令和8年4月27日 第34回社会保障審議会 議事録
1.日時
令和8年4月27日(月)14:00~15:30
2.場所
厚生労働省 講堂(低層棟2階)
3.出席者
委員
- ※50音順
島村委員、新保委員、武田委員、棚野委員、津谷委員、寺井委員、野口委員、林委員、
平野委員、松田委員、松原委員、森戸委員、山本委員
4.議題
- 社会保障制度改革等について
- 令和8年度厚生労働省予算について
5.議事
○梶野参事官 それでは、14時になりましたので、ただいまから第34回「社会保障審議会」を開会させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
まず、事務的な御連絡を申し上げます。
本日は、会場での御出席とオンラインによる御出席の併用開催とさせていただいています。
まず、オンラインで御出席の委員の皆様に確認させていただきます。画面の下にマイクのアイコンが出ておりまして、今、ミュートにしていただいていると思います。会議の進行中は、委員の皆様のマイクを基本的にミュートとさせていただきますけれども、御発言をされる際には「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。音声に不具合等ございましたら、事務局宛てにチャットにてお知らせください。
なお、会議は動画配信システムのライブ配信により、一般公開する形としております。
次に、前回の審議会から数名の委員の方が改選もしくは再任されておりますが、各委員の御紹介につきましては、誠に恐縮ですが、時間の都合上、参考資料の社会保障審議会委員名簿をもちまして御紹介に代えさせていただきます。
次に、本日の委員の皆様の出欠状況について申し上げます。
本日御欠席の委員は、岡委員、小堀委員、嵩委員、辻委員、永田委員、松井委員、松山委員となっております。
22名の委員の皆様に御出席いただいており、委員総数の3分の1を超えておりますので、会議は有効に成立しております。
なお、本日は国会用務の都合により、省内関係者につきましては、途中での入退室がありまして、あらかじめ御了承いただければと思います。
次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
本日の配布資料は、議事次第のほか、資料として「社会保障制度改革等について(報告)」、「令和8年度予算の概要」。それから、参考資料としまして「社会保障審議会委員名簿」、「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」、「令和8年度予算の主要事項」の冊子、「社会保障審議会令」となっております。
なお、今回の資料より、資料番号がついておりませんけれども、紙資源削減の観点でこうなっております。あらかじめ御了承お願いします。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、本審議会の遠藤会長に以後の進行をお願いしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○遠藤会長 ありがとうございます。会長を仰せつかっております遠藤でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります前に、1つ御連絡をさせていただきたいと思います。社会保障審議会令第4条第3項におきまして、会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理すると規定されております。この規定に基づきまして、これまでの豊富な御経験を踏まえまして、岩村委員に会長代理をお願いしたいと存じます。岩村委員、どうぞよろしくお願いいたします。
(岩村委員首肯)
○遠藤会長 ありがとうございます。
次に、分科会及び部会への委員の所属につきまして御報告いたします。社会保障審議会令第5条第2項及び第6条第2項では、分科会については厚生労働大臣が、部会については社会保障審議会会長が、それぞれ属する委員を指名するということになっております。この定めに基づきまして、今回、改選となりました委員の方々には、その専門性を踏まえまして、参考資料「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」のとおり、分科会・部会への所属をお願いしたいと思います。内容を御確認いただきまして御了承いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(委員首肯)
○遠藤会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。本日、議題は2つございまして、議事の1「社会保障制度改革等」については、資料「社会保障制度改革等について(報告)」によって、また議事の2番目の「令和8年度厚生労働予算」については、資料「令和8年度予算の概要」により、それぞれ事務局から一括して説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○梶野参事官 まず、「社会保障制度改革等について」、御説明します。
大きく4つの固まりに分けて御説明します。
1枚おめくりいただきまして、2枚目、タイトル1。これは令和5年12月に全世代型社会保障構築本部で決定した改革工程になります。その進捗状況を御説明します。
次のページ、2ページになりますけれども、これは各項目を1枚にまとめた資料になります。表の右のところに赤線を引いているところがありますけれども、これを次のページ以降、御説明申し上げます。
次のページ、3ページ目になりますけれども、これは国民年金法等の一部を改正する法律ということで、昨年の通常国会で成立しております。赤枠で囲んだところになりますけれども、被用者保険の適用拡大等を措置しております。
それから、次の4ページ、医療法等の一部を改正する法律ということで、これは昨年末の臨時国会で成立しております。主に、地域医療構想の見直し、医師偏在是正に向けた総合的な対策の実施、これらの基盤となる医療DXの推進のために必要な措置を講じております。
それから、次のページ、5ページになります。健康保険法等の一部を改正する法律案の概要ということで、これは現在、国会で審議中であります。赤い枠で囲んでいるところでありますけれども、より公平な負担の実現、効率的な給付の確保ということで、OTC類似薬の保険給付の見直し。それから、後期高齢者医療において、金融所得を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映するための見直し。
それから、次の赤枠で3番目ですけれども、必要な医療の提供の確保ということで、高額療養費の見直し等を措置する。
それから、次のページ、6ページですけれども、社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要ということで、これも国会に提出しております。赤枠で囲んだところでございますけれども、まず、身寄りがいない高齢者等に対する日常生活・入院等の手続・死後事務の支援を行う事業を第二種社会福祉事業に位置づけ、併せて相談体制の整備を図る。それから、中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームに係る都道府県等への登録制度を導入する。
それから、3番目の赤い四角のところですけれども、福祉人材の安定的な確保及び定着支援ということで、関係団体等で構成する福祉人材確保のための協議会の設置を都道府県の努力義務とするなどの見直し措置を入れております。
それから、次のページになりますけれども、大きな固まりの2として、「医療・介護・障害福祉の現場における経営の改善・従事者の処遇改善のための措置」ということで、次のページ、8ページですけれども、これは昨年11月の内閣総理大臣指示になります。赤枠で囲んだ3行目、①のところですけれども、社会保障サービスの担い手確保、経営の安定を図るため、総合経済対策における前倒し対応に続き、次期診療報酬改定等において、賃上げ、物価高を適切に反映させ、経営の改善、現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながる的確な対応を実施してくださいということ。
この指示に基づいて、まず、経済対策になりますけれども、これが11ページになります。「医療・介護等支援パッケージ」の対応についてということで、3行目、7年度補正予算において、経営の改善・従事者の処遇改善のための措置を1.4兆円規模で実施する。
それから、ページが飛びまして15ページになります。もう一つが報酬改定になります。まず、医療ですけれども、診療報酬改定ということで、これは賃上げ分、物価対応分なども含めまして、プラス3.09%という改定で、30年ぶりの3%台の改定を行っています。
それから、次の16ページになりますけれども、介護報酬改定のほうでして、これは経済対策の中で、2行目ですけれども、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、8年度介護報酬改定において必要な対応を行うということを踏まえ、9年度の介護報酬改定を待たずに、期中改定を実施するということで、改定率はプラス2.03%。
それから、次の17ページが障害福祉サービス等の報酬改定になりまして、これも介護報酬と同様に期中改定を実施するということで、改定率は1.84%ということで実施しております。
それから、次のページ、大きな3番目になります。「現役世代の保険料負担を抑えていくための取組」ということで、次の19ページになりますけれども、これは昨年6月の骨太の方針で、この中の2行目ですけれども、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し。それから、新たな地域医療構想に向けた病床削減等々の改革について、予算編成過程で十分な検討を行い、早期に実現が可能なものについて、2026年度から実行するとされております。
次の20ページになりますけれども、これは高市内閣が発足しまして、そのときの自由民主党・日本維新の会連立政権合意書、昨年10月20日でありますけれども、この中で2行目からになりますけれども、三党合意書に記載されている制度改革の具体的な制度設計を7年度中に実現しつつ、社会保障全体の改革を推進することで、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すとされました。
それで、次のページですけれども、21ページも総理大臣指示になりますが、赤枠で囲んだところの②の2行目の後半部分ですけれども、先ほどの政党間合意を踏まえた制度設計、それから、最初に御説明しました「改革工程」に掲げられた制度改革の着実な実現に向けた議論を進めてください、と。
それから、③ですけれども、以上について、年末までに結論を得た上で、予算案や制度改正に反映させてくださいという指示がございました。
これに基づいて検討を進め、昨年末、飛びまして23ページになりますけれども、自由民主党、日本維新の会の政調会長間合意書ということで、まず、OTC類似薬の保険給付の見直し。
それから、24ページ、食品類似薬の保険給付の見直し、長期収載品の選定療養の拡大、長期処方・リフィル処方箋の拡大。
それから、25ページ、金融所得の反映などの応能負担の徹底、地域フォーミュラリの全国展開、生活習慣病の重症化予防とデータヘルスの推進。
それから、26ページですけれども、新たな地域医療構想に向けた病床削減、医療DX、介護・障害福祉従事者の処遇改善ということが年末に取りまとめられました。
次の27ページは、この保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革の全体像を1枚にまとめたものになります。
次の28ページになりますけれども、自民と日本維新の会の協議でありますけれども、現在、この資料の2つ目の●のところに13項目、項目が掲げられておりますけれども、これについて協議がされているところになります。政府として、この協議の内容を踏まえながら、改革に取り組んでまいります。
次のページになりますけれども、最後、「4.給付付き税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革」。
ページ飛びまして、31ページになりますけれども、まず、社会保障国民会議の趣旨、太字のところになりますが、国民の受益と負担に深く関わる「給付付き税額控除」や「食料品の消費税率ゼロ」を含めた「社会保障と税の一体改革」について検討を進めるために、「国民会議」を設置ということであります。
それから、太字の2のところですけれども、国民会議の構成ということで、3つからなっております。
1つ目の○ですけれども、国民会議(いわゆる「親会議」)は、政府及び参加政党間で協議・意見集約を行うということで、これは2月26日、開催しております。
それから、2つ目の〇ですけれども、「親会議」の下、太字のところですが、政府及び各党の実務者による「給付付き税額控除」等に関する「実務者会議」を開催ということで、これは8つの党が入って、現在検討が進められています。
それから、次のページ、上の○になりますけれども、太字のところですが、様々な立場から専門的な議論を行う「有識者会議」を設け、「実務者会議」が「有識者会議」と連携を図るということであります。
それから、下のほう、「4 議論の進め方」というところですけれども、まずは、「給付付き税額控除」と「食料品の消費税率ゼロ」を同時並行的に議論を進め、8年夏前を目途に中間とりまとめを行う。
それから、次の薄い明朝の※印のところですけれども、社会保障制度との関係ですが、給付付き税額控除の制度設計に関連する社会保障制度の議論は並行して実施。
それから、最後の○ですけれども、その上で、給付付き税額控除の議論を進める過程で明らかとなった社会保障制度の課題等について、改めて調整の上、協議を継続するというふうになっております。
まず、この資料の説明は以上です。
