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第13回薬剤耐性(AMR)に関する小委員会
健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課
日時
令和8年3月2日(月)10:00~12:00
場所
AP東京八重洲Bルーム(13階)
議題
(1)薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの進捗について
議事
- ○小谷室長 定刻となりましたので、ただいまから、第13回「厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の小谷と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。
傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
本日は、WEB会議で開催することとしております。
WEB会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、委員長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
WEB会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、今回から新しく薬剤耐性(AMR)に関する小委員会に加わられた委員を御紹介いたします。
京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学教授、京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部の長尾美紀委員になります。よろしくお願いいたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認を踏まえ、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。五十音順に失礼いたします。
浅井委員。
○浅井委員 浅井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。大曲委員。
○大曲委員長 大曲です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。川名委員。
○川名委員 川名です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。北原委員。
○北原委員 北原です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。島田委員。
○島田委員 島田です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。菅井委員。
○菅井委員 感染研の菅井です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 お願いいたします。関谷委員。
○関谷委員 関谷です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。田村委員。
○田村委員 田村でございます。おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。長尾委員。
○長尾委員 京都大学の長尾です。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。中村委員。
○中村委員 京都橘大学の中村です。よろしくお願いします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。松本委員。
○松本委員 日本看護協会の松本です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。吉野委員。
○吉野委員 日本歯科医師会の吉野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
また、本日は参考人として、国立国際医療センターAMR臨床リファレンスセンターより松永様の御参加をいただいております。
○松永参考人 松永です。よろしくお願いいたします。
○小谷室長 よろしくお願いいたします。
以上、現在、薬剤耐性(AMR)に関する小委員会委員15名のうち15名全員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
なお、これ以降は、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
配付させていただいた資料は、議事次第及び委員名簿、座席図、資料1、資料2、資料3、参考資料1~6になります。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は大曲委員長にお願いいたします。
○大曲委員長 おはようございます。改めまして、大曲です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速始めてまいります。
最初は、議題1の「薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの進捗について」の説明、事務局から説明をお願いします。
○中村補佐 それでは、資料1を御覧ください。
資料1は、主に厚生労働省で実施した活動を中心に、AMR対策アクションプランの進捗をお示ししております。
2枚目のスライドでは、令和7年度の主な実施内容をお示ししており、目標1から目標6において、厚生労働省実施分についてチェックマークをつけております。
これらの活動について、以降のスライドでまとめております。なお、各目標と付随する戦略については、参考資料6を御参照ください。
3枚目のスライドでは、アクションプランの成果指標について、2024年のデータを更新し、お示ししております。
微生物の薬剤耐性におきましては、2023年とほぼ変わらない状況です。抗微生物剤の使用量においては、2024年は増加しており、特に経口フルオロキノロン系薬、経口マクロライド系薬が増加しております。こちらについては資料3に詳細な記載があることから、後ほど大曲委員長のほうから御言及いただきたく存じます。
4枚目のスライドは、目標1の普及啓発・教育に関する活動をお示ししております。
昨年度と同様に記者勉強会を10月に開催しております。
また、新たな活動として、こども霞が関見学デーをAMR臨床リファレンスセンターと共にブースを出展し、普及啓発活動を行いました。
5枚目、6枚目のスライドは、目標2の動向調査・監視に関連する活動をお示ししております。
5枚目のスライドでは、感染症発生動向調査における届出基準変更等に関する活動についてお示ししており、6枚目のスライドでは、ワンヘルス動向調査に関する活動をお示ししております。
7枚目のスライドですが、目標3の感染予防管理に関する活動のうち、地域連携に関する活動をお示ししております。
地域連携の重要性については、平成28年の第1回のAMRに関する小委員会でも議論されております。地域感染症対策ネットワークの現状及びその課題について、都道府県と保健所設置市に対しアンケート調査を実施しました。多くの都道府県と保健所設置市から回答いただき、地域感染症対策ネットワークの形成状況及び課題が明らかとなりました。
8枚目のスライドは、目標4の抗微生物剤の適正使用に関する活動をお示ししております。
令和7年度は、「抗微生物薬適正使用の手引き」を第四版として改訂を行いました。これまでの内容を医科編として内容を更新するだけでなく、新たに歯科編及び歯科編要約版を書き下ろして、令和8年1月16日に発出しております。
また、抗菌薬分類の活用に関する方向性についても、10月に行われた第12回のAMRに関する小委員会で議論いただいているところです。
9枚目~13枚目のスライドは、目標5の研究開発・創薬に関する活動をお示ししております。
9枚目、10枚目は、令和7年度に行われた厚労科研及び特別研究についての進捗状況をお示ししております。
11枚目、12枚目のスライドは、予防・診断・治療手段の確保に関連し、危機対応医薬品等、メディカルカウンターメジャー(MCM)に関する動きをお示ししております。
11枚目のスライドですが、第10回危機対応医薬品等に関する小委員会にて、AMRに関する一部の診断技術、抗菌薬に関して、開発優先度が高いと評価されていることをお示ししております。
12枚目のスライドですが、2月24日に公表されました感「感染症危機対応医薬品等(ワクチン、治療薬、診断薬等)開発・生産体制強化に関する感染症協議会提言」の内容をお示ししております。
今後のAMR対策においては、MCM戦略も踏まえて推進する必要があるところです。
13枚目のスライドは、戦略5.6に関わる活動として、抗菌薬確保支援事業の令和7年度の状況をお示ししております。
14枚目のスライドは、目標6の国際協力に関わる活動をお示ししております。
先週行われました、Tokyo AMR One Health Conference 2026の概要をお示ししております。
15枚目のスライドは、AMR対策の関連事項として、診療報酬改定、薬機法改定、医薬品安定供給支援補助金などの動きについてお示ししております。
最後のスライドでは、令和7年度の実施内容を改めてお示しした上で、令和8年度の検討課題をお示ししております。
令和8年度に重点的に取り組みたい項目として、国民の認知度向上に関する検討及び医師会や歯科医師会を含めた医療従事者へ、抗微生物薬適正使用の手引き第四版の普及と啓発を挙げております。
また、並行して、令和8年度は次期AMR対策アクションプラン改定に向けての準備を進める方針です。
以上で資料1の説明を終わります。
○大曲委員長 御説明ありがとうございました。
それでは、今の御説明に関して、委員の先生方から御質問はございますでしょうか。
田村委員、お願いします。
○田村委員 田村でございます。おはようございます。
事務局の方々におかれましては、包括的で非常にたくさんの内容を非常に分かりやすく短時間で御説明いただきまして、本当にありがとうございます。
今から、私からお話させていただく内容につきましては、恐らくこれから続かれます菅井先生、それから大曲先生がお話をされる内容にも関連すると思いますので、そこでコメントいただく部分でも結構かと思いますけれども、4つほどお話をさせていただければと思います。
まず、1つ目でございますけれども、スライドの3枚目にございました部分に関連するところでございます。AMR対策アクションプラン関連ということでございまして、2025年の国連総会AMRに関するハイレベル会議の宣言におきまして、本年、2026年の国連総会の提案として、2030年までに細菌性AMRに関連する世界死亡を10%削減するということを主要な目標とされているところでございます。グローバルな疫学の状況とか、医療体制は我が国は全く異なる状況ではございますけれども、これらにつきましても、次期アクションプランにおいてAMRにおける死亡率を指標とすることも一つ考えてもいいのではないかということで1つ目のコメントでございます。
それから、2つ目、6枚目の関連、戦略2.5部分でございます。市民啓発に関しましては、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書案をお示しいただいているところでございます。本当に大部、御苦労さまでございます。
この中で8番、「日本における薬剤耐性に関する国民意識」に言及がございますけれども、この中で、国民意識を変えていくために、行動経済学的手法を含め、というくだりがございます。これにつきまして、具体的にどのようなことを実施、また御検討されようとされているのか、ぜひ御教示をいただければと考えている次第でございます。
