第1回 確定拠出年金制度の運用改善等に関する有識者懇談会 議事録

日時

令和8年4月23日(木)10:00~12:00
 

場所

厚生労働省専用第21会議室

出席者

議題

確定拠出年金制度の概況等について 等

議事

議事内容
○安藤課長補佐 それでは、ただいまから第1回「確定拠出年金制度の運用改善等に関する有識者懇談会」を開催いたします。御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。
 本日は、懇談会の第1回のため、朝川年金局長から御挨拶を申し上げます。
○朝川年金局長 おはようございます。年金局長でございます。
 構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、懇談会の構成員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。改めて感謝申し上げます。
 さて、昨年6月に年金制度改正法が公布されました。この法律は、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化を図る観点から、働き方や男女の差等に中立的で、ライフスタイルや家族構成の多様化を踏まえた年金制度を構築するとともに、所得再分配の機能強化や私的年金制度の拡充等により高齢期における生活の安定を図るものです。
 特に、私的年金制度につきましては、iDeCoに加入できる年齢の上限を70歳まで引き上げ、また、企業型DC等の拠出限度額を引き上げるなどの制度の拡充を行っています。新入社員等、若い世代の皆様も含め普及していくことと、また、50代からでも決して遅くないということを念頭に置きまして、多様な働き方の中で、早期から継続的に資産形成を図ることができるよう、ライフステージに応じた活用を期待しております。
 今回の制度改正の着実な施行に取り組みつつ、今後も私的年金制度のさらなる改善・普及促進を図るため、このたび本懇談会を開催し、確定拠出年金制度の運用改善等に関する議論を引き続き進めていくことといたしました。
 構成員の皆様方におかれましては、それぞれがお持ちの豊富な知識・経験を存分に発揮していただき、忌憚のない御意見を賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。
○安藤課長補佐 続きまして、構成員の皆様の御紹介です。五十音順に御紹介をさせていただきます。
 大江加代NPO法人確定拠出年金教育協会理事兼主任研究員。
 小野由理株式会社三菱総合研究所BA・AI事業部門長。
 谷内陽一名古屋経済大学経済学部教授。
 森戸英幸慶應義塾大学大学院法務研究科教授。
 頼藤太希中央大学客員講師。
 渡邊絹子筑波大学ビジネスサイエンス系准教授。
 以上になります。
 今回は、渡邊構成員につきましてはオンラインにて御参加いただいております。
 オブザーバーとしては、内閣官房、金融庁、国民年金基金連合会、企業年金連合会、またオンラインにて、運営管理機関連絡協議会、記録関連運営管理機関の各4社に御参加いただいております。
 事務局からの出席につきましては、お手元の座席図を適宜御覧ください。
 続きまして、資料の確認です。本日は、議事次第、座席図、資料1、2、参考資料1、2を用意しておりますので、御確認をお願いいたします。
 次に、座長の選任について御報告申し上げます。座長の選任につきまして、本懇談会開催要綱において、懇談会の座長は構成員の互選により選出することとしております。
 事前に本懇談会の構成員に互選をいただきましたところ、森戸構成員に座長をお願いすることとなりましたので御報告させていただきます。
 よろしければ、座長より一言御挨拶をお願いいたします。
○森戸座長 座長にお選びいただきました森戸でございます。
 構成員の皆様の御協力をいただきながら、円滑な議事運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。本日は、「確定拠出年金制度の概況等について」を議題といたします。
 初めに、事務局より説明をお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 事務局より御説明をさせていただきます。企業年金・個人年金課長の海老でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、お手元の資料1を御用意ください。「確定拠出年金制度の概況、制度見直し等について」ということで御説明できればと思います。
 めくっていただきまして、最初は企業年金・個人年金制度の概況でございます。「年金制度の仕組み」という図が描いてございますけれども、御案内のとおり、年金制度は3階建ての構造になっております。1階・2階部分の公的年金、緑色の3階部分が私的年金と言われる企業年金・個人年金でございますが、こちらと合わせて老後の生活の多様なニーズに対応しています。
 資料の一番下に今の全体の国民年金の被保険者数が書いてありますが、約6700万人、上の緑のそれぞれの制度のところに人数も書いてありますが、合わせて2000万人程度ということで、国民年金の被保険者数全体のうち3分の1弱ぐらいが3階部分を御活用いただいているところです。詳しいデータに関しては参考資料にありますので、御確認いただければと思います。
 次に、企業年金制度の変遷をまとめた資料を3ページほどつけております。
 企業年金制度は、もともと退職金というところからスタートいたしまして、その後、退職金の費用の平準化というところで、税制上の適格退職年金というものが1950年代から60年代にかけてできてきたところでございます。
 それから、一番下、公的年金と退職年金との調整の要請と、厚生年金基金制度の創設ということで、1965年に厚生年金基金制度ができまして、企業年金に厚生年金保険の一部を代行させるという制度で、長らくはこの2つの制度が中心であったところです。
 そこから、次のスライドを見ていただければと思いますけれども、「企業年金二法」の制定ということですが、バブル崩壊の後の経済状況、あるいは退職給付に係る新会計基準が2000年に導入されてきたといった背景、あるいは社会経済情勢との関係というところで、雇用の流動化等にも対応できるような新しい制度が要請されたというところがあって、2000年に入ってから確定給付企業年金制度、DBと呼ばれるものと、確定拠出年金制度、DCと呼ばれるものが創設され、現在はこの2つの制度を中心に企業年金というのが活用されていることになっています。
 次のスライドを見ていただきまして、確定拠出年金の制度的な特徴をまとめた資料です。
 確定拠出年金制度は、もともと創設の際に、拠出された掛金が個々の加入者の持分として明確化をされているという制度で、御自身で運用してその結果を受け取るという制度となっています。
 一見すると個人の貯蓄と形態が類似をしていますが、資産が老後の所得保障になることを担保するための要件として、受給開始可能年齢60歳以上まで中途引出しができない、一定の加入期間がある、年度途中で何度も変更できるような仕組みにはなっていない、受給方法を決める、このようなルール、一定の要件を課すことで年金としての機能を果たしているところです。
 次のスライドが、企業型確定拠出年金の制度概要をまとめています。加入者は厚生年金の適用事業所の被保険者で、掛金は事業主が拠出、加入者も加入者掛金という形で拠出をすることができるようになってございます。これはまだ古いのですけれども、加入者も事業主掛金との合計で出せるということで、4月からは合計で月額5.5万円までという形で出せるようになっています。マッチング拠出自体も規約で規定をすればということになりますので、マッチング拠出の見直しも各企業の規約で設定されることが必要です。
 運用に関しては、運用関連運営管理機関が選定・提示する運用商品、これは上限で35本というルールがかかっていますが、これら提示された商品の中から各加入者が資産を運用する商品を決める、個人ごとに資産を管理する、このような仕組みになってございます。
 給付に関しては、60~75歳の範囲で、自分で受取りの時期を決めることになります。受取りに関しては、年金、一時金、年金と一時金の併用という形で活用していただけます。
 中途引出しは原則不可になっておりまして、企業型確定拠出年金の場合には事業主が果たすべき役割・責任が法令で明確に規定をされている、このような制度になっています。
 それから、個人型の確定拠出年金のiDeCoですが、次のスライドを見ていただければと思います。iDeCoは、個人で加入して、個人が拠出をして運用して、最終的に運用益を受け取るという制度になってございます。
 加入要件は、国民年金の被保険者であり、加入者が拠出をする。受取りに関しても60~74歳までで選択し、75歳になると強制裁定されるという形で制度が設計されております。こちらも中途引出しは基本的にできない。このようなルールになっております。
