薬事審議会血液事業部会令和7年度第4回運営委員会議事録
日時
令和7年12月23日(火)18:00~20:00
場所
Web併用形式
厚生労働省 共用第6会議室
厚生労働省 共用第6会議室
出席者
- 出席委員(7名):五十音順、敬称略 ◎委員長
-
- 後藤 智己
- 堺田 惠美子
- ◎田野﨑 隆二
- 松下 正
- 松本 剛史
- 水上 拓郎
- 三谷 絹子
- 欠席委員:敬称略
-
- 大隈 和
- 武田薬品工業株式会社:敬称略
-
- 柘植 裕子
- 正野 泰士
- 寺田 幸司
- 白砂 純
- 杉本 貴彦
- 日本赤十字社:敬称略
-
- 谷 慶彦
- 藤田 秀行
- 後藤 直子
- 早坂 勤
- 助川 徹
- 事務局:
-
- 岩崎 容子(血液対策課長)
- 金子 健太郎(血液対策課長補佐)
- 源 周治(血液対策課長補佐)
- 東 雄一郎(血液対策課長補佐兼医薬安全対策課次世代医療品等安全対策専門官)
- 山本 光寿(需給専門官)
議題
- 1. 感染症定期報告について
- 2. 血液製剤に関する感染症報告事例等について
- 3. 各調査会の概要について
- 4. 日本赤十字社における再発防止策等について
- 5. その他
配布資料
資料ページをご参照ください。
議事
○源血液対策課長補佐 事務局です。皆様、御参集いただきましたので、会議を始めさせていただきます。ただいまより、「血液事業部会令和7年度第4回運営委員会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。この度は御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
まず、はじめに、新たに着任された委員を紹介いたします。薬事審議会血液事業部会運営委員会規程第3条第1項に基づき、三谷部会長より堺田惠美子委員を御指名いただきました。堺田委員、一言、よろしくお願いいたします。
○堺田委員 千葉大学血液内科の堺田と申します。この度は御指名いただき、誠にありがとうございます。まだまだ未熟な者ではございますけれども、皆様とともに勉強させていただき、進めてまいりたいと思いますので、引き続きの御指導、何とぞ、よろしくお願いいたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。次に、会議における委員の出席についてです。大隈委員より欠席の御連絡を頂いております。したがいまして、委員8名中7名に御出席いただいていることを報告いたします。本日は、参考人として、武田薬品工業株式会社より、柘植グローバルクオリティ コマーシャルクオリティ 品質保証部 ヘッド, 品質保証責任者、正野サプライチェーンマネジメント部 ジャパンサプライチェーン ヘッド、寺田第二事業部 血漿分画製剤マーケティング統括部 ヘッド、白砂医療政策・ペイシェントアクセス統括部 渉外 リード、杉本医療政策・ペイシェントアクセス統括部 渉外 主席部員にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より、谷血液事業経営会議委員兼中央血液研究所長、藤田副本部長兼経営企画部長、後藤技術部次長、早坂経営企画部次長、助川技術部品質保証課長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、本日の議題について影響ないことを確認しておりますので、御報告させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に「1 議事次第」から「13 資料5」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や、不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。委員長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のために、まずはお名前を御発言ください。ノイズを減らすため、発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。まもなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行を田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんばんは。どうぞよろしくお願いいたします。これまでの説明に対して、何か御質問、御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入りたいと思います。議題1は「感染症定期報告について」、事務局より資料の説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 資料1-1の1ページを御覧ください。今回は、感染症定期報告(研究報告概要一覧表)です。今回は、令和7年6月~8月の受理分です。3本の論文になります。1ページを御覧ください。ウイルスに関する論文が1本です。1番目は、Virusesより、特発性肝硬変に関する報告で、臨床研究によると、肝疾患の原因が不明である患者は、全体の5%~30%にのぼるとされています。長年の仮説として、AからEの肝炎ウイルス以外に未知のウイルスが存在する可能性が指摘されました。
研究者たちは、原因不明の肝疾患患者9名の血清ウイルス群を解析し、注釈できない8つのコンティグを同定しました。そのうち1つは汚染と判定されましたが、ある患者から得られた7つのコンティグのうち2つは、RT-PCR及びサンガーシーケンシングによって検証されました。結論として、原因不明の肝硬変患者から7つの未知のコンティグが発見され、これらの配列は負鎖一本鎖DNAゲノムを持つ新規のヒトウイルス由来である可能性が高いと考えられました。
これ以降はウイルス以外となります。2番目の論文です。第100回日本結核・非結核性抗酸菌症学会より、非定型マイコバクテリウム感染の報告です。現在、抗酸菌は190種類以上が報告されています。今回、マイコバクテリウムスピーシーズ新菌種による第1例と考えられる症例を経験したので報告されています。
症例は60歳代の男性で、2週間続く微熱、咳嗽を主訴に病院を受診、喀痰抗酸菌塗抹1+、M.intra-PCR陽性となり、肺の非結核性抗酸菌症と診断され、3剤による治療が開始され、喀痰培養陰性化を確認され、2年後に治療終了となりました。
診断から3年後には再度、喀痰塗抹検査が陽性となり、4年後には質量分析実施を行ったところ、同定不能でした。M.intra-PCRは変わらず陽性、完全長ゲノムを用いたAverage nucleotide identity解析では、95%以上となる近縁種が得られず、新菌種と考えられました。診断から8年後も外来通院中であり、胸部レントゲン写真では徐々に悪化傾向となっており、3剤での治療が継続中ですが、排菌状態が続いている。新菌種による難治性の肺非結核性抗酸菌症は、経年的に緩徐進行する経過を呈しているとの報告です。
最後、3番目の論文です。Emerg Infect Dis.より、コリネバクテリウム感染についてです。ドイツで、野性動物、イノシシやシカの病原体と知られるCorynebacterium silvaticumがヒトに感染した事例の報告です。Corynebacterium silvaticumが新たな人獣共通感染症の病原体となる可能性について報告が上がっております。研究報告概要一覧については以上となります。本文が資料1-2に載っておりますので、詳しくはそちらを御覧ください。
2ページからが、感染症の定期報告(個別症例報告概要)、外国症例の一覧です。こちらも、令和7年6月~8月の受理分です。今回は5例の報告がされていますが、1例目と2例目、4例目と5例目がそれぞれ同じ方になります。これについては、個別の症例の説明を割愛いたします。資料1-1についての説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、水上委員から追加の御発言があれば、よろしくお願いいたします。
○水上委員 国立健康危機管理研究機構の水上です。よろしくお願いいたします。本日は、文献1の突発性肝硬変につきましてコメントしたいと思います。先ほど、血液対策課からの御説明にありましたように、文献1は原因不明の肝硬変の患者から、マイナス一本鎖DNAウイルスである可能性が高い未知の病原体ウイルスが、配列としてですが、発見されたという報告になります。御存じのとおり、肝疾患の多くはA型~E型肝炎ウイルス感染、それから遺伝子異常、免疫疾患、又は代謝障害によるものと考えられておりますが、肝疾患患者の5~30%では原因が不明であると報告されておりました。そのため、長年、未知の肝臓指向性のウイルスの存在及び関与というのが考えられてきました。
本文献では、次世代シーケンス技術を用いまして、原因不明の肝疾患患者9名の中から、いわゆる血清virome、いわゆるウイルス叢解析というものが行われました。その結果、患者③の方から7個の配列断片、いわゆるコンティグが発見されまして、そのうち2つが、この肝移植前の異なる時点で採取された血清、及び異なる抽出方法を用いたRT-PCR、及びサンガーシーケンスにより、いずれの検体からも検出されたということから、これがコンタミネーションではないということが確認されております。
この患者③は、1994年度半ばに腹部不快感を訴えまして、潜因性、いわゆる主要な原因特定ができない肝炎と診断されておりましたが、治療を受けず急速に病状が進行し、1995年度末までには肝硬変に至り、その後、肝移植を受けましたが、合併症により亡くなられております。
この2つの断片、こちらを更に解析を行いました結果、逆転写を伴わないPCRで増幅が可能だったということと、主に二本鎖DNAを切断するII型の制限酵素処理をしてもPCRの増幅効率が低下しないこと、それから、ゲノムウォーキング解析で3’末端では成功したものの、5’末端では成功しなかったことなどから、恐らく新規のマイナス一本鎖DNAウイルスである可能性が高いと結論付けております。
ただし、この断片ですが、この患者さんのみで検出されておりまして、更に新たに検査した献血由来の200検体、それから病因が未知の肝疾患由来の225検体、トータル425検体では検出されておりませんので、現時点では肝疾患との因果関係というのは不明であると考えております。ただ、一本鎖DNAをゲノムとするウイルスとしてはParvovirus B19などがありますので、引き続き、これは新たな血液媒介性ウイルスである可能性があるということも考えて、今後、注視していく必要があると思います。
その他、肝臓指向性ウイルスとしましては、今までもアネロウイルス、それからヒトペギウイルス1型及び2型、それから、ヒト環状二本鎖DNAウイルスとしてキスウイルス(KIs)などが発見されております。しかし、これらのウイルスも、肝疾患と、その他のヒト疾患との因果関係というのは確立されておりません。最近、このヒトペギウイルスにつきましては、パーキンソン病の病体形成に関与する可能性が報告されておりまして、本年8月に米国の輸血・細胞治療学会(AABB)のファクトシートのほうも、このデータが追加されて更新されております。
また、2022年度以降、欧米を中心に原因不明で重症な小児の急性肝炎が発生しましたが、こちら、この小児の急性肝不全というのは、約40%が原因不明なのですが、その後の解析で、アデノウイルス、特にF群41型(Adv41)や、アデノ随伴ウイルス2型(AAV2)との関連が示唆され、腸管アデノウイルスがヘルパーウイルスとなって、このアデノウイルス随伴2型ウイルスが増殖することが発症に関与しているということが報告されております。日本でも、このAAV2感染に関連する小児重症肝炎が散発的に発生していたことが示されておりまして、このAAV2についてはヘルパーウイルスの重複感染が重症肝炎の発症に関与している可能性が最近報告されております。また、英国等では、ヒト白血病抗原(HLA)型が特に重要であるということの報告もされております。また、別の仮説としては、SARS-COV-2感染後の亜急性期に、この腸管Advとの感染が重なって肝炎を起こしているなどという説もあります。
この肝炎につきましては、いまだ病因不明の割合が非常に高いため、今後も新たな関連ウイルスが発見される可能性がありますが、引き続き、この情報の収集に努めていく必要があると考えております。私からは以上です。
○田野﨑委員長 水上委員、詳細な御説明、どうもありがとうございました。委員の先生方から、何か御質問、コメントがあればお願いいたします。3か月の間に3報ということで、あと、外国症例で気になったのは、アルブミンとかγ-グロブミンですが、C型肝炎が上がっていたりするのがちょっと気にはなりますが、これは詳細なことは分からないということと伺っています。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
続いて、感染症定期報告制度の改定について、法律上の取扱いの変更が予定されていることから、資料の説明をお願いいたします。
○東血液対策課長補佐兼医薬安全対策課次世代医療品等安全対策専門官 事務局から御説明いたします。感染症定期報告の見直しについて、資料1-3に沿って御説明いたします。まず、2ページです。血液製剤等の生物由来製品については、化学合成品とは異なり感染性物質の混入というリスクがあるということで、その製品そのものだけではなく、製品に使用されている原材料、そういったところまで感染症に関する研究報告や措置報告等を製販企業から定期的に報告いただく、これは半年ごとに報告いただく仕組みとなっております。
一方で、この感染症定期報告における実際の報告の実態ですが、約8割の報告については、実は報告事項がない旨の報告となっているという状況があります。
こういった状況を踏まえ、3ページにお示ししておりますが、医薬品医療機器制度部会で議論いたしまして、その結果、感染症定期報告については、今後はリスクの高い場合には速やかに評価・報告を求めることとし、一方で、対象期間中に報告対象がないといった場合には、報告自体を不要とするという合理的な見直しをすべきという話で取りまとめられております。
これを受けまして、本年5月に公布された改正薬機法において、これまでは定期的に報告しなければならないという規定でしたが、これを、具体的な取扱いを省令で定めるという形で改正するということにしております。これが4ページです。
この具体的な取扱いを省令で定めるという所ですが、省令案の概要としましては5ページにお示ししております。「報告対象を知ってから30日以内に報告をする」という規定を新設することになります。
報告が必要なケースとしては、①「人に感染するおそれのある疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるものに関する研究報告・措置を知ったとき」というのが1つ目です。これは基本的には、いわゆる感染症法上の新感染症に該当するようなもの、事例を念頭に置いております。②「人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病に関する研究報告・措置を知ったとき」、これは、いわゆる感染症法上の1類感染症、こういったものを対象にすることを念頭に置いております。これらのものについては、具体的には更に通知等で詳細に具体的な手順を定めていくことにしております。
