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- 第12回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 議事録
第12回精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 議事録
日時
令和7年12月1日(月)10:00~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム
(東京都港区新橋 1-18-1)
(東京都港区新橋 1-18-1)
出席者
- 構成員(五十音順)
-
- 家保構成員
- 池原構成員
- 岩上構成員
- 上田構成員
- 江澤構成員
- 岡田構成員
- 岡部構成員
- 柄澤構成員
- 神庭構成員
- 北村構成員
- 吉川構成員
- 桐原構成員
- 柑本構成員
- 小阪構成員
- 小嶋構成員
- 田辺構成員
- 田村構成員
- 辻本構成員
- 長瀬構成員
- 長谷川構成員
- 花村構成員
- 藤井構成員
- 松本構成員
- 水野構成員
- 森構成員
- 山口構成員
議題
- (1) 精神疾患に係る医療提供体制について
- (2) 行動制限に関するこれまでの議論について
- (3) その他
議事
- 内容
-
○田辺座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第12回「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」を開催いたします。
皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、本日の出欠状況と資料の確認につきまして、事務局からお願いしたいと思います。
では、よろしくお願いいたします。
○新平課長補佐 事務局でございます。
本日の会議は、会場とオンライン会議システムを併用しての実施です。
御出席の構成員のうち、会場には16名お越しいただいております。オンラインでの御出席は10名となっております。
柑本構成員は、御都合により途中からの参加と伺っております。
次に、本日の資料といたしまして、議事次第、資料1から5、参考資料をお配りいたしております。資料の不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
なお、構成員の皆様には、資料5がタブレットのほうに誤植がございましたので、お手元に配付させていただいております。
傍聴の方におかれましては、資料を厚生労働省のホームページに掲載しておりますので、そちらを御覧ください。
オンラインで御参加の構成員の方におかれましては、カメラを常に映る状況にしておいてください。また、御発言の都度、マイクをオンにしていただき、発言後はオフにする操作をお願いいたします。
途中で不都合が生じましたら、事務局まで御連絡ください。
それでは、冒頭の頭撮り撮影に関しましては、こちらで終了とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
(頭撮り終了)
○新平課長補佐 引き続き、資料の補足をさせていただきます。
資料1につきましては、前回検討会における主な御意見をまとめさせていただいております。
以上です。
○田辺座長 それでは、早速でございますけれども、具体的な議題のほうに入ってまいりたいと思います。
まずは、議題1の「精神疾患に係る医療提供体制について」です。
これに関しましては、事務局のほうから資料が提出されておりますので、まずは御説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
事務局より、資料2から資料4の御説明をさせていただきます。
まず、資料2を御覧ください。
こちらは「精神疾患に係る医療提供体制の方向性の整理」でございますけれども、本検討会におけますこれまでの議論の内容を整理したものとなってございます。
以前お示ししたものからの変更点といたしまして、3ページ目を御覧ください。
中段にございます情報通信機器を用いた精神療法の部分です。前回までは灰色として議論中と記載してございましたけれども、前回の検討会で御議論いただきました多様な方向性の内容をここに記載してございます。
続きまして、資料3を御覧ください。
「情報通信機器を用いた精神療法の適切な実施に関する指針について」でございます。
これまでの経緯から資料を作ってございますけれども、2ページを御覧ください。
令和4年度の推進事業で策定した現行の指針について記載してございます。
3ページ、4ページは現行のポイントをお示ししているものでございます。
5ページですが、規制改革実施計画の内容でございます。令和7年中に結論・措置を行う必要があるというところでございます。
6ページを御覧ください。
本検討会における議論の経緯でございますが、前回まで5回にわたりまして闊達な御議論をいただいたところでございます。
7ページですが、前回御議論いただき取りまとめました対応の方向性でございます。
その上で、8ページを御覧ください。
これまで御説明した現状を踏まえまして、対応の方向性といたしまして、新たな指針の策定に当たっては、現行の指針の内容を基に、本検討会で取りまとめられました対応の方向性の内容を追加・修正したいと考えてございます。
具体的には次のページ以降を御覧ください。
9ページですが、前回取りまとめられました対応の方向性の1パラの部分の内容のうち、現行の指針で記載がなかったところを表の左側のように下線赤字で見え消しで追記しているというものでございます。
10ページは対応の方向性の2パラの前段部分でございますが、同様の追記をしてございます。
11ページ、12ページは対応の方向性の2パラの後段部分でございますけれども、こちらも現行の指針に記載のないところを追記しているというものでございます。
13ページが対応の方向性の3パラについて追記してございます。
14ページから16ページが対応の方向性の4パラについて追記しておりまして、そのうち15ページは情報通信機器を用いた精神療法に十分な経験がある医師が行うことの趣旨について記載をしているものでございます。情報通信機器を用いた診療という診療に係る技術的なものでございますので、修得に当たっての回数や期間といったものを一概に設定することがなかなか難しいということで、十分な経験ということを記載させていただいてございます。
17ページは対応の方向性の5パラの部分について追記しているものでございます。
資料4を御覧ください。
資料4は「第8次医療計画の見直しについて」でございます。前回御議論いただきました基準病床と指標例について、御了解いただきました内容を踏まえまして、第8次医療計画の資料を修正したものとなってございます。
2ページを御覧ください。
まず、下段の図②の基準病床のところでございますけれども、こちらは今後数字の見直しを反映してリバイスしたいと考えてございます。
また、右側の図③ですけれども、指標例につきましては、非自発的入院の件数等を追加ということで記載させていただいてございます。
3ページから5ページ目は基準病床の考え方のスライドでございまして、前回御議論いただきました内容を踏まえまして、数字等のリバイス等を行いたいと考えてございます。
なお、今国会で審議対象となっております医療法の改正法案ですとか、医療機関の支援を行う事業を含む補正予算等の審議、今まさに現在進行形で行っているもの、また、これから行われるもの等ございますけれども、そういったものの動向などを踏まえまして、基準病床の運用に技術的な対応が必要であれば、適宜対応を行いたいと考えてございます。
6ページは指標例でございますが、上段に令和6年の診療報酬改定の内容を反映した内容を入れてございます。具体的にはストラクチャーの地域における支援、危機介入のところですとか、診療機能のところに加算等を算定した医療機関数というところを記載させていただいているものでございます。
また、中段、プロセスのところには非自発的入院の件数、これは、措置入院・緊急措置入院・応急入院・医療保護入院ごとの件数ということを反映させていただいてございます。
資料の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いたします。
○田辺座長 御説明ありがとうございました。
それでは、議論のほうに移ってまいりたいと思います。
ただいま説明がございましたように、事務局で、オンライン精神療法の方向性、それから、第8次の医療計画の見直しについて、その方向性等を御提示いただいたところでございます。
こちらにつきまして御意見、御質問のある方は、挙手にてお知らせいただければ幸いです。
では、桐原構成員、よろしくお願いします。
○桐原構成員 全国「精神病」者集団の桐原です。
後半のほうに控えておこうかなと思ったのだけれども、このまま質問がないまま承認されるようなことになるとまずいので、手を挙げました。
意見を述べる前に、オンライン精神療法の修正指針案について事務局に質問させてください。修正指針案ですが、科学的根拠と言いつつも、肝心なところはコンテクストに依存している印象が否めません。これについて、既に国会で医療法改正案の審議が行われて、衆議院で附帯決議が出ていますけれども、科学的根拠がある場合には見直しをするということになっております。「科学的知見」については、この修正指針案にも書いていますけれども、「科学的知見が明らかではないこと」が直ちに「再診と同様に用いることは難しいこと」を論理的に帰結するのかどうかというところをお伺いしたいです。
それから、岸本参考人の第5回の検討会での意見書を一通り精読したのですけれども、修正指針案にある「難しい」という結論を断定するだけの科学的根拠は、検討会のどこにもなかったのではないかなと考えているのですけれども、この科学的根拠について事務局から回答をお願いしたいです。
2点です。つまり、科学的知見が明らかではないことが再診と同様に用いることは難しいということを直ちに論理的に帰結するのかどうか。それから、「難しい」というこの判断を断定する科学的根拠というのは検討会の中のどこで確認されたのかの2点です。よろしくお願いします。
○田辺座長 それでは、事務局、よろしくお願いいたします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
御質問ありがとうございます。
