2024年12月2日 薬事審議会 医薬品第一部会 議事録
日時
令和6年12月2日(月)16:00~
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
出席者
- 出席委員(19名)五十音順
-
- 赤羽悟美
- 阿古潤哉
- 石川欽也
- 大谷壽一
- 大森哲郎
- 川上純一
- 佐藤直樹
- 佐藤雄一郎
- ○佐藤陽治
- 柴田大朗
- 髙橋悟
- 田﨑嘉一
- 中西浩一
- 長谷川俊史
- 堀恵
- 前田愼
- 宮川政昭
- ◎森保道
- 矢野育子
他 参考人2名出席 - 欠席委員(2名)五十音順
-
- 根岸一乃
- 松野智宣
- 行政機関出席者
-
- 城克文 (医薬局長)
- 佐藤大作 (大臣官房審議官)
- 中井清人 (医薬局医薬品審査管理課長)
- 野村由美子 (医薬安全対策課長) 他
議事
○医薬品審査管理課長 それでは定刻になりましたので、「薬事審議会医薬品第一部会」を開催いたします。本日はお忙しい中御参集いただきましてありがとうございます。本会議はペーパーレスの開催といたしますので、資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作等で御不明点等ありましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いいたします。
本日の会議における委員の出席についてですが、根岸委員、松野委員より御欠席との御連絡を頂いております。このほか、長谷川委員から遅れて御参加と聞いております。
また、川上委員、佐藤直樹委員、柴田委員、田﨑委員は遅れて御参加されるとお聞きしております。本日は、現在のところ当部会21名のうち、14名の委員がこの会議に御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
なお、本日は審議事項議題1に関して、杏林大学医学部眼科学教授の山田昌和先生、審議事項議題4に関して、公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院理事長の稲垣暢也先生を参考人とお呼びしております。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。先生方におかれましては開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から、資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況について報告をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~資料No.17を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料17に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1「リジュセアミニ」:退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。
議題2「ヒフデュラ」:退室委員なし、議決に参加しない委員は髙橋委員。
議題3「クアルソディ」:退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。
議題4「ゼップバウンド」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員、中西委員、前田委員。
議題5「ゼポジア」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員、髙橋委員。
議題6「タウヴィッド」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員。
議題7「ウプトラビ」:退室委員、議決に参加しない委員ともになし。
議題8「希少疾病用医薬品の指定の可否」:退室委員なし、議決に参加しない委員は髙橋委員、中西委員、長谷川委員。
議題9「特定用途医薬品の指定の可否(ミダゾラム)」:退室委員、議決に参加しない委員ともになし。
また、議題10についても、各委員より寄付金・契約金等の受取の申告を頂いておりますが、本議題は薬事審議会審議参加規程第18条の「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で申告書を公開することをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。
以上です。
○森部会長 今の事務局の御説明について特段の御意見等はございますでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。
本日は、審議事項10議題、報告事項2議題、その他事項1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項の議題1について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、リジュセアミニ点眼液0.025%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号32分の3ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はアトロピン硫酸塩水和物を0.025%含有する点眼剤です。なお、アトロピンを有効成分とする眼科用剤としては、本剤よりも高濃度の1%を含有する眼軟膏及び点眼剤が「診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺」の効能・効果で承認されています。近視は、平行光線が無調節状態の眼に入射したとき、網膜の前方に結像する状態であり、主に眼軸、つまり角膜から網膜までの長さが伸長することに起因する進行性の疾患です。近視は、6~8歳頃に発症し、15~16歳頃まで進行することが多い一方で、一定数で成人期にも進行が継続することも報告されています。強度近視は、緑内障などの視力障害を伴う重度の合併症のリスク因子とされているため、近視の進行を抑制することは、QOLの低下や視力障害を伴う重度の眼の合併症を予防することにつながると考えられています。しかしながら、本邦において近視の進行抑制に対して承認された医薬品及び医療機器はございません。本剤の近視の進行抑制に係る開発について、本邦では2019年8月から臨床試験が開始され、今般、国内外の臨床試験成績に基づき、本剤の近視の進行抑制に係る有効性及び安全性が確認されたとして、本剤の製造販売承認申請が行われました。なお、海外において、現在、本剤が承認されている国又は地域はありませんが、オーストラリア及び中国において、アトロピン0.01%点眼液が「小児における近視の進行抑制」の効能・効果で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず有効性について、審査報告書通し番号10ページの「7.1.2 国内第II/III相試験」の項を御覧ください。弱度から中等度の近視を有する5~15歳の患者を対象に、本薬点眼液の有効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重遮蔽並行群間比較試験が実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、通し番号12ページの1行目、「有効性について」から始まる段落を御覧ください。主要評価項目とされた投与24か月後におけるベースラインからの調節麻痺下の他覚的等価球面度数の変化量について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。以上から、近視の進行抑制に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
続いて安全性について、通し番号17ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤の投与に当たっては、特に羞明等のアトロピンの散瞳効果に伴う事象の発現について注意する必要があるものの、当該事象に対する適切な注意喚起等が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。なお、本剤の投与にあたりましては、投与対象が適切に選択されること及び本剤の投与終了時期が適切に判断されることが重要であり、これらの内容については添付文書や医療従事者向け資材を用いて注意喚起等を行うこととしております。また、本剤の適正使用推進に係る方策として、現在、関連学会と申請者が連携の上、本剤による近視抑制に係る治療指針が作成されており、当該指針は、本剤が上市されるタイミングで学会より情報提供される予定です。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、新効能医薬品等であることから再審査期間は4年とすることが適当であり、また生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。本日、参考人の方がお見えになっておられます。山田先生から、御発言をお願いしてよろしいでしょうか。
○山田参考人 杏林大学の眼科の山田と申します。どうかよろしくお願いいたします。まず、この近視の進行抑制を目的とする医薬品の必要性についてですけれども、もともと日本を含む東アジア諸国では近視が非常に多いとされていたのですが、近年、学童の近視の割合がますます増えてきています。最新の文科省の調査では、視力1.0未満の子供の割合は、小学生で38%、中学生で61%となっており、中学生だと半分以上がもう近眼なのです。それで小児の近視進行抑制というのは、眼科領域での重要課題の一つになっています。特殊な眼鏡、コンタクトレンズ、オルソケラトロジー、医療機器など、様々なアプローチがなされていますけれども、現在のところ最も医学的根拠があり、実施可能性からも期待されているのが本剤、低濃度のアトロピン点眼であろうと思われます。近視は将来的には網膜剥離、黄斑症、緑内障などの重度の合併症のリスク因子になりますので、近視の進行を抑制することは将来的な視覚障害の予防にもつながると考えられます。次に行ってもよろしいでしょうか。
○森部会長 はい。
○山田参考人 では次は、このリジュセアミニの臨床的意義ですが、世界的に近視の進行を抑制する目的で様々な方法が試されており、本邦でも低濃度アトロピン点眼液、オルソケラトロジー、多焦点コンタクトレンズなどが、既に自費診療で一部で用いられている実態があります。ただし、承認された医薬品及び医療機器は存在しません。本邦での本剤の臨床試験の結果は、投与36か月後まで、プラセボ点眼液と比較して、調節麻痺下の他覚的等価球面度数の有意な進行抑制、また眼軸長の有意な伸長抑制が認められており、海外での臨床試験成績やメタアナリシスの結果と基本的に一致しており、近視の進行抑制効果を示しています。また、臨床試験において、本薬をプラセボ点眼液に切り替えた後に、急激な悪化、リバウンドは見られなかったこと、また、海外での臨床試験成績やメタアナリシスの結果を踏まえると、長期投与の有効性は十分期待できると考えます。
海外では、ほかの治療法よりも低濃度のアトロピン、本薬のような点眼液を優先して使用することが推奨されており、本薬が承認されれば、近視進行抑制治療の第一選択となり得ると考えます。
次は、リジュセアミニの投与対象に関する機構の判断、年齢、近視の程度等で明確な制限を設けていないことの妥当性についてです。近視の発症年齢や進行の程度、時期は様々であり、投与対象について、年齢や近視の程度等で明確な制限を設けることは現時点では妥当ではないと考えます。将来的には、これらの事項について関連学会と連携の上で、臨床の現場での知見に基づいて、ガイドライン等で適切に情報提供される必要があると考えます。
次は、リジュセアミニの投与期間、投与終了時期に関する機構の判断、具体的な時期の制限を設けず、資材等の情報に基づき医師が判断することの妥当性について。本薬の投与期間について、いつまで続けるかは臨床的に悩ましい問題です。本薬の効果はあくまでも近視の進行抑制であり、投与してもある程度近視が進行すること、本薬に反応しない無効例が一定数存在すると推測されること、投与中止後には、ある程度のリバウンドが見込まれることなどから、投与期間について具体的な制限を設けることは困難だと思われます。この点についても、臨床的な知見の蓄積を待って、関連学会等からガイドラインなどで推奨を出してもらうのがよいと思われます。私からは以上です。
○森部会長 山田先生、御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。堀委員からお願いします。
○堀委員 ありがとうございます。機構にお尋ねしたいのですけれどもよろしいでしょうか。この薬は近視の進行を抑制する国内初のお薬として理解いたしました。また、今の山田先生のお話もお聞きして、やはり対象となる方々が小児に非常に多いというようなことも今理解いたしました。それを踏まえまして、患者向けの資材についてちょっとお尋ねしたいのですけれども、この資材はお作りになる御予定でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、作成の予定です。
○堀委員 ありがとうございます。それにつきまして、今回のこのお薬に関しての資材ですが、小児、また今、山田先生がおっしゃっておられましたように、特に中学生の半分ぐらいが近視ということで、中学生自身が点眼をする可能性もあると思います。そのため、その資材ですけれども、中学生の方が読んでも理解できるような分かりやすい内容の資材を是非作っていただきたいというのが、私ども保護者の立場からのお願いです。
あと、もう1点お尋ねしたいのが、この投与の用法・用量に関しましては、1日1回、1滴、就寝前に点眼するとありましたけれども、これは点眼をすることにより、散瞳で瞳孔が開いてしまうことで、光とか、あとはピントが合わなくなってしまい、生活に支障が出るということで、就寝前というように規定なさったのでしょうか。教えていただけたら有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目でコメントを頂きました点につきましては、現在、申請者が作成している患者向け資材について、イラストなども用いて、点眼の仕方などを分かりやすく説明していることを確認しています。今コメントを頂いたことも踏まえまして、申請者には、中学生などにも分かるような形で、資材をより分かりやすいように作成するようにと伝えさせていただきます。
2点目の、就寝前投与とした背景ですが、御理解いただいておりますように、やはり羞明、まぶしいといった症状が出やすいお薬ですので、就寝前に投与する規定とされております。
○堀委員 御回答いただきありがとうございます。そういたしますと、なぜ就寝前に投与するかというようなことは、是非、患者向け資材に記載していただくと、中学生は多分自分で1日1回点眼すると思うのですが、その理由というのが分かるか分からないかによって、使用する患者も心構えというか、そこが腑に落ちるかと思いますので、できましたらばその理由等も分かりやすく記載していただけたら有り難いと思います。
○医薬品医療機器総合機構 現在作成されている患者向け資材の方にも、日中に点眼するとまぶしく感じることが生じるおそれがあることは記載しており、例えば点眼を忘れたときは、日中には点眼しないでくださいということを、理由とともに記載している状況です。
○堀委員 分かりました。ありがとうございます。あと、保存方法は特に冷蔵庫に入れるとか、そういう制限はないと理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 保存方法としましては、室温での保存になっております。
○堀委員 御丁寧にありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 続きまして、大谷委員から御意見を頂きます。
○大谷委員 今の御質問にも少し関係してくるのですが、これを実際に点眼した後に、散瞳に伴う羞明、若しくはその散瞳の時間経過、どれぐらい持続するかというデータはお持ちなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回の臨床試験の中では、散瞳効果が1回の点眼後にどの程度続くかというところについては、検討されておりません。ただ、現在、臨床現場で、個人輸入等で使われている海外アトロピン0.01%、0.025%製剤につきましては、おおよそ点眼後8時間ほど羞明、まぶしいといった症状が出ることがあるということが言われていると聞いております。
○大谷委員 ありがとうございます。これをなぜ質問したかと申しますと、やはり服薬指導上、実際に点眼してからどれぐらいまぶしさが続くのかということは、本人もそれから指導する薬剤師等も是非知りたいことだと思いまして、その辺の情報が実際に提供されるのかというところが非常に気になっているのですが、そこはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現在作成されている患者向け資材の中では、こういった症状が何時間持続するというような記載はありませんので、こちらの情報については、適切に患者や医療従事者に提供されるように申請者に指示したいと思います。
○大谷委員 ありがとうございます。重要な情報かと思いますので、是非、情報にしっかりアクセスできるようにしていただければと思います。
それに関連してもう一つですが、昼間に点眼すると羞明等が生じるということが書かれているのですが、これはある程度大人になっても使う可能性があることを考えると、例えば夜間点眼して、一番怖いのは、そのまま車などを運転してしまうと、自動車の運転に関して非常に差し支えが生じる可能性があるのではないかという気もするのですが、夜間の車の運転で、対向車のヘッドライトがまぶしくて運転に支障が出るとかそういうことはございますか。もしあるとしたら、そういった注意喚起をする予定はございますか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書案の「8.1 重要な基本的注意」の項で、自動車運転等は避けるよう注意することといった注意喚起をしております。また、医療従事者向け資材や患者向け資材にもこうした内容を記載する予定としております。
○大谷委員 ありがとうございます。昼だったらまぶしいというのは分かるのですけれども、夜だったら大丈夫かなと思ってしまうというのが非常に怖いなと思ったのですが、その辺は大丈夫でしょうか。特に添付文書においては、太陽光や強い光を直接見ないようにというような形で書かれているので、その夜間の自動車運転は、昼間だとまぶしいのは分かるのですが、夜間の自動車運転は非常に怖いなと、自分で車を運転しててもこれがまぶしかったら怖いと思うのですが、いかがでしょうか。
○山田参考人 すみません、参考人の山田です。ちょっとお話してよろしいでしょうか。
○森部会長 はい、お願いします。
○山田参考人 私、実験的にこのぐらいの低濃度のアトロピン点眼液を使った場合の瞳孔径の変化、それから調節機能の変化を少し調べたことがあるのですが、実際には余り影響がないのです。それで瞳孔が開いて、あるいは調節機能が落ちる人というのは、本剤の治験の中でも羞明が出るのは数パーセントだったと思いますので、ごく一部に限られる、これはやはり薬剤の感受性の問題だと思うのですが、そういうことだと思いますので、すごく神経質にならなくても大丈夫かと、臨床的には考えます。
○大谷委員 ありがとうございました。私、アトロピンの濃い方を昔点眼したことがあって、そのときはかなりまぶしかった記憶があるものですから、それと同じようなことが起こったら結構危ないなと思いまして、質問させていただいた次第でございます。ありがとうございました。
○森部会長 ほかの先生方からの御意見、いかがでしょうか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。今の堀委員、大谷委員、それから今の参考人のお話で、就寝前ということはよく分かったのですが、羞明の持続が8時間ぐらいあるということになると、子供たちの年齢によっては、本当に8時間ずっと寝ているのかどうかということが懸念されます。就寝前の点眼といっても、受験勉強などで睡眠時間がたとえば6時間となることも想定されるので、資材では、そういうことも含めて十分な書き込みが確実に必要と思います。先ほど堀委員がおっしゃったように、資材への書き込みについては、いろいろな想定を含めて考えていただいて作成をお願いしたいというところです。
それから、先ほどからガイドラインの話が出ておりましたが、ガイドラインを適正に作ることが学会等で行われることになるのかどうか、それについても、ある程度明確にして頂けたらと思います。最終的にこれが世に広く使われたときに、このように様々な事象が起こってくることが想定されますので、是非、ガイドラインについては、どのくらいまでに作成されるのかの見通しも含めてお聞かせいただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目に御指摘いただいた点につきましては、本日頂いた御意見等を踏まえまして、申請者にもしっかりと伝えたいと思っております。
2点目で御質問いただきましたガイドライン等の作成状況につきましては、現在、治療指針に関する文書について、申請者と日本近視学会で、本剤による近視抑制に係る治療指針について協議されていると聞いております。盛り込まれる内容のおおむねの概要についても、機構側としても聞いているところですが、そういった指針につきましては、本剤が上市されるタイミングで、日本眼科学会のホームページに掲載される予定と聞いております。
○宮川委員 了解しました。その立て付けをしっかりとしていただくことを前提としてこの部会での審議がなされるので、審議前の申請段階から、どういう形でガイドライン等が作られるかも書き込みが必要であることを、是非、御認識いただければ幸いかなと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 それでは、前田委員から御質問、どうぞお願いします。
○前田委員 これは、効能・効果が「近視の進行抑制」と書かれていますが、それが進行している段階なのか、もう既に固定している段階なのかというのは、これは参考人の先生にお聞きした方がいいと思うのですが、眼科的に分かるものなのですか。
○山田参考人 これは非常に難しいのです。実際上は、近視は年齢が進むとある程度進みます。それで、どこかで止まるのですが、それが、進行のスピード自体はそれほど速くなくて、半年、1年単位ぐらいで進んでいくものですから、この評価は難しいのです。ただ、海外もそうですが、今回の日本での臨床試験でも、近視の進行抑制という効果が明確に認められていますので、これは認めていただいてもいいのかなと思っています。
○前田委員 結局、この適応者によって、本薬剤がどれぐらい使われるかというのはかなり異なってくるかなと思っています。これは機構に聞いた方がいいと思いますが、企業としては、これは人口のどれぐらいというか、何万人ぐらい使われることを想定しているのですか。近視の方は、恐らく日本人で3分の1から半分ぐらいいると思うのですが、相当な数になるのではないかなと思います。その辺、進行の度合いが余りはっきり何か定義されていないとすると、なかなか難しいのではないかなと思うのですが、何かお答えお持ちでしたらお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 申請者が想定している人数ですが、本剤の主な投与対象と想定される小児患者の人口に基づいて、本剤の使用が想定される患者数としては約○○万人と推定しているという説明をもらっております。
○前田委員 なるほど。これは、参考人の先生、正しいですか。何かもう少し多くなりそうな気がしないでもないですが。
○山田参考人 山田です。これは実際に使われてみて、どのぐらい臨床で使われるかによると思うのです。やはり、適応と効能が広く知られて、適応が広がるようなことがあれば、先生が危惧されるように非常に多い数、子供の数は、大体1歳ごとに100万人ぐらいとして、8歳から18歳ぐらいまで10年だから、500万人ぐらい近視の子がいるので、それを全部適応としたら、今の○○万人と随分違う数字になりますので、ちょっとそこは、私も分かりかねます。申し訳ありません。
○前田委員 分かりました。ありがとうございます。どれぐらい使われるのかについて、ちょっと知りたかったもので、申し訳ありません。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。今、前田委員が的確に御指摘されたのですが、申請の中の起原又は発見の経緯及び開発の経緯の所に、近視は進行性で不可逆的な疾患であり、概して学童期に発現すると書いてあります。実際には、2022年の調査で、小学校では37.88%、中学校では61.23%、高等学校では71.56%であったことが書いてあって、その数字に関しては非常に慎重に考えないといけないように思っております。今、前田委員が的確に御指摘されたとおり、○○万人というのは過少に捉えている面があって、先ほど申し上げたガイドラインなどが必要であるという指摘をしたのはそのためであって、適正に使用されないと、使用者数の想定が非常に難しいことになるのではないかと思っています。是非、しっかりとした所要の使用成績調査やガイドライン等の作成が検討されない限り、使用者層が大幅に広がってしまう可能性があることが懸念されます。是非、十分に検討していただかなければならないはずだろうと思っております。以上です。
○森部会長 追加して堀委員から御質問です。
○堀委員 ありがとうございます。今の前田委員と宮川委員からの発言を聞いて思ったのですが、やはり、このお薬が承認されて市場に出た場合、保護者は、早くこの点眼液を処方してもらいたいと思う方々が非常に多いと思います。今実際に、小学校も中学校受験とかがあり、先ほど宮川委員がおっしゃっていましたが、夜中でもやはり皆さん勉強していらっしゃって、そういうお子さんをもっていらっしゃる保護者の方が、いかに近視にならないようにするために、皆さん、お子さんに対してとても配慮をなさっている姿を私は見ております。ですので、ガイドラインをしっかりしないと、結局、多くの小児患者の親、又は中学生の御本人から、眼科の現場で、このお薬を出してくださいと言われたときに、一番心配なのは、眼科の先生がどう判断されるかが、非常に今、聞いていて心配になったので、やはり、ガイドラインの設定は、是非、早急にお願いしたいと思いました。以上です。
○宮川委員 もう一つよろしいでしょうか。
○森部会長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 お尋ねしたいのですが、この点眼は就寝前に用いられるわけですが、昼間、これは、学童ないしその小児が、眼鏡を使用しているのかコンタクトを使用しているのか、コンタクトはハードであるのかソフトであるのか、その区別について検討されているのでしょうか。特にソフトコンタクトであれば、日中の目の酸素濃度が非常に低くなることがあって、長時間装用する場合は更に問題になってきます。今までの臨床試験の中で検討はされているのでしょうか。よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 今回の治験では、眼鏡で矯正することがプロトコル上規定されておりました。コンタクトレンズにつきましては、本剤を投与するときには、恐らく外しているものと思われます。コンタクトレンズの使用については可能と考えておりますが、点眼のときには外すように注意喚起をするよう資材には記載する予定でございます。
○宮川委員 私の申し上げているのは日中のことです。コンタクトを外して点眼するのは当然のことなので、夜、コンタクトを付けたままという状況は論外でありますから、日中のコンタクトはどうなのかということをお尋ねしました。つまり、臨床試験中に、眼鏡であったのか、コンタクトを装着している方なのか、それがハードなのかソフトなのかということで、今後、使用するときにも、どのようなコンタクトを日中使っているかということは、目の酸素濃度に大きく関わって、近視が予測されることなので、装着の時間等も含めてしっかりと規定しなければいけないと思われますので、それについて御見解を頂きたいと思います。
○森部会長 宮川委員、今の御質問は、参考人の先生にお伺いしても。
○宮川委員 もちろん、はい。
○森部会長 OKです。
○山田参考人 山田です。この臨床試験では、結局、眼鏡の対象だけ入れているのです。それで、本剤は就寝前の点眼ですから日中にコンタクトレンズをすること自体は、実際にこれを使われるようになったときに問題になるとは余り思わないです。今、ソフトコンタクトレンズは非常に素材がよくなりまして、実は、酸素不足の問題はほぼ解決されているのです。昔のソフトと大分違いますので、そこの懸念は余り心配されなくてもいいのかなと思います。それから、オルソケラトロジーという、夜、寝ているときに特殊なコンタクトレンズを付ける近視抑制治療の方法があるのですが、これとアトロピンの点眼を組み合わせて、より良い効果が得られたという報告も、一応あります。これでお答えになっていますか。
○宮川委員 ありがとうございます。そうやって改善されているということなのですが、経済的な問題により、ワンデーのものを1か月使うようなお子さんもおられるので、それは禁止していただきたいのと、女子が酸素濃度が大きく下がる報告もあるカラーコンタクトを使うこともあるので、そういうところもしっかりと書き込みが必要ではないかと推察するのですが、先生、これをいかが考えたらよろしいのでしょうか。
○山田参考人 ありがとうございます。それは、先生がおっしゃるとおりだと思います。カラコンは大体古い素材で作られていますので、先生がおっしゃる酸素透過性の低いソフトレンズになっています。ただ、これは、この点眼薬を使う、使わないにかかわらず、我々としては、もうカラコンは何とか絶滅させたいくらいに思っております。
○宮川委員 ありがとうございます。資材というのは非常に重要なので、先ほどから堀委員のご指摘のとおり、資材への書き込みは十分注意されるようにお願いしたいところです。さらに、ガイドラインについてもそのような配慮が必要であることは論を俟たないと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 どうぞお話しください。
○医薬安全対策課長 恐れ入ります、医薬安全対策課です。今、カラーコンタクト、それからワンデーの製品を連続使用するという不適正使用についての御指摘を頂戴しました。コンタクトレンズそのものの適正使用ということになろうかと思いますが、私どもも、眼科学会などとも御協力を頂きまして周知に努めております。
○森部会長 そのほか、御質問いかがでしょうか。本剤が初めて近視の進行抑制に上市される薬剤ということで、治療の標準的なプロトコル、すなわち、どう初期評価を行い、治療導入をした後の説明や、どのようなインターバルで診療していくかがなかなか見えない中、今回、審議をしています。治療指針として作成いただく学会の資材は、標準的な治療期間や治療のコース等もお示しいただき、多少のバリアンスや、予想されるバリアンス等も含めて作成いただくものと理解しています。標準的なプロトコルがありますと、治療をお受けになる御本人や、御家族の方もより安心して治療に臨みやすいと思いますので、この点をお含みいただきたいと思います。
もう1点は、本剤がどの程度持続して羞明を感じるのかということです。先ほど、山田参考人からは個人差があるとのことで、臨床試験の成績でも、約10%で羞明を感じると報告がございます。羞明を感じている時間帯は、自転車、自動車の運転をしないようにと、添付文書の8-1に記載をして頂いていますが、これが何時間かということは、目安の記載がありません。実際には患者さんによって個人差があることは、今、伺ったところではありますが、恐らく資材の中に、その時間の所を目安としてお含めになる可能性もあろうかと思います。資材と合わせた形で、持続時間の記載もしていただく方が添付文書も望ましいのではないかと考えております。
一つの理由は、今のお子さん、特に日本の学童の睡眠時間の短さが世界の中でも突出していて、夜遅くまで起きていて、朝早くお出になる。また、自転車通学をする方が多くて、まだ薄暗いうちから家を出て学校に向かう方がたくさんいる中で、本剤を利用する方がいることを鑑みますと、羞明の問題、若しくは、見にくさ、まぶしさは大変重要な問題です。一部の方のみかもしれませんが、多くの方が御使用になることを前提に考えますと、広く周知しておくことが必要になると理解しています。羞明の持続時間や程度、また、自転車、自動車等の運転に関する注意喚起を、十分に御本人向け並びに御両親向けの資材にお含めいただくことは切にお願いしたいと考えています。
その上で、本剤が安全に使用されているかについては、学会様の方でもしっかりとフォローアップしていただき、適切な注意喚起が必要な際には追加していただくことで、近視の進行抑制の治療という、これまでなかった診療を安全に実施する体制を構築したいと考えています。この点につきまして、委員の先生方から御質問、御意見ございましたらお願いいたします。山田参考人、もしよろしければ、この点の御発言よろしいでしょうか。
○山田参考人 いや、特にありません。
○森部会長 それでは、ほかの委員の先生方から御質問、御発言ございませんでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきたいと思います。では、本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。それでは、御異議ないということですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。山田参考人、御発言、どうもありがとうございました。大変、参考になりました。ありがとうございました。どうぞ御退室ください。
それでは、議題4につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題4、資料No.4、医薬品ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス他の製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。
審査報告書の通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、GIP受容体及びGLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有するチルゼパチドを有効成分とする注射剤です。GIP受容体及びGLP-1受容体を介して、脂肪細胞における脂質代謝の亢進によるエネルギーの消費量の増加、中枢神経系における食欲の調節等の作用により、体重を減少させることが期待されます。海外において本剤は、肥満又は過体重に対する体重管理に係る効能・効果で、2023年11月に米国で、2023年12月に欧州で承認されていまして、2024年8月現在、欧米を含む40以上の国又は地域で承認されています。
なおチルゼパチドは2型糖尿病の治療薬としても、国内外で承認されており、本邦ではマンジャロ皮下注2.5mgアテオス他の名称で承認されています。本品目の専門協議では、資料No.16にお示しする先生方を、専門委員として指名させていただいております。
以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性につきまして、審査報告書15ページの表9を御覧ください。肥満に関連する健康障害として、耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患のうち、BMI27kg/㎡以上では二つ以上、BMI35kg/㎡以上では一つ以上を有する日本人肥満症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験であるGPHZ試験が、国内第III相試験として実施されました。その結果、主要評価項目とされたベースラインから投与72週時までの体重変化率及び投与72週時に5%以上の体重減少を達成した被験者の割合のいずれについても、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。次に、審査報告書20ページの表14を御覧ください。BMI27kg/㎡以上で高血圧、脂質異常症等を有する又はBMI30kg/㎡以上の患者を対象とした日本を含む国際共同第III相試験であるGPHK試験が実施され、GPHZ試験と同様に設定された体重減少効果に関する二つの主要評価項目について、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。また、審査報告書27ページの表21を御覧ください。2型糖尿病を有するBMI27kg/㎡以上の患者を対象とした日本を含む国際共同第III相試験であるGPHL試験が実施され、GPHZ試験及びGPHK試験と同様に設定された体重減少効果に関する二つの主要評価項目について、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。