もう1つ、これまでの通常の6か月報告については、ほぼ現状と同様ですが、いわゆる報告事項がない場合には報告そのものを不要とするという形で改正をする予定になっております。本見直しについては来年の5月1日施行としておりますので、それ以降の報告については、この見直しをした後の形で御報告させていただくことになりますので、御承知のほどよろしくお願いいたします。報告は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。以上の感染症定期報告制度の改定について、何か御質問、コメントなどがあればお願いいたします。よろしいでしょうか。そうしましたら、この方向で進めていただければと思います。どうもありがとうございました。事務局におきましては、今後も感染症の定期報告をお願いいたします。
次に、議題2「血液製剤に関する感染症報告事例等について」に移りたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 事務局でございます。資料2-1を御覧ください。血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等についてです。6月~8月の感染症報告事例のまとめ及び一覧となります。1ページ目の1番、6月~8月に報告があった感染症報告が(1)~(4)で、HBVが3件、HCVが1件、HIVが0件、その他が5件でした。その他の5件のうち、サイトメガロウイルス感染が2件、細菌等が3件でした。
次の2番以降は、HBV、HCV等についての個別事例となります。HBV感染については、3件のうち、献血者の保管検体の個別NAT陽性は0件、劇症化又は輸血後に死亡したとの報告を受けた事例は0件でした。HCVに関しても、1件のうち、献血者の保管検体の個別NAT陽性は0件、劇症化又は輸血後の死亡は0件でした。HIVは0件なので割愛いたします。
その他の5件ですが、B型肝炎及びC型肝炎以外の肝炎ウイルスが0件でした。細菌等の感染報告3件について、当該輸血用血液の使用済みバッグを用いた無菌試験の陽性が1件、このうち、輸血後に死亡したとの報告を受けた事例は0件でした。次のページからは症例の各論が載っていますが、こちらの説明は割愛いたします。
続いて、資料2-2、供血者からの遡及調査の進捗状況等についてです。1ページ目、供血者から始まる遡及調査実施状況です。一番右が令和7年4月~9月の速報値です。それぞれの数値の御説明はいたしませんが、この期間でこれだけの数の調査がありました。そのうち、医薬品副作用感染症報告を行ったものとして、HBVが1件ありました。
この1件については、その下に2番の表と3番の表がありますが、3番の表に含まれています。こちらは個別NAT結果が陰性の輸血用血液製剤の投与により、受血者の陽転が確認されたものです。こちらは院内で使用されていました。
2ページ目です。医薬品医療機器等法第68条の11に基づく回収報告状況です。個別の製剤についての説明は割愛いたしますが、全部で21本ありました。事務局からの説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。感染症の患者さんからの報告では、B型肝炎で感染が証明されている事例が1例、それから血小板製剤で大腸菌が出ている症例が1例ということです。以上について御質問、コメントをお願いしたいと思います。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今、省略されてしまった個別症例なのですが、委員長がおっしゃったように、1行目の方は、確保した原料血漿のPCRを10回測定して2回陽性ということで、ただ、NAT自体は陽転化していないけれども、この血漿が原因と考えられるわけですが、確か、1年ぐらい前にも同じような10回やって1回だけ光ったということがあったと思うのですけれども、多分この方はもう献血はされないとは思うのですが、こういった方は今後も出るというように考えていいのですか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 このような献血者の方は今後も現われると考えられます。ですので、前回は何もなくて次回の献血のときに、もうB型肝炎が治ってしまった、この方のようなHBc抗体とHBs抗体のどちらも陽性という方についても、遡及調査が行えるような体制を日赤としては整えているところです。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。松下委員、よろしいですか。
○松下委員 分かりました。現状のNATの性能だと、これ以上はなかなか検出できないということになるわけですよね。
○日本赤十字社後藤技術部次長 はい。現状のNATよりも性能を上げても、こういう事例というのは必ず出てきてしまうのではないかと推測しております。
○松下委員 ありがとうございました。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか。ほかに御意見はありますでしょうか。血小板製剤の感染に関しましては、血小板の細菌スクリーニングが始まる前の症例ということになると思いますので、こちらは見ていくということでよろしかったでしょうか。ほかに御意見等はありますか。よろしいですか。そうしましたら、今後とも事務局におかれましては、感染症症例や遡及調査の結果の報告をお願いいたします。
それでは、議題3「各調査会の概要について」に移りたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 事務局です。初めに、令和7年度第1回安全技術調査会の概要について御報告いたします。議題1、座長の選出及び座長代理の指名についてです。座長に大隈委員、座長代理に水上委員が指名されました。
議題2、感染症安全対策体制整備事業についてです。国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センターの関参考人より、以下のとおり報告がありました。デングウイルス1~4型に対する核酸検査の精度管理に資する国内参照品を整備し、多施設共同測定を実施した。これにより、国内外のキットを用いて施設間での検出感度を比較できる体制が整備されました。また、新たな取組として、献血血液の血清学的背景を把握するためのサーベイランス体制を構築するとともに、献血検体でエムポックスウイルス陽性疑いが発生した場合の検査体制を構築しました。これらの取組については、令和7年度以降も継続を予定しております。
議題3、NATコントロールサーベイ事業についてです。こちらも国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センターの手塚参考人より、以下の御報告がありました。血漿分画製剤の原料血漿プールNATを実施する対象に、パルボウイルスB19(PVB19)NATの検出感度及び特異性の実情把握を目的としたコントロールサーベイを実施しました。その結果、配付したPVB19陽性検体は全て検出され、各施設で適切に精度管理が実施されていることが確認されました。
議題4では、日本赤十字社より、令和6年度の血液製剤の安全確保の取組として、2024年度に医療機関から報告された輸血感染症、遡及調査、輸血副作用等について報告がありました。以上となります。
○金子血液対策課長補佐 続きまして、資料3-2の説明をさせていただきます。こちらは令和7年度第2回献血推進調査会の概要についてです。開催日は11月10日です。出席者については全委員に御出席を頂きまして、日本赤十字社からは2名の御参加、また、議題2の自治体、企業における献血推進活動については、参考人としまして、栃木県庁の東城様と明治安田生命保険相互会社の塩田様に御出席を頂きました。
まず議題1では、令和8年度の献血の推進に関する計画案について御議論を頂き、令和7年度計画からの変更点やパブリックコメントの実施結果について御説明いたしまして、御了承いただいております。なお、12月1日に開催されました血液事業部会においても了承されております。
次に議題2の自治体、企業における献血推進活動になります。栃木県保健福祉部医薬・生活衛生課の東城様より、栃木県における若年層献血者確保の取組について御紹介を頂きました。栃木県では毎年8割以上の学校で高校献血を実施していただいており、10代の献血率が全国平均を大きく上回っております。一方で、20代の献血率が10代より低いことから、高校献血に御協力いただいた学生が将来にわたり、継続して献血に御協力いただけるような取組など、若年層の献血者確保に向けた取組を紹介していただきました。
続きまして、明治安田生命保険相互会社の塩田様から、明治安田の献血推進活動について御紹介を頂きました。プロサッカーリーグのJリーグ全60クラブや日本赤十字社と組みまして、2023年から「シャレン!で献血」を開始して、スタジアムへの献血バスの誘致や献血ルームへの御案内、Jリーグ選手OBによる献血の御案内などの取組を紹介していただきまして、ファンやサポーターの間で献血の輪が拡大していることが分かるデータも御提供いただきました。
議題2について、委員の皆様からの主な御意見を紹介いたします。栃木県の取組に対しましては、県内に献血ルームが2か所しかないので、企業献血をもっと実施したらよいのではないかといった御意見や、明治安田生命の取組に対しましては、Jリーグ選手OBと学生ボランティアが協力しての献血推進活動も検討していただきたいといった御意見を頂いております。
最後に、議題3としまして、令和7年度上半期のモニタリングの結果として、献血に関わる各実績を報告しております。説明は以上になります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。以上につきまして、御質問、コメント等はありますでしょうか。そうしましたら私から、献血推進のほうで日本赤十字社の方に御質問させていただきたいと思います。
県によって、特に栃木、山梨、群馬などは、高校生の献血率が非常に高くて、同じ日本赤十字社の管轄の中で、かなり差があるわけなのですけれども、これは土地柄などもあるのかとは思いますが、こういうものを同じグループの中、社内の中で、このような活動を広げるとか、そういった試みなどは何か検討されていますでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部早坂経営企画部次長 日本赤十字社の早坂でございます。御質問ありがとうございます。先生がおっしゃるとおり、かなり都道府県によって異なっておりますけれども、これは従前から実施している所と、なかなか実施していない所で、もともと分かれているということがあります。また、コロナ禍によりまして、学校献血、これは大学もですが、大分減少いたしまして、昨年、今年と徐々に元に戻りつつありますが、まだこれだけの差があるということもあり、日本赤十字社といたしましては今年度、全国各血液センターの学校献血や企業献血の推進状況のアンケートを取りまして、その内容を各センターへ共有いたしました。例えば、教育委員会への働きかけを特に高めている地域、あるいは学校の校長会などに直接、献血セミナーや献血バスの配車について、お願いしている都道府県もありますので、そのような状況を共有しまして、今後、高校のみならず大学献血のほうも増加させていきたいと考えております。
○田野﨑委員長 是非とも、若い方の人口の多い東京、大阪、神奈川などの大都市で、このような試みを広げていただけたらと思いました。どうもありがとうございました。ほかには何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、続いて議題4、日本赤十字社における再発防止策等に移りたいと思います。日本赤十字社より、資料の御説明をお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本件については、9月の第2回運営委員会、10月の第3回運営委員会において説明をさせていただいております。本日は、現在取り組んでおります再発防止策の状況と、今回新たに過去事例の調査を行いましたので、その結果についても資料に沿って説明をさせていただきます。2、3ページは、チャートを記載しております。2ページの職員の意識改革、ガバナンスの強化、3ページの業務手順等の一斉点検、委託業者契約の見直しについては、前回も少しお話をさせていただいております。今回、新たに⑤として過去事例の調査を追加しております。詳細については、次のページより説明をさせていただきます。
4ページです。最初に、職員の意識改革です。今般発生いたしました事態を、職員一人一人が自分事として捉え、血液事業が献血者の皆様の善意により成り立っていること、国内唯一の採血事業者及び輸血用血液製剤の製造販売業者であることの自覚を持って、日々の業務に従事することの意識醸成を目的として実施をしております。
取組事項については、9月19日に血液事業本部長の通知を発出し、各業務手順遵守の徹底の指示をいたしました。また、9月25日には緊急の全国赤十字血液センター所長会議・管理部門担当部長会議(合同会議)、また10月30日には全国赤十字血液センター所長会議を開催し、各血液センター所長へ職員が「基本理念」と「私たちの目標」の再確認と徹底、献血血液を扱う業務の責任を自覚、業務手順を確実に遵守することの重要性を再認識するよう依頼をしております。また、10月8日、12月22日には、血液事業本部長メッセージを配信し、血液事業に携わる全職員に向けて本部長からのメッセージを配信しております。
今後の取組としては、定期的に血液事業本部長メッセージと職員の意識改革を促す媒体を活用し、全ての血液センターにおいてあらゆる機会を捉えて、職員の意識醸成の徹底を図っていきたいと考えております。
続いて5ページ、ガバナンスの強化です。血液の安全性や事業への信頼性を確保するため、血液事業本部が不適切な事態を確実に把握し、迅速に対応することを目的としております。取組事項ですが、まず血液事業本部に血液事業安全推進チームを発足いたしました。ヒヤリハット・インシデント・アクシデントに対する原因究明と再発防止策の統括管理、医療安全の考え方を参考にしたリスク区分の見直しに取り組んでおります。また、発生した事例の分析、共有の仕組みの検討については、各血液センター血液安全委員会のリスク分析等の機能、運用等の再構築を含めて、現在取り組んでおります。
また、国への報告基準、国民への公表基準の策定として、血液事業本部内で迅速に対応するためのITツールを用いた情報共有手順を確立いたしました。また、厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準の策定、血液事業における危機事象公表基準の策定も行っております。今後の取組としては、経営会議に不適切な事例の発生状況や対応状況を報告するなど、引き続き経営会議においてモニタリングを実施していくこととしております。