まず1つ目の科学的知見について、再診同様に使うのが難しいというところでございますけれども、大前提といたしまして、科学的知見がないものを医療の世界に技術的に持ち込むことができるのかというところです。研究なのか、治験なのか、様々な手法によって科学的知見が得られたものを順々に診療の中に一般的に用いられるようにしていく。これがオンラインに限らない一般的な臨床の営みなのかなと考えてございます。
その上で、このオンラインの関係につきましては、これまでも様々な知見がございました。いろいろな検査のエビデンスですとか、様々心理検査等のエビデンス、そういったものは再診に係るものではないかというところで、本検討会においても御議論いたしましたし、これまで再診を前提とした現行の指針もそういったことを念頭に置いて策定されたものと理解してございます。
その上で、初診についてはどうかと申し上げると、それを初診から開始できるだけの知見が現行では示されていないということで、本検討会においては、再診と初診において科学的知見の集まっている状況は異なるというところで、少なくとも初診と再診を同等に扱うことはできないだろうということで書かせていただいています。
今の御説明で大体後段の御質問にも一部答えているのではないかなという気はいたしますけれども、いずれにいたしましても、まず診療をしっかり適切に安全にやっていただくという観点からは、やはり科学的知見、こういったものはしっかり集積させた上で、しっかり安全性等の確認を行った上でやっていく必要があるということが基本的な考え方であると理解してございます。
先ほど来申し上げているとおり、本検討会において様々なエビデンスや資料を提示いただきましたけれども、そういった中で、今回できる範囲というのはここなのではないかというところを、事務局のほうで整理させていただき、提示させていただいたところでございます。
以上です。
○田辺座長 桐原構成員、質問に対する回答はよろしゅうございますでしょうか。
○桐原構成員 桐原です。
回答ありがとうございます。
事務局からの説明は、本検討会の中での議論がどういうふうに進んで、どのようにこのまとめに至ったかという説明になってしまっていて、再診と同様に用いることが難しいということを論理的に帰結するか否かについてと、「難しい」という結論を断定するだけの科学的根拠が検討会のどこにあったかということについては、やや文脈に依存した形での説明であったかなと思っています。そういう意味では、この検討会の中で確認されていないことはまだたくさんあるのかなという印象を持ちました。
意見を述べますけれども、指針案の修正の方向性は、今、私のほうから説明したような論理的誤謬を含んでいます。
第1に、初診と再診を分ける論理実証主義的な意味での科学的根拠は不存在です。現状は懸念しか出されておらず、蓋然性のある形で何かが示されているわけではありません。しかし、当該方向性は論理実証主義的な意味での科学的根拠がないにもかかわらず、初診と再診で対応を分けてエビデンス取得を行っています。このような非科学的分類に基づいて臨床上の知見を集積すること自体が、論理実証主義的には非科学的であるということを指摘しておきたいと思います。
第2に、当該方向性は初診の臨床知見上の科学的根拠の収集が困難な状況を前提とした上で、初診の臨床知見上の科学的根拠の集積がなければ初診解禁できないかのようにまとめられています。しかし、初診解禁に科学的根拠が求められるのだとしたら、ここでいう科学的根拠は臨床的知見に限られるものではあるはずがないため、臨床知見上の科学的根拠の形而上学的な位置づけとなる、なぜ初診と再診を分けたのかという問いに対する論理実証主義的な意味での科学的根拠が臨床知見に先立って求められることになるはずです。このことを抜きにして初診の臨床知見のみを科学的根拠であるとして求めることは論理的誤謬を含みます。これは、はっきり言ってしまって論理的誤謬が意図的なものであると思うので、俗に詭弁といいます。これについては、検討会の場にもふさわしいまとめとは言い難いと考えています。
第3に、対面診療においても発生している不適切な処方や診断書作成の問題がオンライン診療によって助長されるおそれがあるとの意見との関係について述べます。これは唯一信憑性のある初診解禁への慎重論と言い得るわけですが、これについても当該方向性のまとめ方との間に深刻な論理的整合性の欠如が見られます。それら根本問題が確認されているのなら、それらの解決という枠組みが先行もしくは並列、並行して用意されるべきです。例えば根本問題解決までの当面の間、オンライン診療の初診解禁を見送るということであるならば、百歩譲って理解できます。しかし、実際には根本問題の解決について論点出しはおろか一切言及されることはなく、オンライン診療の初診解禁を規制する根拠としてのみ登場しています。これは根本問題を確認しておきながら、根本問題の解決に向けた取組に至っていないという状況になり、つまるところ、オンライン診療に慎重になる前提の枠組みが不存在であるということを意味します。それなのにオンライン診療の初診解禁のみを規制して、根本問題の解決に言及しないともなると、これは単にオンライン診療の初診解禁をしたくないがためのこじつけとしか言えなくなります。
第4に、検討会においては、討論性のある論点でさえも事実上無視されており、都合のよいところだけ切り取られる形でチェリーピッキングされているという点についてです。オンラインか対面かはその患者の状況に応じて適切に選択されるべきものであって、決してどちらかが劣性であるというものではありません。このことは第5回検討会で岸本参考人からそれこそ「科学的」な意見として報告されています。
そのことを踏まえた上で、第10回検討会において、私は参考人に対して、初診がオンラインのほうが適切な事例が存在するということと、それでも対面が優位であると一般化して意見したことの根拠は何かということを質問しました。しましたが、参考人はこれに対して回答することができませんでした。答えられなかったということは、対面が優位であるということを一般化できなかったことにほかならないです。
つまり、初診解禁を規制する究極的な根拠は、科学的根拠なんかではなく、医師らが躊躇しているという政治的な根拠でしかないわけです。それならそれでいいので、合意形成を図るべく、引き続き短いスパンで見直しを繰り返すというスタンスを明確にするべきであると考えます。
以上を踏まえて、最後に2点ほど要望をします。
1つ目なのですけれども、指針の見直しに当たってはパブリック・コメントを実施してください。代表する我々の声だけでなく、やはり広く国民、特に実際に受診する方々の声も聴いてほしいです。
2つ目は、施行2年をめどとして、短いスパンでの積極的な見直しということを約束していただきたいです。これについては、指針の中に明文で書き込む必要はないので、そういった確認があればいいと思っています。
それで、この回答次第でどうするかを考えたいので、本日この場での承認というのは私は見送りたいと思っています。ぜひこの2つの要望に対して回答いただいて、それで異存なければ進めている方向で行きたいなと思っています。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
事務局のほうで現段階でレスポンスはございますか。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
いただいた御要望につきましては、検討させていただきたいと思っております。
○田辺座長 ありがとうございました。
久々に論理実証主義という言葉を聞きましたけれども、ほかはいかがでございましょうか。
では、松本構成員、よろしくお願いいたします。
○松本構成員 日本看護協会常任理事の松本でございます。ありがとうございます。
資料3の15枚目の資料でございますけれども、こちらに新旧の表が書かれております。この中でオンライン再診精神療法に十分な経験がある医師が行うことが必要と書いていただいております。慎重論について否定するものではございませんけれども、この十分な経験というのはどのような経験をすることを想定されているのかということと、こういったオンライン精神療法を拡大するための方策としてどのように考えればよいかということをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺座長 ありがとうございます。
では、事務局、回答をお願いいたします。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
十分な経験についてのご質問でございますが、冒頭でも軽く触れさせていただきましたけれども、これは一番最初の桐原構成員からの御質問にも多少重なる部分はあるかと思うのですけれども、まず、よく知っている患者さんについて、対面診療である程度情報がしっかりあって、その上でしっかりコミュニケーションも取れる、そういった中でオンラインという通常の対面診療とはまた別の枠組みで、対面とは異なった見え方をするものでもしっかり補正をしながら診療ができるか、そういったことがポイントになってくるのだろうなと思います。
15ページ目にも書かせていただきましたけれども、いきなり対面診療ではなくオンラインで初診をやりますといったときに、これは2つの要素がありまして、一つは初診で情報が分からない患者さん、ないしはコミュニケーションが取れていない患者さんを診なければいけないというところ。それから、もう一つが使ったこともないオンライン診療というデバイスで診療を始めてしまうということ。この2つの要素が出てきてしまいます。
オンラインの精神療法を行う中で、十分よく理解されている患者さんについて、コミュニケーションも取れている中で、オンラインのコツ、対面診療との差異というものを肌感覚でしっかり身につけていただきたいというところで十分な経験とさせていただいてございまして、その上で、そういったオンラインでのコツというものを肌に感じながら、初診の場合にはいつもやっている対面との違いを補正していただきながら診療いただくということが大事なのだろうと考えています。
その中でも、今回は完全な初診ではなくて、実際には行政が介入している事例ということで、情報がある程度そろっているというところで、何かあれば隣にいる行政職員にいろいろと手伝っていただきながら診療できる。そういったところで安全性を担保できないか。科学的知見が限られている中ではございますけれども、こういった形で初診をできないかというところを事務局としても整理させていただいたところでございます。
