第13回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(議事録)

日時

令和8年1月30日(金)10:00~

場所

オンライン・対面による開催(中央合同庁舎第5号館 専用第22~24会議室(18階)東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○山川座長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「第13回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」を開催いたします。構成員の皆様、お忙しいところお集まりを頂きまして、大変ありがとうございます。本日は新田構成員が御欠席で、代理として一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部統括主幹の阿部博司様に御出席を頂いております。本日の研究会はZoomによるオンライン開催と会場からの御参加の両方になっております。会場には倉知構成員、眞保構成員、冨髙構成員、田中伸明構成員にお越しいただいております。開催に当たり事務局から説明があります。
 
○原田障害者雇用対策課長補佐 本日もZoomを使ったオンライン参加を頂いておりますので、簡単ではありますが、オンラインについて、操作方法のポイントを御説明いたします。本日、研究会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局や座長から発言の許可があった後にマイクをオンにして、必ずお名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。Zoomの操作方法については、事前にお送りしたマニュアルを御参照ください。会議進行中にトラブルがありましたら、事前にメールでお送りしている電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断が生じた場合には、一時休憩とさせていただくことがありますので、御容赦いただきますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明については以上です。
 
○山川座長 それでは、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。では早速、議事に入ります。第5回から第11回までで、主な論点について一通り御議論を頂き、前回の第12回においてこれまでの議論の整理を行い、更に御議論を頂きました。本日はこの第12回までの議論を踏まえ、資料1の報告書(案)が作成されております。初めに事務局から、資料1の報告書(案)について御説明をお願いします。
 
