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第1回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会議事録
労働基準局安全衛生部安全課
日時
令和7年11月26日(月)14:00~16:00
場所
厚生労働省19階共用第8会議室(オンライン併用開催)
議題
- (1)無人運転機械による労働災害防止のために必要な措置等を決定するための基本的な考え方の整理
- (2)その他
議事
議事内容
○主任中央産業安全専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第1回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を開催します。私は、座長が選任されるまで司会を務めさせていただきます、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課の奥野と申します。よろしくお願いいたします。カメラ撮影などについてはここまでとしますので、御協力をお願いします。
初めに、本検討会の開催に当たり、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の安井から挨拶を申し上げます。
○安全衛生部長 厚生労働省の安全衛生部長の安井と申します。第1回の機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
近年、建設機械、荷役機械、農業・林業機械、様々な分野で遠隔運転あるいは自律運転、そういったものが開発あるいは社会実装されつつあるわけでございます。ただ、こういった機械につきましては、ある意味危険な機械でございまして、死亡災害も含めて多数の労働災害が発生しております。そういった観点から、労働安全衛生法及びその関係法令におきまして様々な規制がなされているわけでございます。一方で、そういった機械を遠隔あるいは自律で運転したときに、どのような安全規制が必要かというところにつきましては、これまで十分な検討が行われてこなかったところでございます。
こういったことを踏まえまして、今年6月に閣議決定された規制改革実施計画におきましては、厚生労働省におきまして、労働安全衛生法令が適用される機械で無人運転を行う場合の労働災害防止対策に関する専門家検討会を設置して、来年の上期までに、作業ごとに必要となる労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準など、検討すべき項目を整理する。その上で、安衛法の関係法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的措置を検討すると、そういう2段階にわたる計画を定めたところでございます。こういったことから、まず第1段階につきまして、この本検討会を立ち上げることにいたしまして、まずは来年の6月をめどに機械の使用が想定される具体的な作業ごとに実態を把握・確認した上で、労働災害防止のために必要な措置を決定するための基本的な考え方を整理すべく御検討いただきたいと考えているところでございます。
本日、御参加いただきました構成員の皆様は、それぞれの分野におけるエキスパートと伺っております。是非、忌憚のない御意見を頂いて、より良い考え方が整理できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○主任中央産業安全専門官 続いて、本検討会に御参集いただきました構成員の皆様を、資料1の別紙の構成員名簿の順に御紹介いたします。
一般財団法人日本品質保証機構認証制度開発普及室室長の櫛引様です。独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所新技術安全研究グループ部長の齋藤様です。独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所新技術安全研究グループ特任研究員の清水様です。職業能力開発総合大学校能力開発院能力開発基礎系教授の中村様です。国立研究開発法人産業技術総合研究所名誉リサーチャーの比留川様です。国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所インフラDX研究領域サイバーフィジカル研究グループ主任研究官の犬塚様です。国立研究開発法人土木研究所技術推進本部長の川俣様です。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林業工学研究領域研究専門員の陣川様です。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業機械研究部門システム安全工学研究領域領域長の冨田様です。国立大学法人大阪大学大学院工学研究科教授の石川様です。国立大学法人長岡技術科学大学大学院工学研究科修士課程工学専攻システム安全分野非常勤講師の畑様です。国立研究開発法人産業技術総合研究所研究戦略本部ウェルビーイング実装研究センター副研究センター長の中坊様です。国立大学法人筑波大学システム情報系情報工学域教授の永谷様です。永谷様におかれましては15時30分までの参加と伺っております。よろしくお願いいたします。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業機械研究部門知能化農機研究領域領域長の林様です。国立大学法人東京農工大学名誉教授の山下様です。
続いて、オブザーバーの各省庁を御紹介いたします。国土交通省大臣官房参事官(イノベーション)グループです。国土交通省港湾局参事官(技術監理・情報化)室です。オンラインでの御参加となっております。農林水産省農産局技術普及課です。こちらもオンラインでの御参加となっております。林野庁森林整備部研究指導課です。こちらもオンラインでの御参加です。
続いて、事務局を紹介いたします。先ほど挨拶いたしました安全衛生部長の安井です。安全課建設安全対策室長の船井です。建設安全対策室技術審査官の東です。安全課外国安全衛生機関検査官の鈴木です。安全課長の土井が所用により遅れて出席する予定です。
次に、座長を選任したいと思います。座長につきましては、開催要綱において「本検討会に座長を置き、座長は議事を整理する。」とあります。事務局としては、労働安全衛生に精通されており、無人運転機械の労災防止対策にも非常にお詳しい齋藤先生を推薦したいと思いますが、皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。それでは、齋藤構成員に座長をお願いいたします。これからの進行は座長にお願いいたします。
○齋藤座長 それでは、座長に選任されました齋藤です。ありがとうございます。私自身は、工作機械ですとか、ロボットですとか、そういった産業機械を専門にやってまいりましたけれども、ここ数年、建設分野の自動施工ですとか、林業機械あるいはロボット農機と、そういった機械の安全ガイドラインにも参加させていただいております。このようなことから本日推挙されたのかなと思っておりますが、何しろ、これだけの御専門の方々にお集まりいただきまして、何とぞ、御教示をいろいろと頂かないと、この検討会の議論は進まないかなと思っております。何とかまとめられるよう尽力いたしますので、是非とも御協力をお願いいたします。
それでは、本日の議事次第に従って早速議事に入りたいと思います。まず、議題1で、本日が最初の検討会ということで、この検討会の経緯や、あるいは機械の無人運転に関わる安全確保の最近の現状などを、事務局のほうから資料に従って御説明いただこうかと思います。次に、議題2として、本日は畑構成員のほうから資料を御用意いただきまして、機械の安全確保における機能安全の役割について、この会議に共通するテーマだと思いますので、情報提供いただこうと思っております。そして最後に、これが本日のメインのテーマですが、議題3として、今後の議論に当たっての論点を事務局から御説明していただいた後に、皆様から幅広く御意見を頂ければと思っております。
それでは、まずは議題1について、事務局から、資料2から3、4とまとめて説明していただくことになっております。よろしくお願いします。
○技術審査官 事務局でございます。私からは、資料2から資料4まで通しで説明させていただきたいと思います。
まず、資料2についてです。規制改革実施計画等についてというスライドです。1ページです。今年6月13日に閣議決定された「規制改革実施計画」の中から抜粋して、この検討会に関係する事項について記載があります。表の真ん中に、規制改革の内容ということで記載があります。上から5行目ぐらいからですが、安衛法関係法令、労働安全衛生法及び同法関係法令が適用される機械で遠隔運転・自律運転を行う場合の労働災害防止対策に関する専門家検討会を設置する。その上で、この検討会において、機械の使用が想定される具体的な作業ごとに、作業内容や周辺環境、使用される機械の運転制御方式やその技術水準の実態を把握・確認した上で、作業ごとに必要となる労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準など、検討すべき項目の整理を行う。その上で、こちらの検討・整理の結果を踏まえ、安衛法関係法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的な措置を検討し、結論を得次第、所要の措置を講ずるということで、閣議決定の文書に記載があります。
実施時期ですが、右側の表です。専門家検討会の設置については令和7年中、検討すべき項目の整理については令和8年上期の措置ということです。最後に、この検討結果を踏まえての具体的な措置の検討等については、令和8年上期以降、検討を開始し、結論を得次第、速やかに措置となっています。前段の部分については、これを踏まえて今回の検討会を設置して、まずは来年夏までを目途に検討していくことになりますが、それ以降についても、基本的にこの検討会の枠組みは維持して進めていきたいと考えています。また、来年夏以降、ワーキンググループ等の設置の可能性もありますが、基本的にはこの枠組みは維持して、その後の具体的な措置の検討も引き続き行っていきたいと考えています。
次ページ以降で、5月に開催された「規制改革推進会議デジタル・AIワーキンググループ」という場での厚生労働省説明資料をそのまま付けています。順序は逆になりますが、こちらを踏まえて、先ほど申し上げた閣議決定文、実施計画に反映されているという位置付けになっております。我々事務局として考えている現状や基本認識を、こちらの資料では記載しています。
次ページです。まずは、無人運転(遠隔運転・自律運転)の機械をめぐる現状です。建設機械、クレーン、荷役機械、農業機械、林業機械という形で記載しています。建設機械に関しては、ブルドーザ、油圧ショベル等の無人運転による施工を現在、試験的に実施しています。国交省においては、無人運転の建設機械を念頭に「自動施工における安全ルール」等も作成いただいています。一方で、災害復旧現場においては、遠隔運転による施工の導入事例も進んでいます。
クレーンに関しては、タワークレーンや港湾の門型クレーン(RTG)等について、遠隔運転機械の開発が進められ、一部は実用化されていると認識しています。荷役関係の機械については、無人運転のフォークリフト、ストラドルキャリア、AGV(無人搬送車)等が開発され、一部では実用化されているという認識です。
農業機械に関しては、ほ場内での走行と作業について、無人運転のトラクター等が実用化されている所もあると認識しています。林業機械については、伐木用機械、フォワーダ等の走行集材機械について、無人運転用のものが開発されつつある状況だと認識しています。
次ページです。このような無人運転の機械を使用するときに、どういう災害防止措置が必要かを我々として考えているものが、こちらの資料です。機械周辺の作業者の危険防止、適切な運転操作の実施等の観点から、こういったことが必要なのではないかというものです。
他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止という観点では、具体的には作業場所の立入禁止措置や合図といった措置のほか、機械側に自動接触検知・停止機能等を求めることもあるのではないかということです。
運転操作性の確保という観点では、具体的に言えばカメラの視認性・解像度等の確保、通信エラー・セキュリティ対策等といったところが考えられるのではないかということです。
3つ目の停止時・トラブル時の安全確保という観点では、逸走防止措置、ミニマムリスク操作といった観点も考える必要があるのではないかということです。
運転者(操作者)に求められる技能とそのレベルという観点で考えると、遠隔操作の観点で言えば、有人運転の技能に加え、遠隔特有な事項として、視野の狭さや、先ほど申し上げた通信エラー・遅れ等への対処といった観点も必要ではないかということです。自律に関しては、自律運転の信頼性レベルによって様々変わってくるところかと考えています。
5ページです。先ほどのとおり、必要と考えられる具体的な項目については、先ほどのスライドで幾つか並べて述べさせていただいたところですが、これらについては、「遠隔運転」か「自律運転」かといった機械の運転制御方式、「無人区画での作業」か「人と機械が混在の下での作業」なのかといった周辺環境の観点、主にこの2つの観点で、最低限必要な災害防止措置を考える上では、その内容や水準が大きく異なってくるのではないか、条件により、措置内容や水準にトレードオフが発生するのではないかと考えています。
具体的には、次のスライドを見ていただければと思います。運転制御方式と周辺環境の違いで、最低限必要な災害防止措置の内容と水準にトレードオフが生じるのではないかと考えています。全ての事項について考えられる最も厳しい措置を求めていけばよいというわけでもないと考えており、労働安全衛生行政としては、やはり最低限必要な規制を考えていく必要があると思っています。それを考える上では、全体を俯瞰した基本的な考え方の整理が必要だと思っています。これらをまとめて、「運転制御方式」と「周辺環境」のマトリックスの各ケースにおける各措置の内容や水準を検討する必要があるのではないかと考えています。
具体的に図示すると、下のような図です。人と機械の混在、無人区画なのかという周辺環境で、それぞれの項目について、より高いレベルで求めるのか低いレベルでよいのかという観点。自律運転、遠隔運転といった違いによっても、機械側で認識して判断するものなのか、遠隔運転ということで、遠隔ではあっても人が操作するものなのかという観点の違いで、それぞれの措置での高いレベル、低いレベルというところが出てくるかと考えています。
次のスライドです。併せて、機械側に求める措置について、規制の実効性の確保という点で資料をまとめたものです。最低限必要な安全対策の内容と水準を有する機械とその運用を社会実装することが、この規制の有効性、実効性という観点では必要だと考えており、そう考えると、安全機能の基準とその適合性評価、さらに、サプライチェーンの構築が不可欠だと考えています。国際規格と整合の取れたJIS規格の作成、適合性評価を行う国内認証機関の育成等について、省庁間の連携等も含めて対応していく必要があると考えています。
具体的な話として、下に何点か書いています。1つ目の点は、自動接触防止機能等の要求安全水準に関する国際規格、諸外国の規制です。機能安全による自動接触防止機能の要求水準については、後ほど畑構成員からもお話いただきますが、リスクアセスメントにより要求安全水準を定め、それに適合する設計を行う必要があるというところで、EU等では、機械のリスクに応じた要求安全水準が規定されています。一方で、そこの国際規格と整合性の取れたJIS規格については、現状ではほとんどないのが実際のところと認識しています。
2つ目は、安全機能の要求安全水準の適合性の評価方法、評価主体といったことについてです。EUにおいては、機能安全規格への適合性を評価する機関が指定されています。また、2027年から、第三者認証が必要なものについて追加がある見込みです。こういったことを踏まえながら考えていくことが、規制の実効性の確保に向けては必要と考えています。
次ページです。参考までに、現行の労働安全衛生法令での規定の考え方について記載していますが、これについては後ほどお話したいと思います。
最後のスライドです。まとめると、運転制御方式と周辺環境の区分に応じて、最低限必要な労働災害防止措置を決定するためには、個別の規制の検討に入る前に、まず、基本的な考え方の整理として、運転制御方式や周辺環境について、機械別の現状や将来ニーズの把握をした上で、論点を整理していくことが必要ではないかということで、今回の検討会に至っているところです。
引き続き、資料3について説明します。資料3は、機械の関係での現行の規制についての資料です。労働安全衛生法令においての車両系機械等の主な規制についてまとめております。1枚めくって、先ほどの規制改革推進会議のワーキンググループでこちらから説明したものがベースになっていますが、車両系機械等ごとに、過去の災害の発生状況を分析し再発防止の観点から事業者が講じなければならない措置を現行の労働安全衛生法令では規定しています。車両系機械等に関する規制は、労働安全衛生法令上、その構造や検査に関する規制等も含めて多岐にわたっていますが、ここのスライドでは、無人運転機械の労働災害防止措置を検討する上で、現行法令を踏まえて考えていくという観点では特に重要になる「使用に関する規制」についてまとめています。
主に5つの観点、太字で書いてあるものですが、それらの観点から、それぞれ次ページ以降でまとめています。まず1つ目、2ページですが、車両系機械等とその機械周辺で作業する労働者との接触防止という観点から、現行の規定でどういう規定がされているかというところです。車両系建設機械等に関しては、接触のおそれのある箇所への立入禁止又は誘導者の配置といったことが、現行の労働安全衛生規則(厚生労働省令)で規制されています。具体的には第158条あるいは第159条で、ここに記載のとおりの規定ぶりになっています。
次ページです。車両系機械と少し違うもので、クレーン関係の例ということで載せています。クレーン作業時の合図の実施、つり荷の下への立入禁止等という関係で、クレーン等安全規則上で具体的な規定がされています。第25条、第29条といったところです。
次ページです。作業場所の土石落下や車両系機械等が転倒することでの運転者の危険防止という観点で、ここにあるような規定がなされています。車両系建設機械を例に取ると、ヘッドガードを装備したものにしなければならないとか、作業場所に応じた作業計画を策定して、どういう所を走行するのかをあらかじめ明らかにしてくださいというところや、作業場所の中に路肩があるのであれば、その崩壊防止措置を実施するということ、転倒時保護構造の装備とシートベルトの装備がされたものを使用してくださいというところと、シートベルトが装備されているものについては着用してくださいという規定が主にされています。具体的な規制は、安衛則第153条以降の話で、次ページの第157条の2まで続いています。ここら辺の規定があります。
6ページです。クレーン等の場合になると、クレーン等の転倒防止という観点で、軟弱地盤等でのクレーン作業の禁止、アウトリガーを最大限張り出して使用してくださいという規定があります。クレーン等安全規則第70条の3から第70条の5です。
7ページは、運転者が運転席から離脱する際の周辺労働者の危険防止という観点です。車両系建設機械を例に取ると、作業装置を下ろしておくという措置や逸走防止措置、運転者が運転席から離れるときには、このような措置を講じなければならないということです。下側はクレーン等の例ですが、運転者が運転席を離れるときは、荷をつったままでの運転席からの離脱の禁止が掲げられています。
8ページです。適切な運転の実施のための運転席の仕様という観点です。運転のために必要な視界の確保、警報装置の設置等について、労働安全衛生規則ではなくて車両系建設機械構造規格の例ですが、このような規定の例があります。また、不整地運搬車に関して言えば、構造規格の中で、速度計又は過速度警報器の設置ということがあります。実際の作業現場で運行しながら作業していくというところも念頭に置いての措置ということです。
9ページ以降に関してですが、運転者に求める知識・技術といった観点です。就業制限業務の中でもクレーンに関しては免許の取得が求められています。また、車両系建設機械やフォークリフト、車両系荷役運搬機械等に関しては、技能講習の修了が求められています。より小型の機械等に関しては、事業者による特別教育を実施することになっています。
それぞれ免許と技能講習の関係について、制度面では9ページのスライドのとおりの規定となっており、10ページからは具体的な講習や試験の範囲についての規定です。まず、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転技能講習の例を取りました。学科講習、実技講習の講習科目が左側にあって、それぞれの時間が右側に記載があります。走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識等について学科講習で行うとともに、実技として走行の操作、作業のための装置の操作ということで、基本走行及び応用走行、基本施工及び応用施工と記載されています。
基本走行及び応用走行や施工の関係が少し分かりにくかったと思いますので、11ページに実技講習の詳細についての規定があります。走行に関しては、図にあるような単位コースを組み合わせて講習を行ってくださいということ、それから、貨物自動車への積卸しのための実技講習も併せて行ってくださいということです。基本走行というのは、発進、変速、左走向、右走向、後進、停止、駐車等、応用走行に関しては、障害物通過、貨物自動車への積卸しといった観点について、この講習の中で取り扱うということです。
作業のための装置の操作については、単位操作である、掘削、削土、運土、積込みといったことについてを1つの単位として、それを装置の操作として講習で行うということです。また、応用施工ということで、抜木、岩石除去等といったことについて記載されています。
12ページに関しては、クレーン・デリック運転士免許を例に取り、免許試験の試験範囲について記載されています。試験科目については左側、クレーン及びデリックに関する知識から関係法令までとなっています。学科試験については、2時間30分でこのような試験をやるということです。実技試験に関しては、クレーンの運転ということで、荷をつり上げ、定められた経路で運搬し、定められた位置に降ろすこと、合図の関係は、手、小旗等を用いて合図を行うことと規定されています。
最後の13ページは、労働安全衛生法令全体については、このようなことが幅広く記載されていますが、その中の一部で機械の安全について記載されているということで、御承知おきいただきたいというものです。
