- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会) >
- 2025年12月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第639回議事録
2025年12月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第639回議事録
日時
令和7年12月26日(金)9:00~
場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 本田文子委員
- 城山英明委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 永井幸子委員
- 高町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 伊藤徳宇委員
- 茂松茂人委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀨巌委員
- 小阪真二委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦委員
- 小松知子専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 令和8年度診療報酬改定の改定率等について
- 令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について
- 令和8年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について
- 令和8年度薬価制度改革の骨子(案)について
- 令和8年度診療報酬改定への意見について(各号意見)
- その他
議事
(前半)
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第639回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、田島専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、まず、総会におきまして「令和8年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。
その後、一度総会を中断いたしまして、費用対効果評価専門部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会、以上3つの部会をそれぞれ開催いたします。その後に改めて総会を再開し、そのほかの議題の審議を行いたいと思います。
それでは、カメラの頭撮りはこのあたりということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「令和8年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。本件は報告事項となります。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
総-1「診療報酬改定について」を御覧ください。12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定について、以下のとおりとなったということでございます。
少し長いので全文を読ませていただくのは、省略させていただこうと思いますけれども、ポイントだけお話をさせていただきます。
まず、1の診療報酬全体でありますけれども、プラス3.09%であります。今回は、令和8年度と9年度の2年度平均で表記をされておりますが、令和8年度と9年度、段階的に措置をされておりまして、令和8年度の改定率としては2.41%、令和9年度の改定率としては3.7%となります。
そして、※の1~6までございますけれども、※の1が、うち、賃上げ分として1.70%、これも段階的に措置をされておりまして、令和8年度が1.23%、令和9年度が2.18%となります。医療現場での生産性向上の取組と併せて、令和8年度及び令和9年度にそれぞれ3.2%分のベースアップ実現を支援するための措置、看護補助者及び事務職員については、それぞれ5.7%を講じ、施設類型ごとの職員の規模や構成に応じた配分となるよう措置する。
また、うち、0.28%については、医療機関等の賃上げ余力が足元で乏しくなっている中で、るるありますけれども、医療関係職種の賃上げを確実にすべく、賃上げ対応拡充時の特例的な対応として措置するということでございます。
※の2ですが、うち、物価対応分が0.76%、これも令和8年度0.55、令和9年度0.97と段階的な措置となってございます。
令和8年度以降の物価上昇に対して0.62%を充てること。それぞれの施設類型ごとの費用関係データに基づき、以下の配分、病院0.49、医科診療所0.10、歯科診療所0.02、保険薬局0.01とした上で、さらに病院の中でも、その担う医療機能に応じた配分を行うということです。
また、特に高度機能医療を担う病院、大学病院を含むについては、いろいろ理由はございますけれども、0.14%を物価対応本格導入時の特例的な対応として措置することとするということです。
※の3ですけれども、うち、食費・光熱水費分が0.09%でございます。入院時の食事基準額の引上げ等の措置を講じることになってございます。
続いて※の4でございますけれども、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分として0.44%。これについては、配分に当たって令和7年度補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとのメリハリを維持することとされておりまして、病院0.40、医科診療所0.02、歯科診療所0.01、保険薬局0.01ということになります。
5つ目に、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化としてマイナス0.15%。
そして、それ以外の改定分として0.25%ということで、これを各科の医療費に占める割合として表記をしますと、医科が0.28、歯科が0.31、調剤が0.08ということでございます。
薬価等につきましては、薬価がマイナス0.86%、材料が0.01%、合計でマイナス0.87%となります。
これらに関連する事項として、1つ目に、令和9年度における、さらなる調整及び令和10年度以降の経済・物価動向等への対応の検討ということでございますけれども、実際の経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、上記の1~3の特例的な対応を除く部分について、令和9年度予算編成において、加減算を含め、さらなる必要な調整を行うと、そのための調査等を行うということでございます。
また、2つ目に、賃上げの実効性確保のための対応として、令和6年度改定で入院基本料や初診料による賃上げ原資が配分された職種についても、賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築することが求められてございます。
3つ目、医師偏在のための対応でございますけれども、改正医療法に基づいて、外来医師過多区域において無床診療所の新規開業者が都道府県知事からの要請に従わない場合には、診療報酬上の減算措置を講じることで、医師偏在対策の実効性を高めることとするなどの記載がございます。
4つ目に、さらなる経営情報の見える化のための対応も求められております。
そして、大きな4つ目、薬価制度関連事項でございますけれども、令和8年度薬価制度改革及び令和9年度の薬価改定の実施につきましては、令和8年度薬価制度改革において、イノベーションの推進について、製薬企業の予見性を高める観点から、市場拡大再算定の類似品の薬価引下げ、いわゆる共連れを廃止し、薬価改定以外の機会も含め、自品の販売額による市場拡大再算定の対象とすることとするほか、要件の明確化を行う。また、医薬品の安定供給の確保の観点から、最低薬価について物価動向を踏まえた対応等を行う。
さらに上、記の3.①を踏まえ、令和9年度の薬価改定を着実に実施する。その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方については、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減といった要請についてバランスよく対応するとの基本的考え方を踏まえて検討する。
次に、費用対効果評価のさらなる活用でございますけれども、令和8年中に同制度の客観的な検証も踏まえ、既存の比較対象技術と比べて追加的な有用性がなく、単に費用増加となる医薬品に係る価格調整範囲の拡大を図る。引き続き、同制度における適切な評価手法の確立や実施体制の強化を進める中で、対象品目や価格調整の範囲の拡大、診療ガイドラインへの反映を含めた医療現場での普及など、同制度の発展に向けたさらなる見直しについて具体的な検討を進め、令和9年度の薬価改定の中で一定の結論を出す。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
御報告いただき、ありがとうございます。今回の診療報酬改定の発表を受けまして、今後も診療側として、質の高い医療を提供すべく、しっかりと中医協の議論に努めさせていただく所存でございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
政府におかれましては、これまでの医療保険部会、医療部会並びに中医協の議論を踏まえまして、賃金・物価の動向や医療機関の経営状況、さらには保険料負担への影響も念頭に置き、総合的に判断されたものと受け止めております。
今後、中医協において、具体的な診療報酬の中身について、しっかりと議論をさせていただきたいと思っております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
次回以降、この改定率も踏まえて、診療報酬改定の個別項目の議論を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭に申し上げましたとおり、ここで総会を中断いたします。そして、費用対効果評価専門部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会で、それぞれ審議を行っていただいた後に、改めて総会を開きたいと思います。
それでは、本日の総会は、ここで一時中断いたします。
(後半)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
まず「令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
中医協総-2を御覧ください。
先ほど、費用対効果評価専門部会が開催されまして、その際、骨子案の議論をいただきました。
