2025年12月3日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
令和7年12月3日(木)17:00~
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
出席者
- 出席委員(19名)五十音順
-
- 赤羽悟美
- 阿古潤哉
- 石川欽也
- 大谷壽一
- 大森哲朗
- 川上純一
- 佐藤直樹
- 佐藤雄一郎
- ○佐藤陽治
- 柴田大朗
- 髙橋悟
- 田﨑嘉一
- 長谷川俊史
- 堀恵
- 前田愼
- 松野智宣
- 宮川政昭
- ◎森保道
- 矢野育子
(注)◎部会長 ○部会長代理
- 欠席委員(2名)五十音順
-
- 外園千恵
- 野津寛大
行政機関出席者-
- 宮本直樹 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 紀平哲也 (医薬局医薬品審査管理課長)
- 安川孝志 (医薬安全対策課長) 他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは、「薬事審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。本会議はペーパーレスでの開催といたします。会場で御参加いただいている委員の皆様におかれましては、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくこととなります。操作等で御不明点等がございましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、お申し出ください。
本日の会議における委員の出席についてです。外園委員、野津委員から御欠席との御連絡を頂いております。このほか、長谷川委員、矢野委員から遅れて御参加いただくとの御連絡を頂いております。本日は、現在のところ、当部会委員数21名のうち17名の委員にこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度御協力を賜り、誠にありがとうございます。
それでは、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から、資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料1から17を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料17に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1、アップニーク、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題2、セピエンス、退室委員、石川委員、川上委員、議決に参加しない委員なし。議題3、ラヴィクティ、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題4、プリミーフォート、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題5、イセルティ、退室委員なし、議決に参加しない委員、髙橋委員。議題6、ケレンディア、退室委員、阿古委員、佐藤直樹委員、議決に参加しない委員、矢野委員。議題7、オプスミット、退室委員、阿古委員、議決に参加しない委員なし。議題8、希少疾病用医薬品の指定の可否、退室委員なし、議決に参加しない委員、長谷川委員。以上です。
○森部会長 今の御説明につきまして、特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたこととさせていただきます。
本日の非公開議題は、審議事項8議題、報告事項4議題、その他の事項1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。
それでは、議題1につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品アップニークミニ点眼液0.1%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明させていただきます。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号3ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項です。本剤は、アドレナリンα受容体作動薬であるオキシメタゾリン塩酸塩を0.1%含有する点眼剤です。本邦においては、本薬を0.05%含有する点鼻薬が一般用医薬品として販売されております。
眼瞼下垂は、眼瞼の挙上筋又はその支配神経の障害により、まぶたを開けるときに正常位置よりまぶたが下がる病態と定義され、後天性眼瞼下垂の多くは、加齢、眼科手術等による眼瞼挙筋腱膜の退行又は伸展等に起因するとされております。眼瞼下垂では、上方の視野欠損及び上方視野を確保するために代償的に生じる顎上げや眉を上げることに伴う頭痛などにより、日常生活に支障が生じることが報告されています。本邦において後天性眼瞼下垂に対して承認された医薬品はなく、後天性眼瞼下垂に対する治療は、眼瞼下垂の重症度や挙筋機能の程度に応じて外科手術が行われています。
本薬は、上眼瞼の挙瞼に関わる筋組織のうち、ミュラー筋上のα1及びα2受容体に作用し、ミュラー筋の収縮を介して上眼瞼を挙上させると考えられています。
本剤の後天性眼瞼下垂に係る開発について、本邦では20○○年○月から本剤の臨床試験が開始され、今般、後天性眼瞼下垂に対する有効性及び安全性が確認されたとして、本剤の製造販売承認申請が行われました。海外では、米国において、本薬0.1%を有効成分とする点眼剤が成人における後天性眼瞼下垂に係る効能・効果で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書11ページ「7.1.2 国内第III相試験」の項を御覧ください。日本人後天性眼瞼下垂患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重遮蔽並行群間比較試験が実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、13ページの表8を御覧ください。主要評価項目とされた投与14日後の朝点眼2時間後におけるベースラインからの瞳孔中心から上眼瞼縁までの距離(MRD-1)の変化量につきまして、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。以上から、本剤の後天性眼瞼下垂に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続きまして、安全性について、審査報告書18ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤の投与に当たりましては、特に霧視などの本薬の散瞳効果に伴う事象の発現に注意する必要があるものの、当該事象に対する適切な注意喚起が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。なお、本剤の投与に当たりましては、投与対象が適切に選択されることが重要であり、これらの内容については、添付文書や医療従事者向け資材を用いて注意喚起等を行うこととしております。また、本剤の適正使用推進に係る方策として、現在、関連学会において、本剤による後天性眼瞼下垂に係る治療指針が作成されており、今後、学会より情報提供される予定と聞いております。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、新効能医薬品等であることから、再審査期間は4年とすることが適当であり、また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では、報告を予定しています。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がございましたら、お願いいたします。本日御欠席の外園委員から何か御意見がございましたか。
○事務局 外園先生からは、特にコメントは頂いておりません。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。ございませんか。先ほどお伺いしました治療指針については、現在、関連学会が作成中ということで、本剤の上市のタイミングに合わせて内容も更新されるということでよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 公表の具体的なタイミングについては聞いてはおりませんけれども、上市に向けて作成を進めていると聞いております。添付文書の内容や企業が作成する資材等の内容も反映していただくようにということは、企業を通じてお伝えしたいと考えております。
○森部会長 ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。14ページに、長期連用した際の反応性の低下が生じる可能性が否定できないということで、添付文書の8.1でも、本剤を6か月を超えて点眼した際の有効性及び安全性は検討されていないというようなことがあるのですが、どのような形でこれを、資材も含めてですけれども、指導される形になっているのでしょうか。つまり、6か月、臨床試験の場合にはもう少し短いわけですけれども、どの時点でこれの効果判定をして、これは眼瞼下垂ですので、長期連用しないといけないはずなのですが、どの辺のところでこれを臨床上、置きどころにするのかというところがここからは全く見えない。機構の方も含めてですけれども、そういう検討が曖昧というわけではないですけれども、記載がないのですが、それはいかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、長期投与時の有効性につきまして、おっしゃるとおり、臨床試験では6か月まで投与されておりました。6か月時点で、承認用法・用量である1日1回投与において、本剤の効果が大きく劣るような結果というのは認められていない状況です。安全性についても、特段の問題は認められていない状況でございます。また、海外では既に製造販売されておりまして、6か月以上投与された症例についても、安全性上の大きな懸念は報告されていないと聞いております。ですので、現在、添付文書で行っている以上の注意喚起は予定しておりません。
一方で、効果判定につきましては、効能・効果に関連する注意の項で、効果が認められない場合には漫然と投与しない旨を注意喚起するとともに、効果が認められないとはどういったことかということについては、資材で判断の目安を情報提供させていただく予定としております。
○宮川委員 ありがとうございました。では、効果判定というのは、臨床上、何か月ぐらいで想定しているのでしょうか、
○医薬品医療機器総合機構 まずは初回の処方をされてから1か月程度で効果判定するということを、資材で情報提供する予定としております。
○宮川委員 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。特に御意見はございませんか。では、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。なお、石川委員、川上委員におかれましては、利益相反のお申出に基づきまして、議題2の審議の間、会議から御退出いただきまして、御待機いただくこととなっております。石川委員、川上委員は御退出をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題2、資料No.2、医薬品セピエンス顆粒分包250mg他の製造販売承認申請の可否等につきまして、機構より説明いたします。
今回承認申請された製剤は、テトラヒドロビオプテリンの内因性前駆体であるセピアプテリンを有効成分とする新規の経口顆粒で、フェニルケトン尿症に対して用いられる治療薬となります。
フェニルケトン尿症は、フェニルアラニン水酸化酵素の遺伝子の変異による機能低下により、高フェニルアラニン血症を呈する常染色体潜性の先天性のアミノ酸代謝異常症となります。フェニルアラニンは、このフェニルアラニン水酸化酵素とその補因子として機能するテトラヒドロビオプテリンによる酵素反応を介して分解されますが、フェニルケトン尿症患者におきましては、この酵素の遺伝子変異による酵素活性の低下により、血中フェニルアラニン濃度が上昇することとなります。それに伴い、無治療の場合、様々な精神神経障害を来すことが既に報告されていますが、本邦におきましては、フェニルケトン尿症は新生児マススクリーニングの対象に含まれており、一般的には早期の治療介入がなされます。
本剤につきましては、2025年6月に既に欧州にて承認されており、続いて2025年10月時点では欧州、米国を含む五つの国又は地域で承認されています。
本剤は、フェニルケトン尿症に対して希少疾病用医薬品に指定されています。本品目の専門協議におきましては、資料No.16に示す先生方を専門委員として指名しております。以降、こちらの有効性及び安全性につきましては、臨床試験成績を中心に説明いたします。
有効性につきまして、資料No.2の審査報告書40ページの表38を御覧ください。2歳以上のフェニルケトン尿症の患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験である海外第III相試験003試験が実施されています。主要評価項目である血中フェニルアラニン濃度のベースラインから投与6週時までの変化量につきまして、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。
続いて審査報告書43ページの表43を御覧ください。年齢制限を規定していない非盲検試験である国際共同第III相試験が実施されています。その結果、血中フェニルアラニン濃度の平均値は目標治療範囲とされる360μmol/L付近を保った状態で、主要評価項目である食事からのフェニルアラニン摂取量のベースラインから投与26週時までの変化量がベースラインから増加する傾向が認められています。
日本人の有効性については、同様に審査報告書43ページの表43を御覧ください。
日本人患者は、この非盲検試験のみに組み入れられており、症例数が少なく、結果の解釈には限界があると考えておりますが、食事からのフェニルアラニン摂取量のベースラインから投与26週時までの変化量及び血中フェニルアラニン濃度のベースラインからの変化量が全体集団と同様の傾向を示していることから、日本人のフェニルケトン尿症患者におきましても、本剤の有効性は期待できると判断いたしました。
続いて、安全性について、審査報告書41ページの表41を御覧ください。海外第III相試験において発現した主な有害事象は下痢や胃腸炎等でしたが、いずれも軽度又は中等度であり、重篤な有害事象、そして投与中止に至った有害事象は認められておりません。審査報告書52ページの表49を御覧ください。お示ししているとおり、プラセボ群と比較しても、本剤投与による安全性上の懸念は大きくないと考えられました。
これらの成績に加え、非盲検試験である長期継続投与試験の成績も含め、本剤の長期投与時の安全性についても臨床的に問題となる傾向は認められておらず、本剤の有効性を考慮しますと、適切な注意喚起をした上であれば安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の検討の結果、本剤をフェニルケトン尿症を効能・効果として承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤につきまして、セピアプテリンは新有効成分含有医薬品に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。説明は以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の方々から御質問はいかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございました。私からは添付文書に関しまして、幾つか質問させていただきます。まず、添付文書の9.6の授乳婦の所を御覧ください。ここで治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することと書いてありますが、これは私が文言の解釈がなかなか至っていないので分からないのですが、これは結局、授乳をしている場合、お子様などが治療をした場合において、その母乳を与えていいか悪いかというのは医師が判断し、そしてもし中止の場合に関しては、それこそ特殊のミルクを与えるということで理解してよろしいのでしょうか。すみません、治療用の特殊ミルクもあるということをお聞きしておりますので、ちょっとそこがよく理解できなかったので教えていただけたら有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。まず、この授乳婦の注意喚起に関しましては、お母様が患者さんである場合の注意喚起になります。その際に本剤を投与すると、本剤のデータはないのですが、その類薬であるビオプテンを投与した際に、母乳中に本剤の活性代謝物でもあるビオプテリンが検出されることが報告されています。患者であるお母様に本剤が投与され、そのお子さんに授乳する際には、お母様の状態を含めて有益性を考慮し、医師と患者さんに御判断いただく必要があることを注意喚起をしております。
○堀委員 ありがとうございます。そうすると、あくまでも授乳婦が患者さんということでよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりです。
○堀委員 ありがとうございます。確認いたしました。あと2点質問させていただきます。適用上の注意の薬剤交付時の注意で、患者がお子様だった場合、親がお子様に服用すると思うのですが、この場合、水で混ぜて飲ませる場合に関しての味や飲みにくさというのを教えていただければ有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。実際、臨床試験におきましては、水やりんごジュース等に混ぜて小さいお子様に投与されています。その際に飲みにくい等が問題として挙げられていることは確認できておりません。したがいまして、臨床試験の規定どおり投与することで、本剤の試験で認められた有効性・安全性は実際の患者さんでも期待できると考え、その規定を交付時の注意として提示いたしました。
○堀委員 ありがとうございます。乳幼児の方にシリンジで口内に入れる場合もあるかと思うのですが、特にそこに関してぺっと吐き出すような、そのような事例はなかったということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 小さいお子様だと、投与の仕方によっては嚥下等の問題があるかもしれませんが、試験では、基本的には水やジュース、柔らかい食べ物などに混ぜてゆっくり食べさせ投与することで対応されていました。シリンジを使ってゆっくり投与できる規定を企業が検討した上で試験を実施していますので、規定に従って投与していただくことができれば、特に問題なく投与できるのではないかと考えております。
○堀委員 ありがとうございます。最後に、保存方法なのですが、今、セピエンスの製剤写真を拝見しており、1000mgと250mgがあるということで、この薬剤交付時の注意で、本剤を再分包はしてはいけないということだったのですが、これは患者さんに関してはこの1000mg又は250mgがそのまま渡されるということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、おっしゃるとおりです。今回、顆粒分包として、袋の状態で患者さんにそのまま交付されることになっており、それをもし、お子さんに投与するのであれば、保護者の方に開けていただいて、添付文書の14項で記載している服用方法で投与していただくというのが基本的な流れになると考えています。
○堀委員 ありがとうございます。そういたしますと、お子さんがこれを飲む場合、今、この製剤の写真を見ていると、はさみで切るだけでチャック式や、何て言うのですか、保存の状況が簡単に開けられないような状況にはなっていないと思うのです。もし、これを1回開けて、確かに水に混ぜた場合に関してはいろいろと添付文書に指示が書いてあったと思うのですが、この袋を開けて、そのまま保存する状態というのは、冷蔵庫や、あとはきちっとチャック状のものに入れるなど、そのような制限はないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。基本的には開けた時点で使い切りで、残薬は捨てていただくこととなります。と言いますのも、開封した状態における長期の安定性試験などの成績は出てきていません。14.1.2項に記載しているとおりの品質に関する安定性の試験等は確認しているため、その内容を記載しておりますが、開けたままで長期的に冷蔵庫に保存することは想定していません。
○堀委員 そうすると、お子様が簡単に手が届いてしまって、それを開けてしまうような場合、チャイルドロックのような、そのようなものはなくて、結局、お母様が1回開けたら、もうそのまますぐ、残ったら廃棄という形になるので、そのような懸念はないということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、基本的には御理解のとおりです。チャイルドロックという観点で言いますと、はさみを使ってでないと開けられない製剤になっています。我々も実際に試してみたのですが、普通に手で開けるには大人としてもなかなか難しい製剤になっていますので、例えば小さいお子さんが、仮にその顆粒分包を手に取って開けようとした際には簡単には開かないと想定されます。
想定する投与方法以外で何か誤って投与されるということがないよう、可能な限りリスクを最小化する対応を企業としても考え、製剤化されています。
○堀委員 ありがとうございます。この14.1.1.2の最後の「混合後の残薬は廃棄すること」という記載ですが、これは水に溶かしたお薬ということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。本剤の使い方について、製剤そのもの全てをまず水などに溶かすことになるので、顆粒のまま袋に残るということは想定されていません。そこから必要量をシリンジなどで抜き取って投与することになります。一番最後の「混合後」という記載は、水などに混合した後の残りになりますので、その残ったものがあれば廃棄してくださいという注意喚起になります。
