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令和7年度第12回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録
日時
令和8年3月25日(水) 14:00~16:00
場所
厚生労働省 専用第14会議室
(オンライン会議場)
(オンライン会議場)
議事
○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、令和7年度第12回「薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会いたします。
本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほど、お願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もウェブ開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様でありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なった場合には、司会進行から順に発言者を御指名いただきます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局側のインターネット接続が切れる等のトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
事務局からは以上です。
本日は、調査会長の岡委員が御欠席ですので、ここからの議事進行につきましては、調査会長代理の石井先生にお願いいたします。
○石井会長代理 調査会長代理の石井です。
今回もウェブ開催ということで事務局から説明がありましたが、これまでの説明に御質問、御意見はございますか。
ないようでございますので、議事に入る前に委員の出欠状況について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
岡委員より御欠席との連絡がございました。現時点で6名中5名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会の規定により、定足数に達しているため、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
続きまして、本日、参考人として御参加いただく先生を紹介いたします。
議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」の関係で、国立成育医療研究センター女性の健康総合センター妊娠と薬情報センターより、医師 肥沼幸先生。
○肥沼参考人 よろしくお願いいたします。
○事務局 同じく国立成育医療研究センター女性の健康総合センター妊娠と薬情報センターより、医師 藤岡泉先生。
○藤岡参考人 よろしくお願いいたします。
○事務局 筑波大学医学医療系より、医療情報マネジメント学・精神医学教授 根本清貴先生。
○根本参考人 よろしくお願いします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
に御出席いただいております。
以上です。
○石井会長代理 続きまして、審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の先生方につきまして、議題1、2の対象品目・競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。
対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただいたところ、石井委員より、大塚製薬株式会社より50万円以下のお受け取り。柿崎委員より、大正製薬株式会社、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社より50万円以下のお受け取り。舟越委員より、大正製薬株式会社、東和薬品株式会社より50万円以下のお受け取り。藤岡参考人より、大正製薬株式会社より50万円以下のお受け取り。根本参考人より、大塚製薬株式会社より50万円を越えて500万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
委員の皆様におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
なお、これらの申告については、追ってホームページで公表させていただきます。
続きまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。
薬事審議会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますことを報告させていただきます。
また、議題1において、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人から、薬事審議会審議参加規程第6条に基づく「利用資料作成関与者」に該当するとの申出がありました。同条に基づけば、「利用資料作成関与者」は原則として審議中は発言することができないとありますが、第6条のただし書きにおいて、「当該委員等の発言が特に必要であると審議会等が認めた場合に限り、当該委員などは出席し、意見を述べることができる。」とされております。
報告は以上です。
○石井会長代理 それでは、議題1の審議において、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人の「利用資料作成関与者」としての取扱いについて確認したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題1の資料1-2別添2は、妊娠と薬情報センター情報提供ワーキンググループ委員会にて作成いただいた報告書であります。肥沼参考人、藤岡参考人は、同ワーキンググループ委員会の事務局、根本参考人は同ワーキンググループ委員会の参考人として報告書の作成に関与いただいたため、薬事審議会審議参加規程第6条に基づく「利用資料作成関与者」に該当するとの申出があったものです。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
今回、議題1の審議に関して、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人は、規程上利用資料作成関与者になるということです。しかし、当該資料は妊娠と薬情報センター情報提供ワーキンググループ委員会として作成された報告書であり、報告書作成に主として関与いただいた経緯から、報告書の内容について主に説明できる立場であるという点で、肥沼参考人、藤岡参考人の御意見は非常に重要になるものです。また、双極症治療の専門の観点から、根本参考人の御意見についても非常に重要になるものです。
当調査会として、これらの参考人に御出席いただき、参考人としての御意見を述べていただくのはどうかと思料しております。委員の先生方から御意見、御質問等はございますでしょうか。
御異論がないと判断させていただきたいと思います。したがって、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人には、議題1の審議について御意見をいただく形で進めさせていただきます。
その他、ただいまの事務局からの説明に対し、御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して資料1-1から資料1-4、議題2に関して資料2-1から資料2-2、参考資料2-1から参考資料2-11、議題3に関して資料3-1、議題4に関して資料4-1、参考資料4-1から参考資料4-6がございます。
このほか、議事次第、資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。
お手元に資料の御用意のない委員がいらっしゃいましたらお知らせください。
なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照ください。
以上です。
○石井会長代理 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
それでは、議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」の審議を行いたいと思います。事務局からの御説明をお願いします。
○事務局 議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」、説明いたします。
初めに、本日お配りしている資料ですが、資料1-1は本件のあらましと本日の調査会で審議いただきたい事項をまとめたものとなり、別紙1として改訂案を付しております。資料1-2はPMDAが取りまとめた調査結果報告書となり、別添2として国立成育医療研究センターのワーキンググループの報告書が付されております。資料1-3は日本精神神経学会より提出された要望書、資料1-4は添付文書一覧となります。主な内容は資料1-1に包含されますので、本日はこちらに沿って説明させていただければと存じます。
資料1-1を御覧ください。炭酸リチウムは、躁病および躁うつ病の躁状態に適応を有しており、「1.品目概要」の項に、先発医薬品の販売名、製販業者、各剤形の効能・効果をお示ししています。
「2.経緯」の項にお示ししたとおり、国立成育医療研究センターでは、厚労省の委託事業としてワーキンググループを設置し、「妊娠と薬情報センター」における相談事業により収集された情報等を踏まえ、妊産婦等への医薬品の投与に関する情報の電子添文への反映を検討しております。
炭酸リチウム、以下「本薬」と言います。本薬は、その開発時に既に動物実験にて催奇形性が認められたとする複数の文献が報告されていたこと、またヒトにおいても疫学的研究から先天性心血管異常の発生頻度の増大が報告されていたことから、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」には投与しないこととされ、先発医薬品の製造販売承認時より禁忌に設定されています。
今般、日本精神神経学会からワーキンググループに対して妊婦禁忌の解除を希望する要望書が提出された炭酸リチウムについて、本薬の妊婦禁忌の適正性が検討され、その結果、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与に関しては、「禁忌」の項から削除し、「妊婦」の項において「治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない」旨の注意喚起を記載することが適切であるとの報告書が取りまとめられました。
なお、このワーキンググループの報告書では、国内で本薬の血中濃度の測定が十分に行われていない例が報告されていることから、妊娠中も本薬の投与が適切と判断される患者への投与については、精神科及び周産期医療の双方の医師が連携して実施する必要があることから、「妊婦」の項において、妊婦、胎児及び新生児の適切な周産期管理が実施可能な医療施設と連携し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師の下で投与を行う旨の注意喚起を行うことが適切とされています。
ワーキンググループの報告書を受け、PMDAにおいても調査が行われ、資料1-2のとおり調査結果報告書が取りまとめられました。
「3.WG報告書を踏まえた機構の調査結果」を御覧ください。
非臨床試験に関する情報として、ワーキンググループの報告書では、本薬開発時に実施された生殖発生毒性試験に加えて、OECDガイドラインに準拠した毒性試験についての評価が行われており、催奇形性リスクは低いと判断されています。OECDガイドラインに準拠したGLP毒性試験成績結果に基づく評価においては、ラット又はマウス、及びウサギの2種類の動物種を用いることが望ましいとされていますが、ワーキンググループの報告書では主にラットの試験成績から評価されており、非臨床の観点からは催奇形性リスクが低いと結論づけることは限界があると考えております。
一方で、本薬は臨床での使用実績が蓄積しており、胚・胎児毒性のリスク評価においては、ヒトのデータと併せてリスク評価を行うべきと考えます。
他方、臨床使用に関する情報として、ワーキンググループにより、妊娠中に本薬の曝露を受けた妊婦における妊娠、児の先天異常への影響に関する文献20報が抽出され、心奇形リスク上昇の可能性が一定程度示唆されるものの、抽出された各文献で結果にはばらつきが見られると報告されました。
そして、国内外のガイドラインでの内容は一様でないものの、「精神疾患を合併した、或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド(2021)」では、「他剤が効果的でない場合を除き妊娠中は処方を回避し、やむなく処方する場合も可能な限り低用量にし、定期的な血中濃度測定と用量調整が提案される」と記載があるなど、本薬の中止が難しい妊婦では十分な血中濃度等の管理を前提として使用が許容される旨が記載されています。
また、海外添付文書では、妊婦への使用は禁忌ではなく、やむを得ず本薬を使用する場合には、妊娠中において血清リチウム濃度を頻繫に観察し適切に用量調節をする必要があること、本薬を使用した妊婦から出生した新生児において新生児薬物離脱症候群やリチウム中毒等の症状が現れる可能性があることの記載があります。
