第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録|厚生労働省

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和7年11月19日(水)10:00~13:00

場所

オンライン及び対面のハイブリッド会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)小児におけるRSウイルス感染症に対する予防について
(2)高用量インフルエンザワクチンについて 
(3)インフルエンザワクチンの接種不適当者について
(4)2価及び4価HPVワクチンについて 
(5)その他

議事

議事内容
○佐野予防接種課長補佐 それでは、定刻になりましたので、第72回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。
 本日は御多忙のところ、委員の皆様におかれましては、御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議事は、公開、頭撮り可能です。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴される方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
 次に、本日の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、清山委員、白井委員より御欠席との連絡を頂いております。
 現在、委員14名のうち12名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により本日の会議が成立したことを御報告いたします。
 続きまして、資料の確認です。本部会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から、番号09の利益相反関係書類までを用意しております。資料の不足等御不明な点等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○佐野予防接種課長補佐 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 それでは、基本方針部会、またよろしくお願いいたします。
 まず、事務局から審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いいたします。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。
 本日の審議参加の取扱いについて御報告いたします。
 本日御出席の委員から、予防接種ワクチン分科会審議参加規程に基づき、薬事承認等の申請書類への関与、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況について申告いただきました。委員からの申告内容については、番号09の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 天羽委員より、MSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りについて申告いただいておりますので、議題4の組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン及び組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンの審議の際、意見を述べることはできますが、「議決に加わることはできない」に該当いたします。
 なお、このほかの委員で「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当の方はいらっしゃいませんでした。
 また、毎回のお願いとなり、恐縮ですが、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入ってまいりたいと思います。
 まず、議事次第を御覧ください。今日は4つ議題がございます。「小児におけるRSウイルス感染症に対する予防について」「高用量インフルエンザワクチンについて」「インフルエンザワクチンの接種不適当者について」「2価及び4価HPVワクチンについて」でございます。
 今日、少し時間がかかりそうということで、予定している時間も10時から13時までということで少し長めに取っておりますけれども、いつもどおり皆さんから活発な御議論をお願いしたいと同時に、スムーズな議事進行に御協力いただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 では、早速、最初の議題に入ってまいります。議題の1「小児におけるRSウイルス感染症に対する予防について」でございます。こちらは事務局から資料1の説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○幕内予防接種課長補佐 よろしくお願いいたします。
 資料1「小児におけるRSウイルス感染症の予防について」でございます。
 まず、資料の3ページ目を御覧ください。これまでの経緯、小委における取りまとめ等についてお示ししております。
 4ページ目でございます。4ページ目にお示しするとおり、小児におけるRSウイルス感染症の予防については、現在、ファイザー社の母子免疫ワクチン及びサノフィ社の抗体製剤の2種類が薬事承認を得ているところでございます。
 5ページ目は、これまでの検討経緯についてお示ししております。2024年に両製剤が薬事承認を取得し、それ以降、小委員会においては合計4回の議論が行われてきたところでございます。
 続きまして、6ページ目及び7ページ目は、10月の小委員会で行われた議論の取りまとめについてお示ししております。6ページ目では科学的知見の評価、7ページ目においては各製剤に係る知見等が取りまとめられているところでございます。ここにおきまして、母子免疫ワクチンは、技術的検討の結果を踏まえつつ、具体的な運用に関しては基本方針部会等で審議することが妥当であるとおまとめいただき、抗体製剤は、検討結果を基本方針部会に報告した上で、同部会における制度上の論点に係る議論を注視しつつ、必要に応じて費用対効果等について小委員会において引き続き検討するとおまとめいただいたところでございます。
 9ページ目からは、ワクチンと抗体製剤の性能についてお示ししているところでございます。ワクチンとは、投与することで体内で病原体に対する抗体産生を促す等により感染症に対する免疫を獲得するものであり、抗体製剤とは、特定の病原菌などの抗原に有効な抗体を直接体内に注入することで免疫の機能を人工的に獲得させるものであり、それぞれ作用機序が異なるものとされております。予防接種法における予防接種とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを人体に注射し、または接種することをいうとされています。
 10ページ目及び11ページ目においては、薬事承認に係る臨床試験ガイドラインや、辞書、医学辞典等を参照しているところでございます。これらにおいてもワクチンと抗体製剤は区別されているところでございます。
 12ページ目は、抗体製剤の位置づけに関する論点をお示ししております。ワクチンと抗体製剤は作用機序が異なり、学術的に別なものとして扱われていることから、抗体製剤を予防接種法上のワクチンと一義的に解釈することは困難であり、現行制度において直ちに定期接種で用いる医薬品として位置づけることは困難と考えております。
 今回の部会におきましては、まず、母子免疫ワクチンの定期接種化に係る議論を行うこととしてはどうか、また、抗体製剤についても定期接種化に係る議論を早期に開始できるよう、今年度内に本部会において予防接種法に基づく予防接種に用いる医薬品の範囲について議論を開始することとしてはどうか、論点として上げているところでございます。
 13ページ以降でございます。これらを踏まえまして、以降は、小委員会で用いた資料を引用しながら母子免疫ワクチンについてお示ししているところでございます。
 14ページ目は、まず、RSウイルス感染症の疾病負荷について記載しているところでございます。
 15ページ目でございます。事務局案といたしまして、RSウイルス感染症に対する予防接種は公衆衛生上の意義が認められるという点、法に基づく定期接種として実施することとしてはどうかというところについて記載しております。また、集団予防を目的としましたA類疾病に位置づけるのはどうかという形でお示ししております。
 16ページ目からは、定期接種の対象者、接種方法及び用いるワクチン等についてお示ししております。
 17ページ目は、国際共同試験の結果といたしまして、母体妊娠週数別の母子免疫ワクチンの有効性の解析結果等をお示ししております。生後180日以内の重症RSウイルス関連下気道感染症に対する母子免疫ワクチンの有効性は、特に妊娠28~31週及び32~36週に接種する際に有効であることが示されているところでございます。
 18ページ目は、ワクチン接種群とプラセボ群で出生児の有害事象に大きな差を認めなかったことを含め、安全性についての国際共同第Ⅲ相試験の結果をお示ししているところでございます。
 19ページ目と20ページ目は、本邦における2024年5月31日から11月30日までの市販直後調査の結果及び日本人のベースラインデータについてお示ししているところでございます。ワクチン接種によって、早産、死産、低出生体重児、妊娠高血圧のリスクがベースラインデータよりも明らかに上昇するといったことは認めませんでした。
 21ページ目は、副反応検討部会における評価をお示ししているところでございます。こちらにおきましては、令和7年1月から3月における評価について記載しているところでございまして、安全性に関する懸念は示されませんでした。
 22ページ目では、費用対効果分析の結果をお示ししております。
 23ページ目は、本邦における母子免疫ワクチンの薬事承認内容をお示ししているところでございますが、特に用法及び用量に関連する注意として、妊娠28~36週の間に接種することが望ましいとされているところでございます。
 こういった点を踏まえまして、24ページ目に小委員会での御意見や事務局案等をお示ししているところでございます。母子免疫ワクチンを定期接種に用いるワクチンとし、接種方法については薬事承認に合わせること、接種対象は妊娠28~36週の方、すなわち37週に至るまでの方とするのはどうかとお示ししているところでございます。
 また、25ページ目では、ほかのワクチンとの接種間隔について事務局案をお示ししているところでございます。妊婦に対する定期接種のワクチンというのは、現状、特にありませんけれども、この母子免疫ワクチンについては、添付文書におきまして、百日せき菌の防御抗原を含有するワクチンとの同時接種で百日せき菌の防御抗原に対する免疫応答が低下するとの報告がある旨の記載があるところでございます。こういった点を捕まえまして、母子免疫ワクチンについては、ほかのワクチンとの接種間隔について特に定めは置かないこととしてはどうか、同時接種については、同時に接種しようとするワクチンへの影響を踏まえて、医師が特に必要と認めた場合に行うことができることとしてはどうかとお示ししているところでございます。
 26ページ目からは、定期接種化に関する運用についてお示ししているところでございます。
 27ページ目でございます。まず、供給については、令和8年4月より定期接種が開始されも十分量供給可能であるといった旨が製造販売業者から示されているところでございます。また、健康被害救済制度や副反応疑い報告制度におきましては、特に、人は出生のタイミングから権利能力を有すると民法に規定があるといったことを踏まえまして、接種時に胎児であった場合でも、その後、出生した児については、ほかの定期接種のワクチン同様、こういった制度の対象となる旨について確認しているところでございます。事務局案といたしまして、自治体における準備期間を考慮し、令和8年4月1日から母子免疫ワクチンの定期接種を開始してはどうかとお示ししているところでございます。
 28ページ目には、こちらに関する参照条文についてお示ししているところでございます。
 30ページ目、31ページ目は、運用に関連いたしまして、長期療養特例についてお示ししているところでございます。特に母子免疫ワクチンについては接種する時期に意義があるといったところから、これら長期療養特例の対象外にすることとしてはどうかと31ページ目に事務局案としてあげているところでございます。
 33ページ目でございます。RSウイルス感染症にかかったことのある方や、過去の妊娠時に母子免疫ワクチンを接種された方で、次の妊娠以降で再接種を希望する方についても定期接種の対象から除かず、定期接種の対象に含めることとしてはどうかという形で事務局案をお示ししているところでございます。
 36ページ目は、安全性に関する知見をお示ししているところでございます。国際共同試験で特に統計学的有意差は認めなかったものの、妊娠高血圧症の発症がワクチン群で僅かに多かったといった知見が上げられているところでございます。
 また、37ページ目にお示しするとおり、米国の諮問機関でありますACIPにおいて、2023年から2024年シーズンの知見として、母子免疫ワクチンは急性の副反応や早産、低出生体重児、死産との関連が認められなかったとされた一方で、軽度ながら統計学的に有意な妊娠高血圧症候群(HDP)のリスク増加との関連が指摘されたところでございます。
 こういった点を踏まえまして、38ページ目でございますけれども、妊娠高血圧症候群の既往のある方やこれらの高リスクの方を予防接種の判断を行うに際して注意を要する方として、予診票の中において標準的な質問項目に加えまして、明示的にこういった点を確認することとしてはどうかというところで、予診票の案をお示ししているところでございます。
 これらを踏まえまして、40ページ目に事務局案といたしまして、RSウイルス感染症を定期接種に位置づけ、母子免疫ワクチンを定期接種に用いるワクチンとして運用する場合の具体的な規定の案をまとめてお示ししているところでございます。
