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第7回国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会 議事録(令和7年12月19日)
日時
令和7年12月19日(金) 10:00~12:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンター及びWEB開催
出席者
資料1ー2参照
議題
- (1)第3期医療機器基本計画の策定に向けた検討について
- (2)その他
議事録
〇南川室長
それでは定刻となりましたので、ただいまから第7回国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会を開催いたします。構成員の皆様、関係省庁の皆様におかれましてはお忙しいなかご参集いただき誠にありがとうございます。本日はWeb会議システムを併用して開催させていただきます。本日の資料につきましては、議事次第に記載のものをご用意しておりますので、ご確認いただければと思います。資料に不備がありましたら、事務局にお知らせください。冒頭の頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。それでは議論をはじめさせていただく前に、前回の会議後に事務局の人事異動がございまして、厚生労働省の森審議官が着任しておりますので、ご挨拶させていただければと思います。お願いします。
〇森審議官
医薬産業振興審議官の森でございます。着座にてご挨拶させていただきます。本日は皆様お忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございます。近年、ご承知のとおり、医療機器を取り巻く環境というのは大きく変化してきているわけでございます。1つはそのテクノロジー、そのロボット技術、AI、素材含めて、いろんな環境が変化してきております。併せて、例えば米国の関税の問題ですとか、国際環境、それから経済、それから人口動態も大きく変化していく中で、その新しく日本で医療機器が開発されて製造されて魅力的なマーケットとして上市されていくという、その過程を広くサポートしていくシステムというのはどういうふうにしていくべきかということで、前回7月1日に第6回検討会をさせていただいて、第3期の医療機器基本計画の策定に向けた議論を開始させていただいたところでございます。本日の検討会では、タスクフォースで議論した医療機器産業において目指す姿、それからその達成に向けて重要な要素というのをご報告させていただき、よりよい医療機器産業の構築に向けて皆様の忌憚のないご意見を賜れればというふうに考えているところでございます。本日いただいたご意見は今年度末に向けて策定する予定の中間とりまとめに向けて反映していきたいというふうに考えているところでございます。我が国の医療機器産業が引き続き国民医療の質の向上に貢献していくために、第3期の基本計画は非常に重要であると考えておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。
〇南川室長
ありがとうございました。以降の議事運営については座長にお願いさせていただきます。それでは菊地座長、よろしくお願いします。
〇菊地座長
かしこまりました。おはようございます。年末の大変お忙しい中に皆様お集まりいただきましてありがとうございます。ただいま森審議官からもお話しありましたけれども、先般7月1日に第6回検討会が実施されまして、第3期の医療機器基本計画策定に向けた検討が既に始まっているわけであります。これから今日ご報告いただくタスクフォースを作って、そこで予めいろんなものを検討していただいたうえで、構成員の方々から改めてご意見を伺おうということになったわけでございますので、本日はそのタスクフォースの結果をご議論いただきながら、来年からいよいよ始まります、第6回検討会でも申し上げたと思いますけれども、ホップ・ステップ・ジャンプの、本当にジャンプすべき時期、第3期に入りますのでよろしく先生方からご議論、あるいはご示唆をいただければと思っています。では事務局から資料について、まず説明をお願いします。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは資料2-1をご確認ください。第3期の基本計画に向けてタスクフォースでの検討状況をご報告させていただきます。2ページ目をご確認ください。本資料につきましては第3期の議論を行うにあたり、検討会でのご意見を踏まえてタスクフォースで議論するための主な項目について整理した資料となっております。上の方から、本計画については医療機器促進法に基づき策定されているものですので、目的、基本理念についてあらかじめ確認したうえで前回の検討会で将来像を見据えたうえでバックキャストでしっかりと作っていくべきだ、というご意見もございましたので、将来像の議論、そして客観的な数字に基づいてそこを測っていくべきとのご意見もいただきましたので、KGIについての議論もさせていただいております。その上で基本方針という形で、前回も3つございましたけれども、今回も基本方針について、項目とさらにその内容としてストーリーについての議論をさせていただいております。その上で課題と取り組むべき施策については引き続きの議論という状況になっております。続いて3ページ目をご確認ください。先ほどもご紹介しました前回の検討会でのご意見について記載させていただいております。これに基づいて将来像及びKGIについての議論について、タスクフォースで議論をさせていただいております。続きまして4ページ目をご確認ください。これは第2期の基本方針の項目とストーリーのイメージですので、これについてはご参照いただければと思います。5ページ目をご確認ください。KGIとKPIというものを前回も作っておりまして、その関係を整理したものとなっています。今後、実際の基本方針に基づき、それを実現するための課題を選定して、それに対する政策を打っていくこととなりますが、その政策に対する直接的な効果を測るものをKPIと整理させていただいております。基本方針そのものを達成するために必要なものをKGIと置かせてもらっていまして、今回将来像と併せて2040年に向けたKGIということについての議論をさせていただいております。6ページ目をご確認ください。6ページ目はさらにこれを分解したものとなっておりまして、KPIは課題施策に直接紐づくものですが、KGIは政策だけで定まらない部分もございますので、達成度を俯瞰的に示す指標であるとともに、方向性を明確にする意味として挑戦的に設定していくのはどうかという形で記載させていただいております。続きまして7ページ目がこれまでの議論のスケジュールと今後のスケジュールなのですが、前回第6回検討会でもご議論させていただいておりまして、そこでのご意見も踏まえ将来像、基本方針、課題、取り組むべき施策について中間とりまとめに向けて議論をさせていただきたいと思っております。前回申し上げたとおり、検討状況について本日ご報告したうえで、第8回には中間とりまとめという形で説明させていただければと思っております。それにあたって、本日、将来像、基本方針についてタスクフォースでの検討状況をこの後ご報告いただいたうえでご議論いただければと思っております。続きまして次のページをご確認ください。ワーキングの方では課題についての議論も進んでおりまして、参考事項等も集めていてそれを実際に課題化というのも今後進めていきたいと思っております。ワーキングでの構成員のご意見につきましては参考資料の方につけておりますので、適宜ご参照いただければと思います。課題であったり取り組むべき施策に関してご意見をいただいております。これにつきましては後程先生方からもご意見いただければと思っております。ここまでが全体の説明でして、実際の具体的な詳細の検討状況につきましてはタスクフォースの座長である中野先生よりお願いいたします。
〇中野参考人
それではタスクフォースの検討状況・検討結果について、9ページ以降ご紹介させていただきたいと思います。タスクフォースの方は4回開いておりまして、そのメンバーは参考資料5に書いてある方です。業界団体の方、あるいはアカデミアの方、また、スタートアップなどご経験された方などで構成して議論を行っているものでございます。10ページ目以降でございますが、こちらのほうが、これまでのタスクフォースで議論してきました将来像と基本方針のまとめにつきまして、記載したものでございます。
まず、1番目に記載しておりますのが将来像でございます。一番下に記載している2つの項目、意見を取りまとめた基本方針の方向性と、最終的な基本方針素案が基本方針そのものに関連するものでございます。基本方針を検討するにあたりまして、まず法律の目的、理念、規定を念頭に将来像を議論し、そこからの何を基本方針とすべきかの検討を踏まえ、ロジック、方向性を整理した上で、基本方針の素案を作成しておりまして、その流れをまとめた資料がこちらでございます。それらの詳細につきましてご説明を申し上げたいと思います。まず11ページ目に進んでいただけますでしょうか。こちらが、将来像に関する議論経緯を記載したものでございます。いわゆるバックキャストするということですので、将来像をどのように定めるかということが大事でございます。将来像の設定にあたりましては、いつの時期にするのか、どのような将来像を目指すのかについて、議論してまいりました。まず、将来像の時期を2040年というふうに設定しておりますが、その理由については大きく2つございます。1つ目が、2040年というのが、日本の人口動態の変化から医療提供体制の確保が最も問われる時期であるということが1つあります。2つ目でございますが、法律の目的のほうに、医療機器の研究開発の普及、促進に関することがございまして、医療機器の研究開発に関する時間軸、いわゆる、10年から15年程度かかるかなと思いますと、そこを踏まえた上で、第3期の施策の評価のタイミングとして、2040年というのが適切だと考えた次第でございます。次に、具体的な将来像でございます。我が国は現在、国民皆保険制度のもとで世界最高水準の医療提供が可能であると認識しておりますが、昨今の我が国を取り巻く厳しい内外環境を踏まえますと、医療機器が医療提供の水準に貢献し続けることが必要となってきますので、それを目的としまして、将来像としては、国際競争力向上により医療機器の産業基盤を強化しつつ、先進的な医療機器の研究開発の促進及び普及を図ることによりまして、これまでと同様に世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できる、と設定してはどうかと考えた次第でございます。以上、将来像に関する考え方のご説明でございます。12ページ目の方に進んでいただけますでしょうか。こちらにつきましては基本方針の検討結果について記載しております。タスクフォースでは、将来像の実現に向けた大きな戦略としまして、3つの基本方針を整理いたしました。世界最高水準の医療の質を維持・向上させるためには、まず我が国の医療機器産業基盤が、1つ目、有効かつ安全な医療機器を安定的に製造供給できるということ、また2つ目、新たな医療機器の研究開発に投資できる原資を確保することの2点が不可欠であるため、基本方針1を、世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤の確立としております。次に、研究開発の観点でございます。アンメットメディカルニーズを解消しまして、医療の未来を築くため、AI等を含めた技術革新を活用した革新的な医療機器であるとか、小児・難病などの市場性が低く産業界だけでは対応が難しい疾患に対する医療機器につきまして、日本発の医療機器イノベーションの創出を掲げまして、基本方針2つ目を、医療の未来を築く、日本発の医療機器イノベーション創出としております。最後が、アクセスの観点でございます。基本方針1、2の活動を経て得られた医療機能を国民に広く普及させるために、平時、有事によらず、安定的に提供できる基盤を強靭化させる必要があるとしまして、基本方針3つ目、基本方針3を必要な医療機器にいつでもアクセスできる医療機器の提供基盤の更なる強靭化としたものでございます。続きまして、13ページの方に進んでいただけますでしょうか。こちらに対しては、12ページと一部重複するところがございますが、全体の説明を少し割愛したいと思いますが、2点だけ補足、補強させていただきたいというふうに思います。基本方針1の世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤の確立におきましては、我が国の医療機器市場の市場規模が世界において占める割合が過去と比較するとだんだん低下していることから、国際展開を前提とした産業活動を加速化しまして、海外市場を含めた強固な産業基盤を持つことを目指すというふうにしております。また、基本方針2、医療の未来を築く日本発の医療機器イノベーション創出におきましては、事業性のある医療機器はもちろんのこと、生産年齢人口及び医療従事者等の働き手の減少を見据えた省力化に貢献する医療機器であるとか、小児・難病といった市場が小さい領域における医療機器におきましても、産学官の連携のもとに、研究開発を促進する必要があると考えてございます。続きまして、14ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらにつきましては、各基本方針の達成において特に注力すべき内容であるストーリーを整理したものでございます。繰り返しでございますが、このストーリーと申しますのは、基本方針の実現を達成する上で、特に注力すべき内容として表現したものでございます。この基本方針とストーリーの内容につきまして、15ページから17ページの方でご説明申し上げたいというふうに思っています。15ページ目に進んでいただけますでしょうか。こちらには、基本方針1におけるストーリーを2つ整理しております。ストーリーの1つ目が、グローバル展開を見据えたスタートアップの増加を通じ、日本の新たな強みとなる戦略的な事業領域の創造でございます。医療機器のグローバル市場の成長に対して、国内生産額の伸びが横ばいであるなど、国内の医療機器産業において、新たな競争力を生み出す戦略的事業領域の確立が急務であると認識しています。このため、新たな競争力を生み出す戦略的事業領域の確立及びスタートアップがグローバルでの需要を見据えた製品開発を行うエコシステムを構築する必要があろうかと考えております。ストーリーの2つ目でございます。競争力のある医療機器に対し、世界のニーズに対応した改良を継続的に行い、グローバル市場で既存事業領域の拡大でございます。現地のニーズを踏まえ、スタートアップが開発した新たな事業領域の製品や、グローバル市場でシェア拡大が見込まれる既存製品に対しまして、継続的な改良を通じて、競争優位性を強化することが重要と考えております。従いまして、ストーリー1につきましてはよく考えますと、新たな医療機器でございまして、ストーリー2が改良改善に関するものとして整理したものでございます。16ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。16ページの方で基本方針2におけるストーリーを3つ整理しております。ストーリーの1つ目が、医療上の必要性が高いアンメットメディカルニーズと優れた国内技術をマッチングし、迅速なプロトタイプ製造・検証が可能な環境の構築でございます。医療上の必要性の高いアンメットメディカルニーズと国内の優れたシーズをマッチングすること、及び初期段階のプロトタイビングを行える環境を整備することが必要であるというふうに考えております。ストーリーの2つ目でございますが、研究開発開始から上市までのプロセスを短期に進めることが可能な支援体制の構築でございます。タスクフォースの中で、実務の開発経験を積んだ人材がなかなか少ないということがございまして、開発全体を通しまして、上市までのプロセスを短期化させる支援体制の構築は必要と考えております。ストーリーの3つ目でございますが、新規技術にも柔軟に対応可能なレギュラトリーサイエンスに基づく先進的な検証のインフラの整備でございます。治験にかかるコストが事業化における障壁となることであるとか、新たな技術に対する適切な評価系の構築が必要だと考えまして、治験や非臨床試験といった既存の評価方法の特性であるとか限界を意識しつつ信頼性の担保された新たな評価方法において、適切に活用していくことが必要であろうと考えた次第でございます。17ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらには基本方針3におけるストーリーを3つ整理してございます。ストーリーの1つ目でございますが、国内で導入を強く求められている先進的な医療機器に対する規制対応の支援及び多面的なインセンティブの付与でございます。諸外国で開発された先進的な医療機器のうち、我が国に必要な医療機器に関しては、国民に遅滞なくアクセスできる環境の構築が必要であろうため、保険制度に限らない多面的なインセンティブの付与が必要であろうかと考えています。ストーリーの2つ目でございますが、平時から必要な医療機器の提供体制が確保される仕組みの確立でございます。医療機器におきましては膨大な品目数が存在して、供給停止に繋がる要因も様々でありますので、必要な医療機器の安定提供を効率的に確認する仕組みを構築しまして、速やかに対応策を講じられる体制が必要かと考えています。ストーリーの3つ目でございますが、有事の際にも必要な医療機器が提供できる基盤の強靱化でございます。近年ではコロナパンデミックであるとか自然災害が顕著な例でございますが、有事において必要な医療機器を確保するための体制につきまして、継続的な整備や円滑な運用が不可欠であろうかと考えています。以上が基本方針、またそれを実現するうえでのストーリーのご説明でございます。18ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらの方ではタスクフォースで議論しております基本方針1のKGIの指標案の項目をお示しております。現在、市場シェアやスタートアップの買収件数、規模などを議論しておりますが、本検討会での議論も踏まえ、今後タスクフォースでさらに詳細な検討を進めてまいりたいというふうに考えています。19ページ目のほうは、今回ご提示したKGI指標の背景となる考え方を示しておりますので、詳細は割愛させていただきます。20ページ目にお進みいただけますでしょうか。こちらは基本方針2のKGI指標の案でございます。新医療機器の承認件数であったりとか、C区分・B3区分の保険適用を受けた製品数などを議論しているところでございます。21ページ目もその指標の背景の考え方でございますので、お時間の関係で割愛させていただきたいと思っております。22ページ目でございますが、基本方針3につきまして、タスクフォースの中でも議論を重ねているところでございますが、現時点で具体的な項目はKGIとしてまだお示しできておりませんが、この基本方針の実現状況を数値目標という形で確認することの適切性も含め、引き続きタスクフォースの中で議論をしてまいりたいと考えているわけでございます。以上がタスクフォースで議論してきました将来像と基本方針、またその実現のためのストーリー、さらに指標KGIとして検討している項目などのご説明を簡単にさせていただきました。今後、先ほど南川室長からお話がございましたが、8ページ目のところに書いてあるとおり、細かな課題あるいは施策は今後の議論でございますので、まずは基本方針としての大きな骨格としていずれも申し上げたところでございます。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは、続きまして資料2-2をご説明させてください。KGIの議論がございますので、前回もご提示しました、そこからさらに加えて前回のご意見も踏まえKGIの議論の中で出てきた資料を中心にご説明させていただきたいと思っております。6ページ目をご確認ください。6ページ目には前回もお示しした世界の医療機器の市場ということで、日本は世界第4位で5%という形を出させていただいて、その後のCAGRも米国がかなり高いという話もさせていただいて、7ページ目に議論がありましたように日本のグローバル市場はもともと1990年において20%を超えて世界第2位という状況から徐々に落ちてきているということを記載させていただいております。8ページ目も新しい資料になっておりますが、グローバル市場の中において日本の医療費の状況があまり変わっていないという話となります。続きまして10ページを見ていただいて、前回かなりプログラム医療機器についてのご意見がございましたので、プログラム医療機器の日本国内の市場規模がどうなっているのかという形でそのグラフも載せさせていただきました。2023年かなり大きくなっているように見えますが、これにつきましては遺伝子変異解析プログラムが2023年から伸びているという形でございます。続きまして14ページ目が国内の出荷高について、国内市場規模について前回お示ししているものです。15ページ目に、薬事工業生産動態統計調査を元としてクラス分類の中でどのようなクラスが多いのかを整理しており、国内出荷高でいうとやはりクラスⅡの医療機器が多いというようなことが確認されています。治療機器だとクラスⅢとⅣが同じくらいの形になっています。どのようなものかというと16ページ目に記載されているように、主なクラス分類でいうと、一般のクラスⅠというのがギブス包帯であったりそれこそ打診器だったりというものです。生体のリスクに応じてクラスが分類されていて、一番右側のクラスⅣになると、例えば血管形成術用のカテーテルであったりだとか、診断においてもカテーテル系のような不具合が生じた場合かなり身体・生命の危険に直結する恐れがあるようなものが多くなっていることがわかります。続きまして、19ページをご確認ください。これも前回なかったものですが、国内市場において外資系企業が占める割合という部分におきまして、やはりクラスⅢとⅣにつきましては外資系の企業が占める割合が多いことがこのグラフからわかります。20ページをご確認いただきますと、それをどこで作っているのかという部分についてのグラフでございます。傾向としてはやはり内資系の方が国内で製造している部分が多く、外資系の部分は小さいということがわかります。21ページ目について、内資外資問わず輸入しているものか輸入していないものかということについて出させてもらっていますが、輸入している部分についてクラスⅢ以上になるとそれこそ70%から80%部分について輸入にある意味頼っているという状況になるのかなと思っております。22ページ目については、こちらは輸出の部分でして、内資系企業がどのようなものを輸出しているかというと、やはりクラスⅠとかⅡの部分の診断機器が多いということを確認しております。さらに24ページ目、25ページ目につきましては、どのような製品群のシェアを獲得しているかということで、今回これを改めて深掘りしたものとして26ページ目がございまして、これは国内市場において内資系の企業がどの程度のシェアを持っているかということを薬事工業生産動態統計調査から出しているものになります。やはり50%を超えているものにつきましては半分程度であり、診断機器が多くて、逆に言うと治療用のものの部分、いわゆる整形外科用の手術材料などはかなり低いところになっていると思います。続きまして、前回お出ししていない部分で、スタートアップ関連で申し上げますと、36ページ目です。前回スタートアップに関しての日本の状況について少し深掘りしているものとしまして、各国の医療機器のスタートアップ状況について整理した資料になりまして、アメリカはやはり圧倒的ですが、日本は世界4位であり、資金調達される企業の割合では7位となっているという話と、37ページにありますように資金調達額においては11か国中5位という形になっております。38ページ目、39ページ目以降は特に日本と米国での比較になっていますが、前回日本はSaMDが多いのではないかという話がありましたが、まず38ページにありますとおり日本は診断の部分がアメリカと比べると多いということと、39ページにございますとおり、その中でもSaMDということが多いか多くないかというと米国と比べると割合としては多いということを示しています。最後の44ページ目をご確認いただきますと、スタートアップの企業の割合において、日本では循環器系のスタートアップの割合が最も多くて、米国においては整形外科のスタートアップの割合が多いというようなことが確認できるかと思います。資料2-2の説明は以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは続きまして、経産省の医療機器産業ビジョン研究会もこれに絡むと思いますので、妙中構成員からこの資料についての説明をお願いします。
