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第75回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録
職業安定局雇用開発企画課建設・港湾対策室
日時
場所
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)
出席者
公益代表
勇上座長、中村委員、小野委員、蟹澤委員
労働者代表
西委員、髙橋委員、松葉委員、横澤委員
使用者代表
岩田委員、堀川委員、吉田委員、若鶴委員
オブザーバー
山岸国土交通省不動産・建設経済局建設振興課長
鬼丸国土交通省不動産・建設経済局建設振興課専門調査官
岡村国土交通省不動産・建設経済局国際市場課国際展開推進官
事務局
藤川高齢・障害者雇用開発審議官
和田山建設・港湾対策室長、大原建設・港湾対策室長補佐、熊谷建設・港湾対策室長補佐
議題
(1)建設雇用改善計画(第十一次)(案)について
(2)建設業の人材確保・育成に係る令和8年度予算案の概要
(3)その他
議事
○大原補佐 では、定刻より少し早いですが、ただいまから「第75回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会」を開催いたします。私は事務局を務めます厚生労働省建設・港湾対策室の大原と申します。よろしくお願いいたします。オンラインで御参加の皆様、先ほど確認しましたが、改めて音声等は大丈夫でしょうか。ありがとうございます。
それでは、ここから着座で失礼いたします。まずは、マスコミの方への留意事項を申し上げます。カメラ等の撮影をされる場合は、議事が始まる前までとさせていただいておりますので、御協力をお願いいたします。
さて、本日は公益代表の勇上座長、蟹澤委員、中村委員の3名がオンラインでの御参加となっております。恐れ入りますが、質疑の際はカメラをオンにしていただけますようお願い申し上げます。
次に、配布資料の確認をいたします。本日の配布資料は、議事次第、配布資料は資料1から資料5、参考資料となっております。それでは、これから議事に入りますので、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます、御協力をお願いいたします。それでは、以降の進行は勇上座長からお願いしたいと思います。勇上座長、よろしくお願いいたします。
○勇上座長 勇上です。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、誠に恐縮ですがオンラインで参加させていただいております。会場の皆様におかれましては、大変、お手数をお掛けしますが、御発言の際は、私の画面に向かってお手を挙げていただけると幸いに存じます。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。本日は議事次第にありますとおり、議題は3つございます。(1)建設雇用改善計画(第11次)(案)について。(2)建設業の人材確保・育成に係る令和8年度予算案の概要。(3)その他となっております。それでは、議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○熊谷補佐 大変、お世話になっております。厚生労働省の熊谷と申します。説明は私からいたします。着座にて失礼いたします。それでは、第11次建設雇用改善計画(案)を取りまとめましたので、その御説明をいたします。資料については、資料1として、素案からの修正内容、そして、資料2で新旧対照表、資料3で概要、資料4で本文を添付しておりますが、資料1で御説明いたします。
12月3日に開催いたしました建設労働専門委員会において素案をお示しし、その全体の内容について御説明させていただいたところです。今回、お示しする(案)については、素案に対し、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえた修正、また、案を作成するに当たり、厚生労働省、国土交通省、各担当部局において改めて内容確認を行い、一部適正な表現に修正をしている点について御説明をいたします。
それでは、早速、タブレットにて資料1を御覧ください。本資料については、左側に前回の委員会において頂いた御意見、また、右側上段には素案の記載内容、下段には修正案を赤字で記載しております。また、意見の欄に黄色マーカーで記載している項目については、本文における該当項目名と資料2として配布しております新旧対照表の該当ページとなっております。別途、御参照いただければと思います。
それでは、まず上段です。Ⅲ1(1)イ 建設業の魅力の発信から入職・定着支援についてです。前回の委員会においては、建設業の魅力の発信から入職者育成、また定着までを熱心に取り組んでいる事業主に対する支援を行うという記載について、支援を行う取組について、もう少し具体的に表現をした上で関係者の理解促進を図ってはどうかといった御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。この部分については赤字で、「役割や魅力を伝え、理解を促進するための啓発活動を行った上で、入職者の技能向上を図るための育成及び定着のためのフォローアップ等を熱心に行う事業主に対する支援を行う」という記載ぶりとさせていただき、支援の対象、具体的な取組を明記しております。なお、この取組への支援については、来年度から新たに建設助成金の対象として支援を行う予定となっております。
次に下段です。Ⅲ1(1)ウ 若年労働者、女性労働者及び外国人労働者とのコミュニケーションスキルの向上です。前回の委員会においては、女性労働者や外国人労働者にはハラスメントの観点、言語的な問題による意思疎通を図るためのスキル向上について課題などを踏まえて具体的に記載いただきたいと御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。まず、素案で「女性労働者や外国人労働者が増加する中で」と記載していたところを、「女性労働者や外国人労働者を含む多様な人材が活躍していることを踏まえ」という形に修正をさせていただき、その上で、性別に係るアンコンシャス・バイアスの解消やハラスメントの防止、言語や文化の違いによる誤解や摩擦といった課題への対応の観点から、スキル向上に向けて具体的な観点を明記しております。
また、本項目の締めの部分ですが、スキルについては、向上だけでなく習得していくことも重要であることから、「習得・向上していくことも重要であり」という形に記載を修正いたします。こちらの支援についても、現在、委託事業として既存で行っておりますコミュニケーションスキルの向上研修の中で来年度から女性労働者、外国人労働者のコースを新たに設けて実施を予定しているところです。
2ページです。上段はⅢ1(2) 女性労働者の活躍・定着の促進になります。前回の委員会においては、女性労働者の活躍については具体的な取組の記載において、「全ての人が働きやすく、働き甲斐のある」と整理されていたことから、本項目の、いわゆる導入部分においても同様に、「全ての人」と修正いただきたいという御意見を頂いたところです。こちらは御意見どおりとしており修正案を御覧いただければと思います。「結婚・出産・育児等、全ての人のライフステージを尊重した柔軟な働き方を実現」という形で整理をしております。
次に、下段です。こちらのⅢ1(4)ア(オ) 技能実習生・育成就労外国人への対応に係るいわゆる転籍の部分です。委員会においては、転籍を前提とすることなく、制度の原則に則り、3年間の育成計画を立てた上で人材育成と処遇改善を行うことで、いわゆる人材育成が担保されるようなメッセージとなるよう、表現の修正について御意見を頂いたところです。修正案を御覧ください。素案では転籍部分を記載している項目以外の項目において、3年間の就労を通じた計画的な育成の必要性について明記している項目がございましたので、今回、御意見を頂いた内容をこちらの項目に追記をしております。
修正案を御覧ください。育成就労計画を策定する必要があることと、また、計画的な人材育成を行う観点から、3年間を通じて同一の育成就労実施者の下で行われることが効果的で望ましいことを追記し、それを踏まえ、元々本項目に黒字で記載されていた、中長期的なキャリアパス、その過程で求められる技能習得や資格取得等の必要性、こういったものにつなげる形で整理をしております。こういった整理により、素案で記載しておりました転籍制限期間を考慮した人材育成に取り組む必要があるという項目自体について全文削除しております。
それでは、3ページ、Ⅲ4(2)イ CCUSによる処遇改善の推進、賃金改善の項目です。こちら、委員会においては、「レベル別年収相当の手当・賃金の支払を促していくことが重要」との記載にとどまっているが、5年間の計画であることを考えると、CCUSやまたそのCCUSを活用した処遇改善の義務化に言及してもよいのでは、との御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。まず、御意見を頂いた4(2)イ、こちらの前段の項目において、改正建設業法において、労働者の知識、技能その他能力の評価に基づく適正な賃金支払等の処遇確保について、建設事業主の努力義務とされたことにより、CCUSによる能力評価及び処遇改善の位置付けが大幅に強化されたこと。こちらをまず前段で明記しております。
その上で御意見を頂いた項目においては、CCUSレベル別年収に設定された目標値以上の支払いの推奨、請負契約において労務費ダンピングの重点的な確認、更に、「労務費に関する基準」を踏まえた労務費の確保・行き渡りを図ることにより、その適切な支払いを促すと記載をさせていただき、事業主の努力義務とされた処遇確保について整理をしております。
次に、4ページ、Ⅲ1(2)ウ 女性の活躍推進の項目ですが、坑内労働における女性の就業について記載いたしました。本件については、これまでの委員会において、記載について御意見があったところです。担当部局と調整をし、修正案のとおり記載しております。「科学的な知見も踏まえた女性の健康上への影響など様々な面で整理が必要であることを踏まえ、国土交通省との連携を図る。」という形で整理をし、記載しております。
それでは、5ページです。このページからは案の作成に当たり、厚生労働省又は国土交通省において、改めて記載内容を修正した部分について御説明いたします。資料については、上段には素案の記載文書、下段に修正案を記載しております。まず修正案の【その1】<素案>Ⅲ1(1) 若年労働者の確保・育成です。Ⅲはいわゆる施策に関する基本的事項の大前提の部分、いわゆるこの導入部分において、「技能労働者がより一層不足する懸念」という形で記載しておりましたが、前回の委員会において、大前提の部分で「技能労働者が将来的に不足する」といったことで説明をさせていただきましたので、平仄を合わせる形で修正しております。
次に、【その2】<素案>Ⅲ1(2)ア(ウ) 女性労働者の活躍・定着の促進の項目です。仕事と育児の両立ができるようにするための育児休業取得促進や、子の年齢に応じた柔軟な働き方の導入支援による、いわゆる共働き・共育ての推進について記載している部分において、文書の始まりの部分において、「希望に応じて」という形で記載が始まっておりましたが、表現として前向きな推進として受け取っていただけるよう、「希望に応じて」は削除させていただき、整理をしております。
次に、6ページ、【その3】<素案>Ⅲ1(4)ア(イ) 技能実習生・育成就労外国人への対応です。育成就労制度の運用開始に向けては、国土交通省において、「育成・キャリア形成プログラム」を建設分野でも定めることとしていることから、こうしたものを活用しながら中長期的な観点も含めた育成・キャリア形成を促進していくことについて、新たに追記いたしました。
次に、【その4】<素案>Ⅲ2(2)イ(ア) 長時間労働の抑制等です。御案内のとおり、建設業においては、令和6年4月から時間外労働の上限規制の適用が開始しております。上限規制が着実に遵守されるよう、広く国民などに認識を深めていただくために、厚生労働省において働き方改革総合サイト「はたらきかたススメ」というホームページを開設しており、理解促進を進めているところです。こういった情報発信についても重要という考えの下、文書について追記をしております。
7ページ、【その5】<素案>Ⅲ2(2)エ 1年単位の変形労働時間制の適切な活用です。具体的な事例も踏まえて修正をしております。まず、建設業においてはの前に「屋外の作業が中心となる」と追記をしております。また、自然的要因によって時間外労働の上限規制の遵守が難しくなってしまうということに対し事例を交えながら具体な記載に修正をし、同制度の有効性と適切な活用へと記載をつなげております。
次に、【その6】<素案>Ⅲ2(5) 労働災害の防止です。総合的な労働災害防止対策推進の部分に、労働災害防止については関係団体との連携が重要であることから、「建設業労働災害防止協会等の関係団体と連携し」という文言を追記し、対策の推進につなげて記載を整理しております。
最後の8ページ、【その7】<素案>Ⅲ4(1)イ CCUSの活用促進についてです。CCUSの利便性の向上の部分となっており、前回の委員会においては、記載内容を全体的に改めて整理させていただきたいという御説明をいたしましたが、修正案のとおり整理しております。文書が2つながっておりますが、まず、始めの文書については、CCUSのスマホアプリ、いわゆる(建キャリ)からマイナポータルを経由した「国家資格等情報連携・活用システム」との連携により資格者情報の閲覧を推進していくという形で記載をしております。
そして、「また」以降になりますが、労働安全衛生法の規定により携行義務のある免許証や技能講習修了証等については、「国家資格等情報連携・活用システム」との情報連携となるオンライン・デジタル化が今年度(令和8年3月)に開始され、今後は、その運用状況や資格証明の電子化・高度化の技術動向を踏まえつつ、労働安全衛生法上の資格者証と認めるための条件について検討を進めるという形で記載ぶりを整理しております。
以上が前回の委員会で頂いた御意見を踏まえた修正、また、担当部局で記載内容を改めて修正した部分で変更があった箇所についての御説明となります。事務局からの説明は以上です。
○勇上座長 御説明ありがとうございました。それでは、ただいま御説明がありました内容について、御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いします。いかがでしょうか。様々な御指摘を頂いた箇所について、この内容でよろしいでしょうか。若鶴委員、お願いします。
○若鶴委員 では、若鶴のほうからちょっと発言させていただきます。今回、この雇用改善計画作成に当たりまして、日建連としましては、今現在建設業が抱えております課題を大きな背景として、様々な要望をさせてきていただいたところです。就業者機会確保事業やキャリアアップシステムにおける資格者証につきましては一定の前進が見られました。また、女性の坑内労働につきましても書き込んでいただいた点は大変有り難く、これは評価しているものです。
