2024年12月9日 薬事審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

日時

令和6年12月9日(月)16:00~

場所

厚生労働省仮設第1会議室

出席者

出席委員(17名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理 


欠席委員(1名)五十音順

行政機関出席者
  •  城克文   (医薬局長)
  •  佐藤大作  (大臣官房審議官)
  •  高江慎一  (医療機器審査管理課長)
  •  野村由美子 (医薬安全対策課長) 他

議事

○医療機器審査管理課長 それでは、定刻になりましたので「薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催いたします。医療機器審査管理課長の高江でございます。委員の先生方におかれましては御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本会議はWeb会議形式を併用して開催させていただきます。現時点で、再生医療等製品・生物由来技術部会委員18名のうち、17名に御出席いただいておりますので、薬事審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
 議事に先立ちまして、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告いたします。薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任された委員はおられませんでしたので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を提出いただいていまして、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 続けて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、説明いたします。
○事務局 事務局でございます。本日予定している全ての議題については、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしています。またWebにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料をお手元に御用意ください。Web会議で参加されている委員の先生方におかれましては、審議中はマイクミュート、通信環境等の支障がない限り、カメラオンでお願いいたします。
 資料4、「競合品目・競合企業リスト等一覧」をお開きください。本日の審議事項に関する競合企業として、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議決に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上でございます。以降の進行について、合田部会長、よろしくお願い申し上げます。
○合田部会長 合田です。どうぞよろしくお願いします。それでは、これまでの事務局の説明について御意見等がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 それでは、これより議題に入ります。本日は、議題1から議題3まで全て審議事項となっております。まず、非公開案件の議題1、再生医療等製品「mRNA-3927」を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否についての審議に入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題1、「mRNA-3927」を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料1の2ページを御覧ください。
 本品の名称は、mRNA-3927。予定される効能・効果又は性能は、プロピオン酸血症。申請者はモデルナ・ジャパン株式会社です。
 プロピオン酸血症は先天性代謝異常症であり、代謝性アシドーシス等による代謝代償不全事象を発症する指定難病です。プロピオン酸血症に対する根本的な治療薬は、現在は存在せず、治療薬の開発が必要とされている疾患の一つと考えられます。
 本品は、プロピオン酸血症の原因となるプロピオニルCoAカルボキシラーゼのαサブユニット及びβサブユニットをコードする2種類のmRNAを脂質ナノ粒子に封入した遺伝子治療用製品です。本品の投与によって欠損していた酵素が補われることにより、疾患の症状が改善されることが期待されます。
 それでは、希少疾病用再生医療等製品の指定要件への該当性について、順に御説明いたします。まず、1項.対象患者について御説明いたします。プロピオン酸血症は、国内において指定難病に指定されていることから、1項の対象患者についての要件を満たしていると考えております。
