第11回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(議事録)

日時

令和7年12月1日(月)13:00~

場所

オンライン・対面による開催(中央合同庁舎第5号館 専用第15会議室(12階)東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○山川座長 それでは、ただいまから「第11回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」を開催いたします。構成員の皆様方には、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日は、勇上構成員、冨髙構成員、山口構成員が御欠席となります。冨髙構成員の代理として、日本労働組合総連合会総合政策推進局労働法制局局長の漆原肇様、山口構成員の代理として、全国中小企業団体中央会労働政策部審議役の木村恵利子様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。なお、事務局では、原田課長補佐が公務のため欠席となります。
 本日の研究会は、Zoomによるオンラインでの開催と会場からの参加の双方になっております。会場には、倉知構成員、田中伸明構成員、それから冨髙構成員の代理の漆原様にお越しいただいております。
 開催に当たりまして、事務局から説明があります。
 
○河村障害者雇用対策課長 本日もZoomを使ったオンラインの参加を頂いております。簡単ではありますが、オンラインの操作方法のポイントを御説明いたします。研究会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言の際には画面上の「手を挙げる」ボタンをクリックし、事務局又は座長から、発言の促がしのあった後に、マイクをオンにして、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。Zoomの操作方法については、事前にお送りいたしましたマニュアルを御参照いただければと思います。会議の進行中、トラブル等がありましたら事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡いただきますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦いただければと思います。オンライン会議に係る説明は以上です。
 
○山川座長 それでは、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。では、議事に入ります。今回も第5回から第10回までの議論に引き続き、ヒアリング項目ごとの議論を続けます。今回は、「いわゆる障害者雇用ビジネス」について議論を行います。この議論に当たり、前回の研究会の最後にもお伝えしたとおり、業界団体の最新の動きも把握した上で議論を行いたいと思いますので、まず、「一般社団法人日本障害者雇用促進事業所協会」からのヒアリングを行います。本日は、会場に理事長の西村賢治様、専務理事の本田凛太朖様、理事長代理の白木孝一様にお越しいただいております。大変ありがとうございます。
 それでは、まず西村様から、業界団体の現状と業界が目指すこと等について、御発表をお願いいたします。その後、続いて事務局から、資料1の御説明を頂き、その上で、構成員の皆様より御議論を頂きたいと思います。
 では、西村様、大変恐縮ですが、進行の関係で10分程度で御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業所協会西村様 今回は、このような会に御説明させていただく機会を頂きまして誠に感謝いたしております。本当にありがとうございます。限られた時間ということですので、私のほうからお手元の資料に沿って御説明を差し上げたいと思います。
 まず、表紙をめくっていただくと、「障害者雇用促進事業の現在地」と書いております、○1障害者雇用の取り組みということで、一般的な障害者雇用の現場では、特例子会社、在宅勤務、リモートワーク、サテライトオフィスなど、多様な働き方が拡がっているということの一方で、受け入れる企業側のノウハウ不足や、属人的で継続性に欠けるという支援体制と。これは前回の11月11日のこの研究会においても、JEEDが令和6年4月から8年3月にかけた調査の結果も、このような課題を明示していらっしゃったと思いますし、また、前回の論点の整理のところにおいても明確に示されていたと理解しています。
 ○2ですが、そのような中、雇用促進事業者の役割としては、企業の障害者雇用に伴走し、正に雇用のノウハウの不足を補完するという「伴走支援」に取り組んできたと思っておりますし、本日は後ほど、この事例を2つほどお示ししたいと思っています。
 ○3雇用機会の拡大と質の向上ということで、本日も厚労省様のほうから調査された業界の全体調査の資料が出ていますが、11,000人以上が働かれているという状況です。
 そして○4は、促進事業の拡がりと多様化。冒頭に申し上げた企業の多様な働き方とともに、2009年にサテライトオフィスという所から始まり、2010年に農園型、そして現在はサンゴや山林の保全、eスポーツ、コーヒーなど様々な形態が拡がっていますし、今後も様々な形態が拡がってくるのではないかと思っています。
 ○5です。報道と実態のギャップ、これはすみません。謙虚さに欠けるような表現で大変恐縮なのですが、幅広く、我々もいろいろ発信をしていきたいと思っています。次のページですが、その「伴走価値」ということの実例紹介を2つお伝えします。
 1つ目は、本社が東京都、業種は総合コンサルティング業で、従業員数は約27,000人と、サテライト型雇用を活用した取組です。注目していただきたいのは、真ん中の利用企業の管理部門です。管理部門がハブとなっており、ハブ的な機能です。左側ですが、この会社は全国に複数のサテライト型の拠点を展開されています。そして、右側がその会社の各事業部です。各事業部から業務リストが出てきます。それを、このハブ機能が、どのサテライト事業所のどのチームにその仕事を割り振るのかということを、マニュアルや納期、ほかの部署との連携が必要かどうかなど、そのようなことを判断し、サテライト拠点の管理者に伝えられます。その上で、そこに障害のある従業員の方が、その仕事に対して従事をするという、業務のハブ機能ですね。で、管理者のほうから業務的に問題があった場合は、一旦このハブ機能のほうに連絡が行き、その上で事業部のほうとやり取りがなされていくということです。
 一方、障害者雇用促進事業者は、そのサテライトの拠点に、左下ですが、常駐の支援員が配置されております。この方が、サテライトの管理者の方や、場合によっては障害当事者の方に対するメンタルケアや面談、いわゆるそのような伴走の支援をしているということです。ポイントは、上の事業部、ハブ機能である「管理部門」、そしてサテライトの「管理者」、障害のある方々ということだけで、なかなか完結は難しいという理解の下、このような伴走体制ができているということです。
 4ページです。この「伴走価値」というところで、サテライト型雇用から管理部門や事業部へ多様なキャリアパスを実現する取り組みです。本社が東京で、不動産業を営まれており、従業員2,000人の会社です。ここは、サテライトの拠点に、管理者や障害のある方々が働かれており、そこで常駐支援員、障害の健康相談等を受けつつも、初期の段階においては研修を受けて安定就業と。その後、希望者やキャリアアップという観点から、管理部門との調整の上、各事業部にキャリアアップをされていくという流れを作っている会社です。
 一方で、出戻り、要は事業部に配属されたもののうまく定着せず、改めて安定化を図るという意味合いでサテライトに戻ってくるケースというのも、その社内の中で柔軟に対応すると。その業務については、各企業様が担当するわけですが、促進事業者の常駐支援員がメンタル支援や伴走の支援をしていくという流れは、先ほどの事例と一緒です。
 5ページですが、この「伴走価値」、企業単独では得がたい「組織的知見(バックボーン)」の活用ということが、ポイントの1つに挙げられると思っています。○1企業と外部支援者の「役割分担」と「連携」ということで、健全な運用事例に見る体制の構図として企業自らの主体性ですね、企業主体の体制で、企業が人事、経営層とのコミットメントのもと、現場部門と連携して業務設計や職場づくりを主体的に行い、外部の常駐支援員と連携する体制を構築されているということ。常駐支援員の役割としては、支援事業者の専門人材は、障害者に対し、障害や健康面の専門的な相談窓口となり、安定就労をサポートすることで、現場の不足を補完していると。これは正に、専門的な知見を外部連携で補強する「企業主体の運用+伴走支援」なのではないかと思っています。
 ○2本質的な価値ということで下の表に、左と右に示していますが、企業単独の場合というのは、企業が社内に専門人材を1名配置した場合でも、その個人の知識や経験だけでは、多様化する現場のニーズや複雑なケースに対応しきれない可能性があるのではないかと思っていますし、属人的になりがちです。一方で、支援事業者の支援員というのは、その背後に組織的な知見を活用できるという大きなポイントがあります。組織的な知見を活用することで、個人の知識や経験だけでは対応が難しい場面においても、的確な判断と支援が可能となり、むしろ、この辺りを企業さんも価値を感じていると思います。
 6ページです。一方で、我々、促進事業者協会も不適切な運用例というのがあることを認知していますし、このようなことについても自ら改善していくべく取り組んでいるつもりです。具体的な例としては、例えば促進事業者への「丸投げ」というケースや、成果物の未活用や形式的な雇用、そして支援員の配置や業務設計が不十分なケースというのはあると思っています。この背景としては、質の低い事業者が企業側の「これ以上雇用を進められない」「職域開発が難しい」という本音に傾き、丸投げを引き受ける姿勢をとることで、不適切な雇用が生まれているのではないかと考えています。雇用責任の希薄化や形式的な雇用が発生しており、企業と事業者双方に改善すべき課題があると理解しています。
 論点としては、雇用責任の所在、成果物の活用、そして促進事業者の質という、この3つのポイントなのではないかと理解しています。
 7ページです。最後に、促進事業者協会を2年余り前に立ち上げ、今現在は、23社のサービス提供事業者側の企業に入っていただいております。その企業の皆様方と一緒に、このような社会の声にしっかりと耳を傾けて、主に適格事業者認定制度というものを始めており、この厚生労働省の研究会でも、これから御議論いただくことになると思っておりますが、我々自ら、まずは適切な運用とは何なのかということに取り組んでいます。
 そして、支援者に対しても一定の品質をしっかり担保していくということで、業界の中で研修制度を設けて今、既に走らせています。これだけでは不十分な点が多々あるかと思っております。本日、皆様方の御意見を真摯に受け止め、より良い業界にしてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
 