 以降に関しましては、一般的な制度の資料や小委員会の資料を参考として添付させていただいているほか、参考資料1として、別ファイルになりますけれども、小委員会より国立健康危機管理研究機構に取りまとめを依頼しましたファクトシートについてお示ししているところでございます。
 事務局の資料説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 小児におけるRSウイルス感染症に対する予防ということで、現在、母子免疫ワクチンと抗体製剤があるわけですけれども、今の予防接種、定期接種の立てつけとしてワクチンをまずは検討してはどうか、抗体製剤についてはそれをどのように制度に取り込むことができるかという検討を開始するというお話がありました。母子免疫ワクチンを先に定期接種に導入するというところでの御説明があったということですので、委員の皆様から御意見を頂きますが、その前に小委員会で取りまとめをしていただいた鈴木基委員長にお話ししていただこうと思います。よろしくお願いします。
○鈴木委員 10月22日のワクチン評価小委員会での議論について簡単に報告させていただきたいと思います。資料の6ページ、7ページに議論のまとめとして示されているところです。かいつまんでお話しさせていただきます。
 同日、小児RSVに関するファクトシートが提出されまして、RSVは特に生後6か月未満で疾病負荷が高く、入院例の多くが基礎疾患のない乳児であること、抗ウイルス薬は現状、国内にはなく、母子免疫ワクチンと抗体製剤が主な予防接種手段であるということが確認されました。
 母子免疫ワクチンについては、妊娠後期接種で乳児の重症下気道感染をおおむね70~80%予防し、抗体製剤のほうも生後6か月程度までの入院重症化を7~8割抑制する。一方で、安全性についてもおおむね良好で、母子免疫ワクチンの接種後の妊娠高血圧症候群や、ニルセビマブ(抗体製剤)の効果に影響する要因としての耐性株については、継続的な監視が必要であるとされています。費用対効果については価格依存性が大きく国内データの評価が必要、このようにファクトシートでは整理されています。
 このファクトシートを踏まえて、委員の間での議論のポイントとしては、接種の目的については、0~1歳の罹患入院率が高いことからA類相当の疾病負荷があるということでの事務局案でよいという意見が多数でした。
 母子免疫ワクチンは早過ぎても遅過ぎても効果が下がるということから、妊娠28~36週を対象とするのが妥当であるという意見が多かったです。再接種に関しては、現時点では妊婦に接種した場合の臨床的有効性を評価した知見はなく、健康成人を対象とした知見を参考にして検討していくべき、このような意見がございました。
 抗体製剤に関しては、母体接種ができなかった、あるいは接種後14日以内に早産した乳児や、制度上、希望上、ワクチンを受けなかったケース、これを補完する役割が重要で、RSVの季節性が崩れているという昨今の現状から、実務的には流行期に限定せず生後1年以内の通年投与を認める方向も検討すべきとの意見もございました。また、費用対効果は、価格と組合せ方で大きく異なるため、公的医療の視点に加えて保護者の生産性喪失なども含めた社会的な視点での評価も必要ではないか、このようなコメントもございました。
 私からは以上です。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 小委員会での取りまとめについて御報告いただきました。
 それでは、委員の皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。
 順番に指名させていただきます。まず、伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 抗体医薬を予防接種法の対象とするかについて今後検討されるということを今回お話しいただいたのは大変ありがたかったと思っております。妊婦を対象としたRSウイルスワクチンは「アブリスボ」以外にもあって、GSKのワクチンが2024年に早産を理由に早期開発中止しているので、本ワクチンの早産のおそれについても気になっています。
 また、参考資料1の、今回、作成されたファクトシートの17ページに記載されていますが、RSV症例の死亡率も0.1%以下で、実数でも毎年6~29人程度ということです。29ページを見ますと、早産についても本剤でのワクチン群が5.7%、プラセボ群が4.7%という数値的な不均衡があります。ワクチン接種時期や試験の実施国における所得などの部分解析では不均衡を認めたというふうに記載されていますが、開発を早期中止したGSKのワクチンが6.8%、4.9%でしたから、このワクチンのクラスとして早産を誘発することは多分事実なのではないかと思います。
 もう一点は、RSウイルス感染症にかかりやすいのは、初産時よりも、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる家庭では兄弟がRSウイルスを持ち込んでくる可能性が高いのですが、昨今のワクチンに対する懸念が強い段階で本ワクチンを努力義務の伴うA類疾病にするのは多少懸念があるのではないかと個人的には思います。また、小児のインフルエンザワクチン、呼吸器のワクチンは任意接種なので、それとどの程度の大きな違いがあるのかというのも議論の対象になり得るのではないかという気がします。集団予防を目的とするよりは、個人予防で努力義務を伴わないB類ではないかと思います。地方自治体の負担が少ないA類でという事務方の希望も理解しますが、努力義務が伴うのは多少賛同しかねています。抗体医薬を予防接種法に取り込む際には、A類疾病も努力義務を廃止するなどの議論も一緒にしていただけないかと思っています。ワクチン接種そのものを定期接種に取り込むということについて反対するものではありませんが、そういう意味で、いきなりA類という議論が正しいかということに対して懸念を表明させていただきます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 多くの委員の先生から手が挙がっていますので、順番にお話しいただいて、その後、事務局からレスポンスいただきたいと思います。
 次に、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
 この妊婦用のRSウイルスワクチンを実施することには私は賛成いたします。市町村としてこれがA類となると努力義務、まあ、努力義務といっても、市町村が接種を受ける方に強制するということは全くないので、コロナのときにもこれがけんけんがくがくの議論になったのですが、そういうことは決してありません。ただ、接種勧奨というのは我々市町村にとっては、受ける方への周知を図るという義務をある意味では負うということですので、あったほうが便利かなと思います。例えばB類の場合は、高齢者で、これは接種勧奨はありませんけれども、場合によると多くの市町村が個人通知を送って接種をお勧めしている場合もあります。
 今まで予防接種は、我々市町村は住民基本台帳に従って一定の年齢が来ると1~2か月前ぐらいに通知を送ったのですが、妊婦という状態は住民基本台帳には付随していないので、母子保健法15条で届出を受けた妊産婦に送るという形で、ほとんどの妊娠された方が母子保健法15条で妊娠の届けをなされるのですが、これはあくまでも罰則を伴う強制ではないのですが義務規定となっております。しかし極めてまれに漏れる場合もあるということを含めると、やはり妊婦の健康管理という意味では、接種勧奨がつけば市町村としては単に送るだけではなく必要に応じた家庭訪問とか、場合によっては訪問の際に妊婦にお勧めするとか、いろいろな努力をすることができるので、私的にはA類にあったほうがいいと思います。A類になると、国のほうは一応地方交付税で9割相当補助が出ます。これは我々市町村は中身を見ていないので本当かどうか分からないのですけれども、補助があるという意味でB類よりも財政的な負担は減るということがありますので、できればA類でやるということだと思います。あと、予定では4月1日となっておりますが、ここら辺は、妊婦への通知をどのタイミングでどういうふうにやるかというのは、あくまでも我々市町村としては財政的な裏づけを伴ったりするので、政省令の改正を伴って実際に作業が始まりますので、市町村への国からの説明とか、その辺を適宜しっかりやっていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、宮入委員、お願いします。
○宮入委員 ありがとうございます。
 小児科医である宮入と申します。
 RSウイルス感染症については、小児領域の中では、今、最も疾病負荷の高い感染症であり、大勢の子供たちが犠牲になっておりますので、この母子免疫ワクチンが遅滞なく定期接種としてスタートすることについては非常に期待しておりますし、そのこと自体については特に異論がありません。一方で、抗体製剤については、法律的な解釈の難しさがあるとは思いますが、何らかの形で同時にスタートしていただけないかと思っております。母子免疫ワクチンを接種した場合でも、受益者である小児においての免疫獲得は移行した抗体であります。それを児に直接投与する抗体製剤は同等以上の有効性が期待されますので、そのような解釈ができないかというのが一点であります。
 また、先ほどからいろいろと出ておりますが、被接種者と受益者が異なるというジレンマが今回のワクチンにはございます。そのため、接種を回避する医療者あるいは母体もあるかと思います。そのような状況における対応の手段として抗体製剤は有効だと思います。
 その費用に関しての論点もあるとは思いますが、現在、保険医療制度の下、ハイリスク者に対する抗体製剤の投与がなされておりますが、これは非常に高額です。今回の想定される価格設定を見ますと、それを財源にして多くの健康な小児にこれを分配することができるのではないかと愚考しております。
 最後に、世界的には抗体製剤はワクチンと同様の立ち位置で定期接種として子供に接種されているような状況です。今回、我が国の制度にこれの導入が阻まれている状況で、言ってみれば新たなワクチンギャップと言える状況ですので、そこの解消に法律的な解釈が必要なのであれば、実質的な遅れにならないように定期接種以外の方法でこれをスタートしていただけないと願っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 ワクチンと抗体製剤の違いは理解しつつも、何らかの方法で同時にスタートできないかといった御意見でした。ありがとうございます。
 伊東亜矢子委員、お願いします。
○伊東委員 ありがとうございます。
 私も、今、宮入委員がおっしゃったことと同じ方向でして、そもそも予防接種法上のワクチンは、それ自体の定義が法律上あるところではないということと、こういった新しい抗体製剤というようなものをあえて法律が排除する趣旨でこういう条文になっているということでもないのではないかと思います。有効性、安全性においては懸念なしというところが科学的知見としても出ているかと思いますので、費用対効果の話などもあるとは思うのですが、制度の部分、法律の部分だけで進行が止まってしまうのはもったいないのではないかと考えております。法解釈なのか、改正が必要になるのか、そういった辺りも早期に検討を開始し、遅れがないように導入していく方向が望ましいのではないかと考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
 今まで御発言いただいた委員の先生とかぶるところも幾つかあるので、自分なりに整理して簡単に申し上げますと、まず、母子免疫ワクチンも抗体製剤も開発されてそれほど年数はたっていないのですけれども、これだけの短期間で定期接種というものに掲げていただけること、御検討いただきましたこと、これに関しては非常に感謝申し上げます。
 私も宮入委員と同じ小児科医で、昨日の夜でも今晩でも日本中でRSウイルスで突然入院しなければならないお子様たちが発生していることがずっと続いている状況であって、そういった方々に予防の選択肢を少しでも早く与えるということは、やはり有効性と安全性のデータが集積しているのであれば、一刻も早く必要なことであると思っています。
 そして、私たち学会とか予防接種推進専門協議会でワクチンと抗体製剤の両方の手段が選択できるようになるのがベストであると考えていて、これまでも厚生労働省に対してもそのような要望を上げさせていただいてきました。
 本日、基本方針部会で議論する一番の焦点というのは、RSウイルス感染症を定期接種対象疾患と位置づけるかどうかというのが一番メインだと思いますので、そこに関しては私は完全に賛成でございます。そして、そのためには、薬事承認された手段が複数あれば、それを一刻も早く使えるようにしていただきたいと思っております。伊藤委員、宮入委員が御指摘いただいた努力義務の件とか、薬剤の投与を受ける者と利益を受ける者との違いとか、いろんな点でこれは割と新しい試みの予防法になりますから、法律の点も含めて、たくさんいろいろ乗り越えなければならないことがあることは確かですけれども、早く国民の皆様に届けることができるといいなと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続きまして、笹本委員、お願いいたします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。御説明ありがとうございました。
 私も賛成なのでございますけれども、資料1の36ページで母子免疫ワクチンの安全性に関する知見が報告されておりますし、また、参考資料1のファクトシートの27ページも同様に安全性に関する知見が載っております。商品名で言いますけれども、「アブリスボ」の母子免疫ワクチンは、海外では発売後数年たっておりますので、多くの使用例があると考えられます。「アブリスボ」は海外のどれぐらいの国で使用実績があり、また、海外の使用例の中で深刻な副作用の報告がなかったかどうかということを教えていただきたいと思います。海外で安全性が確認されていれば、国内でも母子免疫ワクチンの安全性に関して、より正確な情報提供ができると考えられます。これは新しいワクチンの考え方ですので、妊産婦の方も大変心配されると思いますので、正確な情報提供をぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、宮﨑委員、お願いいたします。
○宮﨑委員 ありがとうございます。
