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第204回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和7年11月20日(木)10:00~12:15
場所
航空会館7階大ホール 港区新橋1-18-1
議題
1.OTC類似薬の保険給付の在り方について患者団体からのヒアリング
2.医療保険制度における出産に対する支援の強化について
3.医療保険制度改革について
4.令和8年度診療報酬改定の基本方針について
議事
- 議事内容
- ○姫野課長 定刻になりましたので、ただいまより第204回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、菊池部会長代理、内堀委員、原委員、前葉委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、兼子委員、田島委員より途中退席との御連絡を、伊奈川委員より途中一時退席との御連絡をいただいております。
本日の会議は、傍聴希望者向けにYouTubeにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○姫野課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席される委員の代わりに出席なさる方についてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理といたしまして佐藤みゆき参考人、原委員の代理といたしまして池田俊明参考人、前葉委員の代理といたしまして前川近子参考人、以上3名の出席につき御承認を賜ればと思いますが、いかがでございましょう。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。
本日は、「OTC類似薬の保険給付の在り方について患者団体からのヒアリング」、「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」、「医療保険制度改革について」、「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」、以上の4つを議題といたします。
まず、「OTC類似薬の保険給付の在り方について患者団体からのヒアリング」を議題といたします。
本件は、まずは全国がん患者団体連合会、日本難病・疾病団体協議会、日本アレルギー友の会、ささえあい医療人権センターCOMLの順番で御説明をしていただきまして、その後に質疑を行えればと思います。
それでは、全国がん患者団体連合会より順番に御説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○天野参考人 本日は、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
お手元の資料1-1を基に発言をいたしますので、御参照いただければと思います。5分程度と限られた時間ですので、早速進めてまいります。
資料の2ページを御覧ください。
私たち全国がん患者団体連合会(全がん連)は、現在、加盟団体が51団体、会員総数およそ2万人を有するがん患者団体の連合組織でございます。
資料の3ページを御覧ください。
今回、高額療養費やOTC類似薬を日常的にあるいは長期にわたり継続して利用しているがん患者さんがいらっしゃることを委員の皆様にも御理解いただきたく、愛知県在住の加藤那津さんに情報提供の御協力をいただきました。加藤さんの御協力に、この場をお借りして心より敬意と感謝を申し上げます。
加藤さんは、2009年に30代で乳がんと診断され、2013年に局所再発と遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断されました。2016年には肝臓に多発転移、2019年には骨転移と診断されました。この間、乳がんに対しては、手術のほかにホルモン療法や薬物療法による治療を受けておられ、現在も乳がんに対する薬物療法などの治療を長期にわたり継続して受けておられます。
資料の4ページを御覧ください。
加藤さんは、乳がん術後の疼痛と交通事故の後遺症に伴う疼痛のため、ペインクリニックを受診するとともに、疼痛治療などのため医療用麻薬を含む様々な薬剤を使用されてこられました。このうち、疼痛治療のためにアセトアミノフェンは現在も最大量を服用されており、ロキソニンテープを使用されています。また、医療用麻薬や分子標的薬に伴う便秘対策のために酸化マグネシウムも服用されてきたとのことです。これら、アセトアミノフェン、ロキソニンテープ、酸化マグネシウムはいずれもOTC類似薬です。
OTC類似薬に関する議論について、加藤さんは、経済的負担がかなり大きくなってしまうのではないか、制度面での不安も大きいとおっしゃっていました。また、高額療養費制度には心から感謝しているが、自身が乳がんの治療を続けることは社会にとっていいことなのかと悩んでいると、率直なお気持ちを語られていました。
資料の5ページを御覧ください。
このようながん患者さんの実例からも分かるように、OTC類似薬を公的な保険給付の対象から外すことについては、がんや難病などの疾患の患者にも与える影響が大きく、避けるべきと考えます。
公的な保険給付から外れてしまいますと、下記厚生労働省の資料によれば、およそ数十倍という相当程度の過重な負担増となる可能性があります。加えて、高額療養費や指定難病患者への医療費助成、こども医療費助成など、各種の医療費助成の対象とならなくなり、これも過重な負担増となる可能性があります。
加えて、医療機関への受診機会の喪失、あるいは遅延が生じ、健康被害が生じる可能性もあります。
一方で、医療保険制度改革全体の中で十分に御検討いただき、それでもなおOTC類似薬の保険給付の見直しが必要との結論に至った場合には、公的な保険給付の対象としつつ、患者の自己負担割合を変更することで対応することを検討すべきと考えます。
市場価格ではなく公的な薬価が維持されることで、公的な保険給付の対象から外すよりは患者の負担増は一定程度抑えられ、各種の医療費助成の対象であることも維持されると考えます。
しかし、患者の自己負担割合の変更を行ったとしても、患者の負担増となることは避けられませんし、いわゆる「処方シフト」、すなわち患者負担はより安価であるものの、薬価がより高い薬剤が処方されるようになる状態などの問題が生じる可能性も依然として残っております。
なお、資料の中ではフランスの例をお示ししておりますが、フランスと日本では医療環境も異なり、単純に比較できるものではなく、あくまで例示としてお示ししたことを申し添えます。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、日本難病・疾病団体協議会からよろしくお願いいたします。
○大黒参考人 よろしくお願いします。日本難病・疾病団体協議会代表の大黒です。
日本難病・疾病団体協議会は、全ての国民が安心できる医療と福祉の社会を目指して、2005年に設立しました。個々の患者会が一つになることでより大きな力に、一人の声を国民の声に、その思いで歴史を積み重ね、現在では加盟105団体に成長しています。
今回議題になっていますOTC類似薬には、抗ウイルス薬や抗真菌薬、アレルギー治療薬や消炎・鎮痛薬、去痰剤やビタミン剤、胃炎や便秘薬に至るまで、様々なお薬が含まれています。
OTC類似薬が保険給付から外れてしまった状況を考えてみてください。病院に行っても薬代が高額になることが予想されるのであれば、病院に行かずに市販薬で済ませる文化が瞬く間に広がると思います。費用負担の不安は受診抑制を確実に生むと思います。
私自身は、膠原病という免疫異常による全身性の炎症性疾患を患っています。多くの場合、発症はわずかな発熱、小さな皮膚の異常、少しのせきなどから始まります。これぐらいであれば市販薬で済ませよう、それが当たり前になるかもしれません。確かに、多くの膠原病の予後はよくなりましたが、一部に発症数週間で亡くなる病態もあります。1日病院に行くのが遅れていれば危なかったということが実際にあります。
膠原病に限らず、重症化すれば、幾ら高額なお薬を使用しても治らない、不可逆な状態になる難病は存在します。病院に行くか、行かないか、1日の迷いがその人の生命を左右する現実があります。受診抑制が重症化を招き、総医療費が増えるという議論はありますが、重症化すれば元の体には戻らない可能性があるという、その方の人生としても考えてみていただければと思います。
わずかな発熱、小さな皮膚の異常、少しの咳でも、かかりつけのお医者さんへ行ってみよう、医療機関へのアクセスのしやすさが皆保険制度を有する我が国の医療制度の一つの根幹であると思います。長い寿命の本質であるとも考えていいと思います。
改めて問います。OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しに際して、医療機関における必要な受診を確保すると言いますが、初診の場合、自分の症状が受診すべきかどうかを患者自身が正確に判断することは本質的に不可能です。患者は、それが軽症なのか、市販薬で十分な状態なのか、実は重症化の前段階なのか、難病など専門治療が必要なのかを判断できません。これは当然で、医師の診察や検査があって初めて判断できるからです。
市販薬でも代替できる医療用医薬品による医療を小さなリスクと考える方もおられますが、医師の診断がない医療は患者にとってとても大きなリスクです。医療の始まりは、医師による診察であるべきと思います。しかし、受診すると保険が効かず高くなるかもしれないから様子を見ようという思いを払拭することは本当にできるでしょうか。初診時でも医療アクセスを確保できる具体策の提示をぜひお願いいたします。
また、こどもや、慢性疾患を抱える方、低所得の方の患者負担などに配慮するとありますが、見直したとしても、自己判断が危険な難病や慢性疾患、がんなどに対して明確な除外規定が必要です。また、高齢者、こども、基礎疾患のある人など、OTC依存が危険な層への配慮も求めます。
日本難病・疾病団体協議会は、全ての国民が安心できる医療と福祉の社会を目指しています。これまでの経験からも、一度改変した医療を元に戻すのはほぼ不可能と考えています。今後、納得できる丁寧な議論をよろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、日本アレルギー友の会様からよろしくお願いいたします。
○武川参考人 日本アレルギー友の会の武川でございます。
本日、参考人として参加させていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
実は、私は46歳で突然喘息になり、息が吐けない、こみ上げる咳、首を絞められているようで呼吸ができない死の恐怖を味わいました。喘息の怖さを知り、また、コロナ禍では口腔がんの手術をして5年経過したところであります。また、狭心症も持って、病気のデパートみたいな患者です。当事者としてそんな形で患者団体を率いてまいりました。本日はOTC類似薬の保険外しの見直しにつきまして、アレルギー疾患患者の立場でお話をいたします。
ここで簡単に、認定NPO法人日本アレルギー友の会の紹介をいたします。2ページになります。
1969年2月に同愛記念病院に入院する喘息患者が集まり、本年、創立56周年を迎えました。会員総数は1,300名です。
では、これからお話をさせていただきます。
まずは、今年の6月11日に、福岡厚生労働大臣と高額療養費とOTC類似薬の問題で手交いたしましたので、その要望書について説明させていただきます。
7団体から要望いたしました。言うまでもなく、国民皆保険制度は社会全体で医療費を分担する仕組みであり、経済的な理由で医療を受けられない人を減らすという理念の下に成り立っています。国民皆保険制度の維持を名目に、高額療養費制度の自己負担限度額の引上げとOTC類似薬の保険適用除外が議論されています。こうした措置は、アレルギー疾患で悩む一部の難治・重症患者から適切な医療を受ける機会を奪いかねず、配慮が必要です。
喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患は、今では標準治療の下で多くの患者が症状をコントロールでき、普通の人と変わらない生活を送ることが可能になっています。ただ、一部の難治・重症患者は高額な生物学的製剤などを長期にわたって使う必要があり、患者と家族にとって大きな負担となっています。
次に、4ページ目を見ていただきたいのですけれども、特に所得が低い若年層の中には生活費を切り詰めて医療費を支払い続けている患者もいて、医療費の増加によって治療を続けられず、症状の悪化で就業できなくなる患者が増えるなど、深刻な影響が予想されます。
一方、OTC類似薬についても、例えばこどものアトピー性皮膚炎では症状をコントロールし、再び悪化させないために定期的に軟膏を使い続ける必要があり、OTC類似薬を保険適用外とすれば、生活に余裕があるとは言えない子育て世代などに長期にわたり重い負担を強いることになります。こどものアレルギーは、いじめや不登校、虐待、若者のひきこもりなどの要因ともなり、健やかな成長や家庭生活に及ぼす悪影響も強く懸念されます。
