第55回 社会保障審議会生活保護基準部会議事録

日時

令和8年2月27日(金) 10:00~12:00

場所

AP虎ノ門11階A室
(東京都港区西新橋1-6-15NS虎ノ門ビル)

出席者(五十音順)

議題

  • 消費実態による検証を補完する方法について
  • 全国家計構造調査のデータの取扱い等について
  • その他報告事項

議事録

○岩村部会長 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第55回「社会保障審議会生活保護基準部会」を始めさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 まず、事務局から、本日の委員の出欠状況と資料の確認をしていただきたいと思います。また、オンラインで御出席されている委員の方々がいらっしゃいますので、改めてということではありますけれども、会議での発言方法などについての説明もいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 本日は、対面及びオンラインを組み合わせての実施とさせていただきます。また、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。アーカイブ配信はいたしませんので、あらかじめ御了承ください。
 まず、本日の委員の出欠状況でございますが、岡部委員より御欠席との報告を受けており、その他の委員は御出席をいただいております。
 それでは、事務局より、お手元の資料と会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 本日は、議事に関する資料としまして、資料1「消費実態による検証を補完する方法について」、資料2「令和6年全国家計構造調査のデータの取扱いについて」、資料3「平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について」、資料4「令和8年度生活扶助基準の見直しについて」を御用意してございます。
 また、参考資料としまして、議事次第に記載しております8点を用意しております。
 会場にお越しの委員におかれましては、机上に用意してございます。過不足などございましたら事務局にお申しつけください。
 オンラインにて出席の委員におかれましては、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページにも掲載してございますので、資料の不足などがございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、発言方法について、オンラインで御参加の委員の皆様には、画面の下にマイクのアイコンが出ていると思います。会議の進行中は、基本的に皆様のマイクをミュートにしていただきます。御発言をされる際には、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックいただき、委員長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言ください。御発言が終わりました後は、Zoomツールバーの「リアクション」から「手を下ろす」をクリックいただき、併せて、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 お手元の議事次第を御覧ください。
 最初の議事は、「消費実態による検証を補完する方法について」となっております。
 まず、資料1について事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 社会・援護局保護課の榎でございます。
 それでは、資料1「消費実態による検証を補完する方法について」御説明させていただきます。
 まずは、昨年6月に開催されました第52回生活保護基準部会において御確認いただいた検討事項等を振り返らせていただきます。
 1ページを御覧ください。
 令和7年、8年の生活保護基準部会における議題案でございますが、3つ目に消費実態による検証を補完する方法を挙げてございました。第52回の生活保護基準部会では、年収第1・十分位が適当かどうかの確認については、消費実態による検証を補完する方法の検討とセットで議論するのがよいとの御意見があったことを踏まえまして、今回赤字の部分を追記させていただいております。
 2ページを御覧ください。
 水準の検証に関する検討事項案としてお示ししたものでございます。第1・十分位の消費水準を比較対象とする妥当性をどのように確認するか、といった点を含めてございました。
 1つ飛んで、4ページを御覧いただければと思います。
 消費実態による検証を補完する検証手法の検討に関する検討事項案としてお示ししたものでございます。
 令和4年検証では、2つ目の○のとおり、消費実態との比較によらない手法について、より精緻化する作業を行っていく必要があるとの御意見がありました。
 また、具体的には、3つ目の○にございますとおり、生活実態及び生活意識の分析をより精緻に実施していくこと。それから、栄養摂取基準などから見て最低生活が満たされる水準となっているか確認すること。これらの必要性が指摘されてございました。
 その上で、今回の定期検証においては、令和4年検証の指摘事項も踏まえつつ、消費実態による検証を補完する手法について検討を進めていくこととしてございました。
 5ページを御覧ください。
 令和4年検証の報告書の抜粋でございます。2つ目の○に消費実態による検証を補完する手法の検討が必要な理由が記載されてございます。「年収階級第1・十分位という一般低所得世帯の消費実態との均衡のみにより生活保護基準の水準を捉えていると、比較する水準が低下する場合に絶対的な水準を割ってしまう懸念があることから、その下支えとなる水準を明らかにする取組が重要である」とされてございます。
 6ページを御覧ください。
 第52回生活保護基準部会において各委員からいただいた主な御意見をまとめてございます。上から3つ目、4つ目の○については、令和4年検証の際に検討しました2つの方式、MIS手法と主観的最低生活費、これらについての御意見でございます。また、下から2つ目の○では、最低限度の生活の中に他の人との関わりや交流といった視点も重視することの必要性について御指摘をいただいてございます。
 7ページ以降ではテーマごとに関連する基礎的な情報をまとめてございます。
 まずは、生活実態及び生活意識の分析についてでございます。
 8ページを御覧いただければと思います。
 分析に活用できるデータとしまして、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査がございます。その概要をまとめております。
 この調査は、これまでの定期検証においても参照されてきたデータでございます。一般世帯と生活保護受給世帯の両方を調査対象としまして、3年に1度の頻度で調査を実施してございます。直近では令和7年の7月に実施してございます。ただし、令和7年の調査についてはまだ公表されてございませんので、現時点で利用できる最新のデータは令和4年の調査となります。
