第208回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和7年12月18日(木)9:30~11:56

場所

全国都市会館 2階大ホール
千代田区平河町2-4-2

議題


1.外来特例を始めとする医療保険制度改革についてヒアリング
2.医療保険制度改革について
3.マイナ保険証の利用促進等について
 

議事

議事内容
○姫野課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第208回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀委員、實松委員、田島委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、林委員より途中退席との御連絡もいただいてございます。
 本日の会議は、傍聴希望者向けにYouTubeにおいてライブ配信を行っております。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。
 内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、實松委員の代理といたしまして馬場文則参考人、横本委員の代理といたしまして井上隆参考人、以上3名の出席につき御承認賜れればと思いますが、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
 なお、佐藤参考人、井上参考人より途中退席をするとの御連絡をいただいているところでございます。
 それでは、早速議事のほうに入ってまいりたいと思います。
 本日は、「外来特例を始めとする医療保険制度改革についてヒアリング」、「医療保険制度改革について」、3番目といたしまして「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。
 では、まず「外来特例を始めとする医療保険制度改革についてヒアリング」を行いたいと存じます。
 本議題におきましては、まずは東京都国民健康保険運営協議会委員、新宿区国民健康保険運営協議会委員の岡田幸男様、それから、千葉県後期高齢者医療懇談会委員、公益社団法人千葉県シルバー人材センター連合会理事の田中豊嗣様よりそれぞれお話を伺い、その後に質疑を行いたいと思います。
 それでは、岡田幸男様、田中豊嗣様の順で御説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○岡田参考人 皆さん、おはようございます。私、東京都及び新宿区国民健康保険運営協議会委員の岡田でございます。協議会には被保険者として関わっております。本日はよろしくお願いいたします。
 高額療養費ということで、まず一被保険者として、毎年健康保険料が少子高齢化により年々上がり、負担が増え、高額医療費を現役世代が背負っている状況に至っている現状に、今後、高額医療費の個人負担が過大にならないことを望むところであります。
 高額医療費を私どももいろいろ利用したことがあるので、その例を言いますと、数年前に妻ががんを患いまして、手術を含め1週間ほど入院いたしました。入院費は高額になると覚悟しておりましたが、そのときに支払った医療費は思ったより負担が少なかった。医療機関のほうで高額療養費の申請をしていただいたものと思っております。負担が少なく、大変助かりました。ありがたいことだと思います。
 それから数年間後にまた私の妻が自転車で転びまして、肩の骨を折りました。そのときにやはり医療機関にかかったのですが、その医療機関では高額療養費についての申請をしていただかなかったのですよね。そっくりそのまま支払ってきたということで、そうなると、我々は医療費がどのぐらいかかって、そちらの病院のほうで申請していただいているので、かかったというものは分かりませんけれども、今回骨を折ったときにはかなりの高額が払ったので、そのときに申請をしなかったらいけなかったのかも分かりませんけれども、高額医療費というものがあまり浸透していなかったのです。それで、たまたまいろいろ生命保険とかそういうのにかかっていましたので、それで全部賄えたので、それで済ませてしまったのですけれども、このことをもう少し皆さんに、こういう申請の記載がありますよとか、そういうのを知らしめていただければよろしいのではないかなと私自身は思っております。
 以上です。
○田中参考人 私、田中豊嗣です。先ほどご紹介頂きましたように、千葉県後期高齢者医療連合の委員及び千葉県シルバー人材センター連合会において理事を務めさせて頂いております。
この度、高齢者の医療体制、特に高額療養費制度の見直しについてというお話をお聞きしましたが、78歳になりますが私自身病気知らずで殆ど病院に行った事がありません。そのような私が今回の様な大変な高額療養費制度の見直しについての意見を求められ非常に良い勉強になりました。
私は、岡田様が仰ったような実体験がございませんので、周辺の後期高齢者の皆さんにいろいろ意見を聞かせて頂きました。保険者側、市役所の市民部にも行きまして問題点や要望をお聞きしました。周辺の後期高齢者の皆さんおよび市役所の皆さんからの意見を纏めて発表させて頂きたいと思いますので、ご了承ください。
岡田様も仰ったように、この高額療養費制度があることは知っていたのですが、制度の内容とか負担金がどうなっているのかは存じ上げませんでした。
私の知り合いでご夫婦とも後期高齢者、ご主人が心臓疾患を、奥様が肺がんを患っていらして、二人とも入退院を繰り返されています。この方々こそこの制度をお使いになっているのでないかと思いお話を聞きました。開口一番、お二人が仰ったのは、この高額療養費制度ではすごく助かっています、絶対にこの制度は無くさないで下さいと言う事でした。
次に、市役所の市民部の窓口を担当されている方に聞きましたら、この様な良い制度があるにも関わらず一部の高齢者の認識不足といいますか、知らな過ぎると言う事を耳にしました。
自治体としても立派なリーフレットを作って高齢者に渡して頂いていますが、高齢者としては細かい情報、例えば内容が細かすぎて数字の羅列等ではほとんどの方が読めない読まないのが現状だそうです。市役所では制度をご存じではない方々が質問や苦情をされるので窓口業務が煩雑になっているそうです。私との話の中で、市役所としても今後リーフレット、案内の内容、表現の仕方を変えていかなければせっかくいい制度が有りながらそれを知らない人が多いのでは残念だとの事でした。
先ほど岡田様も仰いましたが、ある病院ではこの制度を患者さんに説明しないところもあるそうです。私の知人ですが、がんを患いまして入院・手術をしなければならないと言われて相当お金がかかると考えて、自己負担では出来ないとの判断で治療は諦めざるを得ないかという不安に陥ったそうです。この様な事も含めて行政、自治体に文句を言うわけでは有りませんが、受け側の患者・高齢者がもっと理解しやすい様にぜひお願いしたいと思いました。
話を戻しますが、先程の後期高齢者のご夫婦の話ですが、ご主人がいろいろと調べていらっしゃって問題点や要望をお持ちでした。
その中で高額療養費制度そのものは、この制度が無いと我々は生きて行けないので是非厚労省に引き続きやって欲しいと強く述べられました。この様な良い制度を持っているのは世界でも日本だけと聞きましたが、この制度で我々高齢者を見守って頂いている事を私も今迄知りませんでした。更にご主人が仰ったのは、医療自己負担の1割・2割・3割について、3割の所得の区分があまりにも不公平ではないか。と言いますのは、例えば高齢者がギリギリの生活の三百数十万円の人と、かたや1000万円・2000万円さらに株式配当金等をお持ちの方々と同じ3割負担は不公平だと仰いました。
確かに厚労省としては、どこかで線引きをしなくてはならないと言うのは分かりますが、所得区分をもう少し細かくして頂きたいと思いました。
もう一つ、これは福祉の話になるかと思いますが、先程のご夫婦が今も通院されています。自宅から病院までの移動手段に非情に困っているそうです。お二人で通院されていますが、同じ日に病院に行くことは無くそれぞれで行かなくてはいけない、よって多額のタクシー代がかかっているそうです。福祉の部分に於いては自治体との話になると思いますが、そのような苦労話をされました。
私自身病気知らずでこのような良い制度について詳しくなかったので、これを機に千葉県シルバー人材センター連合会の理事の立場で、千葉県内のシルバー人材センターの会員の皆さんに、制度についてしっかりと伝えなくてはいけないと強く感じております。
また、高額療養費制度の仕組みを自治体から伝えて頂いているのですが、負担金の約4割を現役世代の皆さんの保険料から負担して頂いている事を知り
私も驚きました。市役所からのリーフレットにも負担金の割合が出ていますので認識不足だと思いました。現役世代の皆さんからも助けて頂いて、この様な良い制度を使わせて頂いている事を我々高齢者も今一度認識すべきではないでしょうか。
外来特例も良い制度と思います。ただし、70歳以上という制度ですが今の70歳と昔の70歳とは健康状態も違いますので、70歳というラインを引き上げる事も検討されると思います。然しながら年の取り方は人により違いますのでその点を考慮して頂きたいと思います。例えば、70歳でも元気に働いていらっしゃる方もいればお仕事も出来なくて大変な思いをされている方もいらっしゃると思います。見直しの際には、慎重な判断をお願いしたいと思います。
時代の流れで現役世代と高齢者世代に溝が有るような風潮を私自身感じております。医療体制の見直しについての機会を頂き、健康を維持する為にも現役世代と高齢者世代の双方が、「お互い様です」と言える環境が必要なのではと強く
感じております。
今回いろいろと資料等を読ませて頂いて時代に合った見直しは必要だと痛感しましたが、今後の見直しに於いては、是非高齢者に寄り添ったご検討をお願いしたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら、挙手にてお知らせいただければ幸いです。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いでございます。
 どなたからでも結構でございますし、また、参考人の方でこれを言い逃したというところがございましたら補足いただいても構いません。
 では、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
 大変勉強になるお話をいただいて、ありがとうございました。
 申請しないともらえないので知らない人が多くて、説明が十分になされていない部分もあって申請漏れがあるというお話だったかと思うのですけれども、この点が非常に大事だと思っておりまして、経済学の実証研究においても、例えばアメリカとかいろいろな国の実証研究でもやはりそういうところがよく知られておりまして、高齢であるとか、教育水準、所得水準、あとは状況、忙しさとかそういったことでも、やはり大変な状況にある方ほど制度のことをよく知らないということが言われていまして、例えば非常に所得が低いシングルマザーで、生活に追われていて、周りにもあまり相談できる人がいないと、そういう制度について自分で調べる余裕もなく、周りの人が教えてくれることもなく、申請すればもらえるはずのものがもらえていない。それでますます困窮してしまうということが指摘されているのです。
 1つ思い出しましたのが、横浜市立大学の加藤弘隆先生らによるご研究で、2021年の『The European Journal of Health Economics』に掲載された論文なのですけれども、日本で70歳で医療費の自己負担率が、高額療養費に適用されないより相対的に低い部分で、30%から10%に下がるわけですけれども、そこのところで価格変化に対してどれぐらい外来利用が反応するかということを調べたのです。そうすると、普通、所得が低い人のほうが価格には敏感なはずなのです。なのですけれども、この研究によると、価格への反応性は所得が高いほど大きくて、所得が低いほど小さくなって、低所得者ではゼロになる。だから、制度をうまく利用して自分の利益になるように行動するという行動パターンはむしろ高所得者に多いのだという非常に示唆に富む研究結果なのです。
 なので、やはり情報を十分持っていない方とか、制度をよく理解して自分の利益になるように行動するということが十分できない方に対して非常に配慮が必要だということが分かりました。どうもありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 何かコメントはありますか。では、お願いします。
○田中参考人 よろしいですか。