 続いて、2項.医療上の必要性について御説明いたします。次のページを御覧ください。特記事項の二つ目に記載しておりますように、プロピオン酸血症に対する根本的な治療は、現在はありません。主には、タンパク質摂取の制限やカルニチン補給、腸内細菌叢によるプロピオン酸産生を抑制するための抗菌薬の投与、並びに代謝代償不全事象が発症したときの支持療法が行われております。本品の投与によって、肝臓での酵素活性上昇によりプロピオン酸代謝経路の阻害が改善され、症状の改善が期待されると考えられることから、本品の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に、開発の可能性について御説明いたします。本品は、現在、国際共同第I/II相試験が実施されており、こちらに日本人患者も組み入れられる予定です。当該試験において本品の有効性・安全性が確認された後に、製造販売承認申請される予定であることから、本品の開発の可能性はあると考えております。
 したがいまして、希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を全て満たしていると考えております。本日は、希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について、御審議のほど、よろしくお願いいたします。御説明は以上です。
○合田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問や御意見等はございますか。何かある方は挙手していただけますか。小原先生、どうぞ。
○小原委員 基本的なことで恐縮なのですけれども、mRNAワクチンということで、取扱い等はコロナワクチンと同じように-80℃保存で使われるのかという点と、それから、ほとんどの方がコロナワクチンを打っているので、mRNAのワクチンは打っている形になっておりますが、そのことによる何らかの影響というのは、特に想定はされないのでしょうか。この2点をお願いします。
○合田部会長 事務局、機構なのかな、お願いします。
○事務局 事務局より御回答させていただきます。1点目の保存条件については、機構のほうから何か情報があれば補足いただければと思いますが、本品はmRNA単独ではありませんで、mRNAを脂質ナノ粒子に封入した製品となることから、恐らく取扱いとしてはシンプルなRNAとは異なる必要があるかとは考えております。機構のほうから補足はございますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。本品の保管条件ですが、こちらは-80℃付近の冷凍保管になります。
○小原委員 承知しました。
○合田部会長 ほかに御質問等がある方はいらっしゃいますか。井上先生、よろしくお願いします。
○井上委員 先ほどの小原先生の御質問に関しまして、今回の品目(mRNA-3927)はワクチンではなく、遺伝子を補充する治療目的の製品であることなどを機構か厚労省から正確に御説明されたほうがよいと思います。
○合田部会長 よろしくお願いします。
○事務局 では、事務局より御説明させていただきます。本製品は、こちらを投与後、患者さんの肝臓に移行しまして、肝臓の細胞内でRNAを発現するような製品ですので、今、井上委員から御指摘がございましたように、いわゆるコロナワクチンのようなワクチンとしての作用をする製品ではありません。
○合田部会長 よろしいですか。
○小野寺委員 基本的にコロナワクチンは筋肉注射ですが、今回の製品もリピッドナノパーティクルにmRNAを入れたモデルナ製品ですので同じような製品です。しかし、投与する場所は、今回の製品では静脈注射になると思います。また、重要な点として、これまではmRNAを使ったワクチン製品なのですが、今回の対象はプロピオン酸血症であり、酵素欠損に対しmRNAを発現させることで体内に酵素を産生し、患者さんを治すというもので治療薬となります。つまり、先ほど井上先生が言われたように、これはワクチンではなくて治療薬として使われる点で違うと思います。
○合田部会長 小野寺先生、どうもありがとうございます。もう一つ、これは反復投与を行います。ですから、メーカーさんとしては、反復投与ということで、そういう意味のメリットがあるのです。ワクチンとはそこの状況が違います。ほかによろしいですか。
 それでは、議決を行いたいと思います。mRNA-3927について、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がある方はいらっしゃいますか。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。本件は審議会にて報告を行うこととします。これで議題1を終了します。
 続きまして、議題2、再生医療等製品「Avalotcagene ontaparvovec」を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否についての審議に入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、資料番号2、「Avalotcagene ontaparvovec」を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。タブレットを御覧の方は、資料2の2ページを御覧ください。紙資料を御覧の方は、事前評価報告書1ページを御覧ください。
 本品の名称は、Avalotcagene ontaparvovec。予定される効能・効果又は性能は、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症。申請者はUltragenyx Japan株式会社です。オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症は、オルニチントランスカルバミラーゼ遺伝子変異によるオルニチントランスカルバミラーゼ活性の欠損又は低下により尿素サイクルが阻害され、アンモニアが体内に蓄積し、高アンモニア血症を引き起こす疾患です。