○吉田会計課長 続きまして、会計課長の吉田でございますが、私のほうから、資料に基づきまして、「令和8年度予算の概要」について御説明したいと思います。配布資料の概要の部分でございます。あと、「予算の主要事項」という形で冊子もお配りさせていただいておりますが、適宜御参照いただければと思います。
概要について御説明します。1ページ目、御覧いただきまして、先ほどの社会保障改革の説明がありましたが、その改革内容を反映した予算となっております。
1ページ目が令和8年度厚生労働省予算の全体像になります。一般会計総額は、令和7年度当初予算額34兆3064億円から7369億円増額、率にして2.1%増の35兆433億円となります。うち社会保障関係費でございますが、令和7年度当初予算額33兆9883億円から7205億円の増額、率にして同じく2.1%増の34兆7088億円となります。令和8年度の社会保障関係費につきましては、先ほど説明がありました様々な制度改革、また効率化努力を積み重ねることによりまして、実質的な伸びを高齢化による増加分に抑制した上で、8年度の診療報酬改定における賃上げ・物価対応分など、経済・物価動向等を踏まえた対応を加算するという形で、令和7年度社会保障関係費と比較して7205億円の増になっております。
※4の部分を見ていただくと、政府全体の社会保障関係費は7621億円、こども家庭庁分等がありますので、この金額になります。
各特別会計の数字が1ページの下になります。
2ページに進んでいただいて、社会保障関係費の年金、医療、介護、雇用、福祉等の内訳になります。
続きまして、3ページ、令和8年度厚生労働省予算における重点事項になります。「労働供給制約社会」へ本格的に突入するとともに、日本経済が新たなステージに移行しつつあることが明確になる中で、3つを柱に予算措置を行いまして、安心と活力ある暮らしの実現を目指すこととしております。3つの大きな柱としては、青い部分、左のほうでございますが、保健・医療・介護、真ん中は労働分野、右の赤いⅢの部分は福祉などという括りにしております。
4ページ以降、それぞれの重点事項について御説明いたします。
4ページ、まず、大きな柱の1つ目、保健・医療・介護でございますが、医療・介護・障害福祉分野の賃上げ・経営の安定・人材確保等として、診療報酬改定について記載させていただいております。
診療報酬・薬価等改定でございますが、令和7年度補正予算における「医療・介護等支援パッケージ」による措置に引き続きまして、骨太の方針2025、さらには総合経済対策に基づき、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえて経営の改善や従事者の処遇改善につながる的確な対応を行うということで、改定率は先ほど御説明があったとおりです。
続きまして、5ページ、地域医療・介護の提供体制の確保でございます。
○の部分、質が高く効率的な医療提供体制の確保に843億円を予算措置しております。なお、この括弧書きの777億円という数字は、令和7年度当初予算額でございます。以降、そういう整理で書いてありますので、見ていただければと思います。また、点線四角囲みがあるかと思いますが、これは令和7年度補正予算に計上された事項になります。
このほか、地域医療・介護の関係では、救急・災害医療提供体制の確保、小児・周産期医療提供体制の確保、地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について、それぞれ記載の額を予算措置しております。
6ページに進んでいただきまして、創薬力等強化に向けた医薬品・医療機器等のイノベーションの推進、安定供給や品質・安全性の確保等になります。この分野につきましては、補正予算で手当てをしましたが、当初予算でも、研究開発環境の整備、創薬シーズ・医療機器の実用化支援に71億円、研究開発によるイノベーションの推進に557億円、医薬品等の安定供給の推進に16億円、医薬品等の品質確保・安全対策の推進、薬物対策に3.5億円を予算措置しております。
続きまして、医療・介護分野におけるDXの推進、「攻めの予防医療」の推進等になります。この分野も補正予算で多くの施策を前倒ししたところでございますが、当初予算でも引き続き37億円を予算措置しております。
7ページに進んでいただきまして、攻めの予防医療として、歯科保健医療・栄養対策・リハビリテーションの推進、がん対策、循環器病対策等の推進、重症化を含む予防施策の推進、女性の健康づくりについて、それぞれ記載の額の予算措置をしております。
続きまして、難病・移植医療・肝炎対策の推進等、感染症対策の体制強化、国際保健への戦略的取組等、安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保についても、それぞれ記載の額を予算措置しております。
8ページに進んでいただきまして、大きな柱の2つ目、労働分野になります。
中小・小規模企業等に対する賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援、リ・スキリングによる能力向上支援、ジョブ型人事指針の周知、成長分野等への労働移動の円滑化、深刻化する人手不足への対応、9ページに進んでいただきまして、就職氷河期世代、障害者や高齢者等多様な人材の活躍促進、多様な働き方の実現に向けた環境整備、仕事と育児・介護の両立支援、ワーク・ライフ・バランスの推進、ハラスメント対策の推進、安心安全な職場環境の実現、フリーランスの就業環境の整備、男女間賃金差異の解消、女性管理職比率の向上に向けた取組の推進、子育て中の女性等に対する就職支援の実施、女性の健康課題に取り組む事業主への支援について予算措置を労働分野で行っております。
10ページに進んでいただきまして、最後、大きな柱の3つ目、福祉等になります。
地域共生社会の実現等として、生活困窮者、生活保護、障害者の支援、依存症対策、成年後見制度、相談支援・地域づくり、困難な問題を抱える女性への支援、自殺、ひきこもり対策に予算措置をしております。
最後に、年金、援護施策、被災者・被災施設への支援についても、それぞれ記載の額を予算措置しております。
厚生労働分野、多岐にわたりますが、支援が必要な方に予算が速やかに届くように対応してまいりたいと思っております。
私からの説明は以上でございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして、皆様から御意見、御質問等いただきたいと思いますけれども、その前に、内堀委員と松田委員、お二人ともオンラインで参加されておられますけれども、御予定が詰まっておられると聞いております。もし御発言ありましたら、優先的にお話ししていただければと思いますけれども、いかがでございましょう。
それでは、内堀委員、よろしくお願いいたします。
○内堀委員 ありがとうございます。
社会保障制度改革等について、4点申し上げたいと思います。
まず、1点目です。福祉人材の安定的な確保についてです。現役世代の急激な減少により、深刻な人手不足、特に福祉の担い手不足が懸念されています。このため、都道府県に協議会を設置し、福祉人材確保の取組を一体的に進めていくことは重要です。この取組は、地域によって課題や社会資源が異なるほか、既に類似の取組を行っている都道府県もあることから、地域の実情を踏まえ、柔軟に対応できる制度となるようお願いします。また、取組の実効性を高めるために、国において協議会の運営費用に係る十分な財源を確保するとともに、全ての福祉人材に対する支援メニューを整備するようお願いします。
2点目は、医療・介護・障害福祉サービスの提供体制についてです。医療・介護・障害福祉の現場における経営の改善、従事者の処遇改善のための措置については、全国知事会の要望・提言内容を反映していただき、都道府県の立場を代表して御礼申し上げます。ありがとうございます。
令和8年度診療報酬改定や介護・障害福祉サービス等報酬の期中改定が反映された後も、社会経済情勢の変化によっては、医療機関や介護・福祉事業者の経営に支障が生じる懸念があります。このため、今後も物価や賃金の急激な上昇に際しては、適時適切な見直しを行うとともに、安定的な経営に資する対策を迅速に講じていただくようお願いします。
さらに、中東情勢の緊迫化によって、光熱費及び輸送費等の高騰のみならず、診療や介護の現場において不可欠な医療機器等の流通・供給への影響が懸念されます。このため、医療及び介護・障害福祉サービスの提供が停滞することのないよう、関係省庁が連携して医薬品、医療機器及び医療物資等の安定した供給体制の確保をお願いします。
3点目は、現役世代の保険料負担抑制についてです。保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革に当たっては、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットという役割を決して損なうことのないよう十分留意した上で、持続可能性を高めるための制度見直しに取り組むことが重要です。具体的な制度設計や運用に当たっては、国民や事業者の過度な負担や急激な変化が生じないよう十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、引き続き丁寧に検討を進めていただくようお願いします。
また、制度が見直されることにより、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、特に低所得者、子ども、高齢者、難病患者、慢性疾患患者等に十分配慮した制度の在り方を検討していただくようお願いします。
最後、4点目は、社会保障と税の一体改革についてです。社会保障制度における給付と負担の在り方の見直しに当たっては、将来にわたり持続可能な社会保障制度とするため、必要かつ十分な財源を確保するとともに、公費負担の財源について、地方公共団体にとって多大な負担とならないよう、国において十分な財政措置をお願いします。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○遠藤会長 ありがとうございました。
松田委員が離席されて移動されているということで、またいらっしゃいましたら御発言いただくということで、まずは、会場御参加の委員の方から御意見、御質問等いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。
寺井委員、お願いいたします。
○寺井委員 御説明いただきまして、どうもありがとうございます。今回、初めて参加させていただきます寺井と申します。
いつもは年金数理部会に所属しておりまして、そこで財政検証のピアレビューを行っております。そこで感じていることを1つ述べさせていただければと思います。ピアレビューでは、公的年金制度の安定性の確保に関しての検証を行っていまして、安定性といいますと、持続可能性だけではなくて、給付の十分性ということも入ってくるというふうに認識しております。
令和6年度の財政検証に併せて実施されたオプション試算では、制度改正が、基礎年金と報酬比例部分にどの程度影響するかが示されました。実際にそれに対応して改正も行われていまして、例えば最初に御説明いただいた資料の3ページのⅠの5にある将来の基礎年金の給付水準の底上げというところに、今、こういうふうに進行しているということを御説明いただいていました。特に、被用者保険の適用拡大だったり、マクロ経済スライドの調整期間の一致など、このように既に制度改正に踏み出したものについては、今後も適切な対応を続けていくことが期待されているところだと私も思います。
一方で、基礎年金の拠出期間の延長につきましては、オプションには含まれていましたものの、本格的な議論には至っていないのではないかと認識しております。給付と負担の均衡を確保するという観点の上からも、議論を進める必要があるというふうに思っております。
以上です。
○遠藤会長 寺井委員、ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、駒村委員、お願いします。
○駒村委員 5年ぶりぐらいの参加ということで、1年に一遍しかない会合ですので、こういう制度間の全体の話についてコメントできる機会は大変重要だと思います。
まず、社会保障制度全体で危惧を持っているのは、今日は主に政府予算の35兆円の話でしたけれども、社会保障全体で120兆円以上ある中で、残りの85兆円ぐらいが社会保険財源です。私が大変危惧しているのが、社会保険に対する国民の支持が揺らいでいるのではないか。不確実性が様々、高まっている中で、保険の役割を下げてしまうと自己責任の部分が上がってしまうということもあるかと思います。政府の方針で、モラルハザード的な給付が様々あるとすれば、それを見直すというのは分からないわけでもないですけれども、給付全体に関して、国民の理解が十分広がっていないところについては、社会保障の主力財源でありますので、厚生労働省のほうは給付制度の仕組みについて、丁寧に理解いただくように説明していただければと思います。それが1点目です。
それから、制度横断的な議論が今日できますので、概要のほうの3ページにそれぞれの分野の話が出ているわけですけれども、例えば女性の健康づくりというキーワード、真ん中には女性の健康課題というキーワードが入っております。予算の項目の細かいほうを拝見すると、それぞれ対応するところがありまして、主要事項の97ページと183ページにこの言及があるわけですけれども、ぜひともこういう観点が必要じゃないかとお願い、もしくは既にやられていて、私が存じ上げないのかもしれませんけれども、例えば97ページについては、女性の健康に関して大変重要になってきているということで、様々な充実がされていると。
一方で、女性の就業率は急激に上がっていて、しかも60代に入っても、年金体制などを考えると、働き続けなければ、働き続けてほしい。そういう環境の中で、職場における女性の健康について、従来のような就業率とか管理職の比率の上昇というところだけにとどまらずに、より踏み込んで女性の健康に対する配慮が、人的資本投資の意味として重要なのだという点で、97ページから183ページの施策がきれいにつながるように強化していただきたいなと思っております。要するに、制度間と部局間の連携を強めていただきたいなというお願いでございます。
