令和7年度 第5回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和7年10月20日(月)14:00~15:29

場所

AP虎ノ門 Aルーム

議事内容

午後2時00分 開会

○佐藤環境改善・ばく露対策室長 定刻となりましたので、ただいまから令和7年度第5回化学物質管理に係る専門家検討会を開催させていただきます。
本日は、大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます、化学物質対策課環境改善・ばく露対策室長の佐藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、濃度基準値の検討、それから、後半には濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法等につきまして検討することとしております。
今回は、開催要綱別紙の構成員名簿のうち、16名の構成員に出席いただいております。このうち、加藤構成員、髙田構成員、津田構成員、宮内構成員、宮本構成員におかれましては、オンラインで参加いただいているところでございます。なお、上野構成員、それから、武林構成員につきましては、本日は御欠席となっております。
本日は会場とオンラインの併用で開催しておりますので、会場参加の皆様は、御発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いいたします。オンライン参加の皆様におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、御発言される場合を除きまして、マイクをミュートに設定いただきますようお願いいたします。また、御発言の際には、あらかじめチャットで御発言希望の旨を入力いただくか、または音声で発言希望がある旨とお名前を名のっていただき、座長の指名を受けてから御発言いただきますようお願いいたします。
なお、議事録を作成し、全ての構成員の皆様に御確認いただいた上で、後日公表させていただきますので、御承知おきください。
また、本日の会議は公開としており、一般傍聴者につきましてはウェブでの音声配信のみとさせていただいております。
それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○城内座長 城内です。よろしくお願いいたします。
それでは、まず、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○佐藤環境改善・ばく露対策室長 本日の資料はお手元のタブレットに格納しております。御確認ください。議事次第、それから、配付資料一覧がありまして、資料につきましては、資料1-1、資料1-2、資料2、資料3-1、資料3-2、それから、資料4-1、資料4-2、そして、資料5でございます。参考資料としまして、参考1から参考3まで御用意してございます。会場にお越しの構成員の皆様方におかれましては、資料に抜けなどはございませんでしょうか。また、オンラインで参加いただいている構成員の皆様にも資料を事前にメールで送付させていただいておりますが、何かございましたら事務局までお知らせください。本日の資料は厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらを御覧ください。
資料の確認は以上でございます。

(1)濃度基準値の検討について

○城内座長 それでは、本日の議事に入ります。
議事1「濃度基準値の検討について」です。本日は10物質について検討する予定としています。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○小永光有害性調査機関査察官 議事1「濃度基準値の検討について」は、資料1に基づきまして小永光から説明いたします。資料1と資料2の説明後、構成員の先生方から事前にいただきました御質問、御意見などを事務局のほうから御説明させていただきます。その御質問、御意見を踏まえていただいた上で個別物質ごとに御検討いただきたいと思います。なお、検討に必要な一次文献につきましてはタブレットの「文献」というフォルダーに格納されておりますので、必要に応じ御確認いただければと思います。
それでは、まず、資料1-1、資料1-2から御説明をいたします。
資料1-1については令和6年度以前の積み残しの濃度基準値設定対象物質検討状況リストとなっておりまして、本日はこのリストのうち、濃度基準値及び測定方法のそれぞれに丸がついている物質について検討を行うことにしております。濃度基準値については、こちらは対象がございません。ゼロ物質となっておりまして、測定方法はこの中に丸がついている4物質について検討いただきます。
また、資料1-2のほうは本年度の濃度基準値設定対象物質検討状況リストになっておりまして、このリストのうち、本日御検討いただく物質は、丸がついている濃度基準値が10物質ございます。また、測定方法が3物質となっております。なお、前回の検討会で保留となっておりました107番のフッ化第一スズについては、先般いただいた御意見を踏まえて、現在、検討中でございますので、今回は審議の対象には含まれておりません。
続きまして、個別の物質について、資料2のほうで御説明をさせていただきます。
まず、1ページを御確認ください。物質名、ジシクロペンタジエニル鉄(別名:フェロセン)でございます。
こちらは初期調査を行っておりまして、八時間濃度基準値として0.1mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、提案の理由としましてはコメント欄の記載のとおりでございますが、まとめとして、動物試験の結果から、鼻腔病変、肝臓への影響を臨界影響としたLOAELを3mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した0.1mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、3ページを御確認ください。物質名はシアン化亜鉛でございます。
こちらにつきましても初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値についてはシアンとして1.5mg/m3を、短時間濃度基準値につきましてはシアンとして4.5mg/m3を、こちらは天井値ですけれども、提案いたします。
こちらは、先にその他のコメントを見ていただければと思いますけれども、この物質につきましては、濃度基準値の根拠に資するシアン化亜鉛、この物質の固有の有害性情報に乏しいということから、シアン化合物と亜鉛の知見を基に導出しております。また、両者の有害性情報を比較して、シアン化亜鉛の換算値として、より低濃度であるシアンの有害性を基に導出をしたというふうになっております。
