第210回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和8年3月11日(水) 13:00~15:00

場所

厚生労働省19階 共用第8会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館19階)

議事

 
○中窪部会長 ただいまより第210回「雇用保険部会」を開催いたします。
 まず、事務局より本日の出欠状況について御報告をお願いします。
○新堀調査官 本日の委員の出欠状況ですが、公益代表委員の佐々木委員、労働者代表委員の石川委員が所用のため欠席となっております。
 以上でございます。
○中窪部会長 それでは、議事に入ります。まず議題(1)「令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)について」です。資料1について、事務局より説明をお願いいたします。
○新堀調査官 資料1、適用拡大に関する資料について御説明させていただきます。
 まず、1ページ、お願いいたします。令和10年10月の適用拡大に向けた対応ということで、本日御議論いただくに当たって、基本的な考え方などをまず説明するページとなっています。
 1.施行に向けての基本的な考え方、これまでの議論です。
 1ポツ目、令和10年10月からの適用拡大に当たっては、約500万人の方々が新たに被保険者となるなど、影響が大きいため、現場における取扱いに混乱が生じることがないよう、また、十分な周知期間をもって周知・広報を行うことができるよう、施行に向けて必要な事項を順次、早期に検討していくことが必要。
 2ポツ目、このため、昨年8月20日の部会では、最低賃金日額の計算方法の見直しなど、主に施行に伴う省令等の規定の整備について御議論いただきました。
 続いて、下段、2の今回御議論いただきたい事項です。
 1ポツ目、昨年の部会での御議論を踏まえ、雇用関係助成金の支給要件の整理など、引き続き検討中の事項がございますが、円滑な施行に向けては、施行前後の経過措置、業務取扱要領において規定している事項を含め、さらに検討を深めることが必要でありまして、本日は主に4点御議論いただきたいと考えております。
 2ポツ目、今後も円滑な施行に向けて必要な取組を整理し、随時、雇用保険部会での報告・議論を行っていきます。また、各種法令改正を要するものは、施行に間に合うよう、部会への諮問を予定しております。
 続いて、2ページ、お願いいたします。1つ目の論点、複数事業所で雇用されている労働者への雇用保険の適用についてです。
 1.制度の現状・課題です。
 1ポツ目、現行制度上、同時に2以上の事業主の適用事業に雇用され、いずれの事業においても被保険者要件を満たして働く場合には、その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける一の雇用関係についてのみ被保険者とするルールがあります。これは、離職時の生活を支えるという雇用保険の趣旨を踏まえると、生計を維持するための主たる雇用関係を重視し、主たる生計を失った場合には、その離職前の賃金をもって基本手当を支払うとの考えからです。
 2ポツ目、適用拡大によって、2以上の事業において被保険者要件を満たして働く者の増加が想定される中で、いずれの事業において被保険者とするか、改めて明確化・周知が必要です。
 その下の枠内です。詳細は割愛しますが、令和6年法改正時の報告書の下2行の部分で、明確化等について御指摘をいただいております。
 2の対応方針(案)です。
 1ポツ目、2以上の事業において被保険者要件を満たして働く場合、引き続き主たる賃金を受ける1つの雇用関係(賃金日額が最も高い雇用関係)についてのみ被保険者とすることを明確化し、リーフレット等により周知してはどうかと御提案させていただいております。被保険者要件を拡大したとしても、主たる賃金を重視するという考え方に変更はないためです。
 2ポツ目、加えて、事業主と労働者との雇用関係が、労働者にとって主たる賃金を受ける雇用関係であるかについて、事業主から労働者に確認するフローを整備してはどうかとしております。これは事業主から見れば、労働者が仕事を掛け持ちしているか、賃金の多寡についても分からない可能性もあるためです。
 3ポツ目、具体的には、例えば、事業主が労働者を雇用する際に、ハローワークに提出する雇用保険被保険者資格取得届に「主たる賃金を受けている事業所」である旨を労働者に申告いただく本人確認欄を設け、週所定労働時間20時間未満の労働者については、事業主が本人確認欄の記載を確認した上で資格取得届を提出してはどうかとしております。
 続いて、3ページです。論点の2つ目、失業認定における「就職」の定義です。
 1.制度の現状。
 1ポツ目、失業認定を受けるべき期間中、受給資格者、つまり、離職されたステータスの方ですが、この方が就職した日があるときは、就職した日については失業認定を行わないとしています。失業給付は失業時の生活を支えるための給付であるため、就労の実績があれば、その日分は手当の支給はしないという考えからです。
 2ポツ目、失業認定における「就職」とは、雇用関係に入ることに加えて、請負など常時労務を提供する地位にある場合、自営業を開始した場合等であって、1日の労働時間が4時間以上のものをいい、現実の収入の有無は問わないこととしています。雇用関係に限らず、労働力を他に提供していれば、就職しているという判断です。
 3ポツ目、以下の期間は、実際に就労していない日を含めて就職しているものとして取り扱います。
 ①、一の雇用契約において被保険者となっている期間。
 次に、②ですが、これは労働契約が31日未満のパターン、つまり、①と異なりまして、被保険者要件を満たさない事例を想定していますが、契約期間が7日以上、雇用契約における週所定労働時間が20時間以上であって、かつ、1週間の実際の就労する日が4日以上の場合は、当該雇用契約に基づいて就労が継続している期間は、就労していなくても就職していると判断いたします。
 2の課題・対応方針(案)です。
 1ポツ目は、課題です。「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思・能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいうと、法律上整理しています。このため、週所定労働時間が20から10時間と、半分になるという被保険者要件の変更に合わせて、失業認定における「就職」の定義を見直すべきではないかという課題が生じます。
