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第20回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ 議事録
日時
令和8年3月4日(水)10:00~12:00
開催方法
オンライン開催
議題
- 1.高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等について
- 2.その他
議事
○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第20回「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参加いただきまして誠にありがとうございます。会議中、ご発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、ご発言をお願いいたします。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。はじめに、構成員の変更がありましたので事務局よりご紹介申し上げます。五十音順でご紹介申し上げます。前回会議時、調整中であった全国町村会から、植田英次郎構成員にご就任いただいております。本日の出席状況でございますが、鈴木構成員、田中構成員、吉村構成員、和﨑構成員は欠席のご連絡をいただいております。植田構成員は、本日は傍聴での参加となります。続きまして、お手元の資料について確認させていただきます。事前にお送りしておりますとおり、議事次第のほか、資料1高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、資料2高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進に係る支援等、資料3津下構成員提出資料、参考資料1令和7年度一体的実施 実施状況調査の結果等、参考資料2高齢者の保健事業実施計画(データヘルス計画)の中間評価に向けた手引き、参考資料3保険者インセンティブ(令和9年度分)における評価指標等、構成員一覧、でございます。不足等ございます場合は、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。なお本会議は「公開」とさせていただき、会議終了後、録画映像をYouTube厚生労働省動画チャンネルに投稿する形で公開いたします。公開期間は、会議翌日から当省HPに議事録が掲載されるまでの期間となりますのでご了承いただきますようお願いいたします。また本日の資料は、当省ホームページに掲載済みでございます。それでは、ここからの進行は、津下座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○津下座長 皆さん、おはようございます。座長を拝任しております女子栄養大学の津下と申します。本日は高齢者の保健事業のあり方検討ワーキング、令和7年度を振り返りこれからどうしていくかというようなことについて議論がなされるものと思っております。活発なご議論、どうぞよろしくお願い致します。本日の議題は、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等について、その他の2点でございます。それではまず議題の1つ目、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等についてということで、資料の分量が多くなっておりますので2つに分けてご意見をいただきたいと思います。ご説明どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局の石部でございます。それでは、資料1に基づきまして、ご説明させていただきます。資料1の投影お願いいたします。まず、一体的実施の実施状況、進捗状況のところから報告させていただきます。次のスライドお願いします。一体的実施にかかる概要図になっております。改めて概要と、現在の進捗状況でございます。一体的実施、令和2年の4月から開始しておりまして、令和6年度において、ほぼすべての市町村の方で一体的実施が展開されているところでございます。令和7年度におきましても、引き続きほとんどの市町村の方で受託をいただいている状況でございます。
こちら、これまでも示させていただいている一体的実施の仕組みをお示ししたものでございます。この一体的実施の実施体制の構築にあたりましては、関連する法律三法を改正して、実施を進めているところでございます。改めてのご紹介となりますけれども、ご参照いただければと思います。一体的実施を含む高齢者の保健事業としましては、自立した生活が送れる高齢者の方を増やすというところが最終ゴールとしているところでございます。前回、委員の先生方からのご指摘を受けまして、虚弱という文字、もともと入っていたんですけれども、そちらの方は削除した形で現在資料等で公表させていただいているものでございます。
こちら高齢者の保健事業の中期計画でございます。厚生労働省のところで追記事項ございまして、データヘルスの標準化検証事業を追記させていただいております。また、下のあたりですけれども、研究班事業でございますが、令和8年度から3カ年で、一体的実施の総合的な検証というところで、新たな厚生労働科学研究事業を予定しておりますので、そちらも追記をさせていただいております。
次に、一体的実施の実施状況調査の概要をご説明させていただきます。本調査でございますけれども、一体的実施の取り組み状況、そして課題を把握をするために、広域連合、都道府県、市町村、すべての方にご協力いただいているものでございます。調査報告書は別途取りまとめをしておりまして、今年度末3月末に公表させていただく予定でございます。調査項目はたくさんございますので、本日の会議では一部項目を抜粋してご報告をさせていただきます。まず、市町村の受託状況でございます。受託を開始している市町村は増加をしている状況でございます。こちら都道府県別の内訳のスライドでございますので、ご参照いただければと思います。次をお願いします。高齢者の保健事業では、ハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチともに、後期高齢者の質問票の活用を推奨しているところでございます。実施状況調査で質問票の活用状況をお聞きしておりますので、そちら次ご紹介させていただきます。
質問票の活用状況でございますけれども、97.7%の市町村で活用いただいている状況でございます。使用いただいている目的としては、健診の問診が最も多くなっており、次いで通いの場での健康状態の評価でご使用いただいているところでございます。使用状況の内訳、水色のグラフでございますけれども、特定健診の問診との併用、そして後期高齢者の質問票に独自で追加をしてご使用いただいている割合が、市町村数で昨年度に比べると増加している状況でございます。
次に、ハイリスクアプローチの取り組み状況でございます。最も多い取り組みとしては、健康状態不明者対策で、次いで糖尿病性腎症の重症化予防、生活習慣病の重症化予防となっております。実施上の課題といたしましては、目標評価指標の設定、事業後の評価改善策の立案が上がっているところでございます。ポピュレーションアプローチでございますけれども、健康教育、健康相談の取り組みが最も多く、98.6%となっております。実施上の課題では、目標評価指標の設定、事業実施後の評価・改善策の立案と上がっております。こちらについては、ハイリスクアプローチと同様の課題となっているところでございます。ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチともにですが、広域連合別の実施状況と昨年度調査との比較については、参考資料1に掲載しております。ポピュレーションアプローチの取り組み状況を詳細に分けたグラフがこちらでございます。内訳としては、健康教育と健康相談、いずれも栄養が多くなっているところでございます。また、健康教育は30.1%、健康相談を21.8%が委託により実施されているところでございます。一体的実施では専門職の不足が課題となっておりますので、効率的・効果的保健事業の運用の観点から、このICTの活用状況について実態をお尋ねしております。結果としては、活用事例は1割未満となっております。使用いただいている活用事例としては、健康アプリの活用やオンライン面談といったところが挙げられております。
一体的実施の効果でございますけれども、高齢者の保健事業に取り組む体制の構築が最も多くなっておりまして、次いで高齢者の健康状態や生活機能の課題が把握できるようになった、広域連合との連携ができるようになった、ということが一体的実施の効果として多く上がっているところでございます。令和五年からの一体的実施における効果の推移でございます。三か年比較をいたしますと、すべての項目において、効果を実感いただいている市町村数が増加している状況でございます。市町村における関係機関の連携内容の内訳でございます。横軸が関係機関でございますが、いずれの関係機関においても、一番上段の情報共有が最も多くなっている状況でございます。
現在フェーズ2というところで、一体的実施の質・量の拡充を目指しておりますので、特にその質・量の拡充に関わる取り組み状況の結果についてご説明いたします。まず、広域連合別のハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチを合わせた平均実施項目数でございます。こちらは平均6.4となっており、昨年度の6.1から増加しております。8以上の広域連合については、富山、徳島、高知、鹿児島の4広域となっております。日常生活圏域カバー率でございます。こちらは一体的実施の実績報告書から集計した結果でございます。平均カバー率は90%となっております。10の広域連合ではカバー率100%となっております。
市町村が広域連合、都道府県から受けた支援で有効だったものについてお答えいただいたものです。広域連合からの支援では、受けられた支援、効果があった支援、強化してほしい支援のいずれも、広域連合が開催するセミナー・研修会が最も多くなっております。都道府県の支援としては、一体的実施に関する国の動きの情報提供やセミナーが共通して多い結果となっております。次に、広域連合からの支援の中で、最も強く希望が上がる内容は何かというところをお聞きしたものでございます。こちらについては、課題の分析・実施方法に関する助言や指導といったところが上がっております。また、セミナー・研修会の開催についても伺っているところでございます。
次からが、実施状況調査の広域連合の回答になります。まず、広域連合の市町村支援の状況でございますけれども、市町村への働きかけ・支援の取り組み状況としては、研修会や意見交換会の開催、計画書の作成についてすべての広域連合で実施いただいているところでございます。また、市町村における保健事業の取り組み状況の整理・把握・分析の実施についても、多くの広域連合で実施いただいているところでございます。
広域連合のこういった支援のご要望をどのように把握されているのかという体制も今回お聞きしております。仕組みとしては、随時支援のご要望を受ける体制が最も多くなっております。右側が、どういったご要望をいただいているかの内容でございますけれども、市町村から受けられる支援要望の内容については、広域連合で実施されている取り組みと同様となっておりまして、意見交換会の開催、計画書の作成、保健事業の取り組み状況の整理や把握・分析のあたりとなっております。
市町村への支援状況についてお聞きしております。こちらについては、市町村の規模に応じた支援を行っているかどうかをお聞きしたものでございますけれども、約57.4%、半数以上が基本的には一律の支援・連携で対応されている状況でございます。
市町村支援への課題については、広域連合内での関係者への共有の割合が27.7%となっております。市町村への支援をする上での課題として上げられているところでございますけれども、市町村への負担軽減の方法、そして専門職の不足への対応が上がっているところでございます。広域連合が都道府県からどのような支援、また共同で進めたい支援を希望されているかをお聞きしたものでございます。こちらでは、医療関係団体との調整が最も多く上がっているところでございます。広域連合が国保連合会からどういった支援を希望されているかをお聞きした結果でございます。こちらについては、KDBの活用に関するマニュアルの提供や、セミナー・研修会といったところが多くなっております。
関係機関・団体との連携状況の結果をお示ししております。こちら、広域連合と関係団体との連携状況については、すべての広域連合が国保連、都道府県と連携して実施いただいている状況でございます。これまで関係機関との連携状況をお示ししておりますけれども、高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第3版に、一体的実施の推進に向けた体制整備として、各関係機関や関係団体にどういった役割を期待するかを記載しております。概要をまとめたものがこちらのスライドにございますので、ぜひご一読いただければと思います。
医療機関からの診療情報を健診結果としてご活用いただく、いわゆるみなし健診の取り組み状況でございます。こちらについては、15の広域連合で実施いただいているところでございます。約7割ほどがまだ実施されていないという結果でございまして、実施されていない理由として挙がっているのが、関係団体や医療機関との調整というところでございます。
都道府県の結果でございます。広域連合と共同連携した支援としては、市町村における保健事業の取り組み状況の整理・把握・分析が最も多くなっております。広域連合からの支援の内容について、15種類以上の支援を行っている都道府県は5都道府県となっております。また、16の都道府県では三部門以上で支援を行っている状況となっております。支援状況の内訳でございますけれども、広域連合からの支援で希望が上がっている医療関係団体との協力要請については、31の都道府県で実施いただいている状況でございます。一体的実施の関係、以上でございます。
資料3については、厚生労働科学研究の研究班の代表でもいらっしゃいます津下座長からご紹介いただければと思います。津下先生、よろしくお願いいたします。
○津下座長 はい、ありがとうございます。先ほど実施状況についての話がありましたけれども、研究班の進捗についてご報告したいと思います。資料3をご覧ください。実施の研究ですが、次の2ページでございます。令和5年度から7年度、その前の先行研究班で2年度から4年度までやってまいりましたけれども、厚生労働省・国保中央会の動きと合わせて、研究班ではKDBの活用をより実施しやすくするような二次活用ツールを作りそれを広げる、また報告書等を用いた効果検証、それから実際にKDBからデータを抽出しまして、この一体的実施が高齢者の特性を踏まえた保健事業になっているかどうかの検証を進めてまいりました。このようなエビデンスをもとに政策への提言や研修などを行っております。2ページ右側にお示ししましたのは分担研究の先生方に精力的にご研究を進めていただいている内容になります。
3ページになります。ガイドラインに掲載されているものを取り上げておりますけれども、個別の保健事業については、その対象者を一番上の段、右側の一番上の段、準備段階で、健診結果レセプトを用いて対象者の抽出をし、そして対象者の抽出数を実施可能な数にしていく必要がありますので、さらに絞り込みをかけて実施する。その実施方法については、マニュアルを整理したり、実施者の検証を行ったりして準備を進めるというような準備段階、そして、保健事業の実施においてはその項目に合わせたプログラムを実施するというような形になっておりまして、最終的には事業の評価を行い、そして介護予防等の地域の事業につなげていくというような絵を書いております。このような中で、かかりつけ医等の相談などを行いながら、または口腔の場合はかかりつけ歯科医の紹介など、そういうことを行いながら、この事業を実施していくということになります。
次の4ページをご覧ください。研究班ではこの事業が適切に運営されるように、一体的実施KDB活用支援ツールによる支援対象者を10視点で抽出できるようなツールを公表しております。これら低栄養・口腔・服薬・身体的フレイル(ロコモも含む)、また重症化予防・健康状態不明者について、右側の抽出項目ですね、これは健診データと質問票もしくはレセプトも合わせながら抽出をするということで、市町村の現場に立つ保健事業担当者が簡単にこの対象者を把握できること、概数を把握して事業の計画を立てられるように、という形で進めてまいりました。
今回ご報告するのは、分析結果を踏まえた各個別支援事業がどのようなエビデンスがあるかということについてお話をしていきたいと思います。また今年度は、広域連合や自治体、市町村の方に参加していただいてワークショップを開催しました。アンケート結果を踏まえた推進への意見を聞き取りましたので、そのご報告、そしてさらになる推進に向けての提案ということにしたいと思います。
研究班では愛知県と神奈川県の2つの広域連合の令和2年度から4年度分の匿名化KDB情報を預かりまして、それで三年間連結可能な180万人のデータを用いまして分析を行っているということでございます。これからは主にこの結果をご報告することになりますけれども、一つだけ気になっていることですが、やはりこれは直近のデータでより長期の分析をしていくということが必要なんですけれども、今回の研究班でできたことというのは2年度から4年度、まさにこの事業が立ち上がる段階でのデータになっているということをご了承いただければと思います。