続いて6ページ、業務手順等の一斉点検です。手順の不遵守による事例が相次いで発生したことから、業務手順の一斉点検による再発の防止を目的に実施をいたしました。点検方法については、血液事業本部で作成したチェックリストに基づき、各血液センターにおいて点検を行いました。点検員については、客観性を担保するため他施設、または他部門職員とし、複数名で実施をいたしました。点検の範囲については、血液の品質や搬送に関わる業務手順及び教育訓練、上記に委託事業者が関わる場合には、委託事業者の業務手順及び教育訓練を範囲といたしました。点検内容については、SOPで規定されている内容がマニュアルに網羅されていること。マニュアルどおりに作業が実施されていること。教育訓練は対象者全てに実施をされていること。マニュアルに誤解を生むような記載がないことを点検内容といたしました。
また、点検後の対応としては、各血液センターにおいて点検の結果で「否」の項目がある場合については、マニュアルの改訂及び教育訓練を実施する。また、ブロック血液センターは、その状況を確認することとし、令和8年2月末までに完了する予定としております。
続いて8ページ、委託業務契約の調査と見直しです。委託事業者の業務が適切に遂行されるよう、契約内容及び仕様書の内容の統一を目的に実施をいたしました。対象となる委託業務については、採血した血液の搬送業務、輸血用血液製剤の供給業務、血液製剤の保管機器の保守業務、献血者情報を取り扱う業務としております。契約書への記載を確認した条文等ですが、再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償、業務遂行体制、業務報告等、業務実施に必要な教育訓練を受ける必要があることの記載の有無について、調査を実施いたしました。
続いて9ページ、調査の結果です。再委託、業務遂行体制及び業務報告等について、条文がない契約書及び業務実施に必要な教育訓練を受けることが明文化されていない仕様書が半数以上ありました。今後の対応については、契約書には再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償について明文化した統一フォーマットを使用すること。また、仕様書には献血血液の取扱いの重要性と、業務実施に必要な教育訓練を受ける必要性があることを明文化することとしております。
続いて10ページ、過去事例の調査結果です。今後の再発防止に活かすため、広域事業運営体制に移行した2012年4月1日から2025年9月11日までの期間に、各血液センターで開催されました血液安全委員会においてインシデント・アクシデント及び品質情報等の発生に伴い対応が協議された事例のうち、本年9月に作成した報告基準に照らした場合に該当する事例を集計いたしました。この集計については、厚生労働省に既に報告済みの事案については除いています。
11ページは、参考です。血液安全委員会の役割ですが、全ての血液センター・製造所に設置され、関係法令への対応、献血者の安全性確保及び血液製剤の品質向上に必要な事項について調査・審議、決議及び承認を行う機関です。毎月1回開催するほか、血液製剤の安全性に関する問題やトラブルなどが発生した場合には、臨時に開催をし、当該製剤の出荷・転用の可否、廃棄の決定について検討・協議をしております。
続いて12ページです。「厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準」として、1~8項目あります。続いて、13ページは調査の結果です。厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準に該当する事例数ということで、今回調査の結果、該当する事例数が985件でした。下の棒グラフについては、調査開始の2012年~2025年までの年度の推移です。2014年に血液事業情報システムが変更になり、件数が減少しておりますが、年に数十件発生している状況が続いているということでした。
続いて14ページです。それらの985件について、厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準に沿った発生件数です。1番目の輸血用血液製剤、原料血漿が廃棄又は転用となった事例が979件で、最も多くありました。2番目の献血者に対し重大な健康被害を及ぼすおそれがある事例(誤穿刺、入院事例、死亡事例等)が5件ありました。また、4番目の個人データの漏えい等が発生し、個人情報保護委員会への報告基準に該当する事例が1件ありました。合計で985件ということでした。
続いて16ページです。先ほど説明をいたしました№1の輸血用血液製剤、原料血漿が廃棄又は転用になった事例979例の内訳です。左の枠に、作業手順による類型として、献血受入工程から車両事故まで、11の分類としております。件数については、合計で979件です。右の枠が、それぞれの廃棄、転用になった本数で、合計本数は1万3,322件でした。3,675本については廃棄になりましたが、9,647本については原料血漿分画製剤の原料、また研究用として活用させていただいております。
続いて17ページは、11の分類の詳細です。18ページは、報告基準2の「献血者への重大な健康被害のおそれ」の詳細です。発生件数としては、5件ありました。採血時に穿刺針が看護師の手指に当たったことに気づかず採血した事例(採血後に看護師の手指に出血点があり気づいた)というものが4件ありました。また、作業工程の中でチューブに亀裂が入り、隣の献血者に血液が飛散した事例が1件ありました。いずれのケースも健康状態のフォローを行いましたが、健康被害はありませんでした。
続いて報告基準4、「個人情報保護委員会への報告基準に該当」の詳細です。発生件数は、1件ありました。受付確認表の管理不備事例です。献血者の氏名、生年月日等の個人情報が記載された受付確認表が誤って他の献血者への処遇品の袋に入り、そのまま渡したという事例でした。誤ってお渡しした献血者の方から申し出があり発覚いたしました。職員が回収し、当該献血者には経緯を説明のうえ、謝罪をしております。
続いて19ページ、調査結果のまとめです。調査の結果、これまで公表した事例以外に、献血者及び患者の生命や健康に被害を及ぼす事例は発生しておりませんでした。しかしながら、手順の逸脱等により献血していただいた貴重な血液を廃棄・転用する事例が多く発生しておりました。献血者の善意にしっかりとお応えできるよう、職員の意識改革、手順の遵守、コンプライアンス・ガバナンスの強化といった本年9月に策定した再発防止の仕組み等を徹底し、安全な血液製剤の安定供給に万全を期していく所存です。資料の説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。詳細に再発防止策について御説明いただきましたが、委員の先生方からコメント、質問などがあれば、お願いいたします。13年半の間に985件というのが多いか少ないかというのは、またあれですが、このように公開してというのは、あるべき姿かと思いますが。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。6ページの業務手順の一斉点検の所で、SOPとマニュアルについてある程度定義をしっかりされているということが分かったのですが、多分、各県や各ルームとか各支社やセンターで個別のマニュアルを作っているのですが、どの程度本部で把握されているのでしょうかという質問を、恐らく前回私からしたと思うのですが。その後、ある程度把握は進んでいるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。現在その作業を、推進チームで進めているところです。12月の後半ですが、一斉点検の内容を今回かなり大幅に実施したものですから、少し整理に時間が掛かっているのは事実です。これまで各血液センターのマニュアルについてはまだ把握できていない部分がありましたので、これから分析も含めて実施をさせていただきたいと考えております。
○松下委員 分かりました。どうか、よろしくお願いいたします。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。三谷委員、お願いします。
○三谷委員 ⑤の所で、2012年から膨大なインシデント・アクシデントを改めておまとめいただき、ありがとうございました。その中で分かってきたことは、やはり廃棄・転用が一番多いということで、詳細についても16ページにおまとめいただいているところかと思います。
やはり発表のときに少し気になったのですが、廃棄の本数は何本、転用になった分は問題がなかったというような受け止めは、少し間違っていると思います。あくまで、転用分は廃棄相当の事例であったと御認識いただいたほうがよいと思います。転用は、結果としてできたことではありますが、本来は起こってはいけないことだと思いますので、その辺りのまとめに工夫を頂ければと思います。
それから先ほどの松下先生の御質問にも関係があるかもしれないのですが、16ページの廃棄・転用の詳細に関して、特に件数の多いものに関しては将来的に現場のマニュアルに反映していただくような形で考えていらっしゃるのですよね。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。そのようにマニュアルを改訂していきたいと思っておりますし、私の説明不足で誤解を招くような表現がありましたことについては、申し訳ないと思います。
○三谷委員 いえいえ、同じことではありますが、意識の問題として少し気になりました。あとは、18ページに報告基準に引っかかった重大な事例等が書いてあるのですが、これらを是非現場に周知していただきたいと思います。本社だけでこれを見ていてもどうにもならないので、現場の各県のセンターの隅々までこういうことがあったということは、目に触れるような形にしていただきたいと思いました。
最後に、委託業者の調査と見直しなのですが、ここに記載されていることは、あくまでも業者が決まった後にこうしますよということが書いてあるのですが、選定をする際の最低限の基準などは設けなくて宜しいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。ありがとうございます。その辺りも、契約書、仕様書の中に、多分仕様書がそのようなものになろうかと思いますので、仕様書の中にきちんとうたって業者の選定をさせていただくことを考えております。
○三谷委員 分かりました。ありがとうございました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。水上委員、お願いします。
○水上委員 非常に細かく解析いただき、ありがとうございます。私から質問したい所は、廃棄本数と転用本数のところで、かなり転用できましたというお話を頂いたかと思うのですが。その転用の中には、実際、原料血漿として使えたというものと、研究用という形で転用できたものがあると御説明いただいたかと思うのですが、これは個別に具体的な本数はなかなか難しいかとは思うのですが、どれぐらいの割合で実際に原料血漿として使えて、残りは大体どれぐらい研究用として回されたのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 細かい数までは把握しておりませんが、大半が原料血漿のほうになったのではないかと考えております。
○水上委員 ありがとうございます。もう一点、今回このようなことを継続的に見ていった中で、各地域センターでの差、あるいは、ある地域だけで結構連続して起こっていることなのか。あるいは、均てん化されていて大体ほぼ満遍なく起こっていたことなのかという、全体像はいかがですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 ありがとうございます。細かい分析については、これからさせていただこうとは思います。どちらかといえば、全国満遍なく起こっていると御認識いただいたほうがいいのかと思っています。
○水上委員 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。後藤委員でしょうか。
○後藤委員 はばたき福祉事業団の後藤と申します。日本赤十字社には、今回大きくきちんとまとめていただいて、ありがとうございました。今後、良い取組が進んでいくものと期待しています。実際に、この報告を要する事例に関する基準に該当する事例について、1年間に少ない年でも44件、多い年だと100件を超えるような事例が起こっている中で、この規模で事業を行っていただいているので、これをゼロにするというのは難しいだろうとは率直には思うところなのですが、どうすれば減らしていけるかというところで、今後マニュアルづくりなどに役立たせていただきたいとは思うのです。
今後、どのぐらいまで減らしていくのを目標にするという、数値目標を出すものでもないとは思うのですが、その辺りの基準設定のようなものは、今のところお考えなのかどうかというところをお聞かせいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。正直言いまして目標の数字があるかと言われれば、目標数値等はありませんが、やはり貴重な献血血液ですので、我々としてはゼロに近づけていきたい、そのために努力をしていきたいと考えております。
○後藤委員 ありがとうございました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。あとはよろしいでしょうか。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今の話なのですが、確かにインシデントやアクシデントがゼロになる、ゼロに向けていくのはいいことなのですが、今年はこれだけ減らしますというような目標を立ててしまうと、誰も報告してくれなくなってしまうので、その辺りは少し考えどころかと思いました。コメントですが、以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。こちらは、年間で4、50~100件ぐらいあるということなので、委員会ごとにある程度まとまった形で厚労省にも報告があるということです。事務局、引き続き、この委員会でもこのようなものが報告されてくるということでよろしいでしょうか。
○金子血液対策課長補佐 この運営委員会の場で引き続きそういった案件がありましたら、報告させていただきます。よろしくお願いします。
○田野﨑委員長 引き続きよろしくお願いいたします。そうしましたら、再発防止などをしっかり講じていただきながら、日本赤十字社におかれましては貴重な血液による血液事業を担っているということですので、厚労省ともよく相談しながら、引き続きこの報告をしていただくようにお願いいたします。
最後に、議題5の「その他」に移ります。武田薬品工業株式会社から、「武田薬品工業株式会社の免疫グロブリン製剤の今後の供給予定」について、説明をお願いいたします。
○武田薬品工業株式会社正野参考人 武田薬品サプライチェーンマネジメントの正野と申します。よろしくお願いいたします。それでは、お手元の資料5を御覧ください。弊社における一部の血漿分画製剤の製造において発生した事象及び製品の供給について御説明、御報告をさせていただきます。
