。もう1つが、最後に下刈機械です。一般的に、土手を刈るような機械とほぼ一緒だと思うのです。木材を収穫し終わった後の、いわゆる裸地の場所にまず苗を植えて、苗を植えた後に、おおむね7年から8年間ぐらい草刈りをします。その場合、木を植える方向が実は各地まちまちでして、等高線方向と同じ横方向に植える場合と縦方向に植える場合がありまして、下刈機械が走行する方向が地域によって違う状況があります。
次、お願いします。それぞれの制御方式や技術水準になります。フェラーバンチャに関しては、今のところ専用コントローラーにて操作をします。もちろんその通信遮断時は停止するように設計されていますが、基本的に木を切る作業は、目視又は目視に近いような状況でないとなかなか木を切りにくい状況ですので、カメラを使った制御、いわゆるVisual SLAMで自己位置を推定しております。一方、フォワーダに関しては、こちらは作っているメーカーさんがキャリアダンプも製造しているメーカーですので、建設機械のキャリアダンプと同じような制御をしております。いわゆるCANによる通信、Ros2による制御、プラス、今のところ我々はvisualではなくてLiDAR -SLAMを使って自己位置の推定を行っております。
下刈機械のほうは、CANを使っている、制御はされているのですが、木がない場所、立木がない所ですので、基本的に通信環境とかGNSSの通信環境はいい所ですので、GNSSによって自己位置を推定しております。
次、お願いします。林業機械に関する国際規格です。ISO等林業用機械の項目はあるのですが、現状では自動化に関する項目、文言等々はまだまだ記入されていません。おそらく、日本と同レベルで検討されている際中と私たちは認識しております。
次、お願いします。他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止についてです。フェラーバンチャに関しては、先ほど申しましたように、カメラを使っておりますので、カメラを使ったAI画像判読の機能を入れようとしております。フォワーダのほうはLiDAR SLAMを使っておりますので、LiDARによって人検知や、道の崩壊、倒木の検知等と障害物の検知等を行っております。下刈機械ですが、下刈りする作業の状況を考えますと、苗木が大体50cmか1mぐらいで草本類を1年ほっときますと大体1mぐらいになる場合がありますので、何も見えない所に下刈機が突っ込むことになりますので、現状ではLiDARとかカメラによる人検知等を検討はされているようですが、なかなか難しいという判断をされているようです。下刈機械のほうは、どちらかというと、私たちはここで作業をしていますよというビーコンを付けた音を発するような状況で、機械がそこにいることを周囲に周知するような仕組みが考えられていると聞いております。
次、お願いします。運転操作性の確保についてです。繰り返しですが、フェラーバンチャはカメラを使っていますので、専用ARゴーグルを使って、目視できる部分と目視できない部分はARゴーグルを使って機械を操作しております。監視もしております。フォワーダのほうは、マニュアル運転とラジコン操作の併用もできますし、後で見せますが、現状ではゲームパッドのような、タブレットにゲームパッドを付けたような操作盤を使って、多対多のコントロールを今、実現しようとしております。下刈機械のほうは、基本的には通信異常があれば止まるとかと、一般的な停止要件によって安全確保をされているようです。
次、お願いします。運転者に求められる技能の確保です。各社それぞれ、一般的に受けなければいけない特別教育とか安全教育ということ以上のことは、今のところは求めていない状況で、一般的に、それぞれの機械を操作する資格が、技能があればというところです。あと、それ以外はメーカーが導入をする際の技術指導ということで、対応しようと考えていられるそうです。すみません、その前の5-3.が飛びました。申し訳ございません。
5-3.ですが、停止時、トラブル時の安全確保です。それぞれ一般的に、今、通信が遮断されれば止まるような機能が付いています。フォワーダに関しては、後でもう一回御説明したいと思いますが、Wi-Fiによる、映像による監視と、機械の状態だけを認知するような簡単な通信で、2つのネットワークを持ってフォワーダの監視をしようとしています。下刈機械のほうも、基本的に同じように、通信に異常があれば機械停止をするような機構になっています。
次、お願いします。5-4.が終わりましたので、次は6.になります。無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容についてです。フェラーバンチャに関しては、森林の中の斜面の中で動きますので、ある一定程度の角度になると止まるような機構が付いています。フォワーダに関しては、基本的にはWi-Fiを使って監視をしていますので、通信が途絶した場合は走行停止になるような機能を付けております。下刈機械に関しては、ここに書いてあるような、やはり同じように森林の中の斜面で稼動する機械ですので、傾斜角度などとか、異常な走行速度を検知したり、また、雨、積雪時はもちろん動かさないとか、地形条件、何かしらの制限を加えた作業などに、最大傾斜等の制限を掛けた中で運用することになります。
次、お願いします。各社の無人運転機械に関する安全衛生法令に対するニーズや課題についてです。先ほどの農研機構さんのように、いわゆる機械を検査する仕組みが林業界に今、存在していません。そうは言っても、メーカーさんとして、ある一定基準の規格を作ってほしいというニーズがありますので、このある一定基準の規格をどうしようかということを今、検討会で話し合っている際中になります。いずれにしても、それぞれの機械がやる作業は異なっていまして、危険源とか危険範囲が異なるので、一概に決めづらく、この中で共通項目を何とか委員会で見つけようとしているのが、今の検討会の現状になるかと理解しております。
ここから次、最後、参考資料として付けておりますが、私がフォワーダの自動化、遠隔操作化を開発担当しておりまして、少し告知用の説明をしたいと思います。私の認識が間違っているかもしれませんが、先行事例として、土木や先ほどの農業機械の自動運転というのは進んでいるかと思いますが、やはり通信状況とかGNSSの受信感度が良いことが前提と私は理解しております。
一方、森林ではということで、基本的には携帯電話が通じないですし、構造物が基本的にないですし、立木や奥深い地形であるということで、自然物の検知が難しいとか、いわゆる通信が届かないので、Ntripと言われるRTK-GNSSが基本的には使えない状況になっておりますので、何とか森林の中でも通信手段を確保しながら自然物を検知したいということで、森林に適した無線通信の開発及びSLAMの利用をしております。
次、お願いします。我々は、やはり森林の自然環境下で作業をしておりますので、例えば、前日に雨が降ったりすると道の状況は大きく変わりますので、基本的には毎朝、作業開始時に、地図の作り直しと、そのときの操舵性、どのように操作をしたかという、簡単に言えば、アクセルワークをまず毎朝勉強するというか、教示データを作るようにしております。その後、その区間において自動走行するような仕組みを考えております。
次、お願いします。林内通信網なのですが、できるだけ我々としても映像による監視をしたいということで、技適を通した特別なWi-Fiを開発しております。見通しが利けば500mぐらい届くような指向性の高い電波を使っておりますし、場合によっては出力を上げて1km以上届くようなものも使っております。ただし、森林の中は見通しが利けば通信が届くのですが、地形を考えますと、必ずしも見通しが利かない中で、Wi-Fiの電波が届かないので、それ以外でも、いわゆる回り込みやすい電波というものを活用して、二重持ちのネットワーク構造を森林内に構築しております。具体的に言いますと、920mHz帯のprivate RoRaを使っております。それだけで、いわゆる機械の状態把握だけをしようと考えております。
次、お願いします。長くなってきましたが、最後に、森林の環境はどういう所かということで動画を見せていきたいと思います。ちょっと本当は音楽があるのですが、出てこないのでいいのですが、我々は、こういう山岳地帯で作業をしております。ここの現場も30度以上、30~35度ぐらいの斜面があります。道としても、最大の勾配で20度を超えるような勾配があります。左側にオペレーターが乗っていますが、安全のために乗せているだけで操作レバーを握っていないことが確認できるかと思います。真ん中で、デジタル空間で機械の位置を把握しながら、一番左の所で、現実世界で動いている所が動画になっております。ちょっと角になって見づらい映像になっておりますが、こういうS字カーブであったりとか、あと、これはデジタル上で把握です。今、ここは、作業道の延長が1.6kmある所の中で自動運転をしているところになります。もうちょっと真ん中ぐらいまで進んでいただきますと、時速7km程度で走行しておりますが、道の幅が、規格が3.5mで、機械の幅が2.5m、ですので、両サイド50cm程度ずつの余分しかないのが我々の作業条件下になります。ちょっと動画は時間が足りないので、ここにQRコードを載せておりますので、YouTubeで動画を御確認いただければと思います。
次、お願いします。こういうタブレットにゲームパッドを付けて、自動走行開始とか操作をするような、あと、これによって、自動操作も、自動も指示できますし遠隔操作もできるような体制にしております。端末を先山と土場でそれぞれ持って複数台の機械を制御する仕組みにしております。以上になります。
○齋藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの林業機械の御説明に対しまして、御意見、御質問等がございましたら。では永谷さん。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。テクニカルなところは、いっぱい聞きたいところがあるのですけれども、少しそれは置いておいて、立入制限も山全体で掛けるという話もありますし、または先ほどのフェラーバンチャの周囲だけ掛けるとか、人がそもそも機械のそばに入っていかないようにできるかどうかについて少し教えてください。
○森林研究・整備機構 まだまだ検討段階ではあるのですけれども、基本的に伐採作業というときには、看板を立てて第三者に入らないでくださいという注意喚起をしております。
基本的にはそれ以上のことは、なかなか難しいかと思っておりまして、ただし、いわゆる皆さんが分かる林道と呼ばれる比較的、普通自動車が走るような道の上では、基本的に自動運転はさせない方向で、そこから作業路で分岐する道、こちら管理主体が民地になりますので、通行止めができる作業の道、この中で自動運転をしようというように考えています。
○永谷構成員 そうすると、自動運転をする道の区間には人が入ってこないようにできそうでしょうか。
○森林研究・整備機構 ただ機械ごとに危険範囲というのは違うかと、異なると考えておりまして、例えばフェラーバンチャのような機械というのは、そもそもチェーンソーで切る場合も、立木の2倍以上離れなさいというのが安衛法で決まっておりますので。
○永谷構成員 なるほど、そうなんですね。
○森林研究・整備機構 一応それも、それはフェラーバンチャに関しては、立木の2倍以上離れることという形にしようと思っております。走行用の機械に関しましては、1kmある作業路を全部危険範囲ですと指定するには、少し現場の運用として難しいかというように考えておりまして、まだまだ検討段階ではありますけれども、例えば作業道上で、今、規格でしたら視距を確保しなさいというのがありまして、それが、いわゆる安全に止まれる範囲でというのがありますので、基本的に15mぐらいが、私としては危険範囲として認識すべきかというように思っていますが、まだまだそれも委員会の中で決めていくことになるかというように考えております。
○永谷こうせいいん 分かりました。ありがとうございます。
○中坊構成員 とても勉強になります。下刈機械の人検知の話があったのですけれども、そもそも少し分からなかったのは、下刈りの作業自体は何人ぐらいでやったりすることなのかというのが。
○森林研究・整備機構 一般的には数人の作業員が、歩いて距離を離れて手刈り、手で刈っていくことになると思います。機械を用いる場合は1人でもできますし、今のところ2人体制で運用するという仕組みを検討されていると。ここで一旦、陣川構成員がやっているので、御説明お願いします。
○陣川構成員 陣川ですけれども、通常の下刈りは作業員3名ぐらい、3~5名ぐらいで距離を置いて作業しなさいよという形で作業をしているのですけれども、今回の機械については作業員を入れないでということも、もちろん考えてはいるのですけれども、機械の性能という話で、苗木の際まで下刈りをしなければいけないときに、機械だとどうしても無理があるというのと、誤伐と言いまして、苗木自体を刈ってしまうということになるので、ある程度距離を置いた、帯のような状況でしか下刈りできないというと、刈り残しが出てくるので、そこは人がやるのか、あるいはそこは、もう無視をして、そのままで行くのかという、その辺りは機械の開発なり作業の仕方というところで、今検討されているところです。
○中坊構成員 なるほど。それによって人の検知が、どの程度必要というのが変わってきますね。ありがとうございます。
○冨田構成員 農研機構の冨田です。大変興味深いお話をありがとうございました。テクニカルなところで聞きたいことはいろいろあるのですが、それは置いておいて、管理のところで林業の作業というのは、例えば山に作業に入るときに、誰がどこにいて何をやっているかというのを把握している管理者というのはいるのかというところ。また先ほど日々、状況は変わるというお話がありましたけれども、今日は例えば自動運転できるのかどうかというところを判断する主体みたいなものはあるのかというところ。もう1つは、この作業の責任の主体というのは、例えば自動運転した場合、どういう方を想定していらっしゃいますか。機械メーカーなのか、山の持ち主なのか、それともその作業を仕切る人なのかといったようなところについて少し教えていただければと思います。
○森林研究・整備機構 一般的な作業で言いますと、毎朝ミーティングをするので、誰が何の作業をするというのは大体決まっておりますし、今の一般的な事業体だと、どこで何を作業したというのは作業報告をするようにはなっています。そこで誰がそこで自動機械を判断するかという話も、まだ検討委員会で話し合っているところですけれども、恐らく作業管理者が、ここだったら自動運転していいよねという判断をしてもらうことになるかと思います。
その上で責任の分担ですけれども、そこもまだまだ決まっていないところではあるのですけれども、それぞれにそれの責任がというのがメーカーとしては、もちろんリスクアセスメントした上で情報開示をして、指導していくところまでは、ちゃんとやってもらわなければ困りますし、やはりそれを使う側というところもそこで、いわゆる機械を本当に使えるかどうかの判断は、我々、自然条件下で千差万別なところがありますので、そこの現場の管理者と言われている班長さんと言いますけれども、その方が判断されることになるかと思っておりますので、今のところは基本的に、そこで労災事故が起きたとすると、機械トラブルだったら、機械はもちろんメーカーの責任ではありますが、基本的なところは、やはりその現場の作業管理者の責任になることが多いような感触と言いますか、私の判断というか、まだまだ委員会で検討しているところなので、決まってはいませんけれどもというところです。
○齋藤座長 ほかにございませんか、Webの方も。テクニカルな話でも結構ですが。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。ありがとうございます。少し簡単な質問で申し訳ないのですけれども、なかなか汎用的な機械ではないと思うのですけれども、実状のところ、日本製のメーカーあるいは海外製のメーカー、どちらがどのぐらい多いとかというのは何かあるのでしょうか。
○森林研究・整備機構 林業機械としてですか。
○櫛引構成員 そうです。御紹介いただいたフェラーバンチャなど。
○森林研究・整備機構 ベースのマシーンは、基本的に建設機械をベースとしているものが多いですので、ベースマシーンは国産になります。アタッチメントに関しましては、実は余り日本、昔はあったのですけれども、大分減りまして、例えば木を切るような、フェラーバンチャ以外のハーベスタという機械もあるのですけれども、それはほぼ9割海外製になっています。アタッチメントに関しては海外製が多いです。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ただそれを統合して林業機械として出しているのは、国内ということになりますか。
○森林研究・整備機構 国内です。
○齋藤座長 では、林さんどうぞ。
○林構成員 農研機構の林ですけれども、5-2.のフェラーバンチャの所に、専用ARゴーグルによる遠隔操作時の視界補助装置というように書かれているのですけれども、先ほど少し通信が余り、山の中だと難しいというお話もあったかと思うのですけれども、どれぐらいの時間遅れを許容されているとか、そのARゴーグルもいろいろレベルがあって、振り向きは映像もきちんと向きが変わるとか、いろいろあるかと思うのですけれども、どの程度のものを、どういう技術レベルのものを想定されているか教えていただければと思ったのですけれども。
○森林研究・整備機構 私の分かる範疇だと、いわゆるGoogle Glassを着けて、このフェラーバンチャに関してはWi-Fi通信環境下、ローカルな所で見える範疇で操作をしているというところです。あくまでもそんな何百mも離れた所で作業をするという話ではないです。
○林構成員 では遠隔操作と言っても、意外と見える。