引き続き、資料4です。車両系機械等に関する労働災害発生状況について示した資料です。1枚めくっていただくと、こちらは現状での統計です。基本は無人運転のものではなくて有人運転のものだと御理解いただいて構わないと思っていますが、主な車両系機械等を起因物とする労働災害の発生状況の表が1ページのスライドにあります。後ほど具体例を申し上げますが、この中で言う墜落・転落というのは、基本的には、斜面を機械が転落して、乗っていた運転者等が被災するというものです。転倒というのは、機械が平面で転倒することによる災害、激突というのは、機械が構造物等に激突することでの災害、飛来・落下に関しては、運搬中の荷が落下して、周辺の方あるいは運転者が被災するといったもの、激突され、はさまれ・巻き込まれについては、動いている機械や荷が周辺の方に接触することで起きる災害と思っていただいて構わないと思います。こちらは、このような統計になっており、墜落・転落、激突され、はさまれ・巻き込まれといったところが多くを占めている状況です。
以降、2ページから先に関しては、先ほど資料3の主な規制をお話いたしましたが、その観点ごとに死亡災害の事例をまとめたものです。死亡災害に特化したものとしており、令和3年以前の災害も含まれます。先ほどの統計資料は令和4年、5年、6年のものですので、統計には含まれないものもありますが、このような事例があります。
まず1つ目、車両系機械等と当該機械周辺で作業する労働者との接触防止という観点で関係する災害についてです。4つほどに分類しており、車両系機械そのものと労働者が接触した災害という観点で6事例ほど挙げています。1つ目の事例で言えば、後退操作、バックをする操作をしたところ、後方で別の作業をしていた労働者がひかれるといった災害や、2つ目にあるように、ドラグ・ショベルが旋回して接触するという災害、車体後方部と仮設防護柵に挟まれるといった災害も非常に多いです。それから、4つ目の災害ですが、こういうのが多いわけではありませんけれども、バックモニターが設置してあって、運転者は後ろにいた労働者に気付いていたのだけれども、ぶつかってしまったという災害もあります。それから、その下にありますが、フォークリフトを使用していて、前の視界が制限された状況で使用していてぶつかってしまったというものもあります。
3ページは、車両系機械が運んでいた荷と労働者が接触したものということで、フォークリフトで空コンテナを運んでいたのですが、それが落下して近くにいた労働者が下敷きになったというもの等があります。下半分のクレーンの機体と労働者が接触したものに関しては、基本的には旋回したクレーンの機体との接触、あるいは、接触することで周りの構造物との間に挟まれるといった災害があります。
4ページは、クレーン等のつり荷と労働者が接触した災害ということで、一番下の事例のような玉掛けしてつっていた荷が落下したという災害もありますし、上から2つ目の事例、玉掛けの用具が構造物に引っ掛かって、鉄骨梁が転倒して挟まれたといった災害等も起きているところです。
5ページの作業場所の土石落下や車両系機械等の転倒等による運転者の危険防止という観点に関しては、こちらにあるように、一番上は、路肩から機械と一緒に転落したという災害、2つ目は、ハンドルを大きく左に切ったところ、脱輪して転倒したという災害、3つ目は、トラックに積み込む際の転倒といったものも出ています。
6ページに関しては、運転者が運転席から離脱する際の周辺労働者の危険防止という観点です。直接は運転者が被災しているという事例も多いのですが、運転者が離脱して機械の周りにいたところ、その機械が逸走して激突したというものもあります。上2つに関しては、運転者自身ではなくて別の労働者ということで、交通整理に当たっていた警備員に逸走した高所作業車が激突したとか、フォークリフトが突然動き出し、別の労働者がフォークリフトとコンテナに挟まれたといった災害もあります。
最後のページです。適切な運転の実施のための運転席の仕様に関する災害ということですが、仕様に関係するものというよりも、意図しない操作がされてしまっての災害という観点で何点か挙げています。運転手が周囲を確認しようとして姿勢を変えたときに、誤って操作レバーに触れてしまったことによっての災害や、運転者が降りたため、別の者が身を乗り出して運転席に入ったときに、思わぬ操作がされてしまったという災害を挙げています。以上、私からは主に現状の報告ということで、資料2から資料4まで説明させていただきました。
○齋藤座長 ありがとうございました。この検討会の基礎になります規制改革推進実施計画の説明、併せて、現行の主に車両系の労働安全衛生規則、それから、それに関わる災害発生状況を具体的な例も含めて御説明いただきました。この御説明につきまして、御質問等がございましたら挙手、また、Webで参加の構成員の方にあっては、チャットへの書き込みや「手を挙げる」のアクションボタンでお応えいただければと思います。どなたか、御質問等はございますか。では、比留川さん。
○比留川構成員 御説明ありがとうございました。資料3の2ページです。例えば「接触のおそれのある箇所への立入禁止または誘導者の配置等」と書いてあるのですけれども、遠隔操作の場合だと、例えば危険な場所で作業するような場合もあって、誘導員などは設置できないような場合もあると思うのですよね。実際それができる場合であっても、立入禁止はなかなか現実的ではないという場合もありますし、誘導員も人手不足の折ですから、設置できるかどうか分かりませんので。
ここに、機能安全の資料、資料2で言うと7ページ、機能安全の話も書いてありますので、例えば「立入禁止、誘導員を設置、又はその機能安全によって十分に安全であるというようにできる場合がある」など、そういうようなものを書き加えていかないと、遠隔操作の場合で実質的にコストも考えて安全を確保するというところが確保できないので、そういう検討もされてはどうかなと思います。
○齋藤座長 すみません、論点に関しての御議論、またその説明は、後で本日のメインテーマとして扱いたいので、ちょっと取っておいてもらえますか。
○比留川構成員 分かりました。質問ですね。
○齋藤座長 今のことを、改めて議題3の検討会の論点という所で、事務局からの説明を受けてから、大変いい御指摘だと思いますので、もう一度後半でお話を頂ければと思うのですけれども。
○比留川構成員 議事を理解していなかったのですね。
○齋藤座長 いいえ、ごめんなさい、私の説明不足で。そういう意味で、この検討会で議論するテーマ、主題は、今日の後半に時間を掛けて少しやろうと思っています。是非、取っておいて、むしろ1人ずつ御発言いただこうと思っていますのでよろしくお願いいたします。ここでは今の説明の資料の範囲で、何か質問、御不明な点がございましたら、御指摘いただければと思います。山下さん、どうぞ。
○山下構成員 資料2の1ページです。対象とするのが、労働安全衛生法及び同法関連法令が適用される機械というふうに書かれていますけれども、適用される機械というのはどこまで含むのかというのが、個人的にはよく分からなかったので、御説明いただけますか。
○技術審査官 事務局でございます。この閣議決定自身は、安衛法が適用される機械で無人運転を行う場合の労災防止措置を検討することとなっているものですけれども、もともとの話としては、この事項名の所にありますとおり、建設現場で主に移動する機械での遠隔運転等というところを念頭に、この規制改革の中での議論は行われてきたというところがあります。
一方で、我々が労働安全衛生法令を見ると、移動する建設機械、言ってみれば車両系建設機械だけではなくて、同様の機構にあるものとして、車両系荷役運搬機械ですとか、ほかにも車両系の機械、あるいは建設現場の中では別にクレーンの関係などもありますので、そこら辺も含めて、労働安全衛生法令の中で具体的な規定がある車両系の機械を、主にこの検討会の中では想定して御検討いただきたいと思っています。具体的に言えば、車両系建設機械の関係は、先ほど説明したとおり、規定があります。また、車両系荷役運搬機械の規定についても同様の規定があります。また、林業の機械でも同様の規定があります。あと、クレーンや移動式クレーンといったところもありますので、そこを念頭に御議論いただきたいと考えています。
○山下構成員 そうしますと、例えば工場の中で動いているロボットですとか、何でしょうか、例えば建築物を造るために工場の中で動いている移動式の車両など、そういうものは入らないということですか。
○技術審査官 この検討会の中でまず整理していくことを考えると、この規制改革実施計画を踏まえて対応していくというところがありますので、一番最後の段階での具体的な措置の検討というときに、そういうものについても非常にリスクが高いということであって、措置を考えていくべきというところはあるのかもしれないですけれども、まずは、今申し上げた車両系の機械、それから、クレーンのところを想定して御議論いただきたいと考えております。
○山下構成員 よく分かりました。
○齋藤座長 ありがとうございました。ただ、その点も後半の論点で議論するべきだと思いまして、取っておいてください。ほかに御質問は。
○中村構成員 職業大の中村でございます。まず、1ページの中で、「関係省庁と連携しつつ」ということがあると思うのですが、今回、関係省庁というのは、別紙に入っているこちらの省庁を限定してということで、まず、考え方としてはよろしいのでしょうか。
○技術審査官 少し先ほどの対象とする機械の話とも関係してくるところですけれども、そこら辺の機械について、今、各省庁さん、主に業を所管されている所かと認識しておりますが、具体的にガイドラインのような形で作られている省庁さんもありますので、まずは、そこら辺の具体的に想定している機械のところを対象に、関係省庁にまずは御参集いただいたというところでございます。
○中村構成員 ありがとうございます。
○安全衛生部長 少し補足と言いましょうか、資料2の7ページの規制の実効性の確保という所で、適合性評価の主体がどうなるのかや、サプライチェーンの構築などというのも、実際に社会実装するときには必要になってきますので、そういう意味では、それを所管する官庁というのは含まれるのですが、今回は、そこまでは入れていないということです。規制改革推進会議で我々が説明した関係省庁というのは、実は今日よりも広い概念で言っていますが、今日は若干狭めに、取りあえずハードウェアを開発している方にお集まりいただいたと、そういう趣旨でございます。
○中村構成員 ありがとうございました。あと、もう一点確認なのですけれども、資料の3ページに、クレーンや荷役機械、農業機械ということで、一部実用化されているとありますが、この「一部」の定義というのは、今後の事前説明などそういった中で、その「一部」のレベルというものを考えていくということでよろしいのでしょうか。
○技術審査官 そうですね、こちらについては、全体の中でどこまでが「一部」という定義が特にあるわけではありませんけれども、おっしゃるとおり、この後、第2回目から4回目まで、各関係する業界等にヒアリング等はしていきますので、その中で、今現状としてどこまで実用化されているのかといった辺りについては、詳しくお伺いしていきたいと思っております。
○中村構成員 ありがとうございました。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。ほかにもいろいろあると思いますが、会の全体の流れの説明が足らずに、この後、後半で全部の意見を改めて議論する時間を用意してございますので、そこで、もう一度お話を頂ければと思います。ですから、会の進行としましては、次に、畑構成員から議題2で情報提供を頂いて、共通の認識を持とうかと思いますので、よろしいでしょうか。では、議題2で、畑さん、お願いします。
○畑構成員 それでは、機械設計における安全確保おいては機能安全が重要な課題となっており、本議題においても中心的なテーマであると考えております。そこで、本資料では、機能安全の確保について5つの視点から整理いたしました。まず、機械設計における機械安全設計と機械使用者との関係について説明します。次に、機械設計における機械安全設計および機能安全設計の概要について、詳細ではなく、設計全体について大まかに説明します。その後、実際に機能安全設計を行う際に関係する各種規格、すなわち機械安全および機能安全に関する規格体系について説明します。4番目の項目として、具体的な適用事例として、AGV(無人搬送車)において実際に適用されている機能安全の事例を紹介します。最後に、機能安全設計の基本的な考え方について全体のまとめをします。
まず、機械メーカーとして検討すべき基本的な事項について述べます。その根本にあるのは、機械を使用する者(機械使用者)において、労働安全衛生法第28条の2に基づき、リスクアセスメントおよびリスクアセスメントに基づくリスク低減方策を適切に実施することが求められている点です。これは法令上の努力義務として位置付けられています。この努力義務を実効的に運用するためには、機械使用者だけでなく、機械を設計・製造する者(機械メーカー)においても、設計段階から十分なリスクアセスメントを実施し、その結果に基づいたリスク低減方策を講じることが不可欠となります。さらに、設計およびリスク低減方策を実施後に残る残留リスクについては、最終的な使用上の情報として整理し、機械使用者が自らリスクアセスメントを行うことができるよう、適切に情報提供することが極めて重要です。これら一連の考え方および流れについては、「機械の包括的な安全基準に関する指針」において体系的に示されています。また、この指針に基づき、労働安全衛生規則第24条の13においては、「機械譲渡者等が行う機械に関する危険性等の通知の促進に関する指針」により、その具体的な実施内容が示されているのが現状です。以上を踏まえ、機械メーカーの立場からお話しますと、適切なリスクアセスメントに基づく機械安全設計の実施と、残留リスクに関する情報を機械使用者へ適切に提供することが、今後重要になってくると考えます。
次に、現状における厚生労働省が示している機能安全の考え方について説明します。その基本となっているのが、第14次労働災害防止計画です。同計画の製造業対策においては、「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づき、リスクアセスメントおよびリスク低減方策を適切に実施することが求められています。さらに、その中で制御システムを用いる機械については、機能安全の推進により、より一層の安全水準の向上を図ることが示されています。これらの考え方を具体化したものとして、「機能安全の機械への適用に関する技術上の指針」が2016年に別途示され、機械に対する機能安全の適用方法が明確化されました。現在、機械メーカーにおいては、これらの指針を踏まえ、機能安全を考慮した機械設計を適切に実施している状況にあります。
次に、機械安全設計および機能安全設計の全体概要について説明します。本内容は、ISO 12100およびISO 13849に規定されている考え方を基に、全体像を整理したものです。まず、リスクアセスメントを実施するにあたり、機械の使用方法および合理的に予見可能な誤使用を含む制限仕様を明確に定義します。この制限仕様の下で、危険源、危険状態および危険事象の同定を行い、それらに対するリスクの見積りを実施します。次に、見積もったリスクについて、受け入れ可能か否かの判断を行います。その結果、リスクが受け入れ可能でないと判断された場合には、機械安全設計において用いられるリスク低減方策の大中である「3ステップメソッド」に従い、順序立ててリスク低減方策を検討・実施します。
その中で、機能安全の役割は、リスク低減方策の検討において、制御システムを用いるか否かを判断する点にあります。制御システムを用いる場合には、ISO 13849に基づき安全要求仕様を明確に定義し、制御システムに求められる安全レベル(要求パフォーマンスレベル:PLr)を決定します。その上で、PLrを満たすよう、制御システムの設計を行います。パフォーマンスレベルの設計および評価にあたっては、ISO 13849 に規定されている図中の1~9の評価項目に基づき検討を行います。概要については後述しますが、これらの項目に従い、体系的に設計・評価を進めていくことが重要です。このプロセスは、リスク低減方策の中で安全機能として定義される、制御システムを用いて安全を確保するすべての機能について適用されます。各安全機能ごとにこの検討ループを繰り返し、最終的にリスクが十分に低減されているか、また、新たなリスクが生じていないかを確認しながら、機械安全設計と機能安全設計を整合させた機械設備の設計を行っていく流れとなります。
なお、機械安全の考え方においては、まず「危険源」とは何かを明確にする必要があります。危険源とは、機械そのものが有する、人に危害を及ぼす可能性のある要因を指します。これらの定義については、後ほどあらためて説明します。一般に、リスクとは、危害の酷さとその発生確率の組合せとして定義されております。機械安全においては、機械が有する危険源と人が接近または接触することにより生じる危険状態を起点としてリスクを評価します。危険状態が発生した場合には、適切なリスク低減方策を講じることにより、危険事象の発生を抑制することが求められます。一方で、リスク低減方策が不十分な場合には、危険事象が発生し、結果として危害に至る可能性があります。例えば、ロボットのティーチング作業のように、人がロボットに接近した状態で動作させる作業では、危険状態の発生が想定されます。このような場合には、回避可能性の確保や、速度・力の制限といった方策を適用することにより、危害の発生を防止または許容可能なレベルに低減します。最終的に、これらの方策により危害が受け入れ可能なレベルに抑えられているかを判断することが重要です。このような一連の流れ、すなわち、危険源 → 危険状態 → 危険事象 → 危害というプロセスを理解し、適切な方策を講じることができていない場合には、結果として重大な危害に至る可能性があります。
機械安全におけるリスクアセスメントの基本的な考え方について説明します。先に述べたとおり、危険源とは、人に危害を与える可能性を有する潜在的な根源を指します。また、危険状態とは、人と危険源が接近または接触した状態をいいます。さらに、危険事象とは、危害を引き起こす可能性のある事象を指します。リスクアセスメントにおいては、危険状態に対して、どの程度リスク低減方策が講じられているかを踏まえ、リスクの大きさ(レベル)を評価します。その結果、適切な方策が講じられていない場合には、危険事象が発生し、最終的に危害に至る可能性があります。このため、機械メーカーが実施するリスクアセスメントを確認する際の重要なポイントの一つは、危険源から危害に至るまでのシナリオ、すなわち「危険源 → 危険状態 → 危険事象 → 危害」という一連の流れが、リスクアセスメントの中で明確に示されているかどうかです。これにより、適切なリスク低減方策の検討が可能となります。リスク評価の結果、リスクが受け入れ可能でない(許容不可)と判断された場合には、リスク低減方策を講じる必要があります。この際、機械安全設計においては、「3ステップメソッド」に基づき、1.本質的安全設計方策、2.安全防護および付加保護方策、3.使用上の情報の3段階に分けて、体系的にリスク低減を検討、実施します。
これらの関係性については、次ページにおいてプレス機械を事例として整理しています。
まず、本質的安全設計方策(ステップ1)では、リスクが認識された場合に検討すべき最初の段階として、危険源そのものを除去できないか、人が関わる作業を無くせないか、という二つの観点から、本質的に安全な設計が可能かどうかを検討します。これらの方策が講じられない場合には、危険状態の発生を避けることはできません。危険状態が発生する場合には、次の段階として、危険状態を回避または制御するための方策を検討します。具体的には、以下の二つの方法があります。一つ目は、人と危険源を物理的に隔離する方策であり、ガードや囲いによって危険源への人の接近を防止する方法です。二つ目は、停止による方策であり、人が危険源に接近したことを検知した場合に機械を停止させ、人と危険源が同時に存在しない状態を確保することで、安全を維持する方法です。
ただし、これらのリスク低減方策を講じた場合であっても、方策が不十分である場合や、不適切または不具合が存在する場合には、危険事象が発生し、結果として危害に至る可能性があります。このような事態を防ぐためには、危険事象の低減または回避を目的とした方策が必要となります。危険事象の低減・回避の方法には、構造的方策と確率的方策の二つの考え方があります。構造的方策とは、例えばガードの形状や強度などについて、規格等により要求事項が明確に定められている設計上の方策を指します。一方、確率的方策は、機能安全に関わる考え方であり、制御システムを用いて危険事象の発生を抑制する方法です。この場合、制御システムの安全性は確率論的に評価されます。具体的には、機能安全の分野では、PFH(危険側故障の時間当たり発生確率)を指標として、危険事象がどの程度の確率であれば許容可能かが複数の段階(レベル)に分けて定義されています。そして、対象となるリスクの大きさに応じて、要求されるPFHのレベルを決定し、それに基づいて機能安全設計を行うという流れになります。
通常、適切な方策が講じられなければ、最終的には危害が発生する可能性がありますが、ロボット作業のように特別な配慮が必要となる場合も存在します。これらの場合においても、基本的な考え方は機能安全設計に基づいています。例えば、ロボットのティーチング作業については、「機械の包括的な安全基準に関する指針」および ISO 12100 において、その考え方が示されています。ISO 12100 は、機械安全設計を行う上での基本的な設計原則を示した規格であり、ティーチング作業におけるリスク低減の考え方もここに含まれています。具体的には、ティーチング作業時には、1.ティーチングモードへの固定による運転状態の限定、2.ロボット動作時の速度低減または力の制限によるリスク低減状態の確保、3.ホールド・ツー・ラン操作やイネーブル装置を用い、連続的な操作が行われている場合にのみロボットを動作させる、といった複数の方策を組み合わせて適用することが求められています。これらの方策を総合的に実施することが、ティーチング作業におけるリスク低減方策の基本的な考え方として位置付けられています。
これまでの内容を整理します。先に示した危害発生のプロセスを、人の存在・危険源・危険事象の三つの要素に分けて考えると、それぞれに対応する安全設計の方策の位置付けが明確になります。まず、危険源に対しては、危険源そのものの除去または低減を図ることが基本となり、これは本質的安全設計方策に該当します。また、人の存在を排除し、人が危険源に関与しない構成とすることも、本質的安全設計方策の一つです。一方で、危険事象に関しては、機械安全および機能安全の両面が関与しますが、特に機能安全は、危険事象の発生確率をいかに低減・抑制するかという点において重要な役割を果たします。この部分が、機能安全設計が主として関与する領域であり、制御システムを用いて安全を確保する考え方となります。
基本的な機能安全設計の考え方について説明します。機械や設備においては、動作時における本来の機能を実現する部分、すなわち基本制御系と、人の安全を確保するための安全関連制御系(安全関連部)とが存在します。資料中では、基本制御系を水色で示しています。機能安全設計においては、基本制御系と安全関連制御系を明確に分離し、相互に独立させることが、安全確保の前提条件となります。この分離・独立が成立していない場合、基本制御系の故障や異常が安全機能に影響を及ぼし、十分な安全確保ができません。このため、安全を確保するためには、ISO 13849-2(JIS B 9705-2)における分離・独立の原則に基づき、基本制御系と安全関連制御系を構成上および機能上で独立させることが不可欠となります。