○山川座長 西村様、大変ありがとうございました。それでは、いわゆる障害者雇用ビジネスに関しましての意見交換に移りたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、資料1について説明をお願いいたします。
 
○河村障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長でございます。資料1に基づいて、事務局の資料を説明させていただきます。まず、1ページ、前回の研究会にも出しておりますが、本研究会の中で、「いわゆる障害者雇用ビジネス」について、どのような御意見が出てきたかということのまとめです。例えば一番上ですが、障害のある方、御家族、御当人からは好意的な受止めもあるけれども、やはり障害者雇用本来の理念に反するのではないかという趣旨の御意見や、一番下にあるように、実態の把握等が必要で、それによって現状・課題を整理した上で、ガイドラインの作成や規制の要否の検討等が必要ではないかという御意見を頂戴してきたところです。
 2ページは、障害者雇用促進法の理念について、前回お出しした資料と同じものを確認的にお出ししております。とりわけ第3条の基本的理念にあるように、障害者である労働者は、経済社会を構成する一員として、能力を発揮する機会を与えられるべきだという考え方は、この問題を考えるに際しても大変重要な考え方であろうと考えております。
 続きまして、3ページ、4ページは、前回の令和4年の法改正のときの国会からの附帯決議です。赤線が引かれている辺りですけれども、衆議院も参議院も同様に、単に雇用率達成のみを目的として、いわゆる障害者雇用代行ビジネスを利用することがないよう周知等の措置を検討することという主題が附帯決議として付されてきたところです。
 5ページは、いわゆる障害者雇用ビジネスについてのビジネスモデルの図です。いつも用いているものですけれども、上側に、いわゆる障害者雇用ビジネスの事業者さんが書かれていて、そこで農園の施設やサテライトオフィス等の施設、機材等の提供が利用企業に対してあります。利用企業は、通常の場合ですと、ビジネスの事業者さんが提供されているサテライトオフィスや農園に、多数の労働者の方がいらっしゃるわけではなく、そこにあるように、右側に「障害者チーム」として絵が書かれておりますが、障害のある方と、管理者としてその方をマネージメントする方が配置されている。その方々は利用企業と雇用契約を結んでおりますので、あくまでも利用企業のほうが法定雇用率等の算定を行うという形です。ただ、実態としてはいろいろな課題があるのではないかということで、これまで御指摘を頂戴してきたところです。
 6ページから9ページにかけて、私ども厚生労働省が、この間、障害者雇用ビジネスについての実態把握を行ってきた資料です。まず、6ページの左下に、令和7年10月末時点ということで、直近のデータの状況を示しております。一番下の欄に、就業障害者数として、私どもが把握できているだけですが、「11,141以上」という記載をしております。こういった「以上」という記載をしている由縁ですけれども、こちらの資料の冒頭の辺りにも記載がありますが、この実態把握の方法として令和4年1月以降、私どもから都道府県労働局やハローワークに対して、情報をキャッチしたときに訪問等を行って実態を把握してくださいということで、一番下の注釈の所にも記載がありますけれども、決して障害者雇用ビジネス等について事前の届出等の規制があるものでは、現在はありませんので、厚労省の出先であるハローワーク等において、たまたま情報をキャッチできたときには、把握するための訪問等をさせていただいて、任意の御協力が得られたときに把握している数値を記載しております。
 資料は前後しますが、経年推移が9ページのグラフです。基本的に一貫して伸びてきている基調があります。その上で、7ページ、8ページが、都道府県別の分布状況、産業別・規模別の利用企業数の分布の状況です。7ページを御覧になっていただきますと分かるとおり、人口が集中している都市部に、基本的に農園やサテライトオフィスという就業場所が集中している傾向があります。その上で、8ページですが、左側に産業別の分布を書いております。参考として、一番右の列に、令和6年度の、いわゆる「61報告」での産業別の分布を出しております。この分布と大きく変わることはありませんので、特定の産業において非常に多く利用があるとかないとかではなく、基本的にはどの産業も、産業分布に応じて利用されています。一方で、右側の表は規模別の分布です。こちらも同じように、一番右側の列に61の分布を出しておりますが、比べていただきますと、やはり中小企業は非常に利用が少なくて、相対的に300人を超える大企業さんに利用が多いという傾向があります。ここで1点お詫びですが、規模別の割合の所で、それほど大きな数字の違いではないのですが、一部事務的な計上ミスがあったということですので、後ほど正しい数字に直したものを、ホームページ等に公開させていただきます。誠に申し訳ございません。
 次に、10ページは、私どもが都道府県労働局を通じて、現場の障害者雇用ビジネスについて訪問調査等をさせていただいて把握してきた例のうち、特に課題感を強く感じられるものを集めております。
 一番上の箱の所ですけれども、成果物による収益はほとんど見込めず、社員への配布など福利厚生の一環として利用している。また、業務内容や募集・採用の所ですけれども、業務内容や募集・採用に関して、ビジネス実施事業者側が取り仕切っておられて、利用企業側がかなり手を離してしまったりしているような例を把握してきています。また、下から2つ目の雇用形態・雇用期間・労働条件等の所ですけれども、典型的なのは1つ目の○にありますように、無期転換ルールを気にしなくてもいいですよという趣旨とか、そういった労働法令に照らして、なかなか適切とは言えないような周知を行ったり、そういった運用を行っているような例も見られるということです。一番下の所ですが、勤怠管理や業務指示等に関しても、例えば就業場所に利用企業側の管理者が置かれていないというようなケースです。実態上、いろいろな指示をメール等で行っているということですけれども、例えば現場にいるビジネス事業者さんとの関係において、例えば労働者派遣と同じような措置命令の形態がないかなど、そういった業務指示の形態等においても課題があるような例も見られているところです。11ページは、こうした障害者雇用ビジネスに対して、厚生労働省として今まで示してきたリーフレットですので、参考です。
 12ページ以降は、本日の論点です。論点の冒頭の所は、前回の11月に示しているところです。この間、短期間で大きく増えている傾向があって、その増えている傾向の背景には、やはり利用企業にとってニーズの増大があるのであろうと、いろいろなコンプライアンス意識の高まり等がある。そのために法定雇用率を何とか達成しなければということの中で、一方で、法定雇用率達成のために求められる現実的なハードルを乗り越えることが難しいと感じられていて、その点の中の1つに、ノウハウの不足とか、そういったものがあるのだろうということを記載しております。