○堀委員 御丁寧にありがとうございます。ちょっと、この服用の仕方というのが、ここの添付文書だけですと分かりづらい方もいらっしゃるのではないかと思いますので、患者向け資材に関してはより丁寧に、特に図なども入れて御説明いただけたら有難いと思いました。すみません、長々と、ありがとうございます。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。補足になりますが、この14項に関する指摘、この説明だけでは確かに分かりづらいところもあるかもしれませんので、用法・用量ガイドを別途作成しております。と言いますのも実際、体重等により投与する液量が変わり、どのぐらいの体重の患者さんに実際にどれぐらいの液量を投与すればいいのかは臨床試験でも規定されていましたので、その一覧表を用法・用量ガイドとしても作成して、適切に現場に情報提供する予定でございます。
○堀委員 どうもありがとうございました。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見はいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。では議決に入らせていただきます。議題2につきまして承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はございませんので、承認を可として薬事審議会に報告いたします。
では、ロビーで御待機中の石川委員、川上委員をお呼びいただければと思います。
続いて議題3に移ります。よろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題3、資料No.3、医薬品ラヴィクティ内用液1.1g/mLの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。
尿素サイクル異常症は、アンモニアを尿素に変換する尿素サイクルに関与する酵素又はトランスポーターが欠損する遺伝性疾患です。アンモニアが体内に蓄積することで高アンモニア血症を来し、食欲不振、頭痛、痙攣発作、脳浮腫等の多彩な症状を呈します。本剤は、グリセロール骨格に3分子のフェニル酪酸が結合した構造を有する薬剤であり、主に消化管のリパーゼによりグリセリンとフェニル酪酸に分解され、その後、肝臓等でフェニル酢酸に変換されます。フェニル酢酸が尿中に排泄される際に、体内のアンモニアが消費されることから、本剤の投与により、尿素サイクル異常症で余剰となっているアンモニアを排泄させ、高アンモニア血症を軽減させることが期待されます。
本邦では、類薬として、フェニル酪酸のナトリウム塩であるブフェニール錠500mg及び同顆粒94%(以下「ブフェニール」)が尿素サイクル異常症の効能・効果で既に承認されておりますが、ブフェニールに比較して本剤の方が服用量が少ないことなどから、服薬アドヒアランスの向上が期待されます。
今般、尿素サイクル異常症患者を対象とした海外第III相試験や国内第III相試験等の成績に基づき、本邦における製造販売承認申請に至りました。海外において本剤は、2013年2月にアメリカで承認されて以降、2025年10月時点では、欧州及び英国を含む12の国又は地域で承認されています。本剤は、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の専門協議では、資料No.16に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明します。
有効性については、審査報告書46ページ表36を御覧ください。外国人尿素サイクル異常症患者を対象に、本剤とプラセボをクロスオーバーする群とフェニル酪酸ナトリウムとプラセボをクロスオーバーする群を比較する、無作為化二重盲検2期クロスオーバー試験である海外第III相試験の006試験が実施されました。主要評価項目であるフェニル酪酸ナトリウムと本剤の投与最終日の血中アンモニア濃度について、フェニル酪酸ナトリウムに対する本剤の比の95%信頼区間の上限値が、事前に規定した非劣性マージンである1.25を下回り、フェニル酪酸ナトリウムに対する本剤の非劣性が検証されました。
続いて、審査報告書49ページの表39を御覧ください。日本人尿素サイクル異常症患者を対象に、フェニル酪酸ナトリウムの投与後に本剤を投与する非盲検単群切替え試験である国内第III相試験のJ001試験が実施されました。
主要評価項目であるフェニル酪酸ナトリウム及び本剤の投与最終日における血中アンモニア濃度は表39に記載のとおりであり、フェニル酪酸ナトリウム投与時と本剤投与時で大きな差は認められませんでした。以上の結果などから、本剤の尿素サイクル異常症に対する有効性は期待できると判断しました。
安全性について、審査報告書58ページの表48を御覧ください。海外第III相試験である006試験を含む尿素サイクル異常症患者を対象として実施された試験デザインが類似した海外臨床試験の4試験を併合した際の有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合は、本剤投与時とフェニル酪酸ナトリウム投与時で同程度でした。また、国内J001試験においても、有害事象等の発現状況は本剤投与時とフェニル酪酸ナトリウム投与時で同程度であり、日本人患者に特有の安全性上の懸念も認められませんでした。以上より、本剤の尿素サイクル異常症に対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の検討の結果、尿素サイクル異常症を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断しました。本剤は、新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見ございましたらお願いします。いかがでしょうか。小児科御専門の長谷川委員から、もし御発言がございましたらお願いしてよろしいでしょうか。
○長谷川委員 すみません、今、入ったばかりで途中からしか聞いておりませんので何とも言えないのですが、尿素サイクル異常症、最後に出ましたが、希少疾患でまだ余り治療薬として確立されたものはありませんので、もし有効性・安全性が確認されているのであれば、是非、承認されると世の中に出てきて、その後、患者さんたちに貢献できるといいのかと思っております。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方、御意見いかがでしょうか。
機構の方、血中アンモニア濃度の表記に関してはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。添付文書の海外臨床試験成績の血中アンモニア濃度の表記に関しては、先日御指摘いただいた点を参考にしまして、1μmol/Lは1.7μg/dLに相当するといった換算式を追記することを検討しております。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方から御指摘、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題4に移ります。では、議題4につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、プリミーフォート経腸用液6、同経腸用液8、同経腸用液CFにつきまして、機構より説明いたします。
審査報告書の一番下、全28ページの通し番号で5ページを御覧ください。本剤はヒト由来の母乳強化剤であり、製剤6及び8は、母乳と混合した際に、体重1,500g未満の低出生体重児に対するタンパク質、エネルギー及びミネラルの推奨量を満たすように設計されております。製剤8で強化した母乳は、製剤6で強化した母乳よりも多くのタンパク質を補給することができ、製剤CFは、製剤6又は8で強化した母乳に追加することで、投与容量を大幅に増加させずにエネルギーを追加補給することができます。早産時・低出生体重児に対して、母乳のみから必要な栄養素を補給することは困難であるため、本邦の医療現場ではウシ由来強化剤で強化した母乳を用いた栄養補給が行われていますが、児の水分制限や母乳中の栄養素の状況により十分な栄養補給が困難な場合があります。そのため、当該児に対して適切な栄養管理を行うための母乳強化剤として本剤が開発され、今般、国内第III相臨床試験成績等に基づき、母乳の栄養強化に係る効能・効果で本剤の製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では栄養製品として販売されていますが、本邦では、申請者と厚生労働省で協議した結果、医薬品として開発されました。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明します。
有効性について、12ページの表10を御覧ください。在胎31週0日以前に出生した極低出生体重児を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目とされた出生から修正34週0日までの体重増加速度について、ウシ由来強化剤を母乳の栄養強化に使用した標準栄養群に対する本剤群の非劣性が示されました。
安全性について、17ページの7.R.3.1項を御覧ください。死亡並びに臨床上重要な事象である遅発性敗血症、壊死性腸炎、気管支肺異形成症及び重症未熟児網膜症について、発現割合及び発現例の詳細を確認した結果、これらの事象に関する本剤の安全性はウシ由来強化剤と同程度であると考えられました。本剤の使用に当たっては、これらの事象のほか、18ページの7.R.3.2項に示した胃腸障害及び栄養補給不耐性の発現に注意する必要がありますが、本剤が極低出生体重児等の管理を担う医師の下で使用されることも踏まえると、いずれの事象についても臨床的に問題とはならないと判断しました。
効能・効果及び投与対象について、20ページの7.R.5項を御覧ください。本邦の医療現場では、先天性疾患を有する場合と、出生体重が1,500g以上であっても、ウシ由来強化剤で強化した母乳を用いた栄養補給が医師の判断に基づき行われています。また、海外における文献報告及び本剤の組成を踏まえると、出生体重が1,500g以上の児においても、本剤により適切な栄養管理ができると考えられます。
以上のことから、本剤の投与対象を出生体重が1,500g未満である極低出生体重児には限定せず、効能・効果を「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理」と設定することが適切と判断しました。
以上のような審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品に該当し、原体のうち人乳及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見がございましたらお願いします。1点確認ですが、本剤の適正使用に関して、関連学会のガイドライン等の状況は今、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ガイドラインにつきましては、現在、こども家庭庁科学研究費補助金の成果物として、研究代表者である昭和大学の水野先生を中心に、複数の医学専門家が研究分担者として参画して取りまとめていただいたところで、日本新生児成育医学会誌に投稿されたと聞いております。本剤の承認に際しては、日本新生児成育医学会のホームページにもそのガイドラインについて掲載いただくと聞いております。
○森部会長 ありがとうございます。では、小児御専門の長谷川委員、御意見ございましたらお願いします。
○長谷川委員 ドナーミルクを用いた強化母乳ということで、未熟児とか新生児医療が非常に発達してきた中で、需要が非常にあるのかと思っております。非常に母乳のメリットというのもたくさんありますので、先ほどと同じように有効性・安全性。有効性はまずあるかと思いますが、安全性までちゃんと担保できていればいいのかと。新生児医療に貢献してもらえるものかと思って拝聴しておりました。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。そのほかの先生方から、御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。議題4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題5に移ります。議題5につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、イセルティ錠100mgについて、機構より説明いたします。審査報告書の修正表の付いている方の一番下、全58ページの通し番号5ページを御覧ください。
子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発現し、エストロゲンなどの性ホルモン依存的に増殖する良性腫瘍です。本剤の有効成分であるリンザゴリクスコリンは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、GnRHアンタゴニストであり、GnRH受容体拮抗作用を介して、エストロゲン及びプロゲステロンの血中濃度を低下させることで、子宮筋腫に伴う過多月経、疼痛等の臨床症状を改善すると考えられています。今般、国内の臨床試験成績等を根拠として、子宮筋腫に基づく諸症状の改善に係る効能・効果で、本剤の製造販売承認申請がなされました。本剤は、2025年9月現在、子宮筋腫に係る効能・効果で欧州を含む30以上の国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、35ページの表37を御覧ください。過多月経を有する日本人子宮筋腫患者を対象としたKLH2301試験において、主要評価項目とされた月経血量に係るスコアである、PBACスコアの合計点が10点未満であった被験者の割合について、本剤のリュープロレリン酢酸塩に対する非劣性が示されました。また、表38のとおり、副次評価項目とされた血中ヘモグロビン濃度の結果から、貧血の改善効果が確認されました。
続いて、37ページの表40及び41を御覧ください。過多月経及び疼痛症状を有する日本人子宮筋腫患者を対象としたKLH2302試験において、主要評価項目とされた、PBACスコアの合計点が10点未満であった被験者の割合、及び疼痛に係るスコアであるNRSスコアの最大値が1点以下であった被験者の割合について、本剤のプラセボに対する優越性が示されました。
安全性について、41ページの7.R.2項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象は、骨密度減少、うつを含む更年期様症状、肝機能障害、粘膜下筋腫患者における筋腫分娩・重度の不正出血及びQT間隔延長であり、本剤投与に当たっては、これらの有害事象の発現に注意する必要があるものの、既承認のGnRHアンタゴニストと比較して新たに注意すべき安全性上の懸念は認められず、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
また、以上の安全性プロファイルを踏まえ、本剤について承認後直ちに製造販売後調査を実施する必要はなく、市販直後調査並びに通常の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動による安全性情報の収集及び提供を通じて、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断いたしました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。堀委員、お願いします。
○堀委員 ありがとうございます。確認ですけれども、こちらは患者向け資材をお作りになる御予定ですか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については、患者向け資材の作成予定はございません。と言いますのは、本剤は既承認のGnRHアンタゴニスト及びアゴニストと同様の位置付けで使用されるものであり、既承認のGnRHアンタゴニスト、アゴニストと比較して、新たな安全性の懸念は示されていないということと、既承認の製剤の使用経験から、本剤投与時に起こり得る有害事象については医療従事者に周知されていると考えております。したがいまして、現時点では資材などで特に注意喚起する必要はないと考えております。
○堀委員 ありがとうございました。副作用でうつ状態が現れることがあるということで、これは既承認のほかの拮抗剤でもやはり出ているかと思うのですけれども、うつというもの自体、患者にとってどういうものがうつの状態なのかということ、特に更年期障害に関わるようなことも書いてありますので、そういう具体的な事例というか、こういうことがあったらちょっと副作用を考えてくださいといような、そういう資材とかがあるとより有り難いと思いました。これは私からの私見です。
ありがとうございます。
○事務局 堀先生、ありがとうございます。事務局です。企業が情報提供を患者向けなり医療従事者向けに行うと思いますので、御意見はしかとお伝えしたいと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 ありがとうございます。患者さんが先行薬で治療された後に本剤を使うとは限らず、今回初めて御使用になるという方も当然出てきますので、やはり患者向け資材については、是非御作成いただきたいとお伝え願いたいと思っています。
意見としてお伝えさせていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどは、RMP資材としての患者向資材の作成予定がない旨説明しましたが、本剤では通常のリスク最小化活動として患者向医薬品ガイドは作成されるため、ご意見を踏まえ情報提供させていただきます。
○森部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。特に御意見はありませんか、よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。議題5について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題6に移らせていただきます。阿古委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条、第7条に基づき、議題6、議題7の審議の間、会議から御退室いただきまして、御待機いただくこととなっております。また、佐藤直樹委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づき、議題6の審議の間、会議から御退室いただき、御待機いただくこととなっております。では、阿古委員と佐藤直樹委員は御退室をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、医薬品ケレンディア錠10mg他につきまして、機構より説明いたします。資料No.6の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下、全43ページの通し番号で5ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、非ステロイド型のミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬であるフィネレノンを有効成分とする経口剤であり、本邦では「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」を効能・効果として、2022年に承認されています。今般、国際共同第III相試験の成績等を基に、左室駆出率(以下「LVEF」)が40%以上の慢性心不全に係る効能・効果及び用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本効能・効果については、2025年10月時点において、米国を含む四つの国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概要について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について14ページの表6を御覧ください。LVEFが40%以上の慢性心不全患者を対象とした国際共同第III相試験(20103試験)では、心血管複合エンドポイントが主要評価項目とされ、試験の結果、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。
また、複合エンドポイントの構成要素である心血管死、心不全による入院及び緊急受診のいずれも本剤の有効性を支持する結果であったことから、LVEFが40%以上の慢性心不全患者に対する本剤の有効性が示されたと判断しました。
安全性については、本剤の作用機序を踏まえ、高カリウム血症及び腎機能悪化への影響を中心に検討しました。高カリウム血症については27ページの表19、腎機能悪化については29ページの表21を御覧ください。いずれの有害事象も発現割合はプラセボ群と比べて本薬群で高かったものの、大部分は重症度が軽度又は中等度で、本剤の継続投与下で回復又は軽快しました。したがって、既承認効能・効果と同様に、投与中は血清カリウム値及びeGFRを定期的に確認し、用量調整を行うことで本剤の安全性は管理可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。なお、部会長より、事前に本効能の臨床試験では、投与開始初期に限らず、本剤投与中に腎機能悪化関連の有害事象が認められていたことから、腎機能悪化に関して注意喚起する必要があるのではないかとの御意見を頂きました。御指摘を踏まえ、添付文書8項の重要な基本的注意の項で、慢性心不全患者への注意喚起として、腎機能の悪化が現れることがあるため、投与中は定期的にeGFRを測定し、患者の状態を慎重に観察する旨を記載する予定です。
本品目は新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年間とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。先ほど御説明を頂きましたけれども、今回の国際共同臨床試験を基に海外でも承認されているということで、添付いただいている資料は外国での添付文書の内容につきましても、頂いた資料の6の1項に「腎障害に関する注意喚起」という記載がありまして、投与初期並びに投与中の腎機能のモニタリングについて慎重にということが書いてありましたので、今回、日本での添付文書の8の5項にも同様の内容を書いていただくということで御対応いただく経緯です。この件も含め、先生方から御意見はございますか。
特に慢性心不全の治療ということもありまして、利尿剤、特にループ利尿剤、それからACE阻害薬、ARBといった、降圧を含む薬剤も使用するケースが多いということもありますので、投与中は腎機能の変動がしやすいということです。全体的には心不全の発症抑制に寄与しているという有効性についても確認されているという現状です。