これらを達成するための手段として、主に以下の方策が挙げられます。まず、制御システムの安全関連部に適用可能な機器を使用することが重要です。これらの機器については、JIS 規格等において適用の可否が示されており、MTTFD(危険側故障までの平均時間)や B10D(10%の機器が危険側故障に至る回数)といった信頼性指標が数値として提供されています。これらのデータは、メーカー(例:シーメンスの規定等)が提示しているものであり、信頼性が明確な部品を選定することが求められます。次に、先に述べたとおり、安全関連部を基本制御系から分離・独立させることが基本的な安全原則となります。これは、JIS B 9705-2 に規定されている「分離・独立」の原則に基づくものです。さらに、特に高いリスクを有する箇所については、冗長化設計や、異種冗長化を適用することも有効な方策の一つです。最終的には、ISO 13849-1 に基づく信頼性設計および機能安全設計として全体を構築していくことが重要であると考えます。
ハードウェアの観点では、下段に模式図を示していますが、ユニット単位で分離・独立させる構成や、安全PLCのように、内部構造として完全な分離・独立が確保された装置を用いる方法があります。これらの装置を適切に選定・適用し、実際の設計に反映させていくことが重要となります。
次に、関連する規格体系を整理したものを示します。機械の安全を確保するための基本的な設計原則は、ISO 12100に集約されています。また、先に述べた「機械の包括的な安全基準に関する指針」についても、その内容は ISO 12100 をベースとして構成されていると考えられます。この中で、リスクアセスメントおよびリスク低減の基本方針が定まった後は、いわゆるB規格を適用して具体的な設計を行います。B規格とは、特定の安全側面に関する要求事項を定めた規格であり、例えば、安全防護の構造や安全距離などを、どのように設計すべきかが具体的に示されています。これらの規格が、実際の機械安全設計の基本となります。
さらに、最も重要な位置付けとなるのが、C規格に該当する個別製品安全規格です。産業ロボット、工作機械、プレス機械など、特に危ない機械については、必ずそれぞれに対応した個別製品安全規格が定められています。これらの個別製品安全規格の中では、各安全機能ごとに要求される機能安全のレベルが明確に規定されており、どの程度の機能安全設計を行うべきかが具体的に示されています。以上が、機械安全に関する規格体系の全体像です。
次に、機能安全に特化して整理します。機械分野における機能安全設計の基本は、ISO 13849-1 および ISO 13849-2です。また、電気・電子・プログラマブル電子システム(E/E/PE システム)を用いて機能安全を構築する場合には、IEC 61508および IEC 62061が適用されます。さらに、可変速ドライブに関する安全要求事項については、IEC 61800-5-2において規定されています。これらの規格に基づき、制御システムにおいては、機能安全上の安全を確保するための監視機能や診断機能を適切に設計へ組み込むことが求められます。
4番目の項目として、実際の JIS 規格において機能安全設計が適用されている事例を紹介します。ここでは、AGV(無人搬送車)に関する規格(JIS D 6802:2022)を例に挙げています。当該規格では、安全関連部の安全機能として、労働災害を防止するために必要な措置について、最低限要求されるパフォーマンスレベル(制御システムの安全関連部の性能レベル)が明確に規定されています。規定されている安全機能は全部で29項目ありますが、本資料では、その中から代表的なものを抜粋して示しています。具体的には、ブレーキシステム, 速度制御, 人検知システム, 運転モードの管理, ならびに 隔離された区域への人のアクセスに関する安全機能などについて、それぞれ想定されるリスクと、最低限求められるパフォーマンスレベルが、C規格(個別製品安全規格)として明確に定められています。
最後に、機能安全設計の基本的な考え方について整理します。機械安全における機能安全設計では、リスク低減方策として制御システムを用いることが決定された場合、JIS B 9705-1(ISO 13849-1)に示されているリスクグラフを用いてリスクアセスメントを行います。リスクグラフでは、要求されるパフォーマンスレベル(PLr)を、a、b、c、d、eの5段階で決定します。このパフォーマンスレベルは、1.危害の酷さ(Severity)、2.危険事象にさらされる頻度または暴露時間(Frequency)、3.回避の可能性(Possibility of avoidance)、という三つのパラメータを用いて見積もられます。これらの考え方は、規格JIS B 9705-1(ISO 13849-1)において PL a~eとして定義されています。一方、IEC における電気・電子・プログラマブル電子システム(E/E/PE システム)の機能安全規格では、SIL(Safety Integrity Level)が用いられ、一般に SIL1~SIL4が定義されていますが、機械安全分野においては SIL1~SIL3が適用範囲となります。ISO と IEC の規格体系における共通の評価指標としては、PFH(危険側故障の時間当たり確率)が用いられています。実際の設計においては、機能安全設計のシステムを、1.入力サブシステム、2.論理サブシステム、3.出力サブシステム、の三つに分けて構成し、それぞれについて PFH を算出します。これらの PFH を合算することで、システム全体の PFHを求め、最終的にその値が要求されるパフォーマンスレベルに適合しているかを評価・確認します。このようにして、機能安全設計の妥当性を最終判断することになります。
最後に、各パラメータの意味合いについて整理します。機能安全設計の規格であるISO 13849-1は、2006年以前においては、右図に示すとおり、カテゴリ(構造)のみを中心とした評価体系でした。当時は、信頼性の考え方も暗黙的には含まれていましたが、規格上、明確な数値指標としては示されていませんでした。例えば、カテゴリBとカテゴリ1は構造的には同一ですが、2006年以降の改訂では、MTTFD(危険側故障までの平均時間)という信頼性指標が導入され、MTTFD が 30年以上の場合は カテゴリ1、それ未満の場合は カテゴリBといったように、定量的な判断が可能となりました。このように、2006年以降の機能安全設計においては、構造的な評価指標であるカテゴリに加え、以下の信頼性評価指標を組み合わせて設計および評価を行います。MTTFd:危険側故障までの平均時間、DC(平均診断カバー率):全ての危険側故障に対して検出可能な危険側故障の割合、CCF(共通原因故障):共通原因故障に対して、どの程度配慮された設計方策となっているかの評価、これらにカテゴリを加えた4つの評価指標により、最終的なパフォーマンスレベル(PL)の妥当性を検証することが、現在の機械安全における機能安全設計の基本となっています。以上で説明を終わります。
○齋藤座長 ありがとうございました。厚生労働省も進めている安全化の中での機能安全の位置付け、あるいは、普段私が扱っています生産システムでは、もう基本原則になるISO13849の概要、機能安全規格の構造について、簡単に御説明を頂きました。これも、大きな話としては後半に改めて時間を取りますが、何か御質問等がありましたら。WEBの方もありますか。特に無いようですね。もし、御質問等がありましたら、また、聞き慣れない用語など多かったかもしれません、その辺も含めて、後半に、また御発言ください。畑さん、どうもありがとうございました。
それでは、いよいよ本日の主題であります議題3です。この検討会での論点を、今回は初回ということもあり、皆さんに説明を聞いていただいて、幅広に御意見を頂ければと思います。まずは、事務局から資料5の説明を頂きます。
○技術審査官 再び事務局です。私からは、資料5「今後の検討会の進め方等について」ということでお話したいと思います。こちらの資料については、今後の予定、論点、2回目以降のヒアリングの関係についてまとめております。
めくっていただき、1ページです。今後の検討会の予定について記載しております。先ほどの中でも少しお話しましたが、次回の第2回から第4回までの3回分については、無人運転機械のユーザー、メーカー等の有識者(関係団体等)からのヒアリングを行いたいと思っております。それ以降、来年3月以降ぐらいになるかと考えておりますが、第5回目以降の3回程度で、論点ごとの検討と中間取りまとめを考えております。この来年6月の中間取りまとめ以降に関しては、先ほどの規制改革実施計画の中にも文言がありましたが、労働安全衛生法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的な措置の検討という、具体的な検討に入ってまいりたいと考えております。
次のスライドです。論点についてです。ここで示しているのは、本当にこの検討会としての大きな目的となります。まず、四角囲みの所です。無人運転機械を使用した作業における、労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準などについてどのように考えるかをここでは検討してまいりたいというのが大きな項目です。
その中で、まず1点目として、無人運転機械を使用した作業における労働災害防止のために必要な措置として、先ほどの規制改革推進会議のワーキンググループ資料の中でも取り上げていたものですが、事務局としては具体的にこういった措置について考える必要があると思っています。この大きく4点について、追加・修正すべき点がないかどうかというところです。こちらについて、ヒアリングも踏まえて、また検討してまいりたいと考えております。具体的には、他の機械との衝突や周辺作業者への接触防止の観点、運点操作性の確保の観点、停止時・トラブル時の安全確保の観点、運転者(操作者)に求められる技能の確保の観点です。この無人運転機械の労働災害防止対策を考える上では、この4点のことについて、具体的にはそれぞれに書いてある項目がありますので、もっと多様な項目数になってきますが、そちらについてが措置と考えられます。この項目について追加すべき点などがあるかどうかといったところについてです。
次のページで、2つ目です。無人運転機械の運転制御方式と周辺環境の違いで、最低限必要な災害防止措置の内容と水準でトレードオフが生じると考えています。最低限必要な規制を考えていく上では、全体を俯瞰した基本的な考え方の整理が必要なのではないかと考えております。これらをまとめた運転制御方式と周辺環境の各ケースにおける措置の内容や水準について、どのように考えるかを検討してまいりたいと考えております。こちらも、先ほどと同様、ヒアリングも踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。下の図は、前のページの各項目を並べているイメージです。
最後の4ページです。今後の2回目から4回目のヒアリングについてです。これまでの事故について検討していくために、また、今後の具体的な規制を考えていくためにも、無人運転機械の使用が想定される機械・作業ごとに、作業内容や機械周辺の作業者の状況を含む周辺環境、使用される機械の運転制御方式、技術水準の実態を把握・確認することを目的として、機械のユーザー、メーカー等の有識者からヒアリングを行うことにしたいと考えています。
ヒアリングの対象とする機械ですが、先ほども少しお話に出ましたが、無人運転に関する技術が開発され、社会実装に向けた取組が進んでいるもので、労働安全衛生法令に具体的な規定があるもの等ということで考えています。車両系建設機械、車両系荷役運搬機械、クレーン、車両系木材伐出機械、農業機械を考えています。厳密に言うと、農業機械に関しては、労働安全衛生法令上、現状としては具体的な規定、規制はありません。ただ一方で、別に走っている検討会の中で、農業機械の安全対策に関する検討会を別に行っており、将来的に、この農業機械に関しても、労働安全衛生法令の中で具体的な措置等を規定することも考えられること、農業機械の無人運転機械については一定程度進んでいる状況もありますので、併せてヒアリングの対象としてまいりたいと思っております。
ヒアリングの事項については、こちらにあります大きく5点です。機械の開発・普及状況、それが使用されている作業又は想定されている作業がどのようなものか、運転制御方式や技術水準、関係する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況や動向、最後になりますが、労働災害防止の観点から、具体的にどのような措置が必要と考えるかということです。こちらに、先ほどのスライドにある各項目について並べています。こちらについて、機械のメーカーあるいはユーザーとして労働災害防止の観点からどのように考えているかを伺いたいと考えております。もちろんメーカー、ユーザーそれぞれの立場もありますので、この全ての項目に答えることが難しい場合にあっては、可能な範囲で御対応いただくことを考えています。駆け足になりましたが、今後の予定、考えている論点、ヒアリングの対応方針について説明いたしました。
○齋藤座長 ありがとうございました。本日のメインのテーマとして、この検討会での目的と論点ということで御説明を頂きました。特にスライド2ですが、こういった無人機械の安全措置として考えるべき項目をこの検討会では議論していく。その際に、次のスライド3にあるように、2軸、4象限で場合が考えられるだろうと。1つは自律運転と遠隔運転の違い、もう1つが人混在と立入禁止措置だと。このように分けたところを各項目について検討していくことが、この検討会の趣旨ということで御説明を頂きました。この論点につきまして、御意見を頂ければと思っております。まずは、先ほど比留川さんから御指摘があったのですが、よろしいですか。立入禁止が、人の管理でやるのか、システムの側で担保するべきなのか、又は、そう簡単に割り切れるものなのかということだったかと思います。比留川さん、もう一度御発言を頂けますか。
○比留川構成員 先ほどは先走りをしてしまいまして申し訳ありませんでした。申し上げたいのは、法令のほうで、例えば無人、立入禁止、又は誘導員とだけ書いてしまうと、例えば機能安全で安全が確保されたとしても、それは認められないということになってしまいます。ですので、そこの法令の中に、例えば「立入禁止、誘導員の設置、又は機能安全によって脅威的なリスクは存在できない状態にできる」というように書いてもらわないと、法律のほうでそう書いてしまうと、幾ら先ほどの機能安全で安全にしても、それは駄目という話になってしまう。
産業ロボットが、御案内だと思いますが、すごく長い間、それで苦しんだのですよね。隔離安全しか法律で許されなくて、ISOも随分前から機能安全で書いてあったのですけれども、ここでの法律は隔離安全でしか駄目という話で、長年苦しんで、2014年でしたか、何年か忘れましたけれど、やっと対応いただいて、それでこういう人間協調型ロボットがすごく普及しだしたのです。そういうこともありましたので、ここは検討の項目の中に1つ入れていただければいいかなと思います。
あと、EUの機械指令とかだと、機械指令もオブリゲーションです、どうしても守らなくてはいけなくて、CEマーキングを取らなければいけないのですけれども、日本の場合、法令は強制の部分が実はすごく少ないのですよね。ロボットのISO10218とかISO13482とか、いろいろありますけれども、結構、任意規格になっていて、そこはいいよねという話になって、まあ、いいよねというわけではないのですけれども、任意規格になっていて、余り安全認証が、適合性の評価がされないような場合も結構ありますので、そこはうまく、元の安衛法なり安ネイ法でしても、マストの部分を決めていただいて、それとうまく規格をひも付けていただく。機能安全で、例えばロボットだったらISO10218に沿ってやってくださいみたいな。そういう細かいことまで全部、法令で定めるのは難しいと思いますので、うまくその法律と規格のハーモナイズというか役割分担というのを、きちんと整理していただけるといいかなと思いました。
あと、最後ですけれども、免許や講習の話がありましたけれども、そこは、遠隔が入っていくと、ちょっと変わってくると思うのですよね。これは実際に資料にも書いていますけれども。例えば遠隔操作の場合に、免許の学ぶ内容とか試験はそのままでいいのかとか、講習内容もそのままでいいのかと、変わってくると思いますので、その遠隔操作に対応して、免許制度、講習制度というのも定期的に見直していただけるといいかなと思います。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに、山下さん、もう一度、御発言をお願いします。
○山下構成員 先ほどとちょっと違う話で、この3ページの図、今、ちょうど出ている図ですけれども、自律運転と遠隔運転、これにもう1つ完全手動運転というのが入って、3つに分けられているかと思うのですが、無人運転というときに、結局、人間と機械との関わりということを見ていかなければいけないかなと思います。例えば自動車の分野ですと、自動運転のレベルというのが6段階で設定されていて、もっと詳しいものですと、最大で11段階まで分かれているのがあります。そういったことをちょっと念頭に置いて、まず、無人運転という言葉がどこまで無人なのか、人間が非常時にどこまでできるのか、そういう辺りを少し考えないと、自律と手動、あるいは遠隔が入って、この軸だけでゼロイチではなくて、もうちょっと途中がいっぱいあるかなと思いました。
○齋藤座長 全く同感です。ありがとうございます。次ですが、お時間の関係があるとのことで、Webで接続されている永谷さん、お願いします。
○永谷構成員 よろしいですか、永谷です。
○齋藤座長 お願いします。
○永谷構成員 御説明ありがとうございます。工場と、いわゆる外、工事現場という所で、やはり状況がかなり異なると感じております。屋外はコントロールが難しく、かつ、動いている重機が非常に大きくて重いので、基本的には人と共存できないという前提があります。その前提のもと、去年、国交省の安全ルールというのが出されました。そこでは、資料6の7ページ目でお示しいただいた、いわゆる安全を担保するためには、「そもそも分けてしまいましょう」というのが基本的な考え方であると思っております。
私自身の研究開発においても、これは非常に共感しており、逆に、分けるということをしてしまえば、先ほどの資料5の3ページ目の「人と機械の混在」という部分について、そこまで深く議論する必要がないかという気がしております。特に危険なのは、自動運転を始める直前と自動運転が終わった直後の辺りであり、自動運転中は、遠隔操縦中も同じなのですが、人を入れないということさえきちんとできれば、労働安全ということを考える部分は、むしろずっとシンプルになっていくと考えられます。先ほどの一番最初の御説明でもありましたが、人がけがをするのは、人が機械の近くにいるときです。分離の話が進めば、人が機械の近くにいなくなるため、それが一番重要であると考えております。
その意味で、この資料5の3ページ目にある「人と機械の混在」に関しては、この段階で踏み込まなくてもいいのかなと思いました。つまり、「人と機械が混在すること」を前提とした建設機械のルールづくりは、今、始めても、少し難しいというのが、私の持った率直な印象になります。むしろ、無人区画というのを明確にしてしまえば、「どうすれば無人区画から出ないですむか」というところにフォーカスした議論ができると考えています。以上です。
○齋藤座長 永谷先生、ありがとうございました。私も自動施工のガイドラインに参画しておりまして、そういった無人化というか、人との完全な隔離というのを大きな原則に置いているということ、よく存じています。ただ、ほかの分野では、それがなかなか難しい。比留川先生の御発言からもあったのですけれども、工場の中では、作業者と搬送車とが混在している、1つの倉庫の中でもそのような場面もある。大きな考え方をする際に、どちらかを優先するというわけではなく、区別してものを考えていったらどうかというのが3ページ目になると思っているのですが、いかがでしょう。
○永谷構成員 なるほど、分かりました。人と機械の混在というのが起こる状況が発生する場合には、ここに示したルールとなる、ということですね。
○齋藤座長 そういった業種、作業、分野。
○永谷構成員 承知しました。
○齋藤座長 一方で、建設現場のように立入禁止が適用可能ならば、こうだという感じです。ただ、ごめんなさい、まだ第1回目で、今はそういう発想でいるといったところで、最終的にはどちらがいいというのが、この討論の中で出てくれば、大原則として一方が残るということもあるかと思っています。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
○永谷構成員 すみません、そちらに行けなくて大変申し訳ありませんでした。次こそしっかり出たいと思っております。
○齋藤座長 よろしくお願いします。
○永谷構成員 よろしくお願いします。
○齋藤座長 ほかにいかがでしょう。御意見はございますか。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。先ほどの御紹介の中で、事故事例の御紹介と関連法令の御紹介がございました。事故事例を見ていくと、ある程度、法令でカバーされているところもあるのではないかと認識した次第なのですけれども、今後この議論の中で、法律違反を更に厳しくしていく方向と、あとは、有人機械が無人機械になっていく際に、新たに考えなければいけないところ、すなわち新しく法律でカバーしなくてはいけないところ、こういったところをどのように考えていくのかというのは、少し今後のテーマかなと感じました。
あと、遠隔と自律という分け方をしたときにも、多分レベルが違ってくるでしょうし、今、自動配送ロボットということで、公道でロボットを遠隔で操作しているのですけれども、1人が何台操作できるかというようなところで議論されていたりしますので、今後のオペレーションの話もあるでしょうけれど、そういった1人がどういった管理をしていくかというような観点も必要かなと感じました。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。非常に貴重な御意見でした。他に。もうこうなったら順番に中村さんから一回りしますので。
○中村構成員 中村でございます。私のほうから、2ページの下2つ、停止時・トラブル時の安全確保と運転者(操作者)に求められる技能の確保について、ちょっと意見を述べさせていただきたいと思います。まず、無人運転、遠隔運転になった場合に、その運転者という立場というのが、大きく変わるのではないかと。むしろ管理者という立場のほうが強いのではないかなと思うところがあるのです。例えば故障したときに、非定常作業に入るときに機械に近づくわけですよね。そのときの安全確保という視点というのは、これはやはり必要ではないかと思うのですよ。そこの部分が重要かなと思います。あとは、やはり無人運転の進化の度合いによって、完全無人運転なのか、一部有人運転なのかというところのレベルによって、またそこの判断基準というのですか、そういった基準も考えたりしなくてはいけないのではないかと。そういった視点を入れていく必要があるのではないかと。それを入れると、就業制限の在り方とか、そちらのほうにもやはりつながっていくのではないかと考えるものですから、そういったことを整理できることが必要ではないかと思います。以上でございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。次に順番で犬塚さんよろしいですか。