○森林研究・整備機構 そうですね。フェラーバンチャや下刈機械ぐらいの場合は、恐らく機械本体を後ろから見えている状況が多いと思います。
○林構成員 それでも、やはりそのARゴーグルなどを使う。
○森林研究・整備機構 やはり木を切る所の間際というのが、目視で確認しないとできない作業というか、石があることもありますし、もしかしたら伐倒する木の方向側に本当に人間がいないかということも確認しなければいけないので、恐らくある程度の目視ないし目視に準じた映像による監視というか、目視レベルが必要だと思います。
○林構成員 分かりました。ありがとうございます。
○陣川構成員 少し補足すると、山の上から機械を下ろしていって、木をつかんで切り倒すということなので、目視と言っても、木をつかむ動作のところは見えないのですね。なので、それでこのARゴーグルを使ってカメラで認識して、しっかり切りたい所をつかんでいるかというのを確認して、伐倒の作業は、木を切るというところはボタン操作で、自動で切っていくという、そういうような機械になっています。
○林構成員 では俯瞰しなければいけない要素と、少し細かく見なければいけないという。
○陣川構成員 はい。両方を持ってということですね。
○林構成員 その細かく見るほうに使われているということ。分かりました。ありがとうございます。
○中村構成員 よろしいでしょうか。
○齋藤座長 どうぞ。
○中村構成員 職業大の中村でございます。非常に有益な内容ではないかと思うのですが、少しお聞きしたいのですけれども、この一番最初のスライドの図のほうで、先ほど今お話があったように、木を切るとき、上のほうから切っていくというお話していましたよね。機械を上のほうに持っていって、そういう話。工程は、例えば山で木を伐採しますよね。下から伐採していくのか、上から伐採していくのかと。私なんか下から伐採するのかと思ったのですけれども、その辺りは具体的にどうなのですか、常識的に。
○森林研究・整備機構 基本的には両方あります。
○中村構成員 やはり山の状況によって変わるのか。
○森林研究・整備機構 道の配置状況に応じて両方あります。ただ重機はその辺り力がありますので、押し倒す力はあるので、必ずしも重力に従わなければ倒せないわけでもないですし、ある程度重力に逆らった方向でも、一応、木を倒せるような力を機械側が有しているという状況です。
○中村構成員 なるほど。ありがとうございます。
○陣川構成員 林業の歴史みたいな話になってしまうのですけれども、人力で切り出していたときは、要するに重力を使って谷に落としてというのが基本だったので、谷側に道ができるように作ってきたのですけれども、大きな機械が使われるようになると、引き上げたほうが安全だったりもしますので、道を今、尾根のほうに入れてという、そういうように今、変わってはきているので、そういう意味では、だから混在しているというのが今、現状ではあります。
○中村構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 石川さん、よろしくお願いします。
○石川構成員 大阪大学の石川です。ありがとうございます。すみません、大変参考になりました。林業機械は、そもそも有人で操縦するときに、何か操縦資格みたいなものというのは設定されているのかというのと、自動化を想定したときに、そこをどういうように考えておられるかを教えていただけますでしょうか。
○森林研究・整備機構 現状では、伐木等機械を操作する特別教育というところがあるかと思いますので、一応何かしらの講習若しくは教育を受けていただくというのは、一般的なルールになっております。
その上で、自動化にする上で特別な教育は必要かということは、今のところない方向でしたいと、私は思っていますけれども、これもまだまだ決まっているところではなくて、まだまだ今の我々のほうの自動化の検討委員会で検討する項目だと、私は理解しております。
○石川構成員 基本的には有人で、扱い方を知っている同じ教育を受けた人が操縦することが想定されているのでしょうか。
○森林研究・整備機構 はい、そのとおりです。
○石川構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。では、林業機械のほうも大変ありがとうございました。3分野に聞いてみましたが、いかがでしょうか。おおむね聞きたい議論は済んだかと思いますが、ただ今回は、今までの建設機械、それから港湾、タワークレーンなどとは違って、むしろ人との混在というのが、あるいは立入禁止の措置ができないというか、困難というか、そういう性質の分野であったかと思いました。また、産車協さんで出ました無人搬送車はロボットというか完全に自動機械で、そういうところから、一方で人の操作を前提にしている遠隔操作というところまであって、幅広い議論ができたのかと思います。
では、この辺りで時間かと思いますので、事務局にお返しします。
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございました。次回の日程につきましては、3月13日(金)を予定しております。改めて場所などを含めて後日、連絡いたします。
それでは、以上をもちまして「第4回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」は終了いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
次に、配布資料の確認をいたします。議事次第があり、資料1「ヒアリング結果について(クレーン・港湾荷役機械関係)」、資料2「ヒアリング結果等を踏まえた論点ごとに検討すべき事項について」、資料3「ヒアリングについて」、資料4一般社団法人日本産業車両協会様の資料、資料5、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構様の資料、資料6、国立研究開発法人森林研究・整備機構様の資料となっております。各資料について不足などがありましたら、事務局にお伝えいただきますようお願いいたします。
それでは定刻となりましたので、ただいまから「第4回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を開催いたします。本日は清水構成員、石川構成員、オブザーバーの国土交通省大臣官房、国土交通省港湾局、農林水産省、林野庁がWeb参加となっております。また、今回は荷役機械、農業機械、林業機械関係の有識者へのヒアリングということで、荷役機械に関しては一般社団法人日本産業車両協会から、田中様と高瀬様に御出席いただいております。
また、一般社団法人日本産業車両協会からの説明に関連して、荷役機械ユーザー事業者の御担当者様に、Webで出席いただいております。農業機械に関しては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構から紺屋様と、Webで八谷様に、林業機械に関しては、国立研究開発法人森林研究・整備機構から中澤様に御出席いただいております。
カメラ撮影などはここまでといたしますので、御協力をお願いいたします。この後の議事進行については齋藤座長、よろしくお願いいたします。
○齋藤座長 労働安全衛生総合研究所の齋藤です。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございました。ヒアリングも3回目ということで、本日は荷役機械、農業機械、林業機械という3分野のそれぞれの状況を聞かせていただくということで、少し長丁場になりますけれども、何とぞよろしくお願いします。
最初に、前回のクレーン・港湾荷役関係機械のヒアリングの結果をまとめたものを資料1で、ヒアリング結果等をまとめて論点ごとに検討すべき事項を資料2で、ヒアリングについて資料3で、事務局から御説明いただきたいと思います。お願いします。
○技術審査官 事務局です。資料1から資料3までを、まとめて説明します。まず資料1についてです。前回、第3回検討会のヒアリング結果についての概要をまとめたもので、クレーンと港湾荷役機械関係のヒアリング結果です。1ページがヒアリング事項について、いつもどおりまとめているものです。2ページを御覧ください。まずはじめにヒアリング結果(無人運転機械の開発・普及状況)についてです。タワークレーンについては各社が遠隔運転の試験実施をしているところです。その中でも玉掛け作業は自動化が難しく、人が行うという状況です。運転者の視野の確保、通信の遅延や遮断などの技術的課題に対応するための要求事項として、安全確保ガイドラインを業界団体の方で取りまとめているということです。また、遠隔運転計画案なども作成しているという話です。
それから、3つ目のポツです。港湾荷役の部分に関しては、自動化コンテナターミナルが海外で約100か所、日本でも名古屋港で設置して取組が行われているところです。吊り荷のコンテナが標準化されていることになり、クレーンの遠隔操作や自動運転、水平搬送機器の自動運転の導入が進んでいるという状況です。
続いて3ページです。「無人運転機械が使用され、又は想定されている作業」です。タワークレーンに関しては1つ目のポツにあるように、遠隔運転卓によるタワークレーンの揚重作業を想定しています。2つ目のポツですが、遠隔運転・遠隔操作のほかに半自動運転、3ポツにある完全自動運転についても想定し検討されているところです。3つ目のポツは港湾荷役の関係です。自動化ターミナルではコンテナを船から積み下ろす作業、ヤードで荷役をする作業、コンテナを搬送し積み上げる作業、水平搬送する作業を遠隔や自動で操作しています。
続いて4ページです。「無人運転機械の制御方式や技術水準」についてです。1つ目のポツがタワークレーンの関係です。遠隔運転に関しては有線通信によるカメラ映像や計器データ、無線通信による合図者の音声に基づいて、タワークレーンを操作します。現地の玉掛合図者は、無線マイクと非常停止装置を装着した状態で作業を行っています。
3つ目のポツが港湾荷役の関係です。自動化コンテナターミナルではコンテナの高さや積み上げ形状などのプロファイル機能、目標に到達する直前に減速し、オペレーターに制御が移り安全に着地させる機能や、風速計に基づき自動シャットダウンする機能を導入しています。
5ページが「無人運転機械に関する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況や動向」です。1つ目のポツです。クレーンの遠隔運転に関して、これに特化した国際規格はありませんが、先ほど遠隔運転における技術的要求事項を申し上げましたが、日本クレーン協会規格として取りまとめています。3つ目のポツの関係ですけれども、ISO 13849、IEC 61508が定める機能安全、IEC 62443が定める通信セキュリティ等が前提として重要だということです。最後のポツの港湾荷役については、国土交通省が「遠隔操作RTGの安全確保のためのモデル運用規程」を策定し、これに従って運用しているという状況です。
続いて、6ページの「労働災害防止の観点から必要と考える措置」です。はじめに、他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止等という観点です。タワークレーンに関しては、まず操作卓にどのノッチが入っているか認識できる3色表示灯を設置しています。運転者以外の現地の合図者が停止ボタンを装着し、別系統の非常停止ボタンを操作卓に設置するなどによって、リスクの低減を図っているということです。
2つ目のポツです。自動運転の場合には、こちらは検討しているという話のようですが、他の機械との衝突防止対策(衝突防止システムの二重化)とか、通信途絶時のフェイルセーフ、周辺作業者への接触防止対策、物理的隔離と電子フェンス、自動荷振れ抑制機能が重要ではないかということです。このような機器が存在しない場合は、運用・体制面での措置として地上監視員の配置と緊急停止権限や、気象センサーとの連動が重要になるのではないかということです。併せてタワークレーンの関係ですけれども、「視覚の死角」の解消ということで、通信遅延の管理が非常に重要ということでした。
続いて7ページの「運転操作性の確保」という観点からいきますと、使用しているモニターについて、故障で操作を誤らないように、予備のモニターを操作室に常設する。また、モニター交換終了まで遠隔操作を中止することによって、リスクを低減します。
自動運転においては有資格者、機上操作経験、ITスキルを有する者が操作することが重要、また、AR(拡張現実)を用いたガイダンスが有効ではないかというところです。
3つ目のポツです。超低遅延・高精細フィードバック、触覚技術が非常に有効ではないかというところです。故障時の操作誤りを防ぐための仕組みであったり、運転支援、拡張現実、触覚技術等の活用による安全確保が有効になるのではないかという話でした。
8ページが「停止時・トラブル時の安全確保」という観点です。1つ目のポツです。非常停止装置の故障による危険がないよう、分離した安全ユニットを中継したシステムへの非常停止ボタン設置とか、非常停止時における運転者の搭乗運転での荷の安全な場所への揚重が重要です。また、制御システムについては機能安全で対応することが重要ではないかということでした。
3つ目のポツです。システムとして遠隔復旧と自動危険回避の設置ということで、安全姿勢保持ロジックや多角的な「遠隔診断」システムが重要ではないかということです。それから、こういう緊急時における現地対応の代替措置ということで、「特定監視員」を任命したらその者への権限移譲、あるいは緊急時の「物理的ロックアウト・タグアウト」の手順、サービスマン・有資格者の位置付け規定が重要ではないかということです。
9ページが「運転者(操作者)に求められる技能の確保」です。システムの安全、機能喪失に対しての対応といった観点から、新たな制度が必要ではないかという話がありました。
2つ目のポツです。2次元モニターの映像で距離を把握し操作するためのデジタル・空間認識能力や通信遅延への適応、ネットワーク異常を判断するという観点からのITリテラシーが追加で必要ではないかと。また、体制として社内又は業界団体で教育プログラムを設けることが有効ではないかという話がありました。
続いて10ページです。(無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容について)ということで、4点ほど挙げております。まずハードウェアの条件として、既存の回路に介入・遮断できる制御インターフェースが重要ではないかと。安全装置のメカニカルなバックアップ、混線しない通信インフラの排他性という観点です。2つ目として、使用環境の制限(空間的条件)ということで、立入禁止区域の物理的隔離という話や、非常停止のための通信遅延の閾値などの設定も必要ではないかというところです。
3つ目として、オペレーションの仕様制限ということで、「人」が最終介入するという最終介入権の確保や、荷の形状・重量等を限定するという、対象物の特定という観点が必要ではないかというところでした。4ポツとしては機能安全に関する前提条件ということで、(パフォーマンスレベル)の設定、サイバー攻撃に対するセキュリティという観点が重要ではないかという話がありました。
最後が11ページです。(その他、労働安全衛生法令に対するニーズや課題等について)です。2つ目のポツにありますが、ボイラーの自動制御装置に倣った機能安全基準適合の認定制度も有効ではないか、機械・システムの要件だけではなく、人あるいは管理といった要件も含めた、クレーン作業全体の安全評価を行う必要があるのではないかと。それから、3つ目のポツです。遠隔操作・自動運転のための自動停止等の仕組みについては、ソフトウェア的に実装済みですけれども、ハードウェア的に満足する機器というのが、現在の市場に十分に提供されていないということも踏まえ、適合機器がない場合には、ソフトウェア的な制御と運用的・人的な代替措置を組み合わせ、同等以上の安全性を担保する柔軟な評価制度を求めるという話です。労働安全衛生法令について、「性能規定」への転換が必要だという御意見もいただいたところです。以上が前回のヒアリング結果についてということで、資料1の話です。
続いて、資料2です。こちらは前回の検討会でも、その前の第2回の検討会で行ったヒアリング等を踏まえ、論点ごとに検討すべき事項について資料をお出ししておりましたが、そちらに今回、前回の第3回の検討会でのヒアリング結果も踏まえて追加した、今後論点ごとに検討すべき事項についての資料です。本日、この資料については特に議論しませんけれども、記載事項について御質問や追記すべき点など、委員の皆様のほうで何かありましたら、後日、事務局まで御連絡を頂ければと思います。今後の検討会ではこちらをベースにして、具体的な議論に入っていくということを考えております。
1ページですが、論点ごとということで、それぞれ1回目の検討会で出した論点をベースとして、それぞれの観点から今後、どういったことについて具体的に検討が必要かということをまとめているものです。赤字の所が前回、第3回の検討会を踏まえて追記した事項となっております。まず1つ目が「他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止」という観点です。3つ目のマルですが、特に遠隔運転において通信途絶等の故障の場合、運転者以外の現場の合図者等の非常停止による事故防止措置について、どのように実現するかという観点が必要かと考えております。
2ページに行って、「運転操作性の確保」という観点で見たときに、先ほどの話にもありましたが、実機の運転席での操作と、同等以上の視界という観点も必要ではないかというところで、検討すべき事項の1つとして入れています。2つ目のポツですが、運転支援、拡張現実(AR)等を活用することにより、安全を確保することが有効ではないかという話がありましたので付け足しています。