特段よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。
なお、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題6につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーで御待機されています佐藤直樹委員をお呼びください。
○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料No.7、医薬品オプスミット小児用分散錠1mg他2品目について機構より説明いたします。
審査報告書の一番下、全29ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。本剤はエンドセリン受容体拮抗薬であり、本邦では肺動脈性肺高血圧症(PAH)を効能・効果とし、成人の用法・用量が承認されています。海外では欧州等で成人及び小児の用法・用量が承認されています。今般、国内第III相試験の成績等に基づき、3か月以上の小児に対する用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請及び小児用製剤である分散錠の剤形を追加する医薬品製造販売承認申請が行われました。
本品目の審査の概略について臨床試験成績を中心に説明いたします。小児の用法・用量の開発に際しては、対象の希少性に加え、開発時点で既に本邦では小児に対して本剤が広く適応外使用をされていた状況を踏まえ、小児を対象とした非盲検非対照試験として国内試験を実施し、成人を対象とした国内試験の結果との類似性を確認した上で小児に対する本剤の有効性及び安全性を評価する開発方針がとられました。
有効性について13ページの表8を御覧ください。小児を対象とした国内第III相試験であるPAH3001試験では、投与24週時の肺血管抵抗係数PVRIが主要評価項目とされ、試験の結果、投与24週時のPVRIは事前に規定された成功基準を達成しました。また、PVRIの変化率は成人と同程度でした。以上の結果等から、小児でも成人と同様の有効性が期待できると判断しました。
安全性について、小児と成人における本剤の安全性プロファイルの比較は20ページの表13を御覧ください。小児で認められた有害事象は、いずれも成人で既知の事象であり、現時点では、小児で成人よりも安全性の懸念が増大する傾向は示されていないと判断しました。しかしながら、臨床試験で検討された症例数は極めて少ないこと、小児では成人よりも長期間にわたる本剤の服用が想定されることなどから、本剤の小児に対する投与はPAH治療に十分な知識及び経験を有する医師により行われるべきと判断しました。
用法・用量について、22ページの7.R.6項を御覧ください。1歳以上の患者についてPAH3001試験の結果より、当該試験と同一の用法・用量を設定することは可能と判断しました。
PAH3001試験に組み入れられなかった1歳未満の患者については、国内の診療ガイドラインの推奨に基づき、本剤は1歳未満も含めた小児に適応外で広く使用されている状況であり、本剤の成人に対する承認後に実施された特定使用成績調査の結果から、申請用量付近の用量が投与された1歳未満の患者における安全性は管理可能であることが示唆されていることなどを踏まえると、1歳未満も含め、PAH3001試験と同一の用法・用量を設定することは可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議を頂くことが適当であると判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、オプスミット小児用分散錠1mg及び同小児用分散錠2.5mgについては生物由来製品に該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問や御意見がありましたらお願いいたします。柴田委員に御質問してよろしいでしょうか。柴田委員、今回の臨床開発について、小児対象ということで、非常に希少疾患でありますから、シングルアーム試験であったことに関する試験デザイン上の問題は何かありますか。
○柴田委員 基本的には対照を置いた方が良いとは考えますが、先ほど機構の方からも御説明がありましたように、成人のデータとの類似性を評価するといった対応をとられていますので、機構の御判断は妥当だと考えております。
○森部会長 ありがとうございました。長谷川委員から御意見はありますか、いかがでしょうか。
○長谷川委員 PAHはなかなか数が少なく、治療も難渋することが多くて、その選択肢が増えるのは、決して子供たちにとっては悪いことではないと思います。先ほど、ちょっと懸念、懸案事項として長期間にわたるということがありますので、注意深く見ながら投与を検討していくことになるのかなと思います。これがうまく、その子たちの治療の効果にできればと思って拝聴しておりました。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。佐藤直樹委員から御発言を伺ってよろしいでしょうか。
○佐藤(直)委員 特別新たなコメントはありませんけれども、非常に重篤な疾患ですし、それに対する新しい選択肢が出るのは非常にいいことだと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、特に先生方の御意見はよろしいですか。佐藤(陽)委員、お願いいたします。
○佐藤(陽)部会長代理 ちょっとだけ気になるので教えていただきたいのですが、1歳未満や数箇月の新生児で、1mgの錠剤をどうやって飲ませるのか、ちゃんと飲めるのかというのはちょっと気になるのですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。こちらは分散錠であり、少量の水に分散して飲ませるものになります。少量というのは、例えばスプーンの上に錠剤を乗せて、錠剤が浸る程度の量の水ですので、投与可能と考えております。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、先生方からの御意見はよろしいでしょうか。では、議決に入ります。議題7について承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーで御待機されている阿古委員をお呼びください。
○事務局 それでは、議題8、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回、審議いただく品目の一覧については資料8-1のとおりです。8-2から順を追って説明したいと思います。
まず、資料8-2、Garetosmab。申請者はリジェネロン・ジャパン株式会社、予定効能・効果は進行性骨化性線維異形成症、こちらは指定難病に指定されております。当該疾患は、アクチビンA受容体I型遺伝子の活性型変異に起因する常染色体顕性遺伝疾患であり、異所性骨化に起因して徐々に運動能力が失われます。当該疾患に係る効能・効果で承認された薬剤はありません。患者を対象とした海外第II相試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較して投与28週後の新規異所性骨化の病変の部位数及び体積が減少することが示唆されている状況です。現在、国際共同第III相試験を実施中です。
資料8-3、シロリムス。申請者はノーベルファーマ株式会社、予定効能・効果は自己免疫性血球減少、リンパ増殖又は腸炎を伴う原発性免疫不全症候群です。原発性免疫不全症候群は難病指定されております。こちらの疾患は、先天性的に免疫系に欠陥がある疾患の総称であり、本疾患に係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。原発性免疫不全症候群の中でも、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ・プロテインキナーゼ・哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(以下「PI3K/AKT/mTOR」)経路の過剰な活性化等を伴い、自己免疫反応及びリンパ球の異常な増殖を主徴とする新たな疾患群が提唱されているというものです。
シロリムスはmTOR阻害薬であり、自己免疫性血球減少、リンパ増殖又は腸炎を伴う原発性免疫不全症候群患者を対象とした医師主導第II相試験において、主要評価項目である、スクリーニング時から12週時点でのリンパ組織腫大、腸炎、血球減少症のうちの主症状が改善した被験者の割合は33.3%でした。当該試験の成績に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請の可否について機構と協議予定とされております。
資料8-4、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン。申請者は一般社団法人日本血液製剤機構、予定効能・効果は新生児ヘモクロマトーシスの発症抑制です。新生児ヘモクロマトーシス(NH)のり患児を妊娠する可能性のある患者数は約450~650人程度と推定されております。NHり患児の分娩後に次の児がNHにり患する確率は80~90%と高率となっております。NHり患児は、肝不全により体内死亡に至るか、出生したとしても肝移植が必要になると侵襲性の高い治療を要し、新生児死亡率も高いです。
本邦において、NHに係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。NHり患児の分娩既往妊婦に対する胎内ガンマグロブリン大量静注療法については、国内外から有効性が報告されています。開発の可能性について、NHり患児分娩既往妊婦を対象とした医師主導治験成績に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請が予定されています。
議題8-5、リルザブルチニブ。申請者はサノフィ株式会社、予定効能・効果は温式自己免疫性溶血性貧血です。当該疾患は、指定難病である自己免疫性溶血性貧血の病型の一つです。
当該疾病は体温37度付近を最適温度として溶血を引き起こす自己免疫性疾患です。現在、本邦では副腎皮質ステロイド、リツキシマブが使用されていますが、再発する症例も多く、新たな作用機序を有する治療薬が必要とされております。本剤は、ブルトン型チロシンキナーゼを阻害することにより、B細胞活性化の阻害及びFCγ受容体を介した貪食作用の抑制を介して、自己抗体による溶血を防ぐことが期待されます。海外第IIb相試験において有効性が示唆されております。開発の可能性について国際共同第III相試験が実施中です。
資料8-6、YA-101。申請者はYoda Therapeutics社、予定効能・効果は多系統萎縮症、当該疾患は指定難病に指定されております。多系統萎縮症はパーキンソン症候群、小脳失調症、自律神経機能障害等の症状を呈する成人発症の神経変性疾患であり、発症から約5年で車椅子生活となり、発症後の平均生存期間は約9年と報告されています。
本邦において多系統萎縮症に係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。
本剤は、NMDA受容体経路とNLRP3インフラマソームの活性化により多系統萎縮症に対する有効性が期待されています。開発の可能性について多系統萎縮症患者を対象とした国際共同第II相試験が実施中であり、国際共同第III相試験が実施予定です。
資料8-7、zeleciment basivarsen。申請者はDyne Therapeutics社、予定効能・効果は筋強直性ジストロフィー1型(以下「DM1」)で、指定難病である筋ジストロフィーの病型の一つです。
DM1は筋強直現象、進行性の筋萎縮及び筋力低下を特徴とする常染色体顕性遺伝性疾患であり、進行に伴い、嚥下障害及び呼吸機能障害に至るほか、多臓器に障害を及ぼす全身性の疾患です。各症状に対して対症療法が行われているものの、有効な治療法は存在しません。
本剤はDM1患者を対象として実施中の海外第I/II相試験において筋強直や筋力に関する臨床的改善の傾向が見られ、安全性について一部の患者でinfusion reactionが認められたが、他に特段の問題は認められておりません。開発の可能性について、国際共同第III相試験を実施中です。
資料8-8、Telitacicept。申請者はRemeGen社、予定効能・効果は全身型重症筋無力症(以下「gMG」)で、当該疾患は指定難病である重症筋無力症のうち、全身に症状があるものを指します。
重症筋無力症は神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体の作用により刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患であり、約85%が全身に症状が及ぶgMGに大別をされます。長期間の寛解維持はまれであり、社会生活に困難を来すことも少なくない重篤な疾患です。
gMGの治療には、経口ステロイド剤とカルシニューリン阻害薬の併用に加え、血漿浄化療法、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静注療法が用いられ、近年では、抗補体C5抗体製剤や抗FcRn抗体製剤が承認されているものの、既存治療で十分な効果が得られない患者も一定数認められ、特に抗アセチルコリン受容体抗体が陰性であるgMG患者に用いることができる分子標的薬は抗FcRn抗体製剤に限られていること等から、新たな治療選択肢が求められています。
gMG患者を対象として、海外で実施された第III相試験において、主要評価項目について、本剤群においてプラセボ群と比較して統計学的に有意な差が認められ、安全性に特段の問題は認められておりません。現在、gMG患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。先生方の方から御質問や御意見はありますか。特段ありませんか。では、議決に入ります。なお、長谷川委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決参加は御遠慮いただくこととなっております。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、報告事項及びその他の事項に移ります。報告事項の議題1~4及びその他の事項議題1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項について御説明いたします。今回の報告事項の議題については、資料9に一覧を載せています。議題1から順を追って説明いたします。まず、報告議題1、資料10、アジンマ静注用1500についてです。本剤は、ADAMTS13遺伝子異常に起因する先天性血栓性血小板減少性紫斑病に対する治療薬として、成人及び12歳以上の小児に対して承認されていますが、今般、武田薬品工業株式会社により、12歳未満の小児に対する用法・用量追加に関する承認申請がなされています。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断しています。
なお、本品目の審査終了後に、海外の製造販売後において、本剤投与中の小児患者の死亡が認められた旨の報告がありましたので、追加で御説明いたします。本症例ですが、本剤による定期補充療法中に血栓性血小板減少性紫斑病(以下「TTP」)の急性イベントを発症し、本剤の一時補充療法及び血漿製剤による治療が開始されましたが、ADAMTS13酵素活性の回復は認められず、治療開始から○日後に死亡が確認されたということです。血漿製剤が併用投与されており、急性TTPイベントの発現及び死亡と本剤の因果関係は明確ではありませんが、本症例について急性TTPイベント発現後にADAMTS13に対する中和抗体の存在が確認されています。
以上を踏まえ、添付文書において、海外製造販売後においてADAMTS13に対する中和抗体を発現した小児の先天性TTP患者1名で死亡が認められたと報告がある旨を情報提供することが適切と判断しています。なお、当該対応及び情報提供の内容については、本品目の専門協議の専門委員にも御確認いただいています。今後も本剤投与による中和抗体発現リスクについて、引き続き情報提供を行い、追加の注意喚起の必要性は検討していきたいと考えています。
議題2、資料11、条件付き承認制度の適用についてです。医薬品の条件付き承認制度の取扱いについては、資料の2/13ページから3/13ページに示していますが、条件付き承認制度の適用の可否の判断については、薬事審議会の担当部会に報告し、了承を得ることとしています。なお、当該薬剤の承認の可否及び承認条件等については、今後、機構での審査を経た後に改めて本部会で御審議いただく予定です。
今回の対象品目ですが、5/13ページですけれども、販売名が「ドジョルビ内用液100%」、一般名が「トリヘプタノイン」、申請者はUltragenyx Japan株式会社です。長鎖脂肪酸代謝異常症に係る効能・効果で承認申請がなされています。
当該薬剤の条件付き承認制度の該当性について、資料の4/13ページ以降、事前に取りまとめられた機構への報告書に基づいて御説明いたします。資料の8/13ページです。まず、適応疾患の重篤性について、長鎖脂肪酸代謝異常症は死亡率が高く、重症の長鎖脂肪酸代謝異常症患者は、生後数時間から数日以内に重度の心筋症、低ケトン性低血糖症等を発症し、その転帰はしばしば致死的であることから1番目、生命に重大な影響がある疾患、致死的な疾患であることに該当すると判断されています。
医療上の必要性についてです。本邦において長鎖脂肪酸代謝異常症を効能・効果として承認された薬剤はないこと等から、既存の治療法、予防法又は診断法がないことに該当すると判断しています。
検証的臨床試験等の実施可能性についてです。現在、本邦を含めて国際共同試験を実施中ですが、長鎖脂肪酸代謝異常症は希少な疾患であるため、当該国際共同試験の組入れには長期間を要すること等から、検証的臨床試験の実施が困難であるか、実施可能であっても患者数が少ないこと等により、実施に相当の期間を要すると判断されることに該当すると判断されています。
最後に、有効性及び安全性です。本申請では、主な臨床試験成績として、長鎖脂肪酸代謝異常症患者を対象とした海外試験の成績が提出されており、当該試験に基づいて評価可能と判断しています。以上を踏まえ、要件が四つありますが、いずれにも該当することから、国際共同試験における本剤の有効性・安全性について速やかに試験成績及び解析結果を提出するとともに、医療現場に適切に情報提供することを条件として、条件付き承認制度を適用することは可能と判断しています。
議題3、資料12、希少疾病用医薬品の指定の取消についてです。資料12-1及び12-2、センダキマブ、届出社はブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社です。
本剤ですが、それぞれ好酸球性胃腸炎及び好酸球性食道炎を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されていましたけれども、企業判断により当該品目の開発中止が決定され、試験研究中止届が提出されています。よって、本剤の本効能・効果に関する希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしています。
議題4、医療用医薬品の再審査結果についてです。まず、資料13-1、オビドレル皮下注シリンジ250μgについて、メルクバイオファーマ株式会社より視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵又は希発排卵における排卵誘発及び黄体化、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化に関する効能について再審査の申請がありました。
資料13-2、ブリリンタ錠60mg、ブリリンタ錠90mgについて、アストラゼネカ株式会社より以下のリスク因子を一つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合、65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病等、また経皮的冠動脈形成術(PCI)が適応される急性冠症候群に関する効能・効果について、再審査申請がなされています。
資料13-3、エピデュオゲルについて、マルホ株式会社より尋常性ざ瘡に関する効能・効果に対しての再審査申請がありました。
また、ロラピタ静注2mgについて、ファイザー株式会社よりてんかん重積状態に関する再審査申請がありました。
資料13-5、ゼプリオンTRI水懸筋注175mgシリンジ、同TRI水懸筋注263mgシリンジ、同TRI水懸筋注350mgシリンジ及び同TRI水懸筋注525mgシリンジについて、ヤンセンファーマ株式会社より統合失調症(パリペリドン4週間隔筋注製剤による適切な治療が行われた場合に限る。)について、再審査申請がなされています。
こちらについてですが、パリペリドン4週間隔筋注製剤の市販直後調査期間中において、使用中に突然死を含む複数の死亡例が報告されたことを踏まえ、平成26年4月に安全性情報が発出されています。
本剤の再審査期間中に収集した転帰死亡となる有害事象は35件あり、主な内訳は、死亡8件、自殺既遂6件、突然死2件でした。これらの転帰死亡症例については、患者要因、原疾患であったり合併症等の影響が考えられる、あるいは、詳細情報が不足しているため、本剤との因果関係評価が困難であること、また、死亡リスクの増大傾向は認められていないことを踏まえて、現時点で新たな安全対策は不要と判断しています。
資料13-6、ビムパット錠50mg、同錠100mg、同ドライシロップ10%について、ユーシービージャパン株式会社よりてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む。)に関する効能・効果と、資料13-7、同じくビムパット錠ですが、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法に関する効能・効果について、再審査申請がありました。また、ビムパット点滴静注100mg、同点滴静注200mgについて、同じくユーシービージャパン株式会社からですが、一時的に経口投与ができない患者における下記の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法、てんかん患者の二次性全般化発作を含む、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法に関する効能・効果について、再審査申請がありました。いずれについても機構において確認を行い、カテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しています。