○犬塚構成員 港湾空港技術研究所の犬塚です。まず、ちょっと全体に関することにはなってしまうのですけれども、今回の規制改革実施計画、閣議決定された内容として、資料2の1ページになるのですけれども、デジタル・AI機械全般の更なる技術的発展及び利用を図る観点から、労働者の安全及び健康を守る必要があるとあります。なので、労働者の安全や健康を守るという視点とともに、それらの機械の利用促進だったり、使いやすさとか、その辺にも視点を向ける必要があるかなと思います。具体的には、例えば今回で取るべきとされた方策に関しても、余りにもその方策のコストが高すぎたりとか、その機械をそのまま利用するに当たっての利便性を著しく損ねないかとか、何かそういう観点も必要なのかなと思いました。
もう1つが、今回の論点についてなのですけれども、資料5の2ページになります。今回その対象とされている機械というのが、労働安全衛生法令が適用される機械ということなのですけれども、その機械が遠隔操作化とか自動化した場合の機械においても、その法令が現状で全て適用されているのか、あるいは、現状では除外されているのかとか、そういったところもちょっと気になるなと思いました。というのも、運転免許の話があったかと思うのですが、運転免許というか安衛法に基づく免許の話があったかと思うのですけれども、遠隔操作の機械で、本当に有人運転の技能が必要なのかとか、その辺も含めて、例えば規制を強める方向ではなくて緩和する方向に行かないかといった、そういう観点が考えられるかなと思いました。
○齋藤座長 大変貴重な御意見、ありがとうございました。次に陣川さん。
○陣川構成員 森林総研の陣川です。齋藤先生にも委員会には出ていただいているのですけれども、林業の場合、死亡災害というのが非常に高くて、究極的に機械の無人化、人をとにかく入れないようにしないといけないというのは、最終的な目標ではあるのですけれども、傾斜不整地、森林の中で作業しているということで、技術的にもかなり難しいというのが現状です。
昨年から遠隔操作に関してはガイドラインを林野庁で作って、今は自動走行ということでガイドライン作りを進めているところではあるのですけれども、今日、お話をいろいろ聞きながら、先ほど工場と野外の作業は違いますよという話が出たのですけれども、森林作業が決定的に違うところは、やはり野外でというところもありますし、ここで出てくる周辺環境というのが、林業の作業の場合、どのように当てはまるのかなというのを、話を聞きながらずっといろいろ考えてはいました。例えば、山の上から木を積んで、山の下まで運んできますよということになると、運んでくる機械の自動化というのをやっているところではあるのですけれども、積み込む部分を無人化すればというのではなくて、運んで走行していく途中の道も無人化という話になってくる。そうすると、山全体を無人化しなければいけないというか、立入禁止の区域にしなければいけないという話になってくるので、そうなると、実際のところは現実的ではないというのが林業の場合はあるのかなと思います。
そういうところで、どのようにマッチングさせればいいのかな、どういうところでどのように考えればいいのかなというのを整理しないと、なかなか考えが出てこないな、意見が出てこないなというのが正直なところです。
○齋藤座長 ありがとうございます。次に冨田さん。
○冨田構成員 農研機構、冨田と申します。農業機械を専門にしておりまして、農業機械のほうでは齋藤先生にも御指導いただいて、ガイドラインの制定ですとか、私ども農研機構での検査などという形でも、いろいろ安全対策を進めているところでございます。
詳しいお話は、またヒアリングのときにでも御紹介するとして、本日、論点として、まずはやはり、陣川先生もおっしゃったように、環境の問題ですね。やはり農地というのは、基本的に人間から切り離せない。農地というのは本当に地域によって生活空間そのものですので、例えば農地の脇を子供が通学のために通るといったようなことは排除ができない。そういった環境だということで、その辺の機械との分離というところをどう考えていくかということもあります。また、一言で農地と言っても環境は非常に多様でございまして、さっき言ったような生活圏内の中にあるような農地もあれば、人と会うより熊と会う確率のほうが高いといったような、非常に辺鄙なというか、そういったような環境もあって、そこをどのようにまとめて考えていくかというところも非常に課題だなと思っております。
また、農業機械におきましては、先ほど事務局から御紹介いただきましたように、農業機械そのものに対する規制の検討と、今回の無人運転に対する検討が、同時に進んでいるという状況です。したがいまして、ここで定めましたようなことが、事業者ですとか使用者のやるべきこととして、実効を持つものとして実装されるかといったようなところ、これは機械の検討と併せて、どういう規制体系ならば農業において実効性があるのかといったようなところも、皆様のお話も伺いながら、検討していかなければいけないポイントかなと思っています。
もう1つ、3つ目の論点としては、農業機械は非常に事故が多い機械です。そうしたときに、例えば無人化、自動化をして、人が乗らなくなれば、それだけで事故が減るよねといったような観点もあります。その機械そのものの安全性にとどまらず、そういう観点からも、無人化、自動化の意義、安全上の意義というものを検討していく必要があるかなといったようなことを、私としては考えています。以上でございます。
○齋藤座長 それでは、畑さん。
○畑構成員 これまでのご説明を踏まえ、私なりに整理した考えを述べます。自動運転・無人運転を基本とする場合においては、設計および評価の前提として、以下の四つの観点から整理することが重要であると考えます。1.自動・自律運転、2.遠隔操作、3.人が関与する手動操作(設備特性上、不可避な場合)、4.運用上の管理・運用ルール、これらを明確に区分した上で、全体の安全設計および運用方針を検討する必要があります。また、ヒアリング項目については、現状や無人運転の実施状況に関する確認は行われていますが、当該設備がどのような制限条件の下で設計されているのか、すなわち制限仕様に関するヒアリングが十分ではないように感じています。現在の運用における制限仕様がどのような状態にあるのかの現状を明確に把握した上で検討を進めることが重要であり、その確認を踏まえて次のステップに進むのが望ましいと考えます。
○齋藤座長 ありがとうございました。中坊さん、お願いします。
○中坊構成員 産総研の中坊です。公道走行ロボットとかサービスロボット、産業ロボット、農機の関係、あと、JRとかそういった鉄道関係も少しやっておりまして、本当にいろいろな環境とか業種で条件が変わってくることを感じています。
その上で、この4象限に分ける考え方は非常に納得感があります。先ほど来、御意見を頂いていたことを私なりに理解した限りでは、やはり無人区画が原則目標だとは思うのですが、それがどの程度できるか、どれぐらい人がいないのかという、全く絶対にいないということを言えるか、それともほとんどいないという程度なのか。あとそうした隔離を考える場合の距離の問題です。例えば、ガラガラと崩れ落ちてくるというのが、どれぐらいの距離まで来るのか、どのぐらい離さなければいけないのか。そこをまず議論する必要があると。
次に、ここに載っていない非常に重要な点として、ハザードの大きさ、そもそものハザードの起こりうる大きさ。例えば本当に山が崩れてくるとかだと、何十人も一遍に被害をうけるということもあり得るでしょうし、建築機械とかそういったものの中にも、ちょっとした自動化機械みたいなものも少しずつ入ってきていて、非常に本質的に安全で、大けがはするかもしれませんが、人が亡くなるほどでもないかもしれないというようなものが建築の現場でも使われていると聞いているので、そうした被害の程度によってリスクアセスメントを考えなければいけない。あと、農機ですと、すごいスピードで走るというのは、そもそもトラクターなどの場合は無理なので、音も大きいですし、普通逃げられるだろうと、アボイダンス(回避)ですよね。だから、そういったリスクアセスメントのセビリティ、ひどさとアボイダンスの部分を考慮した上で、基本機能としての機能安全は確実にできているのかというところは確認すると。
機能安全でできないところはセンサーだと思うのです。センサーを幾ら頑張っても、人の検出を99.99999%までできるというのは、工場の中だけだったらできますが、外に一歩出ると、ほぼその確実さはなくなります。そうすると、誰かが監視して、責任を取らなければいけないという状況が、いろいろな所で起こっている。先ほど櫛引さんがおっしゃった公道自律走行配送車4台を1人で監視するというのも、これを10台、100台にしていったときに、監視している人の責任はどうなるのだろうということが出てくる。これが人の技能とか責任の話につながってくると思うのですが、有人運転の運転する技能から、ある程度設定したり、プログラミングの環境を整備したり、自動機械をコントロールする技能というものに変わり、かつ、監視する責任が出てくる。そういった人の責任というのはいろいろ変わってきているところを、きちんと規定すべきではないかと思います。すみません、いろいろ言いましたけれども。
○齋藤座長 ありがとうございました。林さん、お願いします。
○林構成員 農研機構の農機研の林です。先ほど同じ所属の冨田のほうから、農業に関する事情については大分お話があったので、私から新たにお話することは余りないのですが、先ほどお話があったとおり、農業の場合は、やはり従事者以外の者との距離が非常に近いということで、環境制御をしきれないと。今回の資料を見ますと、労働災害ということですので、そこで働いている方々の災害を想定された言葉使いになっているのかと思いますが、農機の場合は事故、そもそもの第三者を巻き込んだ事故にも注意しなければいけないというところが大きな環境の違いかと考えていました。
資料のほうで、自律運転と遠隔監視という言葉が出てきていて、他分野でも同じかと思いますが、農業の場合なぜ自動化するかと言いますと、これから20年間で農業をやる人が4分の1、5分の1になるという状況を踏まえてやっていて、とにかく人を減らさなければいけないと。我々が今開発している機械の現状を申し上げますと、遠隔操作はほぼほぼなくて、基本的には機械は自律で動いて、それを遠隔で。もともとは常時監視で、更に機械側に環境認識機能を持たせて、何かイベントというか危険な事象が起きたときに通知が来るみたいな形で監視していけないかというシステムというか運用体系の構築に、現在取り組んでいます。
今回の検討会の取りまとめとして、先ほど農業機械は安衛法に含まれていないというお話があって、逆に言いますと、農業機械以外の機械については、もともとある規制プラスこういうものが必要になってくるというように取りまとめられるかと思いますが、農業機械はそのベースがないので、最終的にどういうレベルまで取りまとめるか。ヒアリングまでは多分同じようにやっていくのでしょうが、最後に取りまとめるときに、環境の特殊性、使われ方の特殊性とまとめのバランスというか、そこを考えていかなければいけないかと思っておりました。私からは以上です。
○齋藤座長 山下さん、追加がありますか。
○山下構成員 先ほど自動レベルというお話があったので、追加でよろしいですか。化学プラントの運転制御、保安にデジタル技術あるいはAIを使っていいというような話ですが、関連して、経済産業省でAIを導入するとそれに伴って規制緩和が起こるというような、スマート保安とか高度認定制度というのがあって、そういうのをやったりとか、プラント保安分野にAIを導入するときのガイドラインを作ったりということを経産省でやっていました。
その関係から、自動化ということに対する1つのキーワード、AIがどうしても必ず出てくるかと思います。そのときに、先ほど自動レベルというお話をしたのですが、完全自律運転の場合にはいいのですが、化学プラントのように複雑なシステムになりますと、人間とAIが協調して一緒に動く、共働することが必ず必要になってきます。ですから、無人区画にするとかそういう話ではなくて、共働という分野が結構たくさんあるのではないかと思います。そのときには、AIと人間両方とも共存した環境で、AIが人間の活動をサポートするという役として使うことになります。そういう環境を想定しますと、また大分考えることが変わってくる部分もあるのではないかと思います。
EUで言いますと、今日は機械のほうの話が出たのですが、AIについての規制、AI Actというものが出ています。AI Actの中には、先ほど出たリスクレベルを定義して、このレベルのものはもう使ってはいけません、このレベルのものはこういう対策をしたら使っていいですみたいなことが決まっています。そういう辺りも非常に参考になるのではないか思いました。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。Webで接続されている石川さん、よろしくお願いします。
○石川構成員 石川です。よろしくお願いします。Webからですので、議論の流れがちゃんと把握できているか分からないのですが、まず第一に前提条件として思うのは、先ほど永谷先生がおっしゃったとおり、私は建設機械の自動化と遠隔化の研究をしていますが、基本的には、人と機械がそもそも接触しないか、関わらない状況を作ると、これが恐らくは大前提だと思いますが、それも多分状況によるのだとは思います。建設機械でも、例えば鉱山作業みたいにそもそも人間と隔離できるものもあれば、町工場の作業みたいな所もあるわけで、まず大前提として、どのぐらいの人と機械の関わる状況を想定しているかというモデルケースを先に定めないと、なかなか具体的な議論がしにくいかと思いました。これは、恐らくこの先のテーマごとのヒアリングで詰めていかれるかと理解しております。
ある程度人と機械の関わりが発生する状況下を想定して思うのは、私は制御を専門にしていますので、どちらかと言いますと、安全の確保のための規制をどうするかというよりは、そもそも人間と機械が安全に関われるためにどうするかということで、リスクを下げる方向の話になってしまうかと思いますが、1つは、機械の動作が人間から予測可能かどうかということが、すごく大きいポイントになるのではないか。これは、建設機械以外も含めて、いろいろなロボットや機械の制御をしてきて思ったのですが、自動で動いて、ある種の知能を持った機械が勝手に動いて何らかの作業をしているときに、恐らく、人間が乗っていたら、この状況で次はこうするだろうなという予測可能な動きと違ったことをされると、非常に人間にとってリスクが大きいと思います。昨今、ファミリーレストランなどでも結構自動の配膳ロボットがたくさん入ってきておりますが、人間と非常に近い所に関わってくるサービスロボットだと、人間が思う予測可能な動きとは違うことをされると非常にびっくりするということがあります。
なので、1つは機械の動作意図、今、こういう状況を捉えていて、次はこういうふうにしようとしているという意図が、近くにいる人間たちにちゃんと伝わるようにするというのが、まず潜在的なリスクを低くするための大きなポイントではないかと思っている次第です。例えば、機械は、今、どういう動作モードであって、次はこういう動作をしようとしているというインジケーターみたいなものを必須化するとか、そういったことがもしかしたら考えられるのかと思いました。
もう1つは、恐らくこの先で想定される責任の所在の話です。今、私が申し上げた、機械がどういう意図をしようとしているのか人間に分かるようにして、例えば危険な所から人間が自主的に避けられるようにするというのは、一見良いことですが、ちょっと考え過ぎかもしれませんが、気掛かりなのは、そうすると責任が人間のほうに行ってしまうのです。つまり、危険であることを機械のほうはちゃんと示しているのだから、それを避けなかったのは人間側に責任があるということになってしまうのも、これもまた本末転倒なのです。
ある意味、私も制御が専門なので、自動機械にいろいろなことをやらせようと思えば、どんなことでもさせてしまえるのですが、まず動作が人間に予測可能にする、理解可能にするということと、責任の所在が明確になるような動作を選択させるというところが論点として必要かと思いました。ピントが外れておりましたら申し訳ありませんが、以上が私が思っているところです。
○齋藤座長 いえいえ、貴重な御意見でした。ありがとうございました。川俣さん、よろしくお願いします。
○川俣構成員 土木研究所の川俣です。私からは建設分野ということでお話させていただきます。建設分野はこれから人が少なくなるのは確実なので、少ない中でやっていくためには、建設機械、建設施工の自動化は絶対に進めなければならないことだと考えております。今回、専門家検討会が設立された目的は、冒頭にお話を頂きましたが、やはり建設施工の自動化を進めるに当たって、安衛法令に関連する規制改革をどうしたらいいのかということを検討していく、このことを常に忘れないで、私も含めて考えていかなくてはいけないと思っております。当然、安全確保というのは建設工事でも絶対の第一優先すべきことなので、安全を確保しつつ、自動化も進むように安衛法令の規定を、例えば、曖昧だったものをはっきりさせることによって、導入が進むような形が取れればと考えているところです。
その際に、これからヒアリングによって分かってくることもあると思いますが、実際に建設施工で自動化を進めようと考えている民間の会社の方々、この法令の規定に基づいて対応しなければいけない方々にとっての阻害というか、もう少しこの辺りをはっきりさせたほうがいいだろうとか、この辺のことはこうすべきだろうというニーズや課題があると思います。それらを踏まえたうえで、しっかり安全を確保しつつ、自動化も進むような形で、検討が行われることを私自身も考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。よろしくお願いします。清水さん、御意見をお願いします。
○清水構成員 ありがとうございます。いろいろ皆様の御検討の内容をお聞きしていたのですが、私としては、全体的なスコープとして、厚生労働省の検討会で対象労働者ということになるかもしれませんが、やはり第三者を対象にするかどうかというのが、分野分野で考え方があるのだと考えています。国際規格では第三者も対象にはなっていると思いますが、今回のスコープの中で対象者を第三者まで広げるかどうかということが1つです。
もう一つは、実際に隔離が前提という考え方は私もそのとおりだと思いますが、ある意味、製造業の中で、協調作業と言うのでしょうか、実際にロボットと人が共存、協調しながら作業を行うというようなニーズもあると聞いておりますので、そういった協調安全と遠隔運転、そういったすみ分けも考えなければいけないと考えています。
もう一つ、実際にオペレーターが遠隔にいた場合、何か危険に気が付くことが本当にできるのかどうかということ、もう一つは、実際に気が付いたときに、今、実際に現場に適用している非常停止装置のようなものが遠隔で構成できるのかどうか、そういったものも検討していきたいと思っています。以上です。
○齋藤座長 どうもありがとうございました。最後に、オブザーバーですが国土交通省からお願いします。
○国土交通省 国土交通省の菊田です。お時間を頂きまして、ありがとうございます。座長にも御参加いただいております国交省が開いている協議会の中で、人と機械を分けて考えるということで、例えば、機械が無人のエリアから出ない、あるいは人がそのエリアに入らない、そういったものを検討していくことになるかと思います。その協議会でも、座長やほかの委員の先生方からいろいろ御指導を頂きながら議論していきたいと考えております。本検討会では、その議論の結果などを踏まえて議論していければより良くなるのかと思っております。
もう一点は、人が物理的に入っていかないものとして、先ほど無人エリアという話をしましたが、災害時の遠隔施工は典型的だと思っております。先ほど陣川構成員からお話があった林業と若干似ているかと思ったのは、例えば土砂災害が起きたときに、我々はその土をどけなければいけないのですが、また上から落ちてくるかもしれないので、そこは遠隔で、人が行かないようにして施工いたします。そういった所は、施工環境を構築する段階はやはり人が入らないといけないのですが、構築した後は人が入らずに施工できることが典型的だと思っておりますので、情報提供いたしました。以上です。ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかにWebでオブザーバーで参加されている省庁さんで御意見、御発言はありますか。国交省港湾、農林水産省、林野庁、よろしいですか。大変貴重な御意見を皆さんから預かりまして、事務局のほうで全部控えておりますので、これに関して今後検討していく、回答を示す会にもなるかと思います。
座長として、一言だけ言いたいのですが、お時間を頂ければと思います。永谷先生がおっしゃっていたことが非常に私も心に響きます。最終的に機械が優秀になり、無人で運転できるのだったら、誰も災害に遭う人はいなくなるというのは確かですが、そのことが現時点ではまだ非現実的で、様々な状況があるというのは、構成員の方々も共有されたかと思います。こういうところにあって、4象限に分けてものを考えていくことは、おおむね賛同を頂けたのではないかと思います。ただ、これは永谷先生もおっしゃっていましたが、災害のときに再起動、危険を検知して停止した後、また作業を再開する際の再起動に関しては、項目として事務局案に抜けていたように感じました。もしかしたらどれかに含まれているのかもしれませんが、としても、この点は大きくトピックとして取り上げるべきかと。機械の災害が起きる一番のタイミングだと思いますので。
また、犬塚先生がおっしゃいましたが、実効性も含めた上での基準は、当然、この検討会でヒアリングを通じて明らかにしていくのでしょうが、その結果、現行あるものが緩和されるという方向も確かにあるのかなと思いました。それは大変参考になりました。ただ、御意見を皆さんからいろいろ聞いていて、今回、規則ということで、事業者が守るべきことという観点で整理されていますが、当然ながら、製造業者のほうもあると。そうなりますと、構造規格という制度、更にそこまで踏み込むのかを明確にすべきかと思いました。
会議の進行が悪く、最後は時間がなくなってしまいましたが、部長、よろしいですか。
○安全衛生部長 大変いろいろ御意見を頂きまして、ありがとうございました。先ほど座長からもおまとめいただきましたとおり、様々な場面がありますので、自動なのか、遠隔なのかということと、周辺環境、人がいるのか、いないのかということ、その4象限で考えるところは、おおむね皆様方に御了承を頂いたのかと思っております。
あと、それ以外にももっと検討すべき点があるという御指摘がありましたので、それはまた取り込みながら進めていきたいとは思いますが、今回の検討会は、個別具体的に、例えば建設機械についてこういう規制にすべきという結論を出すことを目的にはしておりませんで、全般的に全ての作業について当てはまる基本的な考え方を整理するというのが、6月までの1つの目標となっております。そういう意味では、建設機械だからもうこれは要らないとか、そういうことではなくて、皆様方全員が合意できるような基本的な考え方を目指すことがポイントですので、そういった観点で議論に御協力を頂ければと思います。私からは以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。初めての座長なもので、時間が少し過ぎてしまいましたが、議事が終わりましたので事務局にお返しします。