その次のページですけれども、このようなデータベースから対象者の抽出をし、そしてその方々が、自然経過ということもありますけれども、医療費、介護費、要介護認定にどのような影響を及ぼすのかというような研究や、また実際に介入したことでどのような変化があったかというような検証を行っております。
これはまず質問票の項目の信頼度がどうかということで見ておりますけれども、質問票に15項目がありますが、それは飯島先生のグループでやっていただいているんですけれども、この項目に該当する数が多いほど以降の要介護認定が増える。また、介護給付費が増額するということで、質問票でいくつか項目が重なっているほどハイリスクであるということを示しております。
次のページですけれども、介護給付費、費用の面で見ても、医療費総額において4項目以上重なってくる場合には1.6倍ということで、短期間でありながら増加をしていくということがわかります。
そして次のページは、血圧、血糖、コントロール不良で見ていくとやはり不良な方のほうがリスクが高いんですけれども、それに質問票の項目と合わせて見ていくと、よりリスクの高い方々を抽出することができるということでありまして、重症化予防においても、ヘモグロビンA1cだけとか血圧だけというよりは、質問票と合わせて見ていくことの意義が大きいということがわかるかと思います。次のページお願いします。
また、質問票の中で、社会的フレイルということで週1回以上の外出、家族や友人との付き合いがあるか、相談できる人がいるかという社会的項目3項目が該当していると要介護認定の割合が増えてくるということがわかります。これと身体的フレイルが合わさった場合には3.65倍ということでありまして、質問票の中にも、身体の状況を聞くものだけではなく社会的な側面を聞く質問票があり、これらの活用というのも非常に重要であるということがわかります。
そして次のページは低栄養についてですが、低栄養が単独である場合とまたは重症化予防、それから身体的フレイル、口腔などが重なると、どのぐらいリスクが高くなるかということを田中先生と遠又先生に分析していただいたものになります。低栄養だけですと真ん中の赤のところになるんですけれども、これに身体的フレイルが重なると右側の黄緑色になるとかですね、重なるごとにリスクが高くなるということ。また、横が人数になっておりますので、この面積が大きいほど人口寄与の危険度が高いということになります。このようなデータから、人数とかどのぐらい危険度が高いかということも把握することができるということで、これはまだばらつきが大きい段階のデータではありますけれども、今後追跡期間などが増えてくると、よりきちんとした結果になっていくということが期待できます。
次の結果ですけれども、低栄養の該当者にマッチングさせて事業の参加者と非参加者を比べた時に、参加した分のほうが翌年の質問票の回答で「むせ」「体重減少」など有意に改善し、転倒歴も減って改善する傾向にあることを示しています。
その次は、口腔に該当する方についてのアウトカムを見ているということになります。その対象者において、入院が絡む医療費が非常に上がってくるというようなことがわかっております。外来だけだと口腔で健診を受けてないとか医療を受診してないということで医療費は少ない傾向もあるんですけれども、入院が多いというようなことです。また、介入した場合には噛むことがよくなるというような結果が出ております。これは渡辺先生、佐藤先生の分析です。
次は、分担研究者の平田先生は構成員でもありますので簡単なご紹介になりますけれども、服薬の状況で多剤の影響も分析していただいたところです。転倒については次のページです。
転倒歴がありかつ睡眠薬の処方がある方では、骨折発生のリスクが高いということがこの結果から報告されております。骨折というのも高齢者の寝たきりにつながる要因でもありますので、このような結果ということでございます。
16ページは重症化予防で、フレイル、ヘモグロビンA1cが、下の一番左ですけども、A1cが7.0%以上だけで質問票には該当しないフレイルには該当しない方と比べると、フレイルのみ、また両方該当する方については、新規要介護認定が明らかに高くなるということが示されていて、そして年代別で見ても75歳から84歳で特にその傾向が顕著に見られるということがわかります。ということで、国保では検査値のみで重症化予防の対象者を抽出するということですが、後期高齢者では特に質問票の活用が有用ということがわかります。
また、17ページでございますけれども、この健康状態不明者、健診も医療レセプトも介護給付費もないという方々については、その後要介護になるリスクが高まる、1.4倍というような結果が出ているということでありまして、ツールで抽出していただいた対象者については、二年後の限られた短い期間だけで見ているのがこの研究の限界でもありますけれども、そこでももうすでにリスクが高まっているということがわかりますので、介入ハイリスクアプローチの対象者として適切ではないかというように見ております。一方で、多くの高齢者について、広く健康状態について知っていただくという必要があり、ポピュレーションアプローチの有用性というのも重要だと思います。本事業ではハイリスクアプローチでポピュレーションアプローチを組み合わせて実施するということでありまして、ハイリスクアプローチのところで、右側の判断基準で事業が終わった後にその後何かにつなげているかというようなことがあるかどうか。また、ポピュレーションアプローチにおいてもハイリスクアプローチとの連動ということも確認しております。
19ページです。そのようなスコアでもって見ていきますと、年々よくなる傾向は見られているものの、まだここの連動とか、それから複合的リスクに対応していないというような状況もあるということが分かりました。
次のページは分析のまとめになっておりますので、また後ほどご確認ください。
その次のページですけれども、このようなことから後期高齢者においては様々なリスクが併存してて、最初は生活習慣病から始まって、そして口腔もあって、服薬の問題もあってということで、複合したリスクを抱え込んでいるということがわかります。ですので、そこは支援の入り口として必要な専門的なサポート、またその後に生活の中で継続できる取り組みにつなげていくことが重要と思われます。
22ページをご覧ください。ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチそれぞれが独立して分断になるのではなく、ハイリスクアプローチの該当者に対してアプローチをしたことで、その人たちが地域で健康行動とか相談できる場所につなげる。またポピュレーションアプローチで、通いの場等でリスクの保有者、また通いの場に通えなくなってきたような人たちを発見してハイリスクにつなげる、双方向の動きをしっかりと行っていくということが重要だと思われます。
ハイリスクアプローチに対して委託している市町村においては、口腔の委託、栄養も委託、運動は、とそれぞれバラバラに委託していると全体の統合が取りにくいというような課題感も浮かび上がっているところかなと思います。
では、次ですけれども、このようなデータを実際に担当者の方に聞いていただいて、どう思うかということについてワークショップを開催しました。
9月18日に開催したのですが、質問票のエビデンスや個別の保健事業、またこのような結果だけではなく、どのように進めたらよいかということを研究班の立場から情報提供をしました。そして、その後、第二部でグループワークを行ったという構成になっております。参加者については、保健師さんが85%であったということ。それから、参加希望者の経験年数は、今年度からとか二年目からとかいう方が市区町村、広域連合で非常に多かったと。研修に参加されるということでそういうこともあるかもしれませんけれど、人事異動はかなりあって、研修を繰り返し行っていくというような必要性があるのかなというふうに思いました。最初に事前のアンケートをうかがっております。「一体的実施の質と量を高めるために特に課題と感じていることは何ですか」ということで、たくさん書いていただきましたが、広域連合から見てマンパワー不足とか部局間での連携のこと、それから国の基準で対象者が総数の場合に事業の対象者を、HbA1cを7.0%ではなくて6.5%にまで広げているがそれは大丈夫だろうかとか、そんなようなことがありました。専門職の確保、市町村担当者同士が顔を合わせて情報交換できる機会が少ないと感じているなどです。
それから、26ページですが、市町村から事前に聞き取ったところにおいては、人材の確保とマンパワー不足ということです。2番目にあるのですけれど、県、国保連合会、広域連合の間で連携が不足しているということが記載されていて、市町村の丸投げ状態になっていて、相談できる体制がないとか、保健師の能力の向上が必要とか、より高齢者自身に興味を持ってもらうことが必要とか。通いの場についても、既存のグループがあって、新たにそこに入っていくことが難しい対象者もいるので、新たな場づくりの悩みも記載されています。また、評価の難しさについても挙げています。
27ページ以降が事後のアンケートになります。おかげ様で531名の参加で「大変良かった」「まあまあ良かった」を合わせて、ほぼ100%になっておりました。
いろいろアンケートを取っていますが、研修に参加して特に見直したいと思ったことが28ページに書かれています。質問票の重要性ということを繰り返し述べておりますので、その活用法について見直すとか、エビデンスをもとに説得力のある展開を目指すとか、高齢者に適した抽出基準を取り入れる必要があるということ、それから、高齢者部門と健康部門の連携を強化したい、などの声が市区町村から多く上がりました。広域連合においては、オンラインとハイブリッド型で対面のグループワークをやりましたので、直接声を聞くとか、担当者同士で話をするということが非常に有効だった、重複リスク者への対応が必要ということ。都道府県では、ポピュレーション事業の評価など市町村取り組みを支援するようなことが必要だという回答がありました。
29ページですけれども、293市町村に対して、「事業委託や人材派遣により一体的実施を協働して実施している機関はありますか」ということで、具体的に医師会、個々の団体名について連携がどのぐらいできているかということで聞いております。これは会議体による情報提供や助言のみは除いているということで、実際に一緒にやっているということですけれども、医師会については、低栄養、服薬、重症化予防、健康状態不明者ということですが、この連携の状況については、かなり濃淡があるのかなというように思いましたし、293の市町村の中で実際のパーセントは少なめかなということを感じている次第です。
30ページについては、このような活動の中から研修の要望が、市町村からのワークショップ参加者からの国・研究班への要望ですけれども、研修や意見交換が重要である、それから研修内容の充実、具体的な事業の進め方、成果事例の共有が必要、事業向上のためのフレイルとか糖尿病管理とかの高齢者に対する管理の最新情報とか、85歳以上をどうしたらいいか、というような課題感も提案されておりました。
研究班では31ページにありますように、これまで冊子を作ってまいりました。現在、ほぼ出来上がりつつあるのが、この検証事業を経て取り組み推進ガイドについて、現在作成中でありまして、今年度中に研究班の成果物として出していきたいと考えております。
37ページ、事業の振り返りをしていただきながら、より良い事業につなげていくということで、最後がまとめのページになります。ワークショップに自治体に数多く参加していただいたのですけれども、担当者の異動に伴って一体的実施の理念とか仕組みが引き継がれていないと。データを統合していいかとか、担当ごとにバラバラになっている状況も見受けられたということがありまして、一体的実施とは何なのかということを繰り返し伝えていく必要があるということ。また、自治体内部での実施にとどまっていて、自治体の皆さんは頑張っているけれど、地域の関係者まで広がっていないということも実感として、声からもデータからも感じているところになります。今後、地域の職能団体の方々が一緒に動いていただくことが重要だと思います。今回の分析は期間が短い、また介入強度について十分に反映できていないということがありますので、今後も引き続き分析をし、提言につなげていくことが必要かと考えております。以上で研究班からの報告とさせていただきたいと思います。
〇津下座長 ただいま、厚生労働省の石部さんの方から、国の調査の結果をお話しいただきました。10月、11月に行われました市町村、広域連合、都道府県に対するアンケート調査の結果で、実施状況は年々高まってきていることとか、嬉しいことに効果を感じている自治体が増えてきたということがありました。一方、関係機関との連携については、情報提供レベルにとどまっている自治体もまだまだ多いし、団体によっての濃淡もありました。それから市町村票では平均事業数・カバー率が高くなってきているということもあるし、セミナーとか相談の場を求めているということも報告されました。医療機関との調整については、特に都道府県の役割が大きいのではないかというのが町村や広域連合の声であったのではないかと思います。このような令和七年度の一体的実施の進捗状況がございましたけれども、これまでのご説明について、ご質問やご意見をいただければと思っております。どちらの資料についてお話いただいているかということについて明示していただきながらご意見をいただけるとありがたいです。では、どなたからでも結構ですけれど、いかがでしょうか。では名簿順で申し訳ないですが、国民健康保険中央会の池田構成員いらっしゃいますでしょうか。連合会は研修を実施したり、KDBのことで一体的実施を支えてきていらっしゃると思いますが、この実施状況や調査票、また研究班についてご意見等いただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇池田構成員 はい、ありがとうございます。国保中央会の池田でございます。私どもは、この高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施につきましては大きな役割を担っていると認識しております。最初にご説明いただきました資料1の6ページの中でも、私ども連合会中央会ではKDBを使ってのデータの提供、あるいは利活用に向けての支援をさせていただいておりますが、特に研修会についても、厚労省と共催をさせていただいて研修をしております。例えば昨年の7月でございますが、広域連合・都道府県、連合会を対象とした支援者研修というのを実施しております。その中で、各都道府県内での関係組織の認識合わせとか、一体的実施に向けた取り組みをどのように増やしていくのか、どのように質を高めていくのかというようなことをテーマとしてグループワークなども実施してきたところでございます。その中で、同じ課題を持ったメンバー間で議論をすることができた、特に議論を深めることができたなど、参加者の方々のうち9割以上の方が今回の研修について参考になったとの回答をいただきました。来年度の支援者研修の実施については、厚労省さんともよくご相談させていただきながら、またわたしども中央会の中にあります高齢者の保健事業に関する検討の場もございますのでその中でも議論をいたしまして、特に第三期のデータヘルス計画の中間評価に向けて、関係機関が連携して効果的・効率的に事業を実施できるように企画をしてまいりたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。以上でございます。
〇津下座長 はい、ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。KDBを活用して対象者を抽出したり評価をしたりする、そのあたりが全国で広がってきているということも非常に研修の成果ではないのかなというふうに感じているところでございます。そうしましたら、ちょっと飛びますけれども、広域連合のお立場で岐阜県後期高齢者医療広域連合の林構成員、いらっしゃいますでしょうか。広域連合として一体的実施に向き合っていらっしゃると思うのですけれども、先ほどのご報告などを聞いていただいて、また岐阜県の状況などお話いただけるとありがたいです。
〇林構成員
様々なデータをいただきましてありがとうございます。岐阜県広域連合としましても42市町村に委託して一体的実施を実施しておりますが、取組み数に やはりばらつきがあります。大きな市は専門的な保健師を配置できますが、小さい町村となりますと、そういう専門的な職員を配置できないという状況があります。研修会につきましては、岐阜県では、広域連合が中心となり、各市町村の一体的実施担当者向けの研修会を開催しています。また、国保連合会が開催する研修では課題と感じている項目について共有し、テーマを決めて実施していただいております。年2回、県と国保連と三者協議を行って一体的実施の実施状況等について情報共有をしております。各市町村が実施する際の課題と感じているところを共有することで市町村が取組みしやすい環境づくりの協力をしているところです。実際の現場での取組については市町村の大小もあり、広域連合が中心となって統一して行えるようにすることが課題と思っております。以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。数字だけでは見えない現実のご苦労が色々あるのかなと思いました。それでは栄養士会の西村構成員、低栄養を支えていらっしゃると思うのですけれど、いかがでしょうか。
〇西村構成員 はい、西村です。いろいろご丁寧におまとめいただきありがとうございます。津下先生にお伺いしたいのですが、職能団体との関係でここも濃淡が出ているような気がしまして、県ごとであったり地域ごとであったり、その辺、先生は調査されてどのようなふうにお考えか教えていただければというふうに思います。
