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- 2025年12月12日 中央社会保険医療協議会 総会 第635回議事録
2025年12月12日 中央社会保険医療協議会 総会 第635回議事録
日時
令和7年12月12日(金)薬価専門部会終了後~
場所
TKP新橋カンファレンスセンター ホール12E
出席者
- 構成員等
-
- 小塩隆士会長
- 飯塚敏晃委員
- 笠木映里委員
- 永瀬伸子委員
- 本田文子委員
- 城山英明委員
- 鳥潟美夏子委員
- 松本真人委員
- 永井幸子委員
- 高町晃司委員
- 奥田好秀委員
- 鈴木順三委員
- 茂松茂人委員
- 江澤和彦委員
- 黒瀨巌委員
- 小阪真二委員
- 太田圭洋委員
- 大杉和司委員
- 森昌平委員
- 木澤晃代専門委員
- 上田克彦専門委員
- 小松知子専門委員
- 事務局
-
- 間保険局長
- 林医療課長
- 梅木医療技術評価推進室長
- 吉田保険医療企画調査室長
- 和田歯科医療管理官
- 清原薬剤管理官 他
議題
- 「令和8年度診療報酬改定の基本方針」について
- 個別事項について(その15)医薬品その他
- 入院について(その8)
- 令和8年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)
議事
○小塩会長
それでは、ただいまより、第635回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、伊藤委員、田島専門委員が御欠席です。
カメラの頭撮りはこのあたりということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「『令和8年度診療報酬改定の基本方針』について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○山田医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。総-1-1をお開きください。
今週9日に社会保障審議会の医療保険部会と医療部会の連名で、令和8年度診療報酬改定の基本方針を定めていただきました。
上段、基本認識は4点記載されております。
1点目、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価・賃金の上昇、人口構造の変化や人口減少の中での人材確保、現役世代の負担の抑制努力の必要性。
2点目、2040年頃を見据えた医療提供体制の構築。
3点目、高度化や医療DXイノベーションの推進。
4点目、制度の安定性・持続可能性の確保でございます。
下段が、基本的視点と具体的方向性になりますが「(1)物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応」、これを重点事項であるとされております。
具体的方向性でありますが、人件費や医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応、医療従事者の処遇改善、ICT、AIなどの利活用などが記載されております。
左下の(2)を御覧ください。
2040年頃を見据えた地域包括ケアシステムの推進でございます。
具体的方向性の中には、機能に応じた入院医療の評価、治し、支える医療の実現、外来医療の機能分化と連携、在宅医療訪問看護の確保などを記載しております。
(3)安心・安全で質の高い医療の推進でございます。
リハビリテーション、救急、小児、周産期、口腔疾患の重症化予防、地域の医薬品供給拠点としての薬局などが記載されてございます。
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上でございます。
具体的方向性の中に、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進、費用対効果評価制度の活用などが記載されております。
基本方針の本文は、総-1-2でございますが、説明は省略させていただきます。後刻御査収いただければと考えております。
資料の説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
御説明ありがとうございました。
基本方針につきましては、社会保障審議会医療保険部会、医療部会において取りまとめられた基本方針ということでございますので、ここで示された内容を踏まえまして、今後、議論を進めていくということで承知いたしました。
1点だけ資料の総-1-2の7ページにございます、今後の課題についてコメントをさせていただきます。
今後の課題の2つ目の○を見てみますと、持続的な物価高騰・賃金上昇局面での支援について、報酬措置においても適時適切に行われるよう、検討する必要があるという記載となっております。
この措置を実施するかどうかは、どういった場で検討が行われるかは不明でございますけれども、その前に保険料負担の抑制努力の必要性にも配慮しつつということも記載されておりますので、こうした負担抑制のための対応とセットで検討することが前提だということは、コメントをさせていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
では、まず、高町委員、最初にお願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
基本方針に異存はありませんが、バイオ後続品に関する記載がありましたので、この点について発言させていただきます。
バイオ後続品は、政府として目標を掲げて使用促進を図っていると承知しています。そのためのロードマップも作成されているそうですが、具体的にどのようなものなのか説明していただく機会を、ぜひ設けていただきたいと考えています。
バイオ後続品の普及にとって最大の問題は、国民がバイオ後続品の実態を理解できていないこと、そして、どのようなメリットがあるのかについても理解が進んでいないことだと思います。
バイオ後続品は、効果や安全性がそのままで、より安価なバイオ医薬品とのことですが、どの程度安価なのかについて、具体的な情報を患者に提供すべきではないでしょうか。また、患者が自分のケースについて、具体的にどのくらい節約ができるのか、どのようなメリットがあるのかについて正確に知りたいときに、患者が情報を得られるように、その役割の明確化も含めて、政府として対応をお願いしたいと考えております。よろしくお願いします。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
1点だけコメントをさせていただきます。
最近の物価高騰の速度は大変速く、近年経験のないものと認識をしております。また、他産業の賃金の上昇も、かなり高いものになっております。
したがいまして、2年に1回の診療報酬改定で、なかなか医療機関の経営等が対応できていないというのが現実だと思っておりますので、ここの課題にもありますように、場合によっては、2年の間の隔年において、物価高騰や賃金対応の可及的な対応を取るということも十分考慮できるものと判断をしております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
先ほど、1号側から御意見がございました、保険料負担の抑制努力ということでございますが、収入が上がってくれば、当然、料率が同じでも上がってくるはずでございます。その辺を鑑みて、若者の不可分所得とその辺も考えて、考慮しながらいくということも重要ではないかと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
飯塚委員、お手が挙がっています。お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
基本指針の3つ目に、安心・安全で質の高い医療と高らかにうたっているのですけれども、現状、医療の質に関しては、評価も公表もされていないというのが現状だと思います。
国民は情報のない中、手探りで医療機関を選択することを強いられているわけです。国民が医療機関を主体的に選択できるように、医療の質の把握、公表に正面から取り組んで、今後、診療報酬改定の基本方針にも位置づけて真摯に進めていくよう、強くお願いをしたいです。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
ほかには、特に御意見等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
今後、令和8年度の診療報酬改定に向けて、ただいま御説明のあった改定の基本方針に基づきながら、引き続き議論を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして「個別事項について(その15)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
総-2を御覧いただければと思います。
今回は「個別事項(その15)医薬品その他」といたしまして、栄養補給を効能・効果とする医薬品について御議論いただければと考えております。
2ページを御覧ください。
薬効分類325「たん蛋白アミノ酸製剤」につきましては、一般に手術後の栄養保持を効能・効果としており、通常の食事と同様に経口投与される場合がある医薬品が存在しております。
これら栄養保持を目的とする医薬品の効能または効果として、手術後患者の栄養保持及び経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給が明記されております。
3及び4ページは薬価で収載されている医薬品保持を目的とする医薬品と、市販されている栄養補給目的の食品の比較であり、栄養保持を目的とする医薬品について、代替可能と考えられる食品が市販されております。
5ページは、背景と論点になります。
これまでも、ビタミン剤、うがい薬、湿布薬など、使用目的の明確化や、1回処方当たりの枚数制限など、薬剤給付の適正化を行ってきたところであり、骨太方針2025において、種々の改革が求められております。
栄養補助を目的とする医薬品につきましては、同程度の栄養を有する食品が市販されており、通常の食事による栄養補給が可能な患者における栄養保持が、こうした食品により代替可能と考えられます。
栄養保持を目的とした医薬品については、効能・効果として、手術後の患者の栄養保持、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給が明記されているところでございます。
ただし、現在、他の食品では代替できないことから、医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認められて使用されている患者も存在すると承知しております。
こうした課題を踏まえ、同程度の栄養を有する食品が市販されていることも踏まえ、栄養保持を目的とする医薬品の薬剤給付の適正化についてどのように考えるのかを論点としております。
説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
それでは、5ページの論点について、コメントをさせていただきます。
栄養保持を目的とした医薬品と同程度の栄養を有する食品が市販されているといたしましても、課題の最後の○に記載されておりますように、現在、疾病の治療のために必要であり、他の食事では代替できないことから、医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認めて使用されている患者も存在しております。
経管栄養をはじめとして、低栄養や終末期の場合、さらにはクローン病やベーチェット病などで腸管の負担を減らして、炎症を抑える必要がある場合など、多種多様に、生きていくために用いられているものでございます。
実際には、少し食欲がない場合や、食事と併用して、こうした医薬品を使用することは、既に審査支払機関における審査の場においても、厳しくチェックされている実態もありますが、今、申し上げたような医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認めた場合については、治療の一環として行われるものであります。
したがいまして、必要性を判断できるのは医師のみでありますので、医師が必要と認めた場合は、確実に保険給付の対象とすることが重要であることを申し上げたいと思います。
なお、これらの薬品の使用状況については、医療現場では在庫確認の上、対応しているケースが多いと思いますけれども、薬局の薬剤師等との連携を取って対応することも方策と考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
ありがとうございます。
特別食のときも申し上げましたけれども、今、高齢者のフレイルが問題になっています。その中で、フレイルの患者さんは、どういう患者さんかというと、普通に食事を与えても、好みの問題であったり、口腔の問題であったり、嚥下の問題であって、ちゃんと食べられない、量が食べられないという人たちに、どのように与えるかということが非常に問題になります。
実際問題は、厚労省も前回の改定で、GLIM分類という低栄養の評価を導入して、低栄養をちゃんとあぶり出すこともされておりますし、それから、リハ・口腔・栄養で、そういう患者さんをどのように治していくかということも検討されているところで、この武器となる栄養剤を給付から外していくということは、GLIMで評価はいたしました、でも、どうやってその人を治せばいいかというときに値段が高くなれば、特に在宅であれば、患者さんは、どうしても市販で買って使うということはできなくなる。実際問題、私もNST医師として病棟を回っていますけれども、最終的に在宅に返すときに、食品の栄養剤は高いのですね。ですから、やはりなかなか持っていけない。
ですから、もし、国が治す医療から治し支える医療へ転換するのであれば、高齢者を支える、こういう栄養剤を保険適用から外すというのは、流れは別ではないでしょうか。ですから、きっちり患者が元気にならなければいけないときに、元気になる栄養が使えないというのは、非常に医療現場から見るとマイナスの方向に行くと思いますので、保険給付に関しましては、本来であれば、食品になっているものでさえ保険給付にしてほしいという要望がございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかには御意見ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今回示されております医薬品につきましては、資料の3ページ、4ページにもありますとおり、熱量、たんぱく質、脂質のいずれもが医薬品と同じか、むしろそれ以上の食品が存在しておりますので、保険給付の適正化は十分現実的なことだと考えております。
具体的には、効能・効果に明記されているとおり、手術後または経口での食事摂取が困難な場合に限定することが原則であり、例外的に医師が治療上の必要性を特に認める場合でも、単なる低栄養ということだけで、保険診療の中で使用することのないように、運用ルール上の工夫を併せてお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。
現在、治療のために必要ということで、医師からの指示で使用している患者の方もいるということでありますので、患者への影響も踏まえ、検討が必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
ほかには、特に御質問、御意見ないようですので、本件に係る質疑は、取りあえず、このあたりとさせていただきます。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応を引き続きお願いいたします。
続きまして「入院について(その8)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。総-3「入院(その8)」を御覧ください。
2ページが目次となっております。
多職種配置と医療機関の機能について、そして、総合入院体制加算と急性期充実体制加算について、資料をまとめさせていただいております。
3ページ~9ページは、既にお示しをしている資料でございます。
3ページが、病棟における看護業務の全体像、診察、治療に関わる業務以外に、患者さんのケアなどの業務があるといったことが分かります。
4ページ、病棟専従のリハビリ関係の療法士の実際の業務の内容の例をお示ししております。
また、5ページは管理栄養士さんの業務の例をお示ししております。
6ページは、臨床検査技師の業務の例や効果をお示ししております。