 抗体製剤のことにつきましては、これを早く使えるようにするということが非常に重要だと思います。一方で、現在の予防接種法を見せていただくと、抗体製剤というのは薬剤と考えられます。従来の免疫を誘導するためのワクチンとは本質的に生理学的に違うものだろうと思いますので、何とか法律等を含めた対応が必要なのだろうと感じたところです。それが一点です。
 母子免疫ワクチンに関して恐らく一般の方が心配されることとしては、先ほど来、出ておりますけれども、受益者と実際の被接種者が異なるということもあって、お母さんの安全性が気になるところだろうと思います。その点に関して妊娠高血圧のリスクはあるということが指摘されていますので、特に今後、実際の接種に使われるであろう、再接種のとき、2人目、3人目のお子さんを妊娠されたときに使うときの安全性については、何らかの継続的な監視といいますか、研究等が必要なのではないかと思ったところです。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、磯部委員、お願いいたします。
○磯部委員 ありがとうございます。
 既に伊東先生が御指摘になった、ワクチンの定義を持たない現行法上、新しいものは排除されるものではないのではないか、法律、制度を理由にストップがかかることは妥当ではないのではないかということを補いたいということでコメントしますが、脇田先生、ごめんなさい。多分3分半かそのぐらいしゃべるかもしれませんが、これは大事な論点ですので、まとめて話させてください。
 今回、抗体製剤を定期接種化するに法改正が必要だという厚労省の御提案についてですが、基本的には賛成するという趣旨を私は持っております。予防接種が公衆衛生向上目的のために個人の身体を侵襲するということだとすれば、何を接種するかについて、本来、法治主義の観点から明確に定まっているということが望ましいですし、法改正して、ワクチンとそれに準ずるものを以下、ワクチン等という、詳細は政令に委ねるといった立法技術的にもそれは十分可能だろうと思います。新規のモダリティーにも柔軟・適切に対応できるメリットといったことを考えれば、法改正して予防接種に用いる医薬品の範囲を明確にクリアにすべきという方向性自体は首肯できるものであります。
 しかし、その理由づけ、あるいは事のてんまつが12ページのようなことになっていいか。つまり、抗体製剤をワクチンと解釈することは困難であると。現行制度で直ちに位置づけることは困難かと言えば、必ずしもそうではない。厚労省独自の困難説と私は言っているのですけれども、それは当然とは思えないということを補足してお話ししたいと思います。
 結論的に、今年度内に本部会で議論を開始してはどうかという結果、「アブリスボ」を打てない母がいて、「ベイフォータス」があるのに、生後、打てない赤ちゃん群が残り続けるという結果が合理的とはあまり思えない。そのような状態が短期間であっても現出するといったことは看過できないと思います。
 ただ、今、宮﨑先生がおっしゃったように、作用機序が本質的に異なるのだ、学術的には別なものだといったことに異論はないのですが、問題は、予防接種法上のワクチンとは何かという解釈問題なのですね。課長通知とか法律より下のものを持ち出したところで決め手にはならず、広辞苑を持ち出したところであまりどうかなと、道路という概念は道路法と道路交通法と建築基準法で全部違うといったように、法概念が相対的であるといったことは何ら違和感はございません。法律の予防接種法の合理的解釈こそが肝要であります。健康児に予防目的で接種する。安全性・有効性をどう評価し、対象を設定し、禁忌の診断を含む実施体制をどう構築し、副作用があればどう対応するか、そういう予防接種制度としてどのような医薬品を位置づけるべきかという観点から、ここでのワクチン概念は検討する必要があります。
 定義はないわけで、2条に書いてあるように、疾病予防目的で免疫獲得効果をもたらす医薬品が予防接種法上のワクチンと位置づけられていて、作用機序は問うていないわけです。歴代、厚生省が監修というか、クレジットで出していた逐条解説でも、ワクチンとは感染症予防目的の医薬品だと、生ワクチン、不活化、トキソイドというのはそれを含むという表現をして、非常に開かれた読み方を可能としていました。例示列挙なわけで、だからこそメッセンジャーRNAも対象として含んできたわけであります。これを言わば従来の解釈、柔軟説とでも言っておけば、そのような観点から母子免疫ワクチンと抗体製剤を別に扱う必要はないのではないかと私は考えます。現行制度のままで十分可能である。
 実際、資料中でも、直ちに位置づけ困難と、「直ちに」という謎の留保がありますけれども、一切駄目とまでは言い切れないからではないか。もちろん、最初に言ったようにクリアにしたいというのは分かりますが、それは新たな解釈をこの際、採用したいという、新たに精緻化したいという立場であって、新たな法改正をすれば、そこから先はそうすればいいが、そうされていないうちは従来の解釈で現行法の下で最適な法執行をするべきだと思います。であるからこそ、去年、開発優先度の高いワクチン一覧更新といったときに抗体医薬が追記されたのは、現行法の柔軟な解釈の中でそれが予防接種法上のワクチンと位置づけられ得るからであったのではないかと思います。
 今回の提案のように、今年度内で議論開始というようなスケジュール感が見えないまま、このタイムラグの差を埋める具体的な方策が示されないまま先送りするというのは妥当な態度とは思いません。結局、タイムラグのツケはRSウイルスから守られない赤ちゃんに回るという帰結は受け入れ難いと思います。個人の健康保持に寄与するための予防接種法が安全で効果的なワクチンへのアクセスをかえって拒むというのは本末転倒な結論ではないかと思い、早急に母子免疫ワクチンとの同時の定期接種化を目指した検討をするべきだと思います。
 すみません。5分かかりました。以上です。
○脇田部会長 磯部先生、重要な論点ありがとうございました。
 それでは、続けて、天羽委員、お願いいたします。
○天羽委員 ありがとうございます。
 私も皆さんの御意見と一緒なのですけれども、私は特に三次医療機関で働いております小児科医で、ハイリスク児たちは今、抗体製剤で守られて、今まで亡くなっていた子たちが本当に助かっています。現在、三次医療機関に重症で来られるのは、6か月未満の健康小児で重症の肺炎になったり脳炎になったりというところで残っていますので、ぜひとも抗体製剤も含めて、法律問題はあるかと思いますが、導入していただけたらと思います。
 費用対効果のことについても、病院にいると、健康なお子さんでも入院するとかRSウイルスにかかって、結局、お父さん、お母さんたちが仕事を休むということが起こっていまして、数日間休んでどうにかやりくりしているというところも現場としてはありますので、それを含めてお願いしたいというところです。
 最後に一点、母子免疫ワクチンのほうについてですけれども、打ってもらわなければ結局広まらないというところで、坂元先生から自治体での取組をすごくおっしゃっていただいたのですけれども、つかまえられない妊婦さんたちにどのように広報していくかも厚労省のほうでお考えがあったら教えてほしいと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 坂元委員、またよろしくお願いします。
○坂元委員 抗体製剤に関して、私もいろんなモダリティーと多様性ができるということは基本的に賛成だと思います。ただ、市町村として、今の薬価の40~90万というのを見てしまうと、これがこのまま定期接種になったら財政的にかなり厳しいという状態です。最近の論文を見ると、ユニバーサルにした場合、4~5万円が適当ではないかという議論もされているので、やはりそこら辺の40~50万から90万というのはかなり厳しい価格です。お金で人の命を云々言うのはあまりよくないことなのですけれども、今までそういうような高額なワクチンは見たことがないので、定期接種化にするときに適正な価格というのを考えながら、できるだけ多くのモダリティーを持つものを採用していただきたいということです。では、薬価で90万ぐらいするものが予防接種になったら数万円となると、では薬価とは何なのだという話にもなるので、今後もしかすると高額な抗体製剤が場合によるとワクチン化されるという可能性は十分あると思うので、その辺の検討はしっかり我々財政を担わなければいけない市町村としてはお願いしたいと思います。
 ヨーロッパの価格を見ると、ヨーロッパは予防接種を医療保険でやっているので、ある意味、薬価でやっていると思います。値段を見ると国によって違いはありますが大体4~8万円ぐらいでやっていて、日本だけの薬価、この場合ハイリスク児への薬価が非常に高いということも含めて、お金のことはあまり言うのはなんですが、やはり抗体製剤も認めていくという方向になると、抗体製剤は、見るとどれも薬価がすごく高いのですね。予防接種としてやっていくときに市町村として価格もしっかり検討していただきたいというお願いです。導入に反対ということではなくて、そういう経済的な観点からもぜひ議論してほしいということであります。
 私からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 一通り手を挙げていただいた委員の先生には御発言いただいたと思います。
 やはり論点としては、まず最初に、抗体医薬のほうと同時にスタートしてほしいという意見と、最後に坂元委員から、もしそうであるとすると価格の面も財政的な負担を考えることが必要だといった御意見がございました。
 また、母子免疫ワクチンに関しては、それほど大きな反対意見はなかったかと思いますけれども、伊藤委員からは早産等の副反応についての懸念はどうかというお話があり、そのほか、妊娠高血圧のリスクということがありましたので、副反応のモニタリングをしっかりやっていくべきではないかといった御意見、それから、おおむねA類でという御意見が多かったと思いますが、努力義務等があるので、これも伊藤澄信委員からだったと思いますけれども、個人予防のB類でいいのではないかといった御意見もあったというところになります。
 あとは、抗体製剤とワクチンの法的な解釈の違いというところなのですが、やはり疾病を予防するという観点でいえば効果は同じというところもありますが、それは法律的な解釈としてどう捉えるか、磯部先生から御意見がございました。そこのお話もあったというところです。
 一点だけ確認しておきたいのは、18ページに局所反応のところがあって、プラセボと比べると、かなり局所反応が、痛みが多く、38%ですか、4割近くの方に見られるということで、妊娠後期の女性に接種するということで、この痛みの反応がそのほかの反応も誘導しないかということが少し気になるところでした。原因が抗原成分そのものなのか、あるいはアジュバントなのかというところもありますけれども、痛みだけで、それほど強いものでなければ問題ではないというところが少し気になったというところだけ確認しておきたいと思いました。
 それでは、事務局にレスポンスいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
○幕内予防接種課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 頂きました御意見について、まず、科学的な知見等について御説明させていただければと思います。伊藤澄信委員に御指摘いただきました、ほかの委員にも御指摘いただきました早産という観点においては、臨床試験等既存のエビデンスを評価したところ、特に統計学的に有意な差をもって早産が増えるといった報告はないと承知しているところでございます。
 また、笹本委員に先ほど御指摘いただきました海外の知見でございますけれども、我々承知しているところで、直近で「アブリスボ」という母子免疫ワクチンがグローバルで販売されてから数年たっているところでございますけれども、180万人程度に接種されているというのは製販業者から伺っているところでございます。各国において市販直後調査のようなものがどの国でもおおむね行われていると承知していますが、一番多いところで、米国の知見が資料中に出ております。ACIPで報告がありまして、そこで評価されている中で、妊娠高血圧症候群のリスクが上がるというのは指摘されているところでございますが、それ以外、特に大きなものは指摘されていないと我々として認識しているところでございます。
 また、その他の安全性に関しまして、先ほど脇田部会長から御指摘いただきました疼痛という観点に関しまして、ほかのワクチンでは、例えばアジュバントによって疼痛が誘発されるといったようなものもあり得ると承知しているところですが、この製剤に関しては特にそういったアジュバントの影響は否定的であると、製販業者より伺っているところでございます。
 まず、科学的知見としてお伺いさせていただきましたところに関しては以上のような形でお答えさせていただければと思います。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。課長補佐の佐野でございます。
 冒頭、伊藤委員や坂元委員から、A類にするのか、B類にするのか、そういった観点の御意見を頂いていたところです。事務局といたしましては、A類なのか、B類なのかという点は小委のほうでも御意見を頂いて議論させていただいたところでございますが、罹患率や、資料にはないものの、基本再生産率の観点から他のA類疾患と同様に考えてよいのではないかという考えの下、今回、A類ということで事務局案として出したところです。
 また、坂元委員から、そういったことで自治体における実務の観点から実際の接種対象者の方へのアクセスがしやすくなるといった御意見をいただきましたが、そういった面も総合的に勘案して、事務局といたしましては、A類が相当ではないかということで本日御審議いただいているところです。
 また、今回、抗体製剤について様々御意見を頂いたところです。委員の先生方の御指摘のとおり、予防接種法上、ワクチンに関して定義は設けられていないのは事実でございますが、宮﨑委員からも御意見がございましたけれども、ワクチンと抗体製剤というのは一般的に学術的には完全に別のものとして取り扱われていると承知しております。そういった中で、今般の法解釈につきましては、所管官庁である厚生労働省が責任を持って行うものと考えております。厚生労働省といたしましては、こういった科学上、全く別のものについてワクチンに含めることは困難だと考えており、現行法上、予防接種法上、抗体製剤を含めるというのは難しいと考えております。
