第206回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和7年12月4日(木)9:30~12:11

場所

全国都市会館 2階大ホール 千代田区平河町2-4-2

議題


1.医療保険制度における出産に対する支援の強化について
2.医療保険制度改革について
3.令和8年度診療報酬改定の基本方針について
4.「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~について(報告)
5.令和7年度補正予算案(保険局関係)の主な事項について(報告)

議事

議事内容
○姫野課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第206回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀委員、實松委員、任委員、原委員、前葉委員、横本委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 本日の会議は、傍聴希望者向けにYouTubeにおいてライブ配信を行っております。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに出席なさる方についてお諮り申し上げます。
 内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、實松委員の代理といたしまして馬場文則参考人、任委員の代理といたしまして木澤晃代参考人、原委員の代理といたしまして池田俊明参考人、前葉委員の代理といたしまして前川近子参考人、横本委員の代理といたしまして井上隆参考人、以上6名の出席につき御承認賜れればと思いますけれども、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
 なお、井上参考人より遅れて御出席なさる旨の御連絡をいただいているところでございます。
 それでは、早速議事のほうに入ってまいります。
 本日は、「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」、「医療保険制度改革について」、「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」、「『強い経済』を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~について」、「令和7年度補正予算案(保険局関係)の主な事項について」を議題といたします。
 では、まず「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
 お手元のタブレット、資料1のファイルをお開きください。「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」というファイルです。
 冒頭、資料の説明に入る前に、この数日、報道がこの件に関して幾つかございましたけれども、個々の報道内容について私のほうから何か申し上げるものではございませんけれども、いずれにしましてもこの件についてはこの医療保険部会における議論をしっかりと御審議をいただいた上で進めていくべきものだろうと当然事務局としては考えておりますので、その点について申し上げたいと思っております。
 お手元の資料、右下1ページ目から4ページ目は、前回論点を幾つかお出しをして御議論を頂戴いたしました。その際の議論の状況を事務局の分析の下にまとめているものです。
 まず右下の1ページ目、「給付体系の在り方について」ということでございまして、どういう給付方式の在り方が考えられるかという点に関しまして、例えば一番上のポツですけれども、形式的であっても妊婦が一時的に負担するようなことがないシンプルな制度とすべきではないか、あるいは妊婦にとって分かりやすい仕組みとする観点から現物給付にすべきではないかといった御意見。また、地域で求められる役割や妊婦のニーズに応じて様々な経営上の工夫あるいは努力を行っておられる現状ですので、そういう各施設の経営上の自由度が確保されるような硬直的ではない緩やかな評価の仕組みが必要ではないか、あるいは下から3つ目のポツ辺りでは、一次施設でも様々な人員配置、手厚い体制を取っているところもありますので、そういうところをしっかりと評価していく仕組みも検討すべきではないか、あとは一番下のポツ、これまで出産育児一時金の制度の中で50万以下で出産されていた方への取扱いをどう考えていくのか、そういった御意見がございました。
 右下、2ページ目です。「給付内容について」ですけれども、これは地域差あるいは施設差がある現状です。また、産科医療機関の経営状況も踏まえつつということで、どう考えるかということですが、全国一律の公定価格とすべきという御意見、あるいは分娩施設が分娩をしっかり提供できるような費用設定が必要ではないか、あるいは全国一律でなるべく高い水準の設定が必要、それから、現在の出産育児一時金よりも上乗せした給付が必要という御意見、他方で、保険者の財政運営に支障が生じないような配慮が必要ではないか、保険料負担者の納得感もポイントとなってくるのではないか、それから財源の話、保険料財源だけではなく税財源も含めた解決策を考えていく必要があるのではないか、下から2つぐらいでありますけれども、給付の内容についてはその後の検証を行うことも前提とした分かりやすいものとすべきであるとか、あるいは給付水準については物価・賃金の上昇を見据えて柔軟な見直しを行う仕組みを導入すべき、こういう御意見がございました。
 右下3ページ目です。「標準的なケース」の範囲ということですけれども、様々な御意見がございました。例えば上から2つ目のポツですけれども、保険料負担者の納得感でありますとか、保険診療との整合性も踏まえた必要な範囲に絞るべき、あるいは同様の観点から妊婦の選択にかかわらず提供されるケアサービスに限定すべきという御意見がありました。他方で、正常分娩であっても分娩の経過は非常にばらつきが多いわけでありますので、標準的なケースを定義するのは非常に難しいのではないかという御意見、また、入院中の育児指導でありますとか、助産師によるケアも一定程度含めるべきではないかという御意見、また、自宅での分娩、こういったものも念頭に置く必要があると。それから、軽微な医療行為については引き続き保険診療として請求すべき、その場合の自己負担の取扱いについても検討すべきといった御意見、また、お祝い膳あるいはエステ等のアメニティに関しては、本来妊婦さんの選択で提供されるものであるので、保険給付の対象外とすべきではないかという御意見がございました。
 右下、4ページ目です。妊婦自身が納得感を持ってサービスを選択できる環境の整備ということですけれども、妊婦さんがそれぞれ情報を事前に網羅的に知ることができ、その情報に基づいて施設を選べるような仕組みが必要ではないか、あるいは定期サービスの提供内容、費用の透明化を進め、見える化することが必要ではないか、サービスの内容、費用のデータ提供・公開といったものを義務づけるべきではないか、「出産なび」は今ほぼ100%の医療機関で御協力をいただいているという実態があるので、その内容をしっかり充実させるということが現実的ではないか等々御意見がございました。
 その上で、5ページ目、6ページ目に論点的に資料を整理しています。
 5ページ目は「御議論いただきたい点(1)」というタイトルにしておりますけれども、上に箱があります。今、御紹介申し上げたように、前回様々な御意見を頂戴いたしました。その中において、多くの委員の先生から同様の意見があって、方向性としてはおおむね一致しているのではないかという点について、上に5つ黒ポツを書いています。
 地域の周産期医療体制、特に一次施設が守られるような制度設計とすべきではないか。
 現在の出産育児一時金に代えて現物給付化すべき。
 アメニティ等のサービス費用は無償化の対象から除外すべき。
 給付水準は全国一律とし、データに基づいて検証・見直しを行う仕組みとすべき。
 アメニティ等については、費用等については見える化を義務づけ、妊婦自身が納得感を持ってサービスを選択できる環境とすべき。
 こういった点については、先ほど申し上げたように多くの先生方から同様な意見を頂戴していると理解をしております。
 それを単に図示したものが5ページ目の下の図、分かりやすく図示しているものです。
 その上で、次のページ、右下、6ページ目ですけれども、今日は以下4点について御議論を頂戴できればと考えています。
 ①ございま、「標準的なケース」の対象範囲、分娩の経過は非常に様々であるので、なかなかこれを一個一個考えていくのは現実的ではないですし、難しいのではないかという御意見がございました。そういった御意見を踏まえまして、ある特定のケースを念頭に考えていくのではなく、実際、分娩の経過は多様でございますので、それを踏まえた上で基本単価を設定して支給するということにしてはいかがだろうかという点について、御議論を頂戴できればと考えています。
 2点目ですけれども、前回の議論では、安全な分娩のための手厚い人員体制あるいは設備で対応している施設、それからハイリスクの妊婦の方々を積極的に受け入れる体制を整備している施設、こういったところを評価すべきではないかという御意見がありましたが、これについてどう考えるのか、これについても御議論を賜れればと考えています。
 3点目です。現行の出産育児一時金が出産に伴う一時的な経済的負担全体の軽減を目的としている、また、現在、出産費用が50万円を下回る場合には差額を妊婦が受け取っているという御意見もあったことを踏まえてどう考えるのか。
 4点目、新制度の移行時期について、相応の準備期間が必要ではないだろうか、それぞれの地域の事情を考慮すべきではないかという御意見があった一方で、出産費用は妊婦にとって大きな経済的な負担でありますので、これに対する支援を速やかに行う必要があるのではないか、こういう御意見がございました。
 こういう関係者あるいは妊婦の皆様の双方のニーズを勘案した上で、例えば妊婦の方が希望に応じて施設を選択できるようにした上で、可能な施設から新制度に移行していくといった方策を講じていくことについてどう考えるのか、御議論を賜れればと考えております。
 7ページ目以降の資料は前回おつけした資料です。
 1点だけ、右下13ページですけれども、これだけ新しい資料ですので簡単に御紹介申し上げます。
 13ページ目ですが、「分娩を目的とした入院時の診療報酬算定の一例」ということでございまして、分娩時に診療報酬を算定するケースは当然ございますけれども、その場合には、妊婦の一部負担金の額は、通常の方であったら3割ではありますけれども、3割の一部負担割合に当然高額療養費も適用されますので所得に応じて一定の上限があるということになっております。その場合に、どういう診療行為が行われていたのかということを一定整理したものです。診療報酬算定額で、一番上に医療費ベースで5万円未満、5万~15万未満、15万~50万未満、50万以上と整理をしています。これに掛ける10分の3をすると一部負担割合になるわけですが、一番多いのが5万円未満で全体の4割ぐらい、15万円未満で先ほどの5万円未満と足し合わせると全体で6割ぐらいになるわけですけれども、算定額とケースの一例ということで、様々なケースがあります。もちろんこれが全てではありませんので、実際には個々のケースで多様な診療行為が行われていると思いますけれども、一例として御紹介をしたいと思います。
 事務局からの説明は以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。では、よろしくお願いいたします。
 まず、石渡委員からよろしくお願いいたします。
○石渡委員 日本産婦人科医会の石渡でございます。発言の機会をどうもありがとうございます。
 一次機関の分娩の撤退が続いている中で、拙速に分娩費用の保険化あるいは無料化による制度の変更をすること、これは場合によっては改善はおろか、さらなる悪化が起これば一気に周産期医療供給体制が崩壊して、お産難民の多い地方は一気に加速が進み、地方そのものが消滅してしまう、こういう制度の実施については慎重に議論していく必要があると思いますし、見直しと延期が強く求められるものであります。
 前回、新たな制度においても、それぞれの施設の経営上の自由度が確保されるように、硬直的でない緩やかな評価の仕組みが必要であると申し上げてまいりました。妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会は10回開催され、その取りまとめが行われましたが、その骨子は、標準的な出産費用の自己負担無償化と安全で質の高い周産期医療供給体制の確保の両立を図るということでございました。
 標準化ということでありますが、なかなかその意味が不明なところもございます。正常分娩の標準化というのは極めて困難ではないかと思っておりますし、5時間で終了する分娩もあれば、30時間かかる分娩もあります。その間、医師、助産師あるいは看護師の待機が必要になってまいります。また、必要な対応は千差万別であります。いわゆる経腟分娩とはいっても多様な分娩経過を標準化するということは極めて困難ではないかと思っております。
 仮に1件当たり基準単価による支給を考えるとしても、分娩機関の経営が成り立つ給付水準を考える必要があるのではないでしょうか。その場合、正常分娩の都道府県別平均妊産婦の合計負担額、室料差額も入っていますが、これを見ても高い東京都では75万円であり、多くの地方においても高い給付水準でなければ赤字を解消していくことはできず、分娩機関が相当分娩から撤退するのではないかということが想像できます。
 また、一次施設であっても、手厚い人員体制を敷いているところ、あるいはハイリスク妊産婦等の積極的な対応を行う施設などにおいては、他施設より高い評価されるような仕組みをぜひ導入していただきたいと思っております。
 双子の場合については、新生児の管理に追加のコストがかかるなど、個別の分娩について加算する仕組みについても考えていただきたいと思っております。
 具体的にどのような体制、役割を評価するかは、現場の実態に即した検討が必要であると思います。前回も申し上げましたけれども、ローリスクの妊婦に対応する一次施設にも配慮したなるべく給付水準としていただくことを強く要望いたします。
 新たな制度への移行は、地域や施設ごとの状況を踏まえ、十分時間的余裕を持って進めていくことが必要であって、急激な変化というのはかえってマイナスになってまいります。今回提案されている可能な施設から順次移行するという形は、その点を考慮したものと考えますけれども、医療供給者や妊婦に混乱を招くことのないよう、国のほうからもしっかりした説明をしてもらいたいと思っております。
 前回も説明しましたように、本会、日本産婦人科医会は、世界に冠たる安全で質の高い周産期医療を今後も提供していきたいと考えております。地域のローリスク分娩を担う一次施設には、公的な助成金あるいは補助金は全くありません。企業努力のみで経営しております。したがって、一次施設に配慮した給付水準としていただくことを強く要望いたします。