その上で、十分な経験というところを再三言っておりますけれども、何回やればコツがつかめるのか、どのぐらいの期間やればつかめるのかというのは人によって様々でございまして、それは物すごくスキルがあってコツを学ぶのがうまい方であれば、少ない回数でそういったコツをすぐに身につけられると思いますし、デバイスは苦手なのだよねという方は、もしかしたらそれなりの回数、それなりの期間やらないとなかなかなじまないのかもしれませんし、なかなか一概に申し上げるのは難しいというところで、こういった十分な経験とさせていただいてございます。そういう意味で申し上げると、かなり理念的な記載になっているところはあるかもしれません。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
松本構成員、よろしゅうございますでしょうか。
○松本構成員 誰でも「初回」というのがあり得ることですので、十分な経験を有するような人をどうやって育成していくのか、といったところが気になっております。
○田辺座長 では、事務局、お願いします。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
まさにそのためにオンラインの再診精神療法をしっかりできるような環境を整えなければいけないのではないのかというところで、10ページにございますけれども、平時からオンライン診療を活用できるようなこと、それが適切に実施できる医療機関、こういったところをしっかり拡充していこうというところで、平時から活用いただけるようにしっかりいろいろとしていかなければいけないのではないかと考えています。
その中で、例えば時間外、こういった対応が難しい医療機関については、地域の精神科病院と連携することによって、現時点では施設基準上それが算定したくてもなかなかできないというところが、今回こういった枠組みによってできるようになれば、今までできなかったところができるようになり、また、そういった患者さんのケースが増えていくことにより、必要な経験を有することができるようになるのではないかというところを考えてございます。その上で、厚生労働科学研究におきまして、現在、資材の作成等を行ってございますので、そういったものも活用していただきながら、このオンラインの診療に少しでも興味がある方が適切に実施できるようにしていければと考えてございます。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、山口構成員、よろしくお願いいたします。
○山口構成員 保健所長会から来ました山口です。よろしくお願いします。
私も先ほどの松本構成員の十分な経験というのはとても疑問で、今の御説明ですと、患者さんへの経験とデバイスの経験、患者さんへの経験がない場合は保健所や精神保健センターの職員とか行政の職員が付き添うことで、そこは解消できるという御説明でよろしいですか。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
そもそも初診のエビデンスがないという状況の中なので、こちらは医師の十分な経験のあるなしではなく、経験がある方がその上で行政職員の方と連携していただくことで安全性を担保できないかということをお示ししているものです。
その上で、こちらもエビデンスの集積につきましてはできる限りのことはしたいと考えてございまして、今後、厚生労働科学研究において、こういったところの初診も含めた知見の集積、これは例えば実証を含めてできないかということはいろいろと検討しているところではございます。
以上です。
○山口構成員 ありがとうございます。
続いて、指針案の10ページです。10ページの(4)黄色い字のところ、「平時から地域の精神科病院との十分な連携体制」等、黄色で斜線で示してあるところは精神科病院に特化しているのですが、その続きの、「なお、例えば、」に続く、「当該医療機関においては急変時の対応が難しい場合等においては、十分な情報提供を前提とした上で、近隣の対面診療が可能な医療機関」となっています。ここにある「医療機関」は、精神科病院を指すのでしょうか。一般の医療機関も含むのでしょうか。私どものように精神科医療機関がない地域にとっては、一般の医療機関のままの方が、柔軟な対応ができるので、一般の医療機関を指す方が、ありがたいという思いがあります。
以上です。
○田辺座長 この点、いかがでございましょうか。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
これもこれまでの御議論があった上で、やはり対面診療に切替えが必要なときにできるようにしないといけないのではないか。そのときには時間外対応ですとか救急的な対応が必要ではないかというところで、これまでこういった記載がなされていたと理解してございます。
ただ、その中で、今回は少しでもそういった再診に着手いただけるような医療機関を増やせないかというところで、この精神科病院との連携という趣旨を入れさせていただいたというところなので、そこは酌んでいただけますと幸いでございます。
○田辺座長 よろしゅうございますか。
○山口構成員 地域で柔軟に対応させていただけるという解釈ができるということでよろしいでしょうか。
○佐藤課長補佐 特にそんなことは申し上げておりませんけれども、精神科病院とうまく連携していただければと思ってはございます。ただ、広範な地域としてどうしても離島等を含む場合になってしまうことも想定されるのだろうなとは思います。
○田辺座長 ほかはいかがでございましょうか。
では、上田構成員、よろしくお願いします。
○上田構成員 日精診の上田でございます。
先ほどの十分な対応の件ですけれども、診療所はこれまで24時間の対応ができないということでオンライン精神療法をなかなか条件的に得ることができなかったのです。きっとそこのハードルを少し下げていただいたのではないかと診療所側としては考えておりまして、万が一、例えば時間外に医療の必要があるときに、診療所が精神科病院と連携していて、何かあったときによろしくお願いしますというようなやり取りを日頃からしているときに、診療所でもオンライン精神療法ができるという決まりになったのかなとは理解しておりますが、どうでしょうか。
○田辺座長 この点、いかがでございましょうか。
○佐藤課長補佐 まさに診療所などでは時間外対応等はなかなか難しいというところがこれまでの議論の中であったということも踏まえつつ、今回のような対応にしたと理解してございます。
○田辺座長 ほかはいかがでございましょうか。
では、岩上構成員、よろしくお願いします。
○岩上構成員 全国地域で暮らそうネットワークの岩上です。
初診のオンライン診療については、今までのここの検討会の議論も踏まえていただいていると思いますし、先ほど御説明がありましたが、精神科におけるかかりつけ医機能の病診連携の話も踏まえていただいていますし、市町村でしっかり精神保健に取り組んでいただくということがにも包括で進めていることですから、そこも踏まえて議論をまとめていただいていると思いますので、私は賛同したいと思います。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、柄澤構成員、よろしくお願いします。
○柄澤構成員 北海道北広島市の柄澤でございます。全国精神保健福祉相談委員会の理事をしております。
私もオンライン初診の精神療法の部分で、資料3の14ページや16ページ、あるいは参考資料の8ページ、10ページに、オンライン初診精神療法について、診療時に患者のそばに保健師等がいる状況と記載されていますけれども、この「等」の解釈について、行政職員であることがまず大前提なのか、例えば委託の地域包括支援センターや障害の相談支援事業所も含むのかどうかなど、自治体によって解釈が異ならないように、できれば具体的例示をお願いしたいと思います。
もう一点が、前回の検討会でも申し上げましたが、この指針が実装されたときに、やはり対応する保健師等の一定程度の質の確保が必要かと思いますので、例えば精神保健福祉相談員講習会を受講した者とするなどの条件が必要であるかと思います。参考資料の10ページの(3)で、オンライン精神療法を実施する医師は精神科における診療の一定の経験や資質を有することの例として、精神保健指定医、関連学会認定専門医というような記載もされていますので、そのような形での条件の例示をしていただければと思います。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、江澤構成員、よろしくお願いします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
それでは、ただいまの資料3につきまして、もともとオンライン診療は対面診療を補完するものとして、僻地や離島などのやむを得ない場合において活用していくということがこれまでの方向性であったと思います。我々も臨床医として対面診療に勝るものはないと思っています。
そういった中で、厚生労働省のホームページには、オンライン診療の指針遵守の確認をするためのチェックリストというものが掲載されております。オンライン診療を実施する医療機関と、もし実施する医療機関が対面診療ができない場合においては、協力医療機関をあらかじめ定めておくということになりますので、そういった地域で連携する医療機関はしっかりと患者さんが確認できるよう、例えば医療機関のホームページにチェックリストの遵守について掲載するということも必要ではないかと思っています。
また、オンライン診療の初診に適さない症状というのも2022年にまとめられて、公開されているところでございます。今回、行政の保健師さんなどがやむを得ない場合に、例えば患者さんの御自宅において付き添いをした上で、安全性を確保してオンライン診療を初診でも行うケースはあり得るのではないかとまとめられています。したがいまして、ある意味ではD to P with Nみたいな形でありまして、そういった事例がこれからどれぐらい蓄積されるのか。あるいはそういった現場での課題をしっかり検証していく必要もあろうかと思います。
このチェックリストにおいては、初診からのオンライン診療は原則としてかかりつけ医の医師が行うと明記されているところでございまして、このチェックリストは全診療科におけるチェックリストでございますので、特に今後、精神科領域ならではの項目がもし必要であれば、そういったものも追加するなどして、しっかりとこういったチェックリストを活用していただき、医療機関のホームページに掲載していくということなどを取り組みながら進めていく必要があろうかと思います。