項目でございます。まず、第1の基本的な考え方につきましては、現在の評価品目の数等々をお示ししております。
第2でございますが、具体的な内容に関してであります。
1つ目でありますけれども、費用対効果評価制度の検証についての御報告です。
その上で、2ページ目の(4)でございますが、今後の対応につきましては、関係業界からの意見等を踏まえ、半年程度の技術的な議論を行う。今後は令和8年9月に中医協での検証報告の議論を行い、それを踏まえ、引き続き分析プロセスの見直しを実施していくことと整理をしております。
2つ目に移りまして、分析方法に関する事項を整理しております。
(1)の費用対効果評価終了後の品目指定についての手続の明確化でございます。
続きまして、3ページに進んでいただきまして、比較対照技術の在り方、その選定方法や決定についての整理をしております。
(3)介護費用の取扱いは、今年8月に御議論いただいたレケンビ事例を踏まえまして、引き続き研究、事例収集、議論ということで整理をしております。
(4)追加適用性につきましては、比較技術に対する健康アウトカム指標での改善としております。
(5)番、不確実性を踏まえた対応については、記載のとおり、これまでどおりでございますけれども、ICERを用いて評価し、不確実性の検討を含めて総合的評価を行うことを基本とし、2つ目の○にありますとおり、利便性についてICERで十分に評価されているかは、諸外国の状況を踏まえ、引き続き検討するとしております。
4ページ目に進んでいただきまして、リアルワードデータについては、記載のとおりの整理です。
(7)番、価格調整の対象範囲の在り方でございますけれども、引上げの条件につきましては、従来の記載でございます、対象品目の薬理作用等が比較対照技術と異なり、従来の記載から、対象品目の薬理作用等が比較対照技術と異なり、臨床上有用な新規の作用機序を有すること、対象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術と異なり、臨床上有用な新規の機序を有することとさせていただいております。
次のページでございますが、費用対効果をより活用していく観点から追加適用性が示されず、ICERの区分が費用増加となった分析対象集団の価格調査について、有用性系加算部分に価格調整係数を乗じる現行の方法ではなく、例えば、以下の方法を含め、政策決定の透明性や責務説明責任を高めるよう、検証を踏まえつつ見直しを図る。ただし、令和8年4月以降に、評価結果が中医協に報告された品目については、例外的に施行を保留とし、令和8年9月に中医協での検証報告の議論が終わった後、具体的な方法の詳細について定めた上で、価格調整を実施することとしております。
具体的な例については、記載のとおりとなってございます。
配慮が必要な対象、それから、医療機器の特性に応じたについては、8及び9の記載のとおりでございます。
費用対効果評価の結果の活用につきましては、10にありますとおり、必要な情報提供を行うとともに、各学会における診療ガイドラインへの経済性評価の反映や、診療現場での普及を促進するとしております。
最後、3でございます。
分析体制の充実に関する事項については、記載のとおり、3つにまとめさせていただいております。
事務局からは以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度保険医療材料改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
総-3、保険医療材料制度改革の骨子案につきまして、先ほど専門部会で御議論をいただいたところでございます。かいつまんで御説明いたします。
まず、第1でございますけれども、基本的な考え方として、これまでの取組、近年の医療機器及び体外診断用医薬品を取り巻く状況、今回改定での検討について記載しております。
第2の具体的な事項に移ります。主なものについての御説明となります。
まず「1.イノベーションの評価」でございますが、(1)チャレンジ申請、これにつきましてはデータ収集方法、データ提出方法、手続についての整理、明確化を図ってございます。
続きまして、2ページ以降の特定保険医療材料の補正加算でございますが、こちらは、有用性系加算の試行案については、これまでの運用を踏まえまして、本資料の7ページ以降の別添資料のとおりの明確化を図るとしております。
(3)新たな医療機器や体外診断用医薬品を用いた医療技術の評価でございますが、現行、令和7年度から研究班を実施しているということで、この報告を踏まえつつ、引き続き検討としてございます。
(4)番、体外診断用医薬品の保険適用における評価基準については、療担規則の趣旨を踏まえて記載のとおりの明確化としてございます。
(5)番、希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診用医薬品の評価でございますけれども、再生医療等製品の適用判定の補助に必要な検査に適用を拡大するとしております。
また、診療報酬改定の際の技術料の見直しに当たって、希少性の評価についての考え方を明確化しているところでございます。
「2.プログラム医療機器の評価」でございますが、(1)で、このプログラム医療機器の診療報酬上の評価につきましては、令和6年度改定で基準ができております。そういったものを踏まえて検討するということでございます。
(3)プログラム医療機器の原価計算に含めるべき費用の対象範囲については、これまでの事例数が限られているということも踏まえまして、引き続き、事例を集積しつつ、費用構造についての実態を把握することを検討いたします。
「3.医療機器の安定供給に係る事項」です。
(1)小児用医療機器については、その特殊性を考慮しまして、原価計算方式による算定というのを製造販売業者が希望する要件の緩和ということで、御提案をしているところでございます。
(2)不採算品再算定につきまして、対象品目選定の基準がございますが、そのうちの代替困難性に関する要件というところで、同一機能区分内のシェア状況を踏まえた考え方を整理しております。
令和6年度改定におきましては、1社でシェアの大半を占める場合のパターン1について明確化を図りまして、今回の改定では上位2社で同一区分内のシェアの大半を占める場合に、両者が供給困難な場合には、代替困難性に関する要件を満たすとしております。
4ページで(3)逆ざやとなっている機能区分への対応でございますが、こちらはパターン1、パターン2ではなくて、シェアが分散している場合のパターン3において、市場実勢価格の加重平均や、平均値や物価変動等を参考にしつつ、保険償還価格を設定するとしております。
「4.内外価格差等の是正」につきましては、既収載品に係る外国価格再算定における各国の平均価格の算出を加重平均により算出するとしております。
続きまして「5.市場拡大再算定」でございます。
(1)特定保険医療材料についての機能区分見直しを行った場合等の基準年間販売額の考え方の整理を行っておりますし、また、チャレンジ申請により再評価を受けて原価計算方式の場合の算定であっても対象になるということを明確化しております。
(2)番の技術料包括の医療機器及び体外診断用医薬品の技術料の見直しにつきましては、算定式を設定するということで、物に係る部分の金額の割合で、そのもの代のみに対して再算定をする式となっております。
「6.保険適用の手続に係る事項」でございます。
医療技術評価分科会に審議を求めるものとしての例示を追加、それから、保険適用時期や保険適用希望書に係る事項、不服に関する手続を記載しております。
7は、その他事項としての機能区分の見直しとなります。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料総-4を御覧ください。
先ほど、薬価専門部会において、「令和8年度薬価制度改革の骨子(案)」を了承いただきました。骨子案の概要を御説明いたします。
まず、1ページ目でございますが、「第1 基本的な考え方」では、これまでの薬価専門部会における議論、骨太の方針2025を踏まえ、令和8年度薬価制度改革を行うこととしております。
次に「第2 具体的な内容」でございます。
「1.国民負担の軽減と創薬イノベーションを両立する薬価上の適切な評価」といたしまして「(1)薬価算定方法」では「① 類似薬効比較方式における算定方法」について、比較薬の補正加算を控除した上で、1日薬価を合わせた上で、必要があれば、新薬の補正加算を可能とするというものにしております。
それから「② 革新的新薬の評価方法」、2ページ目「③ 原価計算方式における開示度の向上」につきましては、次期薬価制度改革において検討する。
④原価計算方式における販売費及び一般管理販売費の取扱いについては明確化するとしております。
「(2)新薬の薬価収載時・薬価改定時における評価」につきましては、①希少疾病用医薬品の指定範囲が小児のみを対象とする場合を除き、市場性加算(Ⅰ)と小児加算の併算定を可能とする。
②規格間調整のみによる薬価算定において、市場性加算(Ⅰ)、先駆加算または迅速導入加算を評価可能とする。
3ページ目に移りまして、③標準的治療法に関する加算の評価について、薬価改定時にも評価できるようにする。
④外国平均価格調整におけるドイツの価格は、価格調整後の価格を参照することとする。
⑤報告品目及び後発品の薬価算定において、専門的見地からの検討が必要な場合には、薬価算定組織での検討を経ることを規定として定めるとしております。
続きまして「(3)新薬創出・適応外薬解消等促進加算」におきましては、特許期間中の革新的な新薬の薬価が維持されることをより分かりやすくするため、制度名を「革新的新薬薬価維持制度」に変更する。
4ページ目、品目要件につきましては、一部の要件を削除し、控除につきましては、従来どおり行う。
②、ルールの適用順を変更するとしております。
「(4)市場拡大再算定」につきましては、①市場拡大再算定の特例につきましては、イノベーションの評価と国民皆保険の維持を両立するための対応という趣旨を明確化するため、制度の名称を変更する。
それから、5ページ目に移りまして、市場拡大再算定の類似品、いわゆる共連れにつきましては廃止をし、市場拡大再算定対象品目の薬理作用類似薬につきましては、NDBで使用量を把握し、薬価改定以外の機会も含め、再算定を実施する。
③原則、希少疾病、小児の効能等の追加のみをもって、市場拡大再算定の対象品目に該当するとは判断していないこれまでの運用を明確化する。
④薬価改定の際以外の再算定の実施頻度は維持する。
⑤再生医療等製品に対する市場拡大再算定につきましては、再生医療等製品の特徴等を踏まえつつ、次期薬価制度改革において検討するとしております。
続きまして、6ページに移っていただきまして「(5)イノベーションの推進に向けた長期収載品の薬価の更なる適正化」につきましては、①イノベーションの推進に向けて、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却促進の観点から、後発品上市後5年を経過した長期収載品の薬価につきましては、後発品置換率によらず、G1ルールを適用し、後発品の加重平均薬価を基準として段階的に引下げることとする。Z2、G2ルールは廃止をする。