なお、本薬の電子添文では定期的に血清リチウム濃度を測定することとされています。しかしながら、機構が行った匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いた血清リチウム濃度測定の実施状況に関する調査では、本薬が新規処方された患者の約54%で血清リチウム濃度が一度も測定されていない可能性が示唆されたことから、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」を更新して、血清リチウム濃度測定を遵守するよう注意喚起しているところです。なお、ワーキンググループにより、本薬が妊婦禁忌でない諸外国においても血清リチウム測定に関して注意喚起が行われていることが報告されました。
「4.対応方針」を御覧ください。以上の調査結果を踏まえ、本薬は医療上の必要性からやむを得ず投与を継続する妊婦には、投与している医療現場の実態を考慮すると、適切な注意喚起を行う観点から、資料1-1別紙1の改訂案にお示ししたとおり、以下の4点の改訂を行ってはどうかと考えております。
1点目は、電子添文の「禁忌」の項から「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を削除し、「妊婦」の項に、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、「治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。」を記載すること。
2点目は、生殖能を有する女性に投与される機会が増えると考えることから、「生殖能を有する者」の項において、「妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本薬による催奇形性リスクを説明した上で、本薬の使用を慎重に判断すること。なお、本剤と先天異常リスクの用量反応関係は明らかではない。」の注意喚起を記載すること。
3点目は、精神科医及び産科・新生児科を含む周産期医療を担う医師が緊密な連携を行った上で、双極症治療の知識と経験を有し本薬のリスク等を十分に管理・説明できる医師が本薬を妊婦に投与することの適切性を判断する旨の注意喚起を記載すること。また、本薬による妊婦、胎児・新生児への影響を含めた適切な周産期管理が実施可能な施設と連携する必要がある旨の注意喚起を記載すること。
4点目は、妊娠により本薬の血清リチウム濃度が変化し治療効果に影響が見られることから、血清リチウム濃度を頻回に測定し患者の状態等に十分注意する旨の注意喚起を記載すること。
なお、資料1-2の機構調査結果報告書を踏まえ、先天異常リスクの用量反応関係は明らかではないことも併せて記載するため、資料1-2の別添4の改訂案から「生殖能を有する者」の項に一部追記しております。また、「重大な副作用」の「リチウム中毒」の項に9.5.2項を参照する旨を追記いたしました。
さらに、以上の改訂を実施する際には、改訂内容の注意事項に留意の上で確実な連携体制の下で妊婦等への投与を適切に実施するため、関係学会に対して協力を依頼することを考えております。
日本精神神経学会をはじめとする精神科領域の関係学会には、妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本薬による催奇形性について十分に説明し、本薬の使用が適切であるか慎重に判断すること、妊婦、胎児及び新生児に対する適切な周産期管理が実施可能な医療施設と連携し、双極症治療に関する知識及び経験を有し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師の下で、本薬を投与することを注意喚起いたします。
また、日本産科婦人科学会をはじめとする産科領域の関係学会には、妊娠中における本薬の投与については、妊婦、胎児及び新生児に対する適切な周産期管理が実施可能な医療施設において、双極症治療に関する知識及び経験を有し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師と連携して実施することを注意喚起いたします。
また、以上の改訂の実施に伴い、妊娠を希望する女性及び妊婦への本薬の処方が増加する可能性があることから、製造販売業者に対して、患者及び医師・医療従事者向け資材の作成を依頼いたします。
説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございました。
根本参考人より、御意見をいただけますでしょうか。
○根本参考人 根本です。よろしくお願いします。
御説明ありがとうございました。
私は、精神科の観点から説明させてください。
まず、この双極症という病気は、躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す病気です。躁状態は、非常に気持ちが大きくなってしまって、ただ気持ちが大きくなるだけならいいのですけれども、その結果、物すごく周囲とぶつかったりすることによって、仕事を失う、もしくは家族が離婚してしまう、そういういろいろな問題を抱えることになります。うつ状態は、いわゆるうつ病と似たような状況であります。
この躁状態の治療に関わるお薬は、今、主に3つありまして、今回の話題の炭酸リチウム、そして、バルプロ酸ナトリウムとカルバマゼピンといいった抗てんかん薬、そして抗精神病薬です。既にここにも出ているバルプロ酸ナトリウムというお薬は、炭酸リチウム以上に催奇形性がはっきりしていることと、出生後の認知機能とかにも問題が起こるということがよく知られていて、これは我々はもう使わないという流れになっています。なので、躁状態の女性に対しては、抗精神病薬による治療をすることが多いです。
ただ、どうしてもバルプロ酸も抗精神病薬も効かないという人たちが一定の割合でいるのです。その方々が妊娠したいというときに、これまで正直、妊娠は駄目と言われてきた女性がいます。何とかそのような方々もお子さんを授かるという機会を得ることができないだろうかというのが、もともとのこの取組の一番最初でございます。
後でいろいろエビデンスも出てくると思いますけれども、昔はエプスタイン奇形というのが心配されていましたけれども、それはどうもパブリケーションバイアスだったというところも分かっていて、よくよく調べていくと、本当に適切に管理していくならば、リスクとベネフィットをしっかり勘案した上で、躁状態であることのほうが、はるかに家族がばらばらになってしまう可能性が高いので、きちんと精神症状をコントロールしながら赤ちゃんをもうけることができる可能性は十分あるのではないかというのが、海外のエビデンスとして出てきています。日本では、まだずっと禁忌ですから、みんな使わないということで頭に入っているので、経験が乏しいというのが現状であります。
なので、私たち精神神経学会から要望を出しましたが、その我々としても、積極的にどんどん使いたいじゃなくて、どうしてもリチウムしか使えない女性に対して、すごく慎重に対応したいというふうに考えているというのが正直なところです。ですから、御説明にありましたように、基本は、例えば大学病院とか総合病院で精神科と産科が一緒に連携できているところから使っていく。地方でどうしてもそういう環境がない場合には、精神科の病院と産科とかでお互い連携がしっかりできているところから使う。そのぐらいの体制が必要だよということをはっきりと伝えた上でやっていく。そういう姿勢でいるというところでございます。
私からは以上です。
○石井会長代理 根本参考人、ありがとうございました。
続きまして、肥沼参考人より、御意見をいただけますでしょうか。
○肥沼参考人 ありがとうございます。
国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センターの肥沼です。私から、先ほど根本先生からも御説明いただいたところではございますが、海外の添付文書、ガイドライン、動物実験のところを少し補足させていただければと存じます。
まず、海外の添付文書について、私たちも米国、英国、カナダ、欧州、豪州、オーストラリアの添付文書を確認いたしました。そういたしましたところ、いずれも本薬は妊婦禁忌となっていないことが記されているのが明らかになりました。ただし、先ほども御紹介をいただきましたように、疫学研究においての先天異常、また心奇形のリスクの可能性について記載がなされていること、母体への治療として必要不可欠と考えられる場合にのみ使用すべきという記載になってございました。また、分娩に近い時期の使用について、胎盤移行した薬物の影響、児への影響、母体・児のリチウム中毒への注意喚起などが出されている状況でございました。
その上で、各国の専門診療ガイドラインを確認いたしましたけれども、こちらにおいても、臨床的有用性を重視して、十分なリスク説明の上、同意の下において必要な場合には使用が許容される可能性があるという記載になってございました。
こちらに関して、先ほど根本先生からも、また後ほど藤岡先生からも御説明があるところと存じますが、リチウムの児への心奇形リスクに関しては、過大評価されてきた可能性があるのではないかということは、ガイドラインの中でもコメントがなされている状況が確認できました。
動物実験に関して、日本における添付文書において禁忌とされる根拠の一つとして申請時の動物実験がございます。実際に内容を確認しましたところ、ヒトの臨床用量を非常に大きく超える高用量での投与による先天異常発生というところが根拠とされている部分があるとわかりました。実際には、この発生頻度は、対照群と比較して上昇しているようなものではございませんでした。また、最近の新規OECD試験ガイドラインに基づく検討が行われた結果においては、ラットの報告において、ヒトの治療血中濃度域に近いところの投与で、実際には、児の生存率、体重、形態異常への明らかな影響は見られていないということも確認できたところでございます。
私からは以上になります。
○石井会長代理 ありがとうございます。
それでは、藤岡参考人、お願いいたします。
○藤岡参考人 よろしくお願いいたします。国立成育医療研究センターの藤岡と申します。私のほうからは、国内における処方実態というところと、ヒトの臨床使用に関する公表文献、妊娠中の血中濃度の管理について、少し補足させていただきたいと思います。
まず、国内における処方実態ですけれども、資料1-2の17ページにあるグラフのご説明になります。日本の保険請求データを用いて炭酸リチウムの処方を性別・年齢階層別に集計を行いましたところ、延べ2万5345人に対して処方がされており、20代、30代の女性の処方人数が非常に多いという状況でした。これは双極症の発症年齢が若年に多いという疾患の背景に一致するものと思われますが、妊娠・出産期と炭酸リチウムの治療期間が重なることが多いということが分かります。
では、次に、ヒトの臨床使用に関する公表文献です。こちらは資料1-2の32ページ以降に記載しているものの補足になります。ワーキンググループでは、本薬と妊娠に関する公表された文献について、システマティックレビューを行っております。最終的に20件の論文を選定し、これらの論文の中から、研究デザイン、データソース、解析手法等の観点から評価を行いました。
まず、主なコホート研究からご説明いたします。疫学研究1、2はTeratology Information Servicesでの症例の集積による前向きコホート研究になります。これらの研究の特徴として、母親への聴き取りによって実際の服薬状況を確認しているという点で、曝露の誤分類が少ない研究であると考えております。これらの研究では、妊娠初期のリチウム曝露群と非曝露群の間で、先天大奇形全体のリスクに有意な差は認められませんでした。
疫学研究3のスペインの前向きコホート研究でも、同様にリスクの上昇は報告されておりません。
一方、先ほど出てきた疫学研究1ですけれども、心奇形に関しては有意なリスク上昇が示されておりますけれども、これは自然閉鎖する軽微な異常も含まれており、それを除外すると有意差は消失したというふうに報告されております。
次に、大規模データベースを用いた研究になります。これらの研究は調剤記録や処方記録に基づく解析ということになります。ですので、実際の服薬状況は不明というような限界がございます。
まず、疫学研究5、米国のメディケイドのデータベースを用いた研究になりますけれども、こちらの研究では、心奇形以外の先天大奇形のリスクは有意差が認められなかったという結果が出ておりますが、心奇形に関してはリスクの上昇が報告されております。
また、次に疫学研究6では、これは公表論文ではなく、個別のそれぞれの国のデータを統合して解析された国際共同メタ解析というものになりますけれども、こちらでは先天大奇形リスクの上昇が示されておりました。スウェーデンの調剤データを用いた疫学研究4では、先天奇形リスクの有意な上昇は認められず、同様に、同じ国のデータベースを用いた疫学研究7でも、先天大奇形のリスクの上昇は見られませんでした。ただし、この7番では、心奇形のリスクの上昇が報告されています。
以上の研究を総合して見てみますと、心奇形リスクの上昇の可能性が研究により一定程度示唆されておりますが、研究間でばらつきがあり、一貫したリスクとしては示されていないということと、当初言われていたようなリスクの大きさに値するような報告ではないということが分かります。
次に、妊娠中の血中濃度管理についてご説明させていただきます。妊娠中は、リチウムが胎盤を通過するということが報告されております。また、妊娠経過に伴って、糸球体ろ過量の変化によって血中濃度が著しく変動するということも分かっております。したがって、禁忌解除に当たっては、次の管理体制が必要と考えております。
まず、妊娠後期における適切で頻回な血中濃度測定の実施が重要と考えております。特に分娩前後になりますと血中濃度が上昇することが報告されているものもございますので、母体中毒症状や分娩後の急激な血中濃度上昇への対応は、母・児双方の安全のために不可欠というふうに考えております。