OTC類似薬の保険適用除外は、一部のアレルギー疾患患者が適切な治療の継続を諦め、症状を悪化させてしまうなどの事態を招くことが危惧されています。以上の理由から次の事項を要望いたしました。
高額療養費制度の自己負担限度額の引上げは、家計に占める医療費の割合を考慮し、治療を継続できるよう抜本的に見直していただきたい。OTC類似薬の保険適用除外は、アレルギー疾患の標準治療で使われる薬剤・保湿剤には適用しないでいただきたい。当事者の意見を聞くこともなく議論が進むことは、患者軽視と言わざるを得ません。患者の声を適切に議論に反映してください。そういったことを申し上げました。
次に、アレルギー疾患患者の現状とアレルギーマーチということで、5ページに示しておりますように、アトピーの患者は成長するにつれてアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎に次から次へと発症していく、いわゆるアレルギーマーチと言われております。また、よくなったり、悪くなったりを繰り返してまいります。こういった疾患であると同時に、多臓器に出るという特殊性を持っております。したがいまして、軽い患者もいらっしゃいますけれども、中等症から重症の患者におきましては一生涯その治療を続けるという重い負担がかかってまいります。
次の6ページは、そういった形を示した全身疾患であるというものでございます。
ちなみに、アレルギー疾患は国民病と言われておりまして、2人に1人は何らかのアレルギー疾患を持っているということでございまして、2014年にアレルギー疾患対策基本法がおかげさまで成立しておりまして、それに基づいた総合的対策が推進されているところであります。
特にアトピー性皮膚炎にて今回は御説明させていただきますが、アトピー性皮膚炎はこの30年で2倍に増加しております。特にアトピー性皮膚炎患者は、小児だけではなく、成人の5%もかかっております。
アトピー性皮膚炎で、OTC類似薬保険適用除外による弊害(保湿剤)についてお話しさせていただきます。8ページを御覧いただきたいと思います。
アトピー性皮膚炎の場合、全身に毎日2回塗る必要があり、1回に500グラム処方されても2か月もたないくらい塗る必要がある。その量が全部保険適用除外になった場合、その他にバイオ製剤などや抗炎症薬も必要なため、患者の負担は相当重くなる。
アトピー性皮膚炎は慢性疾患であり、重症例の場合、その負担を何十年と続けなくてはならない。
アトピー性皮膚炎があるために非正規雇用にしかなれない方にとって、医療費の負担が大きいことは生活に大きな支障となる。
慢性疾患患者が長期にわたり必要な治療が経済的な負担なくできるように、従来どおり保険適用の継続を要望します。
次に、OTC類似薬保険適用除外による弊害ということで、アトピー皮膚炎治療の標準治療であるステロイド外用薬は効果の強度により5段階に薬が分類されている。現在は、医師が症状の重症度を判定し、適切な薬を処方しているが、薬局で購入する場合、強度を認識せずに使用して副作用が出たり、または症状に対して弱すぎるために効果が出ず、炎症が持続して重症化してしまう可能性がある。現時点でも、ステロイド外用薬の副作用を懸念して、使わずに症状を改善しようと重症化してしまう人がいる。保険適用除外で高価となることにより、炎症が強いにもかかわらずステロイド外用薬を使用しないために重症化する可能性がある。ステロイド外用薬は症状や部位によって適切に使用する必要があるが、薬剤師は症状を診ていないために適切な指導ができない。
以上、ステロイド外用薬の不適切な使用により、副作用の発現や重症化の懸念があり、患者の苦痛が高まるとともに医療費の増加につながるということで、保険適用除外に反対です。
時間もないことですから、次のOTC類似薬の抗アレルギー剤、去痰剤等は省きまして、次に、「当会機関誌あおぞら令和7年10月号」の「アトピー性皮膚炎治療の現在」ということで、11ページを見ていただきたいのですが、先生方は十分御存じだと思いますが、現在の治療実態としては、アトピー性皮膚変は皮膚のバリア機能異常(かさかさ)と炎症・免疫応答異常(赤み、ぶつぶつ)、さらには痒みとひっかきが相互に関係しながら発症し経過します。したがって、治療は、皮膚の乾燥に対する保湿スキンケア、2番目として炎症(赤みやぶつぶつなど)に対するステロイド外用薬を中心とした抗炎症外用薬の外用、3番目として悪化因子の検索とその対策が基本になっております。そういった基本的な治療をしないと、次に記載してございますような生物学的製剤などの高価な薬を使わざるを得ないような状態になる恐れがあります。
そういった意味でも、OTC類薬を保険から外さないで、しっかりとした保湿、即ち、標準治療に基づいた治療をしたいということです。新しいガイドラインにおける診断治療アルゴリズムでは、主治医としっかり相談し、自分に合った治療薬を主治医とともに選択すること、そして、一緒に治療ゴールを目指して治療を実践することが何よりも重要であると、九州大学皮膚科の中原教授より御寄稿いただいております。
まとめさせていただきます。資料の12ページでございます。
OTC類似薬の保険除外は、アレルギー疾患の標準治療に使われる薬剤・保湿剤には適用しないこと。
1番目、経済的な負担。先ほどから他の参考人の方から言っていただいておりますが、中等症・重症のアレルギー患者の治療は長期にわたり、経済的な負担がさらに増大し、疾病負荷の問題になります。特にこども・低所得者層の治療において家計への負担が深刻化します。
2番目、治療に及ぼす影響。標準治療の継続が困難となり、アレルギー難民が増加し潜在化する。治療薬(保湿剤を含む)の選択・把握が難しく、賦形剤・基剤等によるアレルギー特定原因の発見が遅れる。主治医と相談し、自分に合った治療薬を主治医とともに選択し、一緒に治療ゴールを目指す治療実践へ悪影響すると考えております。
3番目といたしまして、医薬品の安定供給と品質確保の観点からです。現在、医療用医薬品は、先発医薬品と後発医薬品に分類され保険収載されております。しかしながら保険医薬品から外れますと、保険収載医薬品としての義務が課されなくなります。
保険収載品ということになりますと、当然ながら医薬品の安定供給義務が生じます。一方、一般用医薬品となりますと安定供給の義務はなく、企業の意思で製造中止できます。医薬品の安定供給という面が危惧されます。もう一つは品質に問題が生じないかということです。過去に一般医薬品として製造過程などでいろいろ問題になっています。後発品企業としても品質問題等が出ております。果たして保険から外したときに質の担保ができるのかということが非常に気になっております。
それと、保険適用になっておりますと、当然ながら、適正使用の推進等へ支障がないように義務づけられています。よって、保険外となると国民の健康と福祉に重大なる影響を及ぼす可能性があると思います。
これらの点を踏まえまして、制度改正に当たっては当事者である患者の声を適切に反映していただきたいということと、最後に、アトピー性皮膚炎や喘息は疾患を持つことだけでも日常生活、社会生活に患者の負担が大きい疾患です。さらに経済的負担が増えることは、患者をさらに追い詰めてしまいます。特にアトピー性皮膚炎は死なない病気ですけれども、死にたくなる病気だということを委員の先生方にぜひ知っていただきまして、御検討いただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、COMLさんのほうからよろしくお願いいたします。
○山口参考人 ささえあい医療人権センターCOMLという認定NPO法人で理事長を務めております山口でございます。
私は、資料1-3に基づいて発表したいと思います。
1ページと2ページ目は団体の概要を示しておりますので飛ばしまして、3ページを御覧ください。
私たちは1990年から35年にわたって活動してまいりました。特に、日常の活動の柱が電話相談ということで、1本に平均40分をかけての相談をこれまで7万2000件近くお聞きしてきております。特定の疾患を対象にした団体ではございませんので、患者支援団体ということでこれまで活動しておりまして、多くの生の声を通して、患者の意識の変遷、あるいは本音、受診行動、そういったものを理解していると思っております。
4ページを御覧ください。
まず、保険診療の基本ルールですけれども、私たちは国民皆保険制度の下、保険料を支払って、病気やけがで医療を受けるときには保険診療が受けられる。これが前提だと思っています。ですので、一律にOTC類似薬を保険適用から外すことになると、この基本ルールから外れると考えています。
もう一つ、この問題の様々な議論、あるいは報道等を拝見していますと、2つの議論が混在しているように思っています。まず1つ目としては、OTC類似薬を保険外にして、患者自身にドラッグストアなどでOTCを買ってもらうという議論と、これまでと同じように処方はするけれども、OTC類似薬の保険適用の一部負担を見直す、この2つの議論が混在しているように感じていますので、ここは整理して考える必要があるのではないかと思っています。
まず前者のほうです。OTC類似薬を使っている場合は医療用医薬品の処方をしてもらえなくて、患者がドラッグストア等で購入する。先ほどもいろいろな試算が出ておりましたが、この試算もその考えに基づいて行われている財源の試算ではないかと思います。
こういった患者がOTCを独自に購入することになると、費用が高くなることは容易に患者はわかりますので、中にはこんな高い薬は買えないということで購入しない患者が出てきて、そもそも治療というものが成立しなくなってしまう。そういったことも起こる可能性は決して少なくないと思っています。そうしますと、症状が悪化して、さらに高い医療費が必要な治療が必要になってくることもあるのではないかと危惧いたします。
そして、もしドラッグストア等で医薬品を患者が購入するとすれば、例えば、ほかの医療用医薬品は何を飲んでいるのか、OTCは何を使っているか、そういったことをドラッグストアの方が総合的に把握していない中で、飲み合わせや相互作用についても、薬剤師や登録販売者が適切に相談対応することはできないと思います。
そして、用法用量なども異なりますので、患者の自己判断で量や服用頻度を変えてしまう可能性もあると思っています。
次に6ページですけれども、どの範囲でOTC類似薬を決めるのか、これを病名あるいは病状で線引きすることは恐らく困難であろうと思っています。
それから、医療用医薬品とOTC医薬品では、成分が一部同じということになっていたとしても、OTCの場合は配合薬などもありますので、効能効果だけではなくて、成分や用量が異なりますので、一くくりに同じだと判断できないと思っています。
そして、今、超高齢社会で複数の慢性疾患を持っている高齢者も増えていますので、他の科でこの患者さんがどんな薬を服用しているのかということが一部OTCになることで把握できなくなって、ドクターの診断あるいは治療上の判断が適切にできなくなる。そういったことも生じかねないと思います。
そして、東京あるいは都会では簡単にドラッグストアに行けると思われていますけれども、近隣に薬局がない地域もございますし、インターネットで購入すればいいではないかといっても、御高齢の方の中にはインターネット購入ができない方もいらっしゃる。つまり、購入の利便性の地域差・個人差があるということで、先ほど2つの議論と申し上げた前者については私はかなり危険だと思って、最後の7ページですけれども、提案をさせていただきたいと思います。
まず、前者でお話ししました、医療用医薬品の代わりにOTCを患者がドラッグストアで購入するとなると、患者が使用する薬はOTCです。そうすると、医師の管理下を離れてしまって、成分や用量が異なる、利便性の差があるなど、非常に問題が多いかと思います。
そして、もし患者の負担を少しでも増やすことで財源を確保しないといけないということになるとすれば、後者である、OTCにもあるようなOTC類似薬の保険負担を検討する。こういった場合には、患者が使用するのは医療用の医薬品です。これがとてもポイントになるかと思っています。
そうすると、医師の管理下で安全性は保たれますけれども、ただここで、保険外併用療養費制度の選定療養のように10割としてしまうと患者負担が重過ぎると思いますので、OTC類似薬である医療用医薬品について追加負担を求めるとしても、患者負担が重くなり過ぎないような配慮が必要ではないかと思っております。
以上です。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンにてお知らせいただければ幸いです。いかがでございましょうか。
城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
4名の参考人の皆様、本日は御説明ありがとうございました。
OTC類似薬の保険給付については、これまでも様々な方面から保険給付の対象から外すべきという御意見も多くあるわけでございますが、これに関しましては、本日の各患者団体の皆さんの御発表にもありましたように、例えば高額療養費制度を使っておられる患者さんとか、難病やアレルギー、慢性疾患の患者さん等、実に様々な患者さんにとってはOTC類似薬の保険適用の除外によっての経済的な負担の増という影響は大変大きくなるということがしっかりと実感できたということであろうと思います。
