第3回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

日時

令和8年1月20日(火)10:00~12:00

場所

厚生労働省12階専用第15会議室(オンライン併用開催)

議題

  1. (1)有識者ヒアリング(クレーン、港湾荷役機械関係)
  2. (2)その他

議事

議事内容

○主任中央産業安全専門官 定刻より少し前ですが、ただいまから「第3回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を開催いたします。本日は、石川構成員、中坊構成員、オブザーバーの国土交通省港湾局、農林水産省、林野庁の皆様がWeb参加となっております。また、今回はクレーン・港湾荷役機械関係の有識者へのヒアリングということで、一般社団法人日本クレーン協会から坪田様、倉本様、颯田様、一般社団法人日本建設業連合会から御推薦いただきました株式会社竹中工務店の柿崎様、鈴木様、一般社団法人港湾荷役システム協会から白石様に御出席いただいております。カメラ撮影などにつきましては、ここまでとしますので、御協力をお願いいたします。この後の議事進行につきましては、齋藤座長、よろしくお願いいたします。
○齋藤座長 本日は新年のお忙しい中、また朝早く、皆様御参集いただきましてありがとうございます。本日は第3回目ということで、第2弾のヒアリングについて行っていきたいと思います。その前に、事務局から前回の建設機械関係のヒアリングの結果等につきまして、資料1~2を御説明いただきます。よろしくお願いします。
○技術審査官 事務局です。私からは資料1~3までまとめてお話したいと思います。初めに資料1に関しては、ヒアリング結果についてということで、前回、12月19日の第2回検討会での建設機械関係のヒアリングの結果についてまとめた資料となっております。1ページ目は、ヒアリング事項、項目等について並べたものです。
 2枚目以降、ヒアリング項目ごとに前回の検討会でヒアリングの御対応を頂いた3団体の説明概要と、こちらでそれぞれポイントをまとめて記載しております。本日時間の都合もありますので、幾つかの項目のポイントのみお話させていただきます。また、大変お手数ですが、お時間のあるときに改めて御確認いただければと思っております。
 2ページは、無人運転機械の開発・普及状況についてのヒアリング項目です。ポイントが下の四角囲みに書いてありますが、建設機械の中では、掘削機械や整地・運搬・積込機械、締固め機械などが開発、あるいは上市の対象となっているというお話がありました。その中で、遠隔運転機械に関しては、災害復旧工事を中心に活用されている。一方で、自律運転機械については、ダム工事等の大規模現場で、現在は試行的な運用が行われている段階というお話がありました。
 そういう中で、どういう労働災害防止の観点から対応を取っているか、あるいは必要と考えるかということについては、6ページを御覧ください。まず1つ目として、他の機械等との衝突や、周辺作業者への接触防止という観点から、必要と考える措置についてまとめたものです。
 下のポイントでは、機械側のみの接触防止の対策というのはなかなか困難だというお話です。施工者側による無人エリアの設定や立入禁止措置の徹底が必要ではないかということです。ルールによるソフトの対策と、センサを使った警報や機械の停止といったハード対策の両方とも重要ではないか。一方で、機械側の措置が過剰になることでのコストの増加という観点から、技術開発の停滞を懸念するという声もあったところです。
 7枚目のスライドです。運転操作性の確保という観点ですが、ポイントを御覧いただくと、無人運転は、有人運転の場合と感覚的に異なる点が多く、専門の担当者を任命し、運転に従事させることが重要ではないかというお話です。それから、求めるアウトプットの内容・水準、具体的に言いますと、視認性、画像、位置情報の観点や、あと通信品質に関してガイドライン等で示す必要があるのではないかというお話も頂きました。
 8枚目のスライドについては、停止時やトラブル時の安全確保の観点に関しては、機械側では緊急停止のための機構が必要ではないかというお話です。また、先ほどの話にも若干関係しますが、通信環境の確保が必要ということ。一方で、施工者側においても、それに対応するためのルールとして、立入禁止措置、非常時の立入り、作業を行う手順が必要ではないかというお話を頂きました。
 9枚目のスライドです。運転者、操作者に求められる技能の確保という観点です。無人運転機械の運転に当たっては、基本的には有人運転の場合と同様の知識・技能を持つことをベースとして、システムの理解等々という観点も必要ではないかというお話がありました。また、多様な人材が資格を取得できるような配慮をしていただきたいという御意見も頂きました。
 次に10ページについては、設計上の制限仕様の具体的内容はどういうものを考えていますかというお話についてです。ここでは、主に非常時について、緊急停止措置の冗長性、運転切換といったことについて仕様として示しているというお話を頂きました。簡単ですが、資料1の関係、ヒアリング結果については以上です。
 続いて、資料2を御確認ください。「ヒアリング結果等踏まえた論点ごとに検討すべき事項について」という資料です。1ページの上の四角囲みを御覧ください。第1回目の検討会で整理した検討項目に関しては、11月に行われた1回目の検討会で頂いた御意見や、前回のヒアリング結果を踏まえて、労働災害防止のための措置として、今後、検討していくことが必要な課題という観点から整理させていただいております。どういうことについて今後検討していく必要があるのかを示しております。こちらについては、今後、今日のヒアリング、次回もまたヒアリングを行う予定ですが、そのヒアリング結果に応じて、追加あるいは修正していくという位置付けの資料です。また、それぞれの措置について、4象限それぞれの場合に求められる水準を検討していく必要も併せてあります。こちらについては、これも時間の都合で全部説明していくことができませんので、改めて皆様方で御確認いただきまして、先ほども言いましたとおり、今後、追加あるいは修正していくものですので、何かありましたら後日事務局、私のほうにお伝えいただければと思っております。内容について幾つか説明させていただきます。
 1ページの上のほう、ほかの機械等との衝突、周辺作業者への接触防止という観点で、今後検討が必要ではないかと思われる観点について書いております。1つ目のポツです。機械側(ハード)と立入禁止措置の人側(ソフト側)の対策の両方が必要ではないかと考えますが、安全確保の役割分担や、バランスということについてどのように考えるかという観点です。2つ目は、機械側の接触検知・自動停止に係る機能の制御機能の信頼性レベルということについてどこまで求めるのかということです。その下のポツですが、立入禁止の方法と信頼性をどう担保するかということです。これは後ほど出てきますが、無人区画という考え方の整理も必要かと思っております。
 2つ目、運転操作性の確保に関しては、機械側から画像や位置情報について、どのような情報をどういう水準で出力する必要があるかという観点です。2つ目のポツです。有人運転と遠隔運転とでは、運転者にとってみて感覚が異なるところがあります。それをどのように代替するのか。言ってみれば、有人運転のときと比較して情報量が違ってくる中で、得られる情報量に応じてどういう対策が必要かという観点です。3つ目は、遠隔監視による対応や、非常停止装置による対応、運転者・操作者が遠くにいた場合の措置としてどういうことが考えられるかという観点です。4つ目、通信品質のレベルをどのように決めるかということの観点です。
 2ページ、停止時・トラブル時の安全確保ということについてです。1つ目、通信途絶時の緊急停止機能の冗長性の確保。機械を操作する双方の停止に関する機能と信頼性のレベルについてどのように考えるかということです。また、通信途絶時の機械の安全な緊急停止のため、その後の再機動のため、その方策についてどういうふうに考えるか、信頼性についてどういうふうに考えるかという観点です。
 その次の項目として、運転者に求められる技能の確保という観点では、遠隔運転の場合、有人運転機械での知識・技能をベースにして、追加的に必要な事項にはどういうものがあるのかということです。そのような観点を始めとして検討していく必要があるのではないかということです。
 3ページ、今度はそれぞれの項目ということではないですが、その他あるいは全体的に係る話についてです。4象限の考え方についてです。1つは、無人区画なのか、混在なのかというところの話で、無人区画について、前回のヒアリングでも様々無人区画を作ってという話を頂きましたが、そこの認識、共有、イメージがしっかり定義、あるいは要件という形で共通化していく必要があるのではないかと考えております。混在の場合も含めて、その機械周辺、立入禁止の措置と区別する必要があるのではないかという観点で書かせていただいております。
 また、この4象限の分類、今度は、自律化、遠隔化という観点になりますが、そこにどの程度有人的な観点を加味する必要があるのかというところで、自律運転のレベルによってという話を、1回目の検討会等でもいろいろとお話を頂きましたが、そこのところでのグラデーションという話もありましたが、必要な措置についてどのように整理するかということについて記載させていただいております。以上になりますが、冒頭申しましたとおり、今日、なかなかここの場で御議論できないかと思っておりまして、これは今後も追加していくものですので、また、何かありましたら事務局のほうに御連絡いただければと思います。大変お手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料3の関係になります。こちらは、本日のヒアリングに関しての資料です。裏面に、本日のヒアリング、冒頭お話がありましたとおり、本日はクレーンと港湾荷役機械がヒアリングの対象ということになっております。日本クレーン協会様、竹中工務店様、港湾荷役システム協会様に本日御対応いただいております。ヒアリングの項目については、こちらは前回と同様のものを用意しております。資料を作成いただいておりますので、15分程度御説明いただいて、その後、20分程度の質疑の時間とさせていただきたいと思います。私からは以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。前回、建設機械等をやりました。自律運転に関しては、まだ道半ばかもしれませんが、遠隔操作に関しては、災害復旧や産廃業、既に広く使われている、遠隔操縦に関しては非常に経験豊富かと思いました。ただ、どちらも安全に関しては無人エリア、無人区画というものを作って、その中での作業ということが主であって、メインだったかと。ただ、そこにトラブル等で入るときにも、中で動いている機械を一斉に停止させるということが1つポイントだったと、私自身はそういう印象を受けました。これは建設です、本日は、クレーン・港湾機械の関係についてヒアリングということです。まずは日本クレーン協会様から15分御説明いただいて、その後、質疑を行っていきたいと思います。御準備はよろしいですか。よろしくお願いします。
