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- 2026年1月29日 第1回「ICD-11の適用に伴う精神障害の認定基準の対象疾病名に関する検討会」 議事録
2026年1月29日 第1回「ICD-11の適用に伴う精神障害の認定基準の対象疾病名に関する検討会」 議事録
日時
令和8年1月29日(木) 18:00~20:00
場所
厚生労働省共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)
出席者
- 参集者:五十音順、敬称略
- 荒井稔
- 神庭重信
- 黒木宣夫
- 田中克俊
- 丸山総一郎
- 厚生労働省:事務局
- 松本圭
- 西村政也
- 三浦剛 他
議題
- (1)ICD-11の国内適用に伴う認定基準の対象疾病名の整理
- (2)その他
議事
- 議事録
- ○三浦職業病認定対策室長補佐 それでは、お待たせいたしました。定刻となりましたので、これより、第1回「ICD-11の適用に伴う精神障害の認定基準の対象疾病名に関する検討会」を開催いたします。
座って御説明させていただきます。
まず、注意事項でございますが、初めに会場での御出席の皆様にお願いでございます。発言の際には、お手元のマイクのスイッチをオンにしていただき、下のほうにありますので、スイッチをオンにしていただいて御発言をお願いいたします。終わりましたら、再度、スイッチをオフとしてください。
次に、オンラインで参加している先生にお願いでございます。発言の際には、マイクのミュートを解除した上で、御発言がある旨の発言をしていただくか、またはメッセージで発言がある旨を送信していただければと思います。その後、座長から指名した後に御発言をお願いいたします。
なお、大変申し訳ございませんが、通信の状況などにより、再度発言をお願いする場合もございますが、御容赦いただければと思います。
続きまして、傍聴されている方にお願いでございます。携帯電話などは必ず電源を切るかマナーモードにしていただけるようお願いいたします。そのほか、別途配付しております留意事項をよくお読みの上、検討会開催中は、これらの事項をお守りいただいて傍聴されるようお願い申し上げます。万一、留意事項に反するような行為があった場合は、退出をお願いすることがありますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
それでは、改めまして、参集者の皆様におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本検討会の進行につきましては、座長が選出されるまでの間、議事進行を務めさせていただきます、厚生労働省労働基準局補償課職業病認定対策室長補佐の三浦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の検討会でございますが、会場参加とオンライン参加の双方による開催としております。
それでは、本検討会に御参集賜りました先生方を五十音順に御紹介いたします。
日本私立学校振興・共済事業団、東京臨海病院統括産業医特任精神科医、荒井稔先生。
続きまして、九州大学名誉教授、神庭重信先生。
続きまして、東邦大学名誉教授、勝田台メディカルクリニック院長、黒木宣夫先生。
続きまして、北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学教授、田中克俊先生。
続きまして、神戸親和女子大学名誉教授、丸山総一郎先生。
先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
今回、神庭先生がオンラインでの御参加となっております。
続きまして、事務局を紹介いたします。
大臣官房審議官(労災、賃金担当)の松本でございます。
続きまして、職業病認定対策室長の西村です。
続きまして、職業病認定対策室中央職業病認定調査官の小路です。
なお、本日、補償課長の黒部は、ほかの検討会が重なってしまいまして、本日は欠席とさせていただきます。
それでは、ICD-11の適用に伴う精神障害の認定基準の対象疾病名に関する検討会の開催に当たりまして、大臣官房審議官の松本から御挨拶申し上げます。
松本審議官、よろしくお願いいたします。
○松本審議官 松本でございます。
検討会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
先生方におかれましては、日頃から労働基準行政、とりわけ労災補償行政に関しまして、特段の御理解と御協力を賜っておりますことに厚く御礼を申し上げる次第でございます。また、本日もお忙しい中御出席賜りましたことに重ねて御礼を申し上げます。
業務による心理的負荷を原因とする精神障害につきましては、個別事案がメディアにたびたび取り上げられるなど、依然として社会的関心が高く、また、労災請求件数も増加傾向にございます。行政としましては、認定基準に基づく効率的な調査と迅速な決定がより求められております。
御案内のとおり、ICD-11が令和9年1月1日から国内適用されることとなっておりますが、これが国内適用された以降も、円滑な調査及び決定を行うため、認定基準の対象疾病について、医学専門的な見地から忌憚のない御議論をお願いしたいと考えております。
簡単ではございますけれども、検討会の開催に当たっての挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○三浦職業病認定対策室長補佐 続きまして、本検討会の座長の選出についてお諮りしたく存じます。
開催要綱におきまして「本検討会の座長は、参集者の互選により選出する」としております。
座長の選出でございますが、事前に事務局から各先生方にお諮りさせていただいておりますとおり、黒木先生にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○三浦職業病認定対策室長補佐 それでは、黒木先生、よろしくお願いします。
○黒木座長 ただいま御推薦いただきまして、座長をお引き受けすることになりました黒木です。重要な検討会ですので、先生方には、精神医学の専門的な立場から様々な忌憚のない御意見をいただければありがたく存じます。
そして、皆様のお力をお借りしながら、円滑な議事の進行を務めたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、議事に入る前に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○三浦職業病認定対策室長補佐 では、資料の確認の前に、傍聴されている方にお願いがございます。写真撮影等はここまでとさせていただきます。以後、写真撮影等は御遠慮ください。よろしくお願いいたします。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
お手元のPCまたはお配りしている資料で御確認をお願いしたいと思います。
本日の資料は、まず、資料1「ICD-11の適用に伴う精神障害の認定基準の対象疾病名に関する検討会開催要綱」と参集者名簿でございます。
続きまして、資料2「精神障害の労災補償の現状と論点(案)について」。
これら2つがメインの資料でございます。
あと、ほかに参考資料1といたしまして「精神障害(精神疾患)を取り巻く状況について」。
参考資料2、令和8年1月19日付、総務省告示第11号「統計法第28条の規定に基づき、疾病、傷害及び死因に関する分類を定める件」という資料でございます。
参考資料3「精神障害の労災認定に関する関係通達」。
参考資料4「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(令和5年7月)」。
参考資料5「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(平成23年11月8日)」。
参考資料6「精神障害等の労災認定に係る専門検討会報告書(平成11年7月29日)」でございます。
資料の不足等ございませんでしょうか。
それでは、以上でございます。
○黒木座長 それでは、初めに本検討会の開催要綱について、事務局から説明をお願いいたします。