また、山口参考人の資料の5ページや6ページにも示していただいておりますが、健康の悪化、健康被害等、多くの諸課題については、これまでも我々のほうも本部会において繰り返し述べてきて、OTC類似薬を保険から外すことによっての大変大きな問題点であろうと思います。
さらに、我が国はヘルスリテラシーが決して高くないという現状において、OTC医薬品と医療用医薬品というものの違いを国民の方がどれだけ御理解をされていて、そして利用されるのか、こういうことも大変大きな問題としてあろうと思います。
これらを勘案いたしますと、本日の参考人の方がおっしゃっておられるように、OTC類似薬の保険適用除外は行うべきではないだろうと思いますし、また、一部の区分適用の除外ということに関しても、技術的な問題もありますし、先ほどお話ししましたように、患者さんの病気や疾患等だけではなくて、個々人の状態によってその影響というものが変わるということを考えると、テクニカルにも区分適用の除外も行うべきではないだろうと思います。
その中で、現在、この部会で議論しております医療保険制度の持続可能性の観点から、自己負担の見直しということに関しましては、OTC類似薬を保険給付の対象のままとすることで、かなり低い価格で薬剤を購入することができるということを踏まえた上で、なおかつ、平成14年の改正健保法の自己負担割合を維持しつつ、患者さんの御負担が重くなり過ぎないような制度設計がどのようにして行われるのかということに関して、本日、参考人の方が御提案いただいたものを踏まえて今後慎重に議論していくべきであろうと考えた次第でございます。
私のほうからは以上です。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
それでは、實松委員、よろしくお願いします。
○實松委員 全国後期高齢者医療広域連合協議会の實松です。
私のほうからは、後期高齢者の方々の声を少し発表させていただければと思います。
まず、後期高齢者の方々からは、薬局の薬剤師が自分の症状を十分に理解してくれるのだろうか、やはり医師の処方が前提ではないのだろうかという声をいただいております。
また、OTC類似薬品を薬局で購入しようとしたときに、例えば、これまで近くの薬局で薬を買ったりしていましたけれども、近くの薬局で安定して購入できるだろうか、そういった声もいただいております。
さらに、仮にOTC類似薬品を保険適用外とするのであれば、先ほど全がん連ほか各団体から話がありましたように、薬の効果効能に着目するだけでなく、人に着目をして患者負担の軽減を図ってほしいといった意見をいただいておりますので、そういったことを踏まえ慎重に御検討いただければと思っております。
以上でございます。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
本日は、患者団体の皆様から貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
お話を伺いまして、OTC類似薬を一律に保険給付から除外することについては、健康被害や治療への影響など、懸念点を改めて認識しているところでございます。
保険給付の在り方を見直す場合には、本日御指摘のあったお子さんや慢性疾患を抱える方々への配慮を含め、必要な医療へのアクセスの確保と消費者への安全を第一に考えた対応が必要でございます。
しかし、一方では医療保険制度の持続性というものも考えなければなりません。それには、重篤なリスクについては制度で支え、軽微なリスクについてはセルフケア、セルフメディケーションで対応していくという方向が求められるのではないかと考えております。
例えば、今現在、処方箋には後発品可能というチェック欄が設けられておりまして、医師の裁量、あるいは患者さんの御希望によって後発品が処方されるケースがございます。それと同様、例えば、OTC可能というチェック欄を設けていただいて、医師の裁量、患者さんの御希望によって選択可能とする方法をまず試していただいたらいかがかと考えます。特定の薬剤が必要で、代替が不可能な場合は、チェックをせずにそのまま処方していただき、現場で今までどおり薬剤を処方していただく。そうでもない場合は、調剤薬局、ドラッグストア等、OTCへの代替を促せばよいと考えております。
また、過去、医療用医薬品とOTC医薬品との価格差についての資料を提示いただいておりますが、医療用と同じ成分のスイッチOTCの場合、価格が高くなるので、どうしても価格差が大きくなりますが、例えば、同じ薬効群、同じ効能効果でも、スイッチOTCでない場合、一般のOTCの場合でも十分対応が可能な場合があるわけでございます。例えば、コロナ禍で逼迫した場合、一般のOTCで対応したというケースも大変多く聞いております。
逆に、ジェネリックが処方されることが前提で受診した結果、ジェネリックがなく先発品が処方され、かえって負担が高くなってしまったケースもあると聞いておりますので、一般のOTCをうまく活用することによって価格差は相当埋められるのではないかと考えております。
また、スイッチOTCを活用したセルフメディケーション推進は重要ですが、特に安全性の観点から、専門家による適切な指導体制の構築、特にマイナンバーの活用によりOTC医薬品の購入履歴と処方薬の薬歴管理を一元化するなど、環境整備をセットで検討することが重要だと考えております。医療保険制度改革全体の中で丁寧な検討をお願いしたいと思います。
以上であります。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
本日、患者団体の方々の御意見を伺わせていただきましてありがとうございます。
これに関しましては、以前から申しておりますように、薬剤的側面から見ても、医療用医薬品をOTC医薬品にとって替えるというのは、適応から見ても、流通から見ても厳しいということは申し上げているとおりであります。
今回の御意見は、様々な病気を抱える多く患者の方々の状況を十分に配慮して、類似のOTC医薬品が存在する医療用医薬品の保険給付の在り方という部分に関しては、丁寧に議論していくものと思っております。ありがとうございました。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
では、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 ありがとうございます。
大変貴重なお話を患者団体の皆様から伺うことができて、ありがとうございました。
お話を伺って、以前から考えていたことをさらに強く思ったのですけれども、OTC医薬品については保険適用とした上で患者負担を変更するというやり方のほうがより弊害が少ないのではないのかなと思いました。例えば、高額療養費制度の対象となっている方とか、難病患者の方とか、そういう方の負担を軽減することもできます。あとは、薬剤の入手可能性とか、いろいろなことを考えても、そちらのほうがより移行しやすいのではないかと考えました。
それから、OTC類似薬というのが結局何を指すのか、どういう薬剤が具体的に対象になっているのかということが分からないと議論が難しいと思います。例えば、先ほどのお話にもありましたような、ステロイド外用剤のようなセルフメディケーションが比較的難しいと考えられるような薬剤もあるので、そういったものとOTC医薬品で代替しやすいものでは議論が異なってくると思うので、具体的にどういった薬剤を念頭に置かれているのかということを明らかにしていただきたいということがございます。
それから、これはOTC類似薬の議論からは少し離れてしまいますが、重篤な疾患とか、直ちに命に関わるようなものではなくても一生治療が必要な疾患を患っている患者さんへの経済的支援です。そういう方は就労も一部制限されるとか、日常生活も、例えばいつもエアコンを強くかけていないと汗をかくと大変なことになるとか、車の運転に支障があるとか、いろいろな困難があると思うので、そういう方には医療給付だけ手厚くするというのではなくて、むしろ現金を支給するという形で、様々な形で生活に役立てていただけるような経済的支援が必要ではないかと思いました。
それから、受診抑制の危険性から受診機会の確保の必要性というお話がございまして、それはもちろんそのとおりだと思うのですけれども、受診機会確保ということでは今一番日本で問題になっているのは医師の偏在によって近くに医療機関がない方がいることではないかと思うのですね。医師の偏在対策のためにはお金が必要です。そうすると、OTC類似薬の患者負担を、特に患者が負担可能であって弊害が少ないところで始めていけば、そこで財源をつくり出すことができて、医師の偏在対策に充てることもできるのではないかと思います。
他にも受診機会確保ということで言いますと、お金だけではなくて、お金以外の問題がすごくあるように思うのですね。例えば、夜間とか日曜とか祝日とか、そういうときでないと受診が難しい方をどうするのか。あとは、医師会会合が行われる曜日で地域の多くのクリニックが閉まって、診察が受けられないという問題をどうするのか。非金銭的なアクセスの問題というのも非常にありますので、そういったところを全く議論せずに、医療費の患者負担の議論のときにだけ受診抑制のことが問題になるというのは一面的な議論であると感じます。受診抑制の危険性ということを議論する場合には、今までどれだけの受診抑制が起こって、どれだけの弊害が起きているのか、エビデンスを示して議論することが大事ではないかと思いました。
以上です。ありがとうございました。
○田辺部会部会長 ありがとうございました。
ほかはいいかがでございましょう。
では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 今日はいろいろ勉強させていただいてよかったと思います。
OTC類似薬ですが、前回の部会にも事務局からお示しいただいたように、類似薬というので、これはほぼ同じですが、全く同一ではないのですね。中に含まれている成分などについて詳しく説明いただきましたけれども、市販薬の場合にはほかにもいろいろ入っていて、直接治療に関係ないような成分が入っているということで、これは軽々に保険適用から外してはいけないのだということを痛感させられました。
もう一つ、患者負担の問題として気になるのは、OTC類似薬を保険から外してしまうと、保険適用の医療費全体が減ってしまって高額療養費の対象にもならなくなる可能性もあるわけですね。そうすると、ますます患者さんの負担が増えてくるということなので、この辺をどう考えるか。
それから、保険適用から外してしまうと、現在、例えばマイナ保険証で医療データをデータベースに入れるということが進んでおりますが、市販薬を買った場合にはそこにデータとして入らなくなってしまうおそれがあります。せっかくマイナ保険証を使って、その人の医療歴をずっと継続的に把握できるというシステムをつくりつつあるにもかかわらず、それから外してしまうと、生涯にわたる患者さんのデータを把握できなくなるおそれもある。
今日、天野参考人と山口参考人から、保険対象としつつ患者負担を増やしてはという提案があって、なるほどと思ったのですが、これは具体的にどういうことをお考えになっているのでしょうか。不可能ではないと思うのですけれども、この辺はかなりややこしいことになるのではないかということで、天野参考人、山口参考人にどんなことを考えていらっしゃるのかをお聞きしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 それでは、よろしくお願いします。
○天野参考人 御質問ありがとうございます。
私は専門家でもございませんので、まさにこの部分については医療保険部会あるいは厚生労働省の方々に御検討いただく部分かと思いますが、技術的なところで何らかの困難が生じる可能性はもちろんあるかとは思いますが、海外の事例等もございますので、薬剤によって負担割合を変更するという可能性はあり得るかなと思って先ほど申し上げましたが、公的保険の給付から完全に外してしまうとあまりにも弊害が大きいので、それよりはという次善の策ということで御提案申し上げた次第です。
○田辺部会長 では、お願いいたします。
○山口参考人 御質問ありがとうございました。
恐らく私が拝見した中ではこちらの医療保険部会の中でも出ていた御意見ではないかと思うのですけれども、保険外併用療養費制度というのがございます。普通であれば、保険と自費が混在すると混合診療ということになって認められていないわけですけれども、保険外併用療養費制度においては、普通は自費なのでそこは10割になると思うのですが、10割をそのまま適用してしまうと患者さんの負担がかなり重くなりますので、OTC類似薬の部分について、例えば、3割の方であったら3割負担分プラスアルファみたいな感じのイメージで発言いたしました。
○田辺部会長 ありがとうございます。
袖井委員、よろしゅうございますでしょうか。
では、武川参考人、よろしくお願いします。
○武川参考人 武川でございます。
私から一言お話をしたいと思います。
昭和36年に国民皆保険制度になって、その際、本人負担は3割ですけれども、家族負担は5割であった。そういったところから、12年後に見直しがあって、高額療養費制度が導入されたやに聞いております。
