第30回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会 議事録

日時

令和8年1月26日(月) 10:00~

場所

厚生労働省 専用第21会議室

出席者

公益代表(敬称略)
飯田 裕貴子、潤間 励子、島田 裕子、髙田 礼子、中野 真規子、山本 忍
労働者代表(敬称略)
金井 一久、鈴木 誠一、冨髙 裕子、堀尾 純士、松尾 慎一郎、前田 悠士
使用者代表(敬称略)
笠原 康雄、川中 一哲、松本 純子、森田 大三、矢内 美雪

ヒアリング参集者(敬称略)
芦澤 和人、大塚 義紀、加藤 勝也、黒澤 一
事務局
安井 省侍郎(安全衛生部長) 佐々木 孝治(労働衛生課長)
森川 博司(主任中央じん肺診査医) 中村 登紀子(健康疫学専門官)

議題

(1)じん肺診査ハンドブックの改訂について
(2)その他

議事

議事内容

○髙田部会長 それでは定刻になりましたので、「第30回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会」を開催させていただきます。前回のじん肺部会以降、委員の異動がございましたので、お知らせします。冨髙委員の役職が、日本労働組合総連合会副事務局長に変わられております。また、新しく日本基幹産業労働組合連合会事務局次長、前田悠士様が委員に就任されております。Web参加でございますけれども、もし、よろしければ一言御挨拶をお願いいたします。
○前田委員 おはようございます。前任の異動に伴いまして、このたび本部会の委員に拝命されました。前任同様、何とぞよろしくお願いいたします。
○髙田部会長 ありがとうございました。本日の出欠状況になります。本日は、坂下委員から御欠席の御連絡を頂いております。潤間委員、島田委員、金井委員、前田委員、矢内委員は、Webで御参加となっております。また、本日は参集人としまして、長崎大学大学院の芦澤教授、川崎医科大学の加藤教授、東北大学の黒澤教授、北海道中央労災病院の大塚院長にWebにて御参加いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 傍聴の方へのお願いとなります。カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。議事に入る前に、タブレットやマイク等の操作方法の説明と資料の確認を、事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 今回は、紙とタブレットの資料を御用意しております。タブレットにつきましては画面を御覧いただき、議事次第、資料等が並んでいるページであることを御確認ください。操作は指でできますので、見たい資料をタッチしてお開きください。前の画面に戻る場合は、左上に表示されています矢印や「戻る」の箇所をタッチしてください。資料のページを進みたい場合は、下へスクロールをお願いします。不具合等ございませんでしょうか。御不明な点がございましたら、係員が対応しますのでお知らせください。
 また、御発言の際は、皆様の席にありますコンフィットマイクを御使用ください。Web参加の先生方は、御名前を御発言いただけたらと思います。発言時は、スイッチをオンにして、終わったらオフにお願いします。
 次に、タブレットで資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1、じん肺診査ハンドブック改訂について。資料2、簡単な名前になっていますが、第29回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会(令和7年9月30日)提示資料(じん肺診査ハンドブック改訂案)との主な変更点。参考1、じん肺診査ハンドブック概要。参考2-1、じん肺診査ハンドブック改訂案(溶け込み版)。参考2-2、じん肺診査ハンドブック改訂案(見え消し版)。参考3、じん肺部会委員名簿。参考4、労働政策審議会令。参考5、労働政策審議会運営規程。参考6、安全衛生分科会運営規定。参考7、じん肺部会運営規定です。参考資料2-1及び2-2につきましては、紙でも御用意しております。また、参考2-2につきましては、タブレット上は章ごとに分割した分割版としております。オンライン等で御参加の皆様には、事前にお送りしております。資料の不足等ございませんでしょうか。すみません、タブレットも統合版になっています。申し訳ありませんでした。資料は以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。オンライン参加の委員も、資料はよろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。それでは、議事を進めさせていただきます。
 議題(1)「じん肺診査ハンドブックの改訂について」になります。初めに、事務局より説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 それでは、資料1を御覧ください。じん肺診査ハンドブックの改訂についてです。1.趣旨になりますが、これは今までも説明してきたように、ハンドブックの位置付けと、前回、昭和53年に発刊してから大幅な改訂が行われていなかったことから、今回改訂をすることになったことを示しています。
 そして、2.改訂案の検討の経緯及び今後のスケジュール案です。これまでの検討の経緯としまして、前回令和7年9月30日にハンドブックの改訂案について御了解いただきましたので、それをもって10月から11月にかけてパブリックコメントを実施しました。そして、今回、令和8年1月26日にじん肺部会を開いて、改訂案を最終案としてお示ししております。この後、御了解いただきましたら、3月に通達を発出してハンドブックの公開、冊子の配布を行いまして、4月からハンドブックの適用を開始したいと考えております。
 続きまして、2枚目を御覧ください。ハンドブックの今回の全体的な主な改訂内容を示しています。Ⅰ章、Ⅱ章、Ⅲ章に分けて書いていまして、Ⅰ章のじん肺の病像ということで、代表的なじん肺として炭鉱夫じん肺、溶接工肺を新たに記載しております。
 2ポツ目ですが、代表的なじん肺(けい肺、石綿肺、炭鉱夫じん肺、溶接工肺)につきまして、エックス線写真像、CT像、病理所見を掲載し、関連についての解説を記載しております。
 3つ目ですが、じん肺の合併症として、原発性肺がんが追加されたことを新たに記載しております。
 Ⅱ章のじん肺健康診断の方法と判定についてです。1つ目です。粉じん作業につきまして、これまでのじん肺法施行規則の改正を踏まえて更新しております。2つ目ですが、現在、エックス線写真の主流となっているデジタルエックス線写真の撮像表示条件について、新たに記載しました。3つ目で、小陰影の分類を明確にするため、「その他の陰影」を新たに記載しています。4つ目ですが、大陰影について、より理解がしやすいように解説図を新たに記載しています。