○小路中央職業病認定調査官 それでは、資料1、本検討会の開催要綱を御覧ください。
1は、趣旨・目的です。
令和元年、2019年のWHO総会におきまして、ICD-11が採択され、令和4年、2022年に発効し、日本国内においても適用の手続が進められたところです。
心理的負荷による精神障害の認定基準において対象となる疾病につきましては、ICD-10を準拠し、疾病名や範囲を定めており、ICD-11の国内適用を踏まえ、対象疾病名等について整理を行う必要がございます。
項目の2は検討事項です。
項目の3は検討会の構成等です。
(3)の座長選出につきましては、参集者の互選により選出することとされており、先ほどこの規定に基づき、黒木先生が座長として御選出されております。
ほか(4)のとおり、必要に応じ、御出席いただいている先生方に加えて、関係領域の専門家の先生の御参集を依頼することができます。
項目の4は、その他です。
(1)の本検討会は、原則として公開としております。しかし、検討事項に個人情報等を含み、特定の個人の権利または利益を害するおそれがあるときには非公開といたします。この場合(2)にありますとおり、非公開とした場合には、参集者の先生方におかれましては、本検討会で知ることのできた秘密については漏らさないこととしていただき、これは検討会終了後も同様としていただきますようお願いいたします。
資料1の開催要綱の説明は以上でございます。
○黒木座長 ありがとうございました。
次に、本件検討会で議論を始めるに当たり、前提となる精神障害の労災認定に関わる関係法令や、認定基準の概要について事務局から御説明をお願いいたします。
○小路中央職業病認定調査官 それでは、資料の2をお手元に御用意ください。
1枚おめくりいただきまして、全部で5項目の構成となっておりまして、項目の1の関係法令等と2の認定基準改正の経過につき、御説明をさせていただきます。
次のページを御覧ください。
資料の2の3ページでございます。3ページは関係法令です。
労働基準法第75条におきまして、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかった場合は、使用者に対して療養補償が義務づけられており、この業務上の疾病は、厚生労働省令で定めるとされています。
労災保険法は、この労働基準法に基づく業務上疾病について、労災補償を行います。そして、業務上の疾病を定める省令として、労働基準法施行規則第35条に基づく同規則別表第1の2に業務上疾病が列記されています。
精神障害については、別表の1の2の第9号に規定され「事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害」とされています。
ほか、外傷による器質性の精神障害は1号の負傷による疾病。
マンガンや一酸化炭素中毒など、物質性の精神障害は4号に分類されております。
1枚おめくりください。
項目の2は、労災認定基準の改正の経過でございます。
1枚おめくりください。
昭和59年には、設計技術者が発病した反応性鬱病が初めて労災として認定されました。
その後、約15年間は、認定のための基準を設けず、個別に労災認定の判断を行ってきたところですが、請求件数が次第に増加してきたことから、平成10年から11年にかけて、医学・法学の専門家による検討会を開催し、その検討結果を踏まえて判断指針を平成11年に策定いたしました。
判断指針では判断要件を示し、また、職場における心理的負荷評価表を示して、心理的負荷の強度を評価することといたしました。
また、自殺の取扱いについても、それ以前とは変更いたしました。労災保険法には、故意による災害については、保険給付を行わないという規定があり、自殺は故意によるものではないかという議論があったところですが、判断指針の作成と同時に取扱いを示し、業務上の精神障害を発病した方の自殺については、精神障害により正常な判断が著しく阻害されるなどの状態にあって引き起こされるものであることから、業務起因性が推定され、また、故意には該当しないとしたものです。
その後、平成23年に、心理的負荷による精神障害の認定基準が初めて策定され、その後、令和2年にパワーハラスメントに関する事項の追加など、一部追加、改正を行い、直近では令和5年9月に改正を行ったという経過でございます。
こういった経過を踏まえて、現在、労働基準監督署で判断の基準としている最新版が令和5年9月のものとなります。
これらの通達や検討会報告書を参考資料として御用意いたしました。内容の御紹介は割愛いたしますが、今後の検討におきまして、適宜御参照いただければと存じます。
なお、参考資料としてお配りした資料の中の参考資料の2が、今般発出されました、ICD-11の国内適用に関する告示でございます。
今回お配りしておりますのは、告示の中の第6章、精神、行動または神経発達の疾患群を中心とした抜粋のバージョンとなっております。
こちらも適宜御参照いただければと存じます。
それでは、資料にお戻りください。6ページについてでございます。
1枚おめくりいただき6ページでございますが、こちらは参考でございますが、過去の検討会報告書での対象疾病に関する箇所でございます。
赤点線で囲っておりますとおり、当時の現時点で、ICD-11は発行されていますが、統計法に基づく統計基準改正のためのICD-11日本語訳は作成中の状況でございました。
このため、検討会としては、対象疾病は現行認定基準の内容を維持し、日本語訳の確立を待って、別途検討が妥当と御判断をいただきました。
関係法令等に関する御説明は以上でございます。
○黒木座長 ありがとうございます。
法令等の事実確認に関する内容でしたため、引き続き、精神障害の労災補償状況及びICD-11の対比について事務局から説明をお願いいたします。
○小路中央職業病認定調査官 続きまして、項目の3「精神障害の労災補償状況」等から「ICD-11との対比」等について、御説明をさせていただきます。
1枚おめくりください。
まず、8ページ、現状についてです。労災請求件数は青い棒グラフ、支給決定件数は赤の折れ線グラフです。
請求件数は増加傾向にあり、令和6年度は3,780件で、前年度比205件の増加となり、支給決定件数は1,057件で、前年度比170件の増加となっております。
次のページを御覧ください。
次のページ9ページは、労災支給決定事案を疾患別に分類したグラフとなり、赤はF3気分障害、青はF4神経症性障害等となります。
F3とF4の割合は、ほぼ類似の数字で推移をしておりましたが、平成30年度以降は、F4が最も多い割合を占めており、F3とF4で支給決定事案の99%を占めております。
次のページを御覧ください。
先ほどの棒グラフにつきまして、コードの内訳をお示ししています。F3、F4の中の上位疾患は、F3については棒グラフの中の赤点線のグラフ、F32鬱病エピソードとなっており、F4については青の点線のグラフ、F43.2適応障害となっており、令和4年度までは赤点線F32鬱病エピソードの件数が適応障害を上回っておりましたが、令和5年度以降、青点線のF43.2適応障害のほうが多い件数で推移をしている状況でございます。
次のページを御覧ください。
こちらは、直近15年間の支給決定事案で、F3コードに分類された事案です。
御覧いただきますと、全体が薄いピンクとなっており、うち赤い折れ線グラフが全体の中でのF32鬱病エピソードと診断されたものになります。ピンクのうち8割以上が赤線F32であることが御覧いただけます。
次のページを御覧ください。
続きまして、支給決定事案で、F4コードに分類された事案です。
薄いブルー全体がF4、うち青丸の点線がF43.2適応障害、真ん中の水色のひし形、折れ線グラフがF43.1心的外傷後ストレス障害、一番下のバツ印の折れ線グラフがF43.0急性ストレス反応です。青丸点線のF43.2適応障害が令和6年度は全体の65%を占めており、また、増加傾向であることも御覧いただけます。
次のページを御覧ください。
補償状況に関する御説明のまとめになります。直近5年の支給決定事案を見ますと、ICD-10のF3及びF4の事案が99%を占めております。
F3分類については、F32で8割以上を占め、F4分類については、F43.2適応障害、F43.1心的外傷後ストレス障害、F43.0急性ストレス反応の3疾患が8割以上を占めております。