〇妙中構成員
経済産業省の医療機器産業ビジョン研究会の座長をしております妙中義之です。本研究会は医療機器産業をめぐる諸課題等を整理し、産業競争力強化の観点からその課題に対する方策を検討するため、外部有識者を構成員として設置された研究会です。資料3をご覧ください。本研究会にて検討した「医療機器企業との連携・導出を目指したスタートアップ支援領域」についてご説明いたします。資料をおめくりください。まず、2024年3月には本研究会を巡る議論の取りまとめとして、「医療機器産業ビジョン2024」を公開しました。この取りまとめでは我が国の医療機器産業が成長していくための方向性として、イノベーション創出のための研究開発投資とグローバル展開による投資回収の2つが循環することによる産業成長を目指すとのコンセプトを示しました。資料をおめくりください。その後さらに議論を進め、2025年6月には「イノベーション創出及び事業化支援戦略」を公表しました。この取りまとめではスタートアップが創出したイノベーションをグローバル展開するためには当初からグローバル展開を見据えた研究開発を行い、大手医療機器企業等による導出を経て、大手医療機器企業等の海外販路を活用して展開されていくことが重要であるとしました。そのうえで、大手医療機器企業等への導出及びグローバル展開の成功事例を作り出すため、特に重点を置いてスタートアップを支援する領域を選定し、支援リソースの選択と集中を行っていくことにしました。資料をおめくりください。重点支援領域の選定方針と書かれている資料です。今回スタートアップ支援を行う上での重点支援領域の選定にあたってはスタートアップが出口で大手医療機器企業等とつながり、社会実装までたどり着く可能性が高い分野を選んでいく観点から議論を進め、診療領域及び技術領域を対象としてグローバルマーケットや国内医療機器企業の動向を踏まえて、グローバル展開を期待できる分野について検討しました。具体的には、グローバルにおける市場規模や市場成長見込みが大きい領域であるか、それからオープンイノベーションが生じやすい領域であるか、国内医療機器企業が米国事業で基盤を有する領域であるかの分析を行い、診療領域として循環器及び脳神経を、また技術領域としてはデジタル及びロボット技術を重点支援分野として定義しました。一番下段になりますが、もちろん他にも市場性が高く、アンメットニーズの解決に繋がる治療機器などの高い優位性を持つ革新的な機器については重点支援分野にすべきではという議論がありました。そのあと資料が続いておりますが、17ページ、(A)診療領域 Layer(1)+(2)総合評価という資料です。検討にあたり参照した指標についてご説明します。診療領域については世界市場の規模は足元で循環器が大きく、また今後の成長性は脳神経が高いと予測されています。米国を拠点とするスタートアップのM&A実績を分析すると循環器、脳神経ともポートフォリオの拡張を目的としたものが多く、製品やソリューションの拡大につながりやすい領域であると考えられます。グローバル企業による近年の買収件数としては循環器が多く、またFDAの承認件数をみると脳神経が増加傾向にあります。循環器、脳神経とも、日本の大手医療機器企業はFDA承認を一定有しており、米国事業を行う上で必要な足場を有していると考えられます。続いてページ22をご覧ください。(B)技術領域-総合評価と書かれている資料ですが、技術領域についてはグローバル企業による足元の買収件数や国内スタートアップの数を見ると、デジタル分野が特に多い状況にあります。また一件当たりの買収金額としては治療領域が高く、特にロボットの分野で高額な買収が見られました。今月16日の研究会では重点支援領域について概ねの合意を得られましたが、委員からはアンメットニーズに沿ってより解像度を上げていくことの重要性などの意見があり、今後事務局において一部修正がありうる見込みです。結論ですが、以上医療機器産業ビジョン研究会にて検討した「医療機器企業との連携・導出を目指したスタートアップ支援領域」についてご説明しました。本研究会で検討した支援領域が第3期医療機器基本計画との整合性が得られることで、関係府省間で連携が高まり、施策効果の向上につながっていくことを期待しています。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。これまでで資料に基づいて説明事務局からございました。これから各構成員の方々からご意見を賜るのですけれども、いろんな意味の課題がありますので、ある程度論点を整理したうえで、その点に関してのご意見を賜りたいというふうに思います。まず先に事務局の方から資料4に基づいて、第3期医療機器基本計画の策定に向けた本検討会、本日の検討会での論点整理を行っていただきたいと思います。南川室長よろしくお願いします。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは資料4についてご説明させていただきます。本日の議論していただきたい部分ですが、まず背景、経緯については、最初の2つについてはすでにご説明したとおりになっております。その後の経緯として、本年11月10日に、さらに我が国の経済の成長を実現するために、その具体化に向けて日本成長戦略会議というものが開催されまして、危機管理投資、成長投資による強い経済を実現するための戦略分野の1つとして創薬・先端医療が定められたということになっております。参考資料6から8に、会議の構成員や資料について記載させてもらっていますが、医療機器につきましても先端医療の中でしっかりと議論されるものと理解をしておりますので、歩調を合わせてやっていきたいと思っております。続きまして、4つ目につきましては先ほど妙中構成員のほうからもご説明いただいた経産省のビジョン研究会のお話になっております。これらの前回からの経緯を踏まえたうえで、本日ご議論いただきたい点については5つ整理させていただいております。まず論点1につきましては、今回タスクフォースで前回の議論を踏まえてご議論いただいております将来像、KGI、これは第2期では作っていないものですので、これはそもそも設定すべきかどうかという点です。論点2につきましてはその将来像をもし設定するとした場合、タスクフォースでのご報告にあったとおり、2040年、そして将来像を点線囲みにした部分にすることで適切かどうかです。論点3につきましては基本方針というものを法律上設定することになっておりますので、それにつきまして先ほどタスクフォースでのご報告にあった3つの点、そしてそのもとにあるストーリーの案という形でよろしいかということが論点1から3になります。続きまして論点4ですが、KGIについてはまだまだ議論中でございますが、いま議論しているKGIのイメージをどう考えるかということです。論点5で今後の進め方についてご説明させていただきましたが、KGIであったり、今後は今日の議論を踏まえてKGIであったり課題の具体化、そして優先的に取り組むべき政策の議論を進めていきたいと思っていますが、その方向性についてどう考えられるかという形で設定させていただきます。事務局からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。ただいま南川室長からご説明がありましたけれども、本日、論点1から5までをいろんな意味でご意見を賜るということになります。まず初めに論点1、第3期基本計画策定にあたって2040年に目指すべき将来像及び達成すべきKGIを定めることをどう考えるのか。それから論点2、これは第3期の基本計画策定にあたって同じく2040年に目指すべき将来像としてタスクフォースで議論された内容が資料4にも四角で囲って出ておりますけれども、こういったものとすることではいかがなのかということ。最後に論点3でありますけれども、第3期基本計画における基本方針について、タスクフォースで議論された以下の3つの点を基本方針とすることではどうかということ。まず論点1、2、3に関して先にご議論いただいて、そのあとに論点4、論点5のご意見を賜りたいと思っております。なお、本日2名の構成員がご欠席ということで、あらかじめ事務局の方でコメントをいただいているということですので、石井構成員及び田熊構成員のコメントを先にご紹介いただけますでしょうか。
〇南川室長
それでは事務局の方から事前にいただいたコメントをご紹介させていただきます。田熊構成員より、論点1から3につきましては前回の検討会の議論を踏まえ、タスクフォースでご議論頂いた将来像が分かりやすく、具体的にまとまっており、異論ありません、というご意見をいただいております。石井構成員からは、論点1について、KGIを定める事については賛成です。ただし、2040年というかなり長期な目標設定であり、その間の医療機器開発のトレンドの変化等が十分考えられますので、数年ごとに数値目標の見直し等の考え方も明確にしておいた方が良いと思います、ということ。論点2については異論がないということ。論点3につきましては、開発から上市までのプロセスを短期に進める事が可能の意味が、失敗の見込みが確定した段階で開発中止を判断可能という説明には少し違和感があります。失敗は、臨床試験後の結果や、薬事承認後の保険のステージの可能性も十分にあります。そのため、開発中止の判断のみならず、失敗の検証を行い、製品の改良や臨床での位置づけの変更など、再トライの可能性の判断の支援体制も重要と思います、というご意見をいただいています。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございます。それではご出席の構成員の方からご意見賜りますけれども、まず会場に来ている構成員の方々は挙手をお願いしたいと思います。またZoomで参加されている委員の方は手を挙げるというボタンがあると思いますので、それをクリックしていただきまして、私の方で指名したのちにご発言を賜れればありがたいと思っております。なお発言の際には、後で議事録等を作りますのでお名前を恐縮ですけどお願いいたします。また、本日用意している資料のこの部分でということがありましたら、該当ページを先に何ページということをお話しいただいたうえで、ご意見をいただけるとありがたいと思っております。それではどうぞ構成員の方、論点1から3に関することであればどのようなことでも結構ですけれどもいかがでしょうか。まず会場におられる方から、山本構成員お願いします。
〇山本(章)構成員
医機連の山本です。ご説明ありがとうございました。まず、2040年の将来像ということに関しては、これ、私は非常に重要なポイントで、画期的なことだと思っています。ただ、深掘りがいるのかなという感じがあります。ここに書いている文言は誰も異論がないと思いますが、この文言を読んだときに、ここにいらっしゃる方々、すなわち産業界や医療業界他、多様性がある方々が、本当に同じ方向を見ているのかが気になります。そのためには図示する等、何かで補足するようなものが必要かなと思っています。KGIはゴールを規定しているので、これはこれで1つのツールだと思っています。図示という意味からすると、昔の経産省とか厚労省が作られた資料で、2030年の暮らしと医療機器という題目で、2010年にポンチ絵のようなものが作られています。これなどは参考になると思います。また先端技術が溶け込んだ2040年における健康医療介護のイメージというのが、これは未来イノベーションワーキングで検討したものがあるのですが、これらも参考になると思います。そのような補足資料をつかって、皆さんの目線を合わせたあとの議論で、産業界とアカデミアが、違う意見を持っていることを理解することは重要だと考えています。とにかく、将来の目線合わせは非常に重要なポイントと思います。将来を語る上で、経産省のビジョン研究会での議論で、アンメットニーズの議論がありました。アンメットニーズとそれを解決する技術は、両者をどうマッチングさせて課題解決していくかになりますが、そのためにも、アンメットニーズの整理と、それに対して医療機器がどこまで貢献できているかの整理が必要だと思います。これらを含めて皆さんの視線を一緒にしていくということが非常に大事だと思っておりますので、できればご検討よろしくお願いしたいと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。大変貴重なご意見をいただきました。是非事務局の方で考えていただければと思います。いろんな先生方からたくさんご意見を賜りたいので、いかがでしょうか。まず会場にいる方々からかと思いましたので、宮田構成員お願いいたします。
〇宮田構成員
どうもありがとうございます。論点1、論点2に関しまして大きく議論することはございません。そのようなものを設定するということと、2040年という具体的な年度があったほうがイメージしやすいというふうに思っております。この中でも、今後の議論の中で出てくるのですけれども、やはり日本発の医療機器が世界に出て、グローバル展開という中で、どれだけ世界で日本の医療機器が選ばれているのか、という観点がすごく重要なのかなというふうに思っております。論点2の文言に関して異論はございませんけれども、この中で「先進的な医療機器の研究開発及び」というところがございますが、これまでと同様に世界最高水準の質の高い医療というのは、私は先進的な医療機器だけではなく、日本が一番得意としている改善改良を積み重ねていっている製品が世界最高水準の医療を作っているのではないかというふうに思っております。そのため、そういった観点があってもいいのかなと思いました。言葉の中でわからなかったのは、世界最高水準の医療の質というのは、国民皆保険制度という日本の制度も当然あるがそういうものも含まれているのかということです。技術やそういった違う観点のものもこの言葉の中には含まれているのか、ということがわからなかったので、それをお聞きしたいというふうに思っております。論点3に関しては、いろいろ意見がございますので、またご紹介したいと思います。以上でございます。
〇南川室長
ご指摘のとおりで、当然国民皆保険の中で、健康寿命が長いということも含めた中で、それに対して当然医療機器が貢献しており、その貢献をしっかりと2040年もやったうえで、こういった将来像にしていきたいとして記載させていただいています。
〇菊地座長
いかがでございましょう、鎮西先生。
〇鎮西構成員
鎮西でございます。基本的にKGIを設定すること賛成でございます。というのも、15年というのは、研究開発、新しいことを考えるにあたって全然長くない。例えばお薬だとすると、2040年に新しく出るお薬というのはパイプラインに入っています。そのタイムスパンで考えていくことがとても重要です。もう1つ今お薬で申し上げましたが、おそらく創薬の分野でもこれから2040年どうするということを検討されていると思います。我々総合的には、医療機器、それからお薬、そういったものを全部合わせて我々の医療をどうしていくのか、市場をどうやってとっていくのかということを考えていくことになりますので、検討の中でそういったファクターも是非入れていただければと思います。KGIの中にはこういったものは出てこないと思いますが、論点3の中でどのようにそういったものを溶け込ませていくのかといった話になるかなと思います。私からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。妙中先生いかがですか。
〇妙中構成員
論点1、論点2についてはまさにここに書かれているように、KGIを定める、基本方針、将来像の内容はこれでよいと思うのですけど、実はこの基本計画を定めるにあたっての元々の法律がありますよね。それの責務というところがあって、1つは国の責務であるということがあって、2つ目が産業界というかそれを研究開発していく人たちというものがあって、3つ目が医師等の役割、アカデミアということになるのか、医師だけでなくてそれ以外に医療に関係ある方、それぞれがこの将来像に向かって本当にきっちり連携しながらやってきているのかなという気がしています。その辺が論点3の基本方針、どのように連携させていくかということになっていくのだと思います。例えば国が今回のように中心になって、検討会の中に産業界の方もおられますけれども、基本計画を立てていっても、国は産業界に頑張れ頑張れと、産業界の人たちは国が何をしてくれるのか、もっと助けてほしいということであったり、アカデミアといった現場で働いている人たちは自分たちのアンメットニーズに基づいて新しい技術を開発していく。そういった三すくみのようにお互いに相手は何をしてくれるのかという感じで見ていると思うのです。そのようなことを、できればこの論点3である基本計画の中でもう少し具体的に、効果が上がるような連携の仕方であったりとか、新しい組織や機能が必要なのであればそういうことを作っていかなければならないと思うのです。内容については今議論するのであればお話ししますが、あとでであれば、それぞれに対して私の意見があるのでお話しさせていただきたい。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。
〇南川室長
ありがとうございました。妙中先生がおっしゃったのは参考資料2の第3条から第5条に書かれているそれぞれの責務規定が規定されている箇所です。論点3の部分は大枠の基本方針でして、具体的にそこから出てくる課題、先生がおっしゃられたのは課題の部分であったと思うのですけれども、そこをどうするかというのは論点5の部分で議論になります。優先的に取り組むべき課題などについてはタスクフォースで今後議論するのですけれども、その前に検討会でこういう部分もしっかり議論してほしいということについては、論点5のところでご発言いただけると大変ありがたいと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは鄭先生お願いいたします。
〇鄭構成員
はい、ありがとうございます。東京大学の鄭と申します。まず論点1に関しましてはこのような将来像と達成するKGIを定めるというに関して異論ございません。大変よろしいかなと思いました。そのうえで将来像についてですけれども、わたくし大筋はあまり異論ないのですが、もう少し悲観的かと思いました。世界で最高水準の質の高い医療と書いてありますが、サステナブルなのかどうかは非常に疑問に思っていまして、少子高齢化が急速に進行している中で、持続可能性が危ぶまれているというようなことは書いてあってもいいのかと思いました。その中で人手不足になってきますので、レイバーインテンシブ、労働集約的なやり方はもうなかなか続けられませんといったことや、それからやはり受益者である患者さんとかそういう人を中心にやるのです、とかそういうのもあってもいいかなと思いました。また、やはり今データを使って様々な試みがなされていますので、データであるとかAIであるとか、これは個別になりすぎるかもしれないですけれども、そういうものの重要性も書き込んであってもいいのではないかと、あるいはそれはもっと細かいところに書いてあってもいいのではないかと思いました。そのうえで論点3なのですけれども、(2)の医療の未来を築く日本発の医療機器イノベーションの創出というところですけれども、一番下のところに確かに書いてはあるのですけれども、やはりイノベーションのエコシステムをきちんと作るということであったり、どうしても失敗を許さない文化がありますので、失敗を許容するような、アフォーダブルロスを許容するような、そういう文化を醸成していくようなことがあってもいいのかと思いました。私からは以上でございます。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは松尾構成員よろしくお願いいたします。
〇松尾構成員
ありがとうございます。野村総合研究所の松尾です。論点1、KGIの設定、それから論点2の将来像についてはいずれも異論ございません。ただ、非常に大きな計画ですので、いつ見てもこういう将来像になるのではないかという文言がどうしても並んでしまうと思いますので、KGIの要素としてこの策定時にどういった現状をとらえて、それに対して2040年にどういった状態目標なのかということがわかるようにしてもらえるとありがたいと思います。
〇菊地座長
ありがとうございました。それではWebで参加されている構成員の方々からもぜひご意見を賜りたいです。では、佐久間先生お願いします。
〇佐久間構成員
ありがとうございます。先ほど鄭先生がおっしゃっていたことが、同じことを感じておりました。私、METISの第4期でレギュラトリーサイエンスということでしたのですが、その当時言われていたことがデバイスラグです。このまま規制が厳しすぎると医療機器が入ってこなくなるという危機感でやっていた。今これから少子高齢化で市場が小さくなる、まさに外に出なければならなくなるわけですけれども、これでまたいわゆる経済的な位置が下がってきて、今円安で、その時起きてくるのはいくら規制のハードルがさがった、効率よくなったとしても、あったものが申請されてこないということが起きて、これデバイスロスだという話です。そうすると先程おっしゃっていた今少子高齢化の中で、持続可能にこの国の医療を支えるうえでのこの医療機器産業の振興という、そういう観点が必要かと思います。また、今世界最高水準にあることは確かだと思います。これをどうやって維持するかという観点を、やはり現状の危機感を踏まえて詳しく書かれることがいいかなと思っています。方向性としては間違っていなくて、結局国内だけで見ていても医療機器産業はサステナブルになりませんから外に出ざるを得ない。一方で日本の国内の医療水準を維持するためには、やはり日本の医療機器産業が強くならないと、やはり場合によっては入ってこないということがありますから、そういったことを考えていくということが必要かと思いまして、鄭先生のご発言を受けて感じたことを申し上げました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは手が上がっております瀧口構成員いかがでしょうか。
〇瀧口構成員