 こういった現状の下で、前回御議論いただきました障害者雇用の質の要素に照らしたときに、「障害者雇用ビジネス」について、以下の課題が指摘される場合があるのではないかということで、典型的な課題感を書いております。1点目としては、業務内容と就業場所、いずれもが利用企業と雇用されている障害者の間で離れている、分離されているという形態から、インクルージョンの面での課題とか、雇用責任の希薄化の課題があるのではないかと。とりわけ農園型のビジネスについて、この課題感が大きいのではないかという御指摘を頂戴しております。
 続きまして13ページですが、2番として、固定的な業務付与による能力開発の制限など、不十分・不適切な雇用管理があるのではないか。こちらについても典型的像としては、農園で一定の農作物を、種をまいて育てて収穫するというプロセスにおいて、課題の御指摘が多いところかと思います。やはり付与される仕事が固定していくので、障害のある方がその後継続して勤めていても、どうしてもレベルアップがなかなか図られないとか、やはり先ほどの場所の分離の問題とも相まって、利用企業側の関与が低くなっていってしまうことによって、障害者雇用ビジネスさんに、ある意味こういった労働者の雇用管理等が相当委ねられる結果になることによって、ビジネス事業者さん側の理解が不十分であった場合に適正な雇用管理等が行われなかったり、障害特性に配慮した措置がなされないというような課題があるのではないかという点です。
 3番目は、また少し性質の異なる課題ですけれども、障害のある方の能力発揮の成果が、有為な経済活動、事業活動に、この意味合いとして、やはり障害者雇用ですので賃金を支払うことにおいても、賃金原資を十分に産み出す事業活動に活用されているかどうかという点があると思っております。利用企業において雇用率達成のみを目的とした雇用になって、賃金原資を産み出すような活動に、障害のある方の能力発揮を十分に活用されていかないという傾向が大きくなっていきますと、障害者雇用に対するコストとしての認識が高くなってしまって、本来であれば、工夫は要しますけれども、障害特性に合わせた業務の切り出し等によって、障害のある方の能力発揮を事業活動に十分活用し得る可能性があるとして、そちらの方向に流れて行かないということになりますと、やはり負担感のみが強まって、我が国全体の中長期的な障害者雇用の進展への影響が懸念されるのではないかという点です。
 このような課題は、必ずしもビジネスの利用がない一般的な障害者雇用でも十分生じうる課題であります。その一方で、こうした3点の課題が、とりわけ障害者雇用ビジネスの場合に、遷延的に表れるからこそ、皆様方から頂いている御指摘かと受け止めております。
 続きまして、14ページ以降、制度的な対応をどうするかということです。1つ目の○ですけれども、やはり憲法上保障されている経済活動の自由との関係において、「公共の福祉に反する」ということを理由とする「禁止」の法制、許可制で許可事業者のみ「禁止」の解除を行うことは法制上、なかなか課題が大きいのではないかと考えております。
 先ほどプレゼンテーションを頂きましたとおり、業界全体で信頼性向上に向けて関係者との対話等を目指す動きも生まれているところではあります。一方で、業界団体外の参入も当然ございますので、やはり業界の自主的取組だけでは限界があろうということで、例えば、以下のような制度的な対応の在り方を検討してはどうかということで、3点提案しております。
 14ページの一番下の1)ですけれども、1点目は、利用企業さん側からの「61報告」のときに、「障害者雇用ビジネス」を利用している場合は、一定の項目の報告をしていただいて、まず行政で網羅的に把握できるようにして、必要な場合には指導監督が行い得るようにしてはどうかという点です。一番下の行に、報告の項目例を案として記載しております。
 続きまして、15ページです。2)の所は、障害者雇用ビジネスの業界さんに向けたガイドラインの設定をしてはどうかという提案です。ガイドラインの内容の例としては、黒ポツで3点書いております。1点目は、障害者雇用に精通した一定の資格者の方の配置とか、直接支援に従事するスタッフに対する教育訓練をしっかりとやっていただくという点。2点目は、利用企業に対するメニューの提供です。目指す方向性として、○1例えば障害のある方の就業を通じた成果物が、事業活動において有為に活用されるための提案・支援。○2利用企業本来の事業活動の中で業務の切り出し等が行われるように提案・支援をする。○3最終的には、利用企業が、自社の中での障害者雇用を内製化していくための提案・支援等について、新メニューとしてしっかり提供していただくと。最後の黒ポツは、こういった支援メニューの提供状況(実績)等を含めて、定期的にホームページ等で情報開示をしていただくこととしてはどうか。こうしたガイドラインに沿った運営を確保していくために、さらに今は、どう対応すべきかという点についても、併せて御意見を頂戴できればと思います。
 続いて、16ページです。3)ですが、利用企業さんに対して、先ほど15ページで御覧になっていただきました障害者雇用ビジネス業界のガイドラインに沿っていない運営を行うような事業者さんの利用は望ましくないですよという旨を示してはどうかというものです。利用企業に対して、前回(11月11日)の御議論のときにも、「質」として重視すべき中心的な要素についてガイドラインを示してはどうかという提案をさせていただいておりますが、この「質」としての大事な事項を示すガイドラインの中で、こうした障害者雇用ビジネスを利用するのであれば、障害者雇用ビジネスのガイドラインに沿っていない運用を行うような事業者さんの利用は望ましくないということや、成果物を有意に活用すべきであるなど、3点目の最後のところですけれども、利用企業自身の事業活動の中での業務切り出し等を行っていくことが望ましいという旨を記載してはどうかという点です。事務局からの説明は以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。それでは、意見交換に移りたいと思います。ただいま御説明いただきました資料1の論点を中心に御意見いただければと思いますが、先ほど御報告、御発表いただきました日本障害者雇用促進事業所協会の西村様の御発表に御質問がありましたら、それについても御発言をお願いできればと思います。
 毎回お願いしておりますけれども、御発言の際は挙手をしていただき、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。それでは御質問、御意見等ございますか。田中伸明構成員、お願いします。
 
