第36回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録

日時

令和8年3月10日(火)16:00~18:00

場所

オンライン会議会場

出席者

参集者(五十音順 敬称略)

議題

  1. 令和7年度技能検定職種の統廃合等に関する検討会報告書(案)について

配布資料

議事

第36回技能検定職種の統廃合等に関する検討会

○事務局 定刻となりましたので、ただいまより、第36回技能検定職種の統廃合等に関する検討会を開催いたします。それではこれからの進行は黒澤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○黒澤座長 皆様、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。それでは令和7年度技能検定職所統廃合に関する検討会の報告書案の検討に入りたいと思います。前回の検討会において畳製作職種と義肢・装具製作職種につきまして、一定の条件を課すということで、現在の状況を継続するということで認めることにいたしました。この報告書案には各職種に課す条件について記載しておりますので、併せてご検討いただきたいというものでございます。事務局からご説明お願いします。
○北村上席職業能力検定官 それでは、資料を説明させていただきます。名簿がございまして、目次となっております。報告書の前半部分は、前回の会議資料を、そのまま添付しておりますので、説明は省略させていただきます。こちらは、前回の会議で業界団体にヒアリングした、技能検定を廃止した場合どういった影響があるのか、技能検定をどのように活用されているのか、といったご意見をまとめております。まず、技能検定活用の現状でございますが、技能が畳店、工務店などの現場業務に直結して、就職等の強みとして活用されている、技能士資格があることで、営業先などへの信頼性が高まり、技能士手当や昇給の対象として評価される場合がある、という御意見でした。技能士が在籍していることにより、一貫した責任施工ができる強みをアピールでき、顧客からの信頼向上につながる。技能検定試験の指導員、試験官として、また地方自治体や職業訓練校での講師、実技指導員として活用している。技能士は技能の継承に貢献できる人材である。一部の公共工事、官公庁の登録や入札では、技能士資格が加点要素となっているほか、現場常駐制度の適用がある。
 次に、技能検定が廃止された場合に、どういった弊害が生じ得るかということについてです。職人の技能水準の判断が困難となり、粗悪な施工によるトラブルの増加が懸念される。技能水準の低下により、日本の伝統文化の畳の品質、存続への悪影響が懸念される。技能の体系的な教育、評価、記録の仕組みが喪失し、技術の継承や標準化が困難になる。若手育成意欲の低下につながり、後継者不足が加速する。職業訓練校などでの教育方針が曖昧になり、技能グランプリなど関連制度にも波及し、業界全体の活躍が低下する。技術力より価格重視の傾向が強まり、業界全体の品質が低下し、最終的には消費者が不利益を被る恐れがある。義肢装具士資格だけでは評価しきれない技能を補完する役割が失われる。
 次に、受検者数が増加しない要因についてです。和室建築や畳需要が大幅に縮小し、畳業界全体の取扱量が平成初期の約1/10まで減少したため、後継者不足、廃業が進んでいる。また、新規参入も少ない。畳材料の軽量化や製造期間の進展により、技能士資格を持たない者でも畳製作が可能となり、資格取得の必要性が低下している。義肢・装具製作では、非会員事業者への情報提供が十分に行われておらず、制度の周知に結びついていない。実技試験の開催地域が偏在しているため、受検機会の地域格差が大きい。義肢装具士制度が昭和63年に創設されたことにより、技能士を取得する意義が相対的に薄れた。こういったご意見をいただいたところです。
 次は、受検者数の今後の増加見込みについてです。現時点では大幅な受検者増は見込めないが、京都、鹿児島、東京、埼玉などの畳訓練校には一定数の生徒が存在し、技能士資格取得を目指して訓練に取り組んでいる。既存の畳店等においても、技能士未取得者が多く、従業員に対して資格取得を推奨する店も増えているということでした。義肢・装具製作では、過去の累計合格者は義肢製作作業の一級技能士は約800名、装具製作作業も同じく約800名となっており、業界団体に所属しない事業場の従業員も含めると、技能士資格保有者はごく少数であるため、潜在的な受検対象者は多数存在する、ということです。試験の廃止、統合存続についてのご意見は、畳製作、義肢・装具製作ともに都道府県方式による存続を希望するというご意見をいただいたところです。
