第22回 厚生科学審議会健康危機管理部会 議事録

日時

令和8年3月23日(月)16:00~18:00

議題

 
Ⅰ 国内の健康危機管理
 1.健康危機管理調整会議の開催状況
 2.健康危機管理事例への対応
 3.サリン事件のアーカイブ化
 
Ⅱ 健康危機管理分野における国際連携
 4.国際保健規則(IHR)
 5.世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)
 6.日米ヘルスセキュリティ委員会
 
Ⅲ 健康危機管理体制の強化
 7.災害時における保健・医療・福祉分野の連携強化
 8.原子力災害における保健医療福祉調整本部活動
 9.国立保健医療科学院の体制強化
 10.CBRNEテロ対策


 

議事

2026-3-23 第22回厚生科学審議会健康危機管理部会

【冒頭挨拶】 

○土岐災害等危機管理対策室長 定刻になりましたので、ただいまから第22回「厚生科学審議会健康危機管理部会」を開催いたします。 

厚生労働省大臣官房厚生科学課災害等危機管理対策室長の土岐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましては、本日は御多用のところお集まりいただき、御礼申し上げます。本日は齋藤委員、古米委員、三瀬委員、重村委員、富永委員から欠席の御連絡を頂いております。吉川委員、佐藤委員からは少し遅れて参加されるとの連絡を受けております。委員15名のうち出席委員は過半数を占めており、会議が成立しておりますことを御報告いたします。 

また、本日は参考人として福島県立医科大学の長谷川先生に御出席いただいております。一言お願いできますでしょうか。 

○長谷川参考人 長谷川でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 

○土岐災害等危機管理対策室長 ありがとうございます。本会議はYouTubeでライブ配信を行っております。資料は随時投影いたしますが、通信環境が悪くなった場合は通信負荷軽減の観点から資料の投影を中断いたしますので、御了承ください。それでは、これより議事進行につきまして、脇田部会長にお願いいたします。 

○脇田部会長 それでは、厚生科学審議会健康危機管理部会を開始したいと思います。まず、議事次第を御覧ください。今日は議事が大きく分けて3つです。それでは、順番に進めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。 

まず、国内の健康危機管理に関する項目から、健康危機管理調整会議の開催状況について扇屋国際危機管理調整官から御説明をお願いいたします。 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

【議題1】 

○扇屋国際危機管理調整官 厚生科学課 扇屋と申します。 

資料1「健康危機管理調整会議の開催状況」について御説明申し上げます。 

まず、会議の概要についてです。健康危機管理調整会議は、健康危機管理担当部局における健康危機管理に関する取組についての情報交換を行うとともに、迅速かつ適切な健康危機管理を行うための円滑な調整を確保するために設置するものとしております。ここでいいます健康危機管理というのは、医薬品、食中毒、感染症、飲料水、その他何らかの原因により生じる国民の生命及び健康の安全を脅かす事態を指しております。開催状況ですけれども、月に2回開催しておりまして、必要に応じて臨時で開催しております。 

次に、主な議題についてお示しします。医薬品関係としましては、安定供給に係る現状と取組です。食中毒関係としましては、大規模な食中毒事案や死亡事案について情報共有しております。感染症につきましては、国内で流行している感染症について、もしくは国際的な状況としまして、エムポックスのPHEICの終了について情報共有しております。 

その他のハザードとしまして、水質事故の疑い、熱中症対策、自由診療クリニックにおける遺伝子治療に関連した事案、研究用試薬を使用した術後眼感染症事例への対応について扱ってきております。眼感染症事例については、臨時会議として2回開いております。これについて議題2で詳しく説明いたします。 

報告関係としましては、危機管理体制の強化について、またIHRクリスタル訓練の実施報告についてなどを取り扱ってきているところです。最後のスライドにお示ししておりますのは、厚生労働省の健康危機管理の枠組みとしまして、国内外の健康危険情報の収集から評価分析、対策の検討・決定・実施、そして情報提供までの流れ図を示したものです。資料1の説明は以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございました。 

それでは、委員の皆様からコメントがあればお願いしたいと思います。 

私のほうからまず1点です。3ページで臨時会議として行ったということがその他のハザードのところにありますけれども、これは2ページの一番下に書いてある緊急の調整会議のことを指しているのですか。 

○扇屋国際危機管理調整官 おっしゃるとおりです。 

○脇田部会長 では、緊急の会議が今年度は2回あったということですね。 

○扇屋国際危機管理調整官 そうです。 

○脇田部会長 分かりました。今年度も多くの事案があって、定例会議でもあったということですけれども、臨時の会議も開催されたという御報告でした。いかがでしょうか。何か御質問ございますか。 

曽根先生、どうぞ。 

○曽根委員 これと関連するかもしれませんけれども、関西万博等の大規模イベントに関してはどのような健康危機管理体制を取っていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。 

○脇田部会長 お願いします。 

○扇屋国際危機管理調整官 ありがとうございます。 

健康危機管理調整会議とはまた別の枠組みとなりますけれども、関西万博を実施するに当たって、多くについては感染症対策が主なところにはなりますが、それも含めた健康危機管理を担当する部局の代表者が集まるような会議を万博の時期には開催しておりました。そこで定例的にどのような事案が起きているのか、情報共有をしていたところです。以上です。 

○曽根委員 分かりました。ありがとうございました。 

○脇田部会長 ありがとうございます。そうすると、この調整会議と別の枠組みで定例的に万博の関係は情報共有を行っていたということだと思いました。 

そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。また何かあれば、後ほどでも結構ですので、今日は議題が多いですから、前に進んでいきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。 

それでは、議題2に参ります。「健康危機管理事例への対応」ということで、こちらは医政局から御説明をお願いいたします。 

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【議題2】 

○加藤医療安全推進・医務指導室長 医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長の加藤と申します。私から、トリパンブルー染色液が原因と推測される真菌による眼内炎発症事例について御説明いたします。 

本事例は、医療用として薬事承認されていないトリパンブルー染色液が原因と推測される水晶体再建術後の真菌性眼内炎の発生報告、これは複数例ございましたが、それに対して学会とともに注意喚起を行ったという事例でございます。 

トリパンブルー染色液は何ぞやというお話を先にさせていただければと思います。トリパンブルーは、要するに青い色素でございます。これは、主に眼科領域において水晶体再建術、いわゆる白内障手術など、そういった手術で水晶体の前嚢部分、前側のほうを分かりやすくするため、切る部分がどこなのか分かりやすくするために有用であるといった報告が国内外でございました。他方で、国内では医療用として薬事承認されたトリパンブルー染色液は存在していないというところで、各医療機関の判断において、そういった医療用ではないトリパンブルー染色液を使用前にフィルターを通す、そういったろ過をした上で使用していたことがよくあったということでございます。 

こうした背景の下で、今般、12月5日、国立健康危機管理研究機構、以下、JIHSと申し上げますが、JIHSから厚生労働省に対しまして、医療用ではないトリパンブルー染色液を使用した白内障手術後の複数の患者が真菌による眼内炎を発症していること、これはいずれも同じメーカーの製品であるということでした。そして、その患者に使用された染色液及び未開封の同メーカーの製品からも同じ種類の真菌が検出されたことなどから、トリパンブルー染色液が真菌に汚染されている可能性が高いことについて報告がなされたものでございます。報告を頂いて以降、厚生労働省では、関係学会、またメーカーにもこういった報告がありましたとお伝えした上で、トリパンブルー染色液の使用状況などにつきまして、現状の確認を行い、今後の対応について検討を行いました。それらのことを検討した結果、12月26日に、日本眼科学会、日本眼科医会、日本眼感染症学会、それぞれの関係団体から各ホームページで、医療用ではないトリパンブルー染色液の使用を控えて代替品使用の検討を促す旨の注意喚起を掲載いただいております。厚生労働省からも、この注意喚起を写すような形で事務連絡をもちまして都道府県に対して注意喚起と、また真菌が検出された製品のロット番号などを管内の医療機関に対して周知するように依頼申し上げたところでございます。 

今後でございますけれども、各関係学会及びメーカーなどと連携を取りまして、また、新しい情報などございましたら情報提供を行うことを考えておりますが、現時点で新規の症例報告や新しい情報などはないという状況でございます。またJIHSのほうから、検出された真菌に関する情報などもホームページで公表いただいております。 