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございました。次回の日程につきましては、12月19日(金)を予定しております。場所などを含めて、後日連絡させていただきます。以上をもちまして、第1回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会は終了いたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。
○主任中央産業安全専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第1回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会」を開催します。私は、座長が選任されるまで司会を務めさせていただきます、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課の奥野と申します。よろしくお願いいたします。カメラ撮影などについてはここまでとしますので、御協力をお願いします。
初めに、本検討会の開催に当たり、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の安井から挨拶を申し上げます。
○安全衛生部長 厚生労働省の安全衛生部長の安井と申します。第1回の機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
近年、建設機械、荷役機械、農業・林業機械、様々な分野で遠隔運転あるいは自律運転、そういったものが開発あるいは社会実装されつつあるわけでございます。ただ、こういった機械につきましては、ある意味危険な機械でございまして、死亡災害も含めて多数の労働災害が発生しております。そういった観点から、労働安全衛生法及びその関係法令におきまして様々な規制がなされているわけでございます。一方で、そういった機械を遠隔あるいは自律で運転したときに、どのような安全規制が必要かというところにつきましては、これまで十分な検討が行われてこなかったところでございます。
こういったことを踏まえまして、今年6月に閣議決定された規制改革実施計画におきましては、厚生労働省におきまして、労働安全衛生法令が適用される機械で無人運転を行う場合の労働災害防止対策に関する専門家検討会を設置して、来年の上期までに、作業ごとに必要となる労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準など、検討すべき項目を整理する。その上で、安衛法の関係法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的措置を検討すると、そういう2段階にわたる計画を定めたところでございます。こういったことから、まず第1段階につきまして、この本検討会を立ち上げることにいたしまして、まずは来年の6月をめどに機械の使用が想定される具体的な作業ごとに実態を把握・確認した上で、労働災害防止のために必要な措置を決定するための基本的な考え方を整理すべく御検討いただきたいと考えているところでございます。
本日、御参加いただきました構成員の皆様は、それぞれの分野におけるエキスパートと伺っております。是非、忌憚のない御意見を頂いて、より良い考え方が整理できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○主任中央産業安全専門官 続いて、本検討会に御参集いただきました構成員の皆様を、資料1の別紙の構成員名簿の順に御紹介いたします。
一般財団法人日本品質保証機構認証制度開発普及室室長の櫛引様です。独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所新技術安全研究グループ部長の齋藤様です。独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所新技術安全研究グループ特任研究員の清水様です。職業能力開発総合大学校能力開発院能力開発基礎系教授の中村様です。国立研究開発法人産業技術総合研究所名誉リサーチャーの比留川様です。国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所インフラDX研究領域サイバーフィジカル研究グループ主任研究官の犬塚様です。国立研究開発法人土木研究所技術推進本部長の川俣様です。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林業工学研究領域研究専門員の陣川様です。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業機械研究部門システム安全工学研究領域領域長の冨田様です。国立大学法人大阪大学大学院工学研究科教授の石川様です。国立大学法人長岡技術科学大学大学院工学研究科修士課程工学専攻システム安全分野非常勤講師の畑様です。国立研究開発法人産業技術総合研究所研究戦略本部ウェルビーイング実装研究センター副研究センター長の中坊様です。国立大学法人筑波大学システム情報系情報工学域教授の永谷様です。永谷様におかれましては15時30分までの参加と伺っております。よろしくお願いいたします。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業機械研究部門知能化農機研究領域領域長の林様です。国立大学法人東京農工大学名誉教授の山下様です。
続いて、オブザーバーの各省庁を御紹介いたします。国土交通省大臣官房参事官(イノベーション)グループです。国土交通省港湾局参事官(技術監理・情報化)室です。オンラインでの御参加となっております。農林水産省農産局技術普及課です。こちらもオンラインでの御参加となっております。林野庁森林整備部研究指導課です。こちらもオンラインでの御参加です。
続いて、事務局を紹介いたします。先ほど挨拶いたしました安全衛生部長の安井です。安全課建設安全対策室長の船井です。建設安全対策室技術審査官の東です。安全課外国安全衛生機関検査官の鈴木です。安全課長の土井が所用により遅れて出席する予定です。
次に、座長を選任したいと思います。座長につきましては、開催要綱において「本検討会に座長を置き、座長は議事を整理する。」とあります。事務局としては、労働安全衛生に精通されており、無人運転機械の労災防止対策にも非常にお詳しい齋藤先生を推薦したいと思いますが、皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。それでは、齋藤構成員に座長をお願いいたします。これからの進行は座長にお願いいたします。
○齋藤座長 それでは、座長に選任されました齋藤です。ありがとうございます。私自身は、工作機械ですとか、ロボットですとか、そういった産業機械を専門にやってまいりましたけれども、ここ数年、建設分野の自動施工ですとか、林業機械あるいはロボット農機と、そういった機械の安全ガイドラインにも参加させていただいております。このようなことから本日推挙されたのかなと思っておりますが、何しろ、これだけの御専門の方々にお集まりいただきまして、何とぞ、御教示をいろいろと頂かないと、この検討会の議論は進まないかなと思っております。何とかまとめられるよう尽力いたしますので、是非とも御協力をお願いいたします。
それでは、本日の議事次第に従って早速議事に入りたいと思います。まず、議題1で、本日が最初の検討会ということで、この検討会の経緯や、あるいは機械の無人運転に関わる安全確保の最近の現状などを、事務局のほうから資料に従って御説明いただこうかと思います。次に、議題2として、本日は畑構成員のほうから資料を御用意いただきまして、機械の安全確保における機能安全の役割について、この会議に共通するテーマだと思いますので、情報提供いただこうと思っております。そして最後に、これが本日のメインのテーマですが、議題3として、今後の議論に当たっての論点を事務局から御説明していただいた後に、皆様から幅広く御意見を頂ければと思っております。
それでは、まずは議題1について、事務局から、資料2から3、4とまとめて説明していただくことになっております。よろしくお願いします。
○技術審査官 事務局でございます。私からは、資料2から資料4まで通しで説明させていただきたいと思います。
まず、資料2についてです。規制改革実施計画等についてというスライドです。1ページです。今年6月13日に閣議決定された「規制改革実施計画」の中から抜粋して、この検討会に関係する事項について記載があります。表の真ん中に、規制改革の内容ということで記載があります。上から5行目ぐらいからですが、安衛法関係法令、労働安全衛生法及び同法関係法令が適用される機械で遠隔運転・自律運転を行う場合の労働災害防止対策に関する専門家検討会を設置する。その上で、この検討会において、機械の使用が想定される具体的な作業ごとに、作業内容や周辺環境、使用される機械の運転制御方式やその技術水準の実態を把握・確認した上で、作業ごとに必要となる労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準など、検討すべき項目の整理を行う。その上で、こちらの検討・整理の結果を踏まえ、安衛法関係法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的な措置を検討し、結論を得次第、所要の措置を講ずるということで、閣議決定の文書に記載があります。
実施時期ですが、右側の表です。専門家検討会の設置については令和7年中、検討すべき項目の整理については令和8年上期の措置ということです。最後に、この検討結果を踏まえての具体的な措置の検討等については、令和8年上期以降、検討を開始し、結論を得次第、速やかに措置となっています。前段の部分については、これを踏まえて今回の検討会を設置して、まずは来年夏までを目途に検討していくことになりますが、それ以降についても、基本的にこの検討会の枠組みは維持して進めていきたいと考えています。また、来年夏以降、ワーキンググループ等の設置の可能性もありますが、基本的にはこの枠組みは維持して、その後の具体的な措置の検討も引き続き行っていきたいと考えています。
次ページ以降で、5月に開催された「規制改革推進会議デジタル・AIワーキンググループ」という場での厚生労働省説明資料をそのまま付けています。順序は逆になりますが、こちらを踏まえて、先ほど申し上げた閣議決定文、実施計画に反映されているという位置付けになっております。我々事務局として考えている現状や基本認識を、こちらの資料では記載しています。
次ページです。まずは、無人運転(遠隔運転・自律運転)の機械をめぐる現状です。建設機械、クレーン、荷役機械、農業機械、林業機械という形で記載しています。建設機械に関しては、ブルドーザ、油圧ショベル等の無人運転による施工を現在、試験的に実施しています。国交省においては、無人運転の建設機械を念頭に「自動施工における安全ルール」等も作成いただいています。一方で、災害復旧現場においては、遠隔運転による施工の導入事例も進んでいます。
クレーンに関しては、タワークレーンや港湾の門型クレーン(RTG)等について、遠隔運転機械の開発が進められ、一部は実用化されていると認識しています。荷役関係の機械については、無人運転のフォークリフト、ストラドルキャリア、AGV(無人搬送車)等が開発され、一部では実用化されているという認識です。
農業機械に関しては、ほ場内での走行と作業について、無人運転のトラクター等が実用化されている所もあると認識しています。林業機械については、伐木用機械、フォワーダ等の走行集材機械について、無人運転用のものが開発されつつある状況だと認識しています。
次ページです。このような無人運転の機械を使用するときに、どういう災害防止措置が必要かを我々として考えているものが、こちらの資料です。機械周辺の作業者の危険防止、適切な運転操作の実施等の観点から、こういったことが必要なのではないかというものです。
他の機械等との衝突、周辺作業者への接触防止という観点では、具体的には作業場所の立入禁止措置や合図といった措置のほか、機械側に自動接触検知・停止機能等を求めることもあるのではないかということです。
運転操作性の確保という観点では、具体的に言えばカメラの視認性・解像度等の確保、通信エラー・セキュリティ対策等といったところが考えられるのではないかということです。
3つ目の停止時・トラブル時の安全確保という観点では、逸走防止措置、ミニマムリスク操作といった観点も考える必要があるのではないかということです。
運転者(操作者)に求められる技能とそのレベルという観点で考えると、遠隔操作の観点で言えば、有人運転の技能に加え、遠隔特有な事項として、視野の狭さや、先ほど申し上げた通信エラー・遅れ等への対処といった観点も必要ではないかということです。自律に関しては、自律運転の信頼性レベルによって様々変わってくるところかと考えています。
5ページです。先ほどのとおり、必要と考えられる具体的な項目については、先ほどのスライドで幾つか並べて述べさせていただいたところですが、これらについては、「遠隔運転」か「自律運転」かといった機械の運転制御方式、「無人区画での作業」か「人と機械が混在の下での作業」なのかといった周辺環境の観点、主にこの2つの観点で、最低限必要な災害防止措置を考える上では、その内容や水準が大きく異なってくるのではないか、条件により、措置内容や水準にトレードオフが発生するのではないかと考えています。
具体的には、次のスライドを見ていただければと思います。運転制御方式と周辺環境の違いで、最低限必要な災害防止措置の内容と水準にトレードオフが生じるのではないかと考えています。全ての事項について考えられる最も厳しい措置を求めていけばよいというわけでもないと考えており、労働安全衛生行政としては、やはり最低限必要な規制を考えていく必要があると思っています。それを考える上では、全体を俯瞰した基本的な考え方の整理が必要だと思っています。これらをまとめて、「運転制御方式」と「周辺環境」のマトリックスの各ケースにおける各措置の内容や水準を検討する必要があるのではないかと考えています。
具体的に図示すると、下のような図です。人と機械の混在、無人区画なのかという周辺環境で、それぞれの項目について、より高いレベルで求めるのか低いレベルでよいのかという観点。自律運転、遠隔運転といった違いによっても、機械側で認識して判断するものなのか、遠隔運転ということで、遠隔ではあっても人が操作するものなのかという観点の違いで、それぞれの措置での高いレベル、低いレベルというところが出てくるかと考えています。
次のスライドです。併せて、機械側に求める措置について、規制の実効性の確保という点で資料をまとめたものです。最低限必要な安全対策の内容と水準を有する機械とその運用を社会実装することが、この規制の有効性、実効性という観点では必要だと考えており、そう考えると、安全機能の基準とその適合性評価、さらに、サプライチェーンの構築が不可欠だと考えています。国際規格と整合の取れたJIS規格の作成、適合性評価を行う国内認証機関の育成等について、省庁間の連携等も含めて対応していく必要があると考えています。
具体的な話として、下に何点か書いています。1つ目の点は、自動接触防止機能等の要求安全水準に関する国際規格、諸外国の規制です。機能安全による自動接触防止機能の要求水準については、後ほど畑構成員からもお話いただきますが、リスクアセスメントにより要求安全水準を定め、それに適合する設計を行う必要があるというところで、EU等では、機械のリスクに応じた要求安全水準が規定されています。一方で、そこの国際規格と整合性の取れたJIS規格については、現状ではほとんどないのが実際のところと認識しています。
2つ目は、安全機能の要求安全水準の適合性の評価方法、評価主体といったことについてです。EUにおいては、機能安全規格への適合性を評価する機関が指定されています。また、2027年から、第三者認証が必要なものについて追加がある見込みです。こういったことを踏まえながら考えていくことが、規制の実効性の確保に向けては必要と考えています。
次ページです。参考までに、現行の労働安全衛生法令での規定の考え方について記載していますが、これについては後ほどお話したいと思います。
最後のスライドです。まとめると、運転制御方式と周辺環境の区分に応じて、最低限必要な労働災害防止措置を決定するためには、個別の規制の検討に入る前に、まず、基本的な考え方の整理として、運転制御方式や周辺環境について、機械別の現状や将来ニーズの把握をした上で、論点を整理していくことが必要ではないかということで、今回の検討会に至っているところです。
引き続き、資料3について説明します。資料3は、機械の関係での現行の規制についての資料です。労働安全衛生法令においての車両系機械等の主な規制についてまとめております。1枚めくって、先ほどの規制改革推進会議のワーキンググループでこちらから説明したものがベースになっていますが、車両系機械等ごとに、過去の災害の発生状況を分析し再発防止の観点から事業者が講じなければならない措置を現行の労働安全衛生法令では規定しています。車両系機械等に関する規制は、労働安全衛生法令上、その構造や検査に関する規制等も含めて多岐にわたっていますが、ここのスライドでは、無人運転機械の労働災害防止措置を検討する上で、現行法令を踏まえて考えていくという観点では特に重要になる「使用に関する規制」についてまとめています。
主に5つの観点、太字で書いてあるものですが、それらの観点から、それぞれ次ページ以降でまとめています。まず1つ目、2ページですが、車両系機械等とその機械周辺で作業する労働者との接触防止という観点から、現行の規定でどういう規定がされているかというところです。車両系建設機械等に関しては、接触のおそれのある箇所への立入禁止又は誘導者の配置といったことが、現行の労働安全衛生規則(厚生労働省令)で規制されています。具体的には第158条あるいは第159条で、ここに記載のとおりの規定ぶりになっています。
次ページです。車両系機械と少し違うもので、クレーン関係の例ということで載せています。クレーン作業時の合図の実施、つり荷の下への立入禁止等という関係で、クレーン等安全規則上で具体的な規定がされています。第25条、第29条といったところです。
次ページです。作業場所の土石落下や車両系機械等が転倒することでの運転者の危険防止という観点で、ここにあるような規定がなされています。車両系建設機械を例に取ると、ヘッドガードを装備したものにしなければならないとか、作業場所に応じた作業計画を策定して、どういう所を走行するのかをあらかじめ明らかにしてくださいというところや、作業場所の中に路肩があるのであれば、その崩壊防止措置を実施するということ、転倒時保護構造の装備とシートベルトの装備がされたものを使用してくださいというところと、シートベルトが装備されているものについては着用してくださいという規定が主にされています。具体的な規制は、安衛則第153条以降の話で、次ページの第157条の2まで続いています。ここら辺の規定があります。
6ページです。クレーン等の場合になると、クレーン等の転倒防止という観点で、軟弱地盤等でのクレーン作業の禁止、アウトリガーを最大限張り出して使用してくださいという規定があります。クレーン等安全規則第70条の3から第70条の5です。
7ページは、運転者が運転席から離脱する際の周辺労働者の危険防止という観点です。車両系建設機械を例に取ると、作業装置を下ろしておくという措置や逸走防止措置、運転者が運転席から離れるときには、このような措置を講じなければならないということです。下側はクレーン等の例ですが、運転者が運転席を離れるときは、荷をつったままでの運転席からの離脱の禁止が掲げられています。
8ページです。適切な運転の実施のための運転席の仕様という観点です。運転のために必要な視界の確保、警報装置の設置等について、労働安全衛生規則ではなくて車両系建設機械構造規格の例ですが、このような規定の例があります。また、不整地運搬車に関して言えば、構造規格の中で、速度計又は過速度警報器の設置ということがあります。実際の作業現場で運行しながら作業していくというところも念頭に置いての措置ということです。
9ページ以降に関してですが、運転者に求める知識・技術といった観点です。就業制限業務の中でもクレーンに関しては免許の取得が求められています。また、車両系建設機械やフォークリフト、車両系荷役運搬機械等に関しては、技能講習の修了が求められています。より小型の機械等に関しては、事業者による特別教育を実施することになっています。
それぞれ免許と技能講習の関係について、制度面では9ページのスライドのとおりの規定となっており、10ページからは具体的な講習や試験の範囲についての規定です。まず、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転技能講習の例を取りました。学科講習、実技講習の講習科目が左側にあって、それぞれの時間が右側に記載があります。走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識等について学科講習で行うとともに、実技として走行の操作、作業のための装置の操作ということで、基本走行及び応用走行、基本施工及び応用施工と記載されています。
基本走行及び応用走行や施工の関係が少し分かりにくかったと思いますので、11ページに実技講習の詳細についての規定があります。走行に関しては、図にあるような単位コースを組み合わせて講習を行ってくださいということ、それから、貨物自動車への積卸しのための実技講習も併せて行ってくださいということです。基本走行というのは、発進、変速、左走向、右走向、後進、停止、駐車等、応用走行に関しては、障害物通過、貨物自動車への積卸しといった観点について、この講習の中で取り扱うということです。
作業のための装置の操作については、単位操作である、掘削、削土、運土、積込みといったことについてを1つの単位として、それを装置の操作として講習で行うということです。また、応用施工ということで、抜木、岩石除去等といったことについて記載されています。
12ページに関しては、クレーン・デリック運転士免許を例に取り、免許試験の試験範囲について記載されています。試験科目については左側、クレーン及びデリックに関する知識から関係法令までとなっています。学科試験については、2時間30分でこのような試験をやるということです。実技試験に関しては、クレーンの運転ということで、荷をつり上げ、定められた経路で運搬し、定められた位置に降ろすこと、合図の関係は、手、小旗等を用いて合図を行うことと規定されています。
最後の13ページは、労働安全衛生法令全体については、このようなことが幅広く記載されていますが、その中の一部で機械の安全について記載されているということで、御承知おきいただきたいというものです。
引き続き、資料4です。車両系機械等に関する労働災害発生状況について示した資料です。1枚めくっていただくと、こちらは現状での統計です。基本は無人運転のものではなくて有人運転のものだと御理解いただいて構わないと思っていますが、主な車両系機械等を起因物とする労働災害の発生状況の表が1ページのスライドにあります。後ほど具体例を申し上げますが、この中で言う墜落・転落というのは、基本的には、斜面を機械が転落して、乗っていた運転者等が被災するというものです。転倒というのは、機械が平面で転倒することによる災害、激突というのは、機械が構造物等に激突することでの災害、飛来・落下に関しては、運搬中の荷が落下して、周辺の方あるいは運転者が被災するといったもの、激突され、はさまれ・巻き込まれについては、動いている機械や荷が周辺の方に接触することで起きる災害と思っていただいて構わないと思います。こちらは、このような統計になっており、墜落・転落、激突され、はさまれ・巻き込まれといったところが多くを占めている状況です。