ほか、F2からF4以外の分類の疾患にも支給決定が行われております。
続きまして、次のページを御覧ください。
項目の4「ICD-11との対比」でございます。
1枚おめくりください。
引き続きまして、主要な点として、ICD-10と11との対比につき、このページから33ページまで、概要を御説明いたします。
なお、このページから33ページまでの資料につきましては、文献等を参考に作成したものですが、冒頭申し上げました告示改正前に発行された文献となりますため、告示との整合性等未精査の段階でございます。
まず、総論としてのポイント1ですが、ICD-11において、第6章にタイトルに「神経発達」が追加され、「障害」が「疾患群」へと変更されました。
ポイントの2としまして、睡眠関連の病態が独立し、第7章に「睡眠・覚醒障害群」としてまとめられました。つまり、ICD-10では、睡眠障害が精神及び行動の障害のFコードの大分類と神経系の疾患のGコードの大分類に分けられていましたが、ICD-11では、全て睡眠と覚醒に関連するものとしてカテゴライズされました。
次のポイント3からポイント12までは、ICD-11の第6章に収載される疾患につき、主に業務に関連して発病する可能性のある代表的なものにつき、群ごとに取りまとめた事務局案の御説明となります。
まず、神経発達症群で、6A00から6A0Zと分類されるものです。ICD-10では、F0器質性精神障害から記載が始まっておりましたが、ICD-11では、神経発達の異常を共通項に、ICD-10では、別の様々な障害群に収載されておりました疾患が本群に収載されました。
例えば、ICD-10のF8、自閉スペクトラム症など、心理的発達の障害、F7、知的障害、F9、ADHDなどもこの群に収載されました。
また、ICD-10では、F9で発症が小児期及び青年期である疾患をまとめられていましたが、ICD-11では、発症時期ではなく、それ以外の臨床上の特徴を軸に、それぞれを適する疾患群に収載されています。
例えば、分離不安症、場面緘黙はICD-11では、不安または恐怖関連症群に収載され、反応性アタッチメント症はストレス特異的関連症群、異食症は、食行動症または摂食症群に分類されております。
次のページを御覧ください。
こちらは、6A00から6A0Zに分類された群のICD-10とICD-11の対比表になります。
ただし、先ほど御説明のとおり、この表につきましては、未確定で案段階となります。
次のページを御覧ください。
続きまして、統合失調症またはほかの一次性精神症群で、6A20から6A2Zと分類されます。この群に分類されます疾患は、統合失調症6A20、統合失調感情症6A21、統合失調型症6A22、急性一過性精神症6A23などとされておりまして、ICD-10と比べ診断の数は減り、単純化されております。
また、ICD-11では、統合失調症の亜型分類は廃止され、ICD-10で亜型の1つとして扱われていたカタトニアは、別の疾患群として独立した章で扱われています。
また、明らかな精神症症状を現さず、進行性の陰性症状によって特徴づけられていた単純型統合失調症は、ICD-11ではそのまま概念の受皿となる診断名はなくなっておりますため、単純型統合失調症と診断されていた患者につきましては、今後、患者ごとにICD-11の判断要件を参照に診断されるものと考えられます。
この群の中での診断コードでは、統合失調症が6A20と一番若く、当該疾患が精神症の中心をなすという従来の考え方は継承されております。
次のページを御覧ください。
こちらのページも統合失調症またはほかの一次性精神症群に係るICD-10とICD-11の対比表になります。
1枚おめくりください。
続きまして、気分症群で6A60から6A8Zに分類されます。
ICD-11の気分症群は、臨床現場で有用な分類名である気分症群を残した上で、抑鬱エピソードのみが現れる疾患を中核とする抑鬱症群と抑鬱と躁・軽躁の両者のエピソードを認める双極症または関連症群の1つの群に再構成されています。
双極症または関連症群に含まれる疾患は双極症Ⅰ型6A60やⅡ型6A61、気分循環症6A62などとされています。
抑鬱症群に含まれる疾患は、単一エピソード鬱病6A70、反復性鬱病6A71、気分変調症6A72などとされています。
ICD-10では、F34に属していたF34.0気分循環症及びF34.1気分変調症は、ICD-11では前者は双極症または関連症群、後者は抑鬱症群に位置づけられ、持続性気分障害はICD-11では削除されています。
また、ICD-10では、混合性不安型抑鬱障害F41.2は、F4神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害に収載されていましたが、ICD-11では抑鬱症群に収載されています。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10とICD-11の気分症群の対比表となります。
続きまして、次のページを御覧ください。
こちらは、不安または恐怖関連症群で、6B00から6B0Zに分類されます。
この不安または恐怖関連症群がICD-10のF4神経症性障害、ストレス関連性障害及び身体表現性障害の下位分類から独立したカテゴリーとなりました。
2ポツ目、ICD-11の不安または恐怖関連症群に含まれる疾患は、全般不安症6B00、パニック症6B01、広場恐怖症6B02などです。
3ポツ目、ICD-11では、恐怖症性不安障害とほかの不安障害というICD-10の区別は廃止され、より臨床的に有用な方法として、不安及び恐怖に関連する各疾患を、その概念の焦点に基づいて特徴づけることとなりました。
ICD-10では、F9、小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害に収載されていました分離不安症や場面緘黙は、不安症状を重視し、この部分に収載されております。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10とICD-11の不安または恐怖関連症群の対比表となります。
次のページを御覧ください。
続きまして、強迫症または関連症群で6B20から6B2Zに分類されます。
この強迫症または関連症群がICD-10のF4、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の下位分類から独立したカテゴリーとなっており、この群に含まれる疾患は強迫症6B20、身体醜形症6B21などです。
この群は強迫スペクトラム障害の概念を基盤としており、強迫症を中心に、強迫的な行動様式が病態の中心にあると考えられる疾患を1つのカテゴリーとして捉えたものとなっております。
DSM-5の強迫症及び関連症群と歩調をそろえており、強迫症のほか、身体醜形症や、脱毛症などがカテゴライズされています。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10と11の強迫症または関連症群の対比表となります。
次のページを御覧ください。
続きまして、ストレス特異的関連症群で6B40から6B4Zに分類されます。
この群もICD-10のF4神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の下位分類から独立したカテゴリーとなっております。
ストレス関連症群に含まれる疾患は、心的外傷後ストレス症6B40、複雑性心的外傷後ストレス症6B41、適応反応症6B43などとされています。
ICD-10では、F9小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害と先に収載をされておりました、愛着障害、アタッチメント症はICD-11では、本群に収載されております。
ほか、複雑性、心的外傷後ストレス症が新設されております。
ICD-10の急性ストレス反応につきましては、トラウマ的出来事直後の反応は自然に軽快することも多く、正常反応の医学化を抑制するという、ICD-11の方針に従って、精神疾患第6章からは除外され、第24章、健康状態に影響を及ぼす要因または保健医療サービスの要因に移されました。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10と11のストレス特異的関連症群の対比表となっております。
