第2回 職場における熱中症防止対策に係る検討会議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課

日時

令和8年2月2日(月)10:00~

場所

厚生労働省12階専用第14会議室

議題

(1)有識者等からのヒアリング
(2)職場における熱中症防止対策について
(3)その他

議事

議事内容

○中央労働衛生専門官 本日は、大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより「第2回 職場における熱中症防止対策に係る検討会」を開催いたします。事務局にて議事進行を担当する高松でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、川口構成員、神田構成員が御欠席、堀江座長、亀田構成員、宮内構成員がオンラインでの御参加となっております。初めに、前回御欠席だった構成員の紹介をいたします。お手元の参考資料1の開催要綱を御覧ください。日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員、岩﨑様。
○岩﨑構成員 よろしくお願いいたします。
○中央労働衛生専門官 続いて、お手元の資料の確認をいたします。クリップを外していただいて、議事次第の次に資料1-1としてトヨタ自動車株式会社説明資料、資料1-2として名古屋工業大学平田教授説明資料、資料1-3として堀江座長説明資料、資料2として論点に係る主な御意見について、参考資料1として本検討会の開催要綱、参考資料2、3として前回検討会の資料3、4です。不足等がありましたら事務局までお知らせください。それでは、以降の議事については堀江座長にお願いいたします。マスコミの皆様、カメラ撮りはここまでとさせてください。よろしくお願いいたします。
○堀江座長 それでは、本日は議事次第にありますように有識者等からのヒアリングを行います。事務局からヒアリングの方法等について説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 労働衛生課の長山です。本日のヒアリングは、議事次第にあるとおり、4件ヒアリングを行います。1番目としてトヨタ自動車株式会社、2番目としてアゼアス株式会社及び株式会社空調服、3番目として名古屋工業大学平田教授、それぞれにおかれましては10分程度でお願いしたいと思っております。4番目に、堀江座長においては15分程度でプレゼンをお願いいたします。質疑時間は各プレゼン後に5分程度設けたいと思います。以上です。
○堀江座長 ヒアリング形式については事務局から御説明いただきましたとおりですが、進め方に御質問等がなければ、早速ヒアリングに移りたいと思います。いかがですか。よろしいようでしたら、まずはトヨタ自動車株式会社様からプレゼンをお願いいたします。浅野様、どうぞよろしくお願いいたします。
○トヨタ自動車浅野様 トヨタ自動車の浅野でございます。今日はよろしくお願いいたします。それでは、トヨタ自動車の資料1-1を基に御説明をさせていただきます。最初の方は会社の案内説明などが入っていますので、またお時間のある時にでも見ていただければと思います。熱中症とよく言い始めて来、どういうことをやってきたかということを6ページ、直近の2023年ぐらいから説明させていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、通常の作業環境測定の中で温度が高い等の所がありますので、そこについて対応をしていくということをやっておりました。それから、個人の作業場によってばく露するのが非常に多い作業場等がありますので、そういった所は個別に場所を冷やすということをやってきました。
 7ページです。まず未然防止を図るためにどういうことをやってきたかというと、労働者の方々がどのような状況で熱中症になるのかといった知識を得るという勉強会、我々の事業場ですと10人ぐらいのチームになっておりますので、そのような単位で説明をして、自分の体がどのようなメカニズムで変化するのかを見ていただいて、従業員の方々にまずそれを知識として与えるということをやってきました。
 それから、1-2の働きやすい環境整備ということで、熱源、太陽、空調、休憩場所等の作業環境測定の整備をずっとやってきました。この熱源というのは後でも出ますけれども、我々の中には機械工場とかアルミ溶湯、鋼鉄鍛造、浸炭炉等の熱源を大変たくさん持っておりますので、そういった熱伝播が人体になるべく来ないようにする事。それから、油圧ポンプユニット等といった使っている機械そのものも、なるべく作動時間を、漫然とずっと動かしてるのではなくて、なるべく間欠運転へ変更したりして、その瞬間だけ要るとか、油圧ポンプ式から電気式モーターに替えるとか、そんなことをやって、なるべく熱が工場の中に出るというのを、廃止するようにしてきました。
 それから、水等を飲みやすい所へ置く、健康管理の充実、後の方に記載しておりますが、日々どんな帳票で管理しているのかというのを入れてございます。日々の体調確認ということで、職長さんが毎日朝昼晩という感じで、労働者の体調変化、日々の状態と差は無いかを確認をしていくということをやっております。それから、2次予防ということで、去年のキャンペーンのときにもありましたように、いかに早く病院に運ぶのかということで、やってきた内容を御紹介させていただければと思います。
 8、9ページですが、マニュアルには、なるべく絵を入れるような形で、職場の方々、技能員の方々に分かるように配布をして、理解をしていただくということをやってきました。それから、熱中症に関する知識の獲得と強化ということで、夏になると多分毎日のように出ておりますので、あまり関係ないような形になってしまうかもしれませんけれども、熱中症警戒アラート、これは気象庁のほうからも出ておりますけれども、一応、メールで配信をさせていただいています。
 トイレの小便器の上とかトイレの所に、厚生労働省さんのそのままの資料ですが、「脱水レベルを尿の色によって判断をして注意喚起しましょう」といったものを使って、自分の自覚を従業員の方々から必ず見ていただくようにしております。これは実際の講演会ですけれども、ミーティングルームとか会議室に集めて説明をさせていただいているという状況です。
 その次のページですが、これが先ほどお話した熱源を撤去というところです。炉・油圧ポンプ等の廃止、断熱、省力電動モーター化、あるいはモーター駆動もやめて、自重で動かすなど、そういう形で動力源をなるべくなくす、工場の中から徹底的に熱を発生するものをなくしていくということをしております。一番右下やその横のものも、ガスタンクを車両工場の組立工場で搭載するところのリフター、これはがっつりした大型搬送装置でありますけれども、動力(モーター等)をほとんど使わず、大型部品を自重だけで運んでいくということをやっております。次のページをお願いいたします。
 結構な数、しっかり断熱工事をした気分になるのですが、その継ぎ目とか、結構な数のジョイント部、それのリブ部分、こういった所が徹底的に断熱できてなくてNGになっているという所がありますので、そういった所をなくしていくということをしております。次をお願いいたします。
 先ほどお話した油圧ポンプを間欠運転に変えていくということをやって、発生する熱源を工場の中へ出すというのをやめております。次にいきます。空調もなるべく人がいる所へ向けて、流れを作っています。次をお願いいたします。人の流れ、それから空調の間隔といったものも、なるべく風に流れを持たせて工場の外側へ持っていくということをしております。次をお願いいたします。この写真の様に全体に上方から下方のほうに向けて、大きいジャンボファンで通路上に設置して流れを作っていくということをしております。次をお願いいたします。工場の壁、窓ガラスや壁ですが、結構、中に向け熱、赤外線が入ってきていますので、そういったものを遮断するような塗料、フィルムを貼って無くすというような方策をとっております。次をお願いいたします。
 これは、天井に塗料を塗って建屋内に熱が入ってこないようにした事例です。次をお願いいたします。うちは車両工場ですので、キャリアカーに車を載せて配達するという作業があります。こういった所もなるべく屋根、天井を付けて、直射日光から守るということをしております。この中の写真左上あたりを見ていただきますと、見えるかどうか分かりませんが、上のほうにパイプが入っておりまして、よくイベントとかであるような、ミスト状の水がここのノズルから出てくるという形で、気化熱で熱を奪っていくということをしております。次をお願いいたします。フォークリフト等では、個別に空調を付けられる所がありますので、それを確実にやっていくということです。次をお願いいたします。
 飲み物が容易に摂取できるようにと言うことで、職場の中に冷蔵庫とか水飲み場を置いて、誰でもすぐ水が摂れるような形を取っております。次をお願いいたします。土日は我々の工場等の製造ラインでは、切替工事や修理工事に数多くの工事業者さまの従業員も入場してきますので、そういった方々には入門の手続き時間に塩飴等を配っていますし、私たちの各職場の休憩場にもこういった飴とか熱中症対策のもの等も置いております。次をお願いいたします。
 今日お見せする中で、日々の体調管理を職長がきめ細かく見ていくこと、ここが結構重要で効果大だと思っております。あまりお金も掛からなく予防の1つとしてできると思っております。それは、朝、会社へ来たとき、それから作業に入る前に、職長から、日々見てる部下がちゃんと顔色良く動いているか、朝ごはんを食べてきたのか、頭痛がないか、風邪などの症状がないのか、下痢してないか、筋肉などがおかしくないかという話をして、昨晩、深酒あるいは睡眠障害といったことがないかというのを確認して、労働者の顔色を見て注意しなければいけない人がいれば、そういった人を確実になくしていくということをしております。その次のページもそうですけれども、毎日そういった形で労働者とのコミュニケーションをして、今日危ない人がいないかどうか、それから、弊社製造ラインには若い人が多いものですから、労働者の中で、ある所に関しては、深酒をしないとか、夜遊びをしないとか、当たり前のことかもしれませんけれども、そういった話をさせていただいているという状況です。数ページ飛ばしていただきまして、物的に皆さんがやっているところはいいとして、次をお願いいたします。
 2の3の2次予防です。昨年の法改正対応時もありました緊急対応について、しっかりやっていくといったところで、このチャートを使って皆さんでリストアップをしていくということ。それから、2つぐらい進んでください。工場の中は大きいものですから、社内救急車、あるいは公設救急車を発生場所に着けていただくときに、どこの場所へ着けていただければいいのかを分かりやすくするために、外から入ってくる建屋シャッター前の進入路の所に、救急車、何番の柱から入ってくださいという形で、間違えずに入れるような形を取るということをやっております。
 簡単ですが、以上のような内容でうちの熱中症対策を御説明いたしました。ありがとうございました。
○堀江座長 ありがとうございました。浅野様におかれましては、お忙しいところ、ありがとうございます。それでは、今の発表について質問を受け付けたいと思います。いかがでしょうか。