以降、2ページから先に関しては、先ほど資料3の主な規制をお話いたしましたが、その観点ごとに死亡災害の事例をまとめたものです。死亡災害に特化したものとしており、令和3年以前の災害も含まれます。先ほどの統計資料は令和4年、5年、6年のものですので、統計には含まれないものもありますが、このような事例があります。
まず1つ目、車両系機械等と当該機械周辺で作業する労働者との接触防止という観点で関係する災害についてです。4つほどに分類しており、車両系機械そのものと労働者が接触した災害という観点で6事例ほど挙げています。1つ目の事例で言えば、後退操作、バックをする操作をしたところ、後方で別の作業をしていた労働者がひかれるといった災害や、2つ目にあるように、ドラグ・ショベルが旋回して接触するという災害、車体後方部と仮設防護柵に挟まれるといった災害も非常に多いです。それから、4つ目の災害ですが、こういうのが多いわけではありませんけれども、バックモニターが設置してあって、運転者は後ろにいた労働者に気付いていたのだけれども、ぶつかってしまったという災害もあります。それから、その下にありますが、フォークリフトを使用していて、前の視界が制限された状況で使用していてぶつかってしまったというものもあります。
3ページは、車両系機械が運んでいた荷と労働者が接触したものということで、フォークリフトで空コンテナを運んでいたのですが、それが落下して近くにいた労働者が下敷きになったというもの等があります。下半分のクレーンの機体と労働者が接触したものに関しては、基本的には旋回したクレーンの機体との接触、あるいは、接触することで周りの構造物との間に挟まれるといった災害があります。
4ページは、クレーン等のつり荷と労働者が接触した災害ということで、一番下の事例のような玉掛けしてつっていた荷が落下したという災害もありますし、上から2つ目の事例、玉掛けの用具が構造物に引っ掛かって、鉄骨梁が転倒して挟まれたといった災害等も起きているところです。
5ページの作業場所の土石落下や車両系機械等の転倒等による運転者の危険防止という観点に関しては、こちらにあるように、一番上は、路肩から機械と一緒に転落したという災害、2つ目は、ハンドルを大きく左に切ったところ、脱輪して転倒したという災害、3つ目は、トラックに積み込む際の転倒といったものも出ています。
6ページに関しては、運転者が運転席から離脱する際の周辺労働者の危険防止という観点です。直接は運転者が被災しているという事例も多いのですが、運転者が離脱して機械の周りにいたところ、その機械が逸走して激突したというものもあります。上2つに関しては、運転者自身ではなくて別の労働者ということで、交通整理に当たっていた警備員に逸走した高所作業車が激突したとか、フォークリフトが突然動き出し、別の労働者がフォークリフトとコンテナに挟まれたといった災害もあります。
最後のページです。適切な運転の実施のための運転席の仕様に関する災害ということですが、仕様に関係するものというよりも、意図しない操作がされてしまっての災害という観点で何点か挙げています。運転手が周囲を確認しようとして姿勢を変えたときに、誤って操作レバーに触れてしまったことによっての災害や、運転者が降りたため、別の者が身を乗り出して運転席に入ったときに、思わぬ操作がされてしまったという災害を挙げています。以上、私からは主に現状の報告ということで、資料2から資料4まで説明させていただきました。
○齋藤座長 ありがとうございました。この検討会の基礎になります規制改革推進実施計画の説明、併せて、現行の主に車両系の労働安全衛生規則、それから、それに関わる災害発生状況を具体的な例も含めて御説明いただきました。この御説明につきまして、御質問等がございましたら挙手、また、Webで参加の構成員の方にあっては、チャットへの書き込みや「手を挙げる」のアクションボタンでお応えいただければと思います。どなたか、御質問等はございますか。では、比留川さん。
○比留川構成員 御説明ありがとうございました。資料3の2ページです。例えば「接触のおそれのある箇所への立入禁止または誘導者の配置等」と書いてあるのですけれども、遠隔操作の場合だと、例えば危険な場所で作業するような場合もあって、誘導員などは設置できないような場合もあると思うのですよね。実際それができる場合であっても、立入禁止はなかなか現実的ではないという場合もありますし、誘導員も人手不足の折ですから、設置できるかどうか分かりませんので。
ここに、機能安全の資料、資料2で言うと7ページ、機能安全の話も書いてありますので、例えば「立入禁止、誘導員を設置、又はその機能安全によって十分に安全であるというようにできる場合がある」など、そういうようなものを書き加えていかないと、遠隔操作の場合で実質的にコストも考えて安全を確保するというところが確保できないので、そういう検討もされてはどうかなと思います。
○齋藤座長 すみません、論点に関しての御議論、またその説明は、後で本日のメインテーマとして扱いたいので、ちょっと取っておいてもらえますか。
○比留川構成員 分かりました。質問ですね。
○齋藤座長 今のことを、改めて議題3の検討会の論点という所で、事務局からの説明を受けてから、大変いい御指摘だと思いますので、もう一度後半でお話を頂ければと思うのですけれども。
○比留川構成員 議事を理解していなかったのですね。
○齋藤座長 いいえ、ごめんなさい、私の説明不足で。そういう意味で、この検討会で議論するテーマ、主題は、今日の後半に時間を掛けて少しやろうと思っています。是非、取っておいて、むしろ1人ずつ御発言いただこうと思っていますのでよろしくお願いいたします。ここでは今の説明の資料の範囲で、何か質問、御不明な点がございましたら、御指摘いただければと思います。山下さん、どうぞ。
○山下構成員 資料2の1ページです。対象とするのが、労働安全衛生法及び同法関連法令が適用される機械というふうに書かれていますけれども、適用される機械というのはどこまで含むのかというのが、個人的にはよく分からなかったので、御説明いただけますか。
○技術審査官 事務局でございます。この閣議決定自身は、安衛法が適用される機械で無人運転を行う場合の労災防止措置を検討することとなっているものですけれども、もともとの話としては、この事項名の所にありますとおり、建設現場で主に移動する機械での遠隔運転等というところを念頭に、この規制改革の中での議論は行われてきたというところがあります。
一方で、我々が労働安全衛生法令を見ると、移動する建設機械、言ってみれば車両系建設機械だけではなくて、同様の機構にあるものとして、車両系荷役運搬機械ですとか、ほかにも車両系の機械、あるいは建設現場の中では別にクレーンの関係などもありますので、そこら辺も含めて、労働安全衛生法令の中で具体的な規定がある車両系の機械を、主にこの検討会の中では想定して御検討いただきたいと思っています。具体的に言えば、車両系建設機械の関係は、先ほど説明したとおり、規定があります。また、車両系荷役運搬機械の規定についても同様の規定があります。また、林業の機械でも同様の規定があります。あと、クレーンや移動式クレーンといったところもありますので、そこを念頭に御議論いただきたいと考えています。
○山下構成員 そうしますと、例えば工場の中で動いているロボットですとか、何でしょうか、例えば建築物を造るために工場の中で動いている移動式の車両など、そういうものは入らないということですか。
○技術審査官 この検討会の中でまず整理していくことを考えると、この規制改革実施計画を踏まえて対応していくというところがありますので、一番最後の段階での具体的な措置の検討というときに、そういうものについても非常にリスクが高いということであって、措置を考えていくべきというところはあるのかもしれないですけれども、まずは、今申し上げた車両系の機械、それから、クレーンのところを想定して御議論いただきたいと考えております。
○山下構成員 よく分かりました。
○齋藤座長 ありがとうございました。ただ、その点も後半の論点で議論するべきだと思いまして、取っておいてください。ほかに御質問は。
○中村構成員 職業大の中村でございます。まず、1ページの中で、「関係省庁と連携しつつ」ということがあると思うのですが、今回、関係省庁というのは、別紙に入っているこちらの省庁を限定してということで、まず、考え方としてはよろしいのでしょうか。
○技術審査官 少し先ほどの対象とする機械の話とも関係してくるところですけれども、そこら辺の機械について、今、各省庁さん、主に業を所管されている所かと認識しておりますが、具体的にガイドラインのような形で作られている省庁さんもありますので、まずは、そこら辺の具体的に想定している機械のところを対象に、関係省庁にまずは御参集いただいたというところでございます。
○中村構成員 ありがとうございます。
○安全衛生部長 少し補足と言いましょうか、資料2の7ページの規制の実効性の確保という所で、適合性評価の主体がどうなるのかや、サプライチェーンの構築などというのも、実際に社会実装するときには必要になってきますので、そういう意味では、それを所管する官庁というのは含まれるのですが、今回は、そこまでは入れていないということです。規制改革推進会議で我々が説明した関係省庁というのは、実は今日よりも広い概念で言っていますが、今日は若干狭めに、取りあえずハードウェアを開発している方にお集まりいただいたと、そういう趣旨でございます。
○中村構成員 ありがとうございました。あと、もう一点確認なのですけれども、資料の3ページに、クレーンや荷役機械、農業機械ということで、一部実用化されているとありますが、この「一部」の定義というのは、今後の事前説明などそういった中で、その「一部」のレベルというものを考えていくということでよろしいのでしょうか。
○技術審査官 そうですね、こちらについては、全体の中でどこまでが「一部」という定義が特にあるわけではありませんけれども、おっしゃるとおり、この後、第2回目から4回目まで、各関係する業界等にヒアリング等はしていきますので、その中で、今現状としてどこまで実用化されているのかといった辺りについては、詳しくお伺いしていきたいと思っております。
○中村構成員 ありがとうございました。
○齋藤座長 よろしいでしょうか。ほかにもいろいろあると思いますが、会の全体の流れの説明が足らずに、この後、後半で全部の意見を改めて議論する時間を用意してございますので、そこで、もう一度お話を頂ければと思います。ですから、会の進行としましては、次に、畑構成員から議題2で情報提供を頂いて、共通の認識を持とうかと思いますので、よろしいでしょうか。では、議題2で、畑さん、お願いします。
○畑構成員 それでは、機械設計における安全確保おいては機能安全が重要な課題となっており、本議題においても中心的なテーマであると考えております。そこで、本資料では、機能安全の確保について5つの視点から整理いたしました。まず、機械設計における機械安全設計と機械使用者との関係について説明します。次に、機械設計における機械安全設計および機能安全設計の概要について、詳細ではなく、設計全体について大まかに説明します。その後、実際に機能安全設計を行う際に関係する各種規格、すなわち機械安全および機能安全に関する規格体系について説明します。4番目の項目として、具体的な適用事例として、AGV(無人搬送車)において実際に適用されている機能安全の事例を紹介します。最後に、機能安全設計の基本的な考え方について全体のまとめをします。
まず、機械メーカーとして検討すべき基本的な事項について述べます。その根本にあるのは、機械を使用する者(機械使用者)において、労働安全衛生法第28条の2に基づき、リスクアセスメントおよびリスクアセスメントに基づくリスク低減方策を適切に実施することが求められている点です。これは法令上の努力義務として位置付けられています。この努力義務を実効的に運用するためには、機械使用者だけでなく、機械を設計・製造する者(機械メーカー)においても、設計段階から十分なリスクアセスメントを実施し、その結果に基づいたリスク低減方策を講じることが不可欠となります。さらに、設計およびリスク低減方策を実施後に残る残留リスクについては、最終的な使用上の情報として整理し、機械使用者が自らリスクアセスメントを行うことができるよう、適切に情報提供することが極めて重要です。これら一連の考え方および流れについては、「機械の包括的な安全基準に関する指針」において体系的に示されています。また、この指針に基づき、労働安全衛生規則第24条の13においては、「機械譲渡者等が行う機械に関する危険性等の通知の促進に関する指針」により、その具体的な実施内容が示されているのが現状です。以上を踏まえ、機械メーカーの立場からお話しますと、適切なリスクアセスメントに基づく機械安全設計の実施と、残留リスクに関する情報を機械使用者へ適切に提供することが、今後重要になってくると考えます。
次に、現状における厚生労働省が示している機能安全の考え方について説明します。その基本となっているのが、第14次労働災害防止計画です。同計画の製造業対策においては、「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づき、リスクアセスメントおよびリスク低減方策を適切に実施することが求められています。さらに、その中で制御システムを用いる機械については、機能安全の推進により、より一層の安全水準の向上を図ることが示されています。これらの考え方を具体化したものとして、「機能安全の機械への適用に関する技術上の指針」が2016年に別途示され、機械に対する機能安全の適用方法が明確化されました。現在、機械メーカーにおいては、これらの指針を踏まえ、機能安全を考慮した機械設計を適切に実施している状況にあります。
次に、機械安全設計および機能安全設計の全体概要について説明します。本内容は、ISO 12100およびISO 13849に規定されている考え方を基に、全体像を整理したものです。まず、リスクアセスメントを実施するにあたり、機械の使用方法および合理的に予見可能な誤使用を含む制限仕様を明確に定義します。この制限仕様の下で、危険源、危険状態および危険事象の同定を行い、それらに対するリスクの見積りを実施します。次に、見積もったリスクについて、受け入れ可能か否かの判断を行います。その結果、リスクが受け入れ可能でないと判断された場合には、機械安全設計において用いられるリスク低減方策の大中である「3ステップメソッド」に従い、順序立ててリスク低減方策を検討・実施します。
その中で、機能安全の役割は、リスク低減方策の検討において、制御システムを用いるか否かを判断する点にあります。制御システムを用いる場合には、ISO 13849に基づき安全要求仕様を明確に定義し、制御システムに求められる安全レベル(要求パフォーマンスレベル:PLr)を決定します。その上で、PLrを満たすよう、制御システムの設計を行います。パフォーマンスレベルの設計および評価にあたっては、ISO 13849 に規定されている図中の1~9の評価項目に基づき検討を行います。概要については後述しますが、これらの項目に従い、体系的に設計・評価を進めていくことが重要です。このプロセスは、リスク低減方策の中で安全機能として定義される、制御システムを用いて安全を確保するすべての機能について適用されます。各安全機能ごとにこの検討ループを繰り返し、最終的にリスクが十分に低減されているか、また、新たなリスクが生じていないかを確認しながら、機械安全設計と機能安全設計を整合させた機械設備の設計を行っていく流れとなります。
なお、機械安全の考え方においては、まず「危険源」とは何かを明確にする必要があります。危険源とは、機械そのものが有する、人に危害を及ぼす可能性のある要因を指します。これらの定義については、後ほどあらためて説明します。一般に、リスクとは、危害の酷さとその発生確率の組合せとして定義されております。機械安全においては、機械が有する危険源と人が接近または接触することにより生じる危険状態を起点としてリスクを評価します。危険状態が発生した場合には、適切なリスク低減方策を講じることにより、危険事象の発生を抑制することが求められます。一方で、リスク低減方策が不十分な場合には、危険事象が発生し、結果として危害に至る可能性があります。例えば、ロボットのティーチング作業のように、人がロボットに接近した状態で動作させる作業では、危険状態の発生が想定されます。このような場合には、回避可能性の確保や、速度・力の制限といった方策を適用することにより、危害の発生を防止または許容可能なレベルに低減します。最終的に、これらの方策により危害が受け入れ可能なレベルに抑えられているかを判断することが重要です。このような一連の流れ、すなわち、危険源 → 危険状態 → 危険事象 → 危害というプロセスを理解し、適切な方策を講じることができていない場合には、結果として重大な危害に至る可能性があります。
機械安全におけるリスクアセスメントの基本的な考え方について説明します。先に述べたとおり、危険源とは、人に危害を与える可能性を有する潜在的な根源を指します。また、危険状態とは、人と危険源が接近または接触した状態をいいます。さらに、危険事象とは、危害を引き起こす可能性のある事象を指します。リスクアセスメントにおいては、危険状態に対して、どの程度リスク低減方策が講じられているかを踏まえ、リスクの大きさ(レベル)を評価します。その結果、適切な方策が講じられていない場合には、危険事象が発生し、最終的に危害に至る可能性があります。このため、機械メーカーが実施するリスクアセスメントを確認する際の重要なポイントの一つは、危険源から危害に至るまでのシナリオ、すなわち「危険源 → 危険状態 → 危険事象 → 危害」という一連の流れが、リスクアセスメントの中で明確に示されているかどうかです。これにより、適切なリスク低減方策の検討が可能となります。リスク評価の結果、リスクが受け入れ可能でない(許容不可)と判断された場合には、リスク低減方策を講じる必要があります。この際、機械安全設計においては、「3ステップメソッド」に基づき、1.本質的安全設計方策、2.安全防護および付加保護方策、3.使用上の情報の3段階に分けて、体系的にリスク低減を検討、実施します。
これらの関係性については、次ページにおいてプレス機械を事例として整理しています。
まず、本質的安全設計方策(ステップ1)では、リスクが認識された場合に検討すべき最初の段階として、危険源そのものを除去できないか、人が関わる作業を無くせないか、という二つの観点から、本質的に安全な設計が可能かどうかを検討します。これらの方策が講じられない場合には、危険状態の発生を避けることはできません。危険状態が発生する場合には、次の段階として、危険状態を回避または制御するための方策を検討します。具体的には、以下の二つの方法があります。一つ目は、人と危険源を物理的に隔離する方策であり、ガードや囲いによって危険源への人の接近を防止する方法です。二つ目は、停止による方策であり、人が危険源に接近したことを検知した場合に機械を停止させ、人と危険源が同時に存在しない状態を確保することで、安全を維持する方法です。
ただし、これらのリスク低減方策を講じた場合であっても、方策が不十分である場合や、不適切または不具合が存在する場合には、危険事象が発生し、結果として危害に至る可能性があります。このような事態を防ぐためには、危険事象の低減または回避を目的とした方策が必要となります。危険事象の低減・回避の方法には、構造的方策と確率的方策の二つの考え方があります。構造的方策とは、例えばガードの形状や強度などについて、規格等により要求事項が明確に定められている設計上の方策を指します。一方、確率的方策は、機能安全に関わる考え方であり、制御システムを用いて危険事象の発生を抑制する方法です。この場合、制御システムの安全性は確率論的に評価されます。具体的には、機能安全の分野では、PFH(危険側故障の時間当たり発生確率)を指標として、危険事象がどの程度の確率であれば許容可能かが複数の段階(レベル)に分けて定義されています。そして、対象となるリスクの大きさに応じて、要求されるPFHのレベルを決定し、それに基づいて機能安全設計を行うという流れになります。
通常、適切な方策が講じられなければ、最終的には危害が発生する可能性がありますが、ロボット作業のように特別な配慮が必要となる場合も存在します。これらの場合においても、基本的な考え方は機能安全設計に基づいています。例えば、ロボットのティーチング作業については、「機械の包括的な安全基準に関する指針」および ISO 12100 において、その考え方が示されています。ISO 12100 は、機械安全設計を行う上での基本的な設計原則を示した規格であり、ティーチング作業におけるリスク低減の考え方もここに含まれています。具体的には、ティーチング作業時には、1.ティーチングモードへの固定による運転状態の限定、2.ロボット動作時の速度低減または力の制限によるリスク低減状態の確保、3.ホールド・ツー・ラン操作やイネーブル装置を用い、連続的な操作が行われている場合にのみロボットを動作させる、といった複数の方策を組み合わせて適用することが求められています。これらの方策を総合的に実施することが、ティーチング作業におけるリスク低減方策の基本的な考え方として位置付けられています。
これまでの内容を整理します。先に示した危害発生のプロセスを、人の存在・危険源・危険事象の三つの要素に分けて考えると、それぞれに対応する安全設計の方策の位置付けが明確になります。まず、危険源に対しては、危険源そのものの除去または低減を図ることが基本となり、これは本質的安全設計方策に該当します。また、人の存在を排除し、人が危険源に関与しない構成とすることも、本質的安全設計方策の一つです。一方で、危険事象に関しては、機械安全および機能安全の両面が関与しますが、特に機能安全は、危険事象の発生確率をいかに低減・抑制するかという点において重要な役割を果たします。この部分が、機能安全設計が主として関与する領域であり、制御システムを用いて安全を確保する考え方となります。
基本的な機能安全設計の考え方について説明します。機械や設備においては、動作時における本来の機能を実現する部分、すなわち基本制御系と、人の安全を確保するための安全関連制御系(安全関連部)とが存在します。資料中では、基本制御系を水色で示しています。機能安全設計においては、基本制御系と安全関連制御系を明確に分離し、相互に独立させることが、安全確保の前提条件となります。この分離・独立が成立していない場合、基本制御系の故障や異常が安全機能に影響を及ぼし、十分な安全確保ができません。このため、安全を確保するためには、ISO 13849-2(JIS B 9705-2)における分離・独立の原則に基づき、基本制御系と安全関連制御系を構成上および機能上で独立させることが不可欠となります。