 続きまして、前回の会議でご説明しておりましたパブリックコメントの結果でございます。検討にあたって、企業や業界の他、受検者の立場からの意見も考慮する必要がありますので、パブリックコメントを毎回実施しております。令和8年1月21日から2月19日の間パブリックコメントを実施し、合計35件のご意見が寄せられたところです。こちらを表3の方にまとめてございます。大きく三つに分かれておりまして、存続をしてほしいというご意見と、制度を見直した上で存続してほしいという意見と、統廃合を容認するというご意見です。まず、「現行制度のまま存続」のご意見ですけれども、統廃合の検討対象として、畳製作や義肢・装具製作が挙げられているが、どちらも技術者は少ないが必要不可欠な職業であり、試験の採算が取れないからと、公共の利益に反する技能検定試験の廃止には反対する。義肢・装具製作は、医療福祉に不可欠な高度な専門性を必要とする技能であり、利用者の安全生活の質に直結するため、技能検定による客観的な技能評価が必要である。義肢・装具士の国家試験では製作技能を十分に評価できず、現場で必要な実務技術の確認には技能検定が唯一の制度であるため、廃止すべきではない。義肢・装具士の養成校の減少、受検者の減少で賃金による離職といったことを原因として業界の人材基盤が弱まっており、技能検定は技術者確保、技術継承、モチベーション向上に重要な役割を果たしている。義肢装具士と製作技術者の分業が進む中、製作技術を担う技能士の存在は業務負担軽減や品質維持に不可欠であり、技能検定は両者の共同体制を支える仕組みとなっている、といったご意見でした。「制度を見直した上で存続」のご意見ですけれども、こちらは義肢・装具製作や畳製作は専門性に高い技能を必要とする分野であり、単なる統合ではなく、受検者にメリットが生まれる形で制度を再設計することが重要であり、科目統合など、技能向上と受検負担軽減の両立が求められる。現在の技能検定は、義肢・装具製作の高度な技能を評価する制度として不可欠だが、実務との乖離やデジタル化への未対応など課題があるため、現場で使われる技術を取り入れた形への改善が必要である。義肢装具士の養成校や受検者数の減少、小規模事業場の多さ、人手不足など構造的な課題があることから、製作以外の業務に携わる人も含めて技能評価できる仕組みの導入も有効ではないか、といったご意見でした。「統廃合容認」のご意見では、受検者が減少している職種については、必要性や継続の妥当性を見直すべきである、といったご意見でございました。
 これらを踏まえまして、「4 検討対象職種の都道府県方式による存続の可否」でございます。
 まず、畳製作職種です。畳製作職種については、6年間の平均受検申請者数が86人となり、第1次判断基準の100人を下回っている。一方、関係業界団体からは以下の取り組みを進めるなど、受検者拡大に向けた意欲が示されているところである。技能検定対策および畳製作技能の標準化を目的とする教本について、令和9年の発刊を目指し作成中であり、当該教本に基づく講習会のカリキュラム作成及び講師を育成するといった体制を整備した上で、会員のみならず、会員以外の事業者及び受検対象者に向け、効果的に講習会を実施する。一般財団法人ベターリビングが定める畳に関する優良住宅部品認定基準において、畳施工は2級畳製作技能士以上の技能を有する者等が所属する畳店により施工が行われることなどが明記されたことから、品質管理責任者セミナー等の機会を活用し、全国で説明会を開催すること等により、全国の畳店等に対し、技能検定受検勧奨を行う。若年者や女性等の新規参入者の確保の取り組みとして、SNS等を活用した広報を強化するとともに、職業訓練校等との連携強化等を行う。以上から受検者拡大を図っていくことを条件に、都道府県方式による毎年実施の継続を認めることが適当である。ただし、令和8年度以降に実施される技能検定において、年間受検申請者数が100人以下となった場合には、改めて隔年実施に実施頻度を落とすことについて本検討会に諮るものとする。