今般、そもそもトリパンブルー染色液は臨床上ある程度の有効性が報告されているにもかかわらず、薬事承認を得ているものが国内では存在していないということでございますので、こういった染色液または代替品の薬事承認に向けた検討を学会や企業のほうで進めていただくという話も伺っているところでございます。事例の概要につきましては以上でございます。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。 

先ほど調整会議の議題のところでもあった案件で、トリパンブルーが原因となった真菌による眼内炎ということで、トリパンブルーは我々も非常によく使った一般的な研究用試薬というところですが、それが白内障手術に使われて、トリパンブルー染色液が真菌に汚染されて感染を起こしたということであります。 

委員の皆様から御意見、御質問、コメント等あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 

トリパンブルーは、先ほど申し上げたように、非常に一般的な研究用試薬だと思いますが、白内障手術に使われるようになってどの程度の年月がたってこの案件に至ったということなのでしょうか。 

○加藤医療安全推進・医務指導室長 具体的にいつ頃からというのが、そもそも薬事承認されていないものでございますので、なかなか分からないのですけれども、少なくともここ1~2年という話ではなく、もう少し前から使われていたのであろうということは想像できるかと思います。 

○脇田部会長 こういった一般的な研究用試薬が新しい技術として手術等がやりやすくなるということで使われるようになったというようなものが、このトリパンブルー以外にもないのか、心配になるところではあるのですけれども、調査というか、そういったことは行われないのですか。 

○加藤医療安全推進・医務指導室長 このトリパンブルーの事案に関しましても、特別何か法律等に基づいてそういったものを収集するという仕組みがあるわけでは現状ございませんので、また、臨床現場では様々な治療方法を行うということ、これ自体は禁じられているものというわけではないので、何がリスクが高いものかを十分考えなければいけないと思っております。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

現状、代替品の使用等の検討を促すということにはなっているのですけれども、現在、このメーカーだけではなくて、そのほかのメーカーの試薬等は安全に使えるということが確認されているのですか。薬事承認されているものがないので、そこまでということではないでしょうけれども。 

○加藤医療安全推進・医務指導室長 御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおり、これは薬事承認されているものではございませんので、学会とも御相談、お話をお伺いした上で、やはり学会等としては薬事承認されていないものを使用することは控えるようにお願いするのが大原則だということで、そういった注意喚起を行っているところで、その他の製品について安全かどうかというのは、薬事承認されていないものでございますので、申し上げられないというところです。 

○脇田部会長 ただ、白内障手術が非常にやりやすくなるということで、多分使われていたのではないかと推測するわけですから、薬事承認の方向で進めていただくということが重要かなと思いました。 

○加藤医療安全推進・医務指導室長 1点申し上げるとすれば、代替品というものが、例えば国外でこういった眼科用の染色液として既に薬事承認を得ているものとか、国内で眼科用ではないけれども、薬事承認を得ている別の染色体を代替品としてお示ししておりますので、必要な場合はぜひそういったものを御検討いただければと思っております。 

○脇田部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、次に進ませていただきます。3番目の議題です。「サリン事件のアーカイブ化」についてです。こちらを庄司原子力災害対策調整官から御説明をお願いいたします。 

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【議題3】 

○庄司原子力災害対策調整官 厚生科学課災害等危機管理対策室から、サリン事件の救護・医療記録等のアーカイブ化に向けた取組について御報告させていただきます。こちらは、昨年度の健康危機管理部会で御報告させていただいた内容ですが、地下鉄サリン事件の記録は、我が国における化学テロ等に対する危機管理能力の強化のために貴重なものであるということを踏まえまして、医療記録の保存、医療従事者等のオーラルヒストリー聴取の2つの取組を進めてまいりました。現在の取組状況について御報告させていただきます。まず、医療記録の保存に関する取組といたしましては、事件に関係する紙カルテを保管している医療機関と個別に協議を行い、紙カルテの電子化や、電子カルテへの取り込み等の取組を実施いたしました。現在、約1400件のカルテの保存が完了しております。また、医療従事者のオーラルヒストリー聴取に関する取組としては、お示しのとおり、被害者の対応等に当たった医療従事者3名の協力を得て、インタビュー動画を作成しております。こちらについては、先日、厚生労働省YouTubeチャンネルにて公開を開始しております。今後は、公安調査庁オウム真理教問題デジタルアーカイブとの連携を含めたさらなる周知を検討しております。以上です。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。 

昨年の当部会で御説明いただいたところですけれども、サリン事件の医療記録等をアーカイブ化していただくということで、既にカルテ、オーラルヒストリーを保存して、ホームページで公開していただいているという御説明でした。 

それでは、委員の皆様から御質問、コメント等ありましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 

こちらのアーカイブは公安調査庁でも公開していただいているということですけれども、これ以外に何か活用を今後される、あるいは現在されているといった事案はありますか。 

○庄司原子力災害対策調整官 御質問いただき、ありがとうございます。サリン事件以外の事案ということですと。 

○脇田部会長 ではなくて、現在、公開されているもの、あるいは保存していただいたカルテのデータ等を活用していただくという案件がありますかということです。サリン事件以外ではなくて、サリンの件でということです。 

○庄司原子力災害対策調整官 失礼いたしました。この2つの取組のうち、オーラルヒストリーに関しては、現在のところはお示しの厚生労働省YouTubeと公安調査庁のデジタルアーカイブでの公開のみを予定しているという状況です。一方で、医療記録の保存に関しては、現状、基本的には各医療機関での保存を継続いただいているという状況でございまして、今後どのような活用方法があるかということは、専門の先生方の意見も踏まえまして、検討が必要かと考えております。 

○脇田部会長 ありがとうございました。 

それでは、宮川委員、お願いいたします。 

○宮川委員 宮川でございます。御説明ありがとうございました。 

こういった事件の医療記録がアーカイブ化されるということは非常に重要なことだと思いますので、ぜひ御活用いただきたいと思います。 

1点、この1400件のカルテというのは恐らく急性期の治療の記録だと思われますけれども、地下鉄サリン事件に関しては、その後、長く後遺症が続いたというような話も聞いております。こういった化学テロ事件に関しては、その影響が長く続くという可能性もありますので、後遺症がどのように続いていくのかということについても、今回の取組とはまた別の形にはなるかと思いますけれども、ぜひ御検討いただければと思います。以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございます。この点、いかがでしょうか。 

○庄司原子力災害対策調整官 ありがとうございます。まず、今回の取組として保存しているカルテの範囲は、基本的には各医療機関での保存状況によるというところですけれども、中には外来でのフォローアップも含めた情報も対象としていただいております。長期フォローアップの重要性については貴重な御意見として受け止めさせていただきます。ありがとうございます。 

○脇田部会長 続きまして、曽根委員、お願いします。 

○曽根委員 ありがとうございます。 

今回はカルテとオーラルヒストリーということなのですけれども、例えば、当時は営団なのか、東京メトロとかいろんなところが恐らく救護とかに携わって、多分、記録とか報告書を残していると思います。そういうのもひょっとしたら、今後、散逸してしまう可能性もあるので、自治体とか、そういう関わった企業や団体とかの記録も集めて保存しておく必要があると思いましたけれども、いかがでしょうか。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

こちらも庄司原子力災害対策調整官、いかがでしょうか。 

○庄司原子力災害対策調整官 貴重な御意見をありがとうございます。まず、今回御報告させていただきました取組としては、厚生労働省の取組ということで、医療機関の医療記録を対象にさせていただいたところでございます。また、ほかの機関やメディアの情報等は、お示ししております公安調査庁のデジタルアーカイブにも公開しているものがありますので、そういったところとの連携も今後図っていければと考えているところです。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