 参考資料1としまして、この調査の調査票、それから、令和4年の調査結果を添付してございます。
 また、参考資料3ではこの調査の平成29年検証までの活用経緯をまとめてございますので、適宜御参照いただければと思います。
 9ページを御覧ください。
 第1・十分位が比較対象として適当か確認するための指標としまして、令和4年検証で確認したものをまとめてございます。
 一番下の赤囲みのとおり、参考指標の一つとしまして社会的必需項目の不足状況を確認してございました。この社会的必需項目は、研究事業において2011年の調査結果を基に社会的必需項目であると判定された項目、具体的には50%以上の回答者が必要であると回答した項目になりますが、このうち、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査において把握することができる13項目を選定したものになってございます。
 10ページを御覧ください。
 令和4年当時に高さ検証の参考資料として確認しました夫婦子1人世帯、年収階級第1・十分位における13個の社会的必需項目とその不足状況を示してございます。金銭的に余裕がないという理由で社会的必需項目が不足している割合を集計したものとなってございます。
 なお、各項目には便宜的に質問番号を振ってございますけれども、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査の調査事項から該当する項目を集約したものとなってございます。
 11ページを御覧ください。
 令和4年検証において、社会的必需項目の不足状況について生活保護受給世帯と一般世帯との比較を行った結果を紹介してございます。
 報告書抜粋部分の2つ目の○にございますとおり、生活保護受給世帯において確認された特徴を整理した上で、3つ目の○のとおり、「社会的必需項目の不足割合を定量的に費用の水準として評価することは難しい」としており、その一方で、「生活保護受給世帯が平均的な一般世帯と比べて社会的活動を行う上での制約がある可能性に留意が必要」とまとめてございました。
 12ページを御覧いただければと思います。
 令和4年検証で確認していた統計データの一部でございます。また、これに対応する形で最新の令和4年調査の結果を加えたものを13ページから19ページに掲載してございます。消費実態による検証の補完に当たっては、これらのデータを活用していくということがまず考えられますけれども、具体的にどのような分析が考えられるか御議論いただきたく考えてございます。
 続いて、20ページ以降でございます。
 令和4年検証におけるMIS手法による最低生活費の試算、それから、主観的最低生活費の試算、これらに関連する資料でございます。
 21ページを御覧いただければと思います。
 令和4年検証の報告書から関連する箇所を抜粋してございます。
 下から2つ目の○のとおり、予算制約を外した試算結果をどのように取り扱うかは慎重に検討する必要があるという意見等がございまして、結果として生活扶助基準の検証に活用し得るといった結論には至っておりませんでした。また、試算結果には、一般世帯の平均的な消費支出額以上の水準となるものも見られており、この点が留意点として指摘されてございました。
 22ページを御覧ください。
 各検証手法の概要をまとめたものでございます。MIS手法については、少人数の一般市民による判断結果に基づいて算出されたものでございます。また、主観的最低生活費については、約2万人の一般市民を対象とした調査結果に基づいて算出されたものとなってございます。
 以降、23ページから27ページは、令和4年検証当時に確認しました試算結果を示してございます。報告書に記載がありましたとおり、試算結果には一般世帯の平均的な消費水準以上のものが多く、生活扶助基準の検証に活用するには課題が大きなものとなってございました。
 今回の定期検証において、これらの手法やその他の手法も含めまして、消費実態による検証の補完に活用し得るものが何か考えられないか、御議論をいただきたく考えてございます。
 28ページ以降では、食事摂取基準に関する資料をまとめてございます。
 29ページを御覧いただければと思います。
 我が国の食事摂取基準の概要をまとめてございます。食事摂取基準は、健康増進法の規定に基づき、厚生労働大臣が5年ごとに定めるものでございまして、2025年版が最新版となってございます。
 30ページを御覧ください。
 食事摂取基準の構成をまとめてございます。食事摂取基準にはエネルギーの指標、栄養素の指標がそれぞれ設定されてございまして、このうち、栄養素の指標については、図の部分にございますとおり、3つの目的にそれぞれ対応する形で合計5つの指標が設定されてございます。
 31ページを御覧いただければと思います。
 食事摂取基準の各指標の概要をまとめたものでございます。
 エネルギーの指標としましては、推定エネルギー必要量が提示されてございます。
 また、栄養素の指標は5つございますけれども、このうち、摂取不足の回避を目的に設定されている推定平均必要量については、母集団における必要量の平均値を推定したものとなってございます。
 1つ飛んで、33ページを御覧いただければと思います。
 推定エネルギー必要量の内容を示したものでございます。下段の表にございますとおり、性・年齢に加えて身体活動レベル別に指標が設定されてございます。
 34ページを御覧ください。
 こちらは、栄養素の指標の一例としまして、タンパク質の例をお示ししてございます。表にございますとおり、性・年齢別に推定平均必要量をはじめとした各指標が設定されてございます。
 35ページを御覧いただければと思います。
 栄養摂取量の実態を把握できるデータを紹介してございます。厚生労働省が実施する国民健康・栄養調査では、毎年約1万8000人を対象に栄養摂取状況等を調査してございまして、実態の把握に活用することが可能となってございます。調査年の11月中の1日について調査をしたものである点に留意が必要でございます。
 36ページから37ページでは、国民健康・栄養調査の直近の調査結果から年齢階級別の栄養素等の摂取量を抜粋してございます。
 また、38ページから39ページは同じ調査の年間収入階級別の結果を抜粋してございます。このように所得階層間の比較も可能なデータとなってございます。
 今回御紹介しました食事摂取基準を基に、基準を満たす食事の最低価格を検討することが消費実態による検証の補完に資するかどうか、御議論をいただきたく考えてございます。
 41ページでは、改めまして今回御議論いただきたい論点案をおまとめしてございます。
 1つ目、マル1の部分でございますが、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査の分析の精緻化に関する論点でございます。令和4年検証で精緻化が必要との指摘があったことも踏まえまして、分析の精緻化の検討を進めていければと考えてございますが、具体的な内容についてどのようなことが考えられるかという点でございます。
