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第2回労働市場改革分科会 議事録
1.日時
令和8年4月3日(金)9:00~10:30
2.場所
- 厚生労働省 省議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号9階国会側)
3.出席者
構成員
長坂 康正 厚生労働副大臣(分科会長代理)
石﨑由希子 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授
伊藤 仁 日本商工会議所 専務理事
片岡 剛士 PwC コンサルティング合同会社 上席執行役員、チーフエコノミスト
近藤 絢子 東京大学社会科学研究所 教授
坂本 貴志 株式会社インディードリクルートパートナーズリクルートワークス研究所 研究員
神保 政史 日本労働組合総連合会 事務局長
中根 弓佳 サイボウズ株式会社 執行役員、人事本部長
藤原 清明 日本経済団体連合会 専務理事
水島 郁子 大阪大学大学院高等司法研究科 教授
室賀 貴穂 九州大学大学院経済学研究院 准教授
山田 久 法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科 教授
事務局
山田厚生労働審議官
青山大臣官房総括審議官
尾田大臣官房審議官
村山職業安定局長
宮本人材開発統括官
田中雇用環境・均等局長
河野政策立案・総括審議官
岡政策統括官付参事官(総合政策統括担当)
内閣官房日本成長戦略本部事務局 坂本次長
文部科学省 橋爪大臣官房審議官(総合教育政策局担当)
経済産業省 竹田大臣官房審議官(経済産業政策局担当)
長坂 康正 厚生労働副大臣(分科会長代理)
石﨑由希子 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授
伊藤 仁 日本商工会議所 専務理事
片岡 剛士 PwC コンサルティング合同会社 上席執行役員、チーフエコノミスト
近藤 絢子 東京大学社会科学研究所 教授
坂本 貴志 株式会社インディードリクルートパートナーズリクルートワークス研究所 研究員
神保 政史 日本労働組合総連合会 事務局長
中根 弓佳 サイボウズ株式会社 執行役員、人事本部長
藤原 清明 日本経済団体連合会 専務理事
水島 郁子 大阪大学大学院高等司法研究科 教授
室賀 貴穂 九州大学大学院経済学研究院 准教授
山田 久 法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科 教授
事務局
山田厚生労働審議官
青山大臣官房総括審議官
尾田大臣官房審議官
村山職業安定局長
宮本人材開発統括官
田中雇用環境・均等局長
河野政策立案・総括審議官
岡政策統括官付参事官(総合政策統括担当)
内閣官房日本成長戦略本部事務局 坂本次長
文部科学省 橋爪大臣官房審議官(総合教育政策局担当)
経済産業省 竹田大臣官房審議官(経済産業政策局担当)
4.議題
労働市場改革について
5.議事
○山田厚生労働審議官 定刻前ですけれども、全員そろわれたので、ただいまから第2回「日本成長戦略会議労働市場改革分科会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
本日、議事進行を務めます厚生労働審議官の山田です。よろしくお願いいたします。
それでは、分科会の開会に際しまして、長坂康正厚生労働副大臣から御挨拶をいただきます。
○長坂厚生労働副大臣 おはようございます。厚生労働副大臣の長坂でございます。
構成員の皆様には、本日も前回に引き続き、労働市場改革分科会へ御出席いただきまして、ありがとうございます。
前回は、労働供給制約が続く我が国の労働市場について、生産性の高い分野への円滑な労働移動や、働き方改革を含めた、柔軟な働き方の拡大に向け、様々御意見をいただきました。
いただいた御意見を踏まえまして、本日は論点案について整理をさせていただいておりますが、リ・スキリングや労働移動のための取組、将来にわたって必要な社会サービスを確保するための人材の確保や生産性の向上に向けた取組など、いずれも大変重要な論点であると認識をいたしております。これらにつきまして引き続き議論を深めていただきたいと考えておりますので、本日も闊達な御議論のほど、よろしくお願い申し上げます。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります前に、本日の分科会について事務的な御連絡を申し上げます。
○岡政策統括官付参事官 本日の資料は、お手元のタブレットで御覧いただけます。操作方法に不明な点がある場合は、事務局にお申しつけください。
オンライン参加の委員の皆様におかれましては、原則としてカメラはオン、マイクはミュートとしてください。御発言の際は、挙手ボタンを押していただき、指名があるまではお待ちください。指名後、ミュートを解除して御発言いただくようにお願いいたします。また、機器等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせいただくか、あるいは事前に事務局からお送りしている電話番号まで御連絡をいただけると幸いでございます。通信遮断などが生じた際には進行を一時中断とすることがございますが、御承知おきいただければと思います。
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります。
本日の議題は「労働市場改革について」となっております。
資料1「第1回労働市場改革分科会を踏まえた論点の整理について」、資料2の文部科学省提出資料、それぞれ事務局から説明いたします。
○河野政策立案総括審議官 政策立案総括審議官の河野でございます。
第1回分科会でいただきました御意見を踏まえまして、改めて論点を整理いたしてございます。
資料1を御覧ください。
2ページでございます。労働生産性の向上に関連しまして、適切な価格転嫁がなされることが必要であること、商慣行や取引慣行も見直す必要があること、経済社会の変化に応じて事業構造を見直していく、新しい技術をどう生かしていくかといった企業の経営戦略があって、それを実現するための人材戦略であるといった御意見を踏まえまして、課題認識を記載いたしてございます。
②はリ・スキリングの関係でございます。政府として、成長産業において能力開発や人材育成が実施される環境整備を進めることが重要、政府や自治体がメリハリをつけて重点的な投資を行うべき、労働政策のみならず、産業政策と一体となって対応すべき、またリ・スキリングのための時間に対する配慮も必要、中小企業における人材育成を担う者が不足しているといった御意見を踏まえ、記載をいたしております。
③はエッセンシャルワーカーの労働生産性向上についてでございます。労働供給制約下でも将来にわたって必要なサービスを確保するためには、社会を支える現場人材、エッセンシャルワーカーの生産性向上を図ることも重要。現場のニーズを踏まえながら、積極的なDXやリ・スキリング等により労働生産性を向上させ、質的な向上を図ることが重要であるが、どのように対応していくべきか。
④は労働移動に関する論点でございます。労働移動は労働者本人の意思が尊重されるべき、成長分野等生産性の高い仕事分野へ移動できる労働市場を構築すべき、企業の情報開示を進めていくことが重要、適切に新たなテクノロジーを生かしながら、ミスマッチを解消していく。また、セーフティーネットである雇用保険制度についても御意見をいただきました。
⑤です。地域全体の維持・活性化に重要な役割を果たしている地域貢献企業にも着目すべきといった御意見などをいただきましたが、今後も中小企業を中心に人手不足が続く可能性が高いが、地域経済の中核をなす中小企業やエッセンシャルワーカー等の人材確保・育成に向けてどのように対応していくべきか。
3ページにお進みください。
⑥から⑨につきましては次回御議論いただく予定としておりますが、⑥は労働時間制度について、⑦は女性、高齢者の労働参加の促進、非正規雇用労働者の処遇改善、また、障害者の雇用の質の向上等、⑧は中小企業における人材マネジメント支援、⑨は人材マネジメントに関する支援と経営課題の解決に向けた支援の連携の在り方として整理をしてございます。
4ページを御覧ください。
第1回分科会におきまして、柔軟な働き方の実現に関連し、中小企業に対する支援や労働基準監督署における監督指導について御意見をいただきましたが、長坂副大臣から、第2回分科会に向けて、自社の労働時間制度の見直しに取り組む中小企業が安心して相談できる体制の整備について議論を深めていただくための準備をするよう、また労働基準監督署の監督指導の実情を踏まえ、今後の運用についての考え方を整理するよう発言がございました。
このため、本日、労働時間制度の運用の見直しについて資料を提出しております。
まず、現状でございますが、各都道府県に設置しております働き方改革推進支援センターでは、労働時間に限らず、助成金などの支援策の活用について助言をしているところでございます。また、労働基準監督署に監督指導と切り離した労働時間相談・支援班を設けてございまして、個別の訪問支援や説明会により、希望した事業場に対して、労働時間に関する法制度等を中心に説明を行ってございます。労基署では、適法な時間外労働に対しても、時間外労働時間数に着目した一律の指導を実施いたしております。
運用面の見直しの方向性として4点記載をしてございます。
労働時間制度の範囲内で柔軟で多様な働き方のニーズに対応できるよう、事業主や労働者が置かれている個別の事情に合った支援を労基署と支援センターが連携して効果的に実施していくことが重要ではないか。
支援センターにおいて、36協定の締結・改定や柔軟な労働時間制度の活用に向けた相談・支援を積極的に行ってはどうか。また、人事・労務に限らず、様々な経営課題に対応するため、支援センターとよろず支援拠点、商工会議所や商工会等との連携強化も重要ではないか。
また、企業の希望や支援ニーズに応じて、労基署の相談・支援班と支援センターが連携をして、働き方の実態やニーズを踏まえた36協定の締結・改定等に向けた相談支援や、業務効率化に資する設備投資に使える助成金の提案など、企業が求める支援をパッケージで提供してはどうか。
最後のポツは、労基署における指導の在り方についてどのように考えるか。
運用面の見直しについては以上でございます。
5ページ以降に論点①から⑤及び労働時間制度の運用面の見直しに関連する施策などの資料をおつけしてございます。
主なものについて御説明をしたいと思います。
6ページを御覧ください。
①の論点に関連いたしまして、経営戦略と連動した人材戦略の重要性等について、経済産業省において開催された検討会の報告書でまとめられておりますので、御紹介をいたしております。
7ページを御覧ください。
中規模企業・小規模事業者がこれから着手する必要があるもので最も重要な経営課題としては、人材確保が最も多くなってございます。
8ページを御覧ください。
一方で、規模の小さい企業ほど、人材育成・能力開発について特に方針を定めていない割合が多くなっております。
②の論点はリ・スキリング関係でございます。12ページを御覧ください。
厚生労働省では、昨年度末に令和8年度から令和12年度までの5年間にわたる職業能力開発の基本方針を示した新たな職業能力開発基本計画を作成いたしました。
戦略的な職業能力開発支援の推進として、1つ目の矢羽、成長分野等に必要な人材育成。2つ目の矢羽、戦略分野等の人材育成の加速化。なお、戦略分野とは、日本成長戦略会議において官民投資の促進等を行うこととされてございます17分野でございます。企業への職業能力開発支援、在職者向けの訓練や経営者への伴走支援。
②の労働市場でのスキルや処遇等の見える化のところでございますが、3つ目の矢羽、
各種検定制度の整備により、現場人材の処遇向上を図る。
右の③の技能者の育成、技能振興といった内容になってございます。
30ページにお進みいただけますでしょうか。
③の論点、エッセンシャルワーカーの労働生産性向上に関しまして、医療機関の業務効率化、勤務環境の改善の取組を支援してございます。
31ページは、介護人材が不足すると見込まれる中で、介護テクノロジーの導入支援等による生産性向上・職場環境改善の取組を支援してございます。
33ページを御覧ください。
分野を選定いたしまして、スキルを評価する仕組みづくりを行ってございます。
次は④の論点、労働移動の関連でございますが、36ページまでお進みいただけますでしょうか。
労働市場情報を提供する主なサイトといたしましては、job tagやしょくばらぼがございます。
37ページ、先月、労働関係情報を掲載する各種サイトを集約いたしました「みんなの労働ナビ」を開設したところでございます。
今後の取組としては、38ページにございますとおり、17戦略分野のスキル標準等の情報を順次掲載するほか、職業、職場、求人、訓練・リ・スキリング情報の連携を強化することといたしてございます。
17戦略分野のスキル標準に関しましては、39ページにございますように、経済産業省において整備されている重点産業分野のスキル体系・標準なども念頭に置いてございます。
42ページを御覧ください。
セーフティーネットである雇用保険に関しまして、令和7年度の基本手当の受給者人員は前年に比べて高い数字で推移しております。
43ページは、基本手当の受給資格者が早期に再就職した場合の再就職手当の支給状況でございます。
49ページを御覧ください。
⑤の論点でございます。地域の中小企業やエッセンシャルワーカー等の人材確保に関してでございます。
下の部分にございますように、ハローワークにおいて、アウトリーチによる支援の強化などによりまして、医療、介護、保育分野の求人充足のための取組を強化しているところでございます。
続きまして、資料2を御覧いただけますでしょうか。
日本成長戦略会議の下に設置されております人材育成分科会、既に3回開催されてございますが、労働市場改革分科会とも関連する課題の検討状況について、事務局である文部科学省から資料を提出いただいてございます。
2ページを御覧ください。
現在、文部科学省においては、大学における地方創生や産業成長のためのリ・スキリングプログラム開発を支援しております。
6ページを御覧ください。
今後の取組としまして、17の戦略分野等の成長分野における産業界、自治体との連携による大学等のプログラムの充実や、各省連携による関連情報の一元化などを行うことが検討されています。
7ページにお進みいただけますでしょうか。
今年度から、専修学校におけるアドバンスト・エッセンシャルワーカー創出のためのリ・スキリング推進事業が新たに実施されております。
9ページを御覧ください。
今後の取組として、検討方策のところにございますとおり、生産性の高い人材の育成に向け、専門学校における教育の質の向上のための支援や制度改正を行うことなどが検討されてございます。
10ページを御覧ください。
成長分野を支える人材の育成・適正配置を行うとともに、企業と連携して運動・スポーツによる心身の健康の保持増進の基盤を構築し、これらの人材が高い生産性を発揮できる状態を維持するための方策についても検討が行われてございます。
私からの説明は以上です。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見を承りたいと思います。
本日は、資料1の2ページにお示しした9つの論点のうち、論点①から⑤、それから、4ページにお示しした労働時間制度の運用面の見直しについて御発言をいただき、論点⑥から⑨については次回の分科会の場で御意見を賜れればと思います。
それでは、6つのテーマについて、まず論点①から③について御意見をお願いいたします。御意見のある方は、御自身の名前の札を立てていただきますようお願いいたします。また、オンラインにて御出席で御意見のある方は、挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。
まずは会場の皆様に御発言いただき、続いてオンラインの皆様に移っていきたいと思います。
時間が限られておりますので、皆様からの御発言の機会を確保するため、お一人につき2分程度で簡潔に御発言いただくようお願いいたします。
まず、伊藤委員からお願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。日商の伊藤でございます。
提出した資料に基づき、①から③の論点について発言いたします。
成長戦略の担い手としての中小企業の重要性は、この場でも強調していただいております。その中で、中小企業にも多様性がございますので、成長を志向している企業と、地域の社会やコミュニティーを支えている企業を大きく2つのグループに分けて見たほうがよいだろうと考えています。
利益や規模を志向し地域を牽引する企業、このグループは生産性の向上に向け、労務費を含む価格転嫁を一層推進するという今の取組をさらに強化していただくことが重要です。併せて、別途議論されています地域未来戦略などとも連動し、中小企業の新事業の伸展あるいは公的職業訓練による人材育成の強化などを支援すべきだと考えております。
もう一方の地域コミュニティーを支える地域貢献型企業の支援については、特に地域における経済的な波及効果の高い観光、あるいはエッセンシャルサービスを提供している産業への重点的な支援が重要だと考えております。エッセンシャルワーカーの生産性向上に向けては、それぞれの業界に適したデジタル化、あるいはロボット導入といったものを重点的に支援し省力化を進めるとともに、これらを実現できる人材育成に適切に取り組むことが必要です。
あわせて、賃上げを勘案した官公需の価格設定なども政府で進んでおりますが、エッセンシャルワーカーの待遇向上にはこうした取組みが不可欠だと考えておりますので、あわせて言及いたします。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 片岡委員、お願いします。