私ども製薬協といたしましても国民啓発活動を頑張っているところでございますけれども、なかなか認知を上げていくに至っていないというところでございます。ぜひこういった御知見もいただきながら、方向性を共に同一に持っていきながら、我が国全体として成果につなげていければと考えている次第でございます。
それから、12枚目、戦略5.3、5.4関連でございます。製薬企業が持続的に研究開発及び製造を行うためにも、買上げ等支援を通じて事業の予見可能性を高める等、環境整備を行うとしていただいているところでございますけれども、この辺り、具体的に今後検討が進む部分はあると思いますけれども、何か想定されているものがあれば御教示いただければということでございます。
また、薬剤耐性対策アクションプラン全体の進捗を踏まえまして、今後の検討のタイムラインなども可能な範囲で御教示いただければと考えている次第でございます。
長くなりまして恐縮です。最後、16枚目、5.5関連で少しだけお話をさせてください。抗菌薬確保支援事業の評価法の検討及び評価というところが5番の一番下のところに文字としてなっているかと思います。令和7年度でも挙げていただいた内容でございまして、評価法の検討につきましては一定程度なされたと思っております。御対応いただきまして、どうもありがとうございました。あと残っておりますもう一つの目的、開発の促進というところでございます。これを含めた事業全体の評価について、検討状況を可能な範囲でお聞かせいただければということでございます。
また、今後、これに関しましては、関連の企業、特に採択された企業でいろいろな知見を持っている部分もあると思いますので、ぜひ企業の声もお聴きいただきながら、よりよい形になっていくように議論させていただければと考えている次第でございます。
私から4点、以上でございます。どうもありがとうございました。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは一つ一つといいますか、委員の先生の御質問ごとに行きましょうか。事務局からお願いしてもよろしいですか。
○中村補佐 ありがとうございます。事務局です。
国連総会のAMRに関するハイレベルミーティングで提言されました10%の死亡数削減におきましては、その点も根本に考慮しつつ、日本の文脈でアクションプランの検討というものを進めてまいりたく存じます。
2つ目の御質問ですけれども、国民における行動経済学的手法を含め、その具体は何かという御質問でございますけれども、その点におきましても引き続き検討していくという形になってまいります。追ってAMR臨床リファレンスセンター、大曲先生のほうからも、そちらに関する言及がありましたら幸いでございます。
3つ目の質問から、小谷室長、お願いいたします。
○小谷室長 3つ目の御質問、基本的には4つ目ともかぶる部分があるかなとは考えておりますが、いずれにせよ抗菌薬及び感染症に関するTDMについて言うと、市場予見性がなかなか立ちづらいという中において、そういった中においても国民の健康安全を守るためにも必要な支援を実施していくということについては、我々として、政府全体としても重要な要素として取り組むべきものと考えております。
御存じのとおり、先日、感染症協議会の中においてもこういった提言をいただき、改めて政府の中での検討が進んでいるところでございます。まだ具体的にどういったものがあるのかということについては、より精緻的な検討が必要かと考えておりますが、我々としてはそういった姿勢をまず示しながら、研究であるとか、費用であるとか、そういったものも何らかの形で考えていきつつ、抗菌薬等が買上げの本当に適正になるのかということについても議論があるところかと思いますが、総体として感染症に対応するための企業の方々との連携の中で、物品必要なMCMの確保というのは取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上になります。
○田村委員 承知しました。どうもありがとうございました。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、川名委員、お願いします。
○川名委員 日本薬剤師会の川名です。御説明ありがとうございました。
私からは、7ページ目のことについて、地域感染症対策ネットワークの有無というところのアンケート結果について質問をさせていただきたいと思います。
この調査で、ネットワークがない理由として、医療機関などから要望がないという回答が多く見られておりますけれども、地域感染症対策ネットワークというのは、どのようなネットワークを想定されているのでしょうか。例えば薬剤師会では、むやみに抗菌薬を欲しがらない市民を育てようと啓発活動を頑張っていまして、ようやく薬剤師の中では全国的な取組に広がってきたところであります。この取組を、地域によって自治体と一緒にやりたいというような働きかけを行っているところもあるのですけれども、まだそこはなかなか大きな動きにはつながっておりません。これを一緒にやっていくというのもネットワークではないのかなと思うのですけれども、いかがお考えかお聞かせください。
○大曲委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○中村補佐 ありがとうございます。
地域感染症対策ネットワークは現在、全国の都道府県もしくは保健所設置市の中で様々な形態がある状態でございます。現状、地域ネットワークはかれこれというような決まった形を提示できていない状況ではあるものの、地域薬剤耐性対策推進モデル事業におきましては、集団発生対応支援ですとか、相談ですとか、情報発信などの事柄が基本的要素になってくるかなとは思います。一方で、各地域のコンテクストで地域は地域感染症対策ネットワークというものが構築されている状況であります。地域感染症対策ネットワークの意義ですとか形態というものはもう少し検討して、よりよい形というものを検討させていただきたく存じます。
以上です。
○川名委員 ありがとうございます。
まだこれといった形が決まっているものではないということを理解できました。ありがとうございます。
今後、この普及啓発についても一緒に取り組んでいきたいなという気持ちだけここで表明させていただきます。ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。ありがとうございます。
ちょうど私も7ページのところで、自治体というか保健所の立場で、調査をしていただいたことにありがたく思っておるのですけれども、先ほど事務局がおっしゃったように、何をもってネットワークが構築されているかということは、回答したところもどのように回答したのかということは、保健所であったり、その保健所設置市であったり、都道府県であったり、少しばらつきあるのではないかなと思っています。
現場からは、ネットワークがあると答えたところの想定としては、今、感染加算の病院との連携と、あとは今、介護施設の感染対策もありますので、そこが連携を取って、保健所がハブとなって支援をしているというようなこととか、勉強会を一緒にするというようなことをネットワークとして考えているところですので、そのような回答が多かったのではないかなと思っています。ただ、「必要性を感じない」というところがないことはほっとしたのですけれども、医療機関側から要望がないというようなことが一定数あるということにつきましては、なかなか行政のほうが踏み込んでいないといったところが実態として考えられると思いますので、モデル事業も含めて、もう少し自治体が主体的にこのようなネットワークを広げることで、むしろ加算のついている病院は保健所と一緒にやらないといけないというところがありますので、好事例を集めていただいて、さらにこのような調査の推移を見ていただきたいなと思っています。
また、全国保健所長会と公衆衛生協会、またJIHSの先生方に協力していただいている事業班、研究事業があるのですが、そこでAMR対策について病院と共に一緒にワークショップをするというような研修もやっておりますので、それを全保健所が参加するような形で継続していきたいと思っていますので、このネットワークがもっと増えていくのではないかなと期待は持っています。薬剤師会の先生方の御協力も得て一緒にやりたいと思っています。よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
加算があると必ず保健所と一緒の活動となっていまして、我々も実はやっておりまして、そうすると答え方としてAMR特出しで活動しているのかというふうに取られてしまうと、そうではないのです、いろいろなものを含めてなのですという回答になるので、今回の結果にもそのような面が出ているのかなと私も今お話を伺っていて思いました。ありがとうございます。
それでは、松本委員、お願いします。
○松本委員 御説明いただきましてありがとうございます。
私のほうからは、3ページにございますアクションプランの成果指標の評価につきまして、改めましてコメントをさせていただければと思っております。
こちらを見させていただきまして、2027年度の達成がこのままではちょっと難しいのではないかなと想定される指標が多い印象を受けております。2023年から対策を実施しておられますので、今後、改善が見込まれそうな指標と、これまでのこの取組ではさらに強化しないと難しいのではないかなというような取組があるのではないかなと思います。
こういうものは、例えば中間評価みたいなものを例えばやって、それを見直すことになっていたのかどうかというところが私のほうでは分かりませんでしたので、見直しをするのであれば、その時期や方向性についてどう考えていればいいのか御教示いただければと思います。
また、直接医療に働きかけられるような方法としまして、例えば地方厚生局からの働きかけとか、もう少し直接的な働きかけが何かなされる方策がないのかということは、検討していかなければならないのではないかと考えました。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
こちらに関して、事務局いかがでしょうか。
○中村補佐 ありがとうございます。事務局です。
中間評価等の枠組みが、このナショナルアクションプランに関して無いのかというお話でございますが、本アクションプランの評価に関しましては、中間評価という形ではないかもしれませんけれども、毎年、フォローアップというものを実施しております。その中で施策の変更・修正というものは厚労省ないしはAMR臨床リファレンスセンター、感染研、3者で検討しております。中間評価よりもさらに頻度高く振り返りというものは実施している状況ではあります。
以上です。
○小谷室長 加えて、先ほど御意見いただきましたどういうふうにアプローチしていくのかという点については非常に重要な御指摘だと考えております。AMR自身が病院の中での活動にかなり直結する点になるため、なかなか行政からのアプローチが届きづらい印象があるのではないかなと感じているところです。
どういった形で届けていくと、最も病院の中での行動変容だとか活動の考え方につながるのかという点については、皆様方の御意見を踏まえながら検討させていただきたいと思っておりますし、アクションプランにつきましても、最後のページに書いておりますとおり、このデータ自身が2024年で、これがたとえ達成が難しかったとしても、それに対して今後どういった目標設定を立てていくのか、数値目標をただ達成するだけでよいのか、その成果指標をどういうふうに考えていくのかということも含めた総合的議論をしていかないと、アクションプランありきの数字、数字ありきの議論だけではなく、どういったものが本当に意義があるアクションプランになっていくのか、AMR対策になっていくのかということについても検討させていただきたいと考えている次第でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
医療機関レベルで何をどうやっていくのかとか、それを評価するのかというのは、指標を作るのかとかありますけれども、そういう観点の議論も今後必要になっていくのかなと思いました。ありがとうございます。
中村委員、お願いします。
○中村委員 よろしくお願いします。