 一方で、今後、定期接種に何を含めていくべきなのか、そういった今後の話については、まさにこの部会において議論すべきことだと考えており、その意味で、今回、12ページ目に、なるべく早期に、予防接種法に基づく医薬品としてどのような医薬品を入れていくのか、御審議をお願いしたいということで論点として上げさせていただいたところです。事務局としても、有用な製剤、定期接種に入れる議論をしたほうがよい製剤について、議論できない状態というのは望ましいものではないと考えておりますので、なるべく早くそういった議論ができるような環境にすべく、今回、12ページのように今年度内にそういった点につきまして御審議をお願いしたいという趣旨で書かせていただいたものでございます。
 事務局としては以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 今、お話があったとおり、抗体医薬を予防接種に含めるかどうかという検討を進める、今年度中には議論を開始するということですけれども、その検討はスピード感を持ってやっていただけるということでお約束いただけますか。
○前田予防接種課長 予防接種課長でございます。
 まず、医学的な母子免疫ワクチンのほうは、今、最後、A類かどうかということで御提案させていただきましたけれども、抗体製剤のほうの法解釈をどういう形で進めるかというのは、今後また先生方と御相談だと思っております。スピード感を持ってということであれば、抗体製剤という具体的なものとワクチンという単語との関係、あるいはそれをどう広げていくか、抗体製剤以外に医薬品の分類で言うところのワクチン以外で予防接種的に使えるものがあるかどうか、そういった様々な論点があろうかと思っております。そういったところを整理して、また御意見をいただきながら議論していくということ、加えて、予防接種法全体を見ると、もちろん現行法の中でこれはもうちょっと柔軟性、あるいはもうちょっと広げる、あるいは明確化する、これは様々な点においてこれまで個別のワクチンを議論する際にも先生方からいただいているところがありますので、そういった論点も含めて全体像をしっかり議論する、これはチョイスとしてあろうかと思っております。これはスピード感とのせめぎ合いでありますから、そこの論点も提示した上で、何を急ぐか、何をしっかり議論するかというところでしっかり整理させていただきながら、議論させていただきたいと思いますし、先生方にも日程調整に御協力いただいて、迅速な開催に御協力いただければ大変ありがたいと思っております。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 委員の先生方にはいつもこの基本方針部会に協力していただいて、明日も開催ということですので、我々としてもぜひそういったことに関しては協力していきたいと思っております。
 ただ、やはり委員の先生方で、母子免疫ワクチンと同時に乳児に対する抗体医薬というものを同時にスタートすべきではないかといった意見が多かったことも事実だと思います。今の事務局のお話からいくと、今回は母子免疫ワクチンをまずは予防接種法上のA類疾病に位置づけるということで、抗体医薬に関しては、今、課長がおっしゃったように、今後、議論を迅速に進めていくということだったと思います。ただ、委員の先生方に納得していただけるかどうかはまた別ですので、さらに御意見があれば伺いたいと思います。よろしくお願いします。
 鈴木基委員、お願いします。
○鈴木委員 鈴木です。
 私自身は、今回、母子免疫ワクチンをA類で導入するということには賛成しております。その上で2点、意見を述べたいと思います。
 一つは、安全性に関してです。伊藤澄信委員の最初の御指摘は非常に重要であると私も考えています。早産のリスクに関しては、確かに先行するGSKのワクチンは、フェーズ3トライアルでワクチン群における早産の増加が疑われたことから開発中止となっています。また「アブリスボ」に関しても、フェーズ3トライアルで統計学的に有意差はないものの、ワクチン群において早産リスクがやや高い傾向が見られた。さらに国別解析した場合に、一部の中低所得国において早産リスクが高い可能性が示唆される一方で、高所得国においてはこうした傾向は確認されなかった。これは非常に重要な点で、実際、昨年のWHOのSAGEにおいても議論になり、特に中低所得国においては今後、追加的なデータを収集することが必要との指摘がありました。
 他方で、米国では、先ほど事務局からありましたように、市販後のVSD解析において母子免疫ワクチン接種後の早産リスクは上昇しなかったというリアルワールドデータの報告があります。これらを踏まえると、現時点で日本に導入するに際して、強く早産のリスクを懸念する状況ではないと私自身は考えています。ただ、確かに安全性に関しては非常に慎重に見ていく必要があるので、我が国においてもしっかりとモニタリング体制を整備していく必要があると考えています。それが1点目です。
 2点目です。私は、先ほど申し上げましたように、A類として導入することに賛成いたします。ただ、これは疾病負荷、医療負荷、個人負担の観点からA類に位置づけることが妥当ではないかと考えるからです。一方で、法令上はA類というのは集団予防あるいは流行阻止を目的とすると書かれていると認識しています。実際に母子免疫ワクチンがRSVの流行阻止をするのかというと、必ずしもそういった明確なエビデンスがあるわけではないと思いますので、繰り返しですが、私自身は、疾病負荷、個人負担を下げるという観点からA類に位置づけることには賛成ですが、流行阻止という観点から位置づけることについては必ずしも完全に同意しているわけではない。こういったことから、今後でいいと思いますけれども、そもそもA類に位置づける感染症あるいはA類に位置づけるワクチンとはどういうものであるのかということは整理していく必要があるのではないかと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 安全性と、A類にするか、B類にするかといったところの観点で、A類に位置づけるということは賛成だけれども、従来の蔓延防止という観点よりも、疾病負荷あるいは個人負担を下げるというところでの意見ということですので、こちらもA類、B類の区分といいますか、区別というものをもう一度検討するべきではないかといった御意見もあるということだと思います。
 それでは、磯部委員、お願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。
 先ほどの事務局の御回答は、様々な御意見はありましたがといって抗体医薬の部分を繰り返されたことは、単に従前の説明を繰り返しただけであって、何らこちらの意見を受け止めているものとは思えない。あまり実のあるやり取りになっていないと言わざるを得ないと思います。一般的、学術的にワクチンは別物であり、抗体医薬をそれに含めるのは難しいというふうに、所管庁としての厚労省が責任を持って、そう解釈するとおっしゃいましたけれども、そういう解釈自体、逐条解説では明確に出ていなかったわけです。俄然そのような頑迷な解釈を持ち出すことは、法解釈の安定性や法執行への信頼を自ら損ないかねないというふうに危惧します。しかも、このような問題があるということは、昨年この議論がワクチンの小委員会で始まったときにはもう分かっていたはずのことで、宮入先生が新たなワクチンギャップという表現をされましたけれども、そういうことを避けるようにどうすべきであったのかといった、所管庁として責任を持った検討の進め方ができていたかといえば、そうは思えず、この結末はかなりな手落ちではないかと感じているところです。仮に法制度の議論を将来するとして、でも何とかできないのかというような宮入先生とか伊東先生の御指摘に対しても答えはないということで、もう少し耳を傾けてもらえないものだろうかという感想を禁じ得ないことを申し上げておきます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 続いて、宮入委員、お願いします。
○宮入委員 1点目は、今の抗体製剤の話で、磯部委員に代弁していただいたことはあるのですが、タイムラインについて明示することが可能かということです。
 もう一つは、代替手段について何か検討することはできないのか、定期接種以外のですね。そちらについてお伺いしたいと思います。
 あと、母子免疫ワクチンに関する運用については、またこの後の論点になりますでしょうか。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。今の質疑応答の中でお願いいたします。
○宮入委員 分かりました。
 母子免疫ワクチンに関しては、やはり新しいモダリティーのワクチンということになります。産科の先生は小児科医ほど定期接種化に慣れていないだろうと思われますし、今回、この新しい、受益者と被接種者が異なるワクチンの導入に当たっては、産科、小児科、行政の連携が必須だと思います。それぞれの学会や団体の代表者への事前説明と、それぞれの学会での対応などをもんでいただいて、定期接種が始まる前に情報発信していただけれは幸いです。先ほどの妊娠高血圧症や早産の話、あるいは三種混合との同時接種などの技術的な問題や、筋注や痛みといったところの関連での、接種でHPVのワクチンによる痛みの反応というようなところが出てこないような丁寧な事前の説明が必要になると思います。こちらを進めるということが決まりましたら、事前にそのような機会を設けていただきたいと思っております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 続いて、中野委員、お願いします。
○中野委員 中野です。
 母子免疫ワクチンの運用という点で宮入委員の後半の御発言ともかぶるのですけれども、恐らく諸外国で定期接種に抗体製剤と母子免疫ワクチンの両方を採用している国においては、健常児の通常のお産に対してはどちらかの選択ということになると思います。ただ、各国それぞれで、母子免疫ワクチンを打ってすぐに分娩が始まってしまったら抗体が移行しませんので、抗体製剤が認められていたりとか、現場での運用に関しては結構細かい点があるような気がしています。もし抗体製剤が遅れてスタートするということになると、そういった情報が一切共有されずにワクチンだけの情報が走ってしまうと、いざ抗体製剤が使われるようになった場合でも適正に運用が行われるのかということにちょっと不安がございます。今、宮入委員はそれぞれ関連する学会の調整も含めてということで御助言いただいたかと思うのですが、そういった調整が必要かと私も感じております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、今、4名の委員の先生から御意見を頂きましたけれども、事務局からありますか。お願いします。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。
 まず、鈴木委員から早産の安全性に関して補足の御説明を頂いたところでございます。安全性に関しましては、先ほど事務局のほうからも申し上げたとおりでございますが、後段の宮入委員や中野委員からの御指摘にもつながるところであり、こういった安全性や、今回、母体に打つワクチンは定期接種としては初めてということになりますので、そういった情報に関しましては、しっかり丁寧に周知、説明ができればと思います。もちろん関係自治体との連携や、学会との連携が非常に重要と考えておりますので、現場での運用が困らないように我々としてはしっかり連携を行ってまいりたいと考えております。
 また、そもそもA類とはどのようなものにするべきなのかといった点に関しましては、長期的な課題ということで、今回、受け止めさせていただいております。
 続きまして、磯部委員から御指摘がございました抗体製剤のところですけれども、確かに抗体製剤につきましても、予防接種法の趣旨、目的に合致するものがあると認識しておりますが、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、抗体製剤とワクチンというのは科学的には別物でございまして、厚生労働省としては、現行法のワクチンで解釈することは困難と考えているところでございます。議論の進め方がもう少しどうにかなったはずであるといったような御指摘に関しましては、事務局として重く受け止めさせていただければと思います。
 また、宮入委員から、今後のタイムラインの話、代替手段の話がございましたが、その点に関しましても、我々といたしましては、12ページに示しましたとおり、できる限り早期にこの点については御審議いただきたいと考えておりまして、今年度内に議論を開始するということで書いております。その議論がいつまでかかるのかといった点に関しましては、先ほど少し議論がありましたが、迅速性と丁寧な議論のバランスで決まってくるところかと思います。明示的にいつ議論が終わるという目安を事務局のほうから今の時点で示すのは逆に審議に制約を設けてしまうことになりますので、お示しすることはできませんが、事務局としては、なるべく早く審議が進められるよう準備をしてまいりたいと考えております。代替手段については現在具体的な検討はしていないところでございますが、いずれにせよ、この審議をなるべく早く進めてまいりたいと事務局としては考えているところです。
 以上です。
○鎌倉予防接種課長補佐 課長補佐の鎌倉と申します。
 先ほど磯部委員に追加で御指摘いただいた抗体製剤とワクチンとの関係について補足させていただきますと、確かにワクチンに関しても、定義もありませんし、コンメンタールについてもこういったものを含むというような書き方になっているというのは承知しているところではあります。一方で、ワクチンと抗体医薬、抗体製剤についてこの場でもいろいろな御意見がある中ですし、学術的にも国際的にも一般的にも別なものであるという取扱いがなされている中で、予防接種法上のワクチンの中に抗体医薬も含むのだということ、「ワクチン」という4文字の中に含むのだという解釈がどこまで国民の皆様に説明できるのかというところを考えなければいけないかと思っております。特にワクチンに関してはいろいろなお考えを持っている方がいらっしゃる中で、厚生労働省としてもきちんと明確に御説明していく必要があるといったことを踏まえますと、きちんと整理した上で、ワクチンというものと抗体医薬は別なものなので、きちんと改正する、適正な手続を踏むといったほうが適正なやり方なのではないかと考えているところでございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 あと、母子免疫ワクチンを導入された場合に、関係機関、学会、あるいは国民の皆様への情報発信、そういったことをしっかりやってくださいということでしたので、ぜひよろしくお願いします。