本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果については、審査報告書17ページの表11を御覧ください。国内第III相試験であるGPHZ試験において、プラセボ群と比較して本剤群では血糖、血圧及びLDLコレステロールを始めとする脂質パラメータの改善傾向が認められています。また、二つの国際共同第III相試験においても、審査報告書23ページの表16及び審査報告書29ページの表23にそれぞれ結果をお示ししていますとおり、GPHZ試験と同様の改善傾向が認められました。
以上の結果等を踏まえ、本剤投与による体重減少効果と、肥満に関連する健康障害である高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病の改善効果は期待できると判断しました。
続いて安全性について、審査報告書42~43ページの表41~表43を御覧ください。実施された三つの第III相試験で発現している主な有害事象は、既存の2型糖尿病に用いるチルゼパチド製剤で既知の事象でした。本剤の作用機序、臨床試験成績等を踏まえまして、胃腸障害、低血糖等の注目すべき事象について個別に検討した結果、既存のチルゼパチド製剤と同様の適切な注意喚起がなされれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
なお、二つの国際共同試験の日本人部分集団における有効性及び安全性の結果は、全体集団の結果と同様の傾向でした。
続いて、本剤の効能・効果につきまして、審査報告書56ページの「7.R.3」及び66ページの「1.2 効能又は効果について」の項を御覧ください。まず、本邦の肥満症診療ガイドラインでは、BMI25kg/㎡以上を「肥満」と定義し、「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患」を「肥満症」と定義しております。
国内第III相試験であるGPHZ試験の組入れ基準では、肥満に関連する健康障害として耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患が設定されていました。しかしながら、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、薬物療法が必要な疾患又は状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切と考えました。先ほど御説明した本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果等を踏まえ、本剤の適応対象は2型糖尿病、脂質異常症又は高血圧のいずれかを有し、食事療法及び運動療法をあらかじめ行っても十分な効果が得られず、BMI27kg/㎡以上で二つ以上の健康障害を有する又はBMI35kg/㎡以上の肥満症患者とすることが、本邦での肥満症治療における薬物療法の位置付けも考慮して適切と判断しました。
本邦では、GLP-1アナログであるセマグルチド(遺伝子組換え)を有効成分とするウゴービ皮下注が肥満症治療薬として承認されており、本剤はウゴービ皮下注と同様の臨床的位置付けとして、肥満症患者に対する薬物療法の選択肢の一つになり得ると考えています。また、本剤の適応対象となる患者の基準については、ウゴービ皮下注と同様に、資材等を用いて適切に情報提供し、本剤の適正な使用を図る予定です。
以上のとおり、機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は新効能及び新用量医薬品であるものの、同一有効成分を有するマンジャロ皮下注に対して既に付与されております再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。
薬事審議会では報告を予定しています。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 続いて、その他事項議題1について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 その他事項議題1、チルゼパチドについて、最適使用推進ガイドラインを作成しておりますので、御説明します。資料No.14を御覧ください。全体の構成は、既に発出されております他剤の最適使用推進ガイドラインと同様です。
通し番号3ページの「1.はじめに」について、今回の対象効能・効果は先ほど機構から説明がありましたとおり肥満症であり、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有する肥満症であることから、日本内分泌学会、日本肥満学会、日本肥満症治療学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会及び日本内科学会から御推薦を頂いた専門家からの御意見を踏まえ、本ガイドラインの案の作成を行っております。
対象となる効能・効果及び用法・用量は、3ページの枠内のとおりです。また、記載の形式はこれまで作成している最適使用推進ガイドラインと同様で、5ページ以降に今回審査された臨床試験の成績を、21ページに他の最適使用推進ガイドラインと同様に施設等に関する要件として、肥満症という疾患を適切に診断、管理、治療ができ、他職種による管理ができるような施設が選定されるよう配慮されています。また23ページには本剤の投与対象となる患者の内容を記載しています。本剤につきましては、適切な治療計画の策定及び食事・運動療法に関する事項についても記載しております。
最後に25ページには、審査における内容を踏まえた、投与に際して留意すべき事項について記載をしています。説明は以上となります。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。本日は参考人として稲垣先生をお招きしております。では、稲垣先生、御発言をお願いします。
○稲垣参考人 それでは申し上げます。既に肥満症の治療薬として、GLP-1受容体アゴニストであるウゴービが、2023年3月に我が国で承認されています。また先ほどの御説明にもありましたので、今更繰り返して述べる必要はないかもしれませんが、肥満症の治療薬についてお話する前に、肥満と肥満症の違いについて、改めて御説明したいと思います。
日本ではBMIが25kg/㎡以上を肥満と呼びますが、肥満があると糖尿病や高血圧、脂質異常などの発症リスクが高まるということが知られています。肥満症の診療ガイドラインによれば、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態を肥満症と定義しています。具体的には、肥満症の診断は、肥満と判断されたもの、すなわちBMIが25kg/㎡以上のうち、肥満症の診断に必要な健康障害、ここには耐糖能障害や脂質異常症、高血圧など11項目が含まれていますが、それを合併する場合に肥満症と診断します。また腹部CT検査などにより、内臓脂肪型肥満と診断される場合は、現在健康障害を伴っていなくても、健康障害のリスクが高いため、肥満症と診断します。
肥満症の治療の基本は、BMIを25kg/㎡以下に減量することではなく、減量治療で合併する疾患を改善・解消することにあります。肥満症の治療では、3%以上の減量によって複数の健康障害が改善するという我が国のエビデンスなどに基づき、3%以上の減量目標を設定します。また、BMIが35kg/㎡以上の高度肥満症の場合は、現体重の5~10%の減量を目標とします。
治療法は、食事、運動、行動療法等の生活習慣改善法が肥満症治療の基本です。体重を減らすためには、食事療法により摂取エネルギーを減らし、運動で消費エネルギーを増やし、食事、運動療法を維持・強化させるために行動療法を併用します。しかしながら、私たちの日常の臨床現場におきましては、食事療法を繰り返してもなかなか体重減少が得られず、そのうちに次第に併存症・合併症が進行するという現象をしばしば経験するところです。食事・運動・行動療法を行った上で、減量目標が未達成の場合には、薬物療法や外科療法の導入をこれまでは考慮していました。
ただ、肥満症の治療薬としては、ウゴービが承認されるまでは、我が国ではマジンドールしか保険適用が認められていませんでした。マジンドールの適応はBMIが35kg/㎡以上の高度肥満症が対象であったことや、依存性の問題、あるいは3か月以上の処方が認められていないという限界があり、臨床的にはほとんど用いられていないというのが現状でありました。
一方で外科療法は、6か月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られないBMIが35kg/㎡以上で、糖尿病、高血圧、脂質異常症又は睡眠時無呼吸症候群のうち一つ以上を合併した高度肥満症に対して、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が2014年に保険収載されました。
2020年の診療報酬改定では、6か月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られない、BMIが32.5~34.9kg/㎡以上の肥満症及びHbA1cが8.4%以上の糖尿病患者に、算定が付加されました。ただ、限られた認定施設でのみ手術が可能であることや、手術の侵襲が大きいことなどの理由で、次第に手術件数が増加してはいるものの、年間1,000件程度で件数としてはまだ僅かです。
このように、我が国においては効果的な肥満症の治療薬がアンメットニーズとなっていました。そのような中、GLP-1受容体のアゴニストであるセマグルチド、商品名「ウゴービ」が昨年3月に承認されました。その治療対象は最新の肥満症診療ガイドラインの診断基準に基づき、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれか一つを有し、BMIが27kg/㎡以上であり、かつ二つ以上の肥満症に関する健康障害を有している患者、あるいはBMIが35kg/㎡以上の患者で、食事・運動療法を6か月以上行っても減量目標が未達成の場合となっています。
このような背景の下、今回のチルゼパチド、商品名「ゼップバウンド」が肥満症の治療薬として申請されました。ゼップバウンドの特徴は、ウゴービがインクレチンホルモンであるGLP-1受容体のアゴニストであるのとは異なり、GLP-1受容体だけでなく、もう一つのインクレチンホルモンであるGIPの受容体にもアゴニストとして作用する、GIP/GLP-1受容体のデュアルアゴニストである点であります。一般的には、GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストの方がGLP-1受容体アゴニストよりもより強い血糖値低下作用と体重減少作用を有するというデータが多く出されています。そのメカニズムについては、私自身もこれまで長きにわたってGIPに関しての研究を行ってまいりましたけれども、未だ不明な点が多く、世界中で多くの研究者が着目しているところであります。
さて、このチルゼパチドですが、既に2型糖尿病治療薬としては、先ほどの御説明にもありましたが、2.5~15mgまでの製剤が、「マンジャロ」として承認・発売され広く用いられているところですが、今回の申請は、2型糖尿病治療薬の場合と同じ用量のチルゼパチドを肥満症の治療薬として用いるというものであり、機構の御説明のとおり、肥満に関連する二つの健康障害を有する肥満症患者を対象とした国内第III相試験GPHZ試験と、日本人を含む国際第III相試験GPHK試験において、投与72週時における体重変化率及び投与72週時に5%以上の体重減少を達成した被験者の割合のいずれについても、プラセボに対する本剤10mg及び15mgの優越性が示されています。
また、2型糖尿病を有するBMI27kg/㎡以上の患者を対象とした日本人を含む国際共同第III相試験であるGPHL試験が実施され、GPHZ試験、GPHK試験と同様に、プラセボに対する本剤10mg及び15mgの優越性が示されました。
さらに、本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果については、国内第III相試験であるGPHZ試験において、プラセボ群と比較して、本剤群では血糖・血圧・脂質パラメータの改善傾向が認められました。また、二つの国際共同第III相試験においても同様の傾向が認められたと考え、本剤による体重減少効果と、肥満に関連する健康障害である高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病の改善効果が期待できるとの機構の判断は、妥当であると私も考えます。
また、第III相試験であるGPHZ試験の組入れ基準では、肥満に関連する健康障害として耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患が設定されていましたが、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、薬物療法が必要な疾患又は状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切という機構の判断は、大変妥当なものでして、本剤の適応対象は、2型糖尿病、脂質異常症又は高血圧のいずれかを有し、食事療法及び運動療法をあらかじめ行っても十分な効果が得られず、BMIが27kg/㎡以上で二つ以上の健康障害を有する、又はBMI35kg/㎡以上の肥満症患者とする機構の提案は、これまでのウゴービに関する位置付けとも整合性が取れるものと考えます。
次に有害事象についてですが、実施された三つの第III相試験で発現している主な有害事象は、消化器症状を中心とするもので、既存の2型糖尿病に用いるチルゼパチド製剤で既知の事象であります。既存のチルゼパチド製剤と同様の適切な注意喚起がなされれば、本剤の安全性は管理可能であると私も思います。
とはいえ、この薬剤は、先ほど述べましたように、これまでのGLP-1受容体アゴニストとは異なり、GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストであるということから、GIP受容体アゴニストとしての作用については、未知な点がまだありますので、今後の慎重な経過観察は必要であると考えます。
最後に、これまでに肥満症治療薬がほとんどなかった状況における本剤の登場は、ウゴービの登場と合わせて大変画期的なものでありまして、肥満症の患者さんにとって福音となるものと思われます。さらに、ただ薬剤に頼るのではなく、治療計画に沿って治療後も食事・栄養療法を継続していただくことにより、治療のモチベーションが上がるように努力していただくことが重要であり、既に承認されましたウゴービとも整合性が取れた、最適使用推奨ガイドラインの作成が望まれるものです。以上です。
○森部会長 稲垣参考人、御発言どうもありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見いかがでございましょうか。
○堀委員 ありがとうございます。今お話に出ましたウゴービとの比較というのが、患者がすごく気になるところだと思うのですけれども、ウゴービに関して今まで使っていた、でもそれで効果が出なかった場合、この薬に簡単に切り替えることということはできるのでしょうか。質問させていただきます。
○森部会長 稲垣参考人、お願いします。
○稲垣参考人 可能であるというふうに考えています。ウゴービは先ほど申し上げましたように、GLP-1受容体のアゴニストであると。今回のゼップバウンドは、GIP/GLP-1のデュアルアゴニストということで、これまでの臨床試験においても、GIP/GLP-1のデュアルアゴニストの方が、より強いHbA1cの低下作用、あるいは体重減少作用が認められていますので、ウゴービで効果が不十分な場合にこちらに切り替えるということは可能であると考えています。ただ、そのときに、例えば、ウゴービを2.4mg使っていたものから、今度、ゼップバウンドに切り替えるときに、また用量を2.5mgまで戻してから増量していかなければならないとか、その辺のところに関してはまだ十分に分からないことがあり、その期間に血糖値が上がってしまうというようなこともあり得るかもしれません。
○堀委員 稲垣先生ありがとうございます。またそれに関連して質問させていただきたいのですが、今ウゴービの場合は、厚労省の最適使用推進ガイドラインで、使用前に半年間の食事療法や栄養指導が規定されていると思うのですけれども、今回のこのお薬に関してはいかがなのでしょうか。
○稲垣参考人 基本的には、これは機構側の人にお答えいただいた方がいいかもしれませんが。少なくともこのガイドライン上では、やはり同様に食事指導を行っていただくことが重要で、その辺はやはりウゴービと整合性の取れたものであるということが必要であるというふうに考えていますが、機構側、それでよろしいでしょうか。
○森部会長 厚労省から補足がございます。
○事務局 ありがとうございます。事務局から説明させていただきます。堀先生から御指摘いただきました点は、最適使用推進ガイドラインの23ページに記載しておりますが、こちらはウゴービ皮下注と同じような規定にしておりますので、同じような内容が記載されていると御理解いただければと思います。
○堀委員 ありがとうございます。患者にとってはやはりそこの部分がかなり重要なところなので、教えていただきありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 ありがとうございました。機構の方から何か全般に補足はございますか。今、稲垣参考人から詳しくお話を伺いました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構ですけれども、こちらから特に追加はございません。実際、ウゴービから本剤に切り替えた際のデータは取得されていませんので、実臨床でどういった使い方がなされるのが適切なのかはまだ未知なところが多いと考えていますけれども、いずれの剤につきましても、今説明がありましたように、最適使用推進ガイドラインの下で使用されるということになりますので、それぞれその基準に合致した患者さんに使われていくということが適当であろうと考えています。以上です。
○森部会長 今、阿古委員から御意見がございますので、お願いします。
○阿古委員 機構側に一つ質問なのですけれども、この薬剤に関しましては、多分、血糖と血圧と脂質異常症なども少し改善が見られているというような御説明だったと思うのですが、今後もこのような薬剤が出てきたときに、多分、体重とか、BMIの低下というのはサロゲートになり得ると思うのですけれども、それのみでこういった薬剤を認めていく方向なのか。その辺りの基本的な考え方、例えばセマグルチドであると、体重の減少と必ずしも心血管イベントの減少というのはパラレルではないかもしれないというデータもあるようですので、こういった薬剤の基本的な考え方として、体重のみで今後も認めていくのか、その辺りの考え方をお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えいたします。既承認のウゴービと同様ですけれども、肥満症治療薬に関しましては、現時点での評価としては、体重減少効果に加えまして、体重減少に伴って、関連する健康障害の改善効果も評価しておりますので、基本的にはそのような考えで今後も進んでいくものと考えています。以上です。
○阿古委員 了解しました。ありがとうございます。
○森部会長 ほかに御意見はございますか。前田委員、御発言をお願いします。
○前田委員 私は消化器内科医ですので、その立場から聞きたいのですけれども、日本国内の第III相試験で非アルコール性脂肪性肝疾患の調査をされているのですが、結構、差があると思うのですけれども、国際共同ではされていないのかもしれませんが、最終的にそのことは全く反映されていないのですが、せっかく試験の中に取り入れたのに、最終的に何もコメントがなく、またこれに関しての添付文書上、何の記載もないのですけれども、その辺はどういう理由でなくなったのか、それとも、この中に含む形で何かがあるのかお聞かせ願いたいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構よりお答えいたします。今回、国内で実施されましたGPHZ試験におきましては、組入れ基準としまして非アルコール性脂肪性肝疾患の患者も選択基準として設定されていました。本邦における医療環境等も踏まえますと、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、先ほども御説明差し上げましたとおり、薬物療法が必要な状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切と考えています。今回、効能又は効果に挙げております高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病につきましては、これらに合致する健康障害と判断できる一方で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)につきましては、現時点では、診療ガイドライン等を踏まえると、診断された全ての患者に対して薬物療法の介入の臨床的意義が確立している状況とまではいえないと考えています。
GPHZ試験におきまして、肝臓の状態は検討されていましたが、NAFLDに対する有効性が明確に示されているとも判断し難いことから、NAFLDは、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病と同列に、効能・効果で規定する健康障害とまでは位置付けられないものと考えています。ただ、NAFLDにつきましては、肥満症診療ガイドラインで示されております肥満症の診断に必要な11の健康障害に含まれておりますので、2型糖尿病、高血圧又は脂質異常症のいずれかに加えまして、NAFLDを有しているBMI27kg/m2以上の肥満症患者につきましては、本剤の投与対象となります。
○前田委員 ありがとうございます。審査報告書17ページの表12のNAFLDが改善した被験者の割合の表があるのですが、これが余り差がなかったと判断されているということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。GPHZ試験においては、今、先生がお示しいただきました表12の所で、NAFLDが改善した被験者の割合が評価されていたのですけれども、こちらは表の脚注c)の所に記載されておりますとおり、HFFが正常範囲に回復、又はベースラインから30%以上低下したことが改善と定義されたものでした。実際にNAFLDの予後に最も関連する因子として挙げられております肝の線維化につきましては、直接評価はされていませんので、先ほど御説明しましたとおり、現時点のGPHZ試験の結果から、NAFLDを有する肥満症患者で本剤が意義のある有効性を明確に示したとまでは判断ができないのではないかと考えています。
○前田委員 分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○森部会長 佐藤陽治部会長代理、どうぞ。
○佐藤(陽)部会長代理 肥満症とか肥満の治療薬だと悩ましいところがあるなと、いつも思うのですけれども。例えば審査報告書24ページの表17と表18を比べて、有害事象、副作用の中に下痢や嘔吐とか食欲減退というのがあって、表17は割とその比率が少ないのですけれども、表18だと割と多いのですね。もともとの被験者の体重も、全体集団よりは日本人の方がかなり低かったりするので、これがアーチファクトになっているのではないかというのが心配なのです。要するに、下痢や嘔吐とか食欲減退という有害事象や副作用と言われているものでは説明できない有効性があるのかということについて、特に表18のような日本人集団で、今後も少し検証していった方がいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えいたします。今、御指摘いただいた点は、GPHK試験の全体集団と日本人集団の成績の比較に関する点と思います。御指摘いただいたとおり、有害事象の発現の割合としては、日本人患者さんで少し高いという結果ではあったのですが、日本人を対象とした第III相試験やGPHK試験の投与中止に至った事象の発現割合などを考えますと、日本人で忍容できないというわけではないと考えています。
また、これらの事象で、例えば食欲減退などが有効性の裏返しなのではないかというような御指摘だったかと思いますけれども、その可能性はあるのかと考えており、体重についても、日本人で海外に比べてベースラインの値が低いという傾向は認められているのですが、体重の減少率やBMIで見ますと、海外とほぼ同じ値を示していますので、基本的に日本人で異なる反応性を示すということは余り考えられないのではないかと考えています。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。
○森部会長 稲垣先生、今の御質問にコメントはございますでしょうか。
○稲垣参考人 この薬剤には、まずウゴービに関しても、ゼップバウンドに関しても、つまり、GLP-1アゴニストに関しても、デュアルアゴニストに関しても、いずれも有害事象としてはやはり消化器症状が一定の割合であります。それは食欲が落ちるということと、もう一つは便秘や下痢といったようなもの。食欲の低下というのは、むしろ有害事象というよりは、この薬剤そのものの持っている特性で、それで食事摂取が少なくなるということだと思いますし、消化器症状につきましては、薬剤を次第に漸増していくことにより、減らすことができます。大抵の患者さんは、ゆっくりと増量していくことで何とか耐えられる、いわゆるトレラブルであるというように思いますけれども、おっしゃるとおり、消化器症状、特に下痢や便秘が強い患者さんは、なかなか増量はできないことも現実にはあります。先ほども申し上げましたように、ゼップバウンドは同じ用量で既に2型糖尿病患者さんに使われていて、消化器症状は認められていますけれども、大抵の場合は問題なく使われているということだと思います。消化器症状イコール体重減少ということには必ずしもつながりませんので、食欲低下というところはこの薬剤のある意味、効果ということだと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございました。
○森部会長 患者さんが実際に御使用中に食欲が穏やかに抑制され、早くお腹がいっぱいになり、体重が減りやすくなるというのが、最も理想的な形ではあります。消化器症状が患者さんの日常生活に支障がない範囲であれば忍容性があるということになりますし、それが著しく日常生活に支障を来す場合には、忍容性がないということで、治療中止になるという選択になるかと思います。では、宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。臨床上、糖尿病のときに、消化器症状を逆に有害事象という捉え方ではなくて、食欲低下を含めた様々な消化器症状が出た場合に、それで病気が良くなっていくことを利点として患者さんに説明しながら使用の継続、若しくはドーズアップをしないままでいくという形で、この臨床効果を狙っていくというところがあろうかと思います。糖尿病ではなく肥満を目的とした場合、臨床症状としての消化器症状をどのように捉えるのかについては、糖尿病の治療の概念とはまた少し違うところにあるとして使用を続けていくしかないように考えます。消化器症状をどのように取り扱うのかは、今後のガイドラインも含めて、長期的な使用の際には、注目していかなければいけないものなのかと思っています。以上、コメントです。それから、これが競合品と比べて第1選択なのか、第2選択になるのかということについて、どのように機構はお考えなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御質問について機構よりお答えいたします。ウゴービ、ゼップバウンドにつきまして、直接臨床効果を比較したデータは現時点で得られていない状況であるため、基本的にはウゴービと同様の臨床的位置付けで臨床現場に提供されるものと考えております。以上です。
○宮川委員 了解しました。そういう意味では、先ほど稲垣参考人のお話がありましたように、デュアルアゴニストであるという特性もあるわけですけれども、臨床上は同列として、どちらかを選択するという形で考えていいということで理解してよろしいわけですね。ありがとうございます。
それから、少し細かいことなのですが、20ページの所にあるように、全体集団と日本人集団の所に比べますと、5mgの所では、それほど効果は日本人集団では余りないのですが、10mg、15mgとなってくると、明らかな差が見られるということで、これはベースラインからの体重の変化の所を見ると、明らかに全体集団と日本人集団が違ってくると。15~20kgぐらい違ってくるというところがあるのですが、日本人集団はロードーズからは効かないけれどもハイドーズになってくると効いてくるのは体重の差として考えていけばいいのか、いかがでしょうか。競合のウゴービでのドーズごとの臨床試験結果との比較等も含めて、本品の特徴なのか、その要因はどこにあるのかということについて私は疑問だったので、教えていただきたいと思います。
○森部会長 機構の方、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。頂いた御指摘については、国際共同試験として実施されたGPHK試験の結果というように認識しています。残念ながら5mgが検討された試験はこの試験のみですので、明確なことを言うのは難しいという状況です。こちらの表に示しておりますとおり、日本人部分集団は30例程度ですので、この結果をもって日本人と海外で何か大きく傾向が違うという判断まではしていません。
○宮川委員 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、委員からの御質問や御意見はいかがでしょうか。
では、私から1点。審査報告書65ページに専門協議の内容をおまとめいただいている所があり、専門協議の中の「1.1 安全性に関して」で、特に高齢者に対する注意喚起について委員の方から御質問が出ているようです。この点を少し整理していただけないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。高齢者に対する注意喚起につきまして、どのように考えているかということの御質問と認識いたしました。今回、実施された三つの第III相試験におきまして、65歳以上、あるいは75歳以上の被験者というのは非常に限られた状況でしたが、この臨床試験では、年齢が高くなるに伴いまして有害事象が増加する傾向ですとか、特定の事象が増加するような傾向は認められていないところを確認しています。
これらの状況を踏まえますと、現時点の状況において、75歳以上とか、65歳以上の高齢者につきまして、新たな注意喚起を行うといったところまでは必要ないと考えているところですけれども、高齢者といいますのは、一般に生理機能が低下しているところがありますので、一般的な注意喚起という形で、添付文書の方に、今現在、患者の状態を観察しながら、慎重に投与することで、一般に生理機能が低下していることが多いという旨の注意喚起をすることで対応しております。
○森部会長 臨床試験の現状ですと、高齢者、特に75歳以上の方が使用した場合の情報がほとんど今は得られていないという状況です。この添付文書の「9.8」の項目につきましては、慎重に投与すること、生理機能が低下していることという、あくまで一般論になっているかと思います。75歳以上の方に使用した場合について、今後、実臨床でその情報が収集されてくる可能性があるわけですが、現時点では、臨床試験で十分そのデータが得られていないことについての記載は、添付文書の中に含めるべきと考えております。
具体的に、一つ上の「9.7」を御覧いただきますと、小児に関しては、臨床試験は実施していないというように明記されています。高齢者につきましても、75歳以上の症例についての臨床試験は極めて限られているという内容を加えて、そこに引用する臨床成績の所に、日本人が参加されている、若しくは国際共同試験でも結構ですが、参加されている症例の中の65歳以上の方のパーセンテージや、75歳以上が実際何例組み入れられているかを、基本的な情報として付記しますと、実臨床の方が参考にしやすいと思います。この点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書におきましては、何か具体的に注意していただきたい点があった場合には記載していくことが基本的な方針かと考えておりますので、高齢者については注意していただきたい点を記載しております。
先生の御指摘の点について、肥満症治療として、高齢者に対する薬物治療については注意していかなければならないことは認識しておりますので、例えば資材などを使って、臨床試験ではこういった患者さん、年齢層、患者数について情報が得られているということを情報提供していく方向で考えていくことはいかがでしょうか。
○森部会長 是非、資材にもお書きいただきたいことは間違いございませんけれども、今の「9.8」の注意喚起の内容ですと、高齢者の方には臨床試験のデータがある中でこのように書かれているというように誤認されるおそれも十分あります。臨床試験にその患者さんが極めて僅かしか含まれていないという点は、明示しておくことが大変重要ではないかと私は考えています。是非、機構でも御検討いただけないかと思います。
○宮川委員 宮川ですが、よろしいですか。
○森部会長 お願いします。
○宮川委員 この審議会の中で機構の方が、添付文書がこうなっているという回答で注意喚起はなかなかされないことが多くあります。部会での発言はお願いベースでしかありませんが、「9.7」と「9.8」の整合性が取れていないところがございます。医療関係者は添付文書をまず先に見るわけですから、添付文書を読み解く道すがらをここで立てることが必要です。是非、部会長が今おっしゃったことを重く受け止めていただいて、機構も含めて、添付文書のこういう書きぶりをしっかりと記載していただくことが臨床上、重要ではないかということを常々申し上げているので、是非それをお願いしたいところであります。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書について、記載要領に従って記載を検討していたところではございますけれども、本日頂いた御指摘を踏まえまして、どのような記載が可能なのかを検討させていただきたいと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。いつも過去の事例はこうだったということを仰っておられますが、過去は過去であり、将来に向けて書きぶりを都度都度吟味していただくということが重要であると思いますので、是非、御指導いただきたいと思います。部会長の御指摘通りと思っております。
○森部会長 もう1点は資材に関することです。これは実臨床での私の反省も含めてお話しておきたいのです。本剤の同成分のマンジャロや、ウゴービを私はまだ使ったことがありませんが、オゼンピックなどを使用している方がおられます。おおむね患者さんには処方した後の2週間とか4週間後に外来にお越しいただくように御案内しています。患者さんのなかには、初回に投与してから数日後に非常に具合が悪くなり、強い消化器症状が出て、何とか我慢したけれども、もう一回注射をして、やはりひどかったから、やめましたという方が実際におられました。患者さんにお薬を出すとき、次にお越しいただくまでのインターバルの間に患者さんの具合が悪くなる可能性があるときには、連絡してきてほしいことを伝えていますけれども、本剤の場合、忍容性が非常に高い方は全く何の症状もないのですが、この薬剤が苦手な方は、初回や2回目の投与の頃に消化器症状が出て、つらい思いをされることがあります。早期に消化器症状が出た方は、次回の来院を待たずに、医療機関に連絡することの周知を、私の自戒の念を込めまして、是非お願いしたいと思います。稲垣参考人、この点、もしよろしければ少し御助言いただけないでしょうか。
○稲垣参考人 御指摘のとおりで、やはりこの薬剤は消化器症状にも忍容性が得られず使えない患者さんはおられます。そういう患者さんが無理してまた次に打ち続けないように、あらかじめそのようなことを説明する必要があるかと思います。今、御指摘のとおり、どうしても具合が悪いときには連絡する、そういったことも必要かなというように私も思います。ありがとうございます。
○森部会長 資材に詳しくおまとめいただけますように、是非検討いただきたいと思っております。それでは、高齢者に関する臨床試験の状況や注意喚起のこと、それから今の資材に関しておまとめいただきました。そのほかに先生方から御意見はいかがでしょうか。特段御意見はございませんか。