御丁寧な御説明ありがとうございました。
私は臨床検査技師という立場から、3点ほどお聞きしたいことがあります。
まず、15ページ目、診療報酬の改定があったと思うのですけれども、2番目、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌等に対して有効な抗菌薬の適応判定のために薬剤感受性検査を再度実施した場合、改めて所定点数を算定できることを明確化と記載されています。これは恐らく抗微生物薬のガイドラインが出たこともあって、新薬を諮るという意味で設定されたと思うのですけれども、所定点数をと書いてあるのですが、例えば薬剤感受性検査の場合は1菌種、2菌種、3菌種で保険点数が違うといいますか設定されているのですけれども、170点という点数を取れるのか、それとも2菌種という想定になって点数を取れるのか、もしその点があれば教えていただきたいなというのが1点目です。
2点目は、その下の感染対策向上加算1について、所定の微生物学的検査室という条件があるのですけれども、30点加算になりました。これはかなり大きな点数かなと思うのですけれども、この点数を取るに当たって、微生物学的検査室の要件みたいなものは実際あるのでしょうか。例えばグラム染色と培養検査みたいなことをやって検査室という標榜を立てれば点数を取れるのか、それとも、実際には内容がある程度伴っていないと取れないのかというのも一つ懸念されるかなと思うのです。
というのは、今、微生物学的検査室がないところで加算1を取られているところが、恐らく加算1を取れなくなるのかなと思うのです。そうなった場合に、例えば微生物学的検査室をつくるとなったときに、何か定義みたいなものがあるのかというのが一つ知りたいところではあります。
最後に、16ページの実施概要ということで令和8年度の検討があるのですけれども、目標2の動向調査・監視というところで、適切な精度管理体制の構築を目的とした研究の実施というのがあります。AMR対策の中でどれぐらいのAMR耐性菌が出たかというのは、検査室の精度にも関わってくると思うのです。そこの精度が悪いと耐性菌が上がってこない。皆さんが目標とする例えば耐性菌がどれぐらい出ているかということに関してもぶれが生じてくるかなというのがあります。
そんな中で、課題の中に挙げられているので、何か具体的に案、どのようなことを実施していくかみたいな案がお聞きしたいなというのがあります。
この3点です。以上、よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局からお願いします。
○中村補佐 まず、2つ目の微生物学的検査室の要件が具体的にあるのかという点におきましては、これから議論していくところとお聞きしております。よって、現段階ではまだ要件というものは明確にはなっていないものと認識しております。
続いて、薬剤感受性検査を再度実施した場合、改めて所定点数を算定できるという、その点数等につきまして、診療報酬点数のほうでD019という形で、1菌種185点、2菌種240点、3菌種以上310点という形で点数のほうは決まっております。
3点目、精度管理におきましては、まさに中村先生のほうで御研究いただく内容という形を想定しております。
以上です。
○中村委員 ありがとうございました。
保険点数のところだけ、例えば1菌種目で大腸菌の感受性をやりました。それが耐性菌だったので、もう一菌種といいますか、耐性菌用の検査をしましたとなると、2菌種ということで取れるようになるのですか。170点を2つは取れないかなと思うので、185点ですかね。それは2菌種目という想定で取れるということになるのでしょうか。そこら辺、もし詳しく分かれば教えてほしいなと思うのです。
○小谷室長 事務局でございます。
診療報酬上の制度設計の件になりますので、こちらについては医療課とも確認の上、改めて御回答させていただく形でもよろしいでしょうか。
○中村委員 結構です。よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、長尾委員、お願いします。
○長尾委員 私のほうからも3点ほどコメントと御質問がございます。
まず1点目は、先ほどから各先生方が触れておられる地域連携についてです。
総論としては、地域連携は「あったほうがよい」という点で皆さん一致していると思います。しかし、実際に何を目的として、どのような仕組みを作るべきかが、まだ十分に明確ではないように感じています。
現場の先生方とお話ししていても、「国として、あるいは厚生労働省として、具体的にどのような形を求めているのかを示してほしい」という声をよく聞きます。
というのも、現場ではどこも人材も財源も限られており、必要性は感じていても、自治体の保健所や、京都で言えば京都市などが「具体的に何をどう進めればよいのか分からない」という状況が少なくありません。
そのため、我々のような医療職と、行政の事務職の方々、あるいは医系技官の方々が連携しながら、実際に機能する仕組みを作っていく必要があるのではないかと感じています。
なお、これは質問というよりも意見になります。
2番目は今、中村先生もおっしゃっておられましたが、検査についても少しコメントさせていただきます。
まず診療報酬改定についてですが、検査部を預かる立場として、今回の改定がよい方向に進んだことは大変ありがたいと感じております。特に感受性検査を再度実施できるようになった点は評価しております。
ただ一方で、届出基準の中に含まれているにもかかわらず、遺伝子検査については保険上の評価が十分ではなく、多くの病院が持ち出しで実施しているのが現状です。ぜひ次回の診療報酬改定に向けて、この点について御検討いただけると大変助かります。
次に、微生物学的検査体制の定義についてです。私は、どの病院でも同じレベルで微生物学的検査を精度管理の下で実施できるわけではないと考えています。特に現在は人材が不足し、優秀な人材の確保も難しくなっている状況です。したがって、どこでも同じように実施すればよいというよりも、ある程度の「選択と集中」が必要ではないかと思います。
一方で、各病院においてDiagnostic Stewardshipを担える人材は一定程度確保する必要があります。こうした観点から、「微生物学的検査体制」とはどのレベルまでを求めるのか、特に中小病院や加算1を取得したい中規模病院に対して、どこまで求めるのかという指針があるとよいのではないかと感じています。
最後に、手指衛生に関するエビデンス構築について1点質問です。
最後のスライドに、手指衛生に関するエビデンス構築の研究を今後進めていくという記載があったと思いますが、既に令和7年度に特別研究が実施されていると理解しています。令和8年度にも同様の研究が予定されていると思いますが、令和7年度の研究成果はどの程度公開される予定でしょうか。医療現場へのフィードバックがあるのかについて教えていただければと思います。
MDRPの減少については、抗菌薬適正使用だけではなく、手指衛生を含めたIPCの取組が大きく寄与していると考えています。こうした研究を進めていただくこと自体は大変ありがたいのですが、その成果が現場に還元され、実効性のある対策につながることが重要だと思っています。その点について御教示いただければと思います。
私からは以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局からお願いします。
○中村補佐 事務局です。ありがとうございます。
令和7年度の特別研究の成果が公表されるかという御質問に関しまして、厚労科研としての成果報告のホームページへの掲載がまず想定されるところではあります。それ以上の情報となりますと、例えば論文という形になってくるとは思いますが、御担当いただいている先生に確認した上での御回答になるかなと思います。
以上です。
○長尾委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○大曲委員長 それでは、島田委員、お願いします。
○島田委員 事務局の皆様、どうもありがとうございます。
私からは、先ほどコメントが出ている地域感染症対策ネットワークについてです。7枚目になりますでしょうか。ここでも、先生方からも御指摘がありましたが、必要性を感じないというところはないのだけれども、いろいろな制約がある上に、医療機関等から要望がないというお答えが多いところです。
本来であれば、医療機関から要望がなくても実は自治体もしくは保健所にはリーダーシップを取ってもらって、ネットワークを築いてもらいたいというのが感染研の私たちの立場です。しかし、例えばアクションプランでネットワークの構築の必要性を記載されていたり、AMRのアウトブレイク関連通知でも保健所の役割などを書いていただいているところですが、私の探し方が悪いのかもしれないですけれども、包括的にAMR対策もしくは地域感染症対策ネットワークについて単一の通知で、保健所の役割はこうで、そのために望まれる保健所もしくは自治体の知識はどうでというところがないのかなと思っています。そのため、先ほどの長尾先生の話とも通じるのですが、保健所に求められる役割、知識を定めた文書をだして、そのための予算や体制も支援するということが必要ではないかと思っています。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○中村補佐 ありがとうございます。
やはり地域感染症対策ネットワークが狙うところ、意義を含め引き続き検討して、保健所ないしは都道府県のほうに明確にといいますか、ちゃんとお伝えすることが重要であると認識いたしました。引き続き、地域感染症対策ネットワークの在り方に関しまして検討をさせていただきたく存じます。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、北原委員、お願いします。
○北原委員 御説明ありがとうございました。日本病院薬剤師会の北原です。
戦略1.1について少しお尋ねさせていただきたいと思います。
戦略1.1の国民への啓蒙のところで、非常にいろいろな取組をされていて、ありがとうございます。一方で、こういう取組、見学デーであったりとかは、興味がある人は来られるのですが、国民への啓蒙というのを考えると、興味がないというか、しない人にどういうふうにしていくかということも非常に重要になるのではないかと思っております。
そういった中で、省庁を超えてということになるのかもしれませんけれども、小中高といったところでの教育の中に継続的にずっと盛り込んでいくとか、あとは妊娠されてこれから出産されるような方への母子教育というか、そういった中での教育として入れ込んでいくとか、本人から動き出さなくても、こちらからちゃんと教育する場を与えるというところができないのかなと思っているのですけれども、その辺りについては現在何か検討されているとか、何か取り組まれようとされているとかがあれば教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
○小谷室長 ありがとうございます。
こういった普及啓発という観点に立った際に、教育という単語ではいろいろな形でいただくのですが、一概に例えば学校教育だとか母子教育だとかという一定の形の切り口だけではなくて、行政だけでは無理な部分もあるのではないかなと思っております。
その中で、どういった形で広げていくのかというのは、一つのやり方だけでゴールにはなり得ないと思っておりますので、こういった場をお借りしながら、皆様方からの御意見であるとか、こういったチャネルもあるのではないかといったことを議論させていただきたいなと思っております。
他方で、他省庁間連携ということに関して言うと、AMRアクションプランは政府全体として決めていくものになりますので、その枠組みの中で考えていくものでもあるかと思っております。もちろん行政も手を尽くしつつ、一方で、民の中でどう広げていくのかということもぜひこういった小委員会の中、もしくは感染症部会の中でも議論させていただいて、御意見をいただけると幸いかと思っております。
以上になります。
○北原委員 ありがとうございます。