はい、ありがとうございます。JIRAの瀧口です。まず論点1に関しては非常に妥当だというふうに思います。2040年というのを定め、将来の姿を定めてバックキャストして、ということが非常にリーズナブルだと思います。そのうえで将来像については、今ご議論ありましたように、鄭先生、佐久間先生ご指摘のように、世界最高水準の質の高い医療そのものもそうですし、それを国民が享受できるというステータスもどういうことなのかということを具体的に皆様でイメージを合わせたらどうかと思います。今ご指摘があったようないろいろな心配事がある中で、それがどういう姿なのだろうかということをもうちょっと明確にする必要があるかなと感じますし、それがKGIとか、姿として描かれるということが今回は大事なのかなというふうに思います。それから論点3に関してですが、基本方針が導き出された考え方、ロジックというものは非常に納得できるものだというふうに思いますし、今もご指摘がありましたように国際競争力が背景となって医療の産業が発展することがこれから先ますます重要になるであろうという観点で、そのことが基本方針の中に取り込まれたということは非常に歓迎したいというふうに思います。一方で、国内の今の状況を見ますと、病院経営の悪化等が購買力の低下につながっているという事態は非常に重要な問題だと思います。これの解決に向けては別途取り扱うというお話も伺ってはおりますけれども、いずれにしましても国民が質の高い医療を享受できる状態が、最先端の医療機器が常にアクセス可能で、そのもたらす医療的な効果が享受できるような姿をいかに維持しておくか、そのためには最先端の医療技術を適時・適切に、常に患者に届けることができるような仕組みをしっかり作り上げておくということが一方で重要です。例えば大型の機器に関して長期使用の問題があり、それは昨今のサイバーセキュリティの問題にもつながっていくということがありますので、この辺りの議論をもう少し詰めていただく必要があるのではないかというふうに感じております。私からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは続きまして山本構成員いかがでしょうか。
〇山本(栄)構成員
方針についてはいずれも賛成いたします。非常に納得できました。論点3についてですけれども、戦略、戦術の部分も入ってしまうかもしれませんが、コメントしたいと思います。(1)ですけれども、戦略的な事業領域と書いてあるのですけれども、先ほど先生方からも話があったように、ここには技術も踏まえて設定すべきだと思います。その際には複数の技術を組み合わせるような、戦略も具体的に考えていく必要があろうかと思いました。(2)のイノベーションについてですけれども、先進技術、企業で開発される技術というものは機密になることが非常に多いと思います。そうしたときに、官の立場で検証するということは現状なかなか難しいと思いますので、産官学の研究とか検証のやり方を具体的に考えていく必要性があろうかと思います。それから(3)のところについては、強靭化ということですけれども、平時、有事によらずということなのですけれども、有事を想定して、技術だけでなく現在使われている医療機器の備蓄とか、医薬品についてはそういったことが進んでいると思うのですが、医療機器についてもそういった基盤を整備することも重要ではあろうと思いました。そういうことを実施するためには、お話がありましたが、企業にとってもやはりメリットがあるような形にしなければ実際には動かないのではないかという危惧があります。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは東大の小林先生、手が上がっているようですのでいかがでしょうか。
〇小林構成員
私も3つの論点に関して基本的には異論はないです。論点3に関わると思いますが、KGIの設定からストーリー、課題に落とし込むときに考えてほしいと思うことがあります。例えばKGIの設定だと、企業の数などの数字がありますが、2040年以降も医療水準をずっと維持し続けられるということを考えた指標、ストーリーを考えて盛り込んでほしいと思っています。例えばストーリーに落とし込んでいくときに、今スタートアップはすごい大事だと思うのですけれども、それがそのあとも続けられるような基盤的な研究技術とか人材育成とか、そういったところも漏れがないように、ストーリーやその後の課題を作るときに、その視点を入れ込んでいってほしいなと思います。
〇菊地座長
ありがとうございました。まだご発言いただいていない構成員の方、本日ご出席の先生でいかがでしょうか。高井先生いかがでしょうか。
〇高井構成員
東京大学の高井です。ご説明いただきありがとうございます。基本的にKGIの設定、そのほかの議論については皆様方と同じで、将来を見据えて医療機器開発をしていくということはとても大切だと思います。また長い期間ですので見直しということもいくつか中間期において見定めていくという必要性があるかと思います。あと、連携に関して、私はアカデミアの立場ですので、開発目標を高く置くということはそれにかかわる人材をしっかりと育成していくということがとても大切だと思っていて、それの根幹をなすのがやはり大学だと思います。そういう時に大学の学生が将来において医療機器開発に携わりたいという人材を育成してくということも重要な責務だと思っていますので、そのあたりの国がどういう方向を向いているかということもかなり最近はシビアに学生間で議論されるところだと思いますので、何とか同じ方向を向く、同じ方向を向いていなくてもそういう議論ができる場や仕組みを作っていただけるといいのではないかなと思いました。これは具体的な方策にかかわるところかもしれません。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは村山先生いかがでしょうか。
〇村山構成員
東京慈恵会医科大学の脳神経外科の村山です。基本的には私も論点1、2、3のKGIを設定して、ということに異論はないですし、特にこの3の中で挙げられている項目で、危機管理とか有事の際にも医療機器が手元に届くということは非常に重要だと考えております。私はアカデミアですけれども、今国内では2つのスタートアップと、海外でも日米でひとつ立ち上げて、そういう意味ではプレイヤーとしての観点、ベンチャー・スタートアップとしての観点、それからユーザーとしての観点で両方見ていると、KGIを設定するということはすごくいいのですけれども、実現可能な目標にしていくために、今目の前にあるいろいろな問題ですね、特に制度上の問題を見据えないと、絵に描いた餅になると思います。私がやっているスタートアップの1つは医療機器です。インプラントもののクラスⅣと呼ばれるものと、もう1つは経産省と内閣府の支援を受けてやっている医療物流です。オンラインで物流が届くという、物流のことを今非常に深くやっていて感じていることは、何人かの方もおっしゃっていましたが、海外のメーカーからすると日本の償還価格制度という非常に独特な市場価格に合わない、経年的に値段が下がってしまうということで、例えばある外資系メーカーが製造する脳神経領域で使用するコイルやステント等が撤退しました。日本の代わりにインドネシアとかグローバルサウスの国々で、伸びている国に目が行ってしまっている。日本では正直ビジネスにならない。こういったことも取り組んでいかなければならないし、日本では卸が入って物流をやっているわけですけれども、もともとアメリカは病院が物を購買するわけです。今ちょっと日本みたいな制度に変わってきていますけれども、まとめ買いして安く病院が仕入れるということをやると、日本だと償還価格が下落してしまう、4%以内という縛りが、バブルの時にできた制度がいまだに続いているわけです。物を作っても、買ってもらおうと思って、いろいろエンドユーザー、我々病院は、安く買って差額をとりたいわけですけれども、そういったことは日本だと許されないわけです。そういう制度上の問題があります。それからSaMDは将来性があるといわれて、経産省がいろいろなお金を付けてAMED等でのプロジェクトが走っているのですけれども、やはり償還価格が非常に安いので、数億円の開発費をかけても実際のソフトウェアの価格がつかない。そういう中で例えば選定療養制度という患者さんからそこの部分は払ってもらおうとすると、混合診療といわれてしまってやりづらいという点が多々ある。まとめますと、償還価格制度をどうこれから国として維持していくのか、あるいは見直す時期に来ているのか。それから物流の効率化、ITを使った効率的な物流をやることによって卸もエンドユーザーの病院も、非常にエコなシステムを導入したときに、やはりそこに価値をちゃんとつけるなどをやっていく必要があると思います。それから選定療養制度のようなものを選択してもいいようなフレキシブルな仕組み、例えば私はインドネシアでの診療支援をしていますけれども、国立インドネシア大学は敷地の中に厚生省管轄の病院と文部省管轄の病院があって、文部省管轄は皆保険でやっています。厚生省管轄だとプライベートインシュアランスで、ファーストクラスのサービスを患者さんに提供していく。そこに医療機器メーカーがビジネスとして参入している。そういったような今までは我々が意識していない東南アジア、そういった伸びている国が、医療機器メーカーからすると魅力的な市場になっている一方、日本がとてもビジネスをしにくい国になっているということは何らかの形で提言していく必要があると考えています。以上になります。
〇菊地座長
ありがとうございました。池野先生、手が上がったようですが、いかがでしょうか。
〇池野構成員
皆さんのディスカッションを聞いて、もちろんごもっともだなと思いました。15年後ですよね、ちょうど2040年が15年後になります。15年前は2010年、東北大震災の前の年なので、そんな昔ではないなと思って聞いていた中で、急速に2040年にかけて変化するものとして、やはり人口動態で、労働生産者数が大体日本で1,600万人減少するといわれています。それに加えて高齢者が数百万人増えて、高齢化率が今29%のところが37から38%になる。今年生まれた子はちょうど労働生産人口の15歳に入るくらいの年が2040年という中で、果たして日本が第一線の大強国を本当に保ち続けるかどうかということも含めて、未来の現実を受け入れて、それに対して今から医療機器として手を打つというような、ネガティブシンキングですけれども、間違いなく避けることのできない未来の日本のアンメットニーズというところをやはり解決する。それはもしかしたらものすごく最先端のロボティックサージェリーじゃないかもしれない。私はアメリカに住んでおりましてシリコンバレーにいますけれども、基本的に全世界で使われている付加価値の高い治療機器の6-7割はやはりアメリカ発、それもほとんどがスタートアップ発です。ではなぜスタートアップかというと、皆さんやはりハングリー精神の高い移民がスタートアップを立ち上げる。まあ頑張るわけです。それをいま日本が輸入していて治療に使っているというところを考えて、どうしても人口、そして若い人がどんどん減っていく国で、また移民も受け入れていないなかで、果たして本当にアメリカのスタートアップ、シリコンバレー、移民のハングリーな人たちがやるところと互角に戦えるのかどうかというところは現実的にちょっと冷静に考えるべきところです。もしかしたら日本の価値は超高齢社会なのかなというふうに思う時もあります。私がアメリカに行く直前まで高齢化率37%の田舎の診療所で地域医療を4年間やっていましたけども、その時のアンメットニーズは今まさに日本全体で顕在化しつつあります。そのようなことを考えると、25年前の話ですけれども、もう少し未来の日本の非常にユニークな、人口が減っていって、高齢者の数が増えて、社会保障が増えていく割には国民一人当たりのGDPがどんどん下がっていく国ということを現実として受け止めて、それに対する戦略をそろそろ15年後でそんなに未来ではないと思います。そのような意味では今から準備をしておかないとまずい状況になるかなと思います。すでに始まっているのは日本全国の公立病院の赤字だと思いますけれども、これも放っておいたら大変なことになることはわかっているわけで、そういうことも含めて今後現実的にこういったことがもっと顕在化してくる日本の未来というのも、ネガティブですけれども現実として考えなければならないと思い発言させていただきました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。中川先生いかがでしょうか。手が上がっているようですけれども。
〇中川構成員
はい、ありがとうございます。これまでの先生方と同じです。基本的に3つの点はそのとおりだなと思って伺っておりました。私は特に、池野先生がおっしゃった大きなミスマッチ時代、労働者が減る、高齢者が増えるという、人が減るけれども使うお金がどんどんどんどん増えていくという中で、東北大学病院の産学連携はそうしたミスマッチの解決と新しいビジネスモデルの摸索をしてまいりました。ミスマッチ解決のデザインの観点から、2点申し上げたいと思います。一つ目は限定的なサプライチェーンの状況下で見事に課題解決を行った英国の事例です。コロナの第二波の前に英国政府の試算では呼吸器が3万台必要なところ、8千台しか国内にない、国内の資源だけで、呼吸器を極めて短期間で納品してほしい、という呼吸器チャレンジ、の依頼が3月13日に発令され、ケンブリッジコンサルタンツは47日間で納品可能な状態に仕上げたそうです。プロトタイプを全部シミュレーションでやってしまうとか、多様な専門家がいて、そういった専門家の間にデザイン思考や、Desirability、Viability、Feasibility(DVF+スコア)という共通の言語があるゆえに、全然違う専門家が一気にトップスピードに働ける。要らなくなったら分散するということで、人が少ない中で仕事の働き方を最大化するような、仕組みがありました。こういった秀逸なケーススタディを検証することで、私たちが建てている仮説、KPI / KGIの妥当性が検算ができるのではないかと思います。2点目ですが、日本は過去に社会課題を大きな国の産業にしてきた歴史がございます。例えば高度成長期、大気汚染が原因で大きな問題となった四日市喘息です。こうした課題を優れた技術で解決し、車の排ガス規制をクリアし、世界で日本の乗用車が大きくシェアを伸ばした一因になったでしょうし、ダイキンのように空気をきれいにすることで世界に展開する価値を提供し、事業を創ってきた事例があります。その一方で、我々はまだ高齢化社会という大きな課題に直面しているものの、特徴的な課題におとしこみ、エレガントに解決し、グローバルに展開できるようなところまで行けていないと思います。この点についても、過去の他分野のケーススタディをして、自分たちもこういったものに当てはめながら改善していくことで、これが2040年にいい課題の解決の仕方だったといえるような可能性が上がるのではないかと思います。以上、2点、ケーススタディの重要性を申し上げました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。あと医器販協の山下会長からご発言いただければと思います。
〇山下構成員
ありがとうございます。論点1、2、3に特に異論はございません。ただ、非常にきれいな、理路整然とした形でそれはそれでよいなと思うのですけれども、いい意味での危機感といった意味では、例えば内視鏡なんかにしてもこれは今日本の得意エリアといったところですけれども、最近中国の内視鏡が急速に品質を上げているといった感じがしておりまして、スピード感が非常にあるなと感じております。また、台湾に毎年行っているのですけれども、メディカル台湾という展示会がありますけれども、昔は台湾はかなりローテクなものしかなかったものがだんだん製品化できていますし、それに加えて東南アジアのインドネシアとか各国で製品化が進んでいるようで、行くたびにそういったものがどんどん出てきているという状況です。先ほどアメリカのスタートアップの話もありましたけれども、世界のスピード感というものがすごくあるなと感じておりまして、そのスピード感をもうちょっと我々も持つべきではなかろうかということで、そういった意味でこう情熱を持って取り組んでいく、熱量を持って取り組んでいくと、先ほどお話もありましたワンチームでやるような部分が必要ではないのかなというふうに感じております。その上で、何かワンチームになれるような錦の御旗のようなものがあるといいと感じております。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。ここまでで今日ご参加の構成員の方々からそれぞれ貴重なご示唆、ご意見を賜りました。大方のご意見として、まずこの論点1、2、3、総論という意味では認めるというか、いいのではないかということですけれども、ただ具体にその中で現実的な問題として考えてほしいというものであったかと思います。私も一応座長でありますけれども委員という立場で申し上げれば、何人かの先生方がご指摘だったと思いますけれども、医療機器の研究開発及び普及を図ることによりこれまでと同様の世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できるという、文章としてはこういう形にどうしてもなるのだろうと思いますけれども、やはり複数の構成員の方からこれに対するご意見が出たと思います。どのようなものかというと、世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できるという中には、先ほど具体的にありましたけれども、例えば非常に高度な医療機器が、十分供給されれば、世界の人々がいい医療を享受できるかというと現実的にはそうではないと思うのです。日本の場合には現在の例えば制度とかそういうものに関しても触れていただいた方もおられますけれども、医療機器だけで高い医療を国民が享受できるようになるとは考えにくい部分もあるわけです。そこのところをこれから本当に2040年に向けて、国家としての基本計画ですから、やはりきちんと見据えて、医療技術に関して中心にこれは定義して議論している場ではあるのですけれども、実際に医療機器、高度な医療機器も含めて、あるいは先ほどいくつかコンベンショナルな医療技術の改良というのも重要であるというご発言がありますけれども、それが最終的に世界の国民、世界の人々に対して、医療として良い医療を提供できるかというとそれ以外の複数の因子がいっぱいあるわけです。そこら辺について、どこまでこの医療機器の基本計画の中で触れていくのかという、それもかなり議論がこれから必要になる部分だと思うのです。タスクフォースの先生方にもお知恵を出していただければと思いますし、また構成員の方々も3月で最後まとめるまでに、今のようなところ、本日も複数ご意見が出ているわけですので、どういう形で基本計画の中でそういった側面、いわゆる他の医療機器、技術以外の医療機器の効果を制限する、あるいは増長するような社会的な因子みたいなものにもどういった形で触れていくのかについて検討が必要なのではないかということかと思います。それから人口の高齢化というものがあります。またその中で労働生産人口が下がるという、池野先生からのご発言もありましたけれども、明らかに日本の医療機器産業、今大手といっているところでも現実には生産に関してかなりご苦労されているという話は私までにも耳に入るくらいです。実際の国内の大手医療機器企業が物作りという観点で今後さらに苦戦するのではないかなという、そうなったときには日本の場合には、CDMOではないですけれども、原点のところで、世界の医療機器のいわゆるブレインの部分、これを日本が価値として作っていくというようなそのようなやり方も1つ考えなければいけないと思います。それがある意味では先ほど東大の先生方からもご発言ありましたけれども、ブレイン役をリーディングするような人材をどうやって育てていくのか、そんな話もあるかなと思います。今日は文科省の方もおられますでしょうか。そのような観点で、文科省からご発言ありますでしょうか。
〇南川室長
文科省の方からご発言あればよろしくお願いします。
〇南専門官
文部科学省 研究振興戦略官の南でございます。文部科学省の方では、アカデミア等を中心とした基礎基盤的な研究開発に加えて、人材育成にも取り組んでいるところでございます。先ほど先生方からご指摘がありましたように、実際研究者として活動されている方への人材育成ももちろん重要なのですが、そこに至る前の人材のすそ野を広げていくための大学での教育活動も非常に重要だと考えております。具体的な令和9年度以降の施策をどうするか、またこの基本計画にどう位置づけていくかということは今後議論されていくものと思っておりますが、その中でまた私どもとしても検討あるいは調整させていただきたいと思っております。簡単ではございますが、回答でございます。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは時間の都合もありますので、残る論点4、論点5についていろいろご発言いただければと思います。まず論点4、現在のタスクフォースにおいて議論されているKGI指標のイメージをどういうふうに捉えておられるか。あるいはいろいろなご示唆があればと思いますが、何かこれに関してご意見いただけますでしょうか。
〇南川室長
田熊先生及び石井先生から事前にいただいたコメントについて紹介させていただければと思います。論点4と5について合わせて言わせていただければと思います。まず論点4ですが、田熊先生から、KGIは非常に重要ではありますが、数値の目標だけでは量に重きが置かれ、質の評価が難しいと思います。定量ばかりではなく、定性的な目標・評価も考慮頂ければありがたいです。論点5については、限りある資源の中で、効率よく、進めていくために選択と集中は必要だと思います。課題の具体化、優先度の高い施策の特定を目的とした検討については賛成です、とのご意見をいただいています。石井先生の方から、論点4につきまして、基本方針1のKGIに、a.全世界の医療機器市場に対する内資系医療機器メーカーの獲得市場のシェア、b.大手内資系医療機器メーカーにおける海外売上高の比率、c.世界の医療機器メーカーの売り上げランキングのうち、Top〇〇に入る企業数を設定するのは、やや無謀のように思います。dの成果によりa~cの成果につながる可能性はありますが、競合製品がすぐに生じる医療機器開発の世界を考えると、d・eあたりがよいのではないかと思います、というふうにいただいております。基本方針2についてはaの国内発の医療機器における新医療機器の承認件数のみではなく、機器の特徴である改良の承認件数も含めておいた方が良いかと思います、というご意見をいただいております。その他、目標を定量的に示すことは重要ですが、論点1でも述べたように、必ずしも数値目標に縛られない柔軟な指標であることを明確にしておいた方が良いかと思います、ということをご意見としていただいております。論点5については異論等ございませんとのことです。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。今コメントいただいた先生方からも、ある意味ごもっともというようなご意見かと思います。何かお気づきの点があればと思います。宮田会長いかがでしょうか。
〇宮田構成員