○田中(伸)構成員 日本視覚障害者団体連合の田中でございます。様々な御報告ありがとうございました。私からは3点ほど意見を申し上げたいと思います。今、西村様から御報告も頂き、それから事務局からの御提案も頂いたところで、まず、事務局から御提案いただきました論点3、14ページの下のほうからスタートしていますが、「利用企業による報告」という所に関して、その報告項目の例が挙げられておりますけれども、その項目例の中に、障害者の就業を通じた成果物が利用企業自身の事業活動において有意に活用されているかどうかという項目も1つ、検討に含めていただきたいと思います。こちらを御報告いただくということで、論点4あるいは論点5のガイドラインとも関連性を持った施策になるのではないかと考えるためです。
 2つ目の意見ですけれども、これは論点4と論点5で同じくガイドラインを定めてはどうかという御提案を頂きまして、基本的に賛成をいたします。その両方のガイドラインの中に、1つ含めていただくことを検討していただきたい項目がございます。それは就業する障害者が必要とする合理的配慮の内容の確定に当たり、利用事業者とビジネス事業者、障害者と3者の間での協議を行うことが必要であるという内容も、1つ項目として挙げていただければというように感じております。
 理由を申し上げますと、障害者は利用事業者との間で雇用契約を結んでおります。したがって、当該障害者が必要とする合理的配慮については、雇用契約を結んでいる利用事業者と協議をするというのが原則になろうかと思います。一方で、職場の現場としてはビジネス事業者のほうにあるわけです。そうすると、その合理的配慮の提供に際しまして、過重な負担があるかどうか。その1つの内容としての、例えば実現可能性を判断するということになると、これはビジネス事業者側からの情報提供というのは不可欠になってまいります。
 そうすると、障害者の合理的配慮の提供を考えるに当たっては、利用事業者とビジネス事業者と障害者の3者で十分な意思疎通を図る必要が出てくると、そのように思います。したがいまして、働く障害者が必要とする合理的配慮の内容を確定させるためには、3者の協議が重要になってくるということは重要な要素になろうかと思いますので、その点をこのガイドラインの項目案の1つとして御検討いただきたいというように考えております。
 3点目は、以上のようなところを考えますと、ジョブコーチの充実というところは別途、図っていく必要があろうかと思います。ジョブコーチの育成はJEEDが担う役割かとは思いますが、その点は改めて御意見を申し上げたいと、このように思います。私からは以上です。
 
○山川座長 御意見ありがとうございました。それでは、オンラインで御参加の大谷構成員、お願いいたします。
 
○大谷構成員 ありがとうございます。育成会の大谷です。本当に障害者の団体の親ですので、親のほうから意見を少し言わせていただきたいと思います。確かに、障害のある方の働く場所が増えるということは有り難いことなのですけれども、これでよいのかという、ものすごい大きな疑問視が湧いております。
 まず、少しお尋ねしたいのは、西村様のほうに、今すぐでなくてもいいのですけれども、返答していただきたい事例があります。と言いますのは、伴走型と言われました業界で、23社が、この団体の中におられるということです。その中で、この伴走型は何社やっておられますかということ。それと、その伴走型のやっておられる事業所の中で何%ぐらいが伴走型のほうで対応されているか。ほかの方は、では何をされているのか。それと、全員その伴走型で行かれているのか、その辺りを少しお聞きしたいということがあります。
 それと、ガイドラインについてですけれども、利用企業の公表、これをお願いしたいと。使われている側の企業の公表もお願いしたいと思います。それから、企業側との話合いを、担当の方と本人さんを交えたのを、何箇月に1回か行ってほしいと思います。
 それと、現状のままだと、今、一生懸命、企業の方には障害者雇用に取り組んでいただいております。本当に有り難く思っているのですけれども、現状こういう形の中では、今の段階で、差別とは言いませんけれども、区別されている、職を区別をされているというイメージを持ってしまいますので、是非ともその辺りも十分考えた対応をお願いしたいと思います。以上です。
 
○山川座長 ありがとうございます。3点のうち2つが御意見で、西村様の御発表に関する御質問が1つございました。「伴走型」の事業活動をされている企業は、何社あるいは何%ぐらいかと。もし把握されておられましたらお願いいたします。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会西村様 御質問ありがとうございます。先ほどの資料の一番最後に、業界団体の概要を入れさせていただいております。その中に、会員数23社(正会員20社、賛助会員3社)と示させていただいております。この中で、この正会員20社の中には、実は障害者雇用支援ビジネスをやっていない福祉事業所を展開されている会社も一部含まれておりまして、今後、就労の分野についても勉強したいと、広げていきたいというような方々も入っておりますので、この全てが、実はサテライト型の障害者雇用ビジネスをされている事業者ではないということを、まず前提に申し上げた上で、我々の業界、促進事業者団体としての「伴走型」が何社なのか、何%なのかという問いにつきましては、我々は支援型と述べさせていただいておりますけれども、いわゆる場所をお貸しするということではなくて、支援型、いわゆる伴走型という概念を持った事業者の集まりであるというような理解をしておりますし、その支援型の事業者の、例えばレベル感や体制については、まだまだ濃淡が非常にあるというように思っております。
 ここの部分については、全会員企業が支援型であるという認識のもとに立って、それぞれ切磋琢磨しながら支援力というものを、今高めていっているという状況でございますので、いろいろ御意見はあるかと思いますけれども、100%と、姿勢としては、レベル感ということについては、まだまだ不十分な点があると思いますので、そこは皆様方の御指摘をしっかりと受け止めて活動していきたいと思っております。以上でございます。
 