○河村障害者雇用対策課長 お手元に資料1報告書(案)を御用意いただければと思います。最初に前回12月24日に出させていただいた議論の整理との関係性も含めて、報告書(案)の全体の構成の御説明をさせていただきたいと思います。1ページ目に目次があります。Ⅰに「はじめに」があります。「はじめに」と最後のⅣの「おわりに」については、今回の報告書で改めて追加された記述です。ⅡとⅢにまたがって、それぞれの政策課題について挙げております。このⅡとⅢに当たる所の制度設計、今後労働政策審議会障害者雇用分科会に移った後に御議論を深めていただく制度設計部分については、基本的に12月24日に出した議論の整理をベースとしております。12月24日の議論の整理の内容に、12月24日当日に承った御意見と、この間個別に事務局と各構成員の間でやり取りをしたときに承った御意見について、改めて反映したものがこちらの報告書です。このⅡとⅢについては議論の整理の内容の前段に、各パーツそれぞれにこれまでの経緯や現状として、各回の政策議論を頂いたときの資料の中から主要な部分を圧縮して、事務局のほうで追記させていただいております。全体の構造としてはそのようになっております。
 12月24日の議論の整理以降、新しく入っている記述について、簡潔に御紹介させていただきたいと思います。2ページのⅠの「はじめに」です。まず「障害者雇用の現状と課題」として○の1つ目辺りは、制度創設以降、最も中心的な制度でもある障害者雇用義務の制度を始めて、様々な措置が講じられてきたという旨と、この間、企業の理解の広がりや経験の蓄積の大きな前進とともに、地域の体制の充実が進んで、土台が大きく整ってきた旨を書かせていただいております。
 ○の2つ目については、昨年末に公表した直近の令和6年あるいは7年の民間企業の障害者雇用者数について御紹介した上で、1,000人以上のいわゆる大企業の法定雇用率の達成割合が、大幅に増加してきたことを触れております。
 ○の3点目です。一方として今後の課題をここから何点か書かせていただいております。課題の1つとして、中小企業における障害者雇用の伸び悩みとして、データ等を御紹介させていただいております。
 2ページの一番下の○が、もう1つの課題として、雇用率制度の対象範囲である雇用義務の範囲について、まず雇用義務が事業主の経済活動の自由たる採用の自由に対する非常に強い制限として適用するものであるという点を、十分踏まえる必要があるということを述べた上で、それでも、一番下の行辺りですが、障害者手帳を持っていらっしゃらない難病患者、あるいは精神・発達障害の方の位置付けについて、10年以上の検討課題とされてきた経緯がありますので、改めて議論を前進する必要性について述べております。
 3ページに入りますと、1つ目の○が「質」の向上について、もう1つの課題として触れております。法定雇用率達成を目的として、「障害者雇用ビジネス」の利用企業が近年急増していること等について触れている内容となっております。
 3ページの2以降では、この研究会の議論のこれまでの簡単な経緯として、令和6年12月以降、会議を重ねてきた旨を簡単に書かせていただいております。その上で4ページの一番上の所ですが、「2つの項目に整理をして報告する」とした上で、「報告書で示した検討の方向性を土台としつつ、同時に本研究会の議論の中で示された意見や懸念等に十分に留意して、今後、労働政策審議会障害者雇用分科会において、制度設計の具体化に向けた議論が深められていくことが望まれる。」というようにさせていただいております。
 続いて4ページのⅡ以降が、制度設計の具体的な内容等について記載させていただいている部分です。Ⅱは「障害者雇用の「質」について」として、1番として「質」の規定を設けるということと、「質」の向上に向けた認定制度の関係について記載しております。これまでの経緯あるいはその下の現状として、「質」関係の議論を頂いたときの会議の資料等から、記述を圧縮して要点を述べさせていただいております。
 その上で5ページの下半分の辺りです。「制度的対応○1」として、「質」のガイドライン等の創設をすると。ここから先の制度的対応として書かれている記述については、基本的に12月24日の議論の整理のときの記述に、会議当日とその後に承った意見を追記した形ですので、新たに加わった記述を中心に御紹介させていただきます。
 5ページの一番下の○ですが、ガイドライン等の根拠、内容を法令上に規定することについて、事業主が目指すべき方向性を明確に示す上で必要だという御意見です。また一番下の行ですが、その際には、障害者雇用の現場の実態を踏まえて適用時期についてよく検討すべきだという御意見については、会議当日に承った御意見として追記しております。
 6ページの○の2つ目では、「さらに」として、こうした「質」として重視すべき要素について、いわゆる「6.1報告」、障害者雇用状況報告において報告を求めることも有効ではないかと。この点についても会議のときに承った御意見として追記しております。
 その下の○の3つ目の具体的な内容を丁寧に議論する必要性や、さらに4つ目の○の「法令上の規定の仕方として様々な選択肢を取り得るため、事業主を萎縮させない形で、どのように規定できるかを含めて検討すべき」と。この点についても24日の会議で承った御意見として書かせていただいているところです。
 続いて6ページの下の「制度的対応○2」として、「質」の向上に向けた認定制度の大企業への拡大、また、その認定に対するインセンティブの在り方の部分です。こちらについては7ページの最初の○です。まず、ここの部分は24日の議論の整理のときには、この方向性で更に検討を深めていくべき旨の意見があったとした上で、両論を書かせていただいておりましたが、1点目の大企業を含む企業を新たに認定制度の対象とした上で、認定基準を見直すという方向性自体については、おおむね意見の一致があったのではないかという御意見を承りましたので、そのようにさせていただいております。
 その一方で2点目と3点目、具体的に言いますと6ページの下2つの・の部分については、この方向性で更に検討を深めていくべきというように切り分けております。その際、認定事業主に対する一定の配慮を調整金等で行う場合には、その更新制度の認定後の検証を設けることが必要だという御意見について、会議で承った御意見として追記しております。
 さらに○の4つ目の2行目です。「質」の評価の反映をしたときに、雇用の「量」がトレードオフになるような仕組みであってはならないという御意見についても、会議当日承った御意見として追記しております。
 7ページの下半分からが、2の「いわゆる「障害者雇用ビジネス」に係る対応」として経緯や現状について、これまでの資料の中から追記させていただいております。その上で9ページの冒頭からが、「制度的対応○1利用企業による報告」について記載しておりますが、この関係については12月版からの特段追記等大きな部分はありません。
 9ページ下のほう、「制度的対応○2「障害者雇用ビジネス」及び利用企業の望ましい在り方に向けたガイドラインの創設」の所ですが、10ページの枠の下の○の1つ目、1行目後半の「その際には、主たる労働者の就業場所とは異なる第三者が提供する就業場所で就業させる期間の望ましい在り方についても併せて検討すべき」という点について、委員の皆様から承った御意見として記載しています。
 11ページ以降がⅢとして、「障害者雇用率制度の在り方について」です。1が「手帳を所持していない難病患者の位置付け」です。これまでの経緯と現状については、議論した回の資料のほうから記述させていただいております。