 続いて、デジタルエックス線写真像の区分決定に用いるため、じん肺標準エックス線写真集を新たに記載しました。CT検査についてです。じん肺健康診断は、エックス線写真による検査等に基づいて実施するものであり、CT検査は参考資料である旨を明記しました。肺機能検査について、従来使用されていた検査方法等を、現在使用されている検査方法等に差し替えをしています。
 合併症についてで、喀痰中好中球エラスターゼ検査についてです。合併症についての総合的な医学的判断の一助として、膿性たんの客観的な指標である喀痰中好中球エラスターゼ検査について、新たに記載しています。
 Ⅲ章の健康管理のための措置です。1つ目が、じん肺管理区分決定の流れについて、より詳細に記載しています。2つ目が、粉じん作業に対する措置について、これまでの粉じん障害防止規則の改正を踏まえて更新しました。3つ目が、個人ばく露を低減させるための方策として、防じんマスクの使用について新たに記載しています。
 続きまして、資料2を御覧ください。前回との主な変更点を示しています。全体的な変更につきましては、参考2-2を御覧いただいて、そこで赤で見え消しになっているのが第3版からの変更点を書いています。その中で黒い四角で囲った部分が、前回9月30日にお示ししたものとの差になっております。今回は、その変更点につきまして主なものを御紹介させていただきます。
 まず、最初に34ページに関連してです。変更前、右側が9月30日にお示しした表現です。左、変更後が今回お示しするものになります。Ⅰ章のじん肺の病像の4.じん肺の合併症・続発症の(4)原発性肺がんということで、肺がんが合併症として加えられた経緯について、より詳細に記載したものになります。
 そして、次は55ページの関連です。Ⅱ章の3.エックス線撮影検査及びエックス線写真の読影の(4)じん肺標準エックス線写真の概略と使用法です。前回お示ししたときには、標準エックス線写真集について、まだ確定した段階ではありませんでしたので、今後改定される可能性もあり、その際は最新版を参照されたいという表現にしておりました。そして、前回、「じん肺標準エックス線写真集」についても御承認いただきましたので、さらに、「じん肺標準エックス線写真集」は令和5年から改定が検討され、令和8年に改定版が発行された理由も、規定事実として表現を変えております。
 続いて、59ページの関連です。(5)じん肺の合併症・続発性の評価におけるCT検査の有用性の3.続発性気管支拡張症、続発性気管支炎です。59ページを御覧いただければ分かりますが、CT検査の有用性について書いたところですが、ここに書いてあるのは気管支拡張症のことを書いていましたので、続発性気管支炎のことは書いていないので、タイトルから削除したものになります。
 続いて、71ページの【付】の所です。じん肺審査におけるCT検査の位置づけということで、書いている内容は前回示したものと変更はありません。概要としては、あくまでも、じん肺の健康診断は、エックス線写真を用いて行うもので、CTというのは、あくまでも参考だというのを書いています。ただ、表現としまして、これは全体を通しての統一になるのですが、胸部エックス線写真と書いてあったものを、法令に合わせてエックス線写真と変えています。
 それから、CTの所で検査というのを追加したり、所見や写真は、ばらけていたのをCT画像に統一するといった言葉の修正をしています。
 続いて、3枚目になります。138ページの関連です。6.合併症に関する検査の(3)続発性気管支炎、ロ.精密検査の方法、(ハ)たんについてのその他の検査です。ここも内容は変わっておりません。喀痰中好中球エラスターゼ検査につきましては、あくまでも総合的な医学的判断の資料という位置付けは変わっておりません。ただ、右側に書いてますように、膿性痰と漢字を使っていました。これも省令上はひらがなですので、漢字の痰を、ひらがなのたんに変えたというものになります。説明については以上です。
○髙田部会長 御説明ありがとうございました。ただいま資料1について、じん肺診査ハンドブックの主な改訂内容と、資料2で前回部会資料との主な変更点をお示しいただきました。じん肺診査ハンドブックについては、参考資料2-2のページ数を基に御説明を頂いております。ただいまの事務局の説明を踏まえ、じん肺診査ハンドブックの改訂案について質問、御意見等があれば頂きたいと思います。いかがでしょうか。松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 まず、好中球エラスターゼ検査は一助になるという発言がありましたけれども、前回もありましたけれども、検査するには費用が掛かると思うのです。ここは3か所しかやっていないということなのですけれども、検査費用については前回回答がありませんでした。分からないということだったのですけれども、お分かりでしたら是非御回答いただきたいと思います。
○髙田部会長 ありがとうございます。事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問ありがとうございます。たんの好中球エラスターゼの費用の取扱いについては、今省内で検討しておりますので、どういったお支払ができるかというのを省内で検討したいと思います。
○佐々木労働衛生課長 労働衛生課長です。松尾委員の御質問は、金額ということでよろしいでしょうか。
○松尾委員 そうです。
○佐々木労働衛生課長 分かりました。前回、私も御答弁申し上げたと思うのですけれども、費用の取扱いは当然、健康診断を実施する者が負担する前提です。事業者であれば事業者ということです。その上で、金額については前回申し上げたように、他の診療報酬の状況を参考にしながら設定されるのだろうと思っております。今、主任からお答えしたのは1つの相場観ということで、省内では確認中という趣旨で答弁しております。
 現時点では決まっておりませんが、子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼを例示として申し上げましたが、これが340円であることを踏まえると、それほど高額な、高価なものにならないのではないかと考えております。以上です。
○髙田部会長 松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 私の質問は、現在は幾らしているのですかというお話をさせていただいているのですけれども、それに対する回答はないのですけれども。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 現時点では、設定という形ではありません。
○髙田部会長 松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 では、今は行っていないということなのですね。
○佐々木労働衛生課長 はい。現時点では、一般的な形での使用は行われておりません。