スライド2を御覧ください。まずは現在の供給状況について、御説明いたします。弊社は、成田工場の製造プロセス検証において確認すべき事象が発生し、稼働を一時停止していたことで患者様や医療関係者の皆様をはじめ、多くの関係者様に御迷惑と御心配をお掛けしておりましたが、先週より再稼働をしておりますことを御報告させていただきます。現在、これまでの原因調査の結果に基づいて順次生産を再開しておりますが、グロブリン製剤に関しては、海外血由来製剤の輸入によって供給量を確保しておりますので、まずはそれ以外の製品、特に在庫が少なくなっている製品を優先して取り組んでいる状況です。
したがって、スライドの下の表に示しているとおり、献血グロベニン-Iについては限定出荷及び出荷停止を継続させていただきますが、代替として海外血由来製剤の供給を1月中に開始させていただく予定です。献血ノンスロンの限定出荷に関しても、新たな製造により安定供給可能な在庫量が確保できるまでは限定出荷を継続とさせていただく予定です。一方、献血アルブミンについては、出荷保留としていた在庫が利用可能となったことで十分な在庫を確保できておりますので、1月より通常出荷とさせていただきます。以上が供給に関する御報告となります。
○武田薬品工業株式会社柘植参考人 続いて、品質保証責任者の柘植のほうから、今回発生した事象の概要について御説明させていただきます。
3ページに今回の血漿分画製剤の出荷までの工程を図示しております。原料血漿を受け入れた後、原薬工程を経て製剤工程、この後、包装、出荷試験、国家検定、出荷となっておりますが、今回、確認が必要となった工程は、この無菌製造が必要とされている製剤工程です。弊社では、無菌製剤の製造プロセスが確実に無菌状態を維持できているかを検証するためのプロセスシミュレーション(原薬の代わりに微生物が増殖できる培地を使用して、通常の製造手順と同様に製造)を約6か月ごとに実施し、この結果、製剤プロセスにおいて微生物汚染が発生しないということを科学的に証明しております。
今回、2025年9月に実施した定期的な製造プロセスの検証において、製造した培地充填検体より陽性バイアルが検出され、前回の定期的な検証(2025年4月実施)以降に製造された全製品に関して本事象の原因が判明し、影響範囲が確定するまで出荷を停止する必要性が発生いたしました。これに伴い、先ほど正野も申していたように、成田工場の稼働を一時停止しておりましたが、これまでの原因調査の結果に基づき、順次、成田工場での生産を再開しております。
○武田薬品工業株式会社寺田参考人 武田薬品血漿分画製剤マーケティング統括部の寺田より、4ページ、医療機関等への対応状況について御説明させていただきます。
本件については2025年10月31日より医療機関及び関連学会の皆様方に案内を行ってまいりました。供給停止中の献血グロベニン-Iについては、各社の御協力に基づき、医療機関への代替供給を行っております。また、代替供給は2026年2月までの予定としております。現時点において、医療機関への免疫グロブリン製剤の供給は滞っていないと認識しております。
また、2025年7月に製造販売承認を取得している海外血由来のグロベニン-I10%静注については、輸入量を増加し、早急に供給できる手続を進めてまいりました。厚生労働省様、また、JIHS様の御協力もあり、海外血由来のグロベニン-I10%静注を2026年1月中に販売開始できる見込みとなりましたので、併せて御報告をさせていただきます。武田薬品からは以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に、何か御質問やコメントなどがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今の話と直接の関係はないかもしれないのですけれど。輸入されているグロベニン-Iは冷蔵の液状製剤だと聞いているのですが、今後、国内で製造されるグロベニン-Iも液状製剤に変わっていく見通しでしょうか。
○武田薬品工業株式会社正野参考人 武田薬品の正野から回答をさせていただきます。弊社で、献血由来のグロブリン製剤に関して液状の製品の開発を進めております。既に承認申請をしていることは公表しておりますが、まだ審査中ですので、今後、この状況について具体的な計画が分かった時点で、また詳細については御説明させていただきたいと考えています。
○松下委員 それで結構でございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。三谷委員、どうぞ。
○三谷委員 御説明をありがとうございました。4ページ、医療機関等への対応状況の3つ目のポツの所なのですが、現場の医療機関への免疫グロブリン製剤の供給は滞っていないと認識されているということなのですが、これは調査か何か、された結果ですか。
○武田薬品工業株式会社寺田参考人 ありがとうございます。武田薬品血漿分画製剤マーケティング統括部の寺田です。定期的に、各社様、あとは厚生労働省様、血液対策課様にもお入りいただいて情報交換の機会を設けさせていただいております。その情報交換の中で効能別代替という形で、現在、各社様の協力を頂いて代替供給を行っておりますが、そちらのほうが機能していると御報告を頂いております。また、もちろん一部の医療機関においては、やはり御要望に十分お応えしきれない御施設もあるとはお聞きしておりますが、全体量を見たときには、それほど大きく供給が滞るという状況にはなっていないとお聞きしております。
○三谷委員 御説明をありがとうございます。各社と協働して代替品の供給などを行っていただいているということではありますが、やはり現場の医療機関でどうなっているかが一番知りたいと思いますので、そちらのほうにも目を配っていただければと思います。お願いいたします。
○田野﨑委員長 松本委員、お願いします。
○松本委員 松本です。やはりこれ、滞っていないというようには書いてあるのですが、現場の肌感からすると、そうではないと言わざるを得ない。特に、ふだん余り供給されていない所に患者さんが発生したときは、やはり全く問屋さんが回してくれないということがあって。私は、埼玉の大きな総合医療センターですけれども、やはり、そちらへ患者さんが送られて来ると、これは、非常に製品によって適用が違いますので、その適用に合わせたものを輸血部で保管しているので、輸血部の人員がさばいているという状況がずっと続いております。そのような状況はかなり苦しいところでもあります。そういうような状況を打破するべく、輸入もということで、全量として、量としてはかなり確保できてきているのかなと理解はするのですが、やはり適用などもありますし。
もう1つ、現場として、松下先生からも少し話がありましたが、乾燥のもの、粉末状と液状が違うということもあって、液状のものに代替しても冷蔵庫が無いという現実的な問題もあったりします。その辺りも考えると、やはり現場の医療機関は苦労をしているのではないかと、今後も苦労するのではないかと予想されますので、その辺り、きちんと認識をしておいていただきたいと考えます。
○田野﨑委員長 引き続き、よろしくお願いいたします。ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
私から1つ、事務局になのですが、前回も日本赤十字社の方々に報告の体制、インシデント、アクシデントや何かの報告については、各分画製剤の企業の方にも、やはりある程度の所で御報告いただく必要があるのではないかというようなことを、少しお話させていただいたことがありました。この点について、先日も、これは薬機法の下でやられているということだったと思いますが、ただ、血液法の中には、いわゆる輸血用血液製剤だけではなく、血漿分画製剤についてもきちんと規定されているということもありますので、そういう意味からすると、ある程度の報告なり、どんな状況が起こっているのかが、私たちにも分かるようにできる仕組みを少し考えていただいたほうがいいのかなと思いましたが、いかがでしょうか。
○山本需給専門官 事務局です。特に今、基準というものはありませんが、例えば、昨年度のクロスエイト、今年度ですと武田薬品工業の全製剤といった出荷一時停止といったものがあれば、まずは、各メーカーさんから我々のほうにすぐ報告を頂くような形になっております。特に明文の規定というものはないのですが、そういった形で運営をしていますし、当然、各医療機関様への影響も踏まえて各社報告を頂いております。そういった中で、確実に、運営委員会の場で御報告するようにしておりますので、そこは今後とも必ずしていきたいなと思っております。
○田野﨑委員長 どうぞよろしくお願いいたします。供給ができなくなった時点で、突然、入ってくることが今まで多かったかなと思います。ただ、そういうときにはいろいろなことを議論し、審議してということを繰り返しているので、何か、もう少し早めの、各企業での対応がされているかどうか。これからほかの企業の方々も入ってくる可能性があるかと思いますので、分からない所での運用がされるのもよくないかなと思いました。御検討を頂ければと思います。以上です。
○山本需給専門官 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 ほかに、何か御意見は。後藤委員、お願いします。
○後藤委員 はばたきの後藤です。武田薬品工業は今回、供給、製造を再開されたということで、大変安心したところです。適切に情報も流していただきましたし、供給に不安がないようにというところ、ただ、アルブミン製剤、グロブリン製剤にせよ、国内需給ができていない製剤なものですから、これをどう確保していくかというところで、やはり、どうしてもこういうことがあると、海外の輸入に頼らざるを得ないというところは、本当に患者さんの命を守るためという意味では、そこは絶対に必要なところだと思います。ただ、やはり血液法の原則である国内需給をどう守っていくかというところ、こういった非常事態のときに、どう国是を守っていくかは考えていかないといけないところかなと思っていて、そこはメーカーや国だけではなく、我々患者自身も、実際、この免疫グロブリン製剤やアルブミン製剤を使っている患者さん自身も、それから、それを使われている医療者の方々も、今回の事態を経て、その辺の認識を持っていくことが必要かなと思いました。また今回の事態で、国内品が段々シェアを下げていくことにならないといいかなというように、ちょっと不安に思っているところではあります。国のほうで、国内需給に向けて何らかのそういった取組、市民というか、一般の医療者や患者さんを巻き込んだ何かアクションをとっていただければ有り難いかなと思うのですが、事務局のほうにちょっと御回答を頂ければと思います。
○山本需給専門官 事務局の血液対策課です。今回、短期的な観点として、武田薬品工業の国内の製造工場が一時停止したということで、非常にショッキングなことではありましたが、同時に、海外から全く同じ効能を持った製剤の輸入ができるというのは、短期的な安定供給上は非常にいいことだというように感じたところも事実です。
他方で、中長期的な国内需給というのは重要な基本理念ですので、当然、国内需給を目指しつつ、しかしながら、やはり短期的には安定供給は優先されるべきものと考えておりますので、短期的な安定供給といった、国内なのか、海外なのかというバランスについては、今後、検討の余地があるのではないかと考えております。患者様や医療機関様への呼び掛けとして少し考えているのは、なぜ国内需給が必要なのかという趣旨や理由といったものを御説明する必要があるのかなと考えております。以上です。
○後藤委員 是非、そういったものが社会全体に伝わっていくような取組をよろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 松本委員。
○松本委員 松本です。やはり、需要と供給が管理されている製剤なので、1つの製剤が何かショートするといったことがあると、たちまちほかが逼迫してしまうといったことがあると思います。そして、同種製剤だけではなく、ほかのものにも影響してくるのではないかと考えます。というのは、今回のグロブリンの供給が少ないというようなことで、例えば、免疫グロブリンを使いたいといった場合に、適応のあるものが手に入らないとなると、血漿交換に代替するということで、アルブミンやFFPに影響したりということは、実際、現場ではあると思うのです。その辺りも含めて、やはり全体として影響が出てくると思いますので、そういうことも含めて、血液事業部会としても見ていかなければいけないのかなと、今回の事象を見て感じました。これは感想です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。堺田委員、お願いします。
○堺田委員 すでに皆様からもご意見が出ているかと思いますが、現場の肌感覚としては、やはり今回は常日頃のようにはいかず、難しさを感じる場面がございました。
その中で、非常に速やかに体制を立て直していただいたことには、深く感謝申し上げます。
ただ一点、情報の「透明性」と言いますか、事態が発生した際の情報伝達が、少し遅れて現場に届くような場面も見受けられました。 正確な情報を「早め早め」にお届けいただくことは非常に重要です。医療関係者のみならず、患者様も非常に心配されておりましたので、今後は情報を届けるという面でも、さらなるご配慮をいただければと思います。
ぜひ、その点はよろしくお願いいたします。コメントのような形ですみませんが、私からは以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほか、よろしいでしょうか。事務局においては、委員や企業からの意見も踏まえて、引き続き血漿分画製剤の国内需給、及び安定供給の体制構築に向けて検討を重ねていただくようお願いいたします。
本日の議題は全て終了いたしましたが、ほかに何か御意見があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。そうしましたら、議事を事務局にお返しいたします。
○源血液対策課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。次回の運営委員会の日程は、別途、御連絡を差し上げます。
また、お知らせがございます。本日の運営委員会をもちまして、三谷委員が御退任されます。三谷委員におかれましては、平成17年、2005年から血液事業部会の委員として、更には令和5年からは部会長として、長い期間にわたり血液内科、輸血医療の専門家のお立場からその見識をお示しいただきました。ありがとうございました。三谷委員から、一言、御挨拶を頂ければと思います。
○三谷委員 過分なお言葉を頂きましてありがとうございます。獨協医大の三谷でございます。本当に残念ではございますけれども、今回、一身上の理由で血液事業部会の部会長と、本委員会の委員を退任させていただくことになりました。本当に申し訳ございません。
今、御紹介いただきましたように、本当に、私は血液事業部会とのお付き合いが長くて、臨時委員として13年、その後、部会長になってまだ2年ぐらいですけれども、一緒にお仕事をさせていただきました。特に、部会長になりましてからは、厚労省の血液対策課のスタッフ、特に岩崎課長、金子課長補佐には親身に御指導を頂きました。また、日本赤十字社の方々の日々の御努力にも心より御礼を申し上げたいと思います。
また、委員会の先生方には本当にお世話になりました。特に部会の委員の先生方は、必ずしも医学の専門家ではないのですが、大所高所から非常に多様な御意見を伺うことができまして、私自身も勉強になりました。こういう多様な御意見の下に国の事業が支えられているのだということがよく分かりました。