 それから、企業年金を実施していない中小事業主に向けた制度として、中小事業主掛金納付制度があります。iDeCoプラスと言われているものですけれども、企業年金を実施していない従業員300人以下の事業主が活用できる制度で、iDeCoに加入する従業員の掛金に事業主が追加的に拠出をするという制度です。iDeCoプラスは、制度が創設されてから利用事業所はどんどん伸びてきていて、今は9,000弱、実際の足元は1万近くの事業主が実施しているという状況です。
 それから、企業型DCにおいて商品運用の方法選定及び提示のプロセスがどのようになっているのかというものをまとめた資料が次のスライドでございます。10ページを御覧ください。
 企業型DCにおいては、まず1つ目の○ですけれども、事業主は運用関連業務、記録関連業務を運営管理機関に委託することができる。
 運営管理機関は、運用の方法を3以上35本以下で選定いたしまして、加入者に提示をする。このようなルールになってございます。
 運用商品の選定・提示というのは、専門的な知見に基づいて運営管理機関が行うことになっておりますが、事業主はそのラインナップの案について加入者等の利益を十分に考慮して、労使で協議をして決定をしていく、このようなステップになっております。
 事業主は、導入後も定期的に商品ラインナップをモニタリングし、追加の選定、除外といったものも検討を行うことが求められているということでございます。
 また、加入者御自身で運用していただくという制度になりますので、投資教育が非常に重要になってくるところでございます。
 それから、事業主は委託をしている運営管理機関から、年に1回以上定期的に報告を受けること、それから、少なくとも5年に一度は運営管理機関の業務の遂行状況について評価を行う、このようなルールが定められています。
 なお、個人型DCの場合には、商品選定等について、国民年金基金連合会が運営管理機関に委託をして実施をされているという形になってございます。
 実際の運営管理機関の選任・評価を図にまとめたものがこちらですので、また見ておいていただければと思います。
 それから、運営管理機関の具体的な評価項目です。評価に当たってどういったことを留意すべきかということを、厚労省としても法令解釈通知などでお示ししています。
 また、指定運用方法というものが2016年改正において、加入者による運用の指図が行われない場合に指定運用方法が設定できるという規定を整備しておりまして、こちらが現状の導入状況をお示ししたものになります。これは企業型DCのデータになりますけれども、指定運用方法を設定している事業所の割合は全体の49%になってございます。そのうち元本確保型を設定しているところが77.9%、それ以外が22.1%になってございます。
 現状、未指図資産、要は何も運用商品が選定されていない資産は全体の資産の0.2%程度で、すごく小さな数字であるというのが現状です。
 次に、iDeCoの指定運用方法についての資料ですが、iDeCoに関しては、今設定されているのが同じく半分ぐらいで49.7%程度。投資信託等に指定運用方法が設定されているところが83.6%というデータになっています。iDeCoも、未指図資産としては全体で0.8%程度で、全体の資産額に占める割合は大きくはないのが現状の数字です。
 指定運用方法の選定・提示のプロセスに関しては、15ページにまとめておりますので、御参照いただければと思います。
 それから、2018年の制度改正により、運用商品の提供数について上限35本とルールが定められており、それに当たって商品除外要件も商品選択者の3分の2以上の同意というところで緩和を図っているという措置をしております。また、商品の除外方法の改善も行っております。
 施行後5年間ほど経過措置がございまして、現在、経過措置は切れておりますので、経過措置終了後は全ての規約において上限の範囲内となっているという状況でございます。
 今の運用商品の提供数の分布をまとめたものが下のグラフです。ブルーは2017年度、赤いほうが2024年度になりますが、左側を見ていただきますと企業型の場合には、2017年度は平均18.7本です。それが、赤いグラフが右のほうに上がっていって、2024年だと22本。個人型のほうを見ますと、2017年だと18本だったのが2024年だと21本で、こちらも赤いグラフが少し右に動いている。このようなデータが見てとれるかと思います。
 それから、商品除外方法の改善についてということで、こちらは2021年7月に既に行ったものの御紹介です。商品除外方法を改善いたしまして、過去の分の現金化は伴わない、将来分だけを除外するというルールも認めるということで、対応の選択肢を追加するような形で現在は運用されております。
 次に、現状のDCにおける自動移換の仕組みをまとめている資料になります。退職をされたりして企業型DCの資格を喪失した場合は、資格喪失時に移換の手続の説明をすることになっておりまして、御本人が手続をして移換をしていただくというのが基本的なルールです。
 ただし、資格喪失後6か月間、移換手続がなされないケースには、自動移換ということで、国民年金連合会に移換されていくというルールになっております。もちろん6か月間は移換手続の勧奨も行っておりますし、移換された後も自動移換時にも通知しますし、その後も年に1回通知をする。あるいは、企業型DCやiDeCoの資格を取得したことを検知した場合には、自動的に資産を移換するような仕組みも御用意をしております。そういう形で、制度としては様々対応を取ってきているところですが、自動移換の数は資産がある方で78万人、自動移換された資産額は約3300億円という形になっているというのが現状です。
 19、20、21ページに、確定拠出年金制度の仕組みに関する資料をまとめておりますので、そちらを御説明できればと思います。
 まず19ページですけれども、「確定拠出年金制度のしくみ」というもので、DC制度が多くの主体によって運営されているということでございますので、それぞれがどのような役割を担っているのかというのを整理した資料でございます。
 上を見ていただいて、まず【資格確認】と書いてありますが、企業型DCでは事業主が制度実施主体、iDeCoでは国民年金基金連合会が実施主体となっておりまして、資格管理を行い、その上のところにある税の適格性を適切に担保できるような仕組みを整えているところでございます。
 その上で、真ん中のところに行っていただいて、運用商品の選定・提示、投資教育に関しては運営管理機関が担う、あるいは委託ができるような仕組みになっており、加入者ごとの加入履歴、個人別管理資産、給付裁定、こういったものに関しては記録関連の運営管理機関が一元的に管理をし、実際の資産は信託銀行等の資産管理機関において分別管理をされるという仕組みになっているところです。
 運営管理機関は、ここに数字としても書いておりますが、企業型DCの場合は126、iDeCo、個人型DCの場合には155という数字になっております。記録関連運営管理機関に関しては、両方とも4社ということで集約をされているところでございます。
 このような仕組みの下、税の適格性の適切な管理、年金資産の分別管理、あと商品の販売というところと制度運営を分離して、利益相反を防止するような仕組み、年金記録を安定的に管理する仕組み、こういったものを構築しているところです。
 右側に参考でNISAのほうもつけておりますが、NISAに関しては税の適格性の管理を国税庁のほうでも担われているというところ、あるいは運営管理とか記録管理の仕組みがDC制度とは少し異なっているところでございます。
 次のスライドを見ていただきますと、いまほどご説明したものを文章化したものですが、主な業務はどういうことをやっているのかというものを表に整理したものになります。左側が「主な業務内容」と書いていますが、資格管理に関しては、DC制度に関しては公的年金制度と連携して、1人1口座を原則にして、企業型DC、iDeCoを合算した拠出限度額管理を行っております。管理は月次で行われ、制度側が適正性を確保しながら税の適正性もきちんと管理する、このような設計になっております。
 次に、運営管理の観点で見ていきますと、DCにおいては、運営管理機関が専門的知見、かつ商品販売主体から独立した立場で商品を選定していただくという形になっております。加入者の幅広い選択肢を用意するという観点で、特に運用の運営管理機関というものは多くの主体が参画をいただいているという形になっております。さらに、DCでは、加入履歴、運用指図の履歴、あるいは給付裁定に至るまでを一体として長期に記録・管理する必要があるということでございますので、ここは現在4社に集約される形で事務が運営されているところでございます。
 一番下は、資金の効率的な管理ということで、分別管理が行われている。このような仕組みになっております。
 次に、諸外国との比較を整理した資料になります。日本のDC制度の拠出限度額の管理、資格管理、あとは限度額自体がどうなっているのかというものを主な国と比較をさせていただいております。