○髙田部会長 松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 確か前回のときには、研究段階だということで、このハンドブックで掲載されたってことになると、それをもっと定式化しよう、いわゆるもっと分かりやすいようにしようということでと解釈してよろしいのですか。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 そのとおりです。実際に令和8年4月にできるように、いろいろと方法やそういったものは検討したいと思います。以上です。
○髙田部会長 松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 それは、保険適用になるということなどでよろしいのですか。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 現時点では、保険適用は考えておりません。
○髙田部会長 松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 ということは、保険適用を考えていないということは、これは自費診療だと。自費診療なのだけれども、その検査については統一的な相場観を見てやりたいということでよろしいのですね。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 その辺りについても、どのようにお支払できるかというのは検討していきたいと考えています。
○松尾委員 改めて制度的なものを含めて説明ができるように、今後していただきたいというふうに思います。
○髙田部会長 事務局、いかがでしょうか。
○森川主任中央じん肺診査医 価格等について検討していきたいと考えています。
○髙田部会長 松尾委員、よろしいでしょうか。
○松尾委員 はい。
○髙田部会長 鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 はい、どうも。お世話になります。被災する、働く者の立場から、こういう大きなもので50年ぶりにやるということで、皆さんの御尽力に感謝を申し上げます。今の、3点ほどあるのですけれども、取りあえず今の好中球エラスターゼ検査というものについて、ここについては前回も私、話させていただいたのだけれども、全文の削除を求めたいと思っていまして。前回、先ほどあったように確認がされたというあれだったのですけれども、いろいろと議事録等も拝見して、パブコメ等も含めて今回訂正されている箇所もありますので、今回は最終案という形でまとめられたいということです。
 前回の説明では、もともと研究ベースで行っていて、実臨床になった場合にどのぐらい掛かるのかということで、研究段階で行っている、費用に関しては分からないと今もやり取りがあったとおりなのでありますけれども。個別の、特別な施設での研究という御説明がありました、用いられていないので費用も決まっていないのも当たり前で、このじん肺の、新たに医者のハンドブック、マニュアル本のようなものになるのに当たって、実用化されていないものを、何だろうな、記載するというところに正当性はあるのかなっていうのが1つあります。
 費用のこともそうですけれども、どこで研究をされているか分かりませんけれども、その研究機関が費用負担も含めて研究を進められて実用化が成し得てから、後日にあえてこのじん肺部会を開催して追記を確認するということでもいいのではないかというふうに思います。これを記載し続けることで、不確定なものを、数値においても不確定と指摘がある、数値も定まっていないものを、これを記入することで、どなたの利益になるのか分かりませんけれども、私たち被災する立場としては全く利益にならないことを申し上げなければいけないと。
 それでも削除しないっていうことに固執するのはなぜなのか、固執するのですかっていうことをお伺いしたいですね。
○髙田部会長 1点ずつでよろしいですか。
○鈴木委員 はい。1点ずつ。
○髙田部会長 まず事務局から御回答いただいて、その後、大塚先生に御意見いただきたいと思います。まず、事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問ありがとうございます。研究をしていただいて、濃性たんが持続的に続く場合には、こういったたんの好中球エラスターゼ検査というものもあるという知見が新しく得られたので、それについて書いているものです。なので、合併症が続く場合には、このような検査を実施していただくと、その合併症が実際に持続しているのかどうかが分かりやすくなるというような目的で書いております。費用等については、先ほど答弁しましたように、検討してお示ししたいと考えております。以上です。
○髙田部会長 お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 補足です。今回のハンドブックの改訂は、昭和53年以降大幅な改訂がなされていなかったということで、最新の医学の進展等を踏まえて改訂する、そうした中で単独検査については好中球エラスターゼということで、客観的な指標たり得るものとして見いだされたところですので、これはしっかり記載をしてまいりたいと思っております。
 今、主任から申し上げたように濃性たんが持続する場合には、これによって確認するということですので、メリットがないという話もありましたが、仮に濃性たんが感染によるものだということがあるのであれば、それはしっかり把握できるということになりますので、メリットがないわけではないと思っております。ただし、今回加えたいのは、検査結果が陰性、要はないという結果が出たとしても、この検査結果のみをもって合併症の有無が機械的に判定されるものではなく、総合的に判定、判断していこうということを記載として加えたいという趣旨です。
 なお、この検査自体は必須ではありませんので、御承知おきいただければと思います。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。大塚先生、有効性等についてコメントがありましたらよろしくお願いいたします。
○大塚参集者 今までの目視による濃性たんの判定というものが、1つの面でしか判定できなかったものですから、それを客観的な指標でもって、数値でもって濃性たんかどうかを、一応CT的な感じで参考にしていただけるような指標になるかなということで開発した経緯です。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。鈴木委員、いかがでしょうか。
○鈴木委員 ちょっと、何と言うか、定まっていないと言いますか、確定されていないと言うか、ここにある、私の手元の資料では、令和5年の報告と令和6年の報告では、私は専門家ではないので分からないのですけれども、数値が違っていたり、科学的知見だとかうんぬんだとか言われて、参考だとかっていうことをここに載せるのが、必要があるのかということを、単純に私は疑問に思うのです。