7ページは、そこまでをまとめたものでございまして、各専門職が関与している業務の状況、そして、それによって想定されるメリットをお示ししております。
8ページも以前にお示しをしておりますが、急性期一般入院料の算定病院における救急搬送受入件数別の施設数でございまして、急性期一般入院料1における救急搬送受入件数を見ますと、上の青いグラフでございますけれども、非常に幅広い分布となっておりまして、非常に多い医療機関から、0件~499件のカテゴリーに属する医療機関もあるということでございます。
9ページは、全身麻酔手術件数別の病院数で、同様でございますが、急性期一般入院料1における、全身麻酔手術の件数についても非常に幅広い分布になっているということでございます。
10ページが、新しい資料でございます。
こうしたことを踏まえての御提案になるわけでございますけれども、急性期一般入院料について、高齢の救急患者の多い病棟において、多職種の協働によりADL低下を防ぐなどの観点から、一部の人員は、看護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みとすることが考えられないか。
また、拠点的な急性期病院や地域の救急・急性期を担う病院について、病棟機能とともに病院としての機能を踏まえた評価とすることが考えられないかということでございます。
下の図でございますけれども、急性期一般入院料の1~6というのが一番左にございますけれども、その中において、一定の急性期の患者割合を満たしているような医療機関において、看護職員の配置とともに、多職種の配置を加えることで、合計7対1相当の人員配置となるような、そういう類型を設けるという図でございます。
また、右側でございますけれども、医療機関としての機能の要件を満たす医療機関が選択できる類型の提案でございます。
地域で救急・急性期の機能を十分担っている病院、そして、その右、拠点的な急性期病院、それぞれにつきまして、そうした機能を踏まえた類型を設けてはどうかということでございます。
11ページが、二次医療圏における救急搬送件数、これも以前にお示ししているものでございますけれども、12ページ、縦軸を地域シェア率に変えますと、人口の比較的少ない二次医療圏において、救急搬送の地域シェア率が非常に高い医療機関があるということでございます。
13ページは、各二次医療圏の最大救急搬送の受入れ病院における救急搬送件数ということでございますが、人口20万以下、15万以下、10万以下、5万以下と、上に行くにつれて、最大の病院であっても2,000件を切る、あるいは1,000件を切るところがあるということになります。
14ページは、離島における救急搬送件数でございますけれども、離島からなる二次医療圏の病院において、救急搬送件数の多いところも、2,000件台ぐらいのところもございますし、それ以下のところもございますが、3,000件を上回るようなところはないということでございます。
16ページが論点となります。
急性期一般入院料について、高齢の救急患者の多い病棟において、多職種の協働によりADL低下を防ぐ観点から、一部の人員は、看護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みとすることが考えられるのではないか。
同じ一般病棟入院基本料を届け出る病院でも、救急搬送受入件数や全身麻酔手術件数などの病院としての機能が異なっていることなどを踏まえ、急性期の入院基本料について、病棟機能に加え、病院機能を踏まえた評価の在り方をどう考えるか。
病院機能を踏まえた評価体系を検討するに当たって、拠点的な急性期病院や、地域で重点的に救急・急性期医療に対応する病院の機能について、次のような要素を含め、どのような要素を考慮することが考えられるか。
救急搬送の受入件数、全身麻酔の手術件数、特に、人口の少ない二次医療圏や離島からなる二次医療圏において、当該医療機関が救急搬送件数の最も多い医療機関であることとさせていただいております。
続いて、17ページからが「総合入院体制加算と急性期充実体制加算について」です。
18ページが、総合入院体制加算の施設基準の概要をまとめたものでございます。
19ページが、急性期充実体制加算の施設基準の概要をまとめたものでございます。
これを比較するために、できるだけ分かりやすくということで、20ページの資料をまとめてございますけれども、これも以前にお示しをしておりますが、総合入院体制加算と急性期充実体制加算のそれぞれ1をまとめてございます。
真ん中の紫のところが、共通になっている施設基準でございまして、左側の赤と青のところが、それぞれ特有の施設基準ということでございます。
点数に関しては、14日間を合わせると、右側のほうが少し高いということになりますが、急性期充実体制加算においては、手術の実績が、総合入院体制加算と比べて強く求められているという一方で、総合入院体制加算のほうは、総合的な診療体制、とりわけ精神科、小児科、産科といった診療の体制を強く求められているということになります。
21ページが、そうした施設基準の厳しさを模式的に示したものということでございますけれども、総合入院体制加算につきましては、診療内容の総合性や手術の実績に応じて3区分に、急性期充実体制加算は、手術の実績において2区分に評価されております。
左側が現状を模式的に示したものでございまして、横軸に手術等の集積性、縦軸に総合性という形で、この加算の累計を当てはめるとしますと、右側、手術等の集積性が高い医療機関が急性期充実体制加算1と2を取っており、その中でも総合性の高いところについては、加算があるという類型になってございます。
総合入院体制加算につきましては、そうした集積性が少し急性期充実体制加算よりも低いところに多く算定をされておりまして、その総合性を評価するような体系になっているということでございます。
これを統合する場合に、どういう考え方を取るかということについての御提案が右側になります。
総合性や集積性に応じた類型を設けることが考えられないかということで、紫で4つありますけれども、総合性、集積性の高さに応じた整理ができるのではないかということでございます。
また、人口の少ない二次医療圏で、一定の総合性、集積性を有し、地域での拠点的な役割が大きいような医療機関については、拠点的な医療機関の1つの類型とすることが考えられるのではないかとさせていただきます。
22ページが、救急搬送受入件数別の現在の各加算の届出病院の分布となってございます。
青が急性期充実体制加算、赤からピンクが総合入院体制加算の算定病院における救急搬送受入件数の分布となります。
23ページが、同様に全身麻酔手術件数別の各加算の届出病院の分布ということになります。
4ページは、入院外来分科会の調査に基づきまして、総合性と手術の実績に応じた拠点的な病院数を、加算のどちらを取っているかということにかかわらず、集計をしたというものでございます。
そして、そのカテゴリーの中で、青い色で表示しているものが、急性期充実体制加算を取っている病院数、赤で表記しているものが、総合入院体制加算を取っている病院数ということになります。
8つに区分しておりますけれども、横軸といいますか、縦の線は、急性期充実体制加算の1の相当の手術の実績あるいは2の相当の手術の実績を持っているかどうかということで区分しております。
また、横に赤い線が引いておりますけれども、上下につきましては、総合入院体制加算の1や2、3相当の総合性を有しているかということで区分してございます。
分科会調査の対象病院の範囲でまとめてございますので、全医療機関ではないということに御留意をいただければと思います。
25ページは、先ほどもございましたけれども、各二次医療圏において救急搬送の地域シェア率が高い病院において、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出をしていない病院が、特に人口の少ない地域において多数あるということでございます。
26ページは、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出病院の数などを、二次医療圏の属性、大都市型、地方都市型、人口の少ない地域という二次医療圏の属性に沿ってまとめたものとなってございます。
27ページが、小規模な二次医療圏における、他の医療機関の支援のイメージということで、これまでにもお示ししている資料でございます。
28ページが、小さな医療圏におけるへき地拠点病院の取組ということでございまして、へき地事業を実施しているような病院、救急搬送のある病院、全身麻酔手術のある病院、こうしたところが、これまでの総合入院体制加算3を満たさない、実績基準を満たさない医療機関においても、見られるということがお示ししている内容でございます。
30ページが論点となります。
総合入院体制加算や急性期充実体制加算では、これまで様々な診療科を有する等の総合性や、手術件数が多い等の集積性の観点から評価しており、これらの加算を統合する場合には、こうした総合性や手術等の集積性を踏まえた類型を設けることについて、どのように考えるか。
人口の少ない医療圏では、地域の実情から手術等の実績要件等を満たすことが困難な場合もあるが、地域において救急搬送受入れの砦となる病院や、へき地において地域を支える役割を果たす病院があることを踏まえ、人口の少ない地域における拠点的な病院の役割の評価をどのように考えるか。
資料の説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
まず、16ページの、多職種配置と医療機関の機能における論点についてコメントをさせていただきます。
1つ目の○の介護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みにつきましては、各職種が病棟において、それぞれの専門性を生かして、高齢の患者さんなど、入院中の患者さんを支援することで、より入院早期からのリハビリテーションや栄養管理に取り組み、できるだけ早い在宅復帰を目指すことが期待されます。
また、看護師の新規養成数がピークアウトするなど、地域によっては担い手の減少を生じている中で、タスク・シフト/シェア等により生産性向上を図り、地域の医療提供体制を維持できる可能性があることなどを踏まえますと、方向性については、おおむね賛同できるものと考えております。
ただし、資格職種には、それぞれの資格に応じた専門性がございますので、その専門性がきちんと発揮できるような病棟体制とすることが不可欠であり、夜勤体制も含めて詳細な検討が求められます。
続いて、2つ目の○につきましては、同じ一般病棟入院基本料を届出する病院でも、現状の評価では十分にコストを回収できていない病院を救済するという意味であれば、検討する意義はあると考えます。
しかしながら、これまでも繰り返し申し述べてきましたとおり、現在の病院の窮状を踏まえれば、まずは医政局で検討中の新たな地域医療構想の議論を注視しつつ、次回改定で新たな地域医療構想を先取りすることは、制度の趣旨からしても不適切ではないかと感じております。
次回改定では、現在の評価体系を残した上で、新たな多職種配置・病院機能の評価については、個々の医療機関がそれぞれの地域における役割や経営環境を踏まえた上で、10ページの下に記載されているとおり、各医療機関が選択できるようにすべきであると強く主張いたします。
最後の3つ目の○につきましては、救急や急性期に対応する病院機能として、どのような要素を考慮するかということですが、今回例示されている救急搬送の受入れ件数や、全身麻酔の手術件数などは、現在、議論しております重症度、医療・看護必要度の見直しや、この後も議論する総合入院体制加算、急性期充実体制加算の見直しにも関わってくる要素となってしまいます。
また、急性期病院の評価が、救急搬送と全身麻酔のみでよいのかどうか、十分に吟味する必要もあります。
また、新たな地域医療構想では、人口30万人未満の二次医療圏では、急性期医療拠点を有する医療機関を1か所確保することとされ、人口20万人未満の二次医療圏では、急性期拠点機能の確保が可能かどうか点検し、圏域を設定するとされています。
したがいまして、救急搬送等の地域のシェア率を評価する方向に異論ありませんが、今後の新たな地域医療構想の議論との整合性や、地域の救急・急性期医療の提供体制に与える影響などを十分に検討する必要があり、時期尚早にも感じております。
続いて、30ページの総合入院体制加算と急性期充実体制加算における論点についてコメントさせていただきます。
1つ目の○で示されている両加算を統合する方向に異論はありませんが、現在、両加算を算定している病院の評価が、次回の改定によって急激に変動しないようにすることが何よりも大切なことであります。
これらの加算を算定している病院は、現在、地域の急性期医療の拠点あるいは地域医療の最後のとりでとして機能しており、その維持には、この加算が非常に大きな役割を果たしておりますことから、地域の医療提供体制に、さらなる混乱を生じさせないためにも、その点は非常に重要であると考えております。
特に、精神科、小児科、産婦人科の診療の確保の観点も重要と考えております。
また、2つ目の○の人口の少ない医療圏については、手術等の実績要件等を満たせない場合であっても、へき地事業や救急搬送受入れの実施等により、地域を支えている場合は、相応の評価が必要であると考えております。
評価の在り方としては、28ページの左下のグラフを見ますと、人口20万人未満の医療圏における、へき地医療拠点病院において、164の医療機関が総合入院体制加算、急性期充実体制加算のいずれも算定できないということでありますが、これらの医療機関が地域で果たしている機能について、同じページの右側の表で示されている救急搬送件数や、全身麻酔手術の件数だけでなく、精神科や産科の標榜等も含めた総合性の有無なども踏まえた上で検討する必要があると考えております。
いずれにしましても、先ほど申し上げた新たな地域医療構想と整合性を図った上での対応が求められることを申し上げたいと思います。
私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からの意見を聞く機会について検討いただければ、幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも、16ページ、30ページの論点に従いまして、発言をさせていただきます。
まず、16ページ、多職種配置と医療機関の機能に関する論点、3つ○がございますが、まず、はじめの○でございます。
病棟における多職種配置を推進し、医療人材を有効に活用していくことができるよう、制度上、柔軟な配置を可能とする仕組みとすることは、今後の我が国の人口動態を考えれば、各病院が工夫しながら地域医療を支えていくことが可能となり得ることから、見直しの方向性には賛成です。
ただ、病棟における看護師をはじめとするスタッフ配置には、夜勤の体制構築など、様々困難も想定されます。各病院は、今後、様々工夫を行っていくことになるでしょうが、病棟における人員配置に関連する様々なルールも、今後、見直しが必要となる可能性もあり、この方向性に向けて、さらなる検討を継続して行っていく必要があると考えます。
2つ目でございます。評価の見直しの方向性に関しては、一定理解をしております。ただ、現在、新たな地域医療構想のガイドライン案が検討されており、病院機能に関して、何をもって、地域の拠点的な急性期機能とするか、また、何をもって地域急性期機能とするかの詳細は決まっていない状況であります。先ほど、江澤委員も御発言されたとおりであります。
今後、決まっていく地域医療構想との整合性及び現在の病院の状況を踏まえ、慎重な見直しが必要であり、様々詳細な配慮というものが必要となると思っております。
また、病院機能を評価する要素として、次の○でも述べますが、救急搬送受入件数と全身麻酔手術件数による要件だけでよいのか、これもさらなる検討が必要であると思います。
3つ目でございます。まず、救急搬送の受入れ検討に関しても、ただ件数だけでよいのか、いろいろな論点あると思います。24時間帯制のER型を求めるのか、二次救急の輪番対応を認めるのかなどの論点も、救急対応の体制としてはあると思いますし、また、侵襲の強い医療の評価として、全身麻酔だけでよいのか、硬膜外麻酔や脊椎麻酔による手術、内視鏡、カテーテルによる手術まで含めるのか、検討すべき項目は多いと思います。
また、内科重症対応の指標というものが、そもそも必要ないのかということも重要な論点であると思います。
さらに、病院機能ということでいいますと、5疾病6事業への対応状況ですとか、医師研修への関与、紹介受診重点医療機関かどうかなど、要素に加える可能性のある項目というのは多岐にわたります。急性期の病院機能に関して様々検討すべきことがあることから、これは慎重に対応していく必要があると思います。
また、人口の少ない二次医療圏などへの配慮の仕方に関しても、シェア率などの定量的な指標が現在示されておりますが、その定量的な指標だけでよいのか、例えば、地域医療構想調整会議における定性的な評価に関しても検討する余地もあるかと思います。