 一番左側、日本のDC制度の管理というところを見ていただければと思います。日本のDC制度に関しては、先ほども申し上げたとおり、1人1口座というところで、企業型DC、個人型DCを合算して制度側から拠出限度額を管理しているというルールになっています。また、税自体が、確定申告よりも事業主から源泉徴収される形で納めていただいているケースが多いですので、実際には年末調整という形で処理がなされています。その結果、拠出限度額の超過は基本的には発生しないようなルールで運営されており、超過に対するペナルティー的なものも特別な何かということでは発生しないような設計になってございます。
 右側は、これに対し米国、英国、カナダを比較しています。この3つの国はどこも職域年金、会社の年金と、個人年金、どちらもあるという制度になっておりまして、制度の実施主体は事業主や金融機関である。加入資格に関しては、社会保障番号や国民保険番号を通じて管理されているところでございます。
 年間の拠出限度額の管理について、これは個人で管理をしているという立てつけになっているため、複数の口座を持っているケースも制度上排除されているものではないということです。また、カナダに関しては、税務当局がその辺りの管理をされていると承知をしております。
 企業と個人の合算管理に関しては、英国とかカナダに関しては企業・個人の合算管理の仕組みがあるところですが、アメリカに関しては企業・個人の合算管理はないのですけれども、職域の年金に加入している場合には、一定の所得がある方はIRAの個人型のほうの所得控除可能額が縮小するような形で公平性を調整されている仕組みです。税務当局は事後的にも確認をして、超過が生じた場合には課税ペナルティーが科されるような仕組みを持っていると承知をしております。
 日本の制度は、対比をしていただきますと、税の公平性とか税の適格性、あるいは制度のバランス、公平性みたいなものも担保しながら、加入者にとって負担軽減を図られている面があると思います。
 限度額に関しては、一番下の表にありますとおり、日本は一番左側で、右側を見ていただきますと、ほかの国はかなり限度額の枠が大きいところがありますし、あと、キャッチアップと言われるものや、何年間かの繰り越しのような仕組みが設けられている、このような制度になっているところでございます。
 22ページは、現行の拠出限度額が、できてから26年ほどたつわけですけれども、これまでどのような形で見直されてきたのかということを整理したものになります。一番左側が制度発足当時です。制度発足当時は、ピンクのところと水色のところ、個人型と企業型というのは分かれていて、企業型DCと、個人型DCというのは主には国民年金第1号被保険者や企業年金のない方を対象にして、企業年金との二重の税制優遇措置が起こらないような形での設計となっていました。
 そこから、2017年、iDeCoの加入対象の拡大がございまして、企業年金の加入者、公務員、第3号被保険者にもiDeCoの加入が認められたところでございます。このときに加入対象者の大幅の拡大があった一方で、既存の企業年金に入られている方は、企業年金とiDeCoの併用の場合には、企業年金がない方とは違う形での上限が設定をされているところでございます。
 右側に行っていただいて、2022年の改正で、2024年の12月からは合算管理の導入というところで、企業型DCあるいはDBも含めた合算管理の調整をしていくということで、より柔軟な形で限度額を活用することができるようにするという仕組みを整えてきています。
 今年2026年の12月から、この図の真ん中にある2号のところに関しては、四角の大きさが同じになっていますけれども、こちらは6.2万円ということで、企業年金がある方、ない方、どちらも企業年金がない場合にはiDeCoで6.2万円、企業年金のある方で合わせて6.2万円までiDeCoを活用できるような形で枠を見直してきているところです。
 さらに、吹き出しにもありますが、第5号というものも新設をしておりまして、60~70歳までの間で一定の要件の下で活用できるような、年齢の枠を広げていくという改正も行っているところです。5号の方々も6.2万円という枠で使っていただけるような仕組みになっております。
 これらの制度運営を適切に行うために、下のほうに書いてございますが、国民年金基金連合会のほうで公的年金や企業年金の資格確認を行うための事務を行っているところでございます。
 次のスライドに、具体的な事務の流れとして、国民年金基金連合会における資格確認業務を整理した資料でございます。加入時及び加入後も継続的に加入者の資格、拠出状況を確認しておりまして、左側が加入時、右側が月次というところですけれども、国民年金基金、日本年金機構、企業年金プラットフォーム、あとは記録関連の運営管理機関、それぞれと連携をしながら、きちんと資格を管理し、限度額超過等が生じた場合には自動減額あるいは拠出の停止、御本人への通知、そういったことが様々行われているところでございます。
 ここまでは制度の御説明で、ここからはこれまでの制度改正をまとめた資料をおつけしておりますので御説明できればと思いますが、25ページからこれまでの制度改正をまとめているものになります。
 先ほど拠出限度額とか資格確認のところは御説明いたしましたが、2000年からずっと随時制度の見直しが行われてきております。直近ですと2024年には拠出限度額が2万円まで上がったというところと、あとは手続の簡素化というところで、事業主による証明書がなくなって、先ほど見ていただいたとおり、それは裏側でチェックができるような仕組みを整えて、御本人から提出していただく書類、あるいは事業主にやっていただく証明が基本的には要らない形で加入もできるという形になっております。
 これは今回の制度改正の見直しの資料になりますけれども、今回の制度改正に関しては、下に書いてありますけれども、多様な働き方の中で早期から継続的に資産形成ができる、個々の事情に応じて、多様な就労と私的年金・公的年金の組合せを可能とする、このような視点で改正の検討をしてきたところでございます。
 年齢に関しては、ここに書いてありますとおり、これは改正前ですけれども、改正前のところだと特に60歳以降のところで働き方に応じて私的年金が活用できるところに差異があった、この辺りをどのように考えるかといったところも議論されてきたところです。
 29ページは、今回の制度改正、公的年金と併せて私的年金の見直しが行われているというところの御紹介です。
 具体的には、30ページ以降に資料をおつけしておりますが、iDeCoの加入可能年齢の引上げ。こちらは、左側の下のところにありますとおり、もともと国民年金被保険者の方が入れる制度だったところが、基本的には70歳まで国民年金被保険者以外の方も活用できるような制度に見直しをしております。
 次に、企業年金の運用等の見える化という仕組みです。企業年金の情報を、他社との比較等々ができるような形で環境整備をしていくという見直しをしております。
 32ページに、具体的なイメージをつけておりますので、こちらは見ていただければと思います。
 33ページは、企業型DCの拠出限度額の拡充です。こちらはマッチング拠出というものがこれまで事業主掛金の額を超えられないというものだったものが、加入者掛金と事業主掛金と合わせてその枠を活用できる仕組みが整ってきています。
 このほか、簡易型DCを見直して、通常の企業型DCをより使いやすく見直しをしております。
 拠出限度額に関しては、先ほど御説明をしたとおり、全体として7.5万円、6.2万円というところまで枠が広がってきているところでございます。
 「3.今後の議論」と書いているところですが、めくっていただいて37ページです。事前のヒアリング等において、我々のほうで主な運営管理機関とかRKに、どういったところが今回の運用改善につながるような項目としてあり得るのかといったところを、個別にヒアリングさせていただいたものをまとめているものになります。
 項目としていろいろ書いてございますが、左側は拠出限度額の関係で、より簡素化できないか、もう少しその枠をキャッチアップとか生涯枠みたいな形で設定できないか。それから、規約関係で、これは主に行政との関係ということになりますが、審査のところをもう少し効率化できないか。関係機関間での連携をもう少し効率化できないか。それから、マイナンバーの活用も含めて、もう少し情報管理の効率化ができないか。それから、給付関係、裁定手続もオンライン化や事務簡素化ができないか。
 右側に行っていただいて、商品選択の関係ですけれども、商品除外の手続の簡素化・効率化とか、商品の上限、加入者アドバイス、指定運用方法、この辺りの見直し・充実ができないか。それから、自動移換に関する改善ができないか。それから、中途脱退に関して脱退一時金の要件をもう少し緩和できないか。その他、DCインフラと書いておりますけれども、左側の情報連携の部分とも関わると思いますが、RK・国基連といった機関も効率化する方策がないのか。このような御指摘があったところです。