こちらに基づきまして、根拠論文は記載の2文献となっておりまして、コメント欄に根拠を記載しておりますけれども、シアン化合物と亜鉛の知見から、まとめとしては、ヒトの疫学知見に基づきまして、中枢神経症状と刺激症状を臨界影響としたLOAELを4.2ppmと判断し、不確実係数を考慮した1.5mg/m3(1.4ppm:シアンとして)を八時間濃度基準値として提案するとしております。また、この物質につきましては、水または水蒸気に接触すると遊離したシアンが発生するということで、シアン化水素の影響を防ぐために、こちらもシアンとしてですけれども、4.5mg/m3(4.2ppm)を短時間濃度基準値として、こちらも天井値ですが、提案するという内容になっております。
また、その他のコメントには先ほど御説明した以外のことも記載しておりますので、併せて御確認いただければと思います。
続きまして、シアン化カルシウムでございます。
こちらも初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値についてはシアンとして1.5mg/m3を、短時間濃度基準値としてはシアンとして4.5mg/m3を、こちらは天井値ですけども、提案いたします。
こちらも、先にその他のコメントを見ていただければと思いますけれども、濃度基準値の根拠に資するシアン化カルシウム、この物質の固有の有害性情報に乏しいことから、シアン化合物の知見を基に導出をしております。なお、金属であるカルシウムについては、日本人の耐容上限摂取量が2,500mg/dayとされておりまして、シアン化合物の知見におけるばく露量と比較して高用量であることから、カルシウムによる濃度基準値の導出は検討しておりません。したがって、シアン化合物の知見によって導出をしているということになります。
こちらは、根拠論文は記載の1文献となっておりまして、まとめとしましては、ヒトの疫学知見に基づき、中枢神経症状と刺激症状を臨界影響としたLOAELを4.2ppmと判断し、不確実係数を考慮した1.5mg/m3を、1.4ppm、シアンとしてですけれども、八時間濃度基準値として提案するとしております。また、この物質も、遊離したシアン化水素の影響を防ぐために、シアンとして4.5mg/m3を、4.2ppmですけれども、短時間濃度基準値(天井値)として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続きまして、7ページを御確認ください。硝酸銀(Ⅰ)でございます。
硝酸銀(Ⅰ)につきましては、こちらも初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値については銀として0.01mg/m3を提案いたします。
こちらも、先にその他のコメントを見ていただければと思いますけれども、硝酸銀(Ⅰ)については水溶液中でAg+イオンと対応する対イオンに解離するという可溶性銀塩でありまして、溶解後、銀塩から放出される対イオンについては、生理的環境において普遍的に存在するイオンであるか、あるいは一般的に毒性学的な懸念がないとされているということから、本物質の検討に当たってはAg+イオンの毒性とみなして評価をしたとしております。
こちらは、根拠論文は5つの文献を記載しておりますけれども、まとめとしては、ヒトの知見から、銀の沈着(銀皮症並びに角・結膜銀症)を臨界影響としたLOAELを0.039mg/m3と、これは銀としてですが、判断して、不確実係数等を考慮した銀として0.01mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
続きまして、9ページを御確認ください。シアン化銀(Ⅰ)でございます。
シアン化銀(Ⅰ)についても初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値については銀として0.01mg/m3を提案いたします。
こちらも、先にその他のコメントを見ていただければと思いますけれども、濃度基準値の根拠に資するシアン化銀の固有の有害性情報については乏しいということから、シアン化合物と銀化合物の知見から導出をしております。シアンと銀の有害性情報を比較して、シアン化銀(Ⅰ)の換算値として、より低濃度である銀の有害性を基に導出をしております。
こちらの物質の根拠論文は記載の2文献となっておりまして、銀とシアン化合物の知見を記載しておりますけれども、まとめとしては、ヒトの知見から、銀の沈着を臨界影響としたLOAELを0.039mg/m3、銀としてと判断して、不確実係数等を考慮した銀として0.01mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、12ページを御確認ください。ヨウ化銀(Ⅰ)でございます。
ヨウ化銀(Ⅰ)についても初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値については銀として0.01mg/m3を提案いたします。
こちらも、その他のコメントを先に見ていただければと思いますけれども、ヨウ素と銀の有害性情報を比較して、ヨウ化銀(Ⅰ)の換算値として、より低濃度である銀の有害性を基に導出をしております。
根拠論文を見ていただければと思いますが、5文献を記載しております。銀とヨウ素の知見を記載しておりますけれども、まとめとしては、ヒトの知見から、銀の沈着を臨界影響としたLOAELを0.039mg/m3、銀としてと判断して、不確実係数等を考慮した銀として0.01mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
では、続いて、14ページを御確認ください。酸化マグネシウムでございます。
こちらも初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値については8mg/m3を提案いたします。
根拠論文は記載の1文献となっておりまして、まとめとしては、ヒトの短時間ばく露の知見から、有害影響がないことを示す累積ばく露量平均値を基に不確実係数等を考慮した、吸引性粉じんとして8mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
また、その他のコメントでは、慢性影響に係る知見は得られなかったことから、文献1)で影響の認められなかったばく露量累積価を基に濃度基準値を導出しております。
続きまして、16ページを御確認ください。塩化第一銅でございます。
塩化第一銅につきましては、こちらも初期調査でございますけれども、八時間濃度基準値としては銅として0.3mg/m3を提案いたします。