少しだけ論点3に戻ってしまうかもしれないと思いますけれども、MT Japanの中でもこのタスクフォースでの検討に対してすり合わせを行ってきましたので、私の意見というよりもMT Japanの我々ディスポ系の会社の考えということで聞いていただければと思います。やはり我々は実務者なので、ある程度具体的なことをイメージして話しますのであっているかどうかわかりませんが、よろしくお願いいたします。1つは、世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤という1番です。我々としては改良・改善という製品が非常に重要であると思っていますし、池野先生もおっしゃっていましたけれども、革新的な医療機器というのはアンメットニーズが革新的か否かがキーワードのように思っています。そういう面では、そういったものを作っていくためにはドクターと一体になった手技だったり、そういったものを確立していくということが非常に重要なのであろう思っています。(2)の中で、当然ベンチャーを育成していくというところに関しましては、これは是非ともお願いしたいと思っているのは、特にベンチャーだけではなくてそれを受けるCDMOが日本にないとなかなか現実的に難しいのではないかなというところです。CDMO事業がなかなか日本にはないということが実情でして、こういったものを作っていく必要があると思っております。日本発の医療機器イノベーションという観点からいうと、これも先ほど池野先生からありましたけれども、超高齢化社会は日本が世界に先駆けて直面しますので、これを逆に日本の武器というか、日本が世界に発信できる1つの大きなものになるのではないかなというふうには思っております。3番目のところで、先進的な医療という中では私は再生医療に関して、今当局等でもかなり積極的にやっていただいていることに関しましては非常に賛成しております。引き続き、そういった形がよいのではないかなと思っております。それから、平時から必要な医療機器という体制の中では、サーキュラーエコノミーの実現ということについて、医療廃棄物として処理されているものはものすごく多いです。うちの会社でいうとガイドワイヤーをやっているのですが、その中にプラチナ材が入っていて、ワールドワイドに出しています。それだけでも45億くらいあります。その中で今日本が10%くらい、5億円は確実に産業廃棄物としてなくなっているということです。こういうものをリサイクルできれば産業界としてもいろんなコストダウンに対応できるのではないかなというふうに思っております。最後、有事に関しまして2つございました。1つは災害とかになったときに、これは当然厚労省とかとの関連ですが、我々材料変更したらすぐ製造現場を変えないといけないです。そういうときにQAというか、どうやって変えていったらいいのかということはあらかじめすり合わせをしておくことが重要になのかなと思います。なかなか、実際そのようなことが起こったときに、行政側もどうしていったらよいかわからないみたいな感じになってしまう時があるので、これをやっていったらどうでしょうか。もう1つ、やはり有事として考えなければならないのは、具体的には中国の依存度からの脱却と思います。我々のメーカーのほとんどの材料をかなり中国から買っていますので、これをどうするのかということで、もう一回素材の産業を日本で育成させるということもすごく重要だと思いますし、そういったものをやるべきではないのかなと思ってはいます。4から5番に関しましては、先ほど村山先生もお話ししていましたけれども、保険制度に関しては産業界からもいろんな意見がありまして、これは今日の議論とは別だと思いますけれども、それはそれでやっていくにしても、企業が企業で生きていくためには日本だけでやはり生きていけないのです。なので、やはり積極的に海外に出るということを考えないといけないということになると、海外でどれだけ受け入れられるのかというものがやはりKGIに、具体的にシェア何%を持つとか、あるいは一番簡単なのは輸出額、輸出額が高いということはグローバルに認められているということだと思いますので、それをしっかりやっていく必要性があるかなと思っております。論点5に関してまとめて言いますと、我々MT Japanとしては革新的な医療機器という言葉の中に、改良・改善を含めた広い意味での日本発のイノベーション評価というのと、特に国際展開の具体的な輸出金額とかというのが世界で支持されているということが見えるようなKGIを設定していただければなというふうに思っております。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それではどうぞ山本構成員。
〇山本(章)構成員
医機連の山本です。KPIとかKGIの議論をするときに、産業界も売上高とかシェアだとか当然出てきますし、もちろん重要な指標です。ただ、先ほども議論があったように、物価等に引きずられた単価が問題になってくる議論が相当出てきていていますので、例えば単価の海外市場との比較等、難しいとは思いますが、そこの指標をちゃんと見ていく必要があります。例えば、日本市場での単価が海外に比べ安すぎると、海外からみて魅力のない市場になっていくと思います。しかも、日本というのは、マーケットのサイズが小さいので、海外からみた日本市場の魅力を上げたいということになると、日本市場の単価も見ておく必要があると思います。是非、売上とかそういうマクロな話だけでなく、単価のようなミクロの話ができればと思っています。是非、指標の中に入れて評価ができるようにしていただきたいなと思いました。是非ご検討いただければなと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは妙中先生どうぞ。
〇妙中構成員
KGIの指標イメージについてなのですが、今日中野さんから説明いただいた中で基本方針1については比較的具体的にいろいろ出てきていると思うのですけれども、私がこれまでAMEDで研究開発の支援をやってきた立場からすると、この基本方針2のところの、研究開発開始から上市までのプロセスを短期に進めることが可能な支援体制の構築、ということがとても重要で、これに対してのKGIが出てきていないなと思っています。というのは、この基本方針の中にも書かれていますけれども、研究開発から薬事・保険戦略、製造販売に至るまでの多段階のプロセス、それらに対して対象疾患や製品に応じて求められる専門的な知識を含めてちゃんと支援するということがとても重要だと思っているのです。AMEDに関しても実用化プログラムということで、これらのいろんなこと、薬事とか保険戦略とかを支援してきたわけですけれども、それぞれの事業別に予算が縦割りになってしまっている。一貫してそのようなものを支援するような形、AMEDの中で創薬に関してはそういうものができつつあるような感じなのですけれども、医療機器に関して是非それを作ってくれと口酸っぱく言い続けていたのですけれども、一向に動いてくれない、というようなことがあります。この一方で、厚生労働省の事業である、優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点の強化事業というものがあり、全国13拠点が採択されている。その中で非常に優れた拠点も出てきていて、そういう今お話ししたような、支援体制に貢献できるようなところもできてきている。あの事業の中でまとめていくのがいいのか、それ以外にも例えばAMEDなんかとどういう切り分けになるかわかりませんけれども、本当に日本全体でこういうことをちゃんと支援するような機能や組織をやる必要があると思っています。創薬に関しては製薬協なんかが入っておられますけれども、そういった枠組みの中にはおそらく医機連やMT Japanであったりとか、VCとかも入ってくる。それから薬事とか保険のことをやっている拠点の中にもこういった専門家も結構おられて、そういう方々を1つにまとめるようなことができるようなことがとても重要かなというふうに思っていて、そういうことに関するKGIみたいなものが、まだ今から検討されると思うのですけれども、基本方針2のところにも入ってくるような、件数とかで表されるのが難しいかもしれませんけれども、例えばそういう組織ができるというふうなものがKGIの中に入ってきてもいいのではないかなと思っています。それ以外にもいろいろ言いたいことはあるのですけれども、特に私はそこのところが今までやってきた経験からして日本に不足していて、そのことが日本のスタートアップの新規参入あるいは医療機器メーカー、研究開発をやられている方の支援にとても大きくつながって、いいイノベーションの創出ができるための大きな機能、組織になっていくのではないかなと思っているので、発言させていただきました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。佐久間先生いかがでしょうか。
〇佐久間構成員
佐久間でございます。今妙中先生がおっしゃった点、非常に重要だと思っていまして、そこはしっかりやっていかなければならないと思います。やはり、支援がしっかりと機能しているかどうか、うまく質が上がっているかどうかといったことも重要だと考えます。それから2点目なのですけれども、ロボットであるとかソフトウェアであるとかの話が出てきています。21世紀においてデータが石油と同じになるという話があって、日本は先ほど来、高い水準の医療があって、そこに色々な医療データが集積されているわけであります。今後そのAIであるとか、さらにフィジカルAIみたいなものが含まれてくるとなると、こういうデータもちゃんと使える形にしておくということもすごく重要なことだと思いますから、この点が重要なポイントとしてあるのではないかなと思います。実は研究開発という立場で、先日はAMEDの中のPD会議の中でもそれが出てきたわけですけれども、研究開発という中での活動、実際には医療の水準をよくしていく為のデータの集約の話がやや独立に動いているところもあるのですが、独立に動くのはやむを得ない部分もあると思うのですけれども、この辺りをちゃんと横の連携をとって、研究開発に使える形にするといったような部分が必要かと思います。そのようなことでできたデータベースからこういう開発が生まれた、といったこともかなり重要な指標になってくるのではないかと思いますので、それがそういったデータ基盤というか、そこをしっかりと作っていくための1つのインセンティブになるというか、そこの方向性を示すものになると思いますので、是非そのあたりも検討していただければなと思いました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。貴重なご意見だと思います。鎮西先生、お願いします。
〇鎮西構成員
2つだけ、申し上げようと思います。まず、資料2-1の17ページに、(1)の中で、イノベーションを適切に評価する保険制度等による多面的なインセンティブとあり、ここに等がさりげなくありますが、これがすごく大事だと思います。中野さんが先ほどは保険制度に限らないということを明確におっしゃられました。これはすごく大事なので、これを何とかKGIの中に反映できないだろうかということです。あともう1つがKGIの2番目の21ページに、新医療機器の承認件数とあるが、国内だけでなくて海外を含められないでしょうか。海外を含めないとしたら、例えば19ページにある世界シェアとかそういったところに含めるということでもよろしいのですが、承認をとるということとシェアに表れてくるということはだいぶ時間的に差があるので、そのあたりも考えていただければと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは、松尾先生どうぞ。
〇松尾構成員
ありがとうございます。NRIの松尾です。先ほど他の委員がおっしゃっていたCDMOの話につけ加えると、基本方針2に該当すると思うのですが、CDMOに加えてエンジニア人材も重要だと思っていまして、特にエンジニア派遣という業態がグローバルで非常に成長していて、日本の企業がグローバルに出ていこうとすると、現地は日本人人材が当然潤沢ではありませんし、そんなには送り込めないので、現地に住んでいる方々が重要である中、そこにインドや中国の会社が出てくるわけです。その現地の人たちに日本の技術を伝授するということになりますので、その人たちは非常に流動性が高い人材であって、彼らが現地のインド資本の医療機器メーカーや中国資本の医療機器メーカーをけん引しているといえなくもない。そのような構造の中で、日本はグローバルでエンジニア派遣をできる企業はいませんので、非常に厳しいと認識しており、基本方針2に該当する中に入れられないかなと思います。それから基本方針1に該当するところですと、シェア、それから順位、これも非常に意義のある指標だと思うのですけれども、個々の企業のコンサルティングをしている立場ですと、グローバルのビジネスで10億ドルの壁と、30億ドルの壁ということがありまして、この壁を越えてくる企業というのは過去20年間ずっと見ているのですけれども、日本企業は本当に出てこないです。新しい企業が出てこないです。もちろん既存企業は成長しているのですが、新規の企業が本当に出てこないので、アメリカだと広範の診療領域においてそういう企業が出てきますし、中国ですと汎用的な医療機器の領域においてそういった企業が出てきます。欧州においては数が少ないですけれども高齢者を支える医療機器です。そういった医療機器のメーカーの分野においては出てきていますが、日本においてはでてこない。こういう企業を育てていく、10億ドル、30億ドルの壁を新たに超える企業を新たに育てていくということが非常に重要になってくるのではないかと思います。最後に3点目として今の話に関連するのですが、先ほど座長がおっしゃっていた日本において社会的因子を入れられないかという観点でいうと、2つあると思っています。1つは、日本の働く人の平均年齢です。1990年に36歳だった日本の働く人の平均年齢は、2000年には40歳を超えて、2030年には50歳を超えてきますので、働く人たちが日本においては若い人たちがいないので、この人たちが活躍できなければいけない、健康でなければいけないという前提になってきます。これは成長戦略にも関係してくると思っておりまして、この人たちを支えていくような医療機器というところは社会的な日本における因子かなというふうに考えています。それからもう1つは日本特有ではないのですけれども、グローバルでは高額な希少疾患の治療薬ですとかナルコレプシーのような精神系の疾患ですね、あと神経系の疾患の新薬というのがこれからどんどん出てきますが、これらの疾患においては非常に高額なので、これから出てくる新規の治療薬を使おうとするとスクリーニングあるいはトリアージといったものが非常に重要になってきます。こういったアウトカムを上げていかないと新しい治療薬を維持していけない、使っていけないという、こういった課題は医薬品メーカー側も抱えているのですけれども、これを患者にしっかり届けていくためには当然検査技術、診断技術が非常に重要になってきますので、これはグローバルで見た時に社会的な因子になるのではないかと思っています。
〇菊地座長
ありがとうございました。瀧口委員いかがでしょうか。
〇瀧口構成員
ありがとうございます。論点4と論点5をまとめてコメントなのですけれども、KGIに関しましては、それを設定するということで考えていくにあたって、論点5の方でこれから議論されますどんな優先度で何に取り組んでいくのかということが重要なのではないかと感じます。およそ医療機器の開発は臨床現場のニーズに基づいて、エンジニアリングのエフォートがいろいろあり、いろいろな地域、あるいは社会の制度に基づいて、それを臨床現場に再度お届けするというこのサイクルがぐるぐる回るということで医療機器が開発されていくので、その中にイノベーションがいろいろ起きる、あるいはそれが全く新しい技術であったり従来のものの改良・改善であったりなんだと思いますけれども、これを通して将来の姿といって定義をしている、国民が最善な医療を享受し続けられるような社会に貢献するということを目指していくために、どういう優先度で何を目標にするべきかという議論をこれからしっかりとしていただくことが重要かと感じています。それにつけても、それをぐるぐる回していくサイクルの中で、どうやって優先度で決めるのかという、優先度の決め方についてまずしっかりとした議論がないと、様々なステークホルダーがいて、様々な観点での課題が出てくると思いますので、まずその整理をするのがよいのではないかなと感じます。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。そのほか、どうぞ鄭先生。
〇鄭構成員
ありがとうございます。かなり議論が出ていると思うのですけれども、私も同調するところが多く、特に基本方針2のところで、イノベーションの創出のところで一部重なりますけれども、ここで非常に重要なのは、きちんとお金が回るエコシステムができるということが重要かなと思っております。その中で、先ほど鎮西先生もおっしゃいましたけれども、今の保険システムだけを考えた時に、新しい医療機器が出た時に全て国費だけで賄うということは不可能ですので、やはり新しい保険のシステム、プライベートも含めた保険ですとか、そういうことも書き込みにくいですが考えるみたいなことがあってもよいのではないかと。その時に非常に重要になるのは人材育成をやるということ。それからデータ利活用です。データ利活用に関しては、さきほど池野先生が台湾に行ったとおっしゃいましたが、私も台湾に行ったのですけれども、カード一枚ですべての医療データが全部集まるようなシステムになっていまして、統合されたデータを使っていろんな研究が行われている。シンガポールななどもすごく進んできていまして、決して安穏とはしていられない。ちょっと悲観的だといいましたけれども、頑張らないとだめなのですよということです。イノベーションのエコシステムをきちんと作らなければいけないと思います。そのためには作った人がそれに応じたマネタイズができるようなシステムを非常に柔軟に考えなければいけないのではないかなと思いました。これはKGIという感じではないかもしれないですが、総論的な感じであってもいいのかなと思いました。以上でございます。
〇菊地座長
他にいかがでしょうか。そろそろ時間的に迫ってまいりましたけれども、何かご発言があれば。
〇内山局長
いくつかコメントさせていただければと思います。佐久間先生、鄭先生、池野先生からお話がありましたデータの話ですけれども、医療情報の利活用につきましては、今内閣府の方で「医療等情報の利活用の推進に関する検討会」というものをやっておりまして、間もなく中間まとめをして、来年の夏ごろに「議論の整理」を行う予定です。その中ではひとつ大きな論点になっていますのは、医療機器から出てくる検査値などのデータですとか、画像とかの扱いが非常に大きな論点になっていますので、そちらの方の検討状況も合わせながらこちらの方の検討も進めていただければと思います。それから2つ目のコメントですが、高井先生や鄭先生から出ました人材の話ですけれども、医薬品の分野でも、創薬の分野でも人材はすごく大きな課題であって、特に研究開発、製造、スタートアップ、企業それぞれいろいろな人材が必要であると思っているのですが、今何人くらいいて、今後どこから集めるのか、新卒なのか中途採用なのか流動性を持つのかなど、そういうところをもう少し精緻にやっていかないと、これから1学年70万人以下になる日本の国で、人材の奪い合いになると思いますので、そんなことを医薬品の分野ではやろうとしています。こうしたものも見ながら医療機器の分野でも同様のことをやることが大切なのではないかと思いました。それから3つ目、数値目標、KGIは、非常に良い試みだと思っていますけれども、さきほど南川室長からもご案内があった成長戦略の取組の中では、例えば投資額ですとかGDPへの寄与、こうしたものも求められています。合わせまして、官だけでなくて民間がどれだけ投資をして、それに官がどれだけ合わせて投資をするのかといったような官民投資ロードマップというものも作ることになっていますので、KGIの議論の中ではそうした成長戦略との関係も少し考慮していただければと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。今ある意味では非常によくまとめていただいたようなご発言もいただきましたが、ここにおられる方は皆さん良く熟知しておられますが、基本計画を作るということは作ることに意味があるわけではなく、今ご発言もいただきましたけれども、それぞれ関係する省庁が具体の施策に活かしていく、それを実行することで国民が恩恵を享受できるということが重要です。本当に今日はいろんな意味の多くの側面からの貴重な意見をぜひ3月にまとめるまでに事務局のほうでできるだけ汲み取っていただいて、反映したような内容にしていただければと思います。今日のご発言に対し、座長として感じたところは、やはりタスクフォースで議論しているところはある意味で本当に核の部分といいますか、これまでの従来の医療機器産業という確固たる中核の部分に対してやはり重点的に議論がいっている。一方で、本日の各構成員の方々のご意見の大半の部分は、実は核の部分の外にある。繰り返し申し上げますけれども、医療というのは技術だけで、あるいは薬だけでできるものではない。経済的な問題を含め制度上の問題もあったり、いろいろとむしろ周辺にある部分での影響をものすごく受ける、そういうような技術なのだろうと思うのです。そこら辺を基本計画の中でどの程度、まあ踏み込むというわけには多分いかないと思うのですけれども、そういうものもちゃんと考えながらも、コアの部分の技術的な医療機器産業あるいは医療機器研究開発とか、そういったところに重点がいっているということを、何かどこかうまく文章を入れていく必要があるのかなという気がいたしました。多くの方々から何となく周辺からの影響がこれからますます大きくなるから、そこら辺についても十分タスクフォースの方々にも頭に入れていただきながら、これからの何か月かのまとめ作業をしていただけるとありがたいというお考えがあったような気がします。もっとわかりやすく、例えば、医療機器産業の場合、タスクフォースの方々は国内とか、日本人だけでやるということが頭にあるのかもしれません。今日やはり聞きますと、実はアメリカと直に組んでもやっていいのではないかというようなフレキシブルな考え方をもっと出していいのではないかと思うのです。ですから、世界市場の、そこら辺がアメリカの企業なんかのM&Aでどんどん大きくなってきているわけですけれども、その時だってアメリカの場合にはアメリカの企業だけを買い取っているわけではなくて、世界を相手でやっているわけです。ですから、できれば産業界のことに関連するような部分というのは、実は地球儀の上、全体の地域を考えながら、日本としてどこで戦うべきかということに注力いただくとよいのかなという気もいたしました。そのような意味で、タスクフォースの方々ももう一枠視点を少し広げていただいて、ただ繰り返し申し上げますけれども、それ全部を基本計画の中に入れ込むことはあまり適切ではないのかなと気もしますので、そこの部分の情報とか、ここでいただいた貴重なご意見をどうやって基本計画と合わせてアピールしていくのか。そういう方法をいろいろ行政の方からもご指導をいただきながら、せっかくこれだけ貴重なご意見をいただいたわけですから、それが全部埋もれてしまわないようにやっていく努力が必要なのかなという気がいたしました。なんとなくまとまりのない話を申し上げましたが、全体としてタスクフォースの方々の作業は非常によくやっていただいているということは各構成員皆さんが認めていただいていることだと思います。加えてさらに良くするためにということで申し上げました。ちょうど予定している時間になりましたので、特別に何かもしご発言がなければ今日の会を閉じさせていただきますけれども、事務局としていかがですか。
〇南川室長