○山川座長 ありがとうございました。大谷構成員、何かございますか。
 
○大谷構成員 ありがとうございます。
 
○山川座長 それでは。ありがとうございました。新田構成員、いかがでしょうか。
 
○新田構成員 経団連の新田でございます。御説明ありがとうございました。最初に、障害者雇用ビジネスに関連して、私の考えをお話したいと思います。障害者雇用ビジネスの利用が拡大していることの背景としては、法定雇用率が大幅に引き上げられているという現実と、経営者側の障害者雇用における法令遵守の認識が高まっている、この2点があるのではないかと考えております。
 こうした中で、企業が障害者雇用に懸命に取り組んだものの、どうしても法定雇用率に届かないといった場合に利用しているケースがあると承知をしております。したがって、法定雇用率の在り方をどう考えるのかといった根本的な議論が必要だと考えております。
 この認識を申し上げた上で、先ほど事務局からお話があった論点について、コメントしたいと思います。まず、論点3の障害者雇用状況報告に関して、6.1調査を使って、障害者雇用ビジネスを利用している場合に一定の報告を求めるといった御提案がございました。考えとして一定程度の理解はするものの、障害者雇用ビジネスの定義が固まっていない中で、こうした取組みを進めるということ、更に調査項目を追加することによる企業側の負担、あるいはチェックすることに対しての心理的な面にも考慮する必要があるため、慎重な検討が必要だと考えております。
 次に、論点4のガイドラインについてです。行政によるガイドライン化を進める前に、先ほど申し上げたように、障害者雇用ビジネスの定義が明確になっていない点も踏まえれば、やはり慎重な議論が必要ではないかと考えております。まずは、業界団体等の更なる取組みによって一定のガイドラインが固まっていくことを、私は期待したいと思います。私からは以上です。
 
 
○山川座長 ありがとうございました。それでは、山口構成員の代理の木村様、お願いいたします。
 
○木村代理構成員 私、使用者側委員の山口構成員の代理で今回参加をいたします全国中央会の木村と申します。よろしくお願いいたします。事務局の御説明、ありがとうございました。私から意見を幾つか申し上げたいと思います。前回、山口構成員から、障害者雇用を行う立場から、雇用の質を上げるためには、例えば企業内の支援人材の問題があるということを申し上げましたが、ほかにも、先ほど御説明にもありましたとおり、企業が障害者雇用を行うためには、御本人の障害特性に応じた設備や雇用管理上のリスク、それから、自社の商品、サービスや事業収益への影響を考慮した業務の切り出し等々、多面的に配慮をしていく必要がございます。こうした整備を十分に行うことが難しい企業において、やはり、先ほどの御意見にもありましたが、それでも法定雇用率を達成しなければいけないというところから、障害者雇用ビジネスへのニーズが高まっているといった背景、現実には理解はできるかなと思っております。
 その中で、本来の障害者雇用の趣旨に添わないようなケースへの対応策として、今回、国や公的機関がガイドラインで望ましい在り方を示すというような、その流れ自体は理解をいたします。ただ、先ほどの新田構成員の御意見にもございましたが、そもそも障害者雇用の質というのが何なのか。どうやって定義をするべきなのかといったことは十分な議論がされたとは言えない状況で、業種や業態でも様々となるはずですし、そこが十分に検討されないままに、今回、ガイドラインはともかくとして、法令に明記するといったような御提案があったことには慎重に検討すべきではないかと考えております。
 また、雇用率の達成自体が課題であるという中小企業も多い中で、今回、数に加えて質の面で新たな規制強化につながる懸念があることを危惧しており、その意味でも論点3に挙げられました利用企業による「6.1報告」において利用企業の状況を御報告しなければいけないということは、状況把握をするという意味ではそこもあるのだと思いますが、ゆくゆくは一律的な企業への規制強化といったことにつながるのではないかということをやや懸念しております。
 また、前回の議論に戻ってしまうのですが、では、自主的な取組を促進する方法の一論として認定制度の活用の話がございましたが、こちらについても、既に一定基準を満たした企業については調整金を支給するというようなことは、進んでいる企業にメリットはあるのですが、取組が不十分であったり、あるいは雇用ゼロ企業といったところの取組を促進するという意味では、その認定制度を大きく改正して、様々な整備をしていくというコストに対して、どれだけ効果があるのかといったことは若干、懐疑的に思っております。
 法定雇用率の達成というところでは、まだまだの企業もございますし、加えて、質の確保を実現するというのは、達成した所には求めていくことが必要だと思うのですが、やはり、現実的な企業の、特に中小企業の状況を見ますと、その雇用率と質の両方を同時に達成するのは非常にハードルが高いと思いますので、まずは1名から雇用する、そして次に、雇用率を達成する。そして雇用継続と。状況ごとに生じる課題に段階的に対応していくことで質を高めていく必要があるのではないかと思いますので、そのような意味では、現場で企業の求め得るものに応じた支援の充実が、やはり雇用の質を高める上でも一番効果的ではないかなと考えております。
 また、もう一つ、中央会という組織の立場から御意見を申し上げたいと思います。自社で直接雇用を行うことが難しい企業への救済的な制度としては、既に、特例小会社やグループ特例、それから、事業協同組合等算定特例といった制度が既にございますが、事業協同組合等算定特例の利用実績を、事務局に事前説明を頂いたときにお尋ねしましたところ、現在は13件とのことでした。
 また、こちらの算定特例制度については、元々、事業協同組合を活用して、その構成員である中小企業のために用意をしていただいた制度であると理解しておりますが、その中身としては、協同組合と特定事業主が協働して障害者を雇用する実施計画を立てて、目標設定に基づいて実現を目指すという内容になっておりますが、この13件という数字に表れておりますとおり、活用が非常に低調な状況となっており、こちらは、なぜだろうと考えると、やはり制度設計として非常に使いづらいものになっていると考えております。
 今、現在の要件としては、例えば、組合自身が雇用する障害者の従業員に占める割合の緩和とか、特定事業主の認定要件の緩和などによってグループ特例のように活用しやすいものに改善していただきたいと、お願いしたいと思います。中小企業の法定雇用率達成の入口の仕組みとして、せっかく作っていただいた事業協同組合等算定特例制度が雇用継続とか、質の向上につなげていけるような制度にしていただきたいと思っております。私からは以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。それでは、清田構成員、お願いいたします。
 