 2ポツ目、その対応方針(案)として、令和10年10月以降、失業認定における就職の定義、「4時間以上」・「20時間以上」を、これまでの半分の「2時間以上」・「10時間以上」と変更してはどうかというものです。
 続いて、4ページ、お願いいたします。論点の3つ目、各種給付における就職・就業要件についてです。
 1の制度の現状です。
 1ポツ目、再就職時のインセンティブ等として支給している就業促進手当や高年齢再就職給付金を支給する際の要件の一つに、1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就くことを求めています。
 2ポツ目、また、週所定労働時間20時間以上で働いた場合、つまり、被保険者となったことをもって職業に就いた場合として取り扱っています。
 2の課題・対応方針ですが、被保険者要件が変わりますので、それに合わせて、週所定10時間以上で働いた場合を「職業に就いた」として取り扱い、支給対象としてはどうかとしております。
 次に、その下の参考です。適用拡大そのものと直接結びつくものではありませんが、こうした論点もあるということでお示しするものです。育児・介護休業給付金の就労要件について記載しています。口頭での補足となりますが、育児介護休業期間中、就労してはいけないのが原則ですけれども、一時的・臨時的、かつ一定の日数等であれば、就労しても、一定の要件の下、これらの給付金を支給するとの整理をしています。
 1つ目の○、育児休業の場合ですと、支給単位期間において就業日数が10日以下(10日を超える場合は就業時間が80時間以下)。この80時間は、1日の労働時間8時間掛ける10ということで80時間となっています。
 2つ目の○、介護休業の場合、支給単位期間において就業日数が10日以下なら就労可としています。
 次に、矢印部分です。これらの日数や就労時間の要件は、被保険者となるための週所定労働時間の要件とは必ずしも関係がないため、適用拡大に合わせた見直しは行わないこととしてはどうかとしています。
 続いて、5ページです。施行日前後の取扱い、①、②と、2ページにわたって御説明します。
 まず、①は、改正法での経過措置の御紹介です。リード文、令和6年の改正法附則において、以下のとおり、所要の経過措置を規定済みです。
 1ポツ目、原則として、離職日が施行日前の者には旧法の規定を、離職日が施行日以後の者には新法の規定を適用。
 2ポツ目、施行日において週所定労働時間が10時間以上20時間未満の者については、施行日に被保険者資格を取得すると整理しています。
 この整理の下、左の列、(Ⅰ)から(Ⅲ)のケースごとに、旧法なのか、新法を適用するのかを整理しています。
 まず、(Ⅰ)、施行日前からの被保険者が施行日前に離職した場合です。
 この場合ですと、隣の列、被保険者期間に算入する賃金支払基礎日数・時間数の基準は、新法の施行前なので、旧法の規定のとおり、賃金支払日数は11日以上といった規定が適用となります。
 その隣の賃金日額も同様です。
 さらに、その隣、失業認定(内職減額)の部分です。旧法では、一定時間内職した場合には、その得た収入分を基本手当から差し引くとの対応をしております。失業認定が施行日前の場合には、内職減額に係る記載がある様式を使い、施行日以後であれば、内職減額の記載がない様式で失業認定を実施するという整理です。
 右端の、施行日において週所定労働時間が10時間以上20時間未満となっている者の扱いです。施行日より被保険者となります。口頭で少し補足しますと、これまで20時間で就労していた方が、施行日前に契約変更により10時間以上20時間未満に週所定労働時間が減った場合には、雇用保険から抜けることになります。このため、引き続き雇用契約は維持されていますが、雇用保険の世界では離職しているということになります。こうした方は、令和10年10月からは適用拡大より被保険者資格を取得するということを、この欄ではお示ししています。
 なお、※1にありますように、施行日前日までは離職者ですので、基本手当の支給はなされます。
 また、※2にありますが、職場は同一であるものの、労働時間の変更により雇用保険上離職した方が、適用拡大によって被保険者資格を取得した場合、再就職手当の支給はどうなるかということですが、再就職したわけではございませんので、再就職手当の支給対象外としています。
 その下、(Ⅱ)の行です。施行日前からの被保険者が施行日以後に離職したケースなので、各列の項目は、新法での整理に基づくものとなります。
 (Ⅲ)、施行日前に被保険者ではなかった場合、こちらも新法での整理に基づくものとなり、一番右の列ですが、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の方は、施行日から被保険者となります。
 ページ、おめくりください。6ページ、施行日前後の取扱い②です。こちらは御議論いただきたい事項でございます。
 まず、届出事務です。
 1.制度の現状として、雇用保険被保険者資格取得届は、事業主が、その雇用する労働者が被保険者となった月の翌月10日までに提出するとしています。
 2の課題・対応方針ですが、施行日に被保険者となる者に係る届出が集中することで事務手続に混乱が生じることを避けるため、施行日に被保険者となる者に係る資格取得届については、従前の法改正時の例を踏まえ、施行日後3か月以内に提出すればよいとしてはどうかとしております。
 その下の※です。高年齢雇用継続給付の申請については、まず、雇用保険の取得が入ってから申請していただくことになりますので、資格取得届の申請期間の延長に合わせて、高年齢雇用継続給付の申請期間も2か月程度、後ろ倒ししてはどうかとしております。
 次に、下段の教育訓練支援給付金についてです。口頭での補足となりますが、当該給付金、専門実践教育訓練給付金の受給資格者のうち、一定の条件を満たした方が失業状態にある場合に、訓練受講を支援するため、当該教育訓練が終わるまでの間、基本手当の60%を支給するものとなっています。この給付金については、ポツの太字下線にありますように、失業している日について支給するとしています。
 2の課題・対応方針です。週所定労働時間10時間以上20時間未満で働く場合は、施行日において被保険者資格を取得するとしていますので、離職者ではなくなる。そうすると、支援給付金が止まってしまうという事態が生じます。このため、施行日後も働きながら訓練受講を継続する方の受講を支援するため、週所定労働時間10時間以上20時間未満の当該受給資格者については、訓練修了までは引き続き支給給付金を支給してはどうかとしております。
