- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 社会保障審議会(年金数理部会) >
- 2026年2月2日 第108回社会保障審議会年金数理部会 議事録
2026年2月2日 第108回社会保障審議会年金数理部会 議事録
年金局総務課首席年金数理官室
日時
場所
出席者
- 委員
-
- 寺井部会長
- 猪熊委員
- 小野委員
- 日下部委員
- 佐藤委員
- 庄子委員
- 嵩委員
- 枇杷委員
- 松本委員
議題
- (1)令和6年度財政状況について-厚生年金保険(第1号)-
- (2)令和6年度財政状況について-国民年金・基礎年金制度-
- (3)その他
議事
○楠田首席年金数理官 では、定刻になりましたので、ただいまより、第108回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。本日準備している資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、議事次第に記載しているとおり、資料が3点ございます。
次に、年金数理部会の委員の異動について御報告いたします。委員名簿を適宜、御参照ください。
本年2月1日付で新たに猪熊律子委員、日下部健二委員、松本真由委員に御就任いただきましたので、御紹介させていただきます。
なお、猪熊委員につきましては、急遽、オンライン参加となりましたので、よろしくお願いいたします。
日下部健二、みずほリサーチ&テクノロジーズ 年金コンサルティング部ディレクターでいらっしゃいます。
松本真由、りそな銀行信託年金営業部コンサルティング室 主席数理役でいらっしゃいます。
また、昨年12月26日付で翁委員、野呂委員が退任されております。
次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、駒村委員から御都合により欠席される旨の連絡を受けております。
御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
また、小野委員、嵩委員、猪熊委員につきましては、オンラインでの御参加でございます。
次に、部会長の選任について御報告申し上げます。翁前部会長が御退任されましたので、部会長を選任していただく必要がございます。部会長の選任につきましては、社会保障審議会令の規定により、「部会長は当該部会に属する社会保障審議会の委員の互選により選任する」とされております。
当部会に所属されている社会保障審議会の委員は、嵩委員と寺井委員のお二人でございますので、事前にお二人で互選をしていただきましたところ、寺井委員に部会長をお願いすることになりましたので、御報告させていただきます。
それでは、以降の進行につきましては寺井部会長にお願いいたします。
○寺井部会長 委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
部会長を務めさせていただくことになりました。微力ですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、議事に先立ちまして、私から、部会長代理の指名をさせていただきたいと存じます。社会保障審議会令の規定により、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員または臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」とされております。私としては、小野委員にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度、報告を受けております。
本日は、令和6年度財政状況について、厚生年金保険(第1号)、国民年金・基礎年金制度の報告を聴取いたします。
カメラの方がいらっしゃれば、ここで退出をお願いいたします。
(カメラ退出)
○寺井部会長 本日は、年金局数理課の鈴木課長と年金局事業企画課調査室の村木室長に出席いただいております。
それでは、議題の(1)に入りますが、令和6年度の厚生年金保険(第1号)の財政状況について、御説明をお願いいたします。
○鈴木数理課長 数理課長でございます。
まず、資料1でございます。令和6年度財政状況-厚生年金保険(第1号)-につきまして、御説明をさせていただければと思います。
まず、1ページ目に、総括を記載させていただいておりますけれども、説明の順番といたしましては、ちょっと前後してしまうのですけれども、2ページ以降の個別の項目をまず御説明させていただいてから、最後に、1ページ目に戻って、総括の御説明をさせていただければと思っております。
また、例年どおり、年金財政に関するページは私から、その他、受給者もしくは被保険者等の実績統計については、先ほどありました調査室長の村木から、御説明をさせていただければと思います。
こちらの資料は、厚生年金(第1号)ということで、共済分が含まれていないことに御留意いただければと思います。
では、2ページ目、収支状況について御説明をいたします。
こちら、表になっておりまして、一番右の令和6年度のところを御覧いただければと思います。
まず、収入でございますけれども、保険料収入は36兆3545億円ということで、対前年度でプラス1兆1843億円、比率でいきましてプラス3.4%の増という形になっております。
厚生年金保険、保険料率は既に一定になっておりますので、保険料収入が増えたのは、基本的には総報酬が増加したのが原因ということになるのですけれども、この総報酬が増加したというものの要因につきましては、被保険者数も増えまして、さらに、1人当たりの総報酬も増加しまして、それが合わさって、このような保険料収入の増という形になっていると考えております。
続きまして、国庫負担でございます。9兆957億円で、対前年度で-1,023億円、-1.1%で、減少となっております。年金の国庫負担、主に基礎年金拠出金に対してつくものになっておりますので、こちら基礎年金拠出金、後ほど御説明しますけれども、基礎年金拠出金が減少した影響で国庫負担のほうも減少しているという形になってございます。
この基礎年金拠出金、関連しますので、先に御説明をしますと、下のほうの支出のほうに基礎年金拠出金の欄がございます。この基礎年金拠出金17兆6207億円ということで、対前年度で、-1,318億円、-0.7%ということで、減少という形になっております。この基礎年金拠出金の減が国庫負担の減という形になっているということでございます。
この基礎年金拠出金は、決算上はちょっと複雑ですけれども、当年度の見込額、概算額と、あと、2年前の精算の額の合計になってございます。この基礎年金拠出金をちょっと横に見ていただくと、令和4年度から令和5年度にかけて、大きく金額が下がっているということがお分かりになるかと思うのですけれども、こちらは、令和5年度に、概算額の算出の仕方をより実勢に合わせた形にしたという影響で、令和5年度から金額が小さくなって、令和6年度は、引き続き令和5年度と同じくらいの水準という形になってございます。
収入のほうに戻っていただきまして、運用収入でございます。運用収入は幾つか括弧つきのものがございますけれども、まず、四角括弧つきの[時価ベース]のほうですけれども、1兆6051億円となっております。
その前の年の令和5年度が、運用が21.69%ということで、非常に好調だったわけですけれども、令和6年度は、運用利回りが+0.66%ということで、令和5年度に比べると時価ベースの運用収入はかなり低い水準という形になっております。
一方で、括弧のないほうの運用収入ですけれども、16億円となっておるのですけれども、ここの括弧のないほうの運用収入は、通常ですと、この2つ下の丸括弧のほうの(年金積立金管理運用独立行政法人納付金)、これがほぼそのまま計上されるような形になっております。令和4年度と令和5年度は、その納付金がゼロでしたので、運用収入のほうもゼロだったという形になるのですけれども、今回は、その納付金がゼロですけれども、運用収入には16億円が計上されている。
これは何かと申しますと、年金の資金の中で、GPIFに運用委託している部分以外に、わずかですけれども、直接持っている積立金の部分があって、そこから非常にわずかですけれども、運用収入が生まれると。今まではかなり金利が低かったので、ほとんど数字に見えてこなかったのですけれども、金利が上がってきた等もあって、16億円という形で、数字は小さいのですけれども、ここに出てきているという形になってございます。
次に、収入のその下、基礎年金交付金ですけれども、基礎年金交付金は1,304億円で、対前年度で-495億円、-27.5%ということで、減少となっています。
こちらは旧法の1階部分(基礎年金部分)に相当する費用ですので、昭和60年以前の旧法分を受給する方はどんどん減少していきますので、それに従って毎年減少していくことになります。
次に、厚生年金拠出金収入になります。こちらは、4兆6754億円で、対前年度で+2,727億円、+6.2%の増という形になっております。こちらは、厚生年金の支出に必要な費用を、共済組合等が負担能力に応じて拠出するものという形になっています。こちらは一元化に伴ってできている仕組みの一つという形になってございます。
その他、細かい項目等がありますけれども、収入計としては、時価ベースで51兆9,573億円、時価ベースで見ると、令和5年度と比べると大幅に減少していますけれども、そのほとんどは時価ベースの運用収入が、令和5年度が非常に高かったことによる影響ということになろうかと思います。
次に、支出のほうですけれども、まず、給付費は24兆3462億円。こちらは、対前年度で+3,838億円、+1.6%の増という形になっております。
令和6年度の年金の改定率は、プラス2.7%という形になっていまして、改定率と比べると給付費の増は若干小さい伸び率になっているのですけれども、例えば、この年度は、女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢がちょうど一歳引き上げのタイミングであったりとか、そういった受給者数の影響なども受けて、このような動きになっているのではないかと思われます。
次に、先ほど御説明した基礎年金拠出金は-0.7%で、減少という形になっております。ここでちょっと留意点としまして、下に、特記事項とあるのですけれども、基礎年金勘定の積立金のうちに、昭和60年以前、要は、新法になる以前に、国民年金に任意加入していたときに積み立てていた積立金、要は、サラリーマンの妻が任意加入だった時代に、国民年金のほうに積み立てていた積立金があるわけですけれども、それはいわゆる妻積みと呼ばれるものですけれども、何年かかけてこちらを使って各制度の基礎年金拠出金の軽減が行われるという形になっております。令和6年度で言いますと、厚生年金分で約1,300億円が軽減されております。そういった意味で、実際の必要な拠出金よりもそれだけ小さい数がここに示されているという形になっております。
次に、厚生年金交付金でございます。こちら、5兆439億円で、対前年度で+2,880億円、6.1%の増という形になっております。こちら、これらの支出を合計しまして、支出総額は47兆2802億円、こちら昨年度と比較しまして、+5,718億円、1.2%の増という形になっております。主に給付費の増によって支出の総額も同じように伸びていると考えていただければと思います。
その上で、収入と支出を合わせた収支差を見ますと、時価ベースで見ますと、4兆6770億円のプラスとなっております。
積立金の関係でいきますと、その下の業務勘定から積立金への繰入れの370億円とこの収支差を足したものが、この積立金の前年度末と今年度末との差になるという形になってございます。
先ほど申し上げたとおり、運用収入が令和5年度よりは小さくなりましたので、黒字幅は大分小さくなっておるのですけれども、時価ベースで4兆7000億程度の黒字という形で、引き続き、積立金は時価ベースで増加しているという形になってございます。
収支状況については、以上でございます。
○村木調査室長 事業企画課調査室長の村木でございます。よろしくお願いいたします。
私からは、受給権者及び被保険者の実績統計に関して御説明申し上げます。初めに、こちらの実績統計の留意点を説明させていただきます。3ページの下の特記事項を御覧ください。
特記事項の1.に記載しておりますとおり、また、先ほど鈴木課長からも説明がありましたとおり、この資料では、被用者年金制度の一元化により、厚生年金保険の適用対象となりました国共済、地共済、私学共済の情報を含まない、いわゆる厚年1号に係る数値を計上していることに御留意いただければと思います。
また、特記事項の4.に記載しておりますが、新法老齢厚生年金のうち、旧法の老齢年金に相当するものは「老齢相当」に、それ以外のものは「通老相当・25年未満」に計上しております。
平成29年8月施行の受給資格期間の短縮により、被保険者期間が10年以上25年未満の方にも年金の受給権が発生していますが、このような方々は「通老相当・25年未満」に計上しております。
3ページから11ページが給付状況をお示ししておりまして、まずは3ページの厚生年金保険の受給権者数でございます。令和7年3月末の欄、こちらが令和6年度末の数値になりますけれども、この一番上の段を御覧いただきますと、受給権者数は全体で3755万6000人となっており、前年度末と比べて0.3%の減少となっております。このうち老齢相当が1608万6000人と、前年度末と比べまして0.2%の増加、通老相当・25年未満が1451万4000人で、1.4%の減少という状況でございます。
年金総額につきましては、1つ下の2段目になりますけれども、こちらは厚生年金の年金総額でございまして、基礎年金分は含まれておりません。令和6年度末の年金総額は、受給権者全体で27兆353億円であり、前年度末と比べて2.3%の増加となっております。このうち老齢相当は17兆8071億円で、2.2%の増加、また、通老相当・25年未満は2兆6877億円と1.8%の増加となっております。これらの年金総額が増加した要因については、令和6年度の年金額が2.7%のプラス改定であったことなどが考えられます。
続きまして、4ページでございますが、こちらは繰上げ支給及び繰下げ支給の状況でございます。令和7年3月末の繰上げ支給の老齢厚生年金受給権者数は35万1000人となっております。一方、繰下げ支給の老齢厚生年金受給権者数は、令和7年3月末で、54万9000人となっております。
近年の状況を見ますと、繰上げ支給・繰下げ支給ともに、受給権者数は増加傾向となっております。
次に、下の特記事項を御覧いただきますと、注1.におきまして、各年度末時点で70歳の方の繰上げ率と繰下げ率の推移を表でお示ししております。繰上げ率のほうですが、令和7年3月末時点で70歳の方の繰上げ率は0.7%となっています。令和5年3月末以前で70歳の方は、報酬比例部分が60歳から支給されているため、繰上げ制度の対象とはなりませんので、数値は計上しておりません。繰下げ率のほうは、令和7年3月末時点で70歳の方は4.2%となっており、上昇傾向にございます。また、令和2年の制度改正により、5年を超えて繰下げが可能となっております。注2.におきまして、5年を超えて繰下げを選択された方の人数をお示ししておりまして、令和7年3月末時点で2万7983人となっております。
次に、5ページは、老齢年金受給権者の平均年金月額等についてでございます。
男女合計の老齢相当の老齢年金の平均年金月額は、一番上の段にありますように、令和7年3月末で9万2251円となっておりまして、前年度末と比べて2.0%の増加となっております。この額に老齢基礎年金月額を加算した平均年金月額を御覧いただきますと、3段下の欄になりますけれども、15万289円となっておりまして、前年度末と比べて2.6%の増加となっております。
続きまして、6ページは、新規裁定者に関する資料でございます。新規裁定者の年金は、基本的には特別支給の老齢厚生年金ということになりますので、定額部分のない報酬比例部分のみの年金となっております。令和6年度の加入期間が20年以上の新規裁定者の平均年金月額は10万2757円となっております。前年度と比べて19.2%の増加となっておりますが、これは令和6年度に、女性の支給開始年齢が63歳に引き上げられたために、この年度に62歳を迎える女性が新規裁定の対象とならず、一番下の女性の段にございますように、女性の新規裁定者数が減少し、平均年金月額の水準が相対的に高い男性の人数の割合が高まったことによるものと考えられます。
7ページから9ページは、老齢相当の老齢年金につきまして、給付状況を詳細に見たものでございます。特に60代前半につきましては、各歳別のデータとなっておりまして、支給開始年齢の引き上げの状況が見てとれる形でお示ししております。
7ページは、男女計の数値ですが、厚生年金の支給開始年齢の引き上げに関して、男性と女性でスケジュールがずれておりますので、8ページから9ページの男女別の数値を御覧ください。
8ページの男性の63歳の令和4年3月末と令和5年3月末の欄を比較いただきますと、受給権者数が大幅に減少し、平均年金月額が大幅に増加している状況が見てとれます。
ここで留意いただきたい点ですが、支給開始年齢の引き上げは、先に定額部分が引き上げられた後に、報酬比例部分が引き上げられておりますので、報酬比例部分が引き上げられると、それより下の年齢では繰上げをしている場合、または、男性の坑内員・船員を除き、受給権者はいなくなります。
また、老齢厚生年金を繰り上げる場合には、繰上げにより減額される一方で、制度上、老齢基礎年金も同時に繰り上げることとなるため、その分、平均年金月額が増加いたします。
8ページの男性の場合、令和4年度に支給開始年齢が64歳に引き上げられたことにより、令和5年3月末の63歳のところで受給権者数が減少しており、基礎年金も含めて繰上げをしている方及び年金額が比較的高い坑内員や船員の受給権者のみとなっていることから、平均年金月額が増加しております。
9ページの女性についても、令和3年度に、報酬比例部分の支給開始年齢が62歳に引き上げられたために、61歳の受給権者数が令和3年3月末から令和4年3月末で減少し、基礎年金も含めて繰上げをしている方のみとなって、平均年金月額が増加しております。
さらに、令和6年度には、支給開始年齢が63歳に引き上げられたために、62歳の受給権者数が令和6年3月末から令和7年3月末で減少し、平均年金月額が増加しています。
10ページは、老齢相当の老齢年金受給権者の年齢構成でございます。
男女合計で見ますと、割合が最も多いのが70歳以上75歳未満の23.5%、次いで75歳以上80歳未満の22.0%となっております。平均年齢は、男性が75.9歳、女性が77.2歳、男女計で76.3歳となっております。
特記事項に、平均年齢の推移をお示ししておりまして、男女とも平均年齢は上昇傾向にございます。
11ページは、老齢年金受給権者の年金月額の分布を示したものでございます。この年金月額は、基礎年金月額を含んだ金額となっております。左側の老齢相当を見ますと、男女計の平均年金月額は15.0万円で、10万円以上11万円未満の階級が最も多く、6.9%を占めています。
一方、右側の通老相当・25年未満の分布を見ていただくと、平均年金月額は6.8万円であり、老齢相当と比較して低い金額水準となっています。
12ページからは、被保険者の状況でございます。
まず、被保険者数ですが、令和7年3月末時点で4284万9000人となっておりまして、前年度末と比べて74万1000人、1.8%の増加となっております。このうち男性は0.7%の増加、女性は3.4%の増加となっております。
また、短時間労働者の被保険者数は、令和7年3月末において111万2000人となっております。前年度末と比べて、19万4000人、21.1%の増加となっておりますが、これは令和6年10月からの適用拡大により、従業員51人以上100人以下の企業で働く短時間労働者も、被用者保険の適用対象となった影響によるものと考えられます。
下の特記事項の注3.には、50人以下の企業で働く短時間労働者も、労使で合意がなされれば社会保険に加入できますが、そのような任意加入の被保険者数を示しておりまして、令和7年3月末現在で1万2000人となっております。
特記事項の注4.には、70歳以上で老齢厚生年金、老齢基礎年金等の老齢給付や退職給付の受給権がなく、任意で厚生年金保険に加入している高齢任意加入の被保険者数を示しておりまして、令和7年3月末現在で613人となっております。
上の表に戻っていただきまして、被保険者の平均年齢ですが、男性が45.5歳、女性が44.0歳、男女計で44.9歳となっております。男女計では、前年度末と比べて0.2歳上昇したという状況でございます。
次に、下の2つ目の表の中段ぐらいのところにございます標準報酬総額(総報酬ベース)(年度累計)の数値を見ていただきますと、こちらにつきましては、201兆667億円となっておりまして、前年度と比べて3.4%の増加ということでございます。1人当たりの標準報酬総額(総報酬ベース)の月額ですけれども、こちらは、一番下の段でございますが、男性が44万8662円、女性が30万7053円、男女計で39万945円となっておりまして、男女計では、前年度と比べて1.8%の増加となっております。
13ページからは、被保険者の分布を示してございます。上段が被保険者全体の分布、下段が短時間労働者の分布になっております。
こちらも、男性・女性別に御覧いただきたいのですが、まず、14ページの男性について、上段の分布を見ていただくと、50歳以上55歳未満の割合が14.2%となっており、団塊ジュニア世代を含むこの階級をピークとした山の形になっております。
一方、下段の短時間労働者の再掲を見ていただくと、60歳以上65歳未満、65歳以上の人数が多くなっており、高年齢層にピークがあることが分かります。
続いて、女性の分布でございますが、こちらは15ページでございますけれども、まず、上段の分布を見ていただくと、女性の場合は、ピークになる場所が2か所ございまして、1つは25歳以上30歳未満のところで11.7%、もう一つは50歳以上55歳未満のところで13.8%となっており、山が2つある形となっております。
一方、下段の短時間労働者の再掲を見ていただくと、50歳以上55歳未満のところが15.5%と、最も多くなっており、ここをピークとした山の形になっております。
16ページは、標準報酬月額等級別の被保険者の分布でございます。
左側が被保険者全体の分布、右側が短時間労働者の再掲となっております。
まず、男性につきましては、一番多いのが上限の65万円の等級でございまして、こちらが全体の10.5%を占めております。次いで多いのが30万円、41万円の等級でございまして、それぞれ6.5%、6.4%となっております。
女性につきましては、その右隣の列でございますが、22万円のところが最も多く9.8%、その前後あたりが8~9%ということで、多くなっております。
右側の短時間労働者の標準報酬月額の分布を見ていただくと、男女ともにピークが12.6万円と、低い等級のところに山ができていることが見てとれます。
○鈴木数理課長 続きまして、17ページを御覧ください。厚生年金の1号に係る資産の状況になります。
下に、資産区分別の内訳、下のほうの表でございますけれども、そちらを見ていただければと思うのですが、令和6年度の内訳を見ますと、国内債券が24.4%、国内株式が23.7%、海外債券が24.1%、海外株式が23.8%で、預託金が4%という形になってございます。
運用利回りについては、先ほど決算のところで御説明をしたとおり、令和6年度で0.66%という形になってございます。
18ページでございます。18ページ以降、財政検証における将来見通しと実績との比較をさせていただいております。
まず、18ページは収支を項目ごとに比較したものになっておりますけれども、この比較に関しましては、冒頭に説明をしました収支の実績そのものではございませんで、財政検証と比較するために、収支の範囲等を財政検証のベースにそろえて収支を修正したものと財政検証と比較するという形にしております。
具体的にどういった修正をしているかと言いますと、まず、基礎年金拠出金とか国庫負担につきましては、先ほど、決算の際に、基礎年金拠出金は概算と2年前の精算と申し上げましたけれども、こちらは、財政検証では確定値ベースで推計をしておりますので、実績のほうも、決算値ではなく、実績値に基づく確定値を用いて比較をするという形になっております。
また、厚生年金基金の代行部分が一部まだ残っておりますけれども、そちらに係る給付費なども、厚生年金本体に係るものについては、厚生年金の収支に含めるという形になっております。
また、実績では、基礎年金交付金、先ほど御説明した旧法の部分の給付に要する基礎年金交付金ですけれども、こちらは収入としてありますけれども、これは交付金として入ってきた分がそのまま給付費として出ていく性質のものですので、こちらは相殺する形で、収入からも支出からも除くという形になっております。
その他、国庫負担の繰延べになっている額を積立金に加算するなど、幾つか修正を行っております。細かいところは、一番下の特記事項のところに記載させていただいておりますので、そちらを御覧いただければと思います。
また、積立金に関しましては、今回、令和6年財政検証においては、足元の運用収益を平滑化しております。過去5年間の運用収益を見て、その収益を平滑化した形で足元の積立金を設定させていただいております。したがって、実績との比較においても、実績の時価の評価を平滑化して確認をするために、実績の時価評価額に加え、平滑化後の評価額についても、括弧書きで記載をさせていただいているところでございます。
また、比較対象とする財政検証のケースですけれども、令和6年検証では、経済前提が4パターンございました。ただ、その中で、よく用いられていたものということで、真ん中の2つ、成長型経済移行・継続ケースと、過去30年投影ケース、この2つのケースとの比較とさせていただいております。
さて、実際の比較のほうの御説明に入らせていただきますけれども、まず、保険料収入でございますけれども、実績は36.4兆円、見通しは36.1兆円ということで、実績のほうがやや大きくなっております。
こちら、下の「主な要因」のところで記載しておりますけれども、1つは、被保険者数が見通しよりも多かったこと、また、1人当たりの報酬で見ても、実績のほうが少し高かったことが、原因として保険料収入が若干上振れしているという形になってございます。
次に、国庫負担でございます。こちらは基礎年金拠出金と連動しますので、こちらと一緒に見ていただければと思うのですけれども、基礎年金拠出金は、実績が19.9兆円、見通しが20.2兆円ということで、国庫負担も、実績10.2兆円で、見通しは10.3~10.4兆円ということで、いずれも実績のほうが若干小さくなっているという形になってございます。
まず、これに関しては、基礎年金全体の総額が、少し実績のほうが小さい。これはいろいろと理由は考えられるのですけれども、1つは、財政検証では、受給資格期間、要は10年ない方には受給資格がないわけですけれども、財政検証では、こういった10年の要件を考慮せずに、全期間分給付が出るということで計算をしております。実際は10年要件がかかりますので、それが少し影響して、実績のほうが小さくなっている部分もあるのかなということ。
また、厚生年金独自の理由でいきますと、厚生年金の拠出金安分率ですね。基礎年金拠出金を制度ごとに負担しますけれども、そのうち、厚生年金が負担する按分率ですね、こちらのほうが、若干実績のほうが低いということ。これによって拠出金が見込みよりも若干少なくなって、それに伴って、国庫負担のほうも見込みより少なくなっているという形で考えております。
次に、厚生年金拠出金でございますけれども、実績は4.6兆円で、見通しが4.7兆円ということで、こちらも受給資格要件との関係で、若干実績のほうが低くなっておりますけれども、おおむね同額と考えております。
次に、運用収入でございます。こちらは時価ベースでございますけれども、名目ベースの運用利回りで言いますと、財政検証での見通しがどのぐらいだったかと言いますと、成長型のケースで5.47%、過去30年投影で4.86%という前提を置いたという形になっております。
一方で、実績は、先ほど申し上げたとおり0.66%ということですので、運用収入の実績1.7兆円は、見通しでいきますと、11.5~13兆円になるわけですけれども、そちらよりもかなり少ない額となっているところでございます。
次に、支出のほうの給付費でございます。こちらは、実績24.9兆円で、見通しは25兆円ということで、こちらはほぼ見通しどおりの水準という形になってございます。
同様に、厚生年金交付金についても、5.0兆円ということで、見通しと実績でほぼ同額という形になっております。
これらを合わせました収支残で言いますと、先ほど申し上げた運用収入での差がやはり大きくなっておりまして、見通しでは、12~14兆円のプラスを見込んでいたものが、実績では3兆円程度のプラスという形になってございます。
その一番右側、年度末積立金についてですけれども、将来見通しでは、248.6兆円あるいは250.1兆円と見込んでいたものが、実績の時価評価ベースでいきますと、260兆円という形になっております。先ほど申し上げた収支残は、実績のほうが悪かったわけですけれども、ただ、年度末積立金でいくと、実績のほうが高いと。
この理由についてですけれども、先ほど申し上げたとおり、令和6年検証においては、足元の段階で、直近の運用収益を平滑化しております。令和5年度の非常に高い運用成績の部分を平滑化して、足元の時点で、実績の金額よりも財政検証の積立金の金額のほうが少し低い水準になっているということで、そういったものがあって、令和6年の収支残は、実績のほうが悪いのですけれども、積立金残高で見ると、実績との見込みの差ということで、実績のほうがまだ若干高いという形になっております。
一方で、今、足元の実績を改めて平滑化するとどうなるかと言いますと、こちらは四角括弧に入っていますとおり、266.2兆円ということになります。こちらは実績よりやや高くなるのですけれども、これは、直近の令和6年度の運用利回りが低かったので、逆に、そちらの部分が平滑化されて、プラスに働く影響があって、このような動きになっているという形になってございます。
続きまして、19ページでございます。
こちらは被保険者数と受給権者数の比較になります。こちらについても、先ほど比較しました経済前提2パターンに対応します労働参加進展シナリオと労働参加漸進シナリオ、これは主に労働参加はどれぐらい進むかというものの違いですけれども、そちらとの比較になっております。
まず、被保険者数全体につきまして、実績が4285.9万人ということで、いずれのシナリオを見ても、実績のほうが多くなっております。こちらは、女性あるいは高齢者の厚生年金への適用が進みまして、一般被保険者が想定より多くなったことが、要因として考えられます。
一方で、受給者数ですけれども、実績が3624.6万人ということで、見通しの3,644.3万人と比べて、若干少なくなっております。それぞれの区分別の人数が右に書いております。先ほど、実績のほうで御説明ありました老齢相当、通老相当、障害、遺族となっておりますけれども、老齢と通老の部分については、いずれも実績のほうが見込みよりも少し小さくなっているところ。遺族のほうは、実績のほうが少し少ないですけれども、障害のほうは実績のほうが多いという形になっております。
なお、この老齢と通老についてですけれども、過去の財政検証では、この老齢と通老の区分が、結構実績とずれていたというような御指摘も、実際、過去の数理部会等でございました。これは主に共済期間をきちんと見られていなかったというのが影響していたのですけれども、今回の財政検証では、こういった共済期間も含めた、通算した場合の影響なども踏まえて、老齢と通老の推計をするようにしましたので、その結果、今回は老齢と通老の人数が、実績と比較的近い値となっているのではないかなと考えてございます。
続きまして、20ページでございます。
20ページ以降は、財政指標の比較となります。
年金に関して、幾つか財政指標を考えられるわけですけれども、まず20ページは、年金扶養比率になります。年金扶養比率は何かと申しますと、被保険者を老齢の受給者数で割ったものという形になります。受給者数は老齢相当の受給者数という形で考えております。日本語で簡単に言いますと、1人を何人で支えるかというような概念になるかと思います。
厚生年金においては、被保険者数どんどん増加していっていますので、年金扶養比率の実績も増加傾向、令和2年度で2.63ぐらいでしたけれども、令和6年度で2.72まで上がっているという形になっています。
また、見通しとの比較においても、先ほど申し上げたとおり、被保険者数は、見通しより実績のほうが多い。また、受給者数は、見通しよりも若干小さいということもあって、結果的に、年金扶養比率は、実績のほうが高くなっているという形になってございます。
続きまして、21ページは積立比率のほうになります。
こちらは、前年度末積立金が当年度の国庫負担を除く実質的な支出の何年分に相当するかというものを表すものになっています。要は、何年分の支出をためて、積立金として持っているかということになります。ここで、分子になる積立金の額は、当年度末ではなくて、前年度末を使っていることに御留意いただければと思います。つまり、令和6年度、今回御報告させていただいている積立比率は、その前の年度末の令和5年度末の積立金が分子になるという形になります。ですので、先ほど来御説明しています令和6年度の運用利回りがあまり高くなかったということは、ここには出てこないという形になりますので、その点、御留意をいただければと思います。
そういったことを踏まえて見てみますと、実績のほうの積立比率は7.4という形になっております。見込みが下のほうを見ていただくと、6.7ということで、実績のほうがかなり高くなっている。これは令和5年度末の積立金、令和5年度の運用利回りが高かったということで、年次推移を見ていただいても分かると思うのですけれども、その影響があって、令和6年度の積立比率は高くなっているというところ。
ただし、積立金を平滑化しますと、実績も、この四角括弧のほうで[6.8]ということになりますけれども、そうすると、実績とほぼ同じ、実績と見通しでほぼ同じ水準という形になっています。
実際、令和6年度の財政検証においては、令和5年度の運用利回りの見込みまでを織り込んでやっておりますので、そういった意味では、積立金のずれはあまりなくて、給付費のずれ等もあるのですけれども、そういった意味で積立比率は実績と見通しでかなり近い形になっているという形になろうかと思います。
以上が、個別項目の御説明でございまして、お手数ですが、1ページ目にお戻りいただければと思います。総括ということで、幾つか述べさせていただいております。
年金財政の重要な要素である被保険者数や経済について、令和6年度の状況を見ますと、厚生年金の被保険者数は、見通しよりも実績が上回っております。
一方で、国民年金第3号被保険者数については、実績が見通しを下回っております。こちらは、いずれも厚生年金財政にはプラスの影響という形になっております。厚生年金被保険者数が増えれば、当然、保険料収入が増えるという部分はありますし、3号被保険者数が見通しよりも下回れば、その分、拠出金を支払うだけの金額が減りますので、やはりプラスの影響になるという形になります。
一方で、経済のほうを見ますと、実質賃金上昇率を見ますと、実績で-0.6%という形になっていて、見通しでも、実質賃金は-0.1%と見込んでいたのですけれども、それよりもさらにマイナスということで、マイナスの影響というところ。
さらに、実質的な運用利回りにつきましても、先ほど申し上げたとおり、令和6年度で言いますと、実質的な運用利回りですと、-1.4%ということで、これは対賃金ですので、要は、先ほどの0.66%から賃金を引いたものになるわけですけれども、ただ、見通しでいけば、+2.8%であったり、+2.3%であったりとかいう数字でしたので、令和6年度だけで見れば、下回っているというところ。ただ、運用利回りについては、過去5年間で見れば、見通しを上回る状況という形になっております。
こういった状況を踏まえまして、厚生年金の収支の状況を見ますと、保険料収入については、平均標準報酬額は見通しを上回っておりまして、また、被保険者数の見通しよりも増えていますので、保険料収入は見通しよりも増加と。
一方で、給付費はほぼ同水準という形になっておりますので、その結果、運用収入を除けば、純粋な収入と支出で見ますと、保険料収入が多い分、収支差は、実績のほうが見通しよりも改善した形になっているという形になっております。
また、先ほど申し上げたとおり、令和6年度の積立比率を見ますと、実績ベースでは見通しを上回っておりますし、平滑化後では、見通しと実績がほぼ同水準となっているという形になっております。
また、人口について見てみますと、合計特殊出生率は、足元で1.15となっておりまして、これは、見通しが中位で1.27ですけれども、これを大きく下回る水準という形になっておりまして、これは当然財政にとってマイナスという形。
一方で、寿命は見通しよりも実績は若干短くなっておりまして、また、外国人の入国超過数、こちらも見通しよりも実績は上回っておりまして、これらは財政にとってプラスとなるということで、人口においても、プラスの面、マイナスの面ありますので、引き続きこういった動向については注視していく必要があると考えております。
以上、様々な項目について御説明いたしましたけれども、いずれにしましても、年金制度は長期的な制度ですので、令和6年度のみの短期の結果のみから、長期的な財政の影響を直ちに判断することはできないということですので、今後も、人口であったり、労働力、経済、長期的な趨勢を見極めていく必要があると考えてございます。
説明は以上でございます。
○寺井部会長 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、お願いいたします。
枇杷委員、お願いいたします。
○枇杷委員 御説明ありがとうございました。2点御質問させてください。
最後に御説明をいただいた、平均寿命が単年度で見ると、実績のほうが少し低いという形ですけれども、その理由について、何かあればということと、それが単年度の話なのか、趨勢として、そういうトレンドがあるとお考えかということですね。その点をまず1点お伺いしたいと思います。
それから、もう一点は、19ページで、受給者数の財政検証の予測について、精度を高められたというお話があったのですけれども、令和6年の実績と、それから、将来見通しの数字が、それなりにちょっと乖離があって、まだ埋められていない差というのが残っているのかなということもちょっと思った次第なのですけれども、今後、この数字を見ていく上で、その埋められない差というのがある前提で見ておく必要があるのか。その理由とか背景ですね、そのあたりを教えていただければと思います。
以上です。
○寺井部会長 今の枇杷委員の御質問に対して、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 御質問ありがとうございます。
まず、寿命についてでございますけれども、平均寿命は、近年、若干伸び悩んでいるというような傾向にございます。具体的に言いますと、例えば男性でいいますと、平均寿命は、令和6年でいくと81.09歳ということで、見通しが81.88歳でしたので、1歳弱ぐらい見通しよりも少し短いという形になっております。
どうしても、コロナの前後で寿命がかなり動いたという形になっております。コロナ直後は、少し寿命が延びて、その後、少し寿命が下がったという部分ございます。見通しのほうは、一方で、コロナの影響などを除いた過去のデータを延ばす形で、社会保障人口問題研究所のほうが見通しをつくっているという形になりますけれども、その実績は、例えばインフルエンザの流行であったりとか、そういったものもあって、短期的には上下変動するものという形になっております。
ですので、具体的にちょっと御回答になるかどうかはあれですけれども、長期的な下回る趨勢かどうかというのは、まだちょっと分からないというところでありまして、そこは、まさに、恐らく次回の人口推計をやる際に、具体的にデータを社人研のほうで分析いただいた上で、それが果たして一時的な影響なのか、長期的な趨勢なのかというのを見極めていくという形になろうかと思います。その結果、見通しが、少し寿命の延びが抑えられるという形になれば、年金財政にも一定程度影響が出るという形になろうかと思います。
もう一つは受給者数の見通しでございます。19ページを見ていただくと、今でも若干ずれはありますということで、基本的には、実績のほうが少し小さいという形になっております。例えば老齢相当でいけば、将来見通しで1590万7000人といったような形で見通していたのが、実績や見通しでは相違があったものが、実績が1577万1000人ということで、若干少ないということ。
先ほど、共済のデータ等も踏まえてということでありますけれども、1つは、先ほど申し上げた受給資格期間の問題があって、そこをきちんと見るのが、まだなかなかできていないというところはございます。見通しのほうがやや多めに見ているという形がございますけれども、どこら辺まで合わせられるかというのは、今回、前回と比べればかなり合う形でということですけれども、今後も、いろいろなデータを取っていきながら、どれぐらい合わせていけるかというのは考えていければいいと考えております。
○枇杷委員 ありがとうございました。
2つ目の点は、10年未満の方をどう見るかということで、過去の数理部会でも、課題ということで御指摘をさせていただいたかと思うので、将来的な課題だと思うのですけれども、御検討いただければと思います。
ありがとうございました。
○寺井部会長 そのほかに質問はありますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員 質問させていただきます。
21ページのところに、過去の賃金上昇率の推移を記載いただいていると思います。下のところに、標準報酬の上昇率について、何らか補正をされた数字であるような記載をしていただいているかと思います。
よく比較として出される統計に、毎月勤労統計調査の賃金上昇率というのがあると思うのですけれども、そちらの過去、令和4年度の推移を見ますと、令和3年度0.7%、令和4年度1.9%、令和5年度1.3%、令和6年度3.0%といったように、上がったり下がったりするような動きをしている一方で、こちらに記載いただいている賃金上昇率は、ずっと上がっていくような形になっていると思います。
この差というのは、標準報酬の特徴により出ているということなのか。それとも、補正により出ているということなのか。または、ほかにも何か考えられる原因があるということなのか、お教えいただけますでしょうか。
○寺井部会長 松本委員の御質問に何かございますでしょうか。
○鈴木数理課長 御質問ありがとうございます。
21ページの賃金上昇率につきましては、今、御指摘ありましたように、注5.に書かせていただいておりますように、性・年齢構成とか、あとは適用拡大の影響等を、要は、制度改正による影響を除いたものになっております。例えば、女性の適用が増えて、そうすると、女性は平均の標準報酬が低いですので、そのせいで1人当たりの報酬の平均が下がるということは補正をしてやっているというのが、この表のマル10のところにある賃金上昇率という形になってございます。
一方で、毎勤(毎月勤労統計調査)については、純粋にそのときの平均の姿ということになりますので、年によって、過去の推移などを見ても、必ずどちらのほうが高いとかそういう感じではなくて、トレンドは同じですけれども、年によってこちらのほうがちょっと高かったり、こちらのほうがちょっと高かったりという状況になっているかと思っています。
理由は、まさに御指摘あったとおりでして、1つは補正をしている影響がございます。
もう一つは、標準報酬、1つは、四~六月が基準になっておりますので、単純な年間平均ではないということ。あとは、標準報酬は上・下限があります。先ほど申し上げたとおり、特に男性は上限に張りついている方の割合も高いですので、そういった方が上がっている影響は出てこないとか、そういった影響もあって、この計算の仕方がいろいろと違うのもあって、年によって厚年の賃金上昇率が高いときもあれば、毎勤のほうが高いときもあればということです。ただ、トレンドとしては、過去のトレンドを見ても、概ねどちらを見ても、同じ動きをしていると思っていただければと思います。
○松本委員 ありがとうございました。
今後のことを予想したいとか思うと、何年間分かの雰囲気で見たらよいみたいな雰囲気でしょうか。
○鈴木数理課長 基本的には、賃金は上がっている影響が強い。どうしても、毎勤のほうも、毎年上下する部分もありますので、ここ数年でいけば、賃金が上がっていく趨勢は見てとれるのかなと思っております。
○松本委員 どうもありがとうございました。
○寺井部会長 そのほか、御質問はありますでしょうか。
日下部委員、お願いします。
○日下部委員 御説明ありがとうございました。
私からは、少し簡単なところでございますけれども、3ページの受給権者数のところを御質問させていただきたいと思います。
全体の受給権者数は、ほぼ横ばいあるいは微減である一方、障害年金と遺族給付の受給権者は、若干増加傾向となっております。今後、数字が振り変わっていくと、19ページとか20ページのあたりの数値にも影響するのかなと思って、御質問させていただくのですけれども、この若干の増加、障害年金と遺族年金が増加傾向となっているところに、何か要因があるかどうかというところでございます。
○寺井部会長 ありがとうございます。
ただいまの日下部委員の御質問に対して、御回答のほうよろしくお願いいたします。
○村木調査室長 障害年金受給者の増加については、日本年金機構において、障害年金制度に関する周知の充実や、請求手続の簡素化等の取り組みを進めてきたことによって、制度の認知度が高まったことなどから、請求件数が増加し、受給権者数の増加の一因となっていると考えられます。
また、診断書種類別で見ると、精神障害・知的障害による受給者数が増加傾向にあり、こうした動きも全体としての障害年金受給者数の増加につながっているものと考えられます。
遺族年金については、高齢化に伴い、高齢者が増加するとともに、高齢者の死亡者数も増加していることによりまして、受給権者数が増加していると考えられます。
遺族厚生年金の受給権者数は75歳以上において、大きく増加しておりますが、これは、これらの年齢層における死亡者数が多く、配偶者が新たに遺族厚生年金を受給するケースが増加していることによるものと考えられます。
また、遺族厚生年金の受給者は、配偶者である女性が多いということで、女性は男性に比べて寿命が長く、平均余命も延びておりますので、受給が継続する傾向にあることも、受給権者数の増加につながっているものと考えられます。
以上でございます。
○日下部委員 ありがとうございました。
○寺井部会長 そのほかに質問ありますでしょうか。
小野委員、お願いいたします。
○小野委員 ありがとうございます。私からは、1点お願いと、1点コメントをさせていただきたいと思います。
まず、お願いの件ですけれども、適用拡大に関連したお願いということになりますが、令和4年度は、企業規模要件が500人超から100人超に拡大されましたが、当部会では、年度内の適用拡大前後の状況を分析して、報告をさせていただきました。
令和6年度も、100人超から50人超への拡大がありましたので、同様の分析が必要かと思います。その際には、追加的に、資料の御提供をお願いすることになると思いますけれども、御協力をお願いしますということで、以上がお願いの件です。
それから、コメントのほうですけれども、今の御説明の中の1ページの総括でございますけれども、最初の項目の中に、国民年金(第3号)被保険者数が云々と書いてあったところがありまして、厚生年金財政にプラスの影響ということになっておりますけれども、よくよく見てみると、第3号が減っているわけですけれども、減った人たちは、実際にどこに行ったかということを考慮したほうがよろしいのではないのかなという気がいたします。
第3号、被用者保険の第2号に振り替わったということでありますと、基礎年金拠出金が相変わらず同じ額が拠出されるということになりますし、その意味では、基礎年金拠出金だけを考えると、厚生年金財政にはプラスの影響ということはなかなか言えないかもしれないということですね。それ以外にも、いろいろなコスト分析をすると、プラスの影響があると思いますけれども、そこの御説明が少し丁寧なほうがよかったかなという気がいたします。
以上です。
○寺井部会長 ありがとうございます。
ただいまの小野委員の御質問については、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 数理課長でございます。
適用拡大の影響については、また、事務局と御相談をさせていただければと思います。
3号の減少に関しましては、御指摘のとおり、3号の方が減って、その人たちはどこに行ったのかということは当然ございます。適用が進んだという意味でいけば、2号に行った方もそれなりにいらっしゃるということになります。
仮に3号の方が2号に行くといったときに何が起こるかと言いますと、拠出金の支出は変わらないという形に基本的にはなろうかと思います。
あとは、新たに入ってくる保険料と将来の支出との見合いというような形になります。そうすると、新たに入ってきた方の給与の報酬の水準がどれぐらいかということによっても違うということになろうかと思いますが、拠出金が変わらない中で、保険料収入は増えるということになるので、定性的な説明で申し訳ないのですけれども、それでも、プラスにはなるのかな、財政的にはプラスになるのかなと。要は、新たな拠出金の支出が発生するわけではないのですね。とは思いますけれども、当然、そこは出入りのほうをきちんと考えていかなければいけないというのは、御指摘のとおりだと思いますので、今後は、そういったところもきちんと。適用拡大にも非常に関係してくるところですので、考えていければと思っております。
○寺井部会長 小野委員、よろしいでしょうか。
○小野委員 結構です。ありがとうございました。
○寺井部会長 ありがとうございました。
そのほかに御質問ありますでしょうか。
嵩委員、お願いいたします。
○嵩委員 御説明ありがとうございました。
私から、ちょっと雑駁な質問になって恐縮ですけれども、まとめの1ページのところで、保険料収入は、見通しに比べて上回っているということですけれども、対物価の実質賃金上昇率の実績が見通しを下回ったということで、厚生年金が財政に対してマイナスの影響と書かれておりました。賃金上昇率が物価の上昇率を下回るのは、社会的にも課題とされているのですけれども、他方で、年金につきましては、実質の賃金上昇率が低い状態は、年金額の改定との関係では、給付額を少し抑制する効果もあるのかなと思うのですけれども、この実質賃金上昇率の実績が下回ったことが、年金財政に対してマイナスの影響を及ぼしているということですけれども、それが中期的には給付額のところで少し抑制することで、このマイナスの影響は緩和されるという理解でよろしいのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○寺井部会長 ただいまの嵩委員の御質問について、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 まず、実質賃金上昇率が見通しよりも低いということで、基本的には、実質賃金上昇率が特にマイナスである場合には、賃金のほうで、要は、物価よりも低い賃金のほうで改定がされるという形になりますと、それだけで言いますと、収入の部分の賃金も下がり、同じようなレベルで給付のほうもスライドされるということで、それだけで見ますと、基本的には、ニュートラルなわけですね、財政的には。
どこの部分がマイナスかと言いますと、既裁定の年金は物価でスライドされるルールがございます。実質賃金がプラスでなりますと、これは、もらう方の立場から言うとあれなのかもしれませんけれども、年金財政から言うと、既裁定の方は物価でスライドされると。一方で、保険料収入は賃金上昇率に従って上がっていくということなので、実質賃金上昇率が上がると、既裁定物価スライドの影響により、年金財政は少しよくなるという形になります。
逆に言うと、実質賃金上昇率がゼロもしくはマイナスというレベルでいきますと、既裁定物価スライドの影響が得られないので、その分、財政がちょっと悪くなると。これは長期的な財政という意味合いで捉えていただければと思います。そういった意味で、単年度で見れば、先ほどおっしゃっていただいたとおり、名目で見れば、1人当たりの総報酬は伸びているわけですけれども、対物価でいくと、実質ではマイナスということですので、長期的に見た財政という意味でいくと、既裁定物価スライドの仕組みが機能しないというような意味合いで、少し財政的にはマイナスという形になります。
逆に言えば、実質賃金がプラスに戻っていけば、そういったものは戻っていくというような形になろうかと思います。
○寺井部会長 嵩委員、いかがでしょうか。
○嵩委員 ありがとうございました。
○寺井部会長 まだ質問があるでしょうか。
少し時間の関係もございまして、できましたら、次の議題に移らせていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
もし質問がある場合には、議題の質問が終わった後で、時間がありましたら、そこで、またいただけたらと思いますし、それでもない場合は、また、少し考えさせていただければと思います。
それでは、議題(2)に入ります。
令和6年度の国民年金・基礎年金制度の財政状況について、説明をお願いいたします。
○鈴木数理課長 数理課長でございます。
では、資料2でございます。
国民年金・基礎年金につきまして、御説明をさせていただければと思います。
先ほどと同様、1ページ目に総括がございますけれども、こちらは最後に説明をさせていただければと思います。
2ページ目でございます。
こちらは、基礎年金勘定のほうの収支状況という形になります。こちらも、一番右の令和6年度の欄を見ていただければと思うのですけれども、そもそも基礎年金勘定とは何かというところの簡単な御説明をしますと、基礎年金拠出金を、これは、国民年金・厚生年金・共済組合等の各制度の各実施機関から集めまして、それで、必要な基礎年金の費用を賄う仕組みを担っているのが、この基礎年金勘定という形になります。
こちらは、支出のほうからまず御説明をしますと、基礎年金給付費(本来分)とあるもの、下のほうの支出ですけれども、こちらの基礎年金給付費(本来分)とあるものが、25兆4805億円ということで、こちらがいわゆる新法、昭和60年改正後の新法に当たる給付になっておりまして、こちらは対前年度で+3.2%の増という形になっております。令和6年度の改定率+2.7%ですので、主な要因はこの改定という形になります。
逆に言いますと、ほぼその改定によって伸びが説明できるということなので、例えば高齢化で受給者がものすごく増えているとか、そういったものは現時点ではまだあまりないということが言えるかと思います。
その下、基礎年金相当給付費(基礎年金交付金)というものがございます。こちらは昭和60年改正前の旧法の1階部分に当たる給付費になります。こちらは旧法の給付を受給される方はどんどん減っていきますので、令和6年度は対前年度でマイナス33.3%の減という形になってございます。
続きまして、収入のほうですけれども、これらの給付費を賄うための基礎年金拠出金、これは各制度から集めている拠出金ですけれども、こちら、22兆7108億円ということで、0.4%の増という形になっております。本来は、給付に要する費用を基礎年金拠出金で賄いますので、先ほど御説明した、この支出の動きと同じような動きになるのではと思うところなのですけれども、先ほど、厚生年金のところで申し上げたとおり、決算ベースの基礎年金拠出金は、その年度の分を概算でまず集めた上で、2年後に実績を見て、精算ということになりますので、令和6年度の拠出金は令和6年度分の概算と2年前の令和4年度分の精算が入る形になっております。
これも、厚生年金のところで御説明しましたが、拠出金のところを見ていただくと、令和4年度から令和5年度にかけてがくっと金額が減っているというところが見てとれるかと思います。こちらは、令和5年度から拠出金の算出の方法を、以前からより実勢に合わせたものに変えたということもあって、ここで大きく減っているという形になっておりまして、令和6年度は引き続きそのような形になっているのですけれども、いずれにしましても、概算と精算という形をとっている以上、決算上は、給付費の動きと完全には連動しない。おおむね連動するのですけれども、完全には合わないということは御理解いただければと思います。
実際、今、その精算と申し上げた、この精算分がどこに見えるのかといいますと、3つ下にあります積立金からの受入というところがございます。3兆745億円が、積立金からの受入というものになります。こちらは、2年前に、いわば余計に拠出金として集めて積立金にたまっていた分が、その分、拠出金を減らすわけですけれども、それが積立金からの受入ということで、収入として入ってくるという形になります。
ただ、令和5年度から見込み方を変えたということで、例えば来年度でいきますと、この見込み方を変えた令和5年度からになりますので、この積立金からの受入の額は、来年以降は少し小さくなるのかなと思っております。
少し上に戻りまして、特別国庫負担相当額でございます。こちらは4,492億円で、対前年度で+5.2%の増となっております。こちらは何かと言いますと、例えば免除期間分であったりとか、二十歳前障害基礎年金であったり、こういったものに対する国庫負担というのが別途ここに計上されているということで、こちらは、近年、増加傾向という形になってございます。
以上、合わせまして、収入計が26兆2495億円、支出計が25兆7264億円で、収支残が5,230億円という形になっております。収支残で見ますと、昨年度の4,932億円とほぼ同じぐらいの水準という形になってございます。年度末積立金の動きとしましては、令和5年度末の3兆8804億円から、先ほど申し上げた積立金からの受入、3兆745億円を差し引いて、さらに、この収支残の5,230億円を足したものがこの1兆3289億円という形になると、そういう構造になってございます。
積立金からの下3行は、基礎年金拠出金に関する数値になります。留意点としましては、こちらの下3行は、決算ベースではなくて、確定値ベースになってございます。ですので、これは本当に令和6年度の実績そのものに基づいた数値が載っているとお考えいただければと思いますので、上にある、先ほど御説明した拠出金収入などとはベースが違う数字になっておりますので、その点、御留意いただければと思います。
その上で、拠出金算定対象者数は5,437.2万人ということで、昨年とほぼ同水準、1人当たりの拠出金単価は3万8778円という形で、保険料相当額にすると、半額の国庫負担がつきますので、1万9389円が加入者1人当たりの保険料に対する基礎年金拠出金への負担額ということになります。こちらは、給付費の増に連動して、1人当たりの負担額は+2.9%の増という形になっております。
この金額、特に重要なのは、国民年金の保険料月額との比較でして、拠出金単価が1万9389円。一方で、令和6年度の国民年金の保険料月額1万6980円ですので、要は、保険料よりも払う拠出金単価のほうが高いということですので、国民年金の保険料では、拠出金はもう既に賄い切れない水準にあるということなので、必然的に、国民年金の財政は、積立金を活用する状況にあるというのが、ここからも見てとれると思われます。
続きまして、3ページでございます。
今、御説明した拠出金単価などに関連します基礎年金給付費や基礎年金拠出金の各制度別の内訳を示したものとなっております。
下のほうの注1.に記載させていただいておりますけれども、こちらも、先ほどの拠出金単価と同様、確定値ベースになっておりますので、決算値ベースの値とは異なっております。
また、注2.に記載させていただいております、厚生年金のほうでも御説明させていただきました、いわゆる妻積みによる拠出金軽減という形、下のほうの表に、基礎年金拠出金の制度別の金額が載っておりますけれども、全体で25兆3012億円。この下に(1,553)というのがございます。実際は、この妻積みにより軽減された分が、この括弧内の1,553億円ありまして、右のほうにも括弧がありますけれども、各制度これだけ軽減をされた形のものがそれぞれの拠出金になっているという形になってございます。
一方で、上のほうの表ですけれども、基礎年金給付費、(本来分)と書いてあります。これが新法分で、こちらが25兆4730億円、右側の旧法分が2,648億円という形で、それを制度ごとに分けたものが右のほうの数値になってございます。新法・旧法合わせた合計が全体の25兆7378億円という形になっておりまして、この全体の25兆7378億円を、下のほう、拠出金と特別国庫で賄うというような仕組みになっておりまして、先ほど申し上げたとおり、制度別の拠出金というのが、その下のほうの表に載せているものという金額になってございます。
続きまして、4ページでございます。
今度は、国民年金勘定の収支状況になります。こちらは、1号被保険者に係る収支状況と思っていただければと思います。国民年金(1号)被保険者に係る収支状況でございます。
一番右の令和6年度の欄を御覧いただければと思いますが、まず収入を見ますと、保険料収入が1兆3989億円で、対前年度で+4.8%の増。こちらは、保険料月額が令和5年の1万6520円から1万6980円と増加していること。また、保険料納付率が、近年、改善傾向にあることから、保険料収入も増加していると考えられます。
次に、国庫負担につきましては、1兆9685億円で、対前年度で+7.7%の増。こちらは後ほど御説明します拠出金が増加していることと対応したものになってございます。
次に、運用収入でございますけれども、四角括弧つきは[時価ベース]になっていますけれども、822億円ということで、厚年と同様、令和5年度かなり運用成績がよかった一方で、令和6年度は利回り0.66%ということで、運用収入は小さくなっているということでございます。
括弧のほう、(年金積立金管理運用独立行政法人納付金)、こちらは厚生年金のほうにもあった項目で、要は、歳入に不足が見込まれる場合に、運用収入から制度のほうに納付されるもので、厚年のほうはゼロだったのですけれども、国年のほうは保険料の水準よりも拠出金のほうが高くなっていますので、例年、運用収入を活用する形になっているということで、それが令和6年度ですと3,202億円という形になっております。
それと、旧法分の基礎年金交付金等もありますけれども、収入を合計しますと、時価ベースで3兆5232億円ということで、やはり主に運用収入が減少したということで、時価ベースで見れば、昨年度からかなり小さい水準になっているという形でございます。
支出のほうを見ますと、給付費は1,760億円。こちらは、旧法分の給付費と、あとは国年の独自給付、例えば付加年金などですけれども、こちらの給付費になります。
この下が基礎年金拠出金で、これが国民年金であれば、支出の大部分になるわけですけれども、こちら、3兆4376億円で、対前年度で+8.2%の増ということ。こちらは決算ベースですので、精算と概算が合わさった金額ですけれども、拠出金がこのように増加している要因としては、拠出金の総額が増えているというのもございます。こういったものを合計しまして、支出額は3兆7329億円。昨年と比べまして、6.6%の増ということで、収支差を見ていただきますと、時価ベースで2,098億円のマイナスという形になってございます。やはり運用収入が低くなったことから、運用収入を入れても、収支差がマイナスということで、結果的に、積立金が前年度末から時価ベースで減少しているという形になってございます。
5ページについては、御参考でございます。先ほど御説明した保険料収入の内訳になりまして、現年度分であったりとか、追納分、過年度分、そういったものの内訳を記載させていただいておりますけれども、このページについては、詳しい説明は省略をさせていただければと思います。
○村木調査室長 6ページを御覧ください。
こちらは、給付状況についての資料でございます。掲載しております数値は、新法の基礎年金と旧法の国民年金を合計したものとなっておりまして、被用者年金のいわゆるみなし基礎年金に係る分は含まれてございません。
まず、受給権者数でございますが、令和7年3月末は、合計で3695万8000人となっておりまして、前年度末と比べ、4万8000人、0.1%の増加となっております。このうち老齢年金・25年以上は3345万5000人となっており、前年度末と比べ、1,000人の減少となっております。通算老齢年金・25年未満につきましては、95万5000人、前年度末と比べ、1.5%の増加となっております。
年金総額につきましては、1つ下の段のところになりますが、令和7年3月末で、26兆3052億円となっておりまして、前年度末と比べて、3.1%の増加となっております。この大部分を占めております老齢年金・25年以上について見ますと、令和7年3月末で、23兆8103億円、前年度末と比べ、3.0%の増加となっております。
続きまして、7ページでございます。
こちらは、繰上げ支給・繰下げ支給の状況についての資料でございます。
まず、繰上げ支給の男女合計の受給権者数ですが、令和7年3月末で347万9000人、前年度末と比べ、8万8000人、2.5%の減少となっており、減少傾向で推移しております。
一方、繰下げ支給の受給権者数は、令和7年3月末で88万1000人、前年度末と比べて、12万3000人、16.2%の増加となっており、増加傾向で推移しております。
また、下の特記事項の注1.におきまして、厚生年金と同様に、各年度末時点で、70歳の方の繰上げ率と繰下げ率の推移をお示ししております。令和7年3月末時点で70歳の基礎のみの老齢基礎年金受給権者の繰上げ率は10.1%で減少傾向に、繰下げ率は5.5%と、増加傾向になっております。
注2.におきまして、こちらも厚生年金と同様、5年を超えて繰下げを選択された方の人数をお示ししておりまして、令和7年3月末時点で4,791人となっております。
続きまして、8ページでございます。こちらは、老齢年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての資料でございまして、上の表が受給権者、下の表が新規裁定者となっています。
上の受給権者の男女合計の老齢年金・25年以上の平均年金月額は、令和7年3月末で、5万9310円と、前年度末と比べ、1,726円、3.0%の増加となっております。また、平均加入期間については、405月と、前年度末と比べて、3月の増加となっております。
下の表の新規裁定者につきましては、男女計の老齢年金・25年以上に係る新規裁定者の老齢年金平均年金月額は、令和6年度で5万6375円と、前年度と比べ、1,118円、2.0%の増加となっております。また、平均加入期間については、428月と、前年度と比べて、2月の増加となっております。
続きまして、9ページは、老齢年金受給権者の年齢構成でございます。
男女合計で見ますと、割合が最も多いのが75歳以上80歳未満の23.1%、次いで、70歳以上75歳未満の22.0%となっております。平均年齢は、男性が76.9歳、女性が78.6歳、男女計で77.8歳となっております。特記事項に平均年齢の推移をお示ししておりまして、男女とも、平均年齢は上昇傾向にあります。
続きまして、10ページは、老齢年金受給権者の年金月額の分布でございます。
上の表は、受給権者全体に関する分布で、下の表がいわゆる基礎のみの受給権者に関する分布になっております。さらに、それぞれについて、左側が老齢年金・25年以上、右側が通算老齢年金・25年未満の分布を示しております。上の表の受給権者全体について、左側の老齢年金・25年以上の分布を見ると、男女計で、年金月額が6~7万円の階級が51.3%と半数を超えていますが、右側の通算老齢年金・25年未満の分布を見ると、比較的低い水準の金額階級の割合が高くなっております。
11ページからは、被保険者の状況でございます。
まず、被保険者数でございますけれども、第1号被保険者数は、令和7年3月末で1,368万人となっており、前年度末と比べて、19万1000人、1.4%の減少となっております。第3号被保険者数につきましては、令和7年3月末で、640万8000人となっており、前年度末と比べて、44万8000人、6.5%の減少となっております。被保険者の平均年齢は、令和7年3月末で、第1号被保険者が39.1歳、第3号被保険者が46.2歳となっております。
その下の段には、免除等の状況をお示ししております。令和7年3月末の免除者数につきましては、前年度末に比べまして、申請全額免除者、学生納付特例者、納付猶予者は減少しており、そのほかについては増加している状況でございます。
12ページは、第1号被保険者の分布でございます。一番右の割合の欄を御覧いただきますと、最も多いのが、20歳以上25歳未満のところの24.8%となっております。国民年金の第1号被保険者には、自営業者、パート、無職の方など、いろいろな方がいらっしゃいますけれども、この年齢層は、学生の方が多いことから、そのウエートが大きくなっているということでございます。
13ページと14ページは、今、見た第1号被保険者の分布を、男女別に見たものでございますので、説明は割愛させていただきます。
15ページは、第3号被保険者の分布でございます。第3号被保険者につきまして、人数が最も多いのが、50歳以上55歳未満のところで、21.2%となっております。ここをピークとして山のような形となっております。
16ページと17ページは、今、見た分布を男女別で見たものであり、第3号被保険者の多くを女性が占めている状況にございますので、説明は割愛をさせていただきます。
18ページは、国民年金保険料の納付状況を、年齢階級別に見たものでございます。特記事項にも記載しておりますが、納付状況の途中経過を示すものとして、現年度納付率、過年度1年目納付率がありますが、最終的な納付状況を見るための指標としては、過年度2年目の最終納付率が適切と考えております。直近の結果では、一番上の段を見ていただきますと、令和4年度分保険料の最終納付率は84.5%であり、これは、統計を取り始めた平成14年度分以降で最高の水準、また、3年連続で80%台となっております。下段に、年齢階級別の最終納付率をお示ししておりますが、括弧内は、年齢階級別の現年度納付率となっております。おおむね、年齢階級が高くなるにつれて納付率が上昇する傾向が見てとれます。
なお、20歳以上25歳未満の納付率が、25歳以上30歳未満の納付率よりも高くなっていますが、20代前半は、学生納付特例により、保険料の納付猶予を受けていたり、本人に代わり親が保険料を負担したりしているケースが多いことなどが影響しているものと考えられます。
○鈴木数理課長 続きまして、19ページでございます。こちら、国民年金の資産構成割合になっております。
国民年金と厚生年金は、GPIFで合わせて積立金を運用しておりますので、前半で御説明しました厚生年金と資産構成はほぼ同じという形になってございます。具体的には、国内債券が24.8%、国内株式が24.0%、外国債券が24.5%、外国株式が24.2%という形になっておりまして、運用利回りについても、厚年と同様、0.66%と、令和6年度になっております。
続きまして、20ページでございます。財政検証における見通しと実績との比較になります。
まず、収支状況の比較でございます。こちらも、厚生年金と同様、実績の決算のほうを、財政検証ベースに合わせるために修正を行ったものとなっております。具体的な修正の内容は、厚生年金の際に御説明したものとほぼ同様ですけれども、下の特記事項のところに記載させていただいているとおりでございます。
そして、比較の対象としましても、厚年と同様、2つのケース、(成長型経済移行・継続ケース)と、(過去30年投影ケース)との比較とさせていただければと思います。
その上で、実績と見通しを比較しますと、まず、収入のほうの保険料でございます。実績が1.34兆円で、見通しが1.30兆円ということで、実績のほうが若干多くなっております。こちらは、1つは、1号の被保険者数が見通しよりも若干多くなったこと、あとは、先ほど調査室長のほうからありましたけれども、納付率が若干高くなっていることなどが理由として考えられると考えております。
1つ飛びまして、運用収入でございます。こちらは、令和6年度の運用利回りが低かったということで、見通しよりもかなり少ない運用収入という形になっておりまして、収入合計の差も、この運用収入の差が大きく影響しているというところでございます。逆に言うと、運用収入を除けば、どの項目も実績と見通しで、かなり近い水準になっているというところでございます。
支出については、全般的に、実績と見通しとでほぼ同水準となっております。したがって、収支算については、見通しでは、運用収入もあって、0.42兆円のプラスとしていたところですけれども、実績としては、-0.21兆円ということになっております。
積立金については、見通し14兆円程度だったのが、実績で14.3兆円ということで、こちらも、厚生年金と同じように、収支残は実績のほうが悪いのですけれども、年度末積立金については、実績のほうがまだ高いということ。こちらは、厚生年金のほうで御説明したとおり、足元の積立金を財政検証の際に平滑化している影響もあって、見通しと比べて積立金のほうは、実績のほうがまだ少し高いという形になってございます。
なお、実績ベースで、改めて積立金を平滑化しますと、括弧内にあるように、14.63兆円という形になってございます。
続きまして、21ページでございます。こちらは、被保険者数並びに受給者数の比較となっております。こちらは、1号に限らず、基礎年金全体で比較をさせていただいております。
まず、公的年金全体の被保険者数でございますけれども、見通しが6,735.9万人あるいは6,736.7万人であったところが、実績は6,756万人ということで、実績のほうが多くなっております。1号、2号、3号との内訳で見ますと、1号と2号が、見通しよりも若干実績が多いと。逆に、3号は、実績のほうが少ないという形になっております。こちらは、女性や高齢者の厚年への適用が進んだことなどが、主な要因ではないかと考えております。
一方で、基礎年金の受給者のほうは、合計でいきますと、将来見通しが3,662.7万人のところ、実績は3,647.9万人ということで、やはりここでも若干受給者は実績のほうが少し少なくなっているということでございます。
種類別に見ますと、老齢は実績のほうが少ない、障害と遺族は実績のほうがやや多いという形になってございます。
続きまして、22ページ、財政指標の比較ということで、ここでは年金扶養比率でございます。受給者1人に対する被保険者の人数を示すものでございますけれども、ここでも、公的年金全体で見ておりますけれども、見込みの1.96に対して実績は1.98ということで、若干高くなっているという形になっております。これは、分子になります被保険者数が見込みより多かった。逆に、分母になります受給者は、見通しよりも若干少なかったということが合わさって、年金扶養比率は見込みよりも高まっているという形になってございます。
23ページ以降でございます。ここからは、国民年金勘定に係る財政指標、1号被保険者に係る財政指標でございます。
こちらは、保険料比率になっております。こちらは、国庫負担を除く実質的な支出に対して、保険料収入がどの程度を占めるかという指標でございます。先ほど御説明したとおり、国民年金では、保険料よりも拠出金のほうが高くなっていますので、基本的には、収入より支出のほうが高い構造になってございます。ですので、こちらの保険料比率は、100を下回る形でずっと続いているという形になります。
ただ、見通しとの比較という意味でいきますと、実績の保険料収入の金額は若干見通しよりも高くなっていますので、保険料比率も、実績が84.6ということで、見通しと比べてやや高くなっているという形。ただ、それでも100を下回っているという実態は変わらないという形でございます。
続きまして、24ページが収支比率になります。
こちらは、保険料収入と運用収入を合わせた収入に対する支出の割合という形になっております。令和6年度は、運用収入が低くなっておりますので、相対的に支出の割合が増えまして、収支比率は111.0と、見通しと比べてかなり高くなっているというところでございます。収支比率が100を超えているというのは、運用収入を使っても、まだ支出が賄われないということで、積立金が時価ベースで減少していることを意味するということでございます。
例えば令和5年度は、運用収入が非常に高かったので、収支比率は100を大きく下回っておりますけれども、令和6年度は、運用収入が少なかったですので、収支比率が100を上回って、要は、積立金が時価ベースで減少する形になっているということでございます。
最後に25ページ。こちらは積立比率になります。
こちらは、厚生年金でも見ましたけれども、前年度末積立金は当年度の実績の支出の何年分に相当するかということでございます。こちら、見通しが8.7であったところを、実際は、積立金の平滑化前ですと9.1、平滑化後ですと8.4という形になってございます。
以上が個別の御説明で。すみません、お手数ですけれども、1ページまでお戻りいただければと思います。
幾つか、厚生年金のところと重複するところがございますけれども、令和6年度の状況を見ますと、被保険者数につきましては、1号被保険者の実態は見通しを上回っております。拠出金算定対象者全体で見ましても、実績は見通しを上回っております。要は、拠出金算定対象者は、基礎年金拠出金を賄うための人数ですので、この人たちが増えれば増えるほど、1人当たりの単価が減るということになりますので、国年財政にはプラスの影響という形になります。
また、経済につきましては、先ほど申し上げたとおり、実質賃金上昇率で、実績-0.6、運用利回り対賃金で-1.4ということで、いずれも、財政にはマイナスの影響ということ。ただし、運用利回りについては、過去5年間で見れば、見通しを上回る状況ということでございます。
その上で、国民年金の財政ですけれども、拠出金単価は、実績が見通しよりも低い水準となっていまして、これは、国年財政にプラスの影響となっております。したがって、運用収益を除いた基礎的な収支差で見れば、実績は見通しよりも、若干ですけれども、改善した形になっているということです。
ただ、もちろん保険料の水準と拠出金単価の水準を比べると、保険料の水準のほうがかなり低いですので、基礎的な収支差で見たとき、マイナスになっていることには変わりはないという形になってございます。
そういったマイナスを賄うのが積立金となるわけですけれども、純粋に実績ベースで見たときの積立比率は9.1ということで、見通しよりも上回っておりますけれども、平滑化した場合は、それを下回っているということです。いずれにしても、運用収益にここは大きく左右されるところですけれども、今後も、動きを見ていく必要があろうかと思います。
人口につきまして、先ほど申し上げたとおり、出生率、寿命、入国超過数、それぞれ高い、低いというふうに、プラス・マイナス、様々な要素ございますので、国民年金についても、今後、長期的にいろいろと基礎年金水準、大きく影響を与えるところで特にありますので、しっかりと今後も見ていく必要があろうかと思っております。
説明は、以上でございます。
○寺井部会長 ありがとうございました。
皆様から御質問をいただく前に、この会場が18時15分までしか延長できないということになっておりますので、御質問は、複数の方から御質問をいただいて、まとめて回答していただくという形をとらせていただきたいと思います。
また、御出席の皆様から御質問いただく前に、今日、御欠席の駒村委員より、事前に御質問をいただいているようですので、事務局から御紹介をお願いいたします。
○楠田首席年金数理官 駒村委員からお預かりしています御質問について、代読させていただきます。
資料の1ページでございます。
1つ目の○について、令和6年度における基礎年金拠出金算定対象者数の状況を見ると、第1号、第2号の両方について、実績や見通しを上回ったことにより、全体でも、実績や見通しを14万人程度上回ったとのことであるが、算定対象者数全体の実績が見通しを上回った理由は何かというものでございます。よろしくお願いいたします。
○寺井部会長 ただいまの駒村委員からの御質問、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○鈴木数理課長 お答えします。
御指摘のとおり、令和6年度の拠出金算定対象者数全体では、実績が見通しを約14万人上回っているという形になります。
こちらの要因としましては、1つは、国民年金の保険料納付率が見通しを上回ったこと。要は、未納者は拠出金算定対象になりませんので、納付率が見通しを上回った結果、1号の拠出金算定対象者数が若干増えたということ。
あとは、外国人の入国超過数が、見通しを上回りまして、そもそもの総人口は見通しを上回っているというようなことが、要因として考えられるのではないかと思っております。
○寺井部会長 ありがとうございます。
それでは、御出席の皆様から御質問をいただきたいと思います。
庄子委員、お願いします。
○庄子委員 御説明ありがとうございました。
資料2ページ、収支状況のところで、下から4段目の、年度末積立金は、令和6年度が1兆3289億円となっております。それに対して、収入の下から2つ目の、積立金からの受入の金額が3兆745億円になっております。
この取り崩し額が来年どうなるかは、私にはすぐには分かりませんが、もし、この積立金残高を上回って積立金からの受入が必要になった場合にはどのようになるのか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○寺井部会長 ありがとうございます。
そのほかの委員の皆様から、御質問ありませんでしょうか。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 御説明どうもありがとうございます。
また、1ページ目の総括のところは、昨年よりさらに充実した内容で、ありがとうございます。
運用利回りのほうは、実質で見ると、御説明にもありましたように、単年で見るとマイナスですが、長期で、特に今の御説明のところでは+7.9と、大変良い数値です。けれども、今回から登場した御説明で、資料1ページ目の下から○3つ目の「さらに、上記の基礎的な収支差は」という、積立比率に対する言及で、これは、今回から令和6年の財政検証結果を参照することになったので、その発射台が上がっており、前回までは7.2ぐらいの数値だったものが、今回、8.7になっています。発射台が上がったからかなという理解ですけれども、今まで、運用は単年で悪いときがあっても、財政に大きく貢献しているという理解で、ここのところも、積立金の比率が少し及ばないというところなので、長期的に考えて、すぐに動揺する必要はない。ただ、注視をする度合いが少し増えたと、そういう理解で、合っておりますでしょうかという確認です。よろしくお願いいたします。
○寺井部会長 それでは、庄子委員、佐藤委員からの御質問に対して、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 まず、庄子委員の御質問ですけれども、まず、令和6年度での構造を御説明しますと、令和6年度の積立金からの受入れが、3兆745億円ございます。これはどこと対応するかというと、ぴったりではないのですけれども、令和4年度の収支差が2兆9231億円ございます。これはまさに2年前に集め過ぎた部分ということなのですね。それが、そのものではないのですけれども、2年分の運用益とかもありますので、それが大体少し増えて、積立金からの受入れという形で、3兆745億円ということで出てくる。
ただ、令和7年度はどうなるかと言いますと、令和7年度の2年前ですので、令和5年度を見ることになります。令和5年度の収支差を見ると、4,932億円ですので、大体5,000億円ぐらい令和7年度に受入れが起こると思っていただければと思いますので。
そういう意味でいくと、この1兆3289億円の中の5,000億円程度が、令和7年度に受入れという形になるのではないか。構造的にここを超えることには基本的にはならないとお考えいただければと思います。
○寺井部会長 お願いします。
○庄子委員 ありがとうございます。
構造は理解しました。
ただ構造がわかっていないと、毎年5,000億円程度ずつ積立金からの受入が発生し、この1兆3000億円の積立金残高は、あと数年で枯渇すると見えてしまうのですね。見せ方や説明の仕方がこのままで良いのかなという疑問を持ちました。何か心配をさせるような数字の見せ方になってないかという点について、お考えがあればお教えいただければと思います。
以上でございます。
○寺井部会長 今の庄子委員の御意見について、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 ここは、概算の見込み方にもよるのですけれども、5年、6年の概算の見込み方が同じように続くとすれば、毎年、5,000億円ぐらい収支残がプラスで出て、5,000億円ぐらい積立金からの受入れが入ってということで、年度末積立金はそんなに変わらない水準のまま行くという形になります。
先ほど、私のほうで御説明をさせていただきましたけれども、そこら辺の構造がなかなか分かりづらいというところはあります。その収支差のところと受入れのところとの関係とかですね。そこら辺は、今後、分かりやすい説明の仕方は、どういうふうな形でできるかというのはちょっと考えられるかなと思っております。
○庄子委員 よろしくお願いいたします。
また、時価を記載してない理由も、何かあれば、そこも併せて記述しておいていただいたほうがよろしいのかなと思いました。
以上でございます。
○寺井部会長 続いて、佐藤委員からの質問に対していかがでしょうか。
○鈴木数理課長 佐藤委員からの御質問で、積立比率に関する御質問でございます。
1ページ目でお示しさせていただいております。見通しが8.7ということで、実績は9.1、平滑化で8.4ということで、過去の見通しと実績との比較では、見通しのほうがかなり低くて、実績のほうがかなり高かったということで、今回は、見通しの足元が、令和5年度の運用までを見ておりますので、令和5年度までの運用の好成績を織り込んだ形になっているということがあって、見通しでも8.7ということで、少し高めという形になっております。
ただ、これは財政指標の1つでございまして、積立比率が高くなれば、それで完全に安心というわけではなくて、いろいろな将来の積立金の見通しなども見ていかなければいけませんので。ただ、積立金がどれぐらいになるかというのは、特に国民年金は積立金をもう既に活用するフェーズに入っておりますので、ここは、毎年きちんと見ていく必要があろうかなと思います。
○佐藤委員 ありがとうございました。御説明よく理解できました。
○寺井部会長それでは、猪熊委員が挙手をされていますので、よろしくお願いします。
○猪熊委員 ありがとうございます。猪熊です。よろしくお願い致します。質問2つとコメントを1つ、させていただければと思います。
質問は、総括のところの1ページの最初のところです。駒村委員と同じ質問を持っていたのですけれども、それはお答えになられたので、もう一つ、被保険者数についてです。国民年金第1号の被保険者数が実績が見通しを上回ったという話ですけれども、トレンドとして、1号は減っているということかと思うのですけれども、実績が見通しを上回ったのはなぜなのか。見通しの立て方なのか、それとも、ほかに理由があるのか。どういう人が上回っているというか、増えているといいますか、何かということが質問の1つです。
2つ目は、公的年金の財政に与える影響要素についてです。外国人の要素は非常に大きくなってくると思っています。2070年には、総人口の10%を外国人が占めるという推計もございます。総括のところに、外国人の入国超過数の話などは出ているのですけれども、もうちょっとしっかりこの資料に入れなくていいのだろうかということのお問い合わせです。
併せて、死亡者数も、これから多死社会になって増えていきます。生まれてくる人も、亡くなる人の数も、年金財政に影響を与えます。この死亡者数を勘案するときには、平均余命というものを用いるのかもしれませんけれども、例えば65歳の女性が、平均余命24年だとしますと、89歳とかになるわけですけれども、実際には、死亡年齢の最頻値というものを見ると、女性の場合、92歳ぐらいで一番多く亡くなられているということになります。だから、どういう統計を使ったらいいのかということもあると思います。このような外国人とか死亡者数のデータをもっと入れなくていいのか。できれば、少し入れていただいたらと思っているということが2点目でございます。
もう一つ、質問ではなくて、コメントです。この総括もそうですけれども、アクチュアリーとか専門家の方は、まず数字を見られると思いますけれども、全体の傾向がどうかということを知りたいときは、総括を見るということを一般の方はすると思います。その場合、総括の書き方として、もうちょっと字を大きくするとか、見やすくするとか、特に大切なところはゴシックで書くとか、書き方の工夫もあると思います。
併せて、書き方という意味では、繰上げ・繰下げへの関心は非常に高いと思いますので、例えば厚生年金の資料4ページ目の特記事項のところで、繰上げ・繰下げの説明をしておりますけれども、もうちょっと目立つように書いてはいかがでしょう。それと、75歳まで繰下げ年齢が延びましたけれども、70歳ぐらいまでで選択し終える人が多いという意味で、70歳で統計を見ていますというような説明も書き加えたほうが、見るほうにとっては親切かなと思います。これらは、表現の仕方についてのコメントということで申し上げました。
以上です。
○寺井部会長 ありがとうございます。
時間の関係で、もうお一人ぐらい御質問をお受けできるかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
松本委員、お願いします。
○松本委員 御説明ありがとうございました。
ちょっと分からなくて、お聞きしたいのですけれども、賃金上昇率対物価が、国民年金財政にマイナスの影響というのが、どういう原因と結果なのかというところと、猪熊委員と少し重複するかもしれないのですけれども、厚生年金と国民年金のところで、外国人の入国超過数が同じ数字で記載されていて、この人たちは、実際はどの区分に入っている人なのかといった数値がありますでしょうか。お願いいたします。
○寺井部会長 ありがとうございます。
猪熊委員と松本委員からの御質問について、いかがでしょうか。
○鈴木数理課長 まず、猪熊委員の御質問にお答えさせていただければと思います。
まず、1号が、見込みと実績を比べて、実績のほうが多い理由という形になっています。
これは若干テクニカルな話ですけれども、1号の見通しをどうやって作成しているかといいますと、まず、労働力等の関係から、2号の人数を出します。3号被保険者は、2号に基本的にはひもづいていますので、2号の人数から3号を推計します。最後に、総人口から、厚年でも3号でもない人ということで、1号を推計するという形で推計をしています。したがって、見通しを上回ったのはどういう理由かと言いますと、理由として考えられるのは、1つは、3号が見通しよりも大きく減ったということ、これは推計上の問題なので、実態的な動きとして何を意味するのかというのは、ちょっと御説明が難しいところですけれども、思ったより3号の数が少なかったということで、実績としては1号が多くなっている。
もう一つは、もっと直接的で、先ほどまさにおっしゃられたとおり、外国人の入国超過数が見通しを上回ったということで、要は、現役の総人口がそもそも見通しを上回っているということで、そちらのせいで1号が少し増えているというような形になってございます。
また、外国人であったりとか、寿命であったりとかの数字の見せ方ということで、今回、総括には、死亡であれば平均寿命であったり、外国人であれば全体の34.2万人と16.4万人ということでお示しをさせていただいておりますけれども、ここについては、どういった見せ方ができるかというのは、今後とも、少し考えていければと思っております。
また、分かりやすくというような御指摘につきましても、今後の課題として検討をさせていただければと思います。
続きまして、松本委員の御質問の実質賃金につきましてですけれども、こちらは少し繰り返しの御説明になってしまって恐縮ですけれども、既裁定物価スライドの影響がございまして、実質賃金がマイナスになります。逆に説明しますと、実質賃金がプラスであれば、既裁定者については、賃金ではなく物価でスライドすることにより、スライドの率が少し低くなるのですね。そうすると、結果的に、給付が一定程度抑えられるという効果がございます。
ただ、実質賃金がマイナスになると、その効果が得られないということなので、それは厚生年金にとっても、国民年金にとっても、どの制度にとっても、スライドの関係で、このマイナスの影響になるという形になってございます。
○村木調査室長 外国人の入国超過数が、どの被保険者区分に入っているかというのは、見通しのことかもしれないですが、実績がどのようになっているかについて御説明させていただきたいと思います。
外国人に係る公的年金の加入状況につきましては、令和6年の11月1日時点と令和7年3月末時点の2時点で調査をしておりますが、その結果、外国人の公的年金加入者数は、この5か月間で約268万人から約281万人へと、約13万人増加をしております。
この増加分について、被保険者種別の内訳として、機械的に差をとった場合、第1号被保険者で約5万人の増加、厚生年金被保険者で約8万人の増加、第3号被保険者は横ばいという状況となっております。
入国超過数には、公的年金加入者の対象とならない者も含まれておりますので、入国超過数がそのまま各被保険者区分の増加に対応するものではない点に、御留意いただければと思います。
○松本委員 ありがとうございました。
1点目に御質問したところで、スライド改定率が低くなったということは、国民年金としてはプラスになるのではと思ったのですけれども、そういう理解だと誤っている部分があるでしょうか。
○鈴木数理課長 基本的には、保険料収入と給付は、両方とも賃金でスライドしますので、賃金の上昇率の多寡は、基本的にはそれ自体では年金財政に影響をあまり及ぼさないというのが基本的な性質という形になってございます。
ですので、賃金上昇率が低いということになれば、収入もそれだけ低くなるし、支出もそれだけ低くなるということになるのですけれども、実際は、支出のほうは、賃金上昇率で改定されない、物価上昇率でしか改定されない部分というのが実際ございまして、その物価上昇率でしか改定されない部分が、実質賃金がプラスにならないと出てこないというところがあるので、その部分だけ、ちょっと既裁定物価スライドというもので影響が出てくるということなので、そこは、物価と賃金の上下関係によってちょっと出てくるものということでございます。
○松本委員 ありがとうございました。御説明いただいたことをもとにもう少し勉強させていただきたいと思います。
○寺井部会長 ありがとうございます。
時間の関係で、ここで、国民年金基礎年金制度についての報告の聴取を終わりたいと思います。
なお、今後、審議の過程で疑義が生じましたら、事務局を通じて照会しますので、御協力いただきますようお願いいたします。
最後に、事務局から連絡があれば、お願いします。
○楠田首席年金数理官 次回の部会の開催日時等につきましては、改めて御連絡させていただきます。
○寺井部会長 それでは、第108回年金数理部会は、これにて終了いたします。
どうもありがとうございました。