○日本クレーン協会 ありがとうございます。それでは日本クレーン協会からクレーン遠隔運転の安全確保に関する取組について、御説明します。お手元の資料4です。説明は、日本クレーン協会のタワークレーン遠隔操作の安全確保委員会のこちらにおります坪田委員長、それとクレーンメーカーから委員会に加わっていただきました倉本委員、そして、私、事務局の颯田が担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、2ページをお願いいたします。今日、御説明する内容は御覧のとおりになっています。最初に、クレーンになじみのない方もいらっしゃるので、少しクレーンの概要を説明させていただいています。
 3ページです。タワークレーンは、日本の法令ではクライミング式ジブクレーンと称される機種になります。国際的及び国内の通称としてはタワークレーンと総称しています。タワークレーンは、高層建築現場での重量物の荷揚げに不可欠な機械で、写真のように何百mもある建築物の上にベースを造る場合もあります。ベースから数十m上の運転席から操作し、地上でフックに荷を取り付ける玉掛け士がいて、合図で巻き上げて吊り下げる作業をしています。工場の天井クレーンなども含めたクレーン等による労働災害は多く、令和6年の実績で44件の死亡災害が発生しています。全産業の死亡災害の746件のうち、5.9%を占めています。
 4ページです。労働安全衛生法では、吊上げ荷重3t以上のクレーンは、特に危険な機械、特定機械等としてメーカーが労働局から製造許可(設計審査等)を受けること、また、ユーザーは労働基準監督署への設置届を出し、落成検査を受けて合格することが必要になっています。作業する者の資格としては、5t以上の運転にはクレーン運転士免許、1t以上の玉掛けには技能講習修了が必要になっています。また、吊り荷下への立入禁止、巻過ぎ防止、強風時の停止、荷を吊ったままの離席禁止、作業前点検、運転者の視野確保等が義務付けられています。
 5ページです。タワークレーンはベースから数十m上の運転席に上がるために、通常、朝、はしごを登り、1日中機上で拘束されています。地震でタワークレーンが倒れることもあり、台湾の地震では倒れて運転士が死亡したことがあり、安全上のリスクにもなっています。建設業は全般に人手不足ですが、有資格の運転士は更に不足している状況です。高齢者や女性の活躍促進という社会的要求もあり、遠隔運転はこれらに応える技術で建設業界にはニーズが大変あります。
 当協会で、この安全ガイドラインの検討を始めた2022年時点では、ゼネコン各社はタワークレーン遠隔運転の安全に関する基準はないが、監督署の了解を得て、試験的、実証的に導入する実態がありました。タワークレーン遠隔操作の課題として、クレーン作業は玉掛け作業を人が行うことを避けられず、建設機械などのように無人作業にはできない面があります。しかしながら、現在の超高層建築現場では、地上での玉掛け作業や吊り荷の状況を運転者は直接視認することは難しく、カメラ映像で視野を確保し、合図者との音声通話により運転しています。このためゼネコンは、遠隔運転に関する抵抗感がなく、導入を進めたと判断されます。しかし、導入されている制御機能では、通信遅延、遮断時には急停止などのリスクがあります。制度面ではクレーン安全規則、構造規格には遠隔運転を想定した規定や安全確保の仕組みがなく、実態だけが進んでいくのは事故災害が起こるおそれがあり、起こってしまっては新技術の芽が摘まれるおそれさえありました。
 6ページです。こうした中で、厚生労働省からの要望もあり、当協会では2022年4月に委員会を設置し、ここにあるメーカー、ユーザー、学識経験者が参画し、11回の会合を経て2022年9月に「タワークレーンの遠隔運転実施のための安全確保ガイドライン」案を取りまとめました。
 7ページです。このガイドラインでは、要求事項として遠隔運転タワークレーンを設置する建設会社が工事を計画する際に、ISO12100等の機械安全規格に従い、タワークレーンの遠隔運転に発生する可能性がある不具合、危害について、リスクアセスメントを行い、リスク低減、安全機能を講じることを求めるとともに、平成28年、厚生労働省の機能安全の告示に従って、安全機能の設計を求めています。
 8ページです。ガイドラインが求めている制御機器・安全装置はタワークレーンには搭載されていなかったことから、クレーンメーカー3社に対し、専門家による技術支援を行った結果、安全PLCの採用検討など、安全技術の向上が見られたという経緯をまとめています。
 9ページです。ここではガイドラインで示した対象作業の例を示しています。吊上げ荷重が3t以上のタワークレーンで、通常の揚重作業を想定しています。タワークレーンそのものの組立て・解体、定期点検、修理、クライミングは遠隔運転の対象外としています。始業前点検は、カメラ映像で確認し、相吊りは行わない範囲としています。
 10ページです。3として制御方法や技術水準について、ガイドラインでは遠隔運転システムの構成例を示しています。カメラ映像、音声、計器情報を得て、運転卓からの操作信号等システム全体で、安全に伝送、制御する設計が必要です。
 11ページです。カメラ映像データ、巻上げ、起伏、旋回などのクレーンの状態、動作の検出データ、PLCの操作信号を有声無線でタワークレーンと遠隔運転操作卓の間でやり取りし、音声は同時通話で通信していること。また、通信状況はハートビットやウォッチドッグで確認し、遮断時は安全側に遷移する仕組みが必要になります。
 12ページです。4の国際・国内規格、各国の規制等の状況については、ISOではTC96がクレーン関係規格を審議しており、当協会がTC96の国内審議団体となっています。クレーンの遠隔操作に特化した規格、規制は現在ない状況ですが、SC5で作成したISO12480-1、クレーン安全使用第1部:一般では、ここの箇条6.6遠隔操作がありまして、遠隔操作の前にオペレーター確認事項及び遠隔操作中オペレーターが確認する事項の規定があります。また、昨年、SC9で橋形・門型クレーンの遠隔運転の……の提案があり、現在、……の検討を始めたところです。今、ファーストドラフトの段階ですが、内容的にはCCTVシステム、遠隔操作ステーション、通信システム、遠隔操作対応性の強化などの箇条が見られます。
 13ページです。ここはリスクアセスメントの制限事項が書いてありますが、飛ばさせていただきます。
 15ページです。ここからタワークレーン遠隔運転の労働災害防止措置について、ガイドラインでのリスクアセスメントの実施例を示しています。まず、15ページでは、遠隔操作レバーが故障し、意図しない操作信号が送信され、意図しない方向に吊り荷が動き、吊り荷に人が挟まれるという危険事象・危害について、リスク見積りをするとリスクレベルは3になっています。安全機能として、合図者がクレーンを停止できるよう、停止ボタンを装着することにすると、有効レベルは2と評価されます。なお、現在のタワークレーンにおいては、運転者以外で危険を感じた者等が、例えば合図者が操作できる非常停止機能はない状況です。16ページ、17ページはリスクアセスメントですので今日は飛ばさせていただきます。
 18ページです。ここでは安全機能として、非常停止装置を設ける場合の要求パフォーマンスレベル、PLrの設定例をガイドラインでは示しています。安全機能構成の入力I、理論L、出力Oについて、想定される故障・機能喪失を書き出し、二分法でリスク見積りをすると要求パフォーマンスレベルはCとなります。また、JISB9703に非常停止機器の最低条件は要求パフォーマンスレベルがCと規定されていることから、カテゴリー3程度の事故監視を備えた回路を設計しています。19ページです。これが設計した回路です。
 20ページです。また、ISO13849-1には、安全機能の要求パフォーマンスレベルが規定されており、クレーン本体に対する機能安全として対応する必要があります。ISO13849-1の要求事項に適合させ、制御システムの安全管理レベルの設計、検証を行い、要求パフォーマンスレベルを満たすことが必須条件になります。
 21ページです。ここまで主に機械制御システムについて述べましたが、遠隔運転に関わる人的機能も重要になってきます。ここでは遠隔運転に関わる担当者、管理者の要求事項例を示しています。特に遠隔運転についての安全教育など、新たな制度が必要と考えています。
 22ページです。最後に制度化に向けた今後の展開について、要望です。1つ目は、特定機械であるクレーンには、製造、設置、使用の各段階で安全を確認する設計審査、落成(変更)検査、設置届(報告)の制度があり、これらを絡めてクレーンの遠隔運転に対する安全確保、各種安全装置を含めた技術基準や安全確認の仕組みを早急に設けていただきたい。
 2つ目として、なお仕組みには、遠隔運転を採用するにあたり必要な知識と能力を有する「設置・遠隔運転計画技術者、遠隔運転士、玉掛け作業者、作業所常駐者」に求める資格の法的位置付けも含めることが必要と考えます。
 3つ目として、技術基準に関しては「機能安全による機械等に係る安全確保に関する技術上の指針」(平成28年に厚生労働省告示第353号)ですが、これに基づき当協会で学識者、メーカー、ユーザーで検討作成した「タワークレーンの遠隔運転実施のための安全確保ガイドライン」を参考、活用していただきたいです。