それから、3つ目になりますけれども、報告のほうは6ページの社会福祉法の改正ということで、お独り様の高齢者、支援を提供する高齢者が増えてくると。この改正はこれから極めて重要な役割を果たしていくと思います。地域社会をどう維持していくのかということは、社会保障費の関係機関だけじゃなくて、他の民間企業とか地域のNPO、様々な機関と連携しているところも重要だと思いますので、そういう意味で、社会福祉法の改正に伴う国の予算対応について、制約条件は様々あると思いますけれども、充実していただきたいなと思っております。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
特段、事務局からの何かコメントをいただくという趣旨はありますか。
○駒村委員 もし進めるということであれば、よろしいと思います。読み取る限りだと、予算の規模の話もあるので、頑張っていただきたいという趣旨でございます。
○遠藤会長 そういうことですけれども、何かコメントがあれば事務局から。では、お願いいたします。
○若林健康・生活衛生局総務課長 健康・生活衛生局の総務課長でございます。
御指摘がありました女性の健康の問題は、高市政権の重要な施策として動き出しております。この目的は、健康になって健康寿命が延伸するというだけではなくて、さらに皆様、元気に活躍して、社会保障を含む担い手になっていただくという、働くところまで視野に置いた施策として動かしております。ただ、課題としては、そもそも例えば更年期の方、心身の不調を感じても、一体それは医療が必要なのか、どういう症状なのか、内科に行けばいいのか、婦人科なのか、なかなか分からないというところで、そこをしっかりサポートするという意味で、御指摘いただいた女性の健康総合センターというものを立ち上げて支援に取り組んでいます。
それから、その先の働くということについては、省内あるいは省庁横断的に取り組んでおりまして、現在、官房副長官をヘッドにした省庁横断の会がございます。そこで厚労省のみならず、経産省、これは健康経営という意味で、働く方と企業の取組を強化しておりますし、こども家庭庁、文科省、様々なところが一堂に会しております。おっしゃるとおり、様々にまたがっているものですから、省内でも労働基準局の安全衛生部、これは職場健診をやっているところですけれども、そこと連携して、女性の健康をキーワードとした連携体制を、省全体あるいは省庁を越えた形で現在進めているところでございます。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかにフロアの委員の方からございますか。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 御指名ありがとうございます。連合の林でございます。
御報告いただきました社会保障制度改革について、御説明があったこと、なかったことも触れたいと思いますけれども、まず、3ページです。年金制度改革等のところで、附帯決議で3号被保険者制度の在り方についての速やかな検討、あるいは国民的な議論に資するような3号の実情に関する調査実施というものが盛り込まれているところでございます。この件について、ぜひ早期に着実に進めていただければと考えていますので、要望したいと思います。
それから、2点目はスライドの4枚目です。連合としては、医師の偏在是正は重要な課題だと思っていまして、医療保険でやるのか、税の投入、公金でやるべきじゃないかというのはございますが、一旦、それは脇に置いて、実施において保険者が参画できる仕組みの検討規定。それから、医師の偏在是正が目的どおりに進んだと言えるのかの効果検証を行い必要な見直しを行うなどの附帯決議。この点について、確実な履行をお願いしたいと思っております。
それから、スライドの11枚目です。支援パッケージということで補正予算で財源を確保いただきましたことについては、歓迎していますし、評価してございます。一方で、予算規模が大きいということもありまして、それぞれの事業者さんが実施するまでのスケジュールがタイトであること。それから、事務的にも申請や運営に係る負担が大きいということで、現場のほうはなかなか十分に活用し切れないという声も、私ども、聞いているところでございまして、こうした支援パッケージの賃上げ効果についても検証の必要があると思っています。それから、今回は補正で御対応いただいたところでございますけれども、事業者さんの予見可能性を高める必要もあると思っていまして、ぜひ当初予算を含めて、安定的に財源を確保いただき、現場が計画的に対応できるようにしていただく仕組みにすることが重要だと思っていますので、ぜひ御検討をお願いできればと思っています。
最後、社会保障制度の維持について、現役世代の負担軽減ということが言われていますけれども、そのことだけじゃなくて、将来を見据えた検討が必要な時期なのではないかなと思っています。連合は毎年3月の年度末に、各地方とか各構成組織を通じた政策討論集会というのをやっていまして、その中で、介護保険制度については、年齢に関わらず介護を必要とする全ての人が必要なサービスを受けられる仕組みにすべきであるという声もありまして、今回、既に介護保険の制度改定については、年末に報告書が出ていますので、次の2030年度改定に向けては、被保険者と受給者の範囲の拡大といった観点も含めて、持続的な制度となるように、幅広い検討をお願いできればと思ってございます。
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤会長 ありがとうございました。御意見として承らせていただきました。
ほかにいかがでございましょう。
山本委員、よろしくお願いします。
○山本委員 ありがとうございます。
深刻な経営危機に陥っている病院を抱える立場から、2点申し上げたいと思います。
前年度の補正予算及び今回の診療報酬改定、30年ぶりの3%台の大幅アップということで、この2つの措置により、多くの病院の経営者は一息ついているところというふうに考えます。しかしながら、この先の2年間は、明らかに物価上昇との追いかけっこになることは間違いありません。追い抜かれてしまうと、また、現状と同じようなことが起きてしまいますので、これは我々経営する側ももちろん緊張感を持って経営を進めなければいけませんが、この点に関しても行政当局の注視をしっかりしていただきたいなというふうに思います。
そんな中で、御承知のように、今、建設費が非常に上がっていて、病院建替えの場合、1ベッド当たり1億円かかるという状況になっています。従来、病院の建替え経費というのは、診療報酬から薄くためてやるということで何とか賄えてきておりますが、診療報酬そのものがもうきちきちになっている状態。そして、これだけ建築費が上がっていると、この診療報酬で賄うというスキームは既に崩れているというふうに考えざるを得ないと思います。本来、診療報酬というのは診療に係る経費を賄うものであって、投資的経費を賄うものとは別個に考えるべきことであります。
ですので、この辺、うまくやらないと、地域ニーズにしっかり応えている病院が、建物の老朽化というだけで閉鎖に追い込まれるということが、本当にすぐ目の前に来ているというふうに私は考えておりますので、どのような仕組みがつくれるのか、ここはもう真剣に、そして早急な検討が必要ではないかというふうに思います。幸いなことに、地域医療構想もかなり真剣な議論が進められるというふうに理解しておりますので、こことの連携なども考えていく必要があるのかなというふうに思います。
それから、2点目はDXの推進について。これは予算措置もいろいろしていただいておりますし、今回の診療報酬改定でも、このDXについて初めて措置がされているところというふうに理解しております。これは大変すばらしいことなのですが、一方で、現場目線で言うと、本当に業務の効率化あるいは省略化につながるDXが開発されているかというと、ここは非常に疑問があります。経営の立場から言うと、とても投資意欲をかき立てられるような仕組み、システムがまだ開発されているとは言いがたい状態です。今回の予算措置も含めて、いろいろバックアップしていただく必要はありますが、併せて、本当に労働集約型の医療を、少しでも労働力を低減・削減できるようなDXの推進に向けた開発支援というところにも、ぜひ目を向けていただく必要があるのではないかなというふうに考えます。
以上2点、要望及び意見として申し上げました。
○遠藤会長 ありがとうございました。
それでは、岩村委員、お願いいたします。
○岩村委員 ありがとうございます。
1点だけです。先ほど駒村委員のおっしゃったところでありますけれども、最近の議論では、社会保険料に非常に注目が集まっていますが、私はそれが果たして適切なのかと思っております。社会保険というのは、保険料を拠出することによって給付を法的な権利として受給するという仕組みであります。かつまた、駒村委員もおっしゃったことですけれども、日本の社会保障制度の核をなす仕組みであり、社会保険制度というものを通して、国民が健康で、かつ安定した生活を送るということを保障するという重要な意味を持っております。
ですので、そうした社会保険のコアの役割というものが揺らがないように、ぜひとも厚生労働省におかれても政策の立案あるいは遂行に当たって、御努力、御尽力をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○遠藤会長 ありがとうございます。重要な御指摘をいただいていると思います。
ほかにいかがでございましょう。
それでは、松原委員、どうぞ。
○松原委員 ありがとうございます。
社会保障というのは年齢とか性別とか障害の有無とか、家に障害者がいるから働けないなどの家庭環境にかかわらず、一人一人の能力を発揮できるように支え合う仕組みだと思いますけれども、そうした機能が忘れられて、負担ばかりが指摘されています。ぜひこの社会保障の役割・機能について、しっかりと伝えていく努力というのは重要だと思います。
その意味でも、医療・介護・福祉従事者の処遇改善、今、人手不足で大変な状況になっていますけれども、もし介護や福祉サービスが提供できないとなりますと、離職者を増やしてしまって、経済的に大きなマイナスになると思います。既に働いている方の8人に1人は医療・介護・福祉分野の方々ということで、ここの給与を上げることが経済的にも大きなプラスになると思いますので、今の給与を上げるとか。あと、退職金とか税の軽減とか、いろいろ複合的なパッケージで処遇改善を図っていく必要があると思います。
あとは、社会保障の意義という意味で、高額療養費につきましても、本当に困ったときにさらに負担が増えるというのではなくて、皆が広く負担し合って支え合うという公的保険のよさ、仕組みが重要だと思います。
応能負担につきましても、保険とか税を負担する際に、能力に応じた負担をすることは当然だと思います。一方で、実際に保険事故が起きたときに、高所得者により負担をかけていくと、二重に負担させるのかということで、高所得者の社会保障に対する嫌気を助長するのではないかと危惧します。
また、社会保障のメリットをより広くみなが共有するためにも、非正規職員等への適用拡大はより一歩踏み込んで取り組まなければいけないと思います。これは社会保障費負担が嫌だという若者が増えていく中で、適用拡大は急務のことであります。一方で、適用拡大を図るときには、残された国保をどうするのか。国保の手当ても早急に手を打つべきだと思います。健保の被保険者と比べた格差があまりにも大きい。この点の改革も併せて行う必要があると思います。
もう一つ、中山間地域をはじめ、利用者も担い手も減っていく中で、福祉を提供し、地域の存続のために、人員配置、施設、資格の取りやすさ、これらをより柔軟な仕組みにする必要があり、そのためにも提供側の連携だけではなくて、行政側のほうの連携ももっと進めていただきたいと考えます。
最後に、ITを工夫して医療・介護・福祉の利用側、及び提供側、両方に対して負担をかけないチェック体制を敷き、不適切利用や不適切供給を防ぐ、信頼できる体制づくりが必要だと思います。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
津谷委員、どうぞ。
○津谷委員 先ほど駒村委員もおっしゃったように、1年に一度の機会ですので、一言申し上げたいと思います。
本日配布された2つの資料は大変よくできており、わが国の社会保障制度改革の全体像が簡潔に説明され、今年度の予算の概要についても大変勉強になりました。私は人口統計を専門としており、まもなく社会保障審議会人口部会も発足するのではないかと思いますので、人口の将来推計という観点から考えるところを申し上げたいと思います。先ほどから、社会保障制度改革、特に社会保険制度の今後について、いろいろな立場から御専門の先生方のさまざまな御意見を伺いました。先ほどもお話にありましたが、市場においては、経済のグローバル化の中でインフレが急速に進行しております。さらに、現在、米国とイランの国際紛争を契機として、中東地域のみならずグローバルな規模で政治経済的ショックが起こって、今後の展望を見通すのは大変難しい状況にあり、これがわが国の社会経済に与える影響が懸念されます。
市場の変動ほど大きくはありませんが、今後の人口の変動についても注視する必要があると思います。令和7年国勢調査の男女・年齢(各歳)別の人口数の確定値がもうすぐ公表されると思いますが、その数値を用いて、2025年からの50年間について、全国人口の将来推計が行われます。それに引き続いて、都道府県人口、そして市町村人口、さらには世帯についても将来推計が行われる予定です。本日、御説明いただいた社会保障制度改革のベースにあるデモグラフィック・インフラストラクチャーが今後どのように動いていくのかについて、最新の将来人口推計の結果を参考にして考えていただくことが重要だと思います。今年度や来年度といった直近の状況も大事ですが、制度を考えるときには、より長期的な視点から今後の展望を考えなくてはなりません。
