第3回床上無線運転式天井クレーンの運転に係る資格の在り方に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

日時

令和7年11月6日(木)14:00~16:00

場所

厚生労働省15階専用第12会議室(オンライン併用開催)

議題

  1. (1)新たな資格の対象について
  2. (2)報告書(案)について
  3. (3)その他

議事

議事内容

○主任中央安全専門官 定刻となりましたので、ただいまから「第3回床上無線運転式天井クレーンの運転に係る資格の在り方に関する検討会」を開会いたします。傍聴の皆様方、この会議の撮影は冒頭のみとしておりますので、ここからの撮影は御遠慮いただきますようお願いいたします。
 はじめに、今回交代により御就任いただきました構成員の紹介をいたします。日本労働組合総連合会労働法制局長の山脇様に代わりまして、労働法制局部長の金子様です。
○金子構成員 連合の金子です。どうぞよろしくお願いいたします。
○主任中央安全専門官 また、本日は鎌田様、堀尾様が所用により御欠席です。オンラインでの御参加は、青木様、森様、脇坂様となっております。
 さらに、事務局にも変更がございますので紹介いたします。安全衛生部長の安井です。安全課長の土井です。
 それでは、この後の議事進行については、澁谷座長よろしくお願いいたします。
○澁谷座長 それでは、議事に入ります。まず、議題1「新たな資格の対象について」と題しまして、資料2を山際様から、資料3を事務局から順に御説明いただいた後、併せて質疑応答を行います。まず、資料2「床上無線運転式クレーンの運転等に関する追加ヒアリング結果」について、山際様、御説明をお願いいたします。
○山際構成員 今、画面のほうにも出ていますが、資料2の「床上無線運転式クレーンの運転等に関する追加ヒアリング結果」について、労働安全衛生総合研究所の山際より報告させていただきます。よろしくお願いいたします。まず、1枚めくりまして、昨年度、私どもで行った調査の結果の復習になりますが、まずここを簡単に説明いたします。この調査の目的は、無線を使用した天井クレーン固有のリスク及び安全性の分析ということで、項目を2つ掲げております。項目1としては、国内における天井クレーンの種別の製造及び使用の実態調査です。これについての結論としましては、5t以上の天井クレーンのうち、31%、約30%が無線により操作する機能を有しており、その中で約87%がスイッチ操作の無線機を使用している。大体3割ぐらいの天井クレーンが無線化していて、そのうちの9割近くがスイッチ式の無線を使っていることが分かりました。
 その次が、無線式の天井クレーンを使用する事業場に対して災害リスクの対策等についてヒアリングを行ったところ、基本的には、長尺な鋼材を扱う際に有線ケーブルが障害となるため、安全性の確保のため、むしろ無線化のほうが好ましいという結論、そういう声がありました。また、免許取得時に運転するクレーンと、免許取得後に運転するクレーンが異なっていて、免許取得が実際の運転スキル取得につながってないのではないかという御意見もありました。
 次の項目2としまして、無線を使用した天井クレーン固有のリスク及び安全性の分析として、天井クレーンによる労働災害事例を分析し、床上無線運転式に固有の事例やその発生原因の分析を行いましたが、その中で得られた結論としては、無線機固有の事例というのは特に見つけることができなかったということです。また、他の床上天井クレーンで発生するものと同様の労働災害が一定数発生していたということから、無線機であるがゆえに生じる労働災害が基本的にこれまで発生していないことが分かりました。また、無線機の通信規格や実際の機器の実態等は無線機を使っているメーカーのほうにヒアリングさせていただきまして、無線運転から想定されるリスクに関しては、基本的なところは機能上対応していることを確認することができました。一方で、こうした機能の維持をするためには、買いっぱなしはよくなくて、必ず定期的なメンテナンスが重要になるだろうということが分かりました。これは昨年度の調査結果になります。
 これに対して前回の検討会において、もう少し追加調査をしたほうがいいのではないかという声がありましたので、その調査を行いました。その概要について説明いたします。いろいろなユーザーと無線機のメーカーに追加のヒアリングを行いました。ヒアリングの目的としては、資料の3ページにありますように、新たな限定免許が運転できるクレーンを、荷から一定の距離の範囲内で運転する低速の床上運転式クレーン等とするに当たり、床上無線運転式クレーンや床上運転式クレーンの運転実態等を把握して、一定の距離というのはどういうものかの検討に必要な分析を行う。ヒアリングの実施対象としては、床上無線運転式のクレーンユーザー3社、床上運転式のクレーンユーザー2社、無線メーカー3社に以下の項目の聞き取り調査を行いました。無線メーカー3社というのは、もともと我々の昨年度の研究の中でほぼほぼ日本で使われている無線機を網羅している3社になります。
 ヒアリングの内容としては、クレーンユーザーに対しては、クレーンとクレーンを用いた作業の概要、作業時の運転者と荷との距離、無線によるメリット・デメリットなど、その他免許制度等への御意見をヒアリングいたしました。また、無線機メーカーに対しては、無線機が届く範囲、無線機の使用を推奨する範囲、無線機を使用したクレーンの速度等、スイッチ式、レバー式の比率、その他定期自主検査・免許制度等への御意見をヒアリングしました。
 次ページからはヒアリングの結果についてです。まず、ユーザーのヒアリングの結果です。1社目の床上無線運転式のクレーンユーザーに関しては、その会社の規模としてはスイッチ式の無線天井クレーン4台で、最大12m、10tの鉄骨をつり上げる作業に使用し、ほかにも床上操作式のクレーンも15台使用しているということですが、作業時の操作者と荷との距離は大体2~6mぐらい、荷を上げる高さが2~3m、基本的には1人作業、長物とか重量物は玉掛け者と作業をするという実態がありました。また、無線によるメリット・デメリットの点では、有線に比べて巻上げ・横行・走行時に荷の端部まで離れて作業をすることが可能で、有線の長さに束縛されないことにメリットがあるというお話です。旋回時に有線が邪魔にならずに、操作者が容易に接地面を確認することができる点が優れている。一方で、免許取得のハードルの高さ、無線機の置き忘れ管理などが課題であるという御指摘がありました。
 次に、真ん中に行きまして、床上無線式クレーンユーザーの2番目です。こちらのユーザー様はスイッチ式の無線門型クレーン2台、天井クレーン5台で金属製の資材、最大10~15t程度を運搬する作業に使っていると。その他の運転方式はありませんでした。運転者の荷との距離になりますが、地切り時は3m程度、横行・走行時は小さなつり荷だと5~6m、最大でも10m程度ということでした。荷の高さは2~3m程度です。無線によるメリット・デメリットは、基本的には無線式しか使っておらず、設備更新により無線化が進み、無線が基本になるのではないかと考えているということです。クレーン作業としては安全な玉掛け、つり荷直下の人払いが重要で、あと屋外で無線を使用する際の混線は注意が非常に重要であるということでした。
 次に、3番目の床上無線運転式クレーンユーザーです。こちらのユーザーの方はレバー式とスイッチ式の無線天井クレーンが多数あって、最大9m、15tの金属材料をつり上げる作業に使用しています。無線付きの運転席や有線のみのものもあるということです。操作者と荷との距離は通常3m程度、遠くても7m程度の介錯ロープの範囲内で、15mも離れることはないということです。荷の高さは通常は3mぐらいなのですが、反転作業を行う際には10m程度まで上げるという御意見でした。無線によるメリット・デメリットですが、無線のみを使用する職員も非常に多くて、ケーブルの取り回しがないという点が非常によいというような御意見でした。また、過去1、2回クレーンと持込み機械の無線機が混線して機械が動かなくなったこともありましたが、ここで特段の災害に至るとかそういうことはありませんでした。無線だと請負作業員も資格が必要になるとか、バッテリー管理や免許取得のハードルの課題があるという御意見を頂きました。
 次に、5ページ目で、今度は床上運転式のクレーンユーザー2社の御意見になります。まず、左の床上運転式のクレーンユーザーですが、クレーンが2台で、高さ1mの金型をつり上げ清掃等するときに使用しています。スパン12mのガーダに2つのホイストを付けて、共づり方式を使用しています。作業時の運転者と荷との距離は約1m、荷の高さは1mぐらい。反転時は金型のサイズもあるのでより高く上げると。反転以外は1人作業、反転時は複数人での作業になり、8名の限定免許所持者で作業をしていらっしゃるということです。無線化の検討状況ですが、金型分解清掃時に横転、反転作業が必要。ただ、過去に無線化も検討していたのですが、結果的には有線が効率的となったと。ここは床上運転式という方式がこういった御意見を生んでいるのかなと考えています。資格試験を無線で行うことへの懸念としては、免許取得に当たってのハードルはむしろ学科試験の合格であって、新資格の実技試験を無線で行うことになってもこちらの会社としては特段困ることはないということでした。
 右側の床上運転式クレーンユーザーの2番目になりますが、こちらの会社では床上クレーン2台で、全長4mの素材をほぐすローラーのメンテナンスの作業に使用しています。スパンは8.4m、ホイスト7.5tにメッセンジャーワイヤーがついているという床上運転式のクレーンになります。操作者と荷との距離は2m程度離れることが多くて、11名の限定免許所持者や保守事業者が運転しているという状況です。無線化の検討状況としては、荷が長いため、床上操作式だとケーブルに引っ掛からないように高く上げる必要があって、床上運転式を採用しています。現時点で無線の導入予定はないということです。資格試験を無線で行うことへの懸念ですが、今のクレーンが使えるのであれは、新資格を無線で行っても大きな違いはないと思われ、特に課題は感じていらっしゃらないという御意見でした。
 次ページで、最後は無線機メーカーにヒアリングを行った結果になります。無線機メーカーの1社目です。まず、無線機が届く範囲です。これは通常仕様だと見通しの良い場所で大体100m程度、出力を上げてより遠くさせることも可能ではあるということです。ただ一方で、無線機の使用を推奨する範囲、実力と実際どの程度使っていいという範囲になりますが、その範囲に関してはクレーンと無線機の位置で変わりますが、一般的な揚程で12~18m、つり荷から5mの距離を取るという前提で、30m以内で通常に動作させることを目指す例が多いという御意見でした。スイッチ式とレバー式の比率になりますが、ほとんどがスイッチ式で99%以上という御意見でした。スイッチ式の速度は0.3m/s以下の設定が多いということです。また、定期自主検査等への意見ですが、リモコンはスイッチやパッキンの状態確認が必要、受信機側もリレーに不良がないか確認したほうがよい、送信機だけではなく、ガーダー上にある受信機側もしっかりと確認をしたほうがいいという御意見でした。末永く使うため、いずれも点検対象とすべきであろうという御意見です。