 12ページに入って、制度的対応として、「就労困難性のある難病患者の個別判定制度の創設及び実雇用率算定」です。12ページの枠囲みの下の○の1つ目以降の「また」から、13ページの一番下辺りにかけては、12月24日に議論の整理とは別途提示させていただいた難病の補足資料を、そのまま忠実に記載させていただいております。
 その上で14ページの○の1点目、実雇用率算定におけるほかの障害種別への影響の関連について、過去の拡大時にそうした政策的対応が必要となる状況ではなかったので、当該方策を改めて講じる必要性は高くないのではないかという御意見がありました。さらにその1つ下の所に、個別判定に際してアセスメントが重要であるけれども、就労困難性の医療的な背景は、医師による客観的な裏付けが必要ではないかという点、また、支援職によるアセスメントは、そうした医師の裏付けによる医療的な背景に基づいた職業生活としての制限を見る必要があるのではないかという旨、また、その審査会による合議で判定を行うことが重要だという旨については、12月の御議論を踏まえて追記しております。
 その下の○の3つ目ですけれども、後半、実雇用率の算定の対象者については、試算によって開きがあるので、個別判定を設けることの是非の判断はできず、引き続き慎重な検討が必要という点についても、12月版から12月24日の御議論を踏まえて追記しております。
 14ページの下半分が、「2.手帳を所持していない精神・発達障害者の位置付け」です。その回の資料の中から、これまでの経緯とその現状について追記しております。
 その上で15ページの下半分から、検討の方向性の部分です。こちらについては16ページの○の2つ目の後半部分、手帳の有無にかかわらない本人の働きづらさに対する支援が重要という旨については、12月の御議論を踏まえて追記しております。
 16ページの下のほうに、3として「就労継続支援A型事業所やその利用者の位置付け」があります。こちらについては、これまでの経緯と現状を各回の資料で追記した上で、17ページ後半から検討の方向性が書かれております。こちらについては基本、12月にお出ししたものから大きな変更はありません。若干、18ページの論点2の・の1点目に、A型事業所の一定の社会的役割の例示として、「通常の事業所で雇用されることが難しい障害者の方にとっての選択肢の広がり、働きがいの提供」というのを例示として追記しております。さらに18ページの一番下、「制度見直しがもたらす社会的影響にも留意しつつ」という点について追記しております。
 19ページ、「4.精神障害者について障害者雇用率制度における「重度」区分を設けること」です。この点については、12月版から大きな変更等はありません。
 19ページの一番下の「5.精神障害者である短時間労働者の算定特例」についても、大きな変更等はありません。
 20ページの一番下が、「6.障害者雇用納付金の納付義務の適用範囲を、常用労働者数が100人以下の事業主へ拡大すること」です。これまでの経緯と現状については、各回の資料の中から追記しております。
 その上で21ページの一番下からが、制度的対応です。こちらについては22ページの○の1つ目に、12月の御議論を踏まえて追記した点が何点かあります。1行目の最後から、障害者雇用義務の意識を強化することによって促進をする方向性という点、また3行目中段からの「適用拡大に当たっては、受入れの難しさは個別性が高く、中小企業であることをもって一律に受入れの難しさがあるとは言えないとの意見、周知から実際の適用までに相当の期間を設け段階的に進めていくべきとの意見、一律に相当の期間を想定するのではなく具体的な準備に要する期間を考えるべきとの意見、またその間に100人以下の事業主に対する業務の切出しや定着に係る企業支援をセットで重点的に行っていく」という点、更にその下の、納付金の徴収、企業支援の事務体制の在り方について、併せて検討すべき」という点について、12月の御議論を踏まえて追記しております。
 さらに、その下の2番目の○です。こちらも2行目に、中小企業特有の難しさとして(業務の切出しや人員体制が薄い中で、障害者である労働者のサポート体制等)について追記しております。○の3点目の後半から、「こうした意見を十分に踏まえ」の後ですけれども、「障害者雇用促進法の基本的考え方である社会連帯の理念に基づき、議論を進めていくことが必要」という点について、承った御意見を追記しております。
 22ページの最後のほうが「おわりに」です。まず、この間の障害者雇用の場の大きな広がりについて記載した上で、23ページの○の1つ目にあるように、この間、法定雇用率が短期間で連続で引き上げられてきている旨と、こうした背景の中から「従来、計画的に障害者雇用に取り組んできた場合においてもなお、法定雇用率の達成が困難になっている企業が生じている」という、構成員の皆様から承ってきた御指摘について記載しております。
 その上で○の2つ目です。法定雇用率について、「社会連帯の理念に基づき、雇用の場を提供し得るのは事業主のみであるということにかんがみ、障害の有無にかかわらず、同水準で労働者となり得る機会を確保するという考え方の下で算定式が定められているものであり、この基本的考え方は、障害者雇用促進法の目的や基本的理念に通じる制度の根幹として尊重すべきものである。」ということを、まず記載させていただいた上で、「その一方で」として、この間御意見としてお出しいただいてきた、制度創設当初から障害者雇用の状況が大きく変化しているということに加え、近年の連続的な引上げを背景として、制度の運用等が労働市場の変化のスピードあるいは採用準備を含めた現場の雇用実態を踏まえたものになっているかどうかについて、別途丁寧な検討が求められているという記載をさせていただいております。
 その上で、下から2つ目の○です。今後、労働政策審議会において、次の法定雇用率設定期間、令和10年4月からの5年間を想定して、前述、ここまで述べてきた制度設計の具体化について検討するに際しては、見直し後の制度に基づいて新たな雇用率算定を行うという関係性がありますので、上記のような雇用の状況変化も十分に踏まえて、今後の雇用率の運用の在り方、基本的には算定や適用になるかと思いますが、そういった運用の在り方についても、併せて検討を行う必要があるとさせていただいております。
 最後の○として、雇用率算定と言っている所は、1行前の今後の雇用率の運用の在り方の部分ですけれども、雇用率算定も含めて、各論点で述べられてきた障害者雇用促進制度の在り方をより良いものとしていくことを通じて、障害のある方が経済社会を構成する労働者の一員として能力発揮の機会を得て、希望や障害特性に合った就業環境の中で、事業活動に大いに貢献できる社会を目指していくことが重要とさせていただいております。事務局からの説明は以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。構成員の皆様からいただきました御意見を幅広に盛り込むというような書きぶりになっているかと思います。
 では、資料1の報告書(案)について、意見交換に移りたいと思います。毎回お願いしておりますけれども、御発言の際は挙手をしていただいて、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。では、御意見あるいは御質問等ございますでしょうか。清田構成員、お願いいたします。
 