文献は記載の1文献で、まとめとしては、動物実験の結果から、刺激性(唾液分泌過多)及び前胃の扁平上皮過形成を臨界影響としたNOAELを1.3mg/kg bw/dayと判断し、塩化第一銅の銅の含有率及び不確実係数等を考慮した、銅として0.3mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
続いて、18ページを御確認いただければと思います。こちらは塩化クロム(Ⅲ)・六水和物となっております。
こちらも初期調査のみとなっておりまして、八時間濃度基準値についてはクロムとして0.15mg/m3を提案いたします。
こちらの物質も、その他のコメントから先に見ていただければと思いますけれども、濃度基準値の導出に資する塩化クロム(Ⅲ)・六水和物の固有の有害性情報に乏しいということから、三価クロム化合物の知見を基に導出をしております。
根拠論文は記載の2文献となっておりまして、こちらに三価クロムの知見を2つ載せておりますけれども、まとめとしては、動物実験の結果から、肺の慢性炎症を臨界影響としたLOAELを3mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した、クロムとして0.15mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
その他のコメントも併せて御確認いただければと思います。
続いて、20ページを御確認ください。硫酸クロム(Ⅲ)になります。
こちらも初期調査となっておりまして、八時間濃度基準値はクロムとして0.15mg/m3を提案いたします。
こちらも、先にその他のコメントを見ていただければと思いますけれども、濃度基準値の導出に資する硫酸クロム(Ⅲ)の固有の有害性情報に乏しいことから、三価クロム化合物の知見を基に導出をしております。
根拠論文は記載の2文献になっておりまして、まとめのところでは、動物実験の結果から、肺の慢性炎症を臨界影響としたLOAELを3mg/m3と判断し、不確実係数等を考慮した、クロムとして0.15mg/m3を八時間濃度基準値として提案するとしております。
以上が本日の10物質の御説明になります。
○堀部化学物質評価室長 続けて失礼いたします。事務局より、先生方から事前に御質問を頂戴しておりますので、委員限りということでお手元に質問のほうを配付させていただいております。オンラインの先生方にも、先ほどですけれども、メールにてお送りしておりますので、そちらを御確認いただければと思います。事前質問に対する御回答を差し上げたいと思います。事前質問の表が資料2の資料の順番と若干異なっておりますので、資料2の順番に基づきまして御説明をさせていただければと思います。
まず一番上、令和7年度のナンバー41、資料でいきますと、ページを打ってあるのは1ページ、タブレットの2ページからスタートしますけれども、ジシクロペンタジエニル鉄(別名:フェロセン)でございます。
御意見といたしまして、これまでのばく露限界値と比べて2桁違うなど、大幅に低い値ですと。資料2の2ページを御覧いただければと思いますが、ACGIHにつきましては鉄として10mg/m3、OSHAやNIOSHもほぼ同じ値が適用されております。実際に使われているところや測定での混乱はないでしょうか。ACGIH等より新しい文献を参考に加えたということのようですので、値が違うこと自体に異論はありませんという御意見をいただいております。
事務局からの御回答でございますが、今回の濃度基準値の御提案に当たりましては、ACGIH等が設定の根拠とした文献よりも新しい文献を用いまして濃度基準値の提案を行わせていただいております。御承知のことかと思いますけれども、濃度基準値というのはあくまでも労働者がばく露される濃度の基準でございまして、室内環境の濃度基準ではないので、仮に室内環境の濃度が濃度基準値を上回っていた場合であっても、リスクアセスメントを実施していただいて、その結果を踏まえて、換気等の工学的な対策ですとか、呼吸用の保護具、マスクとか、そういうものの使用を行っていただいて、労働者のばく露濃度を濃度基準値以下にするという対応も可能ということでございますので、混乱ということは事務局としては考えていないということでございます。
2つ目でございますが、資料の順番でいきますと、下のほうに飛んでいただいて、ナンバー109、ヨウ化銀(Ⅰ)でございます。
資料2では12ページから始まるものでございますけれども、コメントの1つ目で、臓器に分布が見られたのは対象臓器から見てヨウ素でしょうか。それとも銀のことでしょうか。どちらなのかを明確に記載したほうがよいという御指摘でございます。コメント内容と結果に異論はないということの付言もいただいております。
こちらでございますが、臓器分布につきましては、ヨウ素131で見ておりますので、その点が分かるように追記をしております。書き方でございますけれども、当初の提案のものから、今の記載のとおりで、御覧いただければと思いますが、「AgI131粒子の総沈着率は12%ではあるが、I131はばく露初期より膵臓・腎臓・副腎および肝臓への分布」という形で、I131であるということが明確になるように記載を修正しておりますので、御確認いただければと思います。
戻りまして、ナンバー65、酸化マグネシウムでございます。
モデルSDSとして公開されている酸化マグネシウムの情報を見ると、日本産業衛生学会の2015年度版のものとして、「(第3種粉じん:その他の無機及び有機粉じん)」との注意書きがありつつ、「(吸入性粉じん)2mg/m3 (総粉じん)8mg/m3」という記載があると。今回は吸引性粉じんとしての8mg/m3という提案ですけれども、この乖離は問題ないという判断でよいでしょうか。今回のコメントは理解できるので問題は感じませんが、今後は産衛学会が第3種粉じんと総くくりしているところを外すように学会から働きかけるのか、御見解をいただければと思いますというところまで御意見を頂戴したところでございます。
事務局といたしましては、濃度基準値と産衛学会の許容濃度というのは、検討対象ですとか、方法というのは、御存じのとおり異なるということですので、必ずしも一致するとは限らないということが基本的な認識ではございますけれども、今回の提案値は、吸引性粉じん、要するに、総粉じんとして8mg/m3という御提案をさせていただいておりますので、産衛学会の第3種粉じんの許容濃度8mg/m3との乖離はないというふうに理解をしておるところでございます。
事務局からは以上でございます。
○城内座長 御説明ありがとうございました。
