2025年7月31日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録

日時

令和7年7月31日(木)18:00~

場所

厚生労働省講堂

出席者

出席委員(18名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 
欠席委員(3名)五十音順

行政機関出席者
  •  宮本直樹  (医薬局長)
  •  佐藤大作  (大臣官房審議官)
  •  紀平哲也  (医薬局医薬品審査管理課長)  
  •  安川孝志  (医薬安全対策課長)      他

議事

○医薬品審査管理課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから「薬事審議会医薬品第一部会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。本会議はペーパーレスでの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくこととなります。操作等で御不明等ございましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、お申出ください。
 本日の会議における委員の出席についてです。佐藤直樹委員、野津委員、前田委員から御欠席との御連絡を頂いております。このほか、川上委員、阿古委員から遅れて御参加との御連絡を頂いております。また、田﨑委員がまだ会議に参加されていないようです。現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 続きまして、事務局に人事異動がありましたので、御報告いたします。厚生労働省医薬局長の宮本でございます。医薬安全対策課長の安川でございます。医薬品医療機器総合機構安全管理監の中井でございます。続きまして、医薬品医療機器総合機構執行役員の飯村でございます。同じく医薬品医療機器総合機構審査マネジメント部長の柳沼でございます。医薬品医療機器総合機構新薬審査第四部長の安藤でございます。最後に、私、医薬品審査管理課長に着任いたしました、紀平と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況につきまして、全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
 これより、議事に入ります。カメラ撮りはないですね。御協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、森部会長、以降の進行をよろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日はあらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1からNo.17を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目、競合企業リストは資料No.17に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
 議題1「ドプテレット」、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、髙橋委員。議題2「ボルズィ」、退室委員なし、議決に参加しない委員、阿古委員、石川委員。議題3「セタネオ」、退室委員、外園委員、議決に参加しない委員、阿古委員。議題4「マグミット」、退室委員、議決に参加しない委員ともになし。議題5「ヨビパス」、退室委員、議決に参加しない委員ともになし。議題6、希少疾病用医薬品の指定の可否、退室委員なし、議決に参加しない委員、髙橋委員。以上です。
○森部会長 今の事務局からの御説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項6議題、報告事項5議題、そのほかの事項2議題となっております。
 それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。では、議題1につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、医薬品ドプテレット錠20mgにつきまして、機構より説明いたします。資料No.1の審査報告書を御覧ください。審査報告書の一番下、全35ページの通し番号で5ページ、「1.起源又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤の対象疾患である持続性及び慢性免疫性血小板減少症(ITP)は、血小板膜糖タンパク質に対する自己抗体が血小板に結合した結果、血小板減少を来す、後天性の自己免疫疾患であり、本邦では指定難病とされています。本剤は、トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬であるアバトロンボパグマレイン酸塩を有効成分とする経口剤であり、本邦では「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」を効能・効果として2023年に承認されています。
 今般、国内第III相試験の成績等を基に、ITPに係る効能・効果及び用法・用量を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本効能・効果については、2025年5月時点において欧米を含む15の国又は地域で承認されています。
 本品目の審査の概要について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。今般の申請では、主な臨床試験成績として、慢性ITP患者を対象とした国内第III相試験成績が提出されました。有効性について12ページの表7を御覧ください。国内第III相試験において主要評価項目とされた「救済療法を実施せずに血小板数が5万/μL以上となった累積週数」の平均値は13.47週であり、95%信頼区間の下限値は、事前に設定した閾値を上回ったことから、日本人ITP患者に対する本剤の有効性が示されたと判断しました。
 次に安全性について、22ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。今般、提出された臨床試験の成績等から、既承認のTPO受容体作動薬と比較して、安全性上の新たな懸念は認められませんでした。したがって、既承認のTPO受容体作動薬と同様の注意喚起を行うことで、本剤の安全性は管理可能と判断しました。以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。なお、添付文書の11.1.1項で注意喚起をしております、血栓症及び血栓塞栓症について、部会長より事前に、国内第III相試験で評価された患者数が限られるため、本審査の参考資料として提出された海外試験の成績についても情報提供することが適切である旨の御意見を頂きました。審査報告書23ページを御覧ください。血栓塞栓症関連の有害事象の発現状況については、海外試験の統合解析結果も含めて評価しております。御指摘を踏まえ、添付文書中で海外試験の統合解析結果における血栓塞栓症関連の有害事象の発現状況についても情報提供する予定でございます。
 本品目は、新効能・新用量医薬品としての申請であるものの、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間とすることが適切と判断しております。薬事審議会では、報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見ございましたらお願いいたします。先ほど機構の方から御説明を追加していただきました、7.R.2.2の項目の血栓塞栓症関連の有害事象ということにつきまして、統合解析の結果については、そのちょうど中間の所に具体的に記載をしていただいているところですが、脳血管の発作のみならず、頚静脈の血栓症や、門脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、網膜動脈閉塞、一過性の血栓発作など、比較的多様な血栓症の発現が生じているということがございますので、臨床現場に注意喚起する上で、そのような多様な血栓塞栓症の発症が確認されているということ、並びに頻度についての情報提供をしていただくことがよろしいかと考えていますが、そのような対応でいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○森部会長 ありがとうございます。柴田委員にお伺いいたしますが、今回のこの臨床開発につきましては、国内の試験に加えまして、先ほど参考でということで、国際的な海外の臨床試験も実施されております。有効性の表記について、現在、添付文書上では臨床成績の所で国内開発の成績を御紹介いただいていますが、海外の成績等についてどのようなお考えでしょうか。
○柴田委員 事前に現在の国内治験のデータの示し方についても確認させていただきまして、効果が不十分であった方がいらっしゃるとか、そういうことを追記していただければ、というコメントを出させていただきました。それとは別に、確かにデータが少ない状況にはありますので、プロファイリングをより具体的にするために、可能であれば海外の臨床試験のデータも載っていると分かりやすいのではないかとは思いました。そこは添付文書のスペースとの兼ね合いになると思いますので、医学的な価値とスペースの関係で御判断いただければよいのではないかなと思いました。
○森部会長 機構の方、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より御説明いたします。今回、当初、海外302試験につきましては、国内307試験とともに評価資料として提出される予定ではございましたが、申請者様側の事情で評価資料としてではなく、参考資料として提出されることになりました。機構としては、主要評価項目とされた血小板反応の累積週数に基づき、臨床的意義のある治療効果を評価可能と考えられること等を踏まえまして、国内307試験の結果のみに基づき、日本人の本剤の有効性を評価することは可能であると判断いたしました。そのため、添付文書には、国内307試験の結果のみを記載する形とさせていただきたいと思います。
○森部会長 国内での臨床試験の症例数が19例であったということもございまして、非常に少数な、希少疾患ということもございますが、報告数が少ないこともございます。臨床現場に提供する情報としてインタビューフォーム等には詳しく御提供いただきたいと思うのですが、添付文書の中に海外の成績についても概要のみでも記載していただくと、参考という形でも結構ですので、記載していただくことが添付文書の作成上、ルールが可能であれば、そういった御対応も、臨床現場には大変役立つことも考えておりますので、御検討いただけないかと思った次第でございます。いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。検討させていただきます。
○森部会長 そのほか委員の先生方から御発言、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。なお、阿古委員、髙橋委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決の参加を御遠慮いただくことになっております。では、この議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 では、続きまして議題2に移らせていただきます。では、議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題2、資料No.2、医薬品ボルズィ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mgの製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。
 資料No.2の審査報告書を御覧ください。審査報告書の一番下、全50ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。
 本剤はボルノレキサント水和物を有効成分とする、オレキシン1及び2受容体の拮抗薬であり、今般、不眠症患者を対象とした国内臨床試験において、本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、海外において承認されている国又は地域はございません。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている、8名の委員を指名しています。
 本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明します。有効性について、通し番号で31ページの表37を御覧ください。不眠症患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「主観的睡眠潜時(sSL)のベースラインから治験薬投与2週時までの変化量」について、プラセボ群に対する本剤5mg群及び本剤10mg群の優越性が、それぞれ検証されました。
 また、通し番号で33ページの表40を御覧ください。副次評価項目として設定された、主観的睡眠効率、主観的総睡眠時間、主観的中途覚醒時間及び日中の機能障害の指標であるシーハン障害尺度について、プラセボ群と比較して本剤群で改善する傾向が認められました。以上の結果等を踏まえ、不眠症に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
 続いて、安全性について、通し番号で36~42ページ、こちらの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。臨床試験において、本剤投与による傾眠の発現割合がやや多く認められ、国内長期投与試験では本剤5mg群と比較して、本剤10mg群で傾眠の発現割合が高い傾向が認められていることから、本剤投与による傾眠の発現に注意は必要であるものの、認められた事象はいずれも軽度又は中等度で、非重篤であり、また投与中止に至った事象もなかったことなどを踏まえますと、用量群間で臨床上問題となる差異は認められていないと考えました。
 また、今般提出された臨床試験成績、類薬で報告されている注目すべき有害事象等を中心に検討を行った結果、適切な注意喚起の下で使用されることで、本剤5mg及び本剤10mg投与時の安全性は許容可能と判断しました。以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。
 なお、事前に部会長から御質問を頂いています。御質問の内容としては、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に関する注意喚起に関して、注意喚起の背景と、また資材での情報提供についてです。
 まず注意喚起の背景について、審査報告書の通し番号39~40ページを御覧ください。本剤については、自動車運転技能評価試験を実施しており、本剤の単回又は反復投与により、翌朝の自動車運転能力に対して臨床的な意義のある影響は示されなかったということ、不眠症患者を対象とした国内第III相試験において、日中の主観的眠気、認知機能に影響がなかったことを踏まえ、眠気等が現れた場合には、自動車運転等危険な操作に従事しないように患者さんに指導することも含め、自動車を運転する場合等には十分注意するよう注意喚起をまとめています。
