第107回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会 議事録

日時

令和8年4月13日(月) 16:30~18:30

場所

会場
厚生労働省 職業安定局第1会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎第5号館12階公園側)
 

議事

○仙田外国人雇用対策課長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第107回「労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」を開催いたします。
 議事に先立ちまして、雇用対策基本問題部会に新たな使用者代表委員として、五嶋委員に代わり東京ガス株式会社の廣幡委員、原田委員に代わりダイキン工業株式会社の今西委員が就任されております。
 事務局からの報告は以上となります。
 以降の議事進行につきましては、玄田部会長よりお願いいたします。
○玄田部会長 それでは、改めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 冒頭一言おわび申し上げます。当初の予定は16時からでしたけれども、私のほうの都合で16時半にさせていただきました。御協力いただきありがとうございました。
 では、早速始めさせていただきます。
 本日の出欠状況についてでございます。労働者代表の奥委員、才委員、お二人が御欠席と伺っております。よろしくお願いいたします。
 あと、廣幡委員がお入りになる御予定ではございますので、途中から御参加いただけるものと思います。
 それから、今日は代理の方がいらっしゃいます。冨髙委員の代理として、日本労働組合総連合会労働法制局長の漆原様。よろしくお願いいたします。
 伊中委員の代理としまして、全国中小企業団体中央会労働政策部審議役、木村様。よろしくお願いいたします。
 それでは、カメラ撮影はここまでです。よろしゅうございますでしょうか。
 本日の部会はZoomによるオンラインと会場での開催となります。オンラインでの発言方法等につきましては、事前に事務局より送付している「職業安定分科会雇用対策基本問題部会の開催・参加方法について」に沿って操作いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 本日の議題は、「当面の外国人雇用対策について」でございます。
 最初に事務局より説明をお願いいたします。
○仙田外国人雇用対策課長補佐 それでは、資料1をお願いいたします。
 3ページ目をお願いします。日本で就労している外国人は、2025年10月末時点で約257万人となっています。
 4ページ目。日本で就労する外国人のカテゴリーについて、就労目的で在留が認められる者約86.6万人と最も多くなっています。
 5ページ目。就労が認められる在留資格、身分に基づく在留資格等の一覧となります。
 6ページ目。産業別に増加率の大きい順で見ますと、「医療、福祉」「宿泊業、飲食サービス業」「建設業」の順となっています。
 7ページ目。割合で見ますと、「製造業」が最も多く、外国人労働者全体の24.7%を占めています。
 8ページ目。国籍別に増加率の大きい順で見ますと、「ミャンマー」「インドネシア」「スリランカ」となっています。
 9ページ目。国籍別・在留資格別に見ますと、ベトナムは「専門的・技術的分野の在留資格」「技能実習」が多く、ネパールは「資格外活動」、インドネシアは「技能実習」、フィリピンやブラジル、ペルーは「身分に基づく在留資格」が多くなっています。
 10ページ目。外国人を雇用する事業所数は、2025年10月末時点で約37万所、前年比8.5%増となっています。
 11ページ目。外国人労働者を雇用する理由を見ますと、「労働力不足の解消・緩和のため」が最も多く、69%となっており、次いで「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が54.7%、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」「日本人にはない知識、技能の活用を期待して」の順となっています。
 12ページ目。外国人労働者の雇用に関する課題を見ますと、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が最も多く、43.9%となっており、次いで「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」「在留資格によっては在留期間の上限がある」「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」の順となっています。
 13ページ目。外国人労働者の日本語能力(会話)を見ますと、「日常的なことなら短い会話に参加できる」「幅広い話題について自由に会話できる」「身近な話題についての会話はできる」の順となっており、「日本語で会話はほとんどできない」は1.8%となっています。
 14ページ目。外国人労働者の日本語能力(読解)を見ますと、「JLPT日本語能力試験N3レベル」「N4レベル」「N5レベル」の順となっています。「日本語はほとんどわからない」は6.4%となっています。
 15ページ目。入職前居住地が日本以外であった外国人労働者の入職経路を見ますと、「出身国・地域の紹介会社・個人」が最も多く、次いで「出身国・地域の語学学校」「日本国内の紹介会社・個人」の順となっています。
 16ページ目。入職前居住地が日本であった場合の外国人労働者の入職経路を見ますと、「知人、友人」が35.2%と最も多く、次いで「求人広告」「日本国内の民間紹介会社」の順となっています。
 17ページ目。今の仕事をする上でのトラブルや困ったことの有無を見ますと、「あり」が10.9%となっており、そのうちトラブル等の内容を見ますと、「紹介会社(送出機関を含む)の費用が高かった」が18.6%と最も多く、次いで「トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからなかった」「事前の説明以上に高い日本語能力を求められた」の順となっています。
 18ページ目。令和6年において、退去強制手続等が執られた入管法違反者のうち、オーバーステイや、在留資格で認められた範囲を超えて働く等の不法就労を行った外国人の数は、平成26年に比べ2倍以上に増加しています。
 19ページ目。警察等が偽造在留カード所持等で検挙した件数は直近数年間で減少しているものの、400件程度発生しています。
 20ページ目。不法残留者、推計非正規移民数についての各国の状況となります。こちらは比較する数値が異なる点、御留意をお願いいたします。
 21ページ目。各国の外国人比率を示したものとなります。
 続いて、2、育成就労制度・特定技能制度をはじめ最近の外国人政策の動きについてです。
 23ページ目。育成就労法の参議院附帯決議において、政府は、外国人労働者をめぐる労働・雇用管理に関する問題が発生している状況に鑑み、外国人雇用管理指針を含め、外国人労働者の雇用管理に関する法令の在り方についての検討を行うこと。その際、労働政策審議会等、労使が参画する会議体において必要な議論を行うものとすること。とされています。