○清田構成員 日本商工会議所の清田です。新田構成員、木村代理の御発言等とも重複いたしますが、改めて意見を申し上げたいと思います。先ほどご説明いただいたとおり、やはり高い法定雇用率と中小企業の経営資源の乏しさが、障害者雇用ビジネスという外部の力を借りて障害者雇用を達成しようという取組が進んでいる背景にあるのだと考えております。
 今回、冒頭に御紹介いただいたような「伴走型」の取組から、報道等で耳にするような雇用管理が一切なされていないような不適切な取組まで、障害者雇用ビジネスと呼ばれている取組は様々あると考えます。前回からの議論に続いて、雇用の質が確保されていくのかどうかが重要であり、様々な取組を障害者雇用ビジネスという言葉で一括りに考えるのが適切なのかどうかは疑問です。
 資料12、13ページに挙げられている3つの課題についても、全てをクリアする雇用が理想ではありますが、実態として十分に満たせていない雇用も存在している中で、妥当性の判断、基準等を考えていくのは非常に難しいのではないかと思っております。
 この判断にも業種、業態規模など、個別的な判断が求められてくる内容であると思います。いわゆる障害者雇用ビジネスとしての取組において、真に問題となることは何なのかを慎重に見定めた上で、対応策を検討していくことが必要だと思っております。よって、実態把握のためと言えども、「6.1報告」で記載欄や記載理由を設けるようなことや、ガイドラインを設けるということは、現時点では、時期尚早であり、真に問題となる取組を精査した上で検討していく必要があるのではないかなと思っております。私からは以上です。
 
○山川座長 ありがとうございます。それでは、新銀構成員、お願いいたします。
 
○新銀構成員 御説明ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の新銀です。私からは、障害者各論点というより全体的な考え方として申し上げます。いわゆる障害者雇用ビジネスについてですが、障害者が、より良い環境で雇用されること、すなわち、障害者雇用促進法でいうところの基本理念第3条に掲げられている経済社会を構成する労働者の一員として能力の発揮ができること。
 また、第5条の能力の正統な評価、適当な雇用の立場、適正な雇用管理、並びに職業能力の開発と向上、雇用の安定に努めている者であれば、実際に障害者が雇用のチャンスを広げることができるのですから広く受け入れたいと考えております。ただ、1点質問ですが、適切な運用を検討する際に、障害を持つ方自身の意見が重要だと考えておりますが、例えば、検討会の委員や、そういった何らかの雇用を進めていくに当たっての会議等に、何割程度の障害者の方が実際に参加しているのでしょうか。教えてください。
 それと、障害者雇用を進めるに当たり、障害者雇用ビジネスを利用するのは、私は一定の期間であって、丸投げすることなく、その障害者雇用促進事業者側の丸投げを容認するようなことがないように、企業自体が障害者雇用のノウハウを有期限で修得するものとして考えております。企業が自立する機会として捉えていただきたいと思っております。
 でなければ、いつまでも伴走型という形でやっていけば、企業の雇用に対してのノウハウというのは、常にどこかの企業が伴走していなければ、その企業は雇用ができないというようなことで、質の重視はおろか、障害者雇用の本質が何なのかということを、企業側が本当に理解することを阻害されるのではないかと考えております。単に雇用率の確保のみを重視することなく、障害者団体としては、いつまでも伴走型に頼ることは良くないと考えております。
 また、企業側は障害者側の個々のコミュニケーションを丁寧に交わすことにより、初めて障害者雇用のメリットが見出されるものと考えておりますので、早急に何らかのルールを決めるのは、まだ難しいのではないかと考えております。その点を踏まえて、障害者雇用促進を図っていただければと考えます。以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。一点、御質問があったかと思います。障害者自身がこの事業の中での支援等を計画するに当たり、どの程度、参画されているのか。そういう趣旨の御質問であったかと思います。
 
○新銀構成員 そうです。
 
○山川座長 西村理事長、何かございますか。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会西村様 御質問ありがとうございます。当事者の方に対する支援を決めるときに、どれぐらい関わっておられるのかということでしょうか。例えば、個々に対する支援計画の在り方とか、そのような理解でよろしいでしょうか。
 
○新銀構成員 支援計画の在り方もそうですし、運用する際の全体的な意見としても、障害者自身が運用に意見として参加していると、両方です。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会西村様 なるほど。まず最初の運用の支援計画というところについては、多分、事業者、全部を事細かに関連企業のオペレーションの中身を把握できていないところは大変申し訳ないのですが、十分にやっておられるようなサービス提供事業者の場合は、先ほど出ていましたように企業の担当の方、そして当事者、そしてサービス提供事業者がしっかりと最初の合理的配慮とは何ぞやというようなところから、どのような支援があるべきなのかをしっかり整えた上で伴走支援をされているという事業者も、一定数いらっしゃいます。
 その上で、必要に応じて外部の、例えば地域の福祉、必要に応じては例えば地域の医療機関のネットワーク、そういったものを体系的に整えて職業生活のみならず、その方を取り巻く日常生活も含めたところを想像しながら、特に、精神の障害の方が多いものですから、そういった方をサービス提供事業者が全てできるわけでもございませんので、一定程度、地域との連携も図りながらそういった支援をしている事業者も存在するのは事実です。
 一方、そこのレベル感という表現が適正かどうか分かりませんが、不十分なところはあると思っていますので、そういったことは会員企業の中では常に勉強会や情報交換をしながら高めていこうという取組をさせていただいております。お答えになっていますでしょうか。
 
○新銀構成員 ありがとうございます。
 
○山川座長 よろしいでしょうか。
 
○新銀構成員 はい。
 
○山川座長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はございますか。では、倉知構成員、お願いいたします。
 
○倉知構成員 九州産業大学の倉知です。私は基本的に、事務局から提案していただいた点に賛成をしたいと思っています。事業者協会の説明と事務局の現状の見方がとても大きく乖離していることが、すごく私は気になっていて、こんなに違うものなのかと思いました。私は、この雇用代行ビジネスというのは、障害者雇用の量の向上には一定の貢献をしていると思っています。
 ただ、雇用の質という観点からは、質の低下を招いている。私は、説明のあった伴走支援は伴走支援と思えず、質の低下を招いているので、このまま放置できないところまで来ているのではないかと思っています。なぜかというと、これは対人援助の基本ですが、その方ができる可能性があることまで代わりにやってしまうということは、本人は嬉しいのですが、やろうとする意欲や能力を、じわじわと減退させてしまうという、このようなことが起こって自立の可能性を奪ってしまうので、対人援助の基本的な考え方があります。
 雇用代行ビジネスでは、これと同じことが起こっていると、私は思っています。利用企業であれば、全部雇用代行ビジネスがやってくれると、結果的に丸投げになってしまい、自社内で雇用して仕事をしてもらい、職業人として戦力となるように成長していくという機会が、利用企業の中になくなってしまう。また、障害のある方も、雇用先の業務に貢献するという仕事から現状は遠く、労働による採算性も問われていない。しっかりと仕事をする環境とは言えないところが圧倒的に多いだろうと。それでも、給与は保障される。そうなると、普通の企業で働く意欲がどんどん低下していってしまう。この2つの問題が大きくて、このままでは、この雇用代行ビジネスはなくなるようにすることを考えざるを得ないと思っています。
 ですから私は、事業者協会に望むこととして、やはり、質を高める関わりというところに転換できないかなと。全てを請け負うのではなく、雇用の質を高める関わりに転換できないかと。つまり、最初は丸投げで請け負うが、利用企業に少しずつ自社雇用のやり方を教え、励まし、モチベーションが下がらないように支援していくというような形を求めたいと思っています。
 利用企業に対しては、最初はすべて請け負うが、そのまま代行を続けるのではなく、自社で障害者雇用ができるように、成長するような支援ができないかなと。例えば、当初はすべて請け負うが、そのままにしないで、引き受けた後は雇用代行ビジネス社が利用企業内で障害のある方が働けるように、仕事を切り出したり、従業員に対して関わり方を教えたり、障害のある方も職場に適応できるような支援、これがまさに伴走型の支援だと私は思っていて、こうすることで、雇用促進法の理念に沿った、利用企業内で働けることが実現できるのではないかと思っています。
 これは雇用援助相談事業が現にやっていることで、それプラス、まず最初から請け負うところからスタートできるということが大きなメリットとしてあるのではないかと思っています。また、障害のある方に対しては、意欲と能力を減退させない労働環境を作っていく。この2つを行うことで、雇用代行ビジネスが利用企業に対してノウハウのコンサルテーションをやっていけるのではないかと思っています。このようなものを、本当の雇用支援ビジネスとして目指してほしいと思っています。
 それから現状として、利用企業はかなり大きなコストを掛けて雇用代行ビジネスにお金を払っているのですが、なぜ、このような事態が起こってしまったのかということです。その要因の1つに、先ほど新田構成員もおっしゃっていましたが、やはり短期間での急激な法定雇用率の上昇があるのだろうと思います。ですから、これは本日のテーマではないのですが、いずれ、計算式の在り方について、また意見を述べたいと思っています。
 また、経営側の構成員から雇用状況報告やガイドラインについて慎重にという意見がたくさんあったかと思いますが、私は、それでも今のまま放置しておけないところに来ているので何とか良い形で早期に実現できるような努力をしていただければと思っています。私からは以上です。
 