 また、坂元委員から最初にあったと思いますが、届出のある妊婦にはいくというところですけれども、やはり外国人の方が住民となっているところもあって、そういったところには届きにくいということもあるかもしれませんので、そういったところへの周知もまたお願いしておきたいと思いました。
 磯部先生がおっしゃったように、議論がちゃんとできていないのではないかといったお話がありました。そこのところは、キャッチボールがうまくできていないのかというところもありますけれども、抗体医薬の導入については、委員の皆様は、もちろんRSウイルス感染症予防において有効なものをなるべく早く定期接種に導入したいという思いは共通だと思いますが、現状、厚労省の法解釈ではなかなか難しいといったことが繰り返し言われているところでございますので、そこは、先ほどからあるように、なるべく早く、早急にスピード感を持って、法改正であれば法改正できちんとそこの定義をしていただきたいというところではあると思います。
 さらに、委員の皆様から御意見が強くあれば、お願いしたいと思います。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 私、先ほど申し上げたのですが、抗体製剤を使うことに全く反対するものでもなく、幅が広がるという意味でいいのですけれども、今後そういうものが入ってくると、事実上、予防接種のワクチンというのは薬価がなくて、ある程度メーカーが自由に決めてやっていく。ところが、抗体製剤となると、恐らく薬価が決まってからというのがあると、薬価とは何なのか、ワクチンで使うときと医療で使うときの値段があまり違うと、やはり一般市民から見たら一体薬価算定とは何なのかという話になってきてしまうので、この辺の議論も我々市町村としては大事かなと思います。
 なぜかというと、今、例えば抗体製剤が40万から90万すると、ほとんどの市町村が小児医療費は無料でやっているので、実質、保護者の方に負担がいくわけでもない。それから、A類も事実上無料なので、接種を受ける側からみたら無料なのですけれども、その原資は全て税金なので、そこの在り方ですね。同時に、抗体製剤を今後導入してくるとなったときに、薬価が決まったものを予防接種でやるときに、どうなのか、どういう費用算定根拠にするのか、しっかり考えていかないと混乱が現場として起こるかなというふうに思っております。それを検討した上での導入には私は賛成です。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 前田課長、お願いします。
○前田予防接種課長 本日の意見は、特にこの2つの論点、特に抗体製剤について御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 価格の点で申し上げれば、我々、予防接種法に基づく基本計画の中でもいかに効率的に接種を進めていくかを一つの大きな論点にしているところでございますので、そういう形で自治体あるいは医療機関に御購入いただく定期接種としてのワクチンの価格を透明化する、リーズナブルな価格にしていくということが非常に重要だと思っております。
 薬価については、当然、保険医療の中でハイリスクの方に使用するという使用範囲を前提にした価格でありまして、他方、仮に定期接種に移行した場合に広く使われるというと、また考え方が違うところもございます。最終的に価格の統制というのは、薬価の場合は当然、保険の収載でありますので、公定価格を定めますけれども、予防接種の場合はほかのワクチン同様、総取引ということで、特に我々、価格は設定いたしませんが、今回、例えば帯状疱疹ワクチンでありましたら、こういう形の積算をベースに予算措置を講じているということを示しております。そういった取組も自治体の皆さんあるいは医療機関の皆さんが購入される際の目安になるかと思っておりますので、そういった取組を通じて、予防接種基本計画に位置づけたような効率的な定期接種について我々も自治体の動きについて支援していきたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。そのほかございますか。
 この部会の役割は、小児に対するRSウイルス感染症に対する予防接種をどのように、この事務局案がありますけれども、それに基づいて認めていくのかどうかというところを判断するということになります。
 一つは、母子免疫ワクチンを定期接種に入れるかという論点が今日あり、それについては様々議論がありましたけれども、大きな反対意見はなかったと思います。ですので、それについては委員の皆様の御意見を踏まえて定期接種化に向けて進めていただきたいというようなことになろうか思います。一方で、抗体医薬に関しては強い御意見もあったところです。ですので、そこをどう考えるかということになりますが、一つの案としては、やはり今、直ちに厚生労働省として抗体医薬を定期接種に同時に導入するのが難しいということでありますので、この部会としては、母子免疫ワクチンの定期接種化については事務局案プラス今回の委員の皆様の御意見を踏まえて進めていただく。そして、抗体医薬についても、部会としては、その重要性、必要性というものは委員の皆様として認めるところですけれども、定期接種に導入するための整理、そこのところをしっかりと迅速に議論を進めていただきたいということかと思いますが、そのような取りまとめでいかがでしょうか。よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 それでは、今、言ったようなことで取りまとめたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、議題1については以上としたいと思います。
 次に進みます。議題の2「高用量インフルエンザワクチンについて」であります。こちらは資料2が提出されていますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○上野予防接種課主査 事務局でございます。
 事務局より資料2「高用量インフルエンザワクチンについて」、御説明いたします。資料2を御覧ください。
 2ページ目を御覧ください。2ページ目では各論点について記載しております。まず、これまでの経緯、小委における取りまとめ等でございます。
 4ページ目を御覧ください。現状の高齢者に対するインフルエンザワクチンの定期接種の目的・対象者等についてでございます。現在、インフルエンザワクチンの定期接種は、個人の発病・重症化予防を目的として高齢者等に対して実施しております。具体的な接種対象は65歳以上の者と60~64歳のハイリスク者であり、インフルエンザHAワクチンを毎年度1回接種することと定められております。
 5ページ目を御覧ください。高齢者に対して承認されているインフルエンザワクチンについてお示ししております。現在、高齢者に対して承認されているインフルエンザワクチンは、不活化インフルエンザHAワクチンと高用量インフルエンザHAワクチンであり、共に鶏卵培養のワクチンですが、高用量インフルエンザHAワクチンは標準量インフルエンザHAワクチンの4倍量の抗原を含みます。
 6ページ目を御覧ください。高用量インフルエンザワクチンに係るこれまでの経緯についておまとめしております。高用量インフルエンザHAワクチンは、令和6年12月に60歳以上に対する使用について薬事承認され、本年2月、9月、10月に「ワクチン評価に関する小委員会」において御議論いただいたところでございます。
 続きまして、7ページ目、8ページ目では、先月行われました第32回「ワクチン評価に関する小委員会」における高用量インフルエンザワクチンについての技術的な観点からのまとめについてお示ししております。
 7ページ目では、知見の評価といたしまして、疾病負荷、ワクチンの有効性、安全性、費用対効果についてお示ししております。有効性としましては、高用量インフルエンザワクチンは、標準量インフルエンザワクチンと比較して優れた免疫原性、発症予防効果、入院予防効果が確認されております。また、標準量インフルエンザワクチンと比較した相対的な有効性は、年齢が上がるほど高い傾向にあるとする報告がございます。安全性としましては、高用量インフルエンザワクチンは、標準量インフルエンザワクチンと比較して局所反応や発熱などの全身性の有害事象の頻度が高い傾向にありますが、重篤な有害事象の頻度は同等であり、重大な懸念は認められておりません。費用対効果としましては、年齢階層別に導入年齢を検討したところ、65歳以上に導入する場合であっても費用対効果は良好ですが、75歳以上に導入する場合が最も費用対効果に優れるという結果でありました。
 8ページ目では、7ページ目の知見の評価を踏まえまして、取りまとめいただいた内容についてお示ししております。高用量インフルエンザワクチンの有効性、安全性、費用対効果の知見を踏まえると、高齢者のインフルエンザに対して定期接種に用いるワクチンとして、現行の標準量インフルエンザワクチンに高用量インフルエンザワクチンを追加することは妥当である。また、接種対象年齢については、65歳以上において良好な有効性や費用対効果を認める一方で、高用量インフルエンザワクチンの相対的な有効性は年齢が上がるほど高い傾向にあることや、75歳以上に導入する方針が最も費用対効果に優れることといった技術的な知見も踏まえ、具体的な運用については総合的に検討を行う必要がある。また、高用量インフルエンザワクチンを定期接種に追加する場合でも、目的は現行どおり「個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資すること」とすることが妥当である。また、上記の技術的な取りまとめを踏まえ、定期接種で使用するワクチン及び接種対象年齢等については引き続き「予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」等で審議することが妥当である。
 なお、接種対象年齢や運用上の規定の検討に当たっては、優先順位づけを含めて、接種対象者が適切な選択ができるようにすること、現在の接種対象者への接種機会の確保、また自治体や医療機関における運用、ワクチンの安定供給及び国内の生産体制維持等の制度上の観点も考慮した検討が必要であるといった御意見があったと取りまとめいただきました。
 続きまして、定期接種に用いるワクチン、対象者及び接種方法等についてでございます。
 10ページ目では、御参考としてインフルエンザの概要をお示ししております。
 11ページ目、12ページ目では、高用量インフルエンザワクチンの有効性に関して海外における発症予防効果、入院予防効果の知見についてお示ししております。
 13ページ目では、国内における高用量インフルエンザワクチンの免疫原性の知見についてお示ししております。
 14ページ目では、研究班において実施いただきました高用量インフルエンザワクチンの費用対効果の分析結果をお示ししております。
 15ページ目を御覧ください。定期接種の対象者についての論点についてお示ししております。まず、ワクチン小委における知見の評価、取りまとめを一部抜粋し、お示ししております。また「予防接種に関する基本的な計画」のワクチンの供給の確保に関する記述を抜粋し、お示ししております。
 続きまして、16ページ目を御覧ください。定期接種の対象者についての事務局案をお示ししております。まず、75歳以上において高い有効性と優れた費用対効果が認められていることや、現行のインフルエンザワクチンが国内3社による供給であることを踏まえたインフルエンザワクチンの安定供給及び国内の生産体制維持の観点から、高用量インフルエンザHAワクチンの接種対象者については75歳以上の者としてはどうか、また、標準量インフルエンザHAワクチンと高用量インフルエンザHAワクチンの接種対象者が異なることによる医療機関や自治体事務の変更に伴う現場での運用の混乱を避ける観点から、75歳以上の者とする規定については、定期接種実施要領等の通知において規定することとしてはどうかとお示ししております。
 続きまして、17ページ目を御覧ください。高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種方法についてでございます。現行の標準量インフルエンザHAワクチンと高用量インフルエンザHAワクチンとでは、用法及び用量に関する記載が異なっております。その上で、事務局案として、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量イン フルエンザHAワクチンを追加する場合、高用量インフルエンザHAワクチンについては、省令・通知ともに「0.7mLを毎年度1回筋肉注射する」旨としてはどうかとお示ししております。
 続きまして、18ページ目でございます。ほかのワクチンとの接種間隔及び同時接種について、定期接種実施要領及び標準量インフルエンザワクチン並びに高用量インフルエンザワクチンの添付文書上の規定をお示ししております。事務局案としましては、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量インフルエンザHAワクチンを追加する場合であっても、ほかのワクチンとの接種間隔については現行規定のとおり接種間隔の定めは置かないこととしてはどうか、同時接種についても規定のとおり医師が特に必要と認めた場合に行うことができることとしてはどうかとお示ししております。
 続きまして、運用上の各規定について、まず、長期療養特例についてでございます。
 20ページ目では、長期療養特例の概要についてお示ししております。
 21ページ目を御覧ください。長期療養特例に関する疾病別の対応につきまして、現行のインフルエンザでは適用除外としているところ、事務局案としまして、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量インフルエンザHAワクチンを追加する場合であっても、現行規定のとおりとしてはどうかとお示ししております。
 続きまして、定期接種対象者から除かれる者等についてでございます。