〇津下座長 ありがとうございます。そのあたりに焦点を絞った調査というところまではいけてないのですけれども、私が感じていることは、そこの都道府県の職能団体、例えば栄養士会や薬剤師会など、一体的実施って自治体がやっているようだけどどんなことか理解したいので研修会で話してほしいというようなご要望があるところは、自治体から情報がいっているのだろうなと感じています。そこで自治体の方や職能団体の方が多少混乱して見えるのは、今までは課ごとにバラバラで高齢福祉課や介護担当の話なのか健康増進の話なのか健診の絡みなのか、それぞれ別々の課だっただけれど、これは一体誰につながっていったらいいのだろうととか、一体的実施の構造自体がご理解いただかずに、事業だけ話をされても、どこに相談を持っていけばいいかわからないというような声を聞いたことがございます。また一方では、一体的実施については、あれは自治体さんがやっていることというようにおっしゃる都道府県職能団体の方も見えるので、やはりこれは都道府県、市町村、広域連合からまたは国からかもしれないですけど、各団体に周知していくことも必要ではないだろうかと感じているところです。
〇西村構成員 ありがとうございます。私、日本栄養士会の方で地域連携事業部長を拝命しておりまして、この一体的実施事業に関しては47都道府県の会長と理事たちに、この会議にはずっと参加させていただいていますので以前からこういった取組みが広域連合の方で始まっているのでどんどん職能団体として関わってほしいというふうに、全47都道府県の会長と理事にお話をさせていただきました。そこですごく積極的な県もあったのですが、問い合わせをしてもあまり自治体の方で返事が返ってこないみたいなことをおっしゃっていた会長もおられたので、その辺がどうだったのかなと思って拝見させていただいたのですが、この結果を見てもなかなか広がりきっていないのかなっていうふうに感じましたので。ぜひ我々も努力しますので、よろしくお願い致します。
〇津下座長 ありがとうございます。栄養士会の方で、例えば都道府県でどういうふうに取り組んでいるかっていうような調査するとか、そういうことって可能なのでしょうか。
〇西村構成員 はい。どんな取り組みを実際に行っているかっていうのを調査すること自体は問題ないですね。そんなに難しくなくできると思います。
〇津下座長 国の調査、国が自治体に対して連携していますかと聞いたら、はい連携しています、になっちゃうのですけど、実際にその地域でその団体の担当者がどう見えているかということが分かるといいと思います。とても熱心にやっている都道府県はこうで、温度が低いところはそこみたいなのが、実感として出てくるといいのかなって思いましたので、可能性があればお願いします。
〇西村構成員 はい、我々の方でも。ちょうど全国の会長会議が年に2回ありまして、その時の統一議題っていうのを決めています。その中にもし、今、津下先生がおっしゃっていただいたような調査ができるのであれば、統一議題に入れてしまえば調査が可能だと思いますので、検討させていただきます。
〇津下座長 勝手に話してしまいましたけれど、よろしくお願いします。
〇事務局 大変ありがたいと思います。補足として確かに国からの調査なので、うまく書こうという意識が働く可能性もなくはないのかなとも思いますので、いろんなところから調査自体を把握していただいて、それをまとめた上で、どんな方策を立てる必要があるのか、改めて考えていけたらなというふうに思っております。
〇西村構成員 来週、地域連携事業部会があり、次年度の統一議題を話し合う予定になっていますので、私の方から提案をしてみたいと思います。ありがとうございます。
〇事務局 補足としましては、スライドの12枚目を表示してもらっていいですか。先ほど自治体の方とか聞いていただいて温度差があるっていうところではあったのですけれども、一体的実施はようやく立ち上がってきたというところもありまして、ハイリスクアプローチの取り組みメニュー数がいくつかあって、その中でまず何をするのか、これは自治体さんにお任せしているところがあるので、自治体が一体的実施の開始はしているのだけれども、低栄養の取り組みはまだ着手してないとか、そういうパターンはまだあるのかなと思っています。そういう実態がこの実施項目数で挙がっているところなので、実際一番多くやったりされているのは、健康状態のわからない方、医療やその他にも何もつながっていない方への取り組みの支援をまずされているところが多い状況で、数でいくと、低栄養については794市町村が実施されているので、全体で1700なので900市町村ぐらいはまだ低栄養のハイリスクアプローチについての取組みはまだこれからというところなのかなというところでございます。補足としては以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。これが広がるということ、低栄養のハイリスク者がいない自治体はないと思うので、そういう意味ではポピュレーションの方はかなりやっていただいていると思います。ポピュレーションアプローチの方は、低栄養・口腔・身体的フレイルの3点セットで実施しているところが多いですけれども、特にハイリスク者についてはまだ伸びしろがあるところかなと思いました。
〇西村構成員 その辺も含めて検討させていただきます。ありがとうございます。
〇津下座長 次に歯科医師会の野村構成員いらっしゃいますでしょうか。いかがでしょうか。
〇野村構成員 はい、大変なデータ分析をしていただいて感謝を申し上げます。歯科医師会としては、かなりの部分で県・市レベルで協力をしている形ですが、後期高齢者の健診事業でハイリスク者をピックアップはできているのかなとは感じていますが、他団体との連携がどうなのかなというところもございます。そして指標としてオーラルフレイルがあったり、口腔機能不全症であったりというところが取り上げられているので、そのあたりをどう対応していくのかというのがこれから課題になっていくのかなと思っています。ポピュレーションアプローチ、例えば通いの場などから、今度はどう歯科医院につなげるかというところが課題のひとつなのかなと考えています。先生の分析の中で、口腔に関して佐藤先生と渡邊先生が分析されていますが、口腔の該当者で入院を含む医療費が高かったが外来のみの医療費は低かったという結果で、当然の結果ではあるなと感じています。ただ、外来の方をどうするのかというところはこれからの課題でもあり、開業医レベルでどう対応できればいいのかというところを考える必要があります。実際、外来に来られていない場合もあって、後期高齢者の健診票を持ってこられる方は、意外と定期的にリコールで来られている方が持ってこられることが多く、全くの初診で来られる方が持ってくることは少ないという印象があります。そのあたりをどう広げていくか、健康状態が把握できていない方にどう対応できるのかということについて、歯科医師会としてどう協力できるのか対応すべきと考えています。私自身が高知県で高齢者が多い地域なのでこの結果はその通りだなと思いますし、広域連合ともお話しした通り、国保連合会のデータベースを使わせていただいて検討したこともありまして、そういうところでかなり、糖尿病に関しても高齢化が進んでいて、そこに歯科がどう介入できるのかという点も検討してみました。ただそれも含めて口腔内をどう保つか、機能をどう維持するかというところで、以前に飯島先生からも口腔、オーラルフレイルが弱いというご指摘をいただいておりますので、そのあたりも含めてどのように私達がこの事業に協力していくことができるかというところを検討したいと思っています。口腔に関しては見えにくいというところもあろうかと思いますけれども、質問票でスクリーニングをした後、口腔内診査をして機能を見ていくという流れで、実際にはなかなかミールラウンドのようなところまでは対応ができていないというのが現状です。入院とか施設入所の方とかであれば見られるのですが、外来ではなかなか、もっとその部分が広い部分ではないかなという気がしていますが、その辺はいかがでしょうか。
〇津下座長 ありがとうございます。色々な取り組みがされている中で、モデル的に住民健診時に歯科健診も組み入れているような自治体もあり、今回のこの検証では、症状があるのに歯科レセプトがない方については、半数くらいが歯科受診していて、その方たちのデータを見ると、物が噛みにくいというような質問票を改善しているというデータがあります。ですので、特別な介入というよりは、受診をして口腔に意識を持ち、義歯の調整などもあったと思うのですけれども、そういうことで改善傾向が見られています。自治体からは繋ぐことはできるけれども、その先はやはり専門的な見地で、どういうふうに動かしていけばいいのか、自治体へのサポートをお願いしたいなというのが正直なところかなと思いますけど、いかがですか。
〇事務局 そうですね。自治体から拾い上げをして、適切なところにしっかりとつなぐというところが役割なのかなとは思っていますので、ぜひ引き続きお力添えをいただけるとありがたいです。
〇津下座長 あとは、口腔で歯科に来られた方で栄養状態がどうなのか、食べられていないのではないかということで、また栄養士につないでいくとか、そういうことはこの一体的実施の枠組みの中で、協働して連携してできることかなと思います。
〇事務局 企画調整の方が、全体的な事業の調整などをしていただきたいという意味で、専門職を置くための補助をしております。企画調整担当という役割をお願いしていまして、庁内の連携もそうだし、地域の関係者との連携やつなぎをどうするかという役割も含めて企画調整という役割を設けておりますので、そういった方が地域のキーマンとなって、地域の高齢者の方の暮らしを支えられたらいいのかなと考えているところです。
〇野村構成員 ありがとうございます。私自身も研修会等で講師を務めさせていただいたこともありますけれども、栄養士会の皆さんや一体的なリハの先生方とも一緒に対応できるような研修会が必要かなとは実感していますので、日本歯科医師会としても全体的にそういう内容も必要かなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
〇津下座長 ありがとうございました。それでは、日本看護協会の宮崎構成員、いらっしゃいますでしょうか。
〇宮崎構成員 はい、ありがとうございます。日本看護協会の宮崎です。お世話になっております。たくさんの資料のおまとめ、状況のご報告、ありがとうございました。また、津下先生の研究のご報告については、大変興味深く聞かせていただきました。先ほどもお話ありました職能団体との連携や、専門的な人材の確保というところに関しての課題と、看護協会との連携があまり進んでないのではないかといったところについては、少しずつ増えてきている状況はあるなということは資料1からも確認させていただいたところではあります。私たちとしては、2年前にもここでご紹介させていただいた通り、市町村・自治体に向けて、ナースセンターの活用についてご案内を差し上げているところです。ナースセンターにも保健師の特設ページ等も作っており、登録者数も増えている状況がありますので、保健師等についてもスポット的に活動したいという方もいらっしゃるので、そういったナースセンターを通しての人材の確保については、こちらとしても引き続き強化していきたいと思っておりますし、この状況については、機会を捉えて共有していきたいと考えております。また、もう1つ津下先生の研究で結果で出ていたところですね、これからたぶん一体的実施は質を上げていくことに取り組むフェーズに入っていくのだと思いますけれども、そこに関連する話として、やはり継続性の問題があるのかなと感じています。まとめの津下先生の最後のページにも、逆戻りしているような状況があったりとか人の異動が多いというところ、ワークショップに参加した保健師は85%とご紹介いただきましたけれど、経験年数の短い方であったり。それから課題に感じているところの中に、人の確保のほか個人の能力の話が出ていたかと思います。どうしても多岐にわたる業務を短期間で行い、異動もというのが現場としてはあると思っています。個人の能力も大事ですが、それだけでなく保健部門と連携して組織的に運営していくことが、この事業の本質だと思っていますので、組織全体として連携し、継続性を保つためにどのような支援が必要かというところもぜひ国としても考えていただけると良いと思いました。また、今回の研究の中で実施されたようなワークショップが継続的にあると、皆さんも課題の共有や好事例の共有ができ、とても効果があると思いますので、取り組んでいただけたらと思います。私たちも協力できることがあれば考えていきたいと思います。私からは以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。実際に一体的実施、企画調整で保健師さんに多く活躍していただいているのですけど、やはりマンパワー不足がある中で、地域の人材が活用できているかというとそこまでまだ至っていない現状もあるので、そのあたりの情報提供とか、一体的実施は他の事業と違って横に広がる調整が必要になるので、新たな学習といったことも必要になってくる部分もあるかなと思いますよね。
〇事務局 そうですね、ありがとうございます。今挙げていただいた課題が、新しい方になって交代があるといったところで、そもそも一体的実施の仕組みなどが最初に頭に入っていないと、言われたことだけをただ行うだけでは難しいところもあり課題感として感じているところです。そちらについては、初めて一体的実施に関わる方が、仕組みや目的、目指す姿がわかるように、全体のところをもっとわかりやすいような情報発信の仕方を考える必要があると考えているところでございます。今回、この資料の冒頭の方に改めて制度や仕組みについての資料を出させていただいていますけれども、これまで市町村が展開したところでも、キーのところがなんとなく広がったのかなということで説明を省いていた部分もありました。ただ、継続して、どんな場面でもこの説明の時には入れた方がいいのかなというふうにこちらのほうでも考えているところでございます。
〇津下座長 ありがとうございます。一点、一体的実施が始まる前に法律を3本書き換えているという、それでできるようになったことがあるのだけれど、そこが理解されないまま質問が出たこともあって、資料1の4ページ目に載せていただいています。それではありがとうございました。では、薬剤師会の村杉先生、お願いいたします。
〇村杉構成員 日本薬剤師会の村杉でございます。改めてですが、一体的実施を経年的に継続して推進されており、成果と課題がこれほど整理されているのは素晴らしいと拝見いたしました。私からはいくつか感想とご質問をさせていただければと思います。まず資料1についての感想ですが、広域連合、都道府県、市町村の調査結果で課題として挙がっている点について、日本薬剤師会として3つ注目しております。1つ目は医療関係者も含めた専門職の活用がなかなか進まないという課題です。2つ目は市町村の担当者のマンパワー不足の問題。これは非常に大きな問題ととらえています。市町村においては、保健事業、介護予防事業、健康増進事業、障害福祉や社会福祉のところでも同様の対応を行っており、現場の職員からすると非常に負担感が大きいという意見もございます。この辺りのところで地域の専門職を活用することにより、負担軽減につなげていくということは大事なポイントだと感じているところです。3つ目は後期高齢者広域連合・都道府県・市町村の連携と庁内連携を着実に推進していくことです。その上で資料3についてですが、7~19ページまでは地域の医療関係者に非常に響く内容でわかりやすく整理されていると感じました。また、地域の医療関係者に介入してもらうことによって効率的・効果的に結果が得られるということが示されており、一緒に目標を共有できる素晴らしいデータだと感じたところです。また、最終ページの3つ目に、国から職能団体への情報提供強化や、しっかりと高齢者への介入につなげていく必要性が示されておりますが、ここは非常に重要なポイントだと感じました。資料1の18ページについて、西村構成員、野村構成員、宮崎構成員からもご指摘がありましたように、左列の「健康課題の分析への参加」「実施方法・体制検討への参加」「事業実施への参加」「事業の評価への参加」などに地域の職能団体がしっかり参画していけるようになると、取り組みが進むのではないかと思います。最後にぜひ事務局の厚労省、そして津下先生にご見解があればお聞かせいただきたいところなのですが、課題は明確になっているわけで、これを解決していくために、今まさに国でも検討をしていただいています。さらに津下先生が中心になって取り組み推進のガイドの活用に注力されていると承知しております。これらを踏まえ、課題解決につながる取組みとして、体制整備支援として有効な方策はないかと考えております。例えば薬剤師会に関してですが、市町村が地域薬剤師会や都道府県薬剤師会に対し、資料1の4ページ目や津下先生の資料等を活用しながら、薬剤師団体に説明を行うための資材を作成し、具体的に協力してもらいたい事項を説明するなどして、効率的な事業につなげられるとよいのではと考えております。場合によっては、西村構成員からもご発言がありましたとおり、栄養士会に加え、医師会、薬剤師会、歯科医師会にも同時に声をかけ、コアとなる方だけでもご参加いただき、ご意見を伺う機会を設けるだけでも事業が進むのではないかと思います。市町村レベルで専門職の活用が進むよう、たとえば「この資料を使ってこう説明するとよい」といった具体的な資材を作成し、取り組みを後押しできないかと思った次第です。そのあたり、ご見解いただければと思います。以上でございます。