 24ページ目。外国人雇用管理指針について、外国人を雇用する事業主が遵守すべき法令や、努めるべき雇用管理の内容などを盛り込んだものであります。ハローワークがこの指針に基づき、必要な助言・指導を行っています。
 25ページ目。特定技能・育成就労の基本方針が令和7年3月11日に閣議決定となり、両制度の運用に関し基本的な考え方が定められました。
 26ページ、27ページ目。今年1月に分野別運用方針が閣議決定となり、特定産業分野に3分野を追加し19分野とすること、育成就労産業分野をそのうちの17分野とすること、生産性向上や国内人材確保の取組の強化をしてもなお不足すると見込まれる令和10年度末までの受入見込み数を設定し、これを両制度における外国人の受入れの上限とすることなどが定められております。
 28ページ目から30ページ目。こちらは育成就労制度の転籍支援に係るハローワークと外国人育成就労機構の連携についての法令でございます。転籍の関与に関しては、監理支援機関、育成就労機構、ハローワーク、地方運輸局に限られておりまして、相互に連携を図りながら協力しなければならないものとなります。
 31ページ目。日本語教育推進法の動きについて、認定日本語教育機関の活用等がございます。また、事業主の責務として、外国人等へ日本語学習機会の提供等に努めることとされています。
 32ページ目と33ページ目。就労についてのプログラム、日本語教員の国家資格化などがございます。
 34ページ目、35ページ目。実施状況の記載、ポータルサイトの運用がございます。
 36ページ目。1月の関係閣僚会議において決定された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」について御説明いたします。
 概要について、37ページ目に外国人雇用状況届出制度の運用改善について、悪質な事案での警察等関係機関との連携強化、また、在留カード等読取アプリの取組などの記載がございます。
 少し飛ばしまして、43ページ目。主な外国人雇用対策部分についてまとめております。特定技能・育成就労制度、日本語教育、相談体制の強化、政府統計の記載などがございます。
 44から48ページ目は対応策の本文となります。
 49ページ目。外国人雇用状況届出について、事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合またはその雇用する外国人が離職した場合、ハローワークに届出をする義務があり、未届・虚偽届については罰金の対象となります。
 50ページ目。在留カード等読取アプリケーションについて。こちらは入管庁が偽変造在留カード対策としてリリースしているアプリでございます。厚生労働省においても事業主に対し、積極的な活用について周知をしているところでございます。
 51ページ目。令和8年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードを一体化した特定在留カードが運用開始となります。
 資料1について以上となります。よろしくお願いいたします。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 それでは、資料1に関しまして、今、事務局からいただいた説明内容につきまして御質問、御意見などございましたら、挙手もしくは「手を挙げる」ボタンをクリックし、私が指名させていただきますので、お名前を名乗ってから御発言いただければと思います。どなたからでも結構です。
 いかがでしょうか。特によろしゅうございますでしょうか。
 特にないようでしたら、資料2に移りまして、場合によっては資料1に戻っていただくという形で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に移りたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。
○仙田外国人雇用対策課長補佐 ありがとうございます。
 資料2を御覧ください。「当面の外国人雇用対策として考えられる課題」についてお願いいたします。
 こちらは令和8年3月に外国人雇用対策の在り方に関する検討会においてまとめたものとなります。
 外国人労働者数は、令和7年10月時点で約257万人となっており、10年前の約3倍となっているところです。
 当検討会で中間取りまとめを公表し、エビデンスに基づいた外国人雇用対策を講じるべきこと、また、長期キャリアを前提とした就労環境を整備していくべきこと等の提言をいただいております。
 このうち、令和5年より「外国人雇用実態調査」が開始され、また、ハローワークの多言語対応が進み、多言語用語集、モデル就業規則(やさしい日本語版)の周知などを進めているところでございます。
 加えて、約10年で約3倍程度外国人労働者数が増加しているにもかかわらず、不法就労やオーバーステイの絶対数は国際的に見ても少なく、日本の外国人労働者施策のパフォーマンスは良好であるという指摘もありました。
 しかし、育成就労などの制度的な動きがあったことに加え、人手不足の状況が強調されるようになり、外国人材を必要とする分野があることは事実でございますが、一部の外国人や悪質な事業主による違法行為やルールの逸脱に対して、国民や健全な事業主が不安や不公平を感じる状況が生じている。そうした状況の中で、外国人労働者が安全・安心に働くために対応が必要。
 「秩序ある共生社会」の考え方を明確にし、各般にわたる施策を検討、実施しているところでございます。
 こうした状況を踏まえ、当検討会で令和8年2月より2回にわたり議論を行い、下記のとおり、当面の外国人雇用対策として考えられる課題を整理したところでございます。
 1、事業主の適切な雇用管理の重要性について。
 (事業主の雇用管理の在り方)について。適正な雇用管理は雇用している事業主の基本的な責務であること。また、生活者としての観点でも考えることが重要であること。さらに、大企業と中小企業のコストのバランスに配慮すべき。
 (外国人雇用管理指針の在り方)について。外国人労働者に特化した法律が必要であり、適切な雇用管理を事業主に求めることが必要。一律に規制・管理を強化するのではなく、一部の悪質な事業主や仲介業者への対応を厳格化するなど、ルールを守っている企業に追加的な負担を生じさせるべきではない。現状も厳しいルールがあるので、過度に押しつけるべきではないこと。基本法や司令塔がまず必要であり、そうしたことに取り組むべきであること。指針は、各制度を横串的に、網羅的に記載されており、この内容をアップデートしていくとともに、周知が重要であること。といった課題、意見がございました。
 2、外国人雇用の課題について。
 (日本語教育)について。日本語推進法が公布され、事業主は、外国人労働者等に対する日本語学習の機会の提供その他の支援に努めることとされており、指針にも明記すべきではないか。また、AIの活用が重要であること。さらに、質だけでなく、量の充実が重要であり、文部科学省だけではなく、出入国在留管理庁、厚生労働省等も連携して対応すべき。
 (外国人労働者の採用・処遇)について。事業主が、短時間・有期雇用労働者または派遣労働者を雇い入れる際に、通常の労働者との間の待遇の内容及び理由等に関する説明を求めることができる旨の改正予定があり、こちらは指針に盛り込むべきではないか。外国人労働者にも同一労働同一賃金が適用されること、教育訓練について、指針に盛り込み、内容を充実させるべきではないか。
 (外国人労働者が支払う手数料)について。事業主は送出機関の適正性を確認するといったことを明示すべきである。送出機関について全体を俯瞰できる情報がないため、国の支援が必要ではないか。