 4つ目に、また特定機械には機能安全を取り入れた制度、認定の仕組みとして、「ボイラーの自動制御装置の認定制度について」、こちらは平成29年5月8日基発の0508第2号になりますが、これに倣い制度化することも有効と考えられます。これはボイラー則第25条第2項に基づき、機能安全基準に適合していると監督署長が認めた自動制御装置を備えるボイラーについては、水面測定装置の点検頻度を現在では1日1回とありますから、3日に1回とすることができる制度です。
 5つ目として、遠隔運転の技術的審査には、機械・システムの要件だけではなく、人・管理も含めたクレーン作業全体の安全評価を行う必要があり、認定・審査機関の要件に含めていただきたい。以上、安全をベースに技術の社会実装、加速に伴う提案です。よろしくお願い申し上げます。日本クレーン協会からタワークレーンについて、概要を御説明しました。
 次にこのガイドラインを策定しましたタワークレーン遠隔操作の安全確保委員会の坪田委員長から補足の説明をお願いいたします。
○日本クレーン協会 ありがとうございます。私から3点補足させていただきます。その前になぜ私がこの委員会を運営したかという経緯を簡単にお話させていただきます。私は前職が、今、説明された颯田技術部長の前の前の日本クレーン協会の技術普及部長を仰せつかっていました。2020年ぐらいから各ゼネコン及び海外からのいろいろな情報が入ってきたときに、クレーンの遠隔運転、そして自動化、自律化、それについての何らかのガイドラインを作らないと、これは世界に遅れるという危機感を持ちました。それと関連して、ゼネコン各社がタワークレーンの遠隔運転の技術開発を進めた。ただ、その内容は安全という視点からいくと、いろいろな抜けがあるというところの中で、厚生労働省の安全課の担当官の方から、別視点で御相談を受けました。そのときに、本来であれば法制改正なのかもしれないが、この内容は法律で定めるよりは正しく厚生労働省が当時、包括的な指針、そして機能安全の指針、そして様々なISO、JIS規格が制定されている、これを使ったほうがより技術の進歩を促進できるのではないかという考えでした。クレーン協会にはJCASという愛称で日本クレーン協会規格という業界規格を作っています。これは場面においてはクレーン等安全規則が告示等々の中で、クレーン協会規格を引用されたりしています。ですので、まずクレーン協会で先行して、どのようにあるべきか、どのように安全確保をするべきかということを研究しようということで始めたと。そのときに始めようと言ったのが、当時の技術普及部長である私でした。その責任を取るわけではありませんが、言い出しっぺがまとめろということで当時のゲンノ専務理事から仰せつかりまして、委員会を運営させていただきました。そういう経緯で、今日ここに座らせていただいております。
 3点の補足ですが、1つ目はこのガイドラインはまだ完成していないという点です。それから2つ目、技術部長から説明がありましたが、このガイドラインの主体はタワークレーンの設計制度事業者ではなくて、設置する事業者を対象にしているというところです。つまり、使う者が大事だという視点でこのガイドラインを作りました。
 そして、3つ目、このガイドラインは委員会名称及びこのJCASの名称はタワークレーンの遠隔運転という名称にしていますが、基本、クレーン協会が狙っていたのは天井クレーン、ガントリークレーンもろもろのクレーンです。更にもう一歩進めると移動式クレーン等における安全装置等々の信頼性をどうやって評価していくのかということも踏まえて、活動を開始したということです。この遠隔の委員会以外に、併せて機能安全の専門委員会を立ち上げました。その機能安全の専門委員会で、天井クレーンやほかのクレーンに関しての自動化、自律化を見据えた安全装置についての検討をしているところです。委員長は横浜国大の澁谷先生にお願いしています。
 もう少し具体的に説明しますが、1つ目のガイドライン、未完成であるというところですが、一度ガイドラインを作ったときにゼネコン2グループの方から提案をしていただいて、その提案内容についての認証委員会を模擬的に行いました。そのときの結果が、左に日建連の代表がいますが、あまりにも稚拙だったというところもあり、これはもう少しガイドラインを考えやすいように具体化する必要があるなという点が、1点。
 それと、もう1点が今回この検討会が開かれていますように、厚生労働省で相当の動きを進めるということをお聞きしたので、そうであれば、その結果を踏まえてもう1回ガイドラインの詳細化を考えるべきだろうということで、この検討会が始まる前に一応、委員会は現在休止中にしています。この後、日建連から説明がありますが、資料5ですが、この資料5は当初の認証のときに出てきた資料よりも大分進化しています。ですので、ゼネコン各社はこのガイドラインを、それなりに勉強してくれたかなということで評価はしています。
 2つ目ですが、設置者であるという点は、基本、設置者ということは設置届があるので、吊上げ荷重3t以上に限定しています。吊上げ荷重3t未満は、基本、遠隔運転の対象外という考えにあります。それはなぜかというと、吊上げ荷重が大きい機種についてはそれを使用する設置者は、それなりの組織を持った企業であるという点。吊上げ荷重3t未満ですと、機械技術者すら雇用していない建設会社が使える現状にあります。しかも自分たちが機械を持たなくても、レンタルで調達できてしまうということが現状です。ただ、大きな機械になるとそれなりの施工計画から始まって、行わなければならないので、それなりの企業が対応するということ。そういうことを考えると、吊上げ荷重3t以上の設置者が、自分が建設するその現場の周辺環境を考慮して、最初の段階で必要な作業性及び管理等々のリスクアセスメントを行い、その結果を踏まえて機能安全のランクに入る。それによって安全装置の信頼性をどのレベルに設定するのか、そこまで考えて初めてメーカーと協議をする。そういう考え方で、あくまでも設置者であるということにしています。ですので、設置者、つまり建築会社が遠隔運転をするリスクを経営者が取らないと判断したら、そのゼネコンは必然と実施しない。でも、そこに挑戦しようとする企業は、それをどんどんやってもらえる環境を作る。それによって日本の競争力を高められるのではないかなという考えです。
 3つ目ですが、ますます多様化するというところで、先ほど少しお話しましたが、機能安全の委員会を別に設けています。今回のこの検討が、機能安全の検討をどんどんクレーン分野で深めるという意味において大変期待していますので、よろしくお願いいたします。私からの補足、ちょっと長くなりました。すみません、以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。クレーン協会さんからの御説明につきまして、それでは構成員の方々から御質問、御意見等がございましたら挙手でお願いいたします。では、永谷さん。
○永谷構成員 筑波大の永谷です。御説明ありがとうございます。非常に丁寧に御説明されて、かなり理解が進みました。まず、教えていただきたいのですが、死亡災害が44件起こっている内訳として、どのような事故が起こっているか?その事故の事例を少し教えていただけると、イメージがつかめるかと思い御質問させていただきました。
○日本クレーン協会 ありがとうございます。クレーンの労働災害、移動式クレーン及びクレーンを含めて令和6年統計、集計されたのが44名、これはエレベーター等も入っていますが、クレーン、移動式クレーンといっても、天井クレーン、つまり工場の中に設置されている天井クレーン、それから港湾で設置されているジブクレーン、そして、建設で使われるタワークレーン及び基礎工事、土木も含めて使われる移動式クレーンと、それぞれ分野が広いです。それぞれの機種によって事故のモードは変わります。
○永谷構成員 なるほど。
○日本クレーン協会 タワークレーンについては、基本、ここ10年の操作における死亡事故は統計的にはカウントされていません。
○永谷構成員 なるほど。
○日本クレーン協会 どちらかというと、組み解体のほうで起こっています。では、別の分野はどうなのかということで、天井クレーン関係は、玉掛けの不具合による吊り荷の落下になります。これは玉掛けイコール現在、世界中探しても玉掛けの基本的なところは人が行っている。スリングは玉掛け者が行っていますので、ここは、当面自動化は難しい分野かなと。ただ港湾系のように、標準化されているコンテナとか、吊る相手が標準化されているものについては、どんどん自動化が進んでいくだろうと想定されているので、自動化のルールが決まっていけば、かつ、玉掛けの仕方が機械化されていけば、吊り荷の不具合による、玉掛けの不具合による落下事故は減らすことはできるかなと。
 移動式クレーンの分野は、どちらかというと転倒事故です。吊り荷の落下もカウントされます。約半分は吊り荷の落下です。すみません、先ほどの天井クレーンの分野は、約7、8割が吊り荷の関係です。移動式クレーンの分野は、約5割が吊り荷の分野ですが、約2、3割が転倒事故になります。特に転倒事故で多いのは大型のクローラーというよりも、前回のヒアリングのあった建設機械の中の油圧ショベルにクレーン機能を設けているものの転倒事故が現在も多いです。
○永谷構成員 なるほど。
○日本クレーン協会 もう1つは、町中で走っているトラックに乗せたクレーンですが、積載型トラッククレーンと呼んでおりますけれども、あれは昔、非常に転倒事故が多かったです。ただ、厚生労働省さんのほうで構造規格等を改正して、メーカー自身が安全装置を装備したものを売り始めてから、転倒事故は一挙に減っています。古い機械があるので、それは相変わらず転倒していますが、新しい機械の転倒事故は減っていることは事実。統計的なところで見えるかなというところです。
○永谷構成員 ありがとうございます。もう一点いいですか。
○齋藤座長 どうぞ。
○永谷構成員 ご説明の最後の方で、対象とするのは大企業の所有するクレーンの自動化という話で、中小企業のクレーンは、一旦、考えないという話だったかと思いますが、中小企業からのクレーンの自動化要求はありそうですか。
○日本クレーン協会 先ほどの説明の中で、吊上げ加重3t以上と3t未満で切り分けていますので、企業の規模ということではないです。
○永谷構成員 なるほど。
○日本クレーン協会 吊上げ加重3t未満のジブクレーンは、小さな建設会社もレンタル会社から借りてくれば使えるところにあるかと思います。ただ、吊上げ加重3t未満については、運転資格が特別教育で済むということなので、逆の言い方をすると、オペレーター不足ということではなくて、特別教育を受ければ、約2日間で終わってしまう。特別教育を受ければ運転できる資格なので、そういうニーズは私も実際、現場というか、今、講習の講師を務めていますが、そちらの現場では、そういう要望というのは余り聞いていません。