 ※にもございますが、専門実践教育訓練の中には、受講期間が3年程度に及ぶものもありまして、仮に支援給付金が止まってしまうとなると、生活に与える影響が大きいと考えております。
 資料1につきましては以上です。
○中窪部会長 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 1点質問です。資料1の3ページ、先ほどの事務局の提案を前提としたときに、例えば失業した被保険者が、基本手当を受給しながら生活のために週17時間のアルバイトをしている場合は、施行日以降は基本手当を受給できなくなるのかお尋ねしたいと思います。
○中窪部会長 お願いします。
○堀雇用保険課長 冨髙委員の御質問でございますけれども、令和10年10月の適用拡大以降、週所定労働時間10時間以上、かつ31日の雇用見込みがあれば雇用保険の被保険者となりますことから、基本手当は受給できなくなるということでございまして、お尋ねのとおりであり、こうした取扱いは、施行日前に失業し、基本手当を受給している方であっても同様というふうに考えております。
 
○冨髙委員 ありがとうございます。
 雇用保険の適用対象が10時間以上になることを踏まえた対応であるということ自体は、分かりました。ただ、基本手当の趣旨である生活補償といった視点も含めて、被保険者に対して不利益が生じないようにすることが重要だと考えております。求職者支援制度と組合せた支援に加え、制度の変更内容についての周知はしっかり行っていただきたいと思います。この「就職」の定義については、雇用のセーフティネットとしての在り方の観点から、今後も実態を見つつ検討していくことが必要だと思っております。
 あと、6ページの教育訓練支援給付金についても意見を申し上げたいと思います。こちらは受講期間が長期にわたるものもあることを踏まえれば、提案いただいたとおり、訓練修了まで引き続き給付金を支給することは適当だと考えています。先ほども申し上げましたが、制度の見直し内容について分かりづらい部分もございますので、事業主と労働者、双方に対して丁寧に周知いただきたいと思います。また、ハローワークで働く方にも影響がありますので、ハローワークの現場で働く方の声も聞きながら、必要な支援や体制整備を行っていただくようお願いしたいなと思っております。
 最後に、今後の課題として1点申し上げたいと思います。今回は、適用拡大に関する論点をまとめていただいておりますけれども、従来から申し上げているように、副業・兼業やスポットワークで働く労働者の保護という観点からは、マルチジョブホルダー制度の対象拡大も本来はセットで検討すべきと考えておりました。2024年の雇用保険部会の報告を踏まえまして、支給状況を含めた制度の実態状況の把握と検証を行っていただき、マルチジョブホルダーの雇用保険の適用に在り方についても、早期に検討に着手していただきたいと思いますので、改めて意見として申し上げたいと思います。
 以上です。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
 まず、労働者や事業主への周知でございますけれども、今般の適用拡大につきましては、雇用のセーフティネットを広げる観点から行うものでございますけれども、他方で、労働者あるいは事業主に対する予見可能性を高めるということは非常に重要な課題と考えております。例えば、受給者を対象とする説明会におきまして、雇用保険制度の適用拡大の意義や、今、御指摘いただきましたような求職者支援制度の対象となり得ることなどにつきまして、特に受給開始前の方々に対し、こうした取扱いになるといったことを丁寧に周知したいというふうに考えております。
 また、ハローワークの現場への対応でございますけれども、今回の適用拡大によりまして、新たに500万人以上の方が適用対象になると考えられますことから、ハローワークの現場への支援あるいは体制整備については重要な課題と認識しております。労働局、ハローワークの現場とも随時、意見交換をさせていただいておりますが、施行に向けて、これは先の雇用保険部会でも御報告いたしましたけれども、雇用保険ポータルサイトや雇用保険コールセンターの設置の準備なども進めているところでございまして、引き続き、円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、今後の課題ということで、マルチジョブホルダー制度につきまして御指摘をいただきました。令和4年1月から実施されているマルチジョブホルダー制度につきましては、施行後5年をめどに効果検証を行うとされているところでございます。したがいまして、今後、本制度利用者の実態把握や実務を担う労働局に必要に応じて運用状況の聞き取り等を行った上で、しかるべきタイミングでこの雇用保険部会においも御報告し、御議論いただきたいと考えておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 オンラインで渡邊委員が手を挙げておられます。渡邊委員、お願いします。
○渡邊委員 御説明ありがとうございました。
 私からは、複数の事業所で雇用されている労働者への雇用保険の適用関係について、質問と確認をさせていただきたいと思います。
 先ほどの失業認定における就職の定義からしますと、例えば16時間と15時間といったようなところで働いている労働者の場合、本人が16時間働いているほうで、まずは雇用保険関係の成立を確認したとします。そこを退職などした場合、15時間で働いているほうは、なお継続して働いているとすると、こちらも10時間以上になりますので、雇用保険の被保険者にそちらのほうでなり得ると。そうすると、16時間のほうを失業したとしても基本手当などの受給に結びつかないといった理解でよろしいでしょうか。
○堀雇用保険課長 お答えいたします。
 10時間以上ということであれば、適用拡大以降は被保険者になりますので、対象にならないということになろうかと思います。
○渡邊委員 先ほどの複数事業所で働いている人が、どこの関係で雇用保険の成立を見るのかといったときに、本人が基本的に選択するということになっているかと思います。というのは、事業主は本人の確認があった場合に資格取得届を提出するということになります。そうしますと、労働者としては、失業したとしても手当に結びつかないという事態になってくると、保険料の払い損になってしまうと理解するのではないでしょうか。そうすると、どことの関係でも、10時間以上の場合に保険関係を成立させたくないといったようなことが生じる可能性があると思います。