なるべくこの案件の様々な記録が散逸しないように残していくことが重要だという御指摘だったと思いますので、よろしくお願いいたします。 

ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、次の議題に進みます。 

次は、大きなくくりとして国際連携についてということで、議題の4つ目は「国際保健規則(IHR)」についてです。扇屋国際危機管理調整官から御説明をお願いいたします。 

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【議題4】 

○扇屋国際危機管理調整官 厚生科学課災害等危機管理対策室の扇屋です。 

国際保健規則(IHR)に基づく活動について報告いたします。最初のスライドは、IHRにおける公式情報の流れについて説明しています。青い箱が世界保健機関(WHO)、オレンジが日本ですけれども、日本を含め加盟国につきましては、IHR国家中央連絡窓口を置きまして、365日24時間対応できる体制を整えているところです。双方で通報、協議、情報提供という情報の流れがあることを説明しているスライドです。その中でも、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態が起きそうな状態のときにすぐに通報できるようにということで、まず、PHEICの定義がなされております。国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)とは、疾病の国際的蔓延により、他国に対して公衆衛生上のリスクをもたらす事態、そして協調した国際的な対応措置が潜在的に必要となる事態を指しております。潜在的PHEICの構成要素としましては、4点示されております。重大な健康被害を起こすリスクのある事象、予測不可能または非典型的な事象、国際的に拡大するリスクのある事象、国際間交通や流通を制限するリスクのある事象、この4つのうちいずれか2つに該当する場合に、潜在的なPHEICとしてIHR6条に基づきWHOに通報しなければならないとされております。過去にPHEICに至った事例が右下にあります。今年度のトピックとしましては、2025年9月にエムポックスのPHEICが終了となっております。 

次は、加盟国がWHOに通報するかどうかを判断するためのフローチャートが示されております。WHO通報が必須の4事象、PHEICアセスメントの実施が必須の6事象が記載されております。さらに赤字のところが2024年のIHR改正に伴い追記された部分ですが、特に未知のまたは新規の原因による重症急性呼吸器疾患の症例のクラスターが生じた場合に評価を始めるということが示されております。 

次は、このように定められているIHRに基づく日本の取組としまして、IHR国家中央連絡窓口の対応を3点示しております。まず、1点目がWHOとの情報共有・連携としまして、継続的なエムポックスの症例情報を共有してまいりました。2点目、他国のNFPとの間の情報交換・連携としまして、1つ目のポツにありますような感染症の症例に関する国際渡航関連の公衆衛生リスクの情報共有・照会をしてまいりました。また、SFTSや季節性インフルエンザ、百日ぜきなどの日本の感染症状況に関する情報提供依頼への対応、日本より船舶衛生検査証明書やチクングニア熱等に関する各国への照会をしてきております。そのほか、NFP機能がしっかりあるかどうかということをはかるような訓練もありまして、それにきちんと予算化してきているところです。 

その他としまして、2024年に改正されたIHRでは国内IHR当局の設置について新たに定められたところですけれども、今般、厚生労働省を日本の国内IHR当局として指定いたしましたことを御報告いたします。なお、2024年のIHR改正に関しては、昨年の7月に臨時の健康危機管理部会を持ち回り開催させていただきました。その際の資料を参考としてその次につけております。説明は以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございました。 

国際保健規則(IHR)に基づく活動についての御説明を頂きました。 

それでは、委員の皆様から御意見、御質問等を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。 

私から1点だけ確認ですけれども、5ページ目にあります船舶衛生検査証明書というのはどういったものに対して発行しているのですか。 

○扇屋国際危機管理調整官 国際的に渡航している船について、その船が基準にのっとって清浄であることを証明するものを港が発行するのですけれども、その証明書のことを指しております。その証明書を発行する資格のある港がどこなのかという情報共有が国際的になされていないと、それぞれの港で困ったことになってしまうので、国際的に情報共有している、そういった流れの話になります。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

検査はそれぞれ港にある検疫所が行うということですか。 

○扇屋国際危機管理調整官 おっしゃるとおりです。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 ほか、いかがですか。 

ナショナルフォーカルポイントは厚生労働省の厚生科学課でよろしいのですか。 

○扇屋国際危機管理調整官 厚生科学課に置いております。 

○脇田部会長 ありがとうございます。24時間体制ということですので、大変なお仕事だと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。 

それでは、次に移ってまいります。5番目の議題でございます。「世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)」についても扇屋国際危機管理調整官から御説明していただきます。よろしくお願いいたします。 

○扇屋国際危機管理調整官 脇田先生、1つ前のIHRに基づく活動について1点だけ留意点について説明を追加させてください。申し訳ありません。その他の活動としまして、IHR当局を厚生労働省に指定いたしましたというふうに説明したところですけれども、具体的な手続を今まさにやっている途中であるというところを補足説明させていただきます。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

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【議題5】 

○扇屋国際危機管理調整官 では、次の資料の説明に移らせていただきます。議題5「世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)」の活動について、こちらも厚生科学課より報告いたします。 

まず、GHSIについてです。2001年9月11日の米国における同時多発テロを受けて、米国・カナダ政府の呼びかけにより、世界的な健康危機管理の向上及びテロリズムに対する準備と対応に係る各国の連携等について話し合うことを目的に、各国保健担当大臣会合として発足したものでございます。構成としましては、G7各国、メキシコ、欧州委員会がメンバーで、WHOはオブザーバーとして参加しております。こちらの図にありますとおり、閣僚級、局長級、政策担当者、研究者級と、それぞれのレベルで会合を開いているところです。次は、令和7年度のGHSIでの主な活動です。GHSAGといいます局長級の会合については、四半期に1回、開いております。基本的にはオンラインで会合を開いているのですが、令和8年1月にはブリュッセルで対面会合を開催いたしました。対面会合ではCBRNテロのシナリオで机上訓練を実施し、各国の対応とGHSIの枠組みでの協力について議論したことに加えて、EUのヘルスセキュリティ委員会との合同会合も開催されたところです。そこでは新型コロナウイルス感染症対応での教訓等についてEU各国とも情報共有、議論を行いました。また、担当者級でありますGHSIのCLC(調整・リエゾン)会合につきましては、1~2か月に1回、オンライン会合を開いておりまして、各国の感染症の最新情報等を共有するほか、各ワーキンググループの活動報告、また、GHSIの方向性に関する議論に加えまして、AIを活用したCBRN脅威への対応など、複合脅威への議論の必要性についても検討しているところです。そのほか、作業部会、ネットワークにおきましては、シンポジウムの開催に向けた検討や、そのほか各国のリスクコミュニケーションのキャパシティーの再構築などされているところです。また、訓練もこの枠組みの中で実施しております。 

次に、今回、GHSIの紹介資料を厚生労働省のホームページに新たに追加したことについて報告いたします。この取組も、GHSIの中に広報官ネットワークというものがありまして、そこで各国の言葉でGHSIを説明する資料を作成いたしましたので、日本語版について厚生労働省のホームページに掲載することとなったというものです。資料の説明は以上です。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。 

GHSIの活動についての御説明ですけれども、御参加の委員の皆様から御質問、コメント等あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 

昨今、米国がWHOの活動等からかなり引いているということがありますけれども、世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)の活動における米国のプレゼンスというのは以前と変わらずということでよろしいのか、いかがでしょうか。 

○扇屋国際危機管理調整官 御認識のとおりでして、米国につきましても、きちんと担当者会合に出てきてくれておりますし、実際にディスカッションもできているところです。こちらについては、引き続きネットワークを大事にしていきたいと考えているところです。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

いかがでしょうか。委員の皆様から何かございますか。大丈夫ですかね。ホームページでも活動内容を紹介していただいているというところです。ありがとうございました。 

それでは、次に進んでまいります。国際連携で3つ目の議題です。「日米ヘルスセキュリティ委員会」についてでございます。こちらも扇屋国際危機管理調整官から御説明をお願いいたします。 

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【議題6】 

○扇屋国際危機管理調整官 同じく厚生科学課の扇屋です。日米ヘルスセキュリティ委員会の開催報告をいたします。 

まず背景ですけれども、前身である日米医学バイオディフェンス研究シンポジウムというものがありました。こちらについては、CBRNテロの脅威に対する生物学的防衛(バイオディフェンス)の取組として2007年より開始したものです。この研究開発者中心であったシンポジウムに、2014年より、厚生労働省、米国保健福祉省等が参画を開始し、健康安全保障の事実上の日米連携の場が形成されてきたところです。この連携を政府間の公式な枠組みとすべく、2023年の日米健康安全保障に関する意図表明文書において「日米ヘルスセキュリティ委員会」へ名称を改め、既存の協力枠組みをさらに発展させているところです。 