本日はご多忙の中数々の貴重なご議論ありがとうございました。事務局といたしましては、本日のご議論を踏まえて、今後タスクフォースにおいて優先すべき施策やKGI、KPIの議論をしっかりとさせていただいて、中間とりまとめにつなげていきたいと思っております。そのうえで、また今回の検討会、タスクフォースの議論に基づいて関係省庁として一丸となってよい施策に繋げられるよう努力していきたいと思っております。私からは以上です。
〇菊地座長
それでは時間になりましたので今日の会を閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。
以上
それでは定刻となりましたので、ただいまから第7回国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する検討会を開催いたします。構成員の皆様、関係省庁の皆様におかれましてはお忙しいなかご参集いただき誠にありがとうございます。本日はWeb会議システムを併用して開催させていただきます。本日の資料につきましては、議事次第に記載のものをご用意しておりますので、ご確認いただければと思います。資料に不備がありましたら、事務局にお知らせください。冒頭の頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。それでは議論をはじめさせていただく前に、前回の会議後に事務局の人事異動がございまして、厚生労働省の森審議官が着任しておりますので、ご挨拶させていただければと思います。お願いします。
〇森審議官
医薬産業振興審議官の森でございます。着座にてご挨拶させていただきます。本日は皆様お忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございます。近年、ご承知のとおり、医療機器を取り巻く環境というのは大きく変化してきているわけでございます。1つはそのテクノロジー、そのロボット技術、AI、素材含めて、いろんな環境が変化してきております。併せて、例えば米国の関税の問題ですとか、国際環境、それから経済、それから人口動態も大きく変化していく中で、その新しく日本で医療機器が開発されて製造されて魅力的なマーケットとして上市されていくという、その過程を広くサポートしていくシステムというのはどういうふうにしていくべきかということで、前回7月1日に第6回検討会をさせていただいて、第3期の医療機器基本計画の策定に向けた議論を開始させていただいたところでございます。本日の検討会では、タスクフォースで議論した医療機器産業において目指す姿、それからその達成に向けて重要な要素というのをご報告させていただき、よりよい医療機器産業の構築に向けて皆様の忌憚のないご意見を賜れればというふうに考えているところでございます。本日いただいたご意見は今年度末に向けて策定する予定の中間とりまとめに向けて反映していきたいというふうに考えているところでございます。我が国の医療機器産業が引き続き国民医療の質の向上に貢献していくために、第3期の基本計画は非常に重要であると考えておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。
〇南川室長
ありがとうございました。以降の議事運営については座長にお願いさせていただきます。それでは菊地座長、よろしくお願いします。
〇菊地座長
かしこまりました。おはようございます。年末の大変お忙しい中に皆様お集まりいただきましてありがとうございます。ただいま森審議官からもお話しありましたけれども、先般7月1日に第6回検討会が実施されまして、第3期の医療機器基本計画策定に向けた検討が既に始まっているわけであります。これから今日ご報告いただくタスクフォースを作って、そこで予めいろんなものを検討していただいたうえで、構成員の方々から改めてご意見を伺おうということになったわけでございますので、本日はそのタスクフォースの結果をご議論いただきながら、来年からいよいよ始まります、第6回検討会でも申し上げたと思いますけれども、ホップ・ステップ・ジャンプの、本当にジャンプすべき時期、第3期に入りますのでよろしく先生方からご議論、あるいはご示唆をいただければと思っています。では事務局から資料について、まず説明をお願いします。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは資料2-1をご確認ください。第3期の基本計画に向けてタスクフォースでの検討状況をご報告させていただきます。2ページ目をご確認ください。本資料につきましては第3期の議論を行うにあたり、検討会でのご意見を踏まえてタスクフォースで議論するための主な項目について整理した資料となっております。上の方から、本計画については医療機器促進法に基づき策定されているものですので、目的、基本理念についてあらかじめ確認したうえで前回の検討会で将来像を見据えたうえでバックキャストでしっかりと作っていくべきだ、というご意見もございましたので、将来像の議論、そして客観的な数字に基づいてそこを測っていくべきとのご意見もいただきましたので、KGIについての議論もさせていただいております。その上で基本方針という形で、前回も3つございましたけれども、今回も基本方針について、項目とさらにその内容としてストーリーについての議論をさせていただいております。その上で課題と取り組むべき施策については引き続きの議論という状況になっております。続いて3ページ目をご確認ください。先ほどもご紹介しました前回の検討会でのご意見について記載させていただいております。これに基づいて将来像及びKGIについての議論について、タスクフォースで議論をさせていただいております。続きまして4ページ目をご確認ください。これは第2期の基本方針の項目とストーリーのイメージですので、これについてはご参照いただければと思います。5ページ目をご確認ください。KGIとKPIというものを前回も作っておりまして、その関係を整理したものとなっています。今後、実際の基本方針に基づき、それを実現するための課題を選定して、それに対する政策を打っていくこととなりますが、その政策に対する直接的な効果を測るものをKPIと整理させていただいております。基本方針そのものを達成するために必要なものをKGIと置かせてもらっていまして、今回将来像と併せて2040年に向けたKGIということについての議論をさせていただいております。6ページ目をご確認ください。6ページ目はさらにこれを分解したものとなっておりまして、KPIは課題施策に直接紐づくものですが、KGIは政策だけで定まらない部分もございますので、達成度を俯瞰的に示す指標であるとともに、方向性を明確にする意味として挑戦的に設定していくのはどうかという形で記載させていただいております。続きまして7ページ目がこれまでの議論のスケジュールと今後のスケジュールなのですが、前回第6回検討会でもご議論させていただいておりまして、そこでのご意見も踏まえ将来像、基本方針、課題、取り組むべき施策について中間とりまとめに向けて議論をさせていただきたいと思っております。前回申し上げたとおり、検討状況について本日ご報告したうえで、第8回には中間とりまとめという形で説明させていただければと思っております。それにあたって、本日、将来像、基本方針についてタスクフォースでの検討状況をこの後ご報告いただいたうえでご議論いただければと思っております。続きまして次のページをご確認ください。ワーキングの方では課題についての議論も進んでおりまして、参考事項等も集めていてそれを実際に課題化というのも今後進めていきたいと思っております。ワーキングでの構成員のご意見につきましては参考資料の方につけておりますので、適宜ご参照いただければと思います。課題であったり取り組むべき施策に関してご意見をいただいております。これにつきましては後程先生方からもご意見いただければと思っております。ここまでが全体の説明でして、実際の具体的な詳細の検討状況につきましてはタスクフォースの座長である中野先生よりお願いいたします。
〇中野参考人
それではタスクフォースの検討状況・検討結果について、9ページ以降ご紹介させていただきたいと思います。タスクフォースの方は4回開いておりまして、そのメンバーは参考資料5に書いてある方です。業界団体の方、あるいはアカデミアの方、また、スタートアップなどご経験された方などで構成して議論を行っているものでございます。10ページ目以降でございますが、こちらのほうが、これまでのタスクフォースで議論してきました将来像と基本方針のまとめにつきまして、記載したものでございます。
まず、1番目に記載しておりますのが将来像でございます。一番下に記載している2つの項目、意見を取りまとめた基本方針の方向性と、最終的な基本方針素案が基本方針そのものに関連するものでございます。基本方針を検討するにあたりまして、まず法律の目的、理念、規定を念頭に将来像を議論し、そこからの何を基本方針とすべきかの検討を踏まえ、ロジック、方向性を整理した上で、基本方針の素案を作成しておりまして、その流れをまとめた資料がこちらでございます。それらの詳細につきましてご説明を申し上げたいと思います。まず11ページ目に進んでいただけますでしょうか。こちらが、将来像に関する議論経緯を記載したものでございます。いわゆるバックキャストするということですので、将来像をどのように定めるかということが大事でございます。将来像の設定にあたりましては、いつの時期にするのか、どのような将来像を目指すのかについて、議論してまいりました。まず、将来像の時期を2040年というふうに設定しておりますが、その理由については大きく2つございます。1つ目が、2040年というのが、日本の人口動態の変化から医療提供体制の確保が最も問われる時期であるということが1つあります。2つ目でございますが、法律の目的のほうに、医療機器の研究開発の普及、促進に関することがございまして、医療機器の研究開発に関する時間軸、いわゆる、10年から15年程度かかるかなと思いますと、そこを踏まえた上で、第3期の施策の評価のタイミングとして、2040年というのが適切だと考えた次第でございます。次に、具体的な将来像でございます。我が国は現在、国民皆保険制度のもとで世界最高水準の医療提供が可能であると認識しておりますが、昨今の我が国を取り巻く厳しい内外環境を踏まえますと、医療機器が医療提供の水準に貢献し続けることが必要となってきますので、それを目的としまして、将来像としては、国際競争力向上により医療機器の産業基盤を強化しつつ、先進的な医療機器の研究開発の促進及び普及を図ることによりまして、これまでと同様に世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できる、と設定してはどうかと考えた次第でございます。以上、将来像に関する考え方のご説明でございます。12ページ目の方に進んでいただけますでしょうか。こちらにつきましては基本方針の検討結果について記載しております。タスクフォースでは、将来像の実現に向けた大きな戦略としまして、3つの基本方針を整理いたしました。世界最高水準の医療の質を維持・向上させるためには、まず我が国の医療機器産業基盤が、1つ目、有効かつ安全な医療機器を安定的に製造供給できるということ、また2つ目、新たな医療機器の研究開発に投資できる原資を確保することの2点が不可欠であるため、基本方針1を、世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤の確立としております。次に、研究開発の観点でございます。アンメットメディカルニーズを解消しまして、医療の未来を築くため、AI等を含めた技術革新を活用した革新的な医療機器であるとか、小児・難病などの市場性が低く産業界だけでは対応が難しい疾患に対する医療機器につきまして、日本発の医療機器イノベーションの創出を掲げまして、基本方針2つ目を、医療の未来を築く、日本発の医療機器イノベーション創出としております。最後が、アクセスの観点でございます。基本方針1、2の活動を経て得られた医療機能を国民に広く普及させるために、平時、有事によらず、安定的に提供できる基盤を強靭化させる必要があるとしまして、基本方針3つ目、基本方針3を必要な医療機器にいつでもアクセスできる医療機器の提供基盤の更なる強靭化としたものでございます。続きまして、13ページの方に進んでいただけますでしょうか。こちらに対しては、12ページと一部重複するところがございますが、全体の説明を少し割愛したいと思いますが、2点だけ補足、補強させていただきたいというふうに思います。基本方針1の世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤の確立におきましては、我が国の医療機器市場の市場規模が世界において占める割合が過去と比較するとだんだん低下していることから、国際展開を前提とした産業活動を加速化しまして、海外市場を含めた強固な産業基盤を持つことを目指すというふうにしております。また、基本方針2、医療の未来を築く日本発の医療機器イノベーション創出におきましては、事業性のある医療機器はもちろんのこと、生産年齢人口及び医療従事者等の働き手の減少を見据えた省力化に貢献する医療機器であるとか、小児・難病といった市場が小さい領域における医療機器におきましても、産学官の連携のもとに、研究開発を促進する必要があると考えてございます。続きまして、14ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらにつきましては、各基本方針の達成において特に注力すべき内容であるストーリーを整理したものでございます。繰り返しでございますが、このストーリーと申しますのは、基本方針の実現を達成する上で、特に注力すべき内容として表現したものでございます。この基本方針とストーリーの内容につきまして、15ページから17ページの方でご説明申し上げたいというふうに思っています。15ページ目に進んでいただけますでしょうか。こちらには、基本方針1におけるストーリーを2つ整理しております。ストーリーの1つ目が、グローバル展開を見据えたスタートアップの増加を通じ、日本の新たな強みとなる戦略的な事業領域の創造でございます。医療機器のグローバル市場の成長に対して、国内生産額の伸びが横ばいであるなど、国内の医療機器産業において、新たな競争力を生み出す戦略的事業領域の確立が急務であると認識しています。このため、新たな競争力を生み出す戦略的事業領域の確立及びスタートアップがグローバルでの需要を見据えた製品開発を行うエコシステムを構築する必要があろうかと考えております。ストーリーの2つ目でございます。競争力のある医療機器に対し、世界のニーズに対応した改良を継続的に行い、グローバル市場で既存事業領域の拡大でございます。現地のニーズを踏まえ、スタートアップが開発した新たな事業領域の製品や、グローバル市場でシェア拡大が見込まれる既存製品に対しまして、継続的な改良を通じて、競争優位性を強化することが重要と考えております。従いまして、ストーリー1につきましてはよく考えますと、新たな医療機器でございまして、ストーリー2が改良改善に関するものとして整理したものでございます。16ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。16ページの方で基本方針2におけるストーリーを3つ整理しております。ストーリーの1つ目が、医療上の必要性が高いアンメットメディカルニーズと優れた国内技術をマッチングし、迅速なプロトタイプ製造・検証が可能な環境の構築でございます。医療上の必要性の高いアンメットメディカルニーズと国内の優れたシーズをマッチングすること、及び初期段階のプロトタイビングを行える環境を整備することが必要であるというふうに考えております。ストーリーの2つ目でございますが、研究開発開始から上市までのプロセスを短期に進めることが可能な支援体制の構築でございます。タスクフォースの中で、実務の開発経験を積んだ人材がなかなか少ないということがございまして、開発全体を通しまして、上市までのプロセスを短期化させる支援体制の構築は必要と考えております。ストーリーの3つ目でございますが、新規技術にも柔軟に対応可能なレギュラトリーサイエンスに基づく先進的な検証のインフラの整備でございます。治験にかかるコストが事業化における障壁となることであるとか、新たな技術に対する適切な評価系の構築が必要だと考えまして、治験や非臨床試験といった既存の評価方法の特性であるとか限界を意識しつつ信頼性の担保された新たな評価方法において、適切に活用していくことが必要であろうと考えた次第でございます。17ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらには基本方針3におけるストーリーを3つ整理してございます。ストーリーの1つ目でございますが、国内で導入を強く求められている先進的な医療機器に対する規制対応の支援及び多面的なインセンティブの付与でございます。諸外国で開発された先進的な医療機器のうち、我が国に必要な医療機器に関しては、国民に遅滞なくアクセスできる環境の構築が必要であろうため、保険制度に限らない多面的なインセンティブの付与が必要であろうかと考えています。ストーリーの2つ目でございますが、平時から必要な医療機器の提供体制が確保される仕組みの確立でございます。医療機器におきましては膨大な品目数が存在して、供給停止に繋がる要因も様々でありますので、必要な医療機器の安定提供を効率的に確認する仕組みを構築しまして、速やかに対応策を講じられる体制が必要かと考えています。ストーリーの3つ目でございますが、有事の際にも必要な医療機器が提供できる基盤の強靱化でございます。近年ではコロナパンデミックであるとか自然災害が顕著な例でございますが、有事において必要な医療機器を確保するための体制につきまして、継続的な整備や円滑な運用が不可欠であろうかと考えています。以上が基本方針、またそれを実現するうえでのストーリーのご説明でございます。18ページ目の方にお進みいただけますでしょうか。こちらの方ではタスクフォースで議論しております基本方針1のKGIの指標案の項目をお示しております。現在、市場シェアやスタートアップの買収件数、規模などを議論しておりますが、本検討会での議論も踏まえ、今後タスクフォースでさらに詳細な検討を進めてまいりたいというふうに考えています。19ページ目のほうは、今回ご提示したKGI指標の背景となる考え方を示しておりますので、詳細は割愛させていただきます。20ページ目にお進みいただけますでしょうか。こちらは基本方針2のKGI指標の案でございます。新医療機器の承認件数であったりとか、C区分・B3区分の保険適用を受けた製品数などを議論しているところでございます。21ページ目もその指標の背景の考え方でございますので、お時間の関係で割愛させていただきたいと思っております。22ページ目でございますが、基本方針3につきまして、タスクフォースの中でも議論を重ねているところでございますが、現時点で具体的な項目はKGIとしてまだお示しできておりませんが、この基本方針の実現状況を数値目標という形で確認することの適切性も含め、引き続きタスクフォースの中で議論をしてまいりたいと考えているわけでございます。以上がタスクフォースで議論してきました将来像と基本方針、またその実現のためのストーリー、さらに指標KGIとして検討している項目などのご説明を簡単にさせていただきました。今後、先ほど南川室長からお話がございましたが、8ページ目のところに書いてあるとおり、細かな課題あるいは施策は今後の議論でございますので、まずは基本方針としての大きな骨格としていずれも申し上げたところでございます。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは、続きまして資料2-2をご説明させてください。KGIの議論がございますので、前回もご提示しました、そこからさらに加えて前回のご意見も踏まえKGIの議論の中で出てきた資料を中心にご説明させていただきたいと思っております。6ページ目をご確認ください。6ページ目には前回もお示しした世界の医療機器の市場ということで、日本は世界第4位で5%という形を出させていただいて、その後のCAGRも米国がかなり高いという話もさせていただいて、7ページ目に議論がありましたように日本のグローバル市場はもともと1990年において20%を超えて世界第2位という状況から徐々に落ちてきているということを記載させていただいております。8ページ目も新しい資料になっておりますが、グローバル市場の中において日本の医療費の状況があまり変わっていないという話となります。続きまして10ページを見ていただいて、前回かなりプログラム医療機器についてのご意見がございましたので、プログラム医療機器の日本国内の市場規模がどうなっているのかという形でそのグラフも載せさせていただきました。2023年かなり大きくなっているように見えますが、これにつきましては遺伝子変異解析プログラムが2023年から伸びているという形でございます。続きまして14ページ目が国内の出荷高について、国内市場規模について前回お示ししているものです。15ページ目に、薬事工業生産動態統計調査を元としてクラス分類の中でどのようなクラスが多いのかを整理しており、国内出荷高でいうとやはりクラスⅡの医療機器が多いというようなことが確認されています。治療機器だとクラスⅢとⅣが同じくらいの形になっています。どのようなものかというと16ページ目に記載されているように、主なクラス分類でいうと、一般のクラスⅠというのがギブス包帯であったりそれこそ打診器だったりというものです。生体のリスクに応じてクラスが分類されていて、一番右側のクラスⅣになると、例えば血管形成術用のカテーテルであったりだとか、診断においてもカテーテル系のような不具合が生じた場合かなり身体・生命の危険に直結する恐れがあるようなものが多くなっていることがわかります。続きまして、19ページをご確認ください。これも前回なかったものですが、国内市場において外資系企業が占める割合という部分におきまして、やはりクラスⅢとⅣにつきましては外資系の企業が占める割合が多いことがこのグラフからわかります。20ページをご確認いただきますと、それをどこで作っているのかという部分についてのグラフでございます。傾向としてはやはり内資系の方が国内で製造している部分が多く、外資系の部分は小さいということがわかります。21ページ目について、内資外資問わず輸入しているものか輸入していないものかということについて出させてもらっていますが、輸入している部分についてクラスⅢ以上になるとそれこそ70%から80%部分について輸入にある意味頼っているという状況になるのかなと思っております。22ページ目については、こちらは輸出の部分でして、内資系企業がどのようなものを輸出しているかというと、やはりクラスⅠとかⅡの部分の診断機器が多いということを確認しております。さらに24ページ目、25ページ目につきましては、どのような製品群のシェアを獲得しているかということで、今回これを改めて深掘りしたものとして26ページ目がございまして、これは国内市場において内資系の企業がどの程度のシェアを持っているかということを薬事工業生産動態統計調査から出しているものになります。やはり50%を超えているものにつきましては半分程度であり、診断機器が多くて、逆に言うと治療用のものの部分、いわゆる整形外科用の手術材料などはかなり低いところになっていると思います。続きまして、前回お出ししていない部分で、スタートアップ関連で申し上げますと、36ページ目です。前回スタートアップに関しての日本の状況について少し深掘りしているものとしまして、各国の医療機器のスタートアップ状況について整理した資料になりまして、アメリカはやはり圧倒的ですが、日本は世界4位であり、資金調達される企業の割合では7位となっているという話と、37ページにありますように資金調達額においては11か国中5位という形になっております。38ページ目、39ページ目以降は特に日本と米国での比較になっていますが、前回日本はSaMDが多いのではないかという話がありましたが、まず38ページにありますとおり日本は診断の部分がアメリカと比べると多いということと、39ページにございますとおり、その中でもSaMDということが多いか多くないかというと米国と比べると割合としては多いということを示しています。最後の44ページ目をご確認いただきますと、スタートアップの企業の割合において、日本では循環器系のスタートアップの割合が最も多くて、米国においては整形外科のスタートアップの割合が多いというようなことが確認できるかと思います。資料2-2の説明は以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは続きまして、経産省の医療機器産業ビジョン研究会もこれに絡むと思いますので、妙中構成員からこの資料についての説明をお願いします。