3つ目のポツですが、モニター等を使用している場合、そもそもモニター等の故障に備えた対応について、故障時の操作誤りという観点から、どのように防ぐかという観点を入れております。それから「停止時・トラブル時の安全確保」という論点です。最後のポツに1つ追記している、トラブルが起きたときの現地対応者という話もあったかと思います。遠隔運転のトラブル時に復旧作業を行う者について、どのような要件や権限が必要になるだろうかというところを追記しています。
続いて3ページです。「運転者(操作者)に求められる技能の確保」ということで、その教育の体制という話も少し出ておりました。業界団体の活用という話もあったところですけれども、教育の体制をどのように整備するかというところを入れております。
それから、無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容では、前回のヒアリングでいくつか出てきたところがありますので、追加で書かせていただいております。既存の回路に介入・遮断できるインターフェース、安全装置のメカニカルなバックアップ等のハードウェアの制限について、どのように考えるか。環境の関係での要件では、立入禁止区域の隔離等の使用環境、荷の限定と運用の制限、パフォーマンスレベル、機能安全の関係での設定等の設計思想の制限について、どのように考えるかというところを入れております。
4ページ、「無人運転機械に関する労働安全衛生法令に対するニーズや課題等」です。2つ目のポツですが、クレーンの議論では、遠隔運転に対する安全確保の技術基準及び基準適合評価の認証の仕組みも、一定出てきたところで、そちらを記載しております。また機械・システムの要件だけではなく、人・管理も含めた作業全体の安全評価を行う認証制度が有効ではないかと。特に機能安全認証を受けたハードウェアが流通していない場合、代替措置を組み合わせて安全性を担保することができるなど、柔軟なものにしてほしいという話も、先ほどお話したとおりですので追記しています。前回のヒアリングを踏まえ、今後、この検討会の中で議論する、検討すべき事項についてまとめたものが以上の資料2です。
続いて資料3です。こちらは本日のヒアリングについてということで、基本的に毎回お出ししている資料と一緒です。ヒアリング事項を改めて、こちらのほうに項目として書かせていただいております。本日ヒアリングさせていただく関係機関等の皆様方におかれましては、資料4以降にありますが、基本的にこちらの項目に沿った形で御説明いただければと考えているところです。本日は荷役機械、農業機械、林業機械を対象にということです。これからヒアリングのほうをよろしくお願いしたいと思います。以上です
○齋藤座長 ありがとうございました。前回のクレーン・港湾荷役機械のヒアリングについて説明がありました。ガントリークレーンは、かなり半自動と言いますか、遠隔操縦の自動化も相当進んでいる分野であるかなと強く印象を受けました。国土交通省でも、こういうガイドランイ等を出しているということで話を聞きました。一方タワークレーンは、遠隔操作、オペーレータの作業環境の改善のために非常に遠隔は重要な分野だと思いますが、玉掛け等での作業者混在もあり、なかなか難しさがあるというころを聞かせていただき、こちらもガイドライン等を作ってやっていくというお話でした。一番は、オペレーターの能力として、既存の機械の資格者であるとともに、実機の操作経験に加え更にITスキルが必要なのではないかという話は、私は一番興味深く聞かせてもらった点でした。ありがとうございました。
それでは、本日の分野に移っていきたいと思います。まずは、荷役機械関係ということで、日本産業車両協会様からまず15分程度御説明を頂き、その後関連する話題として、荷役機械のユーザー様からWebですが15分程度で説明を頂くということでよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
○日本産業車両協会 承知いたしました。日本産業車両協会です。本日は、機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会におきまして、議題では荷役機械と書かれておりますが、この後はJISの定義に沿って産業車両という言葉を使わせていただきますが産業車両、そしてその自動化を実現いたしました無人搬送車についてお話させていただく機会を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。これから資料に沿って、また先ほど御提示いただいたヒアリング事項に沿ってお話させていただきますが、私、専務理事を務めております高瀬と、無人搬送車システム委員会の委員長をお務めいただいております三菱ロジスネクストの田中様の2名で説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
次のスライドです。こちらは、今日お話させていただく内容です。0.と付けましたが、こちらのイントロの部分で定義と自動化の実現状況を簡単に御説明した後、先ほどのヒアリング事項に沿ってお話をさせていただきます。0.から4.までを私、高瀬から、5.6.を田中委員長、そしてもう一度7.につきまして私、高瀬がお話いたしまします。
次のスライド、イントロの部分です。まず、産業車両の定義と自動化の実現状況で、JIS規格に規定されています定義に沿って御説明いたします。一番上にありますが、JISのZ0111「物流用語」という規格の中で産業車両の定義がなされております。御覧いただくと分かりますとおり、一定の作業現場において、各種の荷役作業に使用する車両となっております。例示といたしましてフォークリフト、無人搬送車といったものが挙げられております。
もう少しかみ砕いて申し上げますと、産業車両というのは、工場や倉庫、あるいは物流施設、一部港湾等もありますが、こうした構内において物の運搬や荷役を行うための専用車両ということになるかと思います。こちらのスライドの下の部分が、この自走式産業車両の用語規格JISのD6201に基づき、どういう種類があるかということで掲げております。フォークリフト等幾つか書かせていただいておりますが、御覧いただくと分かるとおり、既にほとんど自動化、無人化が実現をしている製品です。その中でも遠隔操作式に関しましては、一部フォークリフトで近年実証等をされているケースがありますが、もともと自律、完全自動で実現した製品ですので、遠隔操作については、まだ極めて数は少ない、ないしは実証中というところかと思います。その中の一番下に赤字で無人搬送車と書かせていただきましたが、いわゆる産業車両の自動化車両を全てこの無人搬送車という中に入れて、安全規格等を含めて定義をさせていただいているものです。
次のスライドです。こちらで、先ほどの、もう一度JISのZ0111物流用語の中に「無人搬送車」の中にどう定義されているかと言いますと、産業車両の定義に、自動という言葉を足したようなもので、先ほど申し上げたとおり赤で書きました広義には、無人けん引車及び無人フォークリフト、そして無人搬送台車を全て含めて無人搬送車という言い方をさせていただいております。
最後に、下のほうに「無人搬送車システムに関する用語」ということでJISのD6801無人搬車システムそのものに対する定義です。こちらは、基本的には産業車両の定義と機能的には同じですが、自動化という言葉を足していることと、最後に安全規格の範囲を明確にする意味で、道路交通法に定められた道路では使用しないものという一文を加え、いわゆる配送ロボットといった機械と区別をしているところです。
次のスライドです。ここからは、ヒアリング項目に沿ってお話いたします。まずは、「無人搬送車」の開発・普及の状況です。こちらが、日本で無人搬送車という歴史を簡単に述べたものです。無人搬送車、こちらに写真を提示しておりますが、けん引タイプということで、後ろに荷物を積んだ台車を自動でけん引して走る車両です。こちらは、1965年に日本で初めて導入されております。床面に埋め込んだ電磁誘導線に沿って走行するもので、自動走行するものです。下が、無人フォークリフトです。こちらは、1971年に日本で初めて導入されました。この段階で、既に走行、操舵、リフト操作、荷役、こちらも全て完全自動化を既に実現しているもので、御覧いただきますとおり無人搬送車は日本におきまして、既に50年以上前から実用化されていた製品です。
次をお願いします。この後、統計に基づき普及状況をお話させていただきます。そちらの中で触れております種類別のものをJISから定義しております。積載形、けん引形、フォークリフト形と大きく分けております。基本的には先ほどJISの産業車両の用語の定義で書きましたとおり、構内運搬車と構内けん引車とフォークリフトそれぞれ自動化されたものがこの3つですが、有人式と若干異なる部分としては、運搬車に当たる積載形につきましては、アマゾンの倉庫等で有名になりましたが、荷物を乗せた棚を乗せて運ぶ、こちらについては有人タイプには存在しておりません。またけん引形でも、この絵にありますとおり、カゴないし下に潜り込んで運ぶものがありますが、こちらも有人式では存在しておりません。
次の資料をお願いします。こちらが今申し上げました3つの製品区分に基づいて、少し見づらくて恐縮ですが私どもの協会の会員からの御報告に基づく1992年以降の納入実績です。左側の目盛りが納入のシステムの件数、このグラフの左半分ぐらい2006年ぐらいまでは大体毎年400システムから600システムということで安定しておりましたが、急激に2007年、2008年に増えておりますのが、いわゆる自動車工場でかなりまとまって導入されたことがあり、このため数がかなり多くなっております。ただ、ちょうどリーマンショックにも重なり、その後また大きく落ち込んだ後、2000年代半ば、2015年ぐらいから回復に転じてきているというのが状況です。コロナ禍も若干落ち込みが見られましたが、これは納入の際に、やはりお客様の所の現場の訪問をしたり、作業内容の細かな打合せをするというときに、やはりコロナ禍ではなかなかできないということもありましたので、こういったことも影響しているかと考えております。直近2023年、2024年は回復しており、右目盛りが台数ですが、おおむね毎年2500台以上は導入をされております。下の色分けが見づらくて恐縮ですが、オレンジ色の積載形、グレーのけん引形が多くなっており、無人フォークリフトはまだ年間せいぜい100何台という程度の状況です。
次をお願いいたします。こちらが、私どもの会員企業の中で無人搬送車を製造・販売している企業30社をリストアップしたものです。最後のほうに、会員以外でこちらが承知しているメーカーさんも少し書き足しております。多様な企業さんが参入されており、御覧のとおり幅広いバックグラウンドを持った様々な業種に属する企業がこの分野で参入されていらっしゃって、これはベンチャー系も多く見られますが、特にベンチャー系におかれましては、最近いわゆる搬送ロボット、いわゆる産業用の搬送ロボットと境界が少し曖昧になってきているのも1つの特徴と言えるかと思います。
次の資料をお願いします。こちらは、ヒアリング項目2つ目、使用状況です。用途としましては先ほど定義で申し上げましたとおり、構内における荷役運搬作業ということですが、それを無人搬送車が自動化、自律化を実現したものです。具体例で申し上げますと、工場で申しますと生産ラインに組立用の部品を保管場所、倉庫等から自動で搬送してラインに供給する。あるいは、倉庫に届けられた荷物をトラックから自動で荷卸しをし、それを今度搬送台車のほうで庫内ないしは工場に搬送する、又はその逆のケースがあります。この下の表は、私どもの会員に対する調査で2022年から2024年の3年間の業種別の納入実績をまとめたものです。御覧いただきますと分かりますとおり、製造業務系、特に自動車製造業務系が多くなっており、第3次産業ということで申し上げますと、5番目に運輸・倉庫業が入っております。業種は様々ですが、基本的にはどちらでも、いわゆる構内での荷役、搬送の利用をしていただいており、省人化、自動化に活用いただいているものです。
次をお願いいたします。ヒアリング事項の3つ目、制御方式や技術水準という中で1つ、自動走行方式に基づく種類、こちらもJISの定義に沿って簡単に書かせていただいたものです。大きく言いますと経路誘導式、自律移動式、追従式と3つあります。追従式は、自律移動式の1種と考えられますので、大きく言うと経路誘導式と自律移動式かと思います。経路誘導式は、床面に磁気棒や磁気マーカーを埋め込む、あるいは磁気テープを床に貼り付けて磁気センサーで検知して自動走行するものです。この磁気テープを貼り付けるものが一番多くなっております。この磁気テープやマーカーに対しまして、現在プラスマイナス10ミリ未満の高い精度を持って走行・停止も行われているという水準に達っしております。
2つ目の自律移動式は、先ほどのようにテープを床面に貼り付けるといったことは必要なく、カメラやライダーを用いたSLAM式が増えております。また車両単体ではなく、複数台数を走らせますので、それに群制御という形で全体をまとめて制御されているものも多くなっております。またSLAM式のほかに、レーザ誘導方式ということで反射板を設置し、こちらとの距離を測りながら自走位置を検出して走るということで、こちらもプラスマイナス10ミリ程度の精度で運用しております。
次をお願いいたします。今の絵で補足しているもので、同じように経路誘導式、自律移動式、それにガイドレスと自律走行と書いておりますが、右の2つは基本的には同じかと思いますが、障害物の避け方の部分で少し経路変更ないしは避けていくのに差がありますということを書かせていただいたものです。また最近ですと、この経路誘導式と自律移動の2つを合わせ持ったハイブリットタイプのものも出ており、必要とされる走行経路の精度や走行エリアの自由度等の違いから、1台の車両にこの経路誘動と自律移動の両機能を合わせ持って、それぞれの機能を生かして自動走行をしているというものも出てきております。
次のスライドをお願いいたします。ヒアリング項目の4つ目、「無人搬送車」に関する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況です。細かいので簡単に申し上げますと、私どもの協会では1982年に無人搬送車システム委員会を立ち上げ、その後経済産業省の工業技術院から依託を受け標準化の作業に着手し、まず協会規格を作り、それをベースに、資料の一番上の1990年に「無人搬送車類の用語」と「無人搬送車の安全基準」を発行いたしました。その後94年に改正と合わせて、設計通則等の関連規格も拡充をさせたものです。この後技術の進歩等に沿って、改正を繰り返してまいりましたが、2022年に大改正がありました。そちらの理由といたしましては下に青で書いておりますが、国際規格の無人搬送車の国際安全規格がようやくでき、ISO 3691-4が2020年に発行されました。これに合わせる形で、2022年にJISの大改正をし、その際一部の既存のJIS規格の廃止を行ったものです。こちらの国際規格ですが、2023年に欧州機械指令への適合のための改正を行った後、現在サードエディションの改正作業を進めており、私ども日本からも代表を派遣して審議に参加をしているところで、現状、いつ発行というのがはっきりしておりませんが、恐らく2027年半ばぐらいではないかということで、残念ながら欧州の機械規則の発行には間に合わない状況になっております。
次をお願いします。先ほど遠隔操作のお話もありましたが、無人搬送車の安全規格におきましては、遠隔操作を含めておりません。どこにあるかと言いますと、有人式産業車両の安全規格ISO 3691-1ないしはJIS-D6001-1といったところで、いわゆる外からの操作ということで遠隔について触れられております。有人の一つのバージョンという位置付けになっているところです。
次をお願いします。もう1点の留意点としましては、先ほど無人搬送車と産業用搬送ロボットの境界が曖昧になっていると申し上げましたが、実際ISOの審議の場でも同じような状況があり、ISO/TC110(産業車両)とISO/TC299(ロボティクス)との間で若干スコープ、規格の対象範囲の重複の懸念があり協議が行われているところで、1月末にアメリカで協議がありましたが、まだ決定に至っていない状況で、これからまだ行われるところです。
次をお願いします。もう1点です。こちらはJIS規格JIS D6802の無人搬送車システム安全規格の項目で、この後詳細を田中委員長からお話いただきますが、こういった形で要求事項が定められており、具体的には制御システムの安全関連部の中で、ほかにありますブレーキ、速度制御、安定度、停止など、パフォーマンスレベルを定めて最低満たすべき要求として掲げられている立て付けになっている規格です。ここまで駆け足でしたが、ヒアリング項目についてお話いたしました。ここから、具体的に安全の中身につきまして田中委員長からお話を頂きますのでよろしくお願いいたします。
○日本産業車両協会 ここから田中が説明いたします。よろしくお願いいたします。まず、無人搬送車の使用におきまして、想定されますリスクの一覧というものが、JIS D6802の附属書Bのほうの「重要危険源の一覧」としまして掲載されております。以下のような内容ですが、この中で車両に轢かれるなど書かれていますように、機械的危険源に対しまして、規格に規定された具体的な措置について、次のスライドで説明いたします。次のページをお願いします。
(1)で、他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止ということで、現行のJIS/ISOでは、人への検知というのが要求されております。ただ、他の機械等の検知については記載されておりません。以下の要求事項は、全て人検知システムに対しての定義とされております。
まず、電気的検知保護設備、いわゆるESPE、こちらはバーチャルバンパとか仮想バンパともいわれております。次に圧力検知保護装置、こちらはメカニカルバンパです。バンパセンサーやバンパスイッチなどといわれております。他に自動の再始動の防止、ブレーキシステム、速度制御、経路内の人検出などが想定されております。次のページをお願いします。