 先程御報告させていただいたのですが、補足ですが、今教えていただいたこのいい高額療養費制度がどの程度周知されているか云々というのは、私も一番気になりました。いろいろ聞いたり調べたりしたところ、病院によって差があると言われました。というのは、患者さんが来て、これだけの手術をしなくてはいけません、総額はこれぐらいかかるのですが、こんないい制度があるのでこれを使ってやりましょうという病院もあれば案内が無い為治療を諦めてしまう人がいるとしたら、私は非常にそれが問題と危惧しました。
 病院においては、ソーシャルワーカーがいらっしゃるところは患者さんにアドバイスをしていただけるのだそうです。そうすると、患者さんも安心して病院でお世話になれるので、やはり病院によって制度を言ってくれるところと言ってくれないところ、また取りあえず全額全部自分で払いその後、余分に支払った分は返していますという事を聞いたのですけれども、入院するか、手術を受けるかどうか、その段階での患者の気持ちを思って安心してこの制度を使わせていただいて、いい治療をして健康を維持するというところに持っていいかなければと感じました。
 いい制度の認識不足という事は、持ち帰りまして、どういう形でやれば高齢者は制度を理解、認識出来るのかその結果健康な状態を維持出来るのかと感じました。
 周辺の方たちにお聞きした中で一番結論として感じたのは、絶対になくしていただきたくない制度であると全員がおっしゃっていました。では、受けの我々がそれをどう理解して、きちんとやっていくかという事はやはりこちらの問題だということで、自分なりの結論です。長くなりましたが、以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがですか。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。健保連の佐野でございます。
 お話、いろいろとありがとうございました。
 今、特に田中さんのお話を伺って、高額療養費制度のこともさておき、現役世代が4割を負担して支えているということを高齢者の方が御存じないという話があったのですが、実は払っているほうの現役世代も自分たちの保険料が4割も高齢者の医療費に使われているということを知らない方が大変多いです。我々健保組合としても、現役世代に対してこういうふうになっているのですよと伝えているのですが、改めて、受け取っているほうも払っているほうも認識が薄いというのは、ある面で言うと、それで回っている分にはいいのかもしれませんけれども、この時代環境の変化の中で、これは良くないなと感じました。我々も現役世代に対する啓蒙も必要ですけれども、全世代に対して今の社会保険の仕組みの周知を行っていかなくてはいけないなと改めて感じた次第です。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。日本商工会議所の藤井でございます。
 本日は貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。
 お話を伺いまして、高齢者と一口に言いましても置かれている環境は多様であるなと改めて認識いたしております。
 商工会議所の会員も御高齢者が多いのですが、非常に健康経営に熱心で、自らも健康になるよう努力すると。仮に御自身が何らかの病気になられても、自分がもうちょっと負担しても構わないと言っている方もいらっしゃいます。先ほど参考人から若手世代の負担に関する発言がございましたので、大変感謝する次第です。そのように健康になる努力をしている方に関して私はいつも申し上げているのですけれども、やはりリスペクトだと。感謝するということが必要ではないかなと思います。
 一方、やはり苦しい状況にある方もいらっしゃいますので、これは年齢問わず、若手でも仕事をしながら不幸にして非常に重い疾病を抱えるという方もおり、やはりこの制度はなくてはならないという方もいらっしゃいます。そういう方にとっては、少しでも負担が上がると大変だろうなと思っておりますので、本当に千差万別だなと思っております。この医療保険制度のセーフティー機能を維持していくためには、制度の持続可能性の確保と個々の状況への配慮というものを両立する視点が求められると考えます。
 外来特例をはじめとする見直しにつきましても、低所得者等に配慮しつつ、公平性を確保するために能力に応じた負担を強化し、限度額や対象年齢の引上げなど、改革を確実に進めることが必要だと思います。
 若手の皆さんにはできるだけ負担を減らしていただきたいのですが、私、いつも申し上げるのですけれども、若手の皆さんもいずれ年を取るのです。そのときにこの制度がなかったらどうするのかと申し上げることがあります。そうしたことをある程度理解した上で、この制度をしっかり次世代へ、自分のためにも支えるという考え方が必要であると。もちろん現役世代にあまり負担を背負わせると今の生活が成り立たなくなってしまいますので、それはぜひ配慮していただきたいと思います。それと、若い世代こそ将来の自分の健康を守るために今から健康経営に取り組むべきです。若いからといって不摂生は禁物であると私はいつも強く申し上げておりますが、ぜひ皆さんに年齢を問わず健康になる努力をしていただきたいなと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 日本の場合、高額療養費制度に限らず、何事も申請主義なのです。だから、本人から言っていかないと受け入れられないというので、損している人が多い。やはり知っていると知らないのでは情報格差で非常に差が出てしまうのですよね。これを何とかしなくてはいけないと思っております。
 例えば医療機関において患者さんに対してこういう情報提供をするとか何かしないと、本当に知らないと損をするというのは、これは医療だけの問題ではなくて福祉でもそうですし、その辺を考えていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。日本医師会の城守でございます。
 本日は貴重な周辺のお話も含めてありがとうございました。
 お二人のお話をお聞きしておりますと、やはりこの高額療養費制度は今後も存続していくことが必要であるということは強く感じさせていただいたところでございます。
 特に田中参考人のほうから、医療現場、特に病院において説明を受けられない場合もあるというお話でございました。特に医療現場においては、大きな病院ですと説明等に関しても事務が専属でいる場合もあるのですけれども、中小の病院ですと昨今の経営状況が厳しいというところも相まって、なかなか人員的にしっかり体制が取れないということも多いと思います。そういう意味を考えますと、現場で治療をする際にかなり高額になるということを説明する医師が制度をよく理解していただけるように関係団体を含めてさらに周知させていただきたいと思います。
 それと、制度の周知がなかなか皆さんに行き届かないというのは、高額療養費制度だけではなくて全てのことでよくあることですけれども、特に高額療養費制度における外来特例に関して、高齢者の方、我々からないしは恐らく行政から何らかの周知の方法を考えたとしても、同じことの繰り返しで、なかなか周知が行き届かないだろうなと予測もされますので、現場の御高齢の方に対して、どのようにしたらみんな読んでくれるのか、どのようにしたら情報にアクセスできるのかということを多くお声がけしていただいて、そのお声がけの中から何か共通的な項目があれば、それを行政のほう、厚労省のほうにお伝えしていただければいいのではないかなとも思いますので、その辺りもよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
 今、城守委員が言われたような病院のいろいろ温度差があるのは間違いございませんが、そういったところを病院団体、恐らく窓口のほうで特にきちんとそういうお話があれば、高額療養費制度を御存じの方もそうではない方も意味が分かるだろうと思いますので、なるべく病院団体を通じてここを周知徹底するということを呼びかけたいと思います。どうもありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、兼子委員、よろしくお願いします。
○兼子委員 制度の問題なのですけれども、窓口がいわゆる利用の経費の支払いの事務的なことだけではなくて、医療機関を受けるに当たって様々な所得の差がありますので、やはり相談窓口の人材確保ということをこれからはきちんと位置づけていく。人材の問題はいろいろ大変な問題あるにしても、相談窓口の人材確保をきちんとしていくということが一つ必要なことではないかと思います。
 それから、前々から私は高齢者と現役世代という使い方は少し対立的に見られるという感じを持っておりまして、先ほど田中さんのほうから御指摘がありましたけれども、3割負担のところについて少し粗いといいますか、お話ではこういう所得の高い人たちについてもう少し細かく段階を設けて、所得に応じた負担をしていただく。この問題も御指摘があったかと思いますけれども、やはり国民の皆さん、ここのところは疑問が大きいかと思いますので、この点についても今後の中できちんと議論を深め直していく必要があるのではないのかなと思いました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに御意見等がなければ、本議題につきましてはこれまでとさせていただきます。
 岡田様、田中様におかれましては、本日は御出席賜りまして、また、貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。御礼申し上げます。
 こちらで御退席いただいて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
(岡田参考人、田中参考人退室)
○田辺部会長 では、次に「医療保険制度改革について」を議題といたします。
 事務局のほうから資料の御説明をお願いいたします。
 なお、議論の時間を確保するために、事務局はポイントを絞って簡潔に御説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
○姫野課長 ありがとうございます。総務課長でございます。
 資料1、ポイントを絞りまして御説明させていただきます。
 まず1ページ目ですけれども、これまでヒアリングも含め、11回議論を行ってきたということを記載しています。これまで長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
 「はじめに」の部分ですけれども、9月、10月の頃に議論いたしましたような総論的なディスカッションをした部分を記載しています。
 続いて2ページですけれども、3つ目のパラグラフにありますように、4つの視点を踏まえて議論を進めていこうということで一旦整理をさせていただきました内容、1つ目として世代内、世代間の公平、2つ目としてセーフティーネット機能を確保する、3つ目といたしまして、現役世代からの予防・健康づくりや出産等の次世代支援、そして、最後に必要な医療を提供しつつ、より効率的な給付をするという視点。こういった4つの視点から、次のパラグラフにありますような各制度改正の項目を検討させていただきました。
 続いて、3ページから個別の論点に流れていきますけれども、1つ目、世代内、世代間の公平の確保という点でありますが、1つ目の検討項目、高齢者医療における負担の在り方ということであります。
 2つ目のパラグラフにありますように、現役世代の保険料負担を抑制しつつ、世代内、世代間の公平性を確保していくという観点から議論を行ってきたということであります。
 議論に当たってはということで、次のパラグラフの最後の2行のあたりにありますように、データによりまして高齢者の受診状況、所得の状況等を丁寧に確認した上で、窓口負担割合の在り方について議論を行ったという形で整理をしています。
 そのほか、次のパラグラフではより詳細なデータの項目などを記載し、次のページに皆様からいただきました御意見を記載しています。こういった御意見のほかに、最後のパラグラフですけれども、現役並み所得、いわゆる3割負担の判断基準につきましても様々な御意見をいただいたということを整理してございます。
 次の5ページでありますけれども、2つ目のパラグラフ、「さらに」とありますが、窓口負担割合の見直しの方法についても具体的な例示を事務局からさせていただきました。3割負担、2割負担の対象者を拡大していくという方法、あるいは負担割合の区切りとなる年齢の引上げ、また、負担割合について、現在の1割、2割、3割といった整数での設定からさらにきめ細かい設定をするといった例示も踏まえて議論いただいたということであります。