また、出生後の新生児に対する影響として、筋緊張低下や傾眠、新生児仮死、振戦、呼吸障害などの、いわゆる新生児薬物離脱症候群やリチウム中毒の症状に対して注意が必要ということも言われております。このような症状に対しては、出生後に小児科医がしっかりと観察をするということが重要と言われておりまして、多くは一過性のもので軽症であるということも報告されております。
これらのことを考えますと、妊婦、胎児及び新生児の適切な周産期管理が実施可能な医療施設で分娩を行うということと、先ほどもお話にありましたように、そこに精神科の先生がしっかりと連携を取りながら、本薬のリスク等について、十分に管理・説明できる体制の下で投与を行うことが求められると考えております。
私からは以上になります。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、御意見、御質問などはございますでしょうか。挙手でお願いいたします。
柿崎先生、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
事務局の説明、また参考人の先生の御意見を拝聴しまして、必要不可欠な患者さんに、適切な管理の下に投与するということで、改訂案自体には特に異論はございません。しかし、血中濃度の測定が不十分なケースも多いということですので、専門の医療機関の精神科と周産期医療の先生の密な連携管理が必要だということの周知徹底をお願いできればと思います。また、ジェネリック医薬品もある薬剤ですので、製造販売業者だけでなく、学会を含め、多方面からの適正使用の周知、情報共有をお願いできればと思います。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、舟越先生、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
参考人の先生方に教えていただきたいことがあるのですけれども、根本参考人、よろしいでしょうか。改訂案関係については、全て賛同します。学会の対応についても賛同するところなのですけれども、精神科との連携体制が前提となると伺っております。当院も周産期母子総合医療センターでして、NICUや精神科を含めて、こういった患者さんについては都度連携をされています。ただ、今回の部分ですと、そのような施設以外では、逆にアクセス制限になる可能性はあるのか、それとも今までどおり、そういった患者さんは、全て大学病院、周産期母子総合医療センター等に紹介をクリニック側から出してやっているような形が実態なのかを教えていただければと思います。
○根本参考人 どうもありがとうございます。
私は今、茨城県で仕事をしているので、まず、茨城県に関しては、産科の先生方が、精神疾患がある場合はいろいろリスクもあるねということで、基本、産科の先生方が、例えば筑波大に紹介してくださって、私は筑波大で1200件ぐらいお産がある中、100件ぐらいが精神疾患合併妊婦を診ている。8%から、時に10%ぐらいを診ております。なので、県によって違うと思うのですけれども、比較的そういう体制はできてきているのですね。なので、特にリチウムとかに関しては、よりその制度を御活用くださいと言うことができるのではないかなというふうに思っております。
また、私は周産期メンタルヘルス学会に所属していますけれども、そこで関心のある精神科医たちは、みんな産科と仲よくやってということでお願いしてやっているもので、比較的そういうネットワークをつくって、そのように紹介するということなので、ゼロからつくらなければいけないというわけではなくて、もう既にある程度リスクがあるという方は、大学病院とか精神科のいる大きな総合病院につながるというのは土台ができていますので、それをフル活用したいなと考えているということでございます。
以上です。
○舟越委員 根本先生、実態がよく分かりました。ありがとうございます。
石井先生、もう一つだけいいですか。
○石井会長代理 どうぞ。
○舟越委員 ありがとうございます。
根本参考人と藤岡参考人に聞けばいいか、どちらか、ちょっと分からなかったのですが、今回の改訂案で頻回測定とありまして、妊婦個々で胎内循環、状況も変わると思いますが、先ほど柿崎先生もおっしゃっていましたが、PMDAからの医薬品の適正使用のお願いで、維持量が決まるまでは、維持量の投与中、週に1回をめどに血中濃度測定とあるのですね。ただ、例えば先ほどありましたように、急性期の産後の部分については胎内循環が変わってくるので、1週間に1回とかではなくて、頻回の定義が、別のマニュアルで重篤副作用疾患別対応マニュアルというものがございまして、その中のリチウム中毒のマニュアルにおいては、そういった急性期とか循環動態が著しく変わる場合については、2~3時間ごとに測定という表現もございます。私がちょっと無知なのですが、産後の頻回の測定はどういうふうな間隔でされるのか、ちょっと申し訳ありません、感覚的な見解でも結構ですが、教えていただければと思います。
今、NICUや病棟にも薬剤師がいますので、リチウムの採血のタイミングとかを医師と薬剤師で共同して打合せをしているケースも当院でもございますので、他の医療従事者を含めて、少し見解を教えていただければと思います。
○根本参考人 藤岡先生、私からでよろしいでしょうか。
○藤岡参考人 どうぞ。
○根本参考人 では、根本から回答させていただきます。
まず、肌感覚なのですけれども、実を言うと、私、禁忌だけれども、どうしても使わなければいけないということで、本人・家族とよく話し合って使った症例が1例あります。そのときに炭酸リチウムの血中濃度、0.4~1ぐらいなのですけれども、0.4ぎりぎりに抑えてやっていったのです。それで、その後、出産後も採血させていただいて、変わるといっても0.4が0.5になったとか、そのぐらいで済みました。劇的に変わるというのが、0.8とか0.9より高いときに中毒域にばっと入ってしまうわけですね。
今回、我々も学会からステートメントを出そうと考えていますけれども、そこでも本当に治療を必要最低限に抑えましょう。それをすることによって、先生が先ほどおっしゃってくださった2~3時間にという、要するに、それは中毒になってしまったときなので、中毒を予防するという観点では、私は肌感的には1週間に1回、心配だったら週に2回程度で十分頻回と言えるというふうに考えております。ただ、それはふだん、妊娠中から十分に低い用量で、すぐにそんなに中毒域になることは考えづらいということが分かっている症例においてはということになります。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
それでは、藤岡参考人からお願いいたします。
○藤岡参考人 ありがとうございます。
私のほうからは、頻回の測定ということに関して、実現可能性という点で、今の周産期管理のことをちょっとお話させていただければと思います。実際、妊娠後期になりますと、妊婦検診は毎週になってまいりますので、毎週血液検査をして血中濃度を取るということは可能かというふうに思います。その中で精神科の先生と密に連携を取りながらやっていくということでよいと思います。産後に関しても、先ほど根本先生からもありましたが、実際に頻回に測定するというのも、産後の入院期間も1週間程度ございますので、その中で必要があれば頻回測定はできるのではないかというふうに思います。
もう一つ、文献的な情報になりますけれども、妊娠中、リチウムを継続していた方の血中濃度を測っている文献がございますが、海外なので、日本よりも結構多い用量で服用している方で血中濃度を観察していて、分娩の前、それから後に上昇はしているものの、中毒域にまで達している方というのは、ごくごく少なかったという報告がございます。それも1つ、ご参考になるかなというふうに思われました。
以上です。ありがとうございます。
○石井会長代理 ありがとうございます。
舟越委員、よろしいでしょうか。
○舟越委員 大変よく分かりました。海外の添付文書では、モニターすることとか、今回、頻回とされていましたので、感覚的な部分を現場感覚としては教えていただきたくて質問させていただきました。よく理解できました。ありがとうございました。
○石井会長代理 ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
石黒先生、よろしくお願いいたします。
○石黒委員 ありがとうございます。
今回の改訂につきましては、賛成で、特に異論はないところです。
ただ、1点気になったところが、製薬企業側での対応として、今回、医療従事者向け資材と患者向け資材がつくられるということで伺っております。今回のリスク最小化策とは、あくまで通常のリスク最小化策の範囲で実施されるものなのか、それともRMPを後発も含めて新設して、追加のリスク最小化策として実施されるものなのかという点を教えていただけますでしょうか。
○石井会長代理 こちらは事務局のほうからお答え願えますでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えいたします。
御質問いただきまして、ありがとうございます。
今回の患者向け資材、そして医師・医療従事者向け資材ですけれども、こちらはRMPの作成ということではなくて、通常のリスク最小化活動ということで対応する予定でございます。こちらの背景ですけれども、今回、催奇形性の評価なども行って妊婦の禁忌解除をしているというのと、炭酸リチウムの濃度測定についても関連する注意喚起をしている状況ではあるのですけれども、催奇形性に関しましても、また炭酸リチウムの濃度測定の必要性に関しましても、それ自体は、炭酸リチウムの承認時から注意喚起されていた内容で、既知のリスクであり、新たなリスクというわけでは必ずしもないということですので、改めてRMPという形ではなく、通常の最小化活動の形としております。
資材の作成に当たりましては、今回、後発の企業もございますけれども、内容には大きなばらつきなどが出ないよう、作成の依頼をさせていただいているところでございます。
○石黒委員 御説明ありがとうございます。
今回の禁忌解除で医療現場での産科と精神科の密な連携の必要性ですとか、妊婦ならではの血液検査の頻回の度合いとか、検討事項が多そうに思えたので、通常の域を超えているような気がしないでもないなというのが正直なところではあったのですけれども、製薬企業側にもその点、十分御注意いただいて対応いただくということでお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。
皆さんにいただいた御意見をまとめますと、頻回な血液検査が必要で、モニターが必要ではないかということと、医師あるいは患者さんに対して説明をしっかりしながら、モニターしながら進めていくというようなことになると思いますが、ほかに御意見ございますか。
ちょっと私のほうからなのですけれども、リチウム自体のTDMのモニターというのは、通常、あまり積極的に行われていないというのが現状のように思います。今回、妊婦さんということで、さらに神経質にはなってくれると思いますが、時々、リチウム中毒の人を、私たちも病院の中で掘り起こすようなことがございますので、そういった意味も含めて、TDMの重要性も改めて問うていけたらなというふうには感じております。
それでは、事務局の提案どおり、炭酸リチウムの「使用中の注意」を改訂するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○石井会長代理 ありがとうございます。ただし、注意喚起を非常にしっかりやっていただくということでお願いしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきまして、ありがとうございました。
炭酸リチウムの製造販売業者に対しまして、本日の審議結果のとおり、使用上の注意を改訂するよう指示をいたします。
なお、当該改訂につきましては、製造販売業者の資材などの準備が整い次第、速やかに実施したいと考えております。
また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
事務局からは以上です。
○石井会長代理 それでは、本議題は終了したいと思います。
肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。
これ以降は御意見を求める予定はございませんので、途中で御退室いただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
(参考人退室)
○石井会長代理 続きまして、議題2「ポマリドミド製剤の後発品の安全管理について」、議題3「サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミド製剤の院外処方について」、議題4「その他」の審議を行いたいと思います。事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、議題2、3、4のサリドマイド関連製剤に係る議題について、まとめて御説明いたします。
まず、資料2-1から説明させていただきます。
1ページ目でございます。今般、複数の企業より、ポマリドミドの後発品の承認申請があったことから、その安全管理について検討する必要があり、今回議題として上げております。
今回のポマリドミドと同様の事例といたしましては、サリドマイドと類似の化学構造を有するレナリドミドの後発品がございます。本調査会においても御議論いただきまして、「後発品についてもレブラミド・ポマリスト適正管理手順に基づき安全管理を行うことを原則とする。」といった方針について取りまとめた報告書を作成して対応しているところでございます。
2ページ目の「対応案」でございます。令和8年1月29日に開催されました第16回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会におきまして、ポマリドミドの後発品もTERMS®又はRevMate®に基づき管理し、後発品の承認に合わせてTERMS®及びRevMate®を改訂することが了承されております。