このページは、前ページで説明しました要求事項をJISから引用したものになります。ここには記載されておりませんが、人検知を保障するための試験法案とか、制御システムのパフォーマンスレベルの妥当性確認、検証についてもJISで規定はされております。次のページをお願いします。
こちらは2つ目です。運転操作性の確保につきまして、無人搬送車は、自律送行・自動荷役のために、運転操作性に関する規定というものが、安全規格には存在しておりません。こちらについては遠隔操作についても同様です。停止時のトラブル等の安全確認については、規定はされております。例えばブレーキシステムについては、速度制御、操舵制御の故障によって行われなかったときには、自動的に起動する等、非常停止につきましては、JIS B9703に則った設計原則に適合した非常停止機器を装備しなければならないといったような規定がございます。
あと、4つ目の運転者に求められる技能の確保については、こちらは(2)と同じ理由で、規格上の要件としてはございません。メーカーとしましては、異常時の復旧操作というのもございますので、システムの引き渡し、お客様に引き渡しするときに、取扱説明とか教育のほうを行っております。次のページをお願いします。
ここまで説明いたしました「無人搬送車」の使用による労災防止の観点から、具体的な措置をまとめたものが以下になります。具体的に言いますと、ISO/JISで定められています無人搬送車に関する安全要求事項については、対人の検知を要求されています。対物の検知については要求されておりません。運転操作性の確保につきましては、安全の自動化を前提としておりますので、遠隔操作につきましても要求はされておりません。ただし、車両の自動運転の安全性につきましては、ブレーキや速度制御、操舵などに関しまして、必要な要求がございます。
右下に行っていただきまして、産業車両におきましては、今、申しました完全自動運転、荷役作業というものが実現しておりまして、市場導入もされてきております。安全確保や防止措置につきましては、遠隔操作は対象外としておりまして、4象限での検討は行っておりません。次のページをお願いします。
こちらは補足になります。2022年に改正されましたJISは、旧JISに規定されておりました製造業者及び使用者が互いに協議して、現場における安全を確保するといった運用とか思想、こちらのほうが削除されております。日本産業車両協会としましては、国内では旧JISに基づいて、製造業者と使用者の相互理解による運用が長く一般的に行われてきておりましたので、こちらのほうを復活させまして、日本産業車両協会規格ということで、ガイドラインとして継承をしております。今後このガイドラインも、どう活かしていくかについては、現在進行中のISO 3691-4の改正に伴いまして、JIS改正を併せて委員会で取り組んでまいりたいと思っております。次のページをお願いします。
こちらは今、申し上げましたガイドラインの一例になります。これらの協会規格との整合性は、法的な義務ではないのですが、導入現場の安全確保のため、お客様と協議を行う場合の1つとして、推奨要件としております。私からの説明は以上で高瀬さんのほうに返したいと思います。
○日本産業車両協会 ありがとうございました。再び高瀬から最後のスライドの御説明でございます。こちらもディスカッションいただきました、この検討会で御検討に関するお願いの部分のものでございます。無人搬送車につきましては御説明させていただきましたとおり、長年にわたりまして工場や倉庫などの構内における搬送作業の省人化・自動化に貢献をいたしまして、生産性の向上にも効果を発揮してきたと考えております。1990年にはJISの安全規格も発行されまして、2020年にはISOの安全規格も発行されてございます。現在はJISも、このISOに準拠して改正を行いまして、世界的に統一された安全規格が確実に運用されている状況かと思います。
また、2025年の厚生労働省の労働災害統計の起因物として、新たに無人搬送車数の追加を頂いてございますけれども、2025年1年間の速報値では、「無人搬送車」に起因する死亡災害の発生は、していないというところでございます。
こういったことを考えまして、産業車両におきます無人搬送車は、機械の無人運転に際しましては、他の建設機械や農業機械とは若干異なる歴史、あるいは実績というものがあるのかなというように考えてございますので、ただ、こちらが先ほど御紹介しました既存の規格、あるいは施策、そういった成果に基づいて、一定の安全確保がなされてきたとは考えてございますが、そういった部分で御配慮いただければと考えているところでございます。
また、一方では規格の整備というのが進んでおりますけれども、無人搬送車は労働安全衛生法の関係法の中では、まだ明確に位置付けが出ていないという製品でございますので、規格と整合した形で、法的な位置付けの明確化というものについても御検討いただければ有り難いというように考えてございます。産業車両協会からの説明は以上となります。御清聴いただきまして、大変どうもありがとうございました。
○齋藤座長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関連しまして、今度は無人フォークのユーザーの立場から、お話を頂きたいと思うのですが、Webでつながっていますか。御発言いただけますか。
○荷役機械ユーザー それでは自動化における事例の紹介ということで、説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
ユーザー企業として「機械の無人運転における安全確保に関する専門家検討会」というところで、御報告をさせていただきます。次のページをよろしくお願いします。
本日のアジェンダといたしましては、事前にヒアリングシートを頂いておりましたので、その内容を基に資料を作成しておりますので、内容で御説明をさせていただきます。次、お願いします。現在、当社に導入している無人フォークリフトになりますけれども、メーカーは株式会社豊田自動織機様のものになります。操作方式はリーチタイプのフォークリフトになります。今回は操縦席も設けておりますので、スイッチ1つで有人モードと無人モードが切り替えられるようなフォークリフトになります。
誘導方式は、SLAM方式になります。先ほども御説明ありましたけれども、特に磁気棒であったり、ARマーカー等インフラ整備が必要ないもの、この機台のみで運転が開始できるものになります。
定格荷重といたしましては、1.1tになります。これが弊社で取り扱っている荷の最大荷重が1.1tになりますので、それに合わせて定格1.1tのものを導入しております。次のスライドをお願いいたします。
先ほどの無人フォークリフトの導入現場になりますけれども、こちらが弊社の製品自動走行を、今、投影させていただいていまして、今回はトラックへの積込みに自動フォークリフトを使用しておりますので、その積込みバースに導入しております。バースが幾つかあるのですけれども、この4番バースにフォークリフトを導入しております。右側が、その積込みバースのエリア図面になるのですけれども、無人フォークの稼働エリアを黄色い枠で表示しております。この下側に、製品払い出し用のコンベアがございますので、その両脇に無人フォークリフトが1台ずつ待機している形になります。御覧いただいたとおり、周りの作業ともかなり近いエリアにはなりますので、当然、柵といった何か物理的にこのエリアを区切るようなものは設けていない現場になります。作業中は、作業者が待機いただけるように、柱の傍に待機場所というものを設けております。次のスライドをお願いします。
ここの現場で、10tウイング車への積込み作業に無人フォークリフトを使用しております。作業の流れになりますが、従来でいいますと、トラックが入場して積込み準備ですね。ウイングの羽根を開けたりという作業を行った後、積込と養生作業をするのですけれども、従来であれば、このような形でドライバーの方が荷台の上に乗って、フォークマンと連携しながら積込みと養生作業、緩衝材等を挟んだり、そういった作業を併行して行うような作業になっておりました。
今回は無人フォークリフトというところもありますので、この稼働エリア内に作業者を立ち入らせたくないというところがありますので、従来のような、ドライバーの方が荷台に乗ってする作業というのができなくなりますので、今回は入場して、積込み準備を行った後は、先ほどのレイアウトにあった待機場所で、ドライバーの方は待機いただいて、その間に無人フォークが、自動積込みを行った後に、積荷の間に差し込むような形で養生作業を行う業務プロセスに変更しております。
今回は自動倉庫からそのまま荷物が出てきますので、基本的にトラックを着床させた際には、既に積荷がそろえられた状態になりますので、特に待ち時間なく無人フォークが積込みを開始することができます。ポイントといたしましては、従来のようなフォークマンの方が不要になるという点と、あとは荷物の待ち時間もございませんので、ドライバーの負荷の軽減といったところで、この自動フォークリフトが活用されています。次のスライドをお願いします。
メーカーに改修を依頼した箇所の御説明をさせていただきます。今回、メーカーに1点だけ改修を依頼しております。それがAGFの遠隔停止になります。先ほど御説明ありましたけれども、JIS D6802では、こういった無人搬送車本体への非常停止ボタンであったり非常停止機能の設置が規格されております。今回も自動フォークリフトの非常停止ボタンに限りますけれども、背面とサイドに1個ずつ設置されているような状態になります。
ただ、当社の安全設計の考え方では、危険源と人の接触を回避できるように対策をすることというように規定をされています。今回は危険源というところは自動フォークリフト本体になります。なので、現状のJISに基づいた設計では、非常停止を掛けるには、稼働中のAGFに接触しなければならないというところになりますので、ここがちょっと、当社の安全規定に適用しないというところになりますので、今回はそのようにお願いいたしまして、この制御盤に停止ボタンというものを新しく設置いただきました。ボタンを押すことで自動フォークリフトが2台とも停止するような形になりますので、遠隔でAGFを操作できるような機能を、今回は追加させていただいております。次のページをお願いします。
その他の管理的対策といいますか、具体的に行った措置の事例を、ここに投影させていただいています。まず1つが、稼働エリアのライン引きですね。これが稼働ラインを引くことで、作業者の侵入防止喚起をというところと、あとは無人フォークリフトにどのぐらいに近付けば、停止するのかというところが、設備だけでは分かりにくいというところもありますので、大体これ以上近付いたら止まるというような、検知範囲の確認を兼ねて、ライン引きを行っております。
続きまして、自動フォークリフト稼働中の作業者の待機場所の新設ですね。これも先ほどのライン引きと同じように、稼働エリアへの侵入防止という意味も含めて、二重化ということで、待機場所を設けております。
あともう一点、今回はフォークリフトを稼働させる際に、ドライバーの方から作業合図というものを発報いただくのですけれども、そのようなところも、この待機場所に設置することで、基本的にここにいるのみで、全ての作業を完結するというところから、オペレーションの効率化も図っております。
続きまして、バース予約システムと連携した運転開始発報というところで、今回、この自動倉庫では、バース予約システムというものを導入しております。何かというと、ドライバーの方が何時に、どのバースに行ったらいいかというのをあらかじめ予約することによって、待機時間というものを大幅に削減することができるようなシステムになるのですけれども、このシステムも今回、自動フォークリフトと連携しておりますので、例えば自動フォークリフトに、今から何枚積むであったり、作業の時間ですね、開始時間等も、このシステムからのボタンを押すのみで連携できるようになりますので、本来であれば、自動フォークリフトの制御盤に、トラックへ何枚積み込むという情報をポチポチと入力する作業が発生するのですけれども、ワンタッチで運転開始できるというところから、操作性を向上させております。
また、重ね重ねにはなりますけれども、やはり自動フォークリフトに、なるべく近付いてほしくないというところもありますので、これがあれば、タブレット1つで遠隔からでも運転開始ができますので、そういった意味から、今回はバース予約システムと自動フォークリフトを連携させております。
それから最後になりますけれども、メーカーによる作業者教育というところで、これは実際にメーカーの方を講師にお招きして、具体的にどういう安全機能が搭載されているかであったり、作業上の注意点は何かというところを、メーカーの方からしっかり教育いただくというところで、現場作業者に注意事項を周知するという目的で、今回は行っております。
簡単ではありますけれども、ユーザー側からの報告は以上とさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。
○齋藤座長 大変ありがとうございました。それでは、今の産車協さん、荷役機械ユーザーさんからの説明、プレゼンに対して御意見や御質問等がありましたら挙手をお願いします。では、畑さん、どうぞ。
○畑構成員 御説明どうもありがとうございました。2点ほどあります。1点は今はっきりしたのですが、一応、規格上は非常停止を無人車に設置することになっていますよね、それだと、今、御説明がありましたように、もう車自体が危険源になっているから、遠隔というのは必ず必要になるかと思うのですが、この辺りの普及というのは考えられているのかがまず1点目です。
もう一点は、人検知というのが要求事項としてありますが、検知機能のパフォーマンスレベルはここに書かれていますが、安全距離、隔離距離といった観点はどのような設計をされているのかと。例えば、機械設備であればISO 13856といった規格で決められている計算上で隔離距離を決めているのですが、その点、ちょっとお話いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○齋藤座長 産車協さん、よろしいですか。
○日本産業車両協会 非常停止については、遠隔というものが、まだ安全規格上担保されていないので、例えば、通信が途絶えたりしたときにどうするのかといった安全確保に、どれだけのものが今世の中にあるのかというのがありまして、メーカー側としては、まだそこまで推奨はしていないですが付けており、メーカーの担保としてお客さんに提供したりしております。
○齋藤座長 人検知についてもいいですか。
○日本産業車両協会 今の御質問、基本的に人検知は有しておりますので、当然、動いている所にボタンを押そうと近付いて行けば止まってしまいますので、本当にもう非常停止ボタンは緊急的措置なのかなということで、恐らく、非常停止ボタンを車外に付けるという規格の立て付けになっていないということなのかと思います。そして、人検知手段の要求事項に関しては、それぞれ先ほど申し上げましたが、パフォーマンスレベルレベルが決まっており、試験方法も決まっておりますので、何ミリとまで書いてあったかあれですが、要件を決めて、しっかりと、人が接近した場合は直接当たる前に停止するような要求になっているということです。
○畑構成員 AOPDやAOPDDRというものを使っていますよね、光や反射で。それだと、ぶつかってからではなく、ぶつかる前に止める、要するに、危険源を車自体の危険源として想定した距離を取るというのが基本だと思うのですけれど。その辺りはどうですかね。
○日本産業車両協会 機械自体として、その周囲を全部検知しながら走りますので、リスクを認知した瞬間に止まるということです。
○畑構成員 分かりました。基本的に設定されているということですね。
○日本産業車両協会 そうですね。もともと、それがデフォルトということですね。
○畑構成員 あと、非常停止に関して、パフォーマンスレベルDぐらいも無線のやつなので出ると思うのですが、その辺り、また調べられたらいかがかと思います。
○日本産業車両協会 非常停止機能の制御部分のパフォーマンスレベルとして、 Dを要求されております。これについては、人による意図的停止、非常停止及びブレーキ全ての動作を停止するということが非常停止機能には求められているというものです。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに。それでは、中村さん。
○中村構成員 職業大の中村です。非常に分かりやすい説明でした。私のほうからも、畑さんとちょっと関係している所で教えていただきたいのですが。非常停止ボタンを押した際の停止の状況というのは、エンストするのか、それともブレーキなのかというところ、2点目は、非常停止ボタンを切ったときに再起動しますよね、例えば、普通の機械であったら再起動ということで原点復帰して動かすといった形になると思うのですが、その辺りのメカニズムはどうなっているのですかね。
○日本産業車両協会 非常停止は、電源ダウンといったことは一切しておりません。電磁ブレーキで強制的に止めにいっているといった状況です。
○中村構成員 はい。
○日本産業車両協会 一般的には、スタッカークレーンといったものだと、主電源を落とすといったものもありますが、AGVの場合は、そうではなくて、電磁ブレーキをドンッと掛けるといった制御にしております。
○中村構成員 再起動はどういう形になるのでしょうか、非常停止ボタンを押して電磁ブレーキが止まっていますよね、それで、再起動をする際に、例えば、非常停止ボタンを切った段階でそのまま動いてしまうのかといった、そういう。
○日本産業車両協会 いや、それは一応決められておりまして、必ず車の近くまで行って再起動をすると、非常停止ボタンを押せば、リセットして、起動ボタンを押してスタートするということになっております。