②引下げの下限及び円滑実施措置は廃止するが、令和8年度の薬価改定に限り運用する。
7ページ目、③バイオシミラーが収載されているバイオ先行品につきまして、G1ルールを適用するとしております。
(6)オーソライズド・ジェネリック、いわゆるAG、それから、バイオAGの取扱いでございますが、①、②今後収載されるバイオAG、AGにつきましては、先発品の薬価と同額で算定をする。
③先発品の薬価と同額で算定されましたバイオAG、AGにつきましては、薬価改定時に先発品の価格と加重平均を行うとしております。
8ページに移っていただきまして「2.後発品を中心とした医薬品の安定供給確保のための対応」でございます。
(1)後発品の価格帯集約につきまして、注射薬、バイオシミラーにつきましては、最高薬価の30%を下回る算定額となる品目の価格帯集約を除きまして、価格帯集約を行わない。
(2)薬価の下支え制度の充実につきましては「①最低薬価」について、外用塗布剤の最低薬価の設定、点眼・点鼻・点耳液の点眼薬の最低薬価の適用、それから、最低薬価について引上げることとしております。
「②不採算品再算定」でございます。該当する類似薬のシェアが5割以上であって、他の要件を満たす場合は不採算品再算定の対象とし、平均乖離率を超える品目は、不採算品再算定の対象外とすると。
不採算品再算定の適用につきましては、具体的な対象品目は基礎的医薬品、重要供給確保医薬品、特定の企業からの供給が途絶えたときに代替供給を確保することが困難な品目等を基本とすることとしております。
9ページ目「3.その他の課題」でございます。
「(1)高額の医薬品に対する対応」につきましては、年間1,500億円の市場規模を超えると見込まれるような高額な医薬品に対する対応を継続し、高額な医薬品に対するこれまでの対応を規定化すること。
薬価調査における販売額が持続可能性特例価格調整の販売額の要件に該当する品目のうち、保険診療外での使用が一定数見込まれるものにつきましては、NDBでの使用量を把握し、薬価改定以外の機会も含め、持続可能性特例価格調整等を実施することとする。
「(2)医薬品流通に関する課題」「(3)販売包装単位の適正化」、これらについては引き続き検討。
「(4)イノベーションの適切な評価」につきましては、アメリカの最恵国価格政策に関しまして機動的な対応ができるよう、引き続き検討としております。
「4.診療報酬改定がない年の薬価改定」につきましては、12月24日の「大臣折衝事項」に基づき、令和9年度の薬価改定は着実に実施することとする。
その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方につきましては、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減といった要請について、バランスよく対応するとの基本的な考え方を踏まえて検討することとするとしております。
御説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度診療報酬改定への意見について(各号意見)」を議題といたします。
本日は、1号側委員、2号側委員、それぞれから、令和8年度診療報酬改定に関する意見が提出されております。
これらは、中医協として1つの意見にまとめるものではなく、今後、診療報酬改定の個別項目の議論を行っていくに当たりまして、改めて、各号から意見を整理して提出していただいたというものであります。極めて短い期間にまとめていただいてありがとうございました。次回以降、これらの意見を踏まえながら、議論をさらに深めていきたいと思います。
それでは、まず、1号側委員から説明をお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
令和8年度診療報酬改定の基本方針、これまでの中医協の議論を踏まえまして、支払側委員7名で意見を取りまとめました。代表しまして、松本のほうから述べさせていただきます。
資料は総-5-1を御覧ください。
まず、全体の構成でございますが、最初から「基本的な考え方」「重点事項」「個別事項」となっております。
重点事項としては、医科、歯科、調剤、在宅医療、賃上げへの対応、物価上昇への対応の6項目、その後に個別事項として、医療DX以下11項目について意見を取りまとめております。
ここでは、基本的な考え方、また、重点項目について意見を申し上げ、我々の思い、考えを御理解いただきたいと思います。
それでは、まず、基本的な考え方です。
社会保障審議会の医療保険部会、医療部会が定めた基本方針において、「物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」が重点課題とされ、政府予算編成の大臣折衝において、診療報酬本体引上げ財源の大部分を賃上げと物価への対応に充当することが合意された。現下の経済状況に即応して医療サービスの対価としての正当性を担保し、費用を負担する患者・国民と事業主が納得できるよう、確実な賃上げやきめ細かい物価高への対応を行い、その結果を検証できる仕組みにするべきである。
一方で、国民皆保険制度と医療提供体制の持続可能性を両立することも重要である。そのためには、外来受診の抑制や残薬対策、短時間・頻回な訪問看護の是正、門前薬局や敷地内薬局の合理化等を通じた適正化の徹底が不可欠である。医療の質を確保しつつ効率化するためには、医療DXやICT連携の本格的な活用とAI等による生産性向上が課題である。さらに、かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想をはじめとする、2040年頃を見据えた医療提供体制の再構築も意識するべきである。医療機能の強化・分化・連携を推進して地域の医療ニーズを過不足なく充足することは、限られた医療資源を有効活用するものであり、医療機関の健全な運営にとっても必要な要素である。メリハリのある診療報酬により政策課題の解決に取り組むべきである。
まず、入院医療についてです。
人口構造と医療ニーズの変化に合わせて機能の分化・連携・集約化を進め、医療資源の配置を最適化することが必要である。手術なし症例や救急搬送への対応を「重症度、医療・看護必要度」に反映する等の修正を行いつつ、引き続き患者の状態と医療資源の投入量に応じた病棟機能の評価を維持した上で、新たな地域医療構想で目指すべき方向性や病院の機能や規模による経営状況の違いも踏まえ、全身麻酔手術と救急搬送受入れの実績を主な指標として、これまで以上に病院機能を重視した評価体系に見直すことにより、ケアミックスの在るべき姿も念頭に入れて、病院の再編・統合につなげるべきである。
次に、外来医療です。
かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想、医師偏在是正に向けた総合対策を念頭に、限られた医療資源で医療ニーズを過不足なく充足する必要がある。
かかりつけ医機能報告制度の要素を指標にした段階的な加算により、診療所と中小病院の体制・実績の評価にメリハリをつけることで、かかりつけ医機能の発揮を促すことが重要である。その際、外来医師過多区域で開業する場合に都道府県の要請に応じなかった場合の経済的なディスインセンティブとして、当該加算の算定を制限することが考えられる。
患者の納得を得る観点から、診療実績に基づいて生活習慣病管理料Ⅰを適正化することや、医薬分業のインセンティブとしての役割を終えた処方箋料の更なる引下げ、特定疾患療養管理料のさらなる見直し、外来管理加算の廃止または包括化を進めるべきである。患者の通院負担を軽減する観点からは、長期処方とリフィル処方・分割調剤について、疾患や薬剤の特性に応じて使い分けながら一体的に活用を推進することや、オンライン診療や遠隔医療について、有効な場面や方法を想定しながら適切に活用の幅を広げていくことも必要である。
大病院の逆紹介に関連する減算を厳格化することや、二人主治医制の活用により、地域の診療所や中小病院との役割分担を推進することも重要である。
次は、歯科です。
ライフステージや個々の患者の特性によって口腔機能の課題が異なることを踏まえ、限られた歯科医療資源で充実が必要な領域や適正化の余地がある領域を判断し、メリハリのある評価により、多様な歯科医療ニーズを過不足なく充足することが重要である。
歯科疾患管理料について、歯科医師の手間が初診と再診で変わらないのであれば、初診減算の廃止と合わせて再診時の評価を適正化するべき。継続的な歯科疾患の管理という趣旨が徹底されるよう、算定対象となる患者像を明確化し、初診時に管理計画を患者に説明して理解を得ることも必要である。
次は、調剤です。
医療機関に依存する門前薬局から脱するために、10年前に厚労省が「患者のための薬局ビジョン」で掲げた「2025年までに全ての薬局がかかりつけ薬局の機能を持つ」との目標は達成できておらず、むしろ敷地内薬局まで現れて目標に逆行している状況である。同ビジョンでは、今後10年で薬局の立地を門前から地域へ移行させる目標も掲げられており、まずは早急に医療機関からの経営的な独立を担保する必要がある。病院と薬局の薬剤師偏在を是正することも念頭に入れ、大都市に小規模乱立する薬局を大規模化して薬局業務を効率化することも重要である。さらに、地域の医薬品供給拠点としての役割や一元的な服薬管理等の在宅を含めた本来の「かかりつけ薬剤師」機能を効果的に発揮できるようにすべきである。
次は、在宅医療です。
さらなる高齢化により在宅医療のニーズの増加は確実であり、医療資源と財源に限りがあることを踏まえ、訪問診療・往診、訪問看護、歯科、調剤いずれも、多くの医療機関・薬局の参画を促すとともに、患者の状態や提供する医療やケアの内容、施設と自宅の訪問先の違い等を踏まえたメリハリのある評価とすることが重要である。特に短時間で効率的な訪問を繰り返す場合の評価は適正化する必要がある。
次は、賃上げへの対応です。
医療機関に勤務する労働者の確実な賃上げに向けて、検証が可能な手当ての仕組みを創設するべき。その際、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料は幅広い職種を対象とし、統合した分かりやすい報酬体系とすることや、夜勤における人材確保に向けて夜勤手当の増額等の対応が考えられる。月額給与の引上げに伴い賞与を減額する等の不適切な運用が生じないよう、正当な処遇改善を担保する要件を設定することも必要である。
最後に、物価上昇への対応です。
医療機関の機能等により物価高の影響が異なることを踏まえ、費用構造の違いを反映した手当とするべきである。物価水準は常に変動するものであり、長期推移も念頭に置き、物価上昇率の見込み値と実績値に差異が生じることを想定した検討も必要である。
なお、個別事項については資料を御覧いただきたいと思います。