 その場合に、ハローワークなどでそれを確認する術もない。10時間以上働いているけれども、どことも雇用保険関係が成立しないということもあり得るのではないでしょうか。その場合、何らかの手立てを講じる必要がないのかといった点について、少し申し上げておきたいと思います
 また、主たる賃金を得ているところで雇用保険関係を成立させましょうということを基本的な考えとしていたとしても、先ほどから申し上げていますように、労働者としては保険料を徴収されることになりますので、給付の場合の増額よりも負担の重さのほうの観点から、より賃金の少ないほうを選ぶ可能性もあるのではないでしょうか。そういったことを防ぐ手立てといったようなものを何かお考えなのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○堀雇用保険課長 渡邊委員、ありがとうございました。
 今、御指摘いただきましたように、入らないほうがいいのではないかというようなことにつきましては、今回の適用拡大は、雇用のセーフティネットの範囲を広げるという趣旨ではございますので、まずは、そういった適用拡大の趣旨といったものを引き続き周知していくということかと考えておりますが、今、御指摘いただきました点につきましては、ハローワークでどのように対応していくかということも含めて、引き続き、検討させていただきたいと思っております。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 先ほど申し上げたように、10時間以上のところが複数あったときに、1つ、雇用保険関係が成立しているところが失われても、ほかの残っているところで雇用保険関係が成立してしまって給付に結びつかない。先ほどの失業の定義でいきますと、そうなってしまうということが懸念されるので、給付に結びつかないものについてどう考えるのかといったような視点も大事ではないかと思いました。
 以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。では、御検討をお願いいたします。
 そのほか、いかがでしょうか。
 オンラインで岡本委員、お願いいたします。
○岡本委員 御説明ありがとうございました。
 2ページの対応方針のところで3点ほどコメントさせていただければと思います。
 1つ目は、給付時に有利になることから、賃金日額が最も高い雇用関係とすることについて特に異論はないものの、本人申請によることを明確にしていただいたほうがよいのではないかと考えております。時給変動などもある中で、会社間でのやりとりだけではなく、従業員本人に対して別の会社の賃金額を確認するということも難しい状況のため、運用が煩雑にならないような工夫をお願いいたします。
 2つ目に、当社もそうなのですが、社会保険の届出をする部署と雇用契約を行う部署が異なるようなケースも想定されます。労働条件通知や雇用契約においても、雇用保険の適用についての記載があるかと思いますので、雇用保険被保険者資格取得届に本人確認欄を設けることによって実務負担が増えたり、混乱が生じたりするようなことがないように、御検討いただければと思います。
 最後に、先行して雇用されている会社において雇用保険の加入があった場合には、後で雇用関係が生じた会社で雇用保険に加入しようとすると、先行の雇用保険の喪失が必要になるかと思います。リーフレット等で周知いただく際には、その辺りに関する記載も御検討いただければと思います。
 以上になります。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
 複数事業所で雇用されている労働者への対応につきまして、渡邊委員も含めて、今御指摘いただいたところでございます。これにつきまして、事業主の負担の観点、それからほかの事業所で働いているかどうかといった個人、労働者のプライバシーといった観点も重要と考えております。また、それに加えて、雇用保険部会の報告書でも、現場であるハローワークでの混乱が生じないようにという御指摘もいただいておりますので、いただいた観点も含めまして、今後、周知などにつきましても工夫してまいりたいと思っておりますし、資格取得届をどのような形で出していただくかということも考えていきたいと考えております。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 
 平田委員、お願いします。
○平田委員 ありがとうございます。
 2点要望でございます。1点目は、複数の事業所で雇用される労働者への適用についてです。従前と考え方は変わらないと理解しておりまが、労働者や実務担当者は新たなフローが追加されますので、これからの具体的な制度設計の際には、今、御指摘のあったとおり、負担が大きくならないような配慮や、事業主も含めて丁寧な周知をお願いしたいと思っています。
 2点目は、資料1の3~4項、(2)の失業認定における「就職」の定義と、各種給付における就業要件についてです。これは記載のとおり、業務取扱要領での見直しと理解しております。なかなか周知が届かない層もいると思いますので、丁寧な周知をお願いいたします。
 これが要望2つです。
 その上で4項において見直しがないので、論点にはなっていないようですが育児休業給付金の就労要件の見直しについて、2点確認です。育児休業給付は、失業に準じた保険事故とみなした給付であって、給付水準は新しい仕事を探す期間の生活保障に見合ったものであると考えております。この点で、一定以上の賃金が支給される場合には給付が減額支給になること。それから、通常どおり働いている方と同じく、賃金の額に応じた雇用保険料の納付は行うことについて、これまでの対応と変わらないという理解で間違いがないかを確認させていただければと思います。
 以上です。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
 1点目の周知につきましては、先ほども御説明いたしましたように、事業主・労働者、双方への周知が重要であると思っておりますので、分かりやすいリーフレットなどを作成して、しっかり周知に取り組んでまいりたいと思っています。
 2点目の育児休業給付の関係は、いずれも御指摘のとおりでございます。育児休業給付における就労要件、今回、ここに記載しておりますように、被保険者となるための週所定労働時間の要件と必ずしも関係がないことから、令和10年10月の適用拡大以降も現行の要件を維持することとしておりますが、その他の御指摘いただいたような取扱いにつきましても、現行どおりと考えているところでございます。