皆様ご承知のように、わが国の人口は急激に減少しております。そして、超高齢化も進行しております。さらに、地域別に見ると、都市部よりも特に地方で急速な人口減少と少子高齢化が起こっており、人口の空洞化が懸念される状況にもなっております。悲観的なことを申し上げるようで恐縮ですが、状況は非常に厳しいです。ですので、今後の人口変動を考えると、受益者には手厚いサービスを提供する一方で、できる限り負担を抑制するということは非常に難しいと言わざるをえません。社会保障制度のベースラインをどこに設定するのか、できることとできないことは何か。限られたリソースのもとで何に重点的に取り組むのか。さまざまな利害がからみあう中で、この問題への対処は簡単にはいかないと思いますが、何らかの選択は避けて通れないと思います。
今日配布された資料に示されている情報は、2020年の国勢調査による将来人口推計の結果を基にしておられるのではないかと思いますが、2025年の国勢調査による将来人口推計の結果がどうなるのか興味深く、また心配でもあります。今後、どれくらいのスピードでどれくらい人口が減少し高齢化するのか。そして、先ほど独り住まいの高齢者への対策について御意見が出ておりましたが、消費は世帯単位で行いますので、世帯別将来推計の結果も非常に大事になってくると思います。私たちは現実を見据えて、これからわが国の社会はどうなっていくのか、社会保障はどこまでできるのか、どこにそのベースラインを置くのかについて真剣に考えていかなくてはならないと、委員の皆様のお話を伺っていて思いました。
将来人口推計の情報量は膨大で、報告書の数値も一見理解するのが難しいものが多いのではないかと思いますが、人口部会では、その意味をできる限り分かりやすく説明することも含めて、利活用が進むようにつとめたいと思いますので、新しい将来人口推計の結果が出ましたら、その情報を広く利活用していただき、今後のことをお考えいただく一助になれば幸いでございます。
○遠藤会長 ありがとうございます。社会保障の根源になります人口動態についての新しい調査結果が出てくる。その重要性についてお話しいただいたということです。
ほかに、会場御参加の委員の方、いらっしゃいますか。
武田委員、どうぞ。
○武田委員 大変分かりやすい資料と御説明をどうもありがとうございます。
意見を3点申し上げます。
第1に、社会保障制度改革全般についてです。全世代型社会保障改革について進めていただいており、とりわけ後期高齢者医療における金融所得の把握は、負担能力に応じた制度への転換に向けた重要な一歩と評価しております。また、高額療養費制度やOTC類似薬の見直しについても前進が見られました。改革を進めてこられた関係者の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。
介護保険制度の利用者負担については、引き続き改革に向けた働きかけをお願いいたします。
社会保障国民会議有識者会議で提示されたとおり、税と社会保険料、給付を合わせて見ると、とりわけ中・低所得層の純負担率が他国に比べ高い状況があります。給付付き税額控除の検討とともに、社会保障制度改革を着実に進めていかなければ、中低所得者の純負担率は解決いたしません。
高齢化に伴う給付増を踏まえ、医療・介護の効率化や応能負担の徹底、とりわけ高齢者の窓口負担の見直しなどを通じて、社会保障の持続可能性を確保すべきです。
第2に、人手不足対応についてです。インフレを踏まえた処遇改善必要と思います。しかし、人口減少下では人手不足が続きますので、根本的な解決には医療・介護のDX進展が避けられないと思います。具体的には、「連携によるスケール化」と「DX、技術活用」の双方が不可欠であり、地域での医療の機能分化と介護との連携、DXやAIによる事務負担の軽減、介護ロボットやフィジカルAIの活用などを進める必要があると思います。
特に、介護ではデータ連携へ取り組む事業所を支援するとともに、小規模介護事業者へのナレッジ共有、連携をしやすい仕組みの整備が重要です。介護事業者に限らず、日本の中小企業のDXの遅れの理由を調べてみますと、金銭的インセンティブだけでは解決しない背景が見えてきます。大きな理由は2つ。1つはDXを推進する人材の不足、もう一つは情報不足。
ワンストップ型の総合的な事業者支援を進めていただいておりますが、先進的企業によるナレッジ共有や実装などの仕組みをお願いいたします。
第3に、先ほど林委員からもございました第3号被保険者制度の見直しについてです。共働き世帯の増加や就労形態の多様化により制度と実態の乖離が拡大しています。人手不足の時代、就労インセンティブを高める形で給付付き税額控除を設計するとともに、さらなる適用拡大と第3号被保険者制度の見直しによって、社会保障を働き方に中立的な制度へと一体的に見直していくことが重要と考えますので、議論を前に進めていただきたく思います。
以上です。ありがとうございました。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかに会場参加の先生、よろしゅうございますか。
それでは、大変お待たせいたしました。オンラインで御参加の委員の方、御発言いただきたいと思います。
それでは、小国委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。
○小国委員 私、鎌倉女子大学の、また小児慢性特定疾病の自立支援事業の委員の1人であります小国です。
様々な重要事項があり、税金配分が難しい中、福祉への予算の中で、難病・小慢の予算を昨年同様に計上していただき、誠にありがとうございました。難病・小慢は、特に小慢の自立支援制度の事業を推進していくのには、国からの予算がないと取組が進みません。今後も継続して、よりよい支援ができますよう、バックアップをよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
では、棚野委員、よろしくお願いいたします。
○棚野委員 全国町村会長の棚野でございます。今日はよろしくお願い申し上げます。
私から発言させていただきたいと思いますが、先ほどの意見と重複する部分があるのですけれども、御容赦願いたいと思います。
我が国は、近年、人口減少・少子高齢化の進展に加えて、物価上昇という社会経済の変化による新たな局面を迎えているわけであります。社会保障費の増加が見込まれている中で、必要な社会保障サービスの提供体制を確保していくためには、全ての世代が能力に応じて支え合う全世代型社会保障制度を構築して、次の世代に引き継いでいくことが重要であることは、論をまたないところでございます。
改革工程にある取組を着実に進めていくためにも、町村において社会保障関連の行政サービスを継続して提供できるよう、国の責任において、長期的・安定的な地方財源の確保及び充実を図るように、まずお願い申し上げたいと思います。
また、現在、地方における社会保障サービスの提供体制は、非常に厳しい状況にあります。自治体病院をはじめとする地域の医療機関の経営については、物価・人件費の上昇などにより、より一層厳しい状況に置かれているところでございます。また、医師・看護師をはじめとする医療従事者の不足が深刻化しておりまして、医療サービス提供体制の維持・確保が一層困難な状況にあります。さらに、介護・福祉の分野におきましても、訪問介護を中心に事業者の撤退が相次いでおり、介護・福祉サービスの提供体制についても維持や確保が非常に難しい状況にあります。
今後は、若い世代や現役世代だけではなく、高齢者人口も減少し、社会保障サービスに対する需要と供給のいずれもが減少していく傾向にあるわけでありまして、いま以上に厳しい状況となることは確実でございます。社会保障サービスについては、住民が安心して暮らしていくために欠かすことのできないものでありますので、どこに住んでいてもサービスを受けられることが基本であり、地域間格差が生じることは決してあってはならないものと思っております。したがいまして、国におかれましては、これら地方の厳しい現状を踏まえていただいて、財政支援・人材確保支援をはじめとする様々な支援を積極的にお願いしたいと思っております。
以上、町村会からの意見とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
それでは、島村委員、よろしくお願いいたします。
○島村委員 初めて参加させていただきます立教大学法学部の島村と申します。初めての参加にもかかわらず、オンラインでの参加で申し訳ございません。
社会保障制度に関する全体像についてお示しくださり、どうもありがとうございます。1点だけ申し上げさせていただきますが、多くの社会保障制度は、日本人だけでなく、日本で暮らして働く外国人にも適用されます。年金の財政検証の場面でも、介護の現場の場面でも、制度の担い手という部分が強調されがちですが、制度に加入して保険料を拠出するなどする以上、リスクが発生してニーズが生じれば、先ほど岩村委員からもありましたが、当然、給付を受けられるかと思います。
足元では、外国人の高齢化も始まっておりますし、国籍にかかわらず各種の社会保障制度をニーズに応じてちゃんと利用できるように、そもそも制度内容を分かっていないということも現場ではあるようなので、その辺の制度内容の周知も含めて環境を整えていただくことが重要と考えております。
すみません、以上です。ありがとうございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。御意見として承らせていただきます。
続きまして、野口委員、よろしくお願いいたします。
○野口委員 どうもありがとうございます。オンラインでの出席で大変申し訳ございません。
私からは、3点申し上げたいと思います。
まず第1に、医療・介護提供体制の将来像についてです。まとめていただいて、どうもありがとうございました。本資料では、2040年を見据えた構造転換あるいは地域医療構想の見直し、あるいは医師偏在対策、また医療DXの推進というのが一体的に示されていて、方向性としては本当にすばらしいものであると思っております。
一方で、これらが現状の延長線上で十分に実現可能なのかということについては、それぞれ多くの課題があり、慎重に検討する必要があるかと思います。特に、最大の制約というのは、皆さんおっしゃっていますけれども、人材であって、医療と介護、双方で人材不足の深刻化が見込まれています。さらに、医療・介護の提供者に対する賃金情報が十分に今、データとして整備されていないのですね。供給側の行動あるいは人材確保の分析を、賃金情報がないことが困難にしている点が非常に重要で、こうした点は政策評価の精度を高めるという観点からは、データ整備の基盤についてさらなる検討が求められると思います。
特に、コストをかけずに自動的に収集できるような仕組みというのをつくっていただけると、本当にありがたいかなと。人材政策にとっては、人数だけではなくて、そういう物理的なものだけではなくて、定着率とか勤務負担といった観点も含めたKPIを作成することも必要かなというふうに考えています。
第2に、医療DXについてなのですけれども、電子カルテの普及あるいはデータ利活用の方向性というのは重要なのですけれども、先ほどほかの先生もおっしゃっていましたけれども、現場では導入に比べて活用が十分に進まない可能性があるというか、現状そうなっていると。特に、中小の医療機関や介護事業所では、コストや運用負担なんかが障壁となって、結果として施設間の格差を拡大させてしまうのではないかという懸念もあります。加えて、こうした取組の実施主体となる市区町村においても、データ連携あるいは制度運用に伴う事務的負担が増大しているという背景もあります。
ですので、DXは、導入自体だけではなくて、現場の負担軽減とか生産性向上につながる形で実装されることが非常に重要ですので、導入率だけではなくて、業務効率化あるいはアウトカム改善といった観点から評価していくようなKPIを作成するといったことが重要であるというふうに考えます。
3番目は、医療と介護の一体的な提供体制についてです。医療と介護の連携というのは非常に重要であるのですけれども、制度としては依然として分断された側面が数多く残っているというふうに思っています。高齢化に伴って複合ニーズが常態化する中で、この分断というのは非常に非効率的になっていて、非効率をさらに悪化させる可能性があると思っています。そのため、現在の制度区分とか地域区分にとらわれないで、医療と介護を一体的に捉えた医療・介護圏としての地理的な単位の在り方について、より踏み込んだ議論と検討が必要ではないかというふうに考えます。
加えて、将来の社会保障の受給側という観点からは、就職氷河期世代、一部ベビーブーマーのジュニアと重なっていますので、非常に大きなボリュームゾーンになっています。ここにも留意が必要だと思います。この世代は資産形成が困難であった層が多く、また家族形成が十分でないということも少なくない。現在の介護とか医療制度というのは、一定程度インフォーマルケアラーというか、家族介護者の存在というのを前提としている側面があるので、こうした前提自体が今後成り立たなくなる危険性も見え隠れしています。その意味で、将来のニーズと、こうした支え手の構造を踏まえた制度設計の検討が重要だと思っています。その実効性を担保するためには、例えば在宅復帰率とか地域内の完結率など、圏域単位でそういったアウトカムを見て行く必要があると思います。
以上3点、お話ししたのですけれども、この資料の方向性は非常に重要である一方で、人材とかデータとか、地域単位、世代構造に加えて、現場を担う自治体あるいは現場の方の実行能力という観点も含めて検討を深めることが、2040年に向けた構造転換の実効性を高める上で非常に重要であると考えます。ありがとうございました。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。サービスの提供体制の中で重要な課題を御指摘いただいたというふうに受けさせていただきます。
ほかにオンラインで御参加の委員の方で、何か御意見、御質問ございますでしょうか。会場御参加では、特段よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、御意見、御質問も大体出尽くしたかと思いますので、本日の会議はこれにて閉会させていただきたいと思います。