○亀田構成員 御説明ありがとうございました。熱中症対策のための設備、それから教育も充実されており、大変熟慮された対策だと思いました。我々運輸業界としても、フォークリフトや車両を使っていますので、非常に似通ったところがあり、参考になりました。ありがとうございました。
 本日、御説明いただきました内容については工場を対象としていると思うのですが、全国の工場で一律の対策として取り組まれていらっしゃるのでしょうか。また、営業の方など、工場以外の部門での対策として別の規定があるのか、お聞かせいただければと思います。
 それと、十分な取組を実施されていることは理解しているのですが、昨年の熱中症の発症状況についてのデータなどがあればお伺いさせていただきたいと思います。また、昨年の取組を踏まえた今年度の追加や変更すべき取組があれば御教授いただければと思います。
 最後にもう一点、熱中症対策の策定に当たって、衛生委員会など労使で調査、審議をされていると思うのですが、どの程度の時間、回数を要して策定されたのか、その際に労使で意見の対立があった点などがありましたら教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○トヨタ自動車浅野様 ありがとうございます。まず、御質問いただきました工場全国一律でやっているかという話ですが、我々トヨタ自動車と言いますと、製造のほうがメインで販売会社は別会社になっておりまして、あまり販売会社やディーラーさんのほうまでは行っていないのですけれども、うちからガイドライン的な形で、営業の人はあまりないとは思いますが、工場で整備をやっている方々に対して、このような形で熱中症予防をやってくださいなどという話をしておりますので、ツールとしてこういったものを使うということはやっている状況でございます。
 それから、昨年の件数と前々年度等の状況ですが、一概に何件から何件になったと言うことが非常に難しく、ちょっとした体調不良、めまい等も実は入れておりまして、そういったことで全く同じレベルのものかどうなのかと言われると、数は明らかには減っていると思いますが、今手元に何件から何件になったという数を持ち合わせておりませんので、すみません、お許しいただければと思っております。
 あと、組合とのいろいろな打合せについては、ダイキャストや鍛造を持っている所であったり、普通の組立工場だけであったりと、やはり各工場で違いがありますので、各ショップごとで工場の建屋のWBGTの温度何度以下ということを決めております。それに合わせて、対象の所、今年はここについてこういう対策をしていくというようなことで労使でなるべく一緒になるようなところ、それから組合員が思っているところを集中的にやっていくというようなことで、組合員の理解も得てやっているといった状況です。このような形で話を組合ともやらせていただいている状況でございます。
○小澤構成員 労務安全研究会の小澤でございます。説明ありがとうございました。トヨタ自動車さんの工場の中に、直接雇用されている労働者と、それ以外の個人事業主的な方というのはおられるのでしょうか。
○トヨタ自動車浅野様 ありがとうございます。基本的には個人事業主という方はおられません。島で委託を受けた作業者という方はたまにおりますが、基本的には、期間従業員の方や正社員の中の一部、あとは請負で物流を一部やっていらっしゃる方となります。ただし、同じ工場の中で作業をしていただいているので、同じような温度管理になるように、工場のプラント関係はうちが回しておりますので、空調関係はうちのほうでやらせていただくといった形を取っております。
○小澤構成員 そういった請負でやられている方たちも、そういった熱中症の対策の計画を立てたりとかして、トヨタさんの計画以外の計画も立てられたりしているということはあるのでしょうか。
○トヨタ自動車浅野様 やはり、知識を身に付けていただくのは大変なことだと思っておりますので、学習会のテキスト、それにまつわるいろいろなキャンペーン用のビラ、あるいは塩飴など、そういったものを配布しながら一緒になってやっていくという形を取っております。
○小澤構成員 ありがとうございます。この健康自己管理票と、もう一枚ありますけれども、自己管理票は個人個人がそれぞれ毎日チェックしていくということで、この2枚目の管理票は、職長さんなどが毎日それぞれの個人票を見ながら書いていくといった形なのですか。
○トヨタ自動車浅野様 こちらの票の1と2ですが、基本は、まず自分で申告をしていただきます。それを合わせて、そのデータに基づいて、職長さんが、あなたどうなのと。これはマルを打っているけど、おかしなところは今日はないの、昨日夜遊びしたのといった形で、指導の注意ではなく、アテンションを張りまして、その人をなるべく重点的に観察をしていく。それで、無理な暑いような所であれば配置転換をして、今日はちょっと涼しめの所にするなど、そういったことをやっております。
○小澤構成員 ありがとうございました。
○齊藤構成員 安衛研の齊藤です。1点お伺いしたいのですが、御社では、休憩のタイミング、休憩のサイクルのようなものはどのような形で設定されていますか。
○トヨタ自動車浅野様 現場のほうは、2時間働いて15分の休憩がありまして、その後また2時間働いてお昼休みとなっております。午後も同じような形です。約2時間で1回休憩15分、それで昼休憩といった形で取っております。
○齊藤構成員 ありがとうございます。
○田久構成員 すみません、先ほどの小澤さんとちょっと重複するところがありますが、工場内のメンテナンス工事とかに入る業者さんに対するそういった熱中症対策というものも、アドバイス若しくは支援をしているのかどうかということを確認したいと思います。
○トヨタ自動車浅野様 マニュアルやテキストでも話をしますし、工場に入ってくるときに入門手続等がありますので、入門手続で少し時間を取ったりする所に塩飴を置いたり、こういうことを気を付けてくださいという話をしたりもいたします。
 そういうメンテナンスをする工事というのは大体土日が多いものですから、土日の場合などは工場の中に入っても、皆さん自分の職場ではないものですから、休憩する所がなかなかないということがありますので、実際には、平日はうちのトヨタのメンバーが使っている休憩所のエアコンを強めにかけて、そこに入って休憩できるようにしていただくと。それから、今日はここの会議室あるいはここの休憩所がエアコンがついていますので、皆さん使ってくださいというような形で開放して、なるべく工事業者の方も休憩あるいは体を冷やすことができるような対応をさせていただいております。
○田久構成員 ありがとうございます。通常と言いますか、土日ですから、今までの説明にあった熱中症対策の空調設備みたいなものは、もう止まっているわけですよね。
○トヨタ自動車浅野様 いえ、基本はエアコンは土日でも工事申請箇所には、結構かかっております。
○田久構成員 分かりました。ありがとうございます。
○中央労働衛生専門官 ほかに御質問等はありませんか。特段ないようでしたら、浅野さんからのプレゼン等はこれで終わりにさせていただきまして、次に進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、浅野さん、どうもありがとうございました。
○トヨタ自動車浅野様 ありがとうございました。
○堀江座長 ありがとうございました。続いて、アゼアス株式会社及び株式会社空調服様からのプレゼンをお願いいたします。
○アゼアス小島様 お忙しいところお時間を頂きましてありがとうございます。アゼアス株式会社の小島と申します。平素は、石綿等有害粉じんの防護服で、厚労省ご担当者の皆様には非常にお世話になっており、ありがとうございます。今回、熱中症対策のファン付きウェアに関してのヒアリングということで、我々も10年来お付き合いさせていただいている株式会社空調服の中西部長に同行いただきました。私がモデルになって、どういった機能があるかというところを見ていただければと思います。本日は、よろしくお願いいたします。
○空調服中西様 改めまして、株式会社空調服の中西と申します。本日はよろしくお願いいたします。冒頭のトヨタ様のような資料などの御準備をしておりません。申し訳ございません、準備不足でございます。
 我々は、社名が株式会社空調服というとおり、商品も空調服なので、空調服を見てもらったほうが早いかなと思いましたので、今日は小島さんにモデルになっていただき、御説明できればと思っております。よろしくお願いいたします。
 1回目の議事録も拝見させていただいていまして、皆さん、ファン付き作業服や空調服はある程度知っているのかなと思いますが、重複になればすみませんが、御説明をしたいと思います。私どもの空調服の商品は、市ヶ谷弘司会長の理論の下、人間には、皮膚や体が温度センサーとなり、暑いと感じたときに脳の指令で汗腺から必要量の汗を出して、その気化熱で体温をコントロールする機能、生理クーラー理論と市ヶ谷弘司は呼んでいるのですが、生理クーラー理論が備わっています。空調服は、ファンからウェアの中に外気を取り込み、汗を蒸発するための仕組みです。人間の体に備わっている冷却システムを効果的にサポートするという商品になっております。
 今回、空調服の冷却効果の評価方法と頂いていますが、まず、空調服の説明をさせていただきます。もともとカタログにポイントを載せております。空調服には、空気の流通路を確保するための調整ひもというものがあります。1つ目のポイントとしては調整ひもです。ファンから取り込んだ空気が背中を通り、首元からきちんと抜けていくために用意されております。風の通り道をつくります。もう1つは裾ゴムです。取り込んだ新鮮な空気が裾から抜けない仕組みになっています。最後は、ファンから外気を取り入れる仕組みです。弊社の商品は、外気を取り入れるファンの位置と、出ていく所までをなるべく距離を取りましょうということで、本来はファンの位置は下にあったほうがいいと考えております。通り道としても、袖まであったほうがいいと考えております。ただ、今、働く職種、現場が様々あり、増えてきていますので、半袖タイプの商品があったり、ベストタイプの商品とかもあります。基本的には、弊社としてはお話をした考え方で、もの作りをしております。
 あとは、評価方法とは少し違うかもしれませんが、弊社は空調服の生地についてもこだわっています。弊社基準にはなるのですが、新鮮な取り込んだ空気がすぐに抜けないように、目の詰まった生地で空調服を商品化しています。そのため前回議事録に、背中は涼しいけれども前側のほうに暑さが籠もるというようなものもありましたが、弊社では商品化前の評価で、背中にも前側からもきちんと風が巡っているか評価をしておりますので、そういう商品はありません。
 あとは、昨今、弊社からも様々な商品が出ています。例えばフルハーネスを着るタイプで、全体に風が流れるための仕組みを考えたときには、弊社は温度と湿度を変化させる恒温室という部屋を研究棟で持っておりまして、新しい商品を検討するときは、そこで一つ一つ確認をしています。空気のサーモグラフィやサーモレコーダーのデータを取りながら、良し悪しを確認した上で商品化をしております。簡単にはなりますが、弊社の商品の説明と検品というか評価方法について説明させていただきました。