最後となりますが、今回の改定を通じて、基本方針にも記載されております4つの基本的視点と具体的方向性、すなわち、物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、2040年頃を見据えた医療機関等の機能の分化、連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進、安心・安全で質の高い医療の推進、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上の実現に必ずやつなげたいと考えております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、2号側委員から御説明をお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
それでは、2号側を代表して、意見を述べさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。
「国民が望み納得できる、安心・安全で良質な医療を安定的に提供するための令和8年度診療報酬改定に対する二号(診療側)委員の意見」について、説明いたします。
意見は、医科、歯科、調剤の順に、それぞれ基本的考えと具体的検討事項という構成になっております。
まず、医科については私から、次に歯科については大杉委員から、最後に調剤については森委員から説明をいたします。
それでは、医科について、意見の中核となる基本的考え方を読み上げさせていただきます。
資料の1ページとなります。
基本的考え方。
我が国では世界に類を見ない少子高齢社会が進展し、人生100年時代を迎えようとしている。国民が幸せな生活を持続するために、安心して医療・介護を受けられるようにすることは不可欠である。そして、日本の「国民皆保険」という財産を守り抜き、次世代へつないでいかなければならない。
しかし、昨今、急激な物価高騰・人件費上昇が見られる中、これまで適正化の名の下、社会保障費は削られ続け、診療報酬改定が追いついていないため、医療機関は経営状況が著しくひっ迫しており、過去に例を見ない閉院や倒産が続いている。
診療報酬は、国民にとって安心・安全で質の高い医療を提供するための原資であり、原則2年ごとに改定される際に、その間の2年間の賃金や物価の動向が適切かつ十分に反映されるものでなければならない。
社会保障審議会が本年12月9日に取りまとめた「令和8年度診療報酬改定の基本方針」の基本認識では、現下、日本経済は持続的な物価高騰・賃金上昇の中にあり、30年続いたコストカット型経済から脱却し、新たなステージに移行しつつあるとされた。一方で、医療分野は公定価格によるサービス提供が大宗を占めているため、この経済社会情勢の変化に機動的な対応を行うことが難しく、サービス提供や人材確保に大きな影響を受けていることから、医療機関等の経営の安定や現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながる的確な対応が必要とされている。
その上で、安心・安全で質の高い医療を実現するためには、医療技術の進歩や高度化を国民に還元するとともに、医療現場においてICT等を活用し、さらなる医療DXを進めていくことが必要である。
そして高齢者人口がピークを迎える2040年の医療提供体制の展望を見据え、実効性のある医師・医療従事者の働き方改革を推進し、総合的な医療提供体制改革を遂行することで持続可能な制度を実現し、社会保障の更なる充実を図ることも重要である。
以上を踏まえ、令和8年度診療報酬改定では、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要な財源を配分すべきであり、医療者として地域医療を面で守る使命感と倫理観に基づき、国民に質の高い医療を提供し、我が国の医療制度を維持・発展させるため、以下に示す事項を基本方針として捉え、その実現に向けて取り組むことを求める。
なお、これまで中医協で検討してきた項目については、現下の論点を幅広く議論してきたものであるが、医療機関が置かれている窮状を認識した上での優先順位等を前提に、議論したものであっても実施しないものが出てくることは当然である。
以下、項目のみ紹介いたします。
1.診療報酬体系の見直し。
2.あるべき医療提供体制コスト等(医業の再生産費用を含む)の適切な反映。
3.大病院、中小病院、診療所がおのおのに果たすべき機能に対する適切な評価と、地域の医療提供システムの運営の安定化。
4.医師・医療従事者の働き方の実状を踏まえた診療報酬上の対応。
5.小児・周産期医療の充実。
6.不合理な診療報酬項目の見直し。
7.その他必要事項の手当。
具体的検討事項に関しては、時間の制約もありますので、説明を割愛させていただきます。
医科については、以上です。
続けて、歯科について、大杉委員から説明していただきたいと思います。
○大杉委員
ありがとうございます。
歯科における基本的考え方を大杉のほうから述べさせていただきます。
資料の10ページを御覧ください。
歯科、基本的な考え方。
社会保障審議会(医療部会・医療保険部会)が取りまとめた令和8年度診療報酬改定の基本認識には「2040年頃を見据えた、全ての地域・世代の患者が適切に医療を受けることが可能かつ、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築」が掲げられている。
少子高齢化・人口減少といった人口構造の変化が急速に進む中、社会の活力を維持・向上し、全世代型社会保障を構築する鍵は「健康寿命の延伸」であり、口腔の健康が全身の健康及び健康寿命の延伸に寄与する多くのエビデンスが示される中、歯科医療の果たす役割や責務は非常に大きいと考える。
具体的には、ライフコースに応じたう蝕や歯周病を含めた口腔疾患の重症化予防及び口腔機能の獲得・維持・向上に資する歯科医療を「かかりつけ歯科医」が中心となって提供することが重要である。また、超高齢社会において増加する要介護者や基礎疾患を有する高齢者への歯科医療や口腔健康管理への対応等を通じ、生活の質の向上に寄与することも責務である。そして、歯科医療機関を受診する患者像が多様化する中、かかりつけ歯科医を含めた多職種連携の強化は重要で、地域において面で支える医療を確立し、歯科医療やサービスを提供する場が変わっても、連携の下、必要な医療を切れ目なく提供することができる体制を構築する必要がある。
歯科医療においても、医療DXの推進による医療情報の有効活用、ICTの利活用、オンライン診療の推進は重要な課題であり、令和8年度診療報酬改定においてさらに推進していくべきである。また、新型コロナウイルス感染拡大時の対応を踏まえ、新興・再興感染症の発生、蔓延時にも切れ目なく歯科医療が提供できるよう、平時からの連携協力を含めた歯科医療提供体制を強化することが重要と考える。
一方で、基本的視点の重点課題である「物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」について、その具体的方向性として「医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応」及び「賃上げや業務効率化・負担軽減等の業務改善による医療従事者の人材確保に向けた取組」が示されている。昨今の急激な物価上昇により歯科医療機関の経営状況は悪化しており、医療経済実態調査の結果からも、個人立歯科診療所においては収入の増加を費用の増加が上回り、設備投資やスタッフの処遇改善もままならない厳しい経営状況が続いていることが明らかになった。歯科医療従事者の賃上げは、他産業の水準に追いついておらず、かつ求人倍率も高止まりしている状況であり、歯科医療関係職種にも応分の対応が急務である。
今後も「国民の健康な生活を支える」という歯科医療提供者の本来の責務を持続的に果たしていくため、以下に掲げる事項を基本方針と定め、歯科診療報酬について所要の改定を求めるとしたところであります。
以下、個別項目及び具体的検討事項について、23項目記載してありますが、後ほど御高覧していただければと思います。
私からは、以上でございます。
○森委員
それでは、保険薬局における調剤報酬関係と病院、診療所における薬剤師業務関係について、私から述べさせていただきます。
まず、保険薬局における調剤報酬関係です。基本的な考え方になります。
現下の物価高騰・賃上げ等の影響により薬局の経営は年々厳しさを増しており、医薬品の仕入価の高騰、「逆ザヤ」品目の急増及び毎年の薬価改定により、薬局の経営状況は極めて逼迫している。薬局の経営を安定させ、医薬品供給拠点としての機能を維持すること、従業員の賃上げを確実に実施できることが必要である。
薬剤師・薬局は国民・患者のための医薬分業を推進しつつ、地域の医薬品提供体制を担い、かかりつけ機能を強化し、患者への個別最適化した薬物療法の提供や医療DXを活用した医療機関等との連携強化、多職種連携による適切な医療提供に向け、薬剤師・薬局機能の向上や薬局間連携の推進に一層取り組まなければならない。
また、国民・患者が住み慣れた地域で療養環境に関わらず必要な医療・介護が受けられ、安全・安心に医薬品を使用できるよう、かりつけ機能を基本とした薬剤師・薬局による適切な薬物療法の提供に資する業務の推進や適切な医薬品提供体制を確保することが必要である。
医薬品の供給不安の中でも国民・患者に必要な医薬品を確保できる薬局の体制整備、後発医薬品の使用率の維持・さらなる使用促進のため、以下の事項を基本とする取組を進めていくことを求める。
以下の事項に関しては、御覧いただければと思います。
続きまして、病院・診療所における薬剤師業務関係になります。
高齢化に伴う医療・介護ニーズの変化や物価の高騰・人件費の増加等、医療機関を取り巻く環境は一層厳しさが増している。また、2040年頃の医療・介護提供体制を見据えた入院・外来・在宅医療・介護との機能分化や連携を含めた地域での良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の構築に向けて、これらの基盤となる医療DXの推進も課題となっている。
令和6年4月から実施された第8次医療計画には薬剤師の確保が明記されており、各地域で様々な薬剤師確保・偏在対策が進められているものの医療機関に従事する薬剤師の不足及び偏在問題は深刻で、あらゆる機会を捉えて就労環境の改善に努めることが求められている。シームレスな薬物治療管理体制の構築に向けて、各医療機関が充実した病棟業務を展開してこそ、施設間連携が機能すると考えられ、薬剤師業務のより一層の充実が必要となる。
よりよい医療環境の構築のため、以下に示す事項を基本方針として、その実現に向けた環境の整備を求める。
以下の事項に関しては、御覧いただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
ただいま、1号側、2号側それぞれから令和8年診療報酬改定についての御意見を説明していただきました。
それぞれにつきまして、本日は議論しないことにいたしましょう。それで、次回以降、いただいた御意見を踏まえて、診療報酬改定の個別の項目の議論を進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。その他として資料総-6を御覧ください。「中医協公聴会の開催について」でございます。
8年度診療報酬改定に当たり、医療の現場や患者等国民の声を反映させるため、中医協委員が国民の声を聴く機会を設定することを目的として公聴会を開催することとしております。