病院機能に関連した入院料の設定において、評価に加えていくことに関しては、頭から否定するものではありません。
しかし、今回、想定されている急性期入院医療の見直しは、地域の医療に非常に大きな影響を及ぼすことが想定されるため、慎重に検討していくことをお願いしたいと思います。
地域で、現在、現に救急医療、急性期医療を担っている医療機関にマイナスの影響が出ないような配慮が絶対に必要であると思います。
続きまして、30ページの総合入院体制加算と急性期充実体制加算の論点でございます。
1つ目の○でございますが、21ページに2つの加算に関して、手術などの集積性及び総合性の2軸で拠点的な機能を担う病院の加算を整理するイメージ図が示されております。
2つの加算をより分かりやすく整理していく方向に関しては、特に異論はございません。
ただ、2つ目です。28ページに、今回、データのほうを示していただいておりますが、総合入院体制加算3における手術などの実績基準を満たさないものの、地域の基幹病院として機能している、地域に不可欠な病院というのもございます。それに対して何らかの評価が可能となるような配慮ということが、今、検討されつつありますが、ぜひともそれはお願いしたいと思います。
そして、総論になりますが、前回のこの議論でも触れさせていただきましたが、今回の2つの加算の統合に関しては、これらの加算を算定している病院は、地域で既に基幹的な医療機能を果たしている病院であり、要件の設定においては、加算が取れなくなるようなことがあると、地域の医療体制に大きな影響が出ることが想定されます。現在、これらの加算を算定している医療機関にマイナスの影響が出ないよう、制度設計上、配慮を行うことが、この見直しの前提であることは、再度指摘させていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
ありがとうございます。
急性期のところの、急性期総合入院体制加算と急性期充実体制加算についてだけですが、コメントをさせていただきます。
論点に書いてありますように、この2つの加算を統合していくという方向性は非常にいいこととは思いますけれども、21ページを見ていただければ分かりますが、総合性を評価するのと、集積性を評価するとなりますと、これは、かなり相反するところがありまして、選択と集中をしていくという意味からいうと、捨てていくものも当然あるというのが、集中の原則になります。
そうなると、総合性は、やはり失われていくということでありますので、これは、その両方を合体して評価するということであれば、かなり項目ですとか、その他の条件、幾つの項目のうち幾つ取ればいいかと、そういうところを慎重に進めていただかないと、乖離してしまうということが十分考えられます。
項目もそうなのですが、急性期充実体制加算の20ページを見ていただければ分かるのですけれども、これも緊急手術とか、いろいろな手術がありますからいいですが、消化管内視鏡手術、それから、腹腔鏡下、胸腔鏡下手術というがん系と、それから、心臓カテーテルと心臓胸部大血管手術、こうなりまして、その前の19で、このうちの加算1を取ろうと思うと、6つとか7つのうちの5つを満たすということになってきますと、結局、心臓と消化管、両方やらなければいけないのか、それから、総合入院体制加算も、心臓、腹腔鏡下の、いわゆるがん手術、それから放射線、いろいろなことが、項目によっては両方やらなければいけない。両方とも急性期充実体制加算が集積性と言われながら、疾患に関しては、やはり幅広くやれということなのか。そういうことを含めて、考え合わせないといけない。
特に、総合入院体制加算の、この分娩件数100件以上というのが本当に必要なのかどうか、これは、どういう状況かといいますと、3日に一度子供さんが生まれるかどうかという中に、産婦人科医を常駐させて、助産師をずっと勤務させるということですから、逆に言うと、集約化したいところにとっては、これは、障害になる可能性があります。100件というのは、そういうことなのです。365日のうちの100件というのは、恐らく3日に一度、週に2人の出産があるかどうかということを評価するというところは、産科の集約化の逆方向になると思いますし、放射線治療も4,000件以上、今、どういう放射線治療がされているかというと、従来の放射線照射というのは、両方から対向2門とかで、回数を分けてやることが普通でしたが、今、定位放射線治療等を、コンピューターを使って集積させたところに放射線を当てることによって回数が減ってきます。ですから、医療の進歩で、この回数が減ってくるものを4,000というところで切っていくのかどうか、こういう項目の見直しですとか、医療の進歩、それから、地域における集約化の議論、こういうことを全て含んだ上でまとめていただくという姿勢が、非常に大事なのではないかと思いますので、非常に拙速にやらずに、慎重にやってほしいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、次に、1号側の委員の方々の御意見を伺いたいのですが、その前に、先ほど江澤委員から御提案がございましたので、木澤専門委員から御発言をお願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
16ページの1つ目の論点について申し上げます。
急性期一般入院料の中でも、特に高齢の救急患者の多い病棟においては、急性期の治療と並行してADL低下を防ぎ、入院早期から退院を見据えた支援を強化することが重要です。
看護職員10対1配置に加えて、多職種協働連携を推進することも方策として有効であり、こうした取組を行う病院に対しては、付加的に評価をするべきだと考えております。
その際には、資料にお示しいただいたように、各専門職種が協働しながら、それぞれの専門性を発揮し、患者さんへの安全で質の高い医療・看護を提供していくことが必要です。
このような病棟においては、多職種協働を推進するために、病棟全体のケアのプロセスや業務内容、分担等を見直すことになると思いますが、その際、特定の職種や特定の職員だけに過度な負担がかかることがないよう、しっかり運用する必要があります。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、次に、松本委員にお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
それでは、まず、16ページの論点に沿いまして、多職種配置と医療機関の機能について、コメントいたします。
まず、1点目の多職種配置につきましてでございますが、資料の7ページに整理されておりますとおり、リハビリ職や管理栄養士、臨床検査技師が病棟でそれぞれの専門性を発揮することは、患者へメリットがあり、医師や看護職の負担を軽減できることも理解はできます。
そのために、実際に急性期の病棟で看護師やリハビリ職がどのような配置になっているのか、実態の分かるデータを示していただいた上で議論を深めるべきだと考えております。
次に、2点目の病院機能を踏まえた評価についてですが、これは以前に申し上げたことの繰り返しになりますけれども、資料の8ページ、9ページを見てみますと、急性期一般入院料1を算定する病院の中には、救急搬送が1,500件以上や、全身麻酔手術が500件以上の病院もあれば、救急搬送が1,000件未満や、全身麻酔手術が500件未満で、急性期一般入院料の2~6と同じような実績の病院もございます。
新たな地域医療構想の方向性、すなわち急性期拠点病院の集約化も念頭に置いて、病院機能の違いに着目して、入院料1の範囲や評価体系を見直すべきだと考えます。
その上で、10ページに示されております、多職種配置・病院機能の評価のイメージについてですが、救急搬送の高齢者が多い病棟でADLの低下を防ぐために、リハビリ職が専門性を生かした病棟業務を積極的に行うこと自体は、推進すべき重要な課題だと考えておりますが、一方で、先ほどほかの委員からもありましたが、看護職には看護の専門性というのもございます。
仮に、見直し後のイメージが、7対1の看護配置と10対1看護配置の差分をほかの職種で埋めた場合に、7対1看護配置と同じ評価にすることを意味しているのであれば、慎重に判断する必要があると考えます。
重症度、医療・看護必要度の該当患者割合、平均在院日数の取扱いは、もちろんですけれども、拠点的な病院と地域の病院でコストの違いをどう考えるのかといったことや、地域包括医療病棟とのすみ分け、看護配置10対1の評価区分を整理するのかなど、クリアにしておくべき課題はかなり多いと認識しております。
事務局には、こうした議論を深めるための準備をお願いしたいと思います。
続きまして、3つ目の論点の拠点的な病院と地域の病院の急性期機能についてですが、救急搬送の受入れ件数と、全身麻酔の手術件数が、いずれも相当数あることを拠点的な急性期機能の要件とすることを基本としつつ、人口の少ない地域や離島の場合は、救急搬送の地域シェアがトップの病院を拠点とみなすことがあり得るものだと考えております。
続きまして、30ページの論点についてコメントいたします。
まず、総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合した場合の類型については、21ページの整理に違和感はございません。
右側のイメージのように、総合性と集積性、それぞれを2段階で4類型を基本とする考え方は非常に分かりやすくなっていると思っております。
左側の現行のイメージでは、急性期充実体制加算の青いゾーンが、やや下のほうまで長くなっており、総合性が乏しい病院がございますが、右側のイメージを見ますと、紫の点線で囲まれておりますゾーンの一番下が、総合入院体制加算2に相当する水準ということで、2つの加算を統合した上で、総合性を底上げする方向かと理解をしております。
令和4年度改定で、急性期充実体制加算を創設した時には、高度かつ専門的な急性期病院というコンセプトに私も賛同いたしましたけれども、総合入院体制加算から移行が進む中では、総合病院の小児科や産科、精神科が減少することは必ずしも望ましいとは言えないと思います。
前回改定で対応いたしました、小児・周産期・精神科充実体制加算でも、総合性を必ずしも担保できないことだと受け止めております。
そうした観点で、24ページへ目を移しますと、真ん中と右側の下のゾーンに青い急性期充実体制加算の病院が分布しておりますが、これらの病院には、診療領域を広げ総合性をより高めていただくことが必要であり、今まで加算を取れていた病院を、単に今後も救済するような、そういう形での要件を設定すべきではないと指摘をさせていただきます。
次に、2つ目の論点についてですが、これも24ページの分布の左側にございます、集積性の低いゾーンにある病院の多くが、ピンク色の総合入院体制加算3を算定しており、21ページに戻りますけれども、左側の現行のイメージにも合致しております。
この総合入院体制加算3の病院については、25ページ、26ページを見てみますと、人口の少ない地域に多いことや、地域で最も救急搬送を多く受入れ、一定の地域シェアを占めている病院があることも分かります。
したがいまして、21ページの統合した後のイメージのオレンジの点線で囲まれているとおり、人口の少ない二次医療圏の病院に一定の配慮をしつつ、27ページにも示されておりますが、オンライン診療や巡回診療、医師派遣による地域貢献を条件に、地域シェアで見た場合の基準を設けることは理解するものでございます。
ただし、これについても、今まで加算を算定できていた病院を、単に救うということではなく、拠点病院としての機能をしっかり発揮していただくために、妥当な要件と適切な対象地域の範囲を設定すべきだと考えております。
私から以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
30ページの論点に関してですが、急性期医療について、新たな地域医療構想も踏まえ、病床のみならず、地域において、その病院が果たしている機能も考慮して、評価を適正化していくべきと考えております。
そうした中、急性期の入院料につきましては、人口規模を踏まえつつ、救急搬送件数や全身麻酔手術件数を踏まえて、地域で急性期医療を支えるとりでとなる病院を区別して、評価していく方針であり、また、21ページ目に、2つの加算の統合イメージを記載していただいていますが、総合的な診療体制を有しており、かつ高度な手術の実績が高い病院を、ほかの病院とメリハリをつけて評価をしていく方針と受け止めております。
そうした機能を持つ病院が、地域の急性期医療を支える拠点となることが、効率的な急性期医療提供体制の構築につながると考えております。
様々な課題があると、今、改めて認識もいたしましたが、ぜひ、丁寧に議論の上、前に進めていっていただきたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。
私からは、スライドの16枚目の論点の1つ目の○、多職種の配置について申し上げたいと思います。
急性期においても高齢患者などのADLの低下を防ぐ観点から、多職種の協働を推進していくことは重要と考えますが、専門職が関与している業務というのは、それぞれ異なり、限定されている状況と思っております。
多職種が看護師の代わりに配置されるとなると、専門職の人員は限られていると思いますので、様々な職種の方が入れ替わりで対応することとなり、看護師と同様の業務ができないことから、看護師にしわ寄せが生じないか、とりわけ夜勤はどうなるのかなどの懸念がございます。
多職種の配置に関しましては、患者の安全と質の担保を前提に、それぞれの職種の専門性を生かした協働となるよう、現場の実態を踏まえて、慎重かつ丁寧に議論をしていくことが必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかには、いかがでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
私からも多職種の配置について、1つ質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、質問ですが、各専門職の1つに、薬剤師が挙げられていますが、薬剤師を含めて柔軟に配置できるようにすることを考えているのでしょうか。病棟薬剤師の人材不足が課題とされている中で、こうしたことは難しいのではないかと考えます。
また、意見ですが、11月14日にも申し述べさせていただいたことですけれども、それぞれの職種がお互いの業務を補完し合うことになれば、逆に専門性が阻害されて質が下がってしまうようなことも起きると思いますので、慎重に検討を進めていただきたいと考えています。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
高町委員から、多職種配置で薬剤師の位置づけについて、御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○林医療課長
医療課長です。
今の御質問につきましてでございますが、現行、薬剤師につきましては、病棟業務に関する配置加算があるということを踏まえまして、既に多職種配置に対する評価があるところでございます。
そういった意味では、今回の御提案につきましては、必ずしも薬剤師を含むということではなくて、7ページには、以前の資料ですので、薬剤師も含めておりますけれども、7ページの薬剤師以外の職種を主に念頭に置いているというのが、現時点での事務局の提案の趣旨でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
高町委員、よろしいでしょうか。
○高町委員
はい、了解しました。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
追加でコメントをさせていただきます。
まず、8ページと9ページに救急搬送件数あるいは全身麻酔手術件数等の統計が出ておりますけれども、これは、病院全体としての受入れですから、当然病院の規模、我が国は100床未満とか200床未満の中小病院が相当数を占めているわけですから、そういった中で、例えば、ケアミックス病院で1病棟だけ急性期という病院もあれば、あるいは数百床の病院で、全病床がかなり急性期に特化している病院もあれば、様々でございますので、こういった数だけでは、物が言えないとは考えておりますし、また、地域の人口の少ない地域あるいは二次医療圏等においては、救急搬送件数もおのずと少なくなっておりますから、そういったことを踏まえて、もう少し、このグラフだけではなくて総合的に見ていく必要があろうかと思います。