○堀江座長 ありがとうございました。皆様からの御質問を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
○岩﨑構成員 まずは、御説明いただきましてありがとうございます。私のほうから数点お聞きしたいと思います。
まず、ファン付きの作業服について、こちらはバッテリーによるファン駆動になっていると認識しておりますが、昨年6月、愛知県でバッテリーから出火して火災が発生したといった報道も出ておりました。真夏日に野外で、且つ数時間連続で使用する上で、作業服本体又はバッテリーが炎天下の直射日光を浴びることも想定されます。表面温度が50℃を超える状況となれば、バッテリーの内部の化学反応が加速し、劣化、異常発熱にもつながりかねないとも考えられます。また、現場の作業におきまして、バッテリーの部分を周辺にぶつける危険性もあるのではないかと思います。そうした中で、メーカーとしては安全対策には特に気を遣われて、既にPSEマークを取得していると思うのですが、発火するリスク等を低減させるために工夫をしていることがございましたら、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○空調服中西様 ありがとうございます。かなり難しい御質問かなと思っております。昨年、そういう発火の事件があったのは承知しております。正直、弊社のほうにも問合せがありました。弊社の商品ではなかったのですが、そういう事例があったことは承知しております。弊社の商品に限らず、モバイルバッテリーなど、全てのバッテリーだと思いますが、弊社のバッテリーは、リチウムイオンには使用温度がありますので、そこの温度に達したら電源がストップするような仕組みになっています。
 あとは、バッテリーのところでいくと、弊社の工場出荷ベースになるのですが、工場では充放電の繰り返しをして、エイジングなどのテストをした後で出荷をしています。今年の2026年カタログからは、弊社のバッテリーは安全であるというポイントを幾つか挙げていて、使うお客様に少しでも安全にご使用いただければという動きはあります。
 ただ、すみません、最後の質問は何でしたか、酷暑の中でバッテリーを使うときのということですよね。そこに関しては、弊社のほうでは取説で使用できる環境温度などは書いていますが、なかなかその辺のところまで使用される側に周知が至っていないかもしれないです。正直、止める設定はあるのですが。ごめんなさい、ちょっと答えが難しいです。
○岩﨑構成員 例えば、バッテリーのカバーに対し、よりショックを吸収できる仕組みを採用されているとか、先ほどおっしゃられた高温度になったときにバッテリーが切れる際に、それが分かるような仕組み、例えばブザーが鳴るとか、作業をしている中で、すごく集中していると、いつの間にかファンが止まっていて、それがかえって熱中症を引き起こす原因にもなりかねないと思うので、そういった工夫があったら良いのではと思い、質問させていただきました。
○空調服中西様 ありがとうございました。すみません、ブザーで知らせるという仕組みはありません。ただ、弊社の商品には、全てバッテリーケースを付ける動きは今のところしております。落下とかなどのために用意しています。ただ、落下した後は、どの商品もそうだと思うのですが、やはりなかなか中身までは分からないので何とも言えないです。
○岩﨑構成員 ありがとうございました。
○佐々木構成員 空調服をいつも利用させていただいております。ありがとうございます。ただ、どんどん空調服の性能等も良くなっていくことに伴って、単価も上がってきているのかなと。そういう点も、少し下げられるような工夫をしているかどうか。あるいは、ファンが壊れてしまって使えなくなってしまう。接触というのですか、そういう案件も従業員から耳にしたりします。それから、ふだん着て行くわけではなく、バッグの中に畳んで持ち運んでいくということで、コードの切断があったりすると。そういうような従業員からの話も聞いたりするので、そういったコードの強化、あるいはバッテリーとの接着の所の安定性。あるいは、先ほどバッテリーの火災の案件もありましたが、モバイルバッテリーなどもどんどん火災事故が多いので、そういった面の注意、改造するなど、そういった面も十分注意して作っていただければと思っております。以上です。
○空調服中西様 ありがとうございます。値段に関しては、なかなか難しくなっているのですが、現状、弊社商品は値上げはしておりません。
○アゼアス小島様 接触不良の可能性に関しても、我々もお客様から言われることがあるのですが、株式会社空調服ではパーツで交換という対応もしております。今、佐々木構成員から頂いた、強化してはどうかというのは、我々、株式会社空調服の製品をアゼアスが販売する立場として、お客様の声をできるだけ反映し、よりよいものができるようにと株式会社空調服に伝えております。
○佐々木構成員 よろしくお願いします。
○小澤構成員 御説明ありがとうございました。建設現場でも空調服は相当普及して、屋外、屋内を問わず、みんな作業員さんは使っているわけですが、特に屋外作業において、例えば気温が40℃を超えるような状況の中で、今の空調服はどこまでだったら使っても効果があるとか、これ以上の環境になったら、もう着ていることのほうが危ないとか、そういった点について開発の中で研究しているのでしょうか。
○空調服中西様 ありがとうございます。私どものカタログには、空調服の有効範囲を掲載していて着用目安があります。ただ、今、酷暑の所が多いので、そこについては、なかなかお答えが難しいです。弊社でも、酷暑対策のための商品を出しています。あと、各社も保冷剤を付けた商品とか、今年も新しい商品が出てきますので、その辺の組合せというのが増えてくるのかなと思います。御使用環境や個人差による影響もあるため、どこまで使って効果というのがなかなかお答えが難しいです。
○田久構成員 説明ありがとうございました。1つだけ、空調服の一番の肝になるファンの関係で、やはり粉じん作業が建設現場では多いと思うのですが、その粉じん作業で空調服が1年に1個駄目になるんだよなということも含めて、仲間からも言われるのですが、御社では、そういった基準みたいなものは何か決めて、またそういった実験をやっておられるのか。かなり舞う所と舞わない所の差はすごいと思うのですが、基本、木材や鉄を削ったり、そのほかセメント、そういった様々な粉じんが混じっている中でのファンですので、そういったところの実証などはどのようにしているのか。長もちさせてほしいという声がありますので、その辺はどうなのかをお聞きしたいなと思います。
○空調服中西様 ありがとうございます。弊社の商品には、ファンの外側に付けられるオプションパーツが幾つかあります。すみません、カタログが全部は用意できていないのですが、粉じんフィルターがあります。また、金属フィルターで火花とか木くずとかが入らないようなオプションパーツなど、幾つか御用意はしております。
 ただ、粉じんフィルターで、他社の商品でファンにペタッと付けるような商品があるのですが、ファンの所の取込口に付けると、どうしても取り込む空気の量が減ってしまいますので、弊社のオプションパーツとしては、少しかさを増した状態のものに対してフィルターを付ける工夫をしている商品があります。ただ、全ての環境下で使える商品ではないかと思いますので、1回使ってみてくださいという貸出の取組などもしております。以上です。
○田久構成員 ありがとうございます。多分、そうだろうと思うのですけれども、なかなかそこまで職人さんたちの所では広がりきれてないかなというのもあるので、是非、そこはそういったアピールをしていただければと、宣伝をお願いをしたいと思います。
○齊藤構成員 齊藤です。差し支えない範囲で教えていただきたいのですけれども、今、御社はトップランナーとして開発されていると思うのですが、いろいろな会社がいろいろな製品を出してらっしゃると思います。恐らく使う側、選ぶ側からすると、何らかの基準みたいなものが必要だという形になってきていると思うのですが、業界として、そういうような動きはありますか。
○空調服中西様 業界としては、繊維ニュースなどで、例えばファンの評価を統一したほうがいいのではないかとか、そういうコメントが各社であるのですけれども、業界全体で何かそういう動きというのはないのかなと、難しいと個人的には思ってはいます。ただ、弊社としましては、そういう声が大きくなってきていますので、なかなか現時点でお答えはできないのですが、そういった取組をしなければならないねという雰囲気があることだけは伝えておきます。すみません、お話ができません。
○齊藤構成員 ありがとうございます。
○田久構成員 今、齊藤構成員が言われた、そういった基準という問題で言うと、実は、フルハーネスが法制化されたときに厚労省からも通達が出されているように、Amazonとかで売っている粗悪品が出たりするというのがあるので、やはり、空調服が熱中症対策に有用だということであれば、これから基準をきちんと決めてやらない限りは、推奨はできない。買ってくれとか、使ったほうがいいよというのはなかなか言えないのではないかと思います。業界の中でも様々あると思うのですが、是非、そこはやっていただかないと、また厚労省さんのほうでも、これは1日で壊れたとか、発火をしたとかというのを調べないといけなくなる状況なのかなと思うので、是非、そこはお願いをしたいと思います。
○空調服中西様 ありがとうございます。
○漆原構成員 御説明ありがとうございます。先ほど岩﨑構成員からも話がありました発火の対策について伺います。ファン付き作業服のバッテリーを自宅で充電中に発火したという事例がありましたが、例えば、バッテリーケースを難燃素材などにすることで、そうした事案に対する対策も可能になるのではないかとも思われます。そこで、バッテリーケースの素材について対策がなされているのかどうかお伺いしたいと思います。
 もう1つは、先ほどリチウムイオンと仰っていましたが、LiFeやLiPoなどバッテリーの種類を伺えればと思います。LiFeであれば若干安全性が高まるというデータもある中で、御社の場合、何らかの基準があるのか教えていただきたいと思います。
○空調服中西様 バッテリーケースにつきましては、恐らく難燃素材のものにはなっていないと思います。充電中というよりも、扱っているときに落下するとかのほうの視点です。確かに、この頃、充電中に発火みたいなのがモバイルバッテリーであると思いますので、御意見を頂きましたので、そういうところもまた検討したいと思います。
 もう1つの、すみません。
○漆原構成員 リチウムイオンバッテリーの中でも、LiFeは若干発火性の耐性があるというデータもあり、過酷な現場での使用が想定される中、使用するバッテリーの種類に何らかの基準があるのかどうかという点についても伺えますでしょうか。
○空調服中西様 すみません、そこは分からないので、確認しておきます。今すぐにはお答えが難しいです。申し訳ないです。
○アゼアス小島様 我々アゼアス、防護服の素材を扱うメーカーとして、リチウムイオンバッテリーを難燃素材でくるんでほしいという要望は幾つかの企業様からいただいております。ただ、先ほど構成員がおっしゃられたように、お値段を出せるかどうかですね。現状素材から一気に難燃素材にするということは高くなります。作業員の安全を担保するのに、1万円、2万円高くなっても使わせるという風土が醸成すれば、どんどん広まっていくのかと思うのですが、やはり各企業様、コストと安全という両面見据えると、難燃に全部切り替えるという動きがなかなか進んでおりません。防護服の素材の会社としては悩ましいところでございます。