○中窪部会長 よろしいですか。
○平田委員 ありがとうございました。
○中窪部会長 
 それでは、オンラインで風神委員、お願いいたします。
○風神委員 私も、既に複数事業所については、多くの委員から御意見と、また、今後の方針について、既に厚生労働省さんのほうからお答えがあったところ、再度コメントして恐縮なのですけれども、労災では、労働者が休業やお亡くなりになった場合の給付額や労災認定時の労働時間等はすべての勤務先のものを合算すると既に法改正がされていて、雇用保険のほうでは、1つの一番高い賃金をもらっているところに加入するというのは、制度や給付の趣旨の違いあるものの、アンバランスだというのを日々感じています。
 もちろん、ハローワークさんとか、あるいは労働者のほうも、企業のほうも、事務手続の煩雑さであったり、そういった負担というものも考慮しなければいけないというのは重々理解するところですけれども、どこか一番高いところで入るとなると、先ほど他の委員からも意見があったように、保険料を下げるために低いところに入りたいということも労働者側としては考えられますし、企業としても事業主負担を減らしたいので、自分のところで入るとなると、よそで入ってくださいとか、何かいろいろ工作をして、自分のところが一番高くならないようにしようと考える人もいないわけではないということも考えられるので、将来的には、労働時間に合わせて、例えば保険料のほうも事業主負担のほうを案分していくとか、そういったことも考えてもいいのではないかなと思いました。
 以上です。
○堀雇用保険課長 ありがとうございます。
 この複数事業所の取扱いにつきまして、御意見も踏まえまして、引き続き、検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料1については以上とさせていただきます。事務局におかれましては、本日、委員からいただいた意見を踏まえて、さらに対応について御検討をお願いいたします。
 続きまして、議題(2)の中が幾つかありますけれども、まず、「緊急時における雇用調整助成金の在り方の検討状況について」です。資料2について、事務局より説明をお願いします。
○立石雇用開発企画課長 事務局でございます。
 資料2の「緊急時における雇用調整助成金の在り方の検討状況について」でございますが、こちらは現在、職業安定分科会におきまして議論いただいている状況についての御報告ということでございます。
 1枚おめくりいただきますと、検討状況の概要の紙がついてございます。その後ろには、職業安定分科会に2月26日に提出いたしました報告書案のほうがついてございまして、必要があれば御参照いただければと思いますけれども、本日の御説明につきましては、こちらの概要紙のほうで御説明させていただければと存じます。
 まず、雇用調整助成金でございますけれども、事業主が負担する雇用保険料で実施される雇用安定事業の一つに位置づけられておりまして、景気の変動、産業構造の変化、その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、労働者を休業等させる事業主に対しまして休業手当等の一部を助成する制度というふうになっております。こちらの助成金につきましては、平時における個々の事業主に対する御支援のみならず、世界的な経済危機とか大規模な災害など、危機が発生する都度、支給要件の緩和や助成率の引上げといった特例的な措置を併せて行ってきたというような経緯がございます。
 これまで、危機が発生する都度、特例措置による機動的な雇用維持支援というものを行ってきたところでございますけれども、今般、職業安定分科会のほうにおきまして、このような危機時における雇用の維持・安定への支援については、平時から検討しておく必要があるという御指摘があったということを受けまして、過去の特例措置の具体例、その効果等に係る調査や研究・分析結果などを踏まえつつ、今後の緊急時の雇用調整助成金の在り方について検討を行い、その方向性や考え方について御議論をいただくということをしていただいているものでございまして、本日はその途中経過ではございますが、これまでの議論の方向性について御報告をさせていただければと存じます。
 スケジュールといたしましては、本年の1月26日に分科会で議論を開始いたしまして、2月26日に報告書案のほうを提出いたしまして、今後は、可能であれば年度内に取りまとめていただければというふうに考えているところでございます。
 議論の内容につきましては、これまでの特例の内容につきましては、おおむね①経済変動、②自然災害等、③コロナ禍など異例の緊急対応を要する危機ということで類型化をしてきておりまして、この3分類に整理の上、それぞれ過去の特例の内容、それから、JILPTや厚労省の業務統計による調査研究・分析などの整理。それから、これらを踏まえた今後の在り方について御議論いただいてきているところでございます。
 最初に、①の経済変動の箱を御覧いただければと存じます。
 経済変動につきましては、過去の特例の内容といたしまして、リーマンショック期の対応があるところでございます。リーマンショック期におきましては、生産量要件の緩和、次に助成率。この際は、最大、中小企業で10分の9でございました。大企業は4分の3。それから、支給日数については、通常、1年100日であるところを3年300日などといった引上げを段階的に実施してきたというような内容になってございます。
 また、リーマン期の特例に関する調査・研究等についても整理いたしておりまして、リーマン期につきましては、御活用いただきました産業につきまして、何といっても製造業が半分以上を占めているというような状況でございまして、続いて、建設業、卸売・小売業などとなっていたところでございます。
 その特例措置の効果といたしましては、受給事業所は非受給事業所と比べて廃業率が抑制されていたということや、また、雇用が低調に推移する中で、受給事業所は受給期間中を中心として、相対的に入職率・離職率が低く抑えられていたということ。また、受給終了後には、廃業・離職が集中してしまっていたというようなことが分かってきたところでございます。
 それらを踏まえまして、今後の在り方でございますけれども、危機の初期に高い雇用維持の効果がある一方で、受給の終了時には離職が集中してしまうということでありまして、雇用調整助成金により全ての雇用を維持するということは、実際には困難であるというところが分かってきている。