 また、このマル1の論点に関連しまして、少し掘り下げたものを3点ほどお示ししてございます。黒ポツの部分でございます。
 1点目につきましては、社会的必需項目の見直しに関するものでございます。現行の社会的必需項目は2011年の調査結果に基づいて設定されたものでございますけれども、その見直しが考えられるかどうかという点。また、見直す場合の選定方法等についても併せて御議論いただけると幸いでございます。
 黒ポツの2つ目については、分析方法に関するものでございます。これまでの定期検証では社会的必需項目に焦点を当てて分析をしてきたわけでございますが、その他の項目について、消費実態による検証の補完に活用し得るものがないかという点。また、社会的必需項目も含めて、分析に当たって比較対象をどのように設定するかなど、分析の方法についても併せて御議論いただけると幸いでございます。
 黒ポツの3点目、こちらも分析方法に関連するものでございます。生活保護受給世帯については、家計収支を把握できる社会保障生計調査の調査対象となっている世帯に対して生活実態・生活意識の調査を実施してございます。こうした特徴を活用しまして、共通するサンプルをひもづけることで両調査の調査結果を組み合わせた分析なども物理的に可能となってございます。このような分析が意義のあるものになり得るか、御議論いただけると幸いでございます。
 続いて、マル2の論点については、食事摂取基準に関するものでございます。食事摂取基準を満たす食事の最低価格を検討することが消費実態による検証の補完に資するかという点でございます。
 続いて、マル3の論点についてはその他の手法に関するものです。令和4年検証ではMIS手法や主観的最低生活費について検討しましたが、その他の手法も含めて、恣意性や客観性、実現可能性などに留意をしつつ、補完に資するものがないか引き続き御議論いただけると幸いでございます。
 マル4については、マル1からマル3と重複する部分も出てこようかと思いますけれども、第1・十分位の比較対象としての妥当性を確認する指標としまして、令和4年検証で確認した指標以外に参照し得るものが考えられるかという点でございます。
 いずれの論点についても、年末の取りまとめに向けまして、今回が議論のキックオフとなりますので、忌憚のない御意見を頂戴できますと幸いでございます。
 資料1について、事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまいただきました資料1についての御説明に関して、御意見、御質問をお願いしたいと思います。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。
 宇南山先生、どうぞ。
○宇南山委員 ありがとうございます。宇南山です。オンラインで失礼いたします。
 今回の議論のところで重要なことは幾つかあると思うのですけれども、一つ、消費実態による検証を補完するというのには大きく2つの目的があるのではないかと思っています。
 一つは、最低生活というのを捉えるときに、支出額だけでは捕捉できない側面があるのではないかという論点で、それを補完する必要がある。例えば冠婚葬祭に出られるか出られないかというのは単純な支出額だけでは捉えられないので、補完する情報が必要だろうという意味で、どういう情報が必要かということを考えるのが一点だと思います。
 ただもう一点、前回の基準改定の際に大きな議論となっていたと私が理解しておりますのは、第1・十分位の下位10%の人たちの生活水準に合わせていると、もしかするとその下位10%の人たちが文化的で最低限度の生活を割り込んでいるという可能性が否定できないのではないかという議論だったと思います。その意味においては、下位10%の人が最低限度の生活水準を超えているか超えていないかということを検証するというのは、その人たちと生活保護受給者が同じ生活ができているかどうかという論点とは分けて考えるべきだろうなと思っております。
 その観点で見ますと、今回お示しいただいた資料の中で、社会的必需項目の不足状況というのは非常に重要な情報として役に立つだろうと。特に今私が申しました点で言うと、第2点目の下位10%の人たちが文化的で最低限度の生活が送れているかどうかを検証する。支出額だけでは見えない、ただ平均を取っても見えない最低限度の生活が送れているかどうかのチェックという意味では、これが非常に重要な役割を果たすだろうと思っています。
 その意味では、お示しいただいた資料の中で、例えば12ページ目でしょうか。生活保護世帯と一般世帯を比較するような結果が示されていて、一般低所得者世帯と生活保護世帯に差があるかないかをチェックするような体制になっているのですけれども、ここはより少し考え方を変えまして、一般低所得者世帯というのが比較対象として適正かどうかを見るために、本当に最低限の生活をするときにはこういう項目は絶対に満たされないといけないよねというような項目を選んできて、その上で、一般低所得者世帯の中でそれが不足している人はいませんかというようなことをチェックしていくことが重要なのではないかなと考えています。
 なので、この社会的必需項目の部分について項目をもう一度精査して、それを一般低所得者世帯が満たせているかどうかというのを使って比較対象として適正かどうかを検証していくということが一つ重要ではないかなと思っております。
 少し長くなります。もう一点だけ申し上げますと、MISとか主観的最低生活費、もしくは栄養の観点の分析、非常に興味深いものはあるのですが、私個人の感想としましては、一個一個の項目について最低限何が必要だと思いますかということを聞いた上で、それを積み上げていくというのは、一見すると非常に適正な感じがするのですけれども、恐らく現実に世の中にいる方々というのは、全てにおいて最低限を超すような生活はしていなくて、何かを我慢しながら何かを満たしていくということをやっているのが現実だと思いますので、部分を積み上げて全体の最低限を構築していくという方向は現状だと少し難しい。そのまま適用していくことは難しいのではないかなというような印象を持っております。
 長くなりました。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、若林先生、どうぞ。
○若林委員 若林です。オンラインで失礼いたします。
私のほうからコメントが2点ございます。
1点目は、先ほども話題に出ておりました「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」についてです。私も本調査は非常に重要であると考えており、特に生活保護世帯など観測数が少ない場合であっても、積極的に活用すべきではないかと思っております。
その上で、平成22年から令和4年までのデータが確認でき、令和7年分がまだ整理されていない状況と理解しておりますが、現状の把握に加えて、クロスセクションとしての水準比較と時系列としての変化の双方を整理することが重要ではないかと考えております。
すなわち、例えば社会的必需項目として恒常的に必要とされているものが何かを確認するとともに、マクロ的要因などによる一時的な上昇・下降なのか、それともトレンドとして継続的に変化しているのかを区別することが重要ではないかと思います。