○堀江座長 ありがとうございました。商品開発会議のようになってきましたけれども、大変、関心の高いものを御紹介いただきましてありがとうございました。私も海外の熱中症の専門家をお連れしたときに、日本ではこれが非常に普及しているということで驚いて見られていましたので、日本発の製品として今後も発展されることを願っております。
 それでは、続きまして、3題目のヒアリングに移らせていただきたいと思います。名古屋工業大学の平田先生、御準備がよろしければプレゼンテーションをお願いいたします。
○名古屋工業大学平田様 名古屋工業大学の平田でございます。それでは、糖尿病患者の熱中症リスクに関する分析結果の一例を御紹介いたします。私自身は、今回、レセプトベースに大規模な調査の結果を御紹介しますが、先ほど、ファン付き作業服などもありましたが、むしろ熱計算や解析、温熱生理のシミュレーション屋でございまして、その派生としてこのような分析をやりながら、温熱生理のモデルなどの改善などをしております。
 次のスライドです。こちらの内容ですが、本日はお時間が限られているため、主な結果をかいつまんで御紹介いたします。こちらの論文誌に掲載されたものを一部御紹介いたします。
 次のスライドです。今回の御紹介内容です。熱中症は社会的に関心が高いものでありますので、メディアさんなどへのリリースを考えて、キーポイントを絞って、少し分かりやすい形で紹介いたします。科学者の方々からすると、少し誇張表現があるかもしれませんが、その点御容赦ください。
 今回、レセプトデータ256万人分を活用させていただき、糖尿病の患者さん、熱中症のリスクが高いと言われていますが、どれぐらい高いのかということを100万人規模で分析をしました。結論としては、患者のマッチングは取れないのですが、レセプトベースでは約1.4倍高いことが示されました。また、本日、厚労省さんの会議ということで、就労世代の男性ということに着目いたしますと、特にリスクが顕著に上がるのではないかという傾向も見られています。また、一部地域の差もあり、地域に関してはマッチングは非常に容易なのでやらせていただいていますが、寒冷地域、急に熱波が来たときなどのリスクの上昇が見られ、ただ、やはりかなりばらつきは大きい状況です。その辺りの点について御紹介いたします。次のスライドです。
 背景につきましては、皆様、非常によく御存じのとおりですが、熱中症の搬送者数が増加している傾向です。本論文の内容ではないのですが、糖尿病患者の体温調整機能の障害と言いますか、劣化ですが、発汗・体温調節機能の低下という点が挙げられます。血流調整が難しいのは事実上同じですが、基本的には、糖尿病患者は、種類がかなり多いので一概には言えませんが、皮膚にある末梢神経系の特に微小神経が皮膚表面からどんどん退化していくということも言われており、熱に弱い体質を背景に持つということが生理学的背景として指摘されています。
 次のスライドです。研究の目的及び活用したデータベースについて御紹介いたします。今回、メディカルビッグデータのREZULTを利用して、熱中症のリスクの解析をしました。糖尿病の有無による熱中症リスクの違いを評価する上で、マッチングを取りましたのは、年齢・性別・地域による違い、この辺りはマッチングを取りました。REZULTのシステム自体は、特定健康診断の情報などもありますが、これを全部加味して細かくやっていきますと、やはりマッチングが取れる数が少ないです。一方、熱中症の搬送者はものすごく多いわけではありませんので、母集団の数が少ないと、なかなか労働者の場合には適用できないために、特定健康診断の情報はマッチングには使っていません。
 こちらのデータベースは1,000万人分ぐらいあるのですが、直近の5年間部分、確実に追跡できる人だけを見まして、663万人から250万人まで少なくなっていくのですが、そちらを調査対象としました。レセプト、ICD-10コードに基づいて糖尿病・熱中症のコード、こちらは時間の都合上割愛しますが、定義を幾つか変えても、今後お見せする結果と同様の傾向となる点だけは申し上げておきます。
 次のスライドです。その詳細なのですが、御覧のように、先ほどの256万人から糖尿病の患者が18万8,000人ほどおりまして、1対4のマッチングを取り、非糖尿病の対照群を作り、統計解析を実施しています。そして、熱中症の履歴があり・なし、少し日本語を省いていますが、御覧のような簡単な枠組みで発生率、報告例の確率を調べました。
 次のスライドです。主な結果だけとなりますが、全患者を見せていただきますと、ハザード比が1.4倍という形になります。5年分追跡できる方を追跡いたしまして、熱中症で搬送された、あるいは、それで受診したという履歴が、どれぐらい確率が高いかというと、全体で1.4倍という形になります。そして、30~59歳の男性では、比較的リスクが高く、30代では最大で1.69倍という値が出ました。先ほどお話しましたが、寒冷地におきましては1.94、ただ、北海道では、なかなか暑熱順化なども進みにくいということもあり、かなりばらつきが多い結果とはなっております。参考までですが、関東圏では1.55ということで、地域によりややばらつきはありますが、基本的には1を超えるような値が出ております。
 次のスライドです。これは東京ですが、東京でないと、統計的にその日の最高気温と熱中症のり患率を出すのが、10万人当たりとなりますが、かなり難しくなり、ばらつきが多くなってきます。横軸がその日の最高気温、縦軸が1日当たり10万人当たり何人が熱中症にり患しているかという形で紹介をします。30代では約25℃から30℃の間、40代でも同様なのですが、その確率が30℃ぐらいからとなっています。50代でもやはり30℃ぐらいで、60代でも実は25℃ぐらいから差が見られはじめています。
 これはWBGTで出さないのかと言われる場合もあるかと思いますし、査読者からもそのような御指摘を頂きましたが、実際、WBGTで見ても、そんなに傾向が変わるわけではありません。要因としては、外気温25℃ですと、そんなに体温が上昇する状況ではありませんが、労働状況などを考えますと、代謝熱の上昇のために体温が上昇いたします。その場合に温熱調整系が十分働かなかった場合には、比較的低い外気温でも体温上昇のリスクが高まる可能性があることを示唆する結果ではないかと考えています。
 次のスライドです。以上、かいつまんで御紹介いたしましたが、糖尿病患者と健常者と申しましても、糖尿病ではない患者の熱中症のリスクについて、全国規模で各県ごとでのデータは出しており、全体では大体1.4倍、男性の労働者などが特に重要な可能性があることが示唆されました。また、繰り返しとなりますが、低い外気温でも糖尿病患者は熱中症のリスクが高まる可能性を示唆するものでした。以上で、報告を終わります。
○堀江座長 平田晃正先生、どうもありがとうございました。大規模データからの個人差に関する知見でございました。いかがでしょうか。何か御質問はございますか。
○漆原構成員 御説明、どうもありがとうございました。お伺いしたい点は、一番最後のページにある北海道などの地域でのリスク上昇に対する地域ごとの対策という記載についてです。糖尿病など個人的な要因に対するリスクをどのように見積もって、例えば暑熱順化なども含め、現場における具体的な対策を講じるべきといった御示唆があれば伺いたいと思います。また、例えばリスクアセスメントにおいては、暑熱順化の項目は総合的な判断の中に入っていたと思うのですが、このような疾病に対しどのように扱うべきかという点についても、お考えがあればお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○名古屋工業大学平田様 疾病に関しましては、個人情報的なものもあるかとは思うのですが、糖尿病の方がどれぐらいリスクが高いのかということを、まずは客観的にお伝えし、個人ベースで把握していただくことが第一かとは思っております。また、地域ごとの対策というときには、やはり労働現場などにおきましては、熱波が来るぞというときには、ある程度、天気予報で分かっている状況かとは思うのですが、北海道などは非常にぶれは大きかったとは思うのですが、高まる傾向にありますので、その日には、例えば5月、6月に急に熱波が来たときには、特に労働環境に注意喚起をするだけでも何か違うのかなと思っています。ただ、具体的に何が言えるかというと、多分、現場、現場で異なるかと思っていますので、そこまで確固たるものがあるわけではございません。以上でございます。
○堀江座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、資料1-3に沿って、私から少し説明をさせていただきたいと思います。1ページめくっていただけますか。熱中症防止に資する様々なエビデンスがありますけれども、本日は幾つかに絞って御説明します。
 まず、タイトルに「作業中止」と書かせていただいたスライドです。人間の生理学的な現象を皆様と共有しておきたいという思いから、お示ししています。横軸が時間、縦軸が体温です。体温は、3種類表示しております。直腸温は肛門から柔らかい温度計を入れて測っているもので、腹腔内臓器の温度を反映していると言われています。食道温は、これも柔らかい温度計を口から50cmぐらい入れて、食道の下部に留置して測っています。場所が心臓の裏側になりますので、心臓やそこから脳などに灌流する血液の温度を反映していると言われています。皮膚温というのは、体のあちらこちらの皮膚の上で測った温度です。
 35℃、50%の暑い部屋で、運動をしていただいた時の変化です。青い矢印が運動の時間帯です。45分間運動をしております。体温のバランスがすぐに崩れてくるのですけれども、人間はそれを理解して、自律神経の反応で発汗を始めます。汗が蒸発しますと、皮膚表面の温度が下がります。ファン付き作業服は、これを利用して体温を下げる仕組みです。
 その体温ですが、直腸温と食道温とでは少し違う動きをします。運動をやめたところをみると、食道温は血液の温度を反映しているので、紫色のグラフにあるように、皮膚表面を回ってきた血液が心臓に戻るので温度が下がり始める現象が比較的早く認められます。
 一方で直腸温は内臓の温度なので、血液がゆっくりと循環しますので、なかなかすぐには下がりません。体の深い部分の温度は、運動をやめたぐらいではすぐには下がらない。むしろ、筋肉などで温まった血液がまた戻ってきて、運動中よりも上がっていくという現象は、実験をしますと、必ず見られます。
 現場に置き換えますと、ギリギリまで仕事をして、休憩をしたからすぐに体温が下がるだろうというように勘違いをしては困ります。実は、休憩中も温度は若干上がることがあるのです。不幸にして休憩中に体温が上がったときに、意識を失うような温度まで上がると、休憩場所で倒れる方が生じるのはこういった影響と考えられます。次をお願いいたします。
