第208回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和7年12月19日(金) 10:00~12:00

場所

厚生労働省 職業安定局第1会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階)

議事

○中窪部会長 皆様、おはようございます。ただいまより第208回「雇用保険部会」を開催いたします。
 まず、事務局より本日の出欠状況等について御報告をお願いします。
○新堀調査官 本日の委員の出欠状況ですが、労働者代表委員の石川委員が所用のため欠席となっております。
 以上です。
○中窪部会長 マスコミの方のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。本日の議題は「雇用保険制度」の「財政運営について」です。
 まず、資料について、事務局より御説明をお願いいたします。
○新堀調査官 資料「財政運営について」を御説明いたします。
 1ページ目をお開きください。
 まず、口頭で導入です。前回12月12日、前々回10月28日と、来年度の雇用保険料率の検討に向け、雇用保険二事業の剰余の取扱い、雇用保険料率等について御議論をいただいてきました。
 来年度の財政運営の事務局案の提示に際し、資料の1ページ目に、本部会でいただきました御意見について概要をお示しさせていただいております。御意見について、いくつか口頭で御紹介させていただきます。
 1ページ上段の1つ目【雇用保険二事業の剰余の取扱い】についてです。
 1ポツ目、雇用安定資金は、平時に積み立てておいて、景気悪化時に取り崩して事業を行うもので、機動的な雇用対策の基盤。雇用保険二事業の財政基盤の早期強化が必要。
 3ポツ目、雇用安定資金への貸出しは、労働者の拠出した保険料から行われており、失業等給付の保険料率に影響。まずは、借入額を早期に返済することが必要。一方で、二事業は労働者の雇用の安定・能力開発のためにも重要であり、剰余金の2分の1を安定資金に組み入れることも選択肢としては考えられる。
 1ページ下段の2つ目【雇用保険料率等について】です。
 上から3ポツ目、失業等給付の保険料率は、足元の物価高や賃上げの必要性から引下げが望ましい。他方で、企業経営の観点から、予見可能性を高めることも重要。剰余金の2分の1を安定資金に組み入れ、料率を0.6%とする案が妥当ではないか。
 上から4ポツ目、失業等給付の本則の保険料率は0.8%。既に0.7%に引き下げている中、さらなる引下げについては、雇用危機といった非常時に対応するために保険料を積み立てておく必要性と労使の負担のバランスを見ながら、慎重に判断することが必要。
 下から3ポツ目、育児休業給付の保険料率は、シミュレーションを踏まえ、0.4%維持で問題ないと受け止め。試算上、差引剰余がマイナスになる時期があるが、その際は改めてその時点の弾力倍率を踏まえて保険料率を検討すべき。
 最下部のポツ、男性育休の取得状況、今後の適用拡大の状況や育児休業給付が本来の雇用保険の趣旨を超える少子化対策としてのニーズが強いことを鑑みると、財政基盤の在り方も含め毎年丁寧に検証を行った上で、労働者の声に十分に対応できるようにすべきといった御意見をいただきました。
 全ての御意見を御紹介できたわけではございませんが、これまでにいただいた御意見を踏まえまして、本日、事務局から御提案させていただきます令和8年度の財政運営の案につきましては、2ページを御覧いただければと思います。
 上段、二事業の剰余の取扱いです。
 1ポツ目、雇用保険二事業による失業等給付からの借入額については、着実に返済を進めつつ、今後の景気動向への備えなどの観点から雇用安定資金の積立ても行っていく必要。
 2ポツ目、そのため、令和7年度決算において雇用保険二事業に差引剰余が生じた場合には、当該剰余の2分の1を雇用安定資金に組み入れ、残余の2分の1を失業等給付の積立金に繰り入れることとしてはどうかとしております。
 次に、下段、令和8年度の雇用保険料率です。
 1ポツ目、まず、失業等給付の保険料率について、令和6年度決算を踏まえた弾力倍率は2を超えており、令和8年度の保険料率は、本則の0.8%から0.4%まで引下げが可能な状況となっています。
 2ポツ目、保険料率の設定に当たっては、足元の受給者実人員の増加等も踏まえつつ、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図ることが重要であり、こうした点から、令和8年度以降の財政運営試算の結果を踏まえ、令和8年度の失業等給付の保険料率は、0.6%(本則(0.8%)から見ると0.2%、令和7年度(0.7%)から見ると0.1%の引下げ)となりますが、この0.6%としてはどうか。
 続いて、育児休業給付の保険料率についてです。
 1ポツ目、令和6年度決算を踏まえた弾力倍率は1.2を超えており、令和8年度の保険料率は、本則(0.5%)の規定にかかわらず現在の0.4%とすることが可能となっています。
 2ポツ目、令和8年度以降の財政運営試算の結果を踏まえ、令和8年度の料率は現行の0.4%に据え置くこととしてはどうか。
 以上について、事務局から御提案をさせていただきたいと考えております。
 続きまして、3ページをお開きください。