こうした整理がなされれば、仮に令和7年のデータが未整理であったとしても、一定の見通しを持って議論することが可能となり、基準を検討する際の一つの指標になり得るのではないかと考えております。したがいまして、平成22年から令和4年までの動向をより丁寧に整理していただければ、現在の状況についても一定程度議論が可能になるのではないかと思っております。
2点目です。それ以外の調査、例えば栄養調査についてです。私としては、栄養調査は絶対的水準に関わる重要な指標であると考えておりますが、同時に医療扶助との関係も踏まえて見る必要があるのではないかと思っております。
同じ支出水準で食料を購入していたとしても、データを拝見すると、例えば食塩や脂肪の摂取が多いなど、栄養の質に偏りが見られる可能性があると感じました。そのような状況が続けば、生活保護世帯や低所得世帯において健康状態や疾病リスクが高まり、結果として医療扶助の増加につながる可能性も考えられます。
したがって、栄養調査の結果についても、医療扶助との関連という観点から検討してみてはいかがかと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 嵩先生、どうぞ。
○嵩委員 ありがとうございました。
 私からは、最初の家庭の生活実態及び生活意識に関する調査のところですけれども、こちらについては私も大変重要な資料だと思いまして、令和7年7月の検証結果というのは、可能であれば早急に公表を進めていただきたいと思います。社会的必需項目については、50%以上の回答者が必要であると回答したものという形で切り出しているのだと思いますけれども、重要だけれどもなかなか気づきにくいものとして、個人の生活にとってやはり孤立化を防ぐということが重要だと思っておりまして、その中で、今ある指標ですと冠婚葬祭への出席という形で出ているのかなと思うのですけれども、それ以外にも地域活動とか、知人とか友人との交流ができているかとか、そういった社会的な活動というか、人との交流ということについて金銭的な制約でどのくらい難しくなっているのかといった項目もあるといいのかなと思いました。
 あと、2つ目ですが、生活費を項目ごとに積み上げていく手法についてですけれども、私も先ほどの宇南山先生の御意見に近くて、一つ一つ積み上げていくとどうしても全部額が大きくなって、何となく結果が一般の世帯の平均値からすると乖離というか、不整合というか、違和感を感じるような額になったりもしているということで、今後、どのように積み上げていくかとか、検討手法を精緻化していくかということを検討していく必要があると思うのですけれども、生活扶助の基準は生活そのものに大きく影響を与えますので、やはり安定的に基準を設定する手法というのを構築していく必要があると思っています。そういう観点からすると、今ある手法はまだこれからも改善の余地が大いにありそうだなと思いますので、この手法は重要だと思いますけれども、直ちに何か活用していける段階にはまだ至っていないのかなという感想を持ちました。
 以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、永田委員、どうぞ。
○永田委員 ありがとうございます。
 私もこの家庭の生活実態及び生活意識に関する調査についてですが、この調査は、私の理解ですと2011年の暮らしに関する意識調査というものに基づいて項目の設定をしていると理解しています。これは2011年というやや古い調査になりますので、果たしてこの13項目というのが適当なのかどうかというのは、改めて何らかの形で精査をする必要があるのではないかというのが一点です。
 これは嵩先生もおっしゃっていましたけれども、項目を選定するときに、たしか50%という基準でやっていたかと思うのですが、これも50%というのが果たして適当なのかといったこととか、項目間の重みづけができないかとか、先ほど御指摘あったような社会参加といったものを少し重視してみるとか、項目をどう設定するかということについては精査が必要かなと感じている次第です。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 下位10分の1、第1・十分位との比較だけで見るということは従来もしてはいないとは思うのだけれども、ただ、今回、特に第1・十分位と被保護世帯を見る比重というか、それと例えば一般世帯との比較で見る比重というか、ウェイトというか、それは少し変えるというか、見ていく必要があるのではないかと思うのです。これは従来からの議論を踏まえれば、従来からしてはいるとはいえ、一般世帯との比較というのをもう少し重視するというか、参考程度でみるということではなく、より丁寧に見るということが先ほど来の各委員の御発言、つまり、相対的剥奪とか、社会的な距離であるとか、その他もろもろのことでお金に見えない部分で不利益性があり、それを適切に見るためには第1・十分位と被保護世帯との比較だけではダメで相対的収奪のレベルが十分明らかとはならない、広く、比較において一般世帯や、それ以外の第1・十分位以外の分位をより重視していく、判断材料としてウェイトを置くことによって今回採用は出来ない主観的な二つの方法とは異なり明らかに数字で見えるわけです。したがって、そこの部分は今回の検証では重要だと思います。
 それともう一つは、主観的なものとMISですね。これは令和4年のときに報告書を小塩先生とかでまとめたときに、先ほど事務局から御説明がありましたけれども、議論をして、このままでは使えないと。あと、被験者というか、その人たちに最低生活というか、こういうものについて答えてくださいというオリエンテーションが非常に不十分な形で行っていました。だから、それも指摘されたのです。
 それで、令和4年の報告書でそれを書いているわけなのだけれども、それ以降、その報告書を読まれている方とかそれに携わった方がいらっしゃるわけだから、その後そういう作業を着実にされたかどうかということだと思うのです。それがされていなかったとするなら、やはり今回も議論をするまでもなく、使えないということだと思うのです。やはりああいう報告書が出たら、その後改善していくということがそれに携わった場合には求められるわけですから、それは事務局のほうでは文科省の科研費であるとかその他もろもろでどういうのが出ているかというのは御覧になっていると思うのだけれども、多分出ていないと思うのです。前の令和4年のときとか、その前のときの審議会委員の方々が結構共同していろいろな科研費とか取って調査研究をしているわけで、一つのグループみたいな形になっているのですけれども、それを時々拝見しているのだけれども、あまりそれはないと思うのですよね。だから、今回の検証に、そういった新しいよりしっかりしたものが参照できるような形で間に合うわけではないと思う。間に合えばいいですけれどこれは令和4年の議論で言ったように、それを精緻化するのはやはり調査を行う人たちの義務だから、それをしていただくことが必要なのではないかと思います。