続いて、その他の議題です。資料14-1及び14-2です。今年10月の部会において、医薬品ザスペイカプセル30mgについて、部会での御意見を踏まえて、主に効能・効果関連注意の投与時期に関する記載、用法・用量関連注意における再治療の文言、添付文書の7.5項にあった併用に関する注意喚起に関する記載について、御意見を踏まえて修正をし、本部会で改めて報告することとしていました。資料14-2のとおり、部会の委員の皆様の御意見を伺って修正しています。また、資料14-1に、委員の皆様に御意見を伺った際の御意見と対応について記載しています。
御意見を踏まえて、一部修正したものとして資料14-2を示しています。報告については以上です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございました。まず、報告事項の議題1は、医薬品アジンマ静注用の製造販売承認事項一部変更承認についてでしたが、本件について先生方から御意見、御質問はありますか。先ほど御説明いただいたように、本剤を使用していた○歳の小児の死亡例に関する報告が海外から比較的最近あり、専門協議が実施された本年11月の時点では、まだ報告されていなかったということがありました。厚労省の方から追加で御連絡を頂いて、専門協議の先生方に改めて確認いただき、その上で今回の対応の御指示を頂いているという経緯となっております。
本件について先生方から御発言はありますか。小児ということで、長谷川委員、改めてもし何か御意見がありましたら、いかがでしょうか。
○長谷川委員 今回初めて聞いたので、申し訳ございませんが、余りコメントできるような情報は持ち合わせておりません。申し訳ございませんが、御容赦いただければと思います。
○森部会長 現在、米国での状況はどのようになっているのか、お分かりになる範囲でいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。FDAの状況ですが、FDAでは現在、本剤投与後に発現した中和抗体と、それに伴う重篤な転帰のリスクについて調査しており、規制当局としての更なる対応の必要性を検討中とのことです。
○森部会長 中和抗体が生じていた事例については、これまでの使用経験から全体で何例確認されていらっしゃるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 3例です。
○森部会長 死亡例の1例を含めて3例という御理解でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 その理解で合っています。
○森部会長 そのほかの2例については、その後の転帰等の情報はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 あります。その2例については、死亡や重篤な有害事象等の重大な安全性上の問題は認められておりません。
○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきますと、残りの2例についてはいずれも情報不足又は本死亡例と同様に、新鮮凍結血漿の併用等の交絡があるために、本剤と中和抗体の発現との関連は明確ではないという状況です。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございます。今回の報告事項として挙げていただいています一部変更については、小児の使用に関しての適応拡大の内容でしたので、今回の事例については大変重く受け止めております。部会の先生方も今回、ようやく詳しい状況をお聞きの先生方も多いかと存じますので、少しお時間を頂いて先生方の御意見を改めて伺ってまいりたいと思いますが、いかがでしょうか。委員の先生方に、この内容について事前に周知いただいていましたか。
○事務局 事務的な話で申し訳ないのですが、報道の話は特に共有はしていません。
対応については今御説明したとおりですが、事前には展開していません。
○森部会長 今のところ、特にないですか。どういたしましょうか。国内での関連学会との情報共有状況はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 報道後、特に学会とコンタクトは取っておりません。
○森部会長 専門協議の委員からは、今回の添付文書に関しては、小児で1例死亡例があったことについて、中和抗体の発現も含めて情報提供されるということで、文面については現在作成中、もう作成されていらっしゃるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。スライドを準備しておりますので、共有させていただけますと幸いです。
赤字の部分でして、15.1.2項を新設して、本剤との因果関係は明らかではないが、海外製販後において、ADAMTS13に対する中和抗体(インヒビター)を発現した小児の先天性血栓性血小板減少性紫斑病患者1名で死亡が認められたとの報告がある旨を情報提供する予定です。
○森部会長 海外ではどの程度の症例数に実際に使用されていた中で、こういったことが起こったのか情報はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。製販後において、本剤が何例に投与されたかという情報は持ち合わせておりません。なお、製造販売後の全有害事象の報告例数は○○○例です。
○森部会長 12歳未満の小児ではいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 その情報は持ち合わせておりません。
○森部会長 まだ報告がされたばかりで、全般に情報が十分に集めきれていない状況ではありますが、今後の対応について、特に厚労省の方から指導していただくことはありますか。
○事務局 先ほど御説明したとおりではありますが、注意喚起というか、情報提供は適切に行っていただくことと、今後の情報を踏まえて、もし注意喚起を改訂する必要があるということでしたら、添付文書も当然改訂することになると考えていますし、追加の情報があれば当然、追加で情報提供していくことになるかと考えています。
○森部会長 選択肢としては、一部変更を認めること自体を情報が集まってからにするという選択肢もあるのでしょうか。
○医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課長でございます。まず、この医薬品そのものは成人として既に承認されているもので、この疾患に対しての有効性・安全性は、既に現場で使われているものだということだと承知しています。小児に拡げるために、小児においての有効性については、成人からも推定されるということで今回、承認可ということで報告しております。安全性とのバランスで、小児において何か懸念することがあるのかという点が、今回の報告を受けて検討することではありますが、個別の死亡例があったということをもって全体のところまで影響するのかというのは、今回の報告の内容をきちんと精査することが大事かと思っております。
今の時点で分かっていることは、死亡例があったこと、そこでインヒビターが検出されていることかと思いますが、中和抗体が産生されることについては既に注意喚起はされている状況ではあります。ですので、因果関係などを精査した上で、追加の対応が必要であれば注意喚起なり、使用制限なりが今後、対応として可能性はあるとは思いますが、現時点として承認を止めるほどのものであるかと言われると、これまでのいろいろな医薬品の事例を考えるとそこまでのものではなく、承認としては可としても差し支えないのではないかと考えております。
○森部会長 先ほどの御説明で、今回の死亡例ではADAMTS13活性が回復しなかったとお聞きしていたところだったので、もともとADAMTS13の活性が先天的に喪失している患者さんにこの治療が行われているという経緯ですが、それをレスキューする治療法として従来から行っている治療を行った上でも活性が回復しなかったということで、フォン・ヴィレブランドファクターの凝集を介した血栓性イベントで亡くなっていると理解していますので、その状況が想定内のことであったのか、通常の状況では想定されていない状況だったのかということが極めて重要な点だと思います。その点は、現状ではどうお考えでしょうか。
○医薬品審査管理課長 御指摘をありがとうございます。当然この治療で完結するというものではなくて、患者さんの状況を見ながら追加の治療をされるものということかと思いますので、今回、死亡例があった症例における情報をきちんと現場に提供することで対応いただくということでいかがかと考えます。
○医薬品医療機器総合機構 機構より1点、追加で御説明させていただきます。先ほど部会長から御説明いただいた治療に関してなのですが、急性TTPイベントがこちらの患者さんで起きて、本剤の投与と同じタイミングで、恐らく血漿製剤がこちらの患者さんに投与されています。血漿製剤に関しては、インヒビターが作られることがガイドラインにも注意喚起されている状況ですので、現時点ではその関与が明確ではないと考えています。こちらに関して専門委員の先生からは、こちらの患者さんは、これより以前に、過去に新鮮凍結血漿の投与で重度のアレルギーを引き起こした歴もある患者さんで、体質的にインヒビターを作りやすい患者さんであったかもしれないというコメントは頂いています。ただ、情報が現時点では因果関係を確立されるまでには至らないと伺っております。
○審議官 部会長、よろしいでしょうか。本件につきましては、これは海外ではもう既に小児の適応がある中で、言ってみれば、これは海外で市販後の対応ということになっています。要するに、効能を取った後の製造販売後の安全性のフォローアップの中で発生しているイベントということです。そういう意味では、本件も日本国内の対応としても、やはりこれは市販後の対応としてきちんとフォローアップをしていくことが大事でありまして、そういう意味では、当部会は承認審査に係る部会で、市販後のフォローアップについては、別途、医薬品安全対策部会という所がありまして、通常はそちらの方でフォローアップをしていく、アメリカ等々、ほかの当局とも連携して対応していくことになってまいります。むしろ、本件につきましては市販後のフォローアップの方に委ねていただくことも一つのやり方ではないかと思っております。
○森部会長 時間的には、海外では死亡例が発生したのが承認後だったからだと思いますが、承認審査の時点で、臨床試験の段階で死亡例が出ていれば、どういう対応だったかということはまた別の問題で、日本はこれから承認をするかどうかという議論をしているので、海外の製造販売後で死亡例が生じたということが承認には影響しないということは私には理解が難しいのですが、いかがしたらよろしいでしょうか。
○医薬品審査管理課長 事務局です。この今の状況としては、死亡例があったということではありますが、本剤との因果関係の直接的なものがどこまで分析されているかという点では、まだ情報が不十分で、今、解析中ということではないかと思いますので、承認に差し支える状況ではないのではないかというのが現時点での考えではあります。
○森部会長 死亡例については、本剤が何度使用されて、どういった経緯で重篤な急性イベントを起こしたのかということについては、どの程度分かっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。本剤の使用方法としては、予防を目的とした定期補充療法と、こういった急性期の治療を目的とした一時補充療法の二つがあるのですが、こちらの患者さんは、もともと本剤を定期補充療法で一定期間使っていらして、その中で急性TTPイベントを発症して、治療目的の本剤投与をされたという患者さんです。なので、この1回きりの治療であったということではないです。
○森部会長 定期的な投与は何回ぐらい実施されているか、情報はあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 少々お待ちください。
○森部会長 詳細をこの場で公表していただくことが重要だと思いますので情報提供をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 投与の回数までは記載がないのですが、投与間隔が2週間で、大体10か月程度投与されています。
○森部会長 その間は、一定の治療効果は得られていたかの情報はあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 10か月の投与期間中に急性TTPイベントの発現は認められていませんので、治療の効果はあったものと考えます。
○森部会長 中和抗体が発現しているのは、どのタイミングで確認されているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 急性TTPイベントが発現して、本剤と血漿製剤の1回目の最初の投与がされた後のタイミングです。
○森部会長 定期的な治療がなされている際の何らかの検体保管がされていて、中和抗体が後向きに限定されてはいないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そこまでの情報は報告されておりません。
○森部会長 定期的な投与をされていた方が、急性発作を起こされたということについては、通常の治療の中でも十分起こり得ることであるのか、若しくは、中和抗体などが発生した場合に起こりやすい事象なのか、どういった御判断になっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤は希少疾患の中でも非常に患者さんが少ない疾患ですので、情報が限られるのですが、定期的な本剤の治療をしていても急性TTPが起こることはありえるとの理解です。
○森部会長 今、この部会の中で機構の方から教えていただいた情報などについては、専門協議の先生方にほぼ同様の内容で共有されていると理解してよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。補足で申し上げますと、専門委員の先生方からは、今回の対応については特段異存はない旨の御意見と、専門協議の中では、小児に関しても本剤のニーズが非常に高いという点は伺っております。なお、本剤の患者数は先ほど限られていると申しましたが、2022年までの段階で日本で報告されている患者さんが70例程度ということなので、今後、市販後の報告を待ってから判断ということになりますと、そのタイミングがどれぐらい後ろになってしまうかが分からない状況であるとは考えております。
○森部会長 12歳未満の方がですか。
○医薬品医療機器総合機構 大人も含めて全体でです。
○長谷川委員 長谷川です。確認させていただきたいのですが、これは中和抗体が発現してきて、TTPの急性増悪で亡くなったという理解でよろしいのですか。今回の因果関係が明らかではないけどということですが。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。急性TTPイベントが発現した後に、確認したら中和抗体が発現していたというところが分かりましたので、中和抗体が発現したから急性TTPが起こったのかは分からない状況です。
○長谷川委員 急性増悪が起こって投与して、結果として亡くなられたということしか分からないということですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そうです。その後調べてみたら、中和抗体の発現が認められたということです。
○長谷川委員 先ほども言われましたが、中和抗体がどれほど関与しているかということに関しては不明であるという理解でよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。
○長谷川委員 繰り返しになって申し訳ないです。結局、死因、亡くなられた原因は、出血とか血栓とか、TMA(血栓性微小血管症)みたいなものになったのか、どういった理解にしたらよろしいですか。病態がよく分からないので教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御指摘のとおり、出血である可能性は非常に高いのですが、申請者側も死因までは特定していないとのことです。
○長谷川委員 因果関係が不明であると、その対応がなかなか難しいのかなとは思ったのですが、症例数がすごく少ないので、それに対してこの1例でどう判断するかというのは非常に難しいのかなと、個人的には聞いていて思いました。多分、これから数が多くなれば、インヒビターの発現をどうやって抑えていくかというのが、血友病の治療のように、インヒビターに対応してというのが、これから課題になってくるのかと。生物学的製剤はいろいろ中和抗体が出てきていますので、中和抗体ができるという情報はたくさんありますので、免疫抑制剤とかステロイドとか、そういったものを併用して、これはどういうふうに抑制されるのかというのは、今後の課題としていく必要があるのかなと考えて質問させていただきました。ありがとうございました。
○森部会長 今、海外で収集されている情報は、日本でも共有していただくことは可能なものですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、可能です。
○森部会長 TTPそのものが先天性のものと後天性のものがありますし、後天性のものはインヒビターが生じて、何らかの機序で生じているものが多く、ステロイド治療などが一般に行われているかと思います。今回、急性発作を起こされた後の治療内容についても、大変大きく関心があるところですし、それに反応したのか、不応だったのかということも大変重要なポイントかと思います。そちらについては、今後の情報収集によってよりつまびらかになると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回のこちらの症例については、現在報告されている以上の情報は、現時点ではないようには思います。
○森部会長 インヒビターに対しての治療は何か実際追加されているのでしょうか。
インヒビターを念頭に置いた治療というのはあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 インヒビターに対する治療は特になく、イベントに対する治療を行うのみと理解しております。
○森部会長 イベントに対する治療は行われていて。どの程度の期間の治療が行われた後に亡くなったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ○週間ぐらいです。
○森部会長 分かりました。○週間ということですね。
○審議官 1点よろしいですか。本剤につきましては、リスクマネジメントプランというものを承認条件の中で付加しております。その中で、インヒビターの発生についても、承認後にはしっかりとモニタリングをしていくという形になっておりまして、そこをまた徹底してしっかりやっていただくということで、恐らく、このイベント自体は国内で発生するタイミングがいつになるか分かりませんし、頻度的に見てどうかという部分もありますが、そこはきちんと製造販売業者にモニタリングをさせるというところを徹底していくということ。それによって可能な限り、こういった事例の発生を防いでいく対策をしっかりとっていただくということを一つ条件にして、本件については進めてはどうかなと思いますが、いかがですか。
○森部会長 ありがとうございます。
○佐藤(陽)部会長代理 リスクマネジメントプランのお話が出たので、できる範囲で構わないのですが、これはケースレポートとかで公表されたりしないのですか。その辺の状況が分からないのですが。その辺は全然情報としてはないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 本症例についてということですか。
○佐藤(陽)委員 そうです。
○医薬品医療機器総合機構 その点は把握しておりません。
○佐藤(陽)委員 分かりました。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については現在、成人も全例調査の実施中で、小児についても同様に全例が調査される予定ですので、その中で御懸念のインヒビターに関する情報等も収集することは可能と考えております。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長です。この案件は、既承認の観点からいくと市販後での対応であり、小児の適応の話があったので、審査の方で引き取って、今、対応しているところですが、この症例自体はかなり情報の限界もあります。ただ一方で、海外でそういった情報があるということは重要ということで、既に添付文書の注意喚起がありますが、この後、どういった形で現場にしっかり周知するか、気を付けなければいけない所に関しては、RMPの根拠付けもありますし、海外症例の経過が分かる情報で、こんな経過があったということを情報提供する手法もあると思いますので、現場で使うときにどういった形で情報提供するかというのを企業の方と相談しながら進めていきます。それで、今後使い始めたときにこういうことが起こったときには、もともと有害事象の報告があれば迅速に対応するので、その中で処理をして、医薬品安全対策部会の下の調査会での対応とか、必要があれば対応できますし、通常の添付文書改訂とか、そういう措置の中での対応になってくるのかと思っているところです。
○森部会長 今までの議論の中で、まずは海外で分かっている情報の内容を詳しく御説明いただきました。また、本剤が成人、小児いずれも全例調査の対象であるということも伺いました。また、添付文書の記載に関する修正案についても、具体的にお示しをしていただいたところです。また、医療安全対策課長からは、今後の医療安全対策に関する基本的なスタンスについても伺いました。現時点で集まった情報を基に、できることの最善を尽くしているということで理解しているのですが、特にこの件につきましては、先生方からほかに御意見はございますか。特段ございませんか。もしこういったことをもう少し検討した方がいいということがありましたら、御意見を頂けますと大変助かりますが、いかがですか。特段ないようです。そうしたらこの内容については、まず報告を伺ったということで進めてよろしいですか。ありがとうございました。
それでは、続きまして、報告事項2と3につきまして詳しい説明を承っていますが、何か先生方から追加で御意見等ございますか。よろしかったでしょうか。また、報告事項議題4についても、特に御意見はございませんか。
最後に、その他の事項についての御説明も頂きました。この件につきまして、先生方から追加の御発言はございましたらお願いいたします。柴田委員と大森委員からもし御発言がございましたらいかがですか。
○大森委員 多くの箇所を修正していただいて、添付文書は大分改善されたと思います。私としては異存はございません。
○森部会長 ありがとうございました。それでは、柴田委員、いかがですか。
○柴田委員 コメントした件につきましてお答えを頂きましたので、私も異存はございません。どうもありがとうございました。