 今回の懇談会においては、こうしたことも踏まえまして、真ん中に書いてございますが、制度の簡素化、関係機関間での事務の連携の簡素化・効率化など、さらなるオンライン化といったもの、あとは、先ほど御説明をした今の制度の現状、これまでの改正の状況、様々勘案して、「今後の議論」と書いてございますが、オンライン化や情報連携に関する関係機関間での利便性の向上とか普及推進といった観点で、関係者のヒアリング等も実施しながら現状や課題を把握して、短期的な課題、中長期的な課題を整理しながら議論を深めていくということでお願いしたいと考えております。
 ここまでが資料1でございますが、引き続きまして資料2も御説明をさせていただければと思います。
 普及推進ということも関連いたしますので、普及推進に関しても現状を御説明できればと思います。資料2を御覧ください。めくっていただきますと、「確定拠出年金制度の普及推進に向けて」と書いてございます。
 先ほども御説明いたしましたとおり、3階部分というところで私的年金制度を公的年金の上乗せの制度として、老後の多様なニーズに対応するためのものということで活用されてきております。
 左側に現状を書いてございますが、現状のところから今回制度としてより充実をさせているところでございますので、私的年金全体として普及・推進を図っているところです。
 企業向けの普及推進策についてまとめているものが次のスライドになります。企業に対する普及推進策ということで、外部の機関と連携しながら制度の普及に努めているというところ、また、厚生労働省としての情報の発信にも取り組んでおります。
 右側、企業型DC、iDeCoプラスの制度改善も行っているところです。
 それから、iDeCoの普及推進策が次のスライドになります。iDeCoの普及推進策は、今回の限度額及び年齢の引上げというのは非常にいいきっかけでございますので、こちらをきっかけに広報・普及推進を重点的に実施していくということを整理しております。まだ知らない方、知っていてもまだ踏み出せていない方、今使っている方にはさらなる活用拡大というところを呼びかけながら、普及推進に取り組んでいきたいというところでございます。
 5ページ、6ページは、今回の制度改正に向けたチラシを作っておりますので、御参照いただければと思います。
 それから、「iDeCoの普及・推進に向けて」ということで、今回の制度改正をきっかけに皆さんにより知っていただこうということで普及推進の取組をしております。ここに書いてありますメッセージを4月14日の「iDeCo普及・推進特別会議」で決定いたしまして、「これからiDeCo ひろがるiDeCo」というメッセージとともに、新しいデザインのポスターも作って普及・推進を強化しているところでございます。
 これがiDeCoのメリットをまとめているものです。
 iDeCoに関連する情報の確認方法について9ページにまとめておりますが、iDeCoの普及・推進に当たっていろいろお話をお聞きする中で、どういう形で情報が入手できるのかというのが分からないといったお声もいただきましたので、9ページに、iDeCoの基本情報はどこで取れるのか、iDeCoの拠出限度額はどこで見ることができるのか、個人別の管理資産はどうやって見られるのか、将来の受取りの見込み額はどのような形で確認できるのかというのをまとめて資料としてつけています。
 後ろに個別についていますが、iDeCoの公式サイトで様々な情報が取れますし、実際の拠出可能額に関しては、企業型のRKの加入者サイトでも見られますと。あるいは、実際に公的年金はどういう状況なのかというところを確認するには、ねんきん定期便やねんきんネットも活用することができます。
 あとは、加入期間中には通知が行ったり、公的年金シミュレーターを活用して将来の試算もできるようにしていくということで、この4月に公的年金シミュレーターにiDeCoの試算機能も追加しております。こちらの御紹介の資料もつけております。16ページ辺りです。公的年金のシミュレーターに加えて、iDeCoも御自身で試算ができるようなシミュレーターも活用できるように今回しております。こちらの周知もホームページや動画などを活用しながらやっているところでございます。
 実際、iDeCoのシミュレーターを使っていただいた方も、行動変容につなげてみようというようなお声があったというアンケートもございますので、まず知ってもらって試してもらうというところもやっていきながら、普及推進に取り組んでいきたいと思ってございます。
 長くなりましたが、説明は以上でございます。
○森戸座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいま説明のありました資料について、構成員の皆様から御質問、御意見等があればいただきたいと思います。御意見のある方は挙手をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 大江構成員、お願いします。
○大江構成員 ありがとうございます。
 制度だけではなく特に業務面を非常に分かりやすくまとめていただいて、ありがとうございました。実態を踏まえた運用改善とか制度改善が重要であると認識しておりまして、こういう検討の場を設けていただいたこと、また、参画の機会を頂戴したことに感謝を申し上げます。
 大きなことから小さなことまでいろいろお話があったと思うのですけれども、それぞれについて気づいていることというか、または私どもNPOのほうで企業から届いているお声などをお話しさせていただければと思います。
 まず、資料1の10ページ辺りで運営管理機関についてのお話があったかと。商品の選定・提示の辺りです。特に運用関連の運営管理機関は専門的知見が求められると、このページにも書いてあるかと思います。実際には、厚生労働省で例えば届出をするとき、またはその後の業務報告において、どのような基準で専門的知見というものについて管理・監督がなされているのか、もし決まっていれば御教示いただければなと思います。
 と申しますのも、実態としては、法定業務である運用商品の選定・提示が十分果たされずに、iDeCoの申込みの取次ぎにとどまっているケースも見受けられます。運用関連運営管理機関といっても一くくりにせず、実態に応じた評価・監督が必要ではないかと考えております。
 また、11ページにも関連するのですけれども、運用関連の運営管理機関が公表している運用方法の一覧についても、老後資産形成の観点からその商品が適切なのかどうかといったチェックとか指導が行われているのか、行われているとすればどのようなことが行われているのかというのは、今後議論していく上で教えていただきたいと思います。
 国民の老後資産形成の一部を支えていく大事な制度であることを踏まえますと、今日は金融庁の方もオブザーバーで来ていただいておりまして、金融庁とも連携していただいて適切性の確保といったところについて御検討いただくことは重要ではないかと思います。
 それから、13ページ、14ページで指定運用方法について取り上げていただいております。指図が行われない加入者の受皿として指定運用方法というのが適用を拡大しているということがこちらから確認できます。投資信託の活用というのが広がっていて、それを私は評価をしているのですけれども、一方で2点懸念がございます。
 1点目は、指定運用方法が適用された後も自らの状況に応じて資産配分を見直すことが可能であることを伝えるという話が、指定運用方法が決まったときの法令解釈でも定められているかと思うのですけれども、その実行が十分ではないのではないかという点があります。
 2点目は、最近、指定運用方法としてはターゲット・デート・ファンドというものの採用が増えているように認識しております。一方で、その商品特性が十分に伝えられていない可能性があるのではないかと懸念をしております。ターゲット年が近い、またはターゲット年を超えた安定運用に入っているファンドにおいては、低い金利水準であるとか、金利の上昇を受けて価格が下落しているケースも見られます。安定運用ということで国内債券の比率などが高い構成になっていることから、金利上昇という影響はあるわけで、そういった一定のリスクがあるという点について加入者に伝わっているのか、懸念をしております。
 特に、ターゲット・デート・ファンドは海外における成功事例のイメージが大変強くて、皆さん安心というイメージが強いのではないか。一方で、これの適用になる方は自分で商品を選択せずにお任せしたいという方だと思いますので、そういう方の利用が増えることを鑑みると、情報提供について点検が必要ではないかと思うところがあります。
 細かい話で申し訳ありませんが、32ページの見える化のところです。メリットのところに制度としての運営改善ということですけれども、企業における制度の位置づけなども非常に多様ですし、設計も多様な中で、現在開示されている項目だけでどう使っていくのかということについてなかなかイメージが湧かない部分があります。いろいろな制約があって、最初から全部を整えるのは無理だとしても、これを進めていくに当たってはどのような形でというところのあるべき姿の明示が必要ではないかと思います。というのも、マスコミ等でランキングだけを数字で並べてという使われ方をしてしまうと、企業が負担を負うことになってしまうので、この点、御準備をいただきたいと思います。