主な成果を記載しております。1つ目が、感染症の危機管理対応医薬品等です。研究開発の情報共有並びに今後の連携の在り方等について議論を開始しております。また、災害派遣医療チーム(DMAT)について、日本における国際医療チームの受援に係る標準手順書の作成、及び日米合同机上演習による実効性の検証、また、日米を含む多国間合同の実動訓練を実施しております。情報共有の強化としましては、感染症対策部長とCDCアジア太平洋地域事務所長との定期的な会合を実施、感染症対策課、JIHSとCDCの担当者間のワーキンググループの実施、感染症情報を含む公衆衛生危機に関する週報の交換を開始、感染症アウトブレークの机上訓練の実施に向けた準備の開始など、連携を深めているところです。また、世界的な健康安全保障の強化としまして、アジア地域における日米連携による貢献についての議論をしていますし、また、健康危機管理としましては、JIHSと国立新興特殊病原体研修・教育センター(NETEC)の合同机上訓練を実施、そのほか、ネブラスカ大学医療センター及びニューヨークヘルスベルビュー病院とJIHSの間でそれぞれMoUを締結しております。 

次に、第3回の日米ヘルスセキュリティ委員会の様子をこちらのスライドで示しております。9月9日から10日まで2日間、アメリカ合衆国の疾病予防管理センター(CDC)で会議をしてきております。日米双方政策担当者ほか、JIHSの先生方、CDCの方々が参加して議論をしてきております。 

最後に、参考資料としておつけしております意図表明文書の概要でございます。説明は以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございました。 

こちらの日米ヘルスセキュリティ委員会は、御説明があったとおり、当初、バイオディフェンス研究シンポジウムということで始まっていましたけれども、徐々にといいますか、国の関わりを強めていって、現在は日米ヘルスセキュリティ委員会ということになっています。DMATの方も以前から参加していただいて、日米連携の机上訓練等を行っていただいているというところ、それから感染症情報の共有というところも、JIHSと米国CDCの間での情報の交換が行われているということも御紹介していただきました。いかがでしょうか。 

この会議は大曲先生も参加していただいていますので、何か情報提供等あれば大曲委員からもお願いしたいと思いますが、どうでしょう。 

○大曲委員 ありがとうございます。それでは、ちょっと細かいところになりますけれども、例えば、今、出ているスライドですと一番下のところ、先方のNETECと言われる新興特殊病原体研修・教育センターとの連携、あるいは向こうで実際にエボラ出血熱等を診た経験があって、実際に診療する訓練等もしっかりとやっていて、先ほどのNETECの中でも中心となっているネブラスカ大学の医療センターあるいはニューヨークベルビュー病院、そういったところとMoUを結んで、あとは、よく行き来をしまして、机上訓練や我々の訓練を見ていただく、逆もあるのですけれども、そういったことをやっております。感染症関連の臨床の交流というのは、まさに日米ヘルスセキュリティ委員会の中に入れていただいて進められるようになりまして、我々としては現場の対応能力の向上という観点で非常に役に立っていると思っております。以上でございます。 

○脇田部会長 大曲先生、ありがとうございました。 

曽根委員、よろしくお願いします。 

○曽根委員 ありがとうございます。日米とかG7については大変よく分かりましたが、アジア地域、東南アジア地域、特に中国を含めた連携もとても大切になってくると思います。その辺りはどのような取組をされているのか、教えていただければと思います。 

○脇田部会長 扇屋国際危機管理調整官からお願いできますか。 

○扇屋国際危機管理調整官 答えられる範囲でというところにはなりますが、担当者同士のこういった定期的な会合というのは私のほうでは承知しておりませんけれども、日中韓保健大臣会合ですとか、そういった閣僚級での連携関係はあると承知しております。私からは以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございます。私のほうから付け加えさせていただくと、閣僚級会合もありますけれども、それに常に合わせているということではないのですが、日中韓のCDCの会議というのがありまして、中国はCDC、韓国はKDCAなのですけれども、JIHSがそれに加わって情報交換を毎年1回、持ち回りで行っているというところで、我々研究者のレベルでは情報交換を進めているところです。補足でありました。 

○曽根委員 ありがとうございました。 

○脇田部会長 そのほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。これは実務的な取組という側面もありますので、JIHSとしてもかなり関わっていますので、今後もしっかりと進めていくというところだと承知しております。ありがとうございました。 

それでは、次に進めさせていただきます。3つ目の大きな固まりのところで「健康危機管理体制の強化」の枠組みで4つの議題がございます。7番目「災害時における保健・医療・福祉分野の連携強化」です。川名室長補佐から資料の御説明をお願いいたします。 

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【議題7】 

○川名室長補佐 厚生科学課、川名と申します。 

議題7「災害時における保健・医療・福祉分野の連携強化」について御報告いたします。 

令和6年の能登半島地震をはじめ、近年の大規模災害への対応を通じて保健・医療・福祉が一体となった支援体制の重要性が改めて明らかになりました。能登半島地震への対応に関する政府の検証報告書や自民党議員連盟の提言書では、災害対策本部と保健医療福祉調整本部の連携不足、情報の収集・共有・分析体制の不備、関係機関、関係職種間の役割分担の不明確さ、福祉の充実と保健・医療の連携強化、国・都道府県等の連携強化、各省庁等の体制強化といった課題が指摘されたところでございます。こうした課題を踏まえ厚生労働省では、令和7年7月に保健・医療・福祉関係団体の代表者から成る会議を初めて開催し、同年11月には「災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会」を開催いたしました。本検討会では、過去の災害で現場経験を有する有識者の知見を基に、体制面、運用面の課題整理と今後の方向性について議論を重ねてまいりました。検討会報告書では主に6つの課題が整理されています。 

第1に、発災時に国・自治体・現場の情報が分断され、混乱が生じること。 

第2に、都道府県ごとに保健医療福祉調整本部の立ち上げや運営方法が異なり、初動対応に差が生じること。 

第3に、DHEATや保健師等調整本部を支える人材が全国的に不足していること。 

第4に、平時からの災害福祉支援体制が制度的に十分整備されておらず、福祉分野の初動が遅れがちであること。 

第5に、情報システムが十分に活用されていないこと。 

第6に、災害が長期化した場合、対応職員の疲弊や人的リソースの枯渇が生じること。 

これらの課題に対応するため、報告書では、厚生労働省に保健医療福祉調整本部支援チームを設置し、被災都道府県や関係省庁、活動チームからの情報を一元的に集約・分析し、派遣調整や支援の総合調整を行うという提言を頂いております。これにより、都道府県の意思決定を迅速化し、現場主導の柔軟な対応を国が後方から支援する体制を構築します。あわせて、都道府県が円滑に調整本部を立ち上げられるよう、組織図やレイアウトなどの標準的な様式を国が提示するとともに、訓練・研修の支援を行います。また、DHEATや保健師等チームの全国的な人材育成、災害福祉支援体制の法制化の検討、DWATの初動調整機能の強化、情報システムの改善、長期災害に備えた交代制や健康管理の取組を進めてまいります。さらに、災害対応の実効性を高めるためには平時からの顔の見える関係づくりが不可欠です。厚労省は、支援チームを中心に関係団体や自治体との定期的な会議や合同訓練、オンライン網の整備を通じて災害時に機動的に連携できる体制を構築していきます。以上の取組は、被災者一人一人の生命と健康を守るために保健・医療・福祉が切れ目なく連携する体制を構築するものです。引き続き、関係自治体、関係団体の御理解と御協力を得ながら、実効性ある連携強化に取り組んでまいります。説明は以上です。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。 

能登半島地震がありましたけれども、その際、災害時の保健・医療・福祉支援の体制、連携の様々な問題点が指摘され、検討会で現状と課題について洗い出しをしていただき、今後の方向性について検討していただいたということでございました。 

それでは、この議題に関しまして、委員の皆様からコメント等ありましたらお願いしたいと思います。 

竹内委員、よろしくお願いいたします。 

○竹内委員 横浜市立大学救急医学の竹内です。私が救急とか災害系からの代表の委員ということで入らせていただいていますので、発言させていただきます。 

能登地震を踏まえた上で、こういうふうに福祉と急性期医療が一緒になっていくというコンセプトは当然のことで、これからの高齢化社会にも大事なことだと思います。1点だけ指摘させていただきたいのは、私自身が今、神奈川県の災害医療責任者と横浜市の災害医療責任者、両方しているのですが、政令指定都市と県の関係がやや難しいところがあります。熊本地震のときも、熊本県と政令市の熊本市の中で支援のダブりがあったり、重なりがあったり、いろいろあったわけです。法律的にも災害救助法で、救出救助、学校とか、そっちのほうは権限移譲があって、医療は、コロナのときもそうであったように、県中心でいくというのが法律の面だと思います。特に神奈川県は政令指定都市が3つあって、人口も横浜市が370万人、県全体が900万人ということで、政令指定都市と県の役割分担は国もある程度の主導を果たす必要があるのではないか。そろそろ首都直下とか次の地震も来るでしょうから、そういう点でも、コンセプトは誰が見ても共感できるところだと思いますので、政令指定都市と県との役割分担とか重なりをある程度外すとか、協調性のところにも、国として、ある程度の方向性やサポートをお願いしたいと思います。以上です。 