 最後のパラグラフですけれども、政府の経済対策の閣議決定の中では、こういった年齢によらない真に公平な応能負担の実現につきましては、最終的には令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実施するとされております。こういった政党間での議論もされるということでありますので、これまで議論いただきました当部会での議論内容を踏まえて引き続き検討すべきであるという形で一旦整理をさせていただいています。
 続いて、金融所得の勘案につきましては、上場株式の配当などの金融所得について確定申告を行う方と源泉徴収で課税が終了する方との取扱いが不公平な形になっているのではないかといった問題意識を記載しています。
 これらを踏まえまして、3つ目のパラグラフにありますように、①金融所得の把握方法、②対象となる医療制度について具体的な提案をさせていただき、議論いただきました。
 ①の金融所得の把握方法につきましては、金融機関から所得税法などの規定により提出される法定調書に個人ごとの配当所得などが記載されておりますので、こういったものを活用して把握するという方法を提案しています。
 また、②対象となる医療制度につきましては、市町村の税情報を活用しております後期高齢者医療制度あるいは国民健康保険が対象として可能性が考えられますけれども、後期高齢者医療制度につきましては一律に75歳以上の高齢者が対象になっておりますが、一方で、国民健康保険につきましては賃金をベースに保険料等を賦課する被用者保険とのバランス、あるいは自治体でのシステムの標準化のスケジュール、こういったものも留意が必要であるということです。
 また、次のページにありますけれども、経済対策における記載、こういったことも踏まえまして、まずは後期高齢者医療制度から金融所得を勘案するという形で提案させていただいております。
 次のパラグラフにいただいた御意見を記載しておりますが、下から2つ目のパラグラフにありますように、これらの意見を踏まえ、関係省庁とも連携しつつ、後期高齢者医療制度において、法定調書を活用する方法により、保険料や窓口負担区分の決定に金融所得を勘案すべきであるといった形で整理をさせていただいています。
 その次のパラグラフは具体的な反映方法についてであり、次の8ページに飛びますけれども、システム改修などの一定の期間も必要になってまいりますので、具体的には引き続き検討するという形で記載をしています。
 続きまして、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しにつきましては、現在まだ与党での協議が続いておりますので、現時点ではペンディングという形にしています。
 続いて長期収載品の選定療養の見直しでありますが、令和6年度の診療報酬改定におきまして、長期収載品と後発医薬品の価格差の4分の1相当を患者負担としています。これによりまして後発医薬品の使用割合が約4ポイント上昇したということで、一定の効果があったということでありますけれども、医療現場に負担がかかっているとの御指摘もいただいているところであります。
 こういったことを踏まえまして、事務局でも例示を含め議論させていただきましたが、部会の中での御意見は8ページの下の最後のパラグラフから記載しています。次のページにかけていただいた御意見を整理していますが、これらの意見を踏まえということで、患者負担の水準を格差の2分の1以上へ引き上げる方向で検討すべきであるといった形で一旦整理をさせていただいています。
 続いて、先行バイオ医薬品の薬剤自己負担の在り方ですが、これは令和6年度診療報酬改定におきまして、長期収載品の選定療養の対象外という形で整理をされています。次のページにありますように、先行バイオ医薬品については選定療養の対象とするなど、推進を図るべきといった御意見もいただいたところであります。
 一方でこの点につきましては、中段あたりになりますけれども、長期収載品と同じように一般名処方ができるようになってくると考えられると思うが、現状では先行品とは相違点が大きいといった御意見もいただいたところであります。
 こういった御意見も踏まえまして、まず様々な環境整備を行うべきであるということを一つ記載した上で、「また、」というパラグラフになりますけれども、バイオ医薬品に係る一般名処方のルール整備、こういったものが中医協でも議論されておりますので、こういったものを見ながら、最後のパラグラフにありますように、環境整備の進捗状況を注視しつつ、引き続き検討すべきであるという形で整理をしています。
 続いて2つ目の項目、セーフティーネット機能の確保でありますが、11ページにあります高額療養費制度の見直しは、様々議論いただいているところでありますけれども、こちらも現時点ではペンディングという形にしています。
 続いて3つ目の項目、現役世代及び次世代の支援強化という部分でありますが、まず出産に対する支援の強化であります。令和5年度に出産育児一時金の引上げを行いましたけれども、その後も妊産婦さんの経済的負担が増加しているということが指摘されています。こういった課題を踏まえまして、厚生労働省におきましても検討会を開催、また、本医療保険部会におきましても妊産婦の当事者あるいは産科医療関係者などにも専門委員として参画いただいて議論をしてきたということを記載しています。
 給付体系の骨格につきましては、最後のパラグラフですけれども、現行の出産育児一時金に代えて、保険診療以外の分娩対応に要する費用について、全国一律の水準で保険者から分娩取扱施設に対して直接支給することにより、現物給付化を図るべきであると整理しています。
 具体的な単価の設定については、分娩1件当たりの基本単価に加えて、手厚い人員体制などについての加算を設けるといった形で記載しています。
 また、その次の次のパラグラフになりますけれども、いわゆる保険診療につきましては、引き続き従来どおり療養の給付を行うことができるようにすることが適当であるという形、また、産科医療補償の掛け金などについても、現行、出産育児一時金の上乗せ額として支給されておりますので、引き続き妊婦の負担のない形を維持すべきであるという形にしています。
 また、現金給付につきましても次のパラグラフでありますけれども、分娩1件当たりの基本単価とは別に、全ての妊婦を対象とした現金給付を設けることが適当であるという形にしています。
 次のページでありますけれども、妊産婦さんが納得感を持ってサービス選択できるような見える化を徹底するということ。他方で、次のパラグラフですけれども、自身のニーズに基づいてサービスを取捨選択していくということになりますので、双方の合意と納得の下に自由に設定されるべきものであるという形にしています。
 以下、13ページ、14ページといただいた御意見を記載し、また、15ページ以降には実際の実施に当たっての留意点、また、16ページには移行時期につきまして妊産婦さんが希望に応じて施設を選択できるようにした上で、当分の間、施設単位で現行の出産育児一時金の仕組みも併存し、可能な施設から新制度に移行していくことが適当であるという形で整理をしています。
 続いて17ページ、国民健康保険制度における子育て世代への支援拡充でありますが、令和4年度から始まっております未就学児に係る均等割の保険料の5割軽減につきまして、次のパラグラフに記載していますが、その対象を高校生年代まで拡充するということについて、国と地方の協議を踏まえて当部会に報告をしたところです。
 これにつきまして、真ん中あたりのパラグラフですけれども、こうした意見を踏まえ、地方分権の趣旨に反しないことなどを前提に、当部会で議論した方向性に沿って必要な措置を講ずるべきであるという形で整理をしています。
 4つ目、効率的な給付の推進ということでありますけれども、医療機関における業務効率化・職場環境改善の推進につきまして御報告した内容を記載しています。
 17ページの最後のところにありますように、医療機関の業務のDX化の推進につきまして、医療界全体の実効ある取組とするために以下の取組を行う必要があるということで、以下、取組内容を18ページに記載しています。
 例えば真ん中あたりにありますように、業務効率化を図る場合における診療報酬上求める基準の柔軟化の対応、また、医療機関の責務の明確化ということで、医療法あるいは健康保険法上の明確化を進めるという形で記載をしてございます。
 続いて入院時の食費・光熱水費についてでありますが、入院時の食費につきましては、令和6年、7年と1食当たりの価格を引き上げてきておりますが、それ以降も食材料費の上昇は続いているということであります。
 19ページの結論部分ですが、入院時の食事療養費について、総額の見直しが中医協で行われておりますので、そういった議論の動向も踏まえつつ、自己負担額についても同様の引上げの方向で見直しを行うとともに、仮に引き上げる場合には所得区分等に応じて一定の配慮を行うべきであるとしています。
 光熱費につきましても同様の記載ですけれども、こちらは平成18年の創設時から据え置かれているものでありますが、下から3つ目にありますように、介護保険制度では60円の引上げが行われているということ、また、食費と同様に中医協での議論も行われているということです。
 20ページに結論部分を記載しておりますけれども、食費などと同様ですが、自己負担額についても同様の引上げの方向で見直しを行う。また、所得区分に応じて一定の配慮を行うべきであると記載しています。
 最後、5番目といたしまして国民健康保険制度の改革の推進を記載しています。
 前段はこれまでの改革の流れなども記載しておりますけれども、国と地方の協議を踏まえまして、取組の方向性を当部会に報告しています。具体的にはということで、先ほど触れましたこどもの均等割の保険料軽減を拡充するということのほか、保険料水準統一に向けた議論の積極化、また、財政安定化基金の柔軟化、そして、次のページになりますけれども、国保連を活用した自治体支援の在り方、また、資格喪失日の見直し、そういったことを法改正を含めて対応してはどうかという御提案をしたということです。
 これにつきまして、御意見をその下に記載しておりますけれども、「これらの意見も踏まえ、」ということで、結論が得られた事項について実施すべきであるという形で記載をしています。
 次の22ページでありますけれども、国民健康保険組合に係る見直しということでありますが、定率補助につきましては現在下限の13%になっております。これを原則ということで維持しつつ、財政力などで例外的に新たな補助率12%、10%を適用するということを御提案しています。
 これらにつきまして、御意見を一番下のところに記載していますけれども、23ページに結論部分を記載しています。こうした意見を踏まえて、国保組合の実情を十分に勘案し、詳細な制度設計を行うことを前提に、当部会で議論した方向性に沿って所要の見直しを行うべきであるという形で整理をしています。
 説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら挙手にてお知らせいただければと思います。
 では、佐藤参考人、よろしくお願いします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
 これまでの繰り返しとなりますが、医療保険制度改革を進めるに当たりましては、過度な負担や急激な変化が生じないよう十分な配慮を行うとともに、当事者に対する分かりやすい周知広報をお願いいたします。
 また、出産に対する新たな給付体系の具体的な制度設計に当たりましては、地域の周産期医療提供体制が維持されるよう、現場の実情を十分に踏まえるとともに、国民全体において十分な理解と納得が得られるよう、引き続き丁寧な議論をお願いいたします。
 さらに、医療機関の業務効率化等に医療界全体、そして、国主導で取り組むため、国におかれましては技術的支援を強化するとともに、事業実施に伴う都道府県の財政負担については、国の責任において確実に地方財政措置を講じていただきますようお願いいたします。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。
 これまでの議論、様々な意見を整理していただきまして、事務局の皆さん、ありがとうございました。
 これまでの連合のほうからの発言と重複する部分はありますが、幾つかコメント、発言させていただきたいと思います。
 まず、本日まだペンディングになっていますが、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しについてです。かねてから申し上げていますように、仮に見直すとしても、医療用とOTCでは用法・用量、効能・効果など様々な違いがありますので、保険適用から外すことは難しいと考えますし、給付の割合は将来にわたって100分の70としている健康保険法の附則は遵守すべきと考えています。