○片岡委員 ありがとうございます。
私のほうからは、論点①と論点②について、資料4のほうで私の意見を書いておりますので、それに沿ってお話をしていきたいと思います。
まず最初に、企業の経営課題の対応みたいなところに関連してなのですけれども、今回、日本成長戦略のほうで17投資戦略分野の投資拡大という話を言っております。そこと連動する形で、先ほど事務局の方からも御説明いただいておるところでありますけれども、やはりどういった人材が必要なのかを明確にして、求められる人材像というものを明らかにしていくことが大事なのかなと思っています。
前回の分科会の中で、文系人材も理系人材、それから、テクノロジー等が使える人材というお話がございました。文系人材でも基本的にいろいろな技術が使える人材が求められていると思いますので、こうしたようなところをある程度技術者ですとか専門人材、いろいろなラダーで大まかに整理しておくということが私自身必要なのかなと思います。もちろんこれを企業側がどう考えるかという論点はあると思うのですけれども、やはり国として明確に姿勢を示しておくということは大事なのかなと理解します。
それから、2点目の部分、リ・スキリング絡みのところですけれども、国や地域の目線、それから、企業の目線、そして、働きの目線といったところの3つの軸で整理するということが重要なのではないかなと思います。国、地域といったところに関しましては、成長戦略ですとか地域活性化戦略、こういったところで、それぞれの地域、産業といったところでどういうような振興策をしていくのかという話というのが求められると思います。
それから、企業側ないしは個人というところですけれども、企業側に関しては、公的な職業資格だけではなくて、17分野と連動した望ましい人材像を念頭に置いたスキル要件、こうしたところを大まかに設定の上で、そうしたスキルを獲得しようとする人材の支援という話が必要なのかなと思います。世の中いろいろ大きく変化していますので、特定のライセンスをどの要件かと悩んでいるうちにどんどん世の中の状況が変わってしまうということもあると思います。ですから、大まかにどういう人材が必要かというところを決めた上で、そこのいろいろなスキルを磨いていくという話について官のほうから支援をしていくというような体制は大事なのかなと思います。
私のほうは以上です。
○山田厚生労働審議官 続いて神保委員、お願いします。
○神保委員 提出資料に基づいて発言させていただきます。
まず、論点①についてです。企業が経営環境の変化に対応しつつ成長を図るためには、やはり企業の成長戦略や人材戦略、そして、それに基づいた人材育成及び人材確保を計画的に進めることが重要であると考えております。
資料1の7ページを見ますと、企業による人材投資額の割合が低いことから、その金額を高めることはもとより、政府として企業における中長期的、計画的な能力開発が行われるよう支援を強化する必要があると考えております。
続きまして、論点②ですけれども、これまで政府はリ・スキリング支援など人への投資を強力に推進されてきましたが、その効果あるいは課題の分析・検証を行い、より実効性の高い施策へと見直すことが求められていると考えております。
その上で、成長分野や人手不足分野における能力開発の拡充・強化、それに加えて地域の産業特性や地域のニーズを踏まえたきめ細やかな能力開発も支援していく必要があると考えております。
そして、20ページにあるとおり、労働者が能力開発を行うためには、そのための時間の確保が必要です。だからこそ、長時間労働の是正や職業訓練のための休暇制度、短時間勤務制度などの導入を進め、非正規雇用で働く者も含む全ての労働者が安心して能力開発に取り組める環境整備が必要であると考えております。
また、中小企業などをはじめ、能力開発のノウハウや、指導を担う人材が不足している企業に対しては、中小企業庁あるいは厚生労働省所管の関係機関による支援が有効であり、これまで以上に支援体制の強化を進めていただきたいと考えております。
最後に論点③ですけれども、医療・介護・保育に従事するエッセンシャルワーカーにつきましては、賃金や処遇の改善はもちろん、働き続けられる職場環境の整備が不可欠です。人材の確保・定着に向けて、報酬改定を通じた安定的・継続的な賃上げに必要な財源の確保など、さらなる処遇や職場環境の改善を進めるべきであると考えております。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 室賀委員、お願いします。
○室賀委員 私からは、リ・スキリングの停滞について発言いたします。
日本では長時間労働が依然として一般的であり、通勤や残業を含めると仕事に非常に多くの時間が割かれています。その結果、自由に使える時間は限られ、疲労した状態で学習に取り組むことは容易ではありません。
日本におけるリ・スキリングの停滞は、人的資本理論でノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーの時間配分理論で理解できると考えます。人は一日24時間の中で働く時間、生活・休息の時間、学ぶ時間を配分していますが、全ての時間はトレードオフの関係にあります。時間配分理論の観点から見ると、学習には時間コストが伴います。1時間を勉強に充てれば、その1時間は休息や娯楽に使えず、働いて得られたはずの賃金も失います。長時間労働の下では、学習の機会費用が高くなり、結果として人々は合理的に学習を後回しにします。
つまり、リ・スキリングが進まないのは、意欲の問題ではなく、時間制約の中での合理的な選択です。この状況を変えるには、個人の努力に任せるだけでは不十分です。例えば7時間労働プラス1時間の「ジブン時間」のように、学習のための時間をあらかじめ制度として確保すれば、機会費用が低下し、継続的なスキル形成が可能になります。また、この1時間を家事・育児・介護にも活用できるようにすれば、女性や高齢者の労働参加促進やワークライフバランス向上にもつながります。
したがって、日本で人的資本投資を高めるには、教育機会の拡充だけでなく、時間配分そのものを見直す制度改革が不可欠だと考えます。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、藤原委員、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
論点の①から③までまとめて話したいと思います。
労働生産性の改善・向上には、付加価値の最大化に注力しながら、労働投入の効率化を図っていく必要があります。そのためには、人への投資を推進して、イノベーションを創出する人材の育成・スキルアップを促進するとともに、その能力を最大限に発揮させることが極めて重要だと思っています。
具体的には、OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせた教育体系の整備や、成長分野・事業に関連するリ・スキリングを含めたリカレント教育の実施・提供などによる人材の質的向上に加えまして、多様な人材のさらなる労働参加を進めて、必要な人材を確保して労働供給制約に対応していく必要があると思います。
また、付加価値の最大化に不可欠なイノベーションの創出には、その担い手であります働き手のエンゲージメント向上が欠かせないと思います。働き手の多様な価値観に配慮しながら、働き手が主体的かつ安心して仕事に取り組めるよう、柔軟な働き方の提供や企業理念の共有、職場の心理的安全性の向上などの取組が望まれます。
さらに、神保委員、室賀委員からも御指摘がありましたけれども、働き手が学び直し等に充てる時間を十分確保できるように、時間外労働の一定期間免除やサバティカル休暇などの時間的配慮に加えまして、DXやAIを活用して、業務の改善・見直し、省力化を進めることは、労働投入の効率化にもつながると言えます。
こうした企業の取組の実効性を高めるために、政府におかれましては、リ・スキリングを含むカレント教育の支援拡充や、昨年新設されました教育訓練休暇給付金とリ・スキリング等教育訓練支援融資の一層の周知、今後の適切な運用をお願いしたいと思います。また、こうした施策は円滑な労働移動の推進に大きく貢献するものと考えます。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、山田委員、お願いします。
○山田委員 ありがとうございます。
私からは大きく2つ申し上げたいと思います。
1つ目は、論点の①と②と関わるところだと思うのですけれども、産業政策と労働政策の連携ということです。今、非常に労働不足になっております。今後さらにそういう状況が強まる予想ですから、いかに人材をうまく戦略的に全体として整合性を持って配分していくかということが重要になってくるわけですけれども、そういう意味では、産業構造とかあるいはそれに対応した雇用構造を戦略的に誘導というかつくっていくことが大事だと思います。
そういう意味で言いますと、前回事務局のほうから御提示がありました、例えば2040年の就業構造推計というのは一つの大きなたたき台になっていくと思います。ただ、重要なのは、これはトップダウン的につくっていくだけでは駄目で、やはり最終的な雇用というのは個別の労使の中でつくられていくということになってきますから、これをたたき台にもう少し意見集約の場というか、いろいろ意見交換をしながらコンセンサスをつくっていくような場ですね。ミクロ的にはいろいろされているのだと思うのですが、こういうことを改めてやっていくことが大事かなと思います。
その上で、個別の施策を考えるときに、もう一つ申し上げたいのは、まさにバックキャスト的な発想ということです。だから、そこからそういうことが大事だということです。具体的にやっていく場合は、当然省庁横断的にやっていく必要がありますし、国と地方が連携するということも大事なのですけれども、例えば具体的なやり方として、私、スウェーデンを長年研究していまして、その中でYrkeshögskolanという仕組みがあるのですけれども、要は大学の初等レベルの教育機関なのですけれども、座学と実習を連携するような仕組みをやっています。これ自体はいろいろあるのですけれども、非常に面白いなと思うのは、具体的なプログラムをまさにコーディネーターみたいな人がいて、企業ヒアリングをしていって、非常に柔軟にそういう実態に応じたものをつくっていく。かつ、企業が本当に重要な、これから必要な人というのは、OJTである程度育成していくということは当然必要になってきますが、そういうOJTの機会なども提供している。そういうふうなことをやっているのですけれども、そんなものを参考にやっていくことが大事ではないかということです。
それから、2つ目は現場人材、エッセンシャル分野のところであります。アドバンスト・エッセンシャルワーカーというのが政府の中にも共有されてきていると思いますけれども、私自身の理解では、これは2つ類型をつくってやっていくことがいいのではないかなと思います。
一つは、私の言葉で言いますと、現場オペレーションワーカーというものですけれども、これは高度な知識とか技術を使いこなして、まさに現場の生産性向上をリードしていくような人たちです。
それともう一つは、それだけではなくて、現場コーディネーションワーカーと呼べばいいのではないかなと思うのですけれども、知識とか技術を駆使して、現場の作業プロセス全体を改善して、組織全体としてサポートしていく。この辺りはいわゆる大卒の方などでも非常に魅力的な仕事なのではないかということです。
もうちょっと、時間を取って申し訳ないのですけれども、具体的に介護などでこれは非常に大事だと思っていまして、既にそういうもので言いますと、介護テクノロジーを使うような動きというのは出てきていますし、政策的にも聞いていますと、例えば中核人材育成プログラムみたいなことはされているわけですけれども、こういうことをさらに改善していって拡充していく。
もう一つ私が大事だなと思っているのは、現場で結構うまくやっているところというのは、コンサルタントのような人が入っていって、その人が企業とか事業所の現場リーダーを伴走支援して育成しているのです。本当に人材を育成しようと思いますと、座学も重要なのですけれども、現場でいろいろな現実の問題を経験していって、スキルを身につけていくということが大事ですから、こういうふうなやり方も新しく連携しながら省庁横断的にやられていけばいいのではないかなと思います。
以上でございます。
○山田厚生労働審議官 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 私からは、社会インフラ関連の業職種の生産性向上などについてお話をさせていただきたいと思います。
医療ですとか介護・福祉、あるいは建設、運輸など、社会インフラ関連の業職種について、これは生産性向上は今後非常に不可欠であると考えています。これらの事業所におきましては、経営資源に限りがある企業などが中心であることを踏まえますと、先ほどの資料の中でもあったかと思うのですけれども、医療ですとか介護などの生産性上昇につながる人材や設備への投資、こういった取組に関しては政府としても継続的に支援をしていくことが必要だと思います。
また、政府としてもしっかりコミットメントしていくということを考えますと、複数年度にわたる支援を処遇改善ですとか職場環境改善といったところも含めて考えていただけたらと思っています。
他方で、こういった生産性向上ですとか処遇改善策は非常に重要になってくるかと思いますけれども、今後、労働力が急速にかつ持続的に減少していくということを踏まえますと、今後は例えばどこの地域に重点的に配置をしていくのか。あるいはどこは段階的に縮小させていくのかといった、各地域で考えていかなければいけない課題だと思います。
先ほど山田委員などからも産業雇用構造をバックキャストで戦略立てて考えていく必要があるという御発言もありましたけれども、これは私も同じ意見で、特に各地域、広域の自治体などに大きな役割を担っていただきたいと思います。各地域で社会インフラ関連サービスの提供体制はどうあるべきなのかということをしっかり計画していただきまして、かつ、その総合的な計画を基に誘導していく。そういったこともやっていかないと、日本全国でどんどん労働力が減っていきますから、生産性上昇などだけではこれはできないと思います。そういった観点で、国としてもこういった取組を支援していただく必要があると思いますし、環境整備などもぜひしていただけたらと考えています。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 中根委員、お願いします。
○中根委員 資料がメモ程度になっているのですけれども、御参考にしていただければと思います。
私は論点整理の①を主にお話しさせていただきます。
労働生産性の確保をする場合に、アプローチが幾つかあると思うのですけれども、まずは個人へのアプローチ、組織へのアプローチ、あとは設備投資に対してのアプローチがあると思います。これで整理してお話ししますと、個人へのアプローチというところは、かなり厚労省さんはいろいろな政策をされていて、方向性として私は大きく間違っていないのではないかなと思います。企業の人事、経営をしておりまして、厚労省さんは日本全体の人事部なのだなと思いながらお聞きしているのですけれども、私ども、会社であれば、会社の戦略に応じた人材育成というのはできるのですけれども、それ以外の部分というのは会社の中ではできないので、そこは国として担うべき部分なのだなと思っております。
事業所内における生産性の確保というところでいくと、事業所の課題については、そこを行うのは経営者でありマネジメントなので、マネジメントの支援ということが非常に大事なのではないかなと思っております。
個人への課題に関しましては、ほかの委員の方もおっしゃっておりましたけれども、基本的にいろいろな支援がすでにあり、その支援をうまく活用するための時間的な余白の確保の部分にサポートを入れるといいのではないかなと思っております。
2番目の組織の部分なのですけれども、今まで論点になかなか出てこなかったところとしまして、生産性の向上は、個人の能力を上げるだけでは組織の生産性は決して上がらなくて、例えば組織の構造をどうするのかであったり、あるいは意思決定の仕組みをどうするのかというところを構造改革する必要があり、それだけでかなり生産性は上がります。このような部分の課題を認識し改善していく必要があるのは経営者であり、マネージャーだと思うのです。こういう人たちを伴走する仕組みというのをつくると、さらにいいのではないかなと。レバレッジが効いた生産性の向上になるのではないかなと思います。
3つ目の部分なのですが、私たち、IT屋さんということもあるのですけれども、設備投資というのは一定必要だと思っておりますが、第1回の後、いろいろ私もさらに調べてみました。ITの導入補助金であったり、あるいはAIの導入補助金ということで、中小企業をサポートするような補助金の制度というのはたくさんあるのですけれども、昨日報道でも出ておりましたが、この利益への影響というのが限定的になっていると。これはなぜかというと、我々の経験からしまして、設備投資をすればそれで終わりではないと。いろいろなITツール、いろいろな設備というものがあるのですけれども、「自社に合った設備は何なのかというのをまず選定する能力があるか」というところと、あるいはパッケージ製品を入れたところで、「それをうまく使いこなし、社員に教育をする能力があるか」というところ、ここが非常に欠けているのではないかなと思っております。ですので、先ほど山田さんもおっしゃっていましたけれども、やはり伴走支援をしながら、産業のこと、あるいは事業のことをよく理解してくれるコンサルタントが一緒についてやっていく。そこの支援が必要なのではないかなと思っております。