 真ん中に移りまして、もう1社目の無線機メーカーですが、こちらも無線機が届く範囲は無障害で100m以上は届くということですが、実際に使用を推奨する範囲になると、通常作業は荷から5mの範囲が多いですが、無線機の範囲は距離以外に様々な要素があり、推奨距離は特には置いていないと、通常50m届けるために今は100m分準備するという御意見でした。スイッチ式の比率と設定に関しては、スイッチ式が99%弱で、ほとんどがスイッチ式であるということです。自主検査等への意見ですが、定期的なメンテナンスをチラシで周知していますと、送信機の外観だけでなく、受信機のリレーも消耗品であるため、きちんと確認してほしいという御意見でした。その他の意見としては、何かあったら止めること、電波管理が重要であることの周知が必要であろうという御意見でした。
 右側に行きまして、無線機メーカーの3社目になります。こちらも無線機が届く範囲としては、カタログスペックで100m、条件次第では1km届いた例もありますが、基本的には100mになります。推奨する範囲は、つり荷を視認できて、つり荷の下や転倒リスクのある場所には入らないように周知しているが、特段の推奨距離は設定していない、お客様の要望次第で拡張することはできるという御意見です。スイッチ式の比率になりますが、ハンディタイプ、ウエストタイプ併せてスイッチが8割で、ほとんどの部分がスイッチ式のものを販売しているということです。また、定期自主検査等への意見になりますが、送信機、受信機とも外観やリレーの確認は非常に重要であるという御意見でした。また、その他の意見として、粗悪な無線機が安易に導入されないように、選定基準などが示されているとよいのではないかという御意見でした。
 以上、新しく今年度に入り追加ヒアリングを行った結果を取りまとめたものが7ページになります。床上無線運転式のクレーンの運転は、荷と運転者との距離が10m程度までであることが多く、15m以上離れて運転する必要がある事例はありませんでした。また、床上運転式のクレーンの運転は、スパン10m前後のクレーンを2m程度の位置から運転する事例が多く、実技試験・教習をむしろ無線で行うことに関しての懸念は特に御意見としてはありませんでした。また、無線を用いたクレーンのほとんどがスイッチ式であることが改めて確認されました。床上無線式クレーンの定期自主検査の際に、送信機だけでなく受信機側の外観・リレーの状態確認がメンテナンス上重要であるということが示され、これは保守担当者や電気担当者等のクレーンの定期自主検査を行う者で対応できることが確認されました。
 この追加ヒアリングの結果をもって、昨年度行った研究結果と併せた結論が最後の8ページ目になります。アンケートやヒアリングの結果を見ると、天井クレーンのガーダー長は15~20m程度が多いということと、公道走行可能なトラックが運搬できる荷のサイズが通常15m程度までであること、また無線を用いたクレーンが荷から10m前後までで運転されていることなどから、無線を用いた一般的な天井クレーン作業として、つり具から15m以内の範囲を想定しておけば、大体安全にこと足りるのではないかと考えております。また、天井クレーンの運転は、荷からの距離に応じて視認性が低下して労働災害リスクが高くなりますが、つり具からの水平距離が15m以内の範囲であれば、荷からの一定の距離が確保され視認性が損なわれるものではないと考えています。また、荷からの垂直距離による視認性については、つり具からの水平距離を15m以内に制限することによって、既存の床上運転式のクレーンの運転と大きな差異が生じるものではない、これは無線運転特有のリスクがあるものではないというように認識しております。また、資格の付与に当たっては、少なくともつり具の下から15m離れた位置での運転技能を確認することが必要であろうかと考えています。
 最後の赤字になりますが、従いまして、新たな資格の対象としては、「つり具の下から水平に15m以内」とすることが妥当ではないかと、これらのヒアリングの結果から考えられます。ただし、資格の付与に当たっては、少なくとも「つり具の下から水平に15mの位置」での運転の技能を確認することが必要ではないか。このような結論が得られました。私からは以上になります。
○澁谷座長 山際様、ありがとうございました。続きまして、資料3「新たな資格の対象について」に関しまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○外国安全衛生機関検査官 事務局から資料3について御説明いたします。前回こちらから御提示をした資料の内容をお示ししながら、議論の内容を振り返っていければと思っております。今回御議論いただく床上無線運転式天井クレーンの新たな資格の在り方に関するイメージ図ですけれども、論点として3つ提示をさせていただきました。論点1として、新たな資格をどのように位置付けるかということ。それから、論点2、3として、新たな資格の学科試験の内容、実技試験・教習の内容をそれぞれどのように考えるかという論点を提示させていただきました。
 論点1の議論いただくに当たって、まず、床上無線運転式天井クレーンの運転においては、今提示されているような技能が必要であろうと考えておりますという話でした。具体的には、荷をつり上げて、定められた軌道に沿って、横行、走行、斜行を行い、障害物を乗り越えたり、障害物の間をすり抜けたり、最終的には定められた場所に荷をつり下ろす、こういった技能が必要であろうと考えています。併せて、運転をする際に、玉掛け操作者や合図者といった方と連携して、合図に沿った地切り・巻上げ・巻下げ・走行等の操作を行う技能も必要になろうと思われるということでした。また、クレーンの運転に関しては、基本的にここに書いてあるように、クレーン自体に関する知識や原動機及び電気に関する知識、運転のために必要な基礎的な力学の知識や関係法令の予備知識、こういったものが必要であろうと考えられるということを報告させていただきました。
 こういった技能や知識については、床上無線運転式とそのほかのクレーンで幾つかの違いがありますというようなことを前回報告させていただいております。具体的に申し上げますと、床の上から操作をするということから、垂直方向の高さの視認性については、床上運転式及び床上操作式クレーンの限定免許や技能講習のあるクレーンと同等程度の難易度であろうと。走行速度に関しては、当然、原理的には様々な設置をすることができますけれども、ほとんどが高速走行に向かないスイッチ操作のものが用いられていると。こういった現状を鑑みて、仮に速度制限を掛けた場合、走行操作の難易度もこうした床上運転式・床上操作式のクレーンと同等になろうと考えています。
 また、水平方向の運転位置の制約に関しては、荷から離れた場合の水平方向の位置の視認性、これは床上運転式クレーンよりも難易度が高いところですけれども、物理的、原理的には無線の届く範囲内で遠く離れて運転することができるのですけれども、作業実態を勘案すると、運転位置に制約を加えた場合に水平方向の荷の視認性というのは運転席式の天井クレーンよりも低く、かつ床上運転式のクレーンより高く設定することができると考えるとお話をさせていただきました。
 こういった背景を踏まえた上で、赤字下枠の部分ですけれども、運転できるクレーンを、荷から一定の距離の範囲内で運転する低速の床上運転式クレーン等に限定する免許にすることが適当ではないかということを提言させていただきました。その際に、この一定の距離の具体的な数値については、追加調査等を行った上で検討する必要があるだろうというふうにお話をさせていただいております。
 前回、ここまで事務局から御説明を差し上げておりまして、その際、複数の御意見を頂いております。これをまとめたものが6ページの資料です。前回の御意見をざっと振り返らせていただきますと、まずは総論として、例えば新しい免許を作って労働災害が増えるようなことがあってはならないといったことや、現状、その調査によって分かった無線の採用率というのは31%ですけれども、今後、運転席式が床上無線運転式に置き換わると思われ、数字的に上昇する可能性がありますというお話をいただきました。また、新たな免許の対象となる操作装置はスイッチ操作方式のものがよいのではないかという御意見を頂いております。
 また、今回御議論いただきます「一定の距離」に関する御意見として、例えば「一定の距離」についてはしっかりヒアリングを行って慎重な検討をする必要があるという御意見を頂いております。また、荷の視認性だけではなく、退避距離をどの程度確保する必要があるかという点も重要であろうという御示唆を頂いております。さらに、「一定の距離」の考え方については、荷の高さを含め現場の運用に混乱が生じないよう十分な周知を行う必要があるという意見を頂いております。こういった「一定の距離」やクレーンの速度制限を現場でどう担保するのか、我々行政の者がどのように指導するかということも含めて、指導の強化・徹底について併せて検討する必要があるというような御示唆を頂いております。
 最後に、追加点として、既存の運転免許制度との関係について、2つ御意見を頂いております。現状、既存の床上運転式限定の運転免許を持つ方や、今後そういった免許取得予定の方に不利益にならないように、状況を把握しながら問題はないか確認をする必要があるという御意見を頂いております。また、現行の床上運転式免許を所持している方が、新しくできる、今検討いただいている無線用の免許を取得する場合についても、同様に検討が必要というような御意見を頂きました。
 こういったことを踏まえまして、資料7ページ、先ほど山際先生から御報告いただいた内容をざっとまとめさせていただいております。最終的な結論といたしまして、新たな資格の対象としては、「つり具の下から水平に15m以内」とするのが妥当ではないかという御意見を頂きました。また、資格の付与に当たっては、少なくとも「つり具の下から水平に15m離れた位置」での運転の技能を確認することが必要というように御提言を頂きました。