私も先ほどの阿古委員の御質問に賛同するところです。肥満症の治療薬は、長期的には患者さんの長期予後の改善というアウトカムを指標に開発されるべきではないかということです。その開発に非常に年月がかかるということや、サロゲートマーカーの改善については、いずれもリスクファクターとして十分証明されている内容のものが改善することが背景にあり、現在の開発の方針も妥当だと思っておりますけれども、阿古委員の御質問にも賛同するところです。
それでは、議決に入ってよろしいでしょうか。なお、阿古委員、中西委員、前田委員におかれましては、利益相反に関するお申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。
では、審議事項4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。また、その他事項議題1、最適使用推進ガイドラインにつきましても御確認いただいたものとさせていただきます。
稲垣参考人、長時間の御議論、本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。どうぞ御退室ください。
○稲垣参考人 ありがとうございました。
○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料No.7、医薬品ウプトラビ錠0.2mg、同錠0.4mg、同錠小児用0.05mgについて、機構より御説明します。資料No.7の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下の全31ページの通し番号で5ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、プロスタサイクリン受容体作動薬であるセレキシパグを有効成分とする経口剤であり、本邦では肺動脈性肺高血圧症(以降、「PAH」)治療薬として2016年に承認され、成人の用法・用量が確立しています。今般、国内外の臨床試験成績を基に、PAHの効能・効果に2歳以上の小児での用法・用量を設定する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請、並びに小児用製剤である0.05mg錠の剤形を追加する医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、2024年9月現在、小児のPAH患者を対象とした臨床試験が実施中です。なお、本剤は、本申請に係る効能・効果にて、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明します。まず、本剤の臨床開発計画について御説明します。本薬に関しては、成人のデータの活用が可能と考えられたことから、日本人小児のPAH患者を対象とした臨床試験を実施し、実施済みの成人のPAH患者を対象とした国内臨床試験の成績との類似性を確認することにより、小児のPAH患者に対する本剤の有効性及び安全性を評価する開発方針が取られました。
本剤の有効性について、通し番号11ページの表7を御覧ください。表7に示すように、小児のPAH患者を対象とした第II相試験において、主要評価項目である投与16週時の肺血管抵抗係数(以降、「PVRI」)のPVRIのベースラインからの変化量について、事前に規定した成功基準を達成しました。また、PVRIの変化の程度は成人のPAH患者を対象とした国内臨床試験のPVRIの変化量に劣らないと考えられました。症例ごとの有効性については、通し番号15ページの表10を御覧ください。6例中5例でPVRIが低下し、その他の評価項目も踏まえ、多くの症例で有効性が示唆される結果でした。以上より、小児のPAH患者においても、成人と同様の有効性が期待できるものと判断しました。
続いて、安全性について、通し番号17ページの表12を御覧ください。現時点では、小児患者で成人患者よりも安全性の懸念が増大する傾向は認められませんでした。しかしながら、小児のPAH患者における嘔吐の発現割合が比較的高かったことなどを踏まえ、「用法・用量に関連する注意」の項において、小児において投与初期に嘔吐が認められる旨を新たに注意喚起することといたしました。また、小児での試験成績が限られており、使用に際しては用量調節を含め慎重な判断が必要となること等から、本薬の小児のPAH患者に対する投与は、成人と同様にPAH治療に十分な知識及び経験を有する医師により行われるべきと判断いたしました。
その他の審査上の論点について御説明いたします。0.05mg錠の使用方法について、通し番号20ページからの「7.R.6.3 小児用製剤の使用方法について」の項を御覧ください。小児の用法・用量の追加に合わせて、今回新たに開発された0.05mg錠では、必要な服用錠数が多くなりますが、直径が約3ミリと小さく、自動分包機による一包化ができません。一方で、服薬錠数を少なくするために、既存の0.2mg錠又は0.4mg錠を0.05mg錠と組み合わせて用量調節を行う場合、調剤の複雑化や投与過誤が生じるリスクがあります。以上より、用量調節段階では既存の錠剤と0.05mg錠を組み合わせて使用することのないよう、0.05mg錠のみを用い、一用量を決定した後は0.2mg錠と0.4mg錠の組合せ、又は0.05mg錠のみを用いて投与することが適切と判断いたしました。また、0.05mg錠の錠数の多さによる調剤や服薬の煩雑さへの対策として、専用のおくすりケースでの提供が予定されています。このケースを用いて調剤が行われ、そのケースごとに患者様に交付されるという使用方法になります。このおくすりケースを用いた調剤及び投与については、紙での説明資材を配付するとともに、調剤方法については動画で確認することも可能とし、十分な情報提供と説明を行う予定でおります。
なお、川上委員より事前におくすりケースが一つ当たり0.05mg錠7日間分を充填するというところから、処方日数が7日単位でない場合の対応について御指摘いただいております。申請者と協議して、処方日数については、おくすりケースの仕様上、7日単位での処方を医師に検討していただくこと、7日単位で処方されなかった際は、一度、7日分の錠剤を詰めた後に不要な日数分の錠剤をケースから除いて調剤することについて、医療従事者用の資材に記載することになっております。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本申請は希少疾病用医薬品かつ新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の再審査期間は6年1日とすることが適当であると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
説明は以上になりますが、先ほど御説明させていただいたとおり、0.05mg錠は、おくすりケースでの提供が予定されており、そのおくすりケースが余りなじみのない方法と思っていますので、およそ90秒程度の使用動画を用意しておりますので、事務局の方、流していただいてもよろしいでしょうか。
○事務局 今、画面共有させていただきました。再生いたします。
○医薬品医療機器総合機構 今、1回量を決める作業をやっています。1回量を決めて、実際にこれから充填の作業に進んでいきます。充填しています。両面ありまして、両面同じく充填されている状況になります。充填が完了しました。おくすりケースの蓋を閉じて、このケースごと薬局で患者さん又は保護者に手渡されます。以上です。
○堀委員 おくすりケースについて動画も見せていただき、ありがとうございます。やはり、この一つの粒がすごく小さいので、小さいお子様も、結構、飲み込めてしまう。
例えば、お菓子でも、これぐらいの小さいものをラムネとかで幼児の方が食べているのを私も見たことがあるので、そういうことを考えると、このチャイルドレジスタンスの観点から、今、蓋が閉められていて、あの蓋が簡単に開けれるかどうかというのが、今拝見していててすごく心配になったのですけれど、そこはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。機構より回答いたします。蓋なのですが、お子様の誤飲を防止するために少し開けづらい状況になっていて、サイドに押す所があって、それを押さないと開かないという、誤飲を防止するような工夫はなされております。
○堀委員 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 実物があります。
○堀委員 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 工夫としては、ここが開けづらくなっているものになります。
○堀委員 すみません、実物も持ってきていただいて、ありがとうございます。ちょっと開けづらい感じはいたしました。ただ、多分、保護者の方は初めて見るかと思いますし、今まで私もこういうケースを見たことがないので、そこに関しての使い方において、処方箋薬局で渡されるときに開け方の説明はあり、実際に薬を出す場合は、説明どおりに蓋を開ければ、錠数が多く出すぎるというようなことはないと理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。1列分だけ開けて逆さにして出すという工夫が施されています。
○堀委員 ありがとうございます。そうすると、蓋を開けて引っ繰り返しても出ないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 出ないです。
○堀委員 出ないですか。ありがとうございます。なるほど。では、蓋を開けて引っ繰り返してもキャップを開かないと出ない。
○医薬品医療機器総合機構 各箇所にストッパーが付いているので、必要分だけ開けて取り出すという機構になっております。
○堀委員 ありがとうございます。非常にそこが心配でしたので。ただ、私が保護者なら、それを説明されても、最初はすごく理解が難しいかと思います。本当に薬局では分かったと思っても、うちに帰ってから、あれ、どうするのだっけと思ってしまうことがあると思うので、資材に関しては詳しく書いていただくと有り難いと思いました。以上です。ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、御質問いかがでしょうか。厚労省からお願いします。
○事務局 事務局です。川上委員は所用により途中退室していまして、こちらのチャットにコメントを事前に頂いておりますので、事務局で代わりに読み上げさせていただきます。
「本薬の小児用製剤のように、小児医療や希少疾患の領域では、特殊な剤形の製剤が今後は増加することが予想されます。このような使用方法が一般的ではない医薬品については、患者や家族への服薬説明がより重要になりますので、日本薬剤師会としては、現場の薬剤師が十分に対応できるように取り組む所存です。なお、保険制度に関しては医薬品第一部会の本論ではないと理解しておりますが、例えば吸入製剤については、医師と連携して薬剤師が吸入指導を行った場合の評価があります。本薬の小児用製剤のような特殊製剤の服薬指導上の工夫についても、評価に十分値すると考えられますので、御高配いただきますようお願いします。」
以上となります。
○森部会長 今、川上委員からの御意見を代読いただき、ありがとうございます。この件に関して、何か御意見ありますか。よろしいですか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。非常に工夫された形で、小児に対してより優しい形で服用できる形になっているのですが、これが臨床で食後になっているのですが、おなかいっぱいになっている小児が果して小さくても飲むのかという懸念があるので、これは嘔吐が副作用の中に入っているのですが、食中の服用のようなことは考えられないのでしょうか。食後でなければ駄目な薬剤でしょうか。臨床上、食後としてしか臨床試験をやっていないから食後なのか、薬剤特性としてでしょうか。食中で食べている途中に服用させることは、小児の場合、2歳や3歳とか、それから、例えば、服用時にゼリーなどを使うという形になると、それが食後なのか食中なのか、どういう解釈をしていいのでしょうか。何を混ぜて飲んでいいのか、いけないのか、それについて何かコメントはあるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。基本的に推奨されるのは水となります。水以外の分散、食べ物を混ぜて服薬することについては、申請者に確認したところ、現時点では水以外に分散可能な飲食物の検討が十分になされていないため、薬剤師からの問合せがあった際に回答できるよう準備すると聞いております。
○宮川委員 ありがとうございます。ですから、水以外のどろどろした物を含めて、何が使えるのか、何が使えないのかということも、臨床上、非常に重要なことです。お母さんとしてはなかなか飲ませにくいというところが単独では想定されるので、是非、申請者と協議して、何が使えるのかということについての検討をよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 機構の方に1点お伺いしてよろしいでしょうか。本剤の0.05mg錠については、先ほど御紹介いただいた専用の薬剤ケースで処方するということ、これは運用として決定されているということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。御理解のとおりです。
○森部会長 添付文書上には、専用の薬剤ケースを使用するという文面が特に載っていないのですが、処方過誤の予防の観点からは、そのことも付記されてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答します。部会長から御指摘いただいたところ、チームでも検討したのですが、今回の本薬0.05mg錠のようなミニタブレットという剤形については、今後、様々な提供の形がとられる可能性があり、流動的であるため、タイムリーに対応しやすい資材での情報提供が適しているのではないかと考えている次第です。
○森部会長 今、私が発言した意図というのは、いわゆる院外調剤薬局での処方過誤がないようにということで、つまり、うっかり薬物現物を渡してしまわないようにするために、添付文書上に、専用ケースで処方するということを明示したらどうかということを今申し上げたのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 頂いた御意見を踏まえて、申請者と協議させていただきます。
○森部会長 ありがとうございます。矢野委員から御意見を頂きます。どうぞ、お願いします。
○矢野委員 添付文書なのですが、これは0.05mgの記載がないのは、別のものがあるのでしょうか。
○森部会長 既定の添付文書の下の方に0.05mg錠の添付文書がもう一つ載っています。
○矢野委員 もう一つ別に。
○森部会長 スクロールしていただくとあります。こちらを御参照ください。
○矢野委員 ありがとうございます。当然のことながら、同等性試験はやっておられて、全くこのミニタブレットと同じということを確認されているということですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。御理解のとおりです。
○矢野委員 ありがとうございます。
○森部会長 それから、本剤の有効性、安全性、全般に関して、循環器御専門の先生から御意見、御発言がありましたら、お願いいたします。もし、よろしければ阿古先生、御発言いかがでしょうか。
○阿古委員 基本的には、やはり、この肺高血圧症は非常に治療が難しい領域でありますし、治療のオプションはあった方がいいのではないかと考えますので、これは非常にいいものではないかと個人的には思っております。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。佐藤直樹委員、御発言がありましたら、お願いいたします。
○佐藤(直)委員 やはり、同様に非常に重篤な疾患ですので、しっかり治療ができる状態を作ってあげるのは必要だと思います。ただ、先ほどから錠剤のいろいろな資材についての話がありましたので、その辺を間違えて内服しないような状況はしっかりと確立して対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 ありがとうございました。小児御専門の中西先生はいかがでしょうか。
○中西委員 御議論ありがとうございます。このような小さなお子さんへの薬の開発を、ああいったデバイスを使ってしていただけることは大変有り難いと思います。先ほど、循環器の先生がおっしゃったように、こういった重篤な領域でオプションが増えることはすばらしいことと思います。以上です。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。では、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続いて、議題6及び議題10に移らせていただきます。議題6と議題10については関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。議題6について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、「タウヴィッド静注」について機構より説明いたします。資料No.6の審査報告書を御覧ください。審査報告書の全40ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。アルツハイマー病(以下、「AD」)では、神経細胞外でアミロイドβが凝集及び蓄積してアミロイドプラークが形成され、それに続いて神経細胞内でリン酸化されたタウが凝集及び蓄積し神経原線維変化が形成されることで神経細胞死に至り、認知機能の低下などの臨床症状が発現すると考えられています。本剤は、タウに結合する低分子化合物であるフロルタウシピルを放射性フッ素で標識したPET検査用の放射性診断薬です。今般、国内外の臨床試験成績等に基づき、本剤の製造販売承認申請がなされました。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、通し番号17ページ、表12を御覧ください。本剤の診断能を示す臨床試験成績として、治験責任医師により余命6か月以内と診断された50歳以上の被験者を対象とした海外第III相試験(A16試験)の成績が提出されました。A16試験の主要評価項目は、剖検時のタウの病理学的所見を真のスタンダードとした場合のPET検査画像に基づく読影結果の感度及び特異度とされ、いずれも事前に設定された評価基準を満たしたことから、本剤を用いたPET検査により、一定の精度で脳内タウ蓄積の有無を検出できると判断しました。
続きまして、通し番号20ページ、表14を御覧ください。本剤を用いたPET検査を実施することの臨床的意義を説明する臨床試験成績として、ADによる軽度認知症障害及びADによる軽度の認知症患者(以下、「早期AD患者」)を対象に、ドナネマブの有効性を検証することを目的として実施された国際共同第III相試験(AACI試験)の成績が提出されました。AACI試験では、本剤を用いたPET検査により軽度から高度の脳内タウ蓄積が認められた早期AD患者が対象とされ、表14の結果などから、当該患者集団において、ドナネマブの臨床的有用性が示されたと判断されております。したがって、AACI試験の結果から、本剤を用いたPET検査について、ドナネマブの有効性が期待される早期AD患者を特定する上での性能は示されていると判断しました。
安全性については、通し番号29ページ、表22に示します臨床試験28試験に加え、AACI試験において本剤が投与された被験者における安全性に基づき検討しました。これらの臨床試験において認められた本剤との因果関係が否定できない有害事象の多くは軽度又は中等度であり、本剤との因果関係が否定されなかった重篤な有害事象についても患者背景が影響した可能性が高いと考えられることを踏まえると、本剤投与により臨床的に懸念される安全性の問題が生じる可能性は低いと判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブの適切な投与の補助」の効能・効果にて承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、続きまして、議題10につきまして、事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。議題10、放射性医薬品基準の一部改正について、御説明いたします。資料10を御覧ください。改正内容を1ページの2ポツ目に記載しております。今回、「タウヴィッド静注」の審議に際して、有効成分であるフロルタウシピルについて、放射性医薬品基準の医薬品規各条に追加することとしております。具体的な制定内容は2ページ以降を御参照ください。必要な試験方法等を追加するものになります。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。佐藤雄一郎委員から御質問です。お願いいたします。
○佐藤(雄)委員 よろしくお願いいたします。直接、薬の承認と直結する問題ではないのですが、資料の15/40ページの所のA16試験で、余命6か月以内と診断されていることとされておりました。余命6か月以内というのは、恐らく剖検をしたいからなのかなというふうに推測したのですが、それでよろしいでしょうか。それと、余命6か月以内と診断されたというのは、具体的にはどのような診断だったのかということについて教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構より回答させていただきます。まず1点目の対象患者についてなのですが、この点に関しては、コメントを頂いたように、剖検を最終的には行いたいということがありまして、そういった患者さんを対象にしました。2点目の質問なのですが、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。
○森部会長 お調べいただいている間に恐縮でございますが、石川委員、議題6につきまして、何か特に御発言がございましたら御発言をお願いします。機構から回答が出ましたら佐藤先生の御質問にお答えしますので、石川委員、いかがでしょうか。
○石川委員 私自身は特に懸念事項、質問はございません。この安全性の部分も注意して拝見しましたが、よろしいかと思います。必要性に関しては、この資料にもお書きになっていらっしゃるとおり、私ども日常の診療においては、この検査は非常に重要であると思いますので、大筋、私はこれでいいかなと思っております。以上です。
○森部会長 石川先生、どうもありがとうございました。では、機構の方、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の御質問について機構よりお答えさせていただきます。調べておったのですが、明確な記載が見付かりませんで、後日、御報告をさせていただくことでよろしいでしょうか。
○佐藤(雄)委員 はい、先ほど申し上げましたとおり、承認の可否には直結はしませんので、それで結構です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。そうしましたら、そのように御報告をさせていただければと思います。
○森部会長 そのほか、議題6、議題10につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。特段ございませんでしょうか。
では議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。少々お待ちください。1分ほどお待ちいただいてから議決に入らせていただきます。
それでは、議題6につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題10につきまして、こちらも審議でございますので、改正を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、改正を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ヒフデュラ配合皮下注の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。
資料No.2の審査報告書を御覧ください。審査報告書の一番下、全29ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」といいます)は8週間以上にわたり進行性又は再発性の経過をとり、四肢筋力低下及び感覚障害を来す自己免疫性疾患であり、本邦では指定難病とされております。CIDPは、50%以上の患者で、典型的CIDPとして上肢及び下肢の近位筋と遠位筋が同様に障害される特徴がありますが、CIDPバリアントと称される臨床病型が報告されており、多様な臨床像を示す疾患とされております。治療後も再発・寛解を繰り返し、疾患が進行すると、不可逆的な障害を引き起こす可能性があり、日常生活や精神状態に深刻な影響を及ぼすとされております。
本剤は、FcRnを標的とするアミノ酸残基を改変したヒトIgG1抗体Fcフラグメントであるエフガルチギモドと結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解するボルヒアルロニダーゼを含有する皮下投与製剤であり、本邦では、2024年1月に全身型重症筋無力症に係る効能・効果で承認されております。海外では、本剤は欧米を含む4の国又は地域で承認されており、CIDPに対しては、現時点で米国では承認されており、欧州では審査中です。2020年4月から実施された本邦を含む国際共同試験の成績に基づき、本剤の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。なお、本剤は希少疾病用医薬品に指定されております。本審議の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名しております。
それでは、審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、審査報告書通し番号10ページの表5及び次の11ページの図1を御覧ください。プラセボ対照二重盲検無作為化治療中止試験である国際共同試験(以下、「1802試験」といいます)の二重盲検治療中止期におけるベースラインから臨床的悪化が最初に認められるまでの期間は、プラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差が認められました。続きまして、通し番号16ページの表12を御覧ください。日本人CIDP患者についても全体集団で同様の傾向が認められました。また、同じ16ページの表12の下の「さらに」から始まる段落を御覧ください。1802試験の非盲検期に臨床的改善が確認された被験者の割合は66.5%であり、有効性評価項目等が異なることから比較に限界はあるものの、過去に実施された静注用免疫グロブリン製剤の臨床試験成績と比べて、臨床的改善の割合は高い傾向が認められました。
以上の1802試験成績等を踏まえ、機構の判断について、通し番号17ページの中段の「機構は、以下のように考える。」以降の段落を御覧ください。1802試験成績は、本剤の投与により臨床的改善が確認された被験者のみを対象とした結果であることに留意が必要と考えておりますが、本剤を長期的に継続して投与することにより、CIDPの臨床的悪化のリスクを減少させることは期待できるものと判断いたしました。この判断は、専門協議においても支持されております。
次に安全性について、通し番号18ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。提出された試験成績等を検討した結果、本剤の使用にあたっては、本剤の既承認の効能・効果である全身型重症筋無力症に対する本剤の使用時と同様に、感染症及び過敏症反応関連の有害事象の発現に注意を要しますが、当該事象も含め、全身型重症筋無力症と同様の安全対策の下で使用されることで、日本人CIDP患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、希少疾病用医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果の再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。御専門の石川委員、御発言はいかがでしょうか。
○石川委員 ありがとうございます。こちらの内容も非常に重要な薬で、安全性も特に大きな問題はないと思いますので、この書類のとおり、私もそのように考えます。
なかなか分かりにくい病気で、委員の先生には分かりにくいかもしれませんが、やはり再発と寛解を繰り返す疾患で、現行の治療では不十分なケースもかなりあると御認識いただきますと、この薬の期待度というのが大きいというのがお分かりいただけるかと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。石川先生、審査報告書の表11に様々なスコアによる改善度のデータも詳しくございますが、この内容は、どのような形で臨床に提供していけばよろしいでしょうか。
○石川委員 表11ですか。
○森部会長 はい、そうです。
○石川委員 特に下の三つはよく使われまして、これはこのままでいいかなと思います。上の二つはやはり説明が必要で、これ、表11ですから、16/29ページのことをおっしゃっていますね。
○森部会長 はい、そうです。
○石川委員 上の二つ、調整INCATスコアとかI-RODSスコアというのは、中身を説明する必要があろうかと思います。握力はここにお書きのとおりで、よくお分かりになると思います。MRCスコアというのも使われることはよくありますので、この三つはそのままでよろしいかと思います。これで答えになっていますでしょうか。
○森部会長 この情報をどのような形で、例えば、インタビューフォームですとか、資材若しくは添付文書の記載等、どのような形にしていけばよろしいでしょうか。
○石川委員 インタビューフォームですか。そこはよく検討していませんけれども。
○森部会長 分かりました。インタビューフォームで、スコアの説明も含めて検討いただくということでいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 副次評価項目の結果については、インタビューフォームや、作成予定の適正使用ガイドに記載して情報提供するように、申請者と調整したいと思います。
○森部会長 より臨床的な指標として御紹介いただくということで御検討いただきたいと思っています。ありがとうございます。それから、安全性に関して、1例、本剤群で、肺炎で亡くなった方がいらっしゃるということで、因果関係が否定されていないということです。使用中止後かなり長期たってからということですが、説明を頂いてもよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 部会長より御指摘いただいた症例は、審査報告書の通し番号11~12ページにあります肺炎の事象と認識しております。こちらについて、先ほど部会長より本剤群と御指摘いただいたのですが、こちらは二重盲検治療中止期ではプラセボ群です。プラセボ群であるものの、二重盲検下で、治験責任医師は因果関係の評価したことにより、恐らく因果関係が否定されなかった事象として報告されたと認識しております。
その上で、当該症例は非盲検期で本剤が投与されていたため、審査において、注意喚起等の必要がないか確認いたしました。その結果、通し番号12ページの注釈19に記載しているとおり、本剤投与終了後、281日後に肺炎が発現している症例ということで、本剤を投与してからかなり時間がたって死亡まで至っているということもありますので、申請者の方では、事後に評価をして、因果関係なしと判断をしておりまして、機構としてもその判断は妥当と判断しました。
○森部会長 今の御説明で、特に記載の必要なしということで理解いたしました。ありがとうございました。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題3に移ります。機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品クアルソディ髄注100mgの製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。初めに、審査報告書の一番下、全72ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位及び下位運動ニューロンの進行性変性を来す神経変性疾患であり、全身の骨格筋の筋力低下及び筋萎縮の進行を症状の中心とし、進行すると日常生活動作が次第に困難となります。本邦におけるALSの1年間の人口10万人当たりの有病率は9.9人と推定されております。ALSの約2%を占める、SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症(SOD1-ALS)は、その発症機序は完全には解明されておりませんが、SOD1遺伝子の変異によって異常な機能を獲得した有害なSOD1タンパク質の蓄積が原因であると考えられております。
本剤は、SOD1 mRNAの3’非翻訳領域を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、SOD1 mRNAの分解を促進することで、SOD1タンパク質の合成及び蓄積を減少させ、運動ニューロンの変性を阻止することが期待されております。今般、SOD1-ALS患者を対象とした国際共同第III相試験を含む臨床試験成績に基づき、本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認申請が行われました。なお、本剤は希少疾病用医薬品に指定されております。
海外では、本剤はSOD1遺伝子の変異を伴うALSに係る効能・効果に対して、2023年4月に米国で、2024年5月に欧州で、また2024年9月に中国で承認されております。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている9名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、審査方針に関する内容を御説明いたします。審査報告書の通し番号34ページの表28を御覧ください。SOD1-ALS患者を対象に、国際共同試験として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(101試験パートC)が実施されました。主要解析対象集団であるmITT集団における、主要評価項目である「投与28週時のALSFRS-R合計スコアのベースラインからの変化量」について、プラセボ群と比較して本剤群でスコアの低下が小さい傾向は認められたものの、本剤群とプラセボ群の間に統計学的に有意な差は認められませんでした。この理由について、審査報告書通し番号42ページに記載のように、申請者は主に、事前の想定よりも被験者の症状進行が遅かったことや、プラセボ群よりも本剤群でベースライン時の疾患進行速度が急速であった患者が多く組み入れられた可能性があることが影響した可能性がある旨を説明しております。
これに対し、機構の審査方針としては、通し番号38ページ、「7.R.1 本剤の有効性等の評価方針について」の項を御覧ください。SOD1-ALSの疾患進行の不均一性を考慮すると、試験計画時に本剤群及びプラセボ群の疾患進行を予測することが困難であったことは理解するものの、本剤の有効性を検討するためには、本来、101試験パートCの結果を踏まえて、追加の試験を計画及び実施することが適切であったと考えます。しかしながら、SOD1-ALSは極めて希少で重篤な疾患であり、本剤は米国及び欧州において既に承認され、ALSに関する欧州神経学会のガイドラインでは、SOD1遺伝子変異を有する進行性のALS患者に対する本剤の使用が推奨されている状況であること等を踏まえると、SOD1-ALS患者を対象とした国内外での、プラセボ群を含む新たな検証的試験の実施可能性は極めて低いと考えられます。
以上を踏まえて、機構は、現在得られている101試験パートCの主要及び副次評価項目の試験成績や、長期継続投与試験である102試験の成績も併せて本剤の有効性を確認する方針といたしました。
本剤の有効性の結果については、先ほど御説明した審査報告書の通し番号34ページの表28のとおり、101試験パートCの主要解析において、点推定値の比較においてはプラセボ群と比較して本剤群でスコアの低下が小さい傾向が認められ、その群間差は1.2でした。ALSFRS-R合計スコアが1ポイント低下すると、死亡又は気管切開のリスクが7%上昇するとの報告も踏まえると、パートCの結果から、本剤投与時の一定の有効性は期待できると考えております。
