2025年4月25日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
令和7年4月25日(金)14:00~
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
出席者
- 出席委員(18名)五十音順
-
- 赤羽悟美
- 石川欽也
- 大谷壽一
- 川上純一
- 佐藤雄一郎
- ○佐藤陽治
- 柴田大朗
- 外園千恵
- 髙橋悟
- 田﨑嘉一
- 野津寛大
- 長谷川俊史
- 堀恵
- 前田愼
- 松野智宣
- 宮川政昭
- ◎森保道
- 矢野育子
(注)◎部会長 ○部会長代理
- 欠席委員(3名)五十音順
-
- 阿古潤哉
- 大森哲郎
- 佐藤直樹
- 行政機関出席者
-
- 城克文 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 中井清人 (医薬局医薬品審査管理課長)
- 野村由美子 (医薬安全対策課長) 他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので、「薬事審議会医薬品第一部会」を開催させていただきます。本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。
初めに、新しく当部会の委員として、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野教授の野津寛大先生に御就任いただいておりますので、御紹介申し上げます。野津先生、御挨拶を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○野津委員 神戸大学の小児科の野津と申します。まだ不慣れなもので、分からないことがたくさんございますが、御指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございました。続きまして、本会議はペーパーレスでの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等、御不明点がありましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いします。
まず、本日の会議における委員の出席についてですけれども、阿古委員、大森委員、佐藤直樹委員から御欠席との連絡を頂いております。それから、現在のところ、赤羽委員、髙橋委員、田﨑委員がまだ御参加されておりませんけれども、また後ほど御参加いただけるものと思っております。
本日、現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員にこの会議に御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを報告申し上げます。
続きまして、事務局に人事異動がありましたので、御報告いたします。医薬品医療機器総合機構審査センター長、成川衛でございます。医薬品医療機器総合機構新薬審査第一部長の河野陽一でございます。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より適合している旨を御報告いただいておりますので、併せて報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
御協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、森部会長、以降の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をいたします。本日はあらかじめお送りした資料のうち、資料No.1~10を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料No.10に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりです。議題1、スリンダ。退出委員なし、議決に参加しない委員、矢野委員。議題2、ファビハルタ。退出委員、議決に参加しない委員ともになし。議題3、バビースモ。退出委員、議決に参加しない委員ともになし。議題4、希少疾病用医薬品の指定の可否。退出委員なし、議決に参加しない委員、外園委員、髙橋委員、野津委員、前田委員。以上です。
○森部会長 今の御説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項4議題、報告事項2議題となっております。
それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。議題1につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、スリンダ錠28について、機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全24ページの通し番号で3ページを御覧ください。本剤は、合成黄体ホルモンであるドロスピレノン4mgを含有する実薬錠24錠、及び有効成分を含有しないプラセボ錠4錠から構成される経口避妊薬です。
現在、本邦では、経口避妊薬として、卵胞ホルモンと合成黄体ホルモンの配合剤である混合型経口避妊薬COCのみが承認されていますが、COCには血栓症のリスクが知られており、血栓性素因のある女性等には使用できません。一方、合成黄体ホルモン単剤の経口避妊薬は、血栓症リスクを有する女性にも使用可能とされていることから、本剤は、COCが使用できない女性も使用可能な経口避妊薬として開発され、今般、国内の臨床試験成績等に基づき、製造販売承認申請されました。本剤は、2025年1月現在、避妊に係る効能・効果で、欧米を含む62の国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について9ページを御覧ください。避妊を希望する閉経前健康成人女性を対象とする国内第III相試験において、主要評価項目とされた13周期までの全般パール指数の両側95%信頼区間の上限値は、事前に設定された達成基準である4未満を満たしたことから、本剤の有効性は示されたと判断しました。安全性について、性器出血及び骨密度減少を中心に検討した結果、本剤投与時に特に注意を要する有害事象は認められないと判断しました。ただし、骨成長が終了していない可能性がある女性については情報が不足していることから、既承認の合成黄体ホルモン製剤と同様に、骨密度が減少する可能性があることについて注意喚起を行うことが妥当と判断しました。
血栓症リスクについて、18ページ、7.R.3、臨床的位置付け及び投与対象についての項を御覧ください。国内外の臨床試験において、血栓症に関連する有害事象は認められておらず、海外の製造販売後におけるVTEの発生率は、VTEの自然発生率と比較して、高い傾向は認められていません。以上より、WHOガイドラインの推奨どおり、本剤を血栓症リスクを有する女性に使用することは可能と判断しました。
本剤の安全性は、臨床的に許容可能であること、本剤の有効成分は、既承認の配合剤の有効成分の一つとして日本人において十分な投与実績があることから、製造販売後は、市販直後調査及び通常の医薬品安全性監視活動で収集された情報を踏まえ、必要に応じて追加のリスク最小化活動の要否を検討することが適切であると判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。
本剤は新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
事前に森部会長より、英国等の海外の添付文書で、活動性の静脈血栓塞栓症の患者が禁忌に設定されていることに関連して、本剤の添付文書における血栓症に係る注意喚起の要否について御質問いただいております。まず、回答に先立ち、本剤の臨床的位置付けについて、機構の臨床担当から御説明します。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の特徴を踏まえ、本剤に期待される臨床的位置付けについて御説明申し上げます。
本剤は、経口避妊薬としては本邦で初めてとなるプロゲスチンを単独で含有する製剤です。現在、本邦において、生殖可能年齢の女性が選択でき、パール指数が十分に低く、有効な経口避妊薬は、血栓症リスクが明らかなエチニルエストラジオールを含む配合剤のみとなっております。
若い女性に血栓症が発症するリスクが最も高まるのは、妊娠したときです。
膠原病、先天的・後天的な血栓性素因、血栓症の既往といった、特に血栓症リスクが高い素因を持つ女性では、妊娠時に血栓症を発症する可能性が更に高まります。したがって、これらの女性は、血栓症リスクをコントロールしながら、計画的に妊娠、出産をする必要があります。
日本産科婦人科学会等が発刊している経口避妊薬に関するガイドラインであるOC・LEPガイドラインには、経口避妊薬使用による静脈血栓塞栓症の発現リスクの記載があります。これによれば、女性1万人が1年間に静脈血栓塞栓症を発現する割合は、経口避妊薬非使用者の1~5人、経口避妊薬使用者は3~9人です。しかし、妊娠をすると5~20人、産後12週間には40~65人にまで増加します。
つまり、本剤は、血栓症リスクを持っていても計画的に妊娠をしたいと希望される女性と、そういった女性を診療している産婦人科医師にとって、長く待ち望まれた選択肢です。先天的に血栓性素因を持ち、エストロゲン、プロゲスチン配合剤を内服できない女性の中には、妊娠することにより血栓症のリスクが高まることを恐れて、結婚や異性との交際さえ躊躇される方もおられます。
エストロゲンが配合された経口避妊薬という選択ができない女性にとっては、本剤が初めて、そして唯一の選択肢となります。
エストロゲン製剤の血栓症リスクが確定している一方、プロゲスチン製剤の血栓症リスクには、薬剤により差があることが分かっています。また、血栓症リスクは、国内外で人種差があることが知られています。さらに、欧米では、本邦と異なり、エストロゲンを含有しない避妊インプラント、腟内ホルモン徐放避妊リングといった、本剤以外の選択肢があることも踏まえる必要があります。
もちろん、現在、血栓塞栓症を正に起こし、治療中、未治療である、そういった方においては、血栓の治療を優先させることが重要です。産婦人科医師には、経口避妊薬以外にも、低用量エストロゲン、プロゲスチン配合剤を始めとしたホルモン剤を使用してきた長い歴史があります。ホルモン剤の処方に当たっては、血栓症に特段の注意を払って診療が行われており、各種ガイドラインにおいても、血栓症の早期発見、早期対応を念頭に置いたリスク管理の重要性が記載されています。
したがって、本剤において、未治療で活動性の血栓塞栓症が禁忌とされた場合には、薬剤との関連の有無にかかわらず、血栓症を発症し得る、血栓症リスクが高い女性に本剤を投与することを産婦人科医師が忌避する処方行動を取られることが想定されます。また、本剤を処方された女性が、血栓症が発症したかもしれないと考えるきっかけがあった際に、自己判断で不規則に本剤を中断し、本剤の避妊効果が発揮できず、妊娠してしまうといったことが起こり得ます。
本部会の先生方におかれましては、本剤投与時の血栓症リスクの可能性の観点に加え、本剤により効果的な避妊ができない場合には、経口避妊薬よりはるかに高い血栓症をもたらす妊娠が起こってしまうという観点からも、本剤に期待される臨床的意義が損なわれることのないよう、適切な注意喚起の方策について、総合的に御検討を賜りますよう、お願い申し上げます。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 頂いた御質問への回答に戻ります。本剤を含むプロゲスチン単剤の経口避妊薬について、WHOのPOPガイドラインでは、抗凝固療法を受けているDVT・PEの患者に対しては、投与によるベネフィットがリスクを上回るカテゴリーIIとされている一方、未治療のDVT・PE急性期の患者に対しては、投与によるリスクがベネフィットを上回るカテゴリーIIIとされており、DVT・PEの患者に対しては、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要があると考えております。
以上より、先ほど臨床担当から御説明した本剤の臨床的位置付けを踏まえ、添付文書の9項、特定の背景を有する患者に関する注意の項に、活動性の静脈血栓塞栓症の患者を新たに設定し、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要がある旨、注意喚起することが適切と判断しました。機構からの説明は以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございました。質問させていただきます。今、機構が、活動性の静脈血栓塞栓症の患者を新たに加えるとおっしゃったので、それは非常に良いことだと思うのですが、可能性がある方、つまり、自分自身が静脈血栓塞栓症になりやすいとか、その可能性が高いということが分かっていらっしゃる患者さんでしたらいいのですが、それが分からない、自分が静脈血栓塞栓症の症状があるかどうかが分からない方も、多分、初期症状のときには診察にいらっしゃるのではないかと思うのです。
例えば、足が浮腫むというようなことはよくあると思うのですが、足が浮腫んでいる状態が初期症状であるということが分からない患者さんもたくさんいるのではないかと思います。その場合、そういう方がこの当該薬を欲しいと思って産婦人科に行ったときに、実際に今おっしゃっていたような静脈血栓塞栓症の患者になり得るかどうかということは、どのようにしてお分かりになるのかを教えていただきたいと思います。
すみません、私の言葉が足りないのですが、つまり静脈血栓塞栓症であるということが分かっていらっしゃる患者であれば、実際に自分自身の既往歴として産婦人科の先生と相談し伝えられると思うのですが、可能性がある方も診察にいらっしゃるのではないかと思うので、その方がもし処方してもらって、万が一副作用が出てしまうことが心配でしたので、教えていただきたいと思いました。
○医薬品医療機器総合機構 スリンダ錠は、プロゲスチン単剤としては初めてですが、経口避妊薬を処方するに当たり、血栓症は非常に大事な副作用ですので、OC・LEPといった経口避妊薬等については、学会、医会ともに処方前の問診チェックシートを用意しており、ほぼ必ずそういったチェックシートの中で問題になる点については細かく聞くというようなことが取られています。
また、企業が用意されるような資材等もかなり親切な形で書いてあり、さらに、患者さん自身にこのような症状があったら連絡をというようなカードをお持ちいただく。実際に産婦人科の臨床では、OC、経口避妊薬を処方するという方は多いですので、そういった方々にそういった形で注意喚起をすることは、産婦人科の医師の間では、むしろしない方が、産婦人科の医師としては万が一ということで怖いというのがありますので、まず処方前にしっかりチェックをさせていただく。飲んだ後、このような症状が起きたらということで、常に連絡先を含めたカードを渡し、患者に携帯してもらうというような形で、初めて処方される方であること等も踏まえて、十分な注意喚起を心がけているところです。
○堀委員 ありがとうございます。関連でよろしいですか。
○森部会長 堀委員、どうぞ。
○堀委員 詳しく教えていただいて、ありがとうございます。安心いたしました。ただ、今回のお薬に関しては、24ページ、13ページの先ほど御説明いただいた所を拝見しておりますと、今回のPOPについては血栓症リスクがCOCと比較して非常に低いと書いてあります。従来のCOCですと、35歳以上で1日15本の喫煙をしていらっしゃる方には処方は不可という明確な基準があるのですが、私がここで気になったのが、非常に低いと書いてあるということは、結局は喫煙ということは、今後この当該薬においてもかなり判断の基準になると、そのように理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 COC、混合型の経口避妊薬で禁忌にされているような35歳以上で1日15本以上の喫煙者や、いわゆる血栓性素因のある患者については、本剤はそういった患者も組み入れる形で臨床試験が実施されており、特に安全性上の問題は認められておりません。
それから、先ほど申しましたが、WHOガイドラインで、本剤POPについては、血栓症のリスクがある患者にも使用可能と位置付けられていることを踏まえると、基本的にCOCで禁忌になるような患者さんに対しても、本剤は使用されるものと考えています。
○堀委員 ありがとうございます。そうしますと、喫煙に関しては、今回の当該薬に関しては、さほど基準が厳しいというようなことはないと理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおり、喫煙に関しては本剤については特に注意しなくてもよいと考えています。
○堀委員 ありがとうございました。喫煙に関しては非常に気になさっている方もいらっしゃると思いますので、確認してよかったです。
最後に、もう一つ質問なのですが、今回のこの当該薬の効能・効果は避妊ということですが、従来の低用量ピルにおいては、例えば生理痛やPMSの改善などにおいて、低用量ピルが扱われることがあると聞いています。このお薬も、例えばひどい生理痛やPMSなどの改善などには該当すると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤は経口避妊薬ということで、エストロゲンレベルを下げることによって、生理痛などに作用機序としては効果がある可能性はあると思いますが、本剤はあくまで経口避妊薬として開発され、避妊に関する有効性のみが示され、効能・効果としても避妊ということになりますので、生理痛やPMSの治療目的に使うものではありません。
○堀委員 かしこまりました。理解いたしました。詳しく説明していただき、ありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 そのほか、先生方から御質問、御意見はありますか。川上委員、どうぞ。
○川上委員 日本薬剤師会の川上です。先ほど、患者さんに携行していただくカードの御説明がありました。それは、RMPのリスク最小化計画の中に患者向医薬品ガイドによる情報提供というものがあるのですが、そのガイドの一環として、そういったカードも準備されるのか。RMPとは別なものとして、携行カードを考えられているのか。RMPとの関わりを教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど、現行の産婦人科の臨床現場では、血栓症に関する情報が患者携帯カードにより周知されているというお話をいたしましたが、本剤については、血栓症リスクは既承認のCOCと比べると極めて低い、血栓症リスクのある女性も使用できる経口避妊薬ですので、RMPにおいて、本剤についてカードを携帯するという規定にはなっておりません。
○川上委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。1点確認させてください。基本的なことですが、本剤を処方する医師については、要件や専門性から、特定の医師に限定されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の処方に当たりましては、特に特定の専門分野の医師に処方が限定されているというものではないと思います。一般的には、産婦人科の医師ということにはなると思いますが。
○森部会長 一般には産婦人科の先生が処方されて、例えば医療アクセスが非常に悪い場合や、専門医に患者さんがアクセスしにくい場合には、一般医が担当するということがあり得る理解でよろしいでしょうか。また、その場合、診療のスタイルは、対面診療が前提になるのか、それとも対面診療以外も可能性としてはあり得るのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現行、低用量のピル、あるいはOC・LEP全般において、基本的にはオンライン診療がかなり広く扱われており、本剤においても特定の専門、例えば母体保護法指定医といったような資格等が必要とはなっておりませんので、処方される世代の女性のアクセスの観点から、将来的にそういったオンラインという仕組みがあり得るものとは考えております。
○森部会長 ありがとうございます。先ほど機構から御説明いただきました経口避妊薬の処方の際に用いられるチェックシートについては、処方を担当するあらゆる医師が入手可能で、利用できるものだと理解してよいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおり、基本的にはOC・LEPガイドラインという形で、日本女性医学学会、日本産科婦人科学会が作成しているガイドラインがあります。そちらの中に記載があったりしますので、そういった形で産婦人科という専門ではない先生も手に入れることは可能です。
○森部会長 では、そちらの利用を促し、適正な情報提供をしつつ本剤を処方するということについては、運用の基本になっているとの理解でよいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりかと存じます。
○森部会長 先ほどから議論いただいています活動性の静脈血栓塞栓症障害に関する注意喚起の項目の追加については、具体的には先ほどの9.1の項目に内容を追記していただくということですが、どういった文面で追記をすることを、機構では今お考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 9項への追記案ですが、先ほど冒頭で申し上げましたとおり、活動性の静脈血栓塞栓症の患者という項を新たに設定し、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要がある旨を記載することを考えております。
○森部会長 承りました。今の点について、特に先生方から御意見はありますか。アクティブにサーベイランスをしていくことを意図した文面、例えば「定期的な観察を行った上で、症状が見られた場合には、治療を優先する」といった文面にする必要性に足る医学的な根拠が十分ではありません。WHOのガイドラインは、未治療の活動性血栓症の方についてはカテゴリーIIIになっていて、抗凝固療法をされている方についてはカテゴリーIIになるという判断も、先日頂いた資料に確認できておりますので、今機構から御提示いただきましたように、血栓症の項目に係る記載内容としては、今の記載内容で必要かつ十分という御理解でよろしいでしょうか。もし何か追加の御発言がありましたら、お願いいたします。
今日は、循環器の先生がお二方とも欠席ということで、特に事前に何か御意見はありましたか。
○事務局 おおむね機構の方針には同意する旨の意見を承っております。
○森部会長 診療の状況が、非対面型の診療の状況の場合、患者さんの医学的な確認が十分に可能かどうかという点について懸念は残りますが、本剤を利用する患者さんの利便性、そして本剤を利用することによって得られるメリットを安定的に得ていただくために、患者さんの利便性に十分配慮した処方体制も重要かと思います。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。先ほどから部会長がおっしゃっているように、オンライン診療の現在の状況を鑑みると、今のような説明で十分それに耐えられるのか、機構はどのようにお考えになるのでしょうか。オンライン診療のメリットは分かりますが、リスクに対するどのような方策を現状の中でどう考えるのか。本当にその説明だけで足りるのかどうかということを、部会長はおっしゃっています。その辺りの理解について、機構は現場のことをもう少し理解されるような試みをしているのか、それから、その前提をお考えいただいているのかどうかが非常に心配で、そのことを部会長が申し上げていると、私は理解しているのです。
通り一遍なそのような文言では、私は足りないと考えております。臨床現場を考えて落とし込むときに、どのようにこの9.の所にそれを入れるのでしょうか。
また、資材をどのように作るのでしょうか。そして、患者と医師に関して、先ほど申し上げたとおり、オンライン診療では医師が十分な専門知識を持っているかどうかを患者が確認できない現状の中で、どのように考えられるのかを何度も繰り返しお聞きしているのだと思います。そのことを今までの委員が問いかけているということを、少し理解していただかないといけないのではないかと思います。これは、議事録に残しておいていただきたいと思います。それに対して機構がどのようにお答えになったのかということを、よく理解していただきたいと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御懸念の点については、産婦人科業界の中でも、やはり対面の診療で足りない点等を含めたオンライン診療の問題点等は、度々話題になるようなところです。一方、オンライン診療というものが、そもそもこういった経口避妊薬等の普及に大きく貢献しているところではあります。
そして、そういった診療体制がとられている中で、本剤が上市されることについては、基本的に既にリスクを持ちながらも上市されている先行の製剤、そして本剤が加わっていく中で、経口避妊薬の問題として広く関連学会等も、今後ガイドライン、対応策について漏れなく対策していく必要があると考えております。その点からは、本剤が承認される暁には、そういった学会とも適切に連携をして、診療体制、チェックの方法、こういったチェックシート等へのアクセスの方法、様々に方策について検討させていただきたいと思います。
○宮川委員 御説明ありがとうございます。臨床担当としてお話になっているわけですから、それならば、現在のオンライン診療の実態をどのようにお考えになっているのですか。オンライン診療が適切に行われているという前提でお話になっているわけですが、不十分な現状の中で、どのようにリスク対応を補完するのかということも非常に重要な観点なのです。それを、この文章の中にどのように盛り込めるかということをお話しているので、その9.の所が重要であるし、資材が重要であるということを私は申し上げているのです。
ガイドラインを作っている方は、オンライン診療に関して適切だから進めたいというお考えはそれでいいのですが、だからこそ、現状の中で、ということをよく考えていただいて、全てに対して、リスクがメリットを凌駕しないように、しっかりと構築をしなければいけないので、文言は丁寧に、利用者と使用者の両方に届くような仕方をしていただきたいと思います。そういったことで、当初からの疑念を様々な委員がお尋ねしているとの理解をしていただきたいと思うわけです。
それに対して機構はどのようにお考えいただいているのかということで、何度も繰り返しになりますが、十分でないところは十分に記載していただくということをしないと、後で問題が起こったときに、誰もがそれに対して責任を負えるように、現場が困らないようにしていただきたく、丁寧な文言をそこに入れ込むということは、是非お願いしたいと思う次第です。
○事務局 事務局から、今の森部会長及び宮川委員から御指摘いただいた点について、お話させていただきます。今後、医療法の改正なども国会の方でも議論が進みます。オンライン診療の適切な在り方に関しては、厚労省としてもあらゆる御議論があると承知しております。本剤の情報提供の在り方についてですが、御指摘のとおり、オンライン診療も含めて本当に適切に必要な情報が患者さんに対してきちんと提供されるのか、それは極めて重要な御指摘だと理解いたしました。つきましては、必要な患者向け資材の在り方なども、本日頂きました御意見を踏まえて、事務局及び機構と相談し、調整させていただければと思いますが、そのような形でもよろしいでしょうか。
○森部会長 オンライン診療そのものに問題があるわけではありませんので、オンライン診療を含めた、対面診療がセットになっている適切な医療提供の在り方について、一定のサーベイランスに置いた状態で本剤を上市させて活用いただくということを、是非事務局と機構でよく御検討ください。また、関連学会、場合によっては薬剤師会にも御尽力いただき、安全に本剤が患者さんの手に渡って利用していただく、安全に健康状態をチェックしていただくという形につながればと思っておりますので、是非御協力をお願いいたします。
それから、事務的なことで申し訳ございませんが、事前説明のときに少しお話しした添付文書の記載整備に関することが2点あります。1点目が、7.4.に関する記載の整備が、もし可能ならば、お願いしたいです。
それから、9.2の項目の所で、腎障害の方に対する記載があります。ミネラルコルチコイド作用には拮抗する本剤の作用がありますので、血漿レニンやアルドステロン値が上昇することは医学的にあり得るわけですが、実際は、アルドステロン作用は全体に抑制される方向に動くので、今の記載ですと、あたかもレニンやアルドステロンの作用が高まってしまうように誤認されるおそれがあります。本剤を使った場合にカリウムが上昇する懸念はあるのですが、アルドステロンが上がると書いてありますと、カリウムが下がってしまうよう誤認をされるおそれがあります。特に、軽度腎障害の方で若干カリウムが高い方への注意喚起の方向性が逆になってしまう可能性があります。米国の添付文書ではwarningにhyperkalemiaという記載があります。一定の条件の方では高カリウム血症を生じやすいという記載になっておりますので、高カリウム血症を生じる懸念があることについて、言及する形に記載整備をと考えているところです。以上2点ですが、機構からお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の質問から先に回答させていただきます。腎障害患者、9.2項の注意喚起の記載ですが、御指摘のとおりかと思いますので、こちらについては「本剤のアルドステロン拮抗作用により、カリウム値が上昇するおそれがある」という記載に修正することといたします。
1点目の御質問ですが、7.4項の「他剤から本剤に切り替える場合に、前に服用していた薬剤(有効成分を含む錠剤)をすべて服用した翌日に本剤の服用を開始させる」という記載が分かりにくいという御指摘と伺っております。経口避妊薬については、飲み忘れがないように1周期分が1シートに包装されており、「前に服用していた薬剤(有効成分を含む錠剤)をすべて服用」というのは、切替前に服用していた経口避妊薬の1シートの実薬錠を、規定に従い全て飲み終えるということを意図しております。
産婦人科の臨床現場では、添付文書のみならず、患者資材を活用するなどして、患者の薬剤の切替時の方法を含め、具体的な服用方法が分かりやすく伝えられるように工夫されており、本剤についても服薬方法に関する資材及び動画を作成中で、服用者に分かりやすく情報提供される予定です。こうした企業及び臨床現場の医師、薬剤師の努力もあり、今般の御指摘も踏まえ、既承認の経口避妊薬の副作用報告、薬局ヒヤリ・ハット事例、医療事故情報収集等事業の事例検索を行いましたが、現在までに、薬剤の切替時に誤って服用したとの報告や、誤って服用した症例で副作用があったという報告は認められておりません。
「すべて服用」という記載は、既承認のほかの経口避妊薬でも共通で、この領域の専門家にとっては当然で、これまで疑問が湧かなかったのですが、本剤が承認されますと、他剤から本剤へ切り替えるだけではなく、本剤から他剤に切り替えるということも想定されます。本剤は本邦で初めてのプロゲスチン単剤の経口避妊薬ですので、既承認の経口避妊薬の添付文書における切替方法についても手当てが必要になります。
ですので、本剤の承認後、ほかの経口避妊薬の切替方法も含めた経口避妊薬全体の記載の適切性について検討する必要がありますので、機構内で調整して対応したいと考えております。回答は以上になります。
○森部会長 私からの指摘は、「すべて服用」と見たときに、残薬を全て服用してしまう人が一定数出るのではないかということから、紛らわしい記載はなるべく排除しておきたいということでした。産婦人科の先生が綿密にケアされている方では起こらないと思いますが、不得手な先生が処方した場合等の注意喚起が不十分な場合に備えて、ここの記載も「予定されている一連の一定期間の処方分を一定期間で飲み終えた後の切替えのタイミングで」と書いていただく形が重要だと思っています。是非、今回の添付文書から記載整備をしていただきたいということをお願いしたいと思っておりましたので、御検討のほど、何とぞお願いいたします。
そのほか、委員の先生方から何かありますか。柴田委員からお願いします。
○柴田委員 細かい話ですが、2点事実関係を確認させてください。審査報告書14/24ページなのですが、海外での使用数が人・年でまとめられていて、累積使用量が174万人・年と書いてあります。これは、海外での使用実態が分からないので教えていただきたいのですが、どのぐらい長期間投与されている人が混ざっているのでしょうか。人・年法なので、人数×観察期間の積で170万ということなのですが、長期間使用されている方が含まれてこの数字なのか、短期間の人が多いのかというのは、どうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この人・年のうち、期間がどれぐらいかという情報は今持ち合わせておりませんので、確認して後ほど御連絡することでもよろしいでしょうか。
○柴田委員 ありがとうございます。もう一点は、ちょっとテクニカルな話なのですが、先ほど機構の御担当の方からも本剤の位置付けや本剤の必要性などの御説明は頂いて、納得したところです。例えば、海外で禁忌とされているものについて、本邦で特に禁忌などの注意喚起をしない場合においては、審査報告書の本剤の臨床的位置付けの項などで、そのことについて議論されておくのが自然なのではないかと考えるところですが、それがなされていないのには何か理由があるのでしょうか。
念のために先回りして補足すると、この部会で指摘されることが全部審査報告書に盛り込まれているべきであるなどということは申し上げていないのですが、今の話は、海外における禁忌を、本邦でこういう理由でそこまで強い注意喚起をしなくてよいという判断をされるところが、かなり審査の中でクリティカルな論点なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回のスリンダで活動性の静脈血栓塞栓症を禁忌にしない理由を審査報告書に書かなかった理由としては、海外の添付文書における禁忌は、海外で既承認の類薬での規定をそのまま踏襲されており、活動性の静脈血栓塞栓症についても、そのような判断から記載されていることを確認したことから、審査報告書で取り上げる必要は特にないと考えておりました。
確かに海外で禁忌になっているものを日本で禁忌にしないのかというのは重要な論点かとは思いますので、今後、審査報告書を作成する際には、その点も留意して記載することを検討したいと思います。御意見ありがとうございます。
○柴田委員 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見、御発言はありますか。よろしいでしょうか。先ほど事務局からもお話を承りましたように、本剤は実際の実臨床での応用に当たり、関連学会の御協力も頂き、体制整備をすることも、条件として伺っております。
そのほか特に御意見がないようであれば、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。
○佐藤(陽)部会長代理 佐藤です。繰り返しになるのですが、例えば審査報告書の3ページの上の方に、「血栓症リスクがCOCと比較して非常に低く、血栓症のリスクのある女性にも使用可能な避妊薬とされている」という文言があります。この文言が独り歩きすると、今まで展開していたような議論になると思うのです。その上で、結局WHOの考え方を踏襲して許容可能だとするのであれば、やはり審査報告書のこういった「血栓症のリスクがある女性にも使用可能な避妊薬」という表現が誤解を与えかねないので、審査報告書の表現や言い方を変えた方が良いと思うのです。少し工夫の仕方があるのではないかと思うのですが。
結局、WHOの考え方からすると、血栓症の治療を行っていれば使えるという話だと思います。なので、審査報告書でバッと書いてしまうと、ここだけ読んだ人は必ず誤解すると思うのです。そういったところを何か工夫しておいた方が良いと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘の「血栓症のリスクのある女性」という審査報告書の記載については、その前段の、血栓性素因のある女性や、35歳以上で1日15本以上の喫煙者等のCOCが使えないような患者さんについても、本剤POPに関しては治療選択肢になっているという意味で書いたものです。報告書については、この点に限らず、分かりやすい記載にするよう気を付けていきたいと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございます。要するに、血栓性素因のある女性であっても、その治療を行っていれば使えるという話ではないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 活動性の静脈血栓塞栓症の患者については治療が必要なのですが、先ほど申し上げましたとおり、喫煙本数が多い女性などは特に治療などは行わず、そのまま本剤を使うということになります。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。何か誤解を与えそうな気がして、しょうがないのですよね。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の記載について、検討させていただきます。
○森部会長 血栓症のリスクと、活動性の血栓症がある方の対応については、今回少し議論を深めさせていただきましたので、また新しい追加の対応も頂いたことに感謝いたします。
本剤は、従来の血栓症リスクと言われている様々な病態や、その患者さんの特性によっても、血栓症の発症リスクについて有意に上昇していることが確認されていないという点が最大のアドバンテージであり、従来治療できなかった方に対して避妊という経口避妊薬の選択肢を提供するという重大なミッションを持った薬剤かと思います。この経口避妊薬を服用する患者さんの世代には、若年性のがんを発症されて、がんの診療中に血栓を発生する方も大変多いです。そういった状況にも留意をしながら、本剤の利点をいかしつつ、かつ血栓症の重症化を抑える、再発予防が欠かせないということも重要なポイントかと思います。この点は、関連学会の方々の大変関心の高いところだと思いますので、関連学会並びに場合によっては循環器の先生方の御意見等も丁寧におまとめいただき、安全にリリースできるように御配慮いただきたく思っております。
それでは、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。なお、矢野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。では、議題1について承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようです。それでは、承認を可とし、薬事審議会に報告いたします。
続いて、議題2に移ります。議題2について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ファビハルタカプセル200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料につきましては、資料No.2、ファビハルタカプセル200mgの審査報告書を御覧ください。
C3腎症は、後天性自己免疫抗体又は遺伝的変異により、補体第二経路の制御異常及び過剰活性化が生じ、補体第3成分(以下、C3)等の補体蛋白が腎臓の糸球体に蓄積することで惹起される慢性糸球体腎炎で、指定難病とされている一次性膜性増殖性糸球体腎炎に含まれる疾患です。現在、本邦においてC3腎症に係る効能・効果で承認されている医薬品はなく、確立された治療法はありません。
イプタコパン塩酸塩水和物(以下、本薬)は、補体B因子の活性部位に結合し、C3転換酵素を阻害することにより、補体第二経路の活性化を阻害することから、C3腎症におけるC3の糸球体への沈着を抑制し治療効果を示すことが期待されます。今般、C3腎症患者を対象とした国際共同試験の成績等から、本薬の有効性及び安全性が確認されたとして、C3腎症に係る効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
本薬は、本邦において、2024年6月に発作性夜間ヘモグロビン尿症(以下、PNH)の効能・効果で承認されており、海外では、2025年1月末時点で欧米を含む48の国又は地域で承認されております。C3腎症に係る効能・効果では、2025年3月に米国で、2025年4月に欧州で承認されております。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.9に示します専門委員を指名しております。
本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
有効性に関して、審査報告書の通し番号14ページ、表12を御覧ください。
C3腎症患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目である、6か月時点の24時間蓄尿による尿蛋白/クレアチニン比(以下、UPCR)のベースラインに対する比について、プラセボに対する本薬の優越性が検証されました。
20ページ、表17を御覧ください。表17の一番上の行にお示ししております副次評価項目である、6か月時点のeGFRのベースラインからの変化量について、プラセボ群と比較し本薬群で改善効果が大きい傾向が認められております。
21ページ、表18を御覧ください。当該試験では、6か月間の二盲検期を完了した後、非盲検期では全例に本薬が6か月間投与される計画となっており、表18の一番下の行にお示ししておりますとおり、本薬投与開始12か月時点においても、二重盲検期から本薬投与が継続された本薬継続集団では、eGFRの大きな低下傾向はなく、プラセボ群から非盲検期に移行し本薬が投与された本薬切替集団では、本薬の切替えによりeGFRが改善する傾向が認められました。
また、同じ21ページ、表19を御覧ください。腎の病理組織学的評価である6か月時点の疾患活動性スコアのベースラインからの変化量、及び6か月時点のC3沈着スコアのベースラインからの変化量のいずれについても、プラセボ群と比較して本薬群でベースラインからより改善する傾向が認められました。
以上より、当該試験の主要評価項目に加え、副次評価項目等の成績から、総合的に本薬の臨床的意義があるC3腎症に対する治療効果は示されていると判断しました。
日本人集団の症例は限られているため、全体集団と日本人集団の成績の一貫性を厳格に検討することは困難でありますが、個々の症例の検討において本薬投与後にUPCRとeGFRが改善している症例はあり、日本人の有効性を否定するような結果はなかったことから、日本人のC3腎症患者においても有効性は期待できると判断いたしました。
安全性に関しまして、26ページの表21を御覧ください。C3腎症患者を対象とした国際共同第III相試験の二重盲検期における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、プラセボ群と比較し
本薬群で臨床上問題となるような差異は認められませんでした。
次に、27ページ、7.R.2.3、注目すべき有害事象の方を御覧ください。本項にお示ししておりますとおり、C3腎症患者において既承認効能・効果であるPNHと比較して現時点で明らかな懸念は認められていないことから、適応疾患の診断・治療に精通し、本薬のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関の下で、髄膜炎菌感染症の診断・治療に精通した医師との連携をとった上で使用する等、現在、実施されている既承認効能・効果と同様の安全対策を講じる必要があると考えております。
以上、機構での審査の結果、C3腎症に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、1~2ページに記載した承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
再審査期間について、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しています。
機構からの説明は以上になります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。これは、医師要件、施設要件はどのように設定されているのでしょうか。今、お話があったのですが、厚労省か分かりませんけれども、どこが、何をもって規定するのでしょうか。適正使用ガイドラインがないとすると、医師要件、施設要件はどのように規定すればよろしいのでしょうか。教えていただければ幸いです。
○事務局 事務局より説明いたします。こちらにつきましては、ファビハルタの既承認の効能のときになるのですけれども、通知を出しておりまして、添付文書に記載があるような記載の内容にはなりますが、このような医師に関して適切に使ってくださいという通知は出してございます。
○宮川委員 そうすると、2ページの承認要件の3.の所は、このような記載だけでいいということでしょうか。つまり、本剤投与がうんぬんという所で、診断・治療に精通した医師との連携をとった上でのみ行われるよう、それから、十分に管理できる医師・医療機関の下というように書いていますが、これはどのように設定しているのでしょうか。具体的なことは全く書かれていないので、文言だけ書いて免罪符になっていいのかということにはならないのでしょうか。ここまで書くのであれば、どのように設定されたのかについてお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど審査管理課からも御説明がありましたように、治療に精通した医師の下で使われるように添付文書で注意喚起しています。その上で、本剤につきましては、承認条件に基づいて、本剤が適切な医師・医療機関の下でのみ使用されるよう、納入管理の運用が、既承認のPNHのときと同様に、今回の効能・効果についても行われる予定となっております。
その納入管理の中で、製薬会社の医薬情報担当者が納入する医療機関を訪問して医師要件、施設要件などを確認するのですが、具体的には、医師要件につきましては、C3腎症の治療に十分な知識・経験を有する医師であること。製造販売業者が定期的に訪問することが可能な医師であること。患者カードの運用を承諾し実施する医師であること。これを医師要件としてMRが確認する流れとなっております。
さらに、施設要件としましては、C3腎症の治療に十分な知識・経験を有する医師が在籍している施設であること。また、髄膜炎菌等の重篤な感染症の診断及び治療が可能な施設又は連携がとれる施設であることをMRが確認し、そういった確認をした後に、MRは、その説明を行った医師から、署名済みの適正使用確認書を入手するという流れになっております。
○宮川委員 ありがとうございます。では、そういう規定は製造販売業者が事実上規定し指定するというような形ですか。そういう体制が今まであったのか、また、どのように今まで運用されてきたのでしょうか。そうすると、これは問題になってくるのではないかと思います。つまり、販売の会社が規定するのであれば大変なことになるのではないでしょうか。MRが個々で決めているのですか、それとも、会社が決めるのですか。その責任者はどこにいるのですかということを私はお聞きしていると理解していただければ幸いです。
○医薬品医療機器総合機構 審査の中で、そういった要件など実際の運用については、機構がそういった運用で使われることを申請者から確認した上で、その後、実際に販売が開始された後には、製造販売業者の方が、そういう指定要件に合致していることを確認する流れになっております。以上で回答になっておりますでしょうか。
○宮川委員 ですから、指定要件を販売業者が確認するとなると大事になるのではと心配になります。
○医薬品医療機器総合機構 今、添付文書の方で、実際に専門医であるとか、そういうところはありますので、あくまで規定の部分については書いてありますというところです。実際、納入する前に、企業が条件に合っているかを医師や施設の方に確認した上で納入する流れになっているところです。あくまで規定は添付文書等になっています。
○新薬審査第一部長 補足させていただきます。基本的に、その要件というのは企業を通じて運用することになるのですけれども、内容については審査の中でこちらも確認した上で設定していますので、企業が独自に自分で良い先生を選んでということはございません。そこは御安心いただければと思います。その内容については事前に機構が審査の中で確認して、その内容を製造販売後に運用していただく形で考えております。以上です。
○宮川委員 では、実際に使われる医師は機構が管理するということですか。実際に医師要件で該当して使用する医師・医療機関というのは、どのように規定されるのか、今のお答えだと、機構が規定し管理するという趣旨のように聞こえます。
○医薬品審査管理課長 ちょっとだけ補足させていただきます。私の理解ですと、まず添付文書の規定というのは、この審査の過程で規定をするということだと思っています。その後、医師要件とか、添付文書に従ってちゃんとやっているかどうかというのは企業がやることになると思いますが、その企業がやった行為について、それが適切かどうかについては、多分、GVPだと思いますけれども、査察行為というのがありますので、その中で確認する。若しくは、市販直後調査でそこまで見ているか、今、にわかに分かりませんけれども、そういうような後々の確認行為で確認するということだと理解しています。
○医薬安全対策課長 安全対策課の方から、市販後の安全確保体制について、今、審査課長からGVPというお話もございましたので、補足させていただきたいと思います。まず、製造販売業者の要件として、安全対策業務に責任を持つ者を規定することになっています。総責と呼ばれている人の下に安全管理の責任者がいまして、この者の下で、担当者が規定した規則に従って必要な情報収集、対策をとることをして、それを記録に取るということをしています。これについて、5年に1度の許可の更新時にGVP省令の適合性ということで確認する体制がございます。こういったものの中で適切な実施体制が確保されていることを行政としても確認するという立て付けになっています。
○宮川委員 今、医薬安全対策課長からお話があったように、つまり、MRが決めているわけではなく、適切に規定された責任者を置いて、それで定期的にやっていると、これは当然のことですけれども、そのような理解でよろしいわけですね。
○医薬安全対策課長 定められたルールをきちんとMRも含めた担当者が守っているということは記録を取って、また、それが後で確認できるような体制としております。
○宮川委員 そういう意味で、機構もMRという言葉を使ったわけですが、そういうことではなくて、実際に企業の中に責任者を置いて、なおかつ、繰り返し定期的に審査、管理をすることの中で、医師要件、施設要件をある程度規定するというか、確認を取りながらやっているのが現状であるということを御理解いただきたいと思います。以上です。
○森部会長 宮川委員、ありがとうございました。一つ確認ですが、この医師要件や施設要件の目安となる基準は、関連する専門医の学会等では監修若しくは管理はなさるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 特に実際に設定する前に、学会に確認いただく等は行っていないですけれども、あくまで専門の先生が、この薬剤を使うようにという意図で添付文書の方に注意喚起しております。
○森部会長 審査報告書に記載いただいている承認条件の3.の3行目に、製造販売に当たって必要な措置を講じることと一文がありますが、この講じる主体が誰かということが、今、議論されているところです。これは様々な可能性がございますけれども、合目的性などを鑑みますと、本剤を使用して患者さんに治療を行う専門医の集団の意向を十分反映していただき、かつ、国が妥当性を十分吟味した上で、機構並びに製造販売元に適切な運用を指示して実施することが望ましいのではないかと思います。したがって、宮川委員が心配されていますように、製造販売元に一元的に移管するのでは製造販売元の判断になってしまうおそれがあるので、十分、事前に施設要件や医師要件についての吟味をしていただき、そこに専門学会等の判断を加えた上で運用いただきたいということだと思います。お願いします。
○審議官 御質問いただき、ありがとうございます。要するに、添付文書とか承認の際の医師の専門性等についてですけれども、これは非常に難しい問題でありまして、例えばこういう所で何とか学会の何とか専門医とか、何とか認定医というのを書いてしまうのがいいのかということだと思います。要するに、そういう資格がないと薬というものは使ってはいけないというものでは必ずしもないわけです。そういう意味で、これは物の審査、物の有効性、安全性ということですから、それはそういう専門知識を有する先生方と、そういう考え方として書いているところです。実際、それを製造販売するということで販売行為として運用していく場合には、当然、国の方から専門学会等に対して通知をさせていただき、こういう製品が製造販売されるという形の中で、学会の先生方にも、こういう要件になっているので適切に使用してほしいと呼び掛けていく形にしています。そこを添付文書の中で細かく指定する形は、これまでも取ってきていませんので、そこは御理解いただければと思っています。
○宮川委員 私もそのように理解しているのですが、改めて、承認要件の条件に余りふさわしくない文言だなと思いました。逆に要件にするのであれば、あからさまにそういうものを付けなければいけないという形になってしまいます。「講じること」ということは望ましいという意味が含まれていますから、承認条件の中にこれを書かれてしまうと、どのように規定するのかなという疑念が生まれてくるので、その辺の表現等を今後も考えていかなければいけない問題なのかなと思ったものですから、指摘させていただいたということです。
○審議官 御懸念は私どももよく理解しております。ということですので、こういう物の承認としての要件としては、あくまで何か学会とか専門医を決め打ちする形ではない形で書かせていただきますが、適正使用する上での対応として、行政からもそういう所に対して、しっかりと周知をさせていただくというやり方で対応させていただきますので、是非とも御理解のほどお願いいたします。
○宮川委員 ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。今回の承認条件の記載が、「治療に精通した医師との連携をとった上でのみ行われるよう、必要な措置を講じること」となっていると、余り違和感はなかったのですが、「製造販売に当たって」という文が織り込まれていたので、これは製造販売元を意識した記載ではないかと懸念されたということもございます。本来はそうあるべきではなく、十分な専門家との合議の上で実施されるべきだということを、宮川委員の御発言の中から私も汲み取ったところです。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますか。よろしいでしょうか。
一つ、私からお願いします。先ほど御説明いただいた際に臨床成績の御紹介を頂きまして、主要評価項目の成績、尿のアルブミンの成績ですね、それから、eGFRの推移は副次評価項目になっていますけれども、これらを総合的に判断して有用性をと御発言がございました。一方、添付文書に記載されている臨床成績につきましては、主要評価項目のみ記載されている状況です。主要評価項目以外にも重要な結果を含めて、総合的に有用性を判断して承認するので、添付文書にも総合的に判断した根拠を記載すべきであると考えています。機構のお考えはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。機構より回答させていただきます。添付文書の臨床試験の項については、承認を受ける効能・効果等の根拠となる主要な臨床試験の結果を記載する箇所ですので、機構としましては、有効性に関してはその有効性が検証された主要評価項目の結果を記載するものと考えており、その他の副次評価項目等については資材等で情報提供することが適当と考えているため、部会資料の添付文書案では、今回の試験の主要評価項目であるUPCRの結果のみを記載していました。ただ、御指摘のとおり、機構としましても、UPCRよりも腎予後との関連が強いと考えられるeGFRへの効果も重要と考えておりまして、今回の審査では、そういった結果も踏まえて、主要評価項目だけでなく、eGFR等の結果も見て総合的に評価を行っておりましたので、御指摘のとおり、添付文書の臨床成績の項にeGFRの結果も追記したいと思います。
○森部会長 是非、御検討のほどお願いします。ありがとうございます。そのほか、先生方から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入りたいと思います。議題2につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題3に移らせていただきます。議題3につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、バビースモ硝子体内注射液120mg/mL他1規格の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。審査報告書通し番号5ページ、1.起源又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等の項を御覧ください。
本剤は、血管新生や血液成分の漏出等に関与している血管内皮増殖因子VEGF-A及びアンジオポエチン2に対する遺伝子組換えヒト化二重特異性免疫グロブリンG1モノクローナル抗体であるファリシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする硝子体内注射剤であり、本邦では、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性等の効能・効果で承認されております。
網膜色素線条(以下、AS)は、ブルッフ膜の弾力線維が変性して断裂することで、視神経乳頭から放射状に認められる色素沈着を伴った白色の線条を特徴としており、無症状であることが多いものの、ブルッフ膜が断裂した部位から生じた脈絡膜新生血管(以下、CNV)が黄斑部に及んだ場合、視力低下等を引き起こします。CNVの伸長にはVEGF-A及びアンジオポエチン2が関与していることが示唆されており、本剤がCNVを伴うASを改善することが期待されたことから、本邦では20○○年○月から臨床試験が開始され、今般、国内の臨床試験成績によりCNVを伴うASに対する本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
なお、本剤は、新生血管を伴う網膜色素線条を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定されております。また、海外において、CNVを伴うASに係る効能・効果について承認されている国又は地域はございません。本申請の専門委員として、資料No.9に記載されております4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。
まず、有効性について、通し番号6ページ、7.1、国内第III相試験の項を御覧ください。CNVを伴うAS患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした非遮蔽非対照試験が実施されました。本試験の主要評価項目の結果は、通し番号7ページ、表2を御覧ください。主要評価項目とされた12週時のBCVAのベースラインからの変化量の90%信頼区間の下限値は3.0文字であり、事前に設定された閾値である0文字を上回り、試験の成功基準を満たしました。以上から、CNVを伴うASに対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
続いて、安全性について、通し番号11ページ、7.R.3、安全性についての項を御覧ください。CNVを伴うAS患者における本剤投与による安全性上の明確な新たな懸念は認められておらず、既承認の効能・効果に対する投与時と同様に、特に、眼内炎、眼内炎症、網膜剥離及び網膜裂孔、眼圧上昇並びに動脈血栓塞栓事象についての注意喚起を行うことが適切と判断いたしました。また、ASの主な原因疾患であります弾性線維性仮性黄色腫(以下、PXE)の患者に対する本剤の使用についても、本試験では、既承認の効能・効果を有する患者と比較し、リスクの増加は示唆されておらず、動脈血栓塞栓事象のリスクについて、引き続き添付文書等を用いた医療従事者への適切な情報提供を前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会にて御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当と判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。御専門領域で外園委員、もし御発言がございましたら、いかがでしょうか。
○外園委員 臨床でよく使われており、私の方からは特に追加はございません。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、委員の先生方から御質問、御意見はよろしいでしょうか。先日、御指摘した添付文書のPRNについては、記載整備をお願いしてよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの御説明をさせていただいてよろしいでしょうか。
○森部会長 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 事前に、森部会長から添付文書の17.1.7項、国内第III相試験の項の本文3行目の「PRN投与した」のこの「PRN投与」という表現について、この略称が初出であることから、分かりやすい記載整備をした方がいいのではないかという御指摘を頂いておりました。こちらについて検討させていただいた結果、この表現のままとさせていただければと考えております。その検討内容を御説明いたします。
まず、PRNとは何かですが、審査報告書の23ページ、一番最後のページの略語等一覧の中ほどに記載しております。こちらは「pro re nata」というラテン語の略称で、日本語では「必要に応じて」という表現となっております。
こちらの「PRN投与」という表現ですが、新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン等の硝子体内投与に係るガイドラインにおいても用いられている表現であり、本剤を使用されるような眼科学を御専門とされる医療従事者にとっては広く認識されている表現と考えております。したがって、こちらを例えば「必要に応じて」と記載するよりも、御専門の先生にとっては、位置付けが御理解いただきやすいのではないかと考えております。
一方で、御専門ではない方に対してですが、添付文書を御確認いただければ、注8)のPRN投与の内容、具体的には、疾患活動性に応じて、必要に応じて投与することといった旨の注釈を付けておりますので、この注釈を御確認いただければ、この領域が御専門でない方にも御理解を頂けるのではないかと考えております。
最後に、この「PRN投与」を別の表現で表現できないかというところも検討し、いろいろ事例等の確認をさせていただきました。その中で、フレシキブル用法というような記載をされている事例があるという確認をしております。ただ、このフレシキブル用法という表現は一般的には使われておらず、かつ、この「PRN投与」の「必要に応じて投与する」というようなニュアンスが含まれていないと思われますので、こちらの表現を使うよりも「PRN投与」と使う方が良いのではないかと考えたところです。
以上の検討から、こちらの表現としては「PRN投与」という表現のままとさせていただくことがより良いのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方、御意見はいかがでしょうか。外園委員、お願いします。
○外園委員 PRNというのが、こういった抗VEGF薬が出てから一般的になっており、かなり専門的ですが、最もよく言い表していて、眼の所見を正しく把握し、専門家が判断して必要を検討するということで、その投与法が最も副作用が少なく効果があるということが多くありますので、私も言い換えない方がよろしいかと思いました。以上です。
○森部会長 先生、補足をどうもありがとうございました。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 私もそれでいいと思うのですが、その注の所に、もう少しニュアンスを書き加えていただかないと、先生がお話になったようなことが注からでは読み取れないのです。是非、専門家の先生に1行でも足していただければ、今のお話とも辻褄が合うのではないかと思います。
○外園委員 私もそう思います。「必要に応じて」では少し分かりにくいので、ただ、まだ眼科用語集にも出ておりませんので、企業は苦労されるかもしれませんが、「眼所見に応じて専門家が判断して必要を検討する」というニュアンスが入ればよろしいかと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構からよろしいでしょうか。
○森部会長 機構からどうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 機構から補足で御説明をさせていただきます。先ほど、注8)の所について、私はかなり省略して申し上げてしまいました。注8)の内容を読み上げます。「疾患の活動によると判断される視力低下、新たな/持続的な網膜下液、網膜内滲出液又は新たな/持続的な黄斑出血、その他連続投与が必要と判断された場合に最短4週間隔で投与を実施した。」と記載しております。こちらの表現ですが、こちらは臨床成績の項となりますので、この17項の臨床試験における設定を表現しているものになっております。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 それでは、PRNのことではなく、実際は投与の仕方を言っているわけです。PRNに対しての説明をすべきであるということを部会長からお話しているので、その1行、2行が入らないですかという話をしました。それから、専門家である委員の先生からもお話があったように、その1行、2行を加えるのはいかがでしょうかと機構に御指摘されたと理解しているのですが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局からよろしいでしょうか。書きぶりの話かと思いますので、注の書きぶりについては引き取らせていただきます。検討させていただきます。
○森部会長 可能でしたら、PRNの所の注は、PRNの言葉を説明していただき、「PRN投与をした」の所の注を注9)として、今回のこの投与の経緯を説明していただきたいのです。そのような趣旨です。
○新薬審査第三部長 頂いた御意見、どうもありがとうございます。御指摘の趣旨は理解できましたので申請者とも検討させていただきます。
○森部会長 患者さんもお読みになることを前提に、是非、記載整備いただきたいと思います。どうもありがとうございました。そのほか、先生方から追加の御発言はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。議題3について承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、議題4に移ります。議題4について、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。議題4、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回の一覧は4-1のとおりで、個別の品目については4-2からとなります。4-2から順を追って御説明いたします。
まず、資料No.4-2、elafibranor、申請者はIPSEN株式会社、予定効能・効果は原発性胆汁性胆管炎で、当該疾患は指定難病に指定されております。当該疾患は慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患です。この効能・効果で承認されている薬剤として、ウルソデオキシコール酸のみ承認されておりますが、効果不十分な患者も認められること等から、新たな治療選択肢が臨床的に必要とされております。本剤は、海外第III相試験において、主要評価項目である52週時点におけるレスポンスを達成した割合について、本剤群とプラセボ群の間に統計学的な有意差が認められております。現在、国内第III相試験が実施中です。
続いて、資料No.4-3、navepegritide、申請者は帝人ファーマ株式会社、予定効能・効果は骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症で、当該疾患は指定難病に指定されております。軟骨無形成症は、出生時より四肢短縮等を認め、加齢とともに成長障害が強くなり、低身長となります。本邦で軟骨無形成症に係る効能・効果で承認されている薬剤としてヒト成長ホルモン剤及びボソリチドがございますが、前者については、長期投与に関する報告で十分な伸長効果が得られたとするものはないこと、後者については連日の注射投与による患者負担が大きいとの報告があり、安全性についても、血圧低下関連の副作用の懸念もあることが知られています。本剤は、週1回の皮下投与により効果が期待できる薬剤です。開発の状況としては、小児軟骨無形成症患者を対象とした海外試験が実施中です。国内第III相試験も計画中という段階です。
続いて、資料No.4-4、umedaptanib pegol、申請者は株式会社リボミック、予定効能・効果は先ほどの品目と同じ骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症です。
本剤は、4-3とは作用機序が異なるものではありますが、ヒトでの血漿中濃度の上昇が緩やかで消失も緩徐であることから、1~2週間間隔での皮下投与が可能と期待されており、新たな選択肢になることが期待されます。本邦では、国内第II相試験等が実施中です。
続いて、資料No.4-5、シベプレンリマブ、申請者は大塚製薬株式会社、予定効能・効果はIgA腎症で、当該疾患は指定難病に指定されております。当該疾患は、血尿、蛋白尿が持続的に見られ、診断後20年以内に約4割が末期腎不全に至ります。現在、IgA腎症に係る効能・効果を有する薬剤としてジラゼプ塩酸塩水和物が承認されておりますが、長期投与で腎機能障害の進行抑制効果が認められなかったとの報告があり、新たな治療選択肢が必要とされております。本剤は、国際共同第II相試験において、プラセボ群と比較して有効性が示されているという状況です。現在、国際共同第III相試験等が実施中です。
続いて、資料No.4-6、シロリムス、申請者はノーベルファーマ株式会社、予定効能・効果は脈管異常に伴う皮膚病変です。本剤の治療対象となる皮膚病変を有する脈管奇形及び脈管腫瘍の患者数は、計1万6,000人程度と推計されます。本剤の治療対象となる脈管異常ですが、脈管奇形と脈管腫瘍の2群に大別される先天性疾患です。本邦では、シロリムス経口剤が脈管腫瘍及び脈管奇形を効能・効果として承認されておりますが、経口投与であるため、口内炎等の消化管障害や脂質異常等の副作用のリスクを伴い、用量調整等が必要になるというものです。ゲル剤である本剤の投与下では、血中への移行が僅かというところで、全身性副作用のリスクの低減等が期待され、新たな選択肢となることが期待されます。国内第II相試験を実施済みという状況で、○○○○○○○○○○○○○を計画中です。
続いて、資料No.4-7、ペグセタコプラン、申請者はSwedish Orphan Biovitrum Japan株式会社、予定効能・効果はC3腎症及び一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(以下、IC-MPGN)です。C3腎症及びIC-MPGNを含むMPGN患者は1,000人程度と推計されます。また、膜性増殖性糸球体腎炎の特徴を有さないC3腎症の患者を含めても、1,500人程度を超えることはないと推定されます。こちらは、相互に関連する疾患で、血尿、蛋白尿、ネフローゼ症候群等が生じる疾患です。C3腎症については本日の議題にありましたが、一次性IC-MPGNに係る効能・効果で承認されている治療薬はございません。現在、国際共同第III相試験において、主要評価項目についてプラセボ群と比較して本剤群で有意に有効性が認められているという状況です。こちらの国際共同第III相試験成績に基づき、承認申請が予定されております。
続いて、資料No.4-8、mezagitamab、申請者は武田薬品工業株式会社、予定効能・効果は慢性特発性血小板減少性紫斑病で、こちらは指定難病に指定されております。脳出血や重症消化管出血等の致死的な出血につながることもある重篤な疾患です。現在、治療薬としては、ステロイドが第一選択とされており、効果不十分又は不耐の患者では、トロンボポエチン受容体作動薬、リツキシマブ又は脾臓摘出の実施が推奨されておりますが、患者の20%は既存治療で効果不十分又は不耐であることが報告されているなど、既存治療で不十分というところで、新規の治療選択肢が必要とされている状況です。本剤は、既存の治療薬とは作用機序が異なるもので、医療上の必要性があると考えられます。
開発の可能性について、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続いて、資料No.4-9、Trofinetide、申請者はAcadia Pharmaceuticals inc.、予定効能・効果はレット症候群で、当該疾患は指定難病に指定されております。こちらは進行性の神経発達障害であり、手の常同運動の出現、発声の障害等、発達の退行が認められます。生涯を通した治療介入等が必要とされる疾患で、呼吸不全や不整脈等による突然死がレット症候群患者の死因の26%を占めることが報告されております。本邦では、こちらの疾患に対して承認された薬剤はございません。呼吸異常等に対して対症療法が試みられますが、有効な治療選択肢はないという状況です。レット症候群を対象とした海外第III相試験において、疾患スコアのベースラインからの変化量について、プラセボ群と比較して本剤群で有意差が認められ、優越性が検証されたという状況です。開発の可能性については、現在、国内第III相試験が実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。特にございませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、外園委員、髙橋委員、野津委員、前田委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題4について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、報告事項に移らせていただきます。報告事項、議題1、2について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、報告事項の議題1から御説明いたします。今回の報告事項一覧は資料5のとおりです。まず、議題1、希少疾病用医薬品の指定の取消について、御報告をいたします。
まず、資料No.6-1、フェニル酢酸ナトリウム・安息香酸ナトリウム中心静脈投与用製剤について、届出者は武田薬品工業株式会社、本剤は、尿素サイクル異常症における急性の高アンモニア血症及び脳症を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定をされておりましたが、こちらの製剤の導入元企業の判断により製造販売が中止されたことを受け、製剤入手が不可能となり、国内開発も困難となりました。よって、本剤の効能・効果に関する希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしました。
続いて、資料No.6-2、ニポカリマブ(遺伝子組換え)について、申請者はヤンセンファーマ株式会社、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎を予定効能・効果として、希少疾病用医薬品の指定を受けておりましたが、今般、同様の作用機序である胎児性Fc受容体を標的とするエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)を含有する医薬品、販売名はヒフデュラ配合皮下注ですが、こちらが同効能・効果で承認をされ、本剤について、指定要件を満たさなくなったため指定を取り消すものです。
続いて、議題2、資料No.7-1~7-5です。医療用医薬品の再審査結果について御説明いたします。資料No.7-1、レパーサ皮下注140mgペン、レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー、資料No.7-2、シクレスト舌下錠5mg及び同舌下錠10mg、資料No.7-3、タイサブリ点滴静注300mg、資料No.7-4、レクタブル2mg注腸フォーム14回、資料No.7-5、ルセフィ錠2.5mg、同錠5mg、同ODフィルム2.5mgについて、機構において再審査を行い、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断をしております。報告事項については以上です。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、報告事項1、2については御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上です。事務局から何かございますか。
○事務局 次回の部会は令和7年6月4日(水)午後6時から開催の予定です。よろしくお願いします。
○森部会長 本日も御審議を賜り、誠にありがとうございました。では、これで閉会させていただきます。
初めに、新しく当部会の委員として、神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野教授の野津寛大先生に御就任いただいておりますので、御紹介申し上げます。野津先生、御挨拶を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○野津委員 神戸大学の小児科の野津と申します。まだ不慣れなもので、分からないことがたくさんございますが、御指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬品審査管理課長 どうもありがとうございました。続きまして、本会議はペーパーレスでの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等、御不明点がありましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いします。
まず、本日の会議における委員の出席についてですけれども、阿古委員、大森委員、佐藤直樹委員から御欠席との連絡を頂いております。それから、現在のところ、赤羽委員、髙橋委員、田﨑委員がまだ御参加されておりませんけれども、また後ほど御参加いただけるものと思っております。
本日、現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員にこの会議に御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを報告申し上げます。
続きまして、事務局に人事異動がありましたので、御報告いたします。医薬品医療機器総合機構審査センター長、成川衛でございます。医薬品医療機器総合機構新薬審査第一部長の河野陽一でございます。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より適合している旨を御報告いただいておりますので、併せて報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
御協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、森部会長、以降の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をいたします。本日はあらかじめお送りした資料のうち、資料No.1~10を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料No.10に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは、次のとおりです。議題1、スリンダ。退出委員なし、議決に参加しない委員、矢野委員。議題2、ファビハルタ。退出委員、議決に参加しない委員ともになし。議題3、バビースモ。退出委員、議決に参加しない委員ともになし。議題4、希少疾病用医薬品の指定の可否。退出委員なし、議決に参加しない委員、外園委員、髙橋委員、野津委員、前田委員。以上です。
○森部会長 今の御説明に特段の御意見等はございますか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。本日の非公開議題は、審議事項4議題、報告事項2議題となっております。
それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。議題1につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、スリンダ錠28について、機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全24ページの通し番号で3ページを御覧ください。本剤は、合成黄体ホルモンであるドロスピレノン4mgを含有する実薬錠24錠、及び有効成分を含有しないプラセボ錠4錠から構成される経口避妊薬です。
現在、本邦では、経口避妊薬として、卵胞ホルモンと合成黄体ホルモンの配合剤である混合型経口避妊薬COCのみが承認されていますが、COCには血栓症のリスクが知られており、血栓性素因のある女性等には使用できません。一方、合成黄体ホルモン単剤の経口避妊薬は、血栓症リスクを有する女性にも使用可能とされていることから、本剤は、COCが使用できない女性も使用可能な経口避妊薬として開発され、今般、国内の臨床試験成績等に基づき、製造販売承認申請されました。本剤は、2025年1月現在、避妊に係る効能・効果で、欧米を含む62の国又は地域で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について9ページを御覧ください。避妊を希望する閉経前健康成人女性を対象とする国内第III相試験において、主要評価項目とされた13周期までの全般パール指数の両側95%信頼区間の上限値は、事前に設定された達成基準である4未満を満たしたことから、本剤の有効性は示されたと判断しました。安全性について、性器出血及び骨密度減少を中心に検討した結果、本剤投与時に特に注意を要する有害事象は認められないと判断しました。ただし、骨成長が終了していない可能性がある女性については情報が不足していることから、既承認の合成黄体ホルモン製剤と同様に、骨密度が減少する可能性があることについて注意喚起を行うことが妥当と判断しました。
血栓症リスクについて、18ページ、7.R.3、臨床的位置付け及び投与対象についての項を御覧ください。国内外の臨床試験において、血栓症に関連する有害事象は認められておらず、海外の製造販売後におけるVTEの発生率は、VTEの自然発生率と比較して、高い傾向は認められていません。以上より、WHOガイドラインの推奨どおり、本剤を血栓症リスクを有する女性に使用することは可能と判断しました。
本剤の安全性は、臨床的に許容可能であること、本剤の有効成分は、既承認の配合剤の有効成分の一つとして日本人において十分な投与実績があることから、製造販売後は、市販直後調査及び通常の医薬品安全性監視活動で収集された情報を踏まえ、必要に応じて追加のリスク最小化活動の要否を検討することが適切であると判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。
本剤は新効能・新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
事前に森部会長より、英国等の海外の添付文書で、活動性の静脈血栓塞栓症の患者が禁忌に設定されていることに関連して、本剤の添付文書における血栓症に係る注意喚起の要否について御質問いただいております。まず、回答に先立ち、本剤の臨床的位置付けについて、機構の臨床担当から御説明します。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の特徴を踏まえ、本剤に期待される臨床的位置付けについて御説明申し上げます。
本剤は、経口避妊薬としては本邦で初めてとなるプロゲスチンを単独で含有する製剤です。現在、本邦において、生殖可能年齢の女性が選択でき、パール指数が十分に低く、有効な経口避妊薬は、血栓症リスクが明らかなエチニルエストラジオールを含む配合剤のみとなっております。
若い女性に血栓症が発症するリスクが最も高まるのは、妊娠したときです。
膠原病、先天的・後天的な血栓性素因、血栓症の既往といった、特に血栓症リスクが高い素因を持つ女性では、妊娠時に血栓症を発症する可能性が更に高まります。したがって、これらの女性は、血栓症リスクをコントロールしながら、計画的に妊娠、出産をする必要があります。
日本産科婦人科学会等が発刊している経口避妊薬に関するガイドラインであるOC・LEPガイドラインには、経口避妊薬使用による静脈血栓塞栓症の発現リスクの記載があります。これによれば、女性1万人が1年間に静脈血栓塞栓症を発現する割合は、経口避妊薬非使用者の1~5人、経口避妊薬使用者は3~9人です。しかし、妊娠をすると5~20人、産後12週間には40~65人にまで増加します。
つまり、本剤は、血栓症リスクを持っていても計画的に妊娠をしたいと希望される女性と、そういった女性を診療している産婦人科医師にとって、長く待ち望まれた選択肢です。先天的に血栓性素因を持ち、エストロゲン、プロゲスチン配合剤を内服できない女性の中には、妊娠することにより血栓症のリスクが高まることを恐れて、結婚や異性との交際さえ躊躇される方もおられます。
エストロゲンが配合された経口避妊薬という選択ができない女性にとっては、本剤が初めて、そして唯一の選択肢となります。
エストロゲン製剤の血栓症リスクが確定している一方、プロゲスチン製剤の血栓症リスクには、薬剤により差があることが分かっています。また、血栓症リスクは、国内外で人種差があることが知られています。さらに、欧米では、本邦と異なり、エストロゲンを含有しない避妊インプラント、腟内ホルモン徐放避妊リングといった、本剤以外の選択肢があることも踏まえる必要があります。
もちろん、現在、血栓塞栓症を正に起こし、治療中、未治療である、そういった方においては、血栓の治療を優先させることが重要です。産婦人科医師には、経口避妊薬以外にも、低用量エストロゲン、プロゲスチン配合剤を始めとしたホルモン剤を使用してきた長い歴史があります。ホルモン剤の処方に当たっては、血栓症に特段の注意を払って診療が行われており、各種ガイドラインにおいても、血栓症の早期発見、早期対応を念頭に置いたリスク管理の重要性が記載されています。
したがって、本剤において、未治療で活動性の血栓塞栓症が禁忌とされた場合には、薬剤との関連の有無にかかわらず、血栓症を発症し得る、血栓症リスクが高い女性に本剤を投与することを産婦人科医師が忌避する処方行動を取られることが想定されます。また、本剤を処方された女性が、血栓症が発症したかもしれないと考えるきっかけがあった際に、自己判断で不規則に本剤を中断し、本剤の避妊効果が発揮できず、妊娠してしまうといったことが起こり得ます。
本部会の先生方におかれましては、本剤投与時の血栓症リスクの可能性の観点に加え、本剤により効果的な避妊ができない場合には、経口避妊薬よりはるかに高い血栓症をもたらす妊娠が起こってしまうという観点からも、本剤に期待される臨床的意義が損なわれることのないよう、適切な注意喚起の方策について、総合的に御検討を賜りますよう、お願い申し上げます。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 頂いた御質問への回答に戻ります。本剤を含むプロゲスチン単剤の経口避妊薬について、WHOのPOPガイドラインでは、抗凝固療法を受けているDVT・PEの患者に対しては、投与によるベネフィットがリスクを上回るカテゴリーIIとされている一方、未治療のDVT・PE急性期の患者に対しては、投与によるリスクがベネフィットを上回るカテゴリーIIIとされており、DVT・PEの患者に対しては、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要があると考えております。
以上より、先ほど臨床担当から御説明した本剤の臨床的位置付けを踏まえ、添付文書の9項、特定の背景を有する患者に関する注意の項に、活動性の静脈血栓塞栓症の患者を新たに設定し、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要がある旨、注意喚起することが適切と判断しました。機構からの説明は以上です。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございました。質問させていただきます。今、機構が、活動性の静脈血栓塞栓症の患者を新たに加えるとおっしゃったので、それは非常に良いことだと思うのですが、可能性がある方、つまり、自分自身が静脈血栓塞栓症になりやすいとか、その可能性が高いということが分かっていらっしゃる患者さんでしたらいいのですが、それが分からない、自分が静脈血栓塞栓症の症状があるかどうかが分からない方も、多分、初期症状のときには診察にいらっしゃるのではないかと思うのです。
例えば、足が浮腫むというようなことはよくあると思うのですが、足が浮腫んでいる状態が初期症状であるということが分からない患者さんもたくさんいるのではないかと思います。その場合、そういう方がこの当該薬を欲しいと思って産婦人科に行ったときに、実際に今おっしゃっていたような静脈血栓塞栓症の患者になり得るかどうかということは、どのようにしてお分かりになるのかを教えていただきたいと思います。
すみません、私の言葉が足りないのですが、つまり静脈血栓塞栓症であるということが分かっていらっしゃる患者であれば、実際に自分自身の既往歴として産婦人科の先生と相談し伝えられると思うのですが、可能性がある方も診察にいらっしゃるのではないかと思うので、その方がもし処方してもらって、万が一副作用が出てしまうことが心配でしたので、教えていただきたいと思いました。
○医薬品医療機器総合機構 スリンダ錠は、プロゲスチン単剤としては初めてですが、経口避妊薬を処方するに当たり、血栓症は非常に大事な副作用ですので、OC・LEPといった経口避妊薬等については、学会、医会ともに処方前の問診チェックシートを用意しており、ほぼ必ずそういったチェックシートの中で問題になる点については細かく聞くというようなことが取られています。
また、企業が用意されるような資材等もかなり親切な形で書いてあり、さらに、患者さん自身にこのような症状があったら連絡をというようなカードをお持ちいただく。実際に産婦人科の臨床では、OC、経口避妊薬を処方するという方は多いですので、そういった方々にそういった形で注意喚起をすることは、産婦人科の医師の間では、むしろしない方が、産婦人科の医師としては万が一ということで怖いというのがありますので、まず処方前にしっかりチェックをさせていただく。飲んだ後、このような症状が起きたらということで、常に連絡先を含めたカードを渡し、患者に携帯してもらうというような形で、初めて処方される方であること等も踏まえて、十分な注意喚起を心がけているところです。
○堀委員 ありがとうございます。関連でよろしいですか。
○森部会長 堀委員、どうぞ。
○堀委員 詳しく教えていただいて、ありがとうございます。安心いたしました。ただ、今回のお薬に関しては、24ページ、13ページの先ほど御説明いただいた所を拝見しておりますと、今回のPOPについては血栓症リスクがCOCと比較して非常に低いと書いてあります。従来のCOCですと、35歳以上で1日15本の喫煙をしていらっしゃる方には処方は不可という明確な基準があるのですが、私がここで気になったのが、非常に低いと書いてあるということは、結局は喫煙ということは、今後この当該薬においてもかなり判断の基準になると、そのように理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 COC、混合型の経口避妊薬で禁忌にされているような35歳以上で1日15本以上の喫煙者や、いわゆる血栓性素因のある患者については、本剤はそういった患者も組み入れる形で臨床試験が実施されており、特に安全性上の問題は認められておりません。
それから、先ほど申しましたが、WHOガイドラインで、本剤POPについては、血栓症のリスクがある患者にも使用可能と位置付けられていることを踏まえると、基本的にCOCで禁忌になるような患者さんに対しても、本剤は使用されるものと考えています。
○堀委員 ありがとうございます。そうしますと、喫煙に関しては、今回の当該薬に関しては、さほど基準が厳しいというようなことはないと理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおり、喫煙に関しては本剤については特に注意しなくてもよいと考えています。
○堀委員 ありがとうございました。喫煙に関しては非常に気になさっている方もいらっしゃると思いますので、確認してよかったです。
最後に、もう一つ質問なのですが、今回のこの当該薬の効能・効果は避妊ということですが、従来の低用量ピルにおいては、例えば生理痛やPMSの改善などにおいて、低用量ピルが扱われることがあると聞いています。このお薬も、例えばひどい生理痛やPMSなどの改善などには該当すると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤は経口避妊薬ということで、エストロゲンレベルを下げることによって、生理痛などに作用機序としては効果がある可能性はあると思いますが、本剤はあくまで経口避妊薬として開発され、避妊に関する有効性のみが示され、効能・効果としても避妊ということになりますので、生理痛やPMSの治療目的に使うものではありません。
○堀委員 かしこまりました。理解いたしました。詳しく説明していただき、ありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 そのほか、先生方から御質問、御意見はありますか。川上委員、どうぞ。
○川上委員 日本薬剤師会の川上です。先ほど、患者さんに携行していただくカードの御説明がありました。それは、RMPのリスク最小化計画の中に患者向医薬品ガイドによる情報提供というものがあるのですが、そのガイドの一環として、そういったカードも準備されるのか。RMPとは別なものとして、携行カードを考えられているのか。RMPとの関わりを教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど、現行の産婦人科の臨床現場では、血栓症に関する情報が患者携帯カードにより周知されているというお話をいたしましたが、本剤については、血栓症リスクは既承認のCOCと比べると極めて低い、血栓症リスクのある女性も使用できる経口避妊薬ですので、RMPにおいて、本剤についてカードを携帯するという規定にはなっておりません。
○川上委員 よく分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、いかがでしょうか。1点確認させてください。基本的なことですが、本剤を処方する医師については、要件や専門性から、特定の医師に限定されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤の処方に当たりましては、特に特定の専門分野の医師に処方が限定されているというものではないと思います。一般的には、産婦人科の医師ということにはなると思いますが。
○森部会長 一般には産婦人科の先生が処方されて、例えば医療アクセスが非常に悪い場合や、専門医に患者さんがアクセスしにくい場合には、一般医が担当するということがあり得る理解でよろしいでしょうか。また、その場合、診療のスタイルは、対面診療が前提になるのか、それとも対面診療以外も可能性としてはあり得るのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現行、低用量のピル、あるいはOC・LEP全般において、基本的にはオンライン診療がかなり広く扱われており、本剤においても特定の専門、例えば母体保護法指定医といったような資格等が必要とはなっておりませんので、処方される世代の女性のアクセスの観点から、将来的にそういったオンラインという仕組みがあり得るものとは考えております。
○森部会長 ありがとうございます。先ほど機構から御説明いただきました経口避妊薬の処方の際に用いられるチェックシートについては、処方を担当するあらゆる医師が入手可能で、利用できるものだと理解してよいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおり、基本的にはOC・LEPガイドラインという形で、日本女性医学学会、日本産科婦人科学会が作成しているガイドラインがあります。そちらの中に記載があったりしますので、そういった形で産婦人科という専門ではない先生も手に入れることは可能です。
○森部会長 では、そちらの利用を促し、適正な情報提供をしつつ本剤を処方するということについては、運用の基本になっているとの理解でよいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御理解のとおりかと存じます。
○森部会長 先ほどから議論いただいています活動性の静脈血栓塞栓症障害に関する注意喚起の項目の追加については、具体的には先ほどの9.1の項目に内容を追記していただくということですが、どういった文面で追記をすることを、機構では今お考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 9項への追記案ですが、先ほど冒頭で申し上げましたとおり、活動性の静脈血栓塞栓症の患者という項を新たに設定し、静脈血栓塞栓症の治療を優先する必要がある旨を記載することを考えております。
○森部会長 承りました。今の点について、特に先生方から御意見はありますか。アクティブにサーベイランスをしていくことを意図した文面、例えば「定期的な観察を行った上で、症状が見られた場合には、治療を優先する」といった文面にする必要性に足る医学的な根拠が十分ではありません。WHOのガイドラインは、未治療の活動性血栓症の方についてはカテゴリーIIIになっていて、抗凝固療法をされている方についてはカテゴリーIIになるという判断も、先日頂いた資料に確認できておりますので、今機構から御提示いただきましたように、血栓症の項目に係る記載内容としては、今の記載内容で必要かつ十分という御理解でよろしいでしょうか。もし何か追加の御発言がありましたら、お願いいたします。
今日は、循環器の先生がお二方とも欠席ということで、特に事前に何か御意見はありましたか。
○事務局 おおむね機構の方針には同意する旨の意見を承っております。
○森部会長 診療の状況が、非対面型の診療の状況の場合、患者さんの医学的な確認が十分に可能かどうかという点について懸念は残りますが、本剤を利用する患者さんの利便性、そして本剤を利用することによって得られるメリットを安定的に得ていただくために、患者さんの利便性に十分配慮した処方体制も重要かと思います。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。先ほどから部会長がおっしゃっているように、オンライン診療の現在の状況を鑑みると、今のような説明で十分それに耐えられるのか、機構はどのようにお考えになるのでしょうか。オンライン診療のメリットは分かりますが、リスクに対するどのような方策を現状の中でどう考えるのか。本当にその説明だけで足りるのかどうかということを、部会長はおっしゃっています。その辺りの理解について、機構は現場のことをもう少し理解されるような試みをしているのか、それから、その前提をお考えいただいているのかどうかが非常に心配で、そのことを部会長が申し上げていると、私は理解しているのです。
通り一遍なそのような文言では、私は足りないと考えております。臨床現場を考えて落とし込むときに、どのようにこの9.の所にそれを入れるのでしょうか。
また、資材をどのように作るのでしょうか。そして、患者と医師に関して、先ほど申し上げたとおり、オンライン診療では医師が十分な専門知識を持っているかどうかを患者が確認できない現状の中で、どのように考えられるのかを何度も繰り返しお聞きしているのだと思います。そのことを今までの委員が問いかけているということを、少し理解していただかないといけないのではないかと思います。これは、議事録に残しておいていただきたいと思います。それに対して機構がどのようにお答えになったのかということを、よく理解していただきたいと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御懸念の点については、産婦人科業界の中でも、やはり対面の診療で足りない点等を含めたオンライン診療の問題点等は、度々話題になるようなところです。一方、オンライン診療というものが、そもそもこういった経口避妊薬等の普及に大きく貢献しているところではあります。
そして、そういった診療体制がとられている中で、本剤が上市されることについては、基本的に既にリスクを持ちながらも上市されている先行の製剤、そして本剤が加わっていく中で、経口避妊薬の問題として広く関連学会等も、今後ガイドライン、対応策について漏れなく対策していく必要があると考えております。その点からは、本剤が承認される暁には、そういった学会とも適切に連携をして、診療体制、チェックの方法、こういったチェックシート等へのアクセスの方法、様々に方策について検討させていただきたいと思います。
○宮川委員 御説明ありがとうございます。臨床担当としてお話になっているわけですから、それならば、現在のオンライン診療の実態をどのようにお考えになっているのですか。オンライン診療が適切に行われているという前提でお話になっているわけですが、不十分な現状の中で、どのようにリスク対応を補完するのかということも非常に重要な観点なのです。それを、この文章の中にどのように盛り込めるかということをお話しているので、その9.の所が重要であるし、資材が重要であるということを私は申し上げているのです。
ガイドラインを作っている方は、オンライン診療に関して適切だから進めたいというお考えはそれでいいのですが、だからこそ、現状の中で、ということをよく考えていただいて、全てに対して、リスクがメリットを凌駕しないように、しっかりと構築をしなければいけないので、文言は丁寧に、利用者と使用者の両方に届くような仕方をしていただきたいと思います。そういったことで、当初からの疑念を様々な委員がお尋ねしているとの理解をしていただきたいと思うわけです。
それに対して機構はどのようにお考えいただいているのかということで、何度も繰り返しになりますが、十分でないところは十分に記載していただくということをしないと、後で問題が起こったときに、誰もがそれに対して責任を負えるように、現場が困らないようにしていただきたく、丁寧な文言をそこに入れ込むということは、是非お願いしたいと思う次第です。
○事務局 事務局から、今の森部会長及び宮川委員から御指摘いただいた点について、お話させていただきます。今後、医療法の改正なども国会の方でも議論が進みます。オンライン診療の適切な在り方に関しては、厚労省としてもあらゆる御議論があると承知しております。本剤の情報提供の在り方についてですが、御指摘のとおり、オンライン診療も含めて本当に適切に必要な情報が患者さんに対してきちんと提供されるのか、それは極めて重要な御指摘だと理解いたしました。つきましては、必要な患者向け資材の在り方なども、本日頂きました御意見を踏まえて、事務局及び機構と相談し、調整させていただければと思いますが、そのような形でもよろしいでしょうか。
○森部会長 オンライン診療そのものに問題があるわけではありませんので、オンライン診療を含めた、対面診療がセットになっている適切な医療提供の在り方について、一定のサーベイランスに置いた状態で本剤を上市させて活用いただくということを、是非事務局と機構でよく御検討ください。また、関連学会、場合によっては薬剤師会にも御尽力いただき、安全に本剤が患者さんの手に渡って利用していただく、安全に健康状態をチェックしていただくという形につながればと思っておりますので、是非御協力をお願いいたします。
それから、事務的なことで申し訳ございませんが、事前説明のときに少しお話しした添付文書の記載整備に関することが2点あります。1点目が、7.4.に関する記載の整備が、もし可能ならば、お願いしたいです。
それから、9.2の項目の所で、腎障害の方に対する記載があります。ミネラルコルチコイド作用には拮抗する本剤の作用がありますので、血漿レニンやアルドステロン値が上昇することは医学的にあり得るわけですが、実際は、アルドステロン作用は全体に抑制される方向に動くので、今の記載ですと、あたかもレニンやアルドステロンの作用が高まってしまうように誤認されるおそれがあります。本剤を使った場合にカリウムが上昇する懸念はあるのですが、アルドステロンが上がると書いてありますと、カリウムが下がってしまうよう誤認をされるおそれがあります。特に、軽度腎障害の方で若干カリウムが高い方への注意喚起の方向性が逆になってしまう可能性があります。米国の添付文書ではwarningにhyperkalemiaという記載があります。一定の条件の方では高カリウム血症を生じやすいという記載になっておりますので、高カリウム血症を生じる懸念があることについて、言及する形に記載整備をと考えているところです。以上2点ですが、機構からお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の質問から先に回答させていただきます。腎障害患者、9.2項の注意喚起の記載ですが、御指摘のとおりかと思いますので、こちらについては「本剤のアルドステロン拮抗作用により、カリウム値が上昇するおそれがある」という記載に修正することといたします。
1点目の御質問ですが、7.4項の「他剤から本剤に切り替える場合に、前に服用していた薬剤(有効成分を含む錠剤)をすべて服用した翌日に本剤の服用を開始させる」という記載が分かりにくいという御指摘と伺っております。経口避妊薬については、飲み忘れがないように1周期分が1シートに包装されており、「前に服用していた薬剤(有効成分を含む錠剤)をすべて服用」というのは、切替前に服用していた経口避妊薬の1シートの実薬錠を、規定に従い全て飲み終えるということを意図しております。
産婦人科の臨床現場では、添付文書のみならず、患者資材を活用するなどして、患者の薬剤の切替時の方法を含め、具体的な服用方法が分かりやすく伝えられるように工夫されており、本剤についても服薬方法に関する資材及び動画を作成中で、服用者に分かりやすく情報提供される予定です。こうした企業及び臨床現場の医師、薬剤師の努力もあり、今般の御指摘も踏まえ、既承認の経口避妊薬の副作用報告、薬局ヒヤリ・ハット事例、医療事故情報収集等事業の事例検索を行いましたが、現在までに、薬剤の切替時に誤って服用したとの報告や、誤って服用した症例で副作用があったという報告は認められておりません。
「すべて服用」という記載は、既承認のほかの経口避妊薬でも共通で、この領域の専門家にとっては当然で、これまで疑問が湧かなかったのですが、本剤が承認されますと、他剤から本剤へ切り替えるだけではなく、本剤から他剤に切り替えるということも想定されます。本剤は本邦で初めてのプロゲスチン単剤の経口避妊薬ですので、既承認の経口避妊薬の添付文書における切替方法についても手当てが必要になります。
ですので、本剤の承認後、ほかの経口避妊薬の切替方法も含めた経口避妊薬全体の記載の適切性について検討する必要がありますので、機構内で調整して対応したいと考えております。回答は以上になります。
○森部会長 私からの指摘は、「すべて服用」と見たときに、残薬を全て服用してしまう人が一定数出るのではないかということから、紛らわしい記載はなるべく排除しておきたいということでした。産婦人科の先生が綿密にケアされている方では起こらないと思いますが、不得手な先生が処方した場合等の注意喚起が不十分な場合に備えて、ここの記載も「予定されている一連の一定期間の処方分を一定期間で飲み終えた後の切替えのタイミングで」と書いていただく形が重要だと思っています。是非、今回の添付文書から記載整備をしていただきたいということをお願いしたいと思っておりましたので、御検討のほど、何とぞお願いいたします。
そのほか、委員の先生方から何かありますか。柴田委員からお願いします。
○柴田委員 細かい話ですが、2点事実関係を確認させてください。審査報告書14/24ページなのですが、海外での使用数が人・年でまとめられていて、累積使用量が174万人・年と書いてあります。これは、海外での使用実態が分からないので教えていただきたいのですが、どのぐらい長期間投与されている人が混ざっているのでしょうか。人・年法なので、人数×観察期間の積で170万ということなのですが、長期間使用されている方が含まれてこの数字なのか、短期間の人が多いのかというのは、どうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この人・年のうち、期間がどれぐらいかという情報は今持ち合わせておりませんので、確認して後ほど御連絡することでもよろしいでしょうか。
○柴田委員 ありがとうございます。もう一点は、ちょっとテクニカルな話なのですが、先ほど機構の御担当の方からも本剤の位置付けや本剤の必要性などの御説明は頂いて、納得したところです。例えば、海外で禁忌とされているものについて、本邦で特に禁忌などの注意喚起をしない場合においては、審査報告書の本剤の臨床的位置付けの項などで、そのことについて議論されておくのが自然なのではないかと考えるところですが、それがなされていないのには何か理由があるのでしょうか。
念のために先回りして補足すると、この部会で指摘されることが全部審査報告書に盛り込まれているべきであるなどということは申し上げていないのですが、今の話は、海外における禁忌を、本邦でこういう理由でそこまで強い注意喚起をしなくてよいという判断をされるところが、かなり審査の中でクリティカルな論点なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回のスリンダで活動性の静脈血栓塞栓症を禁忌にしない理由を審査報告書に書かなかった理由としては、海外の添付文書における禁忌は、海外で既承認の類薬での規定をそのまま踏襲されており、活動性の静脈血栓塞栓症についても、そのような判断から記載されていることを確認したことから、審査報告書で取り上げる必要は特にないと考えておりました。
確かに海外で禁忌になっているものを日本で禁忌にしないのかというのは重要な論点かとは思いますので、今後、審査報告書を作成する際には、その点も留意して記載することを検討したいと思います。御意見ありがとうございます。
○柴田委員 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見、御発言はありますか。よろしいでしょうか。先ほど事務局からもお話を承りましたように、本剤は実際の実臨床での応用に当たり、関連学会の御協力も頂き、体制整備をすることも、条件として伺っております。
そのほか特に御意見がないようであれば、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。
○佐藤(陽)部会長代理 佐藤です。繰り返しになるのですが、例えば審査報告書の3ページの上の方に、「血栓症リスクがCOCと比較して非常に低く、血栓症のリスクのある女性にも使用可能な避妊薬とされている」という文言があります。この文言が独り歩きすると、今まで展開していたような議論になると思うのです。その上で、結局WHOの考え方を踏襲して許容可能だとするのであれば、やはり審査報告書のこういった「血栓症のリスクがある女性にも使用可能な避妊薬」という表現が誤解を与えかねないので、審査報告書の表現や言い方を変えた方が良いと思うのです。少し工夫の仕方があるのではないかと思うのですが。
結局、WHOの考え方からすると、血栓症の治療を行っていれば使えるという話だと思います。なので、審査報告書でバッと書いてしまうと、ここだけ読んだ人は必ず誤解すると思うのです。そういったところを何か工夫しておいた方が良いと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘の「血栓症のリスクのある女性」という審査報告書の記載については、その前段の、血栓性素因のある女性や、35歳以上で1日15本以上の喫煙者等のCOCが使えないような患者さんについても、本剤POPに関しては治療選択肢になっているという意味で書いたものです。報告書については、この点に限らず、分かりやすい記載にするよう気を付けていきたいと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございます。要するに、血栓性素因のある女性であっても、その治療を行っていれば使えるという話ではないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 活動性の静脈血栓塞栓症の患者については治療が必要なのですが、先ほど申し上げましたとおり、喫煙本数が多い女性などは特に治療などは行わず、そのまま本剤を使うということになります。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。何か誤解を与えそうな気がして、しょうがないのですよね。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の記載について、検討させていただきます。
○森部会長 血栓症のリスクと、活動性の血栓症がある方の対応については、今回少し議論を深めさせていただきましたので、また新しい追加の対応も頂いたことに感謝いたします。
本剤は、従来の血栓症リスクと言われている様々な病態や、その患者さんの特性によっても、血栓症の発症リスクについて有意に上昇していることが確認されていないという点が最大のアドバンテージであり、従来治療できなかった方に対して避妊という経口避妊薬の選択肢を提供するという重大なミッションを持った薬剤かと思います。この経口避妊薬を服用する患者さんの世代には、若年性のがんを発症されて、がんの診療中に血栓を発生する方も大変多いです。そういった状況にも留意をしながら、本剤の利点をいかしつつ、かつ血栓症の重症化を抑える、再発予防が欠かせないということも重要なポイントかと思います。この点は、関連学会の方々の大変関心の高いところだと思いますので、関連学会並びに場合によっては循環器の先生方の御意見等も丁寧におまとめいただき、安全にリリースできるように御配慮いただきたく思っております。
それでは、議決に入らせていただいてよろしいでしょうか。なお、矢野委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。では、議題1について承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようです。それでは、承認を可とし、薬事審議会に報告いたします。
続いて、議題2に移ります。議題2について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ファビハルタカプセル200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料につきましては、資料No.2、ファビハルタカプセル200mgの審査報告書を御覧ください。
C3腎症は、後天性自己免疫抗体又は遺伝的変異により、補体第二経路の制御異常及び過剰活性化が生じ、補体第3成分(以下、C3)等の補体蛋白が腎臓の糸球体に蓄積することで惹起される慢性糸球体腎炎で、指定難病とされている一次性膜性増殖性糸球体腎炎に含まれる疾患です。現在、本邦においてC3腎症に係る効能・効果で承認されている医薬品はなく、確立された治療法はありません。
イプタコパン塩酸塩水和物(以下、本薬)は、補体B因子の活性部位に結合し、C3転換酵素を阻害することにより、補体第二経路の活性化を阻害することから、C3腎症におけるC3の糸球体への沈着を抑制し治療効果を示すことが期待されます。今般、C3腎症患者を対象とした国際共同試験の成績等から、本薬の有効性及び安全性が確認されたとして、C3腎症に係る効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
本薬は、本邦において、2024年6月に発作性夜間ヘモグロビン尿症(以下、PNH)の効能・効果で承認されており、海外では、2025年1月末時点で欧米を含む48の国又は地域で承認されております。C3腎症に係る効能・効果では、2025年3月に米国で、2025年4月に欧州で承認されております。本品目の専門協議では、本日の配布資料No.9に示します専門委員を指名しております。
本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
有効性に関して、審査報告書の通し番号14ページ、表12を御覧ください。
C3腎症患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目である、6か月時点の24時間蓄尿による尿蛋白/クレアチニン比(以下、UPCR)のベースラインに対する比について、プラセボに対する本薬の優越性が検証されました。
20ページ、表17を御覧ください。表17の一番上の行にお示ししております副次評価項目である、6か月時点のeGFRのベースラインからの変化量について、プラセボ群と比較し本薬群で改善効果が大きい傾向が認められております。
21ページ、表18を御覧ください。当該試験では、6か月間の二盲検期を完了した後、非盲検期では全例に本薬が6か月間投与される計画となっており、表18の一番下の行にお示ししておりますとおり、本薬投与開始12か月時点においても、二重盲検期から本薬投与が継続された本薬継続集団では、eGFRの大きな低下傾向はなく、プラセボ群から非盲検期に移行し本薬が投与された本薬切替集団では、本薬の切替えによりeGFRが改善する傾向が認められました。
また、同じ21ページ、表19を御覧ください。腎の病理組織学的評価である6か月時点の疾患活動性スコアのベースラインからの変化量、及び6か月時点のC3沈着スコアのベースラインからの変化量のいずれについても、プラセボ群と比較して本薬群でベースラインからより改善する傾向が認められました。
以上より、当該試験の主要評価項目に加え、副次評価項目等の成績から、総合的に本薬の臨床的意義があるC3腎症に対する治療効果は示されていると判断しました。
日本人集団の症例は限られているため、全体集団と日本人集団の成績の一貫性を厳格に検討することは困難でありますが、個々の症例の検討において本薬投与後にUPCRとeGFRが改善している症例はあり、日本人の有効性を否定するような結果はなかったことから、日本人のC3腎症患者においても有効性は期待できると判断いたしました。
安全性に関しまして、26ページの表21を御覧ください。C3腎症患者を対象とした国際共同第III相試験の二重盲検期における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、プラセボ群と比較し
本薬群で臨床上問題となるような差異は認められませんでした。
次に、27ページ、7.R.2.3、注目すべき有害事象の方を御覧ください。本項にお示ししておりますとおり、C3腎症患者において既承認効能・効果であるPNHと比較して現時点で明らかな懸念は認められていないことから、適応疾患の診断・治療に精通し、本薬のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関の下で、髄膜炎菌感染症の診断・治療に精通した医師との連携をとった上で使用する等、現在、実施されている既承認効能・効果と同様の安全対策を講じる必要があると考えております。
以上、機構での審査の結果、C3腎症に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、1~2ページに記載した承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
再審査期間について、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しています。
機構からの説明は以上になります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。これは、医師要件、施設要件はどのように設定されているのでしょうか。今、お話があったのですが、厚労省か分かりませんけれども、どこが、何をもって規定するのでしょうか。適正使用ガイドラインがないとすると、医師要件、施設要件はどのように規定すればよろしいのでしょうか。教えていただければ幸いです。
○事務局 事務局より説明いたします。こちらにつきましては、ファビハルタの既承認の効能のときになるのですけれども、通知を出しておりまして、添付文書に記載があるような記載の内容にはなりますが、このような医師に関して適切に使ってくださいという通知は出してございます。
○宮川委員 そうすると、2ページの承認要件の3.の所は、このような記載だけでいいということでしょうか。つまり、本剤投与がうんぬんという所で、診断・治療に精通した医師との連携をとった上でのみ行われるよう、それから、十分に管理できる医師・医療機関の下というように書いていますが、これはどのように設定しているのでしょうか。具体的なことは全く書かれていないので、文言だけ書いて免罪符になっていいのかということにはならないのでしょうか。ここまで書くのであれば、どのように設定されたのかについてお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど審査管理課からも御説明がありましたように、治療に精通した医師の下で使われるように添付文書で注意喚起しています。その上で、本剤につきましては、承認条件に基づいて、本剤が適切な医師・医療機関の下でのみ使用されるよう、納入管理の運用が、既承認のPNHのときと同様に、今回の効能・効果についても行われる予定となっております。
その納入管理の中で、製薬会社の医薬情報担当者が納入する医療機関を訪問して医師要件、施設要件などを確認するのですが、具体的には、医師要件につきましては、C3腎症の治療に十分な知識・経験を有する医師であること。製造販売業者が定期的に訪問することが可能な医師であること。患者カードの運用を承諾し実施する医師であること。これを医師要件としてMRが確認する流れとなっております。
さらに、施設要件としましては、C3腎症の治療に十分な知識・経験を有する医師が在籍している施設であること。また、髄膜炎菌等の重篤な感染症の診断及び治療が可能な施設又は連携がとれる施設であることをMRが確認し、そういった確認をした後に、MRは、その説明を行った医師から、署名済みの適正使用確認書を入手するという流れになっております。
○宮川委員 ありがとうございます。では、そういう規定は製造販売業者が事実上規定し指定するというような形ですか。そういう体制が今まであったのか、また、どのように今まで運用されてきたのでしょうか。そうすると、これは問題になってくるのではないかと思います。つまり、販売の会社が規定するのであれば大変なことになるのではないでしょうか。MRが個々で決めているのですか、それとも、会社が決めるのですか。その責任者はどこにいるのですかということを私はお聞きしていると理解していただければ幸いです。
○医薬品医療機器総合機構 審査の中で、そういった要件など実際の運用については、機構がそういった運用で使われることを申請者から確認した上で、その後、実際に販売が開始された後には、製造販売業者の方が、そういう指定要件に合致していることを確認する流れになっております。以上で回答になっておりますでしょうか。
○宮川委員 ですから、指定要件を販売業者が確認するとなると大事になるのではと心配になります。
○医薬品医療機器総合機構 今、添付文書の方で、実際に専門医であるとか、そういうところはありますので、あくまで規定の部分については書いてありますというところです。実際、納入する前に、企業が条件に合っているかを医師や施設の方に確認した上で納入する流れになっているところです。あくまで規定は添付文書等になっています。
○新薬審査第一部長 補足させていただきます。基本的に、その要件というのは企業を通じて運用することになるのですけれども、内容については審査の中でこちらも確認した上で設定していますので、企業が独自に自分で良い先生を選んでということはございません。そこは御安心いただければと思います。その内容については事前に機構が審査の中で確認して、その内容を製造販売後に運用していただく形で考えております。以上です。
○宮川委員 では、実際に使われる医師は機構が管理するということですか。実際に医師要件で該当して使用する医師・医療機関というのは、どのように規定されるのか、今のお答えだと、機構が規定し管理するという趣旨のように聞こえます。
○医薬品審査管理課長 ちょっとだけ補足させていただきます。私の理解ですと、まず添付文書の規定というのは、この審査の過程で規定をするということだと思っています。その後、医師要件とか、添付文書に従ってちゃんとやっているかどうかというのは企業がやることになると思いますが、その企業がやった行為について、それが適切かどうかについては、多分、GVPだと思いますけれども、査察行為というのがありますので、その中で確認する。若しくは、市販直後調査でそこまで見ているか、今、にわかに分かりませんけれども、そういうような後々の確認行為で確認するということだと理解しています。
○医薬安全対策課長 安全対策課の方から、市販後の安全確保体制について、今、審査課長からGVPというお話もございましたので、補足させていただきたいと思います。まず、製造販売業者の要件として、安全対策業務に責任を持つ者を規定することになっています。総責と呼ばれている人の下に安全管理の責任者がいまして、この者の下で、担当者が規定した規則に従って必要な情報収集、対策をとることをして、それを記録に取るということをしています。これについて、5年に1度の許可の更新時にGVP省令の適合性ということで確認する体制がございます。こういったものの中で適切な実施体制が確保されていることを行政としても確認するという立て付けになっています。
○宮川委員 今、医薬安全対策課長からお話があったように、つまり、MRが決めているわけではなく、適切に規定された責任者を置いて、それで定期的にやっていると、これは当然のことですけれども、そのような理解でよろしいわけですね。
○医薬安全対策課長 定められたルールをきちんとMRも含めた担当者が守っているということは記録を取って、また、それが後で確認できるような体制としております。
○宮川委員 そういう意味で、機構もMRという言葉を使ったわけですが、そういうことではなくて、実際に企業の中に責任者を置いて、なおかつ、繰り返し定期的に審査、管理をすることの中で、医師要件、施設要件をある程度規定するというか、確認を取りながらやっているのが現状であるということを御理解いただきたいと思います。以上です。
○森部会長 宮川委員、ありがとうございました。一つ確認ですが、この医師要件や施設要件の目安となる基準は、関連する専門医の学会等では監修若しくは管理はなさるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 特に実際に設定する前に、学会に確認いただく等は行っていないですけれども、あくまで専門の先生が、この薬剤を使うようにという意図で添付文書の方に注意喚起しております。
○森部会長 審査報告書に記載いただいている承認条件の3.の3行目に、製造販売に当たって必要な措置を講じることと一文がありますが、この講じる主体が誰かということが、今、議論されているところです。これは様々な可能性がございますけれども、合目的性などを鑑みますと、本剤を使用して患者さんに治療を行う専門医の集団の意向を十分反映していただき、かつ、国が妥当性を十分吟味した上で、機構並びに製造販売元に適切な運用を指示して実施することが望ましいのではないかと思います。したがって、宮川委員が心配されていますように、製造販売元に一元的に移管するのでは製造販売元の判断になってしまうおそれがあるので、十分、事前に施設要件や医師要件についての吟味をしていただき、そこに専門学会等の判断を加えた上で運用いただきたいということだと思います。お願いします。
○審議官 御質問いただき、ありがとうございます。要するに、添付文書とか承認の際の医師の専門性等についてですけれども、これは非常に難しい問題でありまして、例えばこういう所で何とか学会の何とか専門医とか、何とか認定医というのを書いてしまうのがいいのかということだと思います。要するに、そういう資格がないと薬というものは使ってはいけないというものでは必ずしもないわけです。そういう意味で、これは物の審査、物の有効性、安全性ということですから、それはそういう専門知識を有する先生方と、そういう考え方として書いているところです。実際、それを製造販売するということで販売行為として運用していく場合には、当然、国の方から専門学会等に対して通知をさせていただき、こういう製品が製造販売されるという形の中で、学会の先生方にも、こういう要件になっているので適切に使用してほしいと呼び掛けていく形にしています。そこを添付文書の中で細かく指定する形は、これまでも取ってきていませんので、そこは御理解いただければと思っています。
○宮川委員 私もそのように理解しているのですが、改めて、承認要件の条件に余りふさわしくない文言だなと思いました。逆に要件にするのであれば、あからさまにそういうものを付けなければいけないという形になってしまいます。「講じること」ということは望ましいという意味が含まれていますから、承認条件の中にこれを書かれてしまうと、どのように規定するのかなという疑念が生まれてくるので、その辺の表現等を今後も考えていかなければいけない問題なのかなと思ったものですから、指摘させていただいたということです。
○審議官 御懸念は私どももよく理解しております。ということですので、こういう物の承認としての要件としては、あくまで何か学会とか専門医を決め打ちする形ではない形で書かせていただきますが、適正使用する上での対応として、行政からもそういう所に対して、しっかりと周知をさせていただくというやり方で対応させていただきますので、是非とも御理解のほどお願いいたします。
○宮川委員 ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。今回の承認条件の記載が、「治療に精通した医師との連携をとった上でのみ行われるよう、必要な措置を講じること」となっていると、余り違和感はなかったのですが、「製造販売に当たって」という文が織り込まれていたので、これは製造販売元を意識した記載ではないかと懸念されたということもございます。本来はそうあるべきではなく、十分な専門家との合議の上で実施されるべきだということを、宮川委員の御発言の中から私も汲み取ったところです。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますか。よろしいでしょうか。
一つ、私からお願いします。先ほど御説明いただいた際に臨床成績の御紹介を頂きまして、主要評価項目の成績、尿のアルブミンの成績ですね、それから、eGFRの推移は副次評価項目になっていますけれども、これらを総合的に判断して有用性をと御発言がございました。一方、添付文書に記載されている臨床成績につきましては、主要評価項目のみ記載されている状況です。主要評価項目以外にも重要な結果を含めて、総合的に有用性を判断して承認するので、添付文書にも総合的に判断した根拠を記載すべきであると考えています。機構のお考えはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。機構より回答させていただきます。添付文書の臨床試験の項については、承認を受ける効能・効果等の根拠となる主要な臨床試験の結果を記載する箇所ですので、機構としましては、有効性に関してはその有効性が検証された主要評価項目の結果を記載するものと考えており、その他の副次評価項目等については資材等で情報提供することが適当と考えているため、部会資料の添付文書案では、今回の試験の主要評価項目であるUPCRの結果のみを記載していました。ただ、御指摘のとおり、機構としましても、UPCRよりも腎予後との関連が強いと考えられるeGFRへの効果も重要と考えておりまして、今回の審査では、そういった結果も踏まえて、主要評価項目だけでなく、eGFR等の結果も見て総合的に評価を行っておりましたので、御指摘のとおり、添付文書の臨床成績の項にeGFRの結果も追記したいと思います。
○森部会長 是非、御検討のほどお願いします。ありがとうございます。そのほか、先生方から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入りたいと思います。議題2につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題3に移らせていただきます。議題3につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、バビースモ硝子体内注射液120mg/mL他1規格の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。審査報告書通し番号5ページ、1.起源又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等の項を御覧ください。
本剤は、血管新生や血液成分の漏出等に関与している血管内皮増殖因子VEGF-A及びアンジオポエチン2に対する遺伝子組換えヒト化二重特異性免疫グロブリンG1モノクローナル抗体であるファリシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする硝子体内注射剤であり、本邦では、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性等の効能・効果で承認されております。
網膜色素線条(以下、AS)は、ブルッフ膜の弾力線維が変性して断裂することで、視神経乳頭から放射状に認められる色素沈着を伴った白色の線条を特徴としており、無症状であることが多いものの、ブルッフ膜が断裂した部位から生じた脈絡膜新生血管(以下、CNV)が黄斑部に及んだ場合、視力低下等を引き起こします。CNVの伸長にはVEGF-A及びアンジオポエチン2が関与していることが示唆されており、本剤がCNVを伴うASを改善することが期待されたことから、本邦では20○○年○月から臨床試験が開始され、今般、国内の臨床試験成績によりCNVを伴うASに対する本剤の有効性及び安全性が確認されたとして、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
なお、本剤は、新生血管を伴う網膜色素線条を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定されております。また、海外において、CNVを伴うASに係る効能・効果について承認されている国又は地域はございません。本申請の専門委員として、資料No.9に記載されております4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。
まず、有効性について、通し番号6ページ、7.1、国内第III相試験の項を御覧ください。CNVを伴うAS患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした非遮蔽非対照試験が実施されました。本試験の主要評価項目の結果は、通し番号7ページ、表2を御覧ください。主要評価項目とされた12週時のBCVAのベースラインからの変化量の90%信頼区間の下限値は3.0文字であり、事前に設定された閾値である0文字を上回り、試験の成功基準を満たしました。以上から、CNVを伴うASに対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
続いて、安全性について、通し番号11ページ、7.R.3、安全性についての項を御覧ください。CNVを伴うAS患者における本剤投与による安全性上の明確な新たな懸念は認められておらず、既承認の効能・効果に対する投与時と同様に、特に、眼内炎、眼内炎症、網膜剥離及び網膜裂孔、眼圧上昇並びに動脈血栓塞栓事象についての注意喚起を行うことが適切と判断いたしました。また、ASの主な原因疾患であります弾性線維性仮性黄色腫(以下、PXE)の患者に対する本剤の使用についても、本試験では、既承認の効能・効果を有する患者と比較し、リスクの増加は示唆されておらず、動脈血栓塞栓事象のリスクについて、引き続き添付文書等を用いた医療従事者への適切な情報提供を前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会にて御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間は10年とすることが適当と判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます
○森部会長 御説明ありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。御専門領域で外園委員、もし御発言がございましたら、いかがでしょうか。
○外園委員 臨床でよく使われており、私の方からは特に追加はございません。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、委員の先生方から御質問、御意見はよろしいでしょうか。先日、御指摘した添付文書のPRNについては、記載整備をお願いしてよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの御説明をさせていただいてよろしいでしょうか。
○森部会長 お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 事前に、森部会長から添付文書の17.1.7項、国内第III相試験の項の本文3行目の「PRN投与した」のこの「PRN投与」という表現について、この略称が初出であることから、分かりやすい記載整備をした方がいいのではないかという御指摘を頂いておりました。こちらについて検討させていただいた結果、この表現のままとさせていただければと考えております。その検討内容を御説明いたします。
まず、PRNとは何かですが、審査報告書の23ページ、一番最後のページの略語等一覧の中ほどに記載しております。こちらは「pro re nata」というラテン語の略称で、日本語では「必要に応じて」という表現となっております。
こちらの「PRN投与」という表現ですが、新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン等の硝子体内投与に係るガイドラインにおいても用いられている表現であり、本剤を使用されるような眼科学を御専門とされる医療従事者にとっては広く認識されている表現と考えております。したがって、こちらを例えば「必要に応じて」と記載するよりも、御専門の先生にとっては、位置付けが御理解いただきやすいのではないかと考えております。
一方で、御専門ではない方に対してですが、添付文書を御確認いただければ、注8)のPRN投与の内容、具体的には、疾患活動性に応じて、必要に応じて投与することといった旨の注釈を付けておりますので、この注釈を御確認いただければ、この領域が御専門でない方にも御理解を頂けるのではないかと考えております。
最後に、この「PRN投与」を別の表現で表現できないかというところも検討し、いろいろ事例等の確認をさせていただきました。その中で、フレシキブル用法というような記載をされている事例があるという確認をしております。ただ、このフレシキブル用法という表現は一般的には使われておらず、かつ、この「PRN投与」の「必要に応じて投与する」というようなニュアンスが含まれていないと思われますので、こちらの表現を使うよりも「PRN投与」と使う方が良いのではないかと考えたところです。
以上の検討から、こちらの表現としては「PRN投与」という表現のままとさせていただくことがより良いのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方、御意見はいかがでしょうか。外園委員、お願いします。
○外園委員 PRNというのが、こういった抗VEGF薬が出てから一般的になっており、かなり専門的ですが、最もよく言い表していて、眼の所見を正しく把握し、専門家が判断して必要を検討するということで、その投与法が最も副作用が少なく効果があるということが多くありますので、私も言い換えない方がよろしいかと思いました。以上です。
○森部会長 先生、補足をどうもありがとうございました。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 私もそれでいいと思うのですが、その注の所に、もう少しニュアンスを書き加えていただかないと、先生がお話になったようなことが注からでは読み取れないのです。是非、専門家の先生に1行でも足していただければ、今のお話とも辻褄が合うのではないかと思います。
○外園委員 私もそう思います。「必要に応じて」では少し分かりにくいので、ただ、まだ眼科用語集にも出ておりませんので、企業は苦労されるかもしれませんが、「眼所見に応じて専門家が判断して必要を検討する」というニュアンスが入ればよろしいかと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構からよろしいでしょうか。
○森部会長 機構からどうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 機構から補足で御説明をさせていただきます。先ほど、注8)の所について、私はかなり省略して申し上げてしまいました。注8)の内容を読み上げます。「疾患の活動によると判断される視力低下、新たな/持続的な網膜下液、網膜内滲出液又は新たな/持続的な黄斑出血、その他連続投与が必要と判断された場合に最短4週間隔で投与を実施した。」と記載しております。こちらの表現ですが、こちらは臨床成績の項となりますので、この17項の臨床試験における設定を表現しているものになっております。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 それでは、PRNのことではなく、実際は投与の仕方を言っているわけです。PRNに対しての説明をすべきであるということを部会長からお話しているので、その1行、2行が入らないですかという話をしました。それから、専門家である委員の先生からもお話があったように、その1行、2行を加えるのはいかがでしょうかと機構に御指摘されたと理解しているのですが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局からよろしいでしょうか。書きぶりの話かと思いますので、注の書きぶりについては引き取らせていただきます。検討させていただきます。
○森部会長 可能でしたら、PRNの所の注は、PRNの言葉を説明していただき、「PRN投与をした」の所の注を注9)として、今回のこの投与の経緯を説明していただきたいのです。そのような趣旨です。
○新薬審査第三部長 頂いた御意見、どうもありがとうございます。御指摘の趣旨は理解できましたので申請者とも検討させていただきます。
○森部会長 患者さんもお読みになることを前提に、是非、記載整備いただきたいと思います。どうもありがとうございました。そのほか、先生方から追加の御発言はございますか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。議題3について承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、議題4に移ります。議題4について、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。議題4、希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回の一覧は4-1のとおりで、個別の品目については4-2からとなります。4-2から順を追って御説明いたします。
まず、資料No.4-2、elafibranor、申請者はIPSEN株式会社、予定効能・効果は原発性胆汁性胆管炎で、当該疾患は指定難病に指定されております。当該疾患は慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患です。この効能・効果で承認されている薬剤として、ウルソデオキシコール酸のみ承認されておりますが、効果不十分な患者も認められること等から、新たな治療選択肢が臨床的に必要とされております。本剤は、海外第III相試験において、主要評価項目である52週時点におけるレスポンスを達成した割合について、本剤群とプラセボ群の間に統計学的な有意差が認められております。現在、国内第III相試験が実施中です。
続いて、資料No.4-3、navepegritide、申請者は帝人ファーマ株式会社、予定効能・効果は骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症で、当該疾患は指定難病に指定されております。軟骨無形成症は、出生時より四肢短縮等を認め、加齢とともに成長障害が強くなり、低身長となります。本邦で軟骨無形成症に係る効能・効果で承認されている薬剤としてヒト成長ホルモン剤及びボソリチドがございますが、前者については、長期投与に関する報告で十分な伸長効果が得られたとするものはないこと、後者については連日の注射投与による患者負担が大きいとの報告があり、安全性についても、血圧低下関連の副作用の懸念もあることが知られています。本剤は、週1回の皮下投与により効果が期待できる薬剤です。開発の状況としては、小児軟骨無形成症患者を対象とした海外試験が実施中です。国内第III相試験も計画中という段階です。
続いて、資料No.4-4、umedaptanib pegol、申請者は株式会社リボミック、予定効能・効果は先ほどの品目と同じ骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症です。
本剤は、4-3とは作用機序が異なるものではありますが、ヒトでの血漿中濃度の上昇が緩やかで消失も緩徐であることから、1~2週間間隔での皮下投与が可能と期待されており、新たな選択肢になることが期待されます。本邦では、国内第II相試験等が実施中です。
続いて、資料No.4-5、シベプレンリマブ、申請者は大塚製薬株式会社、予定効能・効果はIgA腎症で、当該疾患は指定難病に指定されております。当該疾患は、血尿、蛋白尿が持続的に見られ、診断後20年以内に約4割が末期腎不全に至ります。現在、IgA腎症に係る効能・効果を有する薬剤としてジラゼプ塩酸塩水和物が承認されておりますが、長期投与で腎機能障害の進行抑制効果が認められなかったとの報告があり、新たな治療選択肢が必要とされております。本剤は、国際共同第II相試験において、プラセボ群と比較して有効性が示されているという状況です。現在、国際共同第III相試験等が実施中です。
続いて、資料No.4-6、シロリムス、申請者はノーベルファーマ株式会社、予定効能・効果は脈管異常に伴う皮膚病変です。本剤の治療対象となる皮膚病変を有する脈管奇形及び脈管腫瘍の患者数は、計1万6,000人程度と推計されます。本剤の治療対象となる脈管異常ですが、脈管奇形と脈管腫瘍の2群に大別される先天性疾患です。本邦では、シロリムス経口剤が脈管腫瘍及び脈管奇形を効能・効果として承認されておりますが、経口投与であるため、口内炎等の消化管障害や脂質異常等の副作用のリスクを伴い、用量調整等が必要になるというものです。ゲル剤である本剤の投与下では、血中への移行が僅かというところで、全身性副作用のリスクの低減等が期待され、新たな選択肢となることが期待されます。国内第II相試験を実施済みという状況で、○○○○○○○○○○○○○を計画中です。
続いて、資料No.4-7、ペグセタコプラン、申請者はSwedish Orphan Biovitrum Japan株式会社、予定効能・効果はC3腎症及び一次性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(以下、IC-MPGN)です。C3腎症及びIC-MPGNを含むMPGN患者は1,000人程度と推計されます。また、膜性増殖性糸球体腎炎の特徴を有さないC3腎症の患者を含めても、1,500人程度を超えることはないと推定されます。こちらは、相互に関連する疾患で、血尿、蛋白尿、ネフローゼ症候群等が生じる疾患です。C3腎症については本日の議題にありましたが、一次性IC-MPGNに係る効能・効果で承認されている治療薬はございません。現在、国際共同第III相試験において、主要評価項目についてプラセボ群と比較して本剤群で有意に有効性が認められているという状況です。こちらの国際共同第III相試験成績に基づき、承認申請が予定されております。
続いて、資料No.4-8、mezagitamab、申請者は武田薬品工業株式会社、予定効能・効果は慢性特発性血小板減少性紫斑病で、こちらは指定難病に指定されております。脳出血や重症消化管出血等の致死的な出血につながることもある重篤な疾患です。現在、治療薬としては、ステロイドが第一選択とされており、効果不十分又は不耐の患者では、トロンボポエチン受容体作動薬、リツキシマブ又は脾臓摘出の実施が推奨されておりますが、患者の20%は既存治療で効果不十分又は不耐であることが報告されているなど、既存治療で不十分というところで、新規の治療選択肢が必要とされている状況です。本剤は、既存の治療薬とは作用機序が異なるもので、医療上の必要性があると考えられます。
開発の可能性について、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続いて、資料No.4-9、Trofinetide、申請者はAcadia Pharmaceuticals inc.、予定効能・効果はレット症候群で、当該疾患は指定難病に指定されております。こちらは進行性の神経発達障害であり、手の常同運動の出現、発声の障害等、発達の退行が認められます。生涯を通した治療介入等が必要とされる疾患で、呼吸不全や不整脈等による突然死がレット症候群患者の死因の26%を占めることが報告されております。本邦では、こちらの疾患に対して承認された薬剤はございません。呼吸異常等に対して対症療法が試みられますが、有効な治療選択肢はないという状況です。レット症候群を対象とした海外第III相試験において、疾患スコアのベースラインからの変化量について、プラセボ群と比較して本剤群で有意差が認められ、優越性が検証されたという状況です。開発の可能性については、現在、国内第III相試験が実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。特にございませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、外園委員、髙橋委員、野津委員、前田委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題4について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて、報告事項に移らせていただきます。報告事項、議題1、2について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、報告事項の議題1から御説明いたします。今回の報告事項一覧は資料5のとおりです。まず、議題1、希少疾病用医薬品の指定の取消について、御報告をいたします。
まず、資料No.6-1、フェニル酢酸ナトリウム・安息香酸ナトリウム中心静脈投与用製剤について、届出者は武田薬品工業株式会社、本剤は、尿素サイクル異常症における急性の高アンモニア血症及び脳症を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定をされておりましたが、こちらの製剤の導入元企業の判断により製造販売が中止されたことを受け、製剤入手が不可能となり、国内開発も困難となりました。よって、本剤の効能・効果に関する希少疾病用医薬品の指定を取り消すこととしました。
続いて、資料No.6-2、ニポカリマブ(遺伝子組換え)について、申請者はヤンセンファーマ株式会社、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎を予定効能・効果として、希少疾病用医薬品の指定を受けておりましたが、今般、同様の作用機序である胎児性Fc受容体を標的とするエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)を含有する医薬品、販売名はヒフデュラ配合皮下注ですが、こちらが同効能・効果で承認をされ、本剤について、指定要件を満たさなくなったため指定を取り消すものです。
続いて、議題2、資料No.7-1~7-5です。医療用医薬品の再審査結果について御説明いたします。資料No.7-1、レパーサ皮下注140mgペン、レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー、資料No.7-2、シクレスト舌下錠5mg及び同舌下錠10mg、資料No.7-3、タイサブリ点滴静注300mg、資料No.7-4、レクタブル2mg注腸フォーム14回、資料No.7-5、ルセフィ錠2.5mg、同錠5mg、同ODフィルム2.5mgについて、機構において再審査を行い、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断をしております。報告事項については以上です。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、報告事項1、2については御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上です。事務局から何かございますか。
○事務局 次回の部会は令和7年6月4日(水)午後6時から開催の予定です。よろしくお願いします。
○森部会長 本日も御審議を賜り、誠にありがとうございました。では、これで閉会させていただきます。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬品審査管理課 課長補佐 浦(内線2746)