〇津下座長 はい、ありがとうございました。もしよければ、私の方から。貴重なご指摘をいただきましてありがとうございます。研究成果も自治体に広げるだけではなく、関係団体にも知っていただく必要があると思っております。今回の推進ガイドは、とりあえずは自治体向けとして書いてありますが、冊数の調整などで、もしお配りできるのなら各団体にもお送りすることも検討したいと思っております。これから印刷に入るところなので、見ていただき、一体的実施について理解していただけるようにすることと、場合によっては一体的実施のコアスライド的なものをセットするなどして、地域で研修していただけるようなコアスライドを提供することも、今年度やろうと思えばできる話かなと思っておりますので、準備したいと思っています。
〇村杉構成員 ありがとうございます。ぜひコアスライドのようなものをご提供いただくことや、例えば厚労省から日本薬剤師会に対して、今回自治体向けガイドが出ましたと案内いただけるのもよいかと思います。そうしますと自治体から都道府県薬剤師会や地域薬剤師会に依頼や相談が入った際に、対応が取れると考えます。日本薬剤師会としても全都道府県薬剤師会に必要な通知を出すなどの対応をしてまいりますので、ご検討いただければと思います。
〇事務局 ありがとうございます。コアスライドなどのまとめについては、検討していきたいと考えております。全体の高齢者保健事業に関する資料については基礎資料ということで、毎年更新する形でたくさんにはなるのですけれども、ホームページに掲載しております。ただ、分かりやすさというところにはもう少し工夫の余地があるのかなと考えているところでございます。最初に上げていただいた課題については、ご指摘いただいているとおりだと感じています。国としては、良い事例、例えば関係団体とうまく連携した事例など、取組の事例をいろんなところで紹介させていただいています。これまでの実施状況調査の結果も踏まえて、良い事例がどこにあるかをこちらも発掘させていただきながら、国としても発信していきたいと考えております。
〇津下座長 ありがとうございました。では、日本医師会の渡辺構成員、お願いいたします。
〇渡辺構成員 日本医師会の渡辺です。実際にこういう事業を行うのは地区医師会なので、日本医師会が個別の意見を言うのは難しいところがあり、事情もありますので、これをしたいと一方的に言っても地区医師会自体の対応があるので、できればこのような情報をできるだけ周知していただき、自身が関与する自治体がどの位置にあるかを把握してもらうこと、勧奨することが大事だと思います。それを医師会から行う方がいいのか、見てもらわないと意味がないので自治体との情報連携が必要だというのが1点でございます。資料1に関しては、各論については先ほど述べた理由で特別に述べる立場ではありませんが、例えば13ページぐらいからのハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの課題・実施状況については、当たり前のことですがハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチでは対応する母集団が基本的には重なっています。全体にポピュレーションアプローチを行って、その中のハイリスク群に対してハイリスクアプローチを行うわけですので、両アプローチの実施システムが連携していなければいけないと思います。おそらく調査されているのかもしれませんが、そのあたりの資料があった方がよいと思いました。ポピュレーションアプローチを実施し、ハイリスクアプローチを実施した場合、ポピュレーションアプローチの効果が実際に、これは先生が報告されている37ページのアウトカム評価にも一部ありますが、ハイリスク者の人数がどう変化するかというところは、結局ポピュレーションアプローチをやっただけなのか、効果的なポピュレーションアプローチを行ってハイリスクアプローチに対してどうなったか、ハイリスクアプローチをやった場合のそのハイリスクの転帰はどうか、というところの資料まで本当はあったほうがいいと思うのです。とっかかりは当然、実施状況を把握して、実施率を上げるというのが基本だとはと思うのですが、一般的になりやすいのが行っただけということで、行うことに目的があるように見えます。目的はそこではないような気がするので、この資料はこれで意味があると思いますが、今後の展開として、もう少し具体的な資料をご提示いただけるとありがたいと思いました。そういう関係できっと先生のご研究の37ページのアウトカム評価のところも、こういう指標を出されるというのは大変な作業だったと思うのですが、このアウトカム指標というのはいずれも母集団の年齢構成や利用率に影響を受ける項目だと思います。つまり年齢構成とかが自治体ごとに変わって母集団が変わると、その比較を横展開では本来できないと思うのです。元々が違うのですから。そうなると絶対的な指標、評価は難しいかもしれませんが、例えば健康寿命の延伸とか、母集団の構成に影響を受けないような指標も含めてアウトカムとしてやっていただいたほうが、地域間のアプローチの効果判定にも役立つのかなという、印象を受けたというか感想でございます。意見ではなくて、そう感じました。参考程度に聞いていただければと思います。そういう訳で各論はございませんので総論だけ述べさせていただきました。以上です。
〇津下座長 ありがとうございました。
実は今日お示ししていないのですが、該当者の割合を男女年代別で75から80とか5歳刻みといった感じで年次推移を見ていて、どういうふうに変化していくのかというのも、今のところ見ている段階ではあります。ただ、例えば令和2・3・4のデータしかないので、直近のデータなども合わせてトレンドを確認してみて、事業を熱心にやっている自治体で該当率が下がってきたみたいな結果を、これから出していかないといけないなと、先生のご発言で再認識したところでございます。
〇事務局 ありがとうございます。調査の結果等はかなり抜粋しているところがありまして、こちらに十分掲載しきれていないところがございます。実施状況調査は多数の項目を聞いているので、その中で先生からご指摘いただいたような結果があったほうがいいのではということで、ちょっと調査項目の細かなとこまでお答えできない状況ではあるのですが、関連する内容もありますので、そこは報告書のほうでしっかりとまとめたいと思います。以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございます。質を高めるという視点で、非常に貴重なご意見ありがとうございました。では最後に、東京都健康長寿医療センターの平田構成員、全体を聞かれてご意見ご指摘事項がありましたらご発言お願いします。
〇平田構成員 東京都健康長寿医療センターの平田でございます。皆様のご意見を伺い、まさにその通りだと思っているところでございますが、現状の課題として、1つは後期高齢者の質問票がどこまで職能団体の皆様や住民の皆様に普及しているかという点がございます。後期高齢者の質問票は主に後期高齢者健診で行い、フレイルのスクリーニングツールとして活用できるものとなっておりますけれども、実際に市町村で後期高齢者健診を受けても必ずしも質問票を返却しない場合があるようで、せっかく質問票でフレイルのスクリーニングができるのに、それを活用できていないという現状があります。ただこれをうまく活用しますと、例えば、オーラルフレイルの観点で申し上げますと、質問票の口腔の質問に2問とも該当すればその段階でオーラルフレイルと判定されるわけですので、例えばそういった方々に結果を返却する際にオーラルフレイルに関する啓発資料を合わせて送付するような形にすれば、より一層オーラルフレイルの概念を広めることができます。そのようなところで、まず後期高齢者の質問票の結果を対象者に確実に返却しつつ、その返却の場を活用してフレイルの概念を住民の方々に広げていく、健診実施を医師会の先生方に委託している場合もございますので、そういったところで医師会の先生方にも結果返却に携わっていただき、フレイル予防の考え方を住民の皆様にお知らせいただくということが必要ではないかというのが、まず1点でございます。2点目は先ほどから話題にあがっております専門職の活用というところでございます。こちらに関しまして特に重要だと考えておりますのが、広域連合と都道府県の職能団体との連携ということになろうかと思います。現状では、市町村と市町村レベルでの職能団体との連携はかなり進んでおり、例えば保健指導で対人的な業務をご担当いただくとか、ポピュレーションアプローチで講演をしていただくとか、そのような形での連携は比較的取られているような印象を受けております。一方で、人的リソースが少ない中での専門職の活用を考えますと、広域連合と連携して都道府県の職能団体に住民啓発等で活用できるような情報提供ツールを作成していただき都道府県内のフレイルに対する普及啓発を図っていただく、もしくは、地域に専門職が多くいらっしゃってそれらの方々が保健指導等に携われるのであれば問題はないわけですが、実際にはそのようなところばかりではございませんので、専門職がいない状況であったとしても、ある程度の専門性を担保できるような保健指導プログラムを一緒に考えていただく、というような連携の仕方もあると思います。人的資源が足りない中での専門職の活用ということを念頭に置いて、都道府県レベルでの広域連合と職能団体とが積極的に連携をしていただくということも是非ご検討いただければと思います。3つ目は、すぐに解決できるお話ではありませんけれども、皆様に情報としてお伝えしておかなければいけないことは、ハイリスクアプローチに関して後期高齢者健診の受診者を対象として抽出する際に、前年度の結果を踏まえて当該年度のハイリスク対象者を抽出するという市町村が多く認められます。非高齢者ではあまり問題にならないですけれども、75歳以上の後期高齢者を対象としている場合には、健診受診から保健指導実施までの期間が空きすぎると、その期間にフレイルが進行して要介護に至ってしまうリスクがございます。低栄養や身体的フレイルに関しましては、現状のハイリスクの抽出基準でいきますと、後期高齢者健診を受けて質問票に回答していれば、その現場で対象者の抽出自体は可能でございますので、例えばそういった方々に対して何かしら早めの介入を行うことも、住民の皆様への効果的なフレイル予防・介護予防を図るという観点からは必要になってくるかもしれません。これは現状のシステムの問題等もございますので、直ちに解決できるわけではないかもしれませんけれども、平均自立期間の延伸を目指すことを目標にするのであれば非常に重要になるものと考えております。私からは以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。先程の話で、データ分析は去年のデータでやって、抽出は今年すぐやっていますという自治体も現実には結構多くなってきているかなというのもあります。ただ評価の点では時期ズレが起きるところの調整は必要かなと思っています。
〇事務局 質問票の活用状況については今回ここのスライドでお示ししていないのですが、結果の返却はどれぐらいしていますかというのは聞いています。健診と一緒にされている場合は、結果の通知に含まれている場合が比較的多いのですけれども、みなし健診とか通いの場ではあまり返却のほうには回答されていないところが多いので、普及啓発といったところ、ご本人への周知のところも引き続きしていく必要があるかなと考えているところです。
〇津下座長 ありがとうございます。皆様のお話をじっくり伺っておりまして、時間が押してきてしまいましたので、後半のところの厚労省のご説明をお願いいたします。
〇事務局 では、資料1の続き、データヘルス計画の関係からご説明をさせていただきます。こちらデータヘルス計画中間評価に向けた手引きの案の本体については、資料参考資料2として本日お送りしております内容については抜粋してご紹介ご説明させていただきます。
まず、データヘルス計画の中間評価に向けてですけれども、今年度調査、実施しておりますアンケート調査、ヒアリング調査を実施しておりまして、中間評価を実施するにあたる手引きの方をまとめさせていただいております。調査概要はスライドにお示ししている通りでございます。
中間評価にあたっての連携等の予定でございますけれども、中間評価見直しの結果について、市町村へのフィードバックをされるという予定が多くなっているところです。中間評価の連携先として、医師会、歯科医師会、薬剤師会といった関係の方々、そして外部有識者の方が多くなっている状況でございます。次お願いします。
国から受けたい支援についてアンケートでお聞きしております。アウトカム指標等や目標の見直しに対する助言や相談、分析に必要なデータ提供についてご意見いただいているところです。データ提供のところについては、令和5・6年の共通評価指標の実績値について、データ集として手引きに掲載しております。また、情報提供のご要望については、先ほど池田構成員からご説明いただいた通り、支援者研修会での実施を調整しております。都道府県の関わりについてですが、中間評価の結果について広域連合から共有をいただき、意見を伝える予定があるという回答が多くなっています。
では、手引きの概要に移らせていただきます。こちら手引き作成のための検討状況で、今年度3回にわたり検討会を開催いたしました。構成員の皆様からご議論・ご協力をいただき、手引き案をまとめております。こちらが現在作成している目次でございます。中間評価の実施手順、見直しの方向性、参考資料データ集として、ヒアリング結果や広域連合別の実績値を掲載しているところです。次から手引きの概要をホームページに掲載する前提でお示しします。こちら概要1ページ目です。こちら第一章で、今回のデータヘルス計画後期に向けて、事業評価の見直しについてお示ししています。データヘルス計画の中間評価の算出方法ですが、健診受診率の影響が大きいというご意見を踏まえ、中間評価で算出方法の修正を進めております。後日、支援者研修会等で詳しいご説明の機会を予定しております。
参考資料2をお願いします。国保・後期の保健事業のデータヘルス標準化の検証事業についてご紹介します。標準化の進捗状況、その実施効果の把握、先進的事例の要因特定を目的に実施しています。現状把握としてデスクリサーチ、アンケート、ヒアリングを実施しています。KDBデータの活用ツール作成も進めています。また、調査結果の周知として、全国8ブロックで研修会を開催しました。デスクリサーチ概要として、既存調査や統計データから国保・広域連合の取り組み状況を整理し、PDCAサイクルに沿ってポイントをまとめました。これはそのまとめで、ヒアリング、市町村との連携、共通評価指標や様式の策定といったストラクチャー・プロセス視点で整理しています。この結果を踏まえて調査票を設計しました。今回、データヘルス計画の進捗状況を測るため、都道府県の国保担当、広域連合を対象にアンケートを行いました。標準化の意義、理解度、事業への影響、課題を把握する目的で設計しています。こちらが調査結果の概要です。標準化に向けた成功要因の抽出、ノウハウの整理が課題となる一方、自主的に取り組んでいる都道府県・広域連合を先行事例としてヒアリングを実施しています。KDBデータを紐付けて、地域の特性・健康課題を明らかにするためのツール作成も進めています。
特別調整交付金の改正ですが、企画調整及び地域担当の人件費の交付基準額の増額を予定しています。ハイリスクアプローチの事業数が5つ以上の場合も交付増額予定です。健診受診率の向上を推進するため、みなし健診の枠の新設も予定しています。次が保険者インセンティブです。令和9年度に向けた指標案を作成しており、検討会を2回開催しました。指標の考え方として、一体的実施の質・量の拡充、第3期データヘルス計画の中間評価を踏まえた見直し、令和5年度以降の配点増加に伴う調整を行っています。主な改正事項はスライドの通りで、詳細は参考資料3に掲載しています。横展開事業は来年度も予定しています。医療制度事業費補助金について、健診事業は前年度同額、歯科健診は1億円増の予算案です。ほかにも関連する介護保険部会の意見書を参考資料としております。説明は省略します。駆け足になりましたが以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。データヘルス計画や保険者インセンティブなど、様々な取り組みを実施しているというようなご報告でしたけれども、ご質問ご意見等はございますでしょうか。自治体はこういう指標でもって、特別調整交付金という財源の確保とか、やりやすくできる方法とデータで見える化していくという両面で、質と量の向上を図るということかと思っております。令和8年度も一体的実施をしっかり進めていくというご意向と受け止めました。では、特によろしければここまでとしたいと思います。まだまだ課題も多く、自治体の中の連携、地域連携、今回は特に関係団体の皆様から色々なご意見をいただけたので、それらを反映して、すぐできること、長期的課題の両方に取り組んでいくことが必要だと思いました。引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。最後に、日野課長からコメントお願いいたします。
〇日野課長 高齢者医療課長の日野でございます。本日は活発なご意見をいただき、ありがとうございました。一体的実施事業は令和2年から始まり、最初はまず全市町村で実施することから始まって、それがだいたい達成されて、活動量の増加と質の向上という観点から今取り組みを進めさせていただいています。そういった中で今日の報告でもありました通り、様々な課題が見えてきているところでございます。中でも一つ大きな課題だと思っていたのが、関係団体の方々といかにコラボできるのかというところが大きな論点だと思って、この資料をまず見ていたんですが、そういった中で今日、特に前向きなご意見をいただけまして、国としてもしっかりと、国レベルでも働きかけや必要な資料を作ったり、様々なことができるのかなというのを感じさせていただいたところでございます。