 23ページ目を御覧ください。高用量インフルエンザワクチンの定期接種対象者から除かれる者等として、高用量インフルエンザHAワクチンの添付文書の記載や、現行の予防接種法施行規則における規定を踏まえ、事務局案としましては、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量インフルエンザHAワクチンを追加する場合であっても、現行規定のとおりとしてはどうかとお示ししております。
 続きまして、予診票についてでございます。
 25ページ目でございます。インフルエンザワクチンの予診票につきましては、事務局案としまして、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量インフルエンザHAワクチンを追加する場合であっても、現行規定のとおりとしてはどうかとお示ししております。
 最後に、これまでの内容のまとめでございます。
 27ページ目でございます。これまでの内容のまとめとして、高齢者のインフルエンザの定期接種に用いるワクチンとして高用量インフルエンザHAワクチンを追加する場合、定期接種の対象者や実施方法等については以下の趣旨としてはどうかとお示ししております。
 また、28ページ目以降は参考資料として、高用量インフルエンザワクチンの供給についてと安全性に関する知見についてお示ししております。また、参考資料の最後に、インフルエンザワクチンの厚生労働省決定株ワクチンと自社選定株ワクチンの株決定から製造・出荷までのスキームについてお示ししております。高用量インフルエンザワクチンは自社選定株ワクチンに該当しますが、WHOの推奨株から株を決定しているという点は厚生労働省決定株ワクチンと共通しております。
 事務局からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 高用量のインフルエンザワクチンについて、こちらも小委員会のほうで取りまとめをしていただいて、その取りまとめに基づいて高齢者のインフルエンザの定期接種に高用量インフルエンザHAワクチンを追加してはどうかという御提案です。その接種対象者、用いるワクチン等、御説明があったとおりですけれども、こちらは対象が75歳以上の者、有効性あるいは費用対効果等々勘案して、それから国内のインフルエンザHAワクチンの生産体制維持の観点もあるといったお話だったと思います。
 それでは、鈴木基先生、お願いします。
○鈴木委員 鈴木です。
 それでは、高用量インフルエンザワクチンについても簡単に小委員会の議論を取りまとめておきたいと思います。
 同日の小委員会に、高用量インフルエンザワクチンに関するファクトシートが提出されました。ファクトシートでは、高用量インフルエンザワクチンは、60歳以上において標準用量と比べて、免疫原性、臨床効果が一貫して高く、一方で安全性という観点からは、局所・全身反応はやや増えるものの、重篤な有害事象は同程度と整理されています。こうした知見を踏まえて、諸外国では既に高齢者向けに、より高免疫原性な製剤を推奨する流れにあるということもまとめられています。
 これを踏まえた委員からの議論としては、定期接種に高用量を追加すること自体にはおおむね異論はありませんでした。標準量も引き続き選択肢として残して、接種する側がしっかりと選択できるように情報提供することが重要ではないかといったような意見がございました。一方で、対象年齢に関しては、75歳以上に限定せず65歳以上全体に機会を提供すべきではないかといったような意見が複数ございました。確かに高齢になるほど費用対効果はよくはなるけれども、65歳から74歳でも、有効性、費用対効果の点からこうした世代においても接種の機会があるべきではないかといったような意見がございました。一方で、年齢を下げるほど追加的な費用対効果が低下するために、予算という観点から慎重な政策判断が必要ではないか、このようなコメントもございました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見を頂きたいと思います。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 御説明どうもありがとうございました。
 高用量インフルエンザワクチンの導入には賛成です。ただ、75歳以上という、費用対効果が非常に高いという観点、それも納得はいくところなのですが、法律的にはインフルエンザワクチン定期接種が65歳以上というふうに規定されて、75歳以上に縛るというのは一体どういう規定を用いるのかです。我々市町村は、市民の方から打ってほしいと言われたときに、あくまでも法的な根拠で判断して「いや、あなたはこの対象年齢ではないですから」と答えて受け付けを断っております。そうすると、65歳以上で「私は高用量がいい」「でも、あなたは75歳ではないから駄目ですよ」といったときに、「それは何の根拠か」と言われたときに、市町村の現場の窓口としては、やはり法的根拠がないものというのは市民の方に説明できないという難しさがあります。75歳というのを一体どういう縛りでやっていくのかです。この高用量ワクチンが仮に5000円程度で供給されて、市町村が補助をつけると、現有のインフルエンザワクチンとそんなに大きな料金差は出ない、そうなると「やはり私は高用量」となり、さらにデータ的には明らかに高用量のほうが効果が高いというのが出れば、明らかにそっちを市民は選択すると思います。
 これは実際、例があって、帯状疱疹ワクチンでも生ワクと不活化があって値段が全く違うのに、どの市町村もそうだと思いますが、圧倒的に不活化、価格が高い不活化のほうを効果がいいということで市民が選んでいる現状があるので、ここの年齢設定に関しては、どういう縛りで75歳以上にするのか、それは法律なのか、法律ではないのか、その点に関して我々市町村としては現場に任されても非常に困るというところがありますので、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 まず、委員の先生方の御意見を聞いてまいります。
 伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 このワクチンは鶏卵のHAワクチンなので、基本的には従来のものと似たり寄ったりなのでしょうけれども、局所反応は、HA含量に応じて痛みの程度は違うというのは分かり切っているので、情報提供をきちんとしなければいけないと思います。
 もう一点は、皮下注と筋注で違っているのですけれども、メッセンジャーRNAワクチンのときは抗血栓薬を服用している人への筋注の問題が発生していたと思います。今回御提案いただいている予診票を含めてですけれども、筋注への配慮はされるのでしょうか。どうされるのか、教えていただきたいと思います。基本的に中身は一緒でしょうけれども、打ち方の違いは周知しないと、間違い接種が増えるのではないかと懸念します。その点も含めてどうなっているのか、教えてください。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 宮入委員、お願いします。
○宮入委員 宮入です。
 事務局が提示していただいた案については賛成です。論点は少しずれるのですが、国内の生産体制の維持が重要ということに関しては賛成で、今後、国内のメーカーで高用量のインフルエンザワクチンを開発する、あるいは現行の標準量のインフルエンザワクチンの接種率を上げるというようなことについて何か取組があれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 国内生産体制の維持という観点からそういった論点があろうかと思います。ありがとうございました。
 続きまして、天羽委員、お願いします。
○天羽委員 ありがとうございます。
 現場のことを言うと、誤接種が増えないかというのがすごく危惧されて、接種方法も65歳と75歳で変わってくるとなると、誤接種の対策として、先ほど坂元委員がおっしゃっていたみたいに問診票に年齢を書くとか、もうちょっと何か工夫がされたらいいかなと感じました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、取りあえず4名の委員に御意見いただきましたので、事務局からレスポンスいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。
 まず最初に、坂元委員から御指摘がありました75歳以上をどのように規定するのかという点ですけれども、今回、16ページ目の事務局案のとおり、政省令では65歳以上とした上で、定期接種実施要領などの通知では75歳以上と明記しようということで事務局案とさせていただいております。自治体におかれましては、定期接種実施要領に従って実際に定期接種を行っていただいているところと認識しておりますので、そういった意味で、75歳以上という旨について通知においてしっかり書かせていただこうと考えております。
 その点に関しましては、先ほど伊藤委員や天羽委員からもございましたけれども、また小委員会でもその点、議論になった点でございますが、現行65歳以上でインフルエンザワクチンを打っているところ、75歳以上で高用量について選択可能とするといった運用は初めての運用となります。そういった意味で、現場で間違えて65歳以上から74歳の方に打ってしまうといったような状況が生じる可能性があるのは事実かと思います。そういった際に、自治体のほうで一定程度柔軟に対応が可能となったほうがよいのではないか、そういったような趣旨の御意見もこれまで小委員会でも頂いておりまして、その点を踏まえて、今回、事務局案といたしましては、75歳以上という点について通知で定めるということで出させていただいたところです。
 今後、実際に定期接種化後の現場の実態も踏まえまして、今回、通知で定めるとした場合におきましても、未来永劫変えていかないということではないと思いますので、現場の実態を見ながら、その点も引き続き検討していくということも議論としてはあり得るかと考えております。
 また、宮入委員から頂きました国内生産体制の維持の観点に関しましては、インフルエンザではないですが、コロナのワクチンなどにつきましては、そういった国内生産体制の維持の観点からの取組も我々としては行っているところです。
 また、最後に天羽委員から頂きました問診票の工夫など、そういった点につきましては、本日頂いた御意見も踏まえまして、実際、定期接種化となる場合につきましては、事務局のほうで現場がなるべく迷わないような運用ができるよう工夫してまいりたいと考えております。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 伊藤委員からは、高齢者で抗血栓薬が投与されている場合の注意喚起というものがされるか、もう一点、宮入先生が言われたのは、コロナのような生産設備体制の維持とか、そういうことではなくて、通常のHAワクチンをより広く打っていただくような周知、喚起だとか、あるいは国内メーカーに高用量ワクチンをつくってもらうような取組、そういったことを進めてもらってはどうか、そういった話だったと思います。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。失礼いたしました。
 伊藤委員が御指摘いただきましたような、今回、打ち方が異なるという点につきましても、その点のみならず、今回新たに定期接種化されることになったワクチンにつきましては、改めてそれぞれのワクチンに関する情報、有効性、安全性、また留意事項につきましては、リーフレットなど、そういった広報資材も作成いたしまして、きちんと丁寧に周知してまいりたいと考えているところでございます。
 また、宮入委員御指摘の標準量インフルエンザに関してですけれども、より広く打っていただくということで、こちらは毎年実施しているものにはなりますが、流行期に合わせてインフルエンザワクチンに関する情報発信は今年も続けて行っているところでございます。そうした中で、国内の生産体制の強化について具体に高用量インフルエンザに絞ってというのはなかなか難しいところですけれども、今年度見直しが行われました基本計画の中でもそういったことの重要性というのは明記されたところでございますので、今後、長期的な視点として我々として何ができるかというのは、本日の御意見を踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、坂元委員、中野委員の順番でお願いします。
○坂元委員 御説明ありがとうございました。
 もちろん、市町村が国の実施要領をあえて殊さら無視するとか従わないということはまずやらないと思いますが、先ほど委員の中からもあった、間違って打った場合、これは法的には65歳以上を対象としているので、規則上は間違い接種にならないという理解だと思います。市町村の医療機関への説明のときに、年齢や時期を間違えて打ってしまってどうするのですかという問合せが医療機関から市町村のほうにかなり来るのです。そうすると、いわゆる実施要領、強いて言えば法律ではない、法律は65歳以上だから一応間違い接種としては扱わないという、極端な場合になると思いますが、結構こういう場合が現実に出てくると思います。そういう理解でよろしいかということの最終確認です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
 念のため、一点、確認しておきます。現在の不活化HAワクチンは65歳以上の者に使用、高用量HAワクチンは75歳以上の者に使用、ということは、75歳以上の方は高用量HAワクチンを打っても現在の不活化HAワクチンを打っても定期B類として扱われる。この理解で間違いないか、念のために確認させてください。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 では、事務局、レスポンスをお願いいたします。
○佐野予防接種課長補佐 まず、坂元委員からの御質問でございます。仮に通知に75歳以上と書く場合ですが、厚生労働省としては、当然、通知のとおり、定期接種の対象者は75歳以上の者として考えるものの、政省令上は65歳以上となっていることを踏まえて、最終的には定期接種を行う自治体の御判断ということになると考えております。