一方で、このような支援制度というのは、役務提供の支援となり、かなり不正もあるとお聞きしています。この不正を防ぐ仕組みの一つとして、いろいろな人たちに対して支援していくというよりも、信頼できる事業者、あるいは伴走できるような人を認定制度にするなどして、その人を通じた支援制度にする。万が一不正があった場合は厳罰する、あるいは公開していくというような形をしながら、効率的にお金を投資していくという形にできるといいのかなと思っております。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、オンラインで御参加いただいている水島委員、お願いします。
○水島委員 ありがとうございます。
論点②について意見を述べます。論点②では、課題として我が国の人的資本投資が少ないことが挙げられています。我が国の雇用慣行であった終身雇用制が失われ、政策として雇用の流動化を促したことは、企業の人的資本投資に消極的に作用したと考えます。
そのため、今、政策として人的資本投資の必要性を明確に打ち出すことが重要と考えます。企業がそれぞれの人材戦略に基づき、効果的に人的資本投資を行うには、雇用政策だけでなく経済政策と連携し、また、産業界や教育機関と連携した取組が必要と考えます。このような取組が、企業が人的資本投資を行う後押しとなると考えます。
このような考え方は、スライド12、新たな職業能力開発基本計画に見られると理解しておりますが、より強力に進めていただければと思います。産業政策との関係では経済産業省、産学連携のリ・スキリングの関係では文部科学省との連携が重要です。
また、複数の委員から指摘がありましたが、私もバックキャスト型の人材育成が重要で、そのために省庁が連携して将来求められる人材像やスキルを可視化し、産業界や教育機関と連携して効果的な取組を行い、それらの取組に対して支援いただくことが重要と考えます。
最後に、労働者がリ・スキリングの時間を確保できないことについて、確かに公共職業訓練も教育訓練給付金の対象の教育訓練も数か月単位あるいは年単位の訓練ですから、労働者の置かれた状況によっては受講は容易でありません。ですが、最近の若い世代は隙間時間を利用して、例えば公共交通機関で移動中にスマホやタブレットで外国語の学習や専門的な勉強をしているようです。このような短時間のリ・スキリングに助成や給付を行うことは現実的ではありませんが、自主的なリ・スキリングを評価する、あるいは応援するといった姿勢が見られるとよいと思います。スライド19にお示しいただいた全世代型リ・スキリング国民運動では、ぜひこうした隙間リ・スキリングも対象にしていただければと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、オンラインで石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
私から論点②について何点か意見を述べさせていただければと思います。
資料の11ページなどでは、労働者が自己啓発にかける時間が少ないとの御指摘がなされていたかと思います。ただ、先ほど水島委員がおっしゃられたこととも関わりますけれども、自己啓発には非常に様々な形態があり、しっかり長い時間講座を受けるようなタイプのものから、自分で動画を見たり本を買ったりして、そうした隙間時間を利用した自己啓発というのもあろうかと思います。そうした意味で、今後、人材開発を促していくという中で、ある種スモールステップ的な、そうした形も含めて促していくということがまず考えられるのではないかと思ったところです。
また、そうした自己啓発を始めてみようと思っても、三日坊主になってしまっては仕方がないというところがありまして、どう続けていくかというところが大事かと思いますが、その観点からは、それぞれ学び続ける人がお互いにつながったり、ネットワーク化を図っていくことによって、お互いモチベーションを高めていくというようなことも重要ではないかと思います。
この辺りは国がそれを直接求めるというよりは、現場の労使であったり、あるいは企業を超えてということであれば、産業レベルの労働組合さんであったり、あるいは教育機関であったり、そういったところが連携しながら進めていくということが重要ではないかと思う次第であります。
これとも関連しまして、リ・スキリングの国民運動を進めていくというお話があったかと思います。労働移動に向けた新しい労働スキルの獲得という意味でのリ・スキリングももちろん進めていただいていいのですけれども、ここでいうリ・スキリングの定義としまして、それにとどまらず、現在のスキルの向上を図るといったより広い意味での人材開発、人への投資あるいは未来への投資というのを促していっていただけたらと思うところです。
それから、これまで室賀委員やほかの委員などからも指摘があった労働時間の点についても若干述べさせていただければと思いますが、トレードオフになるとの御指摘は非常に重要であると私自身も考えております。
また、室賀委員が提起された原則7時間労働で1時間の自分時間という御提言も個人的には非常に共感するところです。デフォルトとしての労働時間の短縮を図っていく。それが一日7時間なのか、週35時間なのかとか、その辺りはいろいろあり得るとは思いますが、そういう方向に向かっていくということは重要ではないかと考えます。
ただ他方、法規制としてそこを動かしていくというのはなかなか難しいところもある中で、自己研さんに対する休暇やサバティカルというお話もありましたけれども、そういったところを進めていただくことに加え、先ほどちょっと話に出た隙間時間的な自己研さん、かつ現職に関わり、スキルアップにつながるようなものに関しては、場合によっては労働時間内に、要するにスキルアップを図ること自体を業務として位置づけてやってもらい、長い目で見たときの生産性向上につなげていくというようなこともあり得るのではないかと思ったところでして、そうした様々なやり方での人材開発の推進ということをぜひお願いできればと思っているところです。
私からは以上になります。
○山田厚生労働審議官 続きまして、近藤委員、お願いします。
音声がうまく伝わっていないので、近藤委員におかれては次のセッションで2つのテーマともまとめて御発言いただけるようにお願いします。その間に調整をいたしますので、申し訳ございませんが、次に移らせていただきます。
それでは、次に論点④、⑤、そして、労働時間制度の運用面の見直しについて御意見をいただければと思います。
先ほど同様、会場の皆さんには名札を立てていただき、オンラインの方については挙手ボタンを押していただくという形でお願いいたします。
でしたら、伊藤委員からお願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
資料記載の論点の後半部分について意見を申し上げます。労働移動につきましては、いわゆる労働市場の見える化を通じて、労働者側の希望に応じた労働移動が進んでいくこと自体はある程度仕方がないものと受け止めております。他方で、特に地方の中小企業では都市部・大企業への人材流出に対する懸念が非常に強く、また懸念だけではなく実態としても進んでいるということであります。したがって、外部の労働市場を活性化する、円滑化するという取組に加え、ぜひ企業の内部労働市場の活性化、つまり、企業内部での人材育成や新規事業展開を後押しし、人材の定着ができるような好循環を作る視点でもあわせて議論していただきたいと思います。
また、中小企業が自ら人材確保を実施するという視点において、ハローワークに対する期待は非常に大きいものがございます。AIやデジタル技術の活用、あるいはマッチング機能の強化をさらに進めていただきたいと思います。
続いて人材育成について申し上げます。人手不足に悩む中小企業においては、育成の時間を確保するためにも、デジタル化を通じた省力化というのは不可欠であり、優先すべきだと考えております。企業のデジタル活用のレベルに合わせた、企業ごとのオーダーメード型の支援をプッシュ型・伴走型で行うことが極めて有効だと考えておりまして、ポリテクセンターをはじめとする公的な職業訓練の強化も重要と考えております。
加えて労働時間制度の運用面の見直しについて申し上げます。方向性として資料にご記載いただいた支援機関の連携による相談支援の強化については、よろず支援拠点や商工会議所を含めることで、中小企業の経営の視点も含めた労務支援というものが期待され、有効な方策と思いますが、具体的にどういった内容になるのかが重要です。規制を遵守する観点からの支援のみでは、経営の実態に即した運用にはつながらないのではないかと思いますので、現在お考えの内容があればお示しいただきたいと思います。
また、労働基準監督署の監督指導の問題ですけれども、中小企業からはやはり労働規制の取り締まりを行っている監督機関としての印象が強くございます。時間外労働時間が45時間を超えた場合には、適法の範囲内であっても指導があるという声も中小企業から聞いております。こういった指導が取り締まり当局からの指示として来ることで、企業活動を萎縮させているという実態があるのではないかと考えております。
規制を受ける中小企業の視点から申し上げれば、労働基準監督署が行う指導は、やはりできるだけ簡素で透明性の高い、分かりやすいものにしていただきたいと思います。どのような時にどういった形で指導されるのかをより明確にしていただいた上で、適法内の時間外労働に対して指導するのではなく、法制度の違反あるいはその事前の予防という観点での指導に限定するべきではないかと考えます。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 室賀委員、お願いします。
○室賀委員 希望に応じた労働移動の実現について議論する際に、基本的には正規職から正規職への議論が中心となっていくかと思いますが、何らかの事情で正規職を離れて非正規雇用にとどまっている方のキャリア再開の視点も重要ではないかと考えております。特に高技能女性であっても、結婚や出産等を理由にして一度正規職を退職し、自身のスキルに応じた職に再び就きたいと考えている方への支援策を検討することが大切です。個人のスキルや経験を可視化したプラットフォームの整備や、離職者向けの合同説明会等を通じたマッチング機能の強化も有効だと考えられます。
さらに取り組むべきこととして、労働供給側、労働需要側の双方からのアプローチが重要です。まず労働供給側の視点として、在宅勤務やフレックスタイム等、柔軟な働き方を組み合わせることで、正規職に戻るハードルを下げることが可能です。加えて、家事・育児サービスの利用補助や税制優遇等の支援策も不可欠です。
さらに、労働需要側の視点として、採用側の無意識のバイアスを軽減することも重要です。有名な研究では、アメリカのオーケストラで演奏者をカーテンの後ろに隠すブラインドオーディションを導入した結果、女性が能力に基づいて評価される割合が高まり、性別による統計的差別が軽減されたことが示されています。海外で導入されている履歴書の顔写真廃止等の統計的差別撤廃に向けた取組は、公正な評価につながる施策だと考えられます。
以上を踏まえ、労働者の希望に応じた移動を促進するには、マッチング機能の強化、柔軟な働き方の制度設計、また、家庭支援策の充実、さらに採用プロセスの公正化を一体的に進めることが不可欠であると考えております。
以上です。
○山田厚生労働審議官 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 私からは、中小企業の人材確保ですとかハローワークの役割について意見をさせていただけたらと思います。
今後、労働力の減少を踏まえると、現在存在している全ての企業に十分な人材を行き届かせることは難しいという認識にまず立った上で、個々の企業において少ない人手で効率的に経営を行う体制への移行、あるいはそれに伴う従業員の処遇改善をまず徹底していただくことが大切かと考えています。
その上で、新たな経営戦略に基づく人材戦略の推進に成功する企業というのも恐らく今後多数出てくるかと思いますので、そういった企業に十分な人材を行き届かせること、それに伴って規模の拡大も支援していくこと、それが結果として地域や社会全体の生産性向上ですとか成長に資すると思います。
ハローワークにおける支援についても同様の観点から行われるべきだと考えています。先ほどの御説明の中でも、人材確保分野に対する様々な新しい取組を行っていただいているということですけれども、そういった取組をまさに強化していただくことと、さらに、これからは優れた経営を行っていて良好な処遇を実現している企業をハローワークとしても評価して、そういった企業に対して支援を集中していくということが求められると思います。これはハローワークだけではできないかと思いますので、関係機関と連携した上で実現してほしいと思っています。
また、新たな経営戦略に基づく人材戦略を進めることが難しい企業というのもこれから多数出てくると思うのです。そういった企業に対しては異なる支援が必要です。つまり、経営者の方が過剰なリスクですとか責任を負うことにならないように、円滑に市場から退出していただく。経営者の方にも納得して退出していただくための制度設計といったものが産業政策として求められてくるかと思います。
最後に、労働市場における効率的なマッチングという観点で申し上げさせていただきますと、この観点ではAIなど先進的なテクノロジーの活用が大きく期待されるところです。今後は、適正な競争環境の下で民間人材サービスを行っている企業が適切に競争していただく中で、しっかり高度化を図っていく。そのための競争環境の整備を国としても行っていただけたらと思います。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 続いて、山田委員、お願いします。
○山田委員 ありがとうございます。
私から3点申し上げたいと思うのですけれども、一つは資料に書いているとおりなのですけれども、外部労働市場が未整備ですので、これを整備していくには見える化が重要だということで、既にジョブタグということでかなりいろいろな形で整備されてきていますので、これを本当にどう使っていくのかということです。具体的に私が考えているのは、人材サービスが外部労働市場のインターフェースになってきますので、既に使われているところもあるのですが、もっとこれをいろいろな形で使える形で標準化していくということかと思います。それから、やはり具体的に使って、いろいろないい事例をしっかりプロモーションしていって使ってもらうということです。それから、当然今の段階ではまだ改善の余地がたくさんあると思いますから、現場のフィードバックによって継続的にやっていくというのが必要かと。これが一点です。
それから、ここには書いていないのですけれども、実際のマッチングには、ある意味これはインフラであって、大事なのは伴走支援で、日本でいうとキャリアコンサルタントという職種が出ていますけれども、海外の事例を見ていても、うまいマッチングというのはやはり間に入ってくるパーソナルアドバイザーなりいろいろな言い方があるのですけれども、そこもやはりアップデートというのですかね。既にこれも厚労省さんのほうで問題意識を持たれてやられていると思うのですけれども、やはりいろいろな現場の経験のある方とかというのが具体的な仕事のアドバイスとかということで重要になってきますので、さらにこの辺りを継続して、場合によっては企業の人事で長くいられた方とか、組合の幹部の方とか、そういう分野の現場をよく知っている方がキャリアコンサルタントの資格を取られてやるような、そういうところを奨励するやり方というのはあるのではないかなと。
それからもう一点、労働時間制度の運用の見直しということで、支援センターと労基署さんが連携していくというのは一つ確かにそうだなと思います。例えば今の法制の中でも、いろいろな柔軟に使える、フレックスタイムなどは実は使えばかなり使い勝手がいいというのがありますから、そこが必ずしも知られていないということをしっかり支援センターの支援員の方がやはり指導していく。
先ほど伊藤委員もおっしゃったように、労基署さんがやるというと現実には抵抗もある部分もあるのではないか。だから、現実には、説明等は労基署さんがやられるにしても、支援センターの方が具体的にやっていくということになるのではないか。まさに支援センターのどういう人がやるかということが大事で、ここはやはりある程度経営の現場が分かられている方ですね。実際の企業のニーズで考えると、多分フレックスタイムとかだけではなくて、それによって生産性を上げるようなこともセットでやっていかないと駄目だと思いますから、今は社労士さん中心だと思うのですけれども、例えば中小企業診断士の方とか、あるいはさっき申し上げたような現場でさらに企業のOBの方とか、そういうのを含めて、新しい伴走支援でいい支援ができるような人々を少し育成したり、情報共有をしていくような仕組みですね。こういうのも考えていかれると議論に資するのではないかなと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 片岡委員、お願いします。
○片岡委員 ありがとうございます。
論点④と論点⑤のあたりについてお話をしていきたいと思います。
労働市場の見える化という話ですけれども、先ほど山田委員からもいろいろ御指摘いただいているところでありますが、既に情報みたいなものはかなりそろっているわけですけれども、そうした情報をどう生かすかという観点、それから、国としてどの辺りの人材の人が足らないのか。それから、地域別にどういう偏在が見えているのかというところについて継続的に把握、アナウンスメントをしていくことはやはり必要なのかなと思います。