そのときの生活レベルというものがどういう実態であったのか、高度成長に向かっている際の患者負担というものを考えたときにも、その辺のところを考えていただきながら、より緻密な議論をしていただければありがたいなと思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。全国がん患者団体連合会、日本難病・疾病団体協議会、日本アレルギー友の会、ささえあい医療人権センターの皆様方におかれましては、本日は御出席を賜り、また非常に貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。御礼を申し上げます。こちらで御退室して構いませんので、よろしくお願いいたします。
(患者団体退室)
○田辺部会長 次に、「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
○佐藤課長 保険課長でございます。
お手元の資料2をお開きください。「医療保険制度における出産に対する支援の強化」ということで、時間も限られておりますので要点を絞っての御説明となりますことを御了承いただければと思います。
1ページ目は、前回の10月23日の医療保険部会にお出しをしました「今後の議論の進め方」ということで、年末、冬頃に向けて給付体系の骨格に関する取りまとめ、それに向けて議論を深めていただきたい、こういうスケジュールでございます。
2ページ目以降、前回いただいた主な御意見でございまして、事務局のほうで整理をさせていただきました。議論の進め方に関しては、基本的には御異論はなかったと思っております。
給付体系の在り方に関しましては、周産期医療の安全性を維持していくことが一番重要なのだということや、あるいは今、一次施設は大変経営状況が厳しい、そこが機能しないと大変なことになるので、しっかり守っていくのだという観点から議論を深めるべきではないか。また、三次施設という観点からも、一次施設を守っていくことが大変重要であるというような御意見。また、産科医療機関は自由診療で行っておりますので、今ある産科医療機関がしっかりと継続できるような議論が必要ではないかとか、そういう御意見がございました。
3ページ目に関しても、同様の観点の御意見をいただいております。他方で、上から4つ目、5つ目辺りには、周産期体制の確保は国としての体制の問題であるので、公費と保険料の負担の在り方についてもよく議論すべきであるという御意見、あるいは助産師に関する御意見、また、医療の質の向上と標準化の観点から検討すべきではないか等々の御意見もございました。
4ページ目でございます。「標準的な出産費用」をどういうふうに考えていくのかということについては、データに基づきながら議論が必要ではないか、見える化を前提とした上で検討していくべきではないか、あるいは無痛分娩の話もございました。
それから、4ページ目の真ん中でございますけれども、妊産婦の多様なニーズに対する環境整備ということで、ここも見える化、妊婦当事者の立場からするとこれが安心感や納得感につながる、こんな御意見がございました。
こういう前回の御意見を踏まえまして、5ページ目、6ページ目に、「本日ご議論いただきたい事項」ということで、事務局のほうで論点を整理させていただきました。
まず5ページ目でございます。大きな論点の1つ目、「給付体系の在り方について」でございます。グレーにしてございますけれども、「前回の議論では」と書いてある部分は今申し上げた部分になりますので、細かいところは捨象いたしますけれども、多岐にわたる御意見を頂戴いたしました。
こういう御意見を踏まえまして、5ページ目の下に2つかぎ括弧で囲っている部分がございます。まず1つ目、<給付体系の在り方について>という部分でございます。現在は、出産育児一時金という、これは現金給付の仕組みでございますけれども、標準的なケースで妊婦の自己負担が発生しないような給付方式の在り方についてどのように考えていけばいいだろうか、この点について御議論を賜りたいと考えております。
それから、5ページ目の一番下でございますけれども、<給付の内容について>ということでございます。現実問題として、出産費用に地域差とか施設の差がございます。また、産科医療機関の経営状況等も踏まえながら、給付の内容とかその後の検証の在り方についてどういうふうに考えていけばいいだろうかという点について御議論いただければと思っております。
6ページ目に◆が2つございますけれども、「『標準的なケース』の範囲について」ということでございます。こちらについては、先ほども御紹介申し上げましたけれども、データが必要ではないかという御意見。こういうことを踏まえた上で、箱の中に書いてございますけれども、新たな給付体系が射程に入れるべき「標準的なケース」をどう考えていけばいいだろうかと。「特に」ということで、多くのケースでは出産に伴い、軽微なものも含めて何らかの医療行為(保険診療)が行われておりますけれども、これについてはどう考えていくべきか。また、個室料とかお祝い膳、写真撮影、足形、エステ等、出産に付随するサービス、前回の部会では「アメニティ」という言い方もございましたけれども、その部分についてどう考えていけばいいだろうかという点について御議論を賜ればと思っております。
6ページ目の下半分でございます。「妊婦自身が納得感を持ってサービスを選択できる環境の整備について」でございまして、そういう環境を整備するためにはどういう方策が考えられるだろうか、出産に付随するサービスの内容とか費用についての予見可能性をさらに高めていって、御自身が納得してサービスを選択いただけるような環境を整備するための方策についてどういうものが考えられるのか、こういう点について御意見を賜れればと考えております。
7ページ目以降は、基本的には前回お出しした資料でございますので、紹介は新しい資料のみにとどめさせていただきます。
15ページ目まで飛んでいただきます。「分娩から産後入院の経過の一例」ということで、もちろん分娩というのは一件一件ケースが違うわけでございますので、あくまでも一例ということで、当然これが代表例ではございませんけれども、正常分娩の場合と帝王切開の場合ということで、いろいろなパンフレットとか私どものヒアリングを基に、事務的にこういうものが考えられるのではないかということで整理をしてみました。
ケース1は正常分娩のケースで、妊娠40週の妊婦に陣痛が来たということで入院をされて、翌日に経膣分娩、5日目まで入院されて退院されたというケースをケース1ということで一例という形でお示しをしております。
ケース2は帝王切開ということで、帝王切開の場合には入院期間が若干長くなるわけでございますけれども、例えばこういうケースが考えるのではないだろうかということでお示しをしております。
ケース2のほうに黄色の枠がございますけれども、ここに関しては保険診療の部分であります。ほかにも当然いろいろなケース、いろいろな保険診療を使われるケースがおありかと思いますけれども、これはこういうケースということで一つ作ってみましたというものでございます。
16ページ目、「分娩に係る療養の給付の推計」でございます。分娩に関連する療養の給付、診療報酬を算定しているケースも往々にしてございます。これは、全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽから提供された直接支払制度専用請求書のデータとレセプトのデータを突合して推計をしたものでございます。
そうすると、16ページ目の左側の真ん中に「療養の給付の概算」とございますけれども、協会けんぽの欄と全国規模換算という欄がございます。協会けんぽの場合には、件数が30万件弱でございますので、全体の半分弱を占めるわけでございますけれども、30万件ぐらいあって、療養の給付額の合計が619億円ございました。これを割り返して全国規模の推計を機械的にしただけでございますけれども、そうすると、分娩に係る療養の給付は大体1432億円ございました。正常分娩で103億円、異常分娩で1328億円でございます。正常分娩の場合にも、入院前に例えばインフルエンザの検査というケースがございますので、そういうケースが該当するわけでございますけれども、こういう状況でありました。
16ページ目の右側に「診療報酬算定金額の分布」ということで、これは医療費ベースでございますので、患者負担の金額のベースではございませんけれども、左側に一番高い棒グラフが寄っておりますけれども、1円から5万円の部分が一番高い割合だと思いますが、こういう分布になっているというものでございます。
少し飛ばしまして19ページ目でございます。「出産なび」に関しては、前回も御紹介申し上げましたけれども、これは産科医療機関の皆様、また助産所も含めて関係の皆様に多大なる御協力をいただいて情報開示が無事に進んでいるわけでございますが、他方で、「出産なび」の掲載項目はいろいろとございますけれども、掲載情報は必ずしも全てのサービスが掲載されているとも限りませんし、アメニティ等のサービス費用についても掲載されていない。これは現状でございますので、こういうことも踏まえて御議論をいただければと思っております。
事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。
まず、専門委員の方からお願いしましょうか。では、石渡専門委員。
○石渡委員 日本産婦人科医会の石渡でございます。このような機会をいただきましてありがとうございます。
前回も申し上げましたけれども、新たな制度を考えるに当たっては、何よりも全国で46%の分娩を担っているのは一次施設でございます。地域の周産期医療を担っているわけでありますけれども、そういう一次施設を守るという観点から検討を進めていただきたいと思っております。その前提で、本日提示された論点について何点か意見を述べさせていただきたいと思います。
まず、給付方式についてであります。それぞれの一次施設は分娩数が減少する中で、地域で求められる役割、そして妊婦さんのニーズに応じて、様々な経営上の工夫あるいは努力の下に施設運営を行っております。新たな制度においても、こうしたそれぞれの施設の経営上の自由度が確保されるような、硬直的でない緩やかな評価の仕組みが必要であると思います。
妊婦・胎児の状況、あるいは分娩の経過によって、臨床現場で必要となる対応は様々に異なっております。例えば、分娩所要時間だけを見ても、5時間の分娩もあれば、3日もかかるような分娩もあります。この間、医師、助産師、看護師の待機も必要でありまして、医療安全への配慮も必要であります。それらに一つ一つの価格を設定していくことは現実的ではないと思います。病院経営ができることを前提として、なるべくシンプルな形で、分娩を1件やったら施設に幾らぐらい支払われるのかという形がよいのではないかと思っておりますし、また、1分娩について幾ら上乗せするというような考え方もあろうかと思います。
その際、一次施設であっても手厚い人員体制を敷いているところや、あるいは社会的なリスクを持っている妊産婦等の積極的な対応を行う施設など、他施設よりも高く評価されるような仕組みも検討していただきたいと思っております。
次に、給付の内容についてでございます。ローリスクの妊婦を中心に対応する施設でも経営を維持するよう、現在の出産育児一時金よりも上乗せした給付をお願いしたいと思っております。一次施設には公的な助成金あるいは補助金はございません。全く企業努力のみで経営しているわけであります。したがって、一次施設に配慮した給付水準としていただくことを強く要望いたします。
また、少子化がより速いスピードで進行している地方の一次施設は、地域で分娩を続けていく将来の見通しを描けずにいます。都市部だけで優遇するのではなく、お産難民がこれ以上発生しないように、地域で頑張っている先生たちが希望を捨てずに分娩を続けられるように、全国一律でなるべく高い水準の設定をお願いいたします。
ここまでは一次施設の後継者も激減している中で、周産期医療供給体制は崩壊していく危険がございます。今後の少子化のさらなる進行や物価・賃金の上昇を見据え、給付水準については柔軟な見直しを行う仕組みを導入していただきたいと思っております。
最後に、国は安定した地域医療供給体制のために、医療DX、働き方改革、医師の偏在解消、地域医療構想を検討してまいりました。新たな地域医療構想等に関する検討会での議論も進んでおります。2030年までの医療DX完全実装及び地域医療構想の確立まで、少なくとも令和8年度をめどにするのではなくて、分娩費用等無償化あるいは保険化の議論については延長してはいかがでしょうか。
拙速に分娩費用の保険化・無償化による制度を変更することによって、改善はおろか、さらなる悪化が起これば、一気に周産期医療供給体制は崩壊し、お産難民の地方は消滅してしまうと思います。失敗が予想されるような社会実験はできないと考えております。人口減少あるいは少子化対策は、国の存亡に関わる最も深刻な問題であります。まずは出生数の加速度的な減少を食い止め、少しでも好転する施策が必要です。
このような緊急事態には、保険という対応だけではなく、新たな税、例えば、妊娠・出産・育児支援のための税の投入も含めた出産に対する支援制度の創設をお願いしたいと思っております。国民は人口減少を国の存亡の危機と感じております。保険財源だけではなく、新たな財源も考えていただきたいと思っております。
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、亀井専門委員、よろしくお願いします。