本日、様々な御意見、しかも中には非常に重要なものも多々あったかと思いますので、それを踏まえつつ、社会保障政策の運営や改革を進めていただきたいと思います。
委員の皆様には、大変御多用なところ、重要な御指摘をいただきまして、どうもありがとうございました。また、大変お疲れさまでした。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
まず、事務的な御連絡を申し上げます。
本日は、会場での御出席とオンラインによる御出席の併用開催とさせていただいています。
まず、オンラインで御出席の委員の皆様に確認させていただきます。画面の下にマイクのアイコンが出ておりまして、今、ミュートにしていただいていると思います。会議の進行中は、委員の皆様のマイクを基本的にミュートとさせていただきますけれども、御発言をされる際には「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。音声に不具合等ございましたら、事務局宛てにチャットにてお知らせください。
なお、会議は動画配信システムのライブ配信により、一般公開する形としております。
次に、前回の審議会から数名の委員の方が改選もしくは再任されておりますが、各委員の御紹介につきましては、誠に恐縮ですが、時間の都合上、参考資料の社会保障審議会委員名簿をもちまして御紹介に代えさせていただきます。
次に、本日の委員の皆様の出欠状況について申し上げます。
本日御欠席の委員は、岡委員、小堀委員、嵩委員、辻委員、永田委員、松井委員、松山委員となっております。
22名の委員の皆様に御出席いただいており、委員総数の3分の1を超えておりますので、会議は有効に成立しております。
なお、本日は国会用務の都合により、省内関係者につきましては、途中での入退室がありまして、あらかじめ御了承いただければと思います。
次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
本日の配布資料は、議事次第のほか、資料として「社会保障制度改革等について(報告)」、「令和8年度予算の概要」。それから、参考資料としまして「社会保障審議会委員名簿」、「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」、「令和8年度予算の主要事項」の冊子、「社会保障審議会令」となっております。
なお、今回の資料より、資料番号がついておりませんけれども、紙資源削減の観点でこうなっております。あらかじめ御了承お願いします。
それでは、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、本審議会の遠藤会長に以後の進行をお願いしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○遠藤会長 ありがとうございます。会長を仰せつかっております遠藤でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります前に、1つ御連絡をさせていただきたいと思います。社会保障審議会令第4条第3項におきまして、会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理すると規定されております。この規定に基づきまして、これまでの豊富な御経験を踏まえまして、岩村委員に会長代理をお願いしたいと存じます。岩村委員、どうぞよろしくお願いいたします。
(岩村委員首肯)
○遠藤会長 ありがとうございます。
次に、分科会及び部会への委員の所属につきまして御報告いたします。社会保障審議会令第5条第2項及び第6条第2項では、分科会については厚生労働大臣が、部会については社会保障審議会会長が、それぞれ属する委員を指名するということになっております。この定めに基づきまして、今回、改選となりました委員の方々には、その専門性を踏まえまして、参考資料「社会保障審議会委員の所属分科会・部会一覧」のとおり、分科会・部会への所属をお願いしたいと思います。内容を御確認いただきまして御了承いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(委員首肯)
○遠藤会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。本日、議題は2つございまして、議事の1「社会保障制度改革等」については、資料「社会保障制度改革等について(報告)」によって、また議事の2番目の「令和8年度厚生労働予算」については、資料「令和8年度予算の概要」により、それぞれ事務局から一括して説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○梶野参事官 まず、「社会保障制度改革等について」、御説明します。
大きく4つの固まりに分けて御説明します。
1枚おめくりいただきまして、2枚目、タイトル1。これは令和5年12月に全世代型社会保障構築本部で決定した改革工程になります。その進捗状況を御説明します。
次のページ、2ページになりますけれども、これは各項目を1枚にまとめた資料になります。表の右のところに赤線を引いているところがありますけれども、これを次のページ以降、御説明申し上げます。
次のページ、3ページ目になりますけれども、これは国民年金法等の一部を改正する法律ということで、昨年の通常国会で成立しております。赤枠で囲んだところになりますけれども、被用者保険の適用拡大等を措置しております。
それから、次の4ページ、医療法等の一部を改正する法律ということで、これは昨年末の臨時国会で成立しております。主に、地域医療構想の見直し、医師偏在是正に向けた総合的な対策の実施、これらの基盤となる医療DXの推進のために必要な措置を講じております。
それから、次のページ、5ページになります。健康保険法等の一部を改正する法律案の概要ということで、これは現在、国会で審議中であります。赤い枠で囲んでいるところでありますけれども、より公平な負担の実現、効率的な給付の確保ということで、OTC類似薬の保険給付の見直し。それから、後期高齢者医療において、金融所得を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映するための見直し。
それから、次の赤枠で3番目ですけれども、必要な医療の提供の確保ということで、高額療養費の見直し等を措置する。
それから、次のページ、6ページですけれども、社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要ということで、これも国会に提出しております。赤枠で囲んだところでございますけれども、まず、身寄りがいない高齢者等に対する日常生活・入院等の手続・死後事務の支援を行う事業を第二種社会福祉事業に位置づけ、併せて相談体制の整備を図る。それから、中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームに係る都道府県等への登録制度を導入する。
それから、3番目の赤い四角のところですけれども、福祉人材の安定的な確保及び定着支援ということで、関係団体等で構成する福祉人材確保のための協議会の設置を都道府県の努力義務とするなどの見直し措置を入れております。
それから、次のページになりますけれども、大きな固まりの2として、「医療・介護・障害福祉の現場における経営の改善・従事者の処遇改善のための措置」ということで、次のページ、8ページですけれども、これは昨年11月の内閣総理大臣指示になります。赤枠で囲んだ3行目、①のところですけれども、社会保障サービスの担い手確保、経営の安定を図るため、総合経済対策における前倒し対応に続き、次期診療報酬改定等において、賃上げ、物価高を適切に反映させ、経営の改善、現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながる的確な対応を実施してくださいということ。
この指示に基づいて、まず、経済対策になりますけれども、これが11ページになります。「医療・介護等支援パッケージ」の対応についてということで、3行目、7年度補正予算において、経営の改善・従事者の処遇改善のための措置を1.4兆円規模で実施する。
それから、ページが飛びまして15ページになります。もう一つが報酬改定になります。まず、医療ですけれども、診療報酬改定ということで、これは賃上げ分、物価対応分なども含めまして、プラス3.09%という改定で、30年ぶりの3%台の改定を行っています。
それから、次の16ページになりますけれども、介護報酬改定のほうでして、これは経済対策の中で、2行目ですけれども、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、8年度介護報酬改定において必要な対応を行うということを踏まえ、9年度の介護報酬改定を待たずに、期中改定を実施するということで、改定率はプラス2.03%。
それから、次の17ページが障害福祉サービス等の報酬改定になりまして、これも介護報酬と同様に期中改定を実施するということで、改定率は1.84%ということで実施しております。
それから、次のページ、大きな3番目になります。「現役世代の保険料負担を抑えていくための取組」ということで、次の19ページになりますけれども、これは昨年6月の骨太の方針で、この中の2行目ですけれども、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直し。それから、新たな地域医療構想に向けた病床削減等々の改革について、予算編成過程で十分な検討を行い、早期に実現が可能なものについて、2026年度から実行するとされております。
次の20ページになりますけれども、これは高市内閣が発足しまして、そのときの自由民主党・日本維新の会連立政権合意書、昨年10月20日でありますけれども、この中で2行目からになりますけれども、三党合意書に記載されている制度改革の具体的な制度設計を7年度中に実現しつつ、社会保障全体の改革を推進することで、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すとされました。
それで、次のページですけれども、21ページも総理大臣指示になりますが、赤枠で囲んだところの②の2行目の後半部分ですけれども、先ほどの政党間合意を踏まえた制度設計、それから、最初に御説明しました「改革工程」に掲げられた制度改革の着実な実現に向けた議論を進めてください、と。
それから、③ですけれども、以上について、年末までに結論を得た上で、予算案や制度改正に反映させてくださいという指示がございました。
これに基づいて検討を進め、昨年末、飛びまして23ページになりますけれども、自由民主党、日本維新の会の政調会長間合意書ということで、まず、OTC類似薬の保険給付の見直し。
それから、24ページ、食品類似薬の保険給付の見直し、長期収載品の選定療養の拡大、長期処方・リフィル処方箋の拡大。
それから、25ページ、金融所得の反映などの応能負担の徹底、地域フォーミュラリの全国展開、生活習慣病の重症化予防とデータヘルスの推進。
それから、26ページですけれども、新たな地域医療構想に向けた病床削減、医療DX、介護・障害福祉従事者の処遇改善ということが年末に取りまとめられました。
次の27ページは、この保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革の全体像を1枚にまとめたものになります。
次の28ページになりますけれども、自民と日本維新の会の協議でありますけれども、現在、この資料の2つ目の●のところに13項目、項目が掲げられておりますけれども、これについて協議がされているところになります。政府として、この協議の内容を踏まえながら、改革に取り組んでまいります。
次のページになりますけれども、最後、「4.給付付き税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革」。
ページ飛びまして、31ページになりますけれども、まず、社会保障国民会議の趣旨、太字のところになりますが、国民の受益と負担に深く関わる「給付付き税額控除」や「食料品の消費税率ゼロ」を含めた「社会保障と税の一体改革」について検討を進めるために、「国民会議」を設置ということであります。
それから、太字の2のところですけれども、国民会議の構成ということで、3つからなっております。
1つ目の○ですけれども、国民会議(いわゆる「親会議」)は、政府及び参加政党間で協議・意見集約を行うということで、これは2月26日、開催しております。
それから、2つ目の〇ですけれども、「親会議」の下、太字のところですが、政府及び各党の実務者による「給付付き税額控除」等に関する「実務者会議」を開催ということで、これは8つの党が入って、現在検討が進められています。
それから、次のページ、上の○になりますけれども、太字のところですが、様々な立場から専門的な議論を行う「有識者会議」を設け、「実務者会議」が「有識者会議」と連携を図るということであります。
それから、下のほう、「4 議論の進め方」というところですけれども、まずは、「給付付き税額控除」と「食料品の消費税率ゼロ」を同時並行的に議論を進め、8年夏前を目途に中間とりまとめを行う。
それから、次の薄い明朝の※印のところですけれども、社会保障制度との関係ですが、給付付き税額控除の制度設計に関連する社会保障制度の議論は並行して実施。
それから、最後の○ですけれども、その上で、給付付き税額控除の議論を進める過程で明らかとなった社会保障制度の課題等について、改めて調整の上、協議を継続するというふうになっております。
まず、この資料の説明は以上です。
○吉田会計課長 続きまして、会計課長の吉田でございますが、私のほうから、資料に基づきまして、「令和8年度予算の概要」について御説明したいと思います。配布資料の概要の部分でございます。あと、「予算の主要事項」という形で冊子もお配りさせていただいておりますが、適宜御参照いただければと思います。