あとはやはり市町村の現場がいま、かなり人員が厳しくなってきておりまして、総務省のほうで地方制度調査会が立ち上がって、県と市町村を含めた役割分担の議論が始まりつつあるような状況ですので、やはり国としても効率的な業務のあり方を追求していかなきゃいけないのかなというのを考えているところでございます。データを見る限りICT活用もまだ進んでいなかったりしますので、デジタルの力を使ったり、関係団体の皆様方のご協力も得ながら、一体的実施を今後も進めていきたいと思っておりますので、引き続きのご協力のほどよろしくお願いいたします。私のほうから以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。本当に質の高い事業を効率的に行っていくということが、これから非常に重要で、その中で地域の関係者の皆様のご協力とか、自治体の担当者さんはやっぱり人事異動があって、より安定的に継続的にということになると地域でそういう場があるというのも、非常に重要なのかなという改めて思っております。引き続きのご協力よろしくお願いいたします。本日の予定していた議題はすべて終了しました。事務局にお返しいたします。
〇事務局 本日も活発なご議論を賜り、誠にありがとうございます。構成員の皆様方からのご意見を踏まえまして、今後も検討を進めてまいりたいと思います。次回の開催日程につきましても後日また年度改めてとなりますけれども、調整させていただきます。それでは。本日も長時間にわたりご議論いただきありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
閉会
○津下座長 皆さん、おはようございます。座長を拝任しております女子栄養大学の津下と申します。本日は高齢者の保健事業のあり方検討ワーキング、令和7年度を振り返りこれからどうしていくかというようなことについて議論がなされるものと思っております。活発なご議論、どうぞよろしくお願い致します。本日の議題は、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等について、その他の2点でございます。それではまず議題の1つ目、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等についてということで、資料の分量が多くなっておりますので2つに分けてご意見をいただきたいと思います。ご説明どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局の石部でございます。それでは、資料1に基づきまして、ご説明させていただきます。資料1の投影お願いいたします。まず、一体的実施の実施状況、進捗状況のところから報告させていただきます。次のスライドお願いします。一体的実施にかかる概要図になっております。改めて概要と、現在の進捗状況でございます。一体的実施、令和2年の4月から開始しておりまして、令和6年度において、ほぼすべての市町村の方で一体的実施が展開されているところでございます。令和7年度におきましても、引き続きほとんどの市町村の方で受託をいただいている状況でございます。
こちら、これまでも示させていただいている一体的実施の仕組みをお示ししたものでございます。この一体的実施の実施体制の構築にあたりましては、関連する法律三法を改正して、実施を進めているところでございます。改めてのご紹介となりますけれども、ご参照いただければと思います。一体的実施を含む高齢者の保健事業としましては、自立した生活が送れる高齢者の方を増やすというところが最終ゴールとしているところでございます。前回、委員の先生方からのご指摘を受けまして、虚弱という文字、もともと入っていたんですけれども、そちらの方は削除した形で現在資料等で公表させていただいているものでございます。
こちら高齢者の保健事業の中期計画でございます。厚生労働省のところで追記事項ございまして、データヘルスの標準化検証事業を追記させていただいております。また、下のあたりですけれども、研究班事業でございますが、令和8年度から3カ年で、一体的実施の総合的な検証というところで、新たな厚生労働科学研究事業を予定しておりますので、そちらも追記をさせていただいております。
次に、一体的実施の実施状況調査の概要をご説明させていただきます。本調査でございますけれども、一体的実施の取り組み状況、そして課題を把握をするために、広域連合、都道府県、市町村、すべての方にご協力いただいているものでございます。調査報告書は別途取りまとめをしておりまして、今年度末3月末に公表させていただく予定でございます。調査項目はたくさんございますので、本日の会議では一部項目を抜粋してご報告をさせていただきます。まず、市町村の受託状況でございます。受託を開始している市町村は増加をしている状況でございます。こちら都道府県別の内訳のスライドでございますので、ご参照いただければと思います。次をお願いします。高齢者の保健事業では、ハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチともに、後期高齢者の質問票の活用を推奨しているところでございます。実施状況調査で質問票の活用状況をお聞きしておりますので、そちら次ご紹介させていただきます。
質問票の活用状況でございますけれども、97.7%の市町村で活用いただいている状況でございます。使用いただいている目的としては、健診の問診が最も多くなっており、次いで通いの場での健康状態の評価でご使用いただいているところでございます。使用状況の内訳、水色のグラフでございますけれども、特定健診の問診との併用、そして後期高齢者の質問票に独自で追加をしてご使用いただいている割合が、市町村数で昨年度に比べると増加している状況でございます。
次に、ハイリスクアプローチの取り組み状況でございます。最も多い取り組みとしては、健康状態不明者対策で、次いで糖尿病性腎症の重症化予防、生活習慣病の重症化予防となっております。実施上の課題といたしましては、目標評価指標の設定、事業後の評価改善策の立案が上がっているところでございます。ポピュレーションアプローチでございますけれども、健康教育、健康相談の取り組みが最も多く、98.6%となっております。実施上の課題では、目標評価指標の設定、事業実施後の評価・改善策の立案と上がっております。こちらについては、ハイリスクアプローチと同様の課題となっているところでございます。ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチともにですが、広域連合別の実施状況と昨年度調査との比較については、参考資料1に掲載しております。ポピュレーションアプローチの取り組み状況を詳細に分けたグラフがこちらでございます。内訳としては、健康教育と健康相談、いずれも栄養が多くなっているところでございます。また、健康教育は30.1%、健康相談を21.8%が委託により実施されているところでございます。一体的実施では専門職の不足が課題となっておりますので、効率的・効果的保健事業の運用の観点から、このICTの活用状況について実態をお尋ねしております。結果としては、活用事例は1割未満となっております。使用いただいている活用事例としては、健康アプリの活用やオンライン面談といったところが挙げられております。
一体的実施の効果でございますけれども、高齢者の保健事業に取り組む体制の構築が最も多くなっておりまして、次いで高齢者の健康状態や生活機能の課題が把握できるようになった、広域連合との連携ができるようになった、ということが一体的実施の効果として多く上がっているところでございます。令和五年からの一体的実施における効果の推移でございます。三か年比較をいたしますと、すべての項目において、効果を実感いただいている市町村数が増加している状況でございます。市町村における関係機関の連携内容の内訳でございます。横軸が関係機関でございますが、いずれの関係機関においても、一番上段の情報共有が最も多くなっている状況でございます。
現在フェーズ2というところで、一体的実施の質・量の拡充を目指しておりますので、特にその質・量の拡充に関わる取り組み状況の結果についてご説明いたします。まず、広域連合別のハイリスクアプローチ・ポピュレーションアプローチを合わせた平均実施項目数でございます。こちらは平均6.4となっており、昨年度の6.1から増加しております。8以上の広域連合については、富山、徳島、高知、鹿児島の4広域となっております。日常生活圏域カバー率でございます。こちらは一体的実施の実績報告書から集計した結果でございます。平均カバー率は90%となっております。10の広域連合ではカバー率100%となっております。
市町村が広域連合、都道府県から受けた支援で有効だったものについてお答えいただいたものです。広域連合からの支援では、受けられた支援、効果があった支援、強化してほしい支援のいずれも、広域連合が開催するセミナー・研修会が最も多くなっております。都道府県の支援としては、一体的実施に関する国の動きの情報提供やセミナーが共通して多い結果となっております。次に、広域連合からの支援の中で、最も強く希望が上がる内容は何かというところをお聞きしたものでございます。こちらについては、課題の分析・実施方法に関する助言や指導といったところが上がっております。また、セミナー・研修会の開催についても伺っているところでございます。
次からが、実施状況調査の広域連合の回答になります。まず、広域連合の市町村支援の状況でございますけれども、市町村への働きかけ・支援の取り組み状況としては、研修会や意見交換会の開催、計画書の作成についてすべての広域連合で実施いただいているところでございます。また、市町村における保健事業の取り組み状況の整理・把握・分析の実施についても、多くの広域連合で実施いただいているところでございます。
広域連合のこういった支援のご要望をどのように把握されているのかという体制も今回お聞きしております。仕組みとしては、随時支援のご要望を受ける体制が最も多くなっております。右側が、どういったご要望をいただいているかの内容でございますけれども、市町村から受けられる支援要望の内容については、広域連合で実施されている取り組みと同様となっておりまして、意見交換会の開催、計画書の作成、保健事業の取り組み状況の整理や把握・分析のあたりとなっております。
市町村への支援状況についてお聞きしております。こちらについては、市町村の規模に応じた支援を行っているかどうかをお聞きしたものでございますけれども、約57.4%、半数以上が基本的には一律の支援・連携で対応されている状況でございます。
市町村支援への課題については、広域連合内での関係者への共有の割合が27.7%となっております。市町村への支援をする上での課題として上げられているところでございますけれども、市町村への負担軽減の方法、そして専門職の不足への対応が上がっているところでございます。広域連合が都道府県からどのような支援、また共同で進めたい支援を希望されているかをお聞きしたものでございます。こちらでは、医療関係団体との調整が最も多く上がっているところでございます。広域連合が国保連合会からどういった支援を希望されているかをお聞きした結果でございます。こちらについては、KDBの活用に関するマニュアルの提供や、セミナー・研修会といったところが多くなっております。
関係機関・団体との連携状況の結果をお示ししております。こちら、広域連合と関係団体との連携状況については、すべての広域連合が国保連、都道府県と連携して実施いただいている状況でございます。これまで関係機関との連携状況をお示ししておりますけれども、高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第3版に、一体的実施の推進に向けた体制整備として、各関係機関や関係団体にどういった役割を期待するかを記載しております。概要をまとめたものがこちらのスライドにございますので、ぜひご一読いただければと思います。
医療機関からの診療情報を健診結果としてご活用いただく、いわゆるみなし健診の取り組み状況でございます。こちらについては、15の広域連合で実施いただいているところでございます。約7割ほどがまだ実施されていないという結果でございまして、実施されていない理由として挙がっているのが、関係団体や医療機関との調整というところでございます。
都道府県の結果でございます。広域連合と共同連携した支援としては、市町村における保健事業の取り組み状況の整理・把握・分析が最も多くなっております。広域連合からの支援の内容について、15種類以上の支援を行っている都道府県は5都道府県となっております。また、16の都道府県では三部門以上で支援を行っている状況となっております。支援状況の内訳でございますけれども、広域連合からの支援で希望が上がっている医療関係団体との協力要請については、31の都道府県で実施いただいている状況でございます。一体的実施の関係、以上でございます。
資料3については、厚生労働科学研究の研究班の代表でもいらっしゃいます津下座長からご紹介いただければと思います。津下先生、よろしくお願いいたします。
○津下座長 はい、ありがとうございます。先ほど実施状況についての話がありましたけれども、研究班の進捗についてご報告したいと思います。資料3をご覧ください。実施の研究ですが、次の2ページでございます。令和5年度から7年度、その前の先行研究班で2年度から4年度までやってまいりましたけれども、厚生労働省・国保中央会の動きと合わせて、研究班ではKDBの活用をより実施しやすくするような二次活用ツールを作りそれを広げる、また報告書等を用いた効果検証、それから実際にKDBからデータを抽出しまして、この一体的実施が高齢者の特性を踏まえた保健事業になっているかどうかの検証を進めてまいりました。このようなエビデンスをもとに政策への提言や研修などを行っております。2ページ右側にお示ししましたのは分担研究の先生方に精力的にご研究を進めていただいている内容になります。
3ページになります。ガイドラインに掲載されているものを取り上げておりますけれども、個別の保健事業については、その対象者を一番上の段、右側の一番上の段、準備段階で、健診結果レセプトを用いて対象者の抽出をし、そして対象者の抽出数を実施可能な数にしていく必要がありますので、さらに絞り込みをかけて実施する。その実施方法については、マニュアルを整理したり、実施者の検証を行ったりして準備を進めるというような準備段階、そして、保健事業の実施においてはその項目に合わせたプログラムを実施するというような形になっておりまして、最終的には事業の評価を行い、そして介護予防等の地域の事業につなげていくというような絵を書いております。このような中で、かかりつけ医等の相談などを行いながら、または口腔の場合はかかりつけ歯科医の紹介など、そういうことを行いながら、この事業を実施していくということになります。
次の4ページをご覧ください。研究班ではこの事業が適切に運営されるように、一体的実施KDB活用支援ツールによる支援対象者を10視点で抽出できるようなツールを公表しております。これら低栄養・口腔・服薬・身体的フレイル(ロコモも含む)、また重症化予防・健康状態不明者について、右側の抽出項目ですね、これは健診データと質問票もしくはレセプトも合わせながら抽出をするということで、市町村の現場に立つ保健事業担当者が簡単にこの対象者を把握できること、概数を把握して事業の計画を立てられるように、という形で進めてまいりました。
今回ご報告するのは、分析結果を踏まえた各個別支援事業がどのようなエビデンスがあるかということについてお話をしていきたいと思います。また今年度は、広域連合や自治体、市町村の方に参加していただいてワークショップを開催しました。アンケート結果を踏まえた推進への意見を聞き取りましたので、そのご報告、そしてさらになる推進に向けての提案ということにしたいと思います。
研究班では愛知県と神奈川県の2つの広域連合の令和2年度から4年度分の匿名化KDB情報を預かりまして、それで三年間連結可能な180万人のデータを用いまして分析を行っているということでございます。これからは主にこの結果をご報告することになりますけれども、一つだけ気になっていることですが、やはりこれは直近のデータでより長期の分析をしていくということが必要なんですけれども、今回の研究班でできたことというのは2年度から4年度、まさにこの事業が立ち上がる段階でのデータになっているということをご了承いただければと思います。
その次のページですけれども、このようなデータベースから対象者の抽出をし、そしてその方々が、自然経過ということもありますけれども、医療費、介護費、要介護認定にどのような影響を及ぼすのかというような研究や、また実際に介入したことでどのような変化があったかというような検証を行っております。
これはまず質問票の項目の信頼度がどうかということで見ておりますけれども、質問票に15項目がありますが、それは飯島先生のグループでやっていただいているんですけれども、この項目に該当する数が多いほど以降の要介護認定が増える。また、介護給付費が増額するということで、質問票でいくつか項目が重なっているほどハイリスクであるということを示しております。
次のページですけれども、介護給付費、費用の面で見ても、医療費総額において4項目以上重なってくる場合には1.6倍ということで、短期間でありながら増加をしていくということがわかります。
そして次のページは、血圧、血糖、コントロール不良で見ていくとやはり不良な方のほうがリスクが高いんですけれども、それに質問票の項目と合わせて見ていくと、よりリスクの高い方々を抽出することができるということでありまして、重症化予防においても、ヘモグロビンA1cだけとか血圧だけというよりは、質問票と合わせて見ていくことの意義が大きいということがわかるかと思います。次のページお願いします。