こういった今までの議論の流れで、今回報告いただきました内容を踏まえまして、8ページの資料を御覧ください。新たな限定免許で運転できるクレーン、この「一定の距離」の位置付けを検討するに当たっては、仮につり具の下から水平に15mの範囲内と限定をした場合、今まで山際先生に実施いただきました研究の結果や、ヒアリングの結果を踏まえますと、限定免許を持っておられる方が床上運転式クレーンを運転するような既存の限定免許所持者の運転位置、これが包含されている、なおかつ、一般的に床上無線運転式のクレーンを運転する際に安全に作業を行える範囲というのをどちらも含めることができると考えております。その上で、新たな限定免許を実施する際に、その実技試験については、そのコース設定によって、つり具から水平に15m程度離れて運転の技能を確認することが可能であろうということを確認しております。
 こういった点から、改めまして、新たな限定免許が運転できるクレーンについては、現行の床上運転式クレーン限定免許所持者の作業実態、こういったものを様々勘案しまして、「つり具の下から水平に15mの範囲内でスイッチ操作の無線コントローラーを用いて運転する低速の床上無線運転式クレーン等」、この中には床上運転式も含まれますが、こういった限定を掛けるのが適当ではないかと考えております。
 次のページです。こういった整理の下、新たな限定免許で運転できるクレーンを、「つり具の下から水平に15mの範囲内でスイッチ操作の無線コントローラーを用いて運転する低速(1.1m/s以下)の床上無線運転式クレーン等」とした場合、運転位置、速度制限いずれの観点からも、既存の床上運転式限定免許取得者が運転できるクレーンが含まれております。また、追加ヒアリングの結果にございましたが、実技試験・教習を仮に床上無線運転式のクレーンで行っても、既存の床上運転式クレーンを運転される方、運転されようとする方にとって特段の懸念がないということを、御意見を頂いて分かっております。一方で、前回の御議論がありましたとおり、既存の床上運転式限定免許所持者が新しい床上無線運転式の限定免許を取得しようとするケースについても、現行の限定解除という、クレーンなどの限定を外すような手続を参考にして運用を検討する必要があります。
 これらを踏まえ、赤枠ですが、前回の御議論を踏まえまして、床上運転式クレーンの限定免許、これを改組しまして、床上無線運転式クレーンを用いて、床上運転式クレーンの運転位置よりも遠く、かつ、少なくともつり具の下から水平に15m離れた位置で運転する技能を確認する試験を行うことによって、床上無線運転式のクレーン、それから、床上運転式クレーン、双方に対応した免許制度に改組することが適当ではないかと考えております。また、現行の床上運転式クレーン限定免許を所持されている方が新たな限定免許を取得する場合に、例えば重複する試験範囲を免除するなどといった経過措置を設けることが適当ではないかと考えております。ここまでが一定の距離に関する御議論でした。
 併せて、今回追加ヒアリングで頂きました内容等を踏まえて、その他の議題、論点として提示をさせていただきます。まずは、床上無線運転式クレーンの能力・機能の維持・管理については、前回御提案をいたしました無線コントローラーの送信機に対する点検だけではなくて、受信機に対しても、例えば外観やリレーの状態を年1回程度確認するといった定期的な点検を行うということが非常に重要なことと御示唆いただきました。また、無線コントローラーの受信機側の検査というのは、外観やリレーの状態確認であれば、通常、クレーンの保守点検をされる方、電気関係を担当される方など、クレーンの定期自主検査を通常行っておられる方でも対応が可能という御意見を頂いております。
 こういったことを踏まえまして、床上無線運転式クレーンに用いられる無線コントローラーの受信機についても、クレーンの年次定期自主検査の対象に位置付け、その際に、定期に検査をする際の方法として、クレーン定期自主検査指針というものがありますけれども、これに明記することが適当ではないかと考えております。
 その他、第2回で様々御議論いただきました内容についてフォローをさせていただくという意味で、11ページを御覧ください。御意見を頂きました内容としては、1点目、新たな限定免許の対象となるようなクレーンについては、現場の運用に混乱が生じないように十分な周知をする必要があるという御意見を頂いております。また、特にこの中で、「一定の距離」の考え方、クレーンの速度制限などについては、現場での運用を含めてよく検討する必要があるという御意見を頂いております。また、荷の高さに応じてどの程度退避距離を取ればいいのかといったことなど、クレーンを運転する際は荷を視認しながら運転する必要があるといった、いわゆるクレーンを運転する際において必要な基本的な動作、こういったことについても、改めて周知が必要ではないかと事務局としては考えております。
 こういった内容を踏まえて、新たな免許制度について、現場での運用に混乱が生じないように、「つり具の下から水平に15mの範囲内」という考え方や、対象となるクレーンの速度制限について、この辺りを含めまして、関連団体とよく連携をしながら、様々な機会をとらえて丁寧に周知するということが当然必要ではないかと考えております。
 併せて、クレーンの制限速度については、新たな限定免許の対象となるスイッチ式の床上無線運転式クレーン、これが現行の床上運転式や床上操作式のクレーンと同じ速度制限とする低速、ここで言う低速とは1.1m/s以下にする必要がありますが、こういった内容について、改めてクレーンメーカー・ユーザー様、様々ありますけれども、そういった方々に周知、指導等をすることが適当ではないかと考えております。
 最後に、クレーンの運転の際、荷を視認しながら適切な退避距離を取って運転することが必要であること。これは、現状作業いただいている方にとってはある種当たり前のことではありますけれども、こういったクレーンの安全運転の方法について、改めて十分に周知をすることが必要ではないかと考えております。
 事務局からの資料3の説明は以上です。
○澁谷座長 ありがとうございました。前回の検討会で「要検討」とされておりました荷から「一定の距離」の考え方等について、追加ヒアリング結果と結果を踏まえた方向性について御説明を頂きました。
 それでは、まずは、資料2のヒアリング結果でございますが、こちらについて内容等を含めて、御質問、御意見のある方は、挙手又はチャットでの書き込みをお願いいたします。部屋の方で、どなたかいらっしゃいますか。では、金子構成員、お願いいたします。
○金子構成員 発言の機会を頂き、ありがとうございます。まずもって、追加的にヒアリングを実施頂いた山際先生に感謝申し上げます。資料の新たな資格の位置付けについて、「新たな限定免許は、つり具の下から水平に15mの範囲内でスイッチ操作の無線コントローラーを用いて運転する低速(1.1m/s以下)の床上運転式クレーン及び従来の床上運転式クレーンを対象とすることが適当。」とされているところですが、秒速1.1mについては、現行の床上運転式や床上操作式の基準を引用しているとのことですが、おおもとはJIS規格の基準を引用しているものだと受け止めています。
 一方で、クレーン協会が設定している「無線操作式クレーンの安全に関する指針」では、0.66m/s以下を推奨しているということもあり、ここに食い違いがあるのではないかと思っています。
 労働側としては、無線クレーンの安全運転という視点からすれば、その運用はより低速であるべきという点と、今回は無線クレーンに特化した指針で規定されているという点からすれば、0.66m/s以下とすべきではないかと考えます。
 続いて、距離に関する要件についてですが、追加で実施いただいたヒアリングにおいて、メーカー3社とユーザー5社に対してヒアリングを実施したと承知しています。メーカーについては基本的には大多数をカバーできると先ほどお話にありましたが、ユーザーによって取り扱うクレーンの対象物は多種多様と承知しており、一概につり具の下から水平に15mという範囲を設定することについて、十分なヒアリング数といえるのか、厚労省に確認をしたいと思います。
 また、ヒアリング以外に15mと規定とする根拠について、労働側として、安全サイドに立った根拠というものが具体的にどのようなものがあるのか、という点についてもお伺いしたいと思います。以上です。
○澁谷座長 ありがとうございました。こちらは、山際構成員から何か御説明はございますか。
○山際構成員 クレーン協会さんのほうで0.66という数字があるということについては、多分、2段のスイッチで微速との切替えのこともちょっとあるのかなというように、今、お聞きしたところでは思っていまして、そういう意味では逆に、微速で動かしていると、実務的には到達する時間がちょっと掛かってしまいますので、そういう点では資格を取るという面でも、1.1のほうが適切ではないのかなというように考えております。もちろん、0.66のほうが安全側であるということは十分理解できるのですけれども、その実務を考えると、1.1というところが妥当なのかなと私は考えています。
 2番目については、お願いいたします。
○外国安全衛生機関検査官 金子様、ありがとうございます。事務局のほうからお答えをさせていただきます。まず、速度制限につきましては、御発言いただきましたクレーン協会のほうで設定していただいている指針の中で、0.66の速度制限を推奨されていることを承知しております。クレーンの速度制限につきましては、当然、遅いクレーンが必ずしも安全かというと、作業の状態にもよりますので、現場サイドで様々な御意見があろうと考えております。その上で、法令上の資格に対する使用制限を掛ける中では、現行の限定免許ですとか技能講習が1.1m/sという速度制限のものに対応していることを参考に、1.1m/sという数字を提示しているという状況でございます。
 一方で、当然ゆっくりのスピードの場合は、エネルギーが少ないこともありますので、事故リスクが低減されるというのは、おっしゃる点ももちろんあると思っています。厚労省としても、こういった関係団体様の指針もうまく活用しながら、現場のほうは周知指導するということが重要ではないかと思っております。
 2点目、まず今回ヒアリングをしていただきましたクレーンのユーザー様は、金子様のおっしゃるとおり5社しかございません。このうち、床上運転式の限定免許をお持ちの方については、前回御報告をした際では、令和5年で35名と、非常に取得をされている方が少ないので、現状そういった方が御活躍されている場として、2事業場を選定したということでございますけれども、これについては、現場の実態は、実際にお使いいただいている方に、一定沿った状態で情報を取れたのではないかと思っております。