今回改定に向けた開催日時としては、令和8年1月21日を予定させていただきたいと思います。
開催方法といたしましては、オンライン開催でございますけれども、石川県を中心とした北陸地方の意見陳述者をできるだけ募りまして、こういった方々の御意見、発表をいただきたいと考えてございます。
その他、詳細につきましては、資料のとおりでございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようでしたら、事務局から説明があった方向で準備を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
最後だと思いますので、皆さん1年間、どうもお世話になりました。皆さん、よいお年をお迎えください。
では、1月に、また再開したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○小塩会長
おはようございます。ただいまより、第639回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、鈴木委員、田島専門委員が御欠席です。
本日の中医協総会につきましては、まず、総会におきまして「令和8年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。
その後、一度総会を中断いたしまして、費用対効果評価専門部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会、以上3つの部会をそれぞれ開催いたします。その後に改めて総会を再開し、そのほかの議題の審議を行いたいと思います。
それでは、カメラの頭撮りはこのあたりということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「令和8年度診療報酬改定の改定率等について」を議題といたします。本件は報告事項となります。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。
総-1「診療報酬改定について」を御覧ください。12月24日の予算大臣折衝を踏まえて、令和8年度の診療報酬改定について、以下のとおりとなったということでございます。
少し長いので全文を読ませていただくのは、省略させていただこうと思いますけれども、ポイントだけお話をさせていただきます。
まず、1の診療報酬全体でありますけれども、プラス3.09%であります。今回は、令和8年度と9年度の2年度平均で表記をされておりますが、令和8年度と9年度、段階的に措置をされておりまして、令和8年度の改定率としては2.41%、令和9年度の改定率としては3.7%となります。
そして、※の1~6までございますけれども、※の1が、うち、賃上げ分として1.70%、これも段階的に措置をされておりまして、令和8年度が1.23%、令和9年度が2.18%となります。医療現場での生産性向上の取組と併せて、令和8年度及び令和9年度にそれぞれ3.2%分のベースアップ実現を支援するための措置、看護補助者及び事務職員については、それぞれ5.7%を講じ、施設類型ごとの職員の規模や構成に応じた配分となるよう措置する。
また、うち、0.28%については、医療機関等の賃上げ余力が足元で乏しくなっている中で、るるありますけれども、医療関係職種の賃上げを確実にすべく、賃上げ対応拡充時の特例的な対応として措置するということでございます。
※の2ですが、うち、物価対応分が0.76%、これも令和8年度0.55、令和9年度0.97と段階的な措置となってございます。
令和8年度以降の物価上昇に対して0.62%を充てること。それぞれの施設類型ごとの費用関係データに基づき、以下の配分、病院0.49、医科診療所0.10、歯科診療所0.02、保険薬局0.01とした上で、さらに病院の中でも、その担う医療機能に応じた配分を行うということです。
また、特に高度機能医療を担う病院、大学病院を含むについては、いろいろ理由はございますけれども、0.14%を物価対応本格導入時の特例的な対応として措置することとするということです。
※の3ですけれども、うち、食費・光熱水費分が0.09%でございます。入院時の食事基準額の引上げ等の措置を講じることになってございます。
続いて※の4でございますけれども、令和6年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分として0.44%。これについては、配分に当たって令和7年度補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとのメリハリを維持することとされておりまして、病院0.40、医科診療所0.02、歯科診療所0.01、保険薬局0.01ということになります。
5つ目に、後発医薬品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化としてマイナス0.15%。
そして、それ以外の改定分として0.25%ということで、これを各科の医療費に占める割合として表記をしますと、医科が0.28、歯科が0.31、調剤が0.08ということでございます。
薬価等につきましては、薬価がマイナス0.86%、材料が0.01%、合計でマイナス0.87%となります。
これらに関連する事項として、1つ目に、令和9年度における、さらなる調整及び令和10年度以降の経済・物価動向等への対応の検討ということでございますけれども、実際の経済・物価の動向が令和8年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、上記の1~3の特例的な対応を除く部分について、令和9年度予算編成において、加減算を含め、さらなる必要な調整を行うと、そのための調査等を行うということでございます。
また、2つ目に、賃上げの実効性確保のための対応として、令和6年度改定で入院基本料や初診料による賃上げ原資が配分された職種についても、賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築することが求められてございます。
3つ目、医師偏在のための対応でございますけれども、改正医療法に基づいて、外来医師過多区域において無床診療所の新規開業者が都道府県知事からの要請に従わない場合には、診療報酬上の減算措置を講じることで、医師偏在対策の実効性を高めることとするなどの記載がございます。
4つ目に、さらなる経営情報の見える化のための対応も求められております。
そして、大きな4つ目、薬価制度関連事項でございますけれども、令和8年度薬価制度改革及び令和9年度の薬価改定の実施につきましては、令和8年度薬価制度改革において、イノベーションの推進について、製薬企業の予見性を高める観点から、市場拡大再算定の類似品の薬価引下げ、いわゆる共連れを廃止し、薬価改定以外の機会も含め、自品の販売額による市場拡大再算定の対象とすることとするほか、要件の明確化を行う。また、医薬品の安定供給の確保の観点から、最低薬価について物価動向を踏まえた対応等を行う。
さらに上、記の3.①を踏まえ、令和9年度の薬価改定を着実に実施する。その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方については、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減といった要請についてバランスよく対応するとの基本的考え方を踏まえて検討する。
次に、費用対効果評価のさらなる活用でございますけれども、令和8年中に同制度の客観的な検証も踏まえ、既存の比較対象技術と比べて追加的な有用性がなく、単に費用増加となる医薬品に係る価格調整範囲の拡大を図る。引き続き、同制度における適切な評価手法の確立や実施体制の強化を進める中で、対象品目や価格調整の範囲の拡大、診療ガイドラインへの反映を含めた医療現場での普及など、同制度の発展に向けたさらなる見直しについて具体的な検討を進め、令和9年度の薬価改定の中で一定の結論を出す。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
ありがとうございます。
御報告いただき、ありがとうございます。今回の診療報酬改定の発表を受けまして、今後も診療側として、質の高い医療を提供すべく、しっかりと中医協の議論に努めさせていただく所存でございます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
政府におかれましては、これまでの医療保険部会、医療部会並びに中医協の議論を踏まえまして、賃金・物価の動向や医療機関の経営状況、さらには保険料負担への影響も念頭に置き、総合的に判断されたものと受け止めております。
今後、中医協において、具体的な診療報酬の中身について、しっかりと議論をさせていただきたいと思っております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ほかには特に御質問等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
次回以降、この改定率も踏まえて、診療報酬改定の個別項目の議論を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭に申し上げましたとおり、ここで総会を中断いたします。そして、費用対効果評価専門部会、保険医療材料専門部会、薬価専門部会で、それぞれ審議を行っていただいた後に、改めて総会を開きたいと思います。
それでは、本日の総会は、ここで一時中断いたします。
(後半)
○小塩会長
それでは、総会を再開いたします。
まず「令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
中医協総-2を御覧ください。
先ほど、費用対効果評価専門部会が開催されまして、その際、骨子案の議論をいただきました。
項目でございます。まず、第1の基本的な考え方につきましては、現在の評価品目の数等々をお示ししております。
第2でございますが、具体的な内容に関してであります。
1つ目でありますけれども、費用対効果評価制度の検証についての御報告です。
その上で、2ページ目の(4)でございますが、今後の対応につきましては、関係業界からの意見等を踏まえ、半年程度の技術的な議論を行う。今後は令和8年9月に中医協での検証報告の議論を行い、それを踏まえ、引き続き分析プロセスの見直しを実施していくことと整理をしております。
2つ目に移りまして、分析方法に関する事項を整理しております。
(1)の費用対効果評価終了後の品目指定についての手続の明確化でございます。
続きまして、3ページに進んでいただきまして、比較対照技術の在り方、その選定方法や決定についての整理をしております。
(3)介護費用の取扱いは、今年8月に御議論いただいたレケンビ事例を踏まえまして、引き続き研究、事例収集、議論ということで整理をしております。