血液事業としては、毎年の需要と供給のバランスを保って事業を推進することは最低限のことだと思いますけれども、例えば、まだまだ僻地や離島への製剤の供給の問題あるいは災害時の備蓄をどうするかというような問題が山積しているように思います。私自身は力が足りず、余り達成できたことはなく、このようなタイミングで職を辞するのは非常に残念ではありますが、また次の方にバトンを渡してまいりたいと思います。本当に長い間お世話になりました。
○源血液対策課長補佐 三谷委員、長い間、誠にありがとうございました。
これにて、薬事審議会血液事業部会令和7年度第4回運営委員会を終了いたします。ありがとうございました。
(了)
まず、はじめに、新たに着任された委員を紹介いたします。薬事審議会血液事業部会運営委員会規程第3条第1項に基づき、三谷部会長より堺田惠美子委員を御指名いただきました。堺田委員、一言、よろしくお願いいたします。
○堺田委員 千葉大学血液内科の堺田と申します。この度は御指名いただき、誠にありがとうございます。まだまだ未熟な者ではございますけれども、皆様とともに勉強させていただき、進めてまいりたいと思いますので、引き続きの御指導、何とぞ、よろしくお願いいたします。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。次に、会議における委員の出席についてです。大隈委員より欠席の御連絡を頂いております。したがいまして、委員8名中7名に御出席いただいていることを報告いたします。本日は、参考人として、武田薬品工業株式会社より、柘植グローバルクオリティ コマーシャルクオリティ 品質保証部 ヘッド, 品質保証責任者、正野サプライチェーンマネジメント部 ジャパンサプライチェーン ヘッド、寺田第二事業部 血漿分画製剤マーケティング統括部 ヘッド、白砂医療政策・ペイシェントアクセス統括部 渉外 リード、杉本医療政策・ペイシェントアクセス統括部 渉外 主席部員にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より、谷血液事業経営会議委員兼中央血液研究所長、藤田副本部長兼経営企画部長、後藤技術部次長、早坂経営企画部次長、助川技術部品質保証課長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、本日の議題について影響ないことを確認しておりますので、御報告させていただきます。
委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に「1 議事次第」から「13 資料5」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や、不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。委員長から順に発言者を御指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のために、まずはお名前を御発言ください。ノイズを減らすため、発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。まもなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行を田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんばんは。どうぞよろしくお願いいたします。これまでの説明に対して、何か御質問、御意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入りたいと思います。議題1は「感染症定期報告について」、事務局より資料の説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 資料1-1の1ページを御覧ください。今回は、感染症定期報告(研究報告概要一覧表)です。今回は、令和7年6月~8月の受理分です。3本の論文になります。1ページを御覧ください。ウイルスに関する論文が1本です。1番目は、Virusesより、特発性肝硬変に関する報告で、臨床研究によると、肝疾患の原因が不明である患者は、全体の5%~30%にのぼるとされています。長年の仮説として、AからEの肝炎ウイルス以外に未知のウイルスが存在する可能性が指摘されました。
研究者たちは、原因不明の肝疾患患者9名の血清ウイルス群を解析し、注釈できない8つのコンティグを同定しました。そのうち1つは汚染と判定されましたが、ある患者から得られた7つのコンティグのうち2つは、RT-PCR及びサンガーシーケンシングによって検証されました。結論として、原因不明の肝硬変患者から7つの未知のコンティグが発見され、これらの配列は負鎖一本鎖DNAゲノムを持つ新規のヒトウイルス由来である可能性が高いと考えられました。
これ以降はウイルス以外となります。2番目の論文です。第100回日本結核・非結核性抗酸菌症学会より、非定型マイコバクテリウム感染の報告です。現在、抗酸菌は190種類以上が報告されています。今回、マイコバクテリウムスピーシーズ新菌種による第1例と考えられる症例を経験したので報告されています。
症例は60歳代の男性で、2週間続く微熱、咳嗽を主訴に病院を受診、喀痰抗酸菌塗抹1+、M.intra-PCR陽性となり、肺の非結核性抗酸菌症と診断され、3剤による治療が開始され、喀痰培養陰性化を確認され、2年後に治療終了となりました。
診断から3年後には再度、喀痰塗抹検査が陽性となり、4年後には質量分析実施を行ったところ、同定不能でした。M.intra-PCRは変わらず陽性、完全長ゲノムを用いたAverage nucleotide identity解析では、95%以上となる近縁種が得られず、新菌種と考えられました。診断から8年後も外来通院中であり、胸部レントゲン写真では徐々に悪化傾向となっており、3剤での治療が継続中ですが、排菌状態が続いている。新菌種による難治性の肺非結核性抗酸菌症は、経年的に緩徐進行する経過を呈しているとの報告です。
最後、3番目の論文です。Emerg Infect Dis.より、コリネバクテリウム感染についてです。ドイツで、野性動物、イノシシやシカの病原体と知られるCorynebacterium silvaticumがヒトに感染した事例の報告です。Corynebacterium silvaticumが新たな人獣共通感染症の病原体となる可能性について報告が上がっております。研究報告概要一覧については以上となります。本文が資料1-2に載っておりますので、詳しくはそちらを御覧ください。
2ページからが、感染症の定期報告(個別症例報告概要)、外国症例の一覧です。こちらも、令和7年6月~8月の受理分です。今回は5例の報告がされていますが、1例目と2例目、4例目と5例目がそれぞれ同じ方になります。これについては、個別の症例の説明を割愛いたします。資料1-1についての説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの説明につきまして、水上委員から追加の御発言があれば、よろしくお願いいたします。
○水上委員 国立健康危機管理研究機構の水上です。よろしくお願いいたします。本日は、文献1の突発性肝硬変につきましてコメントしたいと思います。先ほど、血液対策課からの御説明にありましたように、文献1は原因不明の肝硬変の患者から、マイナス一本鎖DNAウイルスである可能性が高い未知の病原体ウイルスが、配列としてですが、発見されたという報告になります。御存じのとおり、肝疾患の多くはA型~E型肝炎ウイルス感染、それから遺伝子異常、免疫疾患、又は代謝障害によるものと考えられておりますが、肝疾患患者の5~30%では原因が不明であると報告されておりました。そのため、長年、未知の肝臓指向性のウイルスの存在及び関与というのが考えられてきました。
本文献では、次世代シーケンス技術を用いまして、原因不明の肝疾患患者9名の中から、いわゆる血清virome、いわゆるウイルス叢解析というものが行われました。その結果、患者③の方から7個の配列断片、いわゆるコンティグが発見されまして、そのうち2つが、この肝移植前の異なる時点で採取された血清、及び異なる抽出方法を用いたRT-PCR、及びサンガーシーケンスにより、いずれの検体からも検出されたということから、これがコンタミネーションではないということが確認されております。
この患者③は、1994年度半ばに腹部不快感を訴えまして、潜因性、いわゆる主要な原因特定ができない肝炎と診断されておりましたが、治療を受けず急速に病状が進行し、1995年度末までには肝硬変に至り、その後、肝移植を受けましたが、合併症により亡くなられております。
この2つの断片、こちらを更に解析を行いました結果、逆転写を伴わないPCRで増幅が可能だったということと、主に二本鎖DNAを切断するII型の制限酵素処理をしてもPCRの増幅効率が低下しないこと、それから、ゲノムウォーキング解析で3’末端では成功したものの、5’末端では成功しなかったことなどから、恐らく新規のマイナス一本鎖DNAウイルスである可能性が高いと結論付けております。
ただし、この断片ですが、この患者さんのみで検出されておりまして、更に新たに検査した献血由来の200検体、それから病因が未知の肝疾患由来の225検体、トータル425検体では検出されておりませんので、現時点では肝疾患との因果関係というのは不明であると考えております。ただ、一本鎖DNAをゲノムとするウイルスとしてはParvovirus B19などがありますので、引き続き、これは新たな血液媒介性ウイルスである可能性があるということも考えて、今後、注視していく必要があると思います。
その他、肝臓指向性ウイルスとしましては、今までもアネロウイルス、それからヒトペギウイルス1型及び2型、それから、ヒト環状二本鎖DNAウイルスとしてキスウイルス(KIs)などが発見されております。しかし、これらのウイルスも、肝疾患と、その他のヒト疾患との因果関係というのは確立されておりません。最近、このヒトペギウイルスにつきましては、パーキンソン病の病体形成に関与する可能性が報告されておりまして、本年8月に米国の輸血・細胞治療学会(AABB)のファクトシートのほうも、このデータが追加されて更新されております。
また、2022年度以降、欧米を中心に原因不明で重症な小児の急性肝炎が発生しましたが、こちら、この小児の急性肝不全というのは、約40%が原因不明なのですが、その後の解析で、アデノウイルス、特にF群41型(Adv41)や、アデノ随伴ウイルス2型(AAV2)との関連が示唆され、腸管アデノウイルスがヘルパーウイルスとなって、このアデノウイルス随伴2型ウイルスが増殖することが発症に関与しているということが報告されております。日本でも、このAAV2感染に関連する小児重症肝炎が散発的に発生していたことが示されておりまして、このAAV2についてはヘルパーウイルスの重複感染が重症肝炎の発症に関与している可能性が最近報告されております。また、英国等では、ヒト白血病抗原(HLA)型が特に重要であるということの報告もされております。また、別の仮説としては、SARS-COV-2感染後の亜急性期に、この腸管Advとの感染が重なって肝炎を起こしているなどという説もあります。
この肝炎につきましては、いまだ病因不明の割合が非常に高いため、今後も新たな関連ウイルスが発見される可能性がありますが、引き続き、この情報の収集に努めていく必要があると考えております。私からは以上です。
○田野﨑委員長 水上委員、詳細な御説明、どうもありがとうございました。委員の先生方から、何か御質問、コメントがあればお願いいたします。3か月の間に3報ということで、あと、外国症例で気になったのは、アルブミンとかγ-グロブミンですが、C型肝炎が上がっていたりするのがちょっと気にはなりますが、これは詳細なことは分からないということと伺っています。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
続いて、感染症定期報告制度の改定について、法律上の取扱いの変更が予定されていることから、資料の説明をお願いいたします。
○東血液対策課長補佐兼医薬安全対策課次世代医療品等安全対策専門官 事務局から御説明いたします。感染症定期報告の見直しについて、資料1-3に沿って御説明いたします。まず、2ページです。血液製剤等の生物由来製品については、化学合成品とは異なり感染性物質の混入というリスクがあるということで、その製品そのものだけではなく、製品に使用されている原材料、そういったところまで感染症に関する研究報告や措置報告等を製販企業から定期的に報告いただく、これは半年ごとに報告いただく仕組みとなっております。
一方で、この感染症定期報告における実際の報告の実態ですが、約8割の報告については、実は報告事項がない旨の報告となっているという状況があります。
こういった状況を踏まえ、3ページにお示ししておりますが、医薬品医療機器制度部会で議論いたしまして、その結果、感染症定期報告については、今後はリスクの高い場合には速やかに評価・報告を求めることとし、一方で、対象期間中に報告対象がないといった場合には、報告自体を不要とするという合理的な見直しをすべきという話で取りまとめられております。
これを受けまして、本年5月に公布された改正薬機法において、これまでは定期的に報告しなければならないという規定でしたが、これを、具体的な取扱いを省令で定めるという形で改正するということにしております。これが4ページです。
この具体的な取扱いを省令で定めるという所ですが、省令案の概要としましては5ページにお示ししております。「報告対象を知ってから30日以内に報告をする」という規定を新設することになります。
報告が必要なケースとしては、①「人に感染するおそれのある疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるものに関する研究報告・措置を知ったとき」というのが1つ目です。これは基本的には、いわゆる感染症法上の新感染症に該当するようなもの、事例を念頭に置いております。②「人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病に関する研究報告・措置を知ったとき」、これは、いわゆる感染症法上の1類感染症、こういったものを対象にすることを念頭に置いております。これらのものについては、具体的には更に通知等で詳細に具体的な手順を定めていくことにしております。
もう1つ、これまでの通常の6か月報告については、ほぼ現状と同様ですが、いわゆる報告事項がない場合には報告そのものを不要とするという形で改正をする予定になっております。本見直しについては来年の5月1日施行としておりますので、それ以降の報告については、この見直しをした後の形で御報告させていただくことになりますので、御承知のほどよろしくお願いいたします。報告は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。以上の感染症定期報告制度の改定について、何か御質問、コメントなどがあればお願いいたします。よろしいでしょうか。そうしましたら、この方向で進めていただければと思います。どうもありがとうございました。事務局におきましては、今後も感染症の定期報告をお願いいたします。