 また、中野委員からの御質問につきましては、御認識のとおりで、65歳以上74歳未満の方は現在の標準量ワクチン、75歳以上の方は高用量でも標準量でもどちらでも構わないといった理解です。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
 そうしましたら、おおむね御意見は出たというところで、また、大きな反対の御意見はなかったというふうに受け止めました。事務局案が27ページにございますけれども、高用量インフルエンザHAワクチンをインフルエンザに対する定期接種で用いるワクチンとして、接種の対象者、実施方法、そして開始時期等についてはお示しいただいた案の方向性で基本方針部会としては了承したいと思いました。その上で、ワクチン分科会への審議に進めたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、本日の結論及び委員の先生方の御意見等も踏まえていただいて、ワクチン分科会での審議に向けてよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。議題2については以上になります。
○佐野予防接種課長補佐 脇田先生、長くなってきましたので。
○脇田部会長 今、事務局から御提案がありました。5分間休憩したいと思います。異例ですけれども、もう少し議題がございますので、5分間休憩いたしまして、11時50分から再開したいと思います。よろしくお願いいたします。
 
(休憩)
 
○脇田部会長 それでは、再開したいと思います。
 次は、議題の3「インフルエンザワクチンの接種不適当者について」ということで、こちらも事務局から資料3が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○幕内予防接種課長補佐 事務局でございます。
 では、資料3「インフルエンザワクチンの接種不適当者について」に関して御説明させていただきます。
 スライド2枚目でございます。インフルエンザワクチンの接種不適当者に関する規定について現況をお示ししております。現在、予防接種法に基づく定期接種において、インフルエンザ以外のワクチンについては接種から2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方におきましては、定期接種実施要領に基づきまして、以降のワクチン接種においては予防接種の判断を行うに際して注意を要する方として取り扱われているところでございます。
 特にインフルエンザワクチンに関しましては、平成13年の高齢者を対象とした定期接種化以降、安全性を慎重に担保するという観点から接種から2日以内に発熱の見られた方や全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方については、以降のインフルエンザワクチンの接種については接種不適当者とするという規定が平成17年に定められたところでございまして、現在もこの規定は定期接種実施要領に記載され、運用されているところでございます。一方で、インフルエンザワクチンの添付文書においては、従前より、接種から2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方については接種要注意者とされているところでございまして、取扱いの記載に違いが生じているところでございます。
 この点の規定に関しまして、現場からの御意見等を踏まえまして、今回御議論いただきたい点といたしましては、インフルエンザワクチン接種から2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方を以降のインフルエンザワクチン接種における接種不適当者とするとした定期接種実施要領の規定について、どう取り扱うのが適当か、御議論いただければと存じます。
 なお、ワクチン接種後にアナフィラキシーを呈したことがある方につきましては、別途予防接種法施行規則におきまして、接種不適当者と規定されておりますため、今般のアレルギーを疑う症状というところには含まれないものと御理解いただければと存じます。
 3ページ目でございます。インフルエンザワクチン接種から2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方に関する知見を次の3つの観点から整理しております。
 まず、1つ目、予防接種後、健康状況調査に基づく評価でございます。こちらは、定期接種を受けられた方を対象に接種後の健康状態について前向きに調査したものでございます。令和2年度から5年度の4年間にインフルエンザワクチン接種後の方の健康状況を調査いたしました。3862例の報告のうち、接種後2日以内の発熱が22例、アレルギーを疑う症状を呈した方は6例ございました。この中で、受診や入院につながった方は発熱のために受診した1例のみでございます。
 2つ目は、副反応疑い報告に基づく評価でございます。平成27年から令和6年の10年間におけるインフルエンザワクチンに係る副反応疑い報告のうち、接種後2日以内の発熱またはアレルギーを疑う症状に関する報告を抽出いたしました。この期間のインフルエンザワクチンの総接種回数は、企業の出荷本数から推計し、約5.8億回とのことでございました。接種後2日以内の発熱は、企業報告131例、医療機関報告221例でございました。同様にアレルギーを疑う症状に関しては、企業報告258例、医療機関報告581例でございました。
 これらを踏まえまして、3つ目の検討としまして、この期間に報告されたインフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告事例のうち、過去インフルエンザワクチン接種後2日以内に発熱または全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方を企業が医療機関から個別に収集した情報に基づいて分析いたしました。その結果でございますが、インフルエンザワクチン接種後2日以内に発熱を呈し、その後のインフルエンザワクチン接種後に副反応疑い報告があった方は、重篤例として報告された7例を含みます19例いらっしゃいました。また、インフルエンザワクチン接種後2日以内にアレルギーを疑う症状を呈し、その後、インフルエンザワクチン接種後に副反応疑い報告があった方は、重篤と報告された3例を含む16例いらっしゃいました。重篤と報告された合計10例の詳細の経過につきましては、7ページ目のスライドに参考としてお示ししているところでございます。転院のため、追跡困難となりました1例を除き、ほかは全て治療等によって軽快していることが確認されております。
 続きまして、4ページ目でございます。以上の結果を踏まえまして、定期接種実施要領におけるインフルエンザワクチン接種後2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方を接種不適当者とする規定に関しまして、科学的知見の有無を含めまして、本年9月に開かれましたワクチン小委員会で御議論いただきました。そこで、この規定を積極的に維持すべきという科学的知見に基づく意見はないというところ、副反応検討部会でも見解を頂きつつ、規定の廃止を進めるのはどうかといった御意見を得たところでございます。
 これを踏まえまして、5ページ目でございますが、接種後の副反応という観点から、本年10月に開催されました副反応検討部会におきましても同様にお諮りさせていただきました。アナフィラキシーについては引き続き注意を要するという御意見はありましたけれども、この規定を積極的に維持するべきという科学的知見に基づく意見はないというところ、基本方針部会でも見解を頂きつつ、規定の廃止を進めるのはどうかといった御意見を得たところでございます。
 この上で、6ページ目でございます。本基本方針部会におきましても、インフルエンザワクチン接種後2日以内に発熱の見られた方及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方を接種不適当者とするとした規定について、御意見、御議論を頂ければと存じます。
 以上、事務局からの資料の説明でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 インフルエンザワクチンを接種して2日以内に発熱及び発疹性の全身性アレルギーを疑う症状を呈したことがある者を接種不適当者とする規定についての議論ということでございます。こちらも小委員会と副反応検討部会で議論していただいていますので、事務局案に加えて何か報告していただくことがあれば、鈴木先生はありませんか。
○鈴木委員 小委員会としては、4ページにまとまっているように、基本的に積極的に維持すべきであるといった意見はございませんでした。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 多分、伊藤澄信先生がその議論についてもお話ししていただけるかと思いますが、伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 今回、高用量インフルエンザワクチンの安全性についての知見は、資料2の31ページ目に書いてあるとおりで、HAワクチンの量が増えれば、当然のこととして発熱の頻度が増えますし、この資料を見ても0.8%と、100人に1人は発熱するという状況なので、高用量ワクチンを導入するに当たって接種不適当者の規定は外さないと駄目なのでしょう。その意味を含めて、外しておかないといけないだろうと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 中野委員、お願いします。
○中野委員 従来からあった本規定に関しましては、ワクチン接種後2日以内に認められる発熱とか発疹などのアレルギー症状というのは、ワクチンが原因で起こることももちろんございますけれども、ほかの原因、理由で起こることもあって、現実的な規定ではないのではないかという現場からの声が幾つかあって、私自身も本部会だったか、別の部会だったか忘れましたが、コロナのパンデミックの最中にこの規定に関してコメントさせていただいたことがあったと思います。
 今回、この規定を廃止していいのではないかということを御提案いただいて、私自身は賛成でございます。思うことは、一旦あった規定を廃止するということですので、やはり精査した上でということで、様々な資料をつけていただいて、非常に御苦労があったと思います。頻度の問題とか、あるいは重篤な副反応例は、以前にそういう症状があった方で重篤な副反応に至った例はそれほどなかったということよりも、私たち医療者がしっかりと予診をしなければならないというのは変わらない真実であって、それはこれからもしっかりと守っていきたいと思っています。しかし、その一方で、何となく、前、打った後、数日以内に何かあったから今度はやめておこうといって、打ちたいと思って医療機関に行った方が接種できずに「あなたは、もう打たなくていいよ」と言われたケースもかなりあったように思っておりますので、その点、この規定を撤廃していただくことはありがたいと思っています。どうもありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほかにいかがでしょうか。
 私もこれには賛成なのですけれども、2日以内に発熱及びアレルギーを疑うような症状があるということですから、再度接種するときには十分に注意して接種後の観察をしていただくということは、医療者として当然そこは行うだろうということなので、そこをどういうふうに担保できるかということがあるかと思いました。
 ほかになければ、今、伊藤委員、中野委員から頂きましたけれども、事務局から何かありますか。大丈夫ですか。分かりました。
 ほか、いかがでしょうか。ありがとうございました。
 そうしましたら、ほかに特に御意見ないということですので、インフルエンザワクチンにおいて定期接種実施要領における予防接種後2日以内に発熱の見られた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者を接種不適当者とする規定については廃止して、ほかのワクチンと同様に接種に対しては注意を要する者とする方向性で特に大きな異議はないと思いますが、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そうしましたら、事務局におかれましては、この結論を踏まえまして、定期接種実施要領の改正に向けて手続を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次に参ります。議題の4「2価及び4価のHPVワクチンについて」ということで、こちらは資料の4が提出されております。事務局から説明していただきます。よろしくお願いします。
○上野予防接種課主査 よろしくお願いいたします。
 事務局より資料4「2価及び4価HPVワクチンについて」を御説明いたします。資料4を御覧ください。
 2ページ目を御覧ください。HPVワクチンに関するこれまでの経緯についておまとめしております。平成22年11月から子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業が開始され、平成25年4月1日から2価及び4価HPVワクチンを用いてHPVワクチンの定期接種が開始されました。その後、平成25年6月から積極的勧奨の差し控えを経て、令和4年度から積極的勧奨を再開するとともに、キャッチアップ接種を開始、令和5年度から9価HPVワクチンが定期接種に用いるワクチンとして位置づけられました。そして、令和7年度に限り1年間のキャッチアップ接種の経過措置を実施しているところでございます。
 3ページ目を御覧ください。HPVワクチンの薬事承認状況として、令和7年11月現在、3種類のHPVワクチンが販売されており、いずれのワクチンも定期接種に用いるワクチンとされており、各HPVワクチンがカバーするヒトパピローマウイルスのウイルス型がワクチンごとに異なっていることをお示ししております。
 4ページ目では、御参考として、日本人女性の子宮頸がんにおけるHPV型分布についてファクトシートに記載されている内容を示しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 続きまして、5ページ目を御覧ください。HPVワクチンの接種状況として、令和4年度から令和6年度までのHPVワクチンのワクチンごとの定期接種の実施状況についてお示ししております。令和5年度に9価HPVワクチンが定期接種で用いるワクチンとして位置づけられて以降、定期接種対象者及びキャッチアップ接種対象者における2価または4価HPVワクチンの接種者数は著明に減少しており、令和6年度の定期接種対象者における2価または4価HPVワクチンの1回目または2回目の合計の接種者数に対する割合は、それぞれ1.0%及び1.3%でありました。