現行、指針の遵守がなされていないオンライン診療もこれまでも指摘がなされてきておりますし、初診から向精神薬など、あるいは睡眠薬などの手法というのもこれまで指摘がなされておりますので、まずはしっかりと地ならしをしていただき、初診については今後集積する科学的知見を求めるための取組をいろいろ進めていただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、長谷川構成員、よろしくお願いいたします。
○長谷川構成員 ありがとうございます。
江澤構成員のお話とも重なるのですけれども、オンライン診療は精神科に限らず、やはり関係性が重要だということを確認しておくことと、医療の質を担保しつつというところは大前提ですけれども、今回、オンライン初診で、行政職員と一緒であれば、関係性が取れている方がいらっしゃればできるというのは一つ大きなチャレンジだと思いますし、ここで積み上がっていくものがあると、さらにまたオンライン初診が広がるのではないかなと思っていますので、私としては承認したいなというところが意見です。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、長瀬構成員、よろしくお願いします。
○長瀬構成員 日精協の長瀬でございます。
先ほど江澤構成員からのお話もあったように、江澤構成員のお考えに賛同いたします。うちの協会の病院でもオンライン診療を受けている方が時間外に来られて、病院であってもなかなか情報が得られない場合もあって、少し困る事例も散見されるということが耳に入っておりまして、今回の指針の策定については、そういったことがなくなるような形で進めていただければなと思っております。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、岡部構成員、よろしくお願いいたします。
○岡部構成員 日本相談支援専門員協会の岡部です。
私もいろいろ今までの議論を聞いていて基本賛成。保健師等がいる状況でオンライン初診については解禁すると理解しているのですが、それは間違いないでしょうかという確認と、それを実施することによって、精神科にかかる必要がある人の間口が広がるというのは大変いいことだなと思っているので、そういった実践を積み重ねながら必要な修正を行っていけばいいのではないかなと思っています。
1点、こういう質問に答えていただける場なのかどうか分からないながらも質問するのですけれども、病院側が請求するときに、今回の初診についてはオンラインでやりました。ついては、保健師がいましたとか訪問看護師がいましたみたいなチェックを入れて請求するような形になるのか。つまり、そこの確認が病院任せになるような気がしていて、性善説で考えればそれでいいとは思うのですが、そういうことをお考えになっていると思うのですけれども、初診で意見書だけ書くとか、そういうことを防ぐための手だてとしていろいろお考えだとは思うのですが、何か現時点で情報をいただけるようなものがあれば、安心のために聞かせていただければと思いました。
以上です。
○田辺座長 では、よろしくお願いします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
最初のほうが聞こえづらかったのですけれども、保健師等がそばにいるのは間違いないかというところの御質問がまずあったかなと思いますけれども、指針につきましては、基本は保健師等が横にいることを前提としているものと考えて、この方向性でお示ししているものでございます。
2つ目のどのようにそれを担保といいますか確認するのかというお話だと思いますけれども、恐らく念頭に置かれているのは保険請求といいますか診療報酬の枠組みの中でのお話かなと理解いたしますので、そういった御指摘があったことは診療報酬部局のほうには伝えておきたいと思います。
○岡部構成員 ありがとうございます。
こちらの電波が悪くてすみません。御迷惑をかけましたが、十分な回答です。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
では、小阪構成員、よろしくお願いします。
○小阪構成員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。
行政が関わっているところでの初診についてですが、保健師等の部分の文脈について、例えば研修を受けるだとかというお話もあったかと思うのですけれども、僕はそこまで厳しくしなくてもいいのではないかなと個人的には思っています。地域で訪問支援をしている保健師さんたちは皆さん頑張っていらっしゃいますし、その方たちにさらに初診に向けて何か負荷をかけるということが果たして患者さんのためになるのかというところが私には分からなくて、この目的は、医療を必要としている人たちが、例えば外出が難しいとか、そういった方たちがオンラインの診療をある程度関係性をつくってきた保健師等の方が同席の下できることによって、患者自身が医療につながるハードルを下げることが僕は患者のために資するものかなと思っているので、そのハードルをさらに上げるようなことは今回の改正には少しなじまないのではないかなということを少し懸念しました。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
江澤構成員、お手が挙がっていますけれども、発言。
○江澤構成員 先ほど申し上げていなかったので、資料4について申し上げてもよろしいでしょうか。
○田辺座長 お願いいたします。
○江澤構成員 資料4の第8次医療計画の見直しにつきまして、基準病床数については、他の一般医療の分野の見直しも含めまして、ぜひ時間をかけて精緻にお願いできればと思っています。
その中で、4ページに慢性期の入院患者数については今後の政策効果に係る係数を設定するとありますけれども、政策効果についてもしっかりと、これまで政策効果の求め方に加えまして、ぜひより精緻な、あるいは少しでもエビデンスを伴うものでまた御検討いただければと思っております。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
では、ありがとうございます。
情報通信機器を用いた精神療法の適切な実施に関する指針の案につきましては、本日、幾つかの御意見をいただきましたので、事務局におかれましては、これに対する御対応をお願いできればと思います。また、本日の検討会の議論を基にいたしまして、後日指針の策定をお願い申し上げます。
また、第8次医療計画の見直しにつきましても御了解をいただいているかと思いますので、事務局におかれましては、必要な手続を進めていただければ幸いでございます。
では、この議題の1に関してはこれまでとしたいと存じます。
次に、行動制限に関するこれまでの議論について、事務局から資料5が提出されておりますので、まずは説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○新平課長補佐 事務局でございます。
資料5について説明をさせていただきます。
この検討会におきましては、これまで行動制限を議題といたしまして、令和5年度、6年度における厚生労働科学研究についての共有であったり、あるいは当事者の方、医療従事者の方などからのヒアリングを通じまして御議論いただいてきたところでございます。
今般、これまでの御議論の状況について資料として作成いたしましたので、御報告をさせていただければと思っております。
資料5でございますけれども、これまでの主な御意見につきまして内容を整理させていただいたものでございます。
2ページ目でございますけれども、行動制限につきまして、ヒアリングも含めまして、当事者、家族、医療従事者等のお立場からいただいた御意見をピックアップさせていただいております。
3ページ目にお進みいただきまして、ヒアリング等を通じまして、行動制限最小化に向けた取組といたしまして、組織風土の醸成が重要であること、それから、好事例の共有やピアレビューを行うことが効果があることなどを共有いただいていたかと思います。
4ページ目にお進みいただきまして、取組の進め方についても御意見をいただいているところですけれども、実態把握とその分析も併せて行っていただきたいというような御意見もいただいていたところです。
以上の御議論を踏まえまして、4ページの最後の四角で囲んだところでございますけれども、これまでの本検討会での御意見を踏まえまして、行動制限の最小化に向けた医療機関での実践を進めていくため、厚生労働科学研究において行いました医療機関に広く普及さするための利用しやすい資材の作成や、医療機関間で効果的に行動制限最小化のスキルを共有できる標準的なピアレビューの方法の検討について、その成果の周知等を行っていくとともに、行動制限に関する実態把握とその分析を進めていって、引き続き行動制限に関する検討を継続するとしております。厚生労働省といたしましても取組を進めてまいりたいと考えております。
また、その後は参考資料をおつけしておりますけれども、参考資料13ページ、14ページに厚生労働科学研究について進捗状況を御報告しております。
13ページ、教育資材につきましては、医療機関に広く普及するために利用しやすい資材を作成いただいておりますけれども、後続の研究におきまして、病院の協力を得て教育資材の効果検証を実施中でございます。
それから、14ページ、ピアレビューにつきましては、チェックリスト、解説集、手順書の開発を行いましたが、こちらも後続の研究におきまして社会実装に向けた課題の抽出や修正点の把握などを行っていただいているところです。それから、自治体におかれましても研究成果を活用していただくというようなところで御報告をさせていただいております。
以上でございます。
○田辺座長 御説明ありがとうございました。
こちらの資料につきましては、これまでのこの検討会での議論を資料として整理したものと思いますので、事務局におかれましては引き続き取組を進めていただければと考えているところでございます。
本日は、この資料に関しまして御質問、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
では、藤井構成員、よろしくお願いします。
○藤井構成員 国立精神・神経医療研究センターの藤井です。