 本品は、ヒトオルニチントランスカルバミラーゼを発現する遺伝子組換えアデノ随伴ウイルスベクター製品(※正しくは「遺伝子組換えアデノウイルスベクター製品」)であり、正常に機能するオルニチントランスカルバミラーゼを発現させることにより、1回の投与で肝臓でのオルニチントランスカルバミラーゼ活性の上昇が期待されるものです。
 希少疾病用再生医療等製品の指定要件の該当性について、順に御説明いたします。まず1項.対象患者について説明いたします。オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症を含む尿素サイクル異常症は指定難病に指定されていることから、条件を満たしていると考えられます。
 続いて、2項.医療上の必要性について御説明いたします。次のページを御覧ください。現在の標準治療法は、血中アンモニア濃度の管理を目的としたタンパク質摂取の制限等の食事療法が行われており、こちらの食事療法で不十分な場合には、アンモニアスカベンジャー薬の併用を行っておりますが、根本的な治療はありません。こうした食事療法は、生涯にわたり続ける必要があり、また、アンモニアスカベンジャー薬の副作用リスク及び服薬の負担があることにより、患者様の負担を軽減する新たな治療法の開発が望まれております。本品を単回静脈内投与することによって、肝臓でのオルニチントランスカルバミラーゼ活性上昇により、高アンモニア血症等の発現リスクの低減又は食事管理及び服薬の負担軽減によるQOLの向上が期待されます。
 最後に、3項.開発の可能性について御説明いたします。3ページを御覧ください。第I/II相試験は既に終了しておりまして、現在、12歳以上の患者を対象とし、日本人患者を含む国際共同第III相試験を実施中です。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○これらの臨床試験等により本品の有効性・安全性が確認された後に、製造販売承認申請される予定です。このことから、本品の開発の可能性はあると考えております。
 したがいまして、希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると考えております。本日は、希少疾病用再生医療等製品の指定の可否について、御審議のほど、お願いいたします。説明は以上になります。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から、本件につきまして御質問や御意見等はございますか。佐藤陽治先生、どうぞ。
○佐藤(陽)委員 確認なのですけれども、資料2の2ページの2の「既承認薬等が治療法として十分ではなく」というところには、肝移植とかも入ると考えてよろしいのですか。そこだけ確認です。
○事務局 ありがとうございます。事務局より回答いたします。確かに佐藤陽治先生がおっしゃるとおり、肝移植も治療法としてあるとは思いますが、やはり移植の合併症のリスク等を鑑みまして、選択肢として複数の選択肢があることが必要なのかと考えておりまして、本品につきましては、イの2に該当すると考えております。
○佐藤(陽)委員 分かりました。理解できました。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。小原先生、お願いします。
○小原委員 国際第III相試験が進行中ということですが、海外で既に承認された所は、この薬についてはまだないという理解でよろしいのでしょうか。
○合田部会長 事務局、よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構再生部です。海外ではまだ承認されておりませんが、幾つかの国によってはオーファンに似たようなもので指定されているような状況で、今後、海外は先に承認されるような状況にあります。
○小原委員 ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等はありますか。永井宏和先生、お願いします。
○永井(宏)委員 名古屋医療センターの永井宏和と申します。非常に希少疾患の薬なのですが、海外で第III相を行っているということですが、第III相が必要な理由を教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 機構再生部です。第I/II相では、主に安全性の部分だったり用量のところを確認しまして、海外にはかなり患者数がいらっしゃるのですが、国内には少ない状況で、どうしても第III相試験でしっかり有効性を見ると。第I/II相のところでも、探索的評価項目で有効性という部分は見られていて、ある程度の効果は示されているような状況なのですが、そこをもう少し堅牢化するために第III相試験を行っているということです。
○永井(宏)委員 そうですか。プラセボコントロールということなのですよね。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりです。
○永井(宏)委員 そこがまだ必要だということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○永井(宏)委員 分かりました。