 こちらは事務局案の保険料率ということで総覧をお示しさせていただくものです。令和7年度は保険料率全体で1.45%、失業等給付0.7%、育児休業給付0.4%、二事業0.35%となっています。事務局案では失業等給付を0.1%引き下げ、0.6%としてはどうかということですので、令和8年度の案という部分を見ていただきますと、全体で0.1%引き下がりまして1.35%となります。
 以上につきまして、本日、御意見いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
○中窪部会長 ただいまの御説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 御提案いただきました二事業の剰余金の取扱いと保険料率については、いずれも、前回議論があったように、雇用保険全体の財政状況と負担のバランスを考慮した内容と受け止めています。
 その上で、二事業から積立金への組入れ額についてです。前回も申し上げたとおり、貸出しの中には労働者の保険料も含まれているため、最優先で返済されるべきと考えておりますけれども、現在の安定資金残高などを踏まえれば、今年度について2分の1とすることは一定理解するところですが、本部会において毎年丁寧に議論をすることをお願いしたいと思います。
 また、失業等給付の保険料率については、0.6%ということですが、本則は0.8%ということは説明いただきましたけれども、毎年、労使の負担や財政状況を踏まえて、あるべき料率を検討していただくことが重要と考えています。
 育児休業給付の保険料率も、0.4%とすることに異論はないですが、雇用保険財政は依然として厳しい状況です。雇用政策上の不測の事態が発生したときには機動的に繰り入れ、対応する必要があることを考えれば、一定額の積立金は不可欠と思っております。非常時における一般会計からの繰入れの実施や、平時からの雇用保険制度の趣旨や国の責任を踏まえた、財政安定化に向けた国庫負担の在り方なども議論を行うことが重要と思っておりますので、厚生労働省には、引き続き、丁寧に議論を進めていただくことをお願いしたいと思います。
 以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 平田委員、お願いします。
○平田委員 御説明ありがとうございました。これまでの本部会での議論や、労使の保険料負担への配慮を踏まえ、資料の3ページにある令和8年度の雇用保険料率(案)に異論はなく、妥当だと考えております。それから、雇用保険二事業の剰余を雇用安定資金に2分の1繰入れることも特段異論はないところでございます。
 前回も申し上げましたが、適用拡大の影響や、男性育児休業の取得率の上昇が財政に与える影響を丁寧に見極め、今後の財政運営を検討していただきたいと思います。
 それから、産業構造の転換や人口減少など我が国の現状を踏まえての、今後の課題について申し上げます。失業予防という視点も非常に大事ですが、労働市場も大きく変化してきておりますので、労働移動に伴うリスクをできる限り軽減しながら、雇用のセーフティーネットを労働移動推進型へ移行することは喫緊の課題であると考えております。
 雇用保険制度においては、来年度に暫定措置の期限を迎える給付があると理解しております。単に暫定措置だけではなく、労働市場全体の変化を見ながら、労働移動を促進する観点で、給付の在り方や、雇用保険二事業の役割を検討し制度見直しを進めていくことが重要なのではないかと思っております。来年度の議論に期待しておりますので、御検討いただければと思っております。
 以上です。
○中窪部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今の御意見等につきまして、事務局から何かございますでしょうか。
○堀雇用保険課長 ありがとうございました。令和7年度決算におけます雇用保険二事業の剰余金の取扱い及び令和8年度の雇用保険料率につきましては、本日お示しした事務局案について御異論はなかったものと受け止めております。これを基に、今後対応してまいりたいと考えております。
 また、今後の財政運営につきましても、失業等給付の状況や適用拡大の影響、あるいは雇用安定資金の状況、男性の育児休業取得率の状況など、その時々の様々な状況を勘案して、毎年シミュレーションを行い、丁寧な議論をしていただきたいと考えておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
 また、今、平田委員から御指摘いただきました雇用保険制度全体の在り方につきましても、今後検討してまいりたいと考えております。
 なお、雇用保険料率につきましては、本案をもって、告示に係る作業を行い、改めて年明けの雇用保険部会にお諮りしたいと考えておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○中窪部会長 それでは、本議題につきましては以上とさせていただきます。
 本日予定されている議題は以上となりますが、その他、何かございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、本日の部会を終了といたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参加いただきましてどうもありがとうございました。