2024年2月22日 費用対効果評価専門組織 第10回議事録

日時

令和6年2月22日13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、薄井 紀子専門委員、谷口 修一専門委員、福田 敬専門委員、国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ エプキンリ皮下注に係る分析枠組みについて

議事

○費用対効果評価専門組織委員長
では、続きまして、次の品目に入らせていただきます。
エプキンリ皮下注に係る分析枠組みについて御議論をいただきたいと思います。
エプキンリ皮下注に係る分析枠組みについて御議論いただきますが、まずは事務局から説明をお願いいたします。

(事務局より説明)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。

(意見陳述者入室)

○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長です。
早速ですが、10分以内でエプキンリ皮下注に係る分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて質疑応答をさせていただきます。
では、始めてください。

○意見陳述者
ありがとうございます。
意見陳述者の○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、2ページ目を御覧ください。
本日のお話の流れを3つまとめてございます。まず最初にエプコリタマブの概要、2番目に主な臨床試験の結果について、最後に分析の枠組みについて御紹介をさせていただきます。
3ページ目を御覧ください。
エプコリタマブの概要についてです。エプコリタマブはT細胞表面のCD3及び腫瘍細胞表面に存在するCD20に特異的に結合する二重特異性抗体でございます。CD3とCD20に同時に結合することで、CD20陽性細胞に対して、T細胞を介した細胞障害作用を誘導いたします。このエプコリタマブは、海外第Ⅰ/Ⅱ相試験及び国内第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果を基に、国内で昨年承認を頂戴しました。皮下で投与される薬剤でございまして、単剤で用いられます。
効能・効果については、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫として、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の3病型及び再発または難治性の濾胞性リンパ腫の4つが記載されてございます。ただし、濾胞性リンパ腫に関しましては、病理医の先生の御判断でGrade 3Bと判定されたものに限るとされております。
また、もう一つ、注意に関する部分で、少なくとも2つ以上の標準的な治療が無効または治療後に再発したというふうに記載がございますので、実際は3次治療以降で使われるお薬になります。
4ページ目を御覧ください。
先ほど御紹介しました4病型でございますけれども、基本的にはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と同じ治療で実際に考えられますので、ここではDLBCLの最新のガイドラインをお示ししております。具体的には2次治療以降になりますので、1次治療としましてはCD20抗体を含む多剤併用化学療法が実施され、そこから再発された患者様がこの2次治療というふうになります。このDLBCLでは、2次治療として大きく3つの治療が選択されます。1つが自家造血幹細胞移植で、その自家造血幹細胞移植が適応にならない患者様は救援化学療法で、可能な方に関してはCAR-T細胞療法、この3つでございます。それらの治療を施行されても再発された患者様というのが3次治療になりますので、この4ページ目の3次治療というふうに記載されている部分がその対象になります。
この3次治療としましては、具体的にガイドライン上どうなっているかといいますと、CAR-T細胞療法、救援化学療法、それから同種の造血幹細胞移植療法の3つが治療法として述べられてございますけれども、その中で救援化学療法に関しては、左下のボックスに囲わせていただいておりますけれども、そちらにございますとおりCD20抗体を含む多剤併用化学療法というのが複数レジメン、ガイドライン上記載されておりまして、また、これに関してそれぞれの優劣は明らかではないというところも明記されている状況でございます。
続きまして、弊社、○○のほうから臨床試験について御紹介をさせていただきます。