 また、医療従事者向け及び患者さん向けの資材について、対応をしているところです。まず医療従事者向けの資材においては、3点記載しており、1点目、本剤投与により眠気が現れるおそれがあり、現れた場合には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事しないよう、患者さんに指導すること、2点目、本剤は就寝直前に服用し、十分な睡眠時間を確保することが大事であり、睡眠を取った後でも眠気が現れた場合には、自動車運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者さんに指導すること、3点目、不眠症の治療は睡眠衛生指導を行うことが基本であり、それを行った上で本剤を処方することを記載しています。
 患者さん向けの資材については、こちらも3点あり、1点目は寝る直前に本剤を服用し、十分な睡眠時間を確保していただきたいということ、2点目、医師の指示に従って服用し、自己判断で薬の量を変えたり、服用の中止をしないこと、3点目、薬の影響が翌朝以降に及ぶことがあり、自動車運転等危険な操作を行う場合には、注意するとともに眠気が生じた場合には運転等はしないことを記載しています。
 以上、本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれについても該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しています。薬事審議会では報告を予定しています。御審議どうぞよろしくお願いします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では委員の方々から御質問いかがでしょうか。堀委員どうぞ。
○堀委員 御説明いただきありがとうございます。COMLの堀です。今、患者向け資材について、3点お伝えいただきました。先ほどの説明でも、やはりこれは患者に向けて、注意喚起ということが非常に大切だと、私も思っています。
 昨日、患者向け資材に関して、私から幾つか質問をさせていただきました。その中でまず先ほどおっしゃっていただいた、1項目の寝る直前に服用し十分な睡眠時間を確保すること。この「十分な」というのが、私たち患者にとって見ますと、特に睡眠障害のある方は十分なというのが、個々によって異なるかと思います。
 ですので、もしできれば、例えば「医師から指導された十分な」とか、確かに睡眠の場合に関しては、事前に睡眠衛生指導というのが行われるというのは、私も分かってはいるのですけれども、例えばこの「睡眠衛生指導を受けた中で指示をされた十分な睡眠」というような、そういう具体的な文言を入れていただかないと、「十分な」というだけですと、ちょっと患者としては何が十分なのかと。十分な睡眠が取れていないから、薬が欲しいのではないのか?というような、そういう思いが出てくるのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘を頂きありがとうございます。まずは医師から患者さんに睡眠衛生指導をした上で、本剤が処方される際に、十分な睡眠時間について患者さんに応じて医師が判断されるかと思いますので、その内容も踏まえて情報提供をしていただくように、資材を工夫させていただきたいと思います。
○堀委員 ありがとうございます。あともう一点なのですけれども、先ほど患者向け資材の3項目目に、薬の影響が翌朝以降に及ぶことがあり、という所で、その場合に関しては、自動車運転等危険を伴う機械を操作する際は注意するとともに、眠気がある場合は運転などしないこと、ということをおっしゃったと思うのですけれども、この患者向け資材の項目の全体的なものを私も拝見したわけではないのですけれど、薬の影響というものをより具体的に、患者向け資材で提示していただいて、このような状態で運転又は操作をしてしまうと、非常に危ないというような、そういう注意喚起を具体的に示していただきましたら幸いです。いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 患者向け資材の中で、本剤によって眠気が生じる、力が入らない等の内容を記載しているところですけれども、こちらの自動車運転のところに関しても、どのような作用が出るのかということが、すぐに分かるような形で患者さん向けの資材で対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○堀委員 こちらこそ、ありがとうございます。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。事前に大森委員から御意見を頂いていますでしょうか。
○大森委員 ありがとうございます。睡眠薬に関しては、普段、余り御縁のない委員の方は分かりにくかった可能性があると思うのですが、この薬は注意すれば運転してもいいよと、添付文書で書かれる初めての睡眠薬になるわけです。今までのオレキシン受容体阻害薬も、運転はしないこととなっていたのが、この薬になって初めて注意して行うこととなって、原則いいよということになったのです。
 それは添付文書を見ていただくと、添付文書の1ページの重要な基本的注意という所の文章で、運転等危険を伴う機械を操作する際には、十分注意させることとなっていて、今までの全ての睡眠薬は、運転等はしないようにとなっていたので、そういう点でこれは画期的な薬になったのだと思います。それだけに、先ほど御説明があったように、十分な注意喚起が逆に必要になっているという事態なのだと理解しています。
 実際のところ、運転するなというのはなかなか十分守ってもらうのが、実は難しい規定でもあったので、今回薬の方が改良されて、非常に注意してきちんと処方どおり使えば、運転等も大丈夫だという薬ができてきたというのは、非常に有り難いことであると思います。
 そして添付文書の文面や注意喚起についても、私としては、異存はありません。以上です。
○森部会長 御意見どうもありがとうございました。宮川委員お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。運転のみならず重機等を含めて機械を操作する、重機などの作業にあたる人も今まで服用できませんでした。ただ、注意喚起を単純に行えば良いとするだけでは、今までの薬と違うことの差別化が過度に訴求されて薬が安易に使われる懸念があります。今、堀委員からもお話がありましたように、十分な注意喚起をしないと、問題が生じかねない懸念があるため、文言の表記等は、適切にしなければいけません。
 添付文書案の17.3.1のように、今まで行っていなかった運転能力の試験を行ったという記載は、ただそれだけなのですね。それをもって十分な睡眠が取れればという前提条件で運転等をしてもかまわないと書かれています。それが、重機、クレーン等も、今まで禁止されていたものが、これによって可能であると言い切れるかどうかという論点も含めて、問題がある場合は、十分に注意喚起しなければならないはずだろうと思っています。以上です。 
○森部会長 宮川委員、御発言ありがとうございました。先生方から御意見はありますでしょうか。
○佐藤(陽)部会長代理 関連したところなのですが、審査報告書の40ページには本剤投与9時間までは運転などに従事させないように注意喚起する、というような書き方をしてあるのですが、添付文書にそれが書かれていません。少なくとも17.3.1の影響のところに「影響は認められなかった」ではなくて、「ただし9時間までの影響は評価していない」という、審査報告書の40ページに書いてあることを、一言入れておいた方がいいのではないかと思うのです。いかがでしょう。
○医薬品医療機器総合機構 17.3.1項の方に、投与9時間後で検討したということは書いているのですけれども、佐藤先生から御指摘を頂きましたように、9時間での評価ですので、その点については情報提供させていただきたいと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 やはり9時間までは注意しなければいけないのではないかと思います。ある程度気付いてもらえると思うので、少なくともそれぐらいの情報提供はしておいた方が良いと思います。審査報告書にも書いてあることなので、9時間までは運転などに従事させないように注意喚起するということですけれども、添付文書に9時間というラインで注意喚起ができているかというと、何かそんな感じがしないのです。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの9時間については、専門協議でも自動車運転に関連する注意喚起をするかというところを、議論させていただきました。その内容を審査報告書の46ページに記載していますので御覧ください。あくまで試験の設定として9時間と設定したものですので、9時間たてば大丈夫なのかというと、それは違うだろうと。投与後の服用時間にかかわらず、基本的には注意喚起をしてもらうものであると考え、重要な基本的注意では9時間と書いていないところです。
 ただし、佐藤先生から御意見を頂きましたように、17.3.1項の方で試験条件を書いて情報提供することも、一つの方策としてあるかと思います。また資材の方でも自動車運転技能試験では9時間で評価したということは、情報提供しておりますので、添付文書と資材と併せて、いただいた御意見を踏まえ、再度確認させていただきたいと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございます。
○森部会長 順番は柴田委員でよろしいですか。では柴田委員お願いします
○柴田委員 今のお話の続きなのですけれども、207試験で自動車運転の影響を考慮されていて、そこで臨床的に意義のある差よりも90%信頼区間の上限が下回ったので、臨床的に意義のある差は、この薬によっては生じないという説明がされていますが、この試験の中には、陽性対照のゾピクロンが含まれているのですけれども、ゾピクロンではどうだったのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ゾピクロンについては、プラセボとの差というところは検証されてはいたのですけれども、「臨床的な意義がある差」と定義されている9.229センチは下回っていました。こちらを踏まえ、申請者とも議論をしました。自動車運転能力に関連する試験の評価に関する文献において、陽性対照できちんと分析感度が評価できていれば、その試験の成功は確認できるだろうという見解が出されています。本剤についても、分析感度についてはゾピクロンの試験成績から確認されていますので、少なくともこの試験成績から評価することでよいと判断しました。
 なお、類薬についても、自動車運転技能評価試験が、米国等で実施されていますけれども、いずれも本剤の類薬の3剤については、ゾピクロンについては「臨床的な意義がある差」はいずれも認められなかった状況で、分析感度から試験が評価されております。
○柴田委員 すみません、類薬のデータについて、今うまく聞き取れなかったので確認ですけれども、類薬においても上限9.2よりも下回っていたということですか。
○医薬品医療機器総合機構 品目により試験の設定等が違うので、閾値が異なるのですけれども、いずれの類薬も「臨床的意義のある差」という閾値を陽性対照は満たしていなかったという試験成績です。
○柴田委員 満たしていなかったということは、成績が悪かったということですか。
○医薬品医療機器総合機構 陽性対照が陽性であるという結果が出なかったというものです。
○柴田委員 分かりました。つまり、9.229という許容できる範囲よりも陽性対照は下であって、信頼区間の上限が9.229を下回るということは、この薬が安全であることの証拠としては、説明が成り立たないのではないですか、という質問に変えると、どういうふうにお答えいただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 先ほどの説明で不足があり申し訳なかったのですけれども、自動車運転評価に関する文献において、検討された臨床試験成績から医薬品の影響がないことを結論づけるには、陽性対照を設定して分析感度を確保する必要があると、書かれています。
 本剤の試験については、陽性対照群でプラセボ群との差の信頼区間がゼロを超えていたということから、分析感度は保たれていたと考えています。
○柴田委員 分析感度が保たれていたという解釈は正しいと思います。けれども、この試験の結果を解釈する際には、ゾピクロンよりも明らかに本剤の方が、問題となるアウトカムが低かったということに基づいて、結論づけるべきなのではないかというのが、私の意見なのです。つまり形式的に9.229という閾値が、統計的に棄却されたということに基づいて、このものが睡眠に影響がないという結論を導くのは、私は間違いだと思っています。なぜならゾピクロンもそうだからです。
 ゾピクロンよりも本剤の方が、安全な方の結果が出ていたから、納得できるのではないか、という結論はいいです。でも今の話を踏まえると、きちんとゾピクロンとの相対比較が分かるようなデータを、外に出さなければいけないのではないでしょうか。具体的に言うと、CTD2.5の60ページに載っているグラフを見せる必要があるのではないかということです。このグラフを見れば納得いきます。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書で試験成績を十分に記載しておらず申し訳ございませんでした。御指摘を頂きましたように、資材及び添付文書での情報提供において、ゾピクロンの成績も含めて情報提供させていただく対応を取らせていただきたいと思います。
○柴田委員 最後の確認ですけれども、機構としてはゾピクロンの成績よりも、本剤の成績の方が確実に低く、問題がないという結論を導かれたということでよろしいですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御理解のとおりです。
○森部会長 続いて、赤羽委員から御質問です。お願いします。
○赤羽委員 さんざん先生方からいろいろな御意見が出て、議論されたところでまた重ねるような形で申し訳ないのですけれども、やはり自動車運転等のさまざまな作業を行うのに、添付文書の記載の仕方を、もう少し客観的に安全域を見越して、例えば「服用してから何時間以上空けること」のような一言を入れる必要があるのではないかと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 基本的に睡眠薬の治療においては、ガイドラインが出ており、睡眠を取る直前に睡眠薬を飲んで、6時間7時間の睡眠時間を確保してくださいという旨が記載されています。
 本剤についても、基本的にはそれに準じたものになるかと思いますけれども、先生方からいただいた御意見を踏まえ、臨床試験での設定ですとか、自動車運転技能評価試験での評価時点を適切に情報提供し、どのぐらい睡眠時間を取った方がいいのかということが医師が分かるような形で情報提供することを検討したいと思います。
○赤羽委員 分かりました。では具体的な何時間というデータそのものは示さないけれども、基本的な睡眠時間をしっかり確保するというところですね。心配しましたのは、例えば朝の通勤のときに運転をする場合に、夜何時までに服用して、何時間間が空いている必要があるというようなことが、客観的に分かる必要があるのかなと思ったのですけれども、そこはしっかりと御指導いただけるということで理解いたしました。ありがとうございます。