また、質問票の中で、社会的フレイルということで週1回以上の外出、家族や友人との付き合いがあるか、相談できる人がいるかという社会的項目3項目が該当していると要介護認定の割合が増えてくるということがわかります。これと身体的フレイルが合わさった場合には3.65倍ということでありまして、質問票の中にも、身体の状況を聞くものだけではなく社会的な側面を聞く質問票があり、これらの活用というのも非常に重要であるということがわかります。
そして次のページは低栄養についてですが、低栄養が単独である場合とまたは重症化予防、それから身体的フレイル、口腔などが重なると、どのぐらいリスクが高くなるかということを田中先生と遠又先生に分析していただいたものになります。低栄養だけですと真ん中の赤のところになるんですけれども、これに身体的フレイルが重なると右側の黄緑色になるとかですね、重なるごとにリスクが高くなるということ。また、横が人数になっておりますので、この面積が大きいほど人口寄与の危険度が高いということになります。このようなデータから、人数とかどのぐらい危険度が高いかということも把握することができるということで、これはまだばらつきが大きい段階のデータではありますけれども、今後追跡期間などが増えてくると、よりきちんとした結果になっていくということが期待できます。
次の結果ですけれども、低栄養の該当者にマッチングさせて事業の参加者と非参加者を比べた時に、参加した分のほうが翌年の質問票の回答で「むせ」「体重減少」など有意に改善し、転倒歴も減って改善する傾向にあることを示しています。
その次は、口腔に該当する方についてのアウトカムを見ているということになります。その対象者において、入院が絡む医療費が非常に上がってくるというようなことがわかっております。外来だけだと口腔で健診を受けてないとか医療を受診してないということで医療費は少ない傾向もあるんですけれども、入院が多いというようなことです。また、介入した場合には噛むことがよくなるというような結果が出ております。これは渡辺先生、佐藤先生の分析です。
次は、分担研究者の平田先生は構成員でもありますので簡単なご紹介になりますけれども、服薬の状況で多剤の影響も分析していただいたところです。転倒については次のページです。
転倒歴がありかつ睡眠薬の処方がある方では、骨折発生のリスクが高いということがこの結果から報告されております。骨折というのも高齢者の寝たきりにつながる要因でもありますので、このような結果ということでございます。
16ページは重症化予防で、フレイル、ヘモグロビンA1cが、下の一番左ですけども、A1cが7.0%以上だけで質問票には該当しないフレイルには該当しない方と比べると、フレイルのみ、また両方該当する方については、新規要介護認定が明らかに高くなるということが示されていて、そして年代別で見ても75歳から84歳で特にその傾向が顕著に見られるということがわかります。ということで、国保では検査値のみで重症化予防の対象者を抽出するということですが、後期高齢者では特に質問票の活用が有用ということがわかります。
また、17ページでございますけれども、この健康状態不明者、健診も医療レセプトも介護給付費もないという方々については、その後要介護になるリスクが高まる、1.4倍というような結果が出ているということでありまして、ツールで抽出していただいた対象者については、二年後の限られた短い期間だけで見ているのがこの研究の限界でもありますけれども、そこでももうすでにリスクが高まっているということがわかりますので、介入ハイリスクアプローチの対象者として適切ではないかというように見ております。一方で、多くの高齢者について、広く健康状態について知っていただくという必要があり、ポピュレーションアプローチの有用性というのも重要だと思います。本事業ではハイリスクアプローチでポピュレーションアプローチを組み合わせて実施するということでありまして、ハイリスクアプローチのところで、右側の判断基準で事業が終わった後にその後何かにつなげているかというようなことがあるかどうか。また、ポピュレーションアプローチにおいてもハイリスクアプローチとの連動ということも確認しております。
19ページです。そのようなスコアでもって見ていきますと、年々よくなる傾向は見られているものの、まだここの連動とか、それから複合的リスクに対応していないというような状況もあるということが分かりました。
次のページは分析のまとめになっておりますので、また後ほどご確認ください。
その次のページですけれども、このようなことから後期高齢者においては様々なリスクが併存してて、最初は生活習慣病から始まって、そして口腔もあって、服薬の問題もあってということで、複合したリスクを抱え込んでいるということがわかります。ですので、そこは支援の入り口として必要な専門的なサポート、またその後に生活の中で継続できる取り組みにつなげていくことが重要と思われます。
22ページをご覧ください。ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチそれぞれが独立して分断になるのではなく、ハイリスクアプローチの該当者に対してアプローチをしたことで、その人たちが地域で健康行動とか相談できる場所につなげる。またポピュレーションアプローチで、通いの場等でリスクの保有者、また通いの場に通えなくなってきたような人たちを発見してハイリスクにつなげる、双方向の動きをしっかりと行っていくということが重要だと思われます。
ハイリスクアプローチに対して委託している市町村においては、口腔の委託、栄養も委託、運動は、とそれぞれバラバラに委託していると全体の統合が取りにくいというような課題感も浮かび上がっているところかなと思います。
では、次ですけれども、このようなデータを実際に担当者の方に聞いていただいて、どう思うかということについてワークショップを開催しました。
9月18日に開催したのですが、質問票のエビデンスや個別の保健事業、またこのような結果だけではなく、どのように進めたらよいかということを研究班の立場から情報提供をしました。そして、その後、第二部でグループワークを行ったという構成になっております。参加者については、保健師さんが85%であったということ。それから、参加希望者の経験年数は、今年度からとか二年目からとかいう方が市区町村、広域連合で非常に多かったと。研修に参加されるということでそういうこともあるかもしれませんけれど、人事異動はかなりあって、研修を繰り返し行っていくというような必要性があるのかなというふうに思いました。最初に事前のアンケートをうかがっております。「一体的実施の質と量を高めるために特に課題と感じていることは何ですか」ということで、たくさん書いていただきましたが、広域連合から見てマンパワー不足とか部局間での連携のこと、それから国の基準で対象者が総数の場合に事業の対象者を、HbA1cを7.0%ではなくて6.5%にまで広げているがそれは大丈夫だろうかとか、そんなようなことがありました。専門職の確保、市町村担当者同士が顔を合わせて情報交換できる機会が少ないと感じているなどです。
それから、26ページですが、市町村から事前に聞き取ったところにおいては、人材の確保とマンパワー不足ということです。2番目にあるのですけれど、県、国保連合会、広域連合の間で連携が不足しているということが記載されていて、市町村の丸投げ状態になっていて、相談できる体制がないとか、保健師の能力の向上が必要とか、より高齢者自身に興味を持ってもらうことが必要とか。通いの場についても、既存のグループがあって、新たにそこに入っていくことが難しい対象者もいるので、新たな場づくりの悩みも記載されています。また、評価の難しさについても挙げています。
27ページ以降が事後のアンケートになります。おかげ様で531名の参加で「大変良かった」「まあまあ良かった」を合わせて、ほぼ100%になっておりました。
いろいろアンケートを取っていますが、研修に参加して特に見直したいと思ったことが28ページに書かれています。質問票の重要性ということを繰り返し述べておりますので、その活用法について見直すとか、エビデンスをもとに説得力のある展開を目指すとか、高齢者に適した抽出基準を取り入れる必要があるということ、それから、高齢者部門と健康部門の連携を強化したい、などの声が市区町村から多く上がりました。広域連合においては、オンラインとハイブリッド型で対面のグループワークをやりましたので、直接声を聞くとか、担当者同士で話をするということが非常に有効だった、重複リスク者への対応が必要ということ。都道府県では、ポピュレーション事業の評価など市町村取り組みを支援するようなことが必要だという回答がありました。
29ページですけれども、293市町村に対して、「事業委託や人材派遣により一体的実施を協働して実施している機関はありますか」ということで、具体的に医師会、個々の団体名について連携がどのぐらいできているかということで聞いております。これは会議体による情報提供や助言のみは除いているということで、実際に一緒にやっているということですけれども、医師会については、低栄養、服薬、重症化予防、健康状態不明者ということですが、この連携の状況については、かなり濃淡があるのかなというように思いましたし、293の市町村の中で実際のパーセントは少なめかなということを感じている次第です。
30ページについては、このような活動の中から研修の要望が、市町村からのワークショップ参加者からの国・研究班への要望ですけれども、研修や意見交換が重要である、それから研修内容の充実、具体的な事業の進め方、成果事例の共有が必要、事業向上のためのフレイルとか糖尿病管理とかの高齢者に対する管理の最新情報とか、85歳以上をどうしたらいいか、というような課題感も提案されておりました。
研究班では31ページにありますように、これまで冊子を作ってまいりました。現在、ほぼ出来上がりつつあるのが、この検証事業を経て取り組み推進ガイドについて、現在作成中でありまして、今年度中に研究班の成果物として出していきたいと考えております。
37ページ、事業の振り返りをしていただきながら、より良い事業につなげていくということで、最後がまとめのページになります。ワークショップに自治体に数多く参加していただいたのですけれども、担当者の異動に伴って一体的実施の理念とか仕組みが引き継がれていないと。データを統合していいかとか、担当ごとにバラバラになっている状況も見受けられたということがありまして、一体的実施とは何なのかということを繰り返し伝えていく必要があるということ。また、自治体内部での実施にとどまっていて、自治体の皆さんは頑張っているけれど、地域の関係者まで広がっていないということも実感として、声からもデータからも感じているところになります。今後、地域の職能団体の方々が一緒に動いていただくことが重要だと思います。今回の分析は期間が短い、また介入強度について十分に反映できていないということがありますので、今後も引き続き分析をし、提言につなげていくことが必要かと考えております。以上で研究班からの報告とさせていただきたいと思います。
〇津下座長 ただいま、厚生労働省の石部さんの方から、国の調査の結果をお話しいただきました。10月、11月に行われました市町村、広域連合、都道府県に対するアンケート調査の結果で、実施状況は年々高まってきていることとか、嬉しいことに効果を感じている自治体が増えてきたということがありました。一方、関係機関との連携については、情報提供レベルにとどまっている自治体もまだまだ多いし、団体によっての濃淡もありました。それから市町村票では平均事業数・カバー率が高くなってきているということもあるし、セミナーとか相談の場を求めているということも報告されました。医療機関との調整については、特に都道府県の役割が大きいのではないかというのが町村や広域連合の声であったのではないかと思います。このような令和七年度の一体的実施の進捗状況がございましたけれども、これまでのご説明について、ご質問やご意見をいただければと思っております。どちらの資料についてお話いただいているかということについて明示していただきながらご意見をいただけるとありがたいです。では、どなたからでも結構ですけれど、いかがでしょうか。では名簿順で申し訳ないですが、国民健康保険中央会の池田構成員いらっしゃいますでしょうか。連合会は研修を実施したり、KDBのことで一体的実施を支えてきていらっしゃると思いますが、この実施状況や調査票、また研究班についてご意見等いただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇池田構成員 はい、ありがとうございます。国保中央会の池田でございます。私どもは、この高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施につきましては大きな役割を担っていると認識しております。最初にご説明いただきました資料1の6ページの中でも、私ども連合会中央会ではKDBを使ってのデータの提供、あるいは利活用に向けての支援をさせていただいておりますが、特に研修会についても、厚労省と共催をさせていただいて研修をしております。例えば昨年の7月でございますが、広域連合・都道府県、連合会を対象とした支援者研修というのを実施しております。その中で、各都道府県内での関係組織の認識合わせとか、一体的実施に向けた取り組みをどのように増やしていくのか、どのように質を高めていくのかというようなことをテーマとしてグループワークなども実施してきたところでございます。その中で、同じ課題を持ったメンバー間で議論をすることができた、特に議論を深めることができたなど、参加者の方々のうち9割以上の方が今回の研修について参考になったとの回答をいただきました。来年度の支援者研修の実施については、厚労省さんともよくご相談させていただきながら、またわたしども中央会の中にあります高齢者の保健事業に関する検討の場もございますのでその中でも議論をいたしまして、特に第三期のデータヘルス計画の中間評価に向けて、関係機関が連携して効果的・効率的に事業を実施できるように企画をしてまいりたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。以上でございます。
〇津下座長 はい、ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。KDBを活用して対象者を抽出したり評価をしたりする、そのあたりが全国で広がってきているということも非常に研修の成果ではないのかなというふうに感じているところでございます。そうしましたら、ちょっと飛びますけれども、広域連合のお立場で岐阜県後期高齢者医療広域連合の林構成員、いらっしゃいますでしょうか。広域連合として一体的実施に向き合っていらっしゃると思うのですけれども、先ほどのご報告などを聞いていただいて、また岐阜県の状況などお話いただけるとありがたいです。
〇林構成員
様々なデータをいただきましてありがとうございます。岐阜県広域連合としましても42市町村に委託して一体的実施を実施しておりますが、取組み数に やはりばらつきがあります。大きな市は専門的な保健師を配置できますが、小さい町村となりますと、そういう専門的な職員を配置できないという状況があります。研修会につきましては、岐阜県では、広域連合が中心となり、各市町村の一体的実施担当者向けの研修会を開催しています。また、国保連合会が開催する研修では課題と感じている項目について共有し、テーマを決めて実施していただいております。年2回、県と国保連と三者協議を行って一体的実施の実施状況等について情報共有をしております。各市町村が実施する際の課題と感じているところを共有することで市町村が取組みしやすい環境づくりの協力をしているところです。実際の現場での取組については市町村の大小もあり、広域連合が中心となって統一して行えるようにすることが課題と思っております。以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。数字だけでは見えない現実のご苦労が色々あるのかなと思いました。それでは栄養士会の西村構成員、低栄養を支えていらっしゃると思うのですけれど、いかがでしょうか。
〇西村構成員 はい、西村です。いろいろご丁寧におまとめいただきありがとうございます。津下先生にお伺いしたいのですが、職能団体との関係でここも濃淡が出ているような気がしまして、県ごとであったり地域ごとであったり、その辺、先生は調査されてどのようなふうにお考えか教えていただければというふうに思います。
〇津下座長 ありがとうございます。そのあたりに焦点を絞った調査というところまではいけてないのですけれども、私が感じていることは、そこの都道府県の職能団体、例えば栄養士会や薬剤師会など、一体的実施って自治体がやっているようだけどどんなことか理解したいので研修会で話してほしいというようなご要望があるところは、自治体から情報がいっているのだろうなと感じています。そこで自治体の方や職能団体の方が多少混乱して見えるのは、今までは課ごとにバラバラで高齢福祉課や介護担当の話なのか健康増進の話なのか健診の絡みなのか、それぞれ別々の課だっただけれど、これは一体誰につながっていったらいいのだろうととか、一体的実施の構造自体がご理解いただかずに、事業だけ話をされても、どこに相談を持っていけばいいかわからないというような声を聞いたことがございます。また一方では、一体的実施については、あれは自治体さんがやっていることというようにおっしゃる都道府県職能団体の方も見えるので、やはりこれは都道府県、市町村、広域連合からまたは国からかもしれないですけど、各団体に周知していくことも必要ではないだろうかと感じているところです。