次のページを御覧ください。
続きまして、解離症群で、6B60から6B6Zに分類されます。
解離症群もICD-10のF4神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の下位分類から独立したカテゴリーとなりました。解離症群に含まれる疾患は、解離性神経学的症状症6B60、解離性健忘6B61などです。
ICD-11では、転換性障害という用語が廃止され、それに相当する解離性神経学的症状症が新設され、その症状の生じる視覚、聴覚などの領域別に10の下位分類が増加されています。
ICD-10では、離人感・現実感喪失症候群は、F44、解離性障害ではなく、F48、ほかの神経症性障害に収載されていましたが、ICD-11では、本群に収載されています。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10とICD-11の解離症群の対比表となります。
次のページを御覧ください。
こちらのページは、食行動症または摂食症群や排泄症群となりまして、6B80、6C00に分類される群ですが、労災との関係性は薄そうでありますので、時間の都合上、御説明は割愛をさせていただきます。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10と11の食行動症または摂食症群や排泄症群の対比表になります。
次のページを御覧ください。
続きまして、身体的苦痛症または身体的体験症群で、6C20から6C2Zに分類されます。
ICD-11で新設されたカテゴリーとなります。
こちらの群に含まれる疾患は、身体的苦痛症6C20、身体完全性違和6C21などです。
3ポツ目、特徴といたしまして、ICD-11の6章は、分類や名称の多くがICD-10を踏襲しているのに対して、本文の診断名はICD-10から隔たりがあり、また、同じくDSMについて、ほかの群は影響を受けていると思われますが、この群の下位診断名はDSMとは異なる名称となっています。
4ポツ目、疾患概念につきましても、ICD-10との差異が認められており、ICD-10の身体表現性障害では、患者の訴える症状が身体化症状であることに主眼が置かれていたのに対しまして、本群の身体的苦痛症6C20は、患者の身体症状に過度の注意が向けられていることに重点が置かれています。
5ポツ目、下位診断名である身体完全性違和6C21は、持続性の不快感を伴う特定の身体障害を持ちたいという欲求、または障害のない現状の身体に関連する強い不適切感を特徴とした疾患で、ICD-10、DSM-5にはない疾患概念です。
6ポツ目、こちらも下位分類ですが、ICD-10のF45.4、持続性身体表現性疼痛障害はICD-11の6章では廃止されました。
代わって、第21章の他に分類されない症状の章に、MG30慢性疼痛が新設されました。
ただし、ICD-11における慢性疼痛はあくまで疼痛の下位分類であり、生物学的要因は不明な場合であっても、ICD-10の持続性身体表現性疼痛障害のように精神障害とはみなされない整理です。
次のページを御覧ください。
こちらのページもICD-10と11の身体苦痛症群または身体的体験症群の対比表となります。
次のページを御覧ください。まとめとなります。
1点目、第6章につきましてタイトルが変更されまして、2点目、睡眠・覚醒障害の章が精神疾患から独立し、新設されました。
3点目は、削除されたり、移された疾患の名称ですが、F20統合失調症の亜型は削除。
F34持続性気分(感情)障害及び下位分類は削除。
F43.0急性ストレス反応は第24章へ移動。
F44.7混合性解離性(転換性)障害は削除。
F45身体表現性障害及び下位分類は削除。
F48他の神経症性障害及び下位分類は削除です。
4点目は、新設やFコード以外から移された疾患名ですが、6A25、一次性精神症における臨床症状が新設。
6A40から6A4Zカタトニアは独立。
6A80気分症における気分エピソードの症状と経過は新設。
6B06場面緘黙、6B05分離不安症、6B44反応性アタッチメント症、6B45脱抑制性対人交流症はF9から移動。
6B22自己臭関係付け症は新設。
6B25向身体性反復行動症群はF6から移動。
6C20から6C2Zの身体的苦痛症または身体的体験症群が新設となります。
以上、労災補償状況とICD-11との対比につき、事務局からの御説明でございました。
○黒木座長 ありがとうございました。
ICD-10とICD-11の対比を本当に分かりやすく説明いただきました。
今回は1回ということですので、日本精神神経学会のICD-11委員会委員長を務められた神庭先生から、事務局資料への御指摘などと併せて、ICD-11委員会における議論の内容や今後の見通しなどを簡単にお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○神庭委員 ありがとうございます。
それでは、スライドを共有したいと思います。
それでは、今、小路様から適切に御解説いただけたと思うのですが、そこで少しオーバーラップするような話にもなりかねないのですけれども、11について少しでも理解を深めていただければということで材料を用意しております。
このICD-11ですけれども、これの開発を始めるに当たって、米国精神学会のグループ、DSMをつくってきたグループとの労働委員会、ハーモナイゼーション委員会というのができまして、つまり、その両者が同一のメタストラクチャーで構成されるようにしようと、両者の間の大きなそごはないようにしようということで、検討がスタートしたということです。
御覧いただくように。
○黒木座長 神庭先生、すみません、画面が映っていないです。
○神庭委員 すみません、ロスタイムを申し訳ありません。
そういうことで、見ていただくと分かるのですけれども、ICD-10は、0から9まで、これは10の引き出ししかないので、そこにあまり結びつかない疾患が押し込められていたのですね。
それが11になって、6のAかB、Cと幾らでも引き出しをつくれるようになったと。
先ほど言いましたように、DSMとICDと、メタストラクチャーといいますか、大分類の構成は類似しているというのが、見てお分かりいただけるかなと思います。
11の開発ですけれども、2007年に改定作業を開始するということが東京での会議で決まりまして、2018年に導入版が公表され、2019年に世界保健総会で、導入版が採択され、22年に11が発行されたということでございます。
そして、発行から5年の猶予を持って移行することということになっていまして、実際、2027年に病名の官報での告示は終わったのですけれども、移行はこれからということになっております。
11というとICDのこの分類を想像されると思いますけれども、実はWHOのfamily of international classificationsは大きく3種類ありまして、WHO-FICと略すのですけれども、機能分類、それから、手術や処置などの分類と、この3つから構成されています。それを全て数え上げると、11万5000個の用語が使われているということです。
それで、私たちが11と呼んでいるのは、死亡疾病統計用の分類、MMSです。Mortality Morbidity Statistics、これを指すことが多いのですけれども、これは、先ほど言いましたFoundationから切り出された分類、でも、ここにも3万5000の分類項目があって、これに日本語訳をつけるという作業で、かなり時間を取ったということであります。
MMSが公表されたのは、先ほど言いましたが2020年、5年間の移行期間を設けると。この間、発表されたMMSの関連用語に関して、日本医学会の協力のもとに、各分科会、精神科関係で言いますと、精神神経学会だったわけですけれども、作成しまして、24年の7月に厚労省の11委員会、これは略称ですけれども、そこの専門部会で承認され、総務省に通知され、今年の1月の、たしか19日だったと思いますけれども、総務省の官報に告示された。それで、27年から施行する予定だと。