 (トラブル等の相談窓口)について。相談窓口を十分周知することに加え、事業主からも相談先を教示する運用が必要ではないか。トラブルが解決されない場合は、不法就労になりかねないため、適正な雇用・就労環境の整備が必要ではないか。
 (関係省庁・地方公共団体との連携)について。関係省庁との連携を強化すべき。生活習慣、社会、労働関係のルールの教育も必要である。また、統合プログラムの実施が重要であり、就労に関する日本語などについては企業が責任を負うべきだが、生活、基本ルールについては国が主導的に担い、地域特有の支援については地方公共団体が補完するといった役割分担を明確にすることが重要ではないか。といった課題、意見がございました。
 続きまして、3、外国人雇用状況届出制度の運用改善。
 (運用改善の方向性)について。個別事案等から運用の在り方を精査すべき。悪質な事業者に対しては厳格な運用が必要。アプリを活用することは有効であり、併せて事業主の事務負担の軽減という視点も検討すべき。資格外就労については不法就労助長罪に当たること、未届・虚偽の届出をした場合には罰則があることを指針に記載すべき。
 (外国人雇用状況届出制度の在り方)について。現行では雇入れ時・離職時の届出に限定されているが、年1回程度の定期的な報告が必要ではないか。届出事項に派遣先事業所に関する事項を追加し、把握できるようにすべきではないか。また、不適切な事案が発生した場合には、事業者に対して厳格な対応を行うことが必要。就労先の情報も記載することについては、入管庁の在留許可制度において一義的に対応すべき問題。さらに、過剰な負担となることに留意が必要ではないか。事務負担の煩雑さが指摘されており、一律に追加的な事務負担を求めるべきではない。といった課題、意見がございました。
 4、外国人雇用に関するハローワークの役割について。
 (ハローワークによる支援の充実)について。全国に所在しているハローワークに行けば、無料で相談、情報を得ることができ、体制の整備が必要ではないか。特定技能1号の転籍状況を把握した上で、論点整理をすべき。ハローワークの機能について周知が必要。就労可能な在留資格全体の支援が必要。通訳配置の推進や認知度の向上、周知が必要。育成就労における転籍支援は、監理支援機関だけでは限界があり、ハローワーク、外国人育成就労機構の支援が充実されるように体制整備が必要。育成就労が創設された目的や背景に関して理解が進むような発信の強化、雇用管理の留意事項等について、周知の工夫が必要。
 (外国人雇用管理指針)について。育成就労制度の創設を受けて、育成就労制度の基本方針、分野別運用方針、また、運用要領などに沿った雇用管理が必要であることを指針に記載すべき。といった課題、意見がありました。
 最後、5、外国人雇用実態調査。
 (外国人雇用実態調査の更なる活用)について。調査内容を充実させるべきという意見がございました。
 資料2については以上となります。
 続きまして、資料3についてお願いいたします。こちらは「当面の外国人雇用対策の対応として考えられる論点(案)」となります。
 (論点設定の考え方)として、外国人雇用対策の在り方に関する検討会において「当面の外国人雇用対策として考えられる課題」が取りまとめられ、この「当面の外国人雇用対策として考えられる課題」における意見は、「有識者に加え、労使双方の認識が直ちに実施すべき内容」と「引き続き関係者における検討を要する内容」に分かれました。
 このうち、「有識者に加え、労使双方の認識が直ちに実施すべき内容」を当面の外国人雇用対策の対応として考えられる論点案としてはいかがか。
 これに加え、令和8年6月14日より特定在留カードの運用が開始されるといった動きがございます。こうした動きも論点としてはいかがかとなります。
 論点1、外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針の改正の是非。
 指針の内容をアップデートすることや周知を図ることの重要性が指摘されております。こうした内容を踏まえ、指針の改正をしてはどうか。
 指針を改正する場合には、検討会での議論を踏まえ、以下の改正内容が考えられるところとなります。
 論点1-1、事業主の適切な雇用管理。事業主の雇用管理の徹底が必要であるとの意見があったことを踏まえ、労働施策総合推進法に規定される事業主の責務について、指針上も記載することとしてはどうか。また、秩序ある共生社会を実現するためには、指針において外国人労働者を雇用する事業主の雇用管理が重要であることを改めて明記してはどうか。
 論点1-2、不法就労の防止・不法就労助長罪。不法就労が生じないよう、事業主による適正な雇用・就労環境の整備が必要であるとの意見があったことを踏まえ、指針において「不法就労の防止等の観点からも、適切な雇用管理を行うことが事業主の責務である」ことを明記してはどうか。
 また、検討会では、事業主が資格外就労をさせることが、入管法に規定する不法就労助長罪に当たることや、外国人雇用状況届出の未届・虚偽の届出をした場合の罰則を指針に記載すべきといった意見もあったことから、指針においてその旨を記載すべきではないか。
 論点1-3、同一労働同一賃金の適用等。外国人労働者であっても同一労働同一賃金が適用されることを指針に盛り込むべきとの意見がございました。指針には、不合理な待遇の禁止等の内容が既に記載されているところではございますが、指針の内容を充実させる観点から、外国人労働者についても短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針が適用されることを重ねて外国人雇用管理指針に明記してはどうか。
 また、事業主が、短時間・有期雇用労働者または派遣労働者を雇い入れる際に、通常の労働者との間の待遇の内容や理由等に関する説明を求めることができる旨を労働条件明示の1つとする改正が予定されているため、こうした内容についても、指針において明記すべきではないか。
 論点1-4、日本語教育。共生社会を実現するために、生活者としての観点でも考えることが重要ということや、日本語教育の重要性についての意見があったことを踏まえ、指針において「日本語教育推進法に基づき、事業主は外国人労働者やその家族に対する日本語学習の機会の提供に努める」ことを記載してはどうか。
 論点1-5、教育訓練。教育訓練に係る内容の充実を求める意見があったところ、指針には、事業主は、教育訓練の実施その他必要な措置を講ずるよう努めることとされていること、外国人労働者に対する教育訓練も重要であることが明示されています。
 一方、職場におけるコミュニケーションを通じて、職場において教育訓練が円滑に実施され、確実に研修の効果を上げるために、指針において「日本語能力に配慮した」教育の実施その他必要な措置を講ずるよう努めることとする見直しをしてはどうか。
 論点1-6、外国人雇用状況届出制度の運用改善。届出をするために、事業主が在留カードを確認する必要について、その際に、在留カード等読取アプリケーションを活用することは在留資格の確認に当たって有効であるとの意見があったことを踏まえ、指針において「外国人雇用状況を届け出る際には、当該アプリケーションの使用が適切である」ことを記載してはどうか。
 論点1-7、育成就労制度。育成就労制度の創設を受けて、育成就労制度に係る基本方針等の内容に沿った雇用管理が必要であることを指針に記載すべきという意見がございました。こちらを踏まえ、指針において育成就労制度の内容を記載してはどうか。