〇西村構成員 ありがとうございます。私、日本栄養士会の方で地域連携事業部長を拝命しておりまして、この一体的実施事業に関しては47都道府県の会長と理事たちに、この会議にはずっと参加させていただいていますので以前からこういった取組みが広域連合の方で始まっているのでどんどん職能団体として関わってほしいというふうに、全47都道府県の会長と理事にお話をさせていただきました。そこですごく積極的な県もあったのですが、問い合わせをしてもあまり自治体の方で返事が返ってこないみたいなことをおっしゃっていた会長もおられたので、その辺がどうだったのかなと思って拝見させていただいたのですが、この結果を見てもなかなか広がりきっていないのかなっていうふうに感じましたので。ぜひ我々も努力しますので、よろしくお願い致します。
〇津下座長 ありがとうございます。栄養士会の方で、例えば都道府県でどういうふうに取り組んでいるかっていうような調査するとか、そういうことって可能なのでしょうか。
〇西村構成員 はい。どんな取り組みを実際に行っているかっていうのを調査すること自体は問題ないですね。そんなに難しくなくできると思います。
〇津下座長 国の調査、国が自治体に対して連携していますかと聞いたら、はい連携しています、になっちゃうのですけど、実際にその地域でその団体の担当者がどう見えているかということが分かるといいと思います。とても熱心にやっている都道府県はこうで、温度が低いところはそこみたいなのが、実感として出てくるといいのかなって思いましたので、可能性があればお願いします。
〇西村構成員 はい、我々の方でも。ちょうど全国の会長会議が年に2回ありまして、その時の統一議題っていうのを決めています。その中にもし、今、津下先生がおっしゃっていただいたような調査ができるのであれば、統一議題に入れてしまえば調査が可能だと思いますので、検討させていただきます。
〇津下座長 勝手に話してしまいましたけれど、よろしくお願いします。
〇事務局 大変ありがたいと思います。補足として確かに国からの調査なので、うまく書こうという意識が働く可能性もなくはないのかなとも思いますので、いろんなところから調査自体を把握していただいて、それをまとめた上で、どんな方策を立てる必要があるのか、改めて考えていけたらなというふうに思っております。
〇西村構成員 来週、地域連携事業部会があり、次年度の統一議題を話し合う予定になっていますので、私の方から提案をしてみたいと思います。ありがとうございます。
〇事務局 補足としましては、スライドの12枚目を表示してもらっていいですか。先ほど自治体の方とか聞いていただいて温度差があるっていうところではあったのですけれども、一体的実施はようやく立ち上がってきたというところもありまして、ハイリスクアプローチの取り組みメニュー数がいくつかあって、その中でまず何をするのか、これは自治体さんにお任せしているところがあるので、自治体が一体的実施の開始はしているのだけれども、低栄養の取り組みはまだ着手してないとか、そういうパターンはまだあるのかなと思っています。そういう実態がこの実施項目数で挙がっているところなので、実際一番多くやったりされているのは、健康状態のわからない方、医療やその他にも何もつながっていない方への取り組みの支援をまずされているところが多い状況で、数でいくと、低栄養については794市町村が実施されているので、全体で1700なので900市町村ぐらいはまだ低栄養のハイリスクアプローチについての取組みはまだこれからというところなのかなというところでございます。補足としては以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。これが広がるということ、低栄養のハイリスク者がいない自治体はないと思うので、そういう意味ではポピュレーションの方はかなりやっていただいていると思います。ポピュレーションアプローチの方は、低栄養・口腔・身体的フレイルの3点セットで実施しているところが多いですけれども、特にハイリスク者についてはまだ伸びしろがあるところかなと思いました。
〇西村構成員 その辺も含めて検討させていただきます。ありがとうございます。
〇津下座長 次に歯科医師会の野村構成員いらっしゃいますでしょうか。いかがでしょうか。
〇野村構成員 はい、大変なデータ分析をしていただいて感謝を申し上げます。歯科医師会としては、かなりの部分で県・市レベルで協力をしている形ですが、後期高齢者の健診事業でハイリスク者をピックアップはできているのかなとは感じていますが、他団体との連携がどうなのかなというところもございます。そして指標としてオーラルフレイルがあったり、口腔機能不全症であったりというところが取り上げられているので、そのあたりをどう対応していくのかというのがこれから課題になっていくのかなと思っています。ポピュレーションアプローチ、例えば通いの場などから、今度はどう歯科医院につなげるかというところが課題のひとつなのかなと考えています。先生の分析の中で、口腔に関して佐藤先生と渡邊先生が分析されていますが、口腔の該当者で入院を含む医療費が高かったが外来のみの医療費は低かったという結果で、当然の結果ではあるなと感じています。ただ、外来の方をどうするのかというところはこれからの課題でもあり、開業医レベルでどう対応できればいいのかというところを考える必要があります。実際、外来に来られていない場合もあって、後期高齢者の健診票を持ってこられる方は、意外と定期的にリコールで来られている方が持ってこられることが多く、全くの初診で来られる方が持ってくることは少ないという印象があります。そのあたりをどう広げていくか、健康状態が把握できていない方にどう対応できるのかということについて、歯科医師会としてどう協力できるのか対応すべきと考えています。私自身が高知県で高齢者が多い地域なのでこの結果はその通りだなと思いますし、広域連合ともお話しした通り、国保連合会のデータベースを使わせていただいて検討したこともありまして、そういうところでかなり、糖尿病に関しても高齢化が進んでいて、そこに歯科がどう介入できるのかという点も検討してみました。ただそれも含めて口腔内をどう保つか、機能をどう維持するかというところで、以前に飯島先生からも口腔、オーラルフレイルが弱いというご指摘をいただいておりますので、そのあたりも含めてどのように私達がこの事業に協力していくことができるかというところを検討したいと思っています。口腔に関しては見えにくいというところもあろうかと思いますけれども、質問票でスクリーニングをした後、口腔内診査をして機能を見ていくという流れで、実際にはなかなかミールラウンドのようなところまでは対応ができていないというのが現状です。入院とか施設入所の方とかであれば見られるのですが、外来ではなかなか、もっとその部分が広い部分ではないかなという気がしていますが、その辺はいかがでしょうか。
〇津下座長 ありがとうございます。色々な取り組みがされている中で、モデル的に住民健診時に歯科健診も組み入れているような自治体もあり、今回のこの検証では、症状があるのに歯科レセプトがない方については、半数くらいが歯科受診していて、その方たちのデータを見ると、物が噛みにくいというような質問票を改善しているというデータがあります。ですので、特別な介入というよりは、受診をして口腔に意識を持ち、義歯の調整などもあったと思うのですけれども、そういうことで改善傾向が見られています。自治体からは繋ぐことはできるけれども、その先はやはり専門的な見地で、どういうふうに動かしていけばいいのか、自治体へのサポートをお願いしたいなというのが正直なところかなと思いますけど、いかがですか。
〇事務局 そうですね。自治体から拾い上げをして、適切なところにしっかりとつなぐというところが役割なのかなとは思っていますので、ぜひ引き続きお力添えをいただけるとありがたいです。
〇津下座長 あとは、口腔で歯科に来られた方で栄養状態がどうなのか、食べられていないのではないかということで、また栄養士につないでいくとか、そういうことはこの一体的実施の枠組みの中で、協働して連携してできることかなと思います。
〇事務局 企画調整の方が、全体的な事業の調整などをしていただきたいという意味で、専門職を置くための補助をしております。企画調整担当という役割をお願いしていまして、庁内の連携もそうだし、地域の関係者との連携やつなぎをどうするかという役割も含めて企画調整という役割を設けておりますので、そういった方が地域のキーマンとなって、地域の高齢者の方の暮らしを支えられたらいいのかなと考えているところです。
〇野村構成員 ありがとうございます。私自身も研修会等で講師を務めさせていただいたこともありますけれども、栄養士会の皆さんや一体的なリハの先生方とも一緒に対応できるような研修会が必要かなとは実感していますので、日本歯科医師会としても全体的にそういう内容も必要かなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
〇津下座長 ありがとうございました。それでは、日本看護協会の宮崎構成員、いらっしゃいますでしょうか。
〇宮崎構成員 はい、ありがとうございます。日本看護協会の宮崎です。お世話になっております。たくさんの資料のおまとめ、状況のご報告、ありがとうございました。また、津下先生の研究のご報告については、大変興味深く聞かせていただきました。先ほどもお話ありました職能団体との連携や、専門的な人材の確保というところに関しての課題と、看護協会との連携があまり進んでないのではないかといったところについては、少しずつ増えてきている状況はあるなということは資料1からも確認させていただいたところではあります。私たちとしては、2年前にもここでご紹介させていただいた通り、市町村・自治体に向けて、ナースセンターの活用についてご案内を差し上げているところです。ナースセンターにも保健師の特設ページ等も作っており、登録者数も増えている状況がありますので、保健師等についてもスポット的に活動したいという方もいらっしゃるので、そういったナースセンターを通しての人材の確保については、こちらとしても引き続き強化していきたいと思っておりますし、この状況については、機会を捉えて共有していきたいと考えております。また、もう1つ津下先生の研究で結果で出ていたところですね、これからたぶん一体的実施は質を上げていくことに取り組むフェーズに入っていくのだと思いますけれども、そこに関連する話として、やはり継続性の問題があるのかなと感じています。まとめの津下先生の最後のページにも、逆戻りしているような状況があったりとか人の異動が多いというところ、ワークショップに参加した保健師は85%とご紹介いただきましたけれど、経験年数の短い方であったり。それから課題に感じているところの中に、人の確保のほか個人の能力の話が出ていたかと思います。どうしても多岐にわたる業務を短期間で行い、異動もというのが現場としてはあると思っています。個人の能力も大事ですが、それだけでなく保健部門と連携して組織的に運営していくことが、この事業の本質だと思っていますので、組織全体として連携し、継続性を保つためにどのような支援が必要かというところもぜひ国としても考えていただけると良いと思いました。また、今回の研究の中で実施されたようなワークショップが継続的にあると、皆さんも課題の共有や好事例の共有ができ、とても効果があると思いますので、取り組んでいただけたらと思います。私たちも協力できることがあれば考えていきたいと思います。私からは以上です。
〇津下座長 ありがとうございます。実際に一体的実施、企画調整で保健師さんに多く活躍していただいているのですけど、やはりマンパワー不足がある中で、地域の人材が活用できているかというとそこまでまだ至っていない現状もあるので、そのあたりの情報提供とか、一体的実施は他の事業と違って横に広がる調整が必要になるので、新たな学習といったことも必要になってくる部分もあるかなと思いますよね。
〇事務局 そうですね、ありがとうございます。今挙げていただいた課題が、新しい方になって交代があるといったところで、そもそも一体的実施の仕組みなどが最初に頭に入っていないと、言われたことだけをただ行うだけでは難しいところもあり課題感として感じているところです。そちらについては、初めて一体的実施に関わる方が、仕組みや目的、目指す姿がわかるように、全体のところをもっとわかりやすいような情報発信の仕方を考える必要があると考えているところでございます。今回、この資料の冒頭の方に改めて制度や仕組みについての資料を出させていただいていますけれども、これまで市町村が展開したところでも、キーのところがなんとなく広がったのかなということで説明を省いていた部分もありました。ただ、継続して、どんな場面でもこの説明の時には入れた方がいいのかなというふうにこちらのほうでも考えているところでございます。
〇津下座長 ありがとうございます。一点、一体的実施が始まる前に法律を3本書き換えているという、それでできるようになったことがあるのだけれど、そこが理解されないまま質問が出たこともあって、資料1の4ページ目に載せていただいています。それではありがとうございました。では、薬剤師会の村杉先生、お願いいたします。
〇村杉構成員 日本薬剤師会の村杉でございます。改めてですが、一体的実施を経年的に継続して推進されており、成果と課題がこれほど整理されているのは素晴らしいと拝見いたしました。私からはいくつか感想とご質問をさせていただければと思います。まず資料1についての感想ですが、広域連合、都道府県、市町村の調査結果で課題として挙がっている点について、日本薬剤師会として3つ注目しております。1つ目は医療関係者も含めた専門職の活用がなかなか進まないという課題です。2つ目は市町村の担当者のマンパワー不足の問題。これは非常に大きな問題ととらえています。市町村においては、保健事業、介護予防事業、健康増進事業、障害福祉や社会福祉のところでも同様の対応を行っており、現場の職員からすると非常に負担感が大きいという意見もございます。この辺りのところで地域の専門職を活用することにより、負担軽減につなげていくということは大事なポイントだと感じているところです。3つ目は後期高齢者広域連合・都道府県・市町村の連携と庁内連携を着実に推進していくことです。その上で資料3についてですが、7~19ページまでは地域の医療関係者に非常に響く内容でわかりやすく整理されていると感じました。また、地域の医療関係者に介入してもらうことによって効率的・効果的に結果が得られるということが示されており、一緒に目標を共有できる素晴らしいデータだと感じたところです。また、最終ページの3つ目に、国から職能団体への情報提供強化や、しっかりと高齢者への介入につなげていく必要性が示されておりますが、ここは非常に重要なポイントだと感じました。資料1の18ページについて、西村構成員、野村構成員、宮崎構成員からもご指摘がありましたように、左列の「健康課題の分析への参加」「実施方法・体制検討への参加」「事業実施への参加」「事業の評価への参加」などに地域の職能団体がしっかり参画していけるようになると、取り組みが進むのではないかと思います。最後にぜひ事務局の厚労省、そして津下先生にご見解があればお聞かせいただきたいところなのですが、課題は明確になっているわけで、これを解決していくために、今まさに国でも検討をしていただいています。さらに津下先生が中心になって取り組み推進のガイドの活用に注力されていると承知しております。これらを踏まえ、課題解決につながる取組みとして、体制整備支援として有効な方策はないかと考えております。例えば薬剤師会に関してですが、市町村が地域薬剤師会や都道府県薬剤師会に対し、資料1の4ページ目や津下先生の資料等を活用しながら、薬剤師団体に説明を行うための資材を作成し、具体的に協力してもらいたい事項を説明するなどして、効率的な事業につなげられるとよいのではと考えております。場合によっては、西村構成員からもご発言がありましたとおり、栄養士会に加え、医師会、薬剤師会、歯科医師会にも同時に声をかけ、コアとなる方だけでもご参加いただき、ご意見を伺う機会を設けるだけでも事業が進むのではないかと思います。市町村レベルで専門職の活用が進むよう、たとえば「この資料を使ってこう説明するとよい」といった具体的な資材を作成し、取り組みを後押しできないかと思った次第です。そのあたり、ご見解いただければと思います。以上でございます。
〇津下座長 はい、ありがとうございました。もしよければ、私の方から。貴重なご指摘をいただきましてありがとうございます。研究成果も自治体に広げるだけではなく、関係団体にも知っていただく必要があると思っております。今回の推進ガイドは、とりあえずは自治体向けとして書いてありますが、冊数の調整などで、もしお配りできるのなら各団体にもお送りすることも検討したいと思っております。これから印刷に入るところなので、見ていただき、一体的実施について理解していただけるようにすることと、場合によっては一体的実施のコアスライド的なものをセットするなどして、地域で研修していただけるようなコアスライドを提供することも、今年度やろうと思えばできる話かなと思っておりますので、準備したいと思っています。
〇村杉構成員 ありがとうございます。ぜひコアスライドのようなものをご提供いただくことや、例えば厚労省から日本薬剤師会に対して、今回自治体向けガイドが出ましたと案内いただけるのもよいかと思います。そうしますと自治体から都道府県薬剤師会や地域薬剤師会に依頼や相談が入った際に、対応が取れると考えます。日本薬剤師会としても全都道府県薬剤師会に必要な通知を出すなどの対応をしてまいりますので、ご検討いただければと思います。
〇事務局 ありがとうございます。コアスライドなどのまとめについては、検討していきたいと考えております。全体の高齢者保健事業に関する資料については基礎資料ということで、毎年更新する形でたくさんにはなるのですけれども、ホームページに掲載しております。ただ、分かりやすさというところにはもう少し工夫の余地があるのかなと考えているところでございます。最初に上げていただいた課題については、ご指摘いただいているとおりだと感じています。国としては、良い事例、例えば関係団体とうまく連携した事例など、取組の事例をいろんなところで紹介させていただいています。これまでの実施状況調査の結果も踏まえて、良い事例がどこにあるかをこちらも発掘させていただきながら、国としても発信していきたいと考えております。