そうしたような情報を基にして、企業、個人がどう反応していくのかというところが追加的には重要になってくると思うのです。いい事例がもしあるということであれば、そういったユースケースですとか事例の紹介みたいなところはいわゆる官の側でできる部分があるのかなと思います。それから、ミスマッチが起こっているということは、これは労働者のほうがそうしたミスマッチを埋めようと行動するインセンティブをもたらすということ、それから、企業側としても新しいサービスとかビジネスを起こしていこうというインセンティブに実はつながるのではないかなと思うのです。
それはもちろん雇用を増やすとか、そういった担い手になるという観点だけではなくて、設備投資を増やすとか、そういう話にもつながってくると思うのですけれども、日本の場合、そうした情報はあるのだけれども、次のアクションにつなげるみたいな、そこら辺の連動が弱いのではないかなという気がするのです。ですから、今、インフレの環境に変わってきているので、ある意味企業さんとしても新しいことをいろいろできる環境下にはなってきているわけですが、そういうようないい意味での動きを促進するようなサポートみたいなものができるような形になってくるとなおいいのではないかと思います。
それから、個人レベルでいうと、人が減るのは仕方がないと思うのですけれども、問題は一人の人が、例えば働き手として一つのペルソナしか持たないというような話を是正していくことが重要なのかなと思います。特に兼業できる方は兼業するとか、それから、特定の地域のみで働いているというよりかは、東京から田舎に移ったり、そういう形で、室賀委員から24時間しかないという話がございましたが、もちろんそれはそうなのですけれども、今ですと移動手段とか、ウェブとかいろいろなテクノロジーもあるので、やはり一人一人がいろいろな顔を持って多様な働き方をしていくというところはこのミスマッチの議論においても重要なのではないかと思います。
最後に論点⑤の部分に関してなのですけれども、やはり中小企業ないしはエッセンシャルワーカーの方への支援みたいなものを考えるときにも、とにもかくにも経済成長していかないと、これは連動している部分があるので、どちらが先か後かということではもちろんないのですけれども、やはり成長していくことというのが大事なのではないかなと思います。税収がなければそうしたところへの支援、手当もおぼつかないという話になりますので、やはり成長しながら拡大しつつ、こうしたいろいろな形の機会をつくっていく。そういう話が労働、投資、生産性、3つ連動してできるような形になれば一番いいのではないかなと思う次第です。
以上です。
○山田厚生労働審議官 会場の方全てに御発言いただいていませんけれども、先ほど飛ばさせていただいた近藤委員にここでお願いしたいと思います。
○近藤委員 ありがとうございます。先ほどは大変失礼いたしました。つながっていたのですけれども反応しないみたいなことが起きていたので、再起動しました。
先ほど前半部分についてもコメントしそびれてしまったので、そちらからまとめてお話しさせていただきたいのですけれども、ほかの方の議論とずれていることを申し上げる感じになってしまうのですが、まず国がやるべきことと民間に任せることというのをきちんと区別して、国がやるべきことについて考えていかないと、国のリソースも有限ですので、それを一番最初に議論の前提として提起したかったというのが私の1つ目のことになります。
例えば民間の企業で特に成長が著しい企業とかですと、その企業がうまくやる方法というのはその企業に任せておくほうが、国が考えてあげるよりも恐らくうまくいく。そういうような産業というのはたくさんあると思うのです。なので、成長産業の生産性をさらに上げていくというようなところに関しては、国にできることというのはそれほど多くはなくて、民間に任せる。逆に民間に任せておくと市場原理ではうまくいかないようなところに国が重点的にというような視点があったほうがいいのかなと思います。エッセンシャルワーカーの不足ですとか、あとは、多々話題に出ていましたけれども、地方の人手不足、人材の偏在みたいなことに関しては、やはり市場に任せておくとどんどん都市に人が集まってしまうみたいなことが起きてしまいますので、生活を守る基盤みたいなところに重点的に加入するという考え方のほうがいいのかなと思います。
逆に民間に任せていいところは民間に任せるというめり張りをつけたリソースの配分をしないと、行政のリソースそのものが限られていると思いますので、あれもやる、これもやるとなってしまって、どれも中途半端にしか人手が割けないということになってしまうと、結果的にうまくいかないのかなと思ったところです。
エッセンシャルワーカーや現場人材の生産性向上の話は、随分たくさんほかの方も同じようなことをおっしゃっていましたけれども、やはり生産性を向上させて処遇を改善するということが人手不足改善の王道であるということに関しては私も異論はないのですけれども、ただ、それは随分前から指摘されてきていて、そうするべくいろいろ努力をしてきているにもかかわらず、まだまだ人手不足は解消されないという状況がずっと続いているわけなので、生産性を向上させて、それによって利益を上げて処遇を改善して人手不足を解消するという王道の順番と並行して、特に介護とか医療みたいな分野に関しては、先に処遇を改善することによって人を集めて、それで現場に余裕ができて、それによって生産性を向上させる余裕ができるという順番を変えた発想みたいなものもあったほうがいいのかなと。恐らく細かいレベルで既に実際に行われていることだと思いますし、ほかの委員の御指摘の中にもあったかと思うのですけれども、そういう先に処遇を上げて人を集めておいてから生産性を向上させるという考え方もありなのかなと思います。
最後、労働時間制度に関してなのですけれども、これも資料を頂く前に私のほうで提出資料を作ってしまったので、ちょっとずれてしまっているのですが、資料にも書いてありますけれども、やはり既存の制度の中でいかにうまく回すかということを考える方向のほうが規制を緩めるよりもいいということで、多分事務局と私の意見はおおむね一致しているのではないかなと思います。特に裁量労働制とフレックスタイム制がマスコミレベルの議論だと混同されている印象があって、裁量労働制は時間をちゃんと管理されない状態なので、働き放題みたいになってしまうリスクがあるのですけれども、フレックスタイムの場合はいつ働くかが労働者の裁量に任されているだけで、労働時間そのものは管理されているわけですよね。フレックスタイムでいいじゃないかというところに裁量労働と言ってしまうと、また働かせ放題だとがーっとなって議論がすれ違うみたいなことが起きてしまうかなと思いますので、その辺の区別みたいなところもうまく発信していくと、国民の議論のレベルで情報のそごから話がまとまらないみたいなことが減るのかなと少し思いました。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 会場に戻します。藤原委員、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
日本経済全体、マクロの意味での生産性の向上にとりましては、成長産業や成長分野への労働移動の積極的な推進が不可欠だと考えています。これは、職業人生の長期化や、複数の企業を経ながらキャリア形成を希望する働き手が増加している実態にかなった労働市場改革だと考えています。
労働移動の推進に当たりましては、転職等を希望する働き手が安心して労働移動ができる環境整備が極めて重要だと思っています。そこで、政府には、労働移動推進型の雇用セーフティーネットへの移行を改めて要望いたします。資料としては資料9を提出しております。
具体的には、雇用保険制度におきまして、基本手当の所定給付日数の在り方の見直し、それから、再就職手当の給付率の改定、こういったものによりまして、早期再就職を後押しするような仕組みへの転換が必要だと考えております。
また、マッチング機能の強化につきましては、セーフティーネットの在り方と同様、非常に重要な論点として取り上げる必要があると考えています。具体的には、デジタル技術の活用によりまして、ハローワークの機能強化に加え、民間の人材サービスが提供する多様なマッチングサービスとの適切な連携を見据えて、我が国全体のマッチング機能の強化・高度化が求められていると思います。
最後に、労働時間制度の運用面の見直しについては、資料1の4ページにありますように、支援の充実化が進めば大変心強いものだと思います。労働基準監督署で画一的・硬直的な指導がされているという声は私どもも会員企業から聞いております。企業の実態やニーズに沿った運用や支援を期待いたします。
以上でございます。
○山田厚生労働審議官 神保委員、お願いします。
○神保委員 ありがとうございます。
まず、論点④についてです。今ほど藤原委員も触れられましたし、多くの委員が発言されておりますけれども、「労働市場の見える化」については、求職者と企業のマッチング機能を高める観点からも重要であることから、人的資本の情報開示に関する国際規格も参考にしながら、分かりやすく、かつ適切に職場の情報が開示されるようにするなど、政府として企業の情報開示が進むよう対応をいただきたいと思っております。
なお、セーフティーネットの在り方については、労働移動の推進に過度に重きを置くものではなく、失業した際の生活保障、失業予防あるいは雇用継続を通じた雇用の安定・維持といった制度本来の役割を引き続き果たしていくことが重要であると考えております。
続きまして、論点⑤についてです。中小企業の人手不足の解消に向けては、安定的な雇用と処遇の改善、働き方の見直しなどを実現することが必要です。そのためには、政府としての労務費の適切な価格転嫁などを通じて一層の支援を行っていただきたいと思っております。
また、業務の効率化や生産性向上の観点から、DXなどの新技術の活用やリ・スキリングを推進することは重要ですけれども、とりわけエッセンシャルワーカーについては、単に人手不足の対策ではなくて、サービスの質の向上や労働安全衛生の改善につなげていくことが必要であると思っております。人員確保が難しい現場の実態やニーズを踏まえた導入支援と併せて、能力開発の機会確保を進めていただきたいと考えております。
最後に、労働時間制度の運用面の見直しの方向性について触れておきます。働き方改革推進支援センターの機能強化、あるいは労働基準監督署との一層の連携などによって、事業主における各労働時間制度の適正な運用や、36協定の適切な締結・改定の取組を促すことは、時間外労働の上限規制の実効性を高める観点からも重要と考えております。
その際の視点として、労働時間の適正な把握あるいは業務効率化・省力化などを通じた労働時間の短縮を主眼に置くべきであると考えております。時間外労働の上限規制の範囲内であっても、時間外労働を推奨する方向での制度・運用の見直しを行うべきではないと考えております。
加えて、労働基準監督署の監督指導については、労働者の命と健康を守るための最低基準である労働基準法の趣旨を踏まえた厳格な対応を堅持するべきであると考えております。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 中根委員、お願いします。
○中根委員 ありがとうございます。
資料は行ったり来たりするので、今回の労働移動に関しては資料は使わずにいきます。
まず、日本全体でいくと、市場性が働いていないということなのだと思います。本当は市場性があって、需要と供給がマッチするところが均衡していくはずなのだけれども、エッセンシャルワーカーの方々を中心にそこが働いていない。そこの理由は何かというと、一つに処遇の問題というのはあると思います。市場性を働かせるために先に処遇を改善して、そこから手をつけるというやり方は私も一つあるのではないかなと思います。
一方、企業の観点でいきますと、企業の中でもマッチングされていない人材というのは弊社でも少なからずいますし、ほかの企業さんでもいらっしゃるのではないかなと思います。自社ではマッチングしなかったとしても、他社では活躍できる人材というのも企業の中にはいらっしゃる。特に大企業さんでは人数も多い分可能性があるかなと思っております。それは中小企業でも同じです。
そこで大事なのは、企業の中でいかに生産性に対して評価をしていくか。時間ではなくて生産性に対して評価していくか。そこに対して、どのような評価制度、報酬の設定にしていくかというところの支援が必要なのではないかなと思っております。日本の中では、報酬を変える、特に報酬を上げていくということに関しては抵抗感は皆さんないのでしょうけれども、マッチしなかったときや期待通りにパフォーマンスが出なかった場合に報酬を下げるということがなかなか難しい。これは制度上できるのだけれども、やりにくいような、風土も含めて文化も含めてあるのかなと思いますが、それを放置しているがゆえに市場性が働かないというところも一方であるのではないかなと思います。もちろんセーフティーネットであったり、ジョブセキュリティーというところを確保しながらではありますけれども、そこの部分に労働者自身も自立をして向き合っていかなければならないですし、企業自体もそこと向き合っていくということが今後必要になってくるのかなと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 それでは、オンラインのほうに移ります。石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
まず、労働市場の見える化につきまして、資料の37ページから39ページにかけての内容を拝見しまして非常に心強く思いまして、このままぜひ充実化に向けて進めていっていただければと思います。
やや技術的な話にはなりますが、こうしたサイトの構築に当たって、ぜひユーザーフレンドリーなサイトにしていっていただきたいということと、また、運用していく中でいろいろとユーザーからの意見等も出るかと思いますので、それを踏まえてさらに改善を図っていただきたいということ。それから、せっかくよいサイトができてきているということであれば、高校ですとか専門学校ですとか大学のキャリアセンターなどにぜひ周知していただいて、活用を図っていただけたらと思います。
他方で、このような形で非常に多くの情報が求職者の方々に提示されるということになりますと、受け手の側が情報をきちんと分析できるのかという視点も重要ではないかと思っております。そういった意味で、ワークルール教育の推進もぜひ合わせて進めていっていただけたらと思うところです。
それから、もう一つの論点として、エッセンシャルワーカーの人材確保につきましては、前回も意見として申し上げましたけれども、やはり現場の職場環境改善や処遇の改善というのが第一に重要ではないかというところはまた改めて意見として申し上げさせていただければと思うのですが、併せて、こうしたワーカーの方で出産や家族の介護などで一時的に休業に入られた方の復帰支援というのも非常に重要ではないかと思っています。その辺り、場合によってはケアワーカーの方が担っているケアを担いやすくしていただくような仕組みも含めて併せて御検討いただければと思います。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 水島委員、お願いします。
○水島委員 ありがとうございます。
私は論点⑤について意見を述べます。
エッセンシャルワーカーの人材確保・育成は、雇用政策や労働市場の観点からも重要ですが、社会保障の観点からは極めて重要です。要介護高齢者の増加は今後数十年間見込まれ、特に介護人材の確保・育成は中長期的課題と考えます。
介護人材の確保・育成に関し、3点申し上げます。
まず、スライド45や48を拝見し、介護分野に関し、ハローワークがうまく機能し、重要な役割を担っていることを認識しました。さらなる機能発揮を期待します。
2点目は、今回の議論の対象ではないかもしれませんが、エッセンシャルワーカーの人材確保・育成、また、地域の活性化という点では、労働者協同組合が将来的に期待できると思います。
3点目は、論点③の資料ではありますが、スライド31の介護現場における生産性向上、職場環境改善の取組自体には賛同しますが、生産性向上だけでなく、それが労働者の健康確保や働き方の改善につながることが重要です。事業者が生産性向上だけに目を向けるのではなくて、職場環境改善に確実につながるよう、取組の工夫や事業者への助言が必要と考えます。介護現場の職業環境が改善されることで、エッセンシャルワーカーの職場の定着が進むことを期待します。
以上です。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
事務局から補足するようなことはありますか。
尾田審議官、お願いします。
○尾田大臣官房審議官 労働基準局審議官の尾田でございます。
伊藤委員から、4ページの労働時間制度の運用面の見直しにつきまして、具体的にセンターの拡充等についてどういうことなのかというお尋ねがございました。その点について、いみじくも山田委員から先ほど御指摘を賜りました監督署とセンターの連携につきましては、山田委員からも御指摘いただきましたとおり、労基署でやるべきこと、できること、センターが得意な分野、それぞれございますので、そうしたところでしっかりと両者で連携してというところがこれまで不十分なところもございましたので、そうしたことできめ細かく対応していきたいというのが一つの方向性でございます。
また、本日の論点の中でも経営戦略と人材戦略の連携ということで出させていただいておりますし、また、山田委員からも御指摘がございましたが、経営の中で生産性を上げながら労働時間について考えていくと。まさしくそういった意味で全部連動していると思っておりまして、この点につきましても、この資料で出しておりますよろず支援拠点、商工会議所等の皆様との連携というところ、これまでも取り組んできたところもございますけれども、そこもより企業の皆様にきめ細かく対応するためにより一層の連携を図っていくという方向性でどういうことができるかということにつきましては、本日皆様からいただいた種々の御意見を参考にさせていただいて、今後詰めていきたいと思っております。