薬剤師としては、学校薬剤師等もおりますので、そういった中でやっていくことはやっていきたいとは考えているのですけれども、教育という中では文科省もしっかり動いてもらうとか、そういうところも非常に重要だとは考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、吉野委員、お願いします。
○吉野委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の吉野でございます。
質問というよりお願いとなるかもしれませんが、8枚目のスライドにあるとおり、本年1月16日に抗微生物薬適正使用の手引き第四版が公表されましたが、今回は歯科編が新たに作成されております。また、チェアサイド等でも活用しやすいように、要約版も併せて御作成をいただき、歯科における抗菌薬の適正使用の推進につながるものと感じておるところでございます。
日本歯科医師会といたしましても、スライド16の目標4、令和8年度検討課題にもありますとおり、第四版について会員へ周知するとともに、ホームページや広報紙にも掲載してさらなる普及啓発に努めていく所存でございますので、引き続き関係方面の皆様との連携・協力をよろしくお願いしたいところでございます。お願いでございます。
以上でございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
こちらに関して、事務局からコメントはございますか。
○中村補佐 ありがとうございます。
普及啓発活動におきましては、医療従事者の皆様方との協力も非常に重要なところでございます。歯科医師会におかれまして、かような普及啓発活動を実施いただき、検討いただきまして、非常にありがたく存じます。引き続き、よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 ありがとうございます。
私も、先ほど来の話に出てきた7ページの地域感染症対策ネットワークについては、皆様の御意見と本当に同じだと思いながら聞いておりました。ネットワークはとても重要なのですが、特に自治体では、AMRに対して具体的に何をしたらいいか分からないとか、病院内に入り込めないといったような事態も結構生じております。
1つ質問したいことがあるのですけれども、ネットワークがあるかないかというアンケート調査で、あると答えた自治体は、具体的にどのようなネットワークを持っていると答えられたのか教えていただきたいです。好事例があれば、それを土台に今後どうしたらいいかを話し合える、考えることができるのではないかと思ったので御質問させていただきました。
よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いします。
○中村補佐 例えばですけれども、某県、先ほどもお話にありましたけれども、研修会、情報交換会、連絡会議等を実施しているですとか、ICT活動・AST活動に関する評価なども行っている病院もあります。あと、ASPカンファレンスを定期的に実施ですとか、大学と包括連携協定を結び、AMR対策への薬学的知見の提供等々の活動が挙げられます。先ほどもありましたけれども、本当に地域感染症対策ネットワークの個々におきまして少しずつ活動内容に違いがあると。研修会一つ取っても、先ほど申し上げましたように中身というのは結構大きなばらつきがあるなというのが所感でございます。
アンケートの中でいただきました好事例は集約しまして、地域感染症対策ネットワークとしてのあるべき姿、意義ですとかその辺りというものを精錬させて、皆様へその意義等をお伝えできればなと考えております。
以上です。
○三﨑委員 ありがとうございます。
追加で、もしそれが例えば医療機関内や大学、施設ではなく、自治体が関わっているようなもので、好事例につながるようなものがあれば教えていただきたいのですけれども、何かありますでしょうか。
○小谷室長 事務局が確認しておりますので、小委員会中にもし分かるようであれば、また御発言させていただきたいと思います。
○三﨑委員 ありがとうございます。
○大曲委員長 ありがとうございます。
ほかに委員の先生方、よろしいですか。
長尾委員、お願いします。
○長尾委員
私も、この地域感染症対策ネットワークについて最後に一言だけ発言させていただきます。
資料の中で、今後「課題を整理していく」と記載があったと思いますが、その課題については、自治体の側から見た課題と、病院側から見た課題との間に、ある程度ギャップが生じる可能性があるのではないかと感じています。
例えば、こうした専門委員の先生方はさまざまな立場から集まっておられますので、私たち医療側、あるいは医療職や現場の人間が入っている組織にも、ぜひ情報をフィードバックしていただけると、私たちの側からもいろいろと検討や提案ができるのではないかと思っています。
といいますのも、私自身、次年度から国公立大学附属病院感染対策協議会の事務局長を務めることになっているのですが、各大学とも地域に貢献したい、地域の感染対策に関わりたいという思いは非常に強い一方で、実際にどのようにアプローチすればよいのかを模索している大学も少なくありません。
せっかく今回アンケートを実施していただき、現場の実態に近いデータが集まると思いますので、ぜひその結果を共有いただきながら、行政と医療機関が一緒になって、より実効性のある仕組みを作っていければと考えております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
今のは事務局への御要望ということで承りました。ありがとうございます。
それでは、ほかに委員の先生方、よろしいですか。
ありがとうございます。
本当に活発な御意見ありがとうございます。特に今日は、地域でのネットワーク連携のお話が多かったです。全く思っていらっしゃる問題意識は私も同意するところでありまして、そのほかの案件も含めて、事務局のほうでまた御検討を続けていただければと思います。ありがとうございます。
それでは、先に進めてまいります。次は2つ目の議題ですけれども、報告であります。薬剤耐性研究センターから、菅井委員に資料2の解説をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○菅井委員 よろしくお願いいたします。薬剤耐性研究センターの菅井です。
資料の枚数がかなりの数になっておりますので、少し端折る形になりますけれども、御紹介したいと思います。
2ページをお願いいたします。
戦略2.1の医療・介護分野における薬剤耐性に関する動向調査の強化の中で、特にここでは、3枚目をお願いします。多剤耐性淋菌に対する分子疫学的調査研究の実施ということで、継続でずっと行っております。札幌医大から、淋菌は淋菌のグループで研究されている方がおられるのですけれども、試料の散逸を防ぐために、淋菌の菌株も薬剤耐性研究センターのほうで管理を始めることにいたしました。あとは共同研究を継続するということでございます。
次をお願いします。
これは感染研が感染症発生動向調査の発生届や病原体のデータから地域の薬剤耐性のリスク評価を実施した上で、地方衛生研究所、保健所等へのリスク評価結果をフィードバックする手法の検討ということで、これはまだ検討中の課題ですけれども、自治体の担当者等との協議、研修会の中でリスク評価をどう扱い、対策をどうトリガーを引くかという方法を検討しているところです。
次をお願いします。
同じく医療・介護分野における薬剤耐性に関する動向調査の強化で、JANISの強化ということでございます。
次をお願いします。
JANISの参加機関はどんどん増えてきていますけれども、新たに診療所が加わったということで、診療所版の公開情報は2024年以降も作成・公開を続けていくということになっております。
また、CLSIの基準が変わるに当たって、旧基準と併せて新しい基準も実際に登録するということを行っております。
次をお願いします。
検査受託機関との協力による、院内微生物検査室のない医療機関における薬剤耐性動向調査ということで、検査機関があるものに関して今まで、JANISというのはもともと院内感染対策ですけれども、院内・外来の両方のデータが今、出始めていますけれども、それにさらに診療所のデータも加えるということで、現在、大手の検査会社から提供いただいて、初めに肺炎球菌のペニシリン耐性の動向調査を実施中であります。
次をお願いします。
JANISのデータというのは、WHOのGLASSに提供する元のデータになっています。GLASSの仕様変更、更新がありましたので、それに伴う動向調査対象の拡大ということで、それに併せてGLASSのデータをJANISのデータへの対応を行ったということでございます。
次をお願いします。
重要な薬剤耐性遺伝子や臨床情報に関する情報収集・分析の推進ということで、JANISとリンクした耐性菌株収集とゲノム解読のサーベイランスを始めていますが、これにさらに臨床情報も収集できる枠組みを現在検討中であります。
次をお願いします。
真菌については、JANISの対象に加えるということを検討するということなのですけれども、実際にJARBSの一環として行ったもので、JANISの参加医療機関から収集した菌株のMIC値、感染研の測定したMIC値と元の機関のMIC値がかなり大きな乖離があることが分かりまして、このままではいけないということで、こちらについては新たにJARBS-Candidaということで、実際に菌株を同定検査を行っている大学病院等から集めまして、現在、その解析を行っているところでございます。
実際の真菌のASTの普及が必要だということで、感染研で作ったASTに関する動画を今後策定して、皆さんに使っていただいて周知をしていくということを行ってまいりたいと思います。
次をお願いします。
薬剤感受性検査手法及び項目の標準化ということで、JANISに関しては現在のところJARBSのプロジェクトの中ではベックマン・コールター社のマイクロスキャン専用濁度計を使って手法を整備したということでございます。
次をお願いします。
JANISによって得られたデータを地域レベルで分析できる仕組みの導入ということで、JANISのデータは基本、今、J-SIPHEの方にデータを提供していて使っていただいていると同時に、東京iCDCが取りまとめを行えるように協議を実施しております。
次をお願いします。
医療機関、検査機関、行政機関等における薬剤耐性に対する検査手法の標準化と検査機能の強化ということで、感染研がコミットしたところでございます。
これは新たに細菌検査の測定機器の精度管理に用いる細菌株(パネル)作成と全国の検査室への提供の検討ということで、次のページをお願いします。特にカルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌株を選定して、それについて安定性を確認した上で公開し、既に分与を開始しております。
次をお願いします。
ヒト、動物、食品、環境等に関する統合的なワンヘルス動向調査の実施ということで、食品中の薬剤耐性(AMR)に関する動向調査・監視体制の確立に向けた調査研究を実施しております。
次のページをお願いします。
こちらでは、いわゆる厚労科研の食品班を形成しまして、その中にコンソーシアムとして地方衛生研究所、そして農水省の動物医薬品検査所、そして国立衛生研究所の先生方に入っていただきまして、様々な食品由来の耐性菌、サルモネラ、カンピロバクター、エンテロコッカスについて収集して、そのゲノムサーベイランスを行ってまいりました。
次をお願いします。
その結果、サルモネラ、カンピロバクター、エンテロコッカスについては、初めてゲノムでのヒトと食品とのサンプルでの比較ができまして、2024年度のワンヘルス動向調査年次報告書に報告することができました。
次をお願いします。
また、このようにしてゲノム解読が進みまして、大体ここのところ2022年以降は1年に1万6000株程度のゲノム解析を行い、ヒト由来、ヒト・食鳥・環境由来、食品・家畜由来といった様々な分野からの解析に寄与しているところでございます。
次をお願いします。
また、畜産領域に関しては、livestock-associated MRSAというブタから出てくるMRSAがあるのですけれども、これについても調査研究をしまして、その結果について報告をしております。