ポマリドミド後発品についても、レナリドミド後発品と同様に「レナリドミド製剤の後発品における安全管理方策について」の記載内容を適用して、RevMate®、TERMS®で管理することを基本としてはどうかと考えております。
また、本件に関しては、令和8年1月30日から令和8年2月28日までの間、上記対応案についてパブリックコメントを使用して広く国民から意見を募集したところ、意見の提出はありませんでした。
資料2の説明は以上となります。
続きまして、議題3の資料3-1の院外処方について説明させていただきます。
スライド1枚目でございます。現状、TERMS®及びRevMate®の安全管理手順においては、医療機関内で受診から薬剤交付等が完結することを前提としており、患者が在宅医療を受けることになった場合の取扱いが明確になっておりません。また、処方医と同一医療機関に所属する薬剤師を責任薬剤師として登録する仕組みとなっておりまして、院外処方による対応は想定されておりません。
今後の課題といたしましては、患者さんの療養環境の変化を踏まえますと、外来での受診が困難な患者さんに対する取扱いを明確化しておく必要があると考えております。また、現状、薬剤師のいない医療機関では、合同運営委員会の審議を経て、特例として処方医が責任薬剤師の業務を兼務しているという状況ですが、サリドマイド関連製剤の安全管理を適切に行うためには、処方医が責任薬剤師の業務を兼務するのではなくて、責任薬剤師が独立した立場で業務を行う必要があるというところでございます。そのためには、薬剤師のいない医療機関において、特例として院外処方により薬局の薬剤師が「責任薬剤師」として対応を行うことを可能とすべきではないかというところでございます。
スライド2枚目に移らせていただきます。こうした在宅対応や院外処方については、新たな手順となることから、対応すべき事案に応じて、特例として合同運営委員会で個別に確認した上で対応することとしてはどうかと考えております。ただし、手順書の改訂手続や管理システムの改修には年単位の時間を要するということからも、現状困っている患者さんがいらっしゃるという状況を踏まえまして、手順書の改訂等の対応が完了する前であっても、次のスライドで御説明します改訂内容の方針に基づいて実施体制が確保できることを前提に、個別患者ごとに対応を検討することとしてはどうかということが対応案でございます。
また、責任薬剤師の役割を医師が行うことを特例的に現在認めておりますが、今後は医療機関内で責任薬剤師を確保できないという場合であっても、患者が利用できる薬局で責任薬剤師を選定し、調剤可能なときは、当該薬局において調剤を特例的に認めることとしてはどうかと考えております。
なお、この対応案については、令和8年1月29日開催されました第16回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会において了承をいただいております。
次に、具体的なイメージをスライド3枚目以降で示しております。
まず、院外処方についてでございます。現在の兼務医師同様に、合同運営委員会分科会において個別に審議するというところでございまして、第三者評価委員会に状況を報告するスキームとしております。特例審査の要件としては、患者の治療アクセスが制限されていること、処方医療機関と保険薬局との間で、血液検査、妊娠反応検査等の検査結果を文書で共有する。多くはおそらくファクスになるかと思っていますが、そのような体制が整っているということを想定しております。
責任薬剤師については、従来と同様で、安全管理手順に関する研修等を受講した上で登録することといたしまして、その業務内容についても、現在、院内で行われているような責任薬剤師の業務と同様の範囲を考えております。
スライド4枚目でございます。在宅訪問に関することでございます。
院外処方の場合と同様に、合同運営委員会の分科会において個別に審議し、第三者評価委員会に状況を報告するというスキームでございます。特例審査の要件としては、対象患者が在宅患者訪問診療料が算定される対象であることや、患者区分がA男性またはB女性であり、C女性でないことを想定しております。
薬剤師の訪問タイミングや患者の代理として薬剤管理者への説明等、医療機関内の手順と異なる部分も想定されますが、処方医及び責任薬剤師の業務内容は現在と同様の範囲をこちらも想定しております。
資料3、議題3については以上となります。
続きまして、議題4に移らせていただきます。次に、資料4-1は御報告事項になります。2024年5月に「レブラミド®」を処方された男性患者の女性パートナーの妊娠事例が報告されました。当該事例を受けた対策について、これまでの対応を御報告いたします。
まず、RevMate®合同運営委員会から処方医及び責任薬剤師の皆様に注意喚起文書を発出しておりまして、また厚生労働省からも通知を発出したところでございます。また、RevMate®の合同運営委員会から患者さん向けの注意喚起文書を発出するとともに、新しく服用中止時に配布する患者用資材を作成して患者さんに配布、また既存の資材である服薬指導箋についても内容を改訂しております。
加えまして、今回、ポマリドミドの後発品の承認を受けて安全管理手順を改訂する予定がございますので、それに合わせて、服用中止時の患者教育について手順上に明記するところでございまして、A男性及びC女性の4週間後の遵守状況の確認及び報告方法について、様式を新たに作成しまして手順上に規定することにしております。
議題4の説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 御説明ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、御意見、御質問はございますでしょうか。
柿崎先生、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
案自体には特に異論ございませんけれども、院外処方箋の場合、ある程度患者さんが自由に調剤薬局を選べるかと思うのですけれども、この場合は、事前にTERMS®あるいはRevMate®の研修を受けた責任薬剤師がいる薬局に誘導するというか、そことの連携を事前に確認しておくというようなスキームになっているのでしょうか。
○石井会長代理 こちらにつきまして御回答をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
先生の御指摘のとおりでございまして、現在、院内で責任薬剤師のほうが、e-ラーニング等で事前に胎児曝露の防止のことを学んでいただいて対応するというスキームになっておりますので、そのような形で院外薬局のほうでも進めていくというようなことを想定しております。
○柿崎委員 分かりました。
○石井会長代理 それでは。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
補足しますと、薬局の場合、通常だと患者さんがどこでも処方箋を持っていけるという状況になるのですけれども、今回の場合というのは、ちゃんとした安全管理が必要なので、先ほどのような手順を学ばなければいけないということがあるので、まず、患者さんが薬局を選んでもらう。患者選択が第1になっていまして、それで、そこの薬局で責任薬剤師になる方が一通りの研修を受けていただいて理解する。それを基に対応するといった流れになると思っていますので、あらかじめそういったことを決めていくことが大事になってくるスキームかと認識しております。
○柿崎委員 承知しました。
○石井会長代理 次に、舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
1点、院外処方・訪問診療に係る対応案については賛同いたします。
1点、事務局に確認がございます。先ほど、患者の治療アクセス制限がされていることと、処方医療機関と保険薬局の間で血液検査、妊娠反応検査等の検査結果、要配慮個人情報を文書で共有する体制が整っているということがありまして、事務局のほうから、この文書で共有するやり取りは、主にファクスを想定されているということで、ファクスの誤送信を含めて、ちょっと気になるところなのですが、諸外国ではどのような形で共有されているのでしょうか。
○石井会長代理 それでは、事務局からお願いします。
○事務局 御質問いただき、ありがとうございます。
BMS社にも、米国における胎児曝露の防止手順というところを確認いたしました。その中で、米国においては、検査結果の確認の役割というのが薬剤師としては想定されていないというところでございますので、医療機関から薬局への検査値を情報伝達するようなスキームにはなっておりませんというのが回答になります。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
今回、限定された部分でございますし、逆に、我が国では医療機関と薬局との連携を、質の高い安全対策が敷かれた状態で行うことを理解していますので、その対応案に対しては賛同いたします。
一方で、ファクス、先ほど誤送信もそうですが、要配慮個人情報については、今後の医療DX施策に合わせて、現場の声を聞きながら、引き続き検討いただけたらと思います。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
ほかにございませんでしょうか。
それでは、石黒先生、お願いいたします。
○石黒委員 ありがとうございます。
今回の改訂と方針の追加ということに対しては、特に異論ありません。
あと、先ほどの議題1にも少し共通する点で、1点コメントさせていただきます。安全対策措置としてリスク最小化策を講じるところが、今回の論点だと思うのですけれども、この施策を打った後、それが本当に有効に機能しているかどうか、それが本当に効率的かつ効果的に動いているかの評価という点も非常に重要な点かと思っております。今日の議題の論点ではないかもしれませんが、その点も踏まえて、今後の検討課題として御認識いただきたいと思いながら議論を伺っておりました。よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございます。
事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
今後のRMPの法改正の部分も含めて、きちんとこのような注意喚起事項も含めて評価を行っていくというところも課題と認識しておりますので、対応を進めまいりたいと思います。
○審議官 審議官の佐藤です。
このサリドマイドとかレナリドミドの安全管理手順については、実際に医薬品を承認する際から適用しているものでございまして、この手順がきちんと機能しているかどうかについては、第三者による定期的な確認を行うスキームというものも入っております。それをこれまでもずっと定期的にやってきているわけでありますけれども、この改正された手順についても、それに基づいて、第三者監視機関における、このシステムの実効性については、引き続き確認していきたいと思いますので、よろしく御支援をお願いしたいと思います。
○石井会長代理 舟越委員、ありますか。
○舟越委員 すみません、追加で石黒先生のことではないのですが、令和6年6月25日に発言したことを思い出したのですけれども、参考資料2-1の、今回、レナリドミドの30施設に対する結果を確認したのですが、安全対策に特段の混乱は生じていないということで、現場でも、当院でも同じような感覚を認識しています。ただ、この30施設の現場意見に、デバイスや運用の手順が異なることについての作業負担の意見が載っていて、想定どおりだなと思っています。
また、返品とか廃棄の流れについては、今後、また別の第三者評価の中で検討されていくと思いますが、コメントだけですが、ポマリドミドのほうが処方調剤数は全然多くて、さらにこのようにサリドマイド関連製剤は新たな治験、また開発もされていると伺っております。デバイスや運用については、現場の作業負担はちょっとあるということだけ認識しておいていただきたくて、もう少し統一してもらいたいなと思っております。
申し訳ありません。コメントでございます。以上です。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
御意見だけということでしたけれども、管理手順が2つ、この制度ではございまして、そこが微妙に記載が違っているとか、運用が違うということが、医療現場から声があると認識しているところでございます。もともとの経緯から、それぞれの手順ができたということがあるのですけれども、幾度の改訂の中では整合性を取っている部分もございますし、そういったところはできる限り、合わせていきたいと考えています。
ただ、一気に合わせると、今の手順で対応しているところもあるので、現場の意見を改訂の議論の中でいただきながら対応しているところでございますので、そういったところを踏まえて考えていきたい課題として認識しております。
○石井会長代理 よろしいでしょうか。
○舟越委員 了解しました。ありがとうございます。
○石井会長代理 ほかにございますか。
それでは、議決を取りたいと思います。資料2-1、資料3-1の対応案に示されている内容どおり進めることでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○石井会長代理 皆さんうなずいていただいていますので、賛同ということでありがとうございます。
まだ、これから課題があると思いますので、事務局のほうにてどうぞ御対応のほど、よろしくお願いいたします。この議題につきましては、異論なしとさせていただきます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
御議論いただき、ありがとうございます。TERMS®、RevMate®の製造販売業者に対しまして、本日の審議結果のとおり対応するよう指示いたします。