○中村構成員 そうすると、これはもう人が行うことになりますので、そのときに人が介在している場合は、例えば、ほかの複数台数を動かしていたり、何かしていた場合はどうなるのですかね、ほかの機は止まっているということでよろしいのでしょうかね。
○日本産業車両協会 それも、そうですね、場合にもよりますね。
○日本産業車両協会 基本、群管理ですので。
○中村構成員 なるほど。分かりました。ありがとうございました。
○齋藤座長 ほかに。では、櫛引さん。
○櫛引構成員 JQKの櫛引です。御説明ありがとうございました。お話の中で、ISO 3691-4あるいはJIS D6802といった規格が挙げられておりますが、実際、どのくらいの適合性といいますか、各機体について、どのくらいの規格が満足、満たされているのかをお聞かせいただければと思います。
○日本産業車両協会 全製品がなっているかどうかですか。
○櫛引構成員 そうですね、要求事項に対して、メーカーは、機体としてどういった対応をされているのか、されていないのかというようなところです。
○日本産業車両協会 基本的には、この規格自体が大きさや速度などを全く考慮せず1本の規格ですので、正直申しまして、非常に、廉価で速度が出なくて軽いものなどは、正直まだ満たせていない、特に中国製の製品などが入ってきていますから、その辺は、ちょっと適合できていないものもあるのではないかというようには考えております。
○櫛引構成員 日本製は、大体満足しているといった認識になりますか。
○日本産業車両協会 そうですね、基本的には、やはり対応が難しいので、100%いけているかですけれど、今、適合に合わせていただいていますが、何分、何と言いますか、スタンダード品がない商品なものですから、お客様の使用条件によって、荷物の大きさや場所が変わると車体のサイズや仕様が変わってきますので、それによって都度、適合について設計段階から検討しないといけない機もあったりするので、それが少し難しいところかと思います。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 次、清水さん。聞こえますか。よろしくお願いします。
○清水構成員 御説明ありがとうございました。2点、御質問があるのですが。無人搬送車に非接触のセンサーと非接触のバンパーが付いていると思うのですが、全ての機種に階層のインターロックが付いているのかどうかということと、もし、その非接触センサーと安全の接触センサーで無人搬送車を止める場合の、それぞれの中止のカテゴリはどうなっているのかを教えていただきたいのですけれども。
○日本産業車両協会 非接職のバンパーと普通のメカニカルバンパーのどちらかは必ず付いております。
○清水構成員 両方付いていることはないのですか。
○日本産業車両協会 それもございます。安全カテゴリで担保されているものであれば、非接触だけで動かすこともあります。
○清水構成員 そうすると、非接触のセンサーは停止するわけではなくて、例えばスピードを緩めるだけといったものですか。
○日本産業車両協会 いや、違います。非接触の場合はスピードを緩めて停止までさせます。
○清水構成員 その場合は、制御カテゴリとしては幾つになっているのですか。
○日本産業車両協会 これは3。安全カテゴリですか。
○清水構成員 はい。
○日本産業車両協会 パフォーマンスレベルでいきますと、人検知システム自体はC、ちょっと細かく分けておりますが、C又はDでございます。
○清水構成員 そうすると、停止はしていますが、電源を切っているわけではないという。
○日本産業車両協会 そうですね、電源は切ってはおりません。
○清水構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では、中坊さん。
○中坊構成員 産総研の中坊です。リスクの中に「車体が転落する」というのは入っているのですか。床面を検知するセンサーみたいなものは規定に入っていたりしますか。お分かりだとは思うのですが、SLAM形式などになってきた場合に、非常に大きな段差がある所で、大きな機体がそのまま転落して落ちていって下にいる人をということもあり得るかなと思うのです。環境側で通常そういった環境では使わないのだとは思うのですけれども、今後もずっとそういう環境では絶対使わないかどうかということについて、ちょっと保証はできないのかなと思いましての御質問でした。
○日本産業車両協会 今おっしゃられているのは、ナビゲーションではなくて、床面の段差や凹凸などを見ながら、走れるかどうかの安全を確認しながら走っていますかということですか。
○中坊構成員 そういうことですね。そのまま突っ込んでいくと、車体が転落して落ちて、もう引っくり返るといったことが、自分で分かって走っているのかということです。
○日本産業車両協会 この無人搬送車は、そういう仕様というものではお客様にはお伝えしておりません。これは条件として、そういった段差や崖、急な突起物といった所がない所を走るという条件で提案はしております。
○中坊構成員 先ほどのリフトなどになってくると、バースだと、そこには段差があるわけですよね、トラックであれば大丈夫でしょうけれど。そういうのはまだ問題になるほどのリスクではないのですかね。
○日本産業車両協会 いや、メーカー側としては、段差の最大値を規定して、ここまでのものだと走れますといったことを提案しております。
○中坊構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 では、山下さん、お願いします。
○山下構成員 人検知のミューティングについて御説明がありましたが、その中で、例えば、どういう運用設計にしているのか、どう可視化しているのか、ログを取っているかなど、その辺りの運用というのはどういうようになっているのでしょうか。
○日本産業車両協会 人検出手段のミューティングについては、JISの規定上では、特定の移載や搬送条件において、こういったミューティングが必要になる場合があるということを前提とし、その人検知手段は、人が存在しないことを保証するために、例えば対象物や移載ステーションあるいは構造物、建物など180mm未満まで接近してからミュートしなければいけないということで、あと、ミューティングは、速度が,0.3m/S未満のときだけ認められるという規定になっています。
○山下構成員 今、ミューティング状態にあるかどうかというのは、どこかにランプか何かで表示するといったことがされているということですか。
○日本産業車両協会 メーカーサイドで、ミューティングしている状況であるときはフラッシャーランプなど点滅の仕方を変えたりということはしております。
○山下構成員 分かりました。関連して、もう1つよろしいですか。同じように、運転モードについても幾つかのモードがあるわけですけれども、そのモードがどういうモードにあるかということをしっかり可視化されているのかどうか、モード制御を間違えないようにするにはどうするか、この辺りはいかがでしょうか。
○日本産業車両協会 全ての会員様がされているかはちょっと分からないのですけれども、旋回、荷役、非常停止、異常といったときは、ランプの仕方を変えたりしております。
○山下構成員 分かりました。ありがとうございます。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。聞き漏らしていたらすみません。一番重い無人搬送車は何トンですか。
○日本産業車両協会 一番大きいのははっきりしておりまして、前回、港湾の荷役機械の中で、名古屋のコンテナ用のAGVの御紹介で、あれが一番、国内では突出して大きいものかと。あれは本当に隔離されたエリアだと思うので、例外的だと思いますが。
大きさで言えばそれぐらいです。
○永谷構成員 なるほど。
○日本産業車両協会 今、一番多いのは、大体、せいぜい1t、それぐらいが一番多いかと思いますが。
○永谷構成員 1t。お伺いしたかったのは、その重さによって危険が随分変わってくるので、このくらい重いとこうしたほうがいいなど、何かしらの、基準があるのだとしたら教えてください。
○日本産業車両協会 具体的には、各社さんがお客様に納入する場合に決めていらっしゃると思うのですけれども。基本的には、JISでもリスクアセスメントをやった上で仕様を決めてくださいとありまして。実は、先ほど申し上げたISOが大きさや速度などは全く考慮しなくて、一本の要件なものですから、その辺、ちょっと日本はリスクアセスメントを前提としたやり方にしているということと、あと、改正中の361-4のサードエディションはその辺も加味して、まだ議論は途中で分かりませんが、その辺も検討範囲には入っているということだけ申し上げたいと思います。
○永谷構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では犬塚さん。
○犬塚構成員 港湾空港技術研究所の犬塚です。御発表ありがとうございました。お伺いしたいのが、無人搬送機というのは非常に高い位置精度の制御が求められると思いまして、経路誘導方式は、確か±10mm以内の精度で誘導していると伺いました。先ほど、重さ1tぐらいと聞いて、そんなに影響はないと思うのですけれど。例えば、それほど正確な経路をずっと同じ経路をひたすら通ることによって、アスファルト敷だったりすると、何か、路盤がへこんだりといったことは発生しないのかなと。あと、そういう高い位置精度をずっと維持することができるのか、あるいは何か、毎日点検をやらないと、ちょっと変な方向に行ってしまったりするのかなど、何かそういう、メンテナンスに関してもお伺いできればと思います。
○日本産業車両協会 1つ、先ほどのリスクアセスメントという言い方とは違うかもしれません。基本的には、スタンダードな製品ではなくて、全てお客様仕様的な要素がありますので、導入時に床面の強度と、あと、例えば、ここの床であれば最大重量はどのくらいというのは決めてやられていると思いますので、床面がひずんで止まったなどという事例は余り聞いたことはありません。
○齋藤座長 私からもよろしいですか。ユーザー事業者様にちょっとお伺いしたいことがありまして、この障害物センサー検知範囲を明確にする、作業者、周りにいる人に分かるようにするというのはあれなのですけれども、先ほど産車協さんからも説明がありましたが、JISでは、立ち止まっている人は検知して停止するけれども、人が車両に向かってくることまでは考えていないという規定でやっている。簡単に言うと、走っていけばぶつかるのですけれども、実際に導入される上ではそういったところまで考えてこの作業者教育というのを組まれているのでしょうか。ほかにもいろいろあると思いますが、こういった危険みたいなことを、フォークのメーカーさんから危険情報として教えてもらっていたのでしょうか。
○荷役機械ユーザー 御質問ありがとうございます。まず、おっしゃるとおりです。そういった無人搬送車に向かっていく急な飛び出しであったり、意図的な接近というところに対してはぶつかってしまうというところがあります。なので、そういった点を踏まえて作業者教育はしっかり行っており、また、その他関係者の方にも、そういった作業者の意図的な接近は検知しきれないというところは説明した上での作業者教育になります。
○齋藤座長 ありがとうございました。もう一点なのですが、非常停止に関連して、荷を積んだ状態で走っているときに、非常停止させるという場面があると思うのですけれど、荷を積んだ状態で走っていて、急停止すると荷ずれが起きたり、落ちたりといった危険みたいなこと、そういったところで、停止そのものが危険であるといったことも教育に含まれているのでしょうか。
○荷役機械ユーザー 御質問ありがとうございます。おっしゃるとおり、荷役中の急停止による荷崩れというリスクは、当然、導入の際に検討し、実際に、弊社の荷を使用して複数回テストを行いました。特に重たい荷物、軽い荷物、荷姿の乱れているものであったりで複数回急停止をさせてみて、そこで、実際に荷崩れが起きなかったというところを参考として荷崩れによる災害は起こりづらいというところを確認した上で、作業者教育でも、荷役中の荷崩れのリスクについては教育を行っているというところです。
○齋藤座長 ありがとうございました。正に、メーカーさんのほうから、実際に使われる側でも重要な安全の情報のコミュニケーションというのはしっかり取って、きちんと管理、マネージメントされているのかなと思いました。ありがとうございました。
○荷役機械ユーザー ありがとうございます。
○齋藤座長 ほかに。では、そろそろ時間になりましたので、荷役、運搬機械に関してはこれで。大変参考になる御説明をありがとうございました。
続いて、農業機械のほうで、国立研究開発法人農業食品産業技術総合研究機構、農研機構様、よろしくお願いします。
○国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 よろしくお願いいたします。スライドは写っていますね。では、農業機械の無人運転における安全確保等について、農研機構、農業機械研究部門の八谷と私、紺屋から御説明いたします。よろしくお願いいたします。次、お願いします。
まず、はじめに、私、紺屋よりロボット農機の普及、作業内容、ガイドライン、検査等の現状について御説明いたします。次、お願いします。こちらは、農業従事者数の推移を表したグラフです。見てお分かりになりますとおり、近年、農業者数の急速な減少が進んでおり、個人農家を含む持続的な農業生産基盤の維持のためにロボット化・自動化による生産性の大幅な向上が不可欠とされているのが現状です。次、お願いします。
こちらは、農業分野における制御方式・技術水準ごとの無人運転機械の開発・普及状況の御説明です。まず、一番左側の図、こちらは正確にいいますと無人の機械ではないのですが、関連する技術ということで、1つ目はGNSSガイダンス/自動操舵システムです。こちらは、人が農業機械に乗車した状態で自動操舵をする自動化となります。既に、北海道等を中心にかなり大きく普及は進んでいる状況です。真ん中の2つ目が、これは無人です。目視監視型ロボット農機と我々は呼んでおりますが、こちらは、ほ場内の作業に限定した無人状態での自動運転であり、使用者はほ場の近く、近傍で、目視で監視する運用となります。トラクター、田植機、コンバインについても既にメーカーから市販されております。そして、一番右側が、遠隔監視型ロボット農機と我々は呼んでおりますが、こちらは遠隔監視下でほ場間移動を含む無人状態での自動運転をさせる運用ですが、現在、研究開発段階となります。次、お願いします。
無人運転機械が使用され、又は想定される作業ですが、こちらの資料は農林水産省の「農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン」からの抜粋ですが、このガイドラインの中で定めている、対象とする具体的な農業機械としては、この写真にもありますように、トラクター、茶園管理機械、あとは田植機、草刈機、小型汎用台車、収穫機であるコンバイン、こういったものが先ほど申し上げました目視監視により使用するロボットの農機として想定されています。加えてこのガイドラインで、遠隔監視によるロボット農機として、トラクター、茶園管理機械を範疇としています。次、お願いします。
国際規格・国内規格、各国の規制等の状況についてですが、我々、農業機械研究部門は、農業機械に関する研究や開発、検査等を実施していますが、ロボット農機の安全性に関する研究としては、一番上の段、2015年頃から継続して取り組んでいるところです。あと、第三者認証機関として検査を実施していますが、ロボット・自動化農機の検査を2018年頃から開始しております。農業機械に関する国際機格としては、ロボット農機の安全性に関する規格であるISO 18497という規格が2018年に発行されており、2024年には、その改訂版が発行されております。一番下のガイドラインは、先ほどの農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドラインになりますが、最初は平成29年に策定され、その後も改正が加えられ、現状に至っているという状況です。次、お願いします。
ガイドラインの具体的な内容です。ロボット農機を製造、販売、導入、使用するに当たっての製造者導入主体、使用者の方が具体的にどのような主な役割や遵守すべき事項がこのガイドラインには記載されています。内容量が多いので全部は御説明しませんが、リスクアセスメントをしっかりしましょう。教育をきちんと受けましょう。そのようなことが求められているというガイドラインとなります。次、お願いします。
続いて、我々、農業機械研究部門で実施しております検査について御紹介いたします。まず、ガイドラインはリスクアセスメントを基本として保護方策によりロボット農機のリスクを低減することを求めております。我々が実施しておりますロボット・自動化農機検査は、メーカーさんが製造したロボット・自動化農機に対して、必要な安全機能が装備されていて、きちんと機能するかどうかを、実機を用いて検査しております。ロボット農機検査の対象は、先ほど御説明しましたように目視監視型ロボット農機として、ここに書いてありますトラクター、田植機で、すみません。資料の誤記でこの乾燥機というのが別の枠立てで検査をするもので、このロボット農機検査からは削除で、修正をお願いいたします。改めまして現状はロボット農機検査の対象はトラクター、田植機、コンバイン、これが目視監視型ロボット農機です。自動化農機検査も実施しているのですが、これは最初に御説明したアシストや、GNSSガイダンス、そういったものの付いた機械に対しても検査をやっていますということになります。次、お願いします。
ここからはロボット農機検査について御説明を続けます。この検査は、ここに書いてありますように、使用者がほ場内やほ場周辺から監視しながら無人でほ場内を自動運転させる農用トラクター、田植機、コンバインを対象としています。なお、我々の検査では公道走行は除いています。次、お願いします。