それでは、事前にいただいた御質問、御意見や、それに対する事務局回答を踏まえまして、1物質ごとに議論をしていきたいと思います。順番は資料2のほうでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず最初に、フェロセンですけども、八時間濃度基準値は0.1mg/m3と提案されていますが、これについて御意見等がございましたらお願いいたします。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 大前ですが、先ほどの事務局の説明に追加ですけども、ACGIHの10mg/m3というのは鉄のTWAなんですが、これはフェロセンを使っていないので、今回の提案はフェロセンそのものの情報ですので、こちらのほうがフェロセンとしてはより妥当であるというふうに考えております。
以上です。
○城内座長 そのほか、御意見、御質問等はございますでしょうか。
ないようですので、では、フェロセンの八時間濃度基準値は0.1mg/m3といたします。
続きまして、シアン化亜鉛、八時間濃度基準値は1.5mg/m3、シアンとして、短時間濃度基準値は4.5mg/m3、シアンとして、これは天井値になっています。これについてコメント等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、シアン化亜鉛、八時間濃度基準値は1.5mg/m3、シアンとして、短時間濃度基準値は4.5mg/m3、シアンとして、天井値といたします。
続きまして、シアン化カルシウム、八時間濃度基準値は1.5mg/m3、シアンとして、短時間濃度基準値は4.5mg/m3、シアンとして、これも天井値です。これについてコメント等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 1つ前もそうなのですけど、シアンとして出しているものの測り方というのは、シアン化水素のppmから質量濃度に基準をしているので、これはHの分の1が端数で、これは端数を丸めると変わらないということでいいでしょうか。単純な確認です。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 はい、その理解です。
○城内座長 小野委員、お願いします。
○小野構成員 小野です。
測定法と関連してくるのですが、八時間濃度基準値のほうはある意味慢性の影響で、Ceilingのほうは急性を判断しているのかと思いますけれども、あと、これの根拠論文のほうは、空気中のシアン化水素を測定することで出しています。ただ、根拠の内容を拝見すると、体の中でシアンが発生するという機序を考えているようですので、そういうことになると、亜鉛を測って、そちらからシアンを出すというような計算方法でよいのか、やはりあくまでもシアン化水素で測定するべきなのかというところについて、お教えいただければと思います。シアン化亜鉛とシアン化カルシウム、この両方について、同様です。シアン化水素の測定法がアルカリによる液体捕集になりますので、違う測定法があればそちらにいたしますけれども、測り方としてどうすればよろしいか、お教えいただければと思います。
以上です。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 ご認識のとおり、シアン化亜鉛としての濃度基準値を定めているということになりますので、まずはこの物質が測れるということが前提かと思っていますが、シアンについては体内で発生することも想定をして検討をしておりますので、この物質のシアン換算としてこの濃度以下であるかどうかというところを測れればよいのかと思っています。
○小野構成員 分かりました。
ということで、基本的には、質量濃度で表記されているというのは、ガスそのものをサンプリングして評価するのではないので対応する単位と数値であるというふうに理解いたしましたが、それでよろしいということですね。
○小永光有害性調査機関査察官 そうです。ですので、mg/m3で表記しているということになります。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 すみません、今の質問の意図がよく分からなかったのですけども、サンプリングをするのはシアン化亜鉛、もしくはシアン化カルシウム。サンプリングをしたものが液体か、あるいは固体かは分かりませんけど、それの中のシアンというものを別に測ってくださいという意味というふうに僕は解釈したのですが、それは分けられないということですか。
○小野構成員 いいえ。空気中のシアンを測るのではなくて、サンプリングをした粒子の中のシアン分を測るのではなく、金属を測って、そこから換算されるシアンイオンを基に定量をするということですね。
○小永光有害性調査機関査察官 そうです。基本的にはそうだと思いますし、この物質の測り方として、シアンを金属で測るということであれば金属で測ってもらって、管理するのはシアンの相当分で換算すればという、どちらでもそれは大丈夫なのかなと思っています。
○小野構成員 分かりました。恐らく大丈夫だと思いますけれども、現場の状況に応じて、シアンのコンタミネーションが高いところだと、やはり金属から換算していくほうがより目的に近いということなんでしょうね。分かりました。
○城内座長 測定の先生方からはよろしいですか。御意見はございませんか。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 多分、両方を必要に応じて使えるということにしておかないと、例えば、シアン化亜鉛の量よりも、逆に、別の亜鉛と、シアン化ナトリウムとか、シアン化カリウムとか、多分一番大きいのはメッキだと思うんですけど、そもそも、別途シアン化物を使っていたり、逆に、別途金属元として用意していたりするので、結局は、ちゃんと化学物質の専門家が、この場合はどっちを測定して評価すべきかということを判断しなくてはいけない。濃度基準値を決めるときに、測定法がないと基準値ができないので、それに関しては、今回提案する濃度の範囲を確実に分析できるというものを定義して提示するとしても、現実に使う場合は、使用の実態においてどちらを測るべきか現場が判断するというようなことを、場合によってはそういった注意を情報として与えるほうが、カルシウムでも、後のほうにある銀も含めて、シアン化物に関しては必要なのではないかと思います。
○城内座長 保利委員、お願いします。
○保利構成員 基準値としてはこれでいいと思うんですね。実際に測るときに何を測っても、換算ができればいい話なので。だから、基準値としてはこれで特に問題はないと私は思います。ただ、何をどう測るかということについて、分析の精度の面から検討する必要があるかなと思います。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 現場に何のコンタミがあるかということは分からないので、そういう状態で意見を言っているのですけども、やはり、状況としては、シアンのコンタミがあったら、それのほうが重要なので、まとめてシアンで測っていただいたほうが健康上に関してはベターかなというふうに思います。それはシアン化亜鉛ではないかもしれませんけども。