○脇田部会長 重要な御指摘ありがとうございました。 

感染症の危機の場合にも政令指定都市と都道府県との関係は非常に問題になるところで、やはり役割分担、そして国の調整機能が非常に重要だと思います。川名室長補佐からレスポンスいただければと思いますが、いかがでしょうか。 

○川名室長補佐 川名でございます。御指摘いただきまして、都道府県、保健所、基礎自治体である市町村との関係性の整理というのは非常に重要な視点でございます。私どものほうでも、ただいま研究班を動かしておりまして、その辺についての整理を進めてまいりますが、それがまだ研究途中ということもありますので、その整理が整いましたら、事務連絡とか通知とか様々な形で皆様に発信させていただきたいと考えております。御指摘どうもありがとうございます。 

○脇田部会長 ぜひよろしくお願いします。感染症の場合、新型インフルエンザ行動計画で自治体の中での調整会議等を設けるみたいなところがあったと思いますけれども、災害時においてもどういった方法が一番適しているか、研究班でも検討されているということですので、ぜひよろしくお願いいたします。続いて、宮川委員、お願いします。 

○宮川委員 御報告ありがとうございました。これまで様々な災害を経てここまで保健・医療・福祉の体制が整ってきたということ、それから課題に関して視野を広く取れるようになってきたことは、関係する皆様の御尽力の賜物と思って、まずはそこに感謝申し上げる次第です。私からは大きく3点、コメントがございます。 

まず、1点目は、今、こちらに出ているスライドもそうなのですけれども、DHEATや保健師チームの訓練が必要というところかと思いますが、やはり保健師の訓練は非常に重要だと思っております。実はこの後の平時のスライドのほうに保健師が出てきていないので、そこのポンチ絵ですが、保健師の顔が見えなかったので、ぜひそこに自治体保健師も入れていただきたいと思った次第です。というのは、保健師の皆様は、もちろんふだんの業務で様々な取組をされているのですけれども、災害時に避難所でヘルスアセスメントをするとか、地域のローラーに回るといったときに、ふだんの健康を中心に見ているというところから生活復旧まで幅広く見なければいけないということで、災害時の知識がかなり必要になるところがございます。もう一点が、行政職の方々ですので、行政職としての守秘義務をふだんから強く意識していらっしゃると感じることが多く、それはもちろん重要なことなのですけれども、災害時に様々なチームと情報連携しなければいけないというときに、そこのマインドセットと制度面、両方での整理とトレーニングが必要になってくると思います。DWATとか様々なチームとの連携が必要になってきますので、そこの情報連携においてそごが生じないようにしていただきたいと思います。 

2点目は、参考資料の報告書も読ませていただいているのですけれども、参考資料6の「災害時の保健・医療・福祉分野の連携強化検討会」の報告書を拝見しておりました。こちらの5ページ目に、フェーズの部分の話なのですが、「平時より、発災時、急性・亜急性期、復旧・復興期のフェーズごとに、現場実務を担うチーム等と本部支援をするチーム等を分けて役割や活動時期を明確化することが重要である」という指摘がございます。これはもちろんそのとおりだと思うのですけれども、ここの解釈を丁寧にする必要があるのかと思っております。急性・亜急性期と復旧・復興期でチームが分かれてしまうというふうに捉えられてしまうと、そこで情報の分断が起きる可能性がありまして、そうすると、せっかくの一連の復旧・復興への流れが途絶するような可能性もありますので、ここは恐らく、フェーズごとに役割を見直すという意図で書かれたのではないかと推察しておりますので、そこの部分を確認したいと考えております。 

3点目が、今日の御発表資料の中に出てきていないチームで、私が現場で非常に重要だと感じたチームにメディカルソーシャルワーカーのチームがあります。メディカルソーシャルワーカーは、ふだん大きな病院でも退院支援などで活躍していらっしゃると思いますが、避難所においても退所支援というところで、MSWの方たちが健康課題と生活支援というところに幅広く口出しをされて、縦横無尽に動いて、避難所からのスムーズな退所支援につながったというような事例が今回の災害学会などでも報告されておりました。今後の課題になるかと思いますけれども、そういったメディカルソーシャルワーカーの方たちも含めた連携というところを御検討いただければと思います。私からは以上です。長くなりまして失礼いたしました。 

○脇田部会長 宮川委員、ありがとうございました。それでは川名室長補佐のほうからただいまの御意見に対してレスポンスいただければと思いますが、いかがでしょうか。 

○川名室長補佐 まず、1つ目の平時の図の資料でございますが、報告書に添付させていただいている資料は、セットということで御報告しているものでございますので、今後活用する部分とかについては、また引き続き関係部局等とも調整した上で、保健師等チームやほかのチームをどうするかについては調整させていただきたいと思います。よろしくお願いします。 

○土岐災害等危機管理対策室長 宮川先生、土岐です。御無沙汰しています。保健師の話が出ていないということは、先ほどの資料が国と都道府県の関係を主として書いているので見えていないというところがあります。都道府県を中心に、保健医療福祉調整本部を中心に現場の支援をするという中で保健師さんの役割が非常に重要だということは当然認識していますので、普段からそういった方々と保健師は一緒に連携して訓練等もやっていくというのはおっしゃるとおりでございます。2点目の、フェーズでチームを分けると分断が生じるように感じてしまうというのは、おっしゃるとおりですが、フォローというか、頂いたような意図ではありますので、そこは大丈夫ですというか、しっかりと進めていきたいと思います。あと、メディカルソーシャルワーカーの件に関しても、今回は特に急性期、発災直後のスコープに重きを置いてやったというところもあるので、少し深掘りができていませんけれども、今後、連携していきたいと思います。以上です。 

○宮川委員 どうもありがとうございます。 

○脇田部会長 ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。ありがとうございました。 

では、次の議題に参ります。8番目の議題「原子力災害における保健医療福祉調整本部活動」についてでございます。 

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【議題8】 

原子力規制庁が設置した研究班からの御報告になりますので、参考人として福島県立医大の長谷川先生から御報告をお願いいたします。よろしくお願いします。 

○長谷川参考人 御紹介ありがとうございます。福島医大の長谷川と申します。 

原子力災害医療関係者における保健医療福祉調整本部活動の整備について、お示しの事業の御報告を申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。 

原子力災害医療の体制整備をめぐるこれまでの背景については、まず、東日本大震災前までは、JCO事故の教訓から導かれた少数・重症の被曝患者への体制整備が中心でありました。一方、私どもが東日本大震災という複合災害で直面した現実は、当時の被曝医療体制が非常に特殊であるということです。言い換えれば、一般救急や災害医療体制との整合性が図られていなかった、そのために搬送の遅れや避けられたはずの避難による死に直面した現実であります。現在の原子力災害対策指針並びに関係法令においては、その反省を踏まえ、一般救急・災害医療体制との整合性を図るような体制づくりがうたわれています。また、原子力災害時の被曝・汚染傷病者診療を支援する原子力災害医療派遣チームが新たに設置されました。今後の課題として、原子力災害医療派遣チームとDMAT等の保健医療福祉活動チームの連携に関する体制整備が挙げられております。原子力災害医療などの特殊なハザードに対峙する業務は、ベン図の真ん中でありますけれども、一般的な医療の一部と考えられております。一方で、労働衛生や産業保健の観点からは、その活動は危険有害業務の一部であるともみなすことができます。これまで私たちには後者の視点が必ずしも担保されていたとは見えませんでした。そこで、今回は報告書整理のための基本方針として以下に留意いたしました。まずは、原子力災害医療体制においては、一般救急・災害医療システムとの整合性を図る。すなわち、原子力災害医療の側から歩み寄り、一般災害との共通点を探ることに留意いたしました。また、特に今回は、原子力災害医療派遣チームに焦点を当て、その活動においては他の保健医療福祉活動チームとの連携を図ること、そして、その連携の在り方においては医療のみならず福祉や保健とも連携を重視し、その手始めとして原子力災害医療派遣チーム活動時の安全管理を労働衛生・産業保健の観点から提案いたしました。報告書の整理につきましては、主にスライドにお示しする方法で行いました。 