次をお願いします。
GLASSの仕様変更について、動向調査・監視事業の適合化ということで、GLASSの変更があったことに関して、JARBSのほうでの集計・変換するプログラムを現在検討中であります。
次をお願いします。
次が目標3で、こちらは地域における薬剤耐性感染症の集団発生対応支援ということで、特に自治体担当者に対する研修会の実施ということです。
次をお願いします。
自治体の担当者、特に発生動向調査に関わる菌株の受入れを行って検査をされるところの職員の方は、必ずしもパーマネントではなくてどんどんと替わっていかれる方が多いので、その方々に対する研修を今までずっと行ってまいりました。
コロナのときに一旦全部リモートになったのですけれども、本年度から改めてフェース・ツー・フェースでのコースを実施したということでございます。かなりたくさんの方に参加いただきました。
次をお願いします。
アウトブレイク対応支援ということで、今まで様々な自治体に対してFETP調査支援を行ってまいりました。
次をお願いします。
次がR&Dで薬剤耐性の発生・伝播機序及び社会経済に与える影響を明らかにするための研究ということで、様々な研究がそこに記載がございます。
次をお願いします。
我々は2019年から、グラム陰性菌の耐性菌を中心にJARBS-GNRを始めましたが、それと併せて様々なほかの菌種、黄色ブドウ球菌のサーベイランス、あるいは皮膚科由来の黄色ブドウ球菌のサーベイランス、バンコマイシン耐性腸球菌のサーベイランス、先ほど御紹介しましたCandidaのサーベイランス、B群レンサ球菌のサーベイランス、そして無菌検体由来の肺炎桿菌のサーベイランスを実施してまいりました。
次をお願いします。
JARBS-GNRに関しては、その後、JARBS2.0としてかなりプロセスを簡便化して、なおかつ全国のデータを得る形でのコンパクト版のものを継続しておりまして、参加医療機関に向けてはフィードバックレポートを返すということで、2025年に9回作成しております。
この結果を用いて、毎年毎年のそれぞれの薬剤感受性試験に基づいた各種耐性菌の割合を算出しております。
次をお願いします。
これは無菌検体由来の肺炎球菌の結果ですけれども、現在継続中でございます。
次をお願いします。
これは黄色ブドウ球菌のサーベイランスですが、これは既に終わっていって、結果、新しくST764というハイリスククローンが見つかってきたということがありました。
次をお願いします。
これは今まとめているところですけれども、皮膚科由来の黄色ブドウ球菌で、先ほどのものが血流感染症由来ですけれども、こちらは全くタイプが違いますので、これについては特に皮膚科で使用されている抗菌薬の適正な使用が行われているかどうかということも含めて検討しております。もうすぐ出てまいります。
次をお願いします。
こちらはGBSで、小児侵襲性のGBS感染症の全国サーベイランスで、既にこれはJARBS-GBSに報告しておりますが、今のワクチンのカバー率等の検討がなされています。
次をお願いします。
JARBS-Candidaですけれども、現在、95施設から563株の血液分離のカンジダ属菌が収集されております。これは今、継続中でございます。
次をお願いします。
このように集まってきた株が現在までに26万5000株になりました。これらの株についてはパネル化して、AMRの創薬促進、あるいは基礎研究、あるいはAMR検査の精緻化ということで精度管理に使ってもらう形のパネルの作成を心がけているということであります。
次をお願いします。
収納菌株の内訳数としては、ヒト依頼が圧倒的に多いですが、それ以外にも食品・動物由来、そしてWHO三輪車サーベイランス関係のものもあります。分与に関しても2022年以降増えまして、このような形になっています。分与先としては、アカデミア、製薬企業、あるいは検査会社、病院等にお送りしております。
次をお願いします。
もう一つは、R&Dですけれども、世界保健機構と連携した大腸菌を用いたワンヘルスのサーベイランスです。
次をお願いします。
こちらは初めての成果が2024年度のワンヘルス動向調査年次報告書に報告されました。このような結果が出ました。
次をお願いします。
また、医療機関と下水からのVREの検出を全国調査で行っております。現在これも進行中のものですけれども、これを用いて、アウトブレイク発生のリスクを知ることと、アウトブレイクが終了した時点の判断に使えたらということで現在行っております。
次をお願いします。
それから、薬剤耐性感染症(ARI)の疾病負荷及び経済負荷に関する研究の推進、医療費削減効果等に関する研究の推進、DPCデータ及びレセプト情報・特定健診等情報データベース情報の活用の支援ということで、次をお願いします。現在これはDPCデータとJANISの感受性データとJARBSの遺伝子データを使って、これらを統合して薬剤耐性菌の疾病負荷、医療経済への影響について解析をするという仕組みについて、現在、血液由来のESBL大腸菌、血液由来のメロペネムMIC2以上のCRE、血液由来の高病原性ESBL肺炎桿菌について、対象を拡大して現在行っております。
次をお願いします。
2023年、2024年、2025年と、2023年が論文数が37で、2024年が51で、2025年も50を超えるというところで、順調に研究については行っていると考えます。
次をお願いします。
新たな予防・診断・治療法等の開発に資する研究及び産学官連携の推進です。
次をお願いします。
JARBS2.0で得られた菌株を用いて、国内未承認の薬も加えて、その評価を行いました。その結果が既にもう2025年、今度のワンヘルス動向調査報告書に報告されるものです。
次をお願いします。
また、ファージセラピーの実現に向けたファージライブラリーの構築も種々のアカデミアと一緒に行っております。
次をお願いします。
国際共同研究の推進ということで、ここでは、先日も東京で会議がありましたけれども、「薬剤耐性(AMR)に関するアジア太平洋ワンヘルス・イニシアチブ(ASPIRE)」に関するアジア各国との発生動向に関する調査及びネットワーク、医療管理、抗菌薬へのアクセスと規制、研究開発の4分野の研究開発の推進ということで、議論が行われております。
次をお願いします。
感染研では、世界保健機構と連携したワンヘルス薬剤耐性動向調査ということで、三輪車サーベイランスの技術支援を行ってまいりました。2025年はインドネシアから菌株をお送りいただきました。また、この解析については、両者で協力して行うということになっております。
次をお願いします。
NGSの総数が今、8,000幾らですけれども、収集菌株数としては2020年から合計2万9000株を超えました。日本以外にもマレーシア、ベトナム、インドネシアからの収集となっております。
次をお願いします。
また、薬剤耐性集団発生対応ガイダンス文書作成と研修、アウトブレイク対応支援ということで、WPROガイダンスの日本語翻訳をすると同時に、ガイダンスに基づく研修を、そこに記載されたようにフィリピン、ブルネイ、ベトナム、モンゴル、カンボジア、マレーシア等nの国での研修を行ってまいりました。
次をお願いします。
また、WHONET、ASIARS-Netを利用した、ASIARS-NetというのはJANISの英語版ですけれども、これを利用した各国のAMR動向調査の強化ということで、主にベトナムとインドネシアで集中的に行っております。
次をお願いします。
ベトナムではやっと現地のグループとの共同でASIARS-Netを使ったレポートがきちんと現地の方によってできるようになりました。左側が軍病院によるボックスプロットまで含めたベトナムのデータでございます。
右のほうも、ベトナムで最も大きい検査会社がASIARS-Netを使って、その結果について発表会をしており、日本と同じようにレポートを提出することができる状況にまでなったということでございます。
次をお願いします。
また、GLASSの改訂、これはGLASS本体のほうですけれども、英国のUKSHAと共同でGLASSの支援についての検討を行っています。また、GLASSのレポートについては、統計の部分に関しては二室の矢原先生が中心にこのレポートに対してコメントを行って協力しているということでございます。
次をお願いします。
これ以降は参考ですけれども、NAPの2023~2027の成果指標の記載がございますが、それについて現在どのようになっているかということをアンチバイオグラムに表して、あるいは図に表して御紹介しているものでございます。参考までに見ていただければいいかと思います。これはVREです。続いて、これはメチシリン耐性、大腸菌、緑膿菌、大腸菌のカルバペネム耐性、肺炎桿菌のカルバペネム耐性率を表しております。
今後の課題について、そこに記載がございます。
精度管理体制の構築では、先ほどお話もありましたけれども、精度管理体制を構築していく必要がちゃんとあるだろうということです。
それから、発生動向調査の発生届やJANISデータから各地域の薬剤耐性のリスク評価を実施し、結果を自治体にフィードバックする仕組みを構築ということで、これもなかなか進んでいないのですけれども、AIを使って何とかできないかと検討していく必要があるだろうと考えています。
それから、JARBSを事業として実施するということと、AMR感染症の疾病負荷、医療経済効果算出の仕組みづくりが必要です。
それから、ワンヘルス体制で議論する場を構築する必要があります。
国内外でのAMR事例のリスク評価と対応の能力強化、そしてASPIREの継続推進と次期アクションプランの策定を2027年はしなければいけないということであります。
以上です。
○大曲委員長 菅井委員、ありがとうございます。
それでは、今の御説明に関しまして、御質問等いかがでしょうか。
中村委員、お願いします。
○中村委員 菅井先生、どうもありがとうございました。詳細な内容、勉強になりました。
1点だけ気になることがあるのですけれども、カンジダの薬剤感受性試験のところがあったと思うのですが、JANISに上がってきているデータとかなり乖離があったということなのですけれども、もし詳細が分かれば、例えば上がってきている試薬によって高く出たとか低く出たとかそういうことと、もう一つ、試薬特性みたいなものが実際あって、やっている薬剤感受性の方法によって何かばらつきがあるのかというのがちょっと気になりました。もし試薬特性などがあるのであれば、試薬メーカーといいますか企業に高めに出るよとかというのは啓蒙といいますか言ってあげたほうがいいのかなとちょっと感じました。
私、先ほどから精度管理のことを言わせてもらっているのですけれども、機器特性だとかというのがどうしてもあって、先生方がつくられた薬剤耐性菌のパネルもそうなのですけれども、あのデータ、例えばエンテロバクターで4と出るような株を機器に入れても、4と出る機種もあれば16以上と出てしまうような機種もあって、それは技術間差というよりは機種間差というものがあるので、4と出ないといけないということが、もうその機械で測っても何回も4と出ないのであれば、その機械が悪いという評価になるのか、試薬がそもそもそういう試薬であるのかというのは、やっている技術者というか検査室にとっては大きな問題になるので、自分たちの技術はきちんとしているのだけれども、試薬特性でそういうふうになってしまうのか、今回のカンジダの件ももしそういうのがあるのであれば教えていただきたいなと思いまして質問させていただきました。
○菅井委員 ありがとうございます。
細菌に関しては、先生がおっしゃるとおり様々な菌種によって格差があるということで、それについてはこちらでも承知していますけれども、カンジダについて機種間差あるいは試薬特性があるかということについては現在、私はお答えできないので、現在、JARBS-Candidaでやっている目的は、その中にも入っていますので、その結果によって御紹介したいと思っています。
大事な点を指摘いただきまして、ありがとうございます。
○中村委員 よろしくお願いします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