○合田部会長 よろしいですか、先生。ありがとうございます。では、宮川先生、先ほど失礼しました。お願いします。
○宮川委員 宮川です。6ページにあるように、11例中4例が著効、プラス3例が奏効ということなのですが、これは単回投与なのですけれども、この2回投与も含めて、そういうことは有効ではないというように判断されて、単回投与の形になったのかということを聞きたかったものですから、お願いいたします。
○合田部会長 これは機構でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構再生部です。この製品に関してはAAVベクター製品となりまして、複数回投与を行った場合に、どうしてもAAV抗体ができてしまう可能性があることを踏まえまして、単回投与にとどめているという状況になるのかと考えております。
○宮川委員 11例中の7例以外、残りの4例というのはnon-responderなのですが、この場合、抗体ができたとしても、複数回投与したことはないというように理解してよろしいのですか。抗体ができるということは、これが次の同じようなものに対する抗体ということで、non-responderであれば、もう一回、投与する可能性は全くなかったのかということです。抗体産生の話だけではなくて、そういう問題があるのかどうかということについてお聞きしたのですが、どのように考えればよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 申請者のお考えの中では、複数回というのは検討されていない状況となっております。その理由としましては、先ほど申し上げたような理由が考えられるのかというところですが、詳しいところまでは私も把握しておりません。失礼します。
○宮川委員 分かりました。複数回投与の意味がないということの根拠はどういうものなのかを聞きたかったので、分かり次第、また教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 はい、承知いたしました。貴重な御意見ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問等がある方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。
 それでは、ないようですので、議決を行いたいと思います。Avalotcagene ontaparvovecについては、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がある方はいらっしゃいますか。ないようですので、そのように議決させていただきます。本件は審議会にて報告を行うこととします。これで議題2を終了します。
 続きまして、議題3、再生医療等製品「nadofaragene firadenovec」を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否についての審議に入ります。事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、続いて議題3について御説明します。資料3の2ページから御覧ください。
 本品の名称は、nadofaragene firadenovec。予定される効能・効果又は性能としましては、BCGが十分に奏効しない筋層非浸潤性膀胱癌。こちらの筋層非浸潤性膀胱癌を、以下「NMIBC」と呼びます。本申請者は、フェリング・ファーマ株式会社です。
 膀胱癌は膀胱の尿路上皮粘膜より発生する悪性腫瘍ですが、その過半数が粘膜下層までに腫瘍がとどまるNMIBCであると言われています。NMIBCの治療としましては、腫瘍の切除術が行われますが、その後、リスクの高い患者に対しては、標準治療としてBCG膀胱注入療法が行われます。このBCG膀胱注入療法が奏効しない患者に対して現在推奨されている薬物療法は存在せず、膀胱の全摘術等が推奨されますが、全摘術に伴うリスクやQOLの低下が問題とされています。
 本品は、BCGが十分に奏効しないNMIBCに対する新規の治療法として開発されている、ヒトインターフェロンアルファー2b遺伝子を搭載した遺伝子組換えアデノ随伴ウイルスベクターです。
 それでは、希少疾病用再生医療等製品の指定要件への該当性について、順に御説明します。まず、1項.対象患者についてです。厚生労働省令和2年患者調査によりますと、本邦における膀胱癌の総患者数としては、およそ16万人と報告されています。そのうちNMIBCの患者については、日本泌尿器科学会による膀胱癌診療ガイドラインに従って考えますと、約11万5,000人ほどと推測されます。また、日本で実施された調査において、NMIBCの患者のおよそ34%がBCG膀胱内注入療法を受けていたと報告されていること、また、BCG膀胱内注入療法を受けた患者のうち約19.8%に腫瘍の残存や再発が認められたと報告されていることから、本品が投与対象としている、BCGが十分に奏効しないNMIBCの患者としては、およそ7,700人と推測されます。このことから、希少疾病用再生医療等製品の指定基準である5万人未満の条件を満たしていると考え、要件1については合致するものと考えています。