 国は、安定した医療供給体制のため、医療DX、働き方改革、医師の偏在解消、地域医療構想を検討してきました。新たな地域医療構想等に関する検討会での議論も進んでおりますし、2030年までの医療DX完全実装及び地域医療構想確立まで、少なくとも令和8年度を目途にするのではなく、分娩費用等無償化・保険化議論については、結論を出すまで延期してはどうかと考えております。
 十分な議論がない中、実施時期が性急で十分な検証がなされておりませんし、また、財源確保の見通しについても不明瞭であります。お産難民の多い地方、これに少子化が加速して、その地方そのものが消滅しないように、失敗が懸念されるような社会実験は私はできないと考えております。新たな税、例えば妊娠・出産・育児支援のための税の投入も含め、出産に対する支援制度の創設も必要と考えております。保険財源だけではなく、新たな財源も考えていただきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、亀井委員、よろしくお願いいたします。
○亀井委員 ありがとうございます。
 意見を申し上げる機会をいただきまして、ありがとうございます。日本産婦人科学会を代表しまして申し上げます。
 先ほど佐藤課長のほうから御説明がございましたけれども、まず冒頭に、今日の医療保険部会の審議内容について、まるで既定事実であるかのような形で各種報道機関にリークされていることに対して、我々日本産婦人科学会としては甚だしい不快感、不信感を持っております。今回のような事前の報道機関への無断の情報の開示につきましては、昨年の妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会でも行われていたことで、そのときにも苦言を申し上げましたが、我々としては担当部署に対して大きな不信感を依然として持っております。
 その上で、今回の出産に対する支援強化の内容につきましては、いまだ何も我々学会としては同意していないということを最初に明言しておきたいと思います。もう一度申し上げますが、同意はしてございません。
 その上で、今回の審議内容について意見申し上げさせていただきます。主にページの6になろうかと思いますけれども、かねてから再三にわたって申し上げておりますように、分娩については一般的な手術とは異なりまして、時間経過など標準的という言葉はそぐわないと考えておりました。今回の保険局佐藤保険課長の御説明でも、標準的な分娩の経過というものを定義づけることは困難であるということに御同意いただけたということについて、我々学術団体としては感謝申し上げます。
 しかしながら、まず①について、個々の分娩の内容に着目することなく、何とかして経膣分娩できるようにしてあげようという我々の不断の努力に対する配慮があまりあるようには思われません。内容が分からないから、一律しかも包括的に基本的な価格設定をしてしまうという厚生労働省の論理、極めて乱暴で到底受け入れることが難しいのかなと思います。今後の基本価格の算定の理由、それから今後の加算の内容、これらについては十分な時間を取って審議をいただきたいと思います。
 このような論理が通ることがあれば、我々産科医療の現場では、分娩進行の管理など、働いていても大して評価されないかもしれない、だったら早々に帝王切開をしてしまおうではないか、そういった意見も出てくるかという危惧をしております。これが妊産婦にとって非常に有益なこととは私には思えません。
 次に、2番目になります。②につきましては、非常にありがたいことだとは思っていますけれども、最近の厚生労働科学研究でも報告されましたように、今後の安全な周産期医療体制の維持のためには、ハイリスク妊産婦を満遍なく受け入れることができるだけの周産期医療センターへの手厚い人員配備が必要になります。しかしながら、そのめどは立っておりませんし、それだけの人員、設備を短期間で確保できるだけの財政的な基盤の整備もできておりません。また、各地域で安全な周産期医療体制を維持していただくために、地域の一次施設の確保も我々は必須だと考えております。
 今回の改正によって、最終的にこれら一次施設が経営悪化のために分娩の取扱いをやめてしまうことになれば、それらの一次施設で分娩を行っていたローリスクの妊産婦まで、二次、三次の我々の施設に押し寄せ、対応しなくてはならなくなってしまいます。一次施設は、たとえ分娩数が少なくても、地域にとっては必要な医療資源であると我々は思っております。
 新たな制度では、国家存亡の危機にある少子化対策として、骨太の方針で検討が始まったものです。妊産婦さんたちにとって経済的な負担が軽減され、しかも地域で安心して出産いただける医療体制を維持することは、我が国の少子化対策としては目指すところと考えております。今、医政局の地域医療計画課のほうで将来的な周産期医療体制のグランドビジョンをつくっていただこうとしておりますが、その議論を踏まえた上で今後の検討をいただければなと思っております。
 続きまして、資料6ページの③になります。50万円を下回る場合というお話がございましたけれども、現状、調査から既に2年以上経過しまして、50万円を下回る件はほとんどないかなと我々は理解をしております。逆に、50万円を上回ってしまう場合にどういった形で、今までは分娩の保険適用化という言葉から、分娩の無償化という言葉になりましたけれども、無償化とうたいながらかえって負担が増えてしまうような形の決着、それはどういうふうにお考えなのかをお聞きしたいなと思います。
 それから、④になります。ここが一番の問題かもしれませんけれども、従来どおりの自由診療と新たな制度の2本立てで、各施設が当面そのいずれかを自由選択できるようにという御提案もありました。これは都内の高額な分娩費用を請求している施設のことを配慮していただいたものだと思いますので、それは我々としては感謝申し上げますけれども、ただ、分娩取扱施設については民間の施設、それから公的機関で全く経営の母体が異なります。民間施設は資金調達して分娩については自由診療を実施しておりますけれども、公的機関は税金で運営されておりまして、コスト構造が異なるわけです。現物支給で現在の出産育児一時金50万円を上回る額で新制度を始めていただけるものと思いますけれども、それでも公的機関としては、経営母体の責任上、新制度の決められた額で分娩を提供せざるを得ないと思います。当然赤字は税金の補塡という形になるかと思います。
 一方、民間の施設につきましては、現行の50万円の出産育児一時金では、一次施設の約半数は赤字の経営ですので、維持できなければ、分娩部分のみに関しては撤退することになります。結局我々二次、三次施設に押し寄せてこられるという形になるかと思います。そういったことはぜひ避けていただきたいと思います。
 つまり、今回の御提案に関しては、民間病院の排除をすることによって、公的施設への誘導、大規模施設への誘導を目指しているのではないかと危惧しております。これは我々産婦人科学会が最もおそれている出産を取り巻く環境の急激な悪化と急激な集約化です。これはぜひ避けていただきたいと思います。
 今後、先ほど石渡会長からもお話がありましたように、保険財源に依存しないような形での独立的な支援制度の構築をお考えいただきたい。その際には、一次施設から三次施設まで御配慮いただければと思います。
 援助に関しましては、当面の間、恒久的な財政支出もお考えいただく必要があるかと思います。今後どのような形の具体的な制度設計を考えているのか承知しておりませんけれども、妊産婦の分娩費用の負担額を参考にして、産科診療施設がこれからも事業を継続できるような審議を進めていただきたいと思います。
 以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、新居委員、よろしくお願いいたします。
○新居委員 ありがとうございます。お願いいたします。
 NPO法人manmaの新居と申します。御提示いただいた論点について意見を申し上げます。
 まず、論点の①と②についてです。今までも先生方から御意見がありましたけれども、妊産婦の立場からも、やはり医師の皆様や助産師の皆様のコミットメントがきちんと評価され、地域の中で安心して出産できる医療提供体制が維持できるような基本対価の水準になることを改めて望みたいと思います。
 次に、③の論点についてです。前回の繰り返しにもなりますけれども、出産育児一時金の制度は出産にかかるお金全般をカバーするものとして支給されていると理解をしております。50万以内で出産できていた方については、余剰分で子育てにかかるものを買ったり、入院の際に必要なものを準備するために使えていたりという方も一部いたと思いますけれども、新しい制度に移行することで、これらのお金が逆に減ってしまうということについて懸念をしています。
 つまり、妊婦さんに対して、これまであった支援が取り上げられてしまう、それ以下になってしまうということがないように御配慮いただきたいと思っています。例えばこれから出産予定の妊婦さんが産もうと思っていた産院では50万円以下で産めるので、残るお金で入院準備をしようと思っていたけれども、それが新制度でできなくなってしまったとか、あとはこれまで出産費用がちょうど50万円程度だったので持ち出しなしで産めていたけれども、新制度が始まってオプションが切り出されて、かえって自己負担が多く発生するようになってしまったというようなことが新制度で起こるということを懸念しています。
 これの対策として、例えばこれまで出産育児一時金の制度において余剰が発生していたような一部の金額ですとか、あとは都心の豪華な病院はさておいても、一般的な病院で発生するであろうオプションの自己負担の状況も踏まえつつ、出産費用の負担軽減とは別の枠組みで、これらの費用について支援をするというような現金給付の仕組みも併せて整備する必要があるのではないかと考えています。
 例えばそのような制度があれば、帝王切開になった場合でも、保険診療の自己負担が生じた場合に、それらの費用を使って負担を軽減することもできるかと思いますし、例えば無痛分娩についても、議論にも上がっていると思いますけれども、このような使い道の柔軟な出産費用をカバーする給付金があれば、無痛分娩の費用負担に充てたいという方がいれば、そういうこともできるのではないかと思っております。
 最後に、論点の④についてです。今までもお話があったとおり、相応の準備期間が必要であるということは当然理解をしているのですけれども、これまでも出産にかかる制度というのは常に変わってきたと理解をしていますので、妊婦もその変化には十分に対応できるのではないかという観点からも、できるだけ早い段階での新制度への移行を期待したいと思っています。
 例えば、先延ばしにするというようなことも選択肢としてはあるのかもしれないのですけれども、例えば数年先ということになった場合、新制度移行までの間、産院の費用がこれまでどおりじわじわと値上げをされていくことになると思いますが、将来的な保険適用が決まっていれば、出産育児一時金の値上げも当然見込めないという状況の中出産を迎えるという人がこの数年間に発生してくると考えています。つまり、将来的な妊婦の負担軽減のために、直近出産する妊婦については自己負担が年々増えていく中で出産しなければならなくなるというようなことが発生しないようにお願いをしたいと思っています。
 出産の費用については、これまでも申し上げてきたとおり、経済的負担感が非常に強いと感じていまして、これらが無償化されるということで、妊婦の期待も非常に高まっているかなと思っています。このような観点から、将来的にもし保険適用がされるということが決まった場合については、できるだけ早い段階で実行に移していただくということが、妊婦の中での不平等感や、なかなか実現できないもどかしさというようなことを避けるためにも重要であるかなと考えています。
 段階的な移行ということも御提示いただいていると思いますが、その際は妊婦の混乱を招かないように、できるだけシンプルな形で実行いただくように配慮いただきたいと思います。
 最後になりますが、新制度に移行するに当たって、事前の周知というところも非常に重要であると考えています。新制度に移行される日以降に出産される方については、その方々が産院を選ぶ段階で、これまでの制度との違いを認識した上で産院を選べるようにすることが重要であると考えています。
 御提示いただいた形で新制度が始まることになれば、妊婦は妊娠が分かった段階で近隣の病院のサービス、アメニティの内容や金額を確認して、自分の予算や希望と照らし合わせて考えることになると思います。新制度が始まれば、これまでの制度の場合とは選ぶ基準が変わる方もいるはずで、新制度だったら別の選択を取ったのにというような後悔がないように、できるだけ早い段階、母子手帳の交付の段階だったり妊娠が分かったりした段階で皆さんがきちんと新制度について理解した上で適切な病院が選べるように、事前の周知についても御配慮いただきたいと考えております。
 以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、宮川委員、よろしくお願いします。
○宮川委員 ありがとうございます。日本助産師会理事の宮川祐三子と申します。
 前回に引き続き、日本助産師会として、この医療保険部会に出席の機会をいただき、感謝申し上げます。
 6ページの各項目について意見を述べさせていただきます。
 ①についてです。助産所で取り扱う分娩は正常経過をたどることが基本ですが、正常であっても分娩の状況は様々であることは前回も述べさせていただきました。助産所における正常分娩であっても、分娩所要時間が1時間以内の方や、1日以上を要する方もいらっしゃいます。また、身体的にはリスクはなくても、これまでの御経験によって、精神的に不安定であったり、家族からの支援が得難い方という、社会的にリスクを持っておられる妊産婦さんもいらっしゃり、特別な支援が必要となります。「標準的なケース」の対象範囲の検討は非常に難しいとは思いますが、その検討にあっては、出産や産後の経過は様々であることを踏まえていただくよう、そして妊産婦の心身の両側面から必要となる助産師のケアについてもしっかりと含めて検討していただくよう、改めてお願いいたします。また、助産所においても経営が十分成り立っていくという新制度となるように、検討をお願いしたいと思います。
 ②についてです。現在、助産所は、病院では病院機能評価を受けるというようなことがありますが、日本助産評価機構による助産所の第三者評価の受審という仕組みもあります。安全と安心のための手厚い人員体制として、助産所においては正常な経過をたどるように、助産業務ガイドラインに基づき、分娩時は必ず2名以上の助産師が分娩の開始から終わりまで付き添い、1対1の助産ケアが可能な人員体制を取っております。助産所の施設規模としては、小規模な施設が多いものの、中には多くの助産師を含む職員を雇用し、充実した設備で対応している助産所もあります。例えば助産師を常勤換算で4人雇用し、その他管理栄養士1名、保育士1名、事務員1名を雇用し、年間50~60件の正常分娩を取り扱っている規模の助産所もあるところですので、手厚い人員体制の観点では、こうした状況も勘案し、検討していただければと思います。
 ④についてです。出産に当たっては、妊産婦がその希望に応じて施設を選択できることが大切です。妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会から重ねて申し上げてまいりましたが、新たな出産に係る給付においても、助産所、そして御自宅での出産を希望する妊産婦さんが不利益を被ることがないよう、その運用においても御配慮をお願いいたします。