○森部会長 ありがとうございました。それでは、報告事項1~4及びその他の事項1につきまして、確認いただいたものとしてよろしいですか。ありがとうございました。それでは本日の議題は以上となります。事務局から御報告はございますか。
○事務局 次回の部会ですが、令和8年1月23日(金)午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いします。
○森部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
本日の会議における委員の出席についてです。外園委員、野津委員から御欠席との御連絡を頂いております。このほか、長谷川委員、矢野委員から遅れて御参加いただくとの御連絡を頂いております。本日は、現在のところ、当部会委員数21名のうち17名の委員にこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況についてです。全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度御協力を賜り、誠にありがとうございます。
それでは、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から、資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料1から17を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料17に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1、アップニーク、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題2、セピエンス、退室委員、石川委員、川上委員、議決に参加しない委員なし。議題3、ラヴィクティ、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題4、プリミーフォート、退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。議題5、イセルティ、退室委員なし、議決に参加しない委員、髙橋委員。議題6、ケレンディア、退室委員、阿古委員、佐藤直樹委員、議決に参加しない委員、矢野委員。議題7、オプスミット、退室委員、阿古委員、議決に参加しない委員なし。議題8、希少疾病用医薬品の指定の可否、退室委員なし、議決に参加しない委員、長谷川委員。以上です。
○森部会長 今の御説明につきまして、特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたこととさせていただきます。
本日の非公開議題は、審議事項8議題、報告事項4議題、その他の事項1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。
それでは、議題1につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品アップニークミニ点眼液0.1%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明させていただきます。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号3ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項です。本剤は、アドレナリンα受容体作動薬であるオキシメタゾリン塩酸塩を0.1%含有する点眼剤です。本邦においては、本薬を0.05%含有する点鼻薬が一般用医薬品として販売されております。
眼瞼下垂は、眼瞼の挙上筋又はその支配神経の障害により、まぶたを開けるときに正常位置よりまぶたが下がる病態と定義され、後天性眼瞼下垂の多くは、加齢、眼科手術等による眼瞼挙筋腱膜の退行又は伸展等に起因するとされております。眼瞼下垂では、上方の視野欠損及び上方視野を確保するために代償的に生じる顎上げや眉を上げることに伴う頭痛などにより、日常生活に支障が生じることが報告されています。本邦において後天性眼瞼下垂に対して承認された医薬品はなく、後天性眼瞼下垂に対する治療は、眼瞼下垂の重症度や挙筋機能の程度に応じて外科手術が行われています。
本薬は、上眼瞼の挙瞼に関わる筋組織のうち、ミュラー筋上のα1及びα2受容体に作用し、ミュラー筋の収縮を介して上眼瞼を挙上させると考えられています。
本剤の後天性眼瞼下垂に係る開発について、本邦では20○○年○月から本剤の臨床試験が開始され、今般、後天性眼瞼下垂に対する有効性及び安全性が確認されたとして、本剤の製造販売承認申請が行われました。海外では、米国において、本薬0.1%を有効成分とする点眼剤が成人における後天性眼瞼下垂に係る効能・効果で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書11ページ「7.1.2 国内第III相試験」の項を御覧ください。日本人後天性眼瞼下垂患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重遮蔽並行群間比較試験が実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、13ページの表8を御覧ください。主要評価項目とされた投与14日後の朝点眼2時間後におけるベースラインからの瞳孔中心から上眼瞼縁までの距離(MRD-1)の変化量につきまして、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。以上から、本剤の後天性眼瞼下垂に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続きまして、安全性について、審査報告書18ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤の投与に当たりましては、特に霧視などの本薬の散瞳効果に伴う事象の発現に注意する必要があるものの、当該事象に対する適切な注意喚起が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。なお、本剤の投与に当たりましては、投与対象が適切に選択されることが重要であり、これらの内容については、添付文書や医療従事者向け資材を用いて注意喚起等を行うこととしております。また、本剤の適正使用推進に係る方策として、現在、関連学会において、本剤による後天性眼瞼下垂に係る治療指針が作成されており、今後、学会より情報提供される予定と聞いております。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、新効能医薬品等であることから、再審査期間は4年とすることが適当であり、また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では、報告を予定しています。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がございましたら、お願いいたします。本日御欠席の外園委員から何か御意見がございましたか。
○事務局 外園先生からは、特にコメントは頂いておりません。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。ございませんか。先ほどお伺いしました治療指針については、現在、関連学会が作成中ということで、本剤の上市のタイミングに合わせて内容も更新されるということでよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 公表の具体的なタイミングについては聞いてはおりませんけれども、上市に向けて作成を進めていると聞いております。添付文書の内容や企業が作成する資材等の内容も反映していただくようにということは、企業を通じてお伝えしたいと考えております。
○森部会長 ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。14ページに、長期連用した際の反応性の低下が生じる可能性が否定できないということで、添付文書の8.1でも、本剤を6か月を超えて点眼した際の有効性及び安全性は検討されていないというようなことがあるのですが、どのような形でこれを、資材も含めてですけれども、指導される形になっているのでしょうか。つまり、6か月、臨床試験の場合にはもう少し短いわけですけれども、どの時点でこれの効果判定をして、これは眼瞼下垂ですので、長期連用しないといけないはずなのですが、どの辺のところでこれを臨床上、置きどころにするのかというところがここからは全く見えない。機構の方も含めてですけれども、そういう検討が曖昧というわけではないですけれども、記載がないのですが、それはいかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、長期投与時の有効性につきまして、おっしゃるとおり、臨床試験では6か月まで投与されておりました。6か月時点で、承認用法・用量である1日1回投与において、本剤の効果が大きく劣るような結果というのは認められていない状況です。安全性についても、特段の問題は認められていない状況でございます。また、海外では既に製造販売されておりまして、6か月以上投与された症例についても、安全性上の大きな懸念は報告されていないと聞いております。ですので、現在、添付文書で行っている以上の注意喚起は予定しておりません。
一方で、効果判定につきましては、効能・効果に関連する注意の項で、効果が認められない場合には漫然と投与しない旨を注意喚起するとともに、効果が認められないとはどういったことかということについては、資材で判断の目安を情報提供させていただく予定としております。
○宮川委員 ありがとうございました。では、効果判定というのは、臨床上、何か月ぐらいで想定しているのでしょうか、
○医薬品医療機器総合機構 まずは初回の処方をされてから1か月程度で効果判定するということを、資材で情報提供する予定としております。
○宮川委員 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。特に御意見はございませんか。では、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。なお、石川委員、川上委員におかれましては、利益相反のお申出に基づきまして、議題2の審議の間、会議から御退出いただきまして、御待機いただくこととなっております。石川委員、川上委員は御退出をお願いいたします。
――石川委員、川上委員 退室――
○森部会長 では、議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 それでは議題2、資料No.2、医薬品セピエンス顆粒分包250mg他の製造販売承認申請の可否等につきまして、機構より説明いたします。
今回承認申請された製剤は、テトラヒドロビオプテリンの内因性前駆体であるセピアプテリンを有効成分とする新規の経口顆粒で、フェニルケトン尿症に対して用いられる治療薬となります。
フェニルケトン尿症は、フェニルアラニン水酸化酵素の遺伝子の変異による機能低下により、高フェニルアラニン血症を呈する常染色体潜性の先天性のアミノ酸代謝異常症となります。フェニルアラニンは、このフェニルアラニン水酸化酵素とその補因子として機能するテトラヒドロビオプテリンによる酵素反応を介して分解されますが、フェニルケトン尿症患者におきましては、この酵素の遺伝子変異による酵素活性の低下により、血中フェニルアラニン濃度が上昇することとなります。それに伴い、無治療の場合、様々な精神神経障害を来すことが既に報告されていますが、本邦におきましては、フェニルケトン尿症は新生児マススクリーニングの対象に含まれており、一般的には早期の治療介入がなされます。
本剤につきましては、2025年6月に既に欧州にて承認されており、続いて2025年10月時点では欧州、米国を含む五つの国又は地域で承認されています。
本剤は、フェニルケトン尿症に対して希少疾病用医薬品に指定されています。本品目の専門協議におきましては、資料No.16に示す先生方を専門委員として指名しております。以降、こちらの有効性及び安全性につきましては、臨床試験成績を中心に説明いたします。
有効性につきまして、資料No.2の審査報告書40ページの表38を御覧ください。2歳以上のフェニルケトン尿症の患者を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験である海外第III相試験003試験が実施されています。主要評価項目である血中フェニルアラニン濃度のベースラインから投与6週時までの変化量につきまして、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。
続いて審査報告書43ページの表43を御覧ください。年齢制限を規定していない非盲検試験である国際共同第III相試験が実施されています。その結果、血中フェニルアラニン濃度の平均値は目標治療範囲とされる360μmol/L付近を保った状態で、主要評価項目である食事からのフェニルアラニン摂取量のベースラインから投与26週時までの変化量がベースラインから増加する傾向が認められています。
日本人の有効性については、同様に審査報告書43ページの表43を御覧ください。
日本人患者は、この非盲検試験のみに組み入れられており、症例数が少なく、結果の解釈には限界があると考えておりますが、食事からのフェニルアラニン摂取量のベースラインから投与26週時までの変化量及び血中フェニルアラニン濃度のベースラインからの変化量が全体集団と同様の傾向を示していることから、日本人のフェニルケトン尿症患者におきましても、本剤の有効性は期待できると判断いたしました。
続いて、安全性について、審査報告書41ページの表41を御覧ください。海外第III相試験において発現した主な有害事象は下痢や胃腸炎等でしたが、いずれも軽度又は中等度であり、重篤な有害事象、そして投与中止に至った有害事象は認められておりません。審査報告書52ページの表49を御覧ください。お示ししているとおり、プラセボ群と比較しても、本剤投与による安全性上の懸念は大きくないと考えられました。
これらの成績に加え、非盲検試験である長期継続投与試験の成績も含め、本剤の長期投与時の安全性についても臨床的に問題となる傾向は認められておらず、本剤の有効性を考慮しますと、適切な注意喚起をした上であれば安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の検討の結果、本剤をフェニルケトン尿症を効能・効果として承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤につきまして、セピアプテリンは新有効成分含有医薬品に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。説明は以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の方々から御質問はいかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございました。私からは添付文書に関しまして、幾つか質問させていただきます。まず、添付文書の9.6の授乳婦の所を御覧ください。ここで治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することと書いてありますが、これは私が文言の解釈がなかなか至っていないので分からないのですが、これは結局、授乳をしている場合、お子様などが治療をした場合において、その母乳を与えていいか悪いかというのは医師が判断し、そしてもし中止の場合に関しては、それこそ特殊のミルクを与えるということで理解してよろしいのでしょうか。すみません、治療用の特殊ミルクもあるということをお聞きしておりますので、ちょっとそこがよく理解できなかったので教えていただけたら有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。まず、この授乳婦の注意喚起に関しましては、お母様が患者さんである場合の注意喚起になります。その際に本剤を投与すると、本剤のデータはないのですが、その類薬であるビオプテンを投与した際に、母乳中に本剤の活性代謝物でもあるビオプテリンが検出されることが報告されています。患者であるお母様に本剤が投与され、そのお子さんに授乳する際には、お母様の状態を含めて有益性を考慮し、医師と患者さんに御判断いただく必要があることを注意喚起をしております。
○堀委員 ありがとうございます。そうすると、あくまでも授乳婦が患者さんということでよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりです。
○堀委員 ありがとうございます。確認いたしました。あと2点質問させていただきます。適用上の注意の薬剤交付時の注意で、患者がお子様だった場合、親がお子様に服用すると思うのですが、この場合、水で混ぜて飲ませる場合に関しての味や飲みにくさというのを教えていただければ有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。実際、臨床試験におきましては、水やりんごジュース等に混ぜて小さいお子様に投与されています。その際に飲みにくい等が問題として挙げられていることは確認できておりません。したがいまして、臨床試験の規定どおり投与することで、本剤の試験で認められた有効性・安全性は実際の患者さんでも期待できると考え、その規定を交付時の注意として提示いたしました。
○堀委員 ありがとうございます。乳幼児の方にシリンジで口内に入れる場合もあるかと思うのですが、特にそこに関してぺっと吐き出すような、そのような事例はなかったということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 小さいお子様だと、投与の仕方によっては嚥下等の問題があるかもしれませんが、試験では、基本的には水やジュース、柔らかい食べ物などに混ぜてゆっくり食べさせ投与することで対応されていました。シリンジを使ってゆっくり投与できる規定を企業が検討した上で試験を実施していますので、規定に従って投与していただくことができれば、特に問題なく投与できるのではないかと考えております。
○堀委員 ありがとうございます。最後に、保存方法なのですが、今、セピエンスの製剤写真を拝見しており、1000mgと250mgがあるということで、この薬剤交付時の注意で、本剤を再分包はしてはいけないということだったのですが、これは患者さんに関してはこの1000mg又は250mgがそのまま渡されるということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、おっしゃるとおりです。今回、顆粒分包として、袋の状態で患者さんにそのまま交付されることになっており、それをもし、お子さんに投与するのであれば、保護者の方に開けていただいて、添付文書の14項で記載している服用方法で投与していただくというのが基本的な流れになると考えています。
○堀委員 ありがとうございます。そういたしますと、お子さんがこれを飲む場合、今、この製剤の写真を見ていると、はさみで切るだけでチャック式や、何て言うのですか、保存の状況が簡単に開けられないような状況にはなっていないと思うのです。もし、これを1回開けて、確かに水に混ぜた場合に関してはいろいろと添付文書に指示が書いてあったと思うのですが、この袋を開けて、そのまま保存する状態というのは、冷蔵庫や、あとはきちっとチャック状のものに入れるなど、そのような制限はないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。基本的には開けた時点で使い切りで、残薬は捨てていただくこととなります。と言いますのも、開封した状態における長期の安定性試験などの成績は出てきていません。14.1.2項に記載しているとおりの品質に関する安定性の試験等は確認しているため、その内容を記載しておりますが、開けたままで長期的に冷蔵庫に保存することは想定していません。
○堀委員 そうすると、お子様が簡単に手が届いてしまって、それを開けてしまうような場合、チャイルドロックのような、そのようなものはなくて、結局、お母様が1回開けたら、もうそのまますぐ、残ったら廃棄という形になるので、そのような懸念はないということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、基本的には御理解のとおりです。チャイルドロックという観点で言いますと、はさみを使ってでないと開けられない製剤になっています。我々も実際に試してみたのですが、普通に手で開けるには大人としてもなかなか難しい製剤になっていますので、例えば小さいお子さんが、仮にその顆粒分包を手に取って開けようとした際には簡単には開かないと想定されます。
想定する投与方法以外で何か誤って投与されるということがないよう、可能な限りリスクを最小化する対応を企業としても考え、製剤化されています。
○堀委員 ありがとうございます。この14.1.1.2の最後の「混合後の残薬は廃棄すること」という記載ですが、これは水に溶かしたお薬ということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。本剤の使い方について、製剤そのもの全てをまず水などに溶かすことになるので、顆粒のまま袋に残るということは想定されていません。そこから必要量をシリンジなどで抜き取って投与することになります。一番最後の「混合後」という記載は、水などに混合した後の残りになりますので、その残ったものがあれば廃棄してくださいという注意喚起になります。
○堀委員 御丁寧にありがとうございます。ちょっと、この服用の仕方というのが、ここの添付文書だけですと分かりづらい方もいらっしゃるのではないかと思いますので、患者向け資材に関してはより丁寧に、特に図なども入れて御説明いただけたら有難いと思いました。すみません、長々と、ありがとうございます。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。補足になりますが、この14項に関する指摘、この説明だけでは確かに分かりづらいところもあるかもしれませんので、用法・用量ガイドを別途作成しております。と言いますのも実際、体重等により投与する液量が変わり、どのぐらいの体重の患者さんに実際にどれぐらいの液量を投与すればいいのかは臨床試験でも規定されていましたので、その一覧表を用法・用量ガイドとしても作成して、適切に現場に情報提供する予定でございます。