また、看護配置10対1に加えて、多職種配置を行い、トータルの職種で7対1となった場合に、現行の7対1の評価より引き下げるべきという、少し誤解があったら申し訳ありませんけれども、そのような発言の趣旨があったかと思っておりますけれども、あくまでも入院基本料というのは、各職種の、もちろん人件費も考慮しながら、そして、どういった機能があるのかということを総合的に勘案してできているものですから、例えば、今回いろいろ多職種が配置された場合には、これまでにないリハビリとか、栄養とか、あるいは薬剤師業務など、相乗効果も大きく期待されると思います。
そのことによって、包括的医療が提供され、早く在宅に帰れるということも十分期待されますので、単にそういった入院基本料の評価を、今、論じる場ではないとは思っています。
それから、資料にもありますけれども、人口の少ない地域においては、救急搬送が一番多い、先ほどもトップという意見がありましたけれども、一番多い医療機関のみを評価するような論調にも見えますけれども、救急搬送と、あるいは全身麻酔の手術を役割分担している地域も当然ありますし、今後、やはり医療資源投入量の多い救急とか手術は、集約化ということは、当然、避けられないわけでございますので、各地域の特性に応じて、きめ細かく見ていくものだと思います。
あと、1点は、総合入院体制加算と急性期充実体制加算につきまして、救うものではないという御意見もあったと思うのですが、既に総合入院体制加算あるいは急性期充実体制加算を算定している医療機関は、地域の急性期の拠点機能を担っている十分な実績がある医療機関であります。施設基準も大変ハードルが高いものでございますから、これらを満たしている医療機関が、今回の統合によって、新たな仕組みから脱落するというのは、これは地域の医療提供体制に大きな支障が生じますので、まずは、これまでの実績が十分あるということを念頭に置いた上での組替え、統合でございますので、その辺りは、救うという観点では到底なくて、当然ながら評価されるべきものと申し上げたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
今、江澤先生からございました御意見について、少しコメントを差し上げたいと思います。
2つ目にございました、入院料の評価の話でございますけれども、私どもとして、あの図示を見る限り、これを単純に評価してもいいのかということを申し上げただけであって、引き下げるという御意見は申し上げておりません。その場合に、こういった条件をちゃんと出して、いろいろなものを出していただきたいという整理を述べたわけであって、ただ、普通に考えた場合に、看護師と、ほかの職種のいろいろな差があるということは、皆さん方も十分御承知かと思いますので、やはり専門の方以外が出てきたときに、同じ評価をしますというのは、逆の立場を考えた場合に、お考えいただきたいということが1つございます。
それと、加算の統合の話でございますけれども、脱落させるべきではないということでございますけれども、せっかくこういった形で分類化していくわけですから、よりそこに関しまして、やはりレベルアップをしていただきたいということがございます。特に地域医療構想の中で、やはり集約化ということが現に挙がっておりますので、やはり集約化というのは、レベルのアップということで、我々からは、こういった要望というか、意見を出しているということでございますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
松本委員からの御指摘ありがとうございます。私の勇み足であったら申し訳ないのですけれども、いつも論調がそのように聞こえてしまいまして、すみません。
まず、急性期充実体制加算と総合入院体制加算ですけれども、今、パワーアップという言葉がありましたけれども、21ページを見てみますと、ここの右側に5つのマトリックス、カテゴリーが出ていますから、十分パワーアップも期待できると考えておりますので、取りあえず、今回、現在、加算を算定する医療機関がこぼれ落ちることのないようにというのは、これは、地域医療の提供体制にも非常に不可欠だと考えているということは、御理解いただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいですか。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
先ほど、今日は、薬剤師のこと以外というお話だったのですけれども、7ページ目にあるように、各病棟の中で薬剤師は様々な仕事をしています。そうした中で、医療安全の確保、医療の質向上、そして、医師の負担軽減に貢献しているということが出ていると理解しています。
薬剤師が各病棟で行っている業務を評価すること、また、各病棟に配置できるような評価を、ぜひお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
では、よろしいですか。
委員の方々から非常にたくさんの御意見を頂戴いたしましたが、ほかに特にないということでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとさせていただきます。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「令和8年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)」を議題といたします。
これまでの1号側委員、2号側委員の意見書、それから、中医協での議論等を踏まえて、公益委員のほうで厚生労働大臣に対する意見書の案を作成いたしました。これについて議論をしたいと思います。
まず、この公益委員案について、便宜上、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○林医療課長
医療課長です。便宜的に、私のほうでこの案を読み上げさせていただきます。
令和8年度診療報酬改定について(案)。
本協議会は、医療経済実態調査の結果、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏まえつつ、令和8年度診療報酬改定について審議を行ってきたところであるが、その結果を下記のとおり整理したので、厚生労働大臣に意見を申し述べる。
1.医療経済実態調査の結果について。
本協議会は、医業経営の実態等を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として、第25回医療経済実態調査を実施し、その結果等について検討した。
2.薬価調査及び材料価格調査の結果について。
薬価調査の速報値による薬価の平均乖離率は約4.8%、材料価格調査の速報値による特定保険医療材料価格の平均乖離率は約1.3%であった。
3.令和8年度診療報酬改定について。
我が国の医療については、人口減少・少子高齢化が進展するとともに、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の構築が求められる中で、世界に冠たる国民皆保険を堅持し、あらゆる世代の国民一人一人が安全・安心で効率的・効果的な質の高い医療を受けられるようにすることが必要である。また、医療を取り巻く環境の変化や多様な国民のニーズに柔軟に対応することが重要である。
社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において取りまとめられた「令和8年度診療報酬改定の基本方針」では、物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進、安心・安全で質の高い医療の推進を行いつつ、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上を図ることとされた。
本協議会は、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識については、支払側委員と診療側委員の意見の一致をみた。
しかし、このような基本認識の下で、どのように令和8年度診療報酬改定に臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られた。
まず、支払側の意見は次のとおり。これまで長期にわたり物価・賃金が停滞する中で、高齢化や医療の高度化等により医療費が増加し続け、被保険者と事業主の保険料負担は既に限界に達している。一方で、第25回医療経済実態調査の結果、病院の経営を安定化させることや、医療機関に勤務する方々の賃金を引き上げる必要性は理解できるものの、病院と診療所・薬局の経営状況には格差があるほか、病院の中でも機能別や同じ機能の中でも施設間での格差があることを強く認識すべきである。また、新たな地域医療構想やかかりつけ医機能報告制度等の動きは、限りある医療資源を有効活用し、患者にとって安全・安心で効果的・効率的な医療を目指すものであり、スピード感を持って取り組む必要がある。こうした基本認識のもと、基本診療料の単純な一律引上げは、患者負担と保険料負担の上昇に直結するだけでなく、医療機関・薬局の経営格差や真の地域貢献度が反映されないため妥当ではないほか、地域における医療ニーズに沿う形での医療機能の分化・強化・連携を推進することや、経営マネジメントの強化・医療DXやICTを活用した組織運営の効率化が重要である。以上より、現役世代を中心とした保険料負担の抑制と物価上昇局面での保険給付の充実の両立を図り、将来にわたり国民皆保険制度と医療提供体制を維持するために、医療の在り方を着実に改革して医療機関・薬局の経営を健全化し、確実に医療従事者の賃上げを担保すること、充実すべき部分についても、税制や補助金との明確な役割分担を前提として優先順位を意識し、確実な適正化とセットで真にメリハリの利いた診療報酬改定を行うとともに、診療所・薬局から病院へ財源を再配分する等、硬直化している医科・歯科・調剤の財源配分を柔軟に見直すこと、医薬品・医療材料について、ライフサイクルに応じた市場の棲み分け、根拠に基づく適切な価格設定と適切な使用方法、費用対効果評価制度のより一層の活用を追求することを要望する。
これに対し、診療側の意見は次のとおり。昨今、急激な物価高騰・人件費上昇が見られる中、診療報酬の改定がこれらの社会情勢に追いついておらず、医科・歯科医療機関及び薬局等は閉院や倒産が過去最多のペースとなっているなど、かつていない異常事態と言える。診療報酬は、医学の進歩・高度化への対応や医療従事者の確保等に不可欠な役割を担っており、地域の医療提供体制をこれ以上崩壊させないためにも、その基盤となる経営の健全化が早急に実現されなければならない。令和8年度診療報酬改定においては、財源を純粋に上乗せするいわゆる「真水」による思い切った対応が必要であり、賃金上昇と物価高騰、高齢化、医療の高度化・技術革新に対応し、経営基盤の強化を図るための大幅なプラス改定が求められる。第25回医療経済実態調査では医療機関・薬局の給与費は伸びているものの、最低賃金や人事院勧告、2025年春季労使交渉の平均賃上げ幅に対応できる状態とはなっておらず、医療人材の他産業への流出に歯止めがかからず、医療提供体制に支障が生じるおそれがある。また費用についても、物価・人件費等の高騰の影響を受けて、医療機関における諸費用や歯科材料等の価格が上昇しているほか、薬局では医薬品供給不足や管理コストが負担増となっているなど、自助努力では到底対応できない状況に陥っている。令和6年4月から始まった医師等の働き方改革について、様々な検証等調査によりその効果が認められているところであり、全ての医療従事者の負担軽減を加速させていくための見直しと評価の継続が求められる。また、業務効率化・職場環境改善のさらなる推進には医療DXの取組が大いに効果的であり、それに伴う費用負担への支援は、導入時だけでなく維持に係る費用などを含む全体的な視点で十分な対応が必要である。こうしたことを踏まえれば、令和8年度診療報酬改定は十分な「真水」による財源を確保するべきであり、その際、病院、診療所、薬局などを分断するような改定率議論ではなく、医療提供体制全体を俯瞰して改定率を決定する必要がある。公定価格で運営する医療機関等が賃上げや人材確保を継続的かつ安定的に行い、物価高騰にも対応していくための対応は待ったなしである。
本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、診療報酬改定の責任を果たしてきた。診療報酬改定は、基本方針に沿って、診療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することにより、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまでも医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づいた真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそのように取組続けていく。
厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、令和8年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求めるものである。
令和8年度診療報酬改定に当たっては、物価や賃金動向に対応した改定が必要であり、医療機能の特性を踏まえて的確に対応するとともに、少子高齢化・人口減少による人口構造の変化や医療資源の逼迫といった様々な課題に対応していくことが求められる。そのためにも、施策の成果や影響等を、データやエビデンスに基づいて正確・迅速に把握・検証し、さらなる施策の見直しに役立てていくことが引き続き重要であり、そのための人材・体制の充実が望まれる。
さらに、国民一人一人が医療提供施設の機能に応じ、適切に医療を選択し受けることができるような環境を実現することも重要である。医療が高度化し、制度が複雑化する中でも、できるだけ仕組みを分かりやすくし、患者の主体的な選択を可能とする医療の質を含めた情報提供を行うなど、国民の理解を一層深める工夫についても配慮が行われるよう望むものである。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、公益委員案について議論を行っていただきます。
そして、1号側委員、2号側委員、そして、公益委員の間で合意を得た上で意見書を提出したいと考えております。
それでは、今、説明していただいた公益委員案につきまして、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、公益委員の皆様方には、短時間で意見を取りまとめいただきまして、支払い側を代表いたしまして、お礼、感謝を申し上げます。ありがとうございました。
御提示いただいた内容には、異論はございません。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
2号側を代表しまして、まず、公益委員の先生方の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
2号側といたしましても、こちらの意見に、特に異論ございません。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかは、よろしいでしょうか。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
すみません、医療DXに関してだけですけれども、導入だけの費用でという話が、いつも出てきます。今、時代はSaaS、Software as a Serviceということで、ほぼソフトで動かすということで、利用料だけで動く。
恐らく、医療DXの中で共通電子カルテをつくったときに、厚労省は、要するにクラウド上につくると言っているわけで、そうすると、そこには、恐らく利用料が発生するので、ですから、やはり今の時代、クラウドの時代になれば、維持費だとか、サービス利用料というのは、当然かかってくるコストとして考えていただかないといけないので、時代に合わせた補助の在り方、もしくは診療報酬の在り方というのを考えていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、ほかには御意見等ないようですので、この意見書案をもって、中医協から厚生労働大臣に対する意見書としたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、中医協から厚生労働大臣に対する意見書として、この案を提出したいと思います。
本日は、大臣の代理ということで、大臣官房審議官にお越しいただいておりますので、審議官にお渡ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
(会長から審議官へ意見書を手交)
○小塩会長