次に、議題2「血液製剤に関する感染症報告事例等について」に移りたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 事務局でございます。資料2-1を御覧ください。血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等についてです。6月~8月の感染症報告事例のまとめ及び一覧となります。1ページ目の1番、6月~8月に報告があった感染症報告が(1)~(4)で、HBVが3件、HCVが1件、HIVが0件、その他が5件でした。その他の5件のうち、サイトメガロウイルス感染が2件、細菌等が3件でした。
次の2番以降は、HBV、HCV等についての個別事例となります。HBV感染については、3件のうち、献血者の保管検体の個別NAT陽性は0件、劇症化又は輸血後に死亡したとの報告を受けた事例は0件でした。HCVに関しても、1件のうち、献血者の保管検体の個別NAT陽性は0件、劇症化又は輸血後の死亡は0件でした。HIVは0件なので割愛いたします。
その他の5件ですが、B型肝炎及びC型肝炎以外の肝炎ウイルスが0件でした。細菌等の感染報告3件について、当該輸血用血液の使用済みバッグを用いた無菌試験の陽性が1件、このうち、輸血後に死亡したとの報告を受けた事例は0件でした。次のページからは症例の各論が載っていますが、こちらの説明は割愛いたします。
続いて、資料2-2、供血者からの遡及調査の進捗状況等についてです。1ページ目、供血者から始まる遡及調査実施状況です。一番右が令和7年4月~9月の速報値です。それぞれの数値の御説明はいたしませんが、この期間でこれだけの数の調査がありました。そのうち、医薬品副作用感染症報告を行ったものとして、HBVが1件ありました。
この1件については、その下に2番の表と3番の表がありますが、3番の表に含まれています。こちらは個別NAT結果が陰性の輸血用血液製剤の投与により、受血者の陽転が確認されたものです。こちらは院内で使用されていました。
2ページ目です。医薬品医療機器等法第68条の11に基づく回収報告状況です。個別の製剤についての説明は割愛いたしますが、全部で21本ありました。事務局からの説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。感染症の患者さんからの報告では、B型肝炎で感染が証明されている事例が1例、それから血小板製剤で大腸菌が出ている症例が1例ということです。以上について御質問、コメントをお願いしたいと思います。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今、省略されてしまった個別症例なのですが、委員長がおっしゃったように、1行目の方は、確保した原料血漿のPCRを10回測定して2回陽性ということで、ただ、NAT自体は陽転化していないけれども、この血漿が原因と考えられるわけですが、確か、1年ぐらい前にも同じような10回やって1回だけ光ったということがあったと思うのですけれども、多分この方はもう献血はされないとは思うのですが、こういった方は今後も出るというように考えていいのですか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 このような献血者の方は今後も現われると考えられます。ですので、前回は何もなくて次回の献血のときに、もうB型肝炎が治ってしまった、この方のようなHBc抗体とHBs抗体のどちらも陽性という方についても、遡及調査が行えるような体制を日赤としては整えているところです。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。松下委員、よろしいですか。
○松下委員 分かりました。現状のNATの性能だと、これ以上はなかなか検出できないということになるわけですよね。
○日本赤十字社後藤技術部次長 はい。現状のNATよりも性能を上げても、こういう事例というのは必ず出てきてしまうのではないかと推測しております。
○松下委員 ありがとうございました。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか。ほかに御意見はありますでしょうか。血小板製剤の感染に関しましては、血小板の細菌スクリーニングが始まる前の症例ということになると思いますので、こちらは見ていくということでよろしかったでしょうか。ほかに御意見等はありますか。よろしいですか。そうしましたら、今後とも事務局におかれましては、感染症症例や遡及調査の結果の報告をお願いいたします。
それでは、議題3「各調査会の概要について」に移りたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 事務局です。初めに、令和7年度第1回安全技術調査会の概要について御報告いたします。議題1、座長の選出及び座長代理の指名についてです。座長に大隈委員、座長代理に水上委員が指名されました。
議題2、感染症安全対策体制整備事業についてです。国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センターの関参考人より、以下のとおり報告がありました。デングウイルス1~4型に対する核酸検査の精度管理に資する国内参照品を整備し、多施設共同測定を実施した。これにより、国内外のキットを用いて施設間での検出感度を比較できる体制が整備されました。また、新たな取組として、献血血液の血清学的背景を把握するためのサーベイランス体制を構築するとともに、献血検体でエムポックスウイルス陽性疑いが発生した場合の検査体制を構築しました。これらの取組については、令和7年度以降も継続を予定しております。
議題3、NATコントロールサーベイ事業についてです。こちらも国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センターの手塚参考人より、以下の御報告がありました。血漿分画製剤の原料血漿プールNATを実施する対象に、パルボウイルスB19(PVB19)NATの検出感度及び特異性の実情把握を目的としたコントロールサーベイを実施しました。その結果、配付したPVB19陽性検体は全て検出され、各施設で適切に精度管理が実施されていることが確認されました。
議題4では、日本赤十字社より、令和6年度の血液製剤の安全確保の取組として、2024年度に医療機関から報告された輸血感染症、遡及調査、輸血副作用等について報告がありました。以上となります。
○金子血液対策課長補佐 続きまして、資料3-2の説明をさせていただきます。こちらは令和7年度第2回献血推進調査会の概要についてです。開催日は11月10日です。出席者については全委員に御出席を頂きまして、日本赤十字社からは2名の御参加、また、議題2の自治体、企業における献血推進活動については、参考人としまして、栃木県庁の東城様と明治安田生命保険相互会社の塩田様に御出席を頂きました。
まず議題1では、令和8年度の献血の推進に関する計画案について御議論を頂き、令和7年度計画からの変更点やパブリックコメントの実施結果について御説明いたしまして、御了承いただいております。なお、12月1日に開催されました血液事業部会においても了承されております。
次に議題2の自治体、企業における献血推進活動になります。栃木県保健福祉部医薬・生活衛生課の東城様より、栃木県における若年層献血者確保の取組について御紹介を頂きました。栃木県では毎年8割以上の学校で高校献血を実施していただいており、10代の献血率が全国平均を大きく上回っております。一方で、20代の献血率が10代より低いことから、高校献血に御協力いただいた学生が将来にわたり、継続して献血に御協力いただけるような取組など、若年層の献血者確保に向けた取組を紹介していただきました。
続きまして、明治安田生命保険相互会社の塩田様から、明治安田の献血推進活動について御紹介を頂きました。プロサッカーリーグのJリーグ全60クラブや日本赤十字社と組みまして、2023年から「シャレン!で献血」を開始して、スタジアムへの献血バスの誘致や献血ルームへの御案内、Jリーグ選手OBによる献血の御案内などの取組を紹介していただきまして、ファンやサポーターの間で献血の輪が拡大していることが分かるデータも御提供いただきました。
議題2について、委員の皆様からの主な御意見を紹介いたします。栃木県の取組に対しましては、県内に献血ルームが2か所しかないので、企業献血をもっと実施したらよいのではないかといった御意見や、明治安田生命の取組に対しましては、Jリーグ選手OBと学生ボランティアが協力しての献血推進活動も検討していただきたいといった御意見を頂いております。
最後に、議題3としまして、令和7年度上半期のモニタリングの結果として、献血に関わる各実績を報告しております。説明は以上になります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。以上につきまして、御質問、コメント等はありますでしょうか。そうしましたら私から、献血推進のほうで日本赤十字社の方に御質問させていただきたいと思います。
県によって、特に栃木、山梨、群馬などは、高校生の献血率が非常に高くて、同じ日本赤十字社の管轄の中で、かなり差があるわけなのですけれども、これは土地柄などもあるのかとは思いますが、こういうものを同じグループの中、社内の中で、このような活動を広げるとか、そういった試みなどは何か検討されていますでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部早坂経営企画部次長 日本赤十字社の早坂でございます。御質問ありがとうございます。先生がおっしゃるとおり、かなり都道府県によって異なっておりますけれども、これは従前から実施している所と、なかなか実施していない所で、もともと分かれているということがあります。また、コロナ禍によりまして、学校献血、これは大学もですが、大分減少いたしまして、昨年、今年と徐々に元に戻りつつありますが、まだこれだけの差があるということもあり、日本赤十字社といたしましては今年度、全国各血液センターの学校献血や企業献血の推進状況のアンケートを取りまして、その内容を各センターへ共有いたしました。例えば、教育委員会への働きかけを特に高めている地域、あるいは学校の校長会などに直接、献血セミナーや献血バスの配車について、お願いしている都道府県もありますので、そのような状況を共有しまして、今後、高校のみならず大学献血のほうも増加させていきたいと考えております。
○田野﨑委員長 是非とも、若い方の人口の多い東京、大阪、神奈川などの大都市で、このような試みを広げていただけたらと思いました。どうもありがとうございました。ほかには何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、続いて議題4、日本赤十字社における再発防止策等に移りたいと思います。日本赤十字社より、資料の御説明をお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本件については、9月の第2回運営委員会、10月の第3回運営委員会において説明をさせていただいております。本日は、現在取り組んでおります再発防止策の状況と、今回新たに過去事例の調査を行いましたので、その結果についても資料に沿って説明をさせていただきます。2、3ページは、チャートを記載しております。2ページの職員の意識改革、ガバナンスの強化、3ページの業務手順等の一斉点検、委託業者契約の見直しについては、前回も少しお話をさせていただいております。今回、新たに⑤として過去事例の調査を追加しております。詳細については、次のページより説明をさせていただきます。
4ページです。最初に、職員の意識改革です。今般発生いたしました事態を、職員一人一人が自分事として捉え、血液事業が献血者の皆様の善意により成り立っていること、国内唯一の採血事業者及び輸血用血液製剤の製造販売業者であることの自覚を持って、日々の業務に従事することの意識醸成を目的として実施をしております。
取組事項については、9月19日に血液事業本部長の通知を発出し、各業務手順遵守の徹底の指示をいたしました。また、9月25日には緊急の全国赤十字血液センター所長会議・管理部門担当部長会議(合同会議)、また10月30日には全国赤十字血液センター所長会議を開催し、各血液センター所長へ職員が「基本理念」と「私たちの目標」の再確認と徹底、献血血液を扱う業務の責任を自覚、業務手順を確実に遵守することの重要性を再認識するよう依頼をしております。また、10月8日、12月22日には、血液事業本部長メッセージを配信し、血液事業に携わる全職員に向けて本部長からのメッセージを配信しております。
今後の取組としては、定期的に血液事業本部長メッセージと職員の意識改革を促す媒体を活用し、全ての血液センターにおいてあらゆる機会を捉えて、職員の意識醸成の徹底を図っていきたいと考えております。
続いて5ページ、ガバナンスの強化です。血液の安全性や事業への信頼性を確保するため、血液事業本部が不適切な事態を確実に把握し、迅速に対応することを目的としております。取組事項ですが、まず血液事業本部に血液事業安全推進チームを発足いたしました。ヒヤリハット・インシデント・アクシデントに対する原因究明と再発防止策の統括管理、医療安全の考え方を参考にしたリスク区分の見直しに取り組んでおります。また、発生した事例の分析、共有の仕組みの検討については、各血液センター血液安全委員会のリスク分析等の機能、運用等の再構築を含めて、現在取り組んでおります。
また、国への報告基準、国民への公表基準の策定として、血液事業本部内で迅速に対応するためのITツールを用いた情報共有手順を確立いたしました。また、厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準の策定、血液事業における危機事象公表基準の策定も行っております。今後の取組としては、経営会議に不適切な事例の発生状況や対応状況を報告するなど、引き続き経営会議においてモニタリングを実施していくこととしております。
続いて6ページ、業務手順等の一斉点検です。手順の不遵守による事例が相次いで発生したことから、業務手順の一斉点検による再発の防止を目的に実施をいたしました。点検方法については、血液事業本部で作成したチェックリストに基づき、各血液センターにおいて点検を行いました。点検員については、客観性を担保するため他施設、または他部門職員とし、複数名で実施をいたしました。点検の範囲については、血液の品質や搬送に関わる業務手順及び教育訓練、上記に委託事業者が関わる場合には、委託事業者の業務手順及び教育訓練を範囲といたしました。点検内容については、SOPで規定されている内容がマニュアルに網羅されていること。マニュアルどおりに作業が実施されていること。教育訓練は対象者全てに実施をされていること。マニュアルに誤解を生むような記載がないことを点検内容といたしました。
また、点検後の対応としては、各血液センターにおいて点検の結果で「否」の項目がある場合については、マニュアルの改訂及び教育訓練を実施する。また、ブロック血液センターは、その状況を確認することとし、令和8年2月末までに完了する予定としております。