こちらはトラクターに関わるロボット・自動化農機検査の具体的な実施方法と基準を定めたもので、このように、多くの項目は設定しており、内容はまた後ほど目を通していただきたいのですが、このうち、主要な検査についてはこの後に御説明いたします。次、お願いします。
ロボット農機の制限仕様と検証方法です。先ほどの農水省のガイドラインでは、製造者等に定められた目的、場所においてのみ自動走行させて下さいということが求められております。我々の検査において具体的な検査方法は、この図の左側にありますように、作業領域を設定し、その作業領域内でのみ自動運転が可能であることを確認します。例えば、その作業領域を逸脱をするようなことがあれば自動停止の有無を実際の実機を用いて確認しているということです。次、お願いします。
周辺作業者への接触防止の点からいきますと、我々の検査では、人・障害物検出機能確認試験を実施しております。このイメージですが、ロボット農機の進行方向、前進するとき、後進するとき、まず、警告領域と危険領域を設定し、一番右側にあるような検出体をロボット農機の進行方向に設置します。設置する位置はこの図の真ん中にあるように、機体の中心であったり、左右であったり、ここに1か所ずつ設置するのですが、設置した検出体に対してロボット農機が接近して、まず警告領域に試験障害物が侵入したら警告を発すること。そして、さらに近付いて危険領域に侵入したら、ロボット農機は自動停止することを検査では基準として定めております。次、お願いします。
これは動画です。流していただいてもよろしいでしょうか。音は入っていないのですが、我々の検査としてはこのような感じで検出体に対して自動運転状態のトラクターを接近させて、本当はここで音が入っていたら警告領域に入ったということで警告音が発生しています。最終的にはトラクターの停止とロータリーの停止を確認し、停止時のトラクターと検出体の距離を測定しています。我々の検査としては接触しないことという基準で、特に何mで停止すること。何秒以内で停止することとまでは定めておりません。次、お願いします。
そのほかの検査内容です。こちらは遠遠隔操作装置、いわゆるリモコンです。このリモコンで自動運転の開始、自動運転の停止をするのですが、例えば、自動運転開始の操作は誤操作防止機能が設けられているか。要するには、簡単に触れただけでは自動運転が開始できないように、例えば、2つのボタンを一緒に押す、1つのボタンを長押ししないと自動運転が開始できないような、そういった誤操作防止機能が付けられているかを確認します。停止操作をしたときに確実に停止するか。また、ロボット農機とリモコンは常時相互通信している必要を求めているため、通信が遮断した際にはロボット農機側が停止するかどうかを確認しております。次、お願いします。
停止時・トラブル時の安全確保についてです。ガイドラインでは、自動走行が停止した場合は再開前に停止原因の解消及び周囲の安全確認を求めております。検査においては、先ほど御説明した遠隔操作装置の誤操作防止機能、あとは、自動モード、手動モードというのを必ず本機側で切り替えるようにしており、手動モードに入っているときは、自動運転は絶対できないことを確認しております。ただ、エンジンを始動した直後に、例えば、スイッチが自動モードに入ったとしても自動運転はできないことを求めています。更にそのほかのシステム障害が発生しているときは自動運転ができないということを求めております。次、お願いします。
こちらは、正常に自動運転しているのか。今から自動運転開始が可能なのかどうか。自動運転が今は開始できない。何か異常が発生していのかどうかということが分かる状態表示灯を監視者が必ず見える位置に取り付けられているかを確認する検査についてです。次、お願いします。
使用者に求められる技能の確保についてです。ガイドラインは、製造者等は、販売者等と連携し、導入主体や使用者に対して、ロボット農機の安全使用の訓練を行うことを求めています。さらに、業界団体である日本農業機械工業会では「ロボット農機の安全性確保のための指導者養成並びに使用者訓練ガイドライン」という具体的なガイドラインを独自に作成しており、内容はここに書いてありますように、使用者の条件、使用者訓練の内容、使用者の育成について定めております。次、お願いします。
ロボット農機に関する安全衛生法に対する課題についてです。まず、ここに書いておりますとおり、農業そのものの労働安全衛生環境に関しては、2022年の時点では農業経営体の85%が雇用を行っていないといった状態です。そういった法人経営がもし行われたとしても安全管理には課題が多いのが現状です。さらに、無人運転ではなく、労働安全衛生法令における有人運転を行う車両系農業機械の安全対策が現状検討されており、厚生労働省の下「農業機械の安全対策に関する検討会」が進められています。これは有人の農業機械に関してですが、まだ、そういった段階であり、こちらについての議論を進めなくてはならないと考えられます。とはいうものの、農業機械における死亡事故の約4割は「機械の転倒・転落」に起因するものですので、こういったロボット農機がすることにより、そもそも人が乗らなくなれば、重大事故の大幅な低減が期待できると考えている次第です。次、お願いします。
私からは最後です。ロボット農機の使用環境に関してです。この下の写真で示しますように、実は、いろいろな使用環境が農業分野にはあり、ほ場や周辺環境の立地条件は極めて多様です。農業機械が稼働する農村地域は、都市地域と比べて人が少ない環境である一方、ほ場や農道は農業者や地域住民の生活地域の一部であり、第三者の介在を完全に排除することは困難な状況です。付加価値と生産性を両立させた農業の実現のためにはロボットと人の協働が有効であることは、もちろん挙げられており、ここに書いてありますように、人とロボットの空間的共存を考慮した安全対策を、今後構築していかなければいけないということです。求めることは最後に書いたとおり、政策官庁、ユーザー、メーカーの緊密な連携の下、各産業・地域の実態に応じた安全衛生法令の検討が必要と考えているところです。私からは以上です。
ここからは、オンラインでつながっている八谷に説明を引き継ぎたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農研機構の八谷と申します。今、紺屋から一通り御説明があったのは、2018年までに農機メーカー3社が市販した有人監視型あるいは目視監視型と呼ばれるロボット農機の、特に、検査体制のお話でした。一方で、私どもが研究開発、また、実証を進めておりますのは、今、ここに記載されていますように、“遠隔監視”型ロボット農機です。参考ということで、2枚ほどのスライドで少し御説明したいと思います。この遠隔監視型ロボット農機ですが、右側にお示しておりますように、遠隔監視者、これはあくまでも所在にかかわらず一台の監視端末で、私どもとしてはタブレットとしておりますが、一台のタブレットを使って、複数台のロボット農機を運用可能とするということです。
ロボット農機は、格納庫からロボット作業エリアまでの公道走行を視野に入れているわけですが、公道は一般交通参加者との混在交通を前提として、障害物を検知して接触しないよう迂回経路生成機能を実装しているといったことになります。この度の専門家検討会においては、一般道を走行することに関しては、主として警察庁、国交省の担当となりますし、検討会の範疇外となろうかと思いますので、その点に関しては割愛させていただきたいと思います。
このタイトルにお示ししておりますように、この無人の農機が使用されている作業としては様々あります。対象としている機械はまずトラクターですが、トラクターにいろいろな作業機を付けることによって、例えば、稲作の場合ですと、田んぼを耕したり、平らにしたり、さらに、種や肥料を撒くことと併せて田んぼとはまた別に、その脇にある農道の草刈りといったようなことも想定する作業となります。また、畑作においては、作物ごとでまちまちですが、今、この絵の下に示しておりますのが馬鈴薯の場合ですので、御覧いただければと思います。次のスライドをお願いします。
それで、この“遠隔監視”型ロボット農機が格納庫を出て、一般道を通ってロボットの作業エリアに入って作業するわけですが、今、こちらでお示ししましたように、絵の向こう側にある格納庫と思っていただけたらよろしいかと思います。ゾーン30と書いてありますが、公道を走ってきてロボットの作業エリアに入ってくるといった想定をしております。一般道とこのロボット作業エリアの間においては、基本、入ってしまえば、あとは農道とほ場で構成されたエリアになりますが、その農道については2018年度末に警察庁と農水省が協議をし、農道においては、通行止めにしても一般の地域住民に対してほぼ支障を来さないという判断がなされれば、通行止め措置をすることができます。そうした通行止めをした絵をお示ししているわけですが、このように通行止めをすることにより、このエリア内の農道は道路性が排除されることになります。
結果、あくまでも事業者による通行止めなので強制力はありませんが、このように通行止めをすることにより、ロボットが縦横無尽に農道を走行し、ほ場内で作業することが可能となるというイメージでおります。このエリアにおいては、絵の2.にお示ししておりますが、私どもとしては、大体、このエリアは50~100haを想定しております。このエリア内での極力安全かつ効率的に農作業ができるようにということで、この通行止めによって閉鎖環境にするわけですが、この通行止めについては、その農道の管理者は市町村の農政課になろうかと思います。
そちらの農道担当者の判断で通行止めすることができるということで、こうした閉鎖環境を作ることにより、本日の検討会が始まる際に、口頭で御説明のあったスライドにも記載されておりましたが、機械側の安全に向けた対策というものが、当然、必要になりますが、併せて、今、お示ししておりますように、一般の交通参加者が立入禁止措置によって対策を講じるという考え方を、今後、調整する必要があろうかと考えております。雑駁ですが以上です。
○齋藤座長 大変ありがとうございました。それでは、今のロボット農機の御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、挙手を。では、比留川さん、お願いします。
○比留川構成員 産総研の比留川と申します。2つお聞きしたいのですけれども、1つ目は、検査という言葉を使われていましたけれども、多分、もともとはガイドラインで労安法などの影響もないと思うので、これ、任意か強制かというと、任意ですよね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 はい、任意です。
○比留川構成員 ありがとうございます。それから、もう1つ、遠隔監視型と呼んでおられたと思うのですけれども、宅配便でやっている自動走行型というものは遠隔操作型という位置付けになっていて、運転しているのはあくまで人なのですよね。要するに法律上は人が操作していて、自動運転機能がちょっと支援に付いてますよという製品にしているのですけれども、この遠隔監視型というのは、すごく曖昧な感じがするのですけれども、これを動かしているのは、ソフトウェアなのか、人なのか、どちらなのですか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 我々、ガイドラインの中ではもう少し大きなくくりで想定していて、基本的には、ロボットの動きは自律で自動運転します。それに対して、遠隔で監視者がじっと常時監視するタイプの監視方法であったり、あとは、ずっと監視しなくても、何かアラート、エラーが発生したときにきちんと通知が来て、監視者が、その通知情報を見て、どうなったのだなというのが見えるような、そういう2つの監視の仕方を想定しています。その操縦的な意味でいいますと、停止とスタート、自動運転開始と自動停止はできるのですが、基本的に、操縦である操舵を切ったりなど、そういうことは中には含まれていないという整理としています。
○比留川構成員 ということは、例えば運用中に何か事故があった場合というのは、機械の責任ですか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 農水ガイドライン検討会の中でも、責任の所在については議論中となります。人が主に監視しているようなシステム運用をしているときは人の責任となりますし、システム側での監視であれば、システム側の責任というような位置付けかなというところです。繰り返しますが、明確に整理できていない状況で議論中のところです。
○比留川構成員 ありがとうございました。
○齋藤座長 ほかにございませんか。Webで、清水さん、お願いします。
○清水構成員 労働安全衛生総合研究所の清水と言います。質問があります。農業条件、作業環境というのは、工場内と違って第三者が近くにいるということで、今、規制をするということで、立入禁止措置をするというお話があったのですけれども、第三者は立入禁止の措置をできるのですけれども、関係者は作業の中に、エリアの中にいるのではないかなと思うのです。それで、私が聞きたいのは、例えば作業として、草刈りということが1つあったと思うのですけれども、草刈りをする場合、草だと刈ってほしいのですけれども、そこに人がいる場合は止まってほしいということになると思うのですが、そういった場合の人と草というか、ものの識別をするようなセンサーが搭載されているのかどうかということと、もしできないのであれば、例えば作業中は関係者も作業エリアに入らないというようなルールで作業を行っているのかということをお聞きしたいのですが、よろしくお願いします。
○農業・食品産業技術総合研究機構 ありがとうございます。目視監視型の草刈りロボットに関して言いますと、まず、センサーの性能として、恐らく、人と草を明確に見分けてする技術は、まだ、完全に確立はされてはいないというのが現状だと思います。なので、基本的には、目視監視型のロボット農機というのは、必ず監視者が近くにいるということが前提ですので、そもそも草刈機でしたら、石跳ねなどそういうものに対して、その監視者もある程度離れないといけないですし、あとは、近くに来た人に、今ここで草刈りロボットを動かしているから近くに入らないでくださいと、その監視者自体が注意喚起するかなど、現状はそういった運用で想定しています。
○清水構成員 そうすると、自動化と言いながらも、やはりルールとのセットというか、更に人が付いている現状ですね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 もちろん、そうですね、はい。
○清水構成員 どうもありがとうございます。理解できました。
○齋藤座長 畑さん、どうぞ。
○畑構成員 長岡技大の畑です。御説明ありがとうございます。農業機械、これは自動運転ですよね。これを遠隔でやっているときに、おかしいときに、非常で止めたいというときには、遠隔で止めることになりますね、近づいて止めることはできませんから。
○農業・食品産業技術総合研究機構 今、研究開発段階の遠隔監視型ロボット農機の話ですね。
○畑構成員 聞きたいのは、止める機能はあるのですか、外部の監視者から。
○農業・食品産業技術総合研究機構 これは、今、各大学や研究機関、メーカーによって、多分、方式は定められてはいないのですが、基本的には、遠隔で非常停止する機能は想定されていると思います。
○畑構成員 そうですか。あと一点、人検知というのが、1つ目的としてあるのですけれども、この資料の中に、信頼性というか、パフォーマンスレベル的なところの説明がなかったと思うのですが、その辺りは、今、どのような状況なのでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 我々は、検査内だけにおいては、実は、正直なところ、具体的にそのパフォーマンスレベルはこれ以上でとかいう設定はしていません。基本的に、ISO 18497というロボット農機の安全性の規格に関しては、その中で、こういった別のパフォーマンスレベルをきちんとリスクアセスメントして決めなさいということに従って、メーカーさんはやっているものだということを信じております。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに、櫛引さん。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。では、シンプルにお聞きしたいと思います。規格の御紹介がありましたが、ガイドラインとこの国際標準の関係、位置付け、この辺を少し御紹介いただけますでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 大体、ほぼほぼ同じぐらいの時期にどちらも発効されているということで、ガイドラインを作る事業にも、私も参画しておりましたので、なるべくこういった国際規格と齟齬がないように、ISO 18497と国内の農水省のガイドラインの内容が齟齬がないように合わせるような作業を、ガイドラインを作る事業では取り組んできていますというところですかね。
○櫛引構成員 ありがとうございます。では、内容としては、大体同じようになっていると言えますか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうですね、ガイドラインは様々なロボット農機に対して、包括的というか、広く捉えられるように広く書かれていますけれども、どちらかというと、規格のほうがもう少し細かいことは設定されているというような感じです。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 永谷さん、どうぞ。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。ちょっと、私自身、最後のほうの説明で、若干混乱しているのですけれども、最後に人が入れないようにするというのは、今後の話であって、今は、人が入ってきたら止めるというようなところが議論になると思っていいのでしょうか?