それでは、事務局におかれましては、中医協の総意としての意見ですので、その意見書を厚生労働大臣にお渡ししていただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
これから、議論が本格化しますので、皆さん、体調に十分気をつけてお過ごしください。よろしくお願いします。
それでは、ただいまより、第635回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、委員の出席状況について御報告いたします。
本日は、伊藤委員、田島専門委員が御欠席です。
カメラの頭撮りはこのあたりということでお願いいたします。
(カメラ退室)
○小塩会長
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
最初に「『令和8年度診療報酬改定の基本方針』について」を議題といたします。本件は報告事項です。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○山田医療介護連携政策課長
医療介護連携政策課長でございます。総-1-1をお開きください。
今週9日に社会保障審議会の医療保険部会と医療部会の連名で、令和8年度診療報酬改定の基本方針を定めていただきました。
上段、基本認識は4点記載されております。
1点目、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価・賃金の上昇、人口構造の変化や人口減少の中での人材確保、現役世代の負担の抑制努力の必要性。
2点目、2040年頃を見据えた医療提供体制の構築。
3点目、高度化や医療DXイノベーションの推進。
4点目、制度の安定性・持続可能性の確保でございます。
下段が、基本的視点と具体的方向性になりますが「(1)物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応」、これを重点事項であるとされております。
具体的方向性でありますが、人件費や医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応、医療従事者の処遇改善、ICT、AIなどの利活用などが記載されております。
左下の(2)を御覧ください。
2040年頃を見据えた地域包括ケアシステムの推進でございます。
具体的方向性の中には、機能に応じた入院医療の評価、治し、支える医療の実現、外来医療の機能分化と連携、在宅医療訪問看護の確保などを記載しております。
(3)安心・安全で質の高い医療の推進でございます。
リハビリテーション、救急、小児、周産期、口腔疾患の重症化予防、地域の医薬品供給拠点としての薬局などが記載されてございます。
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上でございます。
具体的方向性の中に、後発医薬品・バイオ後続品の使用促進、費用対効果評価制度の活用などが記載されております。
基本方針の本文は、総-1-2でございますが、説明は省略させていただきます。後刻御査収いただければと考えております。
資料の説明は以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
御説明ありがとうございました。
基本方針につきましては、社会保障審議会医療保険部会、医療部会において取りまとめられた基本方針ということでございますので、ここで示された内容を踏まえまして、今後、議論を進めていくということで承知いたしました。
1点だけ資料の総-1-2の7ページにございます、今後の課題についてコメントをさせていただきます。
今後の課題の2つ目の○を見てみますと、持続的な物価高騰・賃金上昇局面での支援について、報酬措置においても適時適切に行われるよう、検討する必要があるという記載となっております。
この措置を実施するかどうかは、どういった場で検討が行われるかは不明でございますけれども、その前に保険料負担の抑制努力の必要性にも配慮しつつということも記載されておりますので、こうした負担抑制のための対応とセットで検討することが前提だということは、コメントをさせていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
では、まず、高町委員、最初にお願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
基本方針に異存はありませんが、バイオ後続品に関する記載がありましたので、この点について発言させていただきます。
バイオ後続品は、政府として目標を掲げて使用促進を図っていると承知しています。そのためのロードマップも作成されているそうですが、具体的にどのようなものなのか説明していただく機会を、ぜひ設けていただきたいと考えています。
バイオ後続品の普及にとって最大の問題は、国民がバイオ後続品の実態を理解できていないこと、そして、どのようなメリットがあるのかについても理解が進んでいないことだと思います。
バイオ後続品は、効果や安全性がそのままで、より安価なバイオ医薬品とのことですが、どの程度安価なのかについて、具体的な情報を患者に提供すべきではないでしょうか。また、患者が自分のケースについて、具体的にどのくらい節約ができるのか、どのようなメリットがあるのかについて正確に知りたいときに、患者が情報を得られるように、その役割の明確化も含めて、政府として対応をお願いしたいと考えております。よろしくお願いします。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
1点だけコメントをさせていただきます。
最近の物価高騰の速度は大変速く、近年経験のないものと認識をしております。また、他産業の賃金の上昇も、かなり高いものになっております。
したがいまして、2年に1回の診療報酬改定で、なかなか医療機関の経営等が対応できていないというのが現実だと思っておりますので、ここの課題にもありますように、場合によっては、2年の間の隔年において、物価高騰や賃金対応の可及的な対応を取るということも十分考慮できるものと判断をしております。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
それでは、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
先ほど、1号側から御意見がございました、保険料負担の抑制努力ということでございますが、収入が上がってくれば、当然、料率が同じでも上がってくるはずでございます。その辺を鑑みて、若者の不可分所得とその辺も考えて、考慮しながらいくということも重要ではないかと思います。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
飯塚委員、お手が挙がっています。お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
基本指針の3つ目に、安心・安全で質の高い医療と高らかにうたっているのですけれども、現状、医療の質に関しては、評価も公表もされていないというのが現状だと思います。
国民は情報のない中、手探りで医療機関を選択することを強いられているわけです。国民が医療機関を主体的に選択できるように、医療の質の把握、公表に正面から取り組んで、今後、診療報酬改定の基本方針にも位置づけて真摯に進めていくよう、強くお願いをしたいです。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
ほかには、特に御意見等ないようですので、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
今後、令和8年度の診療報酬改定に向けて、ただいま御説明のあった改定の基本方針に基づきながら、引き続き議論を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして「個別事項について(その15)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○清原薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
総-2を御覧いただければと思います。
今回は「個別事項(その15)医薬品その他」といたしまして、栄養補給を効能・効果とする医薬品について御議論いただければと考えております。
2ページを御覧ください。
薬効分類325「たん蛋白アミノ酸製剤」につきましては、一般に手術後の栄養保持を効能・効果としており、通常の食事と同様に経口投与される場合がある医薬品が存在しております。
これら栄養保持を目的とする医薬品の効能または効果として、手術後患者の栄養保持及び経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給が明記されております。
3及び4ページは薬価で収載されている医薬品保持を目的とする医薬品と、市販されている栄養補給目的の食品の比較であり、栄養保持を目的とする医薬品について、代替可能と考えられる食品が市販されております。
5ページは、背景と論点になります。
これまでも、ビタミン剤、うがい薬、湿布薬など、使用目的の明確化や、1回処方当たりの枚数制限など、薬剤給付の適正化を行ってきたところであり、骨太方針2025において、種々の改革が求められております。
栄養補助を目的とする医薬品につきましては、同程度の栄養を有する食品が市販されており、通常の食事による栄養補給が可能な患者における栄養保持が、こうした食品により代替可能と考えられます。
栄養保持を目的とした医薬品については、効能・効果として、手術後の患者の栄養保持、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給が明記されているところでございます。
ただし、現在、他の食品では代替できないことから、医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認められて使用されている患者も存在すると承知しております。
こうした課題を踏まえ、同程度の栄養を有する食品が市販されていることも踏まえ、栄養保持を目的とする医薬品の薬剤給付の適正化についてどのように考えるのかを論点としております。
説明は以上となります。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
それでは、5ページの論点について、コメントをさせていただきます。
栄養保持を目的とした医薬品と同程度の栄養を有する食品が市販されているといたしましても、課題の最後の○に記載されておりますように、現在、疾病の治療のために必要であり、他の食事では代替できないことから、医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認めて使用されている患者も存在しております。
経管栄養をはじめとして、低栄養や終末期の場合、さらにはクローン病やベーチェット病などで腸管の負担を減らして、炎症を抑える必要がある場合など、多種多様に、生きていくために用いられているものでございます。
実際には、少し食欲がない場合や、食事と併用して、こうした医薬品を使用することは、既に審査支払機関における審査の場においても、厳しくチェックされている実態もありますが、今、申し上げたような医師が栄養保持を目的とした医薬品を使用することが、特に必要と認めた場合については、治療の一環として行われるものであります。
したがいまして、必要性を判断できるのは医師のみでありますので、医師が必要と認めた場合は、確実に保険給付の対象とすることが重要であることを申し上げたいと思います。
なお、これらの薬品の使用状況については、医療現場では在庫確認の上、対応しているケースが多いと思いますけれども、薬局の薬剤師等との連携を取って対応することも方策と考えております。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
ありがとうございます。
特別食のときも申し上げましたけれども、今、高齢者のフレイルが問題になっています。その中で、フレイルの患者さんは、どういう患者さんかというと、普通に食事を与えても、好みの問題であったり、口腔の問題であったり、嚥下の問題であって、ちゃんと食べられない、量が食べられないという人たちに、どのように与えるかということが非常に問題になります。
実際問題は、厚労省も前回の改定で、GLIM分類という低栄養の評価を導入して、低栄養をちゃんとあぶり出すこともされておりますし、それから、リハ・口腔・栄養で、そういう患者さんをどのように治していくかということも検討されているところで、この武器となる栄養剤を給付から外していくということは、GLIMで評価はいたしました、でも、どうやってその人を治せばいいかというときに値段が高くなれば、特に在宅であれば、患者さんは、どうしても市販で買って使うということはできなくなる。実際問題、私もNST医師として病棟を回っていますけれども、最終的に在宅に返すときに、食品の栄養剤は高いのですね。ですから、やはりなかなか持っていけない。
ですから、もし、国が治す医療から治し支える医療へ転換するのであれば、高齢者を支える、こういう栄養剤を保険適用から外すというのは、流れは別ではないでしょうか。ですから、きっちり患者が元気にならなければいけないときに、元気になる栄養が使えないというのは、非常に医療現場から見るとマイナスの方向に行くと思いますので、保険給付に関しましては、本来であれば、食品になっているものでさえ保険給付にしてほしいという要望がございます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかには御意見ございますでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今回示されております医薬品につきましては、資料の3ページ、4ページにもありますとおり、熱量、たんぱく質、脂質のいずれもが医薬品と同じか、むしろそれ以上の食品が存在しておりますので、保険給付の適正化は十分現実的なことだと考えております。
具体的には、効能・効果に明記されているとおり、手術後または経口での食事摂取が困難な場合に限定することが原則であり、例外的に医師が治療上の必要性を特に認める場合でも、単なる低栄養ということだけで、保険診療の中で使用することのないように、運用ルール上の工夫を併せてお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。
現在、治療のために必要ということで、医師からの指示で使用している患者の方もいるということでありますので、患者への影響も踏まえ、検討が必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
ほかには、特に御質問、御意見ないようですので、本件に係る質疑は、取りあえず、このあたりとさせていただきます。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、対応を引き続きお願いいたします。
続きまして「入院について(その8)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○林医療課長
医療課長です。総-3「入院(その8)」を御覧ください。
2ページが目次となっております。
多職種配置と医療機関の機能について、そして、総合入院体制加算と急性期充実体制加算について、資料をまとめさせていただいております。
3ページ~9ページは、既にお示しをしている資料でございます。
3ページが、病棟における看護業務の全体像、診察、治療に関わる業務以外に、患者さんのケアなどの業務があるといったことが分かります。
4ページ、病棟専従のリハビリ関係の療法士の実際の業務の内容の例をお示ししております。
また、5ページは管理栄養士さんの業務の例をお示ししております。
6ページは、臨床検査技師の業務の例や効果をお示ししております。
7ページは、そこまでをまとめたものでございまして、各専門職が関与している業務の状況、そして、それによって想定されるメリットをお示ししております。
8ページも以前にお示しをしておりますが、急性期一般入院料の算定病院における救急搬送受入件数別の施設数でございまして、急性期一般入院料1における救急搬送受入件数を見ますと、上の青いグラフでございますけれども、非常に幅広い分布となっておりまして、非常に多い医療機関から、0件~499件のカテゴリーに属する医療機関もあるということでございます。
9ページは、全身麻酔手術件数別の病院数で、同様でございますが、急性期一般入院料1における、全身麻酔手術の件数についても非常に幅広い分布になっているということでございます。
10ページが、新しい資料でございます。