 最後に、新たな出産の給付体系に係る具体の検討は今後も継続すると理解しております。妊産婦さん、そして支援する専門職や医療機関の双方をつなぐ検討となるように、その検討の過程においては、助産師の立場からも継続的に参画させていただきたく思います。日本助産師会は助産師の職業団体として、今後も助産師の継続教育や助産所の安全管理などに組織として尽力してまいります。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、池田参考人、よろしくお願いします。
○池田参考人 ありがとうございます。
 出産に対する給付体系の見直しについてですけれども、国民の理解が十分得られるように、分かりやすく丁寧な説明を行っていただきたいと思っております。
 それから、給付に係るシステムの開発・改修を行っている立場での発言ですけれども、出産に対する給付体系の見直しを含めて制度の見直しを行うという際には、これが複雑な制度改正となりますと、国民に分かりにくいばかりでなく、コストも増大することになりますので、こうした点も考慮して進めていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、今回の見直しにつきましては、国保連合会など審査支払機関だけでなく、医療機関や助産所などのシステムへの影響もあろうかと思います。こうした意味で、適時適切な情報提供をいただくということに加えまして、システム開発・改修のための十分な準備期間を確保いただくようにお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、田島委員、よろしくお願いいたします。
○田島委員 全国町村会からの田島でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは、出産費用の在り方の検討に当たっては、妊産婦の経済的負担軽減はもとより、地域で安心して子供を産める環境をいかに守り抜くかという視点が我々町村にとっては極めて重要です。一次産科施設の赤字撤退は、町村においては代わりの施設がなく、1つ撤退するだけで妊婦の長距離移動という身体的リスクを強いるだけではなく、その町で子供を産めないという地方創生や少子化対策に逆行する事態を招きかねません。
 新たな給付方式の検討に当たっては、単に分娩実績のみを評価するのではなく、分娩件数が減少している過疎地域であっても、地域医療を支える小規模施設の体制維持に係るコストが確実に賄えるよう、御配慮いただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、木澤参考人、よろしくお願いいたします。
○木澤参考人 ありがとうございます。
 論点①についてですが、分娩の経過が様々である中でも、一人一人の状況に応じて安全性を確保し、必要な医療、助産ケアを提供していくことが重要です。改めて申し上げますが、引き続きそのような多様な状況等も踏まえて検討いただきたいと思っております。
 2つ目の点につきまして、一次施設から三次施設まで様々な分娩施設があり、それぞれの役割に応じて必要な人員、設備等の体制を整備して対応に当たっております。特にハイリスク妊婦を積極的に受け入れている施設では、緊急時にすぐ高次医療を提供するために、多数の医師や助産師の配置が重要です。また、人数だけではなく、提供される医療や助産の質を守るために、助産実践能力を認証するアドバンス助産師制度を通して、様々な分娩施設で個々の助産師の専門性の向上を図っておりますので、質・量両面で体制を評価し、各分娩施設の状況に応じて必要な額が手当てされるように評価していく必要があると考えております。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、前川参考人、よろしくお願いします。
○前川参考人 ありがとうございます。
 今回、基本単価を設定しつつ分娩数に応じて支給するという案を示していただいておりますが、基本単価の設定につきましては、地域の周産期医療提供体制の確保に支障が生じないよう、十分に配慮した設定としていただきますよう、お願いいたします。
 以上で。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございますか。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 6ページの論点に従ってコメントを申し上げます。
 まず①については、これまでの検討会、また本日、産科の先生方からも御意見がありましたように、分娩は一つ一つ、まさに出産までの経過が多様であるということは十分理解をしております。したがって、資料に記載されていますけれども、基本単価を設定して分娩数に応じて支給する仕組みとするということについては、現実的な手法だと考えます。ただ、保険で給付をするという以上は、基本単価に含まれるケア、サービスは何なのかと、ここについては可能な限り見える化して、明確化していただきたいと思います。
 次に、②については、緊急時の対応等に備えて、必要な人員もしくは設備を確保している施設ですとか、ハイリスクな妊婦を受け入れている施設への評価についてはもちろん異論はございませんけれども、やはり評価に当たっての基準ですとか要件等はよく精査していただきたいと思います。
 それから、③につきましては、これまでの定額の支給において、自由診療の下、地域差があったために、差額を受けることができた妊産婦さんとそうでない妊産婦さんがいたと理解しております。そういう意味で、前のページにもありますけれども、新たな給付体系はやはり全国一律の給付水準で現物給付とする仕組みとなると思います。
 このような中で、仮に現物給付とは別に妊産婦の方に支援を行うとしても、やはり保険財政が厳しいということも踏まえて、保険で給付すべきものなのか、また、保険料負担者の納得感を得られるのかといった視点、また、現在自治体のほうから支給されているところの伴走型支援の妊婦のための支援給付では対応できないのかといった観点から、慎重に検討いただきたいと思います。
 また、前回の議論でも申し上げましたけれども、自己負担分の財源については公費を含めるということについてもぜひ検討をお願いしたいと思います。
 最後、④ですけれども、やはり産科医療機関ごとに必要な準備期間が異なるという事情もよく理解できますので、対応可能な施設から新制度に移行していくという方策はやむを得ないと考えます。
 ただ、先ほども一部御意見がございましたけれども、保険者にとっては新制度と旧制度の両方の支給事務が発生するということがございまして、まだ具体的な事務は見えておりませんけれども、医療機関、また妊婦のみならず、保険者も含めた関係者の意見をよく聞いて進めていただければと思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
 基本単価を設定して分娩数に応じて支給するということで、これは分娩数掛ける基本単価ということになると理解しておりますけれども、そうしますとやはりハイリスクの妊婦だと赤字になって、リスクが低い若くて元気な方だと黒字になるということになってしまいますから、ハイリスク妊婦を積極的に受け入れている病院とか、ハイリスク妊婦の受入れが可能なような人員とか設備を持っている施設に対してはきちんと評価して、支給額に反映するということが重要になってくるかと思います。
 それから、今まで出産費用が50万円を下回っていて差額をもらっていた方がいらっしゃると。そういう方が新制度に移行すると今までより損をするということですけれども、これはそういった得をすることを意図した制度ではもともとなかったのではないかと思うのです。なので、制度の意図しない部分で何らかの利益が発生していたと。これは維持しなければいけないということは、制度の趣旨とは異なってしまうのではないかと思います。
 ただ、一方で、出産にはすごくいろいろな費用がかかるから、出産費用だけ何とかなればいいというものではないというのはそのとおりなので、それは医療保険とはまた別のところで出産費用以外の様々な費用ということへの配慮をしていかなければいけないかということではないかと思いました。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
 今日御提示いただいた論点②と③は、①の「標準的ケース」をどう設計するかということで変わってくるかと思いますので、その点が非常に重要だと思います。
 それに関連しまして、今日出していただいた資料の5ページを拝見しますと、分娩対応のところは現物給付化と書いてあるわけでありまして、これが深読みすると、療養の給付のような意味での現物給付なのか、それとも現金給付の現物給付なのかというところが少し気になるわけであります。つまり、それによって、療養の給付でありますと混合診療の禁止ということになりますので、上乗せ・横出し的なところというのはかなり制限的に考えざるを得ない。したがって、標準的なところでどうカバーするかということが非常にクリティカルな問題になるわけですけれども、現金給付の現物給付化ということであれば、その辺りの扱いも場合によると変わってくるという意味で、制度設計というところで、最終的には恐らく診療報酬のような報酬制度における施設基準であるとか、あるいは加算というところに関わってくるのかなと思いました。
 あと、費用との差額というところに関連しましては、以前から私、こだわって申し上げているのですけれども、出産育児と書いてありますので、本来は育児という視点があるはずだと思います。そういう点から言いますと、もし差額があるのであれば、今回の資料にもあるお祝い金ということであれば、そういったものでは付加給付も考えられるわけでしょうし、あるいは育児支援という点から言いますと、医療保険の歴史を考えますと、高齢者の保健指導もありますけれども、やはり乳幼児に対する保健指導も重要な要素だと思いますので、今回の見直しに当たっては、保険者のいろいろな状況はあるかと思いますけれども、付加給付あるいは保健事業というものも含めて考えていくべきではないかと考えております。
 以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。連合の林です。
 私からも、6ページの4点それぞれにコメントさせていただきたいと思っています。
 1点目です。出産までの経過は様々ですから、基本単価を設定して支給するという提案には異論ありません。しかし、基本には何が含まれるのかという点につきましては、先ほど来ありますようにしっかり検討していく必要があると考えますので、今後報告される出産費用に関するさらなるデータも踏まえて、実態や費用の内訳などをできるだけ見える化して示していただければと思っています。
 2点目です。リスクの高い出産や容態急変などの対応、良質で安全・安心な周産期医療の確立という観点から、これらの医療機関を適切に評価することは重要だと思います。
 3点目です。今後は全国一律の給付水準で現物給付とする仕組みの中でどうしていくのかというのは、妊婦のための支援給付などの公費による支援との関係性も整理しながら、妊産婦、被保険者の納得を得られるよう検討する必要があるのではないでしょうか。
 また、産科医療補償制度に関して、連合としては、この制度は国の責任で運営することとし、掛金は自己負担とならないようにすべきと考えていますが、現在、掛金は自己負担で出産育児一時金から賄われていますので、そうした点の検討も必要だと考えています。
 最後、移行時期です。やむを得ない点もあろうかと思いますが、医療機関によって対応が異なるというのは、利用する側からすれば分かりにくく、不公平と取られかねないのではないかと懸念しますので、どのような対応とするのかは、関係者の意見も踏まえ丁寧に検討する必要があると考えます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 それでは、私も資料の6ページの論点について何点かコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、最初の論点にあります基本的な正常分娩に関しての1分娩当たりの基本単価の設定ですけれども、これは以前にもお話しもしましたが、また、石渡委員のお話もございましたように、正常分娩というものは非常に幅があるという中で、それをどのように評価するのかということも非常に重要になってきますし、それを踏まえた上でのコスト設定ということになると思います。
 これも以前にお話ししたことではありますが、我が国の分娩というのはいわゆる自由診療で行われてきておりますし、それに基づいた施設整備、人員配置というコスト構造になっているということがございます。基本設定の単価ですけれども、先ほど石渡委員、また亀井委員のほうからお話があったように、各地域においてその状況は様々であるということも踏まえますと、コスト構造という成り立ちも踏まえた上で、全国の分娩施設においてしっかりと分娩に対応できる費用設定というものは必須だなと感じた次第です。
 2つ目の論点ですけれども、安全な分娩のための手厚い人員体制の整備への対応をしている施設、またハイリスク妊婦を積極的に受け入れている体制を整備している施設、これにつきましては先ほどの基本単価に加えて別途評価するという必要があると考えています。
 資料の5ページの右の点線囲みは、こうした観点から書かれているものと理解をいたしますけれども、その際、例えば一次施設であったとしても手厚い人員体制を敷いているところとか、またハイリスク妊婦を積極的に受け入れておられる施設もありますので、そうした分娩施設については加算して評価される仕組みの検討が必要と考えます。
 同じく5ページにあります分娩に伴う保険診療の部分ですが、保険診療ということになりますと、現在もそれに対しての対応は現物給付と自己負担ということになるわけですが、今回、出産の無償化ということをうたわれておられるわけですので、この点に関して、その自己負担の部分に関して、そこも無償化すべきだという御意見が現場には一定ございますので、その辺りも踏まえますと、ここも丁寧な議論が必要になるのではないかと考えます。
 さらに、今お話しした以外にも分娩に関わる対応というものは妊婦ごとに様々な状況がありますので、状況に応じた柔軟な対応を持った評価体系の検討ということになろうと思いますし、そのようにお願いしたいと思います。
 論点の④ですが、これに関しては妊婦が希望に応じて分娩施設を選択できるということは当然ですが、分娩施設の新制度への移行ということに関しては、やはり十分な時間をかけて、そして準備のできたところから順次移行できる仕組みとしていただきたいと考えます。
 この論点とは別ですが、やはり本日、現場で対応しておられる先生方の御意見をお聞きいたしておりますと、今回、この制度が新たに無償化ということで変わるということは、妊婦さんにとっては非常によろしいことでありますし、また、その制度が変更になるということに対しての十分な御理解を妊婦さんのほうにもしていただく必要がありますが、一方、それに対応する医療施設・医療機関がこれに対応できないというような制度設計であれば、最終的には周産期体制というものはゆがむであろうと私は思いますので、その点も踏まえた上での検討はやはりしていただきたいなと思います。