 一方で、床上無線運転式のクレーンについては、今、設置をされているもののうち、3割以上が使われているということで、現場の中で様々な御活用の状況があると思われますので、今回のヒアリングで全てを把握できたとは思っておりませんが、そもそも昨年度の調査を頂いた際に、荷から5m以上離れて作業される方が8%程度であったということがございます。ですので、基本的には荷から遠く離れて運転をされる方というのはすごく少ないというような前提に立っております。今回の場合、限定免許のコンセプトが、一般的な作業を一定限定して、そういった方に対して限定免許を付与する。通常でないような特殊な作業をされる方については、通常どおり、難しい方の限定のない免許を取っていただくということが肝要であろうと考えております。この点については、厚労省のほうからも、うまく資格の位置付けですとか、場合によっては難しいほうの免許を取っていただくことが必要だということについても、うまくガイドをして周知、指導をしていくことが重要ではないかというように考えております。以上です。
○澁谷座長 ありがとうございました。金子構成員、いかがでしょうか。よろしいですか。15mという基準について、ある程度安全性も含めて考慮されているということなのですけれども、その辺りはよろしいでしょうか。
○金子構成員 この後の先生方の意見を伺いながら考えたいと思います。ありがとうございます。
○澁谷座長 ありがとうございました。大江構成員、お願いいたします。
○大江構成員 今の速度の1.1mの妥当性の部分について、ちょっと意見させていただきたいのですが、既にこれまでの免許を使いまして無線操作というのは行われていまして、その際、1mとか1.1mという速度では広く使われています。ここを構造規格の値を目安に運用されているという実態はございます。それを踏まえまして、これまでの山際先生の前回までの調査によると、対象期間は10数年だったと思うのですけれども、15万件相当の労働災害のデータの中から、無線に係る部分のこういった災害事例があるかどうかというのを調査いただけていると認識しています。その中で、災害事例はなかったということが報告されていますので、既に使われている実態と災害事例を広くビッグデータ、データベースの中から調査して認められなかったという、この2点があるので、1.1mという今回の数字というのは妥当ではないかなと考えます。
○澁谷座長 ありがとうございます。そのほか、コメント、御意見ある方はいらっしゃいますでしょうか。それでは、お願いいたします。
○井村構成員 何か余談みたいな感じになるのですけれども、1.1mというのが一般的に使われているというお話、それで設定するという話ですけれども、例えば免許ということなので、より何か危ないレベルの速度みたいなものを設定するというのもありなのかなと、ちょっと思いました。例えば2mとかだと大分速いわけですよね。それは意見というよりは、ちょっと感想みたいな感じなので。あくまで試験というものを考えたときに、よりレベルの高いというか、難しいような試験をやったほうが、安全確保という意味ではというように思ったのですけれども、ただ先ほど速度が遅いから安全というわけでもないという話もお伺いしていますので、結局1.1でいいのかなという感じではあるのですけれども、ちょっと思ったので、すみません。
○山際構成員 1つよろしいですか。
○澁谷座長 お願いいたします。
○山際構成員 1.1という数字なのですけれども、基本的に人間が歩く速度が大体時速4㎞ぐらいで、床上のそもそもの基本として、荷とともに移動するということがあって、それが4を3,600で割ると1.1m/sになるというところで、まずは決められているというところです。逆に、先生がおっしゃっている「2」になってしまうと駆け足になってしまうので、そこはそもそもの発端のところとは、ちょっと合致しなくなってきてしまうかなというのがございます。すみません、ちょっとフォローアップするような形になりますが。
○澁谷座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○井村構成員 はい。
○外国安全衛生機関検査官 すみません、事務局から1点補足させていただきます。クレーン協会様で出されている「無線操作式クレーンの安全に関する指針」ですが、平成16年に設定されているものですけれど、こちらの中には、先ほど御指摘のありましたスピードの制限について、0.66m/s以下にすることが望ましいという記載がございます。ただ、この指針にはクレーン協会様で解説を作っていただきまして、例えば望ましいという規定ですけれども、ただし、通路が十分に確保され、視界が良好である等、安全が確保できる場合は1.1m/s以下としてもよいというような記載があります。いずれにしろ現場の状況に応じて、推奨するものと、義務的にやっていただくものを分けて実施をするのが必要ではないかと考えております。
○澁谷座長 ありがとうございます。そのほか。中村構成員、お願いいたします。
○中村構成員 中村でございます。1.1という数字は、先ほど大江構成員のほうからお話があったように、経験値として1.1というのは主に出ているだろうと。それを実際に、今ちょっとお話したのですけれども、やはり我々人間が歩いている距離となれば、危険を察知した後に、スイッチを押して止めたときに、我々人間の前で止まってくれる、若しくは、仮に当たったとしても小さく当たる程度で済むという認識でよろしいのでしょうかね。
○山際構成員 それぐらいのスピードだということですよね。
○中村構成員 はい、ありがとうございます。
○澁谷座長 ありがとうございます。そのほか、皆様から御意見はございますでしょうか。オンラインの皆様から御発言ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、この資料2については以上としまして、続いて、このヒアリングの結果を踏まえた形での資料3、資格の在り方についてという所でございます。もう既に御意見が出ている部分もございますが、改めてこの資格の在り方について、御意見、コメントがございましたら御発言、チャットへの書き込みをよろしくお願いいたします。
 金子構成員、お願いいたします。
○金子構成員 連合の金子です。無線コントローラーについて、資料では、無線コントローラーの受信機に関してもメンテナンスの必要性が記載されています。この受信側の出力リレーに不具合が発生した際には、クレーンが予期せぬ動きをするということも考えられるため、日頃の点検やメンテナンスの規定が必要だと考えます。クレーンの点検・検査は、クレーン等安全規則において定められていると承知していますが、無線のコントローラーの送受信機の点検・検査についても、年次点検や月次点検に合わせて実施するということも考えられるのではないかと思います。
 もう1点、トラブルを未然に防ぐためには、操縦者が、コントローラーの異変や違和感をいち早く察知し、適切な対応を行うことが重要だと考えますので、無線コントローラー自体についても安全性の確保に必要な点検や整備について、新たな限定免許の試験内容に含めることとしていただきたいと思います。以上です。
○澁谷座長 ありがとうございます。こちらについて事務局から補足はございますか。
○外国安全衛生機関検査官 改めて御発言いただき、ありがとうございます。まず、御発言をいただきました中でありました試験の範囲ですね。現行のクレーン限定免許と、床上運転式クレーン限定免許、免許の項目としてはクレーンの知識、それから原動機・電気の知識、力学に関する知識とございまして、おっしゃっていただいたような内容については、クレーンの知識に通常入りうるものと考えております。
 現状でも、第2回で御提言をさせていただいた中に、試験の範囲に無線に関する知識を必ず問うというようにお伝えしていますけれど、今までの試験の際にも、試験範囲には含まれておりますが、必ずしも質問されていないという状況にございました。このため、そういった点も含めて、無線コントローラーといいますか、無線機に関する知識をその試験の際には必ず問うという点を、法令上うまく位置付けていくことによって、必ずそこの知識を確認していただいた上で免許を付与していくというような方向性が重要ではないかと考えております。
○澁谷座長 定期自主検査指針のほうは、よろしいですか。
○外国安全衛生機関検査官 定期自主検査指針につきましては、まずはクレーンの定期自主検査については、クレーン則の中に規定がございます。実際に実施をすべき項目が、月次に関しては列挙がされていまして、年次に関しては年次で点検をしなさいというような項目立てになされております。ただ、その他作業前の点検というのもございますけれども、ここにはコントローラーの機能を確認するという点の記載がございます。
 基本的に定期自主検査の目的としては、使用上問題がないことを確認するということでございますので、法令上記載されている項目は必ずやっていただく必要がありますけれども、その際のガイドとして重要になるのが、定期自主検査指針であろうというように考えております。無線コントローラーに関しては、今までコントローラーを月次、年次の対象にしてきた関係上、必ずやっていただくものと考えておりますけれども、受信機については、この法令上の範囲に含まれるかは、ちょっと微妙なところがあるかと思いますので、これを指針に位置付けた上で、必ずやっていただくように指導していくこと。こういった形で実質やっていただくというのが重要ではないかと思います。
 その上で、必ず学科試験で聞くということで、免許試験受験者に対しても、こういった知識を得た上で試験に挑んでいただくという形に持っていくのが重要かなというように考えております。以上です。
○澁谷座長 ありがとうございます。ほか、よろしいでしょうか。井村構成員、お願いします。
○井村構成員 井村です。9ページ目の最後の所に、「現行の床上運転式クレーン限定免許所持者が新たな限定免許を取得する場合、重複する試験範囲を免除する等の経過措置を設ける」というように書いてあるのですけれども、これは先ほどもおっしゃったように、無線に関する試験は必ずやらなくてはいけないというのがまずあると思うのですけれども、実技のほうはどうなるのですか。実技は必ずやる形になるのですか。
○澁谷座長 これもお願いします。
○外国安全衛生機関検査官 御質問ありがとうございます。まずは、いわゆる経過措置といいますか、既に免許を取得されている方が上位の資格を取得する際には、こういった免除規定は現行でもございます。床上運転式の限定免許をお持ちの方が、限定のないクレーン免許を取ろうとした場合には、実技試験としては合図のみ免除をされていまして、それ以外については実機で試験をする必要がある形になっています。これは運転をする際には、合図者がどのような内容のシグナルを送っているか、それに合わせて必要な操作ができるかという点に関しては、クレーンの種類にかかわらず、合図者の伝えようとしていることが分かるということが重要であろうというように整理されたものと理解しています。このため、こういった規定を参考に、新しい限定免許に乗り換えるという人についても同じような措置が必要ではないかと思っています。
○澁谷座長 ありがとうございます。ほかは、いかがでしょうか。よろしいですか。オンラインの皆様から何か御発言はございますでしょうか。特段御意見ないようでございますが、先ほどの資料2も含めて、速度等も議論を頂いたところでございますが、おおむね御意見としては出していただいたかなと思います。よろしいですか。