概要について御説明します。1ページ目、御覧いただきまして、先ほどの社会保障改革の説明がありましたが、その改革内容を反映した予算となっております。
1ページ目が令和8年度厚生労働省予算の全体像になります。一般会計総額は、令和7年度当初予算額34兆3064億円から7369億円増額、率にして2.1%増の35兆433億円となります。うち社会保障関係費でございますが、令和7年度当初予算額33兆9883億円から7205億円の増額、率にして同じく2.1%増の34兆7088億円となります。令和8年度の社会保障関係費につきましては、先ほど説明がありました様々な制度改革、また効率化努力を積み重ねることによりまして、実質的な伸びを高齢化による増加分に抑制した上で、8年度の診療報酬改定における賃上げ・物価対応分など、経済・物価動向等を踏まえた対応を加算するという形で、令和7年度社会保障関係費と比較して7205億円の増になっております。
※4の部分を見ていただくと、政府全体の社会保障関係費は7621億円、こども家庭庁分等がありますので、この金額になります。
各特別会計の数字が1ページの下になります。
2ページに進んでいただいて、社会保障関係費の年金、医療、介護、雇用、福祉等の内訳になります。
続きまして、3ページ、令和8年度厚生労働省予算における重点事項になります。「労働供給制約社会」へ本格的に突入するとともに、日本経済が新たなステージに移行しつつあることが明確になる中で、3つを柱に予算措置を行いまして、安心と活力ある暮らしの実現を目指すこととしております。3つの大きな柱としては、青い部分、左のほうでございますが、保健・医療・介護、真ん中は労働分野、右の赤いⅢの部分は福祉などという括りにしております。
4ページ以降、それぞれの重点事項について御説明いたします。
4ページ、まず、大きな柱の1つ目、保健・医療・介護でございますが、医療・介護・障害福祉分野の賃上げ・経営の安定・人材確保等として、診療報酬改定について記載させていただいております。
診療報酬・薬価等改定でございますが、令和7年度補正予算における「医療・介護等支援パッケージ」による措置に引き続きまして、骨太の方針2025、さらには総合経済対策に基づき、施設類型ごとの費用構造や経営実態を踏まえて経営の改善や従事者の処遇改善につながる的確な対応を行うということで、改定率は先ほど御説明があったとおりです。
続きまして、5ページ、地域医療・介護の提供体制の確保でございます。
○の部分、質が高く効率的な医療提供体制の確保に843億円を予算措置しております。なお、この括弧書きの777億円という数字は、令和7年度当初予算額でございます。以降、そういう整理で書いてありますので、見ていただければと思います。また、点線四角囲みがあるかと思いますが、これは令和7年度補正予算に計上された事項になります。
このほか、地域医療・介護の関係では、救急・災害医療提供体制の確保、小児・周産期医療提供体制の確保、地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について、それぞれ記載の額を予算措置しております。
6ページに進んでいただきまして、創薬力等強化に向けた医薬品・医療機器等のイノベーションの推進、安定供給や品質・安全性の確保等になります。この分野につきましては、補正予算で手当てをしましたが、当初予算でも、研究開発環境の整備、創薬シーズ・医療機器の実用化支援に71億円、研究開発によるイノベーションの推進に557億円、医薬品等の安定供給の推進に16億円、医薬品等の品質確保・安全対策の推進、薬物対策に3.5億円を予算措置しております。
続きまして、医療・介護分野におけるDXの推進、「攻めの予防医療」の推進等になります。この分野も補正予算で多くの施策を前倒ししたところでございますが、当初予算でも引き続き37億円を予算措置しております。
7ページに進んでいただきまして、攻めの予防医療として、歯科保健医療・栄養対策・リハビリテーションの推進、がん対策、循環器病対策等の推進、重症化を含む予防施策の推進、女性の健康づくりについて、それぞれ記載の額の予算措置をしております。
続きまして、難病・移植医療・肝炎対策の推進等、感染症対策の体制強化、国際保健への戦略的取組等、安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保についても、それぞれ記載の額を予算措置しております。
8ページに進んでいただきまして、大きな柱の2つ目、労働分野になります。
中小・小規模企業等に対する賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援、リ・スキリングによる能力向上支援、ジョブ型人事指針の周知、成長分野等への労働移動の円滑化、深刻化する人手不足への対応、9ページに進んでいただきまして、就職氷河期世代、障害者や高齢者等多様な人材の活躍促進、多様な働き方の実現に向けた環境整備、仕事と育児・介護の両立支援、ワーク・ライフ・バランスの推進、ハラスメント対策の推進、安心安全な職場環境の実現、フリーランスの就業環境の整備、男女間賃金差異の解消、女性管理職比率の向上に向けた取組の推進、子育て中の女性等に対する就職支援の実施、女性の健康課題に取り組む事業主への支援について予算措置を労働分野で行っております。
10ページに進んでいただきまして、最後、大きな柱の3つ目、福祉等になります。
地域共生社会の実現等として、生活困窮者、生活保護、障害者の支援、依存症対策、成年後見制度、相談支援・地域づくり、困難な問題を抱える女性への支援、自殺、ひきこもり対策に予算措置をしております。
最後に、年金、援護施策、被災者・被災施設への支援についても、それぞれ記載の額を予算措置しております。
厚生労働分野、多岐にわたりますが、支援が必要な方に予算が速やかに届くように対応してまいりたいと思っております。
私からの説明は以上でございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明のあった内容につきまして、皆様から御意見、御質問等いただきたいと思いますけれども、その前に、内堀委員と松田委員、お二人ともオンラインで参加されておられますけれども、御予定が詰まっておられると聞いております。もし御発言ありましたら、優先的にお話ししていただければと思いますけれども、いかがでございましょう。
それでは、内堀委員、よろしくお願いいたします。
○内堀委員 ありがとうございます。
社会保障制度改革等について、4点申し上げたいと思います。
まず、1点目です。福祉人材の安定的な確保についてです。現役世代の急激な減少により、深刻な人手不足、特に福祉の担い手不足が懸念されています。このため、都道府県に協議会を設置し、福祉人材確保の取組を一体的に進めていくことは重要です。この取組は、地域によって課題や社会資源が異なるほか、既に類似の取組を行っている都道府県もあることから、地域の実情を踏まえ、柔軟に対応できる制度となるようお願いします。また、取組の実効性を高めるために、国において協議会の運営費用に係る十分な財源を確保するとともに、全ての福祉人材に対する支援メニューを整備するようお願いします。
2点目は、医療・介護・障害福祉サービスの提供体制についてです。医療・介護・障害福祉の現場における経営の改善、従事者の処遇改善のための措置については、全国知事会の要望・提言内容を反映していただき、都道府県の立場を代表して御礼申し上げます。ありがとうございます。
令和8年度診療報酬改定や介護・障害福祉サービス等報酬の期中改定が反映された後も、社会経済情勢の変化によっては、医療機関や介護・福祉事業者の経営に支障が生じる懸念があります。このため、今後も物価や賃金の急激な上昇に際しては、適時適切な見直しを行うとともに、安定的な経営に資する対策を迅速に講じていただくようお願いします。
さらに、中東情勢の緊迫化によって、光熱費及び輸送費等の高騰のみならず、診療や介護の現場において不可欠な医療機器等の流通・供給への影響が懸念されます。このため、医療及び介護・障害福祉サービスの提供が停滞することのないよう、関係省庁が連携して医薬品、医療機器及び医療物資等の安定した供給体制の確保をお願いします。
3点目は、現役世代の保険料負担抑制についてです。保険料負担抑制に向けた社会保障制度改革に当たっては、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットという役割を決して損なうことのないよう十分留意した上で、持続可能性を高めるための制度見直しに取り組むことが重要です。具体的な制度設計や運用に当たっては、国民や事業者の過度な負担や急激な変化が生じないよう十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、引き続き丁寧に検討を進めていただくようお願いします。
また、制度が見直されることにより、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、特に低所得者、子ども、高齢者、難病患者、慢性疾患患者等に十分配慮した制度の在り方を検討していただくようお願いします。
最後、4点目は、社会保障と税の一体改革についてです。社会保障制度における給付と負担の在り方の見直しに当たっては、将来にわたり持続可能な社会保障制度とするため、必要かつ十分な財源を確保するとともに、公費負担の財源について、地方公共団体にとって多大な負担とならないよう、国において十分な財政措置をお願いします。
私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○遠藤会長 ありがとうございました。
松田委員が離席されて移動されているということで、またいらっしゃいましたら御発言いただくということで、まずは、会場御参加の委員の方から御意見、御質問等いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。
寺井委員、お願いいたします。
○寺井委員 御説明いただきまして、どうもありがとうございます。今回、初めて参加させていただきます寺井と申します。
いつもは年金数理部会に所属しておりまして、そこで財政検証のピアレビューを行っております。そこで感じていることを1つ述べさせていただければと思います。ピアレビューでは、公的年金制度の安定性の確保に関しての検証を行っていまして、安定性といいますと、持続可能性だけではなくて、給付の十分性ということも入ってくるというふうに認識しております。
令和6年度の財政検証に併せて実施されたオプション試算では、制度改正が、基礎年金と報酬比例部分にどの程度影響するかが示されました。実際にそれに対応して改正も行われていまして、例えば最初に御説明いただいた資料の3ページのⅠの5にある将来の基礎年金の給付水準の底上げというところに、今、こういうふうに進行しているということを御説明いただいていました。特に、被用者保険の適用拡大だったり、マクロ経済スライドの調整期間の一致など、このように既に制度改正に踏み出したものについては、今後も適切な対応を続けていくことが期待されているところだと私も思います。
一方で、基礎年金の拠出期間の延長につきましては、オプションには含まれていましたものの、本格的な議論には至っていないのではないかと認識しております。給付と負担の均衡を確保するという観点の上からも、議論を進める必要があるというふうに思っております。
以上です。
○遠藤会長 寺井委員、ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、駒村委員、お願いします。
○駒村委員 5年ぶりぐらいの参加ということで、1年に一遍しかない会合ですので、こういう制度間の全体の話についてコメントできる機会は大変重要だと思います。
まず、社会保障制度全体で危惧を持っているのは、今日は主に政府予算の35兆円の話でしたけれども、社会保障全体で120兆円以上ある中で、残りの85兆円ぐらいが社会保険財源です。私が大変危惧しているのが、社会保険に対する国民の支持が揺らいでいるのではないか。不確実性が様々、高まっている中で、保険の役割を下げてしまうと自己責任の部分が上がってしまうということもあるかと思います。政府の方針で、モラルハザード的な給付が様々あるとすれば、それを見直すというのは分からないわけでもないですけれども、給付全体に関して、国民の理解が十分広がっていないところについては、社会保障の主力財源でありますので、厚生労働省のほうは給付制度の仕組みについて、丁寧に理解いただくように説明していただければと思います。それが1点目です。
それから、制度横断的な議論が今日できますので、概要のほうの3ページにそれぞれの分野の話が出ているわけですけれども、例えば女性の健康づくりというキーワード、真ん中には女性の健康課題というキーワードが入っております。予算の項目の細かいほうを拝見すると、それぞれ対応するところがありまして、主要事項の97ページと183ページにこの言及があるわけですけれども、ぜひともこういう観点が必要じゃないかとお願い、もしくは既にやられていて、私が存じ上げないのかもしれませんけれども、例えば97ページについては、女性の健康に関して大変重要になってきているということで、様々な充実がされていると。
一方で、女性の就業率は急激に上がっていて、しかも60代に入っても、年金体制などを考えると、働き続けなければ、働き続けてほしい。そういう環境の中で、職場における女性の健康について、従来のような就業率とか管理職の比率の上昇というところだけにとどまらずに、より踏み込んで女性の健康に対する配慮が、人的資本投資の意味として重要なのだという点で、97ページから183ページの施策がきれいにつながるように強化していただきたいなと思っております。要するに、制度間と部局間の連携を強めていただきたいなというお願いでございます。