○清田構成員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田でございます。御説明ありがとうございました。また、取りまとめありがとうございます。100人以下の事業主への納付金納付義務拡大のパートに対しての意見を申し上げたいと思います。
 21ページでは、現状についてまとめていただいておりますが、前提として、私としましては、非常に残念でございますが、100人未満の障害者雇用は進展していないのではないかと受け止めております。確かに令和7年の実雇用率は1.94%となり、令和4年度から0.1ポイント伸びている点は事実ですが、他方、規模計の実雇用率、法定雇用率との差は、令和4年度から拡大している状況かと思います。100人未満における障害者雇用は依然として遅れている又は遅れが拡大しているのではないかと考えます。こうした認識につきましては、2ページの「はじめに」の中で、「中小企業における障害者雇用の伸び悩み、障害者雇用が比較的停滞をしている状況」という箇所で表現いただいていると思います。
 他方で、21ページに戻りますと、現状においては比較的停滞をしているという記載がある一方で、実雇用率は1.94%で推移しているという表現になっており、「一方で」の後に記載することによって、数値の進捗に重きを置いている表現であると受け止めており、100人未満の障害者雇用が進展しているというような表現をされているという受止めを、私としてはしております。したがいまして、この点について表現の順序を入れ替えていただけないかと思っています。「はじめに」と同様に、1.94%で推移している一方で、達成企業の割合が半数を下回り、かつ長期的に見ると改善傾向が見られない状態が続いており、未達成企業のうち障害者雇用ゼロ企業の割合も9割と比較的停滞をしているという形で締めていただれば有り難いと思っております。
 あわせまして、現状の2ポツ目につきましても、「支援する施策も拡充・強化をされている」という表現で締められています。他方で、100人未満の障害者雇用の進捗を見ると、いまだ十分な成果が出ているとは言えないことから、施策の利用促進や、更なる拡充・強化が求められるといったような表現も付記いただけたら有り難いと思っております。
 最後ですが、22ページの1ポツ目の4行目に、「中小企業であることをもって一律に受入れの難しさがあるとは言えない」という御意見が記載されています。中小企業は、規模が小さいというのは間違いない事実で、従業員や業務の量も少ないです。この点において、間違いなく雇用の難しさが生じるのではないかと私は考えています。確かに中小企業においても、多岐にわたる経営課題に対して、障害者雇用に重点を置いて試行錯誤を繰り返しながら、また努力を続けて優良な障害者雇用を行っている先進企業があるというところも承知しています。ただし、そうした企業があるから、中小企業も一定割合は受入れの難しさがないのではないか、つまり容易ではないかという御指摘は、非常に厳しい御意見であると受け止めています。
 障害者雇用は、御案内のとおり法定雇用率に基づいて一律に雇用義務が発生する制度ですので、先進事例を基に一定程度難しさがないとするのではなく、一般的な中小企業の実態を踏まえた検討が重要ではないかと、私自身は考えています。
 御意見としての記載ですので、修正を求めることは適当ではないことは承知をしていますが、報告書に代表的な意見として明記されていることに対して、中小企業を取り巻く厳しい環境にも御理解をいただきたいということを、この場で申し上げたいと思い発言をさせていただいたものでございます。長くなり失礼いたしました。私からは以上でございます。
 