〇妙中構成員
経済産業省の医療機器産業ビジョン研究会の座長をしております妙中義之です。本研究会は医療機器産業をめぐる諸課題等を整理し、産業競争力強化の観点からその課題に対する方策を検討するため、外部有識者を構成員として設置された研究会です。資料3をご覧ください。本研究会にて検討した「医療機器企業との連携・導出を目指したスタートアップ支援領域」についてご説明いたします。資料をおめくりください。まず、2024年3月には本研究会を巡る議論の取りまとめとして、「医療機器産業ビジョン2024」を公開しました。この取りまとめでは我が国の医療機器産業が成長していくための方向性として、イノベーション創出のための研究開発投資とグローバル展開による投資回収の2つが循環することによる産業成長を目指すとのコンセプトを示しました。資料をおめくりください。その後さらに議論を進め、2025年6月には「イノベーション創出及び事業化支援戦略」を公表しました。この取りまとめではスタートアップが創出したイノベーションをグローバル展開するためには当初からグローバル展開を見据えた研究開発を行い、大手医療機器企業等による導出を経て、大手医療機器企業等の海外販路を活用して展開されていくことが重要であるとしました。そのうえで、大手医療機器企業等への導出及びグローバル展開の成功事例を作り出すため、特に重点を置いてスタートアップを支援する領域を選定し、支援リソースの選択と集中を行っていくことにしました。資料をおめくりください。重点支援領域の選定方針と書かれている資料です。今回スタートアップ支援を行う上での重点支援領域の選定にあたってはスタートアップが出口で大手医療機器企業等とつながり、社会実装までたどり着く可能性が高い分野を選んでいく観点から議論を進め、診療領域及び技術領域を対象としてグローバルマーケットや国内医療機器企業の動向を踏まえて、グローバル展開を期待できる分野について検討しました。具体的には、グローバルにおける市場規模や市場成長見込みが大きい領域であるか、それからオープンイノベーションが生じやすい領域であるか、国内医療機器企業が米国事業で基盤を有する領域であるかの分析を行い、診療領域として循環器及び脳神経を、また技術領域としてはデジタル及びロボット技術を重点支援分野として定義しました。一番下段になりますが、もちろん他にも市場性が高く、アンメットニーズの解決に繋がる治療機器などの高い優位性を持つ革新的な機器については重点支援分野にすべきではという議論がありました。そのあと資料が続いておりますが、17ページ、(A)診療領域 Layer(1)+(2)総合評価という資料です。検討にあたり参照した指標についてご説明します。診療領域については世界市場の規模は足元で循環器が大きく、また今後の成長性は脳神経が高いと予測されています。米国を拠点とするスタートアップのM&A実績を分析すると循環器、脳神経ともポートフォリオの拡張を目的としたものが多く、製品やソリューションの拡大につながりやすい領域であると考えられます。グローバル企業による近年の買収件数としては循環器が多く、またFDAの承認件数をみると脳神経が増加傾向にあります。循環器、脳神経とも、日本の大手医療機器企業はFDA承認を一定有しており、米国事業を行う上で必要な足場を有していると考えられます。続いてページ22をご覧ください。(B)技術領域-総合評価と書かれている資料ですが、技術領域についてはグローバル企業による足元の買収件数や国内スタートアップの数を見ると、デジタル分野が特に多い状況にあります。また一件当たりの買収金額としては治療領域が高く、特にロボットの分野で高額な買収が見られました。今月16日の研究会では重点支援領域について概ねの合意を得られましたが、委員からはアンメットニーズに沿ってより解像度を上げていくことの重要性などの意見があり、今後事務局において一部修正がありうる見込みです。結論ですが、以上医療機器産業ビジョン研究会にて検討した「医療機器企業との連携・導出を目指したスタートアップ支援領域」についてご説明しました。本研究会で検討した支援領域が第3期医療機器基本計画との整合性が得られることで、関係府省間で連携が高まり、施策効果の向上につながっていくことを期待しています。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。これまでで資料に基づいて説明事務局からございました。これから各構成員の方々からご意見を賜るのですけれども、いろんな意味の課題がありますので、ある程度論点を整理したうえで、その点に関してのご意見を賜りたいというふうに思います。まず先に事務局の方から資料4に基づいて、第3期医療機器基本計画の策定に向けた本検討会、本日の検討会での論点整理を行っていただきたいと思います。南川室長よろしくお願いします。
〇南川室長
ありがとうございます。それでは資料4についてご説明させていただきます。本日の議論していただきたい部分ですが、まず背景、経緯については、最初の2つについてはすでにご説明したとおりになっております。その後の経緯として、本年11月10日に、さらに我が国の経済の成長を実現するために、その具体化に向けて日本成長戦略会議というものが開催されまして、危機管理投資、成長投資による強い経済を実現するための戦略分野の1つとして創薬・先端医療が定められたということになっております。参考資料6から8に、会議の構成員や資料について記載させてもらっていますが、医療機器につきましても先端医療の中でしっかりと議論されるものと理解をしておりますので、歩調を合わせてやっていきたいと思っております。続きまして、4つ目につきましては先ほど妙中構成員のほうからもご説明いただいた経産省のビジョン研究会のお話になっております。これらの前回からの経緯を踏まえたうえで、本日ご議論いただきたい点については5つ整理させていただいております。まず論点1につきましては、今回タスクフォースで前回の議論を踏まえてご議論いただいております将来像、KGI、これは第2期では作っていないものですので、これはそもそも設定すべきかどうかという点です。論点2につきましてはその将来像をもし設定するとした場合、タスクフォースでのご報告にあったとおり、2040年、そして将来像を点線囲みにした部分にすることで適切かどうかです。論点3につきましては基本方針というものを法律上設定することになっておりますので、それにつきまして先ほどタスクフォースでのご報告にあった3つの点、そしてそのもとにあるストーリーの案という形でよろしいかということが論点1から3になります。続きまして論点4ですが、KGIについてはまだまだ議論中でございますが、いま議論しているKGIのイメージをどう考えるかということです。論点5で今後の進め方についてご説明させていただきましたが、KGIであったり、今後は今日の議論を踏まえてKGIであったり課題の具体化、そして優先的に取り組むべき政策の議論を進めていきたいと思っていますが、その方向性についてどう考えられるかという形で設定させていただきます。事務局からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。ただいま南川室長からご説明がありましたけれども、本日、論点1から5までをいろんな意味でご意見を賜るということになります。まず初めに論点1、第3期基本計画策定にあたって2040年に目指すべき将来像及び達成すべきKGIを定めることをどう考えるのか。それから論点2、これは第3期の基本計画策定にあたって同じく2040年に目指すべき将来像としてタスクフォースで議論された内容が資料4にも四角で囲って出ておりますけれども、こういったものとすることではいかがなのかということ。最後に論点3でありますけれども、第3期基本計画における基本方針について、タスクフォースで議論された以下の3つの点を基本方針とすることではどうかということ。まず論点1、2、3に関して先にご議論いただいて、そのあとに論点4、論点5のご意見を賜りたいと思っております。なお、本日2名の構成員がご欠席ということで、あらかじめ事務局の方でコメントをいただいているということですので、石井構成員及び田熊構成員のコメントを先にご紹介いただけますでしょうか。
〇南川室長
それでは事務局の方から事前にいただいたコメントをご紹介させていただきます。田熊構成員より、論点1から3につきましては前回の検討会の議論を踏まえ、タスクフォースでご議論頂いた将来像が分かりやすく、具体的にまとまっており、異論ありません、というご意見をいただいております。石井構成員からは、論点1について、KGIを定める事については賛成です。ただし、2040年というかなり長期な目標設定であり、その間の医療機器開発のトレンドの変化等が十分考えられますので、数年ごとに数値目標の見直し等の考え方も明確にしておいた方が良いと思います、ということ。論点2については異論がないということ。論点3につきましては、開発から上市までのプロセスを短期に進める事が可能の意味が、失敗の見込みが確定した段階で開発中止を判断可能という説明には少し違和感があります。失敗は、臨床試験後の結果や、薬事承認後の保険のステージの可能性も十分にあります。そのため、開発中止の判断のみならず、失敗の検証を行い、製品の改良や臨床での位置づけの変更など、再トライの可能性の判断の支援体制も重要と思います、というご意見をいただいています。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございます。それではご出席の構成員の方からご意見賜りますけれども、まず会場に来ている構成員の方々は挙手をお願いしたいと思います。またZoomで参加されている委員の方は手を挙げるというボタンがあると思いますので、それをクリックしていただきまして、私の方で指名したのちにご発言を賜れればありがたいと思っております。なお発言の際には、後で議事録等を作りますのでお名前を恐縮ですけどお願いいたします。また、本日用意している資料のこの部分でということがありましたら、該当ページを先に何ページということをお話しいただいたうえで、ご意見をいただけるとありがたいと思っております。それではどうぞ構成員の方、論点1から3に関することであればどのようなことでも結構ですけれどもいかがでしょうか。まず会場におられる方から、山本構成員お願いします。
〇山本(章)構成員
医機連の山本です。ご説明ありがとうございました。まず、2040年の将来像ということに関しては、これ、私は非常に重要なポイントで、画期的なことだと思っています。ただ、深掘りがいるのかなという感じがあります。ここに書いている文言は誰も異論がないと思いますが、この文言を読んだときに、ここにいらっしゃる方々、すなわち産業界や医療業界他、多様性がある方々が、本当に同じ方向を見ているのかが気になります。そのためには図示する等、何かで補足するようなものが必要かなと思っています。KGIはゴールを規定しているので、これはこれで1つのツールだと思っています。図示という意味からすると、昔の経産省とか厚労省が作られた資料で、2030年の暮らしと医療機器という題目で、2010年にポンチ絵のようなものが作られています。これなどは参考になると思います。また先端技術が溶け込んだ2040年における健康医療介護のイメージというのが、これは未来イノベーションワーキングで検討したものがあるのですが、これらも参考になると思います。そのような補足資料をつかって、皆さんの目線を合わせたあとの議論で、産業界とアカデミアが、違う意見を持っていることを理解することは重要だと考えています。とにかく、将来の目線合わせは非常に重要なポイントと思います。将来を語る上で、経産省のビジョン研究会での議論で、アンメットニーズの議論がありました。アンメットニーズとそれを解決する技術は、両者をどうマッチングさせて課題解決していくかになりますが、そのためにも、アンメットニーズの整理と、それに対して医療機器がどこまで貢献できているかの整理が必要だと思います。これらを含めて皆さんの視線を一緒にしていくということが非常に大事だと思っておりますので、できればご検討よろしくお願いしたいと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。大変貴重なご意見をいただきました。是非事務局の方で考えていただければと思います。いろんな先生方からたくさんご意見を賜りたいので、いかがでしょうか。まず会場にいる方々からかと思いましたので、宮田構成員お願いいたします。
〇宮田構成員
どうもありがとうございます。論点1、論点2に関しまして大きく議論することはございません。そのようなものを設定するということと、2040年という具体的な年度があったほうがイメージしやすいというふうに思っております。この中でも、今後の議論の中で出てくるのですけれども、やはり日本発の医療機器が世界に出て、グローバル展開という中で、どれだけ世界で日本の医療機器が選ばれているのか、という観点がすごく重要なのかなというふうに思っております。論点2の文言に関して異論はございませんけれども、この中で「先進的な医療機器の研究開発及び」というところがございますが、これまでと同様に世界最高水準の質の高い医療というのは、私は先進的な医療機器だけではなく、日本が一番得意としている改善改良を積み重ねていっている製品が世界最高水準の医療を作っているのではないかというふうに思っております。そのため、そういった観点があってもいいのかなと思いました。言葉の中でわからなかったのは、世界最高水準の医療の質というのは、国民皆保険制度という日本の制度も当然あるがそういうものも含まれているのかということです。技術やそういった違う観点のものもこの言葉の中には含まれているのか、ということがわからなかったので、それをお聞きしたいというふうに思っております。論点3に関しては、いろいろ意見がございますので、またご紹介したいと思います。以上でございます。
〇南川室長
ご指摘のとおりで、当然国民皆保険の中で、健康寿命が長いということも含めた中で、それに対して当然医療機器が貢献しており、その貢献をしっかりと2040年もやったうえで、こういった将来像にしていきたいとして記載させていただいています。
〇菊地座長
いかがでございましょう、鎮西先生。
〇鎮西構成員
鎮西でございます。基本的にKGIを設定すること賛成でございます。というのも、15年というのは、研究開発、新しいことを考えるにあたって全然長くない。例えばお薬だとすると、2040年に新しく出るお薬というのはパイプラインに入っています。そのタイムスパンで考えていくことがとても重要です。もう1つ今お薬で申し上げましたが、おそらく創薬の分野でもこれから2040年どうするということを検討されていると思います。我々総合的には、医療機器、それからお薬、そういったものを全部合わせて我々の医療をどうしていくのか、市場をどうやってとっていくのかということを考えていくことになりますので、検討の中でそういったファクターも是非入れていただければと思います。KGIの中にはこういったものは出てこないと思いますが、論点3の中でどのようにそういったものを溶け込ませていくのかといった話になるかなと思います。私からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。妙中先生いかがですか。
〇妙中構成員
論点1、論点2についてはまさにここに書かれているように、KGIを定める、基本方針、将来像の内容はこれでよいと思うのですけど、実はこの基本計画を定めるにあたっての元々の法律がありますよね。それの責務というところがあって、1つは国の責務であるということがあって、2つ目が産業界というかそれを研究開発していく人たちというものがあって、3つ目が医師等の役割、アカデミアということになるのか、医師だけでなくてそれ以外に医療に関係ある方、それぞれがこの将来像に向かって本当にきっちり連携しながらやってきているのかなという気がしています。その辺が論点3の基本方針、どのように連携させていくかということになっていくのだと思います。例えば国が今回のように中心になって、検討会の中に産業界の方もおられますけれども、基本計画を立てていっても、国は産業界に頑張れ頑張れと、産業界の人たちは国が何をしてくれるのか、もっと助けてほしいということであったり、アカデミアといった現場で働いている人たちは自分たちのアンメットニーズに基づいて新しい技術を開発していく。そういった三すくみのようにお互いに相手は何をしてくれるのかという感じで見ていると思うのです。そのようなことを、できればこの論点3である基本計画の中でもう少し具体的に、効果が上がるような連携の仕方であったりとか、新しい組織や機能が必要なのであればそういうことを作っていかなければならないと思うのです。内容については今議論するのであればお話ししますが、あとでであれば、それぞれに対して私の意見があるのでお話しさせていただきたい。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。
〇南川室長
ありがとうございました。妙中先生がおっしゃったのは参考資料2の第3条から第5条に書かれているそれぞれの責務規定が規定されている箇所です。論点3の部分は大枠の基本方針でして、具体的にそこから出てくる課題、先生がおっしゃられたのは課題の部分であったと思うのですけれども、そこをどうするかというのは論点5の部分で議論になります。優先的に取り組むべき課題などについてはタスクフォースで今後議論するのですけれども、その前に検討会でこういう部分もしっかり議論してほしいということについては、論点5のところでご発言いただけると大変ありがたいと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは鄭先生お願いいたします。
〇鄭構成員
はい、ありがとうございます。東京大学の鄭と申します。まず論点1に関しましてはこのような将来像と達成するKGIを定めるというに関して異論ございません。大変よろしいかなと思いました。そのうえで将来像についてですけれども、わたくし大筋はあまり異論ないのですが、もう少し悲観的かと思いました。世界で最高水準の質の高い医療と書いてありますが、サステナブルなのかどうかは非常に疑問に思っていまして、少子高齢化が急速に進行している中で、持続可能性が危ぶまれているというようなことは書いてあってもいいのかと思いました。その中で人手不足になってきますので、レイバーインテンシブ、労働集約的なやり方はもうなかなか続けられませんといったことや、それからやはり受益者である患者さんとかそういう人を中心にやるのです、とかそういうのもあってもいいかなと思いました。また、やはり今データを使って様々な試みがなされていますので、データであるとかAIであるとか、これは個別になりすぎるかもしれないですけれども、そういうものの重要性も書き込んであってもいいのではないかと、あるいはそれはもっと細かいところに書いてあってもいいのではないかと思いました。そのうえで論点3なのですけれども、(2)の医療の未来を築く日本発の医療機器イノベーションの創出というところですけれども、一番下のところに確かに書いてはあるのですけれども、やはりイノベーションのエコシステムをきちんと作るということであったり、どうしても失敗を許さない文化がありますので、失敗を許容するような、アフォーダブルロスを許容するような、そういう文化を醸成していくようなことがあってもいいのかと思いました。私からは以上でございます。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは松尾構成員よろしくお願いいたします。
〇松尾構成員
ありがとうございます。野村総合研究所の松尾です。論点1、KGIの設定、それから論点2の将来像についてはいずれも異論ございません。ただ、非常に大きな計画ですので、いつ見てもこういう将来像になるのではないかという文言がどうしても並んでしまうと思いますので、KGIの要素としてこの策定時にどういった現状をとらえて、それに対して2040年にどういった状態目標なのかということがわかるようにしてもらえるとありがたいと思います。
〇菊地座長
ありがとうございました。それではWebで参加されている構成員の方々からもぜひご意見を賜りたいです。では、佐久間先生お願いします。
〇佐久間構成員
ありがとうございます。先ほど鄭先生がおっしゃっていたことが、同じことを感じておりました。私、METISの第4期でレギュラトリーサイエンスということでしたのですが、その当時言われていたことがデバイスラグです。このまま規制が厳しすぎると医療機器が入ってこなくなるという危機感でやっていた。今これから少子高齢化で市場が小さくなる、まさに外に出なければならなくなるわけですけれども、これでまたいわゆる経済的な位置が下がってきて、今円安で、その時起きてくるのはいくら規制のハードルがさがった、効率よくなったとしても、あったものが申請されてこないということが起きて、これデバイスロスだという話です。そうすると先程おっしゃっていた今少子高齢化の中で、持続可能にこの国の医療を支えるうえでのこの医療機器産業の振興という、そういう観点が必要かと思います。また、今世界最高水準にあることは確かだと思います。これをどうやって維持するかという観点を、やはり現状の危機感を踏まえて詳しく書かれることがいいかなと思っています。方向性としては間違っていなくて、結局国内だけで見ていても医療機器産業はサステナブルになりませんから外に出ざるを得ない。一方で日本の国内の医療水準を維持するためには、やはり日本の医療機器産業が強くならないと、やはり場合によっては入ってこないということがありますから、そういったことを考えていくということが必要かと思いまして、鄭先生のご発言を受けて感じたことを申し上げました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは手が上がっております瀧口構成員いかがでしょうか。
〇瀧口構成員