 だから、先ほど御答弁にあったように、医学だとか科学だとかっていうのは日進月歩で進歩するのでしょうから、確実になって、それの制度設計だとかが定まってからここに追記をするということ、ハンドブックに追記をするという形を採るべきであって、現在のところ不確定なものを、夢があるからといって記載をするということは違うのではないかということを申し上げているのです。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 佐々木です。夢があるというレベルの科学的知見ということではなく、まだ一般に流布されていないという点では、確立されていないという御指摘はあるかもしれませんが、基本的なところについては今回の研究で見いだされているという整理、理解をさせていただいております。今回のハンドブックの改訂に当たっては、特に持続する場合に客観的に見られるというのは、これは大変大きな利益、ベネフィットになると思っておりますので、記載させていただく意味は非常に大きいと考えております。
○髙田部会長 鈴木委員、いかがでしょうか。
○鈴木委員 これも前回言ったみたいに、納得すればいいのですか、みたいな話なのだけれども、何だかそういうところに固執されるのが、逆に言うと私には分からないです。3点ほどあるのだけれども、その全てにおいて、そこに固執されるというのは、何か悪意を持った目的なり、企てなりがあることを考えざるを得ないというのが、私の率直な感想です。要は、定まっていないものを、いわゆる教科書的なハンドブックに載せるということに、夢があるというのは私も素人の表現しすぎたかもしれないのだけれども、少しぐらい私たちの意見を取り入れてくれても。まったく聞き入れないのであるならば、要するにまだ定まっていないのであれば、本当の本当のただし書きのただし書きみたいなことを付け加える等のことをしてほしいと思います。
 今回、余り言いたくはないのだけれども、今までの50年の間、それ以前には、このハンドブックが50年前にできた背景というのもあるはずなのですね。この50年、このハンドブックがあったとしても、呼吸器疾患の専門の医者がパーフェクトだったのかというところがあります。例えば、私どもの港湾関係でいえば、ただの肺がんと診断されて、遺族の意向でいろいろと手間を掛けて胸を開けさせたら中皮腫が確認されたなど、そういったミス、リスクというものを減らすためのハンドブックなのだろうと思うのです。記載するのであれば、先ほど答弁があったように、夢のあるなどという当てずっぽうではなくて、記載するべきだというのであれば、ただ中身が整っていないのであれば、ただし書きのただし書きの括弧書きのような形でするようなことをしていただけないものでしょうかということを、しつこいようですが申し上げたいと思います。
○髙田部会長 事務局、いかがでしょうか。
○佐々木労働衛生課長 繰り返しになりますが、やはり今回たんに関する検査ということで、客観的に見ることは大変大きなことだと思っております。言葉尻を捉えて大変失礼いたしました。ただ我々としては、一定の方向性が見いだされたものと思っております。制度上、確立しなければいけないというような、例えばこれが完全に義務化、必須の項目として入れる場合には、その辺りを慎重に見極めるべきであろうと思っております。まだ必須ということではなく、こうした形で客観的に評価できる、それは患者様にとって利益にもなるという点もありますので、ここは明記させていただいて、そして一般的な流布については我々としての課題だと思っておりますので、今後どうした形で全国的に広げていくかは検討していきたいと思っております。
○髙田部会長 すみません、研究班の芦澤先生、若しくは大塚先生から、何かコメントはありますか。芦澤先生、お願いいたします。
○芦澤参集者 研究班の責任者をしておりました、長崎大学の芦澤です。先ほど大塚先生が述べられたとおりで、この持続する膿性たんの客観的な、あくまでもこれまでは主観的な評価ですので、客観的な指標として何か良いものはないかということで、大塚先生を中心として研究をしていただいた内容になります。あくまでも、ここにありますように、陰性であっても、それでそれを否定するものではありませんので、陽性の場合に、より確診度を上げるという意味合いで、このことについて記載をお願いした次第です。以上です。
○髙田部会長 大塚先生は、追加はありますか。
○大塚参集者 今、芦澤先生がおっしゃっていただいたとおりで、特に追加はありません。
○髙田部会長 ありがとうございます。研究班のほうで検討いただいたということで、こういう形になっておりますが、鈴木委員、いかがでしょうか。
○鈴木委員 ありがとうございます。この件に関して、これ以上続けても、ただの平行線なので。ただ、後の2項目に関しても多分同じようなことにはなるのかとは思いますが、この件については私の考え方としては、先ほど述べたままです。ですから、それを専門家の研究で専門家の方たちが評価をして、でも我々に資料等レクチャーを頂いて、パブリックコメントにもきちんと出している先生方は、ここを危惧しているということを一応申し上げておきます。
 もう1つの点について、話をしてもいいですか。
○髙田部会長 そうしましたら、2点目をお願いいたします。
○鈴木委員 前回までですと18ページ、今回は19ページで、先ほど「主な改正内容」第2章で説明がありましたが、「CT検査はあくまで参考資料である旨を明記と明確に記載」をしながら、今回は19ページの、前回も指摘をさせていただいた、「肝要」であるという表現に関して、なぜ今回も訂正されずに、修正、若しくは削除されずにまだ残っているのかということを少し疑問に思います。日本語で「もっとも重要である」というのが「肝要」の意味で、「参考」というのは、辞書を引いてほしいのですが、「考えの足しにする」ことですよね。ですから、私としては誤植やテニヲハを修正する程度のこととしか思えないのだけれども、ある意味、「肝要」を「参考」と置き換えればいいだけのことで、CTだとかうんぬんということを全て削除しろと言っているわけではなくて、ここに危惧があるわけです。ですから、そこになぜ固執されて、「肝要」という、「極めてもっとも重要である」を意味する言葉を、冒頭に「あくまで参考資料であるという旨を明記」ということまで言っておきながら、ここに固執されることが、先ほども申し上げましたが、いわゆるミスというか、リスクを誘発することになるという危惧を前回から話をさせていただいているわけです。なぜ固執されるのかということです。以上です。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 こちらについては、今、鈴木委員もおっしゃったように、19ページに肝要と書いてあるのは、あくまでも臨床の先生たちが石綿肺を診断するときに、CTというものはきちんと撮って確認してくださいという意味で、病気の説明の所で書いています。ただ、第2章の所で、じん肺の診査をするときには、あくまでもきちんと単純エックス線写真で診断をして、CTというのはあくまでも参考なのだと書いていますので、実際の臨床の場で使われるCTと、じん肺の診査で使われるCTというのは役割が違うのだということで、肝要と参考ということで使い分けをしています。以上です。
○髙田部会長 本件について、加藤先生、もし追加でコメントがありましたら、お願いいたします。