現在の原子力災害医療における2つのキープレーヤーについて説明いたします。1つ目は、原子力災害医療派遣チームであります。これは、医師、看護師、診療放射線技師等から成る4名以上のチームで構成されて、原子力災害時に被災道府県内の原子力災害医療拠点病院に実際に赴き活動を行い、一般災害医療のみならず、放射線災害や防護の知識を有するチームであります。もう一つのキープレーヤーが原子力災害医療調整官であります。これは、救急・災害医療のみならず、被曝医療に詳しい医療行政担当責任者が自らを長とするグループを組織し、道府県災害対策本部において、上述しました派遣チームの派遣並びに活動全般の調整を行うとともに、国との連携役も担います。 

次は、現在の保健医療福祉活動チームと原子力災害医療派遣チームの関係をお示しします。まず、右側下の矢印でありますけれども、原子力災害医療派遣チームは、被災道府県から個々の医療機関隊と直接連絡調整が行われる体制となっているのが特徴であります。また、DMAT等の保健医療福祉活動チームは、都道府県レベルにおいて保健医療福祉調整本部、地域レベルにおいては地域保健医療福祉調整本部や参集医療機関において活動することとなっておりますけれども、現時点で原子力災害医療派遣チームはこれらの全ての活動を想定されておりません。そこで、本報告では、保健医療福祉活動チームとの連携を強化するに当たり、原子力災害医療派遣チーム事務局の設置、それから保健医療福祉調整本部における原子力災害医療派遣チーム調整本部、実務を担う原子力災害医療調整官チームの新設、並びに地域保健医療福祉調整本部・参集医療機関に対する原子力災害医療派遣チームの派遣を提案しております。このうち、原子力災害医療派遣チーム事務局では、平時には連携に関連した啓発活動並びに原子力災害医療派遣チーム隊員の集中管理を行い、番号付与や隊員証の発行等を行うことで将来的にはDMATに倣った自動待機システム等の導入につなげることを提案しています。また、一旦、原子力災害が発生すれば、原子力災害医療関係者組織と連携して業務に当たります。原子力災害医療派遣チーム調整本部のメンバーとしては、既に法令で規定され、行政職が兼務することの多い原子力災害医療調整官の行政関係担当に加えて、本報告では救急・災害医療担当の調整官、その補佐、事務等から成るチームを提案しています。そして、法令等で定められた役割としての原子力災害医療派遣チームの派遣調整等を保健医療福祉調整本部内の管理部門や情報分析部門や実務実施部門などの機能班として遂行することを提案しています。 

本報告の内容を次年度以降、1つは訓練等を通じた報告書内容の実運用・検証と継続的改善、もう一つは「原子力災害医療版 保健医療福祉本部におけるマネジメントの進め方」の編集・刊行に生かすことができれば本望であります。報告は以上です。 

○脇田部会長 長谷川先生、御説明どうもありがとうございました。それでは、ただいま原子力災害医療における保健医療福祉調整本部の活動ということで御説明いただきましたが、委員の皆様から御質問、コメント等あればお願いしたいと思います。 

曽根委員、お願いします。 

○曽根委員 詳しい説明ありがとうございました。新しい組織体をつくるに当たって、人材がどれだけ要るか、特に専門家あるいは事務官、研究者も含めて、すぐに動けるような人材をいかにして準備するか、備えるか、とても大事だと思いますが、その辺りは見通しとしてはいかがでしょうか。 

○長谷川参考人 長谷川からお答えします。御質問ありがとうございました。全く御指摘のとおりと存じます。現時点で、本部レベル、被災道府県の保健医療福祉調整本部の中で実際に原子力災害医療派遣チーム調整本部を担う調整官の救急・災害医療担当者は、恐らくは地域に根差した、その地区のエリアの救急医療体制のことをよく存じ上げた救急の代表者になっていただくことになると思います。また、補佐ないしは事務については、現在、原子力規制庁が全国に4センターを指定している原子力災害医療総合支援センターの実務者がその実力を有していると考えます。一方で、原子力災害医療派遣チーム事務局の担当者については、複数のスキルや求心力が求められると思いますので、これは属人的ではなくて、それぞれの役割を複数人で分担できるような体制をしく必要があって、ここにはまだ課題が残っていると考えます。回答は以上です。 

○曽根委員 ありがとうございました。 

○脇田部会長 ありがとうございます。平時といいますか、そういった役割を担える方のリストアップといいますか、そういうことが非常に重要になる。私は感染症をやっていますから、感染症のパンデミック対応におけるサージキャパシティーの準備というところとも非常に似ているのかなと思って拝聴しておりました。そのほか、いかがでしょうか。 

これは研究班の御報告ということでありますが、こういったチームをつくっていくということに対する事務方からの反応といいますか、そこのところも伺えればと思うのですけれども、研究班の御報告に対しての役所からの対応といいますか、そういうことはいかがなのでしょうか。 

○原子力規制庁 原子力規制庁のタカヤマと申します。今日はお時間を頂き、ありがとうございます。今、福島県立医大の長谷川先生から御報告いただきましたけれども、我々の原子力災害ですと、原子力災害対策特別措置法に基づいて行っています。その下に各種指針や文書がございますので、今回の御報告を頂いて、そういったものの改正等を進めて、必要な手続を進めたいと思っております。以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございます。この研究班の御報告に基づいてまた様々な対応を進められると理解しました。よろしくお願いいたします。そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、長谷川先生、どうもありがとうございました。 

では、次の議題に移ってまいります。次は議題9「国立保健医療科学院の体制強化」について、土岐災害等危機管理対策室長から御説明をお願いいたします。 

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【議題9】 

○土岐災害等危機管理対策室長 議題9は土岐から説明させていただきます。 

保健医療科学院では4月から、来週ですか、防災庁ができる年でもございますので、既存の健康危機管理研究部を廃止いたしまして、防災・公衆衛生レジリエンス研究センターを設置することとなりました。所掌事務につきましては、災害及び健康危機時における保健医療等に関する技術的支援及びこれに関連する評価ということで考えております。こちらが新センターの運営方針の概要です。表を御覧いただきますと、業務の①、②、③に挙げているのが3本の軸になります。①が災害・健康危機時の国や地方自治体に対する技術的支援とこれに資するエビデンスの整理・構築、②としまして、実践的な研修の開発・提供、③としまして、対応の記録・評価・検証と情報発信でございます。これら①、②、③ごとに、平時、有事でこちらに記載しているような業務を行うということで考えています。赤い星がついているものが新規業務、二重丸が既存業務の拡充と思っていただければと思います。①の平時ですが、危機時の行政対応に関するエビデンスの整理・構築、それから科学院の職員・施設の体制整備・事前準備・訓練の実施を行います。それから、厚労本省バックアップ施設としての体制構築です。科学院が有事の際のバックアップ施設というふうな位置づけがございますので、そちらの機能としても準備していきたいと考えております。有事は、被災地派遣による技術的支援・アウトリーチ活動・遠隔支援でございます。②に関しましては、平時に実践的かつ標準化された機能別・職能別研修の開発・提供を行いますし、有事におきましては、被災地派遣時等に求められる知識・スキルのタイムリーな提供を行います。③は、平時におきましては、訓練・演習の評価、過去の災害の記録の整理と情報発信を行いますし、有事におきましては、対応の事後評価等の実施・支援を行います。次は、今、御説明申し上げた有事のものを時系列にしますと、このような図になります。①の技術的支援としまして、初動・緊急対策期で現地派遣、本部設置・運営支援を行いますし、そこから応急対策期にかけまして、必要に応じたニーズ調査支援や保健福祉活動や避難環境等の技術的支援も入ってきます。それから、応急対策期の後半にいきますと、本部活動の終了支援から中長期的な技術的支援に流れていくといった形になります。②の研修提供ですが、初動・緊急対策期から応急対策期にかけてジャスト・イン・タイム研修や、すぐに活用できる教材の提供を行います。③の記録・評価検証ですが、初動からずっと対応している間、保健医療福祉活動の記録は行うわけですが、必要に応じてEAR(early action review)、それからIAR(intra-action review)、そういったものを行いますし、復旧・復興期に行ってAAR(after action review)と呼ばれる活動期間中の評価を実施し、活動の見直しと改善を提案していくということで考えております。このほか、被災後の中長期にわたりまして、被災地や被災住民の健康アウトカム指標の調査を定期的に行い、課題の抽出と対策立案支援を行うことも併せて考えております。説明は以上です。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。 