○山田厚生労働審議官 そのほかにありますか。
ありがとうございました。以上をもちまして、本日予定していた議事については全て終了いたしました。
本日の御議論を踏まえて、長坂副大臣のほうからお言葉をいただければと思います。
○長坂厚生労働副大臣 構成員の皆様におかれましては、本日も貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。
リ・スキリングをはじめ、労働移動の促進、エッセンシャルワーカーをはじめ社会を支える人材の生産性向上に向けた取組などについて御意見をいただきました。こうした取組につきましては、生産年齢人口が減少していく中で着実に取組を進めていく必要があると考えております。
また、労働基準監督署の監督指導の実情を踏まえた運用面の見直しについても御議論をいただきました。次回は労働時間制度の制度面からも議論をいただく予定でございます。その際にも、地域経済の大宗を占める中小企業、小規模事業者の実態も踏まえた議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○山田厚生労働審議官 本日いただいた委員からの御意見も踏まえて、事務局にて論点案等について修正いたします。
次回は、今回お示ししたものの残った論点について御議論を深めていただければと思います。
次回の日程につきましては、後日事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の会議は以上で終了いたします。本日もありがとうございました。
皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
本日、議事進行を務めます厚生労働審議官の山田です。よろしくお願いいたします。
それでは、分科会の開会に際しまして、長坂康正厚生労働副大臣から御挨拶をいただきます。
○長坂厚生労働副大臣 おはようございます。厚生労働副大臣の長坂でございます。
構成員の皆様には、本日も前回に引き続き、労働市場改革分科会へ御出席いただきまして、ありがとうございます。
前回は、労働供給制約が続く我が国の労働市場について、生産性の高い分野への円滑な労働移動や、働き方改革を含めた、柔軟な働き方の拡大に向け、様々御意見をいただきました。
いただいた御意見を踏まえまして、本日は論点案について整理をさせていただいておりますが、リ・スキリングや労働移動のための取組、将来にわたって必要な社会サービスを確保するための人材の確保や生産性の向上に向けた取組など、いずれも大変重要な論点であると認識をいたしております。これらにつきまして引き続き議論を深めていただきたいと考えておりますので、本日も闊達な御議論のほど、よろしくお願い申し上げます。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります前に、本日の分科会について事務的な御連絡を申し上げます。
○岡政策統括官付参事官 本日の資料は、お手元のタブレットで御覧いただけます。操作方法に不明な点がある場合は、事務局にお申しつけください。
オンライン参加の委員の皆様におかれましては、原則としてカメラはオン、マイクはミュートとしてください。御発言の際は、挙手ボタンを押していただき、指名があるまではお待ちください。指名後、ミュートを解除して御発言いただくようにお願いいたします。また、機器等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせいただくか、あるいは事前に事務局からお送りしている電話番号まで御連絡をいただけると幸いでございます。通信遮断などが生じた際には進行を一時中断とすることがございますが、御承知おきいただければと思います。
○山田厚生労働審議官 それでは、議事に入ります。
本日の議題は「労働市場改革について」となっております。
資料1「第1回労働市場改革分科会を踏まえた論点の整理について」、資料2の文部科学省提出資料、それぞれ事務局から説明いたします。
○河野政策立案総括審議官 政策立案総括審議官の河野でございます。
第1回分科会でいただきました御意見を踏まえまして、改めて論点を整理いたしてございます。
資料1を御覧ください。
2ページでございます。労働生産性の向上に関連しまして、適切な価格転嫁がなされることが必要であること、商慣行や取引慣行も見直す必要があること、経済社会の変化に応じて事業構造を見直していく、新しい技術をどう生かしていくかといった企業の経営戦略があって、それを実現するための人材戦略であるといった御意見を踏まえまして、課題認識を記載いたしてございます。
②はリ・スキリングの関係でございます。政府として、成長産業において能力開発や人材育成が実施される環境整備を進めることが重要、政府や自治体がメリハリをつけて重点的な投資を行うべき、労働政策のみならず、産業政策と一体となって対応すべき、またリ・スキリングのための時間に対する配慮も必要、中小企業における人材育成を担う者が不足しているといった御意見を踏まえ、記載をいたしております。
③はエッセンシャルワーカーの労働生産性向上についてでございます。労働供給制約下でも将来にわたって必要なサービスを確保するためには、社会を支える現場人材、エッセンシャルワーカーの生産性向上を図ることも重要。現場のニーズを踏まえながら、積極的なDXやリ・スキリング等により労働生産性を向上させ、質的な向上を図ることが重要であるが、どのように対応していくべきか。
④は労働移動に関する論点でございます。労働移動は労働者本人の意思が尊重されるべき、成長分野等生産性の高い仕事分野へ移動できる労働市場を構築すべき、企業の情報開示を進めていくことが重要、適切に新たなテクノロジーを生かしながら、ミスマッチを解消していく。また、セーフティーネットである雇用保険制度についても御意見をいただきました。
⑤です。地域全体の維持・活性化に重要な役割を果たしている地域貢献企業にも着目すべきといった御意見などをいただきましたが、今後も中小企業を中心に人手不足が続く可能性が高いが、地域経済の中核をなす中小企業やエッセンシャルワーカー等の人材確保・育成に向けてどのように対応していくべきか。
3ページにお進みください。
⑥から⑨につきましては次回御議論いただく予定としておりますが、⑥は労働時間制度について、⑦は女性、高齢者の労働参加の促進、非正規雇用労働者の処遇改善、また、障害者の雇用の質の向上等、⑧は中小企業における人材マネジメント支援、⑨は人材マネジメントに関する支援と経営課題の解決に向けた支援の連携の在り方として整理をしてございます。
4ページを御覧ください。
第1回分科会におきまして、柔軟な働き方の実現に関連し、中小企業に対する支援や労働基準監督署における監督指導について御意見をいただきましたが、長坂副大臣から、第2回分科会に向けて、自社の労働時間制度の見直しに取り組む中小企業が安心して相談できる体制の整備について議論を深めていただくための準備をするよう、また労働基準監督署の監督指導の実情を踏まえ、今後の運用についての考え方を整理するよう発言がございました。
このため、本日、労働時間制度の運用の見直しについて資料を提出しております。
まず、現状でございますが、各都道府県に設置しております働き方改革推進支援センターでは、労働時間に限らず、助成金などの支援策の活用について助言をしているところでございます。また、労働基準監督署に監督指導と切り離した労働時間相談・支援班を設けてございまして、個別の訪問支援や説明会により、希望した事業場に対して、労働時間に関する法制度等を中心に説明を行ってございます。労基署では、適法な時間外労働に対しても、時間外労働時間数に着目した一律の指導を実施いたしております。
運用面の見直しの方向性として4点記載をしてございます。
労働時間制度の範囲内で柔軟で多様な働き方のニーズに対応できるよう、事業主や労働者が置かれている個別の事情に合った支援を労基署と支援センターが連携して効果的に実施していくことが重要ではないか。
支援センターにおいて、36協定の締結・改定や柔軟な労働時間制度の活用に向けた相談・支援を積極的に行ってはどうか。また、人事・労務に限らず、様々な経営課題に対応するため、支援センターとよろず支援拠点、商工会議所や商工会等との連携強化も重要ではないか。
また、企業の希望や支援ニーズに応じて、労基署の相談・支援班と支援センターが連携をして、働き方の実態やニーズを踏まえた36協定の締結・改定等に向けた相談支援や、業務効率化に資する設備投資に使える助成金の提案など、企業が求める支援をパッケージで提供してはどうか。
最後のポツは、労基署における指導の在り方についてどのように考えるか。
運用面の見直しについては以上でございます。
5ページ以降に論点①から⑤及び労働時間制度の運用面の見直しに関連する施策などの資料をおつけしてございます。
主なものについて御説明をしたいと思います。
6ページを御覧ください。
①の論点に関連いたしまして、経営戦略と連動した人材戦略の重要性等について、経済産業省において開催された検討会の報告書でまとめられておりますので、御紹介をいたしております。
7ページを御覧ください。
中規模企業・小規模事業者がこれから着手する必要があるもので最も重要な経営課題としては、人材確保が最も多くなってございます。
8ページを御覧ください。
一方で、規模の小さい企業ほど、人材育成・能力開発について特に方針を定めていない割合が多くなっております。
②の論点はリ・スキリング関係でございます。12ページを御覧ください。
厚生労働省では、昨年度末に令和8年度から令和12年度までの5年間にわたる職業能力開発の基本方針を示した新たな職業能力開発基本計画を作成いたしました。
戦略的な職業能力開発支援の推進として、1つ目の矢羽、成長分野等に必要な人材育成。2つ目の矢羽、戦略分野等の人材育成の加速化。なお、戦略分野とは、日本成長戦略会議において官民投資の促進等を行うこととされてございます17分野でございます。企業への職業能力開発支援、在職者向けの訓練や経営者への伴走支援。
②の労働市場でのスキルや処遇等の見える化のところでございますが、3つ目の矢羽、
各種検定制度の整備により、現場人材の処遇向上を図る。
右の③の技能者の育成、技能振興といった内容になってございます。
30ページにお進みいただけますでしょうか。
③の論点、エッセンシャルワーカーの労働生産性向上に関しまして、医療機関の業務効率化、勤務環境の改善の取組を支援してございます。
31ページは、介護人材が不足すると見込まれる中で、介護テクノロジーの導入支援等による生産性向上・職場環境改善の取組を支援してございます。
33ページを御覧ください。
分野を選定いたしまして、スキルを評価する仕組みづくりを行ってございます。
次は④の論点、労働移動の関連でございますが、36ページまでお進みいただけますでしょうか。
労働市場情報を提供する主なサイトといたしましては、job tagやしょくばらぼがございます。
37ページ、先月、労働関係情報を掲載する各種サイトを集約いたしました「みんなの労働ナビ」を開設したところでございます。
今後の取組としては、38ページにございますとおり、17戦略分野のスキル標準等の情報を順次掲載するほか、職業、職場、求人、訓練・リ・スキリング情報の連携を強化することといたしてございます。
17戦略分野のスキル標準に関しましては、39ページにございますように、経済産業省において整備されている重点産業分野のスキル体系・標準なども念頭に置いてございます。
42ページを御覧ください。
セーフティーネットである雇用保険に関しまして、令和7年度の基本手当の受給者人員は前年に比べて高い数字で推移しております。
43ページは、基本手当の受給資格者が早期に再就職した場合の再就職手当の支給状況でございます。
49ページを御覧ください。
⑤の論点でございます。地域の中小企業やエッセンシャルワーカー等の人材確保に関してでございます。
下の部分にございますように、ハローワークにおいて、アウトリーチによる支援の強化などによりまして、医療、介護、保育分野の求人充足のための取組を強化しているところでございます。
続きまして、資料2を御覧いただけますでしょうか。
日本成長戦略会議の下に設置されております人材育成分科会、既に3回開催されてございますが、労働市場改革分科会とも関連する課題の検討状況について、事務局である文部科学省から資料を提出いただいてございます。
2ページを御覧ください。
現在、文部科学省においては、大学における地方創生や産業成長のためのリ・スキリングプログラム開発を支援しております。
6ページを御覧ください。
今後の取組としまして、17の戦略分野等の成長分野における産業界、自治体との連携による大学等のプログラムの充実や、各省連携による関連情報の一元化などを行うことが検討されています。
7ページにお進みいただけますでしょうか。
今年度から、専修学校におけるアドバンスト・エッセンシャルワーカー創出のためのリ・スキリング推進事業が新たに実施されております。
9ページを御覧ください。
今後の取組として、検討方策のところにございますとおり、生産性の高い人材の育成に向け、専門学校における教育の質の向上のための支援や制度改正を行うことなどが検討されてございます。
10ページを御覧ください。
成長分野を支える人材の育成・適正配置を行うとともに、企業と連携して運動・スポーツによる心身の健康の保持増進の基盤を構築し、これらの人材が高い生産性を発揮できる状態を維持するための方策についても検討が行われてございます。
私からの説明は以上です。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御意見を承りたいと思います。
本日は、資料1の2ページにお示しした9つの論点のうち、論点①から⑤、それから、4ページにお示しした労働時間制度の運用面の見直しについて御発言をいただき、論点⑥から⑨については次回の分科会の場で御意見を賜れればと思います。
それでは、6つのテーマについて、まず論点①から③について御意見をお願いいたします。御意見のある方は、御自身の名前の札を立てていただきますようお願いいたします。また、オンラインにて御出席で御意見のある方は、挙手ボタンを押していただくようにお願いいたします。
まずは会場の皆様に御発言いただき、続いてオンラインの皆様に移っていきたいと思います。
時間が限られておりますので、皆様からの御発言の機会を確保するため、お一人につき2分程度で簡潔に御発言いただくようお願いいたします。
まず、伊藤委員からお願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。日商の伊藤でございます。
提出した資料に基づき、①から③の論点について発言いたします。
成長戦略の担い手としての中小企業の重要性は、この場でも強調していただいております。その中で、中小企業にも多様性がございますので、成長を志向している企業と、地域の社会やコミュニティーを支えている企業を大きく2つのグループに分けて見たほうがよいだろうと考えています。
利益や規模を志向し地域を牽引する企業、このグループは生産性の向上に向け、労務費を含む価格転嫁を一層推進するという今の取組をさらに強化していただくことが重要です。併せて、別途議論されています地域未来戦略などとも連動し、中小企業の新事業の伸展あるいは公的職業訓練による人材育成の強化などを支援すべきだと考えております。
もう一方の地域コミュニティーを支える地域貢献型企業の支援については、特に地域における経済的な波及効果の高い観光、あるいはエッセンシャルサービスを提供している産業への重点的な支援が重要だと考えております。エッセンシャルワーカーの生産性向上に向けては、それぞれの業界に適したデジタル化、あるいはロボット導入といったものを重点的に支援し省力化を進めるとともに、これらを実現できる人材育成に適切に取り組むことが必要です。
あわせて、賃上げを勘案した官公需の価格設定なども政府で進んでおりますが、エッセンシャルワーカーの待遇向上にはこうした取組みが不可欠だと考えておりますので、あわせて言及いたします。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 片岡委員、お願いします。
○片岡委員 ありがとうございます。
私のほうからは、論点①と論点②について、資料4のほうで私の意見を書いておりますので、それに沿ってお話をしていきたいと思います。
まず最初に、企業の経営課題の対応みたいなところに関連してなのですけれども、今回、日本成長戦略のほうで17投資戦略分野の投資拡大という話を言っております。そこと連動する形で、先ほど事務局の方からも御説明いただいておるところでありますけれども、やはりどういった人材が必要なのかを明確にして、求められる人材像というものを明らかにしていくことが大事なのかなと思っています。
前回の分科会の中で、文系人材も理系人材、それから、テクノロジー等が使える人材というお話がございました。文系人材でも基本的にいろいろな技術が使える人材が求められていると思いますので、こうしたようなところをある程度技術者ですとか専門人材、いろいろなラダーで大まかに整理しておくということが私自身必要なのかなと思います。もちろんこれを企業側がどう考えるかという論点はあると思うのですけれども、やはり国として明確に姿勢を示しておくということは大事なのかなと理解します。