 「暑熱順化」というのもよく聞く言葉です。これはほかの方の論文を少し模式的に書き直した図です。今度は、横軸が体表面1cm2当たり1分間当たりにどれくらい汗が出るかという指標になっています。右に行けば行くほど汗をたくさんかくことになります。縦軸は、あまり考えたことがないかもしれませんが、汗1滴に含まれるNa+の量、いわゆる塩分の濃度です。血液中のNa+の濃度は140ぐらいなので、この縦軸を見るとその半分以下ぐらいの薄さの濃度になっています。汗は血液等の体液を原料にできますけれども、汗になる途中で塩分は再吸収されますので、血液の液体成分がそのまま出てくるということではありません。汗になるときは、多少の塩分は入っていますけれども、血液よりも薄くなっているのです。
 もう一回横軸に着目していただきますと、汗がどんどん出るようになるとその塩分濃度は必ず上昇します。再吸収は一定の速度でしか行われませんので、汗がどんどん出るときには、だんだん血液に近い濃度の汗になってくるのです。暑熱順化をすると、グラフが右上のほうに傾きます。これは汗がたくさん出るようになることを表しています。暑さに慣れるということは、端的に申し上げると、汗が効率よく出るようになるということです。暑熱順化すると、汗は早めに出るようになりますし、全身から大量に出るようになってきます。
 暑熱順化は、数日から1週間ぐらいで起きます。更に1週間ぐらいたちますと、グラフが少し下がってきます。すなわち1滴の汗に含まれる塩分濃度が薄くなってきて、汗の性質としては、べたべたする汗から、さらさらの汗に変わるという感じです。夏にトレーニングなどをしていますと、2週間から1か月ぐらいで気持ちのいい汗に変わってくる。これをまとめて「暑熱順化」と言っていますので、多めに見積もると1か月ぐらい掛かって、皆さんが夏に慣れてくる。国民がこれを繰り返しているのが日本の特徴です。いつも順化している常夏の国とは違って、日本は初夏にこういったことを皆が行っている国であるという特徴があります。次をお願いいたします。
 これは「自発的脱水」という言葉を説明する図です。これもほかの方の論文ですが、横軸に1時間当たりの発汗量を書いています。ミリリットルなので、外側の点線が1Lです。縦軸は自由飲水をした量という意味です。喉が渇いたとき好きなだけ十分に水を摂ってくださいと指示しています。いわば、ペットボトルを与えて自由に飲ませた量が縦軸です。絶対値を見ていただきたいのですが、1Lの汗をかいたときに実験参加者が飲んだ量は500mLです。600mLの汗をかいたときには、300mLしか飲んでいません。すなわち、口渇感に任せて自由飲水させても、発汗量の半分ぐらいしか補給しないというのが、人間の生理的な現象です。これは本人が悪いのではなく、感覚がおかしいのではなく、自然にこうなるのです。次のスライドをお願いします。
 なぜそうなるのか。少しややこしい図で恐縮ですが、これで説明しようと思います。まず左半分を御覧ください。作業前は水とNaが平衡を保っている。これは血液の中の現象と見ていただければよろしいのですが、水とNa+が血液の中に入っているのを単純化して書いております。汗はNa+が少し少ない。ということは、残った血液はNa+が少し多めになった状態です。水だけを飲んだ場合を濃い紫色で書いていますが、ここはちょっと説明が必要です。水だけを飲んだ場合、ちょうど発汗した量と同じぐらいの水を飲んだとしても、Na+が少し失われていますので、Na+濃度の平衡を維持しようとする働きから、水が余分に入ったと勘違いします。人間は余分に入った水、紫色の所がもっと上まで行ったときに、十分に発汗量に見合った量を水として摂取しても、実はその部分が尿として排出されてしまうという現象が起こります。残った部分のNa+濃度は元に戻っているのですけれども、絶対量としては脱水という状態になるのです。そのときに失ったNa+の分だけ補充してあげると、右側のグラフのように脱水が減らせるという仕組みになっています。
 どうしても喉の渇きというのはNa+の濃度に合わせて止まってしまいます。これぐらいで喉の渇きが治まったという到達地点というのは、実は脱水が残った状態で到達してしまうという現象です。これを「自発的脱水」と言います。次をお願いします。
 職場における熱中症の発生には様々な論点があるのですけれども、今日は大幅に省略します。長年、この分野のことに注目していますが、単純化すると職場における熱中症の発生要因は主に4つにまとめられる、この4つに注目するとよいと考えています。
 一番上に記しています。まず、左から2つ目の作業環境です。高温・多湿というのは、両方とも発汗にマイナスの影響を与えます。一番左にある身体負荷というのは、先ほどの平田先生の御発表にもありましたが、特に若い男性は、身体活動強度の高い作業に従事することが多く、それは熱産生が多くなるということにつながって、熱中症の発生の要因になります。国が発表しているWBGT基準値でも、身体活動強度によって基準値が異なるという表を採用しています。
 右側の2つが、対策につながる可能性のある要因です。作業服を何とか調整できないか。この場合は、原因としての「作業服」と書いていますので、体表面から熱が逃げにくくなっている、熱を放散しにくくなっているような通気性の悪い作業服、あるいは、湿気が外に出ない透湿性の悪い作業服を着ていることを熱中症の発生要因として考慮すべきということです。ファン付き作業服のようなものを着ていたら、逆に熱中症を予防する方向に行く場合もあります。最後に残るのが作業時間です。これはトヨタさんの御発表で質問にも出ていましたけれども、どれくらいの時間で切れ目を入れて休憩をさせるか。すなわち、体温が上がったのを正常に戻そうとするタイミングを、どれぐらいの頻度で与えられるかというのが、1つのポイントになっています。作業を長時間やってしまうと、多くの方が体温が上がり過ぎてしまって、誰かが倒れるという現象が起きます。連続作業時間や休憩頻度は調整が可能な、最後に残された選択肢ではないかと思っています。
 フローチャートの途中に生理学的な反応が書いてあります。少し下のほうをご覧いただきますと、熱中症の類型として「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」という言葉で呼ばれるものがあります。詳細は割愛しますが、体の中でいろいろなことが起こります。そして、色が黒くなっている所は、通常、健康影響としては示されてない部分です。実は、早期発見の指標になると思っているのですが、生産効率が下がる、作業の質が悪化する、ミスを起こす、ぼーっとしているといったことが起きてきます。こういったものは、最終的に生産性の低下や医療費の上昇につながって、労使双方にとって良くないことであると考えて、この図をまとめています。次をお願いします。
 これが個人差の最たるところで、年齢のファクターや性の違いというのは、これは、日本全体の統計です。縦軸は、人口動態統計から抽出した熱中症による死亡率です。先ほどの平田先生のT67と違って、X30という分類の死亡者数を数えています。いずれにしても熱中症による死亡率を計算してみますと、年齢による影響が極めて強いことが分かります。ここには働いてないかもしれない年代が多く含まれてしまっていますけれども、75歳ぐらいから急激に熱中症の死亡率が上昇しています。そして、全ての年代で男女差があることが明らかです。男女差に関しては真ん中に表を入れていますが、就業年代の方のほうが男女差は激しいということが分かります。次をお願いいたします。
 これは横軸が6つの都市の最高WBGTということで、日本の一部都市だけのデータです。縦軸が救急搬送数です。ここで御覧いただきたいのは、1つはWBGTが28℃ぐらいから急激に救急搬送が増えることです。もう1つは、28℃よりも右側を見ていただきますと、緑色とオレンジ色や赤は分布している場所が違います。すなわち、同じWBGTでも初夏は救急搬送が多いということを示しています。恐らく社会全体で暑熱順化が起こって、8月ぐらいから救急搬送数が少し抑えられるという現象が見られるのです。次をお願いいたします。
 これはインドの研究です。何となく常夏の国というのは暑さに強いのではないかという先入観を我々は持っていますが、WBGTの範囲は日本で認められるものとあまり変わりません。28℃ぐらいのところが、横軸の真ん中辺になるわけです。縦軸は生産性です。日本の職場は働く人々の頑張り度合が影響しますし、作業や工程が複雑で比べにくいのですが、こちらは単純な稲束を収穫する繰り返し作業なので、非常にきれいなデータが出ています。日本でもよくみられるWBGTが28℃の条件で、インドにおいて生産性が落ちていることがはっきりしています。連続して作業を続けると、ますます生産性が落ちていくということも分かります。暑さは、ほぼ直線的に生産効率を下げるということですから、本来、暑さをコントロールするというのは、労使にとって一番良いことではないかと思います。次をお願いいたします。
 その暑さですが、屋内と屋外の比較という話題です。これは、工場の中で特段の熱源がないような所に、連続測定するWBGT測定機器を置き、屋外には、近くのアメダス測定点のデータを頂いて、比較したものです。例えば、真ん中辺りに7月22日という日付のグラフがあります。この日、朝から晩までずっと測定していましたが、日の出以降、午前6時ぐらいから屋外のほうが暑くなるという現象がありますが、ピークがずれます。屋外のほうが先にピークを迎えて、屋内のピークが少し後に来ています。そして、問題は夕方ですね。この頃は18時で、まだ日が昇っている状態、日没前です。それよりも1、2時間前の16時頃から屋内のほうが暑くなる現象を認めています。多くの工場においては壁や天井が特段断熱されてない、遮熱されてないということから、天井や壁が暖まり、その後は屋内に向かって、熱を放射しているという現象があると考えています。窓から西日が入ってくる可能性もあります。すなわち、屋内においては、夕方は朝や午前中とは大分条件が違うことに注意が必要と考えています。次をお願いいたします。
 これは環境省の「まちなかの暑さ対策ガイドライン」から抜粋させていただいた図です。これはSET starというWBGTとは異なる指標です。この教訓としては、熱中症対策において様々な環境温を下げるための取組を行う中で、日陰を作るということが最も効果があるということです。6℃ぐらい下がることが分かっています。ミストの発生や散水という対策はかなり大変ですけれども、これをやってもそこまでの効果はないということかなと私は理解しております。次をお願いします。
 次は写真です。これは、福岡県内において新幹線の工事をしている田んぼの真ん中で遺跡が出て、その発掘作業をしているときに、どこにも日陰になる場所がないということで、急きょ作ってもらった日陰のようすです。何とかして日陰を作るのが有効と考えています。次をお願いします。
 これは、よく見られる建設工事現場などでの休憩場所の設置です。屋根と呼べるように、働く人が座って休憩する所が日陰になるように設置することが大切と考えます。次をお願いします。
 これは、ある製造現場です。移動しながら作業をする場合に、こういったパラソルを自分で移動させながら行うというやり方があると考えております。次をお願いします。
 こちらは、本日は御紹介がございませんでしたが、重松製作所さんが、かなり以前から販売されている、圧縮空気を断熱膨張させて冷気を作って、チョッキやマスクの内側に供給するタイプの冷風送気型の冷却用品です。ホースでつなげられる圧縮空気が供給されていることが条件になります。左側は別のタイプです。背中に冷水のタンクを背負って、ここからポンプで上半身の表面にホースで冷水を循環させるという装置です。次をお願いします。