はい、ありがとうございます。JIRAの瀧口です。まず論点1に関しては非常に妥当だというふうに思います。2040年というのを定め、将来の姿を定めてバックキャストして、ということが非常にリーズナブルだと思います。そのうえで将来像については、今ご議論ありましたように、鄭先生、佐久間先生ご指摘のように、世界最高水準の質の高い医療そのものもそうですし、それを国民が享受できるというステータスもどういうことなのかということを具体的に皆様でイメージを合わせたらどうかと思います。今ご指摘があったようないろいろな心配事がある中で、それがどういう姿なのだろうかということをもうちょっと明確にする必要があるかなと感じますし、それがKGIとか、姿として描かれるということが今回は大事なのかなというふうに思います。それから論点3に関してですが、基本方針が導き出された考え方、ロジックというものは非常に納得できるものだというふうに思いますし、今もご指摘がありましたように国際競争力が背景となって医療の産業が発展することがこれから先ますます重要になるであろうという観点で、そのことが基本方針の中に取り込まれたということは非常に歓迎したいというふうに思います。一方で、国内の今の状況を見ますと、病院経営の悪化等が購買力の低下につながっているという事態は非常に重要な問題だと思います。これの解決に向けては別途取り扱うというお話も伺ってはおりますけれども、いずれにしましても国民が質の高い医療を享受できる状態が、最先端の医療機器が常にアクセス可能で、そのもたらす医療的な効果が享受できるような姿をいかに維持しておくか、そのためには最先端の医療技術を適時・適切に、常に患者に届けることができるような仕組みをしっかり作り上げておくということが一方で重要です。例えば大型の機器に関して長期使用の問題があり、それは昨今のサイバーセキュリティの問題にもつながっていくということがありますので、この辺りの議論をもう少し詰めていただく必要があるのではないかというふうに感じております。私からは以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは続きまして山本構成員いかがでしょうか。
〇山本(栄)構成員
方針についてはいずれも賛成いたします。非常に納得できました。論点3についてですけれども、戦略、戦術の部分も入ってしまうかもしれませんが、コメントしたいと思います。(1)ですけれども、戦略的な事業領域と書いてあるのですけれども、先ほど先生方からも話があったように、ここには技術も踏まえて設定すべきだと思います。その際には複数の技術を組み合わせるような、戦略も具体的に考えていく必要があろうかと思いました。(2)のイノベーションについてですけれども、先進技術、企業で開発される技術というものは機密になることが非常に多いと思います。そうしたときに、官の立場で検証するということは現状なかなか難しいと思いますので、産官学の研究とか検証のやり方を具体的に考えていく必要性があろうかと思います。それから(3)のところについては、強靭化ということですけれども、平時、有事によらずということなのですけれども、有事を想定して、技術だけでなく現在使われている医療機器の備蓄とか、医薬品についてはそういったことが進んでいると思うのですが、医療機器についてもそういった基盤を整備することも重要ではあろうと思いました。そういうことを実施するためには、お話がありましたが、企業にとってもやはりメリットがあるような形にしなければ実際には動かないのではないかという危惧があります。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは東大の小林先生、手が上がっているようですのでいかがでしょうか。
〇小林構成員
私も3つの論点に関して基本的には異論はないです。論点3に関わると思いますが、KGIの設定からストーリー、課題に落とし込むときに考えてほしいと思うことがあります。例えばKGIの設定だと、企業の数などの数字がありますが、2040年以降も医療水準をずっと維持し続けられるということを考えた指標、ストーリーを考えて盛り込んでほしいと思っています。例えばストーリーに落とし込んでいくときに、今スタートアップはすごい大事だと思うのですけれども、それがそのあとも続けられるような基盤的な研究技術とか人材育成とか、そういったところも漏れがないように、ストーリーやその後の課題を作るときに、その視点を入れ込んでいってほしいなと思います。
〇菊地座長
ありがとうございました。まだご発言いただいていない構成員の方、本日ご出席の先生でいかがでしょうか。高井先生いかがでしょうか。
〇高井構成員
東京大学の高井です。ご説明いただきありがとうございます。基本的にKGIの設定、そのほかの議論については皆様方と同じで、将来を見据えて医療機器開発をしていくということはとても大切だと思います。また長い期間ですので見直しということもいくつか中間期において見定めていくという必要性があるかと思います。あと、連携に関して、私はアカデミアの立場ですので、開発目標を高く置くということはそれにかかわる人材をしっかりと育成していくということがとても大切だと思っていて、それの根幹をなすのがやはり大学だと思います。そういう時に大学の学生が将来において医療機器開発に携わりたいという人材を育成してくということも重要な責務だと思っていますので、そのあたりの国がどういう方向を向いているかということもかなり最近はシビアに学生間で議論されるところだと思いますので、何とか同じ方向を向く、同じ方向を向いていなくてもそういう議論ができる場や仕組みを作っていただけるといいのではないかなと思いました。これは具体的な方策にかかわるところかもしれません。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは村山先生いかがでしょうか。
〇村山構成員
東京慈恵会医科大学の脳神経外科の村山です。基本的には私も論点1、2、3のKGIを設定して、ということに異論はないですし、特にこの3の中で挙げられている項目で、危機管理とか有事の際にも医療機器が手元に届くということは非常に重要だと考えております。私はアカデミアですけれども、今国内では2つのスタートアップと、海外でも日米でひとつ立ち上げて、そういう意味ではプレイヤーとしての観点、ベンチャー・スタートアップとしての観点、それからユーザーとしての観点で両方見ていると、KGIを設定するということはすごくいいのですけれども、実現可能な目標にしていくために、今目の前にあるいろいろな問題ですね、特に制度上の問題を見据えないと、絵に描いた餅になると思います。私がやっているスタートアップの1つは医療機器です。インプラントもののクラスⅣと呼ばれるものと、もう1つは経産省と内閣府の支援を受けてやっている医療物流です。オンラインで物流が届くという、物流のことを今非常に深くやっていて感じていることは、何人かの方もおっしゃっていましたが、海外のメーカーからすると日本の償還価格制度という非常に独特な市場価格に合わない、経年的に値段が下がってしまうということで、例えばある外資系メーカーが製造する脳神経領域で使用するコイルやステント等が撤退しました。日本の代わりにインドネシアとかグローバルサウスの国々で、伸びている国に目が行ってしまっている。日本では正直ビジネスにならない。こういったことも取り組んでいかなければならないし、日本では卸が入って物流をやっているわけですけれども、もともとアメリカは病院が物を購買するわけです。今ちょっと日本みたいな制度に変わってきていますけれども、まとめ買いして安く病院が仕入れるということをやると、日本だと償還価格が下落してしまう、4%以内という縛りが、バブルの時にできた制度がいまだに続いているわけです。物を作っても、買ってもらおうと思って、いろいろエンドユーザー、我々病院は、安く買って差額をとりたいわけですけれども、そういったことは日本だと許されないわけです。そういう制度上の問題があります。それからSaMDは将来性があるといわれて、経産省がいろいろなお金を付けてAMED等でのプロジェクトが走っているのですけれども、やはり償還価格が非常に安いので、数億円の開発費をかけても実際のソフトウェアの価格がつかない。そういう中で例えば選定療養制度という患者さんからそこの部分は払ってもらおうとすると、混合診療といわれてしまってやりづらいという点が多々ある。まとめますと、償還価格制度をどうこれから国として維持していくのか、あるいは見直す時期に来ているのか。それから物流の効率化、ITを使った効率的な物流をやることによって卸もエンドユーザーの病院も、非常にエコなシステムを導入したときに、やはりそこに価値をちゃんとつけるなどをやっていく必要があると思います。それから選定療養制度のようなものを選択してもいいようなフレキシブルな仕組み、例えば私はインドネシアでの診療支援をしていますけれども、国立インドネシア大学は敷地の中に厚生省管轄の病院と文部省管轄の病院があって、文部省管轄は皆保険でやっています。厚生省管轄だとプライベートインシュアランスで、ファーストクラスのサービスを患者さんに提供していく。そこに医療機器メーカーがビジネスとして参入している。そういったような今までは我々が意識していない東南アジア、そういった伸びている国が、医療機器メーカーからすると魅力的な市場になっている一方、日本がとてもビジネスをしにくい国になっているということは何らかの形で提言していく必要があると考えています。以上になります。
〇菊地座長
ありがとうございました。池野先生、手が上がったようですが、いかがでしょうか。
〇池野構成員
皆さんのディスカッションを聞いて、もちろんごもっともだなと思いました。15年後ですよね、ちょうど2040年が15年後になります。15年前は2010年、東北大震災の前の年なので、そんな昔ではないなと思って聞いていた中で、急速に2040年にかけて変化するものとして、やはり人口動態で、労働生産者数が大体日本で1,600万人減少するといわれています。それに加えて高齢者が数百万人増えて、高齢化率が今29%のところが37から38%になる。今年生まれた子はちょうど労働生産人口の15歳に入るくらいの年が2040年という中で、果たして日本が第一線の大強国を本当に保ち続けるかどうかということも含めて、未来の現実を受け入れて、それに対して今から医療機器として手を打つというような、ネガティブシンキングですけれども、間違いなく避けることのできない未来の日本のアンメットニーズというところをやはり解決する。それはもしかしたらものすごく最先端のロボティックサージェリーじゃないかもしれない。私はアメリカに住んでおりましてシリコンバレーにいますけれども、基本的に全世界で使われている付加価値の高い治療機器の6-7割はやはりアメリカ発、それもほとんどがスタートアップ発です。ではなぜスタートアップかというと、皆さんやはりハングリー精神の高い移民がスタートアップを立ち上げる。まあ頑張るわけです。それをいま日本が輸入していて治療に使っているというところを考えて、どうしても人口、そして若い人がどんどん減っていく国で、また移民も受け入れていないなかで、果たして本当にアメリカのスタートアップ、シリコンバレー、移民のハングリーな人たちがやるところと互角に戦えるのかどうかというところは現実的にちょっと冷静に考えるべきところです。もしかしたら日本の価値は超高齢社会なのかなというふうに思う時もあります。私がアメリカに行く直前まで高齢化率37%の田舎の診療所で地域医療を4年間やっていましたけども、その時のアンメットニーズは今まさに日本全体で顕在化しつつあります。そのようなことを考えると、25年前の話ですけれども、もう少し未来の日本の非常にユニークな、人口が減っていって、高齢者の数が増えて、社会保障が増えていく割には国民一人当たりのGDPがどんどん下がっていく国ということを現実として受け止めて、それに対する戦略をそろそろ15年後でそんなに未来ではないと思います。そのような意味では今から準備をしておかないとまずい状況になるかなと思います。すでに始まっているのは日本全国の公立病院の赤字だと思いますけれども、これも放っておいたら大変なことになることはわかっているわけで、そういうことも含めて今後現実的にこういったことがもっと顕在化してくる日本の未来というのも、ネガティブですけれども現実として考えなければならないと思い発言させていただきました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。中川先生いかがでしょうか。手が上がっているようですけれども。
〇中川構成員
はい、ありがとうございます。これまでの先生方と同じです。基本的に3つの点はそのとおりだなと思って伺っておりました。私は特に、池野先生がおっしゃった大きなミスマッチ時代、労働者が減る、高齢者が増えるという、人が減るけれども使うお金がどんどんどんどん増えていくという中で、東北大学病院の産学連携はそうしたミスマッチの解決と新しいビジネスモデルの摸索をしてまいりました。ミスマッチ解決のデザインの観点から、2点申し上げたいと思います。一つ目は限定的なサプライチェーンの状況下で見事に課題解決を行った英国の事例です。コロナの第二波の前に英国政府の試算では呼吸器が3万台必要なところ、8千台しか国内にない、国内の資源だけで、呼吸器を極めて短期間で納品してほしい、という呼吸器チャレンジ、の依頼が3月13日に発令され、ケンブリッジコンサルタンツは47日間で納品可能な状態に仕上げたそうです。プロトタイプを全部シミュレーションでやってしまうとか、多様な専門家がいて、そういった専門家の間にデザイン思考や、Desirability、Viability、Feasibility(DVF+スコア)という共通の言語があるゆえに、全然違う専門家が一気にトップスピードに働ける。要らなくなったら分散するということで、人が少ない中で仕事の働き方を最大化するような、仕組みがありました。こういった秀逸なケーススタディを検証することで、私たちが建てている仮説、KPI / KGIの妥当性が検算ができるのではないかと思います。2点目ですが、日本は過去に社会課題を大きな国の産業にしてきた歴史がございます。例えば高度成長期、大気汚染が原因で大きな問題となった四日市喘息です。こうした課題を優れた技術で解決し、車の排ガス規制をクリアし、世界で日本の乗用車が大きくシェアを伸ばした一因になったでしょうし、ダイキンのように空気をきれいにすることで世界に展開する価値を提供し、事業を創ってきた事例があります。その一方で、我々はまだ高齢化社会という大きな課題に直面しているものの、特徴的な課題におとしこみ、エレガントに解決し、グローバルに展開できるようなところまで行けていないと思います。この点についても、過去の他分野のケーススタディをして、自分たちもこういったものに当てはめながら改善していくことで、これが2040年にいい課題の解決の仕方だったといえるような可能性が上がるのではないかと思います。以上、2点、ケーススタディの重要性を申し上げました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。あと医器販協の山下会長からご発言いただければと思います。
〇山下構成員
ありがとうございます。論点1、2、3に特に異論はございません。ただ、非常にきれいな、理路整然とした形でそれはそれでよいなと思うのですけれども、いい意味での危機感といった意味では、例えば内視鏡なんかにしてもこれは今日本の得意エリアといったところですけれども、最近中国の内視鏡が急速に品質を上げているといった感じがしておりまして、スピード感が非常にあるなと感じております。また、台湾に毎年行っているのですけれども、メディカル台湾という展示会がありますけれども、昔は台湾はかなりローテクなものしかなかったものがだんだん製品化できていますし、それに加えて東南アジアのインドネシアとか各国で製品化が進んでいるようで、行くたびにそういったものがどんどん出てきているという状況です。先ほどアメリカのスタートアップの話もありましたけれども、世界のスピード感というものがすごくあるなと感じておりまして、そのスピード感をもうちょっと我々も持つべきではなかろうかということで、そういった意味でこう情熱を持って取り組んでいく、熱量を持って取り組んでいくと、先ほどお話もありましたワンチームでやるような部分が必要ではないのかなというふうに感じております。その上で、何かワンチームになれるような錦の御旗のようなものがあるといいと感じております。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。ここまでで今日ご参加の構成員の方々からそれぞれ貴重なご示唆、ご意見を賜りました。大方のご意見として、まずこの論点1、2、3、総論という意味では認めるというか、いいのではないかということですけれども、ただ具体にその中で現実的な問題として考えてほしいというものであったかと思います。私も一応座長でありますけれども委員という立場で申し上げれば、何人かの先生方がご指摘だったと思いますけれども、医療機器の研究開発及び普及を図ることによりこれまでと同様の世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できるという、文章としてはこういう形にどうしてもなるのだろうと思いますけれども、やはり複数の構成員の方からこれに対するご意見が出たと思います。どのようなものかというと、世界最高水準の質の高い医療を国民が享受できるという中には、先ほど具体的にありましたけれども、例えば非常に高度な医療機器が、十分供給されれば、世界の人々がいい医療を享受できるかというと現実的にはそうではないと思うのです。日本の場合には現在の例えば制度とかそういうものに関しても触れていただいた方もおられますけれども、医療機器だけで高い医療を国民が享受できるようになるとは考えにくい部分もあるわけです。そこのところをこれから本当に2040年に向けて、国家としての基本計画ですから、やはりきちんと見据えて、医療技術に関して中心にこれは定義して議論している場ではあるのですけれども、実際に医療機器、高度な医療機器も含めて、あるいは先ほどいくつかコンベンショナルな医療技術の改良というのも重要であるというご発言がありますけれども、それが最終的に世界の国民、世界の人々に対して、医療として良い医療を提供できるかというとそれ以外の複数の因子がいっぱいあるわけです。そこら辺について、どこまでこの医療機器の基本計画の中で触れていくのかという、それもかなり議論がこれから必要になる部分だと思うのです。タスクフォースの先生方にもお知恵を出していただければと思いますし、また構成員の方々も3月で最後まとめるまでに、今のようなところ、本日も複数ご意見が出ているわけですので、どういう形で基本計画の中でそういった側面、いわゆる他の医療機器、技術以外の医療機器の効果を制限する、あるいは増長するような社会的な因子みたいなものにもどういった形で触れていくのかについて検討が必要なのではないかということかと思います。それから人口の高齢化というものがあります。またその中で労働生産人口が下がるという、池野先生からのご発言もありましたけれども、明らかに日本の医療機器産業、今大手といっているところでも現実には生産に関してかなりご苦労されているという話は私までにも耳に入るくらいです。実際の国内の大手医療機器企業が物作りという観点で今後さらに苦戦するのではないかなという、そうなったときには日本の場合には、CDMOではないですけれども、原点のところで、世界の医療機器のいわゆるブレインの部分、これを日本が価値として作っていくというようなそのようなやり方も1つ考えなければいけないと思います。それがある意味では先ほど東大の先生方からもご発言ありましたけれども、ブレイン役をリーディングするような人材をどうやって育てていくのか、そんな話もあるかなと思います。今日は文科省の方もおられますでしょうか。そのような観点で、文科省からご発言ありますでしょうか。
〇南川室長
文科省の方からご発言あればよろしくお願いします。
〇南専門官
文部科学省 研究振興戦略官の南でございます。文部科学省の方では、アカデミア等を中心とした基礎基盤的な研究開発に加えて、人材育成にも取り組んでいるところでございます。先ほど先生方からご指摘がありましたように、実際研究者として活動されている方への人材育成ももちろん重要なのですが、そこに至る前の人材のすそ野を広げていくための大学での教育活動も非常に重要だと考えております。具体的な令和9年度以降の施策をどうするか、またこの基本計画にどう位置づけていくかということは今後議論されていくものと思っておりますが、その中でまた私どもとしても検討あるいは調整させていただきたいと思っております。簡単ではございますが、回答でございます。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは時間の都合もありますので、残る論点4、論点5についていろいろご発言いただければと思います。まず論点4、現在のタスクフォースにおいて議論されているKGI指標のイメージをどういうふうに捉えておられるか。あるいはいろいろなご示唆があればと思いますが、何かこれに関してご意見いただけますでしょうか。
〇南川室長
田熊先生及び石井先生から事前にいただいたコメントについて紹介させていただければと思います。論点4と5について合わせて言わせていただければと思います。まず論点4ですが、田熊先生から、KGIは非常に重要ではありますが、数値の目標だけでは量に重きが置かれ、質の評価が難しいと思います。定量ばかりではなく、定性的な目標・評価も考慮頂ければありがたいです。論点5については、限りある資源の中で、効率よく、進めていくために選択と集中は必要だと思います。課題の具体化、優先度の高い施策の特定を目的とした検討については賛成です、とのご意見をいただいています。石井先生の方から、論点4につきまして、基本方針1のKGIに、a.全世界の医療機器市場に対する内資系医療機器メーカーの獲得市場のシェア、b.大手内資系医療機器メーカーにおける海外売上高の比率、c.世界の医療機器メーカーの売り上げランキングのうち、Top〇〇に入る企業数を設定するのは、やや無謀のように思います。dの成果によりa~cの成果につながる可能性はありますが、競合製品がすぐに生じる医療機器開発の世界を考えると、d・eあたりがよいのではないかと思います、というふうにいただいております。基本方針2についてはaの国内発の医療機器における新医療機器の承認件数のみではなく、機器の特徴である改良の承認件数も含めておいた方が良いかと思います、というご意見をいただいております。その他、目標を定量的に示すことは重要ですが、論点1でも述べたように、必ずしも数値目標に縛られない柔軟な指標であることを明確にしておいた方が良いかと思います、ということをご意見としていただいております。論点5については異論等ございませんとのことです。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。今コメントいただいた先生方からも、ある意味ごもっともというようなご意見かと思います。何かお気づきの点があればと思います。宮田会長いかがでしょうか。
〇宮田構成員