○永谷構成員 そうですか。分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございます。ほかに、では、中村さん。
○中村構成員 職業大の中村でございます。非常に分かりやすい説明ありがとうございます。スライド番号11の所なのですが、まず、11番の所で、通信不良という話をされていたと思いますが、そのときに通信遮断された際に、安全側になってほしいという御意見があったと思うのですが、今、現状、通信遮断が起こった場合の対応とか、今後どのような形になっていけばいいのかという具体例などがあったら教えていただきたいことが1点目です。
 2点目は、クレーンの写真があるのですけれども、例えば高所作業で、先のほうで故障が生じた場合に、高い所で修理したりするというのは、具体的にどのように行っているのか、2点教えていただければと思います。
○日本クレーン協会 まず、1点目の通信障害、これは遠隔操作の場合なのですが、基本的には一般の通信のデータ管理がされていまして、リターンを見たり、若しくは遅延の時間等を見ているのですけれども、基本的にはデータ上にリターンがなかったり、通信の遅れが発生した場合は、停止モードに入るというのが原則だと思います。ただ、それでも、要は、通信している通信側ですけれども、遠隔操作側で異常を発信して、通信がもう途絶えている状況なのに、どうやって止めるのかという問題がありますので、これはここでも上げましたけれども、現地側のそういう人間、ここでは合図者と申していますけれども、合図者、玉掛け者が非常停止できるようにシステムを構築しないと、機能安全上は満足しないのだろうと考えております。
○日本クレーン協会 2点目の御質問ですが、私も現場をやっているときに、一番先端にあるカメラが壊れて、このジブを歩いて登って行き、先端で取り替えます。それしかありません。
○中村構成員 そうすると、例えば命綱とか、とびみたいな形で作業するということですね。
○日本クレーン協会 はい、上がって行く。それを行ってもらうのは、カメラを扱うので、分かっている運転手さんの方に上がってもらっています。1回だけありました。
○中村構成員 あと、例えば安全規格があると思いますが、保全スペースがあると思うのですけれども、そういったものを設けようとか、そういった設計はなかなか難しいものなのですかね。
○日本クレーン協会 その辺はメーカーサイドのほうから言ってもらうほうがいいかと思います。
○日本クレーン協会 クレーンメーカーの北川鉄工所の倉本です。そうですね、確か、保全スペースはある程度設けています。ジブの先端にはある程度の踊り場みたいな、人が立てるスペースはもちろん設けておりますが、故障した物は、やはり交換するか修理するしかないので、その物が付いている所まで行く必要はあります。どうしてもそれは現在でもやっております。
○中村構成員 どうもありがとうございました。分かりました。
○齋藤座長 比留川さん、どうぞ。
○比留川構成員 産総研の比留川です。先ほどガイドラインは運用者向けに作ってあって、それを検討した結果、最後にメーカーさんと協議に入るというお話をされたと思うのですけれども、例えばリスクアセスメントをして、ここの機能安全のPLCが足りないみたいな話になっても、メーカー側はすぐに対応できないと思うのですけれども、それはどのようにされているのですか。
○日本クレーン協会 現時点においては、タワークレーンの制御計は安全PLCを使っていないのがほとんどですので、今、クリアできていません。ですので、1つはリスクアセスメントの中で、本当に管理側、つまり、人的要因と管理的要因及び物的要因で、物的要因のほうが、まだ、そこまで来ていないので、管理的要因及び人的要因を十分なものにしないといけない。だから設置者側の責任が重いと。ただ、これからガイドラインを制定して、それが運用できれば、当然、制御計について、安全PLCをタワークレーンに装備するのが当たり前になってくることを考えると、一定の要求パフォーマンスレベルは実現できるかなというように見込んでいます。ですので、そこがある意味、バランスのところであり、いや、そんなにリスクが高いのであれば、うちの現場では採用しないという企業が現われても、それは、要するに、別の言い方をすると、タワークレーンのオペレーターを確保するために、頑張るのだという会社の選択があるのもありかなということです。
○齋藤座長 Webで、中坊さんお願いします。
○中坊構成員 もしかするとこの会議の趣旨から反するかもしれないのですけれども、せっかく遠隔になったのでしたら、更にセンサ等を、特にカメラだと思うのですが、操作者のほうに、よりリッチなカメラ等の情報を提供すれば、より一層操作しやすいとか、安全性が高まる。素人考えですけれども、今までみたいに、タワーの天辺にあるような運転室に備え付けるのは難しかったような、いろいろな安全の情報提供が遠隔の操作になることで、むしろ、可能になるといったことはあるのでしょうか。
○日本クレーン協会 おっしゃるとおりで、確かに映像等はとても重要な情報で、オペレーターの方に対して、それを頼りに運転するようになりますので、非常にいろいろな所を、しっかり視野が確保できて、遅延もなく見られるのであれば、それは当然そのほうがよいです。ただし、では、同じような感覚で全てが見えるのかというところは非常に難しいところでして、また、オペレーターの方が見えやすい、見えにくい所をどう評価していくのかというのが、これが非常に難しく、感覚のところになりますので、逆にこのように見えるようにすべきだという指針があれば非常に従いやすいところはあるので、是非そういったところも、規格というと大袈裟かもしれませんが、決めていただけるのでしたら、是非そういうところも盛り込んでいただけるといいのではないかと思います。
○中坊構成員 そうですね。素人考えなのですけれども、新技術で、より一層使いやすくなり、要するにクレーンとして商品性が高まるのであれば、先ほど比留川さんの御質問もあったような、コストが高くなって、安全性確保が難しいというのと、その商品性を高めて、よりクレーンとしての魅力が高まるというのがセットで何か研究開発できれば、いいこともあるのかなと思った次第です。これはコメントです。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。では、Webで、石川さん。お願いします。
○石川構成員 大変貴重なお話を伺いまして、ありがとうございました。タワークレーン、クレーン等のことを私は余り詳しくなかったので、非常に示唆的だったのですけれども、特にこれまでの災害事例などを見ますと、やはりクレーンの場合は、吊り荷と人の事故というのが非常に主であるように見受けられましたので、タワークレーン自体を遠隔化、自動化するかということもさることながら、その周りで動いている作業、クレーンの周辺の作業が遠隔化、無人化することが非常に安全性に直結するのではないか、事故の低減に直結するのではないかなと思ったのですけれども、タワークレーン周辺の作業の中で遠隔化、自動化しやすいものと、最後までどうしてもここは人が残るのではないかと思われるところがありましたら教えていただければと思います。
○日本クレーン協会 ありがとうございます。相当の機械ベースからの開発が必要な分野としては玉掛けになるかなと。そこの部分は、逆に、吊り上げる部材の標準化から始めなければいけない。そう考えると、最終まで人の作業が残るのではないかなと思っています。そういう中で、吊り荷の下に人が立ち入らないというコントロールができれば、それは労働安全としての基本中の基本であるというところは狙えるのかなと。
 もう1つは、遠隔とか、自動化を狙っているわけではないのですが、アメリカの安全規則の中で、どうしても吊り荷の下に人が立ち入るような場合においては、絶対吊り荷が落下しない玉掛け方法を採用する規則があります。日本のような外れ止めのバネではなくて、ピンで留めろと。ワイヤーが抜けないように、外れないように。要するに、外れ止めというものが絶対外れない外れ止めを採用するというルールがありますので、そういうところから入って、いろいろな新しい発想が出てくるかなということが期待できるところだと考えています。御質問ありがとうございます。
○石川構成員 ありがとうございます。大変勉強になりました。
○齋藤座長 よろしいですか。すみませんが、クレーン協会さんに関しましてはこの辺で、ほかに2件ございますので続けていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 次に、竹中工務店さん、御説明をお願いしたいのですけれども、よろしいですか。
○株式会社竹中工務店 竹中工務店の柿崎と申します。私のほうから資料5の説明をさせていただきます。めくっていただき、今回、提示いただいた1~6の項目事項について説明させていただきます。
 3ページをお願いします。現状、竹中工務店が取り組んでいる内容について説明させていただきます。遠隔操作システムが開発され、建設現場や土木で使用されています。また、自動運転についても工事実証試行を繰り返している段階です。一定位置での往復運転や、コンクリートの運搬などで使用されています。玉掛け・玉外し作業や細かい操作については有人で行っている状況です。当社では段階的な開発を進めている状況ですけれども、現行法令のハードルが大きいことから、社会実装を阻む要因となっています。
 先ほど日本クレーン協会さんから話がありましたが、当社は2022年に高松-札幌間で長距離遠隔操作を試みた経緯があり、その実証検証に留まっていますけれども、これを機にクレーン協会さんの指導の下、「タワークレーン遠隔操作安全確保委員会」が立ち上がり、JIS規格の策定やリスクアセスメントについて3年間にわたって議論を重ねてきましたが、現状は休会解散といった形になり、今後、新指針が発表されるまで今のような状況です。