それから、3つ目になりますけれども、報告のほうは6ページの社会福祉法の改正ということで、お独り様の高齢者、支援を提供する高齢者が増えてくると。この改正はこれから極めて重要な役割を果たしていくと思います。地域社会をどう維持していくのかということは、社会保障費の関係機関だけじゃなくて、他の民間企業とか地域のNPO、様々な機関と連携しているところも重要だと思いますので、そういう意味で、社会福祉法の改正に伴う国の予算対応について、制約条件は様々あると思いますけれども、充実していただきたいなと思っております。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
特段、事務局からの何かコメントをいただくという趣旨はありますか。
○駒村委員 もし進めるということであれば、よろしいと思います。読み取る限りだと、予算の規模の話もあるので、頑張っていただきたいという趣旨でございます。
○遠藤会長 そういうことですけれども、何かコメントがあれば事務局から。では、お願いいたします。
○若林健康・生活衛生局総務課長 健康・生活衛生局の総務課長でございます。
御指摘がありました女性の健康の問題は、高市政権の重要な施策として動き出しております。この目的は、健康になって健康寿命が延伸するというだけではなくて、さらに皆様、元気に活躍して、社会保障を含む担い手になっていただくという、働くところまで視野に置いた施策として動かしております。ただ、課題としては、そもそも例えば更年期の方、心身の不調を感じても、一体それは医療が必要なのか、どういう症状なのか、内科に行けばいいのか、婦人科なのか、なかなか分からないというところで、そこをしっかりサポートするという意味で、御指摘いただいた女性の健康総合センターというものを立ち上げて支援に取り組んでいます。
それから、その先の働くということについては、省内あるいは省庁横断的に取り組んでおりまして、現在、官房副長官をヘッドにした省庁横断の会がございます。そこで厚労省のみならず、経産省、これは健康経営という意味で、働く方と企業の取組を強化しておりますし、こども家庭庁、文科省、様々なところが一堂に会しております。おっしゃるとおり、様々にまたがっているものですから、省内でも労働基準局の安全衛生部、これは職場健診をやっているところですけれども、そこと連携して、女性の健康をキーワードとした連携体制を、省全体あるいは省庁を越えた形で現在進めているところでございます。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかにフロアの委員の方からございますか。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 御指名ありがとうございます。連合の林でございます。
御報告いただきました社会保障制度改革について、御説明があったこと、なかったことも触れたいと思いますけれども、まず、3ページです。年金制度改革等のところで、附帯決議で3号被保険者制度の在り方についての速やかな検討、あるいは国民的な議論に資するような3号の実情に関する調査実施というものが盛り込まれているところでございます。この件について、ぜひ早期に着実に進めていただければと考えていますので、要望したいと思います。
それから、2点目はスライドの4枚目です。連合としては、医師の偏在是正は重要な課題だと思っていまして、医療保険でやるのか、税の投入、公金でやるべきじゃないかというのはございますが、一旦、それは脇に置いて、実施において保険者が参画できる仕組みの検討規定。それから、医師の偏在是正が目的どおりに進んだと言えるのかの効果検証を行い必要な見直しを行うなどの附帯決議。この点について、確実な履行をお願いしたいと思っております。
それから、スライドの11枚目です。支援パッケージということで補正予算で財源を確保いただきましたことについては、歓迎していますし、評価してございます。一方で、予算規模が大きいということもありまして、それぞれの事業者さんが実施するまでのスケジュールがタイトであること。それから、事務的にも申請や運営に係る負担が大きいということで、現場のほうはなかなか十分に活用し切れないという声も、私ども、聞いているところでございまして、こうした支援パッケージの賃上げ効果についても検証の必要があると思っています。それから、今回は補正で御対応いただいたところでございますけれども、事業者さんの予見可能性を高める必要もあると思っていまして、ぜひ当初予算を含めて、安定的に財源を確保いただき、現場が計画的に対応できるようにしていただく仕組みにすることが重要だと思っていますので、ぜひ御検討をお願いできればと思っています。
最後、社会保障制度の維持について、現役世代の負担軽減ということが言われていますけれども、そのことだけじゃなくて、将来を見据えた検討が必要な時期なのではないかなと思っています。連合は毎年3月の年度末に、各地方とか各構成組織を通じた政策討論集会というのをやっていまして、その中で、介護保険制度については、年齢に関わらず介護を必要とする全ての人が必要なサービスを受けられる仕組みにすべきであるという声もありまして、今回、既に介護保険の制度改定については、年末に報告書が出ていますので、次の2030年度改定に向けては、被保険者と受給者の範囲の拡大といった観点も含めて、持続的な制度となるように、幅広い検討をお願いできればと思ってございます。
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤会長 ありがとうございました。御意見として承らせていただきました。
ほかにいかがでございましょう。
山本委員、よろしくお願いします。
○山本委員 ありがとうございます。
深刻な経営危機に陥っている病院を抱える立場から、2点申し上げたいと思います。
前年度の補正予算及び今回の診療報酬改定、30年ぶりの3%台の大幅アップということで、この2つの措置により、多くの病院の経営者は一息ついているところというふうに考えます。しかしながら、この先の2年間は、明らかに物価上昇との追いかけっこになることは間違いありません。追い抜かれてしまうと、また、現状と同じようなことが起きてしまいますので、これは我々経営する側ももちろん緊張感を持って経営を進めなければいけませんが、この点に関しても行政当局の注視をしっかりしていただきたいなというふうに思います。
そんな中で、御承知のように、今、建設費が非常に上がっていて、病院建替えの場合、1ベッド当たり1億円かかるという状況になっています。従来、病院の建替え経費というのは、診療報酬から薄くためてやるということで何とか賄えてきておりますが、診療報酬そのものがもうきちきちになっている状態。そして、これだけ建築費が上がっていると、この診療報酬で賄うというスキームは既に崩れているというふうに考えざるを得ないと思います。本来、診療報酬というのは診療に係る経費を賄うものであって、投資的経費を賄うものとは別個に考えるべきことであります。
ですので、この辺、うまくやらないと、地域ニーズにしっかり応えている病院が、建物の老朽化というだけで閉鎖に追い込まれるということが、本当にすぐ目の前に来ているというふうに私は考えておりますので、どのような仕組みがつくれるのか、ここはもう真剣に、そして早急な検討が必要ではないかというふうに思います。幸いなことに、地域医療構想もかなり真剣な議論が進められるというふうに理解しておりますので、こことの連携なども考えていく必要があるのかなというふうに思います。
それから、2点目はDXの推進について。これは予算措置もいろいろしていただいておりますし、今回の診療報酬改定でも、このDXについて初めて措置がされているところというふうに理解しております。これは大変すばらしいことなのですが、一方で、現場目線で言うと、本当に業務の効率化あるいは省略化につながるDXが開発されているかというと、ここは非常に疑問があります。経営の立場から言うと、とても投資意欲をかき立てられるような仕組み、システムがまだ開発されているとは言いがたい状態です。今回の予算措置も含めて、いろいろバックアップしていただく必要はありますが、併せて、本当に労働集約型の医療を、少しでも労働力を低減・削減できるようなDXの推進に向けた開発支援というところにも、ぜひ目を向けていただく必要があるのではないかなというふうに考えます。
以上2点、要望及び意見として申し上げました。
○遠藤会長 ありがとうございました。
それでは、岩村委員、お願いいたします。
○岩村委員 ありがとうございます。
1点だけです。先ほど駒村委員のおっしゃったところでありますけれども、最近の議論では、社会保険料に非常に注目が集まっていますが、私はそれが果たして適切なのかと思っております。社会保険というのは、保険料を拠出することによって給付を法的な権利として受給するという仕組みであります。かつまた、駒村委員もおっしゃったことですけれども、日本の社会保障制度の核をなす仕組みであり、社会保険制度というものを通して、国民が健康で、かつ安定した生活を送るということを保障するという重要な意味を持っております。
ですので、そうした社会保険のコアの役割というものが揺らがないように、ぜひとも厚生労働省におかれても政策の立案あるいは遂行に当たって、御努力、御尽力をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○遠藤会長 ありがとうございます。重要な御指摘をいただいていると思います。
ほかにいかがでございましょう。
それでは、松原委員、どうぞ。
○松原委員 ありがとうございます。
社会保障というのは年齢とか性別とか障害の有無とか、家に障害者がいるから働けないなどの家庭環境にかかわらず、一人一人の能力を発揮できるように支え合う仕組みだと思いますけれども、そうした機能が忘れられて、負担ばかりが指摘されています。ぜひこの社会保障の役割・機能について、しっかりと伝えていく努力というのは重要だと思います。
その意味でも、医療・介護・福祉従事者の処遇改善、今、人手不足で大変な状況になっていますけれども、もし介護や福祉サービスが提供できないとなりますと、離職者を増やしてしまって、経済的に大きなマイナスになると思います。既に働いている方の8人に1人は医療・介護・福祉分野の方々ということで、ここの給与を上げることが経済的にも大きなプラスになると思いますので、今の給与を上げるとか。あと、退職金とか税の軽減とか、いろいろ複合的なパッケージで処遇改善を図っていく必要があると思います。
あとは、社会保障の意義という意味で、高額療養費につきましても、本当に困ったときにさらに負担が増えるというのではなくて、皆が広く負担し合って支え合うという公的保険のよさ、仕組みが重要だと思います。
応能負担につきましても、保険とか税を負担する際に、能力に応じた負担をすることは当然だと思います。一方で、実際に保険事故が起きたときに、高所得者により負担をかけていくと、二重に負担させるのかということで、高所得者の社会保障に対する嫌気を助長するのではないかと危惧します。
また、社会保障のメリットをより広くみなが共有するためにも、非正規職員等への適用拡大はより一歩踏み込んで取り組まなければいけないと思います。これは社会保障費負担が嫌だという若者が増えていく中で、適用拡大は急務のことであります。一方で、適用拡大を図るときには、残された国保をどうするのか。国保の手当ても早急に手を打つべきだと思います。健保の被保険者と比べた格差があまりにも大きい。この点の改革も併せて行う必要があると思います。
もう一つ、中山間地域をはじめ、利用者も担い手も減っていく中で、福祉を提供し、地域の存続のために、人員配置、施設、資格の取りやすさ、これらをより柔軟な仕組みにする必要があり、そのためにも提供側の連携だけではなくて、行政側のほうの連携ももっと進めていただきたいと考えます。
最後に、ITを工夫して医療・介護・福祉の利用側、及び提供側、両方に対して負担をかけないチェック体制を敷き、不適切利用や不適切供給を防ぐ、信頼できる体制づくりが必要だと思います。
以上です。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
津谷委員、どうぞ。
○津谷委員 先ほど駒村委員もおっしゃったように、1年に一度の機会ですので、一言申し上げたいと思います。
本日配布された2つの資料は大変よくできており、わが国の社会保障制度改革の全体像が簡潔に説明され、今年度の予算の概要についても大変勉強になりました。私は人口統計を専門としており、まもなく社会保障審議会人口部会も発足するのではないかと思いますので、人口の将来推計という観点から考えるところを申し上げたいと思います。先ほどから、社会保障制度改革、特に社会保険制度の今後について、いろいろな立場から御専門の先生方のさまざまな御意見を伺いました。先ほどもお話にありましたが、市場においては、経済のグローバル化の中でインフレが急速に進行しております。さらに、現在、米国とイランの国際紛争を契機として、中東地域のみならずグローバルな規模で政治経済的ショックが起こって、今後の展望を見通すのは大変難しい状況にあり、これがわが国の社会経済に与える影響が懸念されます。
市場の変動ほど大きくはありませんが、今後の人口の変動についても注視する必要があると思います。令和7年国勢調査の男女・年齢(各歳)別の人口数の確定値がもうすぐ公表されると思いますが、その数値を用いて、2025年からの50年間について、全国人口の将来推計が行われます。それに引き続いて、都道府県人口、そして市町村人口、さらには世帯についても将来推計が行われる予定です。本日、御説明いただいた社会保障制度改革のベースにあるデモグラフィック・インフラストラクチャーが今後どのように動いていくのかについて、最新の将来人口推計の結果を参考にして考えていただくことが重要だと思います。今年度や来年度といった直近の状況も大事ですが、制度を考えるときには、より長期的な視点から今後の展望を考えなくてはなりません。