○山川座長 ありがとうございました。3点御意見を頂きました。最初の2点は、報告書の中での現状の理解に関することであろうかと思いますので、最初の2点について、ほかに御意見のある方、おられるでしょうか。では、大谷構成員、お願いします。
 
○大谷構成員 ありがとうございます。育成会の大谷です。先ほどの御意見のほう、企業側としての意見も理解はいたしますけれど、ただ私たちやはり障害のあるほうの立場とした場合に、雇用率以前に働く場所のスペースを増やしてほしいという中で、やはり100人以下について、すぐすぐその同じ雇用率という形ではなく、一人からでもいいですので、雇用を進めていくという体制になってほしい。特に地方は大きな100人以上の企業が少ないです。そうすると、就労の場所というのが、かなり狭い範囲に限られてきますので、100人以下においても、1名から、それから何年か後を目指していくというような、現状の雇用率をすぐ採用するのでなく、まず1名からの雇用というような形の在り方もあってもいいのではないかと思います。それと、私は地元鳥取ですので、こちらのほうは、ハローワークのほうから年に1回中小の企業の方集めて、支援学校の卒業生、される生徒を集めて、就労している100人以下の企業の本人さんを集めて、いろいろな所で支援をする方法を説明しておりますので、そういうことで枠も広がってくるという形になりますので、是非とも現状の課題ではありますけども、ある程度その部分も企業側も認めていただければと思います。以上です。
 
○山川座長 ありがとうございます。今の御指摘は、これまでに言われたことに新たな視点も加わった御意見となろうかと思いますので、それも含めて、意見のほうで追記するような形になろうかと思ってお伺いしていたところですが、そのような取扱いでよろしいでしょうか。
 
○大谷構成員 できれば、よろしくお願いいたします。
 
○山川座長 事務局、よろしいですか。
 
○河村障害者雇用対策課長 ありがとうございます。今大谷構成員から御指摘いただいた点、少し記述としては足りないかもしれませんが、2ページの「はじめに」の所で、下から2つ目の○ですけれども、その後半の所で、「また」以降ですけれども、「大企業や特例子会社がない地域において、障害のある働き手にとって地元の中小企業は重要な職場であり、今後、中小企業等における障害者雇用の場を更に広げていくために、雇用促進に向けた企業支援が一層求められている」と記載しております。こちらと同趣旨の記載を、例えば22ページの○の1つ目の所に少し要素として盛り込ませるというのがあります。もう1点、大変恐縮ですが、今清田構成員から御指摘いただきました21ページの現状の○の1つ目、21ページの上から3つ目の○ですけれども、今頂戴した清田構成員と大谷構成員の御意見両方踏まえますと、現状の○の1つ目で書いております事項は、大きく2つのことを言っているかと改めて思いました。冒頭は、100人未満の事業主について、法定雇用率達成企業割合が半数を下回って、それが改善が見られない状態が続いている。これは、あくまで法定雇用率として設定される、言ってみればゴールテープとの距離の問題であって、その後半に書かれております、ゼロ企業が多いということ、また、実雇用率、これは実際に中小企業全体で雇われている方の数の進展を表すものですので、後半のほうの「未達成企業のうち」の所は、やや性質が違うことを一続きに書いているところがありますので、現状の○の1つ目の修正の方法としては、まず、法定雇用率達成企業割合が半数を下回り、長期的に改善傾向が見られない状態が続いているという、言ってみれば法定雇用率との距離の問題は、一旦ここで文章を切らせていただき、その続きとして「令和4年から令和7年にかけての実雇用率は1.94%と推移しているが、一方で未達成企業のうちゼロ企業の割合も9割と比較的停滞している」と、2つに分けて整理してはと思いましたが、いかがでしょうか。
 
○山川座長 まず、大谷構成員の御意見については、2ページは総論部分ですので、具体的な論点に係る22ページの御意見の中にも盛り込むという御提案かと思います。それで、よろしいでしょうか。
 
○大谷構成員 ありがとうございます。
 
○山川座長 それから、清田構成員の21ページの書きぶりに関しては、先ほどの御指摘は、ある種その2つの文章を並べることで逆説的に読めるのではないかということで、恐らく事務局からはそういう読み方をされないために、それぞれ独立の文章として記載するという御提案かと思いますが、清田構成員、いかがでしょうか。
 
○清田構成員 ありがとうございます。2ページ目の記載と同様に倣う形になると思いますので、御提案いただいた修正をいただければ有り難いと思います。
 
○山川座長 ありがとうございます。それでは、先ほど3点目の御指摘で、これもある種表現の問題かと思いますけれども、中小企業であることをもって「一律に」というような、こちらも事務局にまとめていただいた話ですので、事務局からいかがでしょうか。
 