○亀井委員 日本産科婦人科学会を代表いたしまして、アカデミアの代表としてお話を申し上げます。
分娩費用の無償化に関しましては、前回申し上げましたように、我々も大いに賛成をいたしております。一方で、今回見直しをされることによりまして、先ほど石渡会長からもお話がありましたような、経営の逼迫した特に地方の分娩取扱一次施設が次々と撤退をして医療安全が損なわれるような形での解決はぜひ避けていただきたいと思います。むしろ、医療安全の向上につながるような制度としていただきたいと思います。
今回配付いただきました資料の中で、佐藤課長からお話がありましたが、標準的な出産費用、ページの5、6でございますけれども、これに関して一言申し上げておきたいと思います。
昨年からの厚生労働省の「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」の中でも申し上げましたけれども、「標準的な」ということは非常に受け入れやすいと一般には思われるかもしれませんけれども、我々アカデミアにとって何が標準的であるのかさっぱり分からない。いまだに分かりません。入院から分娩に至るまでの時間の経過は、わずか2時間で生まれる方もあれば、3日、4日かかる方もおられて、非常にばらつきが多くて正規分布をたどらないのですね。
こういった中で、資料の15ページにあるような「標準的なケース」というのは半数に満たないような感じで、そういった中で標準的な出産費用の定義ということに関して何も出てこない。そういったことに関して我々は非常に疑問を感じておりまして、今後、丁寧な議論を進めていただきたいと思います。一つのたたき台としては了解いたします。
給付の方式につきましても、現在の医療保険財政に限度があることは我々も十分承知しております。ただ、我々の学会のほうで2023年に実施しました大学病院など三次施設を対象とした調査では、分娩1件当たりの経費のほとんどは万全のための待機の人件費になるのですが、これが1件当たり平均約140万円かかります。このことも考慮に入れて検討いただきたいと思っております。
妊産婦さんたちの費用の負担の軽減、地域の安全な周産期医療体制の維持、この両方を実現することが現行の医療保険制度の枠内で困難であるということであれば、単に保険の枠内にとどまることなく、特に体制の維持については国からの恒常的な財政支出も考慮していただきたいと思います。あわせて、施設の人員体制、地域格差も考慮して評価をいただいて議論を進めていただきたいと思います。どうか拙速な結論をお出しになることがないように、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、新居専門委員、よろしくお願いします。
○新居委員 NPO法人manmaの新居です。
御提示いただいた論点について意見を申し上げます。
まず、「標準的なケース」の範囲というところについて申し上げます。出産費用は、これまでも様々な当事者の方のヒアリングからも出ていたとおり、妊娠が分かった段階で真っ先に不安になる子育ての入り口の大きな金銭的負担であると感じています。お祝い膳など、出産を彩る付随的なサービスについては一旦置いておくとしても、まず出産をするという基本的なところについては、全ての妊婦に対して自己負担がないという形にしていただきたいということを改めて希望いたします。
これまでも出産育児一時金というのは繰り返し引上げをされてきましたけれども、それに伴って病院も値上げをするということは妊婦もみんな承知をしているところでありまして、実質的な経済的負担は減らないという諦めが漂っています。これからますます子供が減っていく社会の中で、貴重な一人一人の妊婦を社会全体で支えていくという観点から、妊婦の実質的な経済的負担の軽減に資する形での支援の拡充が必須であると考えております。
次に、給付方式の在り方についてです。現在の出産育児一時金の制度ですと、妊婦が一旦費用を立て替えて、後に50万円が給付されるということを前提としていると思います。ただ、直接支払制度の同意書にみんながサインをすることで病院に直接支払うことが可能になっている、つまり、妊婦が一時的に負担しなくても結果的にはよくなるというまどろっこしい制度になっているなと感じております。
そもそも妊婦の経済的負担であるとか、それに対する不安の軽減という観点で考えると、標準的な出産にかかる費用については、たとえ形式的であっても妊婦が一時的に負担をすることがないシンプルな制度にしていただきたいと思っています。
一方で、これまで一時金の制度の中で50万円かからないで出産ができていた方については、余剰分について子育ての用品を買ったり、入院の際に必要な様々な物を買ったりというところに使えていたかと思いますけれども、今後、標準的な出産が無償化されることになった場合、逆に手元に残るお金が減ってしまう方も発生することについて少し懸念をしています。これまであった支援がそれ以下になることがないようにしていただきたいと思っています。
例えば、余剰が発生した数万円のような金額については、標準的な出産の無償化とは別の枠組みで支援をする、給付をすることもあり得るのではないかと思っています。それにより、例えば帝王切開になった場合であるとか、無痛分娩を希望する方であるとか、様々な出産にかかる経費に補填できると考えています。
最後に、サービスを選択できる環境の整備についてです。標準的な出産費用が全国で一律に無償になった場合でも、病院のサービスやアメニティなどについては一定程度の自己負担が生じることになるかなと思っています。この部分がいつまでも全国的に高額なままであると、せっかく出産費用が無償になっても妊婦の実質的な経済的負担が減らないことを懸念しています。
これらのサービスは、妊婦の出産の体験をよりよいものにしたい、思い出に残るものにしたいという配慮に基づくものであると理解をしていますし、望んでいる妊婦の方もいるかと思うのですけれども、全ての妊婦が経済的な負担を心配することなく出産できる環境整備という観点では、最低でもそれぞれの病院でどのようなサービスがあるのかを事前に網羅的に知ることができて、その情報に基づいて産院を選べるようにすることが必要であると考えています。さらには、費用負担を減らしたい方については、そのサービスを選択しないことができるように併せて配慮が必要ではないかと思っています。
実際に私の友人でも、手厚いサービスは望まなかったけれども、周りの病院は妊娠週数が早い段階であっという間に埋まってしまって、自分が予約をした頃には手厚いサービスがいっぱい盛り込まれたような高額な施設しか空いておらず、そこで分娩をして高額な費用を払ったという方もいました。
こういうような背景から、これを機会に分娩にかかる費用とサービスやアメニティとしてかかる費用について明確に分ける必要があると考えています。その上で、標準的な出産や帝王切開などの医療的な範囲以外に、サービスとしてかかる自己負担の部分については情報を開示することを徹底した上で、希望する人が選び、希望しない人は選ばないような選択肢のある形を併せて実現していただきたいと思っています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、宮川専門委員、よろしくお願いいたします。
○宮川委員 ありがとうございます。
日本助産師会理事の宮川祐三子と申します。前回に引き続き、日本助産師会として医療保険部会に専門委員として出席の機会をいただき、心より感謝を申し上げます。
日本助産師会には、助産所や妊産婦の御自宅等で助産業務ガイドラインを遵守し、安全で安心な出産を提供している助産所356か所が所属しています。
5ページの「給付体系の在り方について」ですが、日本助産師会としては、妊産婦さんが選択した出産場所において、安心して出産ができるための給付の仕組みとなることを強く希望します。妊産婦さんの意思決定が尊重され、出産場所が助産所を含めどこであったとしても不利益を被らないような給付方式や給付内容となることを強く願っております。
また、御自宅等での出産を選択される方は一定数いらっしゃいます。御自宅などでの分娩を望んでおられる方が新たな給付を受けられないとなると不利益を被ることになりますし、無介助での分娩という安全性が担保されない状態での出産の誘因となる可能性があります。妊産婦さんの多様なニーズに応えつつ、安全に出産を行っていただくためには、御自宅などでの出産を支援する出張による助産師の分娩介助が必要であると考えております。
6ページにある「標準的なケース」の範囲について意見を述べさせていただきます。前回も申し上げましたとおり、出産は医療的な安全の確保とともに、助産師によるケアを通じて、妊産婦の不安を軽減し、安心・安全な分娩に導くことも重要だと考えております。そのため、「標準的なケース」の範囲には、分娩時のケアや入院・入所中の育児指導などの助産師によるケアも一定含めていただくようお願いいたします。
また、正常分娩であっても分娩の状況は様々です。先ほど先生方もおっしゃっておられましたけれども、分娩の所要時間が1時間以内の方も1日以上の方もいらっしゃいますし、日中も夜間もあります。「標準的なケース」の範囲の検討に当たっては、こうした出産の多様性を十分に踏まえていただくようお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 ありがとうございます。
退席する関係で先に発言させていただきます。
標準的な費用に関連しては、資料等にもありますように、現在、地域とか施設によってばらつきがあるわけですので、これまで進めてきた周産期医療体制といったところの関係も意識しながら考えていく必要があるのではないかと思っております。
また、給付面に関して言いますと、「標準的な」と言った場合には、医学的にも妥当な範囲を明確化した上でとは思いますけれども、これまでの資料でも、残るアメニティ部分、あるいはプラスアルファ部分というのは残るわけですので、その辺りは、医療保険の中には例えば付加給付であるとか、あるいは保健事業といったところもありますので、保険者の創意工夫に委ねる、特に昨今、少子化対策あるいは子育て支援といった点もありますので、そういった観点からいろいろな取組も含めて考えていくべきではないのかなと思っております。
また、以前発言しましたように、出産育児一時金ということで育児ということも入っているわけですので、子育て支援といったところも医療保険サイドでも意識していくのがいいのではないかと思っております。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。
連合は、かねてより、希望する人がどの地域であっても安全・安心に子供を産み育てることができる環境整備に向けて負担軽減措置を講じつつ、正常分娩も含めた保険適用を求めてきたところですので、給付方式の在り方については、基本的に現行の出産育児一時金を廃止し、現物給付で対応されるべきと考えています。
保険適用とすることで、窓口自己負担が増加しないよう、公費から別途負担軽減を行うことも必要と考えています。
給付内容については、地域や施設など、費用の差の要因は何かなど、より詳細は検証する必要があると思いますが、保険適用という観点からは一律とし、周産期医療の提供体制をいかに確保していくのかという点については、税と保険の性格の違いを踏まえた議論が必要と考えています。
続いて、「標準的なケース」の範囲については、データを踏まえた検討が必要であり、妊婦がニーズに応じた出産施設を選択できる環境整備に向けても、提供内容や費用の透明化、見える化を進めることが求められます。
資料の19ページにあるとおり、「出産なび」には施設で提供されている全てのサービスが掲載されているとは限らない、アメニティ等のサービス費用についても掲載されていないとのことですので、「出産なび」の掲載内容を充実することはもとより、医療機関から保険者や患者へ分娩費用を含む提供内容と費用内訳が分かる明細書の無料発行を義務づけてはどうかと考えています。
なお、個室料などについては、自己の選定による特別の療養環境の提供に当たると考えますので、選定療養の対象とすることとして検討されるべきと考えます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、任委員、よろしくお願いいたします。
○任委員 ありがとうございます。
妊産婦が安全・安心に希望に応じた出産ができるためには、全国どの地域においても、どの分娩を取り扱う医療機関、助産所であっても、妊産婦が自己負担なく標準的なサービスを受けられるような給付体系としていくことが重要だと考えます。
その際、「標準的なケース」をどう考えるかについては、いわゆるアメニティの部分と、医療サービスや助産師によるケアを提供するために必要な部分とは分けて考える必要がございます。医療的な介入が不要のまま無事に出産を終えられることが最も望ましく、分娩施設では日々そのための支援もしておりますが、妊娠・出産の特性上、医療行為が突然必要になる場面が必ずございます。日本の周産期医療の安全性を維持していくという観点から、そうした医療行為や助産師によるケアについて適切に対応できるための人員・設備等の体制については、「標準的なケース」の範囲に含めて考えていく必要があると考えます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、前川参考人、よろしくお願いいたします。
○前川参考人 ありがとうございます。