○森部会長 宮川委員どうぞお願いします。
○宮川委員 宮川でございます。私たち実際に臨床現場で投与する医師としては、非常に難しいのですね。この試験は実際にはブレを見ているだけなのであれば、それをもって、添付文書案の8.1に、「自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際に」という記載を行うのでしょうか。先ほどから私が申し上げていたのは、クレーン等の重機操作をさせていいのかどうかということを、臨床現場では問われているので、この添付文書案のままですと気軽にやっていいのだと誤認されてしまいます。
 ですから先ほどあった、十分な睡眠なのか、9時間なのか、責任を問われるのはどこなのかというところを非常にあいまいに書いてしまうと、問題が生じます。
 それから逆に、そういう規定を9時間というような定量的な言い方ではなくて、十分なという表現の場合はどのように盛り込むのか、その辺が非常に難しい書込みになるのではないでしょうか。ですからこの添付文書と、それから資材と、どのように組み合わせるのかは、慎重に考えていただいて、文言を整理していただくというところが、実際の臨床場面では非常に重要です。
 つまり車だけではなくて、クレーン等を含めて重機の記載が非常に大きな問題になって、人災を起こすことがあるので、慎重な記述が求められます。医師が気軽に投与して、問題が生じた際に責任の所在も問われますので、是非とも書込みは慎重にしていただきたいなと思います。
○森部会長 宮川委員、どうもありがとうございました。基本的な確認があるのですけれどもよろしいでしょうか。まず、国内開発のときの、301試験と302試験の二つの試験がありますけれども、この試験の中で被験者の方は、車の運転は認められていますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問に答えさせていただきます。まず、301試験につきましては、車の運転は可能とされておりましたけれども、基本的には睡眠を9時間とった後に自動車運転をしていいという設定でした。
○森部会長 もう一点は、表39にお示していただいています全ての有害事象に関する所で、傾眠に関するパーセンテージがありまして、本来の5mg群で頻度が5.4%、そして10mg群では12%の傾眠のデータがあるのですが、この間、患者さんは幸い運転していなかったということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、こちらの方は長期投与試験の302試験の結果ですが、こちらの長期投与試験では、基本的に自動者運転はしないことという設定になっておりましたので、このデータは自動車運転がなされていないという条件の下でのデータです。
○森部会長 もう一点は、先ほどの自動車運転に関する試験ですが、これは運転をしてよいかどうかというのを決める際に、被験者の対象者は健康成人でいいのでしょうか。それとも不眠症の方なのか、どちらが規定なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 自動車運転技能評価試験は、これまで欧米で主に実施されており、実績が多く積まれております。欧米での試験成績から、睡眠薬については、健康成人と患者集団で、運転技能全般に大きな差はないと考えられており、また、文献等でも、日常の不眠症患者と健康成人の比較で自動車運転の結果に差はないことが示されておりますので、本剤についても健康成人を対象に実施がなされているところです。
○森部会長 自動者運転の安全に関する注意喚起として、患者が眠気を感じた時点というのは、もう既に正常な判断ができない状態なのではないかという懸念があるのですけれども、その時点で運転を止めればよいというのは、何の根拠に基づいていることなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 基本的には、本剤につきましては、きちんと用法・用量を守っていただければ、就寝前に投与して十分な睡眠時間を確保して、朝は眠気が残っていない状態で管理されているという前提がありますので、それを基に判断をしたところです。ただし、森先生からご意見いただいたように、患者が眠気を感じたときには既に遅い可能性があるのではないかということは確かにあるかと思いますが、自覚症状として感知するにはそれしかないかなというところです。
○森部会長 表39に示されています傾眠傾向のパーセンテージというのは、睡眠時間が不十分であったために傾眠が出ているのか、それともきちんと服用されていて、睡眠時間を確保されているのに、日中の時間帯に傾眠になってしまうのかという点で、これは大きく判断が変わってくると思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 傾眠が出た時点に関する詳細な解析は臨床試験でもなかなか難しいので、御指摘を頂いた点は回答を持ち合わせていないですけれども、一つ、別の観点でお答えさせていただくなら、臨床試験における傾眠の時期別の発現状況では投与初期に特に多かった結果がありますので、まずは投与初期に本剤の効能・効果を判断いただくというのは一つのポイントになるかなと思っております。
○森部会長 機構の方のお考えは私も今伺っているところですけれども、有害事象の頻度で傾眠が12%ある薬剤で、自動車運転が認められるということが、常識的にちょっと理解できないので、やはり自動車運転の可否を決める試験というのは、不眠症の患者に本剤を投与した場合の自動車運転能力という評価が不可避なのではないでしょうか。それが今回行われていないので、我々が臨床現場でこの薬剤を処方する際に、不眠症の患者がこの薬剤を使用した際に、ドライビングスキルに悪影響がないということのデータがないことです。健常の方はもともと不眠症ではありませんから、十分睡眠をとった上でこのドライビングスキルのテストをしていますけれども、睡眠不足が運転技術に影響を与えるのは、これはもう周知のことですので、不眠症の方で本剤の服用後のドライビングスキルというデータの試験が行われない限り、本剤の用法に関して、自動車運転の条件付きで認めるということ自体は、あまり合理性がないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 少なくとも臨床現場で、宮川委員の御指摘があったように、我々はそれを使用する際に大変大きな懸念があって、車の運転でも止められない状況があります。高速道路で運転しているときには、すぐに路肩に止められないこともありますし、眠気を感じたり、危険を感じた場合でも、すぐにやめられないという状況で、本剤を服用した方の安全やその周囲の方の安全をどう担保するのかが、社会的に大きな問題になると思います。したがいまして、自動車運転を認めてよいという基準を、いわゆる医学的なコンセンサスが本当にあるのかということについても真剣に議論をした上でないと、この問題は扱えないのではないでしょうか。本剤の不眠症としての治療薬としての有用性・安全性については十分お話を伺いましたけれども、運転をその条件付きで認めるということの可否については、まだ元になる議論が不足しているのではないかという懸念がありますが、その点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤につきまして、健康成人を対象に自動車運転技能評価試験を実施したことの背景につきましては、欧米で蓄積されたデータ等を基づいて、本剤についても健康成人を対象として臨床試験を実施することでよいだろうと判断したところです。そのような背景も踏まえて、本剤については実施したところですけれども、その他、高齢者を含む健康成人を対象にした自動車運転技能評価試験であったということ、また、実施された自動車運転技能評価試験成績だけではなくて、本剤は不眠症患者を対象に投与されるものであり、睡眠薬を投与したときに一番大事なのは、翌朝以降の日中の機能評価にどのような影響を与えるのかということが重要ですので、不眠症患者対象の第III相試験成績から、日中の持ち越し効果を評価しております。その結果、健康成人と不眠症患者で特に違いはなかったというところと、持ち越し効果に関連する傾眠の発現頻度も、健康成人の患者と同程度であったということを踏まえて、健康成人を対象とした自動車運転技能評価試験の成績から評価したところです。
○森部会長 大森委員から御質問がきています、大森委員、どうぞ御発言をお願いします。
○大森委員 審査報告書を見ますと、事前に質問したことでもあったのですが、運転技能試験のほかに、日中の主観的眠気及び認知機能の評価結果も勘案すると、という御判断のようですが、そこのところをもうちょっと説明していただくといいのかなと思いました。特にほかの薬との比較において、認知機能についてなど、この薬にどういうアドバンテージがあるのかというところを、ちょっと機構から説明していただくといいかなと思いました。
○審議官 1点よろしいでしょうか。すみません、先ほど部会長から御質問を頂きましたこの運転試験の関係ですけれども、なぜ健康成人で試験をやってきたかというところですが、これについては、オレキシン受容体作動薬というよりは、向精神薬における自動車の運転技能に及ぼす影響に関して、AMED研究班がありまして、そちらの中で評価方法についてのガイドラインの研究を、その分野の専門家の先生方で議論をしてきているものです。その中でも、いわゆる対象の選び方ということで、ガイドラインにおいて、患者においては薬理効果を評価する際にバラツキが大きくなるので、健康成人において、こうした試験を行うということが可能であるということがガイドラインの留意点でも言われている部分でして、そういうものに従って、このような試験が今実施されている状況ですので、必ずしも患者でなければいけないということが、この分野のコンセンサスということではないという状況です。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。
○大森委員 私の質問は、運転の、ほかの認知機能について、この薬がほかの薬と比べてどのような利点があったのかということも重要な参考になると思うので、実際それを勘案して認めたということですので、そこの補足説明を、機構の方からお願いできればと思います。
○医薬品医療機器総合機構 不眠症患者を対象とした臨床試験における、持ち越し効果の結果につきましては、審査報告書の39ページに記載させていただいております。具体的には、臨床試験で持ち越し効果の評価結果をマル1とマル2で書いておりますが、カロリンスカ眠気尺度と、数字符号置換検査を用いて評価をしております。こちらはいずれについても本剤による持ち越し効果が示されるような結果ではなかったので、この結果等から評価をしたところです。
○大森委員 同じ試験はやってないかもしれないけれど、ほかの薬ではどうなのでしょうか。もし御存じでしたら教えてください。ほかの薬というのはほかの睡眠薬、これまでの睡眠薬です。
○医薬品医療機器総合機構 類薬の3剤についても、外国人の健康成人を対象とした自動車運転技能評価試験を実施しております。自動車運転による影響が何らか認められたというものや、検討された用量が十分ではなく、その結果からは評価できないため、自動車運転をしないように注意喚起がとられております。
○大森委員 ちょっときちんと通じてないのかもしれませんが、認知機能の検査、ここでは数字符号置換検査を行っているわけですけれども、ほかの睡眠薬でも何らかのそうした認知機能の検査をしていると思うのです、運転のほかに。そこの違いというようなことは何か推定できないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 大変申し訳ないですけれども、今手元に類薬3剤の認知機能検査に関連する情報を持ち合わせておりませんが、そちらにつきましては、後ほどまとめて御説明させていただくということでもよろしいでしょうか。
○大森委員 はい、分かりました。
○森部会長 どうぞ、柴田委員お願いします。
○柴田委員 今までの臨床の先生方のお話とはちょっと違う切り口の話になって恐縮ですけれども、先ほどの自動車運転の臨床試験の結果の解釈について、やはり改めて確認させていただきたいと思います。お手元のCTD資料2.5の59ページから60ページの所です。自動車運転技能評価というタイトルの試験結果が載っていますが、先ほど私がコメントしたのは、60ページのこのグラフで、右端にゾピクロンがあって、左に10mg、20mgの単回投与、反復投与のデータがプロットされているというものです。添付文書の17.3.1には、閾値9.229を下回ったので、影響なしと判断したという趣旨のことが書いてありますが、先ほど申し上げましたように、ゾピクロンも閾値を下回っているので、下回ったことをもって安全だというのは間違いです、というのは先ほど申し上げたところです。
 これを見ると、ゾピクロンよりも10mg、20mgの方が低くなっているので、影響の度合いは小さいだろうという解釈までは成り立つと思います。それで一瞬いいかなと思ったのですが、2点疑問があります。一つ目は、20mgの単回投与後の方が反復投与後より高くなっていますが、それはなぜなのか、というのが一つです。
 もう一つ、こちらはもう少し深刻な問題だと思っているのですが、59ページの一つ目のパラグラフの途中に、閾値9.23を上回る人の割合と、下回る人の割合を比べたところ、20mg単回のときには上回る人の方が多かったと書いてあります。先ほどのグラフは、平均とその95%信頼区間ですけれども、標準偏差で見ると、これはもうちょっと広くなっていて、実際の患者で見ると、9.229より大きい値を取った人の方が小さい値を取った人より多かったということがここに書いてあるのですけれども、それは平均値では低いけれど、半分以上の人がこの9.229よりも上の値を取るのであれば危ないのではないのですか。今回、20mgは承認範囲に入ってないけれども、10mgの人は平均値がこれだけ低いけれども、実際に危ないと言われている閾値を超えている人は、それなりにいるということですよね。その話についてはどのように分析されているのでしょうか。追加で言うと、それぞれ何例患者がいたとかも書いてないので、これでは標準偏差と標準誤差の換算もできないので、実際にこういうデータに基づいて判断されているのは、私、統計家としては許容できないです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりかと思いますので、改めてデータを整理しまして、対応を御報告させていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 補足説明をさせていただきます。今、207試験、自動車運転能力の試験に関して着目していろいろ御指摘を受けたところかと思っています。今回の注意喚起に至った背景としましては、この自動車運転試験の結果は当然重視しなければいけないのですが、先ほど審議官から自動車運転の評価に関してのガイドラインが出ているという話も御説明いただいたように、こうした自動車運転試験の結果に加えて、第III相試験で得られている結果や患者での持ち越し効果、そうしたところも加味し、今回の注意喚起としては、このような十分注意させることという方向性でいかがかと考えたところです。