○農業・食品産業技術総合研究機構 遠隔監視型のほうは、先ほどから申し上げていますように、もっと研究開発を進め確実にロボット農機側のシステム判断で確実に人を検出したら自動停止する必要があると考えています。
○永谷構成員 もっともっと後の話。
○農業・食品産業技術総合研究機構 実際に運用するとなったら、立入禁止のような措置をするということですが、基本、今、実際に市販されていたり、我々が検査の対象としているロボット農機は、ほ場内だけで限定して扱う、作業領域内だけで限定して扱うということになります。
○永谷構成員 その場合には、何かあった場合に責任をとるのは、そこにいる人ということですよね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうです。基本的には、目視関しに関しては人の責任と考えています。
○永谷構成員 目視監視者が責任を持って動かしているということですね。
○農業・食品産業技術総合研究機構 そうです。目視監視型ロボット農機に関しては、目視監視者です。
○永谷構成員 分かりました。一応、そこをクリアにしたかったので、ありがとうございます。
○齋藤座長 石川さん、お願いします。
○石川構成員 大阪大学の石川です。大変興味深いガイダンス、どうもありがとうございました。やはり町中の建設機械と違って、大分、農業ならではの稼働状況などが分かって非常に興味深く、作業者と管理者が一致しているのも非常に独特な状況かなと思ったのですが、今日のお話の中で、基本的には、これも移動体といいますか、無人移動車としての安全管理の話が基本だったかと思うのですが、トラクターということで、やはり作業機部分がありますので、まず、1つお伺いしたいのは、これは、自動化されているのは基本的には移動機能だけで、その作業機の働く部分というのは従来型の機械と基本的に同じなのかということをお伺いしていいでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 基本的には同じですが、もちろんその作業機、例えばロータリー、一種の耕耘をするような作業機は、もちろん自動でPTOが回って、その作業機自体を下げれば自動で耕耘するということで、別にそこに人が介在することはありません。
○石川構成員 ありがとうございます。それで、何か異常等で停止したときに、やはり作業している最中に止まることになると思うので、ちょっと、私、状況が完全に想像できていないのですけれども、基本的には何か刃物がむき出しになったものが停止していることになりますので、停止したときに、結局、何か、例えば絡まったものを取ったりなどというときに、やはり人が近づいて何か触ったりなどということが必要になるような状況というのも起こりやすいのではないかと思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。私が何かちょっと勘違いをしていたら申し訳ないのですけれども。
○農業・食品産業技術総合研究機構 いえ、ありがとうございます。おっしゃるとおり、そういった何かが絡まってしまってそれを取らないといけないということは、どちらかと言えば、頻繁にあるような事象です。ですので、その辺は、使用者訓練の中でも、そういった危険源に近づく際は、もう、エンジンを切って、そういった作業をしてくださいというような教育をしているというところになります。
○石川構成員 ということは、エンジンを切った状態では、基本的には自動化されていようといまいと、基本的には同じトラクターのトラブルシューティングと変わらないという。
○農業・食品産業技術総合研究機構 はい、そうですね。人が普通に乗るトラクターと同じだと考えてください。
○石川構成員 ありがとうございます。
○中村構成員 簡単に1点だけ。職業大の中村です。今後の将来に向けて、非常に注目すべき内容だと思います。それで、私から1点なのですが、このシステム障害発生時には、自動運転不可能状態に移行ということなのですが、これは自動運転のみなのですか、通常運転、いわゆる自動運転ではない普通の運転も停止する仕組みなのでしょうか。
○農業・食品産業技術総合研究機構 ありがとうございます。人が乗車して、普通に運転している時ということでしょうか。
○中村構成員 はい、そうです。
○農業・食品産業技術総合研究機構 それは、メーカーさんのどういったシステムで作っているかによるところで、我々が言っているのは、あくまでも自動運転に関連するようなシステムが異常を来した際は停止するというか、自動運転ができないようにしてくださいというところを求めていて、通常状態の機械に関してまでは範疇としていないということです。
○中村構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。ロボット農機分野で御説明を頂きました。大変参考になりました。ありがとうございました。
それでは、3件目で、国立研究開発法人 森林研究・整備機構様から林業分野機械ということで、よろしくお願いします。
○国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所の中澤と申します。皆様の分野のほうが非常に進んでいる状態で、大変勉強になりますが、なかなか林業の分野はまだまだ検討を始めた段階であるということで、いろいろ御容赦願えればと思います。
次、お願いします。まずは、林業の主な木材生産の流れについて説明したいと思います。林業では、チェーンソーによる、基本的には伐倒、伐採から、より土構造の簡易な道、作業道と言いますが、そこまでの木寄せ、ここまでは立木1本分なので、大体1本当たり1tか2tぐらいの重量のある材を扱うことになります。そこで、また道の上で、いわゆる造材と言われる、機械を、プロセッサーといわれる機械を使って丸太に小切って、フォワーダと呼ばれる車両系の集材車両に乗せて、いわゆるトラック付けできるような土場辺りまで集材するのが一般的な木材生産の流れです。そこから、中間土場等を経る場合もありますが、木材市場や製材工場に運ぶというのが一般的な木材の流れになります。
我々の森林域は、平均的に30度以上の急傾斜地で作業をしていることと、おおむね年間2,000mm以上の降雨があるような山間地域である。また、人が住んでいない地域ですので、いわゆる携帯電波が通じないですし、一般的な作業地は数ヘクタール以上あります。ただし、現場で作業をする人は、作業班と呼ばれますが、数人規模から多くて10人ぐらいの規模なので、いわゆる人の密度としては少ない状況になります。
次、お願いします。こちらは、いわゆる農業のほうとも他の分野とも一緒なのですが、従事者数が大幅に減少しております。ここ30年ぐらいで3分の1以下になっております。一方、労働災害ですが、多少、減ってはきているものの、年間、1,000人ぐらいの死傷災害及び年間30人程度の死亡災害がありますので、割合としますと、林業従事者の1,500人に1人が毎年亡くなっていますし、40人に1人ぐらいがけがをしている状況になっております。いわゆる千人死傷率の数値を見ますと、平均的な他産業の10倍の危険度があるという状況です。こちら林野庁としての方針ですが、死傷千人率を2030年までに半減させたいという方針があります。やはり従事者数が減っている中で、生産性の向上をしながら労働災害の低減を狙っていくということで、自動化を検討しております。
次、お願いします。実際の死亡事故の要因ですが、おおむね3分の2程度が伐倒時、木を倒すときになります。人が作業をしているがゆえのことになります。それに、2番目として、車両系集材機械のところが10%未満ぐらい。架線系集材、林業分野においては、いわゆるタワークレーンのようなものですが、それも3番目に多い状況になっております。車両系集材機械の所を見ますと、基本的には走行時に半分ぐらいの事故が起きている。架線のほうも、いわゆる荷掛時にかなり死亡事故が起きているのですが、ここはなかなか機械の自動化は難しいという中で、まだまだ研究開発段階にあります。いずれにしても、伐倒作業と集材作業に関して今、機械の自動化を狙っていることになります。
次、お願いします。あと1つ、我々は急傾斜の斜面で作業をしますので、まだまだ人による作業が多い状況になります。ここの左にあるような伐採・搬出分野までは、伐倒と供出作業はまだまだ人の手でやっている部分が多いです。もう一方、木材を生産するところ以外で、切った後植林する作業がありまして、その後の、例えば下刈りみたいなところも急斜面での作業になりますので、人手で作業をしておりますので、右にあるような労働強度で言うと、全て重労働以上というのが人手での作業になります。
次、お願いします。そういう中で、林業機械というものが定義付けられておりますが、おおむね、建設機械や農業機械に林業用というアタッチメントを付けているものを我々は林業機械としております。ここにあるように、先ほどの死亡事故の多い伐倒から木寄せのところの、いわゆるフェラーバンチャ 、スキッダと呼ばれる機械及びフォワーダという集材作業をする機械の2機種の自動化を検討しております。さらに、それ以外の人力作業の多い下刈機械の自動化を今、対象にしております。
次、お願いします。林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会としまして、R6年度から開始しております。ここにいる陣川構成員が座長で、あと私でしたりとか、あと大学、そこにいる齋藤座長も委員として参画していただいております。それ以外に、林業経営者と各種林業関係の団体、林業機械メーカーに委員として参画していただいております。オブザーバーとして林災防及び東さんにも厚労省として参画していただいております。R6年度は、まずは遠隔操作のガイドラインを作って、今年度及び来年度で自動化のガイドラインを作ろうとしているところです。
次、お願いします。繰り返しになりますが、我々は今、現状で開発、自動化のガイドラインの範疇としているのは、木を切り倒すフェラーバンチャという機械と、木材、丸太を運ぶフォワーダという機械と、草を刈る下刈りという機械になります。
次、お願いします。それぞれ無人運転機械が使用され、また想定される作業になります。フェラーバンチャ、伐倒作業、伐採作業になりますが、森林の中から木を切って、いわゆる、作業土場溜りに木寄せするフェラーバンチャとスキッダという機械の自動、合わせた作業の自動化を狙っているのが、まず1つになります。
次、お願いします。もう1つは、丸太を運ぶフォワーダという機械です。我々、丸太に小切る現場を先山と言います。丸太をある程度集積する場所を土場と言いますが、先山と土場間の木材運搬作業をフォワーダでやるのを想定しております。そこの道が大体土構造で、林業機械のみが走行、想定された作業道という道を走行します。この作業道の延長が大体今で言うと1kmぐらいの延長になります。多いときは2km、3kmになりますが、おおむね1kmぐらいを距離としては想定しております。ただ、現状で荷役作業まではまだ自動化は難しいと考えておりまして、土場と先山には何かしら木を扱う機械が要る。その間を自動化するということで、フォワーダの自動化作業を開発しているところになります。
次、お願いします。もう1つが、最後に下刈機械です。一般的に、土手を刈るような機械とほぼ一緒だと思うのです。木材を収穫し終わった後の、いわゆる裸地の場所にまず苗を植えて、苗を植えた後に、おおむね7年から8年間ぐらい草刈りをします。その場合、木を植える方向が実は各地まちまちでして、等高線方向と同じ横方向に植える場合と縦方向に植える場合がありまして、下刈機械が走行する方向が地域によって違う状況があります。
次、お願いします。それぞれの制御方式や技術水準になります。フェラーバンチャに関しては、今のところ専用コントローラーにて操作をします。もちろんその通信遮断時は停止するように設計されていますが、基本的に木を切る作業は、目視又は目視に近いような状況でないとなかなか木を切りにくい状況ですので、カメラを使った制御、いわゆるVisual SLAMで自己位置を推定しております。一方、フォワーダに関しては、こちらは作っているメーカーさんがキャリアダンプも製造しているメーカーですので、建設機械のキャリアダンプと同じような制御をしております。いわゆるCANによる通信、Ros2による制御、プラス、今のところ我々はvisualではなくてLiDAR -SLAMを使って自己位置の推定を行っております。
下刈機械のほうは、CANを使っている、制御はされているのですが、木がない場所、立木がない所ですので、基本的に通信環境とかGNSSの通信環境はいい所ですので、GNSSによって自己位置を推定しております。
次、お願いします。林業機械に関する国際規格です。ISO等林業用機械の項目はあるのですが、現状では自動化に関する項目、文言等々はまだまだ記入されていません。おそらく、日本と同レベルで検討されている際中と私たちは認識しております。
次、お願いします。他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止についてです。フェラーバンチャに関しては、先ほど申しましたように、カメラを使っておりますので、カメラを使ったAI画像判読の機能を入れようとしております。フォワーダのほうはLiDAR SLAMを使っておりますので、LiDARによって人検知や、道の崩壊、倒木の検知等と障害物の検知等を行っております。下刈機械ですが、下刈りする作業の状況を考えますと、苗木が大体50cmか1mぐらいで草本類を1年ほっときますと大体1mぐらいになる場合がありますので、何も見えない所に下刈機が突っ込むことになりますので、現状ではLiDARとかカメラによる人検知等を検討はされているようですが、なかなか難しいという判断をされているようです。下刈機械のほうは、どちらかというと、私たちはここで作業をしていますよというビーコンを付けた音を発するような状況で、機械がそこにいることを周囲に周知するような仕組みが考えられていると聞いております。
次、お願いします。運転操作性の確保についてです。繰り返しですが、フェラーバンチャはカメラを使っていますので、専用ARゴーグルを使って、目視できる部分と目視できない部分はARゴーグルを使って機械を操作しております。監視もしております。フォワーダのほうは、マニュアル運転とラジコン操作の併用もできますし、後で見せますが、現状ではゲームパッドのような、タブレットにゲームパッドを付けたような操作盤を使って、多対多のコントロールを今、実現しようとしております。下刈機械のほうは、基本的には通信異常があれば止まるとかと、一般的な停止要件によって安全確保をされているようです。
次、お願いします。運転者に求められる技能の確保です。各社それぞれ、一般的に受けなければいけない特別教育とか安全教育ということ以上のことは、今のところは求めていない状況で、一般的に、それぞれの機械を操作する資格が、技能があればというところです。あと、それ以外はメーカーが導入をする際の技術指導ということで、対応しようと考えていられるそうです。すみません、その前の5-3.が飛びました。申し訳ございません。
5-3.ですが、停止時、トラブル時の安全確保です。それぞれ一般的に、今、通信が遮断されれば止まるような機能が付いています。フォワーダに関しては、後でもう一回御説明したいと思いますが、Wi-Fiによる、映像による監視と、機械の状態だけを認知するような簡単な通信で、2つのネットワークを持ってフォワーダの監視をしようとしています。下刈機械のほうも、基本的に同じように、通信に異常があれば機械停止をするような機構になっています。
次、お願いします。5-4.が終わりましたので、次は6.になります。無人運転機械の設計上の制限仕様の具体的内容についてです。フェラーバンチャに関しては、森林の中の斜面の中で動きますので、ある一定程度の角度になると止まるような機構が付いています。フォワーダに関しては、基本的にはWi-Fiを使って監視をしていますので、通信が途絶した場合は走行停止になるような機能を付けております。下刈機械に関しては、ここに書いてあるような、やはり同じように森林の中の斜面で稼動する機械ですので、傾斜角度などとか、異常な走行速度を検知したり、また、雨、積雪時はもちろん動かさないとか、地形条件、何かしらの制限を加えた作業などに、最大傾斜等の制限を掛けた中で運用することになります。
次、お願いします。各社の無人運転機械に関する安全衛生法令に対するニーズや課題についてです。先ほどの農研機構さんのように、いわゆる機械を検査する仕組みが林業界に今、存在していません。そうは言っても、メーカーさんとして、ある一定基準の規格を作ってほしいというニーズがありますので、このある一定基準の規格をどうしようかということを今、検討会で話し合っている際中になります。いずれにしても、それぞれの機械がやる作業は異なっていまして、危険源とか危険範囲が異なるので、一概に決めづらく、この中で共通項目を何とか委員会で見つけようとしているのが、今の検討会の現状になるかと理解しております。
ここから次、最後、参考資料として付けておりますが、私がフォワーダの自動化、遠隔操作化を開発担当しておりまして、少し告知用の説明をしたいと思います。私の認識が間違っているかもしれませんが、先行事例として、土木や先ほどの農業機械の自動運転というのは進んでいるかと思いますが、やはり通信状況とかGNSSの受信感度が良いことが前提と私は理解しております。