こうしたことを踏まえての御提案になるわけでございますけれども、急性期一般入院料について、高齢の救急患者の多い病棟において、多職種の協働によりADL低下を防ぐなどの観点から、一部の人員は、看護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みとすることが考えられないか。
また、拠点的な急性期病院や地域の救急・急性期を担う病院について、病棟機能とともに病院としての機能を踏まえた評価とすることが考えられないかということでございます。
下の図でございますけれども、急性期一般入院料の1~6というのが一番左にございますけれども、その中において、一定の急性期の患者割合を満たしているような医療機関において、看護職員の配置とともに、多職種の配置を加えることで、合計7対1相当の人員配置となるような、そういう類型を設けるという図でございます。
また、右側でございますけれども、医療機関としての機能の要件を満たす医療機関が選択できる類型の提案でございます。
地域で救急・急性期の機能を十分担っている病院、そして、その右、拠点的な急性期病院、それぞれにつきまして、そうした機能を踏まえた類型を設けてはどうかということでございます。
11ページが、二次医療圏における救急搬送件数、これも以前にお示ししているものでございますけれども、12ページ、縦軸を地域シェア率に変えますと、人口の比較的少ない二次医療圏において、救急搬送の地域シェア率が非常に高い医療機関があるということでございます。
13ページは、各二次医療圏の最大救急搬送の受入れ病院における救急搬送件数ということでございますが、人口20万以下、15万以下、10万以下、5万以下と、上に行くにつれて、最大の病院であっても2,000件を切る、あるいは1,000件を切るところがあるということになります。
14ページは、離島における救急搬送件数でございますけれども、離島からなる二次医療圏の病院において、救急搬送件数の多いところも、2,000件台ぐらいのところもございますし、それ以下のところもございますが、3,000件を上回るようなところはないということでございます。
16ページが論点となります。
急性期一般入院料について、高齢の救急患者の多い病棟において、多職種の協働によりADL低下を防ぐ観点から、一部の人員は、看護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みとすることが考えられるのではないか。
同じ一般病棟入院基本料を届け出る病院でも、救急搬送受入件数や全身麻酔手術件数などの病院としての機能が異なっていることなどを踏まえ、急性期の入院基本料について、病棟機能に加え、病院機能を踏まえた評価の在り方をどう考えるか。
病院機能を踏まえた評価体系を検討するに当たって、拠点的な急性期病院や、地域で重点的に救急・急性期医療に対応する病院の機能について、次のような要素を含め、どのような要素を考慮することが考えられるか。
救急搬送の受入件数、全身麻酔の手術件数、特に、人口の少ない二次医療圏や離島からなる二次医療圏において、当該医療機関が救急搬送件数の最も多い医療機関であることとさせていただいております。
続いて、17ページからが「総合入院体制加算と急性期充実体制加算について」です。
18ページが、総合入院体制加算の施設基準の概要をまとめたものでございます。
19ページが、急性期充実体制加算の施設基準の概要をまとめたものでございます。
これを比較するために、できるだけ分かりやすくということで、20ページの資料をまとめてございますけれども、これも以前にお示しをしておりますが、総合入院体制加算と急性期充実体制加算のそれぞれ1をまとめてございます。
真ん中の紫のところが、共通になっている施設基準でございまして、左側の赤と青のところが、それぞれ特有の施設基準ということでございます。
点数に関しては、14日間を合わせると、右側のほうが少し高いということになりますが、急性期充実体制加算においては、手術の実績が、総合入院体制加算と比べて強く求められているという一方で、総合入院体制加算のほうは、総合的な診療体制、とりわけ精神科、小児科、産科といった診療の体制を強く求められているということになります。
21ページが、そうした施設基準の厳しさを模式的に示したものということでございますけれども、総合入院体制加算につきましては、診療内容の総合性や手術の実績に応じて3区分に、急性期充実体制加算は、手術の実績において2区分に評価されております。
左側が現状を模式的に示したものでございまして、横軸に手術等の集積性、縦軸に総合性という形で、この加算の累計を当てはめるとしますと、右側、手術等の集積性が高い医療機関が急性期充実体制加算1と2を取っており、その中でも総合性の高いところについては、加算があるという類型になってございます。
総合入院体制加算につきましては、そうした集積性が少し急性期充実体制加算よりも低いところに多く算定をされておりまして、その総合性を評価するような体系になっているということでございます。
これを統合する場合に、どういう考え方を取るかということについての御提案が右側になります。
総合性や集積性に応じた類型を設けることが考えられないかということで、紫で4つありますけれども、総合性、集積性の高さに応じた整理ができるのではないかということでございます。
また、人口の少ない二次医療圏で、一定の総合性、集積性を有し、地域での拠点的な役割が大きいような医療機関については、拠点的な医療機関の1つの類型とすることが考えられるのではないかとさせていただきます。
22ページが、救急搬送受入件数別の現在の各加算の届出病院の分布となってございます。
青が急性期充実体制加算、赤からピンクが総合入院体制加算の算定病院における救急搬送受入件数の分布となります。
23ページが、同様に全身麻酔手術件数別の各加算の届出病院の分布ということになります。
4ページは、入院外来分科会の調査に基づきまして、総合性と手術の実績に応じた拠点的な病院数を、加算のどちらを取っているかということにかかわらず、集計をしたというものでございます。
そして、そのカテゴリーの中で、青い色で表示しているものが、急性期充実体制加算を取っている病院数、赤で表記しているものが、総合入院体制加算を取っている病院数ということになります。
8つに区分しておりますけれども、横軸といいますか、縦の線は、急性期充実体制加算の1の相当の手術の実績あるいは2の相当の手術の実績を持っているかどうかということで区分しております。
また、横に赤い線が引いておりますけれども、上下につきましては、総合入院体制加算の1や2、3相当の総合性を有しているかということで区分してございます。
分科会調査の対象病院の範囲でまとめてございますので、全医療機関ではないということに御留意をいただければと思います。
25ページは、先ほどもございましたけれども、各二次医療圏において救急搬送の地域シェア率が高い病院において、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出をしていない病院が、特に人口の少ない地域において多数あるということでございます。
26ページは、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出病院の数などを、二次医療圏の属性、大都市型、地方都市型、人口の少ない地域という二次医療圏の属性に沿ってまとめたものとなってございます。
27ページが、小規模な二次医療圏における、他の医療機関の支援のイメージということで、これまでにもお示ししている資料でございます。
28ページが、小さな医療圏におけるへき地拠点病院の取組ということでございまして、へき地事業を実施しているような病院、救急搬送のある病院、全身麻酔手術のある病院、こうしたところが、これまでの総合入院体制加算3を満たさない、実績基準を満たさない医療機関においても、見られるということがお示ししている内容でございます。
30ページが論点となります。
総合入院体制加算や急性期充実体制加算では、これまで様々な診療科を有する等の総合性や、手術件数が多い等の集積性の観点から評価しており、これらの加算を統合する場合には、こうした総合性や手術等の集積性を踏まえた類型を設けることについて、どのように考えるか。
人口の少ない医療圏では、地域の実情から手術等の実績要件等を満たすことが困難な場合もあるが、地域において救急搬送受入れの砦となる病院や、へき地において地域を支える役割を果たす病院があることを踏まえ、人口の少ない地域における拠点的な病院の役割の評価をどのように考えるか。
資料の説明は、以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。
最初に、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
まず、16ページの、多職種配置と医療機関の機能における論点についてコメントをさせていただきます。
1つ目の○の介護職員と多職種のスタッフを組み合わせて柔軟に配置できる仕組みにつきましては、各職種が病棟において、それぞれの専門性を生かして、高齢の患者さんなど、入院中の患者さんを支援することで、より入院早期からのリハビリテーションや栄養管理に取り組み、できるだけ早い在宅復帰を目指すことが期待されます。
また、看護師の新規養成数がピークアウトするなど、地域によっては担い手の減少を生じている中で、タスク・シフト/シェア等により生産性向上を図り、地域の医療提供体制を維持できる可能性があることなどを踏まえますと、方向性については、おおむね賛同できるものと考えております。
ただし、資格職種には、それぞれの資格に応じた専門性がございますので、その専門性がきちんと発揮できるような病棟体制とすることが不可欠であり、夜勤体制も含めて詳細な検討が求められます。
続いて、2つ目の○につきましては、同じ一般病棟入院基本料を届出する病院でも、現状の評価では十分にコストを回収できていない病院を救済するという意味であれば、検討する意義はあると考えます。
しかしながら、これまでも繰り返し申し述べてきましたとおり、現在の病院の窮状を踏まえれば、まずは医政局で検討中の新たな地域医療構想の議論を注視しつつ、次回改定で新たな地域医療構想を先取りすることは、制度の趣旨からしても不適切ではないかと感じております。
次回改定では、現在の評価体系を残した上で、新たな多職種配置・病院機能の評価については、個々の医療機関がそれぞれの地域における役割や経営環境を踏まえた上で、10ページの下に記載されているとおり、各医療機関が選択できるようにすべきであると強く主張いたします。
最後の3つ目の○につきましては、救急や急性期に対応する病院機能として、どのような要素を考慮するかということですが、今回例示されている救急搬送の受入れ件数や、全身麻酔の手術件数などは、現在、議論しております重症度、医療・看護必要度の見直しや、この後も議論する総合入院体制加算、急性期充実体制加算の見直しにも関わってくる要素となってしまいます。
また、急性期病院の評価が、救急搬送と全身麻酔のみでよいのかどうか、十分に吟味する必要もあります。
また、新たな地域医療構想では、人口30万人未満の二次医療圏では、急性期医療拠点を有する医療機関を1か所確保することとされ、人口20万人未満の二次医療圏では、急性期拠点機能の確保が可能かどうか点検し、圏域を設定するとされています。
したがいまして、救急搬送等の地域のシェア率を評価する方向に異論ありませんが、今後の新たな地域医療構想の議論との整合性や、地域の救急・急性期医療の提供体制に与える影響などを十分に検討する必要があり、時期尚早にも感じております。
続いて、30ページの総合入院体制加算と急性期充実体制加算における論点についてコメントさせていただきます。
1つ目の○で示されている両加算を統合する方向に異論はありませんが、現在、両加算を算定している病院の評価が、次回の改定によって急激に変動しないようにすることが何よりも大切なことであります。
これらの加算を算定している病院は、現在、地域の急性期医療の拠点あるいは地域医療の最後のとりでとして機能しており、その維持には、この加算が非常に大きな役割を果たしておりますことから、地域の医療提供体制に、さらなる混乱を生じさせないためにも、その点は非常に重要であると考えております。
特に、精神科、小児科、産婦人科の診療の確保の観点も重要と考えております。
また、2つ目の○の人口の少ない医療圏については、手術等の実績要件等を満たせない場合であっても、へき地事業や救急搬送受入れの実施等により、地域を支えている場合は、相応の評価が必要であると考えております。
評価の在り方としては、28ページの左下のグラフを見ますと、人口20万人未満の医療圏における、へき地医療拠点病院において、164の医療機関が総合入院体制加算、急性期充実体制加算のいずれも算定できないということでありますが、これらの医療機関が地域で果たしている機能について、同じページの右側の表で示されている救急搬送件数や、全身麻酔手術の件数だけでなく、精神科や産科の標榜等も含めた総合性の有無なども踏まえた上で検討する必要があると考えております。
いずれにしましても、先ほど申し上げた新たな地域医療構想と整合性を図った上での対応が求められることを申し上げたいと思います。
私からは以上ですが、小塩会長におかれましては、看護協会の専門委員からの意見を聞く機会について検討いただければ、幸いでございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
ありがとうございます。
私からも、16ページ、30ページの論点に従いまして、発言をさせていただきます。
まず、16ページ、多職種配置と医療機関の機能に関する論点、3つ○がございますが、まず、はじめの○でございます。
病棟における多職種配置を推進し、医療人材を有効に活用していくことができるよう、制度上、柔軟な配置を可能とする仕組みとすることは、今後の我が国の人口動態を考えれば、各病院が工夫しながら地域医療を支えていくことが可能となり得ることから、見直しの方向性には賛成です。
ただ、病棟における看護師をはじめとするスタッフ配置には、夜勤の体制構築など、様々困難も想定されます。各病院は、今後、様々工夫を行っていくことになるでしょうが、病棟における人員配置に関連する様々なルールも、今後、見直しが必要となる可能性もあり、この方向性に向けて、さらなる検討を継続して行っていく必要があると考えます。
2つ目でございます。評価の見直しの方向性に関しては、一定理解をしております。ただ、現在、新たな地域医療構想のガイドライン案が検討されており、病院機能に関して、何をもって、地域の拠点的な急性期機能とするか、また、何をもって地域急性期機能とするかの詳細は決まっていない状況であります。先ほど、江澤委員も御発言されたとおりであります。
今後、決まっていく地域医療構想との整合性及び現在の病院の状況を踏まえ、慎重な見直しが必要であり、様々詳細な配慮というものが必要となると思っております。
また、病院機能を評価する要素として、次の○でも述べますが、救急搬送受入件数と全身麻酔手術件数による要件だけでよいのか、これもさらなる検討が必要であると思います。
3つ目でございます。まず、救急搬送の受入れ検討に関しても、ただ件数だけでよいのか、いろいろな論点あると思います。24時間帯制のER型を求めるのか、二次救急の輪番対応を認めるのかなどの論点も、救急対応の体制としてはあると思いますし、また、侵襲の強い医療の評価として、全身麻酔だけでよいのか、硬膜外麻酔や脊椎麻酔による手術、内視鏡、カテーテルによる手術まで含めるのか、検討すべき項目は多いと思います。
また、内科重症対応の指標というものが、そもそも必要ないのかということも重要な論点であると思います。
さらに、病院機能ということでいいますと、5疾病6事業への対応状況ですとか、医師研修への関与、紹介受診重点医療機関かどうかなど、要素に加える可能性のある項目というのは多岐にわたります。急性期の病院機能に関して様々検討すべきことがあることから、これは慎重に対応していく必要があると思います。
また、人口の少ない二次医療圏などへの配慮の仕方に関しても、シェア率などの定量的な指標が現在示されておりますが、その定量的な指標だけでよいのか、例えば、地域医療構想調整会議における定性的な評価に関しても検討する余地もあるかと思います。
病院機能に関連した入院料の設定において、評価に加えていくことに関しては、頭から否定するものではありません。
しかし、今回、想定されている急性期入院医療の見直しは、地域の医療に非常に大きな影響を及ぼすことが想定されるため、慎重に検討していくことをお願いしたいと思います。
地域で、現在、現に救急医療、急性期医療を担っている医療機関にマイナスの影響が出ないような配慮が絶対に必要であると思います。
続きまして、30ページの総合入院体制加算と急性期充実体制加算の論点でございます。