 その点を考えますと、様々な今の要望も踏まえて、保険料だけで果たしてこの財源がもつのかどうかということは甚だ疑問でありますし、公費の投入というものが必要にならざるを得ないのではないかなと、これは個人的に思うところです。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、菊池部会長代理、よろしくお願いします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。
 私からは、2点意見を述べさせていただきます。
 基本的には、出産に対する給付体系の見直しについての今回の基本方針には賛成ですが、6ページの③と④に関して意見を述べさせていただきます。
 まず、出産費用が50万円を下回る場合をどう考えるかですが、出産育児一時金の趣旨は、出産に直接要する費用、出産前後の健診費用などの出産に要すべき費用の経済的負担の軽減を図るために支給されるものとされ、そのために金銭給付の形式を取ってきました。これに対し、今回の給付体系の見直しは、今、議論されていますように、出産を現物給付化することに眼目があります。だとすれば、給付の性格上、出産に関わる現物を支給すればそれで完結するのであり、差額が発生するという発想は存在しないと思います。給付の性格そのものが変わると考えれば、医療保険制度においては、医療サービスそのものを支給することが本来的に望ましい給付の在り方と考えられ、差額云々の議論は生じないと思われます。仮に期待的利益があるとしても、憲法29条1項の財産権保障に抵触するおそれは基本的にないと考えます。
 ただし、出産育児一時金の育児に関わる部分、先ほど伊奈川委員も言及されたかと思いますが、出産前後の健診費用などの出産に要すべき費用をどう勘案すべきかという問題はやはり残ります。この部分がかつての育児手当金を受け継いだものであることからも、経済的負担の軽減という要素を勘案するかしないかという問題は残ります。ただし、仮に勘案するとしても、差額が発生する場合ではなく、全ての出産に対しての対応を考える必要があるということになります。
 加えて、2024年、昨年、子ども・子育て支援法等改正により、子ども・子育て支援金が医療保険料に上乗せされる形で創設され、子育て支援制度の充実が図られたことをどう評価するかも考える必要があります。新たな支援金を活用した出産・子育て応援交付金による妊婦のための経済的支援策などが講じられたことを勘案すれば、実質的にはそうした経済的負担に対する支援策は、医療保険の保険料徴収機構を活用した新たな子ども・子育て支援策の中で一定程度対応されていると捉えることも可能であり、さらなる必要があるかもしれませんが、それは基本的にはそちらの仕組みの中で経済的保障策として考えるのがどちらかといえば筋であって、医療保険制度内部でさらなる対応を行う必要性は低いのではないかと考えます。
 もう一点、④についてですが、新制度への移行に関して相応の準備期間が必要であることは十分理解できます。ただ、供給体制の安定的な確保のための対応を不可欠の前提とした上で、新制度へは全ての関係施設の移行を基本に据えるべきであり、あくまで移行措置として生き続ける、法律的には附則として規定し、時限的な措置としての対応を取る必要があると思います。もちろんアメニティ等の付加的なサービスについて、自己負担を原則として追加可能にすることは認められてしかるべきと考えられ、その意味で6ページのイメージ図は妥当と考えています。
 その理由として、第1に、出産という同一のイベントにつき、金銭給付と現物給付という性格の異なる給付を並立させて対応することでは、制度としての整合性がつかないこと。
 第2に、仮に全ての出産可能施設を対象に、妊婦さんがどの施設でも選択していずれかの給付を選べるということであれば、まだフリーアクセス、受診機会の平等といった医療保険制度に内在する基本的価値に適合する面があると言えなくはありませんが、施設の判断でいずれかを排他的に選択できるという仕組みであるとすると、現物給付化するよりも高い費用が場合によっては必要とされるとすれば、それを追加的に妊婦さんが負担しなければならず、フリーアクセス平等、差別診療の禁止といった価値をかえって毀損しかねないこと。
 第3に、部分的にであれ、金銭給付である現状の問題をそのまま将来に引き継ぐことになり妥当でないことなどを挙げることができます。
 2012年、子ども・子育て支援法で、保育所入所制度の施設と保育所の直接入所方式への改革が行われた際、私立認可保育所は従来と同様、行政庁が大きく関与する市町村と利用者の契約という仕組みが残され、事実上、骨抜きになったと考えています。法附則6条1項で、当分の間、法27条は適用しない旨の定めが見直されることなく、今も残っています。保育所入所制度に性格の異なる複数の仕組みが並立していることになります。したがって、今回もあくまで時限的な措置として、当分の間ではなく経過措置期間を明記すべきではないかと考えます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
 私のほうからは、6ページの論点について若干コメントさせていただきます。
 1つ目は、皆さんもおっしゃっていますけれども、1番目の御提案にある基本単価を設定し分娩数に応じて支給するという手法につきましては、これまでの出産育児一時金の支給を現物給付化するということで、現在の保険給付と連続性があることから、一定限理解できる整理と受け止めております。
 そして、ハイリスク妊婦の受入れを行う施設を継続して確保するための経費を確保できるような評価については、これも必要であると考えております。
 あと、前のページでも整理されておりますけれども、アメニティ等のサービスについての無償化は対象外ということで、妊婦が希望に応じて自由に選択できるよう進めていくということにおきましては、従前から申し上げているとおり、やはり費用の見える化をぜひ義務づけて進めていただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
 6ページの論点のところで、1番目に関しては、こういう考え方で、あと必要な部分を付加していくという形でないと成り立たないのではなかろうかと思います。
 2番目のところは、当然一次施設、二次施設、三次施設的なところの評価はもとより、①も関係しますが、そのような手厚いことをやれるところにはプラスアルファのことを考えていかなければならないと思います。
 4番目に関しては、法制度も変えていかなければならないところですので、そういったところでは十分内容を審議した上で、できれば一斉にスタートできるというような形が一番望ましいと思いますが、それには国民の理解と、それから何度もお話が出ておりますが、産科医療を支えている医療施設の経営的なものもきちんと担保できるといったものになってから、そこをスタートするというようなことが望ましいのではなかろうかと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございますでしょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日の意見も踏まえながら、議論をさらに深めていければと思うところです。
 専門委員の皆様方におかれましては、御参加ありがとうございました。次の議題に移りますので、本日は御退席いただいて結構でございます。どうも御意見、それから御参加ありがとうございました。
(専門委員退室)
○田辺委員長 次に、「医療保険制度改革について」を議題といたします。資料が2-1、2-2、2-3と3つございますけれども、まず資料2-1と2-2を御説明いただきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。その後で資料2-3を説明いただき、同じように語質問、御意見をいただくという流れで進めさせていただければと存じます。
 それでは、事務局よりまず資料2-1、2-2について、まとめて御説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○日野課長 高齢者医療課長でございます。
 資料2-1についてまず御説明をさせていただければと思います。お手元のタブレットで資料をお開きください。
 まず、資料右下にスライド番号があります。2ページと3ページは、10月23日及び11月13日の主な御意見になります。現役並み所得の判断基準、高齢者の負担の在り方について、見直すべき、配慮が必要、あと現役並み所得に関しては、公費負担、支援金の在り方について見直すべきという御意見、あと他制度の介護保険等の負担の議論についても配慮が必要というような御意見をいただいているところです。
 次に、5ページ以降です。この辺りは高齢者の受診の状況、取得の状況を集めた資料です。既にお出ししている資料をまとめたり再度提出をさせていただいているような資料ですので、説明は省略いたします。
 新しい資料といたしましては、9ページ、10ページの辺りの資料です。
 まず9ページですけれども、75歳以上の単身世帯の高齢者の収入と支出を示している資料です。
 下のほうに年収があります。それぞれの年収に応じて積み上がっているグラフが支出の非消費支出と消費支出を足し上げたものということになります。見方としましては、一番右のところを見ていただきますと、年収330万円の方の支出を積み上げると、一番上に数字がありますけれども、301万円ということになります。年収330万円というのは、3割負担の単身世帯の収入のラインが383万円ですので、そのちょっと下の層の方々というイメージで設定をしたものです。
 3つグラフが左側についていますけれども、こちらは年収200万円のラインが2割負担のラインですので、それの前後上下の層として230万円と170万円の層の収支をお示ししたところです。
 全体として見ていただくと、収入と比べて支出のほうが若干少ないという形で、家計全体として見ると収支差がプラスになっているというところが見てとれると考えております。
 次に10ページを見ていただきますと、9ページのほうは単身世帯でございましたけれども、75歳以上の夫婦2人世帯の収支を見たものということになります。先ほどの9ページの資料と同じ見方になるのですけれども、夫婦2人世帯の場合、3割負担のラインが年収520万円、2割負担のラインが年収320万円になりますので、9ページと同じように3割のラインのちょっと下、あと2割負担のラインの上下前後の層を見ていただいているものです。こちらも収入と支出を比べていただくと、収入のほうが若干上回っていると。令和5年ではこういう状況になっているという資料です。
 続きまして、12ページを御覧いただければと思います。こちらは実効給付率の推移の資料です。
 後期高齢者が茶色のラインで示されておりますけれども、令和4年度で実効給付率が若干下がっております。こちらについては令和4年10月から一定所得以上の方に2割負担を導入いたしましたので、その影響が出てきているものと考えております。
 13ページ、14ページ、15ページの辺りは既存の資料ですので、説明は省略させていただきます。
 次に、16ページを御覧いただければと思います。今度は見直しの仕方の資料です。
 平成26年から平成30年まで、前期高齢者の窓口負担割合の段階的な引上げを行った資料です。70~74歳の窓口負担割合につきましては、平成20年から2割負担とされたところですけれども、その引上げが凍結をされて、予算措置で1割負担が継続をされていました。それが平成26年から段階的に2割負担に引き上げるという改革を行ったところです。
 平成20~25年度、一番下の左側の表を見ていただきますと、69歳から70歳になるときに3割負担の方が法律上は2割になっていたのが、予算措置で1割になっていたと。これが平成26年に、70歳に到達する方から段階的に2割負担になるという形の見直しをしました。これは1年ごとに年を上げていって、最後、平成30年度に2割負担になるという構造です。
 制度的には、1割負担だったのが2割負担になるという形になるのですが、個人ベースで見ていただきますと、3割負担が70歳になるときに1割負担になるというものだったのが、この見直しをすることによって、3割負担が2割負担になると。ですので、負担の減り方が緩和されるという形で、個人にとっては負担増という実感がない形で見直しをしたという資料です。
 続きまして、17ページです。
 こちらは前回の2割負担を導入したときの配慮措置のやり方ということで、先ほどのような一定の年齢に到達してからというやり方ではなくて、外来負担の増加を最大月3,000円に抑えて、それを3年間行ったという配慮措置のやり方もありますというのが17ページの資料です。
 論点です。19ページを御覧いただければと思います。
 四角の枠の中にポツがありますけれども、まず、先月閣議決定された経済対策におきまして、「医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現」という項目につきましては、令和7年度中に具体的な骨子について合意し、令和8年度中に具体的な制度設計を行って、順次実行するという項目にされているところです。このことも踏まえまして、高齢者の窓口負担割合についてどのような見直しが考えられるのかと。
 例えばという例示ですけれども、①として3割負担や2割負担の対象の拡大。左下に窓口負担の割合の構造がありますけれども、70~74、75歳以上のところに3割負担や2割負担のラインがあります。これを拡大するということは、左側にずらしていくという考え方になると思います。これが1つ。
 2つ目として、負担割合の区切りとなる年齢の引上げ。70歳、75歳にラインがありますけれども、例えばこれを引き上げていくという考え方もある。
 ③として、負担割合のきめ細かい設定。例えば75歳以上で見ていただきますと、今、1割、2割、3割と10%刻みになっております。例えば1割負担を2割負担にすると、負担率が10%から20%と倍増することになりますので、例えば15%とか25%とか間を刻むような形にして、きめ細かい設定をするという考え方もあるのかなと考えております。
 こういった方法が考えられますし、あと先ほど説明をしたような見直しの経緯を踏まえて、どのような見直しの在り方が考えられるのかという論点にさせていただいています。
 その上で、当然のことですけれども、高齢者の方は受診の特性、所得の状況について、これまで議論していただいたような特性もあります。低所得者への配慮、受診抑制が生じないような配慮、高額療養費、介護保険制度等々の見直しの議論と併せて、個人への負担が過大にならないような配慮が必要ではないかと考えております。
 ※印に書いてありますとおり、現役並み所得の判断基準につきましては、そもそも今の判断基準の在り方が妥当かどうか、あと現役並み所得の高齢者の医療給付費に公費負担が入っていなくて、現役世代の支援金による負担になっているという構造になっていると、こういう論点も引き続きあるのかなと考えております。
 最後、21ページ以降は参考資料ですが、介護保険のほうでも今、負担の見直しの議論が行われています。