(4)追加適用性につきましては、比較技術に対する健康アウトカム指標での改善としております。
(5)番、不確実性を踏まえた対応については、記載のとおり、これまでどおりでございますけれども、ICERを用いて評価し、不確実性の検討を含めて総合的評価を行うことを基本とし、2つ目の○にありますとおり、利便性についてICERで十分に評価されているかは、諸外国の状況を踏まえ、引き続き検討するとしております。
4ページ目に進んでいただきまして、リアルワードデータについては、記載のとおりの整理です。
(7)番、価格調整の対象範囲の在り方でございますけれども、引上げの条件につきましては、従来の記載でございます、対象品目の薬理作用等が比較対照技術と異なり、従来の記載から、対象品目の薬理作用等が比較対照技術と異なり、臨床上有用な新規の作用機序を有すること、対象品目の基本構造や作用原理が比較対照技術と異なり、臨床上有用な新規の機序を有することとさせていただいております。
次のページでございますが、費用対効果をより活用していく観点から追加適用性が示されず、ICERの区分が費用増加となった分析対象集団の価格調査について、有用性系加算部分に価格調整係数を乗じる現行の方法ではなく、例えば、以下の方法を含め、政策決定の透明性や責務説明責任を高めるよう、検証を踏まえつつ見直しを図る。ただし、令和8年4月以降に、評価結果が中医協に報告された品目については、例外的に施行を保留とし、令和8年9月に中医協での検証報告の議論が終わった後、具体的な方法の詳細について定めた上で、価格調整を実施することとしております。
具体的な例については、記載のとおりとなってございます。
配慮が必要な対象、それから、医療機器の特性に応じたについては、8及び9の記載のとおりでございます。
費用対効果評価の結果の活用につきましては、10にありますとおり、必要な情報提供を行うとともに、各学会における診療ガイドラインへの経済性評価の反映や、診療現場での普及を促進するとしております。
最後、3でございます。
分析体制の充実に関する事項については、記載のとおり、3つにまとめさせていただいております。
事務局からは以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度保険医療材料改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○梅木医療技術評価推進室長
事務局でございます。
総-3、保険医療材料制度改革の骨子案につきまして、先ほど専門部会で御議論をいただいたところでございます。かいつまんで御説明いたします。
まず、第1でございますけれども、基本的な考え方として、これまでの取組、近年の医療機器及び体外診断用医薬品を取り巻く状況、今回改定での検討について記載しております。
第2の具体的な事項に移ります。主なものについての御説明となります。
まず「1.イノベーションの評価」でございますが、(1)チャレンジ申請、これにつきましてはデータ収集方法、データ提出方法、手続についての整理、明確化を図ってございます。
続きまして、2ページ以降の特定保険医療材料の補正加算でございますが、こちらは、有用性系加算の試行案については、これまでの運用を踏まえまして、本資料の7ページ以降の別添資料のとおりの明確化を図るとしております。
(3)新たな医療機器や体外診断用医薬品を用いた医療技術の評価でございますが、現行、令和7年度から研究班を実施しているということで、この報告を踏まえつつ、引き続き検討としてございます。
(4)番、体外診断用医薬品の保険適用における評価基準については、療担規則の趣旨を踏まえて記載のとおりの明確化としてございます。
(5)番、希少疾病等の検査に用いるものとして配慮が必要な体外診用医薬品の評価でございますけれども、再生医療等製品の適用判定の補助に必要な検査に適用を拡大するとしております。
また、診療報酬改定の際の技術料の見直しに当たって、希少性の評価についての考え方を明確化しているところでございます。
「2.プログラム医療機器の評価」でございますが、(1)で、このプログラム医療機器の診療報酬上の評価につきましては、令和6年度改定で基準ができております。そういったものを踏まえて検討するということでございます。
(3)プログラム医療機器の原価計算に含めるべき費用の対象範囲については、これまでの事例数が限られているということも踏まえまして、引き続き、事例を集積しつつ、費用構造についての実態を把握することを検討いたします。
「3.医療機器の安定供給に係る事項」です。
(1)小児用医療機器については、その特殊性を考慮しまして、原価計算方式による算定というのを製造販売業者が希望する要件の緩和ということで、御提案をしているところでございます。
(2)不採算品再算定につきまして、対象品目選定の基準がございますが、そのうちの代替困難性に関する要件というところで、同一機能区分内のシェア状況を踏まえた考え方を整理しております。
令和6年度改定におきましては、1社でシェアの大半を占める場合のパターン1について明確化を図りまして、今回の改定では上位2社で同一区分内のシェアの大半を占める場合に、両者が供給困難な場合には、代替困難性に関する要件を満たすとしております。
4ページで(3)逆ざやとなっている機能区分への対応でございますが、こちらはパターン1、パターン2ではなくて、シェアが分散している場合のパターン3において、市場実勢価格の加重平均や、平均値や物価変動等を参考にしつつ、保険償還価格を設定するとしております。
「4.内外価格差等の是正」につきましては、既収載品に係る外国価格再算定における各国の平均価格の算出を加重平均により算出するとしております。
続きまして「5.市場拡大再算定」でございます。
(1)特定保険医療材料についての機能区分見直しを行った場合等の基準年間販売額の考え方の整理を行っておりますし、また、チャレンジ申請により再評価を受けて原価計算方式の場合の算定であっても対象になるということを明確化しております。
(2)番の技術料包括の医療機器及び体外診断用医薬品の技術料の見直しにつきましては、算定式を設定するということで、物に係る部分の金額の割合で、そのもの代のみに対して再算定をする式となっております。
「6.保険適用の手続に係る事項」でございます。
医療技術評価分科会に審議を求めるものとしての例示を追加、それから、保険適用時期や保険適用希望書に係る事項、不服に関する手続を記載しております。
7は、その他事項としての機能区分の見直しとなります。
説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料総-4を御覧ください。
先ほど、薬価専門部会において、「令和8年度薬価制度改革の骨子(案)」を了承いただきました。骨子案の概要を御説明いたします。
まず、1ページ目でございますが、「第1 基本的な考え方」では、これまでの薬価専門部会における議論、骨太の方針2025を踏まえ、令和8年度薬価制度改革を行うこととしております。
次に「第2 具体的な内容」でございます。
「1.国民負担の軽減と創薬イノベーションを両立する薬価上の適切な評価」といたしまして「(1)薬価算定方法」では「① 類似薬効比較方式における算定方法」について、比較薬の補正加算を控除した上で、1日薬価を合わせた上で、必要があれば、新薬の補正加算を可能とするというものにしております。
それから「② 革新的新薬の評価方法」、2ページ目「③ 原価計算方式における開示度の向上」につきましては、次期薬価制度改革において検討する。
④原価計算方式における販売費及び一般管理販売費の取扱いについては明確化するとしております。
「(2)新薬の薬価収載時・薬価改定時における評価」につきましては、①希少疾病用医薬品の指定範囲が小児のみを対象とする場合を除き、市場性加算(Ⅰ)と小児加算の併算定を可能とする。
②規格間調整のみによる薬価算定において、市場性加算(Ⅰ)、先駆加算または迅速導入加算を評価可能とする。
3ページ目に移りまして、③標準的治療法に関する加算の評価について、薬価改定時にも評価できるようにする。
④外国平均価格調整におけるドイツの価格は、価格調整後の価格を参照することとする。
⑤報告品目及び後発品の薬価算定において、専門的見地からの検討が必要な場合には、薬価算定組織での検討を経ることを規定として定めるとしております。
続きまして「(3)新薬創出・適応外薬解消等促進加算」におきましては、特許期間中の革新的な新薬の薬価が維持されることをより分かりやすくするため、制度名を「革新的新薬薬価維持制度」に変更する。
4ページ目、品目要件につきましては、一部の要件を削除し、控除につきましては、従来どおり行う。
②、ルールの適用順を変更するとしております。
「(4)市場拡大再算定」につきましては、①市場拡大再算定の特例につきましては、イノベーションの評価と国民皆保険の維持を両立するための対応という趣旨を明確化するため、制度の名称を変更する。
それから、5ページ目に移りまして、市場拡大再算定の類似品、いわゆる共連れにつきましては廃止をし、市場拡大再算定対象品目の薬理作用類似薬につきましては、NDBで使用量を把握し、薬価改定以外の機会も含め、再算定を実施する。
③原則、希少疾病、小児の効能等の追加のみをもって、市場拡大再算定の対象品目に該当するとは判断していないこれまでの運用を明確化する。
④薬価改定の際以外の再算定の実施頻度は維持する。
⑤再生医療等製品に対する市場拡大再算定につきましては、再生医療等製品の特徴等を踏まえつつ、次期薬価制度改革において検討するとしております。
続きまして、6ページに移っていただきまして「(5)イノベーションの推進に向けた長期収載品の薬価の更なる適正化」につきましては、①イノベーションの推進に向けて、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却促進の観点から、後発品上市後5年を経過した長期収載品の薬価につきましては、後発品置換率によらず、G1ルールを適用し、後発品の加重平均薬価を基準として段階的に引下げることとする。Z2、G2ルールは廃止をする。
②引下げの下限及び円滑実施措置は廃止するが、令和8年度の薬価改定に限り運用する。
7ページ目、③バイオシミラーが収載されているバイオ先行品につきまして、G1ルールを適用するとしております。
(6)オーソライズド・ジェネリック、いわゆるAG、それから、バイオAGの取扱いでございますが、①、②今後収載されるバイオAG、AGにつきましては、先発品の薬価と同額で算定をする。
③先発品の薬価と同額で算定されましたバイオAG、AGにつきましては、薬価改定時に先発品の価格と加重平均を行うとしております。
8ページに移っていただきまして「2.後発品を中心とした医薬品の安定供給確保のための対応」でございます。
(1)後発品の価格帯集約につきまして、注射薬、バイオシミラーにつきましては、最高薬価の30%を下回る算定額となる品目の価格帯集約を除きまして、価格帯集約を行わない。
(2)薬価の下支え制度の充実につきましては「①最低薬価」について、外用塗布剤の最低薬価の設定、点眼・点鼻・点耳液の点眼薬の最低薬価の適用、それから、最低薬価について引上げることとしております。