 特例措置の効果を、雇用失業情勢の厳しい時期の分散化と雇用失業情勢が落ち着いた状態での円滑な労働移動の促進というふうに捉えることが適当であるというふうな方向性で御議論いただいております。
 これらを踏まえまして、特例措置の内容や期間について判断を行うに当たっては、経済・労働市場のデータなどを注視しながら、現場を熟知する公労使の皆様に分科会において御議論いただき、判断することが適当であるというふうにしているところでございます。
 続きまして、②の自然災害等の箱でございます。
 まず、特例の内容でございます。自然災害については、過去、多くの事例が積み重なってきているところでございますけれども、直近10年間の事例におきましては、おおむね下の表に示しました判断要素を踏まえて、特例措置の実施の有無や内容を判断してきているところでございます。
 判断要素としては3つございまして、まず、(ア)の政府全体の動き、災害対策本部の設置など政府全体で対応がなされていることですとか、また、(イ)の企業活動への影響。これは激甚災害法12条の中小企業信用保険法による災害関係保証特例にかかります本激指定、局激指定というものがございまして、こういったような指定がなされているかどうか。また、(ウ)は雇用への影響ということで、労働局などに対しての相談の状況を見るというようなことを判断要素としてきたところでございます。
 その特例措置の内容といたしましては、全国的に大きな規模の本激の場合には、生産量要件の緩和に加えて、助成率、支給日数の引上げなどの手厚い支援を行っていく。一方で、局激、市町村レベルの本激に比べて小さい災害のときには、生産量要件の緩和といったことを実施してきたところでございます。
 また、措置の期間につきましては、基本的に1年間、支給日数は、本激については300日、局激については100日というような対応になっていたところでございます。
 こういったような特例措置を行うことによりまして、災害が起こった際には、その発災直後1か月ぐらい、急激な休業ニーズが増加するわけでございますけれども、その増加に迅速に対応していく。また1年ぐらいかけて、おおむね発災前と同水準まで雇用調整助成金の対象休業者数が落ちていくということでございますので、そういったようなことで特例の効果が見えてきているところでございます。
 これらを踏まえまして今後の在り方でございますけれども、近年、頻発する災害に対して、迅速な初動が必要であるということ。また、特例実施に関する予測可能性を高めるということが円滑な対応につながるというふうに考えておりまして、これまで事務的に定着してきました上記の運用を基本方針として、今回分科会においてオーソライズをいただきまして定めることが有意義ではないかというふうになっております。
 その上で、個別の事例、例えば能登半島の地震などもございますので、個々の事例への判断に当たっては、被災地の状況等も踏まえて、分科会において公労使が議論の上で適切に判断するというふうに御議論いただいているところでございます。
 最後に、③のコロナ禍など異例の緊急対応を要する危機についてでございます。
 特例の内容でございますが、コロナ期につきましては、政府の緊急事態宣言等も踏まえまして、企業に事業活動をなるべく止めていただくということで、事業活動が非常に縮小したということがございますので、助成率につきましては、最大、中小10分の10、大企業は4分の3ということになってございまして、支給日数等につきましては、日数・期間上限なしの引上げが実施されるというようなことになっていたところでございます。
 特例に関する調査・研究等の整理でございますけれども、リーマン期は先ほど申し上げたように製造業が半分以上というところでございましたけれども、コロナ期のときには製造業は19%となっておりますが、それに続いて、卸売・小売業15%、宿泊・飲食サービス業15%といったような形で、ほかの様々な産業にも非常に広く使われてきたというところだと考えてございます。
 また、その規模の大きさから見ましても、雇用保険適用事業所に占めるコロナ期の受給事業所の割合は、令和2年、約18%というふうになっておりまして、リーマン期の最高値が平成22年に約5%であったということと比較しても、非常に大きかったということが分かるかと思っております。
 また、危機の初期に雇用維持の効果が非常に大きかった一方で、受給終了後には廃業や離職が集中してしまったということも分かってきてございます。
 また、休業期間中に従業員のモチベーションでありますとか生産性の低下といったことを課題と感じた事業所割合が受給事業所で高くなっていて、また長期化するほど高いというようなデメリットも分かってきているところでございます。
 こういったことを踏まえまして、今後の在り方でございますけれども、コロナ期の対応につきましては、感染防止のために政府が様々な制限をしたところでございまして、それに伴って事業活動が急激に縮小するという異例の事態。これに迅速に対応するために、従来の雇用安定事業による雇用対策の範疇に必ずしも収まらないような緊急対応を行ったものというふうに整理しております。
 その上で、再び異例の危機が発生した場合には、経済変動の場合や自然災害の場合とは対応が異なるということも考えられ、国民全体の共同連帯、一般財源という御意見を頂戴しておりますけれども、それによって対処すべき状況と考えられる場合は、政府全体で合理的かつ効果的な対応の在り方について検討を行うことを望む意見が、分科会で非常に多くあったというところでございます。
 その上で、仮に雇調金による特例措置が求められる場合には、その措置の効果を雇用失業情勢の厳しい時期の分散化と、情勢が落ち着いた状態での円滑な労働移動の促進と捉えた上で、状況に応じて順次必要な見直しを行うこと。また、コロナの際には、雇用保険二事業が枯渇するというような事態も生じましたが、二事業が本来目的とする事業を行えない状況とならないように、公労使が二事業・雇用保険財政の財政状況などを注視して議論するということで御議論いただいております。
 また、最後でございますが、コロナ期の分科会における公労使の議論のタイミングが必ずしも適切でない場合があったというような御指摘もいただいておりまして、検討や議論が十分反映されるよう、分科会の柔軟な開催方法等の工夫を講じていくというような方向で議論いただいているところでございます。