 新たな技術の開発といったところで、現状、技術の進化については2年サイクルで加速していて、せっかく開発した実装についても陳腐化する懸念があるため、当社においては完全自動までは踏み切れていない状況になっています。ロードマップを掲げていますが、実際、自動化やDXの進化スピードは極めて速く、わずか2~3年で技術が「旧世代」化している状況です。また、昨年から生成AIが劇的な進化を遂げて、技術の進歩に法的整備が追いつかない状況になっています。実際、人間が操作することを前提とした「クレーン等構造規格」や、「安全規則」の「構造・電気・制御」といった既存規定と、最新技術との乖離が大きく、最大の障壁となっているということで、今後「アジャイル型ガバナンス」が求められます。下の表にありますように、こういった検討、実装で考えているということで、当社は右の図にありますけれども、1~6の6段階で進めている中で、今、大体、レベル1、レベル2の所でやっている状況です。
 次、4ページは無人運転機械が使用され、又は想定されている作業で、3つの分類に分けて遠隔操作、半自動、完全自動といったところです。この辺は全部読んでしまうと時間がかかりますけれども、遠隔操作は人間がコックピットからカメラ映像を見て操作する。半自動は、システムが特定の動作を支援し、人間が最終判断や「難しい部分」を担う。完全自動は人間が介在せず、AIが全ての動作を完結させる段階です。
 当社は、遠隔操作を進めている中で想定作業に関して、遠隔操作では通常のクレーン作業全般が該当しています。高所・危険環境下での揚重で強風が予想される超高層階や、オペレーターの昇降が困難・危険な現場でのクレーン操作、複数現場の掛け持ちでは、1人の熟練オペレーターが、移動時間をゼロにして、午前は札幌、午後は高松の現場を切り替えて操作する。夜間や荒天時の対応では、地上の安全な環境から、必要最低限の資材移動を行う。「遠隔操作は現状のオペレーターを排除するものではなく、人材不足を解消し、職業としての魅力を高めるための切り札である」という視点は、2026年現在の建設業界において最も現実的かつ重要な戦略で、「現場」からの解放による人材不足解消、「マルチ現場運用」による生産性向上、eスポーツのような「かっこいい」職業への変革ができないかといったところです。そのほかについては見ていただいて確認をお願いします。
 5ページは、制御方式や技術水準で遠隔操作と無人運転に関して挙げています。無人運転については、あくまで当社が考える内容になっています。遠隔操作については、クレーン協会さんと「タワークレーン遠隔操作の安全確保委員会」で検討した要求水準について、PCやPLCを用いた最新の制御方式を採用する水準として、JIS規格等の国際的な安全基準を準拠する形でやっているのと、できないところに関しては安全対策や人的対策によるリスクアセスメント管理による運用としているところです。要因として、タワークレーン本体そのものは、数十年前の設計思想に基づく「クレーン等構造規格」に縛られており、そういった整合性が保てていない。この「古い本体規格」と「新しい制御技術」の乖離が要因となっている状況です。ちなみに下の図は、通信、機能、操作、防止といったところで要求水準を考える内容を挙げている状況です。無人運転については割愛させていただきます。
 6ページは、無人運転機械に関する国際規格・国内規格の状況や動向です。こちらは、今まとめた内容かつネット等の情報を加味して記載しています。安全規格では規制がなく、現状のクレーン構造規格や安全規則の範囲の中で実施しているところです。実際、PC/PLCを用いた最新制御を導入していますけれども、「クレーン等構造規格」が国際基準の「機能安全」という思想から取り残されていることが浮き彫りになっています。遠隔操作や自動運転システムを後付けで開発する際、その安全設計はパフォーマンスレベルや、安全整合性レベル及びIEC通信セキュリティ規格を見据えた最新の技術水準で進めることになります。しかし、ベースとなるタワークレーン本体は、半世紀近く前の設計思想に基づく「クレーン等構造規格」への準拠が法的に義務付けられており、製造メーカーも最新の機能安全規格に基づいた設計を行いません。これにより、本体(ハード)と制御システム(ソフト)の間で、設計思想そのものが完全に乖離している状況になっています。
 この結果、システム側で世界標準の安全性(PLやSIL)を確保したとしても、本体側の法適合性の枠組みでは、その高度な制御が正当に評価されません。欧州のEN13000規格等では、機能安全に基づいた遠隔・自動化の道筋が明確化されていますが、日本独自の構造規格にはその受け皿がありませんので、そういった最新技術の導入を認容する仕組みが不在です。下は、規格をまとめたものになっています。
 7ページは、リスクアセスメント実施前の仕様制限、条件ですが、あくまで無人運転を想定した考えを記載しています。1.物理的・構造的な仕様制限(ハードウェア条件)で、制御インターフェースの開放性とメカニカルなバックアップ、あとは通信インフラの排他性について記載しています。2.使用環境の制限(空間的条件)で、現場で作業している作業員さんに対する立入禁止区域の物理的隔離、環境因子の許容範囲、通信遅延(レイテンシ)の閾値を記載してやっています。3.オペレーションの仕様制限(運用の条件)です。「人」による最終介入権の確保で、自動運転中であっても、常に監視者が「緊急停止ボタン」に手をかけており、システムを上書き(オーバーライド)して手動停止できる体制であること。あとは対象物の特定を記載しています。4.は機能安全に関する前提条件で、PL(パフォーマンスレベル)の想定と、セキュリティ・バイ・デザインといったところを記載しています。
 8ページは、労働災害防止の観点から具体的にどのような措置をとるかということですが、こちらについても無人運転を想定して機械等との衝突、周辺作業者への接触防止を考えて下記のように記載しています。1.他の機械等との衝突防止対策について、クレーンが複数台並ぶ現場においては措置が必要です。衝突防止システムの二重化(インターロック)、GNSSやエンコーダと連携し、お互いのクレーンを監視して「進入禁止ゾーン」を設けて動かす。あと、最近でいくとLiDARによる動体検知が挙げられます。通信途絶時のフェイルセーフについては、クレーン間の通信が途切れた場合、他機と干渉しない自機の動作を制限するといったことが考えられます。
 2.周辺作業者への接触防止対策(地上・荷受時)については、物理的隔離と電子フェンス、立入禁止区域の厳格化、スマートタグの活用では作業員がICタグを付けて、一定距離内に入ったら振動で警告を発するシステムを導入します。あと、自動荷振れ抑制機能も機械側で荷振れを止めるために必要ではないかと思います。
 4.運用・体制面での措置ですが、「地上監視員」の配置と緊急停止権限といったところで、自動運転中であっても現場には状況を目視確認できる監視員を配置して、そういったときに「非常停止リモコン」を携帯していることが必要ではないかと考えます。また、気象センサとして風速計をシステムに連結し、強風時対策が講じられる必要があると考えています。
 5.は遠隔操作の内容になっていますが、「視覚の死角」の解消、多角的なカメラビューといったことでジブ先端からの俯瞰映像、クレーンの下映像など運転席の360度映像、視界を確保する必要があり、計器情報をモニター上に表示して判断ミス(ヒューマンエラー)を防止する必要もある。通信レイテンシ(遅延)の管理といったところで、操作の「遅れ」は重大な事故に直結しますので、そういった通信の遅れが一定値を超えた場合、即座に停止する安全回路を設ける必要があると考えています。
 9ページは、労働災害防止の観点から具体的な措置といったことで、運転操作性の確保として、1つ目の■は、無人運転(自動運転)に関する運転操作性の確保です。1つ目のポツですが、自動運転については有資格者、機上操作経験、ITスキルを有する者が操作する。そういった議論が必要になると思います。2つ目のポツは、緊急時、遠隔操作での対応又は機上での操作が可能とする。3つ目のポツは、インテリジェント操作支援自動制振(荷振れ抑制)制御ですが、レバー操作に対して、コンピュータが荷の揺れを計算し、逆位相の動きを加えて揺れをピタッと止める支援機能が必要ではないか。4つ目のポツは、AR(拡張現実)ガイダンスです。モニター上に「荷の軌跡予測」や「障害物までの距離」を数値で表示し、目測誤りを防止することが考えられます。
 2つ目の■は、遠隔操作を想定した場合の運転操作性の確保です。遠隔操作に関しては、オペレーターが「現場にいない」ことによる情報の欠落を補うための措置ということで、1つ目のポツは、有資格者による運転かつ機上における経験年数と事前教習修了者による運転とするのが望ましい。2つ目のポツは、超低遅延・高精細フィードバックといったことで、なるべく操作と映像のタイムラグを「違和感のないレベル」まで近づけることを挙げています。3つ目のポツは、ハプティクス(触覚)技術です。コンタクタの動作音やモーター等の振動をオペレーターに伝えることで操作性を確保する。
 10ページは、労働災害防止の観点から停止時・トラブル時の安全確保です。1つ目の●は、「遠隔復旧」と「自動危険回避」の措置(システム層)で、現場に駆けつける時間を稼ぐ、あるいは駆けつけずに解決するための機能です。1つ目のポツは、自動退避・安全姿勢保持ロジック:マイナートラブル(センサの一時的なエラー等)検知時、荷を直近の安全な荷下ろしポイント、あるいは、あらかじめ設定された「安全待機エリア」まで自動で移動させ、地上数センチの位置で保持する機能を実装する。こういった自動回避が考えられます。2つ目のポツは、多角的な「遠隔診断」システムで、実際のカメラ、マイク、振動センサ、トラブル原因を特定できる環境を構築する必要がある。
 2つ目の●は、「現地対応」の代替措置(運用・法的要件層)です。1つ目のポツは、「特定監視員」への権限移譲です。特定の監視員はいますけれども、クレーンの操作資格は持たなくても、緊急停止ボタンの操作と現場の状況確認のみを行う「現場監視員」を配置し、トラブル発生時に即座に周囲の作業者を避難させる体制を整えます。2つ目のポツは、緊急時の「物理的ロックアウト・タグアウト」手順で、故障した機械が遠隔操作で誤って再起動されないよう、現地の監視員が物理的に主電源をロックし、有資格者が到着するまで再起動を防止する手順をマニュアル化します。3つ目のポツは、サービスマン・有資格者の「緊急駆けつけ体制」の規定で、これについてはトラブル発生から現場到着までの許容時間を1時間以内とか2時間以内と定め、その間の周辺安全をどのように維持するかをリスクアセスメントや施工計画書に明記することが考えられます。