 それでは、こちらの資料2及び資料3については、御確認いただいたということで、次の議題のほうに移らせていただきます。それでは議題2の報告書(案)のほうに移ります。こちら、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○外国安全衛生機関検査官 では、資料4、5に基づきまして、「床上無線運転式天井クレーンの運転に係る資格の在り方に関する検討会報告書(案)」について御説明させていただきます。資料4を御覧ください。まず、目次として全体構成、今回の検討会の趣旨・目的及び参集者の皆様について、1として記載しています。現状の免許制度の説明を2で、3として、今回、山際先生を中心に実施いただきましたヒアリング調査の結果、また本日頂きました考察の内容を記載しております。その上で、4として、事務局から提示した内容を含め、この検討会で御議論いただいた内容をその順に列挙した上で、5として検討結果を示している構成にしております。
 順次、内容を説明させていただきます。まず、1として、検討会の趣旨・目的及び参集者です。(1)趣旨・目的は、この検討会の設置要項の内容に準拠して記載させていただいており、床上無線運転式天井クレーン、これは運転者が荷と同じ高さの床の上でクレーンを運転すること、こういったことで製造業等で広く使われていますが、免許の取得に当たっては、全ての種類のクレーンが運転できるクレーン・デリック運転士免許やクレーン限定の運転士免許が必要になります。ですが、床上で運転するクレーン、これが運転席式のものよりも運転がしやすい面があるので、この検討会で、安全性の確保を前提とした上で、使用実態を踏まえて運転資格の在り方、検討を行ってまいりました。
 (2)に参集者の皆様を記載させていただき、(3)として、今までの第3回までの検討内容、議題を順次記載させていただいております。
 4ページを御覧ください。2の(1)として、現行のクレーン免許の資格の位置付け、資格制度の考え方を記載しております。(1)にあるとおり、労働安全衛生法及び関係法令に基づき、つり上げ荷重5t以上のクレーンの運転に就くには、①のクレーン・デリック運転士免許、②の床上操作式クレーンに限定した運転技能講習の修了、③床上運転式クレーン限定の免許、この3種類が設定されており、いずれかを取得していただく必要があります。なお、令和5年度においては、クレーン・デリック運転士免許については1万人程度の方、床上操作式のクレーン運転技能講習修了者については6万7,000人程度の方が取得された一方、床上運転式クレーン限定免許については35名の方にとどまっている状況です。
 (2)として、これらの資格制度の考え方の現行の整理をしております。基本的には運転できる天井クレーンを3つの観点で整理をしております。①走行速度、②荷の垂直方向の視認性、③荷の水平方向の視認性の3種類で説明をしています。走行速度については、本日も御議論いただきましたが、床上運転式クレーンと床上操作式クレーンは運転者が歩いてクレーンに追従する必要があるということから、床上運転式についてはクレーンの走行、床上操作式については走行・横行に速度制限1.1m/s以下の速度制限を設けています。一方、運転席式の天井クレーンについては運転席がクレーンに設置されていますので、速度の制約はありません。こういった点から、運転席式の天井クレーンについては高速走行の速度制御作業が必要となりますので、その他のクレーンに比べて速度の点で難易度が高いと言えます。
 また、②として、運転席式のクレーンは荷より高い位置の運転席で運転をすることから、荷と周辺関係の垂直方向の位置関係を把握・視認するのが難しい点で、他のクレーンよりも難易度が高いと言えます。
 最後、③です。運転席式の天井クレーンや床上運転式クレーンは、運転者がクレーンの走行とともに移動しますが、横行方向に移動する必要がないということで、床上操作式と性状が異なるところがあります。ですので、荷と玉掛け者や障害物等との水平方向の位置関係の視認は床上操作式のほうが難易度は低く、床上運転式や天井運転席式のクレーンは難易度が高いと言えます。
 これら3点を踏まえ、最も難易度が高い一般的な天井クレーンの運転には「免許」を必要として、もっとも難易度が低い床上操作式のクレーンは「技能講習」を必須とし、その中間の難易度に当たる床上運転式クレーンについては「限定免許」が必要という整理になっております。
 その他、運転に必要な知識・技能として、その取得には免許試験を課しております。場合によっては実技教習の場合もあり得ます。試験については、指定試験機関が実施している学科試験、実技試験を合格していただく、若しくは実技試験の合格に代えて登録教習機関の教習を修了する必要があるとしています。その上で、床上運転式クレーン限定免許については、学科試験がクレーン限定のクレーン・デリック運転士免許と一緒です。実技試験や教習については床上運転式クレーン独自のものを使っており、一部の内容や時間については差異がある状況です。
 こういった現状の運転免許の制度を踏まえた上で、(3)として、新たな資格の検討に当たっての論点として3つを提示しています。具体的には、「新たな資格の位置づけ」「新たな資格の学科試験の内容」「新たな資格の実技試験・教習の内容」という3点について、今回、運転資格の在り方を検討していただきました。
 7ページを御覧ください。3の(1)から(4)まであります。こちらで現状まで行っていただきました、床上無線運転式天井クレーンの運転資格制度の在り方を検討するに当たっての調査・ヒアリングを実施した内容を記載しております。(1)は、山際先生に実施いただきました令和6年度の厚生労働科学研究の内容と、その結果を簡単に記載しております。①として、床上無線運転式クレーンの使用実態を調査したアンケート調査の内容です。つり上げ荷重5t以上の天井クレーンを保有する事業場に無作為に2,000箇所程度にアンケートを送付して、回答を回収して集計した結果を分析しますと、床上無線運転式クレーンの操作可能な者については31.4%でした。そのうち、無線コントローラーのスイッチ式のものを採用しているのが87.5%ありました。また天井クレーンを使用する際の作業実態として、運転者がつり荷から5m以上離れて作業を行うという事業場は8.2%にとどまっています。また、作業対象の事業場では資格取得者の中に床上運転式限定の免許をお持ちの方は全体の4.9%にとどまっていました。
 ②として、アンケート調査で、作業者が感じる労働災害発生リスクについて分析をしていただきました。その中では、作業者が床上無線運転式クレーンの作業場で感じるリスクとしては、床上操作式クレーンや床上運転式クレーンよりも高く、通常の運転席式の天井クレーンより低い結果になるという御意見を頂いております。
 次のページを御覧ください。平成18年から令和3年までに発生した労働災害のデータベースを分析していただき、無線特有の労働災害発生リスクについて分析いただいたところ、無線コントローラーの使用時の通信途絶等、床上無線運転式クレーン特有のリスクによる労働災害は確認できませんでした。一方、ほかの床上運転式クレーンで発生するものと同様の労働災害は一定数発生しておりました。
 ③で、無線コントローラーに関して別途ヒアリングをしていただきました。その際に、国内で使用される床上無線運転式クレーンの無線コントローラーについては、床上運転式クレーンで使われているペンダントスイッチ等と基本的に使用方法は同じものがほとんどであり、その上、通信エラーへの安全対策として、通信エラーがあった際に自動で停止する機能が基本的に全ての床上無線運転式クレーンに具備されていたと確認いただきました。一方、無線コントローラーについては、日常的な点検項目が明確に位置付けられていない、また、メンテナンスが適切に行われていないため、急に使用できなくなるケースがあり、天井クレーンの定期的な点検に合わせて無線コントローラーの点検を行っていくことで、メンテナンス不足によるリスクを低減することができるということが分かりました。
 (2)として、厚生労働省のほうで指定試験機関に実施したヒアリングの内容を記載しています。指定試験機関はクレーン・デリック運転士免許や床上運転式限定免許を実施していただいていますが、床上無線運転式クレーンの運転技能の確認等についてヒアリングを行ったところ、運転席式の天井クレーンを用いる通常の限定のない免許の実技試験コースは、運転者が高所から見ることを意図して設計をしている一方、床上運転式クレーン限定免許の実技試験コースについては、床上からの操作を意図しており、また、床上無線運転式クレーンは床上運転式クレーンに比べて運転位置の自由度は非常に高く、様々な角度で荷を視認できる、運転位置の制限を加えない場合、今までの床上運転式クレーンよりも実技試験の難易度は低いということでした。一方、運転位置に一定の制限を掛けると、荷の視認角度が限定され、難易度が高くなるということでした。スイッチ式、レバー式それぞれの無線コントローラーを試運転したところ、必要な技能はそれぞれ別物でしたが、スイッチ式のほうが操作しやすい傾向がありましたので、公平性の観点から、どちらかに統一することが必要という御意見を頂いております。
 最後、(3)として、今回実施いただいたヒアリングの内容をまとめております。基本的には先ほど御説明いただいた内容と同様ですが、ユーザー5社、無線機メーカー3社にヒアリングを頂き、荷と運転者の距離は10m程度までであり、15m以上離れて運転する事例はありませんでした。また、床上運転式クレーン限定免許所持者による床上運転式クレーンの運転は、いずれもスパン15m未満のものを使われていました。さらに、新たな資格試験を無線機で行うことにより、何らかの懸念があったかということを問うたところ、無線で行うことについての懸念は見られませんでした。また、併せて無線機メーカーにヒアリングしたところ、無線機を用いたクレーンは、ほとんどがスイッチ式であるということが改めて確認され、床上無線運転式クレーンの定期自主検査の際に、送信機側ではなく受信機側のメンテナンスを確認することもメンテナンス上重要ですという御意見を頂きました。
 (1)から(3)の結果を踏まえ、先ほど御発言いただいたとおり、(4)考察として4点を記載しています。考察については先ほどお話いただいた内容を記載しておりますので。割愛いたします。