○意見陳述者
それでは、資料の5枚目から主な臨床試験成績について御紹介いたします。ここでは特に海外第Ⅰ/Ⅱ相試験の第Ⅱ相パート、aNHLコホートについて御紹介します。
6枚目を御覧ください。
本試験は、再発または難治性のB細胞性ノンホジキンリンパ腫の患者様を対象にエプコリタマブの有効性と安全性を評価するために実施されました。試験内には対照群のない単一アームの試験となっております。また、aNHLコホートには、本剤の適応の対象となっておりますアグレッシブなB細胞性のノンホジキンリンパ腫の患者様が組み入れられております。また、主な組み入れ基準の1つとして、抗CD20抗体を含む2つ以上のレジメンで治療を受けていらっしゃることと規定されておりました。疾患進行や許容できない有害事象もしくは試験終了時まで本剤の投与を継続する試験デザインでした。
主要評価項目は、全奏効率となっております。
本日御紹介するデータは、データカットオフが2022年1月31日、追跡期間の中央値は10.7か月となっております。
7枚目を御覧ください。
実際に御参加いただいた患者様の背景情報をおまとめしております。全体集団において年齢は中央値にして64歳。75歳以上の方が2割弱含まれております。病型として最も多かったのはDLBCLで、9割弱含まれておりました。また、リンパ腫の診断から本剤の初回投与までの期間は中央値にして1.6年となっております。
8枚目を御覧ください。
前治療歴についておまとめしております。右の表から御説明しますけれども、前治療のレジメン数は中央値にして3レジメンです。1.6年の間に2つ以上のレジメンで治療を受けていらっしゃる進行の速い方たちが多く含まれていることになります。
また、1次治療もしくは連続する2つ以上のレジメンに対して難治性を示された方がそれぞれ61%と75%含まれていました。既存治療に対して難治性の高い患者集団であると考えております。
また、左の表にお示ししていますとおり、自家造血幹細胞移植を既に受けていらっしゃる方が2割弱、CAR-T療法を受けていらっしゃる方が4割弱含まれておりました。
9枚目を御覧ください。
主要評価項目となる全奏効率は全体集団において63.1%、DLBCLの集団において61.9%でした。95%信頼区間の下限があらかじめ規定されていた閾値を超えていたことから、臨床的に意義のある奏効が得られたものと考えております。また、病型による顕著な違いは認められておりません。
10枚目を御覧ください。
全生存期間に関しましては、データカットオフ時点で全体集団において中央値未達となっております。9か月時点の全生存率が63.9%となります。
11枚目を御覧ください。
本試験で10%以上の頻度で報告された主な有害事象をおまとめしております。最も高頻度で報告されているのはサイトカイン放出症候群で全グレードで49.7%、グレード3以上が2.5%となっております。それ以外には発熱や疲労、好中球減少症などが多く報告されております。総じて本剤の投与に伴う有害事象は、適切な予防措置及び支持療法により管理可能なものであったと考えております。
12枚目を御覧ください。
本日詳細は割愛させていただきますけれども、国内においても類似の第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施しております。日本人の集団においても海外試験と一貫した有効性と安全性とが認められております。
臨床試験成績については以上となります。
続いて、○○から分析枠組みについて提案させていただきます。

○意見陳述者
ありがとうございます。
それでは、具体的に御提案をさせていただきます。
本製品でございますけれども、エプコリタマブ、遺伝子組換え製品として、製剤としては2つございます。4ミリと48ミリでございます。算定方法は類似薬効比較方式、類似の技術はブリナツモマブを選定いただきました。有用性加算に関してはありということで、加算率を10%頂戴しております。
14枚目を御覧ください。
分析対象集団としましては、適応症と同じDLBCL、HGBCL、PMBCL、それからFLのグレード3Bと4病型を挙げさせていただいております。
分析対象集団を設定した理由の部分でございますけれども、CAR-T細胞療法の実施が日本では非常に限定的ですので、その部分を除外させていただくということを記載させていただいております。
比較対照技術としては、救援化学療法かつそのうち最も安価なものもという提案をさせていただいております。
その理由でございますけれども、繰り返しになりますが、この4病型、DLBCLに準じた治療が選択されております。また、診療ガイドライン上、3次治療としてはCAR-T細胞療法、救援化学療法、同種造血幹細胞移植療法の3つが記載されてございますけれども、CAR-T細胞療法の治療は様々な理由から国内では限定的でございますし、同種造血幹細胞移植療法に関しましては、ガイドライン上、臨床試験で実施するようにというような記載がございます。そういった意味で救援化学療法が最も一般的な治療であると考えております。また、ガイドライン上、それらの優劣は明らかではないというふうにされておりますので、そういう意味で、最も安価なものというような御提案をさせていただいております。なお、こちらにつきましては、公的分析班の皆様とも合意した内容となっております。
最後の15枚目を御覧ください。公的医療の立場以外の分析の有無に関しては、なし。効果指標としてQALY以外を使う場合は該当せずと記載させていただいております。
その他の部分でございますけれども、先ほど臨床試験で御紹介しましたとおり、本薬剤はフェーズⅡの単アームの結果で承認をいただいておりますので、グローバル試験として検証試験が実際に動いております。フェーズⅢ試験でございますけれども、そちらの結果が出た場合には、その結果を基に再検討するようにという御指示をいただいております。
また、もう一つでございますけれども、感度分析としてポラツズマブベドチン併用ベンダムスチン・リツキシマブ療法を比較対照技術とした場合の分析も実施するようにというふうに御指摘いただいておりますので、その部分も記載してございます。
以上で発表を終了させていただきます。ありがとうございました。