 それから、37ページにいろいろな項目を並べていただいているところで、規約関係を挙げていただいております。規約の審査については、形式的な要件の確認にとどまらず、実質的な観点からの審査が重要と考えています。
 一方で、実務上はどうも記載方法の細部に関する指導が負担になっているというお声も届いております。特に中小への普及ということを考えた場合には、申請書類の作成の負担は大きな障壁となり得るので、現場の意見を聞き取っていただきまして、ぜひ簡素化の検討をお願いしたいと思っております。
 その下の関係機関の連携のところについては、ここにも書いていただいているのですが、e-iDeCoという仕組みは非常によいと思っていまして、iDeCo加入者である方にとっては限度額も分かりますし、いろいろな手続がスマホで済むということで非常に利便性が上がるものだと思っています。
 これについては、先ほど課長から制度が変わったというところでiDeCoのアピールをというのがあったのですけれども、e-iDeCoも併せてアピールをしていただきまして、やはりiDeCoについては紙の書類で手続が面倒と思われている面がありますので、ぜひこれも併せてアピールをいただけたらと思っています。
 一方で、関係機関ところで、企業年金の現場では転職の増加に伴って企業型DCとかiDeCoへの資産移換が非常に増えているという声があります。確定給付のほうからの移換手続については、関係機関ごとに方法とか書式とか処理の時間なども随分異なるようで、実務負担が大きいというお声があります。効率性とか利便性の観点から、統一的なフォーマットとか手続の標準化をできれば検討する余地があるのではないかと思っております。
 あと、情報連携ではありませんけれども、ポータビリティという点で、中小企業様から直近インフレということもあるので、退職金水準をインフレに合わせていくという観点から、中退共から企業型DCに移行する件です。現在は合併などに限られているのですけれども、ここを緩和いただいて、全面移行も認めてほしいという声が出てきております。検討に加えていただけたらと思います。
 商品除外については、実務上2点。1点目は、商品除外を持っている保有者情報について事業主に共有をしていただきたいということです。共有されないことで個別の案内ができずに、結果的に運用商品の見直しが進みにくいという点がございます。当該情報の位置づけということをもう一度御検討いただけたらと思います。
 2点目は、除外手続に関して、記録関連運営管理機関での負担、制約といったことによって、企業型への除外というものが取りかかれない、進むのに時間がかかると伺っている点です。実務プロセスを見直していただきまして、簡素化といったところをぜひ厚生労働省様の御指導の下、スピード感を持って進めていただけるように改善をぜひ期待いたします。
 あと、自動移換について、脱退一時金の水準であるとか管理コストの在り方について、見直しの余地はこちらに挙げていただいたようにあると思います。ぜひ一定水準以上の資産については、本人による手続を促す。自動移換のコストの分なども含めて、行動変容を促すような観点で御検討を進めていただけたらと思います。
 ちょっと飛ばしてしまったのですが、商品の上限について、多いほうがいい、上限が不要であるといった声があることは存じているのですけれども、その必要性を今後検討するに当たって、加入者の商品の選択の実態について可能な範囲でお示しいただけたらなと思います。商品が多いということは、モニタリングも商品の説明の負担も重くなるわけで、多くの商品を提示しているプランでも、実はごく一部の商品に選択が集中しているのではないかと想像するからです。
 また、可能であれば、つみたてNISAの販売実態なども参考になるのではないかと思っています。例えば、大手ネット証券では300本近い投資信託を選ぶことができますけれども、多くの方が人気ランキング上位の5本程度の商品を集中的に選んでいるのではないか、そのほかの投資信託が選ばれる確率は非常に低いのではないかとか、あと、店舗を持つ大手の銀行・証券会社でもつみたてNISAの商品としては20本程度が多いですし、もう少し規模が小さくなると10本程度になっています。その本数にしている理由とか背景なども聞き取ることができれば、利用者側のニーズと販売現場で起きることがより理解できて、建設的な議論ができるのではないかと思います。こちらは厚生労働省様の管轄ではないかと思うのですけれども、可能な範囲で、オブザーバーの金融庁様の御協力も得てお願いできればと思います。
 最後になるのですけれども、DCのインフラが非常に大事だと思っていまして、制度運営コストの低減という観点から、例えば、今日御参加いただいているRKさんにおけるデータの管理であるとか、書類の管理であるとか、もう少しルールが明確になれば負担が下がるというような点があるのだとすれば、それを提示いただいて検討するという余地はあるのではないかと思います。関係機関でもしかすると業務が重複になっていて、過度になっているという点もあるのではないかと思います。
 こういった見直しは制度全体に関わるため、機関が一堂に集まることが必要だと思いますので、こういった場で厚生労働省さん主導で検討が早期に進んでいくことを願っております。
 以上になります。よろしくお願いします。
○森戸座長 ありがとうございます。
 たくさん御意見をいただきまして、中には次以降のヒアリングで実際に伺えそうなこともありますし、全体的な御意見にとどまるものもあるので、それは議事録にとどめていただければと思いますが、幾つか事務局にコメントをしてもらったほうがいい項目があったようにも思います。
 あと1点だけ、つみたてNISAとの比較もデータをという話がありましたから、オブザーバーで金融庁の方もいらしているから、これは連携してやりますと勝手に私が解釈して、いろいろやっていただけると思うので、オブザーバーの方は来なければよかったと思っているかもしれませんけれども、これからできるだけ一緒にできることをやっていただければと思います。
 事務局のほうで、今のことで何かコメントがあればお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 御指摘ありがとうございます。
 まず、冒頭の運営管理機関の指導・監督というところの御指摘についてですけれども、現状、毎年業務報告を出していただいておりますので、行政としてはその際にそこのルールがちゃんと合っているのかどうかというところのチェックは当然しています。
 ただ、先ほど御指摘がありましたところの、例えば個別の商品がいいか悪いかみたいなところが、現状の我々の示している解釈通知の中で細かく何か示されているかというと、そういったものではないというところは御承知のところかと思いますので、そういったところの詳細のチェックをどこまでできるかというとなかなか難しいというのが現状です。
 あと、御指摘をたくさんいただいたのですけれども、現状でコメントといいますか、いろいろな御指摘、御質問は受け止めさせていただければと思いますが、特に現状のところで、先ほどおっしゃっていただいた、今あるデータだけではなくて、もう少し実態としてどうなのかというところが分からないかという御指摘に関しては、どこまで調べて出せるのかというところはありますが、どういったデータをお見せできるのかということは我々のほうで引き取って検討させていただきたいと思います。
 NISAの関係に関しても、金融庁さんとも連携しながら、どういったことができるのか、整理をさせていただきたいと思います。
 以上です。
○森戸座長 ありがとうございます。
 最初に大江構成員がおっしゃった資料の10ページの運管の専門的知見がどうのこうのというのをどうチェックしているのかという趣旨のお話だったかなと思うのですけれども、そのときに大江構成員はiDeCoとおっしゃった気がするのですが、これは企業型DCの話ということでいいですか。
○大江構成員 失礼しました。運用関連運営管理機関全般という感じでしょうか。両方されている運管さんもありますし、運営管理機関といっても実態としてやっている業務の幅があるなと私が実感として感じているのはiDeCoの側です。
○森戸座長 分かりました。資料は企業型DCのという話でしたけれども、むしろiDeCoの運管さんについてと。
○大江構成員 実態としては随分幅があるのではないかと思っています。
○森戸座長 なるほど。
 事務局、何かあれば。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、iDeCoのほうもそうなのですけれども、運営管理機関というのは、制度上は運営管理機関の登録を受けていただくことで、それに対する業務報告などを出していただく、このような仕組みになっております。
 ただ、おっしゃるとおり、実際には業務としてはかなり濃淡があるところで、情報提供といったところに割と注力をされていて、選定の部分に関してはほかの運営管理機関のお力を借りてやられているようなケースもあると承知をしております。