私たちは、訳を担当したのですけれども、一番大きな変更は、病名中のディスオーダー、例えば、パニックディスオーダー、これは、今までパニック障害と訳していたのですけれども、これをパニック症と訳し直そうということを決めたということです。
これは、既にDSMの5、2013年に登場してきた5のときから、一部の病名で導入してきております。
なぜかといいますと、このパニック障害の障害と同音異義の言葉で、ディスアビリティの障害と誤解されやすい、それから、言葉が持つインパクトがネガティブなインパクトが強いということで、主に児童思春期を専門とする先生方からの強い御希望等もあって、症に変えたということになります。
ここは飛ばします。
訳の中でもう少し議論が必要だったのが、psychoticとか、psychosisの訳をどうするかということだったのですけれども、今まではドイツ語のpsychoseと紛らわしい精神病という日本語を使っていましたが、ICD-11の中でも、DSM-5の中でも、psychosis、psychoticという場合には幻覚・妄想・現実検討の能力の喪失した状態に限られて、状態像を指して使っているということで、精神病という病名のまま使い続けるのはよくないのではないかということで、これを精神症と変えたということがございます。
それから、MMSは、このように26章あったと、幾つかの症から構成されているのですけれども、精神神経学会が担当したのは、第6章です。これは、2,800項目ありました。それから、性の健康に関する状態、それから症状、兆候、臨床的所見等で3,900項目、Factors influencing health status、健康状態に影響するファクターあるいは精神保健等の健康サービスを必要とするような状態、これは2,900項目ございました。
これらの中で、精神科関連の病名あるいは用語に関して検討を続けてきたということです。
21章には、症状、兆候、臨床所見等がまとめられていまして、例えば、その中には、Labile affect、感情易変性、Irritability、易刺激性等、あるいはアパシーですね、等々の症状が並んでいました。
Disorganised behaviour、行動の統合不全、Social withdrawal、対人的閉じこもり、あるいはPanic attack、パニック発作、これは、なぜ挙がっているかというと、病名とまでは診断できないけれども、その患者さんの非常に特徴的な状態を表す用語として、コードつきでリストアップされているというわけです。
24章は、健康状態または保健サービスの利用に影響を及ぼす要因、2,900用語ありました。
その中で、精神科に関係するのは、例えば、Hazardous substance use、危険な物質使用、これは、substance use disorderというのは、第6章にも書かれているのですけれども、Hazardous substance use、危険な物質使用というのは、24章に置かれていて、精神疾患とは言えないけれども、それに近い危険な物質使用状態にある患者さんを特定するという目的で、ここに置かれているわけです。
同じように、Personality difficultyという言葉がありまして、Personality disorder、パーソナリティ症、障害では症になりますけれども、診断はできないけれども、その閾値の状態であるというときに、このパーソナリティ困難というのを使います。
この中に、先ほど御説明のあったAcute Stress Reactionというのが含まれているわけです。Acute Stress Reactionが、なぜ6章ではなく24章なのかというと、極めて強い恐怖状態に暴露されたときには、健康な人でもなる、一時的になり得る状態なのであって、それを精神疾患と位置づけるのはいかがなものかという、そういう議論があったと聞いています。
第6章は、このように1から21までありまして、先ほど御説明がありましたので省きますけれども、従来の心身症に当たる概念というのは、この20節になります。他に分類される障害または疾患に影響を及ぼす心理的または行動上の要因、例えば、ストレスによって喘息が悪化するといった場合には、ここに分類されるわけですね。
それから、二次性の精神または行動の症候群というのは、21節に置かれていまして、これは、例えば甲状腺機能障害が原因で、因果関係を持って鬱病になっているという場合には、ここに分類させたコードと病名を使うということになります。
それから、10から新たに加わった疾患、これも先ほど御説明がありましたけれども、身体醜形症、自己臭関係付け症、ため込み症、皮膚むしり症、遷延性悲嘆症、反芻・吐き戻し症、身体完全性違和、ゲーム行動症、強迫的性行動症、間欠爆発症等がございます。
逆に第6章に加わらなかった疾患もあります。今言いました急性ストレス反応、非器質性睡眠障害、これは、第7章に睡眠覚醒の障害のところに置かれています。
それから、性別不合、かつての性同一性障害ですけれども、これは、性の健康に関する状態、17章に置かれています。
レッド症候群、これは原因の遺伝子が分かったので、広汎性発達障害から、20章developmental anomaliesに移されています。
チック障害、これは神経系の疾患、第8章に置かれています。トゥレット症候群もしかりです。
第7章は睡眠・覚醒障害ということで、精神疾患の6章と神経疾患の8章の間に置かれています。
第17章、性の健康に関する状態群の中に、Gender Incongruence、性別不合が含まれているということです。
それで、ICD-10でおなじみの臨床記述と診断ガイドライン、これは11でもつくられていまして、ただ、臨床記述とdiagnostic requirementsと変わっていて、ガイドラインではなくて要件、あくまで診断の要件であるというところが強調されています。
というのは、クライテリアではなくて要件であるということですね。それは、例えば、ある病気の診断要件の中では、DSMでいうと、例えば鬱病なら2週間とか、具体的に持続期間が指定されていたわけですけれども、ICD-11は使いやすさを重視するということもありまして、数か月という表現に変わっています。
そのように臨床医の診断を生かす余地が広がっていると、疾患によっては、持続期間が決められているものもございますけれども、そういう点が、その診断要件と用語を変えた主な理由であります。
それから、器質性と非器質性を分けるという意味で、睡眠障害、性機能不全が精神疾患の中に、非器質性のもの正規機能不全が、精神疾患の中に非器質性のものは配置されていたのですけれども、それぞれ独立した章に分類されているということです。
これも先ほど御説明がありましたように、身体化障害という病名、これは、基礎疾患がないということを要件にしていたのですけれども、基礎疾患がないということを診断するのは非常に困難であると、ある、なしにかかわらず、この基礎疾患とその症状、身体的苦痛の症状との間に乖離があると、不相応な苦痛を訴えているということを重視した診断であり、診断名、つまり身体苦痛症が用いられるようになったということです。
以上です。時間が来ましたので、ここで終了したいと思いますけれども、11について大きな変更点を中心に御説明させていただきました。
以上です。
○黒木座長 神庭先生、ありがとうございました。
非常に分かりやすい説明で、動向とか、今後どのようになっていくのか、そして、大体の概要を御説明いただき、理解できました。
それでは、ただいまの御説明や事務局資料の説明に関し、何か御質問、御意見等ありましたら、挙手の上、御発言ください。よろしくお願いします。
神庭先生、少し単純なことなのですけれども、この番号の見方は、どのように見るのですか、6章は6ですけれども、例えば、Zとかいろいろ番号が出てきますね。ICD-10では、Fコードで、大体番号で分かったのですけれども、大きな番号ということで細かくなっていくのは分かるのですけれども、ICD-11では、この6は章ですね。
○神庭委員 そうです。6が章で、その次にA、B、C、Dが並びます。
○黒木座長 これは、何を示すのですか。
○神庭委員 これが、大まかには節を表していることが多いのですけれども、ちょっとお待ちください。