 以上にしておきます。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでございましょうか。資料1につきましてはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、続けて議事次第にございます議事の2番目、「全国家計構造調査のデータの取扱い等について」に移りたいと思います。
 これについては資料2を事務局のほうで御用意いただいておりますので、その説明をまずいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 事務局でございます。
 それでは、資料2「令和6年全国家計構造調査のデータの取扱いについて」御説明をさせていただきます。
 令和6年全国家計構造調査は、昨年の12月に家計収支に関する結果が公表されてございます。今後、検証作業を進めていく上で基礎となるデータになりますので、取扱いについて基本的な方針を整理しておきたいと思います。
 まず、1点目は生活扶助相当支出品目についてでございます。
 2ページを御覧いただければと思います。
 生活扶助基準の検証に当たっては、消費支出項目のうち、生活扶助によるべき需要に相当する項目を生活扶助相当として設定し、さらにこれを個人単位に算定できる経費である第1類、それから、世帯共通的な経費である第2類、これらに区分をしてきてございます。
 令和6年の全国家計構造調査のデータに基づき、これらをどのように設定するべきか、この点について整理をしていく必要がございます。
 令和6年全国家計構造調査の支出品目の分類については、前回の令和元年調査からは基本的に変更がございません。このため、生活扶助相当及び第1類・第2類の区分については前回検証を踏襲するということを基本とし、また、3ページ以降でお示しするとおり設定をするということがひとまず考えられるかと思いますけれども、この点について御意見を頂戴できればと考えてございます。
 3ページ以降では、前回検証ベースで設定した場合の区分案をお示ししてございます。これに関しまして、2点ほど補足をさせていただきたいと思います。
 4ページを御覧いただければと思います。
 まず1点目については、この4ページの左下にございます「被服及び履物」の上から2つ目の「洋服」の部分でございます。この洋服の区分については、「男子用学校制服」、「女子用学校制服」が含まれてございます。これらの項目については、本来、一時扶助または生業扶助の支給対象となることから、生活扶助相当から除外する必要がございます。
 しかしながら、令和元年調査において「洋服」の内訳の区分が統合されたという事情がございまして、「男子用学校制服」、「女子学校制服」については除外ができなくなってございます。この点については令和4年検証の際にも議論になってございまして、家計調査のデータから夫婦子1人勤労者世帯のうち低所得世帯において、これらの区分の支出額がゼロであったことを確認した上で、除外しないということに特段問題はないという整理をしてございました。
 実際に直近のデータを見ましても、学校制服を購入する時期としましては年前半に集中する傾向がございまして、10月、11月の購入は限定的であると想定されるところでございます。
 それから、補足の2点目については、同じ4ページの右側の「保健医療」の部分の上から3つ目にございます「保健医療用品・器具」の部分でございます。特に青の網かけをつけている部分でございます。この部分については、令和6年調査で分類に変更があった唯一の箇所でございます。※1に注記をつけてございますけれども、令和元年調査では「保健用消耗品」という一つの区分でございました。これが令和6年調査で「マスク」、それから、「他の保健用消耗品」の2区分に細分化されてございます。令和元年調査の「保健用消耗品」という分類のときには第2類ということで設定してございました。今回は細分化された両区分とも前回調査に倣ってそれぞれ第2類と設定することでどうかと考えてございます。
 なお、全国家計構造調査における収支項目分類の内容例示によりますと、この「マスク」については不織布マスク、ガーゼマスク、布マスク等が含まれてございます。また、「他の保健用消耗品」については、絆創膏、三角巾、包帯、コンタクトレンズの保存液、生理用ナプキン、入浴剤などが含まれてございます。
 続きまして、2点目でございます。7ページ以降になりますけれども、データのサンプル数に関する評価についてでございます。
 8ページを御覧いただければと思います。
 令和元年調査では、近年増加を続ける単身世帯の標本規模を拡大し、総世帯及び単身世帯の統計精度の維持・向上を図るという観点から、2人以上世帯のサンプル数を減らす一方で、単身世帯のサンプル数を拡大するという変更が行われてございました。
 一方で、令和6年調査については前回調査から特段変更はされておらず、前回の令和元年調査と同程度のサンプル数が確保されてございます。合計で約4万世帯という大規模なデータになってございますけれども、検証作業では、収入階級や世帯分類などを細分化して集計するという作業を行ってございますので、対象となるサンプル数が少なくなる可能性がございます。このため、令和4年検証では集計対象となるサンプル数に留意して検証を行うということとしてございました。今回も全体としてサンプル数に大きな変化は見られてございませんので、前回と同様の方針で検証を進めていくということとしてはどうかと考えてございます。この点について御意見を頂戴できればと思います。
 3点目についてはその他でございます。
 11ページを御覧いただければと思います。
 1つ目の○にございますとおり、全国家計構造調査は調査対象月を10月と11月の2か月間としてございます。このため、消費支出の季節性の観点から確認しておくべき点等がないかというのが論点となります。
 この点に関しましては、令和4年検証では、検証に用いた令和元年調査において調査対象月が9月から11月の3か月間であったものが、10月から11月の2か月間に変更されたタイミングでございました。また、それに加えまして、消費税率の改定に伴う駆け込み需要の反動の影響を評価する必要があったということもございまして、令和4年検証当時では家計調査を用いて確認作業を行っていたところでございます。
 12ページから14ページにかけては、令和4年検証の際の資料を添付してございますので、適宜御参照いただければと思います。
 今回の令和6年調査については、特段の変更はなく、また、考慮すべき事象等も想定されないという状況ではございますけれども、季節性については経年で変化し得るというものでもございますので、念のため家計調査を用いて確認作業を行うこととしてはどうかと考えてございます。この点につきまして御意見を頂戴できればと思います。
 そのほか、11ページ、2つ目の○にございますとおり、令和6年調査のデータに関しましてそのほかに特に留意すべき点があれば、御指摘いただけますと幸いでございます。