○堀委員 どうもありがとうございました。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見はいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。では議決に入らせていただきます。議題2につきまして承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はございませんので、承認を可として薬事審議会に報告いたします。
では、ロビーで御待機中の石川委員、川上委員をお呼びいただければと思います。
続いて議題3に移ります。よろしいでしょうか。
──石川委員、川上委員 入室──
○森部会長 では、議題3につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題3、資料No.3、医薬品ラヴィクティ内用液1.1g/mLの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。
尿素サイクル異常症は、アンモニアを尿素に変換する尿素サイクルに関与する酵素又はトランスポーターが欠損する遺伝性疾患です。アンモニアが体内に蓄積することで高アンモニア血症を来し、食欲不振、頭痛、痙攣発作、脳浮腫等の多彩な症状を呈します。本剤は、グリセロール骨格に3分子のフェニル酪酸が結合した構造を有する薬剤であり、主に消化管のリパーゼによりグリセリンとフェニル酪酸に分解され、その後、肝臓等でフェニル酢酸に変換されます。フェニル酢酸が尿中に排泄される際に、体内のアンモニアが消費されることから、本剤の投与により、尿素サイクル異常症で余剰となっているアンモニアを排泄させ、高アンモニア血症を軽減させることが期待されます。
本邦では、類薬として、フェニル酪酸のナトリウム塩であるブフェニール錠500mg及び同顆粒94%(以下「ブフェニール」)が尿素サイクル異常症の効能・効果で既に承認されておりますが、ブフェニールに比較して本剤の方が服用量が少ないことなどから、服薬アドヒアランスの向上が期待されます。
今般、尿素サイクル異常症患者を対象とした海外第III相試験や国内第III相試験等の成績に基づき、本邦における製造販売承認申請に至りました。海外において本剤は、2013年2月にアメリカで承認されて以降、2025年10月時点では、欧州及び英国を含む12の国又は地域で承認されています。本剤は、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の専門協議では、資料No.16に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明します。
有効性については、審査報告書46ページ表36を御覧ください。外国人尿素サイクル異常症患者を対象に、本剤とプラセボをクロスオーバーする群とフェニル酪酸ナトリウムとプラセボをクロスオーバーする群を比較する、無作為化二重盲検2期クロスオーバー試験である海外第III相試験の006試験が実施されました。主要評価項目であるフェニル酪酸ナトリウムと本剤の投与最終日の血中アンモニア濃度について、フェニル酪酸ナトリウムに対する本剤の比の95%信頼区間の上限値が、事前に規定した非劣性マージンである1.25を下回り、フェニル酪酸ナトリウムに対する本剤の非劣性が検証されました。
続いて、審査報告書49ページの表39を御覧ください。日本人尿素サイクル異常症患者を対象に、フェニル酪酸ナトリウムの投与後に本剤を投与する非盲検単群切替え試験である国内第III相試験のJ001試験が実施されました。
主要評価項目であるフェニル酪酸ナトリウム及び本剤の投与最終日における血中アンモニア濃度は表39に記載のとおりであり、フェニル酪酸ナトリウム投与時と本剤投与時で大きな差は認められませんでした。以上の結果などから、本剤の尿素サイクル異常症に対する有効性は期待できると判断しました。
安全性について、審査報告書58ページの表48を御覧ください。海外第III相試験である006試験を含む尿素サイクル異常症患者を対象として実施された試験デザインが類似した海外臨床試験の4試験を併合した際の有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合は、本剤投与時とフェニル酪酸ナトリウム投与時で同程度でした。また、国内J001試験においても、有害事象等の発現状況は本剤投与時とフェニル酪酸ナトリウム投与時で同程度であり、日本人患者に特有の安全性上の懸念も認められませんでした。以上より、本剤の尿素サイクル異常症に対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の検討の結果、尿素サイクル異常症を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断しました。本剤は、新有効成分含有医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見ございましたらお願いします。いかがでしょうか。小児科御専門の長谷川委員から、もし御発言がございましたらお願いしてよろしいでしょうか。
○長谷川委員 すみません、今、入ったばかりで途中からしか聞いておりませんので何とも言えないのですが、尿素サイクル異常症、最後に出ましたが、希少疾患でまだ余り治療薬として確立されたものはありませんので、もし有効性・安全性が確認されているのであれば、是非、承認されると世の中に出てきて、その後、患者さんたちに貢献できるといいのかと思っております。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方、御意見いかがでしょうか。
機構の方、血中アンモニア濃度の表記に関してはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。添付文書の海外臨床試験成績の血中アンモニア濃度の表記に関しては、先日御指摘いただいた点を参考にしまして、1μmol/Lは1.7μg/dLに相当するといった換算式を追記することを検討しております。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方から御指摘、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題4に移ります。では、議題4につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、プリミーフォート経腸用液6、同経腸用液8、同経腸用液CFにつきまして、機構より説明いたします。
審査報告書の一番下、全28ページの通し番号で5ページを御覧ください。本剤はヒト由来の母乳強化剤であり、製剤6及び8は、母乳と混合した際に、体重1,500g未満の低出生体重児に対するタンパク質、エネルギー及びミネラルの推奨量を満たすように設計されております。製剤8で強化した母乳は、製剤6で強化した母乳よりも多くのタンパク質を補給することができ、製剤CFは、製剤6又は8で強化した母乳に追加することで、投与容量を大幅に増加させずにエネルギーを追加補給することができます。早産時・低出生体重児に対して、母乳のみから必要な栄養素を補給することは困難であるため、本邦の医療現場ではウシ由来強化剤で強化した母乳を用いた栄養補給が行われていますが、児の水分制限や母乳中の栄養素の状況により十分な栄養補給が困難な場合があります。そのため、当該児に対して適切な栄養管理を行うための母乳強化剤として本剤が開発され、今般、国内第III相臨床試験成績等に基づき、母乳の栄養強化に係る効能・効果で本剤の製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では栄養製品として販売されていますが、本邦では、申請者と厚生労働省で協議した結果、医薬品として開発されました。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明します。
有効性について、12ページの表10を御覧ください。在胎31週0日以前に出生した極低出生体重児を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目とされた出生から修正34週0日までの体重増加速度について、ウシ由来強化剤を母乳の栄養強化に使用した標準栄養群に対する本剤群の非劣性が示されました。
安全性について、17ページの7.R.3.1項を御覧ください。死亡並びに臨床上重要な事象である遅発性敗血症、壊死性腸炎、気管支肺異形成症及び重症未熟児網膜症について、発現割合及び発現例の詳細を確認した結果、これらの事象に関する本剤の安全性はウシ由来強化剤と同程度であると考えられました。本剤の使用に当たっては、これらの事象のほか、18ページの7.R.3.2項に示した胃腸障害及び栄養補給不耐性の発現に注意する必要がありますが、本剤が極低出生体重児等の管理を担う医師の下で使用されることも踏まえると、いずれの事象についても臨床的に問題とはならないと判断しました。
効能・効果及び投与対象について、20ページの7.R.5項を御覧ください。本邦の医療現場では、先天性疾患を有する場合と、出生体重が1,500g以上であっても、ウシ由来強化剤で強化した母乳を用いた栄養補給が医師の判断に基づき行われています。また、海外における文献報告及び本剤の組成を踏まえると、出生体重が1,500g以上の児においても、本剤により適切な栄養管理ができると考えられます。
以上のことから、本剤の投与対象を出生体重が1,500g未満である極低出生体重児には限定せず、効能・効果を「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理」と設定することが適切と判断しました。
以上のような審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断しました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品に該当し、原体のうち人乳及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見がございましたらお願いします。1点確認ですが、本剤の適正使用に関して、関連学会のガイドライン等の状況は今、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ガイドラインにつきましては、現在、こども家庭庁科学研究費補助金の成果物として、研究代表者である昭和大学の水野先生を中心に、複数の医学専門家が研究分担者として参画して取りまとめていただいたところで、日本新生児成育医学会誌に投稿されたと聞いております。本剤の承認に際しては、日本新生児成育医学会のホームページにもそのガイドラインについて掲載いただくと聞いております。
○森部会長 ありがとうございます。では、小児御専門の長谷川委員、御意見ございましたらお願いします。
○長谷川委員 ドナーミルクを用いた強化母乳ということで、未熟児とか新生児医療が非常に発達してきた中で、需要が非常にあるのかと思っております。非常に母乳のメリットというのもたくさんありますので、先ほどと同じように有効性・安全性。有効性はまずあるかと思いますが、安全性までちゃんと担保できていればいいのかと。新生児医療に貢献してもらえるものかと思って拝聴しておりました。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。そのほかの先生方から、御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。議題4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題5に移ります。議題5につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、イセルティ錠100mgについて、機構より説明いたします。審査報告書の修正表の付いている方の一番下、全58ページの通し番号5ページを御覧ください。
子宮筋腫は、子宮筋層を構成する平滑筋に発現し、エストロゲンなどの性ホルモン依存的に増殖する良性腫瘍です。本剤の有効成分であるリンザゴリクスコリンは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、GnRHアンタゴニストであり、GnRH受容体拮抗作用を介して、エストロゲン及びプロゲステロンの血中濃度を低下させることで、子宮筋腫に伴う過多月経、疼痛等の臨床症状を改善すると考えられています。今般、国内の臨床試験成績等を根拠として、子宮筋腫に基づく諸症状の改善に係る効能・効果で、本剤の製造販売承認申請がなされました。本剤は、2025年9月現在、子宮筋腫に係る効能・効果で欧州を含む30以上の国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、35ページの表37を御覧ください。過多月経を有する日本人子宮筋腫患者を対象としたKLH2301試験において、主要評価項目とされた月経血量に係るスコアである、PBACスコアの合計点が10点未満であった被験者の割合について、本剤のリュープロレリン酢酸塩に対する非劣性が示されました。また、表38のとおり、副次評価項目とされた血中ヘモグロビン濃度の結果から、貧血の改善効果が確認されました。
続いて、37ページの表40及び41を御覧ください。過多月経及び疼痛症状を有する日本人子宮筋腫患者を対象としたKLH2302試験において、主要評価項目とされた、PBACスコアの合計点が10点未満であった被験者の割合、及び疼痛に係るスコアであるNRSスコアの最大値が1点以下であった被験者の割合について、本剤のプラセボに対する優越性が示されました。
安全性について、41ページの7.R.2項を御覧ください。本剤投与時に特に注意を要する有害事象は、骨密度減少、うつを含む更年期様症状、肝機能障害、粘膜下筋腫患者における筋腫分娩・重度の不正出血及びQT間隔延長であり、本剤投与に当たっては、これらの有害事象の発現に注意する必要があるものの、既承認のGnRHアンタゴニストと比較して新たに注意すべき安全性上の懸念は認められず、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
また、以上の安全性プロファイルを踏まえ、本剤について承認後直ちに製造販売後調査を実施する必要はなく、市販直後調査並びに通常の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動による安全性情報の収集及び提供を通じて、適切な安全対策を確実に行うことで差し支えないと判断いたしました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。堀委員、お願いします。
○堀委員 ありがとうございます。確認ですけれども、こちらは患者向け資材をお作りになる御予定ですか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については、患者向け資材の作成予定はございません。と言いますのは、本剤は既承認のGnRHアンタゴニスト及びアゴニストと同様の位置付けで使用されるものであり、既承認のGnRHアンタゴニスト、アゴニストと比較して、新たな安全性の懸念は示されていないということと、既承認の製剤の使用経験から、本剤投与時に起こり得る有害事象については医療従事者に周知されていると考えております。したがいまして、現時点では資材などで特に注意喚起する必要はないと考えております。
○堀委員 ありがとうございました。副作用でうつ状態が現れることがあるということで、これは既承認のほかの拮抗剤でもやはり出ているかと思うのですけれども、うつというもの自体、患者にとってどういうものがうつの状態なのかということ、特に更年期障害に関わるようなことも書いてありますので、そういう具体的な事例というか、こういうことがあったらちょっと副作用を考えてくださいといような、そういう資材とかがあるとより有り難いと思いました。これは私からの私見です。
ありがとうございます。
○事務局 堀先生、ありがとうございます。事務局です。企業が情報提供を患者向けなり医療従事者向けに行うと思いますので、御意見はしかとお伝えしたいと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 ありがとうございます。患者さんが先行薬で治療された後に本剤を使うとは限らず、今回初めて御使用になるという方も当然出てきますので、やはり患者向け資材については、是非御作成いただきたいとお伝え願いたいと思っています。
意見としてお伝えさせていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどは、RMP資材としての患者向資材の作成予定がない旨説明しましたが、本剤では通常のリスク最小化活動として患者向医薬品ガイドは作成されるため、ご意見を踏まえ情報提供させていただきます。
○森部会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。特に御意見はありませんか、よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。議題5について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題6に移らせていただきます。阿古委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条、第7条に基づき、議題6、議題7の審議の間、会議から御退室いただきまして、御待機いただくこととなっております。また、佐藤直樹委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づき、議題6の審議の間、会議から御退室いただき、御待機いただくこととなっております。では、阿古委員と佐藤直樹委員は御退室をお願いいたします。
──阿古委員、佐藤直樹委員 退室──
○森部会長 では、議題6について、機構より概要説明をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、医薬品ケレンディア錠10mg他につきまして、機構より説明いたします。資料No.6の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下、全43ページの通し番号で5ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、非ステロイド型のミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬であるフィネレノンを有効成分とする経口剤であり、本邦では「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」を効能・効果として、2022年に承認されています。今般、国際共同第III相試験の成績等を基に、左室駆出率(以下「LVEF」)が40%以上の慢性心不全に係る効能・効果及び用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本効能・効果については、2025年10月時点において、米国を含む四つの国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概要について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について14ページの表6を御覧ください。LVEFが40%以上の慢性心不全患者を対象とした国際共同第III相試験(20103試験)では、心血管複合エンドポイントが主要評価項目とされ、試験の結果、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されました。
また、複合エンドポイントの構成要素である心血管死、心不全による入院及び緊急受診のいずれも本剤の有効性を支持する結果であったことから、LVEFが40%以上の慢性心不全患者に対する本剤の有効性が示されたと判断しました。
安全性については、本剤の作用機序を踏まえ、高カリウム血症及び腎機能悪化への影響を中心に検討しました。高カリウム血症については27ページの表19、腎機能悪化については29ページの表21を御覧ください。いずれの有害事象も発現割合はプラセボ群と比べて本薬群で高かったものの、大部分は重症度が軽度又は中等度で、本剤の継続投与下で回復又は軽快しました。したがって、既承認効能・効果と同様に、投与中は血清カリウム値及びeGFRを定期的に確認し、用量調整を行うことで本剤の安全性は管理可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。なお、部会長より、事前に本効能の臨床試験では、投与開始初期に限らず、本剤投与中に腎機能悪化関連の有害事象が認められていたことから、腎機能悪化に関して注意喚起する必要があるのではないかとの御意見を頂きました。御指摘を踏まえ、添付文書8項の重要な基本的注意の項で、慢性心不全患者への注意喚起として、腎機能の悪化が現れることがあるため、投与中は定期的にeGFRを測定し、患者の状態を慎重に観察する旨を記載する予定です。
本品目は新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年間とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。先ほど御説明を頂きましたけれども、今回の国際共同臨床試験を基に海外でも承認されているということで、添付いただいている資料は外国での添付文書の内容につきましても、頂いた資料の6の1項に「腎障害に関する注意喚起」という記載がありまして、投与初期並びに投与中の腎機能のモニタリングについて慎重にということが書いてありましたので、今回、日本での添付文書の8の5項にも同様の内容を書いていただくということで御対応いただく経緯です。この件も含め、先生方から御意見はございますか。
特に慢性心不全の治療ということもありまして、利尿剤、特にループ利尿剤、それからACE阻害薬、ARBといった、降圧を含む薬剤も使用するケースが多いということもありますので、投与中は腎機能の変動がしやすいということです。全体的には心不全の発症抑制に寄与しているという有効性についても確認されているという現状です。
特段よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。
なお、矢野委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題6につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないですので、承認を可として薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーで御待機されています佐藤直樹委員をお呼びください。
──佐藤直樹委員 入室──