また、長期的な有効性について、通し番号44ページ表38と図3、45ページの表39を御覧ください。長期継続試験である102試験のデータも踏まえた統合解析の結果、104週時点までのいずれの評価時点においても、本剤がより早期に投与開始された本剤群において、ALSFRS-R合計スコア変化量の点推定値の低下が小さい傾向が認められております。続いて、通し番号45、46ページの表40、図4、図5を御覧ください。102試験のデータも含めた統合解析の結果、死亡又は永久人工呼吸器装着に至った被験者の割合は、本剤群でより低い傾向が示唆されております。その他、呼吸機能等の各評価項目についても、本剤の有効性を否定するような結果は得られておりません。
以上、101試験パートC及び102試験から得られた結果等から、機構は、SOD1-ALS患者に対する本剤投与時の有効性は期待でき、本剤を本邦の医療現場に提供する意義はあると判断いたしました。この評価方針及び機構の考えについては、審査報告(2)に記載しておりますとおり、専門協議でも支持されております。
続いて、安全性について、通し番号51ページから始まる「7.R.3 本剤の安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、本剤の投与にあたっては、脊髄炎、神経根炎、視神経乳頭浮腫、頭蓋内圧上昇、無菌性髄膜炎などの発現に特に注意する必要があるものの、これらの事象について適切な注意喚起を行い、また、本剤についての十分な知識と、ALSの診断、治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用する旨についても注意喚起を行うことで、SOD1-ALS患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえて、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は希少疾病用医薬品としての申請であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会には、報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。本件も、御専門の石川委員、御発言はいかがでしょうか。
○石川委員 結論的には機構のおっしゃるとおりで、格段の非常に大きい懸念はないと思っております。必要性は、委員の先生方皆様はよくお分かりだと思いますが、この筋萎縮性側索硬化症は非常に重篤な疾患で、特に、今回のこの議題で問題にしているのは、遺伝性の筋萎縮性側索硬化症で、日本においては一番多いタイプの疾患で、それに対する初めての疾患修飾薬ということで、有効性は臨床的な指標では非常に強いものではなくて、バイオマーカー等を用いて、あるいは今御説明いただいたような図のカプランマイヤー上の差などで示されるものですが、原理的にも、副作用が大きくなければ、この薬の必要性や意義は非常に大きく、患者さんの期待も非常に大きいものだと思いますので、結論的には私も賛同いたします。細かい点で機構に確認したい点があるのですが、よろしいでしょうか。
○森部会長 どうぞ、お願いします。
○石川委員 非常に細かいことで恐縮なのですが、72分の54ページの4行目に「肺塞栓症はALS患者によく認められる事象であり」という所なのですが、よく認められるというと、非常に違和感があります。この原著にも当たってみましたが、3%程度ということですから、「よく」という言葉は使わない方がいいのではないかと思いました。健常の方と比べると、ALSの患者さんに多い傾向があるということだと思いますので、そのように考えておりますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、機構としても、健康成人と比較してALS患者で多く認められるという意図で記載しております。
○石川委員 ありがとうございます。取りあえず、私からは以上です。
○森部会長 ありがとうございました。今回は、有効性の検討に用いているデータが、二つの臨床試験の統合データということもあり、柴田委員にも事前に少しお伺いして、御意見を伺うことになっております。柴田委員、御発言よろしいでしょうか。
○柴田委員 国立がん研究センターの柴田です。機構の方に、1点事実関係を教えていただきたいのですが、32ページに今回の試験のエンリッチの方法について記載されています。エンリッチされていない集団も、この臨床試験の成績が出ているわけですが、機構としては、このエンリッチの有無にかかわらず、有効性の傾向は同様であるとお考えであると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりです。
○柴田委員 一つだけ、解釈について追加で確認したいのですが。ベースラインの偏りがあったというのも有効性の証明が難しかった理由の一つではないかという考察がされていますが、ITT集団とmITT集団で余り効果に差がないということであれば、ベースラインの偏りの話は余り群間差を薄めることに大きな影響を与えないのではないかと思うのですが、そこについてはどう考察されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりと考えております。その他の要因についても考察されているのですが、特にどこが最も大きな要因というものではなく、様々な要因が複合してこのような結果になったのだろうと考えております。
○柴田委員 ありがとうございます。いろいろな要因があって、それが特定できていないということであれば、やむを得ないかと思います。解釈として、本剤の有効性が厳密な形で証明されたとまではいえないとは思いますが、有効性が一定程度期待できるという機構の書かれている結論は、受入れ可能なのではないかと思います。
こういう場合ですが、エビデンスが不十分であるということの情報提示が重要だと思います。添付文書を拝見したところ、重要な事項が記されていると思いますし、書きぶりが難しいという御指摘があれば修正していただく必要があるかもしれませんが、サイエンティフィックに書くべきことは盛り込まれていると思いますので、そこも適切に対応がとられていると思います。
計画と結果を突き合わせてみますと、多様な背景の患者集団の中で、どのように対象を絞り込めばよいかというのが、まだ解決できていない課題だと考える次第です。現時点では、それは分からないと言わざるを得ないということは事実で、その点は認めざるを得ませんが、ほかに十分な選択肢がないという制約がある中での判断としては、機構の審査報告書の結論を支持したいと思います。私からは以上です。
○森部会長 柴田先生、どうもありがとうございました。本剤の副作用に関する情報も詳しく収集されており、本剤を御使用なさる患者さんにとってのリスク・ベネフィットを考える上では、本剤の添付文書に今書いていただいています「8.2」の項目、並びに「11.」の項目等に詳細に記載がありますが、この内容の記載でよろしいか、石川委員、御意見はいかがでしょうか。石川委員、添付文書の「8.2」及び「11.」の項目の記載は、いかがでしょうか。
○石川委員 そうですね、「8.2」の特に脊髄炎、視神経根炎、この辺りは4ページの一番下に「あらわれることがある」と書いてあります。確かに、あらわれることがあるのですが、もう少し強調してもいいのかとは思いました。具体的には、例えばここが脊髄炎となっています。脊髄炎、視神経根炎。もちろん間違いではないのですが、視神経脊髄炎の症例が、先ほどの審査報告書では詳しく書かれていたと思いますが、その項目をもう少し詳しく書いてもよろしいかと思いました。ちなみに、審査報告書ではNMOSDと書かれているのですが、その文言に直接合う言葉は、ここにはないといえばないので、そのように感じた次第です。
○医薬品医療機器総合機構 NMOSDの症例については、審査報告書54ページの表52に症例の経過をまとめておりますが、この患者さんは、ELISA法によるアクアポリン4抗体が陽性ではあるものの、NMOSDに特徴的な視神経炎は認められず、脊髄炎のみを認めた症例となっております。本剤投与による脊髄炎の可能性も否定はできないものの、NMOSDが本剤投与により引き起こされたかどうかについては明確ではないと、機構は考えております。
また、この症例は、ELISA法でアクアポリン4抗体陽性であったのですが、セルベースドアッセイでは陰性でありました。以上も踏まえて、NMOSDについては添付文書上で特別に注意喚起することはせず、今後、資材で医療従事者に情報提供を行った上で、市販後に適切に情報収集を行っていくことが適当と考えております。
○石川委員 診断としては、今おっしゃったとおり、NMOSDがこの薬によって起きたのだというはっきりとした証拠がないというのは、頂いたデータを見ますと私も同感です。ただ、一方では、疑いは晴れないとも思うのです。抗体価も、もちろんセルベースドアッセイではなくても、一時できたものがしばらくたって消えたと書いています。ですので、やはり疑いは晴れないのかなと、因果関係は明確ではないけれども。というふうに考えますと、書いて悪くはないかなと思ったということであり、絶対書いた方がいいというほど強くはありませんが、そのように考えた次第です。
○医薬品医療機器総合機構 NMOSDに係る診療ガイドラインでは、ELISA法ではセルベースドアッセイ法に比べると感度・特異度の低さが指摘されているところであり、今回、ELISA法では陽性だったけれども、セルベースドアッセイでは陰性であったというところも踏まえて、添付文書の重大な副作用の項においてNMOSDを記載することは不要と判断したところです。
○石川委員 もう一つ、この方はMRIでも、結構はっきりというか、ある程度の長さを持った異常が出ていらしたみたいです。私たち実臨床では、やはり抗体がはっきりしない方というのもいるのですが、抗体が全てではないと思いますので、それでやはり書いておいた方がいいかと思った次第です。
○医薬品医療機器総合機構 委員から頂いたコメントも踏まえて、添付文書に記載するよう、企業と検討してまいりたいと思います。
○森部会長 では、今、石川委員から御指摘があった点については、企業とも検討の上で、石川委員との共有も是非お願いして、その上で決定ということでよろしいでしょうか。
では、続いて阿古委員から御質問が来ております。お願いいたします。
○阿古委員 阿古です。大変難しい審査であっただろうと機構の方には思うのですが、やはり臨床的に明らかな有用性というものが示せなかったというか、傾向はもちろん見られているのですが、そういった中で、こういった薬剤を認めるときに、私は全くノーオプションの患者さんに何かがあった方がいいとは常々思っているのですが、何らかの基準というか、どういったときにこういったもので認めるかという基準があった方がいいのではないかと感じたので、コメントする次第です。以上です。
○森部会長 この点については、いかがでしょうか。
○事務局 厚生労働省からよろしいでしょうか。
○森部会長 はい。
○事務局 先生の御意見は承りました。基本的には、今回の疾患のようなものは、個別には判断をしていく必要があろうかと思いますが、今回のような疾患など、そういったものに対して個々に考えていきたいとは思っております。いずれにしても、今後考えていきたいと思います
○阿古委員 特にノーオプションで、これに反対するわけではないのですが、今後この薬がコントロール群に入ってくる可能性もあって、何らかの差を示してくることが更に難しくなることも予想されますので、全く有意差の出ないような臨床試験を見ながら我々は判断せざるを得ないようなところにもなろうかと思いますので、もちろん難しい判断だと思いますが、何らかの基準があった方が、皆様見ている方も分かりやすいのではないかと思ったので、コメントした次第です。ありがとうございます。
○森部会長 今の阿古委員の御発言にも関係していますが、この薬剤が市販をされた後の患者様の情報収集の状況は、今はどうなっていますか。
○医薬品医療機器総合機構 製造販売後には、本剤を投与された全ての患者さんを対象とした製造販売後調査を実施する予定です。
○森部会長 もう少し詳細に伺ってよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書70ページ、表62を御覧ください。本剤を投与された全症例を対象として、有効性及び安全性に関するデータを収集する予定です。本剤が投与された全ての患者さんを最長5年間、予定症例数は合計187例とし、併用薬や併用療法のほかに、有効性の指標としてALSFRS-R合計スコアや、肺活量、重症度などの情報も収集する予定です。
○森部会長 この使用成績調査計画は、この計画の下に実施されて、データの収集や中間解析の予定はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 中間の解析の予定はありませんが、最長5年間の中で分冊として1年ごとに調査票を回収する予定ですので、もし何か大きな懸念があるシグナルが認められ場合には、調査終了を待たずに、何らかの措置が取れるように、企業と検討してまいりたいと思っております。
○森部会長 関連学会の御専門の先生方と早期に情報共有をしていただき、患者さんの有効性、安全性に関するシグナルをなるべく早く検出していただくということが重要ではないかと思っております。通常の運用とは異なるかもしれませんが、本剤は非常に希少な疾患の、また、こういった有効性の判断の中で上市されることが今予定されていますので、市販後の成績調査の収集や共有が極めて重要かと思っています。是非、関連学会の方とも協議いただき、この計画をなるべく実のあるものにしていきたいと思っております。
○医薬品医療機器総合機構 委員からの御指摘のようなことが検討できないか、企業と共に検討してまいりたいと思います。
○森部会長 本件について、阿古委員や石川委員から御発言はありませんか。
○石川委員 石川です。関連学会で、今は日本神経学会が主体かと思いますが、私も今、森先生がおっしゃってくださったこと、それから機構さんの御回答をそのように受け止めて、学会でも働きかけていきたいと思います。貴重な御意見、どうもありがとうございました。
○森部会長 阿古委員、いかがでしょうか。
○阿古委員 特にありません。ありがとうございます。
○森部会長 柴田委員、こういった中での有効性の解析ということで、市販後の状況についても収集することで、計画性をもって進めてよろしいでしょうか。
○柴田委員 このような形でデータが収集されることは、重要だと思いますので、異存ありません。
○森部会長 是非、統計の御専門の方にも、あらかじめ入っていただいた中で、この市販後調査が行われ、患者さんの情報収集がされますように期待したいと思っています。その計画を是非お願いしたいと思っています。
○佐藤(陽)部会長代理 国衛研の佐藤です。確認なのですが、今のお話の関連で、この患者レジストリなどは、学会の方でどのぐらい整備されているのでしょうか。例えば、製造販売後調査をやっていって、いろいろな評価をしていかなければいけないときに、要するに自然歴などが分からないと、ベイジアンの解析などもできないと思うのですが、その辺りの整備状況というのはどうなっているのか御存じですか。
○医薬品医療機器総合機構 現在、ALS患者さんを対象とした疾患レジストリがございます。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。
○石川委員 追加でよろしいでしょうか。
○森部会長 どうぞ。
○石川委員 私は、日本神経学会の会員なのですが、今機構の方がおっしゃったとおりで、ALSに関してはかなり前から疾患レジストリがあります。相当の数がレジストリの中に入っています。そして、SOD1変異の患者さんの状況は、遺伝子変異がいろいろあるのです。それによって、症状も大分違うとか、あるいは必ずしも遺伝子変異そのものによって、例えば同じ遺伝子変異で同じような症状をとるとは限らないということまでよく分かっています。10月の日本人類遺伝学会でも、このレジストリからSOD1変異についてのまとまった報告がなされています。ですので、先生御指摘のように、なかなか同じ遺伝子の中でも、遺伝子変異が違うと症状がかなり違うとか、あるいは同じ変異でも症状が違うという問題はあるのですが、日本の国内において大分整備されて、最大限そのようなレジストリは充実しているというふうにお考えいただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、委員の先生方、御質問、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告いたします。
続いて、議題5に移ります。議題5について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題5、資料No.5、医薬品ゼポジアカプセル0.92mg、同カプセルスターターパックの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料については資料No.5「ゼポジアカプセル0.92mg他」の審査報告書を御覧ください。
オザニモド塩酸塩ですけれども、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸(以下、S1P)受容体に作用することで、末梢リンパ球組織内にリンパ球を保持させ、循環血中のリンパ球数を減少させることによって、自己免疫疾患である潰瘍性大腸炎に対する治療効果を示す、S1P受容体調節薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づいて、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2024年5月現在、米国及び欧州を含む54の国又は地域で再発性多発性硬化症又は潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で承認されております。本品目の専門協議では、本日の配布資料であるNo.16に示している専門委員を指名しております。
それでは、本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。有効性に関しては、審査報告書の通し番号52ページ、表43を御覧いただければと思います。中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第II/III相試験において、主要評価項目である「12週時の完全Mayoスコアによる臨床的改善が認められた被験者の割合」は、プラセボ群で32.3%、本薬0.46mg群で52.9%、本薬0.92mg群で61.5%であり、本薬0.46mg群と本薬0.92mg群のいずれにおいてもプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められました。また、52週時の有効性については、審査報告書の通し番号58ページ、表51を御覧いただければと思います。主な副次評価項目である52週時の「臨床的寛解」、「内視鏡的改善」及び「粘膜治癒」が認められた割合は、プラセボ群と比較して本薬0.46mg群及び本薬0.92mg群のいずれにおいても、高い傾向が認められました。さらに、示されたそれぞれの有効性の結果から、中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者に対する本薬の臨床的意義のある有効性が示され、また、本薬0.46mg群に比べて本薬0.92mg群において高い臨床的有効性が期待できると判断しました。
続いて、安全性に関して、審査報告書の通し番号53ページの表44と、54ページの表46を御覧いただければと思います。国内第II/III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、有害事象の発現割合は、プラセボ群、本薬0.46mg群及び本薬0.92mg群で同程度であり、忍容性の観点から用量依存性や臨床的に問題となるような違いは認められませんでした。国内第II/III相試験の結果や、本薬を含むS1P受容体調節薬において知られている事象等を踏まえて、徐脈、黄斑浮腫、肝機能障害、リンパ球減少、感染症、進行性多巣性白質脳症及び可逆性後白質脳症症候群については、医療現場に適切に注意喚起をする必要があり、対応する検査や処置方法を含めて添付文書、医療従事者向け資材、患者向け資材を用いて、それぞれ情報を伝えるべき対象に必要な情報提供を行うことにより、本薬の安全性は管理可能であると判断いたしました。
以上、機構の審査の結果、既存治療で効果不十分な中等症又は重症の潰瘍性大腸炎に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
機構からの説明は以上です。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。では、御専門の前田委員から御発言はありますか。
○前田委員 内容的には特に問題はないのですが、治療選択肢が増えるということは、とてもいいことだと思うのですが、ただ、炎症性腸疾患の薬は、仕方がないかもしれないのですが、毎回、対照がプラセボなのですよね。プラセボよりもいいのは、ほとんど当たり前なのですが、薬も結構何種類も違う系統の薬が出てきていまして、どれを使っていいかというのも現場で非常に困っているというか、それぞれの医師が選択しているという感じなのです。そこで機構の方に聞きたいのですが、これからはいわゆるゴールデンスタンダードなようなのを設定して、プラセボではなくて対照薬というものをそろそろ固定して試験ができないものなのかと最近思っているのですが、この辺はいかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。今回のゼポジアについては海外で先行していて、海外でIII相試験がプラセボ対照比較試験で行われていて、遅れて今回、国内第II/III相試験が実施され、本審議に至っているということですが、本剤については、そういう経緯があるということですが、今後、先生から御指摘いただいた、プラセボではなく、治療薬など、そういったところの観点については、今後の開発のところにもなると思うので、そこは申請者とも相談の機会などで、いろいろと議論ができたらというように考えております。
○森部会長 前田委員、それでよろしいでしょうか。
○前田委員 はい、大丈夫です。
○森部会長 ほかの委員の方から御質問、御意見はありませんか。添付文書で、リンパ球の減少のところでモニタリングをしっかり行うようにということで、投与開始後のモニタリングをするように、記載整備をお願いしたいと思います。具体的な項目としては、添付文書上の、「8.4」についての記載整備をお願いしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○森部会長 そのほかに御質問はよろしいでしょうか。ございませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、髙橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題8に移らせていただきます。議題8について、事務局の方から概要説明をお願いしたいと思います。
○事務局 事務局です。資料No.8-2、「イネビリズマブ(遺伝子組換え)」です。申請者は「田辺三菱製薬株式会社」、予定効能・効果は「IgG4関連疾患」で、当該疾患は指定難病に指定されております。IgG4関連疾患は、全身の臓器へのリンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤及び線維化により、腫大や結節、肥厚性病変等を惹起し、多臓器の障害を認めます。現在、本邦において、IgG4関連疾患に係る効能・効果で承認されている薬剤はないことから、医療上の必要性はあるものと考えております。開発の可能性についてですが、主要な臨床試験の実施は終了しており、2025年に承認申請計画中とされております。
続いて資料No.8-3、「RO7434656」についてです。申請者は「中外製薬株式会社」、予定効能・効果はIgA腎症で、当該疾患は指定難病に指定されております。IgA腎症は、血尿及び蛋白尿等がみられる進行性の腎障害です。本邦では、IgA腎症に係る適応を有する薬剤としてジラゼプ塩酸塩水和物が承認されているものの、長期投与による腎機能障害の進行抑制効果は明らかではないとされています。IgA腎症の治療法は確立されているとは言えず、新たなIgA腎症治療薬の開発が望まれており、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性について、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-4、「velusetrag」 です。申請者は「Alfasigma S.p.A」、予定効能・効果は「慢性偽性腸閉塞症」で、推定有病率は10万人当たり0.80~1.00人と報告されており、対象者数は5万人未満と考えられます。慢性偽性腸閉塞症は、腸管の協調的な蠕動運動が障害されることにより、腸管を閉塞する病変がないにもかかわらず、機械的腸閉塞に類似した臨床像を呈する重篤な疾病です。現在、対症療法として様々な腸管運動促進剤や緩下剤が併用されていますが、慢性偽性腸閉塞症に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性についてですが、本邦における開発は、外国での承認取得以降に開始する予定であり、海外第II/III相試験、国内第III相試験の実施が検討されています。
続いて資料No.8-5、「Odevixibat」です。申請者は「ジェダイトメディスン株式会社」、予定効能・効果は「アラジール症候群」で、当該疾患は指定難病に指定されております。アラジール症候群は、常染色体顕性遺伝形式の疾患です。患者の95%で胆汁うっ滞を通常生後3か月以内に発症し、また、胆汁うっ滞に起因する肝硬変、末期肝疾患に至る症例もある疾病です。現在、本邦において、アラジール症候群に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性についてですが、現在、国内第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-6、「JR-441」です。申請者は「JCRファーマ株式会社」、予定効能・効果は「ムコ多糖症IIIA型」で、当該疾患は指定難病に指定されております。ムコ多糖症IIIA型は、常染色体潜性遺伝疾患であり、重度の神経症状や、肝脾腫による腹部膨満等の多様な全身症状を呈します。現在、本邦において、ムコ多糖症IIIA型に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性については第Ⅰ/II相試験を実施中で、今後、○○○○○○○○○○○○○○○○を実施する予定となっております。
続いて資料No.8-7、「フェニル酪酸グリセロール」です。申請者は「株式会社オーファンパシフィック」、予定効能・効果は「尿素サイクル異常症」で、当該疾患は指定難病に指定されております。尿素サイクル異常症は、アンモニアを尿素に変換する尿素サイクルに関与する酵素又はトランスポーターのいずれかの遺伝的欠損のため、高アンモニア血症を来す疾患です。現在、本邦で尿素サイクル異常症に係る効能・効果で承認されている薬剤として、フェニル酪酸ナトリウム製剤及びアルギニン製剤、カルグルミン酸製剤があります。フェニル酪酸ナトリウム製剤は服薬アドヒアランス不良が問題とされ、アルギニン製剤には禁忌となる疾患が存在するなか、本剤は、フェニル酪酸ナトリウム製剤の服薬アドヒアランスを改善することが期待されているなど、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性について、国内第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-8、「Pitolisant」です。申請者は「アキュリスファーマ株式会社」、予定効能・効果は「ナルコレプシー」で、国内患者数は4万5,000人程度と推定され、対象患者数は5万人未満と考えられます。ナルコレプシーは日中の過度な眠気を繰り返す睡眠障害で、カタプレキシーが出現する場合もあり、居眠りによる交通事故等のリスクが高いことに加え、仕事中のミスにより失職に至る社会的不利益を生じる等の可能性がある疾患です。現在、本邦では日中の過度な眠気に対してモダフィニル、メチルフェニデート塩酸塩、ペモリン、カタプレキシーに対してはクロミプラミン塩酸塩が用いられておりますが、本剤は選択的ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬として日中の過度な眠気とカタプレキシーの両方に対する有効性が期待される薬剤であり、医療上の必要性があるものと考えております。開発の可能性について、現在、国内第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定の要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御意見、御質問はいかがでしょうか。特段ありませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員、中西委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題9に移らせていただきます。議題9について、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 資料No.9、「ミダゾラム」を特定用途医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料No.9の中の「1.特定用途医薬品該当性事前評価報告書」のファイルをお開きください。2ページを御覧いただければと思います。申請者は「丸石製薬株式会社」、予定される効能・効果は、「麻酔前投薬」です。
特定用途医薬品への該当性に関する評価の欄を御覧いただければと思います。指定要件に沿って説明いたします。まず一つ目、対象とする用途に用いるための必要な開発の該当性についてです。現在、ミダゾラムにおける小児に対する麻酔前投薬の用法としては、本邦では筋肉内投与のみが承認されておりますが、侵襲性が比較的高いというところで、患児の不安を助長させることもあります。本開発提案は、経口投与に係る用法・用量の追加と同時に、小児が服薬しやすい剤形であるシロップ剤の開発を行うものです。
続いて、対象とする用途の需要が著しく充足していないことの該当性についてです。先ほど申し上げたミダゾラムのほかに、現在本邦ではジアゼパムが小児に対する用法・用量で承認されております。ミダゾラムは筋肉内投与のみで、ジアゼパムは経口投与としてシロップ剤が承認されておりますが、作用発現・作用消失が長く、作用が遷延する場合があるというところで、本剤、ミダゾラムについては、作用発現・作用消失が速やかで、かつ侵襲性が少ないものとして、開発の充足性というところで必要があると考えております。
続いて、使用価値に関連した情報です。指定要件についてですが、一般的に小児の手術の対象となる疾患については重篤なものが多く、本剤は、重篤な状態と考えられる周術期における管理というところで、要件に該当すると考えております。また、ミダゾラムの経口投与については、海外では経口投与の製剤が承認されており、海外の教科書に記載があること、本邦においても診療ガイドライン等にミダゾラムの経口投与についての記載があること、国内外のガイドラインや教科書等の記載等を踏まえ、ミダゾラムシロップ剤の本邦における小児麻酔前投薬としての有用性は期待できると考えております。
したがいまして、特定用途医薬品の指定の要件はいずれも満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がありましたらお願いいたします。大変重要な開発かと思いますが、御意見はよろしいでしょうか。
では、議決に入らせていただきます。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようなので指定を可とし、薬事審議会に御報告させていただきます。
続いて、報告事項議題に移らせていただきます。報告事項議題の1~2について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 報告議題のまとめの概要については、資料No.11を御覧ください。まず医薬品の承認について、資料No.12の「オルダミン」についてです。今回、オルダミンについては「静脈奇形の硬化退縮」に係る効能・効果、用法・用量を追加するという申請が、「富士化学工業株式会社」よりなされたものです。機構で審査の結果、有効性・安全性について承認して差し支えないというところで判断をしております。
続いて資料No.13からです。再審査についてです。資料No.13-1の「ムルプレタ錠3mg」、資料No.13-2の「メトトレプチン皮下注用」、資料No.13-3の「カナグル錠100mg」、資料No.13-4の「カナリア配合錠」という4品目について、機構で再審査を行いカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しております。報告事項についての説明は以上です。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。1点、最初のオルダミンについてです。本剤は、従来、食道静脈瘤の止血、硬化療法に使用されているものですが、今回は静脈奇形の硬化退縮の用法で申請されているものです。こちらはこれまでの食道静脈瘤などとは全く違った医師が施術なさる、使用なさるということかと思います。本剤が確実に安全に使用されるように、その仕組みとしては、関連学会などが今検討されていて、この薬剤を使う方の講習や技術認定などについて検討されていると記載があったかと存じます。そちらの実施について、確実に実施されるように、是非、監督いただきたいというお願いです。これに関する記載は、報告書では何ページでしたか。
○事務局 18ページです。
○森部会長 オルダミンの審査報告書の18ページの下から8~10行目ぐらいに、本剤の使用については、十分な知識、経験のある医師が実施すべきであるということが記載されています。特に治療中の流出量の評価や合併症の予防ということで、本剤の硬化療法で誤った所に入っていったりしないようにといった様々な監督を含めて、日本血管腫血管奇形学会内の硬化療法技術認定委員会並びに日本形成外科学会、日本IVR学会、日本静脈学会の3学会により構成される、EO硬化療法推進CFTというところで適正使用指針を策定し、手技を重視した講習会で術者教育を行うことも可能と考えると書いてあるのですが、これを是非実施していただくことを、今回の部会の合意にさせていただきたいと思っております。不適切に使用されての、静脈奇形の硬化療法による合併症をなるべく少なくしたいということで、適切な教育を受けた方が実施する仕組みを確立しておきたく思っています。その点は是非部会の委員の先生方の御意見も伺った上でと思っておりますが、いかがでしょうか。特に皆さんから御意見はありませんか。御賛同いただいているということでよろしいでしょうか。それでは、今の部会の意見にも付記させていただいた上で、確認いただいたものとさせていただきます。
本日の議題は以上です。事務局から、報告はいかがでしょうか。
○事務局 次回の部会は令和7年1月31日の金曜日、午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それから、一つお知らせがあります。本日の部会をもちまして、根岸委員が御退任されることになりました。本日、根岸委員は御欠席ですけれども、御挨拶のコメントを頂いているということなので、事務局の方から御紹介いただけますか。
○事務局 根岸委員からは、以下のとおりコメントを頂いております。
「短期間ではありましたが、皆様におかれましては、いろいろと御高配・御助力を賜り、誠にありがとうございました。また、この会議に参加させていただいたこと自体、大変勉強になりました。貴重な機会を頂き、ありがとうございました」ということで、委員の皆様にお伝えいただくようにということで言伝を賜っております。
○森部会長 根岸委員の御貢献に心より御礼申し上げて、御挨拶を承りました。どうもありがとうございました。
本日は大変長時間の審議となりましたが、多々御意見を頂きまして、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
本日の会議における委員の出席についてですが、根岸委員、松野委員より御欠席との御連絡を頂いております。このほか、長谷川委員から遅れて御参加と聞いております。
また、川上委員、佐藤直樹委員、柴田委員、田﨑委員は遅れて御参加されるとお聞きしております。本日は、現在のところ当部会21名のうち、14名の委員がこの会議に御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
なお、本日は審議事項議題1に関して、杏林大学医学部眼科学教授の山田昌和先生、審議事項議題4に関して、公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院理事長の稲垣暢也先生を参考人とお呼びしております。