事務局からは以上でございます。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、本議題は終了したいと思います。
予定していた議題は以上ですが、事務局から何かありますでしょうか。
○事務局 特にございません。
次回の開催につきましては、改めて御連絡いたします。
事務局からは以上です。
○石井会長代理 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほど、お願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もウェブ開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様でありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なった場合には、司会進行から順に発言者を御指名いただきます。
その他、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし事務局側のインターネット接続が切れる等のトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
事務局からは以上です。
本日は、調査会長の岡委員が御欠席ですので、ここからの議事進行につきましては、調査会長代理の石井先生にお願いいたします。
○石井会長代理 調査会長代理の石井です。
今回もウェブ開催ということで事務局から説明がありましたが、これまでの説明に御質問、御意見はございますか。
ないようでございますので、議事に入る前に委員の出欠状況について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
岡委員より御欠席との連絡がございました。現時点で6名中5名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会の規定により、定足数に達しているため、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
続きまして、本日、参考人として御参加いただく先生を紹介いたします。
議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」の関係で、国立成育医療研究センター女性の健康総合センター妊娠と薬情報センターより、医師 肥沼幸先生。
○肥沼参考人 よろしくお願いいたします。
○事務局 同じく国立成育医療研究センター女性の健康総合センター妊娠と薬情報センターより、医師 藤岡泉先生。
○藤岡参考人 よろしくお願いいたします。
○事務局 筑波大学医学医療系より、医療情報マネジメント学・精神医学教授 根本清貴先生。
○根本参考人 よろしくお願いします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
に御出席いただいております。
以上です。
○石井会長代理 続きまして、審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の先生方につきまして、議題1、2の対象品目・競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。
対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして確認をいただいたところ、石井委員より、大塚製薬株式会社より50万円以下のお受け取り。柿崎委員より、大正製薬株式会社、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社より50万円以下のお受け取り。舟越委員より、大正製薬株式会社、東和薬品株式会社より50万円以下のお受け取り。藤岡参考人より、大正製薬株式会社より50万円以下のお受け取り。根本参考人より、大塚製薬株式会社より50万円を越えて500万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
委員の皆様におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
なお、これらの申告については、追ってホームページで公表させていただきます。
続きまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。
薬事審議会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。
今回、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますことを報告させていただきます。
また、議題1において、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人から、薬事審議会審議参加規程第6条に基づく「利用資料作成関与者」に該当するとの申出がありました。同条に基づけば、「利用資料作成関与者」は原則として審議中は発言することができないとありますが、第6条のただし書きにおいて、「当該委員等の発言が特に必要であると審議会等が認めた場合に限り、当該委員などは出席し、意見を述べることができる。」とされております。
報告は以上です。
○石井会長代理 それでは、議題1の審議において、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人の「利用資料作成関与者」としての取扱いについて確認したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題1の資料1-2別添2は、妊娠と薬情報センター情報提供ワーキンググループ委員会にて作成いただいた報告書であります。肥沼参考人、藤岡参考人は、同ワーキンググループ委員会の事務局、根本参考人は同ワーキンググループ委員会の参考人として報告書の作成に関与いただいたため、薬事審議会審議参加規程第6条に基づく「利用資料作成関与者」に該当するとの申出があったものです。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
今回、議題1の審議に関して、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人は、規程上利用資料作成関与者になるということです。しかし、当該資料は妊娠と薬情報センター情報提供ワーキンググループ委員会として作成された報告書であり、報告書作成に主として関与いただいた経緯から、報告書の内容について主に説明できる立場であるという点で、肥沼参考人、藤岡参考人の御意見は非常に重要になるものです。また、双極症治療の専門の観点から、根本参考人の御意見についても非常に重要になるものです。
当調査会として、これらの参考人に御出席いただき、参考人としての御意見を述べていただくのはどうかと思料しております。委員の先生方から御意見、御質問等はございますでしょうか。
御異論がないと判断させていただきたいと思います。したがって、肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人には、議題1の審議について御意見をいただく形で進めさせていただきます。
その他、ただいまの事務局からの説明に対し、御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して資料1-1から資料1-4、議題2に関して資料2-1から資料2-2、参考資料2-1から参考資料2-11、議題3に関して資料3-1、議題4に関して資料4-1、参考資料4-1から参考資料4-6がございます。
このほか、議事次第、資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。
お手元に資料の御用意のない委員がいらっしゃいましたらお知らせください。
なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照ください。
以上です。
○石井会長代理 よろしいでしょうか。お手元にございますでしょうか。
それでは、議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」の審議を行いたいと思います。事務局からの御説明をお願いします。
○事務局 議題1「炭酸リチウムの「使用上の注意」の改訂について」、説明いたします。
初めに、本日お配りしている資料ですが、資料1-1は本件のあらましと本日の調査会で審議いただきたい事項をまとめたものとなり、別紙1として改訂案を付しております。資料1-2はPMDAが取りまとめた調査結果報告書となり、別添2として国立成育医療研究センターのワーキンググループの報告書が付されております。資料1-3は日本精神神経学会より提出された要望書、資料1-4は添付文書一覧となります。主な内容は資料1-1に包含されますので、本日はこちらに沿って説明させていただければと存じます。
資料1-1を御覧ください。炭酸リチウムは、躁病および躁うつ病の躁状態に適応を有しており、「1.品目概要」の項に、先発医薬品の販売名、製販業者、各剤形の効能・効果をお示ししています。
「2.経緯」の項にお示ししたとおり、国立成育医療研究センターでは、厚労省の委託事業としてワーキンググループを設置し、「妊娠と薬情報センター」における相談事業により収集された情報等を踏まえ、妊産婦等への医薬品の投与に関する情報の電子添文への反映を検討しております。
炭酸リチウム、以下「本薬」と言います。本薬は、その開発時に既に動物実験にて催奇形性が認められたとする複数の文献が報告されていたこと、またヒトにおいても疫学的研究から先天性心血管異常の発生頻度の増大が報告されていたことから、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」には投与しないこととされ、先発医薬品の製造販売承認時より禁忌に設定されています。
今般、日本精神神経学会からワーキンググループに対して妊婦禁忌の解除を希望する要望書が提出された炭酸リチウムについて、本薬の妊婦禁忌の適正性が検討され、その結果、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与に関しては、「禁忌」の項から削除し、「妊婦」の項において「治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない」旨の注意喚起を記載することが適切であるとの報告書が取りまとめられました。
なお、このワーキンググループの報告書では、国内で本薬の血中濃度の測定が十分に行われていない例が報告されていることから、妊娠中も本薬の投与が適切と判断される患者への投与については、精神科及び周産期医療の双方の医師が連携して実施する必要があることから、「妊婦」の項において、妊婦、胎児及び新生児の適切な周産期管理が実施可能な医療施設と連携し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師の下で投与を行う旨の注意喚起を行うことが適切とされています。
ワーキンググループの報告書を受け、PMDAにおいても調査が行われ、資料1-2のとおり調査結果報告書が取りまとめられました。
「3.WG報告書を踏まえた機構の調査結果」を御覧ください。
非臨床試験に関する情報として、ワーキンググループの報告書では、本薬開発時に実施された生殖発生毒性試験に加えて、OECDガイドラインに準拠した毒性試験についての評価が行われており、催奇形性リスクは低いと判断されています。OECDガイドラインに準拠したGLP毒性試験成績結果に基づく評価においては、ラット又はマウス、及びウサギの2種類の動物種を用いることが望ましいとされていますが、ワーキンググループの報告書では主にラットの試験成績から評価されており、非臨床の観点からは催奇形性リスクが低いと結論づけることは限界があると考えております。
一方で、本薬は臨床での使用実績が蓄積しており、胚・胎児毒性のリスク評価においては、ヒトのデータと併せてリスク評価を行うべきと考えます。
他方、臨床使用に関する情報として、ワーキンググループにより、妊娠中に本薬の曝露を受けた妊婦における妊娠、児の先天異常への影響に関する文献20報が抽出され、心奇形リスク上昇の可能性が一定程度示唆されるものの、抽出された各文献で結果にはばらつきが見られると報告されました。
そして、国内外のガイドラインでの内容は一様でないものの、「精神疾患を合併した、或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド(2021)」では、「他剤が効果的でない場合を除き妊娠中は処方を回避し、やむなく処方する場合も可能な限り低用量にし、定期的な血中濃度測定と用量調整が提案される」と記載があるなど、本薬の中止が難しい妊婦では十分な血中濃度等の管理を前提として使用が許容される旨が記載されています。
また、海外添付文書では、妊婦への使用は禁忌ではなく、やむを得ず本薬を使用する場合には、妊娠中において血清リチウム濃度を頻繫に観察し適切に用量調節をする必要があること、本薬を使用した妊婦から出生した新生児において新生児薬物離脱症候群やリチウム中毒等の症状が現れる可能性があることの記載があります。
なお、本薬の電子添文では定期的に血清リチウム濃度を測定することとされています。しかしながら、機構が行った匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いた血清リチウム濃度測定の実施状況に関する調査では、本薬が新規処方された患者の約54%で血清リチウム濃度が一度も測定されていない可能性が示唆されたことから、「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」を更新して、血清リチウム濃度測定を遵守するよう注意喚起しているところです。なお、ワーキンググループにより、本薬が妊婦禁忌でない諸外国においても血清リチウム測定に関して注意喚起が行われていることが報告されました。