 職業安定分科会における御議論の概要について、以上、御報告でございます。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 田上委員、お願いします。
○田上委員 緊急時の雇用調整助成金の在り方について、検討状況を御報告いただきまして、ありがとうございました。
 こちらの右下のところ、③の異例の緊急対応を要する危機の今後の在り方の3つ目の○のところですけれども、雇用保険二事業が本来目的とする事業を行えない、ひいては雇用保険財政に多大な影響が及ぶような状況とならないようとございます。この部分で1点、意見させていただければと思います。
 雇用保険二事業は、現在、労働者と折半で積み立てている失業等給付のほうから多額の借金を抱えているという状況です。また、雇用保険二事業と失業等給付とは会計は別で管理しておりまして、財布が異なる。この辺り、この部会における議論の中でもそのようなことになっていたかと思います。こうした事実は、しっかり踏まえておくべきであるというふうに考えます。
 今、雇用保険二事業が借金を返済しながら運営している状況でして、安定資金は脆弱であり、本来であれば下げられる保険料率も下げることができなかったということがあろうかと思います。今後の緊急時の対応においては、再び借金をすることは、すなわち、雇用保険二事業の本来意義・目的とする事業を行えない状況に及ぶものというふうに考えます。今後、雇用保険助成金の在り方として、借入れはしないで、そのような場合は政府全体の検討を通して一般財源から拠出することを求めていくべきだと考えますので、意見として申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
 
○立石雇用開発企画課長 御意見を賜りまして、ありがとうございます。
 職業安定分科会におきましても、まさにそういったような御議論、御指摘を頂戴していたということを踏まえまして、報告書案につきましても、こちらの今後の在り方の3つ目の○のような記載を入れさせていただいているところでございます。危機が起こった場合については、当時もなかなか難しい状況があったかと思いますけれども、今回は調査・研究等でいろいろな効果なども分かってまいったということもございますので、そういった成果も踏まえながら、財政状況も踏まえながら、しっかりと御議論いただけるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。ありがとうございます。
○中窪部会長 
 そのほか、いかがでしょうか。
 オンラインで千葉委員、お願いいたします。
○千葉委員 御説明ありがとうございました。
 この間、本部会におきましても、雇調金の在り方について平時から検討すべきという意見が多くの委員から述べられました。また、先日の部会でもお示しいただきましたが、安定資金残高の積み上がりは確認されているものの、いまだ雇用保険財政は厳しい状況にあると認識しています。そうした中で、予測が困難な大規模な経済変動や、自然災害等に備えて、財政面も含め、緊急時の雇調金の在り方を検討することは大変意義があるものと認識してございます。
 職業安定分科会の委員からも発言があったと思いますが、雇用保険制度の趣旨・目的を踏まえた上で、緊急時の雇用のセーフティネットとして機能するよう、財源の在り方を含めた整理がなされることと、本報告書の内容が実効性のある形で生かされるように、政府内でも広く共有化されるようお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○立石雇用開発企画課長 御指摘賜りまして、ありがとうございます。
 政府部内におきましても、今回の報告書につきまして、しかるべきところで共有できるように努めてまいりたいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
○中窪部会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料2については以上とさせていただきます。
 続きまして、「雇用保険審査請求及び被保険者資格確認手続における公示のデジタル化について」ということで、資料3について事務局より説明をお願いいたします。
○新堀調査官 資料3について、いわゆるハネ改正に伴う対応等ということで御報告させていただきます。
 まず、資料に入る前に、説明の前提として口頭で補足いたします。雇用保険法上、失業等給付・育児休業等給付については、公共職業安定所長が支給決定をするのですが、当該処分等については、審査請求や再審査請求といった不服申立てができると規定しております。その上で、具体の不服申立てに関する手続やその体制等は、労災関係と併せまして、「労働保険審査官及び労働保険審査会法」として規定しています。この法律を略して「官会法」といいますが、この改正に伴う政令・省令改正について御報告ということです。
 1ページ、お開きください。1つ目の○ですけれども、現状の説明です。今、申し上げた官会法第20条第2項では、労働保険審査官、こちらは不服申立の審査を行う者で各労働局におりますが、当該審査官が審査請求について、処分の取消などの決定をした場合の送達は、審査請求人に決定書の謄本を送付することによって行う。他方、審査請求人の所在が知れないとき、その他決定書の謄本を送付することができないときは、公示送達によって行うことができる、と規定しています。公示送達とは、※にありますように、その者の所在が不明である場合等に、一定期間掲示(公示)することによって相手方に通知等が到達したとみなす制度です。
 2つ目の○です。こちらも現状の説明です。同条第3項では、公示送達の方法は、審査官が決定書の謄本を保管し、いつでも審査請求人に交付する旨を政令で定める掲示場に提示し、当該事項を官報その他の広報に少なくとも1回掲載するものとされています。
 3つ目の○です。改正の背景です。令和4年6月にデジタル臨時調査会において決定された「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」に基づき、書面掲示を含む代表的なアナログ規制の見直しを行うとされたことを踏まえて、デジタル一括法によって、官会法を含む書面掲示規制関係法律について、インターネットによる閲覧等を可能とする改正が行われています。
 4つ目の○です。具体的な官会法の改正の中身です。公示送達の方法は、公示事項を厚生労働省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、公示事項が記載された書面を政令で定める事務所の掲示場に掲示し、又は公示事項を当該事務所に設置したパソコンの画面に表示することにより行うとしています。