続きまして、薬事審議会規程第11条への適合状況については、全ての委員の皆様より、適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。先生方におかれましては開催の都度、御協力を賜り、誠にありがとうございます。
これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、森部会長、以後の進行をお願いいたします。
○森部会長 本日の審議に入らせていただきます。まず、事務局から、資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リスト、委員からの申出状況について報告をお願いします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日は、あらかじめお送りさせていただいた資料のうち、資料No.1~資料No.17を用いますので、お手元に御用意いただけますでしょうか。
本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストは、資料17に記載のとおりです。これらに関する委員からの申出状況等を踏まえた、薬事審議会審議参加規程第5条及び第11条に基づく各委員の審議参加に係る取扱いは次のとおりです。
議題1「リジュセアミニ」:退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。
議題2「ヒフデュラ」:退室委員なし、議決に参加しない委員は髙橋委員。
議題3「クアルソディ」:退室委員、議決に参加しない委員、ともになし。
議題4「ゼップバウンド」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員、中西委員、前田委員。
議題5「ゼポジア」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員、髙橋委員。
議題6「タウヴィッド」:退室委員なし、議決に参加しない委員は阿古委員。
議題7「ウプトラビ」:退室委員、議決に参加しない委員ともになし。
議題8「希少疾病用医薬品の指定の可否」:退室委員なし、議決に参加しない委員は髙橋委員、中西委員、長谷川委員。
議題9「特定用途医薬品の指定の可否(ミダゾラム)」:退室委員、議決に参加しない委員ともになし。
また、議題10についても、各委員より寄付金・契約金等の受取の申告を頂いておりますが、本議題は薬事審議会審議参加規程第18条の「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で申告書を公開することをもって、審議及び議決に加わることができるものとなっております。
以上です。
○森部会長 今の事務局の御説明について特段の御意見等はございますでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものとさせていただきます。
本日は、審議事項10議題、報告事項2議題、その他事項1議題となっております。それでは、審議事項の議題に移らせていただきます。審議事項の議題1について、機構から概要説明の準備をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題1、資料No.1、リジュセアミニ点眼液0.025%の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。資料No.1の審査報告書を御覧ください。
審査報告書通し番号32分の3ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤はアトロピン硫酸塩水和物を0.025%含有する点眼剤です。なお、アトロピンを有効成分とする眼科用剤としては、本剤よりも高濃度の1%を含有する眼軟膏及び点眼剤が「診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺」の効能・効果で承認されています。近視は、平行光線が無調節状態の眼に入射したとき、網膜の前方に結像する状態であり、主に眼軸、つまり角膜から網膜までの長さが伸長することに起因する進行性の疾患です。近視は、6~8歳頃に発症し、15~16歳頃まで進行することが多い一方で、一定数で成人期にも進行が継続することも報告されています。強度近視は、緑内障などの視力障害を伴う重度の合併症のリスク因子とされているため、近視の進行を抑制することは、QOLの低下や視力障害を伴う重度の眼の合併症を予防することにつながると考えられています。しかしながら、本邦において近視の進行抑制に対して承認された医薬品及び医療機器はございません。本剤の近視の進行抑制に係る開発について、本邦では2019年8月から臨床試験が開始され、今般、国内外の臨床試験成績に基づき、本剤の近視の進行抑制に係る有効性及び安全性が確認されたとして、本剤の製造販売承認申請が行われました。なお、海外において、現在、本剤が承認されている国又は地域はありませんが、オーストラリア及び中国において、アトロピン0.01%点眼液が「小児における近視の進行抑制」の効能・効果で承認されています。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名いたしました。
本剤の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず有効性について、審査報告書通し番号10ページの「7.1.2 国内第II/III相試験」の項を御覧ください。弱度から中等度の近視を有する5~15歳の患者を対象に、本薬点眼液の有効性及び安全性を検討することを目的としたプラセボ対照無作為化二重遮蔽並行群間比較試験が実施されました。当該試験の主要評価項目の結果は、通し番号12ページの1行目、「有効性について」から始まる段落を御覧ください。主要評価項目とされた投与24か月後におけるベースラインからの調節麻痺下の他覚的等価球面度数の変化量について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証されました。以上から、近視の進行抑制に対する本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
続いて安全性について、通し番号17ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。本剤の投与に当たっては、特に羞明等のアトロピンの散瞳効果に伴う事象の発現について注意する必要があるものの、当該事象に対する適切な注意喚起等が行われることを前提とすれば、本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。なお、本剤の投与にあたりましては、投与対象が適切に選択されること及び本剤の投与終了時期が適切に判断されることが重要であり、これらの内容については添付文書や医療従事者向け資材を用いて注意喚起等を行うこととしております。また、本剤の適正使用推進に係る方策として、現在、関連学会と申請者が連携の上、本剤による近視抑制に係る治療指針が作成されており、当該指針は、本剤が上市されるタイミングで学会より情報提供される予定です。
以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本剤は、新効能医薬品等であることから再審査期間は4年とすることが適当であり、また生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、製剤は劇薬に該当すると判断いたしました。薬事審議会では報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。本日、参考人の方がお見えになっておられます。山田先生から、御発言をお願いしてよろしいでしょうか。
○山田参考人 杏林大学の眼科の山田と申します。どうかよろしくお願いいたします。まず、この近視の進行抑制を目的とする医薬品の必要性についてですけれども、もともと日本を含む東アジア諸国では近視が非常に多いとされていたのですが、近年、学童の近視の割合がますます増えてきています。最新の文科省の調査では、視力1.0未満の子供の割合は、小学生で38%、中学生で61%となっており、中学生だと半分以上がもう近眼なのです。それで小児の近視進行抑制というのは、眼科領域での重要課題の一つになっています。特殊な眼鏡、コンタクトレンズ、オルソケラトロジー、医療機器など、様々なアプローチがなされていますけれども、現在のところ最も医学的根拠があり、実施可能性からも期待されているのが本剤、低濃度のアトロピン点眼であろうと思われます。近視は将来的には網膜剥離、黄斑症、緑内障などの重度の合併症のリスク因子になりますので、近視の進行を抑制することは将来的な視覚障害の予防にもつながると考えられます。次に行ってもよろしいでしょうか。
○森部会長 はい。
○山田参考人 では次は、このリジュセアミニの臨床的意義ですが、世界的に近視の進行を抑制する目的で様々な方法が試されており、本邦でも低濃度アトロピン点眼液、オルソケラトロジー、多焦点コンタクトレンズなどが、既に自費診療で一部で用いられている実態があります。ただし、承認された医薬品及び医療機器は存在しません。本邦での本剤の臨床試験の結果は、投与36か月後まで、プラセボ点眼液と比較して、調節麻痺下の他覚的等価球面度数の有意な進行抑制、また眼軸長の有意な伸長抑制が認められており、海外での臨床試験成績やメタアナリシスの結果と基本的に一致しており、近視の進行抑制効果を示しています。また、臨床試験において、本薬をプラセボ点眼液に切り替えた後に、急激な悪化、リバウンドは見られなかったこと、また、海外での臨床試験成績やメタアナリシスの結果を踏まえると、長期投与の有効性は十分期待できると考えます。
海外では、ほかの治療法よりも低濃度のアトロピン、本薬のような点眼液を優先して使用することが推奨されており、本薬が承認されれば、近視進行抑制治療の第一選択となり得ると考えます。
次は、リジュセアミニの投与対象に関する機構の判断、年齢、近視の程度等で明確な制限を設けていないことの妥当性についてです。近視の発症年齢や進行の程度、時期は様々であり、投与対象について、年齢や近視の程度等で明確な制限を設けることは現時点では妥当ではないと考えます。将来的には、これらの事項について関連学会と連携の上で、臨床の現場での知見に基づいて、ガイドライン等で適切に情報提供される必要があると考えます。
次は、リジュセアミニの投与期間、投与終了時期に関する機構の判断、具体的な時期の制限を設けず、資材等の情報に基づき医師が判断することの妥当性について。本薬の投与期間について、いつまで続けるかは臨床的に悩ましい問題です。本薬の効果はあくまでも近視の進行抑制であり、投与してもある程度近視が進行すること、本薬に反応しない無効例が一定数存在すると推測されること、投与中止後には、ある程度のリバウンドが見込まれることなどから、投与期間について具体的な制限を設けることは困難だと思われます。この点についても、臨床的な知見の蓄積を待って、関連学会等からガイドラインなどで推奨を出してもらうのがよいと思われます。私からは以上です。
○森部会長 山田先生、御説明どうもありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。堀委員からお願いします。
○堀委員 ありがとうございます。機構にお尋ねしたいのですけれどもよろしいでしょうか。この薬は近視の進行を抑制する国内初のお薬として理解いたしました。また、今の山田先生のお話もお聞きして、やはり対象となる方々が小児に非常に多いというようなことも今理解いたしました。それを踏まえまして、患者向けの資材についてちょっとお尋ねしたいのですけれども、この資材はお作りになる御予定でしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、作成の予定です。
○堀委員 ありがとうございます。それにつきまして、今回のこのお薬に関しての資材ですが、小児、また今、山田先生がおっしゃっておられましたように、特に中学生の半分ぐらいが近視ということで、中学生自身が点眼をする可能性もあると思います。そのため、その資材ですけれども、中学生の方が読んでも理解できるような分かりやすい内容の資材を是非作っていただきたいというのが、私ども保護者の立場からのお願いです。
あと、もう1点お尋ねしたいのが、この投与の用法・用量に関しましては、1日1回、1滴、就寝前に点眼するとありましたけれども、これは点眼をすることにより、散瞳で瞳孔が開いてしまうことで、光とか、あとはピントが合わなくなってしまい、生活に支障が出るということで、就寝前というように規定なさったのでしょうか。教えていただけたら有り難いです。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目でコメントを頂きました点につきましては、現在、申請者が作成している患者向け資材について、イラストなども用いて、点眼の仕方などを分かりやすく説明していることを確認しています。今コメントを頂いたことも踏まえまして、申請者には、中学生などにも分かるような形で、資材をより分かりやすいように作成するようにと伝えさせていただきます。
2点目の、就寝前投与とした背景ですが、御理解いただいておりますように、やはり羞明、まぶしいといった症状が出やすいお薬ですので、就寝前に投与する規定とされております。
○堀委員 御回答いただきありがとうございます。そういたしますと、なぜ就寝前に投与するかというようなことは、是非、患者向け資材に記載していただくと、中学生は多分自分で1日1回点眼すると思うのですが、その理由というのが分かるか分からないかによって、使用する患者も心構えというか、そこが腑に落ちるかと思いますので、できましたらばその理由等も分かりやすく記載していただけたら有り難いと思います。
○医薬品医療機器総合機構 現在作成されている患者向け資材の方にも、日中に点眼するとまぶしく感じることが生じるおそれがあることは記載しており、例えば点眼を忘れたときは、日中には点眼しないでくださいということを、理由とともに記載している状況です。
○堀委員 分かりました。ありがとうございます。あと、保存方法は特に冷蔵庫に入れるとか、そういう制限はないと理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 保存方法としましては、室温での保存になっております。
○堀委員 御丁寧にありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 続きまして、大谷委員から御意見を頂きます。
○大谷委員 今の御質問にも少し関係してくるのですが、これを実際に点眼した後に、散瞳に伴う羞明、若しくはその散瞳の時間経過、どれぐらい持続するかというデータはお持ちなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回の臨床試験の中では、散瞳効果が1回の点眼後にどの程度続くかというところについては、検討されておりません。ただ、現在、臨床現場で、個人輸入等で使われている海外アトロピン0.01%、0.025%製剤につきましては、おおよそ点眼後8時間ほど羞明、まぶしいといった症状が出ることがあるということが言われていると聞いております。
○大谷委員 ありがとうございます。これをなぜ質問したかと申しますと、やはり服薬指導上、実際に点眼してからどれぐらいまぶしさが続くのかということは、本人もそれから指導する薬剤師等も是非知りたいことだと思いまして、その辺の情報が実際に提供されるのかというところが非常に気になっているのですが、そこはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 現在作成されている患者向け資材の中では、こういった症状が何時間持続するというような記載はありませんので、こちらの情報については、適切に患者や医療従事者に提供されるように申請者に指示したいと思います。
○大谷委員 ありがとうございます。重要な情報かと思いますので、是非、情報にしっかりアクセスできるようにしていただければと思います。
それに関連してもう一つですが、昼間に点眼すると羞明等が生じるということが書かれているのですが、これはある程度大人になっても使う可能性があることを考えると、例えば夜間点眼して、一番怖いのは、そのまま車などを運転してしまうと、自動車の運転に関して非常に差し支えが生じる可能性があるのではないかという気もするのですが、夜間の車の運転で、対向車のヘッドライトがまぶしくて運転に支障が出るとかそういうことはございますか。もしあるとしたら、そういった注意喚起をする予定はございますか。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書案の「8.1 重要な基本的注意」の項で、自動車運転等は避けるよう注意することといった注意喚起をしております。また、医療従事者向け資材や患者向け資材にもこうした内容を記載する予定としております。
○大谷委員 ありがとうございます。昼だったらまぶしいというのは分かるのですけれども、夜だったら大丈夫かなと思ってしまうというのが非常に怖いなと思ったのですが、その辺は大丈夫でしょうか。特に添付文書においては、太陽光や強い光を直接見ないようにというような形で書かれているので、その夜間の自動車運転は、昼間だとまぶしいのは分かるのですが、夜間の自動車運転は非常に怖いなと、自分で車を運転しててもこれがまぶしかったら怖いと思うのですが、いかがでしょうか。
○山田参考人 すみません、参考人の山田です。ちょっとお話してよろしいでしょうか。
○森部会長 はい、お願いします。
○山田参考人 私、実験的にこのぐらいの低濃度のアトロピン点眼液を使った場合の瞳孔径の変化、それから調節機能の変化を少し調べたことがあるのですが、実際には余り影響がないのです。それで瞳孔が開いて、あるいは調節機能が落ちる人というのは、本剤の治験の中でも羞明が出るのは数パーセントだったと思いますので、ごく一部に限られる、これはやはり薬剤の感受性の問題だと思うのですが、そういうことだと思いますので、すごく神経質にならなくても大丈夫かと、臨床的には考えます。
○大谷委員 ありがとうございました。私、アトロピンの濃い方を昔点眼したことがあって、そのときはかなりまぶしかった記憶があるものですから、それと同じようなことが起こったら結構危ないなと思いまして、質問させていただいた次第でございます。ありがとうございました。
○森部会長 ほかの先生方からの御意見、いかがでしょうか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。今の堀委員、大谷委員、それから今の参考人のお話で、就寝前ということはよく分かったのですが、羞明の持続が8時間ぐらいあるということになると、子供たちの年齢によっては、本当に8時間ずっと寝ているのかどうかということが懸念されます。就寝前の点眼といっても、受験勉強などで睡眠時間がたとえば6時間となることも想定されるので、資材では、そういうことも含めて十分な書き込みが確実に必要と思います。先ほど堀委員がおっしゃったように、資材への書き込みについては、いろいろな想定を含めて考えていただいて作成をお願いしたいというところです。
それから、先ほどからガイドラインの話が出ておりましたが、ガイドラインを適正に作ることが学会等で行われることになるのかどうか、それについても、ある程度明確にして頂けたらと思います。最終的にこれが世に広く使われたときに、このように様々な事象が起こってくることが想定されますので、是非、ガイドラインについては、どのくらいまでに作成されるのかの見通しも含めてお聞かせいただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 まず1点目に御指摘いただいた点につきましては、本日頂いた御意見等を踏まえまして、申請者にもしっかりと伝えたいと思っております。
2点目で御質問いただきましたガイドライン等の作成状況につきましては、現在、治療指針に関する文書について、申請者と日本近視学会で、本剤による近視抑制に係る治療指針について協議されていると聞いております。盛り込まれる内容のおおむねの概要についても、機構側としても聞いているところですが、そういった指針につきましては、本剤が上市されるタイミングで、日本眼科学会のホームページに掲載される予定と聞いております。
○宮川委員 了解しました。その立て付けをしっかりとしていただくことを前提としてこの部会での審議がなされるので、審議前の申請段階から、どういう形でガイドライン等が作られるかも書き込みが必要であることを、是非、御認識いただければ幸いかなと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 それでは、前田委員から御質問、どうぞお願いします。
○前田委員 これは、効能・効果が「近視の進行抑制」と書かれていますが、それが進行している段階なのか、もう既に固定している段階なのかというのは、これは参考人の先生にお聞きした方がいいと思うのですが、眼科的に分かるものなのですか。
○山田参考人 これは非常に難しいのです。実際上は、近視は年齢が進むとある程度進みます。それで、どこかで止まるのですが、それが、進行のスピード自体はそれほど速くなくて、半年、1年単位ぐらいで進んでいくものですから、この評価は難しいのです。ただ、海外もそうですが、今回の日本での臨床試験でも、近視の進行抑制という効果が明確に認められていますので、これは認めていただいてもいいのかなと思っています。
○前田委員 結局、この適応者によって、本薬剤がどれぐらい使われるかというのはかなり異なってくるかなと思っています。これは機構に聞いた方がいいと思いますが、企業としては、これは人口のどれぐらいというか、何万人ぐらい使われることを想定しているのですか。近視の方は、恐らく日本人で3分の1から半分ぐらいいると思うのですが、相当な数になるのではないかなと思います。その辺、進行の度合いが余りはっきり何か定義されていないとすると、なかなか難しいのではないかなと思うのですが、何かお答えお持ちでしたらお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 申請者が想定している人数ですが、本剤の主な投与対象と想定される小児患者の人口に基づいて、本剤の使用が想定される患者数としては約○○万人と推定しているという説明をもらっております。
○前田委員 なるほど。これは、参考人の先生、正しいですか。何かもう少し多くなりそうな気がしないでもないですが。
○山田参考人 山田です。これは実際に使われてみて、どのぐらい臨床で使われるかによると思うのです。やはり、適応と効能が広く知られて、適応が広がるようなことがあれば、先生が危惧されるように非常に多い数、子供の数は、大体1歳ごとに100万人ぐらいとして、8歳から18歳ぐらいまで10年だから、500万人ぐらい近視の子がいるので、それを全部適応としたら、今の○○万人と随分違う数字になりますので、ちょっとそこは、私も分かりかねます。申し訳ありません。
○前田委員 分かりました。ありがとうございます。どれぐらい使われるのかについて、ちょっと知りたかったもので、申し訳ありません。以上です。
○森部会長 宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。今、前田委員が的確に御指摘されたのですが、申請の中の起原又は発見の経緯及び開発の経緯の所に、近視は進行性で不可逆的な疾患であり、概して学童期に発現すると書いてあります。実際には、2022年の調査で、小学校では37.88%、中学校では61.23%、高等学校では71.56%であったことが書いてあって、その数字に関しては非常に慎重に考えないといけないように思っております。今、前田委員が的確に御指摘されたとおり、○○万人というのは過少に捉えている面があって、先ほど申し上げたガイドラインなどが必要であるという指摘をしたのはそのためであって、適正に使用されないと、使用者数の想定が非常に難しいことになるのではないかと思っています。是非、しっかりとした所要の使用成績調査やガイドライン等の作成が検討されない限り、使用者層が大幅に広がってしまう可能性があることが懸念されます。是非、十分に検討していただかなければならないはずだろうと思っております。以上です。
○森部会長 追加して堀委員から御質問です。
○堀委員 ありがとうございます。今の前田委員と宮川委員からの発言を聞いて思ったのですが、やはり、このお薬が承認されて市場に出た場合、保護者は、早くこの点眼液を処方してもらいたいと思う方々が非常に多いと思います。今実際に、小学校も中学校受験とかがあり、先ほど宮川委員がおっしゃっていましたが、夜中でもやはり皆さん勉強していらっしゃって、そういうお子さんをもっていらっしゃる保護者の方が、いかに近視にならないようにするために、皆さん、お子さんに対してとても配慮をなさっている姿を私は見ております。ですので、ガイドラインをしっかりしないと、結局、多くの小児患者の親、又は中学生の御本人から、眼科の現場で、このお薬を出してくださいと言われたときに、一番心配なのは、眼科の先生がどう判断されるかが、非常に今、聞いていて心配になったので、やはり、ガイドラインの設定は、是非、早急にお願いしたいと思いました。以上です。
○宮川委員 もう一つよろしいでしょうか。
○森部会長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 お尋ねしたいのですが、この点眼は就寝前に用いられるわけですが、昼間、これは、学童ないしその小児が、眼鏡を使用しているのかコンタクトを使用しているのか、コンタクトはハードであるのかソフトであるのか、その区別について検討されているのでしょうか。特にソフトコンタクトであれば、日中の目の酸素濃度が非常に低くなることがあって、長時間装用する場合は更に問題になってきます。今までの臨床試験の中で検討はされているのでしょうか。よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 今回の治験では、眼鏡で矯正することがプロトコル上規定されておりました。コンタクトレンズにつきましては、本剤を投与するときには、恐らく外しているものと思われます。コンタクトレンズの使用については可能と考えておりますが、点眼のときには外すように注意喚起をするよう資材には記載する予定でございます。
○宮川委員 私の申し上げているのは日中のことです。コンタクトを外して点眼するのは当然のことなので、夜、コンタクトを付けたままという状況は論外でありますから、日中のコンタクトはどうなのかということをお尋ねしました。つまり、臨床試験中に、眼鏡であったのか、コンタクトを装着している方なのか、それがハードなのかソフトなのかということで、今後、使用するときにも、どのようなコンタクトを日中使っているかということは、目の酸素濃度に大きく関わって、近視が予測されることなので、装着の時間等も含めてしっかりと規定しなければいけないと思われますので、それについて御見解を頂きたいと思います。
○森部会長 宮川委員、今の御質問は、参考人の先生にお伺いしても。
○宮川委員 もちろん、はい。
○森部会長 OKです。
○山田参考人 山田です。この臨床試験では、結局、眼鏡の対象だけ入れているのです。それで、本剤は就寝前の点眼ですから日中にコンタクトレンズをすること自体は、実際にこれを使われるようになったときに問題になるとは余り思わないです。今、ソフトコンタクトレンズは非常に素材がよくなりまして、実は、酸素不足の問題はほぼ解決されているのです。昔のソフトと大分違いますので、そこの懸念は余り心配されなくてもいいのかなと思います。それから、オルソケラトロジーという、夜、寝ているときに特殊なコンタクトレンズを付ける近視抑制治療の方法があるのですが、これとアトロピンの点眼を組み合わせて、より良い効果が得られたという報告も、一応あります。これでお答えになっていますか。
○宮川委員 ありがとうございます。そうやって改善されているということなのですが、経済的な問題により、ワンデーのものを1か月使うようなお子さんもおられるので、それは禁止していただきたいのと、女子が酸素濃度が大きく下がる報告もあるカラーコンタクトを使うこともあるので、そういうところもしっかりと書き込みが必要ではないかと推察するのですが、先生、これをいかが考えたらよろしいのでしょうか。
○山田参考人 ありがとうございます。それは、先生がおっしゃるとおりだと思います。カラコンは大体古い素材で作られていますので、先生がおっしゃる酸素透過性の低いソフトレンズになっています。ただ、これは、この点眼薬を使う、使わないにかかわらず、我々としては、もうカラコンは何とか絶滅させたいくらいに思っております。
○宮川委員 ありがとうございます。資材というのは非常に重要なので、先ほどから堀委員のご指摘のとおり、資材への書き込みは十分注意されるようにお願いしたいところです。さらに、ガイドラインについてもそのような配慮が必要であることは論を俟たないと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○森部会長 どうぞお話しください。
○医薬安全対策課長 恐れ入ります、医薬安全対策課です。今、カラーコンタクト、それからワンデーの製品を連続使用するという不適正使用についての御指摘を頂戴しました。コンタクトレンズそのものの適正使用ということになろうかと思いますが、私どもも、眼科学会などとも御協力を頂きまして周知に努めております。
○森部会長 そのほか、御質問いかがでしょうか。本剤が初めて近視の進行抑制に上市される薬剤ということで、治療の標準的なプロトコル、すなわち、どう初期評価を行い、治療導入をした後の説明や、どのようなインターバルで診療していくかがなかなか見えない中、今回、審議をしています。治療指針として作成いただく学会の資材は、標準的な治療期間や治療のコース等もお示しいただき、多少のバリアンスや、予想されるバリアンス等も含めて作成いただくものと理解しています。標準的なプロトコルがありますと、治療をお受けになる御本人や、御家族の方もより安心して治療に臨みやすいと思いますので、この点をお含みいただきたいと思います。
もう1点は、本剤がどの程度持続して羞明を感じるのかということです。先ほど、山田参考人からは個人差があるとのことで、臨床試験の成績でも、約10%で羞明を感じると報告がございます。羞明を感じている時間帯は、自転車、自動車の運転をしないようにと、添付文書の8-1に記載をして頂いていますが、これが何時間かということは、目安の記載がありません。実際には患者さんによって個人差があることは、今、伺ったところではありますが、恐らく資材の中に、その時間の所を目安としてお含めになる可能性もあろうかと思います。資材と合わせた形で、持続時間の記載もしていただく方が添付文書も望ましいのではないかと考えております。
一つの理由は、今のお子さん、特に日本の学童の睡眠時間の短さが世界の中でも突出していて、夜遅くまで起きていて、朝早くお出になる。また、自転車通学をする方が多くて、まだ薄暗いうちから家を出て学校に向かう方がたくさんいる中で、本剤を利用する方がいることを鑑みますと、羞明の問題、若しくは、見にくさ、まぶしさは大変重要な問題です。一部の方のみかもしれませんが、多くの方が御使用になることを前提に考えますと、広く周知しておくことが必要になると理解しています。羞明の持続時間や程度、また、自転車、自動車等の運転に関する注意喚起を、十分に御本人向け並びに御両親向けの資材にお含めいただくことは切にお願いしたいと考えています。
その上で、本剤が安全に使用されているかについては、学会様の方でもしっかりとフォローアップしていただき、適切な注意喚起が必要な際には追加していただくことで、近視の進行抑制の治療という、これまでなかった診療を安全に実施する体制を構築したいと考えています。この点につきまして、委員の先生方から御質問、御意見ございましたらお願いいたします。山田参考人、もしよろしければ、この点の御発言よろしいでしょうか。
○山田参考人 いや、特にありません。
○森部会長 それでは、ほかの委員の先生方から御質問、御発言ございませんでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきたいと思います。では、本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。それでは、御異議ないということですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。山田参考人、御発言、どうもありがとうございました。大変、参考になりました。ありがとうございました。どうぞ御退室ください。
──山田参考人 退室──
○森部会長 では、続きまして、審議議題4及びその他事項議題1に移ります。審議事項議題4とその他事項議題1は関連する議題ですので、まとめて御議論いただくこととなっております。それでは、議題4につきまして、機構から概要説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題4、資料No.4、医薬品ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス他の製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。
審査報告書の通し番号5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、GIP受容体及びGLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有するチルゼパチドを有効成分とする注射剤です。GIP受容体及びGLP-1受容体を介して、脂肪細胞における脂質代謝の亢進によるエネルギーの消費量の増加、中枢神経系における食欲の調節等の作用により、体重を減少させることが期待されます。海外において本剤は、肥満又は過体重に対する体重管理に係る効能・効果で、2023年11月に米国で、2023年12月に欧州で承認されていまして、2024年8月現在、欧米を含む40以上の国又は地域で承認されています。
なおチルゼパチドは2型糖尿病の治療薬としても、国内外で承認されており、本邦ではマンジャロ皮下注2.5mgアテオス他の名称で承認されています。本品目の専門協議では、資料No.16にお示しする先生方を、専門委員として指名させていただいております。
以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性につきまして、審査報告書15ページの表9を御覧ください。肥満に関連する健康障害として、耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患のうち、BMI27kg/㎡以上では二つ以上、BMI35kg/㎡以上では一つ以上を有する日本人肥満症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験であるGPHZ試験が、国内第III相試験として実施されました。その結果、主要評価項目とされたベースラインから投与72週時までの体重変化率及び投与72週時に5%以上の体重減少を達成した被験者の割合のいずれについても、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。次に、審査報告書20ページの表14を御覧ください。BMI27kg/㎡以上で高血圧、脂質異常症等を有する又はBMI30kg/㎡以上の患者を対象とした日本を含む国際共同第III相試験であるGPHK試験が実施され、GPHZ試験と同様に設定された体重減少効果に関する二つの主要評価項目について、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。また、審査報告書27ページの表21を御覧ください。2型糖尿病を有するBMI27kg/㎡以上の患者を対象とした日本を含む国際共同第III相試験であるGPHL試験が実施され、GPHZ試験及びGPHK試験と同様に設定された体重減少効果に関する二つの主要評価項目について、プラセボに対する本剤10mg及び本剤15mgの優越性が示されました。
本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果については、審査報告書17ページの表11を御覧ください。国内第III相試験であるGPHZ試験において、プラセボ群と比較して本剤群では血糖、血圧及びLDLコレステロールを始めとする脂質パラメータの改善傾向が認められています。また、二つの国際共同第III相試験においても、審査報告書23ページの表16及び審査報告書29ページの表23にそれぞれ結果をお示ししていますとおり、GPHZ試験と同様の改善傾向が認められました。
以上の結果等を踏まえ、本剤投与による体重減少効果と、肥満に関連する健康障害である高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病の改善効果は期待できると判断しました。