「4.対応方針」を御覧ください。以上の調査結果を踏まえ、本薬は医療上の必要性からやむを得ず投与を継続する妊婦には、投与している医療現場の実態を考慮すると、適切な注意喚起を行う観点から、資料1-1別紙1の改訂案にお示ししたとおり、以下の4点の改訂を行ってはどうかと考えております。
1点目は、電子添文の「禁忌」の項から「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を削除し、「妊婦」の項に、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、「治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。」を記載すること。
2点目は、生殖能を有する女性に投与される機会が増えると考えることから、「生殖能を有する者」の項において、「妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本薬による催奇形性リスクを説明した上で、本薬の使用を慎重に判断すること。なお、本剤と先天異常リスクの用量反応関係は明らかではない。」の注意喚起を記載すること。
3点目は、精神科医及び産科・新生児科を含む周産期医療を担う医師が緊密な連携を行った上で、双極症治療の知識と経験を有し本薬のリスク等を十分に管理・説明できる医師が本薬を妊婦に投与することの適切性を判断する旨の注意喚起を記載すること。また、本薬による妊婦、胎児・新生児への影響を含めた適切な周産期管理が実施可能な施設と連携する必要がある旨の注意喚起を記載すること。
4点目は、妊娠により本薬の血清リチウム濃度が変化し治療効果に影響が見られることから、血清リチウム濃度を頻回に測定し患者の状態等に十分注意する旨の注意喚起を記載すること。
なお、資料1-2の機構調査結果報告書を踏まえ、先天異常リスクの用量反応関係は明らかではないことも併せて記載するため、資料1-2の別添4の改訂案から「生殖能を有する者」の項に一部追記しております。また、「重大な副作用」の「リチウム中毒」の項に9.5.2項を参照する旨を追記いたしました。
さらに、以上の改訂を実施する際には、改訂内容の注意事項に留意の上で確実な連携体制の下で妊婦等への投与を適切に実施するため、関係学会に対して協力を依頼することを考えております。
日本精神神経学会をはじめとする精神科領域の関係学会には、妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本薬による催奇形性について十分に説明し、本薬の使用が適切であるか慎重に判断すること、妊婦、胎児及び新生児に対する適切な周産期管理が実施可能な医療施設と連携し、双極症治療に関する知識及び経験を有し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師の下で、本薬を投与することを注意喚起いたします。
また、日本産科婦人科学会をはじめとする産科領域の関係学会には、妊娠中における本薬の投与については、妊婦、胎児及び新生児に対する適切な周産期管理が実施可能な医療施設において、双極症治療に関する知識及び経験を有し、本薬のリスク等について十分に管理・説明できる医師と連携して実施することを注意喚起いたします。
また、以上の改訂の実施に伴い、妊娠を希望する女性及び妊婦への本薬の処方が増加する可能性があることから、製造販売業者に対して、患者及び医師・医療従事者向け資材の作成を依頼いたします。
説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございました。
根本参考人より、御意見をいただけますでしょうか。
○根本参考人 根本です。よろしくお願いします。
御説明ありがとうございました。
私は、精神科の観点から説明させてください。
まず、この双極症という病気は、躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す病気です。躁状態は、非常に気持ちが大きくなってしまって、ただ気持ちが大きくなるだけならいいのですけれども、その結果、物すごく周囲とぶつかったりすることによって、仕事を失う、もしくは家族が離婚してしまう、そういういろいろな問題を抱えることになります。うつ状態は、いわゆるうつ病と似たような状況であります。
この躁状態の治療に関わるお薬は、今、主に3つありまして、今回の話題の炭酸リチウム、そして、バルプロ酸ナトリウムとカルバマゼピンといいった抗てんかん薬、そして抗精神病薬です。既にここにも出ているバルプロ酸ナトリウムというお薬は、炭酸リチウム以上に催奇形性がはっきりしていることと、出生後の認知機能とかにも問題が起こるということがよく知られていて、これは我々はもう使わないという流れになっています。なので、躁状態の女性に対しては、抗精神病薬による治療をすることが多いです。
ただ、どうしてもバルプロ酸も抗精神病薬も効かないという人たちが一定の割合でいるのです。その方々が妊娠したいというときに、これまで正直、妊娠は駄目と言われてきた女性がいます。何とかそのような方々もお子さんを授かるという機会を得ることができないだろうかというのが、もともとのこの取組の一番最初でございます。
後でいろいろエビデンスも出てくると思いますけれども、昔はエプスタイン奇形というのが心配されていましたけれども、それはどうもパブリケーションバイアスだったというところも分かっていて、よくよく調べていくと、本当に適切に管理していくならば、リスクとベネフィットをしっかり勘案した上で、躁状態であることのほうが、はるかに家族がばらばらになってしまう可能性が高いので、きちんと精神症状をコントロールしながら赤ちゃんをもうけることができる可能性は十分あるのではないかというのが、海外のエビデンスとして出てきています。日本では、まだずっと禁忌ですから、みんな使わないということで頭に入っているので、経験が乏しいというのが現状であります。
なので、私たち精神神経学会から要望を出しましたが、その我々としても、積極的にどんどん使いたいじゃなくて、どうしてもリチウムしか使えない女性に対して、すごく慎重に対応したいというふうに考えているというのが正直なところです。ですから、御説明にありましたように、基本は、例えば大学病院とか総合病院で精神科と産科が一緒に連携できているところから使っていく。地方でどうしてもそういう環境がない場合には、精神科の病院と産科とかでお互い連携がしっかりできているところから使う。そのぐらいの体制が必要だよということをはっきりと伝えた上でやっていく。そういう姿勢でいるというところでございます。
私からは以上です。
○石井会長代理 根本参考人、ありがとうございました。
続きまして、肥沼参考人より、御意見をいただけますでしょうか。
○肥沼参考人 ありがとうございます。
国立成育医療研究センター妊娠と薬情報センターの肥沼です。私から、先ほど根本先生からも御説明いただいたところではございますが、海外の添付文書、ガイドライン、動物実験のところを少し補足させていただければと存じます。
まず、海外の添付文書について、私たちも米国、英国、カナダ、欧州、豪州、オーストラリアの添付文書を確認いたしました。そういたしましたところ、いずれも本薬は妊婦禁忌となっていないことが記されているのが明らかになりました。ただし、先ほども御紹介をいただきましたように、疫学研究においての先天異常、また心奇形のリスクの可能性について記載がなされていること、母体への治療として必要不可欠と考えられる場合にのみ使用すべきという記載になってございました。また、分娩に近い時期の使用について、胎盤移行した薬物の影響、児への影響、母体・児のリチウム中毒への注意喚起などが出されている状況でございました。
その上で、各国の専門診療ガイドラインを確認いたしましたけれども、こちらにおいても、臨床的有用性を重視して、十分なリスク説明の上、同意の下において必要な場合には使用が許容される可能性があるという記載になってございました。
こちらに関して、先ほど根本先生からも、また後ほど藤岡先生からも御説明があるところと存じますが、リチウムの児への心奇形リスクに関しては、過大評価されてきた可能性があるのではないかということは、ガイドラインの中でもコメントがなされている状況が確認できました。
動物実験に関して、日本における添付文書において禁忌とされる根拠の一つとして申請時の動物実験がございます。実際に内容を確認しましたところ、ヒトの臨床用量を非常に大きく超える高用量での投与による先天異常発生というところが根拠とされている部分があるとわかりました。実際には、この発生頻度は、対照群と比較して上昇しているようなものではございませんでした。また、最近の新規OECD試験ガイドラインに基づく検討が行われた結果においては、ラットの報告において、ヒトの治療血中濃度域に近いところの投与で、実際には、児の生存率、体重、形態異常への明らかな影響は見られていないということも確認できたところでございます。
私からは以上になります。
○石井会長代理 ありがとうございます。
それでは、藤岡参考人、お願いいたします。
○藤岡参考人 よろしくお願いいたします。国立成育医療研究センターの藤岡と申します。私のほうからは、国内における処方実態というところと、ヒトの臨床使用に関する公表文献、妊娠中の血中濃度の管理について、少し補足させていただきたいと思います。
まず、国内における処方実態ですけれども、資料1-2の17ページにあるグラフのご説明になります。日本の保険請求データを用いて炭酸リチウムの処方を性別・年齢階層別に集計を行いましたところ、延べ2万5345人に対して処方がされており、20代、30代の女性の処方人数が非常に多いという状況でした。これは双極症の発症年齢が若年に多いという疾患の背景に一致するものと思われますが、妊娠・出産期と炭酸リチウムの治療期間が重なることが多いということが分かります。
では、次に、ヒトの臨床使用に関する公表文献です。こちらは資料1-2の32ページ以降に記載しているものの補足になります。ワーキンググループでは、本薬と妊娠に関する公表された文献について、システマティックレビューを行っております。最終的に20件の論文を選定し、これらの論文の中から、研究デザイン、データソース、解析手法等の観点から評価を行いました。
まず、主なコホート研究からご説明いたします。疫学研究1、2はTeratology Information Servicesでの症例の集積による前向きコホート研究になります。これらの研究の特徴として、母親への聴き取りによって実際の服薬状況を確認しているという点で、曝露の誤分類が少ない研究であると考えております。これらの研究では、妊娠初期のリチウム曝露群と非曝露群の間で、先天大奇形全体のリスクに有意な差は認められませんでした。
疫学研究3のスペインの前向きコホート研究でも、同様にリスクの上昇は報告されておりません。
一方、先ほど出てきた疫学研究1ですけれども、心奇形に関しては有意なリスク上昇が示されておりますけれども、これは自然閉鎖する軽微な異常も含まれており、それを除外すると有意差は消失したというふうに報告されております。
次に、大規模データベースを用いた研究になります。これらの研究は調剤記録や処方記録に基づく解析ということになります。ですので、実際の服薬状況は不明というような限界がございます。
まず、疫学研究5、米国のメディケイドのデータベースを用いた研究になりますけれども、こちらの研究では、心奇形以外の先天大奇形のリスクは有意差が認められなかったという結果が出ておりますが、心奇形に関してはリスクの上昇が報告されております。
また、次に疫学研究6では、これは公表論文ではなく、個別のそれぞれの国のデータを統合して解析された国際共同メタ解析というものになりますけれども、こちらでは先天大奇形リスクの上昇が示されておりました。スウェーデンの調剤データを用いた疫学研究4では、先天奇形リスクの有意な上昇は認められず、同様に、同じ国のデータベースを用いた疫学研究7でも、先天大奇形のリスクの上昇は見られませんでした。ただし、この7番では、心奇形のリスクの上昇が報告されています。
以上の研究を総合して見てみますと、心奇形リスクの上昇の可能性が研究により一定程度示唆されておりますが、研究間でばらつきがあり、一貫したリスクとしては示されていないということと、当初言われていたようなリスクの大きさに値するような報告ではないということが分かります。
次に、妊娠中の血中濃度管理についてご説明させていただきます。妊娠中は、リチウムが胎盤を通過するということが報告されております。また、妊娠経過に伴って、糸球体ろ過量の変化によって血中濃度が著しく変動するということも分かっております。したがって、禁忌解除に当たっては、次の管理体制が必要と考えております。
まず、妊娠後期における適切で頻回な血中濃度測定の実施が重要と考えております。特に分娩前後になりますと血中濃度が上昇することが報告されているものもございますので、母体中毒症状や分娩後の急激な血中濃度上昇への対応は、母・児双方の安全のために不可欠というふうに考えております。
また、出生後の新生児に対する影響として、筋緊張低下や傾眠、新生児仮死、振戦、呼吸障害などの、いわゆる新生児薬物離脱症候群やリチウム中毒の症状に対して注意が必要ということも言われております。このような症状に対しては、出生後に小児科医がしっかりと観察をするということが重要と言われておりまして、多くは一過性のもので軽症であるということも報告されております。