 もちろん柴田先生から御指摘を頂いたところはいろいろ確認しないといけないことは認識しておりますけれども、今回の207試験の結果に加え、不眠症患者を対象とした301試験における本剤の持ち越し効果で、プラセボと比べても変わりない結果であったというところも加味し、判断したというところになります。そのような考え方自体は、自動車運転評価に関してのガイドラインで考え方として示されているところですので、それに基づいて検討したところになります。補足としては以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川でございます。今のお話よく分かります。持ち越し効果があったらもちろん駄目なのです。こういう薬にとってはあり得ないことなので、それを根拠として日中のパフォーマンスに言及することはできないですし、してはいけないことです。私は、臨床効果としては、本当は認めたいと思っているのです。それはなぜかというと、実際に困っている患者さんをどのように救うかということが第一なので、誤解のないようにお願いします。機構は臨床的にも考えていただかないといけない。薬のところから考えるだけではなくて、臨床的なところからの考え方も頭の中に入れていかなければいけないというところは御理解いただきたいと思います。
 臨床試験を行い、9時間ということになったとのことですが、でもこれは実際の自動車運転ではなくて、シミュレーターです。こういう試験を行って、なるべく多くの患者さんに恩恵があるようにしたいというところで、こういうことをやったということですが、それは一つの事象です。その中で先ほどから何回も申し上げますように、自動車運転等と書いてあるだけで、重機等について全く記載がありません。
重機等の試験は中々できませんが、そういうところが実臨床の中で一番大きな問題として、私たちは非常に困窮しながら、お薬を調整しながら出しているという状況を考えていただきたい。ですから表現をしっかりしていただきたい。
 機構の方が実際の臨床現場で患者を常日頃診ておられないことは承知しておりますが、その分、臨床現場を慮っていただきたいと、いつも私はお願いしております。
その点を念頭に置いて、慎重に言葉を選んで、どのように表現するかという課題があることも理解していただきたい。ですから、こういう試験も含めて、しっかりと読み込んでいただいて、適切な表現はどうあるべきか、というところを慎重に考えていただくのが重要なのではないかと思います。
○森部会長 堀委員、どうぞ。
○堀委員 すみません、患者、又は一般市民の意見ですけれども、今、ずっと私もお話をお聞きしていて、運転手の方が受けるアルコール検査がございますよね。やはりこういう不眠症の方を採用し働いてもらうとき、採用する経営者側は、例えばタクシーの運転手、また、先ほど宮川先生がおっしゃっていた重機を扱う方、そういう方たちに対して、アルコール検査をしてOKである、その基準値がクリアできれば仕事をしていいよというような、そういうバロメーターがあれば非常に分かりやすいのですけれども、眠気とか傾眠というのは、すみません、私は医師ではないので分からないですけれども、程度を調べるそういうものがないのであれば、御本人が眠くあったとしてもそれで仕事がなくなってしまうのであれば、眠くないと、今大丈夫ですと言うと思うのです。特にこのお薬が承認された場合は、それこそ先ほど機構の方がおっしゃった、この不眠症のお薬であれば、服薬から6、7時間を超えた、そしたら運転は大丈夫、特に9時間以上だったらもっと大丈夫というようなことが書かれていた場合、その方たちを採用する経営者の方たちは、その記載を信じると思うのです。それを信じて、じゃあ、9時間後だったら大丈夫でしょうと言って、重機の操作をさせた、だけど御本人は眠いけれど眠いなんて言えないと思うのです。だからそのようなことを考えたときに、大きな事故になってしまう。それを非常に私は心配しています。
 ですので、私は宮川先生と同じように、そうやって仕事に就けない方たちのためには、このお薬を承認したいと思ってはいます。ただ、やはり現実とその方たちの感覚と、あと社会上のこととかを考えたときに、非常にこのお薬に関しましては、先ほど宮川先生がおっしゃったように、どのように記載表現するか、そういうことがすごく大切なのではないかなと。先ほど部会長がおっしゃった、社会的な問題になるかもしれないというようなことにつながるのではないか、そういうことが一般市民としてはとても心配です。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。ベンゾや非ベンゾというのは、不眠症に真正面から向き合うための薬として考えていいのですけれども、メラトニン受容体作動薬や本剤のようなオレキシン受容体拮抗薬は、日中のパフォーマンスをどうするかということも考慮に入れて創薬されてきた薬です。私たち臨床医は日中のパフォーマンスをどうするかを考えてやっていたので、これは本当に有り難い薬です。ですので、日中のパフォーマンスをどう維持するのか、今までは日中も眠たくて仕事ができなかった、いろいろな作業ができなかったのが、こういう薬によって日中のパフォーマンスを下げなくてもいいというところが、この薬の眼目なのですよね。それがきちんと証明できるという試験であればよりいいわけですけれど、なかなか難しいです。苦肉の策で自動車運転のシミュレーターを使って行ったとのことですので、だからこそ表現をしっかりしていただいて、これまで臨床医が抱えていた課題の解決にもっていくためにも、その点を十分理解していただきたいのです。
 私たちはそういう日中のパフォーマンスの向上、例えば新幹線の運転で停車駅を通過してしまったり、自動車運転のところで問題が生じるなどの様々な事象があって、こういう不眠症の薬を考えてきました。今でもベンゾとか非ベンゾではそういうことが解決できないので、メラトニンやオレキシン系の薬を使って、日中のパフォーマンスを変えることがこの薬の目的なので、そのところの書き込みが十分でないと、やはり臨床現場では使えなくなりますが、何とかこの薬を使いたいので、17.3.1や重要な基本的な注意の8.1などをもう少し練っていただければ、臨床医としては問題なく使用できるようになるということを先ほどから何回も申し上げています。それに対する説明が少し稚拙ではないかなと私は思っています。
○審議官 よろしいでしょうか。
○森部会長 お願いします。
○審議官 宮川先生、貴重な御指摘を頂きましてありがとうございます。やはりこういう薬を日常の中で使えるようにすることは非常に大事でありまして、例えば重要な基本的注意の中にあるような、自動車運転等の危険を伴う機械を操作する際には十分注意させることという、この言い方もそうですけれども、これもいろいろな変遷を経て、今このような注意喚起になってきているという流れがあります。もともとこういう表現を使って注意喚起をするようなものというのは、例えば抗うつ薬が、もともと抗うつ薬服用中は運転をさせないことというような注意だったものを、やはり今回と同じように、運転のシミュレーター試験とか、様々な有害事象の報告の蓄積の中から何とか注意喚起をして使っていただく。運転等をしていただく部分については、何とかできるだろうというところのコンセンサスを得てきて、そうした抗うつ薬でも今ここに書かれているような表現というところに、これまでずっと落ち着いてきた経緯があるのですね。そういうところからすると、今回のものについても、同じようなエビデンスの下でやってきている部分なので、同じような注意喚起ということで、これまでの抗うつ薬等の流れからきたものとして、こういう書き方をさせていただいています。
 ただ、やはり先生がおっしゃるように、この注意喚起のやり方とか書き方については、もう少しいろいろな現場の状況を見て工夫したところがあってもいいだろうと思いますので、ちょっとこれはこの薬剤だけの問題ということではなくて、抗うつ薬も含めて、こうした注意喚起の仕方については、もう少し我々の方でもよく検討させていただきたいと思いますので、そこは全体の宿題として受け止めさせていただいてよろしいでしょうか。
○宮川委員 私も診断書を書きますし、実際に私も臨床開発に関わってきましたので、今までの歴史的な経過は全部了解しています。ですからこの薬に対しては、どのように資材を作って、どのような書き込みをするかが重要ですという話をしているので、基本的なことに関して私はなるべく問題ないようにしたいからこそ慎重に書き込んでいただきたいということを何度も申し上げています。
○森部会長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 追加で、まだ、自動車運転技能の続きです。審査報告書の39ページに書いてある試験デザイン「シミュレーターで、時速100kmで車線からの距離を可能な限り一定に維持して60分間運転したときの」という所です。これは高速道路で街から街へ移動することを想定していますよね。
 日本の場合、多くの場合は、街中での歩行者の飛び出し、交差点、信号への注意の方が重要ではないかと思います。この試験では、そういうところが評価できていないのではないかという気がします。それについては、どういうふうに解釈すればよいですか。
○医薬品医療機器総合機構 自動車運転技能評価試験は、欧米での自動車運転シミュレーターの試験を参考にしたり、また、本邦については、先ほど審議官からも御説明いただきましたように、研究班で自動車運転をどのように評価するのかを議論していただいて、ある程度、知見が確立してきているところを参考にして、試験が計画されたものです。
○佐藤(陽)部会長代理 ということは、要するに、高速道路で街から街へ移動するようなことで問題がなければ、街中でも問題ないことを意味していますか。
○医薬品医療機器総合機構 このスピードでのこの規定そのものは、ガイドラインで、自動車運転技能試験についてどのような設定で検討を行うのが適切か検討されているものです。
 今回の判断に関しては、この自動車運転技能試験の結果に加えて、301試験、第III相試験の不眠症患者さんでの持ち越し効果の結果を踏まえて判断したものです。
自動車運転技能試験結果のみをもって街中でも大丈夫というのではなく、あくまで、自動車運転技能試験の結果としては、このスピードにおいて検討されたということを前提に確認しているところです。
○佐藤(陽)部会長代理 先ほどの9時間の話と同じなのですが、そういう検討がされていないということは周知しなければいけないのではないですか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、自動車運転技能試験がどういう設定で実施されてたかの周知はとても大事な点だと思っています。資材において情報提供していく予定で考えております。
○佐藤(陽)部会長代理 要するに、この試験結果を確証バイアスで見てしまうと、運転していいという話に結び付きやすいと思います。そこの落とし穴は、埋めていかないといけないと思います。その辺りを検討していただくとよいと思います。
○宮川委員 このシミュレーターは、アルコールの影響の検査と同じです。アルコールを飲んでふらつくことと同等に見ているだけで、何か反射的なものを見ているだけではなくて、身体的な揺らぎを見ているだけの試験では限界があることは申し上げておきます。
 それをよりどころにして機構が大丈夫という言い方はできません。注意喚起のところをどのようにするのかを考えてください。
 ですから、メリットがあり、承認の了承を行う方向に持っていくのであれば、今までずっと社会的、歴史的に勘案しながら、社会の中でいろいろな方が使えるようにしてきたことを踏まえなければいけません。それを余り考えずに、この試験だけで大丈夫のような言い方をしてしまうから問題です。
 歴史的なことをしっかり踏まえず、この事象だけで記述すると問題が生じてしまいます。いつも機構の方に厳しく言ってしまいますが、そういうことを深掘りしていくことが非常に重要です。機構や、あるいは事務局は、言い訳ではなく、どのようにすればいいかということを明確に考えていただきたい。適切な表現をしていただかないと、この薬の有り難みが明確化されないと思っています。
○事務局 事務局でございます。皆様から、いろいろ御意見を賜りありがとうございます。本剤の注意喚起のあり方について、たくさん御意見を頂きました。添付文書と資材については、御意見を踏まえて修正して、追って皆様に御報告させていただき、また修正版に御意見を頂きつつ、更に修正を図ることを考えております。よろしくお願いします。
○森部会長 私は糖尿病の専門医なので、臨床現場で、インスリンに関連した交通事故のことは非常にセンシティブに捉えています。運転手の方の注意喚起や責任は、実際の事例としてたくさん経験していて、日頃から非常に注意しています。
 副作用の所にも傾眠が3%以上の所で記載されていて、これは眠気ではなくて傾眠と書かれています。私は自分の今の臨床的な感覚では、傾眠の頻度が5%や12%というふうに報告されている薬剤について、実臨床家として、自動車運転が許可されることは容易に理解できないです。
 それは、ドライビングスキルの評価が健康成人を対象にした試験しか行われていないという、これまでの経緯に依存しているかもしれませんけれども、不眠症の患者さんを対象にしたシミュレーションの試験は、決して実施不可能なものではないはずです。これまで、法規上やルール上、そういうことは行われず評価されている歴史的な経緯を伺ったところです。
 不眠症で困っている方はたくさんおられて、なおかつ、車の運転をしておられる方が大勢いらっしゃる中で、これまで多くの臨床家と患者さんの中でそのやり取りがされていて、添付文書に沿った対応を求めてきた経緯があります。
 本剤が、ドライビングスキルのテストや持ち越し効果によって運転が認められるという判断そのものは大変歓迎すべきでありますが、そもそも、副作用の傾眠の頻度が高いのではないかと非常に懸念しています。これは、不眠症の方を対象にした調査というふうに思います。したがって、今日、この後、先生方に議決を取るかどうか御判断を頂こうと思っております。議決に進めてよいかという判断はいかがでしょうか。赤羽委員、お願いします。
○赤羽委員 1点だけ、しつこくて申し訳ないのですが、添付文書のところで部会長が御指摘された持ち越し効果の傾眠に関する5mg、10mgで、傾眠が10mgで12%出たというのは非常に見過ごしてはいけないことであり、やはり、用量依存的に持ち越し効果の傾向があるかもしれないことを示唆するのではないかと懸念します。
 そういう意味で、添付文書のその他の副作用の所で、傾眠というだけではなくて、5mg、10mgで用量に依存した傾眠があったというデータをどこかに記載していただいた方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書の17.1.1項に、第III相試験の副作用の結果として、傾眠の発現頻度、5mg群と10mg群の結果を載せております。一方、部会長から御指摘いただいた10mg群で12%であったというものは、こちらの第III相試験ではなく長期投与試験の結果です。その長期投与試験の安全性の結果も、こちらの17項に反映する方針で検討させていただきたいと思います。
○赤羽委員 ありがとうございます。お願いいたします。
○森部会長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 この薬の「効能又は効果」での「不眠症」は、問題なく認められますが、「基本的な注意」の運転という所が問題です。今、部会長がお話しになったように、そこをどのように解釈し、運転を認めるのか、認めないのかが論点ですので審議会の中でしっかり御意見を表明していただくのがよろしいのではないかと思っています。