論点に示されております「標準的なケース」での妊婦の自己負担が発生しないように、給付方法の検討に当たっては、保険者の財政運営に支障が生じないよう十分な配慮をいただきますようお願いいたします。
また、地域での周産期医療提供体制の確保など、様々な課題があることから、医療保険部会のみならず、関係する審議機関なども含めまして検討していただき、拙速な議論とならないよう、関係者の理解を得た上で丁寧に検討を行っていただきますようお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
それでは、5ページ、6ページの論点に沿って幾つかコメントを申し上げたいと思います。
まず、5ページの給付方式の在り方でございますけれども、出産費用は年々上昇している現状を考えますと、出産育児一時金を引き上げて対応するというこれまでの手法、すなわち現金給付では限界があることは明らかだと思います。そういう意味で、「標準的なケース」での出産費用に給付を行うという点、また、妊婦の方にとって分かりやすい仕組みとするという観点からは、給付方式は現物給付とすべきだと考えております。
また、出産にかかる自己負担を無償化する方向性はもちろん理解しておりますけれども、その場合でも自己負担部分の財源には公費も含めて検討いただきたいと思います。
同じく5ページ目の給付内容についてですが、資料に記載の「地域差や施設差がある現状」という表現に関して申し上げますと、現在の医療保険制度との整合性を図る観点からも全国一律とすべきだと考えます。
その次に、「産科医療機関の経営状況等も踏まえつつ」という表現がございますけれども、産科分娩機関をどう維持をしていくのかというのは重要な課題ではありますが、今まで申し上げていますように、これは国としての体制の問題として捉えるべきであって、出産に対する給付体系の見直しとは切り離して、要は保険料財源によるのではなくて、税財源も含めて別途解決策を考えるべきだと考えております。
また、給付の内容については、妊婦の選択によらず提供されるケア・サービスに限定して、その後の検証を行うことを前提とした分かりやすい内容にすべきだと思います。
次に、6ページの「標準的なケース」の範囲でございますけれども、これは先ほども申し上げましたが、新たな給付体系の射程に入れるべき範囲は、妊婦の選択にかかわらずに提供されるケア・サービスに限定すべきだと思います。この論点の中に記載があるように、軽微なものも含め何らかの医療行為が行われているということでございますが、どのような医療行為をどのような理由で対象とするのか、しないのか、まずはこの整理をお願いしたいと思います。
さらに、お祝い膳やエステ等のアメニティに関しては、本来妊婦の選択で提供されるものだと思いますので、当然新たな給付体系の射程に入れるべきではなく、保険給付の対象外とすべきだと思います。
また、今回論点には入っておりませんけれども、無痛分娩については、実施している医療機関に地域差があること、また、リスクやデメリットもありますので、まずは安全に無痛分娩を提供できる体制整備が必要であって、その上で保険給付の対象にするかどうかを慎重に検討すべきだと考えております。
最後に、一番下の妊婦自身が納得感を持ってサービスを選択できる環境の整備でございますけれども、繰り返しになりますが、出産にかかる費用・サービスの見える化をより一層進めていく必要があると思います。そのためには、分娩を取り扱う機関に対して、ケアサービスの内容や費用のデータ提供・公開を義務づけるべきだと考えており、法律上の位置づけを明確にすることも含めて検討いただきたい。それが消費者にとってのメリットにつながるのではないかと考えます。
最後に、今までもいろいろなところで申し上げてまいりましたけれども、我々としては、標準的な出産費用の中身やその範囲、また保険で給付すべきものかどうか、費用を保険料として負担する側の納得感はやはり重要なポイントになると思いますので、新たな給付体系の検討に当たってはこういった視点もぜひ念頭に置いて検討いただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
田島委員、よろしくお願いします。
○田島委員 全国町村会の田島でございます。
意見を述べさせていただきます。
出産費用の在り方については、地域の周産期医療を維持するとともに、希望する人が安心して出産できる環境とする視点が重要であります。資料の意見にもありますように、一次産科施設の赤字撤退は、町村においては代わりの施設がなく、1つ撤退するだけで妊婦が長距離移動を強いられます。標準的出産費用の設定や給付方式を検討する際には、小規模・一次施設のコストや地域事情を丁寧に反映されることを強くお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。
今回の正常分娩の無償化というのは、非常に重要な話であると考えております。ただ、ここで問題なのは、一次施設の事業承継、息子さんや娘さんが後を継がないというような問題もありますけれども、地域の周産期医療体制をきちんと確保していくということが、以前からも発言しておりましたが、母子保健がきちんとした形で行われなくなれば、大きな社会的問題になってくると思いますので、保険診療で正常分娩を見るということに関しては相当きちんと考えておかなくてはいけないと思っております。どれくらい値付けできるのかということも含めてですね。
それから、アメニティに関しては別立てにしておかないといけないだろうと委員の中からも意見が出ておりましたけれども、ここは選択的にできるということで、保険診療外という形に持っていかざるを得ないのではなかろうかと思っております。
自宅での出産に関しても、きちんとここは安全性を保って一生懸命努力されていますので、そこの評価もきちんとしていくということも重要だろうと思います。
それから、無痛分娩、異常分娩に関しても、きちんとやれるところが正常分娩をやれているわけですから、それらも含めてきちんとした評価を考えていくべきだろうと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 「標準的なケース」というのがどうしても引っかかるのですが、前回御提示いただいた資料でも、出産の半分近くが何らかの医療的処置を必要とするというデータをお示しいただきましたし、最近、結婚年齢が上がってきて、出産年齢も非常に上がっている。それで、高齢出産が非常に増えてきておりまして、医療的処置を必要とする出産が増えてきていることを考えると、何が標準的かということをもうちょっと厳密に考えたほうがいいと考えます。
それから、保険適用するかどうかですが、保険適用にした場合の出産育児一時金をどう考えるか。両方をそのまま残してしまうと、保険者の負担は非常に大きくなってしまうので、この辺りをどう考えるか。私としては明確な回答はないのですけれども、保険適用にするのであれば出産育児一時金は廃止するか、もっと低くするか、その辺りが必要ではないかと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
私のほうからも、論点に沿って何点かコメントさせていただければと思います。
まず、給付方式の在り方についてですけれども、これはもう皆さんおっしゃっているとおりでございまして、出産育児一時金という現金給付の方式から、自己負担のない現物給付の方式に支給方法が変わることになるわけですので、変更した場合に、妊婦さんへ制度の変更の内容を十分に周知して、理解をしていただかなければ、現場でトラブルが発生するということにもなりかねませんので、まずはその点、十分な対応が必要になろうと思ってございます。
2点目、給付内容についてでございます。物価・人件費等の地域差はあるわけでございますけれども、保険診療における国民皆保険の考え方に基づいて全国一律の公定価格にするのがよろしいかなと思います。したがいまして、出産費用につきましては、全国一律の取扱いとして、なおかつ、先ほど島委員もおっしゃっておられましたけれども、周産期体制が瓦解しないような形で、全国の分娩施設が分娩をしっかりと提供できる費用設定が必要になろうと思います。
また、「標準的なケース」の範囲は、確かに皆さん方がおっしゃっておられるように大変難しいかなと思いますけれども、「標準的なケース」はどのようなケースを言うのか。これまで正常分娩に関わる費用は自由診療で行ってきたわけでございますので、各施設はそれに基づいてコスト構造が出来上がっているという状況で、これを踏まえた上で、各分娩施設が納得できる「標準的なケース」の設定がどのように可能なのかということが今後議論の中心になろうかと思います。
軽微な医療行為につきましては、引き続いて保険診療として請求すべきであろうと思いますけれども、その場合にも妊婦さんの自己負担の取扱いについては検討が必要になろうと考えてございます。
アメニティ等に関しては、妊婦さんの選択による自己負担、医療保険でいうところの選定療養的な扱いという形にしてはどうかと考えますが、個室料の扱いにつきましては、全室が個室となっている施設も多くあると聞いておりますので、こうした現状も踏まえた検討も必要になろうと思います。
最後に、妊婦さん自身が納得感を持ってサービスが選択できる環境の整備ということですが、「出産なび」はほぼ100%の医療機関が協力をしているという実態がありますので、この内容をしっかり充実させていくことが現実的ではないかと考えております。ただし、医療機関等に過度な負担とならないように配慮しつつ、妊婦さんが求める情報はどういうものなのかということをしっかりと調査・分析をしていただいた上で、内容の見直しを検討していくべきだろうと考えます。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
本件については、論点についてコメントさせていただきたいと思います。
最初の給付につきましては、9ページの資料にございますように、出産育児一時金の増額後、直ちに出産費用が増額したという点とか、一方で、出産費用の内訳がブラックボックスとなっていることから妊婦さんが納得感を得づらいというような現状を聞いておりますことから、これまでの現金給付の在り方から現物給付に変更していくというのは一つの考え方として保険者としても支持したいと考えております。
給付内容につきましては、医療保険の保険適用の現物給付とする以上、全国一律で取り扱っていただく必要があると考えております。
保険給付の対象については、保険料を負担する方の納得感や保険診療との整合性も踏まえ、出産や母子の健康のために必要な範囲に限るべきというのが原則だと考えております。
出産に伴う医療行為が行われている事例が多いことが協会のデータを分析して判明したと紹介していただきましたが、出産費用の負担軽減の観点から、こうしたケースが多いことを念頭に置く必要があると考えております。その範囲については、出産に係る標準的な医療行為とは何かという観点から、ほかの委員の方からも御指摘がありますとおり、よく整理していただく必要があると考えております。
当然ながら、アメニティに関しては保険の対象外とするべきだということは付言しておきます。そもそも出産の保険適用の議論が始まった経緯の一つに、出産費用とサービスの対応関係が分からない、出産費用の予見可能性がないというような問題意識があると認識しております。現在、厚労省のほうでも取組を進めていただいておりますが、費用とサービスの対応関係が分かるように、出産費用の内訳の見える化ということをさらに進めていくべきであると考えております。特に、現物給付で進めるということであるならば、保険給付の対象とならないサービスについては、妊婦さん御自身で選択できるよう、十分な情報提供が前提となると考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日いただいた意見も踏まえつつ、さらに議論を深めていければと思うところでございます。
専門委員の皆様方におかれましては、御参加ありがとうございました。次回以降の日程は追って事務局から御連絡申し上げます。次の議題に移りますので、本日は御退席いただいて結構でございます。どうもありがとうございました。
(専門委員退室)
○田辺部会長 次に、「医療保険制度改革について」を議題といたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○林課長 資料3を御覧ください。「入院時の食費・光熱費について」でございます。
2ページ、入院時の食費の概要でございます。入院時に必要な食費は、1食当たりの総額と自己負担を国が定めて、その差額を保険給付として支給をしております。下にグラフがございますけれども、所得水準等に応じても異なっております。赤と青の棒グラフの全体が食費の総額、青い部分が保険給付、赤い部分が自己負担となってございます。総額のほうは主に中医協で御議論いただく内容、赤い自己負担のほうが本部会において主に御議論いただく内容でございますけれども、関連する事項でございますのでセットで御説明をさせていただきます。
3ページから4ページが入院時食事療養費の主な変遷ということで、数字だけをまとめましたのが5ページになります。平成6年以降の入院時食事療養費の基準額、自己負担額の変遷をまとめてございます。平成18年以降は1食当たりということで表記されておりまして、金額をそのような形でお示ししております。