 6ページ目を御覧ください。過去に2価または4価HPVワクチンの接種歴のある方が9価HPVワクチンを接種する場合の接種方法についてとして、定期接種実施要領においては、同一の者には過去に接種歴のあるワクチンと同一の種類のワクチンを使用することを原則としつつ、2価または4価HPVワクチンと9価HPVワクチンの交互接種について、安全性、免疫原性及び有効性が一定程度明らかになっていることを踏まえ、過去に2価または4価HPVワクチンの接種歴のある方が9価HPVワクチンを定期接種として接種する場合の接種方法について規定されていることについてお示ししております。
 また、7ページ目、8ページ目は、御参考として、定期接種実施要領の記載の背景として、9価ワクチンの交互接種についてのエビデンスや、HPVワクチンの交互接種に関するWHOの見解についてお示ししておりますので、適宜御参照ください。
 続きまして、9ページ目を御覧ください。組換え沈降2価及び4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンの今後の取扱いについてとして、上の枠囲みに、これまで事務局から御説明させていただきましたHPVワクチンに関する経緯、HPVワクチンの接種状況、また、過去に2価または4価HPVワクチンの接種歴のある方が9価HPVワクチンを接種する場合の接種方法について、お示ししており、それらを踏まえ、事務局案として、キャッチアップ接種の経過措置が今年度で終了することや、HPVワクチンの接種状況、現行の定期接種実施要領の規定等を踏まえ、令和8年度から組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン及び組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンを定期接種で用いるワクチンから除くこととし、組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンのみ定期接種で用いるワクチンとすることとしてはどうか、また、仮に了承された場合、自治体の準備や医療機関の接種体制を確保するため、組換え沈降2価及び価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンの今後の取扱いについて、できるだけ速やかに情報提供を行うこととしてはどうかと示しております。
 続きまして、10ページ目を御覧ください。ヒトパピローマウイルス感染症予防接種予診票につきまして、これまで3種類のHPVワクチンが定期接種に用いるワクチンとして位置づけられていたことを踏まえ、接種希望のワクチンを聴取する項目が存在します。事務局案として、仮に令和8年度から2価及び4価HPVワクチンを定期接種で用いるワクチンから除くこととし、9価HPVワクチンのみをヒトパピローマウイルス感染症に対する定期接種に用いるワクチンとする場合、ヒトパピローマウイルス感染症予防接種予診票から接種希望のワクチンに関する項目を除くこととしてはどうか、また、自治体事務の観点から、新たな予診票を用意するまでの間、従来の予診票を用いることを妨げないこととしてはどうかとお示ししております。
 事務局からは以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 ヒトパピローマワクチンに関してはキャッチアップ接種を行っていましたが、それが終了する。それに伴って、現在、2価、4価、9価の3種類のワクチンが定期接種に用いられていますが、それを9価のみにしていくといった御提案だと思います。
 それでは、委員の皆様から御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
 中野委員、お願いいたします。
○中野委員 中野でございます。
 事務局の御提案に賛成、賛同いたします。カバーする血清型、また現在の国内の使用量、使用実態に鑑み、1種類のワクチンにするほうが分かりやすいという点で賛同いたします。
 お願いなのですけれども、正式な通知を早く出していただくようにお願いしたいと思っています。と申しますのは、せんだって、別のワクチンですけれども、小児の四種混合ワクチンが製造中止になったときも、在庫を持っておられる医療機関が割とあって、先に四種混合ワクチンを打ってしまって、後、どうしたらいいかというお問合せをそれなりに頂いたという何となく現場の感覚があるので、早めに通知を出していただくとありがたいと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 次に、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 御説明どうもありがとうございました。
 市町村の現場としては、1種類に統一されるというシンプルな形で行えるという意味で非常に賛成でございます。中野委員がおっしゃったように早く通知を出すという意味で、市町村のほうには、いつ頃改定するかという日時をできるだけ早くお知らせいただければと思います。お願いでございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 今の使用状況を見ても、9価に統一していくということは現実的な対応かと思いますし、今、坂元委員からもありましたけれども、統一されることで、よりシンプルな定期接種になっていくということで、私としても賛成したいと思います。関連学会あるいは医療機関、そして自治体のほうへの通知をなるべく早くしていただきたいという御要望がございましたので、そこには御対応いただければと思います。
○佐野予防接種課長補佐 事務局でございます。
 医療現場や自治体へ早く周知するという点に関しまして、我々としてもその必要性を考えておりまして、今回の資料4の9ページ目にも明記しております。もちろん、こちらはワクチン分科会のほうで審議を行っていただいて正式決定となりますが、先行して来年度からこのように2価、4価は定期接種から外れる見込みであるという旨につきましては、できる限り早期に自治体等に御案内できればと考えているところでございます。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。大丈夫ですか。ありがとうございます。
 それでは、さらなる御意見はないようですので、まとめたいと思います。2価及び4価のHPVワクチンをヒトパピローマウイルス感染症に対する定期接種で用いるワクチンから除くことについては、御異論ないものと思いますので、基本方針部会としては事務局案のとおりに了承してワクチン分科会での審議に進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 そうしましたら、事務局におかれましては、この結論を踏まえまして、ワクチン分科会での審議に向けて準備をよろしくお願いいたします。
 それでは、これで議題4については以上にしたいと思います。
 本日の議題は以上になりますけれども、今日は特に議題1でかなりいろいろな御意見を頂きまして、そういった議論はしっかりと議事録に残していくことが重要ですので、事務局にも意見をしっかりノートしていただいて今後の検討を進めていただくように改めてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 その他のところで、さらなる御意見ございますでしょうか。
 鈴木基委員、お願いします。
○鈴木委員 鈴木です。
 長くなっているのに申し訳ありません。特に変なことを言うつもりはないですけれども、今回の議論の中で、母子免疫ワクチン、抗体製剤、それから高用量インフルエンザワクチン、いずれも高い効果が得られる一方で、非常に高価である。こういったワクチン製剤は今後も次々と出てくることが想定されます。こうした高価なワクチンを既存のワクチンがある中でどのように導入していくのかを議論するときに、何をどう評価してそれを決めるのかがとても重要になると思います。
 特に費用対効果分析に関して小委員会で議論している立場として言えば、現状ではICER500~600万が参考値として使われています。ただ、例えば前回の高齢者PCV20あるいは今回の高用量インフルエンザワクチンについては、もちろんそれだけが理由ではないけれども、ICERが結果的に最小となる介入を選択していると理解しています。これは、現状、小委員会にせよ、基本方針部会にせよ、必ずしもコンセンサスとなっているわけではありません。今後、新しいワクチン、特に高価なワクチンが登場する中で、どのように費用対効果分析を行い、それをどのように評価して定期接種に組み込んでいくのか。これについて改めて整理していって、委員の間でもコンセンサスをつくっていく必要があるのではないかと思っております。今すぐにというわけではないですけれども、今後の論点として提案しておきたいと思います。
○脇田部会長 鈴木委員、御提案ありがとうございます。
 事務局におかれましては、ぜひその旨お願いしたいと思います。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 本日のテーマとは直接関係ないのですが、ある意味ではワクチンラッシュで、次から次へと新しいワクチンが出てくると、市民の健康を考えれば非常に喜ばしいことですが、市町村にとってはまた重い財政負担になるということもあります。現在、まだ肺炎球菌の議論が中途になってしまって、市町村からすると、4月からRSV妊婦、さっき見ると、10月から高用量ワクチンというふうに議論が押せ押せになっているので、ぜひその一つのロードマップみたいなものをできるだけ早く市町村のほうにお示しいただければ幸いに思います。お願いでございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 池田委員、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
 鈴木先生のほうから医療経済性、費用対効果の取扱いについての検討ということで御指摘いただいたところでございます。費用対効果の分析を担当している、研究班のほうで行っている者としましても、何をもって費用対効果をよいとするかという基準についてもいろんな考え方が世界的にありまして、例えばかなり重篤な疾患については費用対効果の基準は緩和する、緩めるとか、一方、推定の不確実性が大きいときには基準をむしろ厳しく見るとか、画一的な基準で評価するのではなく多面的な様々な観点も入れる。あるいは今日も御指摘があったと思いますが、子供の病気を防ぐことによって家族が仕事を休まずに済む、そういった価値をどう評価するかといったこともございますので、我々の研究班のほうでもいろんな研究を進めていきたいと思いますし、また先生方からもいろんな御示唆を頂きまして、そういった医療経済性、費用対効果をどう考えるかということについても議論できればと思います。
 また、費用対効果だけで線を引くということは各国やっておりません。例えばアメリカのACIPなどでも費用対効果が悪いという理由だけでそのワクチンを非推奨にしたことはないということでございますので、そういった総合的な評価をどういうふうに考えるかということについても先生方と検討していければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 今、費用対効果あるいはそれ以外の要素もあるわけですけれども、ワクチンを導入する際に我々としてもどのように考えたらいいのか、ここでまた一度検討するべきではないかといったところ、さらに今後のワクチンの導入についてロードマップを一定程度示した上で我々も議論していきたい、そういった御希望、御提案がありましたので、事務局にもそこをぜひお願いしたいと思います。
○前田予防接種課長 ありがとうございます。予防接種課長でございます。
 今ほど鈴木委員、池田委員から小委員会の議論の内容を御披露いただきました。少し補足いたしますと、今回、特に高用量インフルエンザを軸にした場合に、既に、ある意味、安価で広く国民に使われているワクチンがある中で、上乗せで、費用がある程度高い、一方で効果が高いというものについて導入する際に、どういう形で費用対効果を評価するかというのは一つ論点になったかと思っております。また、男性HPVの議論も同じく小委員会で議論いただいておりますけれども、そのときにどういうところの範囲について、これも値段が高いというのは御案内のとおりでありますから、どう捉えるかというところの論点だったと思っております。そういう意味では、費用対効果を客観的に評価するときの軸をどうするかということと、また、評価いただいたものについて、特に上乗せみたいなときにどういう形で評価軸とするかというところは非常に重要な論点ということで、特定のワクチンにあまり注目し過ぎて一般ルールを先につくるとよくないと思いますので、個別のワクチンをいつ入れるかみたいな議論と独立して、これはしっかり議論いただいた上で、そのルールを個別に当てはめるとどういう形になるかというところをまた議題としてぜひお願いしたいと思っております。適宜、部会の皆様にも御披露して議論の状況については御報告したいと思っております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 我々の議論がロードマップ上でどこにあるのかみたいなところも委員の皆様にとっては議論の非常に重要なポイントになるかもしれません。ぜひよろしくお願いいたします。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 そうしましたら、事務局にお返ししたいと思います。
○佐野予防接種課長補佐 ありがとうございます。
 本日も活発な御意見、御議論を頂きまして、ありがとうございました。
 次回の開催は明日11月20日の10時からでございます。
 事務局からは以上です。
○脇田部会長 それでは、第72回の基本方針部会はこれで終了いたします。また明日になりますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。