これらを達成するための手段として、主に以下の方策が挙げられます。まず、制御システムの安全関連部に適用可能な機器を使用することが重要です。これらの機器については、JIS 規格等において適用の可否が示されており、MTTFD(危険側故障までの平均時間)や B10D(10%の機器が危険側故障に至る回数)といった信頼性指標が数値として提供されています。これらのデータは、メーカー(例:シーメンスの規定等)が提示しているものであり、信頼性が明確な部品を選定することが求められます。次に、先に述べたとおり、安全関連部を基本制御系から分離・独立させることが基本的な安全原則となります。これは、JIS B 9705-2 に規定されている「分離・独立」の原則に基づくものです。さらに、特に高いリスクを有する箇所については、冗長化設計や、異種冗長化を適用することも有効な方策の一つです。最終的には、ISO 13849-1 に基づく信頼性設計および機能安全設計として全体を構築していくことが重要であると考えます。
ハードウェアの観点では、下段に模式図を示していますが、ユニット単位で分離・独立させる構成や、安全PLCのように、内部構造として完全な分離・独立が確保された装置を用いる方法があります。これらの装置を適切に選定・適用し、実際の設計に反映させていくことが重要となります。
次に、関連する規格体系を整理したものを示します。機械の安全を確保するための基本的な設計原則は、ISO 12100に集約されています。また、先に述べた「機械の包括的な安全基準に関する指針」についても、その内容は ISO 12100 をベースとして構成されていると考えられます。この中で、リスクアセスメントおよびリスク低減の基本方針が定まった後は、いわゆるB規格を適用して具体的な設計を行います。B規格とは、特定の安全側面に関する要求事項を定めた規格であり、例えば、安全防護の構造や安全距離などを、どのように設計すべきかが具体的に示されています。これらの規格が、実際の機械安全設計の基本となります。
さらに、最も重要な位置付けとなるのが、C規格に該当する個別製品安全規格です。産業ロボット、工作機械、プレス機械など、特に危ない機械については、必ずそれぞれに対応した個別製品安全規格が定められています。これらの個別製品安全規格の中では、各安全機能ごとに要求される機能安全のレベルが明確に規定されており、どの程度の機能安全設計を行うべきかが具体的に示されています。以上が、機械安全に関する規格体系の全体像です。
次に、機能安全に特化して整理します。機械分野における機能安全設計の基本は、ISO 13849-1 および ISO 13849-2です。また、電気・電子・プログラマブル電子システム(E/E/PE システム)を用いて機能安全を構築する場合には、IEC 61508および IEC 62061が適用されます。さらに、可変速ドライブに関する安全要求事項については、IEC 61800-5-2において規定されています。これらの規格に基づき、制御システムにおいては、機能安全上の安全を確保するための監視機能や診断機能を適切に設計へ組み込むことが求められます。
4番目の項目として、実際の JIS 規格において機能安全設計が適用されている事例を紹介します。ここでは、AGV(無人搬送車)に関する規格(JIS D 6802:2022)を例に挙げています。当該規格では、安全関連部の安全機能として、労働災害を防止するために必要な措置について、最低限要求されるパフォーマンスレベル(制御システムの安全関連部の性能レベル)が明確に規定されています。規定されている安全機能は全部で29項目ありますが、本資料では、その中から代表的なものを抜粋して示しています。具体的には、ブレーキシステム, 速度制御, 人検知システム, 運転モードの管理, ならびに 隔離された区域への人のアクセスに関する安全機能などについて、それぞれ想定されるリスクと、最低限求められるパフォーマンスレベルが、C規格(個別製品安全規格)として明確に定められています。
最後に、機能安全設計の基本的な考え方について整理します。機械安全における機能安全設計では、リスク低減方策として制御システムを用いることが決定された場合、JIS B 9705-1(ISO 13849-1)に示されているリスクグラフを用いてリスクアセスメントを行います。リスクグラフでは、要求されるパフォーマンスレベル(PLr)を、a、b、c、d、eの5段階で決定します。このパフォーマンスレベルは、1.危害の酷さ(Severity)、2.危険事象にさらされる頻度または暴露時間(Frequency)、3.回避の可能性(Possibility of avoidance)、という三つのパラメータを用いて見積もられます。これらの考え方は、規格JIS B 9705-1(ISO 13849-1)において PL a~eとして定義されています。一方、IEC における電気・電子・プログラマブル電子システム(E/E/PE システム)の機能安全規格では、SIL(Safety Integrity Level)が用いられ、一般に SIL1~SIL4が定義されていますが、機械安全分野においては SIL1~SIL3が適用範囲となります。ISO と IEC の規格体系における共通の評価指標としては、PFH(危険側故障の時間当たり確率)が用いられています。実際の設計においては、機能安全設計のシステムを、1.入力サブシステム、2.論理サブシステム、3.出力サブシステム、の三つに分けて構成し、それぞれについて PFH を算出します。これらの PFH を合算することで、システム全体の PFHを求め、最終的にその値が要求されるパフォーマンスレベルに適合しているかを評価・確認します。このようにして、機能安全設計の妥当性を最終判断することになります。
最後に、各パラメータの意味合いについて整理します。機能安全設計の規格であるISO 13849-1は、2006年以前においては、右図に示すとおり、カテゴリ(構造)のみを中心とした評価体系でした。当時は、信頼性の考え方も暗黙的には含まれていましたが、規格上、明確な数値指標としては示されていませんでした。例えば、カテゴリBとカテゴリ1は構造的には同一ですが、2006年以降の改訂では、MTTFD(危険側故障までの平均時間)という信頼性指標が導入され、MTTFD が 30年以上の場合は カテゴリ1、それ未満の場合は カテゴリBといったように、定量的な判断が可能となりました。このように、2006年以降の機能安全設計においては、構造的な評価指標であるカテゴリに加え、以下の信頼性評価指標を組み合わせて設計および評価を行います。MTTFd:危険側故障までの平均時間、DC(平均診断カバー率):全ての危険側故障に対して検出可能な危険側故障の割合、CCF(共通原因故障):共通原因故障に対して、どの程度配慮された設計方策となっているかの評価、これらにカテゴリを加えた4つの評価指標により、最終的なパフォーマンスレベル(PL)の妥当性を検証することが、現在の機械安全における機能安全設計の基本となっています。以上で説明を終わります。
○齋藤座長 ありがとうございました。厚生労働省も進めている安全化の中での機能安全の位置付け、あるいは、普段私が扱っています生産システムでは、もう基本原則になるISO13849の概要、機能安全規格の構造について、簡単に御説明を頂きました。これも、大きな話としては後半に改めて時間を取りますが、何か御質問等がありましたら。WEBの方もありますか。特に無いようですね。もし、御質問等がありましたら、また、聞き慣れない用語など多かったかもしれません、その辺も含めて、後半に、また御発言ください。畑さん、どうもありがとうございました。
それでは、いよいよ本日の主題であります議題3です。この検討会での論点を、今回は初回ということもあり、皆さんに説明を聞いていただいて、幅広に御意見を頂ければと思います。まずは、事務局から資料5の説明を頂きます。
○技術審査官 再び事務局です。私からは、資料5「今後の検討会の進め方等について」ということでお話したいと思います。こちらの資料については、今後の予定、論点、2回目以降のヒアリングの関係についてまとめております。
めくっていただき、1ページです。今後の検討会の予定について記載しております。先ほどの中でも少しお話しましたが、次回の第2回から第4回までの3回分については、無人運転機械のユーザー、メーカー等の有識者(関係団体等)からのヒアリングを行いたいと思っております。それ以降、来年3月以降ぐらいになるかと考えておりますが、第5回目以降の3回程度で、論点ごとの検討と中間取りまとめを考えております。この来年6月の中間取りまとめ以降に関しては、先ほどの規制改革実施計画の中にも文言がありましたが、労働安全衛生法令に無人運転を行う場合の安全義務や技能要件を明記するなどの具体的な措置の検討という、具体的な検討に入ってまいりたいと考えております。
次のスライドです。論点についてです。ここで示しているのは、本当にこの検討会としての大きな目的となります。まず、四角囲みの所です。無人運転機械を使用した作業における、労働災害防止のために必要な措置及び免許・技能講習の要件、機械の技術水準などについてどのように考えるかをここでは検討してまいりたいというのが大きな項目です。
その中で、まず1点目として、無人運転機械を使用した作業における労働災害防止のために必要な措置として、先ほどの規制改革推進会議のワーキンググループ資料の中でも取り上げていたものですが、事務局としては具体的にこういった措置について考える必要があると思っています。この大きく4点について、追加・修正すべき点がないかどうかというところです。こちらについて、ヒアリングも踏まえて、また検討してまいりたいと考えております。具体的には、他の機械との衝突や周辺作業者への接触防止の観点、運点操作性の確保の観点、停止時・トラブル時の安全確保の観点、運転者(操作者)に求められる技能の確保の観点です。この無人運転機械の労働災害防止対策を考える上では、この4点のことについて、具体的にはそれぞれに書いてある項目がありますので、もっと多様な項目数になってきますが、そちらについてが措置と考えられます。この項目について追加すべき点などがあるかどうかといったところについてです。
次のページで、2つ目です。無人運転機械の運転制御方式と周辺環境の違いで、最低限必要な災害防止措置の内容と水準でトレードオフが生じると考えています。最低限必要な規制を考えていく上では、全体を俯瞰した基本的な考え方の整理が必要なのではないかと考えております。これらをまとめた運転制御方式と周辺環境の各ケースにおける措置の内容や水準について、どのように考えるかを検討してまいりたいと考えております。こちらも、先ほどと同様、ヒアリングも踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。下の図は、前のページの各項目を並べているイメージです。
最後の4ページです。今後の2回目から4回目のヒアリングについてです。これまでの事故について検討していくために、また、今後の具体的な規制を考えていくためにも、無人運転機械の使用が想定される機械・作業ごとに、作業内容や機械周辺の作業者の状況を含む周辺環境、使用される機械の運転制御方式、技術水準の実態を把握・確認することを目的として、機械のユーザー、メーカー等の有識者からヒアリングを行うことにしたいと考えています。
ヒアリングの対象とする機械ですが、先ほども少しお話に出ましたが、無人運転に関する技術が開発され、社会実装に向けた取組が進んでいるもので、労働安全衛生法令に具体的な規定があるもの等ということで考えています。車両系建設機械、車両系荷役運搬機械、クレーン、車両系木材伐出機械、農業機械を考えています。厳密に言うと、農業機械に関しては、労働安全衛生法令上、現状としては具体的な規定、規制はありません。ただ一方で、別に走っている検討会の中で、農業機械の安全対策に関する検討会を別に行っており、将来的に、この農業機械に関しても、労働安全衛生法令の中で具体的な措置等を規定することも考えられること、農業機械の無人運転機械については一定程度進んでいる状況もありますので、併せてヒアリングの対象としてまいりたいと思っております。
ヒアリングの事項については、こちらにあります大きく5点です。機械の開発・普及状況、それが使用されている作業又は想定されている作業がどのようなものか、運転制御方式や技術水準、関係する国際規格・国内規格、各国の規制等の状況や動向、最後になりますが、労働災害防止の観点から、具体的にどのような措置が必要と考えるかということです。こちらに、先ほどのスライドにある各項目について並べています。こちらについて、機械のメーカーあるいはユーザーとして労働災害防止の観点からどのように考えているかを伺いたいと考えております。もちろんメーカー、ユーザーそれぞれの立場もありますので、この全ての項目に答えることが難しい場合にあっては、可能な範囲で御対応いただくことを考えています。駆け足になりましたが、今後の予定、考えている論点、ヒアリングの対応方針について説明いたしました。
○齋藤座長 ありがとうございました。本日のメインのテーマとして、この検討会での目的と論点ということで御説明を頂きました。特にスライド2ですが、こういった無人機械の安全措置として考えるべき項目をこの検討会では議論していく。その際に、次のスライド3にあるように、2軸、4象限で場合が考えられるだろうと。1つは自律運転と遠隔運転の違い、もう1つが人混在と立入禁止措置だと。このように分けたところを各項目について検討していくことが、この検討会の趣旨ということで御説明を頂きました。この論点につきまして、御意見を頂ければと思っております。まずは、先ほど比留川さんから御指摘があったのですが、よろしいですか。立入禁止が、人の管理でやるのか、システムの側で担保するべきなのか、又は、そう簡単に割り切れるものなのかということだったかと思います。比留川さん、もう一度御発言を頂けますか。
○比留川構成員 先ほどは先走りをしてしまいまして申し訳ありませんでした。申し上げたいのは、法令のほうで、例えば無人、立入禁止、又は誘導員とだけ書いてしまうと、例えば機能安全で安全が確保されたとしても、それは認められないということになってしまいます。ですので、そこの法令の中に、例えば「立入禁止、誘導員の設置、又は機能安全によって脅威的なリスクは存在できない状態にできる」というように書いてもらわないと、法律のほうでそう書いてしまうと、幾ら先ほどの機能安全で安全にしても、それは駄目という話になってしまう。
産業ロボットが、御案内だと思いますが、すごく長い間、それで苦しんだのですよね。隔離安全しか法律で許されなくて、ISOも随分前から機能安全で書いてあったのですけれども、ここでの法律は隔離安全でしか駄目という話で、長年苦しんで、2014年でしたか、何年か忘れましたけれど、やっと対応いただいて、それでこういう人間協調型ロボットがすごく普及しだしたのです。そういうこともありましたので、ここは検討の項目の中に1つ入れていただければいいかなと思います。
あと、EUの機械指令とかだと、機械指令もオブリゲーションです、どうしても守らなくてはいけなくて、CEマーキングを取らなければいけないのですけれども、日本の場合、法令は強制の部分が実はすごく少ないのですよね。ロボットのISO10218とかISO13482とか、いろいろありますけれども、結構、任意規格になっていて、そこはいいよねという話になって、まあ、いいよねというわけではないのですけれども、任意規格になっていて、余り安全認証が、適合性の評価がされないような場合も結構ありますので、そこはうまく、元の安衛法なり安ネイ法でしても、マストの部分を決めていただいて、それとうまく規格をひも付けていただく。機能安全で、例えばロボットだったらISO10218に沿ってやってくださいみたいな。そういう細かいことまで全部、法令で定めるのは難しいと思いますので、うまくその法律と規格のハーモナイズというか役割分担というのを、きちんと整理していただけるといいかなと思いました。
あと、最後ですけれども、免許や講習の話がありましたけれども、そこは、遠隔が入っていくと、ちょっと変わってくると思うのですよね。これは実際に資料にも書いていますけれども。例えば遠隔操作の場合に、免許の学ぶ内容とか試験はそのままでいいのかとか、講習内容もそのままでいいのかと、変わってくると思いますので、その遠隔操作に対応して、免許制度、講習制度というのも定期的に見直していただけるといいかなと思います。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかに、山下さん、もう一度、御発言をお願いします。
○山下構成員 先ほどとちょっと違う話で、この3ページの図、今、ちょうど出ている図ですけれども、自律運転と遠隔運転、これにもう1つ完全手動運転というのが入って、3つに分けられているかと思うのですが、無人運転というときに、結局、人間と機械との関わりということを見ていかなければいけないかなと思います。例えば自動車の分野ですと、自動運転のレベルというのが6段階で設定されていて、もっと詳しいものですと、最大で11段階まで分かれているのがあります。そういったことをちょっと念頭に置いて、まず、無人運転という言葉がどこまで無人なのか、人間が非常時にどこまでできるのか、そういう辺りを少し考えないと、自律と手動、あるいは遠隔が入って、この軸だけでゼロイチではなくて、もうちょっと途中がいっぱいあるかなと思いました。
○齋藤座長 全く同感です。ありがとうございます。次ですが、お時間の関係があるとのことで、Webで接続されている永谷さん、お願いします。
○永谷構成員 よろしいですか、永谷です。
○齋藤座長 お願いします。
○永谷構成員 御説明ありがとうございます。工場と、いわゆる外、工事現場という所で、やはり状況がかなり異なると感じております。屋外はコントロールが難しく、かつ、動いている重機が非常に大きくて重いので、基本的には人と共存できないという前提があります。その前提のもと、去年、国交省の安全ルールというのが出されました。そこでは、資料6の7ページ目でお示しいただいた、いわゆる安全を担保するためには、「そもそも分けてしまいましょう」というのが基本的な考え方であると思っております。
私自身の研究開発においても、これは非常に共感しており、逆に、分けるということをしてしまえば、先ほどの資料5の3ページ目の「人と機械の混在」という部分について、そこまで深く議論する必要がないかという気がしております。特に危険なのは、自動運転を始める直前と自動運転が終わった直後の辺りであり、自動運転中は、遠隔操縦中も同じなのですが、人を入れないということさえきちんとできれば、労働安全ということを考える部分は、むしろずっとシンプルになっていくと考えられます。先ほどの一番最初の御説明でもありましたが、人がけがをするのは、人が機械の近くにいるときです。分離の話が進めば、人が機械の近くにいなくなるため、それが一番重要であると考えております。
その意味で、この資料5の3ページ目にある「人と機械の混在」に関しては、この段階で踏み込まなくてもいいのかなと思いました。つまり、「人と機械が混在すること」を前提とした建設機械のルールづくりは、今、始めても、少し難しいというのが、私の持った率直な印象になります。むしろ、無人区画というのを明確にしてしまえば、「どうすれば無人区画から出ないですむか」というところにフォーカスした議論ができると考えています。以上です。
○齋藤座長 永谷先生、ありがとうございました。私も自動施工のガイドラインに参画しておりまして、そういった無人化というか、人との完全な隔離というのを大きな原則に置いているということ、よく存じています。ただ、ほかの分野では、それがなかなか難しい。比留川先生の御発言からもあったのですけれども、工場の中では、作業者と搬送車とが混在している、1つの倉庫の中でもそのような場面もある。大きな考え方をする際に、どちらかを優先するというわけではなく、区別してものを考えていったらどうかというのが3ページ目になると思っているのですが、いかがでしょう。
○永谷構成員 なるほど、分かりました。人と機械の混在というのが起こる状況が発生する場合には、ここに示したルールとなる、ということですね。
○齋藤座長 そういった業種、作業、分野。
○永谷構成員 承知しました。
○齋藤座長 一方で、建設現場のように立入禁止が適用可能ならば、こうだという感じです。ただ、ごめんなさい、まだ第1回目で、今はそういう発想でいるといったところで、最終的にはどちらがいいというのが、この討論の中で出てくれば、大原則として一方が残るということもあるかと思っています。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
○永谷構成員 すみません、そちらに行けなくて大変申し訳ありませんでした。次こそしっかり出たいと思っております。
○齋藤座長 よろしくお願いします。
○永谷構成員 よろしくお願いします。
○齋藤座長 ほかにいかがでしょう。御意見はございますか。
○櫛引構成員 JQAの櫛引です。先ほどの御紹介の中で、事故事例の御紹介と関連法令の御紹介がございました。事故事例を見ていくと、ある程度、法令でカバーされているところもあるのではないかと認識した次第なのですけれども、今後この議論の中で、法律違反を更に厳しくしていく方向と、あとは、有人機械が無人機械になっていく際に、新たに考えなければいけないところ、すなわち新しく法律でカバーしなくてはいけないところ、こういったところをどのように考えていくのかというのは、少し今後のテーマかなと感じました。
あと、遠隔と自律という分け方をしたときにも、多分レベルが違ってくるでしょうし、今、自動配送ロボットということで、公道でロボットを遠隔で操作しているのですけれども、1人が何台操作できるかというようなところで議論されていたりしますので、今後のオペレーションの話もあるでしょうけれど、そういった1人がどういった管理をしていくかというような観点も必要かなと感じました。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。非常に貴重な御意見でした。他に。もうこうなったら順番に中村さんから一回りしますので。
○中村構成員 中村でございます。私のほうから、2ページの下2つ、停止時・トラブル時の安全確保と運転者(操作者)に求められる技能の確保について、ちょっと意見を述べさせていただきたいと思います。まず、無人運転、遠隔運転になった場合に、その運転者という立場というのが、大きく変わるのではないかと。むしろ管理者という立場のほうが強いのではないかなと思うところがあるのです。例えば故障したときに、非定常作業に入るときに機械に近づくわけですよね。そのときの安全確保という視点というのは、これはやはり必要ではないかと思うのですよ。そこの部分が重要かなと思います。あとは、やはり無人運転の進化の度合いによって、完全無人運転なのか、一部有人運転なのかというところのレベルによって、またそこの判断基準というのですか、そういった基準も考えたりしなくてはいけないのではないかと。そういった視点を入れていく必要があるのではないかと。それを入れると、就業制限の在り方とか、そちらのほうにもやはりつながっていくのではないかと考えるものですから、そういったことを整理できることが必要ではないかと思います。以上でございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。次に順番で犬塚さんよろしいですか。