 加えて、これまでの議論で、患者に自己負担を求めるに当たって、保険外併用療養費の形であったり、選定療養の仕組みを活用してはどうかという意見がございましたが、保険外併用療養費制度とは、そもそも将来的な保険収載を目指す先進的な医療等について、安全性・有効性等を確認するなどの一定のルールにより、保険診療との併用を認めるというものだと思っています。選定療養の対象は長期収載品にも拡大されておりますが、その際の議論において、前任の村上から、「困ったときの選定療養頼みとならないよう、目的と手段の観点から、今後、選定医療の仕組みを整理していく必要があるのではないか」と発言していると聞いております。今回どのようになっていくか分かりませんけれども、国民、患者の理解、納得を得るためにも、制度そのものについて、きちんと議論をすることが必要と考えます。
長期収載品の選定療養の見直しについては、患者への影響を踏まえるとともに、患者に対して、丁寧な説明・周知などの対応も必要と考えます。また、後発医薬品の安定供給に支障が出ることのないよう、国としてしっかり取り組んでいただきたいと考えます。
 高齢者医療における負担の在り方については、意見として記載していただいたように、年齢で区切らない制度への抜本改革とセットで議論することが必要と考えていますので、その点はくれぐれもお願いしたいのと、医療だけではなく、介護においても、今、負担に関する議論が行われていることを踏まえて、医療も介護も必要なサービスが受けられるよう、丁寧に対応することが必要と考えています。
 医療保険における金融所得の勘案については、トータルでの所得や資産を把握するための方策について、関係省庁と連携し、検討していくべきという意見は、当会からの発言も踏まえて記載いただいたものと認識しておりますが、その趣旨は保険料だけの話ではなくて、まずは税制で対応をするべきものということであって、順番が逆になっているのではないかということでこの間発言したということは改めて申し上げたいと思います。
 最後、出産に対する支援の強化についてです。これまであった様々な意見を受け止め、丁寧に記載していただいておりますので、細かくは申し上げませんが、全国一律の水準で現物給付とし、妊産婦の負担が増えないよう、基本単価の10割を保険給付するという方向性に異論はございません。基本的に出産育児一時金の対象は今後もカバーされる形で給付体系を見直すことになると思っておりますので、詳細の設計に当たっては、例えば出産育児一時金の対象である妊娠85日以降の早産、死産、流産、人工妊娠中絶についても母体保護の観点から保険適用とするとともに、ほかの詳細な部分を含め、現行と比べて負担が増えることのないよう、費用などの見える化と併せて丁寧に検討いただきたいと考えます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
 私からは大きく2点、全体に関わることと負担の公平について発言させていただきます。
 まず全体についてでありますけれども、今日の資料の中に総合的なパッケージと書いてあるということと、冒頭でしょうか。中長期的にあるべき姿から逆算してといういわゆるバックキャスティングというのでしょうか。やはりあるべき姿を考えて、それに向けてどうしていくかといった発想は非常に大事なことなのだろうと思います。そういった制約条件の中で何を守り、何を逆に効率化とかあるいは合理化していくかといった発想でこの取りまとめも考えていくべきなのだろうと考えております。
 そういった点から言いますと、全体の構成がいきなり負担の世代内、世代間の公平となっているのですけれども、私の発想としては、むしろセーフティーネットの機能の強化であるとか、あるいは現役世代、次世代への支援を強化していくという守るべき部分、そういう中にあって負担についてもどう考えていくかといった思考方法、発想というのがにじみ出たほうがいいのではないかなと考えております。全体の構成ですので、私一人でどうこうということではないかもしれませんけれども、そういう発想で組み立てていくということがいいのだろうと思っております。
 あと、今日のヒアリングでもありましたけれども、やはり国民、一般の方にも分かるように努力していくことが必要なのだろうと思います。そういったことから言いますと、審議会の中では普通に使われている言葉も、実は必ずしも分かりやすいかというとそういうわけでもありませんので、今回の中にも説明を加えた上で何とかという部分がありますけれども、例えば今日の中ではバイオシミラーというのがいきなり出てきて、この辺りも場合によったら脚注であるとか簡単な説明を加えたほうがいいのかなと思ったりしています。また、OTCも恐らく今日は入っておりませんけれども、何らかの説明を加えてということだと思います。
 そういった点から言うと、ちょっと気になっておりますのは、前回発言したこととかぶってしまうかもしれませんけれども、出産のところは今の出産育児一時金の部分以外に、やはり異常分娩の場合の療養の給付と新生児の医療の部分の負担問題もありますので、無償化と言ってしまいますと何が無償化なのだというところもありますので、その辺りは注意深く説明をすると同時に、こういった出産育児一時金以外の部分をどうしていくかというのはやはり併せて考えておかないといけないのではないのかなと思っております。
 個別論点といたしましては、公平性という点から言いますと、やはり高齢者だけでなく、現役世代、特に若者あるいは就職氷河期の人たちのことも考えておく必要があるのだろうと思います。そういう点から言いますと、1ページのところで高齢者を年齢でひとくくりにすることなくというのは、むしろ高齢者だけではなく現役世代も含めてひとくくりにせずに、所得の高い人、低い人、いろいろな病気がちの人、そうでない人ということがありますので、その辺りも少し注意深く書いたほうがいいのではないかなと思っております。
 そういった点では、医療保険の高額療養費の場合はリスクの高い人とそうでない人の所得再分配ですし、利用者の負担については所得が低い人と高い人ということでありますので、決して高齢者だけではないのだということが重要だと思います。
 また、高齢者の負担のところをどちらかというと高くするような議論もありますけれども、逆に刻みの在り方としては、1割、2割、3割ということだけではなくて、今、コンピューターの時代ですので、例えば1割の方が2割になるとすると、これは倍になりますから、15%とか25%というのも個人的にはあるのかなと思ったりしております。
 私からは以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 これまでの議論が適切に反映されている全体的な印象を持ちました。特に応能負担の徹底でありますとか、現役世代の保険料負担の抑制というような点が強調されている点は評価したいと思います。
 その中で、これは前回も申し上げたのですけれども、1点、出産に対する支援の強化の中の現金給付の部分ですけれども、もちろん現行から出産時の負担が増えないように経済的な支援をしていくということを否定するものでは全くございませんが、これを医療保険でやるということについては違和感があるという意見はほかの委員からも御発言があったと認識しているところです。保険制度全体の中で公平、公正な制度になっているかどうかという観点もやはり重要であって、恐らくそのような観点で高療の話あるいは高齢者の方への御負担増という話も出てくると思いますので、今後これを進めるに当たっては、負担が増える方々に対してもちゃんと納得性のあるような御説明とか制度設計をしていく必要があると思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、原委員、よろしくお願いいたします。
○原委員 ありがとうございます。
 一部まだ空欄のところはありますけれども、私もこれまでのこの部会での議論がおおむね反映されているものではないかと思っております。
 その上で、4点ほど発言をさせていただきます。
 1点目は、最初の1ページの「はじめに」の前の柱書きのところですけれども、ここは本部会としてこれまで検討を行ってきた視点といいますかスタンスみたいなことが書かれているのだろうと思います。伊奈川委員からも指摘がありましたけれども、大変重要なところかなと思っておりまして、今回の見直しというのは、全世代型社会保障改革という視点から、近年ないぐらい様々な分野について幅広く検討し、見直しの必要性というものを指摘したものになっているのではないかと思います。しかも、高齢者を中心に負担増という部分がかなりありますので、そういう意味で、やはり全世代にわたる国民の皆さんの理解と納得感を得るということが大変重要なことになるのではないかと思います。
 そういう意味で、「はじめに」の前の柱書きにあります、あるいは「おわりに」にも書いてありますけれども、伊奈川委員からも指摘がありましたように、私も中長期的にあるべき姿から逆算した必要な政策、理念及び全体像を示すというスタンスをきちんと強調したほうがいいのではないかということと、そのことについてやはり国民の皆さんに丁寧に分かりやすい資料で説明をしていくという努力が行政には求められてくるのではないのだろうかと思います。
 それから、2点目は21ページですけれども、下から2つ目の○です。国保制度に関することですが、発言をした意見については記載していただき、ありがとうございます。ここにありますように、国保制度改革を推進するに当たって、法改正を含め対応を行うためには、国と地方を中心とする協議の結果を尊重すべきとありますけれども、国保連合会を活用する対応というものを検討する場合には、当然のことだと思いますが、国保連合会と十分に協議をしていただきたい。そういう趣旨で書かれていると理解しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 また、その後の次の○のなお書きですけれども、普通調整交付金の在り方の見直しと生活保護受給者の国保等への加入についての記載がありますけれども、これについては構造的な問題を抱えていて、制度運営が非常に難しい国保においては、これをやりますと非常に大きな影響を与えるということを我々は懸念しておりまして、国保制度関係9団体としては反対の意見ですので、改めてこの場でそのことについて申し上げておきたいと思います。
 それから、最後のところで「おわりに」に関することですけれども、この議論の整理案には多岐にわたる改革項目案が記載されておりますけれども、地方自治体や後期高齢者医療広域連合など、地域保険の保険者、また、事務処理システム等を開発している私ども国保中央会におきましては、体制が十分ではない中でこれらの多岐にわたる改革というものを実施するためには、相当大変なシステム改修等の対応が必要となるということで懸念しております。恐らくこのことは被用者保険の保険者の皆さんなども同様な課題ではないかと思っております。
 したがいまして、ここに一部記載はありますけれども、ぜひ私としてはこの「おわりに」のところに今のことについて記載をしていただきたい。すなわち、十分な準備期間と財政支援が必要である旨、それから、実施に当たっては、窓口での混乱が生じないように国において丁寧な周知広報を行っていただく。このことをできればこの「おわりに」のところにも総括的に書いていただけないだろうかということをお願い申し上げたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
 今の原委員のポイントに重なる部分がございますので、私からも4点なのですが、国保の話から先に申し上げたいと思います。
 21ページの終わり頃から22ページの初め頃です。調整交付金の見直しあるいは生活保護受給者の国保加入についてですが、これらは引き続き検討ないしは中長期的な検討課題とされました。いずれも国保制度に抱える構造的な課題をさらに深刻化させることになります。制度を破綻させかねないものでありますので、今後も見直しは行わないようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 戻ってまいりまして17ページですが、国保におけるこどもの均等割保険料の軽減の拡充、今回の対象の拡大によりまして、どの自治体においても財政運営に支障を生じないよう、十分な御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次は11ページですが、出産に対する支援の強化です。今後、給付体系の詳細な検討が行われると思いますが、やはり地域の一次施設と周産期医療提供体制の確保に支障が生じないよう十分御配慮いただきますとともに、現物給付や新たな現金給付ですが、保険財政とのバランスを考慮しながら検討していただくことが重要と考えます。