 10ページを御覧ください。これが第2回、第3回の御議論をまとめたものです。この3の調査結果を踏まえ、4は、運転資格の在り方の検討を行った内容を記載しております。(1)として、床上無線運転式クレーンの運転に必要な技能・知識ということでまとめております。ここのクレーンの運転に当たっては、周辺環境を視認しながら荷をつり上げる技能、定められた軌道に沿って走行・横行・斜行を行う技能、障害物の乗り越え等を行う技能、定められた場所に荷をつり下ろす技能が必要です。また、玉掛け者・合図者と連携した操作を行う技能が求められます。この運転については、荷と同じ高さである床上から、無線コントローラーを用いて行います。その際に、床上運転式、床上操作式の既存の免許、限定免許、技能教習の対象のクレーンに比べて、水平方向に離れた位置で行うものです。また、クレーンの運転に必要な知識については、ほかのクレーンと同様に、クレーン自体の知識、原動機及び電気に関する知識、運転に必要な力学の知識、関係法令の知識が求められます。
 このうち、運転の技能については、2番で申し上げた3つの内容について、その必要な技能に差がありますと記載しています。①については走行速度・横行速度の内容、②、③については荷の垂直方向の視認性、水平方向の視認性です。横行速度については、1.1m/s以下という制限があるかないかということです。②については、荷を運転する高さは床上の高さから運転するということです。①、②については、いずれもスピードにリミットを掛けて床上から運転するということであれば、床上運転式や床上操作式のクレーンと同等の技能が必要であろうと分析しております。③荷の水平方向の視認については、水平方向の運転位置に制約がないとした場合は、床上運転式よりも当然難易度が高くなります。特に、荷の横行方向のみ離れた位置で運転する床上運転式に必要な技能と比較をすると、床上無線運転式の場合は、荷に近づいた際の運転議能も荷から離れた際の運転技能もどちらも必要になります。
 一方、実態を調査すると、つり荷から5m以上離れて運転するというケースは8.2%にとどまるなどの実態がありました。この辺りを勘案して、運転できるクレーンの運転位置を一定の範囲内で制限をするとした場合に、通常の運転席式の天井クレーンよりも荷の視認性の必要な技能を低くした上で、床上運転式よりは高く技能を設定することができるということです。
 こうした無線クレーンの一般的な使用実態を勘案して、対象とする床上無線運転式の走行・横行速度、一定の距離の範囲を制限した上でスイッチ式の無線コントローラーを用いた場合を想定すると、ほとんどの床上無線運転式クレーンの作業に必要な技能がカバーできます。その上で、運転席式の天井クレーンよりも必要な技能が低く、かつ、床上運転式の限定免許の対象となるようなものの必要な技能よりも高い設定となります。
 (2)として、先ほどお話した内容と重複しますが、新しい資格の範囲として、「つり具の下から水平に15m以内」とした上で、資格の付与に当たっては、「つり具の下から水平に15m離れた位置」での運転の技能を確認することが必要であると書いております。その上で、15m以内の範囲内と限定をした場合、通常の床上運転式クレーンの運転範囲、それから一般的な床上無線運転式クレーンの作業を安全に行う範囲、どちらも範囲に含めることができます。追加として、この「一定の距離」の範囲については、退避距離の確保も当然重要になるので、現場の運用に混乱が生じないように十分な周知が必要と記載しております。
 次ページを御覧ください。(3)新たな資格の在り方と既存の免許との関係です。法令上の資格試験と免許制度については、学科試験と実技試験で、実技試験については教習もありますが、それぞれ必要な能力は担保しておりますので、床上無線運転式クレーンの新しい免許を検討するに当たっては、既存の免許で確認している技能・知識との差異等を考慮する必要があります。①学科試験については、基本的には必要となる知識は同等ですが、無線コントローラーについては、従前からの範囲には含まれていますが、誤作動のリスク等も踏まえ、必ず無線コントローラーに関する知識を問うようにする必要があります。
 ②として、実技試験・教習については、運転席式の天井クレーンに用いられるクレーン・デリック運転士の免許の実技試験、それから、床上無線運転式クレーンに必要な技能を比較すると、走行速度、荷の垂直方向の視認性で乖離しています。一方で、床上運転式クレーンの今の限定免許の測っている技能と比較すると、運転者の運転位置がやや遠いという点を除いて、床上無線運転式に必要な技能と非常に近いと分析をしています。
 ③として、床上無線運転式クレーンを用いた実技試験・教習で確認できる技能としては、床上運転式の現行の限定免許の対象は、有線のペンダントが届く範囲で操作していますが、一方で床上無線運転式の場合は、それ以外の範囲からも当然操作することができるということですので、この運転位置について、無線機を用いた実技試験・教習において、既存の床上運転式クレーンの運転範囲と、それよりも遠い範囲のどちらでも運転技能の確認の試験をするということで、どちらにも必要な運転技能を確認することができます。かつ、クレーンの運転の合図については、同様の位置で実施をすることで、これも同様に必要な技能の要否が確認できると記載しています。その上で、今回頂いた追加ヒアリングにおいては、床上運転式クレーンを運転する際に、今後新しい免許でやったとしても、その試験方法について特段の懸念はないということが分かっております。
 こういった点を踏まえて、運転できるクレーンを「つり具の下から水平に15mの範囲内でスイッチ操作の無線コントローラーを用いて運転する低速の床上無線運転式クレーン及び床上運転式クレーン」に限定した免許とし、その上で、新たな資格に必要な実技試験については床上無線運転式クレーンを用いて行い、床上運転式クレーン限定免許の実技試験における運転位置と、それより遠いつり具の下から水平に少なくとも15m以上離れた運転位置の両方で技能を確認することとした場合、床上無線運転式クレーンの使用実態に近く、実際の運転スキルにもつながる実技試験の形態としつつ、現行の床上無線運転式クレーンの運転に必要な技能も併せて確認することができると記載しています。
 (4)として、新たな資格により運転できるクレーンの種類を記載しております。まず、運転席式の天井クレーンについては、高速の走行を安全に行えるように多段式のレバー操作を使っている例が多いです。一方、速度制限のある床上運転式クレーン、床上操作式クレーンについては、多くても2段階程度でしか速度操作ができないスイッチ式が用いられているため、実技試験についても、このペンダントスイッチで行っています。
 一方で、床上無線運転式クレーンについては、運転者が必ずしもクレーンに歩いて追従する必要がないという点から、スピード制限はありませんが、実際は87.5%が高速走行に向かないスイッチ式の無線コントローラーを用いている状況です。高速走行に対応するためにはレバー操作の実技試験を行うことも可能なのですが、その場合は試験の難易度が上がります。スイッチ式の無線のクレーンのみを運転する者にとっては、そういうハイランクの試験というのは、業務で使用しない技能まで求められるという点で、必要な技能を限定する趣旨にそぐわないと記載しています。
 次のページを御覧ください。(5)その他です。この辺りの検討の内容に併せて追加でいただいた御意見の内容と、ヒアリングで把握した内容を記載しております。現行の床上運転式クレーン限定の免許を保有している方が、新たな資格が改組された場合に資格を取得し直さないと床上運転式クレーンが運転できなくなるのは不合理である。それから、今までの床上運転式クレーンの限定免許をお持ちの方が新しい免許も取得したいという場合に、例えば、学科試験等の免除についても併せて検討が必要です。また、床上無線運転式クレーンに用いられる無線コントローラーは、一般的には通信エラー等の際に自動で停止する機能が備わっていることが分かりましたが、法令上のこの機能への担保が行われていない。また、無線コントローラーの月次、年次で点検すべき項目について、この指針の中で位置付けがされていない状況です。さらに、無線クレーンの機能を適切に維持・管理するためには、コントローラーだけではなく受信機についても、例えば年に1回程度、定期的に点検を行う必要があります。受信機の点検については、外観やリレーの点検であれば、クレーンの保守点検担当者や、通常クレーンの定期自主検査を行う者が十分に対応可能であることが分かっています。その上で、「一定の距離」の考え方、スピードリミットの話、新しい限定免許の対象になるクレーンについて、現場の混乱が生じないように、十分な周知や現場での運用を含めた検討が必要であると、意見をまとめております。
 次ページを御覧ください。この1から4までの内容を踏まえて、「5 検討結果」として、(1)から(3)まで記載しております。冒頭に記載していますとおり、報告書の中では、「このうち、制度改正や取組の推進が適当とされた事項については、厚生労働省において速やかに必要な法令改正等を行うべきである」と記載しております。
 (1)から順番に御説明いたします。(1)新たな資格の位置づけとして、床上無線運転式クレーンに対応した新たな免許を創設することが適当であるとしています。新たな免許創設に当たっては、床上無線運転式クレーンを用いて、床上運転式クレーンの運転位置よりも荷から離れた位置で運転する試験とすることにより、床上無線運転式クレーン及び床上運転式クレーンの両方に対応した免許制度とするよう、床上運転式クレーン限定免許を改組することが適当であるとしています。この新たな限定免許が運転できるクレーンは、つり具の下から水平に15mの範囲内でスイッチ操作の無線コントローラーを用いて運転する低速の床上無線運転式クレーン及び床上運転式クレーン、これを「床上無線運転式クレーン等」と書いておりますが、こういったことにするのが適当であると記載しています。
 また、新たな限定免許により運転が可能となる床上無線運転式クレーンは、走行・横行に係る速度を1.1m/s以下で、書いてありますような運転位置の制限を掛けた上で、スイッチ操作の無線コントローラーによるものに限るとした上で、これ以外のハイスピードのものや荷から遠くの位置で運転する場合については、引き続き従前のクレーン・デリック運転士免許、クレーン限定のものも含みますが、こういったものをお持ちの方でないと行ってはならないとしてはどうかと記載しております。
 (2)新たな資格の学科試験、実技試験及び教習の内容についてです。この内容については図5にありますが、基本的に、床上運転式クレーン限定免許に必要な学科試験、実技試験、教習の内容を踏襲することとし、その際に、学科試験においては、無線コントローラーに関する項目を必ず確認させることが適当であり、かつ、実技試験及び教習においては、スイッチ操作の無線コントローラーを備えた床上無線運転式クレーンを用いて、床上運転式クレーンの運転位置よりも遠い、少なくともつり具の下から水平に15m離れた位置で運転する技能を確認する試験とすることが適当であると記載しております。