〇津下座長 ありがとうございました。では、日本医師会の渡辺構成員、お願いいたします。
〇渡辺構成員 日本医師会の渡辺です。実際にこういう事業を行うのは地区医師会なので、日本医師会が個別の意見を言うのは難しいところがあり、事情もありますので、これをしたいと一方的に言っても地区医師会自体の対応があるので、できればこのような情報をできるだけ周知していただき、自身が関与する自治体がどの位置にあるかを把握してもらうこと、勧奨することが大事だと思います。それを医師会から行う方がいいのか、見てもらわないと意味がないので自治体との情報連携が必要だというのが1点でございます。資料1に関しては、各論については先ほど述べた理由で特別に述べる立場ではありませんが、例えば13ページぐらいからのハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの課題・実施状況については、当たり前のことですがハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチでは対応する母集団が基本的には重なっています。全体にポピュレーションアプローチを行って、その中のハイリスク群に対してハイリスクアプローチを行うわけですので、両アプローチの実施システムが連携していなければいけないと思います。おそらく調査されているのかもしれませんが、そのあたりの資料があった方がよいと思いました。ポピュレーションアプローチを実施し、ハイリスクアプローチを実施した場合、ポピュレーションアプローチの効果が実際に、これは先生が報告されている37ページのアウトカム評価にも一部ありますが、ハイリスク者の人数がどう変化するかというところは、結局ポピュレーションアプローチをやっただけなのか、効果的なポピュレーションアプローチを行ってハイリスクアプローチに対してどうなったか、ハイリスクアプローチをやった場合のそのハイリスクの転帰はどうか、というところの資料まで本当はあったほうがいいと思うのです。とっかかりは当然、実施状況を把握して、実施率を上げるというのが基本だとはと思うのですが、一般的になりやすいのが行っただけということで、行うことに目的があるように見えます。目的はそこではないような気がするので、この資料はこれで意味があると思いますが、今後の展開として、もう少し具体的な資料をご提示いただけるとありがたいと思いました。そういう関係できっと先生のご研究の37ページのアウトカム評価のところも、こういう指標を出されるというのは大変な作業だったと思うのですが、このアウトカム指標というのはいずれも母集団の年齢構成や利用率に影響を受ける項目だと思います。つまり年齢構成とかが自治体ごとに変わって母集団が変わると、その比較を横展開では本来できないと思うのです。元々が違うのですから。そうなると絶対的な指標、評価は難しいかもしれませんが、例えば健康寿命の延伸とか、母集団の構成に影響を受けないような指標も含めてアウトカムとしてやっていただいたほうが、地域間のアプローチの効果判定にも役立つのかなという、印象を受けたというか感想でございます。意見ではなくて、そう感じました。参考程度に聞いていただければと思います。そういう訳で各論はございませんので総論だけ述べさせていただきました。以上です。
〇津下座長 ありがとうございました。
実は今日お示ししていないのですが、該当者の割合を男女年代別で75から80とか5歳刻みといった感じで年次推移を見ていて、どういうふうに変化していくのかというのも、今のところ見ている段階ではあります。ただ、例えば令和2・3・4のデータしかないので、直近のデータなども合わせてトレンドを確認してみて、事業を熱心にやっている自治体で該当率が下がってきたみたいな結果を、これから出していかないといけないなと、先生のご発言で再認識したところでございます。
〇事務局 ありがとうございます。調査の結果等はかなり抜粋しているところがありまして、こちらに十分掲載しきれていないところがございます。実施状況調査は多数の項目を聞いているので、その中で先生からご指摘いただいたような結果があったほうがいいのではということで、ちょっと調査項目の細かなとこまでお答えできない状況ではあるのですが、関連する内容もありますので、そこは報告書のほうでしっかりとまとめたいと思います。以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございます。質を高めるという視点で、非常に貴重なご意見ありがとうございました。では最後に、東京都健康長寿医療センターの平田構成員、全体を聞かれてご意見ご指摘事項がありましたらご発言お願いします。
〇平田構成員 東京都健康長寿医療センターの平田でございます。皆様のご意見を伺い、まさにその通りだと思っているところでございますが、現状の課題として、1つは後期高齢者の質問票がどこまで職能団体の皆様や住民の皆様に普及しているかという点がございます。後期高齢者の質問票は主に後期高齢者健診で行い、フレイルのスクリーニングツールとして活用できるものとなっておりますけれども、実際に市町村で後期高齢者健診を受けても必ずしも質問票を返却しない場合があるようで、せっかく質問票でフレイルのスクリーニングができるのに、それを活用できていないという現状があります。ただこれをうまく活用しますと、例えば、オーラルフレイルの観点で申し上げますと、質問票の口腔の質問に2問とも該当すればその段階でオーラルフレイルと判定されるわけですので、例えばそういった方々に結果を返却する際にオーラルフレイルに関する啓発資料を合わせて送付するような形にすれば、より一層オーラルフレイルの概念を広めることができます。そのようなところで、まず後期高齢者の質問票の結果を対象者に確実に返却しつつ、その返却の場を活用してフレイルの概念を住民の方々に広げていく、健診実施を医師会の先生方に委託している場合もございますので、そういったところで医師会の先生方にも結果返却に携わっていただき、フレイル予防の考え方を住民の皆様にお知らせいただくということが必要ではないかというのが、まず1点でございます。2点目は先ほどから話題にあがっております専門職の活用というところでございます。こちらに関しまして特に重要だと考えておりますのが、広域連合と都道府県の職能団体との連携ということになろうかと思います。現状では、市町村と市町村レベルでの職能団体との連携はかなり進んでおり、例えば保健指導で対人的な業務をご担当いただくとか、ポピュレーションアプローチで講演をしていただくとか、そのような形での連携は比較的取られているような印象を受けております。一方で、人的リソースが少ない中での専門職の活用を考えますと、広域連合と連携して都道府県の職能団体に住民啓発等で活用できるような情報提供ツールを作成していただき都道府県内のフレイルに対する普及啓発を図っていただく、もしくは、地域に専門職が多くいらっしゃってそれらの方々が保健指導等に携われるのであれば問題はないわけですが、実際にはそのようなところばかりではございませんので、専門職がいない状況であったとしても、ある程度の専門性を担保できるような保健指導プログラムを一緒に考えていただく、というような連携の仕方もあると思います。人的資源が足りない中での専門職の活用ということを念頭に置いて、都道府県レベルでの広域連合と職能団体とが積極的に連携をしていただくということも是非ご検討いただければと思います。3つ目は、すぐに解決できるお話ではありませんけれども、皆様に情報としてお伝えしておかなければいけないことは、ハイリスクアプローチに関して後期高齢者健診の受診者を対象として抽出する際に、前年度の結果を踏まえて当該年度のハイリスク対象者を抽出するという市町村が多く認められます。非高齢者ではあまり問題にならないですけれども、75歳以上の後期高齢者を対象としている場合には、健診受診から保健指導実施までの期間が空きすぎると、その期間にフレイルが進行して要介護に至ってしまうリスクがございます。低栄養や身体的フレイルに関しましては、現状のハイリスクの抽出基準でいきますと、後期高齢者健診を受けて質問票に回答していれば、その現場で対象者の抽出自体は可能でございますので、例えばそういった方々に対して何かしら早めの介入を行うことも、住民の皆様への効果的なフレイル予防・介護予防を図るという観点からは必要になってくるかもしれません。これは現状のシステムの問題等もございますので、直ちに解決できるわけではないかもしれませんけれども、平均自立期間の延伸を目指すことを目標にするのであれば非常に重要になるものと考えております。私からは以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。先程の話で、データ分析は去年のデータでやって、抽出は今年すぐやっていますという自治体も現実には結構多くなってきているかなというのもあります。ただ評価の点では時期ズレが起きるところの調整は必要かなと思っています。
〇事務局 質問票の活用状況については今回ここのスライドでお示ししていないのですが、結果の返却はどれぐらいしていますかというのは聞いています。健診と一緒にされている場合は、結果の通知に含まれている場合が比較的多いのですけれども、みなし健診とか通いの場ではあまり返却のほうには回答されていないところが多いので、普及啓発といったところ、ご本人への周知のところも引き続きしていく必要があるかなと考えているところです。
〇津下座長 ありがとうございます。皆様のお話をじっくり伺っておりまして、時間が押してきてしまいましたので、後半のところの厚労省のご説明をお願いいたします。
〇事務局 では、資料1の続き、データヘルス計画の関係からご説明をさせていただきます。こちらデータヘルス計画中間評価に向けた手引きの案の本体については、資料参考資料2として本日お送りしております内容については抜粋してご紹介ご説明させていただきます。
まず、データヘルス計画の中間評価に向けてですけれども、今年度調査、実施しておりますアンケート調査、ヒアリング調査を実施しておりまして、中間評価を実施するにあたる手引きの方をまとめさせていただいております。調査概要はスライドにお示ししている通りでございます。
中間評価にあたっての連携等の予定でございますけれども、中間評価見直しの結果について、市町村へのフィードバックをされるという予定が多くなっているところです。中間評価の連携先として、医師会、歯科医師会、薬剤師会といった関係の方々、そして外部有識者の方が多くなっている状況でございます。次お願いします。
国から受けたい支援についてアンケートでお聞きしております。アウトカム指標等や目標の見直しに対する助言や相談、分析に必要なデータ提供についてご意見いただいているところです。データ提供のところについては、令和5・6年の共通評価指標の実績値について、データ集として手引きに掲載しております。また、情報提供のご要望については、先ほど池田構成員からご説明いただいた通り、支援者研修会での実施を調整しております。都道府県の関わりについてですが、中間評価の結果について広域連合から共有をいただき、意見を伝える予定があるという回答が多くなっています。
では、手引きの概要に移らせていただきます。こちら手引き作成のための検討状況で、今年度3回にわたり検討会を開催いたしました。構成員の皆様からご議論・ご協力をいただき、手引き案をまとめております。こちらが現在作成している目次でございます。中間評価の実施手順、見直しの方向性、参考資料データ集として、ヒアリング結果や広域連合別の実績値を掲載しているところです。次から手引きの概要をホームページに掲載する前提でお示しします。こちら概要1ページ目です。こちら第一章で、今回のデータヘルス計画後期に向けて、事業評価の見直しについてお示ししています。データヘルス計画の中間評価の算出方法ですが、健診受診率の影響が大きいというご意見を踏まえ、中間評価で算出方法の修正を進めております。後日、支援者研修会等で詳しいご説明の機会を予定しております。
参考資料2をお願いします。国保・後期の保健事業のデータヘルス標準化の検証事業についてご紹介します。標準化の進捗状況、その実施効果の把握、先進的事例の要因特定を目的に実施しています。現状把握としてデスクリサーチ、アンケート、ヒアリングを実施しています。KDBデータの活用ツール作成も進めています。また、調査結果の周知として、全国8ブロックで研修会を開催しました。デスクリサーチ概要として、既存調査や統計データから国保・広域連合の取り組み状況を整理し、PDCAサイクルに沿ってポイントをまとめました。これはそのまとめで、ヒアリング、市町村との連携、共通評価指標や様式の策定といったストラクチャー・プロセス視点で整理しています。この結果を踏まえて調査票を設計しました。今回、データヘルス計画の進捗状況を測るため、都道府県の国保担当、広域連合を対象にアンケートを行いました。標準化の意義、理解度、事業への影響、課題を把握する目的で設計しています。こちらが調査結果の概要です。標準化に向けた成功要因の抽出、ノウハウの整理が課題となる一方、自主的に取り組んでいる都道府県・広域連合を先行事例としてヒアリングを実施しています。KDBデータを紐付けて、地域の特性・健康課題を明らかにするためのツール作成も進めています。
特別調整交付金の改正ですが、企画調整及び地域担当の人件費の交付基準額の増額を予定しています。ハイリスクアプローチの事業数が5つ以上の場合も交付増額予定です。健診受診率の向上を推進するため、みなし健診の枠の新設も予定しています。次が保険者インセンティブです。令和9年度に向けた指標案を作成しており、検討会を2回開催しました。指標の考え方として、一体的実施の質・量の拡充、第3期データヘルス計画の中間評価を踏まえた見直し、令和5年度以降の配点増加に伴う調整を行っています。主な改正事項はスライドの通りで、詳細は参考資料3に掲載しています。横展開事業は来年度も予定しています。医療制度事業費補助金について、健診事業は前年度同額、歯科健診は1億円増の予算案です。ほかにも関連する介護保険部会の意見書を参考資料としております。説明は省略します。駆け足になりましたが以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。データヘルス計画や保険者インセンティブなど、様々な取り組みを実施しているというようなご報告でしたけれども、ご質問ご意見等はございますでしょうか。自治体はこういう指標でもって、特別調整交付金という財源の確保とか、やりやすくできる方法とデータで見える化していくという両面で、質と量の向上を図るということかと思っております。令和8年度も一体的実施をしっかり進めていくというご意向と受け止めました。では、特によろしければここまでとしたいと思います。まだまだ課題も多く、自治体の中の連携、地域連携、今回は特に関係団体の皆様から色々なご意見をいただけたので、それらを反映して、すぐできること、長期的課題の両方に取り組んでいくことが必要だと思いました。引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。最後に、日野課長からコメントお願いいたします。
〇日野課長 高齢者医療課長の日野でございます。本日は活発なご意見をいただき、ありがとうございました。一体的実施事業は令和2年から始まり、最初はまず全市町村で実施することから始まって、それがだいたい達成されて、活動量の増加と質の向上という観点から今取り組みを進めさせていただいています。そういった中で今日の報告でもありました通り、様々な課題が見えてきているところでございます。中でも一つ大きな課題だと思っていたのが、関係団体の方々といかにコラボできるのかというところが大きな論点だと思って、この資料をまず見ていたんですが、そういった中で今日、特に前向きなご意見をいただけまして、国としてもしっかりと、国レベルでも働きかけや必要な資料を作ったり、様々なことができるのかなというのを感じさせていただいたところでございます。
あとはやはり市町村の現場がいま、かなり人員が厳しくなってきておりまして、総務省のほうで地方制度調査会が立ち上がって、県と市町村を含めた役割分担の議論が始まりつつあるような状況ですので、やはり国としても効率的な業務のあり方を追求していかなきゃいけないのかなというのを考えているところでございます。データを見る限りICT活用もまだ進んでいなかったりしますので、デジタルの力を使ったり、関係団体の皆様方のご協力も得ながら、一体的実施を今後も進めていきたいと思っておりますので、引き続きのご協力のほどよろしくお願いいたします。私のほうから以上でございます。
〇津下座長 ありがとうございました。本当に質の高い事業を効率的に行っていくということが、これから非常に重要で、その中で地域の関係者の皆様のご協力とか、自治体の担当者さんはやっぱり人事異動があって、より安定的に継続的にということになると地域でそういう場があるというのも、非常に重要なのかなという改めて思っております。引き続きのご協力よろしくお願いいたします。本日の予定していた議題はすべて終了しました。事務局にお返しいたします。
〇事務局 本日も活発なご議論を賜り、誠にありがとうございます。構成員の皆様方からのご意見を踏まえまして、今後も検討を進めてまいりたいと思います。次回の開催日程につきましても後日また年度改めてとなりますけれども、調整させていただきます。それでは。本日も長時間にわたりご議論いただきありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
閉会