 最後に6ページですが、後期高齢者医療制度における金融所得の勘案であります。公平性の観点から被保険者の納得が得られるような制度設計をしていただくとともに、国において十分な説明を行っていただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、馬場参考人、よろしくお願いいたします。
○馬場参考人 ありがとうございます。
 お示しいただいた議論のまとめにつきましては、全体として異論はございません。
 その上で、資料6ページの金融所得勘案の対象となる医療制度について、後期高齢者医療制度の立場から一言申し上げます。
 金融所得を医療保険制度において勘案するということにつきましては、税制上の申告選択による不公平を是正し、負担能力に応じた公平な負担を実現するという観点から、その方向性自体は理解をしておるところです。
 一方で、後期高齢者医療制度の被保険者は年金を中心とした固定的な収入で生活されている方が多く、負担増の影響を受けやすい層でもあります。金融所得を保険料や窓口負担に反映させるに当たりましては、特に低所得者層や医療ニーズの高い方への影響について慎重な検証と配慮が必要であると考えます。
 また、後期高齢者医療制度から先行して検討する。こういう考え方は、制度上の特性から一定の合理性はあるものの、国民健康保険や被用者保険との間で新たな不公平が生じないよう、中長期的な全体像を踏まえた段階的な対応が不可欠であると考えております。
 さらに、法定調書の活用による金融所得の把握につきましては、実務負担やシステム改修等の課題も大きいため、十分な準備期間の確保と国による財政的・技術的支援を前提として検討を進めていただきたいと考えております。
 以上を踏まえまして、後期高齢者医療制度における金融所得勘案の検討に当たりましては、影響の丁寧な検証、制度間の整合性の確保、現場への配慮、これらを前提に慎重かつ計画的に進めていただくようお願い申し上げます。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 ありがとうございます。
 まず妊娠・出産に関する部分ですけれども、妊婦全員への一律の現金給付ということは私はやはり問題だと思っております。出産無償化の制度の趣旨からしますと、帝王切開などで自分の選択によらず少なくない医療費がかかった方への補償というのが必要ではないかと思います。ですから、現金給付の財源があるのであったら、それをそういういった療養のためにかかる自己負担軽減に回せないかと考えております。
 現在、出産育児一時金と出産費用の差額を受け取っている妊婦さんも多いことから、妊婦さんとか出産を考えている女性から現金給付への希望がかなり強く挙がっているということですが、私はお産がすごくスムーズにいって、そんなに医療費がかかることはなかったということを後から分かる方はいらっしゃるわけですけれども、産む前から私は絶対帝王切開にはなりませんと言い切れる女性は一人もいないはずなのです。ですから、出産前の時点で事前的に考えて、予期せずすごく医療費が必要になった場合にも、経済負担はそれほどかからずに済みそうですよというほうが、リスクが少なくて安心で、これから出産を考える女性にとってもいい制度なのではないかと思います。
 現金給付ということは経過措置的な意味合いもあるかなと思っておりますので、今後の議論に向けて、記録のためにこういった観点もあるということを申し述べておきたいと思います。
 それから、OTC類似薬については、まだ詳細な記載はされていないわけですけれども、これについても少しだけ意見を述べさせていただきたいと存じます。OTC類似薬の保険対象からの除外というのは、非常に社会保障が充実しているほかの国でも導入されていることなので、検討に値することだろうとは思うのです。ただ、日本での影響というのが前例のないことで読みにくいということなので、段階的に導入して、効果とか影響を見ながら今後どうするか考えていくことが必要ではないかと思うのです。なので、選定療養費で自己負担を引き上げるというのは妥当ではないかと考えた次第です。段階的導入は必ずしもこの案を潰そうということではなくて、この案が潰れないように実現するための手段として捉えることも可能なのではないかと感じました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、島委員、よろしくお願いします。
○島委員 ありがとうございます。
 今回の議論の整理につきましては、事務局、取りまとめ、大変お疲れさまでございました。こうやって中身を見ておりますと、今まで様々な御意見とかが出て、いろいろなことを話し合ってきたのだなと思います。
 この中である程度方向性がきちんと示されたもの、それから、今後もいろいろ議論していく必要があるものというのがいろいろあるなと思いますが、最後の「おわりに」、23ページの一番下の段落にありますような方向性で今後も検討を進めていく必要があると思いますが、病院代表としての立場から2点だけ、出産に関する問題は非常に大きな議題になっておりますけれども、前回も話をしたとは思うのですが、正常分娩を保険診療にして無償化するということと、それから、実際に示された中身が正常分娩というのは分娩の中で2割弱ぐらいだということで、それ以外のものは異常分娩として保険請求されている。出産に関しての無償化ということですので、この異常分娩として取り扱われているところも無償化するという方向性でこの話は進んでいくものと認識しております。それが一点。
 それから、食費に関するところとか光熱水費、これも病院を経営する立場としては非常に大きな話でございまして、あくまでも、中医協でもこれは議論になっておりますけれども、自己負担、患者負担という形でこれは上げざるを得ないということに関してはやむを得ないかなと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 それでは、この議論の整理の構成に沿って3点コメントを申し上げたいと思います。
 まず1点目は、3ページ以降の高齢者医療における負担の在り方についてです。このテーマにつきましては、健保連としても、これまでも世代間のアンバランスの解消、現役世代の負担軽減の観点から早期見直しを強く求めてきたところです。今回、8年度中に具体的な制度設計となっていまして、やむを得ないと思いますけれども、やはり可能な限り早期に実施をしていただきたいと思います。
 また、これまでも申し上げてまいりましたが、現役並み所得の後期高齢者の給付費に公費投入を行うこと、また、現行の負担割合の年齢区分を5歳引き上げるということもしっかり実現いただきたいと思います。
 いずれにしても、これらの点については次期制度改革の最重要課題と捉えておりますので、我々も積極的に関与したいと思っております。
 2点目は、8ページ以降で出ております長期収載品とバイオシミラーですけれども、全体的なコメントとしては、医療費が上昇していることに伴って、保険給付の範囲の見直しは不可欠だと考えております。そういう意味で、長期収載品の選定療養の見直しにおいては、患者の負担額だけでなく、選定療養の対象範囲を拡大する方法もあると思いますので、現在、選定療養が免除されている「医療上の必要があると認められる場合」についての厳格な精査等を含めて課題を整理して、具体的な見直し案を作成するということも検討いただければと思います。
 また、バイオシミラーについては課題が多くありますけれども、バイオシミラーへの置き換えが一定程度進んでいるという先行バイオ医薬品については、選定療養の対象とする等、引き続き検討をお願いしたいと思います。
 それから、3点目です。出産に対する支援の強化ですけれども、検討における重要ポイントは出産費用の見える化と、妊婦の経済的負担の軽減の2つだと思っております。これらの観点から、今回、議論の整理に記載いただきました分娩費用を全国一律の水準で現物給付とすること、また、施設の体制・役割等を評価して基本単価に加算を設けること、さらに、設定した基本単価の10割を保険給付とすることに異論はございません。
 ただ、文中、基本単価とは別に全ての妊婦を対象とした現金給付を設けることが適当であるとの記載については、これまでも他の委員からも御指摘がございましたけれども、保険の性質に鑑みれば、保険の給付というのは現物給付を基本とすべきであって、仮に現金給付を行うのであれば、公費で手当すべきだと考えております。
 また、給付水準を定期的に検証するということについては、やはり新たな給付体系が先ほど申し上げた出産費用の見える化、また、妊婦の経済的負担の軽減において効果的であるかどうか、これをはかるためにも、法令で義務づける等の措置をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 今回、事務局にこれまでの議論を整理していただいたわけですが、今回の医療保険制度の見直しの内容は、患者や国民の方だけではなくて、医療機関にとっても大変大きな影響があるという内容ですので、少しお時間をいただいて、何点かコメントさせていただきたいと思います。
 まず、3ページの高齢者医療における負担の在り方ですが、これに関しては、高齢者の窓口負担ということに関して、高齢者の特性として、多くの病気を抱えて、現役世代に比べると受診率の水準も非常に高いという点を考慮しつつ、外来特例を含んだ高額療養費制度の見直しなど、現在検討している様々な見直しをトータルで勘案して、高齢者にとって過度な負担とならない形の配慮が必要であろうと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 2点目ですが、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しです。これはペンディングですが、重要な問題ですので、改めてコメントさせていただきたいと思います。
 これに関しましては、さきの本部会でも申し上げてございますけれども、大きく3つの論点、すなわち費用負担の在り方と配慮が必要な方の範囲、また、OTC類似薬の範囲ということでございます。
 費用負担の在り方に関しましては、この部会においても一定保険給付の対象とすべきであるということになっていたと思いますし、我々としても、これを保険給付から外しますと様々な弊害が出るということを述べてきましたので、これに関してはその方向性でお願いしたいと思います。
 2点目の配慮が必要な方の範囲につきましては、小児の患者さんとか慢性疾患を抱えている方、低所得者の方、在宅医療を受けておられる方とか、近くに保険薬局がない地域の方々、様々なケースが考えられますので、あまり拙速に要件をつけずに慎重に検討していただければと思います。
 3点目のOTC類似薬の範囲についてですが、これは各委員からもお話がございましたように、OTC類似薬とOTC医薬品は、例えば一日当たりの最大用量とか、用法も含めて違いがあります。これを患者さん御本人が御自身で判断するということは極めて困難ですし、それによって健康被害ということが生じることも危惧されるということも周知の事実であろうと思います。そういう意味におきましては、この導入に当たって極めて限定的に導入をすべきであろうと思っています。
 続きまして、高額療養費制度の見直し、特に外来特例に関しては、これも本日の参考人の方々から御意見がありましたように、やはり高齢者にとってみればなくてはならない制度であるということは改めて皆さん認識していただけたのではないかなと思いますし、将来的にわたってもこれは存続すべきと考えています。
 対象年齢の引上げというお話も出てありますが、これに関しては、以前からお話ししていますように、基本的には様々な疾患を抱える高齢者ということを踏まえますと、対象年齢は安易に引き上げるべきではないと考えますが、もし見直しを行うとなった場合であったとしても、外来特例の創設時に比べて健康寿命が延伸している範囲内において検討すべきであろうと思います。さらに、医療保険部会における高齢者の窓口負担割合の検討内容との整合性を取るといったことも必要であろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、5番目になりますが、これは出産の保険適用ということになろうと思います。この出産の保険適用ということに関しましては、今回、事務局から一定の考え方の案が示されたと思いますが、これに関しましては、確かに標準的な出産費用の無償化というこのテーマは、妊産婦の方が安心して出産を行うことができるための制度設計というものがその目的であるということですが、制度の変更によって全国の分娩施設の運営が成り立たなくなってしまうようでは、制度変更の目的は達成できないということになることは十分に御理解できると思います。