では、田村委員、お願いします。
○田村委員 製薬協、田村でございます。
本当に包括的な非常にたくさんの情報を共有いただきまして、ありがとうございました。資料を拝見していても非常に勉強になる内容ばかりで、本当にぜひ活用させていただければと思いまして、先生の成果の活用という観点で1つコメントをさせていただければというところでございます。
40ページぐらいにありましたけれども、5.1関連で、AMR感染症による疾病負荷と医療経済学的な評価を行うためのデータ、残念ながらまだまだデータが乏しい状況かと理解しております。
一方で、医療のインフラとして位置づけられております、いわゆる抗AMR薬に関しましては、そうした部分を客観的に評価する必要があるわけでございますけれども、残念ながらデータ不足ということで、なかなか難しい状況が続いております。
今回の先生におつくりいただいているようなデータを、ぜひ今お話ししましたような内容で活用させていただければと考えており、研究を進めていただいて、その成果を事務局のほうで例えばプッシュ、プルになるインセンティブ等の薬剤耐性に関する制度設計といったものに活用いただければということを考えており、コメントさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○菅井委員 ありがとうございます。
我々のところで行っているJARBS全てですけれども、単に研究目的ではなくて、研究の成果がいかに政策立案につながるかというところ。つまり、それを通してAMR対策をどうやってやっていくかということの基礎になるデータを取るということを目的としています。だから、全てのデータは公開していますし、国のほうから要求があればそれに対してお応えしていますし、そういう形で今後も協力して、基礎データとして使っていただけることを目的としてやっておりますので、よろしくお願いいたします。
○大曲委員長 ありがとうございます。
そのほか御意見、御質問いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、菅井委員、ありがとうございました。
次の議題ですけれども、今度はAMR臨床リファレンスセンターから報告をいたします。私のほうが行います。資料は3でございます。よろしくお願いいたします。
では、始めてまいります。
1枚進めてください。
まず、6本の柱に沿って御紹介をしていこうと思います。
まずは教育・啓発のところなのですが、我々は一般の方々向けと医療従事者向けということで、2本立てで行っています。これは医療従事者向けの特に2025年度の活動の実績を示したものですけれども、セミナーでは主に手引きの内容を元に、臨床セミナー、Aとしていますけれども、風邪診療が不必要使用の一番大きな束ですので、そこの診療のブラッシュアップコースということでBと定めてやっています。
あとは、先ほど白井委員からも御紹介いただきました、全国保健所長会の地域保健総合推進事業薬剤耐性(AMR)対策等推進事業の中での講義と事例検討を組み合わせたセミナーにも参加をさせていただいております。
あとはeラーニングです。eラーニングは、AMR対策という観点でもそうですが、様々な研修医教育ですとかという形で活用していただいているようなので、大事なインフラだと思っています。
特にA、B、Cのセミナーに関しては、参加人数等の実績は右に示しました。直近の2025年度は一番下にお示ししております。医療従事者は、一般の方々からすれば情報源ですし、実際に実践をするという観点でも非常に重要な役割を果たす方々ですので、医療従事者向けの教育は引き続き力を入れてやっていきたいと思います。
次をお願いします。
先ほどから話題になっております一般国民向けの活動でありますけれども、通年で行っているのは様々なチャンネルを通した情報提供です。資材の提供が左上に、そしてウェブサイトでもその資材の紹介等という形でウェブサイトの運営をしていますし、オンサイトで現場の実際に来られる方々の声を聴きながらやるという意味ではブース出展も非常に重要ですし、一つのチャンネルとしてSNSも非常に重要だと思ってやっております。あとはメディアへの発信ということで、プレスリリースを適宜出しています。これは実はすごく大事でして、メディアに投げ込みをするわけですけれども、それが基になって新聞の記事になったりですとか、あと先日もNHKで菅井先生が出演された『クローズアップ現代』がありましたけれども、あのような形の啓発用の番組にもつながっていくという観点で、非常に重要だと思っています。いわゆる重層的なチャンネルを用いた情報提供ということが重要だと思っています。
次をお願いします。
あとは、年に1回はキャンペーンをしようということで、世界のキャンペーンの時期と合わせて11月にキャンペーンを行っております。ポスターやノベルティーは、今年も『はたらく細胞』を使って作って配りました。我々の配る余力がなかなか足りなくて、要求に応え切れなかったというのは反省でございます。
また、オンサイトの活動は非常に重要ですので、日本科学未来館でのサイエンスアゴラですとか、今年は渋谷のマークシティ、再開発で駅の近くが非常にスペースができていますけれども、そこでのイベントも行いました。
あと、AMRでの啓発動画を使いました。情報系のYouTuberの方ですごく上手な方がいらっしゃるので、その方に作っていただいて出したというものがあります。すごく再生回数が多かったです。
また、ゲームだったりですとか、あとは毎年行っているのは川柳です。今年も募集をしています。川柳は、すごくいいなと思っているのですが、課題としては、どう活用していくかということが課題だと思っています。海外で川柳の紹介をするとみんな飛びつくのです。これを映像もつけて、TikTokとかインスタに載せればいいみたいなことを言われるのですけれども、なるほどと思っておりますが、日本なりのやり方という意味では、もう少し考えてよくやりたいと思います。
次をお願いします。
意識・知識はどうなのかと言いますと、先ほど来出ておりますが、国民の薬剤耐性に関する知識に関しては、正答率の改善はなかなか認められていないという状況であります。もちろんこれは課題だと思っています。
次をお願いします。
ということで、教育・啓発に関して大きな課題は、国民の知識・意識の変化が乏しいという点です。ただ、一方で、今回はデータは出しませんでしたが、診療の状況、感冒の診療等の適正化はかなり進んでいます。そして、手引きの第四版が出ました。
考えていることは、国民向けとしては、知識・意識で改善が見られない原因の追究ということを考えております。具体的には、いわゆるリスクコミュニケーションとコミュニティーエンゲージメントの基本に立ち返って、情報を我々は出しておりますが、コミュニティーでの受け止めはどうなのか。その話を伺う、フォーカスミーティングをするという形で受け止めを聞いた上で、その上で次のメッセージを考えるといったことをきちんとやっていくということが重要だと思っています。
あとは、その活動の評価です。いわゆる教育・啓発の活動の評価の指標が重要で、その指標が改善すれば疾病負荷が例えば下がっていることが期待できるといったものが見つけられないかということも考えています。
あとは、協力団体の増加です。また、連携の強化によるいわゆる重層的な情報提供であります。
課題は、一般の方向けもそうですし医療従事者向けでもそうなのですが、様々な立場の方がおられる中で、興味のある方、ない方がいらっしゃる中で、どう届けるかということが非常に重要だと思っています。そのためには、チャンネルを複数化して、年代ごとに使うチャンネルは違いますので、SNSが好きな年代、一定年齢だと新聞が好きとかがありますが、そういったものをやっていくことと、それを様々なパートナーと行っていくということが重要だと思っています。なるべく届くようにということが1点です。
あとは、もうちょっと先ほどの議論に絡めて言いますと、情報の提供の仕方という観点で行動経済学的な知見も重要だと思っています。いわゆるナッジを利かせるような情報提供も必要なのですが、今はWHOの次のグローバルアクションプランの改訂案でも行動変容を目指すのだということを書いていますので、そもそも行動変容につながる教育・啓発はどうやってやればいいのだということに関しては、感染症以外の分野の実践も含めて大いに学ぶ、あるいは実験的な取組をしていって知見を得ることが大事だと思っているので、その辺りをしっかりとやっていきたいと思っております。
これは先ほどの議論への我々からの回答でございます。医療従事者向けには、非常に大事なので、しっかりとまたやっていきます。
次をお願いします。
サーベイランスですけれども、先ほども御紹介いただきましたJ-SIPHEは、病院から情報をいただいて、それを現場にお返しをする。そして共有をして、ベンチマーキングに使うというものですけれども、現在、日本の医療機関が8,000強あるうち、我々が最終にカウントした時点、2026年1月16日時点で参加施設は3,818ですので、50%程度まで迫ってまいりました。雑駁に言えば、規模の大きいところ、あるいは加算の要件でいくと3より2、2より1のほうが参加率が高いという状況でございます。都道府県ごとの参加数は、御参考までに下半分にお示しをしました。50%入っていただくと、得られるデータもいわゆる代表性・信用性が増してきたと思っています。
次をお願いします。
診療所向けにもJ-SIPHEを行っております。こちらの参加施設は、診療所で4,751、その管理をする施設も含めると5,345まで上がってまいりました。やはりこちらも同じで、見ていきますとデータが安定してきたといいますか、大きなばらつきがなくなってきたと思って見てきています。実は参加施設が増えたことの効用は見られています。
ただ、日本の診療所が今、10万5000ぐらいある中で、参加率は5%です。これをどこまで目指すのかということも含めて議論は必要ですし、ただ、まだ当面は相当増やしていく必要があると思っていますので、その方針でやっていきたいと思います。
次をお願いします。
あとは、医療だけではなくて福祉といった場のAMRの問題はどんどん重要になってきていると思います。VREのアウトブレイクの問題しかりですし、MRSAが市中で問題になっている、その辺りもしかりです。
そういう意味で、我々は高齢者施設の調査を種類を変えて数年に1回ずつやっているというところであります。医療療養病床、介護老人保健施設、そして介護老人福祉施設(特養)です。ということで、直近ですと特養の調査を行っておりますけれども、入所されている方のこれはいわゆるPPSですけれども、1.1%が抗菌薬を処方されている。処方されている理由を上から見ていくと、尿路感染症、肺炎、そしてこれはいろいろ思うところがありますが、なぜか上気道炎が3番目に入っているというところでございます。
こういう施設からデータをいただくのは御負担をかけてしまうので非常に大変なのですが、やはり重要だと思って続けております。
次をお願いします。
サーベイランスに関しては、データをいただけるようになった、取れるようになったということは非常に重要だと思っていますが、一方で、重要な場であるところの高齢者施設の状況を知ることは、引き続き難しい状況があります。考えているのは、参加施設が増えているJ-SIPHEに関しては、この利活用、特にデータを読めるように解析していただく方を教育を通じて増やして、どんどん地域、病院で利活用していただくことを促すというところでございます。そういう意味でのデータを活用した施策への提案ということも我々はやっていくべきだと思います。
あとは、これからの技術的な取組としては、薬剤耐性菌のデータ、これは感受性試験の結果やゲノム情報と、患者の個票レベルの情報をしっかり連結をした上での研究が非常に重要だと思っています。これは国全体の疾病負荷を知るという意味でも重要ですし、特定の臓器、微生物による感染症の患者さんの予後ですとかを見ていくということにも非常に重要ですが、これまでインフラがあまり十分でなかったので、できなかったのです。ただ、最近では、いわゆる電子カルテのデータが抽出されて、利用ができるということができるようになってきましたので、それと微生物のデータを連結して解析をしていくということを、今後はまずは技術的に研究という形で進めていって、何とか早くインフラ化できればと思っております。