それから、2点目の部分、リ・スキリング絡みのところですけれども、国や地域の目線、それから、企業の目線、そして、働きの目線といったところの3つの軸で整理するということが重要なのではないかなと思います。国、地域といったところに関しましては、成長戦略ですとか地域活性化戦略、こういったところで、それぞれの地域、産業といったところでどういうような振興策をしていくのかという話というのが求められると思います。
それから、企業側ないしは個人というところですけれども、企業側に関しては、公的な職業資格だけではなくて、17分野と連動した望ましい人材像を念頭に置いたスキル要件、こうしたところを大まかに設定の上で、そうしたスキルを獲得しようとする人材の支援という話が必要なのかなと思います。世の中いろいろ大きく変化していますので、特定のライセンスをどの要件かと悩んでいるうちにどんどん世の中の状況が変わってしまうということもあると思います。ですから、大まかにどういう人材が必要かというところを決めた上で、そこのいろいろなスキルを磨いていくという話について官のほうから支援をしていくというような体制は大事なのかなと思います。
私のほうは以上です。
○山田厚生労働審議官 続いて神保委員、お願いします。
○神保委員 提出資料に基づいて発言させていただきます。
まず、論点①についてです。企業が経営環境の変化に対応しつつ成長を図るためには、やはり企業の成長戦略や人材戦略、そして、それに基づいた人材育成及び人材確保を計画的に進めることが重要であると考えております。
資料1の7ページを見ますと、企業による人材投資額の割合が低いことから、その金額を高めることはもとより、政府として企業における中長期的、計画的な能力開発が行われるよう支援を強化する必要があると考えております。
続きまして、論点②ですけれども、これまで政府はリ・スキリング支援など人への投資を強力に推進されてきましたが、その効果あるいは課題の分析・検証を行い、より実効性の高い施策へと見直すことが求められていると考えております。
その上で、成長分野や人手不足分野における能力開発の拡充・強化、それに加えて地域の産業特性や地域のニーズを踏まえたきめ細やかな能力開発も支援していく必要があると考えております。
そして、20ページにあるとおり、労働者が能力開発を行うためには、そのための時間の確保が必要です。だからこそ、長時間労働の是正や職業訓練のための休暇制度、短時間勤務制度などの導入を進め、非正規雇用で働く者も含む全ての労働者が安心して能力開発に取り組める環境整備が必要であると考えております。
また、中小企業などをはじめ、能力開発のノウハウや、指導を担う人材が不足している企業に対しては、中小企業庁あるいは厚生労働省所管の関係機関による支援が有効であり、これまで以上に支援体制の強化を進めていただきたいと考えております。
最後に論点③ですけれども、医療・介護・保育に従事するエッセンシャルワーカーにつきましては、賃金や処遇の改善はもちろん、働き続けられる職場環境の整備が不可欠です。人材の確保・定着に向けて、報酬改定を通じた安定的・継続的な賃上げに必要な財源の確保など、さらなる処遇や職場環境の改善を進めるべきであると考えております。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 室賀委員、お願いします。
○室賀委員 私からは、リ・スキリングの停滞について発言いたします。
日本では長時間労働が依然として一般的であり、通勤や残業を含めると仕事に非常に多くの時間が割かれています。その結果、自由に使える時間は限られ、疲労した状態で学習に取り組むことは容易ではありません。
日本におけるリ・スキリングの停滞は、人的資本理論でノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーの時間配分理論で理解できると考えます。人は一日24時間の中で働く時間、生活・休息の時間、学ぶ時間を配分していますが、全ての時間はトレードオフの関係にあります。時間配分理論の観点から見ると、学習には時間コストが伴います。1時間を勉強に充てれば、その1時間は休息や娯楽に使えず、働いて得られたはずの賃金も失います。長時間労働の下では、学習の機会費用が高くなり、結果として人々は合理的に学習を後回しにします。
つまり、リ・スキリングが進まないのは、意欲の問題ではなく、時間制約の中での合理的な選択です。この状況を変えるには、個人の努力に任せるだけでは不十分です。例えば7時間労働プラス1時間の「ジブン時間」のように、学習のための時間をあらかじめ制度として確保すれば、機会費用が低下し、継続的なスキル形成が可能になります。また、この1時間を家事・育児・介護にも活用できるようにすれば、女性や高齢者の労働参加促進やワークライフバランス向上にもつながります。
したがって、日本で人的資本投資を高めるには、教育機会の拡充だけでなく、時間配分そのものを見直す制度改革が不可欠だと考えます。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、藤原委員、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
論点の①から③までまとめて話したいと思います。
労働生産性の改善・向上には、付加価値の最大化に注力しながら、労働投入の効率化を図っていく必要があります。そのためには、人への投資を推進して、イノベーションを創出する人材の育成・スキルアップを促進するとともに、その能力を最大限に発揮させることが極めて重要だと思っています。
具体的には、OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせた教育体系の整備や、成長分野・事業に関連するリ・スキリングを含めたリカレント教育の実施・提供などによる人材の質的向上に加えまして、多様な人材のさらなる労働参加を進めて、必要な人材を確保して労働供給制約に対応していく必要があると思います。
また、付加価値の最大化に不可欠なイノベーションの創出には、その担い手であります働き手のエンゲージメント向上が欠かせないと思います。働き手の多様な価値観に配慮しながら、働き手が主体的かつ安心して仕事に取り組めるよう、柔軟な働き方の提供や企業理念の共有、職場の心理的安全性の向上などの取組が望まれます。
さらに、神保委員、室賀委員からも御指摘がありましたけれども、働き手が学び直し等に充てる時間を十分確保できるように、時間外労働の一定期間免除やサバティカル休暇などの時間的配慮に加えまして、DXやAIを活用して、業務の改善・見直し、省力化を進めることは、労働投入の効率化にもつながると言えます。
こうした企業の取組の実効性を高めるために、政府におかれましては、リ・スキリングを含むカレント教育の支援拡充や、昨年新設されました教育訓練休暇給付金とリ・スキリング等教育訓練支援融資の一層の周知、今後の適切な運用をお願いしたいと思います。また、こうした施策は円滑な労働移動の推進に大きく貢献するものと考えます。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、山田委員、お願いします。
○山田委員 ありがとうございます。
私からは大きく2つ申し上げたいと思います。
1つ目は、論点の①と②と関わるところだと思うのですけれども、産業政策と労働政策の連携ということです。今、非常に労働不足になっております。今後さらにそういう状況が強まる予想ですから、いかに人材をうまく戦略的に全体として整合性を持って配分していくかということが重要になってくるわけですけれども、そういう意味では、産業構造とかあるいはそれに対応した雇用構造を戦略的に誘導というかつくっていくことが大事だと思います。
そういう意味で言いますと、前回事務局のほうから御提示がありました、例えば2040年の就業構造推計というのは一つの大きなたたき台になっていくと思います。ただ、重要なのは、これはトップダウン的につくっていくだけでは駄目で、やはり最終的な雇用というのは個別の労使の中でつくられていくということになってきますから、これをたたき台にもう少し意見集約の場というか、いろいろ意見交換をしながらコンセンサスをつくっていくような場ですね。ミクロ的にはいろいろされているのだと思うのですが、こういうことを改めてやっていくことが大事かなと思います。
その上で、個別の施策を考えるときに、もう一つ申し上げたいのは、まさにバックキャスト的な発想ということです。だから、そこからそういうことが大事だということです。具体的にやっていく場合は、当然省庁横断的にやっていく必要がありますし、国と地方が連携するということも大事なのですけれども、例えば具体的なやり方として、私、スウェーデンを長年研究していまして、その中でYrkeshögskolanという仕組みがあるのですけれども、要は大学の初等レベルの教育機関なのですけれども、座学と実習を連携するような仕組みをやっています。これ自体はいろいろあるのですけれども、非常に面白いなと思うのは、具体的なプログラムをまさにコーディネーターみたいな人がいて、企業ヒアリングをしていって、非常に柔軟にそういう実態に応じたものをつくっていく。かつ、企業が本当に重要な、これから必要な人というのは、OJTである程度育成していくということは当然必要になってきますが、そういうOJTの機会なども提供している。そういうふうなことをやっているのですけれども、そんなものを参考にやっていくことが大事ではないかということです。
それから、2つ目は現場人材、エッセンシャル分野のところであります。アドバンスト・エッセンシャルワーカーというのが政府の中にも共有されてきていると思いますけれども、私自身の理解では、これは2つ類型をつくってやっていくことがいいのではないかなと思います。
一つは、私の言葉で言いますと、現場オペレーションワーカーというものですけれども、これは高度な知識とか技術を使いこなして、まさに現場の生産性向上をリードしていくような人たちです。
それともう一つは、それだけではなくて、現場コーディネーションワーカーと呼べばいいのではないかなと思うのですけれども、知識とか技術を駆使して、現場の作業プロセス全体を改善して、組織全体としてサポートしていく。この辺りはいわゆる大卒の方などでも非常に魅力的な仕事なのではないかということです。
もうちょっと、時間を取って申し訳ないのですけれども、具体的に介護などでこれは非常に大事だと思っていまして、既にそういうもので言いますと、介護テクノロジーを使うような動きというのは出てきていますし、政策的にも聞いていますと、例えば中核人材育成プログラムみたいなことはされているわけですけれども、こういうことをさらに改善していって拡充していく。
もう一つ私が大事だなと思っているのは、現場で結構うまくやっているところというのは、コンサルタントのような人が入っていって、その人が企業とか事業所の現場リーダーを伴走支援して育成しているのです。本当に人材を育成しようと思いますと、座学も重要なのですけれども、現場でいろいろな現実の問題を経験していって、スキルを身につけていくということが大事ですから、こういうふうなやり方も新しく連携しながら省庁横断的にやられていけばいいのではないかなと思います。
以上でございます。
○山田厚生労働審議官 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 私からは、社会インフラ関連の業職種の生産性向上などについてお話をさせていただきたいと思います。
医療ですとか介護・福祉、あるいは建設、運輸など、社会インフラ関連の業職種について、これは生産性向上は今後非常に不可欠であると考えています。これらの事業所におきましては、経営資源に限りがある企業などが中心であることを踏まえますと、先ほどの資料の中でもあったかと思うのですけれども、医療ですとか介護などの生産性上昇につながる人材や設備への投資、こういった取組に関しては政府としても継続的に支援をしていくことが必要だと思います。
また、政府としてもしっかりコミットメントしていくということを考えますと、複数年度にわたる支援を処遇改善ですとか職場環境改善といったところも含めて考えていただけたらと思っています。
他方で、こういった生産性向上ですとか処遇改善策は非常に重要になってくるかと思いますけれども、今後、労働力が急速にかつ持続的に減少していくということを踏まえますと、今後は例えばどこの地域に重点的に配置をしていくのか。あるいはどこは段階的に縮小させていくのかといった、各地域で考えていかなければいけない課題だと思います。
先ほど山田委員などからも産業雇用構造をバックキャストで戦略立てて考えていく必要があるという御発言もありましたけれども、これは私も同じ意見で、特に各地域、広域の自治体などに大きな役割を担っていただきたいと思います。各地域で社会インフラ関連サービスの提供体制はどうあるべきなのかということをしっかり計画していただきまして、かつ、その総合的な計画を基に誘導していく。そういったこともやっていかないと、日本全国でどんどん労働力が減っていきますから、生産性上昇などだけではこれはできないと思います。そういった観点で、国としてもこういった取組を支援していただく必要があると思いますし、環境整備などもぜひしていただけたらと考えています。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 中根委員、お願いします。
○中根委員 資料がメモ程度になっているのですけれども、御参考にしていただければと思います。
私は論点整理の①を主にお話しさせていただきます。
労働生産性の確保をする場合に、アプローチが幾つかあると思うのですけれども、まずは個人へのアプローチ、組織へのアプローチ、あとは設備投資に対してのアプローチがあると思います。これで整理してお話ししますと、個人へのアプローチというところは、かなり厚労省さんはいろいろな政策をされていて、方向性として私は大きく間違っていないのではないかなと思います。企業の人事、経営をしておりまして、厚労省さんは日本全体の人事部なのだなと思いながらお聞きしているのですけれども、私ども、会社であれば、会社の戦略に応じた人材育成というのはできるのですけれども、それ以外の部分というのは会社の中ではできないので、そこは国として担うべき部分なのだなと思っております。
事業所内における生産性の確保というところでいくと、事業所の課題については、そこを行うのは経営者でありマネジメントなので、マネジメントの支援ということが非常に大事なのではないかなと思っております。
個人への課題に関しましては、ほかの委員の方もおっしゃっておりましたけれども、基本的にいろいろな支援がすでにあり、その支援をうまく活用するための時間的な余白の確保の部分にサポートを入れるといいのではないかなと思っております。
2番目の組織の部分なのですけれども、今まで論点になかなか出てこなかったところとしまして、生産性の向上は、個人の能力を上げるだけでは組織の生産性は決して上がらなくて、例えば組織の構造をどうするのかであったり、あるいは意思決定の仕組みをどうするのかというところを構造改革する必要があり、それだけでかなり生産性は上がります。このような部分の課題を認識し改善していく必要があるのは経営者であり、マネージャーだと思うのです。こういう人たちを伴走する仕組みというのをつくると、さらにいいのではないかなと。レバレッジが効いた生産性の向上になるのではないかなと思います。
3つ目の部分なのですが、私たち、IT屋さんということもあるのですけれども、設備投資というのは一定必要だと思っておりますが、第1回の後、いろいろ私もさらに調べてみました。ITの導入補助金であったり、あるいはAIの導入補助金ということで、中小企業をサポートするような補助金の制度というのはたくさんあるのですけれども、昨日報道でも出ておりましたが、この利益への影響というのが限定的になっていると。これはなぜかというと、我々の経験からしまして、設備投資をすればそれで終わりではないと。いろいろなITツール、いろいろな設備というものがあるのですけれども、「自社に合った設備は何なのかというのをまず選定する能力があるか」というところと、あるいはパッケージ製品を入れたところで、「それをうまく使いこなし、社員に教育をする能力があるか」というところ、ここが非常に欠けているのではないかなと思っております。ですので、先ほど山田さんもおっしゃっていましたけれども、やはり伴走支援をしながら、産業のこと、あるいは事業のことをよく理解してくれるコンサルタントが一緒についてやっていく。そこの支援が必要なのではないかなと思っております。
一方で、このような支援制度というのは、役務提供の支援となり、かなり不正もあるとお聞きしています。この不正を防ぐ仕組みの一つとして、いろいろな人たちに対して支援していくというよりも、信頼できる事業者、あるいは伴走できるような人を認定制度にするなどして、その人を通じた支援制度にする。万が一不正があった場合は厳罰する、あるいは公開していくというような形をしながら、効率的にお金を投資していくという形にできるといいのかなと思っております。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、オンラインで御参加いただいている水島委員、お願いします。
○水島委員 ありがとうございます。
論点②について意見を述べます。論点②では、課題として我が国の人的資本投資が少ないことが挙げられています。我が国の雇用慣行であった終身雇用制が失われ、政策として雇用の流動化を促したことは、企業の人的資本投資に消極的に作用したと考えます。
そのため、今、政策として人的資本投資の必要性を明確に打ち出すことが重要と考えます。企業がそれぞれの人材戦略に基づき、効果的に人的資本投資を行うには、雇用政策だけでなく経済政策と連携し、また、産業界や教育機関と連携した取組が必要と考えます。このような取組が、企業が人的資本投資を行う後押しとなると考えます。