一方、森林ではということで、基本的には携帯電話が通じないですし、構造物が基本的にないですし、立木や奥深い地形であるということで、自然物の検知が難しいとか、いわゆる通信が届かないので、Ntripと言われるRTK-GNSSが基本的には使えない状況になっておりますので、何とか森林の中でも通信手段を確保しながら自然物を検知したいということで、森林に適した無線通信の開発及びSLAMの利用をしております。
次、お願いします。我々は、やはり森林の自然環境下で作業をしておりますので、例えば、前日に雨が降ったりすると道の状況は大きく変わりますので、基本的には毎朝、作業開始時に、地図の作り直しと、そのときの操舵性、どのように操作をしたかという、簡単に言えば、アクセルワークをまず毎朝勉強するというか、教示データを作るようにしております。その後、その区間において自動走行するような仕組みを考えております。
次、お願いします。林内通信網なのですが、できるだけ我々としても映像による監視をしたいということで、技適を通した特別なWi-Fiを開発しております。見通しが利けば500mぐらい届くような指向性の高い電波を使っておりますし、場合によっては出力を上げて1km以上届くようなものも使っております。ただし、森林の中は見通しが利けば通信が届くのですが、地形を考えますと、必ずしも見通しが利かない中で、Wi-Fiの電波が届かないので、それ以外でも、いわゆる回り込みやすい電波というものを活用して、二重持ちのネットワーク構造を森林内に構築しております。具体的に言いますと、920mHz帯のprivate RoRaを使っております。それだけで、いわゆる機械の状態把握だけをしようと考えております。
次、お願いします。長くなってきましたが、最後に、森林の環境はどういう所かということで動画を見せていきたいと思います。ちょっと本当は音楽があるのですが、出てこないのでいいのですが、我々は、こういう山岳地帯で作業をしております。ここの現場も30度以上、30~35度ぐらいの斜面があります。道としても、最大の勾配で20度を超えるような勾配があります。左側にオペレーターが乗っていますが、安全のために乗せているだけで操作レバーを握っていないことが確認できるかと思います。真ん中で、デジタル空間で機械の位置を把握しながら、一番左の所で、現実世界で動いている所が動画になっております。ちょっと角になって見づらい映像になっておりますが、こういうS字カーブであったりとか、あと、これはデジタル上で把握です。今、ここは、作業道の延長が1.6kmある所の中で自動運転をしているところになります。もうちょっと真ん中ぐらいまで進んでいただきますと、時速7km程度で走行しておりますが、道の幅が、規格が3.5mで、機械の幅が2.5m、ですので、両サイド50cm程度ずつの余分しかないのが我々の作業条件下になります。ちょっと動画は時間が足りないので、ここにQRコードを載せておりますので、YouTubeで動画を御確認いただければと思います。
次、お願いします。こういうタブレットにゲームパッドを付けて、自動走行開始とか操作をするような、あと、これによって、自動操作も、自動も指示できますし遠隔操作もできるような体制にしております。端末を先山と土場でそれぞれ持って複数台の機械を制御する仕組みにしております。以上になります。
○齋藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの林業機械の御説明に対しまして、御意見、御質問等がございましたら。では永谷さん。
○永谷構成員 筑波大学の永谷です。御説明ありがとうございます。テクニカルなところは、いっぱい聞きたいところがあるのですけれども、少しそれは置いておいて、立入制限も山全体で掛けるという話もありますし、または先ほどのフェラーバンチャの周囲だけ掛けるとか、人がそもそも機械のそばに入っていかないようにできるかどうかについて少し教えてください。
○森林研究・整備機構 まだまだ検討段階ではあるのですけれども、基本的に伐採作業というときには、看板を立てて第三者に入らないでくださいという注意喚起をしております。
基本的にはそれ以上のことは、なかなか難しいかと思っておりまして、ただし、いわゆる皆さんが分かる林道と呼ばれる比較的、普通自動車が走るような道の上では、基本的に自動運転はさせない方向で、そこから作業路で分岐する道、こちら管理主体が民地になりますので、通行止めができる作業の道、この中で自動運転をしようというように考えています。
○永谷構成員 そうすると、自動運転をする道の区間には人が入ってこないようにできそうでしょうか。
○森林研究・整備機構 ただ機械ごとに危険範囲というのは違うかと、異なると考えておりまして、例えばフェラーバンチャのような機械というのは、そもそもチェーンソーで切る場合も、立木の2倍以上離れなさいというのが安衛法で決まっておりますので。
○永谷構成員 なるほど、そうなんですね。
○森林研究・整備機構 一応それも、それはフェラーバンチャに関しては、立木の2倍以上離れることという形にしようと思っております。走行用の機械に関しましては、1kmある作業路を全部危険範囲ですと指定するには、少し現場の運用として難しいかというように考えておりまして、まだまだ検討段階ではありますけれども、例えば作業道上で、今、規格でしたら視距を確保しなさいというのがありまして、それが、いわゆる安全に止まれる範囲でというのがありますので、基本的に15mぐらいが、私としては危険範囲として認識すべきかというように思っていますが、まだまだそれも委員会の中で決めていくことになるかというように考えております。
○永谷こうせいいん 分かりました。ありがとうございます。
○中坊構成員 とても勉強になります。下刈機械の人検知の話があったのですけれども、そもそも少し分からなかったのは、下刈りの作業自体は何人ぐらいでやったりすることなのかというのが。
○森林研究・整備機構 一般的には数人の作業員が、歩いて距離を離れて手刈り、手で刈っていくことになると思います。機械を用いる場合は1人でもできますし、今のところ2人体制で運用するという仕組みを検討されていると。ここで一旦、陣川構成員がやっているので、御説明お願いします。
○陣川構成員 陣川ですけれども、通常の下刈りは作業員3名ぐらい、3~5名ぐらいで距離を置いて作業しなさいよという形で作業をしているのですけれども、今回の機械については作業員を入れないでということも、もちろん考えてはいるのですけれども、機械の性能という話で、苗木の際まで下刈りをしなければいけないときに、機械だとどうしても無理があるというのと、誤伐と言いまして、苗木自体を刈ってしまうということになるので、ある程度距離を置いた、帯のような状況でしか下刈りできないというと、刈り残しが出てくるので、そこは人がやるのか、あるいはそこは、もう無視をして、そのままで行くのかという、その辺りは機械の開発なり作業の仕方というところで、今検討されているところです。
○中坊構成員 なるほど。それによって人の検知が、どの程度必要というのが変わってきますね。ありがとうございます。
○冨田構成員 農研機構の冨田です。大変興味深いお話をありがとうございました。テクニカルなところで聞きたいことはいろいろあるのですが、それは置いておいて、管理のところで林業の作業というのは、例えば山に作業に入るときに、誰がどこにいて何をやっているかというのを把握している管理者というのはいるのかというところ。また先ほど日々、状況は変わるというお話がありましたけれども、今日は例えば自動運転できるのかどうかというところを判断する主体みたいなものはあるのかというところ。もう1つは、この作業の責任の主体というのは、例えば自動運転した場合、どういう方を想定していらっしゃいますか。機械メーカーなのか、山の持ち主なのか、それともその作業を仕切る人なのかといったようなところについて少し教えていただければと思います。
○森林研究・整備機構 一般的な作業で言いますと、毎朝ミーティングをするので、誰が何の作業をするというのは大体決まっておりますし、今の一般的な事業体だと、どこで何を作業したというのは作業報告をするようにはなっています。そこで誰がそこで自動機械を判断するかという話も、まだ検討委員会で話し合っているところですけれども、恐らく作業管理者が、ここだったら自動運転していいよねという判断をしてもらうことになるかと思います。
その上で責任の分担ですけれども、そこもまだまだ決まっていないところではあるのですけれども、それぞれにそれの責任がというのがメーカーとしては、もちろんリスクアセスメントした上で情報開示をして、指導していくところまでは、ちゃんとやってもらわなければ困りますし、やはりそれを使う側というところもそこで、いわゆる機械を本当に使えるかどうかの判断は、我々、自然条件下で千差万別なところがありますので、そこの現場の管理者と言われている班長さんと言いますけれども、その方が判断されることになるかと思っておりますので、今のところは基本的に、そこで労災事故が起きたとすると、機械トラブルだったら、機械はもちろんメーカーの責任ではありますが、基本的なところは、やはりその現場の作業管理者の責任になることが多いような感触と言いますか、私の判断というか、まだまだ委員会で検討しているところなので、決まってはいませんけれどもというところです。
○齋藤座長 ほかにございませんか、Webの方も。テクニカルな話でも結構ですが。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。ありがとうございます。少し簡単な質問で申し訳ないのですけれども、なかなか汎用的な機械ではないと思うのですけれども、実状のところ、日本製のメーカーあるいは海外製のメーカー、どちらがどのぐらい多いとかというのは何かあるのでしょうか。
○森林研究・整備機構 林業機械としてですか。
○櫛引構成員 そうです。御紹介いただいたフェラーバンチャなど。
○森林研究・整備機構 ベースのマシーンは、基本的に建設機械をベースとしているものが多いですので、ベースマシーンは国産になります。アタッチメントに関しましては、実は余り日本、昔はあったのですけれども、大分減りまして、例えば木を切るような、フェラーバンチャ以外のハーベスタという機械もあるのですけれども、それはほぼ9割海外製になっています。アタッチメントに関しては海外製が多いです。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ただそれを統合して林業機械として出しているのは、国内ということになりますか。
○森林研究・整備機構 国内です。
○齋藤座長 では、林さんどうぞ。
○林構成員 農研機構の林ですけれども、5-2.のフェラーバンチャの所に、専用ARゴーグルによる遠隔操作時の視界補助装置というように書かれているのですけれども、先ほど少し通信が余り、山の中だと難しいというお話もあったかと思うのですけれども、どれぐらいの時間遅れを許容されているとか、そのARゴーグルもいろいろレベルがあって、振り向きは映像もきちんと向きが変わるとか、いろいろあるかと思うのですけれども、どの程度のものを、どういう技術レベルのものを想定されているか教えていただければと思ったのですけれども。
○森林研究・整備機構 私の分かる範疇だと、いわゆるGoogle Glassを着けて、このフェラーバンチャに関してはWi-Fi通信環境下、ローカルな所で見える範疇で操作をしているというところです。あくまでもそんな何百mも離れた所で作業をするという話ではないです。
○林構成員 では遠隔操作と言っても、意外と見える。
○森林研究・整備機構 そうですね。フェラーバンチャや下刈機械ぐらいの場合は、恐らく機械本体を後ろから見えている状況が多いと思います。
○林構成員 それでも、やはりそのARゴーグルなどを使う。
○森林研究・整備機構 やはり木を切る所の間際というのが、目視で確認しないとできない作業というか、石があることもありますし、もしかしたら伐倒する木の方向側に本当に人間がいないかということも確認しなければいけないので、恐らくある程度の目視ないし目視に準じた映像による監視というか、目視レベルが必要だと思います。
○林構成員 分かりました。ありがとうございます。
○陣川構成員 少し補足すると、山の上から機械を下ろしていって、木をつかんで切り倒すということなので、目視と言っても、木をつかむ動作のところは見えないのですね。なので、それでこのARゴーグルを使ってカメラで認識して、しっかり切りたい所をつかんでいるかというのを確認して、伐倒の作業は、木を切るというところはボタン操作で、自動で切っていくという、そういうような機械になっています。
○林構成員 では俯瞰しなければいけない要素と、少し細かく見なければいけないという。
○陣川構成員 はい。両方を持ってということですね。
○林構成員 その細かく見るほうに使われているということ。分かりました。ありがとうございます。
○中村構成員 よろしいでしょうか。
○齋藤座長 どうぞ。
○中村構成員 職業大の中村でございます。非常に有益な内容ではないかと思うのですが、少しお聞きしたいのですけれども、この一番最初のスライドの図のほうで、先ほど今お話があったように、木を切るとき、上のほうから切っていくというお話していましたよね。機械を上のほうに持っていって、そういう話。工程は、例えば山で木を伐採しますよね。下から伐採していくのか、上から伐採していくのかと。私なんか下から伐採するのかと思ったのですけれども、その辺りは具体的にどうなのですか、常識的に。
○森林研究・整備機構 基本的には両方あります。
○中村構成員 やはり山の状況によって変わるのか。
○森林研究・整備機構 道の配置状況に応じて両方あります。ただ重機はその辺り力がありますので、押し倒す力はあるので、必ずしも重力に従わなければ倒せないわけでもないですし、ある程度重力に逆らった方向でも、一応、木を倒せるような力を機械側が有しているという状況です。
○中村構成員 なるほど。ありがとうございます。
○陣川構成員 林業の歴史みたいな話になってしまうのですけれども、人力で切り出していたときは、要するに重力を使って谷に落としてというのが基本だったので、谷側に道ができるように作ってきたのですけれども、大きな機械が使われるようになると、引き上げたほうが安全だったりもしますので、道を今、尾根のほうに入れてという、そういうように今、変わってはきているので、そういう意味では、だから混在しているというのが今、現状ではあります。
○中村構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 石川さん、よろしくお願いします。
○石川構成員 大阪大学の石川です。ありがとうございます。すみません、大変参考になりました。林業機械は、そもそも有人で操縦するときに、何か操縦資格みたいなものというのは設定されているのかというのと、自動化を想定したときに、そこをどういうように考えておられるかを教えていただけますでしょうか。
○森林研究・整備機構 現状では、伐木等機械を操作する特別教育というところがあるかと思いますので、一応何かしらの講習若しくは教育を受けていただくというのは、一般的なルールになっております。
その上で、自動化にする上で特別な教育は必要かということは、今のところない方向でしたいと、私は思っていますけれども、これもまだまだ決まっているところではなくて、まだまだ今の我々のほうの自動化の検討委員会で検討する項目だと、私は理解しております。
○石川構成員 基本的には有人で、扱い方を知っている同じ教育を受けた人が操縦することが想定されているのでしょうか。
○森林研究・整備機構 はい、そのとおりです。
○石川構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。では、林業機械のほうも大変ありがとうございました。3分野に聞いてみましたが、いかがでしょうか。おおむね聞きたい議論は済んだかと思いますが、ただ今回は、今までの建設機械、それから港湾、タワークレーンなどとは違って、むしろ人との混在というのが、あるいは立入禁止の措置ができないというか、困難というか、そういう性質の分野であったかと思いました。また、産車協さんで出ました無人搬送車はロボットというか完全に自動機械で、そういうところから、一方で人の操作を前提にしている遠隔操作というところまであって、幅広い議論ができたのかと思います。
では、この辺りで時間かと思いますので、事務局にお返しします。
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございました。次回の日程につきましては、3月13日(金)を予定しております。改めて場所などを含めて後日、連絡いたします。
それでは、以上をもちまして「第4回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」は終了いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