あとは、介護施設は重要な場ですので、御負担をかけないようなデータの得方とその活用ということの検討が必要と考えております。
次をお願いします。
いわゆるIPC、感染予防・管理に関する活動ということで、いわゆる感染対策向上加算を用いて地域の病院・診療所における感染防止対策の推進ということが行われています。こちらも先ほど議論があったとおりでございます。
その中の連携の中で、我々としてはJ-SIPHEのデータ、あるいはこれからは診療所版J-SIPHEもそうなのですが、御活用いただければと思っています。特に共通の指標で評価をする、管理をするという観点で御活用いただければと思っています。
次をお願いします。
手引きの第四版が出ました。これは非常に重要で、中でも歯科編というものができましたので、こちらの教育・啓発、あるいはセミナーの開催といったことが今後は重要だと思っています。こちらは、日本歯科医師会あるいは歯科系の学会の先生方が大変積極的に取り組んでくださっているので、我々もしっかりと協力をさせていただければと思っています。
次をお願いします。
これは手引きのセミナーです。時間もあるので次に行きます。
1点触れておきたいのが、評価指標の評価の点で、先ほど御議論があった点です。これはヒト用抗菌薬の販売量を2024年まで見たものなのですが、23年、24年は上がってきてしまっています。これが評価指標は本当に達成できるのかという御不安を生んでいる原因になっていると思います。
これは果たして抗菌薬の適正使用が逆行しているのか、そういう問題が出てくるわけなのですが、そこは解析が必要ということで、少し中身を見てみました。
次をお願いします。
幾つかバックグラウンドで押さえるべきデータがあります。左上は欧州諸国との抗菌薬の日本の使用量の比較ですが、日本は大分低いほうになってきました。一番低い国と違わないぐらいになってきています。
右上なのですけれども、2022、23、24年のレセプトのデータを用いた急性気道感染症受診数です。実はコロナ以降、23年以降がんと増えております。これは我々が生活再建で風邪の方がしょっちゅう、年中いらっしゃるということで御納得いただけると思います。
じゃあ具体的には何なのかということを見ていくと、左下に行きまして、これはマイコプラズマ感染症という診断がついた方の受診件数をやはりレセプトから見たものなのですが、2024年はすごい数に増えています。大流行がありましたので、その関係だと思います。これを見ると、2025年は百日咳があったので果たしてどうなるのか、ちょっとどきどきしているところでもあります。
右下は何かといいますと、これもレセプトのデータを見ることで分かる急性気道感染症への抗菌薬の処方率であります。これは徐々に徐々に下がってきておったのですが、22、23、24年は停滞、ちょっと実数では上がっているようにも見えます。
ただ、こちらに関しては、ざっくり言えば風邪にはなかなか抗菌薬を出さなくなってきているというトレンドはあるわけですけれども、23年にしても、24年にしても、25年にしても、急性気道感染症はいろいろな意味で大きな問題になりましたので、その中には抗菌薬が必要な患者さんも相当いらしたということもあるので、この処方率の停滞あるいは部分的上昇につながっているのではないかと思います。
ですので、量は、先ほどお示ししたとおりです。ただ、診療の中身を見ていくと、このような具体的な中身もあるので、感染症の疫学的な状況と実際の診療のパフォーマンスも併せて見ながら評価をしていくということが今後は必要だと考えております。
次をお願いします。
一方で、別の切り口としては、いわゆるAWaRe分類です。先生方のほうがお詳しいので説明は省きますが、日本ではアクセスの比率が徐々に上がってきてはおりますが、まだ低いので課題となっているというところでございます。
ただ、こちらに関しては、日本では、例えばWatchの抗菌薬の使用でも第一選択薬としての使用で、本来適切と思われる使用というのはあり、でも、それが長期間にわたってしまうので、それが結果的にアクセスの比率を下げてしまうので、例えばマクロライド等を使って第一選択薬として使って適切な診療をされている先生方からすれば不公平であるという御意見もございます。それはそのとおりだと思います。
ただ、AWaRe分類は国の文脈に即して、状況に即して、改正して使うということが本来の使い方とされていますので、これまでも感染症部会等でも議論がありましたけれども、マクロライド等は14日以上の使用は14日としてカウントして今後は見ていくということになりました。その影響を今後は見ていくということも必要になります。
次をお願いします。
ということで、抗菌薬の適正使用の課題はもう今日お示ししたとおりでありますが、やることといいますと、一番束の大きい上気道感染症、下痢症で不必要な抗菌薬使用を減らしていくということは重要だと思います。そういう意味では、書き漏らしましたが、歯科領域での減少ということは非常に我々も手引きも出ましたので期待しているところです。
また、様々な医療データの利活用を行って、いろいろやっていくと。それは感染症の流行状況も含めて、個別の診療の質を含めた評価も一つですし、あるいはもうちょっと病院等での中身を見ていくと、エスカレーションですとか内服切替え、TDMなど、どちらかというとこれはプロセスを見る指標ですけれども、これらもちゃんと見ていく。これにしても、やはり個票レベルのデータが得られるようになるということが大事なのかなと思っています。また、処方率の動向は、先ほど御紹介したとおり重要な指標ですので、継続して見ていく必要があると思っております。
次をお願いします。
最後、国際協力に関する活動であります。
これは先ほど菅井先生から御紹介がありました。日本は、いわゆるアジア太平洋ワンヘルス・イニシアチブ、厚生労働省が始められたものですが、これを基に毎年、Tokyo AMR One-Health Conferenceを行っております。ワーキンググループが4つありまして、それぞれごとに日本が旗を振りながら様々な活動を行っています。
我々のほうではワーキンググループ3を担当していまして、やっと今年、次年度になりますが、3か国ほどお招きをして抗菌薬の適正使用支援のワークショップができるところにこぎ着けました。これまでは規制がどうかという議論が多かったのですが、実は規制とか法律に関してはいろいろな国でほとんどあるのです。でも、そうすると結局、抗菌薬の適正使用の実践が課題だということがコンセンサスになりまして、もうこれはワークショップ等をやって、現場でどうやるかを話しながらやっていくしかないということになりましたので、そういう意味で筋が通る形で対策を進めているところでございます。
これが最後です。
それでは、私が用意した内容は以上でございますが、先生方、御意見、御質問があれば、私が打ち返せる範囲でお答えいたします。いかがでしょうか。
笹本先生、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。大曲先生、丁寧な説明どうもありがとうございました。
私からは、昨年、AMR臨床リファレンスセンターの御依頼を受けまして、ポスターを13万部、会員の皆さんに送ることができました。ほとんどが国内の医療機関に配付することができたと思います。診療所ではポスターを特に待合室に貼ることが多いので、実際に多くの患者さんがそれを目にすることができます。一般の国民になかなか啓発が難しいということは全くそのとおりでございますけれども、実際に医療機関に訪れた方が薬剤耐性ということを知っていただくという意味では非常に有効であったかと思います。また、医療機関からもかなり強い大きな反響がありまして、リファレンスセンターのほうにもいろいろな追加の申込みがあったかと思います。今後とも、日本医師会もできるだけ協力して活動したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大曲委員長 笹本委員、本当にありがとうございます。我々だけではとてもとても力不足なところを、日本医師会でこれだけやってくださって、本当に心から感謝申し上げます。これからもぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
それでは、白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
私、ちょっと細かいところで申し訳ないのですが、5ページ目の国民の薬剤耐性に関する知識の設問の仕方がちょっとどうだったかなと思うのですけれども、一般の方々は菌とウイルスとを分けて考えることはなかなか難しくて、インフルエンザだったら今は抗ウイルス剤がたくさん出回っていて、それを頂くのが、抗生物質だと思ってしまっているかもしれませんし、風邪やインフルエンザについては、この説明が正しいとか間違いとかいうよりは、もう少し啓発的にというか、風邪やインフルエンザは対症療法が望ましいとか、この抗菌剤は過剰であるとか、そういうふうなことを答えていただくのもいいのかなと思ったりはしました。
現場で、今、私たちも地域の薬剤師会の先生方とAMR対策に関するパンフレットを作って、薬局に置いていただいたりとか、市民に配ったりとかという形をしていますので、そういったところで、ここの回答が効果的ではないような、自分がかかったときにどうするかということに反映できるようになったらいいかなと思いましたので、この辺をまた変えてというか工夫していただきたいたいです。
あと、AWaRe分類の中で特にアクセス抗菌剤が医療機関サイドではむしろ手に入らないというような言い方をされていますので、その辺の流通についてもうまくいくようになればと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。
以上です。
○大曲委員長 白井委員、ありがとうございます。
1点目は先生がおっしゃるとおりだと思っていまして、この問いは実は2つの前提があって、風邪やインフルエンザと普通の細菌感染症の区別がついているのかということと、抗菌薬と抗ウイルス薬の区別がついているのかというのが実はかかってくるところでありまして、それを全部分かっていないと正解が出せないのです。結構複雑な質問だなと改めて思いました。ですので、啓発という観点で先生のおっしゃったような形でのアプローチは本当に大事だと思いましたのでやってまいりたいと思いますし、問いに関してはまた考えようと思います。別の質問を問うということもやり方だと思いますので、そういう意味でも先ほどもっといい指標がないかというのは、その辺の問題意識も実はございまして、考えていきたいと思います。
アクセスの件は、私も本当に現場の医者としてはそのように思っていますし、実際には対策は打たれていると思っています。生産の国産化ですとか、備蓄ですとかが始まっています。そういう意味では、これまで注射薬が中心に対策が進んできているので、あくまで現場の一医師の希望としては、実際使用量の多い内服の抗菌薬の供給の安定化という観点でのもうちょっと目立つ柱が欲しいなと思っているところでございます。ありがとうございます。
では、長尾委員、お願いします。
○長尾委員 お願いします。
大変広範な御活動をされており、まず敬意を表したいと思います。
2点お伺いしたいのですが、まず1点目は抗菌薬使用量が増えているという点についてです。私自身、詳細なデータを十分に拝見しているわけではないのですが、例えば抗菌薬の使用が多い中高年・高齢者の人口が増えているとすると、全体の使用量は自然に増える可能性もあるのではないかと思いました。そのような人口構造の変化などを加味した上で、実際にはどのようなトレンドと評価されているのかをお聞きできればと思います。
併せて、高齢者医療との関連についてです。私は高齢者施設でのサーベイランスにも関わっているのですが、現場では発熱があると抗菌薬を投与するという流れが比較的多く見られます。特にキノロン系が使われることが多い印象があります。