○河村障害者雇用対策課長 ありがとうございます。清田構成員から御指摘いただきました、中小企業であることをもって一律に受入れの難しさがあるとはいえないという部分ですけれども、新銀構成員から承った御意見です。ただ、新銀構成員の真意としては、「一律に」という言葉については、中小企業さんがたくさんいらっしゃったときに、全部の中小企業さんがという御趣旨で承っていると理解しておりますので、例えばその趣旨をより明確化しつつ、清田構成員の御懸念に応えるということですと、例えば「中小企業であることをもって全ての企業に受入れの難しさがあるとは言えないとの意見」とさせていただくことが考えられるかと思いますが、新銀構成員、いかがでしょうか。
 
○山川座長 新銀構成員、いかがでしょうか。
 
○新銀構成員 御説明ありがとうございます。全国精神保健福祉連合会の新銀です。先ほど言っていただきましたように、22ページに記載されている「一律」という表現につきましては、趣旨をより分かりやすくする観点から、「全て」という表現に変えていただいて差し支えはございません。本当に常用労働者100名以下の企業においての障害者雇用を促進することにつきましては、当事者として前向きに考えておりますが、一方で、中小企業の皆様においては、業務の切出しや雇用後の支援体制の確保など、現場での御負担も少なくないのも実感しております。この点につきましては、企業の皆様の努力に加えて制度としての支えがあれば、より安心して取り組んでいただけるのではないかと考えております。働く障害者自身も、支援を受ける立場にとどまらずに、現場で感じたことや工夫を共有しながら、より良き働き方を一緒に考えていける存在と考えておりますので、そのような当事者の声が、無理のない形で制度作りに生かされることを期待しております。障害者雇用が、企業と障害者の双方によって負担感の少ない、持続可能な形で広がっていくように、今後も制度検討において、そのような視点で検討いただけることを期待しております。以上です。
 
○山川座長 ありがとうございます。御意見を記載した部分ですので、基本的にはその御意見をおっしゃった方の趣旨を尊重するというスタンスでの文でいかがかと思いますが、今のお話について清田構成員、これでよろしいでしょうか。
 
○清田構成員 ありがとうございます。御意見ですので、私からなにかお願い申し上げる点ではございません。ありがとうございます。
 
○山川座長 ありがとうございました。ほかの部分でも差し支えありませんけれども、全体として何かございますでしょうか。冨髙構成員、お願いします。
 
○冨高構成員 書きぶりではなくて、今後につながる受け止めとして発言申し上げたいと思います。まず今回、取りまとめていただきましてありがとうございます。内容につきましては、今までの各論点について議論してきたことが、一致したもの、両論あるものも含めて、一定網羅されており、今後引き続き審議会のほうで議論を進めていくものと考えております。
 そのうえで幾つか御意見申し上げます。雇用の質の評価やインセンティブの在り方については、記載のとおり「もにす認定」等を参考にしつつ、より幅広い企業で活用できるように具体的な設計を今後検討を深めていく必要があるということで、何をもって質の高い雇用をとするのか、雇用の質を高める取組が適切に評価される仕組みをどのように構築するかは、業種や規模、労働者の障害特性、職務内容、様々な要素を考慮しながら丁寧に検討していく必要があると思います。障害者雇用ビジネスにつきましても、これまで皆さんから意見が出ているように、実態把握がまず重要だと考えておりますので、その上で、課題をより明確にして、適正化に向けた整理していく必要があるのだろうと考えています。
 100人以下企業のお話も幾つかございましたが、中小にとっては非常に厳しい状況の中で進めていかなければいけないことは十分理解できるのですけれども、実雇用率の改善の状況や、達成企業の割合を見た上で、そこまで踏みとどまるような障壁になっているかというと、そうではないと思っておりまして、今後100人以下に義務対象を拡大していく方向で検討していくべきと考えております。ただし、その際には、中小企業の実情を踏まえながら100人以下企業の支援策の拡充・強化に加えて、十分な準備期間や助走期間の確保など、できる限り100人以下企業の理解が得られるような対策も検討した上で、実効性のある制度となるよう前向きに検討していく必要があるのだろうと考えているところです。
 手帳を持たない難病患者につきましては、その手帳所持者と同程度の就労困難性がある方について、個別のアセスメントを経た上で雇用率制度の対象とするという方向性は、これまでも言ってまいりましたように、公平性の観点からも妥当だと考えております。その対応の在り方については、判定の客観性や当事者、事業者双方の納得性を確保した上で、実雇用率算定の影響なども勘案しながら、制度設計をしていく必要があるのだろうと思っております。
 最後に、今後の雇用率制度についても、最後の所で触れていただいております。就労を希望する障害者数の算定方法などについても意見がありましたが、働きたいと考えている障害者層をどう類推するかについては、実態も踏まえた上で関係者、当事者の理解と合意を得ながら慎重に整理、検討を進めていくことが重要だと思っております。
本報告書は課題が全て整理されているわけではなく、今後審議会で整理することは容易ではないとも思いますけれども、障害者本人と事業主の双方が納得をして持続可能性のある、実効性のある制度になるように、前向きに議論を進めていくことが重要と考えておりますので、意見として申し上げておきます。以上です。
 