 御参考までに、15ページに令和6年中の主な動きを抜粋してございますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料2について事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 ただいま資料2について事務局から説明をいただきましたけれども、これにつきまして御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。
 では、宇南山先生、お願いいたします。
○宇南山委員 ありがとうございます。
 今回の全国家計構造調査は、2019年調査と比べると変更箇所が軽微ということで、前回踏襲でよろしいのではないかと思います。
 また、季節性については、2019年以前、2014年などのときには、もちろん季節性は存在するのですけれども、特段扱っていなかったように理解しておりまして、前回は消費税を引き上げた直後だったということで、反動減がもろに出ているのではないかということで検証した記憶があります。その意味では、今回は消費税もありませんし、特段の配慮というか考慮は必要ないのではないかなと思います。もちろん10、11月に限定されるという点はいろいろ問題はあろうかと思いますが、大規模な家計調査をしている調査は全国家計構造調査しか存在しませんし、季節性の大きな部分が耐久財の購入であるとか、先ほどありましたが、制服の購入であるとか、そういったもので、必ずしも生活扶助相当の支出に大きな季節性があるわけではないと理解できますので、特段季節性によりものすごい労力を割く必要はないのではないかなと思います。
 もう一点、これは2024年の支出と生活保護の基準を合わせるという観点では考慮する必要はないかもしれませんが、近年というか去年のガソリンの暫定税率の廃止というのがあって、恐らくはそれによって支出が大きく、その後減っている可能性があろうかと思いますので、恐らく対応としては2024年に合わせた後の話だと思いますが、ガソリンの暫定税率廃止の影響というのはどこかで検討する必要があろうかと思います。
 私からは以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、ほかにいかがでございましょうか。
 栃本先生、どうぞ。
○栃本委員 すごく初歩的なことで恐縮なのですけれども、この全国家計構造調査は1類、2類で見ていくという作業をずっとしてきた。それで、かつ生活扶助相当支出品目について、全国家計構造調査の支出品目との対応関係で全国家計構造調査の数字を出していくということなのだけれども、そのときに、例えば保健医療用品・器具とか保健医療サービスというので、1類、2類と、もう一つはそもそもが医療扶助の対象範囲だから、また、これは出産扶助の対象範囲だから対象外ということにはなるのだけれども、それはそうですよね。だから、それは医療扶助でやっているのだから、これは出産扶助でやっているのだから、それは理屈としてそうなのだけれども、全国家計構造調査というものの一般のものを見る場合に、やはり保健医療とかそういうのは結構重要なわけですよねというので、もう一回、理屈としては、答えはやはり医療扶助や出産扶助の中に入っているから、それは見る必要はないという説明だけになるのですかね。それはどうかな、ちょっと変な言い方になるのだけれども、そうなのですか。
○岩村部会長 事務局、いかがでしょうか。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。
 これまでの整理はあくまで生活扶助の対象になっているかどうかという観点で、生活扶助の品目として入れるかどうかという見方をしてきたということで、先生がおっしゃったとおり、ほか、生活扶助以外の扶助の対象になる医療費ですとか、あるいは出産の費用等については、生活扶助でカバーする範囲から外れるということで、生活扶助相当の支出にはカウントしないという整理でやってきてございます。
○栃本委員 カウントする必要はないわけだけれどもね。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 実際に生活扶助基準を設定する際に、生活扶助相当支出の水準に合うように生活扶助の基準を定めるという形でこれまでやってきてございます。そういう意味でも、カウントしてしまうと、言わば二重計上といいますか、医療扶助等で見ているものも生活扶助でも重ねてみるような形になってしまうと思います。
○栃本委員 カウントするのはそもそもあり得ないことではあるのだけれども、これのそもそもが全国家計構造調査なので、家計構造というのを見るときにはとても重要なものではある、一般的に言えばそういうものではあるからということで、改めてその理屈だけで通るのか疑念を申し上げ、教えていただいたというか、役所側に改めて確認をしていただいたということで、ありがとうございます。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 では、永田先生、どうぞ。
○永田委員 ありがとうございます。
 11ページですけれども、10月、11月の2か月間であることについて、家計調査による集計結果を基に調整が必要か検討してはどうかというような御提案がなされています。先ほどの宇南山先生のお話だと、それは必要ないのではないかという御意見だったと理解しましたが、ただ、下のところを見ると、家計収支については10月、11月とも100を下回っていて、やや低い水準であるとされているので、仮に家計調査による集計結果を基に調整するということになると、これも前回の会議のときに、家計調査は非常にサンプル数が少ないので、例えば3年分とかをプールして利用するとか、そういった方法が適切なのではないかという御意見があったかなと理解しているのですけれども、私は専門ではないので分からないのですが、まずは必要があるかどうかということと、必要な場合に家計調査を利用する場合の留意点みたいなことは考慮する必要があるのかなと思いました。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 宇南山先生、お願いします。
○宇南山委員 2度目で申し訳ありません。
 1点目は、栃本先生のおっしゃっていることを私なりに理解すると、例えば極端に言うと、出産をする人が非常にたくさんサンプルにいたとして、出産をする費用は医療扶助で賄われるということで切り離すことになるわけですけれども、例えば出産をするとそれ以外の支出がすごく減ってしまうというような現象が起きていたとすると、出産をしていない人たちの生活扶助相当を決めるときに、出産という特殊な事情にある人たちが消費をしている暇がなかったというようなところで大きな影響を受けてしまうようなことがあれば、それは恐らくは偏ったものになるだろうというのは御指摘のとおりだと思いますが、例えば医療扶助に関しては必ずしもそういうことが、つまり、全国家計構造調査の中で出産をしている人であるとか、もしくは非常に大病をして入院をしているような人というのは数は多くないと想定されますので、影響は大きくないかなとは思います。