これらのことを考えますと、妊婦、胎児及び新生児の適切な周産期管理が実施可能な医療施設で分娩を行うということと、先ほどもお話にありましたように、そこに精神科の先生がしっかりと連携を取りながら、本薬のリスク等について、十分に管理・説明できる体制の下で投与を行うことが求められると考えております。
私からは以上になります。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、御意見、御質問などはございますでしょうか。挙手でお願いいたします。
柿崎先生、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
事務局の説明、また参考人の先生の御意見を拝聴しまして、必要不可欠な患者さんに、適切な管理の下に投与するということで、改訂案自体には特に異論はございません。しかし、血中濃度の測定が不十分なケースも多いということですので、専門の医療機関の精神科と周産期医療の先生の密な連携管理が必要だということの周知徹底をお願いできればと思います。また、ジェネリック医薬品もある薬剤ですので、製造販売業者だけでなく、学会を含め、多方面からの適正使用の周知、情報共有をお願いできればと思います。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、舟越先生、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
参考人の先生方に教えていただきたいことがあるのですけれども、根本参考人、よろしいでしょうか。改訂案関係については、全て賛同します。学会の対応についても賛同するところなのですけれども、精神科との連携体制が前提となると伺っております。当院も周産期母子総合医療センターでして、NICUや精神科を含めて、こういった患者さんについては都度連携をされています。ただ、今回の部分ですと、そのような施設以外では、逆にアクセス制限になる可能性はあるのか、それとも今までどおり、そういった患者さんは、全て大学病院、周産期母子総合医療センター等に紹介をクリニック側から出してやっているような形が実態なのかを教えていただければと思います。
○根本参考人 どうもありがとうございます。
私は今、茨城県で仕事をしているので、まず、茨城県に関しては、産科の先生方が、精神疾患がある場合はいろいろリスクもあるねということで、基本、産科の先生方が、例えば筑波大に紹介してくださって、私は筑波大で1200件ぐらいお産がある中、100件ぐらいが精神疾患合併妊婦を診ている。8%から、時に10%ぐらいを診ております。なので、県によって違うと思うのですけれども、比較的そういう体制はできてきているのですね。なので、特にリチウムとかに関しては、よりその制度を御活用くださいと言うことができるのではないかなというふうに思っております。
また、私は周産期メンタルヘルス学会に所属していますけれども、そこで関心のある精神科医たちは、みんな産科と仲よくやってということでお願いしてやっているもので、比較的そういうネットワークをつくって、そのように紹介するということなので、ゼロからつくらなければいけないというわけではなくて、もう既にある程度リスクがあるという方は、大学病院とか精神科のいる大きな総合病院につながるというのは土台ができていますので、それをフル活用したいなと考えているということでございます。
以上です。
○舟越委員 根本先生、実態がよく分かりました。ありがとうございます。
石井先生、もう一つだけいいですか。
○石井会長代理 どうぞ。
○舟越委員 ありがとうございます。
根本参考人と藤岡参考人に聞けばいいか、どちらか、ちょっと分からなかったのですが、今回の改訂案で頻回測定とありまして、妊婦個々で胎内循環、状況も変わると思いますが、先ほど柿崎先生もおっしゃっていましたが、PMDAからの医薬品の適正使用のお願いで、維持量が決まるまでは、維持量の投与中、週に1回をめどに血中濃度測定とあるのですね。ただ、例えば先ほどありましたように、急性期の産後の部分については胎内循環が変わってくるので、1週間に1回とかではなくて、頻回の定義が、別のマニュアルで重篤副作用疾患別対応マニュアルというものがございまして、その中のリチウム中毒のマニュアルにおいては、そういった急性期とか循環動態が著しく変わる場合については、2~3時間ごとに測定という表現もございます。私がちょっと無知なのですが、産後の頻回の測定はどういうふうな間隔でされるのか、ちょっと申し訳ありません、感覚的な見解でも結構ですが、教えていただければと思います。
今、NICUや病棟にも薬剤師がいますので、リチウムの採血のタイミングとかを医師と薬剤師で共同して打合せをしているケースも当院でもございますので、他の医療従事者を含めて、少し見解を教えていただければと思います。
○根本参考人 藤岡先生、私からでよろしいでしょうか。
○藤岡参考人 どうぞ。
○根本参考人 では、根本から回答させていただきます。
まず、肌感覚なのですけれども、実を言うと、私、禁忌だけれども、どうしても使わなければいけないということで、本人・家族とよく話し合って使った症例が1例あります。そのときに炭酸リチウムの血中濃度、0.4~1ぐらいなのですけれども、0.4ぎりぎりに抑えてやっていったのです。それで、その後、出産後も採血させていただいて、変わるといっても0.4が0.5になったとか、そのぐらいで済みました。劇的に変わるというのが、0.8とか0.9より高いときに中毒域にばっと入ってしまうわけですね。
今回、我々も学会からステートメントを出そうと考えていますけれども、そこでも本当に治療を必要最低限に抑えましょう。それをすることによって、先生が先ほどおっしゃってくださった2~3時間にという、要するに、それは中毒になってしまったときなので、中毒を予防するという観点では、私は肌感的には1週間に1回、心配だったら週に2回程度で十分頻回と言えるというふうに考えております。ただ、それはふだん、妊娠中から十分に低い用量で、すぐにそんなに中毒域になることは考えづらいということが分かっている症例においてはということになります。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
それでは、藤岡参考人からお願いいたします。
○藤岡参考人 ありがとうございます。
私のほうからは、頻回の測定ということに関して、実現可能性という点で、今の周産期管理のことをちょっとお話させていただければと思います。実際、妊娠後期になりますと、妊婦検診は毎週になってまいりますので、毎週血液検査をして血中濃度を取るということは可能かというふうに思います。その中で精神科の先生と密に連携を取りながらやっていくということでよいと思います。産後に関しても、先ほど根本先生からもありましたが、実際に頻回に測定するというのも、産後の入院期間も1週間程度ございますので、その中で必要があれば頻回測定はできるのではないかというふうに思います。
もう一つ、文献的な情報になりますけれども、妊娠中、リチウムを継続していた方の血中濃度を測っている文献がございますが、海外なので、日本よりも結構多い用量で服用している方で血中濃度を観察していて、分娩の前、それから後に上昇はしているものの、中毒域にまで達している方というのは、ごくごく少なかったという報告がございます。それも1つ、ご参考になるかなというふうに思われました。
以上です。ありがとうございます。
○石井会長代理 ありがとうございます。
舟越委員、よろしいでしょうか。
○舟越委員 大変よく分かりました。海外の添付文書では、モニターすることとか、今回、頻回とされていましたので、感覚的な部分を現場感覚としては教えていただきたくて質問させていただきました。よく理解できました。ありがとうございました。
○石井会長代理 ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。
石黒先生、よろしくお願いいたします。
○石黒委員 ありがとうございます。
今回の改訂につきましては、賛成で、特に異論はないところです。
ただ、1点気になったところが、製薬企業側での対応として、今回、医療従事者向け資材と患者向け資材がつくられるということで伺っております。今回のリスク最小化策とは、あくまで通常のリスク最小化策の範囲で実施されるものなのか、それともRMPを後発も含めて新設して、追加のリスク最小化策として実施されるものなのかという点を教えていただけますでしょうか。
○石井会長代理 こちらは事務局のほうからお答え願えますでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えいたします。
御質問いただきまして、ありがとうございます。
今回の患者向け資材、そして医師・医療従事者向け資材ですけれども、こちらはRMPの作成ということではなくて、通常のリスク最小化活動ということで対応する予定でございます。こちらの背景ですけれども、今回、催奇形性の評価なども行って妊婦の禁忌解除をしているというのと、炭酸リチウムの濃度測定についても関連する注意喚起をしている状況ではあるのですけれども、催奇形性に関しましても、また炭酸リチウムの濃度測定の必要性に関しましても、それ自体は、炭酸リチウムの承認時から注意喚起されていた内容で、既知のリスクであり、新たなリスクというわけでは必ずしもないということですので、改めてRMPという形ではなく、通常の最小化活動の形としております。
資材の作成に当たりましては、今回、後発の企業もございますけれども、内容には大きなばらつきなどが出ないよう、作成の依頼をさせていただいているところでございます。
○石黒委員 御説明ありがとうございます。
今回の禁忌解除で医療現場での産科と精神科の密な連携の必要性ですとか、妊婦ならではの血液検査の頻回の度合いとか、検討事項が多そうに思えたので、通常の域を超えているような気がしないでもないなというのが正直なところではあったのですけれども、製薬企業側にもその点、十分御注意いただいて対応いただくということでお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますでしょうか。
皆さんにいただいた御意見をまとめますと、頻回な血液検査が必要で、モニターが必要ではないかということと、医師あるいは患者さんに対して説明をしっかりしながら、モニターしながら進めていくというようなことになると思いますが、ほかに御意見ございますか。
ちょっと私のほうからなのですけれども、リチウム自体のTDMのモニターというのは、通常、あまり積極的に行われていないというのが現状のように思います。今回、妊婦さんということで、さらに神経質にはなってくれると思いますが、時々、リチウム中毒の人を、私たちも病院の中で掘り起こすようなことがございますので、そういった意味も含めて、TDMの重要性も改めて問うていけたらなというふうには感じております。
それでは、事務局の提案どおり、炭酸リチウムの「使用中の注意」を改訂するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○石井会長代理 ありがとうございます。ただし、注意喚起を非常にしっかりやっていただくということでお願いしたいと思います。ありがとうございます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきまして、ありがとうございました。
炭酸リチウムの製造販売業者に対しまして、本日の審議結果のとおり、使用上の注意を改訂するよう指示をいたします。
なお、当該改訂につきましては、製造販売業者の資材などの準備が整い次第、速やかに実施したいと考えております。
また、本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
事務局からは以上です。
○石井会長代理 それでは、本議題は終了したいと思います。
肥沼参考人、藤岡参考人、根本参考人におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。
これ以降は御意見を求める予定はございませんので、途中で御退室いただいて差し支えございません。どうもありがとうございました。
(参考人退室)
○石井会長代理 続きまして、議題2「ポマリドミド製剤の後発品の安全管理について」、議題3「サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミド製剤の院外処方について」、議題4「その他」の審議を行いたいと思います。事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
それでは、議題2、3、4のサリドマイド関連製剤に係る議題について、まとめて御説明いたします。
まず、資料2-1から説明させていただきます。
1ページ目でございます。今般、複数の企業より、ポマリドミドの後発品の承認申請があったことから、その安全管理について検討する必要があり、今回議題として上げております。
今回のポマリドミドと同様の事例といたしましては、サリドマイドと類似の化学構造を有するレナリドミドの後発品がございます。本調査会においても御議論いただきまして、「後発品についてもレブラミド・ポマリスト適正管理手順に基づき安全管理を行うことを原則とする。」といった方針について取りまとめた報告書を作成して対応しているところでございます。
2ページ目の「対応案」でございます。令和8年1月29日に開催されました第16回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会におきまして、ポマリドミドの後発品もTERMS®又はRevMate®に基づき管理し、後発品の承認に合わせてTERMS®及びRevMate®を改訂することが了承されております。
ポマリドミド後発品についても、レナリドミド後発品と同様に「レナリドミド製剤の後発品における安全管理方策について」の記載内容を適用して、RevMate®、TERMS®で管理することを基本としてはどうかと考えております。