○費用対効果評価専門組織委員長
では、委員の方々及び企業から御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。
では、○○先生、お願いします。

○○○委員
ありがとうございます。○○でございます。
1つ質問なのですけれども、EPCORE試験ですが、先ほども理由はお聞きしたのですけれども、海外の試験では前治療にCAR-T療法が入っていますね。国内ではいろいろな事情で入れていないということなのですけれども、治療の内容からすると非常によく似ているところもあるので、今後は比較が必要になってくるかと思います。未来を見据えて質問させていただきたいのですけれども、海外のデータでCAR-T療法が前治療に入った方の治療効果はサブセットアナリシスで出ていると思うのですが、いかがだったのでしょうか。教えていただければありがたいです。

○意見陳述者
御質問ありがとうございます。〇〇から御回答させていただきます。
CAR-T療法既治療もしくはCAR-T療法ナイーブな方たちとで分けたサブ解析を実施しております。現時点までに得られている海外第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果の中では、CAR-T療法の既治療もしくは未治療に応じた有効性の違いは特に認められていないという状況になります。

○○○委員
ありがとうございます。
それとつながる質問なのですけれども、今、御説明があったように、EPCOREのDLBCLの試験ですけれども、これはインクルージョンクライテリアにCAR-Tを除いているのでしょうか。日本と同じような感じになるのでしょうか。すみません。論文を読んでいないので教えてください。

○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
CAR-T療法歴については、本試験でも許容をさせていただいております。

○○○委員
ありがとうございます。
以上です。

○意見陳述者
ありがとうございます。

○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。
企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。

(意見陳述者退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、エプキンリ皮下注に係る分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。
臨床の先生方からまず御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○○先生、お願いします。

○○○委員
○○です。ありがとうございます。
分析枠組みはおおむねリーズナブルだと思いますし、これでよろしいと思います。意見書に書いたのですけれども、先ほど質問した内容なのですが、CAR-T療法とBiTE療法は非常によく似ているので、今後は比較ということはしていく必要があるかと存じます。日本の場合はCAR-T治療を実施できる医療施設が限られており、なかなか実施できませんが、保険適用でも3種のCAR-Tが使えるような状況ですから、今後は条件が整ってくれば患者さんも増えてくるという状況だと思います。海外の試験が先行していますから、それを見ながらということになると思いますが、当座は御提案の分析枠で宜しいと思っております。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
○○先生、いかがでしょうか。

○○○委員
私は、まず海外のⅠ/Ⅱ相試験の結果なのですけれども、自家移植の後の再発例が2割弱、CAR-T療法の再発例が4割弱入った集団で奏効率も高く、かつ、これはフェーズⅠ/Ⅱ試験ですから、全生存期間の正確な評価をするのは危ないと思いますが、全生存期間でも1年でも7割ぐらいの方が生きておられます。これは私どもにとっては結構驚愕的なデータであります。ですから、この薬剤をこの分析枠組みの中で正確に評価していただければありがたいなと思いました。
今、○○先生がおっしゃったCAR-T療法の比較に関しては、これは絶対に今後必要なことで、CAR-T療法は驚くような値段の薬でありますし、手間もかかり、時間もかかります。だから、そういったことを今後評価していただければ、臨床の現場は非常に助かるだろうなというふうに感じました。
以上です。

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
CAR-T療法の取扱いについての御意見であったかなと思いますが、その他、委員の先生方、いかがでしょうか。特段ございませんでしょうか。よろしいですかね。
それでは、議決に入らせていただきます。
議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いできますでしょうか。

(○○委員退室)

○費用対効果評価専門組織委員長
それでは、○○委員を除く先生方の御意見をまとめますと、エプキンリ皮下注に係る費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。

(首肯する委員あり)

○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。