 ただ、類似のこととしては、耐久財に関しては少しあり得るかなと。つまり、非常に大きい車とかを買うというのは、もちろん生活扶助の対象外なのでカウントはしませんけれども、それによって車を買った人がほかの支出を抑えているというようなことが頻発しているようなら検証は必要かなと思いますが、そこはコストとベネフィットの間でどう考えるかなという問題かなと思います。
 あと、今、永田先生のお話があったのですけれども、先ほど申しましたが、家計調査で季節性があるというのは消費支出全体の話で、10、11月が少ないというのは事実なのですが、例えば耐久財とか旅行を除いたときにどうなのだろうかという問題、さらに、家計調査を使おうとすると、家計調査全体で見れば比較的安定した季節性は出るのですけれども、季節性というのは世帯類型によってもかなり違うものなので、低所得者世帯のさらに高齢者であるとか、子供が2人いるかどうかなどで分けてしまうと、季節性を安定して把握するというのは非常に困難なのではないかということを考えますと、数字的に家計調査で生活扶助相当の支出が全世帯で見てそれほど大きくないというのを確認する程度のことはあってもいいかと思いますけれども、実際に何か基準を決める際に補正に使えるかというと、私はなかなか難しいのではないかなと思っております。
 以上です。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。
 それでは、今の問答との関係で、まず栃本先生、お願いします。
○栃本委員 宇南山先生が最後におっしゃった部分で、過去の検証作業の中で実際にやってみたところ、宇南山先生が話されたようなことであるということで、だけれども、最後に宇南山先生からそれでもこの程度のことはやっておくべきではないか、やってもいいのではないかという話がありました。一応理屈上とか過去の経験則からこうであったということであったとしても、最初から省くのではなくて、省くというかそれはしないということではなくて、ある程度しておくというのは後々仮に重要になるかもしれないので、今後、基準部会で検証作業を行う際には、一応というか、過去の例からするとあまり大したものは出ていないなということであったとしても、一応やっておくということは後々いろいろな備えをするという意味ではとても重要だと思います。
 以上です。ごめんなさい。
○岩村部会長 いえ、貴重な御意見をありがとうございます。
 それでは、村田先生、お願いいたします。
○村田委員 ありがとうございます。
 私からは2点申し上げたいと思います。
 1つ目は質問で、細かい点で大変恐縮ですが、生活扶助相当支出品目について。最後に仕送り金というのがあるのですけれども、仕送り金というのは、通常は家計調査などでは、子供が大学に受かり地方に行ったりすると、そこに仕送る。要するに同居していない子供などへの支出として記入されることが多かったと思うのですが、生活保護の対象とされている方も、そのような支出を範囲として入れるべきなのかが私自身まだ不勉強でよく分からなかったので、仕送り金を入れるべきなのかについて、今日でなくても構いませんので、教えていただければというのが1点目でございます。
 2点目は、資料1のところで発言すべきだったかもしれないですが、全国家計構造調査を取り扱うにあたって留意すべきことはないかと書いてありましたので、こちらでと思ったのですが、先ほど資料1で、宇南山先生からの、支出額では捕捉できないものについて家庭の生活実態及び生活意識に関する調査を活用することに私も賛成です。一方で、この中に社会保障生計調査というのがあり、2024年調査がもうすぐ公表される予定かと思います。全国家計構造調査と同じ年になりますので、2024年の全国家計構造調査と社会保障生計調査の2024年の結果を比較する、支出項目や属性などを調整した上で、第1・十分位の人たちと、実際に生活保護を受けている方々の2024年における支出がどうであったかを参考資料として確認することも有用ではないかと思いました。今までやられたことがあれば、ぜひそれを拝見してみたいと思いますし、今までやられていなかったということであれば、今回されてみてはいかがかと思いました。
 以上になります。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 御質問がありましたが、それについて、事務局、可能であればお願いします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 仕送り金を第2類あるいは生活扶助に設定している理由についてでございますけれども、今、手元に資料がございませんので、大変恐縮でございますけれども、後日改めて回答させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 もう一つ、分析を加えてはどうかという御提案もあったのですが、そこについてはいかがでしょうか。即答できなければ、また後ほどで結構です。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 ありがとうございます。大変貴重な提案をいただいたと受け止めてございます。
 私の記憶の限りでは、全国家計構造調査あるいはその前の全国消費実態調査の時代からですけれども、変動を何かと比較するときには、恐らく、家計調査の動きと見比べてというのはやったことはあったと思うのですけれども、社会保障生計調査の動きと比較をするというのは恐らく取り組まれてこなかったのではないかなと思います。今回御指摘いただいた点も踏まえて、今後の分析対象を考える際にはぜひ参考にさせていただきたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 村田委員、よろしいでしょうか。
○村田委員 はい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでございましょうか。資料2についてはよろしいでしょうか。
 それでは、議事次第にありますその他に進みたいと思います。こちらについては、事務局のほうで報告事項ということで資料3と資料4を御用意いただいておりますので、続けて説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○榎社会・援護局保護課生活保護統括数理調整官 では、まず資料3に基づきまして、平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判判決への対応について御報告させていただきます。
 平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応に関しましては、前回10月の生活保護基準部会において、専門委員会の開催状況を報告させていただいたところでございます。その後、専門委員会のほうでは報告書が取りまとめられまして、また、それを踏まえて政府の対応方針についても決定されてございますので、一連の概要を御報告させていただきたいと思います。
 まず、2ページを御覧いただければと思います。
 ページの下側部分に専門委員会の開催実績をお示ししてございます。御覧のとおり、昨年11月までに合計で9回開催いたしまして、11月18日に報告書を公表してございます。
 3ページを御覧いただければと思います。