 また、検討会において、外国人労働者の送出機関の適正性を確認することを明示すべきという意見もございました。しかし、指針の性質上、現行の法令等の定めを超えた内容を盛り込むことは困難であるため、意見の趣旨を踏まえ、育成就労外国人が送出機関に支払う手数料が不当に高額とならないこと、送出機関が二国間取決めを絡んでいる国または地域の公的機関から推薦を受けている機関に限られていることなどに留意が必要であることを明記してはどうか。
 論点2へ進みます。労働施策の総合的な推進に関する並びに労働者の雇用の安定及び
職業生活の充実等に関する法律施行規則の改正の是非につきまして。
 令和8年6月14日以降、在留カードとマイナンバーカードが一体化した「特定在留カード」の交付が開始されることに加え、検討会において、外国人雇用状況の届出時の事業主負担の軽減についての意見がございました。労推法施行規則を改正してはどうか。
 また、以下の改正内容が考えられるのではないか。
 論点2-1、外国人雇用状況届出の様式改正。様式の形式修正を行うことが適当ではないか。
 論点2-2、外国人雇用状況届出事項の改正。適切な雇用管理を事業主に求める必要性や外国人雇用状況届出の厳格な運用等が指摘された一方、在留資格の事務負担の煩雑さが指摘されています。在留カード等読取アプリケーションの活用に当たって、事業主の事務負担の軽減という視点も併せて検討すべきという意見もございました。
 現在、在留資格「特定技能」の特定産業分野や、「特定活動」として法務大臣が指定する活動について、外国人雇用状況の届出事項に含まれているところ、当該事項は、入管法施行規則に定める指定書により確認することとされています。
 この点について、在留カード等読取アプリケーションの活用により、届出に当たっての確認作業を完結させ、届け出ることを可能としてはどうか。
 なお、可能とした場合においても、入管法上、事業主は在留資格の範囲内で就労させる義務があることから、外国人労働者を雇用するに当たっては、引き続き指定書も含め、在留カード等で就労範囲を確認し、例えば特定技能外国人であれば在留カードや指定書等の情報について一定期間保存する必要があることについて変更がないことを厚生労働省においてもリーフレット等で注意喚起することとしてはどうか。
 論点3、厚生労働大臣が定める外国人雇用状況の通知の様式を定める件の改正の是非でございます。
 事業主同様、国や地方公共団体の任免権者も、外国人を雇い入れた場合、雇用する外国人が離職した場合に、厚生労働大臣が定める様式により、通知することとされています。外国人雇用状況届出の様式を改正する場合、上記論点と同様の改正を行うことが適当ではないか。
 資料3について以上となります。よろしくお願いいたします。
○玄田部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、今、御説明がありました資料2及び資料3につきまして御意見、御質問などございましたらお願いいたします。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。それでは、志賀委員、どうぞ。
○志賀委員 ありがとうございます。
 論点の御説明、おまとめ、誠にありがとうございます。私からは2点発言させていただきたいと思います。
 まず、論点1-4の事業主の日本語教育の機会提供につきまして、法律に明記されている内容を指針に記載するという趣旨は理解いたしますが、その上で一言申し上げたいと思います。外国人労働者本人に対して、就労に関する日本語教育の機会の提供・支援を事業主が主体的に行うということは当然ではありますけれども、外国人労働者とその家族というのは地域の生活者でもありますことを踏まえると、生活に関する日本語教育の機会提供・支援に関しては、国や自治体が主体的に行うべきと考えております。
 資料2の5ページにも記載いただいておりますように、国や自治体が担う役割分担を明確にした上で、外国人とその家族に対し、生活に関する日本語教育を行う体制整備を一層進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 2点目です。論点2-1、在留カードとマイナンバーカードが一体化した「特定在留カード」の交付。こちらは今年6月からと承知しておりますけれども、在留カード等読取アプリケーションの活用を促進していくことというのは、正確な情報の把握と事務手続の軽減負担の観点からとても有効な手段と考えております。
 加えて、出入国在留管理庁による在留許可手続や厚生労働省による雇用管理手続に関する情報を各関係者間で共有できるネットワークを構築することで、事務手続を一層効率化できると考えますので、ぜひ早期に実現いただきますようお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○玄田部会長 御意見ありがとうございました。
 前回同様、二、三御質問をいただいた上で、まとめて事務局から御回答いただき、また改めて御質問、御意見をいただければと思っております。そのほか、御質問、御意見、いかがでしょうか。漆原代理、お願いいたします。
○漆原代理 冨髙の代理で参加をしております連合の漆原でございます。
 まず、総論的なところから発言させていただきます。外国人労働者に関する施策を考える上で、労働者としての観点に加え、生活者の観点からも考えることが重要であると思っております。外国人労働者が安心して安全に働くためには、事業主による雇用管理に加えて、日本語教育や住宅、子供の教育、社会保障などの環境整備、そしてそれらの負担を誰が担うのかということも含めた議論が必要だと考えております。
 その上で、外国人労働者であっても既に労働関係法令や入管法令は適用されているものの、雇用管理については、現在法的な拘束力のない雇用管理指針があるのみであるということ。また、雇用管理という面では、入管法や日本語能力なども含め、特別に配慮すべき事項もあることから、論点として示された指針の追記案に加え、適切な雇用管理や労働関係法令遵守を企業に求める法律が必要であると考えております。そして、その法律に基づき適切な雇用管理を推進していくという視点が必要ではないかと考えます。
 資料3の1ページ目の(論点設定の考え方)というところに、「引き続き関係者における検討を要する内容」とされた事項について、今後、当部会も含め、労政審において議論が必要となることも想定されますが、いつどのように議論を進めていくのか、その確認をさせていただければと思います。
 次に、日本語教育についてです。事前に議論された検討会においては、日本語能力と賃金に関する分析結果が資料として示され、日本語能力が高いほど賃金が高くなる傾向が示されました。外国人労働者が日本語で円滑にコミュニケーションを取って十分に活躍するためにも、外国人労働者を受け入れている分野の業所管省庁とも連携し、日本語教育に関する予算を十分に確保した上で、適切な教育を実施することが重要ではないかと考えます。
 また、トラブル等の相談窓口について、連合や連合加盟の産業別の構成組織においてもパワハラや賃金未払いなど、外国人労働者からの多様な相談が数多く寄せられています。検討会でも申し上げましたが、外国人が困ったときにいつでも安心して母国語で相談できる窓口があることが重要であり、とりわけ公的な相談窓口の活用が進むよう、一層の周知が必要ではないかと思います。制度所管省庁の周知の取組に加え、事業主からも相談先を案内するような運用をお願いしたいと考えております。