○犬塚構成員 港湾空港技術研究所の犬塚です。まず、ちょっと全体に関することにはなってしまうのですけれども、今回の規制改革実施計画、閣議決定された内容として、資料2の1ページになるのですけれども、デジタル・AI機械全般の更なる技術的発展及び利用を図る観点から、労働者の安全及び健康を守る必要があるとあります。なので、労働者の安全や健康を守るという視点とともに、それらの機械の利用促進だったり、使いやすさとか、その辺にも視点を向ける必要があるかなと思います。具体的には、例えば今回で取るべきとされた方策に関しても、余りにもその方策のコストが高すぎたりとか、その機械をそのまま利用するに当たっての利便性を著しく損ねないかとか、何かそういう観点も必要なのかなと思いました。
もう1つが、今回の論点についてなのですけれども、資料5の2ページになります。今回その対象とされている機械というのが、労働安全衛生法令が適用される機械ということなのですけれども、その機械が遠隔操作化とか自動化した場合の機械においても、その法令が現状で全て適用されているのか、あるいは、現状では除外されているのかとか、そういったところもちょっと気になるなと思いました。というのも、運転免許の話があったかと思うのですが、運転免許というか安衛法に基づく免許の話があったかと思うのですけれども、遠隔操作の機械で、本当に有人運転の技能が必要なのかとか、その辺も含めて、例えば規制を強める方向ではなくて緩和する方向に行かないかといった、そういう観点が考えられるかなと思いました。
○齋藤座長 大変貴重な御意見、ありがとうございました。次に陣川さん。
○陣川構成員 森林総研の陣川です。齋藤先生にも委員会には出ていただいているのですけれども、林業の場合、死亡災害というのが非常に高くて、究極的に機械の無人化、人をとにかく入れないようにしないといけないというのは、最終的な目標ではあるのですけれども、傾斜不整地、森林の中で作業しているということで、技術的にもかなり難しいというのが現状です。
昨年から遠隔操作に関してはガイドラインを林野庁で作って、今は自動走行ということでガイドライン作りを進めているところではあるのですけれども、今日、お話をいろいろ聞きながら、先ほど工場と野外の作業は違いますよという話が出たのですけれども、森林作業が決定的に違うところは、やはり野外でというところもありますし、ここで出てくる周辺環境というのが、林業の作業の場合、どのように当てはまるのかなというのを、話を聞きながらずっといろいろ考えてはいました。例えば、山の上から木を積んで、山の下まで運んできますよということになると、運んでくる機械の自動化というのをやっているところではあるのですけれども、積み込む部分を無人化すればというのではなくて、運んで走行していく途中の道も無人化という話になってくる。そうすると、山全体を無人化しなければいけないというか、立入禁止の区域にしなければいけないという話になってくるので、そうなると、実際のところは現実的ではないというのが林業の場合はあるのかなと思います。
そういうところで、どのようにマッチングさせればいいのかな、どういうところでどのように考えればいいのかなというのを整理しないと、なかなか考えが出てこないな、意見が出てこないなというのが正直なところです。
○齋藤座長 ありがとうございます。次に冨田さん。
○冨田構成員 農研機構、冨田と申します。農業機械を専門にしておりまして、農業機械のほうでは齋藤先生にも御指導いただいて、ガイドラインの制定ですとか、私ども農研機構での検査などという形でも、いろいろ安全対策を進めているところでございます。
詳しいお話は、またヒアリングのときにでも御紹介するとして、本日、論点として、まずはやはり、陣川先生もおっしゃったように、環境の問題ですね。やはり農地というのは、基本的に人間から切り離せない。農地というのは本当に地域によって生活空間そのものですので、例えば農地の脇を子供が通学のために通るといったようなことは排除ができない。そういった環境だということで、その辺の機械との分離というところをどう考えていくかということもあります。また、一言で農地と言っても環境は非常に多様でございまして、さっき言ったような生活圏内の中にあるような農地もあれば、人と会うより熊と会う確率のほうが高いといったような、非常に辺鄙なというか、そういったような環境もあって、そこをどのようにまとめて考えていくかというところも非常に課題だなと思っております。
また、農業機械におきましては、先ほど事務局から御紹介いただきましたように、農業機械そのものに対する規制の検討と、今回の無人運転に対する検討が、同時に進んでいるという状況です。したがいまして、ここで定めましたようなことが、事業者ですとか使用者のやるべきこととして、実効を持つものとして実装されるかといったようなところ、これは機械の検討と併せて、どういう規制体系ならば農業において実効性があるのかといったようなところも、皆様のお話も伺いながら、検討していかなければいけないポイントかなと思っています。
もう1つ、3つ目の論点としては、農業機械は非常に事故が多い機械です。そうしたときに、例えば無人化、自動化をして、人が乗らなくなれば、それだけで事故が減るよねといったような観点もあります。その機械そのものの安全性にとどまらず、そういう観点からも、無人化、自動化の意義、安全上の意義というものを検討していく必要があるかなといったようなことを、私としては考えています。以上でございます。
○齋藤座長 それでは、畑さん。
○畑構成員 これまでのご説明を踏まえ、私なりに整理した考えを述べます。自動運転・無人運転を基本とする場合においては、設計および評価の前提として、以下の四つの観点から整理することが重要であると考えます。1.自動・自律運転、2.遠隔操作、3.人が関与する手動操作(設備特性上、不可避な場合)、4.運用上の管理・運用ルール、これらを明確に区分した上で、全体の安全設計および運用方針を検討する必要があります。また、ヒアリング項目については、現状や無人運転の実施状況に関する確認は行われていますが、当該設備がどのような制限条件の下で設計されているのか、すなわち制限仕様に関するヒアリングが十分ではないように感じています。現在の運用における制限仕様がどのような状態にあるのかの現状を明確に把握した上で検討を進めることが重要であり、その確認を踏まえて次のステップに進むのが望ましいと考えます。
○齋藤座長 ありがとうございました。中坊さん、お願いします。
○中坊構成員 産総研の中坊です。公道走行ロボットとかサービスロボット、産業ロボット、農機の関係、あと、JRとかそういった鉄道関係も少しやっておりまして、本当にいろいろな環境とか業種で条件が変わってくることを感じています。
その上で、この4象限に分ける考え方は非常に納得感があります。先ほど来、御意見を頂いていたことを私なりに理解した限りでは、やはり無人区画が原則目標だとは思うのですが、それがどの程度できるか、どれぐらい人がいないのかという、全く絶対にいないということを言えるか、それともほとんどいないという程度なのか。あとそうした隔離を考える場合の距離の問題です。例えば、ガラガラと崩れ落ちてくるというのが、どれぐらいの距離まで来るのか、どのぐらい離さなければいけないのか。そこをまず議論する必要があると。
次に、ここに載っていない非常に重要な点として、ハザードの大きさ、そもそものハザードの起こりうる大きさ。例えば本当に山が崩れてくるとかだと、何十人も一遍に被害をうけるということもあり得るでしょうし、建築機械とかそういったものの中にも、ちょっとした自動化機械みたいなものも少しずつ入ってきていて、非常に本質的に安全で、大けがはするかもしれませんが、人が亡くなるほどでもないかもしれないというようなものが建築の現場でも使われていると聞いているので、そうした被害の程度によってリスクアセスメントを考えなければいけない。あと、農機ですと、すごいスピードで走るというのは、そもそもトラクターなどの場合は無理なので、音も大きいですし、普通逃げられるだろうと、アボイダンス(回避)ですよね。だから、そういったリスクアセスメントのセビリティ、ひどさとアボイダンスの部分を考慮した上で、基本機能としての機能安全は確実にできているのかというところは確認すると。
機能安全でできないところはセンサーだと思うのです。センサーを幾ら頑張っても、人の検出を99.99999%までできるというのは、工場の中だけだったらできますが、外に一歩出ると、ほぼその確実さはなくなります。そうすると、誰かが監視して、責任を取らなければいけないという状況が、いろいろな所で起こっている。先ほど櫛引さんがおっしゃった公道自律走行配送車4台を1人で監視するというのも、これを10台、100台にしていったときに、監視している人の責任はどうなるのだろうということが出てくる。これが人の技能とか責任の話につながってくると思うのですが、有人運転の運転する技能から、ある程度設定したり、プログラミングの環境を整備したり、自動機械をコントロールする技能というものに変わり、かつ、監視する責任が出てくる。そういった人の責任というのはいろいろ変わってきているところを、きちんと規定すべきではないかと思います。すみません、いろいろ言いましたけれども。
○齋藤座長 ありがとうございました。林さん、お願いします。
○林構成員 農研機構の農機研の林です。先ほど同じ所属の冨田のほうから、農業に関する事情については大分お話があったので、私から新たにお話することは余りないのですが、先ほどお話があったとおり、農業の場合は、やはり従事者以外の者との距離が非常に近いということで、環境制御をしきれないと。今回の資料を見ますと、労働災害ということですので、そこで働いている方々の災害を想定された言葉使いになっているのかと思いますが、農機の場合は事故、そもそもの第三者を巻き込んだ事故にも注意しなければいけないというところが大きな環境の違いかと考えていました。
資料のほうで、自律運転と遠隔監視という言葉が出てきていて、他分野でも同じかと思いますが、農業の場合なぜ自動化するかと言いますと、これから20年間で農業をやる人が4分の1、5分の1になるという状況を踏まえてやっていて、とにかく人を減らさなければいけないと。我々が今開発している機械の現状を申し上げますと、遠隔操作はほぼほぼなくて、基本的には機械は自律で動いて、それを遠隔で。もともとは常時監視で、更に機械側に環境認識機能を持たせて、何かイベントというか危険な事象が起きたときに通知が来るみたいな形で監視していけないかというシステムというか運用体系の構築に、現在取り組んでいます。
今回の検討会の取りまとめとして、先ほど農業機械は安衛法に含まれていないというお話があって、逆に言いますと、農業機械以外の機械については、もともとある規制プラスこういうものが必要になってくるというように取りまとめられるかと思いますが、農業機械はそのベースがないので、最終的にどういうレベルまで取りまとめるか。ヒアリングまでは多分同じようにやっていくのでしょうが、最後に取りまとめるときに、環境の特殊性、使われ方の特殊性とまとめのバランスというか、そこを考えていかなければいけないかと思っておりました。私からは以上です。
○齋藤座長 山下さん、追加がありますか。
○山下構成員 先ほど自動レベルというお話があったので、追加でよろしいですか。化学プラントの運転制御、保安にデジタル技術あるいはAIを使っていいというような話ですが、関連して、経済産業省でAIを導入するとそれに伴って規制緩和が起こるというような、スマート保安とか高度認定制度というのがあって、そういうのをやったりとか、プラント保安分野にAIを導入するときのガイドラインを作ったりということを経産省でやっていました。
その関係から、自動化ということに対する1つのキーワード、AIがどうしても必ず出てくるかと思います。そのときに、先ほど自動レベルというお話をしたのですが、完全自律運転の場合にはいいのですが、化学プラントのように複雑なシステムになりますと、人間とAIが協調して一緒に動く、共働することが必ず必要になってきます。ですから、無人区画にするとかそういう話ではなくて、共働という分野が結構たくさんあるのではないかと思います。そのときには、AIと人間両方とも共存した環境で、AIが人間の活動をサポートするという役として使うことになります。そういう環境を想定しますと、また大分考えることが変わってくる部分もあるのではないかと思います。
EUで言いますと、今日は機械のほうの話が出たのですが、AIについての規制、AI Actというものが出ています。AI Actの中には、先ほど出たリスクレベルを定義して、このレベルのものはもう使ってはいけません、このレベルのものはこういう対策をしたら使っていいですみたいなことが決まっています。そういう辺りも非常に参考になるのではないか思いました。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。Webで接続されている石川さん、よろしくお願いします。
○石川構成員 石川です。よろしくお願いします。Webからですので、議論の流れがちゃんと把握できているか分からないのですが、まず第一に前提条件として思うのは、先ほど永谷先生がおっしゃったとおり、私は建設機械の自動化と遠隔化の研究をしていますが、基本的には、人と機械がそもそも接触しないか、関わらない状況を作ると、これが恐らくは大前提だと思いますが、それも多分状況によるのだとは思います。建設機械でも、例えば鉱山作業みたいにそもそも人間と隔離できるものもあれば、町工場の作業みたいな所もあるわけで、まず大前提として、どのぐらいの人と機械の関わる状況を想定しているかというモデルケースを先に定めないと、なかなか具体的な議論がしにくいかと思いました。これは、恐らくこの先のテーマごとのヒアリングで詰めていかれるかと理解しております。
ある程度人と機械の関わりが発生する状況下を想定して思うのは、私は制御を専門にしていますので、どちらかと言いますと、安全の確保のための規制をどうするかというよりは、そもそも人間と機械が安全に関われるためにどうするかということで、リスクを下げる方向の話になってしまうかと思いますが、1つは、機械の動作が人間から予測可能かどうかということが、すごく大きいポイントになるのではないか。これは、建設機械以外も含めて、いろいろなロボットや機械の制御をしてきて思ったのですが、自動で動いて、ある種の知能を持った機械が勝手に動いて何らかの作業をしているときに、恐らく、人間が乗っていたら、この状況で次はこうするだろうなという予測可能な動きと違ったことをされると、非常に人間にとってリスクが大きいと思います。昨今、ファミリーレストランなどでも結構自動の配膳ロボットがたくさん入ってきておりますが、人間と非常に近い所に関わってくるサービスロボットだと、人間が思う予測可能な動きとは違うことをされると非常にびっくりするということがあります。
なので、1つは機械の動作意図、今、こういう状況を捉えていて、次はこういうふうにしようとしているという意図が、近くにいる人間たちにちゃんと伝わるようにするというのが、まず潜在的なリスクを低くするための大きなポイントではないかと思っている次第です。例えば、機械は、今、どういう動作モードであって、次はこういう動作をしようとしているというインジケーターみたいなものを必須化するとか、そういったことがもしかしたら考えられるのかと思いました。
もう1つは、恐らくこの先で想定される責任の所在の話です。今、私が申し上げた、機械がどういう意図をしようとしているのか人間に分かるようにして、例えば危険な所から人間が自主的に避けられるようにするというのは、一見良いことですが、ちょっと考え過ぎかもしれませんが、気掛かりなのは、そうすると責任が人間のほうに行ってしまうのです。つまり、危険であることを機械のほうはちゃんと示しているのだから、それを避けなかったのは人間側に責任があるということになってしまうのも、これもまた本末転倒なのです。
ある意味、私も制御が専門なので、自動機械にいろいろなことをやらせようと思えば、どんなことでもさせてしまえるのですが、まず動作が人間に予測可能にする、理解可能にするということと、責任の所在が明確になるような動作を選択させるというところが論点として必要かと思いました。ピントが外れておりましたら申し訳ありませんが、以上が私が思っているところです。
○齋藤座長 いえいえ、貴重な御意見でした。ありがとうございました。川俣さん、よろしくお願いします。
○川俣構成員 土木研究所の川俣です。私からは建設分野ということでお話させていただきます。建設分野はこれから人が少なくなるのは確実なので、少ない中でやっていくためには、建設機械、建設施工の自動化は絶対に進めなければならないことだと考えております。今回、専門家検討会が設立された目的は、冒頭にお話を頂きましたが、やはり建設施工の自動化を進めるに当たって、安衛法令に関連する規制改革をどうしたらいいのかということを検討していく、このことを常に忘れないで、私も含めて考えていかなくてはいけないと思っております。当然、安全確保というのは建設工事でも絶対の第一優先すべきことなので、安全を確保しつつ、自動化も進むように安衛法令の規定を、例えば、曖昧だったものをはっきりさせることによって、導入が進むような形が取れればと考えているところです。
その際に、これからヒアリングによって分かってくることもあると思いますが、実際に建設施工で自動化を進めようと考えている民間の会社の方々、この法令の規定に基づいて対応しなければいけない方々にとっての阻害というか、もう少しこの辺りをはっきりさせたほうがいいだろうとか、この辺のことはこうすべきだろうというニーズや課題があると思います。それらを踏まえたうえで、しっかり安全を確保しつつ、自動化も進むような形で、検討が行われることを私自身も考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。よろしくお願いします。清水さん、御意見をお願いします。
○清水構成員 ありがとうございます。いろいろ皆様の御検討の内容をお聞きしていたのですが、私としては、全体的なスコープとして、厚生労働省の検討会で対象労働者ということになるかもしれませんが、やはり第三者を対象にするかどうかというのが、分野分野で考え方があるのだと考えています。国際規格では第三者も対象にはなっていると思いますが、今回のスコープの中で対象者を第三者まで広げるかどうかということが1つです。
もう一つは、実際に隔離が前提という考え方は私もそのとおりだと思いますが、ある意味、製造業の中で、協調作業と言うのでしょうか、実際にロボットと人が共存、協調しながら作業を行うというようなニーズもあると聞いておりますので、そういった協調安全と遠隔運転、そういったすみ分けも考えなければいけないと考えています。
もう一つ、実際にオペレーターが遠隔にいた場合、何か危険に気が付くことが本当にできるのかどうかということ、もう一つは、実際に気が付いたときに、今、実際に現場に適用している非常停止装置のようなものが遠隔で構成できるのかどうか、そういったものも検討していきたいと思っています。以上です。
○齋藤座長 どうもありがとうございました。最後に、オブザーバーですが国土交通省からお願いします。
○国土交通省 国土交通省の菊田です。お時間を頂きまして、ありがとうございます。座長にも御参加いただいております国交省が開いている協議会の中で、人と機械を分けて考えるということで、例えば、機械が無人のエリアから出ない、あるいは人がそのエリアに入らない、そういったものを検討していくことになるかと思います。その協議会でも、座長やほかの委員の先生方からいろいろ御指導を頂きながら議論していきたいと考えております。本検討会では、その議論の結果などを踏まえて議論していければより良くなるのかと思っております。
もう一点は、人が物理的に入っていかないものとして、先ほど無人エリアという話をしましたが、災害時の遠隔施工は典型的だと思っております。先ほど陣川構成員からお話があった林業と若干似ているかと思ったのは、例えば土砂災害が起きたときに、我々はその土をどけなければいけないのですが、また上から落ちてくるかもしれないので、そこは遠隔で、人が行かないようにして施工いたします。そういった所は、施工環境を構築する段階はやはり人が入らないといけないのですが、構築した後は人が入らずに施工できることが典型的だと思っておりますので、情報提供いたしました。以上です。ありがとうございます。
○齋藤座長 ありがとうございました。ほかにWebでオブザーバーで参加されている省庁さんで御意見、御発言はありますか。国交省港湾、農林水産省、林野庁、よろしいですか。大変貴重な御意見を皆さんから預かりまして、事務局のほうで全部控えておりますので、これに関して今後検討していく、回答を示す会にもなるかと思います。
座長として、一言だけ言いたいのですが、お時間を頂ければと思います。永谷先生がおっしゃっていたことが非常に私も心に響きます。最終的に機械が優秀になり、無人で運転できるのだったら、誰も災害に遭う人はいなくなるというのは確かですが、そのことが現時点ではまだ非現実的で、様々な状況があるというのは、構成員の方々も共有されたかと思います。こういうところにあって、4象限に分けてものを考えていくことは、おおむね賛同を頂けたのではないかと思います。ただ、これは永谷先生もおっしゃっていましたが、災害のときに再起動、危険を検知して停止した後、また作業を再開する際の再起動に関しては、項目として事務局案に抜けていたように感じました。もしかしたらどれかに含まれているのかもしれませんが、としても、この点は大きくトピックとして取り上げるべきかと。機械の災害が起きる一番のタイミングだと思いますので。
また、犬塚先生がおっしゃいましたが、実効性も含めた上での基準は、当然、この検討会でヒアリングを通じて明らかにしていくのでしょうが、その結果、現行あるものが緩和されるという方向も確かにあるのかなと思いました。それは大変参考になりました。ただ、御意見を皆さんからいろいろ聞いていて、今回、規則ということで、事業者が守るべきことという観点で整理されていますが、当然ながら、製造業者のほうもあると。そうなりますと、構造規格という制度、更にそこまで踏み込むのかを明確にすべきかと思いました。
会議の進行が悪く、最後は時間がなくなってしまいましたが、部長、よろしいですか。
○安全衛生部長 大変いろいろ御意見を頂きまして、ありがとうございました。先ほど座長からもおまとめいただきましたとおり、様々な場面がありますので、自動なのか、遠隔なのかということと、周辺環境、人がいるのか、いないのかということ、その4象限で考えるところは、おおむね皆様方に御了承を頂いたのかと思っております。
あと、それ以外にももっと検討すべき点があるという御指摘がありましたので、それはまた取り込みながら進めていきたいとは思いますが、今回の検討会は、個別具体的に、例えば建設機械についてこういう規制にすべきという結論を出すことを目的にはしておりませんで、全般的に全ての作業について当てはまる基本的な考え方を整理するというのが、6月までの1つの目標となっております。そういう意味では、建設機械だからもうこれは要らないとか、そういうことではなくて、皆様方全員が合意できるような基本的な考え方を目指すことがポイントですので、そういった観点で議論に御協力を頂ければと思います。私からは以上です。
○齋藤座長 ありがとうございました。初めての座長なもので、時間が少し過ぎてしまいましたが、議事が終わりましたので事務局にお返しします。
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございました。次回の日程につきましては、12月19日(金)を予定しております。場所などを含めて、後日連絡させていただきます。以上をもちまして、第1回機械の無人運転における安全確保等に関する専門家検討会は終了いたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。