例えば、6のAが並んできて、6A00は知的発達症から始まりまして、Aがずっと並んで、スキゾフレニア、妄想症、双極症と並んできていて、次がB、ブロックとしては、全般不安症が始まります。
このブロック単位で大きく分かれているのですけれども、今度、6のCは、排泄症群になっていまして、6のDは、パーソナリティ症から始まるということです。
その後、2桁ついて病名にひもづくということになります。2桁の後、点が入って、点1、2という1桁あるいは2桁つくことがあるのですけれども、それは、病名のこともあるし、特定用語がついた病名のこともあると。
それで、コードのYは、他に特定されるというカテゴリーです。
Zは、特定不能というカテゴリーになります。
○黒木座長 ありがとうございます。
そうすると、AとBと続くのですね。
○神庭委員 はい、アルファベットではAからEまでに分類されています。
○黒木座長 それは、疾患群でいいのですか。
○神庭委員 はい、ブロックとしてですね。
○黒木座長 その次の番号は病名と続くのですね。
○神庭委員 はい、あと2桁で病名をコードしているということになります。それで、点が入って、もう一桁で病名の下位分類にひもづいているというものもございます。
○黒木座長 気分障害というと、今の気分症は、これもAに入るのですか。
○神庭委員 気分症は、6のAです。60が双極症、それで、6のAの20は統合失調症とコード化されています。
○黒木座長 そうすると、Aに統合失調症と気分症が入ると考えていいのですか。
○神庭委員 そうです。Bに不安、恐怖、強迫、ストレス関連症群、解離症群、ただ、この辺までは類似性があるのですけれども、Bの中には食行動症、摂食症というのも入ってきていて、ここは少し断絶があるかなと思います。
それで、C群には、物質使用症も入ってきています。必ずしも精神病性障害とか、神経症性障害とかというくくりで、A、B、Cが区分けされているわけではなさそうです。
○黒木座長 分かりました。なかなか難しいですね。
○神庭委員 そうですね、ちょっと難しいですね。
○黒木座長 先生方、いかがでしょうか。
田中先生、どうですか。
○田中委員 ありがとうございます。
特にありません。
○黒木座長 丸山先生、どうでしょうか。
○丸山委員 現行の精神障害の労災基準で、いつも最初に、精神障害の「あり」か「なし」かというところから始まりますね。
だから、精神障害というのを、これまでのICD-10で大まかに言えばFの0と1以外ですね。Fの2から2、3、4。5から9までは特別な扱いとして本省判断という形で、理解しやすかったのですけれども、ICD-11で言えば、大体6章ですね。しかしながら、7章も少し入るのかなとか、あるいは急性ストレス反応の扱い。これは、労災の精神障害でかなり多くの割合をこれまで占めていますが、精神障害とそもそも扱っていいのか、先ほど言ったように、まず、「あり」「なし」で言えば、厳密に言えば、「なし」になってしまうのではないかという話にもなりかねないですね。
だから急性ストレス反応を精神障害と扱わなくても、きちんとこれまで急性ストレス反応と認定されたものを追っていけば、最終的には多くがPTSDであったり、あるいはICD-11の適応反応症で収まるのであれば、それは現状の認定から漏れることはあまりないのかもしれません。その辺りが今ある資料では、なかなかつかみ難いのです。精神障害の労災認定フローチャートの大枠は、これまでいろいろな経過をたどって、かなり完成度の高いものができていると思うのですね。現段階で、それは迅速化にもつながっているので、その大枠は、やはり崩したくないと、個人的には思っています。そのためにも精神障害の疾患名が、うまく移行していけばいいのですが、ぶれない形で収まるのかどうかというところが少し心配な気はしています。
○黒木座長 ありがとうございます。
対象疾病をどのようにまとめるかということですね。
荒井先生、いかがでしょうか。
○荒井委員 神庭先生、とても分かりやすいプレゼンテーションをありがとうございました。
1つ心身症のことについて御指摘がありましたけれども、自律神経失調症という病名が、相当数が多いということを経験しております。私たちが関与している労災認定では、一般の労災認定では、自律神経失調症は対象疾病に入っていないのですが、今度のICD-11では、少し勉強不足で申し訳ないのですが、どこに入っているか御指示いただけるとありがたい。よろしくお願いします。
○神庭委員 ICD-11では、自律神経失調症は採用していないと思います。実に曖昧な病名で、いろいろな意味で用いられてきた病名だと思うのです。
それは、例えば、場合によっては鬱病と書く代わりに、身体疾患に近いような病名のイメージを持つ自律神経失調症というような形で、診断書の病名にしたりということが行われてきていたのではないかと思いますので、実際、11の統計分類の中で、その状態が何に当てはまるのかというのは、患者さんによってまちまちなのではないかなというのが、僕の印象でございますけれども、先生いかがでしょうか。
○荒井委員 ありがとうございました。
自律神経失調症自体が、通常の労災認定では、対象疾病になっていないのですが、一部の労災の場合には、自律神経失調症が精神障害と認定されているという事実がございまして、それのことをICD-11ではどのように切り分けたらいいかということについて検討するために質問をさせていただきました。大変参考になりました。ありがとうございました。
以上です。
○黒木座長 ありがとうございます。
自律神経機能不全というのは、身体表現性障害の部分にある程度書いてあるので、その辺を今までは応用しているような感じもあったのですけれども、確かに11になると、そこも少し検討していかなくてはいけないということですね。ありがとうございました。
ほかに御意見ございますでしょうか。
それでは、これまでの事務局の説明を踏まえ、この検討会で検討を行う論点の案について、事務局にて論点案をまとめております。
論点案について、事務局から説明をお願いします。
○小路中央職業病認定調査官 論点案につき、御説明をさせていただきます。お手元に資料を御用意ください。
資料の35ページ、論点案でございます。
ページ上部、現状のとおり、現行の認定基準における対象疾病は、令和5年報告書に基づきまして、ICD-10第5章に分類される精神障害です。
次に課題ですが、対象疾病は令和5年報告書において、ICD-11の日本語訳の確立を待って別途検討することが妥当と御判断いただいており、今般、検討を行う必要がございます。
論点としては、主に3点、基本的検討事項、診断ガイドライン関連事項、運用上の留意事項になるかと考えております。
内容の御説明に際しまして、現行の精神障害の認定基準の考え方を補足させていただきます。
労災補償におきましては、環境由来のストレスと個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まるストレス脆弱性理論を採用しており、環境由来のストレスの中で業務によるストレスが相対的に有力と認められる場合は、業務上の疾病であると認めております。
その上で、ICD-11では、単純にICD-10の疾患が置き換わったというものではないと認識しておりますが、ICD-11の第6章に分類された疾患は、この考え方に当てはまる疾患と認識して支障ないかという観点が根本にございます。
それでは、次のページを御覧ください。
35ページ、論点案1、基本的事項についてでございます。
では、論点案1、基本的事項は、上部青い四角が現在の取扱いでございます。
認定基準の対象疾病は、1点目のとおり、ICD-10第5章に分類される精神障害であり、器質性のものや有害物質に起因するものは除き、2点目として業務に関連して発病する可能性のある疾患は、主にF2からF4に分類される精神障害とされています。
3点目のとおり、器質性や有害物質による精神障害については、それぞれ器質性脳疾患に付随する疾病や化学物質による疾病として労災認定をされるか個別に判断とされております。
また、その下の青い四角のとおり、ICD-10のF0からF4に分類される精神障害を発病したと認められる者が自殺を図った場合は、正常の認識や行為選択能力が著しく阻害された等と推定し、業務起因性を認めるとしています。