 こちらは先ほどアゼアスさんから実物の御説明がありました。次をお願いいたします。
 こちらのグラフは、先ほど御質問がありましたが、ファン付き作業服は35℃を超えるような環境でも効果があるのかということに興味を持ち、いろいろな実験をさせていただいた結果です。アゼアスさんから費用を頂いて実施したわけではなく、我々が独自に遂行した研究ですので、利益相反はございません。私どもは、40℃、30%の条件で人工気候室を設定し、実験参加者にはエルゴメーターによる運動をしていただきました。青いほうがファン付き作業服を着た場合の直腸温、赤いほうが現場で着用している通常の作業服ということで比較しました。40℃、30%で風を送ると熱風が送られるのではないかと思われるかもしれませんが、本人がべっとり汗をかいていますので、汗が蒸発する作用のほうが、この運動の環境条件では体温上昇を有意に抑制できたと考えております。次をお願いいたします。
 こちらは同じ実験における発汗量の測定結果です。ファン付き作業服の場合、40℃であっても発汗量が抑えられていました。そして、多湿の条件よりも渇いた条件のほうが良かったという結果になっています。次をお願いいたします。
 これは別の冷却服です。冷水を一定の温度まで冷やすチラーという装置で冷水を作って体表面に循環させるタイプの冷却服を用いた実験の結果です。このほうが冷水の温度が低く一定ですので、もっと過酷な環境、40℃、50%の条件で行いましたが、やはり有意な体温上昇抑制の効果がありました。実は、この実験では、心臓のある左側だけを冷却しても同じぐらいの効果があったという結果でした。次をお願いいたします。
 これは大塚製薬様と一緒にやらせていただいた研究です。現在、大塚製薬さんから発売されているアイススラリーが発売される前の実験です。大塚製薬にポカリスエットという製品があります。これをスラリー作成用の機器を用いてスラリーにして、ポカリスエットのアイススラリーを食べていただくという実験です。現役の消防士に実際に来ていただいて、35℃の人工気候室内で、体表面で汗が渇くことが少ないと思われる消防服を着て、運動をしていただくという実験でした。体温を事前に下げておくことの効果が持続するかどうかを検証した実験です。消火活動は、途中で休憩を入れることすら困難な作業です。その結果、運動前に体温が低下し、50分ほど効果が持続できていたということが検証できた実験でした。次をお願いいたします。
 こちらは、そのときの発汗量です。発汗量も減らすことができたということで、脱水の予防にもなると思います。
 このように、冷却に関する用品について幾つか実験をさせていただいていますけれども、これ以上にたくさんの製品が現在上市されています。効果があるかないかというのは、本来評価してお示ししていくべきであろうと考えております。以上です。
○中央労働衛生専門官 ありがとうございます。堀江先生からのただいまの発表について、何か御質問等はありますか。
○堀江座長 なさそうですね。多分、分かりやすく説明したのだろうと思っております。よろしいですか。
 そういうことで、私が最後に発表しましたけれども、よろしいですか。この後の進行をさせていただきます。様々な御発表や御意見を頂きました。必要な部分については、事務局のほうで報告書に反映をお願いしたいと思います。
 本日はもう1つ議事がありますので、議事(2)のほうに移りたいと思います。前回の検討会での意見への御回答等について、事務局から御説明をお願いいたします。
○主任中央労働衛生専門官 事務局から説明させていただきます。資料2として「論点に係る主な御意見について」という資料を用意しております。こちらは、前回の12月の第1回検討会におきまして、皆様から頂いた御意見などを取りまとめたものになります。
 まず、2ページ目を開いてください。熱中症の発生状況です。前回、「死傷者の重篤度というのは分からないか、休業4日以上の休業見込日数であれば集計できるのではないか」という御意見があったものです。これを受けまして、死傷病報告に記載されている休業見込日数を改めて全業種について集計いたしました。結果としては、ここに書いてあるとおり、令和6年、令和7年について比較したところ、大きな傾向は同様でした。3ページ目に円グラフを書いておりますが、大きく変わっていないということで、休業1週間以上が3分の2を占める状況というあたりも、昨年と変わっていない状況になっております。
 2ページ目に戻っていただいて、次の取組状況についてです。1つ目の○として、建設業者の任意アンケートについて御協力いただいた所は、比較的規模の大きな現場であるということで、その業界全体の平均の結果ではないという点に留意してデータを見る必要があること、また、警備業については8割以上が中小零細企業との御意見がありました。今回、改めて事業場の規模別で集計いたしましたので、4ページ目にグラフを示しております。一番上が事業場規模別の労働者数です。左側の水色で言えば、1~9人の規模の事業場に勤めている労働者ということで、全体の16.8%になります。令和6年の速報が中段、令和7年の速報が下段になります。特徴としては、一番右側の300人以上の規模に勤める労働者、オレンジ色の所ですが、労働者割合が18%、死傷者で見ると7%となっておりますので、労働者の割合に比べて死傷者の割合が低い傾向があります。労働者300人未満については、年ごとに若干差はありますが、労働者数の割合よりも若干死傷者数の割合のほうが高いということで、特に50人以上、50人未満で比べてみても、特に傾向は変わらない、特徴は見られませんでした。
 次に5ページ目からですが、論点ごとの御意見をまとめております。青枠の部分は、第1回検討会資料の論点の記載を再度そのまま引用したもの、赤枠の部分は、第1回検討会における御意見で、○の所は御意見、矢印の部分が事務局からの対応案や回答となります。
 5ページ目、重篤化についての意見としては、1つ目として、今回の省令改正の意義は大きかったこと、2つ目として、監督署による指導の徹底が重要であると。行政としてもここは引き続き周知徹底を図るということで考えております。3つ目として、内容を理解し、実践してもらうためには、周知方法や教育方法が重要であり、その支援も必要という御意見もありました。こちらについては、ガイドラインにて繰り返し周知・教育を行う重要性を示すこと、あと、熱中症ガイドなどで分かりやすいものを作っていくことを考えております。
 6ページ目からは予防策になります。まずは総論です。更なる規制強化を求める御意見もなく、また前回の第1回で示した、現行の基本対策要綱をベースとして、クールワークキャンペーンに記載されている事項を盛り込みつつ、エビデンスに基づき必要な修正等を行い、改正省令内容を反映して、内容を充実させたガイドラインを策定し、予防策を周知するという方向性につきましては、第1回においても特段異論はなかったと考えております。
 御意見の1つ目になります。建設工事において熱中症予防のために夏季期間の業務を制限する場合、それを考慮した工期設定や適切な賃金・手当の支払に対する発注者・施主による配慮が必要、との御意見がありました。第1回の検討会でも触れましたけれども、昨年7月に、厚労省、警察庁、国交省との連名事務連絡で、工事発注者に対して経費や工期の面で配慮を求めたものを発出しております。
 2つ目ですが、運送業や警備業では、出先の一人作業もあって、自社だけで対応することが困難であるので、荷主先などでの対策について議論いただきたいとの御意見がありました。これについては、ガイドラインに発注者等が実施することが望ましい配慮について記載することで考えております。例えば運送業であれば、荷主事業場内や配送先で作業しますし、警備業であれば、建設現場、イベント会場、ビルの中で作業します。こういった自社の場所ではない出先において一人作業を行う際には、休憩所を同じように使わせていただいたり、熱中症の症状があった場合には連絡いただいたりと、発注者などに配慮いただくことが望ましいものと考えております。
 3つ目ですが、一人親方や一人作業者に対する対策が重要という御意見がありましたので、ガイドラインにその旨を記載することで考えております。4つ目です。高齢者や障がい者などに配慮が必要という御意見がありました。ガイドラインに、熱中症発症リスクが高い者については、作業時間の短縮、作業強度の低減などの配慮が重要であるという旨を記載することで考えております。5つ目ですが、スポットワーカーについて、暑熱順化等をどうしていくかという御意見もございました。ガイドラインに、いわゆる「スポットワーク」を利用する労働者についても、雇入れ時教育等やガイドラインに基づく措置の対象となる旨を記載することで考えております。
 7ページ目からは各論になります。安全衛生管理体制についてですが、熱中症予防管理者は、化学物質管理者のように事業者に選任を義務付けるのかという御意見がありました。第1回の検討会で事務局より義務化するものではない旨を回答しておりますので、そのときの内容をそのまま記載しております。
 次に8ページ目になります。作業環境管理です。1つ目として、広い場所についてですが、休憩所においては、港湾・工事現場のほかに、農業でもあると。休憩所の設置が難しい環境もあるので、そういったケースの際にどうするかというのも大事だという御意見もありました。ガイドラインには、休憩の設備はできる限り作業者が速やかに利用できる場所に設置することが望ましいという旨を記載することで考えております。2つ目ですが、日傘の活用も効果があったとの報告があったという御意見がありましたので、日傘や簡易に設置できる日よけテント等の有効性についてもガイドラインに反映することで考えております。3つ目として、WBGTの指数計を作業者に着けて把握する方法もあり得るという御意見もありました。それぞれの滞在場所の値をリアルタイムで把握するような環境モニタリングの方法はあるかもしれないというものでした。
 次に9ページ目の作業管理です。1つ目と2つ目の塩分補給についてですが、高血圧学会で日本人は通常の食事により十分な塩分を摂取していると報告があったので、整理が必要との御意見がありました。あと、経口補水液は熱中症防止にエビデンスがあるとの御意見がありました。高血圧学会のホームページを見ると、夏の水分、塩分の摂り方について掲載されております。内容としては、「日本人は塩分を摂り過ぎているので、汗を大量にかいた場合でも、普通の食事を摂っている方は、意図的に塩分摂取を増やす必要はありません」とか、「3食しっかり食べましょう」、「日頃から減塩を心がけている方や高血圧などで薬を服用する方は、適切な水分と塩分補給について、かかりつけの先生に御相談してください」という記載がある一方、「発汗が多い場合には、水分とともに少量の塩分を補給することが望まれます」との記載もあります。ガイドラインには、3食摂らない、朝食の未摂取や、そこで水分、塩分を摂らない場合等、熱中症発症に影響を与えるおそれのあることと、塩分の摂取が制限される疾患を有する労働者については、主治医、産業医等に相談すべき旨といったものを記載することで考えております。