高齢者医療、特に終末期も含めた感染症治療の在り方については、例えば呼吸器学会などから肺炎治療に関する提言も出ていると思いますが、高齢者における抗菌薬治療の在り方について、今後どのような取組を進めていく必要があるとお考えかをお聞きしたいと思います。
もう1点は国際協力についてです。現在、抗菌薬適正使用を中心とした取組が展開されていると理解していますが、AMR対策は適正使用と感染制御の両輪で進めることが重要だと思っています。
日本がアジア地域において、例えば手指衛生や環境整備などの基本的な感染制御の支援を含めて、どのような役割を担っていくことができるのかについても、御見解を伺えればと思います
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
まず、高齢者施設のところに関しては、幾つかやり方があると思っています。高齢者への対応ですよね。一つは、場にもいろいろよるのですけれども、例えば高齢者施設の問題は大きいと思います。いわゆる約束処方があり、お熱が出るとそれが自動で出るという問題があるということは私も承知していまして、それをどう適正化するのかということは一つ重要だと思います。県によっては、臨床的に診断はつけてくれと。その上で、適切な治療というものを指針等でお示しをして、それを普及させるみたいなことをやっていらっしゃるところもあるので、一つ手かなと思います。診断をどうするのかというのが一番課題かなと。
あとは、高齢者の治療の在り方という観点からすると、先ほどおっしゃったような例えば誤嚥性肺炎の場合の適切な診療の在り方というのは、一つの具体的な考えるべき点だと思います。この前、別の場で御提案いただいたのは、いわゆる高齢者が最後、御入院になるときの最後の最後の段階はある意味緩和医療になると。緩和医療のときの抗菌薬費用というのはタブーになって、取られていないのではないかみたいなことを御指摘いただいたのです。そのとおりだと思っていまして、僕はがんセンターにいたので分かるのですけれども、緩和医療期に入ったときの抗菌薬治療はむしろ分泌物が増えたり、むくみが出たりして、患者さんの苦痛を増しているというのが実感なのです。そのときにどういう治療をすべきか、あるいはしないべきかというのは、これから本当にしっかり考えて対応していく必要があると思っていますし、我々としてもできるところをやっていきたいと思います。御示唆をありがとうございます。
あとは、国際協力の観点で、IPCのところは非常に重要だと思っています。僕も今の職場に来てから十何年、僕はベトナム中心にやってきました。彼らも結構やっています。特に手指衛生を中心にWHOのやり方でやっているのですけれども、一方で、なかなかIPCに関しての理解が得られなくて、端的には政策はあっても財源がないとか、そうすると、いわゆる水の管理も十分できないとか、いわゆる病院の環境の管理もお金がもらえないとかということもあって、その問題がすごく大きいのです。だから、そこに関しては、何らかの形で啓発とかいう形でアプローチはできるのではないかなと思っています。
そういうところでいかがでしょうか。
○長尾委員 ありがとうございます。
緩和期における抗菌薬治療の在り方については、私自身も大変関心を持っているところでして、先生方の御活動には今後も大いに期待しております。
また、アジアにおけるIPC活動についてですが、個人的にはまず人材育成が重要ではないかと考えております。もちろん、各国でリソースが限られていることは十分理解しておりますが、抗菌薬適正使用だけを進めていても、感染拡大そのものを防ぐことは難しい面もあると思います。
その意味でも、適正使用と感染制御の両輪で取組が進んでいくことを期待しております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
それでは、吉野委員、お願いします。
○吉野委員 ありがとうございます。
資料3のページ13、2025年の右側、各研修の一覧が出ているところでございます。その一番下、歯科が3月開催予定となってございますが、昨日、大曲委員長にお越しいただき、無事に終わりましたこと、まだ精緻な数字ではないのですが約300名の参加者があり、盛会に終わったことを報告させていただきます。
それとともに、その一方で、抜歯後に一定数起こり得るドライソケットという非常に深い痛みの続く患者さんにとって不快なケースがあるのですが、その場合には抗菌薬は使わないということなのですが、そういうところも含め、歯科特有の一般国民向け教育・啓発活動が欠かせないのではないかなと。歯科での普及をしてきた抗菌薬適正使用を進めていくためには、そういうことも必要なのではないかなと考えたところでございますので、関係の皆様には御検討いただければと思っております。
以上でございます。
○大曲委員長 先生、ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりだと思いました。風邪診療に関してはその辺はやってきたつもりですけれども、これからはまさに一般の方々向けにそういうことを伝えていかなければいけないと思いますので、また御相談させていただければと思います。ありがとうございます。
北原委員、お願いします。
○北原委員 ありがとうございます。
本当に大曲先生のところの御活動にはいつも頭が下がる思いというか感謝しております。
国民向けの一般にどう広めていくかというところなのですけれども、そこで、薬剤耐性という言葉がそもそも取っつきにくいというか分かりにくいのではないかと最近ちょっと思っているところがございます。薬剤と言ってそれが抗菌薬とか抗ウイルス薬、抗微生物薬というものとはなかなかリンクしないのではないか。一般の人に薬剤と言っても、すごくいろいろな薬があるわけですので、そこで薬剤耐性と言ってもなかなか結びつかないのではないかなというような気が最近しております。
ここで具体的にこういうのがいいのではないですかというのを挙げられないのが申し訳ないのですが、私たち医療者はもうだんだんAMRとかこういうことが分かってきているのですが、一般の人に対してもう少し分かりやすい言葉で何かアプローチしたほうがいいのではないかなというのを思ったところですので、そういうものもまた考えていただけたらと思っております。
以上です。
○大曲委員長 ありがとうございます。
私も全く同感でありまして、薬剤耐性の話をすると、薬剤耐性とは何かという話からせざるを得なくて、その話は頑張っても頑張っても何となく概念的な話になってしまって、あまりよろしくないなというのは私も思っております。
そういう意味では、病気が見える、あるいは実際に自分でも起こり得る病気、感染症なのだというところから見ていくとか、ストーリーから入るとか、あるいは別の言葉を使うとかという形で、分かりやすいところから入っていって、関心を持っていただけたら、この言葉のほうに入っていくぐらいの順番のほうが現実は伝わりやすいのではないかと僕も思っておりますので、そこのところはやり方を考えたいと思っております。
先生、ありがとうございます。
松本委員、お願いします。
○松本委員 ありがとうございます。
本当に先生、広範な研究を積み重ねられておられまして、本当に感心をしておりました。ありがとうございます。
先ほども行動変容理論など、そういったものを用いながら構造そのものをどう変えていったらいいかというところにアクセスしていきたいということで言っていただいております。今もお話がありましたけれども、なかなか菌だかウイルスだか一般の住民の方は分かっておられない場合も多くございますので、そういった意味では、その辺りをどう解きほぐしていくかということが何よりも大事かなと思います。
また、薬剤については、ジェネリックの場合はジェネリックのカードみたいなものを国民が持って医療機関などに提示できる方策があると思うのですけれども、こういったものについても、逆に抗ウイルス剤は何日間はしっかり飲みますみたいなことも併せて書いた上で、風邪とか上気道炎の場合、欲しがりませんみたいなものを国民自身が示せるような、そういった自らの行動を自分で決められる、医療機関と一般の患者さんには大きなギャップがございますので、その辺りを埋められるようなものについてもぜひ御検討いただければいかがかなと思いました。
以上でございます。
○大曲委員長 松本委員、ありがとうございます。
斬新だと思って伺っておったのですけれども、要は、実際に医療機関を受診されるような一般の方々が、例えば風邪だったら抗菌薬は要りませんみたいな意思を何らかの形で示せるという手段も考えたほうがいいのではないかということでよろしいでしょうか。
○松本委員 はい、そうでございます。
○大曲委員長 承知いたしました。
少し検討してみたいと思います。ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
三﨑先生、お願いします。
○三﨑委員 14ページと15ページで、抗菌薬の販売量についての御報告があったと思うのですけれども、2020年~22年はコロナで、ほかの感染症もかなり減ったというか、見かけ上、減っていましたので、販売量の減少もそうかなと思いました。2024年からマイコプラズマが非常に増えたというお話だったのですけれども、ちょうど同じ頃に百日咳ぜきの報告数が全国的にものすごく増えまして、これもマクロライド系抗菌薬を使ってもおかしくないと思いますし、10代のお子さんの報告が多く、結構症状が重いというのは発生届からも分かっていました。流行に合わせて必要なものはやはり使用すべきなので、ほかの感染症の流行状況等も鑑みて、絶対に必要なものは使う、不要なものを除いていくというようなことをしていかなければいけないなと思いました。意見というかコメントになります。
以上です。
○大曲委員長 三﨑先生、ありがとうございます。
本当にそのとおりだと思っていまして、一方で、コミュニケーションとか、あるいは教育・啓発がもう一段レベルが上がったらどうしようかなと思っているところでもあります。つまり、特に急性上気道感染症というところをまず正確に診断すればいいのだということで、今までメッセージでやってきたのです。確かにほとんど9割以上であるところのウイルス性感染症に対する処方は相当減ってきたと思うのですが、先生がおっしゃるとおりで、急性上気道感染症あるいは急性気道感染症で抗菌薬が必ず必要なものは必ずあるわけでして、そこは治療しないとむしろ害が出る。
こういうことを考えると、どう診断を正確につけていただくのかというところが、頭の使い方と検査方法も含めて大分課題として上がってきたと思っています。あとは、そのコミュニケーションです。そこは大分複雑になってきましたけれども、いいやり方を考えて、次の対策ということでしっかりとやっていきたいと思います。ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
委員の先生方、ありがとうございます。多くの貴重なインプットをいただきましたので、我々も活動のほうにしっかりと検討して反映をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、以上3つが本日の議題でございました。先生方におきましては、活発な御議論を本当にありがとうございます。これはしっかりと対策のほうに生かしていかれると思っております。
それでは、本日の議題は以上でございます。
事務局にお返しいたします。
○小谷室長 大曲先生、ありがとうございます。
事務局から簡単に御報告ではございますが、先ほど三﨑委員からいただきました、自治体とどういう形でやっているのかという話で、具体の自治体名は少し調整が必要なので具体名ではございませんが、自治体と感染症対策向上加算1の医療機関との間で、定期的に協議の場、連絡会議を設けていて、その中でICT活動やAST活動の評価であるとか、どういった事例があったのかという情報共有などを行っている例もありますということを、好事例がどうかという点ではなく、まずそこの評価ではなく、事実ベースとして一旦、こういったアンケートの結果がありましたということを御報告させていただきたいと思います。
本日の議題、ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日は、お忙しい中御参加いただき、ありがとうございました。