 24ページを御覧いただければと思いますけれども、12月1日の介護保険部会の資料です。現在、介護保険の2割負担のラインが年収280万円に設定をされているところですけれども、そのラインをどうするのかという議論、それと配慮措置の内容として、①として負担増加額の上限を設定したり、②として預貯金が一定額未満の方は1割負担に戻すような考え方の議論が行われているところです。
 25ページ以降についてはこれまでお出ししている資料ですので、説明は割愛させていただきます。
 資料2-1の説明は以上になります。
 続きまして、資料2-2の説明に入らせていただきます。
 右下のページ番号1ページを御覧いただければと思います。
 こちらは11月13日に一度、金融所得について御議論をいただいたところですけれども、そこで出てきた議論をまとめたものです。おおむね方向性としては賛成という御意見が多かったのかなとは考えておりますけれども、例えば実務面で様々な課題があるのではないかということであったり、短期間での導入はなかなか難しいので慎重な検討が必要ではないか、そういったような御意見もいただいているところです。
 2ページ、3ページは前回もお出ししている資料ですので、説明は省略をさせていただきます。
 4ページを御覧いただければと思います。
 先月、11月21日に閣議決定をされました総合経済対策における社会保障改革の記載です。アンダーラインを引いてありますけれども、こちらが閣議決定された文書でございまして、医療費の窓口負担について、年齢にかかわらず公平な応能負担を実現するための第一歩として、高齢者の窓口負担割合等に金融所得を反映するため、具体的な法制上の措置を令和7年度中に講じるということが閣議決定をされております。医療費、後期高齢者の窓口負担割合等に金融所得を反映させると、あと法制上の措置を令和7年度中に講じるというところが閣議決定されているところです。
 5ページを御覧いただければと思います。
 こういった動きを受けまして、金融所得の公平な取扱いに関する関係省庁会議というものを先月26日に開催させていただいたところです。金融所得の反映といいましても、当然厚労省だけではできないものです。国税庁、金融庁、デジタル庁、総務省、財務省等々、関係省庁の局長級が集まりまして、金融所得の公平な取扱いを実現するための実務的な検討を行う会議を立ち上げたところです。
 6ページを御覧いただければと思います。関係省庁会議に出された資料を一部修正している資料がこちらです。
 法定調書を活用した金融所得を勘案するスキーム図というものになります。ちょっと細かいのですけれども、今の仕組みは、左上の個人から矢印が出ていますが、例えば個人の所得情報を市町村の税担当部局、税務システムで収集をすると。そこで課税所得等々を計算した上で、市町村の後期高齢者医療制度担当のところに情報を提供し、下のほうに矢印が出ていますけれども、それが後期高齢者広域連合の保険者システムに入ってくると。そこで課税所得をベースに計算をして、保険料を賦課すると。その情報を市町村に戻して保険料の徴収を行うというスキームになっています。
 この場合、金融所得につきましては、確定申告が行われた情報は市町村の税当局に把握をされるので、所得として勘案されて、保険料、窓口負担等に反映されるという構造になっています。一方で、確定申告をせずに源泉徴収で終わるといった形になると、市町村の税務局は把握できないので、これが窓口負担や保険料の不公平のところの課題になっていると。
 その課題をクリアするためにどういうやり方をするかというのがこの図ですけれども、左側に提出義務者で金融機関等というのがあります。税制上の仕組みで、法定調書というものを国民ではなくて金融機関が出すのですけれども、これを出していただくので乗り越えていったらどうかという考え方になります。
 法定調書を税で持っている認定クラウドもしくはe-Taxを経由して、法定調書のデータベース、点線で囲まれている土管の図がありますけれども、こちらに集約をして、金融所得を名寄せすると。これを保険者からの問合せに応じてマイナンバーで突合して、広域連合に金融所得の情報を戻すと。上のほうから来ている課税所得と合算をして、保険料や窓口負担に反映させていくというシステムを構築するという考え方になります。
 この場合、赤枠で囲われているような課題、情報連携が必要になってきて、点線のところが新しい情報連携やシステム構築をしなければいけない部分ということになります。
 あと、グレーで囲まれている枠が左側に2つあります。課題といたしましては、法定調書が今、オンラインで提出されている割合が約4割ということですので、こういった仕組みをやるためにはフルデジタルでやらなければいけませんので、オンライン提出を義務化していくということが必要になってまいります。
 左下にありますとおり、法定調書はマイナンバー記載率が今、9割ということになっていますので、これをできるだけ高めていくということが必要になってきます。
 こういったものを踏まえて、様々な税務システム、市町村の保険システム、広域連合のシステムを含めて、システム改修をしていかなければならないということになります。
 7ページを御覧いただければと思います。
 これをどれぐらいのスケジュールがかかるのかというものをスケジュール表に落とし込んだものが7ページです。
 先ほど出てきた法定調書のデータベースをつくったり、市町村や広域連合のシステム改修が前例をベースにしますと2年ぐらいかかるのではないかと考えています。ですので、法案に乗せた上で、それが仮に成立をした場合ですけれども、まず要件定義をした上で、システム改修が2年ぐらいかかると。その後、法定調書のオンライン提出義務化がかかって、1年ほど法定調書をためていくと。その翌年に保険料、窓口負担区分への反映ということがされるということになります。
 右下に書いてありますとおり、トータルでいうと公布後5年、オンライン提出義務化後1年8か月程度かかるという感じになってまいります。
 ただ、システム改修は前例とかをベースに2年程度と算出していますので、当然、今システムエンジニアが不足していたりとか様々な課題がありますので、もしかしたら後ろ倒しになる可能性もあるかなと。一方で、できるだけ早くやる必要もありますので、このスケジュールが縮減できないか、検討はしていきたいと考えております。
 8ページを御覧いただきますと、金融所得の論点があります。
 4つありますけれども、まず、税制による確定申告の有無によって社会保障の負担が変わるという不公平を早期に是正するという観点から、金融所得の勘案を進めるべきではないかというのが1つ目。
 2つ目の論点ですけれども、医療保険制度としては、市町村の税情報をベースとする後期高齢者医療制度と国民健康保険が考えられますけれども、後者につきましては、自治体のシステム標準化のスケジュールというものがありますし、あと被用者保険とのバランスという論点もあります。また、先般決定をされた経済対策等の記載も踏まえまして、まずは後期高齢者医療制度から検討を行ってはどうかと考えています。
 3点目の論点ですけれども、金融所得を勘案する場合、金融所得のある方の所得が増加するという形になるので、金融所得のある方の後期高齢者の窓口負担や保険料といったところが変わり得るということになってまいります。
 保険料につきましては、先ほどのスケジュールで見ていただいたとおり、賦課されるのがかなり先の話になりますので、その時点で御議論いただくのがいいのではないかなと考えているところです。
 窓口負担のほうですけれども、4つ目のポツにありますとおり、経済対策のほうでも窓口負担につきましては令和7年度中に具体的な骨子について合意し、令和8年度中に制度設計を行い、順次実施をするとされていることですので、自民党、日本維新の会の与党の議論も踏まえつつ、検討を行ってはどうかという論点です。
 9ページですけれども、前回、海外の金融所得の状況について調べてほしいという御意見をいただきました。それをまとめたのが9ページです。
 フランスにおきまして、金融所得を勘案するとこういう仕組みがあります。フランスの医療保険制度ですけれども、日本と同じような保険制度で運営をしていますが、医療保険制度の3つ目の○にありますとおり、保険料につきましては事業主負担のみです。一方で、被用者分につきましては、保険料ではなくてCSGと呼ばれる一般社会拠出金、あとCRDSが税として徴収をされております。
 真ん中にありますとおり、今、金融所得の30%が徴収され、所得税が12.8%、社会保障負担が17.2%となっております。
 下のCSGのところに書いてありますけれども、1つ目の○を御覧いただければと思いますが、金融所得はこのうちの資産所得に入りますけれども、所得制限や賦課限度額などは設定をされていないということなので、日本の社会保険料みたいな形ではなくて、税に近い形で運営をされているのかなと考えております。
 ですので、どちらかというと保険料というよりは特定の目的に支出する税として扱われているということかなと考えております。
 私の説明は以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら挙手にてお知らせいただければ幸いです。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 それでは、まず資料2-1のほうについてですけれども、このテーマについて、私ども健保連としての全体的な認識を申し上げたいと思います。
 今もう言われていますが、我が国における人口構造が大きく変化をして、いわゆる年齢構成のピラミッドの形が逆転をしているという状況において、現役世代が高齢者を支えるという従来のスタイルでは対応できないということをまずは検討の前提にすべきだと考えております。その際には、高齢者の方であっても負担能力のある方には一定の御負担をいただき、減少する現役世代の負担軽減を図るということは喫緊の課題であって、言わば時間との戦いという要素も大きくあると考えております。
 そういった中で、19ページの論点に沿ってコメントを申し上げたいと思います。まず、ここにあります見直しの方法として3つ、そのうちの1番、3割負担や2割負担の対象者の拡大についてはもちろん賛成の立場ですけれども、現役並み所得の見直しに当たっては、この資料にも書いていただいていますが、現役並み所得の後期高齢者の給付費には公費負担がなく、現役世代が負担するという大変いびつな構造になっているということについて、まずは公費の投入をお願いしたいと思います。
 次に、②の負担割合の区切りとなる年齢の引上げについては、私ども健保連としても先日発表しました「ポスト2025」健康保険組合の提言の中でも言及しておりますけれども、やはり高齢者における健康状態の改善、また就業率の上昇といった高齢者像の変化を踏まえますと、現行の負担割合、70歳~74歳の方は原則2割、75歳以上の方は原則1割という年齢区分については、5歳引き上げるべきと考えております。また、前期高齢者の年齢区分も5歳引き上げて70歳とすべきであると考えております。
 それから、③の負担割合のきめ細かい設定ですけれども、これも年齢ではなく負担能力に応じた応能負担の観点から負担割合を細かく設定していくことが必要と考えております。
 ですので、見直しに当たっては、この論点にもありますように、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行するとありますけれども、もちろん低所得者の方ですとか急激な負担増に対する配慮は必要ですが、全ての項目について早急に実施をいただきたいと考えています。
 また、本件は、まさに現在政府が進めている全世代型社会保障制度の根幹に関わるテーマですので、検討に当たっては、現役世代、特に若い世代の意見も聴いた上で進めるべきだと考えております。そういう意味で、この世代が議論に参加することもぜひ検討いただきたいと考えております。
 資料2-2について、金融所得のほうですが、前回申し上げましたけれども、金融所得の勘案については、負担能力に応じた負担、税制による確定申告の有無によって負担が変わるという不公平を早期に是正する観点から、この方向性については異論はございません。
 また、先日も申し上げたのですが、実務対応上の課題は、今日の御説明にもたくさんあると思いますので、まずは後期高齢者を対象に検討していくということが現実的ではないかと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 資料2-1の9ページの論点にありますとおり、医療の窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担を実現することが、今後の人口減少、特に75歳以上の後期高齢者がこれから急増するという中で、まさに急務となっていると思います。
 その中で今回、19ページに①②③と提案をされておりますけれども、いずれも重要な論点ですので、ぜひこの方向に沿って早急に検討し、もちろん低所得者あるいはその受診控えというものに配慮しながら、検討を急いで、現役世代の負担軽減に向けた検討をしたいと思います。
 年齢によらない真に公平な応能負担を実現するためには、まず第1として、資料2-2にありますような金融所得についても正確に含んでいくということが重要だと思います。8ページに書かれている論点については、違和感はございません。
 しかし、的確な応能負担を実現するためには、ぜひ今回の金融所得は、ここに書いてありますとおり第一歩として進めるべきでございまして、第二歩目というのはやはりフローのみでなくストックの把握というところにあると思います。ぜひ第二歩目として預貯金口座へのマイナンバーの付番というものも含めて政府全体で検討を進めていただきまして、公正公平な社会保障制度を構築していただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、馬場参考人、よろしくお願いいたします。
○馬場参考人 ありがとうございます。
 まず、高齢者医療における負担の在り方についてですが、全世代型社会保障という政府の方針の下、公平性の確保に向けた見直しを検討する必要性については理解をしているところです。
 一方で、後期高齢者の所得には大きなばらつきがあり、所得が増加傾向にあるとはいうものの、収入が200万円未満の方が7割弱というような状況であり、また、多病性や受診頻度の高さなど高齢者固有の事情があるということも事実です。負担増が受診抑制につながれば、結果として健康悪化を招き、医療費の増加にもつながりかねません。この点はぜひ極めて慎重な検討をお願いしたいと思っております。
 負担割合の見直しに関しては、まず現役並み所得の基準そのものが現役世代と高齢者の生活構造の違いに十分に対応していないという課題があります。また、先ほども意見があったように、現役並み所得の給付費には公費負担がなく、対象を広げると現役世代の負担のみが増えるという構造的な問題もあります。基準や負担構造の見直しを一体で議論されるべきであり、対象の拡大だけが先行することには慎重であるべきではないかと考えております。
 その上で、所得に応じたきめ細かな負担設定につきましては、制度が複雑化することによる周知の困難さや境界層での逆転現象といったことが生じないよう、周到な設計が不可欠であると考えております。また、併せて高額療養費制度との整合性を確保し、長期外来の方や低所得者に過度な負担が生じない仕組みづくりが前提であると申し添えたいと思います。また、制度改正に当たっては、丁寧で十分な周知のための期間を確保していただきたいと考えております。