皆様ご承知のように、わが国の人口は急激に減少しております。そして、超高齢化も進行しております。さらに、地域別に見ると、都市部よりも特に地方で急速な人口減少と少子高齢化が起こっており、人口の空洞化が懸念される状況にもなっております。悲観的なことを申し上げるようで恐縮ですが、状況は非常に厳しいです。ですので、今後の人口変動を考えると、受益者には手厚いサービスを提供する一方で、できる限り負担を抑制するということは非常に難しいと言わざるをえません。社会保障制度のベースラインをどこに設定するのか、できることとできないことは何か。限られたリソースのもとで何に重点的に取り組むのか。さまざまな利害がからみあう中で、この問題への対処は簡単にはいかないと思いますが、何らかの選択は避けて通れないと思います。
今日配布された資料に示されている情報は、2020年の国勢調査による将来人口推計の結果を基にしておられるのではないかと思いますが、2025年の国勢調査による将来人口推計の結果がどうなるのか興味深く、また心配でもあります。今後、どれくらいのスピードでどれくらい人口が減少し高齢化するのか。そして、先ほど独り住まいの高齢者への対策について御意見が出ておりましたが、消費は世帯単位で行いますので、世帯別将来推計の結果も非常に大事になってくると思います。私たちは現実を見据えて、これからわが国の社会はどうなっていくのか、社会保障はどこまでできるのか、どこにそのベースラインを置くのかについて真剣に考えていかなくてはならないと、委員の皆様のお話を伺っていて思いました。
将来人口推計の情報量は膨大で、報告書の数値も一見理解するのが難しいものが多いのではないかと思いますが、人口部会では、その意味をできる限り分かりやすく説明することも含めて、利活用が進むようにつとめたいと思いますので、新しい将来人口推計の結果が出ましたら、その情報を広く利活用していただき、今後のことをお考えいただく一助になれば幸いでございます。
○遠藤会長 ありがとうございます。社会保障の根源になります人口動態についての新しい調査結果が出てくる。その重要性についてお話しいただいたということです。
ほかに、会場御参加の委員の方、いらっしゃいますか。
武田委員、どうぞ。
○武田委員 大変分かりやすい資料と御説明をどうもありがとうございます。
意見を3点申し上げます。
第1に、社会保障制度改革全般についてです。全世代型社会保障改革について進めていただいており、とりわけ後期高齢者医療における金融所得の把握は、負担能力に応じた制度への転換に向けた重要な一歩と評価しております。また、高額療養費制度やOTC類似薬の見直しについても前進が見られました。改革を進めてこられた関係者の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。
介護保険制度の利用者負担については、引き続き改革に向けた働きかけをお願いいたします。
社会保障国民会議有識者会議で提示されたとおり、税と社会保険料、給付を合わせて見ると、とりわけ中・低所得層の純負担率が他国に比べ高い状況があります。給付付き税額控除の検討とともに、社会保障制度改革を着実に進めていかなければ、中低所得者の純負担率は解決いたしません。
高齢化に伴う給付増を踏まえ、医療・介護の効率化や応能負担の徹底、とりわけ高齢者の窓口負担の見直しなどを通じて、社会保障の持続可能性を確保すべきです。
第2に、人手不足対応についてです。インフレを踏まえた処遇改善必要と思います。しかし、人口減少下では人手不足が続きますので、根本的な解決には医療・介護のDX進展が避けられないと思います。具体的には、「連携によるスケール化」と「DX、技術活用」の双方が不可欠であり、地域での医療の機能分化と介護との連携、DXやAIによる事務負担の軽減、介護ロボットやフィジカルAIの活用などを進める必要があると思います。
特に、介護ではデータ連携へ取り組む事業所を支援するとともに、小規模介護事業者へのナレッジ共有、連携をしやすい仕組みの整備が重要です。介護事業者に限らず、日本の中小企業のDXの遅れの理由を調べてみますと、金銭的インセンティブだけでは解決しない背景が見えてきます。大きな理由は2つ。1つはDXを推進する人材の不足、もう一つは情報不足。
ワンストップ型の総合的な事業者支援を進めていただいておりますが、先進的企業によるナレッジ共有や実装などの仕組みをお願いいたします。
第3に、先ほど林委員からもございました第3号被保険者制度の見直しについてです。共働き世帯の増加や就労形態の多様化により制度と実態の乖離が拡大しています。人手不足の時代、就労インセンティブを高める形で給付付き税額控除を設計するとともに、さらなる適用拡大と第3号被保険者制度の見直しによって、社会保障を働き方に中立的な制度へと一体的に見直していくことが重要と考えますので、議論を前に進めていただきたく思います。
以上です。ありがとうございました。
○遠藤会長 ありがとうございました。
ほかに会場参加の先生、よろしゅうございますか。
それでは、大変お待たせいたしました。オンラインで御参加の委員の方、御発言いただきたいと思います。
それでは、小国委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。
○小国委員 私、鎌倉女子大学の、また小児慢性特定疾病の自立支援事業の委員の1人であります小国です。
様々な重要事項があり、税金配分が難しい中、福祉への予算の中で、難病・小慢の予算を昨年同様に計上していただき、誠にありがとうございました。難病・小慢は、特に小慢の自立支援制度の事業を推進していくのには、国からの予算がないと取組が進みません。今後も継続して、よりよい支援ができますよう、バックアップをよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
では、棚野委員、よろしくお願いいたします。
○棚野委員 全国町村会長の棚野でございます。今日はよろしくお願い申し上げます。
私から発言させていただきたいと思いますが、先ほどの意見と重複する部分があるのですけれども、御容赦願いたいと思います。
我が国は、近年、人口減少・少子高齢化の進展に加えて、物価上昇という社会経済の変化による新たな局面を迎えているわけであります。社会保障費の増加が見込まれている中で、必要な社会保障サービスの提供体制を確保していくためには、全ての世代が能力に応じて支え合う全世代型社会保障制度を構築して、次の世代に引き継いでいくことが重要であることは、論をまたないところでございます。
改革工程にある取組を着実に進めていくためにも、町村において社会保障関連の行政サービスを継続して提供できるよう、国の責任において、長期的・安定的な地方財源の確保及び充実を図るように、まずお願い申し上げたいと思います。
また、現在、地方における社会保障サービスの提供体制は、非常に厳しい状況にあります。自治体病院をはじめとする地域の医療機関の経営については、物価・人件費の上昇などにより、より一層厳しい状況に置かれているところでございます。また、医師・看護師をはじめとする医療従事者の不足が深刻化しておりまして、医療サービス提供体制の維持・確保が一層困難な状況にあります。さらに、介護・福祉の分野におきましても、訪問介護を中心に事業者の撤退が相次いでおり、介護・福祉サービスの提供体制についても維持や確保が非常に難しい状況にあります。
今後は、若い世代や現役世代だけではなく、高齢者人口も減少し、社会保障サービスに対する需要と供給のいずれもが減少していく傾向にあるわけでありまして、いま以上に厳しい状況となることは確実でございます。社会保障サービスについては、住民が安心して暮らしていくために欠かすことのできないものでありますので、どこに住んでいてもサービスを受けられることが基本であり、地域間格差が生じることは決してあってはならないものと思っております。したがいまして、国におかれましては、これら地方の厳しい現状を踏まえていただいて、財政支援・人材確保支援をはじめとする様々な支援を積極的にお願いしたいと思っております。
以上、町村会からの意見とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。
それでは、島村委員、よろしくお願いいたします。
○島村委員 初めて参加させていただきます立教大学法学部の島村と申します。初めての参加にもかかわらず、オンラインでの参加で申し訳ございません。
社会保障制度に関する全体像についてお示しくださり、どうもありがとうございます。1点だけ申し上げさせていただきますが、多くの社会保障制度は、日本人だけでなく、日本で暮らして働く外国人にも適用されます。年金の財政検証の場面でも、介護の現場の場面でも、制度の担い手という部分が強調されがちですが、制度に加入して保険料を拠出するなどする以上、リスクが発生してニーズが生じれば、先ほど岩村委員からもありましたが、当然、給付を受けられるかと思います。
足元では、外国人の高齢化も始まっておりますし、国籍にかかわらず各種の社会保障制度をニーズに応じてちゃんと利用できるように、そもそも制度内容を分かっていないということも現場ではあるようなので、その辺の制度内容の周知も含めて環境を整えていただくことが重要と考えております。
すみません、以上です。ありがとうございます。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。御意見として承らせていただきます。
続きまして、野口委員、よろしくお願いいたします。
○野口委員 どうもありがとうございます。オンラインでの出席で大変申し訳ございません。
私からは、3点申し上げたいと思います。
まず第1に、医療・介護提供体制の将来像についてです。まとめていただいて、どうもありがとうございました。本資料では、2040年を見据えた構造転換あるいは地域医療構想の見直し、あるいは医師偏在対策、また医療DXの推進というのが一体的に示されていて、方向性としては本当にすばらしいものであると思っております。
一方で、これらが現状の延長線上で十分に実現可能なのかということについては、それぞれ多くの課題があり、慎重に検討する必要があるかと思います。特に、最大の制約というのは、皆さんおっしゃっていますけれども、人材であって、医療と介護、双方で人材不足の深刻化が見込まれています。さらに、医療・介護の提供者に対する賃金情報が十分に今、データとして整備されていないのですね。供給側の行動あるいは人材確保の分析を、賃金情報がないことが困難にしている点が非常に重要で、こうした点は政策評価の精度を高めるという観点からは、データ整備の基盤についてさらなる検討が求められると思います。
特に、コストをかけずに自動的に収集できるような仕組みというのをつくっていただけると、本当にありがたいかなと。人材政策にとっては、人数だけではなくて、そういう物理的なものだけではなくて、定着率とか勤務負担といった観点も含めたKPIを作成することも必要かなというふうに考えています。
第2に、医療DXについてなのですけれども、電子カルテの普及あるいはデータ利活用の方向性というのは重要なのですけれども、先ほどほかの先生もおっしゃっていましたけれども、現場では導入に比べて活用が十分に進まない可能性があるというか、現状そうなっていると。特に、中小の医療機関や介護事業所では、コストや運用負担なんかが障壁となって、結果として施設間の格差を拡大させてしまうのではないかという懸念もあります。加えて、こうした取組の実施主体となる市区町村においても、データ連携あるいは制度運用に伴う事務的負担が増大しているという背景もあります。
ですので、DXは、導入自体だけではなくて、現場の負担軽減とか生産性向上につながる形で実装されることが非常に重要ですので、導入率だけではなくて、業務効率化あるいはアウトカム改善といった観点から評価していくようなKPIを作成するといったことが重要であるというふうに考えます。
3番目は、医療と介護の一体的な提供体制についてです。医療と介護の連携というのは非常に重要であるのですけれども、制度としては依然として分断された側面が数多く残っているというふうに思っています。高齢化に伴って複合ニーズが常態化する中で、この分断というのは非常に非効率的になっていて、非効率をさらに悪化させる可能性があると思っています。そのため、現在の制度区分とか地域区分にとらわれないで、医療と介護を一体的に捉えた医療・介護圏としての地理的な単位の在り方について、より踏み込んだ議論と検討が必要ではないかというふうに考えます。
加えて、将来の社会保障の受給側という観点からは、就職氷河期世代、一部ベビーブーマーのジュニアと重なっていますので、非常に大きなボリュームゾーンになっています。ここにも留意が必要だと思います。この世代は資産形成が困難であった層が多く、また家族形成が十分でないということも少なくない。現在の介護とか医療制度というのは、一定程度インフォーマルケアラーというか、家族介護者の存在というのを前提としている側面があるので、こうした前提自体が今後成り立たなくなる危険性も見え隠れしています。その意味で、将来のニーズと、こうした支え手の構造を踏まえた制度設計の検討が重要だと思っています。その実効性を担保するためには、例えば在宅復帰率とか地域内の完結率など、圏域単位でそういったアウトカムを見て行く必要があると思います。
以上3点、お話ししたのですけれども、この資料の方向性は非常に重要である一方で、人材とかデータとか、地域単位、世代構造に加えて、現場を担う自治体あるいは現場の方の実行能力という観点も含めて検討を深めることが、2040年に向けた構造転換の実効性を高める上で非常に重要であると考えます。ありがとうございました。
○遠藤会長 どうもありがとうございました。サービスの提供体制の中で重要な課題を御指摘いただいたというふうに受けさせていただきます。
ほかにオンラインで御参加の委員の方で、何か御意見、御質問ございますでしょうか。会場御参加では、特段よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、御意見、御質問も大体出尽くしたかと思いますので、本日の会議はこれにて閉会させていただきたいと思います。
本日、様々な御意見、しかも中には非常に重要なものも多々あったかと思いますので、それを踏まえつつ、社会保障政策の運営や改革を進めていただきたいと思います。
委員の皆様には、大変御多用なところ、重要な御指摘をいただきまして、どうもありがとうございました。また、大変お疲れさまでした。