○森部会長 薬事審議会ということですね。
○医薬品審査管理課長 御意見どうもありがとうございます。また、たくさんの御議論ありがとうございました。先ほどの宮川委員の御指摘は、まず、この部会で議決を頂いた上で、審議会で御意見を頂くという趣旨でよろしいでしょうか。それとも、こちらの部会できちんと御議論いただくべきという御意見でしょうか。
○宮川委員 それは、委員としてどのように見解を出すのか審議会で決めなければいけないのではないでしょうか。
○医薬品審査管理課長 はい、承知しました。
○宮川委員 効能・効果は、基本的なところは認められます。しかしながら、運転の部分はどのように解釈するのかについて、今までたくさんの議論がありますから、そこを省くのか省かないのか、従来どおりの薬と同様にするのか。
 先ほど部会長からお話があったように、健康成人だけでアルコールと同じような試験をもって、そのようなことが言えるのかどうか。そして、不眠症の患者さんに使ってどのようなことが起こるのかも含めて、追記の臨床試験をもって効能・効果が、運転の事象に対してプラスアルファを入れるのかどうかはまた別の話になり、先ほどから部会長が仰っているとおりだと思います。別立てで考えていかなければいけないと思います。
○森部会長 厚労の方にお伺いします。薬事審議会に8.1の項目について議論いただく場合は、どういう選択肢があるのでしょうか。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。まず、この部会として確認いただきたいのは承認の可否ですので、効能・効果、用法・用量を含めて、この薬の承認の可否そのものをお伺いするのが、本日の諮問事項です。
 添付文書の記載については追って確認ということで、例えば、本日この場で最終的な記載が確認できないのであれば、各委員の先生方に事後的にお送りして確認していただいた上で、次のステップに進むという方法もありますし、再度、この部会で改めて御議論いただく方法もあるかと思います。
 記載を確認していただく場合は、単にこういうふうな記載でよろしいでしょうかというだけではなく、本日、たくさん宿題を頂いておりますので、自動車運転試験の対象の置き方についてどういうふうに考えるのか。それから、柴田委員から御指摘いただいた試験の結果そのものについて、単なる平均値ではなくて数字そのもの、個別のデータも含めてどのように解釈するのか。それから、他の類薬の持ち越し効果の試験結果について比較をどう考えるのか。今日、幾つか宿題を頂いておりますので、それと合わせて、最終的にこういうふうな記載でどうかということを御確認するという手続が必要かと思っています。承認の可否とセットにするか、別立てにするかということかと思います。
○森部会長 それは、この第一部会の中の対応ということですね。
○医薬品審査管理課長 はい。まず、この第一部会として、承認の可否と添付文書の記載について先生方に御確認いただくことが必要ですけれども、それを分けてよろしいか、セットとして御判断いただくかということかと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 文言を直してメール審議という形でない方が、すっきりすると思います。
○事務局 念のため、部会の扱いにかかわらず、部会終了後に修正次第、委員の皆様には、こういう案で考えていますという形のものを速やかにお送りしたいと思っております。
○森部会長 柴田委員、どうぞ。
○柴田委員 その場合、審査報告書に足りなかった論点について上乗せして、それをセットで審査報告書として審議会に進むという手順は、取り得るのでしょうか。
○医薬品審査管理課長 審議会は、上の審議会ということでしょうか。本日の部会結果として、こういう御意見を頂いて、このように対応したということを結果として残す。その過程で詳細まで書き込むかどうかは方法論としてはできると思います。
○柴田委員 ありがとうございます。
○事務局 事務的な補足です。審議会には、部会でこのような御意見があったということは資料として出ます。また形によりますが、審議結果報告書の形で残す可能性もあります。いずれにしても、審議会にはこの部会でこういう議論があったことは残ります。
○森部会長 医薬品審査の審査手順としては、第一部会で議論したものを薬事審議会に上げるのが原則だと思います。過去には、部会内では結論が出なかった件について、薬事審議会にお伺いを立てるという運用は認められているのでしょうか。
○医薬品審査管理課長 多分、それは基本的にありません。まず、第一部会として結論を出していただく。もし1回の審議で結論が出ない場合は、継続審議で次回以降、再度続けて御議論いただくことになるかと思います。
○森部会長 はい。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 17.3.1の所の臨床的に意義のある運転能力に対する影響が認められなかったということを、添付文書に入れていいのかどうかですが、原則的にはいいのだと思いますが、従来どおり運転に対しては、注意を払う必要があるが、臨床試験の結果等を含めて十分に配慮されたい等、どこに重きを置くかということです。
 つまり、最初から認めていいのか、十分な注意を払ってやっておくべきという言い方をしながら認めていくのか、それとも、臨床的に意義が認められなかったと言い切っていいのかどうかです。だから、私が最初から表現をちゃんとしてくださいと言っているのはそこなのです。そうでなければ、私は原則的には承認を了承できません。
 機構の説明の仕方や書き込みも稚拙で順番が逆になってしまっています。臨床試験の運転に関しては、アルコールと同じような揺らぎでしか見ておらず、限界があるわけです。先ほど審議官が言ったように、認めていきたい方向にだんだん変えてきているわけです。
 しかし、これをもって問題無いとは言えず、こういう表現では、私は臨床的には患者さんに使えないため、表現を整備してくださいという話をしました。
○審議官 よろしいでしょうか。
○宮川委員 順番をどうするのかについて、従来どおりの状況の中で、原則は認められないけれども十分な配慮をするのであれば運転可とする表現とするのでしょうか。
○審議官 宮川先生、どうもありがとうございます。先生がおっしゃるとおりの解釈の部分だと思います。そもそも臨床試験自体は、交通事故の無事故保障をするための試験ではありません。それは、先ほど佐藤先生が御指摘いただいたとおりです。
あくまで、これは睡眠に影響があるようなものなのかどうかという薬理作用を比較して見ている試験です。
 そういう意味では、実際の臨床現場や使用する段階の所にジャンプするというか、そこには一定の壁がある部分です。ですので、臨床試験でこうだったから運転しても大丈夫だということでは必ずしもありません。そこの結果の表記の仕方自体も、機構に考えていただいて直していただく必要があると思います。
 あくまで、薬理作用として眠気に対する効果がこうであるというところを踏まえて、実際の臨床として注意喚起をどうするかが、正に宮川先生がおっしゃっている部分だと思います。今ある薬理作用の状況を見て注意喚起としてどうなのかというところの書き方を、もう少しきちんと考えて直させていただこうと思います。またその中身を御覧いただいて、追加的に書面でできれば有り難いと思っておりますが、先生方に御確認いただく対応でお願いできないかというふうに思いますがいかがでしょうか。
○宮川委員 私だけの確認ではなく、部会長も含めてです。
○森部会長 委員の方の御発言はいかがですか。赤羽委員、お願いします。
○赤羽委員 ありがとうございます。このお薬は、運転をすることが可能であるというところが、一番、画期的だということを、最初に大森先生からお話があったかと思うのですが、本当にそういう方々も使えるようなお薬ということで、これが承認されればと私も願っております。ですが、やはりそういう形で承認できるためには、もう少し記載の整理など、いろいろ詰めるところがあるのではないか。今日、たくさんの指摘事項がありましたが、そういった意味で、書面審査ではなくて、継続審査でもう一回、改訂されたものを確認させていただいて、皆で納得した上で承認ができればいいと、私は個人的には思っております。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 仮に、この審議会後に承認の了承がこのままされるとしますと、マスコミは、運転可能な飲み薬が出ましたというだけの報道のされ方になってしまうのです。
だからこそ、その後のことも含め注意していただきたい。薬の効能は不眠症の薬としてはいいのですが運転に関して誤った伝わり方をする可能性があるので、表現の整備が必要です。
○審議官 恐らく今、先生から御指摘を頂いた部分は、本当にそのとおりで、とにかく薬を服用しているということ自体が、そもそも本来は、運転はするべきではない、運転に注意が必要だということではあるので、この注意喚起の仕方も、運転していいよというメッセージではない書き方で、本来あるべきだと思うのですね。
 ですから、例えば運転は本来、注意してやめるべきですが、ただやはり、医師の方からの診断などを受けた結果として、こういう条件であれば、よく注意して使っていいというものであるというような形の注意喚起というのが、本来あるべき姿なのかもしれないと思いますので、今、私が申し上げたような形の注意のコンテクストに直させていただくのが、一番、先生方からの御指摘に合ったものなのではないかと思いますが、いかがですか。
○森部会長 その方向性を歓迎したいと思います。そのようにしていただくことが、実臨床の薬剤の導入にも、より安全を期して御対応いただくということで、趣旨としてもよろしいかと思います。その運用の際、今日のこの審議をどう進めるかということについては、少し御助言を頂きたいのですが、どうしたらよろしいですか。
○医薬品審査管理課長 よろしいですか。通例ということでお話させていただきますが、まずこの薬そのものを承認してよいかどうかという点では、今日の御議論の中でもそれを止めるものではないということで、委員の先生方からの御意見を頂いたと思います。ただ、承認するに当たって、今の添付文書の記載では不十分である、修正が必要であるという御意見を頂いたかと思います。ですので、それは承認の可否とは別のところで対応できるものではないかというのが、多分、通例の取扱いだと思います。
 ただ、一方で宮川委員からも御指摘がありましたように、そもそもこの薬の位置付けとして、どのようなメッセージが足されるのかという点が、今、論点になっているところですので、承認の可否に直結するかもしれない論点だというように理解しております。先ほど審議官の方から、こういう方向でと申し上げて、一応その方向で修正するのであればということでよろしければ、まず今日、承認の可否については御判断いただいて、その後、記載の修正を対応するということでいかがかとは思います。ただ、その前提として、先ほども申し上げたように、記載だけではなくて、いろいろなデータなどを再度、御確認いただく必要はあるかということで、御理解いただいたかと思います。以上です。
○森部会長 やや、難しい判断になりますね。修正点が多くなりますし、記載の内容がかなり変わりますので、どう扱ったらよろしいですか。
○医薬品審査管理課長 記載についても、先ほどの自動車運転の試験の結果の、そもそもの記載の仕方と注意点の2点に尽きると言いますか、要はそこの対応が残っているかというようには思います。ただ、方向性としては御指摘いただいたと思います。
○森部会長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 私が一番心配するのは、先ほども申し上げたかもしれませんが、確証バイアスです。一回、部会が承認したというニュースが流れた途端に、宮川委員がおっしゃっていたように、これは運転可能な薬剤だというニュースが流れる。それで、確証バイアスを持って患者さんたちが使うようなことになっていくと、見てほしいところが見えなくなる可能性があって、それを私は心配しています。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。今の佐藤委員の御指摘については、例えば今日、この結果をこの後に公表するにしても、添付文書でこの薬の位置付け、特に自動車運転の可否について、たくさんの御意見を頂いて、今後、注意書きについて調整するという条件付きでの説明になるかと思います。それは本日、結論を頂いた場合ということにはなりますが、一応、その点も注意した上できちんと情報は伝えたいと思います。
○審議官 そこは、まだ決まっている部分ではないので、この後、事後ブリーフィングをする際にも睡眠については触れない、傾眠については触れないということだと思いますけれども。
○宮川委員 よろしいですか。8.1の所に、明確に書いてあるわけではないですか。ここに十分に書いてあるのですよ。自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させることと、十分書いてあり、可能であると言っているわけではないので、その点をきちんと言わないといけない。
 だけど、製薬企業は違う方向性で説明を行いがちですので、佐藤委員が言ったように確証バイアスがあるため、基本的なところを踏まえて、どこに重点を置きながら話をするのかが大事です。運転可能な治療薬ではなく、原則に十分に注意を払って、配慮した上で、運転可能な場合があるということを最初から説明しないために、審議にこれだけ時間を費やしているのだろうと、私は思います。
○医薬品審査管理課長 ありがとうございます。それは承知いたしました。運転可能な睡眠薬といったような言い方にならないように、製造販売会社には、きちんと指導したいと思います。
○事務局 あと、それから事後ブリーフィングの話が先ほど出たのですが、添付文書案については、即座に公開されるものではありません。薬事審議会の後に公開という形になりますので、運転可能な薬剤であると、すぐに世に伝わるわけではないですし、言いぶりについても御意見をいろいろ賜っておりますので、そこは留意したいと考えております。
○森部会長 御議論、どうもありがとうございます。本剤の不眠症の治療薬としての有効性に関すること、それから、安全性に関する議論も十分していただきまして、今回多くの方が社会生活の中で業務として自動車等を御利用になる、若しくは日常生活の中で運転なさったりするということが、十分に想定される際の医学的な注意喚起についての情報も、機構の方にはこれまでも十分取りまとめていただき、その内容も十分に伺いました。
 その上で、どのような注意喚起をしてこの薬剤を世に出すのかということについて、臨床の立場や、又は薬理の立場、又はその試験の妥当性に関する観点から様々な意見を頂いたという経緯です。また、記載については、議論を踏まえた上で見直していただくという方向性もお伺いしたところですので、本日、ここで議論すべきことは議論し、方向性も作っていただいたというように理解をしたところです。
 審議の取扱いについては、様々な方策がありまして、特にこれまで有効性に関する議論については、かなり念入りに議論をしてきたこともありますが、今回は薬剤そのものの安全性に関することではなくて、むしろ生活上での配慮に関する記載整備ということになります。ただし、自動車の運転は御本人にも、また周りの方にも十分な安全配慮が必要だということ、特別な意味も持ちますので、今回は修正した案を全ての委員の方に十分に御確認いただくという手順を踏み、その上で委員の先生方がその修正案に了解していただいた形で、まとめていくというプロセスを踏んでいくということで、理解してよろしいでしょうか。