 次に、金融所得の勘案についてですが、税制上の申告状況によって負担が変わるという不公平を是正するという観点から、金融所得を医療保険制度において勘案していくという方向性については理解をしているところです。しかしながら、後期高齢者は収入が固定的で、生活余力が小さい方も多いため、制度導入による影響は慎重に見極める必要があります。また、金融所得の把握方法や市町村税情報の連携など、実務面の課題も大きいと認識しております。
 それから、後期高齢者医療制度から先行して検討する案につきましては、市町村が税情報を管理しているという制度上の特徴から、技術的には対応の可能性がある一方、国保や被用者保険との整合性を欠かないよう、また、新たな制度間の不公平を生むことがないよう、中長期的な全体像の中で段階的に進めることが不可欠であると考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 ありがとうございます。
 後期高齢者として非常に身に迫ってくる問題でございますが、何点か申し上げたいと思います。
 1つは高齢者の負担増ということですが、これは何のためにするのかということです。現役世代にかかる負担を減らすのであれば、先ほどほかの委員もおっしゃったように、3割負担を増やすとかえって現役の負担が増えるという、このゆがんだ制度を変えないとあまり意味がないと思います。
 それから、1割の方を2割に増やすということ、まだ2年くらい前ですかね、2割負担を入れたばかりでまたやるのかという気がしますし、それから、1割から2割というのは倍になるのです。今、高額療養費の委員会のほうで外来特例の見直しということも進んでいるわけです。ですから、1割から2割に上がって外来特例も適用外になってしまったらもう大変なことですよね。だから、もし2割を増やすとしたら、やはりきめ細かい配慮、例えば1か月の上限を幾らまでにするとかそういうようなことをしていただかないと、非常に大きな生活の変化になって、生活に困る人も出てくるのではないかと思います。
 それから、現役並み所得、これもずっといろいろ議論されていますが、現役と高齢者では家計の収入や支出構造が違いますので、これも丁寧に見ていく必要があると思います。
 そして、やはり介護保険のほうでもこの問題が出ていますので、そろえる必要があるのではないか。ただ、介護保険のほうでは、1割から2割にした人で、預金通帳を見せるというような話もあるようですが、そこまでやるのかということで、多分中にはそんなに自分のプライバシーをさらけ出したくないということで、該当していても預金通帳を見せるのはやめたという人も出てくるのではないか。その結果、生活が困るという方も出てくるのではないかということを危惧しております。
 金融所得もなかなか難しい問題ですが、私はなぜ後期高齢者からスタートするのかということに非常にこだわっております。もちろん取りやすいからということがあるかもしれませんが、公平性ということであれば、現役世代、あらゆる世代の金融所得も考えていくべきではないかと考えております。
 そして、確かに高齢者はいろいろ資産とか金融所得とかを持っていますが、なぜ日本の高齢者がため込むのか、それを考えていただきたい。つまり、先行きが不安なのです。例えば北欧の福祉国家のように、政府が最後まで面倒を見てくれるという保証があればそんなにため込まないと思うのですが、日本の場合に、何かあったらどうするのか、事故に遭ったら、大病したらどうなるのか、あるいは高齢者の中には葬式代の心配とかそういうことがあって、本当に所得の低い人でもためているのです。本当に爪に灯をともすような思いでためている。そこを狙うのかということですよね。本当に政府が信頼されていたら、そんなにため込まなくても済むのではないかと思います。だから、強い国にならなくてもいいですが、信頼される国になってほしいと思っております。
 それから、金融資産のことについてですが、NISAとかそういうのをどう考えるかという問題です。NISAは課税対象外ですが、そうするとこれも社会保険の対象外にするのか。そして、最近ではNISAを拡大して限度額を非常に引き上げていますし、こどもNISAなんていうのもできるという話ですよね。そうすると高齢者の中には、お孫さんとかそういうところの名義でNISAを増やしていくという可能性もあるわけです。だから、その辺をどう考えるかということを心配しております。
 私個人としてはフランス方式がいいなと思っております。というのは、個人一人一人にひもづけすると、資料にもありましたように、非常にややこしい作業をしなければならない。そのために物すごく時間と労力とお金がかかるわけです。ですから、フランスのように一括して取ってしまう。例えば今、金融所得については20%の分離課税ですが、例えばこれを30%にして、10%分は社会保障に充てるとか、何かそういうことができないかと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、前川参考人、よろしくお願いいたします。
○前川参考人 ありがとうございます。
 金融所得の勘案の
 検討に当たっては、公平性の観点から、被保険者の納得が得られるような制度設計としていただきますよう、お願いいたします。
 また、後期高齢者医療制度における金融勘案を実施する場合については、自治体等におけるシステム改修などが必要となりますことから、現場の意見を十分に踏まえたスケジュール設定と、改修等にかかる費用につきましては、運営に支障が生じることのないよう十分な財政支援を確実に講じていただきますよう、お願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 それでは、まず議題の2-1のほうに関してですが、これは先ほど袖井委員もおっしゃったとおりであろうと私たちも思っておりまして、現在、医療保険制度改革ということに関して、本当に高齢者の窓口負担割合であるとか高額療養費制度の見直しにおいても、外来特例の見直し、またOTC類似薬の保険適用に関するお話もありますし、本日のま金融所得に関する件もあると。様々あるわけです。
 これは当然、公平性の観点から、年齢によらずに負担能力に応じた負担とする方向性で見直しをすべきであるということで、医療保険制度の持続可能性の観点からこの議論をしているということは間違いないわけですが、いずれにしても高齢者に対しての負担増ということになり得るという検討の内容になっていますので、さらには本日の御説明にもありましたように、介護保険制度においても現在負担割合の見直しが行われているということもございます。
 こういうことを勘案しますと、高齢者の方に対しての急激な負担増とならないように、激変緩和措置なども含めた検討というものはしていただく必要があるのではないかなと思いますので、この点に関してはぜひとも対応をお願いしたいと思います。
 議題の2-2、金融所得のほうですけれども、金融所得の反映ということですけれども、高齢者からスタートということに関しては国民の理解が十分得られるように、時間をかけてその必要性を丁寧に説明していただきたいなと思います。
 そして、特に国民の方の理解が得られないと、またいろいろな問題も起こりますので、その辺りもしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 さらに、保険料の算出基準についてですが、これに関しては、金融所得を導入した場合、前年の金融所得が勘案されるということになると思いますけれども、金融所得というのは本当に変動が大きいだろうということが想定されますので、それに対しての対応はどういうふうにしていくのかということも含めた検討も必要ではないかと考えております。
 私のほうからは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
 2つの資料がありましたけれども、両方を通じて重要な点というのは、やはり先ほどの説明でも、システム改修にも相当な期間を要するということがありますので、2040年問題という課題がありますので、長期的に耐えられる設計にしていく必要があるのだろうと思っています。それが1点。
 そして、2点目としては、先ほど、現役世代とか若者世代の負担の軽減とありますけれども、もう一つあるのは、高齢者内での世代内の助け合い、所得再分配効果を高めていくという視点も必要なのだろうと思っています。
 そういう点からいいますと、やはり年金との関係も含めて考えていく必要があるわけでありまして、今回の年金制度の見直しの中で、適用拡大であるとか在職老齢年金あるいは標準報酬の見直しということで、恐らく被用者保険の対象者のほうは改善されていく面があるのだと思いますけれども、就職氷河期の世代に代表されるのは、どうしてもあまり高い年金が望めない層がいるとすると、そういったところへの配慮ということも考えないといけないのだろうと思います。そういう点からいいますと、何割の負担かというのは、最後は政策的な判断かもしれませんけれども、1割が2割というのは要するに倍ですので、介護保険の所得段階別定額保険料ではありませんけれども、今、コンピューターの時代ですので、刻みを例えば15%という切れの悪い数字というのもあるのかなと思ったりもしますし、また、逆に、70歳~75歳のところは2割ということですけれども、年金の関係を考えても低所得層がいるわけですので、そういう方に対してはむしろ15%とかいうふうに、少しきめ細かな配慮を何らかの形でしていく必要があるのかなと考えております。
 また、金融所得に関しては、そういった点では世代内の助け合いということで、金融所得のある高齢者の方には応分の負担をしていただくということだと思います。そういった点で、フランスの例が出ておりましたけれども、あちらのほうは一部負担とか利用者負担ではなくて財源のほうになりますので、ちょっと性格は違いますけれども、私の理解では、判例上は保険料ではなくて税金だということで、租税法律主義の適用があるとかといったことがありますけれども、そこから得られる視座としては、賦課ベースが広いというところで金融資産というものも入ってくるわけですので、そういった点で金融資産を利用者負担のほうでも考慮するというのは合理性があるのだろうと思っています。
 また、なぜ後期高齢者のところかといいますと、そこの年齢層だけは制度が一元化しているという点がありますので、そういう点でもまず手始めとしては合理性があるのかなと思います。
 以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。
 まず、資料2-1の高齢者医療における負担の在り方についてです。
 連合はそもそも年齢で区切らない制度への抜本改正とセットで議論する必要があるという立場ですけれども、仮に見直しを行うのであれば、介護保険における利用者の負担割合の見直しの議論も踏まえて、見直しによってどのような影響が生じるかなどを分析の上、必要なサービスが受けられるよう、負担が過重にならないよう配慮することを前提に、丁寧に検討していく必要があると考えています。
 2つ目、資料2-2、金融所得の勘案に関してです。前回、代理の者から発言をさせていただいていますが、確定申告の有無によって保険料の賦課対象が変わるという点については、公平性の観点から、社会保険の原理原則も踏まえつつ、課題解消に向けた検討が必要と考えます。
 しかし、まずは税制で対応すべきだと考えていまして、順番が逆になっているのではないかと考えています。トータルでの所得捕捉に向けた方策について、ぜひ省庁間の会議体において、腰を据えてしっかり検討をしていっていただきたいとお願いしたいと考えています。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
 まず、資料2-1のほうからですけれども、やはり年齢によらない応能負担というものが重要だと思います。よく指摘される高齢者固有の事情というのは、所得が低いとか、これから所得を上げることが難しい、所得を増やすことが難しいとか、いろいろな病気でいろいろな科にかかったりするということですけれども、低所得とかこれから所得が上がらないということでは、若い世代にも該当者はもちろんいますし、それから、多くの病気でたくさんいろいろな科にかかるとか、そういうことも若い世代にも該当者はそれなりにいらっしゃると思うのです。なので、それは高齢者だけを特別扱いするというよりは、そういう事情を抱えた方々を同じように配慮するということが必要かと思います。
 それから、窓口負担というのは結局受診を過剰にしないためにあると考えております。そうしますと、窓口負担を低くするということには、受診が過少であるとか、受診のベネフィット、すなわち寿命の延伸効果とか健康改善効果、それからどれぐらい健康改善効果が持続するかとか、そういったベネフィットが多いかということで考えるべきものと思います。
 そうしますと、子供ですとまず受診のベネフィットが大きいというエビデンスが非常にありますし、小さい子供を連れて保護者が病院に行くというのは非常に大変なことなので、それほど過剰受診というのは起こりにくいのではないかと考えられるわけですね。一方で、高齢者の場合は、受診が過少だというエビデンスはあまりなくて、むしろ時間費用の低さから受診が過大になりがちだという指摘がありますし、受診のベネフィットが特段に大きいということも恐らく言えないだろうと思います。そうしますと、年齢によらない基準で負担の在り方を決めることが望ましいと思います。その観点から、3割負担や2割負担の対象者の拡大ということが必要だと思います。
 それから、負担割合の区切りとなる年齢の引上げにつきましても、高齢者の実態の変化、例えば就労が非常に増えていたり、所得も非常に増えていたり、健康状態も改善したりしているということで、そういった実態を反映した年齢引上げが必要だろうと思います。負担割合のきめ細かい設定は、きめ細かく負担能力に対応するために必要だろうと思います。
 資料2-2のほうですけれども、医療保険制度における金融所得の勘案というのは非常に大事だと思います。まず後期高齢者医療制度から検討を行うということで、これは本来は全ての国民に対して、全ての医療保険加入者について検討すべきことだと思いますが、所得における金融所得の割合が多い後期高齢者から喫緊の課題として検討を行うというのは、一定の合理性があるのではないかと思います。
 それから、先ほど御指摘がございました金融所得だけでなく金融資産の把握が必要だということですけれども、それは本当にそのとおりだろうと思います。特に保険料よりも患者負担ということを考えますと、特に医療費が高額になった場合の負担能力というのは、所得よりもむしろ資産に依存するところが多いだろうと思いますので、金融資産の把握が必要だと思います。
 また、先ほど御指摘がございました若い世代が議論に参加するべきだということは本当にそのとおりだと思います。高齢者の代表の方は今、参加されていますし、例えば高額療養費であるとかOTC類似薬の議論に関しましても、患者団体の方は議論に参加する機会もあるわけですけれども、非常に低所得で、しかも非常に社会保険料の負担が重いという方たちが意見を表明する機会がなく、議論に十分参加できていないという点が問題だと思いまして、私はそんなに若い世代ではないのですけれども、就職氷河期に当たるのではないかと思いますけれども、そういった若い世代の比較的低所得者の方々の利益ということを、代表者がいない中で考えなければいけないだろうと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、兼子委員、よろしくお願いいたします。