「②不採算品再算定」でございます。該当する類似薬のシェアが5割以上であって、他の要件を満たす場合は不採算品再算定の対象とし、平均乖離率を超える品目は、不採算品再算定の対象外とすると。
不採算品再算定の適用につきましては、具体的な対象品目は基礎的医薬品、重要供給確保医薬品、特定の企業からの供給が途絶えたときに代替供給を確保することが困難な品目等を基本とすることとしております。
9ページ目「3.その他の課題」でございます。
「(1)高額の医薬品に対する対応」につきましては、年間1,500億円の市場規模を超えると見込まれるような高額な医薬品に対する対応を継続し、高額な医薬品に対するこれまでの対応を規定化すること。
薬価調査における販売額が持続可能性特例価格調整の販売額の要件に該当する品目のうち、保険診療外での使用が一定数見込まれるものにつきましては、NDBでの使用量を把握し、薬価改定以外の機会も含め、持続可能性特例価格調整等を実施することとする。
「(2)医薬品流通に関する課題」「(3)販売包装単位の適正化」、これらについては引き続き検討。
「(4)イノベーションの適切な評価」につきましては、アメリカの最恵国価格政策に関しまして機動的な対応ができるよう、引き続き検討としております。
「4.診療報酬改定がない年の薬価改定」につきましては、12月24日の「大臣折衝事項」に基づき、令和9年度の薬価改定は着実に実施することとする。
その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方につきましては、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減といった要請について、バランスよく対応するとの基本的な考え方を踏まえて検討することとするとしております。
御説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
続きまして「令和8年度診療報酬改定への意見について(各号意見)」を議題といたします。
本日は、1号側委員、2号側委員、それぞれから、令和8年度診療報酬改定に関する意見が提出されております。
これらは、中医協として1つの意見にまとめるものではなく、今後、診療報酬改定の個別項目の議論を行っていくに当たりまして、改めて、各号から意見を整理して提出していただいたというものであります。極めて短い期間にまとめていただいてありがとうございました。次回以降、これらの意見を踏まえながら、議論をさらに深めていきたいと思います。
それでは、まず、1号側委員から説明をお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
どうもありがとうございます。
令和8年度診療報酬改定の基本方針、これまでの中医協の議論を踏まえまして、支払側委員7名で意見を取りまとめました。代表しまして、松本のほうから述べさせていただきます。
資料は総-5-1を御覧ください。
まず、全体の構成でございますが、最初から「基本的な考え方」「重点事項」「個別事項」となっております。
重点事項としては、医科、歯科、調剤、在宅医療、賃上げへの対応、物価上昇への対応の6項目、その後に個別事項として、医療DX以下11項目について意見を取りまとめております。
ここでは、基本的な考え方、また、重点項目について意見を申し上げ、我々の思い、考えを御理解いただきたいと思います。
それでは、まず、基本的な考え方です。
社会保障審議会の医療保険部会、医療部会が定めた基本方針において、「物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」が重点課題とされ、政府予算編成の大臣折衝において、診療報酬本体引上げ財源の大部分を賃上げと物価への対応に充当することが合意された。現下の経済状況に即応して医療サービスの対価としての正当性を担保し、費用を負担する患者・国民と事業主が納得できるよう、確実な賃上げやきめ細かい物価高への対応を行い、その結果を検証できる仕組みにするべきである。
一方で、国民皆保険制度と医療提供体制の持続可能性を両立することも重要である。そのためには、外来受診の抑制や残薬対策、短時間・頻回な訪問看護の是正、門前薬局や敷地内薬局の合理化等を通じた適正化の徹底が不可欠である。医療の質を確保しつつ効率化するためには、医療DXやICT連携の本格的な活用とAI等による生産性向上が課題である。さらに、かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想をはじめとする、2040年頃を見据えた医療提供体制の再構築も意識するべきである。医療機能の強化・分化・連携を推進して地域の医療ニーズを過不足なく充足することは、限られた医療資源を有効活用するものであり、医療機関の健全な運営にとっても必要な要素である。メリハリのある診療報酬により政策課題の解決に取り組むべきである。
まず、入院医療についてです。
人口構造と医療ニーズの変化に合わせて機能の分化・連携・集約化を進め、医療資源の配置を最適化することが必要である。手術なし症例や救急搬送への対応を「重症度、医療・看護必要度」に反映する等の修正を行いつつ、引き続き患者の状態と医療資源の投入量に応じた病棟機能の評価を維持した上で、新たな地域医療構想で目指すべき方向性や病院の機能や規模による経営状況の違いも踏まえ、全身麻酔手術と救急搬送受入れの実績を主な指標として、これまで以上に病院機能を重視した評価体系に見直すことにより、ケアミックスの在るべき姿も念頭に入れて、病院の再編・統合につなげるべきである。
次に、外来医療です。
かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想、医師偏在是正に向けた総合対策を念頭に、限られた医療資源で医療ニーズを過不足なく充足する必要がある。
かかりつけ医機能報告制度の要素を指標にした段階的な加算により、診療所と中小病院の体制・実績の評価にメリハリをつけることで、かかりつけ医機能の発揮を促すことが重要である。その際、外来医師過多区域で開業する場合に都道府県の要請に応じなかった場合の経済的なディスインセンティブとして、当該加算の算定を制限することが考えられる。
患者の納得を得る観点から、診療実績に基づいて生活習慣病管理料Ⅰを適正化することや、医薬分業のインセンティブとしての役割を終えた処方箋料の更なる引下げ、特定疾患療養管理料のさらなる見直し、外来管理加算の廃止または包括化を進めるべきである。患者の通院負担を軽減する観点からは、長期処方とリフィル処方・分割調剤について、疾患や薬剤の特性に応じて使い分けながら一体的に活用を推進することや、オンライン診療や遠隔医療について、有効な場面や方法を想定しながら適切に活用の幅を広げていくことも必要である。
大病院の逆紹介に関連する減算を厳格化することや、二人主治医制の活用により、地域の診療所や中小病院との役割分担を推進することも重要である。
次は、歯科です。
ライフステージや個々の患者の特性によって口腔機能の課題が異なることを踏まえ、限られた歯科医療資源で充実が必要な領域や適正化の余地がある領域を判断し、メリハリのある評価により、多様な歯科医療ニーズを過不足なく充足することが重要である。
歯科疾患管理料について、歯科医師の手間が初診と再診で変わらないのであれば、初診減算の廃止と合わせて再診時の評価を適正化するべき。継続的な歯科疾患の管理という趣旨が徹底されるよう、算定対象となる患者像を明確化し、初診時に管理計画を患者に説明して理解を得ることも必要である。
次は、調剤です。
医療機関に依存する門前薬局から脱するために、10年前に厚労省が「患者のための薬局ビジョン」で掲げた「2025年までに全ての薬局がかかりつけ薬局の機能を持つ」との目標は達成できておらず、むしろ敷地内薬局まで現れて目標に逆行している状況である。同ビジョンでは、今後10年で薬局の立地を門前から地域へ移行させる目標も掲げられており、まずは早急に医療機関からの経営的な独立を担保する必要がある。病院と薬局の薬剤師偏在を是正することも念頭に入れ、大都市に小規模乱立する薬局を大規模化して薬局業務を効率化することも重要である。さらに、地域の医薬品供給拠点としての役割や一元的な服薬管理等の在宅を含めた本来の「かかりつけ薬剤師」機能を効果的に発揮できるようにすべきである。
次は、在宅医療です。
さらなる高齢化により在宅医療のニーズの増加は確実であり、医療資源と財源に限りがあることを踏まえ、訪問診療・往診、訪問看護、歯科、調剤いずれも、多くの医療機関・薬局の参画を促すとともに、患者の状態や提供する医療やケアの内容、施設と自宅の訪問先の違い等を踏まえたメリハリのある評価とすることが重要である。特に短時間で効率的な訪問を繰り返す場合の評価は適正化する必要がある。
次は、賃上げへの対応です。
医療機関に勤務する労働者の確実な賃上げに向けて、検証が可能な手当ての仕組みを創設するべき。その際、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料は幅広い職種を対象とし、統合した分かりやすい報酬体系とすることや、夜勤における人材確保に向けて夜勤手当の増額等の対応が考えられる。月額給与の引上げに伴い賞与を減額する等の不適切な運用が生じないよう、正当な処遇改善を担保する要件を設定することも必要である。
最後に、物価上昇への対応です。
医療機関の機能等により物価高の影響が異なることを踏まえ、費用構造の違いを反映した手当とするべきである。物価水準は常に変動するものであり、長期推移も念頭に置き、物価上昇率の見込み値と実績値に差異が生じることを想定した検討も必要である。
なお、個別事項については資料を御覧いただきたいと思います。
最後となりますが、今回の改定を通じて、基本方針にも記載されております4つの基本的視点と具体的方向性、すなわち、物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、2040年頃を見据えた医療機関等の機能の分化、連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進、安心・安全で質の高い医療の推進、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上の実現に必ずやつなげたいと考えております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
続きまして、2号側委員から御説明をお願いいたします。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
それでは、2号側を代表して、意見を述べさせていただきます。お手元の資料を御覧ください。
「国民が望み納得できる、安心・安全で良質な医療を安定的に提供するための令和8年度診療報酬改定に対する二号(診療側)委員の意見」について、説明いたします。
意見は、医科、歯科、調剤の順に、それぞれ基本的考えと具体的検討事項という構成になっております。
まず、医科については私から、次に歯科については大杉委員から、最後に調剤については森委員から説明をいたします。