御説明ありがとうございました。また、厚生労働科学研究についての資料も掲載していただきまして、ありがとうございます。
若干補足をさせていただければと思うのですが、今の御説明である程度十分かなとも思ったのですが、行動制限最小化のプラットフォームですけれども、これは以前の検討会でも御説明させていただいたとおり、日本精神科看護協会のホームページに掲載されていまして、どなたでも御覧いただけるようになっております。
せっかく作ったものですので、この教材を活用していただければと思っているところなのですが、この教材に関しての効果検証はまだされていないところでしたので、今、実施しているところです。21病院の協力を得て効果検証実施中と書かせていただいたのですけれども、21病院中、1病院に関してはこれからの実施になりますので、正確には20病院ということにはなります。この効果検証で前後の比較をしまして、この教材が効果があるものかどうかというものを研究としてお示しするような準備をしているところでございます。
あと、ピアレビューにつきましても、昨年度までの研究である程度効果がありそうということも含めて、実施可能性について検証したところなのですけれども、まだ数が少ないので、これが効果的ですよと自信を持って言えるような段階ではないのですが、少なくとも実施した病院ではある程度の効果が認められたというところですので、これをより多くの病院に実施していただいて、改善点はないかということでありますとか、効果があるのかどうかということを検証していきたいと考えているところです。
同時に、このピアレビューやプラットフォームを利用された病院のスタッフの方にもお話を直接お伺いして、行動制限を最小化するに当たってどこが障壁になっているのかとか、このような教材やピアレビューをするに当たって、その活用の仕方も含めて御意見を伺って、実装に資するようなものになっていくということを目指したいと思っております。
神奈川県では県主導で既に行動制限最小化の取組をされていて、幾つかの病院で行動制限最小化の戦略的な取組をされたのですけれども、それに当たっては、昨年度までの研究の代表でいらっしゃった杉山先生が研究成果を基に技術的なアドバイスをされて実施されたということを付け加えさせていただきたいと思います。今年度中にこのピアレビューの研究成果を活用した研究にも御協力いただけるということになっておりますので、効果を期待したいところです。ありがとうございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、長谷川構成員、よろしくお願いいたします。
○長谷川構成員 ありがとうございます。
まずは、事務局の方にこのような資料を作っていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
資料5の7ページにもありますけれども、少しずつですけれども、身体拘束、行動制限の件数は減ってきている。その辺をやはり見える化は続けて、社会に発信をしていっていただきたいなと思っています。
今、私は総合病院に身を変えましたけれども、精神科医療のほうがもしかしたら精神科以外の科よりも身体拘束を減らすのは有利かもしれないのです。その理由は転倒転落とか、ルートの抜去とか、やはりそこまでシビアではないことが精神科のほうは多いのかなと考えておりますので、その辺で精神科医療から変わっているということは発信を続けていただきたいと思います。
あと、医療計画のアウトカムでも行動制限の指標はちゃんと出ていましたので、そこは続けていただきたいなということと、今、藤井構成員もおっしゃっていましたけれども、ピアレビューも期待したいところで、意見になります。ありがとうございました。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、松本構成員、よろしくお願いいたします。
○松本構成員 日本看護協会の松本でございます。
今の資料5の3ページでございますけれども、行動制限最小化に向けた取組ということで書いていただいております。全体をまとめると書かれているのかもしれませんけれども、看護におきましてもこの身体的拘束の最小化は大きな課題であって、取り組むべきものだと認識しております。この解決のためには組織的な取組というのが重要であって、倫理的教育や看護の質の向上を含めた人材育成、また、労働環境自体の整備など、実効性の高い対策を総合的に進めていくことが重要だと考えておりますので、この辺りの組織的な取組であるということ、また、総合的に推進していくといったことをもう少しここに記載いただけるとありがたいと思います。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがございましょうか。
では、桐原構成員、よろしくお願いします。
○桐原構成員 全国「精神病」者集団の桐原です。
まとめてくださってありがとうございます。
小阪構成員から、行動制限最小化について検討会の議論のまとめを提出する求めがあって論点出しされたものと記憶しています。わたし自身も当事者として様々なエネルギーを費やしながら意見を述べてきたわけなのですけれども、その結果がどういうふうになったかということが実は後半になってよく分からないまま検討会が終わりかけていたような印象を持ったので、年内にこの場で確認できてよかったです。
結局、出てきたものについては、これまでの議論を振り返って書かれているものということになるのだと思います。行動制限最小化は、究極的には医療機関の努力に解決を求めなければいけないところが出てくるので、人材育成やら教材を作ることとかピアレビューの話とかが出てくることになります。しかし、それだけでは不十分で、育つまでの間どうするかというところについて、やはりルールによって拘束していかなければならない部分がでてきます。そういう意味では告示改正が必要だということはずっと言ってきました。
告示改正については、調査でエキスパートコンセンサスをまとめられたり、障害者部会でも報告があったわけなのですけれども、にもかかわらず、それについては一体どういうふうな形で整理されて、何故それがこの報告の中では具体的な見通しが示されていないのかというのについては、具体的なレスポンスになり得ていないのではないかなという印象を持ちました。恐らく様々な事情があると思いますし、現状、やはり究極的な部分をしっかりやっていこうという方向性について異存はないでしょうと言われたら、それはそうなのですけれども、当事者として非常に苦しい議論に一生懸命取り組んできたわけなので、そこについてもう少し真摯なレスポンスがあってしかるべきなのではないかなと思っています。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
では、家保構成員、よろしくお願いします。
○家保構成員 衛生部長会の家保です。
行動制限については、今回第8次の医療計画の見直しの中でプロセス指標できちんと例示として挙げていただきましたので、今後、各都道府県がこういうことを踏まえて件数が出てまいります。当然、削減に向けてどう取り組むのかが今後問われますので、研究班として幾つかの先進的なところで行動制限の最小化に向けた実践の研究を進めていただくとともに、それをどう均てん化していくのかと。各県、即ち都道府県の精神病院にいかに広げていくのかということも併せて研究していただくことを期待します。それの結果が指標としての変化であり、結果として行動制限の適正化なり減少につながると思いますので、ぜひ国としてもそういう点を意識して取り組んでいただければと思います。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
では、小阪構成員、よろしくお願いします。
○小阪構成員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪です。
まずは、事務局に行動制限についてこれまでの議論をきちんと取りまとめていただいて、我々構成員だけではなくて、我が国として行動制限についてどのように考えているのかという方向性をある種の中間取りまとめとして国民の皆さんに分かりやすいように資料提示できたことはとてもよかったのではないかなと思っています。
ただ、このまとめは中間取りまとめと私は捉えていますけれども、この取りまとめを踏まえた上で、我々構成員がこれをどう受け止めて、どう議論を深めていくかということがより一層求められているのではないかなと思っています。
4ページにまとめていただいたところについては、これまでの議論をうまくまとめていただいているのだろうなと思っているところですが、私としてはやはり妥協できない部分があって、行動制限最小化という文言は、それだけでは足りないのではないかなと思っています。再三議論で述べてきましたし、この検討会の前の検討会でもたくさん議論してきたと思うのですけれども、私たちというか我が国は特に身体的拘束はゼロを目指しましょうよと。これはたくさんの議論を積み重ねてきたと思うのです。前回の報告書ではゼロという言葉は入りましたけれども、「不適切な身体拘束をゼロにする取組」になってしまったのです。不適切な取組というのは、そもそも最初からゼロを目指さなければならない部分なので、ここまで議論を深めてきたわけですから、将来的にはゼロを目指しましょうよ、そのための最小化に取り組んでいきましょうよということについて、ぜひ皆さんと合意形成を図りたいと思っています。
これに倫理的に、また論理的に反論する材料というのは、僕は何もないのではないかなと思っているのですよ。医療機関の人たちに過重な負担をかけたいわけではないということも私は再三申し上げてきました。その私の立場の上で、「将来的には身体的拘束はゼロが目指されるべきであり、そのための最小化の取組について引き続き検討を行っていく」ということであれば、大変いいのではないかなと思っています。それがまず1点目です。
それから、2点目です。今後の方向性の部分について、教育については、これまでの主な意見の中では触れられていますが、今後の取組の中には盛り込まれていません。人をつくるのは教育ですから、教育課程において行動制限に係る部分、行動制限は基本的にはなされるべきではないということについては、これまでの歴史的背景を踏まえて、他科に先んじて精神科医療が教育課程に入れ込むべきだと思います。それは、今般の改正精神保健福祉法で権利擁護という文言を入れたこの時代の流れにのっとって行うべき、検討されるべき部分ではないかと思うので、教育という観点については、ぜひ関係省庁と協力していただいて文言の中に入れていきたいと思っています。