 そのためには、例えば12ページの下から1つ目の○にありますように、いわゆる現物給付化を行う部分ですね。基本単価を国が設定という部分、また、この12ページの下から2つ目の○にあります妊婦御本人に対しての現金給付、このそれぞれに関しましては、全国の分娩施設が十分に運営することができるという適切な水準がなければいけないと我々は考えていますので、その点はしっかりと配慮していただきたいと思っています。
 また、16ページの上から2つ目の○です。新たな給付体系の導入後も、物価・賃金の動向等を踏まえた分娩取扱施設の経営実態等も考慮しつつ定期的に検証とあります。これに関しましてはここにありますとおりでありまして、物賃の影響によって地域の分娩施設の運営が立ち行かなくなるようなことがあってはならないということですし、妊婦の方がそれによってアクセスできなくなるという問題も発生してしまいますので、ひいては少子化対策に逆行するということになります。したがって、ここの部分は分娩施設の運営状況も考慮した定期的な検証と必要に応じた見直しを行うというふうにぜひともしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 いずれにいたしましても、この制度変更というのは、従来からお話をしていますように、自由診療の下にそれぞれの医療機関のコスト構造が出来上がっている現在の分娩体制というものを大きく瓦解することがないような視点も極めて重要ですので、その点はしっかりと認識していただいた上で決めていただければと思います。
 最後になりますが、国保問題でます。これに関しましては、22ページの1つ目の○の1つ目のポツに記載いただいておりますとおり、医療機関経営が大変厳しいということ、また、組合運営の予見可能性も見えづらいという中での今回の提案ですので、これに関しては以前の本部会でも申しましたが、やはり唐突であろうと思いますし、拙速なものであるといった考えに変わりはありませんし、当然我々としては受け入れることができないと思っています。
 また、2つ目の○には国保組合の実情を十分に勘案してとありますので、もし国がこの変更をどうしても行うということであれば、その場合は国保組合へのヒアリングをしっかり行うなど、国保組合の実情を十分に勘案していただいた上で検討していただくよう、改めてお願いをしたいと思います。
 長くなりましたが、私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 この4つの論点にまとめるということには賛成です。ただ、順序については、私も伊奈川委員のおっしゃったように2を最初にしたほうがいいかなと思います。というのは、高額療養費についてかなり時間をかけて議論したし、これは日本が誇るべき制度であるということで、いきなり世代間の対立みたいなのが出てくるよりもいいかと個人的には思います。
 その上で、高齢者の医療について何点か申し上げたいと思います。
 一つは、現役並み所得という言葉は非常に私も引っかかる。何が現役並みかということです。現役の方の収入は就労が主ですが、高齢者の場合は年金が主な収入になりますし、支出についても、現役の場合はこどもを養育するとか、あるいは住宅ローンの返済とか、があります。高齢者の場合ですと、やはり医療費とか、慶弔費とかそういうのもかかるということですので、ずっと現役並みという言葉が使われてきたのですが、私としては標準的な高齢者の所得とかそういうのを考えたらいいのではないかと思います。例えば家計調査とか、消費生活実態調査とか、国民生活基礎調査とかそういうのを使って算出する。標準的というのは平均値ではないですね。中央値だと思うのですが、そういうものを考えて、そこら辺までは窓口負担を1割にするとか、そういうふうに考えたらいいのではないかということを考えております。
 それから、高齢者の年齢を5歳引き上げるということ、これは将来的にはそうだと思うのですが、いきなり5歳と書かれてしまうと、やはり誤解を招くと思いますので、段階的に5歳程度までとかという緩やかな表現にしたほうがいいかと思います。
 それから、金融所得について何点か申し上げたいと思います。金融所得を医療保険の対象にするということですが、もしそうであるならば、なぜ後期高齢者だけなのか、世代間の公平性、世代内の公平性ということを考えたら、後期高齢者だけということについては非常にこだわっております。
 一つは、確定申告している人としていない人との不公平ということが挙がっておりますが、確定申告している人がどのくらいいるのかというデータは全く示されておりません。ですから、これは後期高齢者に限らず全世代について知りたいと思うのですが、金融所得を持っている人の何割、何%ぐらいが確定申告しているのかということをちゃんと把握しないと非常に不公平だと思います。
 2番目に金融所得の把握方法、これは非常に問題があります。個人の同意を得ないでマイナンバーで集めてしまう、そういうふうに個人情報を集めていいのかということですね。これはすごい管理社会だと思います。ジョージ・オーウェルが描いた1984年のように、国民の持つ情報を国家が吸い上げていくということではないか。
 そして、このことについてはメディアも全く触れていませんよね。後期高齢者が得しているから、現役世代の負担を減らすために後期高齢者の負担を増やせということばかり言われていますけれども、金融所得の把握方法について、そういう個人のプライバシーに触れるようなことを国がやっていいのか、あるいはそういうことをやっている国があるのか。全体主義国家ならあるかもしれませんが、民主主義国家でそういうことをやっている国があるのかということが私は非常に問題であると思います。
 3番目に、まず後期高齢者医療制度からと厚労省がおっしゃっていますが、本当ですかと言いたい。被用者保険については全くやる気がないような気がしております。というのは、被用者保険については、法律上、賃金を対象にするということになっています。ですから、金融所得を対象に入れるとしたら、これは法律を変えなくてはいけないですね。金融所得を入れるとしたら、多分、健康保険組合の方々が大反対なさるだろうと思います。この辺をどう考えるか。これまでにも他の委員の方からほかの制度間との公平性をどう考えるかということがあげられましたけれども、私はそういうことを心配しております。
 4番目として、まず医療保険からということですが、本当にそうですかと言いたい。医療保険から始めたら、これは介護保険にも波及します。そういう形でじわじわと広がっていくということを心配しております。
 5番目に、もしこういう制度になったら、たんす預金が増えるのではないか。たんす預金が増えて、特殊詐欺に狙われる高齢者が増えるのではないかということを心配しております。
 ということで、後期高齢者の金融所得を医療保険の対象にするということについては慎重に考えていただきたいし、もしそうなったら社会的にどういう影響があるのかということをちゃんと考えていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、任委員、よろしくお願いいたします。
○任委員 必要な医療の提供と効率的な給付の推進におけるDX化の推進につきまして、業務効率化に取り組む医療機関を拡大し実効ある取組とすることは非常に重要だと考えております。
 18ページには対策として6点が挙げられていますが、2点目のDXの効果等に関するデータの収集の括弧内に、労働時間の変化や医療の質・医療安全の確保等と記載があります。3点目の診療報酬上求める基準の柔軟化の検討においては、このようなデータ収集の結果を含めた検討を進めると捉えてよろしいでしょうか。それが1点確認です。
 これまで当部会で示された資料でも、ある特定の機器を特定の病院で活用した場合の限定的な結果は示されておりますが、診療報酬上求める基準の柔軟化となれば、患者に提供される医療・看護の安全性に与える影響や、職員の労務負荷への影響について、綿密なデータ収集等を行いながら引き続き検討が必要だと考えております。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 1点御質問がございましたので、回答をお願いいたします。
○林課長 ありがとうございます。
 18ページの2つ目のポツにはDX化の効果等に関するデータの収集というところがあり、3つ目のポツには、医療の質や安全の確保と同時に、業務効率化を図る場合における診療報酬上求める基準の柔軟化の検討という部分があります。こういったことは相まって進んでいくものだと思っておりまして、データの収集を図りながら、診療報酬上求める基準の柔軟化に関して何か課題があれば、そういったものを見直していくということも含むでしょうし、こうしたものが並行して進んでいくということだと考えています。
○田辺部会長 任委員、よろしゅうございますか。
○任委員 はい。ありがとうございました。
○田辺部会長 では、前葉委員、よろしくお願いします。
○前葉委員 恐れ入ります。田辺部会長、お許しいただければ、急遽途中退席しなければならないことになってしまいましたので、次の議題について短いコメントをさせていただきたいと思いますが、お許しいただけますでしょうか。
○田辺部会長 どうぞ。
○前葉委員 ありがとうございます。申し訳ございません。
 後期高齢者医療の資格確認書の職権交付がこの後議題になるようですが、今回の示された見直し案には期限が示されておりません。今回、当分の間の特例措置として行われるということになると、今後も制度として職権交付が続いていくのかどうかということがどうも明らかではないように思います。もちろん高齢者への配慮というのは大変重要なことでございますが、年齢とマイナ保険証の利用実績によって後期高齢者の中で職権交付の有無が混在するということになります。被保険者や現場にとって非常に混乱する分かりにくい状況になることが懸念されますので、仮に今回示された形で暫定措置を見直すということであれば、現場に混乱が生じないよう、国において国民あるいは自治体等の現場に対して丁寧に御説明いただければと思います。
 申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 今までの議論の整理をしていただきまして、ありがとうございます。
 また、ペンディング等になっている部分には触れないですけれども、1点だけ、22ページから国保組合についての記載がありますが、我々の業界も薬剤師国保があります。そのほとんどが大変規模の小さいものであり、高額な医療が発生しただけでもなかなか耐え切れないような状況にあるというのが現状です。そのような中ですので、先ほど城守委員からもありましたけれども、国民の健康を守る医療従事者の健康を守るという保険でもありますので、ぜひその辺りは国保組合の存続という部分も十分に勘案していただいて、今後を見据えた議論というのをお願いしておきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 現役世代の負担軽減、応能負担の強化、予防・健康づくりの推進、DXによる効率化など、今回の整理案の方向性についておおむね賛同いたします。
 その上で、各論点について数点意見を申し上げたいと思います。
 まずは1点目です。「はじめに」と「おわりに」に現役世代の保険料負担の抑制努力との記載がありますが、これはしつこいようですが、やはり「抑制」と明確な表現にすべきだと思っております。現役世代の経済的負担は少子化の大きな要因でもございます。少子化対策を含む全世代型社会保障構築の観点からも、現役世代の負担抑制は極めて重要であり、政府として歳出改革の徹底を明言されている以上、努力ではなく必須の課題として位置づけるべきだと考えます。
 2点目は後発医薬品の安定供給についてです。資料9ページ、後発医薬品の供給状況について配慮しつつと記載いただいておりますが、既に不採算品目の薬価削除、あるいは事業そのものの撤退、あるいは廃業ということは現実的になっている以上、「配慮しつつ」では手ぬるいと思っております。後発医薬品の安定供給なくして使用促進はあり得ませんので、ぜひ、「配慮」ではなく、「安定供給の確保を前提」という表現に変えていただくようお願いしたいと思います。
 また、OTC類似薬について、これは何名かの委員の方からも御意見がございましたけれども、やはり段階的に導入しつつ様子を見るべきではないかと考えております。特にスイッチOTCに限定しなければOTCであっても十分活用できるカテゴリーはありますし、患者さんの負担も少ないわけですから、段階的に導入して様子を見るということが望ましいのではないかと考えます。
 続きまして3点目、高齢者医療における負担の在り方についてです。部会でも議論になりましたが、現行制度のまま現役並み所得の判断基準が拡大すると、現役世代の負担が増加してしまいます。以前も申し上げたとおり、基準の見直し自体は必要ですが、その際、現役世代の負担が増えないよう手当を講じることは大前提とすべきであります。この点を5ページ8行目ですか。○の前に追加していただくようにお願いいたします。