1つ目の○でございますが、21ページに2つの加算に関して、手術などの集積性及び総合性の2軸で拠点的な機能を担う病院の加算を整理するイメージ図が示されております。
2つの加算をより分かりやすく整理していく方向に関しては、特に異論はございません。
ただ、2つ目です。28ページに、今回、データのほうを示していただいておりますが、総合入院体制加算3における手術などの実績基準を満たさないものの、地域の基幹病院として機能している、地域に不可欠な病院というのもございます。それに対して何らかの評価が可能となるような配慮ということが、今、検討されつつありますが、ぜひともそれはお願いしたいと思います。
そして、総論になりますが、前回のこの議論でも触れさせていただきましたが、今回の2つの加算の統合に関しては、これらの加算を算定している病院は、地域で既に基幹的な医療機能を果たしている病院であり、要件の設定においては、加算が取れなくなるようなことがあると、地域の医療体制に大きな影響が出ることが想定されます。現在、これらの加算を算定している医療機関にマイナスの影響が出ないよう、制度設計上、配慮を行うことが、この見直しの前提であることは、再度指摘させていただきます。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
ありがとうございます。
急性期のところの、急性期総合入院体制加算と急性期充実体制加算についてだけですが、コメントをさせていただきます。
論点に書いてありますように、この2つの加算を統合していくという方向性は非常にいいこととは思いますけれども、21ページを見ていただければ分かりますが、総合性を評価するのと、集積性を評価するとなりますと、これは、かなり相反するところがありまして、選択と集中をしていくという意味からいうと、捨てていくものも当然あるというのが、集中の原則になります。
そうなると、総合性は、やはり失われていくということでありますので、これは、その両方を合体して評価するということであれば、かなり項目ですとか、その他の条件、幾つの項目のうち幾つ取ればいいかと、そういうところを慎重に進めていただかないと、乖離してしまうということが十分考えられます。
項目もそうなのですが、急性期充実体制加算の20ページを見ていただければ分かるのですけれども、これも緊急手術とか、いろいろな手術がありますからいいですが、消化管内視鏡手術、それから、腹腔鏡下、胸腔鏡下手術というがん系と、それから、心臓カテーテルと心臓胸部大血管手術、こうなりまして、その前の19で、このうちの加算1を取ろうと思うと、6つとか7つのうちの5つを満たすということになってきますと、結局、心臓と消化管、両方やらなければいけないのか、それから、総合入院体制加算も、心臓、腹腔鏡下の、いわゆるがん手術、それから放射線、いろいろなことが、項目によっては両方やらなければいけない。両方とも急性期充実体制加算が集積性と言われながら、疾患に関しては、やはり幅広くやれということなのか。そういうことを含めて、考え合わせないといけない。
特に、総合入院体制加算の、この分娩件数100件以上というのが本当に必要なのかどうか、これは、どういう状況かといいますと、3日に一度子供さんが生まれるかどうかという中に、産婦人科医を常駐させて、助産師をずっと勤務させるということですから、逆に言うと、集約化したいところにとっては、これは、障害になる可能性があります。100件というのは、そういうことなのです。365日のうちの100件というのは、恐らく3日に一度、週に2人の出産があるかどうかということを評価するというところは、産科の集約化の逆方向になると思いますし、放射線治療も4,000件以上、今、どういう放射線治療がされているかというと、従来の放射線照射というのは、両方から対向2門とかで、回数を分けてやることが普通でしたが、今、定位放射線治療等を、コンピューターを使って集積させたところに放射線を当てることによって回数が減ってきます。ですから、医療の進歩で、この回数が減ってくるものを4,000というところで切っていくのかどうか、こういう項目の見直しですとか、医療の進歩、それから、地域における集約化の議論、こういうことを全て含んだ上でまとめていただくという姿勢が、非常に大事なのではないかと思いますので、非常に拙速にやらずに、慎重にやってほしいと思っております。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、次に、1号側の委員の方々の御意見を伺いたいのですが、その前に、先ほど江澤委員から御提案がございましたので、木澤専門委員から御発言をお願いいたします。
○木澤専門委員
ありがとうございます。
16ページの1つ目の論点について申し上げます。
急性期一般入院料の中でも、特に高齢の救急患者の多い病棟においては、急性期の治療と並行してADL低下を防ぎ、入院早期から退院を見据えた支援を強化することが重要です。
看護職員10対1配置に加えて、多職種協働連携を推進することも方策として有効であり、こうした取組を行う病院に対しては、付加的に評価をするべきだと考えております。
その際には、資料にお示しいただいたように、各専門職種が協働しながら、それぞれの専門性を発揮し、患者さんへの安全で質の高い医療・看護を提供していくことが必要です。
このような病棟においては、多職種協働を推進するために、病棟全体のケアのプロセスや業務内容、分担等を見直すことになると思いますが、その際、特定の職種や特定の職員だけに過度な負担がかかることがないよう、しっかり運用する必要があります。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、次に、松本委員にお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
それでは、まず、16ページの論点に沿いまして、多職種配置と医療機関の機能について、コメントいたします。
まず、1点目の多職種配置につきましてでございますが、資料の7ページに整理されておりますとおり、リハビリ職や管理栄養士、臨床検査技師が病棟でそれぞれの専門性を発揮することは、患者へメリットがあり、医師や看護職の負担を軽減できることも理解はできます。
そのために、実際に急性期の病棟で看護師やリハビリ職がどのような配置になっているのか、実態の分かるデータを示していただいた上で議論を深めるべきだと考えております。
次に、2点目の病院機能を踏まえた評価についてですが、これは以前に申し上げたことの繰り返しになりますけれども、資料の8ページ、9ページを見てみますと、急性期一般入院料1を算定する病院の中には、救急搬送が1,500件以上や、全身麻酔手術が500件以上の病院もあれば、救急搬送が1,000件未満や、全身麻酔手術が500件未満で、急性期一般入院料の2~6と同じような実績の病院もございます。
新たな地域医療構想の方向性、すなわち急性期拠点病院の集約化も念頭に置いて、病院機能の違いに着目して、入院料1の範囲や評価体系を見直すべきだと考えます。
その上で、10ページに示されております、多職種配置・病院機能の評価のイメージについてですが、救急搬送の高齢者が多い病棟でADLの低下を防ぐために、リハビリ職が専門性を生かした病棟業務を積極的に行うこと自体は、推進すべき重要な課題だと考えておりますが、一方で、先ほどほかの委員からもありましたが、看護職には看護の専門性というのもございます。
仮に、見直し後のイメージが、7対1の看護配置と10対1看護配置の差分をほかの職種で埋めた場合に、7対1看護配置と同じ評価にすることを意味しているのであれば、慎重に判断する必要があると考えます。
重症度、医療・看護必要度の該当患者割合、平均在院日数の取扱いは、もちろんですけれども、拠点的な病院と地域の病院でコストの違いをどう考えるのかといったことや、地域包括医療病棟とのすみ分け、看護配置10対1の評価区分を整理するのかなど、クリアにしておくべき課題はかなり多いと認識しております。
事務局には、こうした議論を深めるための準備をお願いしたいと思います。
続きまして、3つ目の論点の拠点的な病院と地域の病院の急性期機能についてですが、救急搬送の受入れ件数と、全身麻酔の手術件数が、いずれも相当数あることを拠点的な急性期機能の要件とすることを基本としつつ、人口の少ない地域や離島の場合は、救急搬送の地域シェアがトップの病院を拠点とみなすことがあり得るものだと考えております。
続きまして、30ページの論点についてコメントいたします。
まず、総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合した場合の類型については、21ページの整理に違和感はございません。
右側のイメージのように、総合性と集積性、それぞれを2段階で4類型を基本とする考え方は非常に分かりやすくなっていると思っております。
左側の現行のイメージでは、急性期充実体制加算の青いゾーンが、やや下のほうまで長くなっており、総合性が乏しい病院がございますが、右側のイメージを見ますと、紫の点線で囲まれておりますゾーンの一番下が、総合入院体制加算2に相当する水準ということで、2つの加算を統合した上で、総合性を底上げする方向かと理解をしております。
令和4年度改定で、急性期充実体制加算を創設した時には、高度かつ専門的な急性期病院というコンセプトに私も賛同いたしましたけれども、総合入院体制加算から移行が進む中では、総合病院の小児科や産科、精神科が減少することは必ずしも望ましいとは言えないと思います。
前回改定で対応いたしました、小児・周産期・精神科充実体制加算でも、総合性を必ずしも担保できないことだと受け止めております。
そうした観点で、24ページへ目を移しますと、真ん中と右側の下のゾーンに青い急性期充実体制加算の病院が分布しておりますが、これらの病院には、診療領域を広げ総合性をより高めていただくことが必要であり、今まで加算を取れていた病院を、単に今後も救済するような、そういう形での要件を設定すべきではないと指摘をさせていただきます。
次に、2つ目の論点についてですが、これも24ページの分布の左側にございます、集積性の低いゾーンにある病院の多くが、ピンク色の総合入院体制加算3を算定しており、21ページに戻りますけれども、左側の現行のイメージにも合致しております。
この総合入院体制加算3の病院については、25ページ、26ページを見てみますと、人口の少ない地域に多いことや、地域で最も救急搬送を多く受入れ、一定の地域シェアを占めている病院があることも分かります。
したがいまして、21ページの統合した後のイメージのオレンジの点線で囲まれているとおり、人口の少ない二次医療圏の病院に一定の配慮をしつつ、27ページにも示されておりますが、オンライン診療や巡回診療、医師派遣による地域貢献を条件に、地域シェアで見た場合の基準を設けることは理解するものでございます。
ただし、これについても、今まで加算を算定できていた病院を、単に救うということではなく、拠点病院としての機能をしっかり発揮していただくために、妥当な要件と適切な対象地域の範囲を設定すべきだと考えております。
私から以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
30ページの論点に関してですが、急性期医療について、新たな地域医療構想も踏まえ、病床のみならず、地域において、その病院が果たしている機能も考慮して、評価を適正化していくべきと考えております。
そうした中、急性期の入院料につきましては、人口規模を踏まえつつ、救急搬送件数や全身麻酔手術件数を踏まえて、地域で急性期医療を支えるとりでとなる病院を区別して、評価していく方針であり、また、21ページ目に、2つの加算の統合イメージを記載していただいていますが、総合的な診療体制を有しており、かつ高度な手術の実績が高い病院を、ほかの病院とメリハリをつけて評価をしていく方針と受け止めております。
そうした機能を持つ病院が、地域の急性期医療を支える拠点となることが、効率的な急性期医療提供体制の構築につながると考えております。
様々な課題があると、今、改めて認識もいたしましたが、ぜひ、丁寧に議論の上、前に進めていっていただきたいと考えております。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
続きまして、永井委員、お願いいたします。
○永井委員
ありがとうございます。
私からは、スライドの16枚目の論点の1つ目の○、多職種の配置について申し上げたいと思います。
急性期においても高齢患者などのADLの低下を防ぐ観点から、多職種の協働を推進していくことは重要と考えますが、専門職が関与している業務というのは、それぞれ異なり、限定されている状況と思っております。
多職種が看護師の代わりに配置されるとなると、専門職の人員は限られていると思いますので、様々な職種の方が入れ替わりで対応することとなり、看護師と同様の業務ができないことから、看護師にしわ寄せが生じないか、とりわけ夜勤はどうなるのかなどの懸念がございます。
多職種の配置に関しましては、患者の安全と質の担保を前提に、それぞれの職種の専門性を生かした協働となるよう、現場の実態を踏まえて、慎重かつ丁寧に議論をしていくことが必要と考えます。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかには、いかがでしょうか。
高町委員、お願いいたします。
○高町委員
ありがとうございます。
私からも多職種の配置について、1つ質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、質問ですが、各専門職の1つに、薬剤師が挙げられていますが、薬剤師を含めて柔軟に配置できるようにすることを考えているのでしょうか。病棟薬剤師の人材不足が課題とされている中で、こうしたことは難しいのではないかと考えます。
また、意見ですが、11月14日にも申し述べさせていただいたことですけれども、それぞれの職種がお互いの業務を補完し合うことになれば、逆に専門性が阻害されて質が下がってしまうようなことも起きると思いますので、慎重に検討を進めていただきたいと考えています。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございます。
高町委員から、多職種配置で薬剤師の位置づけについて、御質問がございましたが、いかがでしょうか。
○林医療課長
医療課長です。
今の御質問につきましてでございますが、現行、薬剤師につきましては、病棟業務に関する配置加算があるということを踏まえまして、既に多職種配置に対する評価があるところでございます。
そういった意味では、今回の御提案につきましては、必ずしも薬剤師を含むということではなくて、7ページには、以前の資料ですので、薬剤師も含めておりますけれども、7ページの薬剤師以外の職種を主に念頭に置いているというのが、現時点での事務局の提案の趣旨でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
高町委員、よろしいでしょうか。
○高町委員
はい、了解しました。ありがとうございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
続きまして、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
追加でコメントをさせていただきます。
まず、8ページと9ページに救急搬送件数あるいは全身麻酔手術件数等の統計が出ておりますけれども、これは、病院全体としての受入れですから、当然病院の規模、我が国は100床未満とか200床未満の中小病院が相当数を占めているわけですから、そういった中で、例えば、ケアミックス病院で1病棟だけ急性期という病院もあれば、あるいは数百床の病院で、全病床がかなり急性期に特化している病院もあれば、様々でございますので、こういった数だけでは、物が言えないとは考えておりますし、また、地域の人口の少ない地域あるいは二次医療圏等においては、救急搬送件数もおのずと少なくなっておりますから、そういったことを踏まえて、もう少し、このグラフだけではなくて総合的に見ていく必要があろうかと思います。
また、看護配置10対1に加えて、多職種配置を行い、トータルの職種で7対1となった場合に、現行の7対1の評価より引き下げるべきという、少し誤解があったら申し訳ありませんけれども、そのような発言の趣旨があったかと思っておりますけれども、あくまでも入院基本料というのは、各職種の、もちろん人件費も考慮しながら、そして、どういった機能があるのかということを総合的に勘案してできているものですから、例えば、今回いろいろ多職種が配置された場合には、これまでにないリハビリとか、栄養とか、あるいは薬剤師業務など、相乗効果も大きく期待されると思います。