 3つ目ですが、建設業アンケートで、約半数がファン付き作業服を着用しているにもかかわらず発症している、非常に有効だが、着用のみで全てを防ぐのは困難という御意見がありました。先ほどのプレゼンの中でも有効とありましたし、ガイドラインの中でもファン付き作業服の着用は有効であるということは書きますが、着用のみを行っていれば他の対策が不要となるものではなくて、他の対策と組み合わせての実施が望ましい旨を記載することで考えております。
 4点目は、作業者の状況をリアルタイムに伝えられるという点で、ウェアラブルデバイスは有効ではないかということです。心拍数を測るような生体モニタリング、WBGTを測る環境モニタリングの方法があるということで考えております。
 10ページ目ですが、健康管理については、第1回の検討会で直接の健康管理の御意見は特段なかったというところです。下段の労働衛生教育ですが、継続的な教育についての御意見がありました。ガイドラインの中でも継続的な教育を行うことが望ましい旨を記載し、また、繰り返し視聴できる短編動画を作成して、ポータルサイトにアップするなど、周知を検討することを考えております。
 11ページ目からは、予防策への支援についてになります。12ページ目に御意見を記載しております。1つ目として、ファン付き作業服は動きやすさも重要、製品評価を行って取組を進めていくことが重要との御意見がございました。2つ目、深部体温を測定するタイプのウェアラブルデバイスについては、アルゴリズムが公表されていないなど、疑問がある製品が多くある、そのようなものも公的支援の対象として残すか議論が必要との御意見がありました。3つ目として、指数計は現在JISの議論が進んでおり、その点も考慮して考える必要があるとの御意見。4つ目、スポットクーラーだけでなく、ミストファンも補助金の対象とする検討が必要ではないかとの御意見がありました。4つ目の件は、第1回検討会のときに事務局で手持ちがなく回答できずにおりましたが、確認したところ、令和7年度のエイジフレンドリー補助金において既にミストファンも対象となっておりました。
 資料は以上ですが、本日欠席の神田構成員より、救急医学の立場から御意見を頂いておりますので、事務局で代読させていただきます。
 熱中症リスクは「暑熱環境からの回避行動が取れないこと」のみで説明されるものではなく、基礎疾患により体温調節機構そのものが十分に機能しなくなっている状態が重なることで、発症及び重篤化に至る点が重要であると考えられます。一方で、救急医療の現場から見ると、重症熱中症として搬送される症例の多くは、「当日あるいは前日から体調不良を自覚していたにもかかわらず作業を継続していた」ケースであることが少なくありません。具体的には、睡眠不足、食欲低下、下痢や感冒様症状、全身倦怠感などの比較的軽微な体調変化が先行している例が多く、これらが暑熱ばく露と重なることで急激に重症化している印象を強く持っております。
 このような背景を踏まえると、労働現場における健康管理としては、特定の検査値や数値指標を確認するというよりも、作業開始前に、「当日の体調に普段と異なる変化はないか」、「心血管疾患や糖尿病などの基礎疾患が悪化していないか」、「食事摂取や睡眠状況が著しく低下していないか」といった点を把握することが重要であると考えます。
 第1回検討会で高血圧学会からの提言について話題になりましたが、基礎疾患の治療に固執するあまり、適切な水分・塩分摂取が行われない場合、熱中症の発症及び重症化につながるおそれがあります。また、基礎疾患の観点から、十分な熱中症対策を講じることが難しい場合には、暑熱環境下での作業そのものを回避せざるを得ません。したがって、労働現場(企業)の実情を踏まえ、水分・塩分摂取を中心とした介入を行うのか、あるいは暑熱環境下での作業回避を選択するのかについて、状況に応じた適切な判断が求められると考えます。
 以上が神田構成員からの意見でございました。事務局からの説明は以上です。
○堀江座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明について御意見を頂きたいと思いますが、一番最後の予防策への支援の所は、後ほど切り分けて御意見を頂きたいと思います。その手前の労働衛生教育のところまでの御説明で何か御意見等がございましたら、まず先にそちらをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○漆原構成員 御説明ありがとうございました。資料2の3ページについて、前回の意見を反映いただき、ありがとうございます。これを見ますと、令和6年の死亡者割合が29、3%となっていたのが、令和7年では12、1%と、死亡の割合は減少していることは分かります。その一方で、休業見込み数3か月以上の数値は令和6年が15.1%であったものの、令和7年は24.1%と、その割合は微増しています。これは休業見込み数2か月以上も同様であり、死亡者と休業見込み2か月以上を合わせると、令和6年と令和7年はほぼ同じ割合ということになろうかと思います。死亡者の割合が減少している一方で、休業見込み2か月以上の重症者が増加していること、さらにはその取組が死亡災害の予防にもつながるということを踏まえれば、熱中症予防を推進し、重篤化を食い止めることは極めて重要と考えています。とりわけ2か月以上の休業を防止するために、どのような施策が去年に追加して今年では考えられるのかという点は、本検討会において示していただきたいと思います。
 また、現在の法令の規定では、熱中症予防対策について、厳密には衛生委員会又は安全衛生委員会の調査審議事項とならないことは理解していますが、かといって事業場ごとの衛生委員会や安全衛生委員会で熱中症対策を審議をしなくていいとすることは問題ではないかと思っています。具体的なリスクの低減策など、現場の労使による真摯な議論を進めていくことが必要であって、そのことが現場ごとに適切な熱中症対策の策定と労働者の理解促進につながると考えており、そのための施策を講じていくべきと考えます。
 また、今、御説明がありました糖尿病や高血圧症については、先ほどプレゼンもあったところですが、こうした議論を通じて現場の理解を深め、該当する労働者にも適切に周知することも重要ですし、労使に加え産業医・産業保健スタッフも出席する衛生委員会等において具体的な対策について調査審議することが非常に重要ではないかと思っています。そのためには、熱中症対策の指針やガイドライン等にその点を明記し、衛生委員会等で調査審議に付していくことを促進することが不可欠ではないかと思うところです。
 さらに、事業場における熱中症対策について、前年の対策の結果を基にPDCAサイクルを回して重篤化予防をより高めていく役割も衛生委員会等にはあると思いますので、そうした観点からも現場労使の協議を進めていくための記載が必要だと思っています。以上です。
○堀江座長 事務局から何かお答えはございますか。
○主任中央労働衛生専門官 事務局から回答いたします。確かに資料2の3ページ目を見ると、死亡災害、左上の赤の部分は減ったということで、事務局としても、この1か月や2か月のところが、改正省令でどうなるかということで関心を持って、今回、数字を拾ったところですが、結果としてはあまり変わっていなかったということになります。3か月以上の重篤度の高いところをどうするかということもありますけれども、ただ、グラフで緑の所の1週間以上を見ても、ここもかなり多く3分の2を占めているということになります。当面、死亡の次は休業4日以上ですが、ここを全体のターゲットという形で次の段階に進んでいく必要があると考えています。
 また、衛生委員会の件につきまして、ガイドラインに何らか明記してはどうかという意見を頂きました。先ほどのトヨタからのプレゼンにもあったとおり、衛生委員会といった場で話をするということもありますし、あと、多分、実態としても、雇入れのときの教育などの計画ともリンクする部分もあるので、実態としてはやっている企業も多いのかなと思っています。法定の審議事項ではないですが、ガイドラインの中でも、労使の理解が必要と、手段として書くべきではないかということを頂きましたので、そこは事務局としても労使の幅広い理解というところで何らか書けないか考えてみたいと思っています。
○堀江座長 ありがとうございます。現行の労働安全衛生規則ですと、第22条第1項第2号に、いわゆる危険有害性の調査等ということで、リスクアセスメントが規定されています。その対象になる有害要因のうち衛生に関するものについては、衛生委員会の付議事項になっていますので、広く捉えるとそこに入ってくる話ではないかと思っています。ガイドラインで、リスクアセスメントについて、どこかに記載いただくと、それに伴ってこの部分も反映されるのではないかと思っています。何かほかに御意見はございますか。
○宮内構成員 ありがとうございました。大変よく理解できました。1点だけですが、予防策の作業環境管理のところです。広い事業場における休憩所で、港湾とか工事現場、農業ですね、こういうケースが当たりますということです。これは私の経験ですが、例えば造船業で屋外でやっている方たちに出くわしたときに、当然、金属アーク溶接作業をしていれば特定化学物質になりますから、屋内も屋外も同じだと思いますが、作業場の中での喫煙とか飲食はできないことになっているわけです。実状から言うと、休憩室に行って休憩するときに、もちろん手を洗ったり、うがいをする、そして水を飲むことをされるのですが、なかなか遠くにあって時間が掛かるということで億劫になってしまうと聞きました。これについては、業種別の形で、今後、取組をされるような場合がありましたら、是非、化学物質を使っていて休憩所がそばにない人たちが結構いるということは想像できますから、そういうことも含めて考えていただければよろしいかなと思いました。以上です。
○堀江座長 今の点、事務局、いかがでしょうか。
○主任中央労働衛生専門官 御意見ありがとうございます。確かにそういった有害物質取扱業務と近接する部分もありますので、その辺りは、休憩所もそういった場合にどういう工夫が要るかについては、事例などをポータルサイト等でも紹介できればと思っています。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○小澤構成員 小澤です。熱中症というのは、同じ環境下でやっていても個人の体調などいろいろなことに非常に影響されて、熱中症にかかってしまう人、かからない人がいると思います。当然、事業者としていろいろな環境整備等は必要かと思いますが、個人の意識をもうちょっと、例えば体調が悪ければきちっと申し出るとか、そういったところをしていかなければいけない。そのためには、労働者そのものに、熱中症の怖さだとか、自分の持っている病気が熱中症にどんな影響を及ぼすのか、そういったことを教育していくのは非常に大事なことだと思います。教育の中でも、建設で言うと、作業員の熱中症の管理を全部しろと職長に言ってもなかなか難しいところがありますし、個人個人のしっかりした管理が必要だと思います。そういったところの教育については、作業員個人に対する教育をしっかりやっていかないと、熱中症自体を防ぐことはできないのかなと思いますので、そこら辺がガイドライン等に明記していけるといいかなと思いました。
○堀江座長 教育について、事務局、何かございますか。