○城内座長 宮川委員、お願いします。
○宮川構成員 今、大前先生がおっしゃったことは非常に重要で、個別の物質について濃度基準値を決めていますけれども、複合ばく露があったときのことの議論は今まで一切していないですよね。していないから、じゃあ、これでいいんだということにはならずに、トータルで考えれば、今、大前先生がおっしゃったとおりだと思いますので、実際のところでは現場の方によく考えていただくということが重要かと思います。
以上です。
○城内座長 そのほか、いかがでしょうか。
小野委員、お願いします。
○小野構成員 恐らくメッキ工場なんかですと、何種類かのシアン化物が使われているというところで、それぞれについてシアンを測っても、結局足し算になるので、その場合、どういう組合せであったとしても、シアンの濃度がこの値を満たしていないといけないと。3種類のものから出てきていても、濃度としてはこれ以下にすべきであるという理解ということでよろしいですね。分かりました。
○城内座長 よろしいでしょうか。
今日はとても重要な意見が出て、皆さんはここで納得すると思いますが、何年かすると数字が一人歩きをしますので、今日の議論のようなことはぜひ事務局でどこかに書き留めておくというようなことをしていただければいいかなとちょっと思いました。
そのほか、御意見等はございますでしょうか。
それでは、シアン化カルシウムにつきましては、八時間濃度基準値は1.5mg/m3、シアンとして、短時間濃度基準値は4.5mg/m3、シアンとして(天井値)といたします。
続きまして、硝酸銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀として、これについてコメント等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、硝酸銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀としてといたします。
続きまして、シアン化銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀として、これについてコメント等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、シアン化銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀としてといたします。
続きまして、ヨウ化銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀として、これについてコメント等がございましたらお願いいたします。
鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋構成員 記述の問題ですけど、AGI131粒子とか、I131の131は質量数なので、Iの左上に書くように修正をお願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 分かりました。修正いたします。
○城内座長 そのほか、いかがでしょうか。
それでは、ヨウ化銀(Ⅰ)、八時間濃度基準値は0.01mg/m3、銀としてといたします。
続きまして、酸化マグネシウム、八時間濃度基準値は8mg/m3、これについてコメント等がございましたらお願いいたします。
大前委員、お願いします。
○大前構成員 文字だけの修正ですが、コメントの7行目に「(mean±SD(範囲))」とありますけど、「(範囲)」は要らないので取ってください。お願いします。
○城内座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、酸化マグネシウム、八時間濃度基準値は8mg/m3といたします。
続きまして、塩化第一銅、八時間濃度基準値は0.3mg/m3、銅として、これについて御意見等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、塩化第一銅、八時間濃度基準値は0.3mg/m3、銅としてといたします。
続きまして、塩化クロム(Ⅲ)・六水和物、八時間濃度基準値は0.15mg/m3、クロムとしてについて、御意見等がございましたらお願いいたします。
保利委員、お願いします。
○保利構成員 ACGIHのTLV-TWAは0.003mg/m3なんですよね。恐らくこれは、GHS呼吸器の感作性とか、皮膚感作性の区分が1なので、それが根拠になっているのかと思うんですけども、今回のこの濃度基準値は、これは根拠として取られていないということでよろしいですか。
○城内座長 事務局、お願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 そうです。今回は感作性の部分は取っていないということです。
○城内座長 大前委員、お願いします。
○大前構成員 ACGIHが使っている論文は2番目の根拠論文です。2番目の根拠論文の原著を読みますと、2回調査をやっておりまして、その間の変化を見ているのですけど、変化は全然なしという状況で、調査の前には、0.003mg/m3とか、0.004mg/m3という数字が表の中にあるのですが、2桁ぐらい高い数字が前にあったという記述があるんですね。それで、著者たちは、1つは、1993年のときのデータを使って、Logistic regressionでいろんな交絡因子を調整してやると、三価クロムのばく露群と、六価クロムのばく露群と、クロム鉄鉱のばく露群、この3つの間に差がなかったということがディスカッションで書いてありまして、しかも、この症状は感作ではなくて、呼吸器系の症状なんですね。それで、著者はディスカッションの中で、多分それは刺激によるものだろうというふうに書いているのですが、ただ、Occupational processを見ると、刺激が出るようなプロセスがないので、何だかよく分からぬというような記述があるので、この期間中に測った0.003mg/m3とか、0.004mg/m3という数字を使うことはやっぱりまずいだろうということで、それで今回は使わなかったということが主な根拠です。感作性ではないです。
○保利構成員 分かりました。
○城内座長 そのほか、ございますでしょうか。
それでは、塩化クロム(Ⅲ)・六水和物、八時間濃度基準値は0.15mg/m3、クロムとしてといたします。