このような考え方は、スライド12、新たな職業能力開発基本計画に見られると理解しておりますが、より強力に進めていただければと思います。産業政策との関係では経済産業省、産学連携のリ・スキリングの関係では文部科学省との連携が重要です。
また、複数の委員から指摘がありましたが、私もバックキャスト型の人材育成が重要で、そのために省庁が連携して将来求められる人材像やスキルを可視化し、産業界や教育機関と連携して効果的な取組を行い、それらの取組に対して支援いただくことが重要と考えます。
最後に、労働者がリ・スキリングの時間を確保できないことについて、確かに公共職業訓練も教育訓練給付金の対象の教育訓練も数か月単位あるいは年単位の訓練ですから、労働者の置かれた状況によっては受講は容易でありません。ですが、最近の若い世代は隙間時間を利用して、例えば公共交通機関で移動中にスマホやタブレットで外国語の学習や専門的な勉強をしているようです。このような短時間のリ・スキリングに助成や給付を行うことは現実的ではありませんが、自主的なリ・スキリングを評価する、あるいは応援するといった姿勢が見られるとよいと思います。スライド19にお示しいただいた全世代型リ・スキリング国民運動では、ぜひこうした隙間リ・スキリングも対象にしていただければと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 続きまして、オンラインで石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
私から論点②について何点か意見を述べさせていただければと思います。
資料の11ページなどでは、労働者が自己啓発にかける時間が少ないとの御指摘がなされていたかと思います。ただ、先ほど水島委員がおっしゃられたこととも関わりますけれども、自己啓発には非常に様々な形態があり、しっかり長い時間講座を受けるようなタイプのものから、自分で動画を見たり本を買ったりして、そうした隙間時間を利用した自己啓発というのもあろうかと思います。そうした意味で、今後、人材開発を促していくという中で、ある種スモールステップ的な、そうした形も含めて促していくということがまず考えられるのではないかと思ったところです。
また、そうした自己啓発を始めてみようと思っても、三日坊主になってしまっては仕方がないというところがありまして、どう続けていくかというところが大事かと思いますが、その観点からは、それぞれ学び続ける人がお互いにつながったり、ネットワーク化を図っていくことによって、お互いモチベーションを高めていくというようなことも重要ではないかと思います。
この辺りは国がそれを直接求めるというよりは、現場の労使であったり、あるいは企業を超えてということであれば、産業レベルの労働組合さんであったり、あるいは教育機関であったり、そういったところが連携しながら進めていくということが重要ではないかと思う次第であります。
これとも関連しまして、リ・スキリングの国民運動を進めていくというお話があったかと思います。労働移動に向けた新しい労働スキルの獲得という意味でのリ・スキリングももちろん進めていただいていいのですけれども、ここでいうリ・スキリングの定義としまして、それにとどまらず、現在のスキルの向上を図るといったより広い意味での人材開発、人への投資あるいは未来への投資というのを促していっていただけたらと思うところです。
それから、これまで室賀委員やほかの委員などからも指摘があった労働時間の点についても若干述べさせていただければと思いますが、トレードオフになるとの御指摘は非常に重要であると私自身も考えております。
また、室賀委員が提起された原則7時間労働で1時間の自分時間という御提言も個人的には非常に共感するところです。デフォルトとしての労働時間の短縮を図っていく。それが一日7時間なのか、週35時間なのかとか、その辺りはいろいろあり得るとは思いますが、そういう方向に向かっていくということは重要ではないかと考えます。
ただ他方、法規制としてそこを動かしていくというのはなかなか難しいところもある中で、自己研さんに対する休暇やサバティカルというお話もありましたけれども、そういったところを進めていただくことに加え、先ほどちょっと話に出た隙間時間的な自己研さん、かつ現職に関わり、スキルアップにつながるようなものに関しては、場合によっては労働時間内に、要するにスキルアップを図ること自体を業務として位置づけてやってもらい、長い目で見たときの生産性向上につなげていくというようなこともあり得るのではないかと思ったところでして、そうした様々なやり方での人材開発の推進ということをぜひお願いできればと思っているところです。
私からは以上になります。
○山田厚生労働審議官 続きまして、近藤委員、お願いします。
音声がうまく伝わっていないので、近藤委員におかれては次のセッションで2つのテーマともまとめて御発言いただけるようにお願いします。その間に調整をいたしますので、申し訳ございませんが、次に移らせていただきます。
それでは、次に論点④、⑤、そして、労働時間制度の運用面の見直しについて御意見をいただければと思います。
先ほど同様、会場の皆さんには名札を立てていただき、オンラインの方については挙手ボタンを押していただくという形でお願いいたします。
でしたら、伊藤委員からお願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
資料記載の論点の後半部分について意見を申し上げます。労働移動につきましては、いわゆる労働市場の見える化を通じて、労働者側の希望に応じた労働移動が進んでいくこと自体はある程度仕方がないものと受け止めております。他方で、特に地方の中小企業では都市部・大企業への人材流出に対する懸念が非常に強く、また懸念だけではなく実態としても進んでいるということであります。したがって、外部の労働市場を活性化する、円滑化するという取組に加え、ぜひ企業の内部労働市場の活性化、つまり、企業内部での人材育成や新規事業展開を後押しし、人材の定着ができるような好循環を作る視点でもあわせて議論していただきたいと思います。
また、中小企業が自ら人材確保を実施するという視点において、ハローワークに対する期待は非常に大きいものがございます。AIやデジタル技術の活用、あるいはマッチング機能の強化をさらに進めていただきたいと思います。
続いて人材育成について申し上げます。人手不足に悩む中小企業においては、育成の時間を確保するためにも、デジタル化を通じた省力化というのは不可欠であり、優先すべきだと考えております。企業のデジタル活用のレベルに合わせた、企業ごとのオーダーメード型の支援をプッシュ型・伴走型で行うことが極めて有効だと考えておりまして、ポリテクセンターをはじめとする公的な職業訓練の強化も重要と考えております。
加えて労働時間制度の運用面の見直しについて申し上げます。方向性として資料にご記載いただいた支援機関の連携による相談支援の強化については、よろず支援拠点や商工会議所を含めることで、中小企業の経営の視点も含めた労務支援というものが期待され、有効な方策と思いますが、具体的にどういった内容になるのかが重要です。規制を遵守する観点からの支援のみでは、経営の実態に即した運用にはつながらないのではないかと思いますので、現在お考えの内容があればお示しいただきたいと思います。
また、労働基準監督署の監督指導の問題ですけれども、中小企業からはやはり労働規制の取り締まりを行っている監督機関としての印象が強くございます。時間外労働時間が45時間を超えた場合には、適法の範囲内であっても指導があるという声も中小企業から聞いております。こういった指導が取り締まり当局からの指示として来ることで、企業活動を萎縮させているという実態があるのではないかと考えております。
規制を受ける中小企業の視点から申し上げれば、労働基準監督署が行う指導は、やはりできるだけ簡素で透明性の高い、分かりやすいものにしていただきたいと思います。どのような時にどういった形で指導されるのかをより明確にしていただいた上で、適法内の時間外労働に対して指導するのではなく、法制度の違反あるいはその事前の予防という観点での指導に限定するべきではないかと考えます。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 室賀委員、お願いします。
○室賀委員 希望に応じた労働移動の実現について議論する際に、基本的には正規職から正規職への議論が中心となっていくかと思いますが、何らかの事情で正規職を離れて非正規雇用にとどまっている方のキャリア再開の視点も重要ではないかと考えております。特に高技能女性であっても、結婚や出産等を理由にして一度正規職を退職し、自身のスキルに応じた職に再び就きたいと考えている方への支援策を検討することが大切です。個人のスキルや経験を可視化したプラットフォームの整備や、離職者向けの合同説明会等を通じたマッチング機能の強化も有効だと考えられます。
さらに取り組むべきこととして、労働供給側、労働需要側の双方からのアプローチが重要です。まず労働供給側の視点として、在宅勤務やフレックスタイム等、柔軟な働き方を組み合わせることで、正規職に戻るハードルを下げることが可能です。加えて、家事・育児サービスの利用補助や税制優遇等の支援策も不可欠です。
さらに、労働需要側の視点として、採用側の無意識のバイアスを軽減することも重要です。有名な研究では、アメリカのオーケストラで演奏者をカーテンの後ろに隠すブラインドオーディションを導入した結果、女性が能力に基づいて評価される割合が高まり、性別による統計的差別が軽減されたことが示されています。海外で導入されている履歴書の顔写真廃止等の統計的差別撤廃に向けた取組は、公正な評価につながる施策だと考えられます。
以上を踏まえ、労働者の希望に応じた移動を促進するには、マッチング機能の強化、柔軟な働き方の制度設計、また、家庭支援策の充実、さらに採用プロセスの公正化を一体的に進めることが不可欠であると考えております。
以上です。
○山田厚生労働審議官 坂本委員、お願いします。
○坂本委員 私からは、中小企業の人材確保ですとかハローワークの役割について意見をさせていただけたらと思います。
今後、労働力の減少を踏まえると、現在存在している全ての企業に十分な人材を行き届かせることは難しいという認識にまず立った上で、個々の企業において少ない人手で効率的に経営を行う体制への移行、あるいはそれに伴う従業員の処遇改善をまず徹底していただくことが大切かと考えています。
その上で、新たな経営戦略に基づく人材戦略の推進に成功する企業というのも恐らく今後多数出てくるかと思いますので、そういった企業に十分な人材を行き届かせること、それに伴って規模の拡大も支援していくこと、それが結果として地域や社会全体の生産性向上ですとか成長に資すると思います。
ハローワークにおける支援についても同様の観点から行われるべきだと考えています。先ほどの御説明の中でも、人材確保分野に対する様々な新しい取組を行っていただいているということですけれども、そういった取組をまさに強化していただくことと、さらに、これからは優れた経営を行っていて良好な処遇を実現している企業をハローワークとしても評価して、そういった企業に対して支援を集中していくということが求められると思います。これはハローワークだけではできないかと思いますので、関係機関と連携した上で実現してほしいと思っています。
また、新たな経営戦略に基づく人材戦略を進めることが難しい企業というのもこれから多数出てくると思うのです。そういった企業に対しては異なる支援が必要です。つまり、経営者の方が過剰なリスクですとか責任を負うことにならないように、円滑に市場から退出していただく。経営者の方にも納得して退出していただくための制度設計といったものが産業政策として求められてくるかと思います。
最後に、労働市場における効率的なマッチングという観点で申し上げさせていただきますと、この観点ではAIなど先進的なテクノロジーの活用が大きく期待されるところです。今後は、適正な競争環境の下で民間人材サービスを行っている企業が適切に競争していただく中で、しっかり高度化を図っていく。そのための競争環境の整備を国としても行っていただけたらと思います。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 続いて、山田委員、お願いします。
○山田委員 ありがとうございます。
私から3点申し上げたいと思うのですけれども、一つは資料に書いているとおりなのですけれども、外部労働市場が未整備ですので、これを整備していくには見える化が重要だということで、既にジョブタグということでかなりいろいろな形で整備されてきていますので、これを本当にどう使っていくのかということです。具体的に私が考えているのは、人材サービスが外部労働市場のインターフェースになってきますので、既に使われているところもあるのですが、もっとこれをいろいろな形で使える形で標準化していくということかと思います。それから、やはり具体的に使って、いろいろないい事例をしっかりプロモーションしていって使ってもらうということです。それから、当然今の段階ではまだ改善の余地がたくさんあると思いますから、現場のフィードバックによって継続的にやっていくというのが必要かと。これが一点です。
それから、ここには書いていないのですけれども、実際のマッチングには、ある意味これはインフラであって、大事なのは伴走支援で、日本でいうとキャリアコンサルタントという職種が出ていますけれども、海外の事例を見ていても、うまいマッチングというのはやはり間に入ってくるパーソナルアドバイザーなりいろいろな言い方があるのですけれども、そこもやはりアップデートというのですかね。既にこれも厚労省さんのほうで問題意識を持たれてやられていると思うのですけれども、やはりいろいろな現場の経験のある方とかというのが具体的な仕事のアドバイスとかということで重要になってきますので、さらにこの辺りを継続して、場合によっては企業の人事で長くいられた方とか、組合の幹部の方とか、そういう分野の現場をよく知っている方がキャリアコンサルタントの資格を取られてやるような、そういうところを奨励するやり方というのはあるのではないかなと。
それからもう一点、労働時間制度の運用の見直しということで、支援センターと労基署さんが連携していくというのは一つ確かにそうだなと思います。例えば今の法制の中でも、いろいろな柔軟に使える、フレックスタイムなどは実は使えばかなり使い勝手がいいというのがありますから、そこが必ずしも知られていないということをしっかり支援センターの支援員の方がやはり指導していく。
先ほど伊藤委員もおっしゃったように、労基署さんがやるというと現実には抵抗もある部分もあるのではないか。だから、現実には、説明等は労基署さんがやられるにしても、支援センターの方が具体的にやっていくということになるのではないか。まさに支援センターのどういう人がやるかということが大事で、ここはやはりある程度経営の現場が分かられている方ですね。実際の企業のニーズで考えると、多分フレックスタイムとかだけではなくて、それによって生産性を上げるようなこともセットでやっていかないと駄目だと思いますから、今は社労士さん中心だと思うのですけれども、例えば中小企業診断士の方とか、あるいはさっき申し上げたような現場でさらに企業のOBの方とか、そういうのを含めて、新しい伴走支援でいい支援ができるような人々を少し育成したり、情報共有をしていくような仕組みですね。こういうのも考えていかれると議論に資するのではないかなと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 片岡委員、お願いします。
○片岡委員 ありがとうございます。
論点④と論点⑤のあたりについてお話をしていきたいと思います。
労働市場の見える化という話ですけれども、先ほど山田委員からもいろいろ御指摘いただいているところでありますが、既に情報みたいなものはかなりそろっているわけですけれども、そうした情報をどう生かすかという観点、それから、国としてどの辺りの人材の人が足らないのか。それから、地域別にどういう偏在が見えているのかというところについて継続的に把握、アナウンスメントをしていくことはやはり必要なのかなと思います。
そうしたような情報を基にして、企業、個人がどう反応していくのかというところが追加的には重要になってくると思うのです。いい事例がもしあるということであれば、そういったユースケースですとか事例の紹介みたいなところはいわゆる官の側でできる部分があるのかなと思います。それから、ミスマッチが起こっているということは、これは労働者のほうがそうしたミスマッチを埋めようと行動するインセンティブをもたらすということ、それから、企業側としても新しいサービスとかビジネスを起こしていこうというインセンティブに実はつながるのではないかなと思うのです。
それはもちろん雇用を増やすとか、そういった担い手になるという観点だけではなくて、設備投資を増やすとか、そういう話にもつながってくると思うのですけれども、日本の場合、そうした情報はあるのだけれども、次のアクションにつなげるみたいな、そこら辺の連動が弱いのではないかなという気がするのです。ですから、今、インフレの環境に変わってきているので、ある意味企業さんとしても新しいことをいろいろできる環境下にはなってきているわけですが、そういうようないい意味での動きを促進するようなサポートみたいなものができるような形になってくるとなおいいのではないかと思います。