○兼子委員 ありがとうございます。
 私のほうからは、これまでも申し上げてきましたけれども、全体として応能負担ということが大きなテーマになっていますが、所得に応じた税とか保険料、こういった点での応能負担をきちんと徹底していくということが大事だと思います。金融所得の問題とかいろいろ出ていますけれども、所得の問題でいえば、有価証券の優遇といったことがまだあまり手がついていないと。私は、総合課税がいいのか、税についてはあまり詳しくないのですけれども、少なくとも高額所得者、富裕層、超富裕層と言われる人たちの有価証券や金融資産といったものについて、税や保険料にきちんと反映されるような形にならないと、今、税でいえば、前にも申し上げましたけれども、国税の3分の1ぐらいが消費税に頼っている、こんな在り方は大変問題があると思いますし、保険料についても、例えば同じ比率で御負担いただくのであれば一歩前進だと思うのですが、金額で頭を押さえてやると。これもやはり富裕層への優遇ではないかと思います。そういうことを抜きにして負担の問題を細かく論じていくというのは、少し問題があり過ぎると思います。
 特にそこのところを抜きにして、金融所得、金融資産等について把握していくということは、ある意味では、中間層以下の僅かな蓄えといったものに手を突っ込んでいくということになって、この辺でも非常に大きな問題が起こるのだろうと思います。この辺は、私は研究者ではありませんので分かりませんけれども、例えば社会保険料について、前から申し上げていますけれども、少なくとも同じ比率で負担いただく、あるいは緩やかな累進的な比率でいただくということであれば、保険財政の問題が財政的にもう少し余裕が出てくると思いますので、そういう形で持っていけば、現役世代、いわゆる中間層以下の保険料の軽減にもつながるのではないかと思います。
 それから、窓口負担の問題ですけれども、私は、窓口負担は、ある意味では、どういう方々も定額の窓口負担でやっていくような形をつくっていく必要があるだろうということで、その前提として消費税的な税の在り方あるいは今の社会保険料の在り方が変わっていくことで、所得の再分配機能が発揮されている。その再分配機能が発揮される中に、医療は窓口負担で細かく分けられていますけれども、これはどなたも定額で受けられるような形をつくっていっていく必要があるのだろうと思います。
 1つ申し添えておきますけれども、今、保険料のところを見直すべきだということを申し上げておりますけれども、消費税のところが、前のように所得税の累進課税をもう少し比率を高くし、細かく設定されていくと。あるいは、法人税がこの何年間でしょうか、急激に下げられた、そういったところが回復していけば、国庫負担の面でも、保険財政に投入できていく形ができるのだろうと思います。
 私はもう80近いところですので、私が習った社会保障の点からいけば、今申し上げたような所得の再分配機能が社会保険あるいは税においても発揮されるような形で大きく変えていただく。この医療保険部会あるいは厚労省の審議会だけでは解決しない問題だと思いますけれども、今、非常に物価も高騰しておりますし、コロナ禍はある程度収まってきているのかもしれませんけれども、新しい形のインフルエンザ、要するにコロナにとどまらない健康に関する課題は後を絶たない形で出てきております。地球の温暖化によって、前回も申し上げた災害級の問題などについても配慮しながら、対応できる医療というものをぜひ考えていただきたいと思うわけです。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
 以前にも申し上げましたように、この議論の大前提は、現役世代の負担を軽減するというところからスタートしていると思うのですが、それならば、総額どれぐらいを軽減したいのかという額が示されていませんし、その分を高齢者から負担していただくという話になっていますが、バランス的に絶対それは無理だろうと思っています。佐野委員が言われたように、ある程度公費をここに投入しないとこの制度の維持はできないのではなかろうかと思っておりますので、話をする前提として、一体どれぐらい軽減させて、その埋め合わせをどういうふうにするのかという話でないと話が進んでいかないように思うのですが、いかがでしょうか。
○田辺部会長 どなたか回答可能な方はいらっしゃいますか。
○日野課長 御指摘ありがとうございます。
 おっしゃる点、どれぐらい現役の負担軽減をするのか、方向性としては現役の方々の負担を軽減していくというのは非常に大きな課題です。ただ、それがどれぐらいかというのは、しっかりと受診を確保しながら、低所得者にも配慮しながら、必要な医療を確保していくという観点が必要になってまいりますので、事前に幾らという感じというのはなかなか難しいのかなと思っているところです。その辺り、必要な受診を確保しながら、どれぐらい負担をしていただけるのか、そこら辺のバランスで議論していく必要があるのではないかなと思っているところです。
○田辺部会長 島委員、御納得はないと思いますけれども、何かコメントがあればよろしくお願いします。
○島委員 方向性としては、真剣に考えなければいけない話なので、十分理解はしているつもりですが、その辺の数字的なものがある程度出てくると皆さん理解もしやすくなるのではないかなと思って発言させていただきました。
 それから、ある程度金融所得とか資産とかいったものを明らかにするというのは、いろいろな意味で意義があることだろうと思いますが、そういったところでたんす預金が増えないかなという気はしますけれども、そういった方向性としては、これも非常にいいのではないかなとは考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 今回、資料2-1において、負担割合の境目となる付近の方々の世帯のモデルの収支を示していただきまして、ありがとうございます。以前の協議のときにも少し触れましたけれども、現場の部分において、負担割合が変わった患者さんというのは、同じ薬を飲み続けなければならない状況が変わらないにもかかわらず、いきなり負担が倍になるという状況が生じているのも今現在もあります。
 今回示された資料においても、仮に黄色い保健医療の部分の負担を仮に倍にしたとしたら収支が逆転するというグラフになりますので、ほかの部分も、物価高で負担がかかっている部分も併せて、負担割合が変わる境目のところの患者さんというのは、それだけの負担になるという部分も十分配慮して、激変緩和の部分も配慮して考える必要があると思っています。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
 以前も申し上げましたが、制度の持続可能性確保、現役世代の負担軽減のため、能力に応じた負担の強化は避けられないと考えます。改革の必要性については、委員の皆様と認識を共有できているものとも存じます。必要な改革を先送りにすることなく、着実な実行をお願いいたします。
 次に、個別の論点でありますが、資料2-1、高齢者医療における負担の在り方、19ページに記載されました①から③、見直しの方法についてはいずれも妥当と考えます。低所得者等へ配慮しつつ、速やかな実施をお願いいたします。
 また、対象者の拡大によって現役世代の負担が増大しては本末転倒です。現役世代への負担が増えないよう手当てをすることを今回の見直しの前提とすべきと考えます。
 次に、資料2-2、金融所得の勘案についても、能力に応じた負担や公平性の観点から見直しが必要だと考えます。後期高齢者医療制度から取組を進めるという案も、実現を考慮した現実的な判断だと思います。
 商工会議所の会員でも、多くの方が負担の必要性を既に理解していると申し上げているとおりです。老後のために金融資産を準備したという方、時々言われることがあります。何のためにやったのか分かっているのかということを言われることもありますが、現実的に、先ほどもデータを示したとおり、高齢者は頑張っている方が増えていると実感しておりまして、後期高齢者であっても現役の経営者はたくさんいらっしゃいますし、金融所得をお持ちだという方は、健康になるために努力をしていただいているわけですし、あるいは資産をお持ちだと。じゃあ将来のために皆さんに貢献しようという気持ちをお持ちであれば、それはありがたくやっていただくと。
 そのためには、制度で縛るということだけでなくて、そういった負担へのリスペクト、税務表彰と同じように健康表彰、頑張っていただいた方に感謝いたしますということによって、さらなる行動変容を促すことが可能ではないかなと考えます。
 また、今後のさらなる改革のために、マイナンバーカードのさらなる活用やDX化は引き続き強力に推進していただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
 皆様の議論でもいろいろありましたとおりですけれども、テーマとしては、全世代型社会保障をどう実現していくのかということかと感じております。大きな制度変更とかそういった点では、先ほど説明資料のほうでありましたけれども、フランスの体系であるとか、そういった議論というものも並行して行っていただく必要があるかと思いますが、現行の制度をいかにファインチューニングしていくのかと。こういう観点からは、従前から申し上げておりますとおり、高齢者の受診状況や健康状態が改善傾向にあり、就業率も年々増加しているといったようなところを踏まえて、今後さらに進展する少子高齢化社会においての負担の割合を見直していく、これも一定限必要なことではないかと考えております。
 その意味では、事務局の説明にありましたとおり、高齢者の3割負担、2割負担といった対象者の拡大、年齢区分の引上げについて、さらに議論を深めていっていただきたいと考えております。
 また、金融所得の勘案につきましても、負担能力に応じた負担と給付のバランスを確保するという目的からは、まずは後期高齢者から検討を行うということについて異論はございません。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 資料2-1に示していただきました医療保険制度改革につきましては、これまでも発言いたしておりますように、全ての世代に公平な仕組みの構築の必要性は理解をしておりますけれども、何度も発言させていただいておりますが、低所得者への配慮や受診抑制が生じないような配慮も必要ですし、16ページにも示されておりますように、特例措置の段階的な見直しなど、丁寧な御検討をお願いいたします。
 また、資料2-2の医療保険における金融所得の勘案についてですけれども、金融所得把握も必要なことであると思いますし、先ほど事務局からの説明がありましたように、6ページに金融所得に係る法定調書を活用したスキーム案が示されておりまして、確定申告を行う場合と行わない場合において、課税所得とみなすかみなさないかなどの対応が示されましたし、また、先ほど城守委員からもありましたけれども、上場株式の配当等は、企業の業績により配当の有無や金額が流動的で、被保険者が今後の収入を予見できないものに保険料や窓口負担を依存する不確実性が伴うものと考えます。強引に推し進めることで国民の不信感も招きやすいと思いますので、法案成立・公布後数年かかるとお聞きしました。そのことより、より慎重な周知や説明が重要かと考えますので、よろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日の意見も踏まえながら、さらに議論を深めていければと思います。
 続きまして、資料2-3につきまして、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
 資料2-3をお開きください。「入院時の食費・光熱水費について」です。
 まず、「入院時の食費について」です。
 資料右下のページ2ページ目に、前回、11月20日の医療保険部会における議論の状況をまとめております。
 基本的には、患者負担の引上げ自体はやむを得ないのではないかという趣旨の御発言が多かったかと思います。その際の配慮についても御指摘いただく御意見もございました。
 3ページ目以降は、基本的に前回お出しした資料です。
 右下5ページ目ですけれども、直近のCPIの動向まで数字を延ばしているというものでございまして、直近、今年の1月~9月平均の伸びについては御覧のとおりとなっております。
 その上、右下6ページ目ですけれども、「入院時の食費に係る論点」ということでございまして、今、中医協において、昨日もございましたけれども、入院時の食費の基準額について、例えば40円引き上げることが議論されていると。足元の食材費の状況等を勘案してですけれども、そういうことが議論されている状況ですが、一番最後の3つ目の○ですけれども、この際の患者負担(標準負担額)については、これを踏まえて変更を行うとともに、所得区分等に応じて一定の配慮を行うこととしてはどうかと考えていますので、この点について御議論を賜れればと考えています。
 続きまして、2点目です。光熱水費に関してでごす。
 8ページ目です。こちらも11月20日の医療保険部会における議論をまとめています。
 これについても、引上げ自体は必要ではないかという御意見が多かったかと思っております。
 9ページ目、10ページ目は前回お出しをした資料ですので、説明は割愛をいたします。
 11ページ目に論点を記載しています。
 昨今の光熱・水道費の足元の上昇ですけれども、他方で、平成18年の創設時から基準額については据え置かれているという状況です。
 介護保険に関しては、令和6年度の報酬改定において、基準費用額・負担限度額、多床室の居住費については60円引き上げている状況ですし、また、中医協におきましても、入院時生活療養費の基準額については、例えば60円引き上げるということが議論されているという状況です。
 これを踏まえまして、患者負担の標準負担額につきましても、これを踏まえた変更を行うとともに、所得区分等に応じて一定の配慮を行うこととしてはどうかと考えていますが、この点について御議論を賜れればと考えています。
 事務局からの説明は以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。簡単に申し上げます。
 食費の患者負担について、食材費の上昇に加えて調理費も考慮して40円引き上げること、また光熱水費の患者負担について、介護保険同様に60円引き上げることは理解できます。
 また、論点にありますが、低所得の方について負担増を一定程度抑えることは当然必要であると考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 入院時の食費、光熱水費については、様々なコストが上昇していることを踏まえますと、引上げはやむを得ないものだと考えます。
 以上です。
○田辺部会長 では、林委員、お願いします。