 専門委員会の取りまとめのポイントになります。
 上から御覧いただきますと、まず1ポツとしまして、平成25年改定当時の生活扶助基準に係る再検討結果を整理してございます。平成21年全国消費実態調査に基づいて、25年改定前の生活扶助基準額と生活扶助相当支出額を比較したところ、支出額のほうが12%低い水準となってございました。ただし、これにはリーマンショックの影響を大きく受けていると考えられることから、消費水準の補正が必要であると指摘した上で、3つ目の○にございますとおり、補正方法に応じて3通りの改定率が示されてございます。いずれのケースもゆがみ調整反映後の基準額に対してマイナスの改定を必要とするという結果になってございます。
 なお、専門委員会では、この補正方法を議論する過程の中で世帯構成や年齢構成の変化による影響を除去する方法などについても検討いただきました。その際には、生活保護基準部会のほうで調査実施時点以降の経済変動の反映方法が検討事項となっているという中で、このような方法については生活保護基準部会で慎重に検討していく必要があるといった御指摘もいただいてございましたので、併せて御報告させていただきます。
 続きまして、2ポツの部分でございます。判決の効果や1ポツの検討を踏まえた対応の在り方を整理してございます。
 1つ目の○では、再改定の適否に関して、生活扶助基準と一般国民の生活水準との間の均衡を図る観点から再度改定することは生活保護法第8条第2項の規定に沿う、としてございます。
 2つ目の○では、ゆがみ調整に関して判決で違法とされておらず、制度全体の合理性・公平性確保の観点から、全ての対象者に再実施が可能、としてございます。
 3つ目の○では、高さ調整に関して、原告・原告以外ともに生活保護法第8条第2項に基づき水準を再設定することが適当であるが、原告については争訟継続による負担や経緯を踏まえた紛争の一回的解決の観点から、解決の一手法として再設定を行わないことも考えられる、としてございます。
 また、高さ調整に関しましては、その下の※に記載のとおり、委員間で様々な御意見がございました。
 4ページを御覧いただければと思います。
 1つ目の○では、基準の見直しの具体的内容に関して、高さ調整を再度実施することとした上で差額の給付を行うこととする場合には、生活保護法第8条に基づく新たな基準を制定し、当該基準に基づき保護費を追加的に支払う方法などが適当、としてございます。
 以上を踏まえた総括としまして、下から2つ目の○の部分でございますが、新たな基準を制定する場合にも、原告等及び原告等以外の被保護者の区別なく適用することが基本と考えられるが、他方で、原告等については、特に高さ調整について、紛争の一回的解決の要請に特に留意が必要であり、こうした点を踏まえて適切に裁量権行使を行うことが必要であるものと考えられる、とまとめてございます。
 また、一番最後の○でございますが、今回の最高裁判決において、厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったと判示されたことを重く受け止め、今後の改定手続において同様の問題が生じないよう、特にこれまでと異なる判断を行う場合には、厚生労働省において専門的知見に基づく生活保護基準部会等における検討を経て適切な改定を行うよう特段の留意を求める、ということで付記をいただいてございます。
 5ページを御覧いただければと思います。
 専門委員会に取りまとめいただいた内容を踏まえまして、政府として決定した対応方針を示してございます。
 まず、高さ調整の水準に関しては、3つお示しいただいた案のうち、平成24年までの変動率に基づくマイナス2.49%を採用してございます。
 続いて、6ページを御覧いただければと思います。
 高さ調整をマイナス2.49%の水準とすることに伴いまして、平成25年改定当時のマイナス4.78%の水準との間には差額が生じることとなります。このため、この差額については、生活保護法に基づく保護費として、原告・原告以外を区別せず、一律に追加給付を行うこととしてございます。
 その上で、原告については、紛争の一回的解決の要請を踏まえ、高さ調整を実施しない水準となるよう、保護費に代えて、これに相当する分を予算措置の特別給付金により支給することとしてございます。
 これらの給付に必要となる費用、それから、支給事務に係る自治体への補助等については、令和7年度補正予算において1475億円を計上してございます。
 また、これらの給付を速やかに行うべく、先週の金曜日、2月20日になりますけれども、関連する告示の公布、通知の発出を行ったところでございまして、3月以降、順次支給を開始していくこととしてございます。
 7ページについては、追加給付等の実施に関して整理をした各論点の取扱いでございます。いずれも専門委員会の報告書に沿って整理をしたものでございます。
 資料3については以上となります。
 続きまして、資料4に基づきまして、令和8年度生活扶助基準の見直しについて御報告をさせていただきます。
 資料4の2ページを御覧いただければと思います。
 生活扶助基準について、令和7年度の予算編成においては、社会経済情勢等を総合的に勘案し、令和7年度から8年度の当面2年間の臨時的・特例的な措置として、一人当たり月額1,500円を特例的に加算する特例措置を措置してございました。
 令和8年度の予算編成過程においては、この取扱いを再検討しまして、直近のデータも踏まえて、改めて社会経済情勢等を総合的に勘案した結果としまして、令和8年の10月から1年間、特例加算の額を1,000円引き上げ、一人当たり月額2,500円に増額することといたしました。
 なお、令和9年10月以降の生活扶助基準については、現在1年前倒しで進めている定期検証の結果を適切に反映していくこととしてございます。
 簡単ではございますが、資料4について以上でございます。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、今、ただいま御説明をいただきました資料3と資料4につきまして、御意見、御質問がございましたらお願いしたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。
 そうしますと、今日予定していた議事はこれで全て終了ということでございます。御意見のほうも大体皆様お出しいただいたということと思います。予定よりはかなり早いのですけれども、本日の審議はこれをもちまして終了とさせていただきたいと思います。
 次回の開催につきまして、事務局から説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤社会・援護局保護課長補佐 次回の開催日程につきましては、事務局より追って委員の皆様に連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議はこれをもちまして終了とさせていただきます。
 皆様、お忙しい中を御参集いただきまして、かつ貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、散会いたします。