 次に、義肢・装具製作職種についてです。こちらは、隔年で実施をしており、令和7年度以降、義肢製作作業は3年ごとに実施となっています。6年間の平均受検申請者数が45人と、第一次判断基準の50人を下回っている。一方、関係業界団体からは以下の取り組みを進めるなど、受検者拡大に向けた意欲が示されているところである。技能検定実施地域の拡大に向け、各地域の義肢・装具士養成校との協力体制を強化し、養成校の卒業者及び各地域の製作技術者が確実に実技試験を受検できる環境を整備する。関係業界団体はもとより、団体に所属しない事業者に向けて技能検定制度を周知し、受検者の掘り起こしを図る。受検意欲向上のため、技能士資格取得者に対する給与等の処遇改善を事業者に呼びかけるとともに、好事例の横展開を図る。最近の技術進化に対応できるよう、実技試験問題の見直しに取り組む。関係業界団体が設置する研修委員会が中心となり、座学と実技で構成される受検対策セミナーで使用する教材、標本及び実業の模範作成動画などをあの教材として、カリキュラムを1級受検者向け、2級受検者向けに作成し、受検対策セミナーは年2回のペースで開催する。以上から受検者拡大を図っていくことを条件に、都道府県方式による隔年実施の継続を認めることが適当である。ただし、令和9年度以降に実施される技能検定において、年間受検申請者数が50人以下となった場合には、改めて実施頻度を落とすことについて本検討会に諮るものとする。なお、技能検定の実技試験の課題の適否については、関係業界団体と中央職業能力開発協会が協力し、検討することが望ましい。資料の説明については以上でございます。
○黒澤座長 今ご説明いただいた報告書案につきまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。筒井先生、お願いします。
○筒井委員 パブリックコメントのところに関しての質問ですけれども、3月3日にいただいたメールで、今回はパブリックコメントが非常に多かったという話だったんですけれども、それに関して2点ありまして、例年はどれぐらいの件数であり、なぜ多かったのかということと、表3を拝見しますと、義肢・装具製作職種に関するコメントが多かったんですけど、ほとんどそれだったんですかという2点をお伺いしたいと思います。
○北村上席職業能力検定官 多かった理由は分かりませんが、パブリックコメントを実施する際は、今回対象職種になった業界団体の皆様にも「パブリックコメントを開始したので関係各位に周知されるなら、よろしくお願いします」ということで、アドレスをお送りしております。それでも、例年は1件あるかないかとい程度でしたが、今回は義肢・装具製作職種に関する意見が多かったという結果でございました。
○筒井委員 そうしますと、パブリックコメント開始しますよということを業界団体さんに、毎回連絡はされてるわけですよね。なので、パブリックコメントを書きましょうねみたいな動きがあったのではないかという、そういう理解でよろしいですか。
○北村上席職業能力検定官 どこの業界団体もされてると思うんですけど、今回はきちんと会員の皆様に伝わり、これは意見を出さなきゃいけないと皆様思われたということだと思います。
○筒井委員 わかりました。雑談的なことなんですけども、アメリカの就労支援、就労支援専門職の業界団体があって、そこの年次カンファレンスに1回参加したことがあるんですけど、そこでは連邦の就労支援に関する法律が変わりますってことの説明があった後に、集会に参加してる現場の皆さんが、法律変わることに際してパブリックコメントが募集されてるので、みんな出しましょうみたいなことをすごく強力に言っていて、皆さん燃え上がってたみたいなことがあったんで、それを思い出しましたという雑談です。
○黒澤座長 それだけ存続をご希望されている方が多いということの表れなのでしょうかね。他ございませんでしょうか。私も前回のこの会議で皆様とご議論させていただいた点について、メモを見返してみたところ、今回のパブリックコメントでもそうですし、業界の方々のご意見にもあった、我々の要請をかなり報告書に汲んでいただいているという印象があります。とくに、畳製作職種については、最近、海外からの需要も増えているような中で、教本をきちんと作るとか、ベターリビング認定基準に技能士が明記されたということもあり、そのあたりをうまく使って、受検者の数を確保していくとか、協会のカバー率を向上させる方策も入れていただいていますし、とてもよろしいのではないかという気がしますがいかがでしょうか。高山先生、お願いします。