ただ、猛暑日対策につきましては、5年前と今は多分ほとんどスタンスが変わっていないように感じられ、ここは非常に残念に思っております。猛暑というのが、本当に5年前とは全く次元が変わってきていると我々は思ってきております。また、5年後は多分もっと激しくなっているのではないかと。また、現在、若者が建設業を離れていく多くの要因も今の猛暑です。恐らく、日光に最も多く晒されるのは今、建設業ではないかと思っております。労働法制の多くが、建物の中で働く工場などの労働者を前提として作られているものとして我々は感じておりまして、今後5年間の建設業の雇用環境改善のためには、正に今、猛暑に苦しんでいる建設業の技能労働者に寄り添った施策が必要ではないかと考えております。
つきましては、日建連としましては、本案にはおおむね賛成とさせていただきまして、変形労働時間制度の見直しや猛暑日の作業回避などにつきまして、親の部会ですとか、本会議体以外の場で更に御議論いただいて、ここで議論を終わらせることなく検討を進めていただきたいと考えております。日建連からの意見は以上です。
○勇上座長 御発言、ありがとうございます。本体の案についての御意見と、それから、今後の他の会議体での御発言といいますか、御対応についての方針についてもお話いただいたと思います。そうしましたら、何件か御意見、御質問を頂いた上で事務局より御返答を頂きたいと思います。他の委員の方々、いかがでしょうか。髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 基幹労連の髙橋です。今、変形労働時間制等についての発言があったので、私からも発言させてください。変形労働時間制について、以前、事務局から答弁もあったとおり、現行ルールは、労働者の生活の予定を立てやすくするためといった労働者保護の観点から設けられています。それを柔軟化すべきではないと考えていることは前回も申し上げたとおりで、現在の計画案の記載は、この間の様々な意見を踏まえたものと受け止めており、異論はありません。
一方で、猛暑日などにおける熱中症防止対策は労働者側としても極めて重要な課題と認識しています。労働安全衛生に関する現場環境の改善費などを盛り込んだ予算の作成だけでなく、猛暑日などによる作業中止や作業時間短縮に関する基準の整備や、その際の工期延長や費用負担は、どちらか一方ではなく発注者と建設業者双方の責任であることを明確化するなど、現場環境改善に向けた発注者との円滑な契約締結の実現に向けた法整備や施策は、今後の課題として是非、検討いただきたいと思います。以上です。
○勇上座長 御発言ありがとうございます。それでは西委員、お願いします。
○西委員 いわゆる変形労働時間制の活用は歓迎すべき点もありますが、例えば、一人親方などのような働き方をする人は、その活用が進むと、置いてきぼりという表現が正しいかどうか分かりませんが、そうした置いてきぼりを食らう懸念がちょっとあるのではないかと思います。例えば、夏の仕事を少なくして、その分、春の仕事を多くするなどということをした場合に、一人親方のような働き方をしている人たちが春の仕事をもらえるかどうかというのはまた別の問題なので、そういう点ではちょっと留意が必要な部分もありはしないかと私は思っているところです。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。吉田委員、お願いします。
○吉田委員 沼田土建の吉田です。お世話になります。前回、長時間労働の抑制の所で、ICTのみの表現をもう少し広げられるかというお話をさせてもらったのですが、これについては、建設業法を踏まえているということで難しかったのかと理解をしております。私からは、ちょっと多いのですが5点ほど申し上げたいと思います。
1点目は、変形労働時間制と就業機会確保事業について。これは柔軟な制度にしたいという使用者側と、あとは、労働者保護の観点から現行を変えるべきではないという労働者側で意見が分かれてきたところですが、使用者側からしますと、しつこいようですが、一度しっかりとニーズを把握した上で、制度をより良く安全に最大限に活用していくための検討は引き続きお願いできたらいいとは考えております。
2点目は、スマホアプリの建キャリです。こちらは、キャリアアップシステムの活用の大きなメリットになりますので、結論を早急に出していただければ有り難いと思っております。
3点目は、キャリアアップの運用です。技能者の評価から処遇改善につなげるツールとしてキャリアアップを推進していくのであれば、この委員会で検討することではないかもしれませんが、正しいデータの蓄積がマストだという、ここの指導はきちんとしていく必要があることを再度申し上げたいと思います。現状では、ただの入退場記録になっていて、正確な経験の積み上げになっていないケースが多いこと。以前にも申し上げましたが、ここは改善するというか指導していく必要があると思っています。
4点目は、建退共の制度について。掛金の上限が法令上日額800円となっておりますが、建退共制度検討会議報告書の標準モデルでは、退職金1,000万円を超えるのに41年もの長期を要するとなっております。物価上昇などを反映した引上げにも迅速に対応できるよう、掛金の上限変更が柔軟に対応できるように、そういう制度改正について検討を進めてもらいたいと思います。
5点目です。新旧対照表でDXという文言が3回出てくるのですが、これは省力化や生産性向上の手段という意味だけで使われている、若しくは、DX本来の有効性を踏まえた表現としてはもの足りないという印象を持ちました。御存じのとおり、ICTが技術そのものの名称であることに対して、DXは様々なデジタル技術を使って新しい価値を創造すること、ビジネスモデルや企業文化を変革することを指します。よく知られたDXの例がBIM/CIMデータによるプロス変更ですが、ほかに取組みが始まっている例を挙げますと、現場から離れた空調の効いた快適な事務所から、1人のオペレーターが同時に複数のICT建機を遠隔で操作して、かつAIで制御されたダンプトラックの無人化運行を組み合わせて工事を行う。これはもう異次元の生産性、働き方の抜本的な改革、あとは多様な人材の活用の実現だと思います。
あと、負担の大きいグリーンファイル、安全書類の作成ですが、これを軽減するために現場支援に特化した企業にアウトソーシングをしますと、そこでは小さな子供を持つ人たちが併設された託児所に子供を預けて、現場と情報共有をしながらICTやAIを使って書類作成を支援している。現場も助かるし、子育て中の人たちには柔軟に働ける職場と子育てに関する情報交換ができる場になっている。あとは、以前にも発言しましたが、熟練技能者の動きや目線、力加減などをデータ化してマニュアルを作成して教育訓練に活用する。更にAIを組み合わせた技術の自動化で、経験の浅い人でも技術の守り手として活躍できる。このような例を含めて、世の中にあるDXを軌道に乗せるにはまだまだ時間が掛かるものが多いのですが、試行錯誤を繰り返しながら、人とデジタルの協働が実現していく中では、人の役割が変わって、新しい働き方、新しい価値が生まれてくると思います。これがDXです。
これは生産性向上だけではなくて、建設業の新たな魅力になるはずではないかと思います。建設業のイメージアップにも非常に有効で、今回の計画案の中で建設業の新4Kについて記載がありましたが、プラスかっこいい、これにはDXで生まれる新しい働き方とかスマートで柔軟なかっこ良さ、これも加わってくるのではないかと思っています。今後も生産性向上や災害防止、魅力発進、技術継承、女性の活躍(この表現は今回までということでしたが)、様々な課題に取り組む中で、DXは建設現場だけではなくて、バックオフィスやサプライチェーン全体で幅広く進んでいくものと思われます。そこで、計画案の新旧対照表42ページの3の(5)デジタル人材の育成の箇所に、DXが生産性向上だけではなくて、魅力発信や技術継承、多様な人材の活用などにも有効であること。そして、デジタルを使いこなすだけではなくて、自社の課題を明確にして、どのツールで解決できるのかを整理して、かつ、そこから生まれる新しい活用を見いだせるようなDX人材の育成が求められている。これを、もし検討の余地があれば加えていただくのはどうかと感じました。
DXの取組状況に関しては、ICTと同様に各社様々なフェーズにおります。これは照準を歩みの速い人に合わせるか遅い人に合わせるかという議論ではなくて、若者に選ばれる、更にこれからは、外国からも魅力ある業界に見えるためにも避けて通れないのがDXだという認識を持つ必要があるということを、個人的に非常に強く感じているところです。
明日も参加するのですが、就活イベントなどで、学生に向けてICT導入に積極的だよとか、やりがいのあるものづくり産業だよと言っても、もうみんな聞き飽きていて、正直、学生の心には刺さらなくなってきています。本当にがっかりするのですが、そのような状況があります。新しい働き方を提案する、魅力ある企業の価値を打ち出すとか、新たなサプライチェーンの一端を担うとか、少数精鋭の部隊を構築するとか、こういうことができない中小企業は、弱肉強食のサバンナのような人材確保競争の中で、今後は手も足も出せなくなってくるのではないかと非常に不安に思っています。今回の計画案への反映が難しければ、是非、次回の計画では、11次計画を踏まえた様々な取組が進んだ上で、DXで生まれる新たな価値をどのように雇用改善にいかせるか。地方の中小建設業にもその意識を行きわたらせられるか、国交省の皆さんも含めて御検討いただけたらと思います。長くなってすみません。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。今後の御要望も含めて広く御意見を頂いたものと思います。蟹澤先生、お願いします。
○蟹澤委員 蟹澤です。私も何点か申し上げさせていただきます。まず、資格者証の原本の話が修正の一番最後の所にありましたが、「検討を進める」と書いてあるのです。何かもう少しデジタルの取組とか、これをデジタルで認めていくことが前提であるのであれば、検討という言葉よりは何か取組を進めるとか、もう一歩前向きな表現ができないかという感じがしました。それから、猛暑対策については、日建連からの御発言に私は賛同です。やはり、建設業の昨今の40度を平気で超える建設現場のビルのデッキプレートの上などだと、はるかにそれより高いような気温の中で、かつ、これは法律では雇用者に責任があるような書き方になっているのですが、これは是非、そうですね、もう少しでも、やはり建設業にとっては死活問題ですので、何かその辺を汲んでいただいたような表現ができないかと感じました。
それからあと、在籍出向と就業機会確保事業の話ですが、この雇用改善計画ですと、もう大分前から全然表現が変わっていないので、これも、建設業界としては何回も申し上げるように、社員化を進める、それからCCUSの加入が前提となっている、それから建設業許可も社会保険に未加入の企業は取れないような状況になってきているという、やはり背景の今までとの違いを鑑みて、何かもう一歩進む、もう少しだけでも進んだような表現ができないかと感じております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。ここで事務局より、回答をお願いできますでしょうか。
○和田山室長 様々な御意見を頂き、ありがとうございました。多くの意見いただきましたが、特にこれまでの委員会の中でも多く意見のあった、猛暑とそれに関連した変形労働時間制の部分について、これまで様々な委員の皆様方から御意見を頂きました。本計画でもその重要性に鑑みまして、まずは労働災害防止の部分について、現行の計画が労災防止の項目の1項目になっていますので、それを猛暑の対応ということで別項目を立てさせていただいたところです。その中で、改正安全衛生法規則の事業者の義務付けられた重篤化防止のための取組や周知徹底など発注者への無理のない工期設定の働きかけ、1年単位の変形労働制の有効活用を記載させていただいたところです。暑さ対策については、もう少し具体的な検討内容を記載できないかという御意見もあったかと思うのですが、こちらも担当部署と、これまでの委員会開催の後にその都度いただいた御意見を御報告しまして、何往復かの調整をさせていただいた結果が、現行の記載のとおりであります。これ以上はなかなか踏み込んでは書けないということは御理解いただければと思っております。
一方、この猛暑については、昨年末から担当部署において、熱中症防止対策に係る検討会がスタートしております。我々としてもその検討会の検討状況を注視してまいりたいと思っております。
それに関連しまして、変形労働時間制の所ですが、これについてもそれぞれ委員の皆様から御意見を頂いたところです。30日前、1か月前にシフトの予測を出すことは困難であるとか、事後審査のお話なども頂いたところです。
一方で、先ほど髙橋委員からもあったように、労働者保護の観点から設けているものですので、柔軟化はすべきではないという御意見も頂いているところです。これについても、私どもとしても担当部署と調整した結果、書きぶりについてこれ以上は踏み込んだ記載はできないというところでして、御理解いただければと思っております。
それから就業機会確保事業の所です。これについても多くの御意見を頂いたところです。御意見の中には担い手不足を解消するためには、この事業の財政要件などがハードルになっているという、緩和措置に関する意見もあった一方で、制度の趣旨、目的を逸脱するような見直しは懸念を持っており、慎重かつ丁寧な検討が必要との御意見を頂いたところです。本事業の計画の記載内容についても、双方の意見を踏まえた内容にさせていただいているところです。我々としましても、この事業を有効に利用していただきたいと思っておりますが、既に許可を受けている事業所においても、利用実績は低くあまり使われていないという状況です。検討を進めていく前提として、まずは繁閑期の中において、制度の趣旨である雇用の安定を図るという観点から、ニーズがどの程度高まっており、どのように雇用の安定に資するかなどの客観的かつ明確なデータを把握することが重要であります。例えば、制度を利用している団体であるとか事業者へのヒアリングや、制度の利用を検討したいと考えている事業者などへヒアリングを進めてまいりたいと思っております。
また、この就業機会確保事業の制度を知ってもらうことも重要ですので、今すぐできることとしては、周知活動から進めさせていただきます。いずれにしましても、この見直しには慎重かつ丁寧な検討が必要かと思っておりますので、引き続き労使の皆様方の御意見を頂きながら、丁寧に進めてまいりたいと思っております。
それから資格者証のスマホアプリの部分について、蟹澤委員からも御意見いただいたところですけれども、先ほど御説明させていただいたところが、現状、今、答えられる範囲での書きぶりということで、申し訳ないのですが御了承いただきたいと思います。理由として現在、デジタル庁のほうで技術開発をしている中で、開発にかかる課題などがまだ整理されてないというところもあり、我々もそれが見えてない中で、そこから先のことを書けないというとことがあり、今、現時点の書きぶりとなっております。これについても引き続きその開発が進むことによって、我々としてもそこの状況は把握できるかと思いますので、ここについては、またフォローアップをしていきたいと思っております。
あとはCCUSのキャリアアップの処遇改善です。今回、CCUSについても大項目を立てさせていただき、処遇改善に関する取組とか今後の進め方について書かせていただきました。こちらについても、もちろん国交省が主体となるものです。我々としても助成金などでバックアップしながら、国交省と連携しながら進めていきたいと思っております。退職金についても上限の設定のところについて、建退共の担当のほうにも御意見はその都度伝えておりますので、またここも何か動きがあれば、また共有をさせていただければと思っております。
あと最後、DXの所です。非常に重要な役割だと思っております。記載の内容については、申し訳ないのですが、今のお示ししている記載の内容にさせていただきながら、またここも同じく、状況を見ながらフォローアップのほうも我々としてもしていきたいと思っております。次回の計画にはもっと充実した内容に記載ができるようにしたいと思いますし、吉田委員がおっしゃったとおり、魅力ある建設業、皆さんに入職してもらうためにはDXが進むことは非常に大事かと思っておりますので、そういうところに国交省とも連携しながら進めてまいりたいと思っております。
それから一人親方の所、お話がありました。我々としても一人親方につきましては適正化について記載しております。こうした現状把握が大事かと思っておりますので、また皆様方からの現状などもお聞きしながら充実を図っていけるようにしたいと思っております。よろしくお願いします。国交省さんから何かあれば。
○国土交通省山岸建設振興課長 国土交通省の建設振興課長の山岸です。委員の先生方からいろいろ御意見を頂きまして、ありがとうございます。特に猛暑対策の話、髙橋委員などからいろいろ頂きましたけれども、もちろん書けることは限られてしまうかもしれませんが、国土交通省でも猛暑対策に非常に力を入れてやらなければいけないというのは当然認識しておりまして、昨年12月にもいろいろな施策を束ねたパッケージ集というものも発表させていただいておりまして、来年度以降、新たな試行というか、試しに行う試行をいろいろさせていただきたいと思っておりますし、いろいろフィードバックしながら猛暑対策は進めていきたいと考えております。
また、デジタル人材、吉田委員から頂きましたお話も深みのあるというか、非常に身につまされるお話で、正にこのICT化するだけではなくて、DX化という形で新しい価値を生み出していくのだと。そして新しい産業のイメージで、イメージアップにつなげて、若者入職のためにもつなげていくという形でお話を頂き、非常に私も素晴らしいと思って聞かせていただいております。ここの計画にどう書くか、ちょっと限界はあるかもしれませんが、その意識をもって、我々もDXを進めていかなければならないと思っておりますので、その意識の下、進めていければと考えております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。質問を頂いた皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、引き続き御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。小野委員、お願いいたします。
○小野委員 労働政策研究・研修機構の小野です。今、労使の皆様からいろいろ御意見を聞いておりまして、厚労省、そして国交省からの回答を聞いておりました。それに伴って少し御意見をさせていただきたいと思います。建設労働の中での課題というか、問題意識はおそらく労使共に共通しているだろうと思っています。特に猛暑対策の話とか、おそらく労働側も経営側もこれはどうにか対応しなければいけない問題だという御認識は持っていらっしゃると思うし、厚労省も国交省もそのように思っていらっしゃるからこそ、今回の計画の中で、猛暑対策が一つ大きなトピックとして前に出ているというように思います。ですので、これはもう業界全体でどうにか進めていかなければならない問題だと思っています。その具体策として、変形労働時間制というのがここに特出しされているわけですけれども、これをもって全て猛暑対策ができるという話でもないですし、いろいろ変形労働時間制が、例え、30日前からもっとショートになったとしても、猛暑対策がこれで解決するわけでも逆にないと私は思っています。
逆に言うと、この変形労働時間制は関わってくるのが建設労働だけではないので、だから全ての産業、日本全体において、この変形労働時間制の問題については、労働基準法の中で議論していかなければいけない問題です。特に建設労働の中で、この問題は、やはり外で働く我々の業界ではきついと、なのでという話であれば、先ほど厚労省もおっしゃっていましたけれども、具体的なエビデンスといいますか、こういうことだからこうなので、建設労働に関しては特出しでどうにかしてくれというような形でもっていかないといけない、つまり何か筋が必要だと思います。なので、これに関してはそれぞれみんなでもう一回考え直すという段取りが必要なのではないかと思っています。
おそらく、この5年の間にも、もっと暑くなるような気もします。この計画は5年計画ですけれども、途中で何らか付け加えたりとかということができると思いますので、途中で少しずつ考えを、みんなですり合わせながら落としどころにもっていくことが必要なのではないかと思っています。先の就業機会確保事業にしても、ほかの法律とか、ほかの業界も絡んでくるような話もありますので、それについては、もう少し慎重にエビデンスをきちんとおさえながら、労使の中で意見をすり合わせた上で進めていくことが大切ではないかと思って聞いておりました。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。それではいかがですか。岩田委員、その次に堀川委員の順番でよろしいですか。お願いいたします。
○岩田委員 岩田です。前もお話ししたのですが、このような形で、計画とするとこうなるのかなという気はしますし、大筋ではないかと思うのですが、ここで話し合われてきた内容がちょっと今までとは、この計画以外の部分でどういう意見があったかというのは大きく変わってきたと思うのです。それは建設業で雇用が大分進んだというのは間違いないと思うのです。社会保険に入れということは、これは対立軸みたいになっていますけれど、労使一緒だと思うのです。その意味で雇用が進んだ人たちの、逆に雇用を守るためにどうするかという意見だと思いますので、継続的に、夏のことについても就業機会確保事業についても調査をするべきではないかという声も挙げていただいたので、これは継続して進めていただきたいと思います。
教育確保・育成の部分で、これは計画という意味ではなくて、国交省にもお願いをしていますので、国がもう少し関わって、確保した人を、マーケットでどうにかしろというのではなくて、教育について国がもう少し関わっていく必要があるのではないかと。これは蟹澤先生も当初から言われている話ですけれども、では、どのようにしていくのかも議論の一つの柱にそろそろ据えないと、マーケットで教育をしていけというのが、当初は、バブルのとき、個社で職業訓練校みたいなのをどんどん立ち上げたのが、全部潰れて、今はサテライトで団体とかが教育を始めて、それも入ってくる人が相当少なくなったので、箱を維持するためにはどうするかという、とんでもない方向の議論に進んでいるので、これから人に対してどのように教育をしていくか、そして技能者をどう教育していくか、この部分に関しては使用者側でも、施工管理、技術者と技能者で大きく違うわけです。ですので、ここも継続してというか、新たなテーマとして、では教育をどのようにしていくかというのは今後の課題として挙げていただきたいと思います。この2点ともですけれども、やはりこの場では、こうだからできない、歴史背景がこうだった、その頃と環境が変わったのではないかと、いろいろな議論があるのですけれども、どうすれば共によくなるかというための、先ほど小野先生が言われました着地点といいますか、そういう、ここの場ではなかなか難しいのかも分からないですが、そういう場を設けていただくことも大事ではないかと思います。方向性としてはこれで仕方ないと思います。よろしくお願いします。
○勇上座長 ありがとうございます。堀川委員、お願いいたします。
○堀川委員 奥村組の堀川です。小野委員と岩田委員とお話がかぶるかもしれないのですが、この場で議論するのは雇用改善、建設雇用改善計画というところですが、皆様方がおっしゃったように、徐々に、建設業界の労働環境をどうするかといった点、人手不足のところが一番問題ですが、やはりたくさんの人に入っていただく、入職していただくためには今後、建設業界の就労環境をどう整備していくかという議論が必要となってきている。猛暑しかり、長時間労働しかり、そういうところをどのように対応するか。そして全てのライフステージに見合った働き方ができるような、そのような環境整備を、これからどう行っていけば、若い方、たくさんの人々に入職していただけるのか、というところにつながっていくと考えております。なので、ここで議論することではないというように先ほど皆さんおっしゃっておられましたけれども、やはりそのような点をターゲットにして、もっと真摯に話し合う場がほかにもあっていいのかなと、つくづく感じたところです。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。横澤委員、お願いいたします。
○横澤委員 横澤でございます。まず、前回発言した意見を踏まえて、修正いただいたことに感謝申し上げます。今回、示していただいた資料の内容は、前回までの意見を一定程度反映していただいたものと受け止めております。
建設業は社会のインフラを支える重要な産業でありますが、深刻な人手不足はやはり喫緊の課題と考えております。その解決に向けて、安全衛生対策の強化や働き方改革の着実な推進、処遇の向上などを通じた誰もが働きやすい職場づくりが不可決だと考えております。また、若者の雇用確保・育成の観点からは、ユースエール認定制度の活用・促進も有効ではないかと思います。そうした魅力ある職場環境づくりや、若者雇用に積極的に取り組む企業を広く社会に周知し、建設業全体の底上げや一層の発展につなげていくような取組を是非推進いただきたいと思います。以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。御意見、御要望などが幾つかありましたけれども、いかがでしょうか。こちらで厚生労働省から御回答いただければと思います。
○和田山室長 ありがとうございます。皆様方から頂いた御意見というのは、総じて、今回の建設計画に書かせていただいた内容で目指すところの、魅力ある建設業界に入職してもらう、働きやすい建設業界というところは、これは、本日お集まりのすべての委員の皆様方の御意見かと思います。もちろん、我々、厚労省、国交省も同じ思いでありますので、そこに向けて一つ一つ取組を進めていきたいと思っております。その中で、課題が出てきたところについては、きちんとその課題を把握して、何か問題があるか等々について、しっかりその課題に向いて考えてまいりたいと思っております。
そういう意味で、今回の資料の新旧対照表を御覧いただければと思いますが、私どもとしても皆様方の御意見を踏まえまして、大分、課題や取組について、この5年間、なるべく漏れがないようにしていきたいという思いで、赤字の追加記載が増えているかなと思っており、ここはしっかりしたものを作ったつもりです。
とはいえ、なかなか、その中でまだ拾い切れない所もありますので、正直、皆様からも御意見があると思いますが、そういった中で、繰り返しになりますが、この5年を進めていく中で、しっかりフォローしていき、また、都度、皆様方からの御意見を頂きながら進めてまいりたいと思います。
教育のところも正にそうだと思います。建設産業人材確保・育成推進協議会の立ち上げの中で、またこの在り方が進められていることも承知しておりますので、これは担当部署が能力開発に関する部署ではありますが、我々としても、一緒になって状況を注視しながら進めてまいりたいと思っております。いずれにしましても、魅力ある建設業となるように、しっかりこの5年間、進めてまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○勇上座長 ありがとうございます。委員の方々、御意見ありますでしょうか。オンラインの中村委員、お願いいたします。
○中村委員 中村です。今回の計画については、本当に詳細な御議論を皆様方から伺いまして、それについて何か注文を付けるとかということではなくて、今後の話などが岩田さんのお話などからも出てきておりましたので、それについて感じたところを述べたいかと思います。私は皆様と比べて建設業界の知見を具体的には持っていないのですが、その分、少し一般的な視野で今回の計画を見るというところでずっと見ておりました。
やはり一番重要なのは、なかなか人が多くは入職してこないという中で建設業を回していくのかというところかと思います。そうなったときに、やはり一番重要なのは、経済学ですと、よく人的資本という言い方をするわけですが、いかに労働者がスキルを高めたり、あるいは、その高めたスキルを十分な形で発揮できるかというところをどうやって支えていくのか、ここがやはり一番重要な観点になってくるかなと思いました。
そういう意味では、先ほどの教育というところを今後重視したほうがいいのではないかということは全くそのとおりだと思います。それから、こういう話をすると、正に育成の所だけに焦点を当てられるのかもしれませんが、もう少し広く、今回のいろいろな計画もそういう目で見直すと、例えば、この雇用が安定しているかどうかというところについても、やはり、安定してこの業界で働けるという何か安心感がないと、なかなか人はこの業界でもっと自分のスキルを高めようという思いにならないのだろうと。その意味では、人材育成のある種のベースとして安定的な雇用というものをどういう形で作るかということは、今回もいろいろと御議論があって、ややぶつかるようなところもあるのかなと思うので、どうすればいいかというところまでは、私も言えませんが、何らかの形で安定した雇用というものは、人材育成のためにも大事だろうという観点は一つあるのかなと思いました。
猛暑日の話も、健康問題というのは本当に大事なことで、第一に優先されるといいと思いますが、加えて、やはり安心してそういう環境でも働けるよというようなことがあると、高めたスキルもより有効な形で、身体に負担のない形で発揮できるという意味でやはり重要であろうと。そういう観点で、今回の計画に盛り込まれたいろいろな施策をまとめることができるのではないかと感じておりました。
その意味でいきますと、もう1つ、公益代表という観点で考えていたのですけれども、これだけたくさんの施策、本当にいろいろなことに目配りされてやってらっしゃると思うのですが、その分、どこに力を入れたらいいかみたいな話が、今後は限られた政策資源をどう使っていくのかという話が多分出てくると思いますので重要かなと。その中で、私の考えでいいのかどうか分からないですが、一つの公益性ということを考えると、やはり建設業界が、一言で言うと生産性ということで結局まとまると思うのですが、生産性とは、別に狭い意味ではなく、今申し上げたように、働いている人が十分に力を発揮できるという意味での生産性、そういうものを含めてのものが高まることによりつながっているものはどれであろうかというところを見定めながら、より効果的なものについては後押しするということもあるでしょうし、必要かと思ってやっていたけれども、思ったようにはいってないというところについては、またちょっと違うものを考えたほうがよいだろうという見直し、そういったことも必要になってくるのかと思いました。全体的に感じたところとしては以上になります。
○勇上座長 ありがとうございます。最後の点は、ここまで取り組まれたことについても精査したらどうかということだったかと思います。ありがとうございます。小野委員、どうぞ。
○小野委員 ありがとうございます。CCUSについてコメントさせていただきたいと思います。
かなりお金を掛けてこのCCUSというものを構築して、今期の5年間しっかりやっていただいて、大分、登録する人が増えてきたという状態になります。恐らく、次の5年間で本格運用という形になって、賃金とつなげられるような形でやっていけるだろうと思います。先ほど、吉田委員がおっしゃったと思いますが、ちゃんとしたデータを蓄積していただきたいというのはそのとおりです。
このCCUSというのは、皆さん、どのぐらい重要性を認識してらっしゃるか分からないのですけれども、はっきり言って、日本の産業の中で、こんな評価システムを持っているのは建設業だけです。ということは、みんなが見ているのです。世界的には職業能力評価システムを職業別に入れている国というのは結構ありますが、結構難しいのです。入れるのもやるのもお金がたくさん掛かるし、それぞれのやり方としては、業界団体が職業能力を測って、それをアドバイスできる人と、すごいお金とエネルギーを使ってみんな作っていくわけなのです。日本で初めてこういうシステムを業界で入れているのがCCUSなのです。だから、私としては、ものすごく注目して、これがどういうふうに展開していくのかを期待して見ています。
そういうことが注目されると、大体言われることが、これを入れた前と後で何が変わってくるのかという話、言ったらEBPMみたいな話です。この中のデータを使って、ちゃんと賃金とスキルとがマッチしているのか、向上しているのかということをきちんと調べてくださいというようなことが言われると予想します。この事業は建設業界だけの問題ではなくて、日本の産業全体の命運が掛かっているというぐらいのものだと思っていますので、是非、この5年の間にこのCCUSが建設業界の雇用を爆上げしたとか、賃金も安定的になったとか、このCCUSを入れたからすごくよかったというエビデンスを持って、胸を張って打って出られるような形になってもらえたらいいなと思っています。ですので、しっかりエビデンスのデータを取るということを、厚労省、国交省にはやっていただければと思っております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。両公益委員から御意見を頂きました。いかがでしょうか。
○和田山室長 ありがとうございます。中村委員御発言のように、やはり安定した雇用と安心感を持ってもらうということは本当に大事だと思っております。繰り返しになりますが、今回の計画は、この5年間で適宜、課題などをフォローしていきながら事業を進めていきたいと思います。そういった中で、皆様から御意見を頂きながら進めていきたいと思っております。
それから、CCUSにつきましても、先ほど小野委員からありましたように、これまでの5年間というのは取得促進で、ここからは今度は活用促進のフェーズに移っていますので、我々としてもこの計画は、今の計画にも書いてありましたが、なるべくこのCCUSの所は厚みをかけてということで、新旧対照表で言うと43ページからになりますが、ここにつきましては国交省とも調整しながら、必要性と今後の進め方などを含めて書かせていただきました。ここについてはおっしゃるとおり非常に大事なツールで、これが建設業の担い手確保、処遇改善につながることを我々としても期待したいと思います。厚労省も助成金という形で、バックアップをしていきたいと思っており、引き続き連携を進めてまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○勇上座長 ありがとうございます。そのほかの委員の方、よろしいでしょうか。
私から1点だけよろしいでしょうか。皆様の御意見を伺いますと、やはり、今回、第十一次計画の改善計画の方向性や内容を議論することを通じて、政労使、公益も含めて共通の課題認識があるということは、もう十分に確認されたと思います。同時に、課題への対応策への方向性について、それぞれのお考えがあり、一つの方向性にまでは至らなかったと感じました。同時に、現状把握やニーズ調査などのいわゆるエビデンスを蓄積して、妥当な方法を探るということには共通の認識が示されたと思いました。岩田委員がおっしゃったように、次の改善計画では対応策を具体的に盛り込んでいくためにも継続的な議論が必要ではないかということは、皆さんお感じになってらっしゃるのではないかと思いました。今後、計画の進捗についての報告会などがあると思いますが、今回議論になったようなテーマについては状況を調査し、議論する機会があってもいいのかなと感じました。それがこの場になるのかはわかりませんが、せっかく共通の課題認識があって、よりよくしていきたいという思いが確認されたところですので、議論を継続できる機会があると良いと感じました。以上です。ありがとうございます。
ほかに御意見はよろしいでしょうか。松葉委員、お願いいたします。
○松葉委員 全建総連の松葉です。継続の議論について感じている御意見が出ていましたので、1つだけ加えさせてください。岩田委員のおっしゃるとおり、委員だけではなくて、業界全体で課題が共通をしているのだと思います。担い手確保については、担い手3法の今後の実効性ですとか、CCUSや処遇改善についても計画で大いに触れていただいております。育成に関することでも、この計画でも、業界としての体系的な教育訓練の在り方に関する議論が進化するよう、人材育成を活用してということも触れていただいております。
育成に関することですと、今、建設業界だけではなく、国としての職業能力開発基本計画が厚労省の人材開発分科会で、来年度からの第12次計画の案が示されました。そこでの、「計画のねらい」における今後の重要な3つの視点の中に、「1つの企業では行えない職業能力開発を産業・地域の単位で複数の企業が連携して行う共同・共有化」が掲げられております。正に今、この雇用改善計画の中にも書いていただいているものと共有するものだと思います。
あとは、国土交通省の住宅局で行っている住宅分野における建設技能者の持続的確保の懇談会の取りまとめの中にも、一企業では育成するのが非常に困難なので、複数の工務店による共同育成といったことも掲げられております。正に共通する課題なのだろうと思います。
ですので、それぞれで動いていくのではなく、国としての取組、業界としての取組、それが住宅局と建設業全体がバラバラに個々にやるのではなく、お互い共通した認識の下やっていけるような、そういった議論が今後進められていけば、もっと効率的なものになっていくのではないかと思っています。正にこの雇用改善計画というのは、今後の建設業発展に向けたあらゆる取組が書いてありますので、今後、それを進めていくには、いろいろな省庁にまたがると思うのですが、この計画がそのハブ役になるのだというふうに認識しておりますので、今後の議論がいろいろな所で起きる中で、是非、間を取り持つ、共通化をするというところに力を入れていただければと思います。
○勇上座長 ありがとうございます。ほかによろしいですか。ほかに御発言がないようでしたら、それでは、1つ目の議題の審議はこの辺りとしたいと思います。この建設雇用改善計画(第十一次)案について、本委員会としての案を取りまとめる必要があります。本日もそれぞれのお立場から様々な御意見を頂きました。特に変形労働時間制の在り方については、使用者側からは見直しすべきとの御意見があり、一方で労働者側からは、労働者保護の観点から柔軟化すべきではないとの御意見がありました。計画案については、これ以上の調整は困難と考えられますことから、「おおむね妥当」ということで取りまとめを行いまして、雇用対策基本問題部会に報告させていただきたいと存じます。雇用対策基本問題部会において御発言が必要であれば、それぞれ御発言を頂きたいと存じます。それでは、この専門委員会としては、計画案について、おおむね妥当として御了承を頂くということでいかがでしょうか。
(異議なし)
○勇上座長 ありがとうございます。御了承いただいたものと思います。なお、文章表現の技術的な修正などにつきましては、私、座長に一任いただくということで処理したいと思いますがよろしいでしょうか。
(異議なし)
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、以後、変更のあった所につきましては事務局より各委員に報告するということで進めていきたいと思います。それでは、雇用対策基本問題部会への報告文案の表示をお願いいたします。
○大原補佐 会場の委員の皆様には紙でもお配りいたします。
○勇上座長 オンライン上は共有されていますね。それでは、読み上げをお願いいたします。
○大原補佐 では、内容を読み上げさせていただきます。労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会部会長、玄田有史殿。労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会座長、勇上和史。建設労働専門委員会報告書。建設労働者の雇用の改善等に関する法律第3条の規定に基づく建設雇用改善計画の案について、建設労働専門委員会において、事前に審議した結果、下記のとおりその結論を得たので報告する。建設雇用改善計画を案のとおり作成することについて、おおむね妥当と認める。以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。この内容でいかがでしょうか。
それでは、ここから着座で失礼いたします。まずは、マスコミの方への留意事項を申し上げます。カメラ等の撮影をされる場合は、議事が始まる前までとさせていただいておりますので、御協力をお願いいたします。
さて、本日は公益代表の勇上座長、蟹澤委員、中村委員の3名がオンラインでの御参加となっております。恐れ入りますが、質疑の際はカメラをオンにしていただけますようお願い申し上げます。
次に、配布資料の確認をいたします。本日の配布資料は、議事次第、配布資料は資料1から資料5、参考資料となっております。それでは、これから議事に入りますので、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます、御協力をお願いいたします。それでは、以降の進行は勇上座長からお願いしたいと思います。勇上座長、よろしくお願いいたします。
○勇上座長 勇上です。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、誠に恐縮ですがオンラインで参加させていただいております。会場の皆様におかれましては、大変、お手数をお掛けしますが、御発言の際は、私の画面に向かってお手を挙げていただけると幸いに存じます。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。本日は議事次第にありますとおり、議題は3つございます。(1)建設雇用改善計画(第11次)(案)について。(2)建設業の人材確保・育成に係る令和8年度予算案の概要。(3)その他となっております。それでは、議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○熊谷補佐 大変、お世話になっております。厚生労働省の熊谷と申します。説明は私からいたします。着座にて失礼いたします。それでは、第11次建設雇用改善計画(案)を取りまとめましたので、その御説明をいたします。資料については、資料1として、素案からの修正内容、そして、資料2で新旧対照表、資料3で概要、資料4で本文を添付しておりますが、資料1で御説明いたします。
12月3日に開催いたしました建設労働専門委員会において素案をお示しし、その全体の内容について御説明させていただいたところです。今回、お示しする(案)については、素案に対し、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえた修正、また、案を作成するに当たり、厚生労働省、国土交通省、各担当部局において改めて内容確認を行い、一部適正な表現に修正をしている点について御説明をいたします。
それでは、早速、タブレットにて資料1を御覧ください。本資料については、左側に前回の委員会において頂いた御意見、また、右側上段には素案の記載内容、下段には修正案を赤字で記載しております。また、意見の欄に黄色マーカーで記載している項目については、本文における該当項目名と資料2として配布しております新旧対照表の該当ページとなっております。別途、御参照いただければと思います。
それでは、まず上段です。Ⅲ1(1)イ 建設業の魅力の発信から入職・定着支援についてです。前回の委員会においては、建設業の魅力の発信から入職者育成、また定着までを熱心に取り組んでいる事業主に対する支援を行うという記載について、支援を行う取組について、もう少し具体的に表現をした上で関係者の理解促進を図ってはどうかといった御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。この部分については赤字で、「役割や魅力を伝え、理解を促進するための啓発活動を行った上で、入職者の技能向上を図るための育成及び定着のためのフォローアップ等を熱心に行う事業主に対する支援を行う」という記載ぶりとさせていただき、支援の対象、具体的な取組を明記しております。なお、この取組への支援については、来年度から新たに建設助成金の対象として支援を行う予定となっております。
次に下段です。Ⅲ1(1)ウ 若年労働者、女性労働者及び外国人労働者とのコミュニケーションスキルの向上です。前回の委員会においては、女性労働者や外国人労働者にはハラスメントの観点、言語的な問題による意思疎通を図るためのスキル向上について課題などを踏まえて具体的に記載いただきたいと御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。まず、素案で「女性労働者や外国人労働者が増加する中で」と記載していたところを、「女性労働者や外国人労働者を含む多様な人材が活躍していることを踏まえ」という形に修正をさせていただき、その上で、性別に係るアンコンシャス・バイアスの解消やハラスメントの防止、言語や文化の違いによる誤解や摩擦といった課題への対応の観点から、スキル向上に向けて具体的な観点を明記しております。
また、本項目の締めの部分ですが、スキルについては、向上だけでなく習得していくことも重要であることから、「習得・向上していくことも重要であり」という形に記載を修正いたします。こちらの支援についても、現在、委託事業として既存で行っておりますコミュニケーションスキルの向上研修の中で来年度から女性労働者、外国人労働者のコースを新たに設けて実施を予定しているところです。
2ページです。上段はⅢ1(2) 女性労働者の活躍・定着の促進になります。前回の委員会においては、女性労働者の活躍については具体的な取組の記載において、「全ての人が働きやすく、働き甲斐のある」と整理されていたことから、本項目の、いわゆる導入部分においても同様に、「全ての人」と修正いただきたいという御意見を頂いたところです。こちらは御意見どおりとしており修正案を御覧いただければと思います。「結婚・出産・育児等、全ての人のライフステージを尊重した柔軟な働き方を実現」という形で整理をしております。
次に、下段です。こちらのⅢ1(4)ア(オ) 技能実習生・育成就労外国人への対応に係るいわゆる転籍の部分です。委員会においては、転籍を前提とすることなく、制度の原則に則り、3年間の育成計画を立てた上で人材育成と処遇改善を行うことで、いわゆる人材育成が担保されるようなメッセージとなるよう、表現の修正について御意見を頂いたところです。修正案を御覧ください。素案では転籍部分を記載している項目以外の項目において、3年間の就労を通じた計画的な育成の必要性について明記している項目がございましたので、今回、御意見を頂いた内容をこちらの項目に追記をしております。
修正案を御覧ください。育成就労計画を策定する必要があることと、また、計画的な人材育成を行う観点から、3年間を通じて同一の育成就労実施者の下で行われることが効果的で望ましいことを追記し、それを踏まえ、元々本項目に黒字で記載されていた、中長期的なキャリアパス、その過程で求められる技能習得や資格取得等の必要性、こういったものにつなげる形で整理をしております。こういった整理により、素案で記載しておりました転籍制限期間を考慮した人材育成に取り組む必要があるという項目自体について全文削除しております。
それでは、3ページ、Ⅲ4(2)イ CCUSによる処遇改善の推進、賃金改善の項目です。こちら、委員会においては、「レベル別年収相当の手当・賃金の支払を促していくことが重要」との記載にとどまっているが、5年間の計画であることを考えると、CCUSやまたそのCCUSを活用した処遇改善の義務化に言及してもよいのでは、との御意見を頂いたところです。
修正案を御覧ください。まず、御意見を頂いた4(2)イ、こちらの前段の項目において、改正建設業法において、労働者の知識、技能その他能力の評価に基づく適正な賃金支払等の処遇確保について、建設事業主の努力義務とされたことにより、CCUSによる能力評価及び処遇改善の位置付けが大幅に強化されたこと。こちらをまず前段で明記しております。
その上で御意見を頂いた項目においては、CCUSレベル別年収に設定された目標値以上の支払いの推奨、請負契約において労務費ダンピングの重点的な確認、更に、「労務費に関する基準」を踏まえた労務費の確保・行き渡りを図ることにより、その適切な支払いを促すと記載をさせていただき、事業主の努力義務とされた処遇確保について整理をしております。
次に、4ページ、Ⅲ1(2)ウ 女性の活躍推進の項目ですが、坑内労働における女性の就業について記載いたしました。本件については、これまでの委員会において、記載について御意見があったところです。担当部局と調整をし、修正案のとおり記載しております。「科学的な知見も踏まえた女性の健康上への影響など様々な面で整理が必要であることを踏まえ、国土交通省との連携を図る。」という形で整理をし、記載しております。
それでは、5ページです。このページからは案の作成に当たり、厚生労働省又は国土交通省において、改めて記載内容を修正した部分について御説明いたします。資料については、上段には素案の記載文書、下段に修正案を記載しております。まず修正案の【その1】<素案>Ⅲ1(1) 若年労働者の確保・育成です。Ⅲはいわゆる施策に関する基本的事項の大前提の部分、いわゆるこの導入部分において、「技能労働者がより一層不足する懸念」という形で記載しておりましたが、前回の委員会において、大前提の部分で「技能労働者が将来的に不足する」といったことで説明をさせていただきましたので、平仄を合わせる形で修正しております。
次に、【その2】<素案>Ⅲ1(2)ア(ウ) 女性労働者の活躍・定着の促進の項目です。仕事と育児の両立ができるようにするための育児休業取得促進や、子の年齢に応じた柔軟な働き方の導入支援による、いわゆる共働き・共育ての推進について記載している部分において、文書の始まりの部分において、「希望に応じて」という形で記載が始まっておりましたが、表現として前向きな推進として受け取っていただけるよう、「希望に応じて」は削除させていただき、整理をしております。
次に、6ページ、【その3】<素案>Ⅲ1(4)ア(イ) 技能実習生・育成就労外国人への対応です。育成就労制度の運用開始に向けては、国土交通省において、「育成・キャリア形成プログラム」を建設分野でも定めることとしていることから、こうしたものを活用しながら中長期的な観点も含めた育成・キャリア形成を促進していくことについて、新たに追記いたしました。
次に、【その4】<素案>Ⅲ2(2)イ(ア) 長時間労働の抑制等です。御案内のとおり、建設業においては、令和6年4月から時間外労働の上限規制の適用が開始しております。上限規制が着実に遵守されるよう、広く国民などに認識を深めていただくために、厚生労働省において働き方改革総合サイト「はたらきかたススメ」というホームページを開設しており、理解促進を進めているところです。こういった情報発信についても重要という考えの下、文書について追記をしております。
7ページ、【その5】<素案>Ⅲ2(2)エ 1年単位の変形労働時間制の適切な活用です。具体的な事例も踏まえて修正をしております。まず、建設業においてはの前に「屋外の作業が中心となる」と追記をしております。また、自然的要因によって時間外労働の上限規制の遵守が難しくなってしまうということに対し事例を交えながら具体な記載に修正をし、同制度の有効性と適切な活用へと記載をつなげております。
次に、【その6】<素案>Ⅲ2(5) 労働災害の防止です。総合的な労働災害防止対策推進の部分に、労働災害防止については関係団体との連携が重要であることから、「建設業労働災害防止協会等の関係団体と連携し」という文言を追記し、対策の推進につなげて記載を整理しております。
最後の8ページ、【その7】<素案>Ⅲ4(1)イ CCUSの活用促進についてです。CCUSの利便性の向上の部分となっており、前回の委員会においては、記載内容を全体的に改めて整理させていただきたいという御説明をいたしましたが、修正案のとおり整理しております。文書が2つながっておりますが、まず、始めの文書については、CCUSのスマホアプリ、いわゆる(建キャリ)からマイナポータルを経由した「国家資格等情報連携・活用システム」との連携により資格者情報の閲覧を推進していくという形で記載をしております。
そして、「また」以降になりますが、労働安全衛生法の規定により携行義務のある免許証や技能講習修了証等については、「国家資格等情報連携・活用システム」との情報連携となるオンライン・デジタル化が今年度(令和8年3月)に開始され、今後は、その運用状況や資格証明の電子化・高度化の技術動向を踏まえつつ、労働安全衛生法上の資格者証と認めるための条件について検討を進めるという形で記載ぶりを整理しております。
以上が前回の委員会で頂いた御意見を踏まえた修正、また、担当部局で記載内容を改めて修正した部分で変更があった箇所についての御説明となります。事務局からの説明は以上です。
○勇上座長 御説明ありがとうございました。それでは、ただいま御説明がありました内容について、御質問、御意見等ございましたら御発言をお願いします。いかがでしょうか。様々な御指摘を頂いた箇所について、この内容でよろしいでしょうか。若鶴委員、お願いします。
○若鶴委員 では、若鶴のほうからちょっと発言させていただきます。今回、この雇用改善計画作成に当たりまして、日建連としましては、今現在建設業が抱えております課題を大きな背景として、様々な要望をさせてきていただいたところです。就業者機会確保事業やキャリアアップシステムにおける資格者証につきましては一定の前進が見られました。また、女性の坑内労働につきましても書き込んでいただいた点は大変有り難く、これは評価しているものです。
ただ、猛暑日対策につきましては、5年前と今は多分ほとんどスタンスが変わっていないように感じられ、ここは非常に残念に思っております。猛暑というのが、本当に5年前とは全く次元が変わってきていると我々は思ってきております。また、5年後は多分もっと激しくなっているのではないかと。また、現在、若者が建設業を離れていく多くの要因も今の猛暑です。恐らく、日光に最も多く晒されるのは今、建設業ではないかと思っております。労働法制の多くが、建物の中で働く工場などの労働者を前提として作られているものとして我々は感じておりまして、今後5年間の建設業の雇用環境改善のためには、正に今、猛暑に苦しんでいる建設業の技能労働者に寄り添った施策が必要ではないかと考えております。
つきましては、日建連としましては、本案にはおおむね賛成とさせていただきまして、変形労働時間制度の見直しや猛暑日の作業回避などにつきまして、親の部会ですとか、本会議体以外の場で更に御議論いただいて、ここで議論を終わらせることなく検討を進めていただきたいと考えております。日建連からの意見は以上です。
○勇上座長 御発言、ありがとうございます。本体の案についての御意見と、それから、今後の他の会議体での御発言といいますか、御対応についての方針についてもお話いただいたと思います。そうしましたら、何件か御意見、御質問を頂いた上で事務局より御返答を頂きたいと思います。他の委員の方々、いかがでしょうか。髙橋委員、お願いします。
○髙橋委員 基幹労連の髙橋です。今、変形労働時間制等についての発言があったので、私からも発言させてください。変形労働時間制について、以前、事務局から答弁もあったとおり、現行ルールは、労働者の生活の予定を立てやすくするためといった労働者保護の観点から設けられています。それを柔軟化すべきではないと考えていることは前回も申し上げたとおりで、現在の計画案の記載は、この間の様々な意見を踏まえたものと受け止めており、異論はありません。
一方で、猛暑日などにおける熱中症防止対策は労働者側としても極めて重要な課題と認識しています。労働安全衛生に関する現場環境の改善費などを盛り込んだ予算の作成だけでなく、猛暑日などによる作業中止や作業時間短縮に関する基準の整備や、その際の工期延長や費用負担は、どちらか一方ではなく発注者と建設業者双方の責任であることを明確化するなど、現場環境改善に向けた発注者との円滑な契約締結の実現に向けた法整備や施策は、今後の課題として是非、検討いただきたいと思います。以上です。
○勇上座長 御発言ありがとうございます。それでは西委員、お願いします。
○西委員 いわゆる変形労働時間制の活用は歓迎すべき点もありますが、例えば、一人親方などのような働き方をする人は、その活用が進むと、置いてきぼりという表現が正しいかどうか分かりませんが、そうした置いてきぼりを食らう懸念がちょっとあるのではないかと思います。例えば、夏の仕事を少なくして、その分、春の仕事を多くするなどということをした場合に、一人親方のような働き方をしている人たちが春の仕事をもらえるかどうかというのはまた別の問題なので、そういう点ではちょっと留意が必要な部分もありはしないかと私は思っているところです。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。吉田委員、お願いします。
○吉田委員 沼田土建の吉田です。お世話になります。前回、長時間労働の抑制の所で、ICTのみの表現をもう少し広げられるかというお話をさせてもらったのですが、これについては、建設業法を踏まえているということで難しかったのかと理解をしております。私からは、ちょっと多いのですが5点ほど申し上げたいと思います。
1点目は、変形労働時間制と就業機会確保事業について。これは柔軟な制度にしたいという使用者側と、あとは、労働者保護の観点から現行を変えるべきではないという労働者側で意見が分かれてきたところですが、使用者側からしますと、しつこいようですが、一度しっかりとニーズを把握した上で、制度をより良く安全に最大限に活用していくための検討は引き続きお願いできたらいいとは考えております。
2点目は、スマホアプリの建キャリです。こちらは、キャリアアップシステムの活用の大きなメリットになりますので、結論を早急に出していただければ有り難いと思っております。
3点目は、キャリアアップの運用です。技能者の評価から処遇改善につなげるツールとしてキャリアアップを推進していくのであれば、この委員会で検討することではないかもしれませんが、正しいデータの蓄積がマストだという、ここの指導はきちんとしていく必要があることを再度申し上げたいと思います。現状では、ただの入退場記録になっていて、正確な経験の積み上げになっていないケースが多いこと。以前にも申し上げましたが、ここは改善するというか指導していく必要があると思っています。
4点目は、建退共の制度について。掛金の上限が法令上日額800円となっておりますが、建退共制度検討会議報告書の標準モデルでは、退職金1,000万円を超えるのに41年もの長期を要するとなっております。物価上昇などを反映した引上げにも迅速に対応できるよう、掛金の上限変更が柔軟に対応できるように、そういう制度改正について検討を進めてもらいたいと思います。
5点目です。新旧対照表でDXという文言が3回出てくるのですが、これは省力化や生産性向上の手段という意味だけで使われている、若しくは、DX本来の有効性を踏まえた表現としてはもの足りないという印象を持ちました。御存じのとおり、ICTが技術そのものの名称であることに対して、DXは様々なデジタル技術を使って新しい価値を創造すること、ビジネスモデルや企業文化を変革することを指します。よく知られたDXの例がBIM/CIMデータによるプロス変更ですが、ほかに取組みが始まっている例を挙げますと、現場から離れた空調の効いた快適な事務所から、1人のオペレーターが同時に複数のICT建機を遠隔で操作して、かつAIで制御されたダンプトラックの無人化運行を組み合わせて工事を行う。これはもう異次元の生産性、働き方の抜本的な改革、あとは多様な人材の活用の実現だと思います。
あと、負担の大きいグリーンファイル、安全書類の作成ですが、これを軽減するために現場支援に特化した企業にアウトソーシングをしますと、そこでは小さな子供を持つ人たちが併設された託児所に子供を預けて、現場と情報共有をしながらICTやAIを使って書類作成を支援している。現場も助かるし、子育て中の人たちには柔軟に働ける職場と子育てに関する情報交換ができる場になっている。あとは、以前にも発言しましたが、熟練技能者の動きや目線、力加減などをデータ化してマニュアルを作成して教育訓練に活用する。更にAIを組み合わせた技術の自動化で、経験の浅い人でも技術の守り手として活躍できる。このような例を含めて、世の中にあるDXを軌道に乗せるにはまだまだ時間が掛かるものが多いのですが、試行錯誤を繰り返しながら、人とデジタルの協働が実現していく中では、人の役割が変わって、新しい働き方、新しい価値が生まれてくると思います。これがDXです。
これは生産性向上だけではなくて、建設業の新たな魅力になるはずではないかと思います。建設業のイメージアップにも非常に有効で、今回の計画案の中で建設業の新4Kについて記載がありましたが、プラスかっこいい、これにはDXで生まれる新しい働き方とかスマートで柔軟なかっこ良さ、これも加わってくるのではないかと思っています。今後も生産性向上や災害防止、魅力発進、技術継承、女性の活躍(この表現は今回までということでしたが)、様々な課題に取り組む中で、DXは建設現場だけではなくて、バックオフィスやサプライチェーン全体で幅広く進んでいくものと思われます。そこで、計画案の新旧対照表42ページの3の(5)デジタル人材の育成の箇所に、DXが生産性向上だけではなくて、魅力発信や技術継承、多様な人材の活用などにも有効であること。そして、デジタルを使いこなすだけではなくて、自社の課題を明確にして、どのツールで解決できるのかを整理して、かつ、そこから生まれる新しい活用を見いだせるようなDX人材の育成が求められている。これを、もし検討の余地があれば加えていただくのはどうかと感じました。
DXの取組状況に関しては、ICTと同様に各社様々なフェーズにおります。これは照準を歩みの速い人に合わせるか遅い人に合わせるかという議論ではなくて、若者に選ばれる、更にこれからは、外国からも魅力ある業界に見えるためにも避けて通れないのがDXだという認識を持つ必要があるということを、個人的に非常に強く感じているところです。
明日も参加するのですが、就活イベントなどで、学生に向けてICT導入に積極的だよとか、やりがいのあるものづくり産業だよと言っても、もうみんな聞き飽きていて、正直、学生の心には刺さらなくなってきています。本当にがっかりするのですが、そのような状況があります。新しい働き方を提案する、魅力ある企業の価値を打ち出すとか、新たなサプライチェーンの一端を担うとか、少数精鋭の部隊を構築するとか、こういうことができない中小企業は、弱肉強食のサバンナのような人材確保競争の中で、今後は手も足も出せなくなってくるのではないかと非常に不安に思っています。今回の計画案への反映が難しければ、是非、次回の計画では、11次計画を踏まえた様々な取組が進んだ上で、DXで生まれる新たな価値をどのように雇用改善にいかせるか。地方の中小建設業にもその意識を行きわたらせられるか、国交省の皆さんも含めて御検討いただけたらと思います。長くなってすみません。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。今後の御要望も含めて広く御意見を頂いたものと思います。蟹澤先生、お願いします。
○蟹澤委員 蟹澤です。私も何点か申し上げさせていただきます。まず、資格者証の原本の話が修正の一番最後の所にありましたが、「検討を進める」と書いてあるのです。何かもう少しデジタルの取組とか、これをデジタルで認めていくことが前提であるのであれば、検討という言葉よりは何か取組を進めるとか、もう一歩前向きな表現ができないかという感じがしました。それから、猛暑対策については、日建連からの御発言に私は賛同です。やはり、建設業の昨今の40度を平気で超える建設現場のビルのデッキプレートの上などだと、はるかにそれより高いような気温の中で、かつ、これは法律では雇用者に責任があるような書き方になっているのですが、これは是非、そうですね、もう少しでも、やはり建設業にとっては死活問題ですので、何かその辺を汲んでいただいたような表現ができないかと感じました。
それからあと、在籍出向と就業機会確保事業の話ですが、この雇用改善計画ですと、もう大分前から全然表現が変わっていないので、これも、建設業界としては何回も申し上げるように、社員化を進める、それからCCUSの加入が前提となっている、それから建設業許可も社会保険に未加入の企業は取れないような状況になってきているという、やはり背景の今までとの違いを鑑みて、何かもう一歩進む、もう少しだけでも進んだような表現ができないかと感じております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。ここで事務局より、回答をお願いできますでしょうか。
○和田山室長 様々な御意見を頂き、ありがとうございました。多くの意見いただきましたが、特にこれまでの委員会の中でも多く意見のあった、猛暑とそれに関連した変形労働時間制の部分について、これまで様々な委員の皆様方から御意見を頂きました。本計画でもその重要性に鑑みまして、まずは労働災害防止の部分について、現行の計画が労災防止の項目の1項目になっていますので、それを猛暑の対応ということで別項目を立てさせていただいたところです。その中で、改正安全衛生法規則の事業者の義務付けられた重篤化防止のための取組や周知徹底など発注者への無理のない工期設定の働きかけ、1年単位の変形労働制の有効活用を記載させていただいたところです。暑さ対策については、もう少し具体的な検討内容を記載できないかという御意見もあったかと思うのですが、こちらも担当部署と、これまでの委員会開催の後にその都度いただいた御意見を御報告しまして、何往復かの調整をさせていただいた結果が、現行の記載のとおりであります。これ以上はなかなか踏み込んでは書けないということは御理解いただければと思っております。
一方、この猛暑については、昨年末から担当部署において、熱中症防止対策に係る検討会がスタートしております。我々としてもその検討会の検討状況を注視してまいりたいと思っております。
それに関連しまして、変形労働時間制の所ですが、これについてもそれぞれ委員の皆様から御意見を頂いたところです。30日前、1か月前にシフトの予測を出すことは困難であるとか、事後審査のお話なども頂いたところです。
一方で、先ほど髙橋委員からもあったように、労働者保護の観点から設けているものですので、柔軟化はすべきではないという御意見も頂いているところです。これについても、私どもとしても担当部署と調整した結果、書きぶりについてこれ以上は踏み込んだ記載はできないというところでして、御理解いただければと思っております。
それから就業機会確保事業の所です。これについても多くの御意見を頂いたところです。御意見の中には担い手不足を解消するためには、この事業の財政要件などがハードルになっているという、緩和措置に関する意見もあった一方で、制度の趣旨、目的を逸脱するような見直しは懸念を持っており、慎重かつ丁寧な検討が必要との御意見を頂いたところです。本事業の計画の記載内容についても、双方の意見を踏まえた内容にさせていただいているところです。我々としましても、この事業を有効に利用していただきたいと思っておりますが、既に許可を受けている事業所においても、利用実績は低くあまり使われていないという状況です。検討を進めていく前提として、まずは繁閑期の中において、制度の趣旨である雇用の安定を図るという観点から、ニーズがどの程度高まっており、どのように雇用の安定に資するかなどの客観的かつ明確なデータを把握することが重要であります。例えば、制度を利用している団体であるとか事業者へのヒアリングや、制度の利用を検討したいと考えている事業者などへヒアリングを進めてまいりたいと思っております。
また、この就業機会確保事業の制度を知ってもらうことも重要ですので、今すぐできることとしては、周知活動から進めさせていただきます。いずれにしましても、この見直しには慎重かつ丁寧な検討が必要かと思っておりますので、引き続き労使の皆様方の御意見を頂きながら、丁寧に進めてまいりたいと思っております。
それから資格者証のスマホアプリの部分について、蟹澤委員からも御意見いただいたところですけれども、先ほど御説明させていただいたところが、現状、今、答えられる範囲での書きぶりということで、申し訳ないのですが御了承いただきたいと思います。理由として現在、デジタル庁のほうで技術開発をしている中で、開発にかかる課題などがまだ整理されてないというところもあり、我々もそれが見えてない中で、そこから先のことを書けないというとことがあり、今、現時点の書きぶりとなっております。これについても引き続きその開発が進むことによって、我々としてもそこの状況は把握できるかと思いますので、ここについては、またフォローアップをしていきたいと思っております。
あとはCCUSのキャリアアップの処遇改善です。今回、CCUSについても大項目を立てさせていただき、処遇改善に関する取組とか今後の進め方について書かせていただきました。こちらについても、もちろん国交省が主体となるものです。我々としても助成金などでバックアップしながら、国交省と連携しながら進めていきたいと思っております。退職金についても上限の設定のところについて、建退共の担当のほうにも御意見はその都度伝えておりますので、またここも何か動きがあれば、また共有をさせていただければと思っております。
あと最後、DXの所です。非常に重要な役割だと思っております。記載の内容については、申し訳ないのですが、今のお示ししている記載の内容にさせていただきながら、またここも同じく、状況を見ながらフォローアップのほうも我々としてもしていきたいと思っております。次回の計画にはもっと充実した内容に記載ができるようにしたいと思いますし、吉田委員がおっしゃったとおり、魅力ある建設業、皆さんに入職してもらうためにはDXが進むことは非常に大事かと思っておりますので、そういうところに国交省とも連携しながら進めてまいりたいと思っております。
それから一人親方の所、お話がありました。我々としても一人親方につきましては適正化について記載しております。こうした現状把握が大事かと思っておりますので、また皆様方からの現状などもお聞きしながら充実を図っていけるようにしたいと思っております。よろしくお願いします。国交省さんから何かあれば。
○国土交通省山岸建設振興課長 国土交通省の建設振興課長の山岸です。委員の先生方からいろいろ御意見を頂きまして、ありがとうございます。特に猛暑対策の話、髙橋委員などからいろいろ頂きましたけれども、もちろん書けることは限られてしまうかもしれませんが、国土交通省でも猛暑対策に非常に力を入れてやらなければいけないというのは当然認識しておりまして、昨年12月にもいろいろな施策を束ねたパッケージ集というものも発表させていただいておりまして、来年度以降、新たな試行というか、試しに行う試行をいろいろさせていただきたいと思っておりますし、いろいろフィードバックしながら猛暑対策は進めていきたいと考えております。
また、デジタル人材、吉田委員から頂きましたお話も深みのあるというか、非常に身につまされるお話で、正にこのICT化するだけではなくて、DX化という形で新しい価値を生み出していくのだと。そして新しい産業のイメージで、イメージアップにつなげて、若者入職のためにもつなげていくという形でお話を頂き、非常に私も素晴らしいと思って聞かせていただいております。ここの計画にどう書くか、ちょっと限界はあるかもしれませんが、その意識をもって、我々もDXを進めていかなければならないと思っておりますので、その意識の下、進めていければと考えております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。質問を頂いた皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、引き続き御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。小野委員、お願いいたします。
○小野委員 労働政策研究・研修機構の小野です。今、労使の皆様からいろいろ御意見を聞いておりまして、厚労省、そして国交省からの回答を聞いておりました。それに伴って少し御意見をさせていただきたいと思います。建設労働の中での課題というか、問題意識はおそらく労使共に共通しているだろうと思っています。特に猛暑対策の話とか、おそらく労働側も経営側もこれはどうにか対応しなければいけない問題だという御認識は持っていらっしゃると思うし、厚労省も国交省もそのように思っていらっしゃるからこそ、今回の計画の中で、猛暑対策が一つ大きなトピックとして前に出ているというように思います。ですので、これはもう業界全体でどうにか進めていかなければならない問題だと思っています。その具体策として、変形労働時間制というのがここに特出しされているわけですけれども、これをもって全て猛暑対策ができるという話でもないですし、いろいろ変形労働時間制が、例え、30日前からもっとショートになったとしても、猛暑対策がこれで解決するわけでも逆にないと私は思っています。
逆に言うと、この変形労働時間制は関わってくるのが建設労働だけではないので、だから全ての産業、日本全体において、この変形労働時間制の問題については、労働基準法の中で議論していかなければいけない問題です。特に建設労働の中で、この問題は、やはり外で働く我々の業界ではきついと、なのでという話であれば、先ほど厚労省もおっしゃっていましたけれども、具体的なエビデンスといいますか、こういうことだからこうなので、建設労働に関しては特出しでどうにかしてくれというような形でもっていかないといけない、つまり何か筋が必要だと思います。なので、これに関してはそれぞれみんなでもう一回考え直すという段取りが必要なのではないかと思っています。
おそらく、この5年の間にも、もっと暑くなるような気もします。この計画は5年計画ですけれども、途中で何らか付け加えたりとかということができると思いますので、途中で少しずつ考えを、みんなですり合わせながら落としどころにもっていくことが必要なのではないかと思っています。先の就業機会確保事業にしても、ほかの法律とか、ほかの業界も絡んでくるような話もありますので、それについては、もう少し慎重にエビデンスをきちんとおさえながら、労使の中で意見をすり合わせた上で進めていくことが大切ではないかと思って聞いておりました。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。それではいかがですか。岩田委員、その次に堀川委員の順番でよろしいですか。お願いいたします。
○岩田委員 岩田です。前もお話ししたのですが、このような形で、計画とするとこうなるのかなという気はしますし、大筋ではないかと思うのですが、ここで話し合われてきた内容がちょっと今までとは、この計画以外の部分でどういう意見があったかというのは大きく変わってきたと思うのです。それは建設業で雇用が大分進んだというのは間違いないと思うのです。社会保険に入れということは、これは対立軸みたいになっていますけれど、労使一緒だと思うのです。その意味で雇用が進んだ人たちの、逆に雇用を守るためにどうするかという意見だと思いますので、継続的に、夏のことについても就業機会確保事業についても調査をするべきではないかという声も挙げていただいたので、これは継続して進めていただきたいと思います。
教育確保・育成の部分で、これは計画という意味ではなくて、国交省にもお願いをしていますので、国がもう少し関わって、確保した人を、マーケットでどうにかしろというのではなくて、教育について国がもう少し関わっていく必要があるのではないかと。これは蟹澤先生も当初から言われている話ですけれども、では、どのようにしていくのかも議論の一つの柱にそろそろ据えないと、マーケットで教育をしていけというのが、当初は、バブルのとき、個社で職業訓練校みたいなのをどんどん立ち上げたのが、全部潰れて、今はサテライトで団体とかが教育を始めて、それも入ってくる人が相当少なくなったので、箱を維持するためにはどうするかという、とんでもない方向の議論に進んでいるので、これから人に対してどのように教育をしていくか、そして技能者をどう教育していくか、この部分に関しては使用者側でも、施工管理、技術者と技能者で大きく違うわけです。ですので、ここも継続してというか、新たなテーマとして、では教育をどのようにしていくかというのは今後の課題として挙げていただきたいと思います。この2点ともですけれども、やはりこの場では、こうだからできない、歴史背景がこうだった、その頃と環境が変わったのではないかと、いろいろな議論があるのですけれども、どうすれば共によくなるかというための、先ほど小野先生が言われました着地点といいますか、そういう、ここの場ではなかなか難しいのかも分からないですが、そういう場を設けていただくことも大事ではないかと思います。方向性としてはこれで仕方ないと思います。よろしくお願いします。
○勇上座長 ありがとうございます。堀川委員、お願いいたします。
○堀川委員 奥村組の堀川です。小野委員と岩田委員とお話がかぶるかもしれないのですが、この場で議論するのは雇用改善、建設雇用改善計画というところですが、皆様方がおっしゃったように、徐々に、建設業界の労働環境をどうするかといった点、人手不足のところが一番問題ですが、やはりたくさんの人に入っていただく、入職していただくためには今後、建設業界の就労環境をどう整備していくかという議論が必要となってきている。猛暑しかり、長時間労働しかり、そういうところをどのように対応するか。そして全てのライフステージに見合った働き方ができるような、そのような環境整備を、これからどう行っていけば、若い方、たくさんの人々に入職していただけるのか、というところにつながっていくと考えております。なので、ここで議論することではないというように先ほど皆さんおっしゃっておられましたけれども、やはりそのような点をターゲットにして、もっと真摯に話し合う場がほかにもあっていいのかなと、つくづく感じたところです。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。横澤委員、お願いいたします。
○横澤委員 横澤でございます。まず、前回発言した意見を踏まえて、修正いただいたことに感謝申し上げます。今回、示していただいた資料の内容は、前回までの意見を一定程度反映していただいたものと受け止めております。
建設業は社会のインフラを支える重要な産業でありますが、深刻な人手不足はやはり喫緊の課題と考えております。その解決に向けて、安全衛生対策の強化や働き方改革の着実な推進、処遇の向上などを通じた誰もが働きやすい職場づくりが不可決だと考えております。また、若者の雇用確保・育成の観点からは、ユースエール認定制度の活用・促進も有効ではないかと思います。そうした魅力ある職場環境づくりや、若者雇用に積極的に取り組む企業を広く社会に周知し、建設業全体の底上げや一層の発展につなげていくような取組を是非推進いただきたいと思います。以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。御意見、御要望などが幾つかありましたけれども、いかがでしょうか。こちらで厚生労働省から御回答いただければと思います。
○和田山室長 ありがとうございます。皆様方から頂いた御意見というのは、総じて、今回の建設計画に書かせていただいた内容で目指すところの、魅力ある建設業界に入職してもらう、働きやすい建設業界というところは、これは、本日お集まりのすべての委員の皆様方の御意見かと思います。もちろん、我々、厚労省、国交省も同じ思いでありますので、そこに向けて一つ一つ取組を進めていきたいと思っております。その中で、課題が出てきたところについては、きちんとその課題を把握して、何か問題があるか等々について、しっかりその課題に向いて考えてまいりたいと思っております。
そういう意味で、今回の資料の新旧対照表を御覧いただければと思いますが、私どもとしても皆様方の御意見を踏まえまして、大分、課題や取組について、この5年間、なるべく漏れがないようにしていきたいという思いで、赤字の追加記載が増えているかなと思っており、ここはしっかりしたものを作ったつもりです。
とはいえ、なかなか、その中でまだ拾い切れない所もありますので、正直、皆様からも御意見があると思いますが、そういった中で、繰り返しになりますが、この5年を進めていく中で、しっかりフォローしていき、また、都度、皆様方からの御意見を頂きながら進めてまいりたいと思います。
教育のところも正にそうだと思います。建設産業人材確保・育成推進協議会の立ち上げの中で、またこの在り方が進められていることも承知しておりますので、これは担当部署が能力開発に関する部署ではありますが、我々としても、一緒になって状況を注視しながら進めてまいりたいと思っております。いずれにしましても、魅力ある建設業となるように、しっかりこの5年間、進めてまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○勇上座長 ありがとうございます。委員の方々、御意見ありますでしょうか。オンラインの中村委員、お願いいたします。
○中村委員 中村です。今回の計画については、本当に詳細な御議論を皆様方から伺いまして、それについて何か注文を付けるとかということではなくて、今後の話などが岩田さんのお話などからも出てきておりましたので、それについて感じたところを述べたいかと思います。私は皆様と比べて建設業界の知見を具体的には持っていないのですが、その分、少し一般的な視野で今回の計画を見るというところでずっと見ておりました。
やはり一番重要なのは、なかなか人が多くは入職してこないという中で建設業を回していくのかというところかと思います。そうなったときに、やはり一番重要なのは、経済学ですと、よく人的資本という言い方をするわけですが、いかに労働者がスキルを高めたり、あるいは、その高めたスキルを十分な形で発揮できるかというところをどうやって支えていくのか、ここがやはり一番重要な観点になってくるかなと思いました。
そういう意味では、先ほどの教育というところを今後重視したほうがいいのではないかということは全くそのとおりだと思います。それから、こういう話をすると、正に育成の所だけに焦点を当てられるのかもしれませんが、もう少し広く、今回のいろいろな計画もそういう目で見直すと、例えば、この雇用が安定しているかどうかというところについても、やはり、安定してこの業界で働けるという何か安心感がないと、なかなか人はこの業界でもっと自分のスキルを高めようという思いにならないのだろうと。その意味では、人材育成のある種のベースとして安定的な雇用というものをどういう形で作るかということは、今回もいろいろと御議論があって、ややぶつかるようなところもあるのかなと思うので、どうすればいいかというところまでは、私も言えませんが、何らかの形で安定した雇用というものは、人材育成のためにも大事だろうという観点は一つあるのかなと思いました。
猛暑日の話も、健康問題というのは本当に大事なことで、第一に優先されるといいと思いますが、加えて、やはり安心してそういう環境でも働けるよというようなことがあると、高めたスキルもより有効な形で、身体に負担のない形で発揮できるという意味でやはり重要であろうと。そういう観点で、今回の計画に盛り込まれたいろいろな施策をまとめることができるのではないかと感じておりました。
その意味でいきますと、もう1つ、公益代表という観点で考えていたのですけれども、これだけたくさんの施策、本当にいろいろなことに目配りされてやってらっしゃると思うのですが、その分、どこに力を入れたらいいかみたいな話が、今後は限られた政策資源をどう使っていくのかという話が多分出てくると思いますので重要かなと。その中で、私の考えでいいのかどうか分からないですが、一つの公益性ということを考えると、やはり建設業界が、一言で言うと生産性ということで結局まとまると思うのですが、生産性とは、別に狭い意味ではなく、今申し上げたように、働いている人が十分に力を発揮できるという意味での生産性、そういうものを含めてのものが高まることによりつながっているものはどれであろうかというところを見定めながら、より効果的なものについては後押しするということもあるでしょうし、必要かと思ってやっていたけれども、思ったようにはいってないというところについては、またちょっと違うものを考えたほうがよいだろうという見直し、そういったことも必要になってくるのかと思いました。全体的に感じたところとしては以上になります。
○勇上座長 ありがとうございます。最後の点は、ここまで取り組まれたことについても精査したらどうかということだったかと思います。ありがとうございます。小野委員、どうぞ。
○小野委員 ありがとうございます。CCUSについてコメントさせていただきたいと思います。
かなりお金を掛けてこのCCUSというものを構築して、今期の5年間しっかりやっていただいて、大分、登録する人が増えてきたという状態になります。恐らく、次の5年間で本格運用という形になって、賃金とつなげられるような形でやっていけるだろうと思います。先ほど、吉田委員がおっしゃったと思いますが、ちゃんとしたデータを蓄積していただきたいというのはそのとおりです。
このCCUSというのは、皆さん、どのぐらい重要性を認識してらっしゃるか分からないのですけれども、はっきり言って、日本の産業の中で、こんな評価システムを持っているのは建設業だけです。ということは、みんなが見ているのです。世界的には職業能力評価システムを職業別に入れている国というのは結構ありますが、結構難しいのです。入れるのもやるのもお金がたくさん掛かるし、それぞれのやり方としては、業界団体が職業能力を測って、それをアドバイスできる人と、すごいお金とエネルギーを使ってみんな作っていくわけなのです。日本で初めてこういうシステムを業界で入れているのがCCUSなのです。だから、私としては、ものすごく注目して、これがどういうふうに展開していくのかを期待して見ています。
そういうことが注目されると、大体言われることが、これを入れた前と後で何が変わってくるのかという話、言ったらEBPMみたいな話です。この中のデータを使って、ちゃんと賃金とスキルとがマッチしているのか、向上しているのかということをきちんと調べてくださいというようなことが言われると予想します。この事業は建設業界だけの問題ではなくて、日本の産業全体の命運が掛かっているというぐらいのものだと思っていますので、是非、この5年の間にこのCCUSが建設業界の雇用を爆上げしたとか、賃金も安定的になったとか、このCCUSを入れたからすごくよかったというエビデンスを持って、胸を張って打って出られるような形になってもらえたらいいなと思っています。ですので、しっかりエビデンスのデータを取るということを、厚労省、国交省にはやっていただければと思っております。以上です。
○勇上座長 ありがとうございます。両公益委員から御意見を頂きました。いかがでしょうか。
○和田山室長 ありがとうございます。中村委員御発言のように、やはり安定した雇用と安心感を持ってもらうということは本当に大事だと思っております。繰り返しになりますが、今回の計画は、この5年間で適宜、課題などをフォローしていきながら事業を進めていきたいと思います。そういった中で、皆様から御意見を頂きながら進めていきたいと思っております。
それから、CCUSにつきましても、先ほど小野委員からありましたように、これまでの5年間というのは取得促進で、ここからは今度は活用促進のフェーズに移っていますので、我々としてもこの計画は、今の計画にも書いてありましたが、なるべくこのCCUSの所は厚みをかけてということで、新旧対照表で言うと43ページからになりますが、ここにつきましては国交省とも調整しながら、必要性と今後の進め方などを含めて書かせていただきました。ここについてはおっしゃるとおり非常に大事なツールで、これが建設業の担い手確保、処遇改善につながることを我々としても期待したいと思います。厚労省も助成金という形で、バックアップをしていきたいと思っており、引き続き連携を進めてまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○勇上座長 ありがとうございます。そのほかの委員の方、よろしいでしょうか。
私から1点だけよろしいでしょうか。皆様の御意見を伺いますと、やはり、今回、第十一次計画の改善計画の方向性や内容を議論することを通じて、政労使、公益も含めて共通の課題認識があるということは、もう十分に確認されたと思います。同時に、課題への対応策への方向性について、それぞれのお考えがあり、一つの方向性にまでは至らなかったと感じました。同時に、現状把握やニーズ調査などのいわゆるエビデンスを蓄積して、妥当な方法を探るということには共通の認識が示されたと思いました。岩田委員がおっしゃったように、次の改善計画では対応策を具体的に盛り込んでいくためにも継続的な議論が必要ではないかということは、皆さんお感じになってらっしゃるのではないかと思いました。今後、計画の進捗についての報告会などがあると思いますが、今回議論になったようなテーマについては状況を調査し、議論する機会があってもいいのかなと感じました。それがこの場になるのかはわかりませんが、せっかく共通の課題認識があって、よりよくしていきたいという思いが確認されたところですので、議論を継続できる機会があると良いと感じました。以上です。ありがとうございます。
ほかに御意見はよろしいでしょうか。松葉委員、お願いいたします。
○松葉委員 全建総連の松葉です。継続の議論について感じている御意見が出ていましたので、1つだけ加えさせてください。岩田委員のおっしゃるとおり、委員だけではなくて、業界全体で課題が共通をしているのだと思います。担い手確保については、担い手3法の今後の実効性ですとか、CCUSや処遇改善についても計画で大いに触れていただいております。育成に関することでも、この計画でも、業界としての体系的な教育訓練の在り方に関する議論が進化するよう、人材育成を活用してということも触れていただいております。
育成に関することですと、今、建設業界だけではなく、国としての職業能力開発基本計画が厚労省の人材開発分科会で、来年度からの第12次計画の案が示されました。そこでの、「計画のねらい」における今後の重要な3つの視点の中に、「1つの企業では行えない職業能力開発を産業・地域の単位で複数の企業が連携して行う共同・共有化」が掲げられております。正に今、この雇用改善計画の中にも書いていただいているものと共有するものだと思います。
あとは、国土交通省の住宅局で行っている住宅分野における建設技能者の持続的確保の懇談会の取りまとめの中にも、一企業では育成するのが非常に困難なので、複数の工務店による共同育成といったことも掲げられております。正に共通する課題なのだろうと思います。
ですので、それぞれで動いていくのではなく、国としての取組、業界としての取組、それが住宅局と建設業全体がバラバラに個々にやるのではなく、お互い共通した認識の下やっていけるような、そういった議論が今後進められていけば、もっと効率的なものになっていくのではないかと思っています。正にこの雇用改善計画というのは、今後の建設業発展に向けたあらゆる取組が書いてありますので、今後、それを進めていくには、いろいろな省庁にまたがると思うのですが、この計画がそのハブ役になるのだというふうに認識しておりますので、今後の議論がいろいろな所で起きる中で、是非、間を取り持つ、共通化をするというところに力を入れていただければと思います。
○勇上座長 ありがとうございます。ほかによろしいですか。ほかに御発言がないようでしたら、それでは、1つ目の議題の審議はこの辺りとしたいと思います。この建設雇用改善計画(第十一次)案について、本委員会としての案を取りまとめる必要があります。本日もそれぞれのお立場から様々な御意見を頂きました。特に変形労働時間制の在り方については、使用者側からは見直しすべきとの御意見があり、一方で労働者側からは、労働者保護の観点から柔軟化すべきではないとの御意見がありました。計画案については、これ以上の調整は困難と考えられますことから、「おおむね妥当」ということで取りまとめを行いまして、雇用対策基本問題部会に報告させていただきたいと存じます。雇用対策基本問題部会において御発言が必要であれば、それぞれ御発言を頂きたいと存じます。それでは、この専門委員会としては、計画案について、おおむね妥当として御了承を頂くということでいかがでしょうか。
(異議なし)
○勇上座長 ありがとうございます。御了承いただいたものと思います。なお、文章表現の技術的な修正などにつきましては、私、座長に一任いただくということで処理したいと思いますがよろしいでしょうか。
(異議なし)
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、以後、変更のあった所につきましては事務局より各委員に報告するということで進めていきたいと思います。それでは、雇用対策基本問題部会への報告文案の表示をお願いいたします。
○大原補佐 会場の委員の皆様には紙でもお配りいたします。
○勇上座長 オンライン上は共有されていますね。それでは、読み上げをお願いいたします。
○大原補佐 では、内容を読み上げさせていただきます。労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会部会長、玄田有史殿。労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会座長、勇上和史。建設労働専門委員会報告書。建設労働者の雇用の改善等に関する法律第3条の規定に基づく建設雇用改善計画の案について、建設労働専門委員会において、事前に審議した結果、下記のとおりその結論を得たので報告する。建設雇用改善計画を案のとおり作成することについて、おおむね妥当と認める。以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。この内容でいかがでしょうか。
(異議なし)
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、御了承いただきました報告文を付した上で、雇用対策基本問題部会に報告することといたします。ありがとうございます。
それでは、続きまして、2つ目の議題に移りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○熊谷補佐 それでは、引き続きまして着座にて説明させていただきます。2つ目の議題としまして令和8年度の予算案の概要、「建設業の人材確保・育成に向けて」ということで、資料の番号は5番になりますので、そちらをお開きいただければと思います。
令和8年度の予算要求の概要につきましては、9月に開催しました本委員会において御説明させていただきましたが、その後、財務省との折衝を経まして概ね要求に近い形で予算案を作成しております。また、昨年12月26日に、公表もさせていただいております。本日は、新規拡充の事業を中心にその後の主な内容について御説明させていただきます。
1ページと2ページにつきましては、9月に御報告させていただいた資料と特段変わりがございません。こちらは全体の内容、柱ごとの事業項目のまとめとなりますので説明を省略させていただきますので、3ページから御覧いただければと思います。
まず、国土交通省さんの予算になります。新規の事業としましては一番下の○になりますが、多様な人材の入職拡大に向けた魅力発信、こちらの事業について令和7年度の補正予算の方で新たに措置されております。工業高校生などの建設業の就職有望層など、こういった方々に対する効果的なPR手法ですとか、就業障壁、こういったものの解消に向けて調査検討を新たに実施していくものとなっております。
それでは、5ページまでスライドさせていただければと思います。ここからは厚生労働省の要求概要となっております。まず、テーマとして人材確保に関してです。一番上の◆になりますが、建設事業主等に対する助成金による支援メニューにおいて、2ポツ目です。先ほど計画の案の中でも説明させていただきましたが、この2ポツ目につきましては入職前の魅力発信から入職後における教育訓練を一体的に行う取組をした事業主に対して、この取組によって半年間定着した場合について、通常の助成額に加えて、更に上乗せ助成を新たに行うものとなっています。
助成金については、ほかにもCCUSの関係としまして、3ポツ目になりますが、事業主団体の登録手数料補助に係る助成、また4ポツ目になりますが、CCUSカード登録者を技能実習で受講させた場合に、賃金助成額を1.1倍にして措置をすることについて、今年度限りとしておりましたが、令和8年度についても延長して実施することとしております。
次に3つ目の◆ですが、ハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援になります。「人材確保対策コーナー」の設置場所の増設、それに伴う職業相談員の増加等について、一部、令和7年度の補正予算も含めて実施体制を拡充するものとなっています。
次に、7ページです。「魅力ある職場づくりの推進」の取組です。1つ目の◇は、働き方改革推進支援助成金になります。この助成金については、令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用された業種を対象に、労働時間の短縮等に取り組む中小企業等を支援しております。例えば建設業務に対しましては、業界の状況を考慮した固有の成果目標を設置し、週休2日制の導入に対する支援等を行っておりますが、令和8年度より成果目標について選択可能なものを新たに追加する等して、より幅広い取組を支援していくこととなっています。
次に3つ目の◇は、「雇用管理責任者等に対する研修の実施について」です。こちらも計画案の時に説明させていただきましたが、女性労働者と外国人労働者といった方々の雇用環境整備や、言語や文化の違いによる誤解等を防ぐための研修について新たに来年度から新設して実施するものとなっております。
最後に8ページですが、1つ目は、「個人事業者等の安全衛生確保支援事業」です。これまでの巡回指導等の取組に加え、改正労働安全衛生法の内容を周知するため、個人事業者に係る団体等を構成員とする協議会を新たに設置し、改正労働安全衛生法に関する周知資料の作成や説明会の開催を新たに実施することとなっています。来年度の予算の新規拡充の事業については以上です。
○勇上座長 御説明ありがとうございます。それでは、ただいま事務局より御説明がありました内容につきまして御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。岩田委員、お願いいたします。
○岩田委員 すみません、これについてということではなくて、前も申し上げたのですが、工業高校生は施工管理にほぼ行ってしまって、就職に技能工のほうにはなってくれないという状況ですので、普通高校ですとか、その辺に対するアプローチをしていくとか、そこら辺の助成も少し検討していっていただきたいなというお願いをしておきます。
もう1つは、もうちょっと長い目で見た時に小学生向けのイベントなどに、ものすごく取り組んでいる団体があります。一部お願いをして助成を頂いているところもあるのですが、基本全部手弁当でやっていますが、事務局機能や財源の問題もあり、できる団体・できない団体というのがあるので、3年後とか5年後とか、中学生もそうなのですが、全て別の課題として教育委員会等いろいろなところにアプローチをしていかないと、長い目で見た時にこちらに目を向けてくれないと思います。今、小学生向けのイベントでは抽選で、相当ハードルが高くて、来た子どもさんと、親も同行するのですが、すごく笑顔なのです。みんな笑顔で帰ってもらえるので、「うちの子がこんなに、ものを触ってもらえるのが有り難かったです」という親もいますし、ちょっとそういう方向に助成していただきたい。必要であればいろいろ情報を出しますので、御検討いただきたいと思います。
○勇上座長 ありがとうございます。若鶴委員、お願いします。
○若鶴委員 若鶴です。今の岩田委員の話の続きになるのですが、今、日建連でも、割と規模の大きな会社は、学生をまだ採れているのですが、規模の小さな会社では、今まで採れていた高専や工業高校の学生さんが採れなくなってきており、普通高校の男子学生もなかなか取り合いになっております。
そこで今、起きているのは、女性の事務系の学生さんを取り込んで、土木系の資格を採らせて、技術系の仕事についてもらうようなことを結構やっております。結構はまる人は、はまっております。やりたがっている人もいますし、生き生きとやっている人もいらっしゃいますがどうしても経済的な負担が発生してしまうので、そういったことにも是非、補助をしていただけると有り難いと思っております。以上です。
○勇上座長 では、事務局、お願いいたします。
○和田山室長 おっしゃるとおりでございます。私どもも、職場見学会という事業をやっているのですが、工業高校を中心に今は回っているのですが、なかなか、そこでも人が集まらないので普通高校に話を持っていけないかというところで、今、委託事業をやっているのですが、その委託先と今後、また調整をしていきたいなと思っているので、また何か、委員からもアドバイスなり御助言を頂ければと思います。
現状、高校生が大学に進学するケースが多くなってきている中、高校生をターゲットに事業を進めておりますが、その時点では就職の選択はないけれども、将来大学に行って、そこで就職活動する時の選択の1つになってもらえればいいかなと思っております。また、工業高校など専門高校だけではなく、普通高校まで広げて、この事業、職場見学会や体験会等をしていきたいと思います。また、ハローワークでも、人材確保という意味ではCCUSを活用している事業所さんを求職者にアピールする。ユースエール認定企業など若者にやさしい企業、そういったところをアピールして、人材確保ということで、職業紹介もしっかりと、マッチングしていきたいなと思っています。ありがとうございます。
○勇上座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか、予算案に関してですが。よろしいですか。
それでは、ほかに御発言がないようでしたら次の議題に移りたいと存じます。最後は「その他」になっております。各委員から御意見や御質問等はございますか。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、御発言がないようでしたら、本日の議題はこの辺りとしたいと思います。では、事務局からお願いいたします。
○大原補佐 ありがとうございました。今回、計画の議論の最後になりますので、私ども高齢・障害者雇用開発審議官の藤川より御挨拶を申し上げます。
○藤川審議官 それでは、第11次の建設雇用改善計画の取りまとめに当たりまして、事務局を代表いたしまして、私から一言御挨拶を申し上げます。
まず、委員の皆様方には大変お忙しい中、昨年の7月から本日まで計6回、御審議いただきました。大変熱心な御議論をいただきまして誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
本日、委員からのお話にもありましたとおり、5年前の計画策定時と状況が大きく変わって、非常に建設労働をめぐる環境が変わっている中で、それを踏まえた方向性みたいな貴重な、様々な御意見をいただきまして御議論いただいたところでございます。
本日も、そういう現在の厳しい課題というのでしょうか、状況を踏まえた御意見、それも全体を俯瞰したり、将来を見据えたいろいろな貴重な御意見を頂戴いたしました。室長からありましたとおり、計画の中身については、書きぶり等についてはちょっとぎりぎりの調整をしてきていて、ちょっとこれが限界かなというところがあるのですが、今まで皆様方から頂いた御意見については、各所管部局にも、その都度伝えておりますし、本日いただいた御意見についてもしっかり、それぞれの部局に伝えてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
いずれにしても、この計画案全体としては、これからの建設労働対策の推進の重要な指針ということでお示しいただいたものというように思っています。先ほどありましたとおり、本日御了承いただいた計画案につきましては、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会、この専門委員会の上にある部会でございますけれども、そこに報告されて、所要の手続を経て厚生労働大臣、労働政策審議会からの答申という形で告示がございまして、4月から施行ということでございます。今後とも、先ほども様々な御意見がありましたとおり、いろいろこの計画のフォローアップとか、また状況も更に変わっていくという面もございますので、委員の皆様方におかれましては今後、対策の推進、施策の推進に当たりまして、また様々な場で御議論を頂ければと思っております。引続き御協力をどうぞよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
○大原補佐 では、今年度の建設労働専門委員会については、本日の開催が最後となります。お忙しい中、御協力を賜りありがとうございました。本日の議事録につきましては、毎回のことですが、後日、委員の皆様に内容を御確認いただきたく存じたく思いますのでよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。
○勇上座長 ありがとうございます。それでは、本日の委員会はこれで終了いたします。1月以降、長期にわたり御議論いただきありがとうございました。また、本日もお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。また、引続きよろしくお願いいたします。それでは、終了したいと思います。ありがとうございました。
(了)