 
○山川座長 ありがとうございました。今後の審議会での議論に向けたコメント、雇用率の算定の具体的な方法等も含めてかと思いますが、コメントを頂いたところでございます。山口構成員、お願いします。
 
○山口構成員 こんにちは。愛知県中小企業団体中央会の山口です。日商の清田構成員と意見が同じような形になると思うのですけれども、私からの意見を申し上げます。今後の分科会における議論に向けて、改めて中小企業の立場から申し上げます。障害者雇用を国全体で進めていく方向に異存はありません。
 我が社の場合を振り返ってみましても、個々の障害者の方の特性に配慮して、採用時のマッチングから、採用後の設備や雇用管理などを試行錯誤しながら環境を整えてきました。その経験から、雇用ゼロ企業が最初の1人を雇用するには、それなりの負荷が掛かることが事実でございます。障害者雇用に取り組み、雇用を継続する上で、特に重要なことの1つは、障害者を指導、支援できる人材を配慮し、育成できるかだと考えておりますが、それには時間と費用が掛かります。その点で、従業員の少ない企業にも、一律的に障害者雇用を義務付け、更には納付金制度の対象にすることには、現在、物価高とか、最低賃金の上昇、賃上げの対応に苦慮する中で、非常に厳しいと感じております。現段階で、納付金制度の対象を100人以下企業へ拡大することは、慎重に考えるべきであると思っております。今後の議論においても、中小企業の経済、雇用の状況などを捉えて議論していく必要があると考えますので、どうぞよろしくお願いいたします。私の意見は以上でございます。
 
○山川座長 ありがとうございます。先ほど清田構成員からのお話にもありましたけれども、ただいまの御発言、今後の審議会での議論に向けての御意見ということでよろしいですか。
 
○山口構成員 はい、それでお願いします。
 
○山川座長 ありがとうございます。ほかに御意見等はございますか。それでは経団連の阿部様、お願いいたします。
 
○阿部代理構成員 経団連の阿部でございます。新田構成員に代わって発言いたします。まず今回、報告書(案)の作成に当たり、これまでの議論を丁寧にまとめていただきまして、厚生労働省の事務局並びに関係者の皆様に感謝を申し上げます。
 報告書(案)の内容については、今後の分科会での議論に資するものだと認識しております。個別の論点のうち、おおむね意見の一致が確認できた事項につきましては、分科会において、その具体化に向けた議論をしっかり進めていくことが重要だと考えております。
 一方で、様々な意見が出され、これらを十分に踏まえながら、今後議論を進めていく必要があるとされた事項については、障害者雇用の更なる進展という観点を念頭に置きながら、分科会において、丁寧かつ実態を十分に踏まえた審議を強く要望いたします。
 報告書の一番最後の「おわりに」の所で、障害者雇用率制度創設当初からの状況と変化や課題を記述した上で、今後の雇用率の運用の在り方について検討の必要性に言及していることは、非常に重要な点だと受け止めております。この点につきましては、ここで記載のありますとおり、別途丁寧な検討をお願いしたいと思います。私からは以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。今の御発言も今後の審議会での在り方に向けてのお話というように把握いたしました。そういう形でよろしいですか。
 
○阿部代理構成員 はい。
 
○山川座長 ありがとうございます。では、倉知構成員、お願いします。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。非常によくまとめていただいて、全体が分かりやすくなったと思います。1点が、先ほどの書きぶりなのですが、意見の一致を見たというのがみんながそうだなということ。それ以外のことについては、並列されているのですけれども、それはどの意見が多かったとか、少なかったとかということを入れずに、意見を並列しているといったようなまとめ方ということでよろしいでしょうか。これが1点目ですが、まず、これからお願いします。
 
○山川座長 これは事務局、いかがですか。
 
○河村障害者雇用対策課長 倉知構成員がおっしゃられたとおり、多い少ないという表記はせずに、併記させていただくというまとめ方でやらせていただいております。
 
○倉知構成員 ありがとうございます。では、そういう理解をしていきます。もう一点は、山口構成員の先ほどの意見は、中小企業の立場というのを私も十分理解しました。山口構成員の先ほどの発言で、障害者雇用義務を課すということに否定的な見解、意見を言われていたのですけれども、これは本心なのでしょうか。雇用義務のことについて、やはり課すのはおかしいというような発言があったような気がしたのですが、その辺を少し聞かせていただいてよろしいでしょうか。
 