6ページが令和6年度以降の診療報酬改定における見直しの内容でございまして、令和6年診療報酬改定で30円、7年の診療報酬改定で20円の総額の引上げが行われました。自己負担についても、所得区分ごとに配慮を行いながら一定額の引上げを行わせていただいたところでございます。
7ページ、入院時の食事の引上げに伴って給食提供について見直したこと、中医協のほうで御議論いただいたときの資料でございます。給食委託費を増額したなどの回答もございますが、引上げ額以上経費が増加をしているため、給食の内容を変えて経費の節減を行った、例えば、食材料を安価なものに変更したといった回答も多くなってございます。
8ページ、委託業務に関しまして、委託事業者から値上げの申出があり、契約変更に対応したとの回答も多くなってございます。
9ページ、食料支出に関する消費者物価指数、いわゆるCPIの動向でございますけれども、2022年頃から食料の伸び、総合の伸びが顕著になってきているところでございます。
10ページが入院時食事療養費に関する条文でございまして、健康保険法の中に食事療養費の額の定め方、標準負担額の定め方についての規定がございます。それぞれ下線を引いている部分となります。
11ページでございます。入院時の食費に係る課題と論点ということで、課題につきましては今申し上げたとおりでございます。論点としては、令和6年6月、令和7年4月の2回の見直し後も、引き続き食材費等の高騰が続いている状況を踏まえ、さらなる入院時の食事の標準負担額の見直しについてどのように考えるかということでございます。
続いて、入院時の光熱水費についてでございます。
13ページ、入院時に必要な光熱水費は、1日当たりの総額と自己負担額を国が定め、その差額を保険給付としております。療養病床に入院する65歳以上の方については、入院時生活療養費の光熱水費において評価をしております。また、一般病床、精神病床、療養病床に入院する65歳未満の方については、入院料の中で評価をしているということでございます。
14ページが入院時生活療養費の光熱水費の変遷でございまして、平成18年9月までは全ての患者について入院料の中で評価をしておりましたけれども、平成18年にこの制度が創設をされました。
15ページが、光熱・水道支出に関する消費者物価指数の動向でございます。こちらのほうも、オレンジ色で光熱・水道費の伸びをお示ししておりますが、年ごとの変動がございますけれども、全体として2020年頃と比べるとかなり伸びてきているという状況になってございます。
16ページ、介護保険における対応でございます。令和6年度介護報酬改定においては、そのときの状況を踏まえまして、居住費の基準費用額を1日当たりで60円引き上げるというような改正が介護報酬の改定のほうで行われたところでございます。
17ページが関係する条文でございまして、生活療養費の定め方、標準負担額の定め方について下線でお示しをさせていただいております。
18ページ、課題と論点でございます。論点のほうだけ読み上げます。近年の光熱・水道費の高騰を踏まえた対応を行う観点から、家計における光熱・水道支出を勘案して行われた令和6年度介護報酬改定による多床室の居住費の基準費用額の引上げを踏まえ、入院時の光熱水費の標準負担額の見直しについてどのように考えるか、こうした点について御議論を賜りたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
本件は中医協のほうでも意見を申し上げておりますけれども、入院時の食費の標準負担額の見直しについては、食材費等の高騰が続いていることを踏まえますと、基準額を引き上げることもやむを得ないと考えます。
以前から申し上げておりますように、食事はどのような方でも必要なものであって、従来から食材費、食費は自己負担額に入るものとして整理をされておりますので、患者負担の引上げになるものと認識をしております。
現場の方が大変な事情にあるということも理解できますが、やはり3年連続の負担増となるということについて、患者の皆さんの理解が得られるように最大限の御配慮をお願いしたいと思います。
また、入院時の光熱水費については、介護保険における対応も踏まえますと、当然低所得者の方への配慮は要りますけれども、基準額の見直しについては異論はございません。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 課題と論点についてですけれども、物価や光熱水費の高騰を踏まえた対応そのものについては理解をいたしますが、この高騰は患者自身の生活にも影響することですので、この間の入院時の食費引上げによる影響がどのように生じているのか、患者への負担増という点も含めて検討する必要があろうかと考えています。
入院時の食事は療養の一環であるという基本は変わらないと思っていますので、入院時食事療養費はどういうものなのかという本質的な議論も行う必要があるのではないかと考えています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、島委員、よろしくお願いいたします。
○島委員 ありがとうございます。島です。
食事に関しては、病院給食の在り方というのが今いろいろ考えられておりますけれども、患者さんにとっては食事は非常に重要な意味を持っております。そして、病院においては疾患別にいろいろ提供する、例えば高血圧の方であれば減塩食とか、そういう特別食、治療食と呼ばれるようなものも作らなくてはならない。そういった中で、いろいろな調理の仕方が現在あるわけですけれども、これだけ食材が高騰してきますと、収支差がマイナスになってくるというところが多くございまして、今の医療の経営状況からすると、人員を減らしてでも収支を合わせようということをやっている施設もありますので、ますます労働環境が悪くなるというのが今の実態になっているようです。
そういうこともあって、今回の改定で累計50円上がりましたので、自己負担が510円まで上がっていますが、さらにここを上げないと経営が続かない、きちんとした食事を提供できないということになれば、患者さんにとっても不幸になってきますので、そういうことは考えなくてはいけないのではなかろうかと思います。
それから、光熱水費に関しても同じように上がってきておりますので、これもある程度上げざるを得ない。金額がどれぐらいかは別にして、そういうことを考えなくてはいけないだろうと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 入院時の食品の基準額についてということで、6ページを拝見しますと、住民税非課税世帯の場合が1食当たり240円、住民税非課税かつ所得が一定基準に満たない70歳以上の場合、1食当たり110円と書いてありますけれども、もちろん治療の一環という性格もございますから、治療食がふだんの食事よりもすごくお金がかかるということであれば保険で負担して、特に低所得者の場合は自己負担があまり大きくならないようにするということは必要だと思うのですけれども、この負担額は、入院していなくて自宅で普通に食事する場合にもこれでは十分に食事ができないような額だと思うのですね。通常の食費よりも著しく低く抑えられているように思います。
そうしますと、そういったケースがどの程度あるかは分かりませんけれども、生活のために入院したほうがいいというようなおかしなインセンティブも生じかねないように思いますので、入院の場合も自己負担額というのは、一般的に自宅で自炊して食べる場合よりも安くする必要はないと思います。110円とか240円というのは低過ぎるのではないかなと思います。
もしこういった額も負担できないほど困窮されている世帯があるような場合は、所得保障をしなければいけないと思いますので、現金給付といった形で生活の保障をしなければいけないことと医療保険の役割は分けて考えたほうがよいのではないかと思いました。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございますか。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
入院時食事療養費につきましては、皆さんもおっしゃっておられますけれども、直近でも令和6年6月、令和7年4月と2回の引上げが行われております。しかし、7ページにございますように、アンケート調査を見ても、この程度では十分ではないという回答が多かったと思いますし、直近、お米の価格も大変高騰している中で、入院時の食事というのは栄養管理も行った上での提供でございますので、それにもかかわらず1食当たり690円というのはコストの限界を超えているということでございますので、引上げが必要であろうと強く求めたいと思います。
光熱水費に関しましても、物価高騰の影響をもろに受けているところでございますので、この辺りもこれまでの引上げと同様の考え方で、この引上げも必要な対応と我々としては考えてございます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
近年の物価高や人件費の上昇などを踏まえますと、入院時の食費の基準額が見直されることはやむを得ないことだと考えております。食費は入院の有無にかかわらず、日常生活においても発生する費用でありますので、低所得者に配慮しつつも、自己負担の適切な反映が求められると思います。また、光熱費の見直しについても特段異論はございません。
一方では、あらゆるコストが高騰しているのは医薬品メーカーにとっても同様でございます。このままでは、国内でつくられる医薬品がさらに減ってしまいます。昨今、カントリーリスクが現実的になっておりますので、安全保障上も医薬品の安定調達については格段の御配慮をお願いしたいと考えます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
皆さん御指摘のとおり、物価の伸びを踏まえますと、今回の入院時の食費や光熱水費の見直しというのは対応せざるを得ないと考えております。
一方で、先ほど佐野委員からもございましたけれども、本来、一般的な食費や光熱費は医療保険の給付対象外であるべきというのが基本的な考え方でございますので、今回も基準額を引き上げるのであれば、全額自己負担額の引上げということで対応していただきたいと考えております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございますしょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日いただいた意見も踏まえつつ、さらに議論を深めていければと思います。
次に、「令和8年度診療報酬改定の基本方針について」を議題といたします。事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○山田課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料4-1「令和8年度診療報酬改定の基本方針(骨子案の概要)」を御覧ください。
1ページは骨子案の概要ですが、今までお示しした資料をまとめたものでございまして、新しい情報はございません。
2ページがスケジュールです。本日11月20日、4回目の議論で骨子案を示させていただきました。この後、11月の下旬に医療部会でも御議論いただきまして、12月の上旬、基本方針を定めていただきたいと思っています。
資料の4-2を御覧ください。
前回までの御議論を踏まえまして、基本方針(骨子案)を示しております。骨子案とありますが、文章の量としましては、最終的な基本方針と同等の分量をイメージして記載しています。
前回までの御議論を踏まえましてより具体化した部分などを中心に御説明します。3ページまでお進みください。
一行目ですが、「人件費、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費」と記載しております。前回までざっくりと書いておりましたけれども、より具体化しております。
4ページの下ですが、「外来医療の機能分化と連携」、5ページに移りまして、「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」、この辺りの記載も具体化しております。
「(3)安心・安全で質の高い医療の推進」の具体的方向性の部分、5ページの下段になります。この辺りもより具体化して記載しております。患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価、アウトカムにも着目した評価の推進、医療DXやICT連携。6ページの質の高いリハビリテーションの推進、この辺りの記載もより具体化しております。
前回までの議論から新たに書き加えたのは7ページの「今後の課題」の部分です。令和8年度の診療報酬改定で対応する部分もありますが、1回の改定では対応をし切れない、さらに取組を続けなければいけない大事な御指摘もこの部会などでいただいております。そういったものを「今後の課題」として記載しています。
1つ目の○ですが、持続可能な社会保障を実現するためには、診療報酬制度のみならず、制度的枠組みや予算措置など、総合的に政策を講じることが求められる。
2つ目の○ですが、現下のような持続的な物価高騰・賃金上昇局面に対応するための支援を報酬措置においても適時適切に行えるよう検討する必要がある。