 また、高齢者の健康状態の改善も踏まえ、5ページ目、年齢区分の引上げも着実に実行して実現していただきたいと思います。
 4点目、予防・健康づくりについてです。2ページにさらなる後押しと記載していただいたことは大変評価いたしますが、これはいま一つ抽象的なのではないかと考えます。繰り返しになりますが、健康を維持することは国民の義務、責務だという認識が必要です。政府としても強力に推進していただくためにも、個人の行動変容を促す取組を検討するなど、もう一歩踏み込んだ記載をお願いしたいと思います。
 最近、若手とこういった案件について話すことも多いわけなのですが、残念ながら非常に意識が薄いです。先日も医療機関にお勤めの若いスタッフの方とお話したところ、何と30代で生活習慣病を発症しているとのことでした。あなたはどういう生活だったのと話しますと、仕事がきついので甘いものを食べてしまうということがあるようでした。しかし、それ以前に、お子さんのときから医療は安いのだという意識が身についてしまっているようでございまして、一人暮らしでそうした暮らしが続くと、ずっとそれが残ってしまうのです。やはり若いときから健康は自分でつくることが必要です。子育て支援はもちろん必要であり、残していくべきものですが、しかし、医療を受けるときに、これは必要な医療ではあるけれども、まずは自分で健康になる努力をするべきだという教育をお子さんのうちからしっかりやるべきだと思っております。これについては、以前、横尾委員からも大変すばらしいお話がございましたが、若年層に対する健康教育というものをぜひ実現していただきたいと思います。
 最後に、いわゆる低価値・無価値医療についてです。本件について部会では複数の委員から問題提起があったと記憶しておりますが、本資料からはその議論が読み取れません。医療費適正化のためには避けて通れない課題ですので、こうした見直しも積極的に進めていく旨、議論の整理案に明記していただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、兼子委員、よろしくお願いします。
○兼子委員 ありがとうございます。
 医療の問題は、やはり基本的には早期発見、早期治療であって、若いうちから健康についての教育、これ自体は否定されるものでもなくて、大切だとは思うのですけれども、市民が学ぶ健康の問題とか医療の問題は、どうしても医療の専門家の方たちとは差がありますので、そういう点では健康を自分で管理する。しかし、異常があった場合は早期発見、早期治療が確保されるということをまず大切にしていくことが私は必要だと思います。
 それから、2点目で申し上げたいのは、現役と高齢者という問題ですが、これは医療保険制度が分かれているからいろいろ出てくる問題かと思いますけれども、私は将来的な在り方としては、こういう分け方はともすると現役世代と高齢者、今の制度の中で言いますと、どうしても財政的な事情で対立するような形が出てきますので、そうであってはまずいだろうと思っております。
 基本的にはやはり所得、その所得も就労による所得の問題と資産活用等による所得の問題、こういった点について、後者が優遇されるような形ではなくて、税制上できちんと把握されていくということが必要だと思いますし、それを踏まえて、また医療保険、保険料の負担についても同じ尺度でいく必要があるのではないかと私は思います。
 それとの関連で、金融資産の状況把握ということについて議論されましたけれども、一般庶民のわずかな蓄えをあれこれするのではなくて、やはり高額所得者の資産運用について、これをどうしていくのか。医療保険制度の中でどうきちんと位置づけていくのかということこそが真剣に議論されるべきであって、そこがないまま、所得の低い層、今の例えば現役並みの人たちのところまでそういったところを把握して、また負担の問題に反映させるということがあってはならないのではないかと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、議論の整理をしていただき、ありがとうございます。
 歯科の立場で3点ほどコメントさせていただきます。
 まず、3ページからの高齢者医療の負担の在り方についてです。現役世代の保険料負担を抑制しつつ、世代内、世代間の公平性を確保していく観点から、高齢者医療における負担を求めることに理解を示しますが、特に別部会で議論されている高額療養費制度の見直しに絡みますが、外来特例などは、先ほどのヒアリングの場においても議論されましたけれども、高齢者にとっては重要な制度であると認識しております。特に所得が低い層や年金受給額が低い層も一定数おられることから、受診控えが起こることが非常に懸念されますので、丁寧な議論と周知をお願いしたいと思います。
 一方で、高齢者一人当たりの医療費水準は5歳若返っており、高齢者の年齢区分や負担割合の見直しを含めた構造的な見直しを図る時期に来ているとも考えられますので、できるだけ丁寧な議論を、激変にならないように、かつ分かりやすい仕組みとなるようよろしくお願いいたします。
 3点目になりますが、20ページからの国民健康保険制度をめぐる議論についてですが、特に22ページに記載の補填率の見直しについては、歯科医師国保においても財政状況が厳しく、存続の危機にある組合が存在しております。補助率の見直しについては国保組合にとっては財政影響が非常に大きく、国保組合の存続にも影響を及ぼすことになり、見直し案については受け入れ難いところであります。それでも行う場合においては、本会でも発言をさせていただきましたけれども、周知期間、経過措置、激変緩和措置等のきめ細やかな制度設計が必要でありますので、よろしくお願いさせていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 この議論の整理案につきましては、これまで本部会で議論してきた様々な論点について幅広い意見があったことを踏まえまして、議論の方向性について的確に整理されていると受け止めおります。私からもこれまでいろいろ発言させていただきましたが、そうした点についても反映されていると理解しております。
 今後、現役世代が急激に減少し、高齢者数がピークを迎えます。医療の高度化等で医療費がさらに増加していくことが見込まれている。そうした中で、現役世代の社会保険料負担は既に限界を迎えております。今後は年齢にかかわらず能力に応じた負担を徹底し、給付と負担のバランスを見直すことにより、現役世代の負担軽減を図ることが重要であると考えているところであります。
 そうした際に、特に今般結論が出ていない論点の中で、高齢者医療における負担の在り方は、今後、見直しは避けられないものであると考えております。多くの方の理解を得ながら進めていくべき重要なテーマであると認識しております。来年度中に行う具体的な制度設計において、足元の状況を正しく理解した上で建設的な議論を進めていただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、菊池部会長代理、よろしくお願いします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 今回の整理を前提とした上で、2点お願いがあります。いずれも出産に対する給付体系についてですが、12ページ3つ目の○、全ての妊婦を対象とした現金給付を設けることとの関連で、新たな一時金の仕組みが設けられるものと考えられますが、15万円なのか、10万円なのか、3万円なのか、具体的な金額次第で給付の法的性格も変わり得るものと考えられます。法律に根拠を置く制度として設けるのであれば、なおさらその法的性格は明確であるべきで、法案化に向けた詰めの作業を行う途上で、具体的な金額設定との兼ね合いでその法的性格を明確にしていただきたいと思います。内閣法制局とのやり取りでも当然求められることになるのではないかと思います。
 もう一点、12ページ最後の○と13ページ最初の○ですが、見える化の徹底の上で様々なサービス(アメニティ等)は、分娩取扱施設と妊産婦との間の契約関係に基づき、双方の合意と納得の下に自由に設定されるべきものとありますが、契約自由の原則に無条件で委ねてよいのかという点にやや懸念があります。福祉領域では、いわゆる措置から契約への切替えの際、2000年の社会福祉事業法等改正により、事業経営者に対し、情報提供、契約申込み時の説明、書面交付、質の向上のための措置に係る努力義務を課しております。現物給付である医療分野の療養給付におきましては、療養担当規則、診療報酬点数表などで患者と保険医療機関の診療契約は相当程度定型化されており、また、審査支払機関による査定も行われます。自由選択の契約に委ねるだけでよいのかについては、金銭給付化することで懸念が残らないわけではなく、大前提としての見える化をどう制度的に担保するのか。その上で、実質的な対等当事者性を担保するため、施設側に求めるべき項目はないのかなど、法令などのハードローのほか、これによらないガイドライン等のソフトロー的な対応も含め、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきたいと思います。
 次回におきましては、本日の御意見等も踏まえながら、調整中となっている部分も含めて事務局より修正案を提出いただき、それを議論してまいりたいと思います。
 では、次に「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。
 事務局のほうから資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料2をお開きください。
 本日は3点。1つ目は利用率、2つ目が次期顔認証付きカードリーダーの仕様、3つ目が利用促進であります。
 1点目、マイナ保険証の利用率等でありますが、3ページをお開きください。オンライン資格確認の利用件数を分母としました利用率は、この11月で39.24%でした。
 4ページです。マイナ保険証の利用率の算出方法を改善したいと考えております。これまでのマイナ保険証の利用率は、迅速に把握・公表できるように、オンライン資格確認の件数を分母にしまして、この件数に着目した割合を用いてまいりました。従来の保険証からマイナ保険証への切替えが一段落しました中で、数値の迅速性ではなく患者の利用実態により近い数字となるよう、マイナ保険証の利用人数に着目した割合として、12月の利用率公表からはレセプト枚数に占めるマイナ保険証の利用人数で計算したものを主としたいと考えております。
 これまでの利用率は、分母をオンライン資格確認の利用件数にしておりました。利点としましては、診療月の翌月には把握可能であります。一方、資格確認書、または、処方箋での資格確認時に任意でオンライン資格確認を行うかどうかといった運用によって分母の件数が変動してしまう数字でありました。数値の速報性はあるが、利用実態の反映としてはやや不十分でありました。
 今後の利用率としてレセプト件数を分母としてはどうかと考えております。欠点としましては、把握できるのが診療月の翌々月となってしまいます。一方、レセプトの枚数は患者の人数に対応しております。また、この利用率は今までも利用してきた利用率でありまして、診療報酬の加算の要件ではこちらの利用率を利用してまいりました。数値の速報性は劣りますが、患者の人数に着目した数値として、レセプト件数ベースの利用率を主たる利用率としてはどうかと考えております。また、これまでの利用率につきましても引き続き公表したいと考えております。
 参考までに、5ページにレセプト件数ベースの利用率の推移を記載しています。
 2点目、次期顔認証付きカードリーダーの仕様であります。7ページをお開きください。現行の顔認証付きカードリーダーの保守期限が来年3月末から順次到来しますので、次の規格の顔認証付きカードリーダーを開発中です。また、先日成立いたしました補正予算によりまして、2分の1の補助をすることを予定しております。
 キヤノンマーケティングジャパン、パナソニックコネクト、リコージャパンの3社で開発中であります。共通の性能の特徴としましては、本体のみでスマートフォンの読み取りに対応しております。独自の特徴としましては、例えばキヤノンマーケティングジャパンですと軽量、コンパクト、取り外し可能、テンキーが一体化している、スピーカーが内蔵している。パナソニックコネクトですと、資格確認端末が一緒になって内蔵している。レセコン間の接続はLAN接続、外づけのテンキー、スピーカーは内蔵しているなどとなっています。
 3点目、利用促進に向けた取組です。9ページを御覧ください。本年4月に本部会にお示ししました資料です。後期高齢者医療制度におきましては、令和7年8月から8年7月末までマイナ保険証を持っている方にも資格確認書を職権交付させていただいております。