続きまして、硫酸クロム(Ⅲ)、八時間濃度基準値は0.15mg/m3、クロムとして、これについて御意見等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、硫酸クロム(Ⅲ)、八時間濃度基準値は0.15mg/m3、クロムとしてといたします。
これで本日予定の全ての物質の濃度基準値の審議が終わりましたが、事務局、最終結果はよろしいですか。
○小永光有害性調査機関査察官 本日は10物質の御議論をいただきましたけれども、資料等に少し修正をする部分がありますが、10物質全て御了解いただけたというふうに認識しております。ありがとうございました。

(2)濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について

○城内座長 それでは次に、議事2「濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について」の検討を行います。事務局から資料4-1、資料4-2の説明をお願いいたします。
○田上中央労働衛生専門官 環境改善・ばく露対策室の田上から御説明いたします。
その前に、資料1-2と資料1-1を御覧いただければと思います。第3回の水酸化リチウム水和物、あと、水素化リチウム、資料1-2に記載があるナンバー66とナンバー87です。あと、資料1-1のR6_111番、水酸化リチウムにつきましては昨年度の第5回で承認いただいていたものなんですけれども、今年度の前回の第4回で濃度基準値が設定されまして、その濃度基準値を踏まえると、前々回まで提案していた測定法だと測定範囲をカバーできない可能性がありますので、一旦こちらについては取下げの上、再度提案させていただくという形とさせていただければと思います。
続きまして、資料4-1と、今回は資料4-2までになりますけども、資料4-1につきましては、こちらは前回までに御提示していた内容に変更はございませんので、説明については省略をさせていただきます。
資料4-2は、今回新たに測定法を提案する物質一覧ということになります。今回は7物質ありますけれども、一番左の欄外に通し番号を振っておりますが、3物質目までは令和7年度の検討対象物質、4番目以降は令和6年度までの検討対象物質ということとなっております。物質の色分けにつきましては、これまでどおり、分析方法によって色分けをしております。今回、特段塗り潰しなしのところについては、炭化けい素(ウィスカー)の位相差顕微鏡ということで、今回初めて出てくる方法かと思います。それ以外の色分けについては前回までと同様になります。
今回、丸となっていない箇所を中心に御説明をさせていただきますが、2番目のtert-ブチル=ヒドロペルオキシドにつきましては、測定範囲は三角ですけれども、こちらはまだ濃度基準値が決定していないものですが、仮にACGIHのTLV-TWA0.1ppmとして比較評価する場合に、2分の1の0.05ppmであれば、0.6L/minで8時間捕集をすることで定量が可能ということとなります。一方で、参照した文献ですと、記載がある捕集方法については0.05~0.2L/minということになっていますけれども、こちらは、低濃度で評価をする場合には流量を上げる必要がございますが、流量を上げるときには、捕集材の前段と後段をそれぞれ定量して、破過がないことをしっかりと確認いただくということで、流量を上げることは可能ではないかということで、実用上の判断としては丸ということで提案をしております。
続きまして、シランにつきましては全部丸というふうになっておりますけれども、「固体(反応)」とございますが、こちらは、合成樹脂活性炭に10%の水酸化ナトリウムを添着しておりまして、添着された水酸化ナトリウムとの反応によって捕集をするという方法ですので、これは従前どおり「固体(反応)」というような表現方法を用いております。こちらは備考に3点記載がございますけれども、2点目までは測定上の留意点のような内容でございます。最後に、添着活性炭は販売されておらず、特注品となるということで、一般的には販売されていないみたいなんですけれども、これまでに実際に添着活性炭が作成された実績はあるということですので、いざ測ろうと思えば測れるということで、この方法でも実用上は可能ではないかということで、丸としております。実際は、シランの個人ばく露測定を長時間やるというようなことはあまり想定されないのかなというふうに思います。
4番目です。ストリキニーネ、こちらはろ過捕集で、固体状のもの、粒子状のものをろ過捕集する方法ですので、破過については考慮不要ということで、バーとしております。
5番目、クロロメタンにつきましては、こちらは直接捕集方法ですので、回収率というものについては考慮不要ということで、②の項目についてはバーになっております。
6番目の炭化けい素(ウィスカー)につきましても、破過については、ろ過捕集で、繊維状の固体の物質ですので、4番目の破過は考慮不要と。②の脱着率、回収率につきましても、捕集したフィルターをそのまま位相差顕微鏡で観察する方法なので、考慮不要ということになります。保存安定性につきましても、そもそもこの物質自体が安定的な物質ということで、こちらについては考慮不要ということで、バーとしております。
7番目、最後は塩素化カンフェンになります。こちらは保存安定性につきましてはバツとなってしまっておりますけれども、こちらは1日たった後でもかなり減衰してしまうようなものになりますが、こちらは物質の性質上やむを得ない話になりますので、捕集後、できるだけ早くに分析いただくということで、備考を付しております。また、こちらは粒子状の物質をろ過で捕集をする方法ですので、破過についてはバーということとしております。あと、備考に「固体であるが僅かな蒸気圧があるため、バックアップパッドも分析する」という記載がございますけれども、こちらは、IFV評価値自体は0.013ということで、0.1を大きく下回っているものになりますので、組合せ捕集までは不要ではないかということで、ろ過捕集のみで問題はないのではないかということで、この方法で提案をしているものになります。
御説明としては以上となります。
○城内座長 ありがとうございました。
ただいま事務局が説明した資料4-1から資料4-2に関しまして、御意見等がございましたらお願いいたします。
山室委員、お願いいたします。
○山室構成員 資料4-2の5番目、クロロメタンは、直接捕集法、テドラーバッグで捕集するというやり方ですが、作業環境測定(A・B測定)ですとかなり実績はありますが、個人ばく露測定ですとあまり実績がないかと思います。ここで保存安定性は丸になっているので、当然最終的な個票にはどのくらい保存できるという情報は入ると思いますが、それ以外にも、接続するホースは吸着の少ないものを使わなければいけないとか、そういったことも当然出てくるかと思います。A・B測定しかやっていない方はそういったところまでにはあまり気が向かないかもしれませんので、個票のほうには注意事項等を丁寧に記載いただければというふうに思います。