保健医療科学院における防災・公衆衛生レジリエンス研究センターという新たに設置されるセンターの概要について御説明を頂きました。 

竹内委員からお願いいたします。 

○竹内委員 横浜市立大学の竹内です。 

質問ですけれども、今のお話を伺っていると、DMAT事務局とやっていることが非常に似ていると思ったのですが、DMAT事務局もJIHSの中に入って予算もついて、北海道、九州も入れているということで大きくなってきています。DMAT事務局との連携とか分担、そこら辺はどうなっているのでしょうか。 

○土岐災害等危機管理対策室長 DMATとの連携、分担というほうがいいかもしれないですが、DMATは初動に被災現場に飛んでいきます。ニーズの把握から始まり、そのニーズを踏まえて物資が足りなければ運ぶし、搬送調整が必要だったら搬送するし、人が足りなければ人をみたいな形になりますが、DMATは現場調整という色合いが強いですかね。 

○竹内委員 DMATはそうですけれども、DMATも現場へ行くメンバーと、最近は特に全部、県庁で本部を回すというのが、石川県庁にしても熊本にしても、それも非常に大きな役割ですから、特に急性期の本部というのは、DMATもそこに力を入れて、人材育成も含めてやってきていますので、そこら辺の役割分担はどうなのでしょうか。 

○土岐災害等危機管理対策室長 現場対応調整をDMATが行うという感じですかね。科学院は、保健医療福祉調整本部という現地対策本部のところに厚労省の我々のチームと一緒に連携していくのだと思いますが、そこで必要な対応、DMATではない、医療だけではない、医療、保健、福祉、厚生労働行政もろもろ、そういったものの必要な対応を一緒に検討していく役割になるのではないかと思います。 

○竹内委員 ではそこら辺、能登地震のときもDMATが2か月間ずっと石川県庁で、DHEATとか、もちろん厚労省と一緒にずっとやっていましたので、今後ぜひ連携していただいて、我々DMATのほうもいろんな業務が増えて、あるいは引き継ぐ先がしっかりできるまで帰れないというのもありますし、JIHSの中に入ってDMAT事務局も国との連携がより一層深くなることを期待されていると思いますので、国立保健医療科学院ともぜひ連携していただいて、一緒にやれる体制をお願いいたします。 

○土岐災害等危機管理対策室長 ありがとうございます。 

○脇田部会長 ありがとうございました。 

続いて、宮川委員、お願いします。 

○宮川委員 御説明ありがとうございました。 

今、お話しいただいた中で、記録を取るということと、それを活用して評価するというところが非常に大切かなと思って確認させていただければと思います。様々な記録があるのですけれども、どんなチームがどんな活動をしたかという全体的な活動の記録もありますけれども、例えば避難所に入った保健師チーム、DWATチーム、DRATを含め、様々なチームが入っていく中で、そこの記録をどのように散逸させないで次の災害に生かしていくかが非常に大事ということを今回の能登半島地震でも感じているところです。個別の個票になるので、個人情報の取扱い等には注意が必要なところだとは思いますけれども、どのような活動が実際にされたのかという個票をうまく取り扱っていく方法もぜひこちらで検討いただければと思っております。こちらが第1点です。あと、もう一つは、技術的支援も非常に期待するところで、能登半島地震では、私がいた1.5次の避難所とか、DMATも入ってくださっていた一時待機ステーションなどでも、例えば入った方が褥瘡になられたときに、創傷・オストミー・失禁管理学会とか、石川県立看護大のチームが入ってきてくださって結構素早く手当てしてくださったおかげで、広がらずに済んだというようなこともあります。感染症とか褥瘡、そういうところのタイムリーな技術的支援あるいは遠隔での支援、ジャスト・イン・タイム研修が非常に期待できると思いますので、今後どういったケースでこういった技術的支援、ジャスト・イン・タイム研修が有効なのかというところについても積極的に御検討いただければと思います。以上です。ありがとうございます。 

○土岐災害等危機管理対策室長 ありがとうございます。1点目の災害の記録に関しましては、問題意識は全く同感です。これまでも東日本大震災からそうだと思うのですけれども、体系的にそういった記録をしっかりと蓄積して標準化された様式にといったものはできていなかったかと思うので、今回、我々としてアセスメントシートのようなものを標準化していくというところは目指しますし、蓄積とか残していくことを念頭に検討はしていませんでしたけれども、アセスメントシートをそのままそういったものにも使えるものだと思いますので、そういったものの分析機能のようなものをそれこそ科学院の皆さんには、期待しているというと偉そうな言い方ですけれども、そういったことで役割を担っていただけるとありがたいと思っています。2点目の件に関しましては、ありとあらゆるところでのいろんなケースに対応するというようなことで、もちろん科学院の方々もそうですし、保健医療福祉調整本部に来ていただいている様々な先生方の知見も併せて必要な対応をしていくのだろうと思います。人員自体が科学院は、先ほど出ているDMATのような機関からすると、全然少ないところもありますので、科学院で何かを主として担ってどうのというところまでは厳しいかもしれませんが、厚生科学課の一プレーヤーというか、そういったような役割で一緒にできればと思っているのが正直なところです。以上です。 

○宮川委員 ありがとうございます。石川の能登の地震のときには、そういった外部支援のアレンジを県主導でやらなければいけなかったということもありましたので、そういったところをこういったセンターがリソースを把握していて、こういう事案にはこういうチーム、こういう研修だというところを、調整機能をサポートできるとよいのかと思っております。以上です。 

○土岐災害等危機管理対策室長 ありがとうございます。 

○脇田部会長 ありがとうございました。そのほか、いかがでしょうか。 

私のほうから1点、御質問ですが、このセンターの3つの役割、3番目に情報発信というところがあるのですけれども、この情報発信というのが、いわゆるリスクコミュニケーション、災害時の被災地に向けてのコミュニケーションとか、そういったものも担当するということですか。 

○羽鳥課長補佐 厚生科学課の羽鳥と申します。御質問いただきありがとうございます。 まさに御指摘いただいた点、科学院の防災・公衆衛生レジリエンス研究センターが担う役割として考えておりまして、平時においても災害等に関する定期的な情報発信ということで、これまでの災害の情報、そういったものを分析して新たに発生した災害の際にも有効に使えるように平時からも情報発信していくということを業務として考えているところでございます。以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございます。そういった平時からの災害に対する情報発信が有事におけるリスコミとして受け止めがされやすいというところになると思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 

よろしいでしょうか。ほかにございますか。大丈夫ですか。どうもありがとうございました。それでは、次の議題に参ります。最後の10番目の議題でございます。「CBRNEテロ対策」について、こちらも庄司原子力災害対策調整官から御説明いただきます。よろしくお願いします。 

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【議題10】 

○庄司原子力災害対策調整官 よろしくお願いします。厚生科学課災害等危機管理対策室及び健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課からCBRNEテロ対策について御報告いたします。議題はお示しの2つです。 

まず、CBRNEテロ対策会議の設置について、厚生科学課災害等危機管理対策室から御報告いたします。委員の先生方におかれましては、よく御存じのことと思いますが、CBRNEテロとは、化学剤、生物剤、放射性物質、核、爆発物を用いた兵器によるテロリズムを指します。厚生労働省においては「厚生労働省国民保護計画」等に基づき、平素からの体制整備や、事案発生時の医療提供等の対応を行うこととしております。これまでも、こちらの部会における提言等も踏まえながら、医療関係者に対する研修、対応医薬品の備蓄、解毒剤自動注射器使用に関する運用体制の整備といった取組を実施してまいりました。今般、政府全体としてもCBRNEテロ対策を推進するという方針の下、CBRNEテロ対策会議が設置されたところです。本年1月23日に開催された第1回会議では、木原内閣官房長官より、お示しの5つの指示が出されたところです。厚生労働省といたしましては、特に1の医療との連携等について、専門的知見を活用する枠組みを構築すること、2の初動措置に関する訓練を行い、必要な装備資器材の充実を図ること、3の被害者の治療に必要となる医薬品等の備蓄を進めるとともに、これらの性質に応じた搬送方法を具体化することについて、関係省庁とも連携しながら、検討を進めていく方針としております。 