○山川座長 御意見、それから、サジェスチョンも含めてありがとうございました。では、冨髙構成員代理の漆原様、よろしくお願いします。
 
○漆原代理構成員 連合の冨髙の代理で出席しております漆原でございます。1点、促進協さんに対する質問と、意見を述べたいと思います。
まず、促進協さんに対する質問す。現在、23社が加盟しているということですが、先ほど、支援型が中心だというような御説明があったと思います。業界として、今後も新たな事業者が参入していくことも想定されると思いますが、現在未加盟の事業者に対して、会員拡大に向けて働き掛けを行っているのか。また、7ページの「主な取組内容」に認定制度という記載がありますけれども、この認定制度は、未加盟の企業であっても申請をすることができるのか、また、どのような認定基準で、どの程度の事業者が取得をすることを見込んでいるのか、というのが質問です。
 次に、事務局から提案がありました論点についての意見です。障害者雇用ビジネスに対する制度的な対応の在り方については、前回も議論が若干ありましたが、ガイドラインといった形で一定程度整理をし、適切な利用を促していく方向性については妥当だと考えています。しかし、ほかの構成員からも指摘があったかと思いますが、そのガイドラインを策定するに当たっては、まずは実態把握が不可欠です。資料でお示しいただいた把握の状況は、聞き取りを積み上げたものだと理解をしております。「6.1報告」を活用して利用企業からの報告義務化というお話もありましたが、何らかの方法でビジネス事業者や利用企業の実態把握を進めるべきと考えています。
 また、ガイドラインを策定するにあたり、障害者雇用ビジネスの適切な利用と、不適切な利用をどう定義し、どのように適正化に向けて誘導していくのかというのは大きなポイントです。障害者雇用ビジネスと言っても様々な支援・サービスがあることから、それらの定義や利用をどう位置づけるかを明確化する必要があり、そのための議論も必要だと思います。その上で、ガイドラインでは実効性ある適切な誘導の仕組みが求められると思いますが、これまでにない新たな形態のビジネスの出現など、今後も新規参入者も増えてくることも想定され、ガイドラインも実態に応じてブラッシュアップできる仕組みや、必要によっては、別途、規制を設けることも視野に、検討が必要になるかもしれません。
 さらに、利用企業に対して、厚生労働省としてどのように関与していくのかも併せて整理すべきと考えます。促進協さんが障害者雇用ビジネスの質を高める取組をされたとしても、利用する企業側が、不適切でも法定雇用率を満たせばよいという意識だけだと、実際には改善は難しいと思いますので、利用企業への働き掛けや啓発も含めて、実効性のある仕組みを検討いただきたいと思っています。以上でございます。
 
○山川座長 ありがとうございました。1点御質問があります。未加盟の事業者に対する拡大の働き掛けあるいは適格認定の申請可能性など、その辺りはよろしいでしょうか。何かございますか。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会西村様 厚生労働省さんは、実態調査の中で、今示されているサテライト型雇用推進ビジネスに、一定の定義で該当ということを示されているものは、40数事業者以上あるということを言われていますが、ただ、厚生労働省も、実は我々も、本当の実数が、実は正式な数を把握できておりませんが、おおむね我々と厚生労働省が認知しているのは、多分ここだろうということについては、イコールだと思っております。
 その上で、設立以来、その対象の事業者につきましては、実は、我々のほうから積極的に、会員になってくださいということをずっと案内し続けております。各社さんは、いろいろなお考えがありますし、今日こうして、この場で私どもが出させていただいていることも、何かしら、この場で案内させていただくのはちょっと不適切かもしれませんけれども、一緒に足並みをそろえて、品質というものと社会からの御意見についてはしっかりと受け止めていきたいと、ここは足並みをそろえてやっていきたいと思っておりますので、この場を通して、各事業者さんにも加入を促進したいと考えております。
 
○山川座長 もう一点は、適格認定のお話で、未加盟でも申請できるかにつき、もし何かお考えがありましたらお願いします。
 
○一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会西村様 基本的には、未加盟の企業様には提供させていただいておりません。一定の、これまた手弁当と言いますか、外部の有識者の方にも入っていただきながら、また、厚生労働省が示された、その利用企業に向けたリーフレットなど、その他もろもろ、そういったものを参考にさせていただいて、まず基本の「基」のところを、何もなかったところから、サービス提供事業者としてはこうあるべきなのではないのかというような論点を、本当の基本的なところの整理をまずさせていただきました。それを運用していくには一定のコストも掛かりますので、そこは、会員企業で、会費を払っていただいている会社の中で、今やらせていただいております。ですが、そういったことを広げていく上でも、是非、加入していただきたいと思っております。
 