 続いて、2項.医療上の必要性について御説明します。次のページを御覧ください。こちらは冒頭の説明と一部重複しますが、多くのNMIBC患者は、経尿道的膀胱腫瘍切除術による初期治療を受け、そのうちリスクの高い患者に対しては、薬物療法又はBCG膀胱内注入療法が選択されます。その一方で、BCGが奏効しない患者に対して推奨されている薬物療法は存在せず、当該患者に対しては膀胱の全摘除術が推奨され、手術に伴うリスクやQOLの低下が問題とされています。本品の投与によって膀胱の全摘術が回避されることにより、合併症や患者のQOLの低下を来すことがなく治療が行えることが期待されることから、本品の医療上の必要性は高いと考えています。
 最後に、本品の開発の可能性について御説明します。本品は、米国において、高リスクBCG不応性NMIBCを効能・効果として、2022年に既に承認されており、米国においては累積でおよそ830例に使用されたと申請者から伺っていますが、その中で特段の安全性に関する重大な知見というのは得られていないと伺っています。本邦においては、現在、日本人患者を対象とした第III相臨床試験が実施されていて、日本人における本品の有効性・安全性が確認された後に、製造販売承認申請される予定です。このことから、本品の開発の可能性はあると考えています。
 したがって、本品は希少疾病用再生医療等製品の指定の3要件を満たしていると考えています。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。
○合田部会長 ありがとうございました。それでは、本件について委員の先生方から御質問、御意見等はありますでしょうか。永井洋士先生、お願いします。
○永井(洋)委員 お願いします。この膀胱癌自体は決してオーファンではないわけですよね。そこで、一次治療、二次治療、三次治療にfailureした患者が7,000人程度だという点をもってオーファンだというロジックになっています。そうすると、今回の膀胱癌に限らず、コモンディジーズを含む多くの疾患について、初めの治療にfailure、次の治療にfailure、更に次の治療にfailureして人数要件を満たし、オーファン指定ができそうな気がします。
 もう一つ、「BCGが十分に奏効しない」という、やや恣意的な、解釈の余地がありそうな言葉で使用を制限しているのですが、むしろ「腫瘍の残存や再発が認められた患者」などとしたほうが、医学薬学上の適切な表現かと思うのですが、いかがでしょうか。
○合田部会長 ありがとうございます。まず二つの質問がありますが、最初は事務局にお願いできますか。
○事務局 では、事務局よりお答えします。このような疾患の例えば治療体系でしたり治療ラインなどによって区切るような考え方については、本年1月に我々のほうで発出した通知があり、こちらにおいて、いわゆる「輪切り」というような表現を用いているものです。これについては、通知を原則として認めないというところではありますけれども、例えば治療体系、治療ライン、あるいはリスク分類などの医学薬学上の適切な根拠に基づき、なおかつ、高いアンメットニーズがありつつも開発が進んでいないような範囲については、認められることとしています。
 今回、永井委員に御指摘いただいたように、何でもかんでも指定してしまうということは、本制度の制定された背景を踏まえると、恐らく避けるべきとは考えています。一方で、指定難病であっても、それ以外の疾患であっても、やはり投与対象となる患者数が少ないということが一つ開発のハードルになり得るという状況は同様であると考えていますので、こちらの部会で御審議いただき、妥当であるというものについては、指定を行うこととしたいと考えています。
 本品に関しては、先ほどの御説明と重複しますけれども、BCG抵抗性の患者に対しては、膀胱の全摘術が推奨されていますけれども、それに伴う尿路変更術などのQOLの低下ということが問題視されていて、膀胱を摘出しないような温存療法に対する臨床的なニーズは高いと判断し、指定することで差し支えないのではないかということで、御審議を諮らせていただいたところです。
○医療機器審査管理課長 医療機器審査管理課長です。ちょっと補足させていただきます。過去ですが、乾燥BCGワクチンを日本ビーシージー製造が申請した際に、既に表在性膀胱癌と膀胱上皮内癌という形で、今回と同様の適用の部分になりますけれども、そこに限った形でのオーファン申請は医薬品のほうで認めているという背景もあります。そのことから、今回の品目に関しても、事務局としては、先ほど担当から御説明しました通知の趣旨に合致するという判断をした上で、今回、御審議を諮っているところです。
○合田部会長 ありがとうございます。もう一つのBCGがどのぐらい効いているかの判断部分は。
○事務局 事務局より御説明します。二つ目の御質問は、「BCGが十分に奏効しない」という、少し解釈の余地があるような表現の適切性についての御質問、御意見と承りました。こちらについては、現在、申請者が申請を予定している効能・効果についての表現というところになりますので、御指摘いただいたように、実際に本邦に導入していく、承認していくに当たり、どのような患者が適切なのか、それに当たってどのような表現にするのが最も誤解がないのかというところは、審査の中で最終的に判断させていただくところかと思います。頂いた御意見も踏まえ、審査の中で考えていきたいと考えています。
○合田部会長 ありがとうございます。永井先生、よろしいですか。