○森部会長 それでは議題7に移らせていただきます。議題7について、機構から概要説明をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料No.7、医薬品オプスミット小児用分散錠1mg他2品目について機構より説明いたします。
審査報告書の一番下、全29ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。本剤はエンドセリン受容体拮抗薬であり、本邦では肺動脈性肺高血圧症(PAH)を効能・効果とし、成人の用法・用量が承認されています。海外では欧州等で成人及び小児の用法・用量が承認されています。今般、国内第III相試験の成績等に基づき、3か月以上の小児に対する用法・用量を追加するための医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請及び小児用製剤である分散錠の剤形を追加する医薬品製造販売承認申請が行われました。
本品目の審査の概略について臨床試験成績を中心に説明いたします。小児の用法・用量の開発に際しては、対象の希少性に加え、開発時点で既に本邦では小児に対して本剤が広く適応外使用をされていた状況を踏まえ、小児を対象とした非盲検非対照試験として国内試験を実施し、成人を対象とした国内試験の結果との類似性を確認した上で小児に対する本剤の有効性及び安全性を評価する開発方針がとられました。
有効性について13ページの表8を御覧ください。小児を対象とした国内第III相試験であるPAH3001試験では、投与24週時の肺血管抵抗係数PVRIが主要評価項目とされ、試験の結果、投与24週時のPVRIは事前に規定された成功基準を達成しました。また、PVRIの変化率は成人と同程度でした。以上の結果等から、小児でも成人と同様の有効性が期待できると判断しました。
安全性について、小児と成人における本剤の安全性プロファイルの比較は20ページの表13を御覧ください。小児で認められた有害事象は、いずれも成人で既知の事象であり、現時点では、小児で成人よりも安全性の懸念が増大する傾向は示されていないと判断しました。しかしながら、臨床試験で検討された症例数は極めて少ないこと、小児では成人よりも長期間にわたる本剤の服用が想定されることなどから、本剤の小児に対する投与はPAH治療に十分な知識及び経験を有する医師により行われるべきと判断しました。
用法・用量について、22ページの7.R.6項を御覧ください。1歳以上の患者についてPAH3001試験の結果より、当該試験と同一の用法・用量を設定することは可能と判断しました。
PAH3001試験に組み入れられなかった1歳未満の患者については、国内の診療ガイドラインの推奨に基づき、本剤は1歳未満も含めた小児に適応外で広く使用されている状況であり、本剤の成人に対する承認後に実施された特定使用成績調査の結果から、申請用量付近の用量が投与された1歳未満の患者における安全性は管理可能であることが示唆されていることなどを踏まえると、1歳未満も含め、PAH3001試験と同一の用法・用量を設定することは可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議を頂くことが適当であると判断いたしました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、オプスミット小児用分散錠1mg及び同小児用分散錠2.5mgについては生物由来製品に該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問や御意見がありましたらお願いいたします。柴田委員に御質問してよろしいでしょうか。柴田委員、今回の臨床開発について、小児対象ということで、非常に希少疾患でありますから、シングルアーム試験であったことに関する試験デザイン上の問題は何かありますか。
○柴田委員 基本的には対照を置いた方が良いとは考えますが、先ほど機構の方からも御説明がありましたように、成人のデータとの類似性を評価するといった対応をとられていますので、機構の御判断は妥当だと考えております。
○森部会長 ありがとうございました。長谷川委員から御意見はありますか、いかがでしょうか。
○長谷川委員 PAHはなかなか数が少なく、治療も難渋することが多くて、その選択肢が増えるのは、決して子供たちにとっては悪いことではないと思います。先ほど、ちょっと懸念、懸案事項として長期間にわたるということがありますので、注意深く見ながら投与を検討していくことになるのかなと思います。これがうまく、その子たちの治療の効果にできればと思って拝聴しておりました。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。佐藤直樹委員から御発言を伺ってよろしいでしょうか。
○佐藤(直)委員 特別新たなコメントはありませんけれども、非常に重篤な疾患ですし、それに対する新しい選択肢が出るのは非常にいいことだと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、特に先生方の御意見はよろしいですか。佐藤(陽)委員、お願いいたします。
○佐藤(陽)部会長代理 ちょっとだけ気になるので教えていただきたいのですが、1歳未満や数箇月の新生児で、1mgの錠剤をどうやって飲ませるのか、ちゃんと飲めるのかというのはちょっと気になるのですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。こちらは分散錠であり、少量の水に分散して飲ませるものになります。少量というのは、例えばスプーンの上に錠剤を乗せて、錠剤が浸る程度の量の水ですので、投与可能と考えております。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、先生方からの御意見はよろしいでしょうか。では、議決に入ります。議題7について承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
では、ロビーで御待機されている阿古委員をお呼びください。
──阿古委員 入室──
○森部会長 では、議題8に移ります。事務局から説明をお願いいたします。○事務局 それでは、議題8、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回、審議いただく品目の一覧については資料8-1のとおりです。8-2から順を追って説明したいと思います。
まず、資料8-2、Garetosmab。申請者はリジェネロン・ジャパン株式会社、予定効能・効果は進行性骨化性線維異形成症、こちらは指定難病に指定されております。当該疾患は、アクチビンA受容体I型遺伝子の活性型変異に起因する常染色体顕性遺伝疾患であり、異所性骨化に起因して徐々に運動能力が失われます。当該疾患に係る効能・効果で承認された薬剤はありません。患者を対象とした海外第II相試験において、本剤投与群ではプラセボ群と比較して投与28週後の新規異所性骨化の病変の部位数及び体積が減少することが示唆されている状況です。現在、国際共同第III相試験を実施中です。
資料8-3、シロリムス。申請者はノーベルファーマ株式会社、予定効能・効果は自己免疫性血球減少、リンパ増殖又は腸炎を伴う原発性免疫不全症候群です。原発性免疫不全症候群は難病指定されております。こちらの疾患は、先天性的に免疫系に欠陥がある疾患の総称であり、本疾患に係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。原発性免疫不全症候群の中でも、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ・プロテインキナーゼ・哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(以下「PI3K/AKT/mTOR」)経路の過剰な活性化等を伴い、自己免疫反応及びリンパ球の異常な増殖を主徴とする新たな疾患群が提唱されているというものです。
シロリムスはmTOR阻害薬であり、自己免疫性血球減少、リンパ増殖又は腸炎を伴う原発性免疫不全症候群患者を対象とした医師主導第II相試験において、主要評価項目である、スクリーニング時から12週時点でのリンパ組織腫大、腸炎、血球減少症のうちの主症状が改善した被験者の割合は33.3%でした。当該試験の成績に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請の可否について機構と協議予定とされております。
資料8-4、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン。申請者は一般社団法人日本血液製剤機構、予定効能・効果は新生児ヘモクロマトーシスの発症抑制です。新生児ヘモクロマトーシス(NH)のり患児を妊娠する可能性のある患者数は約450~650人程度と推定されております。NHり患児の分娩後に次の児がNHにり患する確率は80~90%と高率となっております。NHり患児は、肝不全により体内死亡に至るか、出生したとしても肝移植が必要になると侵襲性の高い治療を要し、新生児死亡率も高いです。
本邦において、NHに係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。NHり患児の分娩既往妊婦に対する胎内ガンマグロブリン大量静注療法については、国内外から有効性が報告されています。開発の可能性について、NHり患児分娩既往妊婦を対象とした医師主導治験成績に基づき、製造販売承認事項一部変更承認申請が予定されています。
議題8-5、リルザブルチニブ。申請者はサノフィ株式会社、予定効能・効果は温式自己免疫性溶血性貧血です。当該疾患は、指定難病である自己免疫性溶血性貧血の病型の一つです。
当該疾病は体温37度付近を最適温度として溶血を引き起こす自己免疫性疾患です。現在、本邦では副腎皮質ステロイド、リツキシマブが使用されていますが、再発する症例も多く、新たな作用機序を有する治療薬が必要とされております。本剤は、ブルトン型チロシンキナーゼを阻害することにより、B細胞活性化の阻害及びFCγ受容体を介した貪食作用の抑制を介して、自己抗体による溶血を防ぐことが期待されます。海外第IIb相試験において有効性が示唆されております。開発の可能性について国際共同第III相試験が実施中です。
資料8-6、YA-101。申請者はYoda Therapeutics社、予定効能・効果は多系統萎縮症、当該疾患は指定難病に指定されております。多系統萎縮症はパーキンソン症候群、小脳失調症、自律神経機能障害等の症状を呈する成人発症の神経変性疾患であり、発症から約5年で車椅子生活となり、発症後の平均生存期間は約9年と報告されています。
本邦において多系統萎縮症に係る効能・効果で承認されている薬剤はありません。
本剤は、NMDA受容体経路とNLRP3インフラマソームの活性化により多系統萎縮症に対する有効性が期待されています。開発の可能性について多系統萎縮症患者を対象とした国際共同第II相試験が実施中であり、国際共同第III相試験が実施予定です。
資料8-7、zeleciment basivarsen。申請者はDyne Therapeutics社、予定効能・効果は筋強直性ジストロフィー1型(以下「DM1」)で、指定難病である筋ジストロフィーの病型の一つです。
DM1は筋強直現象、進行性の筋萎縮及び筋力低下を特徴とする常染色体顕性遺伝性疾患であり、進行に伴い、嚥下障害及び呼吸機能障害に至るほか、多臓器に障害を及ぼす全身性の疾患です。各症状に対して対症療法が行われているものの、有効な治療法は存在しません。
本剤はDM1患者を対象として実施中の海外第I/II相試験において筋強直や筋力に関する臨床的改善の傾向が見られ、安全性について一部の患者でinfusion reactionが認められたが、他に特段の問題は認められておりません。開発の可能性について、国際共同第III相試験を実施中です。
資料8-8、Telitacicept。申請者はRemeGen社、予定効能・効果は全身型重症筋無力症(以下「gMG」)で、当該疾患は指定難病である重症筋無力症のうち、全身に症状があるものを指します。
重症筋無力症は神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体の作用により刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患であり、約85%が全身に症状が及ぶgMGに大別をされます。長期間の寛解維持はまれであり、社会生活に困難を来すことも少なくない重篤な疾患です。
gMGの治療には、経口ステロイド剤とカルシニューリン阻害薬の併用に加え、血漿浄化療法、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静注療法が用いられ、近年では、抗補体C5抗体製剤や抗FcRn抗体製剤が承認されているものの、既存治療で十分な効果が得られない患者も一定数認められ、特に抗アセチルコリン受容体抗体が陰性であるgMG患者に用いることができる分子標的薬は抗FcRn抗体製剤に限られていること等から、新たな治療選択肢が求められています。
gMG患者を対象として、海外で実施された第III相試験において、主要評価項目について、本剤群においてプラセボ群と比較して統計学的に有意な差が認められ、安全性に特段の問題は認められておりません。現在、gMG患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。先生方の方から御質問や御意見はありますか。特段ありませんか。では、議決に入ります。なお、長谷川委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決参加は御遠慮いただくこととなっております。本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、報告事項及びその他の事項に移ります。報告事項の議題1~4及びその他の事項議題1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項について御説明いたします。今回の報告事項の議題については、資料9に一覧を載せています。議題1から順を追って説明いたします。まず、報告議題1、資料10、アジンマ静注用1500についてです。本剤は、ADAMTS13遺伝子異常に起因する先天性血栓性血小板減少性紫斑病に対する治療薬として、成人及び12歳以上の小児に対して承認されていますが、今般、武田薬品工業株式会社により、12歳未満の小児に対する用法・用量追加に関する承認申請がなされています。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断しています。
なお、本品目の審査終了後に、海外の製造販売後において、本剤投与中の小児患者の死亡が認められた旨の報告がありましたので、追加で御説明いたします。本症例ですが、本剤による定期補充療法中に血栓性血小板減少性紫斑病(以下「TTP」)の急性イベントを発症し、本剤の一時補充療法及び血漿製剤による治療が開始されましたが、ADAMTS13酵素活性の回復は認められず、治療開始から○日後に死亡が確認されたということです。血漿製剤が併用投与されており、急性TTPイベントの発現及び死亡と本剤の因果関係は明確ではありませんが、本症例について急性TTPイベント発現後にADAMTS13に対する中和抗体の存在が確認されています。
以上を踏まえ、添付文書において、海外製造販売後においてADAMTS13に対する中和抗体を発現した小児の先天性TTP患者1名で死亡が認められたと報告がある旨を情報提供することが適切と判断しています。なお、当該対応及び情報提供の内容については、本品目の専門協議の専門委員にも御確認いただいています。今後も本剤投与による中和抗体発現リスクについて、引き続き情報提供を行い、追加の注意喚起の必要性は検討していきたいと考えています。
議題2、資料11、条件付き承認制度の適用についてです。医薬品の条件付き承認制度の取扱いについては、資料の2/13ページから3/13ページに示していますが、条件付き承認制度の適用の可否の判断については、薬事審議会の担当部会に報告し、了承を得ることとしています。なお、当該薬剤の承認の可否及び承認条件等については、今後、機構での審査を経た後に改めて本部会で御審議いただく予定です。
今回の対象品目ですが、5/13ページですけれども、販売名が「ドジョルビ内用液100%」、一般名が「トリヘプタノイン」、申請者はUltragenyx Japan株式会社です。長鎖脂肪酸代謝異常症に係る効能・効果で承認申請がなされています。
当該薬剤の条件付き承認制度の該当性について、資料の4/13ページ以降、事前に取りまとめられた機構への報告書に基づいて御説明いたします。資料の8/13ページです。まず、適応疾患の重篤性について、長鎖脂肪酸代謝異常症は死亡率が高く、重症の長鎖脂肪酸代謝異常症患者は、生後数時間から数日以内に重度の心筋症、低ケトン性低血糖症等を発症し、その転帰はしばしば致死的であることから1番目、生命に重大な影響がある疾患、致死的な疾患であることに該当すると判断されています。
医療上の必要性についてです。本邦において長鎖脂肪酸代謝異常症を効能・効果として承認された薬剤はないこと等から、既存の治療法、予防法又は診断法がないことに該当すると判断しています。
検証的臨床試験等の実施可能性についてです。現在、本邦を含めて国際共同試験を実施中ですが、長鎖脂肪酸代謝異常症は希少な疾患であるため、当該国際共同試験の組入れには長期間を要すること等から、検証的臨床試験の実施が困難であるか、実施可能であっても患者数が少ないこと等により、実施に相当の期間を要すると判断されることに該当すると判断されています。
最後に、有効性及び安全性です。本申請では、主な臨床試験成績として、長鎖脂肪酸代謝異常症患者を対象とした海外試験の成績が提出されており、当該試験に基づいて評価可能と判断しています。以上を踏まえ、要件が四つありますが、いずれにも該当することから、国際共同試験における本剤の有効性・安全性について速やかに試験成績及び解析結果を提出するとともに、医療現場に適切に情報提供することを条件として、条件付き承認制度を適用することは可能と判断しています。
議題3、資料12、希少疾病用医薬品の指定の取消についてです。資料12-1及び12-2、センダキマブ、届出社はブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社です。
本剤ですが、それぞれ好酸球性胃腸炎及び好酸球性食道炎を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されていましたけれども、企業判断により当該品目の開発中止が決定され、試験研究中止届が提出されています。よって、本剤の本効能・効果に関する希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしています。
議題4、医療用医薬品の再審査結果についてです。まず、資料13-1、オビドレル皮下注シリンジ250μgについて、メルクバイオファーマ株式会社より視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵又は希発排卵における排卵誘発及び黄体化、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化に関する効能について再審査の申請がありました。
資料13-2、ブリリンタ錠60mg、ブリリンタ錠90mgについて、アストラゼネカ株式会社より以下のリスク因子を一つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合、65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病等、また経皮的冠動脈形成術(PCI)が適応される急性冠症候群に関する効能・効果について、再審査申請がなされています。
資料13-3、エピデュオゲルについて、マルホ株式会社より尋常性ざ瘡に関する効能・効果に対しての再審査申請がありました。
また、ロラピタ静注2mgについて、ファイザー株式会社よりてんかん重積状態に関する再審査申請がありました。
資料13-5、ゼプリオンTRI水懸筋注175mgシリンジ、同TRI水懸筋注263mgシリンジ、同TRI水懸筋注350mgシリンジ及び同TRI水懸筋注525mgシリンジについて、ヤンセンファーマ株式会社より統合失調症(パリペリドン4週間隔筋注製剤による適切な治療が行われた場合に限る。)について、再審査申請がなされています。
こちらについてですが、パリペリドン4週間隔筋注製剤の市販直後調査期間中において、使用中に突然死を含む複数の死亡例が報告されたことを踏まえ、平成26年4月に安全性情報が発出されています。
本剤の再審査期間中に収集した転帰死亡となる有害事象は35件あり、主な内訳は、死亡8件、自殺既遂6件、突然死2件でした。これらの転帰死亡症例については、患者要因、原疾患であったり合併症等の影響が考えられる、あるいは、詳細情報が不足しているため、本剤との因果関係評価が困難であること、また、死亡リスクの増大傾向は認められていないことを踏まえて、現時点で新たな安全対策は不要と判断しています。
資料13-6、ビムパット錠50mg、同錠100mg、同ドライシロップ10%について、ユーシービージャパン株式会社よりてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む。)に関する効能・効果と、資料13-7、同じくビムパット錠ですが、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法に関する効能・効果について、再審査申請がありました。また、ビムパット点滴静注100mg、同点滴静注200mgについて、同じくユーシービージャパン株式会社からですが、一時的に経口投与ができない患者における下記の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法、てんかん患者の二次性全般化発作を含む、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法に関する効能・効果について、再審査申請がありました。いずれについても機構において確認を行い、カテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しています。
続いて、その他の議題です。資料14-1及び14-2です。今年10月の部会において、医薬品ザスペイカプセル30mgについて、部会での御意見を踏まえて、主に効能・効果関連注意の投与時期に関する記載、用法・用量関連注意における再治療の文言、添付文書の7.5項にあった併用に関する注意喚起に関する記載について、御意見を踏まえて修正をし、本部会で改めて報告することとしていました。資料14-2のとおり、部会の委員の皆様の御意見を伺って修正しています。また、資料14-1に、委員の皆様に御意見を伺った際の御意見と対応について記載しています。