 その上で、委員の先生方に改めてお問いいたしますが、この時点で議決を進めてよろしいか、若しくはさらに議論をして、十分な議論の上で議決をすべきなのかということについて、お伺いしたいと思っております。ここで議決を取り、また修正案について十分に御確認いただくということでよいという先生方はいかがですか。
今、オンラインなので、お顔が見えませんが、御賛同いただける先生は、挙手のボタンを押していただいてよろしいですか。会場の先生からは、御了承いただくかどうかということでよろしいですか。
○佐藤(陽)部会長代理 これだけ御議論いただいたので、議決を取ったとしても、次回やはり報告をしていただく必要があると思います。メールでどこまで各委員が御覧になられたかといったところ、どう感じたかといったところについては、一応、報告という形で、少なくとも共有する必要があると思います。いかがですか。
○事務局 まず、修正案ができ次第、皆さんに御意見を伺い、御意見についてはまとめて報告という形にはなりますが、皆様からこういう御意見がありましたという形で共有をさせていただこうと思います。
○医薬品審査管理課長 補足しますが、今日、議決を頂いたとしても添付文書の修正、それから治験の解釈の確認については、各委員の皆様にメール等で御確認をさせていただきます。その上で、最終的な添付文書の記載の御確認を頂きます。それは、メール等で行わせていただきますが、次回のこの部会におきましても、その経過については御報告させていただきます。
○森部会長 堀委員、お願いします。
○堀委員 もう一つお願いなのですが、やはり患者向け資材に関しても、どのような文言で説明をなさるのかというようなことも、併せて教えていただけたら有り難いと思います。
○医薬品審査管理課長 はい。添付文書と併せて、それについても検討させていただきます。
○森部会長 川上委員から御発言を頂きます。お願いします。
○川上委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の川上です。添付文書の記載について先生方が御議論されているのですが、承認条件としての医薬品リスク管理計画も、こういう内容の場合は議論するとよろしいかと思いました。特に追加のリスク最小化活動の中に、医療従事者向けの資材適正使用ガイドや、今、堀委員からもお話がありました患者向け資材のことがあります。もし可能でしたらRMPで、具体的に何は構わない、何はいけないなどの注意をどこまで具体的に説明をされる予定なのか。それがあると、委員の皆さんはこの部会として判断がしやすくなるのかと思って、発言した次第です。以上です。
○事務局 川上先生、ありがとうございます。先ほどから申し上げている資材というのが、RMPに基づく資材のことで、その点も含めて、皆様に御意見を伺う形で考えております。よろしくお願いします。
○川上委員 ありがとうございます。それが、ここに具体的に示されると判断をしやすいのではないかと思ったので、発言した次第です。添付文書だと、添付文書案が出ているのですが、RMPは、こういう方向でRMPを作りますよという案だけで、実際にその資材が資料として今日、出ているわけではないのですよね。それをできれば見たいという趣旨です。
○事務局 はい、承知しました。皆様に回覧させていただきます。よろしくお願いします。
○森部会長 今の点は特に機構からは、補足はありませんか。よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、大丈夫です。
○森部会長 最終的に御報告を頂くということも、先ほど伺ったところです。先生方の方からの御意見も、おおむね今伺いまして、また修正の方向性も頂きました。
RMPについても、資料を見せていただく、若しくは先ほどの資材についても具体的に御準備いただいたものを確認させていただくという、3点でしょうか。そうしますと、添付文書の修正案、RMPの具体案、そして資材の具体案の三つを御確認させていただくということを、今ここで確認させていただいた上で、議決に入るという手順でよろしいですか。
 それでは、議決に入らせていただいてよろしいですか。なお、阿古委員、石川委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づき、議決の参加を御遠慮いただくことになっています。議題2については、先ほどの修正の状況を確認することを踏まえて、承認を可としてよろしいですか。
 特に御異議がないようです。それでは、本議題については、確認をさせていただくことを前提に、承認を可とさせていただきます。また、薬事審議会にも報告させていただきます。また、薬事審議会については、この添付文書に関する点、そしてRMPに関する点、資材に関する確認点があったことの経緯については、詳しく御報告させていただき、薬事審議会での御意見も伺うという対応をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続いて、議題3に移らせていただきます。利益相反のお申出に基づき、外園委員におかれましては、議題3の審議の間、会議から御退室いただくことになっております。一旦、御退室いただけますか。
――外園委員 退室――
 ありがとうございました。では、議題3について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品セタネオ点眼液0.002%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。審査報告書、通し番号42分の4ページ、「1.起源又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はプロスタノイドFP受容体及びEP3受容体に対するアゴニスト作用を有する化合物(ONO- AG-367)のプロドラッグであるセペタプロストを0.002%含有する水性点眼剤です。なお海外において本剤が承認されている国又は地域はありません。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている7名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず有効性について、通し番号27ページ、「7.1.3 国内第III相試験」の項を御覧ください。原発開放隅角緑内障又は高眼圧症患者を対象に、本剤のラタノプロストに対する非劣性を検証することを目的とした実薬対照無作為化評価者遮蔽並行群間比較試験が実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、28ページ表26です。
主要評価項目とされた有効性評価対象眼における投与4週後のベースラインからの平均日中眼圧値の変化量について、本剤群とラタノプロスト群の群間差の95%信頼区間の上限値である0.77mmHgは、あらかじめ設定された非劣性マージンである1.5mmHgを下回り、本剤群のラタノプロスト群に対する非劣性が検証されました。以上から、緑内障及び高眼圧症患者に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
続いて安全性について、32ページ、「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与に当たっては、既承認のFP受容体作動薬で既知の事象である結膜充血、睫毛・眼瞼部多毛、眼瞼色素沈着及び虹彩色素沈着に特に注意する必要があるものの、既承認のFP受容体作動薬と同様の注意喚起が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年とすることが適当であり、また生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体は劇薬に該当し、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。
なお事前に柴田委員より、添付文書の臨床成績の項について、非劣性マージンの記載が漏れているとの御指摘を頂いております。御指摘いただいたとおりですので、添付文書の臨床成績の項に非劣性マージンを記載いたします。今後はこのような記載漏れがないよう、留意いたします。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では委員の先生方から御質問、御意見はございますか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 御説明ありがとうございます。すみません、製剤の写真を拝見したのですけれども、これはキャップの色はピンク色というように理解してよろしいでしょうか。と言いますのも、参天製薬さんが作られたお薬で、同じようなピンク色のものがあると、患者は間違って点眼してしまうかと。製剤名というか、一般名よりもキャップの色などで点眼薬を判断して点眼してしまう可能性があるので、少しそこが心配だったので、御質問させていただきました。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただいたとおり、キャップの部分はピンク色となっているかと思います。
○堀委員 似たような形の色で、参天製薬さんが作られたお薬というのはあるのかどうか、少し心配だったのですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 ピンク色のキャップの点眼剤として、クラビットという抗菌剤の点眼剤がございます。今、頂いた御指摘については、企業にも申し伝えたいと思います。
○堀委員 すみません、唐突な質問をして申し訳ありません。やはり形というものは、私ども患者にとって非常に重要、そして形とともに色も重要だと思っておりますので、そういうようなことも製薬メーカーさんも知っていただけたら幸いと思い、このような質問をさせていただきました。ありがとうございます。
 ○森部会長 そのほか、先生方から御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。どうぞ。お願いします。
○医薬品審査管理課長 すみません、先ほど堀委員から御指摘いただいた点なのですけれども、まず点眼剤の形というのは各企業さんで工夫されていて、例えば転がりにくいとか、いろいろな形が各社さんで工夫されていると思います。ですので、同じ会社であれば、同じ形状になっていることもあるかと思います。
色は確かに御指摘のとおりなのですけれども、先ほど1点ピンクのものがあるというのは、多分、一時的に使うような点眼剤で、こういう緑内障などでずっと使い続けるものと、一時的にかぶることがあっても、そんなに困ることはないのかと思います。
一方で、こういう緑内障点眼で、この審査報告書にもありますけれども、単剤で効きが悪いときには2剤使う場合があって、それが例えば同じ色だとすると、あれ、今どちらをさしているのかというのは起こり得るかもしれませんけれども、その辺りは多分、企業さんも工夫されて、色は考慮されているのだと思いますので、御指摘いただいたことは企業には伝えるとして、今後、検討させていただきたいというように思います。以上です。
○堀委員 御説明ありがとうございました。間違って点眼してしまうことは、よくあるかと思いますので。分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。視力の悪い方が御使用になることも多いもので。どうぞ、お願いします、機構の方。
○医薬品医療機器総合機構 機構より少し訂正させていただきます。先ほどキャップの色はピンクと申し上げたのですけれども、こちら製剤写真はフィルムが巻かれた状態で、フィルムがピンク色で、キャップ本体の色は白です。いずれにしても、御指摘については重要な点かと思いますので、企業には申し伝えたいと思います。ありがとうございました。
○堀委員 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございました。上のフィルムを取った後に、下のボトルのところにはラベルが残っていらっしゃるということですから、それの識別を患者さんはなさるということですけれども、視力の悪い方が御使用になることも多いということなので、なるべく識別性が高い配色をしていただくような形で、メーカーの方には今後もお願いしていただきますと、大変助かります。そのほか、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは議決に入らせていただきます。なお阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決の参加は御遠慮いただくこととなっております。議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようでございますので、承認を可とさせていただきます。薬事審議会に報告をさせていただきます。
ではロビーに待機されています外園委員をお呼びいただきたいと思います。お戻りになりましたら、次に進ませていただきます。
――外園委員 入室――
○森部会長 よろしいですか。では議題4に進ませていただきます。議題4につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題4、資料No.4、医薬品マグミット錠100mg、同錠200mg、同錠250mg、同錠330mg、同錠500mg、同細粒83%の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料については、資料No.4のマグミット錠100mgほかの審査報告書を御覧ください。
酸化マグネシウム、以下、本薬と言わせていただきますが、本薬は緩下剤や制酸剤として、国内外で古くから広く使用されている医薬品であり、小児慢性機能性便秘症診療ガイドラインにおいても、本薬は小児の便秘症患者に対して使用されることが多い薬剤の一つに挙げられていますが、本邦において小児に対する本薬の用法・用量は承認されておりません。今般、小児の便秘症患者を対象に有効性を検証し、小児における用法・用量を確立することを目的とした国内第III相試験の成績に基づき、マグミット錠100mgの医薬品製造販売承認申請及びマグミット錠200mg、同錠250mg、同錠330mg、同錠500mg、同細粒83%の製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本品目の専門協議では、本日、配布資料No.16に示す専門委員を指名しております。
本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性に関しては、審査報告書、通し番号9ページの表7を御覧ください。小児の便秘症患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である二重盲検期最終週の自発排便回数は、プラセボ群で1週当たり3.2回であったのに対し、本薬群では1週当たり5.0回であり、プラセボ群と本薬群の間で統計学的な有意差が認められました。またプラセボ群に対する本薬群の自発排便回数の比は1.55であり、事前に規定された有効性の基準、こちらプラセボ群と本薬群の間で統計学的な有意差が認められ、かつ自発排便回数の比の点推定値が1より大きいといった基準を満たしました。以上の審議結果から、小児の便秘症に対する本薬の臨床的意義のある有効性は期待できると判断いたしました。