○髙山委員 黒澤先生がおっしゃったように、我々の要望をよく汲んでいただいてますので、大変良い報告書になったと思っています。今後、約束したことを達成していただけたかどうかの、モニタリングをしっかりすれば良いと思っております。私からは以上でございます。
○黒澤座長 また、義肢・装具製作職種の方につきましては、いわゆる試験実施地域が偏在してる点を改善すべく地域を拡大するということもありますし、きちんとした研修が提供されてなかったものをやっていただくということもあります。パブリックコメントにもありましたが、新しい技術が使われるようになれば、それを取り入れた形で、試験問題を改訂して頂く点について、この報告書では最後のところに、それは関係業界団体と中央職業能力開発協会が協力して検討してくださいという風に書いてありますね。この会議として、これ以上は言えないということでしょうか。
○北村上席職業能力検定官 ご承知の通り、都道府県が実施する検定については、試験問題を中央職業能力開発協会が設置する中央技能検定委員会で議論することになりますので、中央技能検定委員会において、試験問題を変えていきたいという、問題提起を業界団体の方からしていただいて、どういった修正ができるのかというのを考えていただくということになります。場合によっては、厚生労働省の規則において実技試験での試験の範囲等を決めているんですけれども、その範囲も変更が必要ということになれば、厚生労働省で省令改正手続きも必要になってくるかと思います。まずは業界団体で、どういった実技試験問題をやっていきたいのかを検討していただいて、それを我々厚生労働省の方に提案していただき、見直しをすすめていくという流れになってくると思います。
○黒澤座長 そうすると、業界団体の方でそういった問題提起をしていただくということが、今回お認めする要件になるというふうに考えてよろしいですか。
○北村上席職業能力検定官 そうです。まず試験問題は本当に見直さなきゃいけないのかというのは十分に検討していただいて。それから最新の技術を取り込むことの検討も大事な観点ではありますが、都道府県職業能力開発協会において検定を実施できるかどうかという点も重要ですので、どういった試験問題があり得るのか、実現可能性も含めてよく議論はしていただかないといけません。すぐに試験問題を変えるというのは難しいのですが、まずは検討していくという姿勢を見せていただいたのかなというふうに思っております。もう一つ、先生のご懸念の、現在は実技試験の試験会場が偏在している点でございますが、まずは協力いただける機関ありましたら、業界団体と職業能力開発協会が連携しないと実技試験の実施に結びつかないので、厚生労働省からサポートして行きたいと考えております。以上です。
○黒澤座長 そうしましたら、この報告書の内容で取りまとめさせていただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○北村上席職業能力検定官 本日ご確認いただきました報告書と報告書の概要をこれから取りまとめまして、先生方にご確認いただいた上で、今年度中に厚生労働省の方で公表する手続きを進めます。また、本日の会議の議事録につきましても確認をしていただくことになります。よろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。
○黒澤座長 本日の議題はすべて終了ということでございます。皆様、ありがとうございました。では、事務局に進行を戻させていただきます。
○事務局 黒澤座長、ありがとうございました。最後に主任職業能力検定官の大村よりご挨拶申し上げます。
○大村主任職業能力検定官 本日はお忙しい中ご参集いただきまして、また活発なご議論を賜り、誠にありがとうございました。令和7年度の技能検定職種の統廃合等につきましては、先生方から業界団体に対して丁寧にヒアリングを実施していただき、また受検者増に向けた具体的なご提案等ご議論をいただき、心より感謝申し上げます。専門的な観点から的確なご指摘をいただきましたので、これらを踏まえて報告書取りまとめさせていただきたいと思います。本日は誠にありがとうございました。
○事務局 それでは以上をもちまして、検討会を終了いたします。本日はご多忙のところお集まりいただきありがとうございました。