御意見を踏まえて、一部修正したものとして資料14-2を示しています。報告については以上です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございました。まず、報告事項の議題1は、医薬品アジンマ静注用の製造販売承認事項一部変更承認についてでしたが、本件について先生方から御意見、御質問はありますか。先ほど御説明いただいたように、本剤を使用していた○歳の小児の死亡例に関する報告が海外から比較的最近あり、専門協議が実施された本年11月の時点では、まだ報告されていなかったということがありました。厚労省の方から追加で御連絡を頂いて、専門協議の先生方に改めて確認いただき、その上で今回の対応の御指示を頂いているという経緯となっております。
本件について先生方から御発言はありますか。小児ということで、長谷川委員、改めてもし何か御意見がありましたら、いかがでしょうか。
○長谷川委員 今回初めて聞いたので、申し訳ございませんが、余りコメントできるような情報は持ち合わせておりません。申し訳ございませんが、御容赦いただければと思います。
○森部会長 現在、米国での状況はどのようになっているのか、お分かりになる範囲でいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。FDAの状況ですが、FDAでは現在、本剤投与後に発現した中和抗体と、それに伴う重篤な転帰のリスクについて調査しており、規制当局としての更なる対応の必要性を検討中とのことです。
○森部会長 中和抗体が生じていた事例については、これまでの使用経験から全体で何例確認されていらっしゃるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 3例です。
○森部会長 死亡例の1例を含めて3例という御理解でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 その理解で合っています。
○森部会長 そのほかの2例については、その後の転帰等の情報はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 あります。その2例については、死亡や重篤な有害事象等の重大な安全性上の問題は認められておりません。
○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきますと、残りの2例についてはいずれも情報不足又は本死亡例と同様に、新鮮凍結血漿の併用等の交絡があるために、本剤と中和抗体の発現との関連は明確ではないという状況です。
○森部会長 御説明をどうもありがとうございます。今回の報告事項として挙げていただいています一部変更については、小児の使用に関しての適応拡大の内容でしたので、今回の事例については大変重く受け止めております。部会の先生方も今回、ようやく詳しい状況をお聞きの先生方も多いかと存じますので、少しお時間を頂いて先生方の御意見を改めて伺ってまいりたいと思いますが、いかがでしょうか。委員の先生方に、この内容について事前に周知いただいていましたか。
○事務局 事務的な話で申し訳ないのですが、報道の話は特に共有はしていません。
対応については今御説明したとおりですが、事前には展開していません。
○森部会長 今のところ、特にないですか。どういたしましょうか。国内での関連学会との情報共有状況はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 報道後、特に学会とコンタクトは取っておりません。
○森部会長 専門協議の委員からは、今回の添付文書に関しては、小児で1例死亡例があったことについて、中和抗体の発現も含めて情報提供されるということで、文面については現在作成中、もう作成されていらっしゃるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。スライドを準備しておりますので、共有させていただけますと幸いです。
赤字の部分でして、15.1.2項を新設して、本剤との因果関係は明らかではないが、海外製販後において、ADAMTS13に対する中和抗体(インヒビター)を発現した小児の先天性血栓性血小板減少性紫斑病患者1名で死亡が認められたとの報告がある旨を情報提供する予定です。
○森部会長 海外ではどの程度の症例数に実際に使用されていた中で、こういったことが起こったのか情報はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。製販後において、本剤が何例に投与されたかという情報は持ち合わせておりません。なお、製造販売後の全有害事象の報告例数は○○○例です。
○森部会長 12歳未満の小児ではいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 その情報は持ち合わせておりません。
○森部会長 まだ報告がされたばかりで、全般に情報が十分に集めきれていない状況ではありますが、今後の対応について、特に厚労省の方から指導していただくことはありますか。
○事務局 先ほど御説明したとおりではありますが、注意喚起というか、情報提供は適切に行っていただくことと、今後の情報を踏まえて、もし注意喚起を改訂する必要があるということでしたら、添付文書も当然改訂することになると考えていますし、追加の情報があれば当然、追加で情報提供していくことになるかと考えています。
○森部会長 選択肢としては、一部変更を認めること自体を情報が集まってからにするという選択肢もあるのでしょうか。
○医薬品審査管理課長 医薬品審査管理課長でございます。まず、この医薬品そのものは成人として既に承認されているもので、この疾患に対しての有効性・安全性は、既に現場で使われているものだということだと承知しています。小児に拡げるために、小児においての有効性については、成人からも推定されるということで今回、承認可ということで報告しております。安全性とのバランスで、小児において何か懸念することがあるのかという点が、今回の報告を受けて検討することではありますが、個別の死亡例があったということをもって全体のところまで影響するのかというのは、今回の報告の内容をきちんと精査することが大事かと思っております。
今の時点で分かっていることは、死亡例があったこと、そこでインヒビターが検出されていることかと思いますが、中和抗体が産生されることについては既に注意喚起はされている状況ではあります。ですので、因果関係などを精査した上で、追加の対応が必要であれば注意喚起なり、使用制限なりが今後、対応として可能性はあるとは思いますが、現時点として承認を止めるほどのものであるかと言われると、これまでのいろいろな医薬品の事例を考えるとそこまでのものではなく、承認としては可としても差し支えないのではないかと考えております。
○森部会長 先ほどの御説明で、今回の死亡例ではADAMTS13活性が回復しなかったとお聞きしていたところだったので、もともとADAMTS13の活性が先天的に喪失している患者さんにこの治療が行われているという経緯ですが、それをレスキューする治療法として従来から行っている治療を行った上でも活性が回復しなかったということで、フォン・ヴィレブランドファクターの凝集を介した血栓性イベントで亡くなっていると理解していますので、その状況が想定内のことであったのか、通常の状況では想定されていない状況だったのかということが極めて重要な点だと思います。その点は、現状ではどうお考えでしょうか。
○医薬品審査管理課長 御指摘をありがとうございます。当然この治療で完結するというものではなくて、患者さんの状況を見ながら追加の治療をされるものということかと思いますので、今回、死亡例があった症例における情報をきちんと現場に提供することで対応いただくということでいかがかと考えます。
○医薬品医療機器総合機構 機構より1点、追加で御説明させていただきます。先ほど部会長から御説明いただいた治療に関してなのですが、急性TTPイベントがこちらの患者さんで起きて、本剤の投与と同じタイミングで、恐らく血漿製剤がこちらの患者さんに投与されています。血漿製剤に関しては、インヒビターが作られることがガイドラインにも注意喚起されている状況ですので、現時点ではその関与が明確ではないと考えています。こちらに関して専門委員の先生からは、こちらの患者さんは、これより以前に、過去に新鮮凍結血漿の投与で重度のアレルギーを引き起こした歴もある患者さんで、体質的にインヒビターを作りやすい患者さんであったかもしれないというコメントは頂いています。ただ、情報が現時点では因果関係を確立されるまでには至らないと伺っております。
○審議官 部会長、よろしいでしょうか。本件につきましては、これは海外ではもう既に小児の適応がある中で、言ってみれば、これは海外で市販後の対応ということになっています。要するに、効能を取った後の製造販売後の安全性のフォローアップの中で発生しているイベントということです。そういう意味では、本件も日本国内の対応としても、やはりこれは市販後の対応としてきちんとフォローアップをしていくことが大事でありまして、そういう意味では、当部会は承認審査に係る部会で、市販後のフォローアップについては、別途、医薬品安全対策部会という所がありまして、通常はそちらの方でフォローアップをしていく、アメリカ等々、ほかの当局とも連携して対応していくことになってまいります。むしろ、本件につきましては市販後のフォローアップの方に委ねていただくことも一つのやり方ではないかと思っております。
○森部会長 時間的には、海外では死亡例が発生したのが承認後だったからだと思いますが、承認審査の時点で、臨床試験の段階で死亡例が出ていれば、どういう対応だったかということはまた別の問題で、日本はこれから承認をするかどうかという議論をしているので、海外の製造販売後で死亡例が生じたということが承認には影響しないということは私には理解が難しいのですが、いかがしたらよろしいでしょうか。
○医薬品審査管理課長 事務局です。この今の状況としては、死亡例があったということではありますが、本剤との因果関係の直接的なものがどこまで分析されているかという点では、まだ情報が不十分で、今、解析中ということではないかと思いますので、承認に差し支える状況ではないのではないかというのが現時点での考えではあります。
○森部会長 死亡例については、本剤が何度使用されて、どういった経緯で重篤な急性イベントを起こしたのかということについては、どの程度分かっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。本剤の使用方法としては、予防を目的とした定期補充療法と、こういった急性期の治療を目的とした一時補充療法の二つがあるのですが、こちらの患者さんは、もともと本剤を定期補充療法で一定期間使っていらして、その中で急性TTPイベントを発症して、治療目的の本剤投与をされたという患者さんです。なので、この1回きりの治療であったということではないです。
○森部会長 定期的な投与は何回ぐらい実施されているか、情報はあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 少々お待ちください。
○森部会長 詳細をこの場で公表していただくことが重要だと思いますので情報提供をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 投与の回数までは記載がないのですが、投与間隔が2週間で、大体10か月程度投与されています。
○森部会長 その間は、一定の治療効果は得られていたかの情報はあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 10か月の投与期間中に急性TTPイベントの発現は認められていませんので、治療の効果はあったものと考えます。
○森部会長 中和抗体が発現しているのは、どのタイミングで確認されているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 急性TTPイベントが発現して、本剤と血漿製剤の1回目の最初の投与がされた後のタイミングです。
○森部会長 定期的な治療がなされている際の何らかの検体保管がされていて、中和抗体が後向きに限定されてはいないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そこまでの情報は報告されておりません。
○森部会長 定期的な投与をされていた方が、急性発作を起こされたということについては、通常の治療の中でも十分起こり得ることであるのか、若しくは、中和抗体などが発生した場合に起こりやすい事象なのか、どういった御判断になっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤は希少疾患の中でも非常に患者さんが少ない疾患ですので、情報が限られるのですが、定期的な本剤の治療をしていても急性TTPが起こることはありえるとの理解です。
○森部会長 今、この部会の中で機構の方から教えていただいた情報などについては、専門協議の先生方にほぼ同様の内容で共有されていると理解してよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。補足で申し上げますと、専門委員の先生方からは、今回の対応については特段異存はない旨の御意見と、専門協議の中では、小児に関しても本剤のニーズが非常に高いという点は伺っております。なお、本剤の患者数は先ほど限られていると申しましたが、2022年までの段階で日本で報告されている患者さんが70例程度ということなので、今後、市販後の報告を待ってから判断ということになりますと、そのタイミングがどれぐらい後ろになってしまうかが分からない状況であるとは考えております。
○森部会長 12歳未満の方がですか。
○医薬品医療機器総合機構 大人も含めて全体でです。
○長谷川委員 長谷川です。確認させていただきたいのですが、これは中和抗体が発現してきて、TTPの急性増悪で亡くなったという理解でよろしいのですか。今回の因果関係が明らかではないけどということですが。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。急性TTPイベントが発現した後に、確認したら中和抗体が発現していたというところが分かりましたので、中和抗体が発現したから急性TTPが起こったのかは分からない状況です。
○長谷川委員 急性増悪が起こって投与して、結果として亡くなられたということしか分からないということですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、そうです。その後調べてみたら、中和抗体の発現が認められたということです。
○長谷川委員 先ほども言われましたが、中和抗体がどれほど関与しているかということに関しては不明であるという理解でよろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。
○長谷川委員 繰り返しになって申し訳ないです。結局、死因、亡くなられた原因は、出血とか血栓とか、TMA(血栓性微小血管症)みたいなものになったのか、どういった理解にしたらよろしいですか。病態がよく分からないので教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御指摘のとおり、出血である可能性は非常に高いのですが、申請者側も死因までは特定していないとのことです。
○長谷川委員 因果関係が不明であると、その対応がなかなか難しいのかなとは思ったのですが、症例数がすごく少ないので、それに対してこの1例でどう判断するかというのは非常に難しいのかなと、個人的には聞いていて思いました。多分、これから数が多くなれば、インヒビターの発現をどうやって抑えていくかというのが、血友病の治療のように、インヒビターに対応してというのが、これから課題になってくるのかと。生物学的製剤はいろいろ中和抗体が出てきていますので、中和抗体ができるという情報はたくさんありますので、免疫抑制剤とかステロイドとか、そういったものを併用して、これはどういうふうに抑制されるのかというのは、今後の課題としていく必要があるのかなと考えて質問させていただきました。ありがとうございました。
○森部会長 今、海外で収集されている情報は、日本でも共有していただくことは可能なものですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、可能です。
○森部会長 TTPそのものが先天性のものと後天性のものがありますし、後天性のものはインヒビターが生じて、何らかの機序で生じているものが多く、ステロイド治療などが一般に行われているかと思います。今回、急性発作を起こされた後の治療内容についても、大変大きく関心があるところですし、それに反応したのか、不応だったのかということも大変重要なポイントかと思います。そちらについては、今後の情報収集によってよりつまびらかになると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回のこちらの症例については、現在報告されている以上の情報は、現時点ではないようには思います。
○森部会長 インヒビターに対しての治療は何か実際追加されているのでしょうか。
インヒビターを念頭に置いた治療というのはあったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 インヒビターに対する治療は特になく、イベントに対する治療を行うのみと理解しております。
○森部会長 イベントに対する治療は行われていて。どの程度の期間の治療が行われた後に亡くなったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ○週間ぐらいです。
○森部会長 分かりました。○週間ということですね。
○審議官 1点よろしいですか。本剤につきましては、リスクマネジメントプランというものを承認条件の中で付加しております。その中で、インヒビターの発生についても、承認後にはしっかりとモニタリングをしていくという形になっておりまして、そこをまた徹底してしっかりやっていただくということで、恐らく、このイベント自体は国内で発生するタイミングがいつになるか分かりませんし、頻度的に見てどうかという部分もありますが、そこはきちんと製造販売業者にモニタリングをさせるというところを徹底していくということ。それによって可能な限り、こういった事例の発生を防いでいく対策をしっかりとっていただくということを一つ条件にして、本件については進めてはどうかなと思いますが、いかがですか。
○森部会長 ありがとうございます。
○佐藤(陽)部会長代理 リスクマネジメントプランのお話が出たので、できる範囲で構わないのですが、これはケースレポートとかで公表されたりしないのですか。その辺の状況が分からないのですが。その辺は全然情報としてはないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 本症例についてということですか。
○佐藤(陽)委員 そうです。
○医薬品医療機器総合機構 その点は把握しておりません。
○佐藤(陽)委員 分かりました。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については現在、成人も全例調査の実施中で、小児についても同様に全例が調査される予定ですので、その中で御懸念のインヒビターに関する情報等も収集することは可能と考えております。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長です。この案件は、既承認の観点からいくと市販後での対応であり、小児の適応の話があったので、審査の方で引き取って、今、対応しているところですが、この症例自体はかなり情報の限界もあります。ただ一方で、海外でそういった情報があるということは重要ということで、既に添付文書の注意喚起がありますが、この後、どういった形で現場にしっかり周知するか、気を付けなければいけない所に関しては、RMPの根拠付けもありますし、海外症例の経過が分かる情報で、こんな経過があったということを情報提供する手法もあると思いますので、現場で使うときにどういった形で情報提供するかというのを企業の方と相談しながら進めていきます。それで、今後使い始めたときにこういうことが起こったときには、もともと有害事象の報告があれば迅速に対応するので、その中で処理をして、医薬品安全対策部会の下の調査会での対応とか、必要があれば対応できますし、通常の添付文書改訂とか、そういう措置の中での対応になってくるのかと思っているところです。
○森部会長 今までの議論の中で、まずは海外で分かっている情報の内容を詳しく御説明いただきました。また、本剤が成人、小児いずれも全例調査の対象であるということも伺いました。また、添付文書の記載に関する修正案についても、具体的にお示しをしていただいたところです。また、医療安全対策課長からは、今後の医療安全対策に関する基本的なスタンスについても伺いました。現時点で集まった情報を基に、できることの最善を尽くしているということで理解しているのですが、特にこの件につきましては、先生方からほかに御意見はございますか。特段ございませんか。もしこういったことをもう少し検討した方がいいということがありましたら、御意見を頂けますと大変助かりますが、いかがですか。特段ないようです。そうしたらこの内容については、まず報告を伺ったということで進めてよろしいですか。ありがとうございました。
それでは、続きまして、報告事項2と3につきまして詳しい説明を承っていますが、何か先生方から追加で御意見等ございますか。よろしかったでしょうか。また、報告事項議題4についても、特に御意見はございませんか。
最後に、その他の事項についての御説明も頂きました。この件につきまして、先生方から追加の御発言はございましたらお願いいたします。柴田委員と大森委員からもし御発言がございましたらいかがですか。
○大森委員 多くの箇所を修正していただいて、添付文書は大分改善されたと思います。私としては異存はございません。
○森部会長 ありがとうございました。それでは、柴田委員、いかがですか。
○柴田委員 コメントした件につきましてお答えを頂きましたので、私も異存はございません。どうもありがとうございました。
○森部会長 ありがとうございました。それでは、報告事項1~4及びその他の事項1につきまして、確認いただいたものとしてよろしいですか。ありがとうございました。それでは本日の議題は以上となります。事務局から御報告はございますか。
○事務局 次回の部会ですが、令和8年1月23日(金)午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いします。
○森部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬品審査管理課 専門官 津田(内線4233)