○永井(洋)委員 ありがとうございます。よく分かりました。一つ目の件は、通知に書いてるから無条件にというか、どんどん使っていくという、こういったやり方をやっていくというものではなくて、都度、部会で審査をしてということで、認めるべきは認めていくと理解をいたしました。ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、小野寺先生、お願いします。
○小野寺委員 質問ではないですが、この製品はアデノウイルス由来です。先ほどアデノ随伴ウイルスと言われてましたので、訂正しておいてください。これは2022年に米国で承認されたアデノウイルス5型の製品です。書類のほうにはきちんとアデノウイルスと書いていますけれど、説明ではアデノ随伴ウイルスと言われてました。訂正の程、お願いします。以上です。
○合田部会長 御指摘ありがとうございます。ほかに御質問のある方はいらっしゃいますか。井関先生、お願いします。
○井関委員 井関です。確認だけなのですけれども、あくまでもBCGがファーストチョイスであってということで、結局、今申請されている方法を最初から使うということは、やはりあり得ないというか、区別がつかない、現段階では区別がついていないのだという、その理解でよろしいのでしょうか。
○合田部会長 事務局、よろしいですか。
○事務局 事務局より回答します。御理解のとおりと考えております。本邦において臨床試験の成績を基に承認申請される予定ですが、そちらにおいても、やはりBCGを使った患者に対して本品を投与しているというところになりますので、BCGを使う前の患者に対しての有効性・安全性というのは評価されていないというところになろうかと思います。
○井関委員 ありがとうございます。
○合田部会長 ありがとうございます。ほかに御質問、御意見等がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 それでは議決を行いたいと思います。nadofaragene firadenovecについては、本部会として希少疾病用再生医療等製品に指定することとしてよろしいでしょうか。御異議がある方はいらっしゃいますか。よろしいですね。異議がないことを確認いたしました。それでは、そのように議決させていただきます。本件は審議会にて報告を行うこととします。これで議題3を終了します。
 本日の議題は以上です。事務局から連絡事項等をお願いします。
○医療機器審査管理課長 今日も御審議ありがとうございます。委員の先生方におかれましては、本日御多忙の中、御参加いただきまして、誠にありがとうございました。次回の部会は2月19日(水)18時からを予定していますが、詳細につきましては、後日またメールで御連絡させていただきます。
 なお、今年度において、薬事審議会の委員全体の改選をさせていただいています。次の任期で在任期間が10年を超えることにより、審議会規程に基づき、本日を最後に御退任される先生が2名いらっしゃいます。御退任される先生から最後に一言ずつ頂きたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 お一人目ですけれども、小野寺雅史先生です。小野寺先生、一言よろしくお願いします。
○小野寺委員 成育の小野寺です。任期の10年間は非常に早く感じられ、そんなに経ったのかと思っております。ただ、10年の間に、本当に多くの遺伝子治療用製品や再生医療等製品が承認され、今後もより先端的な製品、mRNAとかゲノム編集等が出現し、この部会で審議されると思います。そして、これら新しいモダリティの品質や安全性は極めて重要な点になるので、この審議会が、最終的な患者に対するゲートキーパーとして、先生方の豊富な知識や経験の下、より安全で、有効性の高い医薬品を患者に届けていただければと思います。長い間ありがとうございました。
○合田部会長 小野寺先生、ありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 小野寺先生、どうもありがとうございます。お二人目ですが、森尾友宏先生です。森尾先生、よろしくお願いいたします。
○森尾委員 東京科学大学の森尾と申します。本当に10年あっという間でしたけれども、私自身、希少免疫疾患を専門とする小児科医でございまして、本日も希少疾患用の再生医療等製品が次々と出てきて、特に小児の希少疾患に対する治療がどんどん出てくるというところで、非常に感慨深く思っています。
 この技術部会を通して、委員の皆様にお世話になっただけではなく、厚労省とか機構の方々の御苦労も非常にひしひしと感じまして、小野寺先生がおっしゃったように、これからますますしっかりした審議が必要になるなと思っています。本当に長い間お世話になり、ありがとうございました。
○合田部会長 森尾先生、どうもありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 森尾先生、どうもありがとうございます。小野寺先生と森尾先生のこれまでの本部会における議論への多大なる御貢献に、改めまして事務局としても感謝申し上げます。今後のより一層の御活躍を祈念させていただきます。事務局からは以上です。
○合田部会長 どうもありがとうございます。それでは、これをもちまして、本日の再生医療等製品・生物由来技術部会を閉会いたします。本日はありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬局

医療機器審査管理課  課長補佐 飯野 彬(内線2787)