○城内座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ターシャリ-ブチルアミンから塩素化カンフェンまでの測定法につきまして、事務局案のとおりとしてよろしいでしょうか。──ありがとうございます。
事務局からは、今のままでよろしいですか。何かコメント等はございますか。
○田上中央労働衛生専門官 ありがとうございました。山室委員から御指摘いただいた点につきましては承知いたしました。個票に起こすときには、測定法の留意事項ということで丁寧に示していきたいと思います。
○城内座長 それでは、議事3「その他」に入る前に一旦休憩を挟みたいと思いますが。
宮内委員、お願いいたします。
○宮内構成員 すみません。大した話ではないのですけど、ウィスカーのところは炭化けい素(ウィスカー)ですよね。だから、以前、炭化けい素というものが出てきているので、物質名のところにも、今、口頭ではおっしゃったのですけど、記載をされていたほうが誤解が生じないと思いました。炭化けい素のところには「(ウィスカー)」と書いていないですよね。
○田上中央労働衛生専門官 多分、事前にお送りしていた資料だと書いていなかったかなと思うんですけれども、本番の資料では資料1-1に合わせて「(ウィスカー)」というふうに修正をしております。すみません。
○宮内構成員 私は古いほうを見ていたのですね。
○田上中央労働衛生専門官 申し訳ありません。失礼いたしました。
○宮内構成員 了解いたしました。ありがとうございます。
○城内座長 入っていました。
あとはよろしいでしょうか。
では、休憩時間については事務局から決めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○佐藤環境改善・ばく露対策室長 それでは、ただいまから15分間の休憩を挟みまして、15時15分に再開とさせていただければと思います。それまでにお席にお戻りいただきますようよろしくお願いいたします。

午後3時00分 休憩
午後3時15分 再開

○城内座長 皆様、それでは、後半の議事を再開いたします。

(3)その他

○城内座長 議事3「その他」について、事務局から資料5の説明をお願いします。
○小永光有害性調査機関査察官 資料5の「通知対象物に係る代替化学名等の通知に関する指針について(概要)」につきまして、事務局のほうから御説明をさせていただきます。
本件の代替化学名等の通知に関しましては、昨年度、本検討会におきまして中間取りまとめを頂いたところでございます。それに基づいて先般公布された改正安衛法におきましては、代替化学名等の通知の適切かつ有効な実施を図るための必要な指針を公表するというふうにされておりまして、それにも基づきまして本規定を作成するということとしております。
それでは、本日は概要をつけておりますので、御説明をさせていただきたいと思います。資料5を御覧ください。
まず、制定の趣旨でございます。
概要だけ、少しまとめてお話をさせていただきたいと思いますけども、化学物質の管理につきましては、自律的管理制度の対象物質の拡大に伴いまして、今後、有害性が相対的に低い化学物質であっても通知制度の対象となることから、当該物質の成分の情報が企業の営業秘密に該当するケースが生じるため、EU等における対応を踏まえた上で、リスクアセスメントの実施に支障がないことを前提に、営業秘密を保持できるようにする必要があると。これを踏まえて、改正法においては、一定の条件下で、成分の化学名における成分の構造または構成要素を表す文字の一部を省略し、もしくは置き換えた化学名、または厚生労働省令で定める事項を定めて、これを通知することにより、改正法によるSDSの通知に代えることができるというふうにされたところでございます。本指針については、通知対象物に係る代替化学名等の設定及び通知等の適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めるというものでございます。
2番の指針案の概要でございます。
(1)基本的な考え方として、通知対象物の譲渡者等がSDSの交付等をするに当たり、成分を通知することが原則であり、GHSにおいても、企業の営業秘密情報の保持を保証するべきとされつつも、それによって、作業者、消費者の健康と安全、または環境保護を危うくすべきではないと明記されているということから、有害性が相対的に低い化学物質に限り、リスクアセスメントに影響がない範囲内で、化学物質の成分の情報が企業の営業秘密に該当する情報である場合には、当該成分の情報について代替化学名等の通知を認めることとするなど、代替化学名等の通知に係る基本的な考え方を定めるものでございます。
(2)としまして、本指針案の適用範囲でございます。本指針案ですけれども、SDSの交付対象物質のうち、化学物質の成分の情報が営業秘密に該当するものであって、かつ、次のいずれにも該当するものに適用します。まず、1ポツ目ですけども、特化則等の特別規則の適用対象の物質、安衛則第577条の濃度基準値が設定される物質、または、皮膚等障害化学物質等のいずれにも該当しないもの。2ポツ目は、国、または事業者によるGHS分類の結果により重篤な健康障害を生ずる有害性クラス、こちらは、生殖細胞変異原性であるとか、発がん性、または生殖毒性の有害性区分に該当しない。これは括弧に書いていますけれども、この物質については、含有量が混合物の有害性区分に影響を与える濃度未満であることによって混合物としての有害性区分に該当しないものも該当しないというふうに解釈しております。かつ、特定の有害性クラス、これは、呼吸器感作性、皮膚感作性、誤嚥有害性、皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性、特定標的臓器毒性の単回ばく露、反復ばく露において区分1、急性毒性は区分1から3までに該当しないもの。3ポツ目は、混合物中の含有量が濃度限界未満であるもの、こういったものです。濃度限界が定められている有害性クラスに該当するものに限るということですけど、こういったものにいずれにも該当するものについて対象にしますよということでございます。