それから、個人レベルでいうと、人が減るのは仕方がないと思うのですけれども、問題は一人の人が、例えば働き手として一つのペルソナしか持たないというような話を是正していくことが重要なのかなと思います。特に兼業できる方は兼業するとか、それから、特定の地域のみで働いているというよりかは、東京から田舎に移ったり、そういう形で、室賀委員から24時間しかないという話がございましたが、もちろんそれはそうなのですけれども、今ですと移動手段とか、ウェブとかいろいろなテクノロジーもあるので、やはり一人一人がいろいろな顔を持って多様な働き方をしていくというところはこのミスマッチの議論においても重要なのではないかと思います。
最後に論点⑤の部分に関してなのですけれども、やはり中小企業ないしはエッセンシャルワーカーの方への支援みたいなものを考えるときにも、とにもかくにも経済成長していかないと、これは連動している部分があるので、どちらが先か後かということではもちろんないのですけれども、やはり成長していくことというのが大事なのではないかなと思います。税収がなければそうしたところへの支援、手当もおぼつかないという話になりますので、やはり成長しながら拡大しつつ、こうしたいろいろな形の機会をつくっていく。そういう話が労働、投資、生産性、3つ連動してできるような形になれば一番いいのではないかなと思う次第です。
以上です。
○山田厚生労働審議官 会場の方全てに御発言いただいていませんけれども、先ほど飛ばさせていただいた近藤委員にここでお願いしたいと思います。
○近藤委員 ありがとうございます。先ほどは大変失礼いたしました。つながっていたのですけれども反応しないみたいなことが起きていたので、再起動しました。
先ほど前半部分についてもコメントしそびれてしまったので、そちらからまとめてお話しさせていただきたいのですけれども、ほかの方の議論とずれていることを申し上げる感じになってしまうのですが、まず国がやるべきことと民間に任せることというのをきちんと区別して、国がやるべきことについて考えていかないと、国のリソースも有限ですので、それを一番最初に議論の前提として提起したかったというのが私の1つ目のことになります。
例えば民間の企業で特に成長が著しい企業とかですと、その企業がうまくやる方法というのはその企業に任せておくほうが、国が考えてあげるよりも恐らくうまくいく。そういうような産業というのはたくさんあると思うのです。なので、成長産業の生産性をさらに上げていくというようなところに関しては、国にできることというのはそれほど多くはなくて、民間に任せる。逆に民間に任せておくと市場原理ではうまくいかないようなところに国が重点的にというような視点があったほうがいいのかなと思います。エッセンシャルワーカーの不足ですとか、あとは、多々話題に出ていましたけれども、地方の人手不足、人材の偏在みたいなことに関しては、やはり市場に任せておくとどんどん都市に人が集まってしまうみたいなことが起きてしまいますので、生活を守る基盤みたいなところに重点的に加入するという考え方のほうがいいのかなと思います。
逆に民間に任せていいところは民間に任せるというめり張りをつけたリソースの配分をしないと、行政のリソースそのものが限られていると思いますので、あれもやる、これもやるとなってしまって、どれも中途半端にしか人手が割けないということになってしまうと、結果的にうまくいかないのかなと思ったところです。
エッセンシャルワーカーや現場人材の生産性向上の話は、随分たくさんほかの方も同じようなことをおっしゃっていましたけれども、やはり生産性を向上させて処遇を改善するということが人手不足改善の王道であるということに関しては私も異論はないのですけれども、ただ、それは随分前から指摘されてきていて、そうするべくいろいろ努力をしてきているにもかかわらず、まだまだ人手不足は解消されないという状況がずっと続いているわけなので、生産性を向上させて、それによって利益を上げて処遇を改善して人手不足を解消するという王道の順番と並行して、特に介護とか医療みたいな分野に関しては、先に処遇を改善することによって人を集めて、それで現場に余裕ができて、それによって生産性を向上させる余裕ができるという順番を変えた発想みたいなものもあったほうがいいのかなと。恐らく細かいレベルで既に実際に行われていることだと思いますし、ほかの委員の御指摘の中にもあったかと思うのですけれども、そういう先に処遇を上げて人を集めておいてから生産性を向上させるという考え方もありなのかなと思います。
最後、労働時間制度に関してなのですけれども、これも資料を頂く前に私のほうで提出資料を作ってしまったので、ちょっとずれてしまっているのですが、資料にも書いてありますけれども、やはり既存の制度の中でいかにうまく回すかということを考える方向のほうが規制を緩めるよりもいいということで、多分事務局と私の意見はおおむね一致しているのではないかなと思います。特に裁量労働制とフレックスタイム制がマスコミレベルの議論だと混同されている印象があって、裁量労働制は時間をちゃんと管理されない状態なので、働き放題みたいになってしまうリスクがあるのですけれども、フレックスタイムの場合はいつ働くかが労働者の裁量に任されているだけで、労働時間そのものは管理されているわけですよね。フレックスタイムでいいじゃないかというところに裁量労働と言ってしまうと、また働かせ放題だとがーっとなって議論がすれ違うみたいなことが起きてしまうかなと思いますので、その辺の区別みたいなところもうまく発信していくと、国民の議論のレベルで情報のそごから話がまとまらないみたいなことが減るのかなと少し思いました。
以上になります。
○山田厚生労働審議官 会場に戻します。藤原委員、お願いします。
○藤原委員 ありがとうございます。
日本経済全体、マクロの意味での生産性の向上にとりましては、成長産業や成長分野への労働移動の積極的な推進が不可欠だと考えています。これは、職業人生の長期化や、複数の企業を経ながらキャリア形成を希望する働き手が増加している実態にかなった労働市場改革だと考えています。
労働移動の推進に当たりましては、転職等を希望する働き手が安心して労働移動ができる環境整備が極めて重要だと思っています。そこで、政府には、労働移動推進型の雇用セーフティーネットへの移行を改めて要望いたします。資料としては資料9を提出しております。
具体的には、雇用保険制度におきまして、基本手当の所定給付日数の在り方の見直し、それから、再就職手当の給付率の改定、こういったものによりまして、早期再就職を後押しするような仕組みへの転換が必要だと考えております。
また、マッチング機能の強化につきましては、セーフティーネットの在り方と同様、非常に重要な論点として取り上げる必要があると考えています。具体的には、デジタル技術の活用によりまして、ハローワークの機能強化に加え、民間の人材サービスが提供する多様なマッチングサービスとの適切な連携を見据えて、我が国全体のマッチング機能の強化・高度化が求められていると思います。
最後に、労働時間制度の運用面の見直しについては、資料1の4ページにありますように、支援の充実化が進めば大変心強いものだと思います。労働基準監督署で画一的・硬直的な指導がされているという声は私どもも会員企業から聞いております。企業の実態やニーズに沿った運用や支援を期待いたします。
以上でございます。
○山田厚生労働審議官 神保委員、お願いします。
○神保委員 ありがとうございます。
まず、論点④についてです。今ほど藤原委員も触れられましたし、多くの委員が発言されておりますけれども、「労働市場の見える化」については、求職者と企業のマッチング機能を高める観点からも重要であることから、人的資本の情報開示に関する国際規格も参考にしながら、分かりやすく、かつ適切に職場の情報が開示されるようにするなど、政府として企業の情報開示が進むよう対応をいただきたいと思っております。
なお、セーフティーネットの在り方については、労働移動の推進に過度に重きを置くものではなく、失業した際の生活保障、失業予防あるいは雇用継続を通じた雇用の安定・維持といった制度本来の役割を引き続き果たしていくことが重要であると考えております。
続きまして、論点⑤についてです。中小企業の人手不足の解消に向けては、安定的な雇用と処遇の改善、働き方の見直しなどを実現することが必要です。そのためには、政府としての労務費の適切な価格転嫁などを通じて一層の支援を行っていただきたいと思っております。
また、業務の効率化や生産性向上の観点から、DXなどの新技術の活用やリ・スキリングを推進することは重要ですけれども、とりわけエッセンシャルワーカーについては、単に人手不足の対策ではなくて、サービスの質の向上や労働安全衛生の改善につなげていくことが必要であると思っております。人員確保が難しい現場の実態やニーズを踏まえた導入支援と併せて、能力開発の機会確保を進めていただきたいと考えております。
最後に、労働時間制度の運用面の見直しの方向性について触れておきます。働き方改革推進支援センターの機能強化、あるいは労働基準監督署との一層の連携などによって、事業主における各労働時間制度の適正な運用や、36協定の適切な締結・改定の取組を促すことは、時間外労働の上限規制の実効性を高める観点からも重要と考えております。
その際の視点として、労働時間の適正な把握あるいは業務効率化・省力化などを通じた労働時間の短縮を主眼に置くべきであると考えております。時間外労働の上限規制の範囲内であっても、時間外労働を推奨する方向での制度・運用の見直しを行うべきではないと考えております。
加えて、労働基準監督署の監督指導については、労働者の命と健康を守るための最低基準である労働基準法の趣旨を踏まえた厳格な対応を堅持するべきであると考えております。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 中根委員、お願いします。
○中根委員 ありがとうございます。
資料は行ったり来たりするので、今回の労働移動に関しては資料は使わずにいきます。
まず、日本全体でいくと、市場性が働いていないということなのだと思います。本当は市場性があって、需要と供給がマッチするところが均衡していくはずなのだけれども、エッセンシャルワーカーの方々を中心にそこが働いていない。そこの理由は何かというと、一つに処遇の問題というのはあると思います。市場性を働かせるために先に処遇を改善して、そこから手をつけるというやり方は私も一つあるのではないかなと思います。
一方、企業の観点でいきますと、企業の中でもマッチングされていない人材というのは弊社でも少なからずいますし、ほかの企業さんでもいらっしゃるのではないかなと思います。自社ではマッチングしなかったとしても、他社では活躍できる人材というのも企業の中にはいらっしゃる。特に大企業さんでは人数も多い分可能性があるかなと思っております。それは中小企業でも同じです。
そこで大事なのは、企業の中でいかに生産性に対して評価をしていくか。時間ではなくて生産性に対して評価していくか。そこに対して、どのような評価制度、報酬の設定にしていくかというところの支援が必要なのではないかなと思っております。日本の中では、報酬を変える、特に報酬を上げていくということに関しては抵抗感は皆さんないのでしょうけれども、マッチしなかったときや期待通りにパフォーマンスが出なかった場合に報酬を下げるということがなかなか難しい。これは制度上できるのだけれども、やりにくいような、風土も含めて文化も含めてあるのかなと思いますが、それを放置しているがゆえに市場性が働かないというところも一方であるのではないかなと思います。もちろんセーフティーネットであったり、ジョブセキュリティーというところを確保しながらではありますけれども、そこの部分に労働者自身も自立をして向き合っていかなければならないですし、企業自体もそこと向き合っていくということが今後必要になってくるのかなと思います。
以上です。
○山田厚生労働審議官 それでは、オンラインのほうに移ります。石﨑委員、お願いします。
○石﨑委員 ありがとうございます。
まず、労働市場の見える化につきまして、資料の37ページから39ページにかけての内容を拝見しまして非常に心強く思いまして、このままぜひ充実化に向けて進めていっていただければと思います。
やや技術的な話にはなりますが、こうしたサイトの構築に当たって、ぜひユーザーフレンドリーなサイトにしていっていただきたいということと、また、運用していく中でいろいろとユーザーからの意見等も出るかと思いますので、それを踏まえてさらに改善を図っていただきたいということ。それから、せっかくよいサイトができてきているということであれば、高校ですとか専門学校ですとか大学のキャリアセンターなどにぜひ周知していただいて、活用を図っていただけたらと思います。
他方で、このような形で非常に多くの情報が求職者の方々に提示されるということになりますと、受け手の側が情報をきちんと分析できるのかという視点も重要ではないかと思っております。そういった意味で、ワークルール教育の推進もぜひ合わせて進めていっていただけたらと思うところです。
それから、もう一つの論点として、エッセンシャルワーカーの人材確保につきましては、前回も意見として申し上げましたけれども、やはり現場の職場環境改善や処遇の改善というのが第一に重要ではないかというところはまた改めて意見として申し上げさせていただければと思うのですが、併せて、こうしたワーカーの方で出産や家族の介護などで一時的に休業に入られた方の復帰支援というのも非常に重要ではないかと思っています。その辺り、場合によってはケアワーカーの方が担っているケアを担いやすくしていただくような仕組みも含めて併せて御検討いただければと思います。
私からは以上です。
○山田厚生労働審議官 水島委員、お願いします。
○水島委員 ありがとうございます。
私は論点⑤について意見を述べます。
エッセンシャルワーカーの人材確保・育成は、雇用政策や労働市場の観点からも重要ですが、社会保障の観点からは極めて重要です。要介護高齢者の増加は今後数十年間見込まれ、特に介護人材の確保・育成は中長期的課題と考えます。
介護人材の確保・育成に関し、3点申し上げます。
まず、スライド45や48を拝見し、介護分野に関し、ハローワークがうまく機能し、重要な役割を担っていることを認識しました。さらなる機能発揮を期待します。
2点目は、今回の議論の対象ではないかもしれませんが、エッセンシャルワーカーの人材確保・育成、また、地域の活性化という点では、労働者協同組合が将来的に期待できると思います。
3点目は、論点③の資料ではありますが、スライド31の介護現場における生産性向上、職場環境改善の取組自体には賛同しますが、生産性向上だけでなく、それが労働者の健康確保や働き方の改善につながることが重要です。事業者が生産性向上だけに目を向けるのではなくて、職場環境改善に確実につながるよう、取組の工夫や事業者への助言が必要と考えます。介護現場の職業環境が改善されることで、エッセンシャルワーカーの職場の定着が進むことを期待します。
以上です。
○山田厚生労働審議官 ありがとうございました。
事務局から補足するようなことはありますか。
尾田審議官、お願いします。
○尾田大臣官房審議官 労働基準局審議官の尾田でございます。
伊藤委員から、4ページの労働時間制度の運用面の見直しにつきまして、具体的にセンターの拡充等についてどういうことなのかというお尋ねがございました。その点について、いみじくも山田委員から先ほど御指摘を賜りました監督署とセンターの連携につきましては、山田委員からも御指摘いただきましたとおり、労基署でやるべきこと、できること、センターが得意な分野、それぞれございますので、そうしたところでしっかりと両者で連携してというところがこれまで不十分なところもございましたので、そうしたことできめ細かく対応していきたいというのが一つの方向性でございます。
また、本日の論点の中でも経営戦略と人材戦略の連携ということで出させていただいておりますし、また、山田委員からも御指摘がございましたが、経営の中で生産性を上げながら労働時間について考えていくと。まさしくそういった意味で全部連動していると思っておりまして、この点につきましても、この資料で出しておりますよろず支援拠点、商工会議所等の皆様との連携というところ、これまでも取り組んできたところもございますけれども、そこもより企業の皆様にきめ細かく対応するためにより一層の連携を図っていくという方向性でどういうことができるかということにつきましては、本日皆様からいただいた種々の御意見を参考にさせていただいて、今後詰めていきたいと思っております。
○山田厚生労働審議官 そのほかにありますか。
ありがとうございました。以上をもちまして、本日予定していた議事については全て終了いたしました。
本日の御議論を踏まえて、長坂副大臣のほうからお言葉をいただければと思います。
○長坂厚生労働副大臣 構成員の皆様におかれましては、本日も貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。
リ・スキリングをはじめ、労働移動の促進、エッセンシャルワーカーをはじめ社会を支える人材の生産性向上に向けた取組などについて御意見をいただきました。こうした取組につきましては、生産年齢人口が減少していく中で着実に取組を進めていく必要があると考えております。
また、労働基準監督署の監督指導の実情を踏まえた運用面の見直しについても御議論をいただきました。次回は労働時間制度の制度面からも議論をいただく予定でございます。その際にも、地域経済の大宗を占める中小企業、小規模事業者の実態も踏まえた議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○山田厚生労働審議官 本日いただいた委員からの御意見も踏まえて、事務局にて論点案等について修正いたします。
次回は、今回お示ししたものの残った論点について御議論を深めていただければと思います。
次回の日程につきましては、後日事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の会議は以上で終了いたします。本日もありがとうございました。