続いて安全性について、審査報告書42~43ページの表41~表43を御覧ください。実施された三つの第III相試験で発現している主な有害事象は、既存の2型糖尿病に用いるチルゼパチド製剤で既知の事象でした。本剤の作用機序、臨床試験成績等を踏まえまして、胃腸障害、低血糖等の注目すべき事象について個別に検討した結果、既存のチルゼパチド製剤と同様の適切な注意喚起がなされれば、本剤の安全性は許容可能と判断しました。
なお、二つの国際共同試験の日本人部分集団における有効性及び安全性の結果は、全体集団の結果と同様の傾向でした。
続いて、本剤の効能・効果につきまして、審査報告書56ページの「7.R.3」及び66ページの「1.2 効能又は効果について」の項を御覧ください。まず、本邦の肥満症診療ガイドラインでは、BMI25kg/㎡以上を「肥満」と定義し、「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患」を「肥満症」と定義しております。
国内第III相試験であるGPHZ試験の組入れ基準では、肥満に関連する健康障害として耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患が設定されていました。しかしながら、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、薬物療法が必要な疾患又は状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切と考えました。先ほど御説明した本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果等を踏まえ、本剤の適応対象は2型糖尿病、脂質異常症又は高血圧のいずれかを有し、食事療法及び運動療法をあらかじめ行っても十分な効果が得られず、BMI27kg/㎡以上で二つ以上の健康障害を有する又はBMI35kg/㎡以上の肥満症患者とすることが、本邦での肥満症治療における薬物療法の位置付けも考慮して適切と判断しました。
本邦では、GLP-1アナログであるセマグルチド(遺伝子組換え)を有効成分とするウゴービ皮下注が肥満症治療薬として承認されており、本剤はウゴービ皮下注と同様の臨床的位置付けとして、肥満症患者に対する薬物療法の選択肢の一つになり得ると考えています。また、本剤の適応対象となる患者の基準については、ウゴービ皮下注と同様に、資材等を用いて適切に情報提供し、本剤の適正な使用を図る予定です。
以上のとおり、機構での審査の結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で審議されることが適当と判断いたしました。本剤は新効能及び新用量医薬品であるものの、同一有効成分を有するマンジャロ皮下注に対して既に付与されております再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間、製剤は劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。
薬事審議会では報告を予定しています。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 続いて、その他事項議題1について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 その他事項議題1、チルゼパチドについて、最適使用推進ガイドラインを作成しておりますので、御説明します。資料No.14を御覧ください。全体の構成は、既に発出されております他剤の最適使用推進ガイドラインと同様です。
通し番号3ページの「1.はじめに」について、今回の対象効能・効果は先ほど機構から説明がありましたとおり肥満症であり、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有する肥満症であることから、日本内分泌学会、日本肥満学会、日本肥満症治療学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会及び日本内科学会から御推薦を頂いた専門家からの御意見を踏まえ、本ガイドラインの案の作成を行っております。
対象となる効能・効果及び用法・用量は、3ページの枠内のとおりです。また、記載の形式はこれまで作成している最適使用推進ガイドラインと同様で、5ページ以降に今回審査された臨床試験の成績を、21ページに他の最適使用推進ガイドラインと同様に施設等に関する要件として、肥満症という疾患を適切に診断、管理、治療ができ、他職種による管理ができるような施設が選定されるよう配慮されています。また23ページには本剤の投与対象となる患者の内容を記載しています。本剤につきましては、適切な治療計画の策定及び食事・運動療法に関する事項についても記載しております。
最後に25ページには、審査における内容を踏まえた、投与に際して留意すべき事項について記載をしています。説明は以上となります。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。本日は参考人として稲垣先生をお招きしております。では、稲垣先生、御発言をお願いします。
○稲垣参考人 それでは申し上げます。既に肥満症の治療薬として、GLP-1受容体アゴニストであるウゴービが、2023年3月に我が国で承認されています。また先ほどの御説明にもありましたので、今更繰り返して述べる必要はないかもしれませんが、肥満症の治療薬についてお話する前に、肥満と肥満症の違いについて、改めて御説明したいと思います。
日本ではBMIが25kg/㎡以上を肥満と呼びますが、肥満があると糖尿病や高血圧、脂質異常などの発症リスクが高まるということが知られています。肥満症の診療ガイドラインによれば、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態を肥満症と定義しています。具体的には、肥満症の診断は、肥満と判断されたもの、すなわちBMIが25kg/㎡以上のうち、肥満症の診断に必要な健康障害、ここには耐糖能障害や脂質異常症、高血圧など11項目が含まれていますが、それを合併する場合に肥満症と診断します。また腹部CT検査などにより、内臓脂肪型肥満と診断される場合は、現在健康障害を伴っていなくても、健康障害のリスクが高いため、肥満症と診断します。
肥満症の治療の基本は、BMIを25kg/㎡以下に減量することではなく、減量治療で合併する疾患を改善・解消することにあります。肥満症の治療では、3%以上の減量によって複数の健康障害が改善するという我が国のエビデンスなどに基づき、3%以上の減量目標を設定します。また、BMIが35kg/㎡以上の高度肥満症の場合は、現体重の5~10%の減量を目標とします。
治療法は、食事、運動、行動療法等の生活習慣改善法が肥満症治療の基本です。体重を減らすためには、食事療法により摂取エネルギーを減らし、運動で消費エネルギーを増やし、食事、運動療法を維持・強化させるために行動療法を併用します。しかしながら、私たちの日常の臨床現場におきましては、食事療法を繰り返してもなかなか体重減少が得られず、そのうちに次第に併存症・合併症が進行するという現象をしばしば経験するところです。食事・運動・行動療法を行った上で、減量目標が未達成の場合には、薬物療法や外科療法の導入をこれまでは考慮していました。
ただ、肥満症の治療薬としては、ウゴービが承認されるまでは、我が国ではマジンドールしか保険適用が認められていませんでした。マジンドールの適応はBMIが35kg/㎡以上の高度肥満症が対象であったことや、依存性の問題、あるいは3か月以上の処方が認められていないという限界があり、臨床的にはほとんど用いられていないというのが現状でありました。
一方で外科療法は、6か月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られないBMIが35kg/㎡以上で、糖尿病、高血圧、脂質異常症又は睡眠時無呼吸症候群のうち一つ以上を合併した高度肥満症に対して、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が2014年に保険収載されました。
2020年の診療報酬改定では、6か月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られない、BMIが32.5~34.9kg/㎡以上の肥満症及びHbA1cが8.4%以上の糖尿病患者に、算定が付加されました。ただ、限られた認定施設でのみ手術が可能であることや、手術の侵襲が大きいことなどの理由で、次第に手術件数が増加してはいるものの、年間1,000件程度で件数としてはまだ僅かです。
このように、我が国においては効果的な肥満症の治療薬がアンメットニーズとなっていました。そのような中、GLP-1受容体のアゴニストであるセマグルチド、商品名「ウゴービ」が昨年3月に承認されました。その治療対象は最新の肥満症診療ガイドラインの診断基準に基づき、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれか一つを有し、BMIが27kg/㎡以上であり、かつ二つ以上の肥満症に関する健康障害を有している患者、あるいはBMIが35kg/㎡以上の患者で、食事・運動療法を6か月以上行っても減量目標が未達成の場合となっています。
このような背景の下、今回のチルゼパチド、商品名「ゼップバウンド」が肥満症の治療薬として申請されました。ゼップバウンドの特徴は、ウゴービがインクレチンホルモンであるGLP-1受容体のアゴニストであるのとは異なり、GLP-1受容体だけでなく、もう一つのインクレチンホルモンであるGIPの受容体にもアゴニストとして作用する、GIP/GLP-1受容体のデュアルアゴニストである点であります。一般的には、GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストの方がGLP-1受容体アゴニストよりもより強い血糖値低下作用と体重減少作用を有するというデータが多く出されています。そのメカニズムについては、私自身もこれまで長きにわたってGIPに関しての研究を行ってまいりましたけれども、未だ不明な点が多く、世界中で多くの研究者が着目しているところであります。
さて、このチルゼパチドですが、既に2型糖尿病治療薬としては、先ほどの御説明にもありましたが、2.5~15mgまでの製剤が、「マンジャロ」として承認・発売され広く用いられているところですが、今回の申請は、2型糖尿病治療薬の場合と同じ用量のチルゼパチドを肥満症の治療薬として用いるというものであり、機構の御説明のとおり、肥満に関連する二つの健康障害を有する肥満症患者を対象とした国内第III相試験GPHZ試験と、日本人を含む国際第III相試験GPHK試験において、投与72週時における体重変化率及び投与72週時に5%以上の体重減少を達成した被験者の割合のいずれについても、プラセボに対する本剤10mg及び15mgの優越性が示されています。
また、2型糖尿病を有するBMI27kg/㎡以上の患者を対象とした日本人を含む国際共同第III相試験であるGPHL試験が実施され、GPHZ試験、GPHK試験と同様に、プラセボに対する本剤10mg及び15mgの優越性が示されました。
さらに、本剤投与による肥満に関連する健康障害の改善効果については、国内第III相試験であるGPHZ試験において、プラセボ群と比較して、本剤群では血糖・血圧・脂質パラメータの改善傾向が認められました。また、二つの国際共同第III相試験においても同様の傾向が認められたと考え、本剤による体重減少効果と、肥満に関連する健康障害である高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病の改善効果が期待できるとの機構の判断は、妥当であると私も考えます。
また、第III相試験であるGPHZ試験の組入れ基準では、肥満に関連する健康障害として耐糖能異常、高トリグリセリド血症又は非アルコール性脂肪性肝疾患が設定されていましたが、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、薬物療法が必要な疾患又は状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切という機構の判断は、大変妥当なものでして、本剤の適応対象は、2型糖尿病、脂質異常症又は高血圧のいずれかを有し、食事療法及び運動療法をあらかじめ行っても十分な効果が得られず、BMIが27kg/㎡以上で二つ以上の健康障害を有する、又はBMI35kg/㎡以上の肥満症患者とする機構の提案は、これまでのウゴービに関する位置付けとも整合性が取れるものと考えます。
次に有害事象についてですが、実施された三つの第III相試験で発現している主な有害事象は、消化器症状を中心とするもので、既存の2型糖尿病に用いるチルゼパチド製剤で既知の事象であります。既存のチルゼパチド製剤と同様の適切な注意喚起がなされれば、本剤の安全性は管理可能であると私も思います。
とはいえ、この薬剤は、先ほど述べましたように、これまでのGLP-1受容体アゴニストとは異なり、GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニストであるということから、GIP受容体アゴニストとしての作用については、未知な点がまだありますので、今後の慎重な経過観察は必要であると考えます。
最後に、これまでに肥満症治療薬がほとんどなかった状況における本剤の登場は、ウゴービの登場と合わせて大変画期的なものでありまして、肥満症の患者さんにとって福音となるものと思われます。さらに、ただ薬剤に頼るのではなく、治療計画に沿って治療後も食事・栄養療法を継続していただくことにより、治療のモチベーションが上がるように努力していただくことが重要であり、既に承認されましたウゴービとも整合性が取れた、最適使用推奨ガイドラインの作成が望まれるものです。以上です。
○森部会長 稲垣参考人、御発言どうもありがとうございました。それでは委員の先生方から御質問、御意見いかがでございましょうか。
○堀委員 ありがとうございます。今お話に出ましたウゴービとの比較というのが、患者がすごく気になるところだと思うのですけれども、ウゴービに関して今まで使っていた、でもそれで効果が出なかった場合、この薬に簡単に切り替えることということはできるのでしょうか。質問させていただきます。
○森部会長 稲垣参考人、お願いします。
○稲垣参考人 可能であるというふうに考えています。ウゴービは先ほど申し上げましたように、GLP-1受容体のアゴニストであると。今回のゼップバウンドは、GIP/GLP-1のデュアルアゴニストということで、これまでの臨床試験においても、GIP/GLP-1のデュアルアゴニストの方が、より強いHbA1cの低下作用、あるいは体重減少作用が認められていますので、ウゴービで効果が不十分な場合にこちらに切り替えるということは可能であると考えています。ただ、そのときに、例えば、ウゴービを2.4mg使っていたものから、今度、ゼップバウンドに切り替えるときに、また用量を2.5mgまで戻してから増量していかなければならないとか、その辺のところに関してはまだ十分に分からないことがあり、その期間に血糖値が上がってしまうというようなこともあり得るかもしれません。
○堀委員 稲垣先生ありがとうございます。またそれに関連して質問させていただきたいのですが、今ウゴービの場合は、厚労省の最適使用推進ガイドラインで、使用前に半年間の食事療法や栄養指導が規定されていると思うのですけれども、今回のこのお薬に関してはいかがなのでしょうか。
○稲垣参考人 基本的には、これは機構側の人にお答えいただいた方がいいかもしれませんが。少なくともこのガイドライン上では、やはり同様に食事指導を行っていただくことが重要で、その辺はやはりウゴービと整合性の取れたものであるということが必要であるというふうに考えていますが、機構側、それでよろしいでしょうか。
○森部会長 厚労省から補足がございます。
○事務局 ありがとうございます。事務局から説明させていただきます。堀先生から御指摘いただきました点は、最適使用推進ガイドラインの23ページに記載しておりますが、こちらはウゴービ皮下注と同じような規定にしておりますので、同じような内容が記載されていると御理解いただければと思います。
○堀委員 ありがとうございます。患者にとってはやはりそこの部分がかなり重要なところなので、教えていただきありがとうございます。私からは以上です。
○森部会長 ありがとうございました。機構の方から何か全般に補足はございますか。今、稲垣参考人から詳しくお話を伺いました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構ですけれども、こちらから特に追加はございません。実際、ウゴービから本剤に切り替えた際のデータは取得されていませんので、実臨床でどういった使い方がなされるのが適切なのかはまだ未知なところが多いと考えていますけれども、いずれの剤につきましても、今説明がありましたように、最適使用推進ガイドラインの下で使用されるということになりますので、それぞれその基準に合致した患者さんに使われていくということが適当であろうと考えています。以上です。
○森部会長 今、阿古委員から御意見がございますので、お願いします。
○阿古委員 機構側に一つ質問なのですけれども、この薬剤に関しましては、多分、血糖と血圧と脂質異常症なども少し改善が見られているというような御説明だったと思うのですが、今後もこのような薬剤が出てきたときに、多分、体重とか、BMIの低下というのはサロゲートになり得ると思うのですけれども、それのみでこういった薬剤を認めていく方向なのか。その辺りの基本的な考え方、例えばセマグルチドであると、体重の減少と必ずしも心血管イベントの減少というのはパラレルではないかもしれないというデータもあるようですので、こういった薬剤の基本的な考え方として、体重のみで今後も認めていくのか、その辺りの考え方をお聞かせいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えいたします。既承認のウゴービと同様ですけれども、肥満症治療薬に関しましては、現時点での評価としては、体重減少効果に加えまして、体重減少に伴って、関連する健康障害の改善効果も評価しておりますので、基本的にはそのような考えで今後も進んでいくものと考えています。以上です。
○阿古委員 了解しました。ありがとうございます。
○森部会長 ほかに御意見はございますか。前田委員、御発言をお願いします。
○前田委員 私は消化器内科医ですので、その立場から聞きたいのですけれども、日本国内の第III相試験で非アルコール性脂肪性肝疾患の調査をされているのですが、結構、差があると思うのですけれども、国際共同ではされていないのかもしれませんが、最終的にそのことは全く反映されていないのですが、せっかく試験の中に取り入れたのに、最終的に何もコメントがなく、またこれに関しての添付文書上、何の記載もないのですけれども、その辺はどういう理由でなくなったのか、それとも、この中に含む形で何かがあるのかお聞かせ願いたいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構よりお答えいたします。今回、国内で実施されましたGPHZ試験におきましては、組入れ基準としまして非アルコール性脂肪性肝疾患の患者も選択基準として設定されていました。本邦における医療環境等も踏まえますと、本剤の効能又は効果で規定する健康障害は、先ほども御説明差し上げましたとおり、薬物療法が必要な状態であることが明確であり、かつ臨床試験において改善が明らかに認められた健康障害とすることが適切と考えています。今回、効能又は効果に挙げております高血圧、脂質異常症及び2型糖尿病につきましては、これらに合致する健康障害と判断できる一方で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)につきましては、現時点では、診療ガイドライン等を踏まえると、診断された全ての患者に対して薬物療法の介入の臨床的意義が確立している状況とまではいえないと考えています。
GPHZ試験におきまして、肝臓の状態は検討されていましたが、NAFLDに対する有効性が明確に示されているとも判断し難いことから、NAFLDは、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病と同列に、効能・効果で規定する健康障害とまでは位置付けられないものと考えています。ただ、NAFLDにつきましては、肥満症診療ガイドラインで示されております肥満症の診断に必要な11の健康障害に含まれておりますので、2型糖尿病、高血圧又は脂質異常症のいずれかに加えまして、NAFLDを有しているBMI27kg/m2以上の肥満症患者につきましては、本剤の投与対象となります。
○前田委員 ありがとうございます。審査報告書17ページの表12のNAFLDが改善した被験者の割合の表があるのですが、これが余り差がなかったと判断されているということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。GPHZ試験においては、今、先生がお示しいただきました表12の所で、NAFLDが改善した被験者の割合が評価されていたのですけれども、こちらは表の脚注c)の所に記載されておりますとおり、HFFが正常範囲に回復、又はベースラインから30%以上低下したことが改善と定義されたものでした。実際にNAFLDの予後に最も関連する因子として挙げられております肝の線維化につきましては、直接評価はされていませんので、先ほど御説明しましたとおり、現時点のGPHZ試験の結果から、NAFLDを有する肥満症患者で本剤が意義のある有効性を明確に示したとまでは判断ができないのではないかと考えています。
○前田委員 分かりました。ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○森部会長 佐藤陽治部会長代理、どうぞ。
○佐藤(陽)部会長代理 肥満症とか肥満の治療薬だと悩ましいところがあるなと、いつも思うのですけれども。例えば審査報告書24ページの表17と表18を比べて、有害事象、副作用の中に下痢や嘔吐とか食欲減退というのがあって、表17は割とその比率が少ないのですけれども、表18だと割と多いのですね。もともとの被験者の体重も、全体集団よりは日本人の方がかなり低かったりするので、これがアーチファクトになっているのではないかというのが心配なのです。要するに、下痢や嘔吐とか食欲減退という有害事象や副作用と言われているものでは説明できない有効性があるのかということについて、特に表18のような日本人集団で、今後も少し検証していった方がいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構よりお答えいたします。今、御指摘いただいた点は、GPHK試験の全体集団と日本人集団の成績の比較に関する点と思います。御指摘いただいたとおり、有害事象の発現の割合としては、日本人患者さんで少し高いという結果ではあったのですが、日本人を対象とした第III相試験やGPHK試験の投与中止に至った事象の発現割合などを考えますと、日本人で忍容できないというわけではないと考えています。
また、これらの事象で、例えば食欲減退などが有効性の裏返しなのではないかというような御指摘だったかと思いますけれども、その可能性はあるのかと考えており、体重についても、日本人で海外に比べてベースラインの値が低いという傾向は認められているのですが、体重の減少率やBMIで見ますと、海外とほぼ同じ値を示していますので、基本的に日本人で異なる反応性を示すということは余り考えられないのではないかと考えています。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。
○森部会長 稲垣先生、今の御質問にコメントはございますでしょうか。
○稲垣参考人 この薬剤には、まずウゴービに関しても、ゼップバウンドに関しても、つまり、GLP-1アゴニストに関しても、デュアルアゴニストに関しても、いずれも有害事象としてはやはり消化器症状が一定の割合であります。それは食欲が落ちるということと、もう一つは便秘や下痢といったようなもの。食欲の低下というのは、むしろ有害事象というよりは、この薬剤そのものの持っている特性で、それで食事摂取が少なくなるということだと思いますし、消化器症状につきましては、薬剤を次第に漸増していくことにより、減らすことができます。大抵の患者さんは、ゆっくりと増量していくことで何とか耐えられる、いわゆるトレラブルであるというように思いますけれども、おっしゃるとおり、消化器症状、特に下痢や便秘が強い患者さんは、なかなか増量はできないことも現実にはあります。先ほども申し上げましたように、ゼップバウンドは同じ用量で既に2型糖尿病患者さんに使われていて、消化器症状は認められていますけれども、大抵の場合は問題なく使われているということだと思います。消化器症状イコール体重減少ということには必ずしもつながりませんので、食欲低下というところはこの薬剤のある意味、効果ということだと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございました。
○森部会長 患者さんが実際に御使用中に食欲が穏やかに抑制され、早くお腹がいっぱいになり、体重が減りやすくなるというのが、最も理想的な形ではあります。消化器症状が患者さんの日常生活に支障がない範囲であれば忍容性があるということになりますし、それが著しく日常生活に支障を来す場合には、忍容性がないということで、治療中止になるという選択になるかと思います。では、宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。臨床上、糖尿病のときに、消化器症状を逆に有害事象という捉え方ではなくて、食欲低下を含めた様々な消化器症状が出た場合に、それで病気が良くなっていくことを利点として患者さんに説明しながら使用の継続、若しくはドーズアップをしないままでいくという形で、この臨床効果を狙っていくというところがあろうかと思います。糖尿病ではなく肥満を目的とした場合、臨床症状としての消化器症状をどのように捉えるのかについては、糖尿病の治療の概念とはまた少し違うところにあるとして使用を続けていくしかないように考えます。消化器症状をどのように取り扱うのかは、今後のガイドラインも含めて、長期的な使用の際には、注目していかなければいけないものなのかと思っています。以上、コメントです。それから、これが競合品と比べて第1選択なのか、第2選択になるのかということについて、どのように機構はお考えなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御質問について機構よりお答えいたします。ウゴービ、ゼップバウンドにつきまして、直接臨床効果を比較したデータは現時点で得られていない状況であるため、基本的にはウゴービと同様の臨床的位置付けで臨床現場に提供されるものと考えております。以上です。
○宮川委員 了解しました。そういう意味では、先ほど稲垣参考人のお話がありましたように、デュアルアゴニストであるという特性もあるわけですけれども、臨床上は同列として、どちらかを選択するという形で考えていいということで理解してよろしいわけですね。ありがとうございます。
それから、少し細かいことなのですが、20ページの所にあるように、全体集団と日本人集団の所に比べますと、5mgの所では、それほど効果は日本人集団では余りないのですが、10mg、15mgとなってくると、明らかな差が見られるということで、これはベースラインからの体重の変化の所を見ると、明らかに全体集団と日本人集団が違ってくると。15~20kgぐらい違ってくるというところがあるのですが、日本人集団はロードーズからは効かないけれどもハイドーズになってくると効いてくるのは体重の差として考えていけばいいのか、いかがでしょうか。競合のウゴービでのドーズごとの臨床試験結果との比較等も含めて、本品の特徴なのか、その要因はどこにあるのかということについて私は疑問だったので、教えていただきたいと思います。
○森部会長 機構の方、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。頂いた御指摘については、国際共同試験として実施されたGPHK試験の結果というように認識しています。残念ながら5mgが検討された試験はこの試験のみですので、明確なことを言うのは難しいという状況です。こちらの表に示しておりますとおり、日本人部分集団は30例程度ですので、この結果をもって日本人と海外で何か大きく傾向が違うという判断まではしていません。
○宮川委員 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、委員からの御質問や御意見はいかがでしょうか。
では、私から1点。審査報告書65ページに専門協議の内容をおまとめいただいている所があり、専門協議の中の「1.1 安全性に関して」で、特に高齢者に対する注意喚起について委員の方から御質問が出ているようです。この点を少し整理していただけないでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。高齢者に対する注意喚起につきまして、どのように考えているかということの御質問と認識いたしました。今回、実施された三つの第III相試験におきまして、65歳以上、あるいは75歳以上の被験者というのは非常に限られた状況でしたが、この臨床試験では、年齢が高くなるに伴いまして有害事象が増加する傾向ですとか、特定の事象が増加するような傾向は認められていないところを確認しています。
これらの状況を踏まえますと、現時点の状況において、75歳以上とか、65歳以上の高齢者につきまして、新たな注意喚起を行うといったところまでは必要ないと考えているところですけれども、高齢者といいますのは、一般に生理機能が低下しているところがありますので、一般的な注意喚起という形で、添付文書の方に、今現在、患者の状態を観察しながら、慎重に投与することで、一般に生理機能が低下していることが多いという旨の注意喚起をすることで対応しております。
○森部会長 臨床試験の現状ですと、高齢者、特に75歳以上の方が使用した場合の情報がほとんど今は得られていないという状況です。この添付文書の「9.8」の項目につきましては、慎重に投与すること、生理機能が低下していることという、あくまで一般論になっているかと思います。75歳以上の方に使用した場合について、今後、実臨床でその情報が収集されてくる可能性があるわけですが、現時点では、臨床試験で十分そのデータが得られていないことについての記載は、添付文書の中に含めるべきと考えております。
具体的に、一つ上の「9.7」を御覧いただきますと、小児に関しては、臨床試験は実施していないというように明記されています。高齢者につきましても、75歳以上の症例についての臨床試験は極めて限られているという内容を加えて、そこに引用する臨床成績の所に、日本人が参加されている、若しくは国際共同試験でも結構ですが、参加されている症例の中の65歳以上の方のパーセンテージや、75歳以上が実際何例組み入れられているかを、基本的な情報として付記しますと、実臨床の方が参考にしやすいと思います。この点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書におきましては、何か具体的に注意していただきたい点があった場合には記載していくことが基本的な方針かと考えておりますので、高齢者については注意していただきたい点を記載しております。
先生の御指摘の点について、肥満症治療として、高齢者に対する薬物治療については注意していかなければならないことは認識しておりますので、例えば資材などを使って、臨床試験ではこういった患者さん、年齢層、患者数について情報が得られているということを情報提供していく方向で考えていくことはいかがでしょうか。
○森部会長 是非、資材にもお書きいただきたいことは間違いございませんけれども、今の「9.8」の注意喚起の内容ですと、高齢者の方には臨床試験のデータがある中でこのように書かれているというように誤認されるおそれも十分あります。臨床試験にその患者さんが極めて僅かしか含まれていないという点は、明示しておくことが大変重要ではないかと私は考えています。是非、機構でも御検討いただけないかと思います。
○宮川委員 宮川ですが、よろしいですか。
○森部会長 お願いします。
○宮川委員 この審議会の中で機構の方が、添付文書がこうなっているという回答で注意喚起はなかなかされないことが多くあります。部会での発言はお願いベースでしかありませんが、「9.7」と「9.8」の整合性が取れていないところがございます。医療関係者は添付文書をまず先に見るわけですから、添付文書を読み解く道すがらをここで立てることが必要です。是非、部会長が今おっしゃったことを重く受け止めていただいて、機構も含めて、添付文書のこういう書きぶりをしっかりと記載していただくことが臨床上、重要ではないかということを常々申し上げているので、是非それをお願いしたいところであります。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。添付文書について、記載要領に従って記載を検討していたところではございますけれども、本日頂いた御指摘を踏まえまして、どのような記載が可能なのかを検討させていただきたいと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。いつも過去の事例はこうだったということを仰っておられますが、過去は過去であり、将来に向けて書きぶりを都度都度吟味していただくということが重要であると思いますので、是非、御指導いただきたいと思います。部会長の御指摘通りと思っております。
○森部会長 もう1点は資材に関することです。これは実臨床での私の反省も含めてお話しておきたいのです。本剤の同成分のマンジャロや、ウゴービを私はまだ使ったことがありませんが、オゼンピックなどを使用している方がおられます。おおむね患者さんには処方した後の2週間とか4週間後に外来にお越しいただくように御案内しています。患者さんのなかには、初回に投与してから数日後に非常に具合が悪くなり、強い消化器症状が出て、何とか我慢したけれども、もう一回注射をして、やはりひどかったから、やめましたという方が実際におられました。患者さんにお薬を出すとき、次にお越しいただくまでのインターバルの間に患者さんの具合が悪くなる可能性があるときには、連絡してきてほしいことを伝えていますけれども、本剤の場合、忍容性が非常に高い方は全く何の症状もないのですが、この薬剤が苦手な方は、初回や2回目の投与の頃に消化器症状が出て、つらい思いをされることがあります。早期に消化器症状が出た方は、次回の来院を待たずに、医療機関に連絡することの周知を、私の自戒の念を込めまして、是非お願いしたいと思います。稲垣参考人、この点、もしよろしければ少し御助言いただけないでしょうか。
○稲垣参考人 御指摘のとおりで、やはりこの薬剤は消化器症状にも忍容性が得られず使えない患者さんはおられます。そういう患者さんが無理してまた次に打ち続けないように、あらかじめそのようなことを説明する必要があるかと思います。今、御指摘のとおり、どうしても具合が悪いときには連絡する、そういったことも必要かなというように私も思います。ありがとうございます。
○森部会長 資材に詳しくおまとめいただけますように、是非検討いただきたいと思っております。それでは、高齢者に関する臨床試験の状況や注意喚起のこと、それから今の資材に関しておまとめいただきました。そのほかに先生方から御意見はいかがでしょうか。特段御意見はございませんか。
私も先ほどの阿古委員の御質問に賛同するところです。肥満症の治療薬は、長期的には患者さんの長期予後の改善というアウトカムを指標に開発されるべきではないかということです。その開発に非常に年月がかかるということや、サロゲートマーカーの改善については、いずれもリスクファクターとして十分証明されている内容のものが改善することが背景にあり、現在の開発の方針も妥当だと思っておりますけれども、阿古委員の御質問にも賛同するところです。
それでは、議決に入ってよろしいでしょうか。なお、阿古委員、中西委員、前田委員におかれましては、利益相反に関するお申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。
では、審議事項4につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。また、その他事項議題1、最適使用推進ガイドラインにつきましても御確認いただいたものとさせていただきます。
稲垣参考人、長時間の御議論、本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。どうぞ御退室ください。
○稲垣参考人 ありがとうございました。
──稲垣参考人 退室──