今後のスケジュールといたしましては、5月までに関係省庁で方向性の検討を行い、8月に中間取りまとめを行う予定となっております。 

○小谷感染症対策課課長補佐/エイズ対策推進室長/結核対策推進室長(以下、小谷感染症対策課課長補佐) 続きまして、感染症対策部感染症対策課のほうから御説明させていただきます。当省内での大きな所掌の部分でございますが、バイオテロに係る部分に関しては、現在、健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課のほうで担当しておりますので、御説明させていただきます。先ほどのCBRNEテロ対策会議の中でも議題として上がっておりましたが、被害者の治療に必要となる医薬品等の備蓄を進めるという点に関して、現在、我々としてはMCMという切り口にのっとった上で議論や検討を進めているところでございます。あまたある全ての感染症について必要な医薬品、医療機器等を全て確保するということはなかなか現実感が伴わないところがございますので、厚生科学審議会感染症部会においても議論を重ね、現在、重点感染症の定義を置き、5項目を定めております。GroupX、GroupA、GroupB、GroupC、GroupDという形で分けており、特に生物テロ等関連病原体に係るものとしてGroupD、希少疾患等に係るものと定義しております。GroupDに関して見ていただきますと、炭疽、ボツリヌス症、ペストなどの一部の希少感染症という切り口の下、テロのリスクも踏まえながら検討を進めているところでございます。MCMに関してどのようにして確保していくのかという点についてもMCM小委員会感染症部会において議論を進めているところでございます。どういったものを基本的に集めていくべきなのかということに関しては、公衆衛生的指標及び戦略的指標、双方の総合的評価に基づいて、まだこの世に存在しないようなものであれば研究開発をしっかりと推進していきますし、既に存在していて国内において十分な確保ができていない、十分量ではない、十分な種類ではないといったものに関しては、確保に関する検討を進めていくという形で現在検討中でございます。こういったものをうまく目指していくためには、感染症というのが一般的に市場性の乏しいものになってしまう関係上、しっかりとしたエコシステムを回すに当たって、プッシュ型支援、プル型支援などに取り組んでいく必要があると考えております。国家備蓄に関して言うのであれば、まさに究極のプル型支援というふうにも捉えられますので、こちらについてどういったものをどれぐらいの量、どういった対象に対して行っていくべきなのかということを引き続き検討していく必要があると考えています。現在は、内閣府の健康・医療戦略室に設置いただいております感染症協議会の場において、MCMの開発・生産体制強化に係る提言を頂いております。その中でも、プル型インセンティブの有用性等々書かれているところであり、今後こういった提言を政府として受け止め、どのように進めていくのかということを検討していく必要があると認識しております。 

本日は、CBRNテロにおけるしっかりとした医薬品等の備蓄をどのように進めていくのかという点に関して、現在、厚生労働省の感染症部会のほうで議論しているものを危機管理部会の場でも御説明させていただき、CBRNにおいて一体的に厚生労働省が取り組んでいることを御説明できればと思っております。御説明は以上です。よろしくお願いいたします。 

○脇田部会長 御説明ありがとうございました。そうしましたら、ただいまの御説明に対して委員の皆様からコメント、御意見、御質問等あればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 

曽根委員、お願いいたします。 

○曽根委員 御説明ありがとうございました。現在、国際情勢が極めて緊迫化していて、日本はまだ直接ひどくはかかりませんけれども、いろんな政治の動きとか、いろんな国際情勢の動きによってはCBRNテロという形で火の粉がかかってくる危険性が以前よりもずっと高まっているような気もします。現在お示ししていただいたようなものはかなり急いだほうがいいような気がしますが、その辺り、タイムラインというか、どういう目処で整理していくのか、教えていただけますでしょうか。 

○脇田部会長 ありがとうございます。特にMCMについてですかね。 

○曽根委員 はい。 

○脇田部会長 いかがでしょうか。 

○小谷感染症対策課課長補佐 感染症対策部です。今、曽根委員から御指摘いただいたのは、MCMの加速の議論なのか、もしくはCBRNテロ全般としての加速の議論なのか、どちらも争点なのか、確認させていただいてもよろしいでしょうか。 

○曽根委員 言ってみれば両方なのですけれども、いずれにしても、どういう手段であれ、テロの可能性がかなり高いような、以前よりも、10年ぐらい前よりもずっと高くなっているような国際情勢を感じます。その辺り、備えを急いだほうが、体制整備を急いだほうがいいと個人的には思うのですが、その辺り、心積もりはいかがでしょうかという御質問です。よろしくお願いします。 

○庄司原子力災害対策調整官 ありがとうございます。それでは、厚生科学課災害等危機管理対策室のほうからお答えさせていただきます。CBRNEテロ対策については、今回まさにCBRNEテロ対策会議の設置という背景にも、科学技術の進展等に伴うCBRNテロをめぐる情勢の変化といったことがございます。現時点で決まっているタイムラインとしては、お示しのとおり、5月までの関係省庁での方向性の検討、8月の中間取りまとめといったところになっておりまして、現在、関係省庁で鋭意具体的な内容について検討を行っているという状況でございます。今の時点で決まっていることとしてはそういったところですけれども、我々としても重要性は認識しているところでございます。 

○小谷感染症対策課課長補佐 MCMの観点でお伝えいたしますが、おっしゃるとおりで、我々としてもその危険性を認識している一方で、全く未知の感染症等に対して必要な物品を確保するということは特にバイオの観点に立つとなかなか難しい部分がございます。とはいえ、手をこまねいていても仕方ございませんので、可能な限り世界各地に対してのネットワークを張り巡らせながら、必要性に応じた物品の確保に取り組んでいきたいと考えているところでございます。御指摘ありがとうございます。 

○曽根委員 ありがとうございます。 

○脇田部会長 ありがとうございます。工藤委員、お願いいたします。 

○工藤委員 MCMについてなのですけれども、世界的情勢から確かに急いで整備しておいたほうが無難ということはあると思いますが、今、通常の医薬品も製造が足りなくなっている状況があります。ですので、早めに製造については事業者の確保が必要になるのかなと思っております。また、生物医薬品につきましても、やはりノウハウがありますので、すぐには製造が開始できない、また、新規参入していただく場合にはそれなりの準備期間が必要かと思いますので、そういったことも踏まえて御準備を考えていく必要があるのかと思いました。以上です。 

○脇田部会長 ありがとうございます。まさに工藤委員御指摘のところは、経済安全保障ということがよく言われますけれども、例えば抗生物質の製造に関しても原材料を止められると、一般の感染症の治療もままならないような状況が生じるということですから、非常に希少な感染症に対する備えだけではなくて、そういったところ、経済安全保障に対する備えが非常に重要になってくるところは確かにあるのだろうと思います。小谷感染症対策課課長補佐からコメントいただければと思います。よろしくお願いします。 

○小谷感染症対策課課長補佐 ありがとうございます。 

御指摘のとおりだと思っております。まさにCBRNEという切り口だけではなく、必要な薬剤をいかに確保していくのかということは、特定国に依存してしまうリスクについては我々としても認識しており、政府全体で様々な切り口で、投資という形で、まさに高市総理の1つのテーマでもございます危機管理投資というふうにされているものを提示しながらではございますが、可能な限り必要物資の安定供給が確実に実施されるように政府としても取り組んでいきたいと考えているところでございます。御指摘ありがとうございます。 

○脇田部会長 ありがとうございました。特に、ちょっとしたことで一般の医薬品の不足ということも起こりがちな昨今でありますので、ぜひそういったところの体制強化をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 

ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。 

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【閉会挨拶】 

今日は議題が非常に多くて、議題の10まで行きましたけれども、一応これで議題は以上となります。全体を通して委員の先生方でまだ御発言されたいことがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。大丈夫ですか。土岐災害等危機管理対策室長からも何かございますか。 

○土岐災害等危機管理対策室長 土岐です。 

次回の部会の開催時期は未定ですけれども、必要に応じて適宜御連絡を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。 

○脇田部会長 ありがとうございます。 

この会議はなるべく年に1回ということで、あまり緊急の案件がないほうがいいかなと思っていますけれども、また次回ぜひよろしくお願いいたします。それでは、さらなる御発言等なければ、これで閉会とさせていただきます。今日も活発な御議論ありがとうございました。 

以上で閉会とさせていただきます。