○主任中央労働衛生専門官 スライド10枚目にも書いたとおり、継続的な教育の中で労働者個人個人にしっかりと意識を持っていただくためにも、繰り返しの視聴の短編動画といったところで工夫していきたいと思っています。以上です。
○堀江座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○岩﨑構成員 6ページ目の意見の5点目、スポットワーカーの記載について発言させていただきます。スポットワーカーなど短期間の雇用についても、雇用労働者である以上、雇入れ時の安全衛生教育など、ガイドラインに基づく措置の対象となることは理解していますが、「暑熱順化」の確認は具体的にどのように行うのか。また、この暑熱順化については個人差があり、数日から2週間程度掛かることを踏まえますと、労働者に対してその事業場の熱中症対策を十分に指導した上で、暑熱順化のチェックリストを用いて調べていくのか。それよりも、熱中症を防止する安全性というところに立つのであれば、暑熱順化をしていない認識の下での熱中症のリスクの設定をしておくべきではないかと考えていますが、その点についてのお考え等があればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○主任中央労働衛生専門官 事務局から説明いたします。確かにスポットワーカーについては、雇ったときに、その前の作業がどういったものだったかを事業者も確認しないと、暑熱順化というか、そういった作業ができていたかどうかを確認できないということもあります。チェックリストなど、具体的な方法をどうするかは、調べているところです。継続してスポットワークを頼んでいる方の場合は、どういう確認方法だったり、どの辺に留意していただくか。その辺りをガイドラインに書けるかどうか。熱中症ガイドなどに書けるか事務局で考えたいと思っています。以上です。
○岩﨑構成員 ありがとうございます。作業の継続時間につきましても、作業に慣れた人はもちろんですけれども、新人の方に対しても適用可能な基準であることが必要と考えますので、その点を含めて、是非、検討をお願いします。
○堀江座長 亀田様、御発言をお願いいたします。
○亀田構成員 資料2の6ページについてです。前回、発注者が実施することが望ましい配慮についてということで発言し、警備・運送に関して記載いただきましてありがとうございます。ただ、この点につきましては、発注者が実施することが望ましい取組として、他の産業にも共通するものと考えていますので、記載の修正を検討いただきたいと思います。
 また、荷主等運送事業者などの関係者が協力して熱中症対策を講じることは、重症化の防止につながると考えています。特に倉庫などでの荷役作業中の熱中症リスクは高いことを踏まえれば、配送先の事業場のトラックヤードを含め荷役作業を行う場所では、重篤化することも想定して、一定の休憩場所を設置することが重要と考えています。
 その上で、休憩場所の確保についてですが、令和7年の「『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』実施要綱」におきまして、休憩場所については、氷、アイススラリー、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことのできる物品及び設備を設けることに加えて、休憩する者を一人きりにしないことや連絡手段を明示する等に留意するとありますが、こうした記載については、新たに策定する指針においても休憩場所の目安となると考えておられるのでしょうか。
 例えば、先ほど来ありますように、屋外で日よけテントを設置することは一定有効と思いますが、この場合、それほど費用がかからず、単に設置さえすれば良いと考える事業者が出てくることには懸念があります。野外、屋内の違いや場所的な制約があることは十分承知していますが、厚生労働省として業種業態ごとに一定の目安を示し、熱中症の発症につながらない職場を目指して対策を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。
○主任中央労働衛生専門官 事務局から今の点につきまして。確かに運送業や警備業で御意見を頂きましたけれども、荷主というか下ろすといったことについて、この業界2つに限られたものではないので、記載としては、この2業種のみにかかわらず考えたいと思っています。
 あと、休憩室についてもキャンペーンなどにいろいろ書いていますので、ガイドラインは基本対策要綱とクールワークキャンペーンから取り込んでいくので、基本的にはそのまま新しいガイドラインにも書いていくことで考えています。その辺の要件的なものをどこまで書くかというところは、次回以降でまた御相談させていただきたいと思っています。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。終了予定時刻を過ぎてしまいましたが、予防策への支援の所も実は御意見を頂きたかったので、いかがでしょうか。今日、どうしても発言しておきたいという方がおられましたら。
○佐々木構成員 時間がオーバーしているところ申し訳ございません。補助金の所で、エイジフレンドリーで60歳以上という年齢のところがあるのですが、死亡事例等を見ますと、50代の方がこの資料でも3名ほど亡くなっている、そのことを考えると、60歳でなくても50歳からそういうエイジフレンドリー補助金の対象年齢にされたほうがよろしいのではないかと思いました。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○坂下構成員 今回、資料2において、1回目の検討会の議論の整理と、厚労省の対応案をまとめていただきました。私としては、資料2の内容について大きな違和感はございません。また、今日の議論を聞きまして感じたことを1つ申し上げます。小澤構成員も先ほどおっしゃっていましたが、衛生教育の重要性は非常に高いと思います。これは労働者に対する教育だけでなく現場のリーダーにとっても重要だと思います。そうした中、今日、堀江先生のお話の中で、医学的な知見から御説明いただきまして、どのような形で熱中症になりやすいかということもよく分かりました。したがって、教育が重要だということは改めて確認いたしました。
 その上で、事業者に求められる体制・対応として、皆様御承知のとおり、去年、あまり準備期間もない中で企業に対して罰則付きで義務付けをしたわけです。省令改正で行いましたけれども、改正内容について、しっかりと事業者の皆様への周知が実施された結果、目標としていた、重要視していた熱中症による死亡者数の減少は実現できたところです。本日、浅野様からトヨタ自動車の取組を御説明いただいたように、各社様がいろいろな取組をしていまして、正にいろいろな効果を考えながらコストも掛からないような形も踏まえながら取り組んでいるところですので、予防策については、しっかりと現場の実態を把握した上で、本当に何を求めていくことが必要なのか、慎重に議論していくことが重要だと思っています。ファン付き作業服のことも空調服様から御説明いただきました。市場全体で見るといろいろな物が出回っているということもありますので、しっかりと実態を踏まえて、エビデンスベースで、議論していく必要があると考えています。
○堀江座長 ありがとうございます。
○中央労働衛生専門官 事務局から、坂下さんからの御意見については、今後のガイドライン策定等の参考とさせてもらいたいと考えています。
○齊藤構成員 先ほど、エイジフレンドリー補助金について年齢制限の話が出たと思いますが、おっしゃるとおり確かに高齢者のリスクが高いことは承知の上ですけれども、年齢が低くてもリスクのある方はおられますし、働いている方の中心は40代、50代ですので、エイジフレンドリー補助金という名前からすると、どこかで制限は必要なのかもしれませんけれども、それは今の60代以上よりは少し下げてもいいのではないかと感じます。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。
○田久構成員 教育の部分ですが、小澤さんや坂下さんも含めて、いろいろ言われていたとおりだと思っています。ただ、継続的な教育は、労働者だけでなく個人事業主等にも必要である旨の記載も是非お願いしたい。あとは、新入職者ですね。様々な仕事に就く、いわゆる転職も含めて、ここに対する教育というのは徹底すべき。特に熱中症に関して言うと、建設で言えば、最近の結果で死亡10人のうち8人は新入職者だったという結果を厚労省でも出されていたかと思いますが、新入職者にはきちんと教育を行う。そして、クールワークキャンペーンの中の熱中症予防管理者ですか、管理者教育のカリキュラムには、熱中症に関する教育をやったかどうかの確認をするみたいなことぐらいは、きちっと入れていく必要があるのではないか。義務化でなく、そういったチェック、点検などは是非推進していただきたいと思います。
○堀江座長 ありがとうございます。宮内先生、手を挙げておられますか。
○宮内構成員 簡単にコメントです。先ほど令和7年5月20日の基発0520を見たのですが、そこの6ページの所にサイトの助成金の話もありますけれども、ウェアラブルデバイス等の管理についてということで、必ずしもこういった機器の着用で正確に把握できるわけではない、他の方法と組み合わせることによりリスク管理の精度を高めることが望ましいと出ていますから、そういう文面も再度どこかに入れていただいたらいいと思います。これはガイドラインが適切かどうか分からないですが、いろいろな方法を組み合わせることによってリスクを減らす、精度を上げることができる、精緻化できますよということは重要かなと思いました。
 もう一点、今日の資料の6ページ、予防策の総論の所で、高齢者や障がい者に対する配慮ということで書いてあります。言葉の問題ですが、「高齢者や一部病気を持つ者、障がいのある者などの熱中症発症リスクが高い者」と書いたほうがよろしいのではないかと思いました。条件に合ってもリスクが絶対あるというわけではないかなと思ったので、言葉の話ですけれども、「リスクが高い者については」という形のほうがよろしいと思いました。以上です。
○堀江座長 ありがとうございます。事務局、その点、よろしいですか。
○中央労働衛生専門官 デバイス等の組合せ、表現ぶり等につきましては、報告書やガイドラインの作成段階で皆様に御相談させていただきたいと考えています。
○堀江座長 ありがとうございます。以上でよろしいですか。
 皆様、活発な質疑、ありがとうございました。本日頂いた意見を踏まえまして、次回の議論に向けて事務局での整理をお願いしたいと思います。本日の主な議題は終了しました。事務局よりその他の事項について御報告をお願いいたします。
○中央労働衛生専門官 次回の検討会につきましては、2月4日(水)14時から、この同じ場所で開催いたします。よろしくお願いいたします。座長にお返しいたします。
○堀江座長 それでは、以上により本日の検討会は終了します。ありがとうございました。
○中央労働衛生専門官 連絡事項ですが、本日の議事録につきましては、皆様に内容を確認していただいた上で弊省のホームページにアップさせていただきますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。