○加藤参集者 加藤です。今、森川主任が言われたことと一緒なのですが、こちらに書いてあるのは、何度も言っていますように、一応臨床の場でということで、先ほどおっしゃったことが正しくそうだなと思いながら聞いていたのですが、肺がんと思っていたら中皮腫であったということが起こるわけですよね。ですので、結局CTで線維化があったから、それを石綿の職歴があるから石綿肺と思って単純写真で見ていたら、それが原因がある過敏性の線維症であったり、いろいろな膠原病の肺であったり、もっと進行が早い特発性の肺線維症であったりということは、やはりCTを撮って確認しないといけないと。こういうことが、臨床の普通の呼吸器診療の流れとしては、患者さんをじん肺の方だから、この方はCTは余り役に立たない、CTは必要ないではなく、じん肺かどうかの鑑別を判断するのに、やはり臨床の場ではCTを使うというのは極々普通のガイドライン、その他もろもろに載っている普通の診療だと思います。後で書いてあるように、じん肺の診査の場では、あくまでも参考であって、CTを用いて診断すべきだというようなことは一切述べていないので、実際のじん肺診査と実際のじん肺診療というか、呼吸器病診療の違いということで、ここは呼吸器病診療の中では現状、CTを撮像するというのは肝要であるということになるかと思います。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 専門的な話をされても分からないと言ったら本当に失礼になるのだけれども、私が資料を入手している医者の人たちというのは、実際に現場で我々の仲間を診察、診断を長年してきて苦労の上に、苦労と当然ミスもあったりしたこともあったとは思うのですが、ミスというか、いわゆるヒヤリハットみたいなことがあったと思うのですが、その上に立っての指摘であると。この件についても、先ほどと一緒で、どちらにしても平行線になると。私が皆さんと同じレベルの医者ではないから、ああでもない、こうでもないと、そういう学術的なことは言えないのだけれども、この件についてはもう。専門的な人たちがこれを見て所見を活用されるというハンドブックでしょうから、前回も言いましたが、ここまで言って我々が、私が発言をして、きちんと議事録に載せてる、一言一句間違いもなく議事録に載せるということを確認する、いわゆる今、先生方から説明も含めてあれば、然るべき専門家、専門の医者の方たちは、そこまで掘り下げる人がいるかどうかは分かりませんが、いわゆる見過ごされるというか、そういうリスク、また間違ったことにならないことにつながるのであれば、私としてもしょうがないのかと思います。
 それを申し上げて、もう1点あるのですが、よろしいでしょうか。
○髙田部会長 お願いいたします。
○鈴木委員 粉じんばく露の低減措置の件です。前回は168ページ、今回は172ページにあって、「マスクのフィットテストの施行も有意義である」という記載があります。これは指摘をさせていただくと、一部の作業のことだと思うのですが、フィットテストが義務化をされているとのことですね。保護具着用管理責任者の専任義務まで課せられているということですから、「有意義」というような消極的な表現ではなく、「必須である」等の表現に改めるべきではないのかと。同様に、効率の良い電動ファン付き呼吸器保護具の使用も「考慮」するというような表現ですが、保護義務が課せられているということのようなので、ここも「考慮」ではなく、「活用する」なり「使用する」というような積極的な表現に改め、ばく露の低減措置について記載をすべきではないかということです。
 それから、一人親方の問題で、松尾委員からも再三あれしていますが、ここの部分に関すると、労働者性というのは労働者という表現が働き方の部分であって、特に建設業などは多重構造で労働者性が問われることはあるのだけれども、じん肺に関しては、いわゆる「作業従事者等」の表現に改めるべきなのではないかということを、指摘というか訂正を願いたいということを申し上げたいです。以上です。
○髙田部会長 粉じんばく露の低減措置に関することと労働者性のことという、大きく2点の御指摘を頂きました。事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 最初の粉じんのばく露低減のお話ですが、このハンドブック自体がじん肺の健康診断の具体的な実施的手法とか、判定に際して必要な事項をまとめたものなので、粉じんばく露の低減措置について、ここでは明記しません。ただ、いろいろな研修やパンフレットの配布といったものを通じて、事業者に対して引き続き周知・指導を行っていきたいと考えております。
 それから2点目の話ですが、前回もお話したように、安全衛生法の改正については、あくまでも事故防止の観点から改正されたもので、健康管理手帳の交付などを初めとした健康管理に関する措置は対象としていませんでした。他方、自らの心身の健康に配慮することは当然大事なので、令和6年5月に策定した個人事業者等健康管理に関するガイドラインに基づいて自主的な取組を促すということを、いろいろな機会を通じて周知していきたいと考えております。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 これも同じように平行線になるかと思うのです。要は、じん肺の所見があって、その人をじん肺と診断する。これは不幸な話ですよね。じん肺ばく露の低減、いわゆる予防、安全処置ですよね。要するに、このハンドブックに頼らなくてもいいことにつながる。そうであれば「有意義」を「必須」だとか、「必要」だとか、「使用する」にするべきです。「考慮」を、「使用する」とか、「活用する」とか、もうそれは法律で定まっているわけですから、それこそ「参考」ではないけれども、それをじん肺診査ハンドブックに載せるということについて、私の感覚で言えば誤植やテニヲハを修正する程度の話だと思うのです。ここに修正、変更しないことに固執されるところが先ほど来言っている、何を言っても駄目なのかなという感覚になりますね。以上です。
○髙田部会長 それでは同じ件で飯田委員、お願いいたします。
○飯田委員 飯田です。フィットテストについてです。私は、フィットテストを研究でやっているのですけれども、呼吸用保護具というのは本当に、付けた主観でフィッティングしているかどうかがすごく分かりにくく、フィットテストをして初めて合っている合ってないというのが分かるものなのです。ですので、ばく露をちゃんと防止しようと思ったら、フィットテストをするのは必須だと考えています。もう1つは、フィットテストを推奨している国はたくさんあるのですけれども、義務化までしている国は少なくて、幾つかしかありません。その中で日本は、第三管理区分と金属アーク溶接の作業場においては義務化するというように、先駆けて決めたわけですので、是非、これを現場にしっかり落とし込んでいただきたいと思っています。それができればじん肺患者は減ると思っています。数十年後の日本からじん肺患者をなくすためにも、義務化しているのだよということをここに入れていただきたいと思っています。1点目がそれです。