安全性については、審査報告書の17、18ページに記載しております。臨床試験で認められた副作用の発現割合は、プラセボ群と比較して、本薬群で高い傾向が認められたものの、死亡に至った有害事象や重篤な有害事象、治験薬の中止に至った有害事象といったものは認められず、本薬の安全性に大きな問題は認められていないと考えました。以上より、成人と同様の注意喚起を行うことで、本薬の安全性は管理可能と判断いたしました。以上、機構での審査の結果、小児における便秘症に関して本薬による意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると、安全性は許容可能と考えられることから、臨床試験で検討された小児の用法・用量について承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。なお、本薬は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。機構からの説明は以上となります。御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では先生方から御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
1歳からの小児が服用なさるという薬剤で、錠剤と細粒の両方がございますけれども、当然、幼いお子さんには細粒を御使用になるというのが常識的な選択かと思いますが、錠剤の添付文書のところに、服用の困難な方には細粒を選択してくださいというように促すかどうかというところを事前に少し相談していたのですけれども、委員の先生方の御意見はございますか。もう当然のことで不要だということであれば、このままの形でお認めしますし、臨床試験のときにも、錠剤が服用できない方は細粒で服用するようにというプロトコールになっているので、そのプロトコールの内容を反映した添付文書にしておくかということを改めて伺おうと思っていましたし、臨床成績のところにその旨、一筆書いていただくということでもいいと思うのですけれども、いかがでしょうか。御意見がございましたら、お願いします。
堀委員、どうぞ。
○堀委員 今の部会長のお話ですと、例えば患者から、細粒又は錠剤かということのチョイスというのはできないのでしょうか。
○森部会長 それも可能かと思いますけれども、今、私が主に申し上げたのは、医療者が誤って、処方を出すときに小さいお子さんに錠剤を処方しないようにするにはどうしたらいいかということです。細粒を選択なさるということが通常だと思うのですけれども、一言その旨、触れておくべきかどうかということについて意見を伺おうと思います。これだけ小さいお子さんに錠剤の処方の選択用法があるということは、余り通常ではありませんので、その一文を入れておくかどうか意見を伺いたいのですが、いかがでしょうか。
○堀委員 それでしたら私も、年齢にもよると思うのですけれども、1歳や2歳ぐらいでしたら、やはり細粒の方が、飲ませる親の立場からは非常に有り難いと思いました。
○森部会長 特に年齢等に制限するわけではありませんけれども、錠剤が服用困難な方に対しては、細粒を選択していただくという。
○堀委員 そうですね。
○森部会長 そういうことで十分だと思うのですが、つまり細粒にはその注意喚起はいりませんけれども、錠剤の添付文書にはその旨、記載していただくということですが、それはそもそも可能な対応になりますか。難しいですか。不要ですか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。臨床試験の17項に、試験としては、基本的に100mg錠を用いるような臨床試験であったものの、試験の規定として、飲めない患者さんについては細粒の使用も可能でしたという事実を記載させていただく形でいかがでしょうか。
○森部会長 よろしいでしょうか。それでは、そのようにお進めいただくことと、それから、やはり資材ではその旨、少し注意喚起していただく。とにかく小さいお子さんに誤って錠剤が処方されないように、何らかの医療的な配慮をしておくということを付記させていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。企業にも、小児において錠剤の服用が難しい場合には、細粒も使えることがわかるような市販後の対応などをお伝えしていこうと思います。
○森部会長 ありがとうございました。1歳以上のお子さんに錠剤が処方できるというように読み取れる文面になっていますので、その旨の配慮をお願いいたします。
それでは先生方から、ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。では議決に入らせていただきます。議題4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようでございますので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
では続きまして、議題5に移らせていただきます。では議題5につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題5、資料No.5、医薬品ヨビパス皮下注168μgペンほかの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。
 審査報告書の通し番号4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤の対象疾患であります副甲状腺機能低下症は、手術時の副甲状腺の損傷等に伴いまして、副甲状腺ホルモン、以下、「PTH」と申し上げます。PTHが欠乏する内分泌疾患であり、骨代謝回転の低下、腎臓でのカルシウム再吸収及びリン排泄の障害等により、慢性的な低カルシウム血症や高リン血症、高カルシウム尿症等の症状を呈します。本剤は、ヒトPTHの1~34番目のアミノ酸に相当するPTH(1-34)にリンカーを介してメトキシポリエチレングリコールが結合したパロペグテリパラチドを有効成分とする注射剤です。1日1回の皮下投与により、PTH(1-34)が持続的に遊離して、血漿中のPTH(1-34)濃度が生理的な範囲内に維持されることにより、副甲状腺機能低下に伴う諸症状を改善することが期待されます。
 今般、副甲状腺機能低下症患者を対象とした海外第III相試験及び国内第III相試験等の成績に基づき、本邦における製造販売承認申請に至りました。海外において本剤は、2023年11月に欧州で承認されて以降、2025年5月現在、米国及び英国を含む31か国で承認されております。本品目の専門協議では、資料No.16に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。
 有効性について、審査報告書の通し番号43ページ、表39の上の段を御覧ください。外国人の副甲状腺機能低下症患者を対象としました、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間試験である海外第III相試験の304試験が実施されました。主要評価項目である26週間の盲検期終了時のレスポンダーの割合は、プラセボ群4.8%、本剤群78.7%であり、プラセボ群に対する本剤の優越性が示されました。
 続いて、審査報告書44ページの下から2段落目を御覧ください。こちら、日本人の副甲状腺機能低下症患者を対象とした非盲検非対照試験である国内第III相試験の305試験が実施され、主要評価項目である26週間の有効性評価期終了時のレスポンダーの割合は92.3%であり、304試験の本剤群と同程度でした。以上の結果等から、本剤は、副甲状腺機能低下症に対して意義のある有効性を示すと判断しました。
 続いて安全性について、審査報告書51ページの表47を御覧ください。海外304試験における有害事象、重篤な有害事象及び投与中止に至った有害事象の発現割合は、プラセボ群と本剤群で同程度であり、副作用の発現割合については、プラセボ群と比較して本剤群で高い傾向が認められたものの、主に認められた副作用は、注射部位反応、高カルシウム血症、頭痛などの、本薬の薬理作用や注射手技に起因する事象でした。重篤な副作用は本剤群の高カルシウム血症1例のみでした。また、国内の305試験においては、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象は認められず、日本人患者に特有の安全性上の懸念も認められませんでした。以上より、本剤の副甲状腺機能低下症に対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 なお、本剤の専門協議におきまして、本剤の骨肉腫リスクに対する評価及び添付文書での対応、また、偽性副甲状腺機能低下症患者に対して、本剤が誤投与されないことを含む、本剤の投与対象となる患者集団に関する注意喚起の記載、また、重度腎機能障害を合併する患者における情報収集の方策等に関して議論を行いまして、委員の先生方からいただいた御意見を踏まえて、添付文書での注意喚起内容やRMP案を検討しました。いずれについても、専門委員より御支持いただいているところです。
 以上の検討の結果、「副甲状腺機能低下症」を効能・効果として本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断をしました。本剤は新有効成分医薬品であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体は毒薬に該当し、製剤は毒薬又は劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断をしております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 詳細な御説明、どうもありがとうございました。それでは、先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。専門協議に関することを詳しく御紹介いただきましたので、特段、ございませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。議題5につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようでございますので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
 では、続きまして、議題6に移ります。議題6につきまして、事務局から概要説明をお願いします。
○事務局 議題6、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明します。今回の指定審議に係る品目は6-1に一覧としてまとめております。6-2から順に御説明します。まず資料6-2、GTX-102、申請者はUltragenyx Japan株式会社、予定効能・効果はアンジェルマン症候群で、当該疾患は指定難病に指定されております。アンジェルマン症候群は、脳の発達に不可欠な酵素であるユビキチンタンパク質リガーゼE3Aを合成する遺伝子の発現又は機能の喪失によって生じる遺伝性疾患であり、重度の発達遅滞、睡眠障害、言語障害、てんかん発作、運動失調、摂食困難等のほか、多動等の固有の行動を特徴とし、生涯にわたって継続的な介護支援を必要とします。現在、アンジェルマン症候群に対して承認された薬剤はなく、対症療法が行われています。小児アンジェルマン症候群患者を対象とした海外第I/II相試験において、本薬投与による認知、コミュニケーション、行動、睡眠及び運動機能の改善が示唆されております。開発の可能性について、国際共同第III相試験が現在実施中です。
 続いて、資料6-3、イネビリズマブ。申請者は田辺三菱製薬株式会社、予定効能・効果は全身型重症筋無力症、以下、「gMG」と略します。当該疾患は、指定難病である重症筋無力症のうち、全身に症状があるものを指します。重症筋無力症ですが、神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体への作用により、刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患です。約85%が全身に症状が及ぶgMGとなります。長期間の寛解維持はまれであり、社会生活に困難を来すことも少なくない疾患です。現在、治療においては、経口ステロイド剤とカルシニューリン阻害薬の併用に加え、血漿浄化療法、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静注療法が用いられ、近年では抗補体C5抗体製剤や、抗FcRn抗体製剤が承認されておりますが、既存治療で十分な効果が得られない患者も認められるところでして、新たな治療選択肢が求められています。開発の可能性について、gMG患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目について、プラセボ群と比較して統計学的な有意差が認められておりまして、当該試験成績等に基づきまして製造販売承認申請が予定されております。
 続いて、資料6-4及び6-5。6-4については、pH4処理酸性人免疫グロブリン、6-5はポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンで、いずれも申請者は武田薬品工業株式会社。予定効能・効果は自己免疫性脳炎です。本邦における疾患の患者数は2万2,000人程度と推定をされております。自己免疫性脳炎は、自己免疫機序によって生じる急性又は亜急性の脳の炎症性疾患で、興奮、健忘、妄想等の様々な精神症状が発現し、その後、痙攣、意識障害等の重篤な神経症状を呈します。
本邦において、当該疾患に対して承認されている医薬品はなく、確立した治療法はないものの、全国疫学調査においては、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静注療法等が実施されていることが報告されており、静注用人免疫グロブリン製剤は、本邦における自己免疫脳炎の免疫療法の一つとして既に用いられているところです。開発の可能性について、ステロイドパルス療法で効果不十分な自己免疫性脳炎患者を対象とした国内試験において、有効性・安全性が検討されておりまして、当該試験成績に基づきまして、製造販売承認申請が予定されております。
 続いて、資料6-6、アンセラミマブ。申請者はアレクシオンファーマ合同会社、予定効能・効果は全身性ALアミロイドーシスで、当該疾患は指定難病の全身性アミロイドーシスの一つです。当該疾患ですが、異常形質細胞より産生される単クローン性免疫グロブリンの軽鎖に由来するアミロイドタンパクが沈着することにより、臓器障害が惹起される疾患です。ALアミロイドーシスに係る効能・効果で承認された薬剤を併用する既存の療法はありますが、既に沈着したアミロイド及びその臓器障害に対する効果は確認されておらず、極めて予後不良な病型に対するベネフィットを示すデータは得られておりません。本剤ですが、海外第II相試験において有効性を有することが示唆されております。現在、国際共同第III相試験を実施中です。