この現在の取扱いを踏まえ、ページ下段の赤い四角のマル1、まず、対象疾病をICD-11に基づき整理した場合であっても、精神障害の発病に至る考え方は、ストレス脆弱性理論によることが、引き続き医学的に妥当といえるか。
マル2として、対象疾病はICD-11の第6章に分類される疾患を基礎として、その内容を検討していくということでよろしいか。
マル3として、ICD-10では、F2からF4までに分類される精神障害で、ICD-11第6章には入らなかった疾病の取扱いをどうするかの3点が案でございます。
次のページを御覧ください。
論点案2の診断ガイドラインの関連の事項でございます。
青い四角が現在の取扱いでございます。直近の令和5年報告書において、1点目のとおり、発病の有無、疾患名、発病時期はICD-10診断ガイドラインに基づき判断するとされており、2点目のとおり、治療歴のない自殺事案の場合も、ICD-10診断ガイドラインに示す判断基準を満たすと医学的に推定される場合は、当該疾患名の精神障害を発病したと取り扱うことが妥当とされております。
また、期間の関連ですが、4点目のとおり、F43.1、心的外傷後ストレス障害について、トラウマ後数週から数か月にわたる潜伏期間(しかし6か月を超えることはまれ)を経て発症ですとか、F43.2、適応障害について、通常ストレス性の出来事から1か月以内の期間を引用しております。
下段の赤い四角のマル1のとおり、この現在の取扱いを踏まえて、発病の有無、疾患名、発病時期は、診断ガイドラインに基づき判断することとしてよいか。
2点目として、期間に関する記述につきましては、引き続き維持をするということでよろしいかということが2点目の論点案でございます。
1ページおめくりください。論点の3点目でございます。
3点目は、認定基準の運用上の事項でございます。
青い四角が現在の取扱いですが、直近の令和5年報告書において、ICD-10のF5からF9に分類される対象疾病に関する請求が行われた場合、本省へ協議し、個別ごとに検討し、判断するという運用としております。
この現在の取扱いを踏まえ、ページ下段の赤い四角マル1、ICD-11に準拠して、F5からF9に分類される精神疾患については、引き続き本省協議の対象とすることとしてよろしいか。
2点目として、もしICD-10に基づく疾患名で今後請求が行われた場合、どのように取り扱うべきかの2点が論点案でございます。
御説明は以上でございます。御議論のほど、お願いいたします。
○黒木座長 ありがとうございました。
神庭先生からの御説明や、事務局から出された論点案については複数の事項があり、本日の検討のみで結論を導き出すことは困難と思われます。次回以降深掘りした議論を行うこととして、本日は、まず論点案について御議論いただきたいと思います。
まずは論点1について、何か御意見等がありましたら、挙手をした上で御発言ください。よろしくお願いします。
どうぞ。
○田中委員 では、私から、田中です。
具体的な内容についての検討は、またこれからということですけれども、ただ、論点1の最初にあるストレス脆弱性理論によることについては、かなり基本的なところですので、今日少し詰めてもいいかと思いますけれども、これについては、現代精神医学でも妥当なモデルになっておりますし、ICD-11でも否定しているわけではありませんし、また、個人要因とか、職場の相互作用を扱う労災の判断基準としては非常に合っているものであると思いますので、私はこれについては、このまま運用していくことが大事かなと思っております。
また、少しあれですけれども、自殺の取扱いなどについても、その次の論点にもありましたが、あくまで、これはどちらかというと制度的なセーフティネットの役割を大きく果たしているところもあると思いますので、ICD-11によって、この範囲とか取扱いを縮小させるということは。
○黒木座長 すみません、まず、論点1で。
○田中委員 ごめんなさい。全体的にはICD-11で制度を充実させるというよりは、現行の労災制度の趣旨に基づいてICD-10を使うという基本的な姿勢で取り組むのがいいのかなと思います。
○黒木座長 ありがとうございます。
丸山先生、いかがですか。
○丸山委員 ストレス脆弱性理論に基づくというのは、精神障害の労災において対象疾病をどこまで入れるかという議論で、大事だと思います。
つまり、統合失調症等、F2の疾病が入っているわけですが、それを入れる根拠として、かなりこの理論は寄与していると思います。したがって、今回以降の議論の中でも、これに基づいて議論していくのが正しいと思います。
○黒木座長 ありがとうございます。
神庭先生、なにか御意見ございますか。
○神庭委員 私もストレス脆弱性理論ということに基づいて判断していくというのは、今、様々な医学的な研究が行われていますけれども、妥当なのではないかと思っております。
○黒木座長 ありがとうございます。
荒井先生、いかがでしょう。
○荒井委員 ストレス脆弱性モデルにつきましては、自分の経験あるいは自分の思考の範囲の中で根強くあるものですし、そういう証明もございますので、今までどおり維持することが妥当だと、今、思います。
それから、対象疾病については、今、黒木先生からも全体の流れの方向性が出されましたけれども、基本的には6章といいましょうか、6の数字をつけるものを基本的には対象として、その中で労働と相当因果があって発病し得る疾患を、今まではF2、F3、F4だったのですが、それと同じ、これは同じような経験を持った医師たちが議論して、F2、F3、F4に相当するような疾患、あるいはICD-11で新たに加わったもので、就労との相当因果があるものについては、採用するかどうかについて検討するということでいいのではないかと思います。
以上です。
○黒木座長 ありがとうございます。
論点1に関しては、赤枠で囲まれているように、労災認定の現行基準が基本としているストレス脆弱性理論によることが、医学的に妥当と。それから、ICD-11の6章に分類される精神障害を基礎とすると。
そして、Fの2から4で含まれないものも、対象疾病とするということでよろしいでしょうか。大丈夫ですか。
どうぞ。
○田中委員 具体的に、この論点1のマル3ですね、ICDでF2からF4に分類される精神障害であって、ICD-11の第6章に分類される精神疾患に含まれないものというのは、基本的に、これまで決定された疾患においては、具体的に急性ストレス反応に絞った議論という形でよろしいでしょうか。
○黒木座長 はい。
○田中委員 分かりました。
○黒木座長 ありがとうございます。
それでは、次に論点案2について、何か御意見等がありましたら、御発言をお願いします。
荒井先生、いかがですか。
○荒井委員 これは、現在、行われているのは、被災者に対する配慮あるいは精神医学の限界を踏まえた判断でありますので、引き続き、ICD-11で診断できる、できないということだけに依拠しないで判断していくということでいいと思います。ですから、考え方とすれば、今までどおりでよろしいのだろうと思います。
期間については、これは今すぐに結論が出せない、いろいろなというか、まず翻訳ができて、それが多くの研究者あるいは臨床家、その他一般の方が理解できた時点で、その期間について、どのように扱うか議論をしたらいいと思います。今、期間を具体的に出されても、その妥当性について判断する材料が少ないと思います。
以上です。
○黒木座長 ありがとうございます。
神庭先生、この論点2については、いかがでしょうか。
○神庭委員 11の先ほどの診断要件、10でいう青本に当たるもの、これの日本語版が出てくるのが、恐らく今年の夏になるのではないかと、今、初稿が出版社のほうにわたったところなのですけれども、まだ、これからかなりの校正作業が必要になりますので、夏になると思います。
それで、精神神経学会としては、今まで学会の年次総会あるいはホームページ等で、勉強の機会や資材を提供してきているのですけれども、皆さん、まだ、11に切り替わっていないから勉強しないでいいやという姿勢でいらっしゃるので、実際に切り替わるということが、来年の1月に始まり、それも徐々にということなのだろうと思うのですけれども、そうなったところで勉強を始められると思うので、やはり一定期間の猶予、10と場合によっては並行していくという期間があってもいいのかもしれないなと思います。