 もう1点意見があります。エラスターゼ検査のことです。国が判断に使うような測定方法や検査方法というのは、分析の精度とともに、分析の誤差も少ないことが必須だと考えています。分析の精度という時点で今回、エラスターゼ検査はいいと思うのです。より陽性であるということがクリアに分かるという点ではいいと思うのですが、陽性でなかった場合は総合的判断になって、その総合的判断のクライテリア、ルール作りがきっちりされていないという時点で、医師によって判断の誤差が大きくなるのではないかというところを気にしています。誤差の部分で不足があって、これを補うために医師たちに対する判断の仕方とか、こういう場合はこう判断するけれども、陰性であってもこれでじん肺ではありませんねという判断ではなくて、もっとこういうところも診て判断するよというルール作り、医師にちゃんとそれを落とし込むための教育のようなものが必要だと考えております。そういったことも検討していただけると、すごく有り難いなと思います。
○髙田部会長 ありがとうございました。ただいま2点のご意見がありますけれども、事務局からお願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 労働衛生課の佐々木です。御指摘、ありがとうございます。まずフィットテスト等の記載についてです。お二人がおっしゃったことは共通していて、ここで言う話ではない、もっと前提の話だということで、私どもとしても受け止めております。ハンドブックは、あくまでも健康診断等に当たっての詳細を書き切っていくということになりますけれども、ばく露防止というのは別途、それは当然しっかり義務化されている話ですので、周知徹底させていただいて、正にここに掲載しなくてもいいぐらいの形で取組をしていくのだろうと思っております。ですが、ハンドブックの記載はこういう形にさせていただいて、取組自体は引き続き周知等を促してまいりたいと思っているところです。
 それから、エラスターゼの今後の取扱いについては、しっかり教育と言いますか、現場で混乱しないようにということなので、今後、申し上げた一般的に流布するという検討に際して、併せて検討させていただきたいと思っております。以上です。
○髙田部会長 飯田委員、お願いいたします。
○飯田委員 周知を図っていただくという点は、すごくよろしくお願いしますという感じですけれども、厚労省さんがいろいろなセミナーや無料の教育をされていると思うのです。ああいうものには大企業の意識の高い人は来てくださるのですけれども、落とし込むべき中小企業の人たちは、そういったものがあることすら知らずに過ごしてしまっているのではないかと思っています。また、忙しいお医者さんたちが果たしてこの日この場所に来いと言って来られるかというと難しいと思うのです。この場所でセミナーをするのではなくて、オンラインで受けられるとか、受けるとこの人はちゃんと教育を受けた人ですよという証書が出るようなものとか、受けやすさ、教育をどう落とし込んでいくかというところを工夫していただけると有り難いと思います。
 もう1点は、これは確かにお医者さん側のハンドブックですけれども、いろいろな段階、いろいろな手法、いろいろなアプローチで現場に義務化なんだよということを伝えていかないと、なかなか現場には情報が落ちないと感じています。じん肺になってから患者さんがこのハンドブックを見て、私たちの職場、実はフィットテストしなければいけなかったんだというのを知るのはとても酷ですけれども、それを現場に持って帰って、後輩たちがそうならないように伝えていただけたらいいなと思っております。しかし判断はお任せします。それが必要ないぐらい周知してくださるということなのですが、できればここにも書いていただきたいと思っております。
○髙田部会長 事務局からありますか。
○森川主任中央じん肺診査医 忙しい方向けについては、これまでもオンラインなどで研修などを実施してきましたので、また引き続き実施していきたいと考えています。
○髙田部会長 鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 回答を2度も3度もさせてはと思って、同じ話をしますけれども、要は必要であるものというか、少しでも関係する所に。先ほど、揚げ足を取るわけではないのですけれども、そう取られてもしようがない。ここの部分ではなくて大本の所でとおっしゃいましたが、私が言いたいのは、胸に関する部分でじん肺になったわけですから、今も委員からあったように、法律的な規則、義務があることは全てのものに記載するぐらいが当たり前ですが、この「じん肺診査ハンドブック」でトーンを弱めるような表現はいかがなものかという話をさせてもらっているだけです。そこのところもなぜ頑なに決めたものを変えないのかというのが、私には理解できません。あえて発言をさせておいてもらいます。
○髙田部会長 ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
○佐々木労働衛生課長 繰り返しになりますけれども、このハンドブックというのは、あくまでもじん肺健康診断等に関係する方々に向けて、その詳細をしっかり書き切るものなので、ここでばく露低減措置について、いろいろ書くという趣旨ではないということです。ただ、御趣旨についてはしっかり事業者向けに取組を徹底していただくということなので、それはそれで別途、しっかりやらせていただきたいと思っています。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほかに。松尾委員、お願いいたします。
○松尾委員 法律の立付け上、ほかの形で周知するというのは、じん肺部会の中で議論ができるということでよろしいのですか。それとも周知や総合的な予防対策なども含めて、安全衛生分科会のほうでやるのか。その辺の位置付けがどうなっているのかが、私には分からないので質問します。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 一義的には、正に粉じん対策はこのじん肺部会で御議論いただければと思いますが、もし周知に関しても御意見等がありましたら承りたいと思います。
○髙田部会長 松尾委員、いかがでしょうか。
○松尾委員 ということは、これではなくて総合的な対策や取組については、じん肺部会で改めて行うということでよろしいのですね。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 総合対策とおっしゃっているのが、じん肺あるいは粉じん対策ということであればそのとおりです。
○髙田部会長 松尾委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。オンライン参加で挙手されているのは潤間委員ですね。潤間委員、お待たせしました。お願いいたします。
○潤間委員 議論になっている好中球エラスターゼ検査とCTの検査、粉じんばく露の低減措置について、意見を述べさせていただきます。
 まず、好中球エラスターゼ検査です。その有用性は、学術的には証明されていると考えておりますが、最前線の現場で保険適用になっていない検査を行うということは、かなりハードルが高いのではないかと思います。膿性たんの検査については、細菌学的な検査を行うということも記載されているので、この検査が有用です。