○森部会長 それでは、議題7に移らせていただく予定になっておりますが、進行どおりでよろしいですか。それでは、議題7につきまして、機構から概要説明の準備をお願いいたします。○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料No.7、医薬品ウプトラビ錠0.2mg、同錠0.4mg、同錠小児用0.05mgについて、機構より御説明します。資料No.7の審査報告書を御覧ください。
審査報告書の一番下の全31ページの通し番号で5ページの「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。本剤は、プロスタサイクリン受容体作動薬であるセレキシパグを有効成分とする経口剤であり、本邦では肺動脈性肺高血圧症(以降、「PAH」)治療薬として2016年に承認され、成人の用法・用量が確立しています。今般、国内外の臨床試験成績を基に、PAHの効能・効果に2歳以上の小児での用法・用量を設定する医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請、並びに小児用製剤である0.05mg錠の剤形を追加する医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、2024年9月現在、小児のPAH患者を対象とした臨床試験が実施中です。なお、本剤は、本申請に係る効能・効果にて、希少疾病用医薬品に指定されています。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に御説明します。まず、本剤の臨床開発計画について御説明します。本薬に関しては、成人のデータの活用が可能と考えられたことから、日本人小児のPAH患者を対象とした臨床試験を実施し、実施済みの成人のPAH患者を対象とした国内臨床試験の成績との類似性を確認することにより、小児のPAH患者に対する本剤の有効性及び安全性を評価する開発方針が取られました。
本剤の有効性について、通し番号11ページの表7を御覧ください。表7に示すように、小児のPAH患者を対象とした第II相試験において、主要評価項目である投与16週時の肺血管抵抗係数(以降、「PVRI」)のPVRIのベースラインからの変化量について、事前に規定した成功基準を達成しました。また、PVRIの変化の程度は成人のPAH患者を対象とした国内臨床試験のPVRIの変化量に劣らないと考えられました。症例ごとの有効性については、通し番号15ページの表10を御覧ください。6例中5例でPVRIが低下し、その他の評価項目も踏まえ、多くの症例で有効性が示唆される結果でした。以上より、小児のPAH患者においても、成人と同様の有効性が期待できるものと判断しました。
続いて、安全性について、通し番号17ページの表12を御覧ください。現時点では、小児患者で成人患者よりも安全性の懸念が増大する傾向は認められませんでした。しかしながら、小児のPAH患者における嘔吐の発現割合が比較的高かったことなどを踏まえ、「用法・用量に関連する注意」の項において、小児において投与初期に嘔吐が認められる旨を新たに注意喚起することといたしました。また、小児での試験成績が限られており、使用に際しては用量調節を含め慎重な判断が必要となること等から、本薬の小児のPAH患者に対する投与は、成人と同様にPAH治療に十分な知識及び経験を有する医師により行われるべきと判断いたしました。
その他の審査上の論点について御説明いたします。0.05mg錠の使用方法について、通し番号20ページからの「7.R.6.3 小児用製剤の使用方法について」の項を御覧ください。小児の用法・用量の追加に合わせて、今回新たに開発された0.05mg錠では、必要な服用錠数が多くなりますが、直径が約3ミリと小さく、自動分包機による一包化ができません。一方で、服薬錠数を少なくするために、既存の0.2mg錠又は0.4mg錠を0.05mg錠と組み合わせて用量調節を行う場合、調剤の複雑化や投与過誤が生じるリスクがあります。以上より、用量調節段階では既存の錠剤と0.05mg錠を組み合わせて使用することのないよう、0.05mg錠のみを用い、一用量を決定した後は0.2mg錠と0.4mg錠の組合せ、又は0.05mg錠のみを用いて投与することが適切と判断いたしました。また、0.05mg錠の錠数の多さによる調剤や服薬の煩雑さへの対策として、専用のおくすりケースでの提供が予定されています。このケースを用いて調剤が行われ、そのケースごとに患者様に交付されるという使用方法になります。このおくすりケースを用いた調剤及び投与については、紙での説明資材を配付するとともに、調剤方法については動画で確認することも可能とし、十分な情報提供と説明を行う予定でおります。
なお、川上委員より事前におくすりケースが一つ当たり0.05mg錠7日間分を充填するというところから、処方日数が7日単位でない場合の対応について御指摘いただいております。申請者と協議して、処方日数については、おくすりケースの仕様上、7日単位での処方を医師に検討していただくこと、7日単位で処方されなかった際は、一度、7日分の錠剤を詰めた後に不要な日数分の錠剤をケースから除いて調剤することについて、医療従事者用の資材に記載することになっております。
以上のような検討を行った結果、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。本申請は希少疾病用医薬品かつ新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果及びその用法・用量の再審査期間は6年1日とすることが適当であると判断しております。薬事審議会では報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
説明は以上になりますが、先ほど御説明させていただいたとおり、0.05mg錠は、おくすりケースでの提供が予定されており、そのおくすりケースが余りなじみのない方法と思っていますので、およそ90秒程度の使用動画を用意しておりますので、事務局の方、流していただいてもよろしいでしょうか。
○事務局 今、画面共有させていただきました。再生いたします。
──動画再生中──
○森部会長 よろしければ、リアルタイムで動画の解説をしていただければと思います。○医薬品医療機器総合機構 今、1回量を決める作業をやっています。1回量を決めて、実際にこれから充填の作業に進んでいきます。充填しています。両面ありまして、両面同じく充填されている状況になります。充填が完了しました。おくすりケースの蓋を閉じて、このケースごと薬局で患者さん又は保護者に手渡されます。以上です。
──動画再生終了──
○森部会長 御説明ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。堀委員、どうぞお願いします。○堀委員 おくすりケースについて動画も見せていただき、ありがとうございます。やはり、この一つの粒がすごく小さいので、小さいお子様も、結構、飲み込めてしまう。
例えば、お菓子でも、これぐらいの小さいものをラムネとかで幼児の方が食べているのを私も見たことがあるので、そういうことを考えると、このチャイルドレジスタンスの観点から、今、蓋が閉められていて、あの蓋が簡単に開けれるかどうかというのが、今拝見していててすごく心配になったのですけれど、そこはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。機構より回答いたします。蓋なのですが、お子様の誤飲を防止するために少し開けづらい状況になっていて、サイドに押す所があって、それを押さないと開かないという、誤飲を防止するような工夫はなされております。
○堀委員 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 実物があります。
○堀委員 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 工夫としては、ここが開けづらくなっているものになります。
○堀委員 すみません、実物も持ってきていただいて、ありがとうございます。ちょっと開けづらい感じはいたしました。ただ、多分、保護者の方は初めて見るかと思いますし、今まで私もこういうケースを見たことがないので、そこに関しての使い方において、処方箋薬局で渡されるときに開け方の説明はあり、実際に薬を出す場合は、説明どおりに蓋を開ければ、錠数が多く出すぎるというようなことはないと理解してよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。1列分だけ開けて逆さにして出すという工夫が施されています。
○堀委員 ありがとうございます。そうすると、蓋を開けて引っ繰り返しても出ないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 出ないです。
○堀委員 出ないですか。ありがとうございます。なるほど。では、蓋を開けて引っ繰り返してもキャップを開かないと出ない。
○医薬品医療機器総合機構 各箇所にストッパーが付いているので、必要分だけ開けて取り出すという機構になっております。
○堀委員 ありがとうございます。非常にそこが心配でしたので。ただ、私が保護者なら、それを説明されても、最初はすごく理解が難しいかと思います。本当に薬局では分かったと思っても、うちに帰ってから、あれ、どうするのだっけと思ってしまうことがあると思うので、資材に関しては詳しく書いていただくと有り難いと思いました。以上です。ありがとうございます。
○森部会長 そのほか、御質問いかがでしょうか。厚労省からお願いします。
○事務局 事務局です。川上委員は所用により途中退室していまして、こちらのチャットにコメントを事前に頂いておりますので、事務局で代わりに読み上げさせていただきます。
「本薬の小児用製剤のように、小児医療や希少疾患の領域では、特殊な剤形の製剤が今後は増加することが予想されます。このような使用方法が一般的ではない医薬品については、患者や家族への服薬説明がより重要になりますので、日本薬剤師会としては、現場の薬剤師が十分に対応できるように取り組む所存です。なお、保険制度に関しては医薬品第一部会の本論ではないと理解しておりますが、例えば吸入製剤については、医師と連携して薬剤師が吸入指導を行った場合の評価があります。本薬の小児用製剤のような特殊製剤の服薬指導上の工夫についても、評価に十分値すると考えられますので、御高配いただきますようお願いします。」
以上となります。
○森部会長 今、川上委員からの御意見を代読いただき、ありがとうございます。この件に関して、何か御意見ありますか。よろしいですか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。非常に工夫された形で、小児に対してより優しい形で服用できる形になっているのですが、これが臨床で食後になっているのですが、おなかいっぱいになっている小児が果して小さくても飲むのかという懸念があるので、これは嘔吐が副作用の中に入っているのですが、食中の服用のようなことは考えられないのでしょうか。食後でなければ駄目な薬剤でしょうか。臨床上、食後としてしか臨床試験をやっていないから食後なのか、薬剤特性としてでしょうか。食中で食べている途中に服用させることは、小児の場合、2歳や3歳とか、それから、例えば、服用時にゼリーなどを使うという形になると、それが食後なのか食中なのか、どういう解釈をしていいのでしょうか。何を混ぜて飲んでいいのか、いけないのか、それについて何かコメントはあるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答させていただきます。基本的に推奨されるのは水となります。水以外の分散、食べ物を混ぜて服薬することについては、申請者に確認したところ、現時点では水以外に分散可能な飲食物の検討が十分になされていないため、薬剤師からの問合せがあった際に回答できるよう準備すると聞いております。
○宮川委員 ありがとうございます。ですから、水以外のどろどろした物を含めて、何が使えるのか、何が使えないのかということも、臨床上、非常に重要なことです。お母さんとしてはなかなか飲ませにくいというところが単独では想定されるので、是非、申請者と協議して、何が使えるのかということについての検討をよろしくお願い申し上げます。
○森部会長 機構の方に1点お伺いしてよろしいでしょうか。本剤の0.05mg錠については、先ほど御紹介いただいた専用の薬剤ケースで処方するということ、これは運用として決定されているということでよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。御理解のとおりです。
○森部会長 添付文書上には、専用の薬剤ケースを使用するという文面が特に載っていないのですが、処方過誤の予防の観点からは、そのことも付記されてはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答します。部会長から御指摘いただいたところ、チームでも検討したのですが、今回の本薬0.05mg錠のようなミニタブレットという剤形については、今後、様々な提供の形がとられる可能性があり、流動的であるため、タイムリーに対応しやすい資材での情報提供が適しているのではないかと考えている次第です。
○森部会長 今、私が発言した意図というのは、いわゆる院外調剤薬局での処方過誤がないようにということで、つまり、うっかり薬物現物を渡してしまわないようにするために、添付文書上に、専用ケースで処方するということを明示したらどうかということを今申し上げたのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 頂いた御意見を踏まえて、申請者と協議させていただきます。
○森部会長 ありがとうございます。矢野委員から御意見を頂きます。どうぞ、お願いします。
○矢野委員 添付文書なのですが、これは0.05mgの記載がないのは、別のものがあるのでしょうか。
○森部会長 既定の添付文書の下の方に0.05mg錠の添付文書がもう一つ載っています。
○矢野委員 もう一つ別に。
○森部会長 スクロールしていただくとあります。こちらを御参照ください。
○矢野委員 ありがとうございます。当然のことながら、同等性試験はやっておられて、全くこのミニタブレットと同じということを確認されているということですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構より回答いたします。御理解のとおりです。
○矢野委員 ありがとうございます。
○森部会長 それから、本剤の有効性、安全性、全般に関して、循環器御専門の先生から御意見、御発言がありましたら、お願いいたします。もし、よろしければ阿古先生、御発言いかがでしょうか。
○阿古委員 基本的には、やはり、この肺高血圧症は非常に治療が難しい領域でありますし、治療のオプションはあった方がいいのではないかと考えますので、これは非常にいいものではないかと個人的には思っております。ありがとうございます。
○森部会長 ありがとうございます。佐藤直樹委員、御発言がありましたら、お願いいたします。
○佐藤(直)委員 やはり、同様に非常に重篤な疾患ですので、しっかり治療ができる状態を作ってあげるのは必要だと思います。ただ、先ほどから錠剤のいろいろな資材についての話がありましたので、その辺を間違えて内服しないような状況はしっかりと確立して対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森部会長 ありがとうございました。小児御専門の中西先生はいかがでしょうか。
○中西委員 御議論ありがとうございます。このような小さなお子さんへの薬の開発を、ああいったデバイスを使ってしていただけることは大変有り難いと思います。先ほど、循環器の先生がおっしゃったように、こういった重篤な領域でオプションが増えることはすばらしいことと思います。以上です。
○森部会長 どうもありがとうございました。そのほか、先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入らせていただきます。では、本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議ないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告とさせていただきます。
続いて、議題6及び議題10に移らせていただきます。議題6と議題10については関連する議題ですので、まとめて御議論いただきたいと思います。議題6について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料No.6、「タウヴィッド静注」について機構より説明いたします。資料No.6の審査報告書を御覧ください。審査報告書の全40ページの通し番号で4ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。アルツハイマー病(以下、「AD」)では、神経細胞外でアミロイドβが凝集及び蓄積してアミロイドプラークが形成され、それに続いて神経細胞内でリン酸化されたタウが凝集及び蓄積し神経原線維変化が形成されることで神経細胞死に至り、認知機能の低下などの臨床症状が発現すると考えられています。本剤は、タウに結合する低分子化合物であるフロルタウシピルを放射性フッ素で標識したPET検査用の放射性診断薬です。今般、国内外の臨床試験成績等に基づき、本剤の製造販売承認申請がなされました。
本品目の審査の概略について、臨床試験成績を中心に説明いたします。有効性について、通し番号17ページ、表12を御覧ください。本剤の診断能を示す臨床試験成績として、治験責任医師により余命6か月以内と診断された50歳以上の被験者を対象とした海外第III相試験(A16試験)の成績が提出されました。A16試験の主要評価項目は、剖検時のタウの病理学的所見を真のスタンダードとした場合のPET検査画像に基づく読影結果の感度及び特異度とされ、いずれも事前に設定された評価基準を満たしたことから、本剤を用いたPET検査により、一定の精度で脳内タウ蓄積の有無を検出できると判断しました。
続きまして、通し番号20ページ、表14を御覧ください。本剤を用いたPET検査を実施することの臨床的意義を説明する臨床試験成績として、ADによる軽度認知症障害及びADによる軽度の認知症患者(以下、「早期AD患者」)を対象に、ドナネマブの有効性を検証することを目的として実施された国際共同第III相試験(AACI試験)の成績が提出されました。AACI試験では、本剤を用いたPET検査により軽度から高度の脳内タウ蓄積が認められた早期AD患者が対象とされ、表14の結果などから、当該患者集団において、ドナネマブの臨床的有用性が示されたと判断されております。したがって、AACI試験の結果から、本剤を用いたPET検査について、ドナネマブの有効性が期待される早期AD患者を特定する上での性能は示されていると判断しました。
安全性については、通し番号29ページ、表22に示します臨床試験28試験に加え、AACI試験において本剤が投与された被験者における安全性に基づき検討しました。これらの臨床試験において認められた本剤との因果関係が否定できない有害事象の多くは軽度又は中等度であり、本剤との因果関係が否定されなかった重篤な有害事象についても患者背景が影響した可能性が高いと考えられることを踏まえると、本剤投与により臨床的に懸念される安全性の問題が生じる可能性は低いと判断しました。
以上のような検討を行った結果、本剤を、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者におけるドナネマブの適切な投与の補助」の効能・効果にて承認して差し支えないとの結論に達し、当部会において御審議いただくことが適当であると判断いたしました。
本剤は新有効成分含有医薬品であることから再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、続きまして、議題10につきまして、事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。議題10、放射性医薬品基準の一部改正について、御説明いたします。資料10を御覧ください。改正内容を1ページの2ポツ目に記載しております。今回、「タウヴィッド静注」の審議に際して、有効成分であるフロルタウシピルについて、放射性医薬品基準の医薬品規各条に追加することとしております。具体的な制定内容は2ページ以降を御参照ください。必要な試験方法等を追加するものになります。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御意見、御質問がございましたらお願いいたします。佐藤雄一郎委員から御質問です。お願いいたします。
○佐藤(雄)委員 よろしくお願いいたします。直接、薬の承認と直結する問題ではないのですが、資料の15/40ページの所のA16試験で、余命6か月以内と診断されていることとされておりました。余命6か月以内というのは、恐らく剖検をしたいからなのかなというふうに推測したのですが、それでよろしいでしょうか。それと、余命6か月以内と診断されたというのは、具体的にはどのような診断だったのかということについて教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。機構より回答させていただきます。まず1点目の対象患者についてなのですが、この点に関しては、コメントを頂いたように、剖検を最終的には行いたいということがありまして、そういった患者さんを対象にしました。2点目の質問なのですが、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。
○森部会長 お調べいただいている間に恐縮でございますが、石川委員、議題6につきまして、何か特に御発言がございましたら御発言をお願いします。機構から回答が出ましたら佐藤先生の御質問にお答えしますので、石川委員、いかがでしょうか。
○石川委員 私自身は特に懸念事項、質問はございません。この安全性の部分も注意して拝見しましたが、よろしいかと思います。必要性に関しては、この資料にもお書きになっていらっしゃるとおり、私ども日常の診療においては、この検査は非常に重要であると思いますので、大筋、私はこれでいいかなと思っております。以上です。
○森部会長 石川先生、どうもありがとうございました。では、機構の方、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 2点目の御質問について機構よりお答えさせていただきます。調べておったのですが、明確な記載が見付かりませんで、後日、御報告をさせていただくことでよろしいでしょうか。
○佐藤(雄)委員 はい、先ほど申し上げましたとおり、承認の可否には直結はしませんので、それで結構です。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。そうしましたら、そのように御報告をさせていただければと思います。
○森部会長 そのほか、議題6、議題10につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。特段ございませんでしょうか。
では議決に入らせていただきます。なお、阿古委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。少々お待ちください。1分ほどお待ちいただいてから議決に入らせていただきます。
それでは、議題6につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題10につきまして、こちらも審議でございますので、改正を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、改正を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題2に移らせていただきます。議題2につきまして、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料No.2、医薬品ヒフデュラ配合皮下注の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。
資料No.2の審査報告書を御覧ください。審査報告書の一番下、全29ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(以下、「CIDP」といいます)は8週間以上にわたり進行性又は再発性の経過をとり、四肢筋力低下及び感覚障害を来す自己免疫性疾患であり、本邦では指定難病とされております。CIDPは、50%以上の患者で、典型的CIDPとして上肢及び下肢の近位筋と遠位筋が同様に障害される特徴がありますが、CIDPバリアントと称される臨床病型が報告されており、多様な臨床像を示す疾患とされております。治療後も再発・寛解を繰り返し、疾患が進行すると、不可逆的な障害を引き起こす可能性があり、日常生活や精神状態に深刻な影響を及ぼすとされております。
本剤は、FcRnを標的とするアミノ酸残基を改変したヒトIgG1抗体Fcフラグメントであるエフガルチギモドと結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解するボルヒアルロニダーゼを含有する皮下投与製剤であり、本邦では、2024年1月に全身型重症筋無力症に係る効能・効果で承認されております。海外では、本剤は欧米を含む4の国又は地域で承認されており、CIDPに対しては、現時点で米国では承認されており、欧州では審査中です。2020年4月から実施された本邦を含む国際共同試験の成績に基づき、本剤の医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。なお、本剤は希少疾病用医薬品に指定されております。本審議の専門委員として、資料No.16に記載されている4名の委員を指名しております。
それでは、審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、審査報告書通し番号10ページの表5及び次の11ページの図1を御覧ください。プラセボ対照二重盲検無作為化治療中止試験である国際共同試験(以下、「1802試験」といいます)の二重盲検治療中止期におけるベースラインから臨床的悪化が最初に認められるまでの期間は、プラセボ群と本剤群との間に統計学的な有意差が認められました。続きまして、通し番号16ページの表12を御覧ください。日本人CIDP患者についても全体集団で同様の傾向が認められました。また、同じ16ページの表12の下の「さらに」から始まる段落を御覧ください。1802試験の非盲検期に臨床的改善が確認された被験者の割合は66.5%であり、有効性評価項目等が異なることから比較に限界はあるものの、過去に実施された静注用免疫グロブリン製剤の臨床試験成績と比べて、臨床的改善の割合は高い傾向が認められました。
以上の1802試験成績等を踏まえ、機構の判断について、通し番号17ページの中段の「機構は、以下のように考える。」以降の段落を御覧ください。1802試験成績は、本剤の投与により臨床的改善が確認された被験者のみを対象とした結果であることに留意が必要と考えておりますが、本剤を長期的に継続して投与することにより、CIDPの臨床的悪化のリスクを減少させることは期待できるものと判断いたしました。この判断は、専門協議においても支持されております。
次に安全性について、通し番号18ページの「7.R.2 安全性について」の項を御覧ください。提出された試験成績等を検討した結果、本剤の使用にあたっては、本剤の既承認の効能・効果である全身型重症筋無力症に対する本剤の使用時と同様に、感染症及び過敏症反応関連の有害事象の発現に注意を要しますが、当該事象も含め、全身型重症筋無力症と同様の安全対策の下で使用されることで、日本人CIDP患者における本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、希少疾病用医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果の再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。薬事審議会には報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 説明どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。御専門の石川委員、御発言はいかがでしょうか。
○石川委員 ありがとうございます。こちらの内容も非常に重要な薬で、安全性も特に大きな問題はないと思いますので、この書類のとおり、私もそのように考えます。
なかなか分かりにくい病気で、委員の先生には分かりにくいかもしれませんが、やはり再発と寛解を繰り返す疾患で、現行の治療では不十分なケースもかなりあると御認識いただきますと、この薬の期待度というのが大きいというのがお分かりいただけるかと思います。以上です。
○森部会長 ありがとうございました。石川先生、審査報告書の表11に様々なスコアによる改善度のデータも詳しくございますが、この内容は、どのような形で臨床に提供していけばよろしいでしょうか。
○石川委員 表11ですか。
○森部会長 はい、そうです。
○石川委員 特に下の三つはよく使われまして、これはこのままでいいかなと思います。上の二つはやはり説明が必要で、これ、表11ですから、16/29ページのことをおっしゃっていますね。
○森部会長 はい、そうです。
○石川委員 上の二つ、調整INCATスコアとかI-RODSスコアというのは、中身を説明する必要があろうかと思います。握力はここにお書きのとおりで、よくお分かりになると思います。MRCスコアというのも使われることはよくありますので、この三つはそのままでよろしいかと思います。これで答えになっていますでしょうか。
○森部会長 この情報をどのような形で、例えば、インタビューフォームですとか、資材若しくは添付文書の記載等、どのような形にしていけばよろしいでしょうか。
○石川委員 インタビューフォームですか。そこはよく検討していませんけれども。
○森部会長 分かりました。インタビューフォームで、スコアの説明も含めて検討いただくということでいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 副次評価項目の結果については、インタビューフォームや、作成予定の適正使用ガイドに記載して情報提供するように、申請者と調整したいと思います。
○森部会長 より臨床的な指標として御紹介いただくということで御検討いただきたいと思っています。ありがとうございます。それから、安全性に関して、1例、本剤群で、肺炎で亡くなった方がいらっしゃるということで、因果関係が否定されていないということです。使用中止後かなり長期たってからということですが、説明を頂いてもよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 部会長より御指摘いただいた症例は、審査報告書の通し番号11~12ページにあります肺炎の事象と認識しております。こちらについて、先ほど部会長より本剤群と御指摘いただいたのですが、こちらは二重盲検治療中止期ではプラセボ群です。プラセボ群であるものの、二重盲検下で、治験責任医師は因果関係の評価したことにより、恐らく因果関係が否定されなかった事象として報告されたと認識しております。
その上で、当該症例は非盲検期で本剤が投与されていたため、審査において、注意喚起等の必要がないか確認いたしました。その結果、通し番号12ページの注釈19に記載しているとおり、本剤投与終了後、281日後に肺炎が発現している症例ということで、本剤を投与してからかなり時間がたって死亡まで至っているということもありますので、申請者の方では、事後に評価をして、因果関係なしと判断をしておりまして、機構としてもその判断は妥当と判断しました。
○森部会長 今の御説明で、特に記載の必要なしということで理解いたしました。ありがとうございました。そのほか、先生方から御意見、御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続きまして、議題3に移ります。機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料No.3、医薬品クアルソディ髄注100mgの製造販売承認の可否等について、機構から御説明いたします。資料No.3の審査報告書を御覧ください。初めに、審査報告書の一番下、全72ページの通し番号で5ページ、「1.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等」の項を御覧ください。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位及び下位運動ニューロンの進行性変性を来す神経変性疾患であり、全身の骨格筋の筋力低下及び筋萎縮の進行を症状の中心とし、進行すると日常生活動作が次第に困難となります。本邦におけるALSの1年間の人口10万人当たりの有病率は9.9人と推定されております。ALSの約2%を占める、SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症(SOD1-ALS)は、その発症機序は完全には解明されておりませんが、SOD1遺伝子の変異によって異常な機能を獲得した有害なSOD1タンパク質の蓄積が原因であると考えられております。
本剤は、SOD1 mRNAの3’非翻訳領域を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、SOD1 mRNAの分解を促進することで、SOD1タンパク質の合成及び蓄積を減少させ、運動ニューロンの変性を阻止することが期待されております。今般、SOD1-ALS患者を対象とした国際共同第III相試験を含む臨床試験成績に基づき、本剤の有効性及び安全性が確認できたとして、製造販売承認申請が行われました。なお、本剤は希少疾病用医薬品に指定されております。
海外では、本剤はSOD1遺伝子の変異を伴うALSに係る効能・効果に対して、2023年4月に米国で、2024年5月に欧州で、また2024年9月に中国で承認されております。本申請の専門委員として、資料No.16に記載されている9名の委員を指名しております。
本品目の審査の内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。まず、審査方針に関する内容を御説明いたします。審査報告書の通し番号34ページの表28を御覧ください。SOD1-ALS患者を対象に、国際共同試験として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(101試験パートC)が実施されました。主要解析対象集団であるmITT集団における、主要評価項目である「投与28週時のALSFRS-R合計スコアのベースラインからの変化量」について、プラセボ群と比較して本剤群でスコアの低下が小さい傾向は認められたものの、本剤群とプラセボ群の間に統計学的に有意な差は認められませんでした。この理由について、審査報告書通し番号42ページに記載のように、申請者は主に、事前の想定よりも被験者の症状進行が遅かったことや、プラセボ群よりも本剤群でベースライン時の疾患進行速度が急速であった患者が多く組み入れられた可能性があることが影響した可能性がある旨を説明しております。
これに対し、機構の審査方針としては、通し番号38ページ、「7.R.1 本剤の有効性等の評価方針について」の項を御覧ください。SOD1-ALSの疾患進行の不均一性を考慮すると、試験計画時に本剤群及びプラセボ群の疾患進行を予測することが困難であったことは理解するものの、本剤の有効性を検討するためには、本来、101試験パートCの結果を踏まえて、追加の試験を計画及び実施することが適切であったと考えます。しかしながら、SOD1-ALSは極めて希少で重篤な疾患であり、本剤は米国及び欧州において既に承認され、ALSに関する欧州神経学会のガイドラインでは、SOD1遺伝子変異を有する進行性のALS患者に対する本剤の使用が推奨されている状況であること等を踏まえると、SOD1-ALS患者を対象とした国内外での、プラセボ群を含む新たな検証的試験の実施可能性は極めて低いと考えられます。
以上を踏まえて、機構は、現在得られている101試験パートCの主要及び副次評価項目の試験成績や、長期継続投与試験である102試験の成績も併せて本剤の有効性を確認する方針といたしました。
本剤の有効性の結果については、先ほど御説明した審査報告書の通し番号34ページの表28のとおり、101試験パートCの主要解析において、点推定値の比較においてはプラセボ群と比較して本剤群でスコアの低下が小さい傾向が認められ、その群間差は1.2でした。ALSFRS-R合計スコアが1ポイント低下すると、死亡又は気管切開のリスクが7%上昇するとの報告も踏まえると、パートCの結果から、本剤投与時の一定の有効性は期待できると考えております。
