2025年6月4日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
令和7年6月4日(水)18:00~
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
出席者
- 出席委員(20名)五十音順
-
- 赤羽悟美
- 阿古潤哉
- 石川欽也
- 大谷壽一
- 大森哲朗
- 川上純一
- 佐藤直樹
- ○佐藤陽治
- 柴田大朗
- 外園千恵
- 髙橋悟
- 田﨑嘉一
- 中西浩一
- 野津寛大
- 長谷川俊史
- 堀恵
- 前田愼
- 松野智宣
- ◎森保道
- 矢野育子
(注)◎部会長 ○部会長代理
- 欠席委員(2名)五十音順
-
- 佐藤雄一郎
- 宮川政昭
行政機関出席者-
- 城克文 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 中井清人 (医薬局医薬品審査管理課長)
- 野村由美子 (医薬安全対策課長) 他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは、定刻になりましたので「薬事審議会 医薬品第一部会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただきましてどうもありがとうございます。本会議はペーパーレスでの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点等ありましたら、適宜事務局がサポートいたしますのでよろしくお願いいたします。
本日の会議における委員の出席についてですけれども、佐藤雄一郎委員、宮川委員より、御欠席との御連絡を頂いております。そのほか、佐藤直樹委員、田﨑委員、長谷川委員、前田委員は後ほど参加されると聞いております。
本日、現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況について報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~No.20を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料20に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1「アネレム」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員。議題2「ゼオマイン」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題3「ハイキュービア」:退室委員なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題4「スピジア」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題5「ベルスピティ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題6「リアルダ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員、前田委員。議題7「ポムビリティ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:野津委員、長谷川委員。議題8「オプフォルダカプセル」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:野津委員、長谷川委員。議題9「アムヴトラ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題10「エアウィン」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員。議題11「希少疾病用医薬品の指定の可否」:退室委員:野津委員、議決に参加しない委員:阿古委員、佐藤直樹委員、外園委員、高橋委員、長谷川委員。議題12「再審査期間延長(トレムフィア)」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題13「再審査期間延長(ベルスピティ)」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。以上でございます。
○森部会長 今の事務局の御説明について、特段の御意見等はありますでしょうか。よろしければ皆様に確認いただいたものとさせていただきます。
本日の非公開議題は、審議事項13議題、報告事項2議題、その他事項1議題となっております。よろしいですか。
それでは審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項議題1について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、アネレム静注用20mg他1規格の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は短時間作用型のベンゾジアゼピン系薬剤であり、本邦では50mg製剤が、「全身麻酔の導入及び維持」の効能・効果で承認されております。消化器内視鏡診療時の鎮静は、内視鏡検査・処置に対する患者の受容性等を改善し、検査・処置の向上に寄与すると考えられており、本邦の消化器内視鏡診療において鎮静を行う頻度は増加しています。本剤は2021年4月から、消化器内視鏡診療を受ける患者を対象とした国内医師主導治験が実施され、有効性及び安全性が確認されたとして、今般、本剤の製造販売承認事項一部変更承認申請等が行われました。なお、海外では、鎮静に係る効能又は効果について、米国・欧州を含む6の国又は地域で承認されています。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、有効性について、通し番号6ページ「7.1 国内第II/III相試験」の項を御覧ください。鎮痛薬非併用下で消化器内視鏡検査を受ける患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした、用量探索ステップ及び検証ステップで構成された臨床試験が実施されました。本試験の検証ステップはプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験であり、主要評価項目の結果は、通し番号8ページ表3を御覧ください。主要評価項目とされた消化器内視鏡検査における鎮静の成功割合について、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。
また、通し番号9ページ「7.2 国内第III相試験」の項を御覧ください。オピオイド鎮痛薬併用下で消化器内視鏡処置を受ける患者を対象とした非盲検非対照試験での主要評価項目の結果は通し番号10ページ表4に記載しております。主要評価項目とされた消化器内視鏡処置における鎮静の成功割合は93.5%であり、95%信頼区間の下限値(84.3%)は事前に設定した閾値成功割合である80%を上回りました。以上から、消化器内視鏡診療時の鎮静に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて安全性について、通し番号13ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与に当たっては、主に呼吸状態及び循環動態への影響について注意する必要があるものの、これらの影響を継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設でのみ用いる等、適切な注意喚起及び適正使用の推進が行われることを前提とすれば、消化器内視鏡診療時の鎮静に係る本剤の安全性は管理可能と判断いたしました。また、本邦における消化器内視鏡診療時の鎮静を目的に本剤を使用する医師の多くは、麻酔・鎮静管理を専門とはしない消化器内視鏡医と想定されることから、適切な医療体制下で適正使用されることを推進する方策として、通し番号29ページに記載の施設、内視鏡施行医の要件を示した適正使用推進プログラムの実施を徹底することが重要であると判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。本剤は、新効能医薬品等であることから、再審査期間は4年とすることが適当と判断しました。また、20mg製剤は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、毒薬・劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
また、森部会長より、事前に添付文書案の記載内容について御意見を頂いておりますので御紹介いたします。添付文書案8.8項、こちらは検査処置後の対応に関する注意喚起となっておりますけれども、こちらの内容につきまして、患者の安全性に直結しうる内容であることを踏まえて、単に、全身状態に注意しという記載ではなく、モニタリングをする必要がある旨を記載する必要があるのではないかという趣旨の御意見を頂いています。機構としましては、御指摘を踏まえまして、適切にこの8.8項の記載を修正させていただきたいと考えております。機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から、御質問、御意見はございますでしょうか。特にないようですか。消化器内科の前田先生は今、参加されていらっしゃいますか。もしよければ、御発言をお願いいたします。
○前田委員 はい、前田でございます。この薬剤は非常にキレがよくて、高齢者等々に使われることが多くなるかと思いますので、かなり現場では喜ばれているというか、導入が期待されている薬剤です。恐らく今まで、ほとんどミダゾラムというお薬を使われていたと思うのですけれども、それよりも使い勝手がいいので、余り現場で新たな問題点は発生しないかなというように私は思っておりますので、是非、承認する方向でお願いしたいと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。前田委員、適正使用のガイドライン、適正使用プログラムにつきましては、内視鏡の施行医の方の基準のみならず、それを支援する監視を行う方の受講についても、「要件マル1マル2の実施が望ましい」という表記になっていますが、これは今の現行表記でよろしいでしょうか。御意見いかがでしょうか。
○前田委員 はい、基本的にはよろしいかと思います。現状も同じミダゾラムを使っていますけれども、あまりこの辺、厳密に行われていないのではないかと思いますので、本薬が出るときに、今よりも恐らく厳しい書かれ方だと思いますので、それはそれで、今まで使われていた薬剤に関しても恐らくそういう感じで行われると思いますので、これでよろしいかと思います。
○森部会長 前田委員、御発言どうもありがとうございました。ほか、先生方から御発言はありますでしょうか。川上委員、どうぞお願いします。
○川上委員 川上です。今の点で、リスク最小化計画の方を見ると、eラーニングを義務付けているように思えるのですが、違うのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 基本的にはeラーニングを受講いただくことを想定しておりますが、それが難しいというケースにつきましては、申請者のMR等による適正使用ガイドに関する説明や、説明会等に参加いただくことで本剤を使用いただける形になると考えております。
○川上委員 それはあくまで代替手段であり、一番最初の目的の所を見ると、「解説動画、以下、eラーニングの受講を通じて」と、しっかり書かれているように思います。最初から代替手段でいいと説明上言ってしまうことについては、このRMPを読む限り、そんな印象では私はなかったので、質問したのです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりで、基本的にはeラーニングを受講いただくことを想定しております。
○森部会長 本件につきましては、eラーニングの受講を原則とするという運用でお進めいただくということでよろしいでしょうか。佐藤陽治先生、何かこの点、御発言ありますか。
○佐藤(陽)部会長代理 特にございません。
○森部会長 ありがとうございます。ほかの先生方から、御質問、御意見はありませんか、よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。議題2につきまして、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位の製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.2の審査報告書を御覧ください。
はじめに、審査報告書の一番下、全48ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。流涎は、神経系疾患、自律神経障害、薬剤等の様々な原因により、唾液分泌量の亢進又は唾液の嚥下障害によって生じますが、慢性的な流涎は、特にパーキンソン病、脳卒中、ALS等の神経疾患により生じることが多いことが知られております。流涎は、患者の衛生面や日常生活、社会生活に影響を及ぼし、また、重症のパーキンソン病やALS等では、誤嚥性肺炎等を引き起こし生命予後にも影響を与えることがあります。本邦において慢性流涎に対する薬物療法として承認されている医薬品はありませんが、日本神経治療学会作成のボツリヌス治療に関する治療指針においては、流涎に対するボツリヌス毒素製剤の使用が推奨されております。
本剤は、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から、ボツリヌス菌由来の複合タンパク質を取り除いたものを有効成分とする注射剤であり、末梢のコリン作動性神経終末からのアセチルコリンの放出を阻害し、唾液腺での水及び電解質の分泌を抑制することで、唾液分泌の抑制効果を示すことが期待されております。
今般、国内第III相試験の成績等に基づき、製造販売承認申請が行われました。本剤は、本邦において上肢痙縮及び下肢痙縮を効能・効果として承認されており、慢性流涎に係る効能・効果については、2024年12月時点で、海外では欧州及び米国を含む46の国又は地域で承認されております。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている5名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書8ページの一番下の段落、及び9ページの表3を御覧ください。神経・筋疾患に関連する慢性流涎が認められる患者を対象に、国内第III相試験として、非盲検非対照試験(301試験)が実施されました。国内第III相試験の主要評価項目である、「グループAにおけるベースラインから投与4週後の、安静時唾液分泌量であるuSFRの変化量」について、事前に設定した有効性評価基準を満たしたことから、本剤の有効性が示されました。
続いて、審査報告書12ページの表6、表7を御覧ください。神経・筋疾患に関連する慢性流涎が認められる患者を対象に、海外第III相試験として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(3090試験)が実施されました。この海外第III相試験の主要評価項目は、投与4週後のuSFRのベースラインからの変化量と、投与4週後の被験者評価による唾液分泌の程度に対する指標であるGICSスコアであり、ある用量において二つの主要評価項目がいずれも検証された場合に、当該用量の有効性は検証されたと判断することとされておりました。結果は表6、表7にお示ししておりますとおり、いずれの評価指標においても、本剤100単位群とプラセボ群の間に統計学的な有意差が認められ、優越性が示されました。また、本剤75単位群とプラセボ群の間には、統計学的に有意な差は認められませんでしたが、いずれの評価指標においても、点推定値においてプラセボ群と比較して改善する傾向は認められております。
また、その他の評価項目である、GICSスコアが1以上改善した被験者の割合や、流涎の重症度及び頻度の指標であるDSFS合計スコアのベースラインからの変化量において、本剤75単位群と本剤100単位群はいずれにおいてもプラセボ群を上回り改善する傾向が認められております。以上、301試験及び3090試験から得られた結果等から、本剤の慢性流涎患者に対する有効性は示されたと判断いたしました。
なお、機構の判断つきましては、審査報告(2)に記載しているとおり、専門協議でも支持され、本剤投与時に一定の臨床的意義のある有効性は認められているとの御意見を頂いております。
続いて、安全性について、審査報告書25ページから始まる「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、本剤投与にあたっては、嚥下障害、誤嚥性肺炎、口腔内環境等に特に注意する必要があるものの、これらの事象について適切な注意喚起を行い、また、本剤についての十分な知識と、原疾患及び本剤の施注手技に必要な十分な知識・経験をもつ医師のもとで使用する旨についても注意喚起を行うことで、慢性流涎患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会において御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新投与経路医薬品であることから、再審査期間は6年と設定することが適切であると判断しております。
薬事審議会には報告を予定しております。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 はい。御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。それでは、神経内科御専門の石川委員から御発言いただければと思います。いかがでしょうか。
○石川委員 石川です。御指名ありがとうございました。今、機構の方の御説明どおり、こういう領域の治療薬というのがないので、臨床的な有用性というのは非常に大きいと思います。それから、有効性も示されておりますので、私としては、特別何か懸念材料は余りないと思います。以上です。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、先生方、御意見ございますか。それでは、議決に入りたいと思います。議題2につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題3に移ります。議題3につきまして、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題3、資料No.3、医薬品ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下、全30ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」)は8週間以上にわたり進行性又は再発性の経過をとり、四肢筋力低下及び感覚障害を主徴とする自己免疫性疾患です。また、多巣性運動ニューロパチー(以下、「MMN」)は運動神経において持続性の伝導ブロックが多巣性に認められ、感覚障害を伴わない左右非対称性の上肢遠位優位筋力低下及び筋萎縮を主徴とし、CIDPの類縁疾患とされております。本邦では、いずれの疾患も指定難病とされております。
本剤は、免疫グロブリンGを10%含有する皮下投与製剤と、結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解するボルヒアルロニダーゼを含有する皮下投与製剤の2バイアルで構成されるセット製剤であり、本邦では、2024年12月に「無又は低ガンマグロブリン血症」の効能・効果で承認されております。海外では2025年3月現在、40以上の国又は地域で承認されており、CIDPに対しては39の国又は地域で承認されており、MMNに対しては承認されている国又は地域はありません。
2022年1月から実施された国内臨床試験等の成績に基づき、本剤の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されております4名の委員を指名しております。
それでは、審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、CIDPに対する有効性について、通し番号で8ページの表4を御覧ください。CIDPの第1選択薬である免疫グロブリン製剤を投与中のCIDP患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験である海外第III相試験(以下、「海外403試験」)の主要評価項目である試験期間中における再発率において、プラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差が認められました。また、通し番号で12ページの表8を御覧ください。海外403試験と同様のCIDP患者を対象とした非盲検非対照試験である国内第III相試験(以下、「国内3002試験」)のコホート1において試験期間中に再発した被験者は認められず、主要評価項目である試験期間中における再発率の95%信頼区間の上限は、事前に規定した閾値である57%より低い結果でした。以上の結果等を踏まえ、機構は、日本人CIDP患者に対する本剤の維持療法における有効性は期待できると判断いたしました。
続きまして、MMNに対する有効性について、通し番号で13ページの表10を御覧ください。MMNに対する第1選択薬である免疫グロブリン製剤を投与中のMMN患者を対象とした国内3002試験のコホート2の主要評価項目である投与6か月目における最大握力値のベースラインからの変化量は、ベースラインから維持される傾向が認められ、これ以降も同様に推移いたしました。また、通し番号で17ページの表13を御覧ください。国内3002試験のコホート2の個々の被験者における臨床症状等の各評価項目について、7例中5例で維持される傾向が認められております。以上の結果や、海外の医師主導治験において同様の結果が示唆された旨の報告があること等を総合的に勘案すると、機構は、日本人CIDP患者に対する本剤の維持療法と同様に、日本人MMN患者に対しても本剤の維持療法における有効性は期待できると判断いたしました。
なお、CIDP及びMMNに対する有効性につきましては、専門協議において機構の判断はいずれも支持されております。
次に、安全性につきまして、通し番号18ページの「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。提出された試験成績等を検討した結果、本剤の使用に当たっては、本剤の既承認の効能・効果である無又は低ガンマグロブリン血症に対する本剤の使用時と同様に、漏出を含む注入部位反応に関連する有害事象等の発現や、血栓塞栓症等の重要な特定されたリスク等には注意を要しますが、当該事象も含め、無又は低ガンマグロブリン血症と同様の安全対策の下で使用されることで、日本人CIDP及びMMN患者における本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新効能・新用量医薬品としての申請であるものの、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間とすることが適切と判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御意見、御質問がありましたらお願いいたします。それではまた、神経内科の御専門でいらっしゃいます石川委員から、御発言が、もしございましたらお願いいたします。
○石川委員 ありがとうございます。機構がおっしゃったことはよく理解できますので、大筋、問題ないかなと思っておりますが、1点だけ確認したいことがあります。審査報告書の3/30ページの一番最初の所です。申請時の効能・効果の部分で、慢性炎症性うんぬんとなった後、括弧付きで、「筋力低下の改善が認められた場合」と書かれておりますが、これは、当然ながら、それまでの治療で免疫グロブリン療法によって筋力低下の改善が認められた患者さんということでよろしかったでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書の2ページ目の5項の「効能又は効果に関連する注意」の所で記載させていただいている部分に該当し、委員の御認識のとおりと考えていますが、急性期で、まず静注の免疫グロブリン製剤で導入療法の治療をします。その治療において有効性を示した患者に対して、維持療法としてこの薬剤が使用されることを想定しています。先ほど申し上げた、静注製剤の導入療法で有効性が示された患者を対象に本剤を使用していくということで、この括弧書きを記載しております。こちらの記載については、既承認の静注や皮下注の免疫グロブリン製剤でも同様な括弧書きの記載をしております。
○石川委員 ありがとうございました。当然、そういうことだと思うのですが、例えば、添付文書の4の効能・効果の二つマルがあるうちの下の方の括弧の所の、「筋力低下の改善が認められた場合」という所において、「静注用免疫グロブリン製剤で筋力低下の改善が認められた場合」と書いておいた方が、より親切ではないかと思った次第です。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおり、確かにそのように記載した方が、より明確になる部分もあるかと思いますが、先ほど申し上げたとおり、他の免疫グロブリン製剤でも同様の効能・効果の記載ぶりをしておりますので、そことの差別化をする意義が、この点についてはなかなか難しいかなと思うところもありますので、御指摘いただいた部分につきましては、5項の注意喚起に加えて、資材の方で、より分かりやすいような形で、どういった患者様にこの薬剤が投与できるかが明確になるように準備をさせていただくことでどうかと思います。
○石川委員 分かりました。ありがとうございました。
○森部会長 機構の方に確認ですが、今の石川委員の御発言は、恐らく、5項でかなり詳しく説明していただいているので、4項のこの括弧書きの内容が、むしろ理解を妨げているのではないかという御指摘のようでしたので、括弧書きがないか、もし括弧で書いていただくのでしたら、「静注用ヒト免疫グロブリン製剤を投与し、その改善が見られた場合」と書いた方が誤解がないという御発言だと思います。したがいまして、先行で発売されている薬剤の添付文書に沿って今はおまとめいただいておりますが、今回、石川委員の御発言もございましたので、どちらかの形にお改めいただくということで御検討願えないかということですが、いかがでしょうか。石川委員、その趣旨でよろしかったでしょうか。
○石川委員 ありがとうございます。そのとおりです。その方が分かりやすいと思います。何か、ここは最初にくるのに、括弧で「筋力低下が認められた場合」と書いてあって、もちろん、大部分の人は分かるのですが、ちょっと不自然かなと思っております。そういうことで、あえて質問させていただきまして、森部会長のおっしゃるとおりです。
○森部会長 初見で読みますと、本剤のレスポンダーなのかと誤認されるおそれもあるので、できましたら先行した治療の反応があるということが分かる形で、括弧書きをおまとめいただく方が誤解がないものと思います。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど申し上げたように、他剤と位置付けが全く同じであるため、他の製剤も含めて、持ち帰って検討して、どのように記載するかを検討させていただく形でもよろしいでしょうか。
○事務局 事務局です。本質的に、投与の対象となる患者に関しては、他剤と本剤で変わりはないものと認識していますので、本剤について検討が必要ということであれば、他剤も併せて検討する必要があると思いますので、それもセットで検討させていただきたいと考えております。
○森部会長 御発言ありがとうございます。是非、御検討いただきたいと思います。そのほか、先生方からございますか。どうぞ。
○佐藤(陽)部会長代理 今の添付文書の5番の細い字の所なのですが、何となく日本語が、通じているようで通じてないような気もするのです。4番の「筋力低下の改善が認められた場合」という言い方とそろえればいいのになと思います。例えば、「筋力低下の改善に対して投与し有効性が認められたもの」というのが、言い方が素直かどうかということなのですが、どうなのでしょう。「筋力低下に対して有効性が認められた」か「筋力低下に対して改善が認められた」と書いた方が素直なのではないかなという気がするのですが、その辺、ちょっと工夫していただいた方がいいかなと思いますが、どうでしょうか。
○事務局 すみません。厚労省からよろしいでしょうか。先ほどの御指摘とセットで検討させていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 検討はさせていただきたいとは思っているのですが、念のため、この記載の背景を申し上げますと、この薬剤は、既承認の免疫グロブリン製剤の導入療法をやってから、その後、維持する、予防するために投与する薬剤の位置付けなのですが、まず、改善をするために、急性期で投与する方の効能・効果が、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善という効能・効果で承認されています。その関係で5項はこのような記載ぶりになっているという背景もあります。これだけではなくて、この申請以外のほかの既承認の効能・効果に跳ねるような内容にもなってきますので、その辺りは医薬品審査管理課とともに、どういうふうに対応すればいいか検討させていただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 なるほど、分かりました。
○森部会長 今回の臨床試験で評価されている項目を考えますと、現行の記載は決して不適切ではないと思いますが、改めて確認いただきまして、もし、修正できましたら御検討ください。どうもありがとうございます。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますでしょうか。柴田委員、今回のこの本剤の有用性、特にCIDPの評価で国内III相の試験はシングルアームになっていますが、シングルアームの評価の設定の基準等は適切と考えてよろしいでしょうか。
○柴田委員 理想的には対照群があった方がいいですが、この状況に対してこれはやむを得ないデザインで、現状、このようなデザインの試験に基づいて評価された機構の判断は妥当だと考えております。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、御意見はございますでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。なお、高橋委員におかれましては、利益相反の申出に基づきまして、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。では、議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題4に移らせていただきます。議題4につきまして、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、医薬品スピジア点鼻液5mg、同点鼻液7.5mg及び同点鼻液10mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.4の審査報告書を御覧ください。
まず、審査報告書の一番下、全42ページの通し番号で5ページ「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はジアゼパムを有効成分とする鼻腔内投与製剤です。本邦では、ジアゼパム注射剤がてんかん様重積状態を効能・効果として承認されており、本剤はより簡便な投与方法でてんかん発作をコントロールすることを目的に開発されました。今般、てんかん重積状態患者を対象とした国内臨床試験成績等において、本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では2020年1月に米国で承認され、2025年2月現在、3か国で承認されております。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載している5名の委員を指名しております。
本品目の審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、通し番号で18ページ、こちらの中間辺り、「有効性について」から始まる段落を御覧ください。6歳以上18歳未満のてんかん重積状態患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「Part1における治験薬投与後10分以内に発作が消失し、投与後30分間再発が認められなかった被験者の割合」の95%信頼区間の下限が、事前に設定した閾値達成割合(30%)を上回りました。
また、通し番号で23ページ表28を御覧ください。副次評価項目の結果から、本剤投与後の発作消失までの時間の中央値が1~1.5分であり、速やかな発作の消失が確認されたこと、治験期間中に認められたほぼ全ての発作に対して本剤投与により発作の消失が認められたことを確認いたしました。以上の結果を踏まえ、てんかん重積状態に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて安全性について、通し番号で23ページ以降「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。今般提出された国内外の臨床試験成績から、本剤鼻腔内投与により投与部位に関連する有害事象は認められているものの、既存のジアゼパム製剤と比較して、臨床的に問題となるような新たな安全性の懸念は認められていないことを確認しました。したがって、既存のジアゼパム製剤と同様に呼吸抑制、中枢神経系の有害事象等について注意を要するものの、医療機関外で投与された場合に、本剤投与後の患者の観察及び救急搬送も含めた適切な処置がなされることを前提とすれば、安全性は許容可能と判断しました。
また、適正使用について、通し番号で34~35ページ「7.R.6 適正使用について」の項を御覧ください。国内第III相試験では、本剤を投与する介助者が、発作時の本剤の投与の適否、投与後の患者の観察及び救急搬送も含めた処置の判断ができるよう対策が講じられ、全症例、保護者によって投与されました。現時点で介助者による投与に関する安全性上の特段の懸念は示唆されていないことから、本剤の添付文書において適切な注意喚起をし、資材を用いて介助者に対する指導として本剤の投与対象となるてんかん重積状態の判断基準、本剤の投与方法及び本剤投与後の救急搬送を含めた処置の対応に関する情報提供を行うことで、それらの内容を理解した介助者により医療機関外で投与することは可能と考えました。ただし、2歳以上6歳未満の小児については、臨床試験において日本人患者における投与経験がないこと等を踏まえ、当面は医療機関内での投与に限定することとしました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬、劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。
なお、事前に、柴田委員、堀委員より御意見を頂いております。
柴田委員から、学校での投与に際しての適正使用策を講じるべきとの御意見を頂いております。
てんかん重積状態の発作が生じた際に医療機関外で投与可能な製剤として承認されている『ブコラム口腔用液』が学校での使用も許容され、学校での使用に際しての対応策が構築されています。本剤についても、ブコラムに準じた対応がなされることを前提としており、具体的には、主治医から教職員への本剤投与の際の留意事項をまとめた指示書を出すことや、必要に応じて主治医に相談し、適切な指導を受ける機会が得られる体制の構築、練習用製剤の準備といった適正使用が講じられる予定です。なお、学校での投与に当たっての医師法の解釈等の通知については、厚生労働省及び関係省庁で今後、御対応いただくことになります。
また、堀委員からは2点御意見を頂いております。1点目、用法・用量に関連する注意に記載しております「効果不十分な場合には4時間以上あけて2回目の投与ができる」について、「効果不十分」とはどのような場合であるのか、投与する者が理解できるよう具体的な説明が必要である、との御意見を頂いております。2回目の投与については、患者向け資材において、「本剤投与後、再度発作が起きて2回目の投与が必要な場合」と情報提供をする予定ですが、御指摘いただいた点も重要ですので、2回目投与に関する具体的な状況等を資材で例示できないか申請者と検討いたします。
2点目の御指摘は、保護者又はそれに代わる者が投与することから、作成予定の資材について御質問を頂いております。本剤については、RMP資材として、医療従事者向け資材と患者及び家族向けの資材を作成いたします。資材の内容は、ブコラム口腔用液の資材を参考にしつつ、現場で本剤が円滑に投与できるよう記載を工夫した上で作成をしております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。柴田委員、重要な御指摘、どうもありがとうございました。今の御回答、いかがでございましょうか。
○柴田委員 今の御回答で納得いたしました。
○森部会長 ありがとうございます。また、堀委員もどうもありがとうございました。いかがでございましょうか。
○堀委員 よろしいですか。丁寧に御説明いただき、ありがとうございました。今、おっしゃっていただいたように、効果不十分な場合ということが、再度発作が起きて2回目の投与が必要になった場合は、最初に使用してから4時間以上間隔をあけて使用してくださいということですが、もちろん学校関係者においては、御説明いただいたように、主治医との連携もあるということで、その説明は理解はできるのですが、例えば、介助者、学校関係者以外の方が投与する場合において、先ほど御説明いただきましたが、当該薬は、1分から1分半ぐらいで効果が出て発作が治まるということでしたので、発作が起きて、投与し治まったと思って、例えばの話ですが、1時間後ぐらいにまた発作が起きた。でも、この添付文書においては、最初に使用してから4時間以上間隔をあけて使用してくださいと書いてあった場合、非常に、投与する者にとってみると、緊急搬送したらいいのか、どうしたらいいかすごく迷うと思うのです。ですので、先ほどおっしゃっていたブコラム口腔用液の資材を拝見したのですが、救急搬送をするときはどんなときかという項目があり、非常に分かりやすい資材だと思いました。
ですので、やはりスマートフォンからもすぐにアクセスできるような形で、是非、既存の資材が非常によくできているので、それに似たような形で作成していただけたらと思いました。よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂きましたように、救急搬送も含めた投与後の処置、患者さんの観察等については、既存のブコラム口腔用液の資材等も参考にしつつ、また、それが医療機関、医師に対して、より理解できるように記載は工夫しながら作成しております。頂いた御意見も踏まえて、改めて申請者と最終的に確認をさせていただきたいと思います。
○森部会長 ありがとうございました。委員の先生方で、小児御専門の先生方がお二方いらっしゃいますので、まず、野津委員から御発言いただいてよろしいでしょうか。
○野津委員 今、議論をお聞きしておりましたが、私は特に意見はございません。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございました。長谷川委員は、御意見いかがでしょうか。
○長谷川委員 私も御意見を拝聴しており、特に追加はございませんので、よろしくお願いいたします。
○森部会長 ありがとうございました。また、神経領域の御専門の石川委員、度々すみませんが、いかがでしょうか。
○石川委員 私から、特別、懸念材料はございませんでした。
○森部会長 どうもありがとうございました。一点、御意見をお伺いしたい点がございます。先ほどの救急搬送に関するところですが、添付文書の救急搬送に関する項目8.1.3の項目ですが、「原則として、本剤投与後は救急搬送の手配を行い」ということですが、ここに、「速やかに」という表現があった方がいいのか、なくていいのか、御判断はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 8.1.3項については、既存のブコラムの注意喚起も参考に記載しております。今回、本剤を上市するに当たり、専門協議でも、この救急搬送についてどのような形で注意喚起するのが適当か、どのような場合に救急搬送の手配をして、本剤を投与して、その後搬送するのかということが想定されるのか、様々なケースを想定しながら検討いたしました。
8.1.3項だけでは書き切れない内容もございますので、具体的にどういう症状であれば救急搬送の手配が必要であるのか、また、それがどのようなタイミングであるのかという点については、資材でブコラムよりも少し丁寧に書いておりますので、資材の方で、頂いたような御意見も踏まえて、再度、確認をさせていただきたいと思います。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございます。よく分かりました。そのほか、先生方から御意見はございますでしょうか。佐藤(陽)委員、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 いろいろなケースというお話の中で気になることがあり、この資料、私が読み切れていないのかもしれませんが、お子さんは、結構、アレルギー鼻炎の方がいらっしゃるのですが、そういったことの影響や対策はどうなっているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については、海外試験で季節性の鼻炎を持っている患者さんを対象にした臨床試験がございます。鼻炎がある患者さんと鼻炎がない患者さんで、本剤を投与した後の安全性や、その後の対応に違いがないかを確認しており、試験成績からは特に影響がなかったということを確認をしております。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 赤羽委員、お願いします。
○赤羽委員 添付文書の7.3のところに、「2歳から6歳の患者さんの場合は医師の監督下で行うこと」という注意書きがあり、その根拠が、血中濃度が高くなる、未変化体の濃度が高くなる傾向がある、添付文書の表6に掲載されている、そういったことだったと思うのですが、その根拠をつなぐような説明がどこにもなくて、それは一言加えた方がいいのでないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂いたのは、7.3項に書いてある内容の背景が分かりにくいということと理解しました。こちらの7.3項については、市販後に医療機関の医師に御協力いただき、2歳から6歳の患者さんの安全性を確認した上で注意喚起を削除する方向で考えております。御意見を踏まえ、調査に御協力いただく医師に対して、なぜ6歳未満の患者さんで医療機関内での投与としなければいけなかったのかというところの背景が分かるように、情報提供を丁寧にできるような形で検討させていただきたいと思います。
○赤羽委員 ありがとうございます。
○森部会長 よろしいでしょうか。そのほか、先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。ございませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続いて、議題5に移りたいと思います。議題5について機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、医薬品ベルスピティ錠2mgの製造販売承認の可否等について、機構より説明申し上げます。資料については、資料No.5「ベルスピティ錠2mg」の審査報告書を御覧ください。
エトラシモドL-アルギニン(以下、「本薬」)は、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸(以下、「S1P」)受容体に作用することで、末梢リンパ組織内にリンパ球を保持させ、循環血中のリンパ球数を減少させることにより、自己免疫疾患である潰瘍性大腸炎に対する治療効果を示すS1P受容体調節薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした臨床試験の成績に基づき、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2025年3月現在、潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で、米国及び欧州を含む9の国又は地域で承認されております。
本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示します専門委員を指名しております。
本薬の有効性、安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。導入期については、海外第III相301試験と国際共同第III相302試験の結果、維持期については、海外第III相301試験と国内第III相308試験の成績に基づき評価いたしました。導入期における有効性に関しては、審査報告書通し番号56ページ、表51及び52を御覧ください。中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第III相301試験、及び国際共同第III相302試験の結果、導入期の主要評価項目であります「12週時の臨床的寛解達成割合」は、主要な解析対象集団でありますModified Mayoスコアが5~9点の集団、及び無作為化された集団(以下、「FAS」)のいずれにおいても、プラセボ群に比べて本薬2mg群で高い有効性が示されました。次に、同ページ(56ページ)の表53、及び57ページの表54を御覧ください。導入期の主な副次評価項目であります12週時の「内視鏡的改善」、「症候的寛解」及び「粘膜治癒」が認められた割合についても、プラセボ群と比較して本薬2mg群で高い傾向が認められました。
維持期における有効性に関しては、審査報告書の通し番号59ページの表57を御覧ください。海外第III相301試験、及び国内第III相308試験における維持期の主要評価項目であります「52週時の臨床的寛解達成割合」は、Modified Mayoスコアが5~9点の集団及びFASのいずれの解析対象集団においてもプラセボ群に比べて本薬2mg群で高い有効性が示されました。次に、59ページの表58を御覧ください。維持期の主な副次評価項目である52週時の「内視鏡的改善」、「症候的寛解」、及び「粘膜治癒」が認められた割合についても、プラセボ群と比較して本薬2mg群で高い傾向が認められました。
以上より、中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者に対する本薬の臨床的意義のある有効性が示されたと判断いたしました。
安全性に関しては、審査報告書通し番号61ページの表60、及び62ページの表61を御覧ください。第III相試験における有害事象等の発現状況は各表のとおりであります。有害事象の発現割合は、プラセボ群と本薬2mg群で同程度で、臨床的に問題となるような違いは認められませんでした。ただし、本薬を含むS1P受容体調節薬において知られている徐脈、黄斑浮腫、肝機能障害、リンパ球減少、感染症、進行性多巣性白質脳症、可逆性後白質脳症症候群及び悪性腫瘍については、医療現場に適切に注意喚起する必要があり、対応する検査や処置方法を含めて添付文書や医療従事者向け資材、患者向け資材を用いて適切に情報提供を行う必要があると判断いたしました。
以上、機構での審査の結果、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。
なお、本薬は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。
薬事審議会では、報告を予定しております。
なお、事前に柴田委員から国際共同第III相試験と並行して、日本人の用量を検討する国内第II相試験が実施された理由について御質問いただきましたので、お答えいたします。国内第II相試験のこの相談は少し古いものですので、後付けの考察という形になってしまいますが、相談当時、潰瘍性大腸炎の領域では、国際共同治験が走りはじめたタイミングであること、また薬物動態が国内外で類似していたものの、海外試験では検証成功し、国内試験では検証失敗した品目があったことから、当時薬物動態の有無に基づき日本人における用量設定をするということに懸念があった可能性があると考えておりますので、その当時の判断に従って日本人の用量を検討する国内第II相試験の実施を求めたと考えております。
なお、安全性については、第I相試験成績を踏まえて、国際共同第III相試験に日本人を組み入れた際に、安全性上、直ちに問題となる可能性は低いということを確認した上で、日本人が組み入れられております。
機構からの説明は以上です。御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 柴田委員、今の御説明はいかがでしょうか。
○柴田委員 途中で終わってしまっているので、本来この試験をやるべきであったのか、あるいはやらなくてもよかったのではないかということを懸念しましたので、お伺いしました。今御説明いただいたことは振り返っての御説明だとはおっしゃいましたが、それなりにリーズナブルなものであると思いますので、この時点で機構が203試験、国内第II相試験を要求していること自体は自然なことだと思いますし、本来であれば、やはりそれはしっかりと実施していただくべきであっただろうとは思います。ただし、これに参加した患者さん、あるいは国際共同治験に並行して参加した患者さんにも不利益がない状況であったとの確認がなされているということですので、ここの部分は結果論ではありますが、大きな問題はないだろうと思います。
1点確認させていただきたい所として、先行して行われている海外第II相試験では、片側5%水準での臨床試験が組まれており、それに対して国内の第II相試験を追加で実施するべきだという科学的根拠は分かるのですが、それについては両側5%水準の試験を実施するように求めておられるところです。それは、海外の臨床試験を国内でも同様に行わなければならないというのはすごく分かるのですが、海外よりも国内で厳格な治験を実施しなければならないという理由は明確ではないのではないかと思うのですが、その辺りは当時はどのような議論がなされていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。本薬の開発計画の段階で、国際共同第III相試験において、全集団と日本人集団の結果の一貫性を示すのに十分な日本人症例数が組み入れられる計画ではなかったので、当時計画されていた国際共同第III相試験のみでは、日本人患者に対する用法・用量、有効性、安全性の評価が困難となる可能性がありました。そのため、厳格な統計解析の下、用量検討を含めた国内試験を実施することが妥当ということで、当時はそのように判断いたしました。
○柴田委員 海外試験と国内試験の比較が可能であれば十分なので、通常、海外試験よりも国内での用量探索、あるいは用量設定の試験が緩めに実施されるという薬はたくさんありますが、少なくとも海外と同じ水準にしておけば海外と同様の考察はできるので、この時点で片側5%の試験ではなく両側5%の試験を要求しているのは、少し過剰な要求なのではないかと思われるところです。結果として、患者数もその目標症例数を達成できておりませんし。本剤に限らず、これは広くいろいろな所で治験相談などの記録を拝見したり、実際に自分が治験相談に行ったりしたときに言われることとして、ICH-E9に書いてあるような、場合によっては第1種の過誤を緩めることも選択肢になり得るということについては、伏せた上で議論がなされることが散見されていた実態があり、そういうことが理由で、海外よりも厳格なものを科学的理由がなく厳格にしているということがあったのであれば、それは医薬品の開発に支障を来す問題だと思うので、問題なのではないかと思ってお伺いした次第です。
こちらはコメントのみです。先ほどの御説明で203試験の必要性は理解できますので、これを求めていること自体には何ら異存はありません。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。今後の治験相談などでも、頂いた御意見も踏まえていろいろ検討していきたいと思いますので、また引き続きよろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、消化器疾患が御専門の前田委員に、本剤の有効性、安全性並びに本剤の位置付けについて御説明いただいてよろしいでしょうか。
○前田委員 本剤は、同じような効能の第2剤目になると思うのですが、前のお薬は徐脈の副作用を見るために用量を最初の1週間は少ないところから始めていって、スターターパックというものが存在するのですが、本薬剤は存在しないのが若干不思議だと思っているのですが。機構の方、これはもう治験上、結果として特にそういう必要がなかったということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。臨床試験成績を見る限り、結果としては漸増するような使い方をする必要はないと考えております。
○前田委員 ということですよね。同じような薬剤で、初めにもう今出ている薬剤に関しては、結構そこが使いにくいという話がありますので、同様の効果があって本剤のように最初から同じ量で使える薬剤であれば、より効果的なというか、より広く使われるような薬剤になるのではないかと思いますし、特に問題ないかと思いますので、承認してよろしいかと思います。以上です。
○森部会長 御意見どうもありがとうございました。それでは、今の徐脈性不整脈等について、循環器御専門の阿古委員、御発言いかがでしょうか。
○阿古委員 基本的には、機構の審査報告書の67ページに書いてあります考え方としては、私も禁忌とした部分等には賛成させていただきます。添付文書を拝見しますと、ハイリスク患者に関しては投与前と4時間後に心電図を見るというような、特定の背景を有する患者にという記載があるのです。これは、確かにここに書いてあるような患者さんは、投与開始と4時間後に、こういったリスクのある患者さんは全員取るように指導するということでよろしいのですね。
○医薬品医療機器総合機構 徐脈のリスクが高い患者さんに関しては、やはりきちんと投与前と投与後4時間見ていただきたいとは考えております。
○阿古委員 ありがとうございます。もし、そういったハイリスク、一応これが心筋等に働いて徐脈を起こすとするようであれば、もちろんII度ブロックの方もハイリスクではあると思うのですが、例えばI度を入れなくていいか。あるいは、我々の世界では2束ブロック、3束ブロックといって、例えば左脚前枝ブロックプラス右脚ブロックがあるような人も、やはりこれは切れるハイリスクの患者さんと理解しているので、そういった患者さんも入れなくていいのかという議論はされたかどうかをお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験の除外基準として、9.1項で記載のあるような患者さんは除外しておりますが、それ以外の患者さんは組入れ可能といった試験結果でした。実際、そういった患者さんが入っていたかまでは確認できていないのですが、そういった患者さんも組入れ可能な試験の中で大きな問題が認められていなかったことから、必ずしもそういった患者さんに対して全例4時間後に検査必須とは判断いたしませんでした。
○阿古委員 了解です。認めます。
○森部会長 佐藤直樹委員、御発言はありますか。
○佐藤(直)委員 添付文書を見させていただいて、継続している限りは適宜注意してというようなコメントが必要なような気もするのですが、その点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。重要な基本的事項の8.1項に記載しておりますが、症状などに湿疹や浮動性めまい、息切れなどの症状が認められた際には、きちんと主治医に連絡するようにという形で、一応投与期間中はそこは確認するようにという注意喚起はさせていただいております。
○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきますと、この徐脈に関しては投与初期に現れやすいところがありますので、まずは心電図で、そのようなことが起こるような患者さんについては注意して見ていただくことを想定しています。また、先ほど担当から申し上げましたように、投与を継続できるような患者さんに関しては、症状等でモニタリングして問題が認められれば、投与の可否等を検討していただくというような対応を、添付文書では注意喚起をしているところです。
○佐藤(直)委員 ありがとうございます。症状の有無にかかわらず徐脈の有無をチェックするという資材等で注意喚起が必要なのではないかと思います。いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験の中では、このようなモニタリングの中で一応安全性の確認をしておりますので、現状添付文書の記載の中でも安全性を確保できるのではないかと考えております。改めてモニタリング等が必要なのかどうかは確認させていただきたいと思います。
○佐藤(直)委員 はい、よろしくお願いします。
○森部会長 これは、恐らく現在9.1.1の項目に挙げていただいている症例に準じて、不整脈の起こりやすい、徐脈が起こりやすい集団を循環器の先生方は恐らく御指摘できる状況だと思います。もう少し丁寧に意見を拾っていただいて、注意喚起すべき対象を拡大していただく、若しくは注意喚起する段階を少し考えていただくことは可能でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきありがとうございます。申請者の方とも、その辺りをもう一度改めて確認した上でお返事させていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○森部会長 事務局、その場合は委員の先生方にも御確認いただいてということで、よろしいでしょうか。
○事務局 そのとおり、対応いたします。
○森部会長 それから、眼底異常の黄斑浮腫のリスクについては、外園先生、御意見いかがでしょうか。
○外園委員 黄斑浮腫は症状も出やすいですし、出た時点で眼科に受診いただいたら、あるかないかが分かるとは思うのですが、御高齢になると、もともとある方もいるのですが、多分症状とリンクするので、検出はそんなに問題にならないかとは思います。
○森部会長 ありがとうございました。そのほかの方から御意見はありますか。佐藤陽治先生、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 52ページの表47と表49で、全集団と日本人のデータが出ているのですが、副作用の足切りですね。この表で47は2%以上と書いてあって、49は5%以上と書いてあるのです。なぜ、この足切りの数値が違うのかということと、それから表49を見ると、どうやら日本人の方が副作用の頻度が高いように見えるのです。これで差がないと見るのか、あるいは注意喚起や医療現場での対処でコントロール可能だから大丈夫なのだという解釈なのか、どのように解釈されているのかがよく分からないので、もう1回教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただき、ありがとうございます。全体集団と日本人集団で区切りが違う点に関しては、そもそも例数が異なっています。同じく2%にすると2例ぐらいからになってきて、相当な数になるなどといった事態もありますので、ある程度発現が高いものに絞って、審査報告書は記載している状況です。
○佐藤(陽)部会長代理 しかし、逆に5%で切ると、表47の下の二つは消えますよね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御指摘のとおりです。
○佐藤(陽)部会長代理 そうすると、全体集団では三つしか上がってこないのに、表49だと6つぐらい上がっているように見えてしまって、差が際立ってしまうような気がするのですが、これはどのように解釈したらいいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 それなりに発現頻度が多かった事象として見ていただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 要するにマネージできるのであれば、そういう説明でも構わないと思うのです。このレベルの頻度であっても現場でマネージできるとか、注意喚起をきちんとして監視していればいいのだという説明になっていればいいのですが、その辺りが何か見当たらない気がするのですが。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験で認められている事象の重症度や、臨床試験の中で行われている対応であれば、マネージできていると判断した上で記載しています。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。以上です。
○森部会長 添付文書における臨床試験成績の所に、副作用の発現頻度の記載欄がありますが、今、佐藤陽治委員から御指摘のあった有害事象の頻度に関しての情報提供は、添付文書にありますか。
○医薬品医療機器総合機構 11項にも副作用について記載しておりますし、あとは17項にも各試験で認められている副作用の発現割合と、主に認められている副作用の事象などは記載しております。
○森部会長 先ほど佐藤委員から御指摘のありました日本人集団における表49のデータについて、どこかで参照できるようになっておりますか。
○医薬品医療機器総合機構 国際共同試験の成績で、日本人集団をピックアップした副作用の記載はありません。
○森部会長 それが、国際的なデータとほぼ同等の場合ですと特に付記する必要はないのかもしれませんが、今回表49で抽出されたデータを見る限りは、日本人でのデータの方が頻度が高いようにも見えましたので、抽出して追記していただくことの方が望ましいのではないかという意見もありますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきありがとうございます。我々としては、国内外で大きな差異はないと判断して添付文書は記載しておりますが、国際共同試験における日本人の副作用の発現割合に関しては、資材などで丁寧に説明させていただく形としたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤(陽)部会長代理 頻度はいいのですが、要するに安全性という意味ではリスクがマネージできるかどうかの方が問題だと思いますので、マネージできるという説明が申請者からあれば、それはそれでいいのかとは思いますが。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の方は、主な有害事象及び副作用ということで記載しておりますが、副作用の実際の中身は日本人の中でどのようなことが起こっているかや、臨床試験の中で問題のない対応が行われているかは、詳細を確認しております。その上で、日本での添付文書の記載等でマネージできると判断したと、お考えいただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 一応補足ですが、審査報告書の通し番号61ページで、安全性の機構の判断として、日本人集団において全体集団と比べ臨床的に異なるような安全性上の問題点は認められていないことから、安全性は全体集団から適切と判断される方法により管理可能という形で、機構の判断は記載しております。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 気になるのは、血球減少の頻度ですか。血球数の減少の頻度は、特段差はないという御判断でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 認められている頻度は多めに見えますが、事象の重症度なども確認しまして、日本人で特段の問題があるとは判断いたしませんでした。
○森部会長 重症度に特に大きな問題がないという御判断でしたら、発生した頻度の事象だけでも添付文書に追記していただきますと、どの程度の頻度で起こるかということは臨床の現場では分かりやすく、かつ重症度に関する記載が別途ありますので、比較的マネージしやすい血球減少についても、どのぐらいの頻度で起こっていたかが分かりやすくなっていた方がよいかと思います。今、添付文書で見ますと、副作用の頻度の所でもリンパ球減少の頻度は11.1.4の項目では0.4%になっていますが、恐らくもっと軽症なものは、より高頻度で起こっていると考えることができますので、臨床現場で誤解がないように臨床試験成績の方で少し補完していただく方が望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書の17項において、その辺りが記載できないか検討させていただきます。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見、御発言はありますか。それでは、議決に入ります。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題5について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告といたします。
続いて、議題6に移ります。議題6について、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6の医薬品リアルダ錠600mg、同錠1200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料については資料No.6、リアルダの審査報告書を御覧ください。
リアルダ錠(以下、「本剤」)は、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎患者に対する第一選択薬の5-アミノサリチル酸製剤であるメサラジンを含有しており、本剤はメサラジンを大腸に送達するとともに、メサラジンの持続的な放出が可能となるよう設計された製剤です。本邦では、成人において本剤1200mg錠が「潰瘍性大腸炎(重傷を除く)」の効能・効果で承認されています。小児の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づき、今般、「リアルダ錠1200mg」の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請及び「リアルダ錠600mg」の医薬品製造販売承認申請がなされました。2025年3月現在、本剤の小児の潰瘍性大腸炎に係る効能・効果については、本剤1200mg錠が米国及び欧州を含む15の国又は地域で承認されていますが、本剤600mg錠は、成人及び小児ともに承認されている国又は地域はありません。
本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示します専門委員を指名しております。
本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、活動期における有効性に関して、審査報告書通し番号12ページ、表12を御覧ください。17歳未満の軽症から中等症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「8週時のUC-DAIスコアに基づく臨床的寛解の達成割合」は25.9%であり、両側95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値である10%を上回りました。また、17ページの表18を御覧ください。主な副次評価項目である「8週時の寛解の達成割合」は37.0%、「8週時の改善の達成割合」は40.7%であったことも踏まえ、本剤は小児の軽症から中等症の活動期の潰瘍性大腸炎患者に対する寛解導入における臨床的意義がある有効性が期待できると判断しました。
続いて、寛解期における有効性に関して、13ページの表15を御覧ください。17歳未満の寛解期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「UC-DAIスコアに基づく血便の非発現の達成割合」は73.9%であり、両側95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値である50%を上回りました。また、20ページ、表20を御覧ください。主な副次評価項目のUC-DAIスコアを構成する各評価項目の変化量を含むUC-DAIスコアの変化量は大きな悪化は認められず、「48週時のPUCAIスコアに基づく寛解の達成割合」が78.3%であったことも踏まえると、小児の寛解期の潰瘍性大腸炎患者に対する本剤の臨床的意義のある有効性は期待できると判断しました。
続いて、安全性に関して、25ページ、表25及び表26を御覧ください。国内第III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、成人の潰瘍性大腸炎患者を対象とした試験と比較して、特に問題となる傾向は認められませんでした。以上より、成人と同様の注意喚起を行うことで小児の潰瘍性大腸炎患者における本剤の安全性は管理可能であり、得られる有効性を考慮すれば臨床的に許容可能と判断しました。
以上、機構での審査の結果、小児の軽症から中等症の活動期及び寛解期の潰瘍性大腸炎に対する本剤の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
なお、本剤は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断しました。
事前に柴田委員より御質問いただいた点に関連して追加の説明をいたします。今回の検証試験の目標症例数については精度ベースにて設定されていまして、主たる解析としては検定ベースでの解析が事前規定されていました。本来であれば、検出力を用いて症例数を設計すべきと考えておりますが、今回の精度ベースにより算出された症例数は検定ベースの解析で十分な検出力を担保できる症例数より厳しい設定であることから、検定は可能と考えておりまして、審査報告及び添付文書においても検定の結果を記載いたしました。
機構からの説明は以上となります。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。柴田委員、今の御意見はいかがですか。
○柴田委員 結構です。
○森部会長 どうもありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 すみません。もう1点、堀委員から事前に御質問いただいた点について御説明したいと思います。600mg錠が新たに追加になるということなのですが、600mg錠が少し、寸法がやや大きいということで、飲みにくい患者が一定数いらっしゃるのではないかということで、機構の考えについて、どうかということで御質問いただいております。
600mg錠の寸法については、おっしゃるとおり一番長いところで17mmあるということで、特に本剤の対象患者の最低体重である23kg、7歳程度の小児だと思いますが、そういった患者さんにとっては飲みにくいと感じる方も一定数いらっしゃるのではないかと思っております。本剤の製剤特性から、粉砕等の対応は難しいということですので、本剤の服薬が困難な患者に対しては、例えば本剤と同じ成分を含有したメサラジン顆粒等の複数の既承認製剤がありますので、個々の患者で利用可能な薬剤が選択されるのではないかと考えております。
続いて、もう1点御質問いただいている点に関してですが、今回、小児の患者ということで、6歳又は7歳ぐらいのお子様が飲みやすくするために、御家庭で粉砕等をされることがないということが十分注意喚起されるかどうかという点と、保管方法についても小児の手の届かない所など、そういったところの注意喚起についてはどうかという御質問いただいております。頂いた点について、患者又は患者の保護者様になると思いますが、粉砕と薬剤の管理、こちらについては600mg錠も1200mg錠も冷所保存なのですが、冷所保存であることと保管場所に関しては、既に成人の方の1200mg製剤において患者向けの資材がありまして、そちらで情報提供されています。本薬の保管方法等に係る問題は今、確認されていない状況です。今回の追加となる600mg製剤でも同様の対応がなされる予定です。ただ、御指摘いただいた点については、申請企業にも伝達させていただいて、今回の承認追加に伴って小児の手の届かない場所での保管も含めて、更に分りやすく資材等で記載して、丁寧に情報提供するよう申請企業に伝達させていただく予定です。以上です。
○森部会長 堀委員、いかがでしょうか。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございます。やはり使う方が小児で、また、保護者の方も服用を介助すると思いますので、同じく1200mgと同様のものではなく、より丁寧で、より注意喚起ができるような資材を作っていただきたいと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。小児御専門でいらっしゃる野津委員から、御発言はありますか。
○野津委員 メサラジンは非常に大きい製剤ということで、子供が飲みにくいということは気になりますが、便利さという面では非常に良いと思いますので、特にありません。
○森部会長 長谷川委員、いかがですか。
○長谷川委員 ありがとうございます。私も大きさが気にはなったのですが、特に問題ないかとお伺いしましたので、結構です。
○森部会長 これは、より小さな製剤の開発というのは、企業的には難しいものなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 製剤特性から、大腸に送達するというコンセプトで設計された製剤ですので、なかなか難しい部分があるのではないかと思いますが、頂いた点は申請企業に伝えさせていただきたいと思います。開発されているという状況は現時点では聞いていないです。
○森部会長 そのような意見が複数の委員からあったということを、お伝えいただきたいと思います。実際の製剤の大きさを見ると、そういった御意見が出るかと思います。ありがとうございます。前田委員、御発言があったらお願いします。
○前田委員 いいえ。特にありません。大きさに関しては皆さんの言うとおりでして、とにかく割って飲まないようにという指導をしていただければいいのではないでしょうか。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。1点、私の方からは、18~23kgの体重の方の有用性の情報は不十分、臨床試験でも十分得られていないということで、23kg超の方が対象となっているということは理解されていますが、添付文書のところで、その理由が分かりにくいということもありましたので、何らかの情報補足が可能かどうか、事前に伺っていますか、その点はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 事前に頂いた御指摘を踏まえて、おっしゃるとおり、実際の臨床試験で18kg以上23kg以下の患者さんに関しては、情報がどこにもないということですので、今、7.3項の相互参照に9.7項のみの記載になっておりますが、そこに17.1.4項、17.1.5項を追加して、その参照先の17項の方に、文末に、なお書きで、体重18kg以上23kg以下の患者は2例組み入れられたが、いずれの患者も早期に試験を中止した旨と、もう一つの試験では組み入れ自体がなかったところですので、そちらの状況を追記するということでいかがですか。
○森部会長 御対応どうもありがとうございます。そのほか、先生方から御発言はありますか。それでは議決に入ります。なお、高橋委員、前田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づいて議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題6について承認を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、承認を可とさせていただき、薬事審議会に報告といたします。
続いて、議題7及び議題8に移ります。議題7及び議題8について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題7及び議題8、資料No.7、No.8、医薬品ポムビリティ点滴静注用105mg、及びオプフォルダカプセル65mgの製造販売承認の可否等につきまして、機構より御説明申し上げます。
今回承認申請された製剤は、新規のヒト酸性α-グルコシダーゼ遺伝子組換え製剤であるシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする点滴静注用製剤、そして、その酵素安定化作用を有するミグルスタットを有効成分とした新規の経口カプセル製剤の二つの製剤で、遅発型ポンペ病(以下、「LOPD」)に対する2剤併用療法として用いられる治療薬です。ポンペ病は、常染色体潜性遺伝性疾患であり、ライソゾーム中のグリコーゲン分解酵素であるヒト酸性α-グルコシダーゼの遺伝的な欠損又は活性低下に起因し、ライソゾーム内でのグリコーゲン蓄積により、心臓、骨格筋、肝臓等に障害を生じる疾患です。発症年齢により乳児型ポンペ病とLOPDに大別され、本併用におきましては、LOPDに対して開発が進められ、本邦における製造販売承認申請に至りました。
海外におきまして、本併用は、2023年3月に欧州にて、LOPDに対して初めて承認されて以降、2025年3月現在、米国及び英国を含む35の国又は地域で承認されています。
本品目の専門協議では、資料No.19に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本併用の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。
有効性について、資料No.7のポムビリティの審査報告書46ページ表35を御覧ください。LOPD患者を対象とし、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)(以下、「ALGLU」)/プラセボに対する本併用の優越性を検証することを目的とした、無作為化二重盲検並行群間比較試験である国際共同第III相試験(03試験)が実施されました。主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインから投与52週時までの変化量について、ALGLU/プラセボに対する本併用の優越性は検証されませんでした。しかしながら、03試験における全体集団での本併用群における結果は、ALGLU/プラセボ群と比較して点推定値では上回っており、本併用の有効性が既承認薬より劣ることを示す結果ではないと考えられます。また、本併用は米国及び英国等の国又は地域で既に承認されており、また、国内のLOPD患者数は非常に限られていることから、ALGLU/プラセボを対照として本併用の有効性を統計学的に検証する臨床試験を改めて実施することは困難と考えられることも考慮し、得られている試験成績等から総合的に判断した結果、LOPD患者に対する本併用の有効性は期待でき、本併用をALGLU等に並ぶLOPDに対する治療選択肢の一つとして医療現場に提供することは可能と判断いたしました。
当該機構判断については、専門協議でも慎重に検討した結果、専門委員の先生方からも支持されました。
日本人の有効性についても、症例数が6例と、組み入れられた数が少なく、結果の解釈には限界があるものの、得られている主要評価項目、副次評価項目の結果については、全体集団の結果と大きく異なる傾向は認められず、日本人の成人LOPD患者における本併用の有効性は期待できると判断いたしました。
続いて安全性について、資料番号7の審査報告書、47ページ表38を御覧ください。03試験において発現した主な有害事象は、ALGLUで既知の事象であることが確認できました。次に、審査報告書58ページ表49を御覧ください。03試験の結果から、本併用群ではALGLU/プラセボ群と比較して、有害事象、副作用及び投与中止に至った有害事象の発現割合は同様であり、重篤な有害事象は本併用群で高い傾向が認められてます。しかしながら、本併用群での重篤な副作用1例を除いては、いずれも本併用との因果関係は否定され、重篤な副作用とされた1例も、適切な処置等が実施されることで転帰は回復であったことから、本併用のLOPDに対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、LOPD患者に対する本併用の安全性は許容可能と判断しました。
以上の検討の結果、ポムビリティについては、「遅発型ポンペ病に対するミグルスタットとの併用療法」、及びオプフォルダについては「遅発型ポンペ病に対するシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用療法」を効能・効果として本併用を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。
本併用について、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は新有効成分含有医薬品に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品に該当すると判断しております。また、ミグルスタットは新効能・新用量医薬品及び剤形追加に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、製剤はいずれも毒薬及び劇薬には該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事審議会では報告を予定しております。
また、事前に柴田委員より、03試験においてALGLUに対する本併用の優越性が検証されなかったことについて、FDAから非劣性で03試験を計画することが許容されなかったのか、及び試験計画時にFDAの方では非劣性を示すことでは不十分であると判断された理由について、機構としては確認していたのか、というコメントを頂いております。
その質問に対して、回答致します。ALGLUを用いた過去の臨床試験においては、FDAによる解析に基づくと、6分間歩行距離のベースラインからの変化量に関するプラセボに対するALGLUの優越性の検証に問題があったとされたため、03試験では、非劣性ではなく優越性の検証が推奨されたという、統計学的な観点からの指摘がなされていたことを治験相談時に確認しております。本剤の適応に関して、米国においては、少数例での検討から限界はあるとされたものの、本併用は2剤の投与が必要であり、より本併用の有用性が高い集団として、酵素補充療法の既治療例に限定されたものと考えられます。一方で、機構としましては、酵素補充療法で未治療の集団におきましても、臨床的な有効性は期待できると考えており、また、2剤併用することによる安全性上の課題は、既存の臨床試験成績からは示されていないこと、それに加えて、専門協議においても、ポンペ病のような治療選択肢が限られる疾患では、未治療集団に対しても複数の選択肢があることが重要との御意見を頂いたことから、未治療例も含めて医療現場に提供することが適切と判断しました。
御質問に対する回答としては以上となります。御審議の方、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。柴田委員、いかがでしょうか。
○柴田委員 通常、このような結果を見て、非劣性でも十分ではないかと思われるときに、非劣性試験では駄目だといわれている場合には幾つか理由があります。今回のように患者さんの数が少ない場合には、そういう理由も踏まえて評価をするべきであると考え、質問した次第です。
例えば、理由としては先ほど御説明があったように、医学的には非劣性でも十分だけれども、対照群の成績が不安定であるために、統計学的理由で、やはり優越性を示しておいてほしいというような設定で、このような議論になる場合もありますし、医学的に、例えば副作用の懸念があるとか、著しく不便であるという理由で、非劣性が証明されるだけでは不十分であるという理由で優越性が求められるケースもありました。その点、特に後者でないことの確認が重要であると思ってお伺いした次第です。
実際、FDAのレポートも拝見しましたけれども、FDAは最終的に絞った理由として2剤、単剤に対して2剤で効果が同じ程度であるならば、潜在的にリスクがあるので、そこは認めないというような解釈になっていましたが、先ほど御説明がありましたように、実際の臨床試験成績からは、著しくリスクが増えているわけではなかったので、機構の御判断は妥当だと思いました。以上です。
○森部会長 よく理解できました。ありがとうございます。それでは、この疾患ですと、御専門としては石川委員からの御意見を伺ってよろしいでしょうか。それでは小児領域の野津委員から御意見を伺ってよろしいでしょうか。
○野津委員 ありがとうございます。私もちょっと専門外すぎて、意見できる立場ではございません。申し訳ございません。
○森部会長 同じく、長谷川委員はいかがでございましょうか。
○長谷川委員 ありがとうございます。希少疾患ではありますけれど、拡大新生児マススクリーニングが普及しつつあり、ポンペ病が早期に見つかる可能性が上がり、需要も上がる可能性がありますので、御審議いただければと思います。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。石川委員、もしよろしければ御発言いただいてもよろしいでしょうか。そのほかの先生方から御発言はございますでしょうか。非常に希少な疾病ということもありまして、特段、御意見はございませんでしょうか。
○赤羽委員 よろしいでしょうか。余り重要なことではないのですが、希少な疾病なので、使用成績調査で5年間登録をするということで、大体どれぐらいの症例数が登録されるということを予想しておられるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。今回、使用成績調査の主要な目的としましては、実際に臨床試験では組み入れられなかった腎機能障害を有するポンペ病の患者における安全性及び有効性に関する情報を収集することになります。
その中で、腎機能障害を有するポンペ病患者の症例数について、まず申請者とも協議しまして、この使用成績調査に入るのは、多くとも2、3例と推測されています。そういったところも踏まえまして、なるべくその情報収集の粒度を上げるための方策として、今回使用成績調査の方式は全例調査を選択しております。実際に組み入れられる症例数の予測はなかなか難しいのですが、本邦でのポンペ病の患者数は、審査報告書にも記載したとおり120名程度とされていますので、多くともその程度の症例数となることを考えると、全例調査という方策も適切な選択肢と考えております。
○赤羽委員 ありがとうございました。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この点で補足ですけれども、申請者の説明によると、およそ50例程度が組み入れられるのではないかと予想されていることになりますので、およそポンぺ病患者の半数弱ということになろうかと思います。
○森部会長 市販後も是非、有効性、安全性に関する情報を収集いただければと思っています。ありがとうございます。それでは先生方から、特に御発言よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、野津委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題7及び議題8について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題9に移るところでございますが、開始から2時間となっております。5分休憩を入れさせていただきます。よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題9、資料No.9、医薬品アムヴトラ皮下注25mgシリンジにつきまして、機構より御説明いたします。資料No.9の審査報告書をご覧ください。審査報告書の一番下、全25ページの通し番号で3ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。
本剤の対象疾患であるトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)は、トランスサイレチン由来のアミロイドが主に心筋に沈着して機能障害を生じる疾患であり、本邦では指定難病とされています。本剤はトランスサイレチンのmRNAを標的としたsiRNAを有効成分とする注射剤であり、本邦では「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果として2022年に承認されております。
今般、国際共同試験の成績等を基に、ATTR-CMに係る効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本薬のATTR-CMに係る効能・効果については、2025年3月時点において、米国でのみ承認されています。なお、本剤は本申請に係る効能・効果について、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の審査の概要について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、8ページの表6を御覧ください。国際共同第III相試験(003試験)では、全死因死亡及び再発性心血管関連イベントから構成される複合エンドポイントが主要評価項目として設定され、主要解析対象集団である全体集団及びタファミジス未投与部分集団のいずれにおいても、本薬群についてプラセボ群に対する優越性が示されました。以上の結果等からATTR-CM患者に対する本剤の有効性が示されたと判断いたしました。
次に安全性について、14ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。今般提出された臨床試験成績において、安全性上の懸念は認められませんでした。以上より、ATTR-CM患者における本薬の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
本品目は、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から、御質問、御意見、いかがでしょうか。阿古委員から、お願いします。
○阿古委員 ありがとうございます。非常に難病ということで、こういった治療の選択肢が増えるのは良いことだと思いますし、死亡に関しても、これだけ差が出ているということは非常に重要なデータだというように理解しております。
一つ、全然こことは関係ないのですが、パチシランでしたか、競合品目のパチシランも同じ会社から多分出ていると思うのですが、それと、どのように住み分けをするのかということが少し気になったところですが、でも、この薬の効果自体は非常に良いものだと思いますし、これに関しては機構と全く、考えようとしては同じであります。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただいたパチシランに関しては、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの効能・効果では承認されておらず、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの効能・効果でのみ承認されております。
○森部会長 佐藤直樹委員、御発言ありますでしょうか。
○佐藤(直)委員 先ほど説明があったように、タファミジスとの併用ある・なしにかかわらずが効果が認められているということは臨床的に意義があると思います。それ以外は特にコメントはございません。
○森部会長 御発言ありがとうございました。先行していますタファミジスについては、日本循環器学会様の方で主導している適正使用ルールの運用というものがありますが、本剤ではどのような前提になっているか、もし情報がありましたら、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。本剤についても、先行のタファミジス、アコラミジスと同様に、患者・施設・医師要件については、関連学会と厚生労働省で調整が行われているとお伺いしております。
○事務局 厚労省でございます。今、日本循環器学会と現在、こちらの御指摘いただいた先行品のタファミジスやアコラミジスとの併用も含めまして、それに関しては現在、学会ステートメントの方を御準備いただいているところです。ですので、こちらの今後の承認等に併せて、こちらの方、日本循環器学会様からそういった旨を出していただきまして、臨床現場の方に必要な情報を提供させていただくことを予定しております。以上になります。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。阿古委員、どうぞ。
○阿古委員 結構、タファミジス等に関しては、かなりドクターの要件なども厳しく設定されていますが、それと同じようになるという理解でよろしいですか。
○事務局 詳細はこの場では、なかなか申し上げづらいところはありますが、事前に頂いている情報では、かなりしっかりとしたものを御準備いただいているというように認識しております。
○阿古委員 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。議題9につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題10に移ります。議題10について、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題10、資料No.10、医薬品エアウィン皮下注用につきまして、機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全71ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管の過収縮、肺小動脈の血管平滑筋細胞の異常増殖による肺血管リモデリング等によって肺血管抵抗及び肺動脈圧が上昇し、最終的に右心不全に至る疾患です。
本剤の有効成分であるソタテルセプト(遺伝子組換え)は、肺血管平滑筋細胞の増殖に関与するアクチビン受容体IIA型のリガンドと結合し、増殖促進性のシグナル伝達を阻害することで肺血管リモデリングを抑制する薬剤として開発されました。海外において、本剤は米国、欧州等で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。本剤の臨床開発計画について、本剤の開発は海外で先行していたことから、海外第III相試験とは別に国内試験を実施し、試験間で結果の類似性を確認した上で、海外第III相試験の結果も利用し、日本人患者に対する有効性及び安全性を検討する開発戦略が採られました。
有効性について、40ページ、表32を御覧ください。海外第III相試験である003試験では、投与24週後の6分間歩行距離が主要評価項目とされ、本剤のプラセボに対する優越性が示されました。また、表33にお示ししますように、副次評価項目とされた肺血管抵抗(PVR)についても改善効果が認められ、本剤の治療効果を支持する結果が得られました。以上の結果等から、本剤の有効性は示されたと判断しました。日本人での有効性について、49ページ表42を御覧ください。国内試験である020試験の結果、PVRの変化率及び6分間歩行距離はいずれも003試験と同様であったことから、日本人患者でも本剤の有効性は期待できると判断しました。
安全性については、血小板数減少及びヘモグロビン増加のリスク管理を中心に検討しました。血小板数減少について、51ページ表43を御覧ください。国内外の臨床試験において、本剤の投与開始後、比較的早期に血小板数の減少が認められましたが、多くが非重篤で、血小板数に基づく用量調整を行うことで、ほとんどの患者で投与が継続可能でした。ヘモグロビン増加について、53ページ、7.R.3.2項を御覧ください。国内外の臨床試験において、重度のヘモグロビン増加や、本剤との因果関係がある血栓性事象は認められませんでした。以上より、本剤投与中は血小板数及びヘモグロビン値についてモニタリング及びその結果に基づく用量調整を行うことで、安全確保は可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。
なお、添付文書の17項について、部会長より事前に国内外の臨床試験成績を比較する観点から、020試験の6分間歩行距離の成績を記載することが適切である旨の御意見を頂いたことから、17.1.2項に追記する予定です。
本剤は、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品に該当し、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方の方から、御質問、御意見、いかがでしょうか。それでは、循環器が御専門の阿古委員から、お願いします。
○阿古委員 ありがとうございます。これに関しても、やはり、非常に治療に難渋する疾患ということもありますし、こういった治療のオプションが増えることは、非常に臨床現場としては歓迎すべきことだと思います。しかし、基本的には他剤を併用している患者さんに使うということもありますので、本当に十分に、そういった治療をされている患者さんに使っていただきたいとは思っております。
○森部会長 ありがとうございました。佐藤直樹委員、御発言はありますでしょうか。
○佐藤(直)委員 血小板数に関してどのような時期にどのような間隔で経過をみたらよいのかについて教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。先ほどの御説明の中で比較的早期というお話をさせていただきましたが、投与5回目ぐらいです。臨床試験において、本剤を3週に1回投与した結果、投与5回目ぐらいまでには血小板数が安定したことから、投与5回目までは本剤投与の前に毎回必ず血液検査をして、血小板を測定するよう注意喚起しております。
それ以降についても、血小板数が安定していない場合には、本剤投与前の血小板数測定を続けていただき、安定した場合には、定期的に、2、3か月に1回程度になるかと思いますが、血小板数を測定していただくことを考えております。この点に関しては添付文書及び情報提供資材にも書かれています。以上です。
○佐藤(直)委員 分かりました。ありがとうございました。
○森部会長 今、御説明いただいた7の1の項目にも、血小板やヘモグロビン値の測定に関して注意喚起いただいております。7の1の表現で、「本剤の投与5回目まで並びにその後もヘモグロビン値及び血小板数が安定するまでの間は」という記載をしていただいておりますが、この表記で特に現場の先生方は御理解に問題はないでしょうか。「安定するまでの間」という表現が、つまり、例えば正常域に安定するなど、安定という言葉で、減少した状態から正常域で安定しているという状態を読み取れますでしょうか。いかがでしょう。阿古委員、お願いします。
○阿古委員 表現としてはこれでも。現場の先生方にその判断はお任せするという形の方が、私は使いやすい形になるのではないかとは考えます。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方から御意見、御発言、ありますか。特にありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題10につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、承認を可として、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題11に移ります。希少疾病用医薬品の指定に関することですが、野津委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題11の審議の間、会議から一旦御退出いただきまして、御待機いただくこととなっております。野津委員は御退出をお願いいたします。
○事務局 それでは議題11、資料No.11になります。希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回の審議品目一覧については、No.11-1のとおりです。No.11-2から各資料になりますが、順を追って説明いたします。
資料No.11-2 setrusumab。申請者は、Ultragenyx Japan株式会社、予定効能・効果は骨形成不全症で、当該疾患は指定難病に指定されております。骨形成不全症は、多発骨折や骨変形をもたらす低骨量及び骨脆弱性を特徴とする遺伝性疾患です。本邦において、ビスホスホネート製剤であるパミドロン酸二ナトリウム水和物が、骨形成不全症に係る効能・効果で承認されていますが、骨折予防に対する有効性は確立されていないと報告されています。本剤は、海外第II/III相試験の第II相パートの結果から、本剤投与により腰椎骨密度が増加し、年間骨折率が低下することが示唆されております。現在、国内第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.11-3 タミバロテン。申請者はリジェネフロ株式会社、予定効能・効果は常染色体顕性(優性)多発性嚢胞腎(以下、「ADPKD」)で、当該疾患は指定難病とされている多発性嚢胞腎に含まれる疾患です。ADPKDは、両側の腎臓に多数の腎嚢胞が発生・増大し、60歳代までにはADPKD患者の約半数が末期慢性腎不全となり、透析、腎移植が必要となります。本邦においてトルバプタンが承認されていますが、重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるため、定期的な肝機能検査が必須であること、また、特に投与開始時、漸増期においては、脱水、高ナトリウム血症等の副作用発現のおそれがあるため、入院下で投与を開始する等の管理が必要とされております。そのため、新たな治療選択肢が必要とされております。現在、日本人患者を対象とした国内第II相試験を実施中であり、今後、ADPKD患者を対象とした海外第I/II相試験を実施した後、国際共同第III相試験を実施予定です。
続きまして、資料No.11-4 ラブリズマブ(遺伝子組換え)。申請者はアレクシオンファーマ合同会社、予定効能・効果は、造血幹細胞移植後血栓性微小血管症で、当該疾患の患者数は300~1,000人程度と推定されております。血栓性微小血管症は、消費性血小板減少症、溶血性貧血や微小循環不全による腎臓及び他の臓器障害を主徴とします。国内外で造血幹細胞移植後血栓性微小血管症に係る効能・効果で承認されている治療薬はございません。本剤を用いた成人及び12歳以上の青少年を対象とした国際共同第III相試験、及び生後1か月以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.11-5 リツキシマブ(遺伝子組換え)。申請者は全薬工業株式会社、予定効能・効果は頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群で、当該疾患は指定難病に指定されております。ネフローゼ症候群は、腎糸球体係蹄障害による大量の尿蛋白漏出と、これに伴う低アルブミン血症を特徴とし、腎機能障害の他、浮腫、脂質異常症、血液凝固異常、免疫異常等が生じます。ネフローゼ症候群は、小児期又は成人期に発症しますが、小児期発症と成人期発症とで治療体系は同じではなく、本指定は成人期発症のものを対象としています。本邦において、成人期発症の当該疾患について、ステロイド剤、免疫抑制剤等が承認されていますが、寛解後のステロイド減量や中止に伴う再発率は3割~7割と高く、免疫抑制剤を併用しても寛解が維持できずにステロイド剤から離脱できない患者が一定数存在しております。本剤の国内第III相試験において、主要評価項目である治験薬投与開始日から49週時点の無再発率は、プラセボ群と比較して本剤群で高く、本剤が新たな治療選択肢となると考えられます。
近日中に本試験の結果をもって、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われる予定です。
続きまして、資料No.11-6 リネリキシバット。申請者はグラクソ・スミスクライン株式会社、予定効能・効果は原発性胆汁性胆管炎におけるそう痒症で、原発性胆汁性胆管炎(以下、「PBC」)は指定難病に指定されており、そう痒症はPBCにおける特徴的な症状で、一般的な皮膚疾患に伴う皮膚表面のそう痒とは異なり、胆汁が肝臓内にうっ滞することにより誘発されることが示唆されています。こちらに伴い、睡眠潜時延長及び睡眠障害、疲労、うつ病等の原因となり、日常生活を顕著に障害します。本邦においては、ウルソデオキシコール酸のみがPBCに係る効能・効果で承認されておりますが、そう痒症に対する治療効果は確認されていません。また、ナルフラフィン塩酸塩が、PBCを含む慢性肝疾患における既存治療で効果不十分な場合のそう痒に対して承認はされていますが、推奨度は低いという状況です。
本剤の国際共同第III相試験において、主要評価項目である24週間のMonthly Itch Scoreのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が認められており、こちらの試験を基に承認申請を行う計画とされております。
続きまして、資料No.11-7 Riliprubart。申請者はサノフィ株式会社、予定効能・効果は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」)、こちらは指定難病に指定されております。こちらの疾患は、運動機能低下や感覚異常等を呈する自己免疫疾患で、患者の5割は罹患後に重度の障害を負い、自立歩行困難となる等、QOLが大きく低下する疾患です。本邦では、CIDPに対する治療薬として免疫グロブリン又は副腎皮質ステロイドが推奨されておりますが、これらの治療に反応を示さない患者が約3割いるというところ、奏効しても患者の多くには一定の障害や症状が残ることが報告されております。また、昨年12月に、胎児性Fc受容体阻害薬がCIDPに対して承認はされましたが、まだ、CIDPに対する新たな治療薬が望まれているという状況です。
CIDP患者を対象とした海外第II相試験が実施された結果、既存治療で効果不十分又は無効及び既存治療未治療の患者において本薬の投与期間中に臨床的改善が認められた被験者は、それぞれ50%及び75%でした。開発の可能性について、既存治療で効果不十分なCIDP患者を対象とした国際共同第III相試験等が実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がございましたらお願いいたします。よろしいですか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、佐藤直樹委員、外園委員、高橋委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。では、議題11について指定を可としてよろしいですか。
特に御異議がないようですので、指定を可とし薬事審議会に報告とさせていただきます。では、ロビーで待機されています野津委員をお呼びください。
○事務局 議題12、資料No.12 医薬品トレムフィア点滴静注等の再審査期間の延長の可否についてです。医薬品の再審査期間については、小児の用量設定等のための臨床試験を計画する場合で、必要があると認められる場合には、個別に医薬品部会に諮った上で再審査期間を延長しています。本部会で御審議いただくトレムフィアの潰瘍性大腸炎及びクローン病については、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を潰瘍性大腸炎に係る承認より2年延長することは適切と判断しております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 ありがとうございました。先生方から御質問がございますか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題12について、延長を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題13に移ります。議題13につきまして、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 議題13、資料No.13について御説明いたします。医薬品ベルスピティ錠2mg、審議議題5で御審議いただいた品目ですが、こちらも先ほどの議題と同様に、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を初回承認より2年延長し、10年間とすることは適切と判断しております。御説明は以上になります。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがですか。では、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題13について、延長を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、報告議題に移らせていただきます。報告事項議題1、2及びその他事項議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項について御説明いたします。今回の報告事項の議題1については、資No.14のとおりです。まず、議題1、資料No.15、トレムフィア点滴静注200mg等について、ヤンセンファーマ株式会社より、中等症から重症の活動期クローン病の治療(既存治療で効果不十分に限る)に係る効能・効果及び用法・用量の追加に係る一部変更承認申請がありました。機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。
続きまして議題2、資料No.16-1~16-4になります。医療用医薬品の再審査について御説明いたします。資料No.16-1、スーグラ錠25mg及び同錠50mg。アステラス製薬株式会社より、1型糖尿病に係る効能・効果について再審査の申請がありました。また、資料No.16-2、フォシーガ錠5mg及び同錠10mgについて、アストラゼネカ株式会社より、同じく1型糖尿病に係る効能・効果について再審査申請がありました。また、資料No.16-3、トルリシティ皮下注0.75mgアテオス、日本イーライリリー株式会社より2型糖尿病に係る効能・効果について。資料No.16-4、ホスリボン配合顆粒。ゼリア新薬工業株式会社より低リン血症に係る効能・効果について、それぞれ再審査に関する申請があり、機構における調査の結果、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しております。
続きまして、その他の議題1になります。最適使用推進ガイドラインについてです。本年1月の部会において、リメゲパント硫酸塩水和物について最適使用推進ガイドラインの対象という形で報告させていただいておりましたが、審査の過程でこちらについては作成の必要はないと判断をいたしまして、作成対象から除外することとしました。
以上、御報告になります。よろしくお願いします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。議題1のトレムフィア、クローン病の追加について、前田委員、何か御発言ありますか。
○前田委員 いえ、特にございません。これで結構だと思います。すみません。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御意見、御質問はありますか。よろしいですか。それでは、報告事項及びその他事項については御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上ですが、事務局から御報告はありますか。
○事務局 事務局です。冒頭、Web会議の不手際があり、大変申し訳ございませんでした。次回の部会ですが、令和7年7月31日木曜日、午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の議題は以上です。どうもありがとうございました。
本日の会議における委員の出席についてですけれども、佐藤雄一郎委員、宮川委員より、御欠席との御連絡を頂いております。そのほか、佐藤直樹委員、田﨑委員、長谷川委員、前田委員は後ほど参加されると聞いております。
本日、現在のところ、当部会委員数21名のうち15名の委員がこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、会議開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況について報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~No.20を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料20に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1「アネレム」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員。議題2「ゼオマイン」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題3「ハイキュービア」:退室委員なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題4「スピジア」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題5「ベルスピティ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題6「リアルダ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員、前田委員。議題7「ポムビリティ」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:野津委員、長谷川委員。議題8「オプフォルダカプセル」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:野津委員、長谷川委員。議題9「アムヴトラ」:退室委員、議決に参加しない委員:ともになし。議題10「エアウィン」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:阿古委員。議題11「希少疾病用医薬品の指定の可否」:退室委員:野津委員、議決に参加しない委員:阿古委員、佐藤直樹委員、外園委員、高橋委員、長谷川委員。議題12「再審査期間延長(トレムフィア)」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。議題13「再審査期間延長(ベルスピティ)」:退室委員:なし、議決に参加しない委員:高橋委員。以上でございます。
○森部会長 今の事務局の御説明について、特段の御意見等はありますでしょうか。よろしければ皆様に確認いただいたものとさせていただきます。
本日の非公開議題は、審議事項13議題、報告事項2議題、その他事項1議題となっております。よろしいですか。
それでは審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項議題1について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、アネレム静注用20mg他1規格の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は短時間作用型のベンゾジアゼピン系薬剤であり、本邦では50mg製剤が、「全身麻酔の導入及び維持」の効能・効果で承認されております。消化器内視鏡診療時の鎮静は、内視鏡検査・処置に対する患者の受容性等を改善し、検査・処置の向上に寄与すると考えられており、本邦の消化器内視鏡診療において鎮静を行う頻度は増加しています。本剤は2021年4月から、消化器内視鏡診療を受ける患者を対象とした国内医師主導治験が実施され、有効性及び安全性が確認されたとして、今般、本剤の製造販売承認事項一部変更承認申請等が行われました。なお、海外では、鎮静に係る効能又は効果について、米国・欧州を含む6の国又は地域で承認されています。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、有効性について、通し番号6ページ「7.1 国内第II/III相試験」の項を御覧ください。鎮痛薬非併用下で消化器内視鏡検査を受ける患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした、用量探索ステップ及び検証ステップで構成された臨床試験が実施されました。本試験の検証ステップはプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験であり、主要評価項目の結果は、通し番号8ページ表3を御覧ください。主要評価項目とされた消化器内視鏡検査における鎮静の成功割合について、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。
また、通し番号9ページ「7.2 国内第III相試験」の項を御覧ください。オピオイド鎮痛薬併用下で消化器内視鏡処置を受ける患者を対象とした非盲検非対照試験での主要評価項目の結果は通し番号10ページ表4に記載しております。主要評価項目とされた消化器内視鏡処置における鎮静の成功割合は93.5%であり、95%信頼区間の下限値(84.3%)は事前に設定した閾値成功割合である80%を上回りました。以上から、消化器内視鏡診療時の鎮静に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて安全性について、通し番号13ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤投与に当たっては、主に呼吸状態及び循環動態への影響について注意する必要があるものの、これらの影響を継続的に監視できる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設でのみ用いる等、適切な注意喚起及び適正使用の推進が行われることを前提とすれば、消化器内視鏡診療時の鎮静に係る本剤の安全性は管理可能と判断いたしました。また、本邦における消化器内視鏡診療時の鎮静を目的に本剤を使用する医師の多くは、麻酔・鎮静管理を専門とはしない消化器内視鏡医と想定されることから、適切な医療体制下で適正使用されることを推進する方策として、通し番号29ページに記載の施設、内視鏡施行医の要件を示した適正使用推進プログラムの実施を徹底することが重要であると判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。本剤は、新効能医薬品等であることから、再審査期間は4年とすることが適当と判断しました。また、20mg製剤は生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、毒薬・劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
また、森部会長より、事前に添付文書案の記載内容について御意見を頂いておりますので御紹介いたします。添付文書案8.8項、こちらは検査処置後の対応に関する注意喚起となっておりますけれども、こちらの内容につきまして、患者の安全性に直結しうる内容であることを踏まえて、単に、全身状態に注意しという記載ではなく、モニタリングをする必要がある旨を記載する必要があるのではないかという趣旨の御意見を頂いています。機構としましては、御指摘を踏まえまして、適切にこの8.8項の記載を修正させていただきたいと考えております。機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から、御質問、御意見はございますでしょうか。特にないようですか。消化器内科の前田先生は今、参加されていらっしゃいますか。もしよければ、御発言をお願いいたします。
○前田委員 はい、前田でございます。この薬剤は非常にキレがよくて、高齢者等々に使われることが多くなるかと思いますので、かなり現場では喜ばれているというか、導入が期待されている薬剤です。恐らく今まで、ほとんどミダゾラムというお薬を使われていたと思うのですけれども、それよりも使い勝手がいいので、余り現場で新たな問題点は発生しないかなというように私は思っておりますので、是非、承認する方向でお願いしたいと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。前田委員、適正使用のガイドライン、適正使用プログラムにつきましては、内視鏡の施行医の方の基準のみならず、それを支援する監視を行う方の受講についても、「要件マル1マル2の実施が望ましい」という表記になっていますが、これは今の現行表記でよろしいでしょうか。御意見いかがでしょうか。
○前田委員 はい、基本的にはよろしいかと思います。現状も同じミダゾラムを使っていますけれども、あまりこの辺、厳密に行われていないのではないかと思いますので、本薬が出るときに、今よりも恐らく厳しい書かれ方だと思いますので、それはそれで、今まで使われていた薬剤に関しても恐らくそういう感じで行われると思いますので、これでよろしいかと思います。
○森部会長 前田委員、御発言どうもありがとうございました。ほか、先生方から御発言はありますでしょうか。川上委員、どうぞお願いします。
○川上委員 川上です。今の点で、リスク最小化計画の方を見ると、eラーニングを義務付けているように思えるのですが、違うのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 基本的にはeラーニングを受講いただくことを想定しておりますが、それが難しいというケースにつきましては、申請者のMR等による適正使用ガイドに関する説明や、説明会等に参加いただくことで本剤を使用いただける形になると考えております。
○川上委員 それはあくまで代替手段であり、一番最初の目的の所を見ると、「解説動画、以下、eラーニングの受講を通じて」と、しっかり書かれているように思います。最初から代替手段でいいと説明上言ってしまうことについては、このRMPを読む限り、そんな印象では私はなかったので、質問したのです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりで、基本的にはeラーニングを受講いただくことを想定しております。
○森部会長 本件につきましては、eラーニングの受講を原則とするという運用でお進めいただくということでよろしいでしょうか。佐藤陽治先生、何かこの点、御発言ありますか。
○佐藤(陽)部会長代理 特にございません。
○森部会長 ありがとうございます。ほかの先生方から、御質問、御意見はありませんか、よろしいでしょうか。それでは議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題1につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。議題2につきまして、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位の製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.2の審査報告書を御覧ください。
はじめに、審査報告書の一番下、全48ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。流涎は、神経系疾患、自律神経障害、薬剤等の様々な原因により、唾液分泌量の亢進又は唾液の嚥下障害によって生じますが、慢性的な流涎は、特にパーキンソン病、脳卒中、ALS等の神経疾患により生じることが多いことが知られております。流涎は、患者の衛生面や日常生活、社会生活に影響を及ぼし、また、重症のパーキンソン病やALS等では、誤嚥性肺炎等を引き起こし生命予後にも影響を与えることがあります。本邦において慢性流涎に対する薬物療法として承認されている医薬品はありませんが、日本神経治療学会作成のボツリヌス治療に関する治療指針においては、流涎に対するボツリヌス毒素製剤の使用が推奨されております。
本剤は、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から、ボツリヌス菌由来の複合タンパク質を取り除いたものを有効成分とする注射剤であり、末梢のコリン作動性神経終末からのアセチルコリンの放出を阻害し、唾液腺での水及び電解質の分泌を抑制することで、唾液分泌の抑制効果を示すことが期待されております。
今般、国内第III相試験の成績等に基づき、製造販売承認申請が行われました。本剤は、本邦において上肢痙縮及び下肢痙縮を効能・効果として承認されており、慢性流涎に係る効能・効果については、2024年12月時点で、海外では欧州及び米国を含む46の国又は地域で承認されております。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されている5名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、有効性について、審査報告書8ページの一番下の段落、及び9ページの表3を御覧ください。神経・筋疾患に関連する慢性流涎が認められる患者を対象に、国内第III相試験として、非盲検非対照試験(301試験)が実施されました。国内第III相試験の主要評価項目である、「グループAにおけるベースラインから投与4週後の、安静時唾液分泌量であるuSFRの変化量」について、事前に設定した有効性評価基準を満たしたことから、本剤の有効性が示されました。
続いて、審査報告書12ページの表6、表7を御覧ください。神経・筋疾患に関連する慢性流涎が認められる患者を対象に、海外第III相試験として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(3090試験)が実施されました。この海外第III相試験の主要評価項目は、投与4週後のuSFRのベースラインからの変化量と、投与4週後の被験者評価による唾液分泌の程度に対する指標であるGICSスコアであり、ある用量において二つの主要評価項目がいずれも検証された場合に、当該用量の有効性は検証されたと判断することとされておりました。結果は表6、表7にお示ししておりますとおり、いずれの評価指標においても、本剤100単位群とプラセボ群の間に統計学的な有意差が認められ、優越性が示されました。また、本剤75単位群とプラセボ群の間には、統計学的に有意な差は認められませんでしたが、いずれの評価指標においても、点推定値においてプラセボ群と比較して改善する傾向は認められております。
また、その他の評価項目である、GICSスコアが1以上改善した被験者の割合や、流涎の重症度及び頻度の指標であるDSFS合計スコアのベースラインからの変化量において、本剤75単位群と本剤100単位群はいずれにおいてもプラセボ群を上回り改善する傾向が認められております。以上、301試験及び3090試験から得られた結果等から、本剤の慢性流涎患者に対する有効性は示されたと判断いたしました。
なお、機構の判断つきましては、審査報告(2)に記載しているとおり、専門協議でも支持され、本剤投与時に一定の臨床的意義のある有効性は認められているとの御意見を頂いております。
続いて、安全性について、審査報告書25ページから始まる「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、本剤投与にあたっては、嚥下障害、誤嚥性肺炎、口腔内環境等に特に注意する必要があるものの、これらの事象について適切な注意喚起を行い、また、本剤についての十分な知識と、原疾患及び本剤の施注手技に必要な十分な知識・経験をもつ医師のもとで使用する旨についても注意喚起を行うことで、慢性流涎患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会において御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新投与経路医薬品であることから、再審査期間は6年と設定することが適切であると判断しております。
薬事審議会には報告を予定しております。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 はい。御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はございますか。それでは、神経内科御専門の石川委員から御発言いただければと思います。いかがでしょうか。
○石川委員 石川です。御指名ありがとうございました。今、機構の方の御説明どおり、こういう領域の治療薬というのがないので、臨床的な有用性というのは非常に大きいと思います。それから、有効性も示されておりますので、私としては、特別何か懸念材料は余りないと思います。以上です。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、先生方、御意見ございますか。それでは、議決に入りたいと思います。議題2につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題3に移ります。議題3につきまして、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、議題3、資料No.3、医薬品ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下、全30ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」)は8週間以上にわたり進行性又は再発性の経過をとり、四肢筋力低下及び感覚障害を主徴とする自己免疫性疾患です。また、多巣性運動ニューロパチー(以下、「MMN」)は運動神経において持続性の伝導ブロックが多巣性に認められ、感覚障害を伴わない左右非対称性の上肢遠位優位筋力低下及び筋萎縮を主徴とし、CIDPの類縁疾患とされております。本邦では、いずれの疾患も指定難病とされております。
本剤は、免疫グロブリンGを10%含有する皮下投与製剤と、結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解するボルヒアルロニダーゼを含有する皮下投与製剤の2バイアルで構成されるセット製剤であり、本邦では、2024年12月に「無又は低ガンマグロブリン血症」の効能・効果で承認されております。海外では2025年3月現在、40以上の国又は地域で承認されており、CIDPに対しては39の国又は地域で承認されており、MMNに対しては承認されている国又は地域はありません。
2022年1月から実施された国内臨床試験等の成績に基づき、本剤の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載されております4名の委員を指名しております。
それでは、審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、CIDPに対する有効性について、通し番号で8ページの表4を御覧ください。CIDPの第1選択薬である免疫グロブリン製剤を投与中のCIDP患者を対象としたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験である海外第III相試験(以下、「海外403試験」)の主要評価項目である試験期間中における再発率において、プラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差が認められました。また、通し番号で12ページの表8を御覧ください。海外403試験と同様のCIDP患者を対象とした非盲検非対照試験である国内第III相試験(以下、「国内3002試験」)のコホート1において試験期間中に再発した被験者は認められず、主要評価項目である試験期間中における再発率の95%信頼区間の上限は、事前に規定した閾値である57%より低い結果でした。以上の結果等を踏まえ、機構は、日本人CIDP患者に対する本剤の維持療法における有効性は期待できると判断いたしました。
続きまして、MMNに対する有効性について、通し番号で13ページの表10を御覧ください。MMNに対する第1選択薬である免疫グロブリン製剤を投与中のMMN患者を対象とした国内3002試験のコホート2の主要評価項目である投与6か月目における最大握力値のベースラインからの変化量は、ベースラインから維持される傾向が認められ、これ以降も同様に推移いたしました。また、通し番号で17ページの表13を御覧ください。国内3002試験のコホート2の個々の被験者における臨床症状等の各評価項目について、7例中5例で維持される傾向が認められております。以上の結果や、海外の医師主導治験において同様の結果が示唆された旨の報告があること等を総合的に勘案すると、機構は、日本人CIDP患者に対する本剤の維持療法と同様に、日本人MMN患者に対しても本剤の維持療法における有効性は期待できると判断いたしました。
なお、CIDP及びMMNに対する有効性につきましては、専門協議において機構の判断はいずれも支持されております。
次に、安全性につきまして、通し番号18ページの「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。提出された試験成績等を検討した結果、本剤の使用に当たっては、本剤の既承認の効能・効果である無又は低ガンマグロブリン血症に対する本剤の使用時と同様に、漏出を含む注入部位反応に関連する有害事象等の発現や、血栓塞栓症等の重要な特定されたリスク等には注意を要しますが、当該事象も含め、無又は低ガンマグロブリン血症と同様の安全対策の下で使用されることで、日本人CIDP及びMMN患者における本剤の安全性は許容可能と判断しました。
以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新効能・新用量医薬品としての申請であるものの、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間とすることが適切と判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御意見、御質問がありましたらお願いいたします。それではまた、神経内科の御専門でいらっしゃいます石川委員から、御発言が、もしございましたらお願いいたします。
○石川委員 ありがとうございます。機構がおっしゃったことはよく理解できますので、大筋、問題ないかなと思っておりますが、1点だけ確認したいことがあります。審査報告書の3/30ページの一番最初の所です。申請時の効能・効果の部分で、慢性炎症性うんぬんとなった後、括弧付きで、「筋力低下の改善が認められた場合」と書かれておりますが、これは、当然ながら、それまでの治療で免疫グロブリン療法によって筋力低下の改善が認められた患者さんということでよろしかったでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書の2ページ目の5項の「効能又は効果に関連する注意」の所で記載させていただいている部分に該当し、委員の御認識のとおりと考えていますが、急性期で、まず静注の免疫グロブリン製剤で導入療法の治療をします。その治療において有効性を示した患者に対して、維持療法としてこの薬剤が使用されることを想定しています。先ほど申し上げた、静注製剤の導入療法で有効性が示された患者を対象に本剤を使用していくということで、この括弧書きを記載しております。こちらの記載については、既承認の静注や皮下注の免疫グロブリン製剤でも同様な括弧書きの記載をしております。
○石川委員 ありがとうございました。当然、そういうことだと思うのですが、例えば、添付文書の4の効能・効果の二つマルがあるうちの下の方の括弧の所の、「筋力低下の改善が認められた場合」という所において、「静注用免疫グロブリン製剤で筋力低下の改善が認められた場合」と書いておいた方が、より親切ではないかと思った次第です。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおり、確かにそのように記載した方が、より明確になる部分もあるかと思いますが、先ほど申し上げたとおり、他の免疫グロブリン製剤でも同様の効能・効果の記載ぶりをしておりますので、そことの差別化をする意義が、この点についてはなかなか難しいかなと思うところもありますので、御指摘いただいた部分につきましては、5項の注意喚起に加えて、資材の方で、より分かりやすいような形で、どういった患者様にこの薬剤が投与できるかが明確になるように準備をさせていただくことでどうかと思います。
○石川委員 分かりました。ありがとうございました。
○森部会長 機構の方に確認ですが、今の石川委員の御発言は、恐らく、5項でかなり詳しく説明していただいているので、4項のこの括弧書きの内容が、むしろ理解を妨げているのではないかという御指摘のようでしたので、括弧書きがないか、もし括弧で書いていただくのでしたら、「静注用ヒト免疫グロブリン製剤を投与し、その改善が見られた場合」と書いた方が誤解がないという御発言だと思います。したがいまして、先行で発売されている薬剤の添付文書に沿って今はおまとめいただいておりますが、今回、石川委員の御発言もございましたので、どちらかの形にお改めいただくということで御検討願えないかということですが、いかがでしょうか。石川委員、その趣旨でよろしかったでしょうか。
○石川委員 ありがとうございます。そのとおりです。その方が分かりやすいと思います。何か、ここは最初にくるのに、括弧で「筋力低下が認められた場合」と書いてあって、もちろん、大部分の人は分かるのですが、ちょっと不自然かなと思っております。そういうことで、あえて質問させていただきまして、森部会長のおっしゃるとおりです。
○森部会長 初見で読みますと、本剤のレスポンダーなのかと誤認されるおそれもあるので、できましたら先行した治療の反応があるということが分かる形で、括弧書きをおまとめいただく方が誤解がないものと思います。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど申し上げたように、他剤と位置付けが全く同じであるため、他の製剤も含めて、持ち帰って検討して、どのように記載するかを検討させていただく形でもよろしいでしょうか。
○事務局 事務局です。本質的に、投与の対象となる患者に関しては、他剤と本剤で変わりはないものと認識していますので、本剤について検討が必要ということであれば、他剤も併せて検討する必要があると思いますので、それもセットで検討させていただきたいと考えております。
○森部会長 御発言ありがとうございます。是非、御検討いただきたいと思います。そのほか、先生方からございますか。どうぞ。
○佐藤(陽)部会長代理 今の添付文書の5番の細い字の所なのですが、何となく日本語が、通じているようで通じてないような気もするのです。4番の「筋力低下の改善が認められた場合」という言い方とそろえればいいのになと思います。例えば、「筋力低下の改善に対して投与し有効性が認められたもの」というのが、言い方が素直かどうかということなのですが、どうなのでしょう。「筋力低下に対して有効性が認められた」か「筋力低下に対して改善が認められた」と書いた方が素直なのではないかなという気がするのですが、その辺、ちょっと工夫していただいた方がいいかなと思いますが、どうでしょうか。
○事務局 すみません。厚労省からよろしいでしょうか。先ほどの御指摘とセットで検討させていただきます。
○医薬品医療機器総合機構 検討はさせていただきたいとは思っているのですが、念のため、この記載の背景を申し上げますと、この薬剤は、既承認の免疫グロブリン製剤の導入療法をやってから、その後、維持する、予防するために投与する薬剤の位置付けなのですが、まず、改善をするために、急性期で投与する方の効能・効果が、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善という効能・効果で承認されています。その関係で5項はこのような記載ぶりになっているという背景もあります。これだけではなくて、この申請以外のほかの既承認の効能・効果に跳ねるような内容にもなってきますので、その辺りは医薬品審査管理課とともに、どういうふうに対応すればいいか検討させていただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 なるほど、分かりました。
○森部会長 今回の臨床試験で評価されている項目を考えますと、現行の記載は決して不適切ではないと思いますが、改めて確認いただきまして、もし、修正できましたら御検討ください。どうもありがとうございます。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますでしょうか。柴田委員、今回のこの本剤の有用性、特にCIDPの評価で国内III相の試験はシングルアームになっていますが、シングルアームの評価の設定の基準等は適切と考えてよろしいでしょうか。
○柴田委員 理想的には対照群があった方がいいですが、この状況に対してこれはやむを得ないデザインで、現状、このようなデザインの試験に基づいて評価された機構の判断は妥当だと考えております。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、御意見はございますでしょうか。それでは、議決に入らせていただきたいと思います。なお、高橋委員におかれましては、利益相反の申出に基づきまして、議決の参加を御遠慮いただくこととなっております。では、議題3につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題4に移らせていただきます。議題4につきまして、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料No.4、医薬品スピジア点鼻液5mg、同点鼻液7.5mg及び同点鼻液10mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.4の審査報告書を御覧ください。
まず、審査報告書の一番下、全42ページの通し番号で5ページ「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はジアゼパムを有効成分とする鼻腔内投与製剤です。本邦では、ジアゼパム注射剤がてんかん様重積状態を効能・効果として承認されており、本剤はより簡便な投与方法でてんかん発作をコントロールすることを目的に開発されました。今般、てんかん重積状態患者を対象とした国内臨床試験成績等において、本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認申請がなされました。なお、本剤は、海外では2020年1月に米国で承認され、2025年2月現在、3か国で承認されております。
本申請の専門委員として、資料No.19に記載している5名の委員を指名しております。
本品目の審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、通し番号で18ページ、こちらの中間辺り、「有効性について」から始まる段落を御覧ください。6歳以上18歳未満のてんかん重積状態患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「Part1における治験薬投与後10分以内に発作が消失し、投与後30分間再発が認められなかった被験者の割合」の95%信頼区間の下限が、事前に設定した閾値達成割合(30%)を上回りました。
また、通し番号で23ページ表28を御覧ください。副次評価項目の結果から、本剤投与後の発作消失までの時間の中央値が1~1.5分であり、速やかな発作の消失が確認されたこと、治験期間中に認められたほぼ全ての発作に対して本剤投与により発作の消失が認められたことを確認いたしました。以上の結果を踏まえ、てんかん重積状態に対する本剤の有効性は示されたと判断しました。
続いて安全性について、通し番号で23ページ以降「7.R.3 安全性について」の項を御覧ください。今般提出された国内外の臨床試験成績から、本剤鼻腔内投与により投与部位に関連する有害事象は認められているものの、既存のジアゼパム製剤と比較して、臨床的に問題となるような新たな安全性の懸念は認められていないことを確認しました。したがって、既存のジアゼパム製剤と同様に呼吸抑制、中枢神経系の有害事象等について注意を要するものの、医療機関外で投与された場合に、本剤投与後の患者の観察及び救急搬送も含めた適切な処置がなされることを前提とすれば、安全性は許容可能と判断しました。
また、適正使用について、通し番号で34~35ページ「7.R.6 適正使用について」の項を御覧ください。国内第III相試験では、本剤を投与する介助者が、発作時の本剤の投与の適否、投与後の患者の観察及び救急搬送も含めた処置の判断ができるよう対策が講じられ、全症例、保護者によって投与されました。現時点で介助者による投与に関する安全性上の特段の懸念は示唆されていないことから、本剤の添付文書において適切な注意喚起をし、資材を用いて介助者に対する指導として本剤の投与対象となるてんかん重積状態の判断基準、本剤の投与方法及び本剤投与後の救急搬送を含めた処置の対応に関する情報提供を行うことで、それらの内容を理解した介助者により医療機関外で投与することは可能と考えました。ただし、2歳以上6歳未満の小児については、臨床試験において日本人患者における投与経験がないこと等を踏まえ、当面は医療機関内での投与に限定することとしました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本剤は希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は毒薬、劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。
なお、事前に、柴田委員、堀委員より御意見を頂いております。
柴田委員から、学校での投与に際しての適正使用策を講じるべきとの御意見を頂いております。
てんかん重積状態の発作が生じた際に医療機関外で投与可能な製剤として承認されている『ブコラム口腔用液』が学校での使用も許容され、学校での使用に際しての対応策が構築されています。本剤についても、ブコラムに準じた対応がなされることを前提としており、具体的には、主治医から教職員への本剤投与の際の留意事項をまとめた指示書を出すことや、必要に応じて主治医に相談し、適切な指導を受ける機会が得られる体制の構築、練習用製剤の準備といった適正使用が講じられる予定です。なお、学校での投与に当たっての医師法の解釈等の通知については、厚生労働省及び関係省庁で今後、御対応いただくことになります。
また、堀委員からは2点御意見を頂いております。1点目、用法・用量に関連する注意に記載しております「効果不十分な場合には4時間以上あけて2回目の投与ができる」について、「効果不十分」とはどのような場合であるのか、投与する者が理解できるよう具体的な説明が必要である、との御意見を頂いております。2回目の投与については、患者向け資材において、「本剤投与後、再度発作が起きて2回目の投与が必要な場合」と情報提供をする予定ですが、御指摘いただいた点も重要ですので、2回目投与に関する具体的な状況等を資材で例示できないか申請者と検討いたします。
2点目の御指摘は、保護者又はそれに代わる者が投与することから、作成予定の資材について御質問を頂いております。本剤については、RMP資材として、医療従事者向け資材と患者及び家族向けの資材を作成いたします。資材の内容は、ブコラム口腔用液の資材を参考にしつつ、現場で本剤が円滑に投与できるよう記載を工夫した上で作成をしております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明ありがとうございました。柴田委員、重要な御指摘、どうもありがとうございました。今の御回答、いかがでございましょうか。
○柴田委員 今の御回答で納得いたしました。
○森部会長 ありがとうございます。また、堀委員もどうもありがとうございました。いかがでございましょうか。
○堀委員 よろしいですか。丁寧に御説明いただき、ありがとうございました。今、おっしゃっていただいたように、効果不十分な場合ということが、再度発作が起きて2回目の投与が必要になった場合は、最初に使用してから4時間以上間隔をあけて使用してくださいということですが、もちろん学校関係者においては、御説明いただいたように、主治医との連携もあるということで、その説明は理解はできるのですが、例えば、介助者、学校関係者以外の方が投与する場合において、先ほど御説明いただきましたが、当該薬は、1分から1分半ぐらいで効果が出て発作が治まるということでしたので、発作が起きて、投与し治まったと思って、例えばの話ですが、1時間後ぐらいにまた発作が起きた。でも、この添付文書においては、最初に使用してから4時間以上間隔をあけて使用してくださいと書いてあった場合、非常に、投与する者にとってみると、緊急搬送したらいいのか、どうしたらいいかすごく迷うと思うのです。ですので、先ほどおっしゃっていたブコラム口腔用液の資材を拝見したのですが、救急搬送をするときはどんなときかという項目があり、非常に分かりやすい資材だと思いました。
ですので、やはりスマートフォンからもすぐにアクセスできるような形で、是非、既存の資材が非常によくできているので、それに似たような形で作成していただけたらと思いました。よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂きましたように、救急搬送も含めた投与後の処置、患者さんの観察等については、既存のブコラム口腔用液の資材等も参考にしつつ、また、それが医療機関、医師に対して、より理解できるように記載は工夫しながら作成しております。頂いた御意見も踏まえて、改めて申請者と最終的に確認をさせていただきたいと思います。
○森部会長 ありがとうございました。委員の先生方で、小児御専門の先生方がお二方いらっしゃいますので、まず、野津委員から御発言いただいてよろしいでしょうか。
○野津委員 今、議論をお聞きしておりましたが、私は特に意見はございません。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございました。長谷川委員は、御意見いかがでしょうか。
○長谷川委員 私も御意見を拝聴しており、特に追加はございませんので、よろしくお願いいたします。
○森部会長 ありがとうございました。また、神経領域の御専門の石川委員、度々すみませんが、いかがでしょうか。
○石川委員 私から、特別、懸念材料はございませんでした。
○森部会長 どうもありがとうございました。一点、御意見をお伺いしたい点がございます。先ほどの救急搬送に関するところですが、添付文書の救急搬送に関する項目8.1.3の項目ですが、「原則として、本剤投与後は救急搬送の手配を行い」ということですが、ここに、「速やかに」という表現があった方がいいのか、なくていいのか、御判断はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 8.1.3項については、既存のブコラムの注意喚起も参考に記載しております。今回、本剤を上市するに当たり、専門協議でも、この救急搬送についてどのような形で注意喚起するのが適当か、どのような場合に救急搬送の手配をして、本剤を投与して、その後搬送するのかということが想定されるのか、様々なケースを想定しながら検討いたしました。
8.1.3項だけでは書き切れない内容もございますので、具体的にどういう症状であれば救急搬送の手配が必要であるのか、また、それがどのようなタイミングであるのかという点については、資材でブコラムよりも少し丁寧に書いておりますので、資材の方で、頂いたような御意見も踏まえて、再度、確認をさせていただきたいと思います。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございます。よく分かりました。そのほか、先生方から御意見はございますでしょうか。佐藤(陽)委員、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 いろいろなケースというお話の中で気になることがあり、この資料、私が読み切れていないのかもしれませんが、お子さんは、結構、アレルギー鼻炎の方がいらっしゃるのですが、そういったことの影響や対策はどうなっているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 本剤については、海外試験で季節性の鼻炎を持っている患者さんを対象にした臨床試験がございます。鼻炎がある患者さんと鼻炎がない患者さんで、本剤を投与した後の安全性や、その後の対応に違いがないかを確認しており、試験成績からは特に影響がなかったということを確認をしております。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 赤羽委員、お願いします。
○赤羽委員 添付文書の7.3のところに、「2歳から6歳の患者さんの場合は医師の監督下で行うこと」という注意書きがあり、その根拠が、血中濃度が高くなる、未変化体の濃度が高くなる傾向がある、添付文書の表6に掲載されている、そういったことだったと思うのですが、その根拠をつなぐような説明がどこにもなくて、それは一言加えた方がいいのでないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂いたのは、7.3項に書いてある内容の背景が分かりにくいということと理解しました。こちらの7.3項については、市販後に医療機関の医師に御協力いただき、2歳から6歳の患者さんの安全性を確認した上で注意喚起を削除する方向で考えております。御意見を踏まえ、調査に御協力いただく医師に対して、なぜ6歳未満の患者さんで医療機関内での投与としなければいけなかったのかというところの背景が分かるように、情報提供を丁寧にできるような形で検討させていただきたいと思います。
○赤羽委員 ありがとうございます。
○森部会長 よろしいでしょうか。そのほか、先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。ございませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題4について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続いて、議題5に移りたいと思います。議題5について機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料No.5、医薬品ベルスピティ錠2mgの製造販売承認の可否等について、機構より説明申し上げます。資料については、資料No.5「ベルスピティ錠2mg」の審査報告書を御覧ください。
エトラシモドL-アルギニン(以下、「本薬」)は、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸(以下、「S1P」)受容体に作用することで、末梢リンパ組織内にリンパ球を保持させ、循環血中のリンパ球数を減少させることにより、自己免疫疾患である潰瘍性大腸炎に対する治療効果を示すS1P受容体調節薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした臨床試験の成績に基づき、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2025年3月現在、潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で、米国及び欧州を含む9の国又は地域で承認されております。
本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示します専門委員を指名しております。
本薬の有効性、安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。導入期については、海外第III相301試験と国際共同第III相302試験の結果、維持期については、海外第III相301試験と国内第III相308試験の成績に基づき評価いたしました。導入期における有効性に関しては、審査報告書通し番号56ページ、表51及び52を御覧ください。中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第III相301試験、及び国際共同第III相302試験の結果、導入期の主要評価項目であります「12週時の臨床的寛解達成割合」は、主要な解析対象集団でありますModified Mayoスコアが5~9点の集団、及び無作為化された集団(以下、「FAS」)のいずれにおいても、プラセボ群に比べて本薬2mg群で高い有効性が示されました。次に、同ページ(56ページ)の表53、及び57ページの表54を御覧ください。導入期の主な副次評価項目であります12週時の「内視鏡的改善」、「症候的寛解」及び「粘膜治癒」が認められた割合についても、プラセボ群と比較して本薬2mg群で高い傾向が認められました。
維持期における有効性に関しては、審査報告書の通し番号59ページの表57を御覧ください。海外第III相301試験、及び国内第III相308試験における維持期の主要評価項目であります「52週時の臨床的寛解達成割合」は、Modified Mayoスコアが5~9点の集団及びFASのいずれの解析対象集団においてもプラセボ群に比べて本薬2mg群で高い有効性が示されました。次に、59ページの表58を御覧ください。維持期の主な副次評価項目である52週時の「内視鏡的改善」、「症候的寛解」、及び「粘膜治癒」が認められた割合についても、プラセボ群と比較して本薬2mg群で高い傾向が認められました。
以上より、中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者に対する本薬の臨床的意義のある有効性が示されたと判断いたしました。
安全性に関しては、審査報告書通し番号61ページの表60、及び62ページの表61を御覧ください。第III相試験における有害事象等の発現状況は各表のとおりであります。有害事象の発現割合は、プラセボ群と本薬2mg群で同程度で、臨床的に問題となるような違いは認められませんでした。ただし、本薬を含むS1P受容体調節薬において知られている徐脈、黄斑浮腫、肝機能障害、リンパ球減少、感染症、進行性多巣性白質脳症、可逆性後白質脳症症候群及び悪性腫瘍については、医療現場に適切に注意喚起する必要があり、対応する検査や処置方法を含めて添付文書や医療従事者向け資材、患者向け資材を用いて適切に情報提供を行う必要があると判断いたしました。
以上、機構での審査の結果、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。
なお、本薬は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。
薬事審議会では、報告を予定しております。
なお、事前に柴田委員から国際共同第III相試験と並行して、日本人の用量を検討する国内第II相試験が実施された理由について御質問いただきましたので、お答えいたします。国内第II相試験のこの相談は少し古いものですので、後付けの考察という形になってしまいますが、相談当時、潰瘍性大腸炎の領域では、国際共同治験が走りはじめたタイミングであること、また薬物動態が国内外で類似していたものの、海外試験では検証成功し、国内試験では検証失敗した品目があったことから、当時薬物動態の有無に基づき日本人における用量設定をするということに懸念があった可能性があると考えておりますので、その当時の判断に従って日本人の用量を検討する国内第II相試験の実施を求めたと考えております。
なお、安全性については、第I相試験成績を踏まえて、国際共同第III相試験に日本人を組み入れた際に、安全性上、直ちに問題となる可能性は低いということを確認した上で、日本人が組み入れられております。
機構からの説明は以上です。御審議、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 柴田委員、今の御説明はいかがでしょうか。
○柴田委員 途中で終わってしまっているので、本来この試験をやるべきであったのか、あるいはやらなくてもよかったのではないかということを懸念しましたので、お伺いしました。今御説明いただいたことは振り返っての御説明だとはおっしゃいましたが、それなりにリーズナブルなものであると思いますので、この時点で機構が203試験、国内第II相試験を要求していること自体は自然なことだと思いますし、本来であれば、やはりそれはしっかりと実施していただくべきであっただろうとは思います。ただし、これに参加した患者さん、あるいは国際共同治験に並行して参加した患者さんにも不利益がない状況であったとの確認がなされているということですので、ここの部分は結果論ではありますが、大きな問題はないだろうと思います。
1点確認させていただきたい所として、先行して行われている海外第II相試験では、片側5%水準での臨床試験が組まれており、それに対して国内の第II相試験を追加で実施するべきだという科学的根拠は分かるのですが、それについては両側5%水準の試験を実施するように求めておられるところです。それは、海外の臨床試験を国内でも同様に行わなければならないというのはすごく分かるのですが、海外よりも国内で厳格な治験を実施しなければならないという理由は明確ではないのではないかと思うのですが、その辺りは当時はどのような議論がなされていたのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。本薬の開発計画の段階で、国際共同第III相試験において、全集団と日本人集団の結果の一貫性を示すのに十分な日本人症例数が組み入れられる計画ではなかったので、当時計画されていた国際共同第III相試験のみでは、日本人患者に対する用法・用量、有効性、安全性の評価が困難となる可能性がありました。そのため、厳格な統計解析の下、用量検討を含めた国内試験を実施することが妥当ということで、当時はそのように判断いたしました。
○柴田委員 海外試験と国内試験の比較が可能であれば十分なので、通常、海外試験よりも国内での用量探索、あるいは用量設定の試験が緩めに実施されるという薬はたくさんありますが、少なくとも海外と同じ水準にしておけば海外と同様の考察はできるので、この時点で片側5%の試験ではなく両側5%の試験を要求しているのは、少し過剰な要求なのではないかと思われるところです。結果として、患者数もその目標症例数を達成できておりませんし。本剤に限らず、これは広くいろいろな所で治験相談などの記録を拝見したり、実際に自分が治験相談に行ったりしたときに言われることとして、ICH-E9に書いてあるような、場合によっては第1種の過誤を緩めることも選択肢になり得るということについては、伏せた上で議論がなされることが散見されていた実態があり、そういうことが理由で、海外よりも厳格なものを科学的理由がなく厳格にしているということがあったのであれば、それは医薬品の開発に支障を来す問題だと思うので、問題なのではないかと思ってお伺いした次第です。
こちらはコメントのみです。先ほどの御説明で203試験の必要性は理解できますので、これを求めていること自体には何ら異存はありません。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。今後の治験相談などでも、頂いた御意見も踏まえていろいろ検討していきたいと思いますので、また引き続きよろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、消化器疾患が御専門の前田委員に、本剤の有効性、安全性並びに本剤の位置付けについて御説明いただいてよろしいでしょうか。
○前田委員 本剤は、同じような効能の第2剤目になると思うのですが、前のお薬は徐脈の副作用を見るために用量を最初の1週間は少ないところから始めていって、スターターパックというものが存在するのですが、本薬剤は存在しないのが若干不思議だと思っているのですが。機構の方、これはもう治験上、結果として特にそういう必要がなかったということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御意見ありがとうございます。臨床試験成績を見る限り、結果としては漸増するような使い方をする必要はないと考えております。
○前田委員 ということですよね。同じような薬剤で、初めにもう今出ている薬剤に関しては、結構そこが使いにくいという話がありますので、同様の効果があって本剤のように最初から同じ量で使える薬剤であれば、より効果的なというか、より広く使われるような薬剤になるのではないかと思いますし、特に問題ないかと思いますので、承認してよろしいかと思います。以上です。
○森部会長 御意見どうもありがとうございました。それでは、今の徐脈性不整脈等について、循環器御専門の阿古委員、御発言いかがでしょうか。
○阿古委員 基本的には、機構の審査報告書の67ページに書いてあります考え方としては、私も禁忌とした部分等には賛成させていただきます。添付文書を拝見しますと、ハイリスク患者に関しては投与前と4時間後に心電図を見るというような、特定の背景を有する患者にという記載があるのです。これは、確かにここに書いてあるような患者さんは、投与開始と4時間後に、こういったリスクのある患者さんは全員取るように指導するということでよろしいのですね。
○医薬品医療機器総合機構 徐脈のリスクが高い患者さんに関しては、やはりきちんと投与前と投与後4時間見ていただきたいとは考えております。
○阿古委員 ありがとうございます。もし、そういったハイリスク、一応これが心筋等に働いて徐脈を起こすとするようであれば、もちろんII度ブロックの方もハイリスクではあると思うのですが、例えばI度を入れなくていいか。あるいは、我々の世界では2束ブロック、3束ブロックといって、例えば左脚前枝ブロックプラス右脚ブロックがあるような人も、やはりこれは切れるハイリスクの患者さんと理解しているので、そういった患者さんも入れなくていいのかという議論はされたかどうかをお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験の除外基準として、9.1項で記載のあるような患者さんは除外しておりますが、それ以外の患者さんは組入れ可能といった試験結果でした。実際、そういった患者さんが入っていたかまでは確認できていないのですが、そういった患者さんも組入れ可能な試験の中で大きな問題が認められていなかったことから、必ずしもそういった患者さんに対して全例4時間後に検査必須とは判断いたしませんでした。
○阿古委員 了解です。認めます。
○森部会長 佐藤直樹委員、御発言はありますか。
○佐藤(直)委員 添付文書を見させていただいて、継続している限りは適宜注意してというようなコメントが必要なような気もするのですが、その点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。重要な基本的事項の8.1項に記載しておりますが、症状などに湿疹や浮動性めまい、息切れなどの症状が認められた際には、きちんと主治医に連絡するようにという形で、一応投与期間中はそこは確認するようにという注意喚起はさせていただいております。
○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきますと、この徐脈に関しては投与初期に現れやすいところがありますので、まずは心電図で、そのようなことが起こるような患者さんについては注意して見ていただくことを想定しています。また、先ほど担当から申し上げましたように、投与を継続できるような患者さんに関しては、症状等でモニタリングして問題が認められれば、投与の可否等を検討していただくというような対応を、添付文書では注意喚起をしているところです。
○佐藤(直)委員 ありがとうございます。症状の有無にかかわらず徐脈の有無をチェックするという資材等で注意喚起が必要なのではないかと思います。いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験の中では、このようなモニタリングの中で一応安全性の確認をしておりますので、現状添付文書の記載の中でも安全性を確保できるのではないかと考えております。改めてモニタリング等が必要なのかどうかは確認させていただきたいと思います。
○佐藤(直)委員 はい、よろしくお願いします。
○森部会長 これは、恐らく現在9.1.1の項目に挙げていただいている症例に準じて、不整脈の起こりやすい、徐脈が起こりやすい集団を循環器の先生方は恐らく御指摘できる状況だと思います。もう少し丁寧に意見を拾っていただいて、注意喚起すべき対象を拡大していただく、若しくは注意喚起する段階を少し考えていただくことは可能でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきありがとうございます。申請者の方とも、その辺りをもう一度改めて確認した上でお返事させていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○森部会長 事務局、その場合は委員の先生方にも御確認いただいてということで、よろしいでしょうか。
○事務局 そのとおり、対応いたします。
○森部会長 それから、眼底異常の黄斑浮腫のリスクについては、外園先生、御意見いかがでしょうか。
○外園委員 黄斑浮腫は症状も出やすいですし、出た時点で眼科に受診いただいたら、あるかないかが分かるとは思うのですが、御高齢になると、もともとある方もいるのですが、多分症状とリンクするので、検出はそんなに問題にならないかとは思います。
○森部会長 ありがとうございました。そのほかの方から御意見はありますか。佐藤陽治先生、お願いします。
○佐藤(陽)部会長代理 52ページの表47と表49で、全集団と日本人のデータが出ているのですが、副作用の足切りですね。この表で47は2%以上と書いてあって、49は5%以上と書いてあるのです。なぜ、この足切りの数値が違うのかということと、それから表49を見ると、どうやら日本人の方が副作用の頻度が高いように見えるのです。これで差がないと見るのか、あるいは注意喚起や医療現場での対処でコントロール可能だから大丈夫なのだという解釈なのか、どのように解釈されているのかがよく分からないので、もう1回教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただき、ありがとうございます。全体集団と日本人集団で区切りが違う点に関しては、そもそも例数が異なっています。同じく2%にすると2例ぐらいからになってきて、相当な数になるなどといった事態もありますので、ある程度発現が高いものに絞って、審査報告書は記載している状況です。
○佐藤(陽)部会長代理 しかし、逆に5%で切ると、表47の下の二つは消えますよね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、御指摘のとおりです。
○佐藤(陽)部会長代理 そうすると、全体集団では三つしか上がってこないのに、表49だと6つぐらい上がっているように見えてしまって、差が際立ってしまうような気がするのですが、これはどのように解釈したらいいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 それなりに発現頻度が多かった事象として見ていただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 要するにマネージできるのであれば、そういう説明でも構わないと思うのです。このレベルの頻度であっても現場でマネージできるとか、注意喚起をきちんとして監視していればいいのだという説明になっていればいいのですが、その辺りが何か見当たらない気がするのですが。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験で認められている事象の重症度や、臨床試験の中で行われている対応であれば、マネージできていると判断した上で記載しています。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。以上です。
○森部会長 添付文書における臨床試験成績の所に、副作用の発現頻度の記載欄がありますが、今、佐藤陽治委員から御指摘のあった有害事象の頻度に関しての情報提供は、添付文書にありますか。
○医薬品医療機器総合機構 11項にも副作用について記載しておりますし、あとは17項にも各試験で認められている副作用の発現割合と、主に認められている副作用の事象などは記載しております。
○森部会長 先ほど佐藤委員から御指摘のありました日本人集団における表49のデータについて、どこかで参照できるようになっておりますか。
○医薬品医療機器総合機構 国際共同試験の成績で、日本人集団をピックアップした副作用の記載はありません。
○森部会長 それが、国際的なデータとほぼ同等の場合ですと特に付記する必要はないのかもしれませんが、今回表49で抽出されたデータを見る限りは、日本人でのデータの方が頻度が高いようにも見えましたので、抽出して追記していただくことの方が望ましいのではないかという意見もありますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきありがとうございます。我々としては、国内外で大きな差異はないと判断して添付文書は記載しておりますが、国際共同試験における日本人の副作用の発現割合に関しては、資材などで丁寧に説明させていただく形としたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤(陽)部会長代理 頻度はいいのですが、要するに安全性という意味ではリスクがマネージできるかどうかの方が問題だと思いますので、マネージできるという説明が申請者からあれば、それはそれでいいのかとは思いますが。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書の方は、主な有害事象及び副作用ということで記載しておりますが、副作用の実際の中身は日本人の中でどのようなことが起こっているかや、臨床試験の中で問題のない対応が行われているかは、詳細を確認しております。その上で、日本での添付文書の記載等でマネージできると判断したと、お考えいただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 一応補足ですが、審査報告書の通し番号61ページで、安全性の機構の判断として、日本人集団において全体集団と比べ臨床的に異なるような安全性上の問題点は認められていないことから、安全性は全体集団から適切と判断される方法により管理可能という形で、機構の判断は記載しております。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。ありがとうございます。
○森部会長 気になるのは、血球減少の頻度ですか。血球数の減少の頻度は、特段差はないという御判断でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 認められている頻度は多めに見えますが、事象の重症度なども確認しまして、日本人で特段の問題があるとは判断いたしませんでした。
○森部会長 重症度に特に大きな問題がないという御判断でしたら、発生した頻度の事象だけでも添付文書に追記していただきますと、どの程度の頻度で起こるかということは臨床の現場では分かりやすく、かつ重症度に関する記載が別途ありますので、比較的マネージしやすい血球減少についても、どのぐらいの頻度で起こっていたかが分かりやすくなっていた方がよいかと思います。今、添付文書で見ますと、副作用の頻度の所でもリンパ球減少の頻度は11.1.4の項目では0.4%になっていますが、恐らくもっと軽症なものは、より高頻度で起こっていると考えることができますので、臨床現場で誤解がないように臨床試験成績の方で少し補完していただく方が望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書の17項において、その辺りが記載できないか検討させていただきます。
○森部会長 そのほか、先生方から御意見、御発言はありますか。それでは、議決に入ります。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題5について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告といたします。
続いて、議題6に移ります。議題6について、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6の医薬品リアルダ錠600mg、同錠1200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料については資料No.6、リアルダの審査報告書を御覧ください。
リアルダ錠(以下、「本剤」)は、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎患者に対する第一選択薬の5-アミノサリチル酸製剤であるメサラジンを含有しており、本剤はメサラジンを大腸に送達するとともに、メサラジンの持続的な放出が可能となるよう設計された製剤です。本邦では、成人において本剤1200mg錠が「潰瘍性大腸炎(重傷を除く)」の効能・効果で承認されています。小児の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づき、今般、「リアルダ錠1200mg」の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請及び「リアルダ錠600mg」の医薬品製造販売承認申請がなされました。2025年3月現在、本剤の小児の潰瘍性大腸炎に係る効能・効果については、本剤1200mg錠が米国及び欧州を含む15の国又は地域で承認されていますが、本剤600mg錠は、成人及び小児ともに承認されている国又は地域はありません。
本品目の専門協議では、本日の配布資料No.19に示します専門委員を指名しております。
本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。まず、活動期における有効性に関して、審査報告書通し番号12ページ、表12を御覧ください。17歳未満の軽症から中等症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「8週時のUC-DAIスコアに基づく臨床的寛解の達成割合」は25.9%であり、両側95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値である10%を上回りました。また、17ページの表18を御覧ください。主な副次評価項目である「8週時の寛解の達成割合」は37.0%、「8週時の改善の達成割合」は40.7%であったことも踏まえ、本剤は小児の軽症から中等症の活動期の潰瘍性大腸炎患者に対する寛解導入における臨床的意義がある有効性が期待できると判断しました。
続いて、寛解期における有効性に関して、13ページの表15を御覧ください。17歳未満の寛解期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目である「UC-DAIスコアに基づく血便の非発現の達成割合」は73.9%であり、両側95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値である50%を上回りました。また、20ページ、表20を御覧ください。主な副次評価項目のUC-DAIスコアを構成する各評価項目の変化量を含むUC-DAIスコアの変化量は大きな悪化は認められず、「48週時のPUCAIスコアに基づく寛解の達成割合」が78.3%であったことも踏まえると、小児の寛解期の潰瘍性大腸炎患者に対する本剤の臨床的意義のある有効性は期待できると判断しました。
続いて、安全性に関して、25ページ、表25及び表26を御覧ください。国内第III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、成人の潰瘍性大腸炎患者を対象とした試験と比較して、特に問題となる傾向は認められませんでした。以上より、成人と同様の注意喚起を行うことで小児の潰瘍性大腸炎患者における本剤の安全性は管理可能であり、得られる有効性を考慮すれば臨床的に許容可能と判断しました。
以上、機構での審査の結果、小児の軽症から中等症の活動期及び寛解期の潰瘍性大腸炎に対する本剤の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
なお、本剤は新用量医薬品としての申請であることから、再審査期間は4年と設定することが適切と判断しました。
事前に柴田委員より御質問いただいた点に関連して追加の説明をいたします。今回の検証試験の目標症例数については精度ベースにて設定されていまして、主たる解析としては検定ベースでの解析が事前規定されていました。本来であれば、検出力を用いて症例数を設計すべきと考えておりますが、今回の精度ベースにより算出された症例数は検定ベースの解析で十分な検出力を担保できる症例数より厳しい設定であることから、検定は可能と考えておりまして、審査報告及び添付文書においても検定の結果を記載いたしました。
機構からの説明は以上となります。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。柴田委員、今の御意見はいかがですか。
○柴田委員 結構です。
○森部会長 どうもありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 すみません。もう1点、堀委員から事前に御質問いただいた点について御説明したいと思います。600mg錠が新たに追加になるということなのですが、600mg錠が少し、寸法がやや大きいということで、飲みにくい患者が一定数いらっしゃるのではないかということで、機構の考えについて、どうかということで御質問いただいております。
600mg錠の寸法については、おっしゃるとおり一番長いところで17mmあるということで、特に本剤の対象患者の最低体重である23kg、7歳程度の小児だと思いますが、そういった患者さんにとっては飲みにくいと感じる方も一定数いらっしゃるのではないかと思っております。本剤の製剤特性から、粉砕等の対応は難しいということですので、本剤の服薬が困難な患者に対しては、例えば本剤と同じ成分を含有したメサラジン顆粒等の複数の既承認製剤がありますので、個々の患者で利用可能な薬剤が選択されるのではないかと考えております。
続いて、もう1点御質問いただいている点に関してですが、今回、小児の患者ということで、6歳又は7歳ぐらいのお子様が飲みやすくするために、御家庭で粉砕等をされることがないということが十分注意喚起されるかどうかという点と、保管方法についても小児の手の届かない所など、そういったところの注意喚起についてはどうかという御質問いただいております。頂いた点について、患者又は患者の保護者様になると思いますが、粉砕と薬剤の管理、こちらについては600mg錠も1200mg錠も冷所保存なのですが、冷所保存であることと保管場所に関しては、既に成人の方の1200mg製剤において患者向けの資材がありまして、そちらで情報提供されています。本薬の保管方法等に係る問題は今、確認されていない状況です。今回の追加となる600mg製剤でも同様の対応がなされる予定です。ただ、御指摘いただいた点については、申請企業にも伝達させていただいて、今回の承認追加に伴って小児の手の届かない場所での保管も含めて、更に分りやすく資材等で記載して、丁寧に情報提供するよう申請企業に伝達させていただく予定です。以上です。
○森部会長 堀委員、いかがでしょうか。
○堀委員 御説明いただき、ありがとうございます。やはり使う方が小児で、また、保護者の方も服用を介助すると思いますので、同じく1200mgと同様のものではなく、より丁寧で、より注意喚起ができるような資材を作っていただきたいと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございます。小児御専門でいらっしゃる野津委員から、御発言はありますか。
○野津委員 メサラジンは非常に大きい製剤ということで、子供が飲みにくいということは気になりますが、便利さという面では非常に良いと思いますので、特にありません。
○森部会長 長谷川委員、いかがですか。
○長谷川委員 ありがとうございます。私も大きさが気にはなったのですが、特に問題ないかとお伺いしましたので、結構です。
○森部会長 これは、より小さな製剤の開発というのは、企業的には難しいものなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 製剤特性から、大腸に送達するというコンセプトで設計された製剤ですので、なかなか難しい部分があるのではないかと思いますが、頂いた点は申請企業に伝えさせていただきたいと思います。開発されているという状況は現時点では聞いていないです。
○森部会長 そのような意見が複数の委員からあったということを、お伝えいただきたいと思います。実際の製剤の大きさを見ると、そういった御意見が出るかと思います。ありがとうございます。前田委員、御発言があったらお願いします。
○前田委員 いいえ。特にありません。大きさに関しては皆さんの言うとおりでして、とにかく割って飲まないようにという指導をしていただければいいのではないでしょうか。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。1点、私の方からは、18~23kgの体重の方の有用性の情報は不十分、臨床試験でも十分得られていないということで、23kg超の方が対象となっているということは理解されていますが、添付文書のところで、その理由が分かりにくいということもありましたので、何らかの情報補足が可能かどうか、事前に伺っていますか、その点はいかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 事前に頂いた御指摘を踏まえて、おっしゃるとおり、実際の臨床試験で18kg以上23kg以下の患者さんに関しては、情報がどこにもないということですので、今、7.3項の相互参照に9.7項のみの記載になっておりますが、そこに17.1.4項、17.1.5項を追加して、その参照先の17項の方に、文末に、なお書きで、体重18kg以上23kg以下の患者は2例組み入れられたが、いずれの患者も早期に試験を中止した旨と、もう一つの試験では組み入れ自体がなかったところですので、そちらの状況を追記するということでいかがですか。
○森部会長 御対応どうもありがとうございます。そのほか、先生方から御発言はありますか。それでは議決に入ります。なお、高橋委員、前田委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づいて議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題6について承認を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、承認を可とさせていただき、薬事審議会に報告といたします。
続いて、議題7及び議題8に移ります。議題7及び議題8について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題7及び議題8、資料No.7、No.8、医薬品ポムビリティ点滴静注用105mg、及びオプフォルダカプセル65mgの製造販売承認の可否等につきまして、機構より御説明申し上げます。
今回承認申請された製剤は、新規のヒト酸性α-グルコシダーゼ遺伝子組換え製剤であるシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を有効成分とする点滴静注用製剤、そして、その酵素安定化作用を有するミグルスタットを有効成分とした新規の経口カプセル製剤の二つの製剤で、遅発型ポンペ病(以下、「LOPD」)に対する2剤併用療法として用いられる治療薬です。ポンペ病は、常染色体潜性遺伝性疾患であり、ライソゾーム中のグリコーゲン分解酵素であるヒト酸性α-グルコシダーゼの遺伝的な欠損又は活性低下に起因し、ライソゾーム内でのグリコーゲン蓄積により、心臓、骨格筋、肝臓等に障害を生じる疾患です。発症年齢により乳児型ポンペ病とLOPDに大別され、本併用におきましては、LOPDに対して開発が進められ、本邦における製造販売承認申請に至りました。
海外におきまして、本併用は、2023年3月に欧州にて、LOPDに対して初めて承認されて以降、2025年3月現在、米国及び英国を含む35の国又は地域で承認されています。
本品目の専門協議では、資料No.19に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本併用の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。
有効性について、資料No.7のポムビリティの審査報告書46ページ表35を御覧ください。LOPD患者を対象とし、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)(以下、「ALGLU」)/プラセボに対する本併用の優越性を検証することを目的とした、無作為化二重盲検並行群間比較試験である国際共同第III相試験(03試験)が実施されました。主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインから投与52週時までの変化量について、ALGLU/プラセボに対する本併用の優越性は検証されませんでした。しかしながら、03試験における全体集団での本併用群における結果は、ALGLU/プラセボ群と比較して点推定値では上回っており、本併用の有効性が既承認薬より劣ることを示す結果ではないと考えられます。また、本併用は米国及び英国等の国又は地域で既に承認されており、また、国内のLOPD患者数は非常に限られていることから、ALGLU/プラセボを対照として本併用の有効性を統計学的に検証する臨床試験を改めて実施することは困難と考えられることも考慮し、得られている試験成績等から総合的に判断した結果、LOPD患者に対する本併用の有効性は期待でき、本併用をALGLU等に並ぶLOPDに対する治療選択肢の一つとして医療現場に提供することは可能と判断いたしました。
当該機構判断については、専門協議でも慎重に検討した結果、専門委員の先生方からも支持されました。
日本人の有効性についても、症例数が6例と、組み入れられた数が少なく、結果の解釈には限界があるものの、得られている主要評価項目、副次評価項目の結果については、全体集団の結果と大きく異なる傾向は認められず、日本人の成人LOPD患者における本併用の有効性は期待できると判断いたしました。
続いて安全性について、資料番号7の審査報告書、47ページ表38を御覧ください。03試験において発現した主な有害事象は、ALGLUで既知の事象であることが確認できました。次に、審査報告書58ページ表49を御覧ください。03試験の結果から、本併用群ではALGLU/プラセボ群と比較して、有害事象、副作用及び投与中止に至った有害事象の発現割合は同様であり、重篤な有害事象は本併用群で高い傾向が認められてます。しかしながら、本併用群での重篤な副作用1例を除いては、いずれも本併用との因果関係は否定され、重篤な副作用とされた1例も、適切な処置等が実施されることで転帰は回復であったことから、本併用のLOPDに対する有効性を考慮すると、適切な注意喚起をした上であれば、LOPD患者に対する本併用の安全性は許容可能と判断しました。
以上の検討の結果、ポムビリティについては、「遅発型ポンペ病に対するミグルスタットとの併用療法」、及びオプフォルダについては「遅発型ポンペ病に対するシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用療法」を効能・効果として本併用を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。
本併用について、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は新有効成分含有医薬品に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品に該当すると判断しております。また、ミグルスタットは新効能・新用量医薬品及び剤形追加に係る申請であり、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、製剤はいずれも毒薬及び劇薬には該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
薬事審議会では報告を予定しております。
また、事前に柴田委員より、03試験においてALGLUに対する本併用の優越性が検証されなかったことについて、FDAから非劣性で03試験を計画することが許容されなかったのか、及び試験計画時にFDAの方では非劣性を示すことでは不十分であると判断された理由について、機構としては確認していたのか、というコメントを頂いております。
その質問に対して、回答致します。ALGLUを用いた過去の臨床試験においては、FDAによる解析に基づくと、6分間歩行距離のベースラインからの変化量に関するプラセボに対するALGLUの優越性の検証に問題があったとされたため、03試験では、非劣性ではなく優越性の検証が推奨されたという、統計学的な観点からの指摘がなされていたことを治験相談時に確認しております。本剤の適応に関して、米国においては、少数例での検討から限界はあるとされたものの、本併用は2剤の投与が必要であり、より本併用の有用性が高い集団として、酵素補充療法の既治療例に限定されたものと考えられます。一方で、機構としましては、酵素補充療法で未治療の集団におきましても、臨床的な有効性は期待できると考えており、また、2剤併用することによる安全性上の課題は、既存の臨床試験成績からは示されていないこと、それに加えて、専門協議においても、ポンペ病のような治療選択肢が限られる疾患では、未治療集団に対しても複数の選択肢があることが重要との御意見を頂いたことから、未治療例も含めて医療現場に提供することが適切と判断しました。
御質問に対する回答としては以上となります。御審議の方、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。柴田委員、いかがでしょうか。
○柴田委員 通常、このような結果を見て、非劣性でも十分ではないかと思われるときに、非劣性試験では駄目だといわれている場合には幾つか理由があります。今回のように患者さんの数が少ない場合には、そういう理由も踏まえて評価をするべきであると考え、質問した次第です。
例えば、理由としては先ほど御説明があったように、医学的には非劣性でも十分だけれども、対照群の成績が不安定であるために、統計学的理由で、やはり優越性を示しておいてほしいというような設定で、このような議論になる場合もありますし、医学的に、例えば副作用の懸念があるとか、著しく不便であるという理由で、非劣性が証明されるだけでは不十分であるという理由で優越性が求められるケースもありました。その点、特に後者でないことの確認が重要であると思ってお伺いした次第です。
実際、FDAのレポートも拝見しましたけれども、FDAは最終的に絞った理由として2剤、単剤に対して2剤で効果が同じ程度であるならば、潜在的にリスクがあるので、そこは認めないというような解釈になっていましたが、先ほど御説明がありましたように、実際の臨床試験成績からは、著しくリスクが増えているわけではなかったので、機構の御判断は妥当だと思いました。以上です。
○森部会長 よく理解できました。ありがとうございます。それでは、この疾患ですと、御専門としては石川委員からの御意見を伺ってよろしいでしょうか。それでは小児領域の野津委員から御意見を伺ってよろしいでしょうか。
○野津委員 ありがとうございます。私もちょっと専門外すぎて、意見できる立場ではございません。申し訳ございません。
○森部会長 同じく、長谷川委員はいかがでございましょうか。
○長谷川委員 ありがとうございます。希少疾患ではありますけれど、拡大新生児マススクリーニングが普及しつつあり、ポンペ病が早期に見つかる可能性が上がり、需要も上がる可能性がありますので、御審議いただければと思います。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。石川委員、もしよろしければ御発言いただいてもよろしいでしょうか。そのほかの先生方から御発言はございますでしょうか。非常に希少な疾病ということもありまして、特段、御意見はございませんでしょうか。
○赤羽委員 よろしいでしょうか。余り重要なことではないのですが、希少な疾病なので、使用成績調査で5年間登録をするということで、大体どれぐらいの症例数が登録されるということを予想しておられるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。今回、使用成績調査の主要な目的としましては、実際に臨床試験では組み入れられなかった腎機能障害を有するポンペ病の患者における安全性及び有効性に関する情報を収集することになります。
その中で、腎機能障害を有するポンペ病患者の症例数について、まず申請者とも協議しまして、この使用成績調査に入るのは、多くとも2、3例と推測されています。そういったところも踏まえまして、なるべくその情報収集の粒度を上げるための方策として、今回使用成績調査の方式は全例調査を選択しております。実際に組み入れられる症例数の予測はなかなか難しいのですが、本邦でのポンペ病の患者数は、審査報告書にも記載したとおり120名程度とされていますので、多くともその程度の症例数となることを考えると、全例調査という方策も適切な選択肢と考えております。
○赤羽委員 ありがとうございました。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この点で補足ですけれども、申請者の説明によると、およそ50例程度が組み入れられるのではないかと予想されていることになりますので、およそポンぺ病患者の半数弱ということになろうかと思います。
○森部会長 市販後も是非、有効性、安全性に関する情報を収集いただければと思っています。ありがとうございます。それでは先生方から、特に御発言よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、野津委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題7及び議題8について、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題9に移るところでございますが、開始から2時間となっております。5分休憩を入れさせていただきます。よろしくお願いします。
――休憩――
○森部会長 それでは、審議を再開させていただきます。では議題9につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 議題9、資料No.9、医薬品アムヴトラ皮下注25mgシリンジにつきまして、機構より御説明いたします。資料No.9の審査報告書をご覧ください。審査報告書の一番下、全25ページの通し番号で3ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。
本剤の対象疾患であるトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)は、トランスサイレチン由来のアミロイドが主に心筋に沈着して機能障害を生じる疾患であり、本邦では指定難病とされています。本剤はトランスサイレチンのmRNAを標的としたsiRNAを有効成分とする注射剤であり、本邦では「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果として2022年に承認されております。
今般、国際共同試験の成績等を基に、ATTR-CMに係る効能・効果を追加する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。本薬のATTR-CMに係る効能・効果については、2025年3月時点において、米国でのみ承認されています。なお、本剤は本申請に係る効能・効果について、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の審査の概要について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、8ページの表6を御覧ください。国際共同第III相試験(003試験)では、全死因死亡及び再発性心血管関連イベントから構成される複合エンドポイントが主要評価項目として設定され、主要解析対象集団である全体集団及びタファミジス未投与部分集団のいずれにおいても、本薬群についてプラセボ群に対する優越性が示されました。以上の結果等からATTR-CM患者に対する本剤の有効性が示されたと判断いたしました。
次に安全性について、14ページ「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。今般提出された臨床試験成績において、安全性上の懸念は認められませんでした。以上より、ATTR-CM患者における本薬の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。
本品目は、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から、御質問、御意見、いかがでしょうか。阿古委員から、お願いします。
○阿古委員 ありがとうございます。非常に難病ということで、こういった治療の選択肢が増えるのは良いことだと思いますし、死亡に関しても、これだけ差が出ているということは非常に重要なデータだというように理解しております。
一つ、全然こことは関係ないのですが、パチシランでしたか、競合品目のパチシランも同じ会社から多分出ていると思うのですが、それと、どのように住み分けをするのかということが少し気になったところですが、でも、この薬の効果自体は非常に良いものだと思いますし、これに関しては機構と全く、考えようとしては同じであります。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただいたパチシランに関しては、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの効能・効果では承認されておらず、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの効能・効果でのみ承認されております。
○森部会長 佐藤直樹委員、御発言ありますでしょうか。
○佐藤(直)委員 先ほど説明があったように、タファミジスとの併用ある・なしにかかわらずが効果が認められているということは臨床的に意義があると思います。それ以外は特にコメントはございません。
○森部会長 御発言ありがとうございました。先行していますタファミジスについては、日本循環器学会様の方で主導している適正使用ルールの運用というものがありますが、本剤ではどのような前提になっているか、もし情報がありましたら、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。本剤についても、先行のタファミジス、アコラミジスと同様に、患者・施設・医師要件については、関連学会と厚生労働省で調整が行われているとお伺いしております。
○事務局 厚労省でございます。今、日本循環器学会と現在、こちらの御指摘いただいた先行品のタファミジスやアコラミジスとの併用も含めまして、それに関しては現在、学会ステートメントの方を御準備いただいているところです。ですので、こちらの今後の承認等に併せて、こちらの方、日本循環器学会様からそういった旨を出していただきまして、臨床現場の方に必要な情報を提供させていただくことを予定しております。以上になります。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。阿古委員、どうぞ。
○阿古委員 結構、タファミジス等に関しては、かなりドクターの要件なども厳しく設定されていますが、それと同じようになるという理解でよろしいですか。
○事務局 詳細はこの場では、なかなか申し上げづらいところはありますが、事前に頂いている情報では、かなりしっかりとしたものを御準備いただいているというように認識しております。
○阿古委員 ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。議題9につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可として薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題10に移ります。議題10について、機構から概要説明の御準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題10、資料No.10、医薬品エアウィン皮下注用につきまして、機構より説明いたします。審査報告書の一番下、全71ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯」に関する項を御覧ください。肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管の過収縮、肺小動脈の血管平滑筋細胞の異常増殖による肺血管リモデリング等によって肺血管抵抗及び肺動脈圧が上昇し、最終的に右心不全に至る疾患です。
本剤の有効成分であるソタテルセプト(遺伝子組換え)は、肺血管平滑筋細胞の増殖に関与するアクチビン受容体IIA型のリガンドと結合し、増殖促進性のシグナル伝達を阻害することで肺血管リモデリングを抑制する薬剤として開発されました。海外において、本剤は米国、欧州等で承認されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。本剤の臨床開発計画について、本剤の開発は海外で先行していたことから、海外第III相試験とは別に国内試験を実施し、試験間で結果の類似性を確認した上で、海外第III相試験の結果も利用し、日本人患者に対する有効性及び安全性を検討する開発戦略が採られました。
有効性について、40ページ、表32を御覧ください。海外第III相試験である003試験では、投与24週後の6分間歩行距離が主要評価項目とされ、本剤のプラセボに対する優越性が示されました。また、表33にお示ししますように、副次評価項目とされた肺血管抵抗(PVR)についても改善効果が認められ、本剤の治療効果を支持する結果が得られました。以上の結果等から、本剤の有効性は示されたと判断しました。日本人での有効性について、49ページ表42を御覧ください。国内試験である020試験の結果、PVRの変化率及び6分間歩行距離はいずれも003試験と同様であったことから、日本人患者でも本剤の有効性は期待できると判断しました。
安全性については、血小板数減少及びヘモグロビン増加のリスク管理を中心に検討しました。血小板数減少について、51ページ表43を御覧ください。国内外の臨床試験において、本剤の投与開始後、比較的早期に血小板数の減少が認められましたが、多くが非重篤で、血小板数に基づく用量調整を行うことで、ほとんどの患者で投与が継続可能でした。ヘモグロビン増加について、53ページ、7.R.3.2項を御覧ください。国内外の臨床試験において、重度のヘモグロビン増加や、本剤との因果関係がある血栓性事象は認められませんでした。以上より、本剤投与中は血小板数及びヘモグロビン値についてモニタリング及びその結果に基づく用量調整を行うことで、安全確保は可能と判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断しました。
なお、添付文書の17項について、部会長より事前に国内外の臨床試験成績を比較する観点から、020試験の6分間歩行距離の成績を記載することが適切である旨の御意見を頂いたことから、17.1.2項に追記する予定です。
本剤は、希少疾病用医薬品であることから、再審査期間は10年、生物由来製品に該当し、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方の方から、御質問、御意見、いかがでしょうか。それでは、循環器が御専門の阿古委員から、お願いします。
○阿古委員 ありがとうございます。これに関しても、やはり、非常に治療に難渋する疾患ということもありますし、こういった治療のオプションが増えることは、非常に臨床現場としては歓迎すべきことだと思います。しかし、基本的には他剤を併用している患者さんに使うということもありますので、本当に十分に、そういった治療をされている患者さんに使っていただきたいとは思っております。
○森部会長 ありがとうございました。佐藤直樹委員、御発言はありますでしょうか。
○佐藤(直)委員 血小板数に関してどのような時期にどのような間隔で経過をみたらよいのかについて教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。先ほどの御説明の中で比較的早期というお話をさせていただきましたが、投与5回目ぐらいです。臨床試験において、本剤を3週に1回投与した結果、投与5回目ぐらいまでには血小板数が安定したことから、投与5回目までは本剤投与の前に毎回必ず血液検査をして、血小板を測定するよう注意喚起しております。
それ以降についても、血小板数が安定していない場合には、本剤投与前の血小板数測定を続けていただき、安定した場合には、定期的に、2、3か月に1回程度になるかと思いますが、血小板数を測定していただくことを考えております。この点に関しては添付文書及び情報提供資材にも書かれています。以上です。
○佐藤(直)委員 分かりました。ありがとうございました。
○森部会長 今、御説明いただいた7の1の項目にも、血小板やヘモグロビン値の測定に関して注意喚起いただいております。7の1の表現で、「本剤の投与5回目まで並びにその後もヘモグロビン値及び血小板数が安定するまでの間は」という記載をしていただいておりますが、この表記で特に現場の先生方は御理解に問題はないでしょうか。「安定するまでの間」という表現が、つまり、例えば正常域に安定するなど、安定という言葉で、減少した状態から正常域で安定しているという状態を読み取れますでしょうか。いかがでしょう。阿古委員、お願いします。
○阿古委員 表現としてはこれでも。現場の先生方にその判断はお任せするという形の方が、私は使いやすい形になるのではないかとは考えます。
○森部会長 ありがとうございます。そのほか、先生方から御意見、御発言、ありますか。特にありませんでしょうか。それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。議題10につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
特に御異議がないようですので、承認を可として、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題11に移ります。希少疾病用医薬品の指定に関することですが、野津委員におかれましては、薬事審議会審議参加規程第5条に基づきまして、議題11の審議の間、会議から一旦御退出いただきまして、御待機いただくこととなっております。野津委員は御退出をお願いいたします。
――野津委員 退室――
○森部会長 それでは、議題11について事務局から概要説明をお願いいたします。○事務局 それでは議題11、資料No.11になります。希少疾病用医薬品の指定の可否について御説明いたします。今回の審議品目一覧については、No.11-1のとおりです。No.11-2から各資料になりますが、順を追って説明いたします。
資料No.11-2 setrusumab。申請者は、Ultragenyx Japan株式会社、予定効能・効果は骨形成不全症で、当該疾患は指定難病に指定されております。骨形成不全症は、多発骨折や骨変形をもたらす低骨量及び骨脆弱性を特徴とする遺伝性疾患です。本邦において、ビスホスホネート製剤であるパミドロン酸二ナトリウム水和物が、骨形成不全症に係る効能・効果で承認されていますが、骨折予防に対する有効性は確立されていないと報告されています。本剤は、海外第II/III相試験の第II相パートの結果から、本剤投与により腰椎骨密度が増加し、年間骨折率が低下することが示唆されております。現在、国内第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.11-3 タミバロテン。申請者はリジェネフロ株式会社、予定効能・効果は常染色体顕性(優性)多発性嚢胞腎(以下、「ADPKD」)で、当該疾患は指定難病とされている多発性嚢胞腎に含まれる疾患です。ADPKDは、両側の腎臓に多数の腎嚢胞が発生・増大し、60歳代までにはADPKD患者の約半数が末期慢性腎不全となり、透析、腎移植が必要となります。本邦においてトルバプタンが承認されていますが、重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるため、定期的な肝機能検査が必須であること、また、特に投与開始時、漸増期においては、脱水、高ナトリウム血症等の副作用発現のおそれがあるため、入院下で投与を開始する等の管理が必要とされております。そのため、新たな治療選択肢が必要とされております。現在、日本人患者を対象とした国内第II相試験を実施中であり、今後、ADPKD患者を対象とした海外第I/II相試験を実施した後、国際共同第III相試験を実施予定です。
続きまして、資料No.11-4 ラブリズマブ(遺伝子組換え)。申請者はアレクシオンファーマ合同会社、予定効能・効果は、造血幹細胞移植後血栓性微小血管症で、当該疾患の患者数は300~1,000人程度と推定されております。血栓性微小血管症は、消費性血小板減少症、溶血性貧血や微小循環不全による腎臓及び他の臓器障害を主徴とします。国内外で造血幹細胞移植後血栓性微小血管症に係る効能・効果で承認されている治療薬はございません。本剤を用いた成人及び12歳以上の青少年を対象とした国際共同第III相試験、及び生後1か月以上18歳未満の患者を対象とした国際共同第III相試験を実施中です。
続きまして、資料No.11-5 リツキシマブ(遺伝子組換え)。申請者は全薬工業株式会社、予定効能・効果は頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群で、当該疾患は指定難病に指定されております。ネフローゼ症候群は、腎糸球体係蹄障害による大量の尿蛋白漏出と、これに伴う低アルブミン血症を特徴とし、腎機能障害の他、浮腫、脂質異常症、血液凝固異常、免疫異常等が生じます。ネフローゼ症候群は、小児期又は成人期に発症しますが、小児期発症と成人期発症とで治療体系は同じではなく、本指定は成人期発症のものを対象としています。本邦において、成人期発症の当該疾患について、ステロイド剤、免疫抑制剤等が承認されていますが、寛解後のステロイド減量や中止に伴う再発率は3割~7割と高く、免疫抑制剤を併用しても寛解が維持できずにステロイド剤から離脱できない患者が一定数存在しております。本剤の国内第III相試験において、主要評価項目である治験薬投与開始日から49週時点の無再発率は、プラセボ群と比較して本剤群で高く、本剤が新たな治療選択肢となると考えられます。
近日中に本試験の結果をもって、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われる予定です。
続きまして、資料No.11-6 リネリキシバット。申請者はグラクソ・スミスクライン株式会社、予定効能・効果は原発性胆汁性胆管炎におけるそう痒症で、原発性胆汁性胆管炎(以下、「PBC」)は指定難病に指定されており、そう痒症はPBCにおける特徴的な症状で、一般的な皮膚疾患に伴う皮膚表面のそう痒とは異なり、胆汁が肝臓内にうっ滞することにより誘発されることが示唆されています。こちらに伴い、睡眠潜時延長及び睡眠障害、疲労、うつ病等の原因となり、日常生活を顕著に障害します。本邦においては、ウルソデオキシコール酸のみがPBCに係る効能・効果で承認されておりますが、そう痒症に対する治療効果は確認されていません。また、ナルフラフィン塩酸塩が、PBCを含む慢性肝疾患における既存治療で効果不十分な場合のそう痒に対して承認はされていますが、推奨度は低いという状況です。
本剤の国際共同第III相試験において、主要評価項目である24週間のMonthly Itch Scoreのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が認められており、こちらの試験を基に承認申請を行う計画とされております。
続きまして、資料No.11-7 Riliprubart。申請者はサノフィ株式会社、予定効能・効果は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」)、こちらは指定難病に指定されております。こちらの疾患は、運動機能低下や感覚異常等を呈する自己免疫疾患で、患者の5割は罹患後に重度の障害を負い、自立歩行困難となる等、QOLが大きく低下する疾患です。本邦では、CIDPに対する治療薬として免疫グロブリン又は副腎皮質ステロイドが推奨されておりますが、これらの治療に反応を示さない患者が約3割いるというところ、奏効しても患者の多くには一定の障害や症状が残ることが報告されております。また、昨年12月に、胎児性Fc受容体阻害薬がCIDPに対して承認はされましたが、まだ、CIDPに対する新たな治療薬が望まれているという状況です。
CIDP患者を対象とした海外第II相試験が実施された結果、既存治療で効果不十分又は無効及び既存治療未治療の患者において本薬の投与期間中に臨床的改善が認められた被験者は、それぞれ50%及び75%でした。開発の可能性について、既存治療で効果不十分なCIDP患者を対象とした国際共同第III相試験等が実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がございましたらお願いいたします。よろしいですか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、佐藤直樹委員、外園委員、高橋委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。では、議題11について指定を可としてよろしいですか。
特に御異議がないようですので、指定を可とし薬事審議会に報告とさせていただきます。では、ロビーで待機されています野津委員をお呼びください。
――野津委員 入室――
○森部会長 では、続きまして議題12に移らせていただきます。議題12について事務局から概要説明をお願いいたします。○事務局 議題12、資料No.12 医薬品トレムフィア点滴静注等の再審査期間の延長の可否についてです。医薬品の再審査期間については、小児の用量設定等のための臨床試験を計画する場合で、必要があると認められる場合には、個別に医薬品部会に諮った上で再審査期間を延長しています。本部会で御審議いただくトレムフィアの潰瘍性大腸炎及びクローン病については、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を潰瘍性大腸炎に係る承認より2年延長することは適切と判断しております。
御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 ありがとうございました。先生方から御質問がございますか。よろしいでしょうか。では、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題12について、延長を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、議題13に移ります。議題13につきまして、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 議題13、資料No.13について御説明いたします。医薬品ベルスピティ錠2mg、審議議題5で御審議いただいた品目ですが、こちらも先ほどの議題と同様に、小児開発の必要性が認められることから、申請者からの要望に基づき、再審査期間を初回承認より2年延長し、10年間とすることは適切と判断しております。御説明は以上になります。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがですか。では、議決に入らせていただきます。なお、高橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことになっております。議題13について、延長を可としてよろしいですか。
御異議がないようですので、延長を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続きまして、報告議題に移らせていただきます。報告事項議題1、2及びその他事項議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項について御説明いたします。今回の報告事項の議題1については、資No.14のとおりです。まず、議題1、資料No.15、トレムフィア点滴静注200mg等について、ヤンセンファーマ株式会社より、中等症から重症の活動期クローン病の治療(既存治療で効果不十分に限る)に係る効能・効果及び用法・用量の追加に係る一部変更承認申請がありました。機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断しております。
続きまして議題2、資料No.16-1~16-4になります。医療用医薬品の再審査について御説明いたします。資料No.16-1、スーグラ錠25mg及び同錠50mg。アステラス製薬株式会社より、1型糖尿病に係る効能・効果について再審査の申請がありました。また、資料No.16-2、フォシーガ錠5mg及び同錠10mgについて、アストラゼネカ株式会社より、同じく1型糖尿病に係る効能・効果について再審査申請がありました。また、資料No.16-3、トルリシティ皮下注0.75mgアテオス、日本イーライリリー株式会社より2型糖尿病に係る効能・効果について。資料No.16-4、ホスリボン配合顆粒。ゼリア新薬工業株式会社より低リン血症に係る効能・効果について、それぞれ再審査に関する申請があり、機構における調査の結果、いずれもカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しております。
続きまして、その他の議題1になります。最適使用推進ガイドラインについてです。本年1月の部会において、リメゲパント硫酸塩水和物について最適使用推進ガイドラインの対象という形で報告させていただいておりましたが、審査の過程でこちらについては作成の必要はないと判断をいたしまして、作成対象から除外することとしました。
以上、御報告になります。よろしくお願いします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。議題1のトレムフィア、クローン病の追加について、前田委員、何か御発言ありますか。
○前田委員 いえ、特にございません。これで結構だと思います。すみません。
○森部会長 ありがとうございました。そのほか、先生方から御意見、御質問はありますか。よろしいですか。それでは、報告事項及びその他事項については御確認いただいたものとさせていただきます。本日の議題は以上ですが、事務局から御報告はありますか。
○事務局 事務局です。冒頭、Web会議の不手際があり、大変申し訳ございませんでした。次回の部会ですが、令和7年7月31日木曜日、午後6時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、本日の議題は以上です。どうもありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬品審査管理課 課長補佐 浦(内線2746)