 (3)その他として、複数の内容をまとめております。まず、施行時点で床上運転式クレーン限定免許を保有している者は、新たな限定免許を取得せずとも引き続き床上運転式クレーンが運転できることとすること、また、新たな限定免許を取得する場合に、重複する試験範囲を免除する等、必要な経過措置を設けることが適当と書いております。また、床上無線運転式クレーンに用いられる無線コントローラーを使用する際、通信エラー時に自動停止等する機能を具備させることを義務付けることが適当であるとしています。さらに、受信機を含めた無線コントローラーを定期的に点検する際の方法を、クレーン定期自主検査指針に明記することが適当であるとしております。
 このほか、今回提示をした内容に含まれますが、新たな限定免許制度について、現場の運用に混乱が生じないよう、「つり具の下から水平に15mの範囲内」の考え方、対象となるクレーンの制限速度を含め、関係団体とも連携し、様々な機会をとらえて丁寧に周知することが適当であるとしております。特にクレーンの制限速度に関しては、新たな限定免許の対象となるスイッチ式の床上無線運転式クレーンが、現行の床上運転式や床上操作式と同様に低速(1.1m/s以下)とする必要があることについて、クレーンメーカー・ユーザー等に指導等することが適当であるとしております。
 最後に、次ページを御覧ください。クレーンの運転時に、荷を視認しながら適切な退避距離を取って運転することをはじめ、クレーンの安全運転の方法についても十分に周知・指導することが適当であると記載して報告書を締めくくっております。資料5については、この5の検討結果の内容をまとめたものです。説明は以上です。
○澁谷座長 ありがとうございました。第2回及び今回の検討会の議論を取りまとめた報告書(案)についての御説明でした。資料4及び資料5について、御質問や御意見のある方は挙手又はチャットへの書き込みをお願いいたします。大江構成員、お願いします。
○大江構成員 御説明ありがとうございました。資料4の5番目の最後の所に、丁寧な周知や、混乱を生じさせないようにということが大切だという説明がございました。私もそのように考えていまして、今日の議論では低速1.1m/sに限ることが提示されました。そこで混乱するかなと思うのが2件ございまして、この辺に配慮していただくことが必要だなということで意見を述べさせていただきます。
 1点目が、理屈上ですけれども、これまでの制度を考えますと1.1m/sを超える無線操作式の天井クレーンと、この新たな限定免許を対象とした1.1m/s以下のクレーンが存在することになります。そうした場合に、これまでの限定免許と技能講習で操作するクレーンというのは見た目的に分かるのですけれども、この無線操作式の速度が速いか遅いかというのは見た目では分からないので、新たな限定免許を持っている人が、このクレーンは操作していいのか、操作してはいけないのかというのは視覚的には分からないので、そこへの配慮が必要かなと思います。定格速度を表示しておくか、限定免許のクレーンであるというのをどこかに表示するか、こういうことを注意しなさいというのを行政文書で周知することになるかと思いますが、そういったことが必要かなと考えています。
 2点目は、この報告の中でもあったのですが、一般的な運転席操作式のクレーンが無線操作式に置き換わっていく実態があると報告されています。そのとおりだと思いますが、そうした場合にクレーンの定格速度、運転席の場合は1.1mより速い場合が多くございます。あとから無線操作式を追加したとき、無線操作の速度を1.1mに抑えて運用している場合が多々ございます。そうしたときに、この限定免許が無線操作で1.1m以下に押さえてあれば操作できるのかどうか。こっちは解釈になるのですが、解釈によって混乱が生じないように、こちらのほうは周知が必要と考えています。以上です。
○澁谷座長 ありがとうございます。事務局から御説明をお願いします。
○外国安全衛生機関検査官 大江様、御発言ありがとうございます。2点、特に床上無線運転式クレーンの速度について御提言を頂きました。1点目、理屈上、床上無線運転式クレーンの中では1.1mより速いものと1.1m以下のものが混在して、それは視覚的に分からないというのはおっしゃるとおりかと思っています。例えば床上操作式や床上運転式から無線に切り替えた場合ですと、基本的には定格速度1.1以下となることが想定されていますが、2点目にも関連しますけれども、運転席式から無線に切り替えた場合、特に速い設定のものも可能ですし、そうでない設定も可能と理解しています。厚労省としては、当然、周知が重要というのは重々認識していますけれども、特に、使用する無線のコントローラーの設定をする際に、このコントローラーで操作するクレーンを限定免許の方が使用できるかできないかを中心に、分かりやすい形で表示していただくことが重要であろうと思っています。その上で、施行に合わせて、そういった表示をすることが重要ですよということをお伝えし、業界団体とうまく連携しながら、効果的にそういったことが分かるような取組について連携して行っていくことが重要だろうと思っています。
 併せて、2点目にお話いただきました、もともとは速いスピードで動けるけれども、無線機を用いるとスピードがゆっくりになるようなものを、限定免許の方が運転できますかという御質問については、行政としては、それは可能であると、無線機を使う上においては可能であるという制度設計を、今考えていまして、そのようなことが分かるように丁寧に周知、指導しておくことは必要であろうと思っています。御提言いただいた内容についても、現場にうまく伝わるように工夫してまいりたいと思います。
○澁谷座長 お願いします。
○安全衛生部長 基本的に鈴木の申し上げたとおりですが、付言しますと、今回のものはスイッチ式に限定していますので、仮に運転席式を無線式にする場合は、普通、レバー式にすると思います、スピードが出せないのはメリットがないので。そういう意味で、今回の免許はスイッチ式にコントローラーを限定して行いますので、分かりやすい考え方としてスイッチ式は1.1m/s以下なんだというのを業界標準としていただくのが一番分かりやすいなと考えています。そういった形で標準を含めてですけれども、行政指導していければと考えてございます。
○澁谷座長 ありがとうございます。ちなみに、スイッチ式で高速運転はできるのですか。
○大江構成員 私も全部を把握しているわけではないのですが、弊社では1.1m以上の無線操作式というのは把握できてないです。みんな低速になっています。
○澁谷座長 スイッチであれば1.1m以下で。
○大江構成員 はい、そうなっています。
○安全衛生部長 私より山際さんのほうはお詳しいと思いますが、スイッチ式というのは、普通、2段変速しかないので、スピードを生かしきれないです。そういう意味で、もともと低速のために作られた、ペンダントスイッチとして作られたものなので、もともとの用途からして低速でしか使われないという実態があると思っています。そういう意味では、先ほど説明したとおりスイッチであれば低速でやっていくのが一番いいかなと思っています。山際先生、何かあれば。
○山際構成員 私からは特に、その1.1というところでいいかなと思います。
○澁谷座長 スイッチ式で特段高速のものが出ないのであれば問題ないかなと。逆にあると、労働者の方が間違って運転して、それで事故を起こしたときに責任は誰にいくんだというのが、多分、整理しきれませんので、そこは業界を含めてきっちり運用していただければと思います。そのほかいかがでしょうか。
○井村構成員 今の話でちょっと思ったのですが、私、機械に関して詳しくないので質問です。速度の設定で、先ほど1.1mで分かるか分からないかという話があったと思いますけれども、これがどこまで厳密にやる形になるのですか。例えば1.2mとかになってもいいでしょうという話ですけれども。それと別に、速度というのはどこで設定する形になるのですか。例えばコントローラーでリモコンで低速・高速といったスイッチがあるという話でしたけれども、それを、例えばどこかでユーザー側が設定することで速度が可変的に変えられるものなのかどうかを、ちょっとお伺いしたいなと思ったのです。速過ぎる無線が出てこなければいいという話ではあると思いますが、ユーザーのほうでそういう設定が可能であるならば、ちょっとややこしい話になってくるのではないかと思いました。
○澁谷座長 お願いします。
○外国安全衛生機関検査官 一旦、行政で分かる範囲でお話できればと思います。速度の設定ですが、どのぐらい厳密にいくかという話で申し上げると、現行の床上運転式とか床上操作式の1.1m/sの制限については、基本的に行政が分かる範囲で一定の厳密性をもって運用しています。クレーンを設置する際は落成検査の前に必要な設置届などがありますけれども、要はどの程度のスペックなのかを行政にお出しいただいて、合格したものに対して検査証を付与する形で運用しています。その際に定格速度ですね、定格の重りを吊った上でどこまでスピードが出るかというのは、記載をして書面で出していただく必要がありますので、それが正しいかも含めて行政で確認しています。
 その上で、クレーンの速度設定については機械的な設定もございますし電気的な設定もございますけれども、いずれの要素も含めた上で定格速度を設定していただいているものと理解しています。クレーンの機能としては速く運転できるけれども、無線機を使ったときにはゆっくりのスピードでしかできないという設定自体は、無線機メーカーの皆様に確認したところ、ユーザーのほうで可能だと確認しています。安井部長が申し上げたとおり、通常、スイッチを使う方はゆっくりのスピードを想定していることが多いので、そのような設定に使われることが通常であり、そもそも、そういった用途の低い速度のクレーンの切り替えというのが一般的であろうというのが当初の見込みです。その他、実際の運用面についてはメーカーの方のほうがお詳しいところがありますから、行政が把握している範囲では、今、申し上げたとおりかと思います。
○井村構成員 今、イメージしていたのは、操作している人が勝手に速度を変えて暴走させたりする可能性はないのかという話で、それはないのですね。それがないなら全然問題はないと思います。
○澁谷座長 レバー式はそういう可能性がありますけれども、スイッチ式で。
○井村構成員 レバー式は分かりますけれども、スイッチ式ではそこまでできないということですよね。
○澁谷座長 せいぜい2段階。
○安全衛生部長 それは、そのように速度をメーカーのほうで設定して、ユーザーが操作できないようにするということだと思います。
○井村構成員 そういう方向に持っていく形になりますね。
○安全衛生部長 そうですね。ユーザーにそこまで速度制限の義務を課すのは、過大責任ということですので、メーカーのほうで、スイッチの場合は、速度を出そうとしても1.1m/sより出ないような設定をすることを求めることになるかと思います。