そのことによって、包括的医療が提供され、早く在宅に帰れるということも十分期待されますので、単にそういった入院基本料の評価を、今、論じる場ではないとは思っています。
それから、資料にもありますけれども、人口の少ない地域においては、救急搬送が一番多い、先ほどもトップという意見がありましたけれども、一番多い医療機関のみを評価するような論調にも見えますけれども、救急搬送と、あるいは全身麻酔の手術を役割分担している地域も当然ありますし、今後、やはり医療資源投入量の多い救急とか手術は、集約化ということは、当然、避けられないわけでございますので、各地域の特性に応じて、きめ細かく見ていくものだと思います。
あと、1点は、総合入院体制加算と急性期充実体制加算につきまして、救うものではないという御意見もあったと思うのですが、既に総合入院体制加算あるいは急性期充実体制加算を算定している医療機関は、地域の急性期の拠点機能を担っている十分な実績がある医療機関であります。施設基準も大変ハードルが高いものでございますから、これらを満たしている医療機関が、今回の統合によって、新たな仕組みから脱落するというのは、これは地域の医療提供体制に大きな支障が生じますので、まずは、これまでの実績が十分あるということを念頭に置いた上での組替え、統合でございますので、その辺りは、救うという観点では到底なくて、当然ながら評価されるべきものと申し上げたいと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
今、江澤先生からございました御意見について、少しコメントを差し上げたいと思います。
2つ目にございました、入院料の評価の話でございますけれども、私どもとして、あの図示を見る限り、これを単純に評価してもいいのかということを申し上げただけであって、引き下げるという御意見は申し上げておりません。その場合に、こういった条件をちゃんと出して、いろいろなものを出していただきたいという整理を述べたわけであって、ただ、普通に考えた場合に、看護師と、ほかの職種のいろいろな差があるということは、皆さん方も十分御承知かと思いますので、やはり専門の方以外が出てきたときに、同じ評価をしますというのは、逆の立場を考えた場合に、お考えいただきたいということが1つございます。
それと、加算の統合の話でございますけれども、脱落させるべきではないということでございますけれども、せっかくこういった形で分類化していくわけですから、よりそこに関しまして、やはりレベルアップをしていただきたいということがございます。特に地域医療構想の中で、やはり集約化ということが現に挙がっておりますので、やはり集約化というのは、レベルのアップということで、我々からは、こういった要望というか、意見を出しているということでございますので、よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございました。
江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
松本委員からの御指摘ありがとうございます。私の勇み足であったら申し訳ないのですけれども、いつも論調がそのように聞こえてしまいまして、すみません。
まず、急性期充実体制加算と総合入院体制加算ですけれども、今、パワーアップという言葉がありましたけれども、21ページを見てみますと、ここの右側に5つのマトリックス、カテゴリーが出ていますから、十分パワーアップも期待できると考えておりますので、取りあえず、今回、現在、加算を算定する医療機関がこぼれ落ちることのないようにというのは、これは、地域医療の提供体制にも非常に不可欠だと考えているということは、御理解いただければと思います。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいですか。
森委員、お願いいたします。
○森委員
ありがとうございます。
先ほど、今日は、薬剤師のこと以外というお話だったのですけれども、7ページ目にあるように、各病棟の中で薬剤師は様々な仕事をしています。そうした中で、医療安全の確保、医療の質向上、そして、医師の負担軽減に貢献しているということが出ていると理解しています。
薬剤師が各病棟で行っている業務を評価すること、また、各病棟に配置できるような評価を、ぜひお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
では、よろしいですか。
委員の方々から非常にたくさんの御意見を頂戴いたしましたが、ほかに特にないということでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとさせていただきます。
今後、事務局におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き対応していただくようにお願いいたします。
続きまして「令和8年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)」を議題といたします。
これまでの1号側委員、2号側委員の意見書、それから、中医協での議論等を踏まえて、公益委員のほうで厚生労働大臣に対する意見書の案を作成いたしました。これについて議論をしたいと思います。
まず、この公益委員案について、便宜上、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○林医療課長
医療課長です。便宜的に、私のほうでこの案を読み上げさせていただきます。
令和8年度診療報酬改定について(案)。
本協議会は、医療経済実態調査の結果、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏まえつつ、令和8年度診療報酬改定について審議を行ってきたところであるが、その結果を下記のとおり整理したので、厚生労働大臣に意見を申し述べる。
1.医療経済実態調査の結果について。
本協議会は、医業経営の実態等を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として、第25回医療経済実態調査を実施し、その結果等について検討した。
2.薬価調査及び材料価格調査の結果について。
薬価調査の速報値による薬価の平均乖離率は約4.8%、材料価格調査の速報値による特定保険医療材料価格の平均乖離率は約1.3%であった。
3.令和8年度診療報酬改定について。
我が国の医療については、人口減少・少子高齢化が進展するとともに、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の構築が求められる中で、世界に冠たる国民皆保険を堅持し、あらゆる世代の国民一人一人が安全・安心で効率的・効果的な質の高い医療を受けられるようにすることが必要である。また、医療を取り巻く環境の変化や多様な国民のニーズに柔軟に対応することが重要である。
社会保障審議会医療保険部会及び医療部会において取りまとめられた「令和8年度診療報酬改定の基本方針」では、物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取り巻く環境の変化への対応、2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進、安心・安全で質の高い医療の推進を行いつつ、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上を図ることとされた。
本協議会は、この基本方針に基づき、全ての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていく。こうした基本認識については、支払側委員と診療側委員の意見の一致をみた。
しかし、このような基本認識の下で、どのように令和8年度診療報酬改定に臨むべきかについては、次のような意見の相違が見られた。
まず、支払側の意見は次のとおり。これまで長期にわたり物価・賃金が停滞する中で、高齢化や医療の高度化等により医療費が増加し続け、被保険者と事業主の保険料負担は既に限界に達している。一方で、第25回医療経済実態調査の結果、病院の経営を安定化させることや、医療機関に勤務する方々の賃金を引き上げる必要性は理解できるものの、病院と診療所・薬局の経営状況には格差があるほか、病院の中でも機能別や同じ機能の中でも施設間での格差があることを強く認識すべきである。また、新たな地域医療構想やかかりつけ医機能報告制度等の動きは、限りある医療資源を有効活用し、患者にとって安全・安心で効果的・効率的な医療を目指すものであり、スピード感を持って取り組む必要がある。こうした基本認識のもと、基本診療料の単純な一律引上げは、患者負担と保険料負担の上昇に直結するだけでなく、医療機関・薬局の経営格差や真の地域貢献度が反映されないため妥当ではないほか、地域における医療ニーズに沿う形での医療機能の分化・強化・連携を推進することや、経営マネジメントの強化・医療DXやICTを活用した組織運営の効率化が重要である。以上より、現役世代を中心とした保険料負担の抑制と物価上昇局面での保険給付の充実の両立を図り、将来にわたり国民皆保険制度と医療提供体制を維持するために、医療の在り方を着実に改革して医療機関・薬局の経営を健全化し、確実に医療従事者の賃上げを担保すること、充実すべき部分についても、税制や補助金との明確な役割分担を前提として優先順位を意識し、確実な適正化とセットで真にメリハリの利いた診療報酬改定を行うとともに、診療所・薬局から病院へ財源を再配分する等、硬直化している医科・歯科・調剤の財源配分を柔軟に見直すこと、医薬品・医療材料について、ライフサイクルに応じた市場の棲み分け、根拠に基づく適切な価格設定と適切な使用方法、費用対効果評価制度のより一層の活用を追求することを要望する。
これに対し、診療側の意見は次のとおり。昨今、急激な物価高騰・人件費上昇が見られる中、診療報酬の改定がこれらの社会情勢に追いついておらず、医科・歯科医療機関及び薬局等は閉院や倒産が過去最多のペースとなっているなど、かつていない異常事態と言える。診療報酬は、医学の進歩・高度化への対応や医療従事者の確保等に不可欠な役割を担っており、地域の医療提供体制をこれ以上崩壊させないためにも、その基盤となる経営の健全化が早急に実現されなければならない。令和8年度診療報酬改定においては、財源を純粋に上乗せするいわゆる「真水」による思い切った対応が必要であり、賃金上昇と物価高騰、高齢化、医療の高度化・技術革新に対応し、経営基盤の強化を図るための大幅なプラス改定が求められる。第25回医療経済実態調査では医療機関・薬局の給与費は伸びているものの、最低賃金や人事院勧告、2025年春季労使交渉の平均賃上げ幅に対応できる状態とはなっておらず、医療人材の他産業への流出に歯止めがかからず、医療提供体制に支障が生じるおそれがある。また費用についても、物価・人件費等の高騰の影響を受けて、医療機関における諸費用や歯科材料等の価格が上昇しているほか、薬局では医薬品供給不足や管理コストが負担増となっているなど、自助努力では到底対応できない状況に陥っている。令和6年4月から始まった医師等の働き方改革について、様々な検証等調査によりその効果が認められているところであり、全ての医療従事者の負担軽減を加速させていくための見直しと評価の継続が求められる。また、業務効率化・職場環境改善のさらなる推進には医療DXの取組が大いに効果的であり、それに伴う費用負担への支援は、導入時だけでなく維持に係る費用などを含む全体的な視点で十分な対応が必要である。こうしたことを踏まえれば、令和8年度診療報酬改定は十分な「真水」による財源を確保するべきであり、その際、病院、診療所、薬局などを分断するような改定率議論ではなく、医療提供体制全体を俯瞰して改定率を決定する必要がある。公定価格で運営する医療機関等が賃上げや人材確保を継続的かつ安定的に行い、物価高騰にも対応していくための対応は待ったなしである。
本協議会は、社会保険医療協議会法でその組織構成や、審議・答申事項等を法定されており、医療保険制度を構成する当事者である支払側委員と診療側委員、そして公益委員が、医療の実態や医療保険財政等の状況を十分考慮しつつ、診療報酬改定の責任を果たしてきた。診療報酬改定は、基本方針に沿って、診療報酬本体、薬価及び特定保険医療材料価格の改定を一体的に実施することにより、国民・患者が望む安心・安全で質の高い医療を受けられるよう、医療費の適切な配分を行うものである。そのために、本協議会においては、これまでも医療制度全体を見渡す幅広い観点から、膨大な時間を費やしデータに基づいた真摯な議論を積み重ね、診療報酬改定に取り組んできており、これからもそのように取組続けていく。
厚生労働大臣におかれては、これまでの本協議会の議論を踏まえ、令和8年度予算編成に当たって、診療報酬改定に係る改定率の設定に関し適切な対応を求めるものである。
令和8年度診療報酬改定に当たっては、物価や賃金動向に対応した改定が必要であり、医療機能の特性を踏まえて的確に対応するとともに、少子高齢化・人口減少による人口構造の変化や医療資源の逼迫といった様々な課題に対応していくことが求められる。そのためにも、施策の成果や影響等を、データやエビデンスに基づいて正確・迅速に把握・検証し、さらなる施策の見直しに役立てていくことが引き続き重要であり、そのための人材・体制の充実が望まれる。
さらに、国民一人一人が医療提供施設の機能に応じ、適切に医療を選択し受けることができるような環境を実現することも重要である。医療が高度化し、制度が複雑化する中でも、できるだけ仕組みを分かりやすくし、患者の主体的な選択を可能とする医療の質を含めた情報提供を行うなど、国民の理解を一層深める工夫についても配慮が行われるよう望むものである。
以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございました。
それでは、公益委員案について議論を行っていただきます。
そして、1号側委員、2号側委員、そして、公益委員の間で合意を得た上で意見書を提出したいと考えております。
それでは、今、説明していただいた公益委員案につきまして、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、公益委員の皆様方には、短時間で意見を取りまとめいただきまして、支払い側を代表いたしまして、お礼、感謝を申し上げます。ありがとうございました。
御提示いただいた内容には、異論はございません。
私からは以上でございます。
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、江澤委員、お願いいたします。
○江澤委員
2号側を代表しまして、まず、公益委員の先生方の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
2号側といたしましても、こちらの意見に、特に異論ございません。よろしくお願いいたします。
○小塩会長
ありがとうございます。
ほかは、よろしいでしょうか。
小阪委員、お願いいたします。
○小阪委員
すみません、医療DXに関してだけですけれども、導入だけの費用でという話が、いつも出てきます。今、時代はSaaS、Software as a Serviceということで、ほぼソフトで動かすということで、利用料だけで動く。
恐らく、医療DXの中で共通電子カルテをつくったときに、厚労省は、要するにクラウド上につくると言っているわけで、そうすると、そこには、恐らく利用料が発生するので、ですから、やはり今の時代、クラウドの時代になれば、維持費だとか、サービス利用料というのは、当然かかってくるコストとして考えていただかないといけないので、時代に合わせた補助の在り方、もしくは診療報酬の在り方というのを考えていただきたいと思います。
以上です。
○小塩会長
ありがとうございました。
ほかは、よろしいでしょうか。
それでは、ほかには御意見等ないようですので、この意見書案をもって、中医協から厚生労働大臣に対する意見書としたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○小塩会長
ありがとうございます。
それでは、中医協から厚生労働大臣に対する意見書として、この案を提出したいと思います。
本日は、大臣の代理ということで、大臣官房審議官にお越しいただいておりますので、審議官にお渡ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
(会長から審議官へ意見書を手交)
○小塩会長
それでは、事務局におかれましては、中医協の総意としての意見ですので、その意見書を厚生労働大臣にお渡ししていただくようにお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
これから、議論が本格化しますので、皆さん、体調に十分気をつけてお過ごしください。よろしくお願いします。