 本改正は令和5年6月16日に公布されておりまして、施行は令和8年5月21日となっています。
 次ページからは、今、触れました官会法の政令改正、省令改正についての具体のご報告となります。
 2ページ、お開きください。まず、政令改正です。
 1つ目の○、現行の説明です。官会法上、「政令で定める掲示場」は、労災の場合、途中割愛しますが、原処分が行われた労働基準監督署の掲示場。雇用保険の場合は、原処分が行われた公共職業安定所の掲示場と規定しています。
 2つ目の○です。デジタル一括法により、「政令で定める掲示場」が「政令で定める事務所の掲示場」と、場所をより明確にする改正が行われていますが、具体の中身に変更はございません。それに伴い、政令改正によって、公示送達を実施する事務所についての規定となるよう、整理を行っています。
 3つ目の○。具体的には、1ポツ目、途中略しますが、原処分が行われた労働基準監督署。2ポツ目、途中略しますが、原処分が行われた公共職業安定所としています。
 当該改正は、令和8年1月28日に公布されており、施行はデジタル一括法の施行日と合わせて、令和8年5月21日としております。
 3ページ、お願いいたします。官会法の省令改正についてです。
 1つ目の○です。デジタル一括法により、公示事項を厚生労働省令で定める方法により、閲覧できるようにするなどの法改正をしており、その具体的な公示送達の方法を定める省令改正を行います。
 2つ目の○。具体的には、インターネットを利用した方法とするとの改正です。現在、こちらの省令は手続中でして、5月頃の公布を予定し、その後、施行はデジタル一括法の施行期日である令和8年5月21日としています。
 続いて、4ページ、お願いいたします。官会法関係ではなく、こちらは雇用保険法施行規則の改正の御報告です。
 1つ目の○。まず、現状です。雇用保険法施行規則第9条第1項では、公共職業安定所長は、労働者が雇用保険の被保険者となった(なくなった)ことの確認をしたときは、雇用保険被保険者資格取得(喪失)確認通知書によって、その旨を労働者本人と事業主に通知するとしています。同条第2項において、これらの者の所在が明らかでないために通知をできないときは、公共職業安定所の掲示場に通知すべき事項を記載した文書を掲示する、としています。
 2つ目の○、改正の中身ですが、デジタル一括見直しプランに基づき、通知の相手方の所在が明らかでないために通知をすることができない場合は、インターネットを利用して不特定多数の者が公示事項を閲覧することができる状態に置くとともに、公示事項が掲載された書面を公共職業安定所の掲示場に掲示し、又は公共職業安定所に設置したパソコンの画面に表示する、といった形での改正の対応をいたします。
 3つ目の○、被保険者となった(なくなった)事実がない場合の通知等についても同様の取扱いといたします。
 こちらの省令も手続中でして、さきほどと同様、5月頃の公布を予定し、その後、施行はデジタル一括法の施行期日と合わせる形で対応いたします。
 資料3、以上でございます。
○中窪部会長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本件につきましては以上とさせていただきます。
 最後に、「特定在留カードの創設等に伴う届出書類の改正について」ということで、資料4について事務局より説明をお願いいたします。
○新堀調査官 資料4、もう一点の報告事項です。こちらも法改正に伴う、ハネ改正に伴う案件です。
 ページ、おめくりください。特定在留カードの創設でございます。出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律により、中長期在留者に対して在留許可に伴い交付される在留カードが見直され、令和8年6月以降、従来の在留カードの様式変更に加え、在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した「特定在留カード」が導入されます。
 2、それに伴う改正についてです。
 1つ目の○ですが、現行の雇用保険被保険者資格取得手続及び喪失手続においては、外国人労働者について、各種届出書類の様式において在留カード番号を記載する欄を設けています。補足ですけれども、労働施策総合推進法等の規定によりまして、外国人を雇用する際には、別途、外国人雇用状況届出の提出が必要ですが、雇用保険被保険者の場合には、当該取得手続時等に在留カード番号を記載することで、その届出を兼ねるものとされておりますため、雇用保険手続時に当該番号を記載していただくことになっております。
 本文に戻りますけれども、赤字部分、新様式の在留カードと新たな特定在留カードでは、在留カード番号の記載位置が変更となりますため、雇用保険手続上の各種様式について所要の改正を行う、というものです。
 具体のイメージは次ページを御覧ください。
 左側が現行です。在留カードの右上に番号があります。その下の省令様式を御覧いただくと、括弧で「在留カードの右上」と記載があります。他方、改正後です。新様式の在留カードでは、番号はカード券面の下部、特定在留カードでは、真ん中あたりの位置に変更となります。このため、その下の省令様式からは、右上とあった括弧そのものを落とすという改正を行います。
 お手数ですが、前のページにお戻りください。2の2つ目の○ですが、改正に当たっては、今後、こうした記載事項変更等への迅速な対応等を可能とする観点から、新たな様式は省令ではなく業務取扱要領において規定することとしております。
 具体のイメージは※をご覧ください。従来は、下線にありますように「雇用保険被保険者資格取得届(様式名)」を記載しておりましたが、今後は、主たる情報として、労働者の氏名とか個人番号といった省令に記載を求める根拠を残した上で、その他の記載事項は「その他の職業安定局長が定める事項を記載した届書」といった形で要領に委ねる形とする、というものです。
 説明は以上です。
○中窪部会長 では、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料4については以上とさせていただきます。
 本日予定されておりました議題は以上ですので、本日の部会はこれで終了といたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、ご出席をいただき、どうもありがとうございました。