○林委員 入院時の食費のほうです。食料物価の上昇率を換算すると33円ということですので、今回、40円の引上げが提案をされています。これは資料の4ページ、委託業務の値上げに関して示されているように、値段が上がっているのは食材費だけではないということも勘案してということだと受け止めています。
 前回も申し上げましたけれども、入院時の食事療養費については、本質的な議論も必要と申し上げております。この間、完全の自己負担だけを引き上げてまいりましたけれども、入院時の食事は療養の一環ということを踏まえて、保険給付の部分も併せて検討が必要ではないかと考えています。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 まず食材費のほうですが、資料の3~4ページの調査結果を見ても分かりますように、過去2回の引上げ分というものは、業者からの増額の要請とか、また引上げ額以上にコストが増加しているということで、物価上昇に全く追いついていないという状況が明らかになっていることもありますし、昨日開催されました中医協においても、過去の物価の上昇に応じて40円の引上げが提案をされていますが、物価・賃金が直近において値上がりをしておりますし、令和8年度診療報酬改定以降もその傾向は続くということも考えられることを考えますと、引上げは必ず必要であろうと考えています。
 ただし、事務局からの御説明にもありましたように、これまでの見直しと同様、一定の所得層に対しては配慮措置が必要と考えますので、併せて検討をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、11ページからの入院時の生活療養費ですが、こちらのほうも同じ理由ですので、食費と同様、引上げが必要であると考えます。
 我々からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 ありがとうございます。
 食材費等が高騰していることから、食品の基準額を引き上げることが必要ということは、もちろんそのとおりだろうと思います。それから、所得区分等に応じて一定の配慮が必要だということについては、そのとおりだと思うのですが、前回も申し上げましたとおり、自己負担額を入院しないで自宅で自炊して食事を取る場合と比べても著しく低い金額にすると。例えば今、110円とか240円とかいう金額が挙げられていますが、そうしますと入院していたほうが家計が助かるから入院しようというインセンティブを生みかねないので、これはやはり所得が低い方でも1食にそれなりの費用をかけて自宅で食事されていると思われますので、それよりも著しく自己負担額を低くすることは望ましくないだろうと思います。
 光熱水費に関しましても、自宅で生活する場合と比べてあまりにも低くしてしまうということは同じような問題が発生しますので、自宅で過ごした場合、つまり入院しないで過ごした場合と比べて極端に自己負担を低くすることには問題がありまして、負担額というのは自宅で過ごした場合の標準的な額ということを基準に考えるべきではないかと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
 では、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日の意見も踏まえつつ、さらに議論を深めていければと思います。
 次に、「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」を議題といたします。本日は、取りまとめに向けまして、これまでの議論を踏まえた基本方針の案が事務局より提出されております。本日、当部会としての取りまとめができればよいかと考えているところでございます。
 では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
 診療報酬の基本方針の議論は全部で5回予定しておりましたが、本日5回目の御議論となります。前回までに丁寧に御議論いただいておりますので、本日は前回お示しした案からの変更点のみ御紹介したいと思います。
 資料3-1は省略しまして、資料3-2をお開きください。
 2ページをお願いいたします。
 「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」という欄に、「現役世代の保険料負担の抑制努力の必要性を踏まえながら」との語句を追記しております。
 3ページ、上から2つ目の○でありますが、「賃上げ・人材確保のための取組を的確に進めることが急務である」、「的確に」との語句を追記しております。
 4ページであります。
 一番上の○でありますが、「地域医療構想に基づき、医療機関の機能に着目した分化・連携・集約化を図るとともに、入院医療だけでなく、外来医療・在宅医療、介護との連携も含め、地域の課題解決を図ることが重要である」、この部分、修正・加筆しています。
 5ページです。
 上から2つ目の○です。「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」の部分に、「薬局の評価」という文言を追記しております。
 最後、8ページをお願いいたします。
 一番最後の○でありますが、医療DXへの投資についての部分であります。「必要な国の対応を検討しながら」との文言を追記しております。
 以上、前回からの修正部分になります。
 資料の説明は以上です。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 本日は取りまとめに向けた議論となります。御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、林委員、どうぞ。
○林委員 ありがとうございます。
 診療報酬改定に当たっては、人材確保という点から、医療現場で働く全ての労働者の処遇改善や業務負担の軽減につながる項目を評価しつつ、医療機関の機能分化を強力に進め、患者の状態像に応じて効率的に医療を提供できるよう、4つの視点を踏まえ、めり張りのある改定となるよう対応することが必要と考えます。
 ただし、診療報酬上求める基準の柔軟化という点に関しては、これまでも発言させていただいていますが、患者の安全と質の担保を前提に、丁寧に議論し、判断していくものだということを改めて申し上げたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 前回言わせていただいた部分では、相当部分取り上げていただいてありがとうございます。
 その中で1点だけ、この前申し上げました「現役世代の負担の抑制努力」の「努力」が落ちなかった点はやや残念だということだけ申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 資料3-2の2ページに追記していただいたことについては、感謝いたします。
 今のお話のとおり、努力ではなくて抑制と明確にすることが必要だと考えます。
 また、持続可能な社会保障制度を持続するためには、自助の取組を進めるとともに、医療提供者・患者双方が協力して適切な受診行動を取ることが当たり前の世の中だと、社会だとしていくことが必要だと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 基本方針の概要(案)及び基本方針(案)におおむね賛同させていただきます。
 重ね重ねになりますけれども、重点課題に記載されている物価高騰、賃金、人手不足等への対応は、小規模な歯科医療機関にとっては死活問題ともなりますので、確実な御対応をお願いするとともに、今後の課題も含め、改定の基本的な視点と具体的方向性の個別事項の実現に向け、よろしくお願いを申し上げます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 基本方針(案)について、修正案をお示しいただきまして、ありがとうございます。5ページ目の「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」という部分に薬局の明記もいただきまして、重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 在宅における訪問診療と連携した服薬の管理がしっかりと十分に機能していけるように、評価につなげられるように今後の議論を進めていただきたいと思います。
 また、全体としては、公定価格の中で、指定医療機関・薬局の部分で必要な賃上げができていないという部分に関しては、全体的な反映として、一時的な対応ではなく継続的な対応が必要になるというのが現場ですので、その辺りをしっかりと配慮した議論を進めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございますしょう。よろしゅうございますでしょうか。
 佐藤参考人、どうぞ。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
 内堀知事の代理として発言させていただきます。
 今回提示されました基本方針(案)につきまして、これまでの本部会での議論を丁寧にお取りまとめいただきまして、感謝申し上げます。
 これまで全国知事会では、社会経済情勢を適切に反映した診療報酬改定となるよう繰り返し求めてきたところですが、基本方針(案)に盛り込まれた各項目は、安全で質の高い医療提供体制を将来にわたって確保していくため、極めて重要な内容となっており、基本方針(案)について賛同いたします。
 診療報酬改定に向けては、基本方針(案)を踏まえ、物価や賃金の上昇、経営状況等の影響を反映した内容となるよう、引き続き調整をお願いいたします。
 また、持続的な物価高騰・賃金上昇局面における適時適切な報酬措置についても、持続可能な全世代型社会保障実現のため、着実な対応をお願いいたします。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○田辺部会長 どうもありがとうございます。
 引き続き、池田参考人、よろしくお願いします。
○池田参考人 もう時間が過ぎている中、本当に申し訳ございません。
 基本方針(案)につきましては異存ございませんが、一言だけ発言をさせていただきます。
 国民健康保険の保険者といたしまして、市町村が設置・運営をしております国保診療施設というものがございます。こうした施設は地域における医療提供、地域包括ケアの推進に重要な役割を果たしているところですけれども、物価や賃金の上昇、人手不足等に直面をしているところです。
 今回の基本方針(案)の中で、物価や賃金、人手不足等の環境の変化への対応ですとか、それから医療の確保、地域包括ケアシステムの推進ということが掲げられているところでございますけれども、公立病院あるいは国保診療施設といったものが、繰り返しになりますけれども、地域医療の中核として重要な役割を果たしているところですので、その健全で安定した運営の維持というものが地域で必要とされる医療提供体制の確保のために極めて重要です。そういった意味で、今後とも引き続き十分な支援を講じていただきますよう、よろしくお願いをいたします。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、こちらのほうを基本方針として取りまとめていきたいと思います。
 その際、社会保障審議会医療部会のほうでもこの基本方針に関する議論を行っているところです。本日いただきました御意見、それから医療部会との調整を含めまして、最終的な基本方針の文案につきましては部会長に御一任いただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。それでは、そのように対応させていただければと思います。
 それでは、最後に「『強い経済』を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~について」、それから「令和7年度補正予算案(保険局関係)の主な事項について」を議題といたします。いずれも報告事項ということですので、事務局から資料4、5をまとめて簡潔に御説明をお願いいたします。
○姫野課長 ありがとうございます。時間も超過しておりますので簡潔に御説明いたします。
 資料4ですが、こちらは11月21日に閣議決定されました経済対策の医療関係の抜粋です。
 2ページにありますように、物価・賃金上昇の影響を受けている医療機関、薬局等に対する支援として、「医療・介護等支援パッケージ」を緊急措置をするということが記載をされています。
 また、次のページにつきましては、医療・介護DXの推進のため、例えば新しい規格の顔認証付きカードリーダーを導入する医療機関の支援などが盛り込まれています。
 また、4ページにつきましては、社会保障制度改革ということで、まさにこの医療保険部会で御議論いただいておりますような事項について検討を進めるということが記載されています。
 続きまして、資料5ですけれども、この経済対策を受けまして、先週28日に閣議決定されました令和7年度補正予算案の保険局関係の主な事項です。
 例えば1ページ目ですけれども、先ほどのマイナンバーカードの新しい規格の顔認証付きカードリーダーの導入費用の補助などといたしまして224億円、こういったものを計上しているところです。
 説明は以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 この件は報告事項ではございますけれども、何か御意見等ございましたら。
 では、城守委員、どうぞ。
○城守委員 ありがとうございます。
 今回、医療と介護を合わせて1.4兆円強、さらには医療だけでも1兆円強の大規模な補正予算を組んでいただいています。これは政府与党の多くの関係者の皆様の御尽力によるものであろうと思いますので、ここでも改めて感謝申し上げたいと思います。
 ただし、この補正予算によって今年度は一定程度、過年度分の手当てをしていただけたわけですけれども、来年の診療報酬の改定に関しましては、来年の改定からの2年間の部分をしっかりと見た形の改定の必要性がございます。ですので、その点も踏まえた上での改定の財源確保も含めて、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、藤井委員。
○藤井委員 ありがとうございます。
 「強い経済」、資料4の3ページ、「攻めの予防医療」は必須の取組であると思いますが、本来は国民一人一人が自らの健康は自ら守るという意識を持ち、なるべく制度に頼らないとすることが重要だと考えます。
 以前も申し上げておりますが、健康の維持・増進は被保険者自身の義務と捉えるべきだと考えます。国としても、個人の行動変容を促す実効性のある取組を検討していただきたいと思います。商工会議所といたしましても、健康経営の推進などの取組を通じて協力させていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはよろしゅうございますか。
 それでは、本日はこれまででございます。
 次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡申し上げます。
 本日は、御多忙の折、また数多い議題に関しまして、積極的に御意見を賜りましてありがとうございました。御礼申し上げます。
 それでは、これで閉会でございます。