 ただ、我々のほうに出していただくときには、どのような形で業務を担われるのかということは当然提出をしていただくという形でチェックしておりますし、その後の業務報告の中でもどのような業務をされているのかというのは出していただいているところでございます。
○森戸座長 ありがとうございました。
 それでは、大江構成員からは非常にたくさんの御意見なり、論点を出していただけたと思いますので、また次回以降に十分たたき台にさせていただければと思います。ありがとうございました。
 では、ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
 頼藤構成員、お願いいたします。
○頼藤構成員 頼藤と申します。よろしくお願いします。
 僕は、仕事柄、個人の資産形成の相談とか、年間100回以上講演をしていますので、いろいろな方たちにNISAとかiDeCoの資産形成のセミナーをするということをしているのですけれども、僕からお伝えしたいのは、個人からの目線でiDeCoがどう捉えられているのか、企業型DCがどう捉えられているのかという話をします。
 まず、iDeCoとNISAの比較だと、NISAというのは運営管理手数料がかかりませんので、目の前の手数料がないというところと、あと、結構シンプルですよね。運用益が非課税というところで、受取時にも課税がない。一方、iDeCoというのは手数料がかかりますというところと、非常にたくさんのプレーヤーがいらっしゃるというところで、ちょっと誤解を生むような状況になっている。あとは、最近、受取時の改悪とネット上では言われていますけれども、退職金の課税のところが5年ルールだったのが10年ルールになるというところもある。そして、資料の御説明にもありましたけれども、特別法人税というのがずっと凍結されている状態なのですけれども、これが廃止にならないということはいつか課税されるのではないのかというところで、やったはいいものの後から改悪されるという制度になると、iDeCoになかなか一歩踏み出せないところが現状としてあるのかなと思っています。
 そして、NISAと比べると、投資信託の手数料がiDeCoとか企業型DCのラインナップは高くなっているのですね。それに関しては、今回資料をまとめていただいたので、かなり分かりやすくなっているのですけれども、iDeCoとか企業型DCは事務にかかるコストが高いというところもあるし、iDeCoの場合は運営管理手数料をゼロにしている金融機関もあるので、そうすると、どこでもうかるのかという話になってきます。やはりビジネスである以上、金融機関も収入を積み上げていかないといけないので、信託報酬が高めの商品になってしまう。そして、デフォルト商品の話が大江構成員からもありましたけれども、ターゲット・イヤー型の商品も割りかし投資信託は高いものが設定されがちかなと思っております。
 ターゲット・イヤー型はアメリカで成功されて、それで運用していると退職のときには1億を超えていたみたいな話はよくあるので、そういったもののイメージはあるのですけれども、信託報酬とか投資信託の専門用語は多いので、1回説明を聞いて、よく分からずに選んでいる人が実態として多いのかなという印象はございます。なので、後から改悪みたいなことが起こらないように、退職金の課税とか、あとは特別法人税を凍結ではなくて廃止ぐらいまで言ってほしいなというところがありますかね。
 あとは、今日いただいた参考資料「確定拠出年金制度の現状等」の18ページ、「諸外国の企業年金の税制」というところです。給付時、どこも課税にはなっているのですけれども、ドイツに関しては収益部分が課税になっているというのがあります。
 これもiDeCoとか企業型DCで言われるのが、積立部分に関しても税金がかかるというのは感覚として庶民は受け入れられないというか、繰延べになっているから課税になるという説明をちゃんと理解すれば分かると思うのですけれども、直感的に分かりづらいところがあります。行動経済学みたいな部分も意識した設計のほうが僕はいいと思うので、ドイツみたいに収益部分だけに課税するとか、そういったところも御検討いただくといいのではないのかなと思いました。
 そして、普及のところで、アイデアベースにはなってしまうのですけれども、企業型DCとかiDeCoプラスを導入したときに、一定の加入率とか積立金額を超えた企業に補助金を出すといったこともすると、ますます企業も導入しようというのが増えてくるのかな、企業から社員に向けてそういう研修をすることも増えてくるのかなというところはあります。
 あと、さっきのターゲット・デート・ファンド、ターゲット・イヤー型ファンドに関しては、例えば信託報酬は0.5%以下にするとか、そういうNISAみたいなルールを設けてもいいのかなといったところでございます。
 上限の話が大江構成員からも出ていましたけれども、行動経済学的に言うと、選択肢が多くなると人は喜ぶというデータにはなっているのですけれども、選択肢が多過ぎると選べないというところになってしまうので、僕は上限を増やしていくというよりは、限定して選びやすくするような設計のほうが、ナッジの観点、後押しするという観点でも、資産形成が進みやすいのではないのかなと思っております。
 こんなところが僕の意見です。
○森戸座長 頼藤構成員、ありがとうございます。いろいろと貴重な御意見、特に現場の声をいただいたと思います。
 NISAとiDeCoの比較もいただいて、もちろんそのとおりということが多かったのですけれども、恐らくこれから議論になってきますが、NISAもビジネスでやっているのにシンプルに見えて、こちらは複雑に見えて、なぜ違うのか、もちろん制度の目的は違うのだけれども、その辺りを比較しつつ、改善できるところがいろいろ見えてくるのではないかなと思います。
 もう一点、特別法人税のことは、企業年金関係の研究会、部会等ではずっと議論になってきたのですけれども、今、頼藤構成員がおっしゃったみたいな、iDeCo利用者の側が特別法人税がもし凍結解除になったらということを気にしているのではないかという御意見は、私は少なくともあまり意識してなかったのですけれども、なるほどと思いましたので、その辺も非常に貴重な御意見をいただけたかなと思います。ありがとうございます。
 事務局は何かありますか。よろしいですか。
 ありがとうございます。
 では、ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
 谷内構成員、お願いします。
○谷内構成員 名古屋経済大学の谷内です。
 今回は大学教員という肩書きで参加していますが、もともとは企業年金の業務に長く従事してきた身です。制度は厚生年金基金からDB、DC、iDeCoまで、また金融機関と基金の職員の双方の業務に従事してきました。恐らくそうした経験を買われて、今回構成員に推挙いただいたものと推察します。
 今回の有識者懇談会の開催要綱には、確定拠出年金制度におけるさらなる効率化・簡素化を進めるために、引き続き制度の運用改善等に関する議論を進めるとの趣旨が書かれています。その観点から言いますと、今回一番有益だった資料は、資料1の19ページから21ページにかけての部分です。今回、制度の仕組み、業務内容および諸外国との比較がこのような精緻な形で示されたのは、私がいろいろ見てきた中では恐らく初めてではないでしょうか。
 現行の制度に対して、あそこが足りない、ここが足りないと言うのは簡単です。しかし、そもそもなぜ現行の制度がこのように構築されてきたのか、歴史的な経緯もありますし、各機関の役割、例えば、運営管理機関と資産管理機関は「情報」と「金」の取扱いを明確に区別するためにそれぞれ別箇に設立されたと認識していますが、こうした前提条件をまず踏まることが重要です。
 本日の資料を見ると、結構いろいろな発見があります。例えば、確定拠出年金は制度が複雑だから、NISAみたいにもっとシンプルにしろとか、諸外国はあんなにシンプルではないかと指摘されるのですが、資料1の21ページを見ると、実は海外の制度だってさほどシンプルではないことがわかります。逆に、拠出限度額超過時のペナルティのように、海外では広く導入されているけれども、日本では導入されていない措置もあります。こうした事実に基づく現状把握は、今後の議論において必要と考えます。
 そして、現行制度の抜本的な改革はなかなか難しい面がある一方で、確定拠出年金はこの5年10年で様々な制度改善が行われてきました。特に、IT環境の推進を受けて、企業年金プラットフォームやe-iDeCoが整備された結果、申込み手続のオンライン化などが実現しました。これによって、かつてのように心が折れそうになりながら手書きの書類を準備する事務負担が軽減され、加入者の利便性は飛躍的に向上しました。
 さらに言いますと、資料1の31・32ページで言及されている企業年金の見える化ですが、この措置は、見える化すること自体もさることながら、今まで各種報告書類を紙ベースで提出していたものをオンライン化するという手続の簡素化・効率化措置の一環だと認識しています。手続の簡素化・効率化は今後もより一層図られることが期待されるところですので、企業年金の現場に長く携わってきた者として、次回以降いろいろとコメントをさせていただければ幸いです。