○澁谷座長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。金子構成員、お願いいたします。
○金子構成員 ありがとうございます。他の先生方の意見通りかと思います。自身が有する免許の範囲を超えたものを扱うということがないよう、適切な監督指導をいただきたいと思います。合わせて、報告書取りまとめ後には、労災が発生してないか実態を把握するとともに、その状況を踏まえた必要な見直しを行っていただくことをお願いしたいと思います。
 もう1点、垂直方向に関する規定についてお伺いしたいと思います。報告書4ページの②や、13ページに、「運転者が必ずしも歩いてクレーンに追従する必要がない」という点で、運転席式の天井クレーンと無線操作式クレーンの垂直方向の難易度が同様と記載がされていますが、現在示されている報告書には操作範囲について垂直方向の制限がないものと受け止めています。無線コントローラーを使用することで、操作時の立ち位置が自由になりやすいため、荷の垂直方向の視認性という観点から一定の制限を掛ける必要がないか伺いたいと思います。
○澁谷座長 事務局からお願いします。
○外国安全衛生機関検査官 金子様、ありがとうございます。2点、御質問を頂いたものと承知しています。1点目ですが、当然、この報告書をおまとめいただいた上で我々のほうで必要な制度改正を行ってまいりますけれども、実際に制度が運用された後、制度の運用状況をウォッチした上で必要な改正を行っていく、これは当然かと思っています。特に周知する内容を含めまして、業界の皆様とうまくタッグを組みながら、状況を把握した上で必要な改正を追加でしていくことは当然だろうと思っています。
 2点目ですが、荷の垂直方向の視認性の制限について、今回の無線によるクレーンの資格については、床上運転式の限定免許で今運転できている方と比べまして、一定の距離の範囲内で行ってくださいという水平方向の限定を掛けた上では、垂直方向に非常に大きなずれを今のところ把握していないというか、スキル上、大きな差がないであろうというのが、山際先生からの御発言も踏まえた上で行政の見込みです。
 一方、非常に高いとか荷が視認できない位置で運転するケースなど、我々が承知していない範囲で想定されるところです。そういったケースでは、報告書の中にもありますけれども、少なくとも荷を視認しながら運転することが、運転上、非常に重要であると。この免許の対象が、荷を視認できるような形で床上から無線機を用いて使用することが主眼となっていますので、そういう特殊なクレーンを使う方については、この限定免許ではなく、通常の難しいほうの免許を使っていただく。この辺りも運用上、上手に切り分けをして周知をするのが重要であろうと思っています。いずれにしろ、必要な範囲を明確にした上で、現場の運用に混乱が生じないように周知をしていく見込みです。
○澁谷座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。垂直方向の視認性の制限がないというのは御指摘のとおりなのですが、今回、対象が天井クレーンであるということで、天井クレーンの段階である程度上限が存在することと、先ほど事務局がおっしゃったように、よほど特殊な形態の場合に例外が発生する可能性があるのではないかということは、ある程度認識した上で、今回はそこの規定は設けていない状況です。山際構成員から何か補足がございましたら。
○山際構成員 我々の調査の中でも、床上操作式という範囲であれば、大体高さとしても数メーター程度の所の作業が一般的ですので、そこにあえて踏み込んで何か数字を設ける必要はないのかなという認識でいます。
○澁谷座長 ほか、よろしいでしょうか。
○金子構成員 報告書の取りまとめの方向性については理解できると受け止めています。一方で、報告書においては、運転資格の在り方について、安全サイドに立った根拠や数値が明記される必要があると思っています。現時点での記載はヒアリングによる実態やほかの規定を踏襲するものであって、今回、新たに定める速度や範囲といった要件について、安全性が確保されているという安全サイドに立ったエビデンスが不足している受け止めており、その点、追記いただきたいと思います。
 その上で、報告書は現時点でも素案となっている箇所も多々あることから、改めて検討会を開催することで、新しい運転資格によって作業に従事する労働者のより安心・安全を確実に確認した上で、報告書の取りまとめを行うべきと考えます。以上です。
○澁谷座長 御指摘、ありがとうございます。斜線の部分は、今回の審議事項の中の案件が報告書ということなので、フィックスしているかしていないかというよりは、分かるように記載されているということです。そのほか事務局から。
○外国安全衛生機関検査官 金子様、御指摘ありがとうございます。事務局側としましては、今回、お話いただきましたように安全サイドに立ったエビデンスの提示自体は、もちろんおっしゃるとおりです。その上で、これを実施するために山際様に御協力も頂きながらヒアリング調査の実施を積み重ねてきたところです。その上で、この目標とすべき数値については、既存の規制、床上運転式、床上操作式の速度規制など、ヒアリングの実態を踏まえ、山際先生から頂きました御意見も踏まえた上で15mという水平距離の範囲内を設定している状況です。そういったことで必要なエビデンスという意味では、現時点で御提供できる範囲では一定の御提供をしているところです。
 報告書の中に、より詳細なデータを書き込むということは、もちろん事務局側としては問題ないと、必要な情報自体を書き込むことは可能ですけれども、調査した範囲とか御提言いただいた内容については、基本的に必要な情報は収集した上で記載をしていると考えています。その上で、今回、御審議いただきまして、報告書の内容について特段の新しい論点とか大きな修正点がありましたら、再度検討会を開催することはもちろん厭わないところですけれども、この報告書案の方向性と言いますか記載について、この場で御議論いただいて、どのような状況か御判断いただきたいというのが事務局側の考えです。
○澁谷座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○安全衛生部長 現時点では、この報告書案の内容についてそれほど大きな影響を与えるような御意見は出ていないと思っていますので、事務局としては、本日でいわゆる座長一任の形で終了したいと考えていますが、座長一任と申しましても、実際に御意見があれば書面のやり取りをすることは可能です。期限は決めさせていただきますけれども、いついつまでに修正意見等がございましたらお寄せくださいという形で、それを反映した上で座長に御確認いただいた上で修正することは可能です。そのような形で進めるというのはいかがでしょうか。
○金子構成員 報告書の記載ぶりについて、安全サイドに立った視点から検討をいただきたいと思います。また、先ほど申し上げたとおり、報告書を取りまとめた後について、施行に向けた周知徹底をいただくとともに、施行後の労災発生状況について実態把握を行い、必要な見直しを行うことについて、お願いしたいと思います。以上です。
○安全衛生部長 特に、施行された後に実態調査すべきとか、そういった御提言について報告書の中に盛り込むのは可能ですので、こちらのほうで修文案をお作りして再度御確認いただくのは可能です。
○澁谷座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。この検討会の第1回のときに、この資格を導入するに当たって、どういうリスクがあるのかを洗い出した上で山際委員に分析・調査等を進めていただいていますので、まず、原則として安全サイドに立った上での検討会である中での今回の結論になってございます。御指摘がございましたとおり、この報告書の中のものを進めていった上での運用面での課題であるとか、実際に想定されていなかった労働災害が起きてくる可能性も十分あるわけです。それは、その後のモニタリングで適宜監視をしながら、何かあれば即座に行政のほうで対応していただくことになっていくと考えてございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。ありがとうございます。大変熱心な御議論、ありがとうございました。そのほかオンラインの皆様からも御発言がございますでしょうか。よろしいですか。それでは事務局提案の報告書ですが、先ほど部長のほうからも御発言がございましたとおり大幅な修正意見はございませんでした。ただ、細かい所で幾つかまだ御意見があるかと思います。御意見のあった内容、また、お気付きの点も含めて、事務局に修正していただく方向でまとめさせていただき、最終的な判断としましては座長一任という形で、この報告書を速やかにまとめていくことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、この後は事務局のほうと調整させていただきまして、速やかに報告書の取りまとめを行っていきたいと思います。御参集の皆様におかれましては、3回にわたり本件に関する活発な御議論、ありがとうございました。その他について事務局からございますか。よろしいですか。それでは、最後、安井部長から御挨拶をよろしくお願いいたします。
○安全衛生部長 本日、闊達な御議論をいただきましてありがとうございました。昨年度から検討を始めまして、労働安全衛生総合研究所のほうに包括的な調査もしていただきました。また、その御議論を踏まえた後に追加ヒアリングもしてという形で、実態把握にはかなり意を払って、現実に支障のないような形で改正案をまとめることができたということでございます。労働安全衛生総合研究所の山際さんをはじめ、委員の方々の御協力に深く感謝を申し上げる次第です。本日いただいた御意見も踏まえまして、修正案を作成し、各委員に御確認いただいて、最終的にまとまったものにつきまして座長に御確認いただき、報告書を公表させていただきたいと考えています。その後、当然、法令改正がございますので、その法令改正を行う際にはパブリックコメントなども行った上で、労働政策審議会の安全衛生分科会で御議論いただいて、成案をまとめる形で進めてまいりたいと思います。是非、よろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
○澁谷座長 安井部長、ありがとうございました。それでは、第3回はここまでといたしまして、事務局にお返しします。以後の進行をお願いします。
○主任中央安全専門官 澁谷先生、ありがとうございました。本日の議事録などにつきましては、追って事務局から構成員の皆様に御確認いただきまして、公表することとさせていただきたいと思います。以上をもちまして、第3回床上無線運転式天井クレーンの運転に係る資格の在り方に関する検討会を終了します。本日はお忙しい中、ありがとうございました。