○黒木座長 ありがとうございます。
丸山先生、お願いします。
○丸山委員 労災の対象疾病として、急性ストレス反応が出てきたのですが、先ほど、田中先生が念押しをされて確認された点はそれでよろしいのでしょうか。つまり、急性ストレス反応を精神疾患として扱うということでよろしいのですか。あるいは、精神疾患とまで言い切れないまでも、労災対象の疾病として扱うということでよろしいということでしょうか。これについては、今すぐさま決めるのではなく、少し議論を重ねた上で決定されたほうがいいのではないでしょうか。
そうでなければ、先ほど申し上げました、現行の精神障害の労災認定基準の最初にきますね、精神障害の「あり」「なし」というのが。これは、「なし」の方へ入れることになるわけですね。その場合、どういう表現にして入れるのかというのがすごく悩ましいです。
特にICD-11では、疾病化をできるだけしない方向でつくられてきていると思うのです。ですから、急性ストレス反応も24章に移ったわけで、なぜそもそも24章に移って、6章にとどまっていないのかというところも、よく議論した上で考えていかなければなりません。簡単に精神疾患として扱うみたいな、これまでの長い流れがあるので、それを踏襲して、そういう方向なのだろうと思いますけれども、それは議論し整えるべき論点だと思います。
○黒木座長 どうぞ。
○田中委員 すみません、私、先ほどの確認は、その決定ではなくて、議論の対象となるものがそれですねということで、それは、本当にこれからの議論の中心になるようなものだと思いますので、まだ現時点で云々ということではありません。
あと、特に論点2については、ICD-11になっても、発症の有無や疾患名、発症時期については、やはり基本となることと思いますので、一応確認の論点としてとても大事なものだと思いますし、期間もとても重要なところですので、これは論点として大事なポイントだと思っております。
○黒木座長 ありがとうございます。
論点2については、最初、田中先生がおっしゃった24章、丸山先生もおっしゃいましたけれども、これをどのように把握していくかということは、今後、検討課題ということにさせていただきます。
それでは、次に論点3について、何か御意見がありましたら御発言をお願いいたします。
では、田中先生から、どうぞ。
○田中委員 論点としては、とても運用上大事なポイントだと思っております。
実際には、議論の中身というわけではないのですけれども、本省の負担とか、あと、基本的にこういった場合に、多くの場合、公式なマッチングみたいなものをある程度公式につくってやるとか、いろいろ方法はあると思いますが、これについても、やはり議論の対象として論点として大事なポイントだと考えております。
○黒木座長 ありがとうございます。
丸山先生、いかがでしょうか。
○丸山委員 これは、先ほどのストレス脆弱性議論と関係するところで、基本的には労災もできるだけ幅広く対象疾病を拾っていこうという視点で、これまで来ているのだと思います。
ですから、F0とF1はともかくとして、F2から9までは一応検討対象とするということだと思いますので、これは続けられたらいいと思います。
それから、2番目のICD-10に基づく疾患名で請求があった場合にはという話ですが、これは、結構日常臨床で「うつ状態」であったりとか、いろいろな状態でも病名をつけていますね。先ほどの自律神経失調症とか、医師の意見書を出してもらうときに、ICD-10では何かということを書いてくださいと求めて、それでも、なかなかそれに基づいて書かれない先生も結構おられますね。
それについては、地方労災医員とかが検討の上、ICD-10の病名を当てはめて確定すると、そういう流れはともかく、主治医意見書の診断名をICD-11で書いてくださいと求めても、ICD-10で書かれたり、場合によってはDSM-5-TRで書かれたり、いろいろな形、もっと古かったり、曖昧な病名で書かれる主治医もおられるかもしれません。それは我々労災医員の方で整えていけばよい話なので、これは、そのように扱っていけば、これまでと同様でよいと思います。
○黒木座長 ありがとうございます。
神庭先生、いかがでしょうか。
○神庭委員 僕は、1も2も妥当ではないか、2のほうは、10に基づく疾患名で請求があれば、それは移行期間に関しては、11に置き換えていただくということを求めてもいいと思うのですけれども、分からぬという方に、10の病名を扱ってもいいのかなと、一定期間ですね、そういう猶予期間を設けて、でも、どこかで切り換えないと、だらだらといつまでもということにもなりかねないなと思います。
それで、10の疾患名を11の疾患名に対応させる対応表を、これも作成しようとは思っています。
ただ、今まで議論にありましたように、10と11と完全にパラレルに変更されたわけではないし、身体的苦痛症みたいな疾患概念自体が大きく変わっているものもあって、個々の患者さんによって対応病名が変わるという可能性も大いにあるので、そういう対応表をつくりますけれども、機械的には運用できないのではないかなというのが、今の僕の推測です。
以上です。
○黒木座長 ありがとうございます。
荒井先生、いかがでしょうか。
○荒井委員 この対象疾病については、ICD-11の一部あるいは全部を採用することになるかと思いますが、そこについては、まだ、これからの議論かなと思っております。
それから、ICD-10で回答をしていただいた先生については、そういうものが一定の、このICD-11に対する適用期間がどれくらいかというのがあると思うのですが、神庭先生がおっしゃるように、より厳しくしないとだらだらいってしまう危険もありますけれども、一定期間を限って、ICD-11とICD-10の病名の併記をする、あるいは一方だけ書く、どちらでも成立するという移行期間を設けるのがいいのではないかと考えていますが、これは、皆さんの御意見を聞きながら検討したらいいと思います。
以上です。
○黒木座長 ありがとうございます。
これは、来年の1月からということですけれども、何か本省のほうからいつまでにとか、そういう情報はあるのですか。
○小路中央職業病認定調査官 事務局でございます。特段、いつまでに何をどうするというところでの決まったものがあるわけではありませんが、総務省の告示上で、令和9年1月1日からという形になっております。
○黒木座長 分かりました。
様々な御意見、本当に貴重な御意見、また、神庭先生からは、委員会の方向とか、精神神経学会のICD-11の動向について御報告いただき、ありがとうございました。
今後の検討会では、本日の御意見を踏まえ、進めてまいりたいと思います。
本日の全体の議論を通じて、御意見、御質問のある方がいらっしゃいましたら、御発言をお願いしたいと思います。
先生、どうぞ。
○田中委員 すみません、先ほど神庭先生からもありましたように、疾患概念が変わったものとかもあって、例えば、65%を占める適応反応症と、かなり中核的な要件が変わったところがあります。そういったところも論点の中に入れるという理解でよろしいでしょうかね。
○黒木座長 それは、どうでしょうか。
○小路中央職業病認定調査官 御指摘のとおりでございまして、おっしゃるように、疾患の概念が変わってしまったものですとか、身体表現性障害等新たなもの、種々そちらは引き続き検討の課題としてお諮りしてまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○黒木座長 ほかにはいかがでしょうか、よろしいでしょうか。
神庭先生もよろしいでしょうか。
○神庭委員 はい、ありがとうございます。
○黒木座長 それでは、本日の検討会は、これで終了ということにいたします。
次回は、各種論点に沿って検討を進めていきたいと思います。日程等を含めて事務局から、何かありますでしょうか。
○三浦職業病認定対策室長補佐 ありがとうございました。
長時間の御議論、誠にありがとうございました。
ただいま座長から御発言がありましたとおり、次回は各論点について御議論いただく予定としております。
次回の検討会の日時や、開催場所等につきましては、後日改めて御連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、お忙しい中、大変ありがとうございました。