○山川座長 ありがとうございました。漆原様、よろしいでしょうか。それでは、渡辺構成員、お願いします。
 
○渡邊構成員 筑波大学の渡邊です。御説明、どうもありがとうございました。障害者雇用ビジネスということをどのように捉えるのかといった、それ自体、非常に難しい問題だと思いますが、本日の御説明の内容を前提にコメントをさせていただきたいと思います。御説明にありましたように、障害者雇用ビジネスというのは、雇用率を達成するといった目的に重点を置いた形で利用されている面がありまして、必ずしも障害者雇用の理念などからは望ましくないといった形で普及・拡大しているといったような面があろうかと思います。そこで、何らかの規制が必要ではないかということがあろうかと思いますが、ビジネスそのものの禁止や許可制にするといったような形での規制の在り方というのは、現行法下では非常に難しいと思われます。
 他方で、障害者雇用ビジネスの利用というものが急速に普及・拡大しているといったような現状を踏まえますと、その障害者雇用ビジネスの利用というものを望ましい形の方向に誘導して、障害者雇用に資するという形で取り込んでいくといったような視点があってもいいのではないかと思っております。
 それは、これまでの御提案や御意見の中にもありましたように、ガイドラインといったような手法を用いて行っていく、進めていくといったようなこともあろうかと思いますが、更に強力に行政指導や監督というものを及ぼしていく、そして、望ましい形の方向に誘導していくといったような観点からは、例えば認定制のようなものの導入も検討に値するのではないかと考えております。
 先ほどの御説明の中にもありましたように、障害者雇用のノウハウのない企業に対してノウハウを伝えているといったような面もあれば、さらに、障害者の方々の能力開発、そして、就職、定着につなげていくのだといったような視点もあろうかと思います。そのような望ましい形での障害者雇用ビジネスの提供というものがあるのであれば、例えば認定制といったようなことを申し上げましたが、そのような形で認定をするということは、そのようなビジネスの利用を考えている企業にとっても、こういった方向性が望ましいのだということを明確に提示するような意味を持ってくるのではないかと思っております。
 したがいまして、今申し上げたような、望ましい形で障害者雇用ビジネスを障害者雇用の中に取り込んでいくといったような視点からの検討というものもあり得るのではないかと考えておりますので、今後、将来的にそういった方向性についても検討する必要があるのではないかと思っております。私からは以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。ほかにございますか。眞保構成員、お願いします。
 
○眞保構成員 法政大学の眞保です。少し通信状況が悪いということがございますので、このまま失礼させていただきます。事務局におかれましては、これまでのデータを積み上げて、令和7年10月末時点の「いわゆる障害者雇用ビジネス」に関して、現状を把握する貴重なデータをお示しいただきまして感謝いたしております。
 今回公表されたデータを拝見して、2010年代以降の障害者雇用の現状を今一度俯瞰してみますと、1976年の雇用義務化の当時とは、労働市場とそれを取り巻く環境が様変わりしていると感じざるを得ません。まず、第1に、雇用率制度の対象者が拡大してきたこと、これは望ましいことだと思っております。第2に、1976年近辺で雇用された方々が続々と定年退職を迎えられ、主に身体障害のある方、また、ダブルカウントの重度の方も少なくない人数がいらっしゃると思いますが、こうした方々の退職者数が増加したことです。第3に、コンプライアンスを意識した経営の広がりも背景にあり、障害者雇用の進展による雇用率の上昇。そして、第4として、新型コロナによるリモートワークの推進、また、AIの活用によって間接業務が激減していると。
 これを踏まえまして、例えば、私が理事をしておりますNPO法人障がい者ダイバーシティ研究会、これは42社の会員企業様がいらっしゃいますけれども、法改正の数年前から常に、障害者雇用における諸課題を研究して計画的に雇用を進められていらっしゃる企業ばかりですけれども、そうした企業様であっても、今申し上げた4点の状況から、雇用率の達成が大変難しくなってきているという現状があります。こうした状況を踏まえて、雇用率制度について、これは今回の議題ではないわけですけれども、改めて検討する必要が生じてきているというふうに考えます。
 まずは、障害者雇用ビジネスの利用実態について、正確な状況が把握できるような報告ができる体制、これは必須と考えます。「いわゆる障害者雇用ビジネス」も、企業が障害者雇用率を達成しようとする行動の中で生じたものでありますが、一方で、障害のある労働者の方々は、第10回のJEEDの調査の資料にありましたように、障害のある労働者が安定的な雇用とともに自らの能力向上や能力発見に対する評価・処遇への反映を希望されているという点、そして、企業の役に立ちたいとおっしゃっている点。また、障害のある方の能力開発と戦力化に積極的に取り組まれてきた企業の皆様の努力。こうしたことは、障害者雇用促進法の第3条、そして、第4条、第5条の理念に合致する取組と考えています。
 したがって、いわゆる障害者雇用ビジネスも、促進法の第3条、そして、障害のある方御自身の能力開発の意欲、これを阻害しないような、そして、第5条の理念を踏まえて、利用する企業様が能力開発に取り組んで、採用から定着に至る雇用管理に責任を持って関わり、このプロセスを支援する。こうしたビジネスモデルに変革できるような体制をつくる具体的な制度設計が喫緊の課題ではないかと考えています。
 ガイドラインも、そのための1つの方法と考えます。ガイドラインにおいては、サービス提供企業様の情報開示、これは非常に重要だと考えます。そして、開示する際には、そのひな型を具体的に示して、実態を検証できるような、そうした開示が必要だと考えます。サービスを利用する企業様は、能力開発や戦力化の過程の様子や企業努力の結果として労働時間を伸長することができたり、正社員化などをできた場合には、積極的にWeb等で情報を開示いただき、そうした企業様には助成金の支給や顕彰する等の積極的なサポートも大切ではないかと考えています。以上です。
 
○山川座長 ありがとうございました。ほかに御意見等はございますか。既に御発言いただいた方でも、何か言い残し等がありましたら、お願いいたします。何かございますか。よろしいでしょうか。
 本日は、大変有益な御意見、御活発な御議論を頂いて大変ありがとうございます。また、促進協の皆様には、お忙しい中おいでいただきまして大変ありがとうございました。様々な御意見、有益な御意見を頂きました。特に行政の在り方については、いろいろな御意見があったところですし、また、新田構成員、倉木構成員、眞保構成員等から、そもそもの制度の基本的な仕組み等の関係の課題の御指摘もあったところでございます。恐らく行政の在り方という前者の点に関しましては、非常にグラディエーションがありまして、強いものから弱いものまで、いろいろなイメージが多分それぞれ捉えられているのかなという感じを抱いたところです。いずれにしましても、今日、本格的な御議論を頂きましたので、御意見を踏まえて、今後、様々な議論につなげていけるように、事務局では対応をお願いしたいと思います。それでは、よろしければ、次回日程等について、事務局から説明をお願いします。
 
○河村障害者雇用対策課長 第12回の開催につきましては、皆様に確保いただいている日程の中で改めて調整をさせていただきまして御連絡を差し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○山川座長 それでは、これをもちまして本日の研究会は終了いたします。最初に私が遅れてしまいまして申し訳ございませんでした。改めておわび申し上げます。では、これで終了いたします。お忙しい中、大変ありがとうございました。