それでは、医科について、意見の中核となる基本的考え方を読み上げさせていただきます。
資料の1ページとなります。
基本的考え方。
我が国では世界に類を見ない少子高齢社会が進展し、人生100年時代を迎えようとしている。国民が幸せな生活を持続するために、安心して医療・介護を受けられるようにすることは不可欠である。そして、日本の「国民皆保険」という財産を守り抜き、次世代へつないでいかなければならない。
しかし、昨今、急激な物価高騰・人件費上昇が見られる中、これまで適正化の名の下、社会保障費は削られ続け、診療報酬改定が追いついていないため、医療機関は経営状況が著しくひっ迫しており、過去に例を見ない閉院や倒産が続いている。
診療報酬は、国民にとって安心・安全で質の高い医療を提供するための原資であり、原則2年ごとに改定される際に、その間の2年間の賃金や物価の動向が適切かつ十分に反映されるものでなければならない。
社会保障審議会が本年12月9日に取りまとめた「令和8年度診療報酬改定の基本方針」の基本認識では、現下、日本経済は持続的な物価高騰・賃金上昇の中にあり、30年続いたコストカット型経済から脱却し、新たなステージに移行しつつあるとされた。一方で、医療分野は公定価格によるサービス提供が大宗を占めているため、この経済社会情勢の変化に機動的な対応を行うことが難しく、サービス提供や人材確保に大きな影響を受けていることから、医療機関等の経営の安定や現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながる的確な対応が必要とされている。
その上で、安心・安全で質の高い医療を実現するためには、医療技術の進歩や高度化を国民に還元するとともに、医療現場においてICT等を活用し、さらなる医療DXを進めていくことが必要である。
そして高齢者人口がピークを迎える2040年の医療提供体制の展望を見据え、実効性のある医師・医療従事者の働き方改革を推進し、総合的な医療提供体制改革を遂行することで持続可能な制度を実現し、社会保障の更なる充実を図ることも重要である。
以上を踏まえ、令和8年度診療報酬改定では、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要な財源を配分すべきであり、医療者として地域医療を面で守る使命感と倫理観に基づき、国民に質の高い医療を提供し、我が国の医療制度を維持・発展させるため、以下に示す事項を基本方針として捉え、その実現に向けて取り組むことを求める。
なお、これまで中医協で検討してきた項目については、現下の論点を幅広く議論してきたものであるが、医療機関が置かれている窮状を認識した上での優先順位等を前提に、議論したものであっても実施しないものが出てくることは当然である。
以下、項目のみ紹介いたします。
1.診療報酬体系の見直し。
2.あるべき医療提供体制コスト等(医業の再生産費用を含む)の適切な反映。
3.大病院、中小病院、診療所がおのおのに果たすべき機能に対する適切な評価と、地域の医療提供システムの運営の安定化。
4.医師・医療従事者の働き方の実状を踏まえた診療報酬上の対応。
5.小児・周産期医療の充実。
6.不合理な診療報酬項目の見直し。
7.その他必要事項の手当。
具体的検討事項に関しては、時間の制約もありますので、説明を割愛させていただきます。
医科については、以上です。
続けて、歯科について、大杉委員から説明していただきたいと思います。
○大杉委員
ありがとうございます。
歯科における基本的考え方を大杉のほうから述べさせていただきます。
資料の10ページを御覧ください。
歯科、基本的な考え方。
社会保障審議会(医療部会・医療保険部会)が取りまとめた令和8年度診療報酬改定の基本認識には「2040年頃を見据えた、全ての地域・世代の患者が適切に医療を受けることが可能かつ、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築」が掲げられている。
少子高齢化・人口減少といった人口構造の変化が急速に進む中、社会の活力を維持・向上し、全世代型社会保障を構築する鍵は「健康寿命の延伸」であり、口腔の健康が全身の健康及び健康寿命の延伸に寄与する多くのエビデンスが示される中、歯科医療の果たす役割や責務は非常に大きいと考える。
具体的には、ライフコースに応じたう蝕や歯周病を含めた口腔疾患の重症化予防及び口腔機能の獲得・維持・向上に資する歯科医療を「かかりつけ歯科医」が中心となって提供することが重要である。また、超高齢社会において増加する要介護者や基礎疾患を有する高齢者への歯科医療や口腔健康管理への対応等を通じ、生活の質の向上に寄与することも責務である。そして、歯科医療機関を受診する患者像が多様化する中、かかりつけ歯科医を含めた多職種連携の強化は重要で、地域において面で支える医療を確立し、歯科医療やサービスを提供する場が変わっても、連携の下、必要な医療を切れ目なく提供することができる体制を構築する必要がある。
歯科医療においても、医療DXの推進による医療情報の有効活用、ICTの利活用、オンライン診療の推進は重要な課題であり、令和8年度診療報酬改定においてさらに推進していくべきである。また、新型コロナウイルス感染拡大時の対応を踏まえ、新興・再興感染症の発生、蔓延時にも切れ目なく歯科医療が提供できるよう、平時からの連携協力を含めた歯科医療提供体制を強化することが重要と考える。
一方で、基本的視点の重点課題である「物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」について、その具体的方向性として「医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応」及び「賃上げや業務効率化・負担軽減等の業務改善による医療従事者の人材確保に向けた取組」が示されている。昨今の急激な物価上昇により歯科医療機関の経営状況は悪化しており、医療経済実態調査の結果からも、個人立歯科診療所においては収入の増加を費用の増加が上回り、設備投資やスタッフの処遇改善もままならない厳しい経営状況が続いていることが明らかになった。歯科医療従事者の賃上げは、他産業の水準に追いついておらず、かつ求人倍率も高止まりしている状況であり、歯科医療関係職種にも応分の対応が急務である。
今後も「国民の健康な生活を支える」という歯科医療提供者の本来の責務を持続的に果たしていくため、以下に掲げる事項を基本方針と定め、歯科診療報酬について所要の改定を求めるとしたところであります。
以下、個別項目及び具体的検討事項について、23項目記載してありますが、後ほど御高覧していただければと思います。
私からは、以上でございます。
○森委員
それでは、保険薬局における調剤報酬関係と病院、診療所における薬剤師業務関係について、私から述べさせていただきます。
まず、保険薬局における調剤報酬関係です。基本的な考え方になります。
現下の物価高騰・賃上げ等の影響により薬局の経営は年々厳しさを増しており、医薬品の仕入価の高騰、「逆ザヤ」品目の急増及び毎年の薬価改定により、薬局の経営状況は極めて逼迫している。薬局の経営を安定させ、医薬品供給拠点としての機能を維持すること、従業員の賃上げを確実に実施できることが必要である。
薬剤師・薬局は国民・患者のための医薬分業を推進しつつ、地域の医薬品提供体制を担い、かかりつけ機能を強化し、患者への個別最適化した薬物療法の提供や医療DXを活用した医療機関等との連携強化、多職種連携による適切な医療提供に向け、薬剤師・薬局機能の向上や薬局間連携の推進に一層取り組まなければならない。
また、国民・患者が住み慣れた地域で療養環境に関わらず必要な医療・介護が受けられ、安全・安心に医薬品を使用できるよう、かりつけ機能を基本とした薬剤師・薬局による適切な薬物療法の提供に資する業務の推進や適切な医薬品提供体制を確保することが必要である。
医薬品の供給不安の中でも国民・患者に必要な医薬品を確保できる薬局の体制整備、後発医薬品の使用率の維持・さらなる使用促進のため、以下の事項を基本とする取組を進めていくことを求める。
以下の事項に関しては、御覧いただければと思います。
続きまして、病院・診療所における薬剤師業務関係になります。
高齢化に伴う医療・介護ニーズの変化や物価の高騰・人件費の増加等、医療機関を取り巻く環境は一層厳しさが増している。また、2040年頃の医療・介護提供体制を見据えた入院・外来・在宅医療・介護との機能分化や連携を含めた地域での良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の構築に向けて、これらの基盤となる医療DXの推進も課題となっている。
令和6年4月から実施された第8次医療計画には薬剤師の確保が明記されており、各地域で様々な薬剤師確保・偏在対策が進められているものの医療機関に従事する薬剤師の不足及び偏在問題は深刻で、あらゆる機会を捉えて就労環境の改善に努めることが求められている。シームレスな薬物治療管理体制の構築に向けて、各医療機関が充実した病棟業務を展開してこそ、施設間連携が機能すると考えられ、薬剤師業務のより一層の充実が必要となる。
よりよい医療環境の構築のため、以下に示す事項を基本方針として、その実現に向けた環境の整備を求める。
以下の事項に関しては、御覧いただければと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
ただいま、1号側、2号側それぞれから令和8年診療報酬改定についての御意見を説明していただきました。
それぞれにつきまして、本日は議論しないことにいたしましょう。それで、次回以降、いただいた御意見を踏まえて、診療報酬改定の個別の項目の議論を進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長でございます。その他として資料総-6を御覧ください。「中医協公聴会の開催について」でございます。
8年度診療報酬改定に当たり、医療の現場や患者等国民の声を反映させるため、中医協委員が国民の声を聴く機会を設定することを目的として公聴会を開催することとしております。
今回改定に向けた開催日時としては、令和8年1月21日を予定させていただきたいと思います。
開催方法といたしましては、オンライン開催でございますけれども、石川県を中心とした北陸地方の意見陳述者をできるだけ募りまして、こういった方々の御意見、発表をいただきたいと考えてございます。
その他、詳細につきましては、資料のとおりでございます。
○小塩会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御質問等ないようでしたら、事務局から説明があった方向で準備を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
最後だと思いますので、皆さん1年間、どうもお世話になりました。皆さん、よいお年をお迎えください。
では、1月に、また再開したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