 最後に、資料3の論点2-2、外国人雇用状況届出事項の改正について、事業主における在留資格の業務負担の煩雑さや事務負担の軽減の必要性は一定理解するものの、指定書において、例えば特定技能の特定産業分野や特定活動などに関して、就労できる範囲を確認することは、事業主が外国人労働者の就労範囲を改めて認識し、不法就労を防止する観点からも重要であると考えております。
 今回、指定書で確認する項目を届出事項から落とし、アプリで読み取った情報で届出作業を完結できる案が示されておりますが、指定書の確認については引き続き実施し、情報を保存する必要があることを事業主に十分に周知するとともに、厚生労働省においては、実地調査などの際に保存状況を確認するようお願いします。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 では、木村代理、お願いいたします。
○木村代理 本日、伊中委員の代理で出席をさせていただいております全国中央会の木村と申します。私のほうからも幾つか申し上げたいと思います。
 まず、外国人雇用対策の論点についてということで、有識者検討会の課題も踏まえて御説明をいただきまして、ありがとうございました。これから育成就労制度の施行を控えまして、ほかの在留資格も含めて国内の外国人就労者がますます増えていくということは当然予想されておりまして、その中で事業主が外国人の雇用から退職まで一連の雇用管理の中で、実務における留意事項が指針に分かりやすく明記されれば本当にありがたいなと思っております。
 特に、先ほど資料2の8ページや、資料3の4ページのご説明にもございましたけれども、育成就労制度の創設によりまして公表されました基本方針、分野別運用方針、運用要領のポイントになるところや、育成就労制度の概要を指針に盛り込んでいただきますと、これから制度を利用しようとする中小企業にとっては大変ありがたいと思っております。全てを盛り込むことは、指針については難しいと思うのですが、先ほどありましたように、手数料が不当に高額にならないよう、送出機関が二国間取決めを結んでいる国、あるいは公的機関の推薦を受けた機関であるかどうかといったような、判断に必要なポイントは指針にも盛り込んでいただけると非常にありがたいと思っております。
 また、先ほど御発言がございましたけれども、日本語教育も含めて、人材教育というのは、外国人に限らず重要ですけれども、やはり言葉の違いとか生活習慣の違いといったところから、日本人に対する人材教育以上に難しい面はございますので、事業主がしっかり取り組んでいけるような一層の環境整備といったところはお願いしたいなと思っております。
 以上です。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 では、一旦ここで取りまとめて、事務局から御回答をお願いしたいと思います。課長、お願いいたします。
○安藤外国人雇用対策課長 外国人雇用対策課長の安藤でございます。
 まず、志賀委員より2点御意見がございました。1点目は、日本語教育推進法ということであるが、一言で言えば、事業主だけに家族とかの日本語教育を押しつけるなというお話だったと思います。資料1の31ページ、今回事業主の責務のところをすごくピックアップしておりますが、当然ながら国も自治体もそれぞれ責務を負っております。その責務に応じた形で生活者である御家族の方に対して教育をやっていく。なおかつ、事業主が国や地方公共団体の方々と協力をした上で、さらに労働者とか労働者の家族というような形になっておりますので、またその支援はしっかりしていきたいと思っておりますし、そこに魂を入れるような形で。実際は文部科学省が率先してやることになりますけれども、厚生労働省も職場というところがございますので、いい形で連携して進めさせていただければと思っています。
 2点目は、関係者間のネットワークについて言及されたかと思います。事業主指導をするに当たって、今回外国人のところ。連合の漆原代理からも御発言があったと思いますが、労働だけやればいいというわけではなくて、生活面も含めてシームレスでやる必要性があると思います。その意味で言うと、厚生労働省だけではなくて、文科省、入管庁、それぞれ協力をし合っていくというところは重要だと思っております。具体的にネットワークとかについて課題を本日いただいたと思いますので、その辺については、詳細はいろいろな関係者の方とも相談させていただきながら、またそれぞれ諸団体の皆さんとも御相談できればと思っておるところです。
 続いて、漆原代理から御発言がありましたけれども、外国人雇用管理指針の法制化の話。こちらにつきましては検討会でも御議論があったと承知しております。引き続き労政審でどの程度のタイミングで御確認されたいという意見だったと思いますが、この点は今回連合から意見提出があったと思いますけれども、当然ながら相対する使用者側の御意見、また、公益の皆さんの御意見というのもありますので、そういったものをお伺いしながら、関係者の方と相談をさせていただきながら進めさせていただければと思っております。
 漆原代理の2点目、外国人が困った場合に窓口の周知が必要というところでございます。この点、今回指針には直接載せておりません。指針というのは事業主に守っていただくという性格のものでございますので、今回載せておりませんけれども、正直申し上げると、行政をあずかっておる私の立場といたしましては、今回の実態調査の結果で窓口が知られていないというのが衝撃を受けております。というのも、この手のものは、行政のスタイルとして何かにつけて周知徹底を図っていきますという形でやっておって、13か国語で相談できるようなリーフレットもつくってはいるのですが、そういったものが必要とされている方に伝わっていないのではないかというところは、非常に衝撃を受けておりまして、この辺、周知の在り方については連合の皆様、使用者の皆様、事業主の皆様、公益の皆様も含めて、どういった形でやれば効果的にやることができるのかということを検討させていただければと思います。
 実地調査の件がありました。厚生労働省もハローワークを通じまして実地調査という形でやっておりまして、その際にきちんとこういった項目も含めて、適切に雇用管理されているかどうかというのを含めて見ていきたいと思っております。
 木村代理からの御質問、論点について指針の云々というお話がありましたが、それはまさにここで御議論していただくことと認識しておりますが、一方で、一層の事業主支援とかの整備が必要というところにつきましては、今回御審議していただいた内容も含めて、厚生労働省としても施策面で何ができるかというのを考えていきたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
○玄田部会長 引き続き関係者における検討というのは、いつどういうスケジュールでというのは書いてありましたか。
○安藤外国人雇用対策課長 そこは事業主とか公益の皆さんと相談をさせていただきながら進めて。
○玄田部会長 具体的にいつかというのは、今のところまだないということ。
○安藤外国人雇用対策課長 そこも含めて事業主の皆様と公益の皆様と相談させていただきながらさせていただきたいと思います。
○玄田部会長 だそうです。よろしゅうございますか。
 御説明ありがとうございました。
 では、引き続き御質問、御意見などございましたら、どなたでも結構です。それでは、中野委員、お願いいたします。