また、長期的な有効性について、通し番号44ページ表38と図3、45ページの表39を御覧ください。長期継続試験である102試験のデータも踏まえた統合解析の結果、104週時点までのいずれの評価時点においても、本剤がより早期に投与開始された本剤群において、ALSFRS-R合計スコア変化量の点推定値の低下が小さい傾向が認められております。続いて、通し番号45、46ページの表40、図4、図5を御覧ください。102試験のデータも含めた統合解析の結果、死亡又は永久人工呼吸器装着に至った被験者の割合は、本剤群でより低い傾向が示唆されております。その他、呼吸機能等の各評価項目についても、本剤の有効性を否定するような結果は得られておりません。
以上、101試験パートC及び102試験から得られた結果等から、機構は、SOD1-ALS患者に対する本剤投与時の有効性は期待でき、本剤を本邦の医療現場に提供する意義はあると判断いたしました。この評価方針及び機構の考えについては、審査報告(2)に記載しておりますとおり、専門協議でも支持されております。
続いて、安全性について、通し番号51ページから始まる「7.R.3 本剤の安全性について」の項を御覧ください。提出された臨床試験成績等を検討した結果、本剤の投与にあたっては、脊髄炎、神経根炎、視神経乳頭浮腫、頭蓋内圧上昇、無菌性髄膜炎などの発現に特に注意する必要があるものの、これらの事象について適切な注意喚起を行い、また、本剤についての十分な知識と、ALSの診断、治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用する旨についても注意喚起を行うことで、SOD1-ALS患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断いたしました。
以上の審査を踏まえて、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は希少疾病用医薬品としての申請であることから、再審査期間は10年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しております。薬事審議会には、報告を予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 それでは、委員の先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。本件も、御専門の石川委員、御発言はいかがでしょうか。
○石川委員 結論的には機構のおっしゃるとおりで、格段の非常に大きい懸念はないと思っております。必要性は、委員の先生方皆様はよくお分かりだと思いますが、この筋萎縮性側索硬化症は非常に重篤な疾患で、特に、今回のこの議題で問題にしているのは、遺伝性の筋萎縮性側索硬化症で、日本においては一番多いタイプの疾患で、それに対する初めての疾患修飾薬ということで、有効性は臨床的な指標では非常に強いものではなくて、バイオマーカー等を用いて、あるいは今御説明いただいたような図のカプランマイヤー上の差などで示されるものですが、原理的にも、副作用が大きくなければ、この薬の必要性や意義は非常に大きく、患者さんの期待も非常に大きいものだと思いますので、結論的には私も賛同いたします。細かい点で機構に確認したい点があるのですが、よろしいでしょうか。
○森部会長 どうぞ、お願いします。
○石川委員 非常に細かいことで恐縮なのですが、72分の54ページの4行目に「肺塞栓症はALS患者によく認められる事象であり」という所なのですが、よく認められるというと、非常に違和感があります。この原著にも当たってみましたが、3%程度ということですから、「よく」という言葉は使わない方がいいのではないかと思いました。健常の方と比べると、ALSの患者さんに多い傾向があるということだと思いますので、そのように考えておりますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおり、機構としても、健康成人と比較してALS患者で多く認められるという意図で記載しております。
○石川委員 ありがとうございます。取りあえず、私からは以上です。
○森部会長 ありがとうございました。今回は、有効性の検討に用いているデータが、二つの臨床試験の統合データということもあり、柴田委員にも事前に少しお伺いして、御意見を伺うことになっております。柴田委員、御発言よろしいでしょうか。
○柴田委員 国立がん研究センターの柴田です。機構の方に、1点事実関係を教えていただきたいのですが、32ページに今回の試験のエンリッチの方法について記載されています。エンリッチされていない集団も、この臨床試験の成績が出ているわけですが、機構としては、このエンリッチの有無にかかわらず、有効性の傾向は同様であるとお考えであると理解してよろしいのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりです。
○柴田委員 一つだけ、解釈について追加で確認したいのですが。ベースラインの偏りがあったというのも有効性の証明が難しかった理由の一つではないかという考察がされていますが、ITT集団とmITT集団で余り効果に差がないということであれば、ベースラインの偏りの話は余り群間差を薄めることに大きな影響を与えないのではないかと思うのですが、そこについてはどう考察されているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりと考えております。その他の要因についても考察されているのですが、特にどこが最も大きな要因というものではなく、様々な要因が複合してこのような結果になったのだろうと考えております。
○柴田委員 ありがとうございます。いろいろな要因があって、それが特定できていないということであれば、やむを得ないかと思います。解釈として、本剤の有効性が厳密な形で証明されたとまではいえないとは思いますが、有効性が一定程度期待できるという機構の書かれている結論は、受入れ可能なのではないかと思います。
こういう場合ですが、エビデンスが不十分であるということの情報提示が重要だと思います。添付文書を拝見したところ、重要な事項が記されていると思いますし、書きぶりが難しいという御指摘があれば修正していただく必要があるかもしれませんが、サイエンティフィックに書くべきことは盛り込まれていると思いますので、そこも適切に対応がとられていると思います。
計画と結果を突き合わせてみますと、多様な背景の患者集団の中で、どのように対象を絞り込めばよいかというのが、まだ解決できていない課題だと考える次第です。現時点では、それは分からないと言わざるを得ないということは事実で、その点は認めざるを得ませんが、ほかに十分な選択肢がないという制約がある中での判断としては、機構の審査報告書の結論を支持したいと思います。私からは以上です。
○森部会長 柴田先生、どうもありがとうございました。本剤の副作用に関する情報も詳しく収集されており、本剤を御使用なさる患者さんにとってのリスク・ベネフィットを考える上では、本剤の添付文書に今書いていただいています「8.2」の項目、並びに「11.」の項目等に詳細に記載がありますが、この内容の記載でよろしいか、石川委員、御意見はいかがでしょうか。石川委員、添付文書の「8.2」及び「11.」の項目の記載は、いかがでしょうか。
○石川委員 そうですね、「8.2」の特に脊髄炎、視神経根炎、この辺りは4ページの一番下に「あらわれることがある」と書いてあります。確かに、あらわれることがあるのですが、もう少し強調してもいいのかとは思いました。具体的には、例えばここが脊髄炎となっています。脊髄炎、視神経根炎。もちろん間違いではないのですが、視神経脊髄炎の症例が、先ほどの審査報告書では詳しく書かれていたと思いますが、その項目をもう少し詳しく書いてもよろしいかと思いました。ちなみに、審査報告書ではNMOSDと書かれているのですが、その文言に直接合う言葉は、ここにはないといえばないので、そのように感じた次第です。
○医薬品医療機器総合機構 NMOSDの症例については、審査報告書54ページの表52に症例の経過をまとめておりますが、この患者さんは、ELISA法によるアクアポリン4抗体が陽性ではあるものの、NMOSDに特徴的な視神経炎は認められず、脊髄炎のみを認めた症例となっております。本剤投与による脊髄炎の可能性も否定はできないものの、NMOSDが本剤投与により引き起こされたかどうかについては明確ではないと、機構は考えております。
また、この症例は、ELISA法でアクアポリン4抗体陽性であったのですが、セルベースドアッセイでは陰性でありました。以上も踏まえて、NMOSDについては添付文書上で特別に注意喚起することはせず、今後、資材で医療従事者に情報提供を行った上で、市販後に適切に情報収集を行っていくことが適当と考えております。
○石川委員 診断としては、今おっしゃったとおり、NMOSDがこの薬によって起きたのだというはっきりとした証拠がないというのは、頂いたデータを見ますと私も同感です。ただ、一方では、疑いは晴れないとも思うのです。抗体価も、もちろんセルベースドアッセイではなくても、一時できたものがしばらくたって消えたと書いています。ですので、やはり疑いは晴れないのかなと、因果関係は明確ではないけれども。というふうに考えますと、書いて悪くはないかなと思ったということであり、絶対書いた方がいいというほど強くはありませんが、そのように考えた次第です。
○医薬品医療機器総合機構 NMOSDに係る診療ガイドラインでは、ELISA法ではセルベースドアッセイ法に比べると感度・特異度の低さが指摘されているところであり、今回、ELISA法では陽性だったけれども、セルベースドアッセイでは陰性であったというところも踏まえて、添付文書の重大な副作用の項においてNMOSDを記載することは不要と判断したところです。
○石川委員 もう一つ、この方はMRIでも、結構はっきりというか、ある程度の長さを持った異常が出ていらしたみたいです。私たち実臨床では、やはり抗体がはっきりしない方というのもいるのですが、抗体が全てではないと思いますので、それでやはり書いておいた方がいいかと思った次第です。
○医薬品医療機器総合機構 委員から頂いたコメントも踏まえて、添付文書に記載するよう、企業と検討してまいりたいと思います。
○森部会長 では、今、石川委員から御指摘があった点については、企業とも検討の上で、石川委員との共有も是非お願いして、その上で決定ということでよろしいでしょうか。
では、続いて阿古委員から御質問が来ております。お願いいたします。
○阿古委員 阿古です。大変難しい審査であっただろうと機構の方には思うのですが、やはり臨床的に明らかな有用性というものが示せなかったというか、傾向はもちろん見られているのですが、そういった中で、こういった薬剤を認めるときに、私は全くノーオプションの患者さんに何かがあった方がいいとは常々思っているのですが、何らかの基準というか、どういったときにこういったもので認めるかという基準があった方がいいのではないかと感じたので、コメントする次第です。以上です。
○森部会長 この点については、いかがでしょうか。
○事務局 厚生労働省からよろしいでしょうか。
○森部会長 はい。
○事務局 先生の御意見は承りました。基本的には、今回の疾患のようなものは、個別には判断をしていく必要があろうかと思いますが、今回のような疾患など、そういったものに対して個々に考えていきたいとは思っております。いずれにしても、今後考えていきたいと思います
○阿古委員 特にノーオプションで、これに反対するわけではないのですが、今後この薬がコントロール群に入ってくる可能性もあって、何らかの差を示してくることが更に難しくなることも予想されますので、全く有意差の出ないような臨床試験を見ながら我々は判断せざるを得ないようなところにもなろうかと思いますので、もちろん難しい判断だと思いますが、何らかの基準があった方が、皆様見ている方も分かりやすいのではないかと思ったので、コメントした次第です。ありがとうございます。
○森部会長 今の阿古委員の御発言にも関係していますが、この薬剤が市販をされた後の患者様の情報収集の状況は、今はどうなっていますか。
○医薬品医療機器総合機構 製造販売後には、本剤を投与された全ての患者さんを対象とした製造販売後調査を実施する予定です。
○森部会長 もう少し詳細に伺ってよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書70ページ、表62を御覧ください。本剤を投与された全症例を対象として、有効性及び安全性に関するデータを収集する予定です。本剤が投与された全ての患者さんを最長5年間、予定症例数は合計187例とし、併用薬や併用療法のほかに、有効性の指標としてALSFRS-R合計スコアや、肺活量、重症度などの情報も収集する予定です。
○森部会長 この使用成績調査計画は、この計画の下に実施されて、データの収集や中間解析の予定はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 中間の解析の予定はありませんが、最長5年間の中で分冊として1年ごとに調査票を回収する予定ですので、もし何か大きな懸念があるシグナルが認められ場合には、調査終了を待たずに、何らかの措置が取れるように、企業と検討してまいりたいと思っております。
○森部会長 関連学会の御専門の先生方と早期に情報共有をしていただき、患者さんの有効性、安全性に関するシグナルをなるべく早く検出していただくということが重要ではないかと思っております。通常の運用とは異なるかもしれませんが、本剤は非常に希少な疾患の、また、こういった有効性の判断の中で上市されることが今予定されていますので、市販後の成績調査の収集や共有が極めて重要かと思っています。是非、関連学会の方とも協議いただき、この計画をなるべく実のあるものにしていきたいと思っております。
○医薬品医療機器総合機構 委員からの御指摘のようなことが検討できないか、企業と共に検討してまいりたいと思います。
○森部会長 本件について、阿古委員や石川委員から御発言はありませんか。
○石川委員 石川です。関連学会で、今は日本神経学会が主体かと思いますが、私も今、森先生がおっしゃってくださったこと、それから機構さんの御回答をそのように受け止めて、学会でも働きかけていきたいと思います。貴重な御意見、どうもありがとうございました。
○森部会長 阿古委員、いかがでしょうか。
○阿古委員 特にありません。ありがとうございます。
○森部会長 柴田委員、こういった中での有効性の解析ということで、市販後の状況についても収集することで、計画性をもって進めてよろしいでしょうか。
○柴田委員 このような形でデータが収集されることは、重要だと思いますので、異存ありません。
○森部会長 是非、統計の御専門の方にも、あらかじめ入っていただいた中で、この市販後調査が行われ、患者さんの情報収集がされますように期待したいと思っています。その計画を是非お願いしたいと思っています。
○佐藤(陽)部会長代理 国衛研の佐藤です。確認なのですが、今のお話の関連で、この患者レジストリなどは、学会の方でどのぐらい整備されているのでしょうか。例えば、製造販売後調査をやっていって、いろいろな評価をしていかなければいけないときに、要するに自然歴などが分からないと、ベイジアンの解析などもできないと思うのですが、その辺りの整備状況というのはどうなっているのか御存じですか。
○医薬品医療機器総合機構 現在、ALS患者さんを対象とした疾患レジストリがございます。
○佐藤(陽)部会長代理 分かりました。
○石川委員 追加でよろしいでしょうか。
○森部会長 どうぞ。
○石川委員 私は、日本神経学会の会員なのですが、今機構の方がおっしゃったとおりで、ALSに関してはかなり前から疾患レジストリがあります。相当の数がレジストリの中に入っています。そして、SOD1変異の患者さんの状況は、遺伝子変異がいろいろあるのです。それによって、症状も大分違うとか、あるいは必ずしも遺伝子変異そのものによって、例えば同じ遺伝子変異で同じような症状をとるとは限らないということまでよく分かっています。10月の日本人類遺伝学会でも、このレジストリからSOD1変異についてのまとまった報告がなされています。ですので、先生御指摘のように、なかなか同じ遺伝子の中でも、遺伝子変異が違うと症状がかなり違うとか、あるいは同じ変異でも症状が違うという問題はあるのですが、日本の国内において大分整備されて、最大限そのようなレジストリは充実しているというふうにお考えいただければと思います。
○佐藤(陽)部会長代理 ありがとうございました。
○森部会長 そのほか、委員の先生方、御質問、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようですので、承認を可とし、薬事審議会に報告いたします。
続いて、議題5に移ります。議題5について、機構から概要説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは議題5、資料No.5、医薬品ゼポジアカプセル0.92mg、同カプセルスターターパックの製造販売承認の可否等について、機構より御説明申し上げます。資料については資料No.5「ゼポジアカプセル0.92mg他」の審査報告書を御覧ください。
オザニモド塩酸塩ですけれども、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸(以下、S1P)受容体に作用することで、末梢リンパ球組織内にリンパ球を保持させ、循環血中のリンパ球数を減少させることによって、自己免疫疾患である潰瘍性大腸炎に対する治療効果を示す、S1P受容体調節薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内臨床試験の成績に基づいて、今般、医薬品製造販売承認申請がなされました。海外では、本薬は、2024年5月現在、米国及び欧州を含む54の国又は地域で再発性多発性硬化症又は潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で承認されております。本品目の専門協議では、本日の配布資料であるNo.16に示している専門委員を指名しております。
それでは、本薬の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。有効性に関しては、審査報告書の通し番号52ページ、表43を御覧いただければと思います。中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第II/III相試験において、主要評価項目である「12週時の完全Mayoスコアによる臨床的改善が認められた被験者の割合」は、プラセボ群で32.3%、本薬0.46mg群で52.9%、本薬0.92mg群で61.5%であり、本薬0.46mg群と本薬0.92mg群のいずれにおいてもプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められました。また、52週時の有効性については、審査報告書の通し番号58ページ、表51を御覧いただければと思います。主な副次評価項目である52週時の「臨床的寛解」、「内視鏡的改善」及び「粘膜治癒」が認められた割合は、プラセボ群と比較して本薬0.46mg群及び本薬0.92mg群のいずれにおいても、高い傾向が認められました。さらに、示されたそれぞれの有効性の結果から、中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者に対する本薬の臨床的意義のある有効性が示され、また、本薬0.46mg群に比べて本薬0.92mg群において高い臨床的有効性が期待できると判断しました。
続いて、安全性に関して、審査報告書の通し番号53ページの表44と、54ページの表46を御覧いただければと思います。国内第II/III相試験における有害事象等の発現状況は表のとおりであり、有害事象の発現割合は、プラセボ群、本薬0.46mg群及び本薬0.92mg群で同程度であり、忍容性の観点から用量依存性や臨床的に問題となるような違いは認められませんでした。国内第II/III相試験の結果や、本薬を含むS1P受容体調節薬において知られている事象等を踏まえて、徐脈、黄斑浮腫、肝機能障害、リンパ球減少、感染症、進行性多巣性白質脳症及び可逆性後白質脳症症候群については、医療現場に適切に注意喚起をする必要があり、対応する検査や処置方法を含めて添付文書、医療従事者向け資材、患者向け資材を用いて、それぞれ情報を伝えるべき対象に必要な情報提供を行うことにより、本薬の安全性は管理可能であると判断いたしました。
以上、機構の審査の結果、既存治療で効果不十分な中等症又は重症の潰瘍性大腸炎に対する本薬の臨床的意義のある有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と考えられたことから、医薬品リスク管理計画に係る承認条件を付した上で承認して差し支えないと判断し、本部会で御審議いただくことが適切と判断しました。なお、本薬は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。薬事審議会では報告を予定しております。
機構からの説明は以上です。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。では、御専門の前田委員から御発言はありますか。
○前田委員 内容的には特に問題はないのですが、治療選択肢が増えるということは、とてもいいことだと思うのですが、ただ、炎症性腸疾患の薬は、仕方がないかもしれないのですが、毎回、対照がプラセボなのですよね。プラセボよりもいいのは、ほとんど当たり前なのですが、薬も結構何種類も違う系統の薬が出てきていまして、どれを使っていいかというのも現場で非常に困っているというか、それぞれの医師が選択しているという感じなのです。そこで機構の方に聞きたいのですが、これからはいわゆるゴールデンスタンダードなようなのを設定して、プラセボではなくて対照薬というものをそろそろ固定して試験ができないものなのかと最近思っているのですが、この辺はいかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきましてありがとうございます。今回のゼポジアについては海外で先行していて、海外でIII相試験がプラセボ対照比較試験で行われていて、遅れて今回、国内第II/III相試験が実施され、本審議に至っているということですが、本剤については、そういう経緯があるということですが、今後、先生から御指摘いただいた、プラセボではなく、治療薬など、そういったところの観点については、今後の開発のところにもなると思うので、そこは申請者とも相談の機会などで、いろいろと議論ができたらというように考えております。
○森部会長 前田委員、それでよろしいでしょうか。
○前田委員 はい、大丈夫です。
○森部会長 ほかの委員の方から御質問、御意見はありませんか。添付文書で、リンパ球の減少のところでモニタリングをしっかり行うようにということで、投与開始後のモニタリングをするように、記載整備をお願いしたいと思います。具体的な項目としては、添付文書上の、「8.4」についての記載整備をお願いしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。
○森部会長 そのほかに御質問はよろしいでしょうか。ございませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、阿古委員、髙橋委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。特に御異議がないようなので、承認を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題8に移らせていただきます。議題8について、事務局の方から概要説明をお願いしたいと思います。
○事務局 事務局です。資料No.8-2、「イネビリズマブ(遺伝子組換え)」です。申請者は「田辺三菱製薬株式会社」、予定効能・効果は「IgG4関連疾患」で、当該疾患は指定難病に指定されております。IgG4関連疾患は、全身の臓器へのリンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤及び線維化により、腫大や結節、肥厚性病変等を惹起し、多臓器の障害を認めます。現在、本邦において、IgG4関連疾患に係る効能・効果で承認されている薬剤はないことから、医療上の必要性はあるものと考えております。開発の可能性についてですが、主要な臨床試験の実施は終了しており、2025年に承認申請計画中とされております。
続いて資料No.8-3、「RO7434656」についてです。申請者は「中外製薬株式会社」、予定効能・効果はIgA腎症で、当該疾患は指定難病に指定されております。IgA腎症は、血尿及び蛋白尿等がみられる進行性の腎障害です。本邦では、IgA腎症に係る適応を有する薬剤としてジラゼプ塩酸塩水和物が承認されているものの、長期投与による腎機能障害の進行抑制効果は明らかではないとされています。IgA腎症の治療法は確立されているとは言えず、新たなIgA腎症治療薬の開発が望まれており、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性について、現在、国際共同第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-4、「velusetrag」 です。申請者は「Alfasigma S.p.A」、予定効能・効果は「慢性偽性腸閉塞症」で、推定有病率は10万人当たり0.80~1.00人と報告されており、対象者数は5万人未満と考えられます。慢性偽性腸閉塞症は、腸管の協調的な蠕動運動が障害されることにより、腸管を閉塞する病変がないにもかかわらず、機械的腸閉塞に類似した臨床像を呈する重篤な疾病です。現在、対症療法として様々な腸管運動促進剤や緩下剤が併用されていますが、慢性偽性腸閉塞症に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性についてですが、本邦における開発は、外国での承認取得以降に開始する予定であり、海外第II/III相試験、国内第III相試験の実施が検討されています。
続いて資料No.8-5、「Odevixibat」です。申請者は「ジェダイトメディスン株式会社」、予定効能・効果は「アラジール症候群」で、当該疾患は指定難病に指定されております。アラジール症候群は、常染色体顕性遺伝形式の疾患です。患者の95%で胆汁うっ滞を通常生後3か月以内に発症し、また、胆汁うっ滞に起因する肝硬変、末期肝疾患に至る症例もある疾病です。現在、本邦において、アラジール症候群に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性についてですが、現在、国内第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-6、「JR-441」です。申請者は「JCRファーマ株式会社」、予定効能・効果は「ムコ多糖症IIIA型」で、当該疾患は指定難病に指定されております。ムコ多糖症IIIA型は、常染色体潜性遺伝疾患であり、重度の神経症状や、肝脾腫による腹部膨満等の多様な全身症状を呈します。現在、本邦において、ムコ多糖症IIIA型に係る効能・効果で承認されている薬剤はなく、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性については第Ⅰ/II相試験を実施中で、今後、○○○○○○○○○○○○○○○○を実施する予定となっております。
続いて資料No.8-7、「フェニル酪酸グリセロール」です。申請者は「株式会社オーファンパシフィック」、予定効能・効果は「尿素サイクル異常症」で、当該疾患は指定難病に指定されております。尿素サイクル異常症は、アンモニアを尿素に変換する尿素サイクルに関与する酵素又はトランスポーターのいずれかの遺伝的欠損のため、高アンモニア血症を来す疾患です。現在、本邦で尿素サイクル異常症に係る効能・効果で承認されている薬剤として、フェニル酪酸ナトリウム製剤及びアルギニン製剤、カルグルミン酸製剤があります。フェニル酪酸ナトリウム製剤は服薬アドヒアランス不良が問題とされ、アルギニン製剤には禁忌となる疾患が存在するなか、本剤は、フェニル酪酸ナトリウム製剤の服薬アドヒアランスを改善することが期待されているなど、医療上の必要性があるものと考えます。開発の可能性について、国内第III相試験を実施中です。
続いて資料No.8-8、「Pitolisant」です。申請者は「アキュリスファーマ株式会社」、予定効能・効果は「ナルコレプシー」で、国内患者数は4万5,000人程度と推定され、対象患者数は5万人未満と考えられます。ナルコレプシーは日中の過度な眠気を繰り返す睡眠障害で、カタプレキシーが出現する場合もあり、居眠りによる交通事故等のリスクが高いことに加え、仕事中のミスにより失職に至る社会的不利益を生じる等の可能性がある疾患です。現在、本邦では日中の過度な眠気に対してモダフィニル、メチルフェニデート塩酸塩、ペモリン、カタプレキシーに対してはクロミプラミン塩酸塩が用いられておりますが、本剤は選択的ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬として日中の過度な眠気とカタプレキシーの両方に対する有効性が期待される薬剤であり、医療上の必要性があるものと考えております。開発の可能性について、現在、国内第III相試験を実施中です。
以上より、いずれも希少疾病用医薬品の指定の要件を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。先生方から御意見、御質問はいかがでしょうか。特段ありませんか。
それでは、議決に入らせていただきます。なお、髙橋委員、中西委員、長谷川委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととなっております。では、本議題について指定を可としてよろしいでしょうか。特に御異議はないようですので、指定を可とし、薬事審議会に報告させていただきます。
続いて議題9に移らせていただきます。議題9について、事務局から概要説明をお願いいたします。
○事務局 資料No.9、「ミダゾラム」を特定用途医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。資料No.9の中の「1.特定用途医薬品該当性事前評価報告書」のファイルをお開きください。2ページを御覧いただければと思います。申請者は「丸石製薬株式会社」、予定される効能・効果は、「麻酔前投薬」です。
特定用途医薬品への該当性に関する評価の欄を御覧いただければと思います。指定要件に沿って説明いたします。まず一つ目、対象とする用途に用いるための必要な開発の該当性についてです。現在、ミダゾラムにおける小児に対する麻酔前投薬の用法としては、本邦では筋肉内投与のみが承認されておりますが、侵襲性が比較的高いというところで、患児の不安を助長させることもあります。本開発提案は、経口投与に係る用法・用量の追加と同時に、小児が服薬しやすい剤形であるシロップ剤の開発を行うものです。
続いて、対象とする用途の需要が著しく充足していないことの該当性についてです。先ほど申し上げたミダゾラムのほかに、現在本邦ではジアゼパムが小児に対する用法・用量で承認されております。ミダゾラムは筋肉内投与のみで、ジアゼパムは経口投与としてシロップ剤が承認されておりますが、作用発現・作用消失が長く、作用が遷延する場合があるというところで、本剤、ミダゾラムについては、作用発現・作用消失が速やかで、かつ侵襲性が少ないものとして、開発の充足性というところで必要があると考えております。
続いて、使用価値に関連した情報です。指定要件についてですが、一般的に小児の手術の対象となる疾患については重篤なものが多く、本剤は、重篤な状態と考えられる周術期における管理というところで、要件に該当すると考えております。また、ミダゾラムの経口投与については、海外では経口投与の製剤が承認されており、海外の教科書に記載があること、本邦においても診療ガイドライン等にミダゾラムの経口投与についての記載があること、国内外のガイドラインや教科書等の記載等を踏まえ、ミダゾラムシロップ剤の本邦における小児麻酔前投薬としての有用性は期待できると考えております。
したがいまして、特定用途医薬品の指定の要件はいずれも満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、委員の先生方から御質問がありましたらお願いいたします。大変重要な開発かと思いますが、御意見はよろしいでしょうか。
では、議決に入らせていただきます。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようなので指定を可とし、薬事審議会に御報告させていただきます。
続いて、報告事項議題に移らせていただきます。報告事項議題の1~2について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 報告議題のまとめの概要については、資料No.11を御覧ください。まず医薬品の承認について、資料No.12の「オルダミン」についてです。今回、オルダミンについては「静脈奇形の硬化退縮」に係る効能・効果、用法・用量を追加するという申請が、「富士化学工業株式会社」よりなされたものです。機構で審査の結果、有効性・安全性について承認して差し支えないというところで判断をしております。
続いて資料No.13からです。再審査についてです。資料No.13-1の「ムルプレタ錠3mg」、資料No.13-2の「メトトレプチン皮下注用」、資料No.13-3の「カナグル錠100mg」、資料No.13-4の「カナリア配合錠」という4品目について、機構で再審査を行いカテゴリー1、承認拒否事由のいずれにも該当しないと判断しております。報告事項についての説明は以上です。
○森部会長 御説明、どうもありがとうございました。では、先生方から御質問、御意見はいかがでしょうか。1点、最初のオルダミンについてです。本剤は、従来、食道静脈瘤の止血、硬化療法に使用されているものですが、今回は静脈奇形の硬化退縮の用法で申請されているものです。こちらはこれまでの食道静脈瘤などとは全く違った医師が施術なさる、使用なさるということかと思います。本剤が確実に安全に使用されるように、その仕組みとしては、関連学会などが今検討されていて、この薬剤を使う方の講習や技術認定などについて検討されていると記載があったかと存じます。そちらの実施について、確実に実施されるように、是非、監督いただきたいというお願いです。これに関する記載は、報告書では何ページでしたか。
○事務局 18ページです。
○森部会長 オルダミンの審査報告書の18ページの下から8~10行目ぐらいに、本剤の使用については、十分な知識、経験のある医師が実施すべきであるということが記載されています。特に治療中の流出量の評価や合併症の予防ということで、本剤の硬化療法で誤った所に入っていったりしないようにといった様々な監督を含めて、日本血管腫血管奇形学会内の硬化療法技術認定委員会並びに日本形成外科学会、日本IVR学会、日本静脈学会の3学会により構成される、EO硬化療法推進CFTというところで適正使用指針を策定し、手技を重視した講習会で術者教育を行うことも可能と考えると書いてあるのですが、これを是非実施していただくことを、今回の部会の合意にさせていただきたいと思っております。不適切に使用されての、静脈奇形の硬化療法による合併症をなるべく少なくしたいということで、適切な教育を受けた方が実施する仕組みを確立しておきたく思っています。その点は是非部会の委員の先生方の御意見も伺った上でと思っておりますが、いかがでしょうか。特に皆さんから御意見はありませんか。御賛同いただいているということでよろしいでしょうか。それでは、今の部会の意見にも付記させていただいた上で、確認いただいたものとさせていただきます。
本日の議題は以上です。事務局から、報告はいかがでしょうか。
○事務局 次回の部会は令和7年1月31日の金曜日、午後2時から開催させていただく予定です。よろしくお願いいたします。
○森部会長 それから、一つお知らせがあります。本日の部会をもちまして、根岸委員が御退任されることになりました。本日、根岸委員は御欠席ですけれども、御挨拶のコメントを頂いているということなので、事務局の方から御紹介いただけますか。
○事務局 根岸委員からは、以下のとおりコメントを頂いております。
「短期間ではありましたが、皆様におかれましては、いろいろと御高配・御助力を賜り、誠にありがとうございました。また、この会議に参加させていただいたこと自体、大変勉強になりました。貴重な機会を頂き、ありがとうございました」ということで、委員の皆様にお伝えいただくようにということで言伝を賜っております。
○森部会長 根岸委員の御貢献に心より御礼申し上げて、御挨拶を承りました。どうもありがとうございました。
本日は大変長時間の審議となりましたが、多々御意見を頂きまして、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬品審査管理課 課長補佐 浦(内線2746)