続いて8ページ、委託業務契約の調査と見直しです。委託事業者の業務が適切に遂行されるよう、契約内容及び仕様書の内容の統一を目的に実施をいたしました。対象となる委託業務については、採血した血液の搬送業務、輸血用血液製剤の供給業務、血液製剤の保管機器の保守業務、献血者情報を取り扱う業務としております。契約書への記載を確認した条文等ですが、再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償、業務遂行体制、業務報告等、業務実施に必要な教育訓練を受ける必要があることの記載の有無について、調査を実施いたしました。
続いて9ページ、調査の結果です。再委託、業務遂行体制及び業務報告等について、条文がない契約書及び業務実施に必要な教育訓練を受けることが明文化されていない仕様書が半数以上ありました。今後の対応については、契約書には再委託、秘密保持、個人情報の保護、契約の解除、損害賠償について明文化した統一フォーマットを使用すること。また、仕様書には献血血液の取扱いの重要性と、業務実施に必要な教育訓練を受ける必要性があることを明文化することとしております。
続いて10ページ、過去事例の調査結果です。今後の再発防止に活かすため、広域事業運営体制に移行した2012年4月1日から2025年9月11日までの期間に、各血液センターで開催されました血液安全委員会においてインシデント・アクシデント及び品質情報等の発生に伴い対応が協議された事例のうち、本年9月に作成した報告基準に照らした場合に該当する事例を集計いたしました。この集計については、厚生労働省に既に報告済みの事案については除いています。
11ページは、参考です。血液安全委員会の役割ですが、全ての血液センター・製造所に設置され、関係法令への対応、献血者の安全性確保及び血液製剤の品質向上に必要な事項について調査・審議、決議及び承認を行う機関です。毎月1回開催するほか、血液製剤の安全性に関する問題やトラブルなどが発生した場合には、臨時に開催をし、当該製剤の出荷・転用の可否、廃棄の決定について検討・協議をしております。
続いて12ページです。「厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準」として、1~8項目あります。続いて、13ページは調査の結果です。厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準に該当する事例数ということで、今回調査の結果、該当する事例数が985件でした。下の棒グラフについては、調査開始の2012年~2025年までの年度の推移です。2014年に血液事業情報システムが変更になり、件数が減少しておりますが、年に数十件発生している状況が続いているということでした。
続いて14ページです。それらの985件について、厚生労働省へ報告を要する事例に関する基準に沿った発生件数です。1番目の輸血用血液製剤、原料血漿が廃棄又は転用となった事例が979件で、最も多くありました。2番目の献血者に対し重大な健康被害を及ぼすおそれがある事例(誤穿刺、入院事例、死亡事例等)が5件ありました。また、4番目の個人データの漏えい等が発生し、個人情報保護委員会への報告基準に該当する事例が1件ありました。合計で985件ということでした。
続いて16ページです。先ほど説明をいたしました№1の輸血用血液製剤、原料血漿が廃棄又は転用になった事例979例の内訳です。左の枠に、作業手順による類型として、献血受入工程から車両事故まで、11の分類としております。件数については、合計で979件です。右の枠が、それぞれの廃棄、転用になった本数で、合計本数は1万3,322件でした。3,675本については廃棄になりましたが、9,647本については原料血漿分画製剤の原料、また研究用として活用させていただいております。
続いて17ページは、11の分類の詳細です。18ページは、報告基準2の「献血者への重大な健康被害のおそれ」の詳細です。発生件数としては、5件ありました。採血時に穿刺針が看護師の手指に当たったことに気づかず採血した事例(採血後に看護師の手指に出血点があり気づいた)というものが4件ありました。また、作業工程の中でチューブに亀裂が入り、隣の献血者に血液が飛散した事例が1件ありました。いずれのケースも健康状態のフォローを行いましたが、健康被害はありませんでした。
続いて報告基準4、「個人情報保護委員会への報告基準に該当」の詳細です。発生件数は、1件ありました。受付確認表の管理不備事例です。献血者の氏名、生年月日等の個人情報が記載された受付確認表が誤って他の献血者への処遇品の袋に入り、そのまま渡したという事例でした。誤ってお渡しした献血者の方から申し出があり発覚いたしました。職員が回収し、当該献血者には経緯を説明のうえ、謝罪をしております。
続いて19ページ、調査結果のまとめです。調査の結果、これまで公表した事例以外に、献血者及び患者の生命や健康に被害を及ぼす事例は発生しておりませんでした。しかしながら、手順の逸脱等により献血していただいた貴重な血液を廃棄・転用する事例が多く発生しておりました。献血者の善意にしっかりとお応えできるよう、職員の意識改革、手順の遵守、コンプライアンス・ガバナンスの強化といった本年9月に策定した再発防止の仕組み等を徹底し、安全な血液製剤の安定供給に万全を期していく所存です。資料の説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。詳細に再発防止策について御説明いただきましたが、委員の先生方からコメント、質問などがあれば、お願いいたします。13年半の間に985件というのが多いか少ないかというのは、またあれですが、このように公開してというのは、あるべき姿かと思いますが。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。6ページの業務手順の一斉点検の所で、SOPとマニュアルについてある程度定義をしっかりされているということが分かったのですが、多分、各県や各ルームとか各支社やセンターで個別のマニュアルを作っているのですが、どの程度本部で把握されているのでしょうかという質問を、恐らく前回私からしたと思うのですが。その後、ある程度把握は進んでいるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。現在その作業を、推進チームで進めているところです。12月の後半ですが、一斉点検の内容を今回かなり大幅に実施したものですから、少し整理に時間が掛かっているのは事実です。これまで各血液センターのマニュアルについてはまだ把握できていない部分がありましたので、これから分析も含めて実施をさせていただきたいと考えております。
○松下委員 分かりました。どうか、よろしくお願いいたします。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。三谷委員、お願いします。
○三谷委員 ⑤の所で、2012年から膨大なインシデント・アクシデントを改めておまとめいただき、ありがとうございました。その中で分かってきたことは、やはり廃棄・転用が一番多いということで、詳細についても16ページにおまとめいただいているところかと思います。
やはり発表のときに少し気になったのですが、廃棄の本数は何本、転用になった分は問題がなかったというような受け止めは、少し間違っていると思います。あくまで、転用分は廃棄相当の事例であったと御認識いただいたほうがよいと思います。転用は、結果としてできたことではありますが、本来は起こってはいけないことだと思いますので、その辺りのまとめに工夫を頂ければと思います。
それから先ほどの松下先生の御質問にも関係があるかもしれないのですが、16ページの廃棄・転用の詳細に関して、特に件数の多いものに関しては将来的に現場のマニュアルに反映していただくような形で考えていらっしゃるのですよね。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。そのようにマニュアルを改訂していきたいと思っておりますし、私の説明不足で誤解を招くような表現がありましたことについては、申し訳ないと思います。
○三谷委員 いえいえ、同じことではありますが、意識の問題として少し気になりました。あとは、18ページに報告基準に引っかかった重大な事例等が書いてあるのですが、これらを是非現場に周知していただきたいと思います。本社だけでこれを見ていてもどうにもならないので、現場の各県のセンターの隅々までこういうことがあったということは、目に触れるような形にしていただきたいと思いました。
最後に、委託業者の調査と見直しなのですが、ここに記載されていることは、あくまでも業者が決まった後にこうしますよということが書いてあるのですが、選定をする際の最低限の基準などは設けなくて宜しいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。ありがとうございます。その辺りも、契約書、仕様書の中に、多分仕様書がそのようなものになろうかと思いますので、仕様書の中にきちんとうたって業者の選定をさせていただくことを考えております。
○三谷委員 分かりました。ありがとうございました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。水上委員、お願いします。
○水上委員 非常に細かく解析いただき、ありがとうございます。私から質問したい所は、廃棄本数と転用本数のところで、かなり転用できましたというお話を頂いたかと思うのですが。その転用の中には、実際、原料血漿として使えたというものと、研究用という形で転用できたものがあると御説明いただいたかと思うのですが、これは個別に具体的な本数はなかなか難しいかとは思うのですが、どれぐらいの割合で実際に原料血漿として使えて、残りは大体どれぐらい研究用として回されたのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 細かい数までは把握しておりませんが、大半が原料血漿のほうになったのではないかと考えております。
○水上委員 ありがとうございます。もう一点、今回このようなことを継続的に見ていった中で、各地域センターでの差、あるいは、ある地域だけで結構連続して起こっていることなのか。あるいは、均てん化されていて大体ほぼ満遍なく起こっていたことなのかという、全体像はいかがですか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 ありがとうございます。細かい分析については、これからさせていただこうとは思います。どちらかといえば、全国満遍なく起こっていると御認識いただいたほうがいいのかと思っています。
○水上委員 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。後藤委員でしょうか。
○後藤委員 はばたき福祉事業団の後藤と申します。日本赤十字社には、今回大きくきちんとまとめていただいて、ありがとうございました。今後、良い取組が進んでいくものと期待しています。実際に、この報告を要する事例に関する基準に該当する事例について、1年間に少ない年でも44件、多い年だと100件を超えるような事例が起こっている中で、この規模で事業を行っていただいているので、これをゼロにするというのは難しいだろうとは率直には思うところなのですが、どうすれば減らしていけるかというところで、今後マニュアルづくりなどに役立たせていただきたいとは思うのです。
今後、どのぐらいまで減らしていくのを目標にするという、数値目標を出すものでもないとは思うのですが、その辺りの基準設定のようなものは、今のところお考えなのかどうかというところをお聞かせいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部藤田副本部長兼経営企画部長 日本赤十字社の藤田です。正直言いまして目標の数字があるかと言われれば、目標数値等はありませんが、やはり貴重な献血血液ですので、我々としてはゼロに近づけていきたい、そのために努力をしていきたいと考えております。
○後藤委員 ありがとうございました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。あとはよろしいでしょうか。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今の話なのですが、確かにインシデントやアクシデントがゼロになる、ゼロに向けていくのはいいことなのですが、今年はこれだけ減らしますというような目標を立ててしまうと、誰も報告してくれなくなってしまうので、その辺りは少し考えどころかと思いました。コメントですが、以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。こちらは、年間で4、50~100件ぐらいあるということなので、委員会ごとにある程度まとまった形で厚労省にも報告があるということです。事務局、引き続き、この委員会でもこのようなものが報告されてくるということでよろしいでしょうか。
○金子血液対策課長補佐 この運営委員会の場で引き続きそういった案件がありましたら、報告させていただきます。よろしくお願いします。
○田野﨑委員長 引き続きよろしくお願いいたします。そうしましたら、再発防止などをしっかり講じていただきながら、日本赤十字社におかれましては貴重な血液による血液事業を担っているということですので、厚労省ともよく相談しながら、引き続きこの報告をしていただくようにお願いいたします。
最後に、議題5の「その他」に移ります。武田薬品工業株式会社から、「武田薬品工業株式会社の免疫グロブリン製剤の今後の供給予定」について、説明をお願いいたします。
○武田薬品工業株式会社正野参考人 武田薬品サプライチェーンマネジメントの正野と申します。よろしくお願いいたします。それでは、お手元の資料5を御覧ください。弊社における一部の血漿分画製剤の製造において発生した事象及び製品の供給について御説明、御報告をさせていただきます。
スライド2を御覧ください。まずは現在の供給状況について、御説明いたします。弊社は、成田工場の製造プロセス検証において確認すべき事象が発生し、稼働を一時停止していたことで患者様や医療関係者の皆様をはじめ、多くの関係者様に御迷惑と御心配をお掛けしておりましたが、先週より再稼働をしておりますことを御報告させていただきます。現在、これまでの原因調査の結果に基づいて順次生産を再開しておりますが、グロブリン製剤に関しては、海外血由来製剤の輸入によって供給量を確保しておりますので、まずはそれ以外の製品、特に在庫が少なくなっている製品を優先して取り組んでいる状況です。
したがって、スライドの下の表に示しているとおり、献血グロベニン-Iについては限定出荷及び出荷停止を継続させていただきますが、代替として海外血由来製剤の供給を1月中に開始させていただく予定です。献血ノンスロンの限定出荷に関しても、新たな製造により安定供給可能な在庫量が確保できるまでは限定出荷を継続とさせていただく予定です。一方、献血アルブミンについては、出荷保留としていた在庫が利用可能となったことで十分な在庫を確保できておりますので、1月より通常出荷とさせていただきます。以上が供給に関する御報告となります。