 10ページです。令和8年8月以降の資格確認書についてですが、85歳以上の方はマイナ保険証利用率が相対的に低い状況にあること、また、高齢者の方は認知症の進行など状態像が変わりやすいという面があることなどから、利用実績を踏まえるなどきめ細かい配慮が必要だと考えております。
 令和8年8月以降の対応方針案ですが、以下のとおり、年齢及びマイナ保険証の過去の利用実績を踏まえ、全員一律の資格確認書の職権交付を見直してはどうか。85歳以上の方々には引き続き職権交付をし、84歳以下の方々には利用実績を踏まえながらマイナ保険証を使っていただく。このような案をお示ししておりますが、内容、詳細につきましては引き続き検討、調整させていただきたいと考えております。
 11ページです。年齢別の利用率です。
 65歳~74歳あたりのグラフを見ていただきますと、利用は進んでいます。また、直近では0歳~4歳が大きく伸びています。一方、若年層(5歳~19歳)の利用率の伸び悩みが見られております。スマートフォンの推進、こども医療費受給者証とマイナンバーカードとの一体化、周知広報も含めて利用促進に取り組んでまいりたいと思っております。
 12ページはスマートフォンの環境整備の状況の報告です。直近では約3分の1の医療機関・薬局に導入いただいております。補助の期限が1月末ですので、しっかりと周知を呼びかけていきたいと思っております。
 最後に、高齢者医療課長のほうから一言説明の補足をさせていただきます。
○日野課長 高齢者医療課長でございます。
 10ページの資格確認書の見直し案です。先ほど市長会の前葉委員からも御指摘をいただいております。あと、後期高齢者医療広域連合からも事務負担等を懸念する声をいただいたりしておりますので、詳細についてはまたしっかりと調整をさせていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら、挙手にてお知らせいただければ。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 2点申し上げたいと思います。
 まず1点目は、資料の11ページに若年層(5歳~19歳)の利用率の伸び悩みが見られるという記載がありますけれども、地方自治体の公費に係るオンライン資格確認の対応がポイントではないかと考えております。いわゆる地単公費に係るオンライン資格確認の対応は任意とされていますけれども、今年度、補正予算によって補助金も確保されていますので、国と自治体が連携をして、質の高い効率的な医療の提供に向けたDXの推進をお願いしたいと思います。
 2点目は、次の12ページにあるスマートフォンのところです。汎用カードリーダーの導入補助は来年1月末までということですので、改めて国のほうから早期の購入を呼びかけていただきたいと思います。
 なお、電磁的な資格確認書の取扱いについて、既に事務連絡を出していただいているのですけれども、窓口でスマホの画面を提示したにもかかわらず資格確認不可とされたという相談が健保組合からも結構寄せられていますので、この事務連絡の周知徹底は改めてお願いしたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、馬場参考人、よろしくお願いします。
○馬場参考人 ありがとうございます。
 後期高齢者医療制度における資格確認書の取扱いについて、広域連合の立場から意見を申し上げます。
 まず、マイナ保険証の普及や利用促進という方向性そのものについては大変重要であると認識しております。その上で、今回お示しいただいた年齢の区分とマイナ保険証の利用回数により資格確認書の交付対象を細分化する案につきましては、全国の後期高齢者医療広域連合の現場から強い懸念が示されているところです。
 後期高齢者医療制度の被保険者は、御家族等が保険書類を管理しているケースも多い状況でございまして、制度が分かりやすく、一律であることが安心して医療を受けていただく上で、非常に重要であると考えております。マイナ保険証の利用回数といった分かりにくく、しかも変動する基準によって交付する有無が分かれる仕組みになりますと、自分には資格確認書が届くのかといったことが本人にも周囲にも分かりにくくなり、不安や混乱を招くおそれがあると考えております。誰に資格確認書が届くのかが分かりにくく、被保険者や医療機関が安心して対応できない制度になってしまうのではないかという点を懸念しております。また、広域連合や市町村の窓口現場におきましても、その対応等で大きな混乱、また、大きな事務負担が生じることを危惧しているところです。
 加えまして、このような細分化を行うためには、システムの改修、また、周知広報など相当の準備や経費が必要となりますが、その負担に見合う政策の効果がどの程度あるのかについても慎重な検討が必要ではないかと考えております。
 以上を踏まえますと、後期高齢者医療制度における資格確認書の取扱いにつきましては、現行の暫定措置を一定期間延長するのか、あるいは暫定措置を終了して、国保などのようにマイナ保険証をお持ちでない方に資格確認書を職権で交付する。こういった取扱いをするのかといったよりシンプルで混乱を生じにくい対応を選択肢として御検討いただければと考えております。
 後期高齢者医療制度は、被保険者の安心を最優先に運営されるべき制度です。全国の現場の声を十分に踏まえ、拙速な導入とならないよう、慎重に検討を進めていただくことをお願い申し上げます。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 まず、資料の7ページでは、次期の顔認証付きカードリーダーについてそれぞれの特徴を示していただいていると思いますが、現行の顔認証付きカードリーダーの保守期限は令和8年3月末から順次迎えることになりますので、今後、マイナ保険証の利用がさらに進むことを考えますと、スマートフォン対応のカードリーダーへの買い替えも進むものと考えております。したがって、それぞれの機種の特徴、例えば視覚障害者への対応等に適しているのかどうかなど、各医療機関が自身の医療機関のニーズに合うような機種選択ができるような情報提供を今後お願いできればなと思っています。
 もう一つは、10ページの後期高齢者医療制度における令和8年8月以降の資格確認書の職権交付ですが、左下の対応方針の案として、85歳以上の方のマイナ保険証の利用状況を踏まえますと、引き続き資格確認書を職権交付する方針はよろしいかなと思っています。
 一方、84歳以下の後期高齢者につきましては、マイナ保険証を直近1年間において6回以上利用して、かつ直近3か月における利用実績があって、その場合、申請による資格確認書の交付という形になっております。しかし、この資料の上段には、後期高齢者医療では、外来受診者の95%のうち、約8割の方が2か月に1回は受診していると記載がありますので、この直近3か月における利用実績ありという部分は直近2か月としたほうが現場での混乱を少しでも緩和できるのではないかと考えますので、可能でありましたら御検討いただければと思います。
 最後に、11ページの今後のマイナ保険証の利用促進に向けた取組ですが、これは先ほど佐野委員からもお話がございましたとおり、現在、5歳~19歳の若年層においてマイナ保険証の利用率が伸び悩んでいるという状況は先ほどのお話のとおりであると思います。こども医療費助成の受給者証とマイナンバーカードの一体化が進みますと、若年層に対してのメリットとなりますので、学校教育の現場においてマイナ保険証を使用するメリットなどを学ぶ機会を検討されてはどうかなと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかに。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 現状をお示しいただきまして、ありがとうございます。
 私から要望、質問を含めて少しコメントさせていただきたいと思います。スライドの7に次期顔認証付きカードリーダーについての資料がありますが、これに関しましては以前にも触れましたけれども、いち早く国の施策としてのDXに対応してきた施設から期限を迎えるということになりますので、ここに関しましては2分の1の補助率ということで先ほど説明がありましたけれども、導入期と同じように電子的に医療情報を扱う基盤、根幹になりますので、ここに関してはぜひ全額補助の検討を今後もお願いしておきたいと思います。
 それと、スライドの10に職権交付に関する部分があるのですけれども、これに関しては、既にマイナ保険証を使えている方には資格確認書を発行しなくていいのではないかという発想で開始されるのだと認識しております。ただ、そもそもマイナンバーカードを持たれていても使えていない方であったり、マイナンバーカードそのものを発行されていない方への対応であったりというのが根本的な必要性としてあると思っています。
 ここに関しては、先ほどヒアリングにもありましたように、高額療養に関しても、マイナ保険証を活用することによりその所得区分等が確認できるという部分もありますので、そういう申請をしなくても使えるということも含めて広報することが啓発につながるのであれば、しっかりするべきなのではないかと思います。
 それと、少し質問なのですけれども、先ほど来意見もありました、10ページの左下の条件に該当して資格確認書を交付しないという部分ですが、この条件に適合するかどうかの判断のタイミングはどのようにされていくのかということと、前回は資格確認書が交付されたが、今回は交付されなかったという方がどのように認識するのか、その周知をどうするのかという部分は、考えておられることがあれば確認させていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 この点、いかがでございましょうか。
○日野課長 高齢者医療課長でございます。
 まず、直近3か月の利用実績とか、その辺りを判断するタイミングですけれども、通常、資格確認書は1年単位でやっております。8月から7月末までという単位になっていますので、通常の場合で言いますと、恐らく4月とか5月ぐらいの状況を見ながら各後期高齢者医療広域連合で判断をして、7月に入って8月以降の資格確認書を送付するというのが通常のパターンになります。それ以外、誕生日を迎えて新しく75歳になった方とか、転入してきた方、あと、住所が変わったといった方は、その時点で判断するという形になるかなと思います。
 周知の方法の質問もございました。この辺り、どうやってやるかというのは、そういうのも含めてなかなか事務的な負担が大きいというのが後期高齢者医療広域連合とかの御意見だと思いますので、どういうやり方ができるのか検討させていただければなと思っております。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 現状においても、高齢者の方というのは、自分が今何でもってして保険資格を提示していいのかということ自体の認識がなかなかできないこともあると思いますので、ぜひその辺りの周知というのはしっかりと、各個人に対してどうなっているのかというのは周知をしていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょうか。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 5ページにありますように、レセプト件数ベースの利用率も順調に上がっていることが確認できました。引き続き取組が必要だと感じております。
 その上で、次期顔認証付きカードリーダーを導入する医療機関・薬局に対し、令和7年度補正予算により補助率2分の1の予定で一部費用の補助を実施するとされておりますが、もう少し手厚く、さらに、継続的に行っていただくよう要望いたします。
 また、9ページからありますように、後期高齢者の資格確認書につきましては、11ページの資料を見てみますと、やはり高齢者での利用率が低いこともありますので、引き続き丁寧な対応が必要ではないかと感じております。
 先ほど委員等から出ましたけれども、いろいろな懸念を払拭し、マイナ保険証及びスマホ利用の不得意な高齢者も継続的に医療が受けられますようによろしくお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。
 これで本日掲げました議題は終了でございます。
 ほか、全体を通じて何か御発言したいという方はいらっしゃいますか。よろしゅうございますか。
 では、本日はこれまででございます。
 次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡申し上げます。
 本日は御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。
 では、これで閉会いたします。