 例えば、以前はCT検査については述べられていなかったけれどもというところで、今回CTの検査の記述が入ったと同様に、長い年月を掛ければ、好中球エラスターゼ検査が保険収載されて、一般的に検査されるような形になると、振り返ってそうであったという形にはなると思うのですが、この点について実臨床の場では、このハンドブックに書かれてしまうと、自費でも検査をせねばならないというような意味合いに取られかねない。このハンドブックだけを読んで、じん肺の診療をされる先生もいらっしゃると思うので、先ほどから御議論があったように、総合的な医学的判断の基準が余り明確でないということを考えると、この検査については、例えば労働者に負担がない形でいつでも検査ができるとか、保険収載されて保険適用で検査ができるということが大前提になるかと考えております。
 第2点目のCTの検査についてです。現状、日本では呼吸器診療の場合はCTを撮らないで、単純レントゲン写真だけでずっと経過を診られているという方は、余りいらっしゃらないのかなという具合に考えております。特に粉じんばく露があって陰影がある方ということになりますと、その評価のために診断時にCTを撮るとか、経年でCTの経過観察をされるということは、実施診療の場では一般的に行われていると思います。このように詳しい記載があって、非常に重い意味を持つということが記載されていることについては、そのとおりではないかと思います。
 一方、じん肺診査ハンドブックということで診査の現場を考えますと、現在はCTの撮像枚数、画像枚数が非常に多く、1,000枚写真が来るということも、ざらにあることではないかと思っております。それを全ての方について診査の現場で拝見してジャッジメントするというのは、非常に時間が掛かる作業だと思います。現在、単純写真を拝見するだけでもかなりの時間が掛かっているという現状です。CTの写真も全て拝見して、診査を行うのは難しいということを勘案しますと、CTの検査は、主治医の先生がいろいろコメントをされた申請書と胸部レントゲン写真を拝見した後で、その参考として一部を拝見するということは、実際に行われていると思います。ですので、参考であるということに関しては、そのとおりではないかという具合に考えております。
 最後に保護具のことです。先ほど御発言にあったとおり、ただマスクを着用するだけでは、十分に保護されているとは限りません。フィットテストの記載については、フィットテストは確かに有意義であるわけですけれども、マスクの使用とフィットテストの実施について指導を行うという書きぶりのほうが、表現として安全衛生や産業医の先生は御納得がいくのではないかという具合に思いました。以上です。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございました。3点御意見いただきましたが、事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 ありがとうございます。エラスターゼにつきましては、先ほどからお話してますように、なるべく労働者の方に負担がいかないように費用等について検討したいと考えています。それから、CTにつきまして、先生、御発言いただきありがとうございます。あくまでもCTは、じん肺診査におきましては参考ですので、必須のものではないというのは繰り返しお話しておきます。
 3つ目のフィットテストの件なのですが、医師向けにもいろいろな研修などありますので、そこで、あくまでもフィットテストにつきましては周知していきたいと考えています。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。潤間委員、何かございますか。
○潤間委員 御回答、ありがとうございます。特にございません。
○髙田部会長 ありがとうございます。オンライン参加の委員で、そのほか御発言ございますか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ハンドブックの改定案について、取りまとめいただきありがとうございます。いままで他の委員から改定案に対する様々な懸念の声があったかと思いますので、懸念の声を払拭するためにも改訂後のハンドブックについて、関係者に対する十分な周知・広報をいただきたいと思います。また、先ほど松尾委員から意見のあった費用負担の件も含め、ハンドブック改訂後のじん肺健康診断や管理区分の判定に関する影響等、逐次状況を把握した上で、必要に応じて本部会に報告をいただき、議論することが懸念の声の払拭にもつながると思いますので、その点、事務局にお願いしたいと思います。
 その上で、じん肺の発症者がゼロではないことや、一度発症すると、元の正常な肺に戻すことが非常に困難であるということを考えると、予防策の強化が重要であるということは言うまでもないことだと思います。先ほど事務局から前提の部分という回答がありましたが、厚労省においては、より防護性能が高い保護具の積極的な活用に向けた対策を講じていただくことや、じん肺有所見者に対する健康管理教育も含めて、様々なフェーズにおける教育の一層の推進をお願いしたいと思います。併せて粉じんの発生源対策や適切な呼吸用保護具の着用など、個別事業場におけるばく露防止対策について、都道府県労働局における技術的援助や、監督指導の強化をお願いしたいと思います。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。事務局、いかがでしょうか。
○佐々木労働衛生課長 佐々木でございます。御指摘ありがとうございます。今、頂いたもろもろを、取組をしっかり続けさせていただきながらも、このじん肺部会でも進捗状況、御報告できるものを報告し、また議論を積み重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。先に鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 すみません、ありがとうございます。くどいようですが、我々が言っているささいな小さいことが訂正、修正されなかったということに関しては、あえて申し上げておきますし、これは、いわゆる失敗のリスクというか、誤診を防ぐだとかそのような観点から発言、指摘をさせていただいたということなので、それが訂正されないということですから。ただ、50年も改訂をされてこなかった、これから何年改訂が、次の改訂があるのか分かりませんが、このハンドブックでもって、誤診なり見落としなりということが、これを活用したにもかかわらず起きるということに関しては、私はここの委員会なりこの部会というんですか、に責任があるということを、一応申し上げておきます。
○髙田部会長 ありがとうございます。事務局、お願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 正に誤診や見逃しがないように臨床において取り組んでいただくというところで、いろいろ表現も、強い表現も使わせていただきながら取り組まさせていただいているところでございます。もちろん、医学の不確実性というのはありますので、完璧かどうかと言われると難しいところはある。それは、今回の改訂があろうがなかろうが、それは前提としてあると思うのですが、できるだけそれを少なくする、そのような工夫の一環というようにとらまえていただけたらと思っています。