○山川座長 ありがとうございます。趣旨は必ずしもそうではなかったのではないかと、私は思っておりますけれども、山口構成員何かございますか。
 
○山口構成員 雇用義務についてどういうご指摘ですか。
 
○山川座長 先ほどの話ですと、納付金の義務付けの対象の拡大かなと思ったのですけれども、雇用義務についてもちょっとおっしゃられていたような感じもする。
 
○倉知構成員 誤解されては困るのではないかと思って、納付金の義務の話ではないかなと思ったのですけれども、雇用義務というようにお話をされていたので、少し気になって。
 
○山口構成員 納付金の義務について申し上げ、雇用義務に関する意見ではないです。
 
○山川座長 倉知構成員、よろしいですか。趣旨がクリアになったかと思いますけれども。
 
○倉知構成員 そう言っていただいてよかったです。
 
○山川座長 ありがとうございます。ほかにございますか。よろしいですか。では、本日頂いた御意見につきましては、おおむね皆様から修正する部分についても御了解いただいたと思いますので、事務局とも相談した上、最終的な表記ということになるかと思いますけれども、こちらについては、座長である私に御一任いただいて、最終的な報告書としたいと思います。修正した報告書(案)につきましては、最終的に再度、構成員の皆様に念のため御確認いただくことにしたいと思いますが、そのような形で進めてよろしいですか。
                                   (異議なし)
○山川座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきたいと思います。既に構成員の皆様から御発言、御理解がありましたように、ほぼ一致した部分と、様々な意見を言わば並べた部分とがありますので、今後の労政審の議論につなげていくという位置付けがありますけれども、問題の整理等につきましては、今回の研究会でかなりまとめられたのではないかと思いますので、更に労政審の議論につなげていければと考えております。
 では、本日の議論は、これで終了になりますが、構成員の皆様には、1年以上の長期間にわたりまして非常に有意義かつ真摯なスタンスで議論を行っていただきまして、座長として大変感謝しております。これで、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会は終了とさせていただきたいと思います。
 最後に、村山職業安定局長から御挨拶がございます。
 
○村山職業安定局長 職業安定局長の村山でございます。ただいま座長からもお話がございましたとおり、本研究会は、令和4年の法改正当時の附帯決議などを踏まえまして、令和6年12月に立ち上がってから、計13回にわたって開催にご協力いただきまして、障害者の雇用の質の向上、また、障害者雇用率制度の在り方などにつきまして、幅広く御議論いただいたところでございます。皆様方には大変御多忙の中、毎回御参集いただきまして、また、様々な有益な御意見を頂きましたこと厚く御礼を申し上げます。また、本日も最終回でございましたけれども、表現ぶりに関する丁寧な御調整でございますとか、あるいは、また、今後の審議会プロセスに向けまして、期待も込めつつ、一方で残された課題についても、改めて整理していただきましたし、様々な御意見も頂きました。どうもありがとうございました。
 この後、先ほど山川座長からお話いただきましたように、取りまとまった報告書を頂きましたら、労働政策審議会の障害者雇用分科会に御報告申し上げ、そして、盛り込まれた内容を尊重させていただきながら、障害者雇用分科会の構成員の皆様に、更なる議論を行っていただきたいと考えているところでございます。
 障害者雇用も進展しているということは、本日の総論でも総論的には述べられておりますけれども、その一方で、本研究会で御議論いただいたような様々な制度上の課題も指摘されておりますし、また、就労を希望される障害者の方々を取り巻く環境は大きく変化し、また、新たな課題というのも出てきているところでございます。こうした状況の下、障害者雇用制度につきましても、改めるべきはテーマや議論と合意形成の上で改めていくとともに、これまでの政策に、より進展が見られる内容は、関係者の皆様の御意見を踏まえながら、更にブラッシュアップしながら取組を前へ進めていく必要があると考えております。そうした中で、今回の報告書は大変、今後の議論に向けまして重要な御指摘を頂いたと考えております。どうもありがとうございました。
 最後になりましたけれども、重ねて、長期間にわたりまして、真摯な御議論いただきました構成員の皆様方に、厚く御礼を申し上げまして、事務局を代表としての挨拶に代えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 
○山川座長 それでは、これをもちまして本研究会は終了いたします。構成員の皆様、お忙しい中、長期にわたり熱心な御議論いただきまして、大変ありがとうございました。