最後に質問です。まとめの中で「行動制限に関する実態把握とその分析を進めていき、」とあります。それは言葉としてはもちろんそのとおりだと思っていますが、非常にふわっとした表現になっていると思うので、具体的に、現時点で答えられる範囲で構いませんけれども、事務局としては例えばどんな実態把握をすると今後のゼロを目指した行動制限最小化に資する実態把握になるのかと考えられているのか。また、その分析とはどのような分析を考えているのか教えていただきたいと思います。
これが質問ですが、最初に戻りますが、「ゼロを目指した」ということをこの検討会の中で合意形成を図りたいというのが私の主な意見です。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
御質問がございましたので、回答をお願いします。
○佐藤課長補佐 ありがとうございます。
まさにこの調査でございますけれども、どういった形でやるのが適切な分析ができるのか、そういったところは前提条件を詰めていく必要があろうというところで、今、これを厚生労働科学研究において詰めているところでございますので、現時点で細かい設計ですとかどういった分析ができるのかというところをお伝えすることは難しいのですけれども、いずれにいたしましても、この議論をしっかりできるように、しっかりと分析できるようなものをやらなければとは考えてございます。
○田辺座長 では、吉川構成員、よろしくお願いします。
○吉川構成員 ありがとうございます。日本精神科看護協会の吉川です。
行動制限の資料を取りまとめていただき、ありがとうございました。
これまでにも様々な知見のことであるとか教育のこととかも出てきていますが、我々として、現場で実際に、今、行動制限最小化という言葉を使いますけれども、それを実践して、それが例えば停滞したり逆戻りをしないようにしていくというのが非常に大事だと思っています。頑張ろうということで本当に多くの現場が取り組むのですけれども、例えば、何か事故につながったり、うまくいかなかったりすると、そこで停滞してしまったり、取組がなかなか進まないというようなこともあります。そういったことも我々として経験してきて、これからこれを進めていくのには、やはり行動制限最小化のマネジメントができる人材をきちんと育てて、病院、病棟にそういった人材を配置していくというのが非常に大切だと思っていますので、行動制限最小化のマネジメントができる人材が必要なのだということをぜひまたこういったところにも明記していただきたいなと思っています。
それと、今年度特に感じたことですが、令和6年度の診療報酬改定で入院医療の通則に身体的拘束のことが盛り込まれたのもあって、精神以外の学会に行っても、本当に身体的拘束最小化の例えばシンポジウムであるとか、そういったところは立ち見が出るぐらい、本当に今、特に看護職は関心が非常に高いです。精神科ではかなり以前から取り組んできているわけですが、例えば身体的拘束は高齢者を対象としたところなどはかなり共通した課題とか、解決に向けたいろいろな知恵もあると思いますので、特に高齢の分野であるとか一般医療と協働して取り組めるところは協働して取り組んで、お互いの事例であるとか知見といったものを共有しながら、我々もそういった高齢一般から学べることがあると思いますし、その逆もあるのではないかなと思っていますので、そういった意味では、看護界全体でこれは取り組んでいくということが必要ではないかなと思っています。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、岡田構成員、よろしくお願いいたします。
○岡田構成員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
今回、このように行動制限最小化に関してのおまとめをありがとうございます。
何人かの構成員の方から御意見が出されましたけれども、私もすっきりしないものを今も抱えているような状況があります。先ほど小阪構成員から身体的拘束はゼロを目指すべきという御意見がありましたけれども、私も以前からそのような意見を持っておりますし、今回、小阪構成員の意見には賛同したいと思っております。
1点確認させていただきたいことがあって、発言をさせていただきます。皆さんおっしゃっていたところなのですけれども、資料5の4ページの一番下の四角囲みの中に「行動制限に関する実態把握とその分析を進めていき、引き続き行動制限に関する検討を継続する」と書かれています。これは、今回の検討会の続きでもいいとは思うのですけれども、検討会を立ち上げた中で実態把握と分析、資料に基づいて検討を続けていくという理解でよろしいのでしょうかということを確認させていただきたいなと思いました。私も含め、これまでの構成員の皆様の御意見から、やはり今後も継続的に検討していく場が必要であるという思いを私は強くしております。今後の進め方として、厚労省として何か御計画があるかどうか教えていただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
○田辺座長 この点、回答をお願いいたします。
○新平課長補佐 ありがとうございます。
御指摘のところ、「行動制限に関する検討を継続する」と書かせていただきました。この検討会なのかどうなのかというところは明示しておりませんけれども、皆様からの御意見をいただきながら検討を進めていきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○田辺座長 ほかはいかがでございましょうか。
では、長瀬構成員、よろしくお願いします。
○長瀬構成員 日精協の長瀬でございます。
行動制限に関しての我々精神医療の提供側からの懸念、特に精神科病院からなのですけれども、重度の精神症状や身体合併症を抱える患者さんの安全確保だとか人員配置、建物の構造だとか現場の条件の限界などから、やはり代替の手段の研究、研修、人員配置や施設整備への財政的な裏づけがなければ、結果として重症な方の受入れが困難になるということもあろうかと感じております。
また、本検討会でも我々の団体のほうから岩下先生に説明していただいたのだと思うのですけれども、行動制限を行わない結果として、患者さんの安全確保ができなくて事故になるということで、行わない場合における訴訟ということも非常に我々は憂慮しておりますので、そういった点も含めて目指す方向性を設定していただければなと思っております。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
では、池原構成員、よろしくお願いいたします。
○池原構成員 実践的なことについて研究を進めていくということについては、非常に賛同しています。いろいろな実践例で、九十数パーセントまで行動制限をしなくていいという実践でも何回か教えていただきましたし、非常に期待ができると思っています。
ただ、用語の問題として、小阪構成員の言われたことには私も強く賛同したいと思っていまして、2つあるのですけれども、一つは、法的な構造とすると、身体拘束というものそれ自体はもともと違法なのです。例えば緊急避難のような条件が満たされると、違法性が阻却されるということなわけです。だから、言葉の使い方として、不適切な身体拘束という言い方をすると、逆に言うと適切な身体拘束というのがあるのかということになるのですけれども、表現としたら、違法ではない、違法性が阻却される身体拘束というのはあり得ると思うのですけれども、適切な身体拘束というプラスの方向のものが存在しているわけではないですよね。だから、不適切な身体拘束という表現は法律家的にはちょっと変だなと。違法ではない身体拘束というのはあり得ると思います。だけれども、特別適法、適切な身体拘束があるわけではないので、やはり基本的には身体拘束はないということを前提にするという小阪構成員の見解は非常に論理的にも正しいなと思っています。
もう一つは、障害者権利条約に基づく、障害者権利委員会から2022年に総括所見が出されていて、その勧告の中で身体拘束をなくすことというのも強く指摘されているところでして、これは次回の締約国としての日本の報告の中で何ができたのかということを当然報告しなければいけなくて、これは本来であればゼロでなくてはいけないわけですけれども、実践的な努力によって九十何%減らせましたということであれば、それは国際社会にも恥をさらすことにはならないと思うのですけれども、そういうことからしても「不適切な」というのは不適切な用語のような気がしますので、余計な修飾語はないほうが理論的にも理解しやすいのかなと思っています。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、江澤構成員、よろしくお願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
4ページの下にいろいろ方向性が書いておりまして、もちろん反対するものではありませんけれども、これまでも繰り返し申し上げておりますように、やはり行動制限をしないという組織風土をどう構築するかというのが最も重要であると思っています。そのためには、経営者、病院長の強力なリーダーシップによる取組は不可欠であり、まずは全職員の倫理観、意識の高揚は極めて重要であると思っています。
私の病院の取組の経験でも、院内の定例委員会では組織的方針の共有を繰り返して、あと、データに基づいた議論を行い、成功事例を共感的に全職員で共有していくこと。さらに有効なのは、毎週のラウンドを行い、カンファをその場でラウンドで行って、そして、カンファを行う。こういった取組は非常に効果的であると感じています。
また、夜間休日も含めた拘束に対する相談体制をどう構築していくのかということも考えていく必要があろうかと思います。
さらには、院内研修会や各種会議で繰り返しテーマに取り上げていくこと。そのほか、例えば私の病院の院内研修でも職員がミトンあるいは椅子での拘束を一定時間体験していくことを盛り込んだり、あるいは拘束しないためにちょっとした工夫できるものを作成したり、いろいろと各医療機関において取り組まれているものと思っております。
したがいまして、こういった研究事業を続けていくことも必要かと思いますけれども、やはり医療現場にはぜひ職員に分かりやすい具体的な取組、特に好事例とか、実際にこうなったのだと。そういうところのほうが非常にインパクトが強いと思いますので、好事例と言っても上辺だけではなくて、実際に深掘りをしたような取組を事務局においてはぜひ全国の医療機関にお示しいただければと思っております。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、北村構成員、よろしくお願いいたします。
○北村構成員 石川県立こころの病院の北村です。
全体的な議論の方向性としては賛成しますし、数年前から比べたら、身体拘束とか患者さんの権利擁護に関する考え方は相当変わってきているというのは現場でも実感しているのですが、一方で、先ほど長瀬構成員もおっしゃったとおり、やはり明らかに人材不足で、横にずっと人がついていれば拘束なんかしなくてもいいのにという例がいっぱいあります。前回の在り方検討会で学会のほうから水野先生が提示されていましたけれども、マサチューセッツとかカリフォルニアとかは4対1とか5対1の看護基準でやっているのに、日本はよくて10対1で、普通は15対1です。ここで議論してお金とか人員が増えないのはよく分かるのですけれども、そういうことをせめて一緒ぐらいにしないと、先ほど江澤先生がおっしゃったように、病院の文化を変えていくというのは非常に重要で、それは我々は多分変わっている側にいるので分かるのですけれども、変われない病院にとってはだって人がいないもんで結局終わってしまうところがあります。やはり人員配置等についてはもうちょっと前向きな話が必要です。あと、ついでに言いますけれども、診療報酬の一般医療との大きな差について国民の議論にしないと、やはり精神医療はよくならないと思っています。
それともう一つ、ちょっと話が変わりますけれども、指定医研修会があったのですが、医療保護入院でありながら、市町村長同意で家族がいないので、病院の判断で院内開放をさせて作業療法に行くように促していた長期入院の患者が離院してしまったという症例でした。結果はちゃんと戻ってきたのですけれども、医療保護入院で院内開放にするのは病院が訴えられるのではないかとか、いろいろ問題があります。法律的には問題ないですし、患者の権利擁護という点ではどんどん開放的にすべきですが、先ほど長瀬構成員もちらっと言っていましたけれども、何かあったときの訴訟云々とかになったときに全部病院側が負わされる可能性があります。ここ数年間の普通の精神科の医者との話とか若い人たちの話を聞く限り、患者さんに対する権利擁護の意識は強まっていますが、責任が取れないから精神科はできないという若手もいるぐらいです。その辺りの教育なのか何か分かりませんけれども、あなたは一体誰のために医者をしているの、自分の身を守るためですかというような感じにだんだんなっているところもあるので、その辺りも医師以外の方々にはぜひ御理解いただいて、あまり医療側を責めないようによろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
では、田村構成員、よろしくお願いします。
○田村構成員 日本精神保健福祉士協会の田村です。
取りまとめ、理念的に大事なことをいろいろと書いていただき、ありがとうございました。
さっき小阪さんがおっしゃったように、前の検討会で、不適切な身体的拘束をゼロにするという「不適切な」という表現が結局最後のほうでつくことになった点は私も残念だと思っておりますので、表現が改められるよう再度期待しているということをまず申し上げます。
それと、身体的拘束について参考資料で棒グラフが示され、少し減少傾向ということではありますが、年代別に見る別の資料では、たしか入院患者さんのうち高齢者で身体的拘束をされている方の割合は非常に多かったと記憶しています。認知症高齢者の方が精神科でも増えておりますし、介護施設等では隔離や拘束ゼロとしている影響もあることも、過去の検討会構成員であった日精協の櫻木先生などもおっしゃっていたところです。
つまり、日本においては、認知症になった高齢者の方は最終的に精神科に入院し、そこで隔離や身体的拘束をされる可能性が高いということが見えてきているのではないかとも思いまして、かつてよりも精神科での隔離拘束をされる可能性のある人の幅が広がっています。これは、言ってみれば、国民が精神科病院での行動制限について、我が事として考えやすい状況になっています。以前は精神疾患の方はもっと数が少なく、隔離あるいは拘束されている方も自分とは関係ない人と思われていたかもしれませんが、近年はもっともっと身近な問題となっていて、自分や自分の親もそうなるかもしれないという認識を国民全体に求めていくことによって、財政面であるとか、外からの目ということについてももう少し意識改革が図れないかと思います。精神・障害保健課に非常に御尽力いただいているのですけれども、そこだけで解決できないほど大きな問題だということを発信していく必要があるのではないかと思います。
また、最近聞いた話なのですが、認知症高齢者を多くお預かりされて、最後まで診ますよと言っている精神科の中には、御家族に同意いただいた上で拘束をするとか、要は転倒などのリスク回避のため、安全のために拘束をすることはあると。さらに、それが嫌だったら、転倒することがあるかもしれないけれども、その点承知しておいてくださいねという。これは、先ほど長瀬先生や北村先生がおっしゃったような訴訟リスクの回避という点で、あらかじめ念書を取った上でお預かりすることもあるというお話ですとか、また、明確な身体的拘束と見えないようなやり方で、普通のテーブルを壁の端に、患者さんを壁とテーブルで挟むようにして座っておいていただいて、自分では動けないようにするというような、恐らく数に出てこない実際の行動制限というものが現場ではある種の「工夫」として行われている実態もあるかと思います。ですので、実態把握と言ったときにそういう面も、非常に難しいとは思うのですけれども、研究という名目の中で本当の意味でもう少し実態を把握できたらと願っております。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
小阪構成員、よろしくお願いします。
○小阪構成員 ありがとうございます。
何点か申し上げたいことがあって、先ほど言いそびれてしまったこともあるので付け加えたいなと思っているのですけれども、まず一つが、令和4年度の推進事業で行われた精神科医療における行動制限最小化に関する調査研究の中で、行動制限をゼロに近づける変化を起こせた病院が多数あることをその事業の中で僕は知ったのです。背景は分かりませんが、多くの病院は院長なりがゼロを目指しましょうということを口にしていただいて、完全にゼロにできた病院もあれば、ゼロにはできなかったけれども少なくできた病院もあるという良い取組がある中で、なぜこれが多くの病院でできないのかということが、僕にはむしろそこが疑問というか、できる病院があるのであれば、その病院が特別なわけではなくて、ある程度今よりも減らすことはほかの病院でもできるのではないかという期待を持っているわけです。なので、決して病院を責めるつもりは全くありませんが、今より減らせる余地は十分あり得るのではないかということを強調して申し上げたいなと思います。
それから、2番目に長瀬構成員が訴訟だとかという話を教えてくださいました。それについては、長瀬構成員のお立場を鑑みれば非常に理解できることだと思っています。ですので、厚生労働省にお願いなのですけれども、行動制限、特に身体的拘束の問題については、一部の有識者だけの議論にしないようにしていく話だと思っています。もっと幅広く、例えばこの検討会も行動制限について話すことは大前提だったにもかかわらず、最初はYouTubeで公開されていなかったのです。後からYouTubeで公開していただくようになったのですけれども、こういった議論を幅広くどんどん国民に知っていただく発信を厚生労働省にはしていただきたいなと思っていて、先ほど田村構成員がおっしゃっていましたけれども、国民全体の価値観として、人が人を縛る。先ほど池原構成員がおっしゃっていましたけれども、基本的に法的にNGな違法な行為だということをしっかり認識していただいて、共通の国民の社会通念として育んでいただいて、それができる限り少なくなるようにしなければならないのだという前提を共有することによって、例えば身体拘束をしなかったがゆえに起きた事故等については、病院側にも一定の配慮をするという社会的風潮をつくっていくことにもなり得ると思いました。
それから、3点目ですが、繰り返しになって大変恐縮ですけれども、ゼロを目指したということをやはり入れるべきだと私は思っています。これは病院側に押しつけるような形になってはいけないなと個人的には思っているのです。なので、長瀬構成員の立場に非常に理解を示したいなと思いつつ、大変心苦しい中で今、言葉にしているのですけれども、一方で、厚生労働省には、これは国民のためのものなのだから、まず厚生労働省が主導して、ゼロを目指すために、例えば北村構成員が言ってくれた予算措置とか人員配置も含めてどうやったらゼロにできるのかということを、まず国の責任としてゼロを目指すということを宣言するということは十分我々にとって価値があることなのではないかなと思いました。
それから、4点目です。引き続きの行動制限最小化に関する検討については、岡田構成員からこのような検討会の場で行うかどうかという確認がありました。御回答としては、今のところ具体的な場の設定については考えていないという話だったと思うのですけれども、少なくとも、厚労科研とかの調査研究で検討を行うというのはやめていただきたい。行動制限最小化あるいは身体的拘束の制度をどうするのかということは、公開される場、国民の皆さんがその議論の行く末をちゃんと見守れる場で行うべきものであって、調査研究はあくまでも実態把握とかどうすればなくせるのかということの議論だけにしていただきたいなと思っています。
以上になります。
○田辺座長 ありがとうございました。
事務局、何かレスポンスはありますか。
○新平課長補佐 ありがとうございます。
1点だけすみません。このような検討会でやらないと申し上げたわけではなくて、皆様の御意見をいただきながら進めますということですので、その点だけ訂正させていただきます。
○田辺座長 では、神庭構成員、よろしくお願いします。
○神庭構成員 ありがとうございます。
既に多くの方が述べられたことなのですけれども、池原構成員が述べたように、国連の権利条約の対日審査に向けての議論の中でかなり人権擁護とか身体拘束に関する意識が変わったと思います。それは少しずつ広がっているのだろうと思うのです。さらにこの広がりを強めていくためには、多くの方がおっしゃっているように議論をやめないということが大事だと思っています。その方法に関しては分かりませんけれども、続けて検討していく。
それから、もう一つはやはり教育の重要性ですね。卒前卒後、そして、専門医教育、指定医の講習等で今後も非常に重視していく必要がある。意識の高い病院、今変わろうとしている病院に関してはツールも方法論も提供できるようになっていると思うのですけれども、そういう意識がないところにどう変わってもらうかという方法論が必要だと思うのです。病院機能評価まで踏み込むつもりはないのですけれども、自分たちの病院はまだ身体拘束に関して遅れているのだということを分かってもらうような方法があるといいなと思いました。
ゼロか最小化かに関して言うと、非常に鮮明に覚えているのですけれども、野村総研の身体拘束最小化に関する研究会で、一番最後の会の最後に桐原構成員がゼロか最小化か一人一人言えと言われて、皆さんお答えになった。医療関係者は最小化、当事者の方、御家族の方はゼロということでまとまらなかったなと。非常に鮮明な記憶なので、お伝えしました。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、池原構成員、よろしくお願いします。
○池原構成員 こういうことを申し上げると議論が混乱してしまいそうな気がするのですけれども、医療関係の方はとても責任を感じていらっしゃるなと思うのですけれども、例えば身体拘束をしなくて事故が起こったときに、何で損害賠償責任の追及がされるのかというと、身体拘束をする権限が与えられているからなのですよね。だから、逆に言うと、もし法的に身体拘束が禁止されてしまうと、身体拘束をしなかったことによる責任というのも発生しないわけですよ。だって、してはいけないわけだから。だから、ある意味で精神保健福祉法に行動制限の規定が設けられていて、その権限を持っていらっしゃるから、適切に権限を行使しないと、身体拘束をすべきときにしなければ責任が発生するし、すべきでないときにしてしまうと責任が発生するというとてもつらい立場に立っていらっしゃっていて、そこはどう医療機関として考えたらいいのかなというのが一つのポイントとしてあると思うのです。
それから、もう一つは、これは大きな制度の問題なので、もちろんここで議論するのはなかなか難しいと思うのですけれども、やはり一定の事故が発生した場合には保険とかでカバーしていく。誰か個人とか病院に責任を追及するというよりは、保険でそこはカバーするというような、例えば薬剤についての副作用の問題のときに解決するみたいなシステムというのも少し視野に入れたほうがいいのかなと考えたりしました。これはあくまでも参考までにということです。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょうか。
では、辻本構成員、よろしくお願いします。
○辻本構成員 話が大きくなって、厚労省や国に向かっての意見になって大変だと思うのですが、その上での発言になります。私も先日、指定医研修会の事例研究で登壇してきました。プレゼンされた事例には行動制限に関係する課題があったのですが、合併症の問題で、重度の精神障害や知的障害・認知症の人が手術を受けなければいけない状況で、誰が手術を受ける・受けないを決めるのかとか、あるいは一般科では隔離拘束がなかなか難しいのではないかという議論を、指定医の先生はみんな一生懸命考えてくださってました。ある意味答えがなくて―さっきおっしゃったように精神保健福祉法に隔離拘束のことが書かれてあるので、だったら精神科で考えてーとなりやすくなるわけです。権利擁護といった論点を精神保健福祉法に全部取り込むというのはやはり違うと思うので、その辺はどういうふうに考えていくのか、もっと国全体で検討いただきたいのということが一点目になります。
二点目は、医療観察法を好事例の一つにするということ、前から何回も言っているのですが、マンパワーをかけれれば重度の精神症状をお持ちの患者さんでも隔離拘束せずに対応できる場合があるので、やはりマンパワーとお金が重要になるのかなと。実際に滋賀県の県立病院にも医療観察病棟があるのですが、隔離拘束の用い方・手続きの違いというのがあります。一般の精神科病棟と医療観察病棟の隔離拘束の状況や人員配置・保険点数の分析が必要だと考えます。
最後にもう一点、先ほど弁護士の先生がおっしゃったとおりなのですが、やはり誰が責任を取るのというところがすぐ議論になってきます。医療でも当事者でも家族でもなく、厚労省というか国がそれをどう考えていくか―こういった検討会から発信しながら考えていくことが重要だと思いました。
以上です。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御発言がないようでしたら、この議題の2に関しましては以上としたいと思います。
その他、全体を通じて御発言したいという方はいらっしゃいますでしょうか。よろしゅうございますか。
では、小阪構成員、よろしくお願いします。
○小阪構成員 ありがとうございます。
もし可能だったらというレベルなのですけれども、今回、中間取りまとめのような形で行動制限についてまとめていただいて、また一層議論が少し深まったと思うのですよね。全員の方がこの件について御発言されたというわけではないですけれども、多くの皆さんとは方向性自体は共有しつつも、立場性の違いから今言えること、言えないことというのがあるのだなと思っています。
一方で、今日の行動制限に関する議論を踏まえて、今のところで厚生労働省としてどういうふうに受け止めていただけたのかなというところを海老名課長に少しお伺いしたいなと思いました。
以上です。
○海老名精神・障害保健課長 ありがとうございます。
先ほど委員の中で指定医研修会のお話を出していただいた方がいらっしゃるのですけれども、私、着任してから指定医研修会というところに行って、行動制限最小化のお話をさせていただいています。代々の課長の人たちも行動制限最小化をテーマにして、特に20分間動画を流すというところをやらせていただいているのですけれども、先ほどお話があったとおり、できる、できない、いろいろな事情はあるにしても、理念、そういうことが大事だよというようなところで、特に指定医の方は先ほどお話があった隔離、身体拘束という判断をするという重要な役割を担う方たちなので、そういう方たちにそもそも身体拘束をしていない医療機関がどんな取組をしているのか、あるいはどういう思いなのかというのを知っていただくという20分間の動画を流しているのです。それはインターネットとかでも見られるのですけれども、それを流すのですが、私、その間はしゃべることがないので、じっと座って様子を見ているのですけれども、正直、私の講演よりも皆さんそちらのほうがよっぽど真剣に見ていただいています。
ですから、そういう意味で言うと、今日の議論も聞いていて思うのですけれども、特に神庭先生もおっしゃっていましたけれども、できるできない、行動制限最小化をやるためにはどうしたらいいのだろうということも含めて、やはり議論を続けるというか考えることがすごく大事だと思っています。
そういう意味では、本日もいろいろ御議論いただきまして、我々もやはり考え続けなくてはいけないと思いますし、医療現場の皆さん、当事者の皆さんを含めて、どういうふうに今後この問題に向き合っていくのがいいのかということは、今日も含めて引き続き考えていきたいと思いますし、私自身もそういうふうに気持ちを新たにさせていただいたところでございます。
引き続きいろいろな御意見をいただきながら検討を加えてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○田辺座長 ほかはよろしゅうございますか。
では、花村構成員、お願いします。
○花村構成員 言おうかどうか迷っていたのですけれども、話が大きくなるなと思って黙っていた部分はあるのですが、先ほど神庭先生がおっしゃられたこととつながるのですけれども、やはり議論を続けることが大切だということをおっしゃっていただいたのと、吉川構成員がおっしゃっていたほかの身体医療のほうでの身体拘束最小化に向けての取組で多分学べることはたくさんあるのだろうということを私も思いました。それから、介護の現場のほうで原則ゼロとして行われてきたことの知見から学ぶこともあるのだろうなと実際に思うことがありました。ある学会で閉鎖となった病院付属老健の介護福祉士さんが病院のほうに転属になって、そこで私たちがゼロとしてやってきたことが病院の中では拘束が行われている現実をどう変えていくかということで、看護と協働で取組を行って減らすことに尽力していったという好事例の発表などを伺うことがありまして、やはりいろいろな分野で知見がばらばらになっているものをまとめて議論するような場としてこの検討会が使われていくといいなと感じました。
あとは、やはり精神科医療は自分事ではないと考えがちな方々がまだまだおられるかもしれないという現状の中で、でも、誰がいつなってもおかしくないものであるということとか、あとは、いつか年老いて認知症になるかもしれないということも含めて、若いうちから、それこそ本当にもしできるのであれば義務教育レベルからの教育で精神科の疾患に対する偏見とかをなくしていくには、といった議論もなされていくといいのかなと思ったのですけれども、これは厚生労働省の枠を越えてしまうので、でも、省庁横断的にいろいろなことが私たちの中から発信できていければいいなと感じました。医療職養成教育の中での人権教育に対する取組についても同様です。
以上です。すみません。長くなりました。
○田辺座長 ありがとうございました。
ほかはよろしゅうございますか。
それでは、最後に今後のスケジュール等に関しまして、事務局のほうからお願いいたします。
○新平課長補佐 本日もたくさんの御意見をいただき、ありがとうございました。事務局としてもしっかり受け止めてまいりたいと思っております。
次回の予定につきましてですけれども、改めて御案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○田辺座長 ありがとうございました。
それでは、本日の会議はここまでとしたいと存じます。
貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。次回も引き続き積極的な議論に努めてまいりたいと思います。
これで終了でございます。散会いたします。