○髙田部会長 ありがとうございます。そうしましたら、川中委員、お願いいたします。
○川中委員 ちょっと確認なんですが、172ページの、先ほど来から議論になっている所ですが、粉じんばく露の提言措置に関して、この赤字で追記されている部分に関しては、前段の黒字で残っている部分、じん肺管理区分が管理2又は管理3と決定された労働者についてはという所に続く文章という理解でよろしいでしょうか。読み終わってどちらにも取れるのですが、一般的な予防ということで、全作業者向けに書かれている赤字の所なのか、あるいはじん肺管理区分等決定された労働者についてはという所から続く文章なのか、ちょっと読みにくいと思うのですが。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問ありがとうございます。こちらは、全体的な話になります。
○川中委員 そういうことですか。
○森川主任中央じん肺診査医 はい。
○川中委員 分かりました。ちょっと、私この文章を読んだときに、そういうことであれば私の理解が違っていたのですが、じん肺管理区分が決定された労働者については、このようなことを特にやりなさいと。例えばマスクのフィットテストであれば、アーク溶接作業や第三管理区分に分類されるような作業者、作業場所で作業していなかったとしても、このようなことをしなさいということを追加で言われてるのかなと思ったのですが、そういうことではないのですね。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 一般的な対策としてです。
○川中委員 分かりました。ありがとうございます。
○髙田部会長 そのほか、いかがでしょうか。松本委員、お願いいたします。
○松本委員 私も確認したい点がございます。管理区分の決定の流れについて、152ページにあります一度決まったお知らせのあった管理区分について、再審査を請求した場合に、その後、中央じん肺診査医の診断又は審査を受けることになるとなっており、その後、じん肺健康診断を実施した医師の診断と地方じん肺診査医の審査の結果が異なることもあるという続きになっています。健康診断をした者と地方じん肺診査医の結果は、もちろん異なっても普通のことかと思うのですが、再審査の請求をした場合は、この中央じん肺診査医の診断で審査で決定になるという理解で合っていますか。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問ありがとうございます。中央診査医の決定が厚生労働大臣の裁決になりますので、そちらが決定になります。
○髙田部会長 松本委員、お願いいたします。
○松本委員 どうもありがとうございます。最後の書き方が、じゃあ最後にどのような決定なのかが、ちょっと不明瞭だったので、確認させていただきました。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。飯田委員、お願いいたします。
○飯田委員 すみません、以前の説明で、CTの位置付けについて必須ではなく、エックス線で判断するのだが、じん肺であると判断するときには使ってもよいと説明を受けまして、じん肺ではないという判断には用いないという説明を受けたと記憶しているのですが、その内容はこのハンドブックの何ページに記載されてますでしょうか。
○髙田部会長 事務局、お願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 先ほどお話した71ページの所になります。
○飯田委員 すみません、71ページのどの文章がそれに当たりますか。
○森川主任中央じん肺診査医 【付】の所、参考2-2の71ページの【付】の所です。
○飯田委員 この文章の中の特にどこが。
○森川主任中央じん肺診査医 2段落目。
○飯田委員 2段落目。
○森川主任中央じん肺診査医 「ただし、CT画像を、じん肺健康診断の際にCT検査の限界も考慮しつつ、参考資料として閲覧して、特にじん肺所見があると総合的に判断する場合には、利用して差し支えない」になります。
○飯田委員 特にじん肺所見があると総合的に判断する場合にはという所ですね。分かりました。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございました。そのほか、軽微なことでも構いませんので、何か御質問等ございましたら、この機会にお願いいたします。よろしいでしょうか。研究班の先生方、御参加いただいておりますが、何かコメントはございますでしょうか。もしコメントがある先生いらっしゃいましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。ただいま、このじん肺診査ハンドブックにつきまして、好中球エラスターゼの問題、それからCTの取扱いに対しての危惧ということも御指摘いただいております。そのような点につきましては、厚生労働省で十分に検討していただきまして、きちんと運用されるように周知等も積極的に進めていただきたいと思います。また、粉じんばく露の低減措置につきましても従来から行っておりますが、大変重要なことになりますので、こちらもこのハンドブックと関係なく、しっかり進めていただかなければいけないことだと思いますので、是非、よろしくお願いいたします。
 それでは、「じん肺診査ハンドブックの改訂について」、これまで頂いた御意見を踏まえて、この形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
 ありがとうございます。そうしましたら、最終的な公表に向けまして、事務局のほうで作業を進めていただきたいと思います。
 それでは、続きまして議題(2)について事務局から説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 今回特にございません。
○髙田部会長 ありがとうございます。それでは、その他、本日の議題にかかわらず、御意見等ございましたらお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。最後に、事務局から事務連絡等があればお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 本日は御議論ありがとうございました。本日の議事録につきましては、御出席の皆様に御確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきます。次回は3月25日(水)、10:00から開催いたします。
○髙田部会長 ありがとうございます。以上で、当部会の議事は全て終了いたしました。本日もお忙しい中御参集いただきましてありがとうございました。特に研究班の先生、御参加いただきましてありがとうございました。