 続いて、資料6-7、ウステキヌマブ。申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定効能・効果は、中等症から重症の活動期クローン病の導入療法及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)です。クローン病は指定難病に指定されております。本指定申請ですが、小児開発を対象としたものです。小児クローン病の場合、診断時の病変範囲が成人より広範かつ重症で、肛門病変も合併することがあり、小児期特有の成長障害や心理社会的側面への配慮が必要とされております。既存治療で効果不十分な中等症から重症の小児クローン病に関してはインフリキシマブが用いられますが、二次無効となる場合もあり、成人に比べ治療選択肢が限られていることから、異なる作用機序を持った新たな治療選択肢が必要とされております。現在、2歳以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
 続いて、資料6-8、ウステキヌマブ。申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定効能・効果は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法及び維持療法。潰瘍性大腸炎は指定難病に指定されております。本指定につきましても小児開発を対象としたものです。小児潰瘍性大腸炎の場合、成人より短期間で全大腸炎型に進展しやすく重症化しやすい特徴があり、小児期特有の成長障害や心理社会的側面での配慮が必要とされております。既存治療で効果不十分な中等症から重症の小児潰瘍性大腸炎に対しては、インフリキシマブやアダリムマブが用いられますが、二次無効となる場合もあり、成人に比べ治療選択肢が限られていることから、異なる作用機序を持つ新たな治療選択肢が必要とされております。こちらにつきましても、2歳以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
 続いて、資料6-9、グセルクマブ。申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定効能・効果は、資料6-7と同じく、中等症から重症の活動期クローン病の治療(既存治療で効果不十分の場合に限る)です。医療上の必要性につきましては先ほどと同様ですので、説明は割愛します。こちらにつきましても、現在、2歳以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
 資料6-10、グセルクマブ。申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定効能・効果は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法及び維持療法です。こちらにつきましても小児を対象とした開発です。医療上の必要性については、先ほど、ウステキヌマブについて説明したものと同様です。こちらのグセルクマブについても、2歳以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
 続いて、資料6-11、ニポカリマブ。申請者はヤンセンファーマ株式会社、予定効能・効果は温式自己免疫性溶血性貧血で、当該疾患は指定難病の自己免疫性溶血性貧血の一つです。当該疾患では、体温を最適温度として、赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が産生され、溶血性貧血が惹起される疾患です。副腎皮質ステロイドがこちらの効能・効果で承認をされておりますが、長期寛解を維持できる患者は約30%との報告があります。また、リツシキマブが用いられますが、奏功後の再発率は約2~3年で20~50%と報告されており、新たな作用機序を有する治療薬が必要とされております。現在、国際共同第II/III相試験を実施中です。
 続いて、資料6-12、フェニル酪酸ナトリウム。申請者は株式会社オーファンパシフィック、予定効能・効果は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症で指定難病に指定されております。当該疾患は、常染色体潜性遺伝形式の肝内胆汁うっ滞症であり、胆汁うっ滞により、強い掻痒感や、それに伴う睡眠障害、QOLの低下を呈し、肝不全に進行します。本邦において、こちらの効能・効果でマラリキシバット塩化物が承認されておりますが、複数の治療選択肢が臨床的に必要とされております。本剤ですが、現在、国内第II相試験を実施中です。
 続いて、資料6-13、Mosliciguat。申請者はPulmovant社です。予定効能・効果は間質性肺疾患(気腫合併肺線維症を含む)に伴う肺高血圧症です。こちらにつきまして、患者数ですが、4万6,500人と推定されております。間質性肺疾患ですが、日本人患者におけるこちらの疾患の3年生存率は35.7%と報告されております。現在ですが、トレプロスチニルの吸入剤が使用されておりますが、異なる治療選択肢が必要とされている状況です。現在、国際共同第II相試験を実施中でして、国際共同第III相試験も計画中というところです。
 以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御質問、御意見ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題6につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議ないようですので、指定を可とし、医薬審議会に報告させていただきます。
 では続きまして、報告事項及びそのほかの事項議題に移らせていただきます。報告事項議題1~5及びそのほかの事項議題1、2につきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、報告事項について御説明します。今回の報告事項の一覧につきましては、資料7のとおりです。順を追って説明します。まず、報告議題1、資料8、コセルゴカプセル10mg、同カプセル25mgにつきまして、アレクシオンファーマ合同会社より、神経線維腫症1型における叢状神経線維腫に係る効能・効果につきまして、現在、小児で承認をされておりますが、成人の用量に係る製造販売承認事項一部変更承認申請がなされております。こちら、機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。
 続いて、議題2、資料9、ケサンラ点滴静注液350mgにつきまして、日本イーライリリー株式会社より、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制に関して、現在の用量に関して、漸増方法を変更する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされております。こちらは機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。こちらの申請に併せて、その他の議題1、資料は13になりますが、最適使用推進ガイドラインの改訂を行っておりますので、併せて御報告をさせていただきます。
 続いて、医療用医薬品の再審査についてです。資料10-1~10-5になります。まず資料10-1、フィコンパ錠2mg、同錠4mg、同細粒1%につきまして、エーザイ株式会社から申請をされております。てんかん患者の部分発作、二次性全般化発作を含む、及び、ほかの抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法につきまして、再審査の申請がなされております。
 また、資料10-2、ザファテック錠100mg、同錠50mg、同錠25mgにつきまして、帝人ファーマ株式会社より2型糖尿病に係る効能・効果での再審査申請がなされております。
資料10-3、マリゼブ錠12.5mg、同錠25mgにつきまして、キッセイ薬品工業株式会社より、こちらも2型糖尿病に係る効能・効果について再審査申請がなされております。
資料10-4、フィアスプ注フレックスタッチ、同ペンフィル、ノボ ノルディスクファーマ株式会社より、インスリン療法が適応となる糖尿病に係る効能・効果での再審査申請がなされております。すみません、フィアスプ注に関しては、100単位/mLにつきましても、同じく再審査申請がなされております。
 続いて、資料10-5、アデムパス錠0.5mg、同錠1.0mg、同錠2.5mgにつきまして、バイエル薬品株式会社より、外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症に係る効能・効果につきまして、再審査申請がなされております。いずれにつきましても、機構において確認を行いまして、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断をしております。
 続いて、議題4、資料11、希少疾病用医薬品の指定の取消しにつきまして御説明します。令和4年に乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンにつきまして、自己免疫性脳炎(ステロイドパルス療法で効果不十分であった場合)を予定効能・効果として、武田薬品工業株式会社から申請がされております。こちら、希少疾病用医薬品として指定をされておりましたが、他の薬剤の開発を行うことに伴い、本剤について開発を中止することを踏まえまして、希少疾病用医薬品の指定の取消申請がなされております。
 続いて、議題5、資料12、メーゼント錠0.25mg、同錠2mgにつきまして、ノバルティスファーマ株式会社より、二次性進行型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制に係る効能・効果について、全例調査に係る承認条件が付されておりました。この度、ノバルティスファーマ株式会社より、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構における評価の結果、全例調査に係る承認条件は対応されたものと判断をしております。
 続いて、その他の議題2になります。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について、御説明します。まず資料14-1、リツキシマブについてです。1ページ、日本血液学会より、リツキシマブにつきまして、「広義の自己免疫性溶血性貧血(温式、冷式を含む)」に係る適応拡大が要望されております。成人、小児それぞれに対して要望され、まとめて評価を行っております。1ページの2についてです。第58回検討会議において、医療上の必要性に該当ありと評価をしております。また、同じく1ページの3について、海外の臨床試験、国内外の教科書、診療ガイドライン及び症例報告等から、成人及び小児における温式又は冷式の自己免疫性溶血性貧血に対するリツキシマブの有用性は、医学薬学上公知であると判断をしております。
 2ページの4について。効能・効果については、自己免疫性溶血性貧血とすることが適切と判断をしております。効能・効果に関連する注意につきましては、2ページに記載のとおりとすることが適当と判断しております。用法・用量につきましては3ページにあります。通常、リツキシマブとして、1回量375mg/m/を1週間間隔で4回点滴静注とすることが適切と判断をしております。当該の用法・用量ですが、既承認の効能・効果と同一です。
 続いて、資料14-2、インドシアニングリーンについてです。子宮体がん及び子宮頸がんのセンチネルリンパ節の同定に係る効能・効果での適応拡大が要望されておりまして、日本婦人科腫瘍学会、婦人科がん患者会「カトレアの森」、リンパ浮腫の患者会「リンパスマイル」より要望をされております。こちらについて、記載のとおり、第58回検討会議において、医療上の必要性について該当ありと判断をしております。16ページになります。7.(3)にあります要望内容について、本薬は米国、カナダ、豪州において承認されており、国内外の診療ガイドラインでは、本薬が、子宮体癌及び子宮頸癌のセンチネルリンパ節の同定に有用である旨が記載されております。こうしたことも踏まえまして、検討会議において、本薬を用いた子宮体癌及び子宮頸癌の、センチネルリンパ節の同定に係る有効性・安全性は、医学薬学上公知であると判断をしております。
 17ページの8について、効能・効果は、次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定、子宮頸癌、子宮体癌とすることが適切と判断しておりまして、効能・効果に関連する注意は17ページに記載のとおりとすることが適当と判断しております。
用法・用量につきましては、18ページに記載をしております。子宮頸癌及び子宮体癌のセンチネルリンパ節の同定においては、インドシアニングリーンとして25mgを20mLの注射用水で溶解し、通常4mLを子宮頸部に適宜分割して投与することが適切と判断しております。
 続いて、資料14-3、同じくインドシアニングリーンにつきまして、リンパ節のリンパ流状態観察に係る適応拡大が要望されておりまして、評価を行っております。
要望については、日本形成外科学会、日本リンパ浮腫治療学会、日本脈管学会より要望をされております。1ページの2についてですが、記載のとおり、第55回検討会議において、医療上の必要性について該当性ありと判断しております。
 続いて、11ページに飛びます。要望内容について、公的な研究事業として実施された国内第III相試験の結果等から、本薬について、リンパ管静脈吻合術に係るリンパ管の同定及び開存確認に係る有効性が示され、安全性についても、特段、懸念は示されておりません。また、国内外の教科書、診療ガイドラインについて、本薬が有用である旨が記載されておりますので、広く使用されている実態が確認できまして、検討会議において、本薬を用いたリンパ管造影に係る有効性・安全性は医学薬学上公知であると判断可能と考えております。
 続いて、11ページの8について、効能・効果は、リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価とすることが適切と判断されました。また、用法・用量につきましては、11~12ページにかけてです。インドシアニングリーンとして25mgを10mLの注射用水で溶解し、通常1mLをリンパ管静脈吻合術を行う肢の皮下又は皮内に適宜分割して投与することが適切と判断しております。報告内容につきましては以上です。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御質問、御意見がございましたらお願いします。よろしいでしょうか。議題2に関して、ケサンラ点滴静注の用法に変更がありましたが、石川委員、何かこの点、御意見はございますか。特にございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、報告事項、そのほかの事項につきましては、御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上でございます。
 事務局から報告はございますか。
○事務局 次回の部会ですが、令和7年8月29日午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いします。
○森部会長 それでは、委員の先生方、また、機構の方々、厚労省の方々、大変長時間の議論、どうもありがとうございました。これで閉会させていただきます。ありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医薬品審査管理課 課長補佐 浦(内線2746)