3つ目の○ですが、患者自身が納得して医療を受けられるよう、政府において、診療報酬制度を分かりやすく、国民に対して社会保障制度の意義等に関する丁寧な説明を行い、理解を得ていく。国民が議論の場へ参加する機会が重要である。
4つ目の○ですが、予防・健康づくり、ヘルスリテラシーの向上、国はこうした取組に向けた環境整備に取り組むことが必要である。
最後の○であります。医療DXへの投資はコストの増加だけではなく業務負担の軽減や医療の質の向上につながるものであるから、その推進により国民の健康の増進などを実現することが必要であると記載しています。
事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら挙手にてお知らせいただければと思います。
では、佐野委員。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料4-2について何点かコメントさせていただきます。
まず、基本認識の中で、骨子案の最初のページのタイトルにも「現役世代の負担の抑制努力の必要性」という言葉がありますが、これは「努力」というよりは「抑制の必要性」という表現にしていただければと思います。タイトルだけではなくて、1ページの本文の中にも「抑制努力」というのがありますので、ここも同様です。最後に気がついたのですが、3のまとめの中でも「抑制努力」という言葉になっていますので、これは努力ではなくて抑制が必要ということでぜひ書いていただければと思います。
それにも関連するのですが、2ページに社会保障制度の安定性・持続可能性の確保についてということがあるのですけれども、最初の○の冒頭に、前に申し上げたのですが、「現役世代の負担が既に限界にあることを踏まえて」という表現を入れることを検討いただければと思っております。
もう一つは、4ページでございますけれども、(2)の1つ目の○の黒丸のところに、これは前から申し上げているのですが、「急性期病院の集約化」という表現を中に書いていただければと思っております。細かい点は以上です。
最後に、今までもずっと申し上げてきたことですけれども、重点課題については(1)~(4)全て重要なので、(1)だけを強調すべきではないということを改めて申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横本委員、よろしくお願いいたします。
○横本委員 私からは、「改定の基本的視点と具体的方向性」の「(1)物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」の記載内容に関して発言いたします。
これまでも、経団連の委員から、改定に当たっては医療機関の経営状況の違いを踏まえ、一律ではなくめり張りのある対応とすべきことを指摘しております。この点をこの箇所に明記いただきたいと考えております。
なお、高市総理は所信表明演説で、現役世代の保険料負担の抑制に言及しております。今回の改定がこの方向に沿った形となるようお願いしたいと思います。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。
基本的視点において、医療従事者の賃上げや業務負担軽減を含む人材確保に向けた取組は不可欠と考えますので、視点1を重点課題とすることに異論はありません。ほかの視点もそれぞれ重要なテーマでありますので、併せて行っていく必要があり、とりわけ高度急性期から慢性期まで機能分化がさらに進むよう入院医療の関係項目を適正化する、かかりつけ医機能に関する項目についても、実績評価への転換を図り適正化することが重要と考えています。
一方で、骨子案の3ページ目、3つ目の○に、「ICT、AI、IoT等の活用推進や、診療報酬上求める基準の柔軟化等」とある部分については、ICT等の活用により医療従事者の業務効率化と負担軽減を行うことは重要ですが、基準の柔軟化によって現場で働く労働者にしわ寄せが行くようなことがないのか、安全性、質の担保の観点からどうなのかという懸念があります。現場の混乱は患者の利益を損なうことにつながりかねませんので、慎重に検討する必要があると考えています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤参考人、よろしくお願いします。
○佐藤参考人 ありがとうございます。
地域の医療機関においては、光熱水費や材料費等の高騰、人件費の上昇等により、病院・診療所を問わず医療機関の経営状況はこれまで以上に厳しくなっておりまして、地域医療は今まさに危機的な状況にございます。
こうした状況を踏まえ、まずは今般の経済対策において、処遇改善や生産性向上、経営の安定化等に向けた緊急的な財政支援を実施していただくとともに、安定的な医療提供体制確保のため、引き続き、社会経済情勢を適切に反映した診療報酬改定となるようお願いいたします。
また、医療分野全体として医療DXの推進が不可欠でありますことから、医療DXを活用する医療機関における運用コストが診療報酬において反映されるよう、十分な対応をお願いいたします。
なお、持続可能な全世代型社会保障実現のため、持続的な物価高騰局面における適時適切な報酬措置について着実な対応をお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いいたします。
退席していた課題についても御発言いただいて構いませんので、よろしくお願いいたします。
○伊奈川委員 どうもありがとうございます。
診療報酬の関係につきましては、以前も発言しましたけれども、国民に分かりやすいということが一つキーワードではないかということで、今回7ページに入っているということは重要な点だろうと思います。
診療報酬は、公定価格ということでありますけれども、負担をしている国民とか被保険者にとって分かりやすいものであることが重要だと思いますので、なかなか実際には難しいかもしれませんけれども、そういう努力をしていくことは重要かと思います。
また、食事療養費、光熱水費の関係を、先ほど席を外しておりましたので発言しておりませんでしたので、一言言わせていただきます。この関係の条文のところを見ますと、「勘案」という言葉と「しん酌」という言葉が入っていまして、一般的にはほぼ同じ意味だと思うのですけれども、同じ条文で使い分けているとすれば、多少ニュアンスの違いがあるのかなとも私は考えております。物価とか賃金というものはある程度客観的なものですので、まさに勘案ということで、上がることもあれば、下がることもあるということが基本だと思います。一方、所得であるとか、病状とか、あるいはその関係の治療内容は医療にとっては非常に重要な点でありますので、そういった点をしん酌して、負担に関しても考えていくことが必要だろうと思います。
具体的には、食事療養費のときにも、以前もそうだったと思いますけれども、低所得者の方とか一定の病気を抱えておられる方に対してきめ細かな配慮をするような形での見直しが必要ではないかと考えております。
以上であります。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 まずは、2ページの重点課題のところに物価高騰等の部分を組み入れていただいたということに改めて感謝を申し上げたいと思います。
これに関連して、今回、7ページに「今後の課題」として、特に2つ目の○の最後の行ですけれども、「報酬措置においても適時適切に行えるよう検討する必要がある」という一文を入れていただいたのは大変ありがたいなと思うのですが、実際に現在の診療報酬改定は2年に一度となってございます。本体改定そのものは、いろいろな検証等も必要であろうと思いますので、毎年実施ということは難しい問題があろうと思いますが、少なくとも物価や賃金の上昇に関しましては、近年、1年ごとに大きな変動をしているという現実がございます。そういう点を踏まえますと、特に、本体改定とは別に、物価・賃金の部分に関しては毎年見直していただきたいという思いがございます。本来であれば、そこの部分に関してのみ毎年改定ということも言いたいところでございますが、適時適切に対応していただけるという文章と読ませていただきたいと思います。
それと、8ページ目の医療DXへの投資の文章でございますが、医療機関等のコストの増加ではなくというのは、理論上はそうなのですけれども、現実はコストになっているわけです。ですから、ここに関しては、この一文に国からのしっかりとした財政支援が必要であると。これは診療報酬改定の問題ですから、そこは補助金とは違う部分はあるのですけれども、この部分も一部報酬で見ていただかないとなかなか厳しい部分がございますので、この辺りをちょっと検討いただければなと思います。
そして、4ページですけれども、先ほど急性期の集約化・重点化というお話がございました。これは将来的には確かにその形で集約化・重点化ということに結びつく必要があるわけですけれども、これは令和8年度診療報酬改定の基本方針でございますので、ここにおいては、現在、病院等において経営状況も大変厳しいということを勘案しますと、ここにその文言を入れるというのは時期がまずいといいますか、時期尚早であると思いますので、そこはコメントさせていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
まず、「改定に当たっての基本認識」について、商工会議所としてこれまで申し上げてきた現役世代の負担抑制、経済成長との両立、DXの推進による効率化と質の維持・向上、医薬品の安定供給の確保などの観点が盛り込まれており、評価いたします。
現役世代の負担につきましては、確かに「抑制努力」とありますが、これはぜひ「抑制」にしていただきたいと思います。それから、経済との関連も、非常に密接な関係があるわけですから、調和ではなく、より強調、明確化していただきたいと考えておりますが、基本的な方向性としては賛同いたします。
また、「今後の課題」に記載されております予防・健康づくりやセルフケアの推進も重要な視点でございます。国民一人一人が自らの健康を自ら守るという意識を持てるよう、診療報酬改定にとどまらず、政府として強力に取り組んでいただきたいと思います。以前申し上げましたけれども、インセンティブよりも感謝、努力した皆さんには感謝を申し上げるという姿勢が大切ではないかと思っております。
また、限られた医療資源を重点的かつ効率的に配分することが必要でございまして、経営の見える化、診療報酬上のめりはりづけ、患者の受診行動の変容といった視点が重要になろうかと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
基本方針をお示しいただきありがとうございます。
私も骨子案について数点コメントをさせていただきたいと思います。
まず、(1)の重点課題とされている部分ですけれども、公定価格で運営されている医療機関・薬局における他産業並みの賃金上昇ができない厳しい状況という部分については、令和8年度の診療報酬改定で対応することが必須と考えておりますので、経済、物価の動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算するとされた骨太の2025の内容をしっかり反映していただきたいと思っています。
(2)に関する部分が4ページのところからありますけれども、ここに関しても、地域医療については、各職種におけるかかりつけ機能の充実とともに、質の高い在宅医療の確保が挙げられています。これは訪問診療と連携した在宅における薬剤管理の部分が入っているかと思いますので、これも十分に機能できるように薬局・薬剤師としての明記もお願いしておきたいと思います。
(3)の「安心・安全で質の高い医療の推進」についてですけれども、これは医療DXに取り組む医療機関・薬局等の機能、体制の構築という部分に対する評価と、電子処方箋システムを一番の下に一部触れていただいているのですけれども、情報の利活用をすることによる医療の質の向上という部分の評価、ここには重複チェックの機能だけが書かれていますけれども、その辺りの情報を活用した医療の質の向上という部分に関しての評価も進めていただければと思います。
次のページのところに、地域の医薬品の供給拠点としての薬局機能の評価の部分が書かれているのですけれども、ここに関しては再三申し上げております、長引く医薬品の供給不安に関する対応はかなりの業務を要してしまっている部分、そこに加えて、納入価格が薬価を超えるという逆ざやの薬品がこれだけ増えてきているという現状に関しては、到底対応し切れないという現場の状況がありますので、ここに関しても十分に考えていただきたいと思います。
私から以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
ほかに御意見等がなければ、本議題についてはこれまでとさせていただきます。本日いただいた意見も踏まえつつ、さらに議論を深めていければと存じます。
ほかに御意見もないようでしたら、本日はこれまでといたします。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡を申し上げます。
本日は、御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。
それでは散会いたします。