少しだけ論点3に戻ってしまうかもしれないと思いますけれども、MT Japanの中でもこのタスクフォースでの検討に対してすり合わせを行ってきましたので、私の意見というよりもMT Japanの我々ディスポ系の会社の考えということで聞いていただければと思います。やはり我々は実務者なので、ある程度具体的なことをイメージして話しますのであっているかどうかわかりませんが、よろしくお願いいたします。1つは、世界の医療を担う強固な医療機器産業基盤という1番です。我々としては改良・改善という製品が非常に重要であると思っていますし、池野先生もおっしゃっていましたけれども、革新的な医療機器というのはアンメットニーズが革新的か否かがキーワードのように思っています。そういう面では、そういったものを作っていくためにはドクターと一体になった手技だったり、そういったものを確立していくということが非常に重要なのであろう思っています。(2)の中で、当然ベンチャーを育成していくというところに関しましては、これは是非ともお願いしたいと思っているのは、特にベンチャーだけではなくてそれを受けるCDMOが日本にないとなかなか現実的に難しいのではないかなというところです。CDMO事業がなかなか日本にはないということが実情でして、こういったものを作っていく必要があると思っております。日本発の医療機器イノベーションという観点からいうと、これも先ほど池野先生からありましたけれども、超高齢化社会は日本が世界に先駆けて直面しますので、これを逆に日本の武器というか、日本が世界に発信できる1つの大きなものになるのではないかなというふうには思っております。3番目のところで、先進的な医療という中では私は再生医療に関して、今当局等でもかなり積極的にやっていただいていることに関しましては非常に賛成しております。引き続き、そういった形がよいのではないかなと思っております。それから、平時から必要な医療機器という体制の中では、サーキュラーエコノミーの実現ということについて、医療廃棄物として処理されているものはものすごく多いです。うちの会社でいうとガイドワイヤーをやっているのですが、その中にプラチナ材が入っていて、ワールドワイドに出しています。それだけでも45億くらいあります。その中で今日本が10%くらい、5億円は確実に産業廃棄物としてなくなっているということです。こういうものをリサイクルできれば産業界としてもいろんなコストダウンに対応できるのではないかなというふうに思っております。最後、有事に関しまして2つございました。1つは災害とかになったときに、これは当然厚労省とかとの関連ですが、我々材料変更したらすぐ製造現場を変えないといけないです。そういうときにQAというか、どうやって変えていったらいいのかということはあらかじめすり合わせをしておくことが重要になのかなと思います。なかなか、実際そのようなことが起こったときに、行政側もどうしていったらよいかわからないみたいな感じになってしまう時があるので、これをやっていったらどうでしょうか。もう1つ、やはり有事として考えなければならないのは、具体的には中国の依存度からの脱却と思います。我々のメーカーのほとんどの材料をかなり中国から買っていますので、これをどうするのかということで、もう一回素材の産業を日本で育成させるということもすごく重要だと思いますし、そういったものをやるべきではないのかなと思ってはいます。4から5番に関しましては、先ほど村山先生もお話ししていましたけれども、保険制度に関しては産業界からもいろんな意見がありまして、これは今日の議論とは別だと思いますけれども、それはそれでやっていくにしても、企業が企業で生きていくためには日本だけでやはり生きていけないのです。なので、やはり積極的に海外に出るということを考えないといけないということになると、海外でどれだけ受け入れられるのかというものがやはりKGIに、具体的にシェア何%を持つとか、あるいは一番簡単なのは輸出額、輸出額が高いということはグローバルに認められているということだと思いますので、それをしっかりやっていく必要性があるかなと思っております。論点5に関してまとめて言いますと、我々MT Japanとしては革新的な医療機器という言葉の中に、改良・改善を含めた広い意味での日本発のイノベーション評価というのと、特に国際展開の具体的な輸出金額とかというのが世界で支持されているということが見えるようなKGIを設定していただければなというふうに思っております。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それではどうぞ山本構成員。
〇山本(章)構成員
医機連の山本です。KPIとかKGIの議論をするときに、産業界も売上高とかシェアだとか当然出てきますし、もちろん重要な指標です。ただ、先ほども議論があったように、物価等に引きずられた単価が問題になってくる議論が相当出てきていていますので、例えば単価の海外市場との比較等、難しいとは思いますが、そこの指標をちゃんと見ていく必要があります。例えば、日本市場での単価が海外に比べ安すぎると、海外からみて魅力のない市場になっていくと思います。しかも、日本というのは、マーケットのサイズが小さいので、海外からみた日本市場の魅力を上げたいということになると、日本市場の単価も見ておく必要があると思います。是非、売上とかそういうマクロな話だけでなく、単価のようなミクロの話ができればと思っています。是非、指標の中に入れて評価ができるようにしていただきたいなと思いました。是非ご検討いただければなと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは妙中先生どうぞ。
〇妙中構成員
KGIの指標イメージについてなのですが、今日中野さんから説明いただいた中で基本方針1については比較的具体的にいろいろ出てきていると思うのですけれども、私がこれまでAMEDで研究開発の支援をやってきた立場からすると、この基本方針2のところの、研究開発開始から上市までのプロセスを短期に進めることが可能な支援体制の構築、ということがとても重要で、これに対してのKGIが出てきていないなと思っています。というのは、この基本方針の中にも書かれていますけれども、研究開発から薬事・保険戦略、製造販売に至るまでの多段階のプロセス、それらに対して対象疾患や製品に応じて求められる専門的な知識を含めてちゃんと支援するということがとても重要だと思っているのです。AMEDに関しても実用化プログラムということで、これらのいろんなこと、薬事とか保険戦略とかを支援してきたわけですけれども、それぞれの事業別に予算が縦割りになってしまっている。一貫してそのようなものを支援するような形、AMEDの中で創薬に関してはそういうものができつつあるような感じなのですけれども、医療機器に関して是非それを作ってくれと口酸っぱく言い続けていたのですけれども、一向に動いてくれない、というようなことがあります。この一方で、厚生労働省の事業である、優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点の強化事業というものがあり、全国13拠点が採択されている。その中で非常に優れた拠点も出てきていて、そういう今お話ししたような、支援体制に貢献できるようなところもできてきている。あの事業の中でまとめていくのがいいのか、それ以外にも例えばAMEDなんかとどういう切り分けになるかわかりませんけれども、本当に日本全体でこういうことをちゃんと支援するような機能や組織をやる必要があると思っています。創薬に関しては製薬協なんかが入っておられますけれども、そういった枠組みの中にはおそらく医機連やMT Japanであったりとか、VCとかも入ってくる。それから薬事とか保険のことをやっている拠点の中にもこういった専門家も結構おられて、そういう方々を1つにまとめるようなことができるようなことがとても重要かなというふうに思っていて、そういうことに関するKGIみたいなものが、まだ今から検討されると思うのですけれども、基本方針2のところにも入ってくるような、件数とかで表されるのが難しいかもしれませんけれども、例えばそういう組織ができるというふうなものがKGIの中に入ってきてもいいのではないかなと思っています。それ以外にもいろいろ言いたいことはあるのですけれども、特に私はそこのところが今までやってきた経験からして日本に不足していて、そのことが日本のスタートアップの新規参入あるいは医療機器メーカー、研究開発をやられている方の支援にとても大きくつながって、いいイノベーションの創出ができるための大きな機能、組織になっていくのではないかなと思っているので、発言させていただきました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。佐久間先生いかがでしょうか。
〇佐久間構成員
佐久間でございます。今妙中先生がおっしゃった点、非常に重要だと思っていまして、そこはしっかりやっていかなければならないと思います。やはり、支援がしっかりと機能しているかどうか、うまく質が上がっているかどうかといったことも重要だと考えます。それから2点目なのですけれども、ロボットであるとかソフトウェアであるとかの話が出てきています。21世紀においてデータが石油と同じになるという話があって、日本は先ほど来、高い水準の医療があって、そこに色々な医療データが集積されているわけであります。今後そのAIであるとか、さらにフィジカルAIみたいなものが含まれてくるとなると、こういうデータもちゃんと使える形にしておくということもすごく重要なことだと思いますから、この点が重要なポイントとしてあるのではないかなと思います。実は研究開発という立場で、先日はAMEDの中のPD会議の中でもそれが出てきたわけですけれども、研究開発という中での活動、実際には医療の水準をよくしていく為のデータの集約の話がやや独立に動いているところもあるのですが、独立に動くのはやむを得ない部分もあると思うのですけれども、この辺りをちゃんと横の連携をとって、研究開発に使える形にするといったような部分が必要かと思います。そのようなことでできたデータベースからこういう開発が生まれた、といったこともかなり重要な指標になってくるのではないかと思いますので、それがそういったデータ基盤というか、そこをしっかりと作っていくための1つのインセンティブになるというか、そこの方向性を示すものになると思いますので、是非そのあたりも検討していただければなと思いました。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。貴重なご意見だと思います。鎮西先生、お願いします。
〇鎮西構成員
2つだけ、申し上げようと思います。まず、資料2-1の17ページに、(1)の中で、イノベーションを適切に評価する保険制度等による多面的なインセンティブとあり、ここに等がさりげなくありますが、これがすごく大事だと思います。中野さんが先ほどは保険制度に限らないということを明確におっしゃられました。これはすごく大事なので、これを何とかKGIの中に反映できないだろうかということです。あともう1つがKGIの2番目の21ページに、新医療機器の承認件数とあるが、国内だけでなくて海外を含められないでしょうか。海外を含めないとしたら、例えば19ページにある世界シェアとかそういったところに含めるということでもよろしいのですが、承認をとるということとシェアに表れてくるということはだいぶ時間的に差があるので、そのあたりも考えていただければと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。それでは、松尾先生どうぞ。
〇松尾構成員
ありがとうございます。NRIの松尾です。先ほど他の委員がおっしゃっていたCDMOの話につけ加えると、基本方針2に該当すると思うのですが、CDMOに加えてエンジニア人材も重要だと思っていまして、特にエンジニア派遣という業態がグローバルで非常に成長していて、日本の企業がグローバルに出ていこうとすると、現地は日本人人材が当然潤沢ではありませんし、そんなには送り込めないので、現地に住んでいる方々が重要である中、そこにインドや中国の会社が出てくるわけです。その現地の人たちに日本の技術を伝授するということになりますので、その人たちは非常に流動性が高い人材であって、彼らが現地のインド資本の医療機器メーカーや中国資本の医療機器メーカーをけん引しているといえなくもない。そのような構造の中で、日本はグローバルでエンジニア派遣をできる企業はいませんので、非常に厳しいと認識しており、基本方針2に該当する中に入れられないかなと思います。それから基本方針1に該当するところですと、シェア、それから順位、これも非常に意義のある指標だと思うのですけれども、個々の企業のコンサルティングをしている立場ですと、グローバルのビジネスで10億ドルの壁と、30億ドルの壁ということがありまして、この壁を越えてくる企業というのは過去20年間ずっと見ているのですけれども、日本企業は本当に出てこないです。新しい企業が出てこないです。もちろん既存企業は成長しているのですが、新規の企業が本当に出てこないので、アメリカだと広範の診療領域においてそういう企業が出てきますし、中国ですと汎用的な医療機器の領域においてそういった企業が出てきます。欧州においては数が少ないですけれども高齢者を支える医療機器です。そういった医療機器のメーカーの分野においては出てきていますが、日本においてはでてこない。こういう企業を育てていく、10億ドル、30億ドルの壁を新たに超える企業を新たに育てていくということが非常に重要になってくるのではないかと思います。最後に3点目として今の話に関連するのですが、先ほど座長がおっしゃっていた日本において社会的因子を入れられないかという観点でいうと、2つあると思っています。1つは、日本の働く人の平均年齢です。1990年に36歳だった日本の働く人の平均年齢は、2000年には40歳を超えて、2030年には50歳を超えてきますので、働く人たちが日本においては若い人たちがいないので、この人たちが活躍できなければいけない、健康でなければいけないという前提になってきます。これは成長戦略にも関係してくると思っておりまして、この人たちを支えていくような医療機器というところは社会的な日本における因子かなというふうに考えています。それからもう1つは日本特有ではないのですけれども、グローバルでは高額な希少疾患の治療薬ですとかナルコレプシーのような精神系の疾患ですね、あと神経系の疾患の新薬というのがこれからどんどん出てきますが、これらの疾患においては非常に高額なので、これから出てくる新規の治療薬を使おうとするとスクリーニングあるいはトリアージといったものが非常に重要になってきます。こういったアウトカムを上げていかないと新しい治療薬を維持していけない、使っていけないという、こういった課題は医薬品メーカー側も抱えているのですけれども、これを患者にしっかり届けていくためには当然検査技術、診断技術が非常に重要になってきますので、これはグローバルで見た時に社会的な因子になるのではないかと思っています。
〇菊地座長
ありがとうございました。瀧口委員いかがでしょうか。
〇瀧口構成員
ありがとうございます。論点4と論点5をまとめてコメントなのですけれども、KGIに関しましては、それを設定するということで考えていくにあたって、論点5の方でこれから議論されますどんな優先度で何に取り組んでいくのかということが重要なのではないかと感じます。およそ医療機器の開発は臨床現場のニーズに基づいて、エンジニアリングのエフォートがいろいろあり、いろいろな地域、あるいは社会の制度に基づいて、それを臨床現場に再度お届けするというこのサイクルがぐるぐる回るということで医療機器が開発されていくので、その中にイノベーションがいろいろ起きる、あるいはそれが全く新しい技術であったり従来のものの改良・改善であったりなんだと思いますけれども、これを通して将来の姿といって定義をしている、国民が最善な医療を享受し続けられるような社会に貢献するということを目指していくために、どういう優先度で何を目標にするべきかという議論をこれからしっかりとしていただくことが重要かと感じています。それにつけても、それをぐるぐる回していくサイクルの中で、どうやって優先度で決めるのかという、優先度の決め方についてまずしっかりとした議論がないと、様々なステークホルダーがいて、様々な観点での課題が出てくると思いますので、まずその整理をするのがよいのではないかなと感じます。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。そのほか、どうぞ鄭先生。
〇鄭構成員
ありがとうございます。かなり議論が出ていると思うのですけれども、私も同調するところが多く、特に基本方針2のところで、イノベーションの創出のところで一部重なりますけれども、ここで非常に重要なのは、きちんとお金が回るエコシステムができるということが重要かなと思っております。その中で、先ほど鎮西先生もおっしゃいましたけれども、今の保険システムだけを考えた時に、新しい医療機器が出た時に全て国費だけで賄うということは不可能ですので、やはり新しい保険のシステム、プライベートも含めた保険ですとか、そういうことも書き込みにくいですが考えるみたいなことがあってもよいのではないかと。その時に非常に重要になるのは人材育成をやるということ。それからデータ利活用です。データ利活用に関しては、さきほど池野先生が台湾に行ったとおっしゃいましたが、私も台湾に行ったのですけれども、カード一枚ですべての医療データが全部集まるようなシステムになっていまして、統合されたデータを使っていろんな研究が行われている。シンガポールななどもすごく進んできていまして、決して安穏とはしていられない。ちょっと悲観的だといいましたけれども、頑張らないとだめなのですよということです。イノベーションのエコシステムをきちんと作らなければいけないと思います。そのためには作った人がそれに応じたマネタイズができるようなシステムを非常に柔軟に考えなければいけないのではないかなと思いました。これはKGIという感じではないかもしれないですが、総論的な感じであってもいいのかなと思いました。以上でございます。
〇菊地座長
他にいかがでしょうか。そろそろ時間的に迫ってまいりましたけれども、何かご発言があれば。
〇内山局長
いくつかコメントさせていただければと思います。佐久間先生、鄭先生、池野先生からお話がありましたデータの話ですけれども、医療情報の利活用につきましては、今内閣府の方で「医療等情報の利活用の推進に関する検討会」というものをやっておりまして、間もなく中間まとめをして、来年の夏ごろに「議論の整理」を行う予定です。その中ではひとつ大きな論点になっていますのは、医療機器から出てくる検査値などのデータですとか、画像とかの扱いが非常に大きな論点になっていますので、そちらの方の検討状況も合わせながらこちらの方の検討も進めていただければと思います。それから2つ目のコメントですが、高井先生や鄭先生から出ました人材の話ですけれども、医薬品の分野でも、創薬の分野でも人材はすごく大きな課題であって、特に研究開発、製造、スタートアップ、企業それぞれいろいろな人材が必要であると思っているのですが、今何人くらいいて、今後どこから集めるのか、新卒なのか中途採用なのか流動性を持つのかなど、そういうところをもう少し精緻にやっていかないと、これから1学年70万人以下になる日本の国で、人材の奪い合いになると思いますので、そんなことを医薬品の分野ではやろうとしています。こうしたものも見ながら医療機器の分野でも同様のことをやることが大切なのではないかと思いました。それから3つ目、数値目標、KGIは、非常に良い試みだと思っていますけれども、さきほど南川室長からもご案内があった成長戦略の取組の中では、例えば投資額ですとかGDPへの寄与、こうしたものも求められています。合わせまして、官だけでなくて民間がどれだけ投資をして、それに官がどれだけ合わせて投資をするのかといったような官民投資ロードマップというものも作ることになっていますので、KGIの議論の中ではそうした成長戦略との関係も少し考慮していただければと思います。以上です。
〇菊地座長
ありがとうございました。今ある意味では非常によくまとめていただいたようなご発言もいただきましたが、ここにおられる方は皆さん良く熟知しておられますが、基本計画を作るということは作ることに意味があるわけではなく、今ご発言もいただきましたけれども、それぞれ関係する省庁が具体の施策に活かしていく、それを実行することで国民が恩恵を享受できるということが重要です。本当に今日はいろんな意味の多くの側面からの貴重な意見をぜひ3月にまとめるまでに事務局のほうでできるだけ汲み取っていただいて、反映したような内容にしていただければと思います。今日のご発言に対し、座長として感じたところは、やはりタスクフォースで議論しているところはある意味で本当に核の部分といいますか、これまでの従来の医療機器産業という確固たる中核の部分に対してやはり重点的に議論がいっている。一方で、本日の各構成員の方々のご意見の大半の部分は、実は核の部分の外にある。繰り返し申し上げますけれども、医療というのは技術だけで、あるいは薬だけでできるものではない。経済的な問題を含め制度上の問題もあったり、いろいろとむしろ周辺にある部分での影響をものすごく受ける、そういうような技術なのだろうと思うのです。そこら辺を基本計画の中でどの程度、まあ踏み込むというわけには多分いかないと思うのですけれども、そういうものもちゃんと考えながらも、コアの部分の技術的な医療機器産業あるいは医療機器研究開発とか、そういったところに重点がいっているということを、何かどこかうまく文章を入れていく必要があるのかなという気がいたしました。多くの方々から何となく周辺からの影響がこれからますます大きくなるから、そこら辺についても十分タスクフォースの方々にも頭に入れていただきながら、これからの何か月かのまとめ作業をしていただけるとありがたいというお考えがあったような気がします。もっとわかりやすく、例えば、医療機器産業の場合、タスクフォースの方々は国内とか、日本人だけでやるということが頭にあるのかもしれません。今日やはり聞きますと、実はアメリカと直に組んでもやっていいのではないかというようなフレキシブルな考え方をもっと出していいのではないかと思うのです。ですから、世界市場の、そこら辺がアメリカの企業なんかのM&Aでどんどん大きくなってきているわけですけれども、その時だってアメリカの場合にはアメリカの企業だけを買い取っているわけではなくて、世界を相手でやっているわけです。ですから、できれば産業界のことに関連するような部分というのは、実は地球儀の上、全体の地域を考えながら、日本としてどこで戦うべきかということに注力いただくとよいのかなという気もいたしました。そのような意味で、タスクフォースの方々ももう一枠視点を少し広げていただいて、ただ繰り返し申し上げますけれども、それ全部を基本計画の中に入れ込むことはあまり適切ではないのかなと気もしますので、そこの部分の情報とか、ここでいただいた貴重なご意見をどうやって基本計画と合わせてアピールしていくのか。そういう方法をいろいろ行政の方からもご指導をいただきながら、せっかくこれだけ貴重なご意見をいただいたわけですから、それが全部埋もれてしまわないようにやっていく努力が必要なのかなという気がいたしました。なんとなくまとまりのない話を申し上げましたが、全体としてタスクフォースの方々の作業は非常によくやっていただいているということは各構成員皆さんが認めていただいていることだと思います。加えてさらに良くするためにということで申し上げました。ちょうど予定している時間になりましたので、特別に何かもしご発言がなければ今日の会を閉じさせていただきますけれども、事務局としていかがですか。
〇南川室長
本日はご多忙の中数々の貴重なご議論ありがとうございました。事務局といたしましては、本日のご議論を踏まえて、今後タスクフォースにおいて優先すべき施策やKGI、KPIの議論をしっかりとさせていただいて、中間とりまとめにつなげていきたいと思っております。そのうえで、また今回の検討会、タスクフォースの議論に基づいて関係省庁として一丸となってよい施策に繋げられるよう努力していきたいと思っております。私からは以上です。
〇菊地座長
それでは時間になりましたので今日の会を閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。
以上