また、(3)ですけれども、代替化学名等による通知を行う場合の記載方法等でございます。こちらは、成分の化学名における成分の構造、または構成要素を表す文字の一部を省略し、もしくは置き換えた化学名は、化学名を構成する次に掲げる4つの要素のいずれか1つを一般名へ置き換え、または削除することにより設定するということが原則でございます。4つの要素とは、①母体化合物の構造、②対イオンの構造及び数、③立体異性体の情報、④母体化合物、または他の置換基に結合する置換基の構造、数及び位置、こちらが4要素となっております。なお、置換位置番号や母体化合物の置換基の位置番号及び数は削除し、その他の詳細情報については一般名への置換を原則とします。さらに、ただし書で、構造が単純である等の理由によって、1要素のみの置換、または削除では成分が特定されるおそれがある場合については、2要素までの置換、または削除を認めるということにしております。2要素の置換、または削除を行っても、それらに該当する通知対象物の種類が非常に少ない等の理由によって、化学物質の成分の情報が特定されるおそれがある場合に限りまして、当該成分の危険有害性区分等の危険有害性情報を通知するということで、代替化学名の通知に代えることができるとしております。その他、記載方法に係る必要な事項等を定めることとしております。
また、(4)で、こちらも概要的なものですけれども、その他のSDSの交付等についても必要な事項を定めることとしております。
根拠条項は、改正法の第57条の2第8項に指針を定めているものでございます。
公示日等ですけれども、こちらは、現在、先週の金曜日からこちらのパブコメを実施しているところでございまして、今後、議論を経て、予定としましては12月下旬の公示を予定しているところでございまして、営業秘密自体の適用は来年の4月1日とされているところでございます。
説明は以上になります。
○城内座長 ありがとうございました。
ただいまの説明について御質問等があればお願いいたします。
川本委員、お願いいたします。
○川本構成員 川本です。
(2)の一番下の混合物中の含有量が濃度限界未満であるもの、これはどういう意味かがちょっと分からないのですが、教えていただけますか。
○小永光有害性調査機関査察官 こちらは、入っている成分が、2ポツ目のところの3行目のところに書いていますけども、当該物質の含有量が混合物の有害性区分に影響を与える濃度、これを許容濃度といいますが、この濃度を超える場合については全て、対象物質であったとしても代替名への置き換えの対象にしないというような意味でございます。なので、1ポツ目、2ポツ目は成分の物質を指定していて、3ポツ目は濃度を指定しているというような理解をしていただければと思います。
○城内座長 安井安全衛生部長、お願いします。
○安井安全衛生部長 私が説明するのは変ですが、ここの括弧書きは、例えば、発がん性物質は区分1・2・3とありますけども、混合物として濃度限界以下になった場合は、区分1は区分2に落ちるルールになっているのですが、区分2・3は区分外に出てしまうルールになっていまして、そういう意味で、事実上、区分1のものだけが対象になるような形になっているという記載になります。これは、ほかの呼吸器感作性とかは全部区分1にしてそろえる形なんですが、ただ、濃度限界を超えるようなものは区分2でも区分3でもやはり規制するということで、混合物だけは例外をつくりましょうという趣旨で検討会で議論して、こういう形で整理したということですが。単体と混合物を分けて考えると。単体の場合で区分1・2・3。区分がついているものは全部駄目ですと。ただ、混合物で区分がない、混合物になったら区分が消えてしまうものがあるんですね。例えば、発がん性物質で区分2のものが濃度限界を下回ると、混合物として区分なしになってしまうんですね。そういったものについては代替名の表記を認めるということです。
○川本構成員 分かりました。
もう1つ、よろしいでしょうか。(3)の代替法なんですけれども、例えば、クリーニングでよく使う石油系溶剤ですと、ノナン、デカン、ウンデカンとか、あの辺があるのですが、あの辺りを全部アルカンとしてまとめるということも可能なんでしょうか。そして、成分は1つでいいということになるのでしょうか。
○堀部化学物質評価室長 今の御質問は、母体化合物の炭素鎖の数のバリエーションということですね。
○川本構成員 そうです。
○堀部化学物質評価室長 それは母体化合物として、1つのアルカンという表現は認める方向で、考えております。
○川本構成員 つまり、それぞれですと、物質数にすると5種類とか、6種類あるけれども、それを1つのアルカンとして、成分もそれでパーセンテージを出すかという。
○堀部化学物質評価室長 要するに、ノナン、デカン、ウンデカンと、3種類が混合しているときに、全てをアルカンとして1つでまとめられるかということですよね。
○川本構成員 はい、そうです。どういう御予定かという質問です。
○堀部化学物質評価室長 それはそうではなくて、アルカン系という表記が3つ並ぶことになるというふうに御理解いただければ。
○川本構成員 分かりました。アルカンが3つ並んで、それぞれにパーセントが出ているという。
○堀部化学物質評価室長 はい、そうです。ですので、炭素鎖そのものの表記と、ノナとかデカとかというのは接頭辞としてアルカンにまとめていただけるのですが、成分が違うということであれば、3つの成分が存在することがわかるように表記をしていただく必要がございます。
○川本構成員 分かりました。
○城内座長 そのほか、いかがでしょうか。
先ほど川本委員からの御質問にあった濃度限界未満である混合物の話はなかなか難しいと思うので、これはガイドブック等には例示がされるのでしょうか。
○小永光有害性調査機関査察官 はい。細かいところは、ガイドブックの指針のほかにも、ガイドラインみたいなものを作成する予定にしておりますので、そちらのほうで詳しく説明したいと思います。
○城内座長 ありがとうございます。
そのほか、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、用意された議事は済みましたので、あとは事務局にお返ししたいと思います。お願いします。
○佐藤環境改善・ばく露対策室長 ありがとうございました。
それでは、本日の議事録につきましては、後日、構成員の皆様に御確認いただいた上で公開させていただきます。
次回の日程でございますが、11月13日(木曜日)午後2時から5時を予定しております。場所につきましては、同じくここ、AP虎ノ門となりますので、よろしくお願いいたします。議事につきましては、濃度基準値の検討、それから、濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法についてとしてございます。正式な開催案内につきましては後日送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上をもちまして本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。本日はどうもお疲れさまでした。

午後3時29分 閉会