○武田薬品工業株式会社柘植参考人 続いて、品質保証責任者の柘植のほうから、今回発生した事象の概要について御説明させていただきます。
3ページに今回の血漿分画製剤の出荷までの工程を図示しております。原料血漿を受け入れた後、原薬工程を経て製剤工程、この後、包装、出荷試験、国家検定、出荷となっておりますが、今回、確認が必要となった工程は、この無菌製造が必要とされている製剤工程です。弊社では、無菌製剤の製造プロセスが確実に無菌状態を維持できているかを検証するためのプロセスシミュレーション(原薬の代わりに微生物が増殖できる培地を使用して、通常の製造手順と同様に製造)を約6か月ごとに実施し、この結果、製剤プロセスにおいて微生物汚染が発生しないということを科学的に証明しております。
今回、2025年9月に実施した定期的な製造プロセスの検証において、製造した培地充填検体より陽性バイアルが検出され、前回の定期的な検証(2025年4月実施)以降に製造された全製品に関して本事象の原因が判明し、影響範囲が確定するまで出荷を停止する必要性が発生いたしました。これに伴い、先ほど正野も申していたように、成田工場の稼働を一時停止しておりましたが、これまでの原因調査の結果に基づき、順次、成田工場での生産を再開しております。
○武田薬品工業株式会社寺田参考人 武田薬品血漿分画製剤マーケティング統括部の寺田より、4ページ、医療機関等への対応状況について御説明させていただきます。
本件については2025年10月31日より医療機関及び関連学会の皆様方に案内を行ってまいりました。供給停止中の献血グロベニン-Iについては、各社の御協力に基づき、医療機関への代替供給を行っております。また、代替供給は2026年2月までの予定としております。現時点において、医療機関への免疫グロブリン製剤の供給は滞っていないと認識しております。
また、2025年7月に製造販売承認を取得している海外血由来のグロベニン-I10%静注については、輸入量を増加し、早急に供給できる手続を進めてまいりました。厚生労働省様、また、JIHS様の御協力もあり、海外血由来のグロベニン-I10%静注を2026年1月中に販売開始できる見込みとなりましたので、併せて御報告をさせていただきます。武田薬品からは以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に、何か御質問やコメントなどがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。松下委員、お願いします。
○松下委員 松下です。今の話と直接の関係はないかもしれないのですけれど。輸入されているグロベニン-Iは冷蔵の液状製剤だと聞いているのですが、今後、国内で製造されるグロベニン-Iも液状製剤に変わっていく見通しでしょうか。
○武田薬品工業株式会社正野参考人 武田薬品の正野から回答をさせていただきます。弊社で、献血由来のグロブリン製剤に関して液状の製品の開発を進めております。既に承認申請をしていることは公表しておりますが、まだ審査中ですので、今後、この状況について具体的な計画が分かった時点で、また詳細については御説明させていただきたいと考えています。
○松下委員 それで結構でございます。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。三谷委員、どうぞ。
○三谷委員 御説明をありがとうございました。4ページ、医療機関等への対応状況の3つ目のポツの所なのですが、現場の医療機関への免疫グロブリン製剤の供給は滞っていないと認識されているということなのですが、これは調査か何か、された結果ですか。
○武田薬品工業株式会社寺田参考人 ありがとうございます。武田薬品血漿分画製剤マーケティング統括部の寺田です。定期的に、各社様、あとは厚生労働省様、血液対策課様にもお入りいただいて情報交換の機会を設けさせていただいております。その情報交換の中で効能別代替という形で、現在、各社様の協力を頂いて代替供給を行っておりますが、そちらのほうが機能していると御報告を頂いております。また、もちろん一部の医療機関においては、やはり御要望に十分お応えしきれない御施設もあるとはお聞きしておりますが、全体量を見たときには、それほど大きく供給が滞るという状況にはなっていないとお聞きしております。
○三谷委員 御説明をありがとうございます。各社と協働して代替品の供給などを行っていただいているということではありますが、やはり現場の医療機関でどうなっているかが一番知りたいと思いますので、そちらのほうにも目を配っていただければと思います。お願いいたします。
○田野﨑委員長 松本委員、お願いします。
○松本委員 松本です。やはりこれ、滞っていないというようには書いてあるのですが、現場の肌感からすると、そうではないと言わざるを得ない。特に、ふだん余り供給されていない所に患者さんが発生したときは、やはり全く問屋さんが回してくれないということがあって。私は、埼玉の大きな総合医療センターですけれども、やはり、そちらへ患者さんが送られて来ると、これは、非常に製品によって適用が違いますので、その適用に合わせたものを輸血部で保管しているので、輸血部の人員がさばいているという状況がずっと続いております。そのような状況はかなり苦しいところでもあります。そういうような状況を打破するべく、輸入もということで、全量として、量としてはかなり確保できてきているのかなと理解はするのですが、やはり適用などもありますし。
もう1つ、現場として、松下先生からも少し話がありましたが、乾燥のもの、粉末状と液状が違うということもあって、液状のものに代替しても冷蔵庫が無いという現実的な問題もあったりします。その辺りも考えると、やはり現場の医療機関は苦労をしているのではないかと、今後も苦労するのではないかと予想されますので、その辺り、きちんと認識をしておいていただきたいと考えます。
○田野﨑委員長 引き続き、よろしくお願いいたします。ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
私から1つ、事務局になのですが、前回も日本赤十字社の方々に報告の体制、インシデント、アクシデントや何かの報告については、各分画製剤の企業の方にも、やはりある程度の所で御報告いただく必要があるのではないかというようなことを、少しお話させていただいたことがありました。この点について、先日も、これは薬機法の下でやられているということだったと思いますが、ただ、血液法の中には、いわゆる輸血用血液製剤だけではなく、血漿分画製剤についてもきちんと規定されているということもありますので、そういう意味からすると、ある程度の報告なり、どんな状況が起こっているのかが、私たちにも分かるようにできる仕組みを少し考えていただいたほうがいいのかなと思いましたが、いかがでしょうか。
○山本需給専門官 事務局です。特に今、基準というものはありませんが、例えば、昨年度のクロスエイト、今年度ですと武田薬品工業の全製剤といった出荷一時停止といったものがあれば、まずは、各メーカーさんから我々のほうにすぐ報告を頂くような形になっております。特に明文の規定というものはないのですが、そういった形で運営をしていますし、当然、各医療機関様への影響も踏まえて各社報告を頂いております。そういった中で、確実に、運営委員会の場で御報告するようにしておりますので、そこは今後とも必ずしていきたいなと思っております。
○田野﨑委員長 どうぞよろしくお願いいたします。供給ができなくなった時点で、突然、入ってくることが今まで多かったかなと思います。ただ、そういうときにはいろいろなことを議論し、審議してということを繰り返しているので、何か、もう少し早めの、各企業での対応がされているかどうか。これからほかの企業の方々も入ってくる可能性があるかと思いますので、分からない所での運用がされるのもよくないかなと思いました。御検討を頂ければと思います。以上です。
○山本需給専門官 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 ほかに、何か御意見は。後藤委員、お願いします。
○後藤委員 はばたきの後藤です。武田薬品工業は今回、供給、製造を再開されたということで、大変安心したところです。適切に情報も流していただきましたし、供給に不安がないようにというところ、ただ、アルブミン製剤、グロブリン製剤にせよ、国内需給ができていない製剤なものですから、これをどう確保していくかというところで、やはり、どうしてもこういうことがあると、海外の輸入に頼らざるを得ないというところは、本当に患者さんの命を守るためという意味では、そこは絶対に必要なところだと思います。ただ、やはり血液法の原則である国内需給をどう守っていくかというところ、こういった非常事態のときに、どう国是を守っていくかは考えていかないといけないところかなと思っていて、そこはメーカーや国だけではなく、我々患者自身も、実際、この免疫グロブリン製剤やアルブミン製剤を使っている患者さん自身も、それから、それを使われている医療者の方々も、今回の事態を経て、その辺の認識を持っていくことが必要かなと思いました。また今回の事態で、国内品が段々シェアを下げていくことにならないといいかなというように、ちょっと不安に思っているところではあります。国のほうで、国内需給に向けて何らかのそういった取組、市民というか、一般の医療者や患者さんを巻き込んだ何かアクションをとっていただければ有り難いかなと思うのですが、事務局のほうにちょっと御回答を頂ければと思います。
○山本需給専門官 事務局の血液対策課です。今回、短期的な観点として、武田薬品工業の国内の製造工場が一時停止したということで、非常にショッキングなことではありましたが、同時に、海外から全く同じ効能を持った製剤の輸入ができるというのは、短期的な安定供給上は非常にいいことだというように感じたところも事実です。
他方で、中長期的な国内需給というのは重要な基本理念ですので、当然、国内需給を目指しつつ、しかしながら、やはり短期的には安定供給は優先されるべきものと考えておりますので、短期的な安定供給といった、国内なのか、海外なのかというバランスについては、今後、検討の余地があるのではないかと考えております。患者様や医療機関様への呼び掛けとして少し考えているのは、なぜ国内需給が必要なのかという趣旨や理由といったものを御説明する必要があるのかなと考えております。以上です。
○後藤委員 是非、そういったものが社会全体に伝わっていくような取組をよろしくお願いいたします。
○山本需給専門官 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 松本委員。
○松本委員 松本です。やはり、需要と供給が管理されている製剤なので、1つの製剤が何かショートするといったことがあると、たちまちほかが逼迫してしまうといったことがあると思います。そして、同種製剤だけではなく、ほかのものにも影響してくるのではないかと考えます。というのは、今回のグロブリンの供給が少ないというようなことで、例えば、免疫グロブリンを使いたいといった場合に、適応のあるものが手に入らないとなると、血漿交換に代替するということで、アルブミンやFFPに影響したりということは、実際、現場ではあると思うのです。その辺りも含めて、やはり全体として影響が出てくると思いますので、そういうことも含めて、血液事業部会としても見ていかなければいけないのかなと、今回の事象を見て感じました。これは感想です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。堺田委員、お願いします。
○堺田委員 すでに皆様からもご意見が出ているかと思いますが、現場の肌感覚としては、やはり今回は常日頃のようにはいかず、難しさを感じる場面がございました。
その中で、非常に速やかに体制を立て直していただいたことには、深く感謝申し上げます。
ただ一点、情報の「透明性」と言いますか、事態が発生した際の情報伝達が、少し遅れて現場に届くような場面も見受けられました。 正確な情報を「早め早め」にお届けいただくことは非常に重要です。医療関係者のみならず、患者様も非常に心配されておりましたので、今後は情報を届けるという面でも、さらなるご配慮をいただければと思います。
ぜひ、その点はよろしくお願いいたします。コメントのような形ですみませんが、私からは以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。ほか、よろしいでしょうか。事務局においては、委員や企業からの意見も踏まえて、引き続き血漿分画製剤の国内需給、及び安定供給の体制構築に向けて検討を重ねていただくようお願いいたします。
本日の議題は全て終了いたしましたが、ほかに何か御意見があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。そうしましたら、議事を事務局にお返しいたします。
○源血液対策課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。次回の運営委員会の日程は、別途、御連絡を差し上げます。
また、お知らせがございます。本日の運営委員会をもちまして、三谷委員が御退任されます。三谷委員におかれましては、平成17年、2005年から血液事業部会の委員として、更には令和5年からは部会長として、長い期間にわたり血液内科、輸血医療の専門家のお立場からその見識をお示しいただきました。ありがとうございました。三谷委員から、一言、御挨拶を頂ければと思います。
○三谷委員 過分なお言葉を頂きましてありがとうございます。獨協医大の三谷でございます。本当に残念ではございますけれども、今回、一身上の理由で血液事業部会の部会長と、本委員会の委員を退任させていただくことになりました。本当に申し訳ございません。
今、御紹介いただきましたように、本当に、私は血液事業部会とのお付き合いが長くて、臨時委員として13年、その後、部会長になってまだ2年ぐらいですけれども、一緒にお仕事をさせていただきました。特に、部会長になりましてからは、厚労省の血液対策課のスタッフ、特に岩崎課長、金子課長補佐には親身に御指導を頂きました。また、日本赤十字社の方々の日々の御努力にも心より御礼を申し上げたいと思います。
また、委員会の先生方には本当にお世話になりました。特に部会の委員の先生方は、必ずしも医学の専門家ではないのですが、大所高所から非常に多様な御意見を伺うことができまして、私自身も勉強になりました。こういう多様な御意見の下に国の事業が支えられているのだということがよく分かりました。
血液事業としては、毎年の需要と供給のバランスを保って事業を推進することは最低限のことだと思いますけれども、例えば、まだまだ僻地や離島への製剤の供給の問題あるいは災害時の備蓄をどうするかというような問題が山積しているように思います。私自身は力が足りず、余り達成できたことはなく、このようなタイミングで職を辞するのは非常に残念ではありますが、また次の方にバトンを渡してまいりたいと思います。本当に長い間お世話になりました。
○源血液対策課長補佐 三谷委員、長い間、誠にありがとうございました。
これにて、薬事審議会血液事業部会令和7年度第4回運営委員会を終了いたします。ありがとうございました。
(了)