 以上です。
○森戸座長 谷内構成員、ありがとうございます。
 まさに全てのポジションをこなせる立場ということで、貴重な御意見を既にいろいろいただいたかと思います。おっしゃるとおり、諸外国と比較すると、それは当たり前ですけれども、同じような制度をやっているわけだから諸外国でももちろんややこしいことはいろいろやっているのだと。でも、それがなぜ日本だとシンプルではないように見えるのか、もしくは加入者の側がシンプルではない手続をしなければいけないようになっているのかもしれません。その辺りは、今後現場の声も聞きながら議論していければと思います。ありがとうございました。
 事務局、今の谷内構成員のコメントはよろしいですか。
○海老企業年金・個人年金課長 はい。
○森戸座長 では、小野構成員、お願いします。
○小野構成員 御説明ありがとうございました。
 私は、確定拠出年金はそれほど皆さんのように詳しくないので、的外れなところがあったら大変申し訳ないのですが、IT、UXの観点から幾つかコメントさせていただければと思います。
 御説明いただきましたとおり、制度改正、拠出枠の拡大ということで非常に大きく前進されていると理解いたしました。いわゆる入り口条件は整ってきているのだろうと思っております。
 一方で、例えば、自動移換者が78万人、3362億円ということで結構いらっしゃる。これを解消するには、使われ方やつまずきポイントに踏み込まないと、単に条件がよくなりましたよという普及、活用効果だけで、進めていくのに限界があるのではないかと感じました。この観点で幾つかコメントいたします。
 1つ思いましたのが、自動移換者の方々は恐らく退職とか転職のときのつまずきなのだろうと思います。私の夫が実際にそれを経験したのですけれども、企業型DCがある会社からない会社に移るというのがございまして、何をいつまでにどこへ手続すればいいか分からないという状況に個人は置かれる。ただ、ほかに転職したお友達に、ほっとくと自動移換されるらしいよと。だから、6か月以内に何かしなければいけないということだけ聞いていて、でも、どうしていいか分からないという状況だった。そのまま放置しておくと、運用されずに手数料だけ引かれてしまう。言ってみると、入っていたがゆえに損をするという状況になってしまうということで、これは制度の話というよりもユーザビリティーとかUXの話ですので、ここは周知の仕方を含めて最優先で改善すべきではないかと思います。それが1点目です。
 2点目は、短中期のことを考えますと、今の話もそうなのですが、使いやすさというところにもう少し集中されたらいかがかという御提案です。例えば、退職を検知した時点で分かりやすい行動ガイドをお伝えするとか、オンラインで完結するような移換手続とか、迷わせない、放置させない設計を御検討されたらいかがかと思います。
 例えば、届出とか申請のオンライン化が進んでおられるということですが、間に紙とか郵送が入っているのではないかと懸念しております。入ってなければすばらしいと思うのですが、エンド・ツー・エンドでオンラインにて加入、変更、移換まで設計されているとユーザーとしては非常に使いやすい。
 それから、シミュレーターも非常にすばらしいなと思ったのですが、試算して、理解して、なるほどと言って終わるというケースがあるのではないか。理解した後に次の行動に移るような仕掛けがあると、よりよいのではないかと思いました。
 3点目。長期的には確定拠出年金というものが転職、就職、退職といったライフイベントを起点としたUXの設計になっていると、ユーザー側としては非常に捉えやすいと思います。
 そういう意味では、AIも使っていくといったお話がございましたけれども、商品推奨のために使うというのは一番簡単に思いつくところなのですが、それもルールがしっかりしていれば有効だと思うのですけれども、それ以上に、迷わないための説明にAIを使っていくという考え方もあるのではないかと思いました。
 まとめますと、入り口条件は十分整備されてまいりましたので、退職とか転職時につまずかないUX、それから、デジタル前提でのエンド・ツー・エンドの設計にシステムを持っていっていただいて、制度として正しいということはもちろんなのですが、使った結果、損をしない設計になっていることがユーザー目線では重要と思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。
○森戸座長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見だったと思います。ぜひ遠慮なく気づいたところを御指摘いただければと思います。
 今、自動移換のお話があって、自動移換については改善の議論を別の部会でもした記憶があるのですけれども、結局、そんなに大きなことは決めなかったような気もしますけれども、事務局から補足があればお願いします。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
 自動移換のところは、いろいろつまずきがあるというのはそのとおりだと思っております。これまでの制度改善としては、基本は御本人に選んでいただく、そのための説明とかそういうものを丁寧にというのが基本スタンスなのですけれども、御本人が手続をしなくても企業型DCやiDeCoに移っていけるような仕組み、申し出がなくとも資産が移っていくような仕組みも過去に整えていています。それでも今回つまずいているというところですが、全部をオンラインでできるような仕組みになっているかというと、必ずしもそうではないということかと思います。ただ、オンラインでの加入の申出ができるようになっている運営管理機関もありますので、そうしたものもご活用いただくということかと思います。
 あと、今回の制度改正でいうと、最初の説明のところがすごく大事だというところはおっしゃるとおりで、事業主にきちんと説明をしていただくというところの強化を今回制度改正で入れております。これまでは、退職したときに説明しなさいというところなのですが、退職したときだと皆さんお忙しくて、いろいろな書類を渡されて、その中にまぎれこんでしまう可能性があるというお話もいただいていましたので、あらかじめ退職した後の話も含めて説明をしていただくことについて事業主にも取り組んでいただくということを、お願いをしたいと思っています。

○森戸座長 今の話は、法令解釈通知か何かに書いてある。
○海老企業年金・個人年金課長 政令を変えました。
○森戸座長 政令ですね。失礼しました。ランクの高いやつでした。そっちにちゃんと書いてある。
 だから、さっきの話だと、勤めている会社が、この人が辞めるとなったときにもっとちゃんと説明しろということは少しは措置をしたと。二人で一生懸命言い訳をしているみたいになって、そんな立場ではないのですけれども、一応そういうことは問題意識としてあって、ただ、まだ足りないと思うのでこれから議論していければと思います。ありがとうございます。
 大江構成員、何か補足が。
○大江構成員 自動移換の関連で、部会のほうでの検討というか、こういうのはどうだ、ああいうのはどうだという話の一つに、今、アメリカなどで勤め先にそのまま置いておくというか、移さなくてもそのまま持っておくというのもありますということについても検討の議題には上がっていたかと思うのです。
 それに関連して、今後いろいろな議論をする中で、データ的な話ですけれども、例えば幾つも転職していくと、幾つもに残ったままになるということが、損をしないというお話があったように、結局それをちゃんと受け取ってもらわないといけないなと思う面があります。
 例えば、企業年金連合会の通算企業年金というDBの受皿になっているところでも、未請求になっている、及びまた連絡がつかない状態になっている方々が60万人とか70万人とか相当な数に上っているというデータがあって、そうなるとちょっと心配だなというところがあります。
 未請求というような事態になってしまう方が、例えば、額とか、国内か海外かみたいな話とか、性別とか、何か特性的なものがあるのであれば、今後の議論をするときの参考になるのかなと思いまして、もし可能であればそういうデータもあるといいかなと思いまして発言させていただきました。
○森戸座長 ありがとうございます。
 自動移換の問題を解決するのは、ある意味移換しなくていいことにするのが一番の解決なのですけれども、そうすると、大江構成員がおっしゃったように、いろいろな企業に残ってしまうけれども、それを最後に何とかすればいいではないか、アメリカもそれに近いことがあるという話が前の議論であったのですけれども、日本の場合はそれはできないというか、そうはなっていないという話だと思います。
 何か補足がありますか。
○海老企業年金・個人年金課長 補足です。参考資料の中にも企業年金・個人年金部会で議論した際にお示しした、アメリカでどうなっているのかというのをまとめた資料をつけておりますので、そちらも見ていただければと思います。