また、本件に関しては、令和8年1月30日から令和8年2月28日までの間、上記対応案についてパブリックコメントを使用して広く国民から意見を募集したところ、意見の提出はありませんでした。
資料2の説明は以上となります。
続きまして、議題3の資料3-1の院外処方について説明させていただきます。
スライド1枚目でございます。現状、TERMS®及びRevMate®の安全管理手順においては、医療機関内で受診から薬剤交付等が完結することを前提としており、患者が在宅医療を受けることになった場合の取扱いが明確になっておりません。また、処方医と同一医療機関に所属する薬剤師を責任薬剤師として登録する仕組みとなっておりまして、院外処方による対応は想定されておりません。
今後の課題といたしましては、患者さんの療養環境の変化を踏まえますと、外来での受診が困難な患者さんに対する取扱いを明確化しておく必要があると考えております。また、現状、薬剤師のいない医療機関では、合同運営委員会の審議を経て、特例として処方医が責任薬剤師の業務を兼務しているという状況ですが、サリドマイド関連製剤の安全管理を適切に行うためには、処方医が責任薬剤師の業務を兼務するのではなくて、責任薬剤師が独立した立場で業務を行う必要があるというところでございます。そのためには、薬剤師のいない医療機関において、特例として院外処方により薬局の薬剤師が「責任薬剤師」として対応を行うことを可能とすべきではないかというところでございます。
スライド2枚目に移らせていただきます。こうした在宅対応や院外処方については、新たな手順となることから、対応すべき事案に応じて、特例として合同運営委員会で個別に確認した上で対応することとしてはどうかと考えております。ただし、手順書の改訂手続や管理システムの改修には年単位の時間を要するということからも、現状困っている患者さんがいらっしゃるという状況を踏まえまして、手順書の改訂等の対応が完了する前であっても、次のスライドで御説明します改訂内容の方針に基づいて実施体制が確保できることを前提に、個別患者ごとに対応を検討することとしてはどうかということが対応案でございます。
また、責任薬剤師の役割を医師が行うことを特例的に現在認めておりますが、今後は医療機関内で責任薬剤師を確保できないという場合であっても、患者が利用できる薬局で責任薬剤師を選定し、調剤可能なときは、当該薬局において調剤を特例的に認めることとしてはどうかと考えております。
なお、この対応案については、令和8年1月29日開催されました第16回サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会において了承をいただいております。
次に、具体的なイメージをスライド3枚目以降で示しております。
まず、院外処方についてでございます。現在の兼務医師同様に、合同運営委員会分科会において個別に審議するというところでございまして、第三者評価委員会に状況を報告するスキームとしております。特例審査の要件としては、患者の治療アクセスが制限されていること、処方医療機関と保険薬局との間で、血液検査、妊娠反応検査等の検査結果を文書で共有する。多くはおそらくファクスになるかと思っていますが、そのような体制が整っているということを想定しております。
責任薬剤師については、従来と同様で、安全管理手順に関する研修等を受講した上で登録することといたしまして、その業務内容についても、現在、院内で行われているような責任薬剤師の業務と同様の範囲を考えております。
スライド4枚目でございます。在宅訪問に関することでございます。
院外処方の場合と同様に、合同運営委員会の分科会において個別に審議し、第三者評価委員会に状況を報告するというスキームでございます。特例審査の要件としては、対象患者が在宅患者訪問診療料が算定される対象であることや、患者区分がA男性またはB女性であり、C女性でないことを想定しております。
薬剤師の訪問タイミングや患者の代理として薬剤管理者への説明等、医療機関内の手順と異なる部分も想定されますが、処方医及び責任薬剤師の業務内容は現在と同様の範囲をこちらも想定しております。
資料3、議題3については以上となります。
続きまして、議題4に移らせていただきます。次に、資料4-1は御報告事項になります。2024年5月に「レブラミド®」を処方された男性患者の女性パートナーの妊娠事例が報告されました。当該事例を受けた対策について、これまでの対応を御報告いたします。
まず、RevMate®合同運営委員会から処方医及び責任薬剤師の皆様に注意喚起文書を発出しておりまして、また厚生労働省からも通知を発出したところでございます。また、RevMate®の合同運営委員会から患者さん向けの注意喚起文書を発出するとともに、新しく服用中止時に配布する患者用資材を作成して患者さんに配布、また既存の資材である服薬指導箋についても内容を改訂しております。
加えまして、今回、ポマリドミドの後発品の承認を受けて安全管理手順を改訂する予定がございますので、それに合わせて、服用中止時の患者教育について手順上に明記するところでございまして、A男性及びC女性の4週間後の遵守状況の確認及び報告方法について、様式を新たに作成しまして手順上に規定することにしております。
議題4の説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 御説明ありがとうございました。
それでは、本件につきまして、御意見、御質問はございますでしょうか。
柿崎先生、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
案自体には特に異論ございませんけれども、院外処方箋の場合、ある程度患者さんが自由に調剤薬局を選べるかと思うのですけれども、この場合は、事前にTERMS®あるいはRevMate®の研修を受けた責任薬剤師がいる薬局に誘導するというか、そことの連携を事前に確認しておくというようなスキームになっているのでしょうか。
○石井会長代理 こちらにつきまして御回答をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
先生の御指摘のとおりでございまして、現在、院内で責任薬剤師のほうが、e-ラーニング等で事前に胎児曝露の防止のことを学んでいただいて対応するというスキームになっておりますので、そのような形で院外薬局のほうでも進めていくというようなことを想定しております。
○柿崎委員 分かりました。
○石井会長代理 それでは。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
補足しますと、薬局の場合、通常だと患者さんがどこでも処方箋を持っていけるという状況になるのですけれども、今回の場合というのは、ちゃんとした安全管理が必要なので、先ほどのような手順を学ばなければいけないということがあるので、まず、患者さんが薬局を選んでもらう。患者選択が第1になっていまして、それで、そこの薬局で責任薬剤師になる方が一通りの研修を受けていただいて理解する。それを基に対応するといった流れになると思っていますので、あらかじめそういったことを決めていくことが大事になってくるスキームかと認識しております。
○柿崎委員 承知しました。
○石井会長代理 次に、舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
1点、院外処方・訪問診療に係る対応案については賛同いたします。
1点、事務局に確認がございます。先ほど、患者の治療アクセス制限がされていることと、処方医療機関と保険薬局の間で血液検査、妊娠反応検査等の検査結果、要配慮個人情報を文書で共有する体制が整っているということがありまして、事務局のほうから、この文書で共有するやり取りは、主にファクスを想定されているということで、ファクスの誤送信を含めて、ちょっと気になるところなのですが、諸外国ではどのような形で共有されているのでしょうか。
○石井会長代理 それでは、事務局からお願いします。
○事務局 御質問いただき、ありがとうございます。
BMS社にも、米国における胎児曝露の防止手順というところを確認いたしました。その中で、米国においては、検査結果の確認の役割というのが薬剤師としては想定されていないというところでございますので、医療機関から薬局への検査値を情報伝達するようなスキームにはなっておりませんというのが回答になります。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
今回、限定された部分でございますし、逆に、我が国では医療機関と薬局との連携を、質の高い安全対策が敷かれた状態で行うことを理解していますので、その対応案に対しては賛同いたします。
一方で、ファクス、先ほど誤送信もそうですが、要配慮個人情報については、今後の医療DX施策に合わせて、現場の声を聞きながら、引き続き検討いただけたらと思います。
以上です。
○石井会長代理 ありがとうございます。
ほかにございませんでしょうか。
それでは、石黒先生、お願いいたします。
○石黒委員 ありがとうございます。
今回の改訂と方針の追加ということに対しては、特に異論ありません。
あと、先ほどの議題1にも少し共通する点で、1点コメントさせていただきます。安全対策措置としてリスク最小化策を講じるところが、今回の論点だと思うのですけれども、この施策を打った後、それが本当に有効に機能しているかどうか、それが本当に効率的かつ効果的に動いているかの評価という点も非常に重要な点かと思っております。今日の議題の論点ではないかもしれませんが、その点も踏まえて、今後の検討課題として御認識いただきたいと思いながら議論を伺っておりました。よろしくお願いいたします。
○石井会長代理 ありがとうございます。
事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
今後のRMPの法改正の部分も含めて、きちんとこのような注意喚起事項も含めて評価を行っていくというところも課題と認識しておりますので、対応を進めまいりたいと思います。
○審議官 審議官の佐藤です。
このサリドマイドとかレナリドミドの安全管理手順については、実際に医薬品を承認する際から適用しているものでございまして、この手順がきちんと機能しているかどうかについては、第三者による定期的な確認を行うスキームというものも入っております。それをこれまでもずっと定期的にやってきているわけでありますけれども、この改正された手順についても、それに基づいて、第三者監視機関における、このシステムの実効性については、引き続き確認していきたいと思いますので、よろしく御支援をお願いしたいと思います。
○石井会長代理 舟越委員、ありますか。
○舟越委員 すみません、追加で石黒先生のことではないのですが、令和6年6月25日に発言したことを思い出したのですけれども、参考資料2-1の、今回、レナリドミドの30施設に対する結果を確認したのですが、安全対策に特段の混乱は生じていないということで、現場でも、当院でも同じような感覚を認識しています。ただ、この30施設の現場意見に、デバイスや運用の手順が異なることについての作業負担の意見が載っていて、想定どおりだなと思っています。
また、返品とか廃棄の流れについては、今後、また別の第三者評価の中で検討されていくと思いますが、コメントだけですが、ポマリドミドのほうが処方調剤数は全然多くて、さらにこのようにサリドマイド関連製剤は新たな治験、また開発もされていると伺っております。デバイスや運用については、現場の作業負担はちょっとあるということだけ認識しておいていただきたくて、もう少し統一してもらいたいなと思っております。
申し訳ありません。コメントでございます。以上です。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長でございます。
御意見だけということでしたけれども、管理手順が2つ、この制度ではございまして、そこが微妙に記載が違っているとか、運用が違うということが、医療現場から声があると認識しているところでございます。もともとの経緯から、それぞれの手順ができたということがあるのですけれども、幾度の改訂の中では整合性を取っている部分もございますし、そういったところはできる限り、合わせていきたいと考えています。
ただ、一気に合わせると、今の手順で対応しているところもあるので、現場の意見を改訂の議論の中でいただきながら対応しているところでございますので、そういったところを踏まえて考えていきたい課題として認識しております。
○石井会長代理 よろしいでしょうか。
○舟越委員 了解しました。ありがとうございます。
○石井会長代理 ほかにございますか。
それでは、議決を取りたいと思います。資料2-1、資料3-1の対応案に示されている内容どおり進めることでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○石井会長代理 皆さんうなずいていただいていますので、賛同ということでありがとうございます。
まだ、これから課題があると思いますので、事務局のほうにてどうぞ御対応のほど、よろしくお願いいたします。この議題につきましては、異論なしとさせていただきます。
それでは、本議題に関する今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
御議論いただき、ありがとうございます。TERMS®、RevMate®の製造販売業者に対しまして、本日の審議結果のとおり対応するよう指示いたします。
事務局からは以上でございます。
○石井会長代理 ありがとうございました。
それでは、本議題は終了したいと思います。
予定していた議題は以上ですが、事務局から何かありますでしょうか。
○事務局 特にございません。
次回の開催につきましては、改めて御連絡いたします。
事務局からは以上です。
○石井会長代理 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