○中野委員 改めまして、労働側で損害保険労働組合連合会の中野と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは、資料3の論点1-5の教育訓練について、発言をさせていただきたいと思います。外国人が企業に定着して活躍していくためには、日本語の教育を含む教育訓練の実施に加え、外国人労働者のキャリアパスの設定やその丁寧な説明、また、スキルアップに応じた処遇の改善といった企業における人材育成が非常に重要になると考えております。先ほど他の委員の御発言にもありましたが、企業における外国人労働者の日本語能力に配慮した各種教育訓練の実施とともに、外国人労働者への説明など、その他必要な措置についても日本語能力などに十分配慮して実施いただければと思います。
 私からは以上です。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。オンラインで御参加の委員の方も結構でございます。御質問、御意見ございましたらお願いいたします。それでは、佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 大阪大学の佐々木です。厚労省の担当者の皆様、資料をお取りまとめいただきありがとうございました。
 資料1のところで特定技能制度及び育成就労制度の運用に関する指針、並びに外国人受入れ・秩序ある共生のための総合的対策案について、初めてじっくり読ませていただいたのですけれども、理解できました。どうもありがとうございます。
 私が意見したいのは、資料3の論点1-1の事業主の適切な雇用管理についてです。これまでは日本人の事業主と外国籍の労働者との雇用関係を前提として政策議論が進められてきた面があると思いますが、近年外国籍の事業主が増加し、外国籍の事業主が外国人の労働者、特に留学生を雇用するケースがあります。その結果、事業主が外国人であることから、我が国の法令やルールを遵守せず、適切な雇用管理が行われていないことにより、賃金の不払いや不当解雇などの労働トラブルが発生している、または増加している印象を受けております。印象を受けていますと言っていますので、エビデンスがあるわけではなく、現場レベルの話ではあります。
 しかし、今後外国籍の事業主がさらに増えることが見込まれるのであるならば、我が国のルールに基づいた雇用管理の徹底を促すための指導・周知などの取組をこれまで以上に強化する必要があるのかなと思います。まだまだ少ないとは思いますけれども、長期的に考えた際には、そのような外国籍の事業主が増えることによって発生する新たな問題への対策も考えてもいいのかなと思います。
 以上です。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。阿部委員、どうぞ。
○阿部委員 御説明ありがとうございました。
 資料3の論点案についてですが、資料2の検討会における課題で示された方向性を取りまとめているものなので、特段内容に異論はありません。そちらの内容で指針の改正案と省令の改正案を作成いただければと思います。
 その上で、漆原代理から御発言がありました、労働者としてではなく生活者としての受入れをという点は、経団連も賛成しておりまして、その趣旨で各種提言をまとめております。その中で、やはり日本語教育が重要であり、労働者だけではなく、その家族や子供も含めてという点については、志賀委員がおっしゃったように、指針で取りまとめる内容としてはそのとおりでございますが、経団連としても、労働者の家族等に対して、企業がボランティアで日本語教育の支援に積極的に取り組んでいる事例等も紹介しております。どうしても大企業中心になってしまうのですが、特に愛知県で行われている取組等を紹介しておりますので、行政におかれましても、こういった事例を積極的に周知していただければと思います。
 私からは以上です。
○玄田部会長 ありがとうございます。
 比較的共通して日本語教育のところにいろいろな観点から御意見、御要望をいただいて、大変重要な論点かと思います。
 余談を言っては駄目なのですが、最近、大学の留学生が本当に日本語がうまいなと思って、「何でそんなにうまいの」と聞くと、やはりアニメの力というのはすごいですね。本当に。こんなにすごいのかと思うぐらい。早くから慣れ親しんでいるとか、好きでやっているということの効果というのはあるのでしょうね。余談でございました。
 では、今、三人の方から御意見がございましたので、事務局から御回答をお願いいたします。
○安藤外国人雇用対策課長 引き続き外国人雇用対策課長から御回答を申し上げます。
 中野委員より外国人労働者のキャリアアップということで、企業の人材育成で、その中で日本語能力というものを見据えた形でというのは重要だというご意見があったかと思います。この指針をよくよく見ますと、まず入り口の労働条件明示のところは、「母国語」とあえて書いています。そこでトラブルがあると、そこは本当に肝のところですので、そこは日本語能力とかではなく、「母国語」という形で書かせていただいた上で、研修になると、もう日本に入ってこられていますので、日本の職場で仕事をするという場合は、一般的には日本語ベースでのコミュニケーションという形になるので、来ていただいた方にも日本語を勉強していただくという趣旨で、今回「日本語能力に配慮した」という形で書かせていただいたというところでございます。
 一方で、外国人の問題を議論する際に忘れてはならない視点があろうかと思います。それは何かというと、外国人労働者だけに特化したわけではなくて、当然ながら同じ職場には日本人労働者の方もいらっしゃいますので、そこの兼ね合いを見ながら、どういうところをすればいいのかということは引き続き考えていくべき課題かと考えております。
 佐々木委員より、最近日本人事業主以外にも外国人事業主が多いというお話がありました。この辺について日本のルールが適用されるということについて、しっかりやっていくべきという御意見をいただきました。この点はまさにそのとおりだと思います。今、外国人の集住地域のハローワークへ行きますと、実際に外国の事業主の方が雇用保険の適用の手続に来られたりして、そこに通訳の方が入って、制度案内をしているという形になっております。そういったこともありますけれども、日本国内の事業主であれば、日本人であろうが外国人であろうが、日本の労働法は適用になりますし、あと、社会保険法令も適用になりますので、その辺はしっかり周知してまいりたいと思っております。
 阿部委員から愛知の大企業のほうで家族に対するボランティアで日本語の教育をやっているという事例があったかと思います。私も記事は読ませていただいておりました。またその辺は勉強させていただきながら適宜紹介をさせていただければと思っております。
 以上でございます。
○玄田部会長 では、そのほか、委員の皆様から御質問、御意見などございますでしょうか。佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 労働者側の情報産業労働組合連合会の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。私から2点申し上げたいと思います。