 そのときに御議論いただいたところとしては、アメリカは一定の金額以上のところだと引き続き事業主のプランに残す、あるいはデフォルトIRAに移す、少額の場合には払い出す、このような構成になっている。
 残す方法に関しては、資産があちこちに散らばってしまうということがあり、アメリカに限らずほかの国でも皆さん悩まれているようなお話は伺っております。近年では、アメリカだと、DCを移換するときにできるだけ集約されていくような仕組みを民間のサービスなどで提供する仕組みが始まっているという話をもあわせて御紹介をさせていただきました。
 日本の場合には、国民年金基金連合会にある意味資産は集約はされているということで、企業年金・個人年金部会の場でも議論があったかと思うのですが、御本人にどう最終的に渡る仕組みになっているのかという点に関しては、自動移換されたものに関しても毎年本人あて通知が行く、自動移換された資産がありますからねというのは御本人に届くような形になっていますし、受取りの時期になりますと、通常のDCと同じように受け取るということがが60歳以降できることになりますので、そのあたりの御案内もさせていただきながら、75歳に到達すると強制で払出しという仕組みになりますので、とにかく受け取ってくださいという通知が御本人に行くような仕組みになっています。
 ただ、先ほど通算企業年金のお話もありましたけれども、ご案内をしても資産を取りにきてくださらない方がやはり一定数いらっしゃって、自動移換自体もそうなのですけれども、なかなか移してくれない、資産も受け取らずに残ってしまうという方は、金額としてそんなに大きくない方が多い傾向にあると承知をしております。
 実際に御議論いただくときには、もう少しその辺りのデータとか、あと今回お示ししている資料も含めて、もう一度整理をしてお示しできればと思います。
 以上です。
○森戸座長 ありがとうございました。
 頼藤構成員、何かあればお願いします。
○頼藤構成員 今の移換に関してですけれども、移換は必ず現金化して移動させるみたいな、企業型DCだとそういうふうにすると思うのですけれども、転職のタイミングは、マーケットを見て今暴落しているからやめようとならないと思うので、そのまま引き続きできるという仕組みがあるのはいいなと思いました。結構悩まれる方は多いのですよね。
 例えば、たまたま中東問題で暴落が起きちゃった、でも、このタイミングで現金化しなくてはいけない。iDeCoであれば別に気にせずできるのですけれども、柔軟にできるような仕組みがあると続けやすいのかなと思いました。
○森戸座長 ありがとうございます。
 オンラインのほうで、渡邊構成員がいらっしゃると思いますので、御意見があれば、いかがでしょうか。
○渡邊構成員 ありがとうございます。
 これまでの企業年金・個人年金について、改正などを中心として丁寧な御説明をどうもありがとうございました。
 そのような経緯を踏まえつつ、本日の資料1の最後のページにありますように、今後の懇談会においては、関係者へのヒアリングが実施されまして、より実務面などにおいての問題点や課題が明らかになろうかと思います。その上で、制度的な対応などの必要性も含めて個別具体的な論点が整理されるかと思いますので、その際に改めてコメントできればと思っております。
 以上です。
○森戸座長 ありがとうございました。
 では、もう少し時間がありますので、もしよろしければ、ほかに構成員の方々から、言い足りなかった、あるいはさっき出た意見に言いたいというのがあれば、遠慮なくいただければと思います。
 では、大江構成員、お願いします。
○大江構成員 限度額のお話がもう一つかと思うのですけれども、枠の話もあるのですが、今後議論をしていく上で、本人拠出である見えにくい選択型DCについても実態把握をする必要があるのではないかと考えます。
 本質的にはマッチング同様の本人拠出であると思うのですけれども、現状では事業主掛金の中にインクルードされていて実態がなかなか見えていない。でも、個人にとっては自分が拠出しているという質のところがありまして、議論をしていく上でそこが見えるといいかなと思う点があります。
 もう一つ、普及の観点で総合型DCというお話があったかと思います。今日の資料には出ていないのですけれども、非代表の事業主は規模が小さな会社でどうやってやっていくのかというところについても、今後、中長期的に議論していくのであれば、少し時間をかけてその実態も把握することは視野に入れていただけるとよいかなと思いました。
 以上です。
○森戸座長 ありがとうございます。
 選択型、切り出し型のDCの話、総合型DCの話、どちらも確かに普及にも関わるし、いろいろ論点があるという意味では議論すべき点もあるかなと思います。
 大江構成員がおっしゃった選択型DCは、実質は本人の分ではないかというのはある意味非常に深い話で、とはいえ、切り出して企業の拠出になっているので、それこそ社会保険の保険料は事業主負担とか労働者負担とか言っているけれども、それは賃金の一部、報酬の一部と一緒ではないかという話と似ていて、もちろん本質はという意味は分かった上で非常に難しい話だなと思います。
 ただ、情報提供ではないですけれども、私はこういう司会業以外に法律学者もやっているのですけれども、企業年金の裁判例を見ますと、最近、直接というわけではないのですけれども、裁判例に選択型DCの制度の事案が結構出てくるようになりました。そんなに大げさにそれ自体を争っているものではないのですけれども、普通はあまり裁判にならない中で、直接それがいいとか悪いということが問題になっているわけではないのですが、選択型DCが事案に出てくるというのは、それだけ普及しているのだなと。大体違う会社で、ライフプラン何とかと呼ばれているのが多いのですけれども、大分普及してきているのだなと思います。それは私の感想です。この点も、もちろん広い意味で運用改善等に関わる話ですので、何かポイントとして議論できればと思います。
 もちろん総合型のほうも普及に一定の役割を果たしている面はあるのでしょうけれども、他方で総合型という形を取ることでのいろいろな問題もあるかもしれませんので、そういうことも触れていきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。もうちょっとぐらいは大丈夫かなと思うのですけれども。
 では、頼藤構成員、お願いします。
○頼藤構成員 ありがとうございます。
 限度額の管理について、資料1の22ページにありますけれども、過去、変遷を経て今の状態になっている。その時その時の時勢とか状況に合わせて改正されてきたのだろうというところは分かるのですけれども、ここまで掛金の上限額が近い感じになっているのだったら、3号だって同じような掛金額にすればいいと思いますし、そもそも全部統一のほうが事務コストも低くなりますし、仮に1号、2号、3号というふうに異動したとしても枠の上限が変わらないというところで、現実的には、例えば仕事を辞めて個人事業主になったら枠が上がるのですけれども、個人事業主から会社員とか公務員になると枠が下がるみたいな、そこの調整は必ず必要ですし、専業主婦とかパートになると枠も下がってしまうというところが現状あるので、そういう事務コストの面も含めると、枠は統一したほうが分かりやすいのかなと思いますし、セミナーとか本でも説明がシンプルになります。分かりやすく仕組みを整えるという目線でも、ぜひ御検討いただければなと思います。
○森戸座長 ありがとうございます。
 限度額の点は今おっしゃったようにいろいろな変遷があってこうなってきたのですけれども、私も昔、穴埋め型という言葉で呼んだ記憶がありますが、みんなが同じ枠で、でもそれをどう埋めていくかという話だよみたいなほうが分かりやすいというのは確かにおっしゃるとおりだし、それがシンプルで説明もしやすいということにもつながるのかなと改めて思いました。
 もちろん限度額自体、諸外国との簡単な比較ではないでしょうけれども、ほかの国は少なくとももうちょっと金額が多いというのも大前提としてありますが、それも含めてこの話も無視できないと思いますので、議論できればと思います。ありがとうございます。
 ほかの構成員の方、いかがですか。御意見のほうはよろしいでしょうか。
 今日は本当にいろいろな御意見をいただきましたので、また次回以降にそれをベースに事務局にも考えていただいて議論していきたいと思います。
 それでは、少し早いかもしれませんが、ほかに御意見、御発言等もないようですので、本日の議事は以上で終了といたしたいと思います。
 次回の開催について、事務局から何か連絡はありますでしょうか。
○安藤課長補佐 ありがとうございます。
 本日の懇談会でいただいた御意見を踏まえ、厚労省で課題の整理を進めてまいります。
 次回第2回の日時、議題の詳細につきましては、追って御連絡いたします。主な議題としては、関係団体へのヒアリングを実施させていただく予定です。
○森戸座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事は終了いたします。御多忙の折お集まりいただきまして、皆様、ありがとうございました。