 11ページですが、実際、労働災害防止の観点から、無人機械の運転に求められる技能の確保で、1.有資格者の前提と「遠隔操作特有」の追加技能です。クレーン運転士免許の保持は法的必須条件ですが、遠隔操作では以下のスキルが追加で求められますということです。1つ目のポツは、2次元モニターの映像から、荷と周辺構造物の距離感を正確に把握する能力、人が見て距離感を判断できる能力です。2つ目のポツは、遅延に応じたコンマ数秒の操作遅延を計算に入れた、予測的なレバー操作技術です。3つ目のポツは、ITリテラシーといったところで多少なりともPCやPLC、ネットワークの状態を理解し、システム異常か機械的故障かを切り分ける判断力を挙げています。
 2.建設現場経験の重要性で、遠隔操作の席に座る者は、「現場実務の経験者」であるべきという考え方が主流です。現場とのコミュニケーション、地上の合図者や職長と無線を通じて「現場の共通言語」で的確に意思疎通できる能力です。
 3.事前運転訓練(シミュレーション又は実機講習)です。1つ目のポツが、事前訓練において実機で遠隔操作の感覚を覚えて徹底的に叩き込む。2つ目のポツは、異常事態シミュレーションで、強風やセンサ故障などのトラブル発生時の「非常停止・復旧手順」を繰り返し訓練します。3つ目のポツは、「現地」での実機講習で、運転する前に現地で一度はクレーンに登り、現場の広さ、死角、周囲の障害物を自分の目で確認してから運転する「現地現物教育」が、事故防止に極めて有効だと考えています。
 4.技能認定・教育システムの構築例です。社内で独自の教育プログラムを設けて、座学や実技(実機)を設けて修了証を発行する。そういったエリートオペレーターを作っていく。そういった魅力ある「プロフェッショナル」の再定義ということで挙げています。
 最後に、12ページで要望書についてです。1、2、3については冒頭で述べていますので省略させていただきます。4.の規制に対する要望事項ですが、遠隔操作・自動運転のための制御や映像通信において、遅延や瞬断時に自動停止する仕組みはソフトウェア的に実装済みです。しかし、ハードウェア的に満足する機器は、現在の市場に十分に提供されていない。1つ目のポツで、評価制度の柔軟化ですが、安全機能の数値的評価(PL等)だけで安全性を担保する現行制度は、技術開発の停滞を招く懸念がある。市場に適合機器が存在しない場合、ソフトウェア的な制御と運用的・人的な代替措置(リスクアセスメントに基づく管理)を組み合わせることで、同等以上の安全性を担保できれば、特例として認容する制度を構築できるのではないかということで挙げています。2つ目のポツが、コストと革新のバランスです。コストをかければいろいろなことができますけれども、そういったところは現場でなかなか普及しないのと、技術進化のスピードに合わせて仕様を細かく規定する「仕様規定」から、達成すべき安全目標を定める「性能規定」への転換、およびアジャイル型ガバナンスの導入が強く要望されることを挙げています。
 以上が、竹中工務店からの報告になります。
○齋藤座長 ありがとうございました。すみません、1点だけ確認させていただきます。8ページ以降の具体的な措置です。特に8ページの制御機能の措置みたいなものは、すでに、自動運転クレーンとして実現されているのでしょうか、それとも開発を検討されているということなのでしょうか。
○株式会社竹中工務店 あくまでそうですね。当社では今、遠隔操作までやっているのですが、今後、自動運転に向けてはこういうことの検討が必要だろうということで挙げさせていただきました。
○齋藤座長 なるほど、ここを目指して現在開発を進めているということですね。
○株式会社竹中工務店 そうですね。
○齋藤座長 ありがとうございました。今の御説明に対して、質疑あるいは御意見。では清水さんお願いします。
○清水構成員 労働安全衛生総合研究所の清水です。詳細な御説明ありがとうございました。1点、ちょっと御質問したいのです。3ページ目の下に表があるのですが、ここでは種別として、遠隔操作、半自動、完全自動化ということになっていまして、機種としてタワークレーンと移動式クレーンがあるのですが、半自動の所はタワークレーンがあるのですが、移動式クレーンがない理由として、そもそも想定していないのか、それとも何か特有な問題があるのかというのをお聞きしたかったのですが、いかがでしょうか。
○株式会社竹中工務店(日建連)(柿崎様) 現状、まだ遠隔操作においても移動式クレーンについては開発を進めているのですが、なかなか移動を伴う状況なので、そういう仕様の条件から今、検討を進めている状況で、記載していない状況になっています。
○清水構成員 なるほど。そうすると、今の段階でこのロードマップの中には入っていないという。
○株式会社竹中工務店 そうですね。
○清水構成員 分かりました。ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。冒頭、事務局からの説明にもありましたが、遠隔と自動の間のグラデーションの中で、半自動と言いますか、運転支援、これが入ってくるかなと思って、非常にいい例を提示いただいたかと思いました。ほかに、櫛引さん、はい。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。御説明ありがとうございました。1点質問したいと思います。8ページ目の中で、途絶時のフェイルセーフ、先ほどのクレーン協会様からのお話にもありましたが、途絶時のフェイルセーフということで、この中には、最後の所ですが、「安全な位置で自動停止するロジックを組み込みます」ということが書いてありますが、当初、リスクとして挙げられている急停止のリスクに対しても、途絶時の非常停止をさせて急停止をするというリスクに対しても、ある程度対応が取れられているという理解で合っておりますでしょうか。
○株式会社竹中工務店 一応、非常停止と制御停止と2種類、今、検討はされているのですが、実際、非常停止になると、寸停ということで、電源がすぐに止まってしまうと荷が突然振れて、隣のビルだったりというところで考えられているケースもあるのです。そういうケースと、そういう懸念がある中で、メーカーとしては、突然止まってしまうとジブが折れてしまうかもしれないという懸念があるので、今のところは減速停止で、決められた秒数で段階的に減速して止めるということになっています。
○櫛引構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。先ほどのクレーン協会さんのも併せてお聞きしたいのです。急に止まる急停止、これはジブが折れるというのもありますし、荷の落下にもつながるかと思うのですが、一方では、クレーンですと、特に屋外では風に吹かれて荷が揺れるのを微妙な操作で抑えながら吊り上げるみたいなところで、通信の遅延というのは、最悪、その結果大きく揺れて荷が落ちるとか、ジブの部分がダメージを受けるというような危害につながるのでしょうか。急に遮断されるというのはもちろんのこと、通信の遅延というのも大きな安全上のリスクなのでしょうか。
○株式会社竹中工務店 考え方としては、機械の自動運転と遠隔操作の考えというのはちょっとずれがあるのです。自動運転の場合は機械自身が操作して動くので、通信の遅延ということは余り考えられませんが、遠隔操作の場合は、現地と離れた場所から操作する関係で、どうしても遅延が発生する場合があります。その遅延が、やはり人間が操作して、その何秒後に現地のクレーンが動いてしまうと、その誤差が大きくなるほど操作のずれが大きくなって、人がどうしても介在して、玉掛けをしたりとか、現地に取り付けたりということが発生しますので、そういう操作のミスによってけがだったり、事故が起きてしまうことも考えられるということと、やはり、風が強いと、機械も追い風に旋回したり持って行くと、なかなか動かずにどうしてもゆっくり動いていったりというのもありますので、そういうところを見ながら操作するみたいなところで、遅れると事故には直結してしまうということも考えられると思います。
○齋藤座長 なるほど、ありがとうございました。ほかに、では、比留川さん。
○比留川構成員 すみません、私、何度もしゃべって申し訳ないです。最後のページの規制に対する要望の所、4番です。ソフトウェアで担保してもいいように許容していただきたいという要望はあるのですが、これはそもそも任意規格で、別に強制法はないのではないかと思うのですが、その点はどうかということと、あと、ソフトウェアで同等の機能安全を実現しようとすると、それはそれなりに大変で、例えば、言語でもミスなしで書きなさいとか、要するに、実装言語にすごい大きな制約が加わって、私の経験だと、すごいお金が掛かるのです。それをどう考えておられるかという、この2点を教えてください。
○株式会社竹中工務店 実際、クレーン協会さんと安全規格委員会のときに、やはりいろいろ議論をして進めてきたのですが、そもそも今ある機械は、そういう安全PLCとか、そういったフックが巻き上がったときの、近づいたら過巻といったところで、それ以上巻き上がらないために止めるリミットスイッチとかがあるのですが、そういう安全機能が、PLのほうに、やはり安全機能に担保できていないところがあるので、そういうことも考慮しながら、法的な考えをまとめていく必要があるのかというところです。実際、安全PLCを必ず設けなければいけないということになると、やはり設備投資が、膨大にコストが掛かってしまって、そうすると、なかなか採算が合わなくて誰もやれないということと、あとは、メーカー独自にそういった、今、半自動などを結構進めているのですが、そういう中で、結構矛盾が起きているのですが、そういうところで、そもそもの本体の規格も見直す必要があるのではないかということでユーザー側は考えているところです。
○比留川構成員 ちょっと論点がずれている気がするのです。質問は、いや、そもそもこれは任意規格で強制はなくて、要するにメーカーの判断でやればいいのではないかというのが1つ目の質問で、別に厚労省さんに何だかんだ要望しなくても任意規格ですから、メーカーさんの判断でリスクアセスメントをもっとやればいいのではないですかというのが質問。まずこちらはどうですか。
○株式会社竹中工務店 これについては、そうですね、あくまでリスクアセスメントをまとめてやるというところで、実際、クレーン協会さんと進めている中で、今回、再度法的にまとめましょうといったところでまとめていただきました。
○比留川構成員 あと2点目は、もう一回申し上げると、ソフトで同等の機能安全も、これは結構コストが掛かって大変なのです。
○株式会社竹中工務店 はい。
○比留川構成員 何となく安全にすることはできますが、機能安全PLに認められるぐらいにやるとすると、すごく真面目にやらなくてはいけなくて、コストが下がるかというとそうでもないと思うのです。それをどう考えられますかということです。
○株式会社竹中工務店 そこは、やれるところはやって、やれないところは、ちょっとやはりリスク的な考えで人的な処置、現地の対策でできないかということを考えているところです。
○日本クレーン協会 補足というか、よろしいですか。1つ目の任意の所で、そこが正しく、これからおそらく自動化、自律化、いろいろな案件が出てくると思うのです。その度に規則を変えないとできないというのはやはりおかしいかと。ですので、いろいろな業界がいろいろな規格を作って、それに準拠して我々の業界は人的な人権の安全を確保しますという動きをするべきだと。それに対して行政側は、規則の中でそういう検討をして、それを認証しなさいという仕組みを作ってもらえれば、業界はおそらく動いてきて、逆に業界規格なので、守らなければその業界から弾き飛ばされてしまう。それは正しく、この4月から登録、設計、審査等機関の制度が運用され始めるというタイミングでいくと非常にいいタイミングなのかと。そう考えていったときに、コストと技術のパフォーマンスですが、それは正しく事業者側が、設置者側がそんなに金が掛かるのでしたら人を育てようよという方向に行くだろうし、いやいや、どう頑張っても人はこれから確保できないよと、そこまでコストを掛けようよという設置者であれば、そこまでコストを掛ければいい話なのかと。それはもう設置者側、事業者側の判断かということで、このガイドラインの開発を進めたというところです。
○齋藤座長 ありがとうございます。冨田さん。
○冨田構成員 農研機構の冨田と申します。農業についてもちょっと関連することなので質問いたします。8ページの2とか4の自動運転に係る所、あとは10ページの所ですが、この辺は、有人作業であっても、本来必要とされるという意味は、有人作業の安全性確保にもつながる項目ではないですか。ですから、これを自動運転特有の項目として考えておられるのか、それとも、ある程度のレベル、あるいは、ある程度のコストになれば、これは有人運転、ですから、一般にも広げていくようなものと考えておられるのか、その辺についてお考えをお聞かせ願えればと思います。
○株式会社竹中工務店 やはり、現状の有人運転においても、AIカメラで人払いみたいな音声を発して、荷が来た際は人払いをしている状況なのですが、それプラス、自動運転においても、それ以上の対策が必要なのかというところで検討している状況になっています。
○冨田構成員 水準が異なるという御理解ということですね。
○株式会社竹中工務店 そうです、はい。
○冨田構成員 ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございます。すみません、ほかにもいろいろあると思うのですが、時間があれですので、竹中工務店さん、どうもありがとうございました。
 それでは、最後に、港湾関係の機械ということで、説明をお願いします。よろしいですか、御準備。お願いします。
○港湾荷役システム協会 それでは港湾における無人運転機械について、港湾荷役システム協会の白石のほうから説明させていただきます。本日はこのような機会を頂きまして、ありがとうございます。先ほど事務局のほうで御提示いただいたこのような状況について、個別にというよりも、まとめて御説明するような形になろうかと思いますが、御了承ください。
 まず、これはもう言わずもがなの話だとは思いますが、いわゆる遠隔や自動など、クレーン関係にはいろいろな法規があろうかと思いますけれども、ここでは労働安全衛生法の第61条を掲載させていただきました。要は有資格者が業務に就かなければいけない、そのときには免許証を携帯しなければいけないと書いてあるわけです。御存じのことと思います。私どもが今から10年近く前、いわゆる港湾関係のクレーンの遠隔操作というものを検討し始めたときには、クレーンに乗って運転しろとはどこにも書いてないなという話が出て、それを厚生労働省さんのほうに確認に行かせていただいたわけです。この第61条は、別にクレーンを運転するときに、クレーンに搭乗することを前提とはしていませんという話でしたので、まずは自動あるいは遠隔でも、第61条には反しないのだろうという解釈をしたところです。法令やいろいろなものに関しては、日本クレーン協会さんのほうが詳しいと思いますので、私はどちらかというと、今、港でどのようなクレーンが使われているのかということを御説明させていただきたいと思います。
 まず、いわゆるコンテナ船というのが、コンテナバースと言われる岸壁に着岸したところです。着岸するとクレーンが出てきて荷役、コンテナの積み下ろしが始まるということです。入港するときには奥のクレーンのように、ブームが立ち上がっているわけですけれども、実際に荷役が始まると、このブームを寝かせて始まるわけです。下ろしたコンテナについてはこの背後にある、我々がコンテナヤードと呼んでいるこちらのヤードのほうに、トラックや自動搬送台車、あるいは後ほど御説明するストラドルキャリアなどの水平搬送機器を用いて、こちらのコンテナヤードのほうに持って来ます。そうすると、ここにRTGやRMGという、要はヤードの荷役機械がコンテナをこの山の上に積み上げる。輸入コンテナの場合はそういう流れになりますし、輸出コンテナの場合は、積み上がっているコンテナから水平搬送機械に下ろし、クレーンの下に持って行きます。そのときにこのクレーンが本船に積むという流れになります。
 これが船から下ろしたコンテナを、構内を走るシャーシ、トラックシャーシの上に積んでいるという状況です。この状態で先ほど申し上げたヤードのほうに持って行きます。そしてヤードのほうに行きますと、こういった形で、これはラバータイヤを使っているRTGですけれども、レール式のRMGというのもあります。それがこのトラックからコンテナをつかんでこの上に乗せる、あるいはその逆ということです。これは日本の名古屋港の事例で、こちらに自動の水平搬送台車AGVもあります。この場合はここに柵があり、必ずここの動線が交わらないという配慮がなされております。
 先ほどからいろいろ御説明をさせていただいておりますけれども、クレーンはここにあるように、いわゆる本船からコンテナを積み下ろしするSTSクレーンから始まり、ヤードで荷役をするRTGやRMG、STSクレーンからヤードのほうまで直接持って行って、更に積み上げてしまうストラドルキャリア、左下に行って、自動の水平搬送台車のAGVといったものがあります。あと、トップリフターという辺りは有人です。構内シャーシというのは先ほどイラストでもお示しした、クレーン下からヤードのほうに持って来る、あるいはその逆という流れになっております。最近は、構内シャーシも自動で運行する事例も出てきているところです。
 自動化の流れとして、もう既に世界では100近い自動化ターミナルがあります。その内訳として、欧州も多いのですけれども、中国もそれなりに多いという状況があります。日本の場合は残念ながら、完全自動化は先ほどお示しした名古屋港の1つのコンテナターミナルだけです。ここにはガントリークレーンと書いていますけれども、そこに導入されているのがSTSクレーンです。Ship-to-Shoreのクレーンについては、こういったメーカーがこういったスペックで、それぞれ導入されているという状況です。
 これはAPMターミナルと申しまして、オランダのターミナルです。そちらにもリモートのSTSクレーンが導入されているということを、ここに書いております。それから、これも同じくオランダのロッテルダムです。非常に小さくて恐縮ですが、左下のここの部分に、クレーンに遠隔操作用の12個のカメラが付いています。場所はこの辺りに付いているというイラストが載っていたので、この図を付けさせていただきました。大体そのぐらいのカメラを見ながら、建屋の中で遠隔操作を行うといった状況です。
 これが実際の建屋の中の遠隔操作卓です。この40フィートの2本のコンテナは、船の上にあるわけです。緑色の所が船の甲板です。それが今度陸側にやって来る。陸側にやって来ると、もうこの運転手は手を完全に離している状態です。ですからここのところは全くオペレーションする必要がないという状況です。あとは自動的に着床して、コンテナを離すという状態のところまで自動でいきます。それが終わると今度はもう1回、船のほうに空のスプレッダが行き、次の2本をつかむという流れになります。船の上に行き始めると、オペレーターはちゃんと操作レバーを握って、次のコンテナのピックアップに備えるという流れです。これがSTSクレーンの状況です。御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、従前だと高いクレーンの上に乗って下をずっと見ながら、クレーンと一緒に行ったり来たりするという労働条件でしたけれども、今はあのような形で、建屋の中でオペレーションができるということです。
 これは先ほどイラストでも御説明しましたけれども、右のほうがいわゆるSTSクレーンです。右端のほうにコンテナ船があり、そこから下ろします。これはロサンゼルス港の事例です。ここは水平搬送台車ではなく、ストラドルキャリアの無人化が図られております。それがこのコンテナヤードのほうに積まれていきます。さらに左のほうに行きますと有人エリアで、外来からそのコンテナを取りに来て、トラックがここで待機しているという状況です。これがそこの自動式シャトルキャリアで、自分で地面上にあるコンテナを、これは今、STSクレーンのほうで本船からつかんできたコンテナを下ろしてしまうわけです。トラックシャーシやAGVだと自分で持ち上げることができないので、必ずその下にいる必要があるのですけれども、オートストラドルキャリアの場合はもう置いてもらえれば、自力でピックアップができるということで、近づいて行ってピックアップし、先ほどのコンテナの山のほうに向かって行くという状況です。
 これは大分前に、中国のほうで実証実験をやったものです。構内でSTSクレーンからコンテナヤードのほうに水平搬送するトラックを自動化しようということで、既存のトラックを改造し、自動的にハンドルが切れるような形になっています。国土交通省に港湾技術開発制度というのがあり、実は今、苫小牧のほうでもこれと同じような技術開発をやっています。よくありがちな自動運転で、自動的にハンドルが切れるということです。当然、これが来るときには左側のトラックは待っているとか、故障したトラックがあるときには、それを自動的に避けて追い越して行くとか、あるいは渋滞しているのだったら、そこは避けて違うレーンを行こうとか、そういったところも自動的にいけるという状況です。釜山も今、徐々にそういった取組を始めているということです。
 これが名古屋港で、ヤードクレーンの遠隔操作室です。建屋の中です。これも完全に周りが見えませんので、運転手の所にジョブが自動的に飛んでくるわけです。それだけを処理して、処理が終わると、ああいう真っ暗なスクリーンになりますし、ジョブが飛んでくるとパッと画面が付いて、こういった形でオペレーションが始まるという状況です。左側のスクリーンが、コンテナの四隅を撮っております。真ん中のスクリーンがコンテナを乗せるトラックを、横からと上から撮った動画で、ちゃんと安全に乗っているかどうかをクレーンの運転手が確認しながらできるということです。右端のほうは今、スプレッダやコンテナがどの辺りにあるかという模式的なものです。これは先ほどの左側の面を拡大したところです。四隅の所がガチャッと入るとOKで、シャーシが右のほうに出てくるということです。
 これが自動搬送台車です。これも名古屋港の事例で、クレーンから下ろしてくるのを下で待っているのが自動搬送台車です。4WSで、前輪後輪ともにハンドルが切れるという状況です。もちろん自動で動いています。コンテナを乗せて自動でヤードのほうに走って行って、先ほどの遠隔操作のRTGでこれをピックアップするという流れになっております。「遠隔操作RTGの安全確保のためのモデル運用規程」というのが、国交省のほうから出ており、一般に公開されております。こちらにPDFがありますのでダウンロードできますが、いわば遠隔操作RTGの設置者が、安全な運用規程を整備する際の参考資料として活用されるものです。
 設置者等は、こういうことをしなさいというのが冒頭に書いてあり、安全確保に係る責任者を決定し、リスクアセスメントを行って施設の維持管理をし、教育研修等を行うということです。残念ながら定量的なというか、数値的なものは余り書かれておりません。若干精神論的なところもありますけれども、「安全に配慮して」といった記述があります。この辺りは国交省港湾局のほうで別途定めている技術基準があり、そこでの移動式クレーンに関連する規程を抜書きさせていただきました。労働安全衛生法関係でもここに書いてあるように、「労働者の危険又は健康障害を防止するため、必要な措置を講ずるように努めなければならない」ということで、それに従って先ほどのガイドラインも整備されているという状況です。
 手順としては遠隔操作RTGの稼働状況を網羅して、各状況において想定される危険性等を同定してリスクを見積るということです。先ほどの文書の中にリスクの見積りの例が上がっておりますけれども、ここでは自動運転モードに関してスプレッダの巻上げ・巻下げ、横行中にどういった危険性があるか、その重篤度はどうかといったものを整理したのが、先ほどのガイドラインのほうにも掲載されておりますので、後ほど御覧いただければと思います。御清聴、ありがとうございました。
○齋藤座長 ありがとうございました。以上の御説明について、御質問、御意見はありますか。では、畑さん、お願いします。
○畑構成員 長岡技術科学大学の畑です。貴重な事例の御説明、ありがとうございます。2点ほど御確認したいのですが、これはクレーン協会さんと同様なのですけれども、これらの自動運転などの遠隔運転、それをする以前に、設備自体の基本的な安全確保の機能安全というものがありますよね。そのようなものは、どのような規定がこの荷役機械にあるのかということが1点。この御説明はなかったようなので確認したいなと思います。
 もう1つ、ロサンゼルスの事例で、自動化運転と遠隔運転と2つありました。自動化よりも、遠隔のほうには少し遅れなどの時間の問題があります。それは先ほどのクレーンでも出ておりますけれども、それに対する課題など、そのような解決している事例がありましたら、御説明いただきたいと思います。以上です。
○港湾荷役システム協会 御質問ありがとうございました。法規的なものとしては、遠隔操作そのものというよりも、クレーン自体は、クレーン構造規則など、そういったものにのっとって作っています。
○畑構成員 申し訳ございません。日本の場合というよりも、欧州や米国の事例として円グラフでありましたよね。欧州や米国だと、この機能安全というものがマストになっていると思うのですが、その辺りの観点で、日本と比較してどのようなことになっているのかということで、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○港湾荷役システム協会 日本には余り自動化の事例がありませんので、日本と比較してというのはあれなのですが、以前私どもが聞いたときには、大まかなEUなどの規則にプラスして、各ターミナルで会社ごとに決めているということをヒアリングしたことがあります。
 それから、ロサンゼルス港の事例は、遠隔操作というのがほぼほぼなくて、すみません、私の説明で少し混乱されているかと思いますが、この右側のほうは有人作業ということで、ロサンゼルス港のSTSクレーン、ブルーのものですけれども、これには人が乗っておりました。ですので、いわゆる搭乗操作ということで、自動になっておりますのは、そのクレーンから黄緑色のコンテナヤードに持っていく、これが先ほどの動画でもお見せした自動のストラドルキャリアというもので、それが自動でヤードとクレーンとの間を行き来しているということです。
○齋藤座長 犬塚さん、どうぞ。
○犬塚構成員 港湾空港技術研究所の犬塚です。ふだんコンテナターミナルのオペレーションに関する研究をしておりますので、その観点から、質問というか、コメントになるのですけれども、述べさせていただきたいと思います。港湾、特に港湾荷役、特にコンテナターミナルの特殊性の1つとして、非常に高いレベルの生産性を求められるというところで、港湾のセールスの1つとしては、もちろん安全に配慮しながら、できるだけ速く荷役を終わらせることが必要になります。そのため、先ほど御説明があったように、様々な荷役機械が協調し、連携して作業を行うことになります。自動化に関しましても、先ほど御説明があったとおり、様々な荷役機械があり、その港ごとに、どの荷役機械が自動化あるいは遠隔化しているのか、レベルがそのようになると場所によって様々異なりますので、それぞれの港に応じたリスクアセスメントや基準等が必要になるのかなと思います。
 あと、先ほど日本クレーン協会の方からも御説明があったと思うのですけれども、コンテナクレーンの特徴の1つとして、貨物が標準化されておりますので、スプレッダという、いわゆる玉掛けが必要ないと、自動化されているという話があったかと思います。確かにそれはそうなのですけれども、一方で、港湾、クレーンにおいては、例えばコンテナを固定するための部品としてのスタッキングコーンというものがありまして、それを取り外す際に、例えば、コンテナの近くまで行って、人が外すといった作業が求められることもあります。ですので、必ずしも玉掛けは必要ないのですけれども、人が近づくこともあるということで、そのような観点からの検討も必要かと思います。
○齋藤座長 ありがとうございました。永谷さん、どうぞ。
○永谷構成員 今の話にも絡むので、1つだけ御質問させていただきます。先ほどのロサンゼルスの現場では、青いクレーンが動いている部分は有人エリアということですか、人が乗っているので。
○港湾荷役システム協会 それを先ほど御説明するのを忘れましたが、この柵が無人と有人を分けています。ですから、あの柵よりもそちら側は無人です。
○永谷構成員 そこは、無人と有人で、きちんと切り分けられている。
○港湾荷役システム協会 はい。今、このビデオは、有人エリアのほうから撮っています。
○永谷構成員 分かりました。ということは、有人エリアと無人エリアはしっかり分かれていて、有人エリアでは、人はどこで作業をされているのですか。「人は安全な所にいるのですよね」という確認の確認です。
○港湾荷役システム協会 そうです。先ほどの柵がここの、見えますかね、陸側の脚のすぐ左にありますけれども、こちらよりも左側は無人、ここから海側は有人ということで、当然クレーンの運転手はクレーンの上におりますし。
○永谷構成員 分かりました。ですので、このロサンゼルスの現場では、有人・無人がきちんと切り分けられていると。名古屋も同じような考え方で、有人と無人は切り分けられていると思ってよろしいのでしょうか。
○港湾荷役システム協会 そうです。名古屋のほうも、先ほどのAGVが走っているエリアは無人です。
○永谷構成員 ですので、自動機械が動いている所は無人ですね。
○港湾荷役システム協会 そうです、はい。名古屋の場合は、若干複雑で、外から来るトラックというのは、運転手さんがここは乗っているわけですね。で、こちらのAGVというのは、本線との間を行ったり来たりするわけですけれども、こちらは無人なのです。ですので、ここにも柵があります。
○永谷構成員 そこは、混ざらないようになっていると。
○港湾荷役システム協会 そういうことです。
○永谷構成員 承知しました。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかにも、まだたくさんあると思うのですが、座長の進行が悪く、時刻ぎりぎりになって、どうも、お三方、本当に大変参考になる御説明ありがとうございました。クレーン・港湾関係に関しまして、これでヒアリングを終わらせたいと思います。すみません、時間ぎりぎりになって、事務局にお返しします。
○主任中央産業安全専門官 次回の日程につきましては、2月16日(月)を予定しております。場所などを含め、後日連絡をさせていただきます。以上をもちまして、「第3回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を終了いたします。本日は、お忙しい中、ありがとうございました。