 1点目は送出機関についてです。資料3の論点1-7の後段にもございますが、送出機関について、育成就労制度においては、技能実習制度などにおけるトラブル等々を踏まえ、外国人が送出機関に払う全ての費用は2か月分を超えてはならないと定められております。論点でも示されているとおり、事業主においては、送出機関を選ぶ際、また、育成就労計画を策定する際に、これらの費用や政府推薦の有無、送出機関の人員体制や紹介の実績を確認した上で、適切な送出機関を選任することが重要であると考えております。
 また、近年では技能実習制度だけではなく、在留資格「技術・人文知識・国際業務」、においても、不法就労につながるような悪質な仲介事業者の存在も報道されております。厚生労働省におきましては、育成就労制度に限らず、適正な仲介事業者を選択いただくことを、事業者、事業主に周知いただきたいと思っております。こちらは先ほど木村代理からも触れられた部分かと思いますが、よろしくお願いいたします。
 2点目です。論点案には記載がない点ですが、育休などの取得の際の在留期間について意見を述べさせていただきます。外国人労働者が妊娠や出産を理由として休業することもあるかと思います。この際の措置について、昨年の見直しにより、特定技能1号においては、休業期間中も特定技能1号の在留資格が継続し、該当の期間においては5年の通算在留期間には含まれないとなりました。また、育成就労制度におきましては、育成就労を一度中断するが、同じ事業者の下で再開することができるとされております。ほかの在留資格も含めまして、事業主が適切に対応し、外国人労働者が安心して妊娠や出産、育児等々に臨めるよう、ぜひ事業主と外国人労働者双方に対しまして、妊娠・出産時の取扱いについても十分に周知、広報いただければと思います。
 私から2点、よろしくお願いいたします。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。オンラインの方もよろしゅうございますか。
 では、今、佐藤委員から御意見が2点ございましたので、御回答をお願いいたします。
○安藤外国人雇用対策課長 1点目、今回整理といたしましては、送出機関の関係につきましては、論点のほうにも書かせていただきましたが、法令をベースに書くということで、法令で定まっているものについては、今回指針のほうにも記述させていただきたいという形で提案をさせていただいております。
 また、技人国の話もされておられたかと思います。この点につきましては、入管庁とも連携し、また、入管庁のほうでもしっかりやろうという形で、技人国の派遣については強化を図るという動きもございます。そういったものも含めて、入管庁と連携して事業主に効果的に周知ができるように努めてまいりたいと思っております。
 2点目の育休の話についても、周知ということで言うと、先ほどの話で恐縮ですが、一応周知ツールはホームページとかにもうあるのですけれども、それが使われていない。しかも13か国の言語に分けてやっているにもかかわらず、それが使われていないという原因をもう一歩我々も考えていかないといけない。どちらかというと広報の在り方というところがあるとは思っているのですが、もう一度考え直してみたいなと思っております。またその辺は労使の皆さんのお知恵をお借りしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○玄田部会長 外国人の方で育休がしっかりと使われていないというトラブルなどは把握されているのですか。
○安藤外国人雇用対策課長 育休とか男女雇用機会均等法になると雇用環境・均等局になりますけれども、経済状況が悪いときになりますと、新聞記事とかでそういったものが報道されているという形では承知しておるところでございます。
○玄田部会長 そういう情報が共有できればいいし、想像ですけれども、外国人の方はしっかりと育休が取れていないし、同じ事業所にいる日本人の方もしっかりと取れていないケースと、日本人は取れているのだけれども、外国人には伝わっていないケースでは対応が違ってくるので、その辺りはぜひ均等局とも連携しながら対策を講じていただければなと思っています。広報の問題はここの部会に限らず、厚労省全体の大きな課題でありますので、またその辺りも引き続き検討いただいたり、委員の皆様からいろいろアイデア等をお寄せいただければと部会長としては思っております。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでございましょうか。何か言い残した点があれば、もう一度でも結構です。では、渡邊委員からどうぞ。
○渡邊委員 御説明ありがとうございました。
 私からは資料2の7ページからありますハローワークの役割についてといった点で少しコメントをさせていただきたいと思います。本日のテーマとなっている外国人雇用の問題をはじめ、相談窓口とか就労支援とか、いろいろな実務の中心を担っているのはハローワークということになりまして、そのハローワークに対する要望というのはいろいろとなされているかと思います。本日の外国人雇用に関する問題以外においても、障害者雇用とか高齢者に対する対応とか、そういったいろいろな要望が集まっているハローワークの運営体制が適切に対応できるよう整えられているのかといったところに少し懸念がございまして、そういったハローワークの運営体制の整備といったところにも十分留意していただきたいといったところを要望しておきたいと思います。
 以上です。
○玄田部会長 ありがとうございます。
 では、続きまして、勇上委員、お願いいたします。
○勇上委員 幅広のコメントになるのですけれども、本日御説明いただいた資料2に関してコメントいたします。特に資料2の8ページ最後に、外国人雇用対策の在り方に関する検討会が整理された課題のうち、今後の実態把握について、統計についての言及があるかと思います。検討会が御指摘のとおり、昨今の外国人労働者の増加を踏まえますと、労働市場の実態把握というのは極めて重要だと思います。
 8ページに書かれている外国人雇用実態調査というのは、令和5年度から開始されたと承知していますけれども、そうした時代の要請に応じて始められた調査として、非常に重要だと私自身も思っています。
 その背景ですけれども、私、最近外国人と日本人の関係に関する研究を進めておりますと、従来国籍別の状況が把握できる国勢調査において、外国人を含めて若い人の未回答というのが無視できないぐらい多くなってきております。また、外国人及び若い人の3分の1ぐらいは労働力状態が不詳ということで、労働者なのか、どういう状態なのかも分からないという状態になっております。つまり、既存の統計のみでは、最近増加している外国人労働者がどういう状況にあるのかということが把握するのが難しくなってきているのではないかと思います。
 ですので、私はこの検討会の御意見に賛成です。けれども、検討会の御意見は外国人雇用実態調査を継続して実施し、調査内容を充実させるべきということで結ばれていますが、実はこの調査の公表資料を拝見すると、外国人雇用状況データベースという母集団から無作為抽出してお答えいただくわけですが、事業所で有効回答率が4割、労働者で約3割弱となっています。回答率がしっかり載せられていることに敬意を表したいと思うのですが、一方で回答率が半分以下になっているということは、厚労省の一般調査統計としてはかなり寂しい状況です。また、外国人労働者、全体で見れば数が少ないものを捉える、多様性を捉える上で、その回答数も限られたものになっているということです。
 ちょっと長くなりましたけれども、政府統計をはじめ、調査環境が厳しくなってきているというのは重々承知した上ですが、外国人労働者政策を大きく変えているところでもありますので、より正確な政府統計の調査が必要になっているのではないかと思い、意見を述べさせていただきました。
○玄田部会長 ありがとうございました。
 ハローワークの運営と調査について、それぞれ御意見がございましたけれども、何か御回答はございますか。
○安藤外国人雇用対策課長 1点目、渡邊先生よりいただきましたハローワークの適切な体制整備というところにつきましては、ハローワーク全体を見渡して、どのように整備するというところは、職業安定局、別の部署でちゃんとやっておりまして、そこと相談をしながら、外国人対策についてはどういった形で必要なのかということについて検討を進めているところでございます。引き続き今回検討会のほうの意見とか渡邊先生からいただいた御意見も含めまして、ハローワークの強化策というものを検討してまいりたいと考えておるところでございます。
 続けて、勇上先生より外国人雇用実態調査についてコメントがございました。非常に評価していただいてありがとうございます。おっしゃられるとおり、回答率、なかなか思わしくないというところがあります。一方で、回答率を上げるという形になると、特に労働者調査のほうは、外国人労働者の方がお答えになられるということもあるので、一応何か国かの母国語の形での調査票を御用意させていただいて進めてはいるのですが、なかなか回答率が上がらないというところもありますので、どういう工夫ができるのかというのは引き続き検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○玄田部会長 では、御質問、御意見に関して、村山局長からも御発言があるということですので、お願いいたします。
○村山職業安定局長 先生方、どうもありがとうございます。
 先ほど渡邊委員からいただいた御質問につきまして、先ほど安藤課長からお答え申し上げましたたが、ハローワーク全体の運営体制の問題について、外国人の問題とともに障害者や高齢者の方々に対する雇用対策も含めて問題提起をいただきましたので、私のほうから一言お答えをさせていただきたいと思います。
 まず、ハローワークの体制自体でございますが、これは国全体の行政改革の要請もございまして、かなり長い間にわたりまして常勤の定員の一定の削減というのを、事務の効率化とともに進めることが計画的に行われてきたのは事実でございます。一方で、近年人口が減少する中で、この国の経済社会を支える支え手をしっかり確保していくとともに、産業構造の変化が激しくなる中で、希望に応じたそれぞれの方の労働移動を実現していくことが強く求められる中で、足元の3年間に関しましては、ハローワークの常勤職員の定員数がネットで毎年3桁を超える増員をお認めいただいております。先般成立した8年度の予算でも約100人の新規の増員が認められているということでございます。これは国民の皆様方からの御期待が込められているところであると思っておりまして、しっかりとお応えしていかなくてはいけないと改めて感じているところでございます。
 その上で、先ほど渡邊委員からも外国人、障害者、高齢者ということで、特に強調いただきましたが、公共機関としてセーフティネットとしての役割は極めて重要であると考えております。幸いに労使の皆様方の御協力、また、関係機関との連携の下に、例えば障害者であれば、雇われで働いていらっしゃる障害者の数は史上最高を更新しているという状況にございますし、また、高齢者に関しましても、生涯現役相談窓口を全国の主要な300の公共職業安定所に設けておりますが、こちらの就職率も、昨今物価高の中で改めてもっとしっかり働きたいという御希望もある中で、9割を超えているような就職率を上げております。
 外国人の問題に関しては、先ほど来、安藤課長からもお答えを申し上げていますように、特に言語、生活をめぐるような様々な別途の課題というものがございますので、本日いただきました御指摘をこなしていく中で、また前へ進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 同時に、ハローワークについてもう一点申し上げますと、全国ネットワークということが1つの強みであると考えておりますし、本日御議論賜りました育成就労制度の中で、全国的にどうやって転籍希望者をお支えしていくのかということなども労働者の目線に立ってしっかり考えていきたいと考えているところでございます。大変貴重な御指摘をいただきましてありがとうございました。
○玄田部会長 局長、ありがとうございました。
 私も一言だけ発言させていただきます。勇上委員の調査の重要性というのは、全くもって同感でございます。外国人雇用実態調査、さらなる充実をということは私も思っておりますが、一方で、私は今、総務省統計局の雇用失業統計研究会の座長を仰せつかっているものですから、統計局でも外国人労働把握というのは非常に重要な意識を持っておりまして、直近では令和9年(2027年)の就業構造基本調査について、今、ちょうどどういう形にするのかというのを検討しているところでありまして、まさに外国籍の方々の就業状況について強い問題意識を持って検討されておりますので、外国人雇用実態調査も引き続き充実させていただくと同時に、統計局ともよく連携していただいて多面的に。就業構造基本調査は100万人調査、かなり大きな規模になりますので、事業所サイドだけではなくて、まさに先ほど生活者という話がありましたが、働いている外国人の方々が一体どういう思いで働いていて、訓練とかの項目もありますし、ぜひその辺りの連携なども考慮しながら実態把握に努めていただければと思っております。
 ありがとうございました。
 そのほか、御質問、御意見など、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 たくさんの貴重な御意見、御質問ございまして、ありがとうございました。議論については以上とさせていただきたいと思います。
 ここからは御提案でございます。今回たくさんいただきました御議論を踏まえまして、事務局で御提示いただいた論点のとおり、省令及び指針の改正は行う方向で御意見は一致したというふうに理解しておりますが、そのような理解でよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○玄田部会長 ありがとうございます。
 では、改正を行うという方向で一致したと考えられますので、今回の論点に即した形で事務局においてパブコメ等、所要の手続を進めていただくようにお願いしたいと考えております。
 その上で、次回5月15日に予定をされております当部会におきまして、最終的な案を厚生労働省から諮問していただき、改めて議論していただきたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○玄田部会長 では、特に御異論がないようですので、その方向で進めていただければと思っております。
 ありがとうございました。
 本日もたくさんの貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。
 事務局で御対応のほど、よろしくお願い申し上げます。
 では、本日の議題は以上となりますが、最後に御発言・御意見などございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、本日の部会は以上とさせていただきます。本日も大変ありがとうございました。御散会ください。ありがとうございました。