第209回社会保障審議会医療保険部会 第9回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会 (ペーパーレス)合同開催 議事録

日時

令和7年12月25日(木)9:58~12:11

場所

航空会館7階大ホール 港区新橋1-18-1

議題


1.医療保険制度改革について

 

議事

議事内容
○姫野課長 それでは、定刻前ではございますけれども、皆様おそろいのようでございますので、ただいまより第209回「医療保険部会」・第9回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」を合同開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 今回、今申し上げましたとおり、先日、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会で取りまとめられました「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方」を踏まえて、高額療養費制度の具体的な見直しについても議論いただくということでありますので、両会の合同開催とさせていただいております。
 本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は、本日は医療部会の任委員、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の山内委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、医療保険部会の内堀委員、専門委員会の井上委員より途中退席との御連絡を、伊奈川委員より途中一時退席との御連絡をいただいております。
 本日の会議は、傍聴希望者向けにYouTubeにおいてライブ配信を行っております。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。医療保険部会の任委員の代理といたしまして、木澤晃代参考人の出席につき御承認を賜れればと思いますけれども、いかがでございましょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、早速議事のほうに入ってまいりたいと思います。
 本日は「医療保険制度改革について」を議題といたします。
 事務局より資料が3点提示されておりますけれども、まず資料1-1について説明と質疑を行いたいと思います。
 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
 なお、議論の時間をしっかりと確保するため、事務局におかれましては、ポイントに絞って簡潔に御説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
○姫野課長 ありがとうございます。
 それでは、資料1-1につきまして御説明いたします。
 前回空白になっておりました高額療養費制度の見直し、それから、OTC類似薬についての見直しについて今回記載をしております。また、前回いただいた御意見を踏まえて修正をした点、そこに絞って御説明をしたいと思います。
 まず1ページでありますけれども、最初の柱書きの部分、中長期的にあるべき姿から逆算した必要な政策、全体像を示すと。この点が極めて重要だという御指摘もいただきましたので、「重要である」の前に「極めて」という表現を追加しています。
 また、2ページの2つ目のパラグラフでありますが、予防・健康づくりに向けた取組について、個人の責務あるいは行動変容に向けた踏み込んだ表現を行うべきといった御意見をいただきましたので、「予防・健康づくりに向けた個人の行動変容のさらなる後押し」という表現を追加しています。
 その下、4つの視点を記載しておりましたけれども、ここの1から4番までの順番について少し修正すべきではないかという御意見もありましたので、この点を修正し、セーフティネット機能についての記述を一番最初に持ってきています。
 続いて、3ページからセーフティネット機能の確保ということで、高額療養費制度見直しについての記述を追加しています。
 まず1つ目のパラグラフにおきまして、本年5月から専門委員会を設置し、計8回にわたり議論を行ってきたということ、その中では患者団体の方などのヒアリング、また、データを踏まえた議論など多角的、定量的な議論を行ってきたということに触れています。そして、医療保険部会でも適時報告をしながら全体感を持った議論を進めてきたということ。そして、次のパラグラフですけれども、専門委員会において基本的な考え方を12月に取りまとめたという経過を記載しています。
 また、前回の当部会で外来特例をはじめとする制度改革について、当事者の方からのヒアリングを行いましたけれども、その記載もここに追加しています。
 こういった点を踏まえまして、一番最後のパラグラフですが、専門委員会でまとめられました基本的な考え方を十分に踏まえていく必要がある、そして、ヒアリングで指摘された諸点も真摯に受け止め、高額療養費制度の意義や制度概要・重要性などを分かりやすく周知していくことも必要であると整理をしています。
 続きまして、6ページになります。これは出産の保険給付の部分ですけれども、1つ目のパラグラフ、「その場合、」というところでありますが、前回は双方の合意と納得の下に自由に設定されるべきものであるということでこのパラグラフを締めてございましたけれども、やはり契約についても実質的に費用の見える化を担保するような措置が必要ではないかという御意見がありましたので、その点を追加しています。
 続きまして、次のページでありますけれども、中ほどです。妊婦に対する現金給付を法律に根拠を置く制度として設けるのであれば、法案化に向けて具体的な金額設定との兼ね合いで法的性格を明確にすべきであるといった御意見をいただきましたので、追加しています。
 続いて8ページ、これも中ほどでありますけれども、妊娠85日以降の早産・死産などについても対象とすべきといった御意見も追記をしています。
 続いて9ページでありますが、最初のパラグラフ、具体的な給付水準が保険財政と、前回、産科医療機関の経営の双方に与える影響と記載しておりましたけれども、助産所なども含まれるということで、「分娩取扱施設」と表現を変更しています。
 また、その次のパラグラフ、「経営実態も考慮して定期的に検証」と記載しておりましたが、必要に応じた見直しも重要であるという御指摘もありましたので、必要に応じた見直しということも追記をしています。
 また、次の10ページでありますが、前回記載しておりませんでしたが、協会けんぽにおける予防・健康づくりの取組、こういったことも当部会で議論させていただいておりましたので、記述を追加しています。
 それから、飛びまして13ページ、高齢者の窓口負担の部分でありますけれども、いただいた御意見を一部追加しています。中ほどにありますが、年齢区分の引上げについて、将来的な方向性としては理解するが、いきなりではなく段階的にすべきではないかといった御意見をいただきましたので追加しています。
 続いて、17ページからOTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの部分であります。前回ここは空白になっておりましたが、追加をしています。
 骨太の方針ですとか、公党間での合意を踏まえて見直しの検討をしてきたということからスタートしておりますけれども、見直しに当たっては3つほど論点へ掲げております。医療機関における必要な受診を確保した上で、どのような保険給付の見直しが考えられるか。見直しに当たって、どのような患者について配慮が必要か。また、OTC類似薬の範囲についてどうするか、といった議論を行ってきたという経過を記載しております。
 1つ目の論点につきましては、保険給付の見直しに当たって、保険適用除外としてしまうと患者の自己負担が増えたり、あるいは医療機関受診というものが重要であるという視点もあるという御指摘もあり、保険適用としつつ、例えば、保険外併用療養のような形で別途負担を求める仕組みも考えられるのではないかといった御意見をいただいたところです。
 下のパラグラフですが、「これらの意見を踏まえ、」ということで、OTC医薬品で対応している患者と、OTC医薬品で対応できる症状にもかかわらず医療用薬品の給付を受けている患者との公平性を確保するという観点から、薬剤を保険適用としつつ、薬剤費の一部を保険給付の対象外とし、特別の料金を求める新たな仕組みを保険外併用療養費の中に創設すべきであるという形で整理をしています。
 次のページに特別料金についての考え方として、低所得者にとっても負担が過重とならない水準、また、長期に療養しており既に医療費負担が重い方にも配慮すべきであると整理をしています。
 ②配慮が必要な方の範囲という部分ですけれども、特別な料金を徴収しないように配慮すべき方については、医療費助成が広く行われているこどもですとか医療費に着目した公的な支援を受けている方、長期に利用を必要とされる方、入院患者等を提示して議論したところであります。この点についても御議論いただきましたので、その意見を踏まえて、以下のような者については特別の料金を徴収しない方向で検討を進めるべきであるという形で、幾つか対象となる方を例示して整理をしています。
 3番目の範囲につきましては、医療用医薬品とOTC医薬品では、有効成分が一致していても、用法・用量など様々違いがあるということで御議論いただきました。御意見の中でもこういった違いについて指摘をいただきましたし、また、できるだけ広く対象とするという中でも、こういった用法・用量、効能・効果等の違いを踏まえて検討すべきであるという御意見をいただいています。
 次のページ、「これらの意見を踏まえ、」ということで、特別の料金の対象となる医薬品の範囲については、成分が同一の医療用医薬品のうち、最大用量や投与経路、効能・効果を考慮して代替性が高いと思われるものを対処すべきだと整理しています。
 また、患者団体のヒアリングも行いましたので、その際にいただいた御意見も記載しています。
 その下のパラグラフ、実施に向けた技術的な検討という部分でありますけれども、具体的な対象薬品の範囲ですとか、医療上の必要性の判断の考え方、こういった点については専門家の意見を聞きつつ技術的な検討を行うべきと整理をしています。
 次のページですけれども、「今後、」ということで、セルフメディケーションあるいは医療用医薬品のスイッチOTC化、こういった取組で環境整備を進めるとともに、対象となる医薬品の範囲の拡大や特別な料金の変更について、施行状況を十分把握・分析した上で丁寧に検討すべきであると整理をしています。
 続いて長期収載品の関係ですが、21ページです。2つ目のパラグラフの「これらの意見を踏まえ、」の後ろに、後発医薬品の安定供給の重要性の御指摘を前回もいただきましたので、その記載を追加しています。
 また、次のパラグラフでバイオ後続品、バイオ医薬品についての定義、説明を注釈で追加しています。
 それから、またページが飛びまして、25ページでありますが、医療保険部会で議論させていただいた効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療の取扱いについて、これについてもしっかりと記載をすべきであるという御指摘もいただきましたので、25ページから26ページにかけまして記載をしているところです。
 最後31ページ、「おわりに」の部分でありますけれども、一番最後のパラグラフ、今後の制度改革に向けた取組の部分で、厚生労働省における十分な準備期間の設定あるいは支援、丁寧な周知が必要であるという御意見をいただきましたので、一番最後の4行にそういった趣旨を追加しています。
 説明は以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら、挙手にてお知らせいただければ幸いです。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いでございます。
 では、早期に御退出なさるということで、内堀委員、よろしくお願いいたします。
○内堀委員 田辺部会長、ありがとうございます。
 全世代型社会保障の構築に当たっては、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットという役割を決して損なうことのないよう十分留意をした上で、増加する社会保障給付の重点化や効率化を含め、持続可能性を高めるための制度見直しに引き続き取り組むことが不可欠であるということが、全国知事会としての基本的な考え方です。
 その上で、高額療養費制度及びOTC類似薬を含む医療保険制度改革全般について3点申し上げます。
 1点目です。給付の在り方の見直しに係る制度設計に当たっては、国民や事業者の過度な負担や急激な変化が生じることのないよう、十分な配慮を行うとともに、社会全体で納得感を得られるよう、患者団体をはじめとした関係団体等の意見を踏まえ、丁寧に検討を進めるようお願いします。
 2点目です。制度が見直されることにより、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、特に低所得者、高齢者、難病患者、慢性疾患患者等に十分に配慮した制度の在り方を検討していただくようお願いします。
 3点目です。今般の見直しを行う場合には、地方自治体や保険者のシステム改修等も見込まれます。このため、現場で混乱が生じることのないよう、早期の情報提供や意見聴取により、実情を十分に踏まえた制度設計としていただくとともに、必要な財政措置を確実に講じていただくようお願いします。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、横本委員、よろしくお願いいたします。
○横本委員 私から議論の整理案を踏まえまして3点発言いたします。
 まず、今回の議論の整理に基づき、確実な改革の実行をお願いしたいと思います。その際は、従来から申し上げているように、国民に対して改革の必要性を丁寧に説明し、理解を得ながら進めていくよう政府にお願いいたします。
 2点目として、高齢者の窓口負担の在り方など、今回継続検討となった事項につきましても、医療保険制度の持続可能性や現役世代の負担軽減などの観点から、改革を実施する方向で、来年には結論を得ていくことが重要と考えます。
 最後に、負担能力に応じた負担という視点が今回の議論でも重視されました。この点、経団連が公表しております「FUTURE DESIGN 2040」では、税・社会保障一体改革での議論を視野に入れ、フローに加え、ストックも含めた負担能力の把握に向け、マイナンバーと銀行口座等のひもづけを義務化すべきと主張しております。真に公正公平な制度の基盤の構築に向けて、政府全体での取組を加速させていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
 一時退席する関係で、高額療養費の関係も含めて発言をさせていただければと思います。
 まず、今回の取りまとめ全体についてですけれども、丁寧にいろいろな意見をまとめていただいていると思いまして、私は非常に好意的に受け止めております。
 やはり健康保険法第2条の理念というところに書いてありますように、状況が変化する中で常に検討を加えて総合的に対応していく必要があるということでありますので、またさらに議論を重ねていくということが重要だろうと思っております。
 そういった点でいきますと、引き続き検討となっております高齢者の負担問題について一言申し上げたいと思います。平均値ではなく、高齢者の場合は所得、健康状態も含めて非常にばらつきが大きいというところが特徴だろうと思います。かつ、今後、被用者保険の適用拡大、その一方においては非正規の就職氷河期世代の問題などもあったりいたしますので、そういったところが今後どうなっていくのか、そういった点も中長期的な視点から考慮に入れながら考えていく必要があるのだろうと思っております。
 また、これまで定率の一部負担というのは、どちらかというと応益負担的に捉えてきたと思いますけれども、現在の状況から言いますと、場合によれば1割は国民共通の一種の参加費みたいな応益負担、そして、それを超える2割、3割といった部分というのは、場合によれば所得再分配効果も含めて、所得の観点からいかに公平に負担をお願いしていくかといった視点も入れながら、かつ高額療養費なども含めて総合的に考えていく必要があるのではないかと思っております。つまり、高齢者の負担だけを単品で取り出すのではなく、いろいろな負担の中のベストミックスということを考えていく必要があるのかなと思っております。
 そういった点から言いますと、高額療養費というものはやはりセーフティネットとして非常に重要なわけであります。そういった中で、今回、年間の上限のようなものというのはやはり必要なのだろうと思っております。各月あるいは多数該当といったところでカバーできない部分があるのであれば、年間上限といったことで対応していくという発想というのは、分野は違いますけれども、労働関係では残業に関する時間外労働の上限規制がございますけれども、そちらのほうも年間の上限、こちらは逆に2月から6月間の複数月の平均の時間、80時間以内の規制といったものもあったりしますので、上限と月々の平均みたいなところ、両方の視点で考えていくのがいいのかなと思っているところであります。
 私からは以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがですか。
 では、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、これまでの多岐な意見をまとめていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 この議論の整理は全体的には異論ございませんけれども、全体をもう一度読み返してみての印象をコメントさせていただければと思います。
 まず、議論を通じて感じたことは、やはりこれまでの医療保険制度が大きな転換点にあるということだと思います。そういう意味で、今回のこの議論の整理の冒頭に中長期的にあるべき姿から逆算した必要な政策、理念及び全体像を示していることが国民の理解・納得感を得るためにも極めて重要であるということ、また、「はじめに」のところに書かれています4つの視点は、これを踏まえて議論を行ったということの意義が大変大きいと考えております。
 一方で、各論のテーマになりますと、やはり多様な当事者の方から多様な立場の御意見がたくさん出て、なかなかに難しい課題ばかりであるなと感じております。医療保険制度の見直しというのは、ある意味痛みを伴うことばかりでございまして、先ほど伊奈川委員の御発言にございましたけれども、言わばこの痛みの分かち合いを決めるということになるのだろうと思っております。
 ただ、そういう中でも、今後の対応を考えるに当たっては、やはり今までの考え方では対応できないということを前提に、給付、また、負担のそれぞれについて見直しを実行していくしかないことも事実だと思いますので、健保連の立場としては、これまで言われてきました給付は高齢者中心、負担は現役世代中心、この考え方を大きく変えていく必要があるということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 全体としては大変よくできている。この前も申し上げましたが、順序を変えていただいて、我が国の医療保険制度の誇るべき点である高額療養費制度のことを最初に持ってきていただいたということで、非常にすっきりしたと感じております。
 何点か私から申し上げたいことがございます。一つは高額療養費制度の特に後期高齢者医療についてですが、後期高齢者については金融資産を窓口負担や保険料に反映させるということで何となく皆さんが合意してしまったようです。私自身としては、なぜ後期高齢者なのかということには大変こだわっております。それから、ほかの制度との整合性ということをぜひ考えていただきたい。次回、金融資産をどうするかということが討議の対象になると思うのですが、金融資産を社会保険の対象にするというのはこれまでになかった画期的なことなので、その枠組みとか体系づくりについて慎重に考慮していただきたいと考えております。
 金融資産を保険料とか窓口負担に反映させるということによって、一番影響を受けるのは中くらいの所得層だと思うのです。何となく富裕層から取るというような発想があるのですが、実際のところ、後期高齢者の場合、高所得者は既に窓口負担は3割になっていますし、かなりの保険料を払っている。ですから、こういうふうに制度を変えることによって一番影響を受けるのは、1割負担だった人が2割になる、2割の人が3割になるというぎりぎりの線で負担が増えるという方たちだと思いますので、もし金融資産を考慮に入れるとした場合には、そのはざまにあるようなボーダーラインの人たちについて特別の配慮をしていただきたい。
 それから、細かいことですが、7ページのところで双子と書いてあったのですが、3つ子もありますね。これは多胎児にしたほうがいいのではないかと思います。
 それから、18ページのOTC類似薬のところですが、徴収をしないものとしてこどもというのが挙がっていますが、これは年齢をどう考えるのか。例えば大学生などはどうするのかですね。実際に難病を抱えて子育てをしていらっしゃる方の中には、お子さんが大学生とか専門学校に行っているとか、そういう方もいらっしゃるので、この辺りはどう考えるかということもぜひ御配慮いただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 議論を整理された部会長並びに事務局の皆様に対し、感謝いたします。
 また、前回申し上げました健康づくりに向けた行動変容や低価値・無価値医療の問題について追記修正をいただき、ありがとうございます。
 今後、本整理案にも記載があるとおり、国民理解を得るための周知や広報が一層重要になると思います。以前も申し上げましたが、商工会議所や法人会での経験などから、支え合いによる保険制度の趣旨や負担と給付の現状などを理解すれば、多くの方が能力に応じた負担や健康づくりのための行動変容の必要性を理解されます。むしろ見直しを進めてほしいという意見も多くございます。周知に当たっては、単に変更内容を広報するだけではなく、保険本来の意義やデータ、事実に基づく客観的状況、若い世代に偏る負担構造などをより積極的に説明することが必要だと思います。
また、負担の見直しと併せて、医療機関の業務効率化も重要度が増しております。本整理案にも様々な施策が記載されておりますが、これらの施策が実効性のある取組となるよう、継続的な検証と推進をお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、林委員、よろしくお願いします。
○林委員 ありがとうございます。
 先ほど来ありますけれども、部会長をはじめ、事務局の皆さん、これまでの議論、意見を整理していただきまして、ありがとうございました。労を多としたいと思っています。
 連合としては、公平で持続可能な医療保険制度にしていくことが必要と考えておりまして、その観点から、これまでの発言と重複する部分はありますけれども、幾つかコメントさせていただければと思っています。
 まず、高額療養費制度についてです。見直しの必要性については一定理解するものであり、この間の議論を踏まえた内容と受け止めています。一方で、重要なセーフティネット機能である高額療養費制度の役割、社会保険加入への納得性の確保という観点から、各所得区分の自己負担上限額において応能負担を強めるということは問題と考えておりますので、今後は国民、患者の納得や理解を得られるよう、どういった制度なのかということはもとより、今回見直しをした趣旨も含めて丁寧に説明し、対応いただくようお願いしたいと思っています。また、見直しによる影響を注視し把握することも必要だと思いますので、制度を利用している方にとって負担感がどう変化したのかなどについて分析したデータも今後示していただければと考えます。
 標準的な出産費用の無償化に向けた制度の創設については、連合はかねてより、希望する人がどの地域であっても安全・安心にこどもを産み育てることができる環境整備に向けて、負担軽減を講じつつ、正常分娩を含めて保険適用すべきだと求めてきたところですので、今回、標準的な出産費用の無償化として、保険診療以外の分娩対応に要する費用を全国一律の水準で現物給付化し、妊婦の自己負担が生じない仕組みとすることは高く評価しています。今後、費用の見える化をしながら、具体的な制度設計を着実に進めていただきたいと思います。
 OTC類似薬を含む薬剤の自己負担の見直しについてです。患者に追加負担を求める方向性が示されていますが、対象品目や要配慮者の対象など、詳細の決定に当たっては、国民、患者の理解や納得が得られるよう、その影響を十分に検証しながら丁寧に議論するとともに、議論過程における透明性を担保することも必要と考えています。
 医療機関における業務効率化、職場環境改善の推進について、医療提供体制の確保に向けては、継続的な処遇改善と勤務環境の改善による人材確保が不可欠です。業務効率化は重要ではありますが、それに伴い人員配置基準を緩和しないよう、真に働く者の負担軽減に資する取組につながるようお願いしたいと思います。
 最後です。高齢者医療における負担の在り方については、窓口負担割合や現役並み所得者の判断基準の見直し、金融所得の勘案が示されていますが、介護保険における利用者の負担増の議論などを踏まえ、丁寧な検討が必要です。連合としては年齢別から支払い能力に応じた負担の在り方へ転換することが必要と考えておりますので、高齢者医療制度の抜本改革、トータルでの所得捕捉の方策と併せてすべきと考えます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 ありがとうございます。
 全体的に非常に大きな制度変更がこれから行われていくということなので、制度変化の影響を、政策効果とか、もちろん望ましくない副作用みたいなことも含めて、全体的に客観的に把握できるように、それから、様々な立場の研究者がデータに基づく実証研究を行って、その結果について自由に議論が交わされるような状況であることが望ましいと思うので、そういった多様な研究者による政策評価が行えるようなデータ整備を引き続きお願いしたいと思うところです。
 あとは、ちょっと細かいところになってしまうのですけれども、長期収載品の選定療養の在り方について、前回の議論で、医師が判断した場合は選定療養の患者負担がなくなるという点について、やはりきちんとした基準が必要ではないかという御指摘が佐野委員からありまして、私もそのとおりだと思うのです。なので、細かい例外規定みたいなところできちんとルールを設けていくということ、細かい点についてエビデンスに基づく指針が示されていくことが大事だと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、實松委員、よろしくお願いいたします。
○實松委員 
 私からは、後期高齢者医療広域連合の立場から、高額療養費制度の見直しについて意見を申し上げます。
 高額療養費制度ですけれども、医療費負担が高額になりやすい後期高齢者の受診機会を確保し、年金を主な収入源とする方々の生活を支える極めて重要なセーフティネットであり、医療保険制度の中で大きな役割を果たしてきたものと認識しております。
 今回、専門委員会において、患者団体を含む多様な関係者の参画の下、データや具体的事例に基づく議論を経て、見直しの基本的な考え方が整理されたことについては、一定の意義があるものと受け止めております。
 また、見直しの方向性として、多数回該当の限度額は維持する一方、外来特例を含む多数回該当以外の限度額の引上げや所得区分の細分化、段階的な施行などが検討されております。多数回該当の限度額を維持することや年間上限を設ける考え方については、長期療養患者への配慮として、後期高齢者医療の現場からも一定理解が得られるものと考えています。
 しかしながら、後期高齢者の多くは年金を主な収入源としております。外来受診を日常的に必要とする方も少なくありません。外来特例の限度額引上げや所得区分の見直しによる月々の自己負担増は、金額の大小にかかわらず、受診行動や生活に影響を及ぼすおそれがある点については十分な配慮が必要であると考えております。特に、外来特例は慢性疾患を抱えながら継続的に医療を受けている後期高齢者にとって医療へのアクセスを下支えしてきた制度であり、その役割を十分踏まえた慎重な検討をお願いしたいと考えています。あわせて、制度の複雑化により被保険者にとって分かりにくい制度とならないよう、分かりやすい説明と十分な周知をお願いしたいと思っております。
 高額療養費制度の見直しに当たっては後期高齢者の生活や受診機会への影響を丁寧に検証し、拙速な負担増とならないよう、引き続き慎重な検討を要望いたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、田島委員、よろしくお願いします。
○田島委員 ありがとうございます。
 まず、医療保険制度の持続可能性を確保するという観点から、給付と負担の在り方について幅広く丁寧な議論を重ねてきたことにつきまして、評価を申し上げたいと存じます。
 高齢者の窓口負担割合の在り方につきましては、世代内、世代間の公平の確保という観点から、年齢によらない真に公平な応能負担の実現という基本的な考え方について理解をしております。年齢階級別の一人当たり医療費が増加する一方で、自己負担額が減少するという状況が生じており、こうした逆転現象の解消は現役世代の負担軽減のためにも避けては通れない課題であると認識をいたしております。
 一方で、町村部におきましては、農業や漁業など一次産業に従事している高齢者の割合が高く、こうした方々は定年がなく、長く働かれる一方、天候や市況により所得が変動しやすいという特性があります。そのため、制度の具体的な設計に当たりましては、急激な負担増による受診控えが起きないよう、高齢者の生活実態や地域医療への影響を十分に考慮したきめ細やかな対応をお願いしたいと思います。
 そういった中で、持続可能な国保制度の実現は喫緊の課題であり、財政の安定化を念頭に給付と負担のバランスに配慮した制度としていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 今回の医療保険制度改革の検討テーマ、どれも絶対的な正解がないという中において、大変難しい議論を皆さんでさせていただいたということであると思いますし、それを事務局のほうで今回整理をしていただいたということに感謝したいと思いますが、私のほうから何点かコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、高額療養費制度に関してですが、これに関しては、専門委員会も含めて、多くの実際にこの制度を利用しておられる方々からの御意見とか、また、保険者の方々、様々な方々の御意見を拝聴させていただいたという過程を経た上での取りまとめということであろうと思いますし、その考え方の方向性、具体的な考え方に関しては、事務局、また、政府におかれまして何度も何度も検討されて、そして、議論をされた結果のものであろうと思っています。これに関しては、また後ほど具体的な説明もあるということです。
 続きまして、4ページの出産に関する支援の強化に関してですが、今回、これまでの議論を踏まえまして、自由診療と出産育児一時金によって行われてきた現在の出産の対応を、出産に対する現物給付化、そして、出産によって派生する保険診療部分を組み合わせて、さらに妊婦さんに対しての現金給付を追加で行うという制度設計の骨格が事務局から示されたということであろうと思います。
 妊婦さんが安心して出産できる出産の無償化を目的とする制度設計であるということは十分に理解しているわけですが、同時に、この制度変更によっても全国の分娩施設が従来どおりにしっかりと運営ができるという制度設計でなければならないということは言うまでもないと思います。現在、自由診療で成立している全国の分娩施設が制度変更後も運営していけるかどうかということは、現物給付、そして、妊婦さんへの現金給付、それぞれの水準にかかっているということを医療現場の参考人の方々から御意見としてお伺いしています。また、我々はこういう議論の状況に関して、現場の分娩施設の先生方から多くの不安のお声もいただいているということもございます。
 こういう状況を鑑みますと、まだまだ制度の詳細までは決まっていない現状において、この制度変更によって現場への影響がどのように出るのかということに関して不明な点も多いということで、その点、強く懸念せざるを得ないなと思っているところです。
 もしこの制度変更によって地域の周産期体制にゆがみが生じるようですと、妊婦さんが安心して出産できなくなる状況も起こり得るということを考えますと、絶対にそのような状況が生じないような制度設計、設定をするように厚労省のほうには強く求めたいと思います。
 つまり、妊婦さん、分娩施設の双方にとってこの制度変更が安心して安全な分娩につながるということが実感できる制度にする必要があるということで、これは言うまでもないかなと思っています。その際、現場に混乱が生じないような水準の設定等を行っていただいて、慎重な制度の開始、頻回な現場への影響の検証等、そして、適時適切な対応を強く求めたいと思います。
 繰り返しになりますが、新たなこの制度が妊婦さんの経済的な負担を軽減して、こどもを産みたいという思いにつながる制度であるということ、そして、地域の周産期医療の体制を守る分娩施設、特に一次施設において分娩を引き続き頑張ろうと思える制度にする必要があろうと思いますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、17ページからのOTC類似薬の件でますが、これに関しても、本部会の議論において様々な課題があるということを申し上げてまいりましたし、患者代表の方々のヒアリング、また、その他の委員の方々からも同様の御発言があったと思います。
 今回、健保法の附則にある自己負担割合は維持されましたが、負担の公平性の観点から特別の料金が追加で徴収されるということになっています。これに関しては、今回、同時に長期収載品の選定療養の負担率というものも2分の1に引き上げられますので、両制度にまたがる薬剤等もあろうと思いますし、その点も踏まえた上で、自己負担限度額があまりにも過重にならないように、丁寧な制度設計、また、制度の運用をお願いできればなと思っています。
 そして、最後になりますが、これは国民健康保険組合に係る見直しということで、29ページからですね。これまでこの提案に関してはあまりにも唐突なものであるということから、導入には当会として反対してまいりましたが、今回特に修正がなされなかったということに関しては大変遺憾に考えています。しかし、これはこのような記載になっていますので、今後見直しが行われた場合には、補助率引下げの対象となった組合の実態について、厳しい運営となっていないかどうか等、しっかりと検証を行っていただきたいと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、様々な御意見を取りまとめていただきまして、非常にありがたいなと思って内容を見ておりました。
 医療保険制度において、現役世代の負担軽減を考慮しつつ、必要な制度変更に対しては国民に対する十分な説明が必要だという皆様方の意見には賛同いたします。
 その中で、分娩に関して今回いろいろ新しい制度をつくろうということですが、まずは産婦人科学会の協力というのが絶対必要だろうと思います。発言の中では基本的には反対ですというような発言がありましたが、そこが重要だろうと思っております。
 それから、城守委員もおっしゃったように、周産期医療の内容が崩壊するということにならないような制度設計をきちんと行わなければならないと思っております。そういう事態になれば乳幼児死亡率が高まって、そうなると平均寿命が下がってくるという事態が起こってまいります。
 それから、無償化という方向で制度の話を進めておりますけれども、これがきちんとした国民の理解とともに、それから、制度的にもある準備期間の後に一斉にスタートするというようなことがなければ、片や自由診療をやっていて、片や無償化の施設があるということになれば、当然普通の方は無償化したところに行って、自由診療でやっているところには集中しないということが起こり得るだろうと思いますので、その辺も十分考慮して制度設計を行っていくべきだと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、今までの多くの議論を議論の整理案としてまとめていただきましてありがとうございます。
 前回ペンディングとなっていましたOTC類似薬の保険適用についての部分で、後ほどほかにも資料が出ておりますけれども、議論の整理という部分の記載の中で少し触れさせていただければと思います。
 実施に向けては国民の理解が得られるようと記載されているところなのですけれども、実際に薬剤を交付する薬局においては、選定療養導入のときもそうだったのですが、説明するだけではなくて、納得していただかなければならないという状況にあることを十分に考慮していただきたいと思っております。
 また、併せてですけれども、現場が対応に悩むことのないように、明確でシンプルな制度としていただくことはお願いしておきたいと思います。先ほど城守委員からもあったのですけれども、対象となってくる医療用医薬品は何なのかということについて、選定療養のの対象医薬品も変わる部分もありますし、今回の部分に関しても、医療用医薬品として、何が対象なのかという部分を早くからしっかり周知していただきたいことと、要配慮者であるか否かの判断が正確にできるように、現場に必要な周知をお願いしたいと思います。
 その上で、現時点で2点ほどお考えがあれば確認させていただきたいのですけれども、1点目は18ページの配慮の必要な方の範囲のところで、一番下の○の2つ目に慢性疾患とくくられて記載されていますけれども、現在、様々な公費が疾患に適用になっている場合であったり、被ばくの方々等もそうですけれども、人に対して適用になっている公費であったり、また、公費の適用自体がなされていない慢性疾患があったり、それぞれの場合があります。これらに対して要配慮者という部分をどのように位置づけるのかということをどのように考えておられるのかという部分があればぜひお教えいただきたいと思います。
 それと、もう一つは、19ページで本制度の実施に向けては、専門家の意見を聞きつつ技術的な検討を行うものとされておりますけれども、今後、実施に至るまでの協議の進め方であったり、スケジュールであったり、後の資料に実施が令和8年度中と書かれていますけれども、この辺りの実施時期についてのお考えが現段階であれば、2点お教えいただければと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 2点ほど御質問がございましたので、回答をお願いします。
○姫野課長 御質問ありがとうございます。総務課長でございます。
 まず1点目、慢性疾患の患者様ということで整理をさせていただいておりますけれども、御指摘のとおり、公費負担医療にも様々な種類があるかと思いますし、また、公費負担医療には対象となっていない慢性疾患の方もいらっしゃるかと思います。そういった意味で、ここではかなり定性的な記述にしておりますけれども、現場での判断がしやすいように外形的にどういうメルクマールを出せばいいのか、また、医学的な必要性の判断の考え方についてはどのようなガイドラインを出せばいいのか、そういった点も含めて、専門家の意見も聞きながら検討していきたいと思っています。
 また、2点目、スケジュールのお話もありましたけれども、令和8年度中の実施ということで骨太の方針などでも定まっておりますけれども、準備期間も相当程度必要であろうと思っております。後ほどの資料にもありますけれども、新たな保険外併用療養費制度を設けるということで、法改正も含めて検討しなければならないと思いますので、まずそういった制度的な見直しをして、その上で8年度中、実際には令和9年3月を想定しておりますけれども、そういったところまでに具体的な基準も専門家の意見を聞きながら設定し、また、現場での周知期間も含めてスケジュールを十分に確保していきたいと思っています。
○田辺部会長 よろしゅうございますでしょうか。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 協議の進め方や、それによる手続であったりが、多く発生してくると思いますので、早め早めの御対応をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 それでは、兼子委員、よろしくお願いします。
○兼子委員 私は全国にある400万足らずの会員ですけれども、老人クラブの役員として代表として参加しております。
 老人クラブというと、昔はゲートボールと老人クラブはイコールとみられ、いつも朝からカンカンうるさいのではないかとか、いろいろ批判があったわけですけれども、今はそういった特定の種目に偏るのではなくて、非常に多様な形で健康活動、それから、健康学習、地域活動こういったことを進めておりまして、私は地域での役員もやっておりますので、本当にこの会議には今年は2度ぐらいしか直接顔を出せず、あとはウェブ参加だけで大変失礼したと思っております。
 幾つかこれまで申し上げてきたことと重複する点もあろうかと思いますが、最初に申し上げたいと思っていますのは、応能負担の考え方についてです。いろいろ御批判もあったかと思いますけれども、私は税と社会保障はやはり今の社会において所得再分配機能を果たしていく、所得の低い方たちの生活を底上げしていくということを大きく支えるものですので、ここのところがどうも私は納得できない点がございまして、社会保険についても長期的、将来あまり長期でも困るのですけれども、累進的な負担にしていく必要があるのではないかということを申し上げてきたところです。
 ここのところが変わらない中で高額療養費の問題や高齢者の窓口負担の問題、これは高齢者に限らないとは思っておりますけれども、その問題が解決しないままここに手をつけていくということは、一層矛盾が大きくなるのではないかと思っております。
 高齢者の窓口負担の問題については、対立構造にならないような在り方というのをどうしても考えていく必要があるだろうと。そうすると、私自身は所得の問題、これは給与所得の問題と、それから、一般庶民のところはほとんど考えられませんけれども、やはり富裕層、超富裕層と言われる人たちの資産から生まれる所得、こういったものを総合的に見ながら負担していくような在り方が考えられないとまずいのではないかと思っております。
 そんな点で、まだまだ物価の高騰も進んでおりますし、現役世代の所得の問題も大きな企業と中小零細企業、その他、農林水産業の方たちとか、商店の方たちとか、そういった方たちのことを考えますと、手をつけるには、この点については、窓口負担あるいは高額療養費、むしろ底辺を支えていく上では、もう少しこちらのほうに負担が軽減されるような改革ということがこれからの大きな課題ではないかと思っております。
 それから、金融資産の問題についても、前回発言いたしましたけれども、最初に申し上げたことと関わることになるわけです。一般国民から見て富裕層、超富裕層、こういう方たちが毎年少しずつ増えておられる。それから、その人たちの占める所得とか資産というのが非常に大きなものになっていて、一般庶民のところはむしろ厳しいところがあまり変わらない。そういう段階で提案のような金融資産を勘案するということも大変残念なことだと思っております。
 それから、OTCの問題についても、やはり考えなければならないのは、中間層以上の方たちは様々な形で学習する機会、それから、情報を取得する機会があるのだろうと思います。しかし、所得の底辺のところの人たちについて言えば、生活に追われるなどでそういう情報もなかなか得られない。OTCというのは何なのか。お医者さんからもらう薬は何なのか。その辺の違いもよく分からないで、これまで保険給付の対象だったものが外される。この辺についても、私は矛盾が大きくなっていくのではないかと思っているところです。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、議論の整理案を迅速に整理していただき、ありがとうございました。
 前回にはペンディングでありました高額療養費制度の見直しが「1.セーフティネット機能の確保」として前面に出ており、前回の意見が反映されていると思います。特にヒアリングした方からの意見の中で外来特例を廃止しないでほしいという声も大きく、今利用している方の意見等は丁寧に検討していただき、くれぐれも受診控えなどが起きないような御配慮をお願いいたします。
 また、少子高齢化が進む中、様々な制度が急ピッチで変わっていくこともありますが、このような制度の意義や概要があまり理解されていない点も今回の議論では浮き彫りになったと思います。多くの方の理解と賛同が得られますように、周知徹底もお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 今回、議論を取りまとめいただきまして、ありがとうございました。
 高額療養費制度につきましては、見直し後の上限額、ケースごとの患者負担の変化等も示されております。低所得者や長期療養者への配慮、年間所得区分の細分化など、高額療養費制度のセーフティネット機能に配慮した見直し案になっていると受け止めております。
 外来特例については、限度額の引上げについて将来的な廃止に向けた第一歩と受け止めておりまして、今後も継続して議論が必要ではないかと考えているところです。
 OTCに関しましては、薬剤費の一部を保険適用の対象外として特別の料金を求める方針が追記されております。今後、具体的な実証に向けて技術的な検討を行うとありますが、実務面での対応にも配慮、留意していただいて、丁寧な議論をお願いしたいと考えております。
 1つ指摘したいと思っておりますのが、この新しい制度が始まる際には、患者さんが自身の症状を踏まえて、OTC医薬品で対応するのか、医療機関にかかるのかという選択が現実の問題として出てくると考えております。これは、これまでも申し上げてきましたけれども、国民のヘルスリテラシーを一段上げていかなければならないということではないかと考えております。正確な医療情報の提供やセルフメディケーションの推進等、ヘルスリテラシーの向上に向けて、保険者としても当然取り組んでまいりますが、国としましてもぜひこの推進を強力に行っていただければと考えております。
 最後に、全体、総論として一言だけ申し上げますと、今回の議論は広範かつ大きな改革に向けたものだと考えておりますけれども、報告書にはまだ最終ゴールに向けて今回は小さな一歩だったというものもあります。国民皆保険の持続可能性を確保するためには、今後も続く人口構造の変化や医療費の増大を見据えて、全世代型社会保障の実現に向けた、年齢にかかわらず、能力に応じた負担の分かち合いというものが必要であると考えております。
 何より、協会の加入者の方からは、社会保険料の負担が非常に重いという声をよくお伺いしているところです。若い世代に将来に希望を持ってもらうためにも、現役世代の負担軽減は非常に重要な課題だと考えております。そうした中、様々な制度見直しに向けて、今後も本部会で議論を継続していっていただければと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、原委員、よろしくお願いいたします。
○原委員 ありがとうございます。
 議論の整理案ですけれども、これまで申し上げてきた意見が反映されており、事務局の皆さんには感謝を申し上げるとともに、この案については特段意見はございません。ありがとうございました。
 今日は高額療養費制度の見直し案をはじめ、少し具体的な数字ですとか実施時期とかが示されてきたわけですけれども、議論の整理案の最後にも意見として取り入れていただいておりますが、これから制度改正を実施するに当たっては、システムの開発、運用ということが伴ってまいりますし、また、市町村等の保険者の窓口対応というようなことも出てまいりますので、その準備にかなり追われていくことになります。財政的な支援なども当然のことですけれども、やはり適切なシステム改修をしていかないと、いろいろ計算間違いとかが起きたら大変なことになりますので、ぜひ厚生労働省におかれては、これから制度改正の実施に当たって細部を詰めていかれるのだと思いますけれども、早めに情報提供といいますか御相談をしていただきたいと思います。そうしていかないと、きちんとしたシステム改修ができないのではないかと危惧しておりますので、その点、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 ありがとうございます。
 先ほどの北川委員の御意見に関連して、申し上げたいのですけれども、患者さんがOTC医薬品を使う場合に、自己判断が原則ではありますけれども、必要に応じて薬局機能ですね。薬剤師さんあるいは登録販売者に御相談して、必要であれば受診勧奨等をしていただけるのですが、皆さん、意外とこういうことは御存じないですね。
 私も仕事柄、毎日多くの相談事例を聞いているわけですけれども、最近病院は大変込んでいてなかなか予約が取れないし、忙しい。どうしたらいいかと。我々に御相談いただくケースもあります。そのような時は、まず心配でしたら、薬局さんに行って薬剤師さんなどに御相談していただいて、その程度の症状であればまずOTCで対応してみてくださいよと助言をもらうことも十分可能でありますし、必要があれば受診勧奨もされるということは皆さんあまり御存じではありません。必要な場合はかかりつけ医に行ってくださいということをきちんとお薦めいただいていますから、そういったことを皆さんも御理解した上で、限られた医療資源をうまく有効活用していただけたらなと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。
 全体としてはこの報告書に関する受入れがなされたと認識しておりますけれども、ただ、本日、様々な御意見をいただきました。語句の修正、その他幾つかの御意見がございましたので、事務局と相談した上で、そういった修正を行いたいと思っているところでございます。
 最終的な議論の整理の文案につきましては、私のほうに御一任いただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。それでは、そのように対応させていただきます。
 次に資料1-2、資料1-3につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
 資料1-2「高額療養費制度の見直しについて」をお開きいただければと存じます。
 高額療養費の専門委員会の議論の状況はこの医療保険部会でもたびたび御報告を申し上げてきたところですけれども、右下の2ページ目ですが、12月16日に専門委員会としての基本的な考え方を整理しています。
 ポイントのみ御紹介申し上げますけれども、まず右下の2ページ目、これもこの部会でたびたび御報告申し上げました真ん中部分ですけれども、高額療養費制度はセーフティネットとしてなくてはならない制度であると。この制度の堅持の必要性、また、その際には制度改革の必要性自体は理解するけれども、他の改革項目も含めて医療保険制度全体の中で全体感を持って議論していくことの必要性について改めて確認をしていただいています。
 続きまして、右下の3ページ目です。3ページ目の上のほうに大きな○があって、先ほど申し上げた制度の不断の改革の必要性、その際には、○の3段落目、高額療養費に関しても、制度全体の議論の議論と歩調を合わせつつ、近年の医療費の伸び等に一定程度対応した形での自己負担限度額の見直しを行っていくことの必要性は理解をすると。
 3ページ目の下の○ですけれども、その際には、ただ、高額療養費のセーフティネット機能に鑑みると、長期にわたって利用される方の経済的負担の在り方に十分配慮する必要がある。加えて、療養期間が短期の方を中心に限度額を見直す場合であっても、所得が低い方への配慮の必要性、こういったことを確認していただいているところです。
 右下の4ページ目です。
 4ページ目の上半分、所得区分の細分化関係です。○の2段落目ですけれども、所得区分が1段階変更となるだけで限度額が2倍程度に増加するという現在の制度設計については改善の余地があるのではないか。そこで、細分化をしていくという方向性の必要性、ただし、その際には現在の限度額から著しく増加するとかそういうことがないようにしつつ、応能負担の考え方とのバランスを踏まえて適切な金額設定をすべきであると整理をされています。
 4ページ目の下半分ですけれども、こちらは外来特例の関係です。制度の必要性、これは当然加齢に伴って疾病リスクが高齢者の場合には増加するわけでますので、この必要性は理解できるものの、制度の見直し自体は避けられないのではないかということでございまして、4ページ目の下の○の2段落目、月額上限・年額上限に関して、応能負担の観点からの限度額の見直し、また、対象年齢の関係についても医療保険制度全体の中で議論していく、検討していくべきではないかという形で整理をいただいております。その際には、限度額の段階的な見直し等、丁寧な対応が必要ではないかという御意見であったり、慎重な議論の必要性あるいは将来的な制度の廃止を含めた検討の必要性、様々御意見を頂戴いたしましたけれども、いずれにせよ、高齢者の経済的な負担に急激な変化が生じないような制度の在り方が必要ではないかと整理をいただいております。
 右下の5ページ目です。5ページ目はセーフティーネット機能の関係ですけれども、上の○の2段落目、多数回該当の限度額についての維持、それから、その下の段落、3段落目です。「加えて、」というところですが、多数回該当以外の限度額を見直した場合に、限度額に到達しなくなってしまう方がいらっしゃいますので、そういう方への配慮ということで、年間上限を設けることの重要性についても改めて指摘をいただいています。
 それから、5ページ目の下のほうには、年収200万円未満で低所得の方への配慮、こういったことも指摘をいただいております。
 そういうことを踏まえて、7ページ目、8ページ目、9ページ目にイメージ図といいましょうか、見直していく場合の考え方の整理ということで、これは12月15日の専門委員会にお示しして、御議論を頂戴しているところです。
 7ページ目と9ページ目は御覧置きいただければと思いますけれども、8ページ目に所得区分の細分化のイメージということで記載をしています。8ページ目の右側のほうに、今、所得区分が少し粗い、大くくりになっているということで、これを完全にリニアにしていくというのが一番中立なのでしょうけれども、その場合には直線になっていくわけでありますけれども、単純にそこに合わせていくと点線の形でセットしていくということになるのでしょうが、現在の限度額との関係で著しく増加することがないように配慮した形で、例えば赤線のような形で検討していくべきではないかという形で資料としてお示ししているところです。
 その上で、右下の10ページ目です。今回の高額療養費制度の見直しについてということで、これはイメージ的にお示ししているものですけれども、ちょうど真ん中ぐらいに薄いグレーで実線を引いているところがあります。これが現行になります。その上で、グレーで点線にしているものが月額の限度額の見直し、これは来年度の8月の実施を考えております。その上で、所得区分の細分化ということで、一番上の黒い実線が令和9年度の8月、これは現行との比較で、こういう形で高額療養費制度を見直してはどうかと考えています。
 ただ、これは単月といいましょうか、1か月から3か月の方の限度額の利用事例でありまして、4回目以降、あるいは年間上限というものは下のほうの赤い実線でありましたり、あるいは緑の実線であったり、こういう形でイメージとして考えています。
 見直しのポイントを(1)から(5)まで整理していますけれども、10ページ目の見直しのポイントとして、やはり1番目は長期療養者への配慮ということで、先ほど御紹介申し上げました多数回該当の金額については据え置く。それから、患者負担への年間上限を導入していくということがまず1点目。
 それから、2点目、低所得者への配慮ということでございまして、住民税非課税区分の方については限度額の引上げ率を緩和していくということ。また、年収200万円未満の方の多数回該当、住民税非課税ラインを若干上回る年収層の方については、多数回該当の限度額をむしろ引き下げていくという形にしてはどうかと考えています。
 その上で、ただ、全体としては、(3)にありますけれども、一人当たり医療費の増を踏まえた限度額の見直しでありますとか、あるいは(4)応能負担、所得区分の細分化によってきめ細かい仕組みにしていきたいと考えています。
 そして、(5)で外来特例の見直しということですが、ここに関しても低所得者にはしっかり配慮していく。また、住民税非課税区分に対しては、年間上限といったものを導入していくことによって、毎月現在の上限額まで利用されている方の負担は変わらないようにしたいと思っております。
 具体的な見直しの数字が11ページ目です。ポイントのみ御紹介申し上げますと、11ページ目の表の一番左に所得区分がありまして、その右側の列に現行があります。真ん中、来年の8月からこういう形で見直しをしていって、一番右側が令和9年8月、最終形という形でこういうふうにしてはどうかと考えています。
 数字が羅列されているので、なかなか見づらいところについては御容赦いただければと思いますけれども、まず、一番真ん中の令和8年8月であったり、令和9年8月の真ん中の列に年間上限という欄を作っています。これは現在ない年間上限というものを新しく作っていくということになります。例えばちょうど真ん中ですかね。年収が約370万から770万ぐらいの方でありますと、年間上限を53万円と設定しています。現在、多数回該当の金額が、左側の月額上限のかぎ括弧の中に書いていますけれども、4万4400円ですので、4万4400円を12倍した数字よりは若干低く設定しています。月額平均で約4万4200円と書いていますけれども、ですので、それぞれの所得層は全て同じ考え方ですけれども、月額の多数回該当掛ける12の金額よりも若干少ない形で年間上限というものを設定していますので、例えば年に12回利用される方いらっしゃいました場合には、現在よりも若干下がるということになります。
 また、月額多数回該当の金額4万4400円については、今も来年の8月も再来年の8月も変わらないという形で設定をしています。
 それから、低所得者への配慮というところについて申し上げますと、下から4行目ですかね。年収約200万円のところですけれども、こちらにつきましては、現在、多数回該当の金額は4万4400円になっていますけれども、これは令和9年8月、システム改修の関係もありますので、このタイミングになりますけれども、多数回該当の金額については3万4500円と今から大体1万円ぐらい引き下げる前提で考えています。
 また、下から2行目、非課税70歳以上というところを御覧ください。ここは外来特例の欄を御覧いただければと思いますけれども、外来特例に関しては、この方々、現在月額8,000円ですけれども、これも急激に金額を増やすのではなく、段階的にお願いしていきたいと思っておりますので、来年の8月からは1万1000円、令和9年8月からは1万3000円となるわけですけれども、例えば現在8,000円月額上限を使われている方が年12回使われた場合には9万6000円お支払いいただいているわけですけれども、それ以上負担が増えないように、例えば来年の8月に月額上限1万1000円にする。その翌年には1万3000円にした場合であっても、外来の年間上限といったものを新しくつくることによって、今よりもさらに増えるということがないような形にしたいと思っています。
 他方で、左側、月額上限の欄を御覧いただければと思いますけれども、例えば年収370万から770万円の方であれば、現在8万100円です。これが来年の8月には8万5800円ということで、前回高齢者の制度改正を行ったのが2017年、2018年ですので、2019年以降の一人当たり医療費の伸びを勘案しまして、5,700円ほど上限額の引上げというものをお願いできればと考えています。その上で、所得区分の細分化ということで、令和9年の8月、それぞれ御覧のとおりの数字にしていきたいと考えています。
 この制度変更によって、負担が軽減される方、あるいは若干の負担をお願いせざるを得ない方いらっしゃるわけでありますけれども、その事例を13ページ目以降に整理しています。長くなって恐縮ですけれども、ポイントのみ御紹介を申し上げたいと思っております。
 まず13ページ目ですけれども、例えば多数回該当を今お使いになっている方の事例です。左側が現行こういう患者さんがいらっしゃいますよという前提で記載していますけれども、現在、例えば年に5回多数回該当を利用されておられて、年収区分、それぞれこういう方については自己負担が22.2万円ですけれども、今回多数回該当の金額については、所得区分を細分化した後においても変えませんので、負担額は変わらないということになります。これが多数回該当の据え置きの関係です。
 それから、14ページから16ページに年間上限、こういう仕組みを設けることによって、具体的にどういう形で長期療養者の方等へのセーフティネット機能が強化されるのかという事例について御紹介を申し上げたいと思います。
 まず14ページ目ですけれども、今の仕組みにおいても多数回該当に該当しないような方がいらっしゃいます。例えば14ページ目の左側を御覧いただければと思いますけれども、平均的な年収の方、370万円から770万円ぐらいの方であれば、今の月額の上限額、限度額というのが8万100円ですので、そこにぎりぎり達しないような方、例えばこの方であったら毎月7万から8万円ぐらいお使いになっている方ですけれども、そういう方は多数回該当に当たりませんので、年間で76.7万円ぐらいお支払いいただくことになります。
 それが年間上限という仕組みを設けますと、月単位でのいわゆるセーフティネットだけではなく、年単位でのセーフティネットという点でもカバーされますので、14ページ目の右側の図を御覧いただければと思いますけれども、8月から始まって、下のほうに月数を書いていますけれども、3月のところでちょうど年間上限に到達することになります。3月の金額の一部、それから、4月以降の医療費についてはお支払いいただく必要がなくなるということですので、この方の年間の負担額というのは大体23.7万円負担減になるというものです。
 それから、15ページ目です。15ページ目に関しては、自己負担の限度額の見直しによって多数回該当から外れてしまう方もいらっしゃいます。もともとこういう御指摘をいただいておりましたものですから、例えば左側は現行で自己負担約55.2万円の方のケースです。8月の欄を見ていただければと思いますけれども、本来の3割負担であったら9万円のところ、今の高額療養費の限度額ですと8万100円ですので、残り1万円を高額療養費のほうから還付されるという仕組みになっていますけれども、今回、自己負担限度額は見直しをされると8万6000円の自己負担になります。ここについては高額医療費が還付されるわけですけれども、10月以降に関しては8万6000円に達しませんので、高額療養費の対象外となります。こういう方についても、トータルとしては年間上限、こういう仕組みが適用されますので、年間で負担減になるということになります。
 右下16ページ目です。16ページ目については、高額な薬を単月処方された場合、こういう方もいらっしゃいます。こういう方については、例えば今でありますと1か月だけ自己負担が生じるということになるわけでありますけれども、左側のルクスターナの例で申し上げますと、今であったら処方された1月、この月の自己負担が約57万円であったものが、これも年間上限の適用を受けることになりますので、負担額が4.3万円程度負担減になるというものです。
 それから、17ページ目です。17ページ目は低所得者、年収200万円未満の方が多数回該当を利用されているようなケース、このようなケースであれば、例えば女性で乳がんのようなケースの方を想定といいましょうか、この事例でありますけれども、現在であったら多数回該当の金額は4.4万円ですが、これが3万5000円弱まで引き下がるものですから、年間で約10万円弱の負担減となります。
 続きまして、18ページ目です。18ページ目は外来特例の関係です。
 例えば毎月8,000円の自己負担で外来特例をお使いになっている方でありますけれども、これが18ページ目の左側、0.8というのが12回分続いておりますが、今回の単月の自己負担の上限額を来年の8月から1万1000円、再来年の8月からは1万3000円とさせていただきたいと思っていますけれども、他方で、年間の自己負担額が変わらないように、9.6万円という外来の年間上限の仕組みをつくると申し上げました。ですので、単月の御負担というのは、5,000円であったり4,000円であったり若干増えるケースはありますけれども、途中、9.6万円に到達した時点で、それ以降は年間上限に該当しますので、自己負担はお支払いいただく必要がなくなるという仕組みになっています。
 他方で、単月の方については御負担が増える方もいらっしゃいます。19ページ目、20ページ目ですけれども、19ページ目の場合には、大体年収約400万円の方、この方の場合にはそういうケースですけれども、左側が現行です。例えば2月に入院して、1か月だけ入院するようなケースについては、この年収層の方でありましたら、月の上限額は約6,000円弱引き上がる方ですので、同じように年間の自己負担額も6,000円程度増加するということになります。
 続きまして、20ページ目ですけれども、20ページ目に関しましては、例えば年に3回高額療養費をお使いになる方のケースです。かつ年収770万円の方の場合には、最終的に所得区分の細分化によりまして、自己負担額は今8万円のところ、11万円という形でお願いさせていただくものですけれども、この場合には、左側の自己負担約42.6万円、現在43万円弱でありますものが、右側の自己負担額51.4万円となりますので、年間で約8.8万円増加するということになります。ただ、この方々に対しても、もちろんの年間上限、こういう仕組みが導入されますので、かつ年間上限の金額というのは所得区分の細分化にかかわらず370万から770万まで同じ年間上限の金額になりますので、もし新しく治療が必要になった場合であっても、年間上限というものがセーフティネットとしてしっかりと機能していくということになりますので、長期療養への備えという観点から、今回高額療養費制度の見直しを実施したいと考えています。
 21ページ目に全体的に今申し上げましたケースの概略をまとめていますので、こちらについては説明を割愛させていただきます。
 説明は以上です。
○姫野課長 それでは、続けて資料1-3について御説明をさせていただきます。
 OTC類似薬の見直しにつきましては、医療保険部会と並行いたしまして与党の中でも議論されてございました。1ページ目にありますように、先週の金曜日、12月19日に与党の中で政調会長間合意という形で見直しの方向性が定まったものですので、その内容を御報告いたします。
 まず、別途の保険外の負担、特別の料金を求める新たな仕組みを創設するということです。その趣旨としては、①、②とありますけれども、医療用医薬品の給付を受ける患者様とOTC医薬品で対応している患者との公平性の確保、また、現役世代の保険料負担の軽減ということを掲げています。
 具体的な内容といたしましては、別途の保険外負担(特別の料金)を求める仕組みを創設して、令和8年度中に実施をするということですので、法改正も含めて検討をする必要があろうと考えています。
 また、具体的な実施時期につきましては、先ほど申し上げましたとおり、令和9年3月を想定しています。
 また、特別料金の対象となる医薬品の範囲、また、特別の料金の設定につきましては、医薬品の範囲につきましては77成分、約1,100品目ということを案として掲げています。※にありますように、この範囲につきましては、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、かつ一日の最大用量が異ならないといった医療用医薬品を機械的に選定したものであります。具体的な成分名につきましては、参考資料3というものも本日お配りしていますので、後ほど御覧いただければと思いますけれども、これはあくまでも機械的に選定した現時点での案でありますので、先ほどの取りまとめにありましたように、今後、専門家の意見も聞きながら確定させていきたいと考えています。
 また、特別の料金といたしましては、対象となる医薬品の薬剤費の4分の1ということになっています。右下に図がありますけれども、通常、診療を受けた場合に、技術料のほかに薬剤料がありますが、点線から右側の部分でありますが、その薬剤料の4分の1相当を特別の料金とし、残りの4分の3の定率負担、現役世代ですと3割、そういったものが通常の自己負担として引き続き徴収されるということになります。ですので、合わせますと、3割負担の方ですと、通常ですと薬剤費の3割が負担割合になりますけれども、特別の料金4分の1分も合わせますと47.5%の実質的な負担ということになります。
 また、括弧書きにありますように、先ほどの取りまとめの議論でもありましたようなセルフメディケーションに関する理解、あるいはOTC医薬品に関する医師・薬剤師の理解を深めるための取組、そういったことで環境整備を進めながら、令和9年度以降に対象となる医薬品の範囲ですとか特別の料金の引上げなどについても検討していくという方向性が示されています。
 また、配慮が必要な方につきましては、特別の料金を求めないという配慮をするわけでありますけれども、こども、がん患者、難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が長期使用が医療上必要と考える方などに配慮するということが示されています。
 次の2ページに、具体的に医薬品の範囲につきまして主な対応の症状を御説明しています。鼻炎、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止めなど、こういったものが想定されている対象となる症状です。
 最後3ページは、今申し上げました内容が具体的な文章で取りまとまったものであります。同様の内容となっていますので、御覧いただければと思います。
 以上です。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 高額療養費制度の具体的な見直しに関しましては、予算編成過程の中で検討が行われ、昨日、財務大臣、厚生労働大臣の間で合意した内容でございます。
 それから、OTCの類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方に関しましては、与党間協議を踏まえた内容となっているということでございます。
 今いただきました御説明に関しまして、御意見等がございましたら挙手にてお知らせいただければ幸いです。
 では、天野委員、よろしくお願いします。
○天野委員 御説明ありがとうございました。
 本日、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の委員として出席していると承知しておりますので、高額療養費制度について意見を申し上げます。
 まず、改めてとなりますが、今年の5月に厚生労働省に専門委員会を設けていただきまして、私たち患者団体も委員として参画する中で、8回にわたり見直しの検討を行っていただいてきましたことについて、改めて感謝を申し上げます。
 その上で、今回の高額療養費制度の見直しに関してですが、先ほど事務局からも資料の中でも説明がありましたように、例えば長期にわたり継続して治療を受ける患者に配慮して、多数回該当については現行水準を維持し、また、新たに年間上限を設けていただいていることであるとか、あるいは既に現行の制度においても、所得の低い区分の患者さんについては、世界保健機関(WHO)が定義する破滅的医療支出の水準となっている可能性がある患者さんが一定数いらっしゃる現状に配慮していただいて、年収200万未満の患者の多数回該当の引下げを実施していただくなど、私たち患者委員をはじめとする専門委員会からの意見、並びに与野党の超党派議連であります高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟からの意見も反映していただいていることに改めて謝意を表します。
 一方で、高額療養費制度の見直しに伴う具体的な金額についてですが、先ほども説明いただいたとおり、年末の予算編成の中で高額療養費制度の見直しに伴う具体的な金額が大臣合意で決定され、専門委員会では本日初めてお示しいただいていることになりますので、この金額について意見を申し上げます。月ごとの限度額については、2024年12月に示されたいわゆる昨年案の引上げ金額と比べれば、今年お示しいただいた案の中ではおおむね半額程度の引上げとなっており、一定の抑制が行われているとは存じますが、そもそも昨年案の金額が過重な負担増であったところです。多数回該当の据え置きと年間上限の新設により、長期にわたり継続して治療を受ける患者の年間での負担軽減を着実に実行していただくことは重要と考えますが、一方で、月ごとの限度額については、現状でもまだ十分に抑制されていないと考えますので、治療断念や生活破綻につながることがないように、月ごとの限度額についてはさらなる抑制を引き続き検討していただきたいと考えております。特に70歳未満の月ごとの限度額については、いわゆる現役世代が既に高い社会保険料を負担している現状がある中で、応能負担に基づいて負担が大きくなっておりますので、特段の配慮が必要と考えます。
 加えて、高額療養費制度は、申し上げるまでもなく、我が国の公的保険医療制度の根幹を成し、大きなリスクに備える重要なセーフティネットであることから、医療費節減に資する他の代替手段についても引き続き十分な検討を行っていただきたいと考えております。
 なお、今回の取りまとめで入れていただいた内容以外にも専門委員会でも議論がありますが、様々な課題があると考えております。例えば現行では加入する保険者が変わる際に多数回該当のカウントがリセットされる仕組みとなっているところ、多数回該当のカウントが引き継がれるような仕組みの実務に向けた検討を進めていくべきと取りまとめの中では示していただいております。
 ほかにも、例えばそもそも高額療養費を使うような患者さんは重篤な疾病にかかっている場合も多くございますので、前年度と同じ収入を維持できるとは限らないという現状がある中で、負担が過重となる可能性もありますし、また、私たち患者団体が実施したアンケートでは、特に現役世代の方、例えば子育て世代の方、あるいは子育てを実際にされている方々から、扶養家族がいるにもかかわらず同じような金額となっていることについては負担感が過重であるとの御意見もいただいていますので、この取りまとめに終わることなく、今後も厚生労働省あるいは社会保障審議会医療保険部会等で引き続き、高額療養費制度におけるこれらの課題の解決に向けた検討を行っていただきたいと考えます。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、大黒委員、よろしくお願いします。
○大黒委員 ありがとうございます。日本難病・疾病団体協議会の大黒です。
 今回の高額療養費の見直しについて、私たちとしても、多数回該当の据え置きや年間上限の新設により、長期にわたり継続して治療を受ける患者の負担が年間ベースでは軽減されている点を評価しています。
 一方で、月ごとの自己負担の限度額については、やはり依然として十分に抑制されているとは言い難い状況だと私たちも認識しています。受診抑制が実際にどの程度生じるかを正確に把握することは困難なのですけれども、高額療養費の対象となる水準の医療費負担を伴う医療においては、たとえ一度の治療であっても受診を控えることが身体的な危険につながる可能性があります。そもそも高額療養費制度は、医療に伴う大きなリスクに備えるための重要なセーフティーネットです。そのため、治療の断念が生じないよう、最も慎重な制度設計が求められると考えます。
 これまでの発言の繰り返しになるのですけれども、今回の見直しは、増大する医療費の抑制や現役世代の保険料負担の軽減を目的としています。しかし、高額療養費は医療費総額の約6.8%にすぎず、見直しによる医療費抑制効果は限定的だと思います。また、保険料への影響も小さく、今回の資料にもありますように、見直しによる一人当たりの保険料軽減額は平均で月100円から200円程度にとどまると考えられます。一方で、医療費総額の6.8%程度しかない高額療養費を見直して給付費を減額しようとすると、患者の自己負担は大きく増えて、身体的な危険を伴うおそれがあります。
 つまり、高額療養費の見直しは、その性格上得られる効果が小さい一方で、患者にとっては非常に大きなリスクを伴う改革であると言えます。よって、今回掲げられている目的を達成する手段として高額療養費の制度の見直しは必ずしも適切とは言えず、見直しは限定的にとどめるべきだと考えます。そのために、高額療養費制度だけではなく、ほかの改革項目を含め、医療保険制度改革全体の中で全体感を持って議論する必要があるとしてきたと認識しています。
 また、これもこれまで発言の繰り返しになりますけれども、患者であっても、現役世代は既に高い社会保険料を負担しており、現役世代の負担は限界の状態にあります。さらに、患者になった途端に支払い能力を失うケースも少なくありません。このような状況では応能負担が成り立たない場合も多く、人生で最も厳しい局面においてこそ高額療養費制度が支えになるべきだと考えます。
 難病に限らず、多くの疾病は予防が難しく、突然発症します。高額療養費制度は誰にとっても不可欠なセーフティネットであって、その自己負担上限の引上げは国民の安心と安全を支える社会の基盤を揺るがしかねません。たとえ一度の治療であっても、受診を控えることが身体的な危険につながる可能性がありますので、治療の断念が生じないようなさらなる慎重な制度設計をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 今回の高額療養費制度の見直しについては、低所得者の方や長期療養の方々にも配慮して、限度額の一定の引上げを行うものの、多数回該当の限度額を据え置いたこと、また、年間上限を設定した等、これは専門委員会のほうでまとめていただいた基本的な考え方に沿った内容の見直しになっていると理解しております。
 そういった中で、今、ほかの委員の方からも、月額上限の引上げ抑制が十分ではないのではないかという御意見があったのですけれども、また、一部報道においては、11ページの表の中の例えば所得が650万から770万の層の方について、引上げ幅が大きいのではないかと取り上げられているようですが、例えばこの層においては、現行の所得区分の中では相対的に見れば一定の所得を得ている層だと思いますし、そういう意味で、全体を通して負担能力に応じた負担としていることについては適切な措置であると考えております。
 また、この層の方に絞って言えば、令和9年8月には月額上限が11万400円とありますけれども、この所得層の方にとってみれば、年収ベースの大体1%半ばぐらいの水準だと思いますし、先ほど御説明がありました年間上限が設定されているということを併せても、十分配慮された水準ではないかと考えております。
 一方で、外来特例については、これまでも繰り返し申し上げてきたのですけれども、高額療養費制度のセーフティネット機能としての位置づけ、また、この制度の維持の必要性を考えますと、やはり見直しは不可避であると思いますので、見直しについては着実に実行していただきたいと思いますし、前から申し上げていますが、対象年齢の引上げですとか、将来的な廃止を含めた検討を引き続きお願いしたいと思います。
 あわせて、将来にわたってこの高額療養費制度を維持するためには、今後に向けて人口構造の変化、環境変化等を踏まえれば、見直しのルールの策定も含めて定期的な見直しを行っていただくようにお願いしたいと思います。
 それから、OTC類似薬については、これまでも申し上げてきたのですが、今回の見直しは現実的な方向だと考えております。ただ、今後に向けては、やはり用法・用量、また、効能・効果等の違いも踏まえつつ、OTC医薬品で代替可能なものについてはできるだけ広い範囲を対象として具体的な検討を進めるべきだと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 最初に高額療養費制度についてですが、まずは議論を取りまとめていただいた専門委員会の皆様に感謝を申し上げます。
 今回の見直し案は、能力に応じた負担を強化するとともに、低所得者や長期治療者などにも配慮した内容と理解いたします。高額療養費制度は、我が国の医療保険制度の核となるセーフティネットであり、安定的に維持していく必要があります。今後も様々な事情を抱えた方々への配慮を前提としつつ、能力に応じた負担を強化する方向で制度を見直していくことは不可避です。制度の持続可能性の確保、現役世代の負担軽減という大切な視点を考慮し、具体化、合意形成を進めていただきたいと思います。
 続きまして、OTC類似薬についてですが、議論の整理にも掲げていただいたとおり、保険適用を維持しつつ、配慮が必要な方々に配慮して、制度設計することが重要です。影響を見極めるために、見直しは段階的に進めていくべきと考えます。
 一方で、そもそも医療保険制度とは個人で対応できないリスクへの備えです。軽微な疾病は自助で対応し、なるべく制度に頼らないようにするということも必要です。制度を維持していくためにも、不要な受診、投薬は適正化していくようにお願いいたします。先ほど申し上げたとおり、薬局機能の活用というのも大変大切なのではないかと考えます。
 なお、不要な受診、投薬の抑制にはセルフメディケーションも必要ですが、医薬品による副作用や相互作用の懸念もあります。何度も申し上げてもおりますけれども、OTC医薬品を含む一元的な薬歴管理をぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、先ほど成分一覧表を拝見したわけでございますけれども、これは今後検討ということですが、これは成分でくくったものでありますから、多少薬効成分と言えないものも入っていますので、例えば薬効群でくくって、現状処方されているものを仮に[A1] OTCに代替する場合にはどういう可能性が考えられるかということも検討していただいたらいいのではないかと思います。
 その場合、何もスイッチOTCに限る必要はないと思っております。現状、患者さんの状態によっては必ずしもスイッチ成分は必要ないという場合もありますので、その場合はよりリスクの低い、例えばOTCで言いますと2類、3類といったもので相互作用が低いものもやコスト的にも優れたものもあります。一般にスイッチOTCは非常に高い、高額な薬剤が多いものですけれども、同じ薬効群であっても、患者さんの症状に合う2類、3類のものは十分ございますから、うまく活用していくことを検討すべきではないかと考えます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 ありがとうございます。
 高額療養費に関しましては、年間上限の導入とか、多数回該当の据え置き、それから、低所得者への配慮がなされたのは非常によかったのではないかと思っております。
 ただ、多数回該当を据え置きしたためでしょうか、ほんのわずかな標準報酬月額の違いで非常に大きな負担の差が生じているというところがそのままになってしまっているということは少し問題ではないかと感じております。月額上限は所得区分が細分化されていて、年間上限は細分化されていないというところで、標準報酬月額が53万円とか83万円の前後で、多少縮小された部分はあるのですけれども、やはり依然としてかなり大きな差が生じているので、これは解消していくような努力が今後必要ではないでしょうか。
 それから、二つ目に、ほかの委員の方からも御指摘がありましたように、外来特例はやはり非常に問題のある制度だと思います。まず70歳以上だけというのも、それ以下の年齢でも同じように低所得であったり、様々な疾患で多く外来を利用したりする方もいらっしゃるので、年齢制限がついているというところも非常に問題ですし、現役世代でがんの闘病をされている方が大きな経済的負担を背負って非常に苦しい闘病生活を送られている中で、それと比べて外来特例の上限が非常に低く設定されていて、高額な医療費が生じるというリスク軽減としても必要性があまり感じられませんし、非常に金額が低いところで追加的な外来の医療費の自己負担がゼロになってしまうというところで、非効率な医療利用が誘発されるということも問題かと思います。
 それから、3つ目なのですけれども、やはり長期的には資産を捕捉して、資産に応じた負担ということにしないと、一時の所得だけで判断してしまうと負担能力に大きな差異が出てしまうと思いました。 それから、これは今でも可能なことだと思いますけれども、こどもや障害者を扶養しているような場合についても、所得にさらにそういう要素を加味して負担能力を考える必要があると思います。
 最後に、高額療養費について、例えば高額薬剤が亡くなる直前に使用されているようなケースがあって、そういうところにもやはり高額療養費が使用されているということで、だからといって、直ちに高額療養費があることが原因でそういう医療利用が行われているとは判断できないわけですけれども、本当に生命を維持したり、それから、クオリティー・オブ・ライフを改善したりするために使われているお金だということで、みんなで高額療養費制度を大事にしようとしているところなので、これは高額療養費制度とはまた異なるところではありますが、非常に高額な医療の内容に関する精査ということも今後求められてくるのではないかと思いました。
 以上が高額療養費に関する点です。OTC類似薬について、以前も申し上げたことなのですけれども、申し上げます。一つはこどもは対象外というところです。これはこどもが自治体などで医療費助成の対象になっているからという理由が大きいようですけれども、やはりこれは自治体間競争によって、子育て世代の負担軽減というところを超えて、ほかの自治体と競争して若い世代の居住を増やすということが目的になって、かなり過剰な助成が行われているという指摘もあります。特に問題になっているのが、完全に医療費が無料になってしまって自己負担ゼロになってしまうと、どうしても過剰な医療利用、非効率な医療利用を生みやすいということです。なので、そういうことを考えますと、全てのこどもを完全に除外するのは問題があるのではないかと考えております。こどもへの何らかの軽減はあってもよいかもしれませんけれども、完全に除外するとなると、この制度が目指している目的が十分に達成されないのではないかという懸念を持っております。
 それから、OTC類似薬は医療保険の対象から外すという案も検討に値するものだとは思っておりますが、やはり慎重な検討が必要であるということだと思うのです。そうしますと、今後の検討に現時点でコミットするというか、現時点では非常に緩やかな、非常に小さい患者の自己負担から始めるけれども、今後もっと検討していくのだということにコミットした形にしてもよいのではないかと思いました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
 1点だけ、OTCの関係について発言させていただきます。
 今回、資料を拝見しますと、長期収載品で求めているような別途の保険外負担と書いてありますけれども、その辺りの制度的な位置づけについては今後よく考えていく必要があるのではないかと思っています。
 といいますのは、これまでの選定療養というのは、どちらかというとアメニティ的部分、まさに選定、選択といったことでこういう制度ができていると思うのですけれども、OTC類似薬の場合は、少なくとも現状、保険診療の中での話でありますので、意図としてセルフメディケーションとかあるいはOTCのほうに誘導しようということもあるのかもしれませんけれども、むしろ資料にもあるように公平性という意図でこういう部分を制度化するとすれば、果たして既存の選定療養の範囲に入るのかどうか。また、現在、非常に選定療養のメニューが多くなっておりますので、それぞれがどういう制度的な意図なのか。場合によったらもう少し細分化をすることも含めて、あるいは別制度にすることも含めて考えておきませんと、我々が見ていてもこの中にいろいろなものがあるなということになりますので、今後その辺りをよく詰めていっていただければと思います。
 以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、城守委員、お願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 まず高額療養費制度ですが、これは専門委員会において専門委員の先生方からいろいろな御意見もいただいて、それに基づいて議論をして、そして、その議論の方向性といいますか、考え方の方向性に沿った形でこの制度を見直したということであろうと思います。
 先ほど事務局からの御説明にもありましたけれども、所得区分の細分化によって大きく負担額が変わるというところは、改善された部分とまだ改善されない部分というのがあるわけでして、これに関しては所得区分と負担上限額というのは最終的にはリニアな関係の制度設計がシステム的にはできるのではないかなと私も思うのですけれども、そういうふうな形で将来的には検討されてもいいのではないかなと思います。
 負担上限額の変更、見直しに関しましては、これは政府のほうで何度も見直しの検討をされたと思いますので、これに関しては国のほうからしっかりとした御説明をいただきたいなと思っています。
 OTC類似薬に関しましてですが、これは先ほどお話ししたとおりでして、本日お示しいただきました資料においても、図にありますとおり、例えば3割の自己負担が発生した場合には、それにプラスして特別の料金を負担していただくということですけれども、先ほども申しましたように、長期収載品との関係性もありますし、また、特別の料金については、現在、その割合は4分の1ですが、この変更によっては薬剤料を超えるということもあり得るわけですので、そういうことがないような制度設計にもしていただきたいなと思います。
 配慮が必要な方に関しては、ここにお示しいただいた方というのは当然だろうなと私どもは思っておりますが、実際にこの制度が始まっていきますと、それによってさらに負担が増えるという方が出てくることもあり得ると思いますので、その辺りはしっかりと検証していって適切に対応していただきたいと思います。
 最後になりますが、先ほどからお話がありますように、今回、ヘルスケアに関しては、セルフメディケーションも含めて御議論がございました。確かにOTC類似薬からOTC医薬品ということになりますと、効能・効果も含めて違う部分もあります。ただし、その部分も患者さんとしてはなかなか自己判断というのは難しいと思いますし、それに関しては薬剤師の方の御意見をいただくということがよろしいかと思いますけれども、症状等に関しましては、本当に軽症であるという場合は御自身で判断されると思いますけれども、それ以外になってきますと、やはり疾患の診断というのは医師しかできないものですから、そこに関してはしっかりと医療機関への受診をされたほうがいいと思いますので、その点だけ申し添えたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、袖井委員、お願いします。
○袖井委員 高額療養費ですが、所得区分についてもう少し考えたらいいのではないかと思います。今までの区分を機械的に3分割していったような感じで、上のほうに行くとかなり幅が大きくなってしまうので、ちょっとした違いで負担が増えるような方もいらっしゃる。これはもう少し細かくしたほうがいいのではないか。例えば介護保険ですと、自治体によって違いますが、物すごく細かく分かれて何十段階にもなっているようなところもあるのですが、この辺、もう少し所得区分の刻みを、特に上のほうはもうちょっと細かくして、ちょっとした違いでがくっと負担が増えてしまったりしないように御配慮いただけないかということです。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 OTC類似薬に係る特別の料金で、1点だけお願いしておきたいと思います。これに関しては、先ほど説明にもあったのですけれども、長期収載品に係る選定療養に関しては、差額に対する2分の1ですけれども、今回に関しては薬剤費用全体に関しての4分の1ですので、3割負担の方ですと、足し算すると0.475ということになりますので、薬剤費用のほぼ半分を持たれているということになります。この負担に関しては、早い段階からしっかりした国民への発信をお願いしておきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 ほかに。
 では、菊池委員、よろしくお願いします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 高額療養費の在り方に関する専門委員会では、終盤の複数回で他の会議が重なり、欠席となったことをおわび申し上げます。その代わり、メモを提出させていただきました。そのメモでお伝えしたように、今さらですけれども、医療保険制度、ひいては社会保障の持続可能性の観点から、高額療養費制度の在り方それ単体ではなく、医療保険制度改革全体の中で議論していく必要性があることが委員会での共通合意であり、現に医療、さらに今日1時から介護保険部会がありますが、介護分野でも広く給付と負担の見直しについて方向性が出されています。また、そうした医療保険制度改革の大きな方向性ないし政策目標として、全世代型社会保障とその具現化としての応能負担という考え方も、専門委員会のみならず、この医療保険部会においても異論のないところであると思います。
 こうした観点から、専門委員会では、外来特例のみならず、高額長期疾病(特定疾病)に係る特例も含めた形で負担と給付の在り方を考えることが、受療機会の実質的平等を図り、負担能力に応じた負担という全世代型社会保障の理念を推進する上でも必要ではないかという意見を繰り返し述べさせていただきました。
 専門委員会の基本的な考え方の最後の部分で、高額療養費制度の在り方は、高額薬剤の開発・普及等を背景に増大する医療費負担を全体としてどう考えていくかという大きな視点で、今後とも継続的に検討していくべき課題であるという指摘もあった、と記載していただき、ありがとうございました。
 国の制度の在り方を考えるに当たっては、様々な状況に置かれた方の状況に十分配慮することは当然としても、聖域を設けることなく、全体を見渡して公平性を考えることが審議会などに課された役割であると思います。その上で、今回の見直しに関しては一定の進展は確実にあったと思いますが、まだ課題が残されているとという感想を持ちます。
 高額療養費制度の恩恵を受けられる方と、その基準に至らず相当高額な自己負担を課される方との大きな負担格差の是正という観点から、今回の年間上限という設定という方策は望ましい改善だと思います。ただし、年間上限の限度額の設定が令和9年8月以降も現在の月額上限の段階制定と同様の緩やかなものにとどまっていることは、10ページの図でフラットな部分が目立つことからも、負担能力別負担の考え方に十分沿っていないのではないかと思います。
 例えばですが、所得区分で年収1500万円の方が高額療養費制度の対象とならない月額25万円掛ける12か月、年額300万円の自己負担を支払っておられる場合、現実にどれだけそうした方がおられるかは把握しておらず、極端な例かもしれませんが、制度論として、それ自体は確かに相当高額であり、改善されてしかるべきと思いますが、年間上限設定後は168万円、つまり132万円の負担減となります。
 他方、今回低所得の方の負担軽減を図る見地から、年収250万円の方の多数回該当の70歳未満の方の月額上限は今回も据え置きで4万4400円、年額で50万円強となります。正直に申し上げて、今回改正論議の原点からすれば違和感が残ります。高額所得者の方の負担減をもう少し低所得の方のさらなる負担軽減に充てられる余地はないのだろうか。あるいは多数回該当の月額上限を年収200万から700万までの幅の方を4万4400円にとどめ置くのではなく、もう少し傾斜をつけられるのではないか。国家財政上、そして、医療保険財政上の制約を前提とせざるを得ない中にあっては、高額療養費制度の枠内の負担の在り方として、果たして負担能力に応じた負担の在り方として公平と言えるのかについて、さらなる検討が必要だと考えています。
 今回改正は相当程度の前進であると思いますが、ぜひ次回医療保険制度改正において、最初に述べましたように、高額薬剤の開発普及等を背景に増大する医療費負担を全体としてどう考えていくかという大きな視点で、さらなる改正に向けた検討をお願いしたく存じます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 本議題につきましては、おおむね意見が出尽くしたかと思います。
 本日、様々な御意見をこの場でもお話しいただいたところでございます。この高額療養費制度の見直しに関しましては、本日、専門委員会で取りまとめられました基本的考え方に基づき、長期療養者、それから、低所得者層に配慮するとともに、近年の医療費の伸び等に対応した見直し、それから、所得区分を細分化すること、さらには外来特例を見直していくことなどを含めまして、具体的な金額を盛り込んだ形で内容を御説明いただいたところでございます。
 本日の部会でも多くの委員から様々な御意見をいただきました。とりわけ今回の見直しに対しまして、国民の皆様から理解を得られるように丁寧な説明を行い、発信していくということに関しましては、皆様方から多くの御指摘をいただいたと思っております。本日の御意見をしっかりと事務局には受け止めていただいた上で、政府のほうで十分な対応をしていただきたいと存じます。
 また、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方につきましては、先日の与党内の政党間合意を踏まえまして、別途の保険外負担、「特別の料金」という言葉で呼んでおりますけれども、それを求める新たな仕組みを創設すること、さらには特別の料金の対象となる医薬品の範囲、それから、特別の料金の設定といった具体的な内容に関しても提示されたところでございます。
 事務局におかれましては、本日委員の皆様方からいただいた御意見も踏まえまして、配慮が必要なものなど、引き続き検討事項となっている内容につきましてさらなる検討を進めていただき、制度が実効性を持つようにしていただくようお願い申し上げる次第でございます。
 ほかに御意見等、全体を踏まえまして何かございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。
 最後に保険局長より一言御挨拶があるということでございますので、よろしくお願い申し上げます。
○間局長 保険局長でございます。
 本日議論の整理案につきまして、部会長御一任まで御議論いただきました。ありがとうございます。
 田辺部会長をはじめ、医療保険部会の委員の皆様方におかれましては、今年の9月から13回にわたりまして、人口構造や社会経済情勢も変化する中で大変多岐にわたる論点に関しまして熱心に御議論いただきました。
 また、高額療養費の在り方に関する専門委員会の委員の皆さん方におかれましても、今年の5月から9回にわたりまして、セーフティネットの中核たる高額療養費制度について建設的な御議論をいただいたと受け止めております。
 このように御尽力を賜りました委員の皆様方に心より感謝と敬意を表します。本当にありがとうございます。
 本日も様々な意見を頂戴しました。こうしたものも受け止めさせていただきながら、改めて国民の皆様に伝わるように丁寧に説明をする必要を再認識したところでございます。
 私どもとしては、医療保険部会として本日お取りまとめいただきました内容のうち、法改正の必要な事項、この中には恐らくOTC類似薬の関係のものも入ると思ってございます。こういったものにつきましては、次期通常国会に法案を提出すべく、与党との調整を始め、所要の準備を進めてまいりたいと考えております。
 また、今日も次の次の改正というようなお話もございましたが、今回の審議の中では引き続き検討となった事項もございます。宿題もいただいていると思っております。厚生労働省といたしましては、必要に応じてまたこの部会で御審議いただくべく、準備を進めてまいりたいと考えております。
 いただいた御意見を踏まえて、しっかり取り組んでいきたいと。今日もお話がございましたが、今、医療を受けておられる方もいらっしゃるという中での改革ですから、なかなか容易でないのは事実でございますけれども、今を生きる我々、そして、次の世代のためにもしっかりとした内容を考えていかなくてはいけないと責任を感じているところでございます。引き続き御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
 本日は誠にありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡申し上げます。
 本日は、御多忙の折、御参加いただきまして、また、活発な議論をいただきまして、ありがとうございました。
 これにて閉会でございます。皆様方、よいお年をお迎えくださいませ。