2024年6月28日 費用対効果評価専門組織 第2回議事録

日時

令和6年6月28日 13:00~

場所

オンライン開催

出席者

田倉 智之委員長、齋藤 信也委員長代理、池田 俊也委員、木﨑 孝委員、新谷 歩委員、新保 卓郎委員、中山 健夫委員、野口 晴子委員、花井 十伍委員、飛田 英祐委員、米盛 勧委員、薄井 紀子専門委員、谷口 修一専門委員、福田 敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官

<事務局>
木下医療技術評価推進室長 他

議題

○ ベスレミ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析のレビュー結果について

議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 まずは、ベスレミ皮下注に係る企業分析報告及び公的分析のレビュー結果について御議論いただきたいと思います。
 対象品目について企業分析が提出されておりますので、企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容について先生方に御議論いただきたいと思います。
 まずは、事務局から説明をお願いいたします。
 
(事務局より説明)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品に関わる企業分析に対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
 
(意見陳述者入室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですが、10分以内で、ベスレミ皮下注に係る企業分析についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきます。
 では、始めてください。
 
○意見陳述者
 私は、○○と申します。よろしくお願いいたします。お手元の資料から御説明さしあげたいと思います。
 2ページ目に目次があります。
 前半のほうでは、このベスレミの概要について、後半のほうで今回の分析結果の内容についてお話ししたいと思います。
 3ページ目をお願いします。
 3ページ目は、ベスレミの基本情報です。
 成分名は、ロペグインターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)。
 本剤の効能・効果につきましては、真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)となっております。
 用法・用量は、開始用量100μあるいは50μgとして、患者さんの状態により適宜増減して、150μずつ増量し、最大500μgということになっております。
 承認年月日は、昨年の3月27日でございます。
 スライド4です。
 こちらは、真性多血症の概要とベスレミの作用部位です。真性多血症は、日本においては10万人当たり2名という、比較的まれな疾患になります。右に示しておりますけれども、造血幹細胞レベルでの遺伝子変異、すなわちJAK2 V617F変異というのが主な変異として知られておりますけれども、この変異が生じますと特に赤血球が増加します。場合によっては、白血球や血小板が増加することもございます。その結果として、血液が濃くなりまして、心筋梗塞等の血栓症が起こる危険性が高まってまいります。疾患としてはゆっくり進行する慢性の病気でございますが、より予後の悪い急性白血病、もしくは骨髄繊維症といった病気に移行することもございます。
 現在のところ、この関連症状を改善することが治療目標となっておりますけれども、対症療法にとどまっているという状況でございます。本剤ベスレミにおきましては、先ほどお話ししましたJAK2変異、造血幹細胞を抑制するという効果から、根本的な治療法として期待されております。
 次のスライド5に参ります。
 こちらは、現在の日本血液学会のガイドラインを示したものです。真ん中にそのガイドラインを示しておりますけれども、この疾患については、大きく2つにリスク分類されておりまして、60歳未満、血栓症の影響がない場合は低リスク、それ以外の場合は高リスクとしております。この低リスクに対しては、瀉血+低用量アスピリン。高リスクについては、瀉血+低用量アスピリンに加えて細胞減少療法、その下に書いておりますけれども、今回比較技術としておりますヒドロキシカルバミドあるいはルキソリチニブが細胞減少療法となります。
 一番右側に示したものは、本剤の位置づけということでございますけれども、先ほどお話ししたように、既存治療が効果不十分あるいは不適当ということを考慮して、そこに示したとおり、瀉血+アスピリンから本剤へ、あるいはヒドロキシカルバミドから本剤へ、あるいはルキソリチニブから本剤へということが考えられます。
 次のスライド6をお願いいたします。
 こちらは、本剤の第Ⅲ相試験の結果ですけれども、大きく2つのパラメータ。
 1つは、血球パラメータを用いた評価、左上の図ですけれども、こちらは対照となるBAT(ベスト・アベイラブル・セラピー)ですけれども、主にヒドロキシカルバミドが使われております。前半は対照群のほうがやや達成率が高いのですけれども、18週を超えた辺りから本剤のほうが達成率は上回っております。
 その右側にある二次がんについては、本剤を使った結果として二次的ながんが発生するかどうかを見たものでございますが、本剤におきましてはありませんでした。対照群、BAT群では、そこに示したとおり、3例、2例が認められております。
 右下は、先ほどお話しした遺伝子変異のお話ですが、JAK2 V617Fのアレルバーデン、すなわち変異割合が経時的に変化した、効果があったということをお示ししております。青線・青丸のシンボルが本剤で、ここは延長した5年間、60か月の結果を示しておりますけれども、5年間にわたって観察しますと、御覧のようにアレルバーデンは低下します。一方、対照群におきましては、初め減少しますけれども、その後、効果がなくなってくるという結果になっています。
 次のスライド7でございます。
 こちらから本題に入りまして、本分析の内容になりますけれども、基本分析の内容につきましては既に御承知されていると思いますけれども、分析対象集団aとbに分けて、細胞減少療法を必要とする患者さんで履歴がない患者さんをa。それから、bのほうがヒドロキシカルバミドによる治療で効果不十分または不適当な真性多血症の患者さん。それぞれにおいて、対照技術としてはヒドロキシカルバミド、ルキソリチニブを置いております。
 追加的有用性については、有効性、安全性。安全性については、特に非メラノーマ性皮膚がん、あるいは感染症(帯状疱疹)を指針として見ております。
 長期にわたり解析していくことで、マルコフモデルによるマイクロシミュレーションを用いて、生涯にわたっての観察期間として評価しております。
 評価方法は、示したとおりでございます。
 次のスライド8です。
 分析モデルの構造は、ここに示したとおりで、大きく4つの健康状態からなっております。分子遺伝学的奏効がないもの、あるいは血液奏効がないもの、あるいはそれぞれがなし、なし、それぞれがあり、ありという状態と死亡とに分けております。
 さらに、イベントとしては、右のほうに示したとおり、疾患が進行した場合に現れる急性骨髄性白血病とか骨髄繊維症、あるいは疾患に伴って起こる循環器系の疾患であります心筋梗塞・脳梗塞等、さらには、特にルキソリチニブに関連してまいります非メラノーマ性皮膚がん、あるいは感染症(帯状疱疹)をイベントとして捉えております。
 次のスライド9番でございます。
 こちらは、奏効率です。奏効率は、本剤の第Ⅲ相試験、CONTINAUATION-PVに基づいてヒドロキシカルバミドとの比較として表しております。それぞれベスレミあるいはそれに基づくrate ratioについては、そこに示したとおり、70.5%、1.38、66.0%、2.31となっております。
 もう一つ、対象集団bのほう、次のスライド10番ですが、こちらのほうはルキソリチニブと本剤を直接比較した臨床試験がないということから、保守的に捉えてベスレミと同等の奏効率を持っているという仮定で本剤を進めております。
 次のスライド11番でございます。
 先ほどお話ししましたルキソリチニブに特徴的な非メラノーマ皮膚がん、あるいは帯状疱疹のリスクについて解析をしております。向かって左側は、これまで報告されているルキソリチニブが発症したハザード比、向かって右側は、ルキソリチニブに対してベスレミがどのような発症率になるかということを、レファレンスのデータに基づいて示したものであります。ここに示したとおりの結果となっております。
 次のスライド12番です。
 こちらは、その他の臨床パラメータとして、まずは血栓症の発症率、それから造血系腫瘍の発症率、それぞれの発症率及びハザード比を示しております。
 向かって右側には、死亡率、死亡の原因として、血管系の疾患、造血器系。それから、ルキソリチニブに関連したものということでまとめております。
 これらの結果を基に解析しておりますが、次のスライド13番でございます。
 こちらは費用パラメータとして整理しております。費用パラメータは、この真性多血症の治療費用というものと管理費用というものに分けてお示ししております。
 向かって右側には、実際にイベントが起きたときの急性期あるいは慢性期のそれぞれの治療費用をまとめております。加えて、先ほどお話ししました造血器系の腫瘍の発症に伴う治療費等、それから非メラノーマ性皮膚がん及び感染症(帯状疱疹)に関する治療費等をまとめて算出しております。
 次のスライド14番です。
 こちらはQOLのお話ですけれども、本剤の評価に伴って、私どももQOLの調査を行っております。その結果として、この真性多血症患者さん、PV患者さんのQOL値というのは0.776という数値を示しておりますけれども、次のバーに示しておりますように、血液学的奏効が得られた場合の増分QOL値、あるいは分子遺伝学的な奏効が見られた場合、ルキソリチニブを用いた場合のQOL値、それぞれ変わらない、あるいは0.034上がりました。それから、ルキソリチニブの場合にはマイナスで下がりましたということで、そのQOL値にも影響があることが分かります。
 その他、血栓症等に関しても、さらに非メラノーマ性皮膚がん、感染症についてもQOL値の低下を認めております。これらは、報告に基づいております。
 最後に、本分析結果をまとめたものでございます。スライド15になります。
 スライド15は、分析対象集団aにおけるヒドロキシカルバミドに対するベスレミのICERを示しております。ICERは5億5000万円/QALYという値になりました。ベスレミの増分効果というものは、上の表に0.439QALYを示しておりますが、下の欄に示しましたように、薬剤費用がベスレミに対してヒドロキシカルバミドが非常に低いコストであったということから、比較的高いICERを示したと考えられます。
 最後のスライドになりますけれども、スライド16です。
 対象集団bにおけるルキソリチニブに対するベスレミのICERは8400万円/QALYとなりました。こちらもベスレミでは1.276という増分QALYを認めておりますけれども、薬剤費用がベスレミに対してルキソリチニブは比較的低いということから、比較的高いICERを示したものと理解しております。
 私からの発表は以上でございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、委員の方々から御質問等はございますでしょうか。
 では、○○先生、お願いします。
 
○○○委員
 ありがとうございます。○○でございます。非常に興味深い御発表だったと思います。ありがとうございます。
 14ページのQOLのところでございますが、QOL値変化量の2番目のところ、分子遺伝学的奏効が得られた場合の増分、+0.034は非常に高く見積もっていると思うのですけれども、この場合の分子遺伝学的な奏効率というのは、JAK2 V617Fのアレルバーデンの減少率、減少したものを多分、分子遺伝学的奏効と言っていると思うのです。これは一般的なのでしょうか。つまり、どういうことかというと、慢性骨髄性白血病に対するMajor BCR-ABLの減少効果(リダクション)と同等というふうに考えて良いのでしょうか。この点についてもうちょっと御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、慢性骨髄性白血病で言われるBCR-ABLと同様に、ドライバー遺伝子という位置づけになっております。しかしながら、まだまだ研究が十分でなく、CML、慢性骨髄性白血病のように、JAK2 V617F変異が本当に唯一のドライバー遺伝子になっているかということは不透明のところがございます。したがって、まだまだ今後の研究が必要となってまいりますけれども、大きな観点で言いますと同様の構図となっていると考えております。すなわち、JAK2ドライバー遺伝子を抑えることが治療につながるという大きな捉え方は間違っていないと思います。
 
○○○委員
 ありがとうございます。
 その理論はよく分かります。ただ、+0.034という数値の妥当性というのは、ちょっと分からなかったものですから。つまり、あまりデータとしてないですね。それと、このお薬、ゆっくり効いてくるので、原因遺伝子のリダクションがかかってくるのは1年過ぎですね。18か月とか。実際にQOL、もちろん生存期間ということで考えれば確かに改善するのでしょうけれども、このデータの値というのは妥当なのでしょうか、教えていただければと思います。
 
○意見陳述者
 私、少しコメントして、この後、実際、調査を実施いただいた○○さんにコメントいただきますけれども、ここではあくまで調査の段階では、JAK2のアレルバーデン、変異が減ることが、この疾患の中でどういう影響を及ぼしますかというような質問の仕方でありまして、具体的にベスレミがどのぐらいのJAK2アレルバーデンを抑えるかということを示して、それがどのぐらい効果に現れるかということを求めたものではございません。したがって、JAK2が減るということの意義をどのように評価するかというような質問であったかと理解しております。○○さんのほうから補足、コメントがありましたらお願いいたします。
 
○意見陳述者
 ありがとうございます。○○と申します。
 御指摘いただいたQOL値の増分のところですけれども、御指摘いただいたとおり、実際の症状としてのQOLの変化を捉えたものではなくて、今、○○様のほうから御説明いただいたとおり、分子遺伝学的に奏効することによって、もしかしたら将来的に治癒するかもしれない。今、御説明いただいたとおり、現状、研究中という段階であると聞いているのですけれども、治癒するかもしれないという側面の心理的な利点がどのように定量化できるかという観点で追加調査させていただいて、今回、分析に盛り込んだ次第でございます。なので、私たちも今回、このような観点を分析に組み込んだところについては、一歩踏み込んだ提案をさせていただいているかなと思っております。
 ただ、患者様御本人にとっては、もしかしたら一定の意義がある観点ではないかと感じて、今回、組み込ませていただいた次第なのですけれども、こういった観点について、今回の評価でどのように考えていただけるかどうかというところに関しては、ぜひ御検討いただけないかと考えております。
 
○○○委員
 ありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、○○先生、どうぞお願いします。
 
○○○委員
 ○○と申します。
 二次がんの発症率のところですけれども、BAT群とベスレミ群で、BAT群のほうだけが、白血病にしても二次がんにしても何例か発症していて、ベスレミ群のほうがないデータがありましたけれども、観察期間が少なくとも3年ぐらい追って、BAT群でこんなに二次がんが出てくるかな、少ない数字ではありますけれども、臨床の感覚とちょっと違うなと思って。背景が説明できる点があったら教えてほしいのですが。どこだったかな。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 多分6ページ目。
 
○○○委員
 これですね。もちろん2%、2%と少ない数字ではあるけれども、これだけ見るとインターフェロンがまるで二次がんを抑えたかのように見える数字なので、ちょっと気になったものですから、背景等を教えていただければと思います。
 
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、3年間というスパンで見ることが適切かどうかという観点では、もう少し長く見ないと、実際、あり、なしの評価は難しいと思います。この3年間で示したのは、今回、承認を得るための申請パッケージの中に入れた3年間データということでお示ししております。私どもとしても、ベスレミのみならず、ほかの薬剤も含めて、もう少し長期の5年、10年、場合によっては15年ぐらいのスパンで評価していくことが妥当かと考えております。ただ、ここには時間もかかりますので、これから先の研究を待たざるを得ないというのが現状でございます。
 
○○○委員
 そうですね。白血病への移行そのものは、真性多血症そのものからの遺伝子変異の問題でもちろんあり得るのでしょうけれども、そんなに二次がんが出てくるかなという感じがしたものですから、質問いたしました。
 以上です。
 
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他、いかがでしょうか。
 ○○先生、どうぞ。
 
○○○委員
 血栓症の発症率の見積りがちょっと高過ぎるのではないかという印象を持っておりまして、データの出所が多分アメリカの退役軍人の男性のデータかなと思ったのですけれども、そういう理解でいいのかどうか。恐らく通常の集団よりは高いのではないかなという気がしているところです。それで、国内でもっと利用可能なデータがなかったのかどうなのか、ちょっとその辺を教えていただければと思います。
 
○意見陳述者
 ○○さんのほうからコメントいただくことは可能ですか。
 
○意見陳述者
 ○○と申します。
 御指摘いただいたとおり、こちら、海外のデータになっており、国内のデータについても調査しているのですが、ここまで多岐にわたった血栓症のイベントを報告しているという論文は確認できていなかったため、現在、こちらのデータを引用させていただいているという背景がございます。
 
○○○委員
 ありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 皆様方から、もう御質問、御意見ないようですので、これで質疑応答を終了したいと思います。
 続きまして、科学院からベスレミ皮下注に関わる企業分析についての公的分析のレビュー結果の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答させていただきます。お願いします。
 
○国立保健医療科学院
 国立保健医療科学院です。
 資料のほうですけれども、費-1-4 ロペグインターフェロンアルファ-2b(ベスレミ)に関する公的分析のレビュー結果を御参照ください。
 1ページ目ですけれども、先ほど御説明いただきました製造販売業者による分析の課題について、2点挙げております。1つが追加的有用性について、2点目がQOL値についてということになります。
 2ページ目ですけれども、まず追加的有用性についてですけれども、製造販売業者に御提出いただいた分析では、分析対象集団(b)、ヒドロキシカルバミドの効果不十分な集団において、こちらは比較対照技術がルキソリチニブとなるわけですけれども、直接比較した臨床試験は確認されず、間接比較の実施も困難であるという見解を御提出いただいております。
 一方で、ルキソリチニブのコホート研究やメタアナリシスの結果からは、ルキソリチニブは非メラノーマ性皮膚がん、あるいは帯状疱疹のリスクが高い一方で、ロペグインターフェロンアルファの臨床試験では、これらの副作用、有害事象の発生は報告されていなかったという点をもって、製造販売業者のほうではロペグインターフェロンアルファ-2bはルキソリチニブに比べ「追加的有用性あり」と御判断されているようであります。
 しかし、製造販売業者のこの評価は、系統的レビューによって得られたエビデンスには基づいておらず、追加的有用性の判断の根拠は「臨床データなし」として御提出いただいているところです。
 このことから公的分析では、分析対象集団(b)における製造販売業者の追加的有用性の判断に課題があると考えまして、この点、検討させていただければと考えている次第です。
 3ページ目ですけれども、2点目、QOL値についてです。
 QOL値については、製造販売業者に御提出いただいた分析では、一般の人々を対象にしたビニエットを用いて時間得失法(time trade-off法)によってアンケートを実施し、その結果に基づいてQOL値を設定されています。
 しかし、先ほど薄井先生のほうからも御指摘ありましたけれども、例えば分子遺伝学的奏効が得られた場合の健康状態については、ビニエットにおいて「将来的に治療をやめられたり、病気が治癒するかもしれないという希望があります。」というシナリオが記載されています。
 しかし、この希望というものをビニエットに含めるかどうかという点については、非常に課題があると認識していますし、また、そもそも病気が治癒する確率等が明記されていないため、その結果の程度の解釈が異なることが想定されます。このような背景から、このような測定に基づいて得られたQOL値というのは過大推計されている可能性があるのではないかというふうに公的分析では考えておりまして、これらの設定について妥当性を検討する必要があるものと認識しているところです。
 最後になりますが、4ページ目、以上の点をもって、今後再分析を実施させていただければというふうに公的分析としては考えているところです。
 以上になります。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、委員の方から御質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。
 
(意見陳述者退室)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。論点としては、分析対象集団(b)における追加的有用性についてとQOL値についてということで、先ほど来、科学院さんからの御説明もあったかと思います。いかがでしょうか。先生方、御意見、御質問等あれば。
 では、臨床の御専門の先生方から先に御意見いただきたいと思いますが、○○先生、改めてコメントいただければと思います。
 
○○○委員
 ありがとうございます。○○でございます。
 今、保健医療科学院の先生が、御指摘になったとおりで、QOLの考え方はちょっと過剰かなというふうに思いますので、再度検討いただいたほうがよろしいかと思います。先ほどお話がありましたとおり、JAK2の遺伝子変異だけで評価できるかというのは、まだそこまでコンセンサスが得られていないというふうに感じます。このお薬は、確かに有効性は高いだろうと思いますけれども、それが本当に患者さんのQOLを上げるかというのは、ちょっと疑問のところでもあります。つまり、本当に治るかもしれない、あるいはやめることができるかもしれない。将来的に希望を持つということは非常にいいことなのですけれども、それが本当に数字として評価できるかというのは疑問かなというふうに思っておりますので、そこはきちんと検討していただきたいなというふうに思います。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 先生、事前にいただいている御意見の中に、PVに対する本剤以外のインターフェロンアルファ治療の臨床試験もあるということで、何か参考になるようなデータ、御専門の立場からあれば御示唆いただくというのはあり得ますでしょうか。
 
○○○委員
 ちょっと時間がなくて、全部見ていないのですけれども、PVに対するインターフェロンアルファの治療歴は結構長いので。つまり、今までのインターフェロンは副作用が強いので、十分投与できなかったということがあります。それに比べて、この薬剤(ロペグインターフェロン)は副作用がないということで、きちんと投与ができるという利点がある。ただ、遡ってみると、その辺のデータがあるかなと思って、今、調べているところなので、すみません、どうだったかなと。確かにちゃんと投与された方の中には、当時はそれほどアレルの話、JAK2の話はありませんでしたけれども、非常にいい効果を出すと言う方もいらっしゃるということは聞いていますけれども、それほど多くはなかったと思います。これは宿題としてお時間をください。よろしくお願いします。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 続きまして、○○先生、先ほど二次がんの発症率についてお話ございましたが、よろしくお願いいたします。
 
○○○委員
 二次がんに関しましては、先ほど言いましたように、そんなに出るものじゃないです。私も1人の患者さんを20年、30年単位で診てきておりまして、二次がんとか、ちょっと記憶がないですね。
 それと、QOLに関しましても、瀉血という言葉が出てきましたけれども、献血するぐらいの量の赤血球を捨てるわけですが、それほどの負担ではないのですが、下げてあげることでQOL、もともと悪くないですから、ちょっとなという感じがして。先ほど、遺伝子のアレルバーデンの量が落ちてQOLが上がるって、どういう意味だろうと聞いておりました。分からない点はありますけれども、今までの御意見と全く一緒です。
 以上です。
 
○○○委員
 ありがとうございます。
 今、お二人の御専門家から御意見いただきましたが、その他の委員の先生方、いかがでしょうか。御意見、御質問がございましたらお願いします。
 ○○委員、お願いします。
 
○○○委員
 ○○でございます。
 科学院からの指摘と臨床の専門家の先生方からの御意見等、全て賛同するところでございまして、科学的な点からの妥当性に問題があるのでということは、特に異論はございません。
 ちょっとルールとしてどうなっているか、分析の今後の実施に関してのルールを確認させていただきたいのですが、今、御指摘いただいたような点をもし改善したとしますと、企業が出しているICERは大きくなるというか、悪くなるほうに多分動くと思いますし、そもそも企業は相当に費用対効果が悪いというのを出してきているわけです。科学的にいろいろな妥当でないところがあるのは事実なのですが、再分析を実施して値が恐らく行くのだと思うのですが、その再分析をすることの意義といいますか、最終的な意思決定に何の影響もないと思うのですけれども、これは企業の分析の妥当性に課題がある場合には必ず再分析が必要だというか、そういうルールになっておりましたでしょうか。
 もしそうだとすれば、今後、こういうケースについてはそのとおりなのですけれども、その先、時間をかけて丁寧に分析して科学的に妥当な数字を追求していくことの、もし今回やるとしても何のためにやるかということもちょっとあるかと思いますので、それについて質問でございます。個人的には、今後、再分析その他、あるいは組織のほうで時間をかけて検討しても、それに対する意味は少ないような気がしております。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ルールのお話でございますので、事務局さんのほうから何かコメントございますでしょうか。
 
○事務局
 ありがとうございます。事務局でございます。
 ○○先生のおっしゃっていること、よく理解しております。一方で、現在の通知、それからガイドライン上の記載等を確認しまして、基本的には、現在のルールに沿っていく場合には、科学院からの公的分析側からのレビュー結果で再分析が必要というところで、専門組織で再分析が必要というふうに審議いただいて結論を出していただけば、それに従って再分析を行うというふうな枠組み、進め方になっております。もちろん、今後、そのルールを少し見直してということでありましたら、次回の制度の見直しの部分で、このような形のときどうするかというのを、ぜひ専門組織から御意見いただいて費用対効果評価専門部会のほうで、中医協のほうでまた議論していくことになるのかなと思います。
 また、事務局の理解としましては、今回、科学院の公的分析側の分析結果については、恐らくガイドライン上、追加的有用性のあり、なしで最終の結果が変わってくるようなこともあるとは思いますので、分析の手法が違うからですね。なので、そのようなことも踏まえて御議論いただければと思います。制度の見直しについては、事務局のほうでも課題として話し合っていこうと思います。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 運営的な側面からの御意見ありがとうございます。○○先生、それでよろしいでしょうか。
 
○○○委員
 承知しました。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 科学院さんのほう、今のお話に関して、ルールはルールですが、技術的とか本質的な観点で何かコメントがあればお願いします。
 
○国立保健医療科学院
 ありがとうございます。
 ICERの結果については、○○先生御指摘のとおり、公的分析を実施すると恐らくあまりよくない方向に動くのではないかなというふうに認識しています。ただ、追加的有用性に関する論点については、そもそも追加的有用性があるのかないのかというのを検討するものでありまして、それが報告書等々で公開された場合、いろいろなところに影響もあるのかなというふうには思っておりまして、その辺りは少し慎重な検討が必要なのかなというふうに考える次第です。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ちなみに、先ほど○○先生もおっしゃっていたのですが、他の使えそうなデータ等も含めて、仮に再分析みたいなものをされる場合は、サーベイを改めてされるという理解でよろしいでしょうか。
 
○国立保健医療科学院
 そうですね。改めて再分析させていただければというふうには思っています。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ということで、先ほど○○先生、宿題というふうにおっしゃっていただきましたが、組織の中でそういった取扱いをさせていただくことになろうかと思いますので、また忌憚なく御意見いただければと思います。
 その他、委員の先生方から御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 科学院さん、どうぞお願いします。
 
○国立保健医療科学院
 ありがとうございます。
 1点、○○先生から御指摘いただいた点なのですけれども、血栓症のリスクについて、海外のデータに基づいているので、少し上ぶれしているのではないかという御指摘についてですけれども、血栓症のリスク自体というのは不明なのですけれども、国内でも一定のコホート研究というのは存在しておりまして、血栓症のリスクを調整することは難しいのですけれども、例えば性・年齢等を調整することによって、一定の血栓症のリスクなども調整可能なのかもしれないなというふうに考えていて、その点、少しこちらでも検討させていただければというふうに考えている次第です。
 以上です。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○先生、何か追加でコメントございますでしょうか。
 
○○○委員
 いや、特にございません。また御検討いただければ幸いです。ありがとうございます。
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 その他、御意見いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事前にいただいている先生方の御意見をまとめますと、もう一度再分析で確認したいという話であったかと思いますので、それを踏まえて議決に入らせていただきたいと思います。議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 
(○○委員退席)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 先生方の御意見をまとめますと、企業の分析につきまして、決定された分析枠組みに沿って分析がなされているということで、まずはよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 続きまして、企業の分析データなどの科学的妥当性は、妥当でないと考えられる部分があるということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 最後に、公的分析によるレビュー実施により再分析を実施するという結果の妥当性は、おおむね妥当ということでよろしいでしょうか。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、公的分析において再分析を実施していただくことといたします。こちらもよろしいですね。